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特表2024-510766仮想マシンプールの確実な消去及び置換
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-11
(54)【発明の名称】仮想マシンプールの確実な消去及び置換
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/44 20180101AFI20240304BHJP
   G06F 9/455 20180101ALI20240304BHJP
【FI】
G06F9/44
G06F9/455 150
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557107
(86)(22)【出願日】2022-03-09
(85)【翻訳文提出日】2023-11-13
(86)【国際出願番号】 EP2022056028
(87)【国際公開番号】W WO2022194636
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】2103557.1
(32)【優先日】2021-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519100952
【氏名又は名称】ブランコ テクノロジー グループ アイピー オイ
【氏名又は名称原語表記】BLANCCO TECHNOLOGY GROUP IP OY
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブルセッケ,ヘンリック
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376EA17
(57)【要約】
本開示は、仮想マシンのプールを確実に消去及び置換するための方法及び装置に関し、特に、排他的ではないが、仮想デスクトップのプールを確実に消去及び置換するための方法及び装置に関する。仮想マシンのプールの仮想マシンは、共通の仮想化レイヤ上に実装され、共通の仮想マシン管理アプリケーションによって管理される。本方法は、仮想マシン管理アプリケーションを使用して、共通の仮想化レイヤ上に、仮想マシンのプールと同じ構成及び/又は設定を有する、仮想マシンの置換プールを作成することを含む。本方法は、さらに、仮想マシン管理アプリケーションとは独立して実行可能な消去アプリケーションを使用して、仮想マシンのプールの各仮想マシンを消去することと、仮想マシン管理アプリケーションを使用して、仮想マシンのプールを削除することと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想マシンのプールを確実に消去及び置換するための方法であって、前記仮想マシンのプールの前記仮想マシンは、共通の仮想化レイヤ上に実装され、共通の仮想マシン管理アプリケーションによって管理され、
前記仮想マシン管理アプリケーションを使用して、前記共通の仮想化レイヤ上に、前記仮想マシンのプールと同じ構成及び/又は設定を有する仮想マシンの置換プールを作成することと、
前記仮想マシン管理アプリケーションとは独立して実行可能な消去アプリケーションを使用して、前記仮想マシンのプールの各仮想マシンを消去することと、
前記仮想マシン管理アプリケーションを使用して、前記仮想マシンのプールを削除することと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記消去アプリケーションを使用して、前記仮想マシンのプールの各仮想マシンを消去することは、前記仮想マシンのプールの各仮想マシンに関連する以下のもの:1つ以上のゲストオペレーティングシステム;1つ以上のシステムファイル;1つ以上のアプリケーション;又は保存データのうちの少なくとも1つを消去することを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記消去アプリケーションを使用して、前記仮想マシンのプールの各仮想マシンを消去することは、前記仮想マシンのプールの各仮想マシンに関連する保存データを消去することと、さらに、以下のもの:前記仮想マシンのプールの各仮想マシンに関連する1つ以上のゲストオペレーティングシステム;前記仮想マシンのプールの各仮想マシンに関連する1つ以上のシステムファイル;前記仮想マシンのプールの各仮想マシンに関連する1つ以上のアプリケーション、のうちの少なくとも1つを消去することと、を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記消去アプリケーションを使用して、前記仮想マシンのプールの各仮想マシンを消去することは、前記仮想マシンのプールの各仮想マシンを完全に消去することを含むことを特徴とする、先行するいずれかの請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記消去アプリケーションを使用して、前記仮想マシンのプールの各仮想マシンを消去することは、前記仮想マシンのプールの各仮想マシンの消去が完了すると、前記仮想マシンのプールの各仮想マシンの前記消去の、程度、範囲及び/又は正常な完了を示すデータを含む消去検証レポートを生成することを含むことを特徴とする、先行するいずれかの請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記仮想マシン管理アプリケーションを使用して、前記共通の仮想化レイヤ上に前記仮想マシンの置換プールを作成することは、前記仮想マシン管理アプリケーションを使用して、前記共通の仮想化レイヤ上に前記仮想マシンのプールを複製することを含むことを特徴とする、先行するいずれかの請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記仮想マシン管理アプリケーションを使用して、前記共通の仮想化レイヤ上に前記仮想マシンの置換プールを作成することは、
第1の時間に、前記仮想マシンのプールの前記構成及び/又は設定を保存することと、
第1の時間よりも遅い第2の時間に、前記仮想マシン管理アプリケーションを使用して、前記仮想マシンのプールと同じ前記構成及び/又は設定で、前記共通の仮想化レイヤ上に前記仮想マシンの置換プールを作成することと、を含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記消去アプリケーションを使用して、前記仮想マシンのプールの各仮想マシンを消去する前に、前記仮想マシン管理アプリケーションを使用して前記仮想マシンのプールの動作を無効にする又は一時停止することを含むことを特徴とする、先行するいずれかの請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記仮想マシン管理アプリケーションを使用して、前記共通の仮想化レイヤ上に前記仮想マシンの置換プールを作成する前に、前記仮想マシン管理アプリケーションを使用して前記仮想マシンのプールの動作を無効にする又は一時停止することを含むことを特徴とする、先行するいずれかの請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記仮想マシンの置換プールの動作を有効にする又は開始することを含むことを特徴とする、先行するいずれかの請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記仮想マシンのプールは、仮想デスクトップのプールを含み、前記仮想マシン管理アプリケーションは、仮想デスクトップ管理アプリケーション又は仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)ソフトウェアを含むことを特徴とする、先行するいずれかの請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記仮想マシン管理アプリケーションは、VMware Horizon(登録商標)を含むことを特徴とする、先行するいずれかの請求項に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、VMware Orchestratorワークフローによって定義されることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに従属する場合の請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記VMware Orchestratorワークフローは、前記仮想マシン管理アプリケーションを呼び出して、前記共通の仮想化レイヤ上に前記仮想マシンの置換プールを作成することを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記VMware Orchestratorワークフローは、前記消去アプリケーションを呼び出して、前記仮想マシンのプールの各仮想マシンを消去することを特徴とする、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記方法は、VMware Horizon(登録商標)グラフィカルユーザインタフェースを介して、開始、起動、又は作動されることを特徴とする、請求項12から15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
データ消去装置の処理リソースによって実行されると、前記データ消去装置に、先行するいずれかの請求項に記載の、仮想マシンのプールを確実に消去及び置換するための方法を行わせることを特徴とする、コンピュータプログラム。
【請求項18】
請求項1から16のいずれかに記載の、仮想マシンのプールを確実に消去及び置換する方法を行うよう構成されたことを特徴とする、仮想マシンのプールを確実に置換するためのデータ消去装置。
【請求項19】
請求項1から16のいずれかに記載の、仮想マシンのプールを確実に消去及び置換する方法を行うよう前記データ消去装置を制御するよう構成された処理リソースを具備することを特徴とする、請求項18に記載のデータ消去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、仮想マシンのプールを確実に消去及び置換するための方法及び装置に関し、特に、排他的ではないが、仮想デスクトップのプールを確実に消去及び置換するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
仮想マシンは、ゲストオペレーティングシステム(OS)が物理的なハードウェア上にインストールされ実行されるコンピューティング環境のソフトウェア実装である。仮想マシンは、通常、物理的コンピューティング環境をエミュレートし、中央演算処理装置(CPU)、メモリ、ハードディスクドライブ、ネットワークインタフェースカード、及び他のハードウェアリソースに対する要求は、ホストマシンの基盤となる物理的ハードウェア等の、基盤となる物理的ハードウェアへのこれらの要求を変換する仮想化レイヤによって管理される。さらに、複数の仮想マシンを同じ仮想化レイヤにおいて実行し、その複数の仮想マシンが同じ仮想化リソースの一部を共有して、仮想マシンプールを形成することが知られている。このように、仮想マシンプールは、複数の仮想マシンであると考えることができ、仮想マシンプールにおける各仮想マシンは、その仮想マシンプールにおける他の仮想マシンの各々と同じ設定及び特徴を有するよう構成されている。
【0003】
例えば、仮想マシンは、デスクトップ環境と、関連するアプリケーションソフトウェアを、それにアクセスするために使用される物理的ホストマシンから分離する仮想化レイヤの上で動作する、実質、ゲストOSである仮想デスクトップの形態をとることができる。当業者であれば理解するように、仮想デスクトップは、アプリケーション仮想化及びユーザプロファイル管理システムと併せて使用されて包括的なデスクトップ環境管理システムを提供することができる。さらに、複数の仮想デスクトップを同じ仮想化レイヤにおいて実行し、その複数の仮想デスクトップが同じ仮想化リソースの一部を共有して、仮想デスクトッププールを形成することも知られている。このように、仮想デスクトッププールは、複数の仮想デスクトップであると考えることができ、仮想デスクトッププールにおける各仮想デスクトップは、その仮想デスクトッププールにおける他の仮想デスクトップの各々と同じ設定及び特徴を有するよう構成されている。仮想デスクトッププールの仮想デスクトップは、現在の需要等に基づきリソースの割り当てを制御するために、仮想デスクトップ管理アプリケーション又はVMware Horizon(登録商標)等の仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)ソフトウェアを使用して一括管理することができる。このように仮想デスクトップをプールすることによって、デスクトップ設定を構成することをより容易にし、仮想デスクトップの管理を一元化する。これにより、同一のアプリケーションをユーザのグループに配信することを可能にできる。また、これにより、自動仮想デスクトッププロビジョニングも容易にすることができる。仮想デスクトップをプールすることにより、プールにおける仮想デスクトップのすべてに同時にパッチ又は更新を適用できるため、デスクトップのパッチ及び更新もより容易になる。
【0004】
仮想マシンのプールの各仮想マシンは、非仮想化マシンと同じ種類のユーザ生成データを含むことができる。このようなデータは、例えば、個人を特定できる情報(PII)、機密メッセージ、企業秘密等の取扱いに注意を要する情報を含んでいる可能性がある。仮想マシンプールと仮想デスクトッププールの結果として生じる問題は、仮想マシンプールの各仮想マシンを、一部のアプリケーションに対して、又は一部のセキュリティ標準への準拠に対して十分確実に又はロバストに消去および置換すること、又は仮想デスクトッププールの各仮想デスクトップを、一部のアプリケーションに対して、又は一部のセキュリティ標準への準拠に対して十分確実に又はロバストに消去および置換することが困難である可能性があることである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によると、仮想マシンのプールを確実に消去及び置換するための方法であって、仮想マシンのプールの仮想マシンが共通の仮想化レイヤ上に実装され、共通の仮想マシン管理アプリケーションによって管理され、
仮想マシン管理アプリケーションを使用して、共通の仮想化レイヤ上に、仮想マシンのプールと同じ構成及び/又は設定を有する仮想マシンの置換プールを作成することと、
仮想マシン管理アプリケーションとは独立して実行可能な消去アプリケーションを使用して、仮想マシンのプールの各仮想マシンを消去することと、
仮想マシン管理アプリケーションを使用して、仮想マシンのプールを削除することと、を含む方法を提供する。
【0006】
消去アプリケーションを使用して、仮想マシンのプールの各仮想マシンを消去することは、仮想マシンのプールの各仮想マシンに関連する以下のもの:1つ以上のゲストオペレーティングシステム;1つ以上のシステムファイル;1つ以上のアプリケーション;又は保存データ、のうちの少なくとも1つを消去することを含んでいてもよい。
【0007】
消去アプリケーションを使用して、仮想マシンのプールの各仮想マシンを消去することは、仮想マシンのプールの各仮想マシンに関連する保存データを消去することと、さらに、以下のもの:仮想マシンのプールの各仮想マシンに関連する1つ以上のゲストオペレーティングシステム;仮想マシンのプールの各仮想マシンに関連する1つ以上のシステムファイル;又は、仮想マシンのプールの各仮想マシンに関連する1つ以上のアプリケーション、のうちの少なくとも1つを消去することを含んでいてもよい。
【0008】
消去アプリケーションを使用して、仮想マシンのプールの各仮想マシンを消去することは、仮想マシンのプールの各仮想マシンを完全に消去することを含んでいてもよい。
【0009】
仮想マシン管理アプリケーションとは独立して実行可能な消去アプリケーションを使用して、仮想マシンのプールの各仮想マシンを消去することは、仮想マシン管理アプリケーション自体を使用して仮想マシンのプールの各仮想マシンを消去する場合よりも、仮想マシンのプールの各仮想マシンのより完全な及び/又は確実な消去につながる可能性がある。なぜなら、仮想マシン管理アプリケーション自体を使用して仮想マシンのプールの各仮想マシンを消去することは、仮想マシン管理アプリケーションが、各仮想マシンに関連するファイルを単に削除済としてマークするか、又は、削除済み又は隠しファイルが回復可能なままであるようにユーザインタフェースにおいて非表示にし、ユーザが一定期間内に削除済み又は隠しファイルを回復できるようにする結果になる場合があるからである。消去アプリケーションを使用して、仮想マシンのプールの各仮想マシンを消去することは、消去アプリケーションが仮想マシンのプールの各仮想マシンに関連するファイルの内容を上書きする結果になる場合がある。具体的には、消去アプリケーションは、各仮想マシンに関連する仮想化ハードディスク又はストレージボリュームを上書きし得る。代替として、又は加えて、消去アプリケーションは、各仮想マシンに関連する暗号化された仮想化ハードディスク又はストレージボリュームの暗号化キーを変更し得る。
【0010】
消去アプリケーションを使用して、仮想マシンのプールの各仮想マシンを消去することは、消去アプリケーションが仮想マシンのプールの各仮想マシンを消去すると、仮想マシンのプールの各仮想マシンの消去の程度、範囲及び/又は正常な完了を示すデータを含む消去検証レポートを生成することを含んでいてもよい。消去アプリケーションを使用して、仮想マシンのプールの各仮想マシンを消去することによって消去の検証を可能にしてもよい。例えば、消去アプリケーションは、消去プロセスの最後に消去検証レポートを生成するよう構成されていてもよい。
【0011】
しかしながら、例えば、消去アプリケーションは、サードパーティサプライヤーによって提供されているため、消去アプリケーションが仮想マシン管理アプリケーションによってサポートされていない、又は仮想マシン管理アプリケーションと互換性がない可能性があり、その結果として、消去アプリケーションを使用して仮想マシンのプールの各仮想マシンを消去することは、仮想マシンのプールを、回復不能な、仮想マシン管理アプリケーションが仮想マシンのプールの管理を継続できなくなる可能性がある及び/又は仮想マシンのプールにおいて仮想マシンの使用ができなくなる可能性があるエラー状態にする場合がある。従って、このような方法は、仮想マシン管理アプリケーションとは独立して実行可能な消去アプリケーションを使用して、仮想マシンのプールの各仮想マシンを消去する前に、仮想マシン管理アプリケーションを使用して、仮想マシンのプールの代わりに、仮想マシンのプールと同じ構成及び/又は設定を有する仮想マシンの置換プールを作成することによって、仮想マシンのプールの各仮想マシンの確実な消去及び置換を実質的に可能にできる。その後、仮想マシンのプールが回復不能なエラー状態になった後、仮想マシン管理アプリケーションが、仮想マシンのプールを削除することができる。仮想マシンの置換プールは、仮想マシン管理アプリケーションによって容易に作成することができる。実質上、その方法は、確実及びロバストなだけでなく、自動でユーザにシームレスな方法で仮想マシンのプールの消去及び置換ができることになる。仮想マシン管理アプリケーションと比較すると、独立して実行可能な消去アプリケーションを使用して仮想マシンのプールを消去するのにはより長い時間がかかる可能性があるが、仮想マシンのプールの消去及び置換は、その方法の一部として自動化して行うことができる。
【0012】
仮想マシン管理アプリケーションを使用して、共通の仮想化レイヤ上に仮想マシンの置換プールを作成することは、仮想マシン管理アプリケーションを使用して、共通の仮想化レイヤ上に仮想マシンのプールを複製することを含んでいてもよい。このような複製された仮想マシンのプールは、仮想マシンのプールと同じ構成及び/又は設定を有しているかもしれないが、仮想マシンのプールが含んでいる可能性があるユーザが生成したデータは有していないかもしれない。
【0013】
仮想マシン管理アプリケーションを使用して、共通の仮想化レイヤ上に仮想マシンの置換プールを作成することは、
第1の時間に仮想マシンのプールの構成及び/又は設定を保存することと、
第1の時間よりも遅い第2の時間に、仮想マシン管理アプリケーションを使用して、仮想マシンのプールと同じ構成及び/又は設定で、共通の仮想化レイヤ上に仮想マシンの置換プールを作成することと、を含んでいてもよい。
本方法は、消去アプリケーションを使用して仮想マシンのプールの各仮想マシンを消去する前に、仮想マシン管理アプリケーションを使用して仮想マシンのプールの動作を無効にする又は一時停止することを含んでいてもよい。
【0014】
消去アプリケーションを使用して仮想マシンのプールの各仮想マシンを消去する前に、仮想マシン管理アプリケーションを使用して仮想マシンのプールの動作を無効にする又は一時停止することは、仮想マシンのプールを確実に消去し置換する本方法を、より信頼性の高い安全なものにし得る。例えば、消去アプリケーションを使用した仮想マシンの消去中に、ユーザが仮想マシンにログインしようとする可能性がある。よって、消去アプリケーションを使用して仮想マシンのプールの各仮想マシンを消去する前に、仮想マシン管理アプリケーションを使用して、仮想マシンのプールの動作を無効にする又は一時停止することにより、消去アプリケーションが仮想マシンを消去している間にユーザが仮想マシンにログインしようとする可能性を回避できる。消去アプリケーションが仮想マシンのプールにどの仮想マシンが存在しているかを特定した後で、仮想マシン管理アプリケーションが新たな仮想マシンを作成する状況もあり得る。従って、消去アプリケーションを使用して仮想マシンのプールの各仮想マシンを消去する前に、仮想マシン管理アプリケーションを使用して仮想マシンのプールの動作を無効にする又は一時停止することにより、消去アプリケーションが仮想マシンのプールの各仮想マシンを消去している間に、仮想マシン管理アプリケーションが新たな仮想マシンを作成することを防ぐことができる。このことは、消去アプリケーションが、どの仮想マシンが、消去される仮想マシンのプールの一部であるのかを確実に特定することができることを意味する。
【0015】
本方法は、仮想マシン管理アプリケーションを使用して、共通の仮想化レイヤ上に仮想マシンの置換プールを作成する前に、仮想マシン管理アプリケーションを使用して仮想マシンのプールの動作を無効にする又は一時停止することを含んでいてもよい。
【0016】
仮想マシン管理アプリケーションを使用して、共通の仮想化レイヤ上に仮想マシンの置換プールを作成する前に、仮想マシン管理アプリケーションを使用して、仮想マシンのプールの動作を無効にする又は一時停止することは、仮想マシン管理アプリケーションが、共通の仮想化レイヤ上に仮想マシンの置換プールを、無効にされた又は一時停止された状態で作成することを意味してもよい。
【0017】
本方法は、仮想マシンの置換プールの動作を有効にする又は開始することを含んでいてもよい。
【0018】
本方法は、仮想マシン管理アプリケーションを使用して仮想マシンのプールを削除する前又は後に、仮想マシンの置換プールの動作を有効にする又は開始することを含んでいてもよい。
【0019】
本方法は、消去アプリケーションを使用して仮想マシンのプールを消去する前又は後に、仮想マシンの置換プールの動作を有効にする又は開始することを含んでいてもよい。
【0020】
仮想マシンのプールは、仮想デスクトップのプールを含んでいてもよい。また、仮想マシン管理アプリケーションは、仮想デスクトップ管理アプリケーション又は仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)ソフトウェアを含んでいてもよい。
【0021】
仮想マシン管理アプリケーションは、VMware Horizon(登録商標)を含んでいてもよい。
【0022】
本方法は、VMware Orchestratorワークフローによって定義されてもよい。Orchestratorワークフローは、VMware固有の言語でスクリプト化された自動化タスクと考えられてもよい。VMware Orchestratorワークフローは、仮想マシン管理アプリケーションを呼び出して共通の仮想化レイヤ上に仮想マシンの置換プールを作成してもよい。VMware Orchestratorワークフローは、消去アプリケーションを呼び出して、仮想マシンのプールの各仮想マシンを消去してもよい。
【0023】
本方法は、VMware Horizon(登録商標)グラフィカルユーザインタフェースを介して開始、起動、又は作動されてもよい。
【0024】
本方法は、仮想マシン管理アプリケーションと消去アプリケーションを、同じ処理リソース、又は異なる処理リソースを使用して実行することを含んでいてもよい。本方法は、仮想マシン管理アプリケーションと消去アプリケーションを、同じコンピュータ又は物理的に異なるコンピュータを使用して実行することを含んでいてもよい。
【0025】
本開示の一態様によると、データ消去装置の処理リソースによって実行されると、上述の、仮想マシンのプールを確実に消去及び置換する方法のいずれかをデータ消去装置に行わせるコンピュータプログラムを提供する。
【0026】
仮想マシンのプールは、仮想デスクトップのプールを含んでいてもよい。また、仮想マシン管理アプリケーションは、仮想デスクトップ管理アプリケーション又は仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)ソフトウェアを含んでいてもよい。
【0027】
仮想マシン管理アプリケーション又は仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)ソフトウェアは、VMware Horizon(登録商標)を含んでいてもよい。
【0028】
本コンピュータプログラムは、VMware Orchestratorワークフローを含んでいてもよいし、又は、VMware Orchestratorワークフローであってもよい。Orchestratorワークフローは、VMware固有の言語でスクリプト化された自動化タスクであると考えられてもよい。VMware Orchestratorワークフローは、仮想マシン管理アプリケーションを呼び出して、仮想マシンの置換プールを共通の仮想化レイヤ上に作成してもよい。VMware Orchestratorワークフローは、消去アプリケーションを呼び出して仮想マシンのプールの各仮想マシンを消去してもよい。
【0029】
本コンピュータプログラムは、VMware Horizon(登録商標)(VDI)ソフトウェアに関連するグラフィカルユーザインタフェースを介して、開始、起動、又は作動されてもよい。
【0030】
仮想マシン管理アプリケーションと消去アプリケーションは、処理リソースによって実行されてもよい。例えば、仮想マシン管理アプリケーションと消去アプリケーションは、同じコンピュータによって実行されてもよい。
【0031】
代替として、仮想マシン管理アプリケーションは、処理リソースによって実行されてもよく、消去アプリケーションは、さらに異なる処理リソースによって実行されてもよい。例えば、仮想マシン管理アプリケーションと消去アプリケーションは、物理的に異なるコンピュータによって実行されてもよい。
【0032】
本開示の一態様によると、上述の、仮想マシンのプールを確実に消去及び置換する方法のいずれかを行うよう構成されている、仮想マシンのプールを確実に消去及び置換するためのデータ消去装置を提供する。
【0033】
本データ消去装置は、上述の、仮想マシンのプールを確実に消去及び置換する方法のいずれかを、データ消去装置に行わせるためのコンピュータプログラムを実行するよう構成されている処理リソースを含んでいてもよい。
【0034】
仮想マシンのプールは、仮想デスクトップのプールを含んでいてもよい。また、仮想マシン管理アプリケーションは、仮想デスクトップ管理アプリケーション又は仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)ソフトウェアを含んでいてもよい。
【0035】
仮想マシン管理アプリケーションは、VMware Horizon(登録商標)を含んでいてもよい。
【0036】
本コンピュータプログラムは、VMware Orchestratorワークフローを含んでいてもよいし、又は、VMware Orchestratorワークフローであってもよい。Orchestratorワークフローは、VMware固有の言語でスクリプト化された自動化タスクであると考えられてもよい。VMware Orchestratorワークフローは、仮想マシン管理アプリケーションを呼び出して、仮想マシンのプールを複製してもよい。VMware Orchestratorワークフローは、消去アプリケーションを呼び出してもよい。
【0037】
本コンピュータプログラムは、VMware Horizon(登録商標)(VDI)ソフトウェアに関連するグラフィカルユーザインタフェースを介して、開始、起動、又は作動されてもよい。
【0038】
仮想マシン管理アプリケーションと消去アプリケーションは、処理リソースによって実行されてもよい。例えば、仮想マシン管理アプリケーションと消去アプリケーションは、同じコンピュータによって実行されてもよい。
【0039】
代替として、仮想マシン管理アプリケーションは、処理リソースによって実行されてもよく、消去アプリケーションは、更なる処理リソースによって実行されてもよい。例えば、仮想マシン管理アプリケーションと消去アプリケーションは、物理的に異なるコンピュータによって実行されてもよい。
【0040】
本開示の上記の態様のいずれか1つの特徴のうちの任意の1つ以上が本開示の上記の他の態様のいずれかの特徴のうちの任意の1つ以上と組み合わせられてもよいことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1図1は、仮想マシンのプール及び仮想マシンのプールを確実に消去及び置換するデータ消去装置の概略図である。
図2図2は、仮想マシンのプールを確実に消去及び置換する方法を示すフローチャートである。
図3図3は、仮想デスクトップのプールの形式の仮想マシンのプールを確実に消去及び置換する方法を示すフローチャートである。
図4図4は、消去アプリケーションを使用した、仮想デスクトップのプールからのデータの消去を示すスクリーンショットである。
図5図5は、消去アプリケーションを使用した、仮想デスクトップのプールからのデータの消去後の、VMware Horizon(登録商標)仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)ソフトウェアの形式の仮想マシン管理アプリケーションのグラフィカルユーザインタフェースのスクリーンショットである。
図6図6は、消去アプリケーションを使用した、仮想デスクトップのプールからのデータの消去の結果として、仮想デスクトップのプールが回復不能なエラー状態になったことを示すエラーメッセージを示す、消去アプリケーションを使用した仮想デスクトップのプールからのデータの消去後の仮想デスクトップのプールの状態を示す図5のVDIソフトウェアのグラフィカルインタフェースのスクリーンショットである。
図7A図7Aは、VMware Horizon(登録商標)VDIソフトウェアを使用する際の、仮想デスクトップのプールの構成及び設定のリストの第1の部分を示す。
図7B図7Bは、VMware Horizon(登録商標)VDIソフトウェアを使用する際の、仮想デスクトップのプールの構成及び設定のリストの第2の部分を示す。
図7C図7Cは、VMware Horizon(登録商標)VDIソフトウェアを使用する際の、仮想デスクトップのプールの構成及び設定のリストの第3の部分を示す。
図7D図7Dは、VMware Horizon(登録商標)VDIソフトウェアを使用する際の、仮想デスクトップのプールの構成及び設定のリストの第4の部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
仮想マシンのプールを確実に消去及び置換するための方法及びデータ消去装置を、添付の図面を参照して非限定的な例としてのみ説明する。
【0043】
まず図1を参照すると、仮想デスクトップ等の仮想マシン4のプール2と、仮想マシン4のプール2を確実に消去及び置換するためのデータ消去装置6がある。仮想マシン4のプール2の仮想マシン4は、共通の仮想化レイヤ上に実装される。仮想マシン4のプール2の各仮想マシン4は、対応する物理的ホストマシン10上でホストされる。しかしながら、当業者は、これに限らず、仮想マシン4のプール2の1つ以上の仮想マシン4が、同じ物理的ホストマシン上でホストされてもよいと理解するであろう。図1の破線で示すように、データ消去装置6とホストマシン10は、データ消去装置6と各ホストマシン10の間で通信可能であるように構成されている。
【0044】
データ消去装置6は、処理リソース20と、メモリ22と、ユーザインタフェース23とを有している。メモリ22は、仮想マシン管理アプリケーション24を記憶する。消去アプリケーション26は、処理リソース20が仮想マシン管理アプリケーション24と消去アプリケーション26とを互いに独立して実行可能であるという意味において、仮想マシン管理アプリケーション24とは独立して実行可能である。しかしながら、例えば、消去アプリケーション26は、サードパーティサプライヤーによって供給されているため、仮想マシン管理アプリケーション24は、消去アプリケーション26をサポートしていない、又は消去アプリケーション26の使用と互換性がなく、その結果として、消去アプリケーション26を使用して仮想マシン4のプール2の各仮想マシン4を消去することは、仮想マシン4のプール2を、回復不可能な、仮想マシン管理アプリケーション24が仮想マシン4のプール2の管理を継続できなくなる可能性がある及び/又は仮想マシン4のプール2において仮想マシン4の使用ができなくなる可能性があるエラー状態にする場合がある。
【0045】
図2は、仮想マシン4のプール2を確実に消去及び置換するための第1の方法30を示している。方法30は、ユーザによって、ユーザインタフェース23を介して手動で作動され、開始されると、それ以上のユーザ操作なしで、方法30のステップがソフトウェアにおいて実施される。方法30が開始されると、処理リソース20が仮想マシン管理アプリケーション24と消去アプリケーション26を実行することにより、データ消去装置6に方法30を行わせる。
【0046】
具体的には、仮想マシン管理アプリケーション24は、ステップ32において、共通の仮想化レイヤ上に、仮想マシン4のプール2と同じ構成及び/又は設定を有する、仮想マシンの置換プール(図示せず)を作成する。その後、消去アプリケーション26は、ステップ34において、仮想マシン4のプール2の各仮想マシン4を消去する。具体的には、消去アプリケーション26は、仮想マシン4のプール2の各仮想マシン4に関連する以下のもの:1つ以上のゲストオペレーティングシステム;1つ以上のシステムファイル;1つ以上のアプリケーション;又は保存データ、のうちの少なくとも1つを消去する。例えば、消去アプリケーション26は、仮想マシン4のプール2の各仮想マシン4に関連する保存データを消去し、さらに、以下のもの:仮想マシン4のプール2の各仮想マシン4に関連する1つ以上のゲストオペレーティングシステム;仮想マシン4のプール2の各仮想マシン4に関連する1つ以上のシステムファイル;又は仮想マシン4のプール2の各仮想マシン4に関連する1つ以上のアプリケーション、のうちの少なくとも1つを消去する。
【0047】
仮想マシン4のプール2が消去されると、仮想マシン管理アプリケーション24は、ステップ36において、仮想マシン4のプール2を削除する。
【0048】
仮想マシン管理アプリケーション24とは独立して実行可能な消去アプリケーション26を使用して仮想マシン4のプール2の各仮想マシン4を消去することは、仮想マシン管理アプリケーション24自体を使用して仮想マシン4のプール2の各仮想マシン4を消去する場合よりも、仮想マシン4のプール2の各仮想マシン4を、より完全に及び/又はより確実に消去することにつながる可能性がある。しかしながら、例えば、消去アプリケーション26は、サードパーティサプライヤーによって供給されているため、消去アプリケーション26は、仮想マシン管理アプリケーション24によってサポートされていない、又は仮想マシン管理アプリケーション24と互換性がない可能性があり、その結果として、消去アプリケーション26を使用して仮想マシン4のプール2の各仮想マシン4を消去することは、仮想マシン4のプール2を、回復不可能な、仮想マシン管理アプリケーション24が仮想マシン4のプール2の管理を継続できなくなる可能性がある及び/又は仮想マシン4のプール2における仮想マシン4の使用ができなくなる可能性があるエラー状態にする場合がある。従って、このような方法は、消去アプリケーション26が仮想マシン管理アプリケーション24によってサポートされていない、又は、仮想マシン管理アプリケーション24と互換性がない場合であっても、仮想マシン管理アプリケーション24とは独立して実行可能な消去アプリケーション26を使用して、仮想マシン4のプール2の各仮想マシン4の消去を実質的に可能にすることができる。
【0049】
上記に鑑み、当業者は、図2を参照して説明した方法30は、仮想マシン4のプール2の確実な消去だけでなく、仮想マシン4のプール2の代わりに、仮想マシン4のプール2と同じ構成及び/又は設定を有する、仮想マシンの置換プールの作成を行うことになると理解するであろう。方法30は、仮想マシン4の置換プール2がエラー状態であるというリスクなしで仮想マシン4の元のプール2が確実に消去され得るという確信をユーザが持つことができることを意味し得る。方法30は、仮想マシン4の元のプール2と同じ構成及び/又は設定で、仮想マシンの置換プールを手動で生成するのに要する手作業を少なくとも部分的に削減することもできる。仮想マシンの置換プールを生成することは、元の仮想マシンの確実な消去に対する要求があるが、元の仮想マシンを新たな仮想マシンと置換する必要がある現実世界の多くの場合においても重要であるかもしれない。例えば、これは、各従業員が、朝、新たな仮想マシンを有することが求められ、使用された各仮想マシンは、従業員が帰宅する夕方に確実に消去されることを求められるビジネスには有利であるかもしれない。
【0050】
図3は、仮想マシン4のプール2を確実に消去及び置換するための第2の方法40を示している。図3の方法40において、仮想マシン4のプール2の各仮想マシン4は、仮想デスクトップの形態をとり、仮想マシン管理アプリケーション24は、VMware Horizon(登録商標)等の仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)ソフトウェアの形態をとる。
【0051】
方法40は、ステップ41において、ユーザが、VMware Horizon(登録商標)VDIソフトウェア24に関連するグラフィカルユーザインタフェースを介して、仮想デスクトップ4のプール2を手動で無効にすることで開始する。ステップ42において、ユーザは、VMware Horizon(登録商標)VDIソフトウェア24に関連するグラフィカルユーザインタフェースを介して、方法40のステップ42、44、及び46を定義するVMware Orchestratorワークフローを手動で作動させる。当業者が理解するように、VMware Orchestratorワークフローは、VMware固有の言語でスクリプト化された自動化タスクであると考えられてもよい。VMware Orchestratorワークフローがステップ42において、ユーザにより手動で作動されると、VMware Orchestratorワークフローによって定義されているように、方法40のステップ42、44、及び46が自動的に行われることにより、それ以上のユーザ操作なしで、処理リソース20に方法40のステップ42、44、及び46を自動的に実行させる。具体的には、VMware Orchestratorワークフローがステップ42において、ユーザにより手動で作動されると、VDIソフトウェア24は、共通の仮想化レイヤ上に仮想デスクトップの置換プール(図示せず)を作成し、仮想デスクトップの置換プールが仮想デスクトップ4のプール2と同じ構成及び/又は設定を有するように仮想デスクトップ4のプール2を複製する。VMware Horizon(登録商標)VDIソフトウェア24を使用する際の仮想デスクトップ4のプール2の構成及び/又は設定のリストが図7Aから7Bに示されている。ステップ42において共通の仮想化レイヤ上に仮想デスクトップの置換プールを作成する前に、ステップ41において仮想デスクトップ4のプール2の動作を無効にする又は一時停止することによって、仮想デスクトップの置換プールが、仮想デスクトップ4のプール2と同じ構成及び/又は設定で、無効にされた又は一時停止された状態で共通の仮想化レイヤ上に作成される。
【0052】
その後、ステップ44において、VDIソフトウェア24は、消去アプリケーション26を呼び出して、仮想デスクトップ4のプール2の各仮想デスクトップ4を消去する。具体的には、消去アプリケーション26は、仮想デスクトップ4のプール2の各仮想デスクトップ4に関連する以下のもの:1つ以上のゲストオペレーティングシステム;1つ以上のシステムファイル;1つ以上のアプリケーション;又は保存データ、のうちの少なくとも1つを消去する。例えば、消去アプリケーション26は、仮想デスクトップ4のプール2の各仮想デスクトップ4に関連する保存データを消去し、さらに、以下のもの:仮想デスクトップ4のプール2の各仮想デスクトップ4に関連する1つ以上のゲストオペレーティングシステム;仮想デスクトップ4のプール2の各仮想デスクトップ4に関連する1つ以上のシステムファイル;又は仮想デスクトップ4のプール2の各仮想デスクトップ4に関連する1つ以上のアプリケーション、のうちの少なくとも1つを消去する。
【0053】
例えば、図4は、VMware Horizon(登録商標)の形態のVDIソフトウェア24によって管理される「Helsinki」という名前の仮想デスクトップ4のプール2の「Helsinki1」、「Helsinki2」という名前の2つの仮想デスクトップ4上で、サードパーティの消去アプリケーション26によって行われる消去プロセスの進行を示している。
【0054】
図3を再度参照すると、仮想デスクトップ4のプール2の消去に続き、方法40は、続いて、ステップ46において、VDIソフトウェア24が仮想デスクトップ4のプール2を削除する。
【0055】
仮想デスクトップの置換プールは、ステップ42において、無効にされた又は一時停止された状態で共通の仮想化レイヤ上に作成されるため、VMware Orchestratorワークフローがステップ46において終了すると、方法40は、ステップ48において、ユーザがVMware Horizon(登録商標)VDIソフトウェア24に関連するグラフィカルユーザインタフェースを介して仮想デスクトップの置換プールを手動で有効にして終了する。
【0056】
VDIソフトウェア24とは独立して実行可能な消去アプリケーション26を使用して仮想デスクトップ4のプール2の各仮想デスクトップ4を消去することは、VDIソフトウェア24自体を使用して仮想デスクトップ4のプール2の各仮想マシン4を消去する場合よりも、仮想デスクトップ4のプール2の各仮想デスクトップ4のより完全な及び/又はより確実な消去につながるかもしれない。しかしながら、例えば、消去アプリケーション26は、サードパーティサプライヤーによって供給されているため、消去アプリケーション26は、VDIソフトウェア24によってサポートされていない、又はVDIソフトウェア24と互換性がない可能性があり、その結果として、消去アプリケーション26を使用して仮想デスクトップ4のプール2の各仮想デスクトップ4を消去することは、仮想デスクトップ4のプール2を、回復不可能な、VDIソフトウェア24が仮想デスクトップ4のプール2の管理を継続できなくなる可能性がある及び/又は仮想デスクトップ4のプール2における仮想デスクトップ4の使用ができなくなる可能性があるエラー状態にする場合がある。例えば、図5は、データ消去プロセスの完了後のVMware Horizon(登録商標)デスクトッププールのオーバービューパネルを示し、それにおいては、ウェアリングシンボル又はアイコンがHelsinkiプールのアイコンに隣接して表示される。また、図6は、図5のVMware Horizon(登録商標)デスクトッププールのオーバービューパネルにおいて、Helsinkiプールのアイコンをクリック又は他の方法で選択した後に表示されるHelsinkiプールのオーバービューパネルを示している。具体的には、図6は、Helsinkiプールが回復不可能なエラー状態に入ったことを示す詳細なエラーメッセージを示している。従って、方法40は、消去アプリケーション26がVDIソフトウェア24によってサポートされていない、又は、VDIソフトウェア24と互換性がない場合であっても、VDIソフトウェア24とは独立して実行可能な消去アプリケーション26を使用して、仮想デスクトップ4のプール2の各仮想デスクトップ4を、実質上、確実に消去させることを可能にする。
【0057】
消去アプリケーション26を使用して仮想デスクトップ4のプール2の各仮想デスクトップ4を消去する前に、VDIソフトウェア24を使用して、仮想デスクトップ4のプール2の動作を無効にする又は一時停止することにより、仮想デスクトップ4のプール2を確実に消去する方法を、より信頼性が高く安全なものにすることができる。例えば、消去アプリケーション26を使用した仮想デスクトップ4の消去中に、ユーザが仮想デスクトップ4にログインを試みる可能性がある。よって、消去アプリケーション26が仮想デスクトップ4のプール2の各仮想デスクトップ4を消去する前に、VDIソフトウェア24を使用して仮想デスクトップ4のプール2の動作を無効にする又は一時停止することによって、消去アプリケーション26が仮想デスクトップ4を消去している間に、ユーザが仮想デスクトップ4にログインを試みるかもしれない可能性を回避できる。消去アプリケーション26が仮想デスクトップ4のプール2にどの仮想デスクトップ4が存在しているかを特定した後に、VDIソフトウェア24が新たな仮想デスクトップ4を作成する場合もあり得る。従って、消去アプリケーション26が仮想デスクトップ4のプール2の各仮想デスクトップ4を消去する前に、VDIソフトウェア24を使用して仮想デスクトップ4のプール2の動作を無効にする又は一時停止することによって、消去アプリケーション26が仮想デスクトップ4のプール2の各仮想デスクトップ4を消去している間に、VDIソフトウェア24が新たな仮想デスクトップ4を作成するのを防ぐことができる。これは、消去アプリケーション26が、どの仮想デスクトップ4が、消去される仮想デスクトップ4のプール2の一部であるかを、確実に特定できることを意味する。
【0058】
上記に鑑み、当業者は、図3から図6を参照して説明した方法40は、仮想デスクトップ4のプール2の確実な消去だけでなく、仮想デスクトップ4のプール2の代わりに、仮想デスクトップ4のプール2と同じ構成及び/又は設定を有する、仮想デスクトップの置換プールの作成も行うことになると理解するであろう。方法40は、仮想デスクトップの置換プールがエラー状態であるリスクなしで、仮想デスクトップ4の元のプール2が確実に消去され得るという確信をユーザが持つことができることを意味し得る。方法40は、仮想デスクトップ4の元のプール2と同じ構成及び/又は設定で、仮想デスクトップの置換プールを手動で生成するのに要する手作業を少なくとも部分的に削減することもできる。仮想デスクトップの置換プールを生成することは、仮想デスクトップの確実な消去に対する要求があるが、元の仮想デスクトップを新たな仮想デスクトップと置換する必要がある現実世界の多くの場合においても重要であるかもしれない。例えば、これは、各従業員が、朝、新たな仮想デスクトップを有することが求められ、使用された各仮想デスクトップが、従業員が帰宅する夕方に確実に消去されることを求められるビジネスには有利であるかもしれない。
【0059】
当業者は、添付の請求項によって定義された本発明の範囲を逸脱しない範囲で、上記の方法に様々な変形を行うことが可能であることも理解するであろう。例えば、図2のステップ32において、仮想マシン管理アプリケーション24を使用して共通の仮想化レイヤ上に仮想マシンの置換プールを作成することは、第1の時間に仮想マシン4のプール2の構成及び/又は設定を保存することと、第1の時間よりも遅い第2の時間に、仮想マシン管理アプリケーション24を使用して、仮想マシン4のプール2と同じ構成及び/又は設定で、共通の仮想化レイヤ上に仮想マシンの置換プールを作成すること、とを含んでいてもよい。同様に、ステップ42において、VDIソフトウェア24を使用して共通の仮想化レイヤ上に仮想デスクトップ4のプール2を複製することは、第1の時間に仮想マシン4のプール2の構成及び/又は設定を保存し、第1の時間よりも遅い第2の時間に、仮想マシン4のプール2と同じ構成及び/又は設定で、共通の仮想化レイヤ上に仮想デスクトップ4のプール2を複製することを含んでいてもよい。
【0060】
当業者は、VDIソフトウェア24と消去アプリケーション26は、同じデータ消去装置6のメモリ22に保存され、同じデータ消去装置6の処理リソース20によって実行されると上記に述べたが、VDIソフトウェア24と消去アプリケーション26は、異なる装置のメモリに保存されてもよい、及び/又は異なる装置の処理リソースによって実行されてもよいことを理解すべきである。
【0061】
本明細書において開示又は示された各特徴は、単独で、又は本明細書において開示された及び/又は添付の図において示された他の特徴と適切に組み合わせて、いずれの実施例に組み込まれてもよい。特に、当業者は、図面を参照して上記に説明した本開示のいずれか1つの実施例の特徴のうちの1つ以上は、本開示のいずれかの実施例の他の特徴のうちの1つ以上とは別個に使用されたときに、効果を生じる、又は利点を与え得ることと、上記に説明した本開示の実施例の特徴の特定の組合せ以外に、特徴の異なる組合せが可能であることと、を理解するであろう。
【0062】
本開示の実施例の特徴に関連して使用された用語「comprising(含む)」の使用は、本開示の実施例の他の特徴又はステップを除外するものではない。本開示の実施例の特徴に関連して使用された用語「a」又は「an」の使用は、実施例がそのような特徴を複数含む可能性を除外するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
【国際調査報告】