(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】スプライシング表示ユニット及び表示スクリーン
(51)【国際特許分類】
G09F 9/40 20060101AFI20240305BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20240305BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20240305BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
G09F9/40 301
G02F1/1333
G02F1/1335
G09F9/30 349C
G09F9/30 349D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022573355
(86)(22)【出願日】2021-03-26
(85)【翻訳文提出日】2022-11-28
(86)【国際出願番号】 CN2021083428
(87)【国際公開番号】W WO2022198679
(87)【国際公開日】2022-09-29
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】512116114
【氏名又は名称】北京京▲東▼方▲顯▼示技▲術▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING BOE DISPLAY TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.118 Jinghaiyilu,BDA,Beijing 100176,P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】付 常佳
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 恩▲亮▼
(72)【発明者】
【氏名】石 ▲海▼▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】董 ▲飛▼
(72)【発明者】
【氏名】▲鐘▼ ▲維▼
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼ ▲曉▼▲ディ▼
(72)【発明者】
【氏名】屈 ▲慶▼山
【テーマコード(参考)】
2H189
2H291
5C094
【Fターム(参考)】
2H189AA37
2H189AA64
2H189HA16
2H189LA02
2H189LA07
2H189LA15
2H291FA14
2H291FA51X
2H291FA95X
2H291LA21
2H291LA40
5C094AA01
5C094ED11
5C094ED15
5C094FA04
5C094JA08
(57)【要約】
本発明は、スプライシング表示ユニット及び表示スクリーンを提供し、それによりシームを視覚的に除去し、スプライシングに対するユーザの視覚効果を向上させ、視覚的にシームがないというユーザの主観的な感覚を達成する。該表示スクリーンは、緊密に配列された複数の表示モジュールと複数の光学構造とを含み、各表示モジュールは、表示領域と、表示領域を取り囲んで設けられた黒縁領域とを含み、隣接する2つの表示モジュールの黒縁領域はスプライシングされてシームを形成し、光学構造の第1表面のシームに近い端は第1円弧面であり、第1円弧面は、表示モジュールの表示領域から発せられた光を屈折させてシームに対応する正視領域に分布させるために用いられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示スクリーンであって、
緊密に配列された複数の表示モジュールと複数の光学構造とを含み、各光学構造は1つの前記表示モジュールに対応して設けられ、前記表示モジュールの出光面側に設けられ、隣接する2つの前記表示モジュールは密着して設けられ、隣接する2つの前記表示モジュール上の前記光学構造は密着して設けられ、
各前記表示モジュールは、表示領域と、前記表示領域を取り囲んで設けられた黒縁領域とを含み、隣接する2つの前記表示モジュールの前記黒縁領域はスプライシングされてシームを形成し、
各前記光学構造は対向して設けられた第1表面と第2表面とを含み、前記光学構造の第2表面は前記表示モジュールに密着され、
前記光学構造の第1表面の前記シームに近い端は第1円弧面であり、前記第1円弧面は、前記表示モジュールの表示領域から発せられた光を屈折させて前記シームに対応する正視領域に分布させるために用いられる、ことを特徴とする表示スクリーン。
【請求項2】
前記第1円弧面は凸状の円弧面構造である、ことを特徴とする請求項1に記載の表示スクリーン。
【請求項3】
前記第1円弧面の前記表示モジュールにおける正投影の、前記シームの幅方向に沿ったサイズは、前記シームの幅以上であり、前記シームの幅に5mmを加えたもの以下であり、前記シームの幅は0.88mm~3.9mmであり、及び/又は、
前記第1円弧面は、前記表示モジュールに近い第1端と、前記表示モジュールから離れる第2端とを含み、前記第1円弧面の第1端が位置する水平面から前記第1円弧面の第2端が位置する水平面までの距離は、前記光学構造の厚さの半分以下であり、及び/又は、前記第1円弧面の半径は、前記シームの幅以上であり、前記シームの幅に5mmを加えたもの以下であり、前記シームの幅は0.88mm~3.9mmであり、及び/又は、
前記第1円弧面の半径は2mm~5mmであり、及び/又は、
前記光学構造の厚さは3mm~10mmである、ことを特徴とする請求項1に記載の表示スクリーン。
【請求項4】
前記光学構造の第2表面の前記シームに近い端は第2円弧面であり、前記表示モジュールの表示領域から発せられた光は、前記第2円弧面によって反射されて前記シームに対応する非正視領域の光線を補充する、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の表示スクリーン。
【請求項5】
前記第2円弧面は凹状の円弧面構造である、ことを特徴とする請求項4に記載の表示スクリーン。
【請求項6】
前記第2円弧面は、前記表示モジュールに近い第3端と、前記表示モジュールから離れる第4端とを含み、前記第4端が位置する水平面から前記第3端が位置する水平面までの距離は、前記シームの幅の半分以上であり、前記光学構造の厚さから1mmを引いたもの以下であり、及び/又は、
前記第1円弧面の前記第2表面に近い端と前記第2円弧面の前記第1表面に近い端との間の距離は、0.3mm以上1mm以下であり、及び/又は、
前記第2円弧面の半径は2mm~8mmである、ことを特徴とする請求項4に記載の表示スクリーン。
【請求項7】
スプライシング表示ユニットであって、
積層して設けられた表示モジュールと光学構造とを含み、前記光学構造は前記表示モジュールの出光面側に設けられ、
前記表示モジュールは、表示領域と、前記表示領域を取り囲んで設けられた黒縁領域とを含み、
各前記光学構造は対向して設けられた第1表面と第2表面とを含み、前記光学構造の第2表面は前記表示モジュールに密着され、
前記光学構造の第1表面の前記表示モジュールの黒縁領域に近い端は第1円弧面であり、前記第1円弧面は、前記表示モジュールの表示領域から発せられた光を屈折させて前記黒縁領域に対応する正視領域に分布させるために用いられる、ことを特徴とするスプライシング表示ユニット。
【請求項8】
前記第1円弧面は凸状の円弧面構造である、ことを特徴とする請求項7に記載のスプライシング表示ユニット。
【請求項9】
前記第1円弧面の前記表示モジュールにおける正投影の、前記黒縁領域の幅方向に沿ったサイズは、前記黒縁領域の幅の2倍以上であり、前記黒縁領域の幅の2倍に5mmを加えたもの以下であり、前記黒縁領域の幅は0.44mm~1.95mmであり、及び/又は、
前記第1円弧面は、前記表示モジュールに近い第1端と、前記表示モジュールから離れる第2端とを含み、前記第1円弧面の第1端が位置する水平面から前記第1円弧面の第2端が位置する水平面までの距離は、前記光学構造の厚さの半分以下であり、及び/又は、
前記第1円弧面の半径は、前記黒縁領域の幅の2倍以上であり、前記黒縁領域の幅の2倍に5mmを加えたもの以下であり、前記黒縁領域の幅は0.44mm~1.95mmであり、及び/又は、
前記第1円弧面の半径は2mm~5mmであり、及び/又は、
前記光学構造の厚さは3mm~10mmである、ことを特徴とする請求項7に記載のスプライシング表示ユニット。
【請求項10】
前記光学構造の第2表面の前記表示モジュールの黒縁領域に近い端は第2円弧面であり、前記表示モジュールの表示領域から発せられた光は、前記第2円弧面によって反射されて前記黒縁領域に対応する非正視領域の光線を補充する、ことを特徴とする請求項7~9のいずれか1項に記載のスプライシング表示ユニット。
【請求項11】
前記第2円弧面は凹状の円弧面構造である、ことを特徴とする請求項10に記載のスプライシング表示ユニット。
【請求項12】
前記第2円弧面は、前記表示モジュールに近い第3端と、前記表示モジュールから離れる第4端とを含み、前記第4端が位置する水平面から前記第3端が位置する水平面までの距離は、前記黒縁領域の幅以上であり、前記光学構造の厚さから1mmを引いたもの以下であり、前記黒縁領域の幅は0.44mm~1.95mmであり、及び/又は、
前記第1円弧面の前記第2表面に近い端と前記第2円弧面の前記第1表面に近い端との間の距離は、0.3mm以上1mm以下であり、及び/又は、
前記第2円弧面の半径は2mm~8mmである、ことを特徴とする請求項10に記載のスプライシング表示ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示の技術分野に関し、特にスプライシング表示ユニット及び表示スクリーンに関する。
【背景技術】
【0002】
市場とユーザのニーズが高まるにつれて、スプライシングスクリーンは、より優れた視覚体験を達成するために非常に狭い額縁を追求し続けている。しかしながら、液晶スクリーンが用いた液晶のシール封止構造、そのエッジのブラックマトリックスとシール領域の技術的限界により、スクリーンエッジでの黒縁を完全に除去することができず、スプライシングすると、
図1のB領域に示すように、明らかな黒縁、すなわちシームがあり、表示画像を見るユーザの視覚効果に深刻な影響を与えている。
【0003】
従って、如何にユーザの視覚効果を向上させ、視覚的にシームがないというユーザの主観的な感覚を達成することができるかは、本分野で早急に解決すべき技術的難題である。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、スプライシング表示ユニット及び表示スクリーンを提供し、シームを視覚的に除去し、スプライシングに対するユーザの視覚効果を向上させ、視覚的にシームがないというユーザの主観的な感覚を達成することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例の第1態様によれば、表示スクリーンを提供し、前記表示スクリーンは、緊密に配列された複数の表示モジュールと複数の光学構造とを含み、各光学構造は前記表示モジュールに対応して設けられ、前記表示モジュールの出光面側に設けられ、隣接する2つの前記表示モジュールは密着して設けられ、隣接する2つの前記表示モジュール上の前記光学構造は密着して設けられ、
【0006】
各前記表示モジュールは、表示領域と、前記表示領域を取り囲んで設けられた黒縁領域とを含み、隣接する2つの前記表示モジュールの前記黒縁領域はスプライシングされてシームを形成し、
【0007】
各前記光学構造は対向して設けられた第1表面と第2表面とを含み、前記光学構造の第2表面は前記表示モジュールに密着され、
【0008】
前記光学構造の第1表面の前記シームに近い端は第1円弧面であり、前記第1円弧面は、前記表示モジュールの表示領域から発せられた光を屈折させて前記シームに対応する正視領域に分布させるために用いられる。
【0009】
選択可能に、前記第1円弧面は凸状の円弧面構造である。
【0010】
選択可能に、前記第1円弧面の前記表示モジュールにおける正投影の前記シームの幅方向に沿ったサイズは、前記シームの幅以上であり、前記シームの幅に5mmを加えたもの以下であり、前記シームの幅は0.88mm~3.9mmであり、及び/又は、
【0011】
前記第1円弧面は、前記表示モジュールに近い第1端と、前記表示モジュールから離れる第2端とを含み、前記第1円弧面の第1端が位置する水平面から前記第1円弧面の第2端が位置する水平面までの距離は、前記光学構造の厚さの半分以下であり、及び/又は、
【0012】
前記第1円弧面の半径は、前記シームの幅以上であり、前記シームの幅に5mmを加えたもの以下であり、前記シームの幅は0.88mm~3.9mmであり、及び/又は、
【0013】
前記第1円弧面の半径は2mm~5mmであり、及び/又は、
【0014】
前記光学構造の厚さは3mm~10mmである。
【0015】
選択可能に、前記光学構造の第2表面の前記シームに近い端は第2円弧面であり、前記表示モジュールの表示領域から発せられた光は、前記第2円弧面によって反射されて前記シームに対応する非正視領域の光線を補充する。
【0016】
選択可能に、前記第2円弧面は凹状の円弧面構造である。
【0017】
選択可能に、前記第2円弧面は、前記表示モジュールに近い第3端と、前記表示モジュールから離れる第4端とを含み、前記第4端が位置する水平面から前記第3端が位置する水平面までの距離は、前記シームの幅の半分以上であり、前記光学構造の厚さから1mmを引いたもの以下であり、及び/又は、
【0018】
前記第1円弧面の前記第2表面に近い端と前記第2円弧面の前記第1表面に近い端との間の距離は、0.3mm以上1mm以下であり、及び/又は、
【0019】
前記第2円弧面の半径は2mm~8mmである。
【0020】
本発明の実施例の第2態様によれば、スプライシング表示ユニットを提供し、該スプライシング表示ユニットは、積層して設けられた表示モジュールと光学構造とを含み、前記光学構造は前記表示モジュールの出光面側に設けられ、
【0021】
前記表示モジュールは、表示領域と、前記表示領域を取り囲んで設けられた黒縁領域とを含み、
【0022】
各前記光学構造は対向して設けられた第1表面と第2表面とを含み、前記光学構造の第2表面は前記表示モジュールに密着され、
【0023】
前記光学構造の第1表面の前記表示モジュールの黒縁領域に近い端は第1円弧面であり、前記第1円弧面は、前記表示モジュールの表示領域から発せられた光を屈折させて前記黒縁領域に対応する正視領域に分布させるために用いられる。
【0024】
選択可能に、前記第1円弧面は凸状の円弧面構造である。
【0025】
選択可能に、前記第1円弧面の前記表示モジュールにおける正投影の前記黒縁領域の幅方向に沿ったサイズは、前記黒縁領域の幅の2倍以上であり、前記黒縁領域の幅の2倍に5mmを加えたもの以下であり、前記黒縁領域の幅は0.44mm~1.95mmであり、及び/又は、
【0026】
前記第1円弧面は、前記表示モジュールに近い第1端と、前記表示モジュールから離れる第2端とを含み、前記第1円弧面の第1端が位置する水平面から前記第1円弧面の第2端が位置する水平面までの距離は、前記光学構造の厚さの半分以下であり、及び/又は、
【0027】
前記第1円弧面の半径は、前記黒縁領域の幅の2倍以上であり、前記黒縁領域の幅の2倍に5mmを加えたもの以下であり、前記黒縁領域の幅は0.44mm~1.95mmであり、及び/又は、
【0028】
前記第1円弧面の半径は2mm~5mmであり、及び/又は、
【0029】
前記光学構造の厚さは3mm~10mmである。
【0030】
選択可能に、前記光学構造の第2表面の前記表示モジュールの黒縁領域に近い端は第2円弧面であり、前記表示モジュールの表示領域から発せられた光は、前記第2円弧面によって反射されて前記黒縁領域に対応する非正視領域の光線を補充する。
【0031】
選択可能に、前記第2円弧面は凹状の円弧面構造である。
【0032】
選択可能に、前記第2円弧面は、前記表示モジュールに近い第3端と、前記表示モジュールから離れる第4端とを含み、前記第4端が位置する水平面から前記第3端が位置する水平面までの距離は、前記黒縁領域の幅以上であり、前記光学構造の厚さから1mmを引いたもの以下であり、前記黒縁領域の幅は0.44mm~1.95mmであり、及び/又は、
【0033】
前記第1円弧面の前記第2表面に近い端と前記第2円弧面の前記第1表面に近い端との間の距離は、0.3mm以上1mm以下であり、及び/又は、
【0034】
前記第2円弧面の半径は2mm~8mmである。
【0035】
本発明の表示スクリーンは、全体構造を設け、光学構造に第1円弧面を設けることにより、前記表示モジュールの表示領域から発せられた光を屈折させて前記シームに対応する正視領域に分布させることができ、シームを視覚的に除去し、スプライシングに対するユーザの視覚効果を向上させ、視覚的にシームがないというユーザの主観的な感覚を達成することができる。
【0036】
本発明のスプライシング表示ユニットは、全体構造を設け、光学構造に第1円弧面を設けることにより、前記表示モジュールの表示領域から発せられた光を屈折させて前記黒縁領域に対応する正視領域に分布させることができ、黒縁領域を視覚的に除去し、スプライシングに対するユーザの視覚効果を向上させ、視覚的に黒縁領域がないというユーザの主観的な感覚を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】従来技術の表示スクリーンの正視のシミュレーション輝度分布図である。
【
図2】本発明の実施例1に係る表示スクリーンの部分断面構造模式図である。
【
図3】本発明の実施例1に係る表示スクリーンの表示モジュールが発する光路の模式図である。
【
図4】本発明の実施例1に係る表示スクリーンの光学構造の部分断面構造模式図である。
【
図5】本発明の実施例1に係る表示スクリーンの正視のシミュレーション輝度分布図である。
【
図6】本発明の実施例2に係る表示スクリーンの部分断面構造模式図である。
【
図7】本発明の実施例2に係る表示スクリーンの表示モジュールが発する光路の模式図である。
【
図8】本発明の実施例2に係る表示スクリーンの光学構造の部分断面構造模式図である。
【
図9】本発明の実施例2に係る表示スクリーンの正視のシミュレーション輝度分布図である。
【
図10】本発明の実施例1に係る表示スクリーンの光学構造の45度光路図である。
【
図11】本発明の表示スクリーンの別の実施形態の光学構造の構造模式図である。
【
図12】本発明の表示スクリーンの別の実施形態の光学構造の正視のシミュレーション輝度分布図である。
【
図13】本発明の表示スクリーンの別の実施形態の光学構造の45度光路図である。
【
図14】本発明の表示スクリーンのさらに別の実施形態の光学構造の構造模式図である。
【
図15】本発明の表示スクリーンのさらに別の実施形態の光学構造の正視のシミュレーション輝度分布図である。
【
図16】本発明の表示スクリーンのさらに別の実施形態の光学構造の45度光路図である。
【
図17】本発明の実施例2に係る表示スクリーンの光学構造の45度光路図である。
【
図18】本発明の実施例3に係るスプライシング表示ユニットの断面構造模式図である。
【
図19】本発明の実施例4に係るスプライシング表示ユニットの断面構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
ここでは、例示的な実施例を詳細に説明し、その例は図面に示されている。以下の説明が図面に関連する場合、別段の指示がない限り、異なる図面における同じ数字は同じ又は類似の要素を表している。以下の例示的な実施例に説明される実施形態は、本発明と一致するすべての実施形態を表すものではない。対照的に、それらは、添付の特許請求の範囲に詳細に記載された、本発明のいくつかの態様と一致する装置の例に過ぎない。
【0039】
本発明で使用される用語は、特定の実施例を説明するためのものに過ぎず、本発明を制限することを意図するものではない。別段の定義がない限り、本発明で使用される技術用語又は科学用語は、当業者が理解できる通常の意味を有するべきである。本発明の明細書及び特許請求の範囲で使用される「1つ」又は「1」などの類似用語も、数量を制限することではなく、少なくとも1つが存在することを意味する。「含む」又は「包含」などの類似用語は、「含む」又は「包含」の前に記載された素子又は部品が「含む」又は「包含」の後に列挙された素子又は部品及びそれらの等価物をカバーするが、他の素子又は部品を排除しないことを意味する。「接続」又は「連結」などの類似用語は、物理的又は機械的接続に限定されず、直接的又は間接的な接続にかかわらず、電気的接続を含んでもよい。「複数」は2つを含み、少なくとも2つに相当する。本発明の明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される単数形の「1種」、「前記」及び「該」は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、多数形を含むことも意図する。理解されるように、本明細書で使用される用語「及び/又は」は、1つ又は複数の関連する列挙された項目の任意又はすべての可能な組み合わせを指し、又はそれらを含む。
【0040】
実施例1
【0041】
図2~
図4に示すように、本実施例は表示スクリーン1を提供する。表示スクリーン1は、緊密に配列された複数の表示モジュール10と複数の光学構造20とを含み、各光学構造20は1つの表示モジュール10に対応して設けられ、表示モジュール10の出光面側に設けられ、隣接する2つの表示モジュール10は密着して設けられ、隣接する2つの表示モジュール10上の光学構造20は密着して設けられる。
【0042】
各表示モジュール10は、表示領域11と、表示領域11を取り囲んで設けられた黒縁領域12とを含み、すなわち表示領域11は表示モジュールの中心に位置し、黒縁領域12は、表示領域11を取り囲んで設けられることにより、表示モジュールのエッジに位置する。隣接する2つの表示モジュール10の黒縁領域12はスプライシングされてシーム30を形成する。
【0043】
各光学構造20は、対向して設けられた第1表面21と第2表面22とを含み、光学構造20の第2表面22は表示モジュール10に密着される。
【0044】
光学構造20の第1表面21のシーム30に近い端は第1円弧面23であり、第1円弧面23は、表示モジュール10の表示領域11から発せられた光を屈折させてシーム30に対応する正視領域に分布させるために用いられる。
図3に示すように、図中の矢印方向は、表示モジュール10の表示領域11から発せられた光の伝搬方向であり、表示モジュール10の表示領域11から発せられた光の伝搬方向をより良好に示すために、該図中のハッチングが除去される。
【0045】
説明されるように、シーム30に対応する正視領域とは、ユーザが正視角度(すなわち表示モジュール10に垂直な角度)で表示モジュール10を見るときに、光学構造がない場合にシーム30が観察される領域を指す。
【0046】
このように、全体構造を設け、光学構造20に第1円弧面23を設けることにより、表示モジュール10の表示領域11から発せられた光を屈折させてシーム30に対応する正視領域に分布させることができ、シーム30を視覚的に除去し、スプライシングに対するユーザの視覚効果を向上させ、視覚的にシーム30がないというユーザの主観的な感覚を達成することができる。具体的には、光学構造20の第1円弧面23が光線を屈折させることにより、表示モジュール10の表示領域11が結像面に「拡大」されて、表示スクリーン1の物理的なシーム30が除去されるという視覚効果を達成する。
【0047】
さらに、第1円弧面23は凸状の円弧面構造である。凸状の円弧面構造とは、円弧面が光学構造の中心から離れる方向に向かって突出することを意味する。第1円弧面23の端面は光学構造20のエッジ内に位置する。
【0048】
すなわち、第1円弧面23は、第1表面21が位置する平面から表示モジュール10に近い方向に向かって延在して、凸状の円弧面構造を形成し、それにより凸レンズと類似の構造を形成して、表示モジュール10の表示領域11から発せられた光を屈折させ、屈折した光をシーム30に対応する正視領域に分布させることを実現する。さらに、凸レンズの構造のパラメータを定義することにより、光路を入射光方向から特定の角度へ偏向させて、画像を拡大する効果を達成し、それによりシーム30を除去し、ユーザ体験を向上させることができる。
【0049】
また、従来技術の複数セットのプリズム構造を重ね合わせて形成したいくつかの光学構造、及び複数セットのプリズム構造を設けて画像をシームの領域に並進するという技術的解決手段と比較して、本実施例の表示スクリーン1の光学構造20は、画像拡大効果があり、N*Nスプライシングに適合でき、かつ単一の構造であり、多構造の組立オフセットによる画面効果の変化を回避する。
【0050】
具体的には、
図3に示すように、光学構造20の第1円弧面23の設置状況をより良好に示すために、図中のハッチングが除去される。第1円弧面23の表示モジュール10における正投影のシーム30の幅方向に沿ったサイズL2は、シーム30の幅W以上であり、シーム30の幅Wに5mmを加えたもの以下であり、シーム30の幅Wは0.88mm~3.9mmである。第1円弧面23の表示モジュール10における正投影のシーム30の幅方向に沿ったサイズL2をシーム30の幅W以上に設定することによりシーム30を遮蔽するが、L2が大きすぎると屈折の効果が低下する。
【0051】
第1円弧面23は、表示モジュール10に近い第1端231と、表示モジュール10から離れる第2端232とを含む。第1円弧面23の第1端231が位置する水平面から第1円弧面23の第2端232が位置する水平面までの距離D3は、光学構造20の厚さD1の半分以下であり、該範囲内で、第1円弧面23の第1端231が位置する水平面から第1円弧面23の第2端232が位置する水平面までの距離D3の値が大きいほど、屈折効果が高くなり、正視効果が高くなるが、光学構造の厚さが大きくなり、重量と材料コストが増加し、設計には総合的に考慮する必要がある。好ましくは、第1円弧面23の第1端231が位置する水平面から第1円弧面23の第2端232が位置する水平面までの距離D3は2mm~4mmである。
【0052】
第1円弧面23の半径R1は、シーム30の幅W以上であり、シーム30の幅Wに5mmを加えたもの以下である。好ましくは、第1円弧面23の半径R1は2mm~5mmである。
【0053】
第1円弧面23の円弧長さL1は、第1円弧面23の表示モジュール10における正投影のシーム30の幅方向に沿ったサイズL2、第1円弧面23の第1端231が位置する水平面から第1円弧面23の第2端232が位置する水平面までの距離D3、及び第1円弧面23の半径R1によって共同に限定される。第1円弧面23の円弧長さL1が大きいほど、カバー可能なシームの長さが大きくなり、シームの長さを総合して設計する必要がある。
【0054】
本実施例では、光学構造20の厚さD1は3mm~10mmである。光学構造20の材料は、ガラス、又はPMMA(polymethyl methacrylate、ポリメチルメタクリレート)、又はPC(ポリカーボネート)などである。光学構造20は光学粘着層40を介して表示モジュール10に固定される。
【0055】
本実施例の光学構造20の第2表面22は全体として平坦な平面である。
【0056】
本実施例の表示スクリーン1の正視のシミュレーション輝度分布図は
図5に示されており、
図5から分かるように、正視角度では、ユーザが正視角度でシーム30を実質的に観察できず、それによりシーム30を視覚的に除去し、スプライシングに対するユーザの視覚効果を向上させ、視覚的にシーム30がないというユーザの主観的な感覚を達成することができる。
【0057】
実施例2
【0058】
図6~
図9に示すように、本実施例の表示スクリーンの全体構造は実質的に実施例1の構造と同じであり、相違点としては、光学構造20の第2表面22のシーム30に近い端は第2円弧面24であり、表示モジュール10の表示領域11から発せられた光は、第2円弧面24によって反射されてシーム30に対応する非正視領域の光線を補充する。
【0059】
説明されるように、シーム30に対応する非正視領域とは、ユーザが非正視角度(すなわち表示モジュール10に対して垂直でない角度、すなわち斜視角又は広視角)で表示モジュール10を見るときに、光学構造がない場合にシーム30が観察される領域を指す。
【0060】
このように、第2円弧面24を設けることにより、表示モジュール10の表示領域11から発せられた光を反射することができ、光線が光学構造の第1表面21を通って出射され、それによりシーム30に対応する非正視領域の光線を補充することができ、シーム30に対応する非正視領域においてもシーム30を視覚的に除去し、スプライシングに対するユーザの視覚効果をさらに向上させ、視覚的にシーム30がないというユーザの主観的な感覚を達成する。
【0061】
さらに、第2円弧面24は凹状の円弧面構造である。凹状の円弧面構造とは、円弧面が光学構造の中心に近い方向に向かって凹んでいることを意味する。
【0062】
具体的には、斜視角度からシームの長さをカバーできるように、第2円弧面24の表示モジュール10における正投影のシーム30の幅方向に沿ったサイズL4は、シーム30の幅Wの半分以上であり、シーム30の幅Wの半分に0.5mmを加えたもの以下である。
【0063】
第2円弧面24は、表示モジュール10に近い第3端241と、表示モジュール10から離れる第4端242とを含む。
【0064】
第4端242が位置する水平面から第3端241が位置する水平面までの距離D2は、シーム30の幅Wの半分に0.5mmを加えたもの以上であり、D2の値が大きいほど、斜視角の表示効果が高くなるが、光学構造の厚さが大きくなり、重量と材料コストが増加し、設計には斜視角及びモデルの厚さを総合的に考慮する必要があり、一般的には、第4端242が位置する水平面から第3端241が位置する水平面までの距離D2をシームの幅の半分以上、光学構造の厚さから1mmを引いたもの以下に設定する。
【0065】
第1円弧面23の第2表面22に最も近い端(第1円弧面23の第1端231)と、第2円弧面24の第1表面21に最も近い端(第2円弧面24の第4端242)との間の距離D4は0よりも大きい。好ましくは、第1円弧面23の第1端231と第2円弧面24の第4端242との間の距離D4は、0.3mm以上1mm以下であり、それにより尖った角が発生して組立及び作業中に損傷を引き起こすことを回避し、材料の加工を容易にする。説明されるように、第1表面21と第2表面22との間に接続された側辺25が表示モジュール10に垂直に設けられる場合、側辺25の長さは、すなわち第1円弧面23の第1端231と第2円弧面24の第4端242との間の距離D4である。
【0066】
第2円弧面24の半径R2は2mm~8mmである。第2円弧面24の半径R2の値が小さいほど、斜視角の表示効果が高くなるが、正視角の表示効果が悪くなり、逆もまた同様であり、したがって、設計には正視角と斜視角の表示効果のバランスをとる必要があり、第2円弧面24の半径R2の値が2mm~8mmであると効果が最適である。第2円弧面24の円弧長さL3は、第2円弧面24の表示モジュール10における正投影のシーム30の幅方向に沿ったサイズL4、第4端242が位置する水平面から第3端241が位置する水平面までの距離D2、及び第2円弧面24の半径R2によって共同に限定される。
【0067】
本実施例の光学構造20の第2表面22のシーム30に近い端は凹状の円弧面構造であり、本実施例の表示スクリーン1の正視のシミュレーション輝度分布図は
図9に示されており、
図9から分かるように、正視角度では、ユーザが正視角度でシーム30を実質的に観察できず、それによりシーム30を視覚的に除去し、スプライシングに対するユーザの視覚効果を向上させ、視覚的にシーム30がないというユーザの主観的な感覚を達成することができる。
【0068】
説明されるように、第2表面22のシーム30に近い端は他の構造形態であってもよいが、斜視角の光路に異なる影響を与えている。
【0069】
実施例1の光学構造20には、第2表面22が全体として平坦な平面であるときに、
図5を参照し、ユーザは正視角度でシーム30を実質的に観察できない。しかしながら、
図10に示すように、ユーザは45度の斜視角度で表示モジュール10を見るときに、シーム30の構造の一部、すなわち図中の部分Oを観察することができる。すなわち、実施例1の光学構造20は、第1円弧面23によって正視角で見たシーム30を視覚的に除去できるが、ユーザが斜視角又は広視角で見たシーム30を解消することはできない。
【0070】
同様に、別の実施形態では、
図11に示すように、光学構造20の第2表面22のシーム30に近い端が、表示モジュール10が位置する平面と所定の夾角をなす平面であるときに、
図12に示すように、ユーザは正視角度でシーム30を実質的に観察できない。しかしながら、
図13に示すように、ユーザは45度の斜視角で表示モジュール10を見るときに、シーム30の構造の一部、すなわち図中の部分Pを観察することができる。すなわち、第2表面22のシーム30に近い端が、表示モジュール10が位置する平面と所定の夾角をなす平面として設置されるときに、光線の一部のみが光学構造20から出射でき、それによりユーザが斜視角又は広視角で見たシーム30を改善する。このため、改善効果が普通である。
【0071】
さらに別の実施形態では、
図14に示すように、光学構造20の第2表面22のシーム30に近い端が凸状の円弧面構造であるときに、
図15に示すように、ユーザは正視角度でシーム30を実質的に観察できない。しかしながら、
図16に示すように、ユーザは45度の斜視角で表示モジュール10を見るときに、シーム30の構造の一部、すなわち図中の部分Qを観察することができる。すなわち、第2表面22のシーム30に近い端が凸状の円弧面構造として設置されるときに、光線のごく一部のみが光学構造20から出射でき、それによりユーザが斜視角又は広視角で見たシーム30を改善する。このため、改善効果が低い。
【0072】
本実施例2の光学構造20の第2表面22のシーム30に近い端が凹状の円弧面構造である設置条件下でのみ、ユーザは正視角度でシーム30を実質的に観察できないだけでなく(
図9を参照)、また、ユーザは45度の斜視角で表示モジュール10を見るときに(
図17に示す)、シーム30を完全に観察できない。すなわち、第2表面22のシーム30に近い端が凹状の円弧面構造として設置されるときに、光線がいずれも光学構造20から出射でき、それにより、広視角でのシーム30を改善し、改善効果が良好である。
【0073】
上記推論により、最適な光学構造20は、第1表面21のシーム30に近い端が凸状の円弧面構造であり、第2表面22のシーム30に近い端が凹状の円弧面構造であるときに、正視角及び広視角のシーム問題を同時に除去することができる。
【0074】
実施例3
【0075】
図18に示すように、本実施例はスプライシング表示ユニット2を提供する。複数のスプライシング表示ユニット2は、緊密に配列されて実施例1の表示スクリーンを形成する。すなわち、本実施例のスプライシング表示ユニット2は、実施例1の表示スクリーンの最小スプライシングユニットである。
【0076】
スプライシング表示ユニット2は、積層して設けられた表示モジュール10と光学構造20とを含み、光学構造20は表示モジュール10の出光面側に設けられる。本実施例の光学構造20の構造については
図4を参照してもいい。
【0077】
表示モジュール10は、表示領域11と、表示領域11を取り囲んで設けられた黒縁領域12とを含み、すなわち表示領域11は表示モジュール10の中心に位置し、黒縁領域12は、表示領域11を取り囲んで設けられることにより、表示モジュール10のエッジに位置する。複数のスプライシング表示ユニット2が緊密に配列されるときに、隣接する2つの表示モジュール10の黒縁領域12はスプライシングされて実施例1の表示スクリーンのシーム30を形成する。
【0078】
各光学構造20は、対向して設けられた第1表面21と第2表面22とを含み、光学構造20の第2表面22は表示モジュール10に密着される。
【0079】
光学構造20の第1表面21の表示モジュール10の黒縁領域12に近い端は第1円弧面23であり、第1円弧面23は、表示モジュール10の表示領域11から発せられた光を屈折させて黒縁領域12に対応する正視領域に分布させるために用いられる。
【0080】
説明されるように、黒縁領域12に対応する正視領域とは、ユーザが正視角度(すなわち表示モジュール10に垂直な角度)で表示モジュール10を見るときに、光学構造がない場合に黒縁領域12が観察される領域を指す。
【0081】
このように、全体構造を設け、光学構造20に第1円弧面23を設けることにより、表示モジュール10の表示領域11から発せられた光を屈折させて黒縁領域12に対応する正視領域に分布させることができ、黒縁領域12を視覚的に除去し、スプライシングに対するユーザの視覚効果を向上させ、視覚的に黒縁領域12がないというユーザの主観的な感覚を達成することができる。具体的には、光学構造20の第1円弧面23が光線を屈折させることにより、表示モジュール10の表示領域11が結像面に「拡大」されて、スプライシング表示ユニット2の物理的な黒縁領域12が除去されるという視覚効果を達成する。
【0082】
さらに、第1円弧面23から表示モジュール10が位置する平面までの距離は、表示モジュール10から離れる方向から表示モジュール10に近い方向に向かって徐々に逓減し、第1円弧面23は凸状の円弧面構造である。凸状の円弧面構造とは、円弧面が光学構造の中心から離れる方向に向かって突出することを意味する。
【0083】
すなわち、第1円弧面23は、第1表面21が位置する平面から表示モジュール10に近い方向に向かって延在して、凸状の円弧面構造を形成し、それにより凸レンズと類似の構造を形成して、表示モジュール10の表示領域11から発せられた光を屈折させ、屈折した光を黒縁領域12に対応する正視領域に分布させることを実現する。さらに、凸レンズの構造のパラメータを定義することにより、光路を入射光方向から特定の角度へ偏向させて、画像を拡大する効果を達成し、それにより黒縁領域12を除去し、ユーザ体験を向上させることができる。
【0084】
また、従来技術の複数セットのプリズム構造を重ね合わせて形成したいくつかの光学構造、及び複数セットのプリズム構造を設けて画像を黒縁領域の領域に並進するという技術的解決手段と比較して、本実施例のスプライシング表示ユニット2の光学構造20は、画像拡大効果があり、N*Nスプライシングに適合でき、かつ単一の構造であり、多構造の組立オフセットによる画面効果の変化を回避する。
【0085】
具体的には、
図3に示すように、光学構造20の第1円弧面23の設置状況をより良好に示すために、図中のハッチングが除去される。第1円弧面23の表示モジュール10における正投影の黒縁領域12の幅方向に沿ったサイズL2は、黒縁領域12の幅wの2倍以上であり、黒縁領域12の幅wの2倍に5mmを加えたもの以下であり、黒縁領域12の幅は0.44mm~1.95mmである。第1円弧面23の表示モジュール10における正投影の黒縁領域12の幅方向に沿ったサイズL2を黒縁領域12の幅wの2倍以上に設定することにより黒縁領域12を遮蔽するが、L2が大きすぎると屈折の効果が低下する。
【0086】
第1円弧面23は、表示モジュール10に近い第1端231と、表示モジュール10から離れる第2端232とを含む。第1円弧面23の第1端231が位置する水平面から第1円弧面23の第2端232が位置する水平面までの距離D3は、光学構造20の厚さD1の半分以下であり、該範囲内で、第1円弧面23の第1端231が位置する水平面から第1円弧面23の第2端232が位置する水平面までの距離D3の値が大きいほど、屈折効果が高くなり、正視効果が高くなるが、光学構造の厚さがが大きくなり、重量と材料コストが増加し、設計には総合的に考慮する必要がある。好ましくは、第1円弧面23の第1端231が位置する水平面から第1円弧面23の第2端232が位置する水平面までの距離D3は2mm~4mmである。
【0087】
第1円弧面23の半径R1は、黒縁領域12の幅wの2倍以上であり、黒縁領域12の幅wの2倍に5mmを加えたもの以下である。好ましくは、第1円弧面23の半径R1は2mm~5mmである。
【0088】
第1円弧面23の円弧長さL1は、第1円弧面23の表示モジュール10における正投影の黒縁領域12の幅方向に沿ったサイズL2、第1円弧面23の第1端231が位置する水平面から第1円弧面23の第2端232が位置する水平面までの距離D3、及び第1円弧面23の半径R1によって共同に限定される。第1円弧面23の円弧長さL1が大きいほど、カバー可能なシームの長さが大きくなり、シームの長さを総合して設計する必要がある。
【0089】
本実施例では、光学構造20の厚さD1は3mm~10mmである。光学構造20の材料は、ガラス、又はPMMA(polymethyl methacrylate、ポリメチルメタクリレート)、又はPC(ポリカーボネート)などである。光学構造20は光学粘着層40を介して表示モジュール10に固定される。
【0090】
本実施例の光学構造20の第2表面22は全体として平坦な平面である。
【0091】
本実施例のスプライシング表示ユニット2は、黒縁領域12を視覚的に除去し、スプライシングに対するユーザの視覚効果を向上させ、視覚的に黒縁領域12がないというユーザの主観的な感覚を達成することができる。
【0092】
実施例4
【0093】
図19に示すように、本実施例のスプライシング表示ユニットの全体構造は実質的に実施例3の構造と同じであり、相違点としては、光学構造20の第2表面22の黒縁領域12に近い端は第2円弧面24であり、表示モジュール10の表示領域11から発せられた光は、第2円弧面24によって反射されて黒縁領域12に対応する非正視領域の光線を補充する。本実施例の光学構造20の構造については
図8を参照してもいい。
【0094】
説明されるように、黒縁領域12に対応する非正視領域とは、ユーザが非正視角度(すなわち表示モジュール10に対して垂直でない角度、すなわち斜視角又は広視角)で表示モジュール10を見るときに、光学構造がない場合に黒縁領域12が観察される領域を指す。
【0095】
このように、第2円弧面24を設けることにより、表示モジュール10の表示領域11から発せられた光を反射することができ、光線が光学構造の第1表面21を通って出射され、それにより黒縁領域12に対応する非正視領域の光線を補充することができ、黒縁領域12に対応する非正視領域においても黒縁領域12を視覚的に除去し、スプライシングに対するユーザの視覚効果をさらに向上させ、視覚的に黒縁領域12がないというユーザの主観的な感覚を達成することができる。
【0096】
さらに、第2円弧面24は凹状の円弧面構造である。凹状の円弧面構造とは、円弧面が光学構造の中心に近い方向に向かって凹んでいることを意味する。
【0097】
具体的には、斜視角度からシームの長さをカバーできるように、第2円弧面24の表示モジュール10における正投影の黒縁領域12の幅方向に沿ったサイズL4は、黒縁領域12の幅w以上であり、黒縁領域12の幅wに0.5mmを加えたもの以下である。
【0098】
第2円弧面24は、表示モジュール10に近い第3端241と、表示モジュール10から離れる第4端242とを含む。
【0099】
第4端242が位置する水平面から第3端241が位置する水平面までの距離D2は、黒縁領域12の幅wに0.5mmを加えたもの以上であり、D2の値が大きいほど、斜視角の表示効果が高くなるが、光学構造の厚さが大きくなり、重量と材料コストが増加し、設計には斜視角及びモデルの厚さを総合的に考慮する必要があり、一般的には、第4端242が位置する水平面から第3端241が位置する水平面までの距離D2を、黒縁領域12の幅w以上、光学構造の厚さから1mmを引いたもの以下に設定する。
【0100】
第1円弧面23の第2表面22に最も近い端(第1円弧面23の第1端231)と、第2円弧面24の第1表面21に最も近い端(第2円弧面24の第4端242)との間の距離D4は0よりも大きい。好ましくは、第1円弧面23の第1端231と第2円弧面24の第4端242との間の距離D4は、0.3mm以上1mm以下であり、それにより尖った角が発生して組立及び作業中に損傷を引き起こすことを回避し、材料の加工を容易にする。説明されるように、第1表面21と第2表面22との間に接続された側辺25が表示モジュール10に垂直に設けられる場合、側辺25の長さは、すなわち第1円弧面23の第1端231と第2円弧面24の第4端242との間の距離D4である。
【0101】
第2円弧面24の半径R2は2mm~8mmである。第2円弧面24の半径R2の値が小さいほど、斜視角の表示効果が高くなるが、正視角の表示効果が悪くなり、逆もまた同様であり、従って、設計には正視角と斜視角の表示効果のバランスをとる必要があり、第2円弧面24の半径R2の値が2mm~8mmであると効果が最適である。第2円弧面24の円弧長さL3は、第2円弧面24の表示モジュール10における正投影の黒縁領域12の幅方向に沿ったサイズL4、第4端242が位置する水平面から第3端241が位置する水平面までの距離D2、及び第2円弧面24の半径R2によって共同に限定される。
【0102】
本実施例2の光学構造20の第2表面22の黒縁領域12に近い端が凹状の円弧面構造である設置条件下で、ユーザは正視角度で黒縁領域12を実質的に観察できず、また、ユーザは45度の斜視角で表示モジュール10を見るときに、黒縁領域12を完全に観察できない。すなわち、第2表面22の黒縁領域12に近い端が凹状の円弧面構造として設置されるときに、光線がいずれも光学構造20から出射できることにより、広視角での黒縁領域12を改善し、改善効果が良好である。
【0103】
本実施例の光学構造20は、第1表面21の黒縁領域12に近い端を凸状の円弧面構造として、第2表面22の黒縁領域12に近い端を凹状の円弧面構造として設置することにより、正視角及び広視角のシーム問題を同時に除去することができる。
【0104】
以上は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を制限するものではなく、本発明の精神及び原則内で行われた任意の修正、等価置換、改良などは、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0105】
1 表示スクリーン
2 表示ユニット
10 表示モジュール
11 表示領域
12 黒縁領域
20 光学構造
21 第1表面
22 第2表面
23 第1円弧面
24 第2円弧面
30 シーム
40 光学粘着層
231 第1端
232 第2端
【図】
【国際調査報告】