(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-11
(54)【発明の名称】整形外科的肩置換術のための上腕骨カットガイド組立体を含む器具及びシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/17 20060101AFI20240304BHJP
A61B 17/16 20060101ALI20240304BHJP
A61B 17/15 20060101ALI20240304BHJP
【FI】
A61B17/17
A61B17/16
A61B17/15
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558548
(86)(22)【出願日】2022-03-16
(85)【翻訳文提出日】2023-11-20
(86)【国際出願番号】 US2022020589
(87)【国際公開番号】W WO2022203921
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502427840
【氏名又は名称】ジンマー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100227835
【氏名又は名称】小川 剛孝
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド ダブリュ.ダイ,ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】マイケル エー.カイ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル フランシス コバックス
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL12
4C160LL21
(57)【要約】
整形外科処置のための器具組立体を開示する。器具組立体は、リーマ及びカットガイド組立体の何れか一方又はその組合せを任意に含むことができる。カットガイド組立体は、リーマに結合するように構成できる。カットガイド組立体は、任意に、クランプ、キャリッジ及びカットブロックの何れか1つ又はその組合せを含むことができる。クランプは、リーマのシャフトに沿って選択的に移動可能としかつこれにロック可能とすることができる。第1のアームは、リーマから突出できる。キャリッジは、第1のアームの長手方向長さに沿って選択的に移動可能とすることができる。カットブロックは、1つ又は複数のマグネットを介してキャリッジに結合できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
整形外科処置のための器具組立体であって、
リーマと、
前記リーマに結合するように構成されたカットガイド組立体であって、前記カットガイド組立体は、
前記リーマのシャフトに沿って選択的に移動可能であり、かつ、これにロック可能なクランプと、
前記リーマから突出する第1のアームと、
前記第1のアームの長手方向長さに沿って選択的に移動可能なキャリッジと、
1つ又は複数のマグネットを介して前記キャリッジに結合されたカットブロックと、
を備える、カットガイド組立体と、
を備える、器具組立体。
【請求項2】
前記クランプは、前記リーマの前記シャフトに選択的に係合するときに撓むように構成された板ばねを含む、請求項1に記載の器具組立体。
【請求項3】
前記クランプは、前記リーマの前記シャフトに係合するように構成されたプランジャと、前記リーマの前記シャフトと係合し、前記リーマの前記シャフトから離脱するために、前記プランジャの移動を作動するように構成されたレバーと、を含む、請求項1又は請求項2に記載の器具組立体。
【請求項4】
前記プランジャは、前記第1のアーム内に位置付けられ、かつ、前記第1のアームに対して移動可能であり、前記レバーは、前記リーマとは反対側の前記第1のアームの長手方向端部に位置付けられる、請求項3に記載の器具組立体。
【請求項5】
前記キャリッジは、前記第1のアームと係合するように構成されたスプリングフィンガを含む、請求項1から請求項4の何れか1項に記載の器具組立体。
【請求項6】
前記キャリッジは、前記第1のアームから離れるように突出する第2のアームと、前記1つ又は複数のマグネットを中に受け入れるように構成されたリテーナと、を含む、請求項1から請求項5の何れか1項に記載の器具組立体。
【請求項7】
前記1つ又は複数は、ボタンマグネットを含む、請求項6に記載の器具組立体。
【請求項8】
更に、前記1つ又は複数のマグネットを中に受け入れるように構成された1つ又は複数の反転カップを備える、請求項6又は請求項7に記載の器具組立体。
【請求項9】
更に、前記1つ又は複数の反転カップの蓋に対して前記1つ又は複数のマグネットを付勢するように構成された1つ又は複数の波形ばねを備える、請求項8に記載の器具組立体。
【請求項10】
前記リテーナは、対応する前記カットブロックの複数のレール及び溝と係合するように構成された複数のレール及び溝を有する、請求項6から請求項9の何れか1項に記載の器具組立体。
【請求項11】
前記カットブロックは、前記キャリッジに対して回転可能に構成される、請求項1から請求項10の何れか1項に記載の器具組立体。
【請求項12】
更に、前記カットガイド組立体の向きを示すように構成された複数のロッドを備える、請求項1から請求項11の何れか1項に記載の器具組立体。
【請求項13】
整形外科処置のための器具システムであって、
リーマと、
前記リーマに結合するように構成されたカットガイド組立体であって、前記カットガイド組立体は、
第1のアームと、
前記リーマのシャフトに沿って移動可能に構成されたクランプであって、前記クランプは、前記第1のアーム内に位置付けるように構成されると共に、前記クランプを前記シャフトに固定するために前記リーマの前記シャフトと選択的に係合されたときに撓むように構成された板ばねを含む、クランプと、
前記アームに沿って移動可能に構成されたキャリッジと、
前記キャリッジと結合するように構成されたカットブロックと、
を備える、カットガイド組立体と、
を備える、器具システム。
【請求項14】
更に、前記カットブロックを前記キャリッジに結合するように構成された1つ又は複数のマグネットを備える、請求項13の器具システム。
【請求項15】
前記キャリッジは、対応する前記カットブロックの複数のレール及び溝と係合するように構成された複数のレール及び溝を有する、請求項13又は請求項14に記載の器具システム。
【請求項16】
前記カットブロックは、前記キャリッジに対して回転可能に構成される、請求項13から請求項15の何れか1項に記載の器具システム。
【請求項17】
更に、1つ又は複数のマグネットを中に受け入れるように構成された1つ又は複数の反転カップと、
前記1つ又は複数の反転カップの蓋に対して前記1つ又は複数のマグネットを付勢するように構成された1つ又は複数の波形ばねと、を備える、
請求項13から請求項16の何れか1項に記載の器具システム。
【請求項18】
上腕骨頭を切除する方法であって、
前記上腕骨にリーマを挿入することと、
前記リーマ及び前記上腕骨に対する前記カットブロック組立体の近位-遠位位置を調節することと、
前記上腕骨に対するカットブロックの所望の近位-遠位位置が得られたら、前記カットブロック組立体を前記リーマにクランプ留めすることと、
前記カットブロックの前後位置を調節することと、
前記カットブロックの回転位置を調節すること、
を含む、方法。
【請求項19】
更に、1つ又は複数のマグネットを介して前記カットブロックを前記カットブロック組立体に取り付けることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記カットブロック組立体を前記リーマにクランプ留めすることは、板ばねと前記リーマとを係合することと、前記リーマに対して横方向に前記板ばねを撓ませることを含む、請求項18又は請求項19の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年3月25日に提出された米国仮特許出願第63/165963号の利益を主張し、その優先権の利益は本明細書によって主張され、参照によってその全体が本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
肩関節は、肩甲骨、鎖骨、上腕骨が全て一体となって結合した複雑な関節であり、少なくとも適切に機能する関節においては、広い範囲の動きを可能にする。適切に機能する肩関節において、上腕骨頭は、通常は関節窩と呼ばれる肩甲骨の浅い窩の中へ収まる。肩関節の関節運動は、関節窩の中での上腕骨頭の動きを伴い、合せ面と周囲組織の構造が広い範囲の動きを可能にする。
【0003】
肩関節は、関節リューマチ、変形性関節症、回旋腱板関節症、血管壊死又は骨折などの様々な問題から生じる変性変化を受ける可能性がある。重大な関節損傷が発生し、他の有効な治療手段が見つからないときに、肩の全置換、部分置換又はリバース型関節置換若しくは再建術が必要となる場合がある。全肩関節置換術は、天然の上腕骨頭に置き換えるために使用されるステム及びヘッド部分を含む人工物上腕骨を含む可能性がある。全肩関節置換術は、また、一般的に人工インプラントによる関節窩の表面再形成を伴う。関節窩インプラントは、概略的に、人工上腕骨頭を受け入れる形状を有する関節カップを含む。リバース型肩関節置換術(関節形成術)は、様々なセットの上腕骨及び関節窩の置換プロテーゼを伴う。リバース型肩関節において、上腕骨成分は、上腕骨の中へ埋め込まれたステムに取り付けられるカップ形関節面を含み、球形の関節窩成分は、上腕骨カップのための関節面を提供するために使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上腕骨成分の埋植を容易にするために、上腕骨頭を切除するための様々な技法が開発されてきた。このような技法の1つは、上腕骨頭の切除を容易にするために、骨髄内ロッド又はリーマを利用してカットブロックを取り付ける。本発明のシステム及び器具によって解決される1つの問題点は、いくつものノブ及び蝶ねじを利用する既知の器具組立体である。これらのノブ及び蝶ねじは、カットブロックを様々な所望の位置まで操作するために緩めるのが面倒な場合がある。また、カットブロックが所望の位置に配置されたら、これを締め直さなければならない。更に、以前のシステム及び器具は、一方向のみに沿って(通常はブームアームに沿って)動かせるようにカットブロックの移動を制約していた。このことは、カットブロック面と上腕骨の面との間に好ましくないギャップを残す可能性がある。しかし、本発明の器具及びシステムは、外科医が上腕骨の切除を行う際に使用されるカットブロックをより柔軟に位置変更できるようにする。カットブロックの回転移動は、本発明の器具及びシステムによって達成することができる。これによって、上腕骨の切除を支援するために、外科医がカットブロックを調節する能力を向上できる。システムの他の器具を開示するが、これらは、複雑さを減らすと共に処置を実施するための時間を減らすことによって効率を向上させる等の他の利点を外科医に提供する。例えば、本発明のシステム及び器具は、互いに対して角度を成すことができるピン及び切除面に配置できるピンを提供する。これらの構成は、カットブロックを上腕骨により良く固定できるようにして、誘導切除の実行中にブロックが振動する又は位置をシフトする可能性を低減することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施例1は、整形外科処置用の器具組立体である。器具組立体は、任意に、リーマ及びカットガイド組立体の何れか一方又はその組合せを含むことができる。カットガイド組立体は、リーマに結合するように構成できる。カットガイド組立体は、任意に、クランプ、キャリッジ及びカットブロックの何れか1つ又はその組合せを含むことができる。クランプは、リーマのシャフトに沿って選択的に移動可能であり、リーマにロック可能とすることができる。第1のアームは、リーマから突出できる。キャリッジは、第1のアームの長手方向長さに沿って選択的に移動可能とすることができる。カットブロックは、1つ又は複数のマグネットを介してキャリッジに結合できる。
【0006】
実施例2は、クランプは、任意に、リーマのシャフトに選択的に係合するときに撓むように構成された板ばねを含む、実施例1の器具組立体である。
【0007】
実施例3は、クランプは、任意に、リーマのシャフトに係合するように構成されたプランジャと、リーマのシャフトに係合させ、リーマから離脱するためにプランジャの移動を作動するように構成されたレバーと、を含む、実施例1若しくは実施例2の何れか1つ又はその組合せの器具組立体である。
【0008】
実施例4は、プランジャは、任意に、第1のアーム内に位置付けられかつ第1のアームに対して移動可能であり、レバーは、任意に、リーマとは反対側の第1のアームの長手方向端部に位置付けられる、実施例3の器具組立体である。
【0009】
実施例5は、キャリッジは、任意に、第1のアームと係合するように構成されたスプリングフィンガを含む、実施例1から実施例4の何れか1つ又はその任意の組合せの器具組立体である。
【0010】
実施例6は、キャリッジは、任意に、第1のアームから離れるように突出する第2のアームと、1つ又は複数のマグネットを中に受け入れるように構成されたリテーナとを含む、実施例1から実施例5の何れか1つ又はその任意の組合せの器具組立体である。
【0011】
実施例7は、1つ又は複数のマグネットは、任意に、ボタンマグネットを含む、実施例6の器具組立体である。
【0012】
実施例8は、任意に、更に、1つ又は複数のマグネットを中に受け入れるように構成された1つ又は複数の反転カップを備える、実施例6又は実施例7の何れか1つ又はその組合せの器具組立体である。
【0013】
実施例9は、任意に、更に、1つ又は複数の反転カップの蓋に対して1つ又は複数のマグネットを付勢するように構成された1つ又は複数の波形ばねを備える、実施例8の器具組立体である。
【0014】
実施例10は、リテーナは、任意に、対応するカットブロックの複数のレール及び溝と係合するように構成された複数のレール及び溝を有する、実施例6から実施例9の何れか1つ又はその組合せの器具組立体である。
【0015】
実施例11は、カットブロックは、任意に、キャリッジに対して回転可能に構成される、実施例1から実施例10の何れか1つ又はその任意の組合せの器具組立体である。
【0016】
実施例12は、任意に、更にカットガイド組立体の向きを示すように構成された複数のロッドを備える、実施例1から実施例11の何れか1つ又はその組合せの器具組立体である。
【0017】
実施例13は、整形外科処置のための器具システムである。器具システムは、任意に、リーマ及びカットガイド組立体の何れか一方又はその組合せを含むことができる。カットガイド組立体は、任意に、リーマに結合するように構成できる。カットガイド組立体は、任意に、第1のアーム、クランプ、キャリッジ及びカットブロックの何れか1つ又はその組合せを含むことができる。クランプは、リーマのシャフトに沿って移動可能に構成できる。クランプは、任意に、第1のアーム内に位置付けされるように構成されると共に、クランプをシャフトに固定するためにリーマのシャフトと選択的に係合されたときに撓むように構成された板ばねを含む。キャリッジは、アームに沿って移動可能に構成できる。カットブロックは、キャリッジと係合するように構成できる。
【0018】
実施例14は、任意に、更にカットブロックをキャリッジに結合するように構成された1つ又は複数のマグネットを備える、実施例13の器具システムである。
【0019】
実施例15は、キャリッジは、任意に、対応するカットブロックの複数のレール及び溝と係合するように構成された複数のレール及び溝を有する、実施例13又は実施例14の何れか1つ又はその組合せの器具システムである。
【0020】
実施例16は、カットブロックは、任意に、キャリッジに対して回転可能に構成される、実施例13から実施例15の何れか1つ又はその組合せの器具システムである。
【0021】
実施例17は、任意に、更に1つ又は複数のマグネットを中に受け入れるように構成された1つ又は複数の反転カップと、1つ又は複数の反転カップの蓋に対して1つ又は複数のマグネットを付勢するように構成された1つ又は複数の波形ばねとを備える、実施例13から実施例16の何れか1つ又はその組合せの器具システムである。
【0022】
実施例18は、上腕骨頭を切除する方法である。方法は、任意に、上腕骨にリーマを挿入すること、リーマ及び上腕骨に対するカットブロック組立体の近位-遠位位置を調節すること、上腕骨に対するカットブロックの所望の近位-遠位位置が得られたらカットブロック組立体をリーマにクランプ留めすること、カットブロックの前後位置を調節すること、及びカットブロックの回転位置を調節すること、の何れか1つ又はその組合せを含むことができる。
【0023】
実施例19は、任意に、更に1つ又は複数のマグネットを介してカットブロックをカットブロック組立体に取り付けることを含む、実施例18の方法である。
【0024】
実施例20は、カットブロック組立体をリーマにクランプ留めすることは、任意に、板ばねをリーマと係合することと、リーマに対して横方向に板ばねを撓ませることとを含む、実施例18又は実施例19の何れか1つ又はその組合せの方法である。
【0025】
上記の非限定的実施例の各々は、単独で存在することができ、又は他の実施例の1つ又は複数と様々な順列又は組合せで組み合わせできる。
【0026】
以上の概要は、本特許出願の内容の概要を提示することを意図する。これは、本発明の排他的な又は網羅的な説明を提示することを意図しない。詳細な説明は、本特許出願に関する更なる情報を提供するために含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図面は、必ずしも縮尺通りに描かれていないが、同様の参照番号は、異なる図面において同様の構成要素を示すことができる。異なる接尾文字を有する同様の参照番号は、同様の構成要素の異なる例を表す場合がある。図面は、本明細書において論じる様々な実施形態を限定的ではなく例として一般的に例示する。
【0028】
【
図1】
図1は、本出願の1つの実施例に係るカットブロック組立体とリーマとを含むシステムの斜視図であり、カットガイド組立体は、リーマを介して上腕骨に取り付けられている。
【
図2】
図2は、本出願の1つの実施例に係る
図1のカットガイド組立体のキャリッジ及びアームの一部分の拡大断面図である。
【
図3】
図3は、本出願の1つの実施例に係る
図1のカットガイド組立体のアーム及びクランプの分解図である。
【
図4】
図4は、クランプ、アーム及びキャリッジを含む
図1のカットガイド組立体の一部分の部分断面概略図であり、更に、本出願の1つの実施例に係るカットブロックの態様を示す。
【
図5A】
図5Aは、アームの部分断面図であり、本出願の1つの実施例に係るリーマに対するアーム及びクランプの移動を許容するアンロック位置にあるクランプを示す。
【
図5B】
図5Bは、アームの部分断面図であり、本出願の1つの実施例に係るリーマに係合するロック位置にあるクランプを示す。
【
図6A】
図6Aは、キャリッジの斜視図であり、本出願の1つの実施例に係るキャリッジの中に収容された1つ又は複数のマグネット及びその他の構成要素の分解図を示す。
【
図6B】
図6Bは、本出願の1つの実施例に係る1つ又は複数のマグネットを収容するキャリッジの一部分の部分断面図である。
【
図7】
図7は、本出願の1つの実施例に係る1つ又は複数のピンによって上腕骨に結合されたカットブロックの斜視図である。
【
図7A】
図7Aは、本出願の1つの実施例に係る大腿骨を切除するために使用されているカットブロックの斜視図である。
【
図7B】
図7Bは、本出願の1つの実施例に係るカットブロックの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本明細書において論じるように、組織の切除及び/又はサイズ合せを容易にする整形外科システム及び装置を、本明細書において開示する。上腕骨を参照して説明するが、本出願の装置及びシステムは、例えば大腿骨又は脛骨を含めて他の骨又は骨部分にも応用可能である。
【0030】
図1は、1つの実施例に係るカットガイド組立体101を含むシステム100を示す。カットガイド組立体101は、本明細書において図示して説明するように、上腕骨104の骨頭102を切除するために使用できる。システム100は、更に、本明細書において更に論じるように、リーマ106及びその他の構成要素を含むことができる。カットガイド組立体101は、リーマ106を介して上腕骨104に対する位置に取り付けできる。カットガイド組立体101は、クランプ108と、第1のアーム110と、キャリッジ112と、カットブロック114と、指標(Indicia)116と、を含めて様々な構成要素を含むことができる。
【0031】
図1に示すように、リーマ106は、長手方向に延びる上腕骨の骨髄内凹部に沿って上腕骨104の中へ挿入できる。クランプ108は、リーマ106にカットガイド組立体101の残り部分を結合するように構成できる。第1のアーム110は、クランプ108の1つ又は複数の部分に結合できる。第1のアーム110は、片持ち式にリーマ106から突出できる。キャリッジ112は、第1のアーム110と結合できる。キャリッジ112は、第1のアーム110の長手方向長さに沿って選択的に移動可能とすることができる。キャリッジ112は、第1のアーム110から概ね遠位にかつ後部に上腕骨104の骨頭102へ向かって延びる部分を含むことができる。カットブロック114は、第1のアーム110に結合される端部とは反対のキャリッジの端部においてキャリッジ112に結合できる。本明細書において更に論じるように、カットブロック114は、キャリッジ112に対して選択的に回転可能とすることができる。カットブロック114のこのような構成は、本明細書において更に論じるように、1つ又は複数のマグネット及び/又はその他の機構によって容易に実現できる。指標116は、カットガイド組立体101の内反向きを示すために取り付けることができる1つ又は複数のロッド118を含むことができる。1つ又は複数のロッド118の1つは、例えば、患者の下部前腕と整列するように傾斜させることができる。
【0032】
クランプ108は、リーマ106のシャフトに沿って選択的に移動可能とし、かつこれにロック可能とすることができる。
図1に示すように、クランプ108は、シャフトクランプ120と、ロック機構122とを含むことができる。シャフトクランプ120は、リーマ106の部分を受け入れるように構成されたスリーブ又はCクランプ型装置を備えることができる。シャフトクランプ120は、リーマ106のシャフトに沿って移動可能であるような寸法とすることができる。ロック機構122は、本明細書において更に論じ例示するように、リーマ106に選択的に係合するようにシャフトクランプ120を通して延びることができる。クランプ108は、所望の位置が得られたときに、ロック機構122を介して、クランプ108及びカットガイド組立体101の残り部分をリーマ106に接続できる。
【0033】
シャフトクランプ120は、第1のアーム110に接続できる。いくつかの実施例によると、このような接続は、一体的接続とするか又は溶接による接続とすることができる。但し、キーウェイ、締結具など他のタイプの接続が想定される。いくつかの実施例によると、第1のアーム110は、オープンフレーム設計を有することができ、後に更に論じるように、その中にロック機構122の部分を受け入れるように構成できる。第1のアーム110は、リーマ106から開放端まで半径方向外向きに延びることができる。
【0034】
キャリッジ112は、その長手方向長さに沿って第1のアーム110に対して移動可能である。キャリッジ112は、ブラケット124と、第2のアーム126と、リテーナ128と、を含むことができる。ブラケット124は、第1のアーム110を受け入れるように構成された開放端機構を備えることができる。ブラケット124は、本明細書において更に論じるように、第1のアーム110に対するキャリッジ112の位置を固定するように構成された接続機構を含むことができる。第2のアーム126は、ブラケット124と結合でき、ブラケット124から外側に、かつ、第1のアーム110から延びることができる。第2のアーム126は、リーマ106の長手方向長さに対して概ね平行に、間隔を空けて遠位方向に配置されるように構成できる。第2のアーム126は、リテーナ128と結合できる。リテーナ128は、
図1に示すように上腕骨104の骨頭102の概ね外向き(前部)に位置付けられるように、クランプ108及びキャリッジ112によって選択的に位置付けできる。
【0035】
リテーナ128は、カットブロック114をその中に捕捉し、カットブロック114を取り付けるように構成できる。但し、リテーナ128は、移動可能にカットブロック114を捕捉するように構成できる。例えば、カットブロック114は、本明細書において更に論じるように、リテーナ128及びキャリッジ112の他の部分に対して回転可能とすることができる
【0036】
図1に示すように、システム100は、複数のピン130又は骨ネジなど他の機構を含むことができる。これらは、ドライバ132又はその他の器具によって上腕骨104の骨頭102の中へ押し入れ又はその他で挿入されるように構成できる。複数のピン130は、図示するようにカットブロック114のスロット又は開口によって方向付けすることができる。
【0037】
本明細書において説明した構成要素及び機構によって、カットガイド組立体101は、矢印A1によって示すようにリーマに沿って選択的に移動可能とすることができる。キャリッジ112及びカットガイド組立体101の残り部分は、矢印A2に示すように第1のアーム110に沿って移動可能とすることができる。カットブロック114は、矢印R1によって示すように、キャリッジ112及び上腕骨104に対して回転可能かつ移動可能とすることができる。特に、カットブロック114は、本明細書において更に論じるように、リテーナ128によって案内されるように、骨頭102へ向かって及び骨頭102から離れるように抑制的に移動可能とすることができる。更に、カットブロック114は、リテーナ128に対して回転可能とすることができる。
【0038】
図2は、第1のアーム110及びキャリッジ112の部分の拡大断面図を示す。
図2は、スプリングフィンガ134を含むことができるブラケット124を示す。スプリングフィンガ134は、付勢され又は他の方法で構成され、第1のアーム110に干渉する、又は、他の方法でこれに係合することができる。これによって、第1のアーム110に一定の摩擦を与えことができる。このような配列は、キャリッジ112の耐振動性を向上できる。スプリングフィンガ134は、アーム110の外側面と係合できる。スプリングフィンガ134を使用して、キャリッジ112は、第1のアーム110にロック又は係合できる。これによって、2つの構成要素の間の相対的位置付けを維持できる。キャリッジ112は、スプリングフィンガ134を第1のアーム110との係合から離脱することによって、第1のアーム110に対して移動できる。これによって、ブラケット124を第1のアーム110の長手方向長さに沿って滑動又はその他で移動できる。
【0039】
図3は、クランプ108のいくつかの構成要素、特に分解されたロック機構122を有する、クランプ108及び第1のアーム110の斜視図である。前述し、図示したように、クランプ108は、リーマを受け入れるように構成されたシャフトクランプ120を含むことができる。
図3は、第1のアーム110が、フレームの壁によって形成されたキャビティ136を備えたオープンフレーム設計を有することを示す。
【0040】
ロック機構122は、レバー138と、板ばね140と、プランジャ142とを含むことができる。レバー138は、その第1の端部においてピン144又はボルトなど他の既知の機構若しくは締結具によって板ばね140に結合できる。レバー138は、また、第1のアーム110に対して回動可能に移動可能とすることができ、第2ピン146などを介してこれに回動できるように結合できる。レバー138は、把持可能なハンドルとして構成できる。レバー138は、更に説明するように、板ばね140及びプランジャ142を作動するように構成できる。いくつかの実施例によれば、レバー138は、プランジャ142をリーマ106(
図1)と係合させるためのカム機構として構成できる。
【0041】
図3に示すように、板ばね140は、長手方向長さと比べて比較的薄い側面厚みを有する細長いロッド又は部材とすることができる。板ばね140は、第1のアーム110のキャビティ136の中に受け入れられるように構成できる。板ばね140は、その長手方向長さに沿って僅かに湾曲できる。板ばね140を湾曲することによって、更に示すようにリーマに対するプランジャ142の係合を増大できる。
【0042】
プランジャ142は、第2の端部において板ばね140と接続できる。この第2の端部は、レバー138に接続される第1の端部とは反対側とすることができる。プランジャ142は、更に例示するようにリーマに選択的に係合するように構成できる。プランジャ142によるリーマの係合によって、前述のように、リーマに対するクランプ108及びアーム110の位置をロックできる。
【0043】
図4から
図5Bは、クランプ108、特にロック機構122の作動を示す。
図4から
図5Bにおいて、第1のアーム110及びキャリッジ112の一部分は、ロック機構122の作動をより良く説明するために取り除かれている。
図4及び
図5Bは、ロック位置にあるロック機構122を示し、レバー138は、プランジャ142をリーマ106のシャフト105と係合させるために回されている。
図5Aは、アンロック位置にあるロック機構122を示し、レバー138は、プランジャ142をリーマ106のシャフト105との係合から離脱するために回されている。
【0044】
図5Aにおいて、レバー138はアンロック位置にあり、プランジャ142は、リーマ106のシャフト105から離間するように板ばね140を介して位置付けられる。
図5Bにおいて、レバー138は、ロック位置まで回され、プランジャ142を移動してリーマ106のシャフト105と係合させる。
【0045】
更に、
図5Bに示すように、ロック位置において、板ばね140は、アンロック位置と比べて長手方向長さに対して横方向外向きへ湾曲又は撓むことができる。板ばね140の構成は、リーマ106に対してより円滑に又は繰り返し力を加えられるようにし、レバー138を回転するために加えられる作動力を小さくかつ/又は円滑にすることができる。クランプ108の構成、特に板ばね140の使用は、リーマ106のシャフト105との耐振動性接続を容易にする。クランプ106は、カットガイド組立体が振動する鋸刃にさらされたときに、リーマ106が揺れ動いたり、張力が変化しないように構成される。
【0046】
ピン144は、板ばね140を第1の端部においてレバー138に固着できる。第1のアーム110及び/又はキャリッジ112は、板ばね140の横方向の撓みを保持及び/又は停止するためにストッパ150を備えることができる。シャフトクランプ120は、その中に通路152を有することができる。通路152は、
図5Bに示すように板ばね140の中間部が撓んでいるときでもプランジャ142(即ち、板ばね140の第2の端部)を受け入れて保持するように構成できる。通路152は、シャフトクランプ120を通過して延びて、プランジャ142がリーマ106のシャフト105と選択的に係合できるようにする。
【0047】
図6A及び
図6Bは、更に詳しくキャリッジ112を示す。キャリッジ112とカットブロック114との間の境界面は、2つの構成要素を結合するように設計された1対の境界面を含むことができる。1つの境界面は、機械的境界面であり、1つは磁気境界面とすることができる。機械的境界面は、キャリッジ112の底部の対向するアンダーカット(レール)とカットブロック114(
図7B)上の密接に嵌合した1対のリップとの間とすることができる。これらの機構は、キャリッジ112によって設定される正確な角度にカットブロック114を正確に位置決めできる。基本的に、これらの境界面は、カットブロック114の頂上部によって画定されるように切除面を設定できる。しかしながら、これらの機構は、カットブロック114が平面内で自由に回転できるように、かつ/又は、前後に滑動(又はその他の方法で移動)できるようにする。しかしながら、カットブロック114は、キャリッジ112及びレールの向きによって画定されるように、この平面内でのみ運動するように拘束できる(後述を参照)。磁気境界面は、キャリッジ112の合わせ面に対してカットブロック114を保持することができ、その力は、キャリッジ112の中に埋め込まれたマグネット(1つ又は複数)の磁界強度によって画定される。
【0048】
図6Aは、ブラケット124と、第2のアーム126と、リテーナ128とを含めて前述した構成要素を示す。
図6A及び
図6Bは、更に、リテーナ128の構成要素及び機構を示す。したがって、
図6A及び
図6Bは、1つ又は複数のマグネット154、1つ又は複数の反転カップ156及び1つ又は複数の波形ばね158を示す。リテーナ128は、1つ又は複数の凹部159、1つ又は複数のレール162及び1つ又は複数の溝164を含むことができる。
【0049】
図6Bに示すように、リテーナ128は、1つ又は複数のマグネット154、1つ又は複数の反転カップ156及び1つ又は複数の波形ばね158を受け入れるように構成された1つ又は複数の凹部159を有することができる。1つ又は複数の凹部159は、1つ又は複数のマグネット154、1つ又は複数の反転カップ156及び1つ又は複数の波形ばね158の組立体をリテーナ128の面161の下方側に、又は、これと同平面に位置付けるように構成できる。
【0050】
1つ又は複数の反転カップ156は、1つ又は複数のマグネット154を中に受け入れるように構成できる。1つ又は複数の反転カップ156は、1つ又は複数の凹部159の内部に溶接又はその他の方法で固着できる。波形ばね158は、凹部159の底部に着座でき、
図6Bに示すように、1つ又は複数の反転カップ156の内部蓋に対して1つ又は複数のマグネット154を付勢するように構成できる。
【0051】
リテーナ128は、対向する開放端を有するトラックの形状を有することができる。1つ又は複数のレール162及び1つ又は複数の溝164は、これらの開口部に対して横方向に位置付けることができる。1つ又は複数の溝164は、面166に隣接して1つ又は複数のレール162の遠位に位置付けることができる。1つ又は複数のレール162は、対となるカットブロックの雌型機構と結合するためにフック形状を有することができる。同様に、1つ又は複数の溝164は、カットブロックの雄型機構を受け入れてこれと噛み合う形状を有することができる。1つ又は複数の溝164及び1つ又は複数のレール162、及び実際にはリテーナ128の形状は、カットブロックの概ね前-後の調節を可能にできる。更に、1つ又は複数のマグネット154、1つ又は複数の溝164及び1つ又は複数のレール162は、
図1に関連して前に論じ例示したように、カットブロックを回転調節できるように構成できる。
【0052】
図7から7Bは、更に詳しくカットブロック114を示す。カットブロック114は、カットガイド組立体の残り部分によって、上腕骨104に隣接する(僅かに離間する又は骨頭102に当接することを含めて)ように方向付けをすることができる。特に、カットブロック114は、骨頭102の前方へ方向付けることができ、骨頭102の一部分の遠位とすることができる。カットブロック114は、
図7及び
図7Aにおいては近位-遠位及び内側-外側に延びる斜めに方向づけられたものとして示すが、カットブロック114の様々な向きが想定される。前述したように、カットブロック114は、上腕骨104、リーマ106、及び、先に説明し、図示したように、カットガイド組立体101の他の部分に対して回転可能とすることができる。いくつかの実施例によると、カットブロック114は、
図7から
図7Bに示すようにピン止めさると、カットガイド組立体101の残りの部分を取り外すことができる点に留意する必要がある。
【0053】
カットブロック114は、鉄系材料で構成された1つ又は複数の部分を含むか、又は、全体を鉄系材料で構成することができる。あるいは、カットブロック114は、キャリッジの1つ又は複数のマグネットに引き付けられるように構成された1つ又は複数のマグネットを含むことができる。
図7から
図7Bに示すように、カットブロック114は、360度回転調節可能である形状を有することができる。したがって、いくつかの実現形態において、
図7及び
図7Bにおいて示すように、カットブロック114の骨とのインターフェイス側170は、骨の反対側になるような向きに逆転するように、180度回転できる。この場合においては、カットブロック114の反対側172は、骨とのインターフェイス側になる。カットブロック114は、また、左上腕骨又は右上腕骨のどちらにも使用できるように構成できる。
【0054】
図7から
図7Bに示すように、カットブロック114は、近位面又は切除面174及び複数の開口176を含むことができる。複数の開口176は、
図7及び
図7Aに示すように、ピン130又はその他の機構を受け入れるように構成できる。複数の開口176のいくつかは、近位面又は切除面174において固着ピンの一部が露出できるようにする、近位面又は切除面174に対する開口部を有することができる。これらの露出するピンは、
図7Aに示すように、上腕骨頭102の切除の案内を助けることができる。特に、近位面又は切除面174と共に全てのピンの上部接線面は、鋸刃がカット時に横断できるように連続した段差のない1つの平面を形成できる。
【0055】
図7Bに示すように、多数の複数の開口176は、切除面又は近位面174から所望の距離だけ陥没できる。開口の互いに対して交差した、又は、非整列の方向づけを含む多様な開口の方向づけが想定される。これらの(平行ではなく)広がった開口は、振動する鋸刃に対して、上腕骨にカットブロック114を保持するように作用させることができる。
図7Bは、更に、結合を容易にするための、リテーナ128(
図6A及び
図6B)の1つ又は複数の溝164及び1つ又は複数のレール162のためのリップ180などの嵌め合い機構を有するベース178を示す。
【0056】
クランプ108は、従来のカットガイド組立体で一般的に使用されていたネジ付き蝶ねじ又は他の機構を不要にすることができる。カットブロック114が所定の場所にピン止めされると、クランプ108は、1回の動作で緩めることができる。これによって、従来のカットガイド組立体のように、他の構成要素を緩める又は係合を解除する必要なく、カットブロックを除くカットガイド組立体101の残り部分を取り外すことができる。スプリングフィンガ134は、従来のカットガイド組立体で一般的に使用されていた別の蝶ねじ又は他の機構の必要性を無くすことができる。1つ又は複数のマグネットは、リテーナ128の1つ又は複数の溝164及び1つ又は複数のレール162の構成体と共に、従来のカットガイド組立体で一般的に使用されていた別の蝶ねじ又は他の機構の必要性を無くすことができる。リテーナ128の1つ又は複数のレール162とカットブロック114との間の嵌合は、上腕骨に隣接してカットブロック114が滑動させ、カットブロック114と骨頭102との間のギャップを可能な限り最小限にする。カットブロック114の切除面又は近位面174に通じる開口部を有する複数の開口176のいくつかは、固着ピンの頂部を骨自体へのカットブロック114の延長部とし、これによって切除の平坦さ及び正確さを向上する。切除が平坦になるまで、鋸刃で再切断または切除を「研磨」するために、ピン側面が見えない切除の任意の領域を外科医が見ることができるようにすることによって、切除面又は近位面174に通じる複数の開口176は、カットのための「フラットネスゲージ」としても役に立つ。ロッドを含む指標116は、後戻りを設定又はチェックするために患者の前腕を参照する必要のあるシステム100内のあらゆる器具に迅速かつ効率よく取り付けできる。これらの部品は、左利き又は右利きのいずれの外科医のためにも20/30/40度の組合せの後戻りのセットアップのために一緒に使用できる点で多用途であり、また、中央の30度のロッドを必要に応じて単独で使用できる。
【0057】
注記
上の説明は、詳細な説明の一部を成す添付図面の参照を含む。図面は、例として、本発明を実施できる具体的な実施形態を示す。これらの実施形態は、本明細書において「実施例」とも呼ぶ。このような実施例は、図示又は説明する要素以外の要素を含む可能性がある。但し、当該発明者は、図示又は説明する要素のみが提示される実施例も想定する。更に、当該発明者は、特定の実施例(又はその1つ又は複数の「実施例」)に関してあるいは本明細書において示す又は説明する他の実施例(又はその1つ又は複数の「実施例」)に関して、図示又は説明する要素の任意の組合せ又は置換を使用する実施例(又はその1つ又は複数の「実施例」)も想定する。
【0058】
本文献と参照により援用される文献との間に矛盾する使用がある場合、本文献の使用が支配する。
【0059】
本文献において、単数冠詞は、特許文献において一般的であるように、「少なくとも1つの」又は「1つ又は複数の」の他の事例又は使用とは別に、1つ又は複数を含むものとして使用する。本文献において、「又は」は、特に指示されない限り、非排他的を意味するため又は「A又はB」が「BではなくA」、「AではなくB」及び「A及びB」を含むように使用される。本文献において、「含む(including)」及び「そこで(in which)」は、それぞれ「備える(comprising)」及び「そこにおいて(in which)」の平易な英語として使用する。又、以下の請求項において、「含む」及び「備える」は、制限がない、即ち、請求項においてこの用語後に列記される要素に加えて他の要素を含むシステム、機器、品目、組成、公式又はプロセスも、その請求項の範囲内にあると見なされる。更に、以下の請求項において、「第1」、「第2」及び「第3」は、単なる符号として使用しており、その対象に数値的要件を課すことを意図しない。
【0060】
「平行(に)」、「直角(に)」、「丸(い)」又は「四角(の)」などの幾何学用語は、文脈上特に指示しない限り絶対的な数学的精密さを要求することを意図しない。これらの幾何学用語は、製造又は同様の作用による変動を許容する。例えば、ある要素を「丸い」又は「実質的に丸い」と説明する場合、正確に円形ではない(例えば僅かに長円形である又は多面多角形である)構成要素も、この説明に含む。
【0061】
上の説明は、限定的ではなく例示的であることを意図する。例えば、上述の実施例(又はその1つ又は複数の「実施例」)は、相互に組み合わせて使用できる。他の実施形態は、上記の説明を読めば当業者などが使用できる。「要約」は、読み手が技術的開示の性質を速やかに確認できるようにするために連邦規則集37巻§1.72(b)に準拠して提出する。「要約」は、請求の範囲又は意味を解釈又は限定するために使用されないと言う了解のもとに提供する。又、上の「詳細な説明(発明を実施するための形態)」において、様々な特徴は、開示を簡潔化するためにグループ化する場合がある。このことは、請求せず開示する特徴が請求にとって本質的であることを意図するものとして解釈されるべきではない。むしろ、発明の内容は、特定の開示される実施形態の特徴の全てに満たないものに存在し得る。したがって、以下の請求項は、実施例又は実施形態として「詳細な説明」に援用され、各請求項は、別個の実施形態として独立し、このような実施形態は、様々な組合せ又は置換で相互に組み合わせできるものと想定される。本発明の範囲は、請求が権利を有する同等物の全範囲と一緒に請求項を参照して決定すべきである。
【国際調査報告】