(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-11
(54)【発明の名称】呼吸器加湿デバイス及び動作方法
(51)【国際特許分類】
A61M 16/16 20060101AFI20240304BHJP
【FI】
A61M16/16 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558724
(86)(22)【出願日】2022-03-23
(85)【翻訳文提出日】2023-11-15
(86)【国際出願番号】 NZ2022050033
(87)【国際公開番号】W WO2022203522
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(32)【優先日】2021-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523363338
【氏名又は名称】エーユーティー ベンチャーズ リミティッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】アル-ジュマイリー,アフマド
(72)【発明者】
【氏名】マッコーリー,アラステア
(72)【発明者】
【氏名】グラウ-バルチュアル,サンドラ
(57)【要約】
呼吸器加湿デバイスが説明され、呼吸器加湿デバイスは、吸気及び呼気の呼吸サイクルを有する呼吸システムに位置付けられた水分交換器であって、水分交換器は、吸気及び呼気の呼吸サイクルで発生するエアフローが水分交換器と接触するように位置付けられ、水分交換器は温度応答性があり、臨界溶液温度を有する、水分交換器と、ヒーターと、ヒーターへの電力供給を制御するコントローラーであって、ヒーターは、水分交換器の温度を、呼吸サイクルにおける大体の第1のターゲット点に近い第1のターゲット温度に上昇させ、または第1のターゲット温度を上回るように上昇させる、コントローラーと、を備え、水分交換器の温度は、呼吸サイクルにおける大体の第2のターゲット点の近くの第2のターゲット温度に下がり、または第2のターゲット温度よりも下回り、第1のターゲット温度は第2のターゲット温度を上回り、吸気中、水分は流入空気に追加され、呼気中、水分交換器は水分を空気から抽出する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸器加湿デバイスであって、
吸気及び呼気の呼吸サイクルを有する呼吸システムに位置付けられた水分交換器であって、前記水分交換器は前記吸気及び呼気の呼吸サイクルで発生するエアフローが前記水分交換器と接触するように位置付けられ、前記水分交換器は温度応答性があり、臨界溶液温度を有する、水分交換器と、
ヒーターと、
前記ヒーターへの電力供給を制御するコントローラーと、を備え、前記コントローラーにより、
前記ヒーターは、前記水分交換器の温度を、前記呼吸サイクルにおける大体の第1のターゲット点に近い第1のターゲット温度に上昇させ、または前記第1のターゲット温度を上回るように上昇させ、
前記水分交換器の温度は、前記呼吸サイクルにおける大体の第2のターゲット点の近くの第2のターゲット温度に下がり、または前記第2のターゲット温度よりも下回り、
前記第1のターゲット温度は前記第2のターゲット温度を上回り、吸気中、水分は流入空気に追加され、呼気中、前記水分交換器は水分を前記空気から抽出する、呼吸器加湿デバイス。
【請求項2】
前記電力供給を前記ヒーターに供給するための電源をさらに備える、請求項1に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項3】
前記第1のターゲット温度は前記第2のターゲット温度を上回る、請求項1または2に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項4】
前記第1のターゲット温度は前記臨界溶液温度を上回る、請求項1~3のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項5】
前記第1のターゲット温度は前記臨界溶液温度よりも少なくとも0.5°C高い、請求項4に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項6】
前記第1のターゲット温度は前記臨界溶液温度よりも少なくとも1°C高い、請求項4または5に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項7】
前記第2のターゲット温度は前記臨界溶液温度を下回る、請求項1~6のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項8】
前記第2のターゲット温度は前記臨界溶液温度よりも少なくとも0.5°C低い、請求項7に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項9】
前記第2のターゲット温度は前記臨界溶液温度よりも少なくとも1°C低い、請求項7または8に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項10】
前記臨界溶液温度は下限臨界溶液温度(LCST)であり、前記第1のターゲット点は少なくとも吸気中に発生する、請求項1~9のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項11】
前記水分交換器は少なくとも吸気中に加熱される、請求項10に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項12】
前記LCSTは25°C~50°Cである、請求項10または11に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項13】
前記LCSTは30°C~45°Cである、請求項12に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項14】
前記第1のターゲット点は吸気の開始時である、請求項1~13のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項15】
前記コントローラーは、ヒーター電力を増加させる、または呼気から吸気に呼吸流量が変化する前に、前記ヒーターのスイッチをオンにする、請求項14に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項16】
前記第2のターゲット点は呼気の開始時である、請求項1~15のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項17】
前記コントローラーは、前記ヒーター電力を減少させる、または吸気から呼気に呼吸流量が変化する前に、前記ヒーターのスイッチをオフにする、請求項16に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項18】
前記臨界溶液温度は上限臨界溶液温度(UCST)であり、前記第1のターゲット点は少なくとも呼気中に発生する、請求項1~10のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項19】
前記水分交換器は少なくとも呼気中に加熱される、請求項18に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項20】
前記UCSTは20°C~50°Cである、請求項18または19に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項21】
前記UCSTは30°C~45°Cである、請求項20に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項22】
前記第1のターゲット点は呼気の開始時である、請求項17~21のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項23】
前記コントローラーは、前記ヒーター電力を増加させる、または吸気から呼気に呼吸流量が変化する前に、前記ヒーターのスイッチをオンにする、請求項22に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項24】
前記第2のターゲット点は吸気の開始時である、請求項18~23のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項25】
前記コントローラーは、前記ヒーター電力を減少させる、または呼気から吸気に呼吸流量が変化する前に、前記ヒーターのスイッチをオフにする、請求項24に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項26】
前記ヒーターは、少なくとも、要素、フィラメント、スパイラルワイヤ、誘導コイル、放射線、及び赤外線ヒーターから成るグループから選択される、請求項1~25のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項27】
バイアスベントをさらに備える、請求項1~26のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項28】
水源をさらに備える、請求項1~27のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項29】
前記コントローラーの動作を調整するためのユーザーインターフェースをさらに備える、請求項1~28のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項30】
前記コントローラーは、ばね、磁石、または他の手段を使用してオンまたはオフにバイアスされる機械スイッチである、請求項1~29のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項31】
前記コントローラーはプロセッサである、請求項1~30のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項32】
前記コントローラーは、時間オフセット、静止時間、及び流量のうちの1つ以上に基づく予測コントローラーである、請求項31に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項33】
前記コントローラーは、前記エアフローから抽出された前記水分の量、または前記エアフローに追加された前記水分の量を調整するように動作する、請求項31または32に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項34】
センサーをさらに備え、前記コントローラー動作は、前記センサーから受信した情報に応答する、請求項31~33のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項35】
前記第1のターゲット温度または前記第2のターゲット温度は、前記所望の吸気空気温度または前記呼吸器加湿デバイスの前記モードに応じて調整可能である、請求項1~34のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項36】
前記モードは侵襲的換気または非侵襲的換気である、請求項35に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項37】
バクテリアフィルターをさらに備える、請求項1~36のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項38】
吸気及び呼気の呼吸サイクルを有する呼吸システムにおいて加湿された空気を提供する水分交換器の水蒸気の放出及び吸収を制御する方法であって、前記水分交換器は、前記吸気及び呼気の呼吸サイクルで発生するエアフローが前記水分交換器と接触するように位置付けられ、前記水分交換器は温度応答性があり、臨界溶液温度を有し、前記方法は、コントローラーを使用して、ヒーターが、前記水分交換器の温度を、前記呼吸サイクルにおける大体の第1のターゲット点に近いターゲット温度に上昇させ、または前記第1のターゲット温度を上回るように上昇させるように、前記ヒーターへの電力供給を制御することによって、前記ヒーターを制御することを含み、前記水分交換器の温度は、前記呼吸サイクルにおける大体の第2のターゲット点の近くの第2のターゲット温度に下がり、または前記第2のターゲット温度よりも下回り、吸気中、水分は流入空気に追加され、呼気中、前記水分交換器は水分を前記空気から抽出する、方法。
【請求項39】
前記第1のターゲット温度は前記第2のターゲット温度を上回る、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記第1のターゲット温度は前記臨界溶液温度を上回る、請求項38または39に記載の方法。
【請求項41】
前記第1のターゲット温度は前記臨界溶液温度よりも少なくとも0.5°C高い、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記第1のターゲット温度は前記臨界溶液温度よりも少なくとも1°C高い、請求項40または41に記載の方法。
【請求項43】
前記第2のターゲット温度は前記臨界溶液温度を下回る、請求項38~42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
前記第2のターゲット温度は前記臨界溶液温度よりも少なくとも0.5°C低い、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記第2のターゲット温度は前記臨界溶液温度よりも少なくとも1°C低い、請求項43または44に記載の方法。
【請求項46】
前記臨界溶液温度は下限臨界溶液温度(LCST)であり、前記第1のターゲット点は吸気中に発生する、請求項38~45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記水分交換器は少なくとも吸気中に加熱される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記LCSTは25°C~50°Cである、請求項46または47に記載の方法。
【請求項49】
前記LCSTは30°C~45°Cである、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記第1のターゲット点は吸気の開始時である、請求項38~49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記コントローラーは、ヒーター電力を増加させる、または呼気から吸気に呼吸流量が変化する前に、前記ヒーターのスイッチをオンにする、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記第2のターゲット点は呼気の開始時である、請求項38~51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
前記コントローラーは、前記ヒーター電力を減少させる、または吸気から呼気に呼吸流量が変化する前に、前記ヒーターのスイッチをオフにする、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記臨界溶液温度は上限臨界溶液温度(UCST)であり、前記第1のターゲット点は少なくとも呼気中に発生する、請求項38~45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項55】
前記水分交換器は少なくとも呼気中に加熱される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記UCSTは20°C~50°Cである、請求項54または55に記載の方法。
【請求項57】
前記UCSTは30°C~45°Cである、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記第1のターゲット点は呼気の開始時である、請求項54~57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
前記コントローラーは、前記ヒーター電力を増加させる、または吸気から呼気に呼吸流量が変化する前に、前記ヒーターのスイッチをオンにする、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記第2のターゲット点は吸気の開始時である、請求項54~59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
前記コントローラーは、前記ヒーター電力を減少させる、または呼気から吸気に呼吸流量が変化する前に、前記ヒーターのスイッチをオフにする、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記ヒーターは、少なくとも、要素、フィラメント、スパイラルワイヤ、誘導コイル、放射線、及び赤外線ヒーターから成るグループから選択される、請求項38~61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
前記水分交換器は、さらに、前記コントローラーの動作を調整するためのユーザーインターフェースを備える、請求項38~62のいずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
前記コントローラーは、ばね、磁石、または他の手段を使用してオンまたはオフにバイアスされる機械スイッチである、請求項38~63のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
前記コントローラーはプロセッサである、請求項38~64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
前記コントローラーは、時間オフセット、静止時間、及び流量のうちの1つ以上に基づく予測コントローラーである、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記コントローラーは、前記エアフローから抽出された前記水分の量、または前記エアフローに追加された前記水分の量を調整するように動作する、請求項65または66に記載の方法。
【請求項68】
前記水分交換器はさらにセンサーを備え、前記方法は、さらに、前記コントローラーが前記センサーから受信した情報に応答して動作することを含む、請求項65~67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
前記方法は、さらに、前記所望の吸気空気温度または前記水分交換器の前記モードに応じて、前記第1のターゲット温度または前記第2のターゲット温度を調整することを含む、請求項38~68のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
前記モードは侵襲的換気または非侵襲的換気である、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
呼吸器加湿デバイスで使用するように構成された水分交換器であって、前記水分交換器は温度応答性があり、臨界溶液温度を有し、前記呼吸器加湿デバイスは、
ヒーターと、
前記ヒーターへの電力供給を制御するコントローラーと、を備え、前記コントローラーにより、
前記ヒーターは、前記水分交換器の温度を、前記呼吸サイクルにおける大体の第1のターゲット点に近いターゲット温度に上昇させ、または前記第1のターゲット温度を上回るように上昇させ、
前記水分交換器の温度は、前記呼吸サイクルにおける大体の第2のターゲット点の近くの第2のターゲット温度に下がり、または前記第2のターゲット温度よりも下回り、
吸気中、水分は流入空気に追加され、呼気中、前記水分交換器は水分を前記空気から抽出する、水分交換器。
【請求項72】
前記電力供給を前記ヒーターに供給するための電源をさらに備える、請求項71に記載の水分交換器。
【請求項73】
前記第1のターゲット温度は前記第2のターゲット温度を上回る、請求項71または請求項72に記載の水分交換器。
【請求項74】
前記第1のターゲット温度は前記臨界溶液温度を上回る、請求項71~73のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項75】
前記第1のターゲット温度は前記臨界溶液温度よりも少なくとも0.5°C高い、請求項74に記載の水分交換器。
【請求項76】
前記第1のターゲット温度は前記臨界溶液温度よりも少なくとも1°C高い、請求項74または75に記載の水分交換器。
【請求項77】
前記第2のターゲット温度は前記臨界溶液温度を下回る、請求項71~76のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項78】
前記第2のターゲット温度は前記臨界溶液温度よりも少なくとも0.5°C低い、請求項77に記載の水分交換器。
【請求項79】
前記第2のターゲット温度は前記臨界溶液温度よりも少なくとも1°C低い、請求項77または78に記載の水分交換器。
【請求項80】
前記臨界溶液温度は下限臨界溶液温度(LCST)であり、前記第1のターゲット点は吸気中に発生する、請求項71~79のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項81】
前記水分交換器は少なくとも吸気中に加熱される、請求項80に記載の水分交換器。
【請求項82】
前記LCSTは25°C~50°Cである、請求項80または81に記載の水分交換器。
【請求項83】
前記LCSTは30°C~45°Cである、請求項82に記載の水分交換器。
【請求項84】
前記第1のターゲット点は吸気の開始時である、請求項71~83のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項85】
前記コントローラーは、ヒーター電力を増加させる、または呼気から吸気に呼吸流量が変化する前に、前記ヒーターのスイッチをオンにする、請求項84に記載の水分交換器。
【請求項86】
前記第2のターゲット点は呼気の開始時である、請求項71~85のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項87】
前記コントローラーは、前記ヒーター電力を減少させる、または吸気から呼気に呼吸流量が変化する前に、前記ヒーターのスイッチをオフにする、請求項84~86のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項88】
前記臨界溶液温度は上限臨界溶液温度(UCST)であり、前記第1のターゲット点は少なくとも呼気中に発生する、請求項71~79のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項89】
前記水分交換器は少なくとも呼気中に加熱される、請求項88に記載の水分交換器。
【請求項90】
前記UCSTは20°C~50°Cである、請求項88または89に記載の水分交換器。
【請求項91】
前記UCSTは30°C~45°Cである、請求項90に記載の水分交換器。
【請求項92】
前記第1のターゲット点は呼気の開始時である、請求項88~91のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項93】
前記コントローラーは、前記ヒーター電力を増加させる、または吸気から呼気に呼吸流量が変化する前に、前記ヒーターのスイッチをオンにする、請求項92に記載の水分交換器。
【請求項94】
前記第2のターゲット点は吸気の開始時である、請求項88~93のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項95】
前記コントローラーは、前記ヒーター電力を減少させる、または呼気から吸気に呼吸流量が変化する前に、前記ヒーターのスイッチをオフにする、請求項94に記載の水分交換器。
【請求項96】
前記ヒーターは、少なくとも、要素、フィラメント、スパイラルワイヤ、放射線、及び赤外線ヒーターから成るグループから選択される、請求項71~95のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項97】
バイアスベントをさらに備える、請求項71~96のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項98】
水源をさらに備える、請求項71~97のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項99】
前記コントローラーの動作を調整するためのユーザーインターフェースをさらに備える、請求項71~98のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項100】
前記コントローラーは、ばね、磁石、または他の手段を使用してオンまたはオフにバイアスされる機械スイッチである、請求項71~99のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項101】
前記コントローラーはプロセッサである、請求項71~99のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項102】
前記コントローラーは、時間オフセット、静止時間、及び流量のうちの1つ以上に基づく予測コントローラーである、請求項101に記載の水分交換器。
【請求項103】
前記コントローラーは、エアフローから抽出された前記水分の量、または前記エアフローに追加された前記水分の量を調整するように動作する、請求項101または102に記載の水分交換器。
【請求項104】
センサーをさらに備え、前記コントローラー動作は、前記センサーから受信した情報に応答する、請求項101~103のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項105】
前記第1のターゲット温度または前記第2のターゲット温度は、前記所望の吸気空気温度または前記呼吸器加湿デバイスの前記モードに応じて調整可能である、請求項71~104のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項106】
前記モードは侵襲的換気または非侵襲的換気である、請求項105に記載の水分交換器。
【請求項107】
バクテリアフィルターをさらに備える、請求項71~106のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項108】
呼吸器加湿デバイスであって、
吸気及び呼気の呼吸サイクルを有する呼吸システムに位置付けられた水分交換器であって、前記水分交換器は前記吸気及び呼気の呼吸サイクルで発生するエアフローが前記水分交換器と接触するように位置付けられ、前記水分交換器は温度応答性があり、臨界溶液温度を有する、水分交換器と、
ヒーターと、
前記ヒーターへの電力が前記呼気の開始前に減少するように、前記ヒーターへの電力供給を制御する、コントローラーと、を備え、
吸気中、水分は流入空気に追加され、呼気中、前記水分交換器は水分を前記空気から抽出する、呼吸器加湿デバイス。
【請求項109】
前記電力供給を前記ヒーターに供給するための電源をさらに備える、請求項108に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項110】
前記コントローラーは、利用可能である電力の5%未満に、前記ヒーターへの前記電力を減少させる、請求項108または109に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項111】
前記コントローラーは、前記呼気の開始前の少なくとも500msにわたって、前記ヒーターへの前記電力を減少させる、請求項108~110のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項112】
前記コントローラーは、前記呼気の開始前の少なくとも250msにわたって、前記ヒーターへの前記電力を減少させる、請求項108~110のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項113】
前記コントローラーは、前記吸気及び呼気の呼吸サイクルで発生する個々の点に基づいて、前記電力を減少させる、請求項108~110のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項114】
前記個々の点は、閾値を上回る値から下回る値への遷移または逆の場合の遷移に基づいて計算される、請求項113に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項115】
前記閾値は複数の呼吸サイクルにわたって計算される、請求項114に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項116】
前記コントローラーは、さらに、前記吸気の開始前に前記ヒーターへの電力が増加するように、前記ヒーターへの前記電力供給を制御する、請求項108~115のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項117】
前記コントローラーは、利用可能である電力の90%よりも大きい電力に、前記ヒーターへの前記電力を増加させる、請求項116に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項118】
前記コントローラーは、前記吸気の開始前の少なくとも500msにわたって、前記ヒーターへの前記電力を増加させる、請求項116または117に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項119】
前記コントローラーは、前記呼気の開始前の少なくとも250msにわたって、前記ヒーターへの前記電力を増加させる、請求項116または117に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項120】
前記コントローラーは、前記吸気及び呼気の呼吸サイクルで発生する個々の点に基づいて、前記電力を増加させる、請求項116または117に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項121】
前記個々の点は、閾値を上回る値から下回る値への遷移または逆の場合の遷移に基づいて計算される、請求項120に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項122】
前記閾値は複数の呼吸サイクルにわたって計算される、請求項121に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項123】
前記コントローラーは前記ヒーターを制御して、前記水分交換器の温度を、前記呼吸サイクルにおける大体の第1のターゲット点に近い第1のターゲット温度に上昇させ、または前記第1のターゲット温度を上回るように上昇させ、前記水分交換器の温度は、前記呼吸サイクルにおける大体の第2のターゲット点の近くの第2のターゲット温度に下がる、または前記第2のターゲット温度よりも下回る、請求項108~122のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項124】
前記第1のターゲット温度は前記第2のターゲット温度を上回る、請求項123に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項125】
前記第1のターゲット温度は前記臨界溶液温度を上回る、請求項123または124に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項126】
前記第1のターゲット温度は前記臨界溶液温度よりも少なくとも0.5°C高い、請求項125に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項127】
前記第1のターゲット温度は前記臨界溶液温度よりも少なくとも1°C高い、請求項125または126に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項128】
前記第2のターゲット温度は前記臨界溶液温度を下回る、請求項123~127のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項129】
前記第2のターゲット温度は前記臨界溶液温度よりも少なくとも0.5°C低い、請求項128に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項130】
前記第2のターゲット温度は前記臨界溶液温度よりも少なくとも1°C低い、請求項128または129に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項131】
前記臨界溶液温度は下限臨界溶液温度(LCST)であり、前記第1のターゲット点は少なくとも吸気中に発生する、請求項123~130のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項132】
前記水分交換器は少なくとも吸気中に加熱される、請求項131に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項133】
前記LCSTは25°C~50°Cである、請求項131または132に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項134】
前記LCSTは30°C~45°Cである、請求項133に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項135】
前記第1のターゲット点は吸気の開始時である、請求項123~134のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項136】
前記第2のターゲット点は呼気の開始時である、請求項123~135のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項137】
前記臨界溶液温度は上限臨界溶液温度(UCST)であり、前記第1のターゲット点は少なくとも呼気中に発生する、請求項123~130のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項138】
前記UCSTは20°C~50°Cである、請求項137に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項139】
前記UCSTは30°C~45°Cである、請求項138に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項140】
前記第1のターゲット点は呼気の開始時である、請求項137~139のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項141】
前記第2のターゲット点は吸気の開始時である、請求項137~140のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項142】
前記第1のターゲット温度または前記第2のターゲット温度は、前記所望の吸気空気温度または前記呼吸器加湿デバイスの前記モードに応じて調整可能である、請求項137~141のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項143】
前記モードは侵襲的換気または非侵襲的換気である、請求項142に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項144】
前記ヒーターは、少なくとも、要素、フィラメント、スパイラルワイヤ、誘導コイル、放射線、及び赤外線ヒーターから成るグループから選択される、請求項108~143のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項145】
バイアスベントをさらに備える、請求項108~144のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項146】
水源をさらに備える、請求項108~145のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項147】
前記コントローラーの動作を調整するためのユーザーインターフェースをさらに備える、請求項108~146のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項148】
前記コントローラーは、ばね、磁石、または他の手段を使用してオンまたはオフにバイアスされる機械スイッチである、請求項108~147のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項149】
前記コントローラーはプロセッサである、請求項108~148のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項150】
前記コントローラーは、時間オフセット、静止時間、及び流量のうちの1つ以上に基づく予測コントローラーである、請求項149に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項151】
前記コントローラーは、前記エアフローから抽出された前記水分の量、または前記エアフローに追加された前記水分の量を調整するように動作する、請求項149または150に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項152】
センサーをさらに備え、前記コントローラー動作は、前記センサーから受信した情報に応答する、請求項149~151のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項153】
バクテリアフィルターをさらに備える、請求項108~152のいずれかに記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項154】
吸気及び呼気の呼吸サイクルを有する呼吸システムにおいて加湿された空気を提供する水分交換器の水蒸気の放出及び吸収を制御する方法であって、前記水分交換器は、前記吸気及び呼気の呼吸サイクルで発生するエアフローが前記水分交換器と接触するように位置付けられ、前記水分交換器は温度応答性があり、臨界溶液温度を有し、前記方法は、コントローラーを使用して、ヒーターへの前記電力供給を制御することによって、前記ヒーターを制御することを含み、前記制御することにより、前記ヒーターへの電力が前記呼気の開始前に減少するように、前記ヒーターへの電力供給を制御し、吸気中、水分は流入空気に追加され、呼気中、前記水分交換器は水分を前記空気から抽出する、方法。
【請求項155】
前記コントローラーは、利用可能である電力の5%未満に、前記ヒーターへの前記電力を減少させる、請求項154に記載の方法。
【請求項156】
前記コントローラーは、前記呼気の開始前の少なくとも500msにわたって、前記ヒーターへの前記電力を減少させる、請求項154または155に記載の方法。
【請求項157】
前記コントローラーは、前記呼気の開始前の少なくとも250msにわたって、前記ヒーターへの前記電力を減少させる、請求項154または155に記載の方法。
【請求項158】
前記コントローラーは、前記吸気及び呼気の呼吸サイクルで発生する個々の点に基づいて、前記電力を減少させる、請求項154または155に記載の方法。
【請求項159】
前記個々の点は、閾値を上回る値から下回る値への遷移または逆の場合の遷移に基づいて、前記コントローラーによって計算される、請求項158に記載の方法。
【請求項160】
前記閾値は複数の呼吸サイクルにわたって前記コントローラーによって計算される、請求項159に記載の方法。
【請求項161】
前記コントローラーは、さらに、前記吸気の開始前に前記ヒーターへの電力が増加するように、前記ヒーターへの前記電力供給を制御する、請求項154に記載の方法。
【請求項162】
前記コントローラーは、利用可能である電力の90%よりも大きい電力に、前記ヒーターへの前記電力を増加させる、請求項161に記載の方法。
【請求項163】
前記コントローラーは、前記吸気の開始前の少なくとも500msにわたって、前記ヒーターへの前記電力を増加させる、請求項161または162に記載の方法。
【請求項164】
前記コントローラーは、前記呼気の開始前の少なくとも250msにわたって、前記ヒーターへの前記電力を増加させる、請求項161または162に記載の方法。
【請求項165】
前記コントローラーは、前記吸気及び呼気の呼吸サイクルで発生する個々の点に基づいて、前記電力を増加させる、請求項161または162に記載の方法。
【請求項166】
前記個々の点は、閾値を上回る値から下回る値への遷移または逆の場合の遷移に基づいて、前記コントローラーによって計算される、請求項165に記載の方法。
【請求項167】
前記閾値は複数の呼吸サイクルにわたって前記コントローラーによって計算される、請求項166に記載の方法。
【請求項168】
前記ヒーターを制御する前記コントローラーは、前記水分交換器の温度を、前記呼吸サイクルにおける大体の第1のターゲット点に近い第1のターゲット温度に上昇させ、または前記第1のターゲット温度を上回るように上昇させ、前記水分交換器の温度は、前記呼吸サイクルにおける大体の第2のターゲット点の近くの第2のターゲット温度に下がる、または前記第2のターゲット温度よりも下回る、請求項154~167のいずれか1項に記載の方法。
【請求項169】
前記第1のターゲット温度は前記第2のターゲット温度を上回る、請求項168に記載の方法。
【請求項170】
前記第1のターゲット温度は前記臨界溶液温度を上回る、請求項168または168に記載の方法。
【請求項171】
前記第1のターゲット温度は前記臨界溶液温度よりも少なくとも0.5°C高い、請求項170に記載の方法。
【請求項172】
前記第1のターゲット温度は前記臨界溶液温度よりも少なくとも1°C高い、請求項170または171に記載の方法。
【請求項173】
前記第2のターゲット温度は前記臨界溶液温度を下回る、請求項168~172のいずれか1項に記載の方法。
【請求項174】
前記第2のターゲット温度は前記臨界溶液温度よりも少なくとも0.5°C低い、請求項173に記載の方法。
【請求項175】
前記第2のターゲット温度は前記臨界溶液温度よりも少なくとも1°C低い、請求項173または174に記載の方法。
【請求項176】
前記臨界溶液温度は下限臨界溶液温度(LCST)であり、前記第1のターゲット点は吸気中に発生する、請求項168~175のいずれか1項に記載の方法。
【請求項177】
前記水分交換器は少なくとも吸気中に加熱される、請求項154に記載の方法。
【請求項178】
前記LCSTは25°C~50°Cである、請求項176または177に記載の方法。
【請求項179】
前記LCSTは30°C~45°Cである、請求項178に記載の方法。
【請求項180】
前記第1のターゲット点は吸気の開始時である、請求項168~179のいずれか1項に記載の方法。
【請求項181】
前記コントローラーは、ヒーター電力を増加させる、または呼気から吸気に呼吸流量が変化する前に、前記ヒーターのスイッチをオンにする、請求項180に記載の方法。
【請求項182】
前記第2のターゲット点は呼気の開始時である、請求項168~181のいずれか1項に記載の方法。
【請求項183】
前記臨界溶液温度は上限臨界溶液温度(UCST)であり、前記第1のターゲット点は少なくとも呼気中に発生する、請求項168~175のいずれか1項に記載の方法。
【請求項184】
前記水分交換器は少なくとも呼気中に加熱される、請求項183に記載の方法。
【請求項185】
前記UCSTは20°C~50°Cである、請求項183または184に記載の方法。
【請求項186】
前記UCSTは30°C~45°Cである、請求項185に記載の方法。
【請求項187】
前記第1のターゲット点は呼気の開始時である、請求項183~186のいずれか1項に記載の方法。
【請求項188】
前記コントローラーは、前記ヒーター電力を増加させる、または吸気から呼気に呼吸流量が変化する前に、前記ヒーターのスイッチをオンにする、請求項187に記載の方法。
【請求項189】
前記第2のターゲット点は吸気の開始時である、請求項154~188のいずれか1項に記載の方法。
【請求項190】
前記方法は、さらに、前記所望の吸気空気温度または前記水分交換器の前記モードに応じて、前記第1のターゲット温度または前記第2のターゲット温度を調整することを含む、請求項168~189のいずれか1項に記載の方法。
【請求項191】
前記モードは侵襲的換気または非侵襲的換気である、請求項190に記載の方法。
【請求項192】
前記ヒーターは、少なくとも、要素、フィラメント、スパイラルワイヤ、誘導コイル、放射線、及び赤外線ヒーターから成るグループから選択される、請求項154~191のいずれか1項に記載の呼吸器加湿デバイス。
【請求項193】
前記水分交換器は、さらに、前記コントローラーの動作を調整するためのユーザーインターフェースを備える、請求項154~192のいずれか1項に記載の方法。
【請求項194】
前記コントローラーは、ばね、磁石、または他の手段を使用してオンまたはオフにバイアスされる機械スイッチである、請求項154~193のいずれか1項に記載の方法。
【請求項195】
前記コントローラーはプロセッサである、請求項154~194のいずれか1項に記載の方法。
【請求項196】
前記コントローラーは、時間オフセット、静止時間、及び流量のうちの1つ以上に基づく予測コントローラーである、請求項195に記載の方法。
【請求項197】
前記コントローラーは、前記エアフローから抽出された前記水分の量、または前記エアフローに追加された前記水分の量を調整するように動作する、請求項195または196に記載の方法。
【請求項198】
前記水分交換器はさらにセンサーを備え、前記方法は、さらに、前記コントローラーが前記センサーから受信した情報に応答して動作することを含む、請求項195~197のいずれか1項に記載の方法。
【請求項199】
呼吸器加湿デバイスで使用するように構成された水分交換器であって、前記水分交換器は温度応答性があり、臨界溶液温度を有し、前記呼吸器加湿デバイスは、
ヒーターと、
前記ヒーターへの電力が呼気の開始前に減少するように、前記ヒーターへの電力を制御する、コントローラーと、を備え、
吸気中、水分は流入空気に追加され、呼気中、前記水分交換器は水分を前記空気から抽出する、水分交換器。
【請求項200】
前記電力供給を前記ヒーターに供給するための電源をさらに備える、請求項199に記載の水分交換器。
【請求項201】
前記コントローラーは、利用可能である電力の5%未満に、前記ヒーターへの前記電力を減少させる、請求項199または200に記載の水分交換器。
【請求項202】
前記コントローラーは、前記呼気の開始前の少なくとも500msにわたって、前記ヒーターへの前記電力を減少させる、請求項199~201のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項203】
前記コントローラーは、前記呼気の開始前の少なくとも250msにわたって、前記ヒーターへの前記電力を減少させる、請求項199~201のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項204】
前記コントローラーは、前記吸気及び呼気の呼吸サイクルで発生する個々の点に基づいて、前記電力を減少させる、請求項199~201のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項205】
前記個々の点は、閾値を上回る値から下回る値への遷移または逆の場合の遷移に基づいて計算される、請求項204に記載の水分交換器。
【請求項206】
前記閾値は複数の呼吸サイクルにわたって計算される、請求項205に記載の水分交換器。
【請求項207】
前記コントローラーは、さらに、前記吸気の開始前に前記ヒーターへの電力が増加するように、前記ヒーターへの前記電力供給を制御する、請求項199~206のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項208】
前記コントローラーは、利用可能である電力の90%よりも大きい電力に、前記ヒーターへの前記電力を増加させる、請求項207に記載の水分交換器。
【請求項209】
前記コントローラーは、前記吸気の開始前の少なくとも500msにわたって、前記ヒーターへの前記電力を増加させる、請求項207または208に記載の水分交換器。
【請求項210】
前記コントローラーは、前記呼気の開始前の少なくとも250msにわたって、前記ヒーターへの前記電力を増加させる、請求項207または208に記載の水分交換器。
【請求項211】
前記コントローラーは、前記吸気及び呼気の呼吸サイクルで発生する個々の点に基づいて、前記電力を増加させる、請求項207または208に記載の水分交換器。
【請求項212】
前記個々の点は、閾値を上回る値から下回る値への遷移または逆の場合の遷移に基づいて計算される、請求項211に記載の水分交換器。
【請求項213】
前記閾値は複数の呼吸サイクルにわたって計算される、請求項212に記載の水分交換器。
【請求項214】
前記ヒーターを制御する前記コントローラーは、前記水分交換器の温度を、前記呼吸サイクルにおける大体の第1のターゲット点に近い第1のターゲット温度に上昇させ、または前記第1のターゲット温度を上回るように上昇させ、前記水分交換器の温度は、前記呼吸サイクルにおける大体の第2のターゲット点の近くの第2のターゲット温度に下がる、または前記第2のターゲット温度よりも下回る、請求項199~213のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項215】
前記第1のターゲット温度は前記第2のターゲット温度を上回る、請求項214に記載の水分交換器。
【請求項216】
前記第1のターゲット温度は前記臨界溶液温度を上回る、請求項214または215に記載の水分交換器。
【請求項217】
前記第1のターゲット温度は前記臨界溶液温度よりも少なくとも0.5°C高い、請求項216に記載の水分交換器。
【請求項218】
前記第1のターゲット温度は前記臨界溶液温度よりも少なくとも1°C高い、請求項216または217に記載の水分交換器。
【請求項219】
前記第2のターゲット温度は前記臨界溶液温度を下回る、請求項214~218のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項220】
前記第2のターゲット温度は前記臨界溶液温度よりも少なくとも0.5°C低い、請求項219に記載の水分交換器。
【請求項221】
前記第2のターゲット温度は前記臨界溶液温度よりも少なくとも1°C低い、請求項219または220に記載の水分交換器。
【請求項222】
前記臨界溶液温度は下限臨界溶液温度(LCST)であり、前記第1のターゲット点は吸気中に発生する、請求項214~221のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項223】
前記LCSTは25°C~50°Cである、請求項222に記載の水分交換器。
【請求項224】
前記LCSTは30°C~45°Cである、請求項223に記載の水分交換器。
【請求項225】
前記第1のターゲット点は吸気の開始時である、請求項214~224のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項226】
前記第2のターゲット点は呼気の開始時である、請求項214~225のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項227】
前記臨界溶液温度は上限臨界溶液温度(UCST)であり、前記第1のターゲット点は少なくとも呼気中に発生する、請求項214~221のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項228】
前記UCSTは20°C~50°Cである、請求項227に記載の水分交換器。
【請求項229】
前記UCSTは30°C~45°Cである、請求項228に記載の水分交換器。
【請求項230】
前記第1のターゲット点は呼気の開始時である、請求項227~229のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項231】
前記第2のターゲット点は吸気の開始時である、請求項227~230のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項232】
前記第1のターゲット温度または前記第2のターゲット温度は、前記所望の吸気空気温度または前記呼吸器加湿デバイスの前記モードに応じて調整可能である、請求項214~231のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項233】
前記モードは侵襲的換気または非侵襲的換気である、請求項232に記載の水分交換器。
【請求項234】
前記ヒーターは、少なくとも、要素、フィラメント、スパイラルワイヤ、放射線、及び赤外線ヒーターから成るグループから選択される、請求項199~233のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項235】
バイアスベントをさらに備える、請求項199~234のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項236】
水源をさらに備える、請求項199~235のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項237】
前記コントローラーの動作を調整するためのユーザーインターフェースをさらに備える、請求項199~236のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項238】
前記コントローラーは、ばね、磁石、または他の手段を使用してオンまたはオフにバイアスされる機械スイッチである、請求項199~237のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項239】
前記コントローラーはプロセッサである、請求項199~238のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項240】
前記コントローラーは、時間オフセット、静止時間、及び流量のうちの1つ以上に基づく予測コントローラーである、請求項239に記載の水分交換器。
【請求項241】
前記コントローラーは、エアフローから抽出された前記水分の量、または前記エアフローに追加された前記水分の量を調整するように動作する、請求項239または240に記載の水分交換器。
【請求項242】
センサーをさらに備え、前記コントローラー動作は、前記センサーから受信した情報に応答する、請求項239~241のいずれか1項に記載の水分交換器。
【請求項243】
バクテリアフィルターをさらに備える、請求項199~242のいずれかに記載の水分交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼吸器加湿デバイス及び動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
喘息吸入器、陽性気道圧デバイス(PAP、CPAP、APAP、及びBiPAPを含む)、麻酔器、人工呼吸器、またはさらに気管切開等の呼吸補助デバイスを使用して、いくつかの患者で適切な呼吸サイクルを回復または提供する。これらの治療は、自然な潤滑及び正常な空気調節プロセスを妨げる。その理由として、圧力の増加及び乱流効果が生じる、または最も重要な空気調節部である鼻腔がバイパスされるためである。呼吸デバイスは、繊毛細胞が不活性化されて減る部分で、粘膜の乾燥及び外傷を生じさせる可能性がある(Malik&Kenyon,2004)。したがって、吸気流は、37°Cで、ほぼ100%の相対湿度で肺に到達するために、また最適な粘液線毛輸送機能を維持するために、暖めて加湿する必要がある。
【0003】
このエアフローは、フェイスマスク、鼻マスク、鼻ピローマスク、気管切開チューブ、気管内チューブ、または布フェイスマスク等の患者インターフェースを通って患者(または、いくつかの場合、病人でないユーザー)に送達される。呼吸補助デバイスと患者インターフェースとの間に、一般的に、呼吸回路として知られているものと一緒にチューブ、バルブ、Y型接続部、吸引ポート、サンプリングポート等を有する。患者インターフェース及び呼吸回路のタイプは、用途によって決まる。
【0004】
国際公開第2019/093910号では、親水性から疎水性に(または逆の場合も同様に)変化するために加熱される水分交換器と、水分交換器及び加熱素子を含む呼吸器加湿デバイスとが開示されている。呼吸器加湿デバイスは、呼吸補助デバイスから供給されたエアフローを受け得る、または周囲空気を加熱及び加湿し得る。
【0005】
呼吸器加湿デバイスの水分交換器は、温度応答性ポリマーと、所望の形状を保持するために温度応答性ポリマーを物理的に支持する基材とを含み、吸気流及び呼気流と接触してポリマーを設置するために大きい多数のポリマーの表面を提供する。適切な場合がある基材の例は、天然繊維(特に、コットン、リンネル、キチン、またはキトサン)、合成繊維または加工繊維(特に、レーヨン、ポリビニルアルコール(PVA)、またはポリプロピレン(PP))、またはそれらの混合物等の線維物質と、製造された特定の金属もしくはポリマーの構造、または自然に発生する金属もしくはポリマーの構造等の大量の粒状、結晶、または細孔を伴う非繊維物質とを含む。基材は、規則的構造もしくは不規則構造、またはそれら両方の構造の組み合わせを伴って生じ得、例えば、織布または不織布、3次元プリントした金属マトリクスまたは焼結金属マトリクスである。いくつかの実施態様では、繊維製品である基材を含み得る一方、他の実施態様では、オープンセルフォームまたはさらに他の適切な材料を使用し得る。
【0006】
本発明とともに使用するのに適切な基材の必要な特徴は、それらの基材がその体積と比較して非常に大きい表面積を有し、空気が容易に通過することを可能にすることを含む。理想的には、基材は多孔質であり、気孔率は10%または25%を超え、より好ましくは50%または75%を超える。
【0007】
温度応答性ポリマーは、基材にグラフトされ得る、基材からグラフトされたコポリマーであり得る、基材を形成するために重合され得る、または基材を形成するために重合されたコポリマーであり得る。基材及び温度応答性ポリマーは同じであり得、例えば、ネットワークポリマー構造またはコポリマー構造、1つ以上のポリマーまたはコポリマーから作られたネットワークポリマー構造、電気紡糸繊維、織り繊維、または不織繊維である。国際公開第2019/093910号では、適切な温度応答性ポリマーが開示されている。
【0008】
「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、及び「含む(comprising)」という用語は、様々な法域下で、排他的意味または包括的意味のいずれかが与えられ得ることが認知されている。本明細書の目的のために及び特に断りのない限り、これらの用語は包括的意味を有することが意図される。すなわち、それらの用語は、その使用が直接言及される記載された構成要素の含有を意味し、場合により、他の記述されない構成要素または要素の含有も意味することが解釈される。
【0009】
「エアフロー」という用語は広く使用され、例えば、酸素富化空気のフロー、麻酔ガス、または純酸素を含み得る。
【0010】
本明細書のいずれかの文献の参照について、その文献は先行技術であり、他の文献と有効に組み合わせ可能であること、またはその文献が共通の一般知識の一部を形成することを認めていない。
【0011】
本発明の目的は、衛生的に使用する改良された呼吸器加湿デバイスを開発すること、または少なくとも、公衆もしくは産業界に有用な選択肢を提供することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Malik&Kenyon,2004
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
例示的な1つの実施形態によると、呼吸器加湿デバイスが提供され、呼吸器加湿デバイスは、
吸気及び呼気の呼吸サイクルを有する呼吸システムに位置付けられた水分交換器であって、水分交換器は吸気及び呼気の呼吸サイクルで発生するエアフローが水分交換器と接触するように位置付けられ、水分交換器は温度応答性があり、臨界溶液温度を有する、水分交換器と、
ヒーターと、
ヒーターへの電力供給を制御するコントローラーと、を備え、コントローラーにより、
ヒーターは、水分交換器の温度を、呼吸サイクルにおける大体の第1のターゲット点に近い第1のターゲット温度に上昇させ、または第1のターゲット温度を上回るように上昇させ、
水分交換器の温度は、呼吸サイクルにおける大体の第2のターゲット点の近くの第2のターゲット温度に下がり、または第2のターゲット温度よりも下回り、
第1のターゲット温度は第2のターゲット温度を上回り、吸気中、水分は流入空気に追加され、呼気中、水分交換器は水分を空気から抽出する。
【0015】
好ましくは、電力供給をヒーターに供給するための電源をさらに備える。
【0016】
好ましくは、第1のターゲット温度は第2のターゲット温度を上回る。
【0017】
好ましくは、第1のターゲット温度は臨界溶液温度を上回る。
【0018】
好ましくは、第1のターゲット温度は臨界溶液温度よりも少なくとも0.5°C高い。
【0019】
好ましくは、第1のターゲット温度は臨界溶液温度よりも少なくとも1°C高い。
【0020】
好ましくは、第2のターゲット温度は臨界溶液温度を下回る。
【0021】
好ましくは、第2のターゲット温度は臨界溶液温度よりも少なくとも0.5°C低い。
【0022】
好ましくは、第2のターゲット温度は臨界溶液温度よりも少なくとも1°C低い。
【0023】
好ましくは、臨界溶液温度は下限臨界溶液温度(LCST)であり、第1のターゲット点は少なくとも吸気中に発生する。
【0024】
好ましくは、水分交換器は少なくとも吸気中に加熱される。
【0025】
好ましくは、LCSTは25°C~50°Cである。
【0026】
好ましくは、LCSTは30°C~45°Cである。
【0027】
好ましくは、第1のターゲット点は吸気の開始時である。
【0028】
好ましくは、コントローラーは、ヒーター電力を増加させる、または呼気から吸気に呼吸流量が変化する前に、ヒーターのスイッチをオンにする。
【0029】
好ましくは、第2のターゲット点は呼気の開始時である。
【0030】
好ましくは、コントローラーは、ヒーター電力を減少させる、または吸気から呼気に呼吸流量が変化する前に、ヒーターのスイッチをオフにする。
【0031】
好ましくは、臨界溶液温度は上限臨界溶液温度(UCST)であり、第1のターゲット点は少なくとも呼気中に発生する。
【0032】
好ましくは、水分交換器は少なくとも吸気中に加熱される。
【0033】
好ましくは、UCSTは20°C~50°Cである。
【0034】
好ましくは、UCSTは30°C~45°Cである。
【0035】
好ましくは、第1のターゲット点は呼気の開始時である。
【0036】
好ましくは、コントローラーは、ヒーター電力を増加させる、または吸気から呼気に呼吸流量が変化する前に、ヒーターのスイッチをオンにする。
【0037】
好ましくは、第2のターゲット点は吸気の開始時である。
【0038】
好ましくは、コントローラーは、ヒーター電力を減少させる、または呼気から吸気に呼吸流量が変化する前に、ヒーターのスイッチをオフにする。
【0039】
好ましくは、ヒーターは、少なくとも、要素、フィラメント、スパイラルワイヤ、誘導コイル、放射線、及び赤外線ヒーターから成るグループから選択される。
【0040】
好ましくは、呼吸器加湿デバイスはさらにバイアスベントを備える。
【0041】
好ましくは、呼吸器加湿デバイスはさらに水源を備える。
【0042】
好ましくは、コントローラーの動作を調整するためのユーザーインターフェースをさらに備える。
【0043】
好ましくは、コントローラーは、ばね、磁石、または他の手段を使用してオンまたはオフにバイアスされる機械スイッチである。
【0044】
好ましくは、コントローラーはプロセッサである。
【0045】
好ましくは、コントローラーは、時間オフセット、静止時間、及び流量のうちの1つ以上に基づく予測コントローラーである。
【0046】
好ましくは、コントローラーは、エアフローから抽出された水分の量、またはエアフローに追加された水分の量を調整するように動作する。
【0047】
好ましくは、センサーをさらに備え、コントローラー動作は、センサーから受信した情報に応答する。
【0048】
好ましくは、第1のターゲット温度または第2のターゲット温度は、所望の吸気空気温度または呼吸器加湿デバイスのモードに応じて調整可能である。
【0049】
好ましくは、モードは侵襲的換気または非侵襲的換気である。
【0050】
好ましくは、バクテリアフィルターをさらに備える。
【0051】
例示的な1つの実施形態によると、吸気及び呼気の呼吸サイクルを有する呼吸システムにおいて加湿された空気を提供する水分交換器の水蒸気の放出及び吸収を制御する方法が提供され、水分交換器は、吸気及び呼気の呼吸サイクルで発生するエアフローが水分交換器と接触するように位置付けられ、水分交換器は温度応答性があり、臨界溶液温度を有し、本方法は、コントローラーを使用して、ヒーターが、水分交換器の温度を、呼吸サイクルにおける大体の第1のターゲット点に近いターゲット温度に上昇させ、または第1のターゲット温度を上回るように上昇させるように、ヒーターへの電力供給を制御することによって、ヒーターを制御することを含み、水分交換器の温度は、呼吸サイクルにおける大体の第2のターゲット点の近くの第2のターゲット温度に下がり、または第2のターゲット温度よりも下回り、吸気中、水分は流入空気に追加され、呼気中、水分交換器は水分を空気から抽出する。
【0052】
好ましくは、第1のターゲット温度は第2のターゲット温度を上回る。
【0053】
好ましくは、第1のターゲット温度は臨界溶液温度を上回る。
【0054】
好ましくは、第1のターゲット温度は臨界溶液温度よりも少なくとも0.5°C高い。
【0055】
好ましくは、第1のターゲット温度は臨界溶液温度よりも少なくとも1°C高い。
【0056】
好ましくは、第2のターゲット温度は臨界溶液温度を下回る。
【0057】
好ましくは、第2のターゲット温度は臨界溶液温度よりも少なくとも0.5°C低い。
【0058】
好ましくは、第2のターゲット温度は臨界溶液温度よりも少なくとも1°C低い。
【0059】
好ましくは、臨界溶液温度は下限臨界溶液温度(LCST)であり、第1のターゲット点は吸気中に発生する。
【0060】
好ましくは、水分交換器は少なくとも吸気中に加熱される。
【0061】
好ましくは、LCSTは25°C~50°Cである。
【0062】
好ましくは、LCSTは30°C~45°Cである。
【0063】
好ましくは、第1のターゲット点は吸気の開始時である。
【0064】
好ましくは、コントローラーは、ヒーター電力を増加させる、または呼気から吸気に呼吸流量が変化する前に、ヒーターのスイッチをオンにする。
【0065】
好ましくは、第2のターゲット点は呼気の開始時である。
【0066】
好ましくは、コントローラーは、ヒーター電力を減少させる、または吸気から呼気に呼吸流量が変化する前に、ヒーターのスイッチをオフにする。
【0067】
好ましくは、臨界溶液温度は上限臨界溶液温度(UCST)であり、第1のターゲット点は少なくとも呼気中に発生する。
【0068】
好ましくは、水分交換器は少なくとも吸気中に加熱される。
【0069】
好ましくは、UCSTは20°C~50°Cである。
【0070】
好ましくは、UCSTは30°C~45°Cである。
【0071】
好ましくは、第1のターゲット点は呼気の開始時である。
【0072】
好ましくは、コントローラーは、ヒーター電力を増加させる、または吸気から呼気に呼吸流量が変化する前に、ヒーターのスイッチをオンにする。
【0073】
好ましくは、第2のターゲット点は吸気の開始時である。
【0074】
好ましくは、コントローラーは、ヒーター電力を減少させる、または呼気から吸気に呼吸流量が変化する前に、ヒーターのスイッチをオフにする。
【0075】
好ましくは、ヒーターは、少なくとも、要素、フィラメント、スパイラルワイヤ、誘導コイル、放射線、及び赤外線ヒーターから成るグループから選択される。
【0076】
好ましくは、水分交換器は、さらに、コントローラーの動作を調整するためのユーザーインターフェースを備える。
【0077】
好ましくは、コントローラーは、ばね、磁石、または他の手段を使用してオンまたはオフにバイアスされる機械スイッチである。
【0078】
好ましくは、コントローラーはプロセッサである。
【0079】
好ましくは、コントローラーは、時間オフセット、静止時間、及び流量のうちの1つ以上に基づく予測コントローラーである。
【0080】
好ましくは、コントローラーは、エアフローから抽出された水分の量、またはエアフローに追加された水分の量を調整するように動作する。
【0081】
好ましくは、水分交換器はさらにセンサーを備え、本方法は、さらに、コントローラーがセンサーから受信した情報に応答して動作することを含む。
【0082】
本方法は、さらに、所望の吸気空気温度または水分交換器のモードに応じて、第1のターゲット温度または第2のターゲット温度を調整することを含む。
【0083】
好ましくは、モードは侵襲的換気または非侵襲的換気である。
【0084】
例示的な1つの実施形態によると、呼吸器加湿デバイスで使用するように構成された水分交換器が提供され、水分交換器は温度応答性があり、臨界溶液温度を有し、呼吸器加湿デバイスは、
ヒーターと、
ヒーターへの電力供給を制御するコントローラーと、を備え、コントローラーにより、
ヒーターは、水分交換器の温度を、呼吸サイクルにおける大体の第1のターゲット点に近いターゲット温度に上昇させ、または第1のターゲット温度を上回るように上昇させ、
水分交換器の温度は、呼吸サイクルにおける大体の第2のターゲット点の近くの第2のターゲット温度に下がり、または第2のターゲット温度よりも下回り、
吸気中、水分は流入空気に追加され、呼気中、水分交換器は水分を空気から抽出する。
【0085】
好ましくは、電力供給をヒーターに供給するための電源をさらに備える。
【0086】
好ましくは、第1のターゲット温度は第2のターゲット温度を上回る。
【0087】
好ましくは、第1のターゲット温度は臨界溶液温度を上回る。
【0088】
好ましくは、第1のターゲット温度は臨界溶液温度よりも少なくとも0.5°C高い。
【0089】
好ましくは、第1のターゲット温度は臨界溶液温度よりも少なくとも1°C高い。
【0090】
好ましくは、第2のターゲット温度は臨界溶液温度を下回る。
【0091】
好ましくは、第2のターゲット温度は臨界溶液温度よりも少なくとも0.5°C低い。
【0092】
好ましくは、第2のターゲット温度は臨界溶液温度よりも少なくとも1°C低い。
【0093】
好ましくは、臨界溶液温度は下限臨界溶液温度(LCST)であり、第1のターゲット点は吸気中に発生する。
【0094】
好ましくは、水分交換器は少なくとも吸気中に加熱される。
【0095】
好ましくは、LCSTは25°C~50°Cである。
【0096】
好ましくは、LCSTは30°C~45°Cである。
【0097】
好ましくは、第1のターゲット点は吸気の開始時である。
【0098】
好ましくは、コントローラーは、ヒーター電力を増加させる、または呼気から吸気に呼吸流量が変化する前に、ヒーターのスイッチをオンにする。
【0099】
好ましくは、第2のターゲット点は呼気の開始時である。
【0100】
好ましくは、コントローラーは、ヒーター電力を減少させる、または吸気から呼気に呼吸流量が変化する前に、ヒーターのスイッチをオフにする。
【0101】
好ましくは、臨界溶液温度は上限臨界溶液温度(UCST)であり、第1のターゲット点は少なくとも呼気中に発生する。
【0102】
好ましくは、水分交換器は少なくとも吸気中に加熱される。
【0103】
好ましくは、UCSTは20°C~50°Cである。
【0104】
好ましくは、UCSTは30°C~45°Cである。
【0105】
好ましくは、第1のターゲット点は呼気の開始時である。
【0106】
好ましくは、コントローラーは、ヒーター電力を増加させる、または吸気から呼気に呼吸流量が変化する前に、ヒーターのスイッチをオンにする。
【0107】
好ましくは、第2のターゲット点は吸気の開始時である。
【0108】
好ましくは、コントローラーは、ヒーター電力を減少させる、または呼気から吸気に呼吸流量が変化する前に、ヒーターのスイッチをオフにする。
【0109】
好ましくは、ヒーターは、少なくとも、要素、フィラメント、スパイラルワイヤ、放射線、及び赤外線ヒーターから成るグループから選択される。
【0110】
好ましくは、バイアスベントをさらに備える。
【0111】
好ましくは、水源をさらに備える。
【0112】
好ましくは、コントローラーの動作を調整するためのユーザーインターフェースをさらに備える。
【0113】
好ましくは、コントローラーは、ばね、磁石、または他の手段を使用してオンまたはオフにバイアスされる機械スイッチである。
【0114】
好ましくは、コントローラーはプロセッサである。
【0115】
好ましくは、コントローラーは、時間オフセット、静止時間、及び流量のうちの1つ以上に基づく予測コントローラーである。
【0116】
好ましくは、コントローラーは、エアフローから抽出された水分の量、またはエアフローに追加された水分の量を調整するように動作する。
【0117】
好ましくは、センサーをさらに備え、コントローラー動作は、センサーから受信した情報に応答する。
【0118】
好ましくは、第1のターゲット温度または第2のターゲット温度は、所望の吸気空気温度または水分交換器のモードに応じて調整可能である。
【0119】
好ましくは、モードは侵襲的換気または非侵襲的換気である。
【0120】
好ましくは、バクテリアフィルターをさらに備える。
【0121】
例示的な1つの実施形態によると、呼吸器加湿デバイスが提供され、呼吸器加湿デバイスは、
吸気及び呼気の呼吸サイクルを有する呼吸システムに位置付けられた水分交換器であって、水分交換器は吸気及び呼気の呼吸サイクルで発生するエアフローが水分交換器と接触するように位置付けられ、水分交換器は温度応答性があり、臨界溶液温度を有する、水分交換器と、
ヒーターと、
ヒーターへの電力が呼気の開始前に減少するように、ヒーターへの電力供給を制御する、コントローラーと、を備え、
吸気中、水分は流入空気に追加され、呼気中、水分交換器は水分を空気から抽出する。
【0122】
好ましくは、電力供給をヒーターに供給するための電源をさらに備える。
【0123】
好ましくは、コントローラーは、利用可能である電力の5%未満に、ヒーターへの電力を減少させる。
【0124】
好ましくは、コントローラーは、呼気の開始前の少なくとも500msにわたって、ヒーターへの電力を減少させる。
【0125】
好ましくは、コントローラーは、呼気の開始前の少なくとも250msにわたって、ヒーターへの電力を減少させる。
【0126】
好ましくは、コントローラーは、吸気及び呼気の呼吸サイクルで発生する個々の点に基づいて、電力を減少させる。
【0127】
好ましくは、個々の点は、閾値を上回る値から下回る値への遷移または逆の場合の遷移に基づいて計算される。
【0128】
好ましくは、閾値は複数の呼吸サイクルにわたって計算される。
【0129】
好ましくは、コントローラーは、さらに、吸気の開始前にヒーターへの電力が増加するように、ヒーターへの電力供給を制御する。
【0130】
好ましくは、コントローラーは、利用可能である電力の90%よりも大きい電力に、ヒーターへの電力を増加させる。
【0131】
好ましくは、コントローラーは、吸気の開始前の少なくとも500msにわたって、ヒーターへの電力を増加させる。
【0132】
好ましくは、コントローラーは、呼気の開始前の少なくとも250msにわたって、ヒーターへの電力を増加させる。
【0133】
好ましくは、コントローラーは、吸気及び呼気の呼吸サイクルで発生する個々の点に基づいて、電力を増加させる。
【0134】
好ましくは、個々の点は、閾値を上回る値から下回る値への遷移または逆の場合の遷移に基づいて計算される。
【0135】
好ましくは、閾値は複数の呼吸サイクルにわたって計算される。
【0136】
好ましくは、コントローラーはヒーターを制御して、水分交換器の温度を、呼吸サイクルにおける大体の第1のターゲット点に近い第1のターゲット温度に上昇させ、または第1のターゲット温度を上回るように上昇させ、水分交換器の温度は、呼吸サイクルにおける大体の第2のターゲット点の近くの第2のターゲット温度に下がる、または第2のターゲット温度よりも下回る。
【0137】
好ましくは、第1のターゲット温度は第2のターゲット温度を上回る。
【0138】
好ましくは、第1のターゲット温度は臨界溶液温度を上回る。
【0139】
好ましくは、第1のターゲット温度は臨界溶液温度よりも少なくとも0.5°C高い。
【0140】
好ましくは、第1のターゲット温度は臨界溶液温度よりも少なくとも1°C高い。
【0141】
好ましくは、第2のターゲット温度は臨界溶液温度を下回る。
【0142】
好ましくは、第2のターゲット温度は臨界溶液温度よりも少なくとも0.5°C低い。
【0143】
好ましくは、第2のターゲット温度は臨界溶液温度よりも少なくとも1°C低い。
【0144】
好ましくは、臨界溶液温度は下限臨界溶液温度(LCST)であり、第1のターゲット点は少なくとも吸気中に発生する。
【0145】
好ましくは、水分交換器は少なくとも吸気中に加熱される。
【0146】
好ましくは、LCSTは25°C~50°Cである。
【0147】
好ましくは、LCSTは30°C~45°Cである。
【0148】
好ましくは、第1のターゲット点は吸気の開始時である。
【0149】
好ましくは、第2のターゲット点は呼気の開始時である。
【0150】
好ましくは、臨界溶液温度は上限臨界溶液温度(UCST)であり、第1のターゲット点は少なくとも呼気中に発生する。
【0151】
好ましくは、UCSTは20°C~50°Cである。
【0152】
好ましくは、UCSTは30°C~45°Cである。
【0153】
好ましくは、第1のターゲット点は呼気の開始時である。
【0154】
好ましくは、第2のターゲット点は吸気の開始時である。
【0155】
好ましくは、第1のターゲット温度または第2のターゲット温度は、所望の吸気空気温度または呼吸器加湿デバイスのモードに応じて調整可能である。
【0156】
好ましくは、モードは侵襲的換気または非侵襲的換気である。
【0157】
好ましくは、ヒーターは、少なくとも、要素、フィラメント、スパイラルワイヤ、誘導コイル、放射線、及び赤外線ヒーターから成るグループから選択される。
【0158】
好ましくは、バイアスベントをさらに備える。
【0159】
好ましくは、水源をさらに備える。
【0160】
好ましくは、コントローラーの動作を調整するためのユーザーインターフェースをさらに備える。
【0161】
好ましくは、コントローラーは、ばね、磁石、または他の手段を使用してオンまたはオフにバイアスされる機械スイッチである。
【0162】
好ましくは、コントローラーはプロセッサである。
【0163】
好ましくは、コントローラーは、時間オフセット、静止時間、及び流量のうちの1つ以上に基づく予測コントローラーである。
【0164】
好ましくは、コントローラーは、エアフローから抽出された水分の量、またはエアフローに追加された水分の量を調整するように動作する。
【0165】
好ましくは、センサーをさらに備え、コントローラー動作は、センサーから受信した情報に応答する。
【0166】
好ましくは、バクテリアフィルターをさらに備える。
【0167】
例示的な1つの実施形態によると、吸気及び呼気の呼吸サイクルを有する呼吸システムにおいて加湿された空気を提供する水分交換器の水蒸気の放出及び吸収を制御する方法が提供され、水分交換器は、吸気及び呼気の呼吸サイクルで発生するエアフローが水分交換器と接触するように位置付けられ、水分交換器は温度応答性があり、臨界溶液温度を有し、本方法は、コントローラーを使用して、ヒーターへの電力供給を制御することによって、ヒーターを制御することを含み、制御することにより、ヒーターへの電力が呼気の開始前に減少するように、ヒーターへの電力供給を制御し、吸気中、水分は流入空気に追加され、呼気中、水分交換器は水分を空気から抽出する。
【0168】
好ましくは、コントローラーは、利用可能である電力の5%未満に、ヒーターへの電力を減少させる。
【0169】
好ましくは、コントローラーは、呼気の開始前の少なくとも500msにわたって、ヒーターへの電力を減少させる。
【0170】
好ましくは、コントローラーは、呼気の開始前の少なくとも250msにわたって、ヒーターへの電力を減少させる。
【0171】
好ましくは、コントローラーは、吸気及び呼気の呼吸サイクルで発生する個々の点に基づいて、電力を減少させる。
【0172】
好ましくは、個々の点は、閾値を上回る値から下回る値への遷移または逆の場合の遷移に基づいて、コントローラーによって計算される。
【0173】
好ましくは、閾値は複数の呼吸サイクルにわたってコントローラーによって計算される。
【0174】
好ましくは、コントローラーは、さらに、吸気の開始前にヒーターへの電力が増加するように、ヒーターへの電力供給を制御する。
【0175】
好ましくは、コントローラーは、利用可能である電力の90%よりも大きい電力に、ヒーターへの電力を増加させる。
【0176】
好ましくは、コントローラーは、吸気の開始前の少なくとも500msにわたって、ヒーターへの電力を増加させる。
【0177】
好ましくは、コントローラーは、呼気の開始前の少なくとも250msにわたって、ヒーターへの電力を増加させる。
【0178】
好ましくは、コントローラーは、吸気及び呼気の呼吸サイクルで発生する個々の点に基づいて、電力を増加させる。
【0179】
好ましくは、個々の点は、閾値を上回る値から下回る値への遷移または逆の場合の遷移に基づいて、コントローラーによって計算される。
【0180】
好ましくは、閾値は複数の呼吸サイクルにわたってコントローラーによって計算される。
【0181】
好ましくは、ヒーターを制御するコントローラーは、水分交換器の温度を、呼吸サイクルにおける大体の第1のターゲット点に近い第1のターゲット温度に上昇させ、または第1のターゲット温度を上回るように上昇させ、水分交換器の温度は、呼吸サイクルにおける大体の第2のターゲット点の近くの第2のターゲット温度に下がる、または第2のターゲット温度よりも下回る。
【0182】
好ましくは、第1のターゲット温度は第2のターゲット温度を上回る。
【0183】
好ましくは、第1のターゲット温度は臨界溶液温度を上回る。
【0184】
好ましくは、第1のターゲット温度は臨界溶液温度よりも少なくとも0.5°C高い。
【0185】
好ましくは、第1のターゲット温度は臨界溶液温度よりも少なくとも1°C高い。
【0186】
好ましくは、第2のターゲット温度は臨界溶液温度を下回る。
【0187】
好ましくは、第2のターゲット温度は臨界溶液温度よりも少なくとも0.5°C低い。
【0188】
好ましくは、第2のターゲット温度は臨界溶液温度よりも少なくとも1°C低い。
【0189】
好ましくは、臨界溶液温度は下限臨界溶液温度(LCST)であり、第1のターゲット点は吸気中に発生する。
【0190】
好ましくは、水分交換器は少なくとも吸気中に加熱される。
【0191】
好ましくは、LCSTは25°C~50°Cである。
【0192】
好ましくは、LCSTは30°C~45°Cである。
【0193】
好ましくは、第1のターゲット点は吸気の開始時である。
【0194】
好ましくは、コントローラーは、ヒーター電力を増加させる、または呼気から吸気に呼吸流量が変化する前に、ヒーターのスイッチをオンにする。
【0195】
好ましくは、第2のターゲット点は呼気の開始時である。
【0196】
好ましくは、臨界溶液温度は上限臨界溶液温度(UCST)であり、第1のターゲット点は少なくとも呼気中に発生する。
【0197】
好ましくは、水分交換器は少なくとも吸気中に加熱される。
【0198】
好ましくは、UCSTは20°C~50°Cである。
【0199】
好ましくは、UCSTは30°C~45°Cである。
【0200】
好ましくは、第1のターゲット点は呼気の開始時である。
【0201】
好ましくは、コントローラーは、ヒーター電力を増加させる、または吸気から呼気に呼吸流量が変化する前に、ヒーターのスイッチをオンにする。
【0202】
好ましくは、第2のターゲット点は吸気の開始時である。
【0203】
本方法は、さらに、所望の吸気空気温度または水分交換器のモードに応じて、第1のターゲット温度または第2のターゲット温度を調整することを含む。
【0204】
好ましくは、モードは侵襲的換気または非侵襲的換気である。
【0205】
好ましくは、ヒーターは、少なくとも、要素、フィラメント、スパイラルワイヤ、誘導コイル、放射線、及び赤外線ヒーターから成るグループから選択される。
【0206】
好ましくは、水分交換器は、さらに、コントローラーの動作を調整するためのユーザーインターフェースを備える。
【0207】
好ましくは、コントローラーは、ばね、磁石、または他の手段を使用してオンまたはオフにバイアスされる機械スイッチである。
【0208】
好ましくは、コントローラーはプロセッサである。
【0209】
好ましくは、コントローラーは、時間オフセット、静止時間、及び流量のうちの1つ以上に基づく予測コントローラーである。
【0210】
好ましくは、コントローラーは、エアフローから抽出された水分の量、またはエアフローに追加された水分の量を調整するように動作する。
【0211】
好ましくは、水分交換器はさらにセンサーを備え、本方法は、さらに、コントローラーがセンサーから受信した情報に応答して動作することを含む。
【0212】
例示的な1つの実施形態によると、呼吸器加湿デバイスで使用するように構成された水分交換器が提供され、水分交換器は温度応答性があり、臨界溶液温度を有し、呼吸器加湿デバイスは、
ヒーターと、
ヒーターへの電力が呼気の開始前に減少するように、ヒーターへの電力を制御する、コントローラーと、を備え、
吸気中、水分は流入空気に追加され、呼気中、水分交換器は水分を空気から抽出する。
【0213】
好ましくは、電力供給をヒーターに供給するための電源をさらに備える。
【0214】
好ましくは、コントローラーは、利用可能である電力の5%未満に、ヒーターへの電力を減少させる。
【0215】
好ましくは、コントローラーは、呼気の開始前の少なくとも500msにわたって、ヒーターへの電力を減少させる。
【0216】
好ましくは、コントローラーは、呼気の開始前の少なくとも250msにわたって、ヒーターへの電力を減少させる。
【0217】
好ましくは、コントローラーは、吸気及び呼気の呼吸サイクルで発生する個々の点に基づいて、電力を減少させる。
【0218】
好ましくは、個々の点は、閾値を上回る値から下回る値への遷移または逆の場合の遷移に基づいて計算される。
【0219】
好ましくは、閾値は複数の呼吸サイクルにわたって計算される。
【0220】
好ましくは、コントローラーは、さらに、吸気の開始前にヒーターへの電力が増加するように、ヒーターへの電力供給を制御する。
【0221】
好ましくは、コントローラーは、利用可能である電力の90%よりも大きい電力に、ヒーターへの電力を増加させる。
【0222】
好ましくは、コントローラーは、吸気の開始前の少なくとも500msにわたって、ヒーターへの電力を増加させる。
【0223】
好ましくは、コントローラーは、呼気の開始前の少なくとも250msにわたって、ヒーターへの電力を増加させる。
【0224】
好ましくは、コントローラーは、吸気及び呼気の呼吸サイクルで発生する個々の点に基づいて、電力を増加させる。
【0225】
好ましくは、個々の点は、閾値を上回る値から下回る値への遷移または逆の場合の遷移に基づいて計算される。
【0226】
好ましくは、閾値は複数の呼吸サイクルにわたって計算される。
【0227】
好ましくは、ヒーターを制御するコントローラーは、水分交換器の温度を、呼吸サイクルにおける大体の第1のターゲット点に近い第1のターゲット温度に上昇させ、または第1のターゲット温度を上回るように上昇させ、水分交換器の温度は、呼吸サイクルにおける大体の第2のターゲット点の近くの第2のターゲット温度に下がる、または第2のターゲット温度よりも下回る。
【0228】
好ましくは、第1のターゲット温度は第2のターゲット温度を上回る。
【0229】
好ましくは、第1のターゲット温度は臨界溶液温度を上回る。
【0230】
好ましくは、第1のターゲット温度は臨界溶液温度よりも少なくとも0.5°C高い。
【0231】
好ましくは、第1のターゲット温度は臨界溶液温度よりも少なくとも1°C高い。
【0232】
好ましくは、第2のターゲット温度は臨界溶液温度を下回る。
【0233】
好ましくは、第2のターゲット温度は臨界溶液温度よりも少なくとも0.5°C低い。
【0234】
好ましくは、第2のターゲット温度は臨界溶液温度よりも少なくとも1°C低い。
【0235】
好ましくは、臨界溶液温度は下限臨界溶液温度(LCST)であり、第1のターゲット点は吸気中に発生する。
【0236】
好ましくは、LCSTは25°C~50°Cである。
【0237】
好ましくは、LCSTは30°C~45°Cである。
【0238】
好ましくは、第1のターゲット点は吸気の開始時である。
【0239】
好ましくは、第2のターゲット点は呼気の開始時である。
【0240】
好ましくは、臨界溶液温度は上限臨界溶液温度(UCST)であり、第1のターゲット点は少なくとも呼気中に発生する。
【0241】
好ましくは、UCSTは20°C~50°Cである。
【0242】
好ましくは、UCSTは30°C~45°Cである。
【0243】
好ましくは、第1のターゲット点は呼気の開始時である。
【0244】
好ましくは、第2のターゲット点は吸気の開始時である。
【0245】
好ましくは、第1のターゲット温度または第2のターゲット温度は、所望の吸気空気温度または水分交換器のモードに応じて調整可能である。
【0246】
好ましくは、モードは侵襲的換気または非侵襲的換気である。
【0247】
好ましくは、ヒーターは、少なくとも、要素、フィラメント、スパイラルワイヤ、放射線、及び赤外線ヒーターから成るグループから選択される。
【0248】
好ましくは、バイアスベントをさらに備える。
【0249】
好ましくは、水源をさらに備える。
【0250】
好ましくは、コントローラーの動作を調整するためのユーザーインターフェースをさらに備える。
【0251】
好ましくは、コントローラーは、ばね、磁石、または他の手段を使用してオンまたはオフにバイアスされる機械スイッチである。
【0252】
好ましくは、コントローラーはプロセッサである。
【0253】
好ましくは、コントローラーは、時間オフセット、静止時間、及び流量のうちの1つ以上に基づく予測コントローラーである。
【0254】
好ましくは、コントローラーは、エアフローから抽出された水分の量、またはエアフローに追加された水分の量を調整するように動作する。
【0255】
好ましくは、センサーをさらに備え、コントローラー動作は、センサーから受信した情報に応答する。
【0256】
好ましくは、バクテリアフィルターをさらに備える。
【0257】
明細書に組み込まれ、明細書の一部を構成する添付図は、本発明の実施形態を示し、上記に与えられた本発明の概要及び下記に与えられる実施形態と一緒に、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0258】
【
図2a】単一の肢呼吸回路とともに使用された呼吸器加湿デバイスの例を示す。
【
図2b】2つの肢呼吸回路とともに使用された呼吸器加湿デバイスの概略図を示す。
【
図3a】気管内チューブと主要呼吸回路との間に位置する呼吸器加湿デバイスの例を示す。
【
図3b】鼻ピローと主要呼吸回路との間に位置する呼吸器加湿デバイスの例を示す。
【
図4a】エアフローに垂直に配置された水分交換器の例を示す。
【
図4b】エアフローに垂直に配置された水分交換器のさらなる例と、加熱素子とを示す。
【
図4c】エアフローに対してある角度に配置された水分交換器の例と、加熱素子とを示す。
【
図5a】エアフローに対して一直線または平行に並ぶプリーツ構造または折り畳み構造の水分交換器の例を示す。
【
図5b】エアフローに対して一直線または平行に並ぶプリーツ構造または折り畳み構造の水分交換器の例を示す。
【
図5c】円錐形に折られたプリーツ構造または折り畳み構造の水分交換器の例を示す。
【
図6】バイアスフローガイド及びバイアスフローバッフルを含有する呼吸器加湿デバイス用のバイアスフローベントを示す。
【
図7】フルフェースマスクと単一の肢呼吸回路との間に位置する取り外し可能モジュールを伴う呼吸器加湿デバイスの例を示す。
【
図8】バクテリアフィルターならびに/またはウイルスフィルター、及び複数のバイアスベント出口を含む、2つの軸方向係合部から作られた取り外し可能モジュールの例を示す。
【
図9a】
図8の取り外し可能モジュール用のヒーター及び流量センサーの例を示す。
【
図9b】
図9bのヒーター及び流量センサーとともに使用するための水分交換器用の保持手段の例を示す。
【
図10】別々の電源を伴う呼吸器加湿デバイスのいくつかの例を示す。
【
図11】壁掛け式電源を伴う呼吸器加湿デバイスのいくつかの例を示す。
【
図12】呼吸器加湿デバイス用のユーザーインターフェースの例を示す。
【
図13】コントローラーがモジュールコネクタ及び取り外し可能モジュールを吊し、それらとともに使用されるように設計されている、呼吸器加湿デバイスの例を示す。
【
図14】コントローラーが患者のベッドに設置され、モジュールコネクタ及び取り外し可能モジュールとともに使用されるように設計されている、呼吸器加湿デバイスの例を示す。
【
図15】コントローラー及びモジュールコネクタが統合され、またタッチスクリーンユーザーインターフェースも備える、呼吸器加湿デバイスの例を示す。
【
図16a】取り外し可能モジュールの分解図を示す。
【
図16b】
図16aの取り外し可能モジュールの内側にあるセンサー配置の例を示す。
【
図16c】取り外し可能モジュールとコントローラーとの間の接続ケーブルの例を示す。
【
図17a】取り外し可能モジュール、及びセンサーを含むモジュールコネクタの例の様々な態様を示す。
【
図17b】取り外し可能モジュール、及びセンサーを含むモジュールコネクタの例の様々な態様を示す。
【
図17c】取り外し可能モジュール、及びセンサーを含むモジュールコネクタの例の様々な態様を示す。
【
図17d】取り外し可能モジュール、及びセンサーを含むモジュールコネクタの例の様々な態様を示す。
【
図17e】取り外し可能モジュール、及びセンサーを含むモジュールコネクタの例の様々な態様を示す。
【
図18】
図17aの呼吸器加湿デバイスの部分を示しているが、温度センサーが1つ少ない。
【
図19】取り外し可能モジュール、及びモジュールコネクタに統合された電子機器を伴う呼吸器加湿デバイスの例の部分を示す。
【
図20】コントローラーのメモリの選択テーブルを示す。
【
図21】ヒーター抵抗を較正するためのアルゴリズムのフロー図を示す。
【
図22a】単一の肢呼吸回路及び排気弁とともに使用された呼吸器加湿デバイスを示す。
【
図22b】単一の肢呼吸回路及び呼吸終末陽圧(PEEP)臨床配置を伴う、気管内チューブとともに使用された呼吸器加湿デバイスを示す。
【
図22c】単一の肢及び排気弁の呼吸回路を伴う非侵襲的換気(NIV)マスクとともに使用された呼吸器加湿デバイスを示す。
【
図22d】2つの肢及びPEEPバルブの呼吸回路を伴う非侵襲的換気(NIV)マスクとともに使用された呼吸器加湿デバイスを示す。
【
図23a】先行技術のデバイスの呼吸中の典型的なエアフロー及び対応するコントローラーの出力を示す。
【
図23b】本発明の呼吸器加湿デバイスの呼吸中の典型的なエアフロー及び対応するコントローラーの出力を示す。
【発明を実施するための形態】
【0259】
配置
全体的な配置&バイアスベント
呼吸器加湿デバイスは、CPAP及び非侵襲換気(NIV)マスク等の患者インターフェースで統合でき、水分交換器は、マスクの内側に位置する、またはマスクフレーム入口と主要呼吸回路との間に位置する。
【0260】
多くのCPAP及び非侵襲換気(NIV)患者インターフェースは、マスクフレームまたはエルボーに位置するバイアスフローベント(出口)を有する(
図1参照、先行技術であるFisher & Paykel Simplus1001では、エルボーの上にマスクフレームの上側領域に位置するバイアスフローベント穴を伴うフルフェースマスクがある)。バイアスフローベントは、患者が吐く実質的に全ての空気を含む連続して変わる可能性があるエアフローを呼吸回路から流出させる。
【0261】
図2aでは、本発明の呼吸器加湿デバイス2001、または本発明の一部(例えば、ヒーター、水分交換器、及び/またはユーザーインターフェース)は、好ましくは、空気送達チューブと患者インターフェースとの間で呼吸回路に接続された先行技術HMEにサイズが類似する内蔵ユニットに位置することが示される。呼吸器加湿デバイスは、さらに、例えばメイン呼吸用チューブの一部として呼吸回路に組み込まれ得、したがって、呼吸器加湿デバイスは呼吸回路の一部として交換される。
【0262】
図2aは、単一の肢呼吸回路2002を示す。バイアスフローベントは、水分交換器の上流に、または非患者側に(呼吸補助デバイス側)に位置する。フレームまたはエルボーにバイアスフローベントがない患者インターフェース(例えば、マスク)(非換気の患者インターフェースマスク)を使用する必要がある。このバイアスフローベントの場所では、水分交換器を通る(患者から)吐かれた空気の全てが指向され、患者の水分の回収を可能にする。
【0263】
図2bは、2つの肢呼吸回路で使用された呼吸器加湿デバイス2010の概略図を示す。この場合、人工呼吸器(呼吸補助デバイス)が呼気を受け、呼気を排出するまたは再循環させる役割があるため、患者インターフェース、呼吸器加湿デバイス、及び呼吸回路にもバイアスフローベントが存在しない。呼吸器加湿デバイスは、接点の近くで、吸気肢2011、呼気肢2012、及び患者インターフェース2013を接続するY接点の患者の脚に位置するであろう。呼吸器加湿デバイスはさらにY接点を組み込み得、ひいては、2つの上流コネクタ及び1つの下流コネクタを有し得る。
【0264】
図3a及び
図3bは、また、2つの肢呼吸回路で使用された呼吸器加湿デバイス3001の概略図を示す。この呼吸器加湿デバイスは、ボタンを含むユーザーインターフェースを含み、そのデバイスの内部に、電池を電源(示されない)として組み込む。呼吸器加湿デバイス3001は、また、下流端で患者インターフェースの気管内チューブ(
図3a)または鼻ピロー(
図3b)に接続する延長チューブを含み得る。上流端上に、呼吸回路は、Y型コネクタを介して呼吸器加湿デバイスに接続された吸気肢及び呼気肢を含み得る。
【0265】
コネクタ
フレーム、エルボーまたは通常、呼吸器加湿デバイスの患者側にバイアスフローベントがないように設計されたマスクは、22mmのテーパーコネクタ(または同様のISO規格のコネクタ)等の標準のCPAP回路に直接接続しないように設計されている機械的接続部を有するはずである。これにより、呼吸器加湿デバイスを使用しないで、患者またはヘルスケア提供者が標準のCPAP呼吸回路をマスクに直接誤って接続することを防止する。それを行うと、バイアスフローベントが(非換気マスクの)システムに提供されないであろうため、患者に危害を加え得る。警告、色、及び/または用語は、追加保護を提供するために、そのようなマスクに配置され得る。
【0266】
呼吸器加湿デバイスの非患者側に(上流に)あるコネクタは、22mmのオス型またはメス型のテーパーコネクタ等のいずれかの標準ISO医療コネクタであり得る。これにより、呼吸器加湿デバイスを病院または自宅で設置される標準の呼吸回路に接続することを可能にする。2つ以上の上流コネクタが存在し得る。
【0267】
呼吸器加湿デバイスの患者側(下流)は、好ましくは、呼吸器加湿デバイスが非換気マスクとともに使用されるように設計されているとき、呼吸器加湿デバイスを非換気マスクに誤って接続することを回避するために、標準の取り外し可能コネクタを備えるべきではない。代替として、下流コネクタは、用途に応じて、標準コネクタでもよい。
【0268】
構成要素
水分交換器の配置
呼吸器加湿デバイスは、エアフローに位置付けられた水分交換器が必要になる。
【0269】
図4a及び
図4bは、エアフローに垂直に設置される水分交換器4001を示し、それにより、全てのエアフローまたは実質的に全てのエアフローは、呼気中または吸気中、水分交換器の基材を通過する必要がある。水分交換器は、第1のクランプリング及び第2のクランプリングによって、ディスク形及び実質的に多孔質または開放型のヒーター(ここでは、概略式に示される)に対して保持される。第2のクランプリングの隆起エッジは、中心軸と整合するヒーターを固定し、ワイヤはコントローラーからヒーターに電力を搬送する。水分交換器はディスク形に切断され、その形状は、第1のクランプリングの隆起エッジに同心円状に適合し、中心軸と整合した水分交換器を固定する。水分交換器は、基材及び温度応答性ポリマーの2つ以上の層があり、呼吸器加湿デバイスの保水性ひいては性能を向上させ得る。
【0270】
図4cは、チューブの軸に傾斜して位置する水分交換器4001を含有するチューブ状取り外し可能モジュールを示す。結果として、水分交換器の断面積は、取り外し可能モジュールの断面積に対して増加し、エアフローがチューブの一端から他端までを通過するとき、水分交換器を横断するより少ない圧力降下を生じさせながら、大型の水分交換器がより多くの水分を取り込むことを可能にする。一連の水平バーの形態の支持部は、チューブを横断して斜めに位置し、支持部に対して、交差曲がりワイヤのヒーターは水分交換器を保持する。ヒーターワイヤは、外側で接触するチューブの側面を通過する。全てのエアフローは、呼気中または吸気中、水分交換器の基材を通過する必要がある。
【0271】
プリーツ型及び折り畳み式の水分交換器
図5a及び
図5bは、エアフローに平行であるが、エアフローと接触するプリーツ構造または折り畳み構造の水分交換器を含有する別のチューブ状取り外し可能モジュール5001を示し、それにより、エアフローは水分交換器に接触するが、必ずしも、呼気中または吸気中に基材を通過するわけではない。取り外し可能モジュールは第1の半分シェル及び第2の半分シェルの水分交換器を包囲し、それらの半分シェルは、第1のクランプリング及び第2のクランプリングによって、水分交換器の周りで一緒に保持される。接着、溶接、スナップ式接続等のプラスチックハウジング(半分シェル)を接合するためのいずれかの他の既知の方法が使用され得る。フレームは、いくつかの支柱によって接続された2つの平行リングから形成され、支柱の周りで、水分交換器が折り畳まれ、その結果、水分交換器はエアフロー経路と2つのリングの間で交差する。水分交換器は、その中に織り込まれたヒーター要素を有する。使用中、取り外し可能モジュールが呼吸エアフロー経路に設置され、その結果、エアフローは、第1のクランプリング及び第2のクランプリングの中心を通り、折り畳み式の水分交換器の表面にわたって通過する。
【0272】
図5cは、さらに別のチューブ状取り外し可能モジュール5001を示し、この1つは、円錐形になるように折り畳まれた水分交換器を有し、水分交換器の軸はチューブの軸と一致する。結果として、水分交換器の断面積は、取り外し可能モジュールの断面積に対して増加し、エアフローがチューブの一端から他端までを通過するとき、水分交換器を横断するより少ない圧力降下を生じさせながら、大型の水分交換器がより多くの水分を取り込むことを可能にする。実質的に開放型円錐形支持部はチューブの内側に形成され、その支持部に対して、交差曲がりワイヤ(またはスパイラル状)のヒーターは水分交換器を保持する。ヒーターワイヤは、外側で接触するチューブの側面を通過する。全てのエアフローは、呼気中または吸気中、水分交換器の基材を通過する必要がある。
【0273】
一体型バイアスベント&設計
いくつかの用途では、例えば、
図2aに示されるCPAP、APAP、またはBiPAPについて、呼吸器加湿デバイスは、水分交換器の上流に位置する、すなわち、呼吸補助デバイスまたは非患者側に位置する一体型バイアスフローベントを組み込んでいることが好ましい。
【0274】
バイアスフローベントは、呼吸器加湿デバイスまたは取り外し可能モジュールハウジングに組み込まれ得、単数または複数の穴であり得、そして、加えて、ディフューザまたはフィルター状材料で覆われ、バイアスフローベントの外に逃げる空気流を拡散し、患者の不快感を減らし得る。
【0275】
好ましくは、バイアスフローベントは、好ましくは水分交換器の5cm以内で、またはより好ましくは3cm以内で、水分交換器の近くに位置し、呼吸補助デバイスによって供給された空気が水分交換器に到達する前にバイアスフローベントに到達するように位置付けられる。
【0276】
好ましくは、バイアスフローベントは、それを通過するバイアスフローの一部が冷却フローを作るために水分交換器に対して指向されるように配置され、冷却フローは、呼気中または吸気の終了時に水分交換器を冷却する。冷却フローは、バイアスフローベントを通って出るバイアスフローによって作られたバイアスフローの乱流渦であり得、または冷却フローは、呼吸補助デバイス及びバイアスフローベントから空気を供給する上流コネクタの相対配置によって、水分交換器の表面と平行に指向されたバイアスフロー自体であり得る。したがって、冷却フローを水分交換器に指向する呼吸器加湿デバイス内にバイアスフローガイドが存在し得る。
【0277】
冷却フローは、水分交換器を実質的に通過するほど強力である必要がなく、その理由として、そうすることで、水分交換器の(患者に向かって)下流にあるデバイスの壁を冷却するであろう、ひいては凝縮を生じさせる。また、したがって、冷却フローが冷却することを防止するために、バイアスフローベントに対して、水分交換器の反対側にバイアスフローバッフルが存在し得る。好ましくは、また、バイアスフローベントは、水分交換器から少なくとも1cmであり、好ましくは少なくとも2cmである。
【0278】
図6は、放射状に配置されたバイアスフローベントを伴う呼吸器加湿デバイス6001の部分の実施形態の例を示す。
図8は、また、バイアスフローガイド及びバイアスフローバッフルを示す。バイアスフローベントを通って呼吸器加湿デバイスから出るバイアスフローの方向の変化により、水分交換器を冷却する働きをする水分交換器のエリアの渦を生じさせる。水分交換器に対して渦を指向することによって、それらの渦の冷却効果を高めるために、バイアスフローガイドと、下流構成要素を冷却させ、望ましくない凝縮を生じさせるであろう水分交換器を通る渦の侵入を減らすバイアスフローバッフルと、がさらに提供される。
【0279】
取り外し可能モジュール
図7は、呼吸器加湿デバイス7001を示し、水分交換器及びヒーターは、必要なとき呼吸回路から取り外すこと及び交換することが可能である取り外し可能モジュール7002の内部に含有される。
図7は単一の肢呼吸回路の取り外し可能モジュールを示し、フルフェースマスクを使用して、取り外し可能モジュールは、同様に、デュアル肢呼吸回路と、鼻ピローマスク及び気管内チューブ等の他の患者インターフェースとに有用である。
【0280】
取り外し可能モジュールは、
図4に示されるような水分交換器と、円形ハウジングの内側に同心円状に保持されたヒーターとを備える。上流チューブ及び下流チューブは、ハウジングを回転可能にラッチし、水分交換器及びヒーターを適所に保持し、それらを相互に強固に軸方向に接触させる。
図5に示される水分交換器は、また、取り外し可能モジュールとともに使用され得る。
【0281】
上流チューブは、コントローラーからヒーターに電力を搬送する2つのワイヤを含有する。ヒーターは、ハウジング及び上流チューブに対して既定回転で、チューブの設計及びハウジングの設計によって決定された上流チューブ及び下流チューブをハウジングに回転可能にラッチすることによって、2つのワイヤと接触して保持され、そして、ヒーターが上流チューブから来る2つのワイヤによって電力供給されることが確実になるように配置される。
【0282】
上流チューブは呼吸補助デバイスに接続され、2つのワイヤはコネクタを介して呼吸器加湿デバイスのコントローラーに接続され、これにより、コントローラーは水分交換器を加熱できる。ワイヤは上流チューブに形成され得る、または、ワイヤは上流チューブに取り外し可能にクリップ留めされ得る、またはワイヤは完全に別の経路をとり得る。
【0283】
使用中、取り外し可能モジュールはねじる運動によって分離され得、水分交換器及び/またはヒーターを交換することを可能にする。また、取り外し可能モジュールは、上流チューブまたは下流チューブに対して異なる時期に交換され得る。
【0284】
代替の実施形態では、ハウジングは上流チューブの一部であり、ヒーターはハウジングに固定され、水分交換器だけが取り外し可能である。
【0285】
電子コントローラー
図3a及び
図3bに示されるように、呼吸器加湿デバイスのコントローラー、センサー、及び電源は全て、水分交換器及びヒーターも含有する1つのハウジング内に位置し得る。代替として、これらの機能の一部または全ては水分交換器から遠位に位置し得、ワイヤ(複数可)は、
図7に示されるような遠位のコントローラーからヒーターに電力を送達する。
【0286】
例えば、
図7では、先行技術の呼吸補助デバイスは、既に、流量センサー、マイクロコントローラー、及び電源を有し得る。これらの機能は呼吸補助デバイスによって呼吸器加湿デバイスに提供でき、呼吸補助デバイスは患者呼吸流量を測定し、信号を呼吸器加湿デバイスコントローラーに送信し、電力がヒーターに提供される必要があるタイミングを判定し、2つのワイヤを介してヒーターに電力を提供する。呼吸器加湿デバイスのコントローラーは、呼吸補助デバイスのコントローラーに実施され得、2つのデバイスは1つのユニットに統合され得る。
【0287】
ワイヤは、呼吸回路に保持され得、呼吸回路の外側に機械的にクリップ留めされる、または固定される。代替として、ワイヤは、呼吸回路の内側に位置し得る、または呼吸回路の壁に組み込まれ得、加熱された壁呼吸補助デバイスチューブの大半がそのようであり、それは
図7に示される。呼吸回路を呼吸補助デバイス及び呼吸器加湿デバイスに(他端で)接続することで、また、電気回路用の接続部を形成し得、呼吸器加湿デバイスに給電する、またはそうでなければ、呼吸器加湿デバイスと電気的/電子的に通信する。
【0288】
信号は、また、Bluetooth、WiFi、または通信による電磁誘導電力伝送等の無線技術を介して、呼吸器加湿デバイスハウジングと呼吸補助デバイスとの間に送信され得る。
【0289】
細菌/ウイルスフィルター
呼吸器加湿デバイス、具体的には取り外し可能モジュールは、吸気流または呼気流の経路に、フィルターがゼロであり得、そして、1つ以上の一体型バクテリア/ウイルスフィルターを含み得る。呼吸デバイスが一体型フィルターがゼロである場合、吸気もしくは呼気流、またはそれら両方をフィルタリングするために、主要呼吸回路に適合した外部フィルター(複数可)とともに使用され得る。
【0290】
図8は、水分交換器と非患者デバイス出口との間に位置する一体型バクテリア及び/またはウイルスフィルターを含む取り外し可能モジュール8001を示す。この取り外し可能モジュールは、さらに、上流コネクタの円周の周りに軸方向に向いた多数の穴のように配置されたバイアスフローベントを含む。上流コネクタを包囲し及びバイアスフローベント穴を覆うリング形のディフューザは、穴から逃げる空気によって生じたノイズを減らす。
【0291】
図8の取り外し可能モジュール8001は、さらに、(
図9を参照して下記に説明される)エアフロー経路にヒーター及びセンサーを含む支持構造と、患者インターフェースに接続するための下流コネクタとを含む。水分交換器は、ねじによって一緒に保持される上流部及び下流部によって、ヒーターと軸方向に係合して保持される。取り外し可能モジュールは、コントローラーに対するケーブル用のコネクタ(示されない)を含み、コントローラーは電力をヒーターに提供し、信号をセンサーから読み取る。
【0292】
また、バイアスフローベントが統合型であり、呼気フィルタリングが必要である場合、単数のフィルターまたは複数のフィルターは、水分交換器といずれかのバイアスフロー出口通気口との間に位置するはずである。
【0293】
フィルターの実施形態は、上記に説明した機能に対処するために1つ以上の個々のフィルターを含み得る。ろ過材は方向性があり、より疎水性があるフィルタリング表面は、フィルターごとに水分交換器に対面して向くはずである。バクテリア/ウイルスフィルター(複数可)及びフィルター保持の設計の実施形態について、必要なフィルタリング方向における全てのエアフローがフィルターを通過する必要があることを確実にするはずである。
【0294】
呼吸器加湿デバイスは、バクテリア及びウイルスのフィルタリング(>99%)を提供し、患者に対する追加の保護を提供するために、水分交換器の上流に設置されたプリーツの疎水性フィルターまたは静電フィルター等の呼吸システムフィルターと組み合わせて使用され得る。
【0295】
ヒーター
抵抗
ヒーターは、好ましくは、水分交換器と熱接触(好ましくは、直接的な熱接触)する抵抗ヒーターを含む。抵抗ヒーターの例は、水分交換器に縫い込まれたもしくは織り込まれたワイヤもしくは導電性ポリマーフィラメント、または水分交換器に接触して押された該フィラメント、または水分交換器に対して接着もしくはそうでなければ押されたフレキシブルプリント回路を含む。例示的なヒーター及び水分交換器の配置は下記に説明される。
【0296】
図9aは抵抗加熱素子9001を示し、抵抗加熱素子9001は、支持構造の孔のねじ山を通って進み、
図8を参照して説明される取り外し可能モジュールとともに使用可能である。抵抗加熱素子は、水分交換器を横断して均等な熱分配を提供するように巻かれている。穴パターン及び周囲支持構造は、流路の半径内に配置され、エアフローに対する抵抗ヒーター要素の露出を最大にし、そして冷却が向上する。ヒーター要素の支持空間は、電気アーク及び短絡を回避するために、最小の安全クリアランスを上回るように設定される。穴の配置は、多数のヒーター要素のねじ山パターンと、可撓性及び自立式の両方を備えたヒーター要素に対応することが可能になる。異なるねじ山の配置を使用して、水分交換器と直接接触するヒーター要素の長さと、新鮮な空気流入と直接接触する長さと、を増加または減少させることができる。支持構造の外側に形成されたスロット等の穴に代わるものを使用し得、加熱素子を支持構造に巻くことを可能にし、製造性を改善する。垂直ポストの周りの加熱素子を巻くことは、さらに別の代替オプションである。
【0297】
図9bは、水分交換器用保持リングの横に置かれたヒーター9010に対する水分交換器9005の近接状態を示す。水分交換器にかかる張力は、保持リングと支持構造との間のクリアランスによって設定される。吸気中、水分交換器は、ヒーター要素に対して引っ張られ、熱伝達を最大にすることを確実にする。呼気中、保持リングクロスバーと加熱素子との間のクリアランスにより、水分交換器がヒーター要素と接触することを減らし、冷却を向上することを可能にし得る。
【0298】
赤外線
いくつかの実施形態では、ヒーターは赤外線ヒーターであり得る。赤外線ヒーターは多くの利点をもたらす。例えば、赤外線ヒーターは、ほぼ瞬時にオン及び/またはオフにできる(ワイヤヒーター要素よりもタイムラグが少ない)。赤外線ヒーターは、水分交換器及び吸気経路ならびに呼気流経路から衛生的に分離され得る。これにより動作コストが減り得る。その理由として、赤外線熱源は、同じ患者または他の患者の間のいずれか一方で、再利用可能であり得るためである。赤外線熱源は、コントローラーと一緒に、ガラスもしくはプラスチックハウジングでシールされ得る、またはそうでなければ、光透過性材料もしくは光屈折材料によってエアフローから分離されている。
【0299】
いずれかの反射された赤外光は、また、デバイスを通過する空気(患者によって吸入及び/または吐き出された空気)の湿度レベル、または水分交換器による水分の取り込み量を計算するために、光センサーによって検出され得る。
【0300】
複数性
呼吸器加湿デバイスの異なる場所または水分交換器の異なる領域に異なる温度プロファイルを送達するために、一緒にまたは独立して制御され得る2つ以上のヒーターが存在し得る。
【0301】
図9aは、呼吸器加湿デバイスの取り外し可能モジュールの内側に支持構造を示す。支持構造は、複数の第1のヒーター及び第2のヒーターを組み込んでいる。この例では、第1のヒーター及び第2のヒーターは、保持構造のねじ山を通って進むワイヤの1つの連続要素から形成され、ひいては、コントローラーによって一緒に制御されるが、複数の第1のヒーターは水分交換器及びエアフローの両方と接触する一方、複数の第2のヒーターは水分交換器と接触しないが、それでもエアフローと接触する。(
図9bは、支持構造に対する水分交換器の場所を示す。)
【0302】
低温の部屋の状態では、第1のヒーターだけを伴う呼吸器加湿デバイスは、水分交換器またはヒーターが、患者が吐いた水分の実質的に全てを取り込むために十分に速く冷却することを不可能にし得る。したがって、水分交換器と接触しない第2のヒーターは、より速く冷却し得る。さらに、吸気中、第2のヒーターは、熱エネルギーが水分交換器に到達する前に、より多くの熱エネルギーを吸入された空気に伝えることが可能である。第1のヒーターだけの場合、必然的に、第1のヒーターは水分交換器を損傷するであろうほど高温になり得る。したがって、2つのヒーターを有することで、加湿性能の良好な制御及びさらなる快適性をユーザーに提供する。
【0303】
ヒーター及び場所(例えば、水分交換器の上流または下流にある)の様々なの組み合わせが可能である。また、複数のヒーターも使用され得、それらのヒーターは、コントローラーによって別々にまたは一緒に制御され得る。
【0304】
電源及び電池
図10は電源10001を示し、コントローラー自体で電力をコントローラーに供給する別々のプラグ及びAC/DCアダプタ(
図10a)、コントローラーと並列または直接に接続された別々の電池パック(
図10b)、または結合ユニットを形成するために、コントローラー筐体10002に統合された、もしくはそれに取り外し可能に取り付けることが可能である電池(
図10c)が示される。
【0305】
図11は、コントローラー自体11001に電力を供給する統合型壁面電源プラグ及びAC/DCアダプタを示し(
図11a)、そして、コントローラー11002用の代替の電源として、統合型壁面電源プラグと並列に接続された別々の電池パック(
図11b)、コントローラー11003用の代替の電源として、統合型壁面電源プラグと直列に接続された別々の電池パック(
図11c)、または結合ユニット11004を形成するために、コントローラー筐体に統合された、もしくはそれに取り外し可能に取り付けることが可能である電池(
図11d)が示される。
【0306】
ユーザーインターフェース-存在意義
呼吸器加湿デバイスはユーザーインターフェースを含み得、ユーザーインターフェースは、呼吸器加湿デバイスをオン及びオフにする、加湿性能を変化させる、アラームをキャンセルする、または呼吸器加湿デバイス動作をチェックするためのものである。これらの目標を実現するために、ユーザーインターフェースは、所望の吸気流に関連するパラメーターを変化させることできる。これらのパラメーターにより、ルックアップテーブルまたは計算によって、電力ヒーターに印加されたタイミング及び大きさを制御するために使用されたターゲット点またはターゲット温度を判定できる。
【0307】
ユーザーインターフェース-特徴
図12はユーザーインターフェース12001の例を示し、ユーザーインターフェース12001は、呼吸補助デバイスに接続するための上流コネクタと、患者インターフェースに接続するための下流コネクタとを有する、呼吸器加湿デバイスに統合される。ユーザーインターフェースは4つのLEDインジケータを含み、それぞれ、4つの異なる湿度ターゲットのうちの1つの隣にある。鼻CPAP換気を利用している患者は比較的低レベルの加湿(25mg/L)が必要になり得る。フルフェースバイレベル換気を利用している患者はより高レベルの加湿が必要になり得る(30mg/L)。気管切開術を受けた患者は35mg/L必要になり得る。挿管された患者は比較的最高レベルの加湿(40mg/L以上)に必要になり得る。ボタンを押すと、ターゲット点、及びターゲット温度、及びコントローラーによって使用されたタイミングを変化させることによって、4つの異なる湿度ターゲットを繰り返す。ボタンを長押しすると、呼吸器加湿デバイスが、オン及びオフに切り替わる。
【0308】
代替の実施形態では、ボタンは、鼻、フルフェースまたは挿管/気管切開オプションを選択し得る、または、ノブは、20mg/L~40mg/L以上の範囲内の程度で、湿度または温度を選択する場合がある。ユーザーインターフェースは、温度、湿度、及び/または絶対湿度もしくは相対湿度を独立して設定/表示する等、複数のパラメーターの選択及び/または表示を含み得る。
【0309】
ユーザーインターフェースは、選択された設定のインジケーション、及び実現された性能のレベルのインジケーションの両方、例えば、吸気流湿度または温度を含み得る。例えば、赤LEDインジケータは、設定が選ばれているが、まだ実現していないことを示し得、緑LEDインジケータは、選択された加湿レベルが送達されていることを示し得る。
【0310】
また、ユーザーインターフェースはサウンド及び/または光を組み込み、例えば、送達された加湿レベルを低下させ得る過度のマスク漏れにより、呼吸器加湿デバイスがエラー状態をもたらしているとのアラームを提供し得る。
【0311】
呼吸器加湿デバイスは、呼吸器加湿デバイスもしくはそのセンサーを較正すること、ステータスライトもしくはアラームの機能もしくは動作を変更すること、またはリモート管理デバイスを接続するもしくは接続解除すること、を行うための制御を含み得る。いくつかの制御は複数の機能を有し得る。
【0312】
呼吸器加湿デバイスは、グラフィカルディスプレイ、数値読み出し、光、及びスピーカーまたは電子音発生装置等のステータスインジケータを組み込み、これらにより、デバイス(モードまたは設定点等)の機能、電池充電状態、正確な動作状態、エラー状態、いずれかの消耗品要素もしくは取り外し可能モジュールを変更する必要性、またはリモート管理デバイスに対する接続もしくは接続解除を示し得る。また、ユーザーインターフェースは、ユーザーが、経時的に、例えば、20mg/Lの湿度で1時間、25mg/Lで4時間、呼吸器加湿デバイス加湿及び/または温度性能の一連の変更を設定することを可能にし得る。ユーザーインターフェースは、また、呼吸器加湿デバイス性能に関して記録されたデータの表示、または24時間未満、24時間、もしくは24時間より長い期間等の期間にわたる使用を可能にし得る。
【0313】
リモート管理
呼吸器加湿デバイスは、リモート管理デバイスが呼吸器加湿デバイスを設定することを可能にするリモート管理インターフェースを有し得る。
【0314】
リモート管理デバイスは、好ましくは、リモート管理インターフェースを使用して、ユーザーインターフェースを参照すると、上記に説明した全ての機能を実現する。また、リモート管理デバイスは、好ましくは、呼吸器加湿デバイスからデータを検索できる。データとして、例えば、使用もしくは未使用の時間及び使用量と、センサーによって測定された、もしくはそうでなければ推測された吸気流パラメーター及び呼気流パラメーターと、睡眠無呼吸、呼吸不全、呼吸困難等の発現の発生もしくは周波数と、部品交換の必要もしくは行動と、またはエラー状態と、が挙げられる。
【0315】
リモート管理インターフェースは、無線通信(例えば、携帯電話ネットワーク、ワイドエリアネットワーク、例えば、Lorawan、Sigfox、Bluetooth、WiFi、Zigbee、Z-Wave、NFC)、または有線通信(例えば、USB、I2C、SPI、RS-232、RS-485)のうちの1つ以上を含み得る。
【0316】
リモート管理デバイスは、呼吸補助デバイス、携帯電話、タブレットコンピューター、コンピューターサーバー、またはインターネットクラウドサービスであり得る。リモート管理デバイスは人工知能リモート管理デバイスであり得、これは、呼吸器加湿デバイスからデータを検索することと、データに基づいて、呼吸器加湿デバイスを設定することと、人間ユーザーまたは患者に警告することとを含むアクションを行うことと、を実行することが可能である。
【0317】
ユーザーインターフェース-配置
図13及び
図14は、例示的な呼吸器加湿デバイス(13001及び14001)を示し、取り外し可能モジュールは、ケーブルによって、コントローラーから分離され、ケーブルは取り外し可能モジュールに接続するように特別に設計されたモジュールコネクタで終端する。
【0318】
図13は、IV極から吊ることができる、または人工呼吸器もしくは他の機器に搭載できるコントローラーを示し、そして、コントローラーは、前述に説明した例のいずれかの組み合わせを含み得る。コントローラーは、加湿設定を変化させるための+ボタン及び-ボタンと、現在のパフォーマンス及びいずれかのエラーメッセージを表示するためのLCDスクリーンとを含む。コントローラーは、制御ケーブルを介してモジュールコネクタに接続される。
【0319】
図14は、制御ケーブルに対して一列に並んで位置する、または制御ケーブルが吊るされる、コントローラーを示し、そして、コントローラーは、前述に説明した例のいずれかの組み合わせを含み得る。コントローラーは、加湿設定を変化させるための+ボタン及び-ボタンと、現在のパフォーマンス及びいずれかのエラーメッセージを表示するためのLCDスクリーンとを含む。コントローラーは、制御ケーブルを介してモジュールコネクタに接続される。
【0320】
図15は、コントローラーがモジュールコネクタに統合される、呼吸器加湿デバイス15001の別の例を示す。コントローラーはタッチスクリーンユーザーインターフェースを含み、タッチスクリーンユーザーインターフェースは、モジュールコネクタ及び方向インジケータ(例では、モジュールコネクタのとがり形状によって示された)でケーブルに成形される。
【0321】
図13、
図14、及び
図15のそれぞれでは、コントローラーは、電力ケーブルによって電源に接続され、モジュールコネクタ及び取り外し可能モジュールは、取り外し可能モジュールを交換するために分離され得る。
【0322】
ユーザーインターフェース及びコントローラーは、同じユニットに存在する必要がない。例えば、また、コントローラーをモジュールコネクタに設置することが可能であり、そして、ユーザーインターフェースを別々のユニットに設置することが可能である。そのような実施形態では、外側から
図13または
図14の区別は不可能であろう。
【0323】
機械コントローラー
電力をヒーターに提供するタイミングを判定するために電子コントローラーを使用するよりもむしろ、コントローラーは、電力をヒーターに制御するために使用された機械スイッチであり得る。例えば、機械スイッチは、エアフロー経路内に位置し得る。スイッチは、患者の息の方向の変化によって、オンからオフに切り替えられ得る。患者がフローを吸入するとき、フロースイッチは、オンに切り替わり得、電力をヒーターに供給する。患者が息を吐くとき、フロースイッチは、オフに切り替わり得、電力をヒーターから除去し、ひいては、ヒーターへの電力を機械的に制御する。
【0324】
機械フロースイッチは、好ましくは、例えば、ばね、磁石、または他のシステムを使用することによって、オンまたはオフにバイアスされる。例えば、フロースイッチがオンにバイアスされる場合、そして、患者その呼気サイクルの終了に近づくと、フロースイッチのバイアスは、スイッチをオン状態に変化させ、結果として、電力をヒーターに提供し、ヒーターを加熱する時間を確保し、呼吸サイクルの吸気パートを開始するために、水分交換器に熱を提供する。代替として、フロースイッチがオフにバイアスされる場合、そして、患者がその吸気サイクルの終了に近づくと、フロースイッチのバイアスは、スイッチをオフ状態に変化させ、これにより、電力をヒーターから除去し、呼吸サイクルの呼気パートを開始する前に、水分交換器を冷却する時間を確保する。このバイアスにより、ユーザーが異なるレベルの湿度及び/または温度を送達するために調整可能であり得る。
【0325】
取り外し可能モジュールセンサー
図16aは取り外し可能モジュール16001を示し、取り外し可能モジュール16001は、吸気流または呼気流と接触する呼吸器加湿デバイスの全ての構成要素を含有する。
図16bは、
図16aのヒーター及びセンサーに関する支持構造16002の詳細を示す。この例では、吸気流または呼気流と接触する取り外し可能モジュール以外の呼吸器加湿デバイスの部分がない。コントローラー及び電源及びモジュールコネクタは、いずれかの患者の呼気または体液と接触しないであろう。
【0326】
図16a及び
図16bの取り外し可能モジュールは3つの別々のセンサーを有する。
【0327】
第1に、支持構造に位置するSHT30温湿度センサーが存在し、患者側でエアフローに設置される。すなわち、それは下流の温度センサーである。SHT温湿度センサーは他の構成要素から十分に取り外され、例えば、流量センサー動作の一部として、発射された熱からの読取値の妨害を回避する。
【0328】
第2に、流量センサー(
図16aのアイテム9)は、中央フロー軸上で、上流に位置する1つのサーミスタ(
図16bのアイテム5)の抵抗ヒーター(
図16bのアイテム4)と、下流に位置する1つのサーミスタ(
図16bのアイテム3)とを備える。それらのサーミスタは、それぞれ、ブリッジの間に狭い空隙を伴う薄いブリッジに位置する。空隙、ブリッジ空間、及びブリッジ幅は、抵抗ヒーター要素とセンサーとの間に伝導熱及び放射熱の伝達を回避するのに十分である。2つのセンサーの読取値の比較は、下流サーミスタが、流れ方向に対して下流にあるとき熱抵抗器からの対流熱を読み取ることで、流れ方向の変化を示す。
【0329】
第3に、水分交換器の温度センサー(
図16bのアイテム6)として働くサーミスタは支持構造の水分交換器側に位置し、そのセンサーは、水分交換器と接触するが、主要センサー本体と支持構造との間に空隙があり、水分交換器の温度の変化に対するサーミスタの応答を最大にする。サーミスタは、かなりの温度読み取り妨害を回避するために、流量センサーの熱抵抗器から1~2cm軸方向に位置する。
【0330】
また、
図16aの取り外し可能モジュールは、
図9を参照して説明したものと同じ設計の加熱素子も有する。
【0331】
このセンサー及びヒーターの組み合わせはモジュールコネクタの接続点を含み、この場合、モジュールに組み込まれたリバーシブルコネクタである。
図16cは、取り外し可能モジュールをコントローラーに接続するモジュールコネクタを含むケーブル16010を示す。
【0332】
モジュールコネクタのセンサー
図17aは、モジュールコネクタが2つの円錐温度プローブ(センサー)を含む、取り外し可能モジュール17001及びモジュールコネクタ17005の例を示す。温度プローブ及びモジュールコネクタをシールすることにより、それらが殺菌流体中に浸漬され得る、または蒸気環境で殺菌され得る。
【0333】
1つのプローブは上流側温度センサーであり、1つのプローブは下流側温度センサーである。取り外し可能モジュールは、2つのプローブを受けるためにわずかに先細りの2つのチューブを含み、上流端及び下流端を有する。モジュールコネクタは、取り外し可能モジュールの外側を部分的に包むために弧に成形された整列翼を含む。他のプローブよりも一方のプローブのより近くにあることにより、また、各弧の上流側により小さい直径に対して先細りになることにより、翼は、取り外し可能モジュールを間違って取り付けることを不可能にする。制御ケーブルは、モジュールコネクタの非患者側に接続され、コントローラーまたは電源に向かう。
【0334】
図17bは、下部に温度感知チップを伴う、プローブ17015が実質的に上側円筒領域を有することを詳細に示す。
【0335】
図17cは、
図17aの2つの部分が接続されるときの様子を示し、プローブは、テーパーチューブを介して取り外し可能モジュールの中を通過し、エアフローの中に存在する。実質的に上側円筒領域は、2つの温度プローブのテーパーチューブと締まり嵌めを形成し、エアフロー及び圧力が取り外し可能モジュールの内側にあるにもかかわらず、強固に一緒に、呼吸器加湿デバイスの2つの構成要素を保持する。
【0336】
図17dは、ヒーター及び水分交換器17020が取り外し可能モジュールの上流部と下流部との間に一緒に挟着される様子を示し、取り外し可能モジュールは、上流部と下流部との間に保持される実質的に2つのオープングリルによって適所に保持される。上流部及び下流部は、例えば超音波溶接を使用して、永久的に一緒に溶接され、製造中にシールされる。いくつかの実施形態では、グリルは上流部及び下流部の特徴として形成され得る。
【0337】
図17eは整列翼17030を示し、整列翼17030は、取り付けられるとき、取り外し可能モジュールを部分的に包み、取り外し可能モジュール及びモジュールコネクタが適切に整列された状態を維持する。整列翼は、それぞれ、内側にばねクリップコネクタを含み、ばねクリップコネクタは、制御ケーブルに電気的に接続される。ヒーター電気接続部は、上流部と下流部との間で溶接され、ひいては、取り外し可能モジュールの外側に保持された接点に対する取り外し可能モジュールの反対壁を通過する。取り外し可能モジュール及びモジュールコネクタが適切に取り付けられるとき、翼にあるばねクリップコネクタは接点と接触する。取り付け中、ばねクリップコネクタが取り外し可能モジュールの外側にある保持隆起を通り過ぎ、取り外し可能モジュール及びモジュールコネクタを一緒に確実にロックさせる。
【0338】
図18は、単一のセンサープローブ18020を伴うモジュール18001の例を示す。単一のプローブセンサー配置の例は、
図17のデュアルプローブ配置のようであるが、1つのプローブだけが患者側に位置し、対応する単一のテーパー締まり嵌めチューブは取り外し可能モジュールにある。
【0339】
図17及び
図18の取り外し可能モジュールは、それらに組み込まれたバイアスフローベント及びバクテリア/ウイルスフィルターを有し得る。
【0340】
取り外し可能モジュール電子機器
図19は、コントローラーがモジュールコネクタに組み込まれている、取り外し可能モジュール19001及びモジュールコネクタ19010の簡略化された断面を示す。コントローラーは、ヒーターへの電力を制御するためのFETスイッチを伴うPCBと、ユーザーからコマンドを受信するためのボタンと、ユーザーにステータスを伝えるための2つのLEDと、電力のための、また、ステータスを伝え、リモートユーザーインターフェース等の別のデバイスからコマンドを受信するための電気コネクタと、を備える。プラスチックハウジングは、モジュールコネクタPCB及び構成要素にわたってオーバーモールドされるが適所に薄く、これにより、LEDは、ユーザーにいずれかの問題を警告するために光を見せることができ、侵襲的換気及び非侵襲的換気等の異なる動作モードを選択するために、ボタンを押すことができる。
【0341】
コントローラーは、また、上流側超音波トランスデューサ及び下流側超音波トランスデューサを備え、それらの超音波トランスデューサは、モジュールコネクタが取り外し可能モジュールに取り付けられているとき、取り外し可能モジュールの壁において流量センサーの突起に適合し、それらの超音波トランスデューサの間で交互方向に超音波信号を送信する。使用中、コントローラーは、エアフローの上流及び下流を進むサウンドの飛行時間の差を使用して、患者が息を吸う、または息を吐くタイミングを判定する。突起は、トランスデューサがエアフローと接触することを保護する。
【0342】
さらに、ヒーターは、プラスチックハウジングを通って突出するPCB上の導体パッドと係合する取り外し可能モジュールの外壁上に接点を含む。
【0343】
最後に、赤外線(IR)センサーは、取り外し可能モジュールの壁を通る、ヒーター及び水分交換器から光を受け、較正されると、コントローラーが水分交換器及びヒーター温度を測定することを可能にする。代替として、加熱素子の抵抗は、ヒーター及び水分交換器の温度を推定するために測定され得る。
【0344】
したがって、エアフローと接触するコントローラーの部分がないことで、呼吸器加湿デバイスの衛生を改善する。
【0345】
自動モード選択
図12、
図13、または
図14を参照して説明されるように、ユーザーは、ユーザーインターフェースを使用して、いくつかのモードのうちの1つを選択し得る。代替の実施形態では、侵襲的換気及び非侵襲的換気等の異なる使用に適切な2つ以上の仕様の取り外し可能モジュールが製造され得る。
【0346】
図20は、例示的なコントローラーのメモリの選択テーブル20001を示す。コントローラーは、取り外し可能モジュールのヒーターの抵抗を測定し、選択テーブルの対応する行を探し、ひいては、選択テーブルに基づいて、どのモードを動作させるかを判定する。コントローラーは、吸気中のエアフローの温度を制御して、ターゲットのT値を一致させ、また、LEDインジケータの色を対応する色に設定し、選択されているモードをユーザーに示す。
【0347】
抵抗を測定する代わりに、代替の実施形態は、ヒーター要素と接続する3つの接点を有するモジュールコネクタと、回路を形成するために接続する接点の組み合わせに基づいて、どのタイプの取り外し可能モジュールが接続されているかを検出するコントローラーと、を含む。さらに別の代替案では、コントローラーは、取り外し可能モジュールの色付きパッチ等、取り外し可能モジュールの各タイプに固有の物理的特性の存在、不在、または特徴を測定することが可能であり得る。
【0348】
このように、ユーザーは、モードを選択するために、ユーザーインターフェースに関する設定を変更する必要がなく、ユーザーが、意図される用途に適切な分類または色分けされた取り外し可能モジュールを簡単に選び、そして、呼吸器加湿デバイスがそのデバイス自体を適切に設定する。LEDインジケータは、例えば、取り外し可能モジュールに印刷された色に一致し得、呼吸器加湿デバイスが正しく構成されることを容易に確実にする。
【0349】
較正
製造公差により、取り外し可能モジュールのそれぞれは、他のものとわずかに異なり得る。したがって、コントローラーを個々の取り外し可能モジュールのそれぞれに合わせて較正する必要があり得る。
【0350】
図21は、複数のモジュールの間で例えば+/-5%変わり得るヒーター抵抗を較正するためのアルゴリズム21001のフロー図を示す。ステップ2001では、コントローラーは、接続されているかを判定する。したがって、ヒーターの抵抗を測定し(2002)、既定の方程式またはルックアップテーブルに従って、理想的な動作電圧を計算し(2003)、ヒーター供給電圧を適切に設定する(2004)。次に、取り外し可能モジュールが接続解除されていることを検出するまで(2006)、ヒーターをオン及びオフすることによって、呼吸器加湿デバイスを動作させることを開始する(2005)。
【0351】
取り外し可能モジュールのいずれかのセンサーに対して、コントローラーの同様の較正プロセスは、必要であり得る。
【0352】
用途
呼吸器加湿デバイスは呼吸補助デバイスとともに使用され得、例えば、麻酔投与、気管切開、CPAPデバイス、BiレベルPAPデバイス、及び自宅または病院の人工呼吸器で加熱式加湿器、非加熱式加湿器、及び/またはHMEを使用する。
【0353】
また、呼吸器加湿デバイスは、患者が完全に健康である他の用途でも使用され得、例えば、一般的な汚染、産業汚染用の、及び航空機または砂漠または高山の環境等の他の乾燥環境で使用するための個人用保護マスク等、または人々もしくは動物が乾燥空気を受ける、特に寒冷乾燥空気を受ける実世界のいずれかの部分が挙げられる。その場合、本システムは、電池または非主電源の動作をオフにする必要があり得る。
【0354】
例示的な臨床設定
図22a及び
図22bは、気管内チューブまたは気管切開チューブとともに侵襲的換気で使用される呼吸器加湿デバイス22001を示す。両方の図は
図16に提供された例示的な実施形態を示し、
図10aに示されるような人工呼吸器の近くに設置されたコントローラー及び電源がある。
図22aでは、取り外し可能モジュールは、排気弁、単一の肢呼吸チューブ、及び人工呼吸器に接続される。
図22bでは、取り外し可能モジュールは、デュアル肢呼吸回路の吸気肢ならびに呼気肢、PEEPバルブ、及び人工呼吸器に接続される。
【0355】
図22c及び
図22dは、非換気マスクとともに、非侵襲的換気で使用される呼吸器加湿デバイスを示す。両方の図は
図16に提供された例示的な実施形態を示し、
図10aに示されるような人工呼吸器の近くにあるコントローラー及び電源がある。
図22cでは、取り外し可能モジュールは、排気弁、単一の肢チューブ、及びCPAP、APAP、またはBiPAPの呼吸補助デバイスに接続される。
図22dでは、取り外し可能モジュールは、デュアル肢呼吸回路の吸気肢ならびに呼気肢、PEEPバルブ、及び人工呼吸器に接続される。
【0356】
呼吸器加湿デバイス及び他のデバイスの組み合わせ
呼吸器加湿デバイスは、水加湿器と組み合わせて使用され得、これは、より高い加湿性能、異なる湿度プロファイルを提供すること、一方を使用して、他方の性能を最大にすること、患者インターフェース及び/またはチューブの液滴結露を制御すること、より正確な温度制御を提供すること、またはより正確な湿度制御を提供すること、を行うために組み合わされる。
【0357】
呼吸器加湿デバイスは、液体水タンクと組み合わせて使用され、吸入中に水分交換器を液体水滴で充填し、水分交換器の温度を約80°Cに増加させることによって、吐出中に液体水滴を放出し、液体水を蒸発させ得る。
【0358】
制御
電力変化の予測
上記に開示したように、吸気フェーズ中だけでなく、吸気の開始前にも(また、いずれかのセンサー(複数可)が吸気の開始を検出する前にも)、水分交換器を加熱することと、そして、呼気フェーズ中だけでないが、呼気の開始前にも(また、いずれかのセンサー(複数可)が呼気の開始を検出する前にも)、電力(及び熱)を除去することと、または、少なくとも、公衆に有用な選択肢を提供するために、コントローラーが、電力を印加することが望ましい。
【0359】
図23aは、国際公開第2019/093910号に説明されている先行技術のコントローラーの挙動を示す。黒線23001が破線23002よりも上にあるとき、フローは吸気であり、黒線が破線よりも下にあるとき、フローは呼気である。フローが吸気になると、ヒーター電力(赤線)23003のスイッチがオンになり、フローが呼気になると、ヒーター電力のスイッチがオフになる。
【0360】
図23bは本発明の一実施形態における挙動を示し、そして、コントローラーは、呼気から吸気に呼吸流量が変化する前に、ヒーター電力を増加させ(ヒーターのスイッチをオンにし)、吸気から呼気に呼吸流量が変化する前に、ヒーター電力を減少させる(ヒーターのスイッチをオフにする)。
【0361】
本実施形態では、コントローラーは、吸気から呼気に呼吸流量が変化する前に、ヒーター電力を減少させる(ヒーターのスイッチをオフにする)。好ましくは、これは、呼気が開始する前に、または少なくとも呼気がピーク流量または全体積のかなりの部分に到達する前に、例えば、ピーク流量または全体積の5%、10%、20%、またはさらに、それらのおそらく30%に到達する前に、水分交換器の温度が第2のターゲット温度まで下がるように、または第2のターゲット温度を下回るように行われる。好ましくは、第2のターゲット温度はLCSTである、またはさらにLCSTよりも0.5°Cもしくは1°C低い。
【0362】
好ましくは、これは、吸気が開始する前に、または少なくとも吸気がピーク流量または全体積のかなりの部分に到達する前に、例えば、ピーク流量または全体積の5%、10%、20%、またはさらに、それらのおそらく30%に到達する前に、水分交換器の温度が第1のターゲット温度まで上昇するように、または第1のターゲット温度を上回るように行われる。好ましくは、また、コントローラーは、ヒーター電力を制御(制限)して(または、吸気の開始時に近くなるまで、ヒーターをオフのままにし)、その結果、呼気の終了前に、または呼気体積の大部分(好ましくは、呼気体積の70%もしくは80%、またはさらにより好ましくは、呼気体積の90%)が、水分交換器を通過する前に、または呼気流がかなり低下する前に(好ましくは、ピーク呼気流の30%または20%よりも下回る前に、またはさらにより好ましくは、ピーク呼気流10%よりも下回る前に)、水分交換器の温度は、望ましくない温度に到達しない、または超えない。好ましくは、望ましい温度または望ましくない温度はLCSTである、またはより好ましくは、それらの温度は、各々、LCSTよりも0.5°Cもしくは1°C高く、LCSTよりも低い。
【0363】
フローの検出
コントローラーは、市販されている既知の流量センサーのいずれかを使用して、呼吸エアフローの大きさまたは方向を検出し得る。
【0364】
制御タイミングに対する個々の点
ヒーター電力を変化させるタイミングを判定するために、コントローラーは、水分交換器を通るエアフローに関して測定されたパラメーターを感知し、測定されたパラメーターを使用して、呼吸サイクルにおける1つ以上の個々の点を検出し得る。好ましくは、測定されたパラメーターはエアフローの速度及び方向であるが、しかし、いくつかの代替の実施形態では、そのパラメーターは例えば、エアフロー圧力であり得る。
【0365】
理想的には、1つ以上の個々の点は、吸気から呼気への変化及び/もしくはその逆の変化を含む、または同様に、呼気もしくは吸気の開始/終了を含む。吸気及び呼気の開始及び/または終了は、測定されたパラメーターが閾値を上回る値から下回る値に遷移する、または閾値を下回る値から上回る値に遷移するタイミングを計算することによって検出され得る。
【0366】
測定されたパラメーターがエアフローであるとき、閾値はゼロであり得、特に、エアフローセンサーが方向を提供する場合、呼気の開始または終了を容易に検出し得る。しかしながら、コスト効率が高い多くのセンサーは、エアフローまたはエアフロー方向を提供しない。そして、センサーは、エアフロー及び方向を提供する場合でさえ、呼吸器加湿デバイスが動作する必要がある様々な周囲条件、具体的には、患者インターフェースの漏れエラー状態の可能性について、いくつかの実施形態では、閾値は、複数の呼吸サイクル、例えば30sまたは60sを含む、直前の期間にわたって測定されたパラメーターの平均値を計算することによって判定されることを意味する。次に、閾値は、測定されたパラメーターの平均値であり得る、または、閾値は、平均値を上回るもしくは下回る所定量、あるいは、複数の呼吸サイクルを含む直前の期間で測定されたパラメーターの最大値もしくは最小値と比較して、平均値を上回るもしくは下回る比例量を設定し得る。特定の例として、測定されたパラメーター(エアフローの方向を含む)は、水分交換器を通るエアフローであり得、予測コントローラーは、エアフローの平均値を計算し得、エアフローがエアフローの平均値を超えると、おおよその吸気の開始を検出し、そして、エアフローがエアフローの平均値を下回ると、呼気の開始を検出する。
【0367】
他の実施形態では、1つ以上の個々の点は、閾値を上回るまたは下回る、測定されたパラメーターの変化率によって判定され得る。
【0368】
個々の点からオフセットされた時間の使用
吸気または呼気の開始前に、ヒーター電力を変化させる望ましい特徴を実現するために、コントローラーは予測コントローラーであり得、連続的な吸気サイクルもしくは呼気サイクルまたは個々の点を監視し、典型的なそれらのサイクル期間、または呼吸サイクル期間を全体として学習する。それらの期間を知ることにより、予測コントローラーは、呼吸サイクルのより多くの個々の点のうちの1つの後に時間オフセットでヒーター電力を変化させ得、これは、電力が後続のサイクル前に既知量になるとの予想で行われる。
【0369】
好ましい実施形態では、時間オフセットは呼吸サイクル期間に比例する。呼吸サイクル期間は、前述の個々の点のうちの1つ以上の点の間の経過時間の平均値から計算され得る。
【0370】
複数の時間オフセット
さらに、呼吸サイクルの異なる個々の点及び/または電源の異なる変化に関して、複数の時間オフセットがあり得る。
【0371】
複数の個々の点は吸気の開始点及び呼気の開始点であり得、これにより、複数の時間オフセットは、吸気時間オフセット及び呼気時間オフセットを含む。吸気時間オフセットは、呼気から吸気への呼吸流量の変化後に、時間オフセットである。一実施形態では、コントローラーは、呼気から吸気への呼吸流量の変化後に、吸気時間オフセットである時点で、ヒーター電力を減少させる(またはヒーターのスイッチをオフにする)。呼気時間オフセットは、吸気から呼気への呼吸流量の変化後に、時間オフセットである。コントローラーは、吸気から呼気への呼吸流量の変化後に、呼気時間オフセットである時点で、ヒーター電力を増加させる(またはヒーターのスイッチをオンにする)。
【0372】
時間オフセット、吸気時間オフセット、または呼気時間オフセットは、好ましくは、吸気期間もしくは呼気期間よりも短い、または吸気期間もしくは呼気期間の合計よりも短い。それらの時間オフセットは、好ましくは、吸気期間または呼気期間の75%未満、より好ましくは50%未満であり、さらにより好ましくは33%未満である。
【0373】
最小時間オフセットのオプションは、例えば、1s、1.5s、または1s~3sである。
【0374】
静的時間オフセット
一実施形態では、時間オフセットは、ヒーターの時定数、水分交換器に入る熱の伝達速度、及び温度変化に対する水分交換器の応答速度、ならびに水分交換器からの水分の吸収または脱着の速度のうちの1つ以上に基づいて事前に判定され得る。
【0375】
動的時間オフセット
時間オフセットは、経時的に変わる動的時間オフセットであり得る。動的時間オフセットは、呼吸サイクル期間と、所望または実際の吸気流の温度及び湿度と、呼気流の湿度、温度、または流量と、周囲空気または供給されたエアフローの温度または湿度と、のうちの1つ以上を使用して判定され得る。
【0376】
いくつかの実施形態では、所望の吸気流の温度または湿度が増加すると、動的時間オフセットがより小さくなることがもたらされる。すなわち、コントローラーにより、加熱素子に供給された電力が早めに変化することがもたらさせる。逆に、所望の吸気流の温度または湿度が減少すると、動的時間オフセットがより大きくなることがもたらされる。すなわち、コントローラーにより、加熱素子に供給された電力が遅く変化することがもたらさせる。
【0377】
制御タイミングに対する位相ロックループ
吸気または呼気の開始前にヒーター電力を変化させる望ましい特徴を実現する別の方法は、呼吸サイクルに同期され、測定されたパラメーターによって駆動される位相及び周波数ロックドループ(PLL)を使用することである。PLLの位相出力を使用して、ヒーターをオンまたはオフにするかどうかを判定する。コントローラーは、呼吸サイクル(のPLL推定)に対して事前に判定または計算された位相でヒーターをオン及びオフにし得る。コントローラーは、呼吸サイクル(のPLL推定)に対して事前に判定または計算された位相でターゲット温度を変化させ得る。
【0378】
制御タイミングに対する流動閾値
代替として、エアフロー速度が閾値を下回ると、コントローラーは、熱を加え得る。例えば、呼気流速度がピーク呼気流の40%または平均流量よりも下がると、熱を加え得る。この割合は例であり、実際には、20%、30%、または50%等の他の流量閾値が適用され得る。これにより、熱源が、水分交換器に熱を提供して加熱する時間が確保される。これは、呼気サイクルの終了時、長期間にわたって比較的低流量になる傾向があるため、有用な方法である。
【0379】
これに代わるものは1回換気量の閾値であり得、そして、センサー、例えば、流量センサーを使用して、典型的な1回換気量を計算し、呼気の1回換気量に到達すると、例えば1回換気量の平均の80%に到達すると、加熱がもたらされる。この割合は例であり、実際には、40~80%、80~90%、または90~99%等の他の1回換気量の閾値は適用され得る。
【0380】
同じトリガーは吸気サイクルに適用でき、そして、吸気フローが閾値よりも下がった後、または吸入された1回換気量が特定の閾値を超えた後、加熱は停止する。例えば、吸気流量がピークフローの40%もしくは平均フローよりも下がると、または吸入された1回換気量が予想された1回換気量の80%を超えるとき、加熱は停止し得る。この割合は例であり、実際には、20%、30%、または50%(または40~80%、80~90%、または90~99%)等の他の流量(または1回換気量)閾値が適用され得る。これにより、熱源が、水分交換器に熱を提供して加熱する時間が確保される。
【0381】
コントローラーは、これらの閾値のいずれかをアクティブに調整し、最適な水分交換器の温度プロファイルを実現し得、これは、その1回換気量、呼吸周波数、トレーニングされたオペレーターによって制御された設定、及び/またその呼吸の波形に応じて、患者毎に変わり得る。コントローラーはフィードバックループを有し得、これにより、加熱のタイミングを制御して、息サイクルにおける水分交換器の温度、空気温度、及び/または湿度送達の所望のタイミングに到達する。
【0382】
また、所望の湿度のレベルを実現するために、閾値を調整し得る。例えば、必要な湿度が少ない場合、呼気時の水分交換器の冷却により、水分交換器で増大した水分を減らすことが遅延し得る。代替として、吸気時の水分交換器の加熱は遅延し得る。また、これは、周辺の温度及び湿度に応じて、変わり得る。
【0383】
上記の閾値は、フィードバックループを使用してアクティブに調整され得る、またはプリセット値であり得る、もしくはルックアップテーブルから取得され得る。代替として、それらは、所望の加湿レベルを増加または減少させるインターフェースを介して、ユーザーによって制御され得る。
【0384】
熱制御
一定の加熱時間
コントローラーは、呼吸サイクル期間に(直接)依存しない固定期間中に水分交換器に熱を加え得る、または水分交換器から熱を除去し得る。例えば、コントローラーは、1sまたは2s、または最も好ましくは1.5sの期間にわたって熱を加え得る。このように、コントローラーは、全ての水分が水分交換器から放出されることと、予測可能温度に到達することと、全ての水分が水分交換器から解放されると、水分交換器が可能な限り早い時間で冷却を開始することと、を確実にできる。
【0385】
ピーク及び保持
好ましくは、呼吸器加湿デバイスのコントローラーは、その段階の開始時にピーク電力を提供し、要素及び水分交換器を急速にある温度まで上昇させ、次に、短期間後に、または特定温度(抵抗)に到達した時点で、または到達すると計算もしくは予想された時点で、その電力が減る。
【0386】
好ましくは、呼吸サイクル内で加熱素子に供給された複数の電力の変化があり、呼吸サイクルは、高電力フェーズ、次に低電力フェーズ、次にゼロ電力フェーズを含む。
【0387】
好ましくは、高電力フェーズでは、コントローラーによって供給できる最大電力の100%または少なくとも75%である。
【0388】
好ましくは、低電力フェーズでは、コントローラーによって供給できる最大電力の70%未満、50%未満、または30%未満である。
【0389】
好ましくは、低電力フェーズでは、高電力フェーズの少なくとも2倍の長さ、または少なくとも3倍の長さ、または少なくとも4倍の長さにわたって続く。
【0390】
好ましくは、高電力フェーズ及び低電力フェーズでは、一緒に、呼吸サイクル期間の半分未満、またはより好ましくは呼吸サイクル期間の40%未満の期間にわたって続く。
【0391】
代替として、送達された電力は、呼吸サイクルのいずれかの段階で、流量に関して、または流量に比例するように制御され得る。
【0392】
代替として、送達された電力は、オープンループフィードフォワード制御またはクローズドループフィードバック制御(または、それらの組み合わせ)によって制御され、吸気中または呼気中の異なる点における異なる温度を含む、吸気のために所望の水分交換器の温度または空気温度が維持され得る。
【0393】
好ましくは、高電力フェーズ及び低電力フェーズでは、吸気中、少なくとも100ms、またはより好ましくは少なくとも200msの期間にわたって、それらのフェーズが所望の水分交換器の温度に水分交換器を維持するように制御され、水分交換器が水分を吸気流に放出する時間を可能にする。所望の水分交換器の温度は、好ましくは、LCSTである、またはLCSTを上回る。説明された時間は加湿デバイスの用途に依存する。例えば、CPAPデバイスで使用される場合、時間は短くなるが、気管切開チューブまたは人工呼吸器で使用される場合、時間はおそらく最大2秒長くなる。また、提供された電力(%)も調整され得る。
【0394】
フィードバック制御
別の実施形態では、コントローラーは、水分交換器の温度センサーからのフィードバックを使用して、水分交換器の温度を制御する。コントローラーは、PIDコントローラーまたはバンバン(サーモスタット)コントローラーを使用し得る。
【0395】
エラー検出
呼吸器加湿デバイス/装置は、好ましくは、1つ以上のエラー状態を検出することが可能である。エラー状態は、センサーのエラー(開回路、短絡、無効信号、信号損失等)、ヒーター/デバイスのエラー(開回路、短絡、間違ったインピーダンス)、ヒーターまたは水分交換器の汚染、電源が許容可能範囲を超えること、水分交換器構成要素または取り外し可能モジュールが見つからない、または間違っていること、周囲空気状態(温度、湿度、圧力)が正常動作範囲を超えること、(例えば、設置してから、その使用量が安全量を超えたため)時間内に取り外し可能モジュールまたは他の交換構成要素を交換したエラー、患者インターフェースが外れる、落下する、または漏れがある等の呼吸に関する問題、空気供給の損失または変化、空気が通過することを可能にしない水分交換器の妨害物(例えば、高度な結露、唾液、分泌物)を含む。
【0396】
これらのエラー状態は、不要な電力消費、不安全動作、治療における不適切な出力もしくは過度の出力(流量、湿度、温度、圧力)、または患者に不快感をもたらし得る。
【0397】
したがって、エラー状態を検出すると、呼吸器加湿デバイスは、好ましくは、サウンド(トーン、ノイズ、音声メッセージ)、点滅光(複数可)、エアフローの遮断もしくは制限によって、ユーザーもしくは患者に警告する、または患者、ユーザー、ヘルスケア専門家に伝える、あるいはリモート管理デバイスもしくは呼吸回路の別の部分に伝える。呼吸器加湿デバイスは、いくつかのエラー状態で動作を中止させ得る。
【0398】
また、呼吸器加湿デバイスは、睡眠時無呼吸、呼吸不全、呼吸困難等の発現中、またはその周波数もしくは数値が閾値を超えるとき、上記の手段のいずれかによって、ユーザーまたは患者に警告し得る。
【0399】
漏れ検出
呼吸補助デバイスの重大なエラー状態として、患者とインターフェースとの間のシールの周りで、患者インターフェースからの空気の漏れが挙げられる。これは、特に、本発明の呼吸器加湿デバイスに当てはまる。この理由として、本デバイスは、概して、最大湿度を提供するために可能な限り多くの吐かれた水分を取り込む必要があるためである。したがって、患者インターフェースの漏れエラー状態を検出する方法を有することが望ましい。
【0400】
本発明のさらなる態様は、本発明の他の態様に従って呼吸器加湿デバイスの患者インターフェースの漏れエラー状態を検出する方法を提供することであり、本方法は、呼吸器加湿デバイスを通るエアフローと関連付けられた少なくとも1つのセンサー値を監視することと、そのセンサー値を予想されたセンサー値のセットを比較することと、少なくとも1つのセンサー値が予想されたセンサー値のセットの範囲内にあるとき、エラー状態を検出することと、を含む。本方法は、好ましくは、少なくとも10回の呼吸サイクル毎に、好ましくは、サイクル毎に行われる。
【0401】
少なくとも1つのセンサー値は変化率またはセンサー値であり得る。
【0402】
患者インターフェースの漏れエラー状態は、先行技術で開示された方法のいずれかによって検出され得、例えば、呼吸器加湿デバイスを通る平均流量またはピーク流量を測定する。しかしながら、上記の説明に従った漏れ検出は有利になり得る。その理由として、その漏れ検出は患者のより近くで実行され、高精度に検知され得るためである、または、患者インターフェースでの漏れ、もしくは水分交換器から上流での空気供給の別の点での漏れをより容易に区別することが可能であるためである。
【0403】
例証だけに関して
本発明が複数の実施形態の説明によって示されており、また、複数の実施形態が詳細に説明されているが、出願者は、添付の請求項の範囲をこのように詳細に限定すること、またはいずれかの方法で制限することを意図していない。追加の利点及び修正は、当業者には容易であると思われる。したがって、本発明は、その広義の態様において、示される及び説明される特定の詳細、代表的な装置ならびに方法、及び実例に制限されない。したがって、出願者の全体的な発明概念の主旨または範囲から逸脱することなく、そのような詳細から逸脱し得る。
【国際調査報告】