(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】バダデュスタットの薬物間相互作用の調節
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4418 20060101AFI20240305BHJP
A61K 31/192 20060101ALI20240305BHJP
A61K 31/785 20060101ALI20240305BHJP
A61P 7/06 20060101ALI20240305BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20240305BHJP
A61P 19/06 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
A61K31/4418
A61K31/192
A61K31/785
A61P7/06
A61P13/12
A61P19/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553023
(86)(22)【出願日】2022-02-28
(85)【翻訳文提出日】2023-10-18
(86)【国際出願番号】 US2022018152
(87)【国際公開番号】W WO2022187142
(87)【国際公開日】2022-09-09
(32)【優先日】2021-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513297117
【氏名又は名称】アケビア セラピューティクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AKEBIA THERAPEUTICS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】アジット チャバン
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン バーク
【テーマコード(参考)】
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC17
4C086FA03
4C086GA13
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA35
4C086MA43
4C086MA52
4C086NA06
4C086NA11
4C086ZA55
4C086ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206JA13
4C206KA01
4C206MA02
4C206MA04
4C206MA55
4C206MA72
4C206NA06
4C206NA11
4C206ZC31
4C206ZC75
(57)【要約】
バダデュスタット(すなわち、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1))である薬物(例えば、第1の薬物)及び別の(例えば、第2の)薬物(例えば、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩)、又はある特定のタンパク質、受容体、及び/若しくは輸送体の阻害剤及び/若しくは基質(例えば、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、若しくはアデホビル))の投与に起因する薬物間相互作用を減少させる、最小限に抑える、又は制御するための方法が本明細書に提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の薬物と第2の薬物との間の薬物間相互作用を減少させる又は最小限に抑える方法であって、対象に、
(a)有効量の前記第1の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である、前記第1の薬物、又は有効量の前記第1の薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の前記第2の薬物であって、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む、前記第2の薬物と、を投与することを含み、
前記対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)が(b)の服用の少なくとも2時間前及び/又は少なくとも2時間後に投与される、方法。
【請求項2】
第1の薬物と第2の薬物との間の薬物間相互作用を減少させる又は最小限に抑える方法であって、対象に、
(a)有効量の前記第1の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である、前記第1の薬物、又は有効量の前記第1の薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の前記第2の薬物であって、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む、前記第2の薬物と、を投与することを含み、
前記対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)が(b)の服用の少なくとも1時間前及び/又は少なくとも1時間後に投与される、方法。
【請求項3】
第1の薬物と第2の薬物との間の薬物間相互作用を防止する方法であって、対象に、
(a)有効量の前記第1の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である、前記第1の薬物、又は有効量の前記第1の薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の前記第2の薬物であって、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む、前記第2の薬物と、を投与することを含み、
前記対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)が(b)の服用の少なくとも2時間前及び/又は少なくとも2時間後に投与される、方法。
【請求項4】
第1の薬物と第2の薬物との間の薬物間相互作用を防止する方法であって、対象に、
(a)有効量の前記第1の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である、前記第1の薬物、又は有効量の前記第1の薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の前記第2の薬物であって、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む、前記第2の薬物と、を投与することを含み、
前記対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)が(b)の服用の少なくとも1時間前及び/又は少なくとも1時間後に投与される、方法。
【請求項5】
第1の薬物と第2の薬物との間の薬物間相互作用を制御する方法であって、対象に、
(a)有効量の前記第1の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である、前記第1の薬物、又は有効量の前記第1の薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の前記第2の薬物であって、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む、前記第2の薬物と、を投与することを含み、
前記対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)が(b)の服用の少なくとも2時間前及び/又は少なくとも2時間後に投与される、方法。
【請求項6】
第1の薬物と第2の薬物との間の薬物間相互作用を制御する方法であって、対象に、
(a)有効量の前記第1の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である、前記第1の薬物、又は有効量の前記第1の薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の前記第2の薬物であって、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む、前記第2の薬物と、を投与することを含み、
前記対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)が(b)の服用の少なくとも1時間前及び/又は少なくとも1時間後に投与される、方法。
【請求項7】
薬物のバイオアベイラビリティを増加させる方法であって、対象に、
(a)有効量の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である、薬物、又は有効量の前記薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の薬物であって、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物である、薬物と、を投与することを含み、
前記対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)が(b)の服用の少なくとも2時間前及び/又は少なくとも2時間後に投与される、方法。
【請求項8】
薬物のバイオアベイラビリティを増加させる方法であって、対象に、
(a)有効量の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である、薬物、又は有効量の前記薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の薬物であって、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物である、薬物と、を投与することを含み、
前記対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)が(b)の服用の少なくとも1時間前及び/又は少なくとも1時間後に投与される、方法。
【請求項9】
薬物のバイオアベイラビリティを維持する方法であって、対象に、
(a)有効量の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である、薬物、又は有効量の前記薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の薬物であって、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物である、薬物と、を投与することを含み、
前記対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)が(b)の服用の少なくとも2時間前及び/又は少なくとも2時間後に投与される、方法。
【請求項10】
薬物のバイオアベイラビリティを維持する方法であって、対象に、
(a)有効量の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である、薬物、又は有効量の前記薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の薬物であって、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物である、薬物と、を投与することを含み、
前記対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)が(b)の服用の少なくとも1時間前及び/又は少なくとも1時間後に投与される、方法。
【請求項11】
薬物の吸収の減少を最小限に抑える方法であって、対象に、
(a)有効量の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である、薬物、又は有効量の前記薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の薬物であって、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物である、薬物と、を投与することを含み、
前記対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)が(b)の服用の少なくとも2時間前及び/又は少なくとも2時間後に投与される、方法。
【請求項12】
薬物の吸収の減少を最小限に抑える方法であって、対象に、
(a)有効量の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である、薬物、又は有効量の前記薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の薬物であって、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物である、薬物と、を投与することを含み、
前記対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)が(b)の服用の少なくとも1時間前及び/又は少なくとも1時間後に投与される、方法。
【請求項13】
薬物の吸収の減少を防止する方法であって、対象に、
(a)有効量の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である、薬物、又は有効量の前記薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の薬物であって、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物である、薬物と、を投与することを含み、
前記対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)が(b)の服用の少なくとも2時間前及び/又は少なくとも2時間後に投与される、方法。
【請求項14】
薬物の吸収の減少を防止する方法であって、対象に、
(a)有効量の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である、薬物、又は有効量の前記薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の薬物であって、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物である、薬物と、を投与することを含み、
前記対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)が(b)の服用の少なくとも1時間前及び/又は少なくとも1時間後に投与される、方法。
【請求項15】
薬物の吸収の減少を制御する方法であって、対象に、
(a)有効量の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である、薬物、又は有効量の前記薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の薬物であって、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物である、薬物と、を投与することを含み、
前記対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)が(b)の服用の少なくとも2時間前及び/又は少なくとも2時間後に投与される、方法。
【請求項16】
薬物の吸収の減少を制御する方法であって、対象に、
(a)有効量の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である、薬物、又は有効量の前記薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の薬物であって、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物である、薬物と、を投与することを含み、
前記対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)が(b)の服用の少なくとも1時間前及び/又は少なくとも1時間後に投与される、方法。
【請求項17】
(b)がセベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩である、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
(b)がセベラマー塩酸塩である、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
(b)がセベラマー炭酸塩である、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
(b)が錠剤として投与される、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
(b)が散剤として投与される、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の薬物が前記第2の薬物の服用の少なくとも1時間前に投与される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の薬物が前記第2の薬物の服用の少なくとも2時間後に投与される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
(a)が(b)の服用の少なくとも1時間前に投与され、(b)がセベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩である、請求項7~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
(a)が(b)の服用の少なくとも2時間後に投与され、(b)がセベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩である、請求項7~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
第1の薬物と第2の薬物との間の薬物間相互作用を減少させる又は最小限に抑える方法であって、対象に、
(a)有効量の前記第1の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)である、前記第1の薬物、又は有効量の前記第1の薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の前記第2の薬物であって、OAT1/OAT3阻害剤である、前記第2の薬物と、を投与することを含み、
前記対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)の量が(b)の不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して調整される、方法。
【請求項27】
第1の薬物と第2の薬物との間の薬物間相互作用を防止する方法であって、対象に、
(a)有効量の前記第1の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)である、前記第1の薬物、又は有効量の前記第1の薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の前記第2の薬物であって、OAT1/OAT3阻害剤である、前記第2の薬物と、を投与することを含み、
前記対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)の量が(b)の不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して調整される、方法。
【請求項28】
第1の薬物と第2の薬物との間の薬物間相互作用を制御する方法であって、対象に、
(a)有効量の前記第1の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)である、前記第1の薬物、又は有効量の前記第1の薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の前記第2の薬物であって、OAT1/OAT3阻害剤である、前記第2の薬物と、を投与することを含み、
前記対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)の量が(b)の不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して調整される、方法。
【請求項29】
薬物のバイオアベイラビリティを維持する方法であって、対象に、
(a)有効量の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)である、薬物、又は有効量の前記薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の第2の薬物であって、OAT1/OAT3阻害剤である、第2の薬物と、を投与することを含み、
前記対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)の量が(b)の不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して調整される、方法。
【請求項30】
薬物への曝露の増加を最小限に抑える方法であって、対象に、
(a)有効量の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)である、薬物、又は有効量の前記薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の第2の薬物であって、OAT1/OAT3阻害剤である、第2の薬物と、を投与することを含み、
前記対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)の量が(b)の不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して調整される、方法。
【請求項31】
薬物への曝露の増加を防止する方法であって、対象に、
(a)有効量の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)である、薬物、又は有効量の前記薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の第2の薬物であって、OAT1/OAT3阻害剤である、第2の薬物と、を投与することを含み、
前記対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)の量が(b)の不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して調整される、方法。
【請求項32】
薬物への曝露の増加を制御する方法であって、対象に、
(a)有効量の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)である、薬物、又は有効量の前記薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の第2の薬物であって、OAT1/OAT3阻害剤である、第2の薬物と、を投与することを含み、
前記対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)の量が(b)の不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して調整される、方法。
【請求項33】
前記対象が痛風又は痛風性関節炎のリスクがある又はそれを有する、請求項26~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
(b)がプロベネシドである、請求項26~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
(b)が錠剤として投与される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
(a)の量が(b)の不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して減少している、請求項26~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
(a)の量が(b)の不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して約20%~約80%減少している、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
(a)の量が(b)の不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して約40%~約60%減少している、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を治療する方法であって、腎性貧血を有する対象に、有効量の化合物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である、化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくは水和物を投与することを含み、
前記化合物が、セベラマー塩酸塩及びセベラマー炭酸塩から選択される高分子アミンを含む組成物と一緒に投与するためのものである、方法。
【請求項40】
前記化合物が、セベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩から選択される高分子アミンを含む前記組成物の投与の少なくとも1時間前に投与される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記化合物が、セベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩から選択される高分子アミンを含む前記組成物の投与の少なくとも2時間後に投与される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を治療する方法であって、腎性貧血を有する対象に、有効量の化合物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である、化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくは水和物を投与することを含み、
前記化合物が、プロベネシドであるOAT1/OAT3阻害剤と一緒に投与するためのものである、方法。
【請求項43】
{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくは水和物の量が、プロベネシドであるOAT1/OAT3阻害剤の不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して減少している、請求項42に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により全体が本明細書に組み込まれる、2021年3月1日に出願された米国仮出願第63/155,022号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
以下の化学式を有する、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(バダデュスタット、コード:AKB-6548、化合物1):
【化1】
は、プロリルヒドロキシラーゼ阻害剤であり、低酸素誘導因子(HIF)プロリルヒドロキシラーゼの調節によって改善される疾患(例えば、末梢血管疾患(PVD)、冠動脈疾患(CAD)、心不全、虚血、低酸素症、及び貧血)を治療又は予防するために対象に投与され得る。化合物1を受ける一部の対象について、この化合物は、他の薬剤及び治療剤を含む治療レジメンの一部として投与され得る。例えば、化合物1を投与される一部の対象は、治療剤、例えば、リン酸塩結合剤(例えば、リン酸塩に結合する高分子アミン)、又はある特定のタンパク質、受容体、及び/若しくは輸送体の阻害剤及び/若しくは基質(例えば、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、若しくはアデホビル)も必要とする。化合物1並びに/又は他の薬剤及び治療剤(例えば、リン酸塩結合剤、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、又はアデホビル)が対象に同時投与された場合、それらのバイオアベイラビリティが影響を受ける可能性がある。例えば、化合物1を投与されている一部の対象は、血清リンレベルを制御するためにリン酸塩結合剤(例えば、リン酸塩に結合する高分子アミン)も必要とする。リン酸塩結合剤は、潜在的に化合物1のバイオアベイラビリティを減少させることができる。したがって、化合物1を他の薬剤及び治療剤とともに投与する際に、投与された薬物の治療効果に悪影響を及ぼさないように、又は対象に悪影響を及ぼさないように、あらゆるかかる薬物間相互作用を制御するための新たな方法が必要である。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、バダデュスタットである第1の薬物と第2の薬物(例えば、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩)、又はある特定のタンパク質、受容体、及び/若しくは輸送体の阻害剤及び/若しくは基質(例えば、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、若しくはアデホビル))との間の薬物間相互作用の調節をもたらす(例えば、薬物間相互作用を防止する、制御する、減少させる、又は最小限に抑える)新たな治療レジメンの驚くべき発見に一部基づく。かかるレジメンは、本明細書に記載のものを含む、患者に有益な転帰を有し得る。
【0004】
一態様では、本発明は、第1の薬物と第2の薬物との間の薬物間相互作用を防止する、制御する、減少させる、又は最小限に抑える方法であって、対象に、
(a)有効量の当該第1の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である、当該第1の薬物、又は有効量の当該第1の薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の当該第2の薬物であって、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む、当該第2の薬物と、を投与することを含み、
当該対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)が(b)の服用の少なくとも2時間前及び/又は少なくとも2時間後に投与される、方法を本明細書に提供する。
【0005】
別の態様では、本発明は、第1の薬物と第2の薬物との間の薬物間相互作用を防止する、制御する、減少させる、又は最小限に抑える方法であって、対象に、
(a)有効量の当該第1の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である、当該第1の薬物、又は有効量の当該第1の薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の当該第2の薬物であって、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む、当該第2の薬物と、を投与することを含み、
当該対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)が(b)の服用の少なくとも1時間前及び/又は少なくとも1時間後に投与される、方法を本明細書に提供する。
【0006】
別の態様では、本発明は、薬物のバイオアベイラビリティを増加させる又は維持する方法であって、対象に、
(a)有効量の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である、薬物、又は有効量の当該薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の薬物であって、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物である、薬物と、を投与することを含み、
当該対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)が(b)の服用の少なくとも2時間前及び/又は少なくとも2時間後に投与される、方法を提供する。
【0007】
別の態様では、本発明は、薬物のバイオアベイラビリティを増加させる又は維持する方法であって、対象に、
(a)有効量の当該薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である、当該薬物、又は有効量の当該薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の薬物であって、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物である、薬物と、を投与することを含み、
当該対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)が(b)の服用の少なくとも1時間前及び/又は少なくとも1時間後に投与される、方法を提供する。
【0008】
別の態様では、本発明は、薬物の吸収の減少を最小限に抑える、制御する、又は防止する方法であって、対象に、
(a)有効量の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である、薬物、又は有効量の当該薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の薬物であって、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物である、薬物と、を投与することを含み、
当該対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)が(b)の服用の少なくとも2時間前及び/又は少なくとも2時間後に投与される、方法を提供する。
【0009】
別の態様では、本発明は、薬物の吸収の減少を最小限に抑える、制御する、又は防止する方法であって、対象に、
(a)有効量の当該薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である、当該薬物、又は有効量の当該薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の薬物であって、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物である、薬物と、を投与することを含み、
当該対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)が(b)の服用の少なくとも1時間前及び/又は少なくとも1時間後に投与される、方法を提供する。
【0010】
複数の実施形態では、(b)は、セベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩である。
【0011】
複数の実施形態では、(b)は、セベラマー塩酸塩である。
【0012】
複数の実施形態では、(b)は、セベラマー炭酸塩である。
【0013】
複数の実施形態では、(b)は、錠剤として投与される。
【0014】
複数の実施形態では、(b)は、散剤として投与される。
【0015】
複数の実施形態では、第1の薬物は、第2の薬物の服用の少なくとも1時間前に投与される。
【0016】
複数の実施形態では、第1の薬物は、第2の薬物の服用の少なくとも2時間後に投与される。
【0017】
複数の実施形態では、(a)は、(b)の服用の少なくとも1時間前に投与され、(b)は、セベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩である。
【0018】
複数の実施形態では、(a)は、(b)の服用の少なくとも2時間後に投与され、(b)は、セベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩である。
【0019】
別の態様では、本発明は、第1の薬物と第2の薬物との間の薬物間相互作用を減少させる又は最小限に抑える方法であって、対象に、
(a)有効量の当該第1の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)である、当該第1の薬物、又は有効量の当該第1の薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の当該第2の薬物であって、OAT1/OAT3阻害剤である、当該第2の薬物と、を投与することを含み、
当該対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)の量が(b)の不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して調整される、方法を提供する。
【0020】
別の態様では、本発明は、第1の薬物と第2の薬物との間の薬物間相互作用を防止する方法であって、対象に、
(a)有効量の当該第1の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)である、当該第1の薬物、又は有効量の当該第1の薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の当該第2の薬物であって、OAT1/OAT3阻害剤である、当該第2の薬物と、を投与することを含み、
当該対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)の量が(b)の不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して調整される、方法を提供する。
【0021】
別の態様では、本発明は、第1の薬物と第2の薬物との間の薬物間相互作用を制御する方法であって、対象に、
(a)有効量の当該第1の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)である、当該第1の薬物、又は有効量の当該第1の薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の当該第2の薬物であって、OAT1/OAT3阻害剤である、当該第2の薬物と、を投与することを含み、
当該対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)の量が(b)の不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して調整される、方法を提供する。
【0022】
別の態様では、本発明は、薬物のバイオアベイラビリティを維持する方法であって、対象に、
(a)有効量の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)である、薬物、又は有効量の当該薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の第2の薬物であって、OAT1/OAT3阻害剤である、第2の薬物と、を投与することを含み、
当該対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)の量が(b)の不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して調整される、方法を提供する。
【0023】
別の態様では、本発明は、薬物への曝露の増加を最小限に抑える方法であって、対象に、
(a)有効量の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)である、薬物、又は有効量の当該薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の第2の薬物であって、OAT1/OAT3阻害剤である、第2の薬物と、を投与することを含み、
当該対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)の量が(b)の不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して調整される、方法を提供する。
【0024】
別の態様では、本発明は、薬物への曝露の増加を防止する方法であって、対象に、
(a)有効量の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)である、薬物、又は有効量の当該薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の第2の薬物であって、OAT1/OAT3阻害剤である、第2の薬物と、を投与することを含み、
当該対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)の量が(b)の不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して調整される、方法を提供する。
【0025】
別の態様では、本発明は、薬物への曝露の増加を制御する方法であって、対象に、
(a)有効量の薬物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)である、薬物、又は有効量の当該薬物を含む医薬組成物と、
(b)有効量の第2の薬物であって、OAT1/OAT3阻害剤である、第2の薬物と、を投与することを含み、
当該対象が腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有し、
(a)の量が(b)の不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して調整される、方法を提供する。
【0026】
複数の実施形態では、対象は、痛風又は痛風性関節炎のリスクがある又はそれを有する。
【0027】
複数の実施形態では、(b)は、プロベネシドである。
【0028】
複数の実施形態では、(b)は、錠剤として投与される。
【0029】
複数の実施形態では、(a)の量は、(b)の不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して減少している。
【0030】
複数の実施形態では、(a)の量は、(b)の不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して約20%~約80%減少している。
【0031】
複数の実施形態では、(b)の量が、(a)の不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して約40%~約60%減少している。
【0032】
別の態様では、本発明は、腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を治療する方法であって、腎性貧血を有する対象に、有効量の化合物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である、化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくは水和物を投与することを含み、
当該化合物が、セベラマー塩酸塩及びセベラマー炭酸塩から選択される高分子アミンを含む組成物と一緒に投与するためのものである、方法を提供する。
【0033】
複数の実施形態では、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくは水和物は、セベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩から選択される高分子アミンを含む組成物の投与の少なくとも1時間前に投与される。
【0034】
複数の実施形態では、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくは水和物は、セベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩から選択される高分子アミンを含む組成物の投与の少なくとも2時間後に投与される。
【0035】
別の態様では、本発明は、腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を治療する方法であって、腎性貧血を有する対象に、有効量の化合物であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である、化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくは水和物を投与することを含み、
当該化合物が、プロベネシドであるOAT1/OAT3阻害剤と一緒に投与するためのものである、方法を提供する。
【0036】
複数の実施形態では、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくは水和物の量は、プロベネシドであるOAT1/OAT3阻害剤の不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して減少している。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】1)単独で投与した際、2)セベラマー炭酸塩と併用して投与した際(3日目)、3)セベラマー炭酸塩の1時間前に投与した際(5日目)、セベラマー炭酸塩の2時間後に投与した際(7日目)のバダデュスタットの平均(標準偏差)血漿中濃度を示す。
【0038】
【
図2】バダデュスタット(300mg)のPKに対する、セベラマー炭酸塩であるリン酸塩結合剤の単回投与の効果を示す。示した値は、幾何最小二乗平均比であり、エラーバーは、90%の幾何信頼区間を表す。AUC
0-∞:0時点から無限大までの血漿中濃度-時間曲線下面積、AUC
0-last:0時点から最終までの定量可能濃度の血漿中濃度-時間曲線下面積、C
max:観察された最大血漿中濃度、PK:薬物動態。
【0039】
【
図3】
図3a~3bは、1)300mgのバダデュスタットを単独で投与した際、及び2)300mgのバダデュスタットを500mgのシクロスポリンとともに投与した際の時間に対する平均(標準偏差)バダデュスタット血漿中濃度(1日目及び5日目)(ng/mL)(薬物動態集団)を示す。
【0040】
【
図4】
図4a~4bは、1)300mgのバダデュスタットを単独投与した際、及び2)300mgのバダデュスタットを500mgのシクロスポリンとともに投与した際の時間に対する平均(標準偏差)バダデュスタット-O-グルクロニド血漿中濃度(1日目及び5日目)(ng/mL)(薬物動態集団)を示す。
【0041】
【
図5】
図5a~5bは、1)300mgのバダデュスタットを単独で投与した際、及び2)300mgのバダデュスタットを500mgのプロベネシドとともに投与した際の時間に対する平均(標準偏差)バダデュスタット血漿中濃度(1日目及び8日目)(μg/ml)(薬物動態集団)を示す。
【0042】
【
図6】
図6a~6bは、1)300mgのバダデュスタットを単独で投与した際、及び2)300mgのバダデュスタットを500mgのプロベネシドとともに投与した際の時間に対する平均(標準偏差)バダデュスタット-O-グルクロニド血漿中濃度(1日目及び8日目)(μg/ml)(薬物動態集団)を示す。
【0043】
【
図7】
図7a~7bは、1)0.5mgのジゴキシンを単独で投与した際、及び2)0.5mgのジゴキシンを600mgのバダデュスタットとともに投与した際の平均(標準偏差)ジゴキシン血漿中濃度(1日目及び16日目)(薬物動態集団)を示す。
【0044】
【
図8】
図8a~8bは、1)10mgのアデホビルを単独で投与した際、及び2)10mgのアデホビルを600mgのバダデュスタットとともに投与した際の平均(標準偏差)アデホビル血漿中濃度(1日目及び7日目)(薬物動態集団)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
バダデュスタット({[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸、(化合物1))は、低酸素誘導因子プロリルヒドロキシラーゼ阻害剤(HIF-PH阻害剤)である。
【化2】
【0046】
化合物1は、腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)の治療又は予防に非常に有用な新薬として浮上している。
【0047】
腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有する対象は、バダデュスタット治療レジメン(例えば、併存状態を治療するためのもの、又は慢性腎臓病若しくは腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)に関連する合併症を治療するためのもの)と同時に他の治療剤を受けている可能性がある。具体的には、患者が化合物1を別の薬物(例えば、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩若しくはセベラマー炭酸塩などのセベラマー系結合剤)、又はある特定のタンパク質、受容体、及び/又は輸送体の阻害剤及び/若しくは基質(例えば、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、若しくはアデホビル))と組み合わせて投与された際に薬物間相互作用が起こる可能性がある。例えば、化合物1を、高分子アミンを含む組成物と一緒に投与することにより、化合物1と高分子アミンとの間の薬物間相互作用が引き起こされる可能性がある。
【0048】
薬物間相互作用は、薬学的相互作用、薬物動態学的相互作用、薬力学的相互作用、吸収、分布、代謝、又は排泄への影響を含む、様々な形で現れる可能性がある。例えば、薬物間相互作用は、化合物1及び/又は他の治療剤(例えば、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩若しくはセベラマー炭酸塩)、又はある特定のタンパク質、受容体、及び/若しくは輸送体の阻害剤及び/若しくは基質(例えば、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、又はアデホビル)のバイオアベイラビリティ及び/又は吸収に悪影響を及ぼす可能性がある。他の実施形態では、更に他の副作用が生じ得る。したがって、薬物間相互作用の調節は、慢性腎臓病又は腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有する対象の治療の成功を達成するのに非常に有益である。
【0049】
化合物1及び他の治療剤(例えば、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩若しくはセベラマー炭酸塩))、又はある特定のタンパク質、受容体、及び/若しくは輸送体の阻害剤及び/若しくは基質(例えば、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、又はアデホビル)の対象への投与に起因する薬物間相互作用を減少させる、最小限に抑える、又は制御するための方法が本明細書に提供される。化合物1のバイオアベイラビリティを増加させる方法であって、対象に、化合物1及びある特定の薬物(例えば、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩)、又はある特定のタンパク質、受容体、及び/若しくは輸送体の阻害剤及び/若しくは基質(例えば、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、又はアデホビル)が投与される、方法も本明細書に提供される。
【0050】
具体的には、化合物1及びリン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩)を含む他の治療剤の対象への投与に起因する薬物間相互作用を減少させる、最小限に抑える、又は制御するための方法が本明細書に提供される。化合物1のバイオアベイラビリティを増加させるための方法であって、化合物1及び高分子アミンを含むある特定の薬物(例えば、セベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩)が対象に投与される、方法も本明細書に提供される。
【0051】
定義
本発明がより容易に理解されるように、ある特定の用語が以下に最初に定義される。以下の用語及び他の用語の追加の定義は、本明細書を通して記載される。本発明の背景を説明し、かつその実施に関する更なる詳細を提供するために本明細書で参照される刊行物及び他の参考資料は、全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0052】
動物:本明細書で使用される「動物」という用語は、動物界の任意のメンバーを指す。一部の実施形態では、「動物」とは、任意の発育段階のヒトを指す。一部の実施形態では、「動物」とは、任意の発育段階の非ヒト動物を指す。複数の実施形態では、非ヒト動物は、哺乳動物(例えば、齧歯類、マウス、ラット、ウサギ、サル、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、霊長類、及び/又はブタ)である。いくつかの実施形態では、動物には、哺乳動物、鳥、爬虫類、両生類、魚、昆虫、及び/又は寄生虫が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、動物は、トランスジェニック動物、遺伝子操作された動物、及び/又はクローンであり得る。
【0053】
およそ又は約:本明細書で使用される場合、目的とする1つ以上の値に適用される「およそ」又は「約」という用語は、明記された参照値と同様の値を指す。複数の実施形態では、「およそ」又は「約」という用語は、別途明記されない限り、又は別途文脈から明らかでない限り、明記された参照値のいずれかの方向(より大きいか又は小さい)に、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、又はそれ未満に含まれる値の範囲(かかる数が可能な値の100%を超える場合を除く)を指す。
【0054】
用量:本明細書で使用される場合、「用量」という用語は、一度に投与される、化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくは水和物の量を意味する。用量は、単一の単位剤形を含んでもよく、又はあるいは、単一の単位剤形よりも多いもの(例えば、単一の用量は2つの錠剤を含んでもよい)、又は単一の単位剤形よりも少ないもの(例えば、単一の用量は錠剤の半分を含んでもよい)を含んでもよい。
【0055】
1日用量:本明細書で使用される場合、「1日用量」という用語は、24時間で投与される、化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくは水和物の量を意味する。したがって、1日用量は、一度に全て投与されてもよく(すなわち、1日1回投与)、又はあるいは、1日用量は、化合物の投与が1日2回、1日3回、若しくは更には1日4回になるように分割されてもよい。
【0056】
改善する、増加させる、又は減少させる:本明細書で使用される場合、「改善する」、「増加させる」、若しくは「減少させる」という用語、又は文法的等価物は、本明細書に記載の治療の開始前の同じ個体における測定値、又は本明細書に記載の治療の不在下での対照サンプル若しくは対象(又は複数の対照サンプル若しくは対象)における測定値などのベースライン測定値と比較した値を指す。「対照対象」とは、治療されている対象と同じ疾患形態に罹患しており、かつ治療されている対象とほぼ同じ年齢である対象である。
【0057】
インビトロ:本明細書で使用される場合、「インビトロ」という用語は、多細胞生物内ではなく、人工環境下で、例えば、試験管又は反応容器内、細胞培養下などで生じる事象を指す。
【0058】
インビボ:本明細書で使用される場合、「インビボ」という用語は、ヒト及び非ヒト動物などの多細胞生物内で生じる事象を指す。細胞ベースの系の文脈では、この用語は、(例えば、インビトロ系とは対照的に)生きている細胞内で生じる事象を指すために使用され得る。
【0059】
患者:本明細書で使用される場合、「患者」又は「対象」という用語は、提供される組成物が、例えば、実験、診断、予防、美容、及び/又は治療目的のために投与され得る任意の生物体を意味する。典型的な患者には、動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類、及び/又はヒトなどの哺乳動物)が含まれる。いくつかの実施形態では、患者は、ヒトである。ヒトには、出生前形態及び出生後形態が含まれる。
【0060】
薬学的に許容される:「薬学的に許容される」という用語は、本明細書で使用される場合、正しい医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、又は他の問題若しくは合併症を伴うことなく、ヒト及び動物の組織と接触した状態での使用に好適であり、合理的な利益/リスク比に見合う物質を指す。
【0061】
薬学的に許容される塩:薬学的に許容される塩は、当該技術分野で周知である。例えば、S.M.Bergeらは、薬学的に許容される塩についてJ.Pharmaceutical Sciences(1977)66:1-19で詳細に説明している。本発明の化合物の薬学的に許容される塩には、好適な無機酸及び有機酸並びに無機塩基及び有機塩基に由来するものが含まれる。薬学的に許容される非毒性酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、及び過塩素酸などの無機酸で形成された、又は酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、若しくはマロン酸などの有機酸で形成された、又はイオン交換などの当該技術分野で使用されている他の方法を使用することによって形成された、アミノ基の塩である。他の薬学的に許容される塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが含まれる。適切な塩基に由来する塩には、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、及びN+(C1-4アルキル)4塩が含まれる。代表的なアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが含まれる。更なる薬学的に許容される塩には、適切な場合、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、スルホン酸塩、及びアリールスルホン酸塩などの対イオンを使用して形成された非毒性アンモニウムカチオン、四級アンモニウムカチオン、及びアミンカチオンが含まれる。更なる薬学的に許容される塩には、適切な求電子剤、例えば、ハロゲン化アルキルを使用して四級化アルキル化アミノ塩を形成する、アミンの四級化から形成された塩が含まれる。
【0062】
予防すること:本明細書で使用される場合、「予防する」、「予防すること」、又は「予防」という用語は、望ましくない効果、例えば、望ましくない薬物間相互作用を軽減する効果を指す。予防は、事象の可能性の100%の排除を必要としない。むしろ、予防は、事象の発生の可能性が本化合物又は本方法によって低下したことを示す。
【0063】
対象:本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、ヒト又は任意の非ヒト動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウマ、又は霊長類)を指す。ヒトには、出生前形態及び出生後形態が含まれる。多くの実施形態では、対象は、ヒトである。対象は、患者であり得、疾患の診断又は治療のために医療提供者を受診するヒトを指す。「対象」という用語は、本明細書で「個体」又は「患者」と互換的に使用される。対象は、疾患若しくは障害に罹患し得るか、又はそれに罹り易いが、疾患若しくは障害の症状を呈する場合も呈さない場合もある。
【0064】
実質的に:本明細書で使用される場合、「実質的に」という用語は、目的とする特徴又は特性の全又はほぼ全範囲又は程度を呈する質的状態を指す。生物学分野の当業者であれば、生物学的現象及び化学的現象が、完了すること、及び/若しくは完了に至ること、又は絶対的結果を達成若しくは回避することが、仮にあったとしてもめったにないことを理解するであろう。したがって、「実質的に」という用語は、本明細書において、多くの生物学的現象及び化学的現象に固有の完了の潜在的な欠如を捉えるために使用される。
【0065】
治療有効量:本明細書で使用される場合、治療剤の「治療有効量」という用語は、疾患、障害、及び/若しくは状態に罹患しているか、又はそれに罹り易い対象に投与されたときに、その疾患、障害、及び/若しくは状態の症状を治療する、診断する、予防する、及び/又はその発症を遅延させるのに十分な量を意味する。当業者であれば、治療有効量が、典型的には、少なくとも1つの単位用量を含む投与レジメンにより投与されることを理解する。
【0066】
治療すること:本明細書で使用される場合、「治療する」、「治療」、又は「治療すること」という用語は、特定の疾患、障害、及び/若しくは状態の1つ以上の症状若しくは特徴を部分的に又は完全に緩和する、改善する、軽減する、抑制する、その発症を遅延させる、その重症度を軽減する、及び/又はその発生率を低下させるために使用される任意の方法を指す。治療は、疾患の兆候を呈さない、及び/又は疾患の初期の兆候のみを呈する対象に、その疾患に関連する病態を発症するリスクを低下させる目的のために投与され得る。
【0067】
本明細書で使用される場合、「HIFプロリルヒドロキシラーゼ」という用語は、当該技術分野で認識されており、「PHD」と省略され得る。HIFプロリルヒドロキシラーゼは、「PHD」と省略され得る「プロリルヒドロキシラーゼドメイン含有タンパク質」としても知られている。これに関して、3つの異なるPHDアイソフォーム、PHD1、PHD2、及びPHD3が存在し、それぞれ、EGLN2、EGLN1、及びEGLN3、又はHPH3、HPH2、及びHPH1とも称される。
【0068】
本明細書で使用される場合、「単位剤形」という用語は、錠剤;カプレット;軟質弾性ゼラチンカプセルなどのカプセル;サシェ;カシェ;トローチ(troche);トローチ(lozenge);分散剤;散剤;溶液;ゲル;懸濁液(例えば、水性又は非水性液体懸濁液)、エマルジョン(例えば、水中油型エマルジョン、又は油中水型液体エマルジョン)、溶液、及びエリキシルを含む、患者への経口又は粘膜投与に好適な液体剤形;及び患者への経口又は非経口投与に好適な液体剤形を提供するように再構成され得る滅菌固体(例えば、結晶固体又は非結晶固体)を含む。単位剤形は、必ずしも単回用量として投与される必要はなく、単一の単位剤形が必ずしも全用量を構成する必要もない。
【0069】
更なる略語及び頭字語が以下の表に提供される。
【表1】
【0070】
本発明の方法
本明細書に記載の方法は、腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有する対象におけるある薬物(例えば、第1の薬物)と別の薬物(例えば、第2の薬物)との間の薬物間相互作用を調節することができ、ここで、一方の薬物(例えば、第1の薬物)が、HIF-PH阻害剤(例えば、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1))であり、他方の薬物(例えば、第2の薬物)には、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩若しくはセベラマー炭酸塩)、並びにある特定のタンパク質、受容体、及び/又は輸送体の阻害剤及び/又は基質(例えば、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、又はアデホビル)が含まれるが、これらに限定されない。
【0071】
HIF-PH阻害剤(例えば、バダデュスタット)の投与を含む、貧血(例えば、腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血))を有する患者の治療法は、1つ以上の追加の治療剤の投与も含み得る。かかる追加の治療剤は、1つ以上の併存状態、例えば、貧血療法の開始時の前に存在する併存状態及び/又は貧血治療の期間中に生じた併存状態の治療に有用であり得る。
【0072】
例えば、併存状態及び/又は合併症には、次第に調節不全になったカルシウム-リン恒常性によるリン排泄障害に起因する高リン血症が含まれ得る(が、これに限定されない)。かかる併存状態には、血栓症、睡眠障害、傾眠、網膜出血、回転性めまい、高血圧、動悸、下痢、悪心、腹部不快感、嘔吐、軟便、胃腸炎、口内炎、肝機能障害、AST上昇、発疹、そう痒症、湿疹、紅斑、脱毛症、冷汗、頻尿、血清フェリチン低下、トランスフェリチン飽和度低下、疲労、胸痛、ビリルビン上昇、及び/又はALT上昇も含まれるが、これらに限定されない。他の併存状態には、痛風、痛風性関節炎、高尿酸血症、高コレステロール、トリグリセリドレベル、循環血液量過多症、浮腫、及び/又は例えば、うっ血性心不全、肝疾患、腎臓病に関連する他の腫脹が含まれるが、これらに限定されない。
【0073】
複数の実施形態では、1つ以上の追加の治療剤の投与は、痛風、痛風性関節炎、腎臓、肝臓、及び心臓同種移植における臓器拒絶反応の予防、関節リウマチ、乾癬、結核、髄膜炎菌保菌者、心不全(例えば、心筋収縮性の増加、及び/又は安静時心拍数の制御)、心房細動、並びに/又は慢性B型肝炎に有用であり得る。
【0074】
しかしながら、患者が複数の治療剤を受け、かつそれらの治療剤が意図される治療効果に悪影響を及ぼし得る形で患者の体内で互いに相互作用し得る場合、重大な課題が生じる可能性がある。本明細書に記載されるように、かかる薬物間相互作用は、薬学的相互作用、薬物動態学的相互作用、薬力学的相互作用、吸収、分布、代謝、及び/又は排泄に影響を及ぼす形で現れる可能性がある。例えば、薬物間相互作用は、化合物1及び/又は別の薬物(例えば、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩若しくはセベラマー炭酸塩)、又はある特定のタンパク質、受容体、及び/若しくは輸送体の阻害剤及び/若しくは基質(例えば、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、又はアデホビル)のバイオアベイラビリティ及び/又は吸収に悪影響を及ぼす可能性がある。具体的には、薬物間相互作用は、化合物1及び/又はリン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩)のバイオアベイラビリティ及び/又は吸収に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0075】
複数の実施形態では、本明細書に記載の方法は、HIF-PH阻害剤である薬物(例えば、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)と、別の薬物(例えば、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩若しくはセベロミンカーボネート)、又はある特定のタンパク質、受容体、若しくは輸送体の阻害剤及び/若しくは基質(例えば、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、若しくはアデホビル))との薬物間相互作用を防止する。複数の実施形態では、本明細書に記載の方法は、HIF-PH阻害剤(例えば、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)である第1の薬物と、第2の薬物(例えば、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩若しくはセベラマー炭酸塩)、又はある特定のタンパク質、受容体、若しくは輸送体の阻害剤及び/若しくは基質(例えば、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、若しくはアデホビル))との薬物間相互作用を防止する。複数の実施形態では、本明細書に記載の方法は、薬物間相互作用を制御する。複数の実施形態では、本明細書に記載の方法は、薬物間相互作用を減少させる。複数の実施形態では、本明細書に記載の方法は、薬物間相互作用を最小限に抑える。
【0076】
複数の実施形態では、本明細書に記載の方法は、HIF-PH阻害剤である薬物(例えば、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)と、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、塩酸セベラマー又は炭酸セベラマー)との間の薬物間相互作用を防止する。複数の実施形態では、本明細書に記載の方法は、HIF-PH阻害剤である第1の薬物(例えば、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)と、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む第2の薬物(例えば、塩酸セベラマー又は炭酸セベラマー)との間の薬物間相互作用を防止する。複数の実施形態では、本明細書に記載の方法は、薬物間相互作用を制御する。複数の実施形態では、本明細書に記載の方法は、薬物間相互作用を減少させる。複数の実施形態では、本明細書に記載の方法は、薬物間相互作用を最小限に抑える。
【0077】
複数の実施形態では、薬物間相互作用は、薬学的相互作用、薬物動態学的相互作用、薬力学的相互作用、吸収、分布、代謝、及び/又は排泄に関する。複数の実施形態では、本明細書に記載の方法は、薬物のバイオアベイラビリティを増加させる。複数の実施形態では、本明細書に記載の方法は、薬物のバイオアベイラビリティを維持する。複数の実施形態では、本明細書に記載の方法は、薬物の吸収の減少を減少させる(例えば、最小限に抑える)。複数の実施形態では、本明細書に記載の方法は、薬物の吸収の減少を防止する。複数の実施形態では、本明細書に記載の方法は、薬物の吸収の減少を制御する。
【0078】
用量調整
複数の実施形態では、(例えば、本明細書に記載の)薬物間相互作用は、患者に投与される治療剤の投薬量の調整によって調節される(例えば、単剤療法で投与された際の量と比較して調整される)。複数の実施形態では、(例えば、本明細書に記載の)薬物間相互作用は、患者に投与される少なくとも1つの治療剤の投薬量の調整によって調節される。
【0079】
複数の実施形態では、用量調整は、タイミング調整とは無関係に起こる。
【0080】
複数の実施形態では、用量調整及びタイミング調整の両方が行われる。
【0081】
複数の実施形態では、用量調整のみ又はタイミング調整のみが行われる。複数の実施形態では、用量調整のみが行われる。
【0082】
複数の実施形態では、(例えば、本明細書に記載の)薬物間相互作用は、患者に投与される少なくとも1つの治療剤の投薬量の調整によって調節される。複数の実施形態では、HIF-PH阻害剤(例えば、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)、又はその薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物)である薬物(例えば、第1の薬物)の投薬量が調整される。複数の実施形態では、投薬量は増加する。複数の実施形態では、投薬量は減少する。複数の実施形態では、別の薬物(例えば、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む第2の薬物(例えば、セベラマー塩酸塩若しくはセベラマー炭酸塩)、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、アデホビル、又は本明細書に記載の別のもの)の投薬量が調整される。複数の実施形態では、投薬量は増加する。複数の実施形態では、投薬量は減少する。複数の実施形態では、両方の薬物(例えば、HIF-PH阻害剤、例えば、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)、又はその薬学的に許容される塩である薬物、及びリン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、アデホビル、又は本明細書に記載の別のもの)の投薬量が調整される。複数の実施形態では、投薬量は増加する。複数の実施形態では、投薬量は減少する。
【0083】
複数の実施形態では、投薬量は増加する。複数の実施形態では、投薬量は、約100%、200%、又は300%を超えて増加しない。複数の実施形態では、投薬量は、約300%以上増加する。複数の実施形態では、投薬量は、約20%、40%、60%、80%、100%、120%、140%、160%、180%、200%、220%、240%、260%、280%、又は300%増加する。複数の実施形態では、投薬量は、0~約50%、約50%~約100%、約100%~約150%、約150%~約200%、約200%~約250%、又は約250%~約300%増加する。複数の実施形態では、投薬量は減少する。複数の実施形態では、投薬量は、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%、又は100%減少する。複数の実施形態では、投薬量は、少なくとも0~約25%、少なくとも約25%~約50%、少なくとも約50%~約75%、又は少なくとも約75%~約100%減少する。複数の実施形態では、投薬量は、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%、又は100%減少する。複数の実施形態では、投薬量は、0~約25%、約25%~約50%、約50%~約75%、又は約75%~約100%減少する。複数の実施形態では、投薬量は、約25%、50%、75%、又は100%を超えて減少しない。
【0084】
複数の実施形態では、少なくとも1つの治療剤の投薬量が調整され、この調整は本明細書に記載されるとおりである。複数の実施形態では、投薬量は増加し、この量は本明細書に記載されるとおりである。複数の実施形態では、投薬量は減少し、この量は本明細書に記載されるとおりである。
【0085】
複数の実施形態では、HIF-PH阻害剤(例えば、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)、又はその薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物)である薬物(例えば、第1の薬物)の投薬量が調整され、この調整は本明細書に記載されるとおりである。複数の実施形態では、投薬量は増加し、この量は本明細書に記載されるとおりである。複数の実施形態では、投薬量は減少し、この量は本明細書に記載されるとおりである。
【0086】
実施形態では、別の(例えば、第2の)薬物(例えば、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩若しくはセベラマー炭酸塩)、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、アデホビル、又は本明細書に記載の別のものなどの治療剤)の投薬量が調整され、この調整は本明細書に記載されるとおりである。複数の実施形態では、投薬量は増加し、この量は本明細書に記載されるとおりである。複数の実施形態では、投薬量は減少し、この量は本明細書に記載されるとおりである。
【0087】
複数の実施形態では、薬物(例えば、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)、又はその薬学的に許容される塩などのHIF-PH阻害剤である第1の薬物)及び別の(例えば、第2の)薬物(例えば、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩若しくはセベラマー炭酸塩)、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、アデホビル、又は本明細書に記載の別のもの)の両方の投薬量が調整され、この調整は本明細書に記載されるとおりである。複数の実施形態では、投薬量は増加し、この量は本明細書に記載されるとおりである。複数の実施形態では、投薬量は減少し、この量は本明細書に記載されるとおりである。
【0088】
複数の実施形態では、HIF-PH阻害剤(例えば、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)、又はその薬学的に許容される塩)である薬物は、患者に投与される第1の薬物である。複数の実施形態では、HIF-PH阻害剤(例えば、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)、又はその薬学的に許容される塩)である薬物は、患者に投与される第1の薬物ではない。複数の実施形態では、HIF-PH阻害剤(例えば、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)、又はその薬学的に許容される塩)である薬物は、患者に投与される第2の薬物である。
【0089】
対象におけるある薬物(例えば、第1の薬物)と別の(例えば、第2の)薬物(又はその代謝物)との間の薬物間相互作用を減少させる又は最小限に抑える方法が本明細書に提供される。複数の実施形態では、他方の(例えば、第2の)薬物(例えば、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩若しくはセベラマー炭酸塩)、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、アデホビル、又は本明細書に記載の別のもの)の量は、第1の薬物の不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して調整される。対象におけるある薬物(例えば、第1の薬物)と別の(例えば、第2の)薬物(又はその代謝物)との間の薬物間相互作用を防止及び制御する方法であって、他方の(例えば、第2の)薬物(例えば、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩若しくはセベラマー炭酸塩)、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、アデホビル、又は本明細書に記載の別のもの)が、第1の薬物の不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して調整される、方法も本明細書に提供される。複数の実施形態では、対象は、有効量のある薬物(例えば、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)、又はその薬学的に許容される塩である第1の薬物)と、有効量の別の(例えば、第2の)薬物(例えば、リン酸塩を結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩若しくはセベリン)、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、アデホビル、又は本明細書に記載の別のもの)とを投与される。
【0090】
患者に投与される1つ以上の治療剤(その代謝物を含む)のバイオアベイラビリティを維持する方法も本明細書に提供される。例えば、患者が2つの異なる治療剤を受けた場合、本明細書に記載の方法は、一方又は両方の治療剤(その代謝物を含む)のバイオアベイラビリティを維持することができる。したがって、複数の実施形態では、薬物(又はその代謝物)のバイオアベイラビリティを維持する方法であって、対象に、有効量のある薬物(例えば、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)、又はその薬学的に許容される塩である第1の薬物)と、有効量の別の(例えば、第2の)薬物(例えば、リン酸塩を結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩若しくはセベリン)、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、アデホビル、又は本明細書に記載の別のもの)とを投与することを含む、方法が本明細書に提供される。複数の実施形態では、1つの薬物(例えば、第1の薬物、又はその代謝物)のバイオアベイラビリティが維持される。複数の実施形態では、別の(例えば、第2の)薬物(又はその代謝物)のバイオアベイラビリティが維持される。複数の実施形態では、両方の薬物(又はその代謝物)のバイオアベイラビリティが維持される。
【0091】
患者に投与される1つ以上の治療剤(その代謝物を含む)への曝露の増加を最小限に抑える、防止する、及び制御する方法も本明細書に提供される。例えば、患者が2つの異なる治療剤を受けた場合、本明細書に記載の方法は、一方又は両方の治療剤(その代謝物を含む)への曝露の増加を最小限に抑える、防止する、及び/又は制御することができる。したがって、複数の実施形態では、薬物(又はその代謝物)への曝露の増加を最小限に抑える、防止する、及び制御する方法であって、対象に、有効量のある薬物(例えば、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)、又はその薬学的に許容される塩である第1の薬物)と、有効量の別の(例えば、第2の)薬物(例えば、リン酸塩を結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩若しくはセベリン)、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、アデホビル、又は本明細書に記載の別のもの)とを投与することを含む、方法が本明細書に提供される。複数の実施形態では、一方の薬物(例えば、第1の薬物、又はその代謝物)への曝露の増加が制御される(例えば、曝露に変化はないか、又は曝露の変化は約25%、約20%、約15%、約10%、若しくは約5%未満である)。複数の実施形態では、他方の(例えば、第2の)薬物(又はその代謝物)への曝露の増加が制御される(例えば、曝露に変化はないか、又は曝露の変化は約25%、約20%、約15%、約10%、若しくは約5%未満である)。複数の実施形態では、両方の薬物(又はその代謝物)への曝露の増加が制御される(例えば、曝露に変化はないか、又は曝露の変化は約25%、約20%、約15%、約10%、若しくは約5%未満である)。
【0092】
患者に投与される1つ以上の治療剤(その代謝物を含む)の吸収の減少を最小限に抑える、防止する、及び制御する方法も本明細書に提供される。例えば、患者が2つの異なる治療剤を受けた場合、本明細書に記載の方法は、一方又は両方の治療剤の吸収の減少を制御することができる。したがって、複数の実施形態では、薬物の吸収の減少を制御する方法であって、対象に、有効量の{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)、又はその薬学的に許容される塩を含む有効量のある薬物(例えば、第1の薬物)と、有効量の別の(例えば、第2の)薬物(例えば、リン酸塩を結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩若しくはセベリン)、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、アデホビル、又は本明細書に記載の別のものなどの治療剤)とを投与することを含む、方法が本明細書に提供される。複数の実施形態では、一方の薬物(例えば、第1の薬物、又はその代謝物)の吸収の減少が制御される(例えば、吸収に変化はないか、又は吸収の変化が約25%、約20%、約15%、約10%、若しくは約5%未満である)。複数の実施形態では、他方の(例えば、第2の)薬物(又はその代謝物)の吸収の減少が制御される(例えば、吸収に変化はないか、又は吸収の変化が約25%、約20%、約15%、約10%、若しくは約5%未満である)。複数の実施形態では、両方の薬物(又はその代謝物)の吸収の減少が制御される(例えば、吸収に変化はないか、又は吸収の変化が約25%、約20%、約15%、約10%、若しくは約5%未満である)。
【0093】
タイミング調整
複数の実施形態では、(例えば、本明細書に記載の)薬物間相互作用は、患者に投与される各々の治療剤の投与のタイミングの調整によって調節される。
【0094】
複数の実施形態では、ある薬物(例えば、第1の薬物)と他方の(例えば、第2の)薬物の投与は、併用して起こる(併用投与)。複数の実施形態では、ある薬物(例えば、第1の薬物)の併用投与及び他方の(例えば、第2の)薬物の投与は、約1時間以下(例えば、約1、5、10、15、20、25、又は30分以下)の時間内に起こる。複数の実施形態では、ある薬物(例えば、第1の薬物)と他方の(例えば、第2)の薬物の併用投与は、同時に起こり(同時投与)、この場合、両方の化合物が同時に投与される。
【0095】
複数の実施形態では、HIF-PH阻害剤(例えば、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)、又はその薬学的に許容される塩)である薬物(例えば、第1の薬物)と、別の(例えば、第2の)薬物(例えば、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩若しくはセベラマー炭酸塩)、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、アデホビル、又は本明細書に記載の別のものなどの治療剤)の投与は、連続して起こる(連続投与)。複数の実施形態では、HIF-PH阻害剤(例えば、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)、又はその薬学的に許容される塩)である薬物(例えば、第1の薬物)と、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩若しくはセベラマー炭酸塩)である別の薬物(例えば、第2の薬物)の投与は、連続して起こる(連続投与)。
【0096】
複数の実施形態では、タイミング調整は、用量調整とは無関係に起こる。
【0097】
複数の実施形態では、用量調整及びタイミング調整の両方が行われる。
【0098】
複数の実施形態では、タイミング調整のみ又は用量調整のみが行われる。複数の実施形態では、タイミング調整のみが行われる。
【0099】
複数の実施形態では、ある薬物(例えば、第1の薬物)と他方の(例えば、第2の)薬物の投与は、連続して起こる(連続投与)。複数の実施形態では、2つの薬物(例えば、第1の薬物及び第2の薬物)の投与は、少なくとも約1時間~約6時間、少なくとも約2時間~約6時間、少なくとも約2時間~約4時間、少なくとも約3時間~約6時間、少なくとも約4時間~約6時間、少なくとも約1時間~約12時間、少なくとも約2時間~約12時間、少なくとも約3時間~約12時間、少なくとも約4時間~約12時間、又は少なくとも約6時間~約12時間の間隔を空けられる。
【0100】
複数の実施形態では、2つの薬物(例えば、第1の薬物及び第2の薬物)の投与は、少なくとも約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、又は12時間の間隔を空けられる。
【0101】
複数の実施形態では、2つの薬物(例えば、第1の薬物及び第2の薬物)の投与は、約12時間以下又は約22時間以下の間隔を空けられる。
【0102】
複数の実施形態では、2つの薬物(例えば、第1の薬物及び第2の薬物)の投与は、約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、又は22時間以下の間隔を空けられる。
【0103】
複数の実施形態では、2つの薬物(例えば、第1の薬物及び第2の薬物)の投与は、約1時間~約6時間、約2時間~約6時間、約2時間~約4時間、約3時間~約6時間、約4時間~約6時間、約1時間~約12時間、約2時間~約12時間、約3時間~約12時間、約4時間~約12時間、又は約6時間~約12時間の間隔を空けられる。
【0104】
複数の実施形態では、2つの薬物(例えば、第1の薬物及び第2の薬物)の投与は、少なくとも約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、又は約12時間の間隔を空けられる。
【0105】
複数の実施形態では、2つの薬物(例えば、第1の薬物及び第2の薬物)の投与は、少なくとも約2時間の間隔を空けられる。複数の実施形態では、2つの薬物(例えば、第1の薬物及び第2の薬物)の投与は、少なくとも約1時間の間隔を空けられる。
【0106】
複数の実施形態では、ある薬物(例えば、第1の薬物)は、他方の薬物(例えば、第2の薬物)の服用の少なくとも1時間前に投与される。複数の実施形態では、薬物(例えば、第1の薬物)は、他方の薬物(例えば、第2の薬物)の服用の少なくとも2時間後に投与される。
【0107】
複数の実施形態では、HIF-PH阻害剤(例えば、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)、又はその薬学的に許容される塩)である薬物は、患者に投与される第1の薬物である。複数の実施形態では、HIF-PH阻害剤(例えば、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)、又はその薬学的に許容される塩)である薬物は、患者に投与される第1の薬物ではない。複数の実施形態では、HIF-PH阻害剤(例えば、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)、又はその薬学的に許容される塩)である薬物は、患者に投与される第2の薬物である。
【0108】
対象におけるある薬物(例えば、第1の薬物)と別の薬物(例えば、第2の薬物)との間の薬物間相互作用を減少させる又は最小限に抑える方法が本明細書に提供される。対象におけるある薬物(例えば、第1の薬物)と別の薬物(例えば、第2の薬物)との間の薬物間相互作用を防止する又は制御する方法も本明細書に提供される。複数の実施形態では、一方の薬物(例えば、第1の薬物)は、他方の薬物(例えば、第2の薬物)の服用の少なくとも2時間前及び/又は少なくとも2時間後に投与される。複数の実施形態では、一方の薬物(例えば、第1の薬物)は、他方の薬物(例えば、第2の薬物)の服用の少なくとも1時間前及び/又は少なくとも1時間後に投与される。いくつかの実施形態では、対象は、有効量の一方の薬物(例えば、第1の薬物)であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)である、一方の薬物(例えば、第1の薬物)、又は有効量の当該薬物を含む医薬組成物と、有効量の別の薬物(例えば、第2の薬物)であって、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩若しくはセベラマー炭酸塩)、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、アデホビル、又は本明細書に記載の別のものである、別の薬物(例えば、第2の薬物)とを投与される。複数の実施形態では、他方の薬物(例えば、第2の薬物)は、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物(例えば、セベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩)である。
【0109】
患者に投与される1つ以上の治療剤のバイオアベイラビリティを増加させる方法も本明細書に提供される。例えば、患者が2つの異なる治療剤を受ける場合、本明細書に記載の方法は、一方又は両方の治療剤のバイオアベイラビリティを増加させることができる。したがって、複数の実施形態では、薬物のバイオアベイラビリティを増加させる方法であって、対象に、有効量の{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)、又はその薬学的に許容される塩を含む有効量のある薬物(例えば、第1の薬物)と、有効量の別の(例えば、第2の)薬物(例えば、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩若しくはセベラマー炭酸塩)、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、アデホビル、又は本明細書に記載の別のものなどの治療剤)とを投与することを含む、方法が本明細書に提供される。複数の実施形態では、一方の薬物(例えば、第1の薬物)は、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)、又はその薬学的に許容される塩である。複数の実施形態では、他方の薬物(例えば、第2の薬物)は、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩若しくはセベラマー炭酸塩)、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、アデホビル、又は本明細書に記載の別のものである。複数の実施形態では、他方の薬物(例えば、第2の薬物)は、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物(例えば、セベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩)である。複数の実施形態では、一方の薬物(例えば、第1の薬物)は、他方の薬物(例えば、第2の薬物)の服用の少なくとも2時間前及び/又は少なくとも2時間後に投与される。複数の実施形態では、一方の薬物(例えば、第1の薬物)は、他方の薬物(例えば、第2の薬物)の服用の少なくとも1時間前及び/又は少なくとも1時間後に投与される。複数の実施形態では、2つの薬物の一方(例えば、第1の薬物又は第2の薬物)のバイオアベイラビリティが増加する。複数の実施形態では、両方の薬物のバイオアベイラビリティが増加する。
【0110】
患者に投与される1つ以上の治療剤のバイオアベイラビリティを維持する方法も本明細書に提供される。例えば、患者が2つの異なる治療剤を受ける場合、本明細書に記載の方法は、一方又は両方の治療剤のバイオアベイラビリティを維持することができる。したがって、複数の実施形態では、薬物のバイオアベイラビリティを維持する方法であって、対象に、有効量の{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)、又はその薬学的に許容される塩を含む有効量のある薬物(例えば、第1の薬物)と、有効量の別の(例えば、第2の)薬物(例えば、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩若しくはセベラマー炭酸塩)、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、アデホビル、又は本明細書に記載の別のものなどの治療剤)とを投与することを含む、方法が本明細書に提供される。複数の実施形態では、一方の薬物(例えば、第1の薬物)は、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)、又はその薬学的に許容される塩である。複数の実施形態では、他方の薬物(例えば、第2の薬物)は、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩若しくはセベラマー炭酸塩)、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、アデホビル、又は本明細書に記載の別のものである。複数の実施形態では、他方の薬物(例えば、第2の薬物)は、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物(例えば、セベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩)である。複数の実施形態では、一方の薬物(例えば、第1の薬物)は、他方の薬物(例えば、第2の薬物)の服用の少なくとも2時間前及び/又は少なくとも2時間後に投与される。複数の実施形態では、一方の薬物(例えば、第1の薬物)は、他方の薬物(例えば、第2の薬物)の服用の少なくとも1時間前及び/又は少なくとも1時間後に投与される。複数の実施形態では、2つの薬物の一方(例えば、第1の薬物又は第2の薬物)のバイオアベイラビリティが維持される。複数の実施形態では、両方の薬物のバイオアベイラビリティが維持される。
【0111】
患者に投与される1つ以上の治療剤の吸収の減少を最小限に抑える、防止する、及び制御する方法も本明細書に提供される。例えば、患者が2つの異なる治療剤を受ける場合、本明細書に記載の方法は、一方又は両方の治療剤の吸収の減少を制御することができる。したがって、複数の実施形態では、薬物の吸収の減少を制御する方法であって、対象に、有効量の{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)、又はその薬学的に許容される塩を含む有効量のある薬物(例えば、第1の薬物)と、有効量の別の(例えば、第2の)薬物(例えば、リン酸塩を結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩若しくはセベリン)、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、アデホビル、又は本明細書に記載の別のものなどの治療剤)とを投与することを含む、方法が本明細書に提供される。複数の実施形態では、一方の薬物(例えば、第1の薬物)は、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)、又はその薬学的に許容される塩である。複数の実施形態では、他方の薬物(例えば、第2の薬物)は、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩若しくはセベラマー炭酸塩)、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、アデホビル、又は本明細書に記載の別のものである。複数の実施形態では、他方の薬物(例えば、第2の薬物)は、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物(例えば、セベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩)である。複数の実施形態では、一方の薬物(例えば、第1の薬物)は、他方の薬物(例えば、第2の薬物)の服用の少なくとも2時間前及び/又は少なくとも2時間後に投与される。複数の実施形態では、一方の薬物(例えば、第1の薬物)は、他方の薬物(例えば、第2の薬物)の服用の少なくとも1時間前及び/又は少なくとも1時間後に投与される。複数の実施形態では、2つの薬物の一方(例えば、第1の薬物又は第2の薬物)の吸収の減少が最小限に抑えられる、防止される、及び/又は制御される(例えば、吸収に変化はないか、又は吸収の変化が約25%、約20%、約15%、約10%、若しくは約5%未満である)。複数の実施形態では、両方の薬物の吸収の減少が最小限に抑えられる、防止される、及び/又は制御される(例えば、各々の薬物について、独立して吸収に変化はないか、又は吸収の変化が約25%、約20%、約15%、約10%、又は約5%未満である)。
【0112】
本明細書に提供される方法のいくつかの実施形態では、他方の(例えば、第2の)薬物の投与は、医療に関連している。例えば、高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩)は、リン摂取量を減少させ、かつ血清リンレベルを正常範囲まで低下させるために投与され得、プロベネシドの投与は、痛風又は痛風性関節炎の治療又は予防に役立つことができ、シクロスポリンの投与は、腎臓、肝臓、及び心臓同種移植における臓器拒絶反応の予防の治療又は予防、並びに関節リウマチ及び/又は乾癬の治療又は予防に役立つことができ、リファンピンの投与は、結核及び/又は髄膜炎菌保菌者の治療又は予防に役立つことができ、ジゴキシンの投与は、心不全(例えば、心筋収縮性の増加、及び/若しくは安静時心拍数の制御)並びに/又は心房細動の治療又は予防に役立つことができ、アデホビルの投与は、慢性B型肝炎の治療又は予防に役立つことができる。複数の実施形態では、高分子アミン含有組成物の投与は、高リン血症の管理に関連している。
【0113】
本明細書に提供される方法のいくつかの実施形態では、化合物1、又はその医薬組成物は、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩)の少なくとも約2時間前及び/又は少なくとも約2時間後に投与される。複数の実施形態では、化合物1、又はその医薬組成物は、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩)の少なくとも約1時間前及び/又は少なくとも約1時間後に投与される。複数の実施形態では、化合物1、又はその医薬組成物は、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩)の少なくとも約1時間前に投与される。複数の実施形態では、化合物1、又はその医薬組成物は、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩)の少なくとも約2時間後に投与される。
【0114】
ある特定の実施形態では、化合物1、又はその医薬組成物は、高分子アミン含有組成物の約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間前に投与される。他の実施形態では、化合物1、又はその医薬組成物は、高分子アミン含有組成物の約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間後に投与される。
【0115】
本明細書に記載の方法は、貧血を有する対象に有用であり得る。貧血は、以下のようにヘモグロビン閾値によって特徴付けられ得る:
【表2】
【0116】
複数の実施形態では、対象は、腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有する。
【0117】
透析状態
本明細書に記載の方法は、本明細書に記載の状態を含む、異なる透析状態の患者に有益であり得る。
【0118】
複数の実施形態では、患者は、非透析依存性である。例えば、いくつかの実施形態では、慢性腎臓病を有する患者は、非透析依存性(NDD-CKD患者)である。
【0119】
複数の実施形態では、患者は、透析依存性である。例えば、複数の実施形態では、慢性腎臓病を有する患者は、透析依存性(DD-CKD患者)である。
【0120】
複数の実施形態では、患者は、透析を受けているか、又は以前に受けていた。複数の実施形態では、患者は、透析を受けている。複数の実施形態では、患者は、透析を以前に受けていた。
【0121】
複数の実施形態では、透析は、血液透析(HD)である。複数の実施形態では、慢性腎臓病を有する患者は、血液透析を受けているか、又は以前に受けていた。複数の実施形態では、慢性腎臓病を有する患者は、血液透析を受けている。複数の実施形態では、慢性腎臓病を有する患者は、血液透析を以前に受けていた。
【0122】
複数の実施形態では、透析は、腹膜透析(PD)である。複数の実施形態では、慢性腎臓病を有する患者は、腹膜透析を受けているか、又は以前に受けていた。複数の実施形態では、慢性腎臓病を有する患者は、腹膜透析を受けている。複数の実施形態では、慢性腎臓病を有する患者は、腹膜透析を以前に受けていた。
【0123】
化合物1の製剤(医薬組成物)
ある特定の実施形態では、化合物1は、製剤(医薬組成物)として提供され得る。複数の実施形態では、化合物1は、経口投与に好適な医薬製剤として提供される。経口投与に好適なかかる医薬組成物は、錠剤(例えば、チュアブル錠剤)、カプレット、カプセル、及び液体(例えば、風味付きシロップ)などであるが、これらに限定されない個別の剤形として提供され得る。かかる剤形は、所定量の活性成分を含み、当業者に周知の調剤方法によって調製され得る。
【0124】
化合物1の例示的な製剤は、参照により全体が組み込まれる、WO2014/200773及びWO2016/161094に記載されている。なお更なる例示的な製剤が本明細書に記載される。
【0125】
本明細書に提供される経口剤形は、従来の医薬品配合技法に従って活性成分を少なくとも1つの賦形剤と密な混合物中で組み合わせることによって調製される。賦形剤は、投与に望ましい調製形態に応じて、多種多様な形態を取ることができる。例えば、経口液体又はエアロゾル剤形での使用に好適な賦形剤には、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、防腐剤、及び着色剤が含まれるが、これらに限定されない。固体経口剤形(例えば、散剤、錠剤、カプセル、及びカプレット)での使用に好適な賦形剤の例としては、デンプン、糖、微結晶セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、及び崩壊剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0126】
複数の実施形態では、経口剤形は、錠剤又はカプセルであり、この場合、固体賦形剤が用いられる。別の実施形態では、錠剤は、標準の水溶液技法又は非水溶液技法によってコーティングされ得る。かかる剤形は、調剤方法のうちのいずれかによって調製され得る。概して、医薬組成物及び剤形は、活性成分を、液体担体、微細に分割された固体担体、又はそれらの両方と均一かつ密に混合し、その後、必要な場合、生成物を所望の体裁に成形することによって調製される。
【0127】
例えば、錠剤は、圧縮又は成形によって調製され得る。圧縮錠剤は、粉末又は顆粒などの流動性形態の活性成分を、任意選択で賦形剤と混合して、好適な機器中で圧縮することによって調製され得る。
【0128】
本明細書に提供される経口剤形に使用され得る賦形剤の例としては、結合剤、充填剤、崩壊剤、及び滑沢剤が挙げられるが、これらに限定されない。医薬組成物及び剤形での使用に好適な結合剤には、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、又は他のデンプン、ゼラチン、アカシアなどの天然及び合成ガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、粉末トラガカント、グアーガム、セルロース及びその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、番号2208、2906、2910)、微結晶セルロース、並びにそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0129】
微結晶セルロースの好適な形態には、AVICEL-PH-101、AVICEL-PH-103 AVICEL RC-581、AVICEL-PH-105として販売されている材料(FMC Corporation,American Viscose Division,Avicel Sales、Marcus Hook,PAから入手可能)及びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。特定の結合剤は、AVICEL RC-581として販売されている微結晶セルロースとナトリウムカルボキシメチルセルロースの混合物である。好適な無水又は低水分賦形剤又は添加剤には、AVICEL-PH-103(商標)及びStarch1500LMが含まれる。微結晶セルロースの他の好適な形態には、ケイ化微結晶セルロース、例えば、PROSOLV50、PROSOLV90、PROSOLV HD90、PROSOLV90LMとして販売されている材料、及びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0130】
本明細書に提供される医薬組成物及び剤形での使用に好適な充填剤の例としては、タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒又は粉末)、微結晶セルロース、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。医薬組成物中の結合剤又は充填剤は、一実施形態では、医薬組成物又は剤形の約50~約99重量パーセントで存在する。
【0131】
複数の実施形態では、充填剤には、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマーが含まれ得るが、これらに限定されない。かかるブロックコポリマーは、POLOXAMER又はPLURONICとして販売されている場合があり、かかるブロックコポリマーには、POLOXAMER188NF、POLOXAMER237NF、POLOXAMER338NF、POLOXAMER437NF、及びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0132】
複数の実施形態では、充填剤には、イソマルト、ラクトース、ラクチトール、マンニトール、ソルビトールキシリトール、エリスリトール、及びそれらの混合物が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0133】
崩壊剤は、組成物中で使用されて、水性環境に曝露されたときに崩壊する錠剤を提供することができる。崩壊剤を過剰に含む錠剤が貯蔵中に崩壊する場合がある一方で、崩壊剤をわずかしか含まない錠剤は、所望の速度で又は所望の条件下で崩壊しない場合がある。したがって、活性成分の放出を有害に変更するには多すぎることも少なすぎることもない十分な量の崩壊剤を使用して、固体経口剤形を形成することができる。使用される崩壊剤の量は、製剤の種類に基づいて変動し、当業者が容易に認識できる。一実施形態では、医薬組成物は、約0.5重量パーセント~約15重量パーセントの崩壊剤、又は約1重量パーセント~約5重量パーセントの崩壊剤を含む。
【0134】
医薬組成物及び剤形に使用され得る崩壊剤には、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ポビドン、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ジャガイモ又はタピオカデンプン、他のデンプン、アルファ化デンプン、他のデンプン、粘土、他のアルギン、他のセルロース、ガム、及びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0135】
医薬組成物及び剤形に使用され得る滑剤には、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽鉱油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、水素化植物油(例えば、ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及び大豆油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウレートエチル、寒天、及びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。追加の滑剤には、例えば、シロイドシリカゲル(syloid silica gel)(AEROSIL200、W.R.Grace Co.(Baltimore,MD)により製造)、合成シリカの凝固エアロゾル(Degussa Co.(Plano,TX)が販売)、CAB-O-SIL(Cabot Co.(Boston,MA)が販売する発熱性コロイド状二酸化ケイ素製品)、及びそれらの混合物が含まれる。使用される場合、滑剤は、それらが組み込まれる医薬組成物又は剤形の約1重量パーセント未満の量で使用され得る。
【0136】
水が一部の化合物の分解を容易にすることができるため、無水医薬組成物及び剤形も提供される。例えば、水(例えば、5%)の添加は、長期保存をシミュレートする手段として、経時的な製剤の保存可能期間又は安定性などの特性を決定するために、医薬分野で広く受け入れられている。例えば、Jens T.Carstensen,Drug Stability:Principles&Practice,2d.Ed.,Marcel Dekker,NY,NY,1995,pp.379-80を参照されたい。実際に、水及び熱は、一部の化合物の分解を加速する。したがって、水分及び/又は湿気が、製剤の製造、取り扱い、パッケージング、保管、出荷、及び使用中に一般に生じるため、製剤に対する水の影響は、非常に有意なものであり得る。
【0137】
無水医薬組成物の無水性質が維持されるように、無水医薬組成物が調製され、保管されるべきである。したがって、無水組成物は、一実施形態では、好適な処方キットに含まれ得るように、水への曝露を防止することで知られている材料を使用してパッケージングされる。好適なパッケージングの例としては、気密封止されたホイル、プラスチック、単位用量容器(例えば、バイアル)、ブリスターパック、及びストリップパックが挙げられるが、これらに限定されない。
【0138】
活性成分が分解する速度を低下させる1つ以上の化合物を含む医薬組成物及び剤形も提供される。本明細書で「安定化剤」と称されるかかる化合物には、アスコルビン酸、pH緩衝剤、又は塩緩衝剤などの抗酸化物質が含まれるが、これらに限定されない。
【0139】
賦形剤の量及びタイプと同様に、剤形における活性成分の量及び特定のタイプは、患者に投与される経路などであるが、これに限定されない要因に応じて異なり得る。
【0140】
複数の実施形態では、150mgの化合物1を含む錠剤製剤が本明細書に提供される。他の実施形態では、300mgの化合物1を含む錠剤製剤が本明細書に提供される。例示的な150mg錠剤製剤及び300mg錠剤製剤が表1に記載される。
【表3】
【0141】
表2は、化合物1の150mg錠剤及び化合物1の300mg錠剤の各々の例示的な特性を更に記載する。
【表4】
【0142】
本明細書に記載のいずれかの方法の複数の実施形態では、患者は、実質的に表1及び/又は表2に従う化合物1の1つ以上の錠剤を受ける。複数の実施形態では、患者は、約150mgの化合物1を含む、実質的に表1及び/又は表2に従う化合物1の1つ以上の錠剤を受ける。複数の実施形態では、患者は、約300mgの化合物1を含む、実質的に表1及び/又は表2に従う化合物1の1つ以上の錠剤を受ける。複数の実施形態では、患者は、約150~600mgの化合物1(例えば、約150、300、450、又は600mgの化合物1)の1日用量を受ける。
【0143】
液体剤形
経口投与のための液体剤形も本明細書に提供される。経口投与のための液体剤形には、薬学的に許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ、及びエリキシルが含まれ得る。活性成分に加えて、液体剤形は、例えば、水又は他の溶媒、可溶化剤、並びにエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(特に、綿実、落花生、トウモロコシ、胚芽、オリーブ、ヒマシ、及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール、及びソルビタン脂肪酸エステルなどの乳化剤、並びにそれらの混合物など、当該技術分野で一般に使用される不活性希釈剤を含んでもよい。
【0144】
不活性希釈剤に加えて、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤、甘味剤、香味剤、着色剤、芳香剤、並びに防腐剤などのアジュバントも含み得る。
【0145】
活性阻害剤に加えて、懸濁液は、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタヒドロキシドアルミニウム、ベントナイト、寒天及びトラガカント、並びにそれらの混合物などの懸濁剤を含み得る。
【0146】
単位剤形における化合物1の量
ある特定の他の実施形態では、化合物1の構造を有する約150mg~約600mgの化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくは水和物を含む、化合物1の単位剤形が本明細書に提供される。かかる単位剤形を使用して、約150mg~約600mgである化合物1の1日用量を提供することができる。
【0147】
ある特定の他の実施形態では、化合物1の構造を有する約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、又は更には約600mgの化合物を含む、化合物1の単位剤形が本明細書に提供される。ある特定の実施形態では、単位剤形は、化合物1の構造を有する約150mg、約185mg、約200mg、約250mg、約300mg、若しくは更には約315mgの化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくは水和物を含む。ある特定のかかる実施形態では、単位剤形は、約185mg、約200mg、約200、約250mg、又は更には約300mgの化合物を含むカプセルである。
【0148】
複数の実施形態では、単位剤形は、約150mgの化合物1を含む。複数の実施形態では、単位剤形は、錠剤である。複数の実施形態では、単位剤形は、カプセルである。複数の実施形態では、約150mgの化合物1を含む単位剤形は、表1に例示されるものと実質的に同じである。
【0149】
複数の実施形態では、単位剤形は、約300mgの化合物1を含む。複数の実施形態では、単位剤形は、錠剤である。複数の実施形態では、単位剤形は、カプセルである。複数の実施形態では、約300mgの化合物1を含む単位剤形は、表1に例示されるものと実質的に同じである。
【0150】
第2の薬物
複数の実施形態では、腎性貧血(貧血、又は慢性腎臓病に続発する)を有する対象は、化合物1に加えて、別の(例えば、第2の)治療剤(例えば、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩若しくはセベラマー炭酸塩)、又はある特定のタンパク質、受容体、及び/若しくは輸送体の阻害剤及び/しくは基質(例えば、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、若しくはアデホビル)も投与され得る。
【0151】
本明細書に記載の方法で使用される「他方の」、「別の」、「第2の」薬物又は治療剤が、投与された薬物からインビボで形成される代謝物も包含することが理解される。例えば、化合物1と別の(例えば、第2の)薬物との間の薬物間相互作用を調節するための本明細書に記載の方法は、化合物1と、投与された別の(例えば、第2の)薬物及び/又は化合物1と、投与された別の(例えば、第2の)薬物からインビボで形成された1つ以上の代謝物との間の薬物間相互作用の調節を包含することができる。
【0152】
複数の実施形態では、他方の(例えば、第2の)治療剤(例えば、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩若しくはセベラマー炭酸塩)、又はある特定のタンパク質、受容体、及び/若しくは輸送体の阻害剤及び/若しくは基質(例えば、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、若しくはアデホビル)は、化合物1と併用して(例えば、同時に)投与される。複数の実施形態では、他方の(例えば、第2の)治療剤(例えば、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩若しくはセベラマー炭酸塩)、又はある特定のタンパク質、受容体、及び/若しくは輸送体の阻害剤及び/若しくは基質(例えば、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、若しくはアデホビル)は、化合物1と併用して(例えば、同時に)投与されない。複数の実施形態では、他方の(例えば、第2の)治療剤(例えば、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩若しくはセベラマー炭酸塩)、又はある特定のタンパク質、受容体、及び/若しくは輸送体の阻害剤及び/若しくは基質(例えば、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、若しくはアデホビル)は、化合物1を用いた療法の開始前に投与される。複数の実施形態では、他方の(例えば、第2の)治療剤(例えば、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩若しくはセベラマー炭酸塩)、又はある特定のタンパク質、受容体、及び/若しくは輸送体の阻害剤及び/若しくは基質(例えば、プロベネシド、シクロスポリン、リファンピン、ジゴキシン、若しくはアデホビル)は、化合物1での療法の開始後に投与される。
【0153】
複数の実施形態では、対象は、化合物1での治療の開始時に存在した患者における疾患又は状態を治療するために別の(例えば、第2の)薬物を投与される。
【0154】
複数の実施形態では、対象は、化合物1での治療の開始時に存在しなかった患者における疾患又は状態(例えば、化合物1での治療の開始後に発症した疾患又は状態)を治療又は予防するために別の(例えば、第2の)薬物を投与される。複数の実施形態では、対象は、化合物1での治療によって誘発された患者における疾患又は状態を治療又は予防するために別の(例えば、第2の)薬物を投与される。複数の実施形態では、対象は、化合物1での治療とは無関係に発症する患者における疾患又は状態を治療又は予防するために別の(例えば、第2の)薬物を投与される。
【0155】
複数の実施形態では、対象は、別の(例えば、第2の)薬物(例えば、高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩))を受けて、リン摂取量を減少させ、血清リン酸塩レベルを正常範囲まで低下させる。複数の実施形態では、対象は、痛風又は痛風性関節炎を治療又は予防するための別の(例えば、第2の)薬物(例えば、プロベネシド)を受ける。複数の実施形態では、対象は、腎臓、肝臓、及び心臓同種移植における臓器拒絶反応の予防を治療又は予防する、並びに関節リウマチ及び/又は乾癬を治療又は予防するための別の(例えば、第2の)薬物(例えば、シクロスポリン)を受ける。複数の実施形態では、対象は、結核及び/又は髄膜炎菌保菌者を治療又は予防するための別の(例えば、第2の)薬物(例えば、リファンピン)を受ける。複数の実施形態では、対象は、心不全(例えば、心筋収縮性の増加、及び/若しくは安静時心拍数の制御)並びに/又は心房細動を治療又は予防するための別の(例えば、第2の)薬物(例えば、ジゴキシン)を受ける。複数の実施形態では、対象は、慢性B型肝炎を治療又は予防するための別の(例えば、第2の)薬物(例えば、アデホビル)を受ける。
【0156】
リン酸塩を結合する高分子アミンを含む薬物
本明細書に記載の方法において、薬物は、リン酸塩に結合する高分子アミン(例えば、セベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩)を含む。複数の物実施形態では、第2の薬物は、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩)である。
【0157】
複数の実施形態では、高分子アミンは、エピクロロヒドリンと架橋されたポリ(アリルアミン)である。このカチオン性ポリマーは、塩化物又は炭酸塩などの対イオンを更に含み得る。複数の実施形態では、高分子アミン含有組成物は、セベラマー炭酸塩(例えば、Renvela(登録商標))である。複数の実施形態では、高分子アミン含有組成物は、セベラマー塩酸塩(例えば、Renagel(登録商標))である。
【0158】
複数の実施形態では、高分子アミン含有組成物は、経口投与用に製剤化される。複数の実施形態では、高分子アミン含有組成物は、錠剤として投与される。複数の実施形態では、高分子アミン含有組成物は、散剤として投与される。複数の実施形態では、散剤は、経口懸濁液用の散剤である。
【0159】
複数の実施形態では、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物は、セベラマー塩酸塩を含む組成物である。複数の実施形態では、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む第2の薬物は、セベラマー塩酸塩を含む組成物である。複数の実施形態では、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物は、セベラマー炭酸塩を含む組成物である。複数の実施形態では、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む第2の薬物は、セベラマー炭酸塩を含む組成物である。
【0160】
複数の実施形態では、化合物1は、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩)の前に(例えば、少なくとも約1時間又は約2時間前に)投与される。複数の実施形態では、化合物1は、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む薬物(例えば、セベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩)の後に(例えば、少なくとも約1時間又は約2時間後に)投与される。
【0161】
複数の実施形態では、対象は、腎性貧血(慢性腎臓病に関連する又はそれに続発する貧血)を有する。
【0162】
複数の実施形態では、腎性貧血(慢性腎臓病に関連する又はそれに続発する貧血)を有する対象は、化合物1に加えて、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物も投与され得る。
【0163】
複数の実施形態では、本明細書に記載の方法は、化合物1のAUCMAXに実質的に変化をもたらさない(例えば、化合物1のAUCMAXに対するいずれの変化も、約25%以下、約20%以下、又は約15%以下である)。
【0164】
複数の実施形態では、対象は、化合物1での治療の開始時に存在した患者における疾患又は状態を治療するために、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物を投与される。
【0165】
複数の実施形態では、対象は、化合物1での治療の開始時に存在しなかった患者における疾患又は状態(例えば、化合物1での治療の開始後に発症した疾患又は状態)を治療又は予防するために、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物を投与される。複数の実施形態では、対象は、化合物1での治療によって誘発された患者における疾患又は状態を治療又は予防するために、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物を投与される。複数の実施形態では、対象は、化合物1での治療とは無関係に発症した患者の疾患又は状態を治療又は予防するために、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物を投与される。
【0166】
複数の実施形態では、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物を受けている対象は、高血中リン酸塩レベル(高リン血症)を治療又は予防するために、当該組成物を受ける。複数の実施形態では、対象は、重度の腎臓病(例えば、慢性腎臓病)のため、透析中である。
【0167】
複数の実施形態では、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物を受けている対象は、リン排泄障害を治療又は予防するために、当該組成物を受ける。
【0168】
複数の実施形態では、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物を受けている対象は、CKD(慢性腎臓病)を有する対象における心血管疾患、腎不全、及び死亡のリスクを低下させるために、当該組成物を受ける。
【0169】
複数の実施形態では、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物を受けている対象は、リン摂取量を減少させる及び/又は血清リン酸塩レベルを正常範囲まで低下させるために、当該組成物を受ける。
【0170】
ある特定の実施形態では、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物を受けている対象は、血清リンを目標レベル(例えば、約3.5~約5.5mg/dLなどの5.5mg/dL未満)で維持するために、当該組成物を受ける。
【0171】
いくつかの実施形態では、高分子アミン含有組成物は、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む。複数の実施形態では、リン酸塩に結合する高分子アミンは、セベラマー系結合剤である。複数の実施形態では、リン酸塩に結合する高分子アミンは、セベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩である。例示的な高分子アミン含有組成物としては、セベラマー塩酸塩及びセベラマー炭酸塩が挙げられる。複数の実施形態では、高分子アミン含有組成物は、セベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩を含む。
【0172】
複数の実施形態では、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物は、セベラマー塩酸塩又はセベラマー炭酸塩を含む。
【0173】
リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物は、本明細書に記載の賦形剤のうちのいずれか(例えば、化合物1の製剤について記載されるもの)、並びにそれらの任意の組み合わせを更に含み得る。
【0174】
複数の実施形態では、高分子アミン含有組成物は、散剤の形態である。
【0175】
複数の実施形態では、高分子アミン含有組成物は、錠剤の形態である。かかる錠剤は、例えば、純粋な散剤として、すなわち、いずれの賦形剤も含有しない高分子アミン含有組成物を錠剤化する、例えば、直接圧縮することによって製造され得る。他の実施形態では、好適な賦形剤が添加され得る。かかる賦形剤には、抗接着剤、結合剤、コーティング剤、着色剤、崩壊剤、風味剤、滑剤、滑沢剤、防腐剤、吸着剤、甘味剤、ビヒクル、及びそれらの混合物が含まれる。
【0176】
他の実施形態では、錠剤は、顆粒化散剤(すなわち、「内相」)を更なる賦形剤(「外相」)と一緒に圧縮することによって得られる。高分子アミン含有組成物の内相は、高分子アミン、及び少なくとも1つの賦形剤を含み得る。本発明による医薬組成物の外相は、少なくとも1つの賦形剤を含み得る。
【0177】
本発明による医薬組成物は、加工性を提供するために充填剤を含み得る。
【0178】
好適な充填剤材料は、当該技術分野で周知であり(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Ed.(1990),Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,pp.1635-1636を参照されたい)、微結晶セルロース、ラクトース及び他の炭水化物、デンプン、アルファ化デンプン、例えば、デンプン1500R(Colorcon Corp.)、トウモロコシデンプン、リン酸二カルシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、セルロース、無水二塩基性リン酸カルシウム、糖類、塩化ナトリウム、及びそれらの混合物を含み、これらの中で、ラクトース、微結晶セルロース、アルファ化デンプン、及びそれらの混合物が好ましい。その優れた崩壊特性及び圧縮特性のため、微結晶セルロース(Avicelグレード、FMC Corp.)、並びに微結晶セルロース及び1つ以上の追加の充填剤、例えば、トウモロコシデンプン又はアルファ化デンプンを含む混合物が特に有用である。
【0179】
複数の実施形態では、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物は、経口投与用に製剤化される。
【0180】
複数の実施形態では、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物は、錠剤である。
【0181】
複数の実施形態では、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物は、散剤(例えば、経口懸濁液用の散剤)である。
【0182】
複数の実施形態では、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物は、連続して及び/又は無期限に投与される。ある特定の代替の実施形態では、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物は、血清リンが約3.5~約5.5mg/dLのレベルで維持されるように、必要に応じて投与される。
【0183】
セベラマー塩酸塩
複数の実施形態では、リン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物は、セベラマー塩酸塩を含む組成物である。
【0184】
複数の実施形態では、対象は、高血中リン酸塩レベル(高リン血症)を治療又は予防するために、セベラマー塩酸塩を受ける。複数の実施形態では、対象は、リン排泄障害を治療又は予防するために、セベラマー塩酸塩を受ける。複数の実施形態では、対象は、CKD(慢性腎臓病)を有する対象における心血管疾患、腎不全、及び死亡のリスクを低下させるために、セベラマー塩酸塩を受ける。複数の実施形態では、対象は、リン摂取量を減少させる及び/又は血清リン酸塩レベルを正常範囲まで低下させるために、セベラマー塩酸塩を受ける。ある特定の実施形態では、対象は、血清リンを標的レベル(例えば、約3.5~約5.5mg/dL)で維持するために、セベラマー塩酸塩を受ける。
【0185】
ある特定の実施形態では、セベラマー塩酸塩は、血清リンが目標レベル(例えば、約3.5~約5.5mg/dLなどの5.5mg/dL未満)で維持されるような量で投与される。
【0186】
複数の実施形態では、対象は、約400mg~約5000mgの用量でセベラマー塩酸塩を受ける。複数の実施形態では、対象は、400mg、約800mg、約1200mg、約1600mg、約2000mg、約2400mg、約2800mg、約3200mg、約3600mg、約4000mg、約4400mg、又は約4800mgの用量でセベラマー塩酸塩を受ける。複数の実施形態では、対象は、約800mg又は約1600mgの用量でセベラマー塩酸塩を受ける。複数の実施形態では、本明細書に記載の用量は、治療開始時の初期用量である。複数の実施形態では、本明細書に記載の用量は、治療過程中の後の時点での調整された用量である。複数の実施形態では、本明細書に記載の用量は、1日1回、1日2回、又は1日3回投与され得る。
【0187】
複数の実施形態では、対象は、1600mgのセベラマー塩酸塩を1日1回投与される。複数の実施形態では、対象は、初期に、1600mgのセベラマー塩酸塩を1日1回投与される。複数の実施形態では、対象は、800mgのセベラマー塩酸塩を1日3回投与される。複数の実施形態では、対象は、初期に、800mgのセベラマー塩酸塩を1日3回投与される。複数の実施形態では、対象は、1600mgのセベラマー塩酸塩を1日3回投与される。複数の実施形態では、対象は、初期に、1600mgのセベラマー塩酸塩を1日3回投与される。
【0188】
複数の実施形態では、対象は、週1回、週2回、又は週3回投与される。複数の実施形態では、対象は、ある用量(例えば、1600mg)のセベラマー塩酸塩を週3回投与される。例えば、対象は、7日間の期間の3日目、5日目、及び7日目に、セベラマー塩酸塩(例えば、1600mg)を投与され得る。複数の実施形態では、対象は、ある用量の化合物1(例えば、150、300、450、又は600mgの化合物1)を毎日投与される。複数の実施形態では、対象は、ある用量の化合物1(例えば、150、300、450、又は600mgの化合物1)を週3回投与される。複数の実施形態では、対象は、ある用量の化合物1(例えば、150、300、450、又は600mgの化合物1)を週4回(例えば、7日間の期間の1、3、5、及び7日目に)投与される。
【0189】
複数の実施形態では、セベラマー塩酸塩の最大用量は、1日当たり約13gである。複数の実施形態では、セベラマー塩酸塩の最大用量は、1日当たり約14gである。
【0190】
複数の実施形態では、対象は、セベラマー塩酸塩を経口で受ける。複数の実施形態では、対象は、セベラマー塩酸塩を錠剤として受ける。
【0191】
セベラマー炭酸塩
複数の実施形態では、高分子アミンを含む組成物は、セベラマー炭酸塩を含む組成物である。
【0192】
複数の実施形態では、対象は、高血中リン酸塩レベル(高リン血症)を治療又は予防するために、セベラマー炭酸塩を受ける。複数の実施形態では、対象は、リン排泄障害を治療又は予防するために、セベラマー炭酸塩を受ける。複数の実施形態では、対象は、CKD(慢性腎臓病)を有する対象における心血管疾患、腎不全、及び死亡のリスクを低下させるために、セベラマー炭酸塩を受ける。複数の実施形態では、対象は、リン摂取量を減少させる及び/又は血清リン酸塩レベルを正常範囲まで低下させるために、セベラマー炭酸塩を受ける。ある特定の実施形態では、対象は、血清リンを標的レベル(例えば、約3.5~約5.5mg/dLなどの5.5mg/dL未満)で維持するために、セベラマー炭酸塩を受ける。
【0193】
ある特定の実施形態では、セベラマー炭酸塩は、血清リンが目標レベル(例えば、約3.5~約5.5mg/dLなどの5.5mg/dL未満)で維持されるような量で投与される。
【0194】
複数の実施形態では、対象は、1日当たり約400mg~約5000mgの用量でセベラマー炭酸塩を受ける。複数の実施形態では、対象は、400mg、約800mg、約1200mg、約1600mg、約2000mg、約2400mg、約2800mg、約3200mg、約3600mg、約4000mg、約4400mg、又は約4800mgの用量でセベラマー炭酸塩を受ける。複数の実施形態では、対象は、約800mg又は約1600mgの用量でセベラマー炭酸塩を受ける。複数の実施形態では、本明細書に記載の用量は、治療開始時の初期用量である。複数の実施形態では、本明細書に記載の用量は、治療過程中の後の時点での調整された用量である。複数の実施形態では、本明細書に記載の用量は、1日1回、1日2回、又は1日3回投与され得る。
【0195】
複数の実施形態では、対象は、1600mgのセベラマー炭酸塩を1日1回投与される。複数の実施形態では、対象は、初期に、1600mgのセベラマー炭酸塩を1日1回投与される。複数の実施形態では、対象は、800mgのセベラマー炭酸塩を1日3回投与される。複数の実施形態では、対象は、初期に、800mgのセベラマー炭酸塩を1日3回投与される。複数の実施形態では、対象は、1600mgのセベラマー炭酸塩を1日3回投与される。複数の実施形態では、対象は、初期に、1600mgのセベラマー炭酸塩を1日3回投与される。
【0196】
複数の実施形態では、対象は、週1回、週2回、又は週3回投与される。複数の実施形態では、対象は、ある用量(例えば、1600mg)のセベラマー炭酸塩を週3回投与される。例えば、対象は、7日間の期間の3日目、5日目、及び7日目に、セベラマー炭酸塩(例えば、1600mg)を投与され得る。複数の実施形態では、対象は、ある用量の化合物1(例えば、150、300、450、又は600mgの化合物1)を毎日投与される。複数の実施形態では、対象は、ある用量の化合物1(例えば、150、300、450、又は600mgの化合物1)を週3回投与される。複数の実施形態では、対象は、ある用量の化合物1(例えば、150、300、450、又は600mgの化合物1)を週4回(例えば、7日間の期間の1、3、5、及び7日目に)投与される。
【0197】
複数の実施形態では、セベラマー炭酸塩の最大用量は、1日当たり約14gである。
【0198】
複数の実施形態では、対象は、セベラマー炭酸塩を経口で受ける。複数の実施形態では、対象は、セベラマー炭酸塩を錠剤として受ける。複数の実施形態では、対象は、セベラマー炭酸塩を散剤として受ける。複数の実施形態では、対象は、セベラマー炭酸塩を経口懸濁液用の散剤として受ける。
【0199】
有機アニオン輸送体阻害剤
複数の実施形態では、薬物は、有機アニオン輸送体阻害剤(例えば、OAT1/OAT3又はOATP1B1)を含む。複数の実施形態では、第2の薬物は、有機アニオン輸送体阻害剤(例えば、OAT1/OAT3又はOATP1B1)を含む薬物である。したがって、本明細書に記載の方法は、化合物1と、本明細書に記載のものを含む有機アニオン輸送体阻害剤(例えば、OAT1/OAT3若しくはOATP1B1)及び/又はその1つ以上の代謝物との間の薬物間相互作用の調節に有用であり得る。
【0200】
複数の実施形態では、薬物(例えば、第2の薬物)は、有機アニオン輸送体阻害剤(例えば、OAT1/OAT3又はOATP1B1)を含む。複数の実施形態では、有機アニオン輸送体阻害剤は、OAT1/OAT3阻害剤(例えば、OAT1阻害剤及び/又はOAT3阻害剤)である。複数の実施形態では、OAT1/OAT3阻害剤は、プロベネシドである。複数の実施形態では、有機アニオン輸送体阻害剤は、OAT1阻害剤である。複数の実施形態では、OAT1阻害剤は、プロベネシド又はリファンピシンである。複数の実施形態では、有機アニオン輸送体阻害剤は、OAT3阻害剤である。複数の実施形態では、OAT3阻害剤は、シメチジン、ジクロフェナク、フロセミド、ゲムフィブロジル、イブプロフェン、又はプロベネシドである。複数の実施形態では、有機アニオン輸送体阻害剤は、OATP1B1阻害剤である。複数の実施形態では、OATP1B1阻害剤は、シクロスポリン又はリファンピシンである。複数の実施形態では、薬物(例えば、第2の薬物)は、プロベネシドである。
【0201】
複数の実施形態では、有機アニオン輸送体(例えば、OAT1/OAT3阻害剤及び/又はOATP1B1阻害剤)である薬物(例えば、第2の薬物)の投薬量は、化合物1と同時投与されるときに調整される。複数の実施形態では、投薬量は増加する。複数の実施形態では、投薬量は減少する。複数の実施形態では、有機アニオン輸送体(例えば、OAT1/OAT3阻害剤及び/又はOATP1B1阻害剤)である薬物(例えば、第2の薬物)の投薬量は、化合物1と同時投与されるときに調整されない。複数の実施形態では、化合物1である薬物(例えば、第1の薬物)の投薬量は、有機アニオン輸送体(例えば、OAT1/OAT3阻害剤及び/又はOATP1B1阻害剤)と同時投与されたときに調整される。複数の実施形態では、投薬量は増加する。複数の実施形態では、投薬量は減少する。複数の実施形態では、化合物1である薬物(例えば、第1の薬物)の投薬量は、有機アニオン輸送体(例えば、OAT1/OAT3阻害剤及び/又はOATP1B1阻害剤)と同時投与されたときに調整されない。
【0202】
有機アニオン輸送体(例えば、OAT1/OAT3阻害剤及び/又はOATP1B1阻害剤)を使用して疾患又は状態を治療することを含む方法のなお更なる実施形態は、本明細書に記載のものを含む。
【0203】
OAT1/OAT3阻害剤
複数の実施形態では、薬物は、OAT1/OAT3阻害剤(例えば、OAT1阻害剤及び/又はOAT3阻害剤)を含む。複数の実施形態では、第2の薬物は、OAT1/OAT3阻害剤(例えば、OAT1阻害剤及び/又はOAT3阻害剤)を含む薬物である。したがって、本明細書に記載の方法は、化合物1と、本明細書に記載のものを含むOAT1/OAT3阻害剤(例えば、OAT1阻害剤及び/若しくはOAT3阻害剤)並びに/又はその1つ以上の代謝物との間の薬物間相互作用の調節に有用であり得る。
【0204】
例示的なOAT1/OAT3阻害剤としては、プロベネシド、リファンピシン、シメチジン、ジクロフェナク、フロセミド、ゲムフィブロジル、イブプロフェン、及びプロベネシドが挙げられるが、これらに限定されない。複数の実施形態では、OAT1/OAT3阻害剤は、OAT1阻害剤(例えば、プロベネシド又はリファンピシン)である。複数の実施形態では、OAT1/OAT3阻害剤は、OAT3阻害剤(例えば、シメチジン、ジクロフェナク、フロセミド、ゲムフィブロジル、イブプロフェン、又はプロベネシド)である。複数の実施形態では、OAT1/OAT3阻害剤は、プロベネシドである。複数の実施形態では、OAT1/OAT3阻害剤は、リファンピシンである。
【0205】
複数の実施形態では、OAT1/OAT3阻害剤(例えば、プロベネシド又はリファンピシン)は、化合物1と併用して(例えば、同時に)投与される。複数の実施形態では、OAT1/OAT3阻害剤(例えば、プロベネシド又はリファンピシン)は、化合物1と併用して(例えば、同時に)投与されない(例えば、2つの薬物の投与は、本明細書に記載の時間間隔を空けられる)。
【0206】
複数の実施形態では、OAT1/OAT3阻害剤(例えば、プロベネシド又はリファンピシン)である薬物(例えば、第2の薬物)の投薬量は、化合物1と同時投与されたときに調整される。複数の実施形態では、投薬量は増加する。複数の実施形態では、投薬量は減少する。複数の実施形態では、OAT1/OAT3阻害剤(例えば、プロベネシド又はリファンピシン)である薬物(例えば、第2の薬物)の投薬量は、化合物1と同時投与されたときに調整されない。複数の実施形態では、化合物1である薬物(例えば、第1の薬物)の投薬量は、OAT1/OAT3阻害剤(例えば、プロベネシド又はリファンピシン)と同時投与されたときに調整される。複数の実施形態では、投薬量は増加する。複数の実施形態では、投薬量は減少する。複数の実施形態では、化合物1である薬物(例えば、第1の薬物)の投薬量は、OAT1/OAT3阻害剤(例えば、プロベネシド又はリファンピシン)と同時投与されたときに調整されない。
【0207】
OAT1/OAT3阻害剤を使用して疾患又は状態を治療することを含む方法のなお更なる実施形態は、本明細書に記載のものを含む。
【0208】
プロベネシド
複数の実施形態では、薬物(例えば、第2の薬物)はプロベネシドであり、これは汎UGT阻害剤及び/又はOAT1/OAT3阻害剤であり得る。したがって、本明細書に記載の方法は、化合物1と、本明細書に記載のものを含む汎UGT阻害剤(例えば、プロベネシド)及び/又はその1つ以上の代謝物との間の薬物間相互作用の調節に有用であり得る。本明細書に記載の方法は、化合物1と、本明細書に記載のものを含むOAT1/OAT3阻害剤(例えば、プロベネシド)及び/又はその1つ以上の代謝物との間の薬物間相互作用の調節にも有用であり得る。
【0209】
複数の実施形態では、対象は、痛風、痛風性関節炎、及び/又は他の医学的状態を治療又は予防するために、プロベネシドを受ける。複数の実施形態では、対象は、1日当たり約250mg、500mg、750mg、1000mg、又は1000mg超の用量でプロベネシドを受ける。複数の実施形態では、対象は、1日当たり約500mgの用量でプロベネシドを受ける。複数の実施形態では、本明細書に記載の用量は、治療開始時の初期用量である。複数の実施形態では、本明細書に記載の用量は、治療過程中の後の時点での調整された用量である。
【0210】
ある特定の実施形態では、プロベネシドは、連続して及び/又は無期限に投与される。ある特定の実施形態では、プロベネシドは、1日1回、1日2回、又は1日3回投与される。
【0211】
複数の実施形態では、プロベネシドは、化合物1と併用して(例えば、同時に)投与される。複数の実施形態では、プロベネシドは、化合物1と併用して(例えば、同時に)投与されない(例えば、2つの薬物の投与は、本明細書に記載の時間間隔を空けられる)。
【0212】
複数の実施形態では、プロベネシドの投薬量は、化合物1の不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して調整される(例えば、本明細書に記載されるように調整される)。複数の実施形態では、プロベネシドの投薬量は、化合物1と同時投与されたときに調整されない。複数の実施形態では、化合物1の投薬量は、プロベネシドの不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して調整される(例えば、本明細書に記載されるように調整される)。複数の実施形態では、化合物1の投薬量は、プロベネシドと同時投与されたときに調整されない。
【0213】
リファンピン
複数の実施形態では、薬物(例えば、第2の薬物)はリファンピンであり、これはOATP1B1阻害剤及び/又はOAT1阻害剤であり得るリファンピンであり得る。複数の実施形態では、対象は、結核、髄膜炎菌保菌者、及び/又は他の医学的状態を治療又は予防するために、リファンピシンを受ける。複数の実施形態では、対象は、1日当たり約5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、又は20mg/kg超の用量でリファンピンを受ける。
【0214】
複数の実施形態では、対象は、1日当たり約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、約1000mg、約1100mg、約1200mg、又は約1200mg超の用量でリファンピンを受ける。複数の実施形態では、対象は、1日当たり約600mgの用量でリファンピンを受ける。複数の実施形態では、本明細書に記載の用量は、治療開始時の初期用量である。複数の実施形態では、本明細書に記載の用量は、治療過程中の後の時点での調整された用量である。
【0215】
ある特定の実施形態では、リファンピン薬は、連続して及び/又は無期限に投与される。ある特定の実施形態では、リファンピン薬は、1日1回、1日2回、又は1日3回投与される。
【0216】
複数の実施形態では、リファンピン薬は、化合物1と併用して(例えば、同時に)投与される。複数の実施形態では、リファンピン薬は、化合物1と併用して(例えば、同時に)投与されない(例えば、2つの薬物の投与は、本明細書に記載の時間間隔を空けられる)。
【0217】
複数の実施形態では、リファンピンの投薬量は、化合物1の不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して調整される(例えば、本明細書に記載されるように調整される)。複数の実施形態では、リファンピンの投薬量は、化合物1と同時投与されたときに調整されない。複数の実施形態では、化合物1の投薬量は、リファンピンの不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して調整される(例えば、本明細書に記載されるように調整される)。複数の実施形態では、化合物1の投薬量は、リファンピンと同時投与されたときに調整されない。
【0218】
OATP1B1阻害剤
複数の実施形態では、薬物は、OATP1B1阻害剤(例えば、シクロスポリン)を含む。複数の実施形態では、第2の薬物は、OATP1B1阻害剤(例えば、シクロスポリン)を含む薬物である。したがって、本明細書に記載の方法は、化合物1と、本明細書に記載のものを含むOATP1B1阻害剤(例えば、シクロスポリン)及び/又はその1つ以上の代謝物との間の薬物間相互作用の調節に有用であり得る。
【0219】
例示的なOATP1B1阻害剤としては、シクロスポリン、ゲムフィブロジル、スタチン、抗生物質、及び抗レトロウイルス薬が挙げられるが、これらに限定されない。複数の実施形態では、OATP1B1阻害剤は、シクロスポリンである。
【0220】
複数の実施形態では、OATP1B1阻害剤(例えば、シクロスポリン)は、化合物1と併用して(例えば、同時に)投与される。複数の実施形態では、OATP1B1阻害剤(例えば、シクロスポリン)は、化合物1と併用して(例えば、同時に)投与されない(例えば、2つの薬物の投与は、本明細書に記載の時間間隔を空けられる)。
【0221】
複数の実施形態では、OATP1B1阻害剤(例えば、シクロスポリン)である薬物(例えば、第2の薬物)の投薬量は、化合物1と同時投与されたときに調整される。複数の実施形態では、投薬量は増加する。複数の実施形態では、投薬量は減少する。複数の実施形態では、OATP1B1阻害剤(例えば、シクロスポリン)である薬物(例えば、第2の薬物)の投薬量は、化合物1と同時投与されたときに調整されない。複数の実施形態では、化合物1である薬物(例えば、第1の薬物)の投薬量は、OATP1B1阻害剤(例えば、シクロスポリン)と同時投与されたときに調整される。複数の実施形態では、投薬量は増加する。複数の実施形態では、投薬量は減少する。複数の実施形態では、化合物1である薬物(例えば、第1の薬物)の投薬量は、OATP1B1阻害剤(例えば、シクロスポリン)と同時投与されたときに調整されない。
【0222】
OATP1B1阻害剤(例えば、シクロスポリン)を使用して疾患又は状態を治療することを含む方法のなお更なる実施形態は、本明細書に記載のものを含む。
【0223】
シクロスポリン
複数の実施形態では、薬物(例えば、第2の薬物)はシクロスポリンであり、これは、BCRP阻害剤、OATP1B1阻害剤、及び/又はP-糖タンパク質1(Pgp)阻害剤であり得る。したがって、本明細書に記載の方法は、化合物1と、本明細書に記載のものを含むBCRP阻害剤(例えば、シクロスポリン)及び/又はその1つ以上の代謝物との間の薬物間相互作用の調節に有用であり得る。本明細書に記載の方法は、化合物1と、本明細書に記載のものを含むOATP1B1阻害剤(例えば、シクロスポリン)及び/又はその1つ以上の代謝物との間の薬物間相互作用の調節にも有用であり得る。加えて、本明細書に記載の方法は、化合物1と、本明細書に記載のものを含むP-糖タンパク質1阻害剤(例えば、シクロスポリン)及び/又はその1つ以上の代謝物との間の薬物間相互作用の調節にも有用であり得る。
【0224】
複数の実施形態では、対象は、腎臓、肝臓、及び心臓同種移植における臓器拒絶反応の予防を治療又は予防するために、シクロスポリンを受ける。複数の実施形態では、対象は、関節リウマチ、乾癬、及び/又は他の医学的状態を治療又は予防するために、シクロスポリンを受ける。複数の実施形態では、対象は、約0.5mg/kg/日、1mg/kg/日、1.5mg/kg/日、2mg/kg/日、2.5mg/kg/日、3mg/kg/日、3.5mg/kg/日、4mg/kg/日、4.5mg/kg/日、5mg/kg/日、6mg/kg/日、7mg/kg/日、8mg/kg/日、9mg/kg/日、10mg/kg/日、11mg/kg/日、12mg/kg/日、又は12mg/kg/日超の用量でシクロスポリンを受ける。複数の実施形態では、対象は、1日当たり約250mg、500mg、750mg、1000mg、1250mg、1500mg、1750mg、2000mg、又は2000mg超の用量でシクロスポリンを受ける。複数の実施形態では、対象は、1日当たり約500mgの用量でシクロスポリンを受ける。複数の実施形態では、本明細書に記載の用量は、治療開始時の初期用量である。複数の実施形態では、本明細書に記載の用量は、治療過程中の後の時点での調整された用量である。
【0225】
ある特定の実施形態では、シクロスポリン薬は、連続して及び/又は無期限に投与される。ある特定の実施形態では、シクロスポリン薬は、1日1回、1日2回、又は1日3回投与される。
【0226】
複数の実施形態では、シクロスポリン薬は、化合物1と併用して(例えば、同時に)投与される。複数の実施形態では、シクロスポリン薬は、化合物1と併用して(例えば、同時に)投与されない(例えば、2つの薬物の投与は、本明細書に記載の時間間隔を空けられる)。
【0227】
複数の実施形態では、シクロスポリンの投薬量は、化合物1の不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して調製される(例えば、本明細書に記載されるように調整される)。複数の実施形態では、シクロスポリンの投薬量は、化合物1と同時投与されたときに調整されない。複数の実施形態では、化合物1の投薬量は、シクロスポリン薬の不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して調整される(例えば、本明細書に記載されるように調整される)。複数の実施形態では、化合物1の投薬量は、シクロスポリンと同時投与されたときに調整されない。
【0228】
P-糖タンパク質輸送体(P-gp)基質
複数の実施形態では、薬物は、p-糖タンパク質輸送体(P-gp)基質(例えば、ジゴキシン)を含む。複数の実施形態では、第2の薬物は、p-糖タンパク質輸送体基質(例えば、ジゴキシン)を含む薬物である。したがって、本明細書に記載の方法は、化合物1と、本明細書に記載のものを含むp-糖タンパク質輸送体基質(例えば、ジゴキシン)及び/又はその1つ以上の代謝物との間の薬物間相互作用の調節に有用であり得る。
【0229】
例示的なp-糖タンパク質輸送体基質としては、カルシウムチャネルブロッカー、シクロスポリン、ダビガトランエテキシラート、ジゴキシン、エリスロマイシン、ロペラミド、プロテアーゼ阻害剤、及びタクロリムスが挙げられるが、これらに限定されない。複数の実施形態では、p-糖タンパク質輸送体基質は、ジゴキシンである。
【0230】
複数の実施形態では、p-糖タンパク質輸送体基質(例えば、ジゴキシン)は、化合物1と併用して(例えば、同時に)投与される。複数の実施形態では、p-糖タンパク質輸送体基質(例えば、ジゴキシン)は、化合物1と併用して(例えば、同時に)投与されない(例えば、2つの薬物の投与は、本明細書に記載の時間間隔を空けられる)。
【0231】
複数の実施形態では、p-糖タンパク質輸送体基質(例えば、ジゴキシン)である薬物(例えば、第2の薬物)の投薬量は、化合物1と同時投与されたときに調整される。複数の実施形態では、投薬量は増加する。複数の実施形態では、投薬量は減少する。複数の実施形態では、p-糖タンパク質輸送体基質(例えば、ジゴキシン)である薬物(例えば、第2の薬物)の投薬量は、化合物1と同時投与されたときに調整されない。複数の実施形態では、化合物1である薬物(例えば、第1の薬物)の投薬量は、p-糖タンパク質輸送体基質(例えば、ジゴキシン)と同時投与されたときに調整される。複数の実施形態では、投薬量は増加する。複数の実施形態では、投薬量は減少する。複数の実施形態では、化合物1である薬物(例えば、第1の薬物)の投薬量は、p-糖タンパク質輸送体基質(例えば、ジゴキシン)と同時投与されたときに調整されない。
【0232】
p-糖タンパク質輸送体基質(例えば、ジゴキシン)を使用して疾患又は状態を治療することを含む方法のなお更なる実施形態は、本明細書に記載のものを含む。
【0233】
ジゴキシン
複数の実施形態では、薬物(例えば、第2の薬物)は、ジゴキシンである。複数の実施形態では、対象は、心不全(例えば、心筋収縮性の増加、及び/若しくは安静時心拍数の制御)、心房細動、並びに/又は他の医学的状態を治療又は予防するために、ジゴキシンを受ける。複数の実施形態では、対象は、約5mcg/kg、10mcg/kg、15mcg/kg、20mcg/kg、25mcg/kg、30mcg/kg、35mcg/kg、40mcg/kg、45mcg/kg、又は45mcg/kg超の用量でジゴキシンを受ける。複数の実施形態では、対象は、1日当たり約0.25mg、0.5mg、0.75mg、1mg、1.25mg、又は1.25mg超の用量でジゴキシンを受ける。複数の実施形態では、対象は、1日当たり約0.5mgの用量でジゴキシンを受ける。複数の実施形態では、本明細書に記載の用量は、治療開始時の初期用量である。複数の実施形態では、本明細書に記載の用量は、治療過程中の後の時点での調整された用量である。
【0234】
ある特定の実施形態では、ジゴキシン薬は、連続して及び/又は無期限に投与される。ある特定の実施形態では、ジゴキシン薬は、1日1回、1日2回、又は1日3回投与される。
【0235】
複数の実施形態では、ジゴキシン薬は、化合物1と併用して(例えば、同時に)投与される。複数の実施形態では、ジゴキシン薬は、化合物1と併用して(例えば、同時に)投与されない(例えば、2つの薬物の投与は、本明細書に記載の時間間隔を空けられる)。
【0236】
複数の実施形態では、ジゴキシン薬の投薬量は、化合物1の不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して調整される(例えば、本明細書に記載されるように調整される)。複数の実施形態では、ジゴキシンの投薬量は、化合物1と同時投与されたときに調整されない。複数の実施形態では、化合物1の投薬量は、ジゴキシン薬の不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して調整される(例えば、本明細書に記載されるように調整される)。複数の実施形態では、化合物1の投薬量は、ジゴキシンと同時投与されたときに調整されない。
【0237】
OAT1/OAT3基質
複数の実施形態では、薬物は、OAT1/OAT3基質(例えば、OAT1基質及び/又はOAT3基質)を含む。複数の物実施形態では、第2の薬物は、OAT1/OAT3基質(例えば、OAT1基質及び/又はOAT3基質)を含む薬物である。したがって、本明細書に記載の方法は、化合物1と、本明細書に記載のものを含むOAT1/OAT3基質(例えば、OAT1基質及び/若しくはOAT3基質)並びに/又はその1つ以上の代謝物との間の薬物間相互作用の調節に有用であり得る。
【0238】
例示的なOAT1/OAT3基質(例えば、OAT1基質及び/又はOAT3基質)としては、アデホビル、セファクロル、セフチゾキシム、シメチジン、ファモチジン、フロセミド、オセルタミビルカルボン酸塩、ペニシリンG、及びシタグリプチンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0239】
複数の実施形態では、OAT1/OAT3基質は、OAT1基質(例えば、アデホビル)である。複数の実施形態では、OAT1/OAT3基質は、OAT3基質(例えば、セファクロル、セフチゾキシム、シメチジン、ファモチジン、フロセミド、オセルタミビルカルボン酸塩、ペニシリンG、又はシタグリプチン)である。複数の実施形態では、OAT1/OAT3基質は、アデホビルである。
【0240】
複数の実施形態では、OAT1/OAT3基質(例えば、アデホビル)は、化合物1と併用して(例えば、同時に)投与される。複数の実施形態では、OAT1/OAT3基質(例えば、アデホビル)は、化合物1と併用して(例えば、同時に)投与されない(例えば、2つの薬物の投与は、本明細書に記載の時間間隔を空けられる)。
【0241】
複数の実施形態では、OAT1/OAT3基質(例えば、アデホビル)である薬物(例えば、第2の薬物)の投薬量は、化合物1と同時投与されたときに調整される。複数の実施形態では、投薬量は増加する。複数の実施形態では、投薬量は減少する。複数の実施形態では、OAT1/OAT3基質(例えば、アデホビル)である薬物(例えば、第2の薬物)の投薬量は、化合物1と同時投与されたときに調整されない。複数の実施形態では、化合物1である薬物(例えば、第1の薬物)の投薬量は、OAT1/OAT3基質(例えば、アデホビル)と同時投与されたときに調整される。複数の実施形態では、投薬量は増加する。複数の実施形態では、投薬量は減少する。複数の実施形態では、化合物1である薬物(例えば、第1の薬物)の投薬量は、OAT1/OAT3基質(例えば、アデホビル)と同時投与されたときに調整されない。
【0242】
OAT1/OAT3基質(例えば、アデホビル)を使用して疾患又は状態を治療することを含む方法のなお更なる実施形態は、本明細書に記載のものを含む。
【0243】
複数の実施形態では、OAT1/OAT3基質は、フロセミドではない。
【0244】
アデホビル
複数の実施形態では、薬物(例えば、第2の薬物)は、アデホビルである。実施形態では、対象は、慢性B型肝炎及び/又は他の医学的状態を治療又は予防するために、アデホビルを受ける。複数の実施形態では、対象は、1日当たり約2mg、4mg、6mg、8mg、10mg、又は10mg超の用量でアデホビルを受ける。複数の実施形態では、対象は、1日当たり約10mgの用量でアデホビルを受ける。複数の実施形態では、本明細書に記載の用量は、治療開始時の初期用量である。複数の実施形態では、本明細書に記載の用量は、治療過程中の後の時点での調整された用量である。
【0245】
ある特定の実施形態では、アデホビル薬は、連続して及び/又は無期限に投与される。ある特定の実施形態では、アデホビル薬は、1日1回、1日2回、又は1日3回投与される。ある特定の実施形態では、アデホビル薬は、1日1回、2日に1回、3日に1回、又は7日に1回投与される。
【0246】
複数の実施形態では、アデホビル薬は、化合物1と併用して(例えば、同時に)投与される。複数の実施形態では、アデホビルは、化合物1と併用して(例えば、同時に)投与されない(例えば、2つの薬物の投与は、本明細書に記載の時間間隔を空けられる)。
【0247】
複数の実施形態では、アデホビルの投薬量は、化合物1の不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して調整される(例えば、本明細書に記載されるように調整される)。複数の実施形態では、アデホビルの投薬量は、化合物1と同時投与されたときに調整されない。複数の実施形態では、化合物1の投薬量は、アデホビルの不在下で又は単剤療法で投与された際の量と比較して調整される(例えば、本明細書に記載されるように調整される)。複数の実施形態では、化合物1の投薬量は、アデホビルと同時投与されたときに調整されない。
【0248】
HIFプロリルヒドロキシラーゼ調節に関連する疾患
ある特定の実施形態では、本発明の方法は、HIFプロリルヒドロキシラーゼ調節に関連する疾患を有する対象を含む。
【0249】
HIFプロリルヒドロキシラーゼ調節に関連する疾患には、末梢血管疾患(PVD);冠動脈疾患(CAD);心不全;虚血;貧血;創傷治癒;潰瘍;虚血性潰瘍;血液供給不足;毛細管循環不良;小動脈アテローム性動脈硬化症;静脈うっ滞;アテローム性動脈硬化性病変(例えば、冠動脈内);狭心症;心筋梗塞;糖尿病;高血圧;バージャー病;VEGF、GAPDH、及び/又はEPOの異常値に関連する疾患;クローン病;潰瘍性大腸炎;乾癬;サルコイドーシス;関節リウマチ;血管腫;オスラー・ウェーバー血管炎疾患;遺伝性出血性毛細血管拡張症;固形腫瘍又は血液性腫瘍及び後天性免疫不全症候群;心房性不整脈;以下のような組織:心筋及び心室などの心臓組織、骨格筋、小脳などの神経組織、胃、腸、膵臓、肝臓、脾臓、及び肺などの内臓;並びに手指及び足指などの遠位の付属器官における虚血性組織損傷が挙げられる。
【0250】
具体的には、本明細書に提供される方法は、とりわけ、末梢血管疾患(PVD);冠動脈疾患(CAD);心不全;虚血;貧血;創傷治癒;潰瘍;虚血性潰瘍;血液供給不足;毛細管循環不良;小動脈アテローム性動脈硬化症;静脈うっ滞;アテローム性動脈硬化性病変(例えば、冠動脈内);狭心症;心筋梗塞;糖尿病;高血圧;バージャー病;VEGF、GAPDH、及び/又はEPOの異常値に関連する疾患;クローン病;潰瘍性大腸炎;乾癬;サルコイドーシス;関節リウマチ;血管腫;オスラー・ウェーバー血管炎疾患;遺伝性出血性毛細血管拡張症;固形腫瘍又は血液性腫瘍及び後天性免疫不全症候群;心房性不整脈;以下のような組織:心筋及び心室などの心臓組織、骨格筋、小脳などの神経組織、胃、腸、膵臓、肝臓、脾臓、及び肺などの内臓;並びに手指及び足指などの遠位の付属器官における虚血性組織損傷を有する対象に、化合物1及び別の治療剤(例えば、本明細書に記載の薬物)を投与することを含む。
【0251】
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、非透析依存性慢性腎臓病に続発する貧血などの貧血を有する対象に、化合物1及び別の治療剤(例えば、本明細書に記載の薬物)を投与することを含む。
【0252】
複数の実施形態では、対象は、腎性貧血(慢性腎臓病に続発する又はそれに関連する貧血)を有する。
【0253】
ある特定の実施形態では、慢性腎臓病は、ステージ3、4、又は5の慢性腎臓病である。ある特定の実施形態では、慢性腎臓病は、透析前慢性腎臓病である。他の実施形態では、慢性腎臓病は、非透析依存性慢性腎臓病である。更に他の実施形態では、対象は、慢性腎臓病に続発する貧血などの貧血の治療を以前に受けていない。代替の実施形態では、対象は、慢性腎臓病に続発する貧血などの貧血の治療を以前に受けている。
【0254】
化合物1の用量及び投与レジメン
化合物1の使用のための特定の用量は、当業者に既知の任意の様式で投与することができる。例示的な用量は、実施例を含む本明細書に提供される。
【0255】
複数の実施形態では、化合物1の用量は、約150mg~約600mg、約150mg~750mg、約150mg~900mg、約150mg~1200mg、約150mg~1500mg、約75mg~1200mg、約75mg~1500mg、又は約75mg~1800mgである。複数の実施形態では、化合物1の用量は、約75mg~約1200mg、約150mg~約600mg、又は約150mg~約750mgである。複数の実施形態では、化合物1の用量は、約75mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1000mg、約1050mg、約1100mg、約1150mg、約1200mg、約1250mg、約1300mg、約1350mg、約1400mg、約1450mg、約1500mg、約1550mg、約1600mg、約1650mg、約1700mg、約1750mg、又は約1800mgである。複数の実施形態では、化合物1の用量は、少なくとも約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1000mg、約1050mg、約1100mg、約1150mg、約1200mg、約1250mg、約1300mg、約1350mg、約1400mg、約1450mg、約1500mg、約1550mg、約1600mg、約1650mg、約1700mg、約1750mg、又は約1800mgである。複数の実施形態では、化合物1の用量は、約75mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1000mg、約1050mg、約1100mg、約1150mg、約1200mg、約1250mg、約1300mg、約1350mg、約1400mg、約1450mg、約1500mg、約1550mg、約1600mg、約1650mg、約1700mg、約1750mg、又は約1800mg以下である。
【0256】
複数の実施形態では、かかる用量は、1日1回、1日2回、1日3回、週3回、又は週1回経口投与され得る。
【0257】
複数の実施形態では、かかる用量は、治療開始時の初期用量である。複数の実施形態では、かかる用量は、治療過程中の後の時点での調整された用量である。
【0258】
化合物1の用量は、経口で服用され得る。化合物1の用量は、絶食中に、液体と一緒に、又はあらゆる種類の食物と一緒に服用され得る。特定の実施形態では、化合物1の用量は、食事の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12時間後、又は食事の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12時間前に服用され得る。化合物1の用量は、1日の任意の時点で服用され得る。ある特定の実施形態では、反復用量は、日中の同じ時間に投与される。ある特定の実施形態では、投与用量は、午前中、正午頃、又は夕方に投与される。ある特定の実施形態では、用量は、午前4時から午後2時の間に投与される。ある特定の実施形態では、用量は、午前5時から午後1時の間に投与される。ある特定の実施形態では、用量は、午前6時から正午12時の間に投与される。ある特定の実施形態では、用量は、午前7時から午前11時の間に投与される。ある特定の実施形態では、用量は、午前8時から午前10時の間に投与される。ある特定の実施形態では、用量は、朝食前、朝食中、又は朝食後に投与される。投与及び投与レジメンは、本明細書に記載されるように調整され得る。
【0259】
化合物の用量レベルは、150、300、450、及び600mgを含む。その後、この薬剤は、治療過程中に1日1回服用される。対象は、食物摂取量に関係なく、4オンスの水又は他の経口飲料とともに治験薬を服用すべきである。用量は、毎日ほぼ同じ時間に、好ましくは午前7時から午後2時の間に服用される。
【0260】
特定の実施形態では、対象は、最初に毎日300mgの化合物1(300mg/日)で治療される。
【0261】
特定の実施形態では、対象は、最初に毎日450mgの化合物1(450mg/日)で治療される。
【0262】
この節では、化合物1のいくつかの例示的な用量を提供する。ある特定の実施形態では、かかる用量は、治療開始時の初期用量である。他の実施形態では、かかる用量は、治療過程中の後の時点での調整された用量である。
【0263】
ある特定の実施形態では、化合物1の1日用量は、約150mg~約600mgである。ある特定の実施形態では、本化合物の1日用量は、約150mg~約300mg又は約300~約600mgである。ある特定の実施形態では、1日用量は、約150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mg、又は600mgの化合物1、又はその薬学的に許容される塩である。ある特定の実施形態では、化合物1、又はその薬学的に許容される塩の1日用量は、少なくとも約150mg、少なくとも約300mg、少なくとも約450mg、又は更には少なくとも約600mgである。
【0264】
ある特定の実施形態では、1日用量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgの化合物1である。ある特定の実施形態では、化合物1の1日用量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。複数の実施形態では、最大用量は、約600mgである。
【0265】
複数の実施形態では、開始用量は約300mgであり、用量は(例えば、患者の状態に従って)調整される。複数の実施形態では、最大用量は、約600mgである。
【0266】
複数の実施形態では、開始用量は約450mgであり、用量は(例えば、患者の状態に従って)調整される。複数の実施形態では、最大用量は、約600mgである。
【0267】
ある特定の実施形態では、化合物1の1日用量450mgは、化合物の1日用量が約300mgになるように、約150mg減少させてもよい。ある特定の実施形態では、化合物1の1日用量は、化合物の1日用量が約150mgになるように、約300mg減少させてもよい。ある特定の実施形態では、化合物1の1日用量は、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約275mg、又は約300mg増加又は減少させてもよい。ある特定の実施形態では、1日用量は、約75mg~300mg、約100mg~約300mg、約125mg~約300mg、約150mg~約300mg、約175mg~約300mg、約200mg~約300mg、約225mg~約300mg、約250mg~約300mg、又は約275mg~約300mg増加又は減少させてもよい。ある特定の実施形態では、化合物1、又はその薬学的に許容される塩の1日用量は、約75mg~約250mg、約100mg~約225mg、又は約125mg~約200mg増加又は減少させてもよい。ある特定のかかる実施形態では、化合物1の1日用量は、約600mgを超えない。
【0268】
用量調整
ある特定の実施形態では、用量は、貧血を有する患者に、本明細書に記載の製剤で投与される、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)である化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくは水和物の初期1日用量を投与すること、患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後、患者のヘモグロビンレベルの第2の測定を行うこと、ここで、第2の測定時の患者のヘモグロビンレベルが約10.0g/dL未満であり、ヘモグロビンレベルが第1の測定時のレベルと比較して約0.5g/dL未満低下している場合、又は第2の測定時の患者のヘモグロビンレベルが約10.0g/dL未満であり、ヘモグロビンレベルが第1の測定時のレベルと比較して最大約0.4g/dL変化している場合、又は第2の測定時の患者のヘモグロビンレベルが約10.0~約10.9g/dLであり、ヘモグロビンレベルが第1の測定時のレベルと比較して約0.5g/dL未満低下している場合、初期1日用量よりも多い化合物の調整された1日用量を投与すること、によって調整され得る。ある特定のかかる実施形態では、化合物の調整された1日用量は、初期1日用量よりも約150mg多い。
【0269】
ある特定の実施形態では、用量は、貧血を有する患者に、本明細書に記載される製剤で投与される、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である化合物、又はその薬学的に許容される塩の初期1日用量を投与すること、患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後、患者のヘモグロビンレベルの第2の測定を行うこと、ここで、第2の測定時の患者のヘモグロビンレベルが約10.0g/dL未満であり、ヘモグロビンレベルが第1の測定時のレベルと比較して約1.5g/dL超増加している場合、又は第2の測定時の患者のヘモグロビンレベルが約10.0~約10.9g/dLであり、ヘモグロビンレベルが第1の測定時のレベルと比較して約1.5g/dL超増加している場合、又は第2の測定時の患者のヘモグロビンレベルが約11.0~約12.2g/dLであり、ヘモグロビンレベルが第1の測定時のレベルと比較して約1.0~約1.4g/dL増加している場合、又は第2の測定時の患者のヘモグロビンレベルが約12.3~約12.9g/dLであり、ヘモグロビンレベルが第1の測定と比較して最大約0.4g/dL減少している又は最大約0.4g/dL増加している場合、又は第2の測定時の患者のヘモグロビンレベルが約12.3~約12.9g/dLであり、ヘモグロビンレベルが第1の測定時のレベルと比較して約0.5~約0.9g/dL増加している場合、初期1日用量よりも少ない化合物の調整された1日用量を投与すること、によって調整され得る。ある特定のかかる実施形態では、化合物の調整された1日用量は、初期1日用量よりも約150mg少ない。ある特定の実施形態では、最低用量レベルは、1日当たり150mgである。すでに最低用量レベルにある患者は、Hgbが13.0g/dL以上に増加しない限り、1日当たり150mgで継続する。
【0270】
ある特定の実施形態では、用量は、貧血を有する患者に、製剤で投与される、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)である化合物、又はその薬学的に許容される塩の初期1日用量を投与すること、患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後、患者のヘモグロビンレベルの第2の測定を行うこと、ここで、第2の測定時の患者のヘモグロビンレベルが約11.0~約12.2g/dLであり、ヘモグロビンレベルが第1の測定時のレベルと比較して約1.5g/dL超増加している場合、又は第2の測定時の患者のヘモグロビンレベルが約12.3~約12.9g/dLであり、ヘモグロビンレベルが第1の測定時のレベルと比較して約1.0~約1.4g/dL増加している場合、又は第2の測定時の患者のヘモグロビンレベルが約12.3~約12.9g/dLであり、ヘモグロビンレベルが第1の測定時のレベルと比較して約1.5g/dL超増加している場合、初期1日用量よりも少ない化合物の調整された1日用量を投与すること、によって調整され得る。ある特定のかかる実施形態では、化合物の調整された1日用量は、初期1日用量よりも約300mg少ない。ある特定の実施形態では、最低用量レベルは、1日当たり150mgである。すでに最低用量レベルにある患者は、Hgbが13.0g/dL以上に増加しない限り、1日当たり150mgで継続する。
【0271】
ある特定の実施形態では、用量は、貧血を有する患者に、製剤で投与される、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)である化合物、又はその薬学的に許容される塩の初期1日用量を投与すること、患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後、患者のヘモグロビンレベルの第2の測定を行うこと、ここで、第2の測定時の患者のヘモグロビンレベルが13.0g/dL以上である場合、初期1日用量よりも少ない化合物の調整された1日用量を投与すること、によって調整され得る。ある特定のかかる実施形態では、投与は中断される。ある特定のかかる実施形態では、Hgbが13g/dL以上に上昇した場合、投与は中断され、Hgbが12.5g/dL以下に減少するまで再開されない。Hgbレベルを一時的に変化させる可能性のある要因は、投与を中断する前に考慮されるべきである。Hgbは、この期間中、2週間毎に評価される。
【0272】
ある特定の実施形態では、用量は、貧血を有する患者に、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)である化合物、又はその薬学的に許容される塩の初期1日用量を投与すること、患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後、患者のヘモグロビンレベルの第2の測定を行うこと、ここで、第2の測定時の患者のヘモグロビンレベルが12.5g/dL以上である場合、初期1日用量よりも少ない化合物の調整された1日用量を投与すること、によって調整され得る。ある特定のかかる実施形態では、投与は中断される。ある特定のかかる実施形態では、Hgbが12.5g/dL以上に上昇する場合、投与は中断され、Hgbが12.0g/dL以下に減少するまで再開されない。Hgbレベルを一時的に変化させる可能性のある要因は、投与を中断する前に考慮されるべきである。Hgbは、この期間中、2週間毎に評価される。
【0273】
ある特定の実施形態では、用量は、貧血を有する患者に、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)である化合物、又はその薬学的に許容される塩の初期1日用量を投与すること、患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後、患者のヘモグロビンレベルの第2の測定を行うこと、ここで、第2の測定時の患者のヘモグロビンレベルが、患者が成人男性である場合13.0g/dL以上、又は患者が成人女性である場合12.5g/dL以上である場合、初期1日用量よりも少ない化合物の調整された1日用量を投与すること、によって調整され得る。ある特定のかかる実施形態では、投与は中断される。ある特定のかかる実施形態では、患者が成人男性である場合、Hgbが13.0g/dL以上、又は患者が成人女性である場合、12.5g/dL以上に上昇する場合、投与は中断され、患者が成人男性である場合、Hgbが12.5g/dL以下、又は患者が成人女性である場合、12.0g/dL以下に減少するまで再開されない。Hgbレベルを一時的に変化させる可能性のある要因は、投与を中断する前に考慮されるべきである。Hgbは、この期間中、2週間毎に評価される。
【0274】
ある特定の実施形態では、用量は、貧血を有する患者に、製剤で投与される、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)である化合物、又はその薬学的に許容される塩の初期1日用量を投与すること、患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後、患者のヘモグロビンレベルの第2の測定を行うこと、ここで、第2の測定時の患者のヘモグロビンレベルが約9.5~10.5g/dL又は約9.75~10.25g/dL未満であり、ヘモグロビンレベルが第1の測定時のレベルと比較して約0.2~0.8、約0.3~0.7、又は約0.4~0.6g/dL未満減少している場合、又は第2の測定時の患者のヘモグロビンレベルが約9.5~10.5g/dL又は約9.75~10.25g/dL未満であり、ヘモグロビンレベルが第1の測定時のレベルと比較して最大約0.1~0.7、約0.2~0.6、又は約0.3~0.5g/dL変化している場合、又は第2の測定時の患者のヘモグロビンレベルが約9.5~10.5g/dL又は約9.75~約10.25g/dL及び約10.4~11.4g/dL又は約10.65~11.15g/dLであり、ヘモグロビンレベルが第1の測定時のレベルと比較して約0.2~0.8、約0.3~0.7、又は約0.4~0.6g/dL未満減少している場合、初期1日用量よりも多い化合物の調整された1日用量を投与すること、によって調整され得る。ある特定のかかる実施形態では、化合物の調整された1日用量は、初期1日用量よりも約150mg多い。
【0275】
ある特定の実施形態では、用量は、貧血を有する患者に、製剤で投与される、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である化合物、又はその薬学的に許容される塩の初期1日用量を投与すること、患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後、患者のヘモグロビンレベルの第2の測定を行うこと、ここで、第2の測定時の患者のヘモグロビンレベルが約9.5~約10.5g/dL又は約9.75~約10.25g/dL未満であり、ヘモグロビンレベルが第1の測定時のレベルと比較して約1.2~約1.8、約1.3~約1.7、又は約1.4~約1.6g/dL超増加している場合、又は第2の測定時の患者のヘモグロビンレベルが約9.5~約10.5又は約9.75~約10.25g/dL及び約10.4~約11.4g/dL又は約10.65~約11.15g/dLであり、ヘモグロビンレベルが第1の測定時のレベルと比較して約1.2~約1.8、約1.3~約1.7、又は約1.4~約1.6g/dL超増加している場合、又は第2の測定時の患者のヘモグロビンレベルが約10.5~約11.5g/dL又は約10.75~約11.25g/dL及び約11.7~約12.7g/dL又は約11.95~約12.45g/dL g/dLであり、ヘモグロビンレベルが第1の測定時のレベルと比較して約0.7~約1.3、約0.8~約1.2、又は約0.9~約1.1g/dL、及び約1.1~約1.7、約1.2~約1.6、又は約1.3~約1.5g/dL増加している場合、又は第2の測定時の患者のヘモグロビンレベルが約11.8~約12.8g/dL又は約12.05~約12.55g/dL及び約12.4~約13.9g/dL又は約12.65~約13.15g/dLであり、ヘモグロビンレベルが第1の測定時と比較して最大約0.1~約0.7、約0.2~約0.6、又は約0.3~約0.5g/dL減少している、又は最大約0.1~約0.7、約0.2~約0.6、又は約0.3~約0.5g/dL増加している場合、又は第2の測定時の患者のヘモグロビンレベルが約11.8~約12.8g/dL、又は約12.05~約12.55g/dL及び約12.4~約13.9g/dL又は約12.65~約13.15g/dLであり、ヘモグロビンレベルが第1の測定時のレベルと比較して約0.2~約0.8g/dL、約0.3~約0.7g/dL、約0.4~約0.6g/dL、約0.6~約1.2g/dL、約0.7~約1.1g/dL又は約0.8~1.0g/dL増加している場合、初期1日用量未満の化合物の調整された1日用量を投与すること、によって調整され得る。ある特定のかかる実施形態では、化合物の調整された1日用量は、初期1日用量よりも約150mg少ない。ある特定の実施形態では、最低用量レベルは、1日当たり150mgである。すでに最低用量レベルにある患者は、Hgbが12.0g/dL、12.5g/dL、又は13.0g/dL以上に増加しない限り、1日当たり150mgで継続する。
【0276】
ある特定の実施形態では、用量は、貧血を有する患者に、製剤で投与される、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)である化合物、又はその薬学的に許容される塩の初期1日用量を投与すること、患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後、患者のヘモグロビンレベルの第2の測定を行うこと、ここで、第2の測定時の患者のヘモグロビンレベルが約10.5~11.5g/dL、又は約10.75~11.25g/dL及び約11.7~12.7g/dL又は約11.95~12.45g/dL g/dLであり、ヘモグロビンレベルが第1の測定時のレベルと比較して約1.2~1.8g/dL、約1.3~約1.7g/dL、又は約1.4~約1.6g/dL超増加している場合、又は第2の測定時の患者のヘモグロビンレベルが約11.8~12.8g/dL又は約12.05~約12.55g/dL及び約12.4~約13.9g/dL又は約12.65~約13.15g/dL g/dLであり、ヘモグロビンレベルが第1の測定時のレベルと比較して約0.7~約1.3g/dL、約0.8~約1.2g/dL、又は約0.9~約1.1g/dL及び約1.1~約1.7g/dL、約1.2~約1.6g/dL、又は約1.3~約1.5g/dL増加している場合、又は第2の測定時の患者のヘモグロビンレベルが約11.8~約12.8g/dL又は約12.05~約12.55g/dL及び約12.4~約13.9g/dL又は約12.65~約13.15g/dLであり、ヘモグロビンレベルが第1の測定時のレベルと比較して約1.2~約1.8g/dL、約1.3~約1.7g/dL、又は約1.4~約1.6g/dL超増加している場合、初期1日用量未満の化合物の調整された1日用量を投与すること、によって調整され得る。ある特定のかかる実施形態では、化合物の調整された1日用量は、初期1日用量よりも約300mg少ない。ある特定の実施形態では、最低用量レベルは、1日当たり150mgである。すでに最低用量レベルにある患者は、Hgbが12.0g/dL、12.5g/dL、又は13.0g/dL以上に増加しない限り、1日当たり150mgで継続する。
【0277】
ある特定の実施形態では、用量は、貧血を有する患者に、製剤で投与される、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)である化合物、又はその薬学的に許容される塩の初期1日用量を投与すること、患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後、患者のヘモグロビンレベルの第2の測定を行うこと、ここで、第2の測定時の患者のヘモグロビンレベルが11.0g/dL、11.5g/dL、12.0g/dL、12.5g/dL、13.0g/dL、13.5g/dL、又は14.0g/dL以上である場合、初期1日用量よりも少ない化合物の調整された1日用量を投与すること、によって調整され得る。ある特定のかかる実施形態では、投与は中断される。ある特定のかかる実施形態では、Hgbが11.0g/dL、11.5g/dL、12.0g/dL、12.5g/dL、13.0g/dL、13.5g/dL、又は14.0g/dL以上に上昇する場合、投与は中断され、Hgbが10.5g/dL、11.0g/dL、11.5g/dL、12.0g/dL、12.5g/dL、13.0g/dL、又は13.5g/dL以下に減少するまで再開されない。Hgbレベルを一時的に変化させる可能性のある要因は、投与を中断する前に考慮されるべきである。Hgbは、この期間中、2週間毎に評価される。
【0278】
ある特定の実施形態では、用量は、貧血を有する患者に、製剤で投与される、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)である化合物、又はその薬学的に許容される塩の初期1日用量を投与すること、患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後、患者のヘモグロビンレベルの第2の測定を行うこと、ここで、第2の測定時の患者のヘモグロビンレベルが10.5g/dL、11.0g/dL、11.5g/dL、12.0g/dL、12.5g/dL、13.0g/dL、又は13.5g/dL以上である場合、初期1日用量よりも少ない化合物の調整された1日用量を投与すること、によって調整され得る。ある特定のかかる実施形態では、投与は中断される。ある特定のかかる実施形態では、Hgbが10.5g/dL、11.0g/dL、11.5g/dL、12.0g/dL、12.5g/dL、13.0g/dL、又は13.5g/dL以上に上昇する場合、投与は中断され、Hgbが10.0g/dL、10.5g/dL、11.0g/dL、11.5g/dL、12.0g/dL、12.5g/dL、又は13.0g/dL以下に減少するまで再開されない。Hgbレベルを一時的に変化させる可能性のある要因は、投与を中断する前に考慮されるべきである。Hgbは、この期間中、2週間毎に評価される。
【0279】
ある特定の実施形態では、用量は、貧血を有する患者に、製剤で投与される、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(化合物1)である化合物、又はその薬学的に許容される塩の初期1日用量を投与すること、患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後、患者のヘモグロビンレベルの第2の測定を行うこと、ここで、第2の測定時の患者のヘモグロビンレベルが、患者が成人男性である場合11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、又は14.0g/dL以上、又は患者が成人女性である場合10.5g/dL、11.0g/dL、11.5g/dL、12.0g/dL、12.5g/dL、13.0g/dL、又は13.5g/dL以上である場合、初期1日用量よりも少ない化合物の調整された1日用量を投与すること、によって調整され得る。特定のこうした実施形態では、投与は中断される。ある特定のかかる実施形態では、患者が成人男性である場合、Hgbが11.0g/dL、11.5g/dL、12.0g/dL、12.5g/dL、13.0g/dL、13.5g/dL、又は14.0g/dL以上、又は患者が成人女性である場合、10.5g/dL、11.0g/dL、11.5g/dL、12.0g/dL、12.5g/dL、13.0g/dL、又は13.5g/dL以上に上昇した場合、投与は中断され、患者が成人男性である場合、Hgbが10.5g/dL、11.0g/dL、11.5g/dL、12.0g/dL、12.5g/dL、13.0g/dL、又は13.5g/dL以下、又は患者が成人女性である場合、10.0g/dL、10.5g/dL、11.0g/dL、11.5g/dL、12.0g/dL、12.5g/dL、又は13.0g/dL以下に減少するまで再開されない。Hgbレベルを一時的に変化させる可能性のある要因は、投与を中断する前に考慮されるべきである。Hgbは、この期間中、2週間毎に評価される。本明細書に記載の用量調整法は、本明細書に記載の任意の化合物、又はそれらの任意の組み合わせを使用する治療レジメンに適用され得る。
【0280】
ヘモグロビンレベルに基づく用量調整
ある特定の実施形態では、用量は、貧血を有する患者に、製剤で投与される、化合物1の初期1日用量を投与すること、患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後、患者のヘモグロビンレベルの第2の測定を行うこと、以下に記載されるように用量を調整すること、によって調整され得る。ある特定の実施形態では、第1の測定は、ベースライン測定である。ある特定の実施形態では、用量は、貧血を有する患者に、本明細書に記載の製剤で投与される、化合物1である化合物の初期1日用量を投与すること、患者のヘモグロビンレベルの第1の測定を行い、その後、患者のヘモグロビンレベルの第2の測定を行うこと、以下に記載されるように用量を調整すること、によって調整され得る。
【0281】
ある特定の実施形態では、ヘモグロビンレベルは、例えば、HemoCue(登録商標)ポイントオブケアHgbモニタリングシステムを介して、研究を通して測定及びモニタリングされて、治験薬の用量を調整するかを決定することができる。ある特定の実施形態では、Hgbは、用量調整のモニタリングのために、HemoCue(登録商標)を介して2週間毎に取得することができる。ある特定の実施形態では、Hgbは、より頻繁なモニタリングが臨床的に示唆されるか、又は用量変更に基づいて保証されない限り、HemoCue(登録商標)を介して4週間毎に取得することができる。ある特定の実施形態では、Hgbは、HemoCue(登録商標)を介して4、6、8、10、12、又は16週間毎に取得することができる。ある特定の実施形態では、有効性及び安全性の評価のために、中央研究所を通して全血球計算値(CBC)を用いてヘモグロビンを評価することもできるが、用量調整は、局所的なHemoCue(登録商標)Hgb値に基づく。ある特定の実施形態では、目標は、Hgbレベルを増加させ、10~11g/dLで維持することである。ある特定の実施形態では、目標は、Hgbレベルを増加させ、10~12g/dLで維持することである。ある特定の実施形態では、目標は、Hgbレベルを増加させ、10~13g/dLで維持することである。
【0282】
ある特定の実施形態では、化合物1は、以下の用量調整アルゴリズムガイドラインに従って投与される。療法を調整する場合、Hgbの上昇率、減少率、及び変動性が考慮される。単一のHgb変動域(excursion)は、用量変化を必要としない場合がある。
【0283】
慢性腎臓病を有する患者における用量調整手順
ある特定の実施形態では、化合物1の用量は、以下に記載されるように患者の治療過程中に調整される。ある特定の具体的な実施形態では、用量は、患者における貧血を補正するように調整される。ある特定の具体的な実施形態では、患者は、非透析依存性慢性腎臓病(NDD-CKD)を有する。
【0284】
ある特定の実施形態では、ベースライン値は、化合物1の第1の投与の直前に決定される。ある特定の実施形態では、患者に投与される初期1日用量は、300mg/日である。ある特定の具体的な実施形態では、初期1日用量は、各々150mgの2錠の形態で投与される。ある特定の実施形態では、患者に投与される初期1日用量は、450mg/日である。ある特定の具体的な実施形態では、初期1日用量は、各々150mgの3錠の形態で投与される。ある特定の具体的な実施形態では、初期1日用量は、午前中に投与される。ある特定の具体的な実施形態では、初期1日用量は、午前7時から午後2時の間に投与される。
【0285】
ある特定の実施形態では、化合物1の1日用量は、治療過程中、4週間に1回よりも頻繁には増加しない。1日用量の減少はより頻繁に起こる可能性があるが、頻繁な用量調整は回避されるべきである。
【0286】
ある特定の実施形態では、4週間の治療後にHgbがベースライン値よりも0.5g/dLを超えて増加しない場合、化合物の1日用量を150mg/日増加させる。1日用量は、Hgbが10.0g/dLを超えるまで、4週間毎に150mg/日増加する(最大用量は600mg/日である)。ある特定の具体的な実施形態では、化合物1の1日用量でのNDD-CKD患者の4週間の治療後にHgbがベースライン値よりも0.5g/dLを超えて増加しない場合、化合物の1日用量を150mg/日増加させる。ある特定の具体的な実施形態では、化合物1の1日用量は、NDD-CKD患者のHgbが10.0g/dLを超えるまで、4週間毎に150mg/日増加する(最大用量は600mg/日である)。
【0287】
ある特定の実施形態では、治療中にHgbが急速に上昇する場合(例えば、任意の2週間周期で1.0g/dL超)、1日用量を150mg/日減少させる。ある特定の具体的な実施形態では、化合物1の1日用量での治療中にNDD-CKD患者のHgbが急速に上昇する場合(例えば、任意の2週間周期で1.0g/dL超)、1日用量を150mg/日減少させる。
【0288】
ある特定の実施形態では、Hgbが10.0g/dLを下回る場合、1日用量を150mg/日増加させる。ある特定の具体的な実施形態では、化合物1の用量での治療中にNDD-CKD患者のHgbが10.0g/dLを下回る場合、1日用量を150mg/日増加させる。
【0289】
ある特定の実施形態では、Hgbレベルが11.0g/dLを上回る場合、Hgbが10.5g/dL以下に減少するまで治療が中断される。その後、1日用量を150mg/日減少させて、投与が再開される。ある特定の具体的な実施形態では、NDD-CKD患者のHgb値が11.0g/dLを上回る場合、Hgbが10.5g/dL以下に減少するまで化合物1での治療が中断される。その後、1日用量を150mg/日減少させて、化合物1の投与が再開される。
【0290】
ある特定の実施形態では、Hgbレベルが12.0g/dLを上回る場合、1日用量を150mg減少させる。ある特定の実施形態では、Hgb値が13.0g/dLを上回る場合、Hgbが12.5g/dL以下に減少するまで治療が中断される。その後、1日用量を150mg/日減少させて、投与が再開される。ある特定の具体的な実施形態では、化合物1の1日用量での治療中にNDD-CKD患者のHgb値が12.0g/dLを上回る場合、用量を150mg/日減少させる。ある特定の具体的な実施形態では、NDD-CKD患者のHgb値が13.0g/dLを上回る場合、Hgbが12.5g/dL以下に減少するまで化合物1での治療が中断される。その後、1日用量を150mg/日減少させて、化合物1の投与が再開される。
【0291】
ある特定の実施形態では、Hgbを所望のレベルで維持するために用量調整が必要とされる場合、1日用量は、150mg/日で調整される。ある特定の具体的な実施形態では、NDD-CKD患者におけるHgbを所望のレベルで維持するために化合物1の用量調整が必要とされる場合、1日用量は、150mg/日で調整される。
【0292】
ある特定の実施形態では、化合物1の用量は、以下に記載されるように患者の治療過程中に調整される。ある特定の具体的な実施形態では、1日用量は、患者における貧血の維持療法のために調整される。ある特定の具体的な実施形態では、患者は、非透析依存性慢性腎臓病(NDD-CKD)を有する。
【0293】
ある特定の実施形態では、ベースライン値は、化合物1の第1の投与の直前に決定される。ある特定の実施形態では、患者に投与される初期1日用量は、300mg/日である。ある特定の具体的な実施形態では、初期1日用量は、各々150mgの2錠の形態で投与される。ある特定の実施形態では、患者に投与される初期1日用量は、450mg/日である。ある特定の具体的な実施形態では、初期1日用量は、各々150mgの3錠の形態で投与される。ある特定の具体的な実施形態では、初期1日用量は、午前中に投与される。ある特定の具体的な実施形態では、初期1日用量は、午前7時から午後2時の間に投与される。
【0294】
ある特定の実施形態では、化合物1の1日用量は、治療過程中、4週間に1回よりも頻繁には増加しない。1日用量の減少はより頻繁に起こる可能性があるが、頻繁な用量調整は回避されるべきである。
【0295】
ある特定の実施形態では、Hgbを所望のレベルで維持するために用量調整が必要とされる場合、化合物の1日用量は、150mg/日で調整される(最大1日用量は600mg/日である)。ある特定の具体的な実施形態では、NDD-CKD患者におけるHgbを所望のレベルで維持するために用量調整が必要とされる場合、化合物1の1日用量は、150mg/日で調整される(最大1日用量は600mg/日である)。
【0296】
ある特定の実施形態では、Hgbが10.0g/dLを下回る場合、1日用量を150mg/日増加させる。ある特定の具体的な実施形態では、化合物1の用量での治療中にNDD-CKD患者のHgbが10.0g/dLを下回る場合、1日用量を150mg/日増加させる。
【0297】
ある特定の実施形態では、Hgbレベルが11.0g/dLを上回る場合、Hgbが10.5g/dL以下に減少するまで治療が中断される。その後、1日用量を150mg/日減少させて、投与が再開される。ある特定の具体的な実施形態では、NDD-CKD患者のHgb値が11.0g/dLを上回る場合、Hgbが10.5g/dL以下に減少するまで化合物1での治療が中断される。その後、1日用量を150mg/日減少させて、化合物1の投与が再開される。
【0298】
ある特定の実施形態では、Hgbレベルが12.0g/dLを上回る場合、1日用量を150mg/日減少させる。ある特定の実施形態では、Hgb値が13.0g/dLを上回る場合、Hgbが12.5g/dL以下に減少するまで治療が中断される。その後、1日用量を150mg/日減少させて、投与が再開される。ある特定の具体的な実施形態では、化合物1の1日用量での治療中にNDD-CKD患者のHgb値が12.0g/dLを上回る場合、1日用量を150mg/日減少させる。ある特定の具体的な実施形態では、NDD-CKD患者のHgb値が13.0g/dLを上回る場合、Hgbが12.5g/dL以下に減少するまで化合物1での治療が中断される。その後、1日用量を150mg/日減少させて、化合物1の投与が再開される。
【実施例】
【0299】
実施例1:化合物1に関する臨床情報
作用機序
正常な酸素濃度では、プロリルヒドロキシラーゼ(PHD)は、低酸素誘導因子(HIF)αをヒドロキシル化し、分解させるが、PHD活性は低酸素濃度下で低下し、HIF-aタンパク質は安定化する。結果として、エリスロポエチンを含む遺伝子発現が増加し、低酸素環境への適応性を得るために、赤血球生成及び鉄利用が増強される。理論に拘束されるものではないが、PHD活性を阻害することによって、化合物1は、上述の生物学的応答を模倣し、HIF-αタンパク質の安定化に続いてエリスロポエチン産生を増加させることによって、ヘモグロビン産生及び赤血球生成をもたらす。
【0300】
PHD阻害作用
化合物1は、ヒトPHD1、PHD2、及びPHD3を阻害する(IC50値:それぞれ、15.36nmol/L、11.83nmol/L、及び7.63nmol/L)(インビトロ)。
【0301】
血中エリスロポエチン濃度上昇作用
正常なラットでは、化合物1の単回経口投与は、血中エリスロポエチン値の上昇を示した。
【0302】
ヘモグロビン濃度
正常なラットでは、14日間の化合物1の反復経口投与は、ヘモグロビン濃度及び赤血球数を増加させる効果を示した。
【0303】
化合物1の投与開始のためのガイドライン
投与開始のガイドラインとして、血液透析患者のヘモグロビン濃度は、10g/dL(ヘマトクリット値で30%)未満、保存期の慢性腎臓病患者及び腹膜透析患者のヘモグロビン濃度は、11g/dL(ヘマトクリット値で33%)未満であるべきである。
【0304】
本薬を投与する場合、患者が腎性貧血を有し、失血性貧血、汎血球減少症などの他の貧血のために投与されるべきではないことが確認されるべきである。
【0305】
本薬投与中、ヘモグロビン濃度又はヘマトクリット値が定期的に観察されるべきである。
【0306】
投与レジメン
成人患者は、典型的には、300mgの化合物1の初期用量を1日1回経口投与される。
【0307】
貧血改善効果が得られた時点で、成人患者は、典型的には、150mg~600mgの化合物1を1日1回経口投与される。
【0308】
用量は、貧血の進行及び重症度を含む因子に従って適切に調整され得る。用量は、例えば、切り替え前の赤血球(RBC)促進剤(例えば、赤血球生成促進剤)製剤の用量に基づいて、適切に調整される場合もある。しかしながら、化合物1の最大1日用量は、600mgである。
【0309】
投与初期ではヘモグロビン又はヘマトクリット値に適切な増加が見られない場合、及び/又は維持投与期間中にヘモグロビン又はヘマトクリット値を目標範囲に維持することが困難な場合、用量調整が必要な場合には、用量を1日150~600mgの範囲で増加又は減少させる。用量の増減は、ヘモグロビン又はヘマトクリット値が目標値から逸脱する前に、その値の変化を十分にモニタリングすることによって考慮される。しかしながら、用量は150mgを超えて増加してはならない。
【0310】
鉄欠乏が観察される場合、鉄剤の投与を行うことができる。
【0311】
化合物1の投与中、過剰な造血活性を防ぐためにヘモグロビン濃度又はヘマトクリット値が定期的に観察される。心不全、虚血性心疾患、及び死亡を含む合併症は、ヘモグロビン濃度が10g/dL前後(ヘマトクリット値30%)の場合と比較して、ヘモグロビン濃度が14g/dL前後(ヘマトクリット値42%)の場合に関連している。
【0312】
化合物1の薬物動態
血中濃度-単回投与
健常な成人男性に150mg、300mg、及び600mgの化合物1を10日間にわたって1日1回反復投与したときの投与初日の血漿中濃度及び薬物動態パラメータの変化を表3に要約する。
【表5】
【0313】
(健常な成人男性の絶食又は摂食時に本薬450mgを単回投与した場合の)C
max及びAUC
0-infの幾何平均の比率(%)、及びその90%信頼区間は、73%[68%、79%]及び94%[90%、98%]であった。本薬のt
max中央値は、食後投与により、空腹時と比較して約1.5時間延長した。これらの結果を表4に要約する。
【表6】
【0314】
分布
本薬のヒト血漿タンパク質結合率は99%超であった(インビトロ、平衡透析)。
【0315】
代謝
化合物1は、UGTを介して代謝され、主にO-グルクロニド抱合体を産生する。健常な成人男性(6人)に650mgの[14C]標識化合物1を1回経口投与した場合、化合物1が血漿中の総放射能(AUC0-∞)の75%を占めた一方で、O-グルクロニド抱合体は約15%であった。
【0316】
UGT1A1、UGT1A7、UGT1A8、及びUGT1A9は、ヒトにおける本薬の主要代謝物であるO-グルクロニドの生成に関与した(インビトロ)。化合物1は、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、及びUGT1A1に対して阻害効果を示したが(インビトロ)、各々の典型的な基質のAUCの変動比は、1.25倍未満であった(静的)薬物動態モデル)。
【0317】
排泄
健常な成人男性(6症例)に650mgの[14C]-標識化合物1を単回投与した場合、投与後72時間までに投与した総放射能の58.9%が尿に排泄され、26.9%が糞便に排泄された。本薬及びアシルグルクロニドの尿中排泄率は、総放射能の1%未満である。理論に拘束されるものではないが、本化合物1の主な排泄経路は、グルクロン酸化によるO-グルクロニド抱合体の尿中排泄である。
【0318】
血液透析貧血を有する患者を対象とした化合物1の第III相臨床試験
化合物1を、赤血球刺激因子を使用しない血液透析貧血を有する患者に24週間投与した(化合物1の用量は、初期用量として1日1回300mg、維持用量として1日1回150mg~600mgであった)。20週目及び24週目の平均ヘモグロビン値を表5に示す。本薬を24週目まで投与したときの副作用発現率は8.3%(24症例中2症例)であった。
【表7】
【0319】
実施例2:化合物1とのセベラマー炭酸塩の投与
治験責任医師は、化合物1を服用している患者に、必要に応じてリン酸塩に結合する高分子アミンを含む組成物を処方することができる。
【0320】
健常な成人被験者において、第I相、非盲検、固定順序試験を行い、セベラマー炭酸塩の単回経口投与がバダデュスタットの単回経口投与の薬物動態に及ぼす影響を評価した。
【0321】
この試験には、スクリーニング(最大28日間)、9日間の治療期間、及び最終投与後14日間の追跡期間が含まれた。
【0322】
スクリーニング期間後、全ての組み入れ基準を満たし、かつ以下に記載の除外基準に抵触しない被験者を、後続の治療期間において無作為化した。合計18名の被験者を試験に登録した。
【0323】
組み入れ基準:
1.インフォームドコンセント時に、18~55歳(境界値も含む)の男性又は女性。
a.妊娠の可能性のある女性被験者は、授乳中でなく、スクリーニング時及び-1日目に血清妊娠検査陰性によって確認されるように妊娠していない必要があり、治験薬の初回投与の少なくとも4週間前から治験薬の最終投与後30日まで、有効な避妊法を使用し、かつ使用し続けることに同意しなければならない。
b.妊娠の可能性のない女性被験者は、外科的に不妊状態(例えば、子宮摘出術、両側卵管結紮術、卵巣摘出術)であるか、又は閉経後(スクリーニング時に卵胞刺激ホルモン[FSH]が40U/Lを超え、1年超にわたって月経なし)でなければならない。
c.妊娠の可能性のある女性被験者は、試験中及び治験薬の最終投与後少なくとも30日間、卵子を提供しないことに同意しなければならない。
d.少なくとも6ヶ月間精管切除術を受けていない男性被験者は、試験中及び治験薬の最終投与後90日まで有効な避妊法を使用し、試験中及び治験薬最終投与後少なくとも90日間、精子を提供しないことに同意しなければならない。
2.既往歴、身体検査、バイタルサイン評価、12誘導ECG、臨床検査評価、及び一般的な観察によって記録された治験責任医師の判断による健康評価。
a.スクリーニング時、臨床評価(臨床検査、ECG、バイタルサイン)が正常範囲外の異常又は逸脱を示した場合、治験責任医師の判断で1回繰り返してもよく、正常範囲外が続く場合、臨床的に有意ではなく、かつ治験参加に許容できると治験責任医師が判断しなければならない。
b.-1日目に、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、及び総ビリルビン値が正常範囲の上限内でなければならない。-1日目に正常範囲外であり、かつ治験責任医師により臨床的に有意ではないと判断された全ての他の臨床検査結果を繰り返してもよい。正常範囲外が続く結果は、治験責任医師により臨床的に有意ではなく、かつ試験参加に許容できると判断されなければならない。
3.ボディマス指数(BMI)は18.0~30kg/m2であり、最低体重は女性の場合45kgであり、男性の場合50kgである(境界値も含む)。
4.本試験の手順及び要件を理解し、書面によるインフォームドコンセント及び保護対象保健情報の開示許可を提供する。
5.試験プロトコルの要件を遵守する意思及び能力がある。
【0324】
除外基準
1.治験責任医師が判断する、心血管系、脳血管系、呼吸系、消化器系、血液系、腎臓、肝臓、免疫、代謝、泌尿器系、神経系、皮膚系、精神系、又は他の主要な疾患の現在又は過去の病歴。スクリーニング前の5年以内のがんの既往歴(治療を受けた非黒色腫皮膚がんを除く)又は化学療法歴。
2.胃バイパス手術又は胃潰瘍若しくは十二指腸潰瘍などであるが、これらに限定されない、治験責任医師が治験薬の吸収、代謝、又は排泄を潜在的に変化させる可能性があると判断した、あらゆる外科的若しくは医学的状態又は既往歴。
3.嚥下障害、腸閉塞、又は穿孔の臨床的に有意な既往歴。
4.高カルシウム血症の臨床的に有意な既往歴。
5.鉄過剰の臨床的に有意な既往歴。
6.肝疾患の臨床的に有意な既往歴。
7.低リン血症、潰瘍性大腸炎、又は消化管出血の臨床的に有意な既往歴。
8.治験薬又はその賦形剤に対する禁忌及び/又はアレルギー若しくはアナフィラキシー反応既往歴。
9.以下の禁止薬剤のうちのいずれかを服用している:
a.-1日目前の14日以内に、あらゆる処方薬若しくは市販のマルチビタミンサプリメント、又はあらゆる非処方製品(ハーブ含有調製物を含むが、1日当たり最大2gのアセトアミノフェンを除く)。
b.-1日目前の14日以内又は5半減期以内(いずれか長い方)に、セントジョーンズワート(Hypericum perforatum)を含むシトクロムP450(CYP)酵素及び/又はP-糖タンパク質を阻害又は誘導することで知られているあらゆる薬物。
10.スクリーニング前の1年以内の薬物乱用歴、又はスクリーニング訪問前の3ヶ月以内のソフトドラッグ(マリファナなど)、又はスクリーニング前の1年以内のハードドラッグ(コカイン、フェンシクリジン[PCP]、クラック、ヘロインを含むオピオイド誘導体、及びアンフェタミン誘導体など)の使用歴。
11.スクリーニングの6ヶ月以内の14杯/週(1杯=ワイン5オンス[150mL]若しくはビール12オンス[360mL]若しくはハードリカー1.5オンス[45mL])を超える定期的なアルコール摂取歴、又はスクリーニング前の1年以内のアルコール乱用歴。
12.スクリーニング時又は-1日目の陽性薬物及びアルコール検査。
13.記録された既往歴による潜伏性又は活動性結核(TB)の既往歴。スクリーニングの8週間以内の風土病地域への曝露。
14.スクリーニングの6ヶ月以内のニコチン含有製品の日常使用。
15.治験薬投与前の7日間以内の、グレープフルーツ又はグレープフルーツジュース、アップル又はオレンジジュース、ポメロジュース、ザクロ、パイナップル、スターフルーツ、セビリア又はモロ(ブラッド)オレンジ製品、からし菜科の野菜(例えば、ケール、ブロッコリー、クレソン、コラードグリーン、コールラビ、芽キャベツ、マスタード)を含む任意の食物又はドリンク/飲料、並びにCYP酵素活性及び輸送体を調節することで知られている炭火焼肉の摂取。
16.B型肝炎表面抗原(HBsAg)又はC型肝炎ウイルス抗体(HCVab)検査結果が-1日目前の3ヶ月以内又はスクリーニング時に陽性である。
17.ヒト免疫不全ウイルス(HIV)抗体の検査結果が-1日目前の3ヶ月以内又はスクリーニング時に陽性である。
18.-1日目前の30日以内又は5半減期以内(いずれか長い方)に、別の臨床試験への参加又はいずれかの治験薬への曝露。
19.投与前の7日以内の血漿提供。初回投与前の30日以内の50mL~499mLの血液又は56日以内の499mLを超える血液の提供又は喪失(スクリーニング時に採取した量を除く)。
20.1日目前の2ヶ月以内にタトゥー又はボディピアス(耳のピアスを含む)を受けた、及び/又は感染のリスクをもたらす可能性のある開放創がある。
21.書面によるインフォームドコンセントを提供する能力、治験指示に従う能力を妨げるであろうと治験責任医師が考える状態、又は治験結果の解釈を混乱させる状態若しくは被験者を過度のリスクにさらす可能性がある状態を有する。
22.バダデュスタットを投与した臨床試験に以前に参加したことがある。
【0325】
評価基準
薬物動態 投与前PK血液サンプルを1日目に採取した。バダデュスタットの各投与(1日目、3日目、5日目、及び7日目)後、PK分析用の血液サンプルを、以下の時点:バダデュスタットの投与前、及び各投与の0.5、1、1.5、2、3、4、6、9、12、16、24、及び48時間後に採取した。投与後48時間のサンプルを、3日目、5日目、及び7日目のバダデュスタット投与前に採取した。以下のパラメータを計算し、分析した:AUC0-∞、AUC0-last、Cmax、Tmax、Kel、ClB、Vc/F、及びt1/2。
【0326】
安全性 安全性及び忍容性を、有害事象報告、12誘導心電図(ECG)の評価、バイタルサイン、身体検査及び臨床検査によって評価した。
【0327】
被験者の治療
被験者に、該当する場合、各投与日のほぼ同じ指定時間に投与した。治験薬を、座位でおよそ8オンス(240mL)の室温の水と投与した。被験者に、8オンスの水を全て飲むように指示し、錠剤/ジェルキャップを噛み砕かないように指示した。
【0328】
1日目、3日目、5日目、及び7日目に、バダデュスタット300mg(2×150mg錠剤)の単回経口投与を行った。セベラマー炭酸塩であるリン酸塩結合剤(1600mg、2×800mg錠剤)を、3日目、5日目、及び7日目に投与した。
【0329】
9日間の治療期間を以下のように行った:
・1日目:朝食を摂取した直後にバダデュスタットを投与した。
・2日目:休薬(治験薬投与なし)。
・3日目:朝食を摂取した直後に必要なリン酸塩結合剤と併用してバダデュスタットを投与した。
・4日目:休薬(治験薬投与なし)。
・5日目:絶食状態でバダデュスタットを投与し、1時間後にリン酸塩結合剤を投与した(リン酸塩結合剤投与後2分以内に朝食を提供しなければならず、提供した直後に摂取しなければならない)。
・6日目:休薬(治験薬投与なし)。
・7日目:朝食を摂取した直後にリン酸塩結合剤を投与し、リン酸塩結合剤を投与した2時間後にバダデュスタットを投与した。
・8日目:休薬(治験薬投与なし)。
・9日目:投与後48時間のPK血液サンプルを採取した後に被験者を治験ユニット(CRU)から退出させた。
【0330】
データ分析
バダデュスタット血漿中PKパラメータ所見を表6に要約する。バダデュスタットを単独で投与した際及びセベラマー炭酸塩と同時投与した際の血漿中濃度-時間プロファイルを
図1に提示する。
【表8】
【0331】
セベラマー炭酸塩とバダデュスタットの併用投与は、バダデュスタット単独投与と比較して、バダデュスタットのAUC
0-last、AUC
0-∞、及びC
maxを減少させたが、T
max及びt
1/2は同様のままであり、Cl
B及びV
cは増加した(表6及び
図1)。ANOVA(分散分析)は、バダデュスタットとリン酸塩結合剤の併用投与が、バダデュスタットのAUC
0-last及びAUC
0-∞を約37%減少させ、C
maxを約40%減少させたことを示した(
図2)。具体的には、バダデュスタットとセベラマー炭酸塩の併用に対する幾何LS平均AUC
0-∞は、113.98μg・h/mLであり、バダデュスタット単独に対する幾何LS平均比は、62.85%(90%CI、57.96~68.16)であった。しかしながら、セベラマー炭酸塩の1時間前又は2時間後にバダデュスタットを投与した場合、バダデュスタット曝露の変化は、80%~125%の事前に指定した無影響境界内であった。これは、セベラマー炭酸塩などのリン酸塩結合剤とのDDIが、起床直後、朝食前、又はリン酸塩結合剤の投与(食事とともに投与し続けることができる)の2時間後に、バダデュスタットを投与することによって克服できることを示唆する。
【0332】
実施例3:化合物1との有機アニオン輸送体の投与
治験責任医師は、化合物1を服用する患者に、必要に応じて有機アニオン輸送体を含む組成物(例えば、OAT1/OAT3及び/又はOATP1B1阻害剤)を処方することができる。
【0333】
健常な男性及び女性被験者において、第I相、非盲検、2パート試験を行い、シクロスポリン(パート1、第1群)、プロベネシド(パート1、第2群)、及びリファンピン(パート2)とバダデュスタットとの相互作用の可能性を評価した。
【0334】
この試験には、28日間のスクリーニング期間、6~10日間の臨床期間、及び最終投与後30日間(±2日間)の追跡期間が含まれた。
【0335】
スクリーニング期間後、全ての組み入れ基準を満たし、かつ以下に記載の除外基準に抵触しない被験者を、後続の臨床期間において無作為化した。
【0336】
組み入れ基準:
【0337】
被験者は、治験に参加するための以下の選択基準を満たしたものとした。
1.インフォームドコンセント時に、18~55歳(境界値も含む)の男性又は女性。
a.妊娠の可能性のある女性被験者は、授乳中でなく、スクリーニング時及び-1日目に血清妊娠検査陰性によって確認されるように妊娠していない必要があり、治験薬の初回投与の少なくとも4週間前から治験薬の最終投与後30日まで、有効な避妊法を使用し、かつ使用し続けることに同意しなければならない。
b.妊娠の可能性のない女性被験者は、外科的に不妊状態(例えば、子宮摘出術、両側卵管結紮術、卵巣摘出術)であるか、又は閉経後(スクリーニング時に卵胞刺激ホルモン[FSH]が40U/Lを超え、1年超にわたって月経なし)でなければならない。
c.妊娠の可能性のある女性被験者は、試験中及び治験薬の最終投与後少なくとも30日間、卵子を提供してはならない。
d.精管切除術を受けていない男性被験者は、治験薬の初回投与の少なくとも4週間前から治験薬の最終投与後90日まで有効な避妊法を使用し、試験中及び治験薬最終投与後少なくとも90日間、精子を提供しないことに同意しなければならない。
2.既往歴、身体検査、バイタルサイン評価、12誘導ECG、臨床検査評価、及び一般的な観察によって記録された治験責任医師の判断による健康評価。
a.スクリーニング時、臨床評価(臨床検査、ECG、バイタルサイン)が正常範囲外の異常又は逸脱を示した場合、治験責任医師の判断で1回繰り返してもよく、正常範囲外が続く場合、臨床的に有意ではなく、かつ治験参加に許容できると治験責任医師が判断しなければならない。
b.-1日目に、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、及び総ビリルビン値が正常範囲の上限内でなければならない。-1日目に正常範囲外であり、かつ治験責任医師により臨床的に有意ではないと判断された全ての他の臨床検査結果を繰り返してもよい。正常範囲外が続く結果は、治験責任医師により臨床的に有意ではなく、かつ試験参加に許容できると判断されなければならない。
3.ボディマス指数は18.0~30.0kg/m2であり、最低体重は女性の場合45kgであり、男性の場合50kgである(境界値も含む)。
4.本試験の手順及び要件を理解し、書面によるインフォームドコンセント及び保護対象保健情報の開示許可を提供する。
5.試験プロトコルの要件を遵守する意思及び能力がある。
【0338】
除外基準:
【0339】
以下のうちのいずれかを呈した被験者は、本試験には参加しなかったものとした。
1.治験責任医師が判断する、心血管系、脳血管系、肺、消化器系、血液系、腎臓、肝臓、免疫、代謝、泌尿器系、神経系、皮膚系、精神系、又は他の主要な疾患の現在又は過去の臨床的に有意な病歴。スクリーニング前の5年以内のがんの既往歴(治療を受けた非黒色腫皮膚がんを除く)又は化学療法歴。
2.胃バイパス手術又は胃潰瘍若しくは十二指腸潰瘍などであるが、これらに限定されない、治験責任医師が治験薬の吸収、代謝、又は排泄を潜在的に変化させる可能性があると判断した、あらゆる外科的若しくは医学的状態又は既往歴。
3.治験薬又はその賦形剤に対する禁忌及び/又はアレルギー若しくはアナフィラキシー反応既往歴。
4.以下の禁止薬剤のうちのいずれかを服用している:
a.-1日目前の14日以内に、あらゆる処方薬若しくは市販のマルチビタミンサプリメント、又はあらゆる非処方製品(ハーブ含有調製物を含むが、アセトアミノフェンを除く)。
b.-1日目前の14日以内又は5半減期以内(いずれか長い方)に、セントジョーンズワート(Hypericum perforatum)を含むシトクロムP450(CYP)酵素及び/又はP-糖タンパク質を阻害又は誘導することで知られているあらゆる薬物。
5.スクリーニング前の1年以内の薬物乱用歴。
6.スクリーニングの6ヶ月以内の14杯/週[1杯=ワイン5オンス(150mL)又はビール12オンス(360mL)又はハードリカー1.5オンス(45mL)]を超える定期的なアルコール摂取歴。
7.スクリーニング時又は-1日目の陽性薬物及びアルコール検査。
8.記録された既往歴による潜伏性又は活動性結核(TB)の既往歴。スクリーニングの8週間以内の風土病地域への曝露。
9.スクリーニング時にTB感染の可能性を示すQuantiFERON(登録商標)-TB陽性検査(記録された検査結果が2ヶ月以内に行われなかった場合)。
10.現在1日当たり10本以上のタバコを吸っている。
11.-1日目前の24時間の、グレープフルーツ又はグレープフルーツジュース、アップル又はオレンジジュース、ポメロジュース、スターフルーツ、セビリア又はモロ(ブラッド)オレンジ製品、及びからし菜科の野菜(例えば、ケール、ブロッコリー、クレソン、コラードグリーン、コールラビ、芽キャベツ、マスタード)を含む任意の食物又はドリンク/飲料、ポピーシードを含む食物(例えば、マフィン、ベーグル、及びケーキ)、並びに-1日目前の6日以内のCYP酵素活性及び輸送体を調節することで知られている炭火焼肉の摂取。
12.B型肝炎表面抗原(HBsAg)又はC型肝炎ウイルス抗体(HCVab)検査結果がスクリーニング時に陽性である。
13.ヒト免疫不全ウイルス抗体(HIVab)の検査結果がスクリーニング時に陽性である。
14.-1日目前の30日以内又は5半減期以内(いずれか長い方)に、別の臨床試験への参加又はいずれかの治験薬への曝露。
15.初回投与前の60日以内の血液又は7日以内の血漿の提供又は喪失(スクリーニング時に採取した量を除く)。
16.1日目前の2ヶ月以内にタトゥー又はボディピアス(耳のピアスを含む)を受けた、及び/又は感染のリスクをもたらす可能性のある開放創がある。
17.書面によるインフォームドコンセントを提供する能力、治験指示に従う能力を妨げるであろうと治験責任医師が考える状態、又は治験結果の解釈を混乱させる状態若しくは被験者を過度のリスクにさらす可能性がある状態を有する。
【0340】
被験者の治療
パート1(シクロスポリン及びプロベネシド)
【0341】
第1群-シクロスポリン
【0342】
被験者を、クロスオーバー設計において、バダデュスタット300mg単独投与及びバダデュスタット300mgを経口シクロスポリン500mgと組み合わせた投与の2つの投与順序(A:B又はB:A)のうちの1つに1:1の比率で無作為化した。治験薬を、少なくとも10時間の一晩絶食後、午前中に投与した。被験者は、投与後少なくとも4時間、絶食状態のままであった。
・治療A:バダデュスタット(300mg)を2×150mg錠剤として単回経口投与する。
・治療B:バダデュスタット(300mg)を2×150mg錠剤として単回経口投与し、同時にシクロスポリン(500mg)を5×100mgカプセルとして単回経口投与。
【0343】
1日目の午前中、被験者は初回治療(A又はB)を受けた。7日間の休薬後、被験者を第2期にクロスオーバーさせ、8日目に投与順序(A又はB)の2回目の治療を受けた。
【0344】
各々の投与日(1日目及び8日目)に、PK分析用の血液サンプルを投与後48時間まで採取した。最後の投与後48時間のPK血液サンプルを採取した後、10日目の午前中に被験者を治験ユニット(CRU)から退出させた。最終投与の30日±2日後に電話による追跡を行った。
【0345】
パート1、第2群(プロベネシド):
【0346】
1日目の午前中に、被験者に、少なくとも10時間の一晩絶食後にバダデュスタット(300mg)を2×150mg錠剤として単回経口投与し、投与後少なくとも4時間、絶食状態のままであった。2日間の休薬後(1~2日目)、被験者に、4日間(3~6日目)、プロベネシド500mg錠剤を1錠、1日2回経口投与した。プロベネシドを単独で投与した日(3、4、及び6日目)に、プロベネシドを、標準的な朝食の1時間前に、及び夕方の食事又はスナックの1時間前に、絶食状態で投与した。5日目に、プロベネシドを、少なくとも10時間の絶食後にバダデュスタット(2×150mg錠剤として300mg)の単回投与と同時投与した。被験者は、投与後少なくとも4時間、絶食状態のままであった。
【0347】
バダデュスタットを投与した日(1日目及び5日目)に、PK分析用の血液サンプルを投与後48時間まで採取した。加えて、バダデュスタット投与日に、プール尿サンプルを投与後24時間まで採取した。最後の投与後48時間のPK血液サンプルを採取した後、7日目の午前中に被験者をCRUから退出させた。最終投与の30日±2日後に電話による追跡を行った。
【0348】
パート2-リファンピン
【0349】
以下の試験デザインを、バダデュスタットとシクロスポリンとの間のDDIが観察された場合にのみ行うこととした。
【0350】
被験者を、クロスオーバー設計において、バダデュスタット300mg単独投与及びバダデュスタット300mgをリファンピン600mg(静脈)と組み合わせた投与の2つの投与順序(A:B又はB:A)のうちの1つに1:1の比率で無作為化した。治験薬を、少なくとも10時間の一晩絶食後、午前中に投与した。被験者は、投与後少なくとも4時間、絶食状態のままであった。
・治療A:バダデュスタット(300mg)を2×150mg錠剤として単回経口投与する。
・治療B:リファンピシンの30分間の単回静脈投与(600mg)、直後(5分以内)にバダデュスタット(2×150mg錠剤として300mg)の単回経口投与。
【0351】
リファンピン600mg(静脈)を、製品モノグラフに記載されるように30分間にわたって投与した。1日目の午前中、被験者は初回治療(A又はB)を受けた。7日間の休薬後、被験者を第2期にクロスオーバーさせ、8日目に投与順序(A又はB)の2回目の治療を受けた。
【0352】
各々の投与日(1日目及び8日目)に、PK分析用の血液サンプルを投与後48時間まで採取した。最後の投与後48時間のPK血液サンプルを採取した後、10日目の午前中に被験者をCRUから退出させた。最終投与の30日±2日後に電話による追跡を行った。
【0353】
データ分析
バダデュスタットを単独で投与した際及びシクロスポリンと同時投与した際の血漿中濃度-時間プロファイルを
図3~4に提示する。
【0354】
バダデュスタット単独での治療又はバダデュスタット+シクロスポリンでの治療後、バダデュスタットの主要パラメータAUC
last、AUC
inf、及びC
maxのT/R平均比の点推定値は、それぞれ、116.97%、116.89%、及び81.76%であった。バダデュスタット-O-グルクロニドの場合、主要パラメータAUC
last、AUC
inf、及びC
maxのT/R平均比は、それぞれ、114.04%、113.74%、及び86.63%であった。全体として、これらのデータは、バダデュスタットとシクロスポリンとの間の相互作用をほとんど又は全く示さなかった(表7)。
【表9】
【0355】
バダデュスタットを単独で投与した際及びプロベネシドと同時投与した際の血漿中濃度-時間プロファイルを
図5~6に提示する。
【0356】
バダデュスタット単独での治療又はバダデュスタット+プロベネシドでの治療後、バダデュスタットの主要パラメータAUC
last、AUC
inf、及びC
maxのT/R平均比の点推定値は、それぞれ、178.95%、182.13%、及び102.79%であった。これらのデータは、バダデュスタットを複数回用量のプロベネシドと投与したときにバダデュスタットへの曝露が2倍弱増加したことを示す。バダデュスタット-オグルクロニドの場合、T/R平均比は、それぞれ、224.05%、226.39%、110.38%であった(表8)。これらのデータも、複数回用量のプロベネシドと投与したときに約2倍の増加を示した。
【表10】
【0357】
バダデュスタットをシクロスポリン(OATP1B1及びBCRP阻害剤)と組み合わせて投与した場合、バダデュスタット又はバダデュスタット-O-グルクロニドのCmax値及びAUC値に臨床的に関連する変化はなかった。
【0358】
OATP1B1及びBCRP阻害剤であるシクロスポリンがバダデュスタットのPKを変化させなかったため、OATP1B1阻害剤(リファンピシン単回静脈投与)の更なる評価は必要なかった。
【0359】
バダデュスタットをプロベネシド(UGT及びOAT3阻害剤)と組み合わせて投与した場合、バダデュスタット及びバダデュスタットO-グルクロニドの両方のAUC値が約2倍増加した一方で、Cmax値は比較的変化しなかった。尿排泄は、バダデュスタット及びバダデュスタットO-グルクロニドの両方で減少した。
【0360】
バダデュスタット及びバダデュスタット-O-グルクロニドの両方のAUC値が同様に増加した(すなわち、親:代謝物比は変化しなかった)ため、バダデュスタットのAUCの増加がUGT阻害によるものではないと結論付けた。
【0361】
概して、バダデュスタットは、シクロスポリン又はプロベネシドでの治療中に被験者に耐容性があった。
【0362】
実施例4:化合物1とのジゴキシン又はアデホビルの投与
治験責任医師は、化合物1を服用している患者に、必要に応じてp-糖タンパク質輸送基質(例えば、ジゴキシン)及び/又はOAT1の基質(例えば、アデホビル)を含む組成物を処方することができる。
【0363】
健常な男性及び女性被験者において、第I相、非盲検、固定順序試験を行い、バダデュスタットをジゴキシン及び/又はアデホビルとのDDIの加害物として評価した。
【0364】
スクリーニング期間後、全ての組み入れ基準を満たし、かつ以下に記載の除外基準に抵触しない被験者を、後続の臨床期間において無作為化した。
【0365】
組み入れ基準:
【0366】
被験者は、治験に参加するための以下の選択基準を満たしたものとした。
1.インフォームドコンセント時に、18~55歳(境界値も含む)の男性又は女性。
a.妊娠の可能性のある女性被験者は、授乳中でなく、スクリーニング時及び-1日目に血清妊娠検査陰性によって確認されるように妊娠していない必要があり、スクリーニング訪問時の治験薬の初回投与の少なくとも4週間前から治験薬の最終投与後30日まで、有効な避妊法を使用し、かつ使用し続けることに同意しなければならない。
b.妊娠の可能性のない女性被験者は、外科的に不妊状態(例えば、子宮摘出術、両側卵管結紮術、卵巣摘出術)であるか、又は閉経後(スクリーニング時に卵胞刺激ホルモン[FSH]が40U/Lを超え、1年超にわたって月経なし)でなければならない。
c.妊娠の可能性のある女性被験者は、試験中及び治験薬の最終投与後少なくとも30日間、卵子を提供してはならない。
d.精管切除術を受けていない男性被験者は、治験薬の初回投与の少なくとも4週間前から治験薬の最終投与後90日まで有効な避妊法を使用し、試験中及び治験薬最終投与後少なくとも90日間、精子を提供しないことに同意しなければならない。許容される避妊薬の使用については、付録16.1.1を参照されたい。
2.既往歴、身体検査、バイタルサイン評価、12誘導ECG、臨床検査評価、及び一般的な観察によって記録された治験責任医師の判断による健康評価。
a.スクリーニング時、臨床評価(臨床検査、ECG、バイタルサイン)が正常範囲外の異常又は逸脱を示した場合、治験責任医師の判断で1回繰り返してもよく、正常範囲外が続く場合、臨床的に有意ではなく、かつ治験参加に許容できると治験責任医師が判断しなければならない。
b.-1日目に、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、及び総ビリルビン値が正常範囲の上限内でなければならない。-1日目に正常範囲外であり、かつ治験責任医師により臨床的に有意ではないと判断された全ての他の臨床検査結果を繰り返してもよい。正常範囲外が続く結果は、治験責任医師により臨床的に有意ではなく、かつ試験参加に許容できると判断されなければならない。
3.ボディマス指数は18.0~30.0kg/m2であり、最低体重は女性の場合45kgであり、男性の場合50kgである(境界値も含む)。
4.本試験の手順及び要件を理解し、書面によるインフォームドコンセント及び保護対象保健情報の開示許可を提供する。
5.試験プロトコルの要件を遵守する意思及び能力がある。
【0367】
除外基準
【0368】
以下のうちのいずれかを呈した被験者は、本試験には参加しなかったものとした。
1.治験責任医師が判断する、心血管系、脳血管系、肺、消化器系、血液系、腎臓、肝臓、免疫、代謝、泌尿器系、神経系、皮膚系、精神系、又は他の主要な疾患の現在又は過去の臨床的に有意な病歴。スクリーニング前の5年以内のがんの既往歴(治療を受けた非黒色腫皮膚がんを除く)又は化学療法歴。
2.胃バイパス手術又は胃潰瘍若しくは十二指腸潰瘍などであるが、これらに限定されない、治験責任医師が治験薬の吸収、代謝、又は排泄を潜在的に変化させる可能性があると判断した、あらゆる外科的若しくは医学的状態又は既往歴。
3.治験薬又はその賦形剤に対する禁忌及び/又はアレルギー若しくはアナフィラキシー反応既往歴。
4.以下の禁止薬剤のうちのいずれかを服用している:
a.-1日目前の14日以内に、あらゆる処方薬若しくは市販のマルチビタミンサプリメント、又はあらゆる非処方製品(ハーブ含有調製物を含むが、アセトアミノフェンを除く)。
b.-1日目前の14日以内又は5半減期以内(いずれか長い方)に、セントジョーンズワート(Hypericum perforatum)を含むシトクロムP450(CYP)酵素及び/又はp-糖タンパク質を阻害又は誘導することで知られているあらゆる薬物。
5.スクリーニング前の1年以内の薬物乱用歴。
6.スクリーニングの6ヶ月以内の14杯/週[1杯=ワイン5オンス(150mL)又はビール12オンス(360mL)又はハードリカー1.5オンス(45mL)]を超える定期的なアルコール摂取歴。
7.スクリーニング時又は-1日目の陽性薬物及びアルコール検査。
8.現在1日当たり10本以上のタバコを吸っている。
9.-1日目前の24時間の、グレープフルーツ又はグレープフルーツジュース、アップル又はオレンジジュース、ポメロジュース、スターフルーツ、セビリア又はモロ(ブラッド)オレンジ製品、及びからし菜科の野菜(例えば、ケール、ブロッコリー、クレソン、コラードグリーン、コールラビ、芽キャベツ、マスタード)を含む任意の食物又はドリンク/飲料、ポピーシードを含む食物(例えば、マフィン、ベーグル、及びケーキ)、並びに-1日目前の6日以内のCYP酵素活性及び輸送体を調節することで知られている炭火焼肉の摂取。
10.B型肝炎表面抗原(HBsAg)又はC型肝炎ウイルス抗体(HCVab)検査結果がスクリーニング時に陽性である。
11.ヒト免疫不全ウイルス抗体(HIVab)の検査結果が-1日目前の3ヶ月以内又はスクリーニング時に陽性である。
12.-1日目前の30日以内又は5半減期以内(いずれか長い方)に、別の臨床試験への参加又はいずれかの治験薬への曝露。
13.初回投与前60日以内の血液提供若しくは有意な血液喪失又は7日以内の血漿提供。
14.1日目前の2ヶ月以内にタトゥー又はボディピアス(耳のピアスを含む)を受けた、及び/又は感染のリスクをもたらす可能性のある開放創がある。
15.書面によるインフォームドコンセントを提供する能力、治験指示に従う能力を妨げるであろうと治験責任医師が考える状態、又は治験結果の解釈を混乱させる状態若しくは被験者を過度のリスクにさらす可能性がある状態を有する。
【0369】
被験者の治療
第1群-ジゴキシン
【0370】
1日目の午前中、被験者は、少なくとも10時間の一晩絶食後にジゴキシン0.5mgの単回経口投与を受けた。被験者は、投与後少なくとも4時間、絶食状態のままであった。12日間の休薬期間後、被験者は、13日目から7日間(13~19日目)、ジゴキシン600mgを1日1回受けた。単独で投与した場合(13~15日目及び17~19日目)、バダデュスタットを、朝食の少なくとも30分前に、午前中に投与した。16日目に、被験者は、少なくとも10時間の絶食後にバダデュスタット600mgの午前投与をジゴキシン0.5mgの単回経口投与とともに受けた。
【0371】
第2群-アデホビル
【0372】
1日目の午前中、被験者は、少なくとも10時間の一晩絶食後にアデホビル10mgの単回経口投与を受けた。被験者は、投与後少なくとも4時間、絶食状態のままであった。3日間の休薬期間後、被験者は、4日目から5日間(4~8日目)、ジゴキシン600mgを1日1回受けた。単独で投与した場合、バダデュスタットを、朝食の少なくとも30分前に、午前中に投与した。7日目に、被験者は、少なくとも10時間の一晩絶食後にバダデュスタット600mgの午前投与をアデホビル10mgの単回経口投与とともに受けた。
【0373】
データ分析
ジゴキシンを単独で投与した際及びバダデュスタットと同時投与した際の血漿中濃度-時間プロファイルを
図7a~7bに提示する。
【0374】
ジゴキシン単独での治療又はバダデュスタット+ジゴキシンでの治療後、ジゴキシンの主要パラメータAUC
last、AUC
inf、及びC
maxのT/R平均比の点推定値は、それぞれ、91.49%、91.37%、及び66.92%であった(表9)。ジゴキシンへの総曝露(
AUClast及びAUC
inf)は、ジゴキシンをバダデュスタットの複数回投与後に投与したときに、ジゴキシンを単独で投与したときと比較して変化しなかった。ジゴキシンC
maxは、ジゴキシンとバダデュスタットを同時投与したときに、約35%減少した。
【表11】
【0375】
アデホビルを単独で投与した際及びバダデュスタットと同時投与した際の血漿中濃度-時間プロファイルを
図8a~8bに提示する。
【0376】
アデホビル単独での治療又はバダデュスタット+アデホビルでの治療後、アデホビルの主要パラメータAUC
last、AUC
inf、及びC
maxのT/R平均比の点推定値は、それぞれ、114.74%、114.70%、及び95.15%であった。これらのデータは、アデホビルへの全身曝露が、アデホビルをバダデュスタットと投与したときに、アデホビルを単独で投与したときと比較して比較的変化しなかったことを示す。全体として、これらのデータは、バダデュスタットとアデホビルとの間の最小限の相互作用を示した(表10)。
【表12】
【0377】
バダデュスタットをp-糖タンパク質輸送体基質であるジゴキシンと組み合わせて投与した場合、ジゴキシンへの総曝露(AUClast及びAUCinf)は変化しなかった。ジゴキシンCmaxは、ジゴキシンとバダデュスタットを同時投与したときに、約35%減少した。FDAの2017年ガイダンスによると、曝露の変化が2倍未満である場合、軽度の薬物間相互作用とみなされる。これらのデータは、バダデュスタットがp-糖タンパク質の他の基質と最小限にしか相互作用しない可能性を示唆している。
【0378】
バダデュスタットをOAT1基質であるアデホビルと組み合わせて投与した場合、アデホビルへの全身曝露は比較的変化しなかったため、バダデュスタットとアデホビルとの間の相互作用は認められなかった。これらのデータは、バダデュスタットがOAT1の他の基質と最小限にしか相互作用しない可能性を示唆している。
【0379】
本発明のいくつかの実施形態を説明してきたが、本発明の化合物、方法、及びプロセスを利用する他の実施形態を提供するために、基本的な実施例を変更してもよいことが明白である。したがって、本発明の範囲が、本明細書において例として表されている特定の実施形態ではなく、添付の特許請求の範囲によって規定されるべきであることが理解されるであろう。
【0380】
現行の説明から、当業者であれば、本発明の必須特性を容易に確認することができ、その趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明の様々な変更及び修正を行い、様々な使用及び条件に適合することができる。
【0381】
本出願で引用される米国又は外国の全ての参考文献、特許、又は出願は、本明細書に記載されているかのように、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。何らかの矛盾が生じる場合、本明細書に文字通り開示される資料が優先される。
【国際調査報告】