(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】充電式セル構造
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20240305BHJP
H01M 4/58 20100101ALI20240305BHJP
H01M 4/52 20100101ALI20240305BHJP
H01M 4/50 20100101ALI20240305BHJP
H01M 4/48 20100101ALI20240305BHJP
H01M 4/38 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M4/58
H01M4/52
H01M4/50
H01M4/48
H01M4/38 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553053
(86)(22)【出願日】2022-03-03
(85)【翻訳文提出日】2023-10-31
(86)【国際出願番号】 US2022018739
(87)【国際公開番号】W WO2022187512
(87)【国際公開日】2022-09-09
(32)【優先日】2021-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522133071
【氏名又は名称】ゼロス エナジー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コーキロフ、パヴェル
(72)【発明者】
【氏名】ゴーラー、アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ベランジャー、セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】トルスキーヤー、ジョナサン
【テーマコード(参考)】
5H028
5H050
【Fターム(参考)】
5H028AA07
5H028BB01
5H028BB03
5H028CC01
5H028CC08
5H028CC11
5H050AA01
5H050AA19
5H050BA08
5H050BA11
5H050BA13
5H050CA02
5H050CA03
5H050CA05
5H050CB11
5H050CB12
5H050CB13
5H050DA19
5H050DA20
5H050GA23
(57)【要約】
充電式電池セルは、第1及び第2の電極材料を含む。複数のチャンバを有するチャンバアレイを画定する第1のコレクタは、互いに電気的に接続される。複数の第2の電極材料及び第2のコレクタは、複数のチャンバの各々の中に配置される。第1の電極材料は、第2の電極材料を取り囲むように第1のコレクタ内に配置され、第2の電極材料は、セパレータによって第1の電極材料から分離される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電式電池セルであって、
第1及び第2の電極材料と、
互いに電気的に接続された複数のチャンバを有するチャンバアレイを画定する第1のコレクタと、
前記複数のチャンバの各々の中に配置された複数の第2の電極材料及び第2のコレクタと、
を含み、
前記第1の電極材料が、前記第2の電極材料を取り囲むように前記第1のコレクタ内に配置され、前記第2の電極材料が、セパレータによって前記第1の電極材料から分離される、充電式電池セル。
【請求項2】
前記第1の電極材料が正極材料を含み、前記第2の電極材料が負極材料を含む、請求項1に記載の充電式電池セル。
【請求項3】
前記第1の電極材料が負極材料を含み、前記第2の電極材料が正極材料を含む、請求項1に記載の充電式電池セル。
【請求項4】
前記第1のコレクタが正極コレクタを含み、前記第2のコレクタが負極コレクタを含む、請求項1に記載の充電式電池セル。
【請求項5】
前記第1のコレクタが負極コレクタを含み、前記第2のコレクタが正極コレクタを含む、請求項1に記載の充電式電池セル。
【請求項6】
第2のコレクタが、前記複数のチャンバの各々から外側に延在する、請求項1に記載の充電式電池セル。
【請求項7】
前記複数のチャンバの各々が、多角形、長方形、円形、卵形、又は六角形の断面のうちの少なくとも1つを有する、請求項1に記載の充電式電池セル。
【請求項8】
前記複数のチャンバの各々が、少なくとも1つの共通の側壁を有する、請求項1に記載の充電式電池セル。
【請求項9】
前記第1の電極材料が、鉄酸塩(Fe(VI))、過マンガン酸塩(Mn(VII))、水酸化ニッケルNi(OH)
2、オキシ水酸化ニッケルNiOOH、二酸化マンガンMnO
2、ビスマス(III)酸化物Bi
2O
3と組み合わせた酸化銅(II)CuO、又は充電式電気化学システムで使用可能な任意の組み合わせ、及び銀/酸化銀などの金属又は金属含有化合物のうちの少なくとも1つを更に含む正極材料を含む、請求項1に記載の充電式電池セル。
【請求項10】
前記第2の電極材料が、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、鉄、及びリチウム、並びに純粋な酸化物形態若しくは塩形態の他の金属、又は充電式電気化学システムで使用することができるそれらの組み合わせを更に含む負極材料を含む、請求項1に記載の充電式電池セル。
【請求項11】
前記第2の電極材料が、鉄酸塩(Fe(VI))、過マンガン酸塩(Mn(VII))、水酸化ニッケルNi(OH)
2、オキシ水酸化ニッケルNiOOH、二酸化マンガンMnO
2、ビスマス(III)酸化物Bi
2O
3と組み合わせた酸化銅(II)CuO、又は充電式電気化学システムで使用可能な任意の組み合わせ、及び銀/酸化銀などの金属又は金属含有化合物のうちの少なくとも1つを更に含む正極材料を含む、請求項1に記載の充電式電池セル。
【請求項12】
前記第1の電極材料が、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、鉄、及びリチウム、並びに純粋な酸化物形態若しくは塩形態の他の金属、又は充電式電気化学システムで使用することができるそれらの組み合わせを更に含む負極材料を含む、請求項1に記載の充電式電池セル。
【請求項13】
前記複数のチャンバの各チャンバが、少なくとも1つの共通の側壁を共有する、請求項1に記載の充電式電池セル。
【請求項14】
1つ以上の第2のコレクタ間の電気的接続を切断するための電気的ヒューズを更に備える、請求項1に記載の充電式電池セル。
【請求項15】
第1及び第2の電極材料並びに第1及び第2のコレクタを有する充電式電池セルの製造方法であって、
セパレータ及び含まれた第2の電極材料及び第2のコレクタを、第1のコレクタアレイ内に配置することと、
前記第1のコレクタアレイを、前記第1の電極材料で充填することと、
前記第1のコレクタアレイを、封止することと、
前記第2のコレクタを、電気的に接続することと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記第1の電極材料が正極材料を含み、前記第2の電極材料が負極材料を含む、請求項15に記載の製造方法。
【請求項17】
前記第1の電極材料が負極材料を含み、前記第2の電極材料が正極材料を含む、請求項15に記載の製造方法。
【請求項18】
第1及び第2の電極材料並びに第1及び第2のコレクタを有する充電式電池セルの製造方法であって、
第1の電極材料を、第1の集電体として作用するチャンバ内に設置することであって、設置された第1の電極材料が中央空隙を画定する、設置することと、
第1の電極材料と接触するように前記中央空隙内にセパレータを配置することと、
前記セパレータを第2の電極材料で充填することと、
第2の集電体を前記第2の電極材料に挿入することと、
前記第1のコレクタアレイを封止することと、
前記第2のコレクタを電気的に接続することと、
を含む、方法。
【請求項19】
前記第1の電極材料が正極材料を含み、前記第2の電極材料が負極材料を含む、請求項18に記載の製造方法。
【請求項20】
前記第1の電極材料が負極材料を含み、前記第2の電極材料が正極材料を含む、請求項18に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年3月5日に出願された米国仮出願第63/157,447号の利益を主張し、その全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、電池及び電池用構成要素の分野に関する。より具体的には、本出願は、第1の電極材料を含む共通のコレクタアレイを含む電池又はセル及びそれらの製造に関し、コレクタアレイの各部材は、第2の電極材料及び第2の電極集電体を更に含む。
【背景技術】
【0003】
携帯機器、電気自動車、グリッド貯蔵及び他の用途のための高エネルギー密度を有する低コストの充電式電池システムに対する大きな需要がある。近年、リチウムイオン電池は、多くのエネルギー貯蔵用途に選択される一般的な技術となっている。残念なことに、重要な金属の入手可能性が限られており、Liイオン技術に関連する高いエネルギーコスト及び安全性リスクが、多くの用途におけるこれらの電池の広範な採用を制限している。低コスト材料を使用して容易に製造可能な電池が多くの用途に必要とされている。
【0004】
本開示の非限定的かつ非網羅的な実施形態は、以下の図を参照して説明され、特に明記しない限り、様々な図を通して同様の参照番号は同様の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1A】第1の電極材料を含む共通のコレクタアレイを示し、コレクタアレイの各部材は、第2の電極材料及び第2の電極集電体を含む。
【0006】
【
図1B】
図1Aに関して説明したような構造の製造のための様々な処理の実施形態を示す。
【
図1C】
図1Aに関して説明したような構造の製造のための様々な処理の実施形態を示す。
【
図1D】
図1Aに関して説明したような構造の製造のための様々な処理の実施形態を示す。
【0007】
【0008】
【
図3A】様々な形態のコレクタ及び負極コレクタ相互接続方式を示す。
【
図3B】様々な形態のコレクタ及び負極コレクタ相互接続方式を示す。
【
図3C】様々な形態のコレクタ及び負極コレクタ相互接続方式を示す。
【
図3D】様々な形態のコレクタ及び負極コレクタ相互接続方式を示す。
【0009】
【
図4】2つの隣接するチャンバが示されているコレクタアレイの代表的な部材である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
いくつかの実施形態では、開示された図及び明細書に関して説明したように、充電式電池セルは、第1及び第2の電極材料を含む。複数のチャンバを有するチャンバアレイを画定する第1のコレクタは、互いに電気的に接続される。複数の第2の電極材料及び第2のコレクタは、複数のチャンバの各々の中に配置される。第1の電極材料は、第2の電極材料を取り囲むように第1のコレクタ内に配置され、第2の電極材料は、セパレータによって第1の電極材料から分離される。
【0011】
より具体的には、
図1は、他の電池構成要素を取り囲む複数の電気的に接続されたチャンバ112を含む第1の電極(この実施形態では正極コレクタアレイ102)を含む充電式電池セルシステム100を示す。そのような電池構成要素は、第1の電極(例えば、正極材料110)及び第2の電極(例えば、負極材料120)を含み、両方とも電解質に部分的又は完全に浸漬することができる。この実施形態及び以下の実施形態では、対応する負極材料が正極材料で置き換えられる限り、正極材料を負極材料で置き換えることができることが理解されよう。
【0012】
負極材料は、負極コレクタ122を取り囲む。正極材料110及び負極材料120は、正極材料と負極材料との間を行き来する電解質媒介イオン流のみを可能にするセパレータ114によって互いに分離されている。いくつかの実施形態では、チャンバ112及び含まれるセパレータ114、負極材料122、及び負極コレクタ122の開放側面は、プラスチックなどの非導電性材料で完全に又は部分的に封止することができる。いくつかの実施形態では、セパレータ114、負極材料122、及び負極コレクタ122の開放上部側及び底部側を、チャンバ112内に配置する前に非導電性材料で別々に封止することができる。他の実施形態では、イオン交換材料、安定剤、添加剤、及び結合剤などの様々な材料を使用して、電池セルシステム性能を改善することができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、正極コレクタアレイ102の複数の電気的に接続されたチャンバ112を、多角形、円形、六角形、正方形、長方形、弓形の断面、規則的若しくは不規則な断面の他の適切な組み合わせ、又は接触若しくは電気的に接続可能なチャンバを含む断面を有するものとして定義することができる。いくつかの実施形態では、チャンバ112は、規則的又は不規則な形状であってもよく、互いに対して配置されてもよいが、一般に、少なくとも1つのチャンバ側壁を隣接するチャンバと少なくとも部分的に共有する。チャンバ112は、平均幅が5cm未満であるようなサイズにすることができ、1mm~1cmのセル幅が典型的である。同様に、チャンバ112の高さは、平均高さが20cm未満であり得、1mm~10cmのセル高さが典型的である。いくつかの実施形態では、チャンバ高さはチャンバ幅よりも大きくすることができるが、他の実施形態では、チャンバ高さはチャンバ幅よりも小さくすることができる。用途に応じて、チャンバの形状、寸法、幅、及び高さを変更することができ、コレクタアレイ102は異なる種類の接続されたチャンバを支持する。
【0014】
いくつかの実施形態では、正極コレクタアレイ102の複数の電気的に接続されたチャンバ112内に配置されたセパレータ114、負極材料122、及び負極コレクタ122を、円形、六角形、正方形、多角形、又は他の形状として定義することができる。いくつかの実施形態では、セパレータ114、負極材料122、及び負極コレクタ122の組み合わせは、規則的又は不規則な形状であり得る。いくつかの実施形態では、負極とセパレータとの組み合わせは、チャンバ112を充填することができる。他の実施形態では、セパレータ114、負極材料122、及び負極コレクタ122の組み合わせは、チャンバ112内に適合するようなサイズにすることができ、平均幅が1cm未満であるようなサイズにすることができ、1mm~1cmのセル幅が典型的である。同様に、セパレータ114、負極材料122、及び負極コレクタ122の組み合わせの高さは、平均幅が1cm未満であってよく、1mm~1cmのセル幅が典型的である。セパレータ114、負極材料122、及び負極コレクタ122の組み合わせの用途、形状、寸法、幅、及び高さに応じて変更することができ、コレクタアレイ102は、セパレータ114、負極材料122、及び負極コレクタ122の様々な組み合わせを保持することができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、負極コレクタは、負極材料120と接触して配置され、他の負極コレクタ122と電気的接続のために構成され得る1つ以上のワイヤ、ストリップ、箔、ピラー、又は他の導電性材料であり得る。いくつかの実施形態では、負極コレクタ122は、チャンバ112から著しく外側に延在することができ、負極コレクタ122の電気的相互接続を単純化する。負極コレクタ122をチャンバから外側に延在することはまた、負極コレクタ122の電気的相互接続のためのアクセスを依然として可能にしながら、チャンバ及び含まれた正極及び負極材料を封止又は被覆することを単純化することができる。
【0016】
図1Bは、
図1Aに関して説明したような構造のための1つの処理実施形態を示す。この実施形態では、第1及び第2の電極材料は、組成物に応じて、それぞれ負極若しくは正極、又は正極及び負極のいずれかとして作用することができる。工程130において、セパレータ、第2の電極材料、及び第2のコレクタのうちの少なくとも1つの組み合わせが、各チャンバ内に配置される。いくつかの実施形態では、セパレータ、第2の電極材料、及び第2のコレクタの組み合わせは、チャンバ内の設置前に非導電性材料で封止されるが、他の実施形態では、セパレータ及び第2のコレクタはチャンバ内に設置され、その後非導電性材料で封止する前に、第2の電極材料がセパレータ内に堆積される。工程132において、コレクタアレイは、粉末、スラリー、ゲル、又は液体の形態であり得る第1の電極材料で充填される。いくつかの実施形態では、第1の電極材料を振盪して粉末を沈降させるか、又は化学的若しくは熱処理して活性化することができる。工程134において、第1の電極材料の漏出を防止するために、コレクタチャンバが上部であり、底部で封止される。いくつかの実施形態では、第2のコレクタはコレクタチャンバから外側に延在し、工程136として第2のコレクタの接続を可能にする。連続プロセス製造の実施形態では、負極及び正極電極材料を含むコレクタアレイは、工程138において細分化されて、提供されるチャンバの数に応じて、所望の形状及び電力の電池を形成することができる。
【0017】
図1Cは、
図1Aに関して説明したような構造のための別の処理実施形態を示す。本実施形態では、チャンバ壁に隣接する集電体チャンバの内部に第1の電極(すなわち、正極又は負極の一方として作用する)が形成されている。いくつかの実施形態では、第1の電極形成プロセスは、圧力、熱、振盪、又はそのようなプロセスの組み合わせの適用を伴い得る。第1の電極塊の内部の空隙は、第1の電極形成が完了した後に除去することができる挿入されたテンプレートによって第1の電極形成プロセス中に維持される。空隙は、セパレータによって内部を裏打ちすることができる(工程142)。次いで、スラリー、ゲル又は固体粉末の形態であり得る第2の電極材料を、セパレータで裏打ちされた空隙の内側に注ぐ(工程144)。空隙が第2の電極材料で充填された後、第2の集電体を、第2の電極材料の内部に挿入する(工程146)。いくつかの実施形態では、第2のコレクタはコレクタチャンバから外側に延在し、工程148として第2のコレクタの接続を可能にする。連続プロセス製造の実施形態では、負極及び正極電極材料を含むコレクタアレイは、工程150において細分化されて、提供されるチャンバの数に応じて、所望の形状及び電力の電池を形成することができる。
【0018】
図1Dは、
図1Aに関して説明したような構造のための別の処理実施形態を示す。この実施形態では、第1の電極(すなわち、正極又は負極の一方として作用する)は、集電体チャンバの外側に、チャンバ形状寸法に応じてチューブ又はリング又はリングのセットの形状に形成される(工程160)。いくつかの実施形態では、第1の電極形成プロセスは、圧力印加、熱印加、振盪、又はそのようなプロセスの組み合わせを伴うことができる。次に、第1の電極のチューブ又はリングを集電体チャンバに挿入する(工程162)。第1の電極の内側の空隙を、セパレータによって内側に裏打ちすることができる(工程164)。次いで、スラリー、ゲル、又は固体粉末の形態であり得る第2の電極材料を、セパレータで裏打ちされた空隙の内側に注ぐ(工程166)。空隙を第2の電極材料で充填した後、第2の集電体を第2の電極材料の内部に挿入する(工程168)。いくつかの実施形態では、第2のコレクタをコレクタチャンバから外側に延在させ、工程170として第2のコレクタの接続を可能にする。連続プロセス製造の実施形態では、負極及び正極電極材料を含むコレクタアレイは、工程172において細分化されて、提供されるチャンバの数に応じて、所望の形状及び電力の電池を形成することができる。
【0019】
図2Aは、コレクタアレイ形状寸法200Aの1つの代替実施形態を示す。この実施形態では、長方形チャンバ202Aは、セパレータ、負極材料、及び負極コレクタの組み合わせによって形成された中心に配置された六角形の負極電極220Aを有する。理解されるように、各導電性長方形チャンバは、複数の隣接するチャンバと側壁を共有することができる。
【0020】
図2Bは、コレクタアレイ形状寸法200Bの1つの代替実施形態を示す。この実施形態では、三角形チャンバ202Bは、セパレータ、負極材料、及び負極コレクタの組み合わせによって形成された中央に配置された円形負極電極220Bを有する。理解されるように、各導電性三角形チャンバは、複数の隣接するチャンバと側壁を共有することができる。
【0021】
図2Cは、コレクタアレイ形状寸法200Cの1つの代替実施形態を示す。この実施形態では、卵形チャンバ202Cは、セパレータ、負極材料、及び負極コレクタの組み合わせによって形成された中央に配置された円形電極220Cを有する。理解されるように、各導電性チャンバは、複数の隣接するチャンバと側壁を部分的に共有することができる。
【0022】
図2Dは、コレクタアレイ形状寸法200Dの1つの代替実施形態を示す。この実施形態では、空隙チャンバ202Dは、セパレータ、負極材料、及び負極コレクタの組み合わせによって形成された中心に配置された円形電極220Dを有する。理解されるように、各導電性チャンバは、複数の隣接するチャンバと側壁を部分的に共有することができる。有利には、この構成は、
図2Cに関して示された構成よりも高密度のパッケージングを可能にする。
【0023】
図3Aは、
図2Aに関して説明したような、正極コレクタ及びセパレータ、負極材料、及び負極コレクタの組み合わせを使用するコレクタアレイ形状寸法300Aの1つの代替実施形態を示す。この実施形態では、長方形チャンバ302Aは、セパレータ、負極材料、及び負極コレクタの組み合わせによって形成された中心に配置された六角形の負極電極320Aを有する。理解されるように、各導電性長方形チャンバは、複数の隣接するチャンバと側壁を共有することができる。図示のように、正極コレクタは電気的入力/出力322Aを有し、負極コレクタは電気的入力/出力324Aを有するように互いに接続される。この実施形態では、接続は、電気的入力/出力324Aとなるワイヤに順に接続された複数の隣接する負極接続を介する。更に、電気的又は熱的ヒューズ322Aは、システム300Aの一部が故障した場合に電気的接続を切断するように配置することができる。
【0024】
図3Bは、
図2Bに関して説明したような、正極コレクタ及びセパレータ、負極材料、及び負極コレクタの組み合わせを使用するコレクタアレイ形状寸法300Bの1つの代替実施形態を示す。この実施形態では、三角形チャンバ302Bは、セパレータ、負極材料、及び負極コレクタの組み合わせによって形成された中央に配置された円形負極電極320Bを有する。理解されるように、各導電性三角形チャンバは、複数の隣接するチャンバと側壁を共有することができる。図示のように、正極コレクタは電気的入力/出力322Bを有し、負極コレクタは電気的入力/出力324Bを有するように互いに接続される。この実施形態では、接続は、電気的入力/出力324Bとなる単一の連続ワイヤを介する。
【0025】
図3Cは、
図2Cに関して説明したような、正極コレクタ及びセパレータ、負極材料、及び負極コレクタの組み合わせを使用するコレクタアレイ形状寸法300Cの1つの代替実施形態を示す。この実施形態では、卵形チャンバ302Aは、セパレータ、負極材料、及び負極コレクタの組み合わせによって形成された中央に配置された円形電極320Cを有する。理解されるように、各導電性チャンバは、複数の隣接するチャンバと側壁を部分的に共有することができる。図示のように、正極コレクタは電気的入力/出力324Cを有し、負極コレクタは電気的入力/出力322Cを有するように互いに接続される。この実施形態では、接続は、電気的入力/出力324Cとなる平行な導電性ストリップを介する。
【0026】
図3Dは、
図2Cに関して説明したような、正極コレクタ及びセパレータ、負極材料、及び負極コレクタの組み合わせを使用するコレクタアレイ形状寸法300Dの1つの代替実施形態を示す。この実施形態では、卵形チャンバ302Dは、セパレータ、負極材料、及び負極コレクタの組み合わせによって形成された中央に配置された円形電極320Dを有する。理解されるように、各導電性チャンバは、複数の隣接するチャンバと側壁を部分的に共有することができる。図示されているように、正極コレクタは電気的入力/出力324Dを有し、負極コレクタは、ワイヤ326Dを使用して導電性バスバーに接続され、ワイヤ326Dは、そのうちの1つ(又はいくつか)を流れる高電流の場合にヒューズとして機能し、セルの誤動作しているチャンバを切断する。この実施形態では、接続は、電気的入力/出力324Dとなる平行な導電性ストリップを介する。
【0027】
図4は、2つの隣接するチャンバが示されているコレクタアレイ(側壁402A、402B、及び402Cを有する)の代表的な部材である。システム400は、互いに隣接し、他の電池構成要素を取り囲む複数の電気的に接続されたチャンバ412A及び412Bを含む正極コレクタアレイ402を含む。そのような電池構成要素は、正極材料(410A、410B、410C)並びに負極材料420A及び420Cを含み、両方とも電解質に部分的又は完全に浸漬することができる。負極材料は、負極コレクタ422A及び422Bをそれぞれ取り囲む。正極材料及び負極材料は、正極材料と負極材料との間を行き来する電解質媒介イオン流のみを可能にするセパレータ414A及び414Bによって互いに分離されている。この実施形態では、チャンバ412A及び412Bの上部及び底部並びに含まれるセパレータ、負極材料、及び負極コレクタは、プラスチックなどの非導電性材料430A及び430Bで完全に封止される。この実施形態では、負極コレクタ422A及び422Bは、電気的入力/出力となる単一の連続ワイヤ432に接続される。
【0028】
図1の充電式電池セルシステム100、並びに
図1B~
図1D、
図2A~
図2D、
図3A~
図3D、及び
図4に関して説明した実施形態はまた、負極材料、正極材料、セパレータ、イオン交換材料、並びに以下に説明するような他の材料及び構成要素を含むことができる。
【0029】
正極及び負極コレクタ材料
負極及び正極電極材料の少なくとも一部は、それぞれの集電体と接触して設置される。集電体は、充電時に電極反応のために消費できるように電流を供給し、放電時に発生する電流を回収する役割を果たす。正極及び負極集電体は、典型的には、高い導電率を有し、電気化学的電池セル反応に対して不活性な材料から形成される。集電体は、プレート形態、箔形態、メッシュ形態、多孔質形態様スポンジ、パンチング若しくはスロット付き金属形態、又はエキスパンドメタル形態で成形されてもよい。集電体の材料としては、Fe、Ni、Ti、Cu、Al、Pt、V、Au、Zn、及びこれらの金属のうちの2種以上の合金、例えばステンレス鋼を挙げることができる。
【0030】
負極及び正極材料
負極及び正極材料は、薄膜として形成された材料、又はカラム、針、溝、若しくはスロットなどの構造化パターンを含むことができる。いくつかの実施形態では、電極は、緩く配置された材料、堅固に結合された若しくは焼結された構造、又は固体連続細孔構造であり得る。一実施形態では、負極及び正極材料は、粉末、顆粒、ペレット、又はナノ材料などの様々な形態で提供される粒子から形成することができる。特定の実施形態では、粒子は、約0.1μm~300μm、特定の実施形態では、約100μm~1μmの平均サイズ(直径又は最長寸法)を有することができる。いくつかの実施形態では、比較的均一な粒径を使用することができるが、他の実施形態では、不均一なサイズの材料を使用することができる。粒子を処理して有効表面積を増加させることができる。いくつかの実施形態では、粒子を加熱、溶融、融着、又は焼結によって処理して、粒子を互いに結合させることができる。他の実施形態では、粒子を一緒に保持するために追加の結合剤を使用することができる。
【0031】
負極組成物
負極組成物は、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、鉄、及びリチウムなどの広範囲の元素、並びに純粋な酸化物形態若しくは塩形態の他の金属、又は充電式電気化学システムで使用することができるそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、比較的純粋なZn、ZnO、又はZnとZnOとの混合物を使用することができる。充電式亜鉛負極の場合、電気化学的に活性な材料は、酸化亜鉛粉末又は亜鉛と酸化亜鉛粉末との混合物である。酸化亜鉛は、アルカリ電解質に溶解して亜鉛酸塩(Zn(OH)4
2-)を形成することができる。酸化亜鉛又は/及び亜鉛酸塩は、充電プロセス中に亜鉛金属に還元される。
【0032】
より広義には、負極材料は、以下を含むことができる。
【0033】
正極材料の酸化還元電位よりも低い酸化還元電位E0を有する任意の金属M、金属酸化物MOx又は金属塩。
【0034】
酸化還元電位E0が正極材料の酸化還元電位よりも低い任意の金属酸化物MOx。
【0035】
正極材料のE0よりも低いE0を有する任意の金属MM1M2...Mn、混合酸化物又は混合塩の任意の合金。
【0036】
正極材料の酸化還元電位よりも低い酸化還元電位E0を有するその構造中にアニオンを収容することができる任意のポリマー。
【0037】
上記の種類の材料のうちの1つ以上の任意の混合物。
【0038】
正極組成物
正極組成物は、金属又は金属含有化合物、例えば、鉄酸塩(Fe(VI))、過マンガン酸塩(Mn(VII))、水酸化ニッケルNi(OH)2、オキシ水酸化ニッケルNiOOH、二酸化マンガンMnO2、酸化ビスマス(III)Bi2O3と組み合わせた酸化銅(II)CuO、又は充電式電気化学システムで使用可能な任意の組み合わせ、及び銀/酸化銀などの広範囲の材料を含むことができる。
【0039】
より広義には、正極材料は、以下を含むことができる。
【0040】
負極材料の酸化還元電位よりも大きい酸化還元電位E0を有する任意の金属M。
【0041】
負極材料の酸化還元電位よりも大きい酸化還元電位E0を有する任意の金属酸化物MOx。
【0042】
負極材料のE0よりも大きいE0を有する任意の金属MM1M2...Mnの任意の合金。
【0043】
酸化還元電位が負極材料よりも大きい任意の金属フッ化物MFn。
【0044】
nが2以上であり、mが0以上である任意の合金MM1M2...MnOxFm。
【0045】
負極材料の酸化還元電位よりも大きい酸化還元電位E0を有するその構造中にアニオンを収容することができる任意のポリマー。
【0046】
CFxフッ化炭素(xは0~2である)。
【0047】
FeVI(六鉄)系電池システムを含むがこれに限定されない、電解質溶液中で安定でない塩。
【0048】
上記の種類の材料のうちの1つ以上の任意の混合物。
【0049】
いくつかの実施形態では、正極は、Bi、Cu、Sn、Pb、Ag、Co、Ni、Mg、K、Li、Al、Ca、Fe、Zn、V、Ba、Y、Ti、Srからなる群から選択される1つ以上の添加剤を含むことができ、添加剤は酸化物又は水酸化物の形態である。
【0050】
添加剤及び結合剤
電極の電気化学的、電気的、又は機械的特徴を改善するために、様々な添加剤を使用することができる。例えば、電気化学的性能は、電池セル性能を改善するために、少量の酸化コバルト、水酸化ストロンチウム(Sr(OH)2)、酸化バリウム(BaO)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、Fe3O4、フッ化カルシウム(CaF2)、又は酸化イットリウム(Y2O3)を組み込むか又はそれらでコーティングすることができるニッケル、水酸化ニッケル、オキシ水酸化ニッケル、又は酸化ニッケル含有正極材料を添加することによって改善することができる。別の例として、電極は、酸化ビスマス、酸化インジウム、及び/又は酸化アルミニウムなどの酸化物を含むことができる。酸化ビスマス及び酸化インジウムは、亜鉛と相互作用し、電極でのガス発生を低減することができる。酸化ビスマスは、乾燥負極配合物の約1~10重量%の濃度で提供され得る。酸化インジウムは、乾燥負極配合物の約0.05~1重量%の濃度で存在し得る。酸化アルミニウムは、乾燥負極配合物の約1~5重量%の間の濃度で提供され得る。
【0051】
特定の実施形態では、亜鉛電極材料の耐食性を改善するために1つ以上の添加剤が含まれてもよい。電解質中の亜鉛の溶解度を低下させるために含まれ得るアニオンの具体例としては、リン酸塩、フッ化物、ホウ酸塩、亜鉛酸塩、ケイ酸塩、シュウ酸塩又はステアリン酸塩が挙げられる。一般に、これらのアニオンは、乾燥電極配合物の約10重量%までの濃度で、電極中に存在し得る。
【0052】
また、伝導性等の電気特性を向上させる添加剤を添加することもできる。例えば、グラファイト、コークス、ケッチェンブラック及びアセチレンブラックなどの粉末状又は繊維状炭素を含む、様々な炭素質材料を電極添加剤として使用することができる。炭素質ナノ材料、例えば、単層又は多層カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、多層カーボンナノ粒子、カーボンナノウィスカー又はカーボンナノロッドも使用することができる。
【0053】
添加剤は、化学的に均質な成分として混合物又は溶液中に提供されてもよく、共沈殿されてもよく、又は粒子上にコーティングされてもよい。
【0054】
一実施形態では、結合剤を添加して電極の機械的強度を高め、電極の屈曲又は亀裂を低減することによって、機械的特性を改善することができる。結合剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリイソブチレン(PIB)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリル酸、ポリ酢酸ビニル、カルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリエチレンオキシド(PEO)ポリブチレンテレフタレート(PBT)又はポリアミド、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの高分子材料、ポリジメチルシロキサン(PDMS)などのシリコーン系エラストマー又は天然ゴム(NR)、エチレンプロピレンゴム(EPM)若しくはエチレンプロピレンジエンモノマーゴム(EPDM)などのゴム材料が挙げられる。
【0055】
イオン交換材料
いくつかの実施形態では、イオン交換材料は、セパレータ又は改善する添加剤として使用することができる。イオン交換材料は、一般に、カチオン又はアニオンのいずれかの輸送に対して選択的である。アニオン選択性イオン交換材料は、単独で使用することもできるし、カチオン選択性イオン交換材料を単独で使用することもできるし、これらを組み合わせて使用することもできる。一実施形態では、イオン交換材料は、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムを含むスルホン酸、又はポリAMPSなどの強酸性基が結合した有機又は高分子材料であり得る。あるいは、イオン交換材料は、トリメチルアンモニウム基(例えば、polyAPTAC)を含む第四級アミノ基などの強塩基性基が結合した有機又は高分子材料であり得る。別の実施形態では、イオン交換材料は、カルボン酸基を含む弱酸性基が結合した有機又は高分子材料であり得る。あるいは、イオン交換材料は、典型的には第一級、第二級及び/又は第三級アミノ基(例えば、ポリエチレンアミン)を特徴とする、結合した弱塩基性基を有する有機又は高分子材料であり得る。
【0056】
イオン交換材料は、完全に又は部分的に埋め込まれたポリマー、粒子混合物、膜又はフィルム、微粒子又はビーズ、コーティング、又はセパレータとして電極材料と相互作用するように提供することができる。負極単独、正極単独、又は負極若しくは正極の両方を、それぞれの電極に対して同じ又は異なる材料であり得るイオン交換材料と相互作用するように構成することができる。
【0057】
電解質
電解質は、電極間及び電極細孔内部の高いイオン伝導性を維持するために使用される。電解質は、水性系、溶媒系、固体ポリマー、又はイオン液体であり得る。いくつかの実施形態では、電解質は半固体又はゲル化することができる。ゲル化剤は、電解質溶液の液体を吸収して膨潤するポリマーを含むことができる。そのようなポリマーは、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、及びポリアクリルアミドを含むことができる。
【0058】
別の実施形態では、電解質は固体電解質であり得る。別の実施形態では、電解質は、吸収された水を有する固体材料として形成することができる。例えば、KOHは湿った空気に曝される。
【0059】
別の実施形態では、電解質は、「イオン交換材料」のセクションで上述したようなイオン交換材料から形成することができる。
【0060】
一実施形態では、水性アルカリ電解質を使用することができる。アルカリ電解質は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ、又は臭化亜鉛などの無機塩を含むことができる。
【0061】
セパレータ
セパレータは、イオン交換膜又はフィルムと置き換えられてもよい(又は併用されてもよい)。従来の多孔質ポリマーセパレータ又はイオン交換セパレータは、ポリマー膜又はフィルムとして提供され得る。典型的には、セパレータは、負極と正極との間に配置され、負極及び正極が内部電気的短絡を有するのを防止するように作用する。更に、セパレータは、特に異なる正極及び負極電解質溶液を使用する電池システムに対して、電解質を保持するように作用することもできる。セパレータは、一般的に、電解質溶液に対して化学的に安定でありながらイオンを通過させることが可能な多孔質構造又は多数の孔を有する構造を有することが求められる。いくつかの実施形態では、電極又は電極を集合的に形成する粒子をコーティングすることによって、1つ以上のセパレータを形成することができる。セパレータは、ガラス、ポリプロピレン、ポリエチレン、樹脂、ポリアミドからなる微細孔構造を有する不織布や膜から形成することができる。また、セパレータは、金属酸化フィルムで構成されていてもよいし、複数の孔を有する金属酸化物と組み合わされた樹脂フィルムで構成されていてもよい。
【0062】
処理
一実施形態では、様々な負極及び正極材料、並びに添加剤及び結合剤が乾燥しながら混合される乾式混合プロセスを実施することができる。混合物を電池ケーシング内に設置する前に、加熱、融合、圧縮、及び溶融イオン交換材料などの任意選択の処理工程を行うことができる。他の実施形態では、混合物を電池ケーシング内に設置した後に、加熱、融合、圧縮、及び溶融イオン交換材料などの任意の処理工程を実施することができる。電池ケーシングを封止する前に、液体電解質を添加することができる。
【0063】
他の実施形態によれば、代わりに湿式混合プロセスを利用することができる。湿式混合プロセスでは、1つ以上の溶媒が混合プロセスの開始時又は混合プロセス中に添加されるか、あるいは、1つ以上の成分が分散液又は懸濁液の形態で使用され得る。(1つ又は複数の)溶媒は、その後、混合プロセスの後又は製造プロセスの後の状態で除去することができる。
【0064】
他の実施形態、実施形態では、様々な個々の構成要素は、異なる方法を使用して作製されてもよい。例えば、電極の一部は乾式混合プロセスを使用して製造することができ、電極の一部は湿式プロセスを使用して製造することができる。更に別の実施形態によれば、異なる構成要素のための乾式及び湿式プロセスの両方を組み合わせることが可能である。
【0065】
電池及びセル設計
電池セルは、いくつかの異なる形状及びサイズのいずれかを有することができる。例えば、コイン、角柱、パウチ又は円筒形セルを使用することができる。円筒形セルは、従来の18650、26650、AAAセル、AAセル、Aセル、Cセル、又はDセルなどの直径及び長さを有することができる。いくつかの用途では、カスタムセル設計を使用することができる。例えば、角柱セル設計は、ポータブル又は車両用途、並びに様々な非ポータブル用途に使用される様々なより大きなフォーマットのセルに使用することができる。電池パックは、特定の工具又は用途のために特別に設計することができる。電池パックは、電気機器における信頼性の高い充電及び放電を可能にするために、1つ以上の電池セル並びに適切なケーシング、接点、及び導電性ラインを含むことができる。
【0066】
前述の説明では、その一部を形成し、本開示を実施することができる特定の例示的な実施形態を例示として示す添付の図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本明細書に開示された概念を実施することを可能にするために十分に詳細に記載されており、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な開示された実施形態に修正を加えることができ、他の実施形態を利用することができることを理解されたい。したがって、前述の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。
【0067】
本明細書を通して、「一実施形態」、「実施形態」、「一例」、又は「例」への言及は、実施形態又は例に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な箇所における「一実施形態では」、「実施形態では」、「一例」、又は「例」という語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態又は例を指すとは限らない。更に、特定の特徴、構造、データベース、又は特性は、1つ以上の実施形態又は例において任意の適切な組み合わせ及び/又は部分的な組み合わせで組み合わせることができる。更に、本明細書で提供される図面は、当業者への説明目的のためのものであり、図面は必ずしも縮尺通りに描かれていないことを理解されたい。
【0068】
前述の説明及び関連する図面に提示された教示の利益を有する当業者は、本発明の多くの修正及び他の実施形態を想起するであろう。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、修正及び実施形態は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されていることが理解される。本発明の他の実施形態は、本明細書に具体的に開示されていない要素/工程の不在下で実施され得ることも理解される。
【国際調査報告】