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特表2024-510919組織を固定するためのシステム、装置、および関連する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】組織を固定するためのシステム、装置、および関連する方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20240305BHJP
【FI】
A61B17/072
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552584
(86)(22)【出願日】2022-02-28
(85)【翻訳文提出日】2023-10-25
(86)【国際出願番号】 US2022018136
(87)【国際公開番号】W WO2022187136
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】63/156,027
(32)【優先日】2021-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】エステベス、ラモン
(72)【発明者】
【氏名】デュエル、クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】スミス、ポール
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC09
4C160CC23
(57)【要約】
一態様によれば、組織固定装置は近位端および遠位端を含み、長手方向軸を規定する第1の本体と、前記第1の本体の遠位端に結合された固定装置とを含み得る。前記固定装置は、1つまたは複数の固定具を保持するように構成されたカートリッジを備える長手方向体と、前記長手方向体の前記カートリッジに対して回転可能なアンビルと、前記カートリッジに対して移動することで前記カートリッジから1つまたは複数の固定具を展開するように構成された固定具アクチュエータと、前記固定具アクチュエータに結合され、前記第1の本体を介して延在し、前記長手方向体、前記カートリッジ、または前記アンビルの外部に少なくとも部分的に位置する作動ワイヤとを含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織固定装置であって
近位端と遠位端を含み、長手方向軸を規定する第1の本体と、
前記第1の本体の前記遠位端に結合された固定装置と
を備え、前記固定装置は、
1つまたは複数の固定具を保持するように構成されたカートリッジを備える長手方向体と、
前記長手方向体の前記カートリッジに対して回転可能なアンビルと、
前記カートリッジに対して移動することで前記カートリッジから前記1つまたは複数の固定具を展開するように構成された固定具アクチュエータと、
前記固定具アクチュエータに結合され、前記第1の本体を介して延在し、前記長手方向体、前記カートリッジ、または前記アンビルの外部に少なくとも部分的に位置する作動ワイヤと
を含む、組織固定装置。
【請求項2】
前記長手方向体は前記第1の本体に枢動可能に結合されている、請求項1に記載の組織固定装置。
【請求項3】
前記長手方向体の近位端に結合された長手方向部材をさらに備える請求項1または2に記載の組織固定装置。
【請求項4】
前記第1の本体は、前記第1の本体の近位部分から前記第1の本体の遠位部分における第1の管腔開口部まで延在する第1の管腔を含み、前記長手方向部材および前記作動ワイヤは前記第1の管腔内に少なくとも部分的に位置する、請求項3に記載の組織固定装置。
【請求項5】
前記長手方向部材が長手方向チャネルを含み、前記作動ワイヤが前記長手方向チャネル内に位置する、請求項4に記載の組織固定装置。
【請求項6】
前記第1の本体は前記第1の管腔に第2の管腔開口部をさらに含み、前記第1の管腔開口部は前記第1の本体における前記第2の管腔開口部とは反対側に位置する、請求項4に記載の組織固定装置。
【請求項7】
前記第1の本体は第1の管腔および第2の管腔を含み、前記長手方向部材が前記第1の管腔内に位置し、前記作動ワイヤが前記第2の管腔内に位置する、請求項3に記載の組織固定装置。
【請求項8】
前記固定具アクチュエータが前記長手方向体の長手方向スロット内に位置する、請求項1~7のうちのいずれか一項に記載の組織固定装置。
【請求項9】
前記固定具アクチュエータは、少なくとも1つの傾斜部と、前記長手方向スロットを介して延在する延在部とを含む、請求項8に記載の組織固定装置。
【請求項10】
前記第1の本体および前記長手方向体に結合されたばねをさらに備える請求項1~9のうちのいずれか一項に記載の組織固定装置。
【請求項11】
前記ばねは、前記長手方向体の長手方向軸が前記第1の本体の長手方向軸を横切る位置に向かって前記固定装置を付勢するように構成されている、請求項10に記載の組織固定装置。
【請求項12】
前記長手方向部材は結合器を介して前記長手方向体の近位端に結合されており、前記結合器は前記第1の管腔開口部の幅よりも大きな幅を有している、請求項4に記載の組織固定装置。
【請求項13】
前記長手方向体に回転可能に結合されるとともに前記第1の本体内に位置するケーブルをさらに備え、前記ケーブルは、前記固定装置の動きを可能とするように構成されている、請求項1~12のうちのいずれか一項に記載の組織固定装置。
【請求項14】
前記長手方向体は、前記長手方向体の近位端と遠位端との間の位置で前記第1の本体に回転可能に結合されている、請求項1~13のうちのいずれか一項に記載の組織固定装置。
【請求項15】
前記長手方向部材および前記作動ワイヤは各々、前記固定装置に対して全体的に近接した位置における前記第1の本体の少なくとも1つの開口部を介して延在している、請求項3に記載の組織固定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の種々の側面は、概して、組織を可視化し、引き込み、結合することを含む組織操作に関する。より具体的には、本開示の少なくともある実施形態は、他の態様の中でもとりわけ、組織を固定するためのシステム、デバイス、および関連する方法に関する。本出願は、2021年3月3日に出願された米国仮特許出願第63/156,027号の優先権の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
技術開発によって、医療システム、装置、および方法のユーザには、被験者にますます複雑な処置を行う能力が与えられている。例えば被験者の胃腸管における組織の結合は、困難を伴い得る処置の一種である。外科用装置は、対向するジョー(jaw)構造の間で組織を把持またはクランプした後に、外科用固定具によって組織を接合し得る。
【0003】
外科用ステープラ内のいくつかのアクチュエータは、装置を介してワイヤを押したり引いたりすることを含む。ステープラが曲がりくねった経路内に配置されると、ステープラの他の部分からワイヤに加わるひずみまたは他の力が増大するために、固定装置を介したワイヤの移動が困難になり得る。この困難に対処する特徴を含む、組織を固定するためのシステム、装置、および関連する方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本開示の態様は、とりわけ、組織を固定するためのシステム、装置、および方法に関する。本明細書で開示される態様は各々、他の開示される態様のいずれかに関連して説明される特徴のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0005】
一態様によれば、組織固定装置は近位端および遠位端を含み、長手方向軸を規定する第1の本体と、前記第1の本体の遠位端に結合された固定装置とを含み得る。前記固定装置は、1つまたは複数の固定具を保持するように構成されたカートリッジを備える長手方向体と、前記長手方向体の前記カートリッジに対して回転可能なアンビルと、前記カートリッジに対して移動することで前記カートリッジから1つまたは複数の固定具を展開するように構成された固定具アクチュエータと、前記固定具アクチュエータに結合され、前記第1の本体を介して延在し、前記長手方向体、前記カートリッジ、または前記アンビルの外部に少なくとも部分的に位置する作動ワイヤとを含み得る。
【0006】
他の態様において、前記固定装置は以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。前記長手方向体は前記第1の本体に枢動可能に結合され得る。前記長手方向体の近位端に長手方向部材が結合され得る。前記第1の本体は、前記第1の本体の近位部分から前記第1の本体の遠位部分における第1の管腔開口部まで延在する第1の管腔を含み得る。前記長手方向部材および前記作動ワイヤは前記第1の管腔内に少なくとも部分的に位置する。前記長手方向部材は長手方向チャネルを含み得るとともに、前記作動ワイヤは前記長手方向チャネル内に位置し得る。前記第1の本体は前記第1の管腔内に第2の管腔開口部を含み得るとともに、前記第1の管腔開口部は前記第1の本体における前記第2の管腔開口部とは反対側に位置し得る。前記第1の本体は前記第1の管腔および前記第2の管腔を含み得る。前記長手方向部材は前記第1の管腔内に位置し得るとともに、前記作動ワイヤは前記第2の管腔内に位置し得る。
【0007】
他の態様において、前記固定装置は以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。前記固定具アクチュエータは前記長手方向体の長手方向スロット内に位置し得る。前記固定具アクチュエータは、少なくとも1つの傾斜部と、前記長手方向スロットを通って延在する延在部とを含み得る。前記第1の本体および前記長手方向体には、ばねが結合され得る。前記ばねは、前記長手方向体の長手方向軸が前記第1の本体の長手方向軸を横切る位置に向かって前記固定装置を付勢するように構成され得る。前記長手方向部材は、結合器を介して前記長手方向体の近位端に連結されてもよく、前記結合器は、前記第1の管腔開口部の幅より大きい幅を有し得る。ケーブルが前記長手方向体に回転可能に結合されるとともに前記第1の本体内に位置し得る。前記ケーブルは、前記固定装置の移動を可能とするように構成され得る。前記長手方向体は、前記長手方向体の近位端と遠位端との間の位置で前記第1の本体に回転可能に結合され得る。前記長手方向部材および前記作動ワイヤは各々、前記固定装置に対して全体的に近接した位置における前記第1の本体の少なくとも1つの開口部を介して延在し得る。
【0008】
他の態様において、前記組織固定装置は、長手方向軸を規定するとともに第1の管腔を含む第1の本体と、前記第1の本体の遠位端に回転可能に結合された固定装置とを含み得る。前記固定装置は、長手方向体と、前記長手方向体内に少なくとも部分的に位置するとともに1つまたは複数の固定具を備えるカートリッジと、前記カートリッジに隣接して搭載されるアンビルと、作動ワイヤとを含み得る。作動ワイヤは、作動ワイヤの遠位端において固定具アクチュエータに結合されている。前記固定具アクチュエータはチャネル内に位置している。前記固定装置は、第2の管腔を含む第2の本体であって、前記第1の管腔内に位置するとともに前記第1の管腔内で移動可能であり前記第1の管腔から延在する前記第2の本体と、前記長手方向体に回転可能に結合されるとともに前記第1の管腔を介して延在するケーブルとを含み得る。前記作動ワイヤは、前記第2の管腔内に位置し得る。前記固定装置は、前記ケーブルが近位および/または遠位に移動するときに前記第1の本体を中心に枢動可能とされ得る。いくつかの例において、前記第1の本体は、前記長手方向体の近位端と遠位端との間の位置で前記長手方向体に回転可能に結合され得る。
【0009】
他の態様において、前記組織固定装置は、長手方向軸を規定する第1の本体と、前記第1の本体の遠位端に回転可能に結合された固定装置とを含み得る。前記固定装置は、1つまたは複数の固定具を保持するように構成された長手方向体と、前記長手方向体に対して回転可能なアンビルと、前記長手方向体に対して近位に移動することで前記固定装置から前記1つまたは複数の固定具を展開するように構成された固定具アクチュエータと、前記固定具アクチュエータに結合され、前記第1の本体を介して延在し、前記長手方向体および前記アンビルの外部に少なくとも部分的に位置する作動ワイヤとを含み得る。
【0010】
他の態様において、前記固定装置は以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。前記長手方向体および前記第1の本体には、ばねが結合され得る。前記第2の本体は、前記長手方向体に結合されるとともに前記第1の本体を介して延在し得る。前記第2の本体は、前記第1の本体内で移動可能であり得るとともに、前記第2の本体の近位移動または遠位移動により前記第1の本体に対して前記固定装置を回転させるように構成され得る。
【0011】
上記した一般的な説明および以下の詳細な説明は、例示的かつ説明的なものにすぎず、請求項に記載された発明を限定するものではない。
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の例示的な態様を示し、説明と共に本開示の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本開示の態様による例示的な医療用固定システムの遠位端の斜視図である。
図2図2は、本開示の態様による図1の医療用固定システムの例示的な外科用ステープラの遠位端の斜視図である。
図3図3は、本開示の態様による図2の例示的な外科用ステープラの一部分の側面図である。
図4図4Aおよび図4Bは、本開示の態様による図2の外科用ステープラの遠位端の上面図である。
図5図5Aおよび図5Bは、本開示の態様による例示的な長手方向部材の断面図である。
図6図6は、本開示の態様による外科用ステープラの例示的な一部分の斜視図である。
図7図7は、本開示の態様による外科用ステープラの例示的な遠位部分の斜視図である。
図8図8は、本開示の態様による外科用ステープラの例示的な一部分の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は、他の態様の中でもとりわけ、組織を固定するためのシステム、装置、および方法に関する。以下、本開示の態様を詳細に参照するとともに、その例を添付の図面に示す。同一または類似の部分を参照するために、可能な限り、図面を通して同一または類似の参照番号が使用される。「遠位」という用語は、装置を患者に導入するときに使用者から最も遠い部分を指す。対照的に、「近位」という用語は、装置を患者の中に留置するときにユーザに最も近い部分を指す。近位方向および遠位方向は、図面全体を通じて、遠位方向については「D」と標識された矢印、近位方向については「P」と標識された矢印で標識される。「組織を共に結合する」という用語は、例えば、組織の2つの部分を共にステープル留めすること、固着すること、取り付けること、固定すること、または他の態様で接合することを指し得る。「固定具」という用語は、ステープル、クリップ、弾性バンド、縫合糸、または当該技術分野で公知の任意の他の固定具を含み得る。本明細書で使用される「備える」、「備えている」という用語、またはそれらの任意の他の変形語は、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、または装置が、必ずしもそれらの要素のみを含むわけではなく、明示的に列挙されていない、またはそのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有の他の要素を含み得るように、非排他的な包含をカバーすることが意図されている。「例示的」という用語は、「理想的」ではなく「例」の意味で使用される。
【0014】
本開示の実施形態は、腔内空間内の標的組織を可視化、切断、切除、および/または共に結合するために、またはそのプロセスを促進するために使用され得る。特に、いくつかの実施形態は、枢動可能な組織ステープラ装置を含む。ステープラ装置は、標的組織部位への内視鏡作業チャネルを介して標的組織に送達され得る。作動ワイヤは、標的組織部位内に1つまたは複数の固定具を展開するようにステープラ装置を通じて移動し得る。組織ステープラ装置の全てまたは一部は、金属、プラスチックであり得るか、あるいは、形状記憶金属(例えば、ニチノール)、形状記憶ポリマー、ポリマー、または任意の材料の組み合わせを含み得る。
【0015】
図1は、内視鏡101および外科用ステープラ200を含む医療システム100の遠位部分を示す。内視鏡101は、カメラなどの撮像器104と、流体チャネル110,112と、照明器106と、作業チャネル108とを含み得る。内視鏡101の遠位面102は、流体チャネル110,112の遠位開口部と、作業チャネル108とを含み得る。内視鏡101は、内視鏡101を関節駆動するおよび/または撮像器104、照明器106、および/または1つまたは複数の流体チャネル110,112を作動させるための1つまたは複数のアクチュエータを有するハンドル(図示略)に近位に延在し得る。外科用ステープラ200は、内視鏡101の作業チャネル108内に位置して示され、外科用ステープラ200は、内視鏡101を介して外科用ステープラ200の近位端におけるハンドルまで近位に延在し得る。外科用ステープラ200のハンドルは、外科用ステープラ200の1つまたは複数の特徴を作動させるための1つまたは複数のアクチュエータを含み得る。外科用ステープラ200または本明細書に開示される外科用ステープラの任意の他の実施形態のためのハンドルの特定の例は、2020年2月28日に出願された米国特許出願第16/804,887号に詳述されており、その全体が参照により組み込まれる。
【0016】
外科用ステープラ200は、身体組織に係合するとともに、腹腔鏡または内視鏡処置等の低侵襲外科処置において複数の外科用固定具を身体組織に適用するように構成されたステープラ装置である。いくつかの例において、外科用ステープラ200は、処置中に、固定された体組織に切開部を形成し得る。外科用ステープラ200は、外科用クリップまたは他の固定具を適用するために使用され得るが、装填ユニットなどのデバイスの本体の一部内に位置するステープルカートリッジからステープルを適用する文脈で主に説明される。
【0017】
図1に示されるように、外科用ステープラ200は、ステープラ装置201と、長手方向体202とを含む。長手方向体202は、外科用ステープラ200の遠位部299におけるステープラ装置201から外科用ステープラ200の近位部におけるハンドルアセンブリ(図示略)まで延在し得る。長手方向体202は、内視鏡または腹腔鏡処置に好適な任意の長さに延在し得るとともに、内視鏡の作業チャネル内に位置するように構成され得る。いくつかの実施例において、長手方向体202は、例えば、長手方向体202を作業チャネル108内にバックロードすることによって、内視鏡の作業チャネルまたは別の装置のチャネル内への長手方向体202の挿入を容易にするために、ハンドルアセンブリから取り外し可能であってもよい。他の例において、外科用ステープラ200は、ハンドルを含まなくてもよい。いくつかの実施例において、長手方向体202は、可撓性であってもよく、および/またはその中心長手方向軸を中心に回転可能であってもよい。長手方向体202は、外科用ステープラ200を作動させるための作動ワイヤを長手方向体202内に位置させるための管腔を含み得るとともに、そのような作動ワイヤはハンドルアセンブリに連結され得る。長手方向体202は、複数の作動ワイヤまたは単一の作動ワイヤ(例えば、作動ワイヤ216)を受容するように構成され得る。いくつかの例では、長手方向体202はステープラ装置201に固定して結合され得るが、他の実施例では、長手方向体202はステープラ装置201に取り外し可能または解放可能に結合され得る。図1に示されるように、長手方向体202は、コネクタ204を介してステープラ装置201に枢動可能に結合され得る。いくつかの例において、コネクタ204は、ステープラ装置201の本体208の近位端と遠位端との間に位置し得る。コネクタ204は、ステープラ装置201の本体208の長手方向軸239からオフセットされ得る。
【0018】
外科用ステープラ200の遠位部299は、長手方向体202の遠位部分に結合されたステープラ装置201を含む。いくつかの例において、ステープラ装置201の本体208は、本体208のチャネル内に配置されたカートリッジ218を含み得る。カートリッジ218は、本体208に固定され得るかまたは移動可能に結合され得るか、もしくは本体208から取り外し可能とされ得る。いくつかの例において、カートリッジ218は本体208に一体的に形成され得る。本体208の近位部分において、アンビル210が枢動軸229において本体208に回動可能または枢動可能に連結され得る。アンビル210は、ステープラ装置201の遠位端に向かって遠位に延在し得る。いくつかの実施例において、アンビル210は、回動可能に付勢され得るとともに開放構成に付勢され得る。すなわち、アンビル210は、本体208およびカートリッジ218から離れるように付勢されてアンビル210の遠位部分と本体208およびカートリッジ218の遠位部分との間に空間を作り得る。アンビル210は、本体208に接触するように、またはアンビル210と本体208との間で組織を挟むように、かつカートリッジ218から押し出されたときにステープルが駆動され得る面を提供するように、枢動軸229を中心に回動可能とされ得る。
【0019】
いくつかの例において、本体208は、カートリッジ218を支持するチャネルを含み得る。カートリッジ218は、ステープルなどの複数の外科用固定具を含有し得る。固定具は、図6および図7に示される作動スレッド673,772のうちの1つなどの作動スレッドによって及ぼされる駆動力の影響下にあるときにカートリッジ218から展開され得る。カートリッジ218内の複数の離間した長手方向スロット231,232は、ステープルがカートリッジ218を通過して組織を穿孔することを可能にする。いくつかの例において、作動スレッド673,772は、作動時にカートリッジ218および/または本体208の遠位端から長手方向に(または軸239に平行な方向に)近位に移動し、カートリッジ218内の固定具に接触し、固定具を組織に結合するために、長手方向スロット231,232を介して固定具を押す。いくつかの例では、単一の固定具が各スロット231,232を介して延在し得る。各固定具は、スロット231,232との固定具の整列を補助するために、展開前にスロット231,232内に部分的に存在し得る。いくつかの例では、カートリッジ218内において固定具の2つの異なる長手方向列を作動させるために、2つの作動スレッドが必要とされ得る。あるいは、一つの作動スレッド673が2つの傾斜部671,672を含んでもよく、各傾斜部671,672は、カートリッジ218上のスロット231,232の別個の長手方向列と整列されてもよい。
【0020】
いくつかの例において、カートリッジ218はさらに、ナイフブレード(図示略)などの切除ツールを受容および/または支持するように構成された長手方向スロット(図示略)を含み得る。切除ツールは、作動スレッド673,772を並進させる作動ワイヤからの追加の別個の作動ワイヤを介して作動されてもよく、または作動スレッド673,772と同じ作動ワイヤを介して作動されて、作動スレッドおよび切除ツールの両方を同時に並進させてもよい。カートリッジ218と共に切除ツールを使用する更なる説明は、2020年2月28日に出願された米国特許出願第16/804,887号に見出すことができる。
【0021】
いくつかの実施例において、長手方向体202は剛性であり得るとともに、内視鏡または他の医療デバイスを通過するように構成された可撓性本体に結合され得る。長手方向体202は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ステンレス鋼、または他の好適な材料から製造され得る。長手方向部材206は、長手方向体202の管腔212内に延在し、長手方向体202の遠位端に近い位置で管腔212から出てもよい。長手方向体202の管腔212は、長手方向体202の近位端から遠位部分まで長手方向に延在し得る。管腔212は、長手方向体202の側壁に出口開口部261を含み得る。
【0022】
長手方向部材206は、本体208の近位端に固定して結合され得る。長手方向部材206は、長手方向体202内で移動可能とされ得るとともに、外科用ステープラ200の近位部分で出口開口部261を介して管腔212から出てもよい。長手方向部材206は、管腔212を介して近位および遠位に移動するように構成され得る。いくつかの例において、長手方向部材206は、ボーデンケーブルなどの非圧縮性部材であり得る。長手方向部材206は、作動ワイヤおよび外科用ステープラ200の他の構成要素を受容するための第2の管腔(図示略、管腔212とは別個である)を含み得る。
【0023】
いくつかの例において、コネクタ204は、長手方向体202に対するステープラ装置201の枢動を可能にする。例えば、ステープラ装置は、1)ステープラ装置201の長手方向軸239が長手方向体202の長手方向軸と平行である位置と、2)ステープラ装置201の長手方向軸が長手方向体202の長手方向軸を横切る位置との間でステープラ装置201が移動し得るように、コネクタ204を中心として枢動し得る。実施形態では、コネクタ204は、ステープラ装置201の長手方向軸239が長手方向体202の長手方向軸と平行であるとき、長手方向体202の長手方向軸と軸239との間の角度が0度より大きく、最大180度まで、そのような枢動を可能にし得る。いくつかの例において、出口開口部261は楕円形であってよく、長手方向部材206が長手方向体202の内外に滑らかに移行することを可能にし、長手方向部材206が管腔212を介して移動するときに管腔212の出口開口部261と長手方向部材206との間の摩擦を最小限に抑えるために、長手方向体202の長手方向に細長くてもよい。
【0024】
ユーザは、長手方向部材206を押すかまたは引くことによって(長手方向部材206を近位または遠位に移動させて)ステープラ装置201を枢動させることができ、次いで、ステープラ装置201を押すかまたは引くことで、ステープラ装置201をコネクタ204の周りで回動させる。いくつかの実施形態において、コネクタ204は、長手方向体202の遠位端において装置を介して延在するピンと、ステープラ装置201から延在するフランジとを含み得る。ステープラ装置201は、その本体の一部から延在し、ピンのための開口部を含む一対のフランジを含み得る。長手方向体202は、長手方向体202の遠位端から延在しかつ一対のフランジの開口部と整列するように構成された開口部を含むデバイスを含み得る。ピンは、コネクタ204を形成するように、一対のフランジの開口部および長手方向体202の遠位端から延在するデバイスの開口部とともに位置決めされ得る。
【0025】
作動ワイヤ216は、ステープラ装置201のラム(ram)アクチュエータスレッドから、長手方向体202の第2の管腔214を通して、ステープラ装置201の近位部分まで延在し得る。作動ワイヤ216は、本体208およびアンビル210から完全に外部にあり得る。他の例において、作動ワイヤ216および長手方向部材206は、同じ管腔212を介して延在し得る。第2の作動ワイヤが長手方向部材206を介して延在し、本体208に向かってまたは本外208から離れるようにアンビル210の移動を作動させるように構成されてもよい。いくつかの例において、作動ワイヤ216はステープラ装置201のハンドルに結合され得る。作動ワイヤ216は、長手方向体202の一部を介して近位または遠位に移動するように構成され得る。作動ワイヤ216は、本体208およびアンビル210の外部に位置し得るとともに、ステープラ装置201内に少なくとも部分的に位置する傾斜部作動スレッド673,772に結合され得る。作動ワイヤ216は、傾斜部作動スレッド673,772を近位に引くことによって、ステープラ装置201からの固定具の展開を作動させるように構成され得る。作動ワイヤ216は、ステープラ装置201の遠位端から近位であり、かつ長手方向体202の遠位端から近位である位置において、長手方向体202に進入し得る。
【0026】
いくつかの例において、作動ワイヤは、長手方向部材206を介して本体208および/またはアンビル210内に延在し得るが、長手方向部材206、本体208、およびアンビル210のねじれおよび剛性の組み合わせが長手方向部材206を通る作動ワイヤの移動を困難にし得るとともに、本体208および長手方向体202に対する作動ワイヤの位置決めは作動ワイヤの移動によって起こる摩擦を増加させ得る。本体208の内部ではなく本体208の外部に作動ワイヤ216を配置することによって、長手方向部材206によって作動ワイヤ216に加えられる力が低減され得るので、ユーザが作動ワイヤ216を近位に引くことがより困難でなくなり得る。加えて、作動ワイヤ216は、長手方向部材206および長手方向体202の部分の外側に少なくとも部分的に存在し得る。作動ワイヤ216を長手方向部材206および長手方向体202の部分の外側に少なくとも部分的に位置させることにより、負荷および摩擦力が低減されるため、作動ワイヤ216を近位に引っ張ることがさらに容易になり得る。作動ワイヤ216を近位に引くことによって、作動スレッド673が近位に移動して、1つまたは複数の固定具をカートリッジ218から押し出すことが可能となる。
【0027】
ユーザは、外科用ステープラ200を使用して、最初にステープラ装置201の活動領域内に、または本体208とアンビル210との間に組織を位置付けることによって、1つまたは複数の固定具を組織に結合し得る。組織がステープラ装置201の活動領域内に位置すると、ユーザは、ステープラ装置201のハンドルのアクチュエータを作動させ、その後、長手方向部材206を介して作動ワイヤを近位に並動させ、ステープラ装置の活動領域内に位置する組織上でアンビル210を閉じさせ得る。ユーザがステープラ装置201を係合位置に保持し、したがって、ステープラ装置の留め具を組織上に維持している間、ユーザは、作動ワイヤ216を近位に引いて(または作動させて)、ステープラ装置201内の作動スレッド673を並進させ得る。作動スレッド673,772が作動ワイヤ216を介して近位に並進されると、作動スレッド673,772の傾斜部671,672,792がカートリッジ218内の固定具に係合し、長手方向スロット231,232を介して固定具を押して、組織を穿通し得る。固定具が作動スレッド673,772によって展開されると、固定部は次いでアンビル210に係合して組織の層を共に結合し得る。いくつかの例において、作動ワイヤ216は、作動スレッドおよび切除ツール(図示略)を作動させることができ、作動スレッドおよび切除ツールの両方を同時に並進させて、組織を穿孔し、1つまたは複数の固定具で組織を固定し、組織を切除することができる。
【0028】
図2は、ステープラ装置301を含む外科用ステープラ200の代替実施形態の遠位部分を示す。ステープラ装置301は、長手方向体302と、ステープラ本体308と、アンビル310と、長手方向部材306と、コネクタ304と、作動ワイヤ316とを含み得る。外科用ステープラ300は、外科用ステープラ200に関して本明細書で説明した特徴のうちのいずれかを含み得る。長手方向体302は、単一の管腔360を含み得る。作動ワイヤ316および長手方向部材306の各々は、管腔360を介して延在し得る。長手方向部材306は、管腔の第1の遠位開口部312を介して延在し得る。作動ワイヤ316は、第1の遠位開口部312とは反対側の長手方向体302の第2の遠位開口部314を介して延在し得る。長手方向体302は、遠位部320を含み得る。遠位部320は、その遠位部320の遠位端にコネクタ304を含む。コネクタ304は、ステープラ装置301を長手方向体302に枢動可能に連結し得る。コネクタ304は、ステープラ装置301の遠位端部分に位置し得る。コネクタ304は、枢動ピン340を含み得る。コネクタ304は、枢動ピン340を中心に回動可能とされ得る。コネクタ304の突出部333は、ステープラ本体308に固定して連結され得るとともに、ステープラ本体308に対して近位に延在し得る。長手方向部材306は、結合器355を介して突出部333に回転可能に連結され得る。他の例においては、長手方向部材306は、結合器355または当該技術分野で知られている任意の他の手段により突出部333に固定して結合され得る。長手方向部材306の近位移動または遠位移動は、枢動ピン340を中心としたステープラ装置の回動を引き起こし得る。
【0029】
図3は、外科用ステープラ300の遠位部の背面図を示す。図3に示されるように、結合器355は円筒形であってよく、その長手方向軸周りの外周は、長手方向部材306の長手方向軸周りの外周よりも大きな外周を有し得る。結合器355のより大きな外周は、長手方向部材306が近位に引っ張られるとき、結合器355が第1の遠位開口部312を介して管腔360内に引っ張られることを防止し得る。いくつかの例において、結合器355は、枢動ピン340を中心としたステープラ装置301の回動を制限し得る。作動ワイヤ316は、ステープラ本体308の底部のスロット(図示略)を介して延在する作動スレッド373のピン352を介して作動スレッド373に連結され得る。いくつかの例において、作動ワイヤ316は、ピン352の周りに巻き付けられて、作動ワイヤ316をピン352に結合する。他の例では、作動ワイヤ316は、圧着管、接着剤、および/または当該技術分野で知られている任意の他の結合機構を介してピン352に結合され得る。図3に示されるように、ピン352の一部はステープラ本体308の外側にあり、作動ワイヤ316は、ステープラ本体308の完全に外側の位置で作動スレッド373に結合される。
【0030】
図4Aおよび図4Bは、外科用ステープラ300の遠位部の上面図を示す。図4Aは、長手方向体302に実質的に平行に位置するステープラ装置301を示し、図4Bは、長手方向体302に対して角度を付けられたステープラ装置301を示す。外科用ステープラ300を図4Aに示される位置から図4Bに示される位置に移行させるために、ユーザは、長手方向体302を通じて長手方向部材306を遠位に押すことで、ステープラ装置301を枢動ピン340の周りで回動させることができる。外科用ステープラ300を図4Bに示される位置から図4Aに示される位置に移行させるために、ユーザは、長手方向体302を通じて長手方向部材306を近位に引くことで、本体208およびアンビル310を移動させて、枢動ピン340を中心にステープラ装置301を枢動させることができる。
【0031】
図5Aおよび図5Bは、長手方向部材500,501の2つの例の断面図をそれぞれ示す。長手方向部材500,501の各々は、長手方向部材206,306に関して本明細書に開示される特徴のいずれかを有し得る。長手方向部材500は、円筒形状を有し得るとともに、長手方向体202,302内に位置するように構成され得る。長手方向部材501は、実質的に円形の断面およびスロット部分502を含み得る。スロット部分502は、長手方向部材501の全長にわたって長手方向に延在し得るか、または長手方向部材501の長さの一部のみにわたって長手方向に延在し得る。スロット部分502は、作動ワイヤ316の外面と嵌合するように構成された湾曲面を含み得る。長手方向部材501を通じて長手方向に延在するスロット部分502を設けることにより、長手方向部材501および作動ワイヤ316を収容するために管腔360内でより少ない空間が必要とされる一方で、長手方向部材501および作動ワイヤ316が管腔360内で互いに移動することを可能にする。
【0032】
図6は、本明細書で説明するステープラ装置201,301のいずれかに組み込むことができる例示的なステープラ本体608、作動スレッド673、および作動ワイヤ616を示す。ステープラ本体608は、作動スレッド673の延長部670を受容するように構成された長手方向スロット675を含み得る。延長部670は、T字状であり得るとともに、作動ワイヤ616の遠位端に連結され得る。延長部670は、ステープラ本体608の完全に外部の位置で作動ワイヤ616に結合するように構成され得る。他の例において、作動ワイヤ616は、部分的にステープラ本体608内および/または長手方向スロット675内の位置で作動スレッド673に結合され得る。作動スレッド673は、ステープラ本体608のチャネル685内に位置する2つの傾斜部671,672を含み得る。チャネル685は、ステープラカートリッジ218を受容するように構成され得る。傾斜部671,672は、傾斜部671,672が、全体としてまたは個別に、長手方向スロット675の幅よりも広くなるように十分に幅広とされ得る。作動スレッド673は、作動ワイヤ616が近位に引かれるときに、チャネル685を通って近位に引かれ得る。
【0033】
図7は、ステープラ本体708と、長手方向体702と、枢動ピン740と、長手方向部材706と、作動ワイヤ716とを含む代替ステープラ装置の構成要素の遠位部を示す。外科用ステープラ200,300およびステープラ本体608に関して本明細書で説明される任意の特徴が、図7の構成要素を含む外科用ステープラに含まれ得る。ステープラ本体708はチャネル775を含み、チャネル775は作動スレッド772を受容する。作動スレッド772は傾斜部792を含み、作動ワイヤ716に結合されている。作動ワイヤ716は、長手方向部材706を介してデバイスの近位部まで延在している。図7の構成要素を利用するステープラの実施形態では、長手方向部材706は、枢動ピン740を中心にステープラ本体を回動させるために使用されないが、代わりに、作動ワイヤ716を保護し得る。この例では、長手方向部材706は可撓性であり得るが、長手方向部材706の近位移動または遠位移動によりステープラ本体708を移動させるのに十分な剛性である必要はない。ケーブル717は、長手方向体702の管腔を通り、管腔開口部721を介して延在し得る。ケーブル717の遠位端は、ステープラ本体708に回転可能に連結され得る。例えば、図7に示されるように、ケーブル717は、ケーブル717の遠位端にループ部分718を含み得る。ループ部分718は、ケーブル717の近位部に結合されたケーブル717の遠位部によって形成され得る。ループ部分718は、圧着管719または圧着スリーブを使用して形成され得る。他の例では、ループ部分718は圧着管719を含まなくてもよい。ループ部分718は、ステープラ本体708の1つまたは複数の開口部781を介して延在し得る。ケーブル717は、ケーブル717の近位移動または遠位移動がステープラ本体708を移動させ得るように十分に剛性であり得る。いくつかの例では、ケーブル717はボーデンケーブルであり得る。ケーブル717は、ステンレス鋼、ニチノール、または任意の他の好適な材料から作製され得る。枢動ピン740を中心にステープラ本体708を回動させるために、ユーザは、ケーブル717を近位または遠位に移動させ得る。長手方向部材706から分離した枢動ピン740の周りでステープラ本体708を回動させる手段を提供することにより、ステープラの動作中に長手方向部材706によって作動ワイヤ716に印加される力の量を低減することができ、長手方向部材706を介して作動ワイヤ716を移動させる際の困難を防止することができる。
【0034】
図8は、ステープラ本体808と、アンビル810と、長手方向体802と、長手方向部材806とを含む外科用ステープラ800の遠位部を示す。長手方向部材806は、外科用ステープラ300の突出部333および結合器355と同様の突出部851および結合器855を介してステープラ本体808に結合され得る。外科用ステープラ200,300に関して本明細書に説明される任意の特徴が、外科用ステープラ800に組み込まれ得る。ステープラ本体808は、長手方向体802に枢動可能に連結され得る。ステープラ本体808は、枢動ピン840を中心に回動し得る。ステープラ本体808および長手方向体802には、ばね850が連結され得る。ばね850は、枢動ピン840に近接して位置し得るとともに、いくつかの実施例では、突出部851の一部に結合され得る。ばね850は、ステープラ本体808が長手方向体802に対して角度付けられた位置に向かってばね付勢されるように、ステープラ本体808および長手方向体802に力を及ぼし得る。例えば、バネ850は、ステープラ本体808の遠位端が長手方向体802に対して近位に移動するようにステープラ本体808を移動させ得る。
【0035】
ユーザは、長手方向部材806を近位に引くことで、ステープラ本体808を長手方向体802に実質的に平行な位置まで枢動させることができる。ユーザが長手方向部材806に加えられた張力を解放すると、ステープラ本体808が回転してステープラ本体808の遠位端がばね850によって加えられた力によって近位方向に移動し得る。ばね850を設けることで、ユーザは、長手方向部材806に近位方向への張力を印加するかまたは長手方向部材806における張力を解放するだけで、枢動ピン840を中心にステープラ本体808をいずれかの方向(時計回りまたは反時計回り)に回転させることができる。ユーザが長手方向部材806を遠位に押してステープラ本体808を回転させることを必要としない機構を外科用ステープラ800に提供することによって、ユーザは、長手方向部材806を遠位に押すことによって引き起こされる長手方向部材806の潜在的な座屈を回避することができる。他の例では、ばね850は、ステープラ本体808の長手方向軸が長手方向体802の長手方向軸に実質的に平行となる位置に向けてステープラ本体808を付勢し得る。
【0036】
上述した装置およびシステムは各々、組織を可視化、結合、および/または切除するために使用され得る。いくつかの実施例では、ユーザは、内視鏡作業チャネルの遠位端を通して長手方向体を引き戻して作業チャネル内に長手方向体の一部を位置付けることで、内視鏡の作業チャネル内にステープラ装置の長手方向体を装填し得る。長手方向体が作業チャネル内に位置すると、ハンドルアセンブリが長手方向体の近位端に結合され得る。次いで、ユーザは、内視鏡を患者の体内に導入して、内視鏡を標的領域に向かって移動させ得る。ユーザは、画像センサを使用して標的領域を直接可視化することにより、内視鏡を使用して、被験者の身体管腔内に存在する標的領域(腫瘍または他の罹患組織など)の位置を決定し得る。ユーザは、内視鏡の遠位端を標的領域に近接して位置付けると、ステープラ装置を開放位置に作動させてステープラのアンビルと本体との間に空間を生じさせ得る。次いで、ユーザは、ステープラ装置の活動部分内に標的組織を位置付け、ステープラ装置のアンビルおよび本体を閉鎖位置に移動させて、ステープラ装置を用いて組織をつかみとることができる。ユーザは、作動ワイヤを引っ張るべくアクチュエータを作動させることで、ステープラ装置の作動スレッドを近位に移動させ得る。ユーザは、アクチュエータを介して作動スレッドを近位に移動させることで、つかみとった組織内に、かつステープラ装置のアンビルに対して固定具を展開し得る。
【0037】
本開示の範囲から逸脱することなく、開示された装置および方法において様々な変更および変形が行われ得ることが当業者には明らかである。本開示の他の態様は、本明細書の考察および本明細書に開示される特徴の実施から当業者には明らかである。本明細書および実施例は例示的なものに過ぎないと考えられることが意図されている。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
【国際調査報告】