(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-11
(54)【発明の名称】脳卒中の治療における使用のための2-イミノビオチン
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4188 20060101AFI20240304BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20240304BHJP
A61K 38/49 20060101ALI20240304BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240304BHJP
【FI】
A61K31/4188
A61P9/10
A61K38/49
A61P43/00 121
A61P43/00 111
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558704
(86)(22)【出願日】2022-03-23
(85)【翻訳文提出日】2023-11-21
(86)【国際出願番号】 NL2022050153
(87)【国際公開番号】W WO2022203504
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523362582
【氏名又は名称】ニューロフィキシア ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デン ワインガルト,イド レミー
(72)【発明者】
【氏名】ペーテルス,カチャ マリー ペトロニール カトリーヌ ドロテ
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA02
4C084DC05
4C084MA65
4C084MA66
4C084NA05
4C084ZA36
4C084ZC20
4C084ZC75
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB28
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA65
4C086MA66
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA36
4C086ZC20
4C086ZC75
(57)【要約】
本発明は、医薬の分野に関する。特に、本発明は、脳卒中治療における使用のための2-イミノビオチンの使用に関し、ここで2-イミノビオチンは線維素溶解薬と組み合わせて投与される。本発明は特に、血管内機械的血栓除去術に適格な血管閉塞に起因する急性虚血性脳卒中の治療における使用のための2-イミノビオチンの使用に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
急性虚血性脳卒中(AIS)に罹患している個体の治療における使用のための2-イミノビオチン(2-IB)であって、線維素溶解薬、特にアルテプラーゼと組み合わせて投与される、2-イミノビオチン(2-IB)。
【請求項2】
急性虚血性脳卒中が、血管内機械的血栓除去術に適格な血管閉塞に起因する、好ましくは大きな、中程度のまたは遠位の血管閉塞に起因する、より好ましくは大きなまたは中程度の血管閉塞に起因する、より好ましくは大きな血管閉塞、最も好ましくは前方循環における大きな血管閉塞に起因する、請求項1にしたがう使用のための2-IB。
【請求項3】
急性虚血性脳卒中が、症候性頭蓋内血管閉塞に起因する、好ましくは内頸動脈(ICA)、中大脳動脈の第1および第2のセグメントの一方(MCA M1またはM2)、前大脳動脈、椎骨動脈、脳底動脈、または近位後大脳動脈の閉塞、より好ましくは前方循環における閉塞、最も好ましくは内頸動脈(ICA)または中大脳動脈の第1および第2のセグメントの一方(MCA M1またはM2)の閉塞に起因する、請求項1または2にしたがう使用のための2-IB。
【請求項4】
個体が、好ましくは脳卒中発症後のまたは最後に健常に見えた後の24時間以内に、血管内機械的血栓除去術(EVT)を受ける、受けることが予定されている、または受けている、前記請求項のいずれかにしたがう使用のための2-IB。
【請求項5】
急性虚血性脳卒中の後に虚血脳組織の再灌流が続く、前記請求項のいずれか1項にしたがう使用のための2-IB。
【請求項6】
神経一酸化窒素合成酵素(nNOS)を選択的に阻害する、誘導性一酸化窒素合成酵素(iNOS)を選択的に阻害する、またはnNOSおよびiNOSを選択的に阻害する、前記請求項のいずれか1項にしたがう使用のための2-IB。
【請求項7】
個体への2-IBの投与が、脳卒中発症後のまたは最後に健常に見えた後の24時間以内に、好ましくは18時間以内に、より好ましくは12時間以内に、最も好ましくは脳卒中発症後のまたは最後に健常に見えた後の8時間以内に、開始される、前記請求項のいずれか1項にしたがう使用のための2-IB。
【請求項8】
個体への2-IBの投与が、LVOに起因するAISの診断後の6時間以内に、好ましくはコンピューター断層撮影血管造影(CTA)、磁気共鳴血管造影(MRA)、または動脈内デジタル差分血管造影(DSA)後の6時間以内に開始される、前記請求項のいずれか1項にしたがう使用のための2-IB。
【請求項9】
個体への2-IBの投与が、個体がEVTを受けかつEVTが完了した後の2時間以内に、好ましくは1時間以内に、好ましくは15分間以内に開始され、好ましくはアンギオスイート(angiosuite)において良好な再灌流を有し、前記良好な再灌流が好ましくはeTICIグレード2b50を超え、より好ましくはグレード2b67を超え、より好ましくはグレード2bを超え、最も好ましくはグレード3に達する、前記請求項のいずれか1項にしたがう使用のための2-IB。
【請求項10】
負荷用量として、および/または4~6時間の期間の間または6~48時間の期間の間、好ましくは12~36時間の期間の間、より好ましくは20~28時間の期間の間、最も好ましくは約24時間の期間の間連続点滴として投与される、前記請求項のいずれか1項にしたがう使用のための2-IB。
【請求項11】
1.5~5mgの、好ましくは2~3mgの、より好ましくは2~2.5mgの、最も好ましくは約2.25mgの負荷用量で投与される、前記請求項のいずれか1項にしたがう使用のための2-IB。
【請求項12】
0.25~3mg/時間の、好ましくは0.5~2.25mg/時間の、好ましくは0.75~1.5mg/時間の、最も好ましくは約1mg/時間の連続点滴として投与される、前記請求項のいずれか1項にしたがう使用のための2-IB。
【請求項13】
連続点滴の少なくとも一部の間に、2-IB用量が、個体の推定糸球体濾過率(eGFR)に基づき調整される、請求項12にしたがう使用のための2-IB。
【請求項14】
負荷用量で投与され、連続点滴が続き、連続点滴の少なくとも最後の12時間、好ましくは少なくとも最後の16時間に2-IB用量が、個体のeGFRに基づき調整される、請求項11~13のいずれか1項にしたがう使用のための2-IB。
【請求項15】
治療が、処置後24時間の時点で、約5~7日の時点で、退院の時点で、および/または処置後約90日の時点で米国国立衛生研究所脳卒中評価尺度を用いて評価される場合、より低い脳卒中の重症度をもたらす、前記請求項のいずれか1項にしたがう使用のための2-IB。
【請求項16】
治療が、退院の時点で、および/または約90日の時点で評価される場合神経機能障害の評価のための修正ランキンスケール(mRS)についてより低いスコアをもたらす、前記請求項のいずれか1項にしたがう使用のための2-IB。
【請求項17】
治療が、約90日の時点で評価される場合より低い死亡率をもたらす、前記請求項のいずれか1項にしたがう使用のための2-IB。
【請求項18】
治療が、24~48時間の時点でMRI(またはMRI禁忌の場合にCT)により評価される場合より小さな梗塞体積をもたらす、前記請求項のいずれか1項にしたがう使用のための2-IB。
【請求項19】
治療が、EVT中の血管造影にて新規の領域におけるより少ない塞栓または24~48時間のCTA、MRAまたはDSAにて新規の領域におけるより少ない梗塞をもたらす、前記請求項のいずれか1項にしたがう使用のための2-IB。
【請求項20】
治療が、処置の後30~90日の時点で評価される、欝病についての構造化臨床インタビューまたは欝病インタビューおよび構造化ハミルトン試験により評価される場合、個体におけるより低い重症度の鬱病をもたらす、前記請求項のいずれか1項にしたがう使用のための2-IB。
【請求項21】
治療が、EQ-5Dアンケートによりおよび/または病院不安および鬱病評価尺度(HADS)により評価される場合、改善された個体の生活の質をもたらす、前記請求項のいずれか1項にしたがう使用のための2-IB。
【請求項23】
治療が、モントリオール認知評価(MoCA)により評価される場合、改善された個体の認知機能をもたらす、前記請求項のいずれか1項にしたがう使用のための2-IB。
【請求項24】
治療が、AIS後の24~72時間の時点で、退院の時点で、および/またはAIS後の3か月の時点でより低い個体の血液中の神経フィラメントレベルをもたらす、前記請求項のいずれか1項にしたがう2-IB。
【請求項25】
治療が、試験薬剤投与の24時間以内にハイデルベルグ出血分類にしたがう神経画像検査にて介入後頭蓋内出血のより低いリスクをもたらす、前記請求項のいずれか1項にしたがう使用のための2-IB。
【請求項26】
0.1~10mg/kg/日の2-IB、好ましくは0.2~5mg/kg/日の
2-IBより好ましくは0.2~1mg/kg/日の2-IBが、で個体に投与される、前記請求項のいずれか1項にしたがう使用のための2-IB。
【請求項27】
0~4時間の血漿中濃度の経時曲線下面積が100ng時間/mL~2000ng時間/mLであるように投与される、前記請求項のいずれか1項にしたがう使用のための2-IB。
【請求項28】
静脈内投与される、請求項1~27のいずれか1項にしたがう使用のための2-IB。
【請求項29】
動脈内投与される、請求項1~27のいずれか1項にしたがう使用のための2-IB。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医薬の分野に関する。特に、本発明は虚血性脳卒中の治療における使用のための2-イミノビオチン(2-IB)の使用に関するものであり、ここで2-IBは線維素溶解薬と組み合わせて投与される。
【背景技術】
【0002】
脳卒中は、2番目に多い死亡原因であり、世界中で約一千六百万人が発症する。米国人口における脳卒中有病率は、20歳での2.7%で始まり年齢とともに増加し、60歳超では6%であり、80歳超では13%に達する。毎年の新規または再発の脳卒中症例数は、約800,000である。脳卒中後も生存している患者は、リハビリテーションを必要とする長期障害者となることもあり、それに関連する年間経費は、米国だけで400億ドル超である。さらに、脳卒中による障害負荷は増え続け、その推定増加は、2020年において障害調整生存年として6千8百万年である[1、2]。
【0003】
臨床転帰の改善のための早期再灌流の重要性が、複数の試験で明らかにされている[3、4、5、6]。機械的血栓除去術が30分遅れる毎に、望ましい転帰が11%低下する[7];また、組織プラスミノゲン活性化因子(t-PA)の開始が15分加速する毎に、退院時に自立歩行となる確率が4%高まる[8]。世界全体の個々の医療施設および医療システムを通じて、過去数十年間に脳卒中治療にかかる時間を減らす試みがなされてきた[9、10、11]。
【0004】
脳卒中は、2番目に多い死亡原因であり(年間6百万を超える死亡の原因である)、2番目に多い障害の原因である。脳卒中者の絶対数および脳卒中関連障害の世界的負担は高く、かつ増加を続けている[2、12、13]。関連する年間の直接および間接の経費は、米国だけで400億ドル超と推定される[2]。
【0005】
成人の男性および女性関して脳卒中の推定される世界的な生涯リスクは、約25%である[12]。
【0006】
欧州では、年間脳卒中発生率は、おおよそ100,000人に100人の割合であり、国によって大幅な差がある[14]。オランダにおいては、毎年、25,000人超の急性虚血性脳卒中(AIS)患者が入院する[15]。
【0007】
大きな血管の閉塞(LVO)、すなわち、近位頭蓋内循環における動脈閉塞は、急性虚血性脳卒中(AIS)の主要な亜集団であり、その推定年間発生率は1年間当たり100,000人に24人である[16]。LVOに起因するAISは全AISの約30%を占めるが、この値に釣り合わず全脳卒中関連要介助の60%および死亡率の90%の原因である[16、17]。アルテプラーゼによる静脈内血栓溶解(IVT)効果は、頭蓋内前方循環でのLVOに起因するAISに限定される。静脈内血栓溶解(IVT)を含む最良の内科的管理は、極めて重要なMR CLEAN試験の対照群80%超のLVO患者において不十分な臨床転帰(経過観察時の死亡または要介助)をもたらした[18]。
【0008】
2015年以来、複数の試験が、現代的な血管内療法(EVT)がLVOに起因するAISの患者において、閉塞主要動脈を高い再灌流率(良好な再灌流70%超)で効果的に再開通させ得ることを実証している[19]。IVT後のカテーテルによる動脈内EVTはLVOに起因するAIS患者の20%について臨床転帰を改善するが、LVOによるAIS患者の半数超は依然として、自立した生活様式を取り戻さない[19]。さらに、ほんの10%のLVO患者が、IVTおよびEVT療法の併用にも関わらず経過観察時に無症状である[19]。これは、LVOに起因するAISの患者について満たされない大きなニーズを残し、かつさらなる新規脳卒中治療の機会を残す。
【0009】
この10年間、脳虚血による障害の分子機構および細胞機構に関する知見は、増加しており、神経損傷を回避して神経保護を促進する経路および標的としての興奮毒性、炎症、酸化ストレス、および脱分極波の役割を強調している[20、21]。細胞保護は、灌流が回復するまでの虚血経過中のニューロン、神経血管ユニット、および白質の復元力を増強することを目的とする。複数の細胞保護方略が、虚血性脳卒中の前臨床モデルにおいて脳梗塞を減らすと報告されているが、証拠に基づくヒトの薬理学的神経保護剤は現在のところ存在しない[22、23]。
【0010】
前臨床試験は、神経保護が、永続的な動脈閉塞を伴う脳卒中のモデルと比較して、脳卒中後に再灌流の起こる実験的動物脳卒中モデルにおいて機能転帰を改善するために最大の利点を有することを実証している[24]。EVTの最近の出現は、良好な前臨床モデルにより近い種類の一過性脳虚血の患者における補助療法として神経保護を再評価する機会を与えた[24]。最近では、ESCAPE NA1の研究者が、多施設臨EVT試験において、神経保護剤ネリネチドの単回用量が、アルテプラーゼ処置を受けていない脳卒中患者に大幅な改善をもたらした一方で、ネリネチドはアルテプラーゼ処置脳卒中患者では好ましい転帰を示さず、おそらくアルテプラーゼ群におけるネリネチド濃度の低下を伴う薬剤/薬剤相互作用が原因であることを、示した[24]。
【0011】
急性虚血性脳卒中の無作為化試験では、アルテプラーゼによる静脈内血栓溶解(IVT)が転帰不良リスクを低下させた[49、50]。しかし、これらの試験において脳卒中発症の3時間以内にIVT治療を受けた患者の3分の2が、経過観察終了時に死亡または要介助であった。ランドマーク無作為化臨床試験(RCT)であるMR CLEANでは、血管内処置群の患者の67%が、3か月の時点で死亡または要介助であった。転帰不良の高いリスクは、これらの緊急血行再建方略後であっても、ノーリフロー(no-reflow)によりかなりの程度説明されるであろう。ノーリフローは、組織壊死および細胞死の結果として、あるいは単純に介入が遅れたことによる遠位微小血管障害または機能不全に関連している。現在のところIATによる急性虚血性脳卒中治療におけるIVTの役割は不明である[51]。
【0012】
大きな、近位に位置する血栓に対して、静脈内アルテプラーゼの溶解効果は、限定的である。出血の潜在的リスク、限定的である静脈内アルテプラーゼおよびその費用を考慮して、研究者らは、患者が血管内血栓除去術に適格でありかつ処置がタイミングよく実施され得るならば、静脈内血栓溶解が必要かどうか疑問を呈してきた。
【0013】
前方循環における大きな血管の閉塞による急性虚血性脳卒中の患者であり、ガイドラインの大部分に合致して静脈内アルテプラーゼおよび血管内血栓除去術の両方の治療に適格である患者において、動脈内血栓除去術による直接的介入は、早期の静脈内アルテプラーゼ後に血管内血栓除去術を実施する組み合わせに劣らなかった[52]。
【0014】
限定的な時間窓およびIVT禁忌に加えて、今日の治療に見られる最善とはいえない効果(アルテプラーゼのような組織プラスミノゲン活性化因子の使用による有害作用を含むが、これらに限定されない)のため、現行の治療法の欠点の少なくとも1つに対処する、脳卒中の別の治療法の開発が必要とされる。
【発明の概要】
【0015】
第1の実施態様において、本発明は、AISに罹患している個体の治療における使用のための、線維素溶解薬、特にアルテプラーゼと組み合わせた2-イミノビオチン(2-IB)を提供する。
【0016】
特定の実施態様においては、本発明にしたがう使用のための2-IBを提供し、AISは、血管内機械的血栓除去術に適格であるる血管閉塞に起因する、好ましくは大きな、中程度のまたは遠位の血管閉塞に起因する。
【0017】
いくつかの実施態様においては、本発明にしたがう使用のための2-IBを提供し、個体は、EVTを受ける、受ける予定になっている、あるいは既に受けている。いくつかの実施態様においては、AISの後に、虚血脳組織の再灌流が続く。いくつかの実施態様においては、2-IBは、神経一酸化窒素合成酵素(nNOS)を選択的に阻害する、誘導性一酸化窒素合成酵素(iNOS)を選択的に阻害する、もしくはnNOSおよびiNOSを選択的に阻害する。
【0018】
いくつかの実施態様においては、個体への2-IBの投与は、脳卒中発症後または最後に健常に見えた時点から24時間以内、好ましくは18時間以内、より好ましくは12時間以内、最も好ましくは脳卒中発症後または最後に健常に見えた時点から8時間以内に開始される、および/または個体への2-IBの投与は、LVOによるAISとの診断後6時間以内に開始される。
【0019】
いくつかの実施態様においては、個体への2-IBの投与は、個体がEVTを受けかつEVTが完了した後、好ましくはアンギオスイート(angiosuite)において良好な再灌流を得てから2時間以内、好ましくは1時間以内、好ましくは15分以内に、開始される。
【0020】
いくつかの実施態様においては、2-IBは、負荷用量、および/または持続時間4~6時間または持続時間6~48時間の連続点滴として投与される。負荷用量は、1.5~5mg、または2~3mg、または2~2.5mg、または約2.25mgであってよい。いくつかの実施態様においては、2-IBは、0.25~3mg/時間、または0.5~2.25mg/時間、または0.75~1.5mg/時間、または約1mg/時間の連続点滴として投与される。
【0021】
いくつかの実施態様においては、連続点滴として投与される2-IBの用量は、個体の推定糸球体濾過率(eGFR)に基づき調整される。いくつかの実施態様においては、2-IBは、負荷用量で投与され、それに連続点滴が続き、ここで連続点滴の少なくとも最後の12時間、好ましくは少なくとも最後の16時間、より好ましくは少なくとも最後の20時間に、2-IBの用量が、個体のeGFRに基づき調整される。
【0022】
本発明にしたがう使用のための2-IBは、とりわけ、処置後24時間、約5~7日および/または処置後約90日の時点で、より低いNIH脳卒中評価尺度(NIHSS)をもたらし得る。それはまた、約90日目の評価の際に神経機能障害評価のための修正ランキンスケール(mRS)においてより低いスコアを、あるいはAISから7日後および/または約90日後の評価の際により低い死亡率をもたらし得る。
【0023】
本発明にしたがう使用のための2-IBの他の結果は、以下であり得る:
24~48時間にMRI(またはMRIが禁忌の時にCT)で測定した場合の梗塞体積の減少、EVT中の血管造影の新規血管領域における塞栓の減少、または24~48時間の時点でのコンピューター断層撮影血管造影法(CTA)、磁気共鳴血管造影法(MRA)、または動脈内デジタル差分血管造影法(DSA)において新規血管領域における梗塞の減少、脳卒中重症度の低下、個体における抑鬱障害の重症度低下、個体の生活の質の改善、個体の認知機能の改善、24~72時間の時点、退院時、またはAISから3か月後における個体の血液中の神経フィラメントレベルの低下、または被検薬剤投与の24時間以内のハイデルベルグ出血分類にしたがう神経画像検査での介入後頭蓋内出血リスクの低下。
【0024】
特定の実施態様においては、本発明にしたがう使用のための2-IBを提供し、0.1~10mg/kg/日の2-IB、または0.2~5mg/kg/日の2-IB、または0.2~1mg/kg/日の2-IBが個体に投与される。いくつかの実施態様では、本発明にしたがう使用のための2-IBを提供し、2-IBは、0~4時間における血漿中濃度経時曲線下面積が100ng時間/mL~2000ng時間/mLであるように投与される。いくつかの実施態様においては、2-IBは、静脈内投与される。いくつかの実施態様においては、2-IBは、動脈内投与される。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明はしたがって、AISに罹患している個体の治療における使用のための2-IBを提供し、2-IBは、線維素溶解薬と組み合わせて投与される。
【0026】
いくつかの実施態様においては、線維素溶解薬は、アルテプラーゼなどのt-PAである。アルテプラーゼは、組織プラスミノゲン活性化因子の製品形態であり、1987年に米国において医学的利用に関して承認され;かつ世界保健機関の必須医薬品リストに収載されている。アルテプラーゼは、血液凝固においてプラスミノゲンをプラスミンに変換することにより作用する。通常の副作用は、頭蓋内出血および消化管出血を含む出血である。アルテプラーゼは、手術後間もない場合または外傷、脳内出血、コントロール不良の高血圧症、凝固障害、脳内の動脈瘤または腫瘍および活動性出血の患者において禁忌である。t-PAの他の例は、t-PAの組換え体の遺伝子操作によるより小型の誘導体である、レテプラーゼ、およびテネクテプラーゼであり、これは、組換えt-PAよりも長い半減期およびフィブリンに対するより高い結合親和性を有する。現在のところ、アルテプラーゼが、脳血栓性脳卒中の治療のためにFDAに承認されている唯一のt-PAである。
【0027】
t-PA療法の有害作用、特に頭蓋内出血および消化管出血、のため、2-IBおよびt-PAの使用が急性脳卒中に罹患した個体において相乗的に作用するという事実は、t-PA用量を減少させる可能性をもたらし、それにより2-IBで治療される患者の転帰を改善する。いくつかの実施態様においては、2-IBおよびt-PA、好ましくはアルテプラーゼ、が個別に投与される。いくつかの実施態様においては、2-IBおよびt-PA、好ましくはアルテプラーゼ、が同時に投与される。これに関して、「同時に」は、同じ時に、例えば、点滴において2本の異なる点滴ラインで、または、1つの点滴において、一緒のラインを意味する。これに関して「個別に」は、同じ時にではなく、例えば、2-IBをボーラスとして投与した後に、t-PAの点滴を行う、またはその逆であることを意味する。個別にと同時にの注入の組み合わせもまた可能であり、この場合2つのうちの第1を投与した後、残りを投与し、その後に、両方の薬剤を、単回または複数回の点滴において同時に投与する。好ましい一実施態様においては、tPA用量は、2-IBへの同時暴露なしで推奨用量の半量である。アルテプラーゼに関しては、例えば、個体に推奨される単剤治療用量は、0.9mg/kg(静注)であり、最大で総量90mgである。2-IBと組み合わせて、好ましい用量は、0.45mg/kgであり、最大45mgである。より好ましい用量は、さらにより低用量であり、例えば、推奨される単剤治療用量の3分の1、あるいは6分の1である。
【0028】
2-IBは、健康なボランティアにおいて安全であること、ならびに前臨床安全性および仮死新生児および心不全後の成人の第I相およびII相の臨床試験での安全が実証されており、したがって本発明にしたがう2-IBの使用に関して安全性の懸念は予想されない[28、29、30]。
【0029】
好ましい一実施態様においては、本発明にしたがう使用のための2-IBを提供し、AISは、EVTに適格な血管閉塞、好ましくは大きな、中程度のまたは遠位の血管閉塞による。特に、AISは、症候性頭蓋内血管閉塞に起因し、好ましくは内頸動脈(ICA)、中大脳動脈の第1および第2のセグメント(MCA M1またはM2)、前大脳動脈、椎骨動脈、脳底動脈、または近位後大脳動脈の閉塞に起因し、より好ましくは前方循環における閉塞、最も好ましくは内頸動脈(ICA)の閉塞に起因し、あるいは中大脳動脈の第1および第2のセグメント(MCA M1またはM2)の一方の閉塞に起因する。
【0030】
遠位で中等度の大脳動脈の2種類の主要な異なる解剖学的特徴は、血管内処置実施および血管内デバイス設計に多大な影響を与える:(1)血管の距離/蛇行および(2)血管サイズ[31]。中間の、「中等度の血管」は、0.75~2.0mmの管腔直径を有する大脳動脈として操作上定義され得る。閾値2.0mmを超えるものは、大きな血管のカテゴリーに分類される:頭蓋内内頸動脈(ICA;典型的な直径、3.8mm)、MCAのM1セグメント(2.7mm)、脳底動脈(3.2mm)、および椎骨動脈(2.8mm)[32、33、34]。近位の大きな動脈のカテゴリーは、頭蓋内ICA、M1 MCAセグメント、頭蓋内椎骨動脈、および脳底動脈を含むという、文献では幅広い合意が存在する。同様に、一般的な合意は、M3および M4 MCAセグメント、A2~A5 ACAセグメント、P2~P5 PCAセグメント、ならびにPICA、AICA、およびSCAを含むとして遠位で中等度の動脈のカテゴリーを認める。しかし、M2 MCA、A1 ACA、およびP1 PCAの分類は、多様である。M2 MCAの血管構造は患者間で非常に不均一であるため、いずれかの分類システム内のM2 MCAの位置づけは、特に難問である[35]。本発明内では、したがって、異なる動脈をカテゴリーではなく名称で呼ぶことが好ましい。
【0031】
本発明にしたがう使用のための2-IBを提供することが好ましく、個体は、EVTを受ける、EVTを受ける予定になっている、またはEVTを既に受けており、より好ましくは脳卒中発症後または最後に健常に見えた時点から24時間以内である。本発明により提供されるような使用のための2-IBは、脳への血流を低下させる閉塞が除去されかつ2-IBが脳卒中の発症後の早い時点で与えられるならば特に有用である。閉塞性血液凝固を溶かすための一選択肢は、アルテプラーゼなどの線維素溶解治療薬の使用であるが、特に(大きなまたは中等度の血管における)大型の閉塞物に対しては、アルテプラーゼの使用は可能な最良治療選択肢ではないこともある。そのような場合には、EVTが閉塞を除去する最も有用な治療選択肢である。
【0032】
好ましい一実施態様においては、本発明は、上記請求項のいずれか1項にしたがう使用のための2-IBを提供し、AISの後に虚血脳組織の再灌流が続く。以前に、2-IBは、おそらく誘導性および/または神経性の一酸化窒素合成酵素を選択的に阻害することにより、(さらなる)虚血再灌流後組織損傷を防止することが、実証されている。好ましい一実施態様においては、したがって、本発明にしたがう使用のための2-IBを提供し、2-IBは、nNOSを選択的に阻害する、誘導性iNOSを選択的に阻害する、またはnNOSおよびiNOSを選択的に阻害する。上記に関して「選択的に阻害する」は好ましくは、nNOSおよび/またはiNOSが内皮一酸化窒素合成酵素(eNOS)よりも比較的多く阻害されることを意味する。より好ましくは、nNOSおよび/またはiNOSは、eNOSと比較して少なくとも20%を超えて、より好ましくは少なくとも40%を超えて、より好ましくは少なくとも60%阻害される。
【0033】
2-IBが虚血性傷害後に投与されるのが早ければ早いほど、再灌流損傷に対する保護効果はより良好である。したがって、個体への2-IBの投与を脳卒中発症後または最後に健常に見えた時点から24時間以内、好ましくは18時間以内、より好ましくは12時間以内、より好ましくは8時間以内、最も好ましくは脳卒中発症後または最後に健常に見えた時点から6時間以内に開始することが好ましい。個体への2-IBの投与を、LVOに起因するAISと診断された後、好ましくはCTA、MRA、またはDSAの後、6時間以内に開始することがさらに好ましい[36]。
【0034】
好ましい一実施態様においては、本発明にしたがう使用のための2-IBを提供し、2-IBの個体への投与は、個体がEVTを受けてEVTが完了した後、好ましくはアンギオスイート(angiosuite)で良好な再灌流が得られた後、2時間以内、好ましくは1時間以内、好ましくは15分以内に開始され、上記の良好な再灌流は好ましくは、脳梗塞の拡張血栓溶解(eTICI)グレード2b50を超える、より好ましくはグレード2b67を超える、より好ましくはグレード2cを超える、最も好ましくはグレード3に等しい。AISに対するEVT後の血行再建は好ましくは、eTICIスケールにより評価される。簡単に説明すると、eTICIグレード0は、再灌流がない、あるいは下流領域への0%の充填と同等であり;eTICIグレード1は、遠位の動脈の再灌流のない血栓減少を反映し;eTICIグレード2aは、領域の半分未満または1~49%における再灌流であり;eTICIグレード2b50は、50~66%の再灌流であり;eTICIグレード2b67は、67~89%の再灌流であり;eTICIグレード2cは、90~99%の再灌流と同等であり;eTICIグレード3は、完全なまたは100%の再灌流である[37]。
【0035】
2-IBは動脈内投与されることが好ましい。いくつかの実施態様においては、2-IBは静脈内投与されることが好ましい。2-IBはボーラスまたは負荷用量、および/または4~6時間の持続時間または6~48時間の持続時間の連続点滴、好ましくは12~36時間、より好ましくは20~28時間、最も好ましくは約24時間の連続点滴として投与されることがさらに好ましい。いくつかの実施態様においては、2-IBは好ましくは、1.5~5mgの負荷用量、好ましくは2~3mg、より好ましくは2~2.5mg、最も好ましくは約2.25mgの負荷用量で投与される。いくつかの実施態様においては、2-IBは好ましくは、0.25~3mg/時間、好ましくは0.5~2.25mg/時間、好ましくは0.75~1.5mg/時間、最も好ましくは約1mg/時間の連続点滴として投与される。いくつかの実施態様においては、連続点滴の少なくとも一部の間に、2-IBの用量が個体の推定糸球体濾過率(eGFR)に基づき調整されることが好ましい。eGFRは、血清クレアチニンレベルに基づき、個体の年齢および性別の両方を考慮する。eGFRを評価する例示的公式は、以下のようなものである:
eGFR = 186 x [クレアチニン(μmol/l)/88.4]-1.154 x [年齢(歳)]-0.203 x [女性の場合、0.724] x [黒人の場合、1.21]
これは、eGFRを評価するための1つの公式である。類似の結果を有する他の公式が、例えば、Ruleら、に記載されている[38]。
【0036】
eGFRの調整された用量は、高GFRを有する個体にとって特に有用である。したがって、本開示は、個体において脳細胞傷害を治療するための2-IBの用量を決定する方法を提供し、方法は、個体中のeGFRを決定することおよびeGFRに基づき2-IBの用量を調整することを含む。eGFRに基づく例示的投与スキームは、以下のようであるが、当業者であれば、用量は下のリストに示されるように10%(+/-)または20%(+/-)程度変化し得ることを理解するであろう。
【0037】
【0038】
例えば患者が入院したという理由で、eGFRが2-IB投与を開始する前に既知であるならば、eGFRの調整された用量が24時間を通じて投与され得、かつ下の表の総容積がそれにしたがい調整される。
【0039】
連続点滴の少なくとも一部は、負荷用量ではなく個体のeGFRに基づき調整されることが好ましい。これは、2-IBの投与は可能な限り早く開始すべきであるという事実のためであり、それは、負荷用量および/または連続点滴の最初の部分を投与する前にeGFRの決定を待つ時間的余裕がないことを意味する。したがって、好ましい一実施態様においては、本発明にしたがう使用のための2-IBを提供し、2-IBは、負荷用量で投与され、それに連続点滴が続き;連続点滴の少なくとも最後の12時間、好ましくは少なくとも最後の16時間、より好ましくは少なくとも最後の20時間において、2-IBの用量は、個体のeGFRに基づき調整される。いくつかの例では、特に第2の脳卒中が2-IBによる治療の間に起こる場合、連続点滴は好ましくは、延長される。そのような場合において、点滴は、第2の脳卒中の時点から好ましくはさらに少なくとも12時間、好ましく少なくとも16時間、より好ましくは少なくとも20時間継続される。
【0040】
いくつかの実施態様においては、本発明にしたがう使用のための2-IBを提供し、0.1~10mg/kg/日の2-IB、好ましくは0.2~5mg/kg/日の2-IB、より好ましくは0.2~1mg/kg/日の2-IBが、個体に投与される。特に、個体のeGFRに基づいて調整される場合、0~4時間の血漿中濃度の経時曲線下面積が100ng時間/mL~2000ng時間/mL、より好ましくは300ng時間/ml~1300ng時間/ml、最も好ましくは365~1018ng時間/mLとなるように2-IBを投与することが好ましい。薬物動態の分野において、曲線下面積(AUC)は、血漿中薬剤濃度変化に関する時間の関数として表される曲線の定積分であり、経過時間中の総薬剤曝露を示す。実際には、薬剤濃度は、時間における特定の離散点で測定され、AUCは、定積分を概算する技術である台形公式を用いて推定される。AUCの1つの用途は、治療薬剤において狭い治療指数薬剤を有する薬剤のモニタリングである。以前に、神経培養における約30ng/mlの特定範囲内で、2-IBが最もインビトロで活性であることが、観察された[39]。
【0041】
2-IBの効果は、治療後に複数の方法でかつ複数の時点において測定できる。2-IBの治療が脳卒中に関連する多くの症状の少なくとも1種類の改善をもたらすことが好ましいが、そのような改善は、例えば、以下である:NIHSSの低下、修正ランキンスケールのスコア低下、死亡率低下、梗塞体積の縮小、塞栓の減少、抑鬱重症度の低下、生活の質の改善、認知機能の改善、血液中神経フィラメントレベルの低下、または介入後頭蓋内出血のリスク低下。以下の節では、これらの症状およびそれらを評価するための方法をより詳細に説明する。この文脈における改善は、それぞれのパラメーターが改善されること、すなわち、パラメーターが、2-IBを受けない患者の群と比較して、本発明の2-IB治療を受けた患者群において、パラメーターに応じて、より高いまたはより低いことを意味する。2-IBを受けない患者の群は、好適に選択される歴史的コホートであってよい。そのような好適な歴史的コホートは、2-IBで治療される患者の群の患者構成値に基づき容易に同定できる。
【0042】
一実施態様においては、本発明にしたがう使用のための2-IBを提供し、治療は、処置から24時間、処置から約5~7日後および/または処置から約90日後にNIHSSを用いて評価される場合、脳卒中重症度を低下させる。NIHSSは、脳卒中重症度の評価に用られる15項目の障害尺度である。それは1989年に最初に開発され、現在では、組換えt-PA脳卒中試験において広く用いられる転帰判定法である。現行の国立脳卒中財団指針では、NIHSSは、救急診療部において脳卒中の重症度を評価する有効なツールとして推奨されており、脳卒中の運動障害および非運動障害の両方を捉え、人の障害の良好な概観を提供する[40]。この点に関しより低いNIHSSは、2-IBを受けなかった患者の群と比較して、2-IBで治療された患者の群におけるより低いNIHSSを意味する。一実施態様においては、2-IBを受けなかった患者の群は、好適に選択される歴史的コホートである。
【0043】
一実施態様においては、本発明にしたがう使用のための2-IBを提供し、治療は、約90日目に評価される場合、神経機能障害を評価する修正ランキンスケール(mRS)においてより低いスコアをもたらす。mRSは、障害の7種類の「グレード」を含む:グレード0、無症状;グレード1、生活様式を妨げない軽微な症状;グレード2、軽度の障害、部分的に生活様式に制約をもたらすが、患者が自分の身の回りのことを遂行する能力を妨げない症状;グレード3、中程度の障害、生活様式を大幅に制限し、完全自立生活を妨げる症状;グレード4、ある程度重度の障害、自立した生活を明らかに妨げるが、つきっきりの介助を必要としない症状;グレード5、重度の障害、昼間および夜間のつきっきり介助を必要とする完全要介助患者;およびグレード6、死亡[41]。一実施態様においては、この点に関しmRSのより低いスコアは、mRSが、2-IBを受けなかった患者の群と比較して、2-IBで治療された患者の群においてより低いことを意味する。一実施態様においては、2-IBを受けなかった患者の群は、好適に選択される歴史的コホートである。1つのそのようなコホートおよび(階層化された)AIS患者におけるmRS分布は、例えば、MR CLEAN登録から取得され得る[42]。
【0044】
一実施態様においては、本発明にしたがう使用のための2-IBを提供し、治療は、約90日の時点で評価される場合、より低い死亡率をもたらす。死亡率は、時間の単位当たりの、特定集団における、その集団サイズに対し増減される、死亡(一般的な、または特定の原因による)の数の尺度である。死亡率は典型的には、1年当たり1,000個体数当たりの死亡単位で表される;したがって、1,000人の集団における9.5(1,000のうちの)の死亡率は、その全体の集団における1年当たりの9.5の死亡、または全体のうちの0.95%を意味する。一実施態様においては、これに関しより低い死亡率は、2-IBを受けなかった患者の群と比較して、2-IBにより治療された患者の群における、より少ない死亡(一般的な、または脳卒中および/または脳卒中の合併症による)を意味する。好ましい一実施態様においては、死亡率は、一般的死亡数に基づき算出される。別の好ましい一実施態様においては、死亡率は、脳卒中および/または脳卒中の合併症による死亡数に基づき算出される。一実施態様においては、2-IBを受けなかった患者の群は、好適に選択される歴史的コホートである。Oisらは、例えば、AIS患者における90日の時点での死亡率は約15.7%であることを報告している[43];他方、Linらは、18.7%のAIS後の全死亡率を報告し、それは、EVTを実施することにより15.0%に低下されるであろうことを報告している[44]。しかし、LVO患者の死亡率は、一般的に脳卒中においてよりもはるかに高い(最大で21%)ことを考慮する必要がある[18]。
【0045】
一実施態様においては、本発明にしたがう使用のための2-IBを提供し、治療は、24~48時間の時点で、MRIで測定される(または、MRIが禁忌の場合にCTで測定される)場合、より小さい梗塞体積をもたらす。当業者であれば、例えば、Kimら[45]に記載されるように、または、例えば、RAPID AI(rapidai.com)または他の任意の検証済みソフトウェアプログラムのような好適なソフトウェアを用いて、MRIまたはCTスキャンの結果に基づき梗塞体積を算出する方法を理解する。一実施態様においては、これに関しより小さいの梗塞体積は、梗塞体積が、2-IBを受けなかった患者の群と比較して、2-IBで治療された患者の群において、より小さいことを意味する。一実施態様においては、2-IBを受けなかった患者の群は、好適に選択される歴史的コホートである。Kimら(2019)は、例えば、彼らの患者集団における、0.29~4.18%(平均:0.93%)の梗塞体積(脳容積の%)を記載する。上述のように、しかし、当業者であれば、上記の治療された群を(過去の)治療されない群と比較するために、2-IBを受けた患者群の患者構成分析に基づき、好適な患者コホート選択できる。
【0046】
一実施態様においては、本発明にしたがう使用のための2-IBを提供し、治療は、EVT中の血管造影において新規領域におけるより小さい塞栓、または24~48時間のCTA、MRAまたはDSAの新規領域におけるより小さい梗塞をもたらす。
【0047】
一実施態様においては、本発明にしたがう使用のための2-IBを提供し、治療は、30~90日の時点で評価される、欝病の構造化臨床インタビュー(SCID)または欝病インタビューおよび構造化ハミルトン(DISH)などの、構造化面接で評価される場合、個体におけるより少ない抑鬱障害をもたらす。これに関しより少ない抑鬱障害は、2-IBを受けなかった患者の群と比較して、2-IBで治療された患者の群におけるより少ない抑鬱障害を意味する。一実施態様においては、2-IBを受けなかった患者の群は、好適に選択される歴史的コホートである。
【0048】
一実施態様においては、本発明にしたがう使用のための2-IBを提供し、治療は、EQ-5Dアンケートおよび/または病院不安および鬱病の評価尺度(HADS)で評価される場合、改善された個体の生活の質をもたらす。両方の試験は、生活の質が改善されると、より低いスコアに戻る。これに関しより低いスコアは、2-IBを受けなかった患者の群と比較して、2-IBで治療された患者の群におけるより低いスコアを意味する。一実施態様においては、2-IBを受けなかった患者の群は、好適に選択される歴史的コホートである。
【0049】
一実施態様においては、本発明にしたがう使用のための2-IBを提供し、治療は、モントリオール認知評価(MoCA)[46]でより高スコアを有して評価される場合、個体の改善された認知機能をもたらす。これに関しより高いスコアは、2-IBを受けなかった患者の群と比較して、2-IBで治療された患者の群における保持された認知力を意味する。一実施態様においては、2-IBを受けなかった患者の群は、好適に選択される歴史的コホートである。
【0050】
一実施態様においては、本発明にしたがう使用のための2-IBを提供し、治療は、24~72時間の時点において、個体の血液中のより低い神経フィラメントレベルをもたらす。一実施態様においては、本発明にしたがう使用のための2-IBを提供し、治療は、1か月、2か月、または3か月の時点で、個体の血液中のより低い神経フィラメントレベルをもたらす。神経フィラメント軽鎖(NfL)は、組織損傷または脳卒中の再発を予測する有望なバイオマーカーである[47]。これに関しより低レベルは、2-IBを受けなかった患者の群と比較して、2-IBで治療された患者の群におけるより低いレベルを意味する。一実施態様においては、2-IBを受けなかった患者の群は、好適に選択される歴史的コホートである。
【0051】
一実施態様においては、本発明にしたがう使用のための2-IBを提供し、治療は、被検薬剤投与の24時間以内のハイデルベルグ出血分類にしたがう神経画像検査にて介入後頭蓋内出血のより低いリスクをもたらす。これに関しより低いリスクは、2-IBを受けなかった患者の群と比較して、2-IBで治療された患者の群におけるより低いリスクを意味する。一実施態様においては、2-IBを受けなかった患者の群は、好適に選択される歴史的コホートである。
【0052】
実施例
実施例1:第II相試験
目的、試験設計
試験は、前向き第II相非盲検単一医療施設試験であり、第1目的は、2-IBの安全性および忍容性の評価であり、および第2目的は、効力に関する暫定的データの収集である。患者を4つの群に含める。全ての患者は、3mLの既定負荷用量で2-IBを受け、その後、最大で24時間の期間、連続的静脈内投与を受ける。
【0053】
【表2】
群1a+1b: n=9
群2a+2b: n=9
【0054】
さらなる一群を、2-IBにより治療されなかった、本試験の前に治療された患者(歴史的コホート)から形成する。この群を、同じ病院で治療を受けた患者から構成し、現在の調査集団の患者構成に基づく。
【0055】
心不全後の成人患者における第II相の、非盲検、用量漸増介入試験において2-IBの薬物動態および安全性を基盤とし、eGFRに基づく2-IB用量を、用い、このeGFRの調整された用量は、より正確にAUCを標的にし、臨床薬剤関連有害事象がなく忍容された。
【0056】
主要な試験パラメーター/エンドポイント
短期的安全性および忍容性の評価に用いる主要な試験パラメーターは、被検薬剤の投与前、および投与後24時間のバイタルサイン(心拍数、血圧および酸素飽和度)、ならびに臨床介入の必要性である。さらに、神経内科において7日間までに、または神経内科から退院するまでの、いずれか早期に起こる、(重大な)有害作用((S)AE)の発生。2-IBの薬物動態プロファイルの評価のために、4つの血漿試料を、異なる間隔で(試験投薬後4時間、24時間、25時間、および28時間)分析する。薬物動態パラメーターは、Cmax、AUC、Tmax、T1/2、クリアランス(Cl)、および分布容積(Vd)を含む。
【0057】
二次パラメーター
(1)NIHSSで評価した脳卒中重症度
(2)SAEの発生で評価した長期安全性
(3)90日の時点における修正ランキンスケール(mRS)のスコア
(4)HADS(病院不安および鬱病評価尺度)のスコアおよびEQ-5Dアンケート
(5)処置後血管造影図において拡張脳梗塞(eTICI)グレード2b、2cまたは3と定義される良好な血管再開通
(6)24~48時間の時点においてMRIで測定した梗塞容積
(7)EVT中の血管造影の新規領域における塞栓、または24~48時間のMRI(またはCT)での新規領域における梗塞
(8)24時間の時点におけるMRA(またはMRI禁忌の場合にはCTA)での血管再開通
(9)24時間以内の神経画像検査でのいずれかの介入後頭蓋内出血
(10)24時間の時点における血液検査(CBC、電解質、血清クレアチニン、血清グルコース)および24時間の時点における単一バイオマーカー神経フィラメント軽鎖
【0058】
【表3】
* バイタルサイン:心拍数、血圧、体温および酸素飽和を、救急診療部の病院情報システムに記録する;バイタルサインを、EVT中のアンギオスイート(angiosuite)で連続的にモニターする;次いでバイタルサインを、以下のように神経集中治療室の病院情報システムに記録する:入院後0~2時間の間において15分毎、入院後2~8時間の間において30分毎、入院後8~24時間の間において60分毎;体温を、0~24時間において6時間毎に記録する。
** PK試料(3.5mL)を、第1の投与開始後4時間、24時間、25時間および28時間(±15分を許容範囲とする)に採集する。
*** 神経バイオマーカー神経フィラメント軽鎖用の血液試料(3.5mL)を、24時間(±2時間を許容範囲とする)および90日の時点で(10日間を許容範囲とする)、採集する。
**** ECGを、連続的モニタリング中に関連性のある変化が認められる場合にのみ繰り返す(神経集中治療室または集中治療室において最初の24時間)。
***** AIS発症後7日目(または神経内科病棟から退院;いずれか時期の早い方)から30日目まで、SAEのみを、記録する。
****** 入院後72時間以内に可能な限り早く。
【0059】
調査対象母集団
調査対象母集団は、LVOに起因するAISの成人(年齢18歳以上の男性および年齢49歳超の女性患者)から成る。この試験は、2亜群から成る:IVT(アルテプラーゼ)による治療後にEVTを受けた患者(n=12);EVTでのみ治療された患者(n=6)。対象は、標準的治療に加えて2-IBを受ける。
調査対象母集団を、HMCの救急診療部で臨床診断によりAISと診断された患者から選ぶ。下記のような試験対象基準および試験対象除外基準に合う患者を、試験に参加させる。
【0060】
試験対象基準
・ 成人(年齢18歳超の男性および年齢49歳超の女性)
・ AISの臨床診断
・ 4以上のベースラインNIH脳卒中評価尺度スコア
・ CT(またはMRI)で4超のアルバータ州脳卒中プログラム早期CTスコア(ASPECTS)
・ CTA、MRAまたはDSAで前方循環(遠位ICA、MCAのM1またはM2セグメント)の頭蓋内LVOの存在
・ 脳卒中発症後または最後に健常に見えた時点から最初の6時間以内に可能なEVT(動脈アクセス穿刺)の開始
・ ステントレトリーバー、吸引器または組み合わせアプローチのいずれかとして判断された最初の血管内アプローチによるEVT
・ 書面でのインフォームドコンセント(繰り延べ同意の後)
・ 日常的活動における脳卒中前の自立した機能的状態(mRS>2)
静脈内血栓溶解(アルテプラーゼ、テネクテプラーゼまたはその他)による前処置は前提条件でないことに留意されたい。
CT灌流画像法の結果は試験対象患者基準として用いられないことに留意されたい。
【0061】
試験対象除外基準
・ インフォームドコンセントがない
・ EVT禁忌または症状の発現(または最後に健常に見えた時点)から6時間超経過後のEVT
・ ASPECTS0~4として定義される確定された梗塞の大きな核の証拠。
・ CTAでの側副血行循環欠如/不良の証拠(0または1のTan側副血行循環スコア)[48]。
・ AIS以前の6か月未満の平均余命での既知の併存疾患
・ 49歳以下のまたは妊娠が分かっている女性*
・ 虚血性脳卒中以前に既知の認知機能障害(確認された認知症)
・ 90日の時点で機能転帰の評価を妨げる脳卒中前障害、すなわちmRS>2
・ 初期の血栓除去アプローチとして、ステントレトリーバーまたは凝固吸引デバイスまたは動脈内投与以外の何らかの血管内デバイスを使用する意図。
・ 造影剤に対する生命を脅かすアレルギー(発疹を超える)の病歴
・ CT、MRIにおける急性出血の証拠
・ 正中偏位を伴う顕著な腫瘤効果。
・ 複数の血管領域(例えば、両側前方循環、または前方/後方循環)において閉塞を有する対象
・ 透析(ヘモまたは腹膜)を必要とするとして定義される重篤な既知の腎障害または20mL/分未満のクレアチニンクリアランスが既知の場合。
* 2-IBは、胎児毒性に関し未だ試験されておらず、および限定的な出生前および出生後発育試験しか実施されていないので、妊娠可能な女性をこの試験に含めてはならない。
【0062】
安全性および忍容性の評価のために、心拍数および血圧および酸素飽和(パルスオキシメーター)を含むバイタルサインを、2-IBの既定負荷用量静脈内投与の前および投与後15分までモニターする。さらに、バイタルサインを、標準的治療法の一部でもある入院の最初の24時間の経過中に連続的にモニターする。心拍数および血圧を、以下のスケジュールにしたがい神経集中治療室において記録する:入院後0~2時間に15分毎;入院後2~8時間に30分毎;入院後8~24時間に60分毎;体温を、0~24時間の間、6時間毎に記録する。介入に至る生命パラメーターの何らかの変化もまた、記録する。
【0063】
通常の生化学および血液学の検査を、臨床プロトコルにしたがい治療の開始の前および最後の投与の後に実施する。
【0064】
薬物動態評価のために、4つの血漿試料を、最初の静脈内負荷用量投与の後、2-IB治療の開始後4時間、24時間に、および2-IB点滴の停止後1時間および4時間(すなわち、2-IB治療の開始後25時間および28時間)に採取する。
【0065】
安全性に関して、全ての対象を、病院における入院の期間中追跡し、全有害事象を、この期間に記録する。
【0066】
短期的効力の予備的な兆候を集めるために、試験薬剤の初回投与後24時間(±2時間)での神経フィラメント軽鎖のレベルを、評価する。
【0067】
入院期間後に、全対象は、30日間の経過観察期間に入り、この期間に全てのSAEを記録する。神経機能障害(死亡率を含む修正ランキンスケール(mRS)により評価される)ならびにEQ-5Dアンケートおよび院内抑鬱スケール(HADS)により評価される生活の質を、90日間(±2週間)の経過観察にて全て記録する。患者およびそのパートナーが病院を来訪できない場合、mRS、HADSおよびEQ-5D評価を、標準化された電話インタビューで実施する。
【0068】
対象の治療
治験薬/治験処置
本処置群の全患者は、非盲検2-IBを受け、これは、50mlのバイアルで提供される。プラセボは用いない。2-IBを、低量のクエン酸緩衝液(約15mmol/l)pH4.0を含む0.75mg/mlの注射用等張等浸透圧生理食塩水として製剤化する。2-IBを、静脈内で、好ましくは経皮挿入される末梢静脈カテーテル経由で投与する。あるいは、患者が中心静脈カテーテルを有する場合、この中心静脈ライン経由で2-IBを投与することも可能である。
【0069】
試験薬剤を、希釈せずに用い、ボーラスとして投与し、その後24時間の連続点滴を行う。
【0070】
患者は、3mLの既定の負荷用量で2-IBを受け、その後、24時間の連続的静脈内点滴を受ける。2-IBの投与は、すべての患者に対し同じ3つの部分を含む。
部分A:1分で静脈内投与する3mLの固定された負荷用量(0.75mg/ml濃度)
部分B:点滴開始から4時間1.3mL/時間の標準的な連続的静脈内点滴
部分C:残りの20時間の、eGFR(入院時に評価される)に基づく、eGFRが調整された連続的静脈内投与。eGFRを、以下の公式を用いる用量滴定に用いる:
186 x (Creat / 88.4)-1.154 x (年齢)-0.203 x (女性の場合0.742) x (黒人の場合1.210) [22]。
【0071】
共介入の使用
対象は、担当医により決定される通常の標準的治療法にしたがう他の治療薬剤および介入を受ける。2-IBの使用は、いかなる併用薬または介入を除外しない。アナフィラキシー様反応がアルテプラーゼまたは2-IBのいずれかにより起こる場合、治療を、即時に停止し、適切なアナフィラキシーに関する処置を、ローカルガイドラインにしたがい行う。
【0072】
IVT(症状の発現の4.5時間以内、禁忌がない*)は、通常の脳卒中ケアの一部である。静脈内アルテプラーゼ用量は、0.9mg/体重kgであり、最大90mgであり、最初の10%をボーラスとして、残りの90%を静脈内点滴として1時間かけて投与する。
*静脈内アルテプラーゼによる処置の禁忌:
- 185/110mmHgを超える動脈圧および治療に対する不応性
- 2.7mmol/L未満あるいは22.2mmol/L超の血中グルコース
- 神経損傷が残る過去6週間での脳梗塞
- 過去4週間での頭部外傷
- 過去2週間での大手術または重傷
- 過去2週間での消化管出血または尿路出血
- 過去の脳内出血
- 1.7を超えるINRまたは50秒を超えるAPTTを伴う抗凝固剤の使用
- 90x109/L未満の既知の総血小板数
担当医師が90x109/L未満の血小板数を疑う(例えば、出血性素因が疑われる)場合、試験対象とする前に検査室の血小板数を待つべきである。
- 特定解毒剤が投与されていない限り(すなわちダビガトラン使用の場合イダルシズマブ)、直接トロンビンまたは第X因子阻害剤による治療。
【0073】
統計学的分析
試験治療割り付けによるベースラインデータを、標準的な統計的手段により報告する。ベースライン特性についての欠測値を、報告する。欠測ベースライン特性を、回帰代入を用いて代入する。さらに、試験から脱落したすべての患者を含む、全患者についてオントリートメント解析および安全性パラメーターの分析を、実施する。
【0074】
一次試験パラメーター
記載されるような一次安全性パラメーターを、患者毎および処置群毎に記録し、列挙し、表形式および/またはグラフ形式でまとめる。
【0075】
短期的安全性および忍容性の評価に用いる主要な試験パラメーターは、試験薬剤の投与前および投与後24時間の間のバイタルサイン(心拍数、血圧および酸素飽和度)および臨床介入の必要性である。さらに、より早く起こるいずれかの、神経内科における7日までのまたは神経内科からの退院までの(重篤な)有害作用((S)AE)の発現。
【0076】
2-IBの薬物動態プロファイルの評価のために、血漿試料を、分析する。評価すべき薬物動態パラメーターは、Cmax、AUC、Tmax、t1/2、クリアランス(Cl)、および分布容積(Vd)を含む。
【0077】
二次試験パラメーター
記載されるような二次安全性および有効性パラメーターを、患者毎および処置群毎に記録し、列挙し、表形式および/またはグラフ形式でまとめる。
【0078】
有効性評価基準に関して、発明者らのLVO脳卒中登録および/または歴史的コントロールの対照との比較により、暫定的な効果を評価する。
【0079】
この暫定的な効果の推定値を、ベースラインにおける重要な予後因子に関して調整し、そのような予後因子は、年齢、脳卒中発作前mRS、鼠径部穿刺に対する症状発現からの時間、脳卒中の重症度(NIHSS)、収縮期血圧、抗血小板薬療法およびベースラインでのイメージングの結果を含む。
【0080】
倫理規定
法的声明
試験は、ブラジルのフォルタレザ総会(2013)の現行バージョンに表明されるように、またオランダ臨床医学研究被験者法(WMO)に合致して、ヘルシンキ宣言の原則にしたがって実施される。
【表4】
【国際調査報告】