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特表2024-510934キラルホスホロチオエートの合成のためのキラルシントン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】キラルホスホロチオエートの合成のためのキラルシントン
(51)【国際特許分類】
   C07F 9/58 20060101AFI20240305BHJP
   A61K 31/7125 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
C07F9/58 Z CSP
A61K31/7125
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553057
(86)(22)【出願日】2022-03-16
(85)【翻訳文提出日】2023-08-31
(86)【国際出願番号】 EP2022056805
(87)【国際公開番号】W WO2022194924
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】21163531.3
(32)【優先日】2021-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503385923
【氏名又は名称】ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ヨンダ
(72)【発明者】
【氏名】ウー リンリン
【テーマコード(参考)】
4C086
4H050
【Fターム(参考)】
4C086EA16
4C086NA03
4H050AA01
4H050AA03
4H050AB20
4H050AB81
(57)【要約】
本発明は、キラルホスホロチオエートを製造する一般合成方法のためのシントンとして有用な式(I)の化合物、それらの調製、及びP-キラルホスホロチオエートを製造するための堅牢な大規模プロセスにおけるそれらの使用に関する。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、
【化1】
(式中、
nは、0、1、2、3、4、5、又は6であり、
各Xは、
結合、
ハロゲン、-CN、C1-3アルキル又は-O-C1-3アルキルで置換されていてもよい-(CH2m-、
O、
NRN及び

からなる群より選択され、
mは1、2、3、又は4であり、
Nは、H又はC1-3アルキルであり、
1は、H、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、-CH2-C3-10シクロアルキル、アリール、-CH2-アリール、及びヘテロアリールからなる群より選択され、
各アリール基及びヘテロアリール基は、ハロゲン、-CN、C1-3アルキル及び-O-C1-3アルキルからなる群より選択される1~3個の置換基で置換されていてもよく、
2は、C1-4アルキル、-C(O)OR6、及びアリールからなる群より選択され、
2の各アルキル基は、ハロゲン、シアノ、又はトリメチルシリルで置換されていてもよく、
6は、C1-4アルキルからなる群より選択され、
3は、H、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、-CH2-C3-10シクロアルキル、アリール、-CH2-アリール、及びヘテロアリールからなる群より選択され、
各アリール基及びヘテロアリール基は、ハロゲン、-CN、C1-3アルキル及び-O-C1-3アルキルからなる群より選択される1~3個の置換基で置換されていてもよく、
4及びR5は、それぞれ互いに独立して、H、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、-CH2-C3-10シクロアルキル、アリール、-CH2-アリール、及びヘテロアリールからなる群より選択され、
各アリール基及びヘテロアリール基は、ハロゲン、-CN、C1-3アルキル及び-O-C1-3アルキルからなる群より選択される1~3個の置換基で置換されていてもよい)
又はそれらの互変異性体、立体異性体若しくは塩。
【請求項2】
nが、0又は1であり、
Xが、結合、O、NH、NCH3及びSからなる群より選択され、
1が、H、C1-4アルキル、-CH2-C3-6シクロアルキル、及び-CH2-フェニルからなる群より選択され、
フェニル基は、ハロゲン、-CN、CH3及び-O-CH3からなる群より選択される1~3個の置換基で置換されていてもよく、
2が、1つ又は複数のF、又はCl、Br、シアノ、及びトリメチルシリルより選択される1つの置換基で置換されていてもよいC1-4アルキルからなる群より選択され、
3が、H及びC1-3アルキルからなる群より選択され、
4が、H及びC1-3アルキルからなる群より選択され、
5が、H及びC1-3アルキルからなる群より選択される、
請求項1に記載の式(I)の化合物、
又はそれらの互変異性体、立体異性体若しくは塩。
【請求項3】
nが、0又は1であり、
Xが、結合、O、NH、及びSからなる群より選択され、
1が、H及びC1-4アルキルからなる群より選択され、
2が、1つ又は複数のFで置換されていてもよいC1-3アルキルからなる群より選択され;
3が、H及びC1-3アルキルからなる群より選択され、
4が、H及びC1-3アルキルからなる群より選択され、
5が、H及びC1-3アルキルからなる群より選択される、
請求項2に記載の式(I)の化合物、
又はその鏡像異性体、ジアステレオ異性体若しくは塩。
【請求項4】
nが、0であり、
Xが、結合、及びOからなる群より選択され、
1が、H及びC1-4アルキルからなる群より選択され、
2が、1~3個のFで置換されていてもよいC1-2アルキルからなる群より選択され、
3が、Hからなる群より選択され、
4が、Hからなる群より選択され、
5が、Hからなる群より選択される、
請求項3に記載の式(I)の化合物、
又はその鏡像異性体、ジアステレオ異性体若しくは塩。
【請求項5】
nが、0であり、
Xが、結合、及びOからなる群より選択され、
1が、H及びC1-4アルキルからなる群より選択され、
2が、C1-2アルキルからなる群より選択され、
3が、Hからなる群より選択され、
4が、Hからなる群より選択され、
5が、Hからなる群より選択される、
請求項4に記載の式(I)の化合物、
又はその鏡像異性体、ジアステレオ異性体若しくは塩。
【請求項6】
nが、0であり、
Xが、結合、及びOからなる群より選択され、
1が、H及びC1-4アルキルからなる群より選択され、
2が、CH3からなる群より選択され、
3が、Hからなる群より選択され、
4が、Hからなる群より選択され、
5が、Hからなる群より選択される、
請求項5に記載の式(I)の化合物、
又はその鏡像異性体、ジアステレオ異性体若しくは塩。
【請求項7】
下記式を有する、請求項1に記載の化合物、
【化2】
(式中、
Xは、Oであり、
1は、H及びC1-4アルキルからなる群より選択され、
2は、CH3であり、
3は、Hである)
又はその鏡像異性体、ジアステレオ異性体若しくは塩。
【請求項8】
Xが、Oであり、
1が、C1-3アルキルであり、R2が、CH3であり、
3が、Hである、
請求項7に記載の式(I.2)の化合物、
又はその鏡像異性体、ジアステレオ異性体若しくは塩。
【請求項9】
式I.2a又はI.2bに示される構造及び立体化学を有する、請求項7又は8のいずれか1項に記載の化合物。
【化3】
【請求項10】
【化4】
より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
キラルホスホロチオエートの調製のための、請求項1~10のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項12】
キラルホスホロチオエートが二量体である、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
キラルホスホロチオエートが四量体である、請求項11に記載の使用。
【請求項14】
請求項1~10のいずれか1項に記載の化合物をシントンとして使用することを特徴とする、キラルホスホロチオエートの調製のための方法。
【請求項15】
請求項14に記載のキラルホスホロチオエートの調製のための方法であって、
【化5】
a)第1のヌクレオシドを、活性化剤の存在下で請求項1~10のいずれか1項に記載の化合物とカップリングさせ、
b)フルオレニルメチル基をステップa)から得られた生成物から除去し、
c)ステップb)から得られた生成物を第2のヌクレオシドとカップリングさせ、
d)1(-2-ピリジニル)エチル基を、ステップc)から得られた生成物から除去し、キラルホスホロチオエートを得る
ことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項10に記載の化合物が、活性化剤の存在下で使用される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ステップa)において、DMOCPが活性化剤として使用される、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
ステップb)において、塩基を使用してフルオレニルメチル基を除去する、請求項15~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
塩基が、DBU、TMG、t-BuNH2及びトリアルキルアミンからなる群より選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
ステップc)において、DMOCPが活性化剤として使用される、請求項15~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
1(-2-ピリジニル)エチル基が、水素化条件下で除去される、請求項15~20のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キラルホスホロチオエートを製造する一般合成方法のためのシントンとして有用な新規の化合物、それらの調製、及びP-キラルホスホロチオエートを製造するための堅牢な大規模プロセスにおけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
P-キラルホスホロチオエート結合は、生物学的に活性なオリゴデオキシリボヌクレオチド及びオリゴリボヌクレオチドに広く挿入されている。従来、P-キラルホスホロチオエートは、以下を含むいくつかのステップで合成されていた。
(1)P(III)ベースのホスホラミダイトと第1のヌクレオシドとのカップリング、
(2)第2のヌクレオシドとのカップリング、
(3)硫化、及び
(4)脱保護。
スキームA:P-キラルホスホロチオエートの合成のための方策
【0003】
【化1】
この方策は、T. Wada et al., J. Am.Chem.Soc., 2003, 125, 8307-8317; T. Wada et al., J. Am.Chem.Soc., 2008, 130, 16031-16037; T. Wada et al., J. Org.Chem., 2016, 81, 2753-2762;国際公開第2015/107425号パンフレットによって例示されているように、広く考察されている。ただし、この方法は、P(III)及びキラル補助剤の多段階合成に関連する不安定な中間体を含む。より最近では、P(III)中間体を介したキラルホスホロチオエート結合を持つオリゴヌクレオチドの触媒的不斉合成及び立体分岐合成が報告された(Aaron L. Featherston, Yongseok Kwon, Matthew M. Pompeo, Oliver D. Engl, David K. Leahy, Scott J. Miller Science, 2021, 371, 702-707)。
スキームB:Wadaらによるキラルジチミジンホスホロチオエートの合成
(Ph=フェニル、THF=テトラヒドロフラン、OTf=トリフルオロメチルスルホニル、Th=チミジン、DMTr=ジメトキシトリチル、Ac=アセチル、Py=ピリジン、TEAB=重炭酸トリエチルアンモニウム)
【0004】
【化2】
【0005】
P(III)-オキサチオホスホランを含むPS-オリゴ(オリゴヌクレオチドのホスホロチオエート類似体)の、立体化学的に制御された化学合成のための最初の方法が、Stecらによって開発された(Wojciech J. Stec, Andrzej Grajkowski, Anna Kobylafiska, Boledaw Karwowski, Maria KozioHciewicz, Konrad Misiura, Andnej Okruszek, Andrzej Wilk, Piotr Guga, and Mdgonata Boczkowska, J. Am.Chem.Soc.1995, 117, 12019-12029)。ただし、この手法は規模が制限されており、カップリング効率が低い。一方、この方策には、1つのヌクレオシドを犠牲にしてキラルP(V)-オキサチオホスホランスルフィドを分割することが含まれる。
【0006】
スキームC:StecらによるPS-オリゴの立体化学的に制御された合成
(DMTr=ジメトキシトリチル、iPr=イソプロピル、DBU=1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、R=Ac又はR=-COCH2CH2CO-LCA-CPG、B’=Thy、AdeBz、CytBz又はGuaiBu,DPC、B=Thy、Ade、Cyt又はGua、R=Ac又はR=-COCH CH CO-LCA-CPG、LCA CPG=長鎖アルキルアミン制御細孔ガラス)
【0007】
【化3】
【0008】
上記の問題を克服するために、リン-硫黄をジアステレオ選択的に導入するための、新規のベンチ安定(bench-stable)キラルP(V)ベース試薬、略称Ψ(PSI=phosphorus-sulfur incorporation(リン硫黄組み込み))が最近発明され(Kyle W. Knouse, Justine N. deGruyter, Michael A. Schmidt, Bin Zheng, Julien C. Vantourout, Cian Kingston, Stephen E. Mercer, Ivar M. Mcdonald, Richard E. Olson, Ye Zhu, Chao Hang, Jason Zhu, Changxia Yuan, Qinggang Wang, Peter Park, Martin D. Eastgate, Phil S. Baran Science 2018, 361, 1234-1238)、これにより、プロセス効率が大幅に向上し、簡単な操作及び容易なスケールアップなどの大きな利点が得られる。この試薬系の適用は、保護されたヌクレオシドモノマーから単一のジアステレオ異性体として50~88%の収率で調製された、ジデオキシリボヌクレオシドの立体制御された合成で実証された。この化学反応では、オリゴヌクレオチド鎖の伸長に影響を与える唯一の塩基として、非常に強塩基のDBU(アセトニトリル中Pka=24.34の共役酸)が必要であったため、ヌクレオシド、特にリボヌクレオシドの保護基の選択の柔軟性が制限される。さらに、オリゴリボヌクレオチドの合成は完全には実証されなかった。
【0009】
スキームD:試薬Ψの合成及び使用
(DCM=ジクロロメタン、Et=エチル、Me=メチル、TFA=トリフルオロ酢酸、B=Thy、AdeBz、CytBz又はGuaiBu、B’=Thy、AdeBz、CytBz、又はGuaiBu、R=TBDPS=tert-ブチルジフェニルシリル)
【0010】
【化4】
【0011】
2004年、Stawinski及び同僚らは、ピリジンN-オキシドの分子内求核触媒作用に基づくP(V)ベースの中間体の操作によるP-キラルホスホロチオエートの立体特異的合成のための代替手法を開発した(J. Stawinski et al., Chem.Comm.2004, 290-291;国際公開第2006/066260号パンフレット)。この方策により、カップリング反応速度が改善され、P中心でのエピマー化が防止された。しかし、この手法では、1つのヌクレオシドを犠牲にしてジアステレオ異性体中間体を分離するためにカラムクロマトグラフィーが必要であり、第2のP-キラルホスホロチオエートを導入するためのさらなる伸長を非現実的なものとする。さらに、4-メトキシ-2-ピリジンメタノール-1-オキシドの大規模な生産及び反応条件下でのその安定性は大きな課題を提示し、この手法の広範な適用を妨げている。
【0012】
P-キラルホスホロチオエートの形成に関連する前述の制限及び他の課題に対処して回避するために、堅牢で費用効果の高い方法の開発が、ヌクレオチドの分野で依然として非常に望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、P-キラルホスホロチオエートの合成に有用な新規の化合物、特に新規のシントンを提供することである。
本発明のさらなる目的は、P-キラルホスホロチオエートの大規模合成に有用な新規の化合物、特に新規のシントンを提供することである。
本発明のさらなる目的は、新規の化合物を使用して、オリゴデオキシリボヌクレオチド及びオリゴリボヌクレオチドなどの立体富化ヌクレオチドの合成のための方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、新規の化合物、特にP-キラルシントンの合成のための方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、1つ又は複数のP-立体中心を含む新規の化合物の合成のための方法に好適な出発化合物及び/又は中間化合物を提供することである。
本発明のさらなる目的は、以上の説明、及び以下の説明、及び実施例によって当業者に明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の範囲内で、驚くべきことに、以下に記載する一般式(I)の新規の化合物が、従来技術の問題を克服するキラルシントンとして有用であることが判明した。これらは安定であり、キラルアルコール上にフルオレニルメチル基及びピリジニル基を有するP(V)ベースの直交保護されたキラルホスホロチオエートであることを特徴とする。これらは、立体選択的及び予測可能な方法で立体富化ヌクレオチドを正確に構築することを可能にし、同時にカップリング順序を変更するか、又はシントンの他方のジアステレオ異性体に切り替えることによって、いずれか一方のジアステレオ異性体を調製する可能性を提供する。結果として、P-立体中心ヌクレオチド(P-stereogenic nucleotide)のいずれのジアステレオ異性体も簡単な方法で、すなわちカラムクロマトグラフィーを用いずに調製できる。これにより、特許請求されているシントンが大規模な使用に適したものとなる。
第一の態様では、本発明は式(I)の化合物、
【0015】
【化5】
(式中、
nは、0、1、2、3、4、5、又は6であり、
各Xは、
結合、
ハロゲン、-CN、C1-3アルキル又は-O-C1-3アルキルで置換されていてもよい-(CH2m-、
O、
NRN及び

からなる基X-G1より選択され、
mは1、2、3、又は4であり、
Nは、H及びC1-3アルキルからなる基RN-G1より選択され、
1は、H、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、-CH2-C3-10シクロアルキル、アリール、-CH2-アリール、及びヘテロアリールからなる基R1-G1より選択され、
各アリール基及びヘテロアリール基は、ハロゲン、-CN、C1-3アルキル及び-O-C1-3アルキルからなる群より選択される1~3個の置換基で置換されていてもよく、
2は、C1-4アルキル、-C(O)OR6、及びアリールからなる基R2-G1より選択され、
2の各アルキル基は、ハロゲン、シアノ、及びトリメチルシリルから独立して選択される1つ又は複数の置換基で置換されていてもよく、
6は、C1-4アルキルからなる群より選択され、
3は、H、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、-CH2-C3-10シクロアルキル、アリール、-CH2-アリール、及びヘテロアリールからなる基R3-G1より選択され、
各アリール基及びヘテロアリール基は、ハロゲン、-CN、C1-3アルキル及び-O-C1-3アルキルからなる群より選択される1~3個の置換基で置換されていてもよく、
4及びR5は、それぞれ互いに独立して、H、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、-CH2-C3-10シクロアルキル、アリール、-CH2-アリール、及びヘテロアリールからなる基R4-G1より選択され、
各アリール基及びヘテロアリール基は、ハロゲン、-CN、C1-3アルキル及び-O-C1-3アルキルからなる群より選択される1~3個の置換基で置換されていてもよい)
又はそれらの互変異性体、立体異性体若しくは塩を提供する。
【0016】
さらなる態様では、本発明は、一般式(I)の化合物を調製する方法、及びこれらの方法における新規の中間体化合物に関する。
本発明のさらなる態様は、本発明による一般式(I)の化合物の塩に関する。
本発明の別の態様によれば、P-キラルホスホロチオエートの合成、特にP-キラルホスホロチオエートの大規模合成における一般式(I)の化合物の使用が提供される。
本発明の別の態様によれば、式(I)の新規の化合物を使用する、立体富化ヌクレオチド、例えば、オリゴデオキシリボヌクレオチド及びオリゴリボヌクレオチドの合成のための方法が提供される。
本発明の他の態様は、前述及び後述の明細書及び実験部から当業者に明らかになるであろう。
【0017】
式(I)の化合物は、(9H-フルオレン-9-イル)メタノール及びピコリン酸などの容易に入手可能で経済的な原料から容易に調製された。
式(I)の化合物は、キラルホスホロチオエートの入手を提供し、断定し得る立体化学を用いた簡単な操作を通じて、オリゴデオキシリボヌクレオチド又はより合成が複雑なオリゴリボヌクレオチドにおけるP-キラルホスホロチオエート結合の効果的な調製を可能にする、一般合成方法のためのシントンとして有用であり、温和な条件下でP-キラルホスホロチオエートを入手する新規の方法を提示し、大規模で効率的なP-キラルホスホロチオエートの立体特異的合成を可能にする。式(I)の化合物はまた、興味深い生物学的活性を持つ重要なクラスの化合物である環状ジヌクレオチド(CDNとも略称される)の合成におけるシントンとして有用である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
特に明記しない限り、基、残基、及び置換基、特にn、X、R1、R2、R3及びR4は、上記及び以下のように定義される。残基、置換基、又は基が化合物中に複数回出現する場合、それらは同じか又は異なる意味を有してもよい。本発明による化合物の個々の基及び置換基のいくつかの好ましい意味を、以下に示す。これらの定義のいずれか及びそれぞれは、相互に組み合わせることができる。
X:
X-G1:
基Xは、好ましくは、上記で定義した基X-G1より選択される。
【0019】
X-G2:
別の実施形態では、各基Xは、
結合、
-H、ハロゲン、-CN、-CH3又は-O-CH3で置換されていてもよい-(CH2)-、
O、
NRN及び

からなる基X-G2より選択され、
Nは、H及び-CH3からなる基RN-G2より選択される。
【0020】
X-G3:
別の実施形態では、各基Xは、結合、O、NH、NCH3及びSからなる基X-G3より選択される。
X-G4:
別の実施形態では、各基Xは、結合、O、NH、及びSからなる基X-G4より選択される。
X-G5a:
別の実施形態では、各基Xは、結合、及びOからなる基X-G5aより選択される。
X-G5b:
別の実施形態では、各基Xは、S及びOからなる基X-G5bより選択される。
X-G6:
別の実施形態では、各基Xは、Oからなる基X-G6より選択される。
【0021】
1
1-G1:
基R1は、好ましくは、上記で定義した基R1-G1より選択される。
1-G2:
一実施形態では、基R1は、H、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、-CH2-C3-10シクロアルキル、及び-CH2-フェニルからなる基R1-G2より選択され、
フェニル基は、ハロゲン、-CN、CH3及び-O-CH3からなる群より選択される1~3個の置換基で置換されていてもよい。
1-G3:
一実施形態では、基R1は、H、C1-4アルキル、-CH2-C3-6シクロアルキル、及び-CH2-フェニルからなる基R1-G3より選択され、
フェニル基は、ハロゲン、-CN、CH3及び-O-CH3からなる群より選択される1~3個の置換基で置換されていてもよい。
1-G4:
一実施形態では、基R1は、H及びC1-4アルキルからなる基R1-G4より選択される。
1-G5:
別の実施形態では、基R1は、C1-3アルキルからなる基R1-G5より選択される。
【0022】
2
2-G1:
基R2は、好ましくは、上記で定義した基R2-G1より選択される。
2-G2:
一実施形態では、基R2は、1つ若しくは複数のF、又はCl、Br、シアノ、及びトリメチルシリルより選択される1つの置換基で置換されていてもよいC1-4アルキルからなる基R2-G2より選択される。
2-G3:
一実施形態では、基R2は、1つ又は複数のFで置換されていてもよいC1-3アルキルからなる基R2-G3より選択される。
2-G4:
一実施形態では、基R2は、1つ~3つのFで置換されていてもよいC1-2アルキルからなる基R2-G4より選択される。
【0023】
2-G5:
一実施形態では、基R2は、C1-2アルキルからなる基R2-G5より選択される。
2-G6:
別の実施形態では、基R2は、CH3からなる基R2-G6より選択される。
【0024】
3
3-G1:
基R3は、好ましくは、上記で定義した基R3-G1より選択される。
3-G2:
一実施形態では、基R3は、H及びC1-3アルキルからなる基R3-G2より選択される。
3-G3:
別の実施形態では、基R3は、Hからなる基R3-G3より選択される。
【0025】
4
4-G1:
基R4は、好ましくは、上記で定義した基R4-G1より選択される。
4-G2:
一実施形態では、基R4は、H及びC1-3アルキルからなる基R4-G2より選択される。
4-G3:
別の実施形態では、基R4は、Hからなる基R4-G3より選択される。
5
4-G1=R5-G1:
基R5は、好ましくは、上記で定義した基R4-G1より選択される。
5-G2:
一実施形態では、基R5は、H及びC1-3アルキルからなる基R5-G2より選択される。
5-G3
別の実施形態では、基R5は、Hからなる基R5-G3より選択される。
【0026】
n:
nは、0、1、2、3、4、5、及び6より選択される整数である。
好ましくは、nは、0、1、2及び3より選択される。
より好ましくは、nは、0又は1である。
最も好ましくは、nは0である。
式(I)の化合物の以下の好ましい実施形態は、一般式(I.1)~(I.3b)を使用して記載されており、そのあらゆる塩が包含される。
【0027】
【化6-1】
【化6-2】
【0028】
上記の式(I.1)~(I.3b)において、n及び基X、R1、R2及びR3は、上記で定義したとおりである。
本発明による好ましい下位実施形態(E)の例を以下の表に記載し、各実施形態の各置換基を、上記の定義に従って定義している。
【0029】
【表1-1】
【表1-2】
本発明の好ましい実施形態は、次式の化合物
【0030】
【化7】
(式中、
Xは、Oであり、
1は、H及びC1-4アルキルからなる群より選択され、
2は、CH3であり、
3は、Hである)
又はその鏡像異性体、ジアステレオ異性体若しくは塩に関係する。
【0031】
本発明のより好ましい実施形態は、
Xが、Oであり、
1が、C1-3アルキルであり、R2が、CH3であり、
3が、Hである、
式(I.2)の化合物、
又はその鏡像異性体、ジアステレオ異性体若しくは塩に関係する。
本発明の好ましい化合物には、以下が含まれる。
【0032】
【化8】
【0033】
特に好ましい化合物は、それらの立体異性体及びその塩を含めて、以下の実験項に記載されている。
本発明による化合物は、当業者に公知であり、有機合成の文献に記載されている合成の方法を使用して得ることができる。好ましくは、化合物は、以下により詳細に説明する、特に実験項に記載する調製の方法と同様にして得られる。
【0034】
用語及び定義
本明細書で特に定義されていない用語には、開示及び文脈を考慮して当業者によって与えられるであろう意味が与えられるべきである。ただし、本明細書で使用される場合、反対に規定されない限り、以下の用語は示された意味を有し、以下の慣例を遵守する。
「本発明による化合物」、「式(I)の化合物」、「本発明の化合物」などの用語は、本発明による式(I)の化合物を示し、これには、それらの互変異性体、立体異性体及びそれらの混合物、並びにそれらの塩、並びにそのような化合物の溶媒和物及び水和物が含まれ、この溶媒和物及び水和物には、そのような互変異性体、立体異性体及びそれらの塩の溶媒和物及び水和物が含まれる。
【0035】
以下に定義される基、ラジカル、又は部分では、炭素原子の数は、しばしば基に先行して指定されており、例えば、C1-6-アルキルは、1~6個の炭素原子を有するアルキル基又はラジカルを意味する。一般に、2つ以上の下位基を含む基の場合、最後に名付けられている下位基がラジカル結合点であり、例えば、置換基「アリール-C1-3-アルキル-」は、C1-3-アルキル基に結合しているアリール基を意味し、C1-3-アルキル基は、置換基が結合しているコア又は基に結合している。
本発明の化合物が、化学名の形式で、かつ式として示されている場合、矛盾がある場合には式が優先されるものとする。
置換基の原子の計数は、置換基が結合しているコア又は基に最も近い原子から開始する。
例えば、「3-カルボキシプロピル基」という用語は、下記の置換基を表す。
【0036】
【化9】
(式中、カルボキシ基は、プロピル基の3番目の炭素原子に結合している)
「1-メチルプロピル-」、「2,2-ジメチルプロピル-」又は「シクロプロピルメチル-」という用語は、下記の基を表す。
【化10】
アスタリスクを下位式に使用して、定義されたコア分子に接続している結合を示すことができる。
【0037】
基の定義において、「式中、各X、Y及びZ基は、~で置換されていてもよい」などの用語は、各基X、各基Y及び各基Zが、それぞれ別個の基として、又はそれぞれが構成された基の一部として、定義されるように置換されていてもよいことを示す。例えば、「Rexは、H、C1-3-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル、又はC1-3-アルキル-O-を示し、ここで各アルキル基は、1つ又は複数のLexで置換されていてもよい。」等は、アルキルという用語を含む前述の基のそれぞれにおいて、すなわち、C1-3-アルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル及びC1-3-アルキル-O-の基のそれぞれにおいて、アルキル部分が定義されるようにLexで置換されていてもよいことを意味する。
特に示されない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲全体を通じて、所与の化学式又は化学名は、互変異性体、並びにすべての立体異性体、光学異性体、及び幾何異性体(例えば、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、E/Z異性体など)及びそのラセミ体、並びに別個の鏡像異性体の異なる割合の混合物、ジアステレオ異性体の混合物、又はそのような異性体及び鏡像異性体が存在する前述の形態のいずれかの混合物、並びにその塩、及びその溶媒和物、例えば遊離化合物の溶媒和物又は化合物の塩の溶媒和物を含む水和物を包含するものとする。
【0038】
本明細書では、「塩」は、親化合物がその酸性塩又は塩基性塩を作製することによって改変された、開示化合物の誘導体を指す。塩の例としては、アミンなどの塩基性残基の無機塩又は有機酸塩、カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩又は有機塩が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の塩は、従来の化学的方法により、塩基性又は酸性部分を含む親化合物から合成することができる。一般に、そのような塩は、水中、又はエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、若しくはアセトニトリル、若しくはそれらの混合物などの有機希釈剤中で、これらの化合物の遊離酸又は遊離塩基形態を、十分な量の適切な塩基又は酸と反応させることによって調製することができる。
例えば本発明の化合物を精製又は単離するのに有用な、上記のもの以外の他の酸の塩も、本発明の一部を構成する。
ハロゲンという用語は、一般にフッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を示す。
【0039】
nが1~nの整数である「C1-n-アルキル」という用語は、単独で、又は別のラジカルと組み合わせて、1~n個のC原子を有する非環式、飽和、分枝又は直鎖状炭化水素ラジカルを示す。例えば、C1-5-アルキルという用語はH3C-、H3C-CH2-、H3C-CH2-CH2-、H3C-CH(CH3)-、H3C-CH2-CH2-CH2-、H3C-CH2-CH(CH3)-、H3C-CH(CH3)-CH2-、H3C-C(CH32-、H3C-CH2-CH2-CH2-CH2-、H3C-CH2-CH2-CH(CH3)-、H3C-CH2-CH(CH3)-CH2-、H3C-CH(CH3)-CH2-CH2-、H3C-CH2-C(CH32-、H3C-C(CH32-CH2-、H3C-CH(CH3)-CH(CH3)-及びH3C-CH2-CH(CH2CH3)-ラジカルを包含する。
【0040】
nが4~nの整数である「C3-n-シクロアルキル」という用語は、単独で、又は別のラジカルと組み合わせて、3~n個のC原子を有する環式、飽和、非分枝炭化水素ラジカルを示す。環式基は、単環、二環、三環又はスピロ環であってもよく、最も好ましくは単環である。このようなシクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロドデシル、ビシクロ[3.2.1.]オクチル、スピロ[4.5]デシル、ノルピニル、ノルボニル、ノルカリル、アダマンチルなどが挙げられる。
【0041】
本明細書では「アリール」という用語は、単独で、又は別のラジカルと組み合わせて、芳香族であり、飽和又は不飽和であってもよい第2の5員又は6員の炭素環式基にさらに縮合されていてもよい6個の炭素原子を含む炭素環式芳香族単環式基を示す。アリールには、フェニル、インダニル、インデニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、テトラヒドロナフチル及びジヒドロナフチルが含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、アリールはフェニル又はナフチルを示す。より好ましくは、アリールはフェニルを示す。
上記の用語の多くは、式又は基の定義で繰り返し使用される可能性があり、それぞれの場合、互いに独立して上記の意味のうちの1つを有する。
上記及び以下に定義されるすべての残基(rest)及び置換基は、1つ又は複数のF原子で置換されていてもよい。
【0042】
キラルホスホチオエートの合成における本発明の化合物の使用
本発明の化合物を用いたキラルホスホロチオエートの一般的合成
スキーム1
【0043】
【化11】
【0044】
第1のヌクレオシド(リボヌクレオシド及びデオキシリボヌクレオシドを含む)を、最初にピリジン及びアセトニトリルなどの溶媒中、DMOCPなどの活性化剤の存在下で、キラルシントンとカップリングさせる。単離せずに、カップリング生成物をDBU、TMG、t-BuNH2又はトリアルキルアミン、例えば、Et3N又はiPr2NEtなどの塩基で処理して、フルオレニルメチル基を除去する。単離した生成物を、第1のカップリングと同様の条件下で、第2のヌクレオシド(リボヌクレオシド及びデオキシリボヌクレオシドを含む)とカップリングさせる。1-(2-ピリジニル)エチル基を除去するための水素化条件により、キラルホスホロチオエートが得られる。DMTrをヌクレオシドの保護に使用する場合、Pd触媒による水素化は、DMTrの有無にかかわらず機能する。Pd/C、Pd(OAc)2、及びPd(CF3CO22などのさまざまなPd触媒を、Zn(OTf)2、Zn(CF3CO22、ZnBr2及びZnCl2などのルイス酸の存在下で使用できる。
【0045】
可能な活性化剤の構造:
【化12】
FPPSPrの適用の例を、以下のスキーム2に示す。
【0046】
【化13】
【0047】
スキーム2
N-6-ベンゾイル-5’-O-(4,4’-ジメトキシトリチル)-2’-デオキシアデノシンを、O-((9H-フルオレン-9-イル)メチル)O-((R)-1-(4-プロポキシピリジン-1-イウム-2-イル)エチル)(R)-ホスホロチオエートと、活性化剤として2-クロロ-5,5-ジメチル-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-オキシド(DMOCP)を用いて、ピリジン中室温でカップリングさせた。反応が完了した後、水を添加して反応を停止させた。次いで、DBUを導入して、フルオレニルメチル基を除去した。生成物を、EtOAcなどの有機溶媒で抽出した。典型的には、キラルホスホロチオエート生成物を、定量的な収率で単離した。分析的に純粋な試料を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー精製によって容易に得た。典型的には、シントンであるO-((9H-フルオレン-9-イル)メチル)O-((R)-1-(4-プロポキシピリジン-1-イウム-2-イル)エチル)(R)-ホスホロチオエートのP-キラリティーは完全に生成物に移行し、化学プロセス全体が立体選択的である。換言すれば、99:1のdrのシントンがカップリングに使用される場合、生成物は、99:1のdrで単離される。
【0048】
合成スキーム
本発明の化合物を調製する典型的な方法は、実験項に記載されている。
本発明の化合物はまた、以下に記載するものを含み、当分野の技術の範囲内の変形を含む当技術分野で公知の方法によって作製することができる。
スキーム1は、シントンの合成を示す。すべてのシントンは、DMOCP又はPivClなどの活性化剤の存在下、ピリジンなどの好適な溶媒中、室温でキラルアルコールとフルオレニルメチル基を有するH-ホスホネートとをカップリングすることによって調製される。生成物の硫化は、硫黄又はS8の添加によって達成される。場合によっては、MeOH、CH3CN、及び水などの反溶媒を添加した後、簡易濾過によってジアステレオ異性体的に純粋な異性体を単離した。キラルアルコールの鏡像異性体を使用することにより、シントンの鏡像異性体を同様の方法で調製する。
スキーム3
【0049】
【化14】
スキーム3で出発物質として使用されるキラルアルコールは、次のように調製できる。
スキーム4
【0050】
【化15】
nが0であり、R2がメチルである場合、t-BuOK及びLDAなどの塩基の存在下で、4-置換ピコリン酸メチルとMeOAc及びEtOAcなどの酢酸エステルとをClaisen縮合すると、対応するβ-ケトンエステルが得られる。
スキーム5
【0051】
【化16】
nが0であり、R2がメチルである場合、ケトンエステルは、酸性条件下で連続的に加水分解及び脱炭酸を受け、メチルケトンが得られる。
以下に述べるキラルアルコールの合成に必要なさらなるケトンは、当業者に公知であり、有機合成の文献に記載されている合成の方法を使用して得ることができる。
nに応じて、対応するケトンがキラルアルコールに変換される。
n=0の場合のスキーム6a:
【0052】
【化17】
nが0である場合、野依の水素化条件下で、触媒のS異性体を用いて、ケトンを対応する(R)-キラルアルコールに変換することができる。
n=1の場合のスキーム6b:
【0053】
【化18】
Ronald L. Reyes, Tomohiro Iwai,Satoshi Maeda and Masaya Sawamura, J. Am.Chem.Soc.2019, 141, 6817-6821
Andreas Weickgenannt, Marius Mewald, Thomas W. T.Muesmann, Martin Oestreich Prof. Dr., Angewandte Chemie, International Edition 2010, 49, 2223-2226
n=2の場合のスキーム6c:
【0054】
【化19】
Sylvie Condon, Daniel Dupre, Isabelle Lachaise, Jean-Yves Nedelec, Synthesis 2002, 12, 1752-1758
n=3の場合のスキーム6d:
【0055】
【化20】
Boekelheide, V.; Mason, J. H., Journal of the American Chemical Society 1951, 73, 2356-7
n=2~6の場合のスキーム6e:
【化21】
Nils Aake Bergman, Torbjoern Halvarsson, J. Org.Chem.1989, 54, 2137-2142.
【0056】
上記のスキーム3に示すように、キラルアルコールと[(9H-フルオレン-9-イル)メトキシ]ホスフィン酸を縮合し、続いてS8で硫化すると、1:1のジアステレオ異性体が得られる。CH3CN又はMeOH及び水の添加後、(R,Rp)-ジアステレオ異性体が、高い/優れたジアステレオ選択性で単離される。トルエンなどの溶媒中のさらなるスラリーにより、残留S8を除去した。固体生成物の典型的な収率は、35~40%である。
【0057】
実験部
以下の実施例は、本発明を制限することなく、本発明を説明することを意図するものである。「周囲温度」及び「室温」という用語は、交換可能に使用され、約20℃の温度を指す。
以下に記載する化合物は、質量分析計でのイオン化後の特徴的な質量及び分析用HPLCでの保持時間によって特徴付けられている。
略語の列挙:
【0058】
【表2】

【0059】
一般実験
すべての試薬は購入し、特に明記しない限りさらに精製せずに使用した。反応は、RP-HPLC分析によって監視したので、詳細についてはそれぞれの項を参照されたい。NMRスペクトルは、Bruker DRX-600、DRX-500、及びAMX-400機器で記録し、残留非重水素化溶媒(例えば、7.26ppmのCHCl3 1H NMR、77.16 13C NMR)を使用して校正した。多重度を説明するために次の略語を使用した。s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、m=マルチプレット、br=ブロード。カラムクロマトグラフィーは、E.Merckシリカゲル(60、粒径0.043~0.063mm)を使用して実施した。高分解能質量スペクトル(HRMS)は、エレクトロスプレーイオン化飛行時間リフレクトロン実験により、Agilent LC/MSD TOF質量分析計で記録した。
【実施例
【0060】
シントンの合成
(実施例1)
[(9H-フルオレン-9-イル)メトキシ]ホスフィン酸の合成
【0061】
【化22】
【0062】
清潔で乾燥した反応器に、アセトニトリル(11.5L)を添加した。溶媒を-35℃に冷却した後、PCl3(3.78kg、27.5mol、1.20当量)を一度に添加した。次いで、(9H-フルオレン-9-イル)メタノール(4.5kg、22.9mol)のアセトニトリル(36L)溶液を、-30℃から-40℃の間の温度で添加した。-30℃から-40℃の間で30分後、混合物を0.5時間にわたって0℃に温めた。温度を20℃未満に制御しながら、水(0.99kg、55mol、2.4当量)を添加した。次いで、混合物を20℃に温めた。20~25℃で2時間後、固体を濾過により収集し、次いでアセトニトリル(8L)で洗浄した。真空下40℃で乾燥した後、合計4.47kg(75%の収率)の生成物を固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.74 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.58 (dd, J = 0.84, 7.52 Hz, 2H), 7.38 (t, J = 7.48 Hz, 2H), 7.28 (dt, J = 1.12, 7.48 Hz, 2H), 6.75 (d, J (P, H) = 710.3 Hz, 1H), 4.30 (t, J = 7.24 Hz, 2H), 4.21 (t, J = 7.12, 1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 143.0, 141.3, 128.0, 127.2, 125.2, 120.1, 67.2 [d, J (P, C) = 5.94 Hz], 47.9 [d, J (P, C) = 7.09 Hz]. 31P NMR (162 MHz, CDCl3): δ 8.7.
【0063】
(実施例2)
O-((9H-フルオレン-9-イル)メチル)O-((R)-1-(4-メトキシピリジン-1-イウム-2-イル)エチル)(R)-ホスホロチオエート(FPPSMe)の合成
【0064】
【化23】
a)メチル3-(4-メトキシピリジン-2-イル)-3-オキソプロパノエート
【0065】
【化24】
乾燥した清潔なフラスコに、KOt-Bu(84.8g、897.3mmol、3.0当量)及びTHF(400mL)を投入した。混合物を23℃で撹拌して、透明な溶液を得た。溶液を0℃に冷却した後、THF(100mL)中の4-メトキシ-ピリジン-2-カルボン酸メチルエステル(50g、299.1mmol、1.0当量)を添加し、続いて温度を5℃未満に維持しながら、酢酸メチル(51g、688.0mmol、2.2当量)を添加した。0℃で1時間後、反応を停止させ、12MのHClでpH5に酸性化した。有機溶媒を、真空下で除去した。生成物を、EtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄した。溶媒の除去により粗ケトンエステル生成物が得られ、これを次のステップに直接使用した。
b)1-(4-メトキシピリジン-2-イル)エタン-1-オン
【0066】
【化25】
【0067】
フラスコに、メチル3-(4-メトキシピリジン-2-イル)-3-オキソプロパノエート(62g、296.4mmol)、HOAc(248mL)及び水(49.6mL)を投入し、続いてH2SO4(45.6mL)を添加した。次いで、混合物を98℃で2時間加熱した。残渣を0℃に冷却した後、6MのNaOHを添加して、pH=5.5にした。生成物を、EtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄した。次いで、有機溶液を活性炭で処理した。濃縮後、生成物は固化し、ヘキサン中でスラリー化した。固体を収集し、ヘキサンで洗浄した。乾燥後、42gの生成物を、94%の収率で単離した。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.53 (d, J = 5.60 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 1.80 Hz, 1H), 7.22 (dd, J = 1.70, 5.25 Hz, 1H), 3.90 (s, 3H), 2.62 (s, 3H).
c)(1R)-1-(4-メトキシピリジン-2-イル)エタン-1-オール
【0068】
【化26】
【0069】
反応器に、1-(4-メトキシピリジン-2-イル)エタン-1-オン(10g、66.2mmol)、RuCl2[(S)-xylBINAP][(S)-DAIPEN](40.4mg、0.033mmol)、KDMO(0.779g、ヘプタン中50%、0.03当量)、2-PrOH(50mL)を添加した。混合物を450psiのH2で、20~21℃で14時間撹拌した。生成物を、ヘキサン中0~60%のEtOAcを用いるカラムクロマトグラフィーで精製した。合計8.2gの生成物を、81%の収率及び87:13のerで単離した。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.28 (d, J = 5.68 Hz, 1H), 7.05 (d, J = 2.52 Hz, 1H), 6.81 (dd, J = 2.60, 5.68 Hz, 1H), 5.34 (d, J = 4.72 Hz, 1H), 4.68 (m, 1H), 3.83 (s, 3H), 1.35 (d, J = 6.56 Hz, 3H).
d)O-((9H-フルオレン-9-イル)メチル)O-((R)-1-(4-メトキシピリジン-1-イウム-2-イル)エチル)(R)-ホスホロチオエート(FPPSMe
【0070】
【化27】
【0071】
フラスコに、(1R)-1-(4-メトキシピリジン-2-イル)エタン-1-オール(5.0g、32.6mmol)及び(9H-フルオレン-9-イル)メトキシ]ホスフィン酸(10.0g、35.9mmol))を投入し、続いてピリジン(15.000ml)を添加した。温度を20から25℃の間に維持しながら、2,2-ジメチルプロパノイルクロリド(PivCl)(5.566g、5.685ml、45.7mmol)を添加した。20~25℃で0.5時間後、水(1.18g、65.283mmol)を添加し、続いて温度を35℃未満に維持しながら、硫黄(1.1g、34.274mmol)を添加した。2~3時間後、混合物をEtOAcで希釈し、2MのKHSO4及び水で順次洗浄した。有機層を濃縮した。残渣にMeOH25mLを添加した。一晩後、固体を収集し、次いでMeOH10mLで洗浄した。固体をトルエン中でさらにスラリー化して、残留硫黄を除去した。単離した固体を真空下で乾燥させて、3.3gの生成物FPPSMeを23.7%の収率で得た。
1H NMR (600 MHz, ピリジン-d5): 8.48 (d, J = 5.64 Hz, 1H), 7.86 (d, J = 7.50 Hz, 1H), 7.80 (d, J = 7.56 Hz, 2H), 7.77 (d, J = 7.50 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 2.10 Hz, 1H), 7.35 (q, J = 7.08, 13.38 Hz, 2H), 7.25-7.21 (m, 2H), 6.72 (dd, J = 2.40, 5.58 Hz, 1H), 6.29 (m, 1H), 4.77 (m, 1H), 4.63 (m, 1H), 4.48 (t, J = 7.26 Hz, 1H), 3.57 (s, 3H), 1.93 (d, J = 6.54 Hz, 3H). 13C NMR (150 MHz, ピリジン-d5): 166.7, 165.5 [d, J (P, C) = 6.21 Hz], 150.4, 145.1, 144.9, 141.7, 141.7, 128.0, 127.9, 127.4, 126.1, 125.9, 120.3, 120.3, 109.0, 106.7, 76.0 [d, J (P, C) = 5.18 Hz], 68.8 [d, J (P, C) = 5.48 Hz], 55.0, 48.9 [d, J (P, C) = 8.13 Hz], 23.5 [d, J (P, C) = 4.17 Hz]. HRMS (ES pos.): m/z C22H23NO4PS (M + H+)の計算値: 428.10799, 実測値: 428.10777.
【0072】
(実施例3)
O-((9H-フルオレン-9-イル)メチル)O-((R)-1-(4-エトキシピリジン-1-イウム-2-イル)エチル)(R)-ホスホロチオエート(FPPSEt)の合成
a)エチル3-(4-エトキシピリジン-2-イル)-3-オキソプロパノエート
【0073】
【化28】
【0074】
乾燥した清潔なフラスコに、KOt-Bu(64.5g、563.5mmol、2.2当量)及びTHF(500mL)を投入した。混合物を23℃で撹拌して、透明な溶液を得た。溶液を-20℃に冷却した後、温度を-15℃未満に維持しながら、酢酸エチル(55ml、563.5mmol、2.2当量)を添加した。15分後、温度を0℃未満に維持しながら、THF(100mL)中の4-エトキシ-ピリジン-2-カルボン酸エチルエステル(50g、256.13mmol、1.0当量)を0.5時間にわたって添加した。0℃で0.5時間後、反応を酢酸(43.99ml、768.4mmol)で停止させ、続いて水(400mL)を添加した。溶媒を真空下で除去した。生成物を、EtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄した。溶媒の除去により、粗ケトンエステル生成物が得られた。分析試料を、シリカゲルカラムのクロマトグラフィーによって得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.45 (d, J = 5.64 Hz, 1H), 7.56 (d, J = 2.40 Hz, 1H), 6.96 (dd, J = 2.56, 5.64 Hz, 1 H), 4.22-4.12 (m, 6H), 1.45 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 1.24 (t, J = 7.16 Hz, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 200.0, 165.8, 155.4, 150.1, 114.2, 107.2, 63.9, 25.9, 14.4.
b)1-(4-エトキシピリジン-2-イル)エタン-1-オン
【0075】
【化29】
【0076】
フラスコに、エチル3-(4-エトキシピリジン-2-イル)-3-オキソプロパノエート(850g;358.3mmol;1.0当量)、及びHOAc(212.5mL)及び水(85mL)を投入し、続いてH2SO4(21.25mL)を添加した。次いで、混合物を98℃で2時間加熱した。溶媒の大部分を、真空下で除去した。残渣を0℃に冷却した後、6MのNaOHを添加して、pH=11にした。生成物を、EtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄した。次いで、有機溶液を活性炭で処理した。濃縮後、生成物を次のステップに使用した。全体の収率は、93%である。分析試料を、シリカゲルカラムで精製することによって得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.47 (dd, J = 0.52, 5.64 Hz, 1H), 7.54 (dd, J = 0.68, 2.52 Hz, 1H), 6.95 (ddd, J = 1.0, 2.64, 5.64 Hz, 1 H), 4.14 (q, J = 6.96, 14.0 Hz, 2H), 2.71 (s, 3H), 1.45 (t, J = 7.0 Hz, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 200.0, 165.8, 155.4, 150.1, 114.2, 107.2, 63.9, 25.9, 14.4.
c)(R)-1-(4-エトキシピリジン-2-イル)エタン-1-オール
【0077】
【化30】
【0078】
反応器に、1-(4-エトキシピリジン-2-イル)エタン-1-オン(10g、60.5mmol)、RuCl2[(S)-xylBINAP][(S)-DAIPEN](147.9mg、0.12mmol)、t-BuOK(271.7mg、2.42mmol)、2-PrOH(40mL)を添加した。混合物を31.03bar(450psi)のH2で、20~21℃で14時間撹拌した。生成物を、ヘキサン中0~60%のEtOAcを用いるカラムクロマトグラフィーで精製した。生成物を、90%の収率及び97:3のerで単離した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.17 (bs, 1H), 6.80 (d, J = 2.44 Hz, 1H), 6.57 (m, 1H), 4.76 (q, J = 6.52, 13.04 Hz, 1H), 3.98 (q, J = 7.08, 14.12 Hz, 2H), 1.39 (d, J = 6.44 Hz, 3H), 1.32 (t, J = 7.0 Hz, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 165.9, 165.7, 149.2, 109.0, 105.6, 69.3, 63.5, 24.1, 14.4.
【0079】
キラルHPLC条件:Chiralpak AD-3、4.6×250mm;96:4ヘプタン/エタノール、1.3mL/分、220nm、(R)-異性体、t=15.72分、(S)-異性体、t=16.61分
d1)O-((9H-フルオレン-9-イル)メチル)O-((R)-1-(4-エトキシピリジン-1-イウム-2-イル)エチル)(R)-ホスホロチオエート((R,Rp)-FPPSEt
【0080】
【化31】
【0081】
(1R)-1-(4-エトキシピリジン-2-イル)エタン-1-オール(56g、334.92mmol、1.0当量)及び[(9H-フルオレン-9-イル)メトキシ]ホスフィン酸の混合物(131.3g、334.92mmol、1.0当量)を、ピリジン(2×10mL)との共蒸発により乾燥させた。ピリジン(196mL)を添加した後、2,2-ジメチルプロパノイルクロリド(61.87mL、502.38mmol、1.5当量)を添加した。30分後、水(12.09mL、669.84mmol、2.0当量)を添加し、続いて硫黄(11.81g、368.41mmol、1.1当量)を添加した。2時間後、メタノール(840mL)を添加した。23℃で1時間後、固体を収集し、メタノール(504mL)で洗浄した。固体をトルエン(560mL)に懸濁させた後、固体を収集し、トルエン(112mL)で洗浄し、次いで真空下で乾燥させた。生成物を、31%の収率及び98:2超のdrで単離した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.51 (d, J = 6.72 Hz, 1H), 7.84-7.80 (m, 2H), 7.58-7.53 (m, 2H), 7.40-7.34 (m, 3H), 7.32-7.24 (m, 3H), 5.52 (m, 1H), 4.33-4.18 (m, 2H), 4.11 (m, 1H), 4.07-3.96 (m, 2H), 1.44 (d, J = 6.52, 3H), 1.35 (t, J = 6.92 Hz, 3H). 13C NMR (100 MHz, Py-d5): δ 167.4, 166.6 [d, J (P, C) = 6.02 Hz], 146.3 [d, J (P, C) = 15.2 Hz], 142.9 [d, J (P, C) = 3.0 Hz], 129.2 [d, J (P, C) = 1.9 Hz], 128.7, 127.3, 127.2, 121.6 [d, J (P, C) = 2.4 Hz], 110.7, 108.3, 77.2 [d, J (P, C) = 5.0 Hz], 70.1 [d, J (P, C) = 5.6 Hz], 65.0, 50.2 [d, J (P, C) = 8.3 Hz], 24.8 [d, J (P, C) = 4.8 Hz], 15.7. 31P NMR (162 MHz, ピリジン-d5): δ 62.2. HRMS (ES pos.): m/z C23H25NO4PS (M + H+)の計算値: 442.12364, 実測値: 442.12357.
【0082】
d2)O-((9H-フルオレン-9-イル)メチル)O-((S)-1-(4-エトキシピリジン-1-イウム-2-イル)エチル)(S)-ホスホロチオエート((S,Sp)-FPPSEt
【0083】
【化32】
【0084】
(1S)-1-(4-エトキシピリジン-2-イル)エタン-1-オール(38.7g、231.5mmol、1.0当量)及び[(9H-フルオレン-9-イル)メトキシ]ホスフィン酸の混合物(60.2g、231.5mmol、1.0当量)を、ピリジン(2×100mL)との共蒸発により乾燥させた。ピリジン(194mL)を添加した後、2,2-ジメチルプロパノイルクロリド(65.05g、347.2mmol、1.5当量)を添加した。30分後、水(8.36mL、462.9mmol、2.0当量)を添加し、続いて硫黄(22.27g、694.4mmol、3.0当量)を添加した。2時間後、メタノール(774mL)を添加した。23℃で1時間後、固体を収集し、メタノール(80mL)で洗浄した。固体をトルエン(450mL)に懸濁させた後、固体を収集し、トルエン(80mL)で洗浄し、次いで真空下で乾燥させた。34gの生成物を、33%の収率、98:2超のdrで単離した。
1H NMR (400 MHz, Py-d5): δ 13.54 (bs, 2H), 10.00 (d, J = 1.42 Hz, 1H), 9.37 (d, J = 7.44 Hz, 1H), 9.32-9.27 (m, 3H), 9.05 (d, J =2.52 Hz, 1H), 8.89-8.84 (m, 2H), 8.77-8.72 (m, 2H), 8.27 (dd, J = 2.52, 5.68 Hz, 1H), 7.79 (m, 1H), 6.27 (m, 1H), 6.16 (m, 1H), 5.99 (t, J = 7.16 Hz, 1H), 5.31 (q, J = 7.00, 14.00 Hz, 2H), 3.45 (d, J = 6.60 Hz, 3H), 2.67 (t, J = 6.96 Hz, 3H). 13C NMR (100 MHz, Py-d5): δ 167.4, 166.6 [d, J (P, C) = 6.02 Hz], 146.3 [d, J (P, C) = 15.2 Hz], 142.9 [d, J (P, C) = 3.0 Hz], 129.2 [d, J (P, C) = 1.9 Hz], 128.7, 127.3, 127.2, 121.6 [d, J (P, C) = 2.4 Hz], 110.7, 108.3, 77.2 [d, J (P, C) = 5.0 Hz], 70.1 [d, J (P, C) = 5.6 Hz], 65.0, 50.2 [d, J (P, C) = 8.3 Hz], 24.8 [d, J (P, C) = 4.8 Hz], 15.7. 31P NMR (162 MHz, ピリジン-d5): δ 62.2. HRMS (ES pos.): m/z C23H25NO4PS (M + H+)の計算値: 442.12364, 実測値: 442.12361.
【0085】
(実施例4)
O-((9H-フルオレン-9-イル)メチル)O-((R)-1-(4-プロポキシピリジン-1-イウム-2-イル)エチル)(R)-ホスホロチオエート((R,Rp)-FPPSPr)の合成
a)4-プロポキシピコリン酸プロピル
【0086】
【化33】
4-クロロピコリン酸(250g、1586.76mmol、1.0当量)の溶液に、1-PrOH(2250mL)及びH2SO4(100.98mL、1904.1091mmol、1.2当量)を投入した。90℃で18時間後、1250mLの1-PrOHを10mbar下、35℃で蒸留した。水(250mL)を添加し、続いて固体のNaHCO3(319.89g、3808.2181mmol、2.4当量)を注意深く添加して、pH7~8にした。生成物を、MTBE(500mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、水500mLで洗浄した。濃縮後、生成物を57%の収率で単離した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.54 (d, J = 5.64 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 2.56 Hz, 1H), 6.95 (dd, J = 2.56, 5.64 Hz, 1 H), 4.37 (t, J = 6.96 Hz, 2H), 4.04 (t, J = 6.56 Hz, 2H), 1.90-1.81 (m, 4H), 1.08-1.00 (m, 6H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 166.0, 165.4, 151.0, 149.9, 113.2, 111.7, 69.9, 67.5, 22.2, 22.0, 10.4. HRMS (ES pos.): m/z C12H18NO3 (M + H+)の計算値: 224.12812, 実測値: 224.12805.
b)メチル3-(4-クロロピリジン-2-イル)-3-オキソプロパノエート
【0087】
【化34】
【0088】
乾燥した清潔な反応器に、KOt-Bu(269.2g、2398.87mmol、2.1当量)及びTHF(2L)を投入した。混合物を-10℃に冷却した後、MeOAc(186.2g、2513.1mmol、2.2当量)をTr=0℃未満で添加した。投入ラインを、THF(1L)ですすいで反応器に入れた。0~-5℃で0.5時間後、THF(800mL)中の4-クロロピコリン酸メチル(200g、1142.3mmol、1.0当量)の薄いスラリーを2℃未満で投入した。投入ラインを、THF(100mL)ですすいで反応器に入れた。0~5℃で0.5時間後、HOAc(205.8g、3426,95mmol、3.0当量)を25℃未満で投入し、続いてH2O(400mL)を一度に添加して均一な溶液を得た。有機溶媒(約3000mL)を、真空下30~40℃で除去した。MeOH(1200mL)を添加した後、有機溶媒(約600mL)を真空下30~35℃で除去した。混合物を少なくとも1時間にわたって20~23℃に冷却した後、水(1600mL)を0.5時間にわたって添加した。20~23℃で1時間後、固体を濾過により収集し、次いでH2O(400mL)で洗浄した。湿潤ケーキに窒素を通すことにより、固体を真空下で乾燥させた。生成物を93~95%の収率で単離した。
c)1-(4-クロロピリジン-2-イル)エタン-1-オン
【0089】
【化35】
【0090】
乾燥した清潔な反応器に、メチル3-(4-クロロピリジン-2-イル)-3-オキソプロパノエート(559g、2.62mol、互変異性体を含む)、H2O(999mL)、HOAc(550g)及びH2SO4(333g)を投入した。85℃で2時間後、混合物を5~20℃に冷却した。1-メチルピロリジン(1114g)を30℃未満で添加し、投入ラインを20~30℃で、H2O(838mL)ですすいで反応器内に30℃未満で入れ、生成物をEtOAc(2236mL)で抽出した。相を切断した後、有機層をH2O(559mL)で洗浄した。真空下45℃未満で溶媒を除去した後、生成物をトルエン(559mL)との共蒸発により乾燥させた。典型的な収率は、85~90%である。
d)1-(4-プロポキシピリジン-2-イル)エタン-1-オン
【0091】
【化36】
手順A:
i)プロピル3-オキソ-3-(4-プロポキシピリジン-2-イル)プロパノエート
【0092】
【化37】
乾燥したフラスコに、KOt-Bu(11.06g、98.5mmol)及びTHF(100mL)を投入した。溶液を-10℃に冷却した後、n-PrOAc(11.40mL、98.5mmol、2.2当量)を、0℃未満で添加した。10分後、4-プロポキシ-ピリジン-2-カルボン酸プロピルエステル(10g、44.79mmol、1.0当量)を、0℃未満で添加した。0.5時間後、HOAc(8.97mL、156.76mmol、3.500当量)を25℃未満で添加し、続いて水(20mL)を添加して均一な溶液を得た。真空下でTHFを除去した後、生成物を酢酸エチル(60mL)で抽出し、水(20mL)で洗浄した。濃縮後、生成物であるプロピル3-オキソ-3-(4-プロポキシピリジン-2-イル)プロパノエートを、次のステップに使用した。
ii)1-(4-プロポキシピリジン-2-イル)エタン-1-オン
【0093】
【化38】
【0094】
フラスコに、プロピル3-オキソ-3-(4-プロポキシピリジン-2-イル)プロパノエート(270g;1017.7mmol;1.0当量)、HOAc(277.78mL)、水(405mL)及びH2SO4(81.31mL)を添加した。98℃に2時間加熱した後、混合物を0℃に冷却し、水(270mL)を添加し、続いて50%NaOHを添加して、pH=5.5にした(約376mL)。追加の水を添加して、塩の固体を溶解した。生成物を、EtOAc(330mL)で2回抽出した。有機層を、NaHCO3(220mL)及び水(220mL)の水溶液で洗浄した。粗生成物を、室温で、10%活性炭で処理した。濾過及び濃縮後、生成物を89%の収率で単離し、次のステップに使用した。
手順B:
【0095】
【化39】
【0096】
乾燥した清潔な反応器に、1-(4-クロロピリジン-2-イル)エタン-1-オン(100g、642mmol)及び1-PrOH(1000mL)を投入し、続いてH2SO4(75.3g、1.2当量)を添加した。投入ラインを、1-PrOH(300mL)ですすいだ。得られた混合物を、90℃で少なくとも20時間加熱した。1100mLの1-PrOHを真空下55~60℃で蒸留した後、水を添加した。55~60℃で0.5時間後、混合物を23℃に冷却した。ピリジン(155.6mL、3.0当量)を20~25℃で添加し、続いてトルエン(600mL)を添加した。相を切断した後、有機層をN(257mL、0.5M、0.20当量)の水溶液で20~25℃で洗浄した。相を切断した後、有機層をH2O(300mL)で2回洗浄した。有機層を、流速10mL/分でCuno carbon 55に通した。炭素を、トルエン200mLで洗浄した。濃縮後、粗生成物を次のステップに使用した。典型的な収率は、70~75%である。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.47 (d, J = 5.64 Hz, 1H), 7.55 (s, 1H), 6.96 (m, 1 H), 4.03 (t, J = 6.56 Hz, 2H), 2.71 (s, 3H), 1.89-1.80 (m, 2H), 1.05 (t, J = 7.36 Hz, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 200.1, 166.0, 155.4, 150.1, 114.2, 107.3, 69.8, 25.9, 22.2, 10.3. HRMS (ES pos.): m/z C10H14NO2 (M + H+)の計算値: 180.10191, 実測値: 180.10182.
e)(R)-1-(4-プロポキシピリジン-2-イル)エタン-1-オール
【0097】
【化40】
【0098】
反応器に、1-(4-プロポキシピリジン-2-イル)エタン-1-オン(678.2g、3784.0mmol)、RuCl2[(S)-xylBINAP][(S)-DAIPEN](9.24g、7.57mmol)、3,7-ジメチル-3-オクチル酸カリウム(55.58、ヘプタン中50%、113.5mmol)及び2-PrOH(3173mL)を添加した。混合物を31.03bar(450psi)のH2で、20~21℃で30分間撹拌した。溶液を濃縮し、ヘプタン(900mL)を添加した。混合物を一晩撹拌した。固体を収集し、ヘプタン(700mL)で洗浄した。合計603gの生成物を、固体として99:1のer及び83%の収率で単離した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.31 (d, J = 5.76 Hz, 1H), 6.79 (d, J = 2.44 Hz, 1H), 6.70 (dd, J = 2.44, 5.76 Hz, 1 H), 4.82 (q, J = 6.56, 13.08 Hz, 1H), 4.43 (bs, 1H), 3.97 (t, J = 6.56 Hz, 2H), 1.87-1.78 (m, 2H), 1.49 (d, J = 6.52 Hz, 3H), 1.04 (t, J = 7.40 Hz, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 165.9, 165.1, 149.3, 109.1, 105.7, 69.5, 69.0, 24.2, 22.3, 10.4. HRMS (ES pos.): m/z C10H16NO2 (M + H+)の計算値: 182.11756, 実測値: 182.11752.
キラルHPLC条件:Chiralpak AD-3、4.6×250mm;94:6ヘプタン/エタノール、1.3mL/分、220nm、(R)-異性体、t=8.39分、(S)-異性体、t=8.98分
f1)O-((9H-フルオレン-9-イル)メチル)O-((R)-1-(4-プロポキシピリジン-1-イウム-2-イル)エチル)(R)-ホスホロチオエート((R,Rp)-FPPSPr
【0099】
【化41】
【0100】
乾燥した清潔な反応器に、(R)-1-(4-プロポキシピリジン-2-イル)エタン-1-オール(312.9g、1.73mol、1.0当量)及び[(9H-フルオレン-9-イル)メトキシ]ホスフィン酸(493.89g、1.90mol、1.1当量)を投入した。ピリジン(990mL)を添加した後、温度を20~25℃に維持しながら、PivCl(294.2g、2.42mol、1.4当量)を添加した。20~25℃で0.5時間を超えた後、H2O(62.2g、3.45mol、2.0当量)を添加して反応を停止させた。温度を35℃未満に維持しながら、硫黄(59.09g、1.81mol、1.05当量)を添加した。2~3時間後、MeOH(990mL)を20~25℃で0.5時間にわたって添加し、続いてH2O(1980mL)を20~25℃で0.5時間にわたって添加した。20~23℃で1時間後、固体を収集し、MeOH(1155mL)及びH2O(231mL)の溶液で洗浄した。湿潤ケーキを清潔な反応器に投入し、続いてMeOH(1980mL)を添加した。0.5時間後、H2O(396mL)を添加した。0.5時間後、固体を再び収集し、MeOH(160mL)で洗浄した。湿潤ケーキを清潔な反応器に投入し、次いでトルエン(2500mL)を添加した。25±2℃で2時間後、固体を収集し、トルエン(300mL)で洗浄した。真空下30℃未満で乾燥後、生成物を39%の収率及び98:2超のdrで固体として単離した。
1H NMR (600 MHz, ピリジン-d5): δ 8.49 (d, J = 5.64 Hz, 1H), 7.84 (d, J = 7.44 Hz, 1H), 7.79-7.76 (m, 3H), 7.56 (d, J = 2.46 Hz, 1H), 7.34 (dd, J = 7.14, 13.98 Hz, 2H), 7.24-7.21 (m, 2H), 6.74 (dd, J = 2.46, 5.58 Hz, 1H), 6.28 (m, 1H), 4.75-4.71 (m, 1H), 4.66-4.62 (m, 1H), 4.48 (t, J = 7.26 Hz, 1H), 3.74 (t, J = 6.48 Hz, 2H), 1.93 (d, J = 6.60 Hz, 3H), 1.62-1.56 (m, 2H), 0.81 (t, J = 7.44 Hz, 3H). 13C NMR (150 MHz, ピリジン-d5): δ 166.1, 165.1 [d, J (P,C) = 5.69 Hz], 150.1, 144.8, 144.7, 141.4, 141.4, 127.7, 127.7, 127.2, 127.1, 125.8, 125.7, 120.1, 120.1, 109.3, 107.0, 75.7 [d, J (P,C) = 5.1 Hz], 69.3, 68.6 [d, J (P,C) = 5.5 Hz], 48.6 [d, J (P,C) = 8.5 Hz], 23.3 [d, J (P,C) = 4.2 Hz], 22.2, 10.2. HRMS (ES pos.): m/z C24H27NO4PS (M + H+)の計算値: 456.13929, 実測値: 456.13913.
f2)O-((9H-フルオレン-9-イル)メチル)O-((S)-1-(4-プロポキシピリジン-1-イウム-2-イル)エチル)(S)-ホスホロチオエート((S,Sp)-FPPSPr
【0101】
【化42】
【0102】
乾燥した清潔な反応器に、(S)-1-(4-プロポキシピリジン-2-イル)エタン-1-オール(4.0g、22.1mmol)及び[(9H-フルオレン-9-イル)メトキシ]ホスフィン酸(6.48g、24.3mmol、1.1当量)を投入した。ピリジン(12mL)を添加した後、温度を20~25℃に維持しながら、PivCl(4.05g、33.1mmol、1.5当量)を添加した。20~25℃で0.5時間を超えた後、H2O(0.8mL、44.1mmol、2.0当量)を添加して反応を停止させた。温度を35℃未満に維持しながら、硫黄(0.78g、24.3mmol、1.1当量)を添加した。2~3時間後、MeOH(12mL)を20~25℃で0.5時間にわたって添加し、続いてH2O(24mL)を20~25℃で0.5時間にわたって添加した。20~23℃で1時間後、固体を収集し、MeOH(15mL)及びH2O(3mL)の溶液で洗浄した。湿潤ケーキを清潔な反応器に投入し、次いでトルエン(100mL)を添加した。25±2℃で2時間後、固体を収集し、トルエン(20mL)で洗浄した。真空下30℃未満で乾燥させた後、生成物を35%の収率及び98:2超のdrで固体として単離した。
HRMS(ES pos.):m/z C2427NO4PS(M+H+)の計算値:456.13929,実測値:456.13906.
g1)O-((9H-フルオレン-9-イル)メチル)O-((R)-1-(4-プロポキシピリジン-1-イウム-2-イル)エチル)(S)-ホスホロチオエート((R,Sp)-FPPSPr)の精製
【0103】
【化43】
【0104】
O-((9H-フルオレン-9-イル)メチル)O-((R)-1-(4-プロポキシピリジン-1-イウム-2-イル)エチル)(R)-ホスホロチオエートを単離した後、母液を濃縮してMeOHの大部分を除去した。残渣を、EtOAc及び水で希釈した。有機層を2MのKHSO4で洗浄してピリジンを除去して、次いで水で洗浄した後、有機溶媒を真空下で除去した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。カラムをヘキサンで平衡化した後、カラムにCH2Cl2を予め充填し、次いでCH2Cl2を利用して粗生成物をカラムに充填した。カラムを最初に0~100%のEtOAcで洗浄した。その後、CH2Cl2中0~10%のMeOHを使用して生成物を溶離した。画分を収集して濃縮した後、生成物を発泡固体として得た。この発泡固体をさらにEtOAcと混合して、EtOAc中のスラリーを調製した。固体を収集し、EtOAcで洗浄した。真空下で乾燥後、生成物を90:10のdrで固体として単離した。
HRMS(ES pos.):m/z C2427NO4PS(M+H+)の計算値:456.13929,実測値:456.13901.
【0105】
シントンの適用/使用
(実施例5)
モノマーの合成のための一般的な手順:
【化44】
【0106】
B=ヌクレオシドの窒素塩基
乾燥した清潔なフラスコに、保護基としてのDMTrとともに1gのヌクレオシドdA、dC、dG又はdT、並びにFPPSMe、(R,Rp)-FPPSEt、(S,Sp)-FPPSEt、(R,Rp)-FPPSPr、(S,Sp)-FPPSPr、及び(R,Sp)-FPPSPrより選択されるシントンを投入した。混合物を、ピリジン3mLの蒸発により乾燥させた。ピリジン3mLを添加した後、DMOCP(2.6当量)を一度に添加した。1~2時間後、水0.1mLを添加し、混合物を10分間撹拌した。DBU1mLを添加した。30分後、混合物を水5mL、2MのKHSO4水溶液7mL及びEtOAc10mlで希釈した。相を切断した後、有機層を2MのKHSO4水溶液8mL、次いで水2mlで洗浄した。濃縮後、粗生成物を単離し、次のステップに直接使用した。分析試料を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。カラムにCH2Cl2を予め充填し、次いでCH2Cl2を利用して粗生成物をカラムに充填した。カラムを最初に0~100%のEtOAcで洗浄した。その後、CH2Cl2中0~10%のMeOHを使用して生成物を溶離した。次いで、画分を収集して濃縮し、生成物を発泡固体として得た。
【0107】
モノマーの合成のための具体例
(実施例5.1.)ヌクレオシドとしてdAを、シントンとして(R,Rp)-FPPSPrを使用して調製したdA-P(V)
【0108】
【化45】
【0109】
乾燥した清潔なフラスコに、ヌクレオシドN-6-ベンゾイル-5’-O-(4,4’-ジメトキシトリチル)-2’-デオキシアデノシン(dA;1g、1.52mmol)及びO-((9H-フルオレン-9-イル)メチル)O-((R)-1-(4-プロポキシピリジン-1-イウム-2-イル)エチル)(R)-ホスホロチオエート((R,Rp)-FPPSPr、0.73g、1.58mmol)を投入した。混合物を、ピリジン3mLの蒸発により乾燥させた。ピリジン3mLを添加した後、2-クロロ-5,5-ジメチル-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-オキシド(DMOCP;0.73g、3.95mmol、2.6当量)を一度に添加した。1~2時間後、水0.1mLを添加し、混合物を10分間撹拌した。DBU1mLを添加した。30分後、混合物を水5mL、2MのKHSO4水溶液7mL及びEtOAc10mLで希釈した。相を切断した後、有機層を2MのKHSO4水溶液8mL、次いで水2mlで洗浄した。濃縮後、粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。カラムにCH2Cl2を予め充填し、次いでCH2Cl2を利用して粗生成物をカラムに充填した。カラムを最初に0~100%のEtOAcで洗浄した。その後、CH2Cl2中0~10%のMeOHを使用して生成物を溶離した。画分を収集して濃縮した後、1.31gの生成物を発泡固体として、97.5:2.5超のdr及び94%の収率で得た。
【0110】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 8.61 (s, 1H), 8.55 (s, 1H), 8.06 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 7.65 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 7.55 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 7.41 (s, 1H), 7.37 (d, J = 7.35 Hz, 2H), 7.26-7.16 (m, 8H), 6.81 (t, J = 9.35 Hz, 4H), 6.47 (t, J = 6.45 Hz, 1H), 5.62 (m, 1H), 5.18 (bs, 1H), 4.39 (bs, 1H), 4.17 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 3.71 (s, 3H), 3.71 (s, 3H), 3.32 (m, 1H), 3.25 (m, 1H), 3.11 (m, 1H), 2.63 (m, 1H), 1.78-1.71 (m, 2H), 1.52 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.94 (t, J = 7.35 Hz, 3H). 13C NMR (126 MHz, DMSO-d6): δ 169.7, 166.2, 161.0, 158.5, 158.5, 152.4, 151.9, 150.9, 145.3, 145.2, 136.1, 135.9, 133.9, 132.9, 130.2, 130.1, 129.4, 129.1, 129.0, 128.9, 128.3, 128.2, 127.9, 127.1, 126.4, 113.6, 111.1, 109.6, 86.1, 85.5 [d, J (P, C) = 5.6 Hz], 84.7, 76.4, [d, J (P, C) = 5.7 Hz], 71.5, 71.0, 64.5, 37.4, 22.5 [d, J (P, C) = 5.3 Hz], 22.0, 10.5. 31P NMR (202 MHz, DMSO-d6): δ 55.76. HRMS (ES pos.): m/z C48H50N6O9PS (M + H+)の計算値: 917.30921, 実測値: 917.30886.
【0111】
(実施例5.2.)ヌクレオシドとしてdCを、シントンとして(R,Rp)-FPPSPrを使用して調製したdC-P(V)
【化46】
【0112】
乾燥した清潔なフラスコに、ヌクレオシド5’-O-ジメトキシトリチル-N-ベンゾイル-デオキシシチジン(dC;1g、1.58mmol)及びO-((9H-フルオレン-9-イル)メチル)O-((R)-1-(4-プロポキシピリジン-1-イウム-2-イル)エチル)(R)-ホスホロチオエート((R,Rp)-FPPSPr;0.76g、1.64mmol)を投入した。混合物を、ピリジン3mLの蒸発により乾燥させた。ピリジン3mLを添加した後、2-クロロ-5,5-ジメチル-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-オキシド(DMOCP;0.76g、4.10mmol、2.6当量)を一度に添加した。1~2時間後、水0.1mLを添加し、混合物を10分間撹拌した。DBU1mLを添加した。30分後、混合物を水5mL、2MのKHSO4水溶液7mL及びEtOAc10mlで希釈した。相を切断した後、有機層を2MのKHSO4水溶液8mL、次いで水2mLで洗浄した。濃縮後、粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。カラムにCH2Cl2を予め充填し、次いでCH2Cl2を利用して粗生成物をカラムに充填した。カラムを最初に0~100%のEtOAcで洗浄した。その後、CH2Cl2中0~10%のMeOHを使用して生成物を溶離した。画分を収集して濃縮した後、1.35gの生成物を発泡固体として、99:1超のdr及び96%の収率で得た。
【0113】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 8.58 (d, J = 6.55 Hz, 1H), 8.12 (d, J = 7.45 Hz, 1H), 8.00 (d, J = 7.35 Hz, 2H), 7.63 (t, J = 7.40 Hz, 1H), 7.52 (t, J = 7.90 Hz, 2H), 7.42-7.38 (m, 3H), 7.33-7.15 (m, 9H), 6.89 (dd, J = 1.35, 8.75 Hz, 4H), 6.13 (t, J = 6.35 Hz, 1H), 5.59 (m, 1H), 5.08 (m, 1H), 4.33 (m, 1H), 4.20 (t, J = 6.25 Hz, 2H), 3.73 (s, 3H), 3.73 (s, 3H), 3.39 (dd, J = 4.65, 10.65 Hz, 1H), 3.25 (dd, J = 2.45, 10.91 Hz, 1H), 2.59 (m, 1H), 2.24 (m, 1H), 1.81-1.72 (m, 2H), 1.50 (d, J = 6.60 Hz, 3H), 0.96 (t, J = 7.30 Hz, 3H). 13C NMR (126 MHz, DMSO-d6): δ 169.9, 167.9, 163.5, 160.7, 158.6, 158.6, 154.7, 144.9, 144.6, 135.8, 135.6, 133.6, 133.2, 130.3, 130.2, 129.4, 128.9, 128.9, 128.4, 128.2, 113.7, 113.2, 111.3, 109.7, 96.6, 86.9, 86.6, 85.5 [d, J (P, C) = 6.6 Hz], 75.3, 71.6, 70.7, 63.6, 55.5, 55.5, 22.3 [d, J (P. C) = 5.7 Hz], 21.9, 10.51.31P NMR (202 MHz, DMSO-d6): δ 55.80.
【0114】
(実施例5.3.)ヌクレオシドとしてdGを、シントンとして(R,Rp)-FPPSPrを使用して調製したdG-P(V)
【化47】
【0115】
乾燥した清潔なフラスコに、ヌクレオシド5’-O-(4,4’-ジメトキシトリチル)-N-イソブチル-デオキシグアノシン(dG;1g、1.56mmol)及びO-((9H-フルオレン-9-イル)メチル)O-((R)-1-(4-プロポキシピリジン-1-イウム-2-イル)エチル)(R)-ホスホロチオエート((R,Rp)-FPPSPr;0.75g、1.63mmol)を投入した。混合物を、ピリジン3mLの蒸発により乾燥させた。ピリジン3mLを添加した後、2-クロロ-5,5-ジメチル-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-オキシド(DMOCP;0.75g、4.06mmol、2.6当量)を一度に添加した。1~2時間後、水0.1mLを添加し、混合物を10分間撹拌した。DBU1mLを添加した。30分後、混合物を水5mL、2MのKHSO4水溶液7mL及びEtOAc10mlで希釈した。相を切断した後、有機層を2MのKHSO4水溶液8mL、次いで水2mLで洗浄した。濃縮後、粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。カラムにCH2Cl2を予め充填し、次いでCH2Cl2を利用して粗生成物をカラムに充填した。カラムを最初に0~100%のEtOAcで洗浄した。その後、CH2Cl2中0~10%のMeOHを使用して生成物を溶離した。画分を収集して濃縮した後、1.3gの生成物を発泡固体として、99:1超のdr及び93%の収率で得た。
【0116】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 12.04 (s, 1H), 11.74 (s, 1H), 8.56 (d, J = 6.55 Hz, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.34 (d, J = 7.35 Hz, 2H), 7.25-7.18 (m, 8H), 6.82 (d, J = 9.15 Hz, 2H), 6.80 (d, J = 9.15 Hz, 2H), 6.27 (m, 2H), 5.55 (m, 1H), 5.02 (m, 1H), 4.30 (m, 1H), 4.17 (t, J = 6.30 Hz, 2H), 3.72 (s, 6H), 3.29 (m, 1H), 3.12 (m, 1H), 2.81 (m, 1H), 2.73 (m, 1H), 2.56 (m, 1H), 1.78-1.72 (m, 2H), 1.47 (d, J = 6.65 Hz, 3H), 1.12 (d, J = 6.80 Hz, 6H), 0.95 (t, J = 7.35 Hz, 3H).13C NMR (126 MHz, DMSO-d6): δ 180.5, 169.7, 160.9, 158.5, 158.5, 155.3, 149.1, 148.6, 145.2, 137.5, 135.9, 135.9, 130.2, 130.1, 128.2, 128.2, 127.1, 120.8, 113.6, 111.1, 109.6, 86.1, 85.4 [d, J (P, C) = 6.01 Hz], 83.7, 76.3 [d, J (P, C) = 5.75 Hz], 71.5, 70.9, 64.7, 55.5, 55.4, 38.0, 35.3, 22.4 [d, J (P, C) = 4.81 Hz], 21.9, 19.2, 10.5. 31P NMR (202 MHz, DMSO-d6): δ 55.10. HRMS (ES pos.): m/z C45H52N6O10PS (M + H+)の計算値: 899.31978, 実測値: 899.31999.
【0117】
(実施例5.4.)ヌクレオシドとしてdTを、シントンとして(R,Rp)-FPPSPrを使用して調製したdT-P(V)
【化48】
【0118】
乾燥した清潔なフラスコに、ヌクレオシド5’-O-(4,4’-ジメトキシトリチル)チミジン(dT;1g、1.84mmol)及びO-((9H-フルオレン-9-イル)メチル)O-((R)-1-(4-プロポキシピリジン-1-イウム-2-イル)エチル)(R)-ホスホロチオエート((R,Rp)-FPPSPr;0.88g、1.01mmol)を投入した。混合物を、ピリジン3mLの蒸発により乾燥させた。ピリジン3mLを添加した後、2-クロロ-5,5-ジメチル-1,3,2-ジオキサホスホリナン-2-オキシド(DMOCP;0.88g、4.77mmol、2.6当量)を一度に添加した。1~2時間後、水0.1mLを添加し、混合物を10分間撹拌した。DBU1mLを添加した。30分後、混合物を水5mL、2MのKHSO4水溶液7mL及びEtOAc10mlで希釈した。相を切断した後、有機層を2MのKHSO4水溶液8mL、次いで水2mLで洗浄した。濃縮後、粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。カラムにCH2Cl2を予め充填し、次いでCH2Cl2を利用して粗生成物をカラムに充填した。カラムを最初に0~100%のEtOAcで洗浄した。その後、CH2Cl2中0~10%のMeOHを使用して生成物を溶離した。画分を収集して濃縮した後、1.4gの生成物を発泡固体として、99:1超のdr及び95%の収率で得た。
【0119】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 11.37 (s, 1H), 8.57 (d, J = 6.55 Hz, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.42-7.39 (m, 3H), 7.32-7.22 (m, 8H), 6.89 (d, J = 8.75 Hz, 4H), 6.19 (m, 1H), 5.61 (m, 1H), 5.14 (m, 1H), 4.23 (s, 1H), 4.18 (m, 2H), 3.73 (s, 6H), 3.35 (m, 1H), 3.15 (m, 1H), 2.39-2.29 (m, 2H), 1.78-1.71 (m, 2H), 1.49 (d, J = 6.65 Hz, 3H), 1.36 (s, 3H), 0.95 (t, J = 7.35 Hz, 3H). 13C NMR (126 MHz, DMSO-d6): δ 169.9, 164.1, 160.7, 158.7, 158.6, 150.8, 145.1, 135.9, 135.8, 135.6, 130.2, 130.2, 128.4, 128.1, 127.3, 113.8, 111.3, 110.2, 110.0, 86.6, 84.9 [d, J (P, C) = 5.63 Hz], 84.3, 76.3 [d, J (P, C) = 5.67 Hz], 71.6, 70.8, 64.3, 55.5, 55.5, 38.6 [d, J (P, C) = 4.35 Hz], 21.9, 12.0, 10.5. 31 P NMR (202 MHz, DMSO-d6): δ 55.76. HRMS (ES pos.): m/z C41H47N3O10PS (M + H+)の計算値: 804.27143, 実測値: 804.27152.
以下を同様に調製した。
5.5. FPPSMeからdT-P(V)
【0120】
【化49】
【0121】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 11.37 (s, 1H), 8.54 (d, J = 6.35 Hz, 1H), 7.50 (s, 1H), 7.41 (s, 1H), 7.39 (s, 2H), 7.32-7.22 (m, 8H), 6.89 (d, J = 7.75 Hz, 4H), 6.19 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 5.59 (m, 1H), 5.14 (m, 1H), 4.26 (s, 1H), 3.96 (s, 3H), 3.73 (s, 6H), 3.36 (m, 1H), 3.15 (m, 1H), 2.34-2.31 (m, 2H), 1.48 (d, J = 6.55 Hz, 3H), 1.36 (s, 3H). 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ 168.9, 164.1, 161.5, 158.7, 158.6, 150.8, 145.9, 145.1, 135.9, 135.8, 135.6, 130.2, 128.4, 128.1, 127.3, 113.8, 110.7, 110.6, 110.3, 109.0, 86.6, 84.9 [d, J (P, C) = 5.4 Hz], 84.3, 76.3 [d, J (P, C) = 5.2 Hz], 71.3, 64.4, 57.5, 55.5, 55.5, 38.6 [d, J (P, C) = 3.9 Hz], 24.1[d, J (P, C) = 4.9 Hz], 12.0. 31 P NMR (202 MHz, DMSO-d6): δ 55.32.
5.6. FPPSEtからdT-P(V)
【0122】
【化50】
【0123】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 11.4 (s, 1H), 8.55 (d, J = 6.45 Hz, 1H), 7.50 (s, 1H), 7.40 (s, 1H), 7.39 (s, 2H), 7.31 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 7.28-7.22 (m, 6H), 6.88 (d, J = 7.80 Hz, 4H), 6.19 (m, 1H), 5.58 (m, 1H), 5.14 (m, 1H), 4.30-4.24 (m, 3 H), 3.73 (s, 6H), 3.35 (m, 1H), 3.15 (m, 1H), 2.37-2.28 (m, 2H), 1.49 (d, J = 6.55 Hz, 3H), 1.36-1.32 (m, 6H). 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ 169.5, 164.1, 161.0, 158.7, 158.6, 150.8, 145.2, 145.1, 135.9, 135.8, 135.6, 130.2, 130.2, 128.4, 128.1, 127.3, 113.8, 111.2, 110.2, 109.5, 85.6, 84.9 [d, J (P, C) = 5.4 Hz], 84.3, 76.2 [d, J (P, C) = 4.79 Hz], 70.9, 66.0, 64.4, 55.5, 55.5, 38.6 [d, J (P, C) = 4.25 Hz], 22.5 [d, J (P, C) = 4.93 Hz],, 14.5, 12.0. 31 P NMR (202 MHz, DMSO-d6): δ 55.58.
5.7.F-P(V)
【0124】
【化51】
【0125】
乾燥した清潔な反応器に、N-{9-[(2R,3R,4R,5R)-4-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-3-フルオロ-5-(ヒドロキシメチル)オキソラン-2-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(100g、98.4質量%、160.85mmol)、O-((9H-フルオレン-9-イル)メチル)O-((R)-1-(4-プロポキシピリジン-1-イウム-2-イル)エチル)(R)-ホスホロチオエート((R,Rp)-FPPSPr、76.97g、99.0質量%、160.3mmol、1.04当量)及びピリジン(600mL)を投入した。ピリジン(450mL)を真空下40℃未満で除去した後、アセトニトリル(100mL)を20~23℃で添加した。ピリジン(100mL)中のDMOCP(77.19g、418.2mmol、2.6当量)を、10分未満で添加した。1時間後、H2O(10mL)を添加し、続いて35℃未満でDBU(100mL)を添加した。30分後、水(500mL)及びEtOAc(1L)を添加し、続いて2MのKHSO4(700mL)を20~25℃で添加した。相を切断した後、有機層を2MのKHSO4で水相がpH2~3になるまで洗浄し、続いて水(200mL)で洗浄した。有機層を-5℃に冷却し、1時間撹拌し、固体をセライト床で濾過して除去した。濾液を濃縮して、98%の収率で生成物を得た。分析試料を、ヘキサン中0~100%のEtOAc、続いてCH2Cl2中0~10%のMeOHを溶出液として用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって調製した。
【0126】
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6): δ 11.22 (s, 1H), 8.76 (s, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.49 (d, J = 6.30, 2H), 8.04 (d, J = 7.44, 2H), 7.67-7.63 (m, 5H), 7.54 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 7.49-7.42 (m, 6H), 7.30 (s, 1H), 7.16 (bs, 1H), 6.44 (dd, J = 4.2, 15.6 Hz, 1H), 5.47 (m, 1H), 5.33 (dt, J = 4.2, 52.08 Hz, 1H), 4.79 (m, 1H), 4.26 (bs, 1H), 4.11 (t, J = 5.4 Hz, 2H), 4.01 (m, 1H), 3.74 (m, 1H), 1.74-1.68 (m, 2H), 1.36 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.92 (t, J = 7.38, 3H). 13C NMR (150 MHz, DMSO-d6): δ 168.9, 165.6, 160.5, 151.8, 151.7, 150.4, 144.9, 142.7, 135.3, 135.3, 133.3, 132.4, 132.2, 130.1, 130.1, 128.5, 128.4, 128.0, 127.9, 125.4, 110.5, 108.8, 92.9, 91.6, 85.2 [d, J (P, C) = 32.61 Hz], 83.7 [d, J (P, C) = 7.44 Hz], 71.7 [d, J (P, C) = 14.45 Hz], 70.8, 70.4, 64.3 [d, J (P, C) = 4.92 Hz], 26.7, 21.7 [d, J (P, C) = 4.82 Hz], 21.4, 18.9, 10.0. 31P NMR (243 MHz, DMSO-d6): δ 56.97. 19F NMR (565 MHz, DMSO-d6): δ -208.05.
【0127】
(実施例6)
ホスホロチオエート二量体の合成のための実施例
基質の合成
【0128】
【化52】
【0129】
DMF(30mL)中のdG(15g、23.45mmol)の溶液に、イミダゾール(3.99g、58.62mmol)及びTBDPSCl(9.7g、35.17mmol)を投入した。23℃で5時間後、反応混合物を水(1L)にゆっくりと添加した。固体を収集し、次いで水で洗浄した。CH2Cl2を添加して、固体を溶解した。相を切断していくらかの水を除去した後、溶液を濃縮し、次いでヘキサン中50~80%のEtOAcを用いるシリカゲルカラムで精製した。
生成物(10g、11.4mmol)を、THF(30mL)及びCH2Cl2(30mL)に溶解した。0.1gのPd/Cを添加した後、反応混合物を6.8bar(100psi)のH2で一晩加圧した。炭素を濾別した後、粗生成物を濃縮し、次いでヘキサン中0~100%のEtOAcを用いるシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。
ホスホロチオエート二量体の合成のための一般的な手順:
【0130】
【化53】
乾燥した清潔なフラスコに、保護基としてのDMTrとともに1gのヌクレオシドホスホロチオエート、及び保護基としてのTBDPSとともにモノマーdA、dC、dG又はdTを投入した。混合物を、ピリジン3mLの蒸発により乾燥させた。ピリジン3mLを添加した後、DMOCP(2.8当量)を一度に添加した。2時間後、水0.1mLを添加し、混合物を水5mL、2MのKHSO4水溶液7mL及びEtOAc10mlで希釈した。相を切断した後、有機層を2MのKHSO4水溶液8mL、次いで水2mLで洗浄した。濃縮後、粗生成物を得た。分析的に純粋な試料を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって得た。カラムにCH2Cl2を予め充填し、次いでCH2Cl2を利用して粗生成物をカラムに充填した。カラムを最初に0~100%のEtOAcで洗浄した。画分を収集して濃縮した後、生成物を発泡固体として得た。
【0131】
ホスホロチオエート二量体の合成のための具体例
6.1.dA-dA
【化54】
【0132】
乾燥した清潔なフラスコに、ヌクレオシドホスホロチオエートdA-P(V)(0.73g、0.796mmol)及び保護基としてのTBDPSとともにdA(0.47g、0.796mmol、1.0当量)を投入した。混合物を、ピリジン3mLの蒸発により乾燥させた。ピリジン2.2mLを添加した後、DMOCP(0.41g、2.22mmol、2.8当量)を一度に添加した。2時間後、水0.1mLを添加し、混合物を水5mL、2MのKHSO4水溶液3.5mL及びEtOAc10mLで希釈した。相を切断した後、有機層を2MのKHSO4水溶液、次いで水2mLで洗浄した。濃縮後、粗生成物を、99:1超のdr及び85%の溶液収率で得た。分析的に純粋な試料を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって得た。カラムにCH2Cl2を予め充填し、次いでCH2Cl2を利用して粗生成物をカラムに充填した。カラムを最初に0~100%のEtOAcで洗浄した。画分を収集して濃縮した後、生成物を発泡固体として得た。
【0133】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.20 (bs, 2H), 8.64 (s, 1H), 8.57 (s, 1H), 8.56 (s, 1H), 8.49 (s, 1H), 8.22 (d, J = 6.5 Hz, 1H), 8.07-8.03 (m, 4H), 7.65-7.62 (m, 6H), 7.59-7.52 (m, 4H), 7.35-7.31 (m, 2H), 7.22-7.19 (m, 6H), 7.16-7.14 (m, 1H), 6.90 (s, 1H), 6.80-6.77 (m, 5H), 6.57 (t, J = 6.80 Hz, 1H), 6.43 (t, J = 6.90 Hz, 1H), 5.45 (m, 1H), 5.35 (bs, 1H), 4.63 (bs, 1H), 4.23 (s, 1H), 4.19 (s, 1H), 4.02 (m, 1H), 3.88-3.85 (m, 3H), 3.68 (bs, 6H), 3.33-3.29 (m, 2H), 3.24-3.19 (m, 2H), 2.70 (m, 1H), 2.56 (m, 1H), 2.41 (m, 1H), 1.62-1.57 (m, 2H), 1.49 (d, J = 6.40 Hz, 3H), 1.06 (s, 9H), 0.84 (t, J = 7.20 Hz, 3H). 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6) δ 166.1, 166.0, 165.7, 161.2 [d, J (P, C) = 5.69 Hz], 158.5, 158.5, 152.2, 152.2, 151.9, 151.8, 151.0, 150.9, 150.9, 145.1, 144.0, 143.5, 135.9, 135.8, 135.7, 133.8, 133.1, 133.0, 133.0, 132.9, 130.6, 130.1, 130.1, 129.0, 129.0, 128.9, 128.9, 128.5, 128.5, 128.2, 128.1, 127.1, 126.6, 126.4, 113.6, 109.8, 107.5, 86.2, 85.5 [d, J (P, C) = 8.73 Hz], 84.5, 84.3, 84.3, 79.2 [d, J (P, C) = 4.75 Hz], 78.6 [d, J (P, C) = 5.15 Hz], 74.0, 69.6, 67.6 [d, J (P, C) = 4.4 Hz], 63.5, 55.4, 55.4, 39.0, 36.4, 27.2, 22.2 [d, J (P, C) = 4.98 Hz], 22.1, 19.1, 10.6. 31P (202 MHz, DMSO-d6) δ 65.64 Hz.
6.2.dA-dC
【0134】
【化55】
【0135】
乾燥した清潔なフラスコに、ヌクレオシドホスホロチオエートdA-P(V)(1.4g、1.53mmol)及び保護基としてのTBDPSとともにdC(0.96g、1.68mmol、1.1当量)を投入した。混合物を、ピリジン3mLの蒸発により乾燥させた。ピリジン3mLを添加した後、DMOCP(0.79g、4.3mmol、2.8当量)を一度に添加した。2時間後、水0.1mLを添加し、混合物を水5mL、2MのKHSO4水溶液7mL及びEtOAc10mlで希釈した。相を切断した後、有機層を2MのKHSO4水溶液8mL、次いで水2mLで洗浄した。濃縮後、粗生成物を、97.5:2.5のdr及び78%の溶液収率で得た。分析的に純粋な試料を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって得た。カラムにCH2Cl2を予め充填し、次いでCH2Cl2を利用して粗生成物をカラムに充填した。カラムを最初に0~100%のEtOAcで洗浄した。画分を収集して濃縮した後、生成物を発泡固体として得た。
【0136】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.23 (bs, 2H), 8.58 (bs, 2H), 8.22 (d, J = 5.65 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 7.50 Hz, 2H), 7.98 (d, J = 7.50 Hz, 2H), 7.94 (d, J = 7.25 Hz, 1H), 6.67-7.35 (m, 18H), 7.27-7.15 (m, 8H), 6.90 (d, J = 2.25 Hz, 1H), 6.81-6.79 (m, 3H), 6.48 (t, J = 6.95 Hz, 1H), 6.24 (t, J = 6.70 Hz, 1H), 5.49 (m, 1H), 5.38 (m, 1H), 4.35 (m, 1H), 4.27 (m, 1H), 4.16 (m, 1H), 3.97 (m, 1H), 3.89-3.82 (m, 3H), 6.39 (s, 3H), 3.69 (s,3H), 3.28-3.25 (m, 2H), 2.62 (m, 1H), 2.35 (m, 1H), 1.81 (m, 1H), 1.63 (m, 2H), 1.54 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 1.03 (s, 9H), 0.86 (t, J = 7.35 Hz, 3H). 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ 165.7, 163.6, 161.1 [d, J (P, C) = 5.51 Hz], 158.5, 158.5, 154.7, 152.3, 151.8, 151.0, 150.9, 145.1, 144.5, 144.0, 135.8, 135.8, 133.8, 133.5, 133.2, 133.0, 133.0, 132.9, 130.6, 130.1, 130.1, 129.0, 128.9, 128.9, 128.5, 128.2, 128.1, 127.1, 126.5, 113.6, 109.7, 107.6, 96.7, 86.9, 85.7 [d, J (P, C) = 8.80 Hz], 84.5, 84.3 [d, J (P, C) = 6.41 Hz], 73.6, 69.6, 68.2, 67.5, 63.5, 55.4, 55.4, 41.0, 36.5, 27.1, 22.4 [d, J (P, C) = 5.08 Hz], 21.2, 19.1, 10.6. 31P NMR (202 MHz, DMSO-d6): δ 65.86.
6.3.dA-dG
【0137】
【化56】
【0138】
乾燥した清潔なフラスコに、ヌクレオシドホスホロチオエートdA-P(V)(1.4g、1.53mmol)及び保護基としてのTBDPSとともにdG(0.967g、1.68mmol、1.1当量)を投入した。混合物を、ピリジン3mLの蒸発により乾燥させた。ピリジン3mLを添加した後、DMOCP(0.79g、4.3mmol、2.8当量)を一度に添加した。2時間後、水0.1mLを添加し、混合物を水5mL、2MのKHSO4水溶液7mL及びEtOAc10mlで希釈した。相を切断した後、有機層を2MのKHSO4水溶液8mL、次いで水2mLで洗浄した。濃縮後、粗生成物を、96.3:3.7のdr及び75%の溶液収率で得た。分析的に純粋な試料を、シリカゲルカラムで精製することによって得た。カラムにCH2Cl2を予め充填し、次いでCH2Cl2を利用して粗生成物をカラムに充填した。カラムを、0~100%のEtOAcで溶離した。画分を収集して濃縮した後、生成物を発泡固体として得た。
【0139】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 12.08 (s, 1H), 11.56 (s, 1H), 11.20 (s, 1H), 8.57 (s, 1 H), 8.56 (s, 1H), 8.21 (d, J = 5.45 Hz, 1H), 8.05 (d, J = 7.50 Hz, 2H), 8.01 (s, 1H), 7.66-7.53 (m, 7H), 7.48-7.41 (m, 6H), 7.33 (d, J = 7.55 Hz, 2H), 7.21-7.14 (m, 7H), 6.88 (s, 1H), 6.80-6.77 (m, 5H), 6.45 (t, J = 6.65 Hz, 1H), 6.33 (t, J = 6.60 Hz, 1H), 5.44 (m, 1H), 5.34 (m, 1H), 4.39 (bs, 1H), 4.24 (bs, 1H), 4.13 (bs, 1H), 3.87-3.80 (m, 4H), 3.69 (s, 6H), 3.29 (m, 1H), 3.23-3.16 (m, 2H0, 2.76 (m, 1H), 2.56 (m, 1H), 2.47 (m, 1H), 2.33 (m, 1H), 1.64-1.60 (m, 2H), 1.51 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 1.17 (d, J = 7.45 Hz, 3H), 1.16 (d, J = 7.45 Hz, 3H), 1.03 (s, 9H), 0.86 (t, J = 7.30 Hz, 3H). 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ 180.0, 165.5, 165.2, 160.6 [d, J (P, C)= 5.6 Hz)], 158.0, 158.0, 154.7, 151.7, 151.3, 150.5, 150.4, 148.4, 148.1, 144.6, 143.6, 136.9, 135.3, 135.2, 135.2, 133.3, 132.4, 132.4, 132.3, 130.1, 129.6, 129.6, 128.4, 128.4, 128.0, 128.0, 127.7, 127.6, 126.6, 126.1, 120.3, 85.7, 85.2 [d, J (P, C)= 8.4 Hz)], 84.1, 83.8 [d, J (P, C)= 6.15 Hz)], 83.2, 73.7, 69.1, 67.2, 54.9, 54.9, 35.7, 34.7, 26.7, 21.8 [d, J (P, C)= 5.2 Hz)], 21.6, 18.8, 18.7, 18.5, 10.0 . 31P NMR (202 MHz, DMSO-d6): δ 65.66.
6.4.dAdT
【0140】
【化57】
【0141】
乾燥した清潔なフラスコに、ヌクレオシドホスホロチオエートdA-P(V)(1.4g、1.53mmol)及び保護基としてのTBDPSとともにdT(0.81g、1.68mmol、1.1当量)を投入した。混合物を、ピリジン3mLの蒸発により乾燥させた。ピリジン3mLを添加した後、DMOCP(0.79g、4.3mmol、2.8当量)を一度に添加した。2時間後、水0.1mLを添加し、混合物を水5mL、2MのKHSO4水溶液7mL及びEtOAc10mlで希釈した。相を切断した後、有機層を2MのKHSO4水溶液8mL、次いで水2mLで洗浄した。濃縮後、粗生成物を、98.2:2.2超のdr及び84%の溶液収率で得た。分析的に純粋な試料を、シリカゲルカラムで精製することによって得た。カラムにCH2Cl2を予め充填し、次いでCH2Cl2を利用して粗生成物をカラムに充填した。カラムを、0~100%のEtOAcで溶離した。画分を収集して濃縮した後、生成物を発泡固体として得た。
【0142】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.33 (bs, 1H), 11.21 (bs, 1H), 8.60 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 8.22 (d, J = 5.70 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 7.55 Hz, 2H), 7.65 (t, J = 7.45 Hz, 1H), 7.59-7.54 (m, 6H), 7.47-7.39 (m, 6H), 7.35 (d, J = 7.50 Hz, 2H), 7.23-7.15 (m, 8H), 6.87 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 6.82-6.78 (m, 5H), 6.45 (t, J = 6.90 Hz, 1H), 6.27 (t, J = 5.90 Hz, 1H), 4.28 (m, 1H), 4.19 (m, 1H), 4.01 (m, 1H), 3.89 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 3.84 (m, 1H), 3.74 (m, 1H), 3.70 (s, 3H), 3.70 (s, 3H), 3.33-3.30 (m, 1H), 3.27-3.21 (m, 2H), 2.60 (m, 1H), 2.03 (m, 1H), 1.78 (m, 1H), 1.68-1.62 (m, 2H), 1.66 (s, 1H), 1.54 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 1.02 (s, 9H), 0.90 (t, J = 7.35 Hz, 3H). 13C NMR(125 MHz, DMSO-d6) δ 166.1, 165.7, 164.0, 161.1 [d, J (P, C) = 5.55 Hz], 152.3, 151.9, 151.0, 150.9, 150.8, 145.1, 144.0, 135.8, 135.8, 135.7, 135.7, 135.5, 133.8, 133.0, 132.9, 130.6, 130.6, 130.1, 130.1, 129.0, 129.0, 128.5, 128.5, 128.2, 128.1, 127.1, 126.6, 113.6, 110.4, 109.6, 107.6, 86.2, 85.1 [d, J (P, C) = 8.63 Hz], 84.5, 84.4, 84.3 [d, J (P, C) = 6.25 Hz], 79.2 [d, J (P, C) = 4.54 Hz], 78.7 [d, J (P, C) = 4.56 Hz], 73.8, 69.6, 67.8 [d, J (P, C) = 5.99 Hz], 63.4, 36.5, 27.1, 22.3 [d, J (P, C) = 5.19 Hz], 22.1, 19.0, 12.6, 10.6. 31P NMR (202 MHz, DMSO-d6): δ 65.88.
6.5.dA-dT TBDPSなし
【0143】
【化58】
【0144】
清潔なフラスコに、dA-dT(0.5g、0.36mmol)及びTHF(5mL)を投入した。THF中1MのTBAF(0.73mL、0.725mmol)を、20~25℃で添加した。0.5時間後、混合物をEtOAcで希釈し、次いで水で洗浄した。濃縮後、粗生成物を、CH2Cl2中0~10%のMeOHを用いるシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーで精製して、0.41gの生成物を発泡固体として定量的な収率で得た。
【0145】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.33 (bs, 1H), 11.22 (bs, 1H), 8.60 (bs, 2H), 8.32 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.65 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 7.56 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 7.39-7.36 (m, 3H), 7.26-7.24 (m, 6H), 7.19 (m, 1H), 6.97 (d, J = 2.55 Hz, 1H), 6.88 (m, 1H), 6.85-6.81 (m, 4H), 6.52 (t, J = 13.85 Hz, 1H), 6.20 (m, 1H), 5.60 (m, 1H), 5.45-5.44 (m, 2H), 4.37 (m, 1H), 4.22-4.16 (m, 3H), 3.96-3.94 (m, 3H), 3.72 (s, 1H), 3.72 (s, 1H), 3.39-3.28 (m, 2H), 2.71 (m, 1H), 2.05 (m, 1H), 1.95 (m, 1H), 1.71-1.65 (m, 5H), 1.60 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 0.92 (t, J = 7.35 Hz, 3H). 13C NMR(125 MHz, DMSO-d6) δ 166.1, 165.8, 164.1, 161.2 [d, J (P, C) = 5.7 Hz], 158.6, 158.6, 152.2, 151.9, 151.0, 150.9, 150.8, 145.1, 144.0, 135.9, 135.8, 135.8, 133.8, 132.9, 130.2, 130.1, 128.9, 128.9, 128.2, 128.1, 127.2, 126.6, 113.6, 110.3, 109.8, 107.6, 86.3, 84.7 [d, J (P, C) = 8.7 Hz], 84.5, 84.4, 84.3 [d, J (P, C) = 6.4 Hz], 79.3 [d, J (P, C) = 4.9 Hz], 78.7 [d, J (P, C) = 4.75 Hz], 70.8, 69.6, 68.5 [d, J (P, C) = 5.5 Hz], 63.6, 55.5, 55.4, 39.4, 36.5, 22.4 [d, J (P, C) = 5.03 Hz], 22.1, 12.6, 10.6. 31P NMR (202 MHz, DMSO-d6): δ 65.91.
6.6.dC-dC
【0146】
【化59】
【0147】
乾燥した清潔なフラスコに、ヌクレオシドホスホロチオエートdC-P(V)(1.4g、1.58mmol)及び保護基としてのTBDPSとともにdC(0.90g、1.58mmol、1.0当量)を投入した。混合物を、ピリジン3mLの蒸発により乾燥させた。ピリジン3mLを添加した後、DMOCP(0.82g、4.6mmol、2.8当量)を一度に添加した。2時間後、水0.1mLを添加し、混合物を水5mL、2MのKHSO4水溶液7mL及びEtOAc10mlで希釈した。相を切断した後、有機層を2MのKHSO4水溶液8mL、次いで水2mLで洗浄した。濃縮後、粗生成物を、98.5:1.5のdr及び82%の溶液収率で得た。分析的に純粋な試料を、シリカゲルカラムで精製することによって得た。カラムにCH2Cl2を予め充填し、次いでCH2Cl2を利用して粗生成物をカラムに充填した。カラムを、0~100%のEtOAcで溶離した。画分を収集して濃縮した後、生成物を発泡固体として得た。
【0148】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.28 (s, 1H), 11.24 (s, 1H), 8.22 (d, J = 5.60 Hz, 1H), 8.14 (d, J = 7.05 Hz, 1H), 8.02-7.99 (m, 4H), 7.90 (d, J = 7.15 Hz, 1H), 7.64-7.57 (m, 6H), 7.54-7.36 (m, 13H), 7.30-7.19 (m, 9H), 6.89-6.85 (m, 5H), 6.80 (d, J = 5.50 Hz, 1H), 6.22 (t, J = 6.50 Hz, 1H), 6.14 (t, J = 6.35 Hz, 1H), 5.45 (m, 1H), 5.11 (bs, 1H), 4.33 (s, 1H), 4.25 (s, 1H), 4.13 (s, 1H), 3.93-3.85 (m, 3H), 3.84 (m, 1H), 3.71 (s, 6H), 2.65 (m, 1H), 2.38-2.33 (m, 2H), 1.81 (m, 1H), 1.67-1.59 (m, 2H), 1.52 (d, J = 6.40 Hz, 3H), 1.02 (s, 9H), 0.87 (t, J = 7.35 Hz, 3H). 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6) δ 167.7, 167.6, 165.7, 163.7, 163.6, 161.1 [d, J (P, C) = 5.61 Hz], 158.7, 158.6, 154.7, 154.6, 150.9, 145.0, 144.8, 144.6, 135.7, 135.6, 135.5, 133.6, 133.5, 133.2, 133.0, 132.9, 130.6, 130.2, 130.1, 128.9, 128.9, 128.5, 128.3, 128.2, 127.3, 113.7, 109.8, 107.6, 96.7, 96.6, 87.1, 87.0, 86.7, 85.7 [d, J (P, C) = 7.53 Hz], 84.7 [d, J (P, C) = 7.03 Hz], 78.8 [d, J (P, C) = 4.86 Hz], 78.7, 73.6, 69.6, 67.5[d, J (P, C) 4.39 Hz], 63.1, 55.4, 41.0, 39.3, 27.1, 22.3 [d, J (P, C) = 5.30 Hz], 22.1, 19.0, 10.6. 31P NMR (202 MHz, DMSO-d6) δ 65.76 Hz.
6.7.dC-dG
【0149】
【化60】
【0150】
乾燥した清潔なフラスコに、ヌクレオシドホスホロチオエートdC-P(V)(1.4g、1.57mmol)及び保護基としてのTBDPSとともにdG(0.993g、1.73mmol、1.1当量)を投入した。混合物を、ピリジン3mLの蒸発により乾燥させた。ピリジン3mLを添加した後、DMOCP(0.81g、4.4mmol、2.8当量)を一度に添加した。2時間後、水0.1mLを添加し、混合物を水5mL、2MのKHSO4水溶液7mL及びEtOAc10mlで希釈した。相を切断した後、有機層を2MのKHSO4水溶液8mL、次いで水2mLで洗浄した。濃縮後、粗生成物を、99:1のdr及び83%の溶液収率で得た。分析的に純粋な試料を、シリカゲルカラムで精製することによって得た。カラムにCH2Cl2を予め充填し、次いでCH2Cl2を利用して粗生成物をカラムに充填した。カラムを、0~100%のEtOAcで溶離した。画分を収集して濃縮した後、生成物を発泡固体として得た。
【0151】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 12.07 (s, 1H), 11.55 (s, 1H), 11.29 (s, 1H), 8.22 (d, J = 5.50 Hz, 1H), 8.12 (d, J = 6.70 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 7.60 Hz, 2H), 7.98 (s, 1H), 7.63-7.57 (m, 5H), 7.52-7.50 (m, 2H), 7.48-7.41 (m, 6H), 7.35-7.33 (m, 2H), 7.29-7.26 (m, 2H), 7.22-7.18 (m, 6H), 6.86-6.85 (m, 5H), 6.80 (d, J = 5.50 Hz, 1H), 6.31 (t, J = 6.65 Hz, 1H), 6.10 (t, J = 6.15 Hz, 1H), 5.40 (m, 1H), 5.08 (m, 1H), 4.38 (bs, 1H), 4.20 (bs, 1H), 4.14-4.10 (m, 1H), 3.89-3.78 (m, 4H), 3.70 (s, 6H), 3.27 (bs, 2H), 2.76 (m, 1H), 2.60 (m, 1H), 2.32-2.30 (m, 2H), 1.66-1.60 (m, 2H), 1.49 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 1.12 (d, J = 6.75 Hz, 3H), 1.11 (d, J = 6.75 Hz, 3H), 1.03 (s, 9H), 0.87 (t, J = 7.30 Hz, 3H). 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ 180.0, 167.2, 165.2, 163.2, 160.6 [d, J (P, C)= 5.78 Hz)], 158.1, 158.1, 154.7, 154.1, 150.4, 148.4, 148.1, 144.4, 144.2, 137.0, 135.2, 135.1, 134.9, 133.0, 132.7, 132.5, 132.3, 130.1, 129.7, 129.6, 128.4, 128.0, 127.8, 127.6, 126.7, 120.3, 113.2, 109.3, 107.0, 96.1, 86.5, 86.2, 85.1 [d, J (P, C)= 8.56 Hz)], 84.2 [d, J (P, C)= 4.86 Hz)], 83.1, 78.1 [d, J (P, C)= 4.58 Hz)], 78.0 [d, J (P, C)= 4.94 Hz)], 73.7, 69.1, 67.1 [d, J (P, C)= 4.65 Hz)], 62.4, 54.0, 39.0, 38.8, 34.7, 26.6, 21.7 [d, J (P, C)= 4.95 Hz)], 21.6, 18.8, 18.8, 18.5, 10.1. 31P NMR (202 MHz, DMSO-d6): δ 65.63.
6.8.dC-dG DMTrなし
【0152】
【化61】
【0153】
清潔なフラスコに、dC-dG(1.0g、0.689mmol)及びCH2Cl2(10mL)を投入した。ジクロロ酢酸(0.57mL、6.893mmol)を一度に添加した。混合物を20~23℃で0.5時間撹拌した後、反応は完了し、NaHCO3水溶液で反応を停止させた。生成物をEtOAcで抽出し、次いで水で洗浄した。粗生成物を、CH2Cl2中0~10%のMeOHを用いるシリカゲルカラムで精製して、0.75gの純粋な生成物を94%の収率で得た。
【0154】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 12.09 (bs, 1H), 11.57 (s, 1H), 11.27 (s, 1H), 8.33 (d, J = 8.50 Hz, 1H), 8.26 (d, J = 5.70 Hz, 1H), 8.04 (s, 1H), 8.03 (d, J = 7.25 Hz, 2H), 7.64-7.60 (m, 5H), 7.53-7.48 (m, 8H), 7.40 (m, 1H), 6.90 (d, J = 2.25 Hz, 1H), 6.82 (dd, J = 2.4, 5.7 Hz, 1H), 6.33 (m, 1H), 6.15 (m, 1H), 5.44 (m, 1H), 5.26 (bs, 1H), 5.06 (m, 1H), 4.44 (m, 1H), 4.17 (m, 1H), 4.13 (m, 1H), 3.97-3.90 (m, 3H), 3.89-3.83 (m, 1H), 3.64-3.57 (m, 2H), 2.79 (m, 1H), 2.60-2.54 (m, 2H), 2.34 (m, 1H), 2.22 (m, 1H), 1.69-1.64 (m, 2H), 1.55 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 1.14 (d, J = 2.0 Hz, 3H), 1.12 (d, J = 2.0 Hz, 3H), 1.05 (s, 9H), 0.90 (t, J = 7.35 Hz, 3H). 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ 180.5, 167.8, 165.7, 163.7, 161.1 [d, J (P, C)= 6.06 Hz)], 155.2, 154.8, 150.8, 149.0, 148.6, 145.2, 137.6, 135.7, 133.2, 133.0, 132.8, 130.7, 130.6, 128.9, 128.9, 128.5, 128.5, 120.9, 109.9, 107.5, 96.7, 86.8, 86.5 [d, J (P, C)= 5.44 Hz)], 85.7 [d, J (P, C)= 8.66 Hz)], 83.7, 79.6 [d, J (P, C)= 4.96 Hz)], 78.5 [d, J (P, C)= 4.93 Hz)], 74.1, 69.6, 67.6 [d, J (P, C)= 4.85 Hz)], 61.2, 39.5, 39.2, 35.3, 27.2, 22.2 [d, J (P, C)= 4.8 Hz)], 22.1, 19.3, 19.3, 19.1, 10.6. 31P NMR (202 MHz, DMSO-d6): δ 65.49.
6.9.dC-dT
【0155】
【化62】
【0156】
乾燥した清潔なフラスコに、ヌクレオシドホスホロチオエートdC-P(V)(1.4g、1.58mmol)及び保護基としてのTBDPSとともにdT(0.76g、1.58mmol、1.0当量)を投入した。混合物を、ピリジン3mLの蒸発により乾燥させた。ピリジン3mLを添加した後、DMOCP(0.82g、4.6mmol、2.8当量)を一度に添加した。2時間後、水0.1mLを添加し、混合物を水5mL、2MのKHSO4水溶液7mL及びEtOAc10mlで希釈した。相を切断した後、有機層を2MのKHSO4水溶液8mL、次いで水2mLで洗浄した。濃縮後、粗生成物を、98.5:1.5のdr及び85%の溶液収率で得た。分析的に純粋な試料を、シリカゲルカラムで精製することによって得た。カラムにCH2Cl2を予め充填し、次いでCH2Cl2を利用して粗生成物をカラムに充填した。カラムを、0~100%のEtOAcで溶離した。画分を収集して濃縮した後、生成物を発泡固体として得た。
【0157】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.32 (s, 1H), 11.30 (s, 1H), 8.22 (d, J = 5.55 Hz, 1H), 8.14 (d, J = 7.05 Hz, 1H), 8.02 (d, J = 7.60 Hz, 2H), 7.63 (t, J = 7.30 Hz, 1H), 7.59-7.51 (m, 6H), 7.48-7.36 (m, 8H), 7.30 (t, J = 7.35 Hz, 2H), 7.25-7.21 (m, 7H), 6.88-6.85 (m, 5H), 6.81 (d, J = 5.45 Hz, 1H), 6.25 (t, J = 6.70 Hz, 1H), 6.12 (t, J = 6.20 Hz, 1H), 5.44 (m, 1H), 5.11 (bs, 1H), 4.24 (bs, 1H), 4.16 (bs, 1H), 3.98 (bs, 1H), 3.89 (t, J = 6.25 Hz, 2H), 3.77 (m, 1H), 3.72 (s, 6H), 3.69 (m, 1H), 3.30 (bs, 2H), 2.63 (m, 1H), 2.38 (m, 1H), 2.04-2.00 (m, 1H), 1.78-1.73 (m, 1H), 1.69-1.64 (m, 1H), 1.66 (s, 3H), 1.52 (d, J = 6.25 Hz, 3H), 1.01 (s, 9H), 0.91 (t, J = 7.30 Hz, 3H).13C NMR (125 MHz, DMSO-d6) δ 167.8, 165.7, 164.0, 163.7, 161.0 [d, J (P, C) = 5.45 Hz], 158.7, 158.7, 154.7, 150.9, 150.8, 145.0, 144.8, 135.7, 135.7, 135.6, 135.5, 133.5, 133.2, 133.0, 132.9, 130.6, 130.6, 130.2, 130.2, 128.9, 128.4, 128.4, 128.2, 127.3, 113.7, 110.4, 110.0, 107.6, 96.6, 87.0, 86.7, 85.0 [d, J (P, C) = 8.67 Hz], 84.5, 78.7 [d, J (P, C) = 4.66 Hz], 78.5 [d, J (P, C) = 4.46 Hz], 73.8, 69.6, 67.8 [d, J (P, C) = 7.08 Hz], 62.9, 55.5, 39.3, 27.1, 22.3 [d, J (P, C) = 5.15 Hz], 19.0, 12.5, 10.6. 31P NMR (202 MHz, DMSO-d6) δ 65.85 Hz.
6.10.dG-dG
【0158】
【化63】
【0159】
乾燥した清潔なフラスコに、ヌクレオシドホスホロチオエートdG-P(V)(1.4g、1.56mmol)及び保護基としてのTBDPSとともにdG(0.99g、1.71mmol、1.1当量)を投入した。混合物を、ピリジン3mLの蒸発により乾燥させた。ピリジン3mLを添加した後、DMOCP(0.81g、4.4mmol、2.8当量)を一度に添加した。2時間後、水0.1mLを添加し、混合物を水5mL、2MのKHSO4水溶液7mL及びEtOAc10mlで希釈した。相を切断した後、有機層を2MのKHSO4水溶液8mL、次いで水2mLで洗浄した。濃縮後、粗生成物を、97.1:2.9のdr及び79%の溶液収率で得た。分析的に純粋な試料を、シリカゲルカラムで精製することによって得た。カラムにCH2Cl2を予め充填し、次いでCH2Cl2を利用して粗生成物をカラムに充填した。カラムを、0~100%のEtOAcで溶離した。画分を収集して濃縮した後、生成物を発泡固体として得た。
【0160】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 12.07 (bs, 2H), 11.57 (s, 1H), 11.56 (s, 1H), 8.18 (d, J = 5.55 Hz, 1H), 1 H), 8.08 (s, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.63-7.57 (m, 4H), 7.48-7.39 (m, 6H), 7.31-7.30 (m, 2H), 7.26-7.16 (m, 7H), 6.84 (s, 1H), 6.80-6.76 (m, 5H), 6.31 (t, J = 6.65 Hz, 1H), 6.15 (t, J = 6.60 Hz, 1H), 5.39 (m, 1H), 5.15 (bs, 1H), 4.33 (bs, 1H), 4.10-4.09 (m, 2H), 3.89-3.85 (m, 3H), 3.75-3.74 (m, 1H), 3.69 (s, 6H), 3.22 (m, 1H), 3.14 (m, 1h), 2.98 (m, 1H), 2.76-2.73 (m, 2H), 2.41 (m, 1H), 2.32 (m, 1H), 1.64-1.59 (m, 2H), 1.48 (d, J = 6.25 Hz, 3H), 1.12-1.11 (m, 12H), 1.02 (s, 9H), 0.86 (t, J = 7.30 Hz, 3H). 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ 180.0, 180.0, 165.2, 160.4 [d, J (P, C)= 5.29 Hz)], 158.0, 158.0, 154.7, 154.7, 150.4, 148.6, 148.4, 148.1, 148.1, 144.5, 137.1, 136.8, 135.2, 135.2, 132.4, 132.3, 130.2, 129.6, 129.6, 127.9, 127.7, 127.6, 126.6, 120.5, 120.2, 113.0, 113.0, 109.2, 107.3, 85.8, 85.2 [d, J (P, C)= 8.83 Hz)], 83.9 [d, J (P, C)= 5.95 Hz)], 83.1, 82.8, 78.9 [d, J (P, C)= 4.66 Hz)], 78.0 [d, J (P, C)= 5.03 Hz)], 73.6, 69.1, 67.3, 63.3, 54.9, 54.9, 36.3, 34.7, 34.7, 26.6, 21.8 [d, J (P, C)= 5.30 Hz)], 21.6, 18.8, 18.5, 10.0. 31P NMR (202 MHz, DMSO-d6): δ 65.74.
6.11.dG-dT
【0161】
【化64】
【0162】
乾燥した清潔なフラスコに、ヌクレオシドホスホロチオエートdG-P(V)(1.4g、1.56mmol)及び保護基としてのTBDPSとともにdT(0.82g、1.71mmol、1.1当量)を投入した。混合物を、ピリジン3mLの蒸発により乾燥させた。ピリジン3mLを添加した後、DMOCP(0.81g、4.4mmol、2.8当量)を一度に添加した。2時間後、水0.1mLを添加し、混合物を水5mL、2MのKHSO4水溶液7mL及びEtOAc10mlで希釈した。相を切断した後、有機層を2MのKHSO4水溶液8mL、次いで水2mLで洗浄した。濃縮後、粗生成物を、98.2:1.8のdr及び86%の溶液収率で得た。分析的に純粋な試料を、シリカゲルカラムで精製することによって得た。カラムにCH2Cl2を予め充填し、次いでCH2Cl2を利用して粗生成物をカラムに充填した。カラムを、0~100%のEtOAcで溶離した。画分を収集して濃縮した後、生成物を発泡固体として得た。
【0163】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 12.08 (s, 1H), 11.54 (s, 1H), 11.34 (s, 1H), 8.21 (d, J = 5.45 Hz, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.58-7.55 (m, 4H), 7.46-7.37 (m, 6H), 7.33-7.31 (m, 2H), 7.24-7.18 (m, 8H), 6.84 (s, 1H), 6.80-6.77 (m, 5H), 6.25 (t, J = 6.75 Hz, 1H), 6.19 (t, J = 6.65 Hz, 1H), 5.45 (m, 1H), 5.19 (bs, 1H), 4.24 (bs, 1H), 4.10 (bs, 1H), 3.98 (bs, 1H), 3.87 (t, J = 6.30 Hz, 2H), 3.80 (m, 1H), 3.70 (bs, 7H), 3.25-3.18 (m, 2H), 3.03 (m, 1H), 2.78 (m, 1H), 2.54 (m, 1H), 2.05 (m, 1H), 1.77 (m, 1H), 1.66-1.62 (m, 5H), 1.51 (d, J = 6.20 Hz, 3H), 1.12 (d, J = 6.60 Hz, 6H), 1.00 (s, 9H), 0.89 (t, J = 7.30 Hz, 3H). 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ 180.0, 165.2, 163.5, 160.4 [d, J (P, C)= 5.49 Hz)], 158.1, 158.0, 154.7, 150.4, 150.3, 148.6, 148.1, 144.5, 137.1, 135.2, 135.2, 135.1, 132.4, 130.1, 129.7, 129.6, 128.0, 127.7, 127.6, 126.7, 120.5, 113.0, 113.0, 109.9, 109.1, 107.3, 85.8, 84.5 [d, J (P, C)= 9.09 Hz)], 84.1, 84.0 [d, J (P, C)= 6.05 Hz)], 82.8, 78.8 [d, J (P, C)= 5.04 Hz)], 78.2 [d, J (P, C)= 4.69 Hz)], 73.2, 69.1, 67.4, 63.2, 54.9, 54.9, 36.5, 34.8, 26.6, 21.8 [d, J (P, C)= 5.15 Hz)], 21.6, 18.8, 18.8, 18.5, 12.0, 10.0. 31P NMR (202 MHz, DMSO-d6): δ 66.00.
6.12.dT-dT
【0164】
【化65】
【0165】
乾燥した清潔なフラスコに、ヌクレオシドホスホロチオエートdT-P(V)(1.5g、1.87mmol)及び保護基としてのTBDPSとともにdT(0.90g、1.87mmol、1.0当量)を投入した。混合物を、ピリジン3mLの蒸発により乾燥させた。ピリジン3mLを添加した後、DMOCP(0.96g、5.23mmol、2.8当量)を一度に添加した。2時間後、水0.1mLを添加し、混合物を水5mL、2MのKHSO4水溶液7mL及びEtOAc10mlで希釈した。相を切断した後、有機層を2MのKHSO4水溶液8mL、次いで水2mLで洗浄した。濃縮後、粗生成物を、98.1:1.9のdr及び88%の溶液収率で得た。分析的に純粋な試料を、シリカゲルカラムで精製することによって得た。カラムにCH2Cl2を予め充填し、次いでCH2Cl2を利用して粗生成物をカラムに充填した。カラムを、0~100%のEtOAcで溶離した。画分を収集して濃縮した後、生成物を発泡固体として得た。
【0166】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.4 (bs, 1H), 11.31 (bs, 1H), 8.21 (d, J = 5.50 Hz, 1H), 7.57-7.54 (m, 4H), 7.48 (s, 1H), 7.45-7.36 (m, 8H), 7.29 (t, J = 7.40 Hz, 2H), 7.28-7.19 (m, 6H), 6.88-6.80 (m, 5H), 6.81 (d, J = 5.35 Hz, 1H), 6.23 (t, J = 7.20 Hz, 1H), 6.18 (t, J = 6.85 Hz, 1H), 5.43 (m, 1H), 5.19 (bs, 1H), 4.22 (m, 1H), 4.03 (m, 1H), 3.96 (bs, 1H), 3.89 (t, J = 6.30 Hz, 2H), 3.77 (m, 1H), 3.66 (m, 1H), 3.25-3.18 (m, 2H), 2.46 (m, 1H), 2.36 (m, 1H), 2.02-1.98 (m, 1H), 1.77-1.71 (m, 1H), 1.68-1.64 (m, 5H), 1.51 (d, J = 6.30 Hz, 3H), 1.46 (s, 3H), 1.00 (s, 9H), 0.90 (t, J = 7.30 Hz, 3H). 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ 165.2, 163.5, 163.4, 160.5 [d, J (P, C)= 5.25 Hz)], 158.2, 158.2, 150.4, 150.3, 150.2, 144.4, 135.4, 135.2, 135.2, 135.0, 135.0, 132.5 132.4, 130.1, 130.1, 129.7, 129.6, 128.0, 127.9, 127.6, 126.8, 113.2, 109.9, 109.9, 109.2, 107.1, 86.1, 84.5 [d, J (P, C)= 9.25 Hz)], 84.0, 83.8, 83.3 [d, J (P, C)= 6.06 Hz)], 78.8 [d, J (P, C)= 4.46 Hz)], 78.2 [d, J (P, C)= 4.74 Hz)], 73.3, 69.1, 67.2 [d, J (P, C)= 5.91 Hz)], 63.0, 55.0, 55.0, 37.3, 26.6, 21.8 [d, J (P, C)= 5.29 Hz)], 21.6, 18.5, 12.0, 11.6, 10.1. 31P NMR (202 MHz, DMSO-d6): δ 66.02.
6.13.F-A-3’-OH
【0167】
【化66】
【0168】
i)フラスコに、(R,Rp)-FPPSPr(0.42、0.88mmol)及びN-{9-[(2R,3R,4R,5R)-4-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-3-フルオロ-5-(ヒドロキシメチル)オキソラン-2-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(0.5g、0.80mmol)を投入した。混合物を、ピリジン5mLの蒸発により乾燥させた後、ピリジン(1.5mL)を投入し、続いてDMOCP(0.39g、2.1mmol)を添加した。23℃で1時間後、水(0.05mL)を投入して反応を停止させた。DBU(0.5mL)を添加した。30分後、混合物を、2MのKHSO44mL及び水5mL及びEtOAc5mLで希釈した。有機層を、2MのKHSO44mL及び水5mLで洗浄した。濃縮後、0.7gの粗生成物を定量的収率で単離し、次のステップに直接使用した。
【0169】
ii)(S)-{[(2R,3R,4R,5R)-5-(6-ベンズアミド-9H-プリン-9-イル)-3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-4-フルオロオキソラン-2-イル]メトキシ}[(1R)-1-(4-プロポキシピリジン-2-イル)エトキシ]スルファニリデン亜ホスフィン酸(0.70g、0.804mmol)及びA-3’-OH(0.633g、0.804mmol)を乾燥したフラスコに投入した。混合物を、真空下40℃未満でピリジン(2×10mL)を蒸発させることにより乾燥させた後、ピリジン(1.75mL)を添加し、続いてDMOCP(0.371g、2.0mmol)を添加した。23℃で2時間後、反応を水で停止させた。生成物をEtOAcで抽出し、2MのKHSO4、次いで水で洗浄した。有機層を濃縮し、粗生成物を99:1のdr及び92%の溶液収率で得た。分析的に純粋な試料を、ヘキサン中0~100%のEtOAcを用いるシリカゲルカラムで精製することによって得た。
【0170】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 11.12 (s, 1H), 8.47 (s, 1 H), 8.45 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 8.39 (s, 1H), 8.19 (d, J = 5.65 Hz, 1H), 7.97-7.93 (m, 4H), 7.66-7.62 (m, 4H), 7.57-7.53 (m, 2H), 7.47-7.33 (m, 10H), 7.30-7.29 (m, 2H), 7.16-7.09 (m, 7H), 6.81 (m, 1H), 6.79-6.78 (m, 1H), 6.74-6.72 (m, 4H), 6.35 (d, J = 20.05 Hz, 1H), 5.92 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 5.40-5.34 (m, 1.5 H), 5.27 (m, 0.5 H), 5.16 (m, 1H), 5.04-4.96 (m, 2H), 4.36-4.23 (m, 3H), 3.83 (t, J = 10.75 Hz, 2H), 3.63 (s, 1H), 3.63 (s, 1 H), 3.20 (m, 1H), 3.08 (m, 1H), 1.56-1.52 (m, 2H), 1.33 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 1.05 (s, 9H), 0.77 (t, J = 7.35 Hz, 3H), 0.42 (s, 9H), -0.35 (s, 3H), -0.51 (s, 3H). 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ 166.0, 166.0, 165.7, 161.3 [d, J (P, C) = 7.5 Hz], 158.6, 152.4, 151.9, 151.8, 151.7, 151.2, 151.1, 150.9, 145.1, 144.3, 144.0, 135.9, 135.9, 135.7, 135.5, 133.8, 132.9, 132.7, 132.6, 130.8, 130.7, 130.2, 130.1, 129.0, 128.9, 128.9, 128.5, 128.4, 128.2, 128.0, 127.1, 126.5, 126.3, 113.6, 113.6, 109.8, 107.1, 93.4, 91.9, 87.6, 87.4, 87.1, 86.3, 82.5, 81.6 [d, J (P, C) = 8.3 Hz], 78.4, 78.4, 72.3 [d, J (P, C) = 7.4 Hz], 71.4 [d, J (P, C) = 15.9 Hz], 69.6, 68.3, 63.2, 55.5, 27.2, 25.5, 22.3 [d, J (P, C) = 3.9 Hz], 19.4, 17.7, 10.6, -4.8, -5.3. 31P NMR (202 MHz, DMSO-d6): δ 67.43. 19F NMR (470 MHz, DMSO-d6): δ -201.7.
6.14.F-C-3’-OH
【0171】
【化67】
【0172】
i)フラスコに、(R,Rp)-FPPSPr(0.42、0.88mmol)及びN-{9-[(2R,3R,4R,5R)-4-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-3-フルオロ-5-(ヒドロキシメチル)オキソラン-2-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(0.5g、0.80mmol)を投入した。混合物を、ピリジン5mLの蒸発により乾燥させた後、ピリジン(1.5mL)を投入し、続いてDMOCP(0.39g、2.1mmol)を添加した。23℃で1時間後、水(0.05mL)を投入して反応を停止させた。DBU(0.5mL)を添加した。30分後、混合物を、2MのKHSO44mL及び水5mL及びEtOAc5mLで希釈した。有機層を、2MのKHSO44mL及び水5mLで洗浄した。濃縮後、0.7gの粗生成物を定量的収率で単離し、次のステップに直接使用した。
【0173】
ii)(S)-{[(2R,3R,4R,5R)-5-(6-ベンズアミド-9H-プリン-9-イル)-3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-4-フルオロオキソラン-2-イル]メトキシ}[(1R)-1-(4-プロポキシピリジン-2-イル)エトキシ]スルファニリデン亜ホスフィン酸(0.70g、0.804mmol)及びC-3’-OH(0.531g、0.804mmol)を乾燥したフラスコに投入した。混合物を、真空下40℃未満でピリジン(2×10mL)を蒸発させることにより乾燥させた後、ピリジン(1.75mL)を添加し、続いてDMOCP(0.371g、2.0mmol、2.5当量)を添加した。23℃で2時間後、反応を水で停止させた。生成物をEtOAcで抽出し、2MのKHSO4、次いで水で洗浄した。有機層を濃縮し、粗生成物を98.9:1.1のdr及び90%の溶液収率で得た。分析的に純粋な試料を、ヘキサン中0~100%のEtOAcを用いるシリカゲルカラムで精製することによって得た。
【0174】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 11.27 (bs, 2H), 8.57 (s, 1 H), 8.53 (s, 1H), 8.24 (d, J = 6.35 Hz, 1H), 8.18 (bs, 1H), 8.07-8.04 (m, 4H), 7.75-7.73 (m, 4H), 7.70-7.66 (m, 3H), 7.60-7.47 (m, 10H), 7.40-7.39 (m, 2H), 7.34-7.31 (m, 2H), 7.27-7.26 (m, 5H), 7.18 (bs, 1H), 6.90 (d, J = 7.7 Hz, 4H), 6.86 (bs, 2H), 6.45 (d, J = 19.95 Hz, 1H), 5.90 (d, J = 4.35 Hz, 1H), 5.48 (m, 0.5 H), 5.41-5.35 (m, 1.5 H), 5.12-5.06 (m, 1H), 4.93-4.89 (m, 1H), 4.44 (t, J = 4.25 Hz, 1h), 4.37-4.34 (m, 2H), 4.22 (m, 1H), 4.03 (m, 1H), 3.94 (t, J = 6.45 Hz, 2H), 3.78 (s, 3H), 3.78 (s, 3H), 3.32-3.27 (m, 2H), 1.71-1.67 (m, 2H), 1.41 (d, J = 6.45 Hz, 3H), 1.15 (s, 9H), 0.94 (t, J = 7.35 Hz, 3H), 0.74 (s, 9H), 0.00 (s, 3H), -0.08 (s, 3H). 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ 167.8, 166.0, 165.6, 163.8, 161.0, [d, J (P, C) = 6.66 Hz], 158.7, 158.7, 154.8, 151.8, 151.7, 151.1, 150.8, 144.6, 144.2, 135.9, 135.8, 135.5, 135.2, 133.8, 133.5, 133.3, 132.9, 132.7, 132.5, 130.8, 130.7, 130.2, 130.2, 129.0, 129.0, 128.5, 128.4, 128.3, 128.2, 127.4, 126.3, 113.7, 109.7, 107.3, 97.0, 92.6 [d, J (F, C) = 187.9 Hz], 89.6, 87.3 [d, J (P, C) = 35.4 Hz], 86.8, 81.6, 81.5, 79.1, 78.3 [d, J (P, C) = 4.56 Hz], 76.2, 74.5, 71.3 [d, J (P, C) = 15.7 Hz], 69.6, 68.2, 62.4, 55.5, 55.4, 27.1, 25.8, 22.1, 22.0, 19.3, 18.0, 10.6, -4.7, -5.0. 31P NMR (202 MHz, DMSO-d6): δ 67.32. 19F NMR (470 MHz, DMSO-d6): δ -200.88.
6.15.F-G-3’-OH
【0175】
【化68】
【0176】
i)フラスコに、(R,Rp)-FPPSPr(0.42、0.88mmol)及びN-{9-[(2R,3R,4R,5R)-4-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-3-フルオロ-5-(ヒドロキシメチル)オキソラン-2-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(0.5g、0.80mmol)を投入した。混合物を、ピリジン5mLの蒸発により乾燥させた後、ピリジン(1.5mL)を投入し、続いてDMOCP(0.39g、2.1mmol)を添加した。23℃で1時間後、水(0.05mL)を投入して反応を停止させた。DBU(0.5mL)を添加した。30分後、混合物を、2MのKHSO44mL及び水5mL及びEtOAc5mLで希釈した。有機層を、2MのKHSO44mL及び水5mLで洗浄した。濃縮後、0.7gの粗生成物を定量的収率で単離し、次のステップに直接使用した。
【0177】
ii)(S)-{[(2R,3R,4R,5R)-5-(6-ベンズアミド-9H-プリン-9-イル)-3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-4-フルオロオキソラン-2-イル]メトキシ}[(1R)-1-(4-プロポキシピリジン-2-イル)エトキシ]スルファニリデン亜ホスフィン酸(0.7g、0.804mmol)及びG-3’-OH(0.619g、0.804mmol)を乾燥したフラスコに投入した。混合物を、真空下40℃未満でピリジン(2×10mL)を蒸発させることにより乾燥させた後、ピリジン(1.75mL)を添加し、続いてDMOCP(0.371g、2.0mmol)を添加した。23℃で2時間後、反応を水で停止させた。生成物をEtOAcで抽出し、2MのKHSO4、次いで水で洗浄した。有機層を濃縮し、粗生成物を98:2のdr及び85%の溶液収率で得た。分析的に純粋な試料を、ヘキサン中0~100%のEtOAcを用いるシリカゲルカラムで精製することによって得た。
【0178】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 12.30 (s, 1H), 11.85 (s, 1H), 11.43 (s, 1H), 8.81 (s, 1H), 8.69 (s, 1H), 8.51 (d, J = 5.70 Hz, 1H), 8.25-8.24 (m, 3H), 7.95-7.93 (m, 4H), 7.87 (t, J = 7.40 Hz, 1H), 7.78-7.67 (m, 8H), 7.56-7.55 (m, 2H), 7.50-7.42 (m, 7H), 7.12 (m, 1H), 7.09-7.06 (m, 5H), 6.69 (d, J = 20.35 Hz, 1H), 6.03 (d, J =7.9 Hz, 1H), 5.68-5.58 (m, 2H), 5.36-5.31 (m, 1H), 5.13 (m, 1H), 4.99 (m, 1H), 4.58 (m, 2H), 4.39 (m, 1H), 4.15-4.12 (m, 3H), 3.97 (s, 6H), 3.40 (m, 2H), 2.92 (m, 1H), 1.87-1.83 (m, 2H), 1.74 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 1.35 (s, 9H), 1.33-1.30 (m, 6H), 1.09 (t, J = 7.40 Hz, 3H), 0.71 (s, 9H), -0.03 (s, 3H), -0.14 (s, 3H). 13C NMR (126 MHz, DMSO-d6): δ 180.5, 165.9, 165.7, 160.9 [d, J (P, C) = 7.0 Hz], 158.7, 158.7, 155.1, 151.7, 151.7, 151.1, 151.0, 149.6, 149.0, 145.0, 144.4, 136.7, 135.9, 135.8, 135.5, 135.4, 133.7, 132.9, 132.6, 132.5, 130.8, 130.8, 128.9, 128.9, 128.6, 128.4, 128.3, 128.0, 127.3, 126.3, 120.4, 113.6, 109.9, 107.6, 92.8 [d, J (F, C) = 187.2 Hz], 87.5 [d, J (P, C) = 35.2 Hz], 86.4, 85.2, 83.0, 81.7 [d, J (P, C) = 8.9 Hz], 78.8 [d, J (P, C) = 5.1 Hz], 78.5 [d, J (P, C) = 4.6 Hz], 74.6 [d, J (P, C) = 7.3 Hz], 71.5 [d, J (P, C) = 15.7 Hz], 69.6, 68.9, 63.6, 55.5, 55.5, 35.3, 27.1, 25.7, 25.4, 22.3 [d, J (P, C) = 4.3 Hz], 22.1, 21.2, 19.3, 17.7, 10.5, -4.9, -5.5. 31P NMR (202 MHz, DMSO-d6): δ 67.96. 19F NMR (470 MHz, DMSO-d6): δ -201.2.
6.16.F-U-3’-OH
【0179】
【化69】
【0180】
i)フラスコに、(R,Rp)-FPPSPr(0.42、0.88mmol)及びN-{9-[(2R,3R,4R,5R)-4-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-3-フルオロ-5-(ヒドロキシメチル)オキソラン-2-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(0.5g、0.80mmol)を投入した。混合物を、ピリジン5mLの蒸発により乾燥させた後、ピリジン(1.5mL)を投入し、続いてDMOCP(0.39g、2.1mmol)を添加した。23℃で1時間後、水(0.05mL)を投入して反応を停止させた。DBU(0.5mL)を添加した。30分後、混合物を、2MのKHSO44mL及び水5mL及びEtOAc5mLで希釈した。有機層を、2MのKHSO44mL及び水5mLで洗浄した。濃縮後、0.7gの粗生成物を定量的収率で単離し、次のステップに直接使用した。
【0181】
ii)(S)-{[(2R,3R,4R,5R)-5-(6-ベンズアミド-9H-プリン-9-イル)-3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-4-フルオロオキソラン-2-イル]メトキシ}[(1R)-1-(4-プロポキシピリジン-2-イル)エトキシ]スルファニリデン亜ホスフィン酸(0.7g、0.804mmol)及びU-3’-OH(0.531g、0.804mmol)を乾燥したフラスコに投入した。混合物を、真空下40℃未満でピリジン(2×10mL)を蒸発させることにより乾燥させた後、ピリジン(1.75mL)を添加し、続いてDMOCP(0.371g、2.0mmol、2.5当量)を添加した。23℃で2時間後、反応を水で停止させた。生成物をEtOAcで抽出し、2MのKHSO4、次いで水で洗浄した。有機層を濃縮し、粗生成物を96.4:1.4のdr及び87%の溶液収率で得た。分析的に純粋な試料を、ヘキサン中0~100%のEtOAcを用いるシリカゲルカラムで精製することによって得た。
【0182】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.58 (s, 1H), 11.29 (s, 1H), 8.64 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.31 (d, J = 5.15 Hz, 1H), 8.12 (d, J = 7.45 Hz, 2H), 7.83-7.80 (m, 4H), 7.76 (t, J = 7.35 Hz, 1H), 7.67-7.64 (m, 3H), 7.63-7.55 (m, 6H), 7.42-7.37 (m, 4H), 7.33 (m, 1H), 7.28-7.27 (m, 4H), 6.97-6.92 (m, 6H), 6.52 (d, J = 20 Hz, 1H), 5.91 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 5.58-5.45 (m, 3H), 5.17 (m, 1H), 4.98 (m, 1H), 4.51-4.40 (m, 3H), 4.29-4.08 (m, 2H), 3.99 (t, J = 6.25 Hz, 2H), 3.84 (bs, 6H), 3.19 (m, 2H), 1.78-1.71 (m, 2H), 1.43 (d, J = 6.25 Hz, 1H), 1.23 (s, 9H), 1.00 (t, J = 7.30 Hz, 3H), 0.79 (s, 9H), 0.02 (s, 3H), 0.00 (s, 3H). 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ 166.0, 165.6, 163.1, 161.1 [d, J (P, C)= 6.94 Hz)], 158.7, 158.7, 151.8, 151.7, 151.0, 150.9, 150.8, 144.7, 144.2, 139.9, 135.9, 135.8, 135.3, 135.0, 133.8, 132.9, 132.7, 132.5, 130.8, 130.7, 130.1, 128.9, 128.9, 120.5, 120.4, 120.4, 127.9, 127.3, 126.3, 113.7, 113.7, 109.8, 107.3, 102.8, 92.5 [d, J (F, C)= 186.8 Hz)], 87.2, 86.8, 82.1, 81.4 [d, J (P, C)= 9.24 Hz)], 78.4 [d, J (P, C)= 4.59 Hz)], 77.5, 73.5 [d, J (P, C)= 6.19 Hz)], 71.3 [d, J (P, C)= 15.4 Hz)], 69.6, 68.0, 63.1, 55.5, 55.5, 27.2, 25.9, 25.7, 22.1, 19.3, 17.9, 10.6, -4.77, -5.06. 31P NMR (202 MHz, DMSO-d6): δ 67.66. 19F NMR (470 MHz, DMSO-d6): δ -201.5.
6.17.F-A-2’-OH
【0183】
【化70】
【0184】
i)フラスコに、(R,Rp)-FPPSPr(0.42、0.88mmol)及びN-{9-[(2R,3R,4R,5R)-4-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-3-フルオロ-5-(ヒドロキシメチル)オキソラン-2-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(0.5g、0.80mmol)を投入した。混合物を、ピリジン5mLの蒸発により乾燥させた後、ピリジン(1.5mL)を投入し、続いてDMOCP(0.39g、2.1mmol)を添加した。23℃で1時間後、水(0.05mL)を投入して反応を停止させた。DBU(0.5mL)を添加した。30分後、混合物を、2MのKHSO44mL及び水5mL及びEtOAc5mLで希釈した。有機層を、2MのKHSO44mL及び水5mLで洗浄した。濃縮後、0.7gの粗生成物を定量的収率で単離し、次のステップに直接使用した。
【0185】
ii)(S)-{[(2R,3R,4R,5R)-5-(6-ベンズアミド-9H-プリン-9-イル)-3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-4-フルオロオキソラン-2-イル]メトキシ}[(1R)-1-(4-プロポキシピリジン-2-イル)エトキシ]スルファニリデン亜ホスフィン酸(0.7g、0.804mmol)及び(2R,3S,4R,5R)-5-(6-ベンズアミド-9H-プリン-9-イル)-2-{[ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ]メチル}-4-ヒドロキシオキソラン-3-イルベンゾエート(0.656g、0.844mmol)を乾燥したフラスコに投入した。混合物を、真空下40℃未満でピリジン(2×10mL)を蒸発させることにより乾燥させた後、ピリジン(1.75mL)を添加し、続いてDMOCP(0.371g、2.0mmol、2.5当量)を添加した。23℃で2時間後、反応を水で停止させた。生成物をEtOAcで抽出し、2MのKHSO4、次いで水で洗浄した。有機層を濃縮し、粗生成物を96.8:3.2のdr及び85%の溶液収率で得た。分析的に純粋な試料を、ヘキサン中0~100%のEtOAcを用いるシリカゲルカラムで精製することによって得た。
【0186】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 11.24 (s, 1H), 11.18 (s, 1 H), 8.61 (s, 1H), 8.53 (s, 1H), 8.49 (s, 1H), 8.47 (s, 1H), 8.17 (d, J = 5.75 Hz, 1H), 8.07-8.03 (m, 4H), 7.90 (d, J = 7.35 Hz, 2H), 7.66-7.62 (m, 7H), 7.56-7.52 (m, 4H), 7.47-7.36 (m, 10H), 7.25-7.14 (m, 7H), 6.82-6.76 (m, 6H), 6.44 (m, 1H), 6.29 (d, J = 19.2 Hz, 1H), 6.09 (m, 1H), 5.98 (m, 1H), 5.31-5.20 (m, 2H), 4.88 (m, 1H), 4.46 (m, 1H), 4.20-4.14 (m, 3H), 3.94-3.84 (m, 3H), 3.68 (s, 6H), 3.43-3.35 (m, 2H), 1.69-1.65 (m, 2H), 1.06 (s, 9H), 0.91 (t, J = 7.35 Hz, 3H). 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ 164.0, 163.9, 163.5, 163.0, 158.9 [d, J (P, C) = 6.84 Hz], 156.4, 150.1, 150.0, 149.8, 149.6, 149.0, 148.8, 148.5, 142.9, 141.9, 141.7, 133.7, 133.6, 133.6, 133.5, 132.0, 131.7, 131.6, 130.8, 130.8, 130.5, 130.4, 128.6, 128.5, 128.1, 128.0, 127.7, 127.1, 126.9, 126.9, 126.8, 126.3, 126.2, 126.1, 126.0, 125.0, 124.1, 124.1, 111.5, 107.7, 104.7, 90.2 [d, J (F, C) = 188.4 Hz], 85.0 [d, J (P, C) = 11.5 Hz], 84.7, 84.2, 79.3 [d, J (P, C) = 5.0 Hz], 79.0, 76.4 [d, J (P, C) = 5.0 Hz], 74.1, 69.3 [d, J (P, C) = 4.8 Hz], 69.0 [d, J (P, C) = 15.7 Hz], 67.4, 65.7, 60.7, 53.3, 53.3, 25.0, 25.0, 20.0, 20.0, 17.2, 8.5. 31P NMR (202 MHz, DMSO-d6): δ 66.76. 19F NMR (470 MHz, DMSO-d6): δ -201.5.
【0187】
F-A-2-OH-DTBS
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 11.21 (bs, 2H), 8.62 (s, 1H), 8.55 (s, 1H), 8.49 (s, 1H), 8.48 (s, 1H), 8.21 (d, J = 5.70 Hz, 1H), 8.05 (d, J = 7.45 Hz, 2H), 8.01 (d, J = 7.50 Hz, 2H), 7.68-7.67 (m, 4H), 7.64-7.61 (m, 2H), 7.56-7.51 (m, 4H), 7.49-7.41 (m, 6H), 6.86 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 6.80 (m, 1H), 6.34 (d, J = 19.55 Hz, 1H), 6.24 (s, 1H), 5.44-5.35 (m, 2.5H), 5.28 (m, 0.5H), 4.93 (m, 1H), 4.33-4.30 (m, 3H), 4.12 (m, 1H), 3.94-3.91 (m, 3H), 3.84 (m, 1H), 1.71-1.67 (m,2H), 1.36 (d, J = 6.45 Hz, 3H), 1.08 (s, 9H), 0.99 (s, 9H), 0.92 (t, J = 7.35 Hz, 3H), 0.83 (s, 9H). 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ 166.2, 166.1, 165.7, 161.1 [d, J (P, C) = 6.74 Hz], 152.2, 151.8, 151.8, 151.6, 151.1, 151.0, 150.8, 144.0, 143.9, 135.8, 135.8, 133.7, 132.0, 132.9, 130.8, 130.7, 129.0, 128.9, 128.9, 128.5, 128.4, 126.1, 126.0, 109.3, 107.4, 92.4 [d, J (F, C) = 188.4 Hz], 88.7, 87.0 [d, J (P, C) = 34.63 Hz], 81.7 [d, J (P, C) = 8.35 Hz], 78.5 [d, J (P, C) = 5.6 Hz], 78.4 [d, J (P, C) = 5.6 Hz], 74.6, 74.6, 71.3 [d, J (P, C) = 15.67 Hz], 69.6, 67.9, 67.0, 27.5, 27.1, 27.1, 22.6, 22.4, 22.3, 22.1, 20.2, 19.3, 10.7. 31P NMR (202 MHz, DMSO-d6): δ 65.76. 19F NMR (470 MHz, DMSO-d6): δ -201.5.
6.18.F-C-2’-OH
【0188】
【化71】
【0189】
i)フラスコに、(R,Rp)-FPPSPr(0.42、0.88mmol)及びN-{9-[(2R,3R,4R,5R)-4-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-3-フルオロ-5-(ヒドロキシメチル)オキソラン-2-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(0.5g、0.80mmol)を投入した。混合物を、ピリジン5mLの蒸発により乾燥させた後、ピリジン(1.5mL)を投入し、続いてDMOCP(0.39g、2.1mmol)を添加した。23℃で1時間後、水(0.05mL)を投入して反応を停止させた。DBU(0.5mL)を添加した。30分後、混合物を、2MのKHSO44mL及び水5mL及びEtOAc5mLで希釈した。有機層を、2MのKHSO44mL及び水5mLで洗浄した。濃縮後、0.7gの粗生成物を定量的収率で単離し、次のステップに直接使用した。
【0190】
ii)(S)-{[(2R,3R,4R,5R)-5-(6-ベンズアミド-9H-プリン-9-イル)-3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-4-フルオロオキソラン-2-イル]メトキシ}[(1R)-1-(4-プロポキシピリジン-2-イル)エトキシ]スルファニリデン亜ホスフィン酸(0.7g、0.804mmol)及び(2R,3S,4R,5R)-5-(6-ベンズアミド-9H-プリン-9-イル)-2-{[ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ]メチル}-4-ヒドロキシオキソラン-3-イルベンゾエート(0.606g、0.804mmol)を乾燥したフラスコに投入した。混合物を、真空下40℃未満でピリジン(2×10mL)を蒸発させることにより乾燥させた後、ピリジン(1.75mL)を添加し、続いてDMOCP(0.371g、2.0mmol、2.5当量)を添加した。23℃で2時間後、反応を水で停止させた。生成物をEtOAcで抽出し、2MのKHSO4、次いで水で洗浄した。有機層を濃縮し、粗生成物を97.1:2.9のdr及び86%の溶液収率で得た。分析的に純粋な試料を、ヘキサン中0~100%のEtOAcを用いるシリカゲルカラムで精製することによって得た。
【0191】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 11.37 (s, 1H), 11.18 (s, 1 H), 8.52 (s, 1H), 8.51 (s, 1H), 8.25 (s, 1H), 8.24 (s, 1H), 8.03 (d, J = 7.70 Hz, 4H), 7.85 (d, J = 7.35 Hz, 2H), 7.69-7.61 (m, 7H), 7.54-7.51 (m, 4H), 7.46-7.35 (m, 10H), 7.30-7.17 (m, 8H), 6.89 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 6.85-6.80 (m, 5H), 6.39 (dd, J =1.95, 18.75 Hz, 1H), 5.99 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 5.70 (m, 1H), 5.47 (m, 1H), 5.39 (m, 0.5H), 5.31-5.28 (m, 1.5 H), 4.95 (m, 1H), 4.39-4.30 (m, 3H), 4.12 (m, 1H), 3.97-3.90 (m, 2H), 3.68 (s, 6H), 3.40 (m, 2H), 1.68-1.64 (m, 2H), 1.17 (t, J = 7.15 Hz, 3H), 1.08 (s, 9H), 0.89 (t, J = 7.35 Hz, 3H). 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ 167.9, 166.0, 165.7, 165.1, 164.3, 161.3 [d, J (P, C) = 6.83 Hz], 158.6, 158.6, 154.6, 151.9, 151.8, 151.0, 150.7, 146.6, 144.7, 143.8, 135.8, 135.8, 135.5, 135.5, 134.1, 133.8, 133.5, 133.3, 132.9, 132.7, 132.6, 130.7, 130.6, 130.1, 130.1, 129.9, 129.8, 129.2, 129.1, 129.0, 128.9, 128.9, 128.4, 128.4, 128.1, 127.3, 126.2, 113.7, 109.8, 106.8, 97.2, 93.0, 91.5, 86.9, 86.7, 81.5 [d, J (P, C) = 7.84 Hz], 80.4, 78.3 [d, J (P, C) = 4.74 Hz], 77.5, 71.2 [d, J (P, C) = 15.16 Hz], 70.5, 69.6, 67.6, 64.5, 55.4, 27.1, 22.2, 22,1 [d, J (P, C) = 4.11 Hz], 19.3, 10.6. 31P NMR (202 MHz, DMSO-d6): δ 66.76. 19F NMR (470 MHz, DMSO-d6): δ -201.5.
6.19.F-G-2’-OH
【0192】
【化72】
【0193】
i)フラスコに、(R,Rp)-FPPSPr(0.42、0.88mmol)及びN-{9-[(2R,3R,4R,5R)-4-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-3-フルオロ-5-(ヒドロキシメチル)オキソラン-2-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(0.5g、0.80mmol)を投入した。混合物を、ピリジン5mLの蒸発により乾燥させた後、ピリジン(1.5mL)を投入し、続いてDMOCP(0.39g、2.1mmol)を添加した。23℃で1時間後、水(0.05mL)を投入して反応を停止させた。DBU(0.5mL)を添加した。30分後、混合物を、2MのKHSO44mL及び水5mL及びEtOAc5mLで希釈した。有機層を、2MのKHSO44mL及び水5mLで洗浄した。濃縮後、0.7gの粗生成物を定量的収率で単離し、次のステップに直接使用した。
【0194】
ii)(S)-{[(2R,3R,4R,5R)-5-(6-ベンズアミド-9H-プリン-9-イル)-3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-4-フルオロオキソラン-2-イル]メトキシ}[(1R)-1-(4-プロポキシピリジン-2-イル)エトキシ]スルファニリデン亜ホスフィン酸(0.25g、0.287mmol)及びG-2’-OH(0.218g、0.287mmol)を乾燥したフラスコに投入した。混合物を、真空下40℃未満でピリジン(2×10mL)を蒸発させることにより乾燥させた後、ピリジン(1.75mL)を添加し、続いてDMOCP(0.132g、0.718mmol、2.5当量)を添加した。23℃で2時間後、反応を水で停止させた。生成物をEtOAcで抽出し、2MのKHSO4、次いで水で洗浄した。有機層を濃縮し、粗生成物を97.7:2.3のdr及び82%の溶液収率で得た。分析的に純粋な試料を、ヘキサン中0~100%のEtOAcを用いるシリカゲルカラムで精製することによって得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 8.44 (s, 1H), 8.43 (s, 1H), 8.16 (d, J = 5.60 Hz, 1H), 8.05 (d, J = 7.35 Hz, 2H), 8.01 (s, 1H), 7.86 (d, J = 7.40 Hz, 2H), 7.66-7.63 (m, 6H), 7.54 (t, J = 7.70 Hz, 2H), 7.46-7.38 (m, 8H), 7.35 (d, J = 6.50 Hz, 2H), 7.29-7.15 (m, 7H), 6.86-6.78 (m, 2H), 6.76-6.74 (m, 2H), 6.27 (d, J = 18.7 Hz, 1H), 6.19 (d, J = 5.60 Hz, 1H), 5.80 (m, 1H), 5.72 (m, 1H), 5.30-5.25 (m, 1.5H), 5.18 (m, 0.5H), 4.93-4.87 (m, 1H), 4.41 (m, 1H), 4.23-4.19 (m, 2H), 3.91-3.84 (m, 3H), 3.69 (s, 6H), 3.49 (m, 1H), 3.33 (m, 1H), 2.68 (m, 1H), 1.67-1.62 (m, 2H), 1.18 (d, J =6.45 Hz, 3H), 1.08-1.05 (m, 15H), 0.89 (t, J = 7.40 Hz, 3H). 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ 178.5, 164.0, 163.5, 162.9, 158.8 [d, J (P, C) = 7.25 Hz], 156.5, 156.5, 154.4, 150.0, 149.4, 149.1, 148.5, 147.6, 142.9, 141.7, 135.2, 133.7, 133.6, 132.0, 131.9, 130.6, 130.4, 128.6, 128.5, 128.1, 128.0, 127.6, 127.1, 127.0, 126.9, 126.8, 126.2, 126.1, 126.0, 125.1, 124.1, 118.6, 111.5, 107.6, 104.7, 90.3 [d, J (F, C) = 187.75 Hz], 84.9 [d, J (P, C) = 34.6 Hz], 84.3, 83.5, 79.9, 79.2 [d, J (P, C) = 7.94 Hz], 76.4 [d, J (P, C) = 4.8 Hz], 74.6, 70.0, 69.0 [d, J (P, C) = 15.5 Hz], 67.4, 65.8, 61.8, 53.3, 33.3, 25.0, 20.0, 17.4, 17.3, 17.2. 31P NMR (202 MHz, DMSO-d6): δ 66.76. 19F NMR (470 MHz, DMSO-d6): δ -201.04.
6.20.F-U-2’-OH
【0195】
【化73】
【0196】
i)フラスコに、(R,Rp)-FPPSPr(0.42、0.88mmol)及びN-{9-[(2R,3R,4R,5R)-4-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-3-フルオロ-5-(ヒドロキシメチル)オキソラン-2-イル]-9H-プリン-6-イル}ベンズアミド(0.5g、0.80mmol)を投入した。混合物を、ピリジン5mLの蒸発により乾燥させた後、ピリジン(1.5mL)を投入し、続いてDMOCP(0.39g、2.1mmol)を添加した。23℃で1時間後、水(0.05mL)を投入して反応を停止させた。DBU(0.5mL)を添加した。30分後、混合物を、2MのKHSO44mL及び水5mL及びEtOAc5mLで希釈した。有機層を、2MのKHSO44mL及び水5mLで洗浄した。濃縮後、0.7gの粗生成物を定量的収率で単離し、次のステップに直接使用した。
【0197】
ii)(S)-{[(2R,3R,4R,5R)-5-(6-ベンズアミド-9H-プリン-9-イル)-3-[(tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ]-4-フルオロオキソラン-2-イル]メトキシ}[(1R)-1-(4-プロポキシピリジン-2-イル)エトキシ]スルファニリデン亜ホスフィン酸(0.7g、0.804mmol)及び(2R,3S,4R,5R)-5-(6-ベンズアミド-9H-プリン-9-イル)-2-{[ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ]メチル}-4-ヒドロキシオキソラン-3-イルベンゾエート(0.656g、0.844mmol、1.05当量)を乾燥したフラスコに投入した。混合物を、真空下40℃未満でピリジン(2×10mL)を蒸発させることにより乾燥させた後、ピリジン(1.75mL)を投入し、続いてDMOCP(0.37g、2.0mmol、2.5当量)を添加した。23℃で2時間後、反応を水で停止させた。生成物をEtOAcで抽出し、2MのKHSO4及び水で順次洗浄した。有機層を濃縮し、粗生成物を97.1:2.9のdr及び87%の溶液収率で得た。分析的に純粋な試料を、ヘキサン中0~100%のEtOAcを用いるシリカゲルカラムで精製することによって得た。
【0198】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.49 (s, 1H), 11.17 (s, 1H), 8.47 (bs, 2H), 8.20 (d, J = 5.35 Hz, 1H), 8.02 (d, J = 7.40 Hz, 2H), 7.83 (d, J = 7.55 Hz, 2H), 7.68-7.60 (m, 7H), 7.54 (t, J = 7.30 Hz, 2H), 7.47-7.39 (m, 8H), 7.34-7.33 (m, 2H), 7.25-7.17 (m, 7H), 6.84-6.82 (m, 5H), 6.79 (d, J = 5.30 Hz, 1H), 6.35 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 5.96 (d, J = 3.4 Hz, 1H), 5.60 (m, 1H), 5.45-5.39 (m, 2H), 5.34-5.24 (m, 2H), 4.96-4.92 (m, 1H), 4.30-4.23 (m, 3H), 4.08-4.01 (m, 1H), 3.93-3.89 (m, 2H), 3.69 (s, 6H), 3.38-3.29 (m, 2H), 1.69-1.65 (m, 2H), 1.18 (d, J = 6.30 Hz, 3H), 1.08 (s, 9H), 0.91 (t, J = 7.25 Hz, 3H). 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ 166.0, 165.7, 165.0, 163.3, 161.1 [d, J (P, C)= 7.24 Hz)], 158.6, 158.6, 151.9, 151.7, 151.0, 150.7, 150.6, 144.9, 144.0, 141.7, 135.8, 135.8, 135.5, 135.4, 134.1, 133.8, 132.9, 132.7, 132.6, 130.7, 130.7, 130.2, 130.1, 129.8, 129.1, 129.0, 129.0, 128.9, 128.5, 128.4, 128.3, 128.1, 127.3, 126.2, 113.7, 109.8, 106.7, 102.7, 92.3 [d, J (F, C)= 188.2 Hz)], 89.9, 87.0 [d, J (P, C)= 34.19 Hz)], 86.6, 81.3 [d, J (P, C)= 9.55 Hz)], 80.7, 78.4 [d, J (P, C)= 4.66 Hz)], 76.6, 71.2, 71.1, 69.6, 67.6, 63.1, 55.5, 55.5, 27.1, 22.1, 22.1, 22.1, 21.2, 19.3, 10.7. 31P NMR (202 MHz, DMSO-d6): δ 67.07. 19F NMR (470 MHz, DMSO-d6): δ -201.4.
【0199】
(実施例7)
四量体の合成
【化74】
【0200】
ステップ1:dC-dG-P(V)の合成
乾燥したフラスコに、DMTrを含まないdC-dG(350mg、0.305mmol)、FPPSPr(145.9mg、0.317mmol)及びピリジン(1.05mL)を投入した。次いで、クロロリン酸ジイソプロピル(157.6mg、0.762mmol、2.5当量)を添加した。23℃で2時間後、水(0.035mL)を添加した。10分後、DBU(0.35mL)を添加した。10分後、生成物をEtOAcで抽出し、次いで2MのKHSO4で洗浄した。粗生成物を、94:6のdrで単離し、次のステップに直接使用した。分析試料を、CH2Cl2中の0~10%MeOHを用いてシリカゲルで精製することによって得た。
【0201】
ステップ2:dC-dG-dT-dAの合成
乾燥したフラスコに、dC-dG-P(V)(0.1g、0.071mmol)及びTBDPSを含まないdA-dT(0.081g、0.071mmol)を投入した。混合物を、ピリジンの共蒸発により乾燥させた。ピリジン(0.25mL)を投入した後、DMOCP(0.033g、0.178mmol)を添加した。23℃で2時間後、反応により、完全に変換された。生成物をEtOAcで抽出し、次いで2MのKHSO4で洗浄した。粗生成物を、水中0~100%のMeOHを用いるC18逆相カラムで精製し、87%の収率で単離した。
【0202】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 12.06 (s, 1H), 11.54 (s, 1H), 11.33 (s, 1H), 11.27 (s, 1H), 11.19 (s, 1H), 8.56 (s, 1H), 8.54 (s, 1H), 8.29 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 8.25 (d, J = 4.75 Hz, 1H), 8.22 (d, J = 4.70 Hz, 1H), 8.11 (d, J = 6.1 Hz, 1H), 8.04 (d, J = 6.25 Hz, 2H), 7.99 (s, 1H), 7.98 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 7.65-7.53 (m, 8H), 7.50-7.42 (m, 8H), 7.37-7.32 (m, 3H), 7.28 (s, 1H), 7.21-7.18 (m, 6H), 7.15 (m, 1H), 6.94 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 6.91 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 6.86 (d, J =1.9 Hz, 1H), 6.82-6.76 (m, 7H), 6.46 (t, J =5.8 Hz, 1H), 6.31 (m, 1H), 6.12-6.08 (m, 2H), 5.54-5.51 (m, 2H), 5.43-5.40 (m, 2H), 5.06 (m, 1H), 4.96 (m, 1H), 4.39 (bs, 1H), 4.32-4.28 (m, 2H), 4.27-4.24 (m, 2H), 4.17-4.12 (m, 2H), 4.09 (bs, 2H), 3.93-3.84 (m, 8H), 3.69 (s, 3H), 3.68 (s, 3H), 3.29-3.24 (m, 5H), 2.76 (m, 1H), 2.63 (m, 1H), 2.55 (m, 1H), 2.31 (m, 1H), 2.25 (m, 1H), 2.08 (m, 1H), 1.67-1.61 (m, 9H), 1.56-1.51 (m, 9H), 1.28-1.19 (m, 4H), 1.11 (d, J = 5.7 Hz, 6H), 1.03 (s, 9H), 0.91-0.84 (m, 9H).
13C NMR(125MHz,DMSO-d6):複雑なNMRにより、データは収集しなかった。31P NMR (202 MHz, DMSO-d6): δ 65.65, 65.62.
【国際調査報告】