(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-11
(54)【発明の名称】自動車のドライブトレインのための試験台
(51)【国際特許分類】
G01M 17/007 20060101AFI20240304BHJP
【FI】
G01M17/007
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558563
(86)(22)【出願日】2022-03-18
(85)【翻訳文提出日】2023-11-17
(86)【国際出願番号】 EP2022057182
(87)【国際公開番号】W WO2022200216
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】102021202818.7
(32)【優先日】2021-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500045121
【氏名又は名称】ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】ZF FRIEDRICHSHAFEN AG
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186716
【氏名又は名称】真能 清志
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン ヘル
(72)【発明者】
【氏名】トマス ドリンジャー
(57)【要約】
本発明は、自動車(20)のドライブトレインのための試験台(100)に関する。試験台(100)は、モータハウジング(111)およびモータ軸(112)を有する荷重モータ(110)と、荷重センサ(120)と、載置モジュール(130)と、を含む。モータ軸(112)は、自動車(20)のハブ(21)と駆動連結される。荷重センサは、モータ軸からハブに伝達される荷重をキャプチャする。ドライブトレイン試験台(1)は、ハブ(21)に面するモータハウジング(11)の軸方向側(115)および載置モジュール(130)が、回転不能な状態で互いに接続され、モータ軸は中空軸(112)として構成され、中空軸を通って導かれる軸は、直接的または間接的にハブと回転不能な状態で接続され、荷重センサはハブとは反対のモータハウジング(111)の軸方向側(116)に配置され、中空軸は、荷重センサを介して軸と駆動連結可能である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車(20)のドライブトレインのための試験台(100)であって、モータハウジング(111)およびモータ軸(112)を有する少なくとも1つの荷重モータ(110)と、少なくとも1つの荷重センサ(120)と、少なくとも1つの載置モジュール(130)と、を含み、前記モータ軸(112)は、前記自動車(20)のハブ(21)と駆動連結されるように構成され、前記荷重センサ(120)は、前記モータ軸(112)から
前記ハブ(21)に伝達される荷重をキャプチャするように構成され、
前記ハブ(21)に面する前記モータハウジング(111)の軸方向側(115)および前記少なくとも1つの載置モジュール(130)が、回転不能な状態で互いに接続されるように構成され、前記モータ軸(112)は中空軸(112)として構成され、前記中空軸(112)を通って導かれる軸(113)は、直接的または間接的に前記ハブ(21)と回転不能な状態で接続されるように構成され、前記荷重センサ(120)は前記ハブ(21)とは反対の前記モータハウジング(111)の軸方向側(116)に配置され、また前記中空軸(112)は、前記荷重センサ(120)を介して前記軸(113)と駆動連結可能であることを特徴とする、試験台(100)。
【請求項2】
請求項1に記載の試験台(100)であつて、
前記少なくとも1つの載置モジュール(130)は同心の開口部(131)を備え、前記ハブ(21)は、前記同心の開口部(131)を介して、前記少なくとも1つの荷重モータ(110)に面する側からアクセス可能であることを特徴とする、試験台(100)。
【請求項3】
請求項1に記載の試験台(100)であって、
前記少なくとも1つの載置モジュール(130)は、径方向の外側部分(135)と径方向の内側部分(136)とを備え、
前記内側部分(136)は、前記外側部分(135)に回転可能な状態で保持され、
前記内側部分(136)は、前記自動車(20)の前記ハブ(21)と回転不能な状態で接続されるように構成され、
前記外側部分(135)は、前記ハブ(21)に面する前記モータハウジング(111)の前記軸方向側(115)と回転不能な状態で接続されるように構成されていることを特徴とする、試験台(100)。
【請求項4】
請求項3に記載の試験台(100)であって、
前記軸(113)は、前記内側部分(136)と回転不能な状態で接続可能であることを特徴とする、試験台(100)。
【請求項5】
請求項4に記載の試験台(100)であって、
前記軸(113)は、前記少なくとも1つの載置モジュール(130)の前記内側部分(136)の構成要素であることを特徴とする、試験台(100)。
【請求項6】
請求項3~5のいずれか一項に記載の試験台(100)であって、
前記内側部分(136)の前記外側部分(135)に対する回転をブロック可能であることを特徴とする、試験台(100)。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の試験台(100)であって、
前記少なくとも1つの載置モジュール(130)の上に、空気入りタイヤ(138)が配置されていることを特徴とする、試験台(100)。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか一項に記載の試験台(100)であって、
前記少なくとも1つの載置モジュール(130)の上に、ゴムコーティング(139)が配置されていることを特徴とする、試験台(100)。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の試験台(100)であって、
前記少なくとも1つの載置モジュールは、ベースと摩擦結合的または形状結合的に接続可能であることを特徴とする、試験台(100)。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の試験台(100)であって、
前記少なくとも1つの荷重モータ(110)は、永久励磁式の同期モータ(110)として構成されていることを特徴とする、試験台(100)。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の試験台(100)であって、
前記中空軸は、冷却剤を導入するためのロータリユニオンを備え、また前記冷却剤が前記中空軸を通って流れるための流路を備えることを特徴とする、試験台(100)。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の試験台(100)であって、
径方向で前記中空軸(112)と前記軸(113)との間に、軸方向の力および/または横方向の力を受容するための、少なくとも2つの軸方向に互いに離間された軸受(137)が配置されていることを特徴とする、試験台(100)。
【請求項13】
請求項1~11のいずれか一項に記載の試験台(100)であって、
前記少なくとも1つの荷重センサ(120)は、トルクセンサおよび/または力センサとして構成されていることを特徴とする、試験台(100)。
【請求項14】
請求項1~12のいずれか一項に記載の試験台(100)であって、
前記試験台(100)は、前記少なくとも1つの荷重モータ(110)の傾斜モメントを支持するように構成された少なくとも1つのモータ支持部(118)を更に備えることを特徴とする、試験台(100)。
【請求項15】
請求項1~12のいずれか一項に記載の試験台(100)であって、
前記試験台(100)は、少なくとも1つの支持プランジャ(133)を更に含み、前記支持プランジャ(133)は、3つの空間方向に調整可能であり、および/または3つの軸の周りを回転可能であり、前記支持プランジャ(133)は、前記載置モジュール(130)を支持するように構成され、または、
前記試験台(100)は、少なくとも1つのヘキサポッド型のアクチュエータデバイスを更に含み、前記アクチュエータデバイスは、前記ハブを3つの空間方向に調整するように、および/または3つの軸の周りを回転させるように構成されていることを特徴とする、試験台(100)。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載の試験台(100)であって、
前記試験台(100)は、前記自動車(20)のそれぞれの駆動可能車輪のために、それぞれの荷重モータ(110)、それぞれの荷重センサ(120)、およびそれぞれの載置モジュール(130)を含むことを特徴とする、試験台(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の、自動車のドライブトレインのための試験台に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の変速機または自動車のドライブトレイン全体を試験するための、変速機試験台またはドライブトレイン試験台は、従来技術から既知である。この種の試験台は、通常、一連の荷重試験によってドライブトレインにおける機能障害を早期に検出すべく、品質管理のために使用される。典型的な機能障害は、例えば、歯車、シンクロナイザリング、シンクロナイザ本体、多板クラッチのディスク、および軸等の、偏向または振動が励起される可能性のある、遊びを有する構成要素によって発生する。この種の機能試験の範囲においては、通常、音響挙動およびシフトの品質も試験される。さらに、この種の試験台は、自動車のドライブトレインの開発および継続的な改善においても使用される。
【0003】
これに関連して、DE4328537C2は、変速機試験台を記載する。この変速機試験台は、駆動モータとして機能する第1サーボモータおよび制動モータとして機能する第2サーボモータを備える。駆動モータは、クラッチを介して、試験対象の自動車の変速機の入力軸と接続され、特に、その回転数がPCによって制御される。その結果、任意の回転数曲線をシミュレーションすることが可能である。制動モータは、更なるクラッチを介して、試験対象の自動車の変速機の出力軸と接続されている。制動モータの回転数も、PCを介して制御される。PCによってシミュレーションされる回転数曲線は、実際の走行試験で測定された回転数曲線である。したがって、自動車の変速機を、DE4328537C2にしたがって、自動車に取り付ける前に試験することができる。
【0004】
DE10328461A1は、自動車のそれぞれの駆動可能車輪のために1つの荷重機械を備える車両試験台を開示する。荷重機械は、この場合、例えば車輪ボルトを介して直接的に、または、例えばベルトドライブを介して間接的に、自動車の車輪のリムと接続されている。その結果、荷重機械がドライブトレインを駆動すること、また制動することもできる。DE10328461A1号の車両試験台は、さらに、フレーム構造を含む。このフレーム構造を介して、自動車および荷重機械を上昇させ、互いに位置合わせすることができる。試験プロセスの間、自動車は、フレーム構造によって完全に支持される。その結果、自動車の車輪は地面と接触しない。
【0005】
しかしながら、既知の自動車試験台は、特に自動車に既に設置されているドライブトレインを試験するために設けられている場合には、比較的大きな設置面積を必要とし、特に複雑で高価な機械的支持構造に依存するという欠点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】DE4328537C2
【特許文献2】DE10328461A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、自動車のドライブトレインのための改良された試験台を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、この課題は、請求項1に記載の自動車のドライブトレインのための試験台によって解決される。有利な実施形態は、従属請求項から明らかとなる。
【0009】
本発明は、自動車のドライブトレインのための試験台に関する。試験台は、モータハウジングおよびモータ軸を有する少なくとも1つの荷重モータと、少なくとも1つの荷重センサと、少なくとも1つの載置モジュールと、を含む。モータ軸は、自動車のハブと駆動連結されるように構成されている。荷重センサは、モータ軸からハブに伝達される荷重をキャプチャするように構成されている。本発明による試験台は、ハブに面するモータハウジングの軸方向側および少なくとも1つの載置モジュールが、回転不能な状態で互いに接続されるように構成され、モータ軸は中空軸として構成され、中空軸を通って導かれる軸は、直接的または間接的にハブと回転不能な状態で接続されるように構成され、荷重センサはハブとは反対のモータハウジングの軸方向側に配置され、また中空軸は、荷重センサを介して軸と駆動連結可能であることを特徴とする。
【0010】
つまり、本発明は、自動車のドライブトレインを試験するのに適した試験台を記載する。自動車は、同様に、電気モータによって駆動される自動車であってもよく、または従来のように駆動される自動車であってもよい。
【0011】
試験台は、この目的のために、モータハウジングおよびモータ軸を有する少なくとも1つの荷重モータを備える。荷重モータは、有利には、電気モータである。電気モータは、比較的コンパクトな構成であり、特に内燃機関と比較して広い回転数範囲を有し、有利には、広い回転数範囲にわたって最大トルクを有する。高回転数範囲において、いわゆる「コーナーポイント」に到達した時にのみ、トルクは、磁界弱化の増加に起因して、更に増加する回転数に比例して間接的に減少する。
【0012】
好適には、少なくとも1つの荷重モータは、永久励磁式の同期モータとして構成されている。同期モータは、特に有利には、比較的多数の、例えば12以上の磁極対を含む。この種の同期モータは、いわゆるシンクロトルクモータ(Synchro-Torque-Motor)としても既知である。これによって、荷重モータを比較的コンパクトかつ短く構成することができる。その結果、荷重モータの重心が自動車のシャーシの非常に近くに配置されるという利点がもたらされる。
【0013】
各荷重モータには、有利には、独自のインバータが割り当てられている。インバータは、例えば、三相に構成されている。
【0014】
少なくとも1つの荷重モータはモータハウジングを備える。荷重モータを、モータハウジングを介して、例えば、ベースの上に、またはそのために設けられた装置の上に載置することができる。代替的または追加的に、モータハウジングはまた、荷重モータが、例えば、そのいわゆるa側またはb側を介して配置される、または支持されることを可能にするように構成されている。
【0015】
モータハウジングは、例えば、水冷装置を備えることができる。
【0016】
最後に、少なくとも1つの荷重モータは、モータ軸を含むことができる。モータ軸は、荷重モータによって生成されるトルクおよび荷重モータによって生成される回転数を提供する。モータ軸は、自動車の車輪のハブのうちの1つと駆動連結させることができる。その結果、トルクおよび回転数をモータ軸からハブに導入することができる。トルクおよび回転数は、共に、試験対象のドライブトレインに荷重をかけることができる機械的動力を表す。したがって、トルクおよび回転数は、試験において生じるドライブトレインの荷重を表す。
【0017】
駆動連結は、本発明における意味では、機械的動力を伝達するための機械的接続を意味するものと理解される。トルクおよび回転数は、荷重モータからハブへの伝達の範囲において、変換することができる。すなわち、つまり荷重モータは、例えば、第1回転数および第1トルクを提供する。第1回転数および第1トルクは、第1動力を表す。第1動力の伝達の範囲において、第1トルクを第2トルクに変換することができて、第1回転数を第2回転数に変換することができる。しかしながら、第1動力は、伝達によって変化しないままである。つまり、モータ軸がハブと駆動連結される、駆動連結可能である、という定義は、モータ軸とハブとの間に直接的な機械的接続、特に回転不能な状態での接続が存在しなければならないことを、規定するものではない。むしろ、駆動連結は、ギヤまたは個々の変速段または他の中間要素を含むこともできる。
【0018】
さらに、試験台は、少なくとも1つの荷重センサを含む。荷重センサは、モータ軸からハブに伝達される荷重をキャプチャするように構成されている。これは、例えば、回転数もしくはトルク、または回転数とトルクの両方であり得る。
【0019】
好適には、少なくとも1つの荷重センサは、トルクセンサおよび/または力センサとして構成されている。荷重モータの回転数は、例えば、その制御電子機器、特にインバータを介してキャプチャすることもできる。そのため、有利にも、荷重センサを、レバーを介して作用するトルクまたは力をキャプチャするように構成することで十分である。既知の回転数と、このようにして決定されたトルクとから、例えば、動力または荷重を決定することができる。
【0020】
さらに、試験台は、少なくとも1つの載置モジュールを含む。少なくとも1つの載置モジュールは、この目的のために設けられた接続手段、例えばフランジ接続を介して、ハブに面するモータハウジングの軸方向側に、回転不能な状態で接続することができる。好適には、ハブに面する軸方向側は、荷重モータのいわゆるa側である。載置モジュールは、有利には、車輪の位置に、または車輪のように、自動車のハブに取り付けられる。
【0021】
好適には、載置モジュールのモータハウジングとの接続は、載置モジュールおよびモータハウジングの両方の、より外側の径方向縁部、特に自動車のハブによって占められる領域の径方向外側に配置されることが好適である。これによって、一方では、接続部が比較的より大きなトルクを支持することができる。他方では、自動車のハブが、モータハウジングに対して回転可能に留まることができる。トルクまたは回転数を、駆動軸を介してドライブトレインに導入する必要もない。これによって、有利には、短く、したがって非常に剛性の接続が確立される。その結果、試験台の動作において、試験プロセスを妨害する強度を有する振動の発生を回避できる。さらに、荷重モータおよび載置モジュールの共通の重心が、載置モジュールの接触点に非常に近いという利点がある。これによって、ドライブトレインの試験挙動に対する更なる不所望な影響を、回避することができる。
【0022】
本発明によれば、さらに、モータ軸は中空軸として構成され、中空軸を通って導かれる軸が設けられている。次いで、この軸を、直接的または間接的にハブと回転不能な状態で接続することができる。最後に、荷重センサは、ハブとは反対のモータハウジングの軸方向側、これは好適にはいわゆるb側である、に配置され、中空軸をこの軸と駆動連結する。したがって、中空軸から荷重センサを介して、中空軸内に配置された軸へ、そして最終的に自動車のハブへの、駆動連結を確立することができる。
【0023】
同時に、荷重モータは、そのサスペンションを介して試験される自動車と同様に、載置モジュールを介して支持される。載置モジュールは、ベースの上に置かれており、そこで載置モジュールにかかる重力を支持する。ベースは、荷重モータから載置モジュールへ高いトルクの伝達をも可能にするために、載置モジュールに対して特に高い摩擦係数を有することができる。
【0024】
さらに、少なくとも1つの載置モジュールは、ベースと摩擦結合的または形状結合的に接続可能である。例えば、その端部がベースと堅固に接続されている張力ベルトを用いて、載置モジュールをその走行面にわたってクランプすることによって、載置モジュールのベースの上の接着をまた更に高めることができる。載置モジュールのベースの上の接着をまた更に改善するために、載置モジュールは、さらに、例えば地面に配置されて外側から径方向に載置モジュールを貫通するボルトを用いて、載置モジュールをベースの上に配置することもできる。
【0025】
したがって、本発明は、荷重モータを中間軸なしで自動車のハブに直接に接続できる、自動車のドライブトレインを試験するための非常にコンパクトな試験台を記載する。これによって、必要とされる試験空間が比較的顕著により小さく、特に、自動車および荷重モータを保持し、それらを互いに位置合わせするために、かさばりかつ高価な試験台または対応するフレーム構造が必要とされない、という利点がもたらされる。特に、試験台に対するドライブトレインまたは自動車の、複雑で時間のかかる位置合わせまたは調整は、もはや必要とされない。本発明の更なる実質的な利点は、本発明による試験台を用いる試験プロセスにおいては、試験対象の自動車が試験プロセスの間に専らシャーシによって支持されているため、特に、試験対象の自動車のシャーシの特性も可及的に影響を受けないことである。したがって、有利には、ばねのたわみ挙動、操縦挙動、および類似の特性などのシャーシ固有の特性を、非常に現実に近づけて試験することができる。
【0026】
有利には、本発明によれば、試験台は、自動車のそれぞれの駆動可能車輪のために、それぞれの荷重モータ、それぞれの荷重センサ、およびそれぞれの載置モジュールを含む。したがって、自動車の完全なドライブトレインを、1回の試験走行で試験することができる。
【0027】
本発明の好適な実施形態によれば、少なくとも1つの載置モジュールは同心の開口部を備える。ハブは、同心の開口部を介して、少なくとも1つの荷重モータに面する側からアクセス可能である。同心の開口部は、この場合、有利には、少なくとも自動車のハブが完全に開くのに十分な大きさである。これによって、中空軸を通って導かれる軸を、直接にハブと回転不能な状態で接続することができる。例えば、軸は、この目的のために、ハブの有孔リングと同一に対応する有孔リングを有するプレート状の端部部品を備えることができる。特に、軸を、まずハブに回転不能な状態で配置することができる。次いで、中空軸を有する荷重モータを、軸の上にスライドさせることができる。同心の開口部を有する載置モジュールは、この場合、例えば、自動車のハブに面する荷重モータの軸方向側に回転可能な状態で配置することができる。しかしながら、少なくとも1つの載置モジュールおよび軸の他の構成形態または配置形態も、考慮可能である。
【0028】
本発明の代替的な好適な実施形態によれば、少なくとも1つの載置モジュールは、径方向の外側部分と径方向の内側部分とを備える。内側部分は、外側部分に回転可能な状態で保持されている。内側部分は、自動車のハブと回転不能な状態で接続されるように構成されている。外側部分は、ハブに面するモータハウジングの軸方向側と回転不能な状態で接続されるように構成されている。この場合、少なくとも1つの載置モジュールは、載置モジュールの径方向の内側部分が載置モジュールの径方向の外側部分に対して回転可能であるように、すなわち2つの部品で構成されている。その結果、この場合でも、少なくとも1つの荷重モータは、載置モジュールと、すなわち外側部分と、回転不能な状態で接続することができる。したがって、この場合でも、少なくとも1つの荷重モータを、載置モジュールにおいて支持させることができる。同時に、載置モジュールは、この場合、荷重モータを介して、そして更に中空軸、荷重センサ、および軸を介してハブと接続できるのみでなく、外側部分に対して回転可能な内側部分を介して直接にハブと回転不能な状態で接続することもできる。これによって、載置モジュールを、まず、通常の車輪のように自動車に取り付けることができて、さらに、取り付けられた載置モジュールと共に自動車を、例えば押して、簡単な方法で位置決めまたは位置合わせすることができる。そのため、荷重モータを自動車のドライブトレインに、簡単に組み立てることができる。しかしながら、少なくとも1つの載置モジュールおよび軸の他の構成形態または配置形態も、考慮可能である。
【0029】
本発明の特に好適な実施形態によれば、軸は、内側部分と回転不能な状態で接続可能である。内側部分はハブと回転不能な状態で接続されている。そのため、荷重モータによって提供される荷重を、軸を介して載置モジュールの内側部分に伝達することができて、そこからハブを介して自動車のドライブトレインに導入することができる。
【0030】
本発明の特に好適な実施形態によれば、軸は、少なくとも1つの載置モジュールの内側部分の構成要素である。有利には、軸および内側部分は、一体でさえ構成されている。したがって、荷重モータは、例えば、載置モジュールまたは自動車での組み立ての際に、その中空軸を用いて軸上で導かれることによって、センタリングさせて、位置合わせさせることができる。中空軸を通って導かれる軸は、次いで、荷重モータのb側で荷重センサと連結される。その結果、荷重モータから荷重センサを介するハブへの駆動連結が存在する。
【0031】
本発明の特に好適な実施形態によれば、内側部分の外側部分に対する回転をブロック可能である。ブロックは、例えば、この目的のために設けられたボルトまたはスライドを移動させることによって、または外側部分の内側部分に対する相対移動がブロックされるようにクランプ要素を位置決めすることによって、行うことができる。これによって、自動車は、自力で動くことができて、対応して試験のために容易に位置決めされ、位置合わせされ得るという利点がもたらされる。例えば、対応してロック可能な載置モジュールを、試験対象のそれぞれの車輪に取り付けることができる。続いて、自動車は、例えば広いホールなどのテスト会場の内部で、載置モジュールの取り付け場所から試験の場所まで走行することができる。
【0032】
本発明の更なる好適な実施形態によれば、少なくとも1つの載置モジュールの上に、空気入りタイヤが配置されている。この場合、自動車の通常走行において生じる支持挙動に可及的に対応する、ベース上の載置モジュールの支持挙動が発生する。これによって、試験状況におけるドライブトレインの挙動が、自動車の通常の走行動作におけるドライブトレインの挙動に更に近づくため、試験の質を向上させることができる。
【0033】
好適には、自動車の道路における動作にも承認されている空気入りタイヤが、載置モジュールの上に配置されている。
【0034】
本発明の代替的な好適な実施形態によれば、少なくとも1つの載置モジュールの上に、ゴムコーティングが配置されている。ゴムコーティングによっては、また、載置モジュールをベースの上で比較的現実に近い状態で支持可能である。しかしながら、この場合、空気入りタイヤとは対照的に、その都度適切な空気入りタイヤを別個に選択して、載置モジュールの上に取り付ける必要がない。その代わりに、ゴムコーティングを、載置モジュールの上に堅固に、かつ永続的に配置することができる。
【0035】
本発明の更なる好適な実施形態によれば、中空軸は、冷却剤を導入するためのロータリユニオンを備え、また冷却剤が中空軸を通って流れるための流路を備える。したがって、荷重モータの動作において、ロータを内部から冷却することができる。
【0036】
本発明の更なる好適な実施形態によれば、径方向で中空軸と軸との間に、横方向の力または軸方向の力を受容するための、少なくとも2つの軸方向に互いに離間された軸受が配置されている。これによって、特に、少なくとも1つの荷重モータの重量が、この目的のために設けられた軸受によって吸収されて荷重センサに作用しないことを、確実にすることができる。したがって、専らキャプチャされるべきトルクが荷重センサに作用する。その結果、荷重センサの測定精度が向上する。軸受は、この場合、軸と中空軸との間に相対回転がないため、横方向の力または軸方向の力を受容するためにのみ機能する。
【0037】
本発明の更なる好適な実施形態によれば、試験台は、少なくとも1つの荷重モータの傾斜モメントを支持するように構成された少なくとも1つのモータ支持部を更に備える。荷重モータは、好適にはa側である軸方向側を介してのみ、載置モジュールと接続され、専ら載置モジュールを介して支持されている。そのため、荷重モータおよび載置モジュールの共通の重心が載置モジュールの接触点に近いことに起因する比較的小さい傾斜モメントが荷重モータに作用する。それにもかかわらず、これが、試験に悪影響を及ぼす可能性がある。この傾斜モメントは、有利には、モータ支持部によって吸収される。モータ支持部は、この場合、荷重モータを下方から支持するために、モータハウジングの下で、例えば、ハブとは反対のモータハウジングの軸方向側、好適にはモータハウジングのb側の領域に配置することができる。同様に、モータ支持部が上から荷重モータを保持するように、すなわち荷重モータをモータ支持部にかけるように、モータ支持部を取り付けることも考慮可能である。後者の場合、モータ支持部は、例えば費用対効果に優れ、かつ簡単に、ケーブルとして、特にワイヤケーブルとして、構成することができる。
【0038】
モータ支持部が上から荷重モータを保持する場合、モータ支持部は、特に、動力フローに配置され、予張力をかけることが可能なバネを含む補償要素を含むことができる。この場合、有利には、バネの設定可能な予張力を介して、補償されるべき傾斜モメント、または傾斜モメントに対応して補償されるべき力を、設定することができる。これによって、傾斜モメントが過度に補償されないことを、確実にすることができる。
【0039】
本発明の更なる好適な実施形態によれば、試験台は、少なくとも1つの支持プランジャを更に含む。支持プランジャは、3つの空間方向に調整可能であり、および/または3つの軸の周りを回転可能である。支持プランジャは、載置モジュールを支持するように構成されている。または、試験台は、少なくとも1つのヘキサポッド型のアクチュエータデバイスを更に含む。アクチュエータデバイスは、ハブを3つの空間方向に調整するように、および/または3つの軸の周りを回転させるように構成されている。したがって、例えば垂直軸に沿って支持プランジャを適切に作動させることによって、自動車の走行の間の不整地などがシミュレーションされる。同様に、可能性のあるベースのほぼ全ての他の影響も、特に自動車の操舵可能な車輪の操舵運動に関連しても、支持プランジャを介してシミュレーションされる。ヘキサポッド型のアクチュエータデバイスは、好適には、自動車のハブに係合し、同様に走行の間の不整地、および可能性のあるベースのほぼ全ての他の影響をシミュレーションすることができる。ヘキサポッド型のアクチュエータデバイスは、その名称が示すように、6つのアクチュエータを含む。これらは、例えば、油圧シリンダとして構成することができる。したがって、ドライブトレインの、特に現実に近い試験が可能になる。
【0040】
以下に、本発明は、図面に示される実施形態に基づいて、例示的に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】自動車のドライブトレインを試験するための従来技術において既知の試験台および試験対象の自動車を例示的に示す概略図である。
【
図2】自動車のドライブトレインおよび試験対象の自動車のための本発明による試験台の可能な実施形態の例示的な概略図である。
【
図3】本発明による試験台の可能な実施形態の詳細を例示的に示す概略図である。
【
図4】本発明による試験台の更なる可能な実施形態を例示的に示す概略図である。
【
図5】本発明による試験台のまた更なる可能な実施形態を例示的に示す概略図である。
【
図6】本発明による試験台のまた更なる可能な実施形態を例示的に示す概略図である。
【
図7】本発明による載置モジュールの可能な実施形態を例示的に示す概略図である。
【
図8】本発明による試験台のまた更なる可能な実施形態を例示的に示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
同一の物体、機能ユニット、および類似の構成要素は、図にわたって同じ参照記号で示されている。これらの物体、機能ユニット、および類似の構成要素は、記載に明示的または黙示的に他の記述がない限り、それらの技術的特徴に関して同一であるように構成されている。
【0043】
図1は、例示的かつ概略的に、自動車20のドライブトレインを試験するための従来技術において既知の試験台10および試験対象の自動車20を示す。ドライブトレインは、この場合、すでに完全に自動車20に取り付けられている。既知の試験台10は、2つの荷重ユニット11を備える。これらの荷重ユニット11は、それぞれ、連結軸12を介して、自動車20の駆動可能な車輪のハブ21と接続されている。しかしながら、特に全輪駆動車両用の、4つの荷重ユニット11を有する同じタイプの試験台10も既知である。荷重ユニット11は、それぞれ、電気的な駆動モータ13に配置された端子ボックス14を備える。端子ボックス14は、電気的な駆動モータ13に電気エネルギを供給するケーブルを収容する。駆動モータ13は、それぞれ、フレーム15上に配置されている。フレーム15は、異なる車両タイプのトラック幅に適合できるように、横方向に調整可能である。自動車20は、通常、昇降装置、例えばクレーンによって、支持要素16の上へ持ち上げられ、そこに載置される。支持要素16は、それぞれ、車輪のハブに固定するための受け軸受を有する。既知の試験台10の構造ひいては空間要件は、比較的大きい。車輪が自動車20のハブ21に取り付けられていないために、自動車20は、自力でも、または押すことによっても、試験台10における試験位置に移動することができない。
【0044】
図2は、例示的かつ概略的に、自動車20のドライブトレインのための本発明による試験台100および試験対象の自動車20を示す。見て分かるように、本発明による試験台100は、自動車20のハブ21(
図2には図示されず)に直接に配置することができる2つの荷重モータ110を備える。これによって、本発明による試験台100は、既知の試験台10に比べて、実質的によりコンパクトで、かつ費用対効果がより高い。特に、荷重ユニット11または荷重モータ110を、自動車20に対して複雑に位置合わせすることが不要である。さらに、自動車20は、試験車輪130を用いて、自力で必要な試験位置に移動させることができる。さらに、本発明による試験台100は、その構造上、スペースを占めるフレーム15を必要としないことが、特に有利である。
【0045】
図3は、例示的かつ概略的に、本発明による試験台100の可能な実施形態の詳細を示す。電気モータ110として構成された荷重モータ110を見ることができる。荷重モータ110は、モータハウジング111および中空軸112として構成されたモータ軸112を備える。電気モータ110または荷重モータ110は、この例によれば、液冷式のモータ軸112を有する永久励磁式のシンクロトルクモータ110である。この例によれば、中空軸112として構成されたモータ軸112は、
図3には図示されていないロータリユニオンを備える。ロータリユニオンの中に、冷却剤としてグリコールを導入可能である。グリコールは、同様に図示されていない中空軸112の孔を通って、中空軸を貫流し、中空軸112を冷却する。シンクロトルクモータは、同期モータとして構成されて、例えば12の永久磁極対を備える。この比較的多数の極対は、荷重モータ110に、比較的低い電流強度での印加の場合でも、比較的非常に高いトルクを与える。この実施形態は、さらに、荷重モータ110が、軸方向長さと比較して比較的大きい径方向幅を備えるという利点をもたらす。この種の電気モータ110は、いわゆる「トルクモータ(Torque-Motoren)」としても既知である。インバータ117は、この例によれば、直接にモータハウジング111に配置されている。しかしながら、代替的に、インバータ117は、モータハウジング111から離間して配置することもできる。さらに、トルクセンサ120として構成された荷重センサ120および載置モジュール130を見ることができる。荷重センサは、この場合、荷重モータ110のハブ21とは反対の軸方向側116、すなわち荷重モータ110のいわゆるb側に配置されている。荷重モータ110、荷重センサ120、および載置モジュール130は、共に、本発明による試験台100の可能な実施形態を表す。自動車20は、部分的にしか見ることができない。見やすさを考慮して、
図2では、自動車20の、ハブ21、振動ダンパ22、およびホイールリンク機構23のみを見ることができる。
【0046】
見て分かるように、更なる軸113は、中空軸112を通って導かれている。更なる軸113は、自動車20のハブ21に面するその端部に、プレート状の端部部品113’を備える。プレート状の端部部品113’を介して、軸113は、この例によれば、ハブ21に平坦に当接し、フランジ接続を介して、回転不能な状態でハブ21と接続されている。この目的のために、載置モジュール130は同心の開口部131を備える。ハブ21は、同心の開口部131を介して、荷重モータ110に面する側からアクセス可能である。軸113は、ハブ21とは反対のその端部において、荷重センサ120と駆動連結されている。荷重センサ120自体も、中空軸112と駆動連結されている。したがって、すなわち、モータ軸112から荷重センサ120および更なる軸113を介するハブ21への駆動連結が、存在する。ハブ21は、自動車20のドライブトレインの端部部材であるため、自動車20のドライブトレインへの駆動接続も存在する。その結果、ドライブトレインに荷重をかけて試験することができる。荷重センサ120が、中空軸112と軸113との間に駆動自在に配置されていることによって、荷重センサ120は、荷重モータ110からハブ21に伝達される荷重、またはハブ21に伝達されるトルクを、検出することができる。さらに、角度オフセットおよび径方向オフセットを補償するために、荷重センサ120と中空軸112との間に、補償カップリング121が駆動自在に設けられている。荷重モータ110は、さらに、ハブ21に面するその軸方向側115、この例によれば荷重モータ110のいわゆるa側で、フランジ接続を介して、回転不能な状態で載置モジュール130と接続されている。
【0047】
荷重モータ110は、この場合、載置モジュール130の径方向の外側部分135と回転不能な状態で接続されている。径方向の内側部分136は、外側部分135に回転可能な状態で保持されている。内側部分136は、同心の開口部131を備える。この構成によって、載置モジュール130は、間接的にのみ荷重モータ110を介してハブ21に保持されている。試験動作において、荷重モータ110は、載置モジュール130の外側部分135を介して支持されるため、ハブ21に荷重を導入することができる。載置モジュール130には、空気入りタイヤ138も配置されている。この例によれば、空気入りタイヤ138は、自動車20の道路における動作にも承認されている空気入りタイヤ138である。自動車20は、試験プロセスの間に空気入りタイヤ138の上に立つ。そのため、常に非常に現実に近い、自動車20のドライブトレインの試験挙動がもたらされる。
【0048】
図4は、例示的かつ概略的に、本発明による試験台100の更なる可能な実施形態を示す。
図4の試験台100は、この場合、
図3の試験台100と比較して、載置モジュール130の構成が異なる。この例によれば、載置モジュール130の上に、空気入りタイヤ138に代わって、ゴムコーティング139が配置されている。ゴムコーティング139によって、同様に、載置モジュール130をベース上で比較的現実に近づけて支持することが可能である。しかしながら、この場合、空気入りタイヤ138とは対照的に、その都度適切な空気入りタイヤ138を別個に選択して、載置モジュール130の上に取り付ける必要がない。その代わりに、ゴムコーティング139を、載置モジュール130の上に堅固に、かつ永続的に配置することができる。
【0049】
図5は、例示的かつ概略的に、本発明による試験台100のまた更なる可能な実施形態を示す。
図5の試験台100は、この場合、
図4の試験台100と比較して、載置モジュール130の構成のみが異なる。この例によれば、載置モジュール130は、径方向の外側部分135に回転可能な状態で保持されるであろう径方向の内側部分136を備えない。その代わりに、
図5の載置モジュール130は、1つの同心の開口部131のみを有する。さらに、
図5の試験台100では、径方向で中空軸112と軸113との間に、横方向の力および軸方向の力を受容するための、2つの軸方向に互いに離間された軸受137が配置されている。これによって、荷重モータの重力によって発生する横力を、これが荷重センサ120に作用することなく、支持することができる。これによって、荷重センサ120の測定精度を向上させることができる。
【0050】
図6は、例示的かつ概略的に、本発明による試験台100のまた更なる可能な実施形態を示す。
図6の試験台100は、この場合、載置モジュール130の構成が
図3の試験台100とは異なる。
図6の実施形態によれば、載置モジュール130は、径方向の外側部分135および径方向の内側部分136を備える。内側部分136は、軸113および荷重モータ110を介して保持される。しかしながら、載置モジュール130は、同心の開口部131を備えない。その代わりに、載置モジュール130の内側部分136は、一方ではハブ21と回転不能な状態で接続され、他方では軸113と回転不能な状態で接続されている。加えて、載置モジュール130はブロック装置132を備える。ブロック装置132は、外側部分135が、荷重モータ110の方向に変位され、これによって、もはや内側部分136と共通する平面内に位置せず、その結果、ブロック装置132が内側部分136と外側部分135との間でブロック効果を発揮できないことによって、荷重モータ110が取り付けられた状態で、内側部分136が外側部分135に対して回転することを可能にする。内側部分136および外側部分135が、ブロック装置と共に1つの平面にあるときにのみ、ブロック装置132は回転可能性をブロックする。これによって、自動車20は自力で動くことができ、対応して、試験のために容易に位置決めされ、位置合わされ得るという利点がもたらされる。
【0051】
図7は、例示的かつ概略的に、試験台100のための本発明による載置モジュール130の可能な実施形態を示す。
図7の載置モジュール130は、
図6の載置モジュール130と以下の点で異なる。すなわち、荷重モータ110(
図7には図示されず)が軸113の上に取り付けられていないため、ブロックされた状態のブロック装置132を見ることができる。内側部分136は外側部分135に対して回転させることができないため、この状態において、自動車20は自力で移動することができる。
【0052】
図8は、例示的かつ概略的に、本発明による試験台100のまた更なる可能な実施形態を示す。
図8の試験台100は、この場合、
図6の試験台100と以下の点で異なる。すなわち、一方では、上からモータハウジング111に係合し、そうでなければ載置モジュール130において支持されねばならない荷重モータ110の傾斜モメントを受容する、モータ支持部118の存在である。この例によれば、モータ支持部118は、試験台100の上で適切な構造に取り付けられているワイヤケーブル118である。この例によれば、モータ支持部118は、さらに、補償要素119を含む。補償要素119は、予張力をかけることができるバネを含み、バネの設定された予張力を介して、荷重モータ110の傾斜モメントを正確に支持する。他方では、
図8の試験台110は、また、3つの空間方向に調整可能であり、3つの軸(それぞれ矢印によって表される)の周りを回転可能な支持プランジャ133の存在によって、
図6の試験台100と異なる。載置モジュール130は、試験プロセスの間、支持プランジャ133の上で支持することができる。試験プロセスの間に、支持プランジャ133を対応して作動させることによって、例えば、自動車20の走行の間の不均一なベースがシミュレーションされる。同様に、可能性のあるベースのほぼ全ての他の影響も、特に自動車20の操舵可能な車輪の操舵運動に関連しても、シミュレーションされる。
【符号の説明】
【0053】
10 試験台
11 荷重ユニット
12 連結軸
13 駆動モータ
14 端子ボックス
15 フレーム
16 支持要素
20 自動車
21 ハブ
22 振動ダンパ
23 ホイールリンク機構
100 試験台
110 荷重モータ、電気モータ、永久励磁式の同期モータ
111 モータハウジング
112 モータ軸、中空軸
113 軸
113’ プレート状の端部部品
115 ハブに面する軸方向側
116 ハブとは反対の軸方向側
117 インバータ
118 モータ支持部、ワイヤケーブル
119 補償要素
120 荷重センサ、トルクセンサ
121 カップリング
130 載置モジュール
131 同心の開口部
132 ブロック装置
133 支持プランジャ
135 径方向の外側部分
136 径方向の内側部分
137 軸受
138 空気入りタイヤ
139 ゴムコーティング
【国際調査報告】