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▶ アジュ ユニバーシティ インダストリー−アカデミック コーポレーション ファウンデーションの特許一覧 ▶ スンチョンヒャン ユニバーシティ インダストリー アカデミー コーポレーション ファウンデーションの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-11
(54)【発明の名称】袖状胃切除術補助装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/00 20060101AFI20240304BHJP
【FI】
A61B17/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558755
(86)(22)【出願日】2021-12-31
(85)【翻訳文提出日】2023-09-25
(86)【国際出願番号】 KR2021020348
(87)【国際公開番号】W WO2022211222
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0042250
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515131404
【氏名又は名称】アジュ ユニバーシティー インダストリー-アカデミック コーオペレイション ファウンデーション
【氏名又は名称原語表記】AJOU UNIVERSITY INDUSTRY-ACADEMIC COOPERATION FOUNDATION
(71)【出願人】
【識別番号】519074549
【氏名又は名称】スンチョンヒャン ユニバーシティ インダストリー アカデミー コーポレーション ファウンデーション
【氏名又は名称原語表記】SOONCHUNHYANG UNIVERSITY INDUSTRY ACADEMY COOPERATION FOUNDATION
【住所又は居所原語表記】22,Soonchunhyang-ro,Sinchang-myeon,Asan-si,Chungcheongnam-do 31538,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ モン グ
(72)【発明者】
【氏名】キム サン ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】ユン サン チュル
(72)【発明者】
【氏名】チョ サン ウー
(72)【発明者】
【氏名】ジュン チャン ホ
(72)【発明者】
【氏名】カン ヤン ジャ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160MM44
(57)【要約】
本発明は袖状胃切除術補助装置に関し、患者の胃の内部に挿入されるガイド部と、ガイド部の外側に配置され、内部の空気量により体積が可変する拡張部と、拡張部に加えられる圧力を測定し、拡張部の体積変化に連動して形状が可変する第1測定部と、第1測定部と連結され、第1測定部によって測定された圧力値を通じて切除位置情報を提供するモニター部とを含むことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の胃の内部に挿入されるガイド部;
前記ガイド部の外側に配置され、内部の空気量により体積が可変する拡張部;
前記拡張部に加えられる圧力を測定し、前記拡張部の体積変化に連動して形状が可変する第1測定部;および
前記第1測定部と連結され、前記第1測定部によって測定された圧力値を通じて切除位置情報を提供するモニター部;を含むことを特徴とする、袖状胃切除術補助装置。
【請求項2】
前記第1測定部は、
前記拡張部に内側面に付着される複数個の第1測定部材;および
隣り合う前記第1測定部材に連結され、隣り合う前記第1測定部材間の距離によって伸縮する連結部;を含むことを特徴とする、請求項1に記載の袖状胃切除術補助装置。
【請求項3】
前記第1測定部は前記拡張部の長さ方向に沿って延び、複数個で備えられて前記拡張部の円周方向に沿って離隔することを特徴とする、請求項2に記載の袖状胃切除術補助装置。
【請求項4】
それぞれの前記第1測定部に備えられる複数個の前記第1測定部材は、前記拡張部の長さ方向に沿って所定間隔離隔するように配置されることを特徴とする、請求項3に記載の袖状胃切除術補助装置。
【請求項5】
互いに異なる前記第1測定部に備えられる前記第1測定部材は、前記拡張部の同一円周上に沿って配置されることを特徴とする、請求項4に記載の袖状胃切除術補助装置。
【請求項6】
前記連結部は、長さ方向に沿ってジグザグ形態で延びることを特徴とする、請求項2に記載の袖状胃切除術補助装置。
【請求項7】
前記連結部は外力が加えられる方向と並んでいる方向に直径が拡張され、格子形態で互いに連結される複数個の連結部材;を含むことを特徴とする、請求項2に記載の袖状胃切除術補助装置。
【請求項8】
前記連結部は、通電可能な材質で備えられることを特徴とする、請求項2に記載の袖状胃切除術補助装置。
【請求項9】
前記切除位置情報は、前記拡張部から切除道具までの距離に対する情報であることを特徴とする、請求項1に記載の袖状胃切除術補助装置。
【請求項10】
前記モニター部は、
前記第1測定部によって測定された圧力値に基づいて前記切除位置情報を判断する制御部;および
前記制御部によって判断された情報を外部に表示する表示部;を含むことを特徴とする、請求項1に記載の袖状胃切除術補助装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記第1測定部で測定された圧力値の大きさにより切除位置区間を判断することを特徴とする、請求項10に記載の袖状胃切除術補助装置。
【請求項12】
前記切除位置区間は、
前記第1測定部で測定された圧力の大きさが第1設定圧力以下である場合を示す接近必要区間;
前記第1測定部で測定された圧力の大きさが第2設定圧力以上である場合を示す離隔必要区間;および
前記第1測定部で測定された圧力の大きさが第1設定圧力と第2設定圧力の間であることを示す進行可能区間;を含むことを特徴とする、請求項11に記載の袖状胃切除術補助装置。
【請求項13】
前記表示部は、前記切除位置区間により互いに異なる色相を表示することを特徴とする、請求項11に記載の袖状胃切除術補助装置。
【請求項14】
患者の胃の内部に挿入されるガイド部;
前記ガイド部の外側に配置され、内部の空気量により体積が可変する拡張部;
前記拡張部内部の空気圧力を測定する第2測定部;および
前記第2測定部と連結され、前記第2測定部によって測定された圧力値を通じて切除位置情報を提供するモニター部;を含むことを特徴とする、袖状胃切除術補助装置。
【請求項15】
前記第2測定部は、前記拡張部の内部に空気を注入する注入部に連結されることを特徴とする、請求項14に記載の袖状胃切除術補助装置。
【請求項16】
前記切除位置情報は、前記拡張部から切除道具までの距離に対する情報であることを特徴とする、請求項14に記載の袖状胃切除術補助装置。
【請求項17】
前記モニター部は、
前記第2測定部によって測定された圧力値に基づいて前記切除位置情報を判断する制御部;および
前記制御部によって判断された情報を外部に表示する表示部;を含むことを特徴とする、請求項14に記載の袖状胃切除術補助装置。
【請求項18】
前記制御部は前記第2測定部で測定された圧力値の大きさにより切除位置区間を判断することを特徴とする、請求項17に記載の袖状胃切除術補助装置。
【請求項19】
前記切除位置区間は、
前記第2測定部で測定された圧力の大きさが第1設定圧力以下である場合を示す接近必要区間;
前記第2測定部で測定された圧力の大きさが第2設定圧力以上である場合を示す離隔必要区間;および
前記第2測定部で測定された圧力の大きさが第1設定圧力と第2設定圧力の間であることを示す進行可能区間;を含むことを特徴とする、請求項18に記載の袖状胃切除術補助装置。
【請求項20】
前記表示部は、前記切除位置区間により互いに異なる色相を表示することを特徴とする、請求項18に記載の袖状胃切除術補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2020年03月31日付で出願された韓国特許出願第10-2021-0042250号から優先権を主張し、該当出願の明細書および図面に開示されたすべての内容は引用によって本出願に援用される。
【0002】
本発明は袖状胃切除術補助装置に関し、より詳細には、胃の内部に挿入されて切除手術を補助する袖状胃切除術補助装置に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、高度肥満の代表的な手術方法として袖状胃切除術がある。袖状胃切除術は腹腔鏡手術であって、観察用カメラ、ステープラ、牽引装置の特殊な道具を使って、胃を100-150mL体積の細くて一定の直径を有する胃の形態だけを残して切断する手術である。このような袖状胃切除術は他の手術とは異なって、外部の切開なしに内部臓器に直接接近するため手術後の回復がはやく、単純に胃の大きさを減らす手術であって、他の手術方法と比較した時に使用者の負担が少なく、合併症が最も低く発生する利点がある。このような袖状胃切除術は口を通じて胃内腔までブジーを挿入してブジーの形態に合うようにステープラと牽引装置を利用して胃を切断することによって遂行される。
【0004】
しかし、従来の袖状胃切除術のための手術道具は、切除時に必要な情報を定量的に提供できる手段がないため、胃を切断および牽引する過程で定められた基準なしに使用者の技術に依存することになることによって、手術後に残存する胃の形態と目標とした胃の形態間で差が大きく発生する問題点がある。残存胃の体積が過度に小さい場合は胃の食道逆流の副作用が発生し、残存胃の体積が過度に大きい場合には患者の体重調節の失敗あるいは体重再増加の結果を得ることになる問題点がある。
【0005】
本発明の背景技術は大韓民国公開特許公報第10-2020-0103489号(2020.09.02公開、発明の名称:胃の切除術ガイド用チューブ)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】大韓民国公開特許公報第10-2020-0103489号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、残留する胃の形態に対応して体積を調節できる袖状胃切除術補助装置を提供することにある。
【0008】
また、本発明の目的は、切除状態に対する情報を定量的に提供できる袖状胃切除術補助装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した課題を解決するために本発明に係る袖状胃切除術補助装置は:患者の胃の内部に挿入されるガイド部;前記ガイド部の外側に配置され、内部の空気量により体積が可変する拡張部;前記拡張部に加えられる圧力を測定し、前記拡張部の体積変化に連動して形状が可変する第1測定部;および前記第1測定部と連結され、前記第1測定部によって測定された圧力値を通じて切除位置情報を提供するモニター部;を含む。
【0010】
また、前記第1測定部は、前記拡張部に内側面に付着される複数個の第1測定部材;および隣り合う前記第1測定部材に連結され、隣り合う前記第1測定部材間の距離によって伸縮する連結部;を含む。
【0011】
また、前記第1測定部は前記拡張部の長さ方向に沿って延び、複数個で備えられて前記拡張部の円周方向に沿って離隔される。
【0012】
また、それぞれの前記第1測定部に備えられる複数個の前記第1測定部材は前記拡張部の長さ方向に沿って所定間隔離隔するように配置される。
【0013】
また、互いに異なる前記第1測定部に備えられる前記第1測定部材は前記拡張部の同一円周上に沿って配置される。
【0014】
また、前記連結部は長さ方向に沿ってジグザグ形態で延びる。
【0015】
また、前記連結部は外力が加えられる方向と並んでいる方向に直径が拡張され、格子形態で互いに連結される複数個の連結部材;を含む。
【0016】
また、前記連結部は通電可能な材質で備えられる。
【0017】
また、前記切除位置情報は前記拡張部から切除道具までの距離に対する情報である。
【0018】
また、前記モニター部は、前記第1測定部によって測定された圧力値に基づいて前記切除位置情報を判断する制御部;および前記制御部によって判断された情報を外部に表示する表示部;を含む。
【0019】
また、前記制御部は前記第1測定部で測定された圧力値の大きさにより切除位置区間を判断する。
【0020】
また、前記切除位置区間は、前記第1測定部で測定された圧力の大きさが第1設定圧力以下である場合を示す接近必要区間;と、前記第1測定部で測定された圧力の大きさが第2設定圧力以上である場合を示す離隔必要区間;および前記第1測定部で測定された圧力の大きさが第1設定圧力と第2設定圧力の間であることを示す進行可能区間;を含む。
【0021】
また、前記表示部は前記切除位置区間により互いに異なる色相を表示する。
【0022】
また、本発明に係る袖状胃切除術補助装置は患者の胃の内部に挿入されるガイド部;前記ガイド部の外側に配置され、内部の空気量により体積が可変する拡張部;前記拡張部内部の空気圧力を測定する第2測定部;および前記第2測定部と連結され、前記第2測定部によって測定された圧力値を通じて切除位置情報を提供するモニター部;を含む。
【0023】
また、前記第2測定部は前記拡張部の内部に空気を注入する注入部に連結される。
【0024】
また、前記切除位置情報は前記拡張部から切除道具までの距離に対する情報であることを特徴とする、袖状胃切除術補助装置。
【0025】
また、前記モニター部は、前記第2測定部によって測定された圧力値に基づいて前記切除位置情報を判断する制御部;および前記制御部によって判断された情報を外部に表示する表示部;を含む。
【0026】
また、前記制御部は前記第2測定部で測定された圧力値の大きさにより切除位置区間を判断する。
【0027】
また、前記切除位置区間は、前記第2測定部で測定された圧力の大きさが第1設定圧力以下である場合を示す接近必要区間;前記第2測定部で測定された圧力の大きさが第2設定圧力以上である場合を示す離隔必要区間;および前記第2測定部で測定された圧力の大きさが第1設定圧力と第2設定圧力の間であることを示す進行可能区間;を含む。
【0028】
また、前記表示部は前記切除位置区間により互いに異なる色相を表示する。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る袖状胃切除術補助装置は、ガイド部が形態の変更が自由に備えられることによって胃の内部への挿入が円滑になされ得る。
【0030】
また、本発明に係る袖状胃切除術補助装置は、胃の形態、大きさにより拡張部の体積を可変させることができるため、個別的な患者に適合な手術を遂行できる。
【0031】
また、本発明に係る袖状胃切除術補助装置は、第1測定部が形状を可変させることができるため拡張部の体積変化による切れなどのような破損が防止され得る。
【0032】
また、本発明に係る袖状胃切除術補助装置は、第1測定部材が複数個で備えられて拡張部の各位置別に加えられる圧力を個別的に測定できるため、より正確な圧力値を測定することができる。
【0033】
また、本発明に係る袖状胃切除術補助装置は、第2測定部が拡張部の外部で拡張部に加えられる圧力を測定できるように備えられるため、第2測定部の設置および管理が容易になされ得る。
【0034】
また、本発明に係る袖状胃切除術補助装置は、制御部が第1測定部または第2測定部によって測定された胃の内部の圧力を通じて定量的な情報を提供するため、手術者の熟練度にかかわらず一貫性のある手術を遂行できるようにすることができる。
【0035】
また、本発明に係る袖状胃切除術補助装置は、表示部が切除位置区間により互いに異なる色相を表示するため、切除位置、長さ情報をより直観的に識別可能に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の一実施例に係る袖状胃切除術補助装置の設置状態を概略的に示す設置状態図である。
図2】本発明の一実施例に係る袖状胃切除術補助装置の構成を概略的に示す斜視図である。
図3】本発明の一実施例に係る袖状胃切除術補助装置の構成を概略的に示す側面図である。
図4a】本発明の一実施例に係る連結部の構成を概略的に示す拡大図である。
図4b】本発明の一実施例に係る連結部の構成を概略的に示す拡大図である。
図5a】本発明の他の実施例に係る連結部の構成を概略的に示す拡大図である。
図5b】本発明の他の実施例に係る連結部の構成を概略的に示す拡大図である。
図6】本発明の一実施例に係るモニター部の構成を概略的に示すフローチャートである。
図7】本発明の一実施例に係る制御部によって判断される切除位置区間を概略的に示す図面である。
図8】本発明の一実施例に係る袖状胃切除術補助装置の作動過程を概略的に示す作動図である。
図9】本発明の一実施例に係る袖状胃切除術補助装置の作動過程を概略的に示す作動図である。
図10a】本発明の一実施例に係る制御部のガイド部の挿入過程での作動状態を概略的に示す作動図である。
図10b】本発明の一実施例に係る制御部のガイド部の挿入過程での作動状態を概略的に示す作動図である。
図11a】本発明の一実施例に係る制御部の接近必要区間での作動状態を概略的に示す作動図である。
図11b】本発明の一実施例に係る制御部の接近必要区間での作動状態を概略的に示す作動図である。
図12a】本発明の一実施例に係る制御部の離隔必要区間での作動状態を概略的に示す作動図である。
図12b】本発明の一実施例に係る制御部の離隔必要区間での作動状態を概略的に示す作動図である。
図13a】本発明の一実施例に係る制御部の進行可能区間での作動状態を概略的に示す作動図である。
図13b】本発明の一実施例に係る制御部の進行可能区間での作動状態を概略的に示す作動図である。
図14】本発明の一実施例に係る拡張部が胃の内壁に密着した状態を示す図面である。
図15図14の状態で拡張部の同一円周上に沿って配置された複数個の第1測定部材が測定した圧力値を示す図面である。
図16】本発明の一実施例に係る拡張部が胃の内壁に密着していない状態を示す図面である。
図17図16の状態で拡張部の同一円周上に沿って配置された複数個の第1測定部材が測定した圧力値を示す図面である。
図18】本発明の他の実施例に係る袖状胃切除術補助装置の構成を概略的に示す斜視図である。
図19】本発明の他の実施例に係るモニター部の構成を概略的に示すフローチャートである。
図20a】本発明の他の実施例に係る制御部のガイド部の挿入過程での作動状態を概略的に示す作動図である。
図20b】本発明の他の実施例に係る制御部のガイド部の挿入過程での作動状態を概略的に示す作動図である。
図21a】本発明の他の実施例に係る制御部の接近必要区間での作動状態を概略的に示す作動図である。
図21b】本発明の他の実施例に係る制御部の接近必要区間での作動状態を概略的に示す作動図である。
図22a】本発明の他の実施例に係る制御部の離隔必要区間での作動状態を概略的に示す作動図である。
図22b】本発明の他の実施例に係る制御部の離隔必要区間での作動状態を概略的に示す作動図である。
図23a】本発明の他の実施例に係る制御部の進行可能区間での作動状態を概略的に示す作動図である。
図23b】本発明の他の実施例に係る制御部の進行可能区間での作動状態を概略的に示す作動図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付された図面を参照して本発明に係る袖状胃切除術補助装置の実施例を説明する。
【0038】
この過程で図面に図示された線の厚さや構成要素の大きさなどは、説明の明瞭性と便宜上誇張されるように図示されていてもよい。また、後述される用語は本発明での機能を考慮して定義された用語であって、これは使用者、運用者の意図または慣例により変わり得る。したがって、このような用語に対する定義は本明細書全般に亘った内容に基づいて下されるべきである。
【0039】
また、本明細書で、或る部分が他の部分と「連結(または接続)」されているとする時、これは「直接的に連結(または接続)」されている場合だけでなく、その中間に他の部材を挟んで「間接的に連結(または接続)」されている場合も含む。本明細書で、或る部分が何らかの構成要素を「含む(または具備)」とする時、これは特に反対の記載がない限り他の構成要素を除くものではなく他の構成要素をさらに「含み(または具備)」得ることを意味する。
【0040】
また、本明細書全体に亘って同一の参照符号は同一の構成要素を指し示すことができる。同一の参照符号または類似する参照符号は特定図面で言及または説明されなくても、その符号は他の図面に基づいて説明され得る。また、特定図面に参照符号が表示されていない部分があっても、その部分は他の図面に基づいて説明され得る。また、本出願の図面に含まれた細部構成要素の個数、形状、大きさおよび大きさの相対的な差などは理解の便宜のために設定されたものであり、実施例を制限するものではなく多様な形態で具現され得る。
【0041】
図1は本発明の一実施例に係る袖状胃切除術補助装置の設置状態を概略的に示す設置状態図であり、図2は本発明の一実施例に係る袖状胃切除術補助装置の構成を概略的に示す斜視図であり、図3は、本発明の一実施例に係る袖状胃切除術補助装置の構成を概略的に示す側面図である。
【0042】
図1図3を参照すると、本発明の一実施例に係る袖状胃切除術補助装置1はガイド部100、拡張部200、第1測定部300、モニター部400を含む。
【0043】
ガイド部100は袖状胃切除手術時に患者の口腔または鼻腔を通じて食道を経て胃2の内部に挿入される。ガイド部100は後述する拡張部200を支持し、拡張部200が胃2の内部に挿入されることをガイドする。ガイド部100は形態が可変し得るようにシリコン、合成樹脂などの可撓性の材質を含むことができる。これに伴い、ガイド部100は胃2の内部への挿入がより円滑になされ得、胃の屈曲、形態などに対応して曲がったり反ったりすることによって切除手術後に残存する胃2の形態を流動的に決定することができる。
【0044】
本発明の一実施例に係るガイド部100は、シリコン材質を含むチューブの形態を有するように形成される。ガイド部100の直径は患者の食道の直径より小さい値を有するように形成され得る。ガイド部100の長さは、胃2の内部まで挿入され得る長さの範囲内で多様な値で設計変更が可能である。ガイド部100の端部は所定の曲率で膨らんでいるように形成されることによって胃2の内部への挿入がより円滑になされ得る。
【0045】
拡張部200はガイド部100の外側に設置され、内部の空気量により膨張または収縮して体積が可変する。拡張部200は胃2の内部で所定の体積を有するように体積が調節されることによって切除後残存する胃2の体積を決定する。拡張部200は可撓性を有するゴム、ラテックスなどの天然樹脂またはクロロプレンなどの合成樹脂材質を含むことができる。本発明の一実施例に係る拡張部200は円筒形のゴム膜の形態で形成されて、ガイド部100の外周面を囲むように配置される。拡張部200は両端がリング形態の固定手段によってガイド部100の外周面に固定される。拡張部200は注入部10と連通されて内部に空気の注入を受ける。拡張部200は内部に空気が注入されるにつれてガイド部100の外側に体積が膨張する。この場合、拡張部200は略風船のように、ガイド部100の外周面に密着した両端部の間で表面上に任意に設定した二つの地点間の距離が遠ざかる形態で膨張する。
【0046】
注入部10は拡張部200と連通されて、拡張部200の内部に空気を供給したり拡張部200の内部から空気を排出させ得るように備えられる。本発明の一実施例に係る注入部10は内部が空いている中空型の缶の形態を有するように形成されて、一側が拡張部200の内部と連通されるホース部材と、注射器、エアポンプなどの形態で形成され、ホース部材の他側に連結されて拡張部200の内部に空気を注入したり拡張部200の内部から空気を排出させる注入部材を含むことができる。
【0047】
第1測定部300は拡張部200の内部に配置されて拡張部200に加えられる圧力値を測定する。より具体的には、第1測定部300は切除手術時に切除道具3が胃2を圧迫することによって拡張部200の外側から拡張部200に加えられる圧力を測定する。第1測定部300は後述するモニター部400に連結されて測定した圧力値をモニター部400に伝達する。第1測定部300は拡張部200の体積変化に連動して形状が可変するように備えられる。これに伴い、第1測定部300は拡張部200の体積変化時に加えられる張力などのような外力を、形状の可変を通じて吸収することができる。第1測定部300は拡張部200の長さ方向に沿って延びる形態で形成され得る。第1測定部300は複数個で備えられ得、複数個の第1測定部300は拡張部200の円周方向に沿って所定間隔離隔して配置され得る。この場合、それぞれの第1測定部300は互いに異なる長さで延びることができる。
【0048】
本発明の一実施例に係る第1測定部300は第1測定部材310、連結部320を含む。
【0049】
第1測定部材310は拡張部200の内側面に付着されて拡張部200に加えられる圧力を測定する。第1測定部材310は複数個で備えられて拡張部200に加えられる圧力をそれぞれ個別的に測定することができる。これに伴い、第1測定部材310は拡張部200の各位置別に加えられる圧力値をより正確に測定することができる。本発明の一実施例に係る第1測定部材310は、拡張部200の外側で加えられる圧力値に応じて電気信号を出力するロードセルのような接触式圧力センサの形態で形成され得る。第1測定部材310は拡張部200の屈曲などにかかわらず拡張部200の内側面に密着できるように可撓性を有する薄膜の形態で形成され得る。
【0050】
それぞれの第1測定部300に備えられる複数個の第1測定部材310は拡張部200の長さ方向に沿って所定間隔離隔して配置され得る。この場合、それぞれの第1測定部300に備えられる複数個の第1測定部材310は同じ間隔で離隔して、互いに異なる第1測定部300に備えられる第1測定部材310は拡張部200の同一円周上に沿って配置され得る。すなわち、図面に図示された通り、複数個の第1測定部材300は拡張部200の長さ方向に沿って離隔した拡張部200の互いに異なる円周上でリング形態をなすように配置され得る。これに伴い、第1測定部材310は後述するモニター部400に、拡張部200の胃2の内壁に対する密着状態を判断するようにすることができる。
【0051】
連結部320は隣り合う第1測定部材310に連結される。連結部320は銅などのような通電可能な材質で備えられて隣り合う第1測定部材310を電気的に連結させ、第1測定部材310から出力された電気信号を後述するモニター部400に伝達する。連結部320は複数個で備えられて拡張部200の長さ方向に沿って所定間隔離隔して配置された第1測定部材310を順次連結する。より具体的には、最後方に配置された連結部320を除いた残りの連結部320は両端が一対の第1測定部材310にそれぞれ連結され、最後方に配置された連結部320は一端が最後方に配置された第1測定部材310に連結され、他端がモニター部400に連結される。複数個の連結部320は拡張部200の長さ方向と並んでいる方向に配置され得る。
【0052】
連結部320は隣り合う第1測定部材310間の距離によって伸縮するように備えられる。より具体的には、連結部320は拡張部200の体積変化による隣り合う第1測定部材310間の距離変化量を伸縮動作によって吸収できるように備えられる。これに伴い、連結部320は隣り合う第1測定部材310間の距離が遠ざかることによって加えられる張力によって切れることが防止され得る。
【0053】
図4a、図4bは、本発明の一実施例に係る連結部の構成を概略的に示す拡大図である。
【0054】
図4a、図4bを参照すると、連結部320は長さ方向に沿ってジグザグ形態で延びるワイヤーの形態で形成され得る。より具体的には、連結部320は拡張部200の体積の拡張に先立ってジグザグ形態で圧縮されて延長可能な長さを予め蓄積し、拡張部200の体積が拡張されるにつれて一直線に伸びて長さが延びる。これに伴い、連結部320は過度に体積を占めずとも伸縮動作を円滑に遂行できる。
【0055】
図5a、図5bは、本発明の他の実施例に係る連結部の構成を概略的に示す拡大図である。
【0056】
図5a、図5bを参照すると、本発明の他の実施例に係る連結部320は連結部材321を含むことができる。
【0057】
連結部材321は外力が加えられる方向と並んでいる方向に直径が拡張されるように形成される。連結部材321は複数個で備えられて格子形態で互いに連結される。本発明の一実施例に係る連結部材321はリング形態のワイヤーの形状で形成される。連結部材321は隣り合う第1測定部材310間の距離が遠ざかるにつれて一方向(図5基準上下方向)に外力が加えられる場合、該当方向への直径が拡張され、該当方向と垂直な方向への直径は縮小される。複数個の連結部材321はいずれか一つの連結部材321を基準として、上、下、左、右に4個の互いに異なる連結部材321が絡まった形態が繰り返される形状で連結される。複数個の連結部材321は第1測定部材310から出力される電気信号を伝達できるように電気的に互いに連結される。
【0058】
モニター部400は第1測定部300に連結され、第1測定部300により測定された圧力値を通じて切除位置情報を判断し、判断された切除位置情報を使用者に提供する。ここで、切除位置情報は拡張部200から切除道具3までの距離に対する情報で例示され得る。
【0059】
図6は、本発明の一実施例に係るモニター部の構成を概略的に示すフローチャートである。
【0060】
図6を参照すると、本発明の一実施例に係るモニター部400は制御部410、表示部420を含む。
【0061】
制御部410は第1測定部300により測定された圧力値に基づいて切除位置情報情報を判断する。より具体的には、制御部410は第1測定部300で測定された圧力値を拡張部200から切除道具3の間の距離に対する情報に変換して切除道具3の切除位置情報を判断する。すなわち、制御部410は第1測定部300で測定された圧力値の大きさにより切除位置区間Dを判断することによって切除位置情報を判断する。本発明の一実施例に係る制御部410は、第1測定部材310と連結されて第1測定部材310から測定された圧力値の伝達を受けるマイクロプロセッサ、コンピュータなどで例示され得る。制御部410は連結部320を通じて有線で第1測定部材310から測定された圧力値の伝達を受けることができる。この場合、制御部410は複数個の第1測定部材310により測定された圧力の平均値を利用して切除道具3の切除位置情報を判断することができる。
【0062】
切除位置区間Dはガイド部100の挿入直後に第1測定部300により測定された胃2の内部の初期圧力P0値を基準として、圧力値をその大きさにより分割した区間を意味する。より具体的には、切除位置区間Dはガイド部100の挿入後、切除道具3によって胃2の加圧または切除位置を変化させることによって第1測定部300により測定される圧力区間のうち互いに異なる一対の圧力値間の区間を意味する。
【0063】
図7は、本発明の一実施例に係る制御部によって判断される切除位置区間を概略的に示す図面である。
【0064】
図7を参照すると、本発明の一実施例に係る切除位置区間Dは接近必要区間D1、進行可能区間D2、離隔必要区間D3を含む。
【0065】
接近必要区間D1は第1測定部300で測定された圧力の大きさが初期圧力P0以上、第1設定圧力P1以下である場合を示す。ここで、第1設定圧力P1は使用者が目標にしようとした残存の胃2の大きさを形成できる拡張部200から切除道具3までの距離のうち最大距離で測定された圧力値であり、胃2の形態、大きさなどにより多様に設計変更が可能である。すなわち、接近必要区間D1は制御部410が第1測定部300により測定された圧力値を通じて切除道具3が拡張部200から過多に遠く離れていると判断する区間に該当する。
【0066】
離隔必要区間D3は第1測定部300で測定された圧力の大きさが第2設定圧力P2以上の場合を示す。ここで、第2設定圧力P2は使用者が目標にしようとした残存の胃2の大きさを形成できる拡張部200から切除道具3までの距離のうち最小距離で測定された圧力値であり、胃2の形態、大きさなどにより多様に設計変更が可能である。より具体的には、第2設定圧力P2は第1測定部300が測定できる最大圧力または胃2粘膜が破裂する圧力(Pmax)以下である場合を示す。すなわち、離隔必要区間D3は制御部410が第1測定部300により測定された圧力値を通じて切除道具3が拡張部200から過多に近接していると判断する区間に該当する。
【0067】
進行可能区間D2は第1測定部300で測定された圧力の大きさが第1設定圧力P1と第2設定圧力P2の間であることを示す。すなわち、進行可能区間D2は制御部410が第1測定部300により測定された圧力値を通じて切除道具3が拡張部200から適切な距離に位置していると判断する区間に該当する。
【0068】
制御部410は患者の胃の長さが短いため拡張部200のうち一部が胃2の内部に挿入されなかった場合、該当拡張部200の圧力値を測定する第1測定部300の第1測定部材310を判断対象から除外する。より具体的には、制御部410は胃2の内部に配置されて胃2の内部の初期圧力P0と同一の測定値を測定する第1測定部材310と、胃2の外部に配置されて初期圧力P0と異なる測定値を測定する第1測定部材310を区分する。制御部410は胃2の内部の初期圧力P0と同じ測定値を測定する第1測定部300は接近必要区間D1にあると判断し、そうでない第1測定部300は判断対象から除外する。
【0069】
制御部410は複数個の第1測定部材310の測定値を通じて、胃2の内部に挿入された拡張部200が胃2の内壁に正しく密着したどうかを判断することができる。より具体的には、制御部410は拡張部200が胃の内部に挿入された場合、拡張部200の同一円周上に沿って配置された複数個の第1測定部材310が個別的に測定した圧力値の大きさを比較することによって、胃2の内部に挿入された拡張部200が胃2の内壁に正しく密着したかどうかを判断することができる。すなわち、制御部410は拡張部200の同一円周上に沿って配置された複数個の第1測定部材310のうち、胃2の内壁に接触した第1測定部材310の測定値の差が設定大きさ以内である場合は拡張部200が胃2の内壁に正しく密着したと判断し、胃2の内壁に接触した第1測定部材310のうちいずれか一対の測定値が設定大きさ以上の場合には拡張部200が胃2の内壁に正しく密着していないと判断する。ここで、圧力値の設定大きさは使用者の設定により多様に設計変更が可能である。
【0070】
表示部420は制御部410により判断された情報を使用者に視覚的に表示する。これに伴い、表示部420は映像情報を出力するディスプレイモジュールなどで例示され得る。表示部420は制御部410により判断された切除位置区間Dの種類によって互いに異なる色相を表示する。第1測定部300の第1測定部材310が複数個で備えられることによって、表示部420はそれぞれの第1測定部材310に対する情報を個別的に表示することができる。
【0071】
本発明の一実施例に係る表示部420は、制御部410の判断対象から除外された第1測定部材310に対して第1色相C1を表示し、制御部410により接近必要区間D1にあると判断された第1測定部材310に対して第2色相C2を表示し、制御部410により離隔必要区間D3にあると判断された第1測定部材310に対して第3色相C3を表示し、制御部410により進行可能区間D2にあると判断された第1測定部材310に対して第4色相C4を表示する。第1色相C1~第4色相C4は互いに区別可能な色相の種類内で多様な設計変更が可能である。
【0072】
表示部420は後述するように制御部410により拡張部200が胃2の内壁に密着していないと判断された場合、警告信号を発生させることができる。この場合、警告信号は警報音などの聴覚信号、または第1色相C1~第4色相C4とは異なる色相の視覚信号などで例示され得る。
【0073】
以下では、本発明の一実施例に係る袖状胃切除術補助装置1の作動を詳細に説明することにする。
【0074】
図8図9は、本発明の一実施例に係る袖状胃切除術補助装置の作動過程を概略的に示す作動図である。
【0075】
図8図9を参照すると、患者の口腔または鼻腔に挿入されたガイド部100は食道を通じて胃2の内部に挿入される。胃2の内部に挿入されたガイド部100は、端部が胃2の幽門と対向するように配置され、胃2の内側面と近接するように配置される。この場合、ガイド部100は胃2の屈曲などに対応して形状が可変され得る。
【0076】
以後、注入部10を通じて拡張部200の内部に空気を注入して拡張部200の体積を膨張させる。この場合、拡張部200は両端部がガイド部100の外側面に密着固定されて内部の空気流出が防止されることによって体積が膨張した状態を維持することができる。拡張部200は略風船のように、ガイド部100の外周面に密着した両端部間で表面上に任意に設定した二つの地点間の距離が遠ざかる形態で膨張する。
【0077】
このような過程で、拡張部200の体積変化に連動して第1測定部300の形状が可変する。
【0078】
より具体的には、拡張部200の体積が拡張されることによって隣り合う第1測定部材310間の距離が遠ざかる。
【0079】
隣り合う第1測定部材310間の距離が遠ざかるにつれて一対の第1測定部材310は連結部320に張力を発生させる。
【0080】
連結部320は張力と並んでいる方向に隣り合う第1測定部材310間の距離の変化量だけ伸張して加えられる張力を相殺させる。これに伴い、連結部320は張力によって切れることが防止され得る。
【0081】
以後、拡張部200の体積が再び縮小されて第1測定部材310間の距離が近くなる場合、連結部320は拡張部200の弾性復原力によって本来の形態に復元される。
【0082】
モニター部400は第1測定部300により測定された圧力値を通じて使用者に切除位置情報を提供する。
【0083】
図10a、図10bは、本発明の一実施例に係る制御部のガイド部の挿入過程での作動状態を概略的に示す作動図である。
【0084】
図10a、図10bを参照すると、まず制御部410はガイド部100が胃2の内部に挿入された状態で、胃2の内部に配置されて胃2の内部の初期圧力P0と同じ測定値を測定する第1測定部材310と、胃2の外部に配置されて初期圧力P0と異なる測定値を測定する第1測定部材310の個数をそれぞれ算出する。以後、制御部410は胃2の内部の初期圧力P0と同じ測定値を測定する第1測定部材310は接近必要区間D1にあると判断し、そうでない第1測定部材310は判断対象から除外する。
【0085】
表示部420は制御部410により判断された情報を外部に表示する。すなわち、図10に図示された通り、表示部420は制御部410により判断対象から除外された第1測定部材310に対しては第1色相C1を表示し、制御部410により接近必要区間D1にあると判断された第1測定部材310に対しては第2色相C2を表示する。
【0086】
図11a、図11bは、本発明の一実施例に係る制御部の接近必要区間での作動状態を概略的に示す作動図である。
【0087】
図11a、図11bを参照すると、制御部410は第1測定部300の変化する圧力値を通じて切除道具3の切除位置情報を判断し、表示部420は判断された情報を外部に表示する。
【0088】
より具体的には、図11aに図示された通り、切除道具3が使用者が目標にしようとした残存の胃2の大きさを形成できる拡張部200から切除道具3までの距離より遠く離れた状態で胃2を加圧する場合、第1測定部材310は第1設定圧力P1より低い圧力を測定する。
【0089】
制御部410は第1測定部材310が測定した圧力値が接近必要区間D1にあると判断し、該当情報を表示部420に伝達する。この場合、制御部410は複数個の第1測定部材310のうち判断対象から除外していない残りの第1測定部材310、すなわち図10a、10bで接近必要区間D1にあると判断された第1測定部材310が測定した圧力の平均値を利用することができる。
【0090】
表示部420は第2色相C2を外部に表示することによって、切除道具3が拡張部200から過多に遠く離れているので切除道具3の近接が必要であるという情報を視覚的に提供する。
【0091】
図12a、図12bは、本発明の一実施例に係る制御部の離隔必要区間での作動状態を概略的に示す作動図である。
【0092】
図12a、図12bを参照すると、切除道具3が使用者が目標にしようとした残存の胃2の大きさを形成できる拡張部200から切除道具3までの距離より近接した状態で胃2を加圧する場合、第1測定部材310は第2設定圧力P2より高い圧力を測定する。
【0093】
制御部410は第1測定部材310が測定した圧力値が離隔必要区間D3にあると判断し、該当情報を表示部420に伝達する。
【0094】
表示部420は第3色相C3を外部に表示することによって、切除道具3が拡張部200から過多に遠く離れているので切除道具3の離隔が必要であるという情報を視覚的に提供する。
【0095】
図13a、図13bは、本発明の一実施例に係る制御部の進行可能区間での作動状態を概略的に示す作動図である。
【0096】
図13a、図13bを参照すると、切除道具3が使用者が目標にしようとした残存の胃2の大きさを形成できる拡張部200から切除道具3までの距離の範囲内で胃2を加圧する場合、第1測定部材310は第1設定圧力P1と第2設定圧力P2の間の圧力値を測定する。
【0097】
制御部410は第1測定部材310が測定した圧力値が進行可能区間D2にあると判断し、該当情報を表示部420に伝達する。
【0098】
表示部420は第4色相C4を外部に表示することによって、切除道具3が拡張部200から適切な位置に位置しているので切除道具3による切除を進行することができるという情報を視覚的に提供する。
【0099】
一方、拡張部200が胃2の内部に挿入された以後、制御部410は拡張部200の同一円周上に沿って配置された複数個の第1測定部材310の測定値を通じて胃2の内部に挿入された拡張部200が胃2の内壁に正しく密着したかどうかを判断することができる。
【0100】
図14は本発明の一実施例に係る拡張部が胃の内壁に密着した状態を示す図面であり、図15図14の状態で拡張部の同一円周上に沿って配置された複数個の第1測定部材が測定した圧力値を示す図面である。
【0101】
図14図15を参照すると、胃2の内部に挿入された拡張部200が胃2の内壁に完全に密着した場合、拡張部200の同一円周上に沿って配置された複数個の第1測定部材310のうち、胃2の内壁に接触した第1測定部材310は均一な加圧力によって設定大きさ以内の測定値を出力し、制御部410は拡張部200が胃2の内壁に正しく密着したと判断する。
【0102】
図16は本発明の一実施例に係る拡張部が胃の内壁に密着していない状態を示す図面であり、図17図16の状態で拡張部の同一円周上に沿って配置された複数個の第1測定部材が測定した圧力値を示す図面である。
【0103】
図16図17を参照すると、胃2の内部に挿入された拡張部200が胃2の内壁に完全に密着していない場合、拡張部200の同一円周上に沿って配置された複数個の第1測定部材310のうち、胃2の内壁に接触した第1測定部材310は不均一な加圧力によって互いに異なる測定値を出力する。
【0104】
制御部410は胃2の内壁に接触した第1測定部材310のうちいずれか一つの対の測定値が設定大きさ以上の場合、拡張部200が胃2の内壁に正しく密着していないと判断する。制御部410により拡張部200が胃2の内壁に正しく密着していないと判断された場合、表示部420は警告信号を発生させて使用者に、拡張部200が胃2の内壁に正しく密着していないことを認知させる。
【0105】
以下では、本発明の他の実施例に係る袖状胃切除術補助装置1’の構成を説明することにする。
【0106】
この過程で、本発明の一実施例に係る袖状胃切除術補助装置1と重複する説明は省略することにする。
【0107】
図18は、本発明の他の実施例に係る袖状胃切除術補助装置の構成を概略的に示す斜視図である。
【0108】
図18を参照すると、本発明の他の実施例に係る袖状胃切除術補助装置1’はガイド部100、拡張部200、第2測定部500、モニター部600を含む。
【0109】
第2測定部500は拡張部200の内部の空気圧力を測定する。より具体的には、第2測定部500は切除手術時に切除道具3が胃2を加圧することによって拡張部200に加えられる圧力により変化する拡張部200の内部の空気圧力値を測定できるように備えられる。本発明の一実施例に係る第2測定部500は、拡張部200と連通された注入部10に連結され、注入部10を通じて拡張部200の内部に注入される空気の圧力を測定する圧力センサの形態で形成され得る。これに伴い、第2測定部500は拡張部200の外部から拡張部200に加えられる圧力を測定できるため、設置および管理が容易になされ得る。第2測定部500には測定された圧力値を使用者に視覚的な形態の情報で提供できる圧力ゲージが設置され得る。
【0110】
モニター部600は第2測定部500に連結され、第2測定部500により測定された圧力値を通じて切除位置情報を判断し、判断された切除位置情報を使用者に提供する。ここで、切除位置情報は拡張部200から切除道具3までの距離に対する情報で例示され得る。
【0111】
図19は、本発明の他の実施例に係るモニター部の構成を概略的に示すフローチャートである。
【0112】
図19を参照すると、本発明の他の実施例に係るモニター部600は制御部610、表示部620を含む。
【0113】
制御部610は第2測定部500により測定された圧力値に基づいて切除位置情報情報を判断する。より具体的には、制御部610は第2測定部500で測定された圧力値を拡張部200から切除道具3の間の距離に対する情報に変換して切除道具3の切除位置情報を判断する。すなわち、制御部610は第2測定部500で測定された圧力値の大きさにより切除位置区間Dを判断することによって切除位置情報を判断する。本発明の他の実施例に係る制御部610は、第2測定部500と連結されて第2測定部500から測定された圧力値の伝達を受けるマイクロプロセッサ、コンピュータなどで例示され得る。制御部610はケーブル等を通じて有線で第2測定部500から測定された圧力値の伝達を受けることができ、別途の無線通信モジュールを通じて第2測定部500から測定された圧力値の伝達を受けてもよい。
【0114】
切除位置区間Dはガイド部100の挿入直後に第2測定部500により測定された胃2の内部の初期圧力P0値を基準として、圧力値をその大きさにより分割した区間を意味する。より具体的には、切除位置区間Dはガイド部100の挿入後、切除道具3によって胃2の加圧または切除位置を変化させることによって第2測定部500により測定される圧力区間のうち互いに異なる一対の圧力値間の区間を意味する。
【0115】
切除位置区間Dは接近必要区間D1、進行可能区間D2、離隔必要区間D3を含む。
【0116】
接近必要区間D1は第2測定部500で測定された圧力の大きさが初期圧力P0以上、第1設定圧力以下P1の場合を示す。ここで、第1設定圧力P1は使用者が目標にしようとした残存の胃2の大きさを形成できる拡張部200から切除道具3までの距離のうち最大距離で測定された圧力値であり、胃2の形態、大きさなどにより多様に設計変更が可能である。すなわち、接近必要区間D1は制御部410が第2測定部500により測定された圧力値を通じて切除道具3が拡張部200から過多に遠く離れていると判断する区間に該当する。
【0117】
離隔必要区間D3は第2測定部500で測定された圧力の大きさが第2設定圧力P2以上の場合を示す。ここで、第2設定圧力P2は使用者が目標にしようとした残存の胃2の大きさを形成できる拡張部200から切除道具3までの距離のうち最小距離で測定された圧力値であり、胃2の形態、大きさなどにより多様に設計変更が可能である。より具体的には、第2設定圧力P2は第2測定部500が測定できる最大圧力または胃2粘膜が破裂する圧力(Pmax)以下である場合を示す。すなわち、離隔必要区間D3は制御部610が第2測定部500により測定された圧力値を通じて切除道具3が拡張部200から過多に近接していると判断する区間に該当する。
【0118】
進行可能区間D2は第2測定部500で測定された圧力の大きさが第1設定圧力P1と第2設定圧力P2の間であることを示す。すなわち、進行可能区間D2は制御部610が第2測定部500により測定された圧力値を通じて切除道具3が拡張部200から適切な距離に位置していると判断する区間に該当する。
【0119】
表示部620は制御部610により判断された情報を使用者に視覚的に表示する。これに伴い、表示部620は映像情報を出力するディスプレイモジュールなどで例示され得る。表示部620は制御部610により判断された切除位置区間Dの種類によって互いに異なる色相を表示する。
【0120】
本発明の他の実施例に係る表示部620は制御部610が第2測定部500により測定された圧力値が接近必要区間D1にあると判断する場合、第2色相C2を表示し、制御部610が第2測定部500により測定された圧力値が離隔必要区間D3にあると判断する場合、第3色相C3を表示し、制御部610が第2測定部500により測定された圧力値が進行可能区間D2にあると判断する場合、第4色相C4を表示する。第2色相C2~第4色相C4は互いに区別可能な色相の種類内で多様な設計変更が可能である。
【0121】
以下では、本発明の他の実施例に係る袖状胃切除術補助装置4の作動過程を詳細に説明することにする。
【0122】
図20a、図20bは、本発明の他の実施例に係る制御部のガイド部の挿入過程での作動状態を概略的に示す作動図である。
【0123】
図20a、図20bを参照すると、ガイド部100が胃2の内部に挿入された直後、第2測定部500は胃2の内部の初期圧力P0を測定することによって、制御部610は第2測定部500により測定された圧力値が接近必要区間D1にあると判断し、表示部620は第2色相C2を表示する。
【0124】
図21a、図21bは、本発明の他の実施例に係る制御部の接近必要区間での作動状態を概略的に示す作動図である。
【0125】
図21a、図21bを参照すると、切除道具3が使用者が目標にしようとした残存の胃2の大きさを形成できる拡張部200から切除道具3までの距離より遠く離れた状態で胃2を加圧する場合、第2測定部500は第1設定圧力P1より低い圧力を測定する。
【0126】
制御部610は第2測定部500が測定した圧力値が接近必要区間D1にあると判断し、該当情報を表示部620に伝達する。
【0127】
表示部620は第2色相C2を外部に表示することによって、切除道具3が拡張部200から過多に遠く離れているので切除道具3の近接が必要であるという情報を視覚的に提供する。
【0128】
図22a、図22bは、本発明の他の実施例に係る制御部の離隔必要区間での作動状態を概略的に示す作動図である。
【0129】
図22a、図22bを参照すると、切除道具3が使用者が目標にしようとした残存の胃2の大きさを形成できる拡張部200から切除道具3までの距離より近接した状態で胃2を加圧する場合、第2測定部500は第2設定圧力P2より高い圧力を測定する。
【0130】
制御部610は第2測定部500が測定した圧力値が離隔必要区間D3にあると判断し、該当情報を表示部620に伝達する。
【0131】
表示部620は第3色相C3を外部に表示することによって、切除道具3が拡張部200から過多に遠く離れているので切除道具3の離隔が必要であるという情報を視覚的に提供する。
【0132】
図23a、図23bは、本発明の他の実施例に係る制御部の進行可能区間での作動状態を概略的に示す作動図である。
【0133】
図23a、図23bを参照すると、切除道具3が使用者が目標にしようとした残存の胃2の大きさを形成できる拡張部200から切除道具3までの距離の範囲内で胃2を加圧する場合、第2測定部500は第1設定圧力P1と第2設定圧力P2の間の圧力値を測定する。
【0134】
制御部610は第2測定部500が測定した圧力値が進行可能区間D2にあると判断し、該当情報を表示部620に伝達する。
【0135】
表示部620は第4色相C4を外部に表示することによって、切除道具3が拡張部200から適切な位置に位置しているので切除道具3による切除を進行することができるという情報を視覚的に提供する。
【0136】
本発明は図面に図示された実施例を参照して説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当該技術が属する分野で通常の知識を有する者であればこれから多様な変形および均等な他の実施例が可能であるという点が理解できるであろう。
【0137】
したがって、本発明の技術的保護範囲は下記の特許請求の範囲によって定められるべきである。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9
図10a
図10b
図11a
図11b
図12a
図12b
図13a
図13b
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20a
図20b
図21a
図21b
図22a
図22b
図23a
図23b
【国際調査報告】