(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】電磁弁及び電磁弁アセンブリ
(51)【国際特許分類】
F16K 31/06 20060101AFI20240305BHJP
【FI】
F16K31/06 305Z
F16K31/06 305K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549834
(86)(22)【出願日】2022-01-28
(85)【翻訳文提出日】2023-10-17
(86)【国際出願番号】 CN2022074848
(87)【国際公開番号】W WO2022199252
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】202120593934.6
(32)【優先日】2021-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】馮 忠波
(72)【発明者】
【氏名】張 文▲ロン▼
(72)【発明者】
【氏名】王 傅鋼
(72)【発明者】
【氏名】李 浙鵬
【テーマコード(参考)】
3H106
【Fターム(参考)】
3H106DA13
3H106DA23
3H106DB23
3H106DC02
3H106EE35
3H106GA23
3H106GB01
3H106KK17
3H106KK23
(57)【要約】
電磁弁(100)及び電磁弁アセンブリ(200)であって、電磁弁(100)は、弁体(1)、封止アセンブリ(2)、第1弾性部材(3)を含み、第1取り付けチャンバ(11)の弁口(12)に近接した一端に弁体(1)と一体成形された制限部(13)が設けられ、第1弾性部材(3)が封止アセンブリ(2)に嵌合され、第1弾性部材(3)の一端が封止アセンブリ(2)に当接され、他端が弁体(1)に当接され、且つ第1弾性部材(3)の弁体(1)に当接された一端の外側面が制限部(13)に当接される。制限部(13)と弁体(1)との一体成形は電磁弁(100)の組み立て効率及び第1弾性部材(3)に対する制限効果を向上させるのに有利である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁体、及び封止アセンブリを含む電磁弁であって、前記弁体内に第1取り付けチャンバ及び弁口を有し、前記封止アセンブリは、前記第1取り付けチャンバ内に収容されて前記弁口の開閉のために用いられ、
前記電磁弁は、第1弾性部材を更に含み、前記第1取り付けチャンバの前記弁口に近接した一端には前記弁体と一体成形された制限部が設けられており、前記第1弾性部材が封止アセンブリに嵌合され、前記第1弾性部材の一端が前記封止アセンブリに当接され、他端が前記弁体に当接され、且つ前記第1弾性部材の前記弁体に当接された一端の外側面が前記制限部に当接される、電磁弁。
【請求項2】
前記制限部は、前記第1取り付けチャンバ内に設けられた、前記封止アセンブリの軸線方向に向かって延在する突起であり、前記第1弾性部材の外側面が前記突起の側壁に当接される、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項3】
前記第1取り付けチャンバ内の前記弁口に近接した一端のチャンバ底部が凹んで制限溝が形成されており、前記制限溝の溝壁により前記制限部が形成され、前記第1弾性部材の前記弁口に近接した一端が前記制限溝内に収容され、且つ前記第1弾性部材の外側面が前記制限溝の側壁に当接される、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項4】
前記第1弾性部材の前記弁口に近接した一端に第1非弾性セグメントを有する、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項5】
前記制限部は、突起又は制限溝であり、前記突起は、前記第1取り付けチャンバ内に設けられて前記封止アセンブリの軸線方向に向かって延在し、前記第1取り付けチャンバ内の前記弁口に近接した一端のチャンバ底部が凹んで前記制限溝が形成され、
前記突起の高さ又は前記制限溝の深さが前記第1非弾性セグメントの高さ以下である、請求項4に記載の電磁弁。
【請求項6】
前記第1弾性部材はバネであり、前記バネの前記弁口に近接した一端には前記バネの少なくとも2巻が密着して形成された前記第1非弾性セグメントを有する、請求項5に記載の電磁弁。
【請求項7】
前記突起の高さ又は前記制限溝の深さが前記バネの密着した2巻の線径の和以下である、請求項6に記載の電磁弁。
【請求項8】
前記第1弾性部材の前記弁口から離れた一端に第2非弾性セグメントを有し、前記第2非弾性セグメントが前記封止アセンブリの前記弁口から離れた一端に当接される、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項9】
前記封止アセンブリの前記第1弾性部材が当接された一端に凹溝部が設けられ、前記第2非弾性セグメントが前記凹溝部内に収容され、且つ前記第2非弾性セグメントの外側面は前記凹溝部の前記第1取り付けチャンバ側に近接した溝壁に当接される、請求項8に記載の電磁弁。
【請求項10】
前記凹溝部の深さが前記第2非弾性セグメントの高さ以下である、請求項9に記載の電磁弁。
【請求項11】
前記第1弾性部材はバネであり、前記バネの前記封止アセンブリに当接された一端には前記バネの少なくとも2巻が密着して形成された前記第2非弾性セグメントを有し、且つ前記凹溝部の深さが前記バネの密着した2巻の線径の和以下である、請求項10に記載の電磁弁。
【請求項12】
前記弁体の内壁のキャビティの直径が前記第1弾性部材の外径より大きい、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項13】
取り付けベース及び請求項1から12のいずれか一項に記載の電磁弁を含む電磁弁アセンブリであって、前記電磁弁と前記取り付けベースとは着脱可能に接続される、電磁弁アセンブリ。
【請求項14】
前記取り付けベースの前記弁口から離れた一端に取り付け溝が設けられ、前記取り付け溝内にシール部材が設けられ、前記取り付けベースと前記弁体とは前記シール部材を介して封止接続される、請求項13に記載の電磁弁アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年3月23日に出願された、出願番号が202120593934.6であり、発明の名称が「電磁弁及び電磁弁アセンブリ」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は引用により本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願は弁装置の分野に関し、特に、電磁弁及び電磁弁アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術における電磁弁は、構造が複雑であり、且つ空調配管又はモジュールアセンブリとの迅速な組み立てが不可能であり、取り付け効率が比較的低い。同時に、従来技術における電磁弁は、弁体の底部と封止部材との間にバネを設けて、バネの弾性力により封止部材を駆動して移動させて弁口を開けて開弁を実現するが、従来技術におけるバネはカシメにより弁体と一体構造になるため、組み立てのプロセスが複雑になり、後でバネを取り外すことができず、弁体の加工難度が高くなり、製造コストが増加する技術課題をもたらす。従来技術において、制限部材を別途に設けてバネを制限する場合もあるが、制限部材を別途に設けることも同様に組み立て工程を増加させ、且つ電磁弁の作業中に、制限部材が弁体に対して相対的に移動する可能性があり、バネに対する制限の安定性が不十分になってしまう問題がある。
【発明の概要】
【0004】
これに基づいて、上記の技術課題について、電磁弁及び電磁弁アセンブリを提供する必要がある。
【0005】
上記の目的を達成するために、本出願で提供される技術態様は以下の通りである。
弁体、及び封止アセンブリを含む電磁弁であって、弁体内に第1取り付けチャンバ及び弁口を有し、封止アセンブリは、第1取り付けチャンバ内に収容されて弁口の開閉のために用いられ、電磁弁は、第1弾性部材を更に含み、第1取り付けチャンバの弁口に近接した一端には弁体と一体成形された制限部が設けられており、第1弾性部材が封止アセンブリに嵌合され、第1弾性部材の一端が封止アセンブリに当接され、他端が弁体に当接され、且つ第1弾性部材の弁体に当接された一端の外側面が制限部に当接される。
【0006】
第1弾性部材の封止アセンブリから離れた一端が制限されていない場合、第1弾性部材が弁体の軸線方向に沿って往復移動するとき、ずれ又は横曲げが発生する可能性があり、常に弁体の軸線方向に沿って直線運動することができず、封止アセンブリに対する駆動力の方向にずれが発生してしまい、封止アセンブリの弁口に対する封止効果に影響を与えることが理解できる。本出願は、制限部を設けることにより第1弾性部材に対して制限及び位置決めを行い、第1弾性部材の径方向の移動にずれ又は横曲げが発生することを防止して、第1弾性部材が常に弁体の軸線方向に沿って直線運動することを確保すると同時に、制限部が第1弾性部材の端部に摩擦力を加え、第1弾性部材が往復に圧縮する及び伸びるとき端部が第1弾性部材の中間領域に巻き付けられることを防止するのに有利であり、且つ本考案において、制限部と弁体とが一体成形され、電磁弁の組み立て工程の増加を回避し、電磁弁全体の組み立て効率を向上させるのに有利であり、同時に使用過程において制限部と弁体との相対的な変位が発生し、第1弾性部材に対する制限効果に影響を与えることも回避できる。
【0007】
一実施例において、制限部は、第1取り付けチャンバ内に設けられた、封止アセンブリの軸線方向に向かって延在する突起であり、第1弾性部材の外側面が突起の側壁に当接される。
【0008】
制限部が突起であり、構造が簡単で、弁体の加工難度が低いことが理解できる。
【0009】
一実施例において、第1取り付けチャンバ内の弁口に近接した一端のチャンバ底部が凹んで制限溝が形成されており、制限溝の溝壁により制限部が形成され、第1弾性部材の弁口に近接した一端が制限溝内に収容され、且つ第1弾性部材の外側面が制限溝の側壁に当接される。
【0010】
制限部は、第1取り付けチャンバのチャンバ底部が凹んで形成された制限溝であり、その構造が簡単で、加工成形しやすく、弁体の加工難度を低下させ、電磁弁の製造コストを低下させるのに有利であることが理解できる。
【0011】
一実施例において、第1弾性部材の弁口に近接した一端に第1非弾性セグメントを有する。
【0012】
第1弾性部材に設けられた非弾性セグメントは、伸縮する又は伸びることができないため、第1弾性部材の中間部に巻き付けられる可能性を低下させることが理解できる。
【0013】
一実施例において、制限部は、突起又は制限溝であり、突起は、第1取り付けチャンバ内に設けられて封止アセンブリの軸線方向に向かって延在し、第1取り付けチャンバ内の弁口に近接した一端のチャンバ底部が凹んで制限溝が形成され、突起の高さ又は制限溝の深さが第1非弾性セグメントの高さ以下である。
【0014】
突起の高さ又は制限溝の深さが第1非弾性セグメントの高さ以下であると、突起の高さ又は制限溝の深さが大きすぎることで第1弾性部材の往復に圧縮する又は伸びる幅に影響を与え、更に第1弾性セグメントの封止アセンブリに対する駆動力の大きさに影響を与えて開弁に影響を与えることを防止するのに有利であることが理解できる。
【0015】
一実施例において、第1弾性部材はバネであり、バネの弁口に近接した一端にはバネの少なくとも2巻が密着して形成された第1非弾性セグメントを有する。
【0016】
一実施例において、突起の高さ又は制限溝の深さがバネの密着した2巻の線径の和以下である。
【0017】
突起の高さ又は制限溝の深さがバネの密着した2巻の線径の和以下であることが理解できる。突起の高さ又は制限溝の深さが大きすぎることで往復に圧縮する又は伸びる幅に影響を与え、開弁効率に影響を与えることを回避する。
【0018】
一実施例において、第1弾性部材の弁口から離れた一端に第2非弾性セグメントを有し、第2非弾性セグメントが封止アセンブリの弁口から離れた一端に当接される。
【0019】
第2非弾性セグメントを設けることは、第1弾性部材の弁口から離れた一端が第1弾性部材の中間領域に巻き付けられることを防止するのに有利であることが理解できる。
【0020】
一実施例において、封止アセンブリの第1弾性部材が当接された一端に凹溝部が設けられ、第2非弾性セグメントが凹溝部内に収容され、且つ第2非弾性セグメントの外側面は凹溝部の第1取り付けチャンバ側に近接した溝壁に当接される。
【0021】
第2非弾性セグメントが凹溝部内に収容されるように凹溝部を設けることにより、第1弾性部材に対して制限及び位置決めの作用を果たすことが理解できる。
【0022】
一実施例において、凹溝の深さが第2非弾性セグメントの高さ以下である。
【0023】
凹溝の深さが深すぎることで凹溝の溝壁が第1弾性部材の圧縮する又は伸びる運動を妨げないように、凹溝の深さが第2非弾性セグメントの高さ以下であることが理解できる。
【0024】
一実施例において、第1弾性部材はバネであり、バネの封止アセンブリに当接された一端にはバネの少なくとも2巻が密着して形成された第2非弾性セグメントを有し、且つ凹溝部の深さがバネの密着した2巻の線径の和以下である。
【0025】
一実施例において、弁体の内壁のキャビティの直径が第1弾性部材の外径より大きい。
【0026】
弁座の内壁のキャビティの直径が第1弾性部材の外径より大きいと、チャンバ壁が第1弾性部材に接触して摩擦力を発生させることを有効に回避し、第1弾性部材の収縮する又は伸びる速度に影響を与えることを回避できることが理解できる。
【0027】
一実施例において、取り付けベース及び上記のいずれかの電磁弁を含み、電磁弁と取り付けベースとは着脱可能に接続される。
【0028】
電磁弁と取り付けベースとが着脱可能に接続されて、電磁弁と取り付け台との組み立て及び取り外しの難度が簡単になり、電磁弁と取り付けベースとの迅速な接続又は分離を実現して、取り付け効率を向上させることが理解できる。
【0029】
一実施例において、取り付けベースの弁口から離れた一端に取り付け溝が設けられ、取り付け溝内にシール部材が設けられ、取り付けベースと弁体とはシール部材を介して封止接続される。
【0030】
従来技術に比べて、上記の技術態様の有益な効果は以下の通りである。
本出願は、制限部を設けることにより第1弾性部材に対して制限及び位置決めを行い、第1弾性部材の径方向の移動にずれ又は横曲げが発生することを防止して、第1弾性部材が常に弁体の軸線方向に沿って直線運動することを確保すると同時に、制限部が第1弾性部材の端部に摩擦力を加え、第1弾性部材が往復に圧縮する及び伸びるとき端部が第1弾性部材の中間領域に巻き付けられることを防止するのに有利であり、且つ本考案において、制限部と弁体とが一体成形され、電磁弁の組み立て工程の増加を回避し、電磁弁全体の組み立て効率を向上させるのに有利であり、同時に使用過程において制限部と弁体との相対的な変位が発生し、第1弾性部材に対する制限効果に影響を与えることも回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本出願の一実施例における電磁弁と取り付けベースとの組み立ての模式図である。
【0032】
100 電磁弁、200 電磁弁アセンブリ、1 弁体、11 第1取り付けチャンバ、12 弁口、13 制限部、14 弁座、141 延在部、142 第1段差、143 第1凹溝、15 弁蓋、151 凹状チャンバ、16 クランプ部、17 接続部、171 第1ねじ部、18 流入通路、19 流出通路、2 封止アセンブリ、21 凹溝部、22 パイロット弁口、23 パイロット孔、3 第1弾性部材、31 第1非弾性セグメント、32 第2非弾性セグメント、4 電磁駆動アセンブリ、41 スリーブ、42 電磁コイル、43 固定子、44 可動子、45 第2取り付けチャンバ、46 スピンドル、47 第2弾性部材、48 スピンドル弾性部材、49 磁気誘導フレーム、5 取り付けベース、51 取り付け溝、52 第2段差、6 シール部材。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本出願の実施形態における図面を参照して、本出願の実施形態における技術態様を明確且つ完全に説明するが、説明した実施形態は、本出願の実施形態の一部にすぎず、全ての実施形態ではないことは明らかである。当業者が、本出願における実施形態に基づいて、創造的な労力なしに得られた全ての他の実施形態はいずれも本出願の保護範囲に属する。
【0034】
説明すべきこととして、アセンブリが他のアセンブリに「装着される」とされる場合、他のアセンブリに直接装着されてもよく、又は介在するアセンブリが存在してもよい。アセンブリが他のアセンブリに「設けられる」とみなされる場合、他のアセンブリに直接設けられてもよく、又は介在するアセンブリが同時に存在してもよい。アセンブリが他のアセンブリに「固定される」とみなされる場合、他のアセンブリに直接固定されてもよく、又は介在するアセンブリが同時に存在してもよい。
【0035】
特に定義しない限り、本出願に使用される全ての技術用語や科学用語は、本出願の属する技術分野における当業者が通常理解している意味と同じである。ここで、本出願の明細書に使用される用語は、単に具体的な実施形態を説明することを目的とし、本出願を制限するものではない。本出願に使用される「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目の1つ以上の任意の及び全ての組み合わせを含む。
【0036】
図1から
図3に示すように、本実施例では、弁体1、及び封止アセンブリ2を含む電磁弁100であって、配管内の媒体の流通/遮断又は媒体流量の大きさを制御することに用いられる電磁弁100を提供する。ここで、弁体1内に第1取り付けチャンバ11を有し、第1取り付けチャンバ11は外部環境と連通する弁口12を有し、封止アセンブリ2は、第1取り付けチャンバ11内に収容されて弁口12の開閉のために用いられ、且つ封止アセンブリ2と第1取り付けチャンバ11のチャンバ壁とはシール摺接される。
【0037】
具体的には、電磁弁100は、第1弾性部材3を更に含み、第1弾性部材3は電磁弁100の軸線方向に沿って収縮する又は伸びることができ、第1弾性部材3が伸びて拡張するとき、封止アセンブリ2を駆動して弁口12を背いて移動させて、開弁を実現し、第1取り付けチャンバ11内の弁口12に近接した一端には弁体1と一体成形された制限部13が設けられ、第1弾性部材3が封止アセンブリ2に嵌合され、第1弾性部材3の一端が封止アセンブリ2に当接され、他端が弁体1に当接され、且つ第1弾性部材3の弁体1に当接された一端の外側面が制限部13に当接される。
【0038】
従来技術におけるバネはカシメにより弁体1と一体構造になるため、組み立てのプロセスが複雑になり、後でバネを取り外すことができず、弁体1の加工難度が高くなり、製造コストが増加する技術課題をもたらす。従来技術において、制限部材を別途に設けてバネを制限する場合もあるが、制限部材を別途に設けることも同様に組み立て工程を増加させ、且つ電磁弁100の作業中に、制限部材が弁体1に対して相対的に移動する可能性があり、バネに対する制限の安定性が不十分になってしまう問題がある。
【0039】
しかしながら、本出願は、弁体1と一体成形された制限部13を設けることにより、第1弾性部材3に対する制限及び位置決めを実現し、第1弾性部材3の径方向の移動にずれ又は横曲げが発生することを防止して、第1弾性部材3が常に弁体1の軸線方向に沿って直線運動することを確保すると同時に、制限部13が第1弾性部材3の端部に摩擦力を加え、第1弾性部材3が往復に圧縮する及び伸びるとき端部が第1弾性部材3の中間領域に巻き付けられることを防止するのに有利であり、且つ本考案において、制限部13と弁体1とが一体成形され、電磁弁100の組み立て工程の増加を回避し、電磁弁100全体の組み立て効率を向上させるのに有利であり、同時に使用過程において制限部13と弁体1との相対的な変位が発生し、第1弾性部材3に対する制限効果に影響を与えることを回避する。
【0040】
一実施例において、
図2、
図3を参照すると、制限部13は、第1取り付けチャンバ11内に設けられた、封止アセンブリ2の軸線方向に向かって延在する突起であり、第1弾性部材3の外側面が突起の側壁に当接される。ここで、突起は、第1取り付けチャンバ11の底部、又は第1取り付けチャンバ11の側壁に設けられてもよく、突起の構造が簡単で、加工成形しやすく、弁体1の加工難度を低下させ、電磁弁100の製造コストを低下させるのに有利である。もちろん、他の実施例において、制限部13の具体的な構造は上記又は図示のものに限らず、例えば、
【0041】
別の実施例において、第1取り付けチャンバ11内の弁口12に近接した一端のチャンバ底部が凹んで制限溝が形成されており、制限溝の溝壁により制限部13が形成され、第1弾性部材3の封止アセンブリ2から離れた一端が制限溝内に収容され、且つ第1弾性部材3の外側面が制限溝の側壁に当接される。
【0042】
一実施例において、
図2、3を参照すると、第1弾性部材3の弁口12に近接した一端に第1非弾性セグメント31を有する。ここで、第1非弾性セグメント31は、伸縮する又は伸びることができないため、第1弾性部材3の中間部に巻き付けられる可能性を低下させる。
【0043】
選択的に、突起の高さ又は制限溝の深さが第1非弾性セグメント31の高さ以下であることで、突起の高さ又は制限溝の深さが大きすぎることで第1弾性部材3の往復に圧縮する又は伸びる幅に影響を与え、更に第1非弾性セグメント31の封止アセンブリ2に対する駆動力の大きさに影響を与えて開弁に影響を与えることを防止するのに有利である。
【0044】
一実施例において、第1弾性部材3はバネであり、バネの封止アセンブリ2から離れた一端にバネの少なくとも2巻が密着して形成された第1非弾性セグメント31を有することは、バネが螺旋状に複数の巻きを形成し、第1非弾性セグメント31は少なくとも2巻が密着して形成され、密着後は相対移動が不可能であるため、形成された第1非弾性セグメント31は圧縮する又は伸びることができないと理解することもできる。もちろん、他の実施例において、第1弾性部材3はバネに限らず、他の弾性素子であってもよい。
【0045】
選択的に、突起の高さ又は制限溝の深さがバネの密着した2巻の線径の和以下であり、突起の高さ又は制限溝の深さが大きすぎることでバネの往復に圧縮する又は伸びる幅に影響を与え、開弁効率に影響を与えることを回避する。
【0046】
一実施例において、
図2、3を参照すると、第1弾性部材3の弁口12から離れた一端に第2非弾性セグメント32を有し、第2非弾性セグメント32が封止アセンブリ2の弁口12から離れた一端に当接される。第2非弾性セグメント32を設けることは、第1弾性部材3の弁口12から離れた一端が第1弾性部材3の中間領域に巻き付けられることを防止するのに有利であることが理解できる。
【0047】
選択的に、封止アセンブリ2の第1弾性部材3が当接された一端に凹溝部21が設けられ、第2非弾性セグメント32が凹溝部21内に収容され、且つ第2非弾性セグメント32の外側面は凹溝部21の第1取り付けチャンバ11側に近接した溝壁に当接される。第2非弾性セグメント32が凹溝部21内に収容されるように凹溝部21を設け、制限部13と組み合わせて、第1弾性部材3に対する制限及び位置決めを更に強化して、第1弾性部材3の移動中の安定性を確保する。
【0048】
選択的に、凹溝部の深さが深すぎることで凹溝部の溝壁により第1弾性部材3が圧縮する又は伸びる運動をすることを妨げることを回避するために、凹溝部21の深さが第2非弾性セグメント32の高さ以下である。
【0049】
一実施例において、第1弾性部材3はバネであり、バネの封止アセンブリ2に当接された一端にはバネの少なくとも2巻が密着して形成された第2非弾性セグメント32を有し、且つ凹溝部21の深さがバネの密着した2巻の線径の和以下である。
【0050】
一実施例において、弁体1の内壁のキャビティの直径が第1弾性部材3の外径より大きいことにより、チャンバ壁が第1弾性部材3に接触して摩擦力を発生させることを有効に回避し、第1弾性部材3の収縮又は伸びる速度に影響を与えることを回避する。
【0051】
本出願は、取り付けベース5及び上記のいずれかの電磁弁100を含む電磁弁アセンブリ200を更に提供し、電磁弁100と取り付けベース5とが着脱可能に接続されて、電磁弁100と取り付けベース5との組み立て及び着脱難度が簡単になり、電磁弁100と取り付けベース5との迅速な接続又は分離を実現して、取り付け効率を向上させる。
【0052】
具体的には、本実施例において、
図1から3を参照すると、弁体1は、少なくとも弁座14を含み、弁座14内に第1取り付けチャンバ11が穿設されており、弁座14の軸方向に沿って上から下に向かってクランプ部16及び接続部17が順次設けられており、接続部17の外側壁に第1ねじ部171が設けられており、対応して取り付けベース5内に第2ねじ部(図示せず)が設けられており、第1ねじ部171が第2ねじ部に接続されて、弁座14と取り付けベース5との迅速な組み立てが実現される。ここで、取り付けベース5の具体的な構造形態は明細書又は図面に示される形態に限定されず、空調配管又は空調アセンブリに接続される任意の中間部材であってもよい。
【0053】
具体的には、本実施例において、クランプ部16の外径が接続部17の外径より大きく、クランプ部16の下端面が取り付けベース5の上端面に当接される。
【0054】
選択的に、取り付けベース5の弁口12から離れた一端に取り付け溝51が設けられ、具体的には、取り付け溝51が取り付けベース5と弁座14とが対向する端面に穿設され、取り付け溝51内にシール部材6が設けられ、取り付けベース5と弁座14とはシール部材6を介して封止接続されて、取り付けベース5と弁座14との間の封止性能を強化するのに有利である。ここで、弁座14内に弁口12及び第1取り付けチャンバ11と連通する流入通路18、流出通路19が穿設されており、弁口12の開閉を制御することにより流入通路18と流出通路19との連通又は閉鎖を制御することができる。弁座14のクランプ部16から離れた一端が軸方向に延在して延在部141を形成し、延在部141の外径が弁座14の流入通路18における外径より小さく、弁座14の流入通路18と延在部141との接続部に第1段差142が形成され、取り付けベース5の内側壁に第2段差52を有し、第1段差142が第2段差52に当接される。延在部141の外側部にシール部材6を取り付けるための第1凹溝143が設けられており、第1凹溝143は延在部141の外部の周方向に沿って設けられる。
【0055】
選択的に、クランプ部16には少なくとも2つのクランプ平面が設けられており、取り付け用外部工具とクランプ平面との係合により、弁座14と取り付けベース5との接続及び締め付けを実現し、取り付け効率を向上させる。
【0056】
選択的に、図を参照すると、弁座14のクランプ部16には、複数のクランプ平面、例えば6つのクランプ平面が設けられ、複数のクランプ平面が弁座14の周方向の周りに均等に分布される。もちろん、他の実施例において、設けられるクランプ平面の数は限定されない。
【0057】
一実施例において、
図1から3を参照すると、弁体1は弁蓋15を更に含み、弁蓋15の外側壁と第1取り付けチャンバ11の内壁側が封止接続され、且つ弁蓋15と弁座14とが相対的に摺動することはない。弁蓋15の弁口12に近接した一端に封止アセンブリ2を収容するための凹状チャンバ151が穿設されており、封止アセンブリ2の弁口12から離れた一端と凹状チャンバ151のチャンバ壁とがシール摺接される。
【0058】
一実施例において、電磁弁100は電磁駆動アセンブリ4を更に含み、電磁駆動アセンブリ4は、封止アセンブリ2を駆動して弁体1の軸線方向に沿って往復移動させて、弁口12の開閉を実現するために用いられる。
【0059】
具体的には、電磁駆動アセンブリ4は、電磁ユニット、スピンドルユニット、磁気誘導フレーム49を含み、磁気誘導フレーム49が弁座14に設けられ、磁気誘導フレーム49は電磁ユニットに対して制限、位置決め及び支持を行うために用いられる。電磁ユニットが通電すると、スピンドルユニットを駆動して封止アセンブリ2を背いて移動させて、開弁を実現する。電源を切ると、封止アセンブリ2は、弁口12と貼り合わせて弁口12を密閉するまで弁口12に向かって移動する。
【0060】
電磁ユニットは、電磁コイル42、電磁コイル42に対して固定されて動かない固定子43及び弁座14の軸方向に沿って移動する可動子44を含み、電磁コイル42は固定子43及び可動子44の外側に嵌合され、ここで、電磁コイル42が磁気誘導フレーム49内に固定される。固定子43と可動子44との間に第2弾性部材47が更に設けられており、可動子44内に軸方向に沿って貫通する第2取り付けチャンバ45が穿設されており、第2弾性部材47は少なくとも一部が第2取り付けチャンバ45内に移動可能に設けられており、第2弾性部材47の弾性回復は、スピンドルユニットを駆動して封止アセンブリ2に向かって移動させ、封止アセンブリ2を押し動かして弁口12に向かって移動させて、弁口12を閉じることができる。
【0061】
電磁駆動アセンブリ4は、スリーブ41を更に含み、スリーブ41の弁座14に近接した一端が磁気誘導フレーム49の外部に突出して弁蓋15に固定接続され、固定子43はスリーブ41の弁座14から離れた一端に固定され、可動子44はスリーブ41内に移動可能に設けられ、電磁コイル42はスリーブ41の外側に嵌合される。
【0062】
スピンドルユニットは、スピンドル46、スピンドル弾性部材48を含み、スピンドル46が第2取り付けチャンバ45内に移動可能に設けられ、スピンドル弾性部材48の一端がスピンドル46の固定子43に近接した一端に当接され、他端が第2取り付けチャンバ45の弁座14に近接した一端に当接される。
【0063】
具体的には、封止アセンブリ2のスピンドル46に近接した一端にパイロット弁口22を有するパイロット弁座が設けられており、スピンドル46は電磁ユニットの駆動によりパイロット弁口22を開閉する。封止アセンブリ2の中心に軸方向に貫通するパイロット孔23が設けられており、パイロット孔23とパイロット弁口22とが連通する。パイロット弁口22及びパイロット孔23を設けることにより、封止アセンブリ2が開弁又は閉弁するとき、封止アセンブリ2の両側に圧力差を発生させて、開弁又は閉弁の難度を低下させる。常時閉型電磁弁を例として、電磁ユニットの電磁力がオンになると、パイロット弁口22が弁口12より先に開き、このとき、封止アセンブリ2のスピンドル46に近接した側のチャンバがパイロット弁口22及びパイロット孔23によって減圧され、封止アセンブリ2の両端に上低下高の圧力差を形成し、圧力差の作用下で、流体圧力が封止アセンブリ2を押し動かして上に移動させ、弁口12を開き、電源を切ると、第2弾性部材47とスピンドル自身の重力の作用下で、スピンドル46が復帰し、パイロット弁口22が閉じられ、封止アセンブリ2が下に移動し、弁口12が閉じられ、封止アセンブリ2の弁口に近接した側のチャンバの圧力が高くなり、流体圧力が封止アセンブリ2に加圧し、封止がより良好になる。
【0064】
本出願において、電磁弁100(常時閉型電磁弁を例とする)が開弁を実現する過程は以下の通りである。電磁コイル42が通電すると、可動子44が固定子43に向かって移動し、可動子44は第2弾性部材47の弾力を克服して上に移動して、スピンドル46を連動して弁座14を背いて移動させるが、このとき、可動子44は第2弾性部材47の力を克服しなければ上に移動することができず、パイロット弁口22が開いて減圧された後、封止アセンブリ2が第1弾性部材3の押し動かし及び上下の圧力差の作用下で弁口12を背いて移動するが、このとき可動子44と固定子43との間の隙間がすでに小さいため、吸い付け力が吸い付けの初期段階よりはるかに大きく、且つこのときの可動子44が比較的大きい運動エネルギーを有するため、開弁が容易になり、開弁能力が従来の構造よりはるかに優れている。最後に、可動子44と固定子43とが完全に吸い付けられ、このとき、スピンドル46がスピンドル46の弾性部材の作用下で上限位置まで引き続き上に移動し、封止アセンブリ2は弁蓋15に密着されるまで上に移動して、弁口12が全開状態に達する。
【0065】
閉弁するとき、電磁コイル42の電源がオフになり、可動子44は固定子43の磁気吸引力を受けないと、可動子44は第2弾性部材47及びスピンドル弾性部材48の弾性作用及び自身の重力作用下でスピンドル46を連動して一緒に下に移動させて、弁口12の閉弁を実現する。
【0066】
以上の実施例の各技術特徴は、任意に組み合わせてもよく、説明を簡潔にするために、上記の実施例における各技術特徴の可能な組み合わせについて全て説明していないが、これらの技術特徴の組み合わせが矛盾しない限り、いずれも本明細書に記載されている範囲とみなすべきである。
【0067】
以上の実施例は、本出願の幾つかの実施形態を表すものにすぎず、その説明が具体的且つ詳細であるが、考案の範囲を制限するものとして理解すべきではない。指摘すべきこととして、当業者にとって、本出願の思想を逸脱しない範囲で、更に幾つかの変形及び改良を行うことができるが、これらはいずれも本出願の保護範囲に属する。従って、本出願の保護範囲は添付された請求の範囲に準ずるものとする。
【国際調査報告】