(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-11
(54)【発明の名称】カプセルを切断するための切断装置
(51)【国際特許分類】
B26D 3/00 20060101AFI20240304BHJP
B26D 3/08 20060101ALI20240304BHJP
B26D 1/03 20060101ALI20240304BHJP
B26D 7/06 20060101ALI20240304BHJP
B26D 1/00 20060101ALI20240304BHJP
【FI】
B26D3/00 601D
B26D3/08 Z
B26D1/03
B26D7/06 A
B26D1/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558555
(86)(22)【出願日】2022-03-24
(85)【翻訳文提出日】2023-11-14
(86)【国際出願番号】 IB2022052702
(87)【国際公開番号】W WO2022201085
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】102021000007262
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507015435
【氏名又は名称】サクミ コオペラティヴァ メッカニチ イモラ ソシエタ コオペラティヴァ
【住所又は居所原語表記】Via Selice Provinciale,17/A,I-40026 IMOLA(Bologna),Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】ヴェントゥリーニ,マッテオ
(72)【発明者】
【氏名】バッシ,ヴィットリオ
【テーマコード(参考)】
3C021
3C027
【Fターム(参考)】
3C021DB06
3C027AA05
(57)【要約】
容器を閉鎖するカプセル(2)に、開封後にカプセル(2)を容器に取り付けた状態に維持するための少なくとも1つの接続ストラップ(27、28)を形成するための切断装置(1)であって、 切断装置は、カプセルに少なくとも1つの切断を実行するように構成された少なくとも1つの切断エッジ(31、31’、31”、31’’’)を備え、少なくとも1つの切断エッジは、切断開始カプセル入口(30a、30a’、30a”、30a’’’)と、切断終了カプセル出口(30b、30b’、30b”、30b’’’)と、切断開始部および/または切断終了部に少なくとも1つの尖端形状端部ゾーン(24a、24b、24c、24d)を形成する、少なくとも1つの移行切断部分(32、32’、32”、32’’’)を備え、少なくとも1つの切断部分は、少なくとも1つの切断エッジの残りの部分に対して、後退して配置され、少なくとも1つの切断エッジの残りの部分に対してカプセルより少なく貫通するようにされ、応力集中を減少させ、少なくとも1つの尖端形状端部ゾーンにおける破断の発生を阻止する切断装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を閉鎖するカプセル(2)に、開封後にカプセル(2)を容器に取り付けた状態に維持するための少なくとも1つの接続ストラップ(27、28)を形成するための切断装置(1)であって、
切断装置は、カプセルに少なくとも1つの切断を実行するように構成された少なくとも1つの切断エッジ(31、31’、31”、31’’’)を備え、
カプセル(2)は、少なくとも1つの切断の実行中に少なくとも1つの切断エッジ(31、31’、31”、31’’’)上を転がる、少なくとも1つの接続ストラップ(27、28)の少なくとも1つの部分を形成するのに適した切断開始部と切断終了部を備え、
少なくとも1つの切断エッジ(31、31’、31”、31’’’)は、カプセル(2)が少なくとも1つの切断を開始するために少なくとも1つの切断エッジ(31、31’、31”、31’’’)と出会うカプセル入口(30a、30a’、30a”、30a’’’)と、少なくとも1つの切断を終了するためにカプセル(2)が少なくとも1つの切断エッジ(31、31’、31”、31’’’)から離れるカプセル出口(30b、30b’、30b”、30b’’’)と、を備え、
少なくとも1つの切断エッジ(31、31’、31”、31’’’)は、カプセル入口(30a、30a’、30a”、30a’’’)上および/またはカプセル出口(30b、30b’、30b”、30b’’’)上に配置され、切断開始部および/または切断終了部に少なくとも1つの尖端形状端部ゾーン(24a、24b、24c、24d)を形成する、少なくとも1つの移行切断部分(32、32’、32”、32’’’)を備え、
少なくとも1つの移行切断部分(32、32’、32”、32’’’)は、少なくとも1つの切断エッジ(31、31’、31”、31’’’)の残りの部分に対して、後退して配置され、少なくとも1つの切断エッジ(31、31’、31”、31’’’)の残りの部分に対してカプセル(2)の厚さより少なく貫通するようにされ、応力集中を減少させ、少なくとも1つの尖端形状端部ゾーン(24a、24b、24c、24d)における破断の発生を阻止するようにし、
少なくとも、1つの移行切断部分(32’)は、少なくとも1つの移行切断部分(32’)と、少なくとも1つの切断エッジ(31’)の残りの部分との間に段差を設けるように、少なくとも1つの切断エッジ(31’)の残りの部分に対して後退している、
切断装置。
【請求項2】
少なくとも1つの移行切断部分(32、32’、32”、32’’’)は、少なくとも1つの切断エッジ(31、31’、31”、31’’’)が少なくとも1つの切断を継続的に行うように、少なくとも1つの切断エッジ(31、31’、31”、31’’’)の残りの部分と連続している、
請求項1に記載の切断装置。
【請求項3】
少なくとも1つの接続ストラップ(27、28)を形成するためにカプセル(2)を切断するように構成された切断エッジの構成を形成するために互いに積層した少なくとも2つの板状体(30、30’、30”、30’’’)を備えた層状構造を含む、
請求項1または2に記載の切断装置。
【請求項4】
少なくとも1つの切断エッジ(31、31’、31”)の残りの部分の断面が、少なくとも1つの移行切断部分(32、32’、32”)の断面と等しく、
断面は、少なくとも1つの切断エッジ(31、31’、31”)に直角な断面である、
請求項1~3のいずれか1つに記載の切断装置。
【請求項5】
少なくとも1つの移行切断部分(32)は、移行切断部分(32)と切断エッジ(31)の残りの部分との間の角度(α)が鈍角であるように、切断エッジ(31)の残りの部分に対して傾斜しており、
少なくとも1つの移行切断部分(32)は、矩形部分を含む、
請求項1~4のいずれか1つに記載の切断装置。
【請求項6】
少なくとも1つの移行切断部分(32”)は、少なくとも1つの切断エッジ(31”)の残りの部分に接続され、
少なくとも1つの移行切断部分(32”)は湾曲し、
少なくとも1つの移行切断部分(32”)は、特に円周弧状を含む、
請求項1~4のいずれか1つに記載の切断装置。
【請求項7】
少なくとも1つの移行切断部分(32”)は、直線部分を含む、
請求項1~4のいずれか1つに記載の切断装置。
【請求項8】
カプセル(2)に更なる切断を行うための少なくとも1つの更なる切断エッジ(35’)を更に含み、
少なくとも1つの切断エッジ(31、31’、31”、31’’’)は、少なくとも1つの更なる切断エッジ(35’)から非切断凹部(34’)によって間隔を空けられ、
少なくとも1つの切断は、前記更なる切断とは異なる、
請求項1~7のいずれか1つに記載の切断装置。
【請求項9】
少なくとも1つのストラップ(27、28)の2つの尖端端部ゾーン(24a、24b)を形成するために、さらなる凹部(34”、34’’’)によって分離されている2つの移行切断部分(32”、32’’’)を含む、
請求項1~8のいずれか1つに記載の切断装置。
【請求項10】
少なくとも1つの移行切断部分(32、32’、32”)、および切断エッジ(31、31’、31”)の残りの部分が、同一の平面上にある、
請求項1~9のいずれか1つに記載の切断装置。
【請求項11】
容器を閉鎖するカプセル(2)に、開封後にカプセル(2)を容器に取り付けた状態に維持するための少なくとも1つの接続ストラップ(27、28)を形成するための切断装置(1)であって、
切断装置は、カプセルに少なくとも1つの切断を実行するように構成された少なくとも1つの切断エッジ(31、31’、31”、31’’’)を備え、
カプセル(2)は、少なくとも1つの切断の実行中に少なくとも1つの切断エッジ(31、31’、31”、31’’’)上を転がる、少なくとも1つの接続ストラップ(27、28)の少なくとも1つの部分を形成するのに適した切断開始部と切断終了部を備え、
少なくとも1つの切断エッジ(31、31’、31”、31’’’)は、カプセル(2)が少なくとも1つの切断を開始するために少なくとも1つの切断エッジ(31、31’、31”、31’’’)と出会うカプセル入口(30a、30a’、30a”、30a’’’)と、少なくとも1つの切断を終了するためにカプセル(2)が少なくとも1つの切断エッジ(31、31’、31”、31’’’)から離れるカプセル出口(30b、30b’、30b”、30b’’’)と、を備え、
少なくとも1つの切断エッジ(31、31’、31”、31’’’)は、カプセル入口(30a、30a’、30a”、30a’’’)上および/またはカプセル出口(30b、30b’、30b”、30b’’’)上に配置され、切断開始部および/または切断終了部に少なくとも1つの尖端形状端部ゾーン(24a、24b、24c、24d)を形成する、少なくとも1つの移行切断部分(32、32’、32”、32’’’)を備え、
少なくとも1つの移行切断部分(32、32’、32”、32’’’)は、少なくとも1つの切断エッジ(31、31’、31”、31’’’)の残りの部分に対して、後退して配置され、少なくとも1つの切断エッジ(31、31’、31”、31’’’)の残りの部分に対してカプセル(2)の厚さより少なく貫通するようにされ、応力集中を減少させ、少なくとも1つの尖端形状端部ゾーン(24a、24b、24c、24d)における破断の発生を阻止するようにする、
切断装置。
【請求項12】
少なくとも1つの移行切断部分(32’’’)は丸まっており、
少なくとも1つの移行切断部分(32’’’)は、切断開始部及び/又は切断終了部でカプセル(2)を切断するように構成された少なくとも1つの曲線面(32a’’’、32b’’’)を含み、
少なくとも1つの曲線面(32a’’’、32b’’’)は、少なくとも1つの切断がそれに沿って行われる少なくとも1つの切断エッジ(31’’’)の中央平面(M’’’)に対して横断する少なくとも1つの方向に湾曲している、
請求項11に記載の切断装置。
【請求項13】
少なくとも1つの湾曲面(32a’’’、32b’’’)は、円錐形状、特に半円錐形状であり、
円錐のピークHは、切断エッジ31’’’の残りの部分で得られる、
請求項11または12に記載の切断装置。
【請求項14】
少なくとも1つの湾曲面(32a’’’、32b’’’)を少なくとも1つの切断エッジ(31’’’)のベースに接続するように構成された少なくとも1つのベース面(32c’’’、32d’’’)が提供され、
少なくとも1つの切断エッジ(31’’’)が、板状体(30’’’)のエッジ上に得られ、
板状体(30’’’)は、互いに対向する上面(30c’’’)及び下面(30d’’’)を備え、
少なくとも1つの湾曲面(32a’’’、32b’’’)を上面(30c’’’)に接続するための少なくとも1つの上側ベース面(32c’’’)と、少なくとも1つの湾曲面(32a’’’、32b’’’)を下面(30d’’’)に接続するための少なくとも1つの下側ベース面(32d’’’)とが設けられている、
請求項13に記載の切断装置。
【請求項15】
少なくとも1つの移行切断部分(32、32’、32”、32’’’)は、少なくとも1つの切断エッジ(31、31’、31”、31’’’)が少なくとも1つの切断を継続的に行うように、少なくとも1つの切断エッジ(31、31’、31”、31’’’)の残りの部分と連続している、
請求項11~14のいずれか1つに記載の切断装置。
【請求項16】
少なくとも1つの接続ストラップ(27、28)を形成するためにカプセル(2)を切断するように構成された切断エッジの構成を形成するために互いに積層した少なくとも2つの板状体(30、30’、30”、30’’’)を備えた層状構造を含む、
請求項11~15のいずれか1つに記載の切断装置。
【請求項17】
少なくとも1つの切断エッジ(31、31’、31”)の残りの部分の断面が、少なくとも1つの移行切断部分(32、32’、32”)の断面と等しく、
前記断面は、少なくとも1つの切断エッジ(31、31’、31”)に直角な断面である、
請求項11~16のいずれか1つに記載の切断装置。
【請求項18】
少なくとも1つの移行切断部分(32)は、移行切断部分(32)と切断エッジ(31)の残りの部分との間の角度(α)が鈍角であるように、切断エッジ(31)の残りの部分に対して傾斜しており、
少なくとも1つの移行切断部分(32)は、矩形部分を含む、
請求項11~17のいずれか1つに記載の切断装置。
【請求項19】
少なくとも1つの移行切断部分(32”)は、少なくとも1つの切断エッジ(31”)の残りの部分に接続され、
少なくとも1つの移行切断部分(32”)は湾曲し、
少なくとも1つの移行切断部分(32”)は、特に円周弧状を含む、
請求項11~18のいずれか1つに記載の切断装置。
【請求項20】
少なくとも、1つの移行切断部分(32’)は、少なくとも1つの移行切断部分(32’)と、少なくとも1つの切断エッジ(31’)の残りの部分との間に段差を設けるように、少なくとも1つの切断エッジ(31’)の残りの部分に対して後退しており、
少なくとも1つの移行切断部分(32’)は、直線部分を含む、
請求項11~19のいずれか1つに記載の切断装置。
【請求項21】
カプセル(2)に更なる切断を行うための少なくとも1つの更なる切断エッジ(35’)を更に含み、
少なくとも1つの切断エッジ(31、31’、31”、31’’’)は、少なくとも1つの更なる切断エッジ(35’)から非切断凹部(34’)によって間隔を空けられ、
少なくとも1つの切断は、さらなる切断とは異なる、
請求項11~20のいずれか1つに記載の切断装置。
【請求項22】
少なくとも1つのストラップ(27、28)の2つの尖端端部ゾーン(24a、24b)を形成するために、さらなる凹部(34”、34’’’)によって分離されている2つの移行切断部分(32”、32’’’)を含む、
請求項11~21のいずれか1つに記載の切断装置。
【請求項23】
少なくとも1つの移行切断部分(32、32’、32”)、および切断エッジ(31、31’、31”)の残りの部分が、同一の平面上にある、
請求項11~22のいずれか1つに記載の切断装置。
【請求項24】
容器を閉鎖するカプセル(2)に、開封後にカプセル(2)を容器に取り付けた状態に維持するための少なくとも1つの接続ストラップ(27、28)を形成するための切断装置(100)であって、
切断装置は、
切断されるカプセル(2)が中へ供給される供給ゾーン(40)と、
供給ゾーン(40)の下流側の、カプセル(2)が切断される切断ゾーン(50)と、を含み、
下流側とは、カプセルの前進経路を参照することが意図され、
切断装置はまた、
切断ゾーン(50)の下流側の、カプセル(2)が荷下ろしされる、または次の処理ゾーンに搬送される荷下ろしゾーン(60)と、
請求項1~10のいずれか1つに記載の切断装置(1)、および/または、切断ゾーン(50)に配置され、少なくとも1つのストラップ(27、28)をカプセル(2)上に形成する請求項11~23のいずれか1つに記載の切断装置(1)、の1つまたは複数と、
カルーセル(70)の外周に角度的に間隔を隔てて取り付けられた複数のマンドレル(71)を含むカプセルのカルーセル(70)と、を含み、
各マンドレル(71)は、カプセル(2)と係合し、カプセル(2)をそれ自体の上で回転させ、カプセル(2)を供給ゾーン(40)、切断ゾーン(50)、および荷下ろしゾーン(60)を通る前進経路に沿って搬送するように配置される、
切断装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば瓶のような容器を閉鎖するために使用されるタイプのプラスチック製のカプセルまたは閉鎖具(closure)またはキャップを切断または切り欠くための切断装置に関する。特に、本発明は、いわゆるテザーカプセル(tethered capsule)を切断するため、または、側壁に不正開封防止バンド(tamperproof band)またはリングと、不正開封防止バンドまたはリングをカプセルの別の部分、例えばカプセルの本体、すなわちカプセルの閉鎖端を有する側壁の部分に接続する、ストラップまたはストリップとしても知られる1つまたは複数の接続部分とを得るようにカプセルの側壁を切断するために構成された切断装置に関する。
【0002】
特に、これらの接続ストラップは、容器が開封された後でも、カプセル本体を不正開封防止リングに取り付けた状態に維持することを可能にし、カプセルが環境中に誤って散逸しないようにする。
【0003】
このようなカプセルの場合、様々なブレードが、一般に、1つ以上のレベルで互いに離間して配置される。このようなブレードは、一般に、限られた角度の延長を有し、すなわちカプセルの360°未満の回転に対応する。言い換えれば、特にストラップのような接続部分を作るために、ブレードは、カプセルが適用される容器から一旦取り外されると、カプセルの本体が不正開封防止リングから完全に分離するのを防止するように、別個の別々の切断を行う。
【背景技術】
【0004】
カルーセル(carousel:回転式コンベヤ)の外周に装着された、それ自体で回転する複数のスピンドルをそれぞれ回転させるカルーセル構造を備えた切断装置が知られている。各スピンドルは、カプセルを取り込み、カプセルをそれ自体で回転させ、カプセルの1つ又は複数の切断ゾーンを通る円形の前進経路に沿ってカプセルを移動させるために配置されており、カプセルの側壁を切断又は切り欠く少なくとも1つの切断装置が配置されている。
【0005】
公知の先行技術の切断装置は、カプセル内にストラップを生成する切れ目を入れるために、カプセルの厚さを貫通するように配置された切断エッジを含む。切り目は、カプセル上で尖頭(cusp)で終わる。
【0006】
公知の切断装置によって作られた尖端(カプセル側)は、その鋭利な形状に起因する、張力の集中源であるという欠点を有し、リング(または同等に、カプセルの本体)とストラップとの間の断面の急激な変化によるノッチ効果とともに、一般にストラップおよびカプセルの機械的耐性を弱める。このことは、リングからカプセルを取り外すことによって、尖端の先端を起点とし、カプセルの材料内で継続する破壊が誘発され、ストラップが破損するまで損傷し、その結果、不正開封防止リングとカプセル本体との間の接続機能が失われることを意味する。
【0007】
ストラップの耐性の低さは、生産性の低下、製造の無駄とコストの増加、および製造されたカプセルの品質の低下をもたらす。
【発明の概要】
【0008】
本発明の1つの目的は、カプセルを切断するための既知の切断装置を改良することである。
【0009】
1つの目的は、従来技術の前述の限界および欠点の1つ以上を解決することができる装置を提供することである。
【0010】
1つの目的は、従来技術のものに代わるカプセルを切断するための装置を提供することである。
【0011】
1つの目的は、切り目、特にストラップを生成するための切断ゾーンにおけるカプセルの弱体化を制限するカプセルの切断装置を提供することである。
【0012】
1つの利点は、特にテザーカプセルを切り欠く切断品質を向上させることである。
【0013】
本発明の1つの利点は、特にストラップを生成するための切断ゾーンにおいて、切断部分での応力集中を制限する切断を保証することである。
【0014】
1つの利点は、構造的に簡単で安価なカプセルを切り欠くための切断装置を利用可能にすることである。
【0015】
もう1つの利点は、切り欠きを設けたカプセルの製造における無駄を減らすことである。
【0016】
このような目的および利点、さらに他の目的は、後述の請求項の1つまたは複数による装置によって達成される。
【0017】
一実施形態において、容器を閉鎖するカプセルに、開封後にカプセルを容器に取り付けた状態に維持するための少なくとも1つの接続ストラップを形成するための切断装置は、カプセルに少なくとも1つの切断を実行するように構成された少なくとも1つの切断エッジを備え、
カプセルは、少なくとも1つの切断の実行中に少なくとも1つの切断エッジ上を転がる、少なくとも1つの接続ストラップの少なくとも1つの部分を形成するのに適した切断開始部(cut start)と切断終了部(cut end)を備え、
少なくとも1つの切断エッジは、カプセルが少なくとも1つの切断を開始するために少なくとも1つの切断エッジと出会うカプセル入口と、少なくとも1つの切断を終了するためにカプセルが少なくとも1つの切断エッジから離れるカプセル出口と、を備え、
少なくとも1つの切断エッジは、カプセル入口上および/またはカプセル出口上に配置され、切断開始部および/または切断終了部に少なくとも1つの尖端形状(cusp-shaped)端部ゾーンを形成する、少なくとも1つの移行切断部分を備え、
少なくとも1つの移行切断部分は、少なくとも1つの切断エッジの残りの部分に対して、後退し、少なくとも1つの切断エッジの残りの部分に対してカプセルの1つの厚さより少なく貫通するようにされ、応力集中を減少させ、少なくとも1つの尖端形状端部ゾーンにおける破断の誘発を阻止するようにする。
【0018】
一実施形態では、開封後にカプセルを容器に取り付けた状態に維持する少なくとも1つの接続ストラップを有する容器を閉じるためのカプセルに形成するための切断装置は、カプセルに少なくとも1つの切断を行うための少なくとも1つの切断エッジを含む。少なくとも1つの切断エッジは、切断開始カプセル入口と、切断終了カプセル出口と、カプセル入口上及び/又はカプセル出口上に配置され、少なくとも1つの尖端形状の端部ゾーンを形成する少なくとも1つの移行切断部分とを含み、少なくとも1つの切断部分は、少なくとも1つの移行切断部分と少なくとも1つの切断エッジの残りの部分との間に段差を設けるように、少なくとも1つの切断エッジの残りの部分に対して後退しており、少なくとも1つの切断エッジの残りの部分のカプセルをより少なく貫通し、応力集中を減少させ、少なくとも1つの尖端形状の端部ゾーンにおける破断の誘発を阻止する。
【0019】
一実施形態では、開封後にカプセルを容器に取り付けた状態に維持する少なくとも1つの接続ストラップを有する容器を閉じるためのカプセルに形成するための切断装置は、カプセルに少なくとも1つの切断を行うための少なくとも1つの切断エッジを含む。少なくとも1つの切断エッジは、切断開始カプセル入口と、切断終了カプセル出口と、少なくとも1つの尖端形状端部ゾーンを形成するためにカプセル入口上及び/又はカプセル出口上に配置された少なくとも1つの移行切断部分とを含み、少なくとも1つの切断部分は、少なくとも1つの切断エッジの残りの部分のカプセルをより少なく貫通するように、少なくとも1つの切断エッジの残りの部分に対して後退しており、応力集中を減少させ、少なくとも1つの尖端形状端部ゾーンにおける破壊の誘発を阻止する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明は、非限定的な例としてそのいくつかの実施形態を示す同封の図面を参照することにより、よりよく理解され、実施され得る。
【0021】
【
図1】
図1は、カプセルの切断装置の第1の実施形態に係る切断エッジの上面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示された平面IIで切った断面図であり、移行切断部分の断面を示す。
【
図4】
図4は、
図1にIVで示された第2の詳細図であり、ブリッジを形成するための切断エッジの凹部を示す。
【
図5】
図5は、第1の実施形態の変形例に係る切断エッジの上面図である。
【
図7】
図7は、カプセルの切断装置の第2の実施形態に係る切断エッジの上面図である。
【
図8】
図8は、
図7に示された平面VIIIで切った断面図であり、移行切断部分の断面を示す。
【
図10】
図10は、
図7のカプセル切断装置の第2の実施形態の変形例に係る切断エッジの上面図である。
【
図12】
図12は、カプセルの切断装置の第3の実施形態に係る切断エッジの上面図である。
【
図13】
図13は、
図12に示された平面XIIIで切った断面図であり、移行切断部分の断面を示す。
【
図15】
図15は、本発明による切断エッジの構成によって作成可能なタイプのテザーカプセルの側面図であり、接続ストラップを生成するための尖端端部ゾーンが見えている。
【
図16】
図16は、切断装置の一部の斜視図であり、本発明に係る切断装置が示される。
【
図17】
図17は、カルーセルを含む切断装置の模式的上面図であり、本発明に係る切断装置が配置された切断ゾーンが見えている。
【
図18】
図18は、キャップの切断装置の第4の実施形態に係る切断エッジの上面図である。
【
図19】
図19は、
図18の切断エッジの部分的斜視図であり、丸められた移行切断部分が見えている。
【
図22】
図22は、
図18の少なくとも1つの切断エッジを含む切断装置の切断エッジの模式図である。
【
図23】
図23は、
図22の切断装置で作成可能なタイプの、基準面でロールが外されたテザーカプセルの模式的側面図であり、接続ストラップを生成するための尖端端部ゾーンが見えている。
【発明を実施するための形態】
【0022】
上述の図に関して、キャップまたはカプセル2を切断または切り欠くための切断装置1が開示されている。カプセル2は、特に、瓶などの容器の閉鎖具として使用可能である。
【0023】
特に、切断装置1は、容器の開封後にカプセル2を容器に取り付けた状態に維持するのに適した、少なくとも1つの接続ストラップ、いわゆるテザーカプセルを備えたカプセル2を切断するために使用される。
【0024】
本発明による装置1によって切断されたカプセル2の説明的であるが非限定的な実施形態が開示されている
図15を参照すると、カプセル2は、特に、カップ本体の閉じた端部と、ベース壁23の反対側の開いた環状端部とを画定するベース壁23を備えたカップ本体を含む。
【0025】
ベース壁23は、特に円板状とすることができ、ベース壁23に対して横方向、特に直交方向とすることができる長手方向軸線Cによって横断される中央領域と、円板の周縁付近であって中央領域に対して長手方向軸線Cからさらに離れた周辺領域とを含んでもよい。カプセル2は、特に、ベース壁23の周辺領域からカプセル2の長手方向軸Cの周りに、カップ本体の環状端部を画定する側壁21の自由端まで延びる、ベース壁23と連続する側壁21を含んでもよい。
【0026】
カプセル2は、特に、複数の破断促進線すなわち弱化線を画定する複数の切れ目を含んでもよい。複数の切れ目は、少なくとも1つの切れ目を含み、それぞれの切れ目は、長手方向軸線Cに対する傾きに応じてカプセル2上に配置することができ、特に、少なくとも1つの切れ目は、長手方向軸線Cに対して鋭角、または鈍角、または平角、または直角を形成することができる。複数の切れ目は、カプセル2上に、本体20と、不正開封防止リング22と、本体20を不正開封防止リング22に接続する少なくとも1つの接続ストラップ27、28とを画定することができる。特に、本体20はカップ本体の閉じた端部を含み、不正開封防止リング22はカプセル2のカップ本体の開いた環状端部を含む。
【0027】
少なくとも1つの切断は、切断開始部すなわち開始端部と、切断終了部すなわち最終端部とを備える。切断開始部と切断終了部は、特に、少なくとも1つの接続ストラップ27、28の少なくとも一部分を形成するのに適している。
【0028】
1つの切断終了部、すなわち切断の開始および/または終了部に、少なくとも1つのストラップ27、28の一部分を生成する少なくとも1つの尖端形状端部ゾーン24a、24b、24c、24dが形成される。換言すれば、切断終了部では、装置の切断エッジの貫通により、先端または尖端形状を有するカプセル2の部分の急激な狭窄が発生する。尖端端部(カプセル側)24a、24b、24c、24dは、その形状により、カプセル2の材料内部の応力の集中源となる。この応力は、特に、カプセル2が外部から作用する力を受けたとき、例えば、本体20が不正開封防止リング22から離れる方向に移動したときに、増大する可能性がある。これは、使用者がカプセル2が適用された容器を開けるときや、カプセル2の加工装置内でのカプセル2の移動中に発生する。応力の集中は、尖端から始まり側壁21の内側に続く破断の引き金となり、少なくとも1つのストラップ27、28の破損および/またはカプセル2の他の部分の損傷を引き起こす可能性がある。
【0029】
図15の特定の実施形態では、2つの上側尖端端部ゾーン24a、24bが、接続ストラップ27、28と本体20とを接合する部分に関連して切断終了部に画定され、2つの下側尖端ゾーン24c、24dが、接続ストラップ27、28と不正開封防止リング22とを接合する部分に関連して画定される。
【0030】
図15の特定の実施形態では、カプセル2は、特にカプセル2の長手方向軸Cと反対側に傾斜する2つのストラップを備える。
【0031】
切断装置1は、
図15に図示されたものとは異なるテザーカプセルに切り欠きをいれることができ、特に、本発明による切断装置1は、特に、長手方向軸線Cに関して(図示されたストラップ27、28の反対側)、任意の傾斜に従って配置された単一のストラップ、または互いに一致する傾斜を有するように配置された2つのストラップを備えるカプセルを切断することができ、または互いに異なる傾斜を有するカプセルを切断することができる。あるいは、切断装置1は、3つのストラップを形成するためにカプセルを切断することができ、この場合、各ストラップは、カプセルの長手方向軸に対して任意の傾きを有することができる。
【0032】
ストラップの数と具体的な形状は、切断装置1の切断エッジの構成に依存する。
【0033】
切断装置1は、カプセル2、特にテザーカプセルを切断するための切断装置100に取り付けることができる。
【0034】
図16及び
図17を参照すると、切断装置100は、特に、その回転軸線R’を中心として回転するカルーセル構造、すなわちカプセル移動カルーセル70を含む。カルーセル70は、カルーセル70の外周に角度的に間隔を隔てて取り付けられた複数のスピンドル71を含み、ここで、「角度的に」は、回転軸R’に関するものであることが意図されている。各スピンドル71は、その回転軸Rを中心に回転することができ、カプセル2に係合してカプセル2をそれ自体の上で回転させ、カプセル2を様々なゾーンを通る前進経路に沿って搬送するように配置されている。
【0035】
カプセル2の前進経路は、少なくとも部分的に、カルーセル70によって画定された円周弧に沿って延びる。
【0036】
切断装置100は、特に、カルーセル70に入る供給方向Aに従ってカプセル2が供給される供給ゾーン40を含んでもよい。供給ゾーン40は、例えばカプセル2が成形される成形ゾーンのように、カプセル2の元となる先行する加工ゾーン(図示せず)の下流に配置することができる。
【0037】
切断装置100は、特に、供給ゾーン40の下流に配置された切断ゾーン50を含み、その切断ゾーン50においてカプセル2が切断される。切断ゾーン50では、カプセル2に切れ目および破断線を形成するために、カプセル2を切り欠くように1つまたは複数の切断装置を配置することができ、特に、カプセル2に少なくとも1つのストラップ27、28を得るように切れ目を形成するために切断装置1が構成される。
【0038】
切断装置100は、特に、切断ゾーン50の下流に配置された荷下ろし(unloading)ゾーン60を備え、この荷下ろしゾーン60において、カプセル2が、例えばカルーセル70から出る荷下ろし方向Sに沿って荷下ろしされるか、又はカプセル2の後続の加工ゾーン(図示せず)に搬送される。
【0039】
図17の特定の実施形態では、カルーセル70が軸R’を中心にTで示される回転方向に回転し、スピンドル71が供給ゾーン40からカプセル2を取り出し、カプセル2を切断ゾーン50に搬送する。切断ゾーン50では、スピンドル71がカプセル2を回転させ、その間に装置1の1つ以上の切断エッジからカプセル2の側壁2に接触し、貫通させるので、カプセル2に複数の切り目が施される。
【0040】
切断ゾーン50が一旦横切られると、スピンドル71は、切断されたカプセル2を荷下ろしゾーン60に搬送し、そこでカプセルは、後続の加工ゾーンに搬送されるためにカルーセル70を離れる。
【0041】
図17の切断装置100の特定の実施形態では、カルーセル70の反時計回りの回転方向Tと、スピンドル71の時計回りの回転方向とが示されているが、切断装置の図示されていないさらなる実施形態では、回転方向は、図示されているものに対して逆にすることができ、供給区域を荷下ろしゾーンの代わりに配置することも、その逆も可能である。カルーセル70の回転方向は、以下に開示されるように、切断装置1におけるカプセルの移動方向Eを規定する。
【0042】
切断装置1は、特に、互いに対向する2つの実質的に平坦な面を有する矩形の平面形状を有する少なくとも1つの板状体(plate body)30、30’、30”、30’’’を含む。少なくとも1つの板状体30、30’、30”、30’’’は、半円形または三日月形の周辺部分を含み、その中心は、板状体の外側の2つの面のうちの1つに対して横方向、特に直交する軸上に配置されている。特に、この中心はカルーセル70の回転軸R’上にあることができる。
【0043】
切断装置1は、特に、カプセルが少なくとも1つの切断エッジ31、31’、31”、31’’’上を転がる間にカプセル2に少なくとも1つの切断を行うように構成された少なくとも1つの切断エッジ31、31’、31”、31’’’を含む。少なくとも1つの切断エッジ31、31’、31”、31’’’は、少なくとも1つの板状体30、30’、30”、30’’’の周辺部分に配置することができる。
【0044】
少なくとも1つの切断エッジ31、31’、31”、31’’’は、特に、カプセル入口30a、30a’、30a”、30a’’’を備え、ここで、カプセル2は、少なくとも1つの切断を開始するために、少なくとも1つの切断エッジ31、31’、31”、31’’’と出会う。言い換えれば、カプセル入口30a、30a’、30a”、30a’’’は、カプセル2に開始切断(start cut)を形成するために配置される。
【0045】
少なくとも1つの切断エッジ31、31’、31”、31’’’は、特に、カプセル出口30b、30b’、30b”、30b’’’を備え、ここで、カプセルは、少なくとも1つの切断を終了するために、少なくとも1つの切断エッジ31、31’、31”、31’’’から離れる。言い換えれば、カプセル出口30b、30b’、30b”、30b’’’は、カプセル2に切断終了部を形成するために配置される。
【0046】
少なくとも1つの切断エッジ31、31’、31”、31’’’は、特に、カプセル入口30a、30a’、30a”、30a’’’上及び/又はカプセル出口30b、30b’、30b”、30b’’’上に配置された少なくとも1つの移行切断部分32、32’、32”、32’’’を含み、切断開始部及び/又は切断終了部において少なくとも1つの尖端形状端部ゾーン24a、24b、24c、24dを形成する。
【0047】
移行切断部分32、32’、32”、32’’’は、カプセル2の少なくとも1つの厚さ、特に側壁21の1つの厚さを貫通するように、少なくとも1つの切断エッジ31、31’、31”、31’’’の残りの部分に対して後退させられ、少なくとも1つの尖端形状端部ゾーン24a、24b、24c、24dにおける応力集中を低減し、破断の引き金となることを阻止するように、少なくとも1つの切断エッジ31、31’、31”、31’’’の残りの部分に関して後退させられる。
【0048】
換言すれば、移行切断部分32、32’、32”、32’’’が残りの部分に対して後退する位置は、切断開始部及び/又は切断終了部が少なくとも1つのストラップ27、28を過度に弱めないように、カプセル2の材料の一部を少なくとも1つの尖端形状端部ゾーン24a、24b、24c、24dにそのまま残すことを可能にする。
【0049】
移行切断部分32、32’、32”、32’’’は、少なくとも1つの切断の大部分、特にカプセル2の構造にとって重要な応力の集中の影響を受けない少なくとも1つの切断の中央部分が少なくとも1つの切断エッジ31、31’、31”、31’’’の残りの部分から行われるように、少なくとも1つの切断エッジ31、31’、31”、31’’’の残りの部分よりも小さい角度部分にわたって延びる。
【0050】
少なくとも1つの切断エッジ31、31’、31”、31’’’は、特に、中央平面(median plane)M、M’、M”、M’’’上に延びるくさび形部分を含む。くさび形部分は、少なくとも1つの切断エッジ31、31’、31”、31’’’のプロフィールを画定する外側に面する端部を備える。切断の実行中、カプセル2の、特に側壁21の厚さを少なくとも部分的に貫通する少なくとも1つの切断エッジは、少なくとも1つの切断を行う切断カプセル上の切断エッジのプロフィールを否定的に示す。くさび形部分はさらに、板状体30、30’、30”、30’’’に接続されたベースを備え、その上に少なくとも1つの切断エッジ31、31’、31”、31’’’が得られる。
【0051】
同様に、少なくとも1つの移行部分32と切断エッジの残りの部分も、開示されているようなそれぞれのくさび形本体を含み、移行切断部分32のプロフィールと切断エッジ31の残りの部分のプロフィールを画定する。
【0052】
図2、8、13に図示された断面を参照すると、少なくとも1つの移行切断部分32、32’、32”、32’’’(または等価的に少なくとも1つの切断エッジ31、31’、31”、31’’’)は、上側32a、32a’、32a”および下側32b、32b’、32b”の両方において研ぎ(sharpening)を提供することができる。特に、上側32a、32a’、32a”および下側32b、32b’、32b”の両方は、切断エッジ31、31’、31”、31’’’の中央平面M、M’、M”、M’’’に対してそれぞれの鋭角だけ傾いている。
【0053】
あるいは、更なる実施形態において、少なくとも1つの移行切断部分32、32’、32”、32’’’は、単一の研ぎを提供することができ、すなわち、片側で研ぐことができる。換言すれば、上側32a、32a’、32a”は、中央平面M、M’、M”、M’’’に対して平行に配置することができ、下側32b、32b’、32b”は、中央平面M、M’、M”、M’’’に対して鋭角に傾斜させることができ、又はその逆も可能である。
【0054】
移行切断部分32、32’、32”、32’’’は、特に、少なくとも1つの切断エッジ31、31’、31”、31’’’が少なくとも1つの切断を継続的に行うように、少なくとも1つの切断エッジ31、31’、31”、31’’’の残りの部分と連続している。
【0055】
少なくとも1つの移行切断部分32、32’、32”、32’’’のプロフィールと移行切断エッジ31、31’、31”、31’’’の残りの部分のプロフィールとは、同一平面上、特に中央平面M、M’、M”、M’’’上にある。
【0056】
切断装置1は、特に、少なくとも2つの板状体30、30’、30”、30’’’を、少なくとも2つの板状体30のうちの1つの板状体30の少なくとも1つの面に対して横方向、特に直交する積層方向に互いに積層した層状構造を含んでもよく、少なくとも2つの切断エッジ31、31’、31”、31’’’が、少なくとも1つのストラップ27、28を形成するためにカプセル2を切断するように、積層方向に沿って少なくとも2つの異なるレベルに配置される切断エッジの構成を作る。
【0057】
1つの代替実施形態では、切断装置1は、特に、カプセル2に少なくとも1つのストラップ27、28を形成するための単一の板状要素の厚さに平行な方向に沿って少なくとも2つの異なるレベルに配置された少なくとも2つの切断エッジ31、31’、31”、31’’’を含む単一の切断板状要素を含んでもよい。
【0058】
図1~4に示す特定の実施形態を参照すると、移行切断部分32は、カプセル出口30b上に配置されている。再び
図1の特定の実施形態を参照すると、切断装置1は、切断エッジを含んでいるが、より多くの切り目を生成するように、移動方向Eに沿って互いに間隔をあけて配置された複数の切断エッジを含む切断装置を提供することができる。各切断エッジは、それぞれの移行切断部分を含んでもよい。
【0059】
図1および
図3の特定の実施形態では、移行切断部分32は、移行切断部分32と切断エッジ31の残りの部分との間に鈍角αを形成するように、切断エッジ31の残りの部分に対して傾斜している。特に、角度αは、切断エッジ31の内側にあり、中央平面M(または等価的に
図3の図面平面)に平行な平面上にあり、切断エッジ31が傾斜を変える移行切断部分32と切断エッジ31の残りの部分との間に位置する点を中心とする。
【0060】
切断エッジ31の残りの部分は、少なくとも部分的に湾曲した(curved)、特に部分的に円周弧状の(circumference arc)プロフィールを有し、この円周弧は、切断装置1の外側で中央平面Mに直交する軸を中心とする。特に、この円周弧は、カルーセル70の回転軸R’を中心としてもよい。図示されていないさらなる実施形態では、切断エッジ31の残りの部分は、少なくとも部分的に矩形(rectilinear)のプロフィールを有することができる。
【0061】
図1および
図3の特定の実施形態では、移行切断部分32は、少なくとも部分的に矩形のプロフィールを有する。それにもかかわらず、図示されていないさらなる実施形態では、移行切断部分32は、少なくとも部分的に湾曲したプロフィールを有することができる。
【0062】
図5及び
図6に示す特定の実施形態は、移行切断部分32がカプセル入口30aに配置されている、
図1の実施形態の1つの変形例である。
【0063】
再び
図1を参照すると、カプセル2は、それ自体、特にスピンドル71の回転軸Rと同軸の長手方向軸Cの周りを回転するように配置されている。図示を簡略化するためのさらなる実施形態では、カプセル2の長手方向軸線Cとスピンドル71の回転軸線Rとが同軸ではなく、互いに間隔をあけて配置されることが可能である。
【0064】
図7、
図8及び
図9の特定の実施形態を参照すると、移行切断部分32’は、カプセル入口30a’上に配置され、移行切断部分32’と切断エッジ31’の残りの部分との間に段差を形成するように、切断エッジ31’の残りの部分に対して後退している。
【0065】
特に、中央平面M’に直角であり、移行切断部分32’のプロフィールに直角である平面に沿ってとられた断面が示されている
図8を参照すると、移行切断部分32’のプロフィールに直角な中央平面M’上で測定された、くさび形本体の端部(または等価的に切断部分32’のプロフィール)とくさび形本体のベースとの間の距離に対応する研ぎ深さ(sharpening depth)PA32’を定義することができる。同様に、切断エッジ31’の残りの部分についても、研ぎ深さPA31’を定義することができる。
【0066】
次に
図9を参照すると、移行切断部分32’は、切断エッジ31’の残りの部分に対して切断エッジ31の内側にオフセット距離だけ離れている。移行切断部分32’と切断エッジの残りの部分との間のオフセット距離DSは、切断エッジ31’の残りの部分の研ぎ深さPA31’の1/5から1/2の間、特に1/3で構成される。
【0067】
図7、
図9、
図10及び
図11を参照すると、切断装置1は、カプセル2に更なる切断を行うための少なくとも1つの更なる切断エッジ35’を更に含み、少なくとも1つの更なる切断エッジ35’は、切断エッジ31’及び更なる切断エッジ35’と連続する非切断凹部34’によって、切断エッジ31’から間隔を空けられている。切断の実行中、カプセルが切断エッジ31’上を転がるとき、凹部34’はカプセル2に接触しない。少なくとも1つの更なる切断エッジ35’は、少なくとも1つの切断エッジ31’’’と同一平面上、特に中央平面M’上に位置することができる。さらなる切断エッジ35’は、少なくとも部分的に湾曲したプロフィール、特に少なくとも部分的に円周弧(
図7、9、10、11)プロフィールを有することができる。図示されていない更なる実施形態では、更なる切断エッジ35’は、少なくとも部分的に矩形のプロフィールを有することができる。切断装置1は、特に、カプセル2に複数の別個の切断を実行するように、凹部34’によって切断エッジ31’から互いに間隔をあけて配置された切断エッジ35’を含むことができる。
【0068】
図10及び
図11に示す特定の実施形態は、移行切断部分32’がカプセル出口30b’に配置されている、
図7の実施形態の変形例である。
【0069】
図12、
図13および
図14の特定の実施形態では、移行切断部分32”は、移行切断エッジ31”の残りの部分に接続され、中央平面M”に平行な平面において、湾曲した、特に少なくとも部分的に円周弧状のプロフィールを有する。言い換えれば、移行切断部分32”のプロフィールは、切断エッジ31”の残りの部分のプロフィールに連続し、切断エッジ31”の内側に向かって湾曲して入る。移行切断部分32”のプロフィールの曲率半径は、切断エッジ31”の研ぎ深さPA31”の0.3倍から2倍、特に0.5倍で構成することができる。
【0070】
特に
図12及び
図14を参照すると、板状体30”は、少なくとも1つのストラップ27、28の2つの上側尖端端部ゾーン24a、24bを形成するための第1及び第2の切断エッジ31”を含む。この2つの切断エッジ31”は、同じ中央平面M”上にあり、移動方向Eに沿って互いに離間している。第1の切断エッジ31”では、第1の移行切断部分32”がカプセル入口30a”上に配置され、第2の切断エッジ31”では、第2の移行切断部分32”がカプセル出口30b”上に配置され、2つの湾曲した移行切断部分32”が互いに対向するようになっている。
【0071】
2つの移行切断部分32”は、カプセル2に2つの別の切断を行うように、さらなる凹部34”によって分離されている。
【0072】
図12及び
図14に示すように、少なくとも1つの切断エッジ31”の残りの部分は、少なくとも部分的に湾曲させることができ、特に、少なくとも部分的に、その中心が切断装置1の外側に配置された円周弧とすることができる。
【0073】
図18、19、20及び21の特定の実施形態では、移行切断部分32’’’は丸まっており(又は鈍く)、特に、切断開始部及び/又は切断終了部でカプセル2を切断するように構成された少なくとも1つの曲線面32a’’’、32b’’’を含む。
図18、
図19、
図20および
図21では、2つの曲線面32a’’’、32b’’’が示されており、それらは、中央平面M’’’に関して実質的に対称である上側曲線面32a”、および下側曲線面32b’’’である。曲線面32a’’’と曲線面32b’’’は互いに接続して単一の曲線面を形成することができる。
【0074】
少なくとも1つの湾曲面32a’’’、32b’’’は、少なくとも1つの切断がそれに沿って行われる少なくとも1つの切断エッジ31’’’の中央平面M’’’に対して横断する少なくとも1つの方向に湾曲している。少なくとも1つの湾曲面32a’’’、32b’’’は、円錐形状、特に半円錐形状とすることができる(図示の実施形態のように)。円錐のピークHは、切断エッジ31’’’の残りの部分(または同等に、切断エッジ31’’’の残りの部分のプロフィール)で得ることができる。
【0075】
図18、
図19、
図20および
図21の特定の実施形態では、板状体30’’’は、ストラップ27、28の2つの上側尖端端部ゾーン24a、24bを形成するための第1および第2の切断エッジ31’’’を含む。2つの切断エッジ31’’’は、同じ中央平面M’’’上にあり、移動方向Eに沿って互いに離間している。第1の切断エッジ31’’’では、第1の移行切断部分32’’’がカプセル入口30a’’’上に配置され、第2の切断エッジ31’’’では、第2の移行切断部分32’’’がカプセル出口30b’’’上に配置され、2つの移行切断部分32’’’が互いに対向するようになっている。2つの移行切断部分32’’’は、カプセル2に2つの異なる切断を行うように、さらなる凹部34’’’によって分離されている。
【0076】
板状体30’’’(
図19、
図20及び
図21)は、互いに対向する上面30c’’’及び下面30d’’’を備える。上面30c’’’及び下面30d’’’は、実質的に平坦であり、実質的に互いに平行である。
【0077】
切断装置1(
図18、19、20、21の実施形態による)は、少なくとも1つの湾曲面32a’’’、32b’’’を少なくとも1つの切断エッジ31’’’のベースに接続するように構成された少なくとも1つのベース面32c’’’、32d’’’を備えることができる。少なくとも1つのベース面32c’’’、32d’’’は湾曲することができる。図示の実施形態では、少なくとも湾曲面32a’’’、32b’’’を上面30c’’’に接続するための上側ベース面32c’’’と、少なくとも湾曲面32a’’’、32b’’’を下面30d’’’に接続するための下側ベース面32d’’’とが設けられている。図示の実施形態では、少なくとも1つのベース面32c’’’、32d’’’は、さらなる凹部34’’’の近くに配置されている。2つのベース面32c’’’、32d’’’の間には、中間接続面32e’’’を設けることができ、これは実質的に平坦であることができる。上側ベース面32c’’’(または下側ベース面32d’’’)は、三角帆形状、または半円錐形状とすることができ、上側面30c’’’(または下側面3d’’’)において上側ピークゾーンJ(または下側ピークゾーンK)で終わる。
【0078】
図22の実施形態を参照すると、切断装置1は、非切断のさらなる凹部34’’’によって間隔を隔てられた同じ高さの2つの切断エッジ31’’’を提供する。2つの切断エッジ31’’’は、2つの上側尖端端部ゾーン24a、24(
図15および
図23)を形成するためのそれぞれの移行切断部分32’’’を備える。切断装置1は、2つの切断エッジ31’’’の高さに対して異なる高さに配置された水平切断エッジ36を備えることができる。
図22を参照すると、切断装置1は、特に、ストラップ27、28(
図22および
図23)を形成するのに適した切断エッジの構成を形成するための、より多くの(3つの)板状体を互いに積み重ねた層状構造を含む。切断装置1は、特に、カプセル2に横方向の切れ目を形成するための1つまたは複数(2つ)の横方向の切断エッジ37を含む。
図22および
図23に示される実施形態では、横方向の切れ目は、容器の開封後にカプセル本体20を傾いた位置に維持するために、不正開封防止リング22(または容器のネック部の突起部)と相互作用するのに適したタブ部29(
図23)をキャップ2に画定することができる。1つまたは複数の横切断エッジ37は、さらなる板状体(図示せず)のエッジ上に得ることができる。1つまたは複数の横切断エッジ37は、直角切断エッジ、すなわち(
図22のように)中央平面M”に直交する切断エッジ、および/または中央平面M”に対して傾斜している1つまたは複数の傾斜切断エッジ(図示せず)を含むことができる。
【0079】
移行切断部分32’’’は、その構造により、応力の集中を低減し、少なくとも1つの尖端ゾーン24a、24b、24c、24dにおける破壊の開始を防止するように、切断の開始時及び/又は切断の終了時にカプセル2の厚さに湾曲した切断(又は湾曲した穿孔)を形成することができる。特に、湾曲面32a’’’、32b’’’は、上側尖端ゾーン24a、24bを形成するのに有効である。上側尖端端部ゾーン24a、24bは、カプセル2において、タブ部29(
図23)を形成することを意図した切り目の近傍で得ることができる。
【0080】
切断装置1は、特に、カプセル2に少なくとも1つのブリッジを形成するために、少なくとも1つの切断エッジ31、31’、31”、31’’’上に配置された少なくとも1つの凹部33(
図4)を備えることができ、この凹部33は、容器が開封されたことを使用者に示すために、カプセル2が適用される容器の開口部で破断されることを意図した不正開封防止リング22と本体20との間の糸状の接続部分である。容器の開封後、カプセル2は、本体20の開放端に配置された破断ブリッジ26の一部を備えた
図15に示すもののようになる。少なくとも1つの凹部33は、少なくとも1つのストラップ27、28の断面よりも顕著に小さいブリッジの断面を形成するように、凹部34’に対して(およびさらなる凹部34”に対して)縮小された寸法を有する。実際、不正開封防止リング22と本体20との間の少なくとも1つのブリッジの接続は、容器が開封されると中断されるように配置されているため、少なくとも1つの接続ストラップ27、28の接続よりも機械的抵抗が少なくて済む。
【0081】
上記に開示されたことから分かるように、本発明による切断装置1は、従来技術の装置の限界および欠点を克服することを可能にする。本発明による切断装置1は、公知の切断装置よりも優れた機械的品質および抵抗を有する接続ストラップを形成するために特に有用である。これは、カプセルの厚さにおける切り口の大きさを、切り口の少なくとも1つの尖端形状端部ゾーンまで小さくすることを可能にする少なくとも1つの移行切断部分によるものであり、したがって、接続ストラップおよびカプセルにおける破断の引き金となり得る応力の集中を低減する。
【国際調査報告】