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特表2024-510901エアロゾル発生装置用の強化されたヒーター
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置用の強化されたヒーター
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/46 20200101AFI20240305BHJP
   A24F 40/70 20200101ALI20240305BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/70
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023552004
(86)(22)【出願日】2022-02-24
(85)【翻訳文提出日】2023-08-25
(86)【国際出願番号】 EP2022054656
(87)【国際公開番号】W WO2022184546
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】21160057.2
(32)【優先日】2021-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】カポ シルヴィア
(72)【発明者】
【氏名】プレスティア イヴァン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC22
4B162AE02
(57)【要約】
エアロゾル発生装置のための加熱アセンブリ要素。発熱体は、第一の電気抵抗加熱フィラメントと、第一の電気抵抗発熱体フィラメントが提供される支持基体とを含む。支持基体は、炭素繊維材料を含む第一の炭素繊維支持層を含む。エアロゾル発生装置用の発熱体を形成する方法が提供される。方法は、炭素繊維材料を提供するステップと、導電性材料を炭素繊維材料の第一の表面に塗布して第一の電気抵抗加熱フィラメントを形成するステップと、炭素繊維材料から一部分を切断して発熱体を形成するステップとを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置用の発熱体であって、前記発熱体が、
第一の電気抵抗加熱フィラメントと、
前記第一の電気抵抗加熱フィラメントが提供される支持基体と、を備え、
前記支持基体が、炭素繊維材料を含む第一の炭素繊維支持層を含む、発熱体。
【請求項2】
第二の電気抵抗加熱フィラメントをさらに含む、請求項1に記載の発熱体。
【請求項3】
前記第一の炭素繊維支持層が、第一の表面および対向する第二の表面を備え、前記第一の電気抵抗加熱フィラメントが、前記第一の炭素繊維支持層の前記第一の表面上に提供され、前記第二の電気抵抗加熱フィラメントが、前記第一の炭素繊維支持層の前記第二の表面上に提供される、請求項2に記載の発熱体。
【請求項4】
前記支持基体が、セラミック材料を含む第一のセラミック支持層をさらに備え、前記第一のセラミック支持層が前記第一の炭素繊維支持層と接触している、請求項1に記載の発熱体。
【請求項5】
前記第一の電気抵抗加熱フィラメントが、前記第一のセラミック支持層上に提供される、請求項4に記載の発熱体。
【請求項6】
前記支持基体が、セラミック材料を含む第二のセラミック支持層をさらに備え、前記第二のセラミック支持層が前記第一の炭素繊維支持層と接触している、請求項4または請求項5に記載の発熱体。
【請求項7】
前記第一のセラミック支持層がシリコンを含む、請求項4~6のいずれか一項に記載の発熱体。
【請求項8】
前記第一のセラミック支持層が、0.1ミリメートル~0.7ミリメートルの厚さを有する、請求項4~7のいずれか一項に記載の発熱体。
【請求項9】
前記第一の電気抵抗加熱フィラメントおよび前記支持基体の少なくとも一部分の周りに保護コーティングをさらに備える、請求項1~8のいずれかに記載の発熱体。
【請求項10】
前記第一の炭素繊維支持層が、不織の、一方向性炭素繊維材料を含む、請求項1~9のいずれかに記載の発熱体。
【請求項11】
エアロゾル発生装置用の発熱体を形成する方法であって、前記方法が、
炭素繊維材料を提供するステップと、
導電性材料を前記炭素繊維材料の第一の表面に塗布して、第一の電気抵抗加熱フィラメントを形成するステップと、
前記炭素繊維材料から一部分を切断して発熱体を形成するステップと、を含む、方法。
【請求項12】
導電性材料を前記炭素繊維材料の第二の表面に塗布して、第二の電気抵抗加熱フィラメントを形成するステップをさらに含む、請求項11に記載の発熱体を形成する方法。
【請求項13】
石英およびガラスの少なくとも一つの層を前記発熱体に塗布して保護コーティングを形成するステップをさらに含む、請求項11または請求項12に記載の発熱体を形成する方法。
【請求項14】
導電性材料を前記炭素繊維材料の第一の表面に塗布する前記ステップが、導電性材料を前記炭素繊維材料の第一の表面に堆積することを伴う、請求項11~13のいずれか一項に記載の発熱体を形成する方法。
【請求項15】
エアロゾル発生装置であって、
請求項1~10のいずれか一項に記載の発熱体と、
前記第一の電気抵抗加熱フィラメントに電力を供給するための電源と、を備える、エアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル発生物品と共に使用するためのエアロゾル発生装置用の発熱体に関する。特に、本発明は、エアロゾル発生装置用の発熱体に関し、発熱体は、第一の電気抵抗加熱フィラメントと、第一の電気抵抗加熱フィラメントが提供される支持基体とを含む。
【0002】
本開示はさらに、エアロゾル発生装置用の発熱体を形成する方法と、発熱体を含むエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0003】
たばこ含有基体などのエアロゾル形成基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品は、当業界で知られている。典型的に、こうしたエアロゾル発生物品において、エアロゾルは熱源からエアロゾル形成基体への熱の伝達によって発生する。
【0004】
例えば手持ち式エアロゾル発生装置などの電気的に作動するエアロゾル発生装置は、このようなエアロゾル発生物品と共に使用されうる。こうした電気的に作動するエアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を摂氏数百度の温度に加熱するように構成された発熱体を含み得る。これにより、エアロゾル発生物品を通して吸い込まれた空気中に同伴される揮発性化合物がエアロゾル形成基体から放出される。放出された化合物は冷めるにつれて、凝縮してまたは核を成してエアロゾルを形成する。
【0005】
加熱は、管状ヒーターなどの外部加熱を使用してエアロゾル形成基体を加熱することによって、または抵抗発熱体などの発熱体を挿入してエアロゾル形成基体を内部加熱することによって、達成されうる。内部発熱体はヒーターブレードまたはヒーターピンの形態を取ってもよい。内部発熱体は、支持基体上に、または支持基体内に埋め込まれる電気抵抗フィラメントを含み得る。基体は、ジルコニウムを含んでもよい。しかしながら、先行技術の内部発熱体は、エアロゾル発生装置の通常の使用または清掃中に発熱体が露出する力など、比較的小さな力に供されると、容易に損傷または破損する可能性があることがわかった。特に、先行技術の内部発熱体は脆い場合があることがわかった。
【0006】
したがって、エアロゾル発生装置の使用中に、より弾性があり、損傷を受けにくいエアロゾル発生装置に発熱体を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、エアロゾル発生装置用の発熱体に関する。発熱体は第一の電気抵抗加熱フィラメントを備えてもよい。発熱体は、第一の電気抵抗加熱フィラメントが提供される支持基体をさらに備えてもよい。支持基体は、炭素繊維材料を含む第一の炭素繊維支持層を含み得る。
【0008】
本発明によれば、エアロゾル発生装置用の発熱体が提供される。発熱体は、第一の電気抵抗加熱フィラメントを含む。発熱体は、第一の電気抵抗加熱フィラメントが提供される支持基体をさらに含む。支持基体は、炭素繊維材料を含む第一の炭素繊維支持層を含む。
【0009】
炭素繊維材料を含む第一の炭素繊維支持層を含む支持基体を有するエアロゾル発生装置用の発熱体は、有利には、より弾性があり、エアロゾル発生装置の使用中に損傷を受けにくいことがわかった。特に、炭素繊維材料を含む第一の炭素繊維支持層を含む支持基体を有する発熱体は、曲げ力に対して有意に高い抵抗を有することがわかった。これは、発熱体が細長い発熱体である場合に特に関連する。
【0010】
本発明に関して本明細書で使用される場合、用語「炭素繊維材料」は、約1マイクロメートル~約20マイクロメートルの直径を有する炭素の繊維を含む材料を指す。炭素の繊維または炭素繊維は、結晶性であってもよい。炭素繊維は、特に高い剛性および高い張力強度を有することがわかった。これらの特性は特に、炭素繊維材料を含む支持基体を含む発熱体の弾性を改善する。さらに、炭素繊維は、高温劣化に対する耐性および低い熱膨張を示すことがわかった。これは、使用時に摂氏数百度まで加熱され得る発熱体における炭素繊維材料の用途に有利である。
【0011】
発熱体は、エアロゾル形成基体、例えばエアロゾル発生装置と共に使用するためのエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を加熱するためのものであってもよい。
【0012】
発熱体は任意の発熱体であってもよい。例えば、発熱体は、外部発熱体または内部発熱体であってもよい。好ましくは、発熱体は、エアロゾル形成基体を加熱するために、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体に挿入されるように構成された内部発熱体である。発熱体はピンヒーターであってもよい。発熱体は実質的に平面であり、細長くてもよい。この場合、発熱体は比較的薄くてもよい。薄い発熱体を提供することにより、ブレードがエアロゾル形成基体を容易に貫通することを可能にし得る。発熱体はブレードヒーターであってもよい。
【0013】
発熱体は、先細りにされた、とがった、または鋭くされた端を有してエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体の中への発熱体の挿入を容易にしてもよい。テーパーの始点とテーパーの終点との間の長軸方向の距離は、約1ミリメートル~約7ミリメートル、または約3ミリメートル~約5ミリメートルとしうる。
【0014】
本発明に関して本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾルを発生するようにエアロゾル形成基体と相互作用し得る装置を指す。
【0015】
本発明に関して本明細書で使用される場合、「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成し得る揮発性化合物を放出する能力を有する基体を指す。こうした揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体はエアロゾル発生物品の一部であってもよい。
【0016】
本発明に関して本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生システム」という用語は、エアロゾル発生装置と、装置とともに使用するための一つ以上のエアロゾル発生物品との組み合わせを指す。エアロゾル発生システムは、電気的に作動するエアロゾル発生装置または電気式エアロゾル発生装置内の搭載型電力供給源を再充電するための充電ユニットなど、追加的な構成要素を含んでもよい。
【0017】
発熱体は任意の長さを有しうる。本明細書で使用される場合、「長さ」は発熱体の最大の寸法を指す。発熱体は、約3ミリメートル~約30ミリメートル、約7ミリメートル~約25ミリメートル、または約12ミリメートル~約21ミリメートルの長さを有してもよい。
【0018】
発熱体は任意の幅を有してもよい。本明細書で使用される場合、「幅」は、長さに直交する発熱体の第二の最大寸法を指す。発熱体は、約2ミリメートル~約15ミリメートル、約3ミリメートル~約11ミリメートル、または約4ミリメートル~約7ミリメートルの幅を有し得る。
【0019】
発熱体は、任意の総厚さを有してもよい。本明細書で使用される場合、「厚さ」は、長さおよび幅に直交する発熱体の寸法を指す。発熱体の厚さは、発熱体の長さおよび発熱体の幅よりも小さくてもよい。発熱体は、約0.1ミリメートル~約2ミリメートルの総厚さを有してもよい。例えば、発熱体は、約0.3ミリメートル~約1.5ミリメートル、または約0.4ミリメートル~約0.9ミリメートルの総厚さを有してもよい。発熱体は、約0.4ミリメートル~約1.7ミリメートル、または約0.5ミリメートル~約1.1ミリメートルの総厚さを有してもよい。発熱体は、約0.5ミリメートル~約1.9ミリメートル、または約0.6ミリメートル~約1.3ミリメートルの総厚さを有してもよい。
【0020】
発熱体は第二の電気抵抗加熱フィラメントをさらに備えてもよい。
【0021】
第二の電気抵抗加熱フィラメントを提供することは、有利には、エアロゾル形成基体のより効率的な、またはより均等な加熱を提供し得る。
【0022】
第二の電気抵抗加熱フィラメントは、電気抵抗材料を含んでもよい。第二の電気抵抗加熱フィラメントは、第一の電気抵抗加熱フィラメントと同じ材料を含んでもよい。第二の電気抵抗加熱フィラメントは、第一の電気抵抗加熱フィラメントと実質的に同じ形状を有してもよい。第二の電気抵抗加熱フィラメントは、使用時に第一の電気抵抗加熱フィラメントと同じ温度に達するように構成されうる。
【0023】
上述のように、発熱体は実質的に平面かつ細長いものであってもよい。この場合、発熱体は、第一の表面および対向する第二の表面を有してもよい。
【0024】
第一の炭素繊維支持層は、第一の表面および対向する第二の表面を備えてもよく、第一の電気抵抗加熱フィラメントは、第一の炭素繊維支持層の第一の表面上に提供され、第二の電気抵抗加熱フィラメントは、第一の炭素繊維支持層の第二の表面上に提供される。
【0025】
言い換えれば、第一および第二の電気抵抗加熱フィラメントは、炭素繊維支持層の対向する表面上に配置される。これは、有利なことに、二つの電気抵抗加熱フィラメントが互いに電気的に干渉することを防止し得る。これはまた、エアロゾル形成基体に均等な加熱を提供するのにも役立ちうる。
【0026】
第一の電気抵抗加熱フィラメントは、第一の炭素繊維支持層と直接接触してもよい。
【0027】
第一の電気抵抗加熱フィラメントは、第一の炭素繊維支持層上に提供されてもよい。第一の電気抵抗加熱フィラメントは、第一の炭素繊維支持層内に埋め込まれてもよい。
【0028】
支持基体は、少なくとも一つのさらなる層を備えてもよい。さらなる層は、発熱体の弾性をさらに改善して、エアロゾル発生装置の使用中に損傷を受けにくいように提供されてもよい。
【0029】
支持基体は、セラミック材料を含む第一のセラミック支持層をさらに含みうる。第一のセラミック支持層は、第一の炭素繊維支持層と接触してもよい。
【0030】
第一のセラミック支持層を提供することで、炭素繊維支持層のみを提供するのと比較して、有利には、発熱体の弾性を改善し、エアロゾル発生装置の使用中に損傷を受けにくくなることがわかった。特に、第一のセラミック支持層を提供することにより、有利には、そのより広い表面に対して長軸方向、かつ主に横方向に印加される曲げ力に対して高い抵抗を示し得る。
【0031】
本発明に関して本明細書で使用される場合、用語「セラミック材料」は、概して、無機、非金属、しばしば結晶性酸化物、窒化物または炭化物材料を指す。用語「セラミック材料」はまた、当業者によく知られている、シリコン、ガラス、および特定の炭素同素体を指す。こうしたセラミック材料は、典型的には、高温劣化に対する耐性および低い熱膨張を示す。したがって、第一のセラミック支持層を提供することにより、発熱体が使用される場合、劣化に有利に耐え得る。
【0032】
第一のセラミック支持層は、第一の炭素繊維支持層と接触してもよい。第一のセラミック支持層は、第一の炭素繊維支持層と整列してもよい。第一のセラミック支持層は、第一の炭素繊維支持層を覆ってもよい。第一のセラミック支持層は、第一の炭素繊維支持層と実質的に同じ形状を有してもよい。第一のセラミック支持層は、実質的に平面であり、細長い形状であってもよい。
【0033】
第一のセラミック支持層は、第一の炭素繊維支持層に取り付けられてもよい。第一のセラミック支持層は、任意の手段で第一の炭素繊維支持層に取り付けられてもよい。例えば、第一のセラミック支持層は、第一の炭素繊維支持層の表面上に液体セラミックの層として塗布されてもよい。この場合、第一のセラミック支持層は、スプレー、ディップコーティング、化学堆積、および電磁堆積のうちの少なくとも一つによって、第一の炭素繊維支持層の表面に塗布されうる。これらの技術のうちの一つを使用した第一の炭素繊維支持層を塗布することで、有利には、弾性の向上など、第一の炭素繊維支持層の機械的特性の改善をもたらしうる。
【0034】
第一の電気抵抗加熱フィラメントは、第一のセラミック支持層上に提供されてもよい。
【0035】
第一の電気抵抗加熱フィラメントをセラミック材料に塗布するのに好適な技術は、第一の電気抵抗加熱フィラメントを炭素繊維材料に塗布するのには適さない場合があるため、第一の炭素繊維支持層ではなく、第一のセラミック支持層上に第一の電気抵抗加熱フィラメントを提供することは有利でありうる。例えば、第一の電気抵抗加熱フィラメントをセラミック材料に塗布するために容易に使用され得る特定の堆積または接着技術は、第一の電気抵抗加熱フィラメントを炭素繊維材料に塗布するのに適さない場合がある。
【0036】
第一のセラミック支持層は、第一の表面および対向する第二の表面を備えてもよく、第一の電気抵抗加熱フィラメントは、第一のセラミック支持層の第一の表面上に提供され、第一の炭素繊維支持層は、第一のセラミック支持層の第二の表面上に提供される。
【0037】
第一の電気抵抗加熱フィラメントを第一のセラミック支持層の第一の表面上に、また第一の炭素繊維支持層を第一のセラミック支持層の第二の表面上に提供することにより、第一の電気抵抗加熱フィラメントを、発熱体の表面上に配置するか、または非常に近くに配置することを可能にしうる。これは、使用時に、有利に、聴覚素子の加熱効率を改善することができる。
【0038】
上述のように、第一のセラミック支持層は、実質的に平面であり、かつ細長い形状であってもよい。この場合、セラミック支持層の第一の表面は、第一の電気抵抗加熱フィラメントが第一のセラミック支持層の第一の炭素繊維支持層とは反対側の表面上に提供されるように、第一のセラミック支持層の第二の表面と直接対向してもよい。
【0039】
支持基体は、セラミック材料を含む第二のセラミック支持層をさらに備えてもよい。第二のセラミック支持層は、第一の炭素繊維支持層と接触してもよい。
【0040】
第二のセラミック支持層は、第一のセラミック支持層に関連して上述した特性のうちの一つ以上を共有してもよい。第二のセラミック支持層は、第一のセラミック支持層と実質的に同じサイズであってもよい。第二のセラミック支持層は、第一のセラミック支持層と実質的に同じ形状であってもよい。一部の好ましい実施形態では、第一のセラミック支持層、第二のセラミック支持層、および第一の炭素繊維支持層は、同じサイズおよび形状であり、同じ方向に整列され、配向される。
【0041】
第一の炭素繊維支持層は、第一の表面および対向する第二の表面を備えてもよく、第一のセラミック支持層は、第一の炭素繊維支持層の第一の表面上に提供され、第二のセラミック支持層は、第一の炭素繊維支持層の第二の表面上に提供され、第一の電気抵抗加熱フィラメントは、第一のセラミック支持層上に提供される。
【0042】
言い換えれば、第一の炭素繊維支持層は、第一のセラミック支持層と第二のセラミック支持層との間に挟まれてもよい。
【0043】
この配置は、有利には、発熱体の弾性をさらに強化および改善し、エアロゾル発生装置の使用中に損傷を受けにくくし得る。さらに、炭素繊維材料の性質に応じて、第一の炭素繊維支持層が、使用時にエアロゾル形成基体と直接接触することを防止することが望ましい場合がある。したがって、第一の炭素繊維支持層の二つの表面のそれぞれの上にセラミック支持層を提供することは、有利には、炭素繊維材料が使用時にエアロゾル形成基体と直接接触することを防止し得る。
【0044】
第一の電気抵抗加熱フィラメントは、第一のセラミック支持層上に提供されてもよい。第一の電気抵抗加熱フィラメントは、第一のセラミック支持層の第一の表面上に提供されてもよく、第一の炭素繊維支持層は、第一のセラミック支持層の第二の表面上に提供されてもよい。このように、第一の電気抵抗加熱フィラメントは、発熱体の最表面上に、または最表面の近くに提供されてもよい。これにより、使用時にエアロゾル形成基体のより効率的な加熱を有利に提供し得る。
【0045】
発熱体は、第二のセラミック支持層上に提供された第二の電気抵抗加熱フィラメントをさらに備えてもよい。
【0046】
上述のように、第二の電気抵抗加熱フィラメントを提供することにより、有利には、エアロゾル形成基体のより効率的な、またはより均等な加熱を提供しうる。
【0047】
第二の電気抵抗加熱フィラメントは、電気抵抗材料を含んでもよい。電気抵抗材料は、第一の電気抵抗加熱フィラメントに関連して上述した材料のうちの一つ以上であってもよい。第二の電気抵抗加熱フィラメントは、第一の電気抵抗加熱フィラメントと同じ材料を含んでもよい。第二の電気抵抗加熱フィラメントは、第一の電気抵抗加熱フィラメントと実質的に同じ形状を有してもよい。第二の電気抵抗加熱フィラメントは、使用時に第一の電気抵抗加熱フィラメントと同じ温度に達するように構成されうる。
【0048】
第二のセラミック支持層上に第二の電気抵抗加熱フィラメントを提供することは、有利には、第一の電気抵抗加熱フィラメントが第一のセラミック支持層上に提供されているため、二つの電気抵抗加熱フィラメントが互いに電気的に干渉することを防止し得る。これはまた、エアロゾル形成基体に均等な加熱を提供するのにも役立ちうる。
【0049】
発熱体は、第一の電気抵抗加熱フィラメントおよび支持基体の少なくとも一部分の周りに保護コーティングをさらに含みうる。
【0050】
保護コーティングを提供することは、有利に、発熱体の弾性をさらに改善し得る。発熱体の製造中、支持基体は、例えば、炭素繊維材料およびセラミック材料など、材料のより大きな部分から切断されてもよい。このプロセスは、支持基体の露出した切断縁を損傷し、残留応力およびマイクロクラックにつながる場合がある。使用中の発熱体の熱サイクル、およびエアロゾル形成基体からの汚染は、マイクロクラックの伝播を促進し、数回の使用後に発熱体の故障につながり得ることがわかった。さらに、支持基体が複数の層を備える場合、発熱体の長時間の使用中に層間の剥離が観察された。保護コーティングを提供することは、有利には、液体または固体の汚染物が支持基体に到達することを防止し得、また支持基体におけるマイクロクラックの伝播および剥離を低減し得る。
【0051】
支持基体が、さらなる層、例えば、第一のセラミック支持層または第二のセラミック支持層を含む場合、保護コーティングはまた、これらの構成要素の少なくとも一部分の周りに提供されてもよい。
【0052】
保護コーティングは、第一の電気抵抗加熱フィラメントおよび支持基体の実質的に外表面全体の周りに提供されてもよい。保護コーティングは、第一の電気抵抗加熱フィラメントの一部分と、使用時にエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体に挿入されるように位置付けられる支持基体の周りに提供されてもよい。このようにして、発熱体が、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を加熱するために使用される時、発熱体の保護コーティングのみが、エアロゾル形成基体と直接接触する。
【0053】
これにより、液体または固体の汚染物が、使用時に支持基体に到達するのを有利に防ぐことができる。
【0054】
保護コーティングは、第一の電気抵抗加熱フィラメントの一部分と、使用時にエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体に挿入されるようには配置されない支持基体の周りには提供されない場合がある。これは有利にも、エアロゾル発生装置の残りの部分に取り付けるためにコーティングされないままの支持基体の一部分を提供し得る。これはまた、有利にも、第一の電気抵抗加熱フィラメントを、および存在する場合には第二の電気抵抗加熱フィラメントを、エアロゾル発生装置の残りの部分に電気的に接続することを可能にし得る。
【0055】
保護コーティングは、任意の厚さを有してもよい。保護コーティングの厚さは、第一の電気抵抗加熱フィラメントおよび支持基体が提供される全ての部分にわたって実質的に均一であり得る。
【0056】
保護コーティングは、約4マイクロメートル~約1ミリメートルの厚さを有してもよい。例えば、保護コーティングは、約4マイクロメートル~約0.5ミリメートルの厚さを有してもよい。
【0057】
保護コーティングは、任意の材料を含んでもよい。保護コーティングは、高温変形に対する耐性および低熱膨張を有する材料を含み得る。これにより、有利には、保護コーティングが、ヒーター要素の高温環境で使用されることが可能になり得る。
【0058】
保護コーティングは、セラミック材料を含んでもよい。保護コーティングは、ガラスおよび石英のうちの少なくとも一つを含みうる。
【0059】
第一の炭素繊維支持層の炭素繊維材料は、任意の炭素繊維材料を含み得る。
【0060】
第一の炭素繊維材料の炭素繊維は、織られていてもよい。織布炭素繊維材料は、任意の織布を有してもよい。例えば、織布炭素繊維材料は、平織り、綾織り、または繻子織りのうちの少なくとも一つを含み得る。綾織りは、2×2織りとしてもよい。
【0061】
第一の炭素繊維材料の炭素繊維は、不織布であってもよい。例えば、不織繊維は、細断されたまたは連続的なストランドマットを含みうる。
【0062】
第一の炭素繊維材料の炭素繊維は、一方向性であってもよい。言い換えれば、第一の炭素繊維材料の炭素繊維は、実質的に互いに平行であってもよい。一方向性炭素繊維を提供することにより、有利には、第一の炭素繊維材料の密度を増加させる炭素繊維を緻密に充填することを可能にしてもよく、有利には、所与の体積の炭素繊維材料に対する第一の炭素繊維材料の強度をさらに増加させることができる。一方向性炭素繊維を有する第一の炭素繊維材料を提供することは、特定の方向の強度が均質な強度よりも重要である状況に特に有利でありうる。本発明では、発熱体の平面に対して実質的に横方向に印加された場合に、縦方向に印加される力に対する改善された曲げ抵抗を提供する必要がある。
【0063】
第一の炭素繊維材料の実質的に平行な炭素繊維は、発熱体の長軸方向軸に実質的に整列してもよい。これは有利には、特に発熱体の平面に対して実質的に横方向に印加される力に応じて、発熱体の剛性および曲げに対する抵抗をさらに改善し得る。
【0064】
さらに、一方向性炭素繊維を含む第一の炭素繊維材料を提供することは、織布炭素繊維と比較して、より経済的であり、加工が容易でありうるため、有利でありうる。
【0065】
第一の炭素繊維材料の炭素繊維は、多方向性であってもよい。例えば、第一の炭素繊維材料は、二軸配向炭素繊維、三軸配向炭素繊維、または擬似等方性炭素繊維のうちの少なくとも一つを含み得る。
【0066】
第一の炭素繊維支持層は、不織の、一方向性炭素繊維材料を含んでもよい。
【0067】
第一の炭素繊維支持層は、複数の異なる炭素繊維材料を含んでもよい。例えば、第一の炭素繊維支持層は、一方向性炭素繊維材料および織布炭素繊維材料を含んでもよい。第一の炭素繊維材料は、第一の方向に配向された第一の一方向性炭素繊維材料と、第二の方向に配向された第二の一方向性炭素繊維材料とを含み得る。第一の方向は、第二の方向に対して実質的に直角であってもよい。このように、第一の炭素繊維支持層は、有利なことに、二つの垂直方向に強度を提供することができる。第一の方向は、発熱体の軸と整列されてもよい。
【0068】
炭素繊維材料は、任意のトウサイズを有する炭素繊維を含み得る。例えば、炭素繊維材料は、トウ当たり約1000フィラメント~トウ当たり約12000フィラメント、トウ当たり約3000フィラメント~トウ当たり約6000フィラメントのトウサイズを有する炭素繊維を含んでもよい。炭素繊維材料は、トウ当たり約48000フィラメント以上のトウサイズを有する炭素繊維を含み得る。
【0069】
炭素繊維材料は、炭素繊維で補強されたマトリクスを含む複合材料であってもよい。マトリクスは、少なくとも一つのポリマー材料を含んでもよい。ポリマー材料は、熱可塑性プラスチックまたは熱硬化性プラスチックであってもよい。ポリマー材料は、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリアミド、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、ポリエステル、ビニルエステル、フェノール樹脂、シアネートエステル、ビスマレイミド、およびナイロンのうちの少なくとも一つを含み得る。マトリクスは、金属材料、セラミック材料、および炭素含有材料のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0070】
第一の炭素繊維支持層は、任意の厚さを有してもよい。第一の炭素繊維支持層は、少なくとも約0.05ミリメートルの厚さを有してもよい。例えば、第一の炭素繊維支持層は、少なくとも約0.1ミリメートル、少なくとも約0.3ミリメートル、または少なくとも0.4ミリメートルの厚さを有してもよい。
【0071】
第一の炭素繊維支持層は、約2ミリメートル以下の厚さを有してもよい。例えば、第一の炭素繊維支持層は、約1.5ミリメートル以下、約1ミリメートル以下、または約0.9ミリメートル以下の厚さを有してもよい。
【0072】
第一の炭素繊維支持層は、約0.05ミリメートル~約2ミリメートルの厚さを有してもよい。例えば、第一の炭素繊維支持層は、約0.1ミリメートル~約1.5ミリメートル、約0.3ミリメートル~約1.5ミリメートル、約0.3ミリメートル~約1ミリメートル、または約0.4ミリメートル~約0.9ミリメートルの厚さを有してもよい。
【0073】
この厚さを有する第一の炭素繊維支持層を含む支持基体は、有利に、発熱体の弾性を改善し、エアロゾル発生装置の使用中に損傷を受けにくいことがわかった。
【0074】
第一の炭素繊維支持層に関連して上述したすべての特性は、第二の炭素繊維支持層に等しく適用可能である。
【0075】
第一のセラミック支持層は、任意のセラミック材料を含んでもよい。第一のセラミック支持層は、ステアタイト、アルミナ、およびジルコニアのうちの少なくとも一つを含んでもよい。有利なことに、これらの材料は化学的に安定しており、比較的低い熱膨張の係数を有する。
【0076】
第一のセラミック支持層は、シリコンを含んでもよい。シリコンは、加工が比較的単純であり、一般的な研削装置を使用して超薄層を形成することができるため、第一のセラミック支持層での使用に特に有利である。さらに、シリコンの超薄層は比較的柔軟性があり、高速製造中の堅牢な取り扱い、および完成した支持基体中の望ましい機械的特性を可能にすることがわかった。
【0077】
さらに、シリコンの表面は、公知の技術を使用して金属堆積に適し得る。これにより、第一の電気抵抗加熱フィラメントが第一のセラミック支持層上に提供される、第一の電気抵抗加熱フィラメントの直接的な提供が可能になりうる。
【0078】
第一のセラミック支持層は、任意の厚さを有してもよい。第一のセラミック支持層は、少なくとも約0.05ミリメートルの厚さを有してもよい。例えば、第一のセラミック支持層は、少なくとも約0.07ミリメートル、少なくとも約0.09ミリメートル、または少なくとも0.1ミリメートルの厚さを有してもよい。
【0079】
第一のセラミック支持層は、約1ミリメートル以下の厚さを有してもよい。例えば、第一のセラミック支持層は、約0.9ミリメートル以下、約0.8ミリメートル以下、または約0.7ミリメートル以下の厚さを有してもよい。
【0080】
第一のセラミック支持層は、約0.05ミリメートル~約1ミリメートルの厚さを有し得る。例えば、第一のセラミック支持層は、約0.07ミリメートル~約0.9ミリメートル、約0.09ミリメートル~約0.8ミリメートル、または約0.1ミリメートル~約0.7ミリメートルの厚さを有してもよい。
【0081】
第一のセラミック支持層は、少なくとも約0.4ミリメートルの厚さを有してもよい。例えば、第一のセラミック支持層は、少なくとも約0.5ミリメートル、または少なくとも0.6ミリメートルの厚さを有してもよい。
【0082】
第一のセラミック支持層は、約1.5ミリメートル以下の厚さを有してもよい。例えば、第一のセラミック支持層は、約1.1ミリメートル以下、または約0.9ミリメートル以下の厚さを有してもよい。
【0083】
第一のセラミック支持層は、約0.4ミリメートル~約1.5ミリメートルの厚さを有してもよい。例えば、第一のセラミック支持層は、約0.5ミリメートル~約1.5ミリメートル、約0.5ミリメートル~約1.1ミリメートル、または約0.6ミリメートル~約0.9ミリメートルの厚さを有してもよい。
【0084】
この厚さを有する第一のセラミック支持層を含む支持基体は、機械的強度と加工性との望ましいバランスを有利に提供することがわかった。
【0085】
第一の電気抵抗加熱フィラメントは、任意の適切な材料を含んでもよい。第一の電気抵抗加熱フィラメントは、電気抵抗材料を含んでもよい。適切な電気抵抗材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金、およびセラミック材料と金属材料とで作製された複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープ炭化ケイ素が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル白金、金、銀が挙げられる。適切な金属合金の例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオブ含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、金含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、ならびに鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。
【0086】
第一の電気抵抗加熱フィラメントは、白金を備え得る。
【0087】
第一の電気抵抗加熱フィラメントは、支持基体の表面上に堆積されたトラックを含み得る。第一の電気抵抗加熱フィラメントは、任意の形状を有してもよい。例えば、第一の電気抵抗加熱フィラメントは、蛇行形状を有してもよい。これは有利には、エアロゾル形成基体のより効率的な、またはより均等な加熱を提供し得る。
【0088】
第一の電気抵抗加熱フィラメントに関連して上述したすべての特性は、第二の電気抵抗加熱フィラメントに等しく適用可能である。例えば、第二の電気抵抗加熱フィラメントは、電気抵抗材料を含んでもよい。電気抵抗材料は、第一の電気抵抗加熱フィラメントに関連して上述した材料のうちの一つ以上であってもよい。
【0089】
本開示はまた、エアロゾル発生装置用の発熱体を形成する方法に関する。方法は、炭素繊維材料を提供するステップを含んでもよい。方法は、導電性材料を炭素繊維材料の第一の表面に塗布して、第一の電気抵抗加熱フィラメントを形成するステップを含み得る。方法は、発熱体を形成するために、炭素繊維材料から一部分を切断するステップを含んでもよい。
【0090】
本発明の第二の態様によれば、エアロゾル発生装置用の発熱体を形成する方法が提供され、方法は、炭素繊維材料を提供するステップと、導電性材料を炭素繊維材料の第一の表面に塗布して第一の電気抵抗加熱フィラメントを形成するステップと、炭素繊維材料から一部分を切断して発熱体を形成するステップとを含む。
【0091】
炭素繊維材料を形成するプロセスは、前駆体ポリマー材料で始まることを含み得る。前駆体ポリマー材料は、ポリアクリロニトリル(PAN)を含み得る。前駆体ポリマー材料は、微細繊維にスパンされてもよく、この繊維は、洗浄および延伸されて、ポリマー材料の繊維を生成してもよい。ポリマー材料の繊維は、摂氏200度~摂氏370度に加熱されうる。加熱プロセスは、酸素分子を加え、原子結合パターンを再構成して、それらの線形パターンを、より熱的に安定したラダー結合に変換する。ポリマー材料の繊維は、無酸素環境で摂氏1100度~摂氏2800度まで加熱されうる。これは、材料から非炭素原子を排出して、炭素繊維を形成しうる。
【0092】
炭素繊維は、束に集められ、ボビンに巻かれ得る。次いで、織機を使用して、巻かれた束を織布炭素繊維材料などの、使用可能な炭素繊維材料にすることができる。
【0093】
発熱体を形成するために炭素繊維材料から一部分を切断するステップは、ダイシングを含み得る。発熱体を形成するために炭素繊維材料の一部分を切断するステップは、第一の電気抵抗加熱フィラメントが提供される炭素繊維材料の一部分を切断することを伴いうる。
【0094】
方法は、導電性材料を炭素繊維材料の第二の表面に塗布して、第二の電気抵抗加熱フィラメントを形成するステップをさらに含みうる。
【0095】
導電性材料を炭素繊維材料の第二の表面に塗布して第二の電気抵抗加熱フィラメントを形成するステップは、導電性材料を炭素繊維材料の第一の表面に塗布するために使用されるのと同じ技術を使用してもよい。
【0096】
方法は、石英およびガラスのうちの少なくとも一つの層を発熱体に塗布して保護コーティングを形成するステップをさらに含みうる。
【0097】
石英およびガラスの少なくとも一つの層を発熱体に塗布するステップは、ディップコーティングまたは3D堆積を含み得る。
【0098】
導電性材料を炭素繊維材料の第一の表面に塗布するステップは、導電性材料を炭素繊維材料の第一の表面に堆積することを伴いうる。
【0099】
例えば、このステップは、炭素繊維材料の表面にある量の白金を堆積させることを適用しうる。導電性材料を堆積させるステップは、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、スパッタリング、原子レーザー蒸着(ALD)を含むがこれらに限定されない、任意の適切な堆積技術を伴いうる。
【0100】
方法は、セラミック材料を提供し、セラミック材料を炭素繊維材料に塗布するステップをさらに含みうる。方法は、導電性材料をセラミック材料の第一の表面に塗布して、第一の電気抵抗加熱フィラメントを形成するステップをさらに提供しうる。導電性材料をセラミック材料の第一の表面に塗布するステップは、導電性材料を炭素繊維材料の第一の表面に塗布するステップの代わりになってもよい。
【0101】
セラミック材料は、シリコンであってもよい。
【0102】
導電性材料をセラミック材料の第一の表面に塗布して、第一の電気抵抗加熱フィラメントを形成するステップは、上述の炭素繊維材料の第一の表面に導電性材料を塗布するために使用されるのと同じ技術を使用してもよい。
【0103】
方法は、セラミック材料および炭素繊維材料の一部分を切断して加熱アセンブリを形成するステップをさらに含みうる。
【0104】
方法は、さらなるセラミック材料を提供し、さらなるセラミック材料を炭素繊維材料に塗布するステップをさらに含みうる。さらなるセラミック材料を炭素繊維材料に塗布するステップは、セラミック材料の二つの層の間に炭素繊維材料を挟むように作用し得る。第一のセラミック材料は、第二のセラミック材料と同じセラミック材料であってもよい。
【0105】
方法は、さらなるセラミック材料を提供するステップを含む場合、方法は、導電性材料をさらなるセラミック材料の表面に塗布して、第二の電気抵抗加熱フィラメントを形成するステップをさらに含みうる。
【0106】
導電性材料をさらなるセラミック材料の表面に塗布して、第二の電気抵抗加熱フィラメントを形成するステップは、導電性材料を上述の炭素繊維材料の第一の表面に塗布するために使用されるのと同じ技術を使用してもよい。
【0107】
本発明の第三の態様によれば、本発明の第一の態様による発熱体、および第一の電気抵抗加熱フィラメントに電力を供給するための電源を含む、エアロゾル発生装置が提供される。
【0108】
エアロゾル発生装置はさらに、ハウジングと、電源から発熱体への電力の供給を制御するように構成された制御要素を備え得る。ハウジングは、発熱体を包囲する、または発熱体の近くにある空洞を画定してもよい。空洞は、エアロゾル発生物品を受容するように構成されてもよい。空洞は、エアロゾル発生装置の加熱チャンバーを形成してもよく、または備えてもよい。
【0109】
エアロゾル発生装置は、ユーザーが片手の指の間に持ちやすい、携帯用または手持ち式のエアロゾル発生装置でもよい。エアロゾル発生装置は、実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル発生装置は、約70ミリメートル~約120ミリメートルの長さを有してもよい。
【0110】
発熱体は、エアロゾル発生装置の加熱チャンバー内に配設されている内部発熱体であってもよい。発熱体は、中央に配設されていて、かつ加熱チャンバーの長軸方向軸に沿って整列されていてもよい。
【0111】
エアロゾル発生装置に受容されるエアロゾル発生物品は、実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル発生物品は実質的に細長くてもよい。エアロゾル発生物品は、長さと、その長さに対して実質的に垂直な周囲とを有してもよい。エアロゾル形成基体は、実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル形成基体は実質的に細長くてもよい。エアロゾル形成基体はまた、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す周囲とを有してもよい。エアロゾル発生物品は、約45ミリメートルの合計長さを有してもよい。エアロゾル発生物品は、約7.2ミリメートルの外径を有してもよい。さらに、エアロゾル形成基体は約10ミリメートルの長さを有してもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は、約12ミリメートルの長さを有してもよい。さらに、エアロゾル形成基体の直径は、約5ミリメートル~約12ミリメートルでありうる。エアロゾル発生物品は外側紙ラッパーを備えてもよい。エアロゾル発生物品は、フィルタープラグを備えてもよい。さらに、エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体とフィルタープラグとの間に分離部を備えてもよい。分離部は、約18ミリメートルであってもよいが、約5ミリメートル~約25ミリメートルの範囲内であってもよい。
【0112】
エアロゾル形成基体は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体である。揮発性化合物はエアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化した植物由来材料を含んでもよい。
【0113】
エアロゾル形成基体は、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にし、かつシステムの動作温度にて熱分解に対して実質的に抵抗性である任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。エアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)であってもよい。エアロゾル形成体はプロピレングリコールであってもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンおよびプロピレングリコールの両方を含んでもよい。
【0114】
エアロゾル発生装置は、制御要素、電源、および接点を備えてもよい。接点は、発熱体の第一の電気抵抗加熱フィラメントと電気的に接触し、存在する場合には、発熱体の第二の電気抵抗加熱フィラメントと電気的に接触する。
【0115】
電源は任意の適切な電源であってもよく、例えば電池などのDC電圧源であってもよい。一つの実施形態において、電源はリチウムイオン電池である。別の方法として、電源は、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウム系電池(例えば、リチウムコバルト電池、リチウム鉄リン酸塩電池、チタン酸リチウム、またはリチウムポリマー電池)であってもよい。
【0116】
制御要素は単純なスイッチでもよい。別の方法として、制御要素は電気回路であってもよく、一つ以上のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを備えてもよい。
【0117】
本開示の別の態様において、上記の説明によるエアロゾル発生装置と、エアロゾル発生装置の空洞の中に受容されるように構成された一つ以上のエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムが提供される。
【0118】
本発明は特許請求の範囲で定義される。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供する。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【実施例
【0119】
実施例1:
エアロゾル発生装置用の発熱体であって、第一の電気抵抗加熱フィラメント、および第一の電気抵抗加熱フィラメントが提供されている支持基体を含み、支持基体が、炭素繊維材料を含む第一の炭素繊維支持層を含む、発熱体。
実施例2:
第二の電気抵抗加熱フィラメントをさらに含む、実施例1に記載の発熱体。
実施例3:
第一の炭素繊維支持層が、第一の表面および対向する第二の表面を含み、第一の電気抵抗加熱フィラメントが、第一の炭素繊維支持層の第一の表面上に提供され、第二の電気抵抗加熱フィラメントが、第一の炭素繊維支持層の第二の表面上に提供される、実施例2に記載の発熱体。
実施例4:
第一の電気抵抗加熱フィラメントが、第一の炭素繊維支持層と直接接触する、実施例1~3のいずれかに記載の発熱体。
実施例5:
支持基体が、セラミック材料を含む第一のセラミック支持層をさらに備え、第一のセラミック支持層が第一の炭素繊維支持層と接触している、実施例1に記載の発熱体。
実施例6:
第一の電気抵抗加熱フィラメントが第一のセラミック支持層上に提供される、実施例5に記載の発熱体。
実施例7:
第一のセラミック支持層が、第一の表面および対向する第二の表面を備え、第一の電気抵抗加熱フィラメントが、第一のセラミック支持層の第一の表面上に提供され、第一の炭素繊維支持層が、第一のセラミック支持層の第二の表面上に提供される、実施例6に記載の発熱体。
実施例8:
支持基体が、セラミック材料を含む第二のセラミック支持層をさらに備え、第二のセラミック支持層が、第一の炭素繊維支持層と接触している、実施例5~7のいずれか一つに記載の発熱体。
実施例9:
第一の炭素繊維支持層が、第一の表面および対向する第二の表面を備え、第一のセラミック支持層が第一の炭素繊維支持層の第一の表面上に提供され、第二のセラミック支持層が第一の炭素繊維支持層の第二の表面上に提供され、第一の電気抵抗加熱フィラメントが第一のセラミック支持層上に提供される、実施例8に記載の発熱体。
実施例10:
第二のセラミック支持層上に提供される第二の電気抵抗加熱フィラメントをさらに含む、実施例8または実施例9に記載の発熱体。
実施例11:
第一のセラミック支持層がシリコンを含む、実施例5~10のいずれか一つに記載の発熱体。
実施例12:
第一のセラミック支持層が、0.1ミリメートル~0.7ミリメートルの厚さを有する、実施例5~11のいずれか一つに記載の発熱体。
実施例13:
第一の電気抵抗加熱フィラメントおよび支持基体の少なくとも一部分の周りに保護コーティングをさらに含む、実施例1~12のいずれかに記載の発熱体。
実施例14:
保護コーティングが、ガラスおよび石英のうちの少なくとも一つを含む、実施例13に記載の発熱体。
実施例15:
第一の炭素繊維支持層が、不織の、一方向性炭素繊維材料を含む、実施例1~14のいずれかに記載の発熱体。
実施例16:
第一の炭素繊維支持層が、0.3ミリメートル~1.5ミリメートルの厚さを有する、実施例1~15のいずれかに記載の発熱体。
実施例17:
第一の電気抵抗加熱フィラメントが白金を含む、実施例1~16のいずれかに記載の発熱体。
実施例18:
エアロゾル発生装置用の発熱体を形成する方法であって、方法が、炭素繊維材料を提供するステップと、導電性材料を炭素繊維材料の第一の表面に塗布して第一の電気抵抗加熱フィラメントを形成するステップと、炭素繊維材料から一部分を切断して発熱体を形成するステップとを含む、方法。
実施例19:
導電性材料を炭素繊維材料の第二の表面に塗布して、第二の電気抵抗加熱フィラメントを形成するステップをさらに含む、実施例18に記載の発熱体を形成する方法。
実施例20:
保護コーティングを形成するために、石英およびガラスの少なくとも一つの層を発熱体に塗布するステップをさらに含む、実施例18または実施例19に記載の発熱体を形成する方法。
実施例21:
石英およびガラスの少なくとも一つの層を発熱体に塗布するステップが、ディップコーティングまたは3D堆積を含む、実施例20に記載の発熱体を形成する方法。
実施例22:
導電性材料を炭素繊維材料の第一の表面に塗布するステップが、導電性材料を炭素繊維材料の第一の表面に堆積することを伴う、実施例18~21のいずれか一つに記載の発熱体を形成する方法。
実施例23:
実施例1~17のいずれか一つに記載の発熱体、および第一の電気抵抗加熱フィラメントに電力を供給するための電源を含む、エアロゾル発生装置。
【0120】
ここで、図を参照しながら実施例を更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0121】
図1図1は、本発明の第一の実施形態による発熱体を示す。
図2図2は、本発明の第一の実施形態による発熱体の分解図を示す。
図3図3は、本発明の第二の実施形態による発熱体の分解図を示す。
図4図4は、本発明の第三の実施形態による発熱体を示す。
図5図5は、本発明の第三の実施形態による発熱体の分解図を示す。
図6図6は、本発明の第四の実施形態による発熱体を示す。
図7図7は、本発明の第四の実施形態による発熱体の分解図を示す。
図8図8は、本発明によるエアロゾル発生装置およびエアロゾル発生物品の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0122】
図1および図2は、エアロゾル発生装置のための発熱体10を示す。発熱体10は、支持基体上に提供される第一の電気抵抗加熱フィラメント11を含む。支持基体は、第一の炭素繊維支持層12から形成される。第一の炭素繊維支持層12は、炭素繊維材料から形成される。炭素繊維材料は、不織の、一方向性炭素繊維を含む。炭素繊維材料の一方向性炭素繊維の長軸方向軸は、加熱アセンブリの長軸方向軸と整列する。炭素繊維材料の炭素繊維は、トウ当たり6000フィラメントのトウサイズを有する。炭素繊維材料は、炭素繊維で強化されたマトリクスを含む複合材料である。マトリクスはポリイミドを含む。
【0123】
第一の炭素繊維支持層12は、約0.6ミリメートルの厚さを有する。
【0124】
第一の電気抵抗加熱フィラメント11は、第一の炭素繊維支持層12の表面上に堆積された白金の層である。第一の電気抵抗加熱フィラメント11は、形状が蛇行し、支持基体の第一の端に延在する二つの端を有し、エアロゾル発生装置の残りの部分への電気的接続を可能にする。
【0125】
図3に示す発熱体20は、図1および図2に示す発熱体10と多くの特徴を共有する。相違点を以下に記載する。図3は、発熱体20の分解図を示す。
【0126】
支持基体は、第一の炭素繊維支持層12から形成される。第一の炭素繊維支持層12は、第一の表面および対向する第二の表面を含む。第一の電気抵抗加熱フィラメント11は、炭素繊維支持層12の第一の表面上に提供される。第二の電気抵抗加熱フィラメント21は、炭素繊維支持層12の第二の表面上に提供される。第二の電気抵抗加熱フィラメント21は、実質的に同じ形状であり、第一の電気抵抗加熱フィラメント11と同じ特性を有する。
【0127】
図4および図5に示す発熱体30は、図1および図2に示す発熱体10と多くの特徴を共有する。相違点を以下に記載する。
【0128】
支持基体は、第一のセラミック支持層33をさらに含む。第一のセラミック支持層33は、シリコンを含む。第一のセラミック支持層33は、約0.4ミリメートルの厚さを有する。第一のセラミック支持層33は、第一の炭素繊維支持層12と同じ形状であり、第一の炭素繊維支持層12と整列する。
【0129】
図1~3に示す実施形態とは異なり、第一の電気抵抗加熱フィラメント11は、第一の炭素繊維支持層12の表面ではなく、第一のセラミック支持層33の表面上に提供される。第一の電気抵抗加熱フィラメント11は、第一のセラミック支持層33の第一の表面上に提供され、第一の炭素繊維支持層12は、第一のセラミック支持層33の第二の対向する表面上に提供される。
【0130】
図6および図7に示す発熱体40は、図4および図5に示す発熱体30と多くの特徴を共有する。相違点を以下に記載する。
【0131】
発熱体40は、第二のセラミック支持層43をさらに含む。第二のセラミック支持層43は、同じ材料から形成され、第一のセラミック支持層33と同じ寸法を有する。
【0132】
第一のセラミック支持層33は、第一の炭素繊維支持層12の第一の表面上に配置され、第二のセラミック支持層43は、第一の炭素繊維支持層12が第一のセラミック支持層と第二のセラミック支持層の間に挟まれるように、第一の炭素繊維支持層12の第二の表面上に配置される。
【0133】
図4および5の実施形態と同様に、第一の電気抵抗加熱フィラメント11は、第一のセラミック支持層33の表面上に提供される。図4および5の実施形態とは異なり、第二の電気抵抗加熱フィラメント41が第二のセラミック支持層43の表面上に提供される。
【0134】
第一の電気抵抗加熱フィラメント11は、第一のセラミック支持層33の第一の表面上に提供され、第一の炭素繊維支持層12は、第一のセラミック支持層33の第二の対向する表面上に提供される。
【0135】
第二の電気抵抗加熱フィラメント41は、第二のセラミック支持層43の第一の表面上に提供され、第一の炭素繊維支持層12は、第二のセラミック支持層43の第二の対向する表面上に提供される。
【0136】
すべての図の発熱体は、実質的に平面であり、形状が細長い。発熱体は、約16ミリメートルの合計長さおよび約5ミリメートルの幅を有する。発熱体は、一方の端に先細りした先端を含む。テーパーの始点とテーパーの終点との間の長軸方向の距離は約4ミリメートルである。
【0137】
すべての実施形態の発熱体は、保護コーティング(図示せず)をさらに含む。保護コーティングは、第一の電気抵抗加熱フィラメント11、および存在する場合は、第二の電気抵抗加熱フィラメント41および支持基体の周りに石英の層を含む。保護コーティングは、エアロゾル発生装置の残りの部分に接続されることを意図した発熱体の端までは延在しない。
【0138】
図1の発熱体10を形成するために、炭素繊維材料が提供される。白金金属の一部が、堆積プロセスを使用して炭素繊維材料の表面に塗布され、第一の電気抵抗加熱フィラメント11を形成する。第一の電気抵抗加熱フィラメント11に提供される炭素繊維材料の部分は、バルク炭素繊維材料から切断されて、発熱体10を形成する。次いで、発熱体10を、ディップコーティングを使用して、石英の層にコーティングして、保護コーティングを形成する。
【0139】
図8は、エアロゾル発生物品100およびエアロゾル発生装置200を備えるエアロゾル発生システムの断面図を示す。エアロゾル発生物品100の一方の端には、エアロゾル形成基体102が提供される。エアロゾル発生物品100のもう一方の端には、フィルター要素101が提供される。
【0140】
エアロゾル発生装置200は、電源205およびコントローラ回路206が中に配設されているハウジング204を備える。ハウジング204の一方の端には、エアロゾル発生物品100を受容するように構成されている空洞203が形成されている。空洞203には、本発明による発熱体201が提供される。発熱体201は、空洞203の中心に長軸方向軸に沿って配設される。
【0141】
制御回路206は、電源205から発熱体201への電気エネルギーの流れを制御するために構成されている。図8において、エアロゾル発生物品100はエアロゾル発生装置200の空洞203の中に挿入されている。使用後、エアロゾル発生物品100は空洞203から取り外され、廃棄されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】