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特表2024-510740インターレースされたメッシュ電極を有する基板を備えるダイナミックグレージング
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-11
(54)【発明の名称】インターレースされたメッシュ電極を有する基板を備えるダイナミックグレージング
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1676 20190101AFI20240304BHJP
   G02F 1/167 20190101ALI20240304BHJP
【FI】
G02F1/1676
G02F1/167
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555554
(86)(22)【出願日】2022-03-11
(85)【翻訳文提出日】2023-11-10
(86)【国際出願番号】 EP2022056315
(87)【国際公開番号】W WO2022189617
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】2027746
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521345408
【氏名又は名称】エルスター・ダイナミクス・パテンツ・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マサール,ロマリック・マチュー
(72)【発明者】
【氏名】ミチオグル,アナトリー
(72)【発明者】
【氏名】トマ,ダビド・リシャール
(72)【発明者】
【氏名】スラック,アントニー・ジョン
【テーマコード(参考)】
2K101
【Fターム(参考)】
2K101AA04
2K101BA02
2K101BA03
2K101BA04
2K101BA05
2K101BB05
2K101BB23
2K101BB34
2K101BB42
2K101BC02
2K101BC13
2K101BC41
2K101EB23
2K101EC02
2K101EC12
2K101EC13
2K101EC26
2K101EC27
2K101EC51
2K101ED01
2K101ED22
2K101EE02
2K101EG27
2K101EG33
2K101EG56
2K101EG57
2K101EG62
2K101EH41
2K101EK05
(57)【要約】
いくつかの実施形態は、透明または反射性の基板を備える光変調器を指向し、複数の電極は、基板にわたるパターンで基板に適用される。コントローラは、電極に電位を適用して、電極に向かう、または電極からの粒子の電気泳動をもたらす電極間の電場を得てもよく、電極は、複数の主線(211、212、213、214、215)を備える複数のインターレースされたメッシュ電極(210、230)であり、それらの主線は複数の相互接続(221、241、242、222、223、243)を通して、他の複数の主線に接続している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光変調器を備えるダイナミックグレージングであって、光変調器は、
- 互いに向き合った第1の基板および第2の基板であって、複数のインターレースされたメッシュ電極が第1の基板にわたって、および第2の基板にわたって2次元パターンで延在しており、基板上の複数のメッシュ電極のうちの2つのメッシュ電極は基板にわたって分散する複数の交差点において交差し、基板上の少なくとも2つのメッシュ電極は各々が、基板にわたって第1の方向に延在する複数の主線を備えており、少なくとも2つのメッシュ電極の複数の主線は、基板上で互いに対して交互に配置され、少なくとも2つのメッシュ電極の各々は、
- 前記メッシュ電極の主線を共に電気的に接続する複数の相互接続線であって、メッシュ電極の複数の主線は、複数の相互接続を通してメッシュ電極の他の主線に接続されており、相互接続線は、別のメッシュ電極と交差し、交差点を形成する、複数の相互接続線を備える、第1の基板および第2の基板、
- 第1の基板と第2の基板との間の光学層であって、光学層は、粒子を含む流体を含んでおり、粒子は、帯電しているか、または帯電可能である、光学層、
- 複数のメッシュ電極に電位を適用して、複数のメッシュ電極間の電場を得、複数のメッシュ電極のうちの1つに向かう、または1つからの粒子の電気泳動をもたらし、光変調器の光学特性の変調を引き起こすように構成されているコントローラ
を備える、ダイナミックグレージング。
【請求項2】
コントローラが、基板上の接続エリアから1つ以上の基板上の複数のメッシュ電極に電気的に接続されて、複数のメッシュ電極間の電位差を最小限にする、請求項1に記載のダイナミックグレージング。
【請求項3】
- 電極におけるある数の主線が少なくとも2本の相互接続線を備えており、前記数が少なくとも2、少なくとも10、主線の数の少なくとも半分、主線の少なくとも90%、もしくはほぼ全ての主線であり、および/または
- 主線が、少なくとも2本、少なくとも4本、少なくとも8本、もしくは少なくとも16本の相互接続線に接続されており、および/または
- 主線が、基板の縁部の距離内の相互接続に接続されており、距離が、主線の長さの10%未満である、
請求項1または2に記載のダイナミックグレージング。
【請求項4】
複数の交差点が、基板にわたって無作為に分布している、請求項1から3のいずれか一項に記載のダイナミックグレージング。
【請求項5】
主線および/または相互接続線のうちの1本以上が直線状である、または波状である、請求項1から4のいずれか一項に記載のダイナミックグレージング。
【請求項6】
基板にわたるメッシュ電極の2次元パターンが、正三角形タイリング、四角形タイリング、または六角形タイリングのうちの任意の1つを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のダイナミックグレージング。
【請求項7】
基板が、非矩形形状に切断される、請求項1から6のいずれか一項に記載のダイナミックグレージング。
【請求項8】
基板が、交差点において電流制御コンポーネントを備えており、
- 電流制御コンポーネントが、交差点において誘電体を備えており、交差点において、基板上の2つの交差するメッシュ電極を互いから電気的に絶縁する、または
- 電流制御コンポーネントが、交差点において基板上の第1のメッシュ電極と第2のメッシュ電極との間の正の電圧および負の電圧の高閾値について電流を通過させ、他に関しては、第1のメッシュ電極と第2のメッシュ電極との間の電流を遮断するように構成されている、
請求項1から7のいずれか一項に記載のダイナミックグレージング。
【請求項9】
第1の基板上の第1のメッシュ電極と第2の基板上の第2のメッシュ電極の第2との間に電流制御コンポーネントを備えており、電流制御コンポーネントが、第1のメッシュ電極と第2のメッシュ電極との間の電流を制御する、請求項1から8のいずれか一項に記載のダイナミックグレージング。
【請求項10】
電流制御コンポーネントが、
- 第1の基板および第2の基板を互いから離間させるスペーサである、および/または
- 交差点の上部に位置付けられる、
請求項9に記載のダイナミックグレージング。
【請求項11】
- 少なくとも3つのメッシュ電極が第1の基板および第2の基板のうちの少なくとも一方に適用される、または
- 少なくとも3つのメッシュ電極が第1の基板および第2の基板の両方に適用される、
請求項1から10のいずれか一項に記載のダイナミックグレージング。
【請求項12】
第1の基板および/または第2の基板上のメッシュ電極が基板の第1の側部に配置され、前記メッシュ電極を基板の第2の側部に接続する複数のビアを備え、ビアが、コントローラに接続可能である、請求項1から11のいずれか一項に記載のダイナミックグレージング。
【請求項13】
ビアが、基板にわたってビアの複数のグループに配置され、基板上のメッシュ電極の各々が、ビアのグループ内のビアに接続され、ビアのグループ内のビアが、最大でも低いほうのスペーシング限界の距離にあり、ビアのグループが、少なくとも高いほうのスペーシング限界の距離にある、請求項12に記載のダイナミックグレージング。
【請求項14】
第1の基板上の1つ以上のメッシュ電極が導電性スペーサを通して第2の基板上の接続点に、および接続点からコントローラに接続する、請求項1から13のいずれか一項に記載のダイナミックグレージング。
【請求項15】
透明状態および非透明状態を有するか、または反射性状態および非反射性状態を有するダイナミックグレージングであって、光変調器が、
- 第1および第2の基板のうちの少なくとも一方上で交流電圧を作り出すことによって非透明状態または非反射性状態へ切り換え、第1の基板上の少なくとも第1のメッシュ電極と第2のメッシュ電極との間および/または第2の基板上の第1のメッシュ電極と第2のメッシュ電極との間に交流電流を適用し、
- 第1の基板と第2の基板との間に交流電圧を作り出すことによって透明状態または反射性状態へ切り換え、第1の基板上の第1のメッシュ電極と第2の基板上の第1のメッシュ電極との間、および/または第1の基板上の第2のメッシュ電極と第2の基板上の第2のメッシュ電極との間に交流電流を適用する
ように構成される、請求項1から14のいずれか一項に記載のダイナミックグレージング。
【請求項16】
光変調器であって、
- 互いに向き合った第1の基板および第2の基板であって、複数のインターレースされたメッシュ電極が第1の基板にわたって、および第2の基板にわたって2次元パターンで延在しており、基板上の複数のメッシュ電極のうちの2つのメッシュ電極は基板にわたって分散する複数の交差点において交差し、基板上の少なくとも2つのメッシュ電極は各々が、基板にわたって第1の方向に延在する複数の主線を備えており、少なくとも2つのメッシュ電極の複数の主線は、基板上で互いに対して交互に配置され、少なくとも2つのメッシュ電極の各々は、
- 前記メッシュ電極の主線を共に電気的に接続する複数の相互接続線であって、メッシュ電極の複数の主線は、複数の相互接続を通してメッシュ電極の他の主線に接続されており、相互接続線は、別のメッシュ電極と交差し、交差点を形成する、複数の相互接続線を備える、第1の基板および第2の基板、
- 第1の基板と第2の基板との間の光学層であって、光学層は、粒子を含む流体を含んでおり、粒子は、帯電しているか、または帯電可能である、光学層、
- 複数のメッシュ電極に電位を適用して、複数のメッシュ電極間の電場を得、複数のメッシュ電極のうちの1つに向かう、または1つからの粒子の電気泳動をもたらし、光変調器の光学特性の変調を引き起こすように構成されているコントローラ
を備える、光変調器。
【請求項17】
光変調器に使用される基板であって、複数のインターレースされたメッシュ電極が基板にわたって2次元パターンで延在しており、基板上の複数のメッシュ電極のうちの2つのメッシュ電極は基板にわたって分散する複数の交差点において交差し、基板上の少なくとも2つのメッシュ電極は各々が、基板にわたって第1の方向に延在する複数の主線を備えており、少なくとも2つのメッシュ電極の複数の主線は、基板上で互いに対して交互に配置され、少なくとも2つのメッシュ電極の各々は、
- 前記メッシュ電極の主線を共に電気的に接続する複数の相互接続線であって、メッシュ電極の複数の主線は、複数の相互接続を通してメッシュ電極の他の主線に接続されており、相互接続線は、別のメッシュ電極と交差し、交差点を形成し、複数のメッシュ電極は、複数のメッシュ電極に適用される電位のために、複数のメッシュ電極間の電場を得て、粒子の電気泳動をもたらすように構成されている、複数の相互接続線を備える、基板。
【請求項18】
光変調器に使用される基板を製造する方法であって、
- 基板を設け、基板上に複数のインターレースされたメッシュ電極を適用し、複数のインターレースされたメッシュ電極が基板にわたって2次元パターンで延在しており、基板上の複数のメッシュ電極のうちの2つのメッシュ電極は基板にわたって分散する複数の交差点において交差し、基板上の少なくとも2つのメッシュ電極は各々が、基板にわたって第1の方向に延在する複数の主線を備えており、少なくとも2つのメッシュ電極の複数の主線は、基板上で互いに対して交互に配置され、少なくとも2つのメッシュ電極の各々は、
- 前記メッシュ電極の主線を共に電気的に接続する複数の相互接続線であって、メッシュ電極の複数の主線は、複数の相互接続を通してメッシュ電極の他の主線に接続されており、相互接続線は、別のメッシュ電極と交差し、交差点を形成する、複数の相互接続線を備える、
基板を製造する方法。
【請求項19】
- 複数の主線を適用する前に、基板上に複数の導電性相互接続をパターン成形し、誘電体で基板をコーティングすることと、
- メッシュ電極の複数の導電性主線を導電性相互接続に接続することと
を含む、請求項18に記載の基板を製造する方法。
【請求項20】
- 複数の導電性主線上に電流制御コンポーネントを適用すること、
- 電流制御コンポーネントの上部上に複数の相互接続線を適用し、複数の導電性主線を基板上の複数のインターレースされたメッシュ電極内に接続すること
を含む、請求項18に記載の基板を製造する方法。
【請求項21】
- 基板上に第1のメッシュ電極を適用すること、
- 第1のメッシュ電極上に電流制御コンポーネントを適用すること、
- 基板上に第2のメッシュ電極を適用することであって、第2のメッシュ電極が電流コンポーネントを通して第1のメッシュ電極から絶縁されている、こと
を含む、請求項18に記載の基板を製造する方法。
【請求項22】
- 第1の導電層で基板をコーティングし、第1の導電層をパターン成形して、相互接続を形成することと、
- 誘電体堆積物で基板をコーティングし、パターン成形して、相互接続の上部上に絶縁パッチを形成することと、
- 第2の導電層で基板をコーティングすることと、
- 第1および第2の導電層をパターン成形して、複数のメッシュ電極を形成することと
を含む、請求項18に記載の基板を製造する方法。
【請求項23】
- 基板から形状を切断すること
を含む、請求項18に記載の光変調器に使用される基板を製造する方法。
【請求項24】
光変調器を製造する方法であって、
- 互いに向き合った第1の基板および第2の基板であって、複数のインターレースされたメッシュ電極が第1の基板にわたって、および第2の基板にわたって2次元パターンで延在しており、基板上の複数のメッシュ電極のうちの2つのメッシュ電極は基板にわたって分散する複数の交差点において交差し、基板上の少なくとも2つのメッシュ電極は各々が、基板にわたって第1の方向に延在する複数の主線を備えており、少なくとも2つのメッシュ電極の複数の主線は、基板上で互いに対して交互に配置され、少なくとも2つのメッシュ電極の各々は、
- 前記メッシュ電極の主線を共に電気的に接続する複数の相互接続線であって、メッシュ電極の複数の主線は、複数の相互接続を通してメッシュ電極の他の主線に接続されており、相互接続線は、別のメッシュ電極と交差し、交差点を形成する、複数の相互接続線を備える、第1の基板および第2の基板、
- 第1の基板と第2の基板との間の光学層であって、光学層は、粒子を含む流体を含んでおり、粒子は、帯電しているか、または帯電可能である、光学層
- を設けること
を含む、光変調器を製造する方法。
【請求項25】
- 接続エリアにおいて基板上の両方のメッシュ電極に対して電気コネクタを設けることを含む、
請求項24に記載の光変調器を製造する方法。
【請求項26】
- 組み立てられた第1の基板、第2の基板および光学層から形状を切断することであって、形状を切断することが、任意選択で、前記組立に穴を切断することを含む、ことと、
- 切断された形状の縁部を閉じることと
を含む、請求項24または25に記載の光変調器を製造する方法。
【請求項27】
- 光変調器を設けることであって、光変調器は、
- 互いに向き合った第1の基板および第2の基板であって、複数のインターレースされたメッシュ電極が第1の基板にわたって、および第2の基板にわたって2次元パターンで延在しており、基板上の複数のメッシュ電極のうちの2つのメッシュ電極は基板にわたって分散する複数の交差点において交差し、基板上の少なくとも2つのメッシュ電極は各々が、基板にわたって第1の方向に延在する複数の主線を備えており、少なくとも2つのメッシュ電極の複数の主線は、基板上で互いに対して交互に配置され、少なくとも2つのメッシュ電極の各々は、
- 前記メッシュ電極の主線を共に電気的に接続する複数の相互接続線であって、メッシュ電極の複数の主線は、複数の相互接続を通してメッシュ電極の他の主線に接続されており、相互接続線は、別のメッシュ電極と交差し、交差点を形成する、複数の相互接続線を備える、第1の基板および第2の基板、
- 第1の基板と第2の基板との間の光学層であり、光学層は、粒子を含む流体を含んでおり、粒子は、帯電しているか、または帯電可能である、光学層、
- 複数のメッシュ電極に電位を適用して、複数のメッシュ電極間の電場を得、複数のメッシュ電極のうちの1つに向かう、または1つからの粒子の電気泳動をもたらし、光変調器の光学特性の変調を引き起こすように構成されているコントローラ
を備える、こと、
- 交流電流または交流電圧を選択し、電極に交流電流または交流電圧を適用して、電極間の電場を得、電極に向かう、または電極からの粒子の電気泳動をもたらし、光変調器の光学特性の変調を引き起こすこと
を含む、ダイナミックグレージング方法。
【請求項28】
プロセッサシステムによって実行されると、プロセッサシステムに、請求項27に記載の方法を行わせる命令を表すデータを含む一時的または非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の主題は、ダイナミックグレージング、光変調器、基板、基板を製造する方法、光変調器を製造する方法、ダイナミックグレージング方法、コンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許出願第11/041579号、「Optically active glazing」、公開番号第US20050185104A1号は、知られている誘電泳動効果に基づく光学的アクティブグレージングを開示しており、引用により本明細書に組み込まれる。
【0003】
この知られているシステムは、ガラスまたはプラスチック材料などの透明な誘電材料から作成される2枚の平行板を備える。板間に画定された内部体積は、誘電性液体が充満された独立した複数の小体積または個別のセルに細分される。この液体は、誘電材料の粒子の懸濁を含む。2枚の板の向き合った面は、相互に向き合った電極を荷う。これらの電極は、制御手段と関連付けられた電源に接続される。
【0004】
各板の電極は、対をなして相互にインターリーブされた櫛により形成される。2つのインターリーブされた櫛の電極は、同じ極性または逆の極性の電圧をとることができる。電極上に適切な電圧がある場合、透明または不透明のいずれかの外観をシステムに与えるために、粒子は、電極間の様々な場所に集められることが可能である。
【0005】
この知られているシステムに関連した様々な欠点が存在する。例えば、基板にわたって電場が均質だとしたら、望ましい。知られているシステムの他の欠点は、不透明構成において、グレージングの均一な外観が望ましいことである。この態様は、安全性にも影響を及ぼし得る。例えば、グレージングが不透明と透明の中間で構成される場合、均一性が欠如して、紛らわしい、または注意を逸らすことになる場合がある。さらに他の欠点は、グレージングが不透明構成から透明構成へ遷移するとき、その遷移がグレージングにわたって均一な速度で進行することが望ましいことである。
【0006】
さらに、知られているデバイスの期待される寿命も限られている。透明性の変更サイクルを繰り返した後、電極が壊れる場合がある。それが発生すると、知られているデバイスの一部が機能するのをやめる。壊れた電極線の問題は、製造中にも生じる場合がある。従来のダイナミックグレージングで用いられる長く幅が狭い線の破損は、製造の歩留まりに影響を及ぼす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0185104号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の問題および他の問題に対処する、改善されたダイナミックグレージングを有することが有益であろう。各々が少なくとも2つのメッシュ電極を有する少なくとも2つの基板を備えるダイナミックグレージングが設けられる。基板上のメッシュ電極は、インターレースされ、これはインターディジットされているとも称され、電位または電流をメッシュ電極に適用することによって基板上のメッシュ電極間に電磁場が作り出され得る。インターディジットされたパターンにおいて、主線は、異なるメッシュ電極または複数の異なるメッシュ電極の2つの他の主線間に直接存在する(または縁部にある場合は、異なるメッシュ電極の単一の主線に隣り合って存在する)。そのような電磁場は、電気泳動によって基板間の荷電粒子の移動を制御するために使用される。したがって、これは、ダイナミックグレージングの光学特性を変化させる。粒子の適した選択、駆動などに伴った、このように変化可能な光学特性の例は:とりわけ、透明性、透光性、反射性を含む。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態では、複数のインターレースされたメッシュ電極は複数の交差点において交差する。この交差点において、同じメッシュ電極の2つの主線は、例えば、メッシュ電極における、特に基板の大きな表面にわたる電位を等しくするために、相互接続線、例えば導電性ブリッジを通して接続され得る。導電性ブリッジは、他のメッシュ電極から絶縁され得る。
【0010】
実施形態によるダイナミックグレージングは、メッシュ電極における可能な再ルーティングに起因して、歩留まりおよび寿命を改善する。例えば、電極における切断線は、作製時の欠陥によって引き起こされ得る。電流および/または電位は切断の周囲で再ルーティングされた場合、その欠陥は新たな欠陥を引き起こさず、したがって歩留まりが改善される。例えば、電極における切断線は、製品使用中の電気化学分解によって引き起こされ得る。そのような切断の周囲の再ルーティングは、製品の交換を回避し、したがって寿命が改善される。
【0011】
相互接続は、基板上のメッシュ電極がコントローラに接続する点が互いに、より近くに存在することを可能にする。その結果、メッシュ電極は、そのメッシュ電極にわたって、より均質な電位を有する。これは、2つの対向するメッシュ電極上の2つの対向する点間の電位差に対する、より良好な制御を可能にする。その結果、望ましくない力線が低減される。例えば、ダイナミックグレージングを開いているとき(垂直駆動とも呼ばれる)、同じ基板上のメッシュ電極は同じ電位になるように駆動され得る;メッシュ電極を使用することによってメッシュ電極の電位を基板にわたって互いに、より近くさせる。閉状態から開状態への遷移は、それにより改善される。電位の均質性の増加はまた、2つの電極間の不必要な電位差によって駆動される望ましくない電気化学プロセスを減少させる。
【0012】
インターレースされたメッシュ電極を使用することは、光変調器を、電位について局所的により均質にする。インターレースされたメッシュ電極はまた、大規模な均質性を改善し;これは、電極の材料が高導電性の場合にさらにそのように改善される。
【0013】
メッシュ電極は、基板上で複数の交差点において交差する。そのような交差点において、1つのメッシュ電極から別の電極へ電流が流れる機会がある。そのような電流の流れを制御することが望ましい。例えば、そのような電流の流れを共に遮断するように2つのメッシュ電極間に誘電体を配置し得る。実施形態では、電流は、常に遮断されるわけではなく、所定の基準が満たされるときに可能となり得る。例えば、2つのメッシュ電極間の電位差が閾値よりも大きい場合にのみ、電流が流れるように制御され得る。例えば、電流制御コンポーネントは、交差点において、半導体の堆積および/またはパターン成形によって得られ得る。例えば、ツェナーダイオードなどのダイオードは、2つのメッシュ電極間の交差点に設置され得る。ツェナーダイオードは、2つの対向する接合部を備え得;代替的に、いくつかのスペーサが、異なる向きにおけるツェナー接合部を含み得る。
【0014】
基板が光変調器において使用されるとき、2つの基板を互いから一定の距離に保つことが望ましい場合が多い。そのような一定の距離は、2つの基板間に複数のスペーサを配置することによって達成され得る。有益には、スペーサは、交差点に設置され得、例えば、交差点における相互接続の上または下に設置され得る。これは、スペーサの光学的影響を低減する。スペーサは、電気絶縁材料を含み得る。スペーサは、半導体材料を含み得る。スペーサは、透明であることが好ましい。
【0015】
交差点上に配置されていないさらなるスペーサが存在してもよい。そのようなスペーサは、絶縁性であり得、光変調器における基板を一定の距離に保つために役立ち得る。有益には、特に交差点にないさらなるスペーサは、導電性であり得、メッシュ電極を対向する基板における接続点に接続するように構成され得る。また、そのようなスペーサは透明であることが好ましい。
【0016】
スペーサの材料は、典型的には、電流が1つの基板から別の基板に流れることを遮断する誘電体である。ただし、スペーサは、いくつかの所定条件が満たされた場合、例えば、1つの基板上のメッシュ電極と別の基板上のメッシュ電極との間の電位差が閾値を上回っている場合に、電流を可能にするように構成され得る。
【0017】
実施形態による基板は、光学変調器としても知られる光変調器で使用され得る。ダイナミックグレージングは、光変調器の重要な用途である。例えばこれらのダイナミックグレージングなどの用途のための透明または反射性の基板は、それぞれが複数の主線を有する2つのメッシュ電極を有し得る。これらの主線は、基板上で交互に配置され、したがって、電位差を電極に提供することによって、後続の線または隣り合った線の間で電場が確立され得る。
【0018】
例えば、2つのそのような基板は、互いに対向して配置されてもよく、したがって、電極へ電圧を適用することによって、基板間の流体に懸濁する帯電粒子が移動可能となる。典型的には、下部基板および上部基板のための電極設計は同一であるが、これは必須ではない。同様に、2つの設計は、典型的には互いに整列されているが、これも必須ではない。粒子は、光を吸収してもよく、または反射してもよい。反射は、鏡面反射、拡散性、またはその中間でもよい。粒子は、例えばりん光または蛍光を有する光を発してもよい。
【0019】
光変調器は、透明性または反射性などが修正可能なパネルを提供する。実施形態では、色または色の強さなどが変更されてもよい。光変調器は、カバー、例えば閉じられた、キャビネットなどの例えば容器のカバーとして使用され得る。特に有益な用途は、ダイナミックグレージングにおけるものである。ダイナミックグレージングは、スマートウィンドウまたは光学的アクティブグレージングとも呼ばれる。
【0020】
実施形態では、コントローラは、光変調器の基板上で電極へ電位を適用して、電極間の電磁場を得るように構成される。この電磁場は、電極に向かう、または電極からの粒子の電気泳動をもたらす。粒子が位置を変化させると、パネルの光学特性、例えばその透明性または反射性が変化する。粒子が色つきの場合、パネルの色も変化し得る。間で電場が確立される電極対を変更することによって、粒子が所望の方向に移動されることが可能となる。本発明者は、光変調器の制御が、間に電場が適用されるか、または適用されない電極を変更することのみに限定される必要はなく、最大振幅を変更することも含むことができることを発見した。留意すべきは、有益には、交流電流が使用されることである。例えば、より低い最大振幅を用いて駆動することによって光変調器における変化率が変更される。これは、例えば、所望の目標の透明性または反射性に向かって駆動するときに、オーバーシュートを避けるために最大振幅が低減され得るため、有益である。最大振幅は、さらに、または代わりとして、目標の透明性または反射性に向かって駆動を開始すると増加され得る。例えば、複数の最大振幅のうちの1つの最大振幅の交流を使用することによって、コントローラは、光変調器における透明性または反射性の複数のレベルのうちの1つのレベルを得るように構成され得る。この関係は、アルゴリズムなどによって示され得る。透明性または反射性のレベルと最大振幅との関係は、例えば透明性または反射性に向けて駆動する一連の最大振幅を示すルックアップテーブルによって管理可能である。留意すべきは、交流電圧も可能なことである。コントローラは、メッシュ電極と電源との間でインターフェースするように構成され得る。
【0021】
コントローラは、例えばマイクロチップなどの単一の集積デバイスとして実装され得るが、複数のサブコントローラ上に分布されてもよい。この複数のサブコントローラは、例えば、デバイスの異なる部分を制御し得る。例えば、各基板に割り当てられたサブコントローラが存在し得る。コントローラは、例えば、スペーサ内、光学層内、光学層の外側の基板上などで基板と統合されてもよいが、光変調器の外部にあってもよい。複数のコントローラは、ワイヤレスまたは有線で通信し得る。コントローラは、コントローラの機能性を実装する1つ以上のマイクロチップを備え得る。
【0022】
本発明のさらなる態様は、ダイナミックグレージングを提供するために、実施形態による光変調器を備えるビルである。この光変調器は、例えば、窓のペインの光学特性を変調し得る。本発明のさらなる態様は、実施形態による光変調器を備える自動車である。例えば、自動車および/またはビルは、光変調器と、光変調器の電極上の電圧を制御することによって光変調器の透明性または反射性を制御するように構成されるコントローラとを備えてもよく、コントローラは、光変調器に、電気的に接続されるか、または接続可能である。
【0023】
本発明のさらなる態様は、ダイナミックグレージング以外の用途で適用され得る光変調器である。本発明のさらなる態様は、光変調器において使用される基板である。
【0024】
本発明のさらなる態様は、例えばダイナミックグレージングのための基板および/または光変調器を製造する方法である。興味深いことに、基板は、デフォルトの形態、例えば、矩形形態で最初に製造され得、その後に基板が所望の形状、例えば、非矩形形状に切断される。メッシュ電極は、ある形状に切断された場合でもその相互接続性を保つ。この切断はまた、例えばデフォルトの形態で製造された基板が、光学層を含む光変調器に組み立てられた後になされ得る。この場合、封止は、切断された光変調器の縁部に対して適用され得る。
【0025】
複数のインターレースされたメッシュ電極を有する基板を製造することは、様々なやり方でなされ得る。そのうちのいくつかは、例えば、全ての主線を同じ平面内に有すること、流体接触のために構成される全ての主線を有すること、例えば、基板の表面上で露出されて、ビアなどの使用を回避するなど、さらなる利点を有する。
【0026】
ダイナミックグレージングは電子デバイスであり、例えば、コントローラによる制御の下で電源によって駆動され得る。例えば、コントローラは、様々な透明性もしくは反射性効果、またはその欠如を達成するために、特定の電極に特定の波形を適用するように、電源に命令し得る。コントローラは、マイクロプロセッサを備え得る。
【0027】
本方法の実施形態は、コンピュータにより実装される方法としてコンピュータ上で、または専用ハードウェア、またはその両方の組合せにおいて実装されてもよい。本方法の実施形態の実行可能コードは、コンピュータプログラム製品に記憶され得る。コンピュータプログラム製品の例は、メモリデバイス、光学記憶デバイス、集積回路、サーバ、オンラインソフトウェアなどを含む。好ましくは、コンピュータプログラム製品は、上記プログラム製品がコンピュータ上で実行されたときに本方法の実施形態を行うためにコンピュータ可読媒体上に記憶される非一時的プログラムコードを含む。
【0028】
実施形態では、コンピュータプログラムは、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに本方法の実施形態のステップの全部または部分を行うように適合されるコンピュータプログラムコードを含む。好ましくは、コンピュータプログラムはコンピュータ可読媒体上で具現化される。
【0029】
さらなる詳細、態様、および実施形態が、図面を参照して例としてのみ説明される。図中の要素は簡略化および明確化するように図示されており、必ずしも一定の縮尺で描かれていない。図において、既に説明された要素に対応する要素は、同一の参照番号を有する場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
図2a】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
図2b】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
図2c】交差点の実施形態の例を概略的に示す図である。
図3】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
図4】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
図5a】基板を製造する実施形態の例を概略的に示す図である。
図5b】基板を製造する実施形態の例を概略的に示す図である。
図5c】基板を製造する実施形態の例を概略的に示す図である。
図5d】基板を製造する実施形態の例を概略的に示す図である。
図5e】基板を製造する実施形態の例を概略的に示す図である。
図6a】基板を製造する実施形態の例を概略的に示す図である。
図6b】基板を製造する実施形態の例を概略的に示す図である。
図6c】基板を製造する実施形態の例を概略的に示す図である。
図6d】基板を製造する実施形態の例を概略的に示す図である。
図6e】基板を製造する実施形態の例を概略的に示す図である。
図6f】基板を製造する実施形態の例を概略的に示す図である。
図6g】基板を製造する実施形態の例を概略的に示す図である。
図7a】基板を製造する実施形態の例を概略的に示す図である。
図7b】基板を製造する実施形態の例を概略的に示す図である。
図7c】基板を製造する実施形態の例を概略的に示す図である。
図8a】交差点の実施形態の例を概略的に示す図である。
図8b】交差点の実施形態の例を概略的に示す図である。
図8c】交差点を製造する実施形態の例を概略的に示す図である。
図8d】交差点を製造する実施形態の例を概略的に示す図である。
図8e】交差点を製造する実施形態の例を概略的に示す図である。
図9a】電極の実施形態の例を概略的に示す図である。
図9b】電極の実施形態の例を概略的に示す図である。
図9c】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
図9d】基板を製造する実施形態の例を概略的に示す図である。
図9e】基板を製造する実施形態の例を概略的に示す図である。
図9f】基板を製造する実施形態の例を概略的に示す図である。
図9g】基板を製造する実施形態の例を概略的に示す図である。
図9h】基板を製造する実施形態の例を概略的に示す図である。
図10a】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
図10b】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
図10c】基板を切り抜く実施形態の例を概略的に示す図である。
図10d】基板を切り抜く実施形態の例を概略的に示す図である。
図11a】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
図11b】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
図11c】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
図11d】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
図11e】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
図11f】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
図12a】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
図12b】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
図12c】自動車の実施形態の例を概略的に示す図である。
図13a】光変調器の実施形態を概略的に示す図である。
図13b】光変調器の実施形態を概略的に示す図である。
図13c】光変調器の実施形態を概略的に示す図である。
図14a】基板を製造する方法の実施形態の例を概略的に示す図である。
図14b】主線および相互接続線からメッシュ電極を構築する実施形態の例を概略的に示す図である。
図14c】基板から光変調器を構築する実施形態の例を概略的に示す図である。
図14d】ダイナミックグレージングを動作させる実施形態の例を概略的に示す図である。
図15a】実施形態によるコンピュータプログラムを備える書き込み可能部分を有するコンピュータ可読媒体を概略的に示す図である。
図15b】実施形態によるプロセッサシステムの表現を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
参照番号のリスト
以下の参照符号および略記のリストは、図面の解釈を容易にするために提供され、特許請求の範囲を限定すると解釈されるべきではないものである。
10 光変調器
11 第1の基板
12 第2の基板
13,13a,13b 電極
14,14a,14b 電極
15 流体
16 コントローラ
30 粒子
20 自動車
21 光変調器
40 光変調器
41 第1の基板
42 第2の基板
43 第3の基板
46 コントローラ
100 基板
101 第1の方向
102 第2の方向
110 第1のメッシュ電極
120 第2のメッシュ電極
111-113 主線
121-123 主線
151 インターコネクト
200-205 基板
210 第1のメッシュ電極
211-215 主線
221-223 相互接続線
230 第2のメッシュ電極
231-235 主線
231’ 下方を通る主線
241-243 相互接続線
251-253 交差点
254 電流制御コンポーネント
261-266 主線
271-273 相互接続線
281 第1のメッシュ電極
282 第2のメッシュ電極
283 誘電体
284.1、284.2 ビア
285.1、285.2 ビア
286 相互接続線
287 切断線
288 連続ビア間の距離
291-293 メッシュ電極
294 より小さい距離
295 より大きい距離
296 相互接続線
297 ビアのグループ
301 第1のメッシュ電極
302 第2のメッシュ電極
351 相互接続線
352 絶縁体
400 基板
411 電気的接続
412 切断線
421 第1の縁部
422 第2の縁部
431 第1のメッシュ電極
432 第2のメッシュ電極
811 第2の導電パターン成形
812 第1の導電パターン成形
821-823 主線
831 相互接続線
842-844 主線
851 誘電体
852 相互接続線
853 スペーサ
901 メッシュ電極
902、903 主線
904 相互接続線
905、906 メッシュ電極
907 誘電体
1210 第1のメッシュ電極
1211 第2のメッシュ電極
1212 誘電体
1213 電気的接続フォイル
1214 切断線
1000、1001 コンピュータ可読媒体
1010 書き込み可能部分
1020 コンピュータプログラム
1110 集積回路
1120 処理ユニット
1122 メモリ
1124 専用集積回路
1126 通信要素
1130 インターコネクト
1140 プロセッサシステム
【0032】
本開示の主題は、多くの異なる形態の実施形態が可能であるが、1つ以上の特定の実施形態が図面に示され本明細書で詳細に説明され、本開示は、本開示の主題の原理の例として考慮されるものであり、図示および説明される特定の実施形態に限定することが意図されない旨を理解されたい。
【0033】
以下において、理解のために、実施形態の要素が動作に関して説明される。ただし、それぞれの要素が、それらの要素によって行われるとして説明される機能を行うように構成されることは明らかである。さらに、ここで開示されている主題は、実施形態のみに限定されず、本明細書で説明される、または互いに異なる従属請求項に記載の特徴の全ての他の組合せも含む。
【0034】
図1は、基板100の実施形態の例を概略的に示す図である。基板100の表面にわたるパターンに配置される少なくとも2つのメッシュ電極が存在する。図1には、同一表面上の2つの電極:第1の電極110および第2の電極120が示される。
【0035】
図1に示される電極110および120は、メッシュ電極である。メッシュ電極のフィンガーは、複数のインターコネクトを通して相互接続される。示されているのは、1つのそのようなインターコネクトである:インターコネクト151。
【0036】
第1のメッシュ電極110および第2のメッシュ電極120は各々が、複数の主線を備える。図1に示すように、第1のメッシュ電極110は主線111、112、および113を備えており、第2のメッシュ電極120は主線121、122、および123を備える。典型的には、各メッシュ電極は、3本より多い線を備え得る。主線は、基板にわたって延在する。メッシュ電極は、互いから電気的に絶縁している、または絶縁可能である。第1および第2の電極の複数の主線は、基板上に互いに対して交互に配置される。主線は、第1の方向101において基板にわたって延在する。第2の方向102でみると、主線は、異なる複数の主線から、例えば第1および第2のメッシュ電極における第1および第2の複数の主線からそれぞれかわるがわる遭遇される。第1および第2の方向は、互いに角度をなし;この角度は、ほぼ垂直でもよいが、これは必須ではない。第1および第2の方向は、それぞれ基板の側部に平行でもよいが、これは必須ではない。
【0037】
図1に示すようなインターリーブされたメッシュ電極は、対をなして相互にインターリーブされた櫛である。この図における各メッシュ電極は、この場合、主線と交差せずに、基板の左右に沿って延びている接続線を有する。インターコネクトがあるため、そのような接続線は必要なく、実際には、回避されることが好ましいことに留意されたい。
【0038】
2つのメッシュ電極は、インターレースされており;例えば、それらのメッシュ電極の各々は、基板上に交互に配置された複数の主線を備える。そのような交互の配置は、インターディジットされているとも称される。これらのメッシュ電極は、インターコネクトを通して増加した内部接続を有する。例えば、主線の大部分、またはほぼ全ての部分からさえ電気コネクタへの複数の電気経路が存在する。
【0039】
例えばより細粒度の制御を容易にするために、基板の同じ側に2つより多い電極が存在し得る。例えば、3つ以上のメッシュ電極が単一の基板上で使用されているとき、異なる電圧がメッシュ電極上にかけられ、2つのメッシュ電極では達成できない、粒子に対する効果を引き起こす場合がある。例えば、複数の電極は、例えばセグメント化された光変調器用に、セグメント化された基板を容易にするために使用され得る。例えば、セグメント化された光変調器において、いくつかのゾーンが異なる光学特性、例えば異なる透明性または反射性を有し得る。以下で、2つの電極を有する実施形態が示されるが、例えば互いに隣り合った類似構造を複製することによって、この2つの電極に追加の電極が追加され得る。
【0040】
第1のメッシュ電極110および第2のメッシュ電極120の少なくとも一部は、基板の同一の側に対して適用される。例えば、主線は、光学層における流体と流体接触していてもよい。この場合、インターコネクト151などのインターコネクトは、主線として、異なる層または平面において適用され得る。これは、例えば、メッシュ電極120および110を異なる様態で電気的に絶縁するために、異なる配置において、主線の一部が流体接触していない場合があるが、必須ではない。
【0041】
これらの2つの電極は、基板にわたるパターンで配置される。例えば、3枚以上の基板の積み重ねを容易にするために、1つ、2つ、またはそれより多くの電極が基板100の他方の表面上に存在してもよい。電極を基板に適用することは、例えば電極パターンを表すマスクを使用してフォトリソグラフィによってなされ得る。電極はまた、基板にそれらを埋め込むことによって適用され得る。
【0042】
基板100などの2つ以上の基板は、光変調器内へ組み合わされ得る。光変調器に対して動機づけされる用途は、例えば光変調器など、スマートグレージングとしても知られるダイナミックグレージングにおけるものであり、家庭、オフィス、温室、自動車などに適用され得る。ダイナミックグレージングの透明性または反射性のレベルなどの光学特性は、電気的に適合され得る。例えば、ダイナミックグレージングでは、基板100などの2枚の基板が積み重ねられる場合があり、それによって、2つの電極が適用される側部が互いに向き合う。粒子を有する流体は、2枚の基板間に取り囲まれ、光学層として知られる。粒子は、帯電しているか、または帯電可能である。変化する光学特性は、粒子の種類を含む、様々な要因に依存し得る。例えば、粒子が光を吸収する場合、透明性の変化が得られ得る。例えば、粒子が反射する場合、反射の変化が得られ得る。
【0043】
異なるメッシュ電極間、例えば、同じ基板上のメッシュ電極間、または対向する基板上のメッシュ電極間に電磁場を生成することによって、粒子は、光変調器の光学特性の変調を引き起こす電気泳動によって複数のメッシュ電極のうちの1つに向かって、またはそこから移動され得る。
【0044】
例えば、第1および第2の基板のうちの少なくとも一方上で交流電圧を作り出し、第1の基板上の少なくとも第1のメッシュ電極と第2のメッシュ電極との間および/または第2の基板上の第1のメッシュ電極と第2のメッシュ電極との間に交流電流を適用することによって、非透明状態または非反射性状態へ切り換えてもよい。
【0045】
例えば、第1の基板と第2の基板との間で交流電圧を作り出し、第1の基板上の第1のメッシュ電極と第2の基板上の第1のメッシュ電極との間、および/または第1の基板上の第2のメッシュ電極と第2の基板上の第2のメッシュ電極との間に交流電流を適用することによって、透明状態または反射性状態へ切り換えてもよい。
【0046】
メッシュ電極が互いに交差する所には、交差点が存在する。図1は、主線112との交差点を有する1つのインターコネクト151を示す。典型的には、多数の交差点が存在する。それらは、基板にわたって規則的なパターンにおいて分布され得る。それらは、基板にわたって無作為なパターンにおいて分布され得る。
【0047】
実施形態では、複数の相互接続が第2の方向に延びている。示している例では、インターコネクト151が、主線が延びる方向である第1の方向101と直交した第2の方向102に延びている。直交角度または実質的な直交角度は便利であるが、必須ではない。インターコネクトと主線との間の角度は、光変調器の回折に影響を及ぼす。例えば、実施形態では、その角度は、例えば、回折を低減するために基板にわたってパターンを有して、または無作為に変化する。
【0048】
コントローラは、複数の電極に電気的に接続され得る。コントローラは、電極間の電場を制御し得る。例えば、コントローラは、プロセッサと、接続されたメモリとを備え得る。このメモリは、プロセッサによる実行のためのプロセッサ命令を含む。このプロセッサ命令は、プロセッサに電場を制御させる。実施形態では、コントローラは、基板ごとにサブコントローラを備える。
【0049】
図1において、主線は、メッシュ電極の主線を、基板上の別のメッシュ電極と交差せずに互いに接続する接続線に接続されており、図1では、接続線が電極120について左に延び、電極110について右に延びる。興味深いことに、メッシュ電極は、そのような接続線を必要としない。接続線が図1から除去されると、電圧または電流が、基板1の左右の縁部に沿った任意の点から両方のメッシュ電極に適用され得る。これは、例えば、特定のダイナミックグレージングにおける、例えば光変調器において基板100を設置する際に有益である。ダイナミックグレージングの実施形態は、本文書の他の箇所でさらに議論される。
【0050】
実施形態では、電極、例えば、2つ以上の電極が各基板の一つの表面に対して適用される。例えば、3つ以上の基板の積み重ねを容易にするために、1つ、2つ、またはそれより多くの電極が基板100の他方の表面上に存在してもよい。
【0051】
以下のいくつかの実施形態は、透明性レベルまたは反射性レベルを変調する例を示す。光変調器は、他の光学的効果のために適合され得る。例えば、必要に応じて、実施形態は、異なる透明性レベルではなく、異なる透光性レベルに修正され得る。必要に応じて、実施形態で使用可能な、使用される粒子の種類は、例えば、粒子が吸収または反射する波長が異なり、およびその反射がどのくらい鏡面反射であるか乱反射であるかが異なる粒子に変更可能である。例えば、実施形態では、光変調器が異なる反射レベルを変調できる。粒子は、光を発する場合もある。複数の光学層を積み重ねると、可能性がさらに増加する。
【0052】
交互の主線の2つのセットを有することは、電気的に適合可能なグレージングを提供するのに十分であり;その交互の2つのセットのため、基板の任意の部分の電場は、2つの対向する電極が2つの対向する側部からの部分に境界をつける場合に制御可能である。図1に示すような直線の代わりに、線は、多くのやり方で変形され得る。例えば主線または相互接続線などの線の、例えば形状を変形してもよく、例えば、それらを直線状ではなく波状にしてもよい。例えば、主線または相互接続線から延在する短い支線を追加してもよい。そのような装飾は、表示の回折を変化させ、特に回折を低下させ得る。これらの修飾は図には示されていないが、必要に応じて追加され得る。
【0053】
図2aは、基板200の実施形態の例を概略的に示す図である。基板200は、ダイナミックグレージングに使用され得る。複数のメッシュ電極が、基板200に適用される:図2aに示されているのは2つのメッシュ電極:メッシュ電極210およびメッシュ電極230である。これらの2つのメッシュ電極は、メッシュ電極間に電磁場を作り出すために使用され得る。光学流体が使用されているとき、そのような電磁場は、電極に向かう、または電極からの粒子の電気泳動をもたらすために使用され得る。2つのメッシュ電極は、光変調器、例えばダイナミックグレージングを作り出すために十分であるが、2つよりも多いメッシュ電極が存在する場合は、電磁場のより良好な制御が可能である。
【0054】
この実施形態において、複数のメッシュ電極の各々は、第1の方向に延在する複数の主線を備える。例えば、メッシュ電極210は、複数の主線を備える:示されているのは、主線211、212、213、214および215である。例えば、メッシュ電極230は、複数の主線を備える:示されているのは、主線231、232、233、234および235である。
【0055】
これらの主線など、長く細い電極線を作り出すことは、製造上の欠陥の影響を受ける可能性がある。主線が単一の経路のみを通してコントローラに接続されている場合、その主線における切り込みは、その切断後に主線を電気的に絶縁する場合がある。ダイナミックグレージングでは、これは、制御可能エリアの損失、例えば線の故障として見られる場合がある。例えば、線路故障は、黒色の線としてグレースケールのパネルに見られる場合がある。例えばインターコネクトを追加すること、例えば相互接続線はこの問題を軽減する。
【0056】
示される実施形態では、複数のメッシュ電極、例えばメッシュ電極210および230の主線は、例えば第1の方向101などの同じ方向に延在し、例えば、それらは平行である。主線は、光変調器の光学特性を制御するために使用され得る。留意すべきは、複数のメッシュ電極の主線は、点在している交互パターンで基板上に配置されることである。そのようなパターンは、インターディジットされているとも称される。例えば、メッシュ電極210および230の主線は、次々に配置され;基板上で2本ずつが順番に配置される。
【0057】
メッシュ電極の主線は、複数の相互接続線を通して互いに接続されている。複数の相互接続線は、メッシュ電極の主線を共に電気的に接続する。特に、メッシュ電極の複数の主線は、複数の相互接続線を通してメッシュ電極の他の主線と接続されている。
【0058】
例えば、メッシュ電極210の主線は、複数の相互接続線を通して、同じメッシュ電極の他の主線に接続されている:示されているのは相互接続線221、222および223である。例えば、主線211および212は、相互接続線221を通して接続されており;主線213および214は、相互接続線222を通して接続されている、等である。同様に、メッシュ電極230の主線は、相互接続線を通して相互接続されている:示されているのは相互接続線241、242および243である。実際には、それらの2つのメッシュ電極に対して示されている5本の主線よりも多い主線が存在し得;各メッシュ電極について示されている3本よりも多い相互接続線が存在し得る。
【0059】
相互接続線は、別のメッシュ電極と交差し、交差点を形成する。例えば、相互接続線221は、メッシュ電極210の2本の主線を接続するが、メッシュ電極230の主線231と交差する。6つの交差点が図2aに示されており、各相互接続線に対して1つの交差点が示されている。1つの交差点は、破線円と参照番号251で印付けされている。実際にはより多くの交差点が存在し得る。
【0060】
相互接続線は、基板が光変調器において使用されるときに同じ電位を有するメッシュ電極に接続される。実施形態では、異なる電位の線は、交差点または交差セクションにおいて中間の誘電体によって互いから絶縁されている。
【0061】
電極を望ましくない切断、例えば、製造中の僅かな欠陥に起因して生じる切断、またはデバイスのエイジングに起因する切断から保護することによって基板の耐用年数を増加させることに加えて、インターコネクトはさらなる驚くような利点を有する。長く細い線は、それらの抵抗がそれらの長さとともに増加するため、光変調器のスケールに制限を課す。そのため、電磁場は均質ではない。相互接続線を追加することによって、特に基板上のメッシュ電極が基板の同じ縁部または縁部上の同じ点さえから電力供給される場合に、電磁場の均質性が改善され、結果として、より均質の透明性レベルまたは反射性レベルをもたらす。
【0062】
複数の交差点は、基板にわたって様々な形態で分布され得る。例えば、複数の交差点は、基板にわたって無作為に分布され得る。例えば、複数の交差点は、規則的なパターンで分布され得る。例えば、この分布は、最適化プロセス、例えば、回折、均質性、場合によっては他の望ましい特性のための最適化の結果として得られ得る。
【0063】
主線を同じメッシュ電極の1つ以上の他の主線と接続することは、有益であり、例えば、特定の主線を切断から保護する。全ての主線が相互接続線と共に設けられることは有益であるが、これは必須ではない。例えば、実施形態では、少なくとも2本の相互接続線を備える、メッシュ電極における主線の数は、少なくとも2、少なくとも10、主線の数の少なくとも半分、主線の少なくとも90%、またはほぼ全ての主線である。例えば、実施形態では、主線が、少なくとも2本、少なくとも4本、少なくとも8本、または少なくとも16本の相互接続線に接続されている。例えば、主線が、基板の縁部の距離内の相互接続線に接続されており、距離が、主線の長さの、10%未満、10cm未満、5cm未満などである。
【0064】
実施形態では、基板上のメッシュ電極のかなりの部分が基板の表面上に露出され、それによって基板が光変調器に使用されているときのメッシュ電極が光学層と流体接触する。メッシュ電極の全部がこの様態で露出されることは必要ではない。例えば、交差点において、2つの交差しているメッシュ電極のうちの第1のメッシュ電極は、2つの交差しているメッシュ電極のうちの第2のメッシュ電極の下で延びてもよく、それによって第1のメッシュ電極の一部が露出されない場合があり、流体接触しない場合がある。ただし、この非露出部分は、光変調器の光学特性に顕著には影響しない。例えば、メッシュ電極の大部分、例えば少なくとも80%、90%などが流体接触するように配置してもよい。例えば、実施形態では、全主線が流体接触し得る。
【0065】
図2aに示されている基板は、例えば、以下の動作を行うことによって製造され得る。
【0066】
- 基板上に第1のメッシュ電極をパターン成形する。このメッシュ電極は、複数の主線および複数の相互接続線を備え得る。実施形態では、主線は、基板にわたって規則的に分布されてもよい一方、複数の相互接続線は無作為に分布されてもよい。
【0067】
- 相互接続線の上部において、特に、第2のメッシュ電極が交差する相互接続線上の所、および、後で第2のメッシュ電極の相互接続線が交差する、第1のメッシュ電極の主線の上部において、電気絶縁エリア(アイランドまたはパッチとも呼ばれる)をパターン成形する。
【0068】
- 基板上に第2のメッシュ電極をパターン成形する。この第2のメッシュ電極はまた、複数の主線および複数の相互接続線を備え得る。第2のメッシュ電極の複数の主線は、第1の複数の主線のうちの主線とインターディジットしていてもよい。絶縁アイランドがパターン成形される場所において、第2のメッシュ電極の主線が第1のメッシュ電極の相互接続線と交差する。絶縁アイランドが第1のメッシュ電極の主線上にパターン成形された場所において、第2のメッシュ電極の相互接続線が第1のメッシュ電極の主線と交差する。
【0069】
主線のための規則的なパターン、例えば、第1および第2のメッシュ電極の主線間を等しい距離を使用すると、均質の電場が引き起こされる。相互接続線の無作為な分布は、回折への寄与を低減する。上記製造は、2つより多いメッシュ電極に拡張可能である。
【0070】
上記製造において、電極線は、同じレベルでなくてもよい。誘電体の表面全体上に同じレベルで主線を置くことも可能である。例えば、全てのメッシュ電極の主線をパターン成形し、例えば表面全体をカバーする誘電体の下方にインターコネクトを置いてもよい。インターコネクトと電極線との間の電気接続は、ビア、例えば、交点の特定の場所の誘電体における穴を使用してなされ得、金属でカバーする。典型的には、基板はそれ自体が誘電体である。
【0071】
相互接続線がどのように置かれるかにかかわらず、それらは、例えば、生産中などの断線のため、または線の電食に起因する電気接続の損失を防ぐ。この構造は、生産収率を増加させ、製品の寿命も延ばす。
【0072】
興味深いことに、相互接続は、基板のコネクタからより大きく離れた位置における抵抗の低減を改善する。従来のインターディジットされた線において、非常に細長い電極は、特に非常に大型のディスプレイについては、顕著な抵抗を有する。インターディジットされた線間に相互接続を有することによって、電極は、電気的視点からみると、メッシュ電極となる。これは、電気トラックの抵抗の低下、および電場のより良好な分布を引き起こし、結果としてデバイスの動作のより高い均質性が生じる。
【0073】
この相互接続は、互いに近い点から、例えば同じ縁部から、同じコネクタから、同じ点からの電力供給をメッシュ電極が受けることを可能にし、いくつかの利点を有する。相互接続線がない場合、例えば、基板の対向する縁部から電力供給を受けるとき、入力電圧が同じでも、主線間に局所的に異なる電位が存在する場合がある。デバイスにおける固定エリアにおいて、この差は、特定の電極線抵抗を作り出すコネクタからの距離によって作り出される。この距離、したがって抵抗は、2つのインターディジット電極間で異なり、考慮されているエリアが一方のコネクタまたは他方のコネクタにより近いときに、基板にわたって変化する。図2aに示すように、電極線215の端部は、電極線235または234の電極線215の端部に近い点と比較して長さが顕著に長い。そのような電位差はDCシフトを作り出し、したがって電食の固定の低レートを維持する。例えば、基板上の近傍の主線が同じ電位を有することが望まれる場合が多く、例えば、これは、ディスプレイが開かれている(垂直に駆動されるとも呼ばれる)ときに使用され得る。ただし、相互接続線がない場合、例えばメッシュ電極がない場合、互いに対向する2つの点がコネクタに対して、例えばそれらの主線に沿って測定したときに、異なる距離を有するという事実に起因して、僅かな水平電場が依然として生成される。基板上のこの僅かな望ましくない電位差は、電場方向およびディスプレイの性能を妨げる。したがって、相互接続線を使用することは、近傍の主線上の互いに対向する点が、対応するメッシュ電極が同じ入力電圧を有するときに、より近い電位を有することを確実にするために使用可能である。
【0074】
図2bは、基板201の実施形態の例を概略的に示す図である。ダイナミックグレージングで使用される光変調器などの光変調器における粒子移動のより細かい制御が望まれる場合、より多くの電極が基板上に追加され得る。例えば、光変調器において、各基板上に少なくとも2つの電極が存在するが、2つより多い電極が存在してもよい。例えば、少なくとも3つの電極が第1の基板および第2の基板のうちの少なくとも一方に適用されてもよい。例えば、実施形態では、2つの電極が第1の基板に適用され、3つの電極が第2の基板に適用されてもよい。異なる数の電極を有し、その電極がメッシュ電極として実装され得る構成の多くの例については、本明細書に引用により組み込まれる、例えば、米国特許出願第16/994918号を参照されたい。
【0075】
一方の基板が少なくとも2つの電極を有し、他方の基板が少なくとも3つの電極を有するシステムは、様々な利点を有する。例えば、そのような光変調器は、いわゆるカーテン効果が低減されるように駆動されてもよい。このカーテン効果は、窓を閉めている間に発生し、カーテンが電極間で引かれるように見える。このカーテン効果は欠点であり、本質的に視覚的に気を逸らすもので、さらに回折を増加させる。3電極を有する側で、電極は2電極側よりも近くにあることができ、例えば50マイクロメートル未満、より好ましくは40マイクロメートル未満、例えば35マイクロメートル近くにあり得る。これは、電場がより強いことを意味する。それに応じて、閉じることがより速くなり、カーテン効果が低減される。2+2パネルを用いて電極をともに近づけるように移動させると、最大透明性または反射性の減少につながることになる。ただし、追加の電極が利用可能であるとき、これは回避される。開いているとき、追加電極のうちのいくつかは不使用な場合があり、したがって最大透明性または反射性の損失は僅かである。基板上の追加の電極、例えば2つより多い電極は、パネルを開いたときに粒子を引き付けないが、パネルを閉じたときには粒子を引き付けるように構成され得る。例えば、各基板が少なくとも2つの電極を有するパネルは、合計で少なくとも4つの電極を有し得る。パネルにおける基板は、少なくとも5つの電極を有する、例えば2+3設計において;または少なくとも6つの電極を有する、例えば2+4もしくは3+3設計において;または少なくとも8つの電極を有する、例えば4+4設計において、または、2つの2+2設計が3枚の基板を使用して共に積み重ねられるとき、その中間の基板は各々の側に2つの電極を有する。
【0076】
2つより多い電極を有する基板はまた、メッシュ電極を使用することによって有利となり得る。例えば、少なくとも3つのメッシュ電極が基板に適用され得る。2つの電極に対するものと同じ技法は、3つの電極に対しても拡張され得る。例えば、図2bは、3つのメッシュ電極:主線261および264、ならびに相互接続線271が示されている第1のメッシュ電極;主線262および265、ならびに相互接続線272が示されている第2のメッシュ電極;主線263および266、ならびに相互接続線273が示されている第3のメッシュ電極を有する基板201を示す。メッシュ電極の相互接続線は、基板上の他のメッシュ電極の1本以上の主線と交差する。例えば、この場合、相互接続線271は、2つの交差点:交差点252および253を有する。これらの交差点は、2つのメッシュ電極を有する実施形態におけるように作られ得る。例えば、誘電体は、相互接続線、例えば、相互接続線271と他のメッシュ電極の主線との間に配置され得る。製造方法に応じて、インターコネクト線は、メッシュ電極とは異なる平面に存在し得;メッシュ電極は、同じ平面または異なる平面に存在し得る。
【0077】
基板201は、3つのメッシュ電極を適用しており、より多くのメッシュ電極、例えば、4つ以上などのメッシュ電極が使用され得る。基板が光変調器において使用されているとき、対向する基板はまた、少なくとも3つ、4つまたはそれより多くなどのメッシュ電極も有し得る。対向する基板は、異なる数の電極を有してもよい。
【0078】
図2cは、交差点の実施形態の例を概略的に示す図である。図2cは、同じ第1のメッシュ電極に属する2本の主線211および212を示す。例えば、2本の主線は、メッシュ電極210の主線でもよい。図2cは、主線211と212との間に相互接続線221を示している。相互接続線221は、異なる第2のメッシュ電極の主線231と交差し、交差点を作り出す。異なるメッシュ電極が時には異なる電位を有する必要があり、時には同じ電位を有する必要があるため、第1および第2のメッシュ電極の電位が互いから独立して制御可能であることが重要である。
【0079】
これは、相互接続線221と主線231との間に電流制御コンポーネント254を配置することによって達成可能である。相互接続線221の一部は、電流制御コンポーネント254の下で延びるが、相互接続線221はその上で延びる。電流制御コンポーネント254の下で延びる主線231の一部は、破線および参照番号231’で示されている。また、逆でもよく、例えば相互接続線221が部分的に電流制御コンポーネント254の下で延び、主線231がその上で延びる。後者は、全主線が光変調器において流体接触可能であるという利点を有する。
【0080】
典型的には、電流制御コンポーネント254は、透明な材料から作成される。電流制御コンポーネント254は、半導体材料または絶縁材料のみを含み得る。例えば、コンポーネント254は、無機材料、例えば、シリカ、または有機材料、例えば、ポリアミド、フォトレジスト、アクリルレジストなどを含み得る。
【0081】
電流制御コンポーネントは、主線231と、2つのメッシュ電極の間にある相互接続線221との間を流れ得る電流を制御する。電流制御コンポーネントに対して多くの場合使用される選択肢は、誘電体を使用することであり;この場合、電流がそれを遮断することによって制御される。
【0082】
電流制御コンポーネントの別の選択肢は、相互接続線221と主線231との間の電位が基準を満たす場合に電流を通すようにそれを構成することである。例えば、相互接続線221と主線231との間の電圧差が高い場合、例えば、電圧差が閾値よりも高い場合、電流は電流制御コンポーネント254を通って進むことが可能になり得る。例えば、相互接続線221と主線231との間の電圧差が低い場合、例えば、電圧差が閾値よりも低い場合、電流は、遮断され、電流制御コンポーネント254を通って進むことが可能になり得ない。相互接続線221は、主線211と同じメッシュ電極の一部であることに留意されたい。したがって、第1と第2のメッシュ電極の電位差が高い場合、例えば交差点において高い場合、例えば電流制御コンポーネントの閾値よりも高い場合、電流は、第1と第2のメッシュ電極の間を進むことが可能になる。電流を制御する様々な半導体コンポーネントが存在し、例えば、電流制御コンポーネントは、ツェナーダイオードでもよい。
【0083】
実施形態では、このツェナーダイオードは、逆の極性を有する直列の2つの背中合わせのツェナージャンクションを含む。電圧差が閾値Tよりも大きい場合、または閾値-Tよりも小さい場合、電流は流れることができ、それ以外は流れない。そのようなツェナーダイオードは大きい電圧差を回避するものであり、そうでなければシステムを損傷させ、例えば、いわゆる過電圧となる場合がある。メッシュ電極の接続点が大幅に離れている場合に、ツェナーダイオードはまた有益である。
【0084】
例えば、相互接続線がツェナーダイオードなどの電流制御コンポーネントを備えるインターディジットされたパターンは、いくつかの利点を有する。例えば、ディスプレイを開いているとき(垂直駆動とも知られる)である。この駆動は、高電圧においてなされ得る。ダイオードは、高い正の電圧および負の電圧の両方に対して電流を通過させる。より高い電圧において、電流制御コンポーネントが2つのメッシュ電極を接続するため、メッシュ密度は増加する。開放フェーズにおいて、同じ基板のメッシュ電極を同じ電位において有することが好ましい。これはまた、製品の寿命についても有益である。
【0085】
一例では、開放駆動は、基板のメッシュ1およびメッシュ2の両方において24V ACである。ツェナーダイオードは、電位差が23Vよりも高いときに、電流を通過させるように構成されている。したがって、メッシュ1の一部が破損し、絶縁になった場合、メッシュ1は0Vとなるが、メッシュ2は24Vである。その点において、ツェナーダイオードは通電状態となり、それによってメッシュ1の電位は、メッシュ2の電位、この場合は24Vと等しくなる。メッシュ1を閉じると、一例では10Vの電位となり得、メッシュ2は、したがって、-10Vの電位となり得る。そのツェナーダイオードについての電位差がしたがって20Vであり、これは23V未満であり、したがってツェナーダイオードは電流を遮断し、水平の電場が作り出されたことを意味する。
【0086】
デバイスを閉じるとき(水平駆動とも知られる)、メッシュ電極の各々を絶縁することは利点である。その結果、この水平駆動は低電圧でのみ生じて、ツェナーダイオードを介した導電を防ぐ。
【0087】
電極メッシュ1の一部が絶縁となることも発生し得る。これは、例えば、2つのインターコネクト間に2つの切断が存在する場合に起こり得る。その場合、フローティング線がある。第2のメッシュの誘電インターコネクトに対してツェナーダイオードのアプローチを使用することは、その絶縁部分を放電する上で役立つ。高電圧における駆動は、メッシュ1の電極の部分を充電する。デバイスを閉じるとき、メッシュ2のインターコネクトからのツェナーダイオードは、ツェナーダイオードをアクティブ化する電位未満になるまで、絶縁された支線を放電する。したがって、電極メッシュ1のこの部分は、デバイスが不透明状態に駆動されるので、透明のままではない。
【0088】
図3は、基板の実施形態の例を概略的に示す図である。図3に示されているのは、2つのメッシュ電極301および302の一部である。2つのメッシュ電極の主線は、2つのメッシュ電極301および302の参照番号をそれぞれ伴って左側に示されている。図3に示されているのは、相互接続線351および絶縁体352である。この絶縁体は、2つのメッシュ電極301および302を互いから絶縁する。図3に示されている相互接続線のいくつかは、メッシュ電極301の2本の主線を接続し、相互接続線のいくつかはメッシュ電極302の2本の主線を接続することに留意されたい。
【0089】
図3の実施形態において、主線は直線状ではなく波状であるが、相互接続線は直線状である。さらに、または代わりとして、相互接続線は波状でもよい。非直線状の線を使用することは、回折に対する影響がより低く、さらに、多くの可能な非直線状の線が存在するため、回折に対するそれらの影響に対して最適化可能であるという利点がある。電極線がどのくらい回折に寄与するかは、その形状に依存し、形状を変更することにより、この寄与が変更可能である。例えば、波状線は、線分、半円、正弦波形状などの形状を接続することによって構築され得る。図3に示しているのは2つのメッシュ電極であるが、より多くの非直線状メッシュ電極が組み合わされてもよい。
【0090】
図4は、基板400の実施形態の例を概略的に示す図である。図4に示されているのは、複数のメッシュ電極、この例では2つのメッシュ電極431および432である。メッシュ電極の各々は、複数の主線および複数の相互接続線を備える。基板は、4つの縁部を有する。2つの対向する縁部は、参照番号:縁部421および縁部422を有する。縁部421および422は、全てのメッシュ電極の主線を伴うように配置される。例えば、メッシュ電極4341の主線およびメッシュ電極432の主線は、縁部421および縁部422に達する。
【0091】
コネクタ411は、全てのメッシュ電極、例えば、メッシュ電極431および432の1本以上の主線と電気的に接続している縁部421上に配置される。コントローラは、便利には、コントローラをコネクタ411に接続することによって、全てのメッシュ電極を制御できる。例えば、コネクタ411は、コネクタ411への配線を接続するためのインターフェースを有し得る。配線の他端部は、コントローラに接続され得る。相互接続のため、コネクタ411は、基板の1つの縁部上、さらには基板の1つの縁部の一点に配置され得る。
【0092】
好ましくは、メッシュ電極が電源、例えばコントローラに接続されるケーブルなどに接続している基板上の接続点(切断後かそうでないかにかかわらず)は、互いに近くにある。例えば、それらの接続点は、基板の同じ縁部上にあってもよい。これらの接続点は、必ずしも縁部上にある必要はない。接続点はまた、基板上、例えば、メッシュ電極に対向する基板の裏側上にあることも可能である。依然として、接続点がともに近くにあることが好ましい。例えば、接続点は単一のコネクタ内にあってもよい。例えば、接続点は、互いから10cm以下または5cm以下に存在してもよい。
【0093】
メッシュ電極を使用することは、基板が様々な形状に切断され得るというさらなる重要な利点を有する。例えば、基板400は、矩形の形態で製造されてもよい。ただし、矩形形状で作られた後に、異なる形状に切断可能である。図4は、切断線412を太い破線の形態で示しており、それに沿って基板400が切断され得る。基板自体の製造を変更せずに、際限なく様々な形状が基板400から切り出すことができる。基板を切断した後でさえ、コネクタ411は全てのメッシュ電極に接続する。相互接続線がない従来の設計においては、主線が断線の影響を受けやすいため、その設計を切り出すことは可能ではない。
【0094】
2つの基板が光変調器内へ組み合わされる前に、基板が切断されてもよいが、組み合わされた後でもよい。例えば、少なくとも2つの基板を備える組立において、2つの基板間に流体および粒子を有する光学層は、光変調器を形成可能である。この組立は、組立後に切断され、それによって特定の形状の光変調器を得てもよい。
【0095】
最初に矩形基板を製造し、次いでそれを切断することによって、矩形でない基板が設けられ得る。接続点は、基板上に割り当てられ得る。例えば、電気コネクタは、基板上のメッシュ電極に対して単一の点において設けられ得る。
【0096】
コネクタ411などのコネクタは、切断前または後に光変調器上に取り付けられてもよい。例えば、コネクタは基板の縁部上に取り付けられてもよく、コネクタは基板上の全ての複数のメッシュ電極に、または両方の基板上の全てのメッシュ電極にさえも接続されてもよい。一方、コネクタはコントローラに接続可能でもよい。
【0097】
電気的破壊なしにデバイスの快削性を得ることが可能である。この切断は、穴さえも含み得る。切断時に、例えば溶融、例えば糊付けによって、基板の切断された縁部が閉じられてもよい。閉じることが、基板間に流体を保つ。
【0098】
モジュール作製後にデバイスを切断することは、デバイスの封止を除去し得る。切断後にモジュール絶縁/封止を再度作り出すために、溶接プロセスが使用可能である。溶融は、プラスチックの基板には特に効率がよい。溶融は、例えば、切断自体のためにも使用され得るレーザを使用してなされ得る。ガラス基板もまた切断されて、閉じられてもよい。基板レベルでの組立前に切断がなされる場合、縁部をアクセス可能なままにせずに切断可能である。
【0099】
接触フォイルの縁部ストリップは、モジュールの縁部に置かれ得る。切断が、2つのインターディジットされた電極線の間の距離に対応する僅かな縁部を残すことを確実にする場合、デバイスは機能する。
【0100】
相互接続線を使用することのさらに別の利点は、光変調器が破損の影響を非常に受けにくいことである。例えば、物体との衝突を原因として光変調器の一部が偶発的に切断された場合、光変調器は機能したままである。流体がその衝突によって漏洩した場合、これは、光変調器の切断部分の糊付け、溶融、または別様に閉じられることによって止められ得る。
【0101】
実施形態では、コントローラは、基板上の接続エリアにおいて、基板上の複数のメッシュ電極に電気的に接続される。そのような接続エリアを通して接続することは、電源への距離を等しくし、したがって、2つのメッシュ電極の2本の連続した主線上の互いに対向する2つの点間の電位の差を最小限にする。例えば、接続エリアは、1つ以上の基板に接続されたコネクタによって形成され得る。例えば、接続エリアにおける基板上の接続点は、互いに近くにあってもよく、例えば、最大でも10cm、最大でも5cm、最大でも1cm、さらにはより近くにあってもよい。互いに近くにあってメッシュ電極に接続することは、基板上のある所への抵抗、例えば、対向する主線上の2つの対向する点への抵抗を互いに近づける。実施形態では、対向する主線上の点から電源への抵抗は、10%、5%、1%、およびそれより下の範囲内である。(例えば、より小さい方の抵抗のパーセンテージとして、より大きい方の抵抗からより小さい方の抵抗を差し引いたものとして測定される)。
【0102】
接続エリアは、基板の縁部または基板の裏側などにあり得る。
【0103】
実施形態による基板が製造され得るいくつかのやり方が存在する。例えば、ダイナミックグレージングのための光変調器に使用される基板を製造する方法は、
- 基板を設けること、例えば、誘電基板、例えばプラスチックまたはガラスの基板などと;
- 基板上に複数のインターレースされたメッシュ電極を適用することであって、複数のインターレースされたメッシュ電極は基板にわたって2次元パターンで延在しており、基板上の複数のメッシュ電極のうちの2つのメッシュ電極は基板にわたって分散する複数の交差点において交差する、ことと
を含み得る。
【0104】
例えば、メッシュ電極を適用することは、複数の主線を適用することと、複数の相互接続線を適用することを含み得る。電極、例えば、主線および/または相互接続線を適用することは、例えば、導体材料堆積後のエッチングプロセス、レーザパターニングを用いたフォトリソグラフィを使用して、例えば、スピンコーティング、フレキソ印刷、スリットコーティングなどの薄膜技法を使用したパターン成形によってなされ得る。例えば、電極は、導体材料、例えば金属の層でコーティングし、電極が残るように部分的にそのコーティングを除去することによって適用され得る。適用することは、直接印刷を使用して行われ得る。従来のフォトリソグラフィプロセスによる導電フォトレジストの直接パターン成形、または直接レーザ書き込みなどによってメッシュ電極を作り出すことも可能である。
【0105】
この製造方法はまた、2つのメッシュ電極間の交差点において、例えば、主線と相互接続線との間の交差部において電流制御コンポーネントを位置合わせすることを含み得る。例えば、絶縁パッチまたはアイランドを主線上および/または相互接続線上にパターン成形することによる。導電線を相互接続することは、電極メッシュパターン成形のために使用されるような類似の生産技法に従うことによって得られ得る。
【0106】
そのような製造方法が変形または変化され得る多くのやり方が存在する。それらの例が本明細書に与えられる。
【0107】
図5a-5eは、基板を製造する実施形態の例を概略的に示す図である。
【0108】
図5aは、基板を設けることを示す。例えば、基板はプラスチックまたはガラスの基板でもよい。図5bおよび図5cにおいて、複数の相互接続線が基板上にパターン成形される。図5bは、パターン成形のための導電層の基板上への堆積を示し、図5cは、パターン成形後の結果を示す。この例において、相互接続線は、主線の前に基板に対して適用される。この例において、相互接続線は、パターン成形ステップ後に互いから絶縁される。この例では、相互接続線は、フォトリソグラフィおよび/またはエッチングプロセスによってパターン成形される。例えば、インクジェット印刷、スクリーン印刷などの技法を介して、期待されるパターンで直接印刷することによって、相互接続線が適用され得る。印刷されたプロセスの解像度を改善するために、線を細くするための印刷後に、追加の局所的フォトリソグラフィまたはドライエッチングが行われ得る。
【0109】
図5dにおいて、基板は、誘電体層によってコーティングされている。ビアを作り出すために、その誘電体において穴が作り出される。この例では、インターコネクトが、インターディジットされたパターンの下に作り出され、誘電体層によってメッシュ電極から分離されている。図5eは、複数のメッシュ電極、この場合は2つのメッシュ電極の複数の主線の適用を示す。複数の電極の複数の主線は、基板上に互いに対して交互に配置される。これらの主線は、ビアを通して、図5cで適用されている相互接続線に接続されることに留意されたい。これらのビアは、適用される主線を複数のメッシュ電極内に接続する。このようなプロセスにおいて、主線の全てが基板と平行な同一の平面にあるが、相互接続線は異なる平面にある。
【0110】
有益には、基板が光変調器において使用されるとき、主線の全てが光学層と流体接触するが、インターコネクトのいずれも流体接触しない。図5a-図5eに示されたこれらのプロセスの欠点は、誘電体層が表面にわたってあらゆるところに残ることである。そのように広がっている誘電体層は、デバイスの光学性能を改変し得る。誘電体層が残ることの不利益な点は、その層の追加のパターン成形によって解決され得るが、複雑性を高める。
【0111】
これは、フォトリソグラフィプロセスを依然として使用する場合があるが、誘電体層をどこにも残さず、接続のためにビアを必要としない代替的な製造プロセスを使用することで回避され得る。図6a-図6gは、基板を製造する実施形態の例を概略的に示す図である。
【0112】
図6aは、基板を設けることを示す。図6bは、基板を第1の導電層でコーティングすることを示す。図6cは、相互接続を形成するための第1の導電層のパターン成形後の結果を示す。この例において、相互接続線は、主線の前に基板に対して適用される。図5cとは異なって、相互接続線は、このパターン成形プロセス後に互いから絶縁されない。相互接続線は、それらの上および下の導体材料を除去することによってパターン成形される。ただし、相互接続線の端部において、図6bの導体材料は除去されない。後者の材料は、ビアを使用する代わりに、メッシュ電極に接続するために、後で使用される。この例では、相互接続線は、フォトリソグラフィおよび/またはエッチングプロセスによってパターン成形される。
【0113】
図6dは、誘電体層を用いたコーティング、例えば堆積を示す。誘電体層は、図6cに示す相互接続線上に絶縁パッチを得るようにパターン成形される。この結果が図6eに示される。代替的に、誘電体層は、局所的に堆積され得る。この誘電体は、インターコネクトのエリアをカバーするためだけに残る。
【0114】
図6fは、基板全体をカバーする第2の金属層の堆積を示す。この基板は、インターディジットされた主線を曝露するために図6gにおいてパターン成形される。後者のパターン成形は、図6fに示すコーティングの一部と、図6bに示すコーティングの一部とを除去することに留意されたい。図6gは、パターン成形の結果を示す。大部分について、主線は、2つの金属層を含む:1つの層は、図6bにおいて堆積されており、他の層は図6fにおいて堆積されている。主線が絶縁パッチの上を行く部分のみが、単一の層のみを使用する。
【0115】
図7a-図7cは、基板を製造する実施形態の例を概略的に示す図である。図7aに示されているように、少なくとも2つのメッシュ電極の複数の主線は、基板上に印刷またはパターン成形されている。
【0116】
図7bにおいて、誘電材料は主線上に印刷される。図7cは、誘電体上に導体材料を印刷し、同じメッシュ電極の2本の主線を結合することを示す。実施形態では、主線のパターン成形は、誘電パッチおよび相互接続線の直接印刷と組み合わされる。
【0117】
実施形態では、誘電体は黒で印刷可能であり、したがって、フォトリソグラフィを介して、上部に厚いレジストをパターン成形するための光学マスクとして使用可能である。このレジストパターンは、基板が第2の基板と光変調器内へ組み合わされるときに、スペーサとして使用可能である。
【0118】
この誘電体はまた、例えば十分に厚くすることによって、スペーサ自体として使用され得る。これは、光変調器における他の基板からの電極が同じ位置にないことを確実にすることによってなされ得る。ただし、後者は、例えば絶縁がその間に配置される場合に可能となり得る。
【0119】
図7a-図7cの実施形態では、メッシュ電極の複数の主線が基板と平行な同一の平面にあることに留意されたい。
【0120】
図8aは、交差点の実施形態の例を概略的に示す図である。例えば、図8aの交差点は、図6a-図6gを用いて示されたようなプロセスを使用して作り出され得る。図8aのより低いレベルが図8bに概略的に示される。
【0121】
図8aおよび図8bに示されているのは、3本の主線:主線821、822および823である。主線821および823は、同じ第1のメッシュ電極に属する。主線822は、異なる第2のメッシュ電極に属する。主線821および823は、相互接続線831を通して接続されている。相互接続線831は、図8bの平面図に見られるように、誘電体851の下で延びる。誘電体851は、図8bにおいて破線で示されている。主線822は誘電体851上を行く。好ましくは、誘電体851は透明である。主線821-823は、2つのレベル:より低いレベル812およびより上のレベル811において金属を含むが、ただし、主線が誘電体の上を行き、その場合ではより上のレベル811のみが使用される所、または主線が誘電体の下で延び、その場合ではより低いレベル812のみが使用される所を除くことに留意されたい。この構造は、主線を相互接続線に接続するためのビアの使用を回避する。より低いレベル812はまた、図8bにおいて概略的に示されている。
【0122】
図8c-図8eは、交差点を製造する実施形態の例を概略的に示す図である。図8cに示されているのは、3本の主線:主線842、843および844である。主線843上に、絶縁パッチ851が、例えば、パターン成形または直接印刷によって適用される。図8dに示されるように、接続ブリッジ852は、絶縁パッチの上部上に適用される。接続ブリッジ852は、相互接続線の例である。
【0123】
接続ブリッジは、同じメッシュ電極の2本の主線を電気的に接続し、すなわち導電性ブリッジである。この接続ブリッジは、この基板上または別の基板上の他のメッシュから絶縁されている。接続ブリッジが別のメッシュ電極に接続されたとしたら、結果として短絡回路となり得る。導電性ブリッジは、導体材料、特に金属トレースから作成されることが好ましいが、他の材料、例えば半導体材料から作成されてもよい。
【0124】
任意選択で、図8eにおいて、さらなるコンポーネントが接続ブリッジの上部上に配置され得る。例えば、スペーサ853が適用され得る。スペーサは、光変調器における別の基板との距離を保つようにさせる。例えば、2つの基板は、スペーサが両方の基板に接触するように、光変調器において配置され得る。
【0125】
スペーサは、第1の基板上の第1のメッシュ電極と第2の基板上の第2のメッシュ電極との間の電流を制御するように構成された電流制御コンポーネントを備え得る。スペーサは、電流を遮断するための誘電体であり得る。例えば、電流制御コンポーネントは、電圧差が閾値を超えた場合に電流を通過させ、閾値を超えていない場合に電流を遮断することを可能にするように配置され得る。例えば、スペーサは、ツェナーダイオードを備え得る。電流制御機能性を有するスペーサの数は、スペーサのうちの1つ以上、または全てに限定され得る。
【0126】
図8eに示されているスペーサ853は交差点上に配置され;2つのメッシュ電極が互いに交差する場所に配置され;この場合は、同じメッシュ電極の主線842と844との間のインターコネクトが、異なる電極の主部843と交差する所である。加えて、または代わりに、基板上の異なる場所、例えば、交差点でない場所にスペーサを配置してもよい。
【0127】
実施形態では、1つ以上のスペーサは、光変調器の第1の基板と第2の基板との間に配置され、スペーサは、第1の基板上のメッシュ電極に電気的に接続しているが、第2の基板上のメッシュ電極には電気的に接続していない。第2の基板において、スペーサは、コントローラに接続され得る。特に、第1の基板上の各メッシュ電極に対して少なくとも1つのそのような接続スペーサを有してもよい。このように、全てのメッシュ電極は、光変調器の1つの側部から、例えば光変調器の1つの側部から接続され得る。この接続スペーサは導電性であり、透明であることが好ましい。接続スペーサは、導電ピラーとして構築され得る。
【0128】
例えば、実施形態では、例えば、第1のメッシュ電極の上部上にスペーサを置くことによって、または例えば金属トレースによって導電性スペーサおよびメッシュ電極を接続することによって、第1の基板上の第1のメッシュ電極は、導電性スペーサに電気的に接続され得る。この導電性スペーサは、次いで、第2の基板における接続点に接続し得る。例えば、導電性スペーサは、第2のメッシュに配置されたビアに対して接続してもよく、例えば、このビアは導電性スペーサに対向してあり得る。例えば、導電性スペーサは、さらなる電極、例えば金属に接続され得る。例えば、第1の基板のメッシュ電極上の電位を制御するために、接続点は、次いで、コントローラに接続される。これは、両方の基板の電極メッシュに、光変調器の1つの側部から電力供給することを可能にする。
【0129】
2枚よりも多い基板、例えば3枚以上の基板が互いの上部に積み重ねられている場合、第1の基板におけるメッシュ電極が導電性スペーサを通して第2の基板に接続されてもよく、次いで、導電性スペーサを通して第3の基板に接続され、最後の基板まで同様である。したがって、基板上のメッシュ電極は、基板間に配置された1つ以上の導電性スペーサを通して、最後の基板における接続点に接続し得る。これは、光変調器の1つの側部からの積み重ねにおける全メッシュ電極の制御を可能にする。
【0130】
ダイナミックグレージングで使用される光変調器など、光変調器における基板間にスペーサを設けることは、メッシュ電極でないインターディジットされた電極を用いた場合にも有益である。そのようなダイナミックグレージングの例は、光変調器を備えるダイナミックグレージングであって、光変調器は:互いに向き合った第1の基板および第2の基板と、第1の基板にわたって、および第2の基板にわたって2次元パターンで延在する複数のインターレースされた電極、第1の基板と第2の基板との間の光学層であって、光学層は、粒子を含む流体を含んでおり、粒子は、帯電しているか、または帯電可能である、光学層を備える、ダイナミックグレージングである。メッシュ電極を用いた場合、コントローラは、基板上の電極に接続され得るか、または接続可能であり得る。スペーサは、基板を互いに離間するように第1および/または第2の基板上に配置され得る。導電性スペーサは、一方の基板上の電極に接続されて、対向する基板上の電極から絶縁されてもよく、スペーサは、接続点を通して、例えば対向する基板の裏側を含む、対向する基板上のさらなる電極、ビアなどを通して、コントローラに接続され得る。実施形態では、基板上の電極への接続点は、基板の裏側上例えば、基板上の電極への接続点に配置され得る。接続点は、光変調器の縁部近くに配置可能である。対向する基板上の電極への接続点はまた、設けられてもよく、例えば、スペーサを通して接続されてもよい。実施形態では、光変調器内の全ての電極が、基板の同じ側部から制御可能である。
【0131】
非メッシュ電極を備える半導体スペーサを使用することも可能であり、例えば、スペーサは、第1の基板上の電極に、および第2の基板上の電極に接続され得、スペーサは、半導体材料、例えば、ツェナーダイオード、例えば、一方向または双方向ツェナーダイオードを含む。
【0132】
図9aは、メッシュ電極901の実施形態の例を概略的に示す図である。基板にわたるメッシュ電極の2次元パターンは、正六角形パターンを含む。有益には、このパターンは基板を埋める。そのような基板は、1つのタイルが基板上で規則的に繰り返されているという意味においてタイリングとも呼ばれる。示されるような六角形タイリングの代わりに、例えば、三角形タイリング、四角形タイリングなどを使用し得る。図9aに示されるメッシュ電極は全体的に一平面にあるが、同じ基板上のそれと組み合わされる他のメッシュ電極は、異なる平面にあり得ることに留意されたい。図9aに示すような六角形パターンは主線と相互接続線との組合せとしてみなされ得る。例えば、図9bに示すように、パターンは、規則的な鋸歯状パターンの形態の複数の主線としてみなされることができ;図9bに示されているのは、主線902および903である。主線間において相互接続線が適用されて、主線をメッシュ電極内に形成する。図9bに示されているのは、3本の相互接続線であり、そのうちの1本が番号904を有する。
【0133】
図9cは、基板の実施形態の例を概略的に示す図である。2つのメッシュ電極:六角形パターンを有するメッシュ電極905およびメッシュ電極906は、基板上に適用される。例えば、図9cの基板を製造するために、基板上に第1のメッシュ電極を適用し、次いで第1のメッシュ電極上に電流制御コンポーネント907、例えば、誘電体および/またはダイオードを適用し、最後に、基板上に第2のメッシュ電極を適用するが、第2のメッシュ電極が電流制御コンポーネントを通して第1のメッシュ電極から絶縁されていてもよい。メッシュ電極および/または誘電体は、パターン成形および/または直接印刷によって適用され得る。メッシュ電極のエリアと比較すると、比較的小さい誘電体が必要とされることに留意されたい。
【0134】
メッシュ電極は、パターンが繰り返される周期を有し得る。例えば、この周期は、メッシュ電極のセルの反復を示すベクトルであり得る。第2のメッシュ電極は、周期の半分にわたって第1のメッシュ電極に対してシフトされ得る。2つより多い、例えば、n個のメッシュ電極が存在し、nが2より大きくあり得る場合、メッシュ電極kは、第1のメッシュ電極に対して(k-1)/n周期にわたってシフトされ得;本明細書では、メッシュ電極は1からnの番号が付されている。
【0135】
2つよりも多いメッシュ電極は、図9aに示される規則的なタイプのメッシュ電極を含む非直線状メッシュ電極の使用時に適用され得る。例えば、図9d-図9hは、基板を製造する実施形態の例を概略的に示す図である。
【0136】
例えば、図9hの基板を製造するために、図9dに示すように、第1のメッシュ電極を基板上に適用し、次いで、図9eに示すように、例えば、誘電体および/またはダイオードなどの電流制御コンポーネントを第1のメッシュ電極上に適用してもよい。次いで、第2のメッシュ電極は、図9fに示すように適用される。第2のメッシュ電極は、電流制御コンポーネントを通して第1のメッシュ電極から絶縁されている。次に、電流制御コンポーネントの第2のセットは、図9gに示すように適用され、その上部に第3のメッシュ電極が適用される。メッシュ電極および/または誘電体は、パターン成形および/または直接印刷によって適用され得る。
【0137】
3つのメッシュ電極が互いに対してシフトされ、それによって、例えば光変調器を制御するために、必要に応じて基板上で電場を確立できる。一例として、図9fのメッシュ電極は、図9dのメッシュ電極に対して水平方向に12.5マイクロメートルおよび垂直方向に25マイクロメートルだけシフトされ得る。
【0138】
3つ以上のメッシュ電極を備える基板は、例えば、2+3構成または3+3構成などにおけるダイナミックグレージングのために、光変調器において使用され得る。すなわち、2つのメッシュ電極を備える基板が3つのメッシュ電極を備える基板に対向して配置され得(2+3)、3つのメッシュ電極を備える基板が3つのメッシュ電極を備える基板に対向して配置され得る(3+3)、などである。
【0139】
電気的接続フォイルのストリップが、基板の少なくとも1つの縁部に付けられ得る。このストリップは、基板上のメッシュ電極に接続している導体を備える。ストリップは、場合によっては基板と共に切断され得る。コネクタは、ストリップの残りの部分に対して適用可されることができて、フォイルの導体を通して、コネクタを通して、コントローラに対してメッシュ電極を接続する。実施形態では、フォイルのストリップは、少なくとも2つの縁部に対して適用され得る。例えば、2つの縁部は、基板の共通のコーナーを共有し得る。例えば、2つの縁部は、基板の対向する縁部であり得る。例えば、2つの対向する縁部は、主線に対して直交し得る。例えば、2つの対向する縁部は、主線に対して平行であり得る。実施形態では、フォイルのストリップは、基板の全縁部に対して適用される。
【0140】
図10a-図10bは、基板の実施形態の例を概略的に示す図である。示されているのは、第1のメッシュ電極1210、第2のメッシュ電極1211、および誘電体1212であり、メッシュ電極を囲んでいるのは、電気接続フォイル1213である。基板上のメッシュ電極を、例えばPCB上のコントローラに接続するには様々なやり方がある。例えば、メッシュ電極はケーブルアセンブリを通してPCBマウントコネクタなどを接続し得るが、フォイル1213を使用することは、異なる接続点を支持するためにそれを切り込むことができるという追加の利点がある。
【0141】
例えば、フォイル1213は、メッシュ電極に接続している導体を備え得る。フォイル1213自体は、典型的には絶縁体である。例えば、導体は、エッチングされた銅伝導体でもよい。フォイル1213は、ポリイミド材料で作成されもよい。フォイル1213は、フレキシブルプリント回路(FPC)を備えてもよい。例えば、このフォイルは、基板、例えばガラスを回路ボードに接続するためのポリイミドインターコネクトフォイルでもよい。フォイル1213は、メッシュ電極の背後に存在しないことに留意されたい。典型的には、フォイルの端部のみが基板に接着され、電極パターンに位置合わせされる。フォイル1213は、基板をPCBに接続する。例えば、フローティングプラスチックフォイルである。
【0142】
フォイル1213は、基板の設置を可能にするためだけに存在し得る。基板自体はガラス、またはプラスチック基板でもよい。後者は、フォイル1213と同じ種類のプラスチックでもよく、またはそうでなくてもよい。メッシュ電極に接続するために使用されないフォイルは、切り取られてもよい。
【0143】
フォイルをメッシュ電極および基板に適用することには、接着剤を使用してもよい。典型的には、この接着剤は、一方向のみ、例えば垂直であって横方向ではない方向で通電するように構成され;例えば、接着剤は、金の粒子でドーピングされ得る。接着剤は、基板上の電極パターンとフォイルとの間に適用され得る。
【0144】
図10aは、ズームアウトした図を示しており、図10bは、拡大した詳細を示す。メッシュ電極1210および1211は各々が、複数の相互接続線と共に接続された複数の主線を備える。相互接続線が主線と交差する所で、誘電体1212が、それらの間に適用される。フォイルは接続線を支持することに留意されたい。左側および右側において、接続線は、基板の縁部からの第1の2本の主線に接続する一方、上部接続線および下部接続線は全ての主線に接続する。図10bの番号1210および1211は、各メッシュ電極の接続線を示す。両方のメッシュ電極が基板の外部から接続可能なままである限り、左もしくは右、または上部もしくは下部にある接続線は任意選択である。
【0145】
この実施形態の利点は、切断可能なことである。図10cにおいて、形状の切断線1214が示されている。基板のための接続点が各メッシュ電極の少なくとも1本の主線に対してアクセスを伴うままである限り、実際の形状は任意である。穴も形状において切断され得る。この例では、フォイルの全ては、接続線の全てと共に、下部のストリップ以外は切除される。ストリップは、メッシュ電極の各々のための接続線を含む。例えば、コネクタはストリップに対して適用され得る。図10dは、基板を切り抜く形態の例を概略的に示す図である。任意の非矩形形状がこのようにして得られることが可能であることに留意されたい。この切断方法は、任意形状の窓をサポートできるため、有益である。例えば、この切断方法は、自動車用のダイナミックグレージングを切断するために使用され得る。基板が可撓性の場合、この方法はまた、ダイナミックグレージングにおける任意の曲線もサポート可能である。
【0146】
図10a-図10dに示される例において、ダイナミックグレージングに組み立てられる前に、基板上で切断が行われる。ただし、これは、必須ではない。基板は、例えばダイナミックグレージングのために、1つ以上の他の基板と光変調器内へ組み合わされることが可能である。2つの基板は、一緒に切断可能である。例えば、それらは、レーザなどを使用して切断可能である。組み立てられた光変調器における光学層は、切断中または切断後に、例えば溶融または糊付けによって、封止可能である。
【0147】
図10a-図10cの基板は、基板から小セグメントを切断することを可能にする。切り抜かれたペインが元の基板の縁部を有する部分を共有する場合、そのペイン上の電極は、コントローラに対して容易に接続され得る。容易な接続可能性を有する基板の任意のセグメント化もまた、例えば2つの(またはそれより多くの)基板の外面上に置かれた透明コンタクトを使用して可能である。これらの透明コンタクトは、マザー基板の製造中または製造後に適用されることが可能であり、基板におけるビアを通した導電により、電極に接続され得る。これらのコンタクトがマザー基板の製造中に作られる場合、それらは、電極メッシュの一部から次の電極メッシュへの規則的なオフセットを有して位置付け可能である。これは、最後の変調器に対する、ほぼ無数のサイズを可能にする。
【0148】
メッシュ電極の各々を接続する追加ビアが、メッシュ電極と基板の他の側部との間に作り出され得る。したがって、場所にかかわらず基板/製品を切断可能であり、依然としてそれを相互接続できる。ビアの密度は、可能である切断の最小ステップを示す。
【0149】
図11aは、基板202の実施形態の例を概略的に示す図である。基板202、例えばガラスまたはプラスチックの基板などは、第1のメッシュ電極281および第2のメッシュ電極282が設けられている。この場合、メッシュ電極281および282の主線は、基板の同じ側に設けられる。2つのメッシュ電極は、インターディジットされている。同じ基板の主線間に、相互接続線が設けられている。相互接続線のうちの1本が、参照番号:相互接続線286を伴って設けられている。主線および相互接続線が互いに交差している所で、誘電体283は、それらの間に配置されている。誘電体283は、本明細書で説明されるような異なる種類の電流制御コンポーネントと置き換えられ得る。2つのメッシュ電極が示されているが、より多くのメッシュ電極が存在してもよい。主線が適用される表面は、その後、基板が光変調器に統合される場合に、流体接触する。例えば、図11aに示すような2つの基板は、互いに対向して配置され得、それらのメッシュ電極が互いに向き合っている。この例では、相互接続線を含むメッシュ電極の全てが、基板の同じ側部に対して適用されるが;これは必須ではなく、例えば、相互接続線のいくつかまたは全部は、同様に、裏側を介して延び得る。
【0150】
図11aのメッシュ電極の各々は、基板の他の側部にメッシュ電極を接続する複数のビアが設けられている。基板202が切断された場合、コントローラは、メッシュ電極の各々のビアに接続され得る。このアプローチは、基板202の縁部の一部を共有し得ない中間部で切り抜かれた基板の一部さえ接続可能であるという利点を有する。示される例では、いくつかのビアが相互接続線に接続しており、いくつかのビアは接続していない。
【0151】
例えば、基板202が切断線287に沿って切断されると仮定すると、この場合、基板202は、左部分および右部分において切断される。左部分はまた、例えば、第1のメッシュ電極のためのビア284.1において、および第2のメッシュ電極のためのビア285.1に対して、メッシュ電極に対向する側を通って接続され得る。右部分は、例えば、第1のメッシュ電極のためのビア284.2において、および第2のメッシュ電極のためのビア285.2に対して、メッシュ電極に対向する側で接続され得る。
【0152】
実施形態では、ビアは、無作為パターン、規則的パターン、および/または所定のパターンで基板にわたって延在する。例えば、各メッシュ電極のビアの密度は、最小閾値を上回る。ビアの密度は、考慮可能な切断の最小ステップを示す。例えば、主線に沿って平均的にcmごとにビアが存在する場合、基板から、約1cm+切断ロスの2倍の非常に小さいペインを切断し得る。代替的に、例えばどのペインが基板から切断されるべきかに応じて、決定された所にビアをつけてもよい。これは、非常に少ないビアしか必要としない利点があるが、切断からより高い精度が必要な場合がある。
【0153】
図11aは、メッシュ電極281の連続ビア間の距離288を示す図である。メッシュ電極の連続ビア間の最大距離は、マザー基板、例えば、基板202から切断され得るより小さい基板のサイズに関連する。実施形態では、ビアは、主線上に置かれ、最大距離は、主線に沿って測定された最大距離である。例えば、この最大距離は、最大でも10cm、最大でも1cm、最大でも1mmなどであってよい。
【0154】
ビアは、例えば、基板に穴を開け、その穴を導体材料で埋めることによって作り出すことができる。基板はまた、誘電体によって分離される導体材料線で作成されることができ、したがってメッシュ電極の電極線は、基板と同程度に厚い。別のアプローチは、導電粒子をポリマーにおいてまき散らすことである。接触は、例えば、基板の一方の側部から他方の側部上でパターン成形された電極メッシュへの接続を確実にするために、基板/ドーピングされたポリマーに加圧することによって、ACFボンディングでなされ得る。例えば、接続は、レーザ溶接でなされ得る。例えば、レーザ溶接は、基板の裏のビア終端部から基板の縁部へのトラックを作り出すために使用され得る。
【0155】
複数のビアを有する基板は、図10a-図10dにあるように、基板の縁部におけるフォイル接続と組み合わせられ得る;ただし、これは必須ではない。
【0156】
例えば、実施形態では、マザー基板は、最終製品で使用されるペインよりも大幅に大きくてもよい。例えば、マザー基板は、例えば6m×6m、またはさらに大きくして例えば6m×30mなどという寸法でもよい。マザー基板から切断されるペインは、用途に応じて、例えば30cm×30cmなど、非常に小さくてもよい。この製造方法において、いくつかのペインがマザー基板と縁部を共有しない可能性がある。有益には、基板の切断部分におけるメッシュ電極は、例えば切断されたペインの同じ縁部上の同じ点上で、互いに近くにある2つの点から接続される。実施形態では、ビアは、1mmあたり1つのビアと同程度に微細に離間され得る。ビアは、広いアレイで配置されてもよいが、それらが必要とされる所に正確に配置されることも可能である。
【0157】
図11bおよび図11cは、基板の実施形態の例の3dレンダリングを概略的に示す図である。図11bおよび図11cに示される基板は、図11aに示される種類のものである。図11cにおいて、メッシュ電極は、基板の上面上にある。図11bにおいて、メッシュ電極は、基板の下面上にある。光変調器において、光学的アクティブ層は、2層間に挿入可能である。この光学素子の流体内の粒子は、流体接触していない基板の側部を通して接続される、メッシュ基板に対して電圧をかけることによって制御され得る。
【0158】
図11dは、基板203の実施形態の例を概略的に示す図である。図11dは、複数のメッシュ電極を有する例示的な基板を示す図である。この例では、3つのメッシュ電極:メッシュ電極291、292および293が使用されている。これらのメッシュ電極は、複数の主線および複数の相互接続線を有し得る。各メッシュ電極のうちの、1本の主線が示されている。相互接続線は、296で概略的に示されている。図11a-図11cにあるように、メッシュ電極は、メッシュ電極が適用される基板の側部から他方の側部へメッシュ電極を接続するビアが設けられている。メッシュ電極間は、それらのビアのうちの1つを通して接続可能である。ビアは、小さい塗りつぶしの丸で示されている。
【0159】
ビアは、基板にわたってビアの複数のグループに配置されている。メッシュ電極の各々は、各グループ内のビアのうちの1つに接続されている。2つのそのようなグループは、図11dにおいて破線で区切られている。グループ内において、2つのビア間の距離は、スペーシングがより狭い距離294よりも小さい。グループ自体は、少なくともスペーシングがより大きい距離295の距離で離間されている。実施形態では、距離は、主線の方向への投影に沿って測定される。実施形態では、基板上のユークリッド距離が使用される。
【0160】
基板上において、他の目的の追加ビアが存在し得る。
【0161】
図11eは、基板204の実施形態の例を概略的に示す図である。図11eに示しているのは、メッシュ電極を伴う側に対向する基板の裏側である。示されているのは、グループ297である。各グループは、メッシュ電極の各々ごとにビアを有する。グループ内において、ビアは互いに近くにある。グループ間の距離は非常に大きい。例えば、グループは、基板にわたって規則的に離間され得る。図11eにおいて、正六角形のスペーシングが使用されているが、他の規則的なスペーシングも可能である。
【0162】
例えば、低いほうのスペーシング限界は1mmでもよい。接続は、1mmの距離内で全ての基板に対してなされ得る。これは、使用されているビアが互いに近い場合の接続のために便利である。例えば、単一のコネクタが使用され得る。一方、グループ間のより大きいスペーシングは、合計でより少ないビアが必要とされることを意味する。これは、スペーサの光学的影響を低減し、製造の複雑性を低減する。
【0163】
1つのグループ297と次のグループとの間の距離は、少なくとも高いほうの限界であり得る一方、グループ297内の2つのビア間の距離は最大でも低いほうの限界であり得る。低いほうのスペーシング限界は、高いほうのスペーシング限界よりも小さい。例えば、高いほうのスペーシング限界は、低いほうのスペーシング限界の少なくとも10倍であり得る。
【0164】
図11dおよび図11eにおけるメッシュ電極の数は、3つより多くても、少なくてもよい。例えば、2つのメッシュ電極が存在してもよく、この場合、ビア対が基板にわたって分散されている。
【0165】
図11fは、基板205の実施形態の例を概略的に示す図である。図11fに示しているのは、メッシュ電極を伴う側部に対向し、第2の基板に対向する基板の裏側である。示されているのは、接続ビアのグループである。図11fでは、小黒丸で示されたビアは、示されている基板上のメッシュ電極に接続している。この場合、基板205上に3つのメッシュ電極が存在するが、2つでもよい。図11fでは、小黒十字で示されたビアは、例えば本明細書で議論するように接続基板を通して、示されている基板に対向する基板上のメッシュ電極に接続している。この場合、基板205に対向する基板上に3つのメッシュ電極が存在するが、2つでもよい。この光変調器において、2つの基板が存在するが、それより多く存在してもよい。
【0166】
各グループは、光変調器におけるメッシュ電極の各々ごとにビアを有する。グループ内において、ビアは互いに近くにある。グループ間の距離は非常に大きい。例えば、グループは、基板にわたって規則的に離間され得る。図11fでは、真四角のスペーシングが使用されているが、他の規則的なスペーシングも可能である。
【0167】
例えば図11d、図11eおよび図11fに示すようなグループ内のビアは、基板上に接続エリアを形成する。そのような接続エリアを介する接続は、電源への距離を等しくし、したがって、2つのメッシュ電極の2本の連続した主線上の互いに対向する2つの点間の電位の差を最小限にする。ビア間の距離は、例えば、10cm以内、5cm以内、1cm以内、さらにそれより小さいなど、小さくてもよい。その結果、対向する点の抵抗が、例えば、10%以内、5%以内、1%以内、およびそれより小さいなど、ほぼ等しいため、2本の主線上の2つの対向する点間の電位差が最小化され得る。複数の基板上に接続エリアが存在する場合、それらは互いに対向することが好ましい。メッシュ電極は、複数の接続エリアから電力供給され得る。この場合も、接続エリアは小さいことが好ましく、対向する基板上の接続エリアと整列していることが好ましい。接続エリアを整列させる1つのやり方は、接続スペーサを使用することである。
【0168】
図12aは、ダイナミックグレージングで適用され得る光変調器10の実施形態を概略的に示す図である。
【0169】
引用によって本明細書に含まれる特許出願PCT/EP2020/052379を参照すると、この出願は、光変調器のための有益な設計を含み、それは、例えば本明細書で説明するようにメッシュ電極を含むことによってさらに改善され得る。
【0170】
光変調器10は、透明状態と非透明状態との間、およびその逆、または反射性状態と非反射性状態との間、およびその逆において電子的に切り換えられ得る。光変調器10は、互いに対向するように配置される、第1の基板11と、第2の基板12とを備える。第1の基板11の内側上において、少なくとも2つの電極が適用される:電極14a、14bが示される。これらの少なくとも2つの電極は、まとめて電極13と呼ばれる。第2の基板12の内側上において、少なくとも2つの電極が適用される:電極15a、15bが示される。これらの少なくとも2つの電極は、まとめて電極14と呼ばれる。
【0171】
有益には、電極14a、14bおよび電極15a、15bは、実施形態によるメッシュ電極である。図12aでは、2つの相互接続が示されているが、実際にはより多くが存在してもよい。
【0172】
流体15が前記基板間に設けられる。この流体は、例えばナノ粒子および/またはマイクロ粒子である粒子30を含み、粒子は帯電しているか、または帯電可能である。例えば、粒子は、本来、その表面に電荷を荷い得る。例えば、この粒子は、荷電分子によって囲まれ得る。
【0173】
電極は、粒子30を駆動するように構成され、適用された電場に応じて電極に向かって移動させるか、または電極から遠ざかるように移動させる。光学特性、特に、光変調器の透明性または反射性は、流体における粒子30の位置に依存する。例えば、電磁場を電極に適用するために接続が設けられ得る。
【0174】
コントローラ16は、電位をメッシュ電極13a、13b、14aおよび14bに適用して、複数のメッシュ電極間の電磁場を得るように構成されている。このように、複数のメッシュ電極のうちの1つに向かって、またはそこからの粒子の電気泳動がもたらされる。その結果、これは、光変調器の光学特性の変調を引き起こす。このコントローラは、例えば、マイクロプロセッサまたは状態機械を備えてもよく、メッシュ電極上に適用するための波形を生成するように構成され得る。例えば、コントローラは、波形を増幅するために、電源に接続可能な、または接続された増幅器を備え得る。コントローラは、例えばマイクロチップなどの単一の集積デバイスとして実装され得るか、または例えば複数のマイクロチップとして実装される複数のサブコントローラ上に分布されてもよい。複数のサブコントローラは、例えば有線またはワイヤレス通信を使用して、互いに通信し得る。例えば、サブコントローラは、複数の基板のうちの1つ、または複数のメッシュのうちの1つ、または光変調器におけるセグメントなどを制御するように構成され得る。
【0175】
コントローラ16は、様々な所に位置し得る。例えば、コントローラ16および/または存在する場合、サブコントローラは、光変調器の外部に位置し得る。例えば、コントローラは、例えばケーブルなどの配線を通してメッシュ電極に接続され得る。コントローラ16はまた、光変調器において、全体的または部分的に統合され得る。例えば、コントローラは、2つの基板間、ガラス上、またはプリント回路としてなどで設置され得る。例えば、基板の各々は、基板上のメッシュ電極を制御するためのコントローラを備え得る。サブコントローラは、任意選択で、光変調器の外部のマスターコントローラに接続され得る。
【0176】
一例では、基板11および基板12は、電極の外側は光学的に透明でもよく、典型的には関連する波長では>95%透明、例えば>99%透明でもよい。電極を考慮に入れると、透明性は、例えば70%など、非常に低くなる場合がある。「光学的」という用語は、該当する場合は、人間の目に可視の波長(約380nm-約750nm)に関係する場合があり、該当する場合は、赤外線(約750nm-1μm)および紫外線(約10nm-380nm)を含むより広い範囲の波長、ならびに、それらのサブ選択に関係し得る。光変調器の例示的な実施形態では、基板材料が、ガラスおよびポリマーから選択される。
【0177】
別の例では、下部基板12などの1つの基板は、反射性でもよく、または部分的に反射性でもよく、一方で上部基板11は透明でもよい。光学特性、特に、光変調器の反射性は、流体における粒子30の場所に依存する。パネルが開状態のとき(垂直駆動)、入射光が透明の上部基板および光学層を比較的妨害なく通過できて、下部基板上で反射または部分的に反射されるように、粒子は大部分が2枚の基板の対向する電極間に位置する。
【0178】
第1の基板と第2の基板との間の距離は、典型的には、15μmなど、30μmより小さくある。光変調器の例示的な実施形態では、第1の基板と第2の基板との間の距離は、500μmより小さく、好ましくは200μmより小さく、好ましくは100μm未満であり、さらに好ましくは、30μm未満など、50μm未満である。
【0179】
一例では、変調器は可撓性ポリマーで提供されてもよく、デバイスの残りはガラスで提供されてもよい。ガラスは、硬質ガラスまたは可撓性ガラスでもよい。必要に応じて、保護層が基板上に設けられてもよい。1色より多い色が設けられる場合、可撓性ポリマーの1つの層より多い層が設けられ得る。ポリマーは、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)(任意選択で、SiN層を有する)、ポリエチレン(PE)などでもよい。さらなる例では、本デバイスは少なくとも1つの可撓性ポリマーで設けられてもよい。したがって、変調器は、接着剤を使用してなど、任意の表面に付けられ得る。
【0180】
粒子30は、光を吸収し、それによって特定の波長が通過するのを防ぐように適合され得る。粒子30は、光を反射する場合があり;例えば、この反射は、鏡面反射性、拡散性、またはその中間でもよい。粒子は、いくつかの波長を吸収し、それ以外を反射する場合がある。粒子は、さらに、または代わりとして、例えば、りん光、蛍光、または同様のものを使用して発光し得る。流体も発光し得るが、その放射率は粒子の場所を変更することによって変調される。
【0181】
光変調器の例示的な実施形態では、ナノ粒子のサイズは20-1000nmであり、好ましくは20-300nmであり、より好ましくは200nmより小さい。光変調器の例示的な実施形態では、ナノ粒子/マイクロ粒子は、色素上にコーティングを含む場合があり、好ましくはコアを含む。光変調器の例示的な実施形態では、粒子のコーティングは、導体材料および半導体材料から選択された材料から作成される。
【0182】
光変調器の例示的な実施形態では、粒子は、400-800nm、700nm-1μm、および10-400nmなど、10nm-1mmの波長を有する光を吸収するように適合され、および/または10nm-1mm(フィルタ)内にある波長範囲を有する光の一部分を吸収するように適合され、ならびにその組合せで適合される。
【0183】
光変調器の例示的な実施形態では、粒子は、帯電しているか、または帯電可能である。例えば、粒子上の電荷は、1粒子につき0.1eから10e(5*10-7-0.1C/m2)の場合がある。
【0184】
光変調器の例示的な実施形態では、流体が、1-1000g/m2、好ましくは2-75g/m2、より好ましくは、30-40g/m2など、20-50g/m2の量で存在する。本レイアウトを用いると、非常に少ない流体で、非常に少ない粒子が使用可能であることが大きな利点である。
【0185】
光変調器の例示的な実施形態では、粒子が、0.01-70g/m2、好ましくは、0.1-3g/m2など、0.02-10g/m2の量で存在する。
【0186】
光変調器の例示的な実施形態では、粒子は、シアン、マゼンタ、およびイエローから、ならびに黒および白、ならびにそれらの組合せから選択された色を有する。
【0187】
光変調器の例示的な実施形態では、流体は、界面活性剤、乳化剤、極性化合物、および水素結合を形成可能な化合物のうちの1つ以上を含む。
【0188】
流体15は、15未満の誘電率を有する無極の流体でもよい。例えば、誘電率はある周波数において測定され得る。例えば、誘電率は、周波数1kHzにおいて15未満である。代替的に、誘電率は、異なる周波数、例えば60Hz以上で測定され得る。水は、10GHz未満の全ての周波数に対して誘電率80を有することに留意されたい。15未満などのより低い誘電率の利点は、破壊することなく高電場を保持する液体の特性を増加させながら、低周波数、特に光変調器が動作され得る周波数における液体の伝導率を減少させることである。
【0189】
光変調器の例示的な実施形態では、流体は、100未満、好ましくは、5未満など、10未満の比誘電率εrを有する。光変調器の例示的な実施形態では、流体15は、10mPa.sを上回る動粘度を有する。
【0190】
電極14a、14bおよび電極15a、15bは、流体と流体接触している。この流体は、電極と直接または間接的に接触していてもよく、例えば流体は、多孔質層を通してなど、電極を用いて第2の媒体に接触し得る。実施形態では、電極は、基板表面の約1-30%をカバーする。実施形態では、電極は、100nΩm未満の抵抗率を有する(273Kにおいて;比較のため、典型的に使用されるITOは105nΩmを有する)導電材料を含み、これは20℃で導電率>1*10S/mに類似する。光変調器の実施形態では、電極は、銅、銀、金、アルミニウム、グラフェン、チタン、インジウム、およびそれらの組合せを含み、好ましくは銅を含む。電極は、ポリマー系基板に埋め込まれたマイクロワイヤの形態でもよく;例えば、銅マイクロワイヤの形態でもよい。
【0191】
電磁場を電極に適用するための接続において、電極へ適用された電磁場は、ナノ粒子およびマイクロ粒子を第1の電極から第2の電極への移動をもたらし、逆の場合も同じである。電磁場を電極に適用するための接続が設けられてもよい。例えば、光変調器の例示的な実施形態では、電流が-100-+100μAの間、好ましくは-30-+30μAの間、より好ましくは-25-+25μAの間である。例えば、電力提供器(power provider)は、少なくとも2つの電極と電気接続していてもよい。電力提供器は、波形電力を提供するように適合され得る。振幅、周波数、および位相のうちの少なくとも1つは、光変調器において異なる状態を提供するように適合可能でもよい。例えば、電力の態様は、コントローラによって適合され得る。
【0192】
光変調器10は、1つ以上のセグメントを含んでもよく、セグメントは、サイズが変わり得る場合がある光学的に切換可能な単一のエンティティである。基板は、セグメントであり得る体積を少なくとも部分的に取り囲む。
【0193】
本デバイスは、電磁場を適用することによって(個別の)セグメントの外観を変更するための駆動回路を備え得る。したがって、光変調器の外観、またはその1つ以上の部分の外観も変更され得る。例えば、セグメントは、少なくとも1mmのエリアを有し得る。本設計は、より多くの色を可能にするように積み重ねを可能にし;例えば、フルカラーの用途のために、2つまたは3つの変調器の積み重ねがそれぞれ大部分または全部の色を提供し得る。
【0194】
1つ以上のセグメントを有することで、光変調器は局所的に制御可能となり、これは用途によっては有益であるが、必須ではない。ダイナミックグレージングのために、光変調器は、セグメントを用いて、またはセグメントを用いずに使用され得る。例えば、ダイナミックグレージングで適用される場合、例えば窓全体における透明性または反射性を低減させずにサンパッチ(sun-patch)を遮断するために、透明性または反射性は局所的に制御され得る。セグメントは、相対的に大きくてもよく、例えば少なくとも1mm、または少なくとも1cmなどの直径を有してもよい。
【0195】
光変調器の例示的な実施形態では、基板(11、12)が整列され、および/または電極(13、14)が整列される。例えば、電極14a、14bおよび電極15a、15bは、互いに対向するように整列され得る。整列された基板において、異なる基板上の電極は、基板に直交する方向でみると互いの背後に存在する。光変調器が分解され、電極が上向きになるように基板の両方が配置されると、電極パターンが互いの鏡像となる。
【0196】
基板の整列によって、光変調器の最大透明性または反射性が増加し得る一方、透明性または反射性などの範囲よりも多い基準のために光変調器を選択する場合、2枚の基板を整列しない、または完全には整列しない方がよい場合がある。光変調器は、積み重ねられることが可能である。例えば、2つの積み重ねられた光変調器は、3枚の基板から作成されることが可能であり、中間の基板はその両面に電極を有する。光変調器の実施形態では、任意選択で、第1の光変調器の少なくとも1枚の基板11、12が、少なくとも1つの第2の光変調器の基板11、12と同一である。積み重ねられた変調器の場合、整列は同様に最大透明性または反射性を増加させ得るが、例えば回折などの他の考慮すべき事柄にとって有害となる場合がある。
【0197】
図12bは、光変調器40の実施形態の例を概略的に示す図である。2層の光学層を示す例のように、複数の光学層を備えることを除いて、光変調器40は光変調器10と同様である。2層より多い光学層が存在してもよい。各光学層は、2枚の基板間に配置される。光変調器40は、図12aのように2枚の基板の光変調器の積み重ねとみなされ得る。図示するように、光変調器40は、3枚の基板:第1の基板41、第2の基板42、および第3の基板43を備える。基板41と42との間には光学層があり、基板42と43との間には光学層がある。これらの光学層は、光変調器10における光学層と同様であり得る。コントローラ46は、コントローラ16と同様でもよい。例えば、コントローラ46は、基板の電極上の電位および/または電流を制御するように構成され得る。例えば、図12bにおいて、コントローラ46は、少なくとも4×2=8個の電極に電気的に接続され得る。コントローラ16と同様に、コントローラ46もまた、複数のサブコントローラの上で具現化され得る。
【0198】
興味深いことに、複数の光学層における粒子は異なる場合があり、したがって複数の層が光変調器のより多くの光学特性を制御するために使用され得る。例えば、異なる光学層における粒子は、異なる波長で吸収または反射することができ、例えば異なる色を有し得る。これは、コントローラ46によってパネル上に異なる色および/または異なる色の強さを作り出すために使用可能である。例えば、4基板パネルは、異なる色粒子、例えば、それぞれシアン、イエロー、およびマゼンタを有する3層の光学層を有し得る。異なる色の透明性または反射性を制御することによって、幅広い色のスペクトルが作り出され得る。
【0199】
別の基板と向き合う基板の表面は、例えば実施形態にあるように2つ以上のパターンを供給され得る。例えば、外部の基板41および43は、内側でのみ電極を受けることが可能であるが、内部の基板、例えば基板42は両側に電極を有し得る。
【0200】
基板41および42は、共に、光変調器の実施形態としてみなされ得る。同様に、基板42および43は、共に、光変調器の実施形態としてみなされ得る。
【0201】
図12cは、窓21用にダイナミックグレージングを有する自動車20の実施形態の例を概略的に示す図である。運転中は、入射光のレベルが頻繁で急激に変化する場合があるため、これは特に有益な実施形態である。自動車にダイナミックグレージングを使用することは、車窓の透明性を調節することは、光レベルが一定のレベルとして維持され得るという利点がある。さらに、回折効果の低減が運転手の注意散漫を低減するため、安全性を改善する。自動車20は、窓21の透明性または反射性を制御するために構成されたコントローラを備え得る。
【0202】
ダイナミックグレージングはまた、特に入射光の量が可変である、例えばビル、オフィス、住宅、温室、天窓など、グレージングの他の用途でも使用され得る。天窓は、日光が部屋に入ることができるように天井に配置された窓である。
【0203】
図13a-図13bは、使用時の光変調器の実施形態の側面図を概略的に示す。基板上で電極へ電場を適用することは、粒子に対する電気力を引き起こす。この効果を使用して、粒子は動き回ることができ、したがって光変調器において異なる透明性または反射性状態が引き起こされ得る。コントローラは、電場、例えば、その振幅、周波数、および位相などを制御し得る。実施形態では、コントローラは少なくとも4つの電極:すなわち基板ごとに2つの電極に接続される。ただし、より多くの電極が使用されコントローラに接続されてもよく;例えば、グレースケールをより良好に微調整し、非透明または非反射性の状態に駆動するために、1枚の基板に対して2つより多い電極が使用され得る。複数の電極はまた、基板上の複数のセグメントをサポートするために使用され得る。
【0204】
図13aは、電場が適用されない光変調器を示す図である。図13aでは、流体15において懸濁する粒子30に対して電気力はまだ適用されていない。
【0205】
図13aに示される構成において、上部基板上に配置された導電電極パターンは、下部基板上の導電電極パターンと完全に整列、またはほぼ整列している。導電電極パターンは、透明または(部分的に)反射性のガラス基板上に堆積されてもよく、またはプラスチック基板などに埋め込まれてもよい。
【0206】
上部電極パターンと下部電極パターンとの間の整列は、透明性または反射性の達成可能なレベルのより広い範囲に寄与する。ただし、同様の効果が整列なしで得られ得るため、整列は必要ではない。整列がない場合でも、透明性または反射性の範囲が同様に得られる。
【0207】
留意すべきは、これらの例において、頁上でより上方、またはより下方の基板を指すために上部基板および下部基板と参照されていることである。グレージング用途において、基板が水平ではなく垂直に整列される場合があるため、同じ基板が、例えば前方基板および後方基板と呼ばれる場合もある。
【0208】
図13bは、光変調器を示す図であり、例えばインスタンスP1において、電位+V1が上部基板上の各マイクロワイヤ電極に適用され、一方で負電圧、例えば-V1が下部基板の各マイクロワイヤ電極に適用される。これは、電極に図示された第1の「+」または第1の「-」によって図13bに示されている。それによって、この場合、同じ正の電位が全電極13に適用され、同じ負の電位が電極14に適用される。この電位差によって、負に帯電した粒子が上部基板の電極付近に流され、そこで粒子が上部電極とほぼ整列する。結果として、上部基板と下部基板との両方が透明である場合、光変調器10の透明性が増加する。同様に、例えば上部基板が透明であり、下部基板が反射性の場合、光変調器10の反射性が増加する。溶液が正に帯電した粒子を含む場合、正に帯電した粒子が下部基板の電極付近に流れ、そこでそれらの粒子が下部電極とほぼ整列する。
【0209】
ON状態の第2のインスタンス、P2、において、インスタンスP1とは対照的に、上部電極および下部電極の電圧が反転すると、同様の透明性または反射性が達成できる。インスタンスP2において、上部基板の各電極の電圧に、次いで負電位-V1が供給され、下部基板の整列した電極の電圧に、正の電位が供給される。これは、電極に図示された第2の「+」または第2の「-」によって図13bに示されている。この状態は、図13bに示す状態と類似しているが、上部基板と下部基板とが逆になっている。またこの構成では、光変調器10の透明性または反射性が高い。
【0210】
興味深いことに、例えば図13bに電極13として示されるような上部基板の電極の正の電位(および電極14における負の電位)と、例えば図13bに電極14として示されるような下部基板の電極における正の電位とを切り換えることによって、透明性または反射性は維持可能でありながら、電極に対する腐食損傷を減少させることができる。この交流電場は、交流電位を上部電極および下部電極に適用することによって達成可能である。この交流電場は、電極において図示される「+/-」または「-/+」によって図12に示されており、電極上の電位が、異なる電圧間でどのように交番するかを示す。電極上の交流電位は、例えば交流電流(AC)から得られ得る。
【0211】
波形を適用することは任意選択であるが、腐食を低減することによって光変調器の寿命を延ばす有効な手段である。銅イオンが1つの基板のイオン流体に溶けて対向する基板上の電極に流れ、そこで堆積するため、腐食は、例えば銅電極を使用したときに生じ得る。波形を適用することによって、銅イオン輸送方向が頻繁に反転し、したがって腐食損傷を低減する。2つのインスタンスP1とP2との間で、2枚の基板間の腐食電流が均衡され、またはほぼ、例えば>95%均衡され、例えば上部板の電極の腐食レートが生じると、各時間インスタンス、P1間で下部電極において銅の均衡した堆積が存在し、インスタンスP2で逆の場合も同じである。したがって、上部電極と下部電極との間で粒子が連続的に遷移または移行し、光変調器またはスマートウィンドウが常にON状態となる一方、上部電極と下部電極との間の動的電解電流が一定となり、したがって上部基板および下部基板上の電極材料の残留損失が全くないか、またはごくわずかである。
【0212】
図13cは、どのように透明性または反射性減少状態を得られるかを示す図である。同一の基板上で、交流電圧が適用される。例えば、実施形態では、図13cに示すように、電位+V2が第1の電極に適用され、次のすぐ近傍の電極が逆の電位-V2を有するなどである。これは、電極に図示された第1の「+」または第1の「-」によって図13cに示されている。これは、電位+V2を電極14aに適用し、逆電位-V2を電極14bに適用することによって得ることができる。対向する基板では、電位+V2が電極15aに適用され、逆電位-V2が電極15bに適用されてもよい。例えば、これらの電極は、基板上の電極が整列されるように配置されてもよく;上部基板上の電極が、下部基板上に対向する電極を有し、逆の場合も同じである。第2のインスタンスにおいて、上部電極および下部電極の電圧が反転すると、同様の透明性または反射性が達成され得る。これは、電極に図示された第2の「+」または第2の「-」によって図13cに示されている。図2cにおいて、電極上の電位は、電極上に示される「+/-」および「-/+」によって示されるように正負間で交番し得る。
【0213】
例えば透明性または反射性を減少させるために、対向する電極は同電位を受けてもよく、一方、近傍の電極が逆電位を受ける。4つの電極が参照符号14a、14b、15a、および15bで示され、電極の残りが連続して交互になっている実施形態を図13cに示す。
【0214】
上部基板と下部基板との間のこのAC駆動サイクルを使用することによって、斜め方向の電場および横方向の電場が2枚の基板間で生成され、それにより、粒子の偶発的拡散を引き起こし、それにより光変調器の閉状態を作り出す。この構成の結果として、粒子が上部基板と下部基板との間で斜め方向および横方向に移行し、光変調器の可視のアパーチャへの粒子の拡散が光変調器の閉じられた不透明状態に寄与する。
【0215】
図13bに示す透明状態については、例えば正の電位を有する図13bに示された電極が負となる、および逆の場合も同じであるように、波形が電極に適用され得る。図13bにあるように、例えば電極14aと14bとの間、および電極15aと15bとの間に波形を適用すると、電極への腐食損傷が低減する。
【0216】
AC駆動サイクルは、図5図6a-図6dなどの平面図に示される上部電極および下部電極の構成を組み合わせたインターディジットされた線構成を使用することによって実装され得る。
【0217】
図13bおよび図13cにおける透明性または反射性が増加または減少する程度は、電圧および周波数の差に依存する。電圧差を変化させることによって、透明性または反射性が増加、減少する量がそれぞれ制御される。例えば、光透過対電圧を表す曲線が決定されてもよく、例えば測定されてもよい。特定レベルの光透過率、例えば特定の透明性、例えば特定のグレースケールレベルを得るために、対応電圧、例えばAC電圧が適用され得る。透明状態または非透明状態の信号を補間することによって、透明と非透明との間のレベルを得ることができる。同様に、光反射対電圧を表す曲線が決定されてもよく、例えば測定されてもよい。特定レベルの反射性を得るために、対応電圧、例えばAC電圧が適用され得る。反射性状態または非反射性状態の信号を補間することによって、反射性と非反射性との間のレベルを得ることができる。
【0218】
図14aは、基板を製造する方法1310の実施形態の例を概略的に示す図である。この基板は、ダイナミックグレージングに使用されるなど、光変調器において使用される。方法1310は、
- 基板を設けること(1311)と、
- 基板上の複数のメッシュ電極のうちの第1のメッシュ電極を適用すること(1312)と、
- 第1のメッシュ電極とインターレースされた複数のメッシュ電極のうちの第2のメッシュ電極を適用すること(1313)と、
- 複数のメッシュ電極のうちの第1および第2のメッシュ電極が基板上で交差する所に、基板にわたって分散する複数の交差点を作り出すこと(1314)と
を含む。
【0219】
複数のインターレースされたメッシュ電極は、基板にわたって2次元パターンで延在する。複数の交差点は、メッシュ電極の適用中に作り出され得る。交差点において、誘電体または他の電流制御コンポーネントは、第1のメッシュ電極と第2のメッシュ電極との間を流れる電流を制御するために適用され得る。
【0220】
いくつかの実施形態においてではあるが、メッシュ電極は、中断なく適用される。メッシュ電極は一度に全て適用される必要はなく;メッシュ電極は、部分的に適用されてもよい。例えば、メッシュ電極は、複数の主線および相互接続から構築され得る。例えば、図14bは、メッシュ電極が主線および相互接続線から構築される実施形態を示す図である。方法1320は、
- 複数のメッシュ電極の複数の主線を基板に適用すること(1321)であって、複数の電極の複数の主線は、基板上で互いに対して交互に配置される、こと(1321)、
- 複数の主線を電気的に接続する、基板上の複数の相互接続線を適用すること(1322)であって、複数の電極のうちの電極は、前記メッシュ電極の主線を共に電気的に接続する複数の相互接続を備えており、電極の複数の主線は、複数の相互接続を通して他の主線に接続される、こと(1322)
を含む。
【0221】
メッシュ電極、および/または主線、および/または相互接続線および/または電流制御コンポーネントを適用することは、パターン成形によってなされ得る。直接印刷はまた、特に相互接続線および誘電体などの電流制御コンポーネントに対して使用され得る。
【0222】
実施形態によれば、光変調器は、2つ以上の基板から製造され得る。例えば、図14cは、実施形態により、光変調器が基板から構築される実施形態を示す図である。方法1330は:
- 互いに向き合った第1の基板および第2の基板を設けること(1331)であって、複数のインターレースされたメッシュ電極が第1の基板にわたって、および第2の基板にわたって2次元パターンで延在しており、基板上の複数のメッシュ電極のうちの2つのメッシュ電極は基板にわたって分散する複数の交差点において交差する、こと(1331)と、
- 第1の基板と第2の基板との間の光学層を配置すること(1332)であって、光学層は、粒子を含む流体を含んでおり、粒子は、帯電しているか、または帯電可能である、こと(1332)と、
- 組み立てられた第1の基板、第2の基板および光学層から形状を切断すること(1333)と、
- 切断された形状の縁部を閉じること(1334)と
を含む。
【0223】
形状を切断することは、任意選択である。例えば、光変調器は、所望の形状で直接製造され得る。ただし、切断は、光変調器がデフォルト構成に従って構築されることを可能にし、その後、その形状が修正可能である。光変調器の切断後または切断中に、その縁部は、光学層に流体を保つために閉じられ得る。
【0224】
実施形態による基板を使用する光変調器は、有益には、ダイナミックグレージングのために使用される。例えば、図14dは、ダイナミックグレージングがダイナミック光学特性を作るように動作される実施形態を示す図である。方法1340は:
- 実施形態による光変調器を設けること(1341)と、
- 交流電流または交流電圧を選択し、電極に交流電流または交流電圧を適用して、電極間の電磁場を得、電極に向かう、または電極からの粒子の電気泳動をもたらし、光変調器の光学特性の変調を引き起こすこと(1342)と、を含む。
【0225】
例えば、コントローラは、基板上の複数のメッシュ電極に接続され得る。コントローラは、ユーザ入力、例えば所望の光学特性を示す入力、例えば所望の透明性、例えばある時間帯にわたる所望の光学特性を示すプログラム、センサ入力、例えば、光変調器におけるセンサ、例えば入射光、周囲光など、例えば入射太陽光、例えば周囲室内照明などのためのセンサ、例えば、メッシュ電極上の電流のためのセンサの入力に基づいて、交流電流または交流電圧を選択するように構成され得る。例えば、コントローラによって実行されたソフトウェアプログラムは、光変調器を新規状態に近づけるように駆動するため、および/または現在の状態を維持するための適切な駆動信号を選択、例えばルックアップまたは計算し得る。選択された駆動信号は、電流コントローラまたは電圧コントローラなどによって適用され得る。
【0226】
当業者には明らかなように、本方法を実行する多くの異なるやり方が可能である。例えば、ステップの順序は示された順序で行われ得るが、ステップの順序は変更可能であるか、またはいくつかのステップが並列で実行されてもよい。さらに、ステップ間に、方法の他のステップが挿入されてもよい。挿入されたステップは、本明細書で説明したような方法の改良点を表し得るか、または本方法と無関係でもよい。例えば、いくつかのステップは、少なくとも部分的に並列に実行され得る。さらに、所与のステップは、次のステップが開始される前に完全に終了していなくてもよい。
【0227】
電極を駆動することは、光変調器における透明性または反射性の複数のレベルのうちの1つに対応する選択された最大振幅を有する信号を使用してもよい。この信号は、交流電流または交流電圧でもよい。
【0228】
本方法の実施形態は、プロセッサシステムに方法1340などの駆動方法を行わせるための命令を含む、ソフトウェアを使用して実行され得る。ソフトウェアは、システムの特定のサブエンティティによって行われるこれらのステップのみを含み得る。このソフトウェアは、ハードディスク、フロッピー、メモリ、光ディスクなどの適した記憶媒体に記憶されてもよい。このソフトウェアは、配線に沿って、またはワイヤレスで、またはデータネットワーク、例えばインターネットを使用して、信号として送信され得る。ソフトウェアは、ダウンロードのため、および/またはサーバ上でのリモート使用のために利用可能となり得る。本方法の実施形態は、プログラマブルロジック、例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を本方法を行うように構成するように構成されるビットストリームを使用して実行され得る。
【0229】
本開示の主題はまた、コンピュータプログラム、特に本開示の主題を実践に移すために構成された、キャリア上、またはキャリア中のコンピュータプログラムに拡大することが理解されよう。プログラムは、ソースコード、オブジェクトコード、コード中間ソース、部分的にコンパイルされた形態などのオブジェクトコードの形態、または本方法の実施形態の実装に使用される適切な任意の他の形態であり得る。コンピュータプログラム製品に関係する実施形態は、説明される方法のうちの少なくとも1つの処理ステップのそれぞれに対応するコンピュータ実行可能命令を含む。これらの命令は、サブルーチンに細分されてもよく、および/または静的もしくは動的にリンクされ得る1つ以上のファイルに記憶され得る。コンピュータプログラム製品に関係する他の実施形態は、説明されるシステムおよび/または製品のうちの少なくとも1つの、デバイス、ユニット、および/または部分のそれぞれに対応するコンピュータ実行可能命令を含む。
【0230】
図15aは、コンピュータプログラム1020を含む書き込み可能部分1010を有するコンピュータ可読媒体1000および1001を示す図であり、コンピュータプログラム1020は、実施形態により、プロセッサシステムに、光変調器方法を行わせる命令を含む。例えば、プロセッサシステムは、光変調器に接続され得る。コンピュータプログラム1020は、物理的なマークとして、またはコンピュータ可読媒体1000の磁化によって、コンピュータ可読媒体1000上で具現化され得る。ただし、任意の他の適切な実施形態も同様に考えられる。さらに、ここではコンピュータ可読媒体1000が光ディスクとして示されるが、コンピュータ可読媒体1000はハードディスク、ソリッドステートメモリ、フラッシュメモリなどの任意の適切なコンピュータ可読媒体でもよく、記録不可能または記録可能でもよいことが理解されよう。例えば、コンピュータ可読媒体は、電子メモリデバイスなどの電子メモリ、例えば1001で示されるような電子メモリカードでもよい。コンピュータプログラム1020は、プロセッサシステムに、前記光変調器方法を行わせる命令を含む。
【0231】
図15bは、光変調器のためのコントローラの実施形態によるプロセッサシステム1140の概略図である。このプロセッサシステムは、1つ以上の集積回路1110を備える。1つ以上の集積回路1110のアーキテクチャが図15bに概略的に示される。回路1110は、実施形態による方法を行う、および/またはモジュールもしくはユニットを実装するコンピュータプログラムコンポーネントを動作させるために、例えばCPUなどの処理ユニット1120を備える。回路1110は、プログラミングコード、データなどを記憶するためのメモリ1122を備える。メモリ1122の一部分は、読み出し専用でもよい。回路1110は、通信素子1126、例えば、アンテナ、コネクタ、またはその両方などを含み得る。回路1110は、本方法で定義された処理の一部または全部を行うために専用集積回路1124を備え得る。プロセッサ1120、メモリ1122、専用IC1124、および通信素子1126は、インターコネクト1130、例えばバスを介して互いに接続され得る。プロセッサシステム1110は、アンテナおよび/またはコネクタをそれぞれ使用して、接触型および/または非接触型通信のために構成され得る。
【0232】
例えば、実施形態では、プロセッサシステム1140、例えば本デバイスは、プロセッサ回路とメモリ回路とを備えてもよく、プロセッサがメモリ回路に記憶されたソフトウェアを実行するように構成される。例えば、プロセッサ回路は、Intel Core i7プロセッサ、ARM Cortex-R8などでもよい。実施形態では、プロセッサ回路は、ARM Cortex M0でもよい。メモリ回路は、ROM回路、または例えばフラッシュメモリなどの不揮発性メモリでもよい。メモリ回路は、例えばSRAMメモリなどの揮発性メモリでもよい。後者の場合、デバイスは、例えば、ソフトウェアを提供するように構成されるハードドライブ、ネットワークインターフェースなどの不揮発性ソフトウェアインターフェースを備え得る。
【0233】
例えば電極に適用される電圧を制御する、光変調器用のコントローラは、プロセッサ回路を備え得るが、さらに、または代わりとして、状態機械を備え得る。
【0234】
以下の番号が付された条項は、企図される、非限定の例を含む:
【0235】
条項1.
光変調器を備えるダイナミックグレージングであって、光変調器は、
- 互いに向き合った第1の基板および第2の基板であって、複数のインターレースされたメッシュ電極が第1の基板にわたって、および第2の基板にわたって2次元パターンで延在しており、基板上の複数のメッシュ電極のうちの2つのメッシュ電極は基板にわたって分散する複数の交差点において交差する、第1の基板および第2の基板、
- 第1の基板と第2の基板との間の光学層であって、粒子を含む流体を含んでおり、粒子は、帯電しているか、または帯電可能である光学層、
- 複数のメッシュ電極に電位を適用して、光変調器の光学特性の変調を引き起こす、複数のメッシュ電極のうちの1つに向かう、または1つからの粒子の電気泳動をもたらす、複数のメッシュ電極間の電磁場を得るように構成されているコントローラ
を備える、ダイナミックグレージング。
【0236】
条項2.
コントローラが、基板上の接続エリアから1つ以上の基板上の複数のメッシュ電極に電気的に接続されて、複数のメッシュ電極間の電位差を最小限にする、条項1に記載のダイナミックグレージング。
【0237】
条項3.
基板上の少なくとも2つのメッシュ電極は各々が、基板にわたって第1の方向に延在する複数の主線を備えており、少なくとも2つのメッシュ電極の複数の主線は、基板上で互いに対して交互に配置され、少なくとも2つのメッシュ電極の各々は、
- 前記メッシュ電極の主線を共に電気的に接続する複数の相互接続線であって、メッシュ電極の複数の主線は、複数の相互接続を通してメッシュ電極の他の主線に接続されており、相互接続線は、別のメッシュ電極と交差し、交差点を形成する、複数の相互接続線を備える、条項1または2に記載のダイナミックグレージング。
【0238】
条項4.
- 電極におけるある数の主線が少なくとも2本の相互接続線を備えており、前記数が少なくとも2、少なくとも10、主線の数の少なくとも半分、主線の少なくとも90%、もしくはほぼ全ての主線であり、および/または
- 主線が、少なくとも2本、少なくとも4本、少なくとも8本、もしくは少なくとも16本の相互接続線に接続されており、および/または
- 主線が、基板の縁部の距離内の相互接続に接続されており、距離が、主線の長さの10%未満である、
条項3に記載のダイナミックグレージング。
【0239】
条項5.
複数の交差点が、基板にわたって無作為に分布している、条項1から4のいずれか一項に記載のダイナミックグレージング。
【0240】
条項6.
主線および/または相互接続線のうちの1本以上が直線状である、または波状である、条項3から5のいずれか一項に記載のダイナミックグレージング。
【0241】
条項7.
基板にわたるメッシュ電極の2次元パターンが、正三角形タイリング、四角形タイリング、または六角形タイリングのうちの任意の1つを含む、条項1から6のいずれか一項に記載のダイナミックグレージング。
【0242】
条項8.
基板が、非矩形形状に切断される、条項1から7のいずれか一項に記載のダイナミックグレージング。
【0243】
条項9.
基板が、交差点において電流制御コンポーネントを備えており、
- 電流制御コンポーネントが、交差点において誘電体を備えており、交差点において、基板上の2つの交差するメッシュ電極を互いから電気的に絶縁する、または
- 電流制御コンポーネントが、交差点において基板上の第1のメッシュ電極と第2のメッシュ電極との間の正の電圧および負の電圧の高閾値について電流を通過させ、他に関しては、第1のメッシュ電極と第2のメッシュ電極との間の電流を遮断するように構成されている、
条項1から8のいずれか一項に記載のダイナミックグレージング。
【0244】
条項10.
第1の基板上の第1のメッシュ電極と第2の基板上の第2のメッシュ電極の第2との間に電流制御コンポーネントを備えており、電流制御コンポーネントが、第1のメッシュ電極と第2のメッシュ電極との間の電流を制御する、条項1から9のいずれか一項に記載のダイナミックグレージング。
【0245】
条項11.
電流制御コンポーネントが、
- 第1の基板および第2の基板を互いから離間させるスペーサである、および/または
- 交差点の上部に位置付けられる、
条項10に記載のダイナミックグレージング。
【0246】
条項12.
- 少なくとも3つのメッシュ電極が第1の基板および第2の基板のうちの少なくとも一方に適用される、または
- 少なくとも3つのメッシュ電極が第1の基板および第2の基板の両方に適用される、条項1から11のいずれか一項に記載のダイナミックグレージング。
【0247】
条項13.
第1の基板および/または第2の基板上のメッシュ電極が基板の第1の側部に配置され、前記メッシュ電極を基板の第2の側部に接続する複数のビアを備え、ビアが、コントローラに接続可能である、条項1から12のいずれか一項に記載のダイナミックグレージング。
【0248】
条項14.
ビアが、基板にわたってビアの複数のグループに配置され、基板上のメッシュ電極の各々が、ビアのグループ内のビアに接続され、ビアのグループ内のビアが、最大でも低いほうのスペーシング限界の距離にあり、ビアのグループが、少なくとも高いほうのスペーシング限界の距離にある、条項13に記載のダイナミックグレージング。
【0249】
条項15.
第1の基板上の1つ以上のメッシュ電極が導電性スペーサを通して第2の基板上の接続点に、および接続点からコントローラに接続される、条項1から14のいずれか一項に記載のダイナミックグレージング。
【0250】
条項16.
透明状態および非透明状態を有するか、または反射性状態および非反射性状態を有するダイナミックグレージングであって、光変調器が、
- 第1および第2の基板のうちの少なくとも一方上で交流電圧を作り出すことによって非透明状態または非反射性状態へ切り換え、第1の基板上の少なくとも第1のメッシュ電極と第2のメッシュ電極との間および/または第2の基板上の第1のメッシュ電極と第2のメッシュ電極との間に交流電流を適用し、
- 第1の基板と第2の基板との間に交流電圧を作り出すことによって透明状態または反射性状態へ切り換えて、第1の基板上の第1のメッシュ電極と第2の基板上の第1のメッシュ電極との間、および/または第1の基板上の第2のメッシュ電極と第2の基板上の第2のメッシュ電極との間に交流電流を適用する
ように構成される、条項1から15のいずれか一項に記載のダイナミックグレージング。
【0251】
条項17.
光変調器であって、
- 互いに向き合った第1の基板および第2の基板であって、複数のインターレースされたメッシュ電極が第1の基板にわたって、および第2の基板にわたって2次元パターンで延在しており、基板上の複数のメッシュ電極のうちの2つのメッシュ電極は基板にわたって分散する複数の交差点において交差する、第1の基板および第2の基板、
- 第1の基板と第2の基板との間の光学層であって、光学層は、粒子を含む流体を含んでおり、粒子は、帯電しているか、または帯電可能である、光学層;
- 複数のメッシュ電極に電位を適用して、光変調器の光学特性の変調を引き起こす、複数のメッシュ電極のうちの1つに向かう、または1つからの粒子の電気泳動をもたらす、複数のメッシュ電極間の電磁場を得るように構成されているコントローラとを備える、光変調器。
【0252】
条項18.
光変調器に使用される基板であって、複数のインターレースされたメッシュ電極が基板にわたって2次元パターンで延在しており、基板上の複数のメッシュ電極のうちの2つのメッシュ電極は基板にわたって分散する複数の交差点において交差し、複数のメッシュ電極が、複数のメッシュ電極に適用される電位のために、複数のメッシュ電極間の電磁場を得て、粒子の電気泳動をもたらすするように構成されている、基板。
【0253】
条項19.
光変調器で使用される基板を製造する方法であって、
- 基板を設け、基板上に複数のインターレースされたメッシュ電極を適用し、複数のインターレースされたメッシュ電極は基板にわたって2次元パターンで延在しており、基板上の複数のメッシュ電極のうちの2つのメッシュ電極は基板にわたって分散する複数の交差点において交差する、基板を製造する方法。
【0254】
条項20.
- 複数のメッシュ電極は各々が複数の主線を備え、方法は、複数のメッシュ電極の複数の主線を基板に適用することであって、複数の電極の複数の主線は、基板上で互いに対して交互に配置される、こと、
- 複数の主線を電気的に接続する、基板上の複数の相互接続線を適用することであって、複数の電極のうちのメッシュ電極は、前記メッシュ電極の主線を共に電気的に接続する複数の相互接続を備えており、電極の複数の主線は、複数の相互接続を通して他の主線に接続される、こと
を含む、条項19に記載の基板を製造する方法。
【0255】
条項21.
- 複数の主線を適用する前に、基板上に複数の導電性相互接続をパターン成形し、誘電体で基板をコーティングすることと、
- メッシュ電極の複数の導電性主線を導電性相互接続に接続することと
を含む、条項20に記載の基板を製造する方法。
【0256】
条項22.
- 複数の導電性主線上に電流制御コンポーネントを適用すること、
- 電流制御コンポーネントの上部上に複数の相互接続線を適用し、複数の導電性主線を基板上の複数のインターレースされたメッシュ電極内に接続すること
を含む、条項20に記載の基板を製造する方法。
【0257】
条項23.
- 基板上に第1のメッシュ電極を適用すること、
- 第1のメッシュ電極上に電流制御コンポーネントを適用すること、
- 基板上に第2のメッシュ電極を適用することであって、第2のメッシュ電極が電流コンポーネントを通して第1のメッシュ電極から絶縁されている、こと
を含む、条項19に記載の基板を製造する方法。
【0258】
条項24.
- 第1の導電層で基板をコーティングし、第1の導電層をパターン成形して、相互接続を形成することと、
- 誘電体堆積物で基板をコーティングし、パターン成形して、相互接続の上部上に絶縁パッチを形成することと、
- 第2の導電層で基板をコーティングすることと、
- 第1および第2の導電層をパターン成形して、複数のメッシュ電極を形成することと
を含む、条項19に記載の基板を製造する方法。
【0259】
条項25.
- 基板から形状を切断すること
を含む、条項19に記載の光変調器で使用される基板を製造する方法。
【0260】
条項26.
- 互いに向き合った第1の基板および第2の基板であって、複数のインターレースされたメッシュ電極が第1の基板にわたって、および第2の基板にわたって2次元パターンで延在しており、基板上の複数のメッシュ電極のうちの2つのメッシュ電極は基板にわたって分散する複数の交差点において交差する、第1の基板および第2の基板、
- 第1の基板と第2の基板との間の光学層であって、光学層は、粒子を含む流体を含んでおり、粒子は、帯電しているか、または帯電可能である、光学層
- を設けることと、
- 組み立てられた第1の基板、第2の基板および光学層から形状を切断することと、
- 切断された形状の縁部を閉じることと
を含む、光変調器を製造する方法。
【0261】
条項27.
- 接続エリアにおいて基板上の両方のメッシュ電極に対して電気コネクタを設けることを含む、
条項19から26のいずれか一項に記載の光変調器を製造する方法。
【0262】
条項28.
形状を切断することは、前記組立に穴を切断することを含む、条項25または26に記載の光変調器を製造する方法。
【0263】
条項29.
- 光変調器を設けることであって、光変調器は、
- 互いに向き合った第1の基板および第2の基板であって、複数のインターレースされたメッシュ電極が第1の基板にわたって、および第2の基板にわたって2次元パターンで延在しており、基板上の複数のメッシュ電極のうちの2つのメッシュ電極は基板にわたって分散する複数の交差点において交差する、第1の基板および第2の基板、
- 第1の基板と第2の基板との間の光学層であって、光学層は、粒子を含む流体を含んでおり、粒子は、帯電しているか、または帯電可能である、光学層;
- 複数のメッシュ電極に電位を適用して、複数のメッシュ電極間の電磁場を得、複数のメッシュ電極のうちの1つに向かう、または1つからの粒子の電気泳動をもたらし、光変調器の光学特性の変調を引き起こすように構成されているコントローラ
を備える、こと、
- 交流電流または交流電圧を選択し、電極に交流電流または交流電圧を適用して、光変調器の光学特性の変調を引き起こす、電極に向かう、または電極からの粒子の電気泳動をもたらす、電極間の電磁場を得ること
を含む、ダイナミックグレージング方法。
【0264】
条項30.
プロセッサシステムによって実行されると、プロセッサシステムに、条項29に記載の方法を行わせる命令を表すデータを含む一時的または非一時的コンピュータ可読媒体。
【0265】
上述した実施形態は、本開示の主題を限定するのではなくむしろ例解しており、当業者がまた多くの代替実施形態を設計できることに留意されたい。
【0266】
請求項において、括弧の間に置かれた参照符号は、その請求項を限定するとして解釈されるべきではない。「備える、含む(comprise)」という動詞とその語形変化の使用は、請求項で述べられる要素またはステップ以外の要素またはステップの存在を排除しない。要素の前の「1つ(a)」または「1つ(an)」という冠詞は、複数のそのような要素の存在を排除しない。「のうちの少なくとも1つ」などの表現は、要素の列挙の前にあるとき、その列挙からの要素の全部または任意のサブセットの選択を表す。例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」という表現は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、またはA、B、およびCの全部を含むとして理解されるべきである。本開示の主題は、いくつかの別個の要素を含むハードウェアによって、および適切にプログラムされたコンピュータによって実装され得る。いくつかの部分を列挙するデバイス請求項において、それらの部分のいくつかは、ハードウェアの1つの同じアイテムによって具現化され得る。特定の手段が互いに異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、それらの手段の組合せが有利に使用されることができないことを示すものではない。
【0267】
請求項において、括弧内の参照符号は、例示する実施形態の図面における参照符号または実施形態の式を指し、したがって請求項をより理解しやすいようにする。これらの参照は、特許請求の範囲を限定するとして解釈されるべきではない。
図1
図2a
図2b
図2c
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図5d
図5e
図6a
図6b
図6c
図6d
図6e
図6f
図6g
図7a
図7b
図7c
図8a
図8b
図8c
図8d
図8e
図9a
図9b
図9c
図9d
図9e
図9f
図9g
図9h
図10a
図10b
図10c
図10d
図11a
図11b
図11c
図11d
図11e
図11f
図12a
図12b
図12c
図13a
図13b
図13c
図14a
図14b
図14c
図14d
図15a
図15b
【手続補正書】
【提出日】2023-11-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光変調器に使用される基板であって、複数のインターレースされたメッシュ電極が基板にわたって2次元パターンで延在しており、基板上の複数のメッシュ電極のうちの2つのメッシュ電極は基板にわたって分散する複数の交差点において交差し、基板上の少なくとも2つのメッシュ電極は各々が、基板にわたって第1の方向に延在する複数の主線を備えており、少なくとも2つのメッシュ電極の複数の主線は、基板上で互いに対して交互に配置され、少なくとも2つのメッシュ電極の各々は、
- 前記メッシュ電極の主線を共に電気的に接続する複数の相互接続線であって、メッシュ電極の複数の主線は、複数の相互接続を通してメッシュ電極の他の主線に接続されており、相互接続線は、別のメッシュ電極と交差し、交差点を形成し、複数のメッシュ電極は、複数のメッシュ電極に適用される電位のために、複数のメッシュ電極間の電場を得て、粒子の電気泳動をもたらすように構成されている、複数の相互接続線を備える、基板。
【請求項2】
光変調器であって、
- 請求項1に記載の第1の基板および第2の基板であって、互いに向き合った、第1の基板および第2の基板、
- 第1の基板と第2の基板との間の光学層であって、光学層は、粒子を含む流体を含んでおり、粒子は、帯電しているか、または帯電可能である、光学層、
- 複数のメッシュ電極に電位を適用して、複数のメッシュ電極間の電場を得、複数のメッシュ電極のうちの1つに向かう、または1つからの粒子の電気泳動をもたらし、光変調器の光学特性の変調を引き起こすように構成されているコントローラ
を備える、光変調器。
【請求項3】
コントローラが、基板上の接続エリアから1つ以上の基板上の複数のメッシュ電極に電気的に接続されて、複数のメッシュ電極間の電位差を最小限にする、請求項2に記載の光変調器。
【請求項4】
- 電極におけるある数の主線が、少なくとも2本の相互接続線を備えており、前記数が少なくとも2、少なくとも10、主線の数の少なくとも半分、主線の少なくとも90%、もしくはほぼ全ての主線であり、および/または
- 主線が、少なくとも2本、少なくとも4本、少なくとも8本、もしくは少なくとも16本の相互接続線に接続されており、および/または
- 主線が、基板の縁部の距離内の相互接続に接続されており、距離が、主線の長さの10%未満である、
請求項2に記載の光変調器。
【請求項5】
複数の交差点が、基板にわたって無作為に分布している、請求項2に記載の光変調器。
【請求項6】
主線および/または相互接続線のうちの1本以上が直線状である、または波状である、請求項2に記載の光変調器。
【請求項7】
基板にわたるメッシュ電極の2次元パターンが、正三角形タイリング、四角形タイリング、または六角形タイリングのうちの任意の1つを含む、請求項2に記載の光変調器。
【請求項8】
基板が、非矩形形状に切断される、請求項2に記載の光変調器。
【請求項9】
基板が、交差点において電流制御コンポーネントを備えており、
- 電流制御コンポーネントが、交差点において誘電体を備えており、交差点において、基板上の2つの交差するメッシュ電極を互いから電気的に絶縁する、または
- 電流制御コンポーネントが、交差点において基板上の第1のメッシュ電極と第2のメッシュ電極との間の正の電圧および負の電圧の高閾値について電流を通過させ、他に関しては、第1のメッシュ電極と第2のメッシュ電極との間の電流を遮断するように構成されている、
請求項2に記載の光変調器。
【請求項10】
第1の基板上の第1のメッシュ電極と第2の基板上の第2のメッシュ電極の第2との間に電流制御コンポーネントを備えており、電流制御コンポーネントが、第1のメッシュ電極と第2のメッシュ電極との間の電流を制御する、請求項2に記載の光変調器。
【請求項11】
電流制御コンポーネントが、
- 第1の基板および第2の基板を互いから離間させるスペーサである、および/または
- 交差点の上部に位置付けられる、
請求項10に記載の光変調器。
【請求項12】
- 少なくとも3つのメッシュ電極が第1の基板および第2の基板のうちの少なくとも一方に適用される、または
- 少なくとも3つのメッシュ電極が第1の基板および第2の基板の両方に適用される、
請求項2に記載の光変調器。
【請求項13】
第1の基板および/または第2の基板上のメッシュ電極が基板の第1の側部に配置され、前記メッシュ電極を基板の第2の側部に接続する複数のビアを備え、ビアが、コントローラに接続可能である、請求項2に記載の光変調器。
【請求項14】
ビアが、基板にわたってビアの複数のグループに配置され、基板上のメッシュ電極の各々が、ビアのグループ内のビアに接続され、ビアのグループ内のビアが、最大でも低いほうのスペーシング限界の距離にあり、ビアのグループが、少なくとも高いほうのスペーシング限界の距離にある、請求項13に記載の光変調器。
【請求項15】
第1の基板上の1つ以上のメッシュ電極が導電性スペーサを通して第2の基板上の接続点に、および接続点からコントローラに接続する、請求項2に記載の光変調器。
【請求項16】
透明状態および非透明状態を有するか、または反射性状態および非反射性状態を有し、
- 第1および第2の基板のうちの少なくとも一方上で交流電圧を作り出すことによって非透明状態または非反射性状態へ切り換え、第1の基板上の少なくとも第1のメッシュ電極と第2のメッシュ電極との間および/または第2の基板上の第1のメッシュ電極と第2のメッシュ電極との間に交流電流を適用し、
- 第1の基板と第2の基板との間に交流電圧を作り出すことによって透明状態または反射性状態へ切り換え、第1の基板上の第1のメッシュ電極と第2の基板上の第1のメッシュ電極との間、および/または第1の基板上の第2のメッシュ電極と第2の基板上の第2のメッシュ電極との間に交流電流を適用する
ように構成される、請求項2に記載の光変調器。
【請求項17】
請求項2から16のいずれか一項に記載の光変調器を備えるダイナミックグレージング。
【請求項18】
光変調器に使用される基板を製造する方法であって、
- 基板を設け、基板上に複数のインターレースされたメッシュ電極を適用し、複数のインターレースされたメッシュ電極が基板にわたって2次元パターンで延在しており、基板上の複数のメッシュ電極のうちの2つのメッシュ電極は基板にわたって分散する複数の交差点において交差し、基板上の少なくとも2つのメッシュ電極は各々が、基板にわたって第1の方向に延在する複数の主線を備えており、少なくとも2つのメッシュ電極の複数の主線は、基板上で互いに対して交互に配置され、少なくとも2つのメッシュ電極の各々は、
- 前記メッシュ電極の主線を共に電気的に接続する複数の相互接続線であって、メッシュ電極の複数の主線は、複数の相互接続を通してメッシュ電極の他の主線に接続されており、相互接続線は、別のメッシュ電極と交差し、交差点を形成する、複数の相互接続線を備える、
基板を製造する方法。
【請求項19】
- 複数の主線を適用する前に、基板上に複数の導電性相互接続をパターン成形し、誘電体で基板をコーティングすることと、
- メッシュ電極の複数の導電性主線を導電性相互接続に接続することと
を含む、請求項18に記載の基板を製造する方法。
【請求項20】
- 複数の導電性主線上に電流制御コンポーネントを適用すること、
- 電流制御コンポーネントの上部上に複数の相互接続線を適用し、複数の導電性主線を基板上の複数のインターレースされたメッシュ電極内に接続すること
を含む、請求項18に記載の基板を製造する方法。
【請求項21】
- 基板上に第1のメッシュ電極を適用すること、
- 第1のメッシュ電極上に電流制御コンポーネントを適用すること、
- 基板上に第2のメッシュ電極を適用することであって、第2のメッシュ電極が電流コンポーネントを通して第1のメッシュ電極から絶縁されている、こと
を含む、請求項18に記載の基板を製造する方法。
【請求項22】
- 第1の導電層で基板をコーティングし、、第1の導電層をパターン成形して、相互接続を形成することと、
- 誘電体堆積物で基板をコーティングし、パターン成形して、相互接続の上部上に絶縁パッチを形成することと、
- 第2の導電層で基板をコーティングすることと、
- 第1および第2の導電層をパターン成形して、複数のメッシュ電極を形成することと
を含む、請求項18に記載の基板を製造する方法。
【請求項23】
- 基板から形状を切断すること
を含む、請求項18に記載の光変調器に使用される基板を製造する方法。
【請求項24】
光変調器を製造する方法であって、
- 請求項18に記載の第1の基板および第2の基板であって、互いに向き合った第1の基板および第2の基板、
- 第1の基板と第2の基板との間の光学層であって、光学層は、粒子を含む流体を含んでおり、粒子は、帯電しているか、または帯電可能である、光学層
- を設けること
を含む、光変調器を製造する方法。
【請求項25】
- 接続エリアにおいて基板上の両方のメッシュ電極に対して電気コネクタを設けることを含む、
請求項24に記載の光変調器を製造する方法。
【請求項26】
- 組み立てられた第1の基板、第2の基板および光学層から形状を切断することであって、形状を切断することが、任意選択で、前記組立に穴を切断することを含む、ことと、
- 切断された形状の縁部を閉じることと
を含む、請求項24に記載の光変調器を製造する方法。
【請求項27】
- 請求項2から16のいずれか一項に記載の光変調器を設けること、
- 交流電流または交流電圧を選択し、電極に交流電流または交流電圧を適用して、電極間の電場を得、電極に向かう、または電極からの粒子の電気泳動をもたらし、光変調器の光学特性の変調を引き起こすこと
を含む、ダイナミックグレージング方法。
【請求項28】
プロセッサシステムによって実行されると、プロセッサシステムに、請求項27に記載の方法を行わせる命令を表すデータを含む一時的または非一時的コンピュータ可読媒体。
【国際調査報告】