(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】発色団ベースの表面コーティングを施した少なくとも1種の化粧用粉体を含有する化粧品組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/35 20060101AFI20240305BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20240305BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20240305BHJP
A61K 8/85 20060101ALI20240305BHJP
A61K 8/89 20060101ALI20240305BHJP
A61K 8/84 20060101ALI20240305BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20240305BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20240305BHJP
A61K 8/60 20060101ALI20240305BHJP
A61Q 1/00 20060101ALI20240305BHJP
A61Q 1/04 20060101ALI20240305BHJP
A61Q 1/10 20060101ALI20240305BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
A61K8/35
A61K8/49
A61K8/86
A61K8/85
A61K8/89
A61K8/84
A61K8/81
A61K8/73
A61K8/60
A61Q1/00
A61Q1/04
A61Q1/10
A61Q5/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023552594
(86)(22)【出願日】2022-02-25
(85)【翻訳文提出日】2023-10-10
(86)【国際出願番号】 EP2022054800
(87)【国際公開番号】W WO2022184581
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】102021000004730
(32)【優先日】2021-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516200323
【氏名又は名称】インテルコス エッセ.ピ.ア.
【氏名又は名称原語表記】INTERCOS S.p.A
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】ピロヴァノ、クローディオ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルセシア、パトリチア
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA122
4C083AB032
4C083AB172
4C083AB242
4C083AB292
4C083AB332
4C083AB432
4C083AB442
4C083AC012
4C083AC072
4C083AC092
4C083AC102
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC152
4C083AC172
4C083AC182
4C083AC242
4C083AC302
4C083AC312
4C083AC332
4C083AC352
4C083AC392
4C083AC422
4C083AC491
4C083AC492
4C083AC532
4C083AC642
4C083AC692
4C083AC712
4C083AC782
4C083AC851
4C083AC852
4C083AC892
4C083AC912
4C083AD022
4C083AD041
4C083AD072
4C083AD091
4C083AD111
4C083AD112
4C083AD151
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD191
4C083AD211
4C083AD282
4C083AD352
4C083AD392
4C083AD642
4C083AD662
4C083BB25
4C083CC11
4C083CC13
4C083CC14
4C083CC38
4C083DD11
4C083DD22
4C083DD31
(57)【要約】
発色団ベースのコーティングを施した粉体化粧品組成物が記載されている。組成物は、反応性官能基を有するポリオールと化学的に結合した高分子発色団の中から選択される少なくとも1種の発色団を0.1重量%~50重量%と、表面反応性基を有する化粧用粉体又は化粧用粉体の混合物を99.9重量%~50重量%とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面コーティングを施した少なくとも1種の化粧用粉体を含有する化粧品組成物において、前記粉体が、
a)反応性官能基を有するポリオールと化学的に結合した高分子発色団の中から選択される少なくとも1種の発色団を0.1重量%~50重量%と、
b)表面反応性基を有する化粧用粉体又は化粧用粉体の混合物を99.9重量%~50重量%と、
を備え、前記発色団は、前記化粧用粉体又は化粧用粉体の混合物の表面に化学的に結合していることを特徴とする、化粧品組成物。
【請求項2】
前記発色団が、アゾ基、アントラキノン、インジゴイド、ポリメチン、シアニン、フタロシアニン、アリール-炭素、トリメチルメタン等の有機染料の中から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項3】
前記反応性官能基が、アルコキシ基、Si-H基、カルボキシ基の中から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項4】
前記化粧用粉体又は化粧用粉体の混合物が、前記発色団と安定な共有結合を形成するように官能基化された表面ヒドロキシ基を有する粉体基材を備えることを特徴とする、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項5】
前記粉体基材が顔料であることを特徴とする、請求項5に記載の化粧品組成物。
【請求項6】
前記顔料が真珠光沢顔料であることを特徴とする、請求項6に記載の化粧品組成物。
【請求項7】
前記ポリオールがポリエチレンオキシドからなることを特徴とする、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項8】
前記ポリオールがポリプロピレンオキシドからなることを特徴とする、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項9】
前記ポリオールがポリエステルからなることを特徴とする、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項10】
前記ポリオールがポリブチレンオキシドからなることを特徴とする、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項11】
前記ポリオールがポリグリセロールからなることを特徴とする、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項12】
前記ポリオールが脂肪族ポリオールからなることを特徴とする、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項13】
前記ポリオールがポリシロキサンからなることを特徴とする、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項14】
前記ポリオールが、糖及び多糖類由来のポリオールからなることを特徴とする、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項15】
前記ポリオールがポリカーボネートからなることを特徴とする、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項16】
前記ポリオールがポリアクリレートからなることを特徴とする、請求項1に記載の化粧品組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色を増強させて個性化する機能を有する、発色団ベースの表面コーティングを施した少なくとも1種の化粧用粉体を含有する化粧品組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品全般において基本的な色彩は、特にメイクアップにおいて本質を表す重要な役割を果たす。
古来より、身体に塗布される色は、その美しさを引き立てるだけでなく、感情を伝え、喚起するためにも使用されてきた。
【0003】
従って、広い意味での色彩の調査と研究、そしてメイクアップ製品におけるその表現は、化粧品の革新において常に戦略的かつ優先的なものである。これには、色彩トレンドの絶え間ない調査に加え、化粧品や肌の上で最も鮮やかで革新的な方法で色彩を伝えることを目的とした着色料、並びに合成及び処方技術の絶え間ない探求が含まれる。
【0004】
化粧品への使用に妥当かつ適した着色料は、当該技術分野で使用される溶媒に溶けるか溶けないかによって、主に2つのクラスに分けられる。
【0005】
可溶性染料は、天然又は合成由来の有機発色団分子で、水や油、場合によってはその他の溶媒に溶ける。この成分は明るく鮮やかな色を得るのに適しており、不溶性顔料に典型的な液剤中での沈殿の問題を避けることができるが、安定性と持続的で望ましくない方法で皮膚を染色する傾向(「染色」として知られる現象)に関連した大きな制限がある。
【0006】
一方、不溶性染料は主に、光学的に透明である(例えば雲母)か、又は可視スペクトルの特定の部分の吸収によって色を発現することができる(例えば酸化鉄、二酸化チタン)酸化物又は無機塩からなる無機顔料である。これらは、その高い不透明性又は被覆能力により、メイクアップに広く使用されている。これらは不透明な色で、光や熱に対して非常に安定しているが、明度や強度には欠ける。
【0007】
不溶性顔料の特殊なカテゴリーに真珠光沢顔料があり、その色は、材料の組成によって、反射、屈折、干渉、透過、吸収といった光との相互作用現象から生じる。
【0008】
ラッカーは有機染料の不溶性形態である。通常は水酸化アルミニウムや水酸化カルシウム、或いは水酸化バリウム等の基材上に、可溶性染料を吸収、沈殿、又は化学結合させることによって得られる。
ラッカーは一般的に、無機顔料よりも鮮やかで明るい色彩と良好な安定性を提供するため、化粧品に広く使用されている。
【0009】
有機ラッカーの溶解度は、室温、中性pH、他の塩の非存在下で制限される。しかしながら、中性以外のpH、高温、又は他の溶質(水中で解離した塩、例えばCACl2)の存在下では、顔料の一部が溶解し、着色化合物の溶液の生成と共に水相を着色することがある。このような効果は、皮膚への染料の吸収による皮膚の着色や、染料の移動による製品のムラ(「にじみ」現象)を引き起こす可能性がある。
【0010】
したがって、化粧品用染料は、全体として、性質や化学的-物理的特性が大きく異なる異種材料の集合に包含され、それらは、単一のシナリオで標準化することができない製品への適用において、長所と短所を有している。このため、例えば、所望の色を持つ製品を得るために、異なる系列の染料を組み合わせたり置き換えたりする作業が必要になるたびに、特定の研究が必要になる。
【0011】
メイクアップの場合、処方を開発する作業は、市場のトレンドを満たし、異なる美的嗜好や身体的特徴を有する消費者のニーズを満たすために、さまざまな色彩や視覚効果(陰影)でその基本構造を概説することからなる。
処方の基本構造の成分が最終製品に特徴を与え、その質感と主な化粧品性能を定義する一方で、異なる種類の染料の組み合わせによって得られるカラーパッケージは、処方の可変部分を表す。
【0012】
異なる視覚効果を有する製品を得るには、上述したように、非常に異なる化学的-物理的特性を有し得る染料を使用する必要があり、使用時には、考慮しなければならない種々の問題を伴う。
【0013】
さらに、化学的-物理的性質が異なるということは、染料の様々な組み合わせが、例えば、官能性、他の成分との相溶性、特定の流体相への分散能等の点で、処方において全く異なる挙動を示すことを意味し、基本処方の主な特徴に影響を及ぼす。これらすべてが、異なる色での処方の開発を複雑にし、その基本構造を変えずに質感と主な化粧品性能を維持することを難しくしている。
【0014】
粉体(顔料及びフィラー)の化粧品性能を向上させるために当該技術分野で一般的に使用されている技術の一つは、表面コーティング工程であり、これによれば、粉体自体の化学的-物理的特性は、表面を化学的に修飾することによって調節される。特定の特性を持ち、顔料の表面と共有結合を形成できる基を持つ高分子や分子が、コーティング剤として使用される。
【0015】
使用するコーティング剤の性質により、粉体の表面処理は、粉体の濡れ性、吸油性、分散性、疎水性を修正することができ、その目的は、
・より優れた顔料分散性とより安定した分散
・異なる性質の顔料間のより優れた相溶性
・顔料と処方中の成分間のより優れた相溶性
・長持ちするメイクアップ
・より優れた官能性
を有することである。
【0016】
国際公開第2007/021731号には、多官能性カップリング剤を用いて金属酸化物又は半金属酸化物粒子の表面に染料を付着させることにより形成される官能化顔料が開示されている。多官能性カップリング剤は、粒子の表面水酸基と染料の活性部位の両方と結合することにより、顔料粒子の所望の物理的特性を保持しながら、染料の所望の色特性を顔料粒子に付与する。
【0017】
国際公開第2011/149870号には、化粧品特性を有さず、化粧品用途を意図しない洗浄剤における高分子染料の使用が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】国際公開第2007/021731号
【特許文献2】国際公開第2011/149870号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の目的は、未研究の化粧用粉体の表面コーティングの機能、即ち、最終処方の色に直接作用し、それを増強して個性化する可能性を探ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
このようにして、コーティングされた粉体を有する化粧品組成物が同定され、この粉体は、
a)反応性官能基を有するポリオールと化学的に結合した高分子発色団の中から選択される少なくとも1種の発色団を0.1重量%~50重量%
b)表面反応性基を有する化粧用粉体又は化粧用粉体の混合物を99.9重量%~50重量%
を備え、前記発色団は、前記化粧用粉体又は化粧用粉体の混合物の表面に化学的に結合していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
ポリオールと化学的に結合した発色団を有する高分子染料を化粧用粉体の表面で直接化学的に結合させることにより、発色団分子を別のカップリング剤によって顔料に結合させる系に対して利点が得られる。
特に、化粧品用発色団は、粉体の色と化学的-物理的特性の両方に作用する。高分子部分は、高分子の性質により、特定の化粧品処方への改質粉体の挿入を助ける湿潤剤として作用する。
【0022】
技術的な観点からは、高分子発色団は皮膚に浸透しないため、リスクがなく、より確実なプロファイルを可能にする材料とみなすことができるという利点がある。
さらに、高分子発色団を使用することで、より均質なコーティングと高い着色力が可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
発色団が、少なくとも2つのヒドロキシ基で終わる高分子構造を持つ長鎖化合物として定義できるポリオールと化学的に結合した高分子発色団からなることは特に興味深い。
その組成により、例えばポリウレタン合成反応に使用することができる。さらに、高分子や熱硬化性樹脂の着色にも応用できる。
【0024】
ポリオールの選択は、化粧品の着色粉体を得るために非常に重要であることが証明される。ポリオールと化学的に結合した発色団は、あらゆるカテゴリーの化粧品において、筆記性、肌への付着性、挿入性を維持すると同時に、独特かつ増強した色を有する粉体を得るのに最も適している。
【0025】
本発明に使用可能なポリオールは、ポリエステル、ポリアルキレンオキシド(例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシド)、ポリグリセロール、脂肪族ポリオール、ポリシロキサン、糖及び多糖類由来のポリオール、ポリカーボネート、ポリアクリレート等である。
【0026】
反応性官能基は、アルコキシ基(例えば、-O-CH3、-O-CH2、CH3、-O-CH(CH3)2)、Si-H基、カルボキシ基等の中から選択することができる。
【0027】
発色団基は、アゾ基、アントラキノン、インジゴイド、ポリメチン(例えば、シアニン)、フタロシアニン、アリール-炭素、トリアリルメタン)等の有機染料の世界で知られている主な発色団基の中から選択することができる。
【0028】
コーティング発色団a)は、有利には市販の試薬から合成することができ、例えば、化合物3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(CAS#24801-88-5,和光純薬工業株式会社、大阪、日本、TCI Europe NV,Zwijndrecht,ベルギー、又はGelest,Inc.Morrisville,ペンシルベニア州、アメリカ合衆国)と、Milliken社から販売されているReactintファミリーの反応性高分子発色団とを、2つの試薬の反応性基の等モル量で反応させることにより合成することができる。反応は酢酸エチル中、75℃の温度で6時間、付加反応に適した触媒の存在下で行われる。
【0029】
粉体又は化粧用粉体の混合物b)は、例えば、発色団との安定な共有結合の形成により官能化するように適合したヒドロキシ基を表面に有する粉体を備える。
【0030】
粉体基材へのコーティングのグラフト化により、表面のヒドロキシ基を有する多種多様な化粧用粉体基材、例えばケイ酸塩、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、チタニア、酸化鉄、ガラス、そしてとりわけ顔料、特に真珠光沢顔料を選択し、コーティング剤との安定な共有結合の形成により官能化することができる。
【0031】
好ましくは、コーティング工程は、発色団の反応性トリエトキシシラン基と化粧用粉体の表面との反応によるゾル-ゲル法を用いて実行される(コーティング分子あたり最大3つの共有結合)。
【0032】
処方された発色団基材を有する粉体を備える化粧品組成物は、様々な種類の化粧品、例えば無水又は注液式のメイクアップ製品、水性製品、シャンプー、乳液、バーム、パウダーアイシャドウ、ペンシル、スキンケア及びヘアケア用製品に使用できる。
【0033】
同じ元となる化粧用粉体を異なる発色団でコーティングすることで、選択された発色団によって異なる色の粉体を得ることができる。選択された発色団基の有機的な性質は共通であるため、発色団の種類が変わっても、色を除いて粉体の化学的-物理的特性を均一に保つことができる。
【0034】
ケミカルコーティングはさらに、皮膚へのシミや製品へのにじみにつながる可溶性染料特有の溶解性の問題を回避する。
これにより、質感と化粧品特性を維持するために処方の基本構造を修正する必要がなく、カラーパッケージの同じ化学的-物理的特性で得られる視覚効果(陰影)と仕上がりの量が増加し、処方の発色工程が大幅に簡略化され、標準化される。したがって、これはまた、発色工程の最適化を伴う。
【0035】
発色団ベースのコーティングを施した粉体を含有する化粧品組成物は、彩度(鮮やかさ)や色相等、元となる化粧用粉体の主な色の特徴の一部を変更するコーティングの能力から効能を得ることができる。
【0036】
本発明に示されるコーティングに従って適切に処理された元となる化粧用粉体は、より強い色を呈することができ、彩度を増加させ、従って元の色のブースターとして作用する。同時に、色相に関連する調整を変更することも可能であり、元となる粉体からも、粉体そのものと他の化粧品着色基材との混合物からも得られない、高度にカスタマイズ可能な特徴を有する色を得ることができる。
【実施例】
【0037】
実施例1
「発色団基を有するコーティング相」の調製
【0038】
【0039】
本発明の発色団基を有するコーティング相は、撹拌機、温度計、コンデンサーを備えた反応器にA相を入れることによって調製される。B相を窒素気流下70℃で添加し、活性イソシアネート基が消失するまで、混合物を90℃の温度で約10時間加熱する。この消失は赤外吸収分光法(IR)で評価する。次いでC相を約70℃で添加する。
【0040】
本実施例で選択した顔料は、Milliken社製のReactintファミリーに属する他の全ての発色団に関して何ら限定するものではない。
【0041】
実施例2
発色団ベースのコーティングを施した化粧用粉体の調製
【0042】
【0043】
本実施例の発色団ベースのコーティングを施した化粧用粉体は、A相をミキサーに装填し、適切なインペラで撹拌し、B相及びC相を室温でA相粉体に順次噴霧することにより得た。その後、湿った粉体を適当な容器に排出し、80℃のオーブンで24時間乾燥させる。オーブン処理後の揮発分は1%未満でなければならない。最後に、粉体を120メッシュの篩で篩過した。
【0044】
A相に対するC相の割合は、評価されたコーティング反応が完了する限り、所望の色強度の関数として調節することができる。粉体上の未反応コーティングの量は、テトラヒドロフラン(THF)によるソックスレー抽出で評価する。
【0045】
本実施例で選択した粉体は、使用できる他のすべての化粧用粉体(タルク、シリカ等)に関して何ら限定するものではない。
【0046】
実施例3
発色団ベースのコーティングを施した化粧用顔料の調製
【0047】
【0048】
本実施例の発色団ベースのコーティングを施した化粧用顔料は、A相をミキサーに装填し、適切なインペラで撹拌し、B相及びC相を室温でA相顔料に順次噴霧することにより得た。その後、湿った粉体を適当な容器に排出し、80℃のオーブンで24時間乾燥させる。オーブン処理後の揮発分は1%未満でなければならない。最後に、顔料を120メッシュの篩で篩過した。
【0049】
A相に対するC相の割合は、評価されたコーティング反応が完了する限り、所望の色強度の関数として調節することができる。粉体上の未反応コーティングの量は、テトラヒドロフラン(THF)によるソックスレー抽出で評価する。
【0050】
本実施例で選択した顔料は、使用できる他のすべての化粧用顔料(赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄等)に関して何ら限定するものではない。
【0051】
実施例4
発色団ベースのコーティングを施した真珠光沢化粧用顔料の調製
【0052】
【0053】
本実施例の発色団ベースのコーティングを施した真珠光沢化粧用顔料は、A相をミキサーに装填し、適切なインペラで撹拌し、B相及びC相を室温でA相顔料に順次噴霧することにより得た。その後、湿った粉体を適当な容器に排出し、80℃のオーブンで24時間乾燥させる。オーブン処理後の揮発分は1%未満でなければならない。最後に、顔料を90メッシュの篩で篩過した。
【0054】
A相に対するC相の割合は、評価されたコーティング反応が完了する限り、所望の色強度の関数として調節することができる。粉体上の未反応コーティングの量は、テトラヒドロフラン(THF)によるソックスレー抽出で評価する。
【0055】
本実施例で選択した顔料は、使用できる他のすべての化粧用顔料(真珠光沢ガラス系顔料等)に関して何ら限定するものではない。
【0056】
実施例5
実施例4と同様にコーティングした真珠光沢顔料を有する口紅の調製
【0057】
【0058】
実施例6
実施例2と同様にコーティングした化粧用粉体と実施例3と同様にコーティングした顔料とを有するエマルジョンブラシの調製
【0059】
【0060】
実施例7
実施例2と同様にコーティングした化粧用粉体と実施例3と同様にコーティングした顔料を有するパウダーアイシャドウの調製
【0061】
【0062】
実施例8
実施例3と同様にコーティングした顔料と実施例4と同様にコーティングした真珠光沢顔料を有するペンシルの調製
【0063】
【0064】
実施例9
実施例4と同様にコーティングした真珠光沢顔料を有するシャンプーの調製
【0065】
【0066】
実施例10
実施例4と同様にコーティングした真珠光沢顔料を有するバームの調製
【0067】
【国際調査報告】