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  • 特表-テクニカルフロアの安全装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】テクニカルフロアの安全装置
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/024 20060101AFI20240305BHJP
   F16M 13/00 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
E04F15/024 605
F16M13/00 P
F16M13/00 R
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550283
(86)(22)【出願日】2022-03-09
(85)【翻訳文提出日】2023-08-29
(86)【国際出願番号】 EP2022055997
(87)【国際公開番号】W WO2022200043
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】102021000007487
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523315326
【氏名又は名称】ジーエスエー エスアールエル
(74)【代理人】
【識別番号】100145241
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康裕
(72)【発明者】
【氏名】ソマスキーニ、ヴァルテル ナザーリオ
(72)【発明者】
【氏名】ソマスキーニ、ファビオ カルロ
(72)【発明者】
【氏名】ソマスキーニ、ジュゼッペ
【テーマコード(参考)】
2E220
【Fターム(参考)】
2E220AA21
2E220AA35
2E220AB08
2E220AC03
2E220CA14
2E220CA63
2E220EA11
(57)【要約】
テクニカルフロアの支柱を支持するための安全装置である。この装置は、スラブに固定されるように構成されており、隆起した中央部(32)と、隆起した中央部(32)よりも低いレベルに配置された少なくとも2つの端部(35)とを含む一定の長さと幅を持つ帯状体を含んでいる。この装置はまた、中央部に固定され、端部に関しては高くなっているセミカラム(34)を含んでいる。セミカラムは、この装置が適用される各支柱の外径よりも大きな内径(37)を有している。本発明はまた、本装置が適用された支柱からなるテクニカルフロアに関する。
【選択図】 図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テクニカルフロア(5)の支柱(9)に適用されるように構成された耐震安全装置であって、前記支柱は、
- ベースプレート(11)および該ベースプレートから突出する管(14)を有する基部(19)と、
- タイロッドプレート(21)および該タイロッドプレートに連結されたねじ付きタイロッド(25)を有する頭部(20)と、
- 前記管(14)内で前記ねじ付きタイロッド(25)のスライドを制限するように構成されたねじ付きナット(15)と、
を備え、
前記ベースプレートまたはその代わりに前記タイロッドプレートは、前記テクニカルフロアの設置の機能として、使用時にスラブ(12)上に載置されるように構成され、
前記安全装置(10)は、
- 隆起した中央部(32)と、
- 前記隆起した中央部(32)に対して低い平面に配置され、使用時に、前記スラブ(12)に固定されるように構成された少なくとも2つの端部(35)と、
を有する、
- 一定の長さと幅を有する帯状体(31)と、
- 前記隆起した中央部に構成され、前記端部に対して高くなるように前記隆起した中央部から突出するセミカラム(34)と、
を備え、
前記セミカラムは、前記支柱の前記管(14)または前記ねじ付きタイロッド(25)の外径よりも大きい内径(37)を有し、前記テクニカルフロアの設置の機能として、それにより、使用時に、前記安全装置(10)は、前記少なくとも2つの端部(35)によって前記スラブ(12)に固定され、前記半柱(34)によって前記支柱(9)をゼロよりも大きい一定のマージンで取り囲むように構成されることを特徴とする耐震安全装置。
【請求項2】
前記セミカラムは、前記隆起した中央部(32)に対して重心位置に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の安全装置。
【請求項3】
前記内径が、前記装置が適用される前記支柱の外径よりも1~4mmの範囲で大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の安全装置。
【請求項4】
前記少なくとも2つの端部はそれぞれ、前記安全装置を前記スラブに固定するために設けられた1つまたは複数の穴(36)を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の安全装置。
【請求項5】
前記隆起した中央部(32)が、前記ベースプレート(11)または前記タイロッドプレート(21)に対して、一定の垂直方向の移動マージンを残していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の安全装置。
【請求項6】
前記一定の垂直方向の移動マージンは、1~6mmの間で構成されることを特徴とする請求項5に記載の安全装置。
【請求項7】
少なくとも1つのパネル(6)と前記少なくとも1つのパネルを支持するように構成された少なくとも4つの支柱(9)とを備えるテクニカルフロアであって、前記少なくとも4つの支柱の各々は、
- ベースプレート(11)および該ベースプレートから突出する管(14)を有する基部(19)と、
- タイロッドプレート(21)およびタイロッドプレートに連結されたねじ付きタイロッド(25)を有する頭部(20)と、
- 前記管内でねじ付きタイロッドのスライドを制限するように構成されたねじ付きナット(15)と、
を備え、
前記テクニカルフロアのタイプに応じて、前記ベースプレートまたはその代わりに前記タイロッドプレートは、使用時にスラブ上に載置され、
請求項1乃至6のいずれかに記載の安全装置(10)が、前記少なくとも4つの支柱のそれぞれに適用されていることを特徴とするテクニカルフロア。
【請求項8】
前記安全装置の前記中央部(32)は、前記テクニカルフロアのタイプに応じて、前記少なくとも4つの支柱のそれぞれの前記ベースプレートまたは前記タイロッドプレートの直径よりも大きい長さを有していることを特徴とする請求項7に記載のテクニカルフロア。
【請求項9】
前記ベースプレートまたは前記タイロッドプレートの直径よりも大きい前記長さは、1~40mmの範囲で構成される範囲で大きいことを特徴とする請求項8に記載のテクニカルフロア。
【請求項10】
各前記安全装置の前記帯状体(31)は、少なくとも1つのパネル(6)の1つの側面に対して45°、隣接する前記安全装置の前記帯状体に対して180°の方向に向いていることを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載のテクニカルフロア。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、テクニカルフロアに適用される安全装置に関する。
特に、本発明は、テクニカルフロアの支柱に適用される耐震機能を備えた安全装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テクニカルフロアは知られている。
このような床は一般にオフィス環境に提供され、建物のスラブ上に複数の支柱を配置し、支柱上に、作業が終了するとテクニカルフロアの歩行面を提供するパネルを取り付けることによって作られる。
【0003】
こうして作られた歩行面は、歩行面とスラブとの間に空間を形成するように、建物のスラブから所定の距離を置いて配置され、この空間に、それらが挿入された環境の正しい運用に必要な様々なテクニカルシステムを収容することができる。
また、様々な規格、特に静的型式規格が存在し、テクニカルフロアの耐力クラスを定義していることも知られている。
【0004】
例えば、床の場合、これらのクラスは、予め定義された表面例えば6.25cmの表面の中心に、25x25mmのポンチから得られる、最小200kgから最大600kgの範囲の静的操作荷重を規定することができる。
【0005】
テクニカルフロアは、静的耐力クラスに応じてサイズが決められ、好ましくは、支柱がスラブ上に単に載置されるように配置され、多くの場合、各支柱の基部に耐力パッドとして機能するように配置されたプラスチック材料製の防音PADで構成される。
【0006】
一般に、テクニカルフロアが地震現象に抵抗するために、したがって水平方向および垂直方向の加速度を支えるために大きさを決めなければならないと規定されている場合、先行技術は、支柱を安定させるためにテクニカルフロアに介入することを規定している。
【0007】
公知技術のいくつかの解決策によれば、例えば、支柱の基部をスラブにねじや接着剤で固定し、地震や地震現象による垂直加速度に対抗することができる。
しかし、この解決策では、プラスチック製防音PADのノイズ低減機能がなくなってしまうという問題がある。
【0008】
公知技術の他の解決策によれば、例えば、地震による水平方向の加速度に抵抗するように、タイロッド/ブレースによって支柱の上部をロックすることにより提供できる。
【0009】
しかし、この解決策は、テクニカルフロアの歩行面とスラブとの間に形成される空間を部分的に妨げるという問題があり、したがって、歩行面とスラブとの間に様々なテクニカルシステムを収容するための空間を形成するというテクニカルフロアの本質的な特徴とは裏腹である。
【0010】
上記の先行技術の解決策によれば、地震現象に対抗するために、支柱の材料や厚さを変更することも提供されている。
【0011】
例えば、支柱の寸法を大きくして、その厚みと支持面を増やし、スラブにより強固に引っ掛けられるようにする。
【0012】
要約すると、出願人は、先行技術は、同時に地震現象に対抗するようにし、上記で強調した公知技術の限界と問題点を示さないようにしたテクニカルフロアを提供するという課題を効果的に解決することができないことに留意した。
【発明の概要】
【0013】
従って、本発明の目的は、既知の従来技術における上記の問題を解決することである。
【0014】
この目的は、以下の特許請求の範囲に記載された特徴からなる耐震安全装置によって達成される。
【0015】
また、この目的は、以下の特許請求の範囲に記載された特徴からなるテクニカルフロアによっても達成される。
【0016】
特許請求の範囲は、本発明に従って提供される技術的教示の不可欠な部分である。
【0017】
以下の本発明の概要は、本発明のいくつかの側面と特徴について基本的な理解を提供するために提供されるものである。
【0018】
本要約は、本発明の広範な概要ではないため、本発明の主要な要素や重要な要素を特に特定したり、本発明の範囲を明確にしたりすることは意図していない。その唯一の目的は、以下に示すより詳細な説明の前段階として、簡略化した形で本発明のいくつかの概念を提示することである。
【0019】
好ましい実施形態の特徴によれば、耐震安全装置は、一定の長さと幅を有する橋形帯状体と円形断面を有するセミカラムとを備える橋梁構造を提供するように構成される。
【0020】
好ましい実施形態の特徴によれば、帯状体は、隆起した中央部と、帯状体の基礎として機能する2つの端部とを有し、セミカラムは、端部に対して高くなるように中央部に固定されている。
【0021】
セミカラムは、好ましくは中央部に固定され、2つの端部は、例えば、端部に設けられた穴を通る適当なボルトによってスラブに固定されるように構成される。
【0022】
使用時、安全装置は、支柱の、すなわちテクニカルフロアの設置機能として、セミカラムが管またはねじ付きタイロッドをゼロより大きい一定のマージンで取り囲み、スラブ上に載置されるプレートに干渉することなく、帯状体の端部のみがスラブに固定される橋形を提供する。
【0023】
好ましくは、半柱(ハーフカラム)は、支柱の基部または頭部のいずれがスラブ上に載置されるかに応じて、管の外径またはねじ付きタイロッドの外径よりも1~4mm大きい範囲の寸法を有する内径を含むように寸法決めされる。
【0024】
例えば、設置タイプに応じて、半柱(ハーフカラム)は、上記の表示を尊重しながら、厚さが1~4mm、内径が15~30mmになるように作られる。
【0025】
安全装置の隆起した中央部は、使用時にスラブ上に載置されるプレートの大きさによって寸法が変わる。
【0026】
好ましくは、隆起した中央部は、使用時にスラブ上に載置されるプレートの高さ/厚さとして、1~6mmの範囲で隆起するように作られる。
【0027】
好ましくは、安全装置の端部は、端部をスラブに固定するのに適した寸法からなる。
【0028】
好ましくは、安全装置のセミカラムは、ねじ付きタイロッドの管への挿入を妨げないように作られている。
【0029】
好ましくは、スラブに対する半柱(ハーフカラム)の高さは、基部がスラブ上に載置される一般に市販されて存在するテクニカルフロアに従うと約50~300mmである。
【0030】
支柱の頭部がスラブ上に載置されるテクニカルフロアを基準とする場合、スラブに対する半柱(ハーフカラム)の高さは、好ましくは約50~100mmである。
【0031】
好ましくは、本発明による耐震安全装置が適用される支柱を備えるテクニカルフロアは、地震現象によりよく対抗するために、各安全装置のストリップがパネルのそれぞれの側面に対して45°、隣接する安全装置のストリップに対して180°の向きになるように、各安全装置が配置されることを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本発明のこれらおよびさらなる特徴および利点は、添付の図面を参照して非限定的な例として提供される、好ましい実施形態の以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
図1は、本発明による安全装置が適用されたテクニカルフロアの支柱の切断側面図である。
図2aおよび図2bはそれぞれ、本発明による安全装置の切断側面図および平面図である。
図3aおよび図3bはそれぞれ、本発明による安全装置を適用して作られたテクニカルフロアの側面図および部分平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1を参照すると、本発明による耐震安全装置10が適用されたテクニカルフロア5の支柱9が示されている。
【0034】
ここで完全を期すために開示される支柱9は、公知のタイプのものであり、スラブ12上に載置されるように構成されたベースプレート11と、ベースプレート11から所定の長さだけ突出する円形断面を有する管14とからなる。
【0035】
ベースプレート11と管14は、支柱9の基部19を形成する。
【0036】
支柱9はまた、管14内を摺動するように配置された大きさのねじ付きタイロッド25と、管14内におけるねじ付きタイロッドの摺動を公知の方法で制限し、したがって支柱の高さを規定するように構成されたねじ付きナット15とからなる。
【0037】
ねじ付きタイロッド25は、一端が、テクニカルフロア5の1つ以上のパネル6を支持するように構成されたタイロッドプレート21に接続されている。
【0038】
ねじ付きタイロッド25とタイロッドプレート21は、支柱9の頭部20を形成している。
【0039】
使用時には、ねじ付きナット15が基部19の管14と協働して、支柱の高さ、ひいてはスラブ12に対するテクニカルフロア5のパネル6の高さを固定する。
【0040】
好ましくは、テクニカルフロアにおいて、隣接する支柱9、特にそれぞれのタイロッドプレート21は、例えばセルフタッピングねじ8によって隣接するタイロッドプレートにねじ止めされるクロスピース7によって連結される。
【0041】
公知の変形例によれば、支柱9は、使用時に頭部20がスラブ12上に載置され、基部19がテクニカルフロア5の1つまたは複数のパネル6を支えるように、垂直方向を逆にして設置されることも提供される。
【0042】
安全装置10(図1、2a、2b、3a、3b)は、ブリッジ構造を形成するように構成され、ブリッジの形状をした一定の長さと幅の帯状体31と、断面が円形のセミカラム34とからなる。
【0043】
帯状体31は、好ましい実施形態では、隆起した中央部32と、帯状体の基部として機能し、中央部よりも低い平面に配置された2つの端部35とからなる。
【0044】
セミカラム34は、端部より高くなるように中央部に固定されている。
【0045】
中央部32とセミカラム34は、使用時にスラブ上に載置されるプレート11または21の高さ/厚さに合わせて高くされる。
【0046】
セミカラム34は、好ましくは、重心位置で中央部32に固定され、2つの端部35は、例えば、端部35に設けられたそれぞれの穴36を通る適当なボルト46によってスラブ12に固定されるように構成されている。
【0047】
帯状体31の中央部32は、支柱の基部19または頭部20のプレート11または21の直径よりも長くなっており、テクニカルフロアの設置タイプに応じて、使用時にプレート自体と干渉しないようになっている。
【0048】
安全装置10は、使用時に、支柱9の設置タイプに応じて、セミカラム34が管14またはねじ付きタイロッド25を取り囲み、帯状体31の端部35が、スラブ12上に載置されたプレート11または21のタイプと干渉することなくスラブ12に固定される橋形を提供する。
【0049】
好ましい実施形態によれば、安全装置10の帯状体31は、1~4mmの間の厚さを有し、テクニカルフロア5の構造のために設けられた支柱9の寸法に応じた可変の寸法を有する。
【0050】
好ましくは、セミカラムは、支柱9の基部19または頭部20がスラブ上に載置されることに応じて、管14またはねじ付きタイロッド25の外径よりも1~4mm大きい範囲の寸法を有する内径37を構成するように寸法決めされる。
【0051】
例えば、設置タイプに応じて、セミカラム34は、1mmから4mmの間の厚みと、15mmから30mmの間の内径で作られる。
【0052】
好ましい実施形態によれば、安全装置10の隆起した中央部32は、使用時にスラブ12上に載置されるプレート11または21の寸法に応じて可変寸法を有する。
【0053】
好ましくは、中央部32は、使用時にスラブ12上に載置されるタイプのプレートの直径に対して1~40mmの範囲で大きくなるように作られる。
【0054】
好ましい実施形態によれば、安全装置10の端部35は、端部をスラブ12に固定するのに適した寸法からなる。
好ましくは、端部は、長さおよび幅ともに20~50mmの範囲の寸法からなるように作られる。
【0055】
好ましい実施形態によれば、安全装置10のセミカラム34は、ねじ付きタイロッド25の管14への挿入を妨げないように作られている。
【0056】
好ましくは、支柱9の基部19がスラブ12上に載置される一般に市販されているテクニカルフロアを参考にすると、スラブに対するセミカラム34の高さは約50~300mmである。
【0057】
支柱9の頭部20がスラブ12上に載置される場合、スラブに対するセミカラム34の高さは好ましくは約50~100mmである。
【0058】
このテクニカルフロアは、例えば、厚さ30mmのパネル6と、高さ250mmの基部19と高さ120mmの頭部20とを有する支柱9とで作られ、例えば、頭部20のタイロッドプレート21を、スラブに対して270~370mmの間の高さに歩行面を提供するような高さに配置される。
【0059】
好ましい実施形態によれば、安全装置はスチール、カーボンまたは合成樹脂製であり、セミカラム34は、例えば溶接、リベット、圧着または他の適合するプロセスによって帯状体31に固定される。
【0060】
要約すると、耐震安全装置10は、地震作用を受ける高架テクニカルフロア5の支柱9に対しより大きな安定性を確保するように構成されている。
【0061】
実際、耐震安全装置10は、スラブ12と接触する2つ以上の端部35を有するように形成されており、好ましくは、同じスラブへの固定を容易にする2つ以上の穴36を有する。
【0062】
さらに、耐震安全装置は、テクニカルフロアのタイプに応じて、支柱9のベースプレート11またはタイロッドプレート21との接触点をなくすために、隆起した中央部32を高くして構成されている。
【0063】
セミカラム34は、テクニカルフロアのタイプに応じて、スラブに固定された端部35によって発揮される安定性を管14またはねじ付きタイロッド25に伝達する役割を持ち、支柱9が水平および垂直地震応力の両方に耐えることを可能にする耐震安全装置の中央部に固定されている。
【0064】
特に、耐震安全装置10は、支柱9をスラブ12に直接固定せず、各支柱をゼロより大きい一定のマージンで取り囲むことにより、支柱9が水平方向にも垂直方向にも最小限の動きをすることを可能にし、地震応力をより緩和する。
【0065】
特に、例えば、支柱と安全装置との間に、垂直方向でも1~6mmの移動マージンを設ける。
【0066】
本出願人により実験的に検証された、これまでに開示された安全装置10は、テクニカルフロアが地震現象による水平および/または垂直加速度を克服することを可能にする。
【0067】
本実施形態例によるテクニカルフロア5の建築では、最初に支柱9(図3aおよび図3b)、例えば基部19がスラブ上に既知の方法で配置される。
【0068】
特に、支柱9の基部19は、各ベースプレート11の耐力パッドとして機能するように、好ましくは防音パッド18を提供するスラブ12上に載置される。
【0069】
好ましくは、支柱9の基部19または頭部20、すなわちベースプレート11またはタイロッドプレート21はスラブに固定されない。
【0070】
さらに、最初は、好ましい実施形態によれば、各支柱について、安全装置10が、各支柱9の基部19または頭部20に重なるように配置され、スラブ12に固定されるように提供される。
【0071】
可能な変形例によれば、安全装置10は、すべての支柱に適用されるのではなく、テクニカルフロアの建設に使用される支柱の少なくとも50%の割合に適用されるように提供され、これにより、開示され特許請求される範囲から逸脱することは無い。
【0072】
好ましくは、地震現象による加速度をよりよく対応するために、安全装置10の帯状体31は、パネル6の側面に対して45°、隣接する安全装置の帯状体に対して180°の向きに配置される。
【0073】
図3bは、例えば全ての支柱に安全装置が適用されているテクニカルフロア5の、例えば“A”から“I”までの9つのパネルのセットに対する安全装置の配置を概略的に示している。
【0074】
その直後の段階において、例えば、パネル6の所望の高さ、したがってスラブ12に関するテクニカルフロアの所望の高さを提供するために、頭部20が取り付けられ、ねじ付きナット15によって所望の高さにもたらされる。
【0075】
好ましくは、この段階で、支柱9の頭部20は、例えば、頭部20のタイロッドプレート21にセルフタッピングねじ8によってねじ止めされたクロスピース7によって、互いに連結される。
【0076】
上記の段階が完了すると、パネル6が配置され、テクニカルフロア5の建築が完成する。
【0077】
完全を期すために、支柱9の頭部20がスラブ12上に載置されている場合、ねじ付きナット15は、支柱9の頭部20に重なるように安全装置10をスラブ12上に配置し固定した後にのみ、ねじ付きタイロッド25に螺合されることに留意すべきである。
【0078】
本出願人は、以下を含む試験群に複数の実験的試験を実施した。
- 高さ約260~360mm(テクニカルフロアで使用される支柱の約90%を占める高さ)の4本の標準支柱9;
- スラブからの高さが100~150mmのセミカラムからなる4つの安全装置;
- 支柱9の頭部にねじ止めされた4つのクロスピース7;
- 頭部20とクロスピース7の上に単純支持で取り付けられた600x600mmのパネル6で、パネルの表面に均等に分散された630kgの荷重がかかっている。
【0079】
特に試験では、システムが崩壊することなく、激しい横方向のスラストが作用した。
【0080】
要約すると、本出願人は、本例示の実施形態による耐震安全装置10が、特に、スラブに対する高さが400mmを超えないテクニカルフロアの文脈において、特別な材料の使用を必要とせず、テクニカルフロアの本質的な特性を損なうようにした介入を必要とせずに、テクニカルフロアが様々な種類の地震事象を容易に克服することを可能にすることを実験的に検証した。
【0081】
好ましい実施形態では、安全装置は、スラブに固定されるように配置された2つの端部または脚部を有する。
【0082】
他の実施形態によれば、安全装置は、開示され特許請求される範囲から逸脱することなく、スラブに固定される3つ以上の脚部で構成されてもよい。
【0083】
この変形例によれば、安全装置をスラブに固定するための可能性を広げることができる。
【0084】
さらなる実施形態によれば、それによって開示され特許請求される範囲から逸脱することなく、ハーフシェルが互いに固定され、本発明による装置を形成することができるように構成された2つのハーフシェルで装置を製造することができる。
【0085】
このような安全装置の構成は、耐震安全装置を既に設置され、及び/又は使用されているテクニカルフロアに適用するために提供される場合に便利である。
さらに他の実施形態によれば、安全装置は、単一の予備成形品または成形品で作ることができ、それによって開示され請求されるものの範囲から逸脱することなく、地震事象の際の安定性および横方向の耐性を向上させるために、リブまたは補強および/または支持要素を含むことができる。
【0086】
さらなる実施形態によれば、支柱の管および安全装置のセミカラムは、正方形、楕円形、長方形などの外形断面を、上述した機能と互換性を持って有することができるが、それによって開示および特許請求の範囲から逸脱することはない。
【0087】
有利なことに、本実施形態によれば、柱はスラブに拘束されたままではなく、安全装置によって許容される公差の範囲内で、垂直方向にも水平方向にも自由にスライドすることができる。
【0088】
支柱に垂直方向と水平方向の自由が与えられているため、テクニカルフロアは地震による水平方向と垂直方向の加速度によりよく耐えることができる。
【0089】
有利なことに、テクニカルフロアには次のような特性がある。
- テクニカルフロアの空間は妨げられない。
- 防音PADが存在する場合、その機能はそのまま維持される。
【0090】
もちろん、以下の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、寸法、形状、材料および構成要素、ならびに記載された構造および操作方法の詳細に関して、上記の開示に対する明白な変更および/または変形が可能である。
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
【国際調査報告】