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特表2024-510713インサートホルダーおよびそれを備える切削工具アセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-11
(54)【発明の名称】インサートホルダーおよびそれを備える切削工具アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B23B 29/00 20060101AFI20240304BHJP
   B23B 27/16 20060101ALI20240304BHJP
【FI】
B23B29/00 C
B23B27/16 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548293
(86)(22)【出願日】2021-03-17
(85)【翻訳文提出日】2023-08-09
(86)【国際出願番号】 KR2021003278
(87)【国際公開番号】W WO2022173071
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】17/172,170
(32)【優先日】2021-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515056118
【氏名又は名称】テグテック リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TaeguTec Ltd.
【住所又は居所原語表記】1040,Gachang-ro,Gachang-myeon,Dalseong-gun,Daegu,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】イ,サン ヨン
【テーマコード(参考)】
3C046
【Fターム(参考)】
3C046KK12
3C046KK13
(57)【要約】
本発明は、インサートホルダー及びそれを備える切削工具アセンブリに関し、結合開口を備えるツールシャンクとインサートが結合され、インサートが着脱されるインサートボディと、インサートボディの一面から突出され、ツールシャンクに着脱結合される結合突起を備えるインサートホルダーを含み、結合突起には結合開口に接触されるインサートホルダーをツールシャンクに固定させるための固定力を提供するテーパー接触部と、テーパー接触部の後端で締結部材と結合される接触面が位置される。また、上記のようなインサートホルダー及びそれを備える切削工具アセンブリは、実施例に応じて多様な実施することができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
結合開口を備えるツールシャンクと、
インサートが結合され、インサートが着脱されるインサートボディと、前記インサートボディの一面から突出されて前記ツールシャンクに着脱結合される結合突起を備えるインサートホルダーと、を含み、
前記結合突起には、前記結合開口に接触して前記インサートホルダーを前記ツールシャンクに固定させるための固定力を提供するテーパー接触部と、前記テーパー接触部の後端で締結部材と結合される接触面が位置される、切削工具アセンブリ。
【請求項2】
前記結合突起は、
前記インサートホルダーの前記一面に段差状に突出された支持面部と、
前記支持面部から突出されるネック部と、
前記ネック部から延在され、その一面に前記接触面が形成されて、前記接触面と反対側に前記ネック部の端部から傾斜して突出するとともに前記テーパー接触部が形成される突起ボディを含む、請求項1に記載の切削工具アセンブリ。
【請求項3】
前記テーパー接触部は、前記ネック部の上側部分から下側部分へ170°~190°の範囲の周面に沿うように前記結合開口に接触される、請求項2に記載の切削工具アセンブリ。
【請求項4】
前記結合開口は、
前記支持面部に対応して前記ツールシャンクの前記一面から挿入されて前記支持面部が着座支持される支持溝と、
前記支持溝に接続されるとともに前記ネック部が挿入されて固定される連結溝と、
前記連結溝から前記ツールシャンクの内側に接続されるとともに前記突起ボディが着座され、前記連結溝と接続された部分に傾斜した傾斜面を形成する挿入溝を含む、請求項2に記載の切削工具アセンブリ。
【請求項5】
前記ツールシャンクの側面には、前記挿入溝の一面に連通されて前記締結部材が挿入される締結溝が構成される、請求項4に記載の切削工具アセンブリ。
【請求項6】
前記結合突起の中心は、前記ツールシャンクの前記結合開口の中心から前記接触面の方向にオフセットを有するとともに、前記結合開口の中心に装着される、請求項4に記載の切削工具アセンブリ。
【請求項7】
前記締結部材が締結溝を介して前記結合突起を加圧して、前記テーパー接触部が前記傾斜面に接触するとき、前記接触面と対向する前記結合突起の一面は、前記挿入溝の内側面から所定離間されて非接触となる、請求項4に記載の切削工具アセンブリ。
【請求項8】
前記接触面に対向する前記結合突起の一面と前記挿入溝の内周面が非接触となるために、前記ネック部の周縁端部から前記結合突起の一面端部までの厚さは、前記連結溝の端部と前記挿入溝の端部との間の厚さに比べて小さくなるように備わっている、請求項7に記載の切削工具アセンブリ。
【請求項9】
前記テーパー接触部の角度は、前記結合突起の軸方向を基準として45±30°の範囲を有するように構成される、請求項4に記載の切削工具アセンブリ。
【請求項10】
前記締結部材が前記接触面に噛み合って加圧されると、前記結合突起は加圧方向に押されて曲げ力(bending force)が発生されて、前記テーパー接触部は前記傾斜面に接触されて結合支持される、請求項9に記載の切削工具アセンブリ。
【請求項11】
前記接触面は、前記ネック部の端部で段差があり、前記結合突起の中心軸から近接してカッティングされたフラットな平面を形成する、請求項10に記載の切削工具アセンブリ。
【請求項12】
前記接触面は、前記結合突起の軸方向を基準として第1角度で傾斜して備えられる、請求項11に記載の切削工具アセンブリ。
【請求項13】
前記接触面に前記第1角度を形成して、前記締結部材の加圧によって前記接触面の後面領域から接触が始まって、曲げ力を提供しながら加圧される、請求項12に記載の切削工具アセンブリ。
【請求項14】
前記接触面は、前記結合突起の軸方向の垂直な方向を基準として第2角度で傾斜したフラットな平面で形成する、請求項11に記載の切削工具アセンブリ。
【請求項15】
前記接触面に前記第2角度を形成して、前記締結部材の加圧により前記接触面の底面領域から接触が始まって、接触されながら前記結合突起の上下方向の動きを制限する、請求項14に記載の切削工具アセンブリ。
【請求項16】
ツールシャンクの前面に実装されて、インサートが着脱可能に締結されるインサートボディと、
前記インサートボディの一面から突出されて、前記ツールシャンクに着脱可能に結合されて、前記ツールシャンクに固定されるための固定力を提供するテーパー接触部と、前記テーパー接触部の後端で前記ツールシャンクの異なる方向で締結される締結部材に密接接触される接触面を備える結合突起と、を含む、インサートホルダー。
【請求項17】
前記テーパー接触部の角度は、前記結合突起の軸方向を基準として45±30°の範囲を有するように構成される、請求項16に記載のインサートホルダー。
【請求項18】
前記接触面は、前記結合突起の軸方向を基準として第1角度で傾斜して備えられており、
前記接触面に前記第1角度を形成して、前記締結部材の加圧によって、前記接触面の後面領域から接触が始まって、曲げ力を提供しながら加圧される、請求項16に記載のインサートホルダー。
【請求項19】
前記接触面は、前記結合突起の軸方向の垂直方向を基準として第2角度で傾斜したフラットな平面に形成されて、
前記接触面に前記第2角度を形成して、前記締結部材の加圧によって前記接触面の底面領域から接触が始まって、接触されながら前記結合突起の上下方向の動きを制限する、請求項16に記載のインサートホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インサートホルダー及びこれを備える切削工具アセンブリに関し、ツールシャンク(tool shank)と、ツールシャンクに交換可能に結合され、インサートが結合されたインサートホルダー(insert holder)の結合力を確保でき、駆動時の結合信頼性を確保できる切削工具アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
切削工具には、第1の構成要素を第2の構成要素に確実に結合される工具カップリングを提供されることができる。一部のこのような切削工具では、工具カップリングはねじ式カップリングである。
【0003】
このような切削工具の例は、例えば、US6,582,164号、US7,713,004号およびUS2012/0009027号に開示されている。
【0004】
他のこのような切削工具では、工具カップリングは、第1および第2の構成要素を一緒に確実に締結する差動式作用(differential action)を提供する。このような切削工具の例は、例えば、GB第765943号、US第4,930,956号およびUS第4,557,642号に開示されている。
【0005】
また、他のこのような切削工具では、工具カップリングは概ね半径方向に延びる静止表面(stop surface)を含むことができる。このような切削工具の例は、US第6,506,003号およびUS第5,988,953号に開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような問題点を考慮して創案されたものであり、一つのツールシャンクを使用して多様な形状のインサートを備えるインサートホルダーを装着することができ、ヘッドモジュールとツールシャンクの組立/分解過程を容易にすることができるインサートホルダー及びこれを備える切削工具アセンブリを提供することにある。
【0007】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、インサートホルダーとツールシャンクの結合時に結合信頼性を確保することができ、切削工具が切削駆動を行っている間にもインサートホルダーとツールシャンクの結合信頼性を維持することができるインサートホルダー及びこれを備える切削工具アセンブリを提供することにある。
【0008】
本発明の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていない他の技術的課題は、以下の記載から当業者によって明確に理解されうるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記技術的課題を達成するための本発明の一実施形態による切削工具アセンブリは、結合開口を備えるツールシャンクと、インサートが結合され、インサートが着脱されるインサートボディと、上記インサートボディの一面から突出されて上記ツールシャンクに着脱結合される結合突起を備えるインサートホルダーとを含み、上記結合突起には上記結合開口に接触されて前記インサートホルダーを前記ツールシャンクに固定させるための固定力を提供するテーパー接触部と、上記テーパー接触部の後端で締結部材と結合される接触面が位置されることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態によるインサートホルダー及びこれを備える切削工具アセンブリは、ツールシャンクにインサートホルダーが着脱可能に備えられることによって、多様な形態のインサートを備えるインサートホルダーがツールシャンクに交換可能に備えることができる。
【0011】
また、本発明の一実施形態によるインサートホルダー及びこれを備える切削工具アセンブリは、インサートホルダーだけを交換すれば多様なインサート形態を使用することができ、交換時間を短縮できることはもちろん、交換の容易性も確保でき、交換時間の短縮および交換の容易性で生産性が向上させることができるという利点がある。
【0012】
また、本発明の一実施形態によるインサートホルダー及びこれを備える切削工具アセンブリは、ツールシャンクのインサートホルダーの結合突起に締結部材の接触面と反対面に円周形状の傾斜したテーパー接触部を形成して、締結部材の加圧による曲げ力によりテーパー接触部がツールシャンクの内側締結面に引っかかって安着され、接触結合されながら、インサートホルダーとツールシャンク間の結合信頼性を確保できることはもちろん、切削工具が駆動される過程でもインサートホルダーとツールシャンク間の結合信頼性も確保できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の一実施形態による切削工具アセンブリの概略的な結合斜視図である。
図2図2は、本発明の一実施形態による切削工具アセンブリの概略的な分離斜視図である。
図3図3は、本発明の一実施形態による切削工具アセンブリにおける、インサートホルダーとツールシャンクの分離された別の方向の斜視図である。
図4図4は、本発明の一実施形態による切削工具アセンブリにおける、インサートホルダーとツールシャンクの結合を概略的に示す一方向分離部分斜視図である。
図5図5は、本発明の一実施形態による切削工具アセンブリにおける、インサートホルダーとツールシャンクの結合を概略的に示す異なる方向分離部分斜視図である。
図6図6は、本発明の一実施形態による切削工具アセンブリにおける、インサートボディの一面に形成された結合突起示す平面図である。
図7A図7Aは、本発明の一実施形態による切削工具アセンブリにおける、結合突起が結合開口に挿入された状態で、締結部材の加圧による固定及び結合による力の発生方向を概略的に示す面図である。
図7B図7Bは、本発明の一実施形態による切削工具アセンブリにおける、結合突起が結合開口に挿入された状態で、締結部材の加圧による固定及び結合による力の発生方向を概略的に示す面図である。
図8図8は、本発明の一実施例による切削工具アセンブリにおける、インサートホルダーにテーパー接触部が形成された部分の斜視図である。
図9図9は、本発明の一実施形態による切削工具アセンブリにおける、結合突起が結合開口に着座され、上記締結部材によって密着結合された状態を示す結合図である。
図10A図10Aは、本発明の一実施形態による切削工具アセンブリにおける、結合突起に形成された接触面と、結合開口に形成されたテーパー接触部の他の形状を概略的に示す面図である。
図10B図10Bは、本発明の一実施形態による切削工具アセンブリにおける、結合突起に形成された接触面と、結合開口に形成されたテーパー接触部の他の形状を概略的に示す面図である。
図10C図10Cは、本発明の一実施形態による切削工具アセンブリにおける、結合突起に形成された接触面と、結合開口に形成されたテーパー接触部の他の形状を概略的に示す面図である。
図11図11は、本発明の一実施形態による切削工具アセンブリにおける、結合突起と締結部材の接触状態を示す平面図である。
図12図12は、本発明の一実施例による切削工具アセンブリにおける、結合突起と締結部材の接触状態を示す背面図である。
図13図13は、本発明の一実施例による切削工具アセンブリにおける、締結部材が接触面に接触した状態で加圧時にインサートホルダーの一面及びテーパー接触部に発生れる接触誘導による結合力の発生を概略的に示す面図である。
図14図14は、本発明の一実施例による切削工具アセンブリにおける、締結部材が接触面に接触されて加圧されたとき、インサートホルダーの一面及びテーパー接触部に発生された結合力の状態を概略的に示す面図である。
図15図15は、本発明の一実施例による切削工具アセンブリにおける、締結部材が接触面に接触されて加圧されたとき、接触されて発生された結合力を別の方向から概略的に示した図面である。
図16図16は、本発明の一実施形態による切削工具アセンブリがツールポストに結合された状態を概略的に示す面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の利点および特徴、並びにこれらを達成する方法は、添付する図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すれば明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示する実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現することができ、本実施形態は、単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の範囲によってのみ定義される。明細書全体にわたる同一の参照符号は同一の構成要素を意味する。
【0015】
本明細書において使用されるすべての技術的用語および科学的用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に共通して理解されることができる意味で使われる。また、一般的に使用される辞典に定義されている用語は、明白に特に定義されていない限り、理想的に、または過度に解釈されない。
【0016】
本発明の実施例で使用される用語は、本発明の実施例の範囲を限定するものではなく、本発明の実施例の実施の説明のために使用することができる。また、単数形は、文言で特に言及されていない限り、複数形の意味も含むことができ、特に明記されていない限り、明細書で使用される「含む(comprises)」および/または「含み(comprising)」は、言及された構成要素、及び/又は動作以外の1つ以上の他の構成要素、ステップ及び/又は動作の存在、又は追加を排除しない意味で使用する。そして、「及び/又は、および/または」は、言及された要素のそれぞれ、及び1つ以上のすべての組み合わせを含む。
【0017】
以下、本発明の実施例による切削工具アセンブリ100を説明するための図面を参照して、本発明について説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態による切削工具アセンブリ100の概略的な結合斜視図である。図2は、本発明の一実施形態による切削工具アセンブリ100の概略的な分離斜視図である。図3は、本発明の一実施形態による切削工具アセンブリ100における、インサートホルダー120とツールシャンク110の分離された別の方向の斜視図である。図1ないし図3を参照すると、本発明の一実施形態による切削工具アセンブリ100は、インサートホルダー120と、ツールシャンク110と、前記インサートホルダー120と前記ツールシャンク110とを結合するための結合突起131と、結合開口132と、締結部材133と、を含む結合部130と、を含むことができる。
【0019】
インサートホルダー120は、その一面に多様な形状のインサート122が着脱結合されるように備えることができるし、後述するツールシャンク110と着脱可能に備えることができる。
【0020】
前記インサートホルダー120は、インサート122、インサートボディ121及び前記結合部130の構成のうち結合突起131を含むことができる。
【0021】
前記インサートボディ121は、インサート122が着脱されるようにインサート着脱面を備えることができる。本発明の一実施例では、上記インサートボディ121は、上記インサート122が着脱されるように備えられる例を説明するが、これに限定されるものではなく、インサート122とインサートボディ121が一体型に形成されることもありうるように、多様な変形や変更が可能である。
【0022】
前記結合突起131は、前記インサートボディ121の一面1211から突出されるように備えることができる。上記結合突起131の具体的な構造や構成及び形状は、ツールシャンク110の結合開口132との結合を説明するときに具体的に説明することができる。
【0023】
前記ツールシャンク110は、その一面に前記インサートホルダー120が着脱可能に締結される構成であり、前記ツールシャンク110には前記結合突起131を挿入するための前記結合部130の構成のうち結合開口132が備えることができるし、後述する締結部材133を挿入する締結溝1324が構成されることもできる。
【0024】
上記締結部材133は、上記ツールシャンク110の少なくとも一面、例えばツールシャンク110の側面に形成された締結溝1324を介して上記結合開口132に着座した上記結合突起131の一面と結合して上記結合突起131を押圧するように備えることができる。前記締結部材133は、前記締結溝1324に締結された状態で前記結合突起131を前記締結部材133の軸方向に押して、前記結合突起131を前記結合開口132に密着結合させるように備えることができる。
【0025】
上記締結部材133は、ネジのような締結装置であり、上記締結部材133の回転によってネジ山に沿って軸方向に移動されながら上記締結溝1324を介して上記結合開口132の内側に端部が流入されることができ、上記締結部材133の端部が上記結合突起131と対面されることができる。
【0026】
後述するが、上記結合突起131の一面には、上記締結部材133と接触される接触面1311aをフラットな平面形状で備えることができるし、上記結合突起131の他の一面に上記接触面1311aの反対側には、上記締結部材133の加圧によって上記結合開口132に掛かりながら接触されて結合されることができるテーパー接触部1311bを構成されることもできる。
【0027】
図4は、本発明の一実施形態による切削工具アセンブリ100における、インサートホルダー120とツールシャンク110の結合を概略的に示す一方向の分離部分斜視図である。図5は、本発明の一実施形態による切削工具アセンブリ100における、インサートホルダー120とツールシャンク110の結合を概略的に示す異なる方向の分離部分斜視図である。
【0028】
図6は、本発明の一実施形態による切削工具アセンブリ100における、インサートボディ121の一面1211に形成された結合突起131示す平面図である。
【0029】
図7A及び図7Bは、本発明の一実施形態による切削工具アセンブリにおける、結合突起が結合開口に挿入された状態で、締結部材の加圧による固定及び結合による力の発生方向を概略的に示す面図である。図8は、本発明の一実施例による切削工具アセンブリ100における、インサートホルダー120でテーパー接触部1311bが形成された部分の斜視図である。図9は、本発明の一実施例による切削工具アセンブリ100における、結合突起131が結合開口132に着座され、上記締結部材133によって密着結合された状態を示す結合図である。
【0030】
図4ないし図9を参照すると、本発明の一実施形態による上記結合突起131は上記インサートホルダー120、具体的にはインサートボディ121の一面1211から突出し、上記ツールシャンク110の結合開口132に挿入されるように備えることができる。上記結合突起131は、上記インサートホルダー120を上記ツールシャンク110に結合するための構成である。本発明の一実施例による上記結合突起131の中心軸Oは、上記ツールシャンク110の中心軸Axから上記接触面1311a方向に離間されてオフセットが形成されることができる。また、上記結合突起131は、上記ツールシャンク110の結合開口132に挿入された状態で、上記締結部材133の加圧によって一方向に所定移動されるように備えることができる。具体的には、前記結合突起131は前記ツールシャンク110の中心軸Ax方向に後述する結合突起131のテーパー接触部1311bが結合開口132の傾斜面1321aに接触されるまで一側から他の一側に所定移動されるように備えることができる。
【0031】
本発明の一実施形態において、前記結合突起131は、支持面部1312と、ネック部1313と、突起ボディ1311と、を含むことができる。
【0032】
前記支持面部1312は、前記インサートホルダー120、具体的にはインサートボディ121の一面1211に段差を有し、かつ突出させることができる。本発明において、上記支持面部1312は上記インサートホルダー120、具体的には、インサートボディ121の一面1211から所定の幅と厚さを有する四角形状に突出形成されることを例に挙げて説明できる。前記支持面部1312は、後述する前記ツールシャンク110の支持溝1322に着座され、前記インサート122の切削駆動時に前記インサートホルダー120が前記ツールシャンク110から回転したり、位置がずれたりすることを制限するように支持することができる。また、上記支持面部1312の周面のうち上周面および下周面は、後述する上記ツールシャンク110の支持溝1322の大きさにかみ合う大きさに形成されることができ、上記支持面部1312の周面のうち左周面および右周面は上記ツールシャンク110の支持溝1322よりも小さい大きさを有し、上記締結部材133が上記結合突起131を加圧する時、加圧される方向に所定の間隔で移動可能に備わることができる。
【0033】
前記ネック部1313は、前記支持面部1312から所定の長さを有し、かつ突出形成されることができ、前記支持面部1312の大きさのサイズよりも小さい直径を有する円筒状に形成されることができる。
【0034】
前記突起ボディ1311は、前記ネック部1313から延長形成されるが、前記ネック部1313の軸を中心に、前記ネック部1313の直径より大きい直径を有する円筒状に形成されることができる。この時、前記突起ボディ1311の一面は、上記ネック部1313の端部より軸方向に近接して切削されたような平らな接触面1311aを形成することができる。本発明の一実施例において、上記接触面1311aは、上記インサートホルダー120の左側または右側のいずれかの側面に形成されることができる。上記接触面1311aは、上記ネック部1313の端部で上記結合突起131の中心軸Oに近接するように段差を有し形成され、カッティングされたようなフラットな平面を形成することができる。また、上記突起ボディ1311において、上記接触面1311aが形成された面の反対面には、テーパー接触部1311bが形成されることができる。上記テーパー接触部1311bは、上記ネック部1313の端部と連結される上記突起ボディ1311の端部部分の周囲に所定の曲率を有し、傾斜したに突出するように形成されることができる。前記テーパー接触部1311bは、後述する結合開口132の傾斜面1321aと接触されるように備えられることができる。このとき、図7A及び図7Bに示すように、上記締結部材133によって上記結合突起131が加圧されたとき、上記テーパー接触部1311bは、上記傾斜面1321aに接触しながら固定されるが、このとき、接触される領域は、上記テーパー接触部1311b(上ネック部(1313)の端部回り)の上側部分から下側部分まで170~190°の円周面、好ましくは180°に沿って接触(180°cylinder contact)されることができる。
【0035】
前記テーパー接触部1311bの角度γは、前記結合突起131の軸方向を基準として45±30°、好ましくは45±15°を有するように構成されることができる。
【0036】
前記結合開口132は、前記ツールシャンク110の一側から他側方向に前記ツールシャンク110の内側に形成された溝である。前記結合開口132は、支持溝1322と、連結溝1323及び挿入溝1321を含むことができる。
【0037】
前記支持溝1322は、前記支持面部1312が安着支持されるように前記支持面部1312に対応して前記ツールシャンク110の一面から引き込まれた溝である。上記支持溝1322の上下長さは、上記支持面部1312の周面と噛み合う大きさに形成することができ、上記支持溝1322の一側と他一側の大きさは、上記締結部材133によって一方向に加圧された時、上記テーパー接触部1311bが上記傾斜面1321aに接触する位置まで上記インサートホルダー120の移動可能な距離だけ上記支持面部1312よりも大きく形成することができうる。
【0038】
前記連結溝1323は、前記支持溝1322に連結され、前記ネック部1313が挿入固定される溝である。上記連結溝1323は、上記支持溝1322と後述する挿入溝1321の間に位置されることができる。前記連結溝1323の大きさは、前記支持溝1322の大きさよりも小さく形成されるが、前記結合突起131が挿入されることができる大きさに形成されることができうる。
【0039】
上記挿入溝1321は、上記連結溝1323で接続され、上記ツールシャンク110の内側に延びるように形成されることができる。前記挿入溝1321には、前記突起ボディ1311が着座されることができる。上記挿入溝1321の一側、具体的には上記締結溝1324が形成された部分の内側面は、上記連結溝1323の端部から同じ大きさに延長形成されるが、上記挿入溝1321の他の一側、具体的には、上記テーパー接触部1311bが位置される部分の内側面は、上記連結溝1323の端部から外側方向に広く形成されることができる。すなわち、上記挿入溝1321の他の一側に上記連結溝1323の端部と連結される部分には、上記テーパー接触部1311bと接触されるように傾斜した傾斜面1321aを形成することができ、上記傾斜面1321aの端部から軸方向と平行な上記挿入溝1321の内側面に形成することができる。
【0040】
上記締結部材133が上記締結溝1324を介して上記接触面1311aにかみ合って加圧されると、上記結合突起131は、上記締結部材133が加圧する方向に押されながら上記テーパー接触部1311bが上記傾斜面1321aに接触し、接触した部分を中心に曲げ力(bending force)を発生することができる。
【0041】
すなわち、図7A及び図7Bに示すように、上記インサートホルダー120と上記ツールシャンク110が結合された状態で切削駆動時に上記切削工具アセンブリ100には駆動時の加圧による軸方向の力と、上記締結部材133が上記接触面1311aを加圧することで発生する軸方向の垂直方向の加圧力と、上記テーパー接触部1311bと上記傾斜面1321aとの接触による斜め方向の固定力が発生することがある。
【0042】
また、図7A及び図7Bに示すように、上記締結部材133が上記締結溝1324を介して上記結合突起131を加圧するとき、上記テーパー接触部1311bは、上記傾斜面1321aに接触される。このとき、上記接触面1311aと対向する上記結合突起131の一面は、上記挿入溝1321の内側面から所定離隔されて非接触となることができる。上記接触面1311aに対向する上記結合突起131の一面と上記挿入溝1321の内側面が非接触になるために、上記ネック部1313の周方向端部から上記結合突起131の一面端部までの厚さ(t)は、上記連結溝1323の端部(一側の内周縁)と上記挿入溝1321の端部(一側の内周縁)間の厚さ(T)に比べて小さくT>tを備えることができる。
【0043】
すなわち、上記テーパー接触部1311bと上記傾斜面1321aの接触及び上記接触面1311aに対向する上記結合突起131の一面と上記挿入溝1321の内周面の非接触により、斜め方向に固定力が発生し、このような固定力と一緒に上述した加圧力及び軸方向力により曲げ力を発生させることができる。これにより、上記結合突起131は、上記結合開口132で上記締結部材133によって結合された状態で、結合信頼性を確保することができる。
【0044】
図10Aないし図10Cは、本発明の一実施形態による切削工具アセンブリにおける、結合突起に形成された接触面と、結合開口に形成されたテーパー接触部の異なる形状を概略的に示す面図である。
【0045】
まず、図1ないし図9において、本発明のテーパー傾斜部は、所定の曲率を有する円筒状に形成されることを例に挙げて説明した。しかし、上記テーパー傾斜部の形状はこれに限定されるものではない。
【0046】
例えば、図10Aないし図10Cのように、角領域は所定の曲率を有しながら、各角を連結する部分は直線形態の四角形状に形成され、テーパー傾斜部がこのような四角形状に対応するように形成されることも可能である。
【0047】
図11は、本発明の一実施形態による切削工具アセンブリ100における、結合突起131と締結部材133の接触状態を示す平面図である。図12は、本発明の一実施形態による切削工具アセンブリ100における、結合突起131と締結部材133の接触状態を示す背面図である。
【0048】
図11及び図12を参照すると(図8も共に参照)、本発明の一実施例による上記接触面1311aは、上記締結部材133の端部133aと接触されることができるようにフラットな平面で形成され、上記締結部材133の端部133aは、上記接触面1311aと接触されて密着されることができる平坦な面で形成することができる。このとき、上記接触面1311aと上記締結部材133の端部133aが接触時全ての面が接触されるように構成されず、接触される部分が上記背面及び底面領域に接触されることができるように所定の角度で複角になるように形成されることができる。すなわち、上記接触面1311aは上記結合突起131の中心軸O方向を基準にして第1角度βに傾斜し、上記中心軸方向の垂直方向を基準にして第2角度αに傾斜したフラットな平面に形成され、上記テーパー接触部1311bと傾斜面1321aの接触された部分を中心に追加の曲げ力を提供することができるように構成することができる。本発明において、上記第1角度βは1.5~2.5°、好ましくは2°に形成される例を説明し、上記第2角度αは0.5~1.5°、好ましくは1°に形成される例を説明することができる。このように上記接触面1311aが上記締結部材133の端部と結合された状態で平面方向では2°及び後面方向では1°程度ずれるように接触されることにより、上記締結部材133の端部133aが上記接触面1311aを加圧する時、上記テーパー接触部1311bと傾斜面1321aの接触された部分を中心に追加の締結力が提供されることができ、これにより締結力を向上させることができ、駆動による緩みや流動を防止することができるようになる。
【0049】
図13は、本発明の一実施形態による切削工具アセンブリ100における、締結部材133が接触面1311aに接触された状態で加圧時にインサートホルダー120の一面及びテーパー接触部1311bに発生される接触誘導による結合力の発生を概略的に示す面図である。図14は、本発明の一実施例による切削工具アセンブリ100における、締結部材133が接触面1311aに接触されて加圧されたとき、インサートホルダー120の一面及びテーパー接触部1311bに発生された結合力の状態を概略的に示す図面である。図15は、本発明の一実施例による切削工具アセンブリ100における、締結部材133が接触面1311aに接触して加圧されたときに、接触されて発生された結合力を他の方向から概略的に示した図面である。
【0050】
図13ないし図15を参照すると、上述したように、上記インサートホルダー120をツールシャンク110に締結するために、上記締結部材133が上記結合突起131を加圧すると、上記結合突起131は上記ツールシャンク110の中心軸Ax方向に一定量押されながら上記円周型テーパー接触面1311aと上記傾斜面1321aが接触されながら徐々にその接触面積が広がり、これと共に上記インサートホルダー120、具体的にはインサートボディ121の一面1211と上記ツールシャンク110の一面が接触されながら徐々にその接触面積が広くなる。
【0051】
具体的には、上記締結部材133が上記締結溝1324を介して上記接触面1311aに噛み合って加圧されると、上記インサートボディ121の一面1211は上記ツールシャンク110の一面から接離される。この時、上記ツールシャンク110の一面は、インサートボディ121の一面1211から徐々に接触しながら上記テーパー接触部1311b、上記支持面部1312と順次接触され、その接触面積が広くなり密着結合することができる。
【0052】
上記円周型テーパー接触面1311aと上記傾斜面1321aの接触により、上記結合突起131は、上記ツールシャンク110の方向に締結する軸力を発生させることができる。これと共に、上記接触面1311aと上記テーパー接触部1311bの間には一定の距離差が形成されることにより、上記結合突起131には曲げ力(bending force)が発生され、上記インサートホルダー120の一面と上記ツールシャンク110の一面の接触力は上昇され、上記切削工具アセンブリ100が切削駆動を遂行する間にも上記インサートホルダー120と上記ツールシャンク110は強い締結を維持することができるようになるのである。
【0053】
図16は、本発明の一実施形態に係る切削工具アセンブリ100がツールポストに結合された状態を概略的に示す図面である。
【0054】
図16を参照すると、インサートホルダー120を加圧する上記締結部材133の締結方向がインサート122の主切削力を受ける方向と直角に構成されているため、切削工具アセンブリ100をツールポスト10に締結するときに、インサートの締結またはインサートホルダー120とツールシャンク110間の締結と干渉されないようにすることができ、上記切削工具アセンブリ100をツールポスト10に締結するとき、切削工具アセンブリ100、具体的にはインサートホルダー120をツールポスト10から短く突出させることができ、精密に切削する時に振動を低減させることができるようになる。
【0055】
以上、添付する図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。
【符号の説明】
【0056】
100: 切削工具アセンブリ
110: ツールシャンク
120: インサートホルダー
121: インサートボディ
1211: インサートボディの一面
122: インサート
130: 結合部
131: 結合突起
1311: 突起ボディ
1311a: 接触面
1311b: テーパー接触部
1312: 支持面部
1313: ネック部
132: 結合開口
1321: 挿入溝
1321a: 傾斜面
1322: 支持溝
1323: 連結溝
1324: 締結溝
133: 締結部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】