(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】細胞及び組織の損傷を予防及び保護するための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/55 20060101AFI20240305BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240305BHJP
A61K 31/661 20060101ALI20240305BHJP
A61K 31/145 20060101ALI20240305BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20240305BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20240305BHJP
A61K 47/08 20060101ALI20240305BHJP
A61K 47/16 20060101ALI20240305BHJP
A61K 47/14 20170101ALI20240305BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20240305BHJP
A61K 47/18 20170101ALI20240305BHJP
A61K 47/20 20060101ALI20240305BHJP
A61K 47/24 20060101ALI20240305BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20240305BHJP
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A61K 8/29 20060101ALI20240305BHJP
A61K 8/27 20060101ALI20240305BHJP
A61K 8/35 20060101ALI20240305BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20240305BHJP
A61K 8/40 20060101ALI20240305BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20240305BHJP
A61K 8/58 20060101ALI20240305BHJP
A61K 8/41 20060101ALI20240305BHJP
A61K 8/891 20060101ALI20240305BHJP
A61Q 17/04 20060101ALI20240305BHJP
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A61P 31/12 20060101ALI20240305BHJP
A61P 31/10 20060101ALI20240305BHJP
A61P 33/00 20060101ALI20240305BHJP
A61K 9/72 20060101ALI20240305BHJP
A61K 9/12 20060101ALI20240305BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20240305BHJP
A61P 7/00 20060101ALI20240305BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240305BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240305BHJP
A61P 17/14 20060101ALI20240305BHJP
A61Q 7/00 20060101ALI20240305BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20240305BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240305BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240305BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240305BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20240305BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20240305BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20240305BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20240305BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20240305BHJP
A61K 47/46 20060101ALI20240305BHJP
A61P 27/12 20060101ALI20240305BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20240305BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20240305BHJP
A61P 19/04 20060101ALI20240305BHJP
A61K 47/30 20060101ALI20240305BHJP
A61K 47/42 20170101ALI20240305BHJP
A61P 39/00 20060101ALI20240305BHJP
A61K 31/573 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
A61K8/55
A61P17/00
A61K31/661
A61K31/145
A61K47/02
A61K47/10
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A61P31/04
A61P31/12
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A61Q7/00
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A61P43/00 121
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A61K47/26
A61K47/36
A61K47/12
A61K47/44
A61K47/46
A61P27/12
A61P11/00
A61P9/00
A61P19/04
A61P43/00 105
A61K47/30
A61K47/42
A61P39/00
A61K31/573
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023531112
(86)(22)【出願日】2021-11-22
(85)【翻訳文提出日】2023-05-22
(86)【国際出願番号】 US2021060291
(87)【国際公開番号】W WO2022115360
(87)【国際公開日】2022-06-02
(32)【優先日】2020-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-11-25
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(32)【優先日】2020-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518435552
【氏名又は名称】エフ3 プラットフォーム・バイオロジクス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】グルディナ デヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ペスコフ ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ローゼン ジョナサン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C083
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA11
4C076AA16
4C076AA24
4C076AA93
4C076BB01
4C076BB11
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(57)【要約】
紫外線(UV)照射損傷を予防及び修復し、抗菌薬耐性を防止し、急性放射線症候群から被験者を保護し、円形脱毛に起因する毛髪脱落を低減し、子宮頸癌の確率を減少させ、放射線療法又は化学療法に起因する毛髪脱落を低減し、宇宙線曝露に起因する合併症を予防し、粘液形成過剰の原因となる疾患に起因する合併症を予防し、癌患者における不妊の可能性を低減し、画像診断又は介入型放射線処置によるゲノム不安定を防止し、放射線療法誘発性臓器損傷を予防し、化学療法に伴う末梢神経障害を予防し、放射線皮膚炎から皮膚細胞を保護し、放射線誘発性線維症を予防し、人工呼吸器誘発性肺損傷を軽減するための組成物を提供する。前記組成物は目的化合物を含む。前記目的化合物は、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線(UV)照射損傷を予防及び修復するための組成物であって、以下:
目的化合物であって、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む目的化合物;及び
日焼け止め
を含む組成物。
【請求項2】
UV照射に起因するゲノム不安定を低減又は防止する請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
皮膚細胞中に抗酸化物質生成を誘導し、UV照射損傷を修復する請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記目的化合物は、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記日焼け止めは、酸化亜鉛、二酸化チタン、オキシベンゾン、アボベンゾン、オクチサレート、オクトクリレン、ホモサラート、オクチノキサート、エンスリゾール、シノキセート、ジオキシベンゾン、メラジマート、パディメート‐O、スルイソベンゾン、ベモトリジノール、安息香酸ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシル、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ビソクトリゾール、ベンゾフェノン、4‐アミノ安息香酸、エカムスル、エンザカメン、ジベンゾイルメタン、シノキセート、サリチル酸トロラミン、ドロメトリゾールトリシロキサン、トリエタノールアミン、パルミチン酸レチニル、ビスジスリゾール二ナトリウム、アミロキサート、ポリシリコーン‐15、イスコトリジノール、3‐ベンジリデンショウノウ、トリス‐ビフェニルトリアジン、メチルイソチアゾリノン、エチルヘキシルトリアゾン、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
用量として約25mg/m
2~約225mg/m
2の前記目的組成物を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
用量として約75mg/m
2~約200mg/m
2の前記目的組成物を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
日焼け止めローション又は化粧品を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
外用製剤を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
UV照射損傷を予防及び修復する方法であって、前記方法は組成物を皮膚に塗布する工程を含み、前記組成物は以下:
目的化合物であって、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む目的化合物;及び
日焼け止め
を含む、方法。
【請求項11】
前記組成物を皮膚に塗布する工程は、UV曝露の最大12時間前、及び/又はUV曝露から最大約24時間後に前記組成物を皮膚に塗布する工程を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記組成物はUV照射に起因するゲノム不安定を低減又は防止する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記組成物は皮膚細胞中に抗酸化物質生成を誘導してUV照射損傷を修復する、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記目的化合物は、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記日焼け止めは、酸化亜鉛、二酸化チタン、オキシベンゾン、アボベンゾン、オクチサレート、オクトクリレン、ホモサラート、オクチノキサート、エンスリゾール、シノキセート、ジオキシベンゾン、メラジマート、パディメート‐O、スルイソベンゾン、ベモトリジノール、安息香酸ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシル、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ビソクトリゾール、ベンゾフェノン、4‐アミノ安息香酸、エカムスル、エンザカメン、ジベンゾイルメタン、シノキセート、サリチル酸トロラミン、ドロメトリゾールトリシロキサン、トリエタノールアミン、パルミチン酸レチニル、ビスジスリゾール二ナトリウム、アミロキサート、ポリシリコーン‐15、イスコトリジノール、3‐ベンジリデンショウノウ、トリス‐ビフェニルトリアジン、メチルイソチアゾリノン、エチルヘキシルトリアゾン、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記組成物は、用量として約25mg/m
2~約225mg/m
2の前記目的組成物を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記組成物は、用量として約75mg/m
2~約200mg/m
2の前記目的組成物を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記組成物は日焼け止めローション又は化粧品を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
抗菌薬耐性を防止するための組成物であって、以下:
目的化合物であって、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む目的化合物;及び
抗菌薬
を含む組成物。
【請求項20】
標的微生物のゲノムを安定化し、細胞保護への影響を併発することなく突然変異を低減又は防止する請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
抗菌薬を使用する治療が完了した後に抗菌薬の抗菌効果を延長する請求項19に記載の組成物。
【請求項22】
前記目的化合物は、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項19に記載の組成物。
【請求項23】
前記抗菌薬は、抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌剤、抗寄生虫剤、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項19に記載の組成物。
【請求項24】
用量として約3mg/m
2~約600mg/m
2の前記目的組成物を含む請求項19に記載の組成物。
【請求項25】
用量として約75mg/m
2~約150mg/m
2の前記目的組成物を含む請求項19に記載の組成物。
【請求項26】
局所投与するように構成した請求項19に記載の組成物。
【請求項27】
全身投与するように構成した請求項19に記載の組成物。
【請求項28】
経口製剤、外用製剤、吸入製剤、又は注射製剤を含む請求項19に記載の組成物。
【請求項29】
抗菌薬耐性を防止する方法であって、前記方法は、組成物を必要とする被験者に前記組成物を投与する工程を含み、前記組成物は以下:
目的化合物であって、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む目的化合物;及び
抗菌薬
を含む、方法。
【請求項30】
前記組成物は標的微生物のゲノムを安定化し、細胞保護への影響を併発することなく突然変異を低減又は防止する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記組成物は、抗菌薬を使用する治療が完了した後に抗菌薬の抗菌効果を延長する、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記目的化合物は、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記抗菌薬は、抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌剤、抗寄生虫剤、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記組成物は、用量として約3mg/m
2~約600mg/m
2の前記目的組成物を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項35】
前記組成物は、用量として約75mg/m
2~約150mg/m
2の前記目的組成物を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項36】
前記組成物は経口製剤、外用製剤、吸入製剤、又は注射製剤を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項37】
急性放射線症候群から被験者を保護するための組成物であって、前記組成物は目的化合物を含み、前記目的化合物は、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む、組成物。
【請求項38】
前記目的化合物は、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項39】
急性放射線症候群の重篤度を軽減するか、又は急性放射線症候群を予防する請求項37に記載の組成物。
【請求項40】
胃腸毒性、造血毒性、中枢神経系毒性、皮膚毒性、又はこれらの任意の組み合わせに対して保護を行う請求項37に記載の組成物。
【請求項41】
全身投与するように構成した請求項37に記載の組成物。
【請求項42】
経口製剤、注射製剤、吸入製剤、又は外用製剤を含む請求項37に記載の組成物。
【請求項43】
用量として約200mg/m
2~約2200mg/m
2の前記目的組成物を含む請求項37に記載の組成物。
【請求項44】
促進剤を更に含む請求項37に記載の組成物。
【請求項45】
放射線保護増強薬を更に含む請求項37に記載の組成物。
【請求項46】
急性放射線症候群から被験者を保護する方法であって、前記方法は、組成物を必要とする被験者に前記組成物を投与する工程を含み、前記組成物は目的化合物を含み、前記目的化合物は、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む、方法。
【請求項47】
前記組成物を投与する工程は、前記組成物を単回で全身投与する工程を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記組成物は急性放射線症候群の重篤度を軽減するか、又は急性放射線症候群を予防する、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記組成物は胃腸毒性、造血毒性、中枢神経系毒性、皮膚毒性、又はこれらの任意の組み合わせに対して保護を行う、請求項46に記載の方法。
【請求項50】
前記目的化合物は、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項51】
前記組成物は、用量として約200mg/m
2~約2200mg/m
2の前記目的組成物を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項52】
前記組成物は経口製剤、注射製剤、吸入製剤、又は外用製剤を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項53】
前記組成物は更に促進剤を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項54】
前記組成物は更に放射線保護増強薬を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項55】
円形脱毛に起因する毛髪脱落を低減するための組成物であって、前記組成物は目的化合物を含み、前記目的化合物は、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む、組成物。
【請求項56】
前記目的化合物は、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項55に記載の組成物。
【請求項57】
被験者の免疫系から毛包を保護する請求項55に記載の組成物。
【請求項58】
局所投与するように構成した請求項55に記載の組成物。
【請求項59】
外用製剤を含む請求項55に記載の組成物。
【請求項60】
前記外用製剤は、洗い流さないコンディショナー、美容液、クリーム、マスク、又はこれらの組み合わせを含む、請求項59に記載の組成物。
【請求項61】
用量として約200mg/m
2~約2200mg/m
2の前記目的組成物を含む請求項55に記載の組成物。
【請求項62】
更にステロイドを含む請求項55に記載の組成物。
【請求項63】
更に、グリセロール、プロピレングリコール、パンテノール、エリスリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム(PCAナトリウム)、ヒアルロン酸、ソルビトール、フルクトース、脂肪アルコール、ポリクオタニウムポリマー、カチオン性界面活性剤、タンパク質、加水分解タンパク質、アミノ酸、植物油、鉱物油、シリコーン、エステル、脂肪酸、塩化ベヘントリモニウム、塩化ステアラルコニウム、酸化アミン、塩化セトリモニウム、クエン酸、アスコルビン酸塩、柑橘エキス、グリセリン、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ベンゾフェノン、ポリアミド‐2、サリチル酸塩、p‐アミノ安息香酸(PABA)、ジメチルパルアミドプロピルラウルジモニウムトシル酸、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種を含む請求項55に記載の組成物。
【請求項64】
円形脱毛に起因する毛髪脱落を低減する方法であって、前記方法は、組成物を必要とする被験者に前記組成物を投与する工程を含み、前記組成物は目的化合物を含み、前記目的化合物は、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む、方法。
【請求項65】
前記組成物を投与する工程は、前記組成物を単回で局所投与する工程を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記組成物を投与する工程は、前記組成物を20~30回に渡って局所投与する工程を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項67】
前記組成物は前記被験者の免疫系から毛包を保護する、請求項64に記載の方法。
【請求項68】
前記目的化合物は、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項69】
前記組成物は、用量として約200mg/m
2~約2200mg/m
2の前記目的組成物を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項70】
前記組成物は更にステロイドを含む、請求項64に記載の方法。
【請求項71】
前記組成物は外用製剤を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項72】
前記外用製剤は洗い流さないコンディショナー、美容液、クリーム、マスク、又はこれらの組み合わせを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記組成物は更に、グリセロール、プロピレングリコール、パンテノール、エリスリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム(PCAナトリウム)、ヒアルロン酸、ソルビトール、フルクトース、脂肪アルコール、ポリクオタニウムポリマー、カチオン性界面活性剤、タンパク質、加水分解タンパク質、アミノ酸、植物油、鉱物油、シリコーン、エステル、脂肪酸、塩化ベヘントリモニウム、塩化ステアラルコニウム、酸化アミン、塩化セトリモニウム、クエン酸、アスコルビン酸塩、柑橘エキス、グリセリン、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ベンゾフェノン、ポリアミド‐2、サリチル酸塩、p‐アミノ安息香酸(PABA)、ジメチルパルアミドプロピルラウルジモニウムトシル酸、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項74】
子宮頸癌の確率を減少させるための組成物であって、前記組成物は目的化合物を含み、前記目的化合物は、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む、組成物。
【請求項75】
子宮頸部細胞の突然変異を防止又は修復する請求項74に記載の組成物。
【請求項76】
前記目的化合物は、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項74に記載の組成物。
【請求項77】
用量として約30mg/m
2~約600mg/m
2の前記目的組成物を含む請求項74に記載の組成物。
【請求項78】
局所投与するように構成した請求項74に記載の組成物。
【請求項79】
外用製剤を含む請求項74に記載の組成物。
【請求項80】
ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染した被験者に投与するように構成した請求項74に記載の組成物。
【請求項81】
子宮頸癌の確率を減少させる方法であって、前記方法は、組成物を必要とする被験者に前記組成物を投与する工程を含み、前記組成物は目的化合物を含み、前記目的化合物は、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む、方法。
【請求項82】
前記組成物を投与する工程は、前記組成物を子宮頸部に局所投与する工程を含む、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記組成物を必要とする被験者に前記組成物を投与する工程は、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染した被験者に前記組成物を投与する工程を含む、請求項81に記載の方法。
【請求項84】
前記組成物は子宮頸部細胞の突然変異を防止又は修復する、請求項81に記載の方法。
【請求項85】
前記目的化合物は、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項81に記載の方法。
【請求項86】
前記組成物は、用量として約30mg/m
2~約600mg/m
2の前記目的組成物を含む、請求項81に記載の方法。
【請求項87】
前記組成物は外用製剤を含む、請求項81に記載の方法。
【請求項88】
放射線療法又は化学療法に起因する毛髪脱落を低減するための組成物であって、前記組成物は目的化合物を含み、前記目的化合物は、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む、組成物。
【請求項89】
前記目的化合物は、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項88に記載の組成物。
【請求項90】
放射線療法又は化学療法から毛包を保護する請求項88に記載の組成物。
【請求項91】
局所投与するように構成した請求項88に記載の組成物。
【請求項92】
外用製剤を含む請求項88に記載の組成物。
【請求項93】
前記外用製剤は、洗い流さないコンディショナー、美容液、クリーム、マスク、又はこれらの組み合わせを含む、請求項92に記載の組成物。
【請求項94】
用量として約200mg/m
2~約2200mg/m
2の前記目的組成物を含む請求項88に記載の組成物。
【請求項95】
更にステロイドを含む請求項88に記載の組成物。
【請求項96】
更に、グリセロール、プロピレングリコール、パンテノール、エリスリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム(PCAナトリウム)、ヒアルロン酸、ソルビトール、フルクトース、脂肪アルコール、ポリクオタニウムポリマー、カチオン性界面活性剤、タンパク質、加水分解タンパク質、アミノ酸、植物油、鉱物油、シリコーン、エステル、脂肪酸、塩化ベヘントリモニウム、塩化ステアラルコニウム、酸化アミン、塩化セトリモニウム、クエン酸、アスコルビン酸塩、柑橘エキス、グリセリン、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ベンゾフェノン、ポリアミド‐2、サリチル酸塩、p‐アミノ安息香酸(PABA)、ジメチルパルアミドプロピルラウルジモニウムトシル酸、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種を含む請求項88に記載の組成物。
【請求項97】
更に促進剤を含む請求項88に記載の組成物。
【請求項98】
放射線療法又は化学療法に起因する毛髪脱落を低減する方法であって、前記方法は、組成物を必要とする被験者に前記組成物を投与する工程を含み、前記組成物は目的化合物を含み、前記目的化合物は、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む、方法。
【請求項99】
前記組成物を投与する工程は、前記組成物を単回で局所投与する工程を含む、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
前記組成物を投与する工程は、前記組成物を20~30回に渡って局所投与する工程を含む、請求項98に記載の方法。
【請求項101】
前記組成物は放射線療法又は化学療法から毛包を保護する、請求項98に記載の方法。
【請求項102】
前記目的化合物は、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項98に記載の方法。
【請求項103】
前記組成物は、用量として約200mg/m
2~約2200mg/m
2の前記目的組成物を含む、請求項98に記載の方法。
【請求項104】
前記組成物は更にステロイドを含む、請求項98に記載の方法。
【請求項105】
前記組成物は更に促進剤を含む請求項98に記載の方法。
【請求項106】
前記組成物は外用製剤を含む、請求項98に記載の方法。
【請求項107】
前記外用製剤は洗い流さないコンディショナー、美容液、クリーム、マスク、又はこれらの組み合わせを含む、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
宇宙線曝露から生じる合併症を予防するための組成物であって、前記組成物は目的化合物を含み、前記目的化合物は、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む、組成物。
【請求項109】
ゲノム不安定を防止する請求項108に記載の組成物。
【請求項110】
前記合併症は放射線白内障、肺癌、乳癌、卵巣癌、認知及び記憶の変化、中枢神経系機能障害、循環器系疾患、又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項108に記載の組成物。
【請求項111】
前記目的化合物は、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項108に記載の組成物。
【請求項112】
用量として約30mg/m
2~約600mg/m
2の前記目的組成物を含む請求項108に記載の組成物。
【請求項113】
全身投与を繰り返すように構成した請求項108に記載の組成物。
【請求項114】
経口製剤又は注射製剤を含む請求項108に記載の組成物。
【請求項115】
宇宙線曝露から生じる合併症を予防する方法であって、前記方法は、組成物を必要とする被験者に前記組成物を投与する工程を含み、前記組成物は目的化合物を含み、前記目的化合物は、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む、方法。
【請求項116】
前記組成物を投与する工程は、前記組成物を20~30回に渡って全身投与する工程を含む、請求項115に記載の方法。
【請求項117】
前記組成物を必要とする被験者に前記組成物を投与する工程は、宇宙線に被爆した被験者に前記組成物を投与する工程を含む、請求項115に記載の方法。
【請求項118】
前記組成物はゲノム不安定を防止する、請求項115に記載の方法。
【請求項119】
前記目的化合物は、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項115に記載の方法。
【請求項120】
前記組成物は、用量として約30mg/m
2~約600mg/m
2の前記目的組成物を含む、請求項115に記載の方法。
【請求項121】
前記組成物は経口製剤又は注射製剤を含む、請求項115に記載の方法。
【請求項122】
前記合併症は放射線白内障、肺癌、乳癌、卵巣癌、認知及び記憶の変化、中枢神経系機能障害、循環器系疾患、又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項115に記載の方法。
【請求項123】
粘液形成過剰の原因となる疾患から生じる合併症を予防するための組成物であって、前記組成物は目的化合物を含み、前記目的化合物は、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む、組成物。
【請求項124】
粘液の粘度を低下させる請求項123に記載の組成物。
【請求項125】
前記疾患は嚢胞性線維症、慢性気管支炎、肺炎、及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)を含む、請求項123に記載の組成物。
【請求項126】
前記目的化合物は、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項123に記載の組成物。
【請求項127】
用量として約30mg/m
2~約600mg/m
2の前記目的組成物を含む請求項123に記載の組成物。
【請求項128】
肺へ投与するように構成した請求項123に記載の組成物。
【請求項129】
吸入製剤、経口製剤、又は注射製剤を含む請求項123に記載の組成物。
【請求項130】
粘液形成過剰の原因となる疾患から生じる合併症を予防する方法であって、前記方法は、組成物を必要とする被験者に前記組成物を投与する工程を含み、前記組成物は目的化合物を含み、前記目的化合物は、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む、方法。
【請求項131】
前記組成物を投与する工程は前記組成物を肺に投与する工程を含む、請求項130に記載の方法。
【請求項132】
前記組成物を必要とする被験者に前記組成物を投与する工程は、嚢胞性線維症、慢性気管支炎、肺炎、及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)に罹患した被験者に前記組成物を投与する工程を含む、請求項130に記載の方法。
【請求項133】
前記組成物は粘液の粘度を低下させる、請求項130に記載の方法。
【請求項134】
前記目的化合物は、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項130に記載の方法。
【請求項135】
前記組成物は、用量として約30mg/m
2~約600mg/m
2の前記目的組成物を含む、請求項130に記載の方法。
【請求項136】
前記組成物は吸入製剤、経口製剤、又は注射製剤を含む、請求項130に記載の方法。
【請求項137】
癌患者の不妊の可能性を低減するための組成物であって、前記組成物は目的化合物を含み、前記目的化合物は、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む、組成物。
【請求項138】
前記目的化合物は、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項137に記載の組成物。
【請求項139】
放射線療法又は化学療法に起因する細胞死から精子幹細胞又は卵細胞を保護する請求項137に記載の組成物。
【請求項140】
用量として約200mg/m
2~約2200mg/m
2の前記目的組成物を含む請求項139に記載の組成物。
【請求項141】
放射線療法又は化学療法で生き残った精子幹細胞又は卵細胞における変異誘発を防止する請求項137に記載の組成物。
【請求項142】
用量として約10mg/m
2~約600mg/m
2の前記目的組成物を含む請求項141に記載の組成物。
【請求項143】
全身投与するように構成した請求項137に記載の組成物。
【請求項144】
経口製剤又は注射製剤を含む請求項137に記載の組成物。
【請求項145】
癌患者における不妊の可能性を低減する方法であって、前記方法は、組成物を必要とする被験者に前記組成物を投与する工程を含み、前記組成物は目的化合物を含み、前記目的化合物は、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む、方法。
【請求項146】
前記組成物を投与する工程は、前記組成物を単回で全身投与して放射線療法又は化学療法に起因する細胞死から精子幹細胞又は卵細胞を保護する工程を含む、請求項145に記載の方法。
【請求項147】
前記組成物は、用量として約200mg/m
2~約2200mg/m
2の前記目的組成物を含む、請求項146に記載の方法。
【請求項148】
前記組成物を投与する工程は、前記組成物を20~30回に渡って全身投与して放射線療法又は化学療法に起因する細胞死から精子幹細胞又は卵細胞を保護する工程を含む、請求項145に記載の方法。
【請求項149】
前記組成物は、用量として約200mg/m
2~約600mg/m
2の前記目的組成物を含む、請求項148に記載の方法。
【請求項150】
前記組成物を投与する工程は、前記組成物を全身投与して放射線療法又は化学療法で生き残った精子幹細胞又は卵細胞における変異誘発を防止する工程を含む、請求項145に記載の方法。
【請求項151】
前記組成物は、用量として約10mg/m
2~約600mg/m
2の前記目的組成物を含む、請求項150に記載の方法。
【請求項152】
前記目的化合物は、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項145に記載の方法。
【請求項153】
前記組成物は経口製剤又は注射製剤を含む、請求項145に記載の方法。
【請求項154】
画像診断又は介入型放射線処置によるゲノム不安定を防止するための組成物であって、前記組成物は目的化合物を含み、前記目的化合物は、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む、組成物。
【請求項155】
前記目的化合物は、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項154に記載の組成物。
【請求項156】
前記画像診断処置は、核医学イメージング、コンピュータ断層撮影(CT)、CT血管造影、蛍光透視法、磁気共鳴画像診断(MRI)、磁気共鳴血管造影(MRA)、マンモグラフィ、X線、ポジトロン放出断層撮影(PET)、PET‐CT、超音波、又はこれらの組み合わせを含む、請求項154に記載の組成物。
【請求項157】
前記介入型放射線処置は、血管造影又は血管形成術を介したステント留置術、出血を制御するための塞栓形成術、腫瘍塞栓形成術、腫瘍切除、椎骨形成術、カイフォプラスティ、ガイド針生検、ガイド乳房生検、子宮動脈塞栓形成術、栄養チューブ留置術、静脈アクセスカテーテル留置術、又はこれらの組み合わせを含む、請求項154に記載の組成物。
【請求項158】
用量として約10mg/m
2~約600mg/m
2の前記目的組成物を含む請求項154に記載の組成物。
【請求項159】
単回で全身投与するように構成した請求項154に記載の組成物。
【請求項160】
全身投与を繰り返すように構成した請求項154に記載の組成物。
【請求項161】
経口製剤又は注射製剤を含む請求項154に記載の組成物。
【請求項162】
画像診断又は介入型放射線処置によるゲノム不安定を防止する方法であって、前記方法は、組成物を必要とする被験者に前記組成物を投与する工程を含み、前記組成物は目的化合物を含み、前記目的化合物は、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む、方法。
【請求項163】
前記組成物を投与する工程は、前記組成物を単回で全身投与する工程を含む、請求項162に記載の方法。
【請求項164】
前記組成物を投与する工程は、前記組成物を20~30回に渡って全身投与する工程を含む、請求項162に記載の方法。
【請求項165】
前記画像診断処置は、核医学イメージング、コンピュータ断層撮影(CT)、CT血管造影、蛍光透視法、磁気共鳴画像診断(MRI)、磁気共鳴血管造影(MRA)、マンモグラフィ、X線、ポジトロン放出断層撮影(PET)、PET‐CT、超音波、又はこれらの組み合わせを含む、請求項162に記載の方法。
【請求項166】
前記介入型放射線処置は、血管造影又は血管形成術を介したステント留置術、出血を制御するための塞栓形成術、腫瘍塞栓形成術、腫瘍切除、椎骨形成術、カイフォプラスティ、ガイド針生検、ガイド乳房生検、子宮動脈塞栓形成術、栄養チューブ留置術、静脈アクセスカテーテル留置術、又はこれらの組み合わせを含む、請求項162に記載の方法。
【請求項167】
前記目的化合物は、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項162に記載の方法。
【請求項168】
前記組成物は、用量として約10mg/m
2~約600mg/m
2の前記目的組成物を含む、請求項162に記載の方法。
【請求項169】
前記組成物は経口製剤又は注射製剤を含む、請求項162に記載の方法。
【請求項170】
放射線療法誘発性臓器損傷を予防するための組成物であって、前記組成物は目的化合物を含み、前記目的化合物は、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む、組成物。
【請求項171】
前記目的化合物は、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項170に記載の組成物。
【請求項172】
肝臓、腎臓、脾臓、膵臓、肺、心臓、皮膚、生殖器、前立腺、結腸、小腸、直腸、又はこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1種を保護する請求項170に記載の組成物。
【請求項173】
全身投与するように構成した請求項170に記載の組成物。
【請求項174】
経口製剤又は注射製剤を含む請求項170に記載の組成物。
【請求項175】
用量として約200mg/m
2~約2200mg/m
2の前記目的組成物を含む請求項170に記載の組成物。
【請求項176】
放射線療法誘発性臓器損傷を予防する方法であって、前記方法は、組成物を必要とする被験者に前記組成物を投与する工程を含み、前記組成物は目的化合物を含み、前記目的化合物は、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む、方法。
【請求項177】
前記組成物を投与する工程は、前記組成物を単回で全身投与する工程を含む、請求項176に記載の方法。
【請求項178】
前記組成物は、用量として約200mg/m
2~約2200mg/m
2の前記目的組成物を含む、請求項177に記載の方法。
【請求項179】
前記組成物を投与する工程は、前記組成物を20~30回に渡って全身投与する工程を含む、請求項176に記載の方法。
【請求項180】
前記組成物は、用量として約200mg/m
2~約600mg/m
2の前記目的組成物を含む、請求項179に記載の方法。
【請求項181】
前記目的化合物は、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項176に記載の方法。
【請求項182】
前記組成物は経口製剤又は注射製剤を含む、請求項176に記載の方法。
【請求項183】
前記組成物を投与する工程は、肝臓、腎臓、脾臓、膵臓、肺、心臓、皮膚、生殖器、前立腺、結腸、小腸、直腸、又はこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1種を保護する、請求項176に記載の方法。
【請求項184】
化学療法に伴う抹消神経障害を予防するための組成物であって、前記組成物は目的化合物を含み、前記目的化合物は、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む、組成物。
【請求項185】
前記目的化合物は、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項184に記載の組成物。
【請求項186】
化学療法薬から神経細胞を保護する請求項184に記載の組成物。
【請求項187】
全身投与するように構成した請求項184に記載の組成物。
【請求項188】
経口製剤又は注射製剤を含む請求項184に記載の組成物。
【請求項189】
用量として約200mg/m
2~約2200mg/m
2の前記目的組成物を含む請求項184に記載の組成物。
【請求項190】
化学療法に伴う抹消神経障害を予防する方法であって、前記方法は、組成物を必要とする被験者に前記組成物を投与する工程を含み、前記組成物は目的化合物を含み、前記目的化合物は、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む、方法。
【請求項191】
前記組成物を投与する工程は、前記組成物を単回で全身投与する工程を含む、請求項190に記載の方法。
【請求項192】
前記組成物は、用量として約200mg/m
2~約2200mg/m
2の前記目的組成物を含む、請求項191に記載の方法。
【請求項193】
前記組成物を投与する工程は、前記組成物を20~30回に渡って全身投与する工程を含む、請求項190に記載の方法。
【請求項194】
前記組成物は、用量として約200mg/m
2~約600mg/m
2の前記目的組成物を含む、請求項193に記載の方法。
【請求項195】
前記目的化合物は、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項190に記載の方法。
【請求項196】
前記組成物は経口製剤又は注射製剤を含む、請求項190に記載の方法。
【請求項197】
前記組成物を投与する工程は化学療法薬から神経細胞を保護する、請求項190に記載の方法。
【請求項198】
放射線皮膚炎から皮膚細胞を保護するための組成物であって、前記組成物は目的化合物を含み、前記目的化合物は、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む、組成物。
【請求項199】
前記目的化合物は、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項198に記載の組成物。
【請求項200】
更に1種以上のスキンケア製品を含む請求項198に記載の組成物。
【請求項201】
更に促進剤を含む請求項198に記載の組成物。
【請求項202】
更にステロイドを含む請求項198に記載の組成物。
【請求項203】
用量として約200mg/m
2~約2200mg/m
2の前記目的組成物を含む請求項198に記載の組成物。
【請求項204】
単回で局所投与するように構成した請求項198に記載の組成物。
【請求項205】
局所投与を繰り返すように構成した請求項198に記載の組成物。
【請求項206】
外用製剤を含む請求項198に記載の組成物。
【請求項207】
放射線皮膚炎から皮膚細胞を保護する方法であって、前記方法は、組成物を必要とする被験者に前記組成物を投与する工程を含み、前記組成物は目的化合物を含み、前記目的化合物は、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む、方法。
【請求項208】
前記組成物を投与する工程は、前記組成物を単回で局所投与する工程を含む、請求項207に記載の方法。
【請求項209】
前記組成物を投与する工程は、前記組成物を20~30回に渡って局所投与する工程を含む、請求項207に記載の方法。
【請求項210】
前記目的化合物は、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項207に記載の方法。
【請求項211】
前記組成物は、用量として約200mg/m
2~約2200mg/m
2の前記目的組成物を含む、請求項207に記載の方法。
【請求項212】
前記組成物は更に1種以上のスキンケア製品を含む、請求項207に記載の方法。
の方法。
【請求項213】
前記組成物は更に促進剤を含む、請求項207に記載の方法。
【請求項214】
前記組成物は更にステロイドを含む、請求項207に記載の方法。
【請求項215】
前記組成物は外用製剤を含む、請求項207に記載の方法。
【請求項216】
放射線誘発性線維症を予防するための組成物であって、前記組成物は目的化合物を含み、前記目的化合物は、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む、組成物。
【請求項217】
前記目的化合物は、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項216に記載の組成物。
【請求項218】
全身投与するように構成した請求項216に記載の組成物。
【請求項219】
経口製剤、注射製剤、吸入製剤、又は外用製剤を含む請求項216に記載の組成物。
【請求項220】
用量として約200mg/m
2~約2200mg/m
2の前記目的組成物を含む請求項216に記載の組成物。
【請求項221】
放射線誘発性線維症を予防する方法であって、前記方法は、組成物を必要とする被験者に前記組成物を投与する工程を含み、前記組成物は目的化合物を含み、前記目的化合物は、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む、方法。
【請求項222】
前記組成物を投与する工程は、前記組成物を単回で全身投与する工程を含む、請求項221に記載の方法。
【請求項223】
前記組成物は、用量として約200mg/m
2~約2200mg/m
2の前記目的組成物を含む、請求項222に記載の方法。
【請求項224】
前記組成物を投与する工程は、前記組成物を20~30回に渡って全身投与する工程を含む、請求項221に記載の方法。
【請求項225】
前記組成物は、用量として約200mg/m
2~約600mg/m
2の前記目的組成物を含む、請求項224に記載の方法。
【請求項226】
前記目的化合物は、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項221に記載の方法。
【請求項227】
前記組成物は経口製剤、注射製剤、吸入製剤、又は外用製剤を含む、請求項221に記載の方法。
【請求項228】
人工呼吸器誘発性肺損傷を軽減するための組成物であって、前記組成物は目的化合物を含み、前記目的化合物は、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む、組成物。
【請求項229】
人工呼吸器の使用に起因する活性酸素種及び酸化ストレスから肺組織を保護する請求項228に記載の組成物。
【請求項230】
前記目的化合物は、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項228に記載の組成物。
【請求項231】
用量として約30mg/m
2~約600mg/m
2の前記目的組成物を含む請求項228に記載の組成物。
【請求項232】
全身投与を繰り返すように構成した請求項228に記載の組成物。
【請求項233】
吸入製剤、経口製剤、又は注射製剤を含む請求項228に記載の組成物。
【請求項234】
人工呼吸器誘発性肺損傷を軽減する方法であって、前記方法は、組成物を必要とする被験者に前記組成物を投与する工程を含み、前記組成物は目的化合物を含み、前記目的化合物は、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む、方法。
【請求項235】
前記組成物を投与する工程は、前記組成物を20~30回に渡って全身投与する工程を含む、請求項234に記載の方法。
【請求項236】
前記組成物を必要とする被験者に前記組成物を投与する工程は、人工呼吸器を装着する前の被験者、人工呼吸器を装着している被験者、又は人工呼吸器を外したばかりの被験者に前記組成物を投与する工程を含む、請求項234に記載の方法。
【請求項237】
前記組成物は人工呼吸器の使用に起因する活性酸素種及び酸化ストレスから肺組織を保護する、請求項234に記載の方法。
【請求項238】
前記目的化合物は、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項234に記載の方法。
【請求項239】
前記組成物は、用量として約30mg/m
2~約600mg/m
2の前記目的組成物を含む、請求項234に記載の方法。
【請求項240】
前記組成物は吸入製剤、経口製剤、又は注射製剤を含む、請求項234に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は全て2020年11月25日出願の以下の米国仮特許出願第63/118,333号;第63/118,341号;第63/118,344号;第63/118,347号;第63/118,352号;第63/118,356号;第63/118,362号;第63/118,369号;第63/118,373号;第63/118,378号;第63/118,382号;第63/118,388号;第63/118,391号;第63/118,396号;及び第63/118,400号の優先権及び利益を主張するものであり、これら全ての内容はその全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示の発明は全般的に、細胞及び組織の損傷を予防及び保護するための組成物及び方法、より詳細にはゲノム、細胞、及び組織の様々な形態の損傷を予防及び保護するために特定のホスホロチオエート化合物を用いる組成物及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
人体における細胞の数は約37兆個であり、これら細胞は常に細胞分裂している。エラー率は非常に低いものの、各細胞は分裂の度におおよそ数十の突然変異を蓄積する可能性がある。その結果、毎日何兆個もの突然変異が起こる可能性がある。微生物などの他の生物も、規模は小さいが、同様の突然変異を起こしている。これらの突然変異やゲノム不安定は、電離放射線及び非電離放射線(例えば、紫外線(UV)光、医療行為等)への曝露や、ウイルス性疾患等の環境要因の結果として劇的に増加する。ほとんどの突然変異は無害であるか、又は実害はないが、時として突然変異が顕著な悪影響(例えば、体細胞系及び生殖細胞系の突然変異及び癌)をもたらす場合がある。
【0004】
従って、ゲノム不安定、突然変異、及びこれらの結果として生じる悪影響を低減するか、あるいは阻止さえできる予防的及び保護的治療の両方が求められている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の1つ以上の実施形態は上述の問題の1つ以上に対処できる可能性がある。一態様では、紫外線(UV)放射線損傷を予防及び修復するための組成物を提供する。特定の実施形態によれば、前記組成物としては目的化合物及び日焼け止めが挙げられる。いくつかの実施形態では、目的化合物は、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含んでもよい。
別の態様では、UV放射線損傷を予防及び修復する方法を提供する。特定の実施形態によれば、前記方法には、組成物を皮膚に塗布する工程が含まれる。いくつかの実施形態では、組成物は、目的化合物及び日焼け止めを含んでもよい。更なる実施形態では、目的化合物は、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含んでもよい。
【発明を実施するための形態】
【0006】
次に、本発明を、添付図面を参照し、より完全に以下に説明する。図面では本発明の全てではないがいくつかの実施形態が示されている。実際、本発明は多くの異なる形態で実現してもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈すべきではなく;むしろ、適用可能な法的要件を本開示が満たすようにこれらの実施形態は提供される。全体を通して同様の番号は同様の要素を指す。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する場合、単数形「a」、「an」、「the」は、文脈が別段に明示しない限り、複数の対象も含む。
【0007】
I.定義
本明細書で使用する場合、用語「組成物」は、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む1種以上の目的化合物を含有する任意の組成物であってよい。目的化合物は、目的ホスホロチオエート化合物、目的チオール含有化合物、及び/又は酸化還元サイクル性窒素酸化物化合物であってよい。例えば、目的ホスホロチオエート化合物としては、アミン基が正帯電したポリアミン骨格、及び/又はジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基を有するものが挙げられる。いくつかの実施形態では、例えば、目的ホスホロチオエート化合物は、アミン基が正帯電したポリアミン骨格と、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基との両方を含む。目的ホスホロチオエート化合物の例としては、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、Water‐Reed(WR)‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、及び3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。目的チオール含有化合物としては、例えば、システイン、シスタミン、及びシステアミンのうちの1種以上が挙げられるが、これらに限定されるものではない。目的酸化還元サイクル性環状窒素酸化物化合物としては、例えば、4‐ヒドロキシ‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐1‐オキシル(即ち、4‐ヒドロキシ‐TEMPO、又はTEMPOL)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0008】
用語「塩」とは、本明細書で使用する場合、レシピエントに投与すると、本明細書に記載の化合物を(直接的又は間接的に)提供できる化合物の任意の酸又は塩基塩、薬学的に許容可能な溶媒和物、又は任意の複合体を指す場合もある。しかし、薬学的に許容できない塩もまた、本発明の範囲内にあることは理解すべきである。塩は公知の方法を用いて調製できる。例えば、本明細書において有用であると理解している化合物の薬学的に許容可能な塩は、塩基又は酸の官能性を有する親化合物を用いて、従来の化学的方法により合成してもよい。一般的に、このような塩は、例えば、化合物を遊離酸又は塩基の形態にし、水中、有機溶媒中、又はこれらの混合物中で化学量論的量の適切な塩基又は酸と反応させることにより調製してもよい。一般的に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、及びアセトニトリルなどの溶媒の1種以上といった非水性媒体を利用してもよい。酸付加塩の例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの鉱酸付加塩、及び酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、p‐トルエン‐スルホン酸塩などの有機酸付加塩のうちの1種以上が挙げられる。塩基付加塩の例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩、及びリチウム塩などの無機塩、並びにエチレンジアミン、エタノールアミン、N,N‐ジアルキル‐エタノールアミン、トリエタノールアミン、塩基性アミノ酸塩などの有機塩基塩のうちの1種以上が挙げられる。
【0009】
用語「予防」又はそのあらゆる変化形は、本明細書で使用する場合、身体への推測的な悪影響、即ち、限界のないこれらの悪影響の発生を阻止するか又はその確率を減少させることを指す場合もある。ここでは、線量又は曝露の増加は、悪影響を重篤化させるのではなく、悪影響の発生確率を増加させることである。
用語「保護」又はそのあらゆる変化形は、本明細書で使用する場合、身体への確定的な悪影響、即ち、その重篤度が曝露増加の関数として増加する悪影響の発生を阻止することを指す場合もある。
用語「阻止」、「低減」、「減少」、「消失」、「低下」、「最小化」、又はこれらの用語のあらゆる変化形は、本明細書で使用する場合、所望の結果を達成するための任意の測定可能な減少又は完全な阻止を指す場合もある。例示に過ぎないが、これらの用語は、標的(例えば、損傷)の少なくとも10%の変化を指す場合もあり、変化の割合は更に高いことが好ましい。例えば、変化は25%、35%、45%、55%、65%、75%、85%、95%、96%、97%、98%、99%を超えてもよく、又は他の10%を超える割合であってもよい。
参照を容易にするために、本発明は、ヒト被験者への投与の観点から説明する。しかし、このような説明はヒトへの投与に限定されるものではなく、別段に明示していない限り他の動物への投与も包含することは理解されているものとする。
【0010】
II.アミフォスチン及びアミフォスチン類似体組成物
本発明に従った特定の実施形態は、アミフォスチン及び/又は1種以上のアミフォスチン類似体を含む、損傷を予防及び/又は保護するための組成物及び方法を提供する。
【0011】
A.活性成分
特定の実施形態によれば、例えば、活性成分は1種以上のホスホロチオエートを含んでもよい。いくつかの実施形態では、例えば、活性成分は、アミン基が正帯電したポリアミン骨格、及び/又はジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基を有する1種以上のホスホロチオエートを含んでもよい。更なる実施形態では、例えば、活性成分は、アミン基が正帯電したポリアミン骨格と、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基との両方を含む1種以上のホスホロチオエートを含んでもよい。
このように、理論に縛られることなく、ポリアミン骨格の正帯電アミン基はDNAに引き寄せられ、チオール基をDNAに近づける。チオール基はフリーラジカルを除去し、フリーラジカルがDNA骨格から離れるように移動させる。このように、目的ホスホロチオエート化合物の遊離チオール形態は、フリーラジカルの発生に対して最も活性的な形態である可能性がある。電離放射線から誘発された細胞損傷及び/又は細胞死はフリーラジカルが主な原因であるため、目的ホスホロチオエート化合物のチオール基は、細胞保護において非常に重要である。実際、特にチオール基は、DNA修復システムが過負荷にならないようにDNAへの損傷を低減し、細胞が生き残れるようにDNA損傷を効率的に修復できるという説がある。
更に、チオール基をDNAに近づけることに加えて、ポリアミン骨格はDNA修復の忠実性を高め、それによりゲノムが不安定になることを予防できる可能性もある。具体的には、理論に縛られることなく、DNA鎖を安定化させること、またタンパク質が損傷の特定、損傷への移動、損傷の捕捉等を行ってDNA鎖を効率的に修復することにより、ポリアミン骨格は修復シグナル伝達プロセスを強化する可能性がある。
【0012】
いくつかの実施形態では、例えば、活性成分は、アミフォスチン及び/又はその類似体、即ち、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、及び3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)のうちの1種以上を含む。
特定の実施形態では、例えば、活性成分は1種以上のチオール含有化合物を含んでもよい。例示に過ぎないが、このようなチオール含有化合物としては、システイン、シスタミン、及びシステアミンのうちの1種以上が挙げられるが、これらに限定されるものではない。理論に制限されることなく、目的チオール含有化合物は、チオール基によるフリーラジカル除去、ポリアミン様静電結合によるDNA構造安定化、並びにトポイソメラーゼなどの増殖関連タンパク質及び酵素の修飾及び/又は阻害による細胞分裂に先だった修復に多くの時間をかけるための細胞周期進行時間の一過性の増加を介して細胞保護を行ってもよい。
いくつかの実施形態では、例えば、活性成分は、1種以上の酸化還元サイクル性窒素酸化物化合物を含んでもよい。例示にすぎないが、このような酸化還元サイクル性窒素酸化物化合物としては、4‐ヒドロキシ‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐1‐オキシル(即ち、4‐ヒドロキシ‐TEMPO、又はTEMPOL)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0013】
本明細書において上述したように、特定の実施形態によれば、組成物は、目的ホスホロチオエート又はチオール含有化合物のうちの1種以上の塩を含んでもよい。薬学的に許容可能な塩、例えば、非毒性の無機及び有機酸付加塩は、当技術分野で公知である。塩の例としては、2‐ヒドロキシエタンスルホン酸塩、2‐ナフタレンスルホン酸塩、3‐ヒドロキシ‐2‐ナフトエ酸、3‐フェニルプロピオン酸塩、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アムソン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、エデト酸カルシウム、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、カンシル酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、クラブラン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、エタンスルホン酸塩、フィナレート(finnarate)、グルセプト酸塩、グルコヘプタノエート(glucoheptanoate)、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロリン酸塩、グリコリルアルサニレート(glycollylarsanilate)、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヘキサン酸塩、ヘキシルレソルシネート(hexylresorcinate)、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロキシナフトエート(hydroxynaphthoate)、ヨウ化物、イソチオネート、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、ラウリルスルホン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メタンスルホン酸塩、臭化メチル、硝酸メチル、硫化メチル、ムカート(mucate)、ナフチレート(naphthylate)、ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、N‐メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、ペクチネート(pectinate)、過硫酸塩、リン酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、ポリガラクツロ酸塩、プロピオン酸塩、p‐トルエンスルホン酸塩、糖酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩(sulfosaliculate)、スラメート(suramate)、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、トリエチオダイド、ウンデカン酸塩、吉草酸塩等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0014】
B.剤形
組成物は多数の剤形と成り得る。特定の実施形態によれば、例えば、組成物は外用製剤を含んでもよい。このような実施形態では、例えば、外用製剤としては、当業者が熟知しているようなクリーム、軟膏、ローション、ゲル、パッチ、テープ、スポンジ、蒸気、粉末、溶液、乳剤、リポソーム懸濁液、泡沫、ペースト、固体、チンキ、座薬等が挙げられる。外用製剤は、当業者が熟知しているような皮膚投与、経皮投与、直腸投与、膣投与、点眼、点耳等を行うように構成してもよい。
他の実施形態では、例えば、組成物は経口製剤を含んでもよい。本開示の目的上、経口製剤としては、舌下投与又は頬側投与を行うように構成した製剤も挙げられる。このような実施形態では、例えば、経口製剤は固形又は液状であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、固形経口製剤としては、当業者が熟知しているような、固形錠剤、チュアブル錠剤、速溶錠剤、フィルムコーティング錠剤、腸溶錠剤、発泡錠剤、多層錠剤、及び二層錠剤などの錠剤;チュアブルトローチなどのトローチ;ハードカプセル及びソフトカプセルなどのカプセル;カプレット;再構成可能な粉末、顆粒、分散性顆粒、粒子、及び微粒子などの粉末;カシェ剤;ビーズ等が挙げられる。他の実施形態では、例えば、液状経口製剤としては、当業者が熟知しているようなドロップ、シロップ、エリキシル剤、酒精剤、チンキ、懸濁液、溶液等が挙げられる。特定の実施形態によれば、例えば、経口製剤は即時作用/放出を行うように構成してもよい。しかし、他の実施形態では、経口製剤は長時間の作用/持続的放出を行うように構成してもよい。
【0015】
更なる実施形態では、例えば、組成物は皮下製剤を含んでもよい。特定の実施形態では、例えば、組成物は筋肉内製剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、例えば、組成物は、静脈内(IV)製剤を含んでもよい。他の実施形態では、例えば、組成物は皮内製剤を含んでもよい。更なる実施形態では、例えば、組成物は髄腔内製剤を含んでもよい。このような実施形態では、例えば、皮下製剤、筋肉内製剤、IV製剤、皮内製剤、及び髄腔内製剤のいずれかは溶液又はコロイドを含んでもよい。
追加の実施形態では、例えば、組成物は吸入製剤を含んでもよい。このような実施形態では、例えば、組成物は、当業者が熟知しているような、吸入器(例えば、定量吸入器(MDI)、乾燥粉末吸入器(DPI)、又はソフトミスト吸入器(SMI))や、ネブライザー等で使用するように構成したエアゾル、乾燥粉末、又は霧化溶液を含んでもよい。組成物がエアロゾルである特定の実施形態では、組成物は、当業者が熟知しているような任意の標準的な噴霧剤(例えば、ヒドロフルオロアルカン(HFA))と併用してもよい。あるいは、組成物は、鼻腔内製剤用に構成した霧化溶液を含んでもよい。例えば、このような実施形態では、霧化粒子は、吸入器又はネブライザーで使用するように構成した吸入製剤中で使用する粒子より大きくてもよい。
【0016】
C.用量
特定の実施形態によれば、被験者に投与する組成物の用量は、組成物の最終的目標に依存する場合もある。例えば、いくつかの実施形態では、組成物を投与する目的は、(例えば、UV照射、抗菌薬使用、ウイルス曝露等により)一定期間に渡ってゲノムが不安定になることを防止することであってもよい。他の実施形態では、例えば、組成物を投与する目的は細胞保護のためであってもよいが、組成物は、比較的短期間に複数回(例えば、20~30回)投与する必要がある場合もある。このような実施形態では、例えば、毒性の蓄積を回避し、同時に腫瘍転移保護のリスクを最小限にしながら、ゲノム不安定を防止するか、又は細胞死及び/もしくは細胞損傷から細胞を保護するために、組成物を比較的低用量(例えば、1回の投与当たり約200mg/m2~約350mg/m2)で使用してもよい。組成物を投与する目的がゲノム不安定を防止することであるいくつかの実施形態では、使用する用量は約10mg/m2~約200mg/m2であってよい。更なる実施形態では、例えば、使用する用量は約75mg/m2~約150mg/m2であってよい。この点で、例えば、使用する用量は以下の:少なくとも約10、25、50、75、100、125、150、175、180、185、190、195、196、197、198、及び199mg/m2、並びに/又は最大で約200、175、150、125、100、75、50、45、40、35、30、25、20、15、14、13、12、及び11mg/m2のいずれか(例えば、約100~150mg/m2、約50~199mg/m2等)であってよい。
しかし、他の実施形態では、組成物を投与する目的は、(例えば、高放射線曝露による)細胞死から細胞を保護することであってもよい。このような実施形態では、例えば、許容可能な最大可能用量で投与してもよい。例えば、このような実施形態では、使用する用量は約200mg/m2~約2200mg/m2であってよい。更なる実施形態では、例えば、使用する用量は約400mg/m2~約1200mg/m2であってよい。この点で、例えば、使用する用量は以下の:少なくとも約200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2150、2160、2170、2180、2190、2195、2196、2197、2198、及び2199mg/m2、並びに/又は最大で約2200、2100、2000、1900、1800、1700、1600、1500、1400、1300、1200、1100、1000、900、800、700、600、500、400、300、250、240、230、220、210、205、204、203、202、及び201mg/m2のいずれか(例えば、約700~1000mg/m2、約200~900mg/m2等)であってよい。例えば、これらの範囲のうち、低い方の用量(例えば、200~600mg/m2)は、顕著な毒性蓄積を発生させることなく複数回の投与に許容できる可能性がある。しかし、高い方の用量は、単回投与での使用にのみ適用できる可能性がある。例えば、ヒト成人に通常使用される最大用量は約740mg/m2である場合もある。ヒト成人における最大許容用量は約1150mg/m2であり、最大許容ヒト小児用量は約2200mg/m2である場合もある。理論に縛られることなく、小児期から成人期にかけて最大許容用量が減少するのは思春期に起こる代謝変化による可能性があると考えられている。
【0017】
更に、特定の実施形態では、被験者に投与する組成物の用量は、組成物の剤形に依存する場合もある。例えば、いくつかの実施形態では、組成物は全身投与(例えば、注射、経口製剤、全身外用製剤、全身用吸入製剤)のために調製してもよい。このような実施形態では、例えば、少なくとも本明細書で上述した理由から、比較的低い用量で使用してもよい(例えば、約25mg/m2~約200mg/m2)。
しかし、他の実施形態では、組成物は局所的外用投与のために調製してもよい。このような実施形態では、用量は、上述したように、組成物を投与する際の標的又は目的に依存することになる。例えば、ある期間に渡ってゲノム不安定を防止すること、又は繰り返し投与できる用量で細胞を保護することが目的である場合、比較的低い用量で使用してもよい(例えば、ゲノム不安定に関する変異誘発及び癌予防には約10~200mg/m2、細胞保護には複数回投与プロトコルにおいて1回当たり約200~350mg/m2)。しかし、細胞を細胞死から保護することが目的である場合、許容できる最大可能用量を投与してもよい(例えば、200~2200mg/m2)。
【0018】
特定の実施形態によれば、上記用量での投与のタイミングは組成物を使用する目的に依存する場合もある。ゲノム不安定を防止することが目的であるいくつかの実施形態では、組成物は、(例えば、放射線への)曝露の最大約24時間前、及び曝露から最大約24時間後に投与してもよい。ゲノム不安定を防止することが目的である更なる実施形態では、組成物は、曝露の最大約12時間前、及び曝露から最大約12時間後に投与してもよい。ゲノム不安定を防止することが目的である特定の実施形態では、組成物は、曝露の最大約3時間前、及び曝露から最大約10時間後に投与してもよい。ゲノム不安定を防止することが目的である更なる実施形態では、組成物は、曝露の最大約1時間前、及び曝露から最大6時間後に投与してもよい。ゲノム不安定を防止することが目的である別の更なる実施形態では、組成物は、曝露の最大約30分前、及び曝露から最大3時間後に投与してもよい。細胞保護が目的である他の実施形態では、組成物は曝露前に投与して、曝露中に存在していなければならない。このように、特定の実施形態では、組成物は、曝露の約15~30分前に投与しなければならない。ホスホロチオエート及び/又はチオールで誘導した遅延型細胞保護効果により内因性抗酸化酵素マンガン過酸化ジスムターゼ(MnSOD)が誘導される条件下では、放射線曝露の約6~約36時間前から組成物を投与して誘導を最大にし、MnSOD細胞内レベルを上昇させてもよい。
【0019】
D.添加剤
組成物は、組成物の剤形及び意図する治療対象に応じて1種以上の添加剤を含んでもよい。
【0020】
1.薬物添加剤
特定の実施形態によれば、例えば、組成物は1種以上の添加薬を含んでもよい。いくつかの実施形態では、例えば、組成物はβ‐グルカンを含んでもよい。理論に制限されることなく、β‐グルカンは放射線保護特性を有し、目的化合物と共に投与すると、細胞保護又はゲノム不安定の防止に必要な目的化合物の用量が少なくて済む可能性がある。他の実施形態では、例えば、組成物はカプトプリル、ミソプロストール、メトホルミン、プロスタグランジン等の1種以上を含んでもよい。更なる実施形態では、例えば、組成物は、1種以上の抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌剤、及び/又は抗寄生虫剤などの1種以上の抗菌剤を含んでもよい。
例えば、いくつかの実施形態では、組成物は1種以上の抗生物質を含んでもよい。このような抗生物質としては、バンコマイシン、テイコプラニン、リネゾリド、ダプトマイシン、スルファメトキサゾール、ドキシサイクリン、セフトビプロール、セフタロリンフォサミル、クリンダマイシン、ダルババンシン、フシジン酸、ムピロシン、オマダサイクリン、オリタバンシン、テジゾリド、テラバンシン、チゲサイクリン、アミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルマイシン(netilimicin)、トブラマイシン、パロモマイシン、ストレプトマイシン、スペクチノマイシン、ゲルダナマイシン、ハービマイシン、リファキシミン、ロラカルベフ、エルタペネム、ドリペネム、イミペネム(シラスタチン含有又は非含有)、メロペネム、セフトアジジム、セフェピメ、セフトロザン(タゾバクタム含有又は非含有)、フルオロキノロン、ピペラシリン(タゾバクタム含有又は非含有)、チカルシリン(クラブラン酸含有又は非含有)、ストレプトグラミン、セファドロキシル、セファゾリン、セフラジン、セファピリン、セファロチン、セファレキシン、セファクロール、セフォクシチン、セフォテタン、セファマンドール、セフメタゾール、セフォニシド、セフプロジル、セフロキシム、セフィキシム、セフジニル、セフジトレン、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフチブテン、セフチゾキシム、モキサラクタム、セフトリアキソン、リンコマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、テリスロマイシン、スピラマイシン、フィダクソマイシン、アズトレオナム、フラゾリドン、ニトロフラントイン、ポシゾリド(posizolid)、ラデゾリド、アモキシシリン(クラブラン酸塩含有又は非含有)、アンピシリン(スルバクタム含有又は非含有)、アズロシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、メズロシリン、メチシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペニシリンG、ペニシリンV、テモシリン、ティカシリン(クラブラン酸塩含有又は非含有)、バシトラシン、コリスチン、ポリミキシンB、シプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、ゲミフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ナジフロキサシン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン、オフロキサシン、トロバフロキサシン、グレパフロキサシン、スパルフロキサシン、テマフロキサシン、マフェニド、スルファセトアミド、スルファジアジン、スルファジアジン銀、スルファジメトキシン、スルファメチゾール、スルファニルアミド、スルファサラジン、スルフィソキサゾール、スルホンアミドクリソイジン(Sulfonamidochrysoidine)、デメクロサイクリン、メタサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリン、クロファジミン、ダプソン、カプロマイシン、サイクロセリン、エタンブトール、エチオナミド、イソニアジド、ピラジナミド、リファンピシン(リファンピンとしても公知)、リファブチン、リファペンチン、アルスフェナミン、クロラムフェニコール、ホスホマイシン、メトロニダゾール、プラテンシマイシン、キヌプリスチン、ダルホプリスチン、チアンフェニコール、チニダゾール、トリメトプリム、テイクソバクチン、マラシジン、ハリシン、及び当該分野で公知の他の抗生物質が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
更なる実施形態では、例えば、組成物は1種以上の抗ウイルス剤を含んでもよい。このような抗ウイルス剤としては、アバカビル、アシクロビル、アデホビル、アマンタジン、アンプリゲン(ampligen)、アンプレナビル、ウミフェノビル、アタザナビル、アトリプラ、バロキサビル・マルボキシル、ビクタルビ、ボセプレビル、ブレビルチド、シドホビル、コビシスタット、コンビビル、ダクラタスビル、ダルナビル、デラビルジン、デシコビ、ジダノシン、ドコサノール、ドルテグラビル、ドラビリン、エドクスジン、エファビレンツ、エルビテグラビル、エムトリシタビン、エンフビルチド、エンテカビル、エトラビリン、ファムシクロビル、ホミビルセン、フォスアンプレナビル、フォスカルネット、ガンシクロビル、イバシタビン、イバリズマブ、イドクスウリジン、イミキモド、イムノビル(imunovir)、インジナビル、ラミブジン、レテルモビル、ロピナビル、ロビリド、マラビロク、メチサゾン、モロキシジン、ネルフィナビル、ネビラピン、ネクサビル(nexavir)、ニタゾキサニド、ノービア、オセルタミビル、ペンシクロビル、ペラミビル、ペンシクロビル、プレコナリル、ポドフィロトキシン、ラルテグラビル、レムデシビル、リバビリン、リルピビリン、リマンタジン、リトナビル、サキナビル、シメプレビル、ソホスブビル、スタブジン、タリバビリン、テラプレビル、テルビブジン、テノホビル・アラフェナミド、テノホビル・ジソプロキシル、テノホビル、チプラナビル、トリフルリジン、トリジビル、トロマンタジン、ツルバダ、ウミフェノビル、バラシクロビル、バルガンシクロビル、ビクリビロク、ビダラビン、ザルシタビン、ザナミビル、ジドブジン、及び当該分野で公知の他の抗ウイルス剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
いくつかの実施形態では、例えば、組成物は、1種以上の抗真菌剤(抗かび剤)を含んでもよい。このような抗真菌剤としては、アンフォテリシンB、カンジシジン、フィリピン、ハマイシン、ナタマイシン、ナイスタチン、リモシジン、ビフォナゾール、ブトコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、フェンチコナゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ルリコナゾール、ミコナゾール、オモコナゾール、オキシコナゾール、セルタコナゾール、スルコナゾール、チオコナゾール、アルバコナゾール、エフィナコナゾール、エポキシコナゾール、フルコナゾール、イサブコナゾール、イトラコナゾール、ポサコナゾール、プロピコナゾール、ラヴコナゾール、テルコナゾール、ボリコナゾール、アバフンギン、アモロルフィン、ブテナフィン、ナフチフィン、テルビナフィン、アニデュラファンギン、カスポファンギン、ミカファンギン、オーロン、安息香酸、シクロピロックス、フルシトシン、5‐フルオロシトシ、グリセオフルビン、ハロプロジン、トルナフテート、ウンデシレン酸、トリアセチン、クリスタルバイオレット、石炭酸フクシン、オロトミド、ミルテホシン、ヨウ化カリウム、ニッコマイシン、コールタール、硫酸銅(II)、二硫化セレン、チオ硫酸ナトリウム、ピロクトン・オラミン、ヨードキノール、クリオキノール、アクリゾルシン、ジンクピリチオン、硫黄、及び当該分野で公知の他の抗真菌剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
更なる実施形態では、例えば、組成物は1種以上の抗寄生虫剤を含んでもよい。このような抗寄生虫剤としては、ニタゾキサニド、メラルソプロール、エフロルニチン、メトロニダゾール、チニダゾール、ミルテフォシン、メベンダゾール、パモ酸ピランテル、チアベンダゾール、ジエチルカルバマジン、イベルメクチン、ニクロサミド、プラジカンテル、アルベンダゾール、リファンピン、アンフォテリシンB、フマギリン、ベフェニウム、ピペラジン、ピルビニウム、フルベンダゾール、及び当該技術分野で公知の他の抗寄生虫剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
更なる実施形態では、例えば、組成物は1種以上のステロイドを含んでもよい。このようなステロイドとしては、17‐プロピオン酸クロベタゾール、ジプロピオン酸ベタメタゾン、プロピオン酸ハロベタゾール、二酢酸ジフロラゾン、フルオシノニド、ハルシノニド、アムシノニド、デスオキシメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、フランカルボン酸モメタゾン、プロピオン酸フルチカゾン、ハロメタゾン、フルオシノロンアセトニド、17‐吉草酸ヒドロコルチゾン、17‐酪酸ヒドロコルチゾン、フルランドレノリド、デソニド、ジプロピオン酸アルクロメタゾン、ヒドロコルチゾン、吉草酸ベタメタゾン、吉草酸ジフルコルトロン、アセポン酸メチルプレドニゾロン、17‐酪酸クロベタゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸コルチゾン、ピバル酸チクソコルトール、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロンアルコール、ブデソニド、ベタメタゾン、リン酸ベタメタゾンナトリウム、デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、フルオコルトロン、プレドニカルベート、カプロン酸フルオコルトロン、ピバリン酸フルオコルトロン、酢酸フルプレドニデン、及び当該技術分野で公知の他のステロイドが挙げられる。
【0023】
2.他の添加剤
特定の実施形態によれば、例えば、組成物は、希釈剤及び嵩高物質、結合剤及び接着剤、潤滑剤、滑沢剤、可塑剤、崩壊剤、キャリア溶媒、緩衝剤、着色剤、着香料、甘味料、保存剤及び安定剤、並びに当技術分野で公知の他の医薬添加剤などの広範な材料を含んでもよいが、これらに限定されるものではない。
希釈剤は、剤形の嵩を増加させ、剤形の取り扱いを容易にする可能性がある。希釈剤の例としては、固形剤形、例えば錠剤及びカプセル用のラクトース、デキストロース、サッカロース、セルロース、デンプン、及びリン酸カルシウム;ソフトカプセル用のオリーブ油及びオレイン酸エチル;液体剤形、例えば懸濁液及び乳液用の水及び植物油が挙げられるが、これらに限定されるものではない。更なる好適な希釈剤としては、スクロース、デキストレーツ、デキストリン、マルトデキストリン、微結晶セルロース(例えば、Avicel(登録商標))、微細セルロース、粉末セルロース、アルファ化デンプン(例えば、Starch 1500(登録商標))、リン酸カルシウム二水和物、大豆多糖(例えば、Emcosoy(登録商標))、ゼラチン、二酸化ケイ素、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、ソルビトール、マンニトール、カオリン、ポリメタクリレート(例えばEudragit(登録商標))、塩化カリウム、塩化ナトリウム、及びタルクが挙げられるが、これらに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、希釈剤の量の範囲は、重量パーセントで約40%~約90%、約50%~約85%、約55%~約80%、約50%~約60%であってもよく、これら以上であってもよい。
【0024】
組成物を固体剤形、例えば錠剤へと圧縮する実施形態では、結合剤は成分をまとめて保持することを容易にする。結合剤としては、スクロース、ラクトース、及びグルコースなどの糖類;コーンシロップ;大豆多糖類、ゼラチン;ポビドン(例えば、Kollidon(登録商標)、Plasdone(登録商標));プルラン;微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、Methocel(登録商標))、ヒドロキシプロピルセルロース(例:Klucel(登録商標))、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及びメチルセルロースなどのセルロース誘導体;アクリル酸‐メタクリル酸共重合体;カルボマー(例えば、Carbopol(登録商標));ポリビニルポリピロリジン、ポリエチレングリコール(Carbowax(登録商標));医薬用グレーズ;アルギン酸及びアルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸塩;アカシア、グアーガム、及びアラビアガムなどのガム;トラガカント;デキストリン及びマルトデキストリン;乳清などのミルク誘導体;アルファ化デンプン及びデンプンペーストなどのデンプン;水素添加植物油;並びにマグネシウム‐ケイ酸アルミニウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
錠剤剤形の場合、組成物は打錠機圧力及び染料に供する。他の目的の中でも、潤滑剤は、打錠機及び染料表面への組成物の付着の防止を容易にする。潤滑剤はまた、コーティングした剤形の被膜にも使用できる。潤滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、粉末ステアリン酸、モノステアリン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、ベヘン酸グリセリル、シリカ、ケイ酸マグネシウム、コロイド状二酸化ケイ素、二酸化チタン、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、水素添加植物油、タルク、ポリエチレングリコール、及び鉱物油が挙げられるが、これらに限定されるものではない。特定の実施形態では、潤滑剤の量は、重量パーセントで約5%、4%、3%、2%、1.5%、1%、もしくは0.5%未満であってもよく、又はこれら以上であってもよい。
【0025】
滑沢剤は、非圧縮固体剤形の流動性を向上させ、投薬を正確にする可能性がある。滑沢剤としては、コロイド状二酸化ケイ素、ヒュームド二酸化ケイ素、シリカゲル、タルク、三ケイ酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム又はカルシウム、粉末セルロース、デンプン、及び三塩基性リン酸カルシウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
可塑剤としては、疎水性可塑剤と親水性可塑剤の両方、例えば、フタル酸ジエチル、フタル酸ブチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クロン酸、プロピレングリコール、ひまし油、トリアセチン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、及びソルビトールが挙げられる、これらに限定されるものではない。可塑剤は、ポリマーを含有する医薬組成物や、ソフトカプセル及びフィルムコーティング錠剤において特に有用である。
崩壊剤は医薬組成物の溶解速度を高めることが可能である。崩壊剤としては、アルギン酸及びアルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸塩、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム(例えば、Ac‐Di‐Sol(登録商標)、Primellose(登録商標))、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン(例えば、Kollidon(登録商標)、Polyplasdone(登録商標))、ポリビニルポリピロリジン(Plasone‐XL(登録商標))、グアーガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メチルセルロース、微結晶セルロース、ポラクリリンカリウム、粉末セルロース、デンプン、アルファ化デンプン、ナトリウムスターチグリコレート(例えば、Eplotab(登録商標)、Primogel(登録商標))が挙げられるが、これらに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、崩壊剤の量の範囲は、重量パーセントで約1%~約10%、約1%~約5%、約2%~約3%であってよく、又はこれら以上であってもよい。
【0026】
組成物を液体剤形として調合する実施形態では、組成物は、1種以上の溶媒及び/又は1種以上の担体を含んでもよい。好適な溶媒としては、水;エタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、メタノール、ブタンジオール等のアルコール類;塩化メチレン;植物油;及びグリセリンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適な担体としては、天然ガム、寒天、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、サッカロース、グリセロール含有サッカロース、マンニトール、ソルビトール、及びポリビニルアルコールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
組成物は緩衝剤を含んでもよい。緩衝剤としては、乳酸、クエン酸、酢酸、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、及び酢酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
外観を向上させるため、又は組成物の識別を容易にするために任意の薬学的に許容可能な着色剤を使用することが可能である。着色剤の例としては、ドラッグ&コスメティック(D&C)赤色28号、D&C黄色10号、フード・ドラッグ&コスメティック(FD&C)青色1号、FD&C赤色40号、FD&C緑色3号、FD&C黄色6号、及び食用インクが挙げられる。ゼラチンカプセルの好ましい色としては、白、ミディアムオレンジ、及びライトブルーが挙げられる。
着香料は嗜好性を向上し、チュアブル錠剤又は液体剤形に特に有用である場合がある。着香料としては、マルトール、バニリン、エチルバニリン、メントール、クエン酸、フマル酸、エチルマルトール、酒石酸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。甘味料としては、ソルビトール、サッカリン、サッカリンナトリウム、スクロース、アスパルテーム、フルクトース、マンニトール、及び転化糖が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
組成物はまた、保存性を向上させるために、1種以上の保存剤及び/又は安定剤も含んでよい。保存剤及び/又は安定剤としては、アルコール、安息香酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール、及びエチレンジアミン四酢酸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0027】
組成物は更に1種以上の湿潤剤を含んでもよい。湿潤剤としては、グリセリン、レシチン、グリセロール、ソルビトール、マンニトール、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、ブチレングリコール、ピロリドンカルボン酸(PCA)ナトリウム、アラントイン、蜂蜜、アロエベラ、藻類、α‐ヒドロキシ酸、パンテノール、カルボン酸、乳酸ナトリウム、乳酸アンモニウム、ナトリウムピロリジン、尿素、ゼラチン、及びプロピレングリコールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
組成物はまた、1種以上の酸化防止剤も含んでよい。酸化防止剤としては、ビタミンE、酢酸トコフェロール、カロテン、BHT、アサイーオイル、α‐リポ酸、緑茶及び白茶エキス、レチノール、ビタミンC、コエンザイムQ10、イソフラボン、ポリフェノール、N‐アセチルシステイン、クルクミン、ウコン、ザクロエキス、ローズマリーエキス、グルタチオン、セレン、イデベノン、リコピン、シリマリン、レスベラトロール、ブドウ種子エキス、ゲニステイン、ピクノジェノール、ナイアシンアミド、フラボノイド、及び亜鉛が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
組成物は更に、1種以上の乳化剤を含んでもよい。乳化剤としては、クエン酸ステアリン酸グリセリル、リン酸セチルカリウム、ポリエチレングリコール(PEG)‐100、アクリレート、キサンタンガム、セタリルアルコール、ホウ砂、ミツロウ、カルボマー、レシチン、PEG‐20ステアレート、プロピレングリコール、ステアリルアルコールNF、ポリソルベート、ラウレス‐4、及びセチル硫酸カリウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
組成物はまた、1種以上の粘度増強剤も含んでよい。粘度増強剤としては、アクリレート、カーボポール、ポリソルベート、スクワレン、セチルアルコール、ステアリルアルコール、カルナバワックス、ステアリン酸、ヒドロキシエチルセルロース、グアーガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、ゼラチン、シリカ、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、カルボマー、及び塩化ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0028】
組成物は更に、1種以上の皮膚軟化剤を含んでもよい。皮膚軟化剤としては、ワセリン、ラノリン、鉱物油、ジメチコン、カプリリルメチコン、安息香酸012‐15アルキル、アジピン酸ジブチル、炭酸ジカプリリル、イソノナン酸イソノニル、ジカプリルエーテル、ドデカン、パルミチン酸エチルヘキシル、マカダミ酸エチル(ethyl macadamate)、イソヘキサデカン、カプリン酸/カプリル酸トリグリセリド、及びヤシ脂肪酸イソアミルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
組成物はまた、1種以上の感覚改変剤を含んでもよい。感覚改変剤としては、シクロペンタシロキサン、ジメチコン、他のシリコーン、トリイソステアリン酸イソプロピルチタン、ナイロン‐12、ポリメチルシルセスキオキサン、デンプンオクテニルクエン酸アルミニウム、タルク、カオリン、スクアレン、及びグリセリンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
組成物は更に、化粧品として許容可能な1種以上の担体を含んでもよい。前記担体としては、保存剤、芳香剤/香料、ポリマー中和剤、キレート剤、pH調整剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。保存剤としては、酢酸トコフェロール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、EDTA二ナトリウム、EDTA四ナトリウム、ブチルカルバミン酸ヨードプロピニル、フェノキシエタノール、ジアゾリジニル尿素、イミダゾリジル尿素、パラベン(例えば、メチルパラベン、ポリパラベン、ブチルパラベン等)、フェノキシエタノール、メチルイソチアゾリノン、パルミチン酸アスコルビル、安息香酸、及びベンジルアルコールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。キレート剤としては、EDTA四ナトリウム、EDTA二ナトリウム、及びテトラヒドロキシプロピルエチレンジアミンが挙げられ得るが、これらに限定されるものではない。pH調整剤としては、クエン酸、乳酸、トリエタノールアミン、グルコン酸ナトリウム、及び水酸化マグネシウムが挙げられるが、これらには限定されるものではない。
【0029】
組成物はまた、1種以上の日焼け止めも含んでよい。日焼け止めとしては、酸化亜鉛、二酸化チタン、オキシベンゾン、アボベンゾン、オクチサレート(octisalate)、オクトクリレン、ホモサラート、オクチノキセート、エンスリゾール、シノキセート、ジオキシベンゾン、メラジマート、パディメート‐O、スルイソベンゾン、ベモトリジノール、安息香酸ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシル、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ビソクトリゾール、ベンゾフェノン、4‐アミノ安息香酸、エカムスル、エンザカメン、ジベンゾイルメタン、シノキセート、サリチル酸トロラミン、ドロメトリゾールトリシロキサン、トリエタノールアミン、パルミチン酸レチニル、ビスジスリゾール二ナトリウム、アミロキサート(amiloxate)、ポリシリコーン‐15、イスコトリジノール、3‐ベンジリデンショウノウ、トリス‐ビフェニルトリアジン、メチルイソチアゾリノン、エチルヘキシルトリアゾンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
他の医薬添加剤としては、コロイド状粘土などのゲル化剤;トラガカントガム及びアルギン酸ナトリウムなどの増粘剤;ジメチルスルホキシド(DMSO)などの吸収促進剤;レシチン、ポリソルベート、及びラウリル硫酸塩などの湿潤剤;吸着剤;発泡剤;ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンソルビタン、ポロキサルコール、及び第4級アンモニウム塩などの表面活性剤;並びにラクトース、マンニトール、グルコース、フルクトース、キシロース、ガラクトース、スクロース、マルトース、キシリトール、ソルビトールや、カリウム、ナトリウム、及びマグネシウムの塩化物、硫化物、及びリン酸塩などの多種に渡る他の賦形剤が挙げられる。
【0030】
III.ゲノム不安定の防止
本発明に従った特定の実施形態は、ゲノム不安定、及びその結果生じる悪影響を防止するための組成物及び方法を提供する。例えば、特定の実施形態によれば、目的化合物を使用して、少なくともUV損傷、抗菌薬耐性、子宮頸癌、粘液生成過剰の原因となる疾患、宇宙線、人工呼吸器誘発性肺損傷、並びに画像診断及び介入型放射線処置に関連するゲノム不安定を防止してもよい。
【0031】
A.UV損傷
日焼け用ベッド及び/又は日焼けマシンからの紫外線(UV)照射は、時間の経過と共に皮膚細胞のDNAを損傷させる能力がある。反復曝露や、その結果として生じる突然変異及び/又はゲノム不安定により、細胞が制御不能に増殖し始め、皮膚癌を招く可能性がある。従来の日焼け止めは、UV線に対する化学的又は物理的スクリーンとして働くが;DNA損傷修復の忠実性を容易には高められず、どの日焼け止めもUV線を100%遮断できるわけではない。
努力及び創意工夫を重ねた結果、本発明者らは、UV照射に起因するゲノム不安定に対する新規な予防組成物及び方法を開発した。特定の実施形態によれば、例えば、組成物は、1種以上の目的化合物を含む機能性化粧品を含んでもよい。例えば、組成物は、日焼け止め又は本明細書で上述したような1種以上の日焼け止めを含む化粧品(例えば、ファンデーション、パウダー等)であってもよい。組成物はまた、本明細書で上述したような1種以上のスキンケア製品(例えば、アロエベラなどの湿潤剤)、ステロイド、又は他の添加剤も含んでよい。このような実施形態では、例えば、組成物は目的化合物を局所投与するように構成した外用組成物となる。日焼け止めは長期間に渡って繰り返し使用するため、組成物は目的化合物を最低有効量で含んでもよい。例えば、特定の実施形態では、目的化合物の用量は約25mg/m2~約225mg/m2であってもよい。他の実施形態では、例えば、目的化合物の用量は約75mg/m2~約200mg/m2であってよい。例えば、特定の実施形態によれば、目的化合物の用量は、少なくとも約25、50、75、100、125、150、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、221、222、223、及び224mg/m2、並びに/又は最大で約225、200、175、150、125、100、75、50、45、40、35、30、29、28、27、及び26mg/m2(例えば、約100~150mg/m2、約50~220mg/m2等)であってもよい。このような低用量で使用することにより、組成物中の目的化合物が何らかの方法で全身に導入された場合、例えば、組成物が意図した量より多く皮膚層に浸透した場合、副作用を最小化又は排除できる可能性がある。それでもなお、このような用量は、皮膚細胞に対して正の効果をもたらし、ゲノム不安定を防止し、細胞に自己保護的な抗酸化物質を生成させる。このように、組成物は、本明細書で上述したようなMnSOD形成の誘導による保護も延長する可能性があり、この保護はホスホロチオエート曝露後約4時間~約48時間持続し得る。この点で、目的化合物及び1種以上の日焼け止めを含む組成物は、UV照射により生じた損傷を予防するか、又は修復さえする可能性がある。
【0032】
B.抗菌薬耐性
様々な抗菌薬(特に抗生物質)の誤用や過剰使用の結果、微生物(例えば、細菌、ウイルス、真菌、及び寄生虫)は、抗菌剤治療でも生き残ることができる、いわゆる「スーパーバグ」に急速に変異している。このように、抗菌剤が効かなくなり、体内で感染症が持続することで、他人に感染が広がるリスクが高まる。実際、抗菌剤耐性は、細菌、ウイルス、真菌、及び寄生虫により急速に増加する感染症の効果的な予防及び治療を脅かしていることから、世界的な公衆衛生への脅威になりつつあると世界保健機構が認識している。その結果、罹患持続期間の延長、必要な検査の追加、使用薬剤の高額化により、世界の医療費は増加している。更に、限定するものではないが臓器移植、化学療法、糖尿病管理、及び大手術などの医療手技のリスクは増加傾向にある。
努力及び創意工夫を重ねた結果、本発明者らは、治療過程において1種以上の目的化合物と1種以上の抗菌剤とを併用することにより、抗菌薬耐性に対する新規な解決策を開発した。このように、理論に縛られることなく、低い非細胞保護用量の目的化合物と1種以上の抗菌剤(例えば、本明細書で上述したような抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌剤、又は抗寄生虫剤)とを併用することにより、標的微生物のゲノムを安定化し、それにより細胞保護への影響を併発することなく突然変異を低減又は防止できると考えられている。この点で、この治療は、幅広い規模で抗菌剤耐性を低減又は防止する可能性があり、個人規模では、この治療は治療過程が完了した後に抗菌剤の効果を延長する可能性がある。また、この組成物は、本明細書で上述したような1種以上の添加剤を含んでもよい。
【0033】
抗菌剤及び目的化合物での治療は、標的疾患又は傷害の特質及び場所に応じて、局所的又は全身的であってもよい。例えば、組成物は、経口製剤、外用製剤、吸入製剤、又は注射製剤であってもよい。製剤に関わらず、抗菌剤治療の過程は数日又は数週間続くことが多いため、比較的低用量の目的化合物を使用すべきである。目的化合物は最低有効量で使用すべきである。いくつかの実施形態では、例えば、目的化合物の用量は約3mg/m2~約600mg/m2であってよい。更なる実施形態では、例えば、目的化合物の用量は約75mg/m2~約150mg/m2であってよい。例えば、特定の実施形態によれば、目的化合物の用量は少なくとも3、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、575、585、595、596、597、598、及び599mg/m2、並びに/又は最大で約600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、100、50、25、20、15、10、5、及び4mg/m2(例えば、約50~200mg/m2、約3~400mg/m2等)であってよい。低い方の用量の目的化合物を抗菌剤と共に使用すると、目的化合物への長期の全身曝露によるあらゆる悪影響を回避しながら(例えば、病原性微生物の防御)、併用の有益な効果(例えば、抗菌剤耐性の低減又は防止、及び抗菌剤の効果の延長)を可能にする。
【0034】
C.子宮頸癌
子宮頸癌は症状が出ないことが多いため、定期的な検診を受けなければ、進行するまで発見されないことが多い。子宮頸癌はほとんどの場合、子宮頸部細胞に感染して細胞を癌細胞へと変異させる可能性があるヒトパピローマウイルス(HPV)により発症する。HPVに罹患した個人については、子宮頸癌の早期発見のための定期検診以外に予防策はない。
努力及び創意工夫を重ねた結果、本発明者らは、子宮頸癌の確率を減少させるための新規な予防組成物及び方法を開発した。特定の実施形態によれば、例えば、組成物は、HPVに感染した個人の子宮頸部に目的化合物を供給するための外用製剤、例えば、溶液、タブレット、クリーム、ゲル、座薬、リング等であってもよい。子宮頸部細胞への目的化合物の適用により、特定期間に渡ってそれら細胞の突然変異を防止及び/又は修復してもよい。また、組成物は、本明細書で上述したような1種以上の添加剤を含んでもよい。
組成物は特定期間に渡って投与する傾向にあるので、目的化合物は比較的低用量で使用すべきである。目的化合物は最低有効量で使用すべきである。いくつかの実施形態では、例えば、目的化合物の用量は約30mg/m2~約600mg/m2であってよい。例えば、特定の実施形態によれば、目的化合物の用量は、少なくとも約30、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、575、585、595、596、597、598、及び599mg/m2、並びに/又は最大約600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、100、50、40、35、34、33、32、及び31mg/m2(例えば、約150~400mg/m2、約30~250mg/m2等)であってよい。
【0035】
D.粘液形成過剰の原因となる疾患
特定の疾患は粘液形成過剰を引き起こし、罹患者の呼吸を困難にする。これらの疾患の例としては、嚢胞性線維症、慢性気管支炎、肺炎、及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)である。
努力及び創意工夫を重ねた結果、本発明者らは、粘液形成過剰から生じる合併症を予防するための新規な予防組成物及び方法を開発した。特に、目的化合物は、粘液形成過剰の原因となる疾患において、粘液の粘度を低下させる可能性がある。特定の実施形態によれば、例えば、組成物は、粘液の粘性を低下させ、呼吸を改善するために、1種以上の目的化合物を肺に供給するための吸入製剤、経口製剤、又は注射製剤を含んでもよい。また、組成物は、本明細書で上述したような1種以上の添加剤を含んでもよい。
限定されるものではないが、嚢胞性線維症、慢性気管支炎、及びCOPDなどの粘液形成過剰の原因となるこれらの疾患のうち特定のものは慢性であることから、組成物は特定期間に渡って繰り返し投与しなければならないことになる。そのため、目的化合物は最低有効量で使用すべきである。いくつかの実施形態では、例えば、目的化合物の用量は約30mg/m2~約600mg/m2であってよい。例えば、特定の実施形態によれば、目的化合物の用量は、少なくとも約30、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、575、585、595、596、597、598、及び599mg/m2、並びに/又は最大約600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、100、50、40、35、34、33、32、及び31mg/m2(例えば、約150~400mg/m2、約30~250mg/m2等)であってよい。
【0036】
E.宇宙線曝露
宇宙線は、太陽(即ち太陽風)及び/又は太陽系外(銀河宇宙線)から発生する高エネルギーの陽子及び原子核であり、ほぼ光速で宇宙空間を移動する。これらの宇宙線は、宇宙空間で、また陽子や原子核が地球大気の成分と相互作用するときに、宇宙線を発生させる。太陽フレアは太陽の突然の瞬間的輝度上昇であり、これはコロナ質量放出に伴う場合もあり、宇宙空間と地球大気の両方で一時的に宇宙線を増加させる。地球の磁場は多くの宇宙線を地球の周囲の放射線帯(即ち、ヴァン・アレン放射能帯)へ送り、磁場を通過した残りの多くの宇宙線は地球の大気が遮蔽する。
しかし、宇宙線への曝露量の増加を余儀なくされる特定の職業がある。例えば、宇宙飛行士はそのリスクが最も高い。宇宙線曝露の懸念から、これまでのところ、惑星間での職務、又はヴァン・アレン放射能帯や地球磁場外を移動する職務は無いが、国際宇宙ステーションなどの地球低軌道での職務には、依然として多大なリスクが存在する。例えば、宇宙飛行士は、放射線白内障、肺癌、乳癌、卵巣癌、アルツハイマー病などの認知/記憶変化、中枢神経系機能障害、循環器系疾患等の発症率が高いことが実証されている。重篤度は低いものの、飛行機での頻繁な移動を余儀なくされるあらゆる職業(例えば、パイロット、客室乗務員、ビジネスのため頻繁に飛行機に搭乗する乗客等)も宇宙線によるリスクが伴う可能性がある。実際、所定のフライトにおける宇宙線の基準レベルは通常、X線によるものより低いが、太陽フレアはこの放射線を一時的に増加させ、放射線曝露は、頻繁に飛行機に搭乗する者に経時的に蓄積する。
【0037】
努力及び創意工夫を重ねた結果、本発明者らは、宇宙線に起因するゲノム不安定及びその有害な影響を防止するための新規な予防組成物及び方法を開発した。特定の実施形態によれば、例えば、組成物は、宇宙線が蓄積するリスクが最も高い個人ら身体に1種以上の目的化合物を広く供給するための経口製剤又は注射製剤を含んでもよい。また、組成物は、本明細書で上述したような1種以上の添加剤を含んでもよい。
影響を受けた個人は、長期間(例えば、数日、数週間、数ヶ月、又は数年)に渡って宇宙線に繰り返し被爆することとなるため、組成物は、毒性の蓄積を避けるために、20~30回を超えない範囲で特定期間に渡って繰り返し投与する必要がある。そのため、目的化合物は最低有効量で使用すべきである。いくつかの実施形態では、例えば、目的化合物の用量は約30mg/m2~約600mg/m2であってよい。例えば、特定の実施形態によれば、目的化合物の用量は、少なくとも約30、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、575、585、595、596、597、598、及び599mg/m2、並びに/又は最大約600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、100、50、40、35、34、33、32、及び31mg/m2(例えば、約150~400mg/m2、約30~250mg/m2等)であってよい。
【0038】
F.人工呼吸器誘発性肺損傷
人工呼吸器は、呼吸可能な空気を肺に送り込み、また肺から排出することで身体に機械的な換気を提供するものであり、患者が自力で十分な呼吸ができない場合に使用する。例えば、人工呼吸器は、昏睡、肺炎、COPD、脳卒中、脳損傷、肺虚脱、薬物過剰摂取、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ギランバレー症候群、肺感染、重症筋無力症、ポリオ、早期肺発生、上部脊髄損傷等に使用されている。しかし、人工呼吸器は、活性酸素種生成や酸化ストレスに起因する肺損傷を引き起こす可能性があり、更に重症化すると死亡率の上昇につながる場合もある。これらのリスクは、コロナウイルス疾患2019(COVID‐19)のパンデミックほどは明らかになっていない。実際、COVID‐19パンデミックの結果として、人工呼吸器の使用と需要は急増し、人工呼吸器誘発性肺損傷及び死亡の事例も急増している。
努力及び創意工夫を重ねた結果、本発明者らは、人工呼吸器誘発性肺損傷及び死亡を低減及び/又は予防するための新規な予防組成物及び方法を開発した。特定の実施形態によれば、例えば、組成物は、人工呼吸器使用の結果として生じる活性酸素種及び酸化ストレスから肺組織を保護するために、1種以上の目的化合物を肺に供給するための吸入製剤、経口製剤、又は注射製剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、例えば、組成物は、人工呼吸器を装着する前の被験者、人工呼吸器を装着している被験者、又は人工呼吸器を外したばかりの被験者に投与してもよい。また、組成物は本明細書で上述したような1種以上の添加剤を含んでもよい。
人工呼吸器は長期間使用することが多いため、組成物は特定期間に渡って繰り返し投与する必要がある。そのため、目的化合物は最低有効量で使用すべきである。いくつかの実施形態では、例えば、目的化合物の用量は約30mg/m2~約600mg/m2であってよい。例えば、特定の実施形態によれば、目的化合物の用量は、少なくとも約30、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、575、585、595、596、597、598、及び599mg/m2、並びに/又は最大約600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、100、50、40、35、34、33、32、及び31mg/m2(例えば、約150~400mg/m2、約30~250mg/m2等)であってよい。
【0039】
G.画像診断及び介入型放射線処置
画像診断及び介入型放射線処置は、様々な状態の診断及び治療において非常に大きな可能性がある。画像診断の例としては、核医学(例えば、骨スキャン、甲状腺スキャン、タリウム心臓ストレス試験等)、コンピュータ断層撮影(CT)、CT血管造影、蛍光透視法、磁気共鳴画像診断(MRI)、磁気共鳴血管造影(MRA)、マンモグラフィ、X線、ポジトロン放出断層撮影(PET)、PET‐CT、超音波等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。介入型放射線処置の例としては、血管造影又は血管形成術及びステント留置術、出血を制御するための塞栓形成術、腫瘍塞栓形成術、腫瘍切除、椎骨形成術、カイフォプラスティ、ガイド針生検、ガイド乳房生検、子宮動脈塞栓形成術、栄養チューブ留置術、静脈アクセスカテーテル留置術等が挙げられる。しかし、医師及び患者は、特に特定期間に渡って多くの処置が必要とされる場合、放射線曝露の増加や、結果として生じるゲノム不安定及び突然変異のリスクから、これらの処置の一部を使用することを躊躇する場合がある。
努力及び創意工夫を重ねた結果、本発明者らは、様々な画像診断及び介入型放射線処置に起因するゲノム不安定を防止するための新規な予防組成物及び方法を開発した。特定の実施形態によれば、例えば、組成物は、画像診断又は介入型放射線処置に曝露した身体の領域に1種以上の目的化合物を供給するための経口製剤又は注射製剤を含んでもよい。また、組成物は、本明細書で上述したような1種以上の添加剤を含んでもよい。
組成物を投与する際の目標は、これらの処置に起因するゲノム不安定を防止することであり、処置を繰り返す可能性があるので、目的化合物は最低有効量で使用すべきである。いくつかの実施形態では、例えば、目的化合物の用量は約10mg/m2~約600mg/m2であってよい。更なる実施形態では、例えば、目的化合物の用量は、約30mg/m2~約200mg/m2であってもよい。例えば、特定の実施形態によれば、目的化合物の用量は少なくとも約30、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、575、585、595、596、597、598、及び599mg/m2、並びに/又は最大約600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、100、50、40、35、34、33、32、及び31mg/m2(例えば、約150~400mg/m2、約30~250mg/m2等)であってよい。
【0040】
IV.細胞保護
本発明に従った特定の実施形態は、細胞死に対する保護を行うための組成物及び方法を提供する。例えば、特定の実施形態によれば、1種以上の目的化合物は、少なくとも放射線皮膚炎、化学療法及び放射線療法誘発性毛髪脱落、円形脱毛、急性放射線症候群(ARS)、放射線誘発性線維症、化学療法に伴う末梢神経障害、放射線療法及び化学療法誘発性不妊、並びに放射線療法誘発性臓器損傷をもたらす細胞死に対する保護を行うために使用してもよい。
【0041】
A.放射線皮膚炎
放射線皮膚炎は放射線療法の一般的な副作用であり、癌細胞を損傷させ、死滅させると同時に皮膚細胞を損傷させ、あるいは死滅さえさせてしまう可能性がある。症状としては、発赤、皮膚剥離、及び潰瘍が挙げられ、通常、治療終了後に回復し始める。しかし、場合によっては放射線療法が終了してから数年後に症状が現れる場合もある。
努力及び創意工夫を重ねた結果、本発明者らは、放射線皮膚炎を軽減するため、又はその発症を完全に予防するために、皮膚細胞を放射線から保護するための組成物及び方法を開発した。特定の実施形態によれば、組成物は、局所外用製剤中に1種以上の目的化合物を含んでもよい。放射線皮膚炎が全身に及ぶことを防止するために必要な目的化合物の用量を増加させないように、組成物は局所外用製剤であってもよい。組成物は、1種以上のスキンケア製品(例えば、アロエベラなどの湿潤剤)、ステロイド、又は本明細書で上述したような他の添加剤(例えば、β‐グルカン、プロスタグランジン等)も含んでよい。
【0042】
組成物は、高線量の放射線に対して保護を行うために使用するので、目的化合物は比較的高い用量で使用してもよい。実際、許容可能な最高用量を投与してもよい。いくつかの実施形態では、例えば、目的化合物の用量は約200mg/m2~約2200mg/m2であってよい。更なる実施形態では、例えば、約600mg/m2~約1200mg/m2の用量を使用してもよい。この点で、例えば、使用の用量は以下のいずれか:少なくとも約200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2150、2160、2170、2180、2190、2195、2196、2197、2198、及び2199mg/m2、並びに/又は最大約2200、2100、2000、1900、1800、1700、1600、1500、1400、1300、1200、1100、1000、900、800、700、600、500、400、300、250、240、230、220、210、205、204、203、202、及び201mg/m2(例えば、約700~1000mg/m2、約200~900mg/m2等)であってよい。放射線曝露を長期的に繰り返す場合、毒性の蓄積を避けるために上記範囲の下限用量を使用すべきである。例えば、このような場合、約200mg/m2~約600mg/m2、又は更に200mg/m2~約350mg/m2の用量を使用してもよい。この外用製剤は、組成物が皮膚に深く浸透した場合に目的化合物が全身に及ぶことを防止するために、放射線曝露前の数分以内(例えば、約15~30分)に皮膚に塗布してもよい。更なる実施形態では、組成物は、曝露前の5分以内に塗布してもよいように促進剤(例えば、DMSO)を含んでもよい。
【0043】
B.放射線療法及び化学療法誘発性毛髪脱落
本明細書で上述したように、癌細胞は急速に分裂する傾向があるため、化学療法は、急速に分裂する細胞を標的とする。不運にも、毛包も急速に分裂する細胞を有し、化学療法は急速に分裂する癌細胞と健康な細胞とを区別しない。同様に、毛包も癌細胞と同様に放射線への感受性が非常に高いため、放射線療法は癌細胞を死滅させる一方で、毛包に悪影響を及ぼす可能性がある。その結果、毛髪脱落は癌治療の一般的な副作用である。
努力及び創意工夫を重ねた結果、本発明者らは、毛髪脱落を低減若しくはその発生を完全に予防するために、放射線及び/又は化学療法から毛包を保護する組成物及び方法を開発した。特定の実施形態によれば、組成物は、局所外用製剤、例えば洗い流さないコンディショナー、美容液、クリーム、マスク等中に1種以上の目的化合物を含んでもよい。外用製剤としては1種以上のステロイド及び/又は他の添加剤、例えばグリセロール、プロピレングリコール、パンテノール、エリスリトール、PCAナトリウム、ヒアルロン酸、ソルビトール、フルクトース、脂肪アルコール、ポリクオタニウムポリマー、カチオン性界面活性剤(例えば、塩化セトリモニウム、塩化ジセチルジモニウム等)、タンパク質、加水分解タンパク質、アミノ酸、植物油、鉱物油、シリコーン(例えば、ジメチコン、アモジメチコン、シクロメチコン、ジメチコノール等)、エステル(ステアリン酸グリセリル、パルミチン酸イソプロピル等)、脂肪酸(例えば、ヤシ脂肪酸、ステアリン酸、ラウリン酸等)、塩化ベヘントリモニウム、塩化ステアラルコニウム、酸化アミン、塩化セトリモニウム、クエン酸、アスコルビン酸塩、柑橘エキス、グリセリン、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ベンゾフェノン、ポリアミド‐2、サリチル酸塩、p‐アミノ安息香酸(PABA)、ジメチルパルアミドプロピルラウルジモニウムトシル酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。組成物は、本明細書で上述したような、1種以上の追加の添加剤を含んでもよい。組成物は、毛髪脱落が全身に及ぶことを防止するために必要な目的化合物の用量を増加させないように、局所外用製剤であってもよい。
【0044】
組成物は高線量の放射線に対する保護を行うために使用するので、目的化合物は比較的高い用量で使用してもよい。実際、許容可能な最高用量を投与してもよい。いくつかの実施形態では、例えば、目的化合物の用量は約200mg/m2~約2200mg/m2であってよい。更なる実施形態では、例えば、約600mg/m2~約1200mg/m2の用量を使用してもよい。この点で、例えば、使用の用量は以下のいずれか:少なくとも約200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2150、2160、2170、2180、2190、2195、2196、2197、2198、及び2199mg/m2、並びに/又は最大約2200、2100、2000、1900、1800、1700、1600、1500、1400、1300、1200、1100、1000、900、800、700、600、500、400、300、250、240、230、220、210、205、204、203、202、及び201mg/m2(例えば、約700~1000mg/m2、約200~900mg/m2等)であってよい。放射線曝露を長期的に繰り返す場合、毒性の蓄積を避けるために上記範囲の下限用量を使用すべきである。例えば、このような場合、約200mg/m2~約600mg/m2、又は更に200mg/m2~約350mg/m2の用量を使用してもよい。この外用製剤は、組成物が皮膚に深く浸透した場合に目的化合物が全身に及ぶことを防止するために、放射線曝露前の数分以内(例えば、約15~30分)に皮膚に塗布してもよい。更なる実施形態では、組成物は、曝露前の5分以内に塗布してもよいように促進剤(例えば、DMSO)を含んでもよい。
【0045】
C.円形脱毛
円形脱毛は、免疫系が毛包を攻撃する際に、典型的には予測不可能なパッチ状の毛髪脱落をもたらす自己免疫疾患である。
努力及び創意工夫を重ねた結果、本発明者らは、毛髪脱落を低減するか、又はその発症を完全に予防するために、毛包を免疫系から保護するための組成物及び方法を開発した。特定の実施形態によれば、組成物は、局所外用製剤、例えば、洗い流さないコンディショナー、美容液、クリーム、マスク等中に1種以上の目的化合物を含んでもよい。外用製剤としては1種以上のステロイド及び/又は他の添加剤、例えばグリセロール、プロピレングリコール、パンテノール、エリスリトール、PCAナトリウム、ヒアルロン酸、ソルビトール、フルクトース、脂肪アルコール、ポリクオタニウムポリマー、カチオン性界面活性剤(例えば、塩化セトリモニウム、塩化ジセチルジモニウム等)、タンパク質、加水分解タンパク質、アミノ酸、植物油、鉱物油、シリコーン(例えば、ジメチコン、アモジメチコン、シクロメチコン、ジメチコノール等)、エステル(ステアリン酸グリセリル、パルミチン酸イソプロピル等)、脂肪酸(例えば、ヤシ脂肪酸、ステアリン酸、ラウリン酸等)、塩化ベヘントリモニウム、塩化ステアラルコニウム、酸化アミン、塩化セトリモニウム、クエン酸、アスコルビン酸塩、柑橘エキス、グリセリン、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ベンゾフェノン、ポリアミド‐2、サリチル酸塩、PABA、ジメチルパルアミドプロピルラウルジモニウムトシル酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
組成物は細胞保護剤として使用するため、目的化合物は比較的高い用量で使用してもよい。実際、許容可能な最高用量を投与してもよい。いくつかの実施形態では、例えば、目的化合物の用量は約200mg/m2~約2200mg/m2であってよい。更なる実施形態では、例えば、約600mg/m2~約1200mg/m2の用量を使用してもよい。この点で、例えば、使用の用量は以下のいずれか:少なくとも約200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2150、2160、2170、2180、2190、2195、2196、2197、2198、及び2199mg/m2、並びに/又は最大約2200、2100、2000、1900、1800、1700、1600、1500、1400、1300、1200、1100、1000、900、800、700、600、500、400、300、250、240、230、220、210、205、204、203、202、及び201mg/m2(例えば、約700~1000mg/m2、約200~900mg/m2等)であってよい。治療には組成物を複数回塗布することが必要な場合もあるため、毒性の蓄積を避けるために上記範囲の下限用量を使用してもよい。例えば、このような場合、約200mg/m2~約600mg/m2の用量を使用してもよい。
【0046】
D.急性放射線症候群(ARS)
急性放射線症候群(ARS)(放射線毒性、放射線中毒、又は放射線病としても公知である)は、非常に短期間に高線量の透過放射線を体の大部分又は全体に照射されることにより発症する急性疾患である。放射線源としては、原子炉、サイクロトロン、原子爆弾、癌治療に使用する特定の装置等が挙げられる。症状としては、悪心、嘔吐、食欲不振、腹痛、造血症候群、めまい、頭痛、意識レベルの低下、疲労、発熱、皮膚の発赤、発作、肺の炎症及び瘢痕化、内出血、火傷、振戦、運動失調、嗜眠、白血球減少症、衰弱、紫斑、感染症、脱毛、下痢、低血圧、電解質異常、ショック、掻痒感、水疱形成、潰瘍、皮脂腺や汗腺の損傷、萎縮、線維症、皮膚色素の減少又は増加、壊死、湿性落屑、皮膚血管系の崩壊等が挙げられる。ARSは、あらゆる種類の原子力事象中のファーストレスポンダーに特に懸念される。
努力及び創意工夫を重ねた結果、本発明者らは、ARSの重篤度を軽減するため、又はその発症を完全に予防するために、放射線から身体を保護するための組成物及び方法を開発した。実際、いくつかの実施形態では、組成物は、胃腸毒性、造血毒性、中枢神経系毒性、皮膚毒性、又はこれらの任意の組み合わせに対して保護を行う可能性がある。特定の実施形態によれば、組成物は、経口製剤、注射製剤、吸入製剤、又は外用製剤中に1種以上の目的化合物を含んでもよい。また、組成物は、本明細書で上述したような1種以上の添加剤(例えば、1種以上のステロイド)を含んでもよい。
【0047】
組成物は、高線量の放射線に対して保護を行うために使用するので、目的化合物は比較的高い用量で使用してもよい。実際、許容可能な最高用量を投与してもよい。いくつかの実施形態では、例えば、目的化合物の用量は約200mg/m2~約2200mg/m2であってよい。更なる実施形態では、例えば、約600mg/m2~約1200mg/m2の用量を使用してもよい。この点で、例えば、使用の用量は以下のいずれか:少なくとも約200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2150、2160、2170、2180、2190、2195、2196、2197、2198、及び2199mg/m2、並びに/又は最大約2200、2100、2000、1900、1800、1700、1600、1500、1400、1300、1200、1100、1000、900、800、700、600、500、400、300、250、240、230、220、210、205、204、203、202、及び201mg/m2(例えば、約700~1000mg/m2、約200~900mg/m2等)であってよい。最大の効果を得るために、組成物は放射線曝露前の数分以内(例えば、約15~30分)に投与してもよい。更なる実施形態では、組成物は、曝露前の5分以内に塗布してもよいように促進剤(例えば、DMSO)を含んでもよい。特定の実施形態では、目的化合物の放射線保護効果を増強する1種以上の追加の薬物(例えば、β‐グルカン)を組成物が更に含むことにより、所望の細胞保護効果を達成するために必要な目的化合物の用量を減らしてもよい。
【0048】
E.放射線誘発性線維症
放射線療法は癌細胞を死滅させるが、放射線領域内の健康な組織にも悪影響を及ぼす可能性がある。発症する可能性のある副作用の1例には放射線誘発性線維症があり、これは皮膚及び皮下組織、肺、消化管及び尿生殖器菅、並びに放射線領域内の他の任意の臓器で発症する可能性がある。具体的には、放射線療法は炎症を誘引し、線維芽細胞を筋線維芽細胞へと変化させる場合もある。筋線維芽細胞は急速かつ過剰に増殖し、またコラーゲンや他の細胞外マトリクス成分を過剰に生成することが知られている。その結果生じる線維症は、機能的及び美容的損傷、例えば皮膚硬結や皮膚肥厚、筋短縮や筋萎縮、関節可動性の制限、リンパ浮腫、粘膜線維症、潰瘍形成、瘻孔、中空器官狭窄、疼痛、開口障害、口腔乾燥、声質低下、放射線性骨壊死、嚥下障害、誤嚥、頚神経叢、上腕神経叢障害、間質性線維症、呼吸困難、酸素要求、尿意切迫、頻尿、下痢、生殖機能喪失、性交疼痛症、他の身体外傷、段階的虚血等の原因となる可能性がある。
努力及び創意工夫を重ねた結果、本発明者らは、放射線誘発性線維症を予防するための新規な予防組成物及び方法を開発した。特定の実施形態によれば、例えば、組成物は、放射線誘発性線維症を発症するリスクのある組織を保護するために、放射線領域内の身体の1箇所以上の部位に1種以上の目的化合物を供給するための吸入製剤、経口製剤、外用製剤、又は注射用製剤を含んでもよい。また、組成物は、本明細書で上述したような1種以上の添加剤を含んでもよい。
【0049】
組成物は高線量の放射線に対して保護を行うために使用するので、目的化合物は比較的高い用量で使用してもよい。実際、許容可能な最高用量を投与してもよい。いくつかの実施形態では、例えば、目的化合物の用量は約200mg/m2~約2200mg/m2であってよい。更なる実施形態では、例えば、約600mg/m2~約1200mg/m2の用量を使用してもよい。この点で、例えば、使用の用量は以下のいずれか:少なくとも約200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2150、2160、2170、2180、2190、2195、2196、2197、2198、及び2199mg/m2、並びに/又は最大約2200、2100、2000、1900、1800、1700、1600、1500、1400、1300、1200、1100、1000、900、800、700、600、500、400、300、250、240、230、220、210、205、204、203、202、及び201mg/m2(例えば、約700~1000mg/m2、約200~900mg/m2等)であってよい。放射線曝露を長期的に繰り返す場合、毒性の蓄積を避けるために上記範囲の下限用量を使用すべきである。例えば、このような場合、約200mg/m2~約600mg/m2の用量を使用してもよい。
【0050】
F.化学療法に伴う末梢神経障害
放射線療法と同様に、化学療法は、癌細胞のみならず健康な細胞にも悪影響を及ぼす可能性がある。化学療法の潜在的な悪影響の1つは末梢神経への損傷であり、末梢神経障害をもたらす。末梢神経は感覚を伝え、腕や脚の運動を制御し、膀胱や腸を制御する。末梢神経障害の症状には、刺痛、疼痛、感覚低下、触覚、温覚、圧覚、及び/又は痛覚の増強、筋力低下、細かい運動能力の困難等が挙げられる。
努力及び創意工夫を重ねた結果、本発明者らは、化学療法に伴う末梢神経障害を予防するための新規な予防組成物及び方法を開発した。特定の実施形態によれば、例えば、組成物は、化学療法薬から神経細胞を保護する1種以上の目的化合物を末梢神経に供給するための経口製剤又は注射製剤を含んでもよい。また、組成物は、本明細書で上述したような1種以上の添加剤を含んでもよい。
【0051】
組成物は高線量の放射線に対して保護を行うために使用するので、目的化合物は比較的高い用量で使用してもよい。実際、許容可能な最高用量を投与してもよい。いくつかの実施形態では、例えば、目的化合物の用量は、約200mg/m2~約2200mg/m2であってよい。更なる実施形態では、例えば、約600mg/m2~約1200mg/m2の用量を使用してもよい。この点で、例えば、使用の用量は以下のいずれか:少なくとも約200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2150、2160、2170、2180、2190、2195、2196、2197、2198、及び2199mg/m2、並びに/又は最大約2200、2100、2000、1900、1800、1700、1600、1500、1400、1300、1200、1100、1000、900、800、700、600、500、400、300、250、240、230、220、210、205、204、203、202、及び201mg/m2(例えば、約700~1000mg/m2、約200~900mg/m2等)であってよい。放射線曝露を長期的に繰り返す場合、毒性の蓄積を避けるために上記範囲の下限用量を使用すべきである。例えば、このような場合、約200mg/m2~約600mg/m2、又は更に200mg/m2~約350mg/m2の用量を使用してもよい。
【0052】
G.放射線療法及び化学療法誘発性不妊
骨盤及び/又は生殖器官に向けた放射線は、癌患者の不妊の原因となる場合がある。同様に、卵細胞や精子細胞は急速に分裂し、化学療法は急速に分裂する細胞を標的とすることから、化学療法も癌患者に不妊を引き起こす可能性がある。現在のところ、治療前に卵細胞又は精子細胞を回収して保存する以外は、生殖能力を維持する手段は存在しない。しかし、当業者が熟知しているように、精子細胞と卵細胞との違いから、男性と女性とで治療過程が異なる場合がある。例えば、成熟した精子細胞は放射線耐性が非常に高いが、突然変異から保護する必要があるのは、精子形成の過程とそこで使用される精子幹細胞である。一方、女性の卵細胞は全て出生時に存在するため、突然変異と細胞死の両方から保護することが有益である。
努力及び創意工夫を重ねた結果、本発明者らは、癌患者における不妊の可能性を低減するための新規な予防組成物及び方法を開発した。同様に、この組成物は、放射線及び/又は化学療法で生き残った精子細胞及び/又は卵細胞における変異誘発を防止するために使用してもよい。特定の実施形態によれば、例えば、組成物は、生殖器官内の卵細胞又は精子細胞に1種以上の目的化合物を供給するための経口製剤又は注射製剤を含んでもよい。また、組成物は、本明細書で上述したような1種以上の添加剤を含んでもよい。
【0053】
ゲノム不安定/変異誘発又は細胞死から卵細胞及び/又は幹細胞を保護することが目的であるか否かによって組成物の用量は変わる。例えば、女性を不妊症から保護するためには、細胞保護的な用量でなければならない。その背景では、許容可能な最高用量を投与してもよい。いくつかの実施形態では、例えば、目的化合物の用量は、約200mg/m2~約2200mg/m2であってよい。更なる実施形態では、例えば、約600mg/m2~約1200mg/m2の用量を使用してもよい。この点で、例えば、使用の用量は以下のいずれか:少なくとも約200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2150、2160、2170、2180、2190、2195、2196、2197、2198、及び2199mg/m2、並びに/又は最大約2200、2100、2000、1900、1800、1700、1600、1500、1400、1300、1200、1100、1000、900、800、700、600、500、400、300、250、240、230、220、210、205、204、203、202、及び201mg/m2(例えば、約700~1000mg/m2、約200~900mg/m2等)であってよい。放射線療法又は化学療法曝露を長期的に繰り返す場合、毒性の蓄積を避けるために上記範囲の下限用量を使用すべきである。例えば、このような場合、約200mg/m2~約600mg/m2、又は更に200mg/m2~約350mg/m2の用量を使用してもよい。
ゲノム不安定/変異誘発から男性又は女性を保護するために、目的化合物は最低有効量で使用すべきである。いくつかの実施形態では、例えば、目的化合物の用量は約10mg/m2~約600mg/m2であってよい。いくつかの実施形態では、例えば、目的化合物の用量は約30mg/m2~約200mg/m2であってよい。例えば、特定の実施形態によれば、目的化合物の用量は、少なくとも約30、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、575、585、595、596、597、598、及び599mg/m2、並びに/又は最大約600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、100、50、40、35、34、33、32、及び31mg/m2(例えば、約150~400mg/m2、約30~250mg/m2等)であってよい。
【0054】
H.放射線療法誘発性臓器損傷
内臓に向けた放射線は癌細胞のみならず臓器も損傷させる可能性がある。現在、特定の臓器、即ち肝臓、腎臓、脾臓、膵臓、肺、心臓、皮膚、生殖器、前立腺、結腸、小腸、及び直腸を放射線損傷から保護する有効な手段は存在しない。
努力及び創意工夫を重ねた結果、本発明者らは肝臓、腎臓、及び脾臓において放射線療法誘発性損傷を予防するための新規な予防組成物及び方法を開発した。特定の実施形態によれば、例えば、組成物は、肝臓、腎臓、脾臓、膵臓、肺、心臓、皮膚、生殖器、前立腺、結腸、小腸、及び/又は直腸に1種以上の目的化合物を供給するための経口製剤又は注射製剤を含んでもよい。理論に縛られることなく、肝臓、腎臓、及び脾臓が目的化合物による治療に特に適している理由は、肝臓、腎臓、脾臓、膵臓、肺、心臓、皮膚、生殖器官、前立腺、結腸、小腸、及び直腸が腫瘍細胞より目的化合物を良好に取り込むので、腫瘍転移保護を回避しながらこれらの臓器の利益を最大にするからである。
【0055】
組成物は高線量の放射線に対して保護を行うために使用するので、目的化合物は比較的高い用量で使用してもよい。実際、許容可能な最高用量を投与してもよい。いくつかの実施形態では、例えば、目的化合物の用量は、約200mg/m2~約2200mg/m2であってよい。更なる実施形態では、例えば、約600mg/m2~約1200mg/m2の用量を使用してもよい。この点で、例えば、使用の用量は以下のいずれか:少なくとも約200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2150、2160、2170、2180、2190、2195、2196、2197、2198、及び2199mg/m2、並びに/又は最大約2200、2100、2000、1900、1800、1700、1600、1500、1400、1300、1200、1100、1000、900、800、700、600、500、400、300、250、240、230、220、210、205、204、203、202、及び201mg/m2(例えば、約700~1000mg/m2、約200~900mg/m2等)であってよい。放射線曝露を長期的に繰り返す場合、毒性の蓄積を避けるために上記範囲の下限用量を使用すべきである。例えば、このような場合、約200mg/m2~約600mg/m2、又は更に200mg/m2~約350mg/m2の用量を使用してもよい。また、組成物は、本明細書で上述したような1種以上の添加剤を含んでもよい。
【0056】
非限定的な例示的実施形態
本明細書で本発明の様々な態様及び実施形態を説明してきたが、本発明の更なる具体的な実施形態は以下の段落に記載されるものを含む。
本発明に従った特定の実施形態は、紫外線(UV)損傷を予防及び修復する組成物及び方法を提供する。
一態様では、紫外線(UV)照射損傷を予防及び修復するための組成物を提供する。特定の実施形態によれば、組成物は目的化合物及び日焼け止めを含む。いくつかの実施形態では、目的化合物は、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む。特定の実施形態では、組成物は、UV照射に起因するゲノム不安定を低減又は防止する。更なる実施形態では、組成物は、皮膚細胞中に抗酸化物質生成を誘導し、UV照射損傷を修復する。
【0057】
特定の実施形態によれば、目的化合物は、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む。更なる実施形態では、組成物は更にステロイドを含む。
特定の実施形態によれば、日焼け止めは、酸化亜鉛、二酸化チタン、オキシベンゾン、アボベンゾン、オクチサレート(octisalate)、オクトクリレン、ホモサラート、オクチノキサート、エンスリゾール、シノキセート、ジオキシベンゾン、メラジマート、パディメート‐O、スルイソベンゾン、ベモトリジノール、安息香酸ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシル、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ビソクトリゾール、ベンゾフェノン、4‐アミノ安息香酸、エカムスル、エンザカメン、ジベンゾイルメタン、シノキセート、サリチル酸トロラミン、ドロメトリゾールトリシロキサン、トリエタノールアミン、パルミチン酸レチニル、ビスジスリゾール二ナトリウム、アミロキサート(amiloxate)、ポリシリコーン‐15、イスコトリジノール、3‐ベンジリデンショウノウ、トリス‐ビフェニルトリアジン、メチルイソチアゾリノン、エチルヘキシルトリアゾン、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む。
【0058】
特定の実施形態によれば、組成物は、用量として約25mg/m2~約225mg/m2の目的組成物を含む。他の実施形態では、組成物は、用量として約75mg/m2~約200mg/m2の目的化合物を含む。
特定の実施形態によれば、組成物は、日焼け止めローション又は化粧品を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、外用製剤を含む。
別の態様では、UV照射損傷を予防及び修復する方法を提供する。特定の実施形態によれば、前記方法は組成物を皮膚に塗布する工程を含む。いくつかの実施形態では、組成物は目的化合物及び日焼け止めを含む。更なる実施形態では、目的化合物は、1つ以上のジスルフィド基、混合ジスルフィド基、又は遊離チオール基と、アミン基が正帯電したポリアミン骨格とを有するホスホロチオエート化合物、その類似体、誘導体、プロドラッグ、又は塩を含む。
【0059】
特定の実施形態によれば、組成物を皮膚に塗布する工程は、UV曝露の最大12時間前及び/又はUV曝露から最大24時間後に組成物を皮膚に塗布する工程を含む。
特定の実施形態では、組成物は、UV照射に起因するゲノム不安定を低減又は防止する。更なる実施形態では、組成物は、皮膚細胞中で抗酸化物質生成を誘導し、UV照射損傷を修復する。
特定の実施形態によれば、目的化合物は、S‐2‐(3‐アミノプロピルアミノ)エチルホスホロチオ酸(アミフォスチン、WR‐2721)、2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール(アミフォスチン遊離チオール形態、WR‐1065)、[2‐[(アミノプロピル)アミノ]エタンチオール]N,N,’‐ジチオジ‐2,1‐(エタンジイル)ビス‐1,3‐プロパンジアミン(二硫化アミフォスチン形態、WR‐33278)、S‐[2‐(3‐メチルアミノプロピル)アミノエチル]ホスホロチオ酸(ホスホノール、WR‐3689)、2‐[3‐(メチルアミノ)プロピルアミノ]エタンチオール(WR‐255591)、S‐3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロピルホスホロチオ酸(WR‐151327)、3‐(3‐メチルアミノプロピルアミノ)プロパンチオール二塩酸塩(WR‐151326)、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む。更なる実施形態では、組成物は更にステロイドを含む。
【0060】
特定の実施形態によれば、日焼け止めは、酸化亜鉛、二酸化チタン、オキシベンゾン、アボベンゾン、オクチサレート(octisalate)、オクトクリレン、ホモサラート、オクチノキサート、エンスリゾール、シノキセート、ジオキシベンゾン、メラジマート、パディメート‐O、スルイソベンゾン、ベモトリジノール、安息香酸ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシル、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ビソクトリゾール、ベンゾフェノン、4‐アミノ安息香酸、エカムスル、エンザカメン、ジベンゾイルメタン、シノキセート、サリチル酸トロラミン、ドロメトリゾールトリシロキサン、トリエタノールアミン、パルミチン酸レチニル、ビスジスリゾール二ナトリウム、アミロキサート(amiloxate)、ポリシリコーン‐15、イスコトリジノール、3‐ベンジリデンショウノウ、トリス‐ビフェニルトリアジン、メチルイソチアゾリノン、エチルヘキシルトリアゾン、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む。
特定の実施形態によれば、組成物は、用量として約25mg/m2~約225mg/m2の目的組成物を含む。他の実施形態では、組成物は、用量として約75mg/m2~約200mg/m2の目的組成物を含む。
特定の実施形態によれば、組成物は日焼け止めローション又は化粧品を含む。
【0061】
上述の説明及び関連する図面に示された教示の利益を有する本発明が属する技術分野の当業者にとって、本明細書に記載の発明の変更は想起できるものである。従って、本発明は、開示した特定の実施形態に限定されるものではなく、変更及び他の実施形態が意図して添付の特許請求の範囲内に包含されていることは理解されているものとする。本明細書では特定の用語を使用しているが、これらは一般的かつ説明的な意味合いでのみ使用しており、限定することを目的としていない。
【国際調査報告】