(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-11
(54)【発明の名称】心臓弁用の組織収縮インプラント
(51)【国際特許分類】
A61F 2/24 20060101AFI20240304BHJP
【FI】
A61F2/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558600
(86)(22)【出願日】2022-03-21
(85)【翻訳文提出日】2023-11-22
(86)【国際出願番号】 IB2022052523
(87)【国際公開番号】W WO2022200972
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521013769
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ イノベーション (イスラエル) リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マウリシオ・ゲレロ
(72)【発明者】
【氏名】ミーナ・フランシス
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・エム・テイラー
(72)【発明者】
【氏名】リンゼイ・マリー・ホール
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097BB09
4C097CC05
4C097CC16
4C097SB09
4C097SB10
(57)【要約】
心臓の心房と心室との間の弁で使用するためのシステムは、カテーテル(170)、第一の部分組立品(112a)、第二の部分組立品(112b)、およびツール(180)を含む。カテーテルは、心臓に対して経管腔的に前進可能である。部分組立品の各々は、(i)二つの端部分(132a、132b、134a、134b)およびそれらの間の湾曲部(136a、136b)を有し、湾曲部を初めとして、遠位にカテーテルから出て心臓内に前進可能である、テザー(130a、130b)と、(ii)アンカーがシリーズで湾曲部に摺動可能に連結されるように、湾曲部を心臓の組織に固定するように構成されたアンカー(120)のセット(118a、118b)と、を含む。ツールは、両方の湾曲部に向かって両方のテザーの両方の端部分の上に摺動可能であり、端部分の各々を選択的に引っ張ることによって、各テザーに選択的に張力を加えるように構成されている。他の実施形態も記載されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の心臓の心房と心室との間に配置される弁と使用するためのシステムであって、
前記心臓に対して経管腔的に前進可能なカテーテルと、
第一の部分組立品であって、
第一の端部分、第二の端部分、および前記第一の端部分と前記第二の端部分との間の第一の湾曲部を有し、湾曲部を初めとして、前記カテーテルから出て前記心臓内に遠位に前進可能な、第一のテザーと、
第一のセットのアンカーが第一のシリーズで前記第一の湾曲部に摺動可能に連結されるように、前記第一の湾曲部を前記心臓の組織に固定するように構成される、第一のセットのアンカーと、を備える、第一の部分組立品と、
第二の部分組立品であって、
第三の端部分、第四の端部分、および前記第三の端部分と前記第四の端部分との間の第二の湾曲部を有し、湾曲部を初めとして、前記カテーテルから出て前記心臓内に遠位に前進可能な、第二のテザーと、
第二のセットのアンカーが第二のシリーズで前記第二の湾曲部に摺動可能に連結されるように、前記第二の湾曲部を前記心臓の組織に固定するように構成される、第二のセットのアンカーと、を備える、第二の部分組立品と、
前記第一の湾曲部および前記第二の湾曲部に向かって前記第一の端部分、前記第二の端部分、前記第三の端部分、および前記第四の端部分の上で摺動可能であり、前記第一の端部分、前記第二の端部分、前記第三の端部分、および前記第四の端部分を互いに選択的に引っ張ることによって、前記第一のテザーおよび前記第二のテザーに選択的に張力を加えるように構成される、ツールと、を備える、システム。
【請求項2】
前記第一のセットの各アンカーを前記心臓の前記組織に固定するように構成されたドライバーをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ドライバーが、前記第一のセットの第一のアンカーに連結される間に前記心臓に経管腔的に前進され、前記第一のアンカーを前記組織に固定するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ドライバーが、前記第一のセットの前記第一のアンカーが前記第一の湾曲部に摺動可能に連結される間に、前記心臓に経管腔的に前進される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ドライバーが、前記第一のセットの前記第一のアンカーが前記第一の湾曲部に摺動可能に連結されている間に、前記第一のセットの前記第一のアンカーを、前記カテーテルを通って経管腔的に前進させることによって、前記カテーテルを通して前記第一の湾曲部を心臓に経管腔的に前進させるように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記ドライバーが、前記第一の端部分の上および前記第一の端部分に沿って前記第一の湾曲部に前記第一のセットの第二のアンカーを摺動し、その後、前記第二のアンカーを前記組織に固定し、それによって、前記第一の湾曲部の少なくとも一部を、前記第一のセットの前記第一のアンカーと前記第二のアンカーとの間に、前記組織に沿って配置するように構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記ドライバーが、前記心房内に、
前記第一のセットの各アンカーを、前記心臓の前記組織に沿って第一の列に固定し、それによって、前記組織に沿って前記第一の湾曲部の少なくとも一部を配置し、
前記第二のセットの各アンカーを、前記心臓の前記組織に沿って第二の列に固定し、前記第二の列が、前記第一の列から前記弁を横切り、それによって、前記第一の湾曲部から前記弁を横切って前記組織に沿って前記第二の湾曲部の少なくとも一部を配置するように構成される、請求項2~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記第一のセットの前記アンカーが前記第一の列に固定され、前記第二のセットの前記アンカーが前記第二の列に固定されると、前記ツールが、前記第一の端部分、前記第二の端部分、前記第三の端部分、および前記第四の端部分の上での前記ツールの摺動が、前記第一の端部分、前記第二の端部分、前記第三の端部分、および前記第四の端部分を引き込み、前記第一の列と前記第二の列との間の途中のブリッジノードで収束するように構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ツールが、ロックを前記第一の湾曲部および前記第二の湾曲部に向かって前記第一の端部分、前記第二の端部分、前記第三の端部分、および前記第四の端部分の上で前進させ、前記ロックを前記第一の端部分、前記第二の端部分、前記第三の端部分、および前記第四の端部分に係止することによって、前記第一のテザーおよび前記第二のテザーに張力を係止するように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記弁が、弁口を画定する弁輪を有し、前記ツールが、前記ロックが前記弁口の上に位置付けられるように、前記ロックを前記第一の端部分、前記第二の端部分、前記第三の端部分、および前記第四の端部分に係止するように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載のシステムであって、前記ツールが、
前記第一の端部分を引っ張るように構成された第一のテザーコントローラと、
前記第二の端部分を引っ張るように構成された第二のテザーコントローラと、
前記第三の端部分を引っ張るように構成された第三のテザーコントローラと、
前記第四の端部分を引っ張るように構成された第四のテザーコントローラと、を備える、ユーザーインターフェースを備える体外近位部分を有する、システム。
【請求項12】
前記ツールが、前記第一の端部分、前記第二の端部分、前記第三の端部分、および前記第四の端部分の上での前記ツールの前記前進に続いて、
前記第一のテザーコントローラを前記第一の端部分に、
前記第二のテザーコントローラを前記第二の端部分に、
前記第三のテザーコントローラを前記第三の端部分に、
前記第四のテザーコントローラを前記第四の端部分に係合するように構成された、少なくとも一つの係合コントローラを備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
対象者の心臓の心房と心室との間に配置された弁で使用するための方法であって、前記弁が弁口を画定し、前記弁口を囲む弁輪を有し、前記方法が、
前記心房内に、第一のテザーの第一の端部分および第二の端部分が前記心臓の外側に配置され、第一の湾曲部および第一のシリーズが第一のアンカー固定組立品を画定するように、前記弁輪の第一の部分に、前記第一の湾曲部に摺動可能に連結される前記第一のシリーズのアンカーを固定することによって、前記弁輪の前記第一の部分に沿って前記第一のテザーの前記第一の湾曲部を配置することと、
前記心房内に、第二のテザーの第三の端部分および第四の端部分が前記心臓の外側に配置され、第二の湾曲部および第二のシリーズが第二のアンカー固定組立品を画定するように、前記弁輪の第二の部分に、前記第二の湾曲部に摺動可能に連結される前記第二のシリーズのアンカーを固定することによって、前記弁輪の前記第二の部分に沿って前記第二のテザーの前記第二の湾曲部を配置することと、
その後、ツールを、前記第一の端部分、前記第二の端部分、前記第三の端部分、および前記第四の端部分の上に、かつ前記第一の端部分、前記第二の端部分、前記第三の端部分、および前記第四の端部分に沿って、
前記ツールの遠位端で、ブリッジノードと、
前記第一のアンカー固定組立品と前記ブリッジノードとの間に延在する、第一のブリッジ部分としての前記第一のテザーの一部と、
前記第一のアンカー固定組立品と前記ブリッジノードとの間に延在する、第二のブリッジ部分としての前記第一のテザーの別の部分と、
前記第二のアンカー固定組立品と前記ブリッジノードとの間に延在する、第三のブリッジ部分としての前記第二のテザーの一部と、
前記第二のアンカー固定組立品と前記ブリッジノードとの間に延在する、第四のブリッジ部分としての前記第二のテザーの別の部分と、を画定するような様式で、前記心房内に経管腔的に前進させることであって、前記第一のブリッジ部分、前記第二のブリッジ部分、前記第三のブリッジ部分、および前記第四のブリッジ部分が前記ブリッジノードで収束する、前進させることと、
その後、前記第一のアンカー固定組立品の少なくとも一部を前記第二のアンカー固定組立品の近くに引き込むことによって、前記第一のテザーおよび前記第二のテザーに張力を加えることによって、前記弁輪を再形成することと、
その後、前記ブリッジノードで前記第一のテザーおよび前記第二のテザーにロックを係止することによって、前記第一のテザーおよび前記第二のテザーの張力を係止することと、を含む、方法。
【請求項14】
前記第一のシリーズのアンカーが、前記第一の湾曲部上にねじ込まれ、前記第一のシリーズのアンカーを前記弁輪の前記第一の部分に固定することが、前記弁輪の前記第一の部分に、前記第一の湾曲部上にねじ込まれる前記第一のシリーズのアンカーを固定することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第一のテザーおよび前記第二のテザーに張力を加えることが、前記第二のテザーに張力を加えることとは独立して、前記第一のテザーに張力を加えることを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記第一のテザーおよび前記第二のテザーに張力を加えることが、前記第一の端部分を引っ張ることと、前記第一の端部分を引っ張ることとは独立して前記第三の端部分を引っ張ることと、を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記第一のテザーおよび前記第二のテザーに張力を加えることが、前記第一の端部分を引っ張ることと、前記第一の端部分を引っ張ることとは独立して前記第二の端部分を引っ張ることと、を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
請求項13~17のいずれか一項に記載の方法であって、
前記第一のシリーズのアンカーおよび前記第二のシリーズのアンカーを固定することが、前記第一のシリーズおよび前記第二のシリーズの各々について、(i)前記シリーズの前記アンカーのうちの一つが、前記シリーズの第一の末端アンカーであり、前記シリーズの第一の端部に配置され、(ii)前記シリーズの前記アンカーの別のアンカーが、前記シリーズの第二の末端アンカーであり、前記シリーズの第二の反対側の端部に配置されるように、前記第一のシリーズのアンカーおよび前記第二のシリーズのアンカーを固定することと、
前記ツールを経管腔的に前進させることが、
前記第一のブリッジ部分が、前記ブリッジノードと前記第一のシリーズの前記第一の末端アンカーとの間に延在し、
前記第二のブリッジ部分が、前記ブリッジノードと前記第一のシリーズの前記第二の末端アンカーとの間に延在し、
前記第三のブリッジ部分が、前記ブリッジノードと前記第二のシリーズの前記第一の末端アンカーとの間に延在し、
前記第四のブリッジ部分が、前記ブリッジノードと前記第二のシリーズの前記第二の末端アンカーとの間に延在するように、経管腔的に前進させることを含む、方法。
【請求項19】
前記弁輪の前記第一の部分が、前記弁の第一の弁尖の根底にあり、前記弁輪の前記第二の部分が、前記弁の第二の弁尖の根底にあり、前記弁輪を再形成することが、前記第一の弁尖および前記第二の弁尖を互いに向かって引き込むことを含む、請求項13~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記弁が、前記心臓の僧帽弁であり、前記弁輪を再形成することが、前記僧帽弁の前記弁輪を再形成することを含む、請求項13~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記弁が、前記心臓の三尖弁であり、前記弁輪を再形成することが、前記三尖弁の前記弁輪を再形成することを含む、請求項13~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記弁輪の前記第一の部分に沿って前記第一の湾曲部を配置することが、
前記第一のシリーズの第一のアンカーが前記第一の湾曲部に摺動可能に連結される間に、前記第一のシリーズの前記第一のアンカーを前記心房に経管腔的に前進させることによって、前記第一の湾曲部を前記心房に経管腔的に前進させることと、
その後、前記第一のシリーズの前記第一のアンカーを固定することと、
その後、前記第一のシリーズの第二のアンカーを前記第一の端部分の上および前記第一の端部分に沿って、前記第一のシリーズの前記第一のアンカーに向かって、前記心房内に経管腔的に前進させることと、
その後、前記第一のシリーズの前記第二のアンカーを前記弁輪の前記第一の部分に固定することと、を含む、請求項13~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記弁輪の前記第一の部分に沿って前記第一の湾曲部を配置することが、
前記第一のシリーズの前記第二のアンカーを固定することに続いて、前記第一のシリーズの第三のアンカーを、前記第一の端部分の上および前記第一の端部分に沿って、前記第一のシリーズの前記第二のアンカーに向かって、前記心房内に経管腔的に前進させることと、
その後、前記第一のシリーズの前記第三のアンカーを前記弁輪の前記第一の部分に固定することと、を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記弁輪の前記第一の部分に沿って前記第一の湾曲部を配置することが、
前記第一のシリーズの前記第二のアンカーを固定することに続いて、前記第一のシリーズの第三のアンカーを、前記第二の端部分の上および前記第二の端部分に沿って、前記第一のシリーズの前記第二のアンカーに向かって、前記心房内に経管腔的に前進させることと、
その後、前記第一のシリーズの前記第三のアンカーを前記弁輪の前記第一の部分に固定することと、を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記第一の湾曲部を前記心房に経管腔的に前進させることが、前記第一のシリーズの前記第一のアンカーと係合するアンカードライバーを使用して、前記第一の湾曲部を前記心房に経管腔的に前進させることを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記第一のシリーズの前記第一のアンカーを固定した後、および前記第一のシリーズの前記第二のアンカーを前進させる前に、前記アンカードライバーを対象者から引き抜くことをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第一のシリーズの前記第二のアンカーを経管腔的に前進させることが、前記アンカードライバーを使用して、前記第一のシリーズの前記第二のアンカーを経管腔的に前進させることを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記ブリッジノードで前記ロックを前記第一のテザーおよび前記第二のテザーに係止することが、前記ブリッジノードで前記ロックを前記第一のブリッジ部分、前記第二のブリッジ部分、前記第三のブリッジ部分、および前記第四のブリッジ部分に係止することを含む、請求項13~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記ロックを前記第一のブリッジ部分、前記第二のブリッジ部分、前記第三のブリッジ部分、および前記第四のブリッジ部分に係止することが、(i)前記ロックの第一の係止要素を前記第一のブリッジ部分に係止することと、(ii)前記第一の係止要素を前記第一のブリッジ部分に係止することとは別に、前記ロックの第二の係止要素を前記第二のブリッジ部分に係止することと、を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記ブリッジノードならびに前記第一のブリッジ部分、前記第二のブリッジ部分、前記第三のブリッジ部分、および前記第四のブリッジ部分を画定する様式で前記ツールを前進させることに続いて、かつ前記張力を前記第一のテザーおよび前記第二のテザーで係止する前に、前記ツールの前記遠位端を、
前記ブリッジノードを再配置し、
前記第一のブリッジ部分、前記第二のブリッジ部分、前記第三のブリッジ部分、および前記第四のブリッジ部分のうちの少なくとも一つを長くし、
前記第一のブリッジ部分、前記第二のブリッジ部分、前記第三のブリッジ部分、および前記第四のブリッジ部分のうちの少なくとももう一つを短くするような様式で再配置することをさらに含む、請求項13~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記ツールの前記遠位端を再配置することが、前記ブリッジノードを前記第一のアンカー固定組立品から離れて、かつ前記第二のアンカー固定組立品に向かって再配置するように、前記ツールの前記遠位端を再配置することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記ブリッジノードを画定するような様式で前記ツールを前記心房内に前進させることが、前記ブリッジノードを前記心房内に画定する様式で前記ツールを前進させることを含む、請求項13~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記ブリッジノードを前記心房内に画定するような様式で前記ツールを前進させることが、前記ブリッジノードの上で前記弁の前記弁口を画定する様式で前記ツールを前進させることを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
シミュレーション心臓のシミュレーション心房とシミュレーション心室との間に配置されるシミュレーション弁で使用するための方法であって、前記シミュレーション弁が、シミュレーション弁口を画定し、前記シミュレーション弁口を囲むシミュレーション弁輪を有し、前記方法が、
前記シミュレーション心房内に、第一のテザーの第一の端部分および第二の端部分が前記シミュレーション心臓の外側に配置され、第一の湾曲部および第一のシリーズが第一のアンカー固定組立品を画定するように、前記シミュレーション弁輪の第一の部分に、前記第一の湾曲部に摺動可能に連結される前記第一のシリーズのアンカーを固定することによって、前記シミュレーション弁輪の前記第一の部分に沿って前記第一のテザーの前記第一の湾曲部を配置することと、
前記シミュレーション心房内に、第二のテザーの第三の端部分および第四の端部分が前記シミュレーション心臓の外側に配置され、第二の湾曲部および第二のシリーズが第二のアンカー固定組立品を画定するように、前記シミュレーション弁輪の第二の部分に、前記第二の湾曲部に摺動可能に連結される前記第二のシリーズのアンカーを固定することによって、前記シミュレーション弁輪の前記第二の部分に沿って前記第二のテザーの前記第二の湾曲部を配置することと、
その後、ツールを、前記第一の端部分、前記第二の端部分、前記第三の端部分、および前記第四の端部分の上でかつ前記第一の端部分、前記第二の端部分、前記第三の端部分、および前記第四の端部分に沿って、前記シミュレーション心房内に、
前記ツールの遠位端での、ブリッジノードと、
前記第一のアンカー固定組立品と前記ブリッジノードとの間に延在する、第一のブリッジ部分としての前記第一のテザーの一部と、
前記第一のアンカー固定組立品と前記ブリッジノードとの間に延在する、第二のブリッジ部分としての前記第一のテザーの別の部分と、
前記第二のアンカー固定組立品と前記ブリッジノードとの間に延在する、第三のブリッジ部分としての前記第二のテザーの一部と、
前記第二のアンカー固定組立品と前記ブリッジノードとの間に延在する、第四のブリッジ部分としての前記第二のテザーの別の部分と、を画定するような様式で前進させることであって、前記第一のブリッジ部分、前記第二のブリッジ部分、前記第三のブリッジ部分、および前記第四のブリッジ部分が前記ブリッジノードで収束する、前進させることと、
その後、前記第一のアンカー固定組立品の少なくとも一部を前記第二のアンカー固定組立品の近くに引き込むことによって、前記第一のテザーおよび前記第二のテザーに張力を加えることによって、前記シミュレーション弁輪を再形成することと、
その後、前記ブリッジノードで前記第一のテザーおよび前記第二のテザーにロックを係止することによって、前記第一のテザーおよび前記第二のテザーの前記張力を係止することと、を含む、方法。
【請求項35】
前記第一のシリーズのアンカーが、前記第一の湾曲部上にねじ込まれ、前記第一のシリーズのアンカーを前記シミュレーション弁輪の前記第一の部分に固定することが、前記シミュレーション弁輪の前記第一の部分に、前記第一の湾曲部上にねじ込まれる前記第一のシリーズのアンカーを固定することを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記第一のテザーおよび前記第二のテザーに張力を加えることが、前記第二のテザーに張力を加えることとは独立して、前記第一のテザーに張力を加えることを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記第一のテザーおよび前記第二のテザーに張力を加えることが、前記第一の端部分を引っ張ることと、前記第一の端部分を引っ張ることとは独立して前記第三の端部分を引っ張ることと、を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
前記第一のテザーおよび前記第二のテザーに張力を加えることが、前記第一の端部分を引っ張ることと、前記第一の端部分を引っ張ることとは独立して前記第二の端部分を引っ張ることと、を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
前記第一のシリーズのアンカーおよび前記第二のシリーズのアンカーを固定することが、前記第一のシリーズおよび前記第二のシリーズの各々について、(i)前記シリーズの前記アンカーのうちの一つが、前記シリーズの第一の末端アンカーであり、前記シリーズの第一の端部に配置され、(ii)前記シリーズの前記アンカーの別のアンカーが、前記シリーズの第二の末端アンカーであり、前記シリーズの第二の反対側の端部に配置されるように、前記第一のシリーズのアンカーおよび前記第二のシリーズのアンカーを固定することを含み、
前記ツールを経管腔的に前進させることが、
前記第一のブリッジ部分が、前記ブリッジノードと前記第一のシリーズの前記第一の末端アンカーとの間に延在し、
前記第二のブリッジ部分が、前記ブリッジノードと前記第一のシリーズの前記第二の末端アンカーとの間に延在し、
前記第三のブリッジ部分が、前記ブリッジノードと前記第二のシリーズの前記第一の末端アンカーとの間に延在し、
前記第四のブリッジ部分が、前記ブリッジノードと前記第二のシリーズの前記第二の末端アンカーとの間に延在するように、前記ツールを前進させることと、を含む、請求項34~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記シミュレーション弁輪の前記第一の部分が、前記シミュレーション弁の第一の弁尖の根底にあり、前記シミュレーション弁輪の前記第二の部分は、前記シミュレーション弁の第二の弁尖の根底にあり、前記シミュレーション弁輪を再成形することが、前記第一の弁尖および前記第二の弁尖を互いに向かって引き込むことを含む、請求項34~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記シミュレーション弁が、前記シミュレーション心臓のシミュレーション僧帽弁であり、前記シミュレーション弁輪を再形成することが、前記シミュレーション僧帽弁の前記シミュレーション弁輪を再形成することを含む、請求項34~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記シミュレーション弁が、前記シミュレーション心臓のシミュレーション三尖弁であり、前記シミュレーション弁輪を再形成することが、前記シミュレーション三尖弁の前記シミュレーション弁輪を再形成することを含む、請求項34~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記シミュレーション弁輪の前記第一の部分に沿って前記第一のテザーの前記湾曲部を配置することが、
前記第一のシリーズの第一のアンカーが前記第一の湾曲部に摺動可能に連結される間に、前記第一のシリーズの前記第一のアンカーを前記シミュレーション心房に前進させることによって、前記第一の湾曲部を前記シミュレーション心房に前進させることと、
その後、前記第一のシリーズの前記第一のアンカーを固定することと、
その後、前記第一のシリーズの第二のアンカーを前記第一の端部分の上および前記第一の端部分に沿って、前記第一のシリーズの前記第一のアンカーに向かって、前記シミュレーション心房内に前進させることと、
その後、前記第一のシリーズの前記第二のアンカーを前記シミュレーション弁輪の前記第一の部分に固定することと、を含む、請求項34~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記シミュレーション弁輪の前記第一の部分に沿って前記第一のテザーの前記湾曲部を配置することが、
前記第一のシリーズの前記第二のアンカーを固定することに続いて、前記第一のシリーズの第三のアンカーを、前記第一の端部分の上および前記第一の端部分に沿って、前記第一のシリーズの前記第二のアンカーに向かって、前記シミュレーション心房内に前進させることと、
続いて、前記第一のシリーズの前記第三のアンカーを前記シミュレーション弁輪の前記第一の部分に固定することと、を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記シミュレーション弁輪の前記第一の部分に沿って前記第一のテザーの前記湾曲部を配置することが、
前記第一のシリーズの前記第二のアンカーを固定することに続いて、前記第一のシリーズの第三のアンカーを、前記第二の端部分の上および前記第二の端部分に沿って、前記第一のシリーズの前記第二のアンカーに向かって、前記シミュレーション心房内に前進させることと、
その後、前記第一のシリーズの前記第三のアンカーを前記シミュレーション弁輪の前記第一の部分に固定することと、を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記第一の湾曲部を前記シミュレーション心房に前進させることが、前記第一のシリーズの前記第一のアンカーと係合するアンカードライバーを使用して、前記第一の湾曲部を前記シミュレーション心房に前進させることを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記第一のシリーズの前記第一のアンカーを固定した後、および前記第一のシリーズの前記第二のアンカーを前進させる前に、前記アンカードライバーを前記シミュレーション心臓から引き抜くことをさらに含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記第一のシリーズの前記第二のアンカーを前進させることが、前記アンカードライバーを使用して、前記第一のシリーズの前記第二のアンカーを前進させることを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記ブリッジノードで前記ロックを前記第一のテザーおよび前記第二のテザーに係止することが、前記ブリッジノードで前記ロックを前記第一のブリッジ部分、前記第二のブリッジ部分、前記第三のブリッジ部分、および前記第四のブリッジ部分に係止することを含む、請求項34~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記ロックを前記第一のブリッジ部分、前記第二のブリッジ部分、前記第三のブリッジ部分、および前記第四のブリッジ部分に係止することが、(i)前記ロックの第一の係止要素を前記第一のブリッジ部分に係止することと、(ii)前記第一の係止要素を前記第一のブリッジ部分に係止することとは別に、前記ロックの第二の係止要素を前記第二のブリッジ部分に係止することと、を含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記ブリッジノードおよび前記ブリッジ部分を画定する様式で前記ツールを前進させることに続いて、かつ第一のテザーおよび前記第二のテザーの前記張力を係止する前に、
前記ブリッジノードを再配置し、
前記ブリッジ部分のうちの少なくとも一つを長くし、かつ
前記ブリッジ部分のうちの少なくとも別の部分を短くする様式で、前記ツールの前記遠位端を再配置することをさらに含む、請求項34~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記ツールの前記遠位端を再配置することが、前記ブリッジノードを前記第一のアンカー固定組立品から離れて、かつ前記第二のアンカー固定組立品に向かって再配置するような様式で、前記ツールの前記遠位端を再配置することを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記ブリッジノードを画定するような様式で前記ツールを前記シミュレーション心房内に前進させることが、前記ブリッジノードを前記シミュレーション心房内に画定する様式で前記ツールを前進させることを含む、請求項34~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記ブリッジノードを前記シミュレーション心房内に画定するような様式で前記ツールを前進させることが、前記ブリッジノードの上に前記シミュレーション弁の前記弁口を画定する様式で前記ツールを前進させることを含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
対象者の心臓の心房と心室との間に配置される弁と使用するためのシステムであって、
前記心臓に対して経管腔的に前進可能なカテーテルと、
前記心臓内の前記カテーテルから展開可能なインプラントであって、
第一のアンカー固定組立品および第二のアンカー固定組立品であって、前記第一のアンカー固定組立品および前記第二のアンカー固定組立品の各々が、
複数のアンカーと、
前記複数のアンカーを互いに接続するコネクタと、を備える、第一のアンカー固定組立品および第二のアンカー固定組立品と、
一つ以上のブリッジであって、前記第一のアンカー固定組立品を前記第二のアンカー固定組立品に連結し、調整可能なブリッジ長さを有する、一つ以上のブリッジと、を含む、インプラントと、
前記カテーテルを通して延在可能であり、前記ブリッジの各々が前記弁を少なくとも部分的に横切って延在するように、前記第一のアンカー固定組立品の前記アンカーを使用して、前記第一のアンカー固定組立品を前記心房内に、前記弁の第一の側面で固定し、前記第二のアンカー固定組立品の前記アンカーを使用して、前記第二のアンカー固定組立品を前記心房内に、前記弁の第二の側面で固定するように構成される、ドライバーと、
前記心臓に経管腔的に前進可能であり、前記ブリッジのうちの少なくとも一つの前記ブリッジ長さを調整することによって、前記第一のアンカー固定組立品と前記第二のアンカー固定組立品との間の距離を調整するように構成されるツールと、を含む、システム。
【請求項56】
前記ツールが、前記インプラントに経管腔的に前進可能であり、前記心房内の前記インプラントと係合するように構成される、請求項55に記載のシステム。
【請求項57】
前記弁が弁輪および弁尖を有し、前記弁輪が、その中に前記弁尖が配置される弁口を囲み、前記ツールが、前記弁口の上で、前記心房内で、前記インプラントと係合するように構成される、請求項55に記載のシステム。
【請求項58】
前記ツールが、前記第一のアンカー固定組立品と前記第二のアンカー固定組立品との間で前記インプラントと排他的に係合するように構成される、請求項55に記載のシステム。
【請求項59】
前記アンカー固定組立品の各々の前記コネクタが剛性である、請求項55~58のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項60】
前記アンカー固定組立品の各々の前記コネクタが可撓性である、請求項55~58のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項61】
前記アンカー固定組立品の各々の前記コネクタが、軸方向に収縮可能である、請求項55~60のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項62】
前記アンカー固定組立品の各々の前記コネクタが、軸方向の収縮に対して耐性がある、請求項55~60のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項63】
前記ブリッジの各々が、前記第一のアンカー固定組立品および前記第二のアンカー固定組立品のうちの一つに関節動作可能に連結される、請求項55~62のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項64】
前記一つ以上のブリッジが、
前記第一のアンカー固定組立品の第一の部分から延在する第一のブリッジと、
前記第一のアンカー固定組立品の第二の部分から延在する第二のブリッジと、
前記第二のアンカー固定組立品の第一の部分から延在する第三のブリッジと、
前記第二のアンカー固定組立品の第二の部分から延在する第四のブリッジと、を含み、
前記第一のブリッジ、前記第二のブリッジ、前記第三のブリッジ、および前記第四のブリッジが、前記第一のアンカー固定組立品と前記第二のアンカー固定組立品との間の途中のブリッジノードで収束する、請求項55~63のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項65】
前記インプラントが、
第一のテザーであって、
前記ブリッジノードから前記第一のアンカー固定組立品の前記第一の部分までループし、それによって前記第一のブリッジを画定し、
前記第一のアンカー固定組立品の前記第一の部分から前記第一のアンカー固定組立品の前記第二の部分までループし、それによって前記第一のアンカー固定組立品の前記コネクタを画定し、
前記第一のアンカー固定組立品の前記第二の部分から前記ブリッジノードにループして戻り、それによって前記第二のブリッジを画定する、第一のテザーと、
第二のテザーであって、
前記ブリッジノードから前記第二のアンカー固定組立品の前記第一の部分までループし、それによって前記第三のブリッジを画定し、
前記第二のアンカー固定組立品の前記第一の部分から前記第二のアンカー固定組立品の前記第二の部分までループし、それによって前記第二のアンカー固定組立品の前記コネクタを画定し、
前記第二のアンカー固定組立品の前記第二の部分から前記ブリッジノードにループして戻り、それによって前記第四のブリッジを画定する、第二のテザーと、を含む、請求項64に記載のシステム。
【請求項66】
ロックをさらに備え、前記ツールが、
前記第一のテザーおよび前記第二のテザーに張力を加えることによって、前記第一のブリッジ、前記第二のブリッジ、前記第三のブリッジ、および前記第四のブリッジの前記ブリッジ長さを調整し、
前記ロックを前記第一のテザーおよび前記第二のテザーに係止することによって、前記第一のテザーおよび前記第二のテザーに前記張力を係止するように構成される、請求項65に記載のシステム。
【請求項67】
前記ブリッジの各々が、互いに対して軸方向に摺動可能な第一のブリッジ構成要素および第二のブリッジ構成要素を備え、
前記インプラントが、一つ以上の調整機構をさらに含み、前記調整機構の各々が、前記調整機構の各々について、前記調整機構の作動が、それぞれのブリッジの前記第一のブリッジ構成要素および前記第二のブリッジ構成要素を互いに対して摺動させることによって、前記それぞれのブリッジの前記ブリッジ長さを調整するように、前記ブリッジのそれぞれのブリッジに動作可能に連結される、請求項55~66のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項68】
前記調整機構の各々について、前記調整機構が回転可能な部材を含み、前記ツールが前記回転可能な部材を回転させることによって前記調整機構を作動させるように構成される、請求項67に記載のシステム。
【請求項69】
前記ブリッジの各々について、前記第一のブリッジ構成要素が、前記第二のブリッジ構成要素に対して関節動作可能である、請求項67に記載のシステム。
【請求項70】
前記インプラントが、一つ以上の調整機構をさらに含み、前記調整機構の各々が、前記調整機構の各々について、第一の軸に沿った前記調整機構の構成要素の移動が、第二の軸に沿った前記ブリッジのうちの少なくとも一つの収縮を引き起こし、前記第二の軸が前記第一の軸に直交するように、前記ブリッジのうちの前記少なくとも一つに動作可能に連結される、請求項55~69のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項71】
前記調整機構の各々について、前記調整機構の前記構成要素が、ねじ込みボルトを含み、前記ツールは、前記ボルトを回転させることによって前記第一の軸に沿った前記ボルトの移動を引き起こすことによって、前記第二の軸に沿ったブリッジのうちの前記少なくとも一つの収縮を引き起こすように構成される、請求項70に記載のシステム。
【請求項72】
前記インプラントが、一つ以上の調整機構をさらに含み、前記調整機構の各々が、スコットラッセルリンク機構において、前記ブリッジのうちの少なくとも一つに動作可能に連結される、請求項55~71のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項73】
前記調整機構の各々について、前記調整機構がねじ込みボルトを含み、前記ツールが前記ボルトを回転させることによって前記調整機構を作動させるように構成される、請求項72に記載のシステム。
【請求項74】
対象者の心臓の心房と心室との間に配置された弁で使用するための方法であって、前記弁が弁口を画定し、前記弁口を囲む弁輪を有し、前記方法が、
前記心房内に、第一のアンカー固定組立品の第一のコネクタが第一のシリーズのアンカーを互いに接続し、前記弁輪の第一の部分に沿って延在するように、前記弁輪の前記第一の部分に沿って、前記第一のアンカー固定組立品の前記第一のシリーズのアンカーを固定することと、
前記心房内に、第二のアンカー固定組立品の第二のコネクタが第二のシリーズのアンカーを互いに接続し、前記弁輪の第二の部分に沿って延在するように、前記弁輪の前記第二の部分に沿って、前記第二のアンカー固定組立品の前記第二のシリーズのアンカーを固定することと、
その後、ツールを前記心臓に経管腔的に前進させることと、
その後、前記心房内に、前記ツールの遠位端を前記弁口上に位置付けることと、前記ツールを使用して、前記第一のアンカー固定組立品を前記第二のアンカー固定組立品に連結するブリッジのブリッジ長さを減少させることによって前記弁輪を再形成することと、を含む、方法。
【請求項75】
前記第一のシリーズのアンカーを前記弁輪の前記第一の部分に沿って固定することが、前記第一のシリーズのアンカーを前記弁輪の前記第一の部分に沿って固定することによって、前記弁輪の前記第一の部分に沿って第一のテザーの湾曲部を配置することを含み、その結果、前記第一のテザーの前記湾曲部が前記第一のコネクタを画定し、
前記第二のシリーズのアンカーを前記弁輪の前記第二の部分に沿って固定することが、前記第二のシリーズのアンカーを前記弁輪の前記第二の部分に沿って固定することによって、前記弁輪の前記第二の部分に沿って第二のテザーの湾曲部を配置することを含み、その結果、前記第二のテザーの前記湾曲部が前記第二のコネクタを画定する、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記ブリッジが第一のブリッジであり、
前記ツールの前記遠位端を前記弁口の上に位置付けることが、前記ツールの前記遠位端を前記弁口の上に位置付けることによって、
前記第一のテザーの第一のブリッジ部分から前記第一のブリッジを形成することと、
前記第一のテザーの第二のブリッジ部分から第二のブリッジを形成することと、
前記第二のテザーの第三のブリッジ部分から第三のブリッジを形成することと、
前記第二のテザーの第四のブリッジ部分から第四のブリッジを形成することと、
前記ツールの前記遠位端で、前記第一のブリッジ、前記第二のブリッジ、前記第三のブリッジ、および前記第四のブリッジが収束するブリッジノードを画定することと、を含む、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記ツールの前記遠位端を前記弁口の上に位置付けることが、前記ブリッジに連結され、前記弁口の上に配置される調整機構と前記ツールを係合することを含み、
前記ブリッジの前記ブリッジ長さを減少させることが、前記ツールを使用して、前記調整機構を作動させることによって前記ブリッジの前記ブリッジ長さを減少させることを含む、請求項74~76のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
前記ブリッジが、第一のブリッジ構成要素および第二のブリッジ構成要素を含み、前記ブリッジの前記ブリッジ長さを減少させることが、前記ツールを使用して前記調整機構を作動させることによって、前記第二のブリッジ構成要素に対して前記第一のブリッジ構成要素を軸方向に摺動させることを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
シミュレーション心臓のシミュレーション心房とシミュレーション心室との間に配置されるシミュレーション弁で使用するための方法であって、前記シミュレーション弁が、シミュレーション弁口を画定し、前記シミュレーション弁口を囲むシミュレーション弁輪を有し、前記方法が、
前記シミュレーション心房内に、第一のアンカー固定組立品の第一のコネクタが第一のシリーズのアンカーを互いに接続し、前記シミュレーション弁輪の第一の部分に沿って延在するように、前記シミュレーション弁輪の前記第一の部分に沿って、前記第一のアンカー固定組立品の前記第一のシリーズの前記アンカーを固定することと、
前記シミュレーション心房内に、第二のアンカー固定組立品の第二のコネクタが第二のシリーズのアンカーを互いに接続し、前記シミュレーション弁輪の第二の部分に沿って延在するように、前記シミュレーション弁輪の前記第二の部分に沿って、前記第二のアンカー固定組立品の前記第二のシリーズのアンカーを固定することと、
その後、ツールを前記シミュレーション心臓に前進させることと、
その後、前記シミュレーション心房内に、前記ツールの遠位端を前記シミュレーション弁口上に位置付けることと、前記ツールを使用して、前記第一のアンカー固定組立品を前記第二のアンカー固定組立品に連結するブリッジのブリッジ長さを減少させることによって前記シミュレーション弁輪を再形成することと、を含む、方法。
【請求項80】
前記第一のシリーズのアンカーを前記シミュレーション弁輪の前記第一の部分に沿って固定することが、第一のテザーの湾曲部が前記第一のコネクタを画定するように、前記第一のシリーズのアンカーを前記シミュレーション弁輪の前記第一の部分に沿って固定することによって、前記シミュレーション弁輪の前記第一の部分に沿って前記第一のテザーの前記湾曲部を配置することを含み、
前記第二のシリーズのアンカーを前記シミュレーション弁輪の前記第二の部分に沿って固定することが、第二のテザーの湾曲部が前記第二のコネクタを画定するように、前記第二のシリーズのアンカーを前記シミュレーション弁輪の前記第二の部分に沿って固定することによって、前記シミュレーション弁輪の前記第二の部分に沿って前記第二のテザーの前記湾曲部を配置することを含む、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
ブリッジが第一のブリッジであり、
前記ツールの前記遠位端を前記シミュレーション弁口の上に位置付けることが、前記ツールの前記遠位端を前記シミュレーション弁口の上に位置付けることによって、
前記第一のテザーの第一のブリッジ部分から前記第一のブリッジを形成することと、
前記第一のテザーの第二のブリッジ部分から第二のブリッジを形成することと、
前記第二のテザーの第三のブリッジ部分から第三のブリッジを形成することと、
前記第二のテザーの第四のブリッジ部分から第四のブリッジを形成することと、
前記ツールの前記遠位端で、前記第一のブリッジ、前記第二のブリッジ、前記第三のブリッジ、および前記第四のブリッジが収束するブリッジノードを画定することと、を含む、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記ツールの前記遠位端を前記シミュレーション弁口の上に位置付けることが、前記ブリッジに連結され、前記シミュレーション弁口の上に配置される調整機構と前記ツールを係合することを含み、
前記ブリッジの前記ブリッジ長さを減少させることが、前記ツールを使用して前記調整機構を作動させることによって前記ブリッジの前記ブリッジ長さを減少させることを含む、請求項79~81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記ブリッジが、第一のブリッジ構成要素および第二のブリッジ構成要素を含み、前記ブリッジの前記ブリッジ長さを減少させることが、前記ツールを使用して前記調整機構を作動させることによって、前記第二のブリッジ構成要素に対して前記第一のブリッジ構成要素を軸方向に摺動させることを含む、請求項82に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年3月25日に出願された、「Tissue-contracting implants」(Guerreroら)という題名の米国仮特許出願第63/166,170号の優先権を主張し、これが参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
弁輪形成術は、心臓弁の弁輪の組織をリモデリングすることを含む。これは、弁輪の周りの組織を引っ張って新しい形状にすることによって行うことができる。組織アンカーを用いて、弁輪形成術、組織の他のリモデリング、インプラントを固定することを含む医療処置を容易にすることができる。場合によっては、組織アンカーが、縫合糸の代替として使用されることができる。例えば、弁輪の少なくとも一部の周りに延在する弁輪形成術用のリングまたはバンドを埋め込むために組織アンカーが使用されてもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願第17/145,258号
【特許文献2】米国特許出願第63/162,443号
【特許文献3】米国特許出願公開第2018/0049875号明細書
【特許文献4】国際公開第WO/2020/240282号
【特許文献5】米国特許出願公開第2020/0015971号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2012/0078355号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2015/0272734号明細書
【発明の概要】
【0004】
本明細書に開示されるその概念および用途の一部は、対象者の房室弁(例えば、僧帽弁または三尖弁)で使用するためのインプラントに関する。こうしたインプラントは、調整可能なブリッジ長さを有するブリッジによって互いに連結された、少なくとも二つのアンカー固定組立品を含み得る。各こうしたアンカー固定組立品は、コネクタによって接続された複数のアンカーを含むことができ、またブリッジ長さのその後の調整(例えば、減少)によって弁を再形成する(例えば、弁輪を収縮する)ように、アンカーによって弁の周りの組織のそれぞれの部分(例えば、弁輪のそれぞれの側などの弁輪のそれぞれの部分)にアンカー固定されるように構成される。
【0005】
一部の用途では、ブリッジおよびコネクタは、アンカーに摺動可能に連結されるテザーの様々な部分を含む(例えば、それらによって画定される)。こうした用途では、ブリッジ長さは、テザーにかかる張力を調整することによって調整することができる。
【0006】
一部の用途では、インプラントは、ブリッジのうちの一つ以上に動作可能に連結される調整機構を含む。こうした用途では、ブリッジ長さは、調整機構を作動させることによって調整され得る。
【0007】
インプラントは、経管腔的および/または経カテーテル的に心臓に前進させることができる。一部の用途では、インプラントは、予め組み立てられた状態で心臓に前進される。一部の用途では、インプラントは心臓内で組み立てられる。
【0008】
多くの場合、アンカーを組織に固定するためにドライバーが使用される。インプラントが埋め込まれると、ブリッジの各々は、弁を横切って少なくとも途中まで(例えば、心房内、弁の弁口および/または弁尖を横切って)延在することが多い。
【0009】
ブリッジ長さの調整は、心臓内のインプラントに前進させるツールを使用して実施され得る。
【0010】
一部の用途に従って、対象者の心臓の心房と心室との間に配設される弁で使用するためのシステムが提供される。システムは、インプラント、ドライバー、ツール、また多くの場合は心臓に経管腔的に前進可能なカテーテルも含む。一部の用途では、インプラントは、(a)それぞれが複数のアンカーと、複数のアンカーを互いに接続するコネクタと、を含む、第一のアンカー固定組立品および第二のアンカー固定組立品と、(b)第一のアンカー固定組立品を第二のアンカー固定組立品に連結し、調整可能なブリッジ長さを有する、一つ以上のブリッジと、を含む。
【0011】
一部の用途では、ドライバーは、カテーテルを通して延在可能であり得、ブリッジの各々が、弁が少なくとも途中まで横切って延在するように、第一のアンカー固定組立品のアンカーを使用して、心房内に、弁の第一の部分(例えば、第一の側)で第一のアンカー固定組立品を固定し、第二のアンカー固定組立品のアンカーを使用して、心房内に、弁の第二の側で第二のアンカー固定組立品を固定するようにさらに構成されることが多い。ツールは、ブリッジのうちの少なくとも一つのブリッジ長さを調整することによって、第一のアンカー固定組立品と第二のアンカー固定組立品との間の距離を調整するように構成される。
【0012】
一部の用途に従って、弁で使用するための方法が提供される。心房内で、第一のアンカー固定組立品の第一のシリーズのアンカーは、例えば、第一のアンカー固定組立品の第一のコネクタが第一のシリーズを互いに接続し、弁輪の第一の部分に沿って延在するように、弁輪の第一の部分に沿って第一の列(例えば、概して直線形または円弧形)にアンカー固定される。また、心房内で、第二のアンカー固定組立品の第二のシリーズのアンカーは、例えば、第二のアンカー固定組立品の第二のコネクタが第二のシリーズのアンカーを互いに接続し、弁輪の第二の部分に沿って延在するように、弁輪の第二の部分に沿って第二の列にアンカー固定される。
【0013】
典型的には、ツールはその後、心臓に経管腔的に前進される。ツールの遠位端は、心房内に、例えば、弁の弁口および/または弁尖の上に、位置付けられ得る。ツールは、例えば、第一のアンカー固定組立品を第二のアンカー固定組立品に連結するブリッジのブリッジ長さを減少させることによって、弁輪を再形成するために使用され得る。
【0014】
上記の方法は、生きた動物で、またはシミュレーションで、例えば、死体、死体心、シミュレーター(例えば、シミュレーションされている身体の一部、心臓組織)等で実施することができる。
【0015】
一部の用途に従って、対象者の心臓の心房と心室との間に配設された弁で使用するためのシステムおよび/または装置であって、カテーテル、第一の部分組立品、第二の部分組立品、およびツールを含む、システムおよび/または装置が提供される。カテーテルは、心臓に対して経管腔的に前進可能である。第一の部分組立品は、(i)第一の端部分、第二の端部分、およびその間の第一の湾曲部を有し、湾曲部を初めとして、遠位にカテーテルから出て心臓内へ前進可能である、第一のテザーと、(ii)第一のセットのアンカーが第一のシリーズで第一の湾曲部に摺動可能に連結されるように、第一の湾曲部を心臓の組織にアンカー固定するように構成された、第一のセットのアンカーと、を含み得る。
【0016】
一部の用途では、第二の部分組立品は、(i)第三の端部分、第四の端部分、およびその間の第二の湾曲部を有し、湾曲部を初めとして、遠位にカテーテルから出て心臓内へ前進可能である、第二のテザーと、(ii)第二のセットのアンカーが第二のシリーズで第二の湾曲部に摺動可能に連結されるように、第二の湾曲部を心臓の組織に固定するように構成された、第二のセットのアンカーと、を含み得る。
【0017】
一部の用途では、ツールは、第一の端部分、第二の端部分、第三の端部分、および第四の端部分を、第一の湾曲部および第二の湾曲部に向かって摺動可能である。ツールは、第一の端部分、第二の端部分、第三の端部分、および第四の端部分の各々を選択的に引っ張ることによって、第一のテザーおよび第二のテザーに選択的に張力を加えるように構成され得る。
【0018】
一部の用途では、システムおよび/または装置は、第一のセットの各アンカーを心臓の組織に固定するように構成されたドライバーをさらに含む。
【0019】
一部の用途では、ドライバーは、第一のセットの第一のアンカーに連結される間に心臓に経管腔的に前進され、第一のアンカーを組織に固定するように構成される。
【0020】
一部の用途では、ドライバーは、第一のセットの第一のアンカーが第一の湾曲部に摺動可能に連結されている間に、心臓に経管腔的に前進するように構成される。
【0021】
一部の用途では、ドライバーは、第一のセットの第一のアンカーが第一の湾曲部に摺動可能に連結されている間に、第一のセットの第一のアンカーを、カテーテルを通して経管腔的に前進させることによって、カテーテルを通して第一の湾曲部を心臓へと経管腔的に前進させるように構成される。
【0022】
一部の用途では、ドライバーは、第一の端部分の上および第一の端部分に沿って第一の湾曲部に第一のセットの第二のアンカーを摺動させ、その後、第二のアンカーを組織にアンカー固定し、それによって、第一の湾曲部の少なくとも一部を、第一のセットの第一のアンカーと第二のアンカーとの間に、組織に沿って配置するように構成される。
【0023】
一部の用途では、ドライバーは、心房内に、第一のセットの各アンカーを心臓の組織に沿って第一の列にアンカー固定し、それによって組織に沿って第一の湾曲部の少なくとも一部を配置し、第二のセットの各アンカーを心臓の組織に沿って第二の列に配置し、第二の列が、第一の列から弁を横切って、それによって第一の湾曲部から弁を横切って第二の湾曲部の少なくとも一部を配置するように構成される。
【0024】
一部の用途では、第一のセットのアンカーが第一の列にアンカー固定され、第二のセットのアンカーが第二の列にアンカー固定されると、ツールは、第一の端部分、第二の端部分、第三の端部分、および第四の端部分の上でのツールの摺動が、第一の端部分、第二の端部分、第三の端部分、および第四の端部分を引き込み、第一の列と第二の列との間の途中まで、ブリッジノードで収束するように構成される。
【0025】
一部の用途では、ツールは、第一の湾曲部および第二の湾曲部に向かって、ロックを第一の端部分、第二の端部分、第三の端部分、および第四の端部分の上で前進させ、ロックを第一の端部分、第二の端部分、第三の端部分、および第四の端部分に係止することによって、第一のテザーおよび第二のテザーに張力を係止するように構成される。
【0026】
一部の用途では、弁は弁口を画定する弁輪を有し、ツールは、ロックが弁口の上に位置付けられるように、ロックを第一の端部分、第二の端部分、第三の端部分、および第四の端部分に係止するように構成される。
【0027】
一部の用途では、ツールは、第一の端部分を引っ張るように構成された第一のテザーコントローラと、第二の端部分を引っ張るように構成された第二のテザーコントローラと、第三の端部分を引っ張るように構成された第三のテザーコントローラと、第四の端部分を引っ張るように構成された第四のテザーコントローラと、を含む、ユーザーインターフェースを含む、体外近位部分を有する。
【0028】
一部の用途では、ツールは、第一の端部分、第二の端部分、第三の端部分、および第四の端部分の上でのツールの前進に続いて、第一のテザーコントローラを第一の端部分に、第二のテザーコントローラを第二の端部分に、第三のテザーコントローラを第三の端部分に、および第四のテザーコントローラを第四の端部分に係合するように構成される、少なくとも一つの係合コントローラを含む。
【0029】
一部の用途により、対象者の心臓の心房と心室との間に配置された弁で使用するための方法であって、弁が弁口を画定し、弁口を囲む弁輪を有し、方法が、(i)心房内で、第一のテザーの第一の端部分および第二の端部分が心臓の外側に配置され、第一の湾曲部および第一のシリーズが第一のアンカー固定組立品を画定するように、弁輪の第一の部分に、第一の湾曲部に摺動可能に連結される第一のシリーズのアンカーを固定することで、弁輪の第一の部分に沿って第一のテザーの湾曲部を配置することと、(ii)心房内で、第二のテザーの第三の端部分および第四の端部分が心臓の外側に配置され、第二の湾曲部および第二のシリーズが第二のアンカー固定組立品を画定するように、弁輪の第二の部分に、第二の湾曲部に摺動可能に連結される第二のシリーズのアンカーを固定することで、弁輪の第二の部分に沿って第二のテザーの湾曲部を配置することと、を含む。
【0030】
方法は、(i)ツールの遠位端での、ブリッジノード、(ii)第一のアンカー固定組立品とブリッジノードとの間に延在する、第一のブリッジ部分としての第一のテザーの一部、(iii)第一のアンカー固定組立品とブリッジノードとの間に延在する、第二のブリッジ部分としての第一のテザーの別の一部、(iv)第二のアンカー固定組立品とブリッジノードとの間に延在する、第三のブリッジ部分としての第二のテザーの一部、(v)第二のアンカー固定組立品とブリッジノードとの間に延在する、第四のブリッジ部分としての第二のテザーの別の一部を画定し、第一のブリッジ部分、第二のブリッジ部分、第三のブリッジ部分、および第四のブリッジ部分がブリッジノードで収束する様式で、ツールを第一の端部分、第二の端部分、第三の端部分、および第四の端部分の上に、かつそれらに沿って、その後に心房内へと経管腔的に前進させることをさらに含み得る。
【0031】
方法は、その後、第一のアンカー固定組立品の少なくとも一部を第二のアンカー固定組立品の近くに引き込むことによって、第一のテザーおよび第二のテザーに張力を加えることによって、弁輪を再形成することをさらに含み得る。張力は、その後、ブリッジノードで第一のテザーおよび第二のテザーにロックを係止することによって、第一のテザーおよび第二のテザーに係止され得る。
【0032】
一部の用途では、第一のシリーズのアンカーは、第一の湾曲部上にねじ込まれる第一のシリーズのアンカーであり、第一のシリーズのアンカーを弁輪の第一の部分に固定することは、弁輪の第一の部分に、第一の湾曲部上にねじ込まれる第一のシリーズのアンカーを固定することを含む。
【0033】
一部の用途では、第一のテザーおよび第二のテザーに張力を加えることは、第二のテザーに張力を加えることとは独立して、第一のテザーに張力を加えることを含む。
【0034】
一部の用途では、第一のテザーおよび第二のテザーに張力を加えることは、第一の端部分を引っ張ることと、第一の端部分を引っ張ることとは独立して第三の端部分を引っ張ることと、を含む。
【0035】
一部の用途では、第一のテザーおよび第二のテザーに張力を加えることは、第一の端部分を引っ張ることと、第一の端部分を引っ張ることとは独立して第二の端部分を引っ張ることと、を含む。
【0036】
一部の用途では、第一のシリーズのアンカーおよび第二のシリーズのアンカーを固定することは、第一のシリーズおよび第二のシリーズの各々について、(i)シリーズのアンカーのうちの一つが、シリーズの第一の末端アンカーであり、シリーズの第一の端部に配置される、かつ(ii)シリーズのアンカーの別のアンカーが、シリーズの第二の末端アンカーであり、シリーズの第二の反対側の端部に配置されるように、第一のシリーズのアンカーおよび第二のシリーズのアンカーを固定することを含む。
【0037】
一部の用途では、ツールを経管腔的に前進させることは、第一のブリッジ部分が、第一のシリーズとブリッジノードの第一の末端アンカーとの間に延在し、第二のブリッジ部分が、ブリッジノードと第一のシリーズの第二の末端アンカーとの間に延在し、第三のブリッジ部分が、ブリッジノードと第二のシリーズの第一の末端アンカーとの間に延在し、第四のブリッジ部分が、ブリッジノードと第二のシリーズの第二の末端アンカーとの間に延在するように、ツールを経管腔的に前進させることを含む。
【0038】
一部の用途では、弁輪の第一の部分は、弁の第一の弁尖の根底にあり、弁輪の第二の部分は、弁の第二の弁尖の根底にあり、弁輪を再形成することは、第一の弁尖および第二の弁尖を互いに向かって引き込むことを含む。
【0039】
一部の用途では、弁は心臓の僧帽弁であり、弁輪を再形成することは、僧帽弁の弁輪を再形成することを含む。
【0040】
一部の用途では、弁は心臓の三尖弁であり、弁輪を再形成することは、三尖弁の弁輪を再形成することを含む。
【0041】
一部の用途では、第一のテザーの湾曲部を弁輪の第一の部分に沿って配置することは、第一のシリーズの第一のアンカーが第一の湾曲部に摺動可能に連結される間に、第一のシリーズの第一のアンカーを心房に経管腔的に前進させることによって、第一の湾曲部を心房に経管腔的に前進させることと、その後、第一のシリーズの第一のアンカーを固定することと、その後、第一のシリーズの第二のアンカーを、第一の端部分の上および第一の端部分に沿って、第一のシリーズの第一のアンカーに向かって心房内に経管腔的に前進させることと、その後、第一のシリーズの第二のアンカーを弁輪の第一の部分に固定することと、を含む。
【0042】
一部の用途では、第一のテザーの湾曲部を弁輪の第一の部分に沿って配置することは、第一のシリーズの第二のアンカーを固定することに続いて、第一のシリーズの第三のアンカーを、第一の端部分の上および第一の端部分に沿って、第一のシリーズの第二のアンカーに向かって心房内に経管腔的に前進させ、その後、第一のシリーズの第三のアンカーを弁輪の第一の部分に固定することを含む。
【0043】
一部の用途では、第一のテザーの湾曲部を弁輪の第一の部分に沿って配置することは、第一のシリーズの第二のアンカーを固定することに続いて、第一のシリーズの第三のアンカーを、第二の端部分の上および第二の端部分に沿って、第一のシリーズの第二のアンカーに向かって心房内に経管腔的に前進させ、その後、第一のシリーズの第三のアンカーを弁輪の第一の部分に固定することを含む。
【0044】
一部の用途では、方法は、第一のシリーズの第一のアンカーを固定した後、および第一のシリーズの第二のアンカーを前進させる前に、アンカードライバーを対象者から引き抜くことをさらに含む。
【0045】
一部の用途では、第一の湾曲部を心房に経管腔的に前進させることは、第一のシリーズの第一のアンカーと係合するアンカードライバーを使用して、第一の湾曲部を心房に経管腔的に前進させることを含む。
【0046】
一部の用途では、第一のシリーズの第二のアンカーを経管腔的に前進させることは、アンカードライバーを使用して第一のシリーズの第二のアンカーを経管腔的に前進させることを含む。
【0047】
一部の用途では、ブリッジノードでロックを第一のテザーおよび第二のテザーに係止することは、ブリッジノードでロックを第一のブリッジ部分、第二のブリッジ部分、第三のブリッジ部分、および第四のブリッジ部分に係止することを含む。
【0048】
一部の用途では、ロックを第一のブリッジ部分、第二のブリッジ部分、第三のブリッジ部分、および第四のブリッジ部分に係止することは、(i)ロックの第一の係止要素を第一のブリッジ部分に係止することと、(ii)第一の係止要素を第一のブリッジ部分に係止することとは別に、ロックの第二の係止要素を第二のブリッジ部分に係止することと、を含む。
【0049】
一部の用途では、方法は、ブリッジノードおよびブリッジ部分を画定するような様式でツールを前進させることに続いて、第一のテザーおよび第二のテザーに張力を係止する前に、ブリッジノードを再配置し、ブリッジ部分のうちの少なくとも一つを長くし、ブリッジ部分のうちの少なくとも一つを短くする様式で、ツールの遠位端を再配置することをさらに含む。
【0050】
一部の用途では、ツールの遠位端を再配置することは、ブリッジノードを第一のアンカー固定組立品から離れて、および第二のアンカー固定組立品に向かって再配置するように、ツールの遠位端を再配置することを含む。
【0051】
一部の用途では、ブリッジノードを画定する様式でツールを心房内に前進させることは、ブリッジノードを心房内で画定する様式でツールを前進させることを含む。
【0052】
一部の用途では、ツールを、ブリッジノードを心房内で画定する様式で前進させることは、ブリッジノードを弁の弁口の上に画定する様式でツールを前進させることを含む。
【0053】
上記の方法は、生きた動物で、またはシミュレーションで、例えば、死体、死体心、シミュレーター(例えば、シミュレーションされている身体の一部、心臓組織)等で実施することができる。
【0054】
一部の用途によると、対象者の心臓の心房と心室との間に配置される弁で使用するためのシステムおよび/または装置が提供され、システムおよび/または装置は、心臓に経管腔的に前進可能なカテーテルと、心臓内のカテーテルから展開可能なインプラントと、を含む。
【0055】
一部の用途では、インプラントは、第一のアンカー固定組立品および第二のアンカー固定組立品を含み、アンカー固定組立品の各々は、複数のアンカーと、複数のアンカーを互いに接続するコネクタと、を含む。
【0056】
一部の用途では、インプラントは、一つ以上のブリッジをさらに含み、第一のアンカー固定組立品を第二のアンカー固定組立品に連結し、調整可能なブリッジ長さを有する。
【0057】
一部の用途では、システムおよび/または装置は、カテーテルを通して延在可能であり、ブリッジの各々が弁を少なくとも途中まで横切って延在するように、第一のアンカー固定組立品のアンカーを使用して、第一のアンカー固定組立品を心房内で弁の第一の側面に固定し、第二のアンカー固定組立品のアンカーを使用して、第二のアンカー固定組立品を心房内で弁の第二の側面に固定するように構成される、ドライバーを含む。
【0058】
一部の用途では、システムおよび/または装置は、心臓に経管腔的に前進可能であり、ブリッジのうちの少なくとも一つのブリッジ長さを調整することによって、第一のアンカー固定組立品と第二のアンカー固定組立品との間の距離を調整するように構成される、ツールを含む。
【0059】
一部の用途では、ツールは、インプラントに経管腔的に前進可能であり、心房内のインプラントと係合するように構成される。
【0060】
一部の用途では、弁は弁輪および弁尖を有し、弁輪は、その中に弁尖が配置される弁口を囲み、ツールは、弁口の上で、心房内で、インプラントと係合するように構成される。
【0061】
一部の用途では、ツールは、第一のアンカー固定組立品と第二のアンカー固定組立品との間でインプラントに排他的に係合するように構成される。
【0062】
一部の用途では、アンカー固定組立品の各々のコネクタは、剛性である。
【0063】
一部の用途では、アンカー固定組立品の各々のコネクタは、可撓性である。
【0064】
一部の用途では、アンカー固定組立品の各々のコネクタは、軸方向に収縮可能である。
【0065】
一部の用途では、アンカー固定組立品の各々のコネクタは、軸方向収縮に対して耐性がある。
【0066】
一部の用途では、ブリッジの各々は、第一のアンカー固定組立品および第二のアンカー固定組立品のうちの一つに関節動作可能に連結される。
【0067】
一部の用途では、一つ以上のブリッジは、第一のアンカー固定組立品の第一の部分から延在する第一のブリッジ、第一のアンカー固定組立品の第二の部分から延在する第二のブリッジ、第二のアンカー固定組立品の第一の部分から延在する第三のブリッジ、および第二のアンカー固定組立品の第二の部分から延在する第四のブリッジを含む。
【0068】
一部の用途では、第一のブリッジ、第二のブリッジ、第三のブリッジ、および第四のブリッジは、第一のアンカー固定組立品と第二のアンカー固定組立品との間の途中まで、ブリッジノードで収束する。
【0069】
一部の用途では、インプラントは、ブリッジノードから第一のアンカー固定組立品の第一の部分までループし、それによって第一のブリッジを画定し、第一のアンカー固定組立品の第一の部分から第一のアンカー固定組立品の第二の部分までループし、それによって第一のアンカー固定組立品のコネクタを画定し、かつ第一のアンカー固定組立品の第二の部分からブリッジノードに戻るようにループし、それによって第二のブリッジを画定する、第一のテザーを含む。
【0070】
一部の用途では、インプラントは、ブリッジノードから第二のアンカー固定組立品の第一の部分までループし、それによって第三のブリッジを画定し、第二のアンカー固定組立品の第一の部分から第二のアンカー固定組立品の第二の部分までループし、それによって第二のアンカー固定組立品のコネクタを画定し、かつ第二のアンカー固定組立品の第二の部分からブリッジノードに戻るようにループし、それによって第四のブリッジを画定する、第二のテザーを含む。
【0071】
一部の用途では、システムおよび/または装置は、ロックをさらに含み、ツールは、第一のテザーおよび第二のテザーに張力を加えることによって、第一のブリッジ、第二のブリッジ、第三のブリッジ、および第四のブリッジのブリッジ長さを調整し、ロックを第一のテザーおよび第二のテザーに係止することによって、第一のテザーおよび第二のテザーに張力を係止するように構成される。
【0072】
一部の用途では、ブリッジの各々は、互いに対して軸方向に摺動可能な第一のブリッジ構成要素および第二のブリッジ構成要素を含み、インプラントは、一つ以上の調整機構をさらに含み、調整機構の各々は、調整機構の各々について、調整機構の作動が、それぞれのブリッジの第一のブリッジ構成要素および第二のブリッジ構成要素を互いに対して摺動させることによって、それぞれのブリッジのブリッジ長さを調整するように、ブリッジのそれぞれのブリッジに動作可能に連結される。
【0073】
一部の用途では、調整機構の各々について、調整機構は回転可能な部材を含み、ツールは、回転可能な部材を回転させることによって調整機構を作動させるように構成される。
【0074】
一部の用途では、ブリッジの各々について、第一のブリッジ構成要素は、第二のブリッジ構成要素に対して関節動作可能である。
【0075】
一部の用途では、インプラントは、一つ以上の調整機構をさらに含み、調整機構の各々は、調整機構の各々について、第一の軸に沿った調整機構の構成要素の移動が、第二の軸に沿ったブリッジのうちの少なくとも一つの収縮を引き起こし、第二の軸が第一の軸に直交するように、ブリッジのうちの少なくとも一つに動作可能に連結される。
【0076】
一部の用途では、調整機構の各々について、調整機構の構成要素は、ねじ込みボルトを含み、ツールは、ボルトを回転させることによって第一の軸に沿ったボルトの移動を引き起こすことによって、第二の軸に沿ったブリッジのうちの少なくとも一つの収縮を引き起こすように構成される。
【0077】
一部の用途では、インプラントは、一つ以上の調整機構をさらに含み、調整機構の各々は、スコットラッセルリンク機構において、ブリッジのうちの少なくとも一つに動作可能に連結される。
【0078】
一部の用途では、調整機構の各々について、調整機構はねじ込みボルトを含み、ツールは、ボルトを回転させることによって調整機構を作動させるように構成される。
【0079】
一部の用途に従って、対象者の心臓の心房と心室との間に配置された弁で使用するための方法が提供されており、弁は、弁口を画定し、弁口を囲む弁輪を有し、方法は、心房内に、第一のアンカー固定組立品の第一のコネクタが、第一のシリーズのアンカーを互いに接続し、弁輪の第一の部分に沿って延在するように、弁輪の第一の部分に沿って第一のアンカー固定組立品の第一のシリーズのアンカーを固定することを含む。
【0080】
一部の用途では、方法は、心房内に、第二のアンカー固定組立品の第二のコネクタが第二のシリーズのアンカーを互いに接続し、弁輪の第二の部分に沿って延在するように、弁輪の第二の部分に沿って第二のアンカー固定組立品の第二のシリーズのアンカーを固定することをさらに含む。
【0081】
一部の用途では、方法は、その後、ツールを心臓に経管腔的に前進させることをさらに含む。
【0082】
一部の用途では、システムおよび/または装置は、その後、心房内に、ツールの遠位端を弁口上に位置付けることと、ツールを使用して、第一のアンカー固定組立品を第二のアンカー固定組立品に連結するブリッジのブリッジ長さを減少させることによって弁輪を再形成することと、を含む。
【0083】
一部の用途では、第一のシリーズのアンカーを弁輪の第一の部分に沿って固定することは、第一のテザーの湾曲部が第一のコネクタを画定するように、第一のシリーズのアンカーを弁輪の第一の部分に沿って固定することによって、弁輪の第一の部分に沿って第一のテザーの湾曲部を配置することを含む。
【0084】
一部の用途では、第二のシリーズのアンカーを弁輪の第二の部分に沿って固定することは、第二のテザーの湾曲部が第二のコネクタを画定するように、第二のシリーズのアンカーを弁輪の第二の部分に沿って固定することによって、弁輪の第二の部分に沿って第二のテザーの湾曲部を配置することを含む。
【0085】
一部の用途では、ブリッジは第一のブリッジであり、ツールの遠位端を弁口の上に位置付けることは、ツールの遠位端を弁口の上に位置付けることによって、第一のテザーの第一のブリッジ部分から第一のブリッジを形成することと、第一のテザーの第二のブリッジ部分から第二のブリッジを形成することと、第二のテザーの第三のブリッジ部分から第三のブリッジを形成することと、第二のテザーの第四のブリッジ部分から第四のブリッジを形成することと、を含み、ツールの遠位端で、第一のブリッジ、第二のブリッジ、第三のブリッジ、および第四のブリッジが収束するブリッジノードを画定する。
【0086】
一部の用途では、ツールの遠位端を弁口の上に位置付けることは、ブリッジに連結され、弁口の上に配置される調整機構とツールを係合させることを含み、ブリッジのブリッジ長さを減少させることは、ツールを使用して調整機構を作動させることによってブリッジのブリッジ長さを減少させることを含む。
【0087】
一部の用途では、ブリッジは、第一のブリッジ構成要素および第二のブリッジ構成要素を含み、ブリッジのブリッジ長さを減少させることは、ツールを使用して調整機構を作動させることによって、第二のブリッジ構成要素に対して第一のブリッジ構成要素を軸方向に摺動させることを含む。
【0088】
上記の方法は、生きた動物で、またはシミュレーションで、例えば、死体、死体心、シミュレーター(例えば、シミュレーションされている身体の一部、心臓組織)等で実施することができる。
【0089】
本概要は、一部の例を提供することを意図しており、本発明の範囲をいかようにも制限することを目的としていない。例えば、本概要の一例内に含まれるいかなる特徴も、特許請求の範囲がそれらの特徴を明示的に列挙しない限り、特許請求の範囲の要件とはならない。また、本概要および本開示の他の箇所における例で説明される特徴、構成要素、ステップ、概念などは、様々に組み合わせることができる。本開示の他の箇所に説明される様々な特徴およびステップは、本明細書に要約される例に含まれ得る。
【0090】
本発明は、図面とともに本発明の明細書の以下の詳細な記述からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【
図1A】
図1Aは、一部の用途による、対象者の心臓の房室弁で使用するための例示的なシステム、およびシステムで使用するための例示的な技術の概略図である。
【
図1B】
図1Bは、一部の用途による、対象者の心臓の房室弁で使用するための例示的なシステム、およびシステムで使用するための例示的な技術の概略図である。
【
図2A】
図2Aは、一部の用途による、対象者の心臓の房室弁で使用するための例示的なシステム、およびシステムで使用するための例示的な技術の概略図である。
【
図2B】
図2Bは、一部の用途による、対象者の心臓の房室弁で使用するための例示的なシステム、およびシステムで使用するための例示的な技術の概略図である。
【
図2C】
図2Cは、一部の用途による、対象者の心臓の房室弁で使用するための例示的なシステム、およびシステムで使用するための例示的な技術の概略図である。
【
図2D】
図2Dは、一部の用途による、対象者の心臓の房室弁で使用するための例示的なシステム、およびシステムで使用するための例示的な技術の概略図である。
【
図3A】
図3は、一部の用途による、対象者の心臓の房室弁で使用するための例示的なシステム、およびシステムで使用するための例示的な技術の概略図である。
【
図3B】
図3Bは、一部の用途による、対象者の心臓の房室弁で使用するための例示的なシステム、およびシステムで使用するための例示的な技術の概略図である。
【
図3C】
図3Cは、一部の用途による、対象者の心臓の房室弁で使用するための例示的なシステム、およびシステムで使用するための例示的な技術の概略図である。
【
図3D】
図3Dは、一部の用途による、対象者の心臓の房室弁で使用するための例示的なシステム、およびシステムで使用するための例示的な技術の概略図である。
【
図4A】
図4Aは、一部の用途による、対象者の心臓の房室弁で使用するための例示的なシステム、およびシステムで使用するための例示的な技術の概略図である。
【
図4B】
図4Bは、一部の用途による、対象者の心臓の房室弁で使用するための例示的なシステム、およびシステムで使用するための例示的な技術の概略図である。
【
図5】
図5は、一部の用途による、対象者の心臓の房室弁で使用するための例示的なシステム、およびシステムで使用するための例示的な技術の概略図である。
【
図6】
図6は、一部の用途による、例示的なインプラントの概略図である。
【
図7A】
図7Aは、一部の用途による、房室弁で使用するための例示的なシステム、およびシステムで使用するための例示的な技術の概略図である。
【
図7B】
図7Bは、一部の用途による、房室弁で使用するための例示的なシステム、およびシステムで使用するための例示的な技術の概略図である。
【
図8A】
図8Aは、一部の用途による、房室弁で使用するための例示的なシステム、およびシステムで使用するための例示的な技術の概略図である。
【
図8B】
図8Bは、一部の用途による、房室弁で使用するための例示的なシステム、およびシステムで使用するための例示的な技術の概略図である。
【
図8C】
図8Cは、一部の用途による、房室弁で使用するための例示的なシステム、およびシステムで使用するための例示的な技術の概略図である。
【
図8D】
図8Dは、一部の用途による、房室弁で使用するための例示的なシステム、およびシステムで使用するための例示的な技術の概略図である。
【
図8E】
図8Eは、一部の用途による、房室弁で使用するための例示的なシステム、およびシステムで使用するための例示的な技術の概略図である。
【
図8F】
図8Fは、一部の用途による、房室弁で使用するための例示的なシステム、およびシステムで使用するための例示的な技術の概略図である。
【
図8G】
図8Gは、一部の用途による、房室弁で使用するための例示的なシステム、およびシステムで使用するための例示的な技術の概略図である。
【
図9A】
図9Aは、一部の用途による、房室弁で使用するための例示的なシステム、およびシステムで使用するための例示的な技術の概略図である。
【
図9B】
図9Bは、一部の用途による、房室弁で使用するための例示的なシステム、およびシステムで使用するための例示的な技術の概略図である。
【
図10】
図10は、一部の用途による、房室弁で使用するための例示的なシステム、およびシステムで使用するための例示的な技術の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0092】
以下の説明では、本開示のさまざまな態様について説明する。説明の目的で、本開示のさまざまな態様を完全に理解するために、特定の構造および詳細が記載されている。しかし、当業者には、本開示が本明細書において提示されている特定の詳細なしで実施されることができることも明らかであろう。よく知られている特徴は、本開示を不明瞭にしないために省略されるか、または簡略化されてもよい。さらに、特定の図面上に参照番号および引出し線が多すぎることによる過度の混乱を避けるために、いくつかの構成要素は、一つまたは複数の図面を用いて導入され、その構成要素を含む全ての後続の図面で明示的に識別されない。
【0093】
本明細書に開示されるその概念および用途の一部は、対象者の房室弁(例えば、僧帽弁または三尖弁)で使用するためのインプラントに関する。図面は、純粋に一例として、僧帽弁を示す。こうしたインプラントは、調整可能なブリッジ長さを有するブリッジ(または複数のブリッジ)によって互いに連結された二つ(またはそれ以上)のアンカー固定組立品を備え得る。各こうしたアンカー固定組立品は、コネクタによって接続された複数のアンカーを含み、またブリッジ長さのその後の調整(例えば、減少)によって弁を再形成する(例えば、弁輪を収縮する)ように、アンカーによって弁の周りの組織のそれぞれの部分(例えば、弁輪のそれぞれの側などの弁輪のそれぞれの部分)に固定されるように構成される。
【0094】
図1A~
図6を参照して開示されるのは、ブリッジおよびコネクタが、アンカーに摺動可能に連結された様々なテザー部分を備えることが多く、ブリッジ長さが、テザーの張力を調整することによって調整され得る用途である。
図7A~
図10を参照して開示されるのは、インプラントが、ブリッジに動作可能に連結された調整機構を備えることが多く、ブリッジ長さが、調整機構を作動させることによって調整され得る用途である。
図7A~
図10の用途のインプラントは、典型的には、予め組み立てられた状態で心臓に前進されるが、
図1A~
図6の用途のインプラントは、典型的には、心臓内で組み立てられる。
【0095】
図1A~
図6の用途および
図7A~
図10の用途では、インプラントは、経管腔的および/または経カテーテル的に心臓に前進させることができる。
図1A~
図6の用途および
図7A~
図10の用途では、ドライバーを使用してアンカーを組織に固定することができる。
図1A~
図6の用途および
図7A~
図10の用途では、インプラントが埋め込まれると、ブリッジの各々は、典型的には、弁を横切って少なくとも途中まで(例えば、心房内、弁の弁口および/または弁尖を横切って)延在する。
図1A~
図6の用途および
図7A~
図10の用途では、ブリッジ長さの調整は、心臓内のインプラントに前進させるツールを使用して実施され得る。
【0096】
そのため、一部の用途に従って、対象者の心臓の心房と心室との間に配設される弁で使用するためのシステムが提供される。システムは、インプラント、ドライバー、ツール、また多くの場合は心臓に経管腔的に前進可能なカテーテルも備える。インプラントは、(a)それぞれが複数のアンカーと、複数のアンカーを互いに接続するコネクタと、を備える、第一のアンカー固定組立品および第二のアンカー固定組立品と、(b)第一のアンカー固定組立品を第二のアンカー固定組立品に連結し、調整可能なブリッジ長さを有する、一つ以上のブリッジと、を備え得る。ドライバーは、カテーテルを通して延在可能であり得、ブリッジの各々が弁を少なくとも途中まで横切って延在するように、第一のアンカー固定組立品のアンカーを使用して、心房内で、弁の第一の部分(例えば、第一の側)で第一のアンカー固定組立品を固定し、第二のアンカー固定組立品のアンカーを使用して、心房内で、弁の第二の側で第二のアンカー固定組立品を固定するようにさらに構成されることが多い。ツールは、ブリッジのうちの少なくとも一つのブリッジ長さを調整することによって、第一のアンカー固定組立品と第二のアンカー固定組立品との間の距離を調整するように構成される。
【0097】
一部の用途に従って、弁で使用するための方法がさらに提供される。心房では、第一のアンカー固定組立品の第一のシリーズのアンカーは、例えば、第一のアンカー固定組立品の第一のコネクタが第一のシリーズのアンカーを互いに接続し、弁輪の第一の部分に沿って延在するように、弁輪の第一の部分に沿って第一の列(例えば、概して直線形または円弧形)に固定される。また、心房では、第二のアンカー固定組立品の第二のシリーズのアンカーは、例えば、第二のアンカー固定組立品の第二のコネクタが第二のシリーズのアンカーを互いに接続し、弁輪の第二の部分に沿って延在するように、弁輪の第二の部分に沿って第二の列に固定される。典型的には、ツールはその後、心臓に経管腔的に前進される。ツールの遠位端は、心房内に、例えば、弁の弁口および/または弁尖の上に、位置付けられ得る。ツールは、例えば、第一のアンカー固定組立品を第二のアンカー固定組立品に連結するブリッジのブリッジ長さを減少させることによって、弁輪を再形成するために使用され得る。
【0098】
一部の用途では、弁輪の第一の部分は、弁の第一の弁尖の根底にあり、弁輪の第二の部分は、弁の第二の弁尖の根底にあり、弁輪を再成形することで、第一の弁尖および第二の弁尖を互いに向かって引き込む。例えば、僧帽弁が処置を受けているとき、第一のアンカー固定組立品は、僧帽弁前尖の根底で僧帽弁輪に固定され得、第二のアンカー固定組立品は、僧帽弁後尖の根底で僧帽弁輪に固定され得、僧帽弁輪の再形成は、僧帽弁前尖および僧帽弁後尖を互いに近くに引き込むことができる。同様に、三尖弁が処置を受けているとき、第一のアンカー固定組立品は、三尖弁中隔尖の根底で三尖弁輪に固定され得、第二のアンカー固定組立品は、三尖弁後尖の根底で三尖弁輪に固定され得、三尖弁輪の再形成は、三尖弁中隔尖および三尖弁後尖を互いに近くに引き込み、三尖弁前尖を機能的に除去し得る。任意選択的に、三尖弁が処置を受けているとき、第一のアンカー固定組立品は、三尖弁中隔尖の根底で三尖弁輪に固定され得、第二のアンカー固定組立品は、三尖弁後尖の根底で三尖弁輪に固定され得、第三のアンカー固定組立品は、三尖弁前尖の根底で三尖弁輪に固定され得、三尖弁輪の再形成は、三尖弁中隔尖、三尖弁後尖および三尖弁前尖を互いにより近くに引き込む。これらの方法は、生きた動物で、またはシミュレーションで、例えば、死体、死体心、シミュレーター(例えば、シミュレーションされている身体の一部、心臓組織)等で実施することができる。
【0099】
図1A~
図1B、
図2A~
図2D、
図3A~
図3D、
図4A~
図4B、および
図5を参照すると、一部の用途による、対象者の心臓の房室弁8で使用するためのシステム100、およびシステム100で使用するための技術の概略図である。システム100は、少なくとも二つの部分組立品112を備え、また多くの場合、心臓に経管腔的に前進可能であり、かつ各部分組立品(および多くの場合、少なくとも一部の組立品)の埋め込みを促進するために使用される送達器具150をさらに備える。以下でさらに詳述するように、部分組立品112は、インプラント110の構成要素であり、これは心臓内で組み立てられ得る。送達器具150は、多くの場合、ドライバー160と、ドライバーがその中を(例えば、それを通って)摺動可能なカテーテル(例えば、可撓性の管)170と、を備える。
【0100】
図1Aは、例えば、弁8での埋め込み後の、その組み立てられた状態のインプラント110を示す。
図1Bは、例えば、埋め込み前の部分組立品112のうちの一つを示す。各部分組立品112は、アンカー120のそれぞれのテザー130およびそれぞれのセット118を備える。接尾辞aおよびbは、本明細書では、所与の要素の事例(例えば、要素のその他の点では同一の事例)を部分組立品のうちの一つまたは他のものとして指定するために使用される。例えば、
図1Aは、(i)アンカー120のテザー130aおよびセット118aを含む第一の部分組立品112aと、(ii)アンカー120のテザー130bおよびセット118bを含む第二の部分組立品112bと、を備えるインプラント110を示す。各テザー130は、第一の端部分132、第二の端部分134、および少なくともインプラント110の組み立てられた状態で、端部分の間の湾曲部136を有する。
【0101】
以下でより詳細に説明するように、インプラント110の組み立てられた状態では、インプラントの各部分組立品112は、(i)複数のアンカー120、および複数のアンカーを互いに接続するコネクタ142を含む、それぞれのアンカー固定組立品140と、(ii)第一のアンカー固定組立品を第二のアンカー固定組立品に連結する二つのブリッジ144と、を備える。すなわち、部分組立品112aは、(i)複数のアンカー120およびコネクタ142aを含むアンカー固定組立品140aと、(ii)二つのブリッジ144_iおよび144_iiと、を含み、部分組立品112bは、(i)複数のアンカー120およびコネクタ142bを含むアンカー固定組立品140bと、(ii)二つのブリッジ144_iiiおよび144_ivと、を含む。示されるように、コネクタ142およびブリッジ144は、テザー130の様々な部分によって画定され得る。したがって、コネクタ142およびブリッジ144は可撓性であり得る。
【0102】
多くの場合、以下でより詳細に説明するように、インプラント110の組み立てられた状態では、すべて(例えば、両方)の部分組立品112のブリッジ144は、ブリッジノード138で収束し、ここでロック146によって互いに固定的に連結される。
【0103】
完全を期すために述べると、
図1Aでは、各部分組立品の各構成要素の参照番号は、その接尾辞を付けて、または接尾辞を付けないで複製されており、コンマが接尾辞なしの参照番号と接尾辞付き参照番号とを区別する。例えば、テザー130aは、部分組立品112aのテザー130であり、従って「130、130a」と表示される。しかしながら、図の混雑を避けるために、
図2A~
図5は、接尾辞付きの参照番号のみを使用する。(接尾辞は
図1Bから省略され、部分組立品112aまたは112bのいずれかであり得る部分組立品112を示す。)
【0104】
少なくともインプラント110の組み立てられた状態では、各部分組立品112について、アンカー120は、テザー130に摺動可能に連結され、多くの場合、湾曲部136に連結される。この摺動可能な連結は、例えば、アンカーがテザー130上にねじ込まれることによって達成され得る。一部の用途では、アンカー120および/またはテザー130へのそれらの摺動可能な連結は、Kasherらの特許文献1、および/または2021年3月17日に出願されたShafighらの特許文献2に記載されるアンカーおよび/またはテザーのうちの一つ以上について記載され、必要に応じて改変を加えたものであり、その各々が、あらゆる目的のため参照により本明細書に組み込まれる。
【0105】
ドライバー160は、多くの場合、可撓性ステム162と、アンカー120のドライバーインターフェース(例えば、ヘッド)と可逆的に係合するように構成されたドライバーヘッド164と、を備える。この係合を介して、ドライバー160は、アンカー120の組織係合要素を組織10内に打ち込むように構成される。例えば、組織係合要素がらせん状である用途では、ドライバー160は、組織係合要素を組織内にねじ込むように構成され得る。
【0106】
図2Aは、カテーテル170から遠位に前進されたテザー130aの湾曲部136a、心臓の組織10に固定されたセット118aの二つのアンカー120、およびカテーテルを通ってセットの第三のアンカーを前進させ、第三のアンカーを組織に打ち込むドライバー160を示す。一部の用途では、湾曲部136aは、セット118aの第一のアンカーが既にテザー130aに摺動可能に連結された状態で、カテーテル170を通って、かつ/またはカテーテル170から出るように前進される。例えば、湾曲部136aは、第一のアンカー120が湾曲部に摺動可能に連結された状態で、また、ドライバーが第一のアンカーと係合された状態で、ドライバー160によってカテーテル170を通って、かつ/またはカテーテル170から出るように前進させることができ、例えば、ドライバーはアンカーを前進させることによって湾曲部を前進させる。
【0107】
セット118aの第一のアンカー120が固定されると、テザー130aの端部分132aおよび134aは、湾曲部136aから近位に(例えば、心臓の外側に)配置され、典型的には、対象者の外側に経管腔的に延在する。一部の用途では、各々の後続のアンカー120は、端部分(示される用途では、端部分132a)のうちの一つの上およびそれに沿って、第一のアンカーに向かってアンカーを摺動させることによって、心臓(例えば、心房)に前進される。多くの場合、各アンカーの固定後、ドライバー160は心臓から(例えば、対象者の身体から)引き出され、後続のアンカーに連結される。
【0108】
例えば、端部分132aは、カテーテル170の第一の内腔172(例えば、一次内腔)を通って延在してもよく、端部分134aは、カテーテルの第二の内腔(例えば、二次内腔)174を通って延在してもよい。示されるように、内腔172は、それを通るアンカー120およびドライバー160の通過を容易にするように寸法設定することができ、内腔174は、内腔172よりも狭く、かつ/またはより小さい断面積を有し得る。
【0109】
任意選択的に、システム100は、例えば、アンカー120およびドライバー160の通過を容易にするように寸法決定された内腔(例えば、それぞれの内腔、または同じ内腔)内に各端部分を配置または位置付け可能にすることによって、テザー130のいずれかの端部分の上での後続のアンカーの前進を促進するように構成され得る。こうした構成は、有利なことに、セットの第一のアンカーを、組織部位/アンカー固定組立品140の最適な中心であると決定された位置に固定することを可能にし、セットの後続のアンカーが、その両側に(例えば、交互に)追加されると仮定される。こうした構成は、有利なことに、処置中に取得された情報に応答してなど、医師がアンカー固定組立品140の境界に関する処置内決定を行うことを可能にし得ることが、さらに仮定される。例えば、医師は、最初はセットの第一のアンカーを末端アンカー(以下を参照)とすることを意図できるが、その後、第一のアンカーを越えてセットの後続のアンカーを固定することを決定することができる。
【0110】
送達器具150(例えば、カテーテル170および/またはドライバー160)および/またはアンカー120の構成要素および/または特徴は、以下の参考文献のうちの一つ以上に記載される一つ以上の構造的および/または機能的特徴(例えば、その中に記載されるカテーテル、ドライバー、および/またはアンカーのうちの一つ以上の構造的および/または機能的特徴)を共有することができ、それらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
・特許文献3(Iflahら)
・特許文献4(Brauonら)
・特許文献1(Kasherら)
【0111】
図2B~
図2Dは、概略上面図であり、例えば、
図1Aの図と同様に、弁の上流にある心房から弁8を見下ろすものである。
【0112】
図2Bは、部分組立品112aの組立/埋め込み(例えば、セット118aのアンカー120の固定)を完了したものとして示す。部分組立品112bは、同じ様式で、必要に応じて改変を加えて、組み立て/埋め込むことができる。
図2Cは、組み立て/埋め込まれた両方の部分組立品を示す。示される実施例では、セット118aの各アンカー120は、心臓の組織に沿って第一の列に固定され、それによって、組織に沿って湾曲部136aの少なくとも一部を配置し、セット118bの各アンカーは、第一の列から弁8を横切って、心臓の組織に沿って第二の列に固定され、それによって、湾曲部136aから弁を横切って、組織に沿って湾曲部136bの少なくとも一部を配置する。
【0113】
示されるように、各セットのアンカー120が固定されると、テザー130aの端部分132aおよび134a、ならびにテザー130bの端部分132bおよび134bは、心臓の外に、典型的には対象者の外に延在する。
【0114】
各セット118のアンカー120の数は予め決定することができ、または医師によってリアルタイムで決定することができる。図示した実施例は、等しい数のアンカー120を有するセット118を示すが、等しくない数を使用することもできる。同様に、インプラント110は、二つの部分組立品を含むものとして示され、記載されているが、より多くの数の部分組立品(例えば、三つの部分組立品または四つの部分組立品)を、必要に応じて改変を加えて使用することができる。
【0115】
両方の部分組立品が組み立てられ/埋め込まれると、ツール180はその後、多くの場合、ツールの遠位端182が心房内、例えば、弁8の弁口および/または弁尖の上などに位置付けられるまで、端部分132a、134a、132b、および134bの上およびそれに沿ってツールを経管腔的に前進させることによって、心臓に経管腔的に前進される(
図2D)。すなわち、ツール180は、典型的には、心房内のインプラント110と係合する。多くの場合、この係合は、アンカー固定組立品140aとアンカー固定組立品140bとの間で、排他的に生じる。多くの場合、ツール180のこの前進は、ツールの遠位端182で、テザー130aおよび130b(例えば、その端部分132a、134a、132b、および134b)が収束するブリッジノード138を画定する。ブリッジノード138は、例えば、弁口の上流側および/または弁8の弁尖の上で、セット118aのアンカーの列とセット118bのアンカーの列との間の途中までであり得る。
【0116】
少なくともインプラント110が埋め込まれた状態では、インプラントは、(i)その各々が、複数のアンカー120と、複数のアンカーを互いに接続するコネクタ142と、を備える、第一のアンカー固定組立品140aおよび第二のアンカー固定組立品140bと、(ii)第一のアンカー固定組立品を第二のアンカー固定組立品に連結するブリッジ144と、を備える。それによって、インプラント110のコネクタ142およびブリッジ144は、多くの場合、テザー130の様々な部分によって画定され、ツール180の前進時により明確になる。
【0117】
一部の用途では、
図1A、
図2D、および
図5に示すように、第一のテザー130aは、
(i)ブリッジノード138から第一のアンカー固定組立品140aの第一の部分(例えば、第一の端)までループし、それによって第一のブリッジ144_i(テザーのこの部分は、テザーの第一のブリッジ部分と呼ばれ得る)を画定し、
(ii)第一のアンカー固定組立品140aの第一の部分から第一のアンカー固定組立品の第二の部分(例えば、第二の端部)までループし、それによってコネクタ142aを画定し、
(iii)第一のアンカー固定組立品140aの第二の部分からブリッジノード138に戻り、それによって第二のブリッジ144_iiを画定する(テザーのこの部分は、テザーの第二のブリッジ部分と呼ばれ得る)。
【0118】
第二のテザー130bは、同様に、第二のアンカー固定組立品140bに、それに沿って、およびそこから再びループして、第三のブリッジ144_iii、コネクタ142b、および第四のブリッジ144_ivを画定する。
【0119】
図示した実施例は、概して互いに類似する長さを有する両方のアンカー固定組立品140を示し、両方のアンカー固定組立品は、弁輪に沿って類似する距離に互いに延在し、アンカー固定組立品の各々は、弁輪に沿って約四分の一に延在する。しかしながら、アンカー固定組立品は、互いに異なる長さを有することができ、弁輪に沿って異なる距離に互いに延在することができ、各々が弁輪に沿って四分の一よりも多くまたは四分の一よりも少なく延在することができる。
【0120】
多くの場合、示されるように、所与のセット118のアンカー120は、それらのそれぞれのテザー130上にシリーズで配置され、シリーズで組織に固定される。各シリーズについて、シリーズの一つの端部のアンカー120は、シリーズの第一の末端アンカーとみなされ得、シリーズの反対側の端部のアンカー120は、シリーズの第二の末端アンカーとみなされ得る。本出願(本明細書および特許請求の範囲を含む)全体を通して、所与のシリーズのアンカーの文脈において、「第一の末端アンカー」および「第二の末端アンカー」という用語は、必ずしも、これらの二つのアンカーが前進および/または固定される順序を示すものではない。
【0121】
一部の用途では、ブリッジ144がブリッジノード138に向かって延在するアンカー固定組立品140の部分が、末端アンカーである。すなわち、一部の用途では、所与の部分組立品112について、(i)一つのブリッジ(すなわち、テザーの一つのブリッジ部分)は、ブリッジノード138とそれぞれのシリーズの第一の末端アンカーとの間に延在し、(ii)他方のブリッジ(すなわち、テザーの他方のブリッジ部分)は、ブリッジノードとそれぞれのシリーズの第二の末端アンカーとの間に延在する。
【0122】
一部の用途では、示されるように、所与のアンカー固定組立品140の末端アンカーは、そのアンカー固定組立品の端部を画定する。
【0123】
各ブリッジ144は、そのそれぞれのアンカー固定組立品140とブリッジノード138との間にブリッジ長さを有する。ツール180は、テザー130aおよび130bに張力を加えることによって(例えば、端部分132a、134a、132b、および134bを引っ張ることによって)、一つ以上のブリッジ144のブリッジ長さを調整(例えば、減少)するために使用される。組織10へのアンカー120の固定に起因して、それによって、組織10が再形成される。例えば、組織10が弁8の弁輪の組織である用途では、ブリッジ長さの減少は弁輪の再形成(例えば、収縮)を行う。
図5は、システム100による収縮後の弁8を示し、以下で論じる。しかしながら、事前に、システム100のいくつかの他の任意選択的な特徴について説明する。
【0124】
一部の用途では、各テザー130は、インプラント110の他のテザーとは独立して、またはそれらと協働して、張力を加えることができる。さらに、所与のテザーについて、端部分132は、端部分134とは独立して、または端部分134と協働して、引っ張られ得る(例えば、張力を加えられる)。例えば、ツール180は、端部分132a、134a、132b、および134bを選択的にまたは差別的に引っ張ることによって、テザー130aおよび130bに選択的または差別的に張力を加えるように構成され得る。
【0125】
図3A~
図3Dは、インプラント110を収縮させることができる様々な方法を概略的に表し、破線は埋め込み時のインプラント(例えば、そのブリッジ144)の形状を表し、実線は収縮後のインプラントの形状を表す。
図3Aは、すべての端部分(すなわち、両方のテザーの両方の端部分)が協働して引っ張られ、すべてのブリッジ144の類似する量の短縮がもたらされる時のインプラント110の仮定上の収縮形状を示す。
図3Bは、端部分134aが他の3つの端部分よりもさらに引っ張られ、ブリッジ144_iiが他の3つの端部分よりも短くされる時のインプラント110の仮定上の収縮形状を示す。
図3Cは、端部分134aおよび134bが、端部分132aおよび132bよりもさらに引っ張られ、ブリッジ144_iiおよび144_ivがブリッジ144_iおよび144_iiiよりも短くされた、インプラント110の仮定上の収縮形状を示す。
図3Dは、端部分134aおよび132bが、端部分132aおよび134bよりもさらに引っ張られ、ブリッジ144_iiおよび144_iiiがブリッジ144_iおよび144_ivよりも短くされた、インプラント110の仮定上の収縮形状を示す。それによって、システム100は有利に可撓性であり、弁輪などの心臓組織が再形成される様式に対して高度の制御を促進すると仮定される。
【0126】
一部の用途では、独立した引っ張りおよび協働した引っ張りという二重機能は、体外制御インターフェース190によって促進され得る。インターフェース190は、ツール180の近位部分184に配置され得、例えば、示されるように、ツールのハンドル186と一体化され得る。インターフェース190は、外科医またはインターベンション心臓専門医などのユーザーによって動作可能である。
【0127】
インターフェース190は、各々がインプラント110のテザー130のそれぞれの個別の端部分に張力を加えるように構成された、複数のテザーコントローラ192を備え得る。例えば、また示されるように、インプラント110がテザー130aおよび130bを備える用途では、インターフェース190は、四つのテザーコントローラ192、すなわち、端部分132aに対して一つ、端部分134aに対して一つ、端部分132bに対して一つ、端部分134bに対して一つを含むことができる。一部の用途では、各テザーコントローラ192は、それぞれのホイール(図示の通り)、ノブ、または類似の作動を備え、それらの作動は、それぞれのテザー端部分を引っ張る。
【0128】
インターフェース190は、集合的なテザーコントローラ194を備えてもよく、その作動は、端部分の全てを集合的に引っ張る。例えば、コントローラ194を使用して、
図3Aに示す結果を達成することができる。コントローラ194は、コントローラ192とともに、またはコントローラ192を使用せずに、使用することができる。例えば、コントローラ194は、弁8の弁輪の特定の全体的収縮量を達成するために使用されてもよく、コントローラ192のうちの一つ以上は、弁輪の形状のより特定の変化を達成するために(前および/または後に)使用されてもよい(例えば、
図3B~
図3Cを参照して記載される通り)。
【0129】
インターフェース190は、例えば、コントローラ192および194を端部分と可逆的に係合および係合を解除するために、インターフェースをテザー130と可逆的に係合および係合を解除するように構成された係合コントローラ196を備え得る。コントローラ196は、例えば、ツール180のテザーの上およびそれに沿った心臓への摺動を促進するために、インターフェース190(例えば、そのコントローラ192および194)をテザー130から係合を解除し、その後、テザーの端部分の引っ張りおよびインプラント110の収縮を促進するために、インターフェースをテザーと係合するために使用され得る。
【0130】
一部の用途では、遠位端182、したがってブリッジノード138は、アンカー120が固定される位置とは少なくとも部分的に独立して位置付けられ得る(かつ再配置され得る)。この位置付けは、遠位端182が心臓内に前進するにつれて(例えば、遠位端が弁8の近くへともたらされるにつれて)実施することができ、かつ/または遠位端が心臓内に既にある時に(例えば、遠位端が弁8に既に配置された後に)実施することができる。この位置付けは、テザー130の端部分のうちの一つ以上の張力を緩める一方で、テザーの端部分のうちの一つ以上に張力を加えることによって促進され得る。この位置決めは、代替的にまたは追加的に、ツール180の遠位端182の操向によって、および/またはツール180が配置されるカテーテルの操向によって促進され得る。こうした操向は、ツール180および/またはツールが配置されるカテーテルを通って延在する一つ以上のプルワイヤを介してなど、当技術分野で公知の手段によって、必要に応じて改変を加えて達成することができる。
【0131】
図4A~
図4Bは、ブリッジノード138の再配置が、インプラント110を収縮させることができる様々な方法を概略的に示し、破線は、遠位端182が弁8に到達した時のインプラント110(例えば、そのブリッジ144)の初期形状を表し、実線は、遠位端182の再配置後のインプラントの形状を表す。矢印は、ブリッジノード138の初期位置からその後の位置への結果として生じる移動を示す。示されるように、ブリッジノード138の再配置は、ブリッジ部分144の少なくとも一つを長くし、ブリッジ部分の少なくとも別の一つを短くする。再配置は、遠位端182およびブリッジノード138を、アンカー固定組立品140のうちの一つから離れて、かつアンカー固定組立品の別のものに向かって、移動させることができる。
図4Aは、遠位端182、したがってブリッジノード138が、アンカー固定組立品140aに向かって再配置され、ブリッジ144_iiiおよび144_ivを長くし、ブリッジ144_iおよび144_iiを短くする実施例を示す。
図4Bは、遠位端182、したがってブリッジノード138が、アンカー固定組立品140aの一つの特定の端部に向かって再配置される実施例を示す。
【0132】
ブリッジノード138を再配置する能力によって、一つ以上の利点が提供されると仮定される。これらの利点は、例えば、ロック146および/またはブリッジ144が弁8の弁口および/または弁尖の上に配置され、弁尖が心房内で激しく揺れることを機械的に妨害することによる、ブリッジノード138の位置の直接的な結果であり得る。
【0133】
代替的または追加的に、これらの利点は、ブリッジノード138の再配置から生じるブリッジ144の異なる角度および長さの産物であってもよく、弁輪の異なる部分の収縮に対して追加の制御を提供することができる。例えば、ブリッジノード138の初期中央位置と比較して、
図4Bに示すようにブリッジノードの位置付けは、
-テザー130aの端部分132aおよび134aの所与の量の引っ張りによって引き起こされるアンカー固定部分140aの収縮を(絶対的に、かつ/またはブリッジ144_iおよび144_iiのブリッジ長さの引っ張りの効果に対して)増加させることができ、かつ/または
-ブリッジ144_iiiおよび144_ivのブリッジ長さが、端部分132bおよび134bの所与の量の引っ張りによって短縮される量を(絶対的に、かつ/または引っ張りがアンカー固定部分140bを収縮する量に対して)増加させる。
【0134】
組織10(例えば、弁8)の所望の調整(例えば、収縮)が達成されると、テザー130に加えられた張力は、ロック146をテザーに係止することで、定位置に係止される(
図5)。ロック146は、ツール180の遠位端182に連結することができ、ツールの近位部分184でのロックコントローラ198の作動によって、テザーに係止することができる(
図5)。ロックコントローラ198は、インターフェース190の構成要素であり得る。
【0135】
一部の用途では、示されるように、ツール180はまた、余分なテザー130をロック146から近位に切断するために使用される。こうした用途では、ツール180は、操作者による単一の動作(例えば、ロックコントローラ198の作動)がロック146を係止し、余分なテザーを切断するように構成され得る。
【0136】
一部の用途では、ロック146および/またはツール180の係止および/または切断操作は、特許文献5(Brauonら)に記載される要素および/または特徴を共有することができ、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0137】
一部の用途では、ロック146は、複数の係止要素を備え、各係止要素は、ツール180によって独立して係止可能であり、その結果、ロックは、他のものへの係止とは独立して各テザー130に係止可能であり、例えば、ロックは、他のものへのロックとは独立して各ブリッジ部分(例えば、各ブリッジ144)に係止可能である。
【0138】
示される用途では、これらの様々なコントローラは、それらが制御する要素に機械的に連結され得る。しかしながら、代替的または追加的に、インターフェース190は、システム要素の操作を制御する一つ以上の計算された制御要素のためのユーザーインターフェースを備え得る。本出願の目的のために、「コンピュータ制御要素」という用語、および等価な「コンピュータコントローラ」という用語は、システムの機械的および/または電気的構成要素の操作を制御するための計算回路または要素を指す。コンピュータ制御要素には、非有形コンピュータ可読記憶媒体と機能的に関連付けられた処理ユニットを含む。記憶媒体は、処理ユニットによって実行される時、システムの機械的および/または電気的構成要素の操作を制御する動作を実行する命令を保存する。例えば、命令は、システムの一つ以上の構成要素を遠位に前進させるか、またはシステムの一つ以上の構成要素を近位に格納する命令を含み得る。こうした実施例では、インターフェース190は、一つ以上の計算された制御要素と機能的に関連付けられてもよく、それによって記憶媒体に記憶された特定の命令の実行をトリガするユーザー入力を受信するように構成され得る。
【0139】
したがって、本出願全体を通して、インターフェース190は、ノブ、スイッチ、レバー、スライダ、および/またはボタン(例えば、図示されるもの)などの一つ以上の機械的コントローラを含むことができ、かつ/またはキーボード、マウス、ボタン、および/またはタッチスクリーンなどの一つ以上の電子コントローラを含むことができる。同様に、一つのタイプの機械的コントローラとして本明細書に例示される所与のコントローラは、別のタイプの機械的コントローラとして任意選択的に提供され得る。
【0140】
さらに、インターフェース190(例えば、ハンドル186)の形状および構成は、示されるものとは異なる場合があることが注目されるべきである。例えば、インターフェース190を保持するような形状のハンドルと一体化されていない構成が可能である。
【0141】
ここで、一部の用途によるインプラント110’の概略図である、
図6を参照する。インプラント110’は、記載がない限り、典型的にはインプラント110について記載される通りである。同様に、接尾辞「’」のある場合を除き、インプラント110の構成要素と同一に名前が付けられ、番号付けされたインプラント110’の構成要素は、記載がない限り、典型的にはインプラント110の構成要素について記載される通りである。インプラント110’の各部分組立品のアンカー固定組立品は、スリーブ122をさらに含む。例えば、示される用途では、部分組立品112a’のアンカー固定組立品140a’は、スリーブ122aをさらに含み、部分組立品112b’のアンカー固定組立品140b’は、スリーブ122bをさらに含む。スリーブ122は可撓性であってもよく、ポリマーおよび/または布を含み得る。
【0142】
インプラント110’の各部分組立品112では、テザー130の湾曲部136は、スリーブの内腔を通って延在することによって、またはスリーブの側壁に沿って織る(示されるように)ことによって、スリーブ122に沿って延在する。一部の用途では、アンカー固定組立品140は、スリーブの内腔から、スリーブの壁を通って、組織10へと前進されているアンカー120によって固定され、例えば、必要に応じて改変を加えて、特許文献6(Ziporyら)および/またはSepsらの特許文献7(Shepsら)に記載されるものと同様であり、その各々が参照により本明細書に組み込まれる。こうした用途では、インプラント110’のアンカー120は、スリーブ122が湾曲部に摺動可能に連結されることによって、湾曲部136に摺動可能に連結され得る。こうした用途では、所与のアンカー固定組立品140’のスリーブ122は、そのアンカー固定組立品のコネクタ142’(例えば、アンカー固定組立品140a’のコネクタ142a’およびアンカー固定組立品140b’のコネクタ142b’)を画定することができる。
【0143】
一部の用途では、示されるように、ブリッジ144がブリッジノード138に向かって延在する各アンカー固定組立品140a’および140b’の部分は、スリーブ122の端部であり、これらは、アンカー固定組立品の末端アンカーよりもさらに間隔を置き得る。すなわち、一部の用途では、所与の部分組立品112’について、(i)一つのブリッジ(すなわち、テザーの一つのブリッジ部分)は、ブリッジノード138とスリーブの一つの端部との間に延在し、(ii)他方のブリッジ(すなわち、テザーの他方のブリッジ部分)は、ブリッジノードとスリーブの他方の端部との間に延在する。例えば、テザーのブリッジ部分は、スリーブの内腔の開放端部から延在し得る。任意選択的に、テザーのブリッジ部分は、スリーブの壁を通って、例えば、スリーブの端部よりも互いに近い部位から横方向に延在し得る。
【0144】
インプラント110のコネクタ142は、例えば、テザー130の引っ張りに応答して、軸方向に収縮可能である。すなわち、コネクタ142は、テザー130が張力を受けるにつれて短くなり、アンカー固定組立品の末端アンカーを超えて摺動する。一部の用途では、インプラント110’のコネクタ142’も軸方向に収縮可能である。しかしながら、一部の用途では、コネクタ142’は、軸方向収縮に対して耐性があり得る。例えば、スリーブ122は、テザー130の張力に応答して圧縮に抵抗することができる。
【0145】
図1A~
図2D、および
図5は、心臓の僧帽弁としての弁8、システム100およびインプラント110を示し、インプラント110’は、僧帽弁で使用されており、システム100およびこれらのインプラントは、心臓の三尖弁でも同様に使用することができる。
【0146】
図7A~
図B、
図8A~
図8G、
図9A~
図9B、および
図10を参照すると、一部の用途による、房室弁8で使用するためのシステム200、およびシステムで使用するための技術の概略図である。システム200は、インプラント210を備え、多くの場合、心臓に経管腔的に前進可能であり、インプラント210の埋め込みを促進するために使用される送達器具250をさらに備える。送達器具250は、多くの場合、ドライバー260と、ドライバーがその中を(例えば、それを通って)摺動可能なカテーテル(例えば、可撓性の管)270と、を備える。
【0147】
図7Aは、例えば、弁8での埋め込み後の、その伸張された状態のインプラント210を示す。
図7Bは、組織、例えば弁輪を再形成するためにインプラントがその後移行する方向に向かう、その収縮状態のインプラント210を示す。明確にするために述べると、
図7A~
図7Bは、弁8または他の解剖学的構造を示さない。
【0148】
少なくとも埋め込まれると、インプラント110は、(i)それぞれが複数のアンカー220および複数のアンカーを互いに接続するコネクタ242を含む、少なくとも二つのアンカー固定組立品240と、(ii)アンカー固定組立品を互いに連結する一つ以上のブリッジ244と、を備える。多くの場合、各ブリッジ244は、ブリッジノード238で少なくとも一つの他のブリッジに連結される。多くの場合、各ブリッジノードにおいて、インプラント210は、以下に説明されるそれぞれの調整機構230を備える。
図7A~
図9Bに示す用途では、インプラント210は、正確に二つのアンカー固定組立品240、正確に二つのブリッジノード238で対で互いに連結される正確に四つのブリッジ244を有し、調整機構230はブリッジノードの各々にある。
図10は、インプラント210’と指定された別の用途を示しており、これは、一つのブリッジノード238で互いに連結された二つのブリッジ244のみを備える。
【0149】
ドライバー260は、多くの場合、可撓性ステム262と、アンカー220のドライバーインターフェース(例えば、ヘッド222により定義)と可逆的に係合するように構成されたドライバーヘッド264と、を備える。送達器具150(例えば、カテーテル170および/またはドライバー160)および/またはアンカー120の構成要素および/または特徴は、以下の参考文献のうちの一つ以上に記載される一つ以上の構造的および/または機能的特徴(例えば、その中に記載されるカテーテル、ドライバー、および/またはアンカーのうちの一つ以上の構造的および/または機能的特徴)を共有することができ、それらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
特許文献3(Iflahら)
特許文献4(Brauonら)
特許文献1(Kasherら)
【0150】
一部の用途では、インプラント210は、コネクタ242に既に連結されたアンカー220により経管腔的に送達される。例えば、また示されるように、各アンカー220は、コネクタ242に回転可能に連結され得、アンカーのヘッド222は、コネクタの一方の側にあり、アンカーの組織係合要素224は、コネクタの他方の側にあり、アンカーのネック226は、コネクタを通って延在する。こうした用途では、ドライバー260は、例えば、ネック226がコネクタ242内で自由に回転するように、トルクをヘッド222にかけることによって、組織係合要素224を組織にねじ込むことによって、各アンカー固定組立品240を組織10に固定することができる。
【0151】
任意選択で、アンカー220は、インプラント110とは独立して経管腔的に送達され得る。例えば、インプラント110が心房内に配置されると、各アンカー220は、インプラントに前進し、コネクタ242を通って組織10内に打ち込まれ得る。
【0152】
図8A~
図8Gは、一部の用途による、インプラント210で使用するための技術の少なくとも一部の工程を示す。
図8Aは、心房に送達され、弁8の上流側上に配置されたインプラント210と、アンカー220のうちの一つを組織10に固定するために使用されるツール260と、を示す。
図8B~
図8Dは、ツール260(例えば、そのドライバーヘッド264)が、他のアンカー220に連続的に移動し、それらを組織に固定することを示す。
【0153】
一つのアンカー固定組立品240のアンカー220は、心臓の組織に沿って第一の列に固定されるとみなされ得、他のアンカー固定組立品のアンカーは、第一の列から弁8を横切って、心臓の組織に沿って第二の列に固定されるとみなされ得る。示される実施例では、各アンカー固定組立品240は、二つのアンカー220を備えるが、アンカー固定組立品一つにつきより多くの数のアンカーを使用することができる。
【0154】
各ブリッジノード238および各調整機構230は、アンカーの第一の列および第二の列との間の途中(例えば、アンカー固定組立品240間の途中)までとすることができる。多くの場合、インプラント210は、各ブリッジノード238および各調整機構230が弁口および/または弁8の弁尖の上流側上に配置されるように埋め込まれる。
【0155】
インプラント210が固定されると、少なくとも一つのツール280はその後、ツールが調整機構230と係合するまで、例えばカテーテル270を介して心臓に経管腔的に前進される(
図8F)。ツール280は多くの場合、弁8の弁口および/または弁尖の上など、心房内の調整要素230と係合する。多くの場合、この係合は、アンカー固定組立品240の間で、排他的に生じる。次いで、ツール280を使用して、調整機構230(以下に説明)を作動させ、これがブリッジ244を短縮し(
図7Bのブリッジ長さd2は、
図7Aのブリッジ長さd1よりも短い)、それによって、アンカー固定組立品240およびそれらが固定される対象の組織部分を互いに向かって引き込む(
図8G)。
【0156】
示される用途では、二つのツール280は、それぞれの二つの調整機構230と平行に係合し、例えば、二つの調整機構の同時および/または前後の調整を可能にする。しかしながら、一部の用途では、単一のツールを使用して、各調整機構230を係合および調整する。いずれの場合でも、インプラント210は、各調整機構を独立して調整することを可能にし、それによって弁輪の異なる部分の異なる収縮を促進する。
【0157】
一部の用途では、また示されるように、各ブリッジ244は、互いに対して軸方向の摺動を促進する様式で互いに連結される、第一のブリッジ構成要素244aおよび第二のブリッジ構成要素244bを備える。例えば、また示されるように、ブリッジ構成要素のうちの一方(示される実施例のブリッジ構成要素244a)は、軸方向スロット238または溝を画定し得、ブリッジ構成要素のうちの他方(示される実施例のブリッジ構成要素244b)は、スロットまたは溝内に(例えば、それを通って)突出するベアリングを画定し得る。こうした用途では、調整機構230の作動は、ブリッジ構成要素244aおよび244bを互いに対して摺動させることによってそれが連結されるブリッジ244のブリッジ長さを調整する。一部の用途では、互いに対するブリッジ構成要素のこの構成は、伸縮自在な配置とみなすことができる。
【0158】
一部の用途では、各ブリッジ244について、上述の軸方向の摺動に加えて、ブリッジ構成要素244aは、ブリッジ構成要素244bに対して関節動作可能である。一部の用途では、ブリッジ構成要素244aは、ブリッジ構成要素244bに対して関節動作可能ではなく、例えば、ブリッジ構成要素は、軸方向の摺動によってのみ、互いに対して移動可能である。
【0159】
一部の用途では、また示されるように、各ブリッジ244(例えば、各ブリッジ構成要素244b)とアンカー固定組立品240(例えば、コネクタ242)との間の連結は、関節接続式の連結である。
【0160】
一部の用途では、また示されるように、各ブリッジノード238で、それぞれの調整機構238は、二つのそれぞれのブリッジ244に連結される(例えば、調整機構は、二つのブリッジを一緒に連結する)。一部の用途では、この連結は、調整機構の作動が両方のブリッジのブリッジ長さを調整するようなものである。しかしながら、他のこうした用途では、この連結は、調整機構の作動が、ブリッジのうちの一つのみ、例えば、調整可能なブリッジ長さを有するブリッジのうちの一つ、および固定されたブリッジ長さを有するブリッジのうちの一つのブリッジ長さを調整するようなものである。
【0161】
一部の用途では、調整機構230は、軸ax1に沿った調整機構のボルト232などの要素の移動が、軸ax1に直交する軸ax2に沿ったブリッジ244の収縮(例えば、ブリッジ構成要素244bの摺動)を引き起こすように、ブリッジ244に動作可能に連結される。図示されるように、一部の用途では、これは、(1)ブリッジ要素244aに対するブリッジ要素244bの摺動連結を、(2)(i)一方の端部でボルト232に、および(ii)他方の端部でブリッジ要素244bに関節動作可能に連結されたリンカー236と動作可能に連結することによって達成される。一部の用途では、この配置はスコットラッセルリンク機構である。
【0162】
一部の用途では、調整機構230は、回転可能な部材を備え、回転可能な部材を回転させることによって作動可能である。一部のこうした用途では、回転可能な部材はボルト232である。例えば、ボルト232は、回転可能な部材の回転が、マウント234に対して(また多くの場合は、ブリッジ構成要素244aに対して)軸ax1に沿って回転可能な部材を移動させ、それによってブリッジ244を内側に収縮させるように、マウント234に取り付けられたねじ込みボルトであり得る。マウント234は、ブリッジ要素244aに固定的に連結され得る。
【0163】
図8A~
図8Gは、心臓の僧帽弁としての弁8を示し、システム200およびインプラント210は、僧帽弁で使用されており、システム200およびインプラント210(本明細書の以下に記載するインプラント210’)は、心臓の三尖弁でも同様に使用することができる。
図9A~
図9Bは、この実施例を示し、弁8は三尖弁である。
図9Aは、三尖弁の弁輪に固定された後のインプラント210を示し、
図9Bは、結果的な三尖弁の収縮を受けた、その後の調整後のインプラントを示す。
【0164】
一部の用途では、またインプラント210に示すように、インプラントのコネクタ(例えば、コネクタ242)は概して直線状であり、アンカー220は概して直線状に固定される。一部の用途では、またインプラント210に示すように、インプラントのコネクタ(例えば、コネクタ242’)は曲線状であり、アンカー220は概して円弧を描いて固定される。
【0165】
インプラント210は、アンカー固定組立品240一つにつき二つのアンカー220を含むものとして示され、インプラント210’は、アンカー固定組立品一つにつき三つのアンカーを含むものとして示されている。一部の用途では、インプラント210または210’の各アンカー固定組立品は、より多くの数のアンカーを含み得ることが理解されるべきである。さらに、一部の用途では、インプラント210または210’は、別の(例えば、他の)アンカー固定組立品よりも、一つのアンカー固定組立品により多くのアンカーを含み得る。例えば、一つのアンカー固定組立品は二つのアンカーを有することができ、他方のアンカー固定組立品は三つのアンカーを有することができる。
【0166】
一部の用途では、コネクタ242および/または242’は剛性である。一部の用途では、半剛性である。一部の用途では、可撓性である。一部の用途では、コネクタ242および/または242’は、非等角的に可撓性であり、例えば、コネクタが収縮時に弁輪を内側から引っ張る能力を保持しながら、弁輪の形状に適合することが可能になるように、中央外側方向よりも房室方向においてより可撓性である。
【0167】
一部の用途では、ブリッジ244、アンカー固定組立品240へのブリッジの連結、および/または調整機構230へのブリッジの連結は、例えば、コネクタ242または242’が横たわる平面などの少なくとも一つの平面において剛性である。例えば、示されるように、ブリッジ244は、一つ以上の剛性な構成要素を備えることができ、かつ/または調整機構および/またはコネクタに関節動作可能に(例えば、ヒンジで)連結することができる。
【0168】
当業者は、本発明が上記で具体的に示され説明されたものに限定されないことを理解するであろう。むしろ、本発明の範囲は、上述した様々な特徴の組み合わせおよび部分的組み合わせの両方、ならびに上記の説明を読むことで当業者が想到するであろう、先行技術にはないその変更および修正を含む。さらに、本明細書に記述または提案される治療技術、方法、動作、ステップ等は、生きた動物で、または非生存シミュレーションで、例えば、死体、死体心、シミュレーター(例えば、シミュレーションされている体の一部、組織等)で実施されることができる。
【国際調査報告】