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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-11
(54)【発明の名称】結着部を含むマスクフィルター
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20240304BHJP
【FI】
A41D13/11 A
A41D13/11 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558605
(86)(22)【出願日】2021-04-09
(85)【翻訳文提出日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 KR2021004537
(87)【国際公開番号】W WO2022215779
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】10-2021-0045430
(32)【優先日】2021-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521331397
【氏名又は名称】コリアテック カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】KOREATECH Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】12, Bongeunsa-ro 49-gil, Gangnam-gu, Seoul, 06103, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ドン・ヨル・イ
【テーマコード(参考)】
3B211
【Fターム(参考)】
3B211CB05
3B211CC03
(57)【要約】
本願発明は、結着部を含むマスクフィルターに関する。具体的には、マスクフィルターの一部に分離可能な結着部を付加したマスクフィルターに関する。例えば、本願発明のマスクフィルターは、使用者の顔面の前面に配置されるフィルター本体;前記フィルター本体の上部外周縁の少なくとも一部に沿って固定されるか、前記フィルター本体の上部外周縁の少なくとも一部から下方に離隔して固定されるか、前記フィルター本体の上部が折れ曲がって前記使用者の鼻の少なくとも一部及びその周辺部の皮膚を覆うフィルター上面;前記フィルター本体の下部外周縁の少なくとも一部に沿って固定されるか、前記フィルター本体の下部外周縁の少なくとも一部から上方に離隔して固定されるか、前記フィルター本体の下面が折れ曲がって前記使用者の顎の少なくとも一部及びその周辺部の皮膚を覆うフィルター下面を含むマスクフィルターであって、前記フィルター上面及び前記フィルター下面のうち少なくとも一方の両側部にはそれぞれ、前記フィルター本体とさらに結合する1個以上の第1結着部が備えられ、前記第1結着部は分離可能な結合形態である、マスクフィルターに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の顔面の前面に配置されるフィルター本体と、
前記フィルター本体の上部外周縁の少なくとも一部に沿って固定されるか、前記フィルター本体の前記上部外周縁の少なくとも一部から下方に離隔して固定されるか、前記フィルター本体の上部が折れ曲がって前記使用者の鼻の少なくとも一部及びその周辺部の皮膚を覆うフィルター上面と、
前記フィルター本体の下部外周縁の少なくとも一部に沿って固定されるか、前記フィルター本体の前記下部外周縁の少なくとも一部から上方に離隔して固定されるか、前記フィルター本体の下面が折れ曲がって前記使用者の顎の少なくとも一部及びその周辺部の皮膚を覆うフィルター下面と、
を含むマスクフィルターであって、
前記フィルター上面及び前記フィルター下面のうち少なくとも一方の両側部にはそれぞれ、前記フィルター本体とさらに結合する1個以上の第1結着部が備えられ、前記第1結着部は分離可能な結合形態であるマスクフィルター。
【請求項2】
使用者の顔面の前面に配置されるフィルター本体と、
前記フィルター本体の上部外周縁の少なくとも一部に沿って固定されるか、前記フィルター本体の前記上部外周縁の少なくとも一部から下方に離隔して固定されるか、前記フィルター本体の上部が折れ曲がって前記使用者の鼻の少なくとも一部及びその周辺部の皮膚を覆うフィルター上面と、
前記フィルター本体の下部外周縁の少なくとも一部に沿って固定されるか、前記フィルター本体の前記下部外周縁の少なくとも一部から上方に離隔して固定されるか、前記フィルター本体の下面が折れ曲がって前記使用者の顎の少なくとも一部及びその周辺部の皮膚を覆うフィルター下面と、
を含むマスクフィルターであって、
前記フィルター上面及び前記フィルター下面のうち少なくとも一方の中央部には、前記フィルター本体とさらに結合する1個以上の第2結着部が備えられ、前記第2結着部は分離可能な結合形態であるマスクフィルター。
【請求項3】
使用者の顔面の前面に配置され、中央部が折り畳まれるフィルター本体を含むマスクフィルターであって、
前記フィルター本体は、対称の本体左部及び本体右部が重なり合った状態で一側端部が相互に融着結合した接合部を含み、
前記接合部の周辺部のうち、前記フィルター本体の上部及び下部のうち少なくとも一方に、追加の分離可能な結合形態の第3結着部が付加されたマスクフィルター。
【請求項4】
使用者の顔面の前面に配置され、水平方向に折り畳まれる部分が付加されたフィルター本体を含むマスクフィルターであって、
前記フィルター本体の左上端、左下端、右上端、右下端のうち少なくとも一方には、前記フィルター本体同士が結合可能な1個以上の第4結着部が備えられ、前記第4結着部は分離可能な結合形態であるマスクフィルター。
【請求項5】
前記分離可能な結合形態は、剥離強度90度SUS基準500(g/25mm)以下の融着、面ファスナー、スナップボタン、嵌着、クリップ、磁力、裁縫、ボタン、カプラー、はさみ、接着、粘着、弾性結合を含む群から選ばれる少なくとも一つである、請求項1~4のいずれか一項に記載のマスクフィルター。
【請求項6】
前記第1結着部~前記第4結着部は、前記フィルター上面の外周縁、前記フィルター下面の外周縁、前記フィルター本体の外周縁のうち少なくとも一方に接するように配置される、請求項1~4のいずれか一項に記載のマスクフィルター。
【請求項7】
前記第1結着部~前記第4結着部の周辺にはそれぞれシワが形成された、請求項1~4のいずれか一項に記載のマスクフィルター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年04月07日付の韓国特許出願第2021-0045430号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本願発明は、結着部を含むマスクフィルターに関する。具体的には、マスクフィルターの一部に分離可能な結着部を付加したマスクフィルターに関する。
【背景技術】
【0003】
マスクは、疾病と関連した製品として制限的に使用されてきた。本人の疾病を他人に広めることを防止したり、他人からの感染を予防したりするための補助手段として使われている。黄砂、細塵によってマスクを着用する場合が増えているが、これもまた疾患を予防するためのものである。
【0004】
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の大流行によってマスクへの認識が急変した。品薄現象が起きる程度に需要が爆発したし、マスクだけでも疾病予防効果が大きいということが社会的に学習された。一日の大部分を、マスクを着用した状態で生活した経験も広く共有された。マスクを着用して顔を隠すというマイナスイメージも東洋・西洋を問わず薄くなった。
【0005】
その後、マスクはメガネのような生活必需品として位置づけられた。現在、全ての家庭には最小数量以上のマスクが常備されていると考えられる。春季の花粉や黄砂、夏季の自動車媒煙、冬季の軽い風邪に対してもマスクを着用することは非常に自然なことになるだろう。メガネを着用することが全く変なことではないように、マスクを着用することもまた非常に自然な文化になるだろう。
【0006】
マスクは、漏れ率によって等級及び用途が分類される。韓国で用いられるマスクの漏れ率は、食品医薬品安全評価院「保健用マスクの基準規格に対するガイドライン(請願人案内書)」の案内書-0349-04に記載された漏れ率試験法によって測定する。
【0007】
公認の漏れ率を有するマスクであっても、着用する使用者の顔面のサイズ及び耳に固定する紐の長さによって実質的な漏れ率が変わることがある。
【0008】
本願発明の発明者は、事前研究として、成人用に製作されたマスクを使用して、マスク紐の長さを調節しなかった場合と、マスク紐を含む長さを顔の長さの120%に調整した場合の漏れ率を比較した。後者の場合が前者の場合に比して、漏れ率が少なくとも25%から多くは83%まで減少することがみられた。すなわち、マスクは、紐の長さを調節してこそ漏れ率を下げることができ、これによって、マスクを着用する本来の目的を達成できることが分かる。ここでいう顔の長さは、モルフェウスを用いて測定した顔の長さであり、使用者の左耳から鼻の下まで、そして鼻の下から右耳までの距離のことを指す。
【0009】
マスク紐の長さを調節して漏れ率を高めることができるが、顔面の屈曲にしたがってデザインされたマスク、正確にはマスクフィルターのサイズも漏れ率に影響を及ぼす。老若男女によって顔面のサイズは異なるが、個々の使用者に合うカスタマイズマスクフィルターを提供することは実質的に不可能である。現在、市販されているマスクは、いくつかのあらかじめ定められたサイズのマスクフィルター又は多くの屈曲を付加したマスクフィルターが提供されているだけである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上のように、本願発明は、従来の問題点を解決するためのものであり、老若男女による顔面サイズに対応し得る、使用者によってサイズ調節が可能なマスクフィルターを提供することを目的とする。
【0011】
前記マスクの非制限的な例示は、ダブルフォルディングマスク、折り畳み式マスク、カップ型マスク、飛沫防止マスクが挙げられる。
【0012】
本願発明の明細書全般で言及するマスクフィルターは、通常、紐部分を除外したマスク本体に該当するものであり、本願発明は、当該部分をマスクフィルター又はフィルターとして言及する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記のような問題点を解決するために、本願発明は、使用者の顔面の前面に配置されるフィルター本体と、前記フィルター本体の上部外周縁の少なくとも一部に沿って固定されるか、前記フィルター本体の前記上部外周縁の少なくとも一部から下方に離隔して固定されるか、前記フィルター本体の上部が折れ曲がって前記使用者の鼻の少なくとも一部及びその周辺部の皮膚を覆うフィルター上面と、前記フィルター本体の下部外周縁の少なくとも一部に沿って固定されるか、前記フィルター本体の前記下部外周縁の少なくとも一部から上方に離隔して固定されるか、前記フィルター本体の下面が折れ曲がって前記使用者の顎の少なくとも一部及びその周辺部の皮膚を覆うフィルター下面と、を含むマスクフィルターであって、前記フィルター上面及び前記フィルター下面のうち少なくとも一方の両側部にはそれぞれ、前記フィルター本体とさらに結合する1個以上の第1結着部が備えられ、前記第1結着部は分離可能な結合形態であるマスクフィルターを提供する。
【0014】
本願発明は、また、使用者の顔面の前面に配置されるフィルター本体と、前記フィルター本体の上部外周縁の少なくとも一部に沿って固定されるか、前記フィルター本体の前記上部外周縁の少なくとも一部から下方に離隔して固定されるか、前記フィルター本体の上部が折れ曲がって前記使用者の鼻の少なくとも一部及びその周辺部の皮膚を覆うフィルター上面と、前記フィルター本体の下部外周縁の少なくとも一部に沿って固定されるか、前記フィルター本体の前記下部外周縁の少なくとも一部から上方に離隔して固定されるか、前記フィルター本体の下面が折れ曲がって前記使用者の顎の少なくとも一部及びその周辺部の皮膚を覆うフィルター下面と、を含むマスクフィルターであって、前記フィルター上面及び前記フィルター下面のうち少なくとも一方の中央には、前記フィルター本体とさらに結合する1個以上の第2結着部が備えられ、前記第2結着部は分離可能な結合形態であるマスクフィルターを提供する。
【0015】
本願発明は、また、使用者の顔面の前面に配置され、中央部が折り畳まれるフィルター本体を含むマスクフィルターであって、前記フィルター本体は、対称の本体左部及び本体右部が重なり合った状態で一側端部が相互に融着結合した接合部を含み、前記接合部の周辺部のうち、前記フィルター本体の上部及び下部のうち少なくとも一方に、追加の分離可能な結合形態の第3結着部が付加されたマスクフィルターを提供する。このとき、前記第3結着部は、前記接合部とは別個に、前記本体左部と前記本体右部が結合したり、前記フィルター本体の上部又は下部が重なり合いながら結合したりする形態であってよい。
【0016】
本願発明は、また、使用者の顔面の前面に配置され、水平方向に折り畳まれる部分が付加されたフィルター本体を含むマスクフィルターであって、前記フィルター本体の左上端、左下端、右上端、右下端のうち少なくとも一方には、前記フィルター本体同士が結合可能な1個以上の第4結着部が備えられ、前記第4結着部は分離可能な結合形態であるマスクフィルターを提供する。
【0017】
本願発明に係る第1結着部及び/又は第2結着部が結合するか否かによってフィルター上面とフィルター下面がフィルター本体から広がる程度が変わり、これによって様々な顔サイズに対応してよい。また、本願発明に係る第3結着部と第4結着部が結合するか否かによってフィルター本体の実質的なサイズが変わり、これによって様々な顔サイズに対応してよい。
【0018】
前記第1結着部~第4結着部は、使用者が分離できるところ、使用者は、自分の顔サイズに合うように第1結着部~第4結着部のうち所望の部分を分離して使用することができる。
【0019】
前記分離可能な結合形態の非制限的に例示は、剥離強度90度SUS基準500(g/25mm)以下の融着、面ファスナー、スナップボタン、嵌着、クリップ、磁力、裁縫、ボタン、カプラー、はさみ、接着、粘着、弾性結合を含む群から選ばれる少なくとも一つであってよい。
【0020】
前記フィルター上面の第1結着部及び前記フィルター下面の第2結着部はそれぞれ、前記フィルター上面の外周縁及び前記フィルター下面の外周縁に沿って配置されてよい。前記第3結着部及び第4結着部も、前記フィルター本体の外周縁に沿って配置されてよい。
【0021】
前記第1結着部~前記第4結着部の周辺にはそれぞれ、シワが形成されてよい。
【0022】
また、本願発明は、上記の様々な解決手段のうち、可能な形態の様々な組合せで提供可能である。
【発明の効果】
【0023】
本願発明は、結着部を備えた単一のマスクフィルターを提供し、結着部の分離を調節することによって使用者個々人の顔面に対応させることができるので、漏れ率及び着用感に優れたマスクフィルターを提供することができる。また、結着部を付加する工程は、従来の工程をそのまま適用しながら一部だけを修正すればいいので、前記構成の付加がしやすく、且つ経済的である。一方、使用者の顔面のサイズ及び形態に対して様々なサイズのマスクフィルターを提供しなくてすむので、少品種の生産によって余剰製品の発生可能性が低い。これは、資源活用をより効率よくし、急増するマスクフィルター廃棄物を低減できるので、環境面でも非常に好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】従来のダブルフォルディングマスクを示す斜視図である。
図2】本願発明に係る第1結着部の例示である。
図3】本願発明に係る第2結着部の例示である。
図4】従来の折り畳み式マスクを示す斜視図である。
図5】本願発明に係る第3結着部の例示である。
図6】従来の飛沫防止マスクを示す斜視図である。
図7】本願発明に係る第4結着部の例示である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付の図面を参照して、本願発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が本願発明を容易に実施できる実施例を詳細に説明する。ただし、本願発明の好ましい実施例に関する動作原理を詳細に説明するに当たって、関連した公知機能又は構成に関する具体的な説明が本願発明の要旨を却って曖昧にさせ得ると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0026】
また、図面全体を通じて、類似の機能及び作用を有する部分に対しては同一の図面符号を使用する。明細書全般において、一つ部分が他の部分と連結されているとするとき、これは、直接に連結されている場合の他、その中間にさらに他の素子を介在して間接的に連結されている場合も含む。また、ある構成要素を含むということは、特に断りのない限り、他の構成要素を排除するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0027】
以下、本願発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。ただし、これらの実施例は本願発明を例示的に説明するためのものであり、本願発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではない。以下、本願発明の実施例を、図面を参照して説明する。
【0028】
図1は、従来のダブルフォルディングマスクを示す斜視図であり、図2は、本願発明に係る第1結着部の例示であり、図3は、本願発明に係る第2結着部の例示である。
【0029】
図1図3を参照すると、ダブルフォルディングマスク100,200は、使用者の顔面の前面に配置されるフィルター本体110,210と、前記フィルター本体110,210の上部外周縁の少なくとも一部に沿って固定されるか、前記フィルター本体110,210の上部外周縁の少なくとも一部から下方に離隔して固定されるか、前記フィルター本体110,210の上部が折れ曲がって前記使用者の鼻の少なくとも一部及びその周辺部の皮膚を覆うフィルター上面120,220と、前記フィルター本体110,210の下部外周縁の少なくとも一部に沿って固定されるか、前記フィルター本体110,210の下部外周縁の少なくとも一部から上方に離隔して固定されるか、前記フィルター本体110,210の下面が折れ曲がって前記使用者の顎の少なくとも一部及びその周辺部の皮膚を覆うフィルター下面130,230と、を含む。前記フィルター本体110,210、フィルター上面120,220、フィルター下面130,230がマスクフィルターを構成する。
【0030】
フィルター上面120,220にはさらに、鼻との固定力を高めるための鼻固定部125,225が付加されてよい。
【0031】
前記マスクフィルターは、紐140,240が付加され、我々が使用するマスク、ダブルフォルディングマスク100,200を構成する。前記フィルター本体110,210は、複数の多孔性基材を多層に積み重ねて結合させてなる。フィルター本体110,210の接合部111,211は、このような複数の多孔性基材が結合した部位である。フィルター上面120,220及びフィルター下面130,230も類似の工程で製造され、外周縁に沿って同一の接合部が形成される。
【0032】
フィルター本体110,210には、また、紐140,240が結合する紐接合部114,214が付加される。
【0033】
フィルター本体110,210とフィルター上面120,220、及びフィルター本体110,210とフィルター下面130,230はそれぞれ、上面接合部112,212、下面接合部113,213に沿って結合する。図1図3では、前記フィルター本体110,210の上部外周縁の少なくとも一部から下方に離隔してフィルター上面120,220が固定されており、前記フィルター本体110,210の下部外周縁の少なくとも一部から上方に離隔してフィルター下面130,230が固定されている。
【0034】
図2を参照すると、本願発明に係るマスクフィルターは、前記フィルター上面220及び前記フィルター下面230のうち少なくとも一方の両側部にそれぞれ、前記フィルター本体210とさらに結合する1個以上の第1結着部A-A’,B-B’,C-C’,D-D’が備えられ、前記第1結着部A-A’,B-B’,C-C’,D-D’は、分離可能な結合形態であるマスクフィルターを提供する。
【0035】
図3を参照すると、本願発明に係るマスクフィルターは、前記フィルター上面220及び前記フィルター下面230のうち少なくとも一方の中央に、前記フィルター本体210とさらに結合する1個以上の第2結着部E-E’,F-F’が備えられ、前記第2結着部E-E’,F-F’は、分離可能な結合形態であるマスクフィルターを提供する。
【0036】
図2及び図3は、ダブルフォルディングマスクフィルターのみを図式化しており、これを顔面に固定する部分は省略されている。本願発明は、従来のダブルフォルディングマスクフィルターを製造する時に融着した部分に加えて、A-A’,B-B’,C-C’,D-D’のそれぞれの対応する位置のうち一つ以上が結合する第1結着部、又はE-E’、F-F’のそれぞれの対応する位置のうち一つ以上が結合する第2結着部が付加されたものである。第1結着部A-A’,B-B’,C-C’,D-D’や第2結着部E-E’,F-F’が結合する時に、相互対称の位置ではなく他の部位に結合してもよい。 第1結着部A-A’,B-B’,C-C’,D-D’や第2結着部E-E’,F-F’のそれぞれが結合する時に、一対の結合の他に追加の結合も可能であり、これにより、様々な使用者の顔面サイズに対応し得る。顔面が最も小さい場合には第1結着部A-A’,B-B’,C-C’,D-D’又は第2結着部E-E’,F-F’を結合させず、顔面が大きいほど結合を増える。
【0037】
本願発明に係る前記フィルター本体210は、使用者の口腔周辺に配置され、フィルター上面220は使用者の鼻周辺に配置され、フィルター下面230は使用者の顎周辺に配置される。
【0038】
前記フィルター上面220及び前記フィルター下面230の両側には、前記フィルター本体210と固定される1個以上の第1結着部(A-A’,B-B’,C-C’,D-D’のそれぞれに対応する結合部)が備えられ、前記第1結着部(A-A’,B-B’,C-C’,D-D’のそれぞれに対応する結合部)は、分離可能な結合形態であってよい。
【0039】
前記フィルター上面220、前記フィルター下面230の中央には、前記フィルター本体210と固定される1個以上の第2結着部(E-E’,F-F’に対応する結合部)が備えられ、前記第2結着部(E-E’,F-F’に対応する結合部)は、分離可能な結合形態であってよい。
【0040】
図2及び図3で、前記分離可能な結合形態は、フィルター本体210とフィルター上面220及びフィルター下面230とが損傷なく分離可能な程度の力を有しなければならない。例示として、1つの結合に対する剥離強度90度SUS基準500(g/25mm)以下である。さらに他の分離可能な結合形態は、面ファスナー、スナップボタン、嵌着、クリップ、磁力、裁縫、ボタン、カプラー、はさみ、接着、粘着、弾性結合を含む群から選ばれる少なくとも一つであってよい。前記フィルター上面が配置され得る範囲は、鼻尖の最突出点(tip-defining points)から鼻骨(nasal bone)下端部までであってよい。第3結着部及び第4結着部が結合する方式は、第1結着部及び第2結着部と同一であってよい。
【0041】
図2又は図3で、結着可能な部位の例示をそれぞれ、A-A’,B-B’,C-C’,D-D’,E-E’及びF-F’と表示した。A,B,C,D,E及びFの多数の点で表示し、これらのうち少なくとも一つが結着する部位になり得る。A,B,C,D,E及びFの結着部位はそれぞれ、対応するA’,B’,C’,D’,E’及びF’に結着する。A-A’,B-B’,C-C’,D-D’,E-E’及びF-F’の結合時に、相互対称の位置ではなく他の部位に結着してもよい。
【0042】
A,B,C及びDは、第1結着部の例示であり、E及びFは、第2結着部の例示である。フィルターを製造する時に、初期にはA,B,C,D,E及びFが全て結着した状態で製造できる。後に、使用者が当該結着した部分を分離して自分の顔に合わせることができる。
【0043】
本願発明に係る第1結着部及び/又は第2結着部が結合するか否かによって、フィルター上面とフィルター下面とがフィルター本体から広がる程度が変わり、これによって様々な顔サイズに対応し得る。前記第1結着部及び/又は第2結着部は、使用者が分離でき、よって、使用者は自分の顔サイズに合うように第1結着部及び/又は第2結着部のうち所望の部分を分離させて使用することができる。これは、下記の第3結着部及び第4結着部にも同一に適用される。
【0044】
前記第1結着部及び第2結着部が前記フィルター上面220及びフィルター下面230の外周縁に沿って配置される場合には、密着の強度が強いため、分離時にフィルター上面220又はフィルター下面230の一部が損傷することがあるが、それでも問題はない。この場合、損傷したフィルター上面220又はフィルター下面230は、最外側に配置される部分であるので、残りの部分によって使用者顔面との密着をなせばいいからである。この場合には、第1結着部A-A’,B-B’,C-C’,D-D’や第2結着部E-E’,F-F’の例示のうち、フィルター上面220及びフィルター下面230の外周縁に沿って配置された結合部が該当する。
【0045】
前記第1結着部~第4結着部の位置に対応して、前記フィルター上面220、又はフィルター下面230、又はフィルター本体210,410,610には別途のシワがあらかじめ形成されてよい。前記シワは、直線ではなく顔面輪郭線、特に顎の輪郭線に沿う曲線形態であってよい。
【0046】
図4は、従来の折り畳み式マスクを示す斜視図であり、図5は、本願発明に係る第3結着部の例示である。
【0047】
図4及び図5を参照すると、折り畳み式マスク300,400は、使用者の顔面の前面に配置され、中央部が折り畳まれるフィルター本体310,410を含むマスクフィルターにおいて、前記フィルター本体310,410は、対称の本体左部314,414及び本体右部316が重なり合った状態で、一側端部が相互に融着結合した接合部311,411を含む。
【0048】
図5を参照すると、前記接合部411の周辺部のうち、前記フィルター本体410の上部及び下部のうち少なくとも一つに追加の分離可能な結合形態の第3結着部G,Hが付加される。
【0049】
このとき、前記第3結着部G,Hは、前記接合部411とは別個に、前記本体左部414と前記本体右部が結合するか、前記フィルター本体410の上部又は下部が重なり合いながら結合する形態であってよい。
【0050】
図6は、従来の飛沫防止マスクを示す斜視図であり、図7は、本願発明に係る第4結着部の例示である。
【0051】
図6及び図7を参照すると、飛沫防止マスク500,600は、使用者の顔面の前面に配置され、水平方向に折り畳まれる部分が付加されたフィルター本体510,610を含むマスクフィルターである。
【0052】
図7を参照すると、前記フィルター本体610の左上端、左下端、右上端、右下端のうち少なくとも一方には、前記フィルター本体同士が結合可能な1個以上の第4結着部I,Jが備えられ、前記第4結着部I,Jは分離可能な結合形態であるマスクフィルターを提供する。前記第4結着部Iは、1個以上の前記第4結着部Iが互いに結着し、前記第4結着部Jは、1個以上の前記第4結着部Jが互いに結着する。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本願発明は、マスクフィルターの一部に分離可能な結着部を付加したマスクフィルターに関するものであり、産業上に利用可能である。
【符号の説明】
【0054】
100,200:ダブルフォルディングマスク
300,400:折り畳み式マスク
500,600:飛沫防止マスク
110,210,310,410,510,610:フィルター本体
111,211,311,411:接合部
112,212:上面接合部
113,213:下面接合部
114,214:紐接合部
120,220:フィルター上面
125,225,525.625:鼻固定部
130,230:フィルター下面
140,240,340,440,540,640:紐
314:本体左部
316:本体右部
A-A’,B-B’,C-C’,D-D’:第1結着部
E-E’,F-F’:第2結着部
G,H:第3結着部(結着部)
I,J:第4結着部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-09-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の顔面の前面に配置され、中央部が折り畳まれるフィルター本体を含むマスクフィルターであって、
前記フィルター本体は、対称の本体左部及び本体右部が重なり合った状態で一側端部が相互に融着結合した接合部を含み、
前記接合部の周辺部のうち、前記フィルター本体の上部及び下部のうち少なくとも一方に、追加の分離可能な結合形態の結着部が付加されたマスクフィルター。
【請求項2】
前記分離可能な結合形態は、剥離強度90度SUS基準500(g/25mm)以下の融着、面ファスナー、スナップボタン、嵌着、クリップ、磁力、裁縫、ボタン、カプラー、はさみ、接着、粘着、弾性結合を含む群から選ばれる少なくとも一つである、請求項1に記載のマスクフィルター。
【請求項3】
記結着部は、前記フィルター本体の外周縁に接するように配置される、請求項1に記載のマスクフィルター。
【請求項4】
記結着部の周辺にはそれぞれシワが形成された、請求項1に記載のマスクフィルター。
【国際調査報告】