IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジャイラス エーシーエムアイ インクの特許一覧

特表2024-510936内視鏡検査および腹腔鏡検査のための電気縫合デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】内視鏡検査および腹腔鏡検査のための電気縫合デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/04 20060101AFI20240305BHJP
【FI】
A61B17/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553085
(86)(22)【出願日】2022-02-28
(85)【翻訳文提出日】2023-10-26
(86)【国際出願番号】 US2022070864
(87)【国際公開番号】W WO2022187795
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】63/155,072
(32)【優先日】2021-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/216,638
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500498763
【氏名又は名称】ジャイラス エーシーエムアイ インク ディー/ビー/エー オリンパス サージカル テクノロジーズ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ニキル・ムルデシュワル
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ジェイ・ホルマン
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン・エヌ・ミルフォード
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160BB01
(57)【要約】
電磁縫合デバイスが、ボディ、ボディ内のコイル、および、コイルにおいて生成される磁場によって作動可能である縫合要素を備える。電磁縫合デバイスが、第1の端面を有する第1のアームと、第1の端面内へ延在する第1の縫合トラックと、第1の端面に対向する第2の端面を有する第2のアームと、第2の端面内へ延在する第2の縫合トラックと、第1のアーム内のコイルと、第1の縫合トラックから第2の縫合トラックへ移動するためにコイルによって生成される磁場によって駆動可能である、縫合要素と、を具備する、ハウジングを備える。電磁ハンマ縫合デバイスが、ハウジングおよびハウジング内のコイルと、コイルによって生成される電磁場によりハウジング内で往復運動するシャットルと、シャットルによって作動される縫合要素と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボディと、
前記ボディに埋め込まれた第1のコイルと、
前記第1のコイルによって生成される磁場によって作動されるように構成された縫合要素と、
を備える、電磁駆動縫合デバイス。
【請求項2】
前記ボディが、
第1の端面を有する第1のアームと、
少なくとも部分的に前記第1の端面に対向する第2の端面を有する第2のアームと、
を備え、
前記第1のコイルが、前記第1のコイルの中心軸線が前記第1の端面から延在するように前記第1のアーム内に配置される、請求項1に記載の電磁駆動縫合デバイス。
【請求項3】
前記第1のコイルの前記中心軸線が、スコープの中心軸線に対して横向きに延在する、請求項2に記載の電磁駆動縫合デバイス。
【請求項4】
ベースに回転可能に接続されたキャップをさらに備え、前記キャップが、スコープに取り付けられるように構成されている、請求項2に記載の電磁駆動縫合デバイス。
【請求項5】
前記縫合要素に連結された付勢要素をさらに備える、請求項2に記載の電磁駆動縫合デバイス。
【請求項6】
その中心軸線が前記第2の端面から延在するように前記第2のアーム内に設置された第2のコイルをさらに備える、請求項2に記載の電磁駆動縫合デバイス。
【請求項7】
前記縫合要素が、前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間で往復運動するように構成されている、請求項6に記載の電磁駆動縫合デバイス。
【請求項8】
各コイルが、前記縫合要素を押し引きするように構成されている、請求項7に記載の電磁駆動縫合デバイス。
【請求項9】
前記縫合要素が、前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間を循環するように構成されている、請求項6に記載の電磁駆動縫合デバイス。
【請求項10】
第3のコイルをさらに備え、各コイルの中心が、他のコイルから120度間隔を空けられている、請求項9に記載の電磁駆動縫合デバイス。
【請求項11】
前記第1および第2のコイルを選択的に作動させるように構成された制御装置をさらに備える、請求項6に記載の電磁駆動縫合デバイス。
【請求項12】
前記磁場との相互作用を強化するために前記縫合要素に取り付けられた磁石をさらに備える、請求項6に記載の電磁駆動縫合デバイス。
【請求項13】
前記縫合要素が、前記磁場によって直接駆動されるように構成されている、請求項6に記載の電磁駆動縫合デバイス。
【請求項14】
前記縫合要素が、前記磁場によって間接的に駆動される、請求項6に記載の電磁駆動縫合デバイス。
【請求項15】
前記縫合要素を駆動するために前記磁場と相互作用するように構成された第1のシャットルをさらに備える、請求項14に記載の電磁駆動縫合デバイス。
【請求項16】
前記第1のシャットルが、
前記縫合要素にぶつかるように構成されたハンマ
を備える、請求項15に記載の電磁駆動縫合デバイス。
【請求項17】
前記ハンマが、
前記第1のアーム内で摺動するように構成された塊状部と、
前記縫合要素にぶつかるように構成された、前記塊状部から延在する先端と、
を備える、請求項16に記載の電磁駆動縫合デバイス。
【請求項18】
前記第1のシャットルが、
前記縫合要素に取り付けられるように構成されたキャリッジ
を備える、請求項15に記載の電磁駆動縫合デバイス。
【請求項19】
前記キャリッジが、
前記縫合要素を受け入れるためのソケットと、
前記ソケット内の前記縫合要素を固定するためのグリッパ要素と、
を備える、請求項18に記載の電磁駆動縫合デバイス。
【請求項20】
前記縫合要素により組織に埋め込まれた縫合材料を動かなくさせるための手段をさらに備える、請求項1に記載の電磁駆動縫合デバイス。
【請求項21】
第1の端面を有する第1のアームと、
前記第1の端面内へ延在する第1の縫合トラックと、
少なくとも部分的に前記第1の端面に対向する第2の端面を有する第2のアームと、
前記第2の端面内へ延在する第2の縫合トラックと、
前記第1のアームに埋め込まれた第1のコイルと、
前記第1の縫合トラックから前記第2の縫合トラックへ移動するために前記第1のコイルによって生成される磁場によって駆動されるように構成された縫合要素と、
を具備するC形状のハウジング
を備える、電磁縫合デバイス。
【請求項22】
前記縫合要素、前記第1の縫合トラック、および前記第2の縫合トラックが、弓形である、請求項21に記載の電磁縫合デバイス。
【請求項23】
前記磁場によって生成される力に対抗するために前記縫合要素に取り付けられた付勢機構をさらに備える、請求項21に記載の電磁縫合デバイス。
【請求項24】
前記縫合要素が、前記磁場との係合を促進するための磁石を備える、請求項21に記載の電磁縫合デバイス。
【請求項25】
前記縫合要素が、前記縫合要素の中心の近位に設置された縫合材料のための連結特徴を備える、請求項21に記載の電磁縫合デバイス。
【請求項26】
前記ボディが、前記縫合要素の往復運動を促進するために前記第2のアームに埋め込まれた第2のコイルを備える、請求項21に記載の電磁縫合デバイス。
【請求項27】
前記ボディが、前記C形状のハウジングの周りでの前記縫合要素の循環を促進するために前記第1または第2のアームに埋め込まれた第3のコイルを備える、請求項21に記載の電磁縫合デバイス。
【請求項28】
前記第1の縫合トラックが、円弧セグメントを備える、請求項21に記載の電磁縫合デバイス。
【請求項29】
前記第1の縫合トラックが、無限大記号の形状を有する、請求項21に記載の電磁縫合デバイス。
【請求項30】
前記縫合要素が、前記縫合要素の一方向の摺動を促進するための逆とげを備える、請求項21に記載の電磁縫合デバイス。
【請求項31】
ハウジングと、
前記ハウジングに埋め込まれた第1のコイルと、
前記第1のコイルによって生成される電磁場により前記ハウジング内で往復運動されるように構成された第1のシャットルと、
前記第1のシャットルによって作動されるように構成された縫合要素と、
を備える、電磁ハンマ縫合デバイス。
【請求項32】
前記ハウジングが、
第1の端面を有する第1のアームであって、前記第1のコイルが第1のアーム内に設置されている、第1のアームと、
前記第1の端面内へ延在する第1の縫合トラックと、
少なくとも部分的に前記第1の端面に対向する第2の端面を有する第2のアームと、
を備える、請求項31に記載の電磁ハンマ縫合デバイス。
【請求項33】
前記第2の端面内へ延在する第2の縫合トラックと、
前記第2のアームに埋め込まれた第2のコイルと、
前記第2の縫合トラック内に設置され、かつ、前記第2のコイルによって生成される第2の磁場によって作動されるように構成された、第2のキャリッジと、
をさらに備える、請求項32に記載の電磁ハンマ縫合デバイス。
【請求項34】
前記第1のシャットルが、前記縫合要素にぶつかるように構成されたハンマを備える、請求項31に記載の電磁ハンマ縫合デバイス。
【請求項35】
前記ハンマが、
前記第1のアーム内で摺動するように構成された塊状部と、
前記縫合要素にぶつかるように構成された、前記塊状部から延在する先端と、
を備える、請求項34に記載の電磁ハンマ縫合デバイス。
【請求項36】
前記第1のシャットルが、前記縫合要素に取り付けられるように構成されたキャリッジを備える、請求項31に記載の電磁ハンマ縫合デバイス。
【請求項37】
前記キャリッジが、
前記縫合要素を受け入れるためのソケットと、
前記ソケット内の前記縫合要素を固定するためのグリッパ要素と、
を備える、請求項34に記載の電磁ハンマ縫合デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、参照に全体が本明細書に組み込まれている、2021年3月1日に出願した米国仮特許出願第63/155,072号、および、2021年6月30日に出願した米国仮特許出願第63/216,638号の優先権の利益を主張するものである。
【0002】
本開示は一般に、診断動作または治療動作を提供するために患者の解剖学的構造における切り口または開口部に挿入されるように構成された、細長いボディを備える医療デバイスに関する。
【0003】
より詳細には、本開示は、切断、焼灼、または鉗子を用いて組織を採取することなどによる医療処置の実行を促進するために別のデバイスの助けを借りてまたは助けを借りずに患者の解剖学的構造に挿入され得る内視鏡、腹腔鏡、および他のスコープなどの医療デバイスに関する。
【背景技術】
【0004】
内視鏡は、1)例えば治療デバイスまたは組織採取デバイスといった他のデバイスの様々な解剖学的部分に向かう通過を実現すること、および、2)そのような解剖学的部分を撮像することのうちの、1つまたは複数のために使用され得る。そのような解剖学的部分は、消化管(例えば、食道、胃、十二指腸、膵胆管、腸、結腸、など)、腎領域(例えば、腎臓、尿管、膀胱、尿道、など)、他の内臓器官(例えば、生殖器系、副鼻腔、粘膜下領域、気道)、などを含み得る。
【0005】
従来の内視鏡は、例えば1つまたは複数の病態の照明、撮像、検出および診断、解剖学的領域に向かう流体の(例えば、流体チャネルを介した生理食塩水または製剤の)送達を実現すること、解剖学的領域をサンプリングもしくは治療するための1つまたは複数の治療デバイスの(例えば、ワーキングチャネルを介した)通過を実現すること、ならびに流体(例えば、生理食塩水もしくは他の製剤)を収集するための吸引通路を提供すること、などを含む、様々な臨床的処置に関わり得る。
【0006】
従来の内視鏡検査では、内視鏡の遠位部分は、起子などを使用して治療デバイスを支持および配向するために構成され得る。いくつかのシステムでは、2つの内視鏡を一緒に機能するように構成することが可能であり、第1の内視鏡は、起子の助けを借りて、内部に挿入された第2の内視鏡を案内する。そのようなシステムは、到達するのが難しい身体内の解剖学的位置まで内視鏡を案内するのに役立ち得る。例えば、一部の解剖学的位置は、遠回りの経路を経た挿入の後でのみ、内視鏡を用いてアクセスされ得る。
【0007】
上記のことを考慮すると、スコープを使用する医療処置は、器具が使用されるべき標的解剖学的構造まで所望の器具を送達するために、時間および技能を要し得る。さらに、どの器具が使用されるべきか、スコープがどのようにして標的解剖学的構造まで送達されることになるか、および、スコープが送達された時点でどの処置が標的解剖学的構造に行われるかに関して、多くの決定が手術前になされなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2011/140118号パンフレット
【特許文献2】米国特許第7,137,736号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
生物学的物質を治療および回復するためまたは他の処置を行うために使用される従来の医療デバイス、特に内視鏡および腹腔鏡などの医療用スコープに伴う解決されるべき問題には、とりわけ、1)患者の解剖学的領域内の位置まで内視鏡とそれに挿入された器具とを誘導することの難しさ、2)スコープが解剖学的構造に挿入される前に、a)実際の解剖学的構造を見ること、b)処置が実際にどの程度進行しているかを知ること、を伴わずに、処置を行うためにどの器具が使用されることになるかを手術前に決定しなければならないことの難しさ、ならびに、3)特に手術前の決定が無効であることが分かったときに、組織採取および縫合などの異なる処置を行うために器具を除去し解剖学的構造に再挿入しなければならないことに関する時間および関連する費用の増大が含まれることを、本発明者らは認識した。
【0010】
そのような問題は、結腸鏡検査処置、肥満処置、などに特に存在し得ることを、本発明者らは認識した。結腸鏡検査処置では、結腸からポリープなどの病変組織を除去するために、患者に結腸鏡が挿入される。これは、典型的には、消化管の表面から粘膜を除去することを伴う。しかし、時折、組織分離デバイス、例えば鉗子が、消化管の導管壁を穿刺する可能性がある。穿刺が深刻な場合、縫合などにより穿刺を閉じることが望まれ得る。しかし、穿刺を縫合して閉じることは、解剖学的構造内への縫合デバイスの導入を必要とする。典型的な縫合デバイスは、専用の縫合用スコープ、またはスコープの遠位端部に結合するアタッチメントを伴う。後者の場合、内視鏡を解剖学的構造に挿入する前にそれらのデバイスを取り付けることが望ましくない場合があるが、それは、そのようなデバイスは、扱いにくい場合があり、根本的な処置を行うのをより難しくする場合があり、また、必要でなくなる可能性があるためである。したがって、いずれの場合にも、内視鏡は、縫合用アタッチメントを含む同じ器具または別の器具が縫合を行うために患者に挿入され戻され得るように、患者から引き抜かれなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示は、1)内視鏡を解剖学的構造から引き抜くこと、および、内視鏡を再度誘導する必要なしに内視鏡を同じ解剖学的構造に再挿入することを容易にすることできる、再挿入シースと、2)a)操作が簡単であり、b)スコープに取り付けられたときに容易に誘導され、c)下層の内視鏡の性能への干渉を最小限に抑え、かつ、d)効率的かつ強力な縫合を提供することができる、取付け可能な縫合デバイスとを提供するための、内視鏡検査処置に関するシステム、デバイス、および方法を提供することにより、上記その他の問題の解決策を提供するのに役立ち得る。
【0012】
一例では、解剖学的構造内の標的位置から内視鏡を引き抜く方法が、内視鏡の遠位端部分を標的位置へ送達するために解剖学的構造内のアクセスポータルに内視鏡を挿入するステップと、内視鏡の近位端部分の周りにガイドシースを配置するステップと、遠位端部分に到達するようにガイドシースを内視鏡に沿って摺動させるステップと、ガイドシースおよび解剖学的構造から内視鏡を引き抜くステップと、を含み得る。
【0013】
別の例では、手術中に縫合デバイスをインサイチュ内視鏡(in situ endoscope)に取り付けるためのシステムが、近位端部分から遠位端部分まで延在する長尺トンネルボディおよび長尺トンネルボディに沿って軸方向に延在するスリットを備える挿入シースと、解放可能な態様で内視鏡に結合可能である縫合デバイスと、を備え得る。
【0014】
一例では、内視鏡のための再挿入シースが、近位端部分、遠位端部分、および近位端部分と遠位端部分との間に軸方向に延在するスキンを備える長尺ボディと、長尺ボディの周方向の拡張を可能にするためにシャフトに沿って延在するスリットと、を備え得る。
【0015】
別の例では、電磁駆動縫合デバイスが、ボディ、ボディに埋め込まれた第1のコイル、および、第1のコイルにおいて生成される磁場によって作動されるように構成された縫合要素を備え得る。
【0016】
別の例では、電磁縫合デバイスが、第1の端面を有する第1のアームと、第1の端面内へ延在する第1の縫合トラックと、少なくとも部分的に第1の端面に対向する第2の端面を有する第2のアームと、第2の端面内へ延在する第2の縫合トラックと、第1のアームに埋め込まれた第1のコイルと、第1の縫合トラックから第2の縫合トラックへ移動するために第1のコイルによって生成される磁場によって駆動されるように構成された縫合要素と、を備えるC形状のハウジングを具備し得る。
【0017】
一例では、電磁ハンマ縫合デバイスが、ハウジングと、ハウジングに埋め込まれた第1のコイルと、第1のコイルによって生成される磁場によりハウジング内で往復運動されるように構成された第1のシャットルと、第1のシャットルによって作動されるように構成された縫合要素と、を備え得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】システムを貫通する管腔を示す、分解組立構成における、スコープ、再挿入シース、組織分離デバイス、および縫合アタッチメントを備える内視鏡システムの概略断面図である。
図2】スコープの遠位端部に配置された組織分離デバイスおよび縫合アタッチメントならびにスコープの周りに配置された再挿入シースを示す、組み立てられた状態における図1の内視鏡システムの概略図である。
図3図1および図2のスコープに接続された制御ユニットを備える撮像および制御システムの概略図である。
図4】スコープに接続された図3の制御ユニットの概略図である。
図5A図1図4のスコープとともに使用するのに適した光学的および機能的な構成要素を含むカメラモジュールの端面図である。
図5B】カメラモジュールの構成要素を示す、図5Aの断面5B-5Bに沿った断面図である。
図6】シャフトのスキンにおけるスリットを示す、本開示の再挿入シースの概略側面図である。
図7】再挿入シースの内部管腔を示す、図6の断面7-7に沿った概略断面図である。
図8A】スキンが波形にされるような圧縮状態における、図6の再挿入シースの概略側面図である。
図8B】スキンが拡張されるような延長状態における、図8Aの再挿入シースの概略側面図である。
図9A】圧縮状態における拡張可能支持体を有する図6の再挿入シースの概略側面図である。
図9B】延長状態における図9Aの再挿入シースの概略側面図である。
図10A】圧縮状態における螺旋状支持部材を有する図6の再挿入シースの概略側面図である。
図10B】延長状態における図10Aの再挿入シースの概略側面図である。
図11】ジッパクロージャ機構を有する本開示の再挿入シースの一セグメントの概略側面図である。
図12A】かみ合いレールクロージャ機構を有する本開示の再挿入シースの一セグメントの概略側面図である。
図12B】かみ合いレールクロージャ機構のレールを示す、図12Aの断面12B-12Bに沿った断面図である。
図13】管腔と磁力によって閉鎖可能な間隙とを具備する長尺シャフトを備える再挿入シースの概略図である。
図14】内視鏡の遠位端部に取り付けられた縫合デバイスの概略斜視図である。
図15A】ヒンジを介して連結器と同一平面に回転された縫合ボディを示す、図14の縫合デバイスの側面概略図である。
図15B】ヒンジを介して連結器から離れるように回転された縫合ボディを示す、図14の縫合デバイスの側面概略図である。
図16】弓形トラックの間に配置された弓形縫合要素を備える本開示の電磁縫合機構の概略断面図である。
図17A】縫合材料を組織に引き入れて切り口を閉じるために縫合要素を組織に通している本開示の電磁縫合デバイスの概略図である。
図17B】縫合材料を組織に引き入れて切り口を閉じるために縫合要素を組織に通している本開示の電磁縫合デバイスの概略図である。
図17C】縫合材料を組織に引き入れて切り口を閉じるために縫合要素を組織に通している本開示の電磁縫合デバイスの概略図である。
図17D】縫合材料を組織に引き入れて切り口を閉じるために縫合要素を組織に通している本開示の電磁縫合デバイスの概略図である。
図17E】縫合材料を組織に引き入れて切り口を閉じるために縫合要素を組織に通している本開示の電磁縫合デバイスの概略図である。
図18】磁気的に駆動されかつばねによって後退される(spring-retracted)縫合要素を備える本開示の電磁縫合機構の概略断面図である。
図19】磁気的に循環される縫合要素を備える本開示の電磁縫合機構の概略断面図である。
図20】磁気的に往復運動される縫合要素を備える本開示の電磁縫合機構の概略断面図である。
図21】磁気駆動ハンマを備える本開示の電磁縫合機構の概略断面図である。
図22】直線状アームを有する縫合デバイスとともに使用されている図21の磁気駆動ハンマの概略断面図である。
図23】磁気駆動シャットルを備える本開示の電磁縫合機構の概略断面図である。
図24】本開示のスコープ、再挿入シース、および縫合アタッチメントを使用して組織を縫合する方法を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、分解状態における内視鏡システム100の概略図である。図2は、組立状態における図1の内視鏡システム100の概略図である。図1および図2は、同時に論じられる。図1および図2は、必ずしも一定の比例に応じて描かれているものではなく、例示する目的のためにある面においては誇張されている場合がある。
【0020】
システム100は、スコープ102、再挿入シース104、組織分離デバイス106、および縫合デバイス108を備え得る。図1では、スコープ102、再挿入シース104、組織分離デバイス106、および縫合アタッチメント108は、分解組立構成におけるものである。図2では、組織分離デバイス106および縫合アタッチメント108は、スコープ102の遠位端部に配置されており、再挿入シース104は、スコープ102の周りに配置されている。
【0021】
図3図5Bを参照してより詳細に説明されるスコープ102は、長尺ボディ110および制御装置112を備えることができ、制御装置112は、グリップ114、制御ノブ116、および連結器118を含むことができる。長尺ボディ110は、管腔119を含むことができる。連結器118は、ケーブル120を介して制御ユニット16(図4)に接続することができる。
【0022】
再挿入シース104は、シャフト122および管腔124を備えることができる。シャフト122は、フランジ128Aおよび128Bを形成するスリット126(図2)を備えることができる。
【0023】
組織分離デバイス106は、シャフト130、組織分離器132、および制御デバイス134を備えることができる。組織分離器132は、ヒンジ136、ならびに分離器138Aおよび138Bを備えることができる。
【0024】
縫合デバイス108は、連結器140、縫合ボディ142、および制御要素144を備えることができる。連結器140は、管腔146を備えることができる。
【0025】
図2は、シース104の内側に入れ子にされたスコープ102、スコープ102の内側に入れ子にされた組織分離デバイス106、および、スコープ102の端部に連結された縫合デバイス108を示す。したがって、図1で分かるように、再挿入シース104は、管腔124を備えることができ、スコープ102は、管腔119を備えることができる。
【0026】
本明細書においてより詳細に論じられるように、内視鏡検査システム100は、組織分離デバイス106を含むスコープ102を解剖学的構造に挿入し、続いて縫合デバイス108をスコープ102の遠位端部に組み付ける決定をする能力を提供するように構成され得る。再挿入シース104は、シャフト110が解剖学的構造に挿入されている間にスコープ102のシャフト110に組み付けられ得る。再挿入シース104は、シャフト110の近位端部との組付けを促進するための様々な特徴を含むことができる。例えば、再挿入シース104は、シャフト122がシャフト110上へ径方向に滑らされることを可能にするためのスリット126を含むことができる。さらに、再挿入シース104は、組立てステップおよび挿入ステップを促進する軸方向の収縮および拡張能力を含むことができる。したがって、スコープ102は、再挿入シース104から引き抜かれ、縫合デバイス108と組み立てられて、組織分離デバイス106を伴ってまたは伴わずに再挿入シース104に再挿入され得る。
【0027】
スコープ102は、他の器具のための通路としてだけでなく、操舵性、誘導能力、撮像能力、流体分注および回収能力、ならびに機能上の(例えば、治療上および診断上の)能力を含む完全に機能的な内視鏡として構成され得る。スコープ102の機能性は、図3図5Bの内視鏡14を参照して以下で詳細に説明され、したがって、図1および図2では概略的にのみ示されている。
【0028】
「組織分離デバイス」という用語は、本開示にわたって使用されるが、組織分離デバイス106は、別法としてまたはさらに、生物学的物質採取デバイス、生物学的物質回収デバイス、組織採取デバイス、および組織回収デバイスを備えることができる。組織分離デバイス106は、患者内から組織試料を入手、回収、採取、および/または除去するように構成された任意の適切なデバイスとして構成され得る。組織分離デバイス106は、組織などを切断する、スライスする、引っ張る、鋸引きする、打ち抜く、捻る、もしくは穴開けする(auger)ように構成された構成要素またはデバイスなどの、患者と相互作用するための構成要素またはデバイスを備え得る。具体的には、組織分離デバイス106は、刃、パンチ、またはオーガなどの、患者から組織を除去するのに適した任意のデバイスを備えることができる。組織分離デバイス106は、患者の組織の部分を患者の組織の他のより大きな部分から物理的に分離するように構成され得る。さらなる例では、組織分離デバイス106は、すでにまたは自然に分かれているか別個のものである粘液または流体などの、物理的分離を必要としない生物学的物質を、患者から単純に採取するように構成され得る。示された例では、組織分離デバイス106は、ヒンジ136において枢動可能に接続された鋭利なまたは鋸歯状のジョーとして構成された分離器138Aおよび138Bを有する鉗子を備え得る。しかし、組織分離デバイス106は、述べられたように、パンチ、オーガ、刃、鋸、などの、生物学的物質を採取することが可能な様々なデバイスとして構成され得る。組織分離デバイス106は、採取した多量の生物学的物質、例えば組織を分離器138Aと138Bとの間などに保持するように構成され得る。したがって、組織分離デバイス106は、診断解析または処分などのために採取した生物学的物質を入手するために、スコープ102から引き抜かれるように構成され得る。
【0029】
図3は、撮像および制御システム12と内視鏡14とを備える内視鏡検査システム10の概略図である。図3のシステムは、解析または患者の治療のために組織または他の生物学的物質を患者から除去および入手するのに使用され得る、結腸鏡検査処置、肥満処置、などのような本明細書において説明されるシステム、デバイス、および方法とともに使用するのに適した内視鏡検査システムの説明に役立つ例である。いくつかの例によれば、内視鏡14は、図1および図2のスコープ102を備えることができ、また、撮像のため、および/あるいは生検のための1つもしくは複数の採取デバイスまたは解剖学的領域に関連する病状の治療のための1つもしくは複数の治療デバイスの通過を実現するために、解剖学的領域に挿入可能であり得る。内視鏡14は、有利な態様では、撮像および制御システム12と連動しかつ撮像および制御システム12に接続することができる。示された例では、内視鏡14は、エンドビューイング結腸鏡(end-viewing colonoscope)を備えるが、他のタイプの内視鏡が、本開示の特徴および教示とともに使用され得る。
【0030】
撮像および制御システム12は、制御ユニット16、出力ユニット18、入力ユニット20、光源ユニット22、流体源24、および吸引ポンプ26を備えることができる。
【0031】
撮像および制御システム12は、内視鏡検査システム10と連結するための様々なポートを含むことができる。例えば、制御ユニット16は、内視鏡14からデータを受信しかつ内視鏡14にデータを伝達するためのデータ入力/出力ポートを含むことができる。光源ユニット22は、光ファイバーリンクなどを介して光を内視鏡14に送るための出力ポートを含むことができる。流体源24は、流体を内視鏡14に送るためのポートを含むことができる。流体源24は、ポンプおよび流体のタンクを備えることができ、または、外部のタンク、容器、もしくは貯蔵ユニットに接続されてもよい。吸引ポンプ26は、内視鏡14が挿入された解剖学的領域から流体を引き出すことなどのために、内視鏡14を真空にして吸引力を生成するのに使用されるポートを備えることができる。出力ユニット18および入力ユニット20は、内視鏡検査システム10の機能および内視鏡14の視野出力(view output)を制御するために、内視鏡検査システム10のオペレータによって使用され得る。制御ユニット16はさらに、内視鏡14が挿入された解剖学的領域を治療するための信号または他の出力を生成するために使用され得る。いくつかの例では、制御ユニット16は、例えば焼灼、切断、凍結などにより解剖学的領域を治療するための、電気出力、音響出力、流体出力などを生成することができる。
【0032】
内視鏡14は、挿入セクション28、機能セクション30、ならびにケーブルセクション34および連結器セクション36に連結され得るハンドルセクション32を備えることができる。連結器セクション36は、内視鏡14を入力ユニット20、光源ユニット22、流体源24、および吸引ポンプ26などの制御ユニット16の複数の特徴に接続するために、制御ユニット16に接続され得る。
【0033】
挿入セクション28は、ハンドルセクション32から遠位に延在することができ、ケーブルセクション34は、ハンドルセクション32から近位に延在することができる。挿入セクション28は、細長くてよく、かつ、屈曲セクションと、機能セクション30が取り付けられ得る遠位端部とを含むことができる。屈曲セクションは、遠位端部を蛇行した解剖学的通路(例えば、胃、十二指腸、腎臓、尿管、結腸、など)に通して操作するために(例えば、ハンドルセクション32上の制御ノブ38に接続された引張りワイヤによって)制御可能であってもよい。挿入セクション28はまた、1つまたは複数のワーキングチャネル(例えば、内部管腔)を含むことができ、このワーキングチャネルは、細長くてよく、かつ、図1および図2の組織分離デバイス106などの機能セクション30の1つまたは複数の治療ツールの挿入を支援することができる。ワーキングチャネルは、ハンドルセクション32と機能セクション30との間に延在することができる。流体通路、ガイドワイヤ、および引張りワイヤなどの追加の機能性もまた、挿入セクション28によって(例えば、吸引通路または灌注通路などを介して)提供され得る。
【0034】
ハンドルセクション32は、ノブ38だけでなくポート40Aを備えることができる。ノブ38は、挿入セクション28を通って延在する引張りワイヤまたは他の作動機構に連結され得る。ポート40A、およびポート40B(図2)などの他のポートは、様々な電気ケーブル、ガイドワイヤ、補助のスコープ、組織採取デバイス、流体チューブなどを挿入セクション28との連結のためにハンドルセクション32に連結するように構成され得る。例えば、組織分離デバイス106は、ポート40Aを介して内視鏡14に送り込まれ得る。
【0035】
撮像および制御システム12は、いくつかの例によれば、光源ユニット22、吸引ポンプ26、画像処理ユニット42(図4)などを収容するための棚を有するモバイルプラットフォーム(例えば、カート41)上に設けられ得る。あるいは、図3および図4に示された撮像および制御システム12のいくつかの構成要素は、内視鏡を「内蔵型」にするために、内視鏡14上に直接設けられ得る。
【0036】
機能セクション30は、患者の解剖学的構造を治療および診断するための構成要素を備えることができる。機能セクション30は、撮像デバイス、照明デバイス、および起子を備えることができる。機能セクション30は、図5Aおよび図5Bのカメラモジュール70を参照してさらに説明されるような、エンドビューイングのために構成された、例えば機能セクション30を遠位にまたは軸方向に越えた視野のために構成された、撮像および照明構成要素を備えることができる。
【0037】
図4は、撮像および制御システム12と内視鏡14とを備える、図3の内視鏡検査システム10の概略図である。図4は、内視鏡14に連結された撮像および制御システム12の構成要素を概略的に示し、内視鏡14は、示された例では、エンドビューイング結腸鏡を備える。撮像および制御システム12は、制御ユニット16を備えることができ、制御ユニット16は、光源ユニット22、入力ユニット20、および出力ユニット18の他に、画像処理ユニット42、治療生成器(treatment generator)44、および駆動ユニット46を含むかまたはそれらに連結され得る。連結器セクション36は、内視鏡14を画像処理ユニット42および治療生成器44などの制御ユニット16の複数の特徴に接続するために、制御ユニット16に接続され得る。いくつかの例では、ポート40Aは、ドータースコープもしくは補助のスコープなどの別の器具またはデバイスを内視鏡14に挿入するために使用され得る。そのような器具およびデバイスは、ケーブル47を介して制御ユニット16に独立に接続され得る。いくつかの例では、ポート40Bは、連結器セクション36をビデオ、空気、光、および電気などの様々な入力および出力に接続するために使用され得る。
【0038】
画像処理ユニット42および光源ユニット22は、それぞれ、有線のまたは無線の電気的接続により、内視鏡14と(例えば、機能セクション30において)相互作用することができる。したがって、撮像および制御システム12は、解剖学的領域を照らし、解剖学的領域を表す信号を収集し、解剖学的領域を表す信号を処理し、かつ、解剖学的領域を表す画像を出力ユニット18上に表示することができ、出力ユニット18は、陰極線管、LCDディスプレイ、LEDディスプレイ、および他のグラフィカルユーザーインターフェースを備えることができる。撮像および制御システム12は、所望のスペクトルの光(例えば、広帯域白色光、好ましい電磁波波長を使用した狭帯域撮像、など)を使用して解剖学的領域を照らすために、光源ユニット22を含むことができる。撮像および制御システム12は、信号伝送(例えば、光源からの光出力、遠位端部における撮像システムからのビデオ信号、診断デバイスからの診断およびセンサ信号、など)のために内視鏡14に(例えば、内視鏡コネクタを介して)接続することができる。
【0039】
流体源24(図1)は、制御ユニット16と通信することができ、かつ、空気、生理食塩水、もしくは他の流体の1つまたは複数の供給源、ならびに関連する流体経路(例えば、空気チャネル、灌注チャネル、吸引チャネル)およびコネクタ(タケノコ継手、流体シール、弁など)を備えることができる。撮像および制御システム12はまた、任意選択の構成要素であり得る駆動ユニット46を含むことができる。駆動ユニット46は、少なくともこの参照により全体として本明細書に組み込まれている「Rotate-to-Advance Catheterization System」と題されたFrassicaらへのPCT Pub.No.WO2011/140118A1で説明されているように、内視鏡14の遠位セクションを前進させるための電動駆動部を備えることができる。
【0040】
図5Aおよび図5Bは、図4の胆道鏡14の機能セクション30の一例を示す。図5Aは、機能セクション30の端面図を示し、図5Bは、図5Aの断平面5B-5Bに沿った機能セクション30の断面図を示す。図5Aおよび図5Bは、それぞれ、「エンドビューイング内視鏡」(例えば、胃内視鏡、結腸鏡、胆道鏡、など)カメラモジュール70を示す。エンドビューイング内視鏡カメラモジュール70では、照明システムおよび撮像システムは、撮像システムの視角が、内視鏡14の端部に隣接して(例えば、その端部の遠位に)位置する標的解剖学的構造に対応しかつ内視鏡14の中心長手軸線A1と一致するように、配置される。
【0041】
図5Aおよび図5Bの例では、エンドビューイング内視鏡カメラモジュール70は、ハウジング72、治療ユニット74、流体出口76、照明レンズ78、および対物レンズ80を備えることができる。ハウジング72は、挿入セクション28のための端キャップを備え、それにより管腔82にシールを提供することができる。
【0042】
図5Bで分かるように、挿入セクション28は、管腔82を備えることができ、様々な構成要素が、機能セクション30をハンドルセクション32(図4)に接続するために管腔82を通して延在され得る。例えば、照明レンズ78は、光伝達器84に接続されてよく、光伝達器84は、光源ユニット22(図4)まで延在する光ファイバーケーブルまたはケーブル束を備えることができる。同様に、対物レンズ80は、撮像ユニット87に連結されてよく、撮像ユニット87は、配線88に連結されてよい。また、流体出口76は、流体ライン89に連結されてよく、流体ライン89は、流体源24(図4)まで延在するチューブを備えることができる。いくつかの例では、流体出口76のうちの1つが、洗浄および灌注流体の回収のために、真空に接続されるなどの吸引用に構成された流体ライン89に接続された入口を備え得る。他の長尺要素、例えばチューブ、ワイヤ、ケーブルが、機能セクション30を吸引ポンプ26(図4)および治療生成器44(図4)などの内視鏡検査システム10の構成要素に接続するために、管腔82を通って延在し得る。例えば、治療ユニット74は、組織分離デバイス106を含む切断デバイスおよび治療デバイスなどの他の治療構成要素を受け入れるための広径の管腔を備えることができる。
【0043】
内視鏡カメラモジュール70はまた、電荷結合素子(「CCD」センサ)または相補型金属酸化膜半導体(「CMOS」)センサなどの感光性要素を含むことができる。いずれの例でも、撮像ユニット87は、出力ユニット18などのディスプレイ上に表示されるべき画像を表す感光性要素からの信号(例えば、ビデオ信号)を画像処理ユニット42に送信するために、画像処理ユニット42(図4)に(例えば、有線接続または無線接続を介して)結合され得る。様々な例では、撮像および制御システム12、ならびに撮像ユニット87は、内視鏡検査処置に適した所望の解像度(例えば、少なくとも480p、少なくとも720p、少なくとも1080p、少なくとも4k UHD、など)で出力を提供するように構成され得る。
【0044】
本明細書において説明されるように、ワーキングチャネル74は、組織分離デバイス106を標的組織まで送達するために使用され得る。さらに、縫合デバイス108は、照明レンズ78および対物レンズ80の遠位の縫合機能性を提供するために、ハウジング72の遠位端部分上に配置され得る。さらに、再挿入シース104は、操舵および誘導を伴わずにまたは最小限伴って内視鏡14が解剖学的構造に挿入されることおよび解剖学的構造から引き抜かれることを可能にするために、ハウジング72の近位の挿入セクション28の周りに配置され得る。
【0045】
図6は、シャフト122におけるスリット126を示す、本開示の再挿入シース104の概略側面図である。図7は、シャフト122内に延在する内部管腔124を示す、図6の再挿入シース104の概略断面図である。シャフト122は、フランジ128Aおよび128Bを形成するスリット126を含むことができる。いくつかの例では、シャフト122は、回転扉148をさらに備えることができる。図6および図7は、同時に論じられる。
【0046】
シャフト122は、軸線Aに沿って第1の近位端部150から第2の遠位端部152まで軸方向に延在することができる。示された例では、フランジ128Aおよび128Bは、ある距離だけ隔離された端面を形成することができる。他の例では、フランジ128Aおよび128Bは、連続的な360度の周囲を形成するために、互いに接触することができる。いくつかの例では、回転可能な扉148が、フランジのうちの一方128Aにおけるチャネルからフランジのうちのもう一方128Bにおけるチャネル内へ延在し得る。回転可能な扉148は、スコープが管腔124の内側に配置されることを可能にするために開かれることが可能であり、次いで、スコープを内部に確保するために回転されて閉じられることが可能である。
【0047】
管腔124は、近位端部150と遠位端部152との間に延在することができる。管腔124は、軸線A1から径方向Rに延在することができる。シャフト122の壁は、厚さTを有することができる。シャフト122の外径D1は、所望の解剖学的構造に収まるように構成され得る。シャフト122の内径D2は、スコープ102(図1および図2)のシャフト110の周りに嵌まるサイズとされ得る。シャフト122は、長さLを有するものとして示されており、長さLは、図8Aおよび図8Bに示されるように、様々な例において所望に応じて圧縮および拡張され得る。シャフト122は、図6では原寸に比例して描かれておらず、したがって、示されたものよりも方向Lにおいてより長い場合がある。
【0048】
シャフト122は、任意の適切な生体適合性材料から製作され得る。いくつかの例では、シャフト122は、高分子材料で作られ得る。シャフト122の材料は、再挿入シース104が外科医などのオペレータによる操作を介して変形されることを可能にし得る。例えば、再挿入シース104のオペレータが、スコープ102(図1)が管腔124の内側に配置されることを可能にするために、フランジ128Aおよび128Bを引き離すことができる。しかし、再挿入シース104は、解剖学的構造内に配置されたときに、解剖学的構造を移動させかつ器具を管腔124に通して案内するための剛性を維持するように構成され得る。厚さTは、再挿入シース104が図8Aに示されるように収縮されるかまたはしわくちゃにされるが解剖学的構造を貫通する所望の通路を提供するように延長されることを可能にするように、選択され得る。したがって、厚さTは、オペレータが長さLを手動で縮めるかまたは延長するように選択され得るが、いったん延長されたシャフト122は、形状を維持するように構成され得る。
【0049】
図6は、外側表面154がおおよそ直線状であるように、いかなる圧縮荷重または引張荷重にもさらされていない安静状態におけるシャフト122の完全に延長した長さを示すように意図されている。しかし、シャフト122は、図8Aに示されるように、長さLを減少させるために圧縮力が与えられ得る。
【0050】
図8Aは、圧縮状態における図6および図7の再挿入シース104の概略側面図である。再挿入シース104は、図8Aの波形状態へと、軸線A1に沿って圧縮され得る。再挿入シース104の外側表面154は、シャフト122の材料にしわが寄せられるにつれて、起伏156を形成するように圧縮され得る。
【0051】
図8Bは、軸線A1に沿った延長状態における図8Aの再挿入シース104の概略側面図である。したがって、起伏156は、シャフト122にしわが寄せられるにつれて、弱められ得る。いくつかの例では、再挿入シース104は、再挿入シースが所望の配向に選択的に延長および屈曲され得るように、リビングヒンジによって接続された径方向に延在する剛体部分を有する剛体波形プラスチックから製作され得る。
【0052】
いくつかの例では、シャフト122の材料は、シース104が軸線A1に沿って径方向に拡張および収縮されることを可能にするために、柔軟であり得る。シャフト122の材料は、リップストップ材料などの、ウェビングで強化された可撓性高分子シートを含み得る。シース104に径方向の剛性を提供するために、シャフト122は、図9A図10Bを参照して論じられるように、シース104の所望の外径を維持するための様々な補剛手段を備えることができる。
【0053】
図9Aは、収縮状態における、拡張可能な支持体162を有する再挿入シース160の概略側面図である。図9Bは、延長状態における、図9Aの再挿入シース160の概略側面図である。図9Aおよび図9Bは、同時に論じられる。
【0054】
再挿入シース160は、クロスサポートまたは支柱164Aおよび164Bの追加を伴って、図6図8Bの再挿入シース104と同様に構成され得る。再挿入シース160は、第1の端部167から第2の端部168まで延在し得るボディ166に取り付けられた拡張可能な支持体162を備えることができる。拡張可能な支持体162は、ヒンジ165において接続され得る支柱164Aおよび164Bを備えることができる。スリット169が、ボディ166にわたって延在し得る。スリット169は、ボディ166に沿って延在するものとして概略的に示されている。スリット169は、拡張可能な支持体162の反対側でボディ166上に配置され得る。したがって、図7の視界のように再挿入シース160の端部から見たときに、支柱164Aおよび164Bは、スリット169がCの端部を形成した状態で、C形状を有することができる。
【0055】
支柱164Aおよび164Bは、管腔124の内側または外側でボディ166の材料に埋め込まれるか取り付けられたワイヤもしくはバーを備え得る。支柱164Aおよび164Bは、ボディ166の材料を軸線A1に対して径方向および周方向に支持するための剛体部材または剛性部材を備え得る。ヒンジ165は、支柱164Aおよび164Bが径方向および周方向の支持をボディ166に提供するために接触を維持しながら互いに対して回転することを可能にするために、枢支点を備えることができる。支柱164Aおよび164Bは、再挿入シース160の軸方向剛性に最小限にしか影響を与えないように構成され得る。
【0056】
ボディ166は、シャフト構造を提供するために、拡張可能な支持体162の上にスキンを設けることができる。スキンは、リップストップ材料などのウェビングで強化された可撓性高分子シートを備えることができる。ボディ166は、再挿入シース160に所望の軸方向剛性を提供するように構成され得る。
【0057】
図9Aは、支柱164Aおよび164Bの端部が互いに接近している折り畳み状態における支柱164Aおよび164Bを示す。しかし、図9Bで分かるように、支柱164Aおよび164Bは、端部167および168が図9Aと比較してさらに離れているように再挿入シース160が拡張されるにつれて、ヒンジ165において回転することによって開かれ得る。
【0058】
したがって、再挿入シース160のボディ166は、スコープとの組立てを促進するために、支柱164Aおよび164Bが図9Aの状態へとヒンジ165において回転されることによって圧縮され得る。再挿入シース160が展開されることが望ましい場合、オペレータは、シース160がスコープ102のシャフト110の上に配置されることを可能にするために、ボディ166をスリット169において周方向に引き離すことができる。具体的には、折り畳まれた再挿入シース160は、シャフト110の遠位端部が患者の解剖学的構造内に配置されている間に、シャフト110の近位端部の上に配置され得る。シャフト110の上に配置されると、オペレータは、再挿入シース160の遠位端部をシャフト110に沿って患者の解剖学的構造に押し込むことができる。述べたように、ボディ166の剛性は、オペレータがボディ166を折り畳まれた構成から伸ばす(unfurrow)ことができるような剛性であり得るが、ボディ166はサイズが追加的に増大するので、ボディ166は、解剖学的構造からの圧力下でそれ特有の形状を維持することができる。支柱164Aおよび164Bは、ボディ166が解剖学的構造に抵抗することを可能にするために、ならびにスコープ102(図1および図2)などの他のデバイスおよび器具が内部に挿入されることを可能にするために、再挿入シース160に径方向の補剛を提供することができる。したがって、再挿入シース160の長さL(図6)は、スコープ102の遠位端部に到達するかまたは遠位端部に接近するのに十分な長さであり得る。再挿入シース160が解剖学的構造内に展開されて、完全に延長されるかまたはスコープ102の端部分に到達するのに十分に延長されると、スコープ102を引き抜くことができ、再挿入シース160は、留まることができる。したがって、内径D2(図7)は、所望の解剖学的構造へのトンネルを形成するボディを提供することができる。したがって、スコープ102は、元の解剖学的構造へ独立に誘導される必要はなく、所望の解剖学的構造に到達するために再挿入シース160に簡単に挿入され得る。したがって、スコープ102は、図14図23を参照して本明細書において説明される縫合デバイスのうちの1つを取り付けるために再挿入シース160を通じて解剖学的構造から引き抜かれ、次いで、同じ解剖学的構造に到達するために縫合デバイスとともに再挿入され得る。
【0059】
図10Aは、収縮状態における、螺旋状支持部材172を有する再挿入シース170の概略側面図である。図10Bは、延長状態における、図10Aの再挿入シース170の概略側面図である。図10Aおよび図10Bは、同時に論じられる。
【0060】
再挿入シース170は、端部177と178との間に延在するボディ176を備えることができる。スリット179が、ボディ176に沿って延在し得る。再挿入シース170は、拡張可能な支持体162が螺旋状支持部材172に置き換えられた状態で、図9Aおよび図9Bの再挿入シース160と同様に構成され得る。螺旋状支持部材172は、端部177と178との間で再挿入シース170に沿って螺旋状になる剛体部材または剛性部材を備え得る。
【0061】
スリット179は、ボディ176にわたって延在することができる。スリット179は、ボディ176に沿って延在するものとして概略的に示されている。スリット179は、螺旋状支持部材172の反対側でボディ176上に配置され得る。したがって、図7の視界のように再挿入シース170の端部から見たときに、螺旋状支持部材172は、スリット169がCの端部を形成した状態で、C形状を有することができる。したがって、螺旋状支持部材172は、端部177と178との間で連続的な螺旋形状を形成しない場合があるが、複数の螺旋状セグメントで形成可能である。
【0062】
図9Aおよび図9Bの拡張可能な支持体162と同様に、螺旋状支持部材172は、解剖学的構造の圧力に逆らう支持を可能にするために、および、器具の挿入のためのトンネルを画定するボディを形成するために、径方向および周方向の補剛をボディ176に提供することができる。しかし、螺旋状支持部材172は、図9Aおよび図9Bを参照して説明されたように再挿入シース170の軸方向の収縮および拡張を可能にして展開を可能にするためにボディ176の自然の剛性が利用され得るように、ボディ176の軸方向の拡張および収縮を可能にし得る。
【0063】
図11は、ジッパクロージャ機構182を有する本開示の再挿入シース180の一セグメントの概略側面図である。シース180は、シャフト184およびスリット185を備えることができる。シャフトは、第1の側187Aから第2の側187Bまで延在することができる。ジッパクロージャ機構182は、スリット185の両側の向かい合った歯186Aおよび186Bと、シャットル188とを備えることができる。ジッパクロージャ機構182は、図11では必ずしも原寸に比例して描かれていない。図11の再挿入シース180は、再挿入シース104、160および170などの本明細書において説明される任意の再挿入シースと併せて使用され得る。ジッパクロージャ機構182は、スリット126、169および179のいずれかに沿って延在するように構成され得る。
【0064】
歯186Aは、スリット185の1つの側に沿って配置され得る。歯186Bは、スリット185の第2の側に沿って配置され得る。歯186Aおよび186Bは、歯186Aが歯186Bの間に嵌まることができるように、また、その逆も同様であるように、互い違いにされ得る。シャットル188は、歯186Aおよび186Bを結合および分離するために使用され得る。したがって、ジッパクロージャ機構182は、従来の態様でジッパとして機能することができる。
【0065】
ジッパクロージャ機構182は、歯186Aおよび186Bが分離するのを可能にするために、解放され得る。したがって、再挿入シース180は、スコープのシャフトの周りに配置され得る。再挿入シース180は、第1の端部187Aが最初に解剖学的構造に入るように遠位に配置された状態で、解剖学的構造に挿入され得る。シャフト184が解剖学的構造内へと遠位に押されるかまたは送り込まれるにつれて、シャットル188は、歯186Aおよび186Bを係合させるために近位に引っ張られ得る。したがって、シャフト184が広げられてさらに解剖学的構造に送り込まれるにつれて、シャットル188は、シャフト184を閉鎖するために前進され得る。
【0066】
図12Aは、かみ合いレールクロージャ機構191を有する本開示の再挿入シース190の一セグメントの概略側面図である。再挿入シース190は、シャフト192およびスリット193を備えることができる。シャフト192は、第1の端部194Aから第2の端部194Bまで延在することができる。かみ合いレールクロージャ機構191は、第1のレール195Aおよび第2のレール195Bを備えることができる。かみ合いレールクロージャ機構191は、図12Aでは必ずしも原寸に比例して描かれていない。図12Aの再挿入シース190は、本明細書において説明される再挿入シース104、160および170などの、本明細書において説明される任意の再挿入シースと併せて使用され得る。かみ合いレールクロージャ機構191は、スリット126、169および179のいずれかに沿って延在するように構成され得る。
【0067】
第1のレール195Aおよび第2のレール195Bは、図13を参照して説明されるように、重なり合う態様でスリット193を形成するシャフト192の端部に設置され得る。
【0068】
図12Bは、図12Aの再挿入シースクロージャ機構191の断面図である。かみ合いレールクロージャ機構191は、第1のレール195Aおよび第2のレール195Bを備えることができる。第1のレール195Aは、第1の突出部196Aおよび第1のスロット197Aを備えることができる。第2のレール195Bは、第2の突出部196Bおよび第2のスロット197Bを備えることができる。突出部196Aおよび196Bは、球状頭部を備えることができ、スロット197Aおよび197Bの各レールは、球状頭部と係合するように構成された内方に配向された歯を備えることができる。一例では、かみ合いレールクロージャ機構191は、参照により全体として本明細書に組み込まれている、Pawloskiらへの米国特許第7,137,736号に従って構成され得る。
【0069】
図12Bに示されるように、スリット193の端部は、スロット197Aおよび197Bと突出部196Aおよび196Bがそれぞれ相互作用することを可能にするためにシャフト192の部分が重なり合うように、引っ張られ得る。突出部196Aおよびスロット197Aは、重なり合う構成に配置され、ロックするためにオペレータによって互いに圧迫され得る。同様に、突出部196Bおよびスロット197Bは、重なり合う構成に配置され、ロックするためにオペレータによって互いに圧迫され得る。一例では、突出部196Aおよび196Bをスロット197Aおよび197Bと押し合せること、ならびに前述の構成要素を分離することを容易にするために、かみ合いレールクロージャ機構191上にシャットルが設けられ得る。端部194Aおよび194Bのいずれも、最初に解剖学的構造に送り込まれ得る。
【0070】
図13は、管腔124と間隙126とを備える長尺シャフト176を具備する再挿入シース104の概略図である。間隙126は、複数の磁性部材198、および金属ストリップ199を含むことができる。磁性部材198は、磁力を介して金属ストリップ199に引き寄せられ得る。したがって、静止状態では、磁性部材198は、閉じられた間隙126に沿って長尺シャフト176の端部を引っ張ることができる。しかし、磁性部材198は、デバイスまたは物体が径方向において管腔124に入るのを可能にするために、金属ストリップ199から離れるように押され得る。デバイスまたは物体が管腔124に入った後、磁性部材198は、磁気引力を介して金属ストリップ199と係合するように引き戻され得る。したがって、シース104は、スコープ102が解剖学的構造に挿入されている間に、スコープ102の長尺ボディ110上を容易に滑らされ得る。
【0071】
図6図13は、一緒にもしくは別々にまたは様々な組み合わせで使用され得る様々な特徴を有する本開示の再挿入シースの例を示す。本開示の再挿入シースは、解剖学的構造を貫通するトンネルを形成するボディを提供することができ、このトンネルは、その中に挿入された別の器具を所望の位置まで案内することができる。再挿入シースは、解剖学的構造内の標的組織部位へ前もって誘導された(例えば、所望の解剖学的特徴および導管を押し通されるように操舵され、旋回され、制御され、かつ操作された)別の器具を使用して、解剖学的構造内に配置され得る。したがって、前もって挿入された器具は、再挿入シースを積極的に誘導することなしにまたは最小限の操作もしくはなだめすかし(cajoling)で再挿入シースを標的組織部位へ向かわせるように、ガイドワイヤに類似した一種のガイド特徴として機能することができる。本明細書において論じられるように、再挿入シースは、器具の軸線に対して径方向における器具上への再挿入シースの配置を可能にするために、周方向に開口可能であり得る。したがって、再挿入シースは、遠位端部が解剖学的構造内に配置されている間に、器具の近位端部上に配置され得る。再挿入シースの材料は、ワイヤまたはバーにより径方向に補強されたスキンを形成することができ、このスキンは、器具の長さの一部分、例えば解剖学的構造に挿入されていない器具の部分上にのみ嵌合するように、軸方向に圧縮可能であり、例えば軸方向に収縮されるかまたは畳まれることが可能である。したがって、再挿入シースは、より容易に操作され得る。挿入された器具の近位部分上に配置されると、再挿入シースは、再挿入シースの遠位部分を器具の周りの患者の解剖学的構造に押し込むために、拡張されるかまたは広げられ得る。軸方向に折り畳み可能な支持特徴が、解剖学的構造を再挿入シースの中心軸線から押し離すための径方向の剛性を再挿入シースに与えるために、使用され得る。したがって、ガイド器具が再挿入シースから除去されると、標的組織部位への直行ルートを提供するための開放的なトンネルが再挿入シース内に提供され得る。
【0072】
図14は、内視鏡202に取り付けられた縫合デバイス200の概略斜視図である。内視鏡202は、本明細書において説明されるスコープのいずれかに従って構成可能であり、かつ、シャフト204、端面206、ワーキングチャネル208、撮像構成要素210、照明構成要素212、および灌注チャネル214を備えることができる。縫合デバイス200は、連結器216、縫合ボディ218、ハウジング220、制御要素222、およびヒンジ225を備えることができる。本明細書において論じられるように、縫合ボディ218は、縫合材料を引きかつ/または押して組織に通すために針、ステープル、シャットルなどのような縫合要素を動かすためのデバイスを備えることができる。いくつかの例では、電磁駆動デバイスが、直接的または間接的な電磁力を介して弓形の縫合針を移動させるために使用され得る。縫合デバイス200は、スコープ202に分離可能に取り付けることができるデバイスとして説明されているが、さらなる例では、縫合デバイス200またはその構成要素(例えば、縫合ボディ218、ハウジング220、制御要素222、およびヒンジ225)は、スコープ202に直接組み入れられ得る。
【0073】
連結器216は、シャフト204との連結を促進する剛体のまたは柔軟なボディを備えることができる。連結器216は、軸線A2に沿って一方の端部から他方の端部まで通過するチャネル224を有する環状ボディを備えることができる。シャフト204は、前述の図の軸線A1に沿って延在することができる。内視鏡202のシャフト204は、内視鏡202に取り付けられた縫合デバイス200を保持するために、同心の態様でチャネル224内に嵌合するサイズとされ得る。いくつかの例では、チャネル224とシャフト204との間に締まり嵌めが形成され得る。チャネル224は、連結器216の遠位端部まで真っ直ぐに延在することができ、または、連結器216がシャフト204に沿って近位に押されるのを防ぐためにフランジを含むことができる。そのようなフランジは、縫合ボディ218が撮像構成要素210および照明構成要素212の視野内にあることを確実にするために、端面206に対する縫合ボディ218の適切な配置を確実にすることができる。しかし、チャネル224は、露出されるべき十分な端面206がワーキングチャネル208、撮像構成要素210、照明構成要素212、および灌注チャネル214に干渉しないことを可能にすることができる。したがって、連結器216は、シャフト204に解放可能に取り付けられ得るキャップを形成することができる。チャネル224およびシャフト204は、スコープ202のワーキングチャネル208、撮像構成要素210、照明構成要素212、および灌注チャネル214と縫合デバイス200のソケット230との間の適切な配向を提供することなどのために、縫合デバイス200とスコープ202との間の回転的な位置合わせを容易にするための特徴(図14では見られない)をさらに含むことができる。いくつかの例では、回転的な位置合わせ特徴は、チャネル224上の対応する軸方向に延在するフランジを受け入れることが可能である、特定の周方向位置において端面206内へ延在する、軸方向に延在するチャネル、またはその逆の構成を備えることができる。
【0074】
縫合ボディ218は、撮像構成要素210および照明構成要素212の遠位にかつそれらの視野内に配置されるように、連結器216の遠位に延在することができる。縫合ボディ218は、ヒンジ225を介して連結器216に接続され得る。縫合ボディ218は、縫合トラック228Aおよび228Bをそれぞれ含む対向するアーム226Aおよび226Bを含むことができる。対向するアーム226Aおよび226Bは、ソケット230の周りに配置可能であり、ソケット230は、縫合のために組織を受け入れるための空間を形成することができる。縫合トラック228Aおよび228Bは、それぞれ端面229Aおよび229B内へ弓形の態様で延在することができ、かつ、軸線A3を中心とする曲率半径を有することができる。制御要素222は、縫合ボディ218から延在することができ、かつ、本明細書において論じられる電磁コイルなどの縫合ボディ218内の構成要素に電力および制御信号を提供するように構成されたケーブルまたはワイヤを含むことができる。制御要素222は、縫合デバイス200がスコープ102と組み立てられたときに、制御装置112に連結するためのシャフト204の外部に沿って延在するように構成され得る。したがって、再挿入シース204は、図2に示されるように制御要素222の周りに嵌合するように構成され得る。しかし、制御要素222は、シャフト204内の管腔を通ってさらに延在することができる。
【0075】
本明細書において論じられるように、縫合ボディ218は、例えば針である磁性縫合要素を縫合トラック228Aと228Bとの間で押しかつ/または引くためにアーム226Aおよび226B内ならびにアーム226Aと226Bとの間に電磁場を生成することができる電気機械式構成要素を備えることができる。
【0076】
図15Aは、ヒンジ225を介して連結器216と同一平面に回転された縫合ボディ218を示す、図14の縫合デバイス200の側面概略図である。図15Bは、ヒンジ225を介して連結器216から離れるように回転された縫合ボディ218を示す、図14の縫合デバイス200の側面概略図である。図15Aおよび図15Bは、同時に論じられる。
【0077】
ハウジング220は、縫合ボディ218の近位の連結器216の下に配置され得る。ハウジング220は、縫合ボディ218の要素のための電子装置、モータ、電源などの制御要素を備えることができる。制御要素222(図14)は、縫合ボディ218を制御装置に接続するために、ハウジング220から近位に延在することができる。ハウジング220は、大量の縫合材料、および、縫合材料を結わえるまたは繋留するための構成要素をさらに含むことができる。縫合ボディ218は、ヒンジ225を介して連結器216に回転可能に連結され得る。内視鏡202(図14)のシャフト204は、連結器216のチャネル224内へ延在することができる。シャフト204の遠位面206は、空間230が見えるように、連結器216の外部へ遠位に露出され得る。
【0078】
図15Aを参照すると、スコープ202は、縫合ボディ218がシャフト204の面206と係合するように回転された状態で、解剖学的構造を通ってより容易に誘導され得る。したがって、アーム226Aおよび226Bは、面206の遠位に突出せず、また、誘導目的のための撮像構成要素210および照明構成要素212の動作に干渉する可能性がない。しかし、アーム226Aと226Bとの間の空間230は、撮像構成要素210および照明構成要素212が縫合ボディ218の向こう側の可視性を有することを可能にするために、面206に隣接して配置され得る。
【0079】
図15Bを参照すると、縫合ボディ218は、解剖学的構造内の標的組織の所望の位置まで誘導されると、アーム226Aおよび226Bを面206の前で外方に延在させるために、ヒンジ225において回転され得る。したがって、撮像構成要素210および照明構成要素212は、シャフト204を誘導する必要なしに、アーム226Aと226Bとの間の標的組織と相互作用することができる。縫合デバイス200は、ヒンジ225において縫合ボディ218に回転入力を提供するために、モータを含むことができる。モータは、スコープ204のオペレータが縫合ボディ218を上昇および下降させるためにモータを選択的に動作させることができるように、制御要素222に接続され得る。
【0080】
図16は、弓形のトラック228Aと228Bとの間に配置された弓形の縫合要素242と、コイル244とを備える、本開示の縫合デバイス200の電磁縫合機構240の概略断面図である。コイル244は、リード線246Aおよび246Bを備えることができる。縫合要素242は、ボディ248、先端250Aおよび250B、ならびに小穴252を備えることができる。縫合要素242は、縫合材料254に接続され得る。縫合材料254の巻線256が、スプール258上に保管され得る。クロージャデバイス259が、縫合材料254をスプール258から受け取るために、縫合デバイス200上に配置され得る。クロージャデバイス259は、縫合材料が組織上に締められることを可能にするために、構成要素(例えば、アンカ)を縫合材料254に取り付けるかまたは特徴(例えば、結び目)を縫合材料254に与えるように構成され得る。
【0081】
図17A図17Dを参照して論じられるように、縫合要素242は、縫合要素242を組織に通して引っ張るために、トラック228Aと228Bとの間で移動され得る。図18図20を参照して論じられるように、縫合要素242は、縫合要素242をトラック228Aと228Bとの間で往復運動させるかまたは循環させるための様々な電磁作用および機械作用を介してトラック228Aと228Bとの間で移動され得る。縫合トラック228Aおよび228B、ならびにアーム226Aおよび226Bは、縫合ボディ218が「C」形状を有するように、弓形のセグメントを備えることができる。いくつかの例では、トラック228Aおよび228B、ならびにアーム226Aおよび226Bは、軸線A3を中心とする円弧セグメントであり得る。軸線A3は、連結器216の軸線A2に垂直であってもよく、軸線A2は、スコープ202(図14)のシャフト204の軸線A1と同軸であってもよい。
【0082】
図16の例では、電力が制御要素222からリード線246Aおよび246Bを通じてコイル244に提供され得る。コイル244は、銅巻線を備えることができ、この銅巻線上にアーム226Aの材料が成形される。制御要素222は、ヒンジ225においてまたは制御ユニット16の近位において電源に連結され得る。電力は、コイル244を通過して電磁場を生成することができる。電磁場は、縫合要素242をトラック228Aからトラック228Bに向かって進ませるように構成され得る。したがって、先端250Bは、組織を貫通して、縫合材料254を組織に通して引っ張ることができる。縫合材料254は、小穴252において縫合要素242に取り付けられることが可能であり、小穴252は、縫合材料254が取り付けられ得るボアまたは別の特徴を備えることができる。縫合要素242が移動されるにつれて、縫合材料254はスプール258から引き出され得る。スプール258は、ヒンジ225、縫合ボディ218、またはハウジング220内に回転可能に取り付けられ得る。縫合要素242は、トラック228Bに完全に押し込まれ得る。本明細書において論じられるように、縫合要素242は、アーム226B内のコイルからの直接的な電磁推進、コイル244からの逆電磁推進、アーム226Aからの機械力、またはアーム226Bからの機械力などの、様々な電磁的な動作または機械的な動作を介して、トラック228Aに戻され得る。先端250Aは、トラック228Aに戻り次第、縫合要素242が組織を貫通することを可能にし得る。
【0083】
クロージャデバイス259は、縫合材料254にアンカ要素を取り付けるように構成され得る。いくつかの例では、クロージャデバイス259は、アンカ266(図17B)を取り付けることができ、アンカ266は、縫合材料254上に固定される高分子材料の球を含むことができる。さらなる例では、クロージャデバイス259は、縫合材料254を組織に押し付けるステープル、または、縫合材料254に留められる鋲を含むことができる。
【0084】
縫合要素242は、弓形形状を有するボディ248を備えることができる。ボディ248の湾曲は、トラック228Aおよび228Bの湾曲に一致し得る。しかし、他の例では、縫合要素242は、直線状である場合があり、かつ、トラック228Aおよび228Bの湾曲内に収まるのに十分に短い長さのものであり得る。小穴252は、ボディ248の中央に配置されて示されている。しかし、小穴252は、先端250Aまたは250Bのうちの一方の近位などの、他の場所に配置されてもよい。ボディ248は、コイル244の電磁場と相互作用するために、強磁性材料で製作され得る。ボディ248は、磁石であるか、または磁化され得る。ボディ248はさらに、生体適合性材料および/または生体吸収性材料で製作され得る。
【0085】
図17A図17Dは、縫合材料254を組織260に引き入れて切り口262を閉じるために縫合要素242を組織260に通している、図16の電磁縫合デバイス240の概略図である。切り口262は、組織260の組織部分264Aと264Bとの間に形成され得る。組織260は、解剖学的通路の導管壁であり得る。切り口262は、出血を防止するために閉じられ得る、導管壁を貫通する望ましくない穿孔であり得る。別の例では、組織部分264Aおよび264Bは、肥満処置において胃を小さくするために互いに縫合される胃壁の部分を含み得る。簡潔さのために、電磁縫合デバイス240および縫合デバイス200の全ての要素が図17A図17Dのそれぞれに示されるとは限らない。
【0086】
図17Aでは、組織260は、アーム226Aと226Bとの間の空間230内に配置されている。端面229Aおよび229Bは、トラック228Aおよび228B(図16)を標的組織の隣に配置するように組織260に当接することができる。縫合要素242は、アーム226A内のトラック228A(図16)内に配置され得る。縫合材料254は、任意の適切な通路を介してスプール258から縫合要素242まで延在することができる。いくつかの例では、スプール258は、ヒンジ225内に設置され得る。コイル244は、縫合要素242をアーム226Aからアーム226Bに向かって押すための電磁場を生成するように励起され得る。
【0087】
図17Bでは、縫合要素242は、組織260内に配置され得る。縫合材料254は、アンカ266を含むことができる。アンカ266は、縫合材料254がスプール258(図17A)から引き出されるときに、クロージャデバイス259(図16)によって分配され得る。クロージャデバイス259は、同時に、スプール258上の他の縫合材料の巻線256から縫合材料254を切断することができる。したがって、1本の縫合材料254が、切り口262を閉じるために提供され得る。縫合材料254は、小穴252、および結び目または別の適切な取付け特徴を介して、縫合要素242に取り付けられ得る。
【0088】
図17Cでは、縫合要素242は、電磁場を生成するためのコイル244の継続した動作などを介して、組織260を貫通してアーム266B(図17)に押し込まれ得る。縫合材料254は、縫合材料254が最初の組織260の通過を完了するように、縫合要素242に追従することができる。本明細書において説明されるように、縫合要素242は、電磁的手段および/または機械的手段を介して、組織260にさらに引き入れられ得る。
【0089】
図17Dでは、縫合デバイス200は、縫合要素242を組織260内へ押し戻して組織260に通すように動作され得る。縫合デバイス200は、切り口262に沿って軸方向に、組織260の先端のより近くなど、縫合要素242が最初に組織260に通された位置から離れるように移動され得る。次に、縫合デバイス200は、縫合要素242を移動させるように作動され得る。図18図20を参照して論じられるように、縫合デバイス200は、電磁力により押すこともしくは引くことを介してまたは機械力により押すこともしくは引くことを介して縫合要素242をアーム226Aに戻すように構成され得る。縫合デバイス200は、縫合要素242を組織260に押し通してアーム226A内へ戻すように動作され得る。縫合材料254は、アンカ266を組織260と係合させるために引っ張られ得る。
【0090】
図17Eでは、縫合デバイス200は、縫合材料254を引き締めるように動作され得る。組織260とアンカ266との間の図17Bに示された縫合材料254のたるみを取り除くように縫合材料254を押し引きするために、電磁力または機械力が生成され得る。縫合要素242は、アンカ266が組織260に係合するまで前進され得る。したがって、切り口262の組織部分264Aと264Bとの間の切り口262は、係合するように引っ張られ得る。そのような時点において、縫合材料254は、縫合要素242から解放され得る。いくつかの例では、アーム226Aおよび226B(図17A)のうちの一方または両方が、縫合材料254を縫合要素242から切り離すための刃または別のデバイスを含み得る。図18に示されるように、別のクロージャデバイス278(図18)が、縫合材料254が組織260から後ろ向きに出るのを防止するように縫合材料254に作用するために、アーム226Aと226Bとの間に設けられ得る。例えば、縫合材料254の端部に別のアンカ266が適用され得る。さらなる例では、縫合要素242は、組織260内に残されて、溶解するかまたは解剖学的構造に再吸収され得る。
【0091】
図18は、磁気的に駆動されかつばねによって後退される縫合要素272を備える、本開示の電磁縫合機構270の概略断面図である。図18の縫合機構270および縫合要素272は、以下の変形を伴って、図16の縫合機構240および縫合要素242と同様に構成され得る。縫合機構270は、縫合要素272に機械的な復帰力を与えるためのばね274を含むことができる。それに応じて、縫合要素272は、前縁に先端250Bを含むことができ、ばね274は、縫合要素ボディ248の後縁に取り付けられ得る。したがって、コイル244は、アーム226Aからアーム226Bに向かう縫合要素272のための原動力を提供するように作動され得る。ばね274、または別の機械式付勢要素は、縫合要素272をアーム226Aへ引き戻すための原動力を提供することができる。したがって、縫合要素272は、電磁力的および機械的な作動力を使用して、前後に往復運動され得る。
【0092】
縫合機構270はまた、クロージャデバイス278を含むことができる。クロージャデバイス278は、縫合要素272の経路内に配置され得る。示された例では、クロージャデバイス278は、その縫合要素272が組織を通過した後でクロージャデバイス278を通過するように、アーム226B上に配置され得る。クロージャデバイス278は、組織260への縫合材料254の取付けを促進するためのデバイスを備えることができる。一例では、クロージャデバイス278は、材料の溶融を引き起こして縫合材料254を別の縫合材料の撚り糸と接合するために、縫合材料に熱を加えることができる。一例では、クロージャデバイス278は、アンカ266または別の要素などのアンカを縫合材料254に適用することができる。さらなる例では、クロージャデバイス278は、ミシンに類似した態様で、別の縫合材料の撚り糸を縫合材料254に取り付けることができる。クロージャデバイス278は、図16図19、および図20の縫合機構のいずれかとともに使用され得る。したがって、いくつかの例では、コイル244が縫合要素272を組織に押し込んだ後、クロージャデバイス278は、縫合材料254が組織から引き戻されるのを防ぐために、縫合要素272の戻り行程において縫合材料254にアンカを適用することができる。したがって、縫合材料254は、先端250Bの近くで縫合要素272に取り付けられることが可能であり、縫合要素272は、ばね274が縫合要素272に取り付けられる位置などにおいて、組織を完全に通過する必要がない。
【0093】
図19は、磁気的に循環される縫合要素282を備える、本開示の電磁縫合機構280の概略断面図である。図19の縫合機構280および縫合要素282は、以下の変形を伴って、図16の縫合機構240および縫合要素242と同様に構成され得る。縫合機構280は、円形トラック284内の縫合要素282に電磁的な循環移動力を提供するための第1のコイル244A、第2のコイル244B、および第3のコイル244Cを含むことができ、縫合要素282は、磁性要素286A~286C、および逆とげ288A~288Cを備えることができる。円形トラック284は、トラック228Aおよび228Bに取って代わることができる。
【0094】
いくつかの例では、コイル244A~244Cのうちの1つ、2つ、または3つが、縫合要素282を作動させるために作動され得る。以下で論じられるように、コイル244A~244Cは、縫合要素282の押し引きの様々な組み合わせを提供するように動作され得る。制御ユニット16(図14)は、コイル244A~244Cの作動のタイミングとそれによって生成される磁場の磁極の北(N)-南(S)方向とを制御して縫合要素282を動かすために、コイル244A~244Cに接続されてコイル244A~244Cを様々なモードにおいて動作させることができる。したがって、制御ユニット16は、複数の動作モードにおいてコイル244A~244Cを動作させるための命令を有してプログラム可能であり、縫合機構280のオペレータは、制御装置112において、縫合要素を順方向または逆方向に動かすかどうかを選択することを含めて、縫合要素282を動作させるために1つまたは複数のモードを選択することができる。
【0095】
いくつかの例では、コイル244Aおよび244Bは、縫合要素282への磁気的な押す力を生み出すように作動され得る。したがって、コイル244Aは、縫合要素282をアーム226Bに向かって押すように作動可能であり、コイル244Bは、続いてまたは同時に、縫合要素282をアーム226Aに向かってトラック284内へさらに押し続けるための別の磁力を生成するように作動可能である。したがって、縫合要素282は、コイル244Aおよび244Bによって生成された磁場により、継続的に押され得る。したがって、コイルは、図19に示されるように、同じ方向に配向されたN極およびS極を有する磁場を生み出すように配置され得る。コイル244Cは、同様に、縫合要素282を時計方向に押すように作動され得る。
【0096】
いくつかの例では、コイル244Aおよび244Bは、縫合要素282への磁気的な押す力および引く力を生み出すように作動され得る。したがって、コイル244Aは、同様に、縫合要素282をアーム226Bに向かって押す(時計方向の力)ように作動可能であり、コイル244Bは、縫合要素282をアーム226Bに引き入れるための別の磁力(時計方向の力)を生成するように同時に作動可能である。縫合要素282がアーム226Bに入り、コイル244Bに対して適切に(例えば、コイル244Bを通り越して)配置されると、コイル244Bは、磁気的な押す力(時計方向の力)を生み出すように切り替え可能であり、コイル244Aは、磁気的な引く力(時計方向)を生み出すように切り替え可能である。コイル244Aおよび244Bの作動は、縫合要素282に印加される原動力を最大限に高めるようにプログラムされかつ調整され得る。一例では、1)コイル244Aは、押す力を生み出すように作動可能であり、コイル244Bは、引く力を生み出すように作動可能であり、2)コイル244Bは、押す力を生み出すように作動可能であり、3)コイル244Aは、引く力を生み出すように作動可能であり、4)ステップ1)~3)は、繰り返される。コイル244Cは、同様に、縫合要素がコイル244Cに接近するときおよびコイル244Cから離れるときに、縫合要素282を引くことと押すこととの間で切り替わるように作動され得る。
【0097】
ボディ248は、磁性要素286A~286Cを含むことができ、磁性要素286A~286Cは、コイル244Aおよび244Bによって生成される磁場と相互作用することが可能な磁性体を備えることができる。磁性要素286A~286Cは、コイル244Aおよび244Bによって生成される磁場とは反対の磁場を有するように構成され得る。したがって、コイル244Aおよび244Bが作動されたときに、縫合要素282は、磁性要素286A~286Cとコイル244Aおよび244Bの磁場との相互作用により、さらに推進され得る。いくつかの例では、コイル244Aは、図19の配向に関して、頂部にN極N1を有し底部にS極S1を有する磁場を生み出すように構成可能であり、コイル244Bは、図19の配向に関して、底部にN極N2を有し頂部にS極S1を有する磁場を生み出すように構成可能であり、磁性要素286A~286Cは、図19の配向に関して、底部にN極N3を有し頂部にS極Sを有する磁場を生み出すように構成可能である。いくつかの例では、磁性要素286A~286Cは、磁場によってはね返される反磁性材料で作られ得る。
【0098】
ボディ248は、縫合要素282が組織内で逆行するのを防ぐために、逆とげ288A~288Cをさらに含むことができる。逆とげ288A~288Cは、時計方向においては組織を容易に通過することができるが反時計方向においては組織を容易に通過することができないマイクロフック、逆とげ、またはフィッシュスケールを含むことができる。逆とげ288A~288Cは、ボディ248の径方向外方に延在することができ、また、ボディ248から外方に広げられ得る。
【0099】
いくつかの例では、円形トラック284は、無限大記号の形状に構成され得る。したがって、円形トラック284は、トラック226Aがさらに図19の平面に入り、トラック226Bがさらに図19の平面から出るように、軸線A2に沿って回転され得る。トラック284の第2の存在が、スプール258の近位で軸線A2に沿ってトラック284に交わるようにそこに重ね合わせられ得るが、トラック226Aに相当するトラックがさらに図19の平面から出て、トラック226Bに相当するトラックがさらに図19の平面に入ることができるように、回転され得る。したがって、縫合要素282は、3次元的な縫合を組織に提供するために、図19の平面の外へ移動するように構成され得る。
【0100】
図20は、磁気的に往復運動される縫合要素292を備える、本開示の電磁縫合機構290の概略断面図である。図20の縫合機構290および縫合要素292は、以下の変形を伴って、図16の縫合機構240および縫合要素242と同様に構成され得る。縫合機構290は、コイル244Aおよび244Bを含むことができ、縫合要素292は、磁性要素296を備えることができる。
【0101】
コイル244Aおよび244Bは、縫合要素292を往復運動させるように構成され得る。いくつかの例では、コイル244Aおよび244Bは、縫合要素282への磁気的な押す力および引く力を生み出すように作動され得る。したがって、コイル244Aは、縫合要素282をアーム226Bに向かって押す(時計方向の力)ように作動可能であり、コイル244Bは、縫合要素282をアーム226Bに引き入れるための別の磁力(時計方向の力)を生成するように同時に作動可能である。縫合要素282がアーム226Bに入ると、コイル244Bは、磁気的な押す力(反時計方向の力)を生み出すように切り替え可能であり、コイル244Aは、磁気的な引く力(反時計方向の力)を生み出すように切り替え可能である。コイル244Aおよび244Bの作動は、縫合要素282に印加される原動力を最大限に高めるようにプログラムされかつ調整され得る。一例では、1)コイル244Aは、押す力を生み出すように作動可能であり、コイル244Bは、引く力を生み出すように作動可能であり、2)コイル244Bは、押す力を生み出すように作動可能であり、3)コイル244Aは、引く力を生み出すように作動可能であり、4)ステップ1)~3)は、繰り返される。
【0102】
磁性要素296は、図19を参照して説明されたものと同様に、コイル244Aおよび244Bによって生成される磁場と相互作用することが可能な磁性体を備えることができる。したがって、磁性要素296は、コイル244Aおよび244Bによって生成される電磁場によって推進され得る。いくつかの例では、磁性要素296は、磁場によってはね返される反磁性材料で作られ得る。
【0103】
図21図23は、電気縫合デバイスのさらなる例を示す。図21図23のデバイスは、腹腔鏡処置での使用に特に適し得るが、内視鏡検査処置などの他の処置でも使用され得る。例えば、腹腔鏡処置は、スコープを挿入するために解剖学的構造における切り口を使用することを伴い得る。そのような切り口は、例えば経口的に挿入されるスコープと比較して、より大きな器具を許容することができる。例示的な腹腔鏡処置は、胆嚢の除去(胆嚢摘出術)、虫垂切除術、ヘルニア修復、結腸の一部の除去(結腸切除術)または小腸の一部の除去、酸逆流症のための手術(噴門形成術)、副腎の除去、および脾臓の除去を含む。これらの処置のうちのいくつかは、縫合によって閉じられ得る内部の切り口または切断部の製作を伴い得る。場合により、2つの組織を一緒に縫合するために押して係合させることが有利であり得る。したがって、腹腔鏡は、より頑強であってよく、また、以下で論じられるように、縫合するために組織を掴む枢動可能なジョーの使用を伴い得る。
【0104】
図21は、磁気的に駆動されるハンマ302を備える、本開示の電磁縫合機構300の概略断面図である。縫合機構300は、アーム306と、ハンマ室308と、縫合要素室310と、コイル312とを具備する縫合ボディ304を備えることができる。ハンマ302は、駆動塊314および駆動体316を備えることができる。縫合要素318が、縫合材料320に接続され得る。
【0105】
縫合ボディ304は、縫合ボディ218(図14)の一部分を備えることができる。縫合ボディ304は、ハンマ室308および縫合要素室310を画定することができる。ハンマ室308は、駆動塊314を摺動可能に受け入れるように構成され得る。駆動塊314は、ハンマ302から縫合要素318への運動エネルギーの伝達を促進するために、縫合要素318の質量と比べて大きな質量を有する材料の塊を備えることができる。駆動体316は、駆動塊314から縫合要素室310内へ延在することができる。縫合要素室310は、駆動体316を摺動可能に受け入れるように構成され得る。縫合要素室310および駆動体316は、肩322を形成するために、駆動塊314およびハンマ室308よりも径方向に小さくてもよい。したがって、駆動塊314の端面324は、ハンマ302がハンマ室308から移動されるのを防ぐために、肩322にぶつかることができる。しかし、駆動体316は、縫合要素318に接触するために、縫合要素室310に入り込むように構成され得る。
【0106】
コイル312は、ハンマ302を図21において右側へ押すための電磁場を生成するために、電気エネルギーによって作動され得る。駆動体316は、縫合要素318を右側へ押すために、縫合要素318を打つように構成され得る。駆動塊314の面324は肩322にぶつかることができるが、縫合要素318は、引き続き右側へ動かされ得る。したがって、縫合要素318は、推進力により組織に通され得る。他の例では、駆動体316は、直接的に縫合要素318を組織に通すように構成されるように、より長い物であり得る。ハンマ302は、ばねなどの機械的要素を介して、または、反対方向におけるコイル312からの電磁的な作動を介して、左側位置へ戻され得る。縫合要素318は、本明細書において説明されるものを含む任意の適切な方法を介して、左側位置へ戻され得る。いくつかの例では、縫合要素318の右側に接続されたばねが、縫合要素を左方へ押すことができる。いくつかの例では、縫合ボディ304内の別のコイルが、縫合要素318を電磁的に左方へ押すことができる。
【0107】
いくつかの例では、駆動体316は、縫合要素318および縫合要素室310と同軸に整列することが可能な剛体かつ中実のボディを備えることができる。さらなる例では、駆動体316は、相応に湾曲した縫合要素室310および縫合要素318とともに機能するように、湾曲しているかまたは弓形であり得る。いくつかの例では、駆動体316は、ハンマ302の中心軸線に対して傾斜している縫合要素室310の例とともに動作するために、柔軟であり得る。いくつかの例では、駆動塊314は、鋼鉄などの金属で製作可能であり、駆動体316は、PVC、ポリエチレン、PPEK、およびポリプロピレンなどのプラスチックから製作可能である。したがって、金属構成要素は、駆動力を提供するために、より高密度の材料で作られてもよく、プラスチック構成要素は、縫合要素を案内するために必要に応じて曲がるように作られてもよい。
【0108】
図22は、アーム332Aおよび332Bを有する縫合デバイス330とともに使用される、電磁縫合機構300Aおよび300Bならびに磁気的に駆動されるハンマ302Aおよび302Bの概略断面図である。アーム332Aは、位置合わせされたチャネル334A、および斜めチャネル336Aを備えることができる。アーム332Bは、位置合わせされたチャネル334B、および斜めチャネル336Bを備えることができる。図22には示されていないが、アーム332Aおよび332Bは、斜めチャネル336Aおよび336Bの反対側の端部において連結され得る。いくつかの例では、アーム332Aおよび332Bは、ヒンジ機構などを介して、枢動可能にまたは回転可能に連結され得る。いくつかの例では、アーム332Aおよび332Bは、斜めチャネル336Aおよび336Bが互いに接近させられるように、回転され得る。したがって、斜めチャネル336Aおよび336Bを形成しているアーム332Aおよび332Bの部分は、縫合されるべき組織を掴むまたは押すように互いに向かって回転され得る。いくつかの例では、アーム332Aおよび332Bは、引張りひもまたはケーブルによって操作されるはさみ機構を使用することなどにより、手動で回転され得る。いくつかの例では、アーム332Aおよび332Bは、スコープの近位端部から操作可能である1つまたは複数のモータを使用して電気的に回転され得る。
【0109】
位置合わせされたチャネル334Aは、駆動塊314Aと同軸に位置合わせされてよく、位置合わせされたチャネル334Bは、駆動塊314Bと同軸に位置合わせされてよい。斜めチャネル336Aは、駆動塊314Aの軸線に対して斜めであってよく、斜めチャネル336Bは、駆動塊314Bの軸線に対して斜めであってよい。駆動体316Aは、位置合わせされたチャネル334Aと斜めチャネル336Aとの間に延在するために可撓性であってよい。駆動体316Bは、位置合わせされたチャネル334Bと斜めチャネル336Bとの間に延在するために可撓性であってよい。したがって、駆動体316Aおよび316Bは、完全に真っ直ぐになるように、位置合わせされたチャネル334Aおよび334Bに引き込まれ得る。駆動塊314Aおよび314Bは、駆動体316Aおよび316Bを少なくとも部分的に斜めチャネル336Aおよび336Bに押し込むように、位置合わせされたチャネル334Aおよび334B内で前方に駆動され得る。駆動体316Aおよび316Bは、斜めチャネル336Aおよび336Bの内外へ延在している間、形状を変化させることができる。したがって、駆動体316Aおよび316Bまたはそれらの部分は、斜めチャネル336Aおよび336B内に配置されたときに、縫合要素318と整列することができる。斜めチャネル336Aおよび336Bは、位置合わせされたチャネル334Aおよび334Bに対しておおよそ90度の角度に配置された直線状のセグメントとして示されている。しかし、斜めチャネル336Aおよび336Bは、他の角度に配置されてもよく、湾曲していてもよい。
【0110】
コイル312Aおよび312Bは、縫合要素318を往復運動させるために、ハンマ302Aおよび302Bに交互に作用するように作動され得る。コイル312Aは、縫合要素318をアーム332Bに向かって押すように作動され得る。駆動体316Aの遠位先端は、組織を穿通するのに使用される鋭い先端が切れなくなるかまたは鈍化するのを防ぐために、縫合要素318の先端338Aを受け入れるためのカップ形状の特徴またはソケットを含むことができる。駆動塊314Aがアーム332A内で斜めチャネル336A内などの過度に遠くへ移動することを防ぐために、ストッパ342Aが使用され得る。縫合要素318は、駆動体316Aの直接的な駆動および駆動塊314Aからのエネルギーにより、組織に押し通され得る。したがって、駆動体316Aは、縫合要素318によって作り出された組織内の穴に押し通され得るように、縫合要素318とおおよそ同じ直径または縫合要素318よりも小さい直径を有することができる。他の例では、駆動体316Aは、引き続き組織に入ることがなく、縫合要素318は、推進力を介して引き続き組織を貫通することができる。したがって、縫合要素318は、アーム332Bに押し込まれ得る。駆動体316Aを収縮させてアーム332A内に戻すために、ばね342Aが使用され得る。アーム332B内では、縫合要素318は、駆動体316Bに係合することができる。駆動体316Bの遠位先端は、組織を穿通するのに使用される鋭い先端が切れなくなるかまたは鈍化するのを防ぐために、縫合要素318の先端338Bを受け入れるためのカップ形状の特徴またはソケットを含むことができる。コイル312Bは、縫合要素318をアーム332Aに向かって押すために作動され得る。駆動塊314Bがアーム332B内で斜めチャネル336B内などの過度に遠くへ移動するのを防ぐために、ストッパ342Bが使用され得る。駆動体316Aを収縮させてアーム332A内に戻すために、ばね342Bが使用され得る。
【0111】
縫合デバイス330は、ハンマ302Aおよび302Bを電磁的に押し引きするためならびに/またはハンマ302Aおよび302Bを機械的に押し引きするために、本明細書において説明される電磁デバイスのいずれかを使用してハンマ302Aおよび302Bを動かすために使用され得る。さらに、縫合デバイス330は、縫合材料にアンカまたは他の固定化特徴を取り付けるために、本明細書において説明されるクロージャデバイス259および278を含むことができる。
【0112】
図23は、磁気的に駆動されるシャットル402Aおよび402Bを備える、本開示の電磁縫合機構400の概略断面図である。縫合機構400は、チャネル406Aおよび406Bをそれぞれ形成する、第1のアーム404Aおよび第2のアーム404Bを備えることができる。コイル408Aおよび408Bが、アーム404Aおよび404Bにそれぞれ配置されてよく、ばね410Aおよび410Bが、シャットル402Aおよび402Bと相互作用するようにチャネル406Aおよび406B内にそれぞれ配置されてよい。縫合機構は、縫合要素412をさらに備えることができ、縫合要素412は、ボディ414、ノッチ415Aおよび415B、先端416Aおよび416B、ならびに縫合材料420に接続するための連結器418を備えることができる。シャットル402Aおよび402Bは、塊状部422Aおよび422B、ならびにジョー424Aおよび424Bを備えることができる。ジョー424Aは、ヒンジ426A、延長部428A、および歯430Aを備えることができ、ジョー424Bは、ヒンジ426B、延長部428B、および歯430Bを備えることができる。
【0113】
アーム404Aおよび404Bは、本明細書において説明される縫合デバイスに組み込まれてよく、したがって、縫合要素412を組織に通して押し引きするために、スコープの端部に取付け可能なデバイス内に配置され得る。コイル408Aおよび408Bは、アーム404Aおよび404Bの材料に埋め込まれてよく、または、適切なシースなどで覆われてもよい。コイル408Aおよび408Bは、塊状部422Aおよび422Bをそれぞれ駆動するための磁電気場(magneto-electric field)を生成するために、電流を通過させることができる銅巻線を備え得る。いくつかの例では、塊状部422Aおよび422Bは、強磁性材料で作られ得る。
【0114】
チャネル406Aおよび406Bは、縫合要素412を受け入れるために、アーム404Aおよび404B内にそれぞれ配置され得る。チャネル406Aおよび406Bは、シャットル402Aおよび402Bがそれぞれコイル408Aおよび408Bの電磁場によりアーム404Aおよび404Bの外へ推進されるのを防ぐために、適切なストッパ(図示せず)を備えることができる。さらに、ばね410Aおよび410B、または他の付勢要素が、シャットル402Aおよび402Bがチャネル406Aおよび406Bの外へ移動されるのを防ぐために使用され得る。さらに、ばね410Aおよび410Bは、コイル408Aおよび408Bによる推進の後でシャットル402Aおよび402Bを元のアーム404Aおよび404B内へ後退させるために使用され得る。
【0115】
シャットルは、図17A図17Dを参照して説明された方法と同様に縫合要素412を組織に通して往復運動させるために、チャネル406Aおよび406Bから押し引きされ得る。しかし、縫合要素412を直接推進するコイル408Aおよび408Bの磁電気場の代わりに、縫合要素は、シャットル402Aおよび402Bによって間接的に駆動され、シャットル402Aおよび402Bは、コイル408Aおよび408Bの磁電気場によって直接駆動される。シャットル402Aおよび402Bは、塊状部422Aおよび422Bの推進力が縫合要素412を押すために使用され得るように、駆動され得る。
【0116】
縫合要素412は、延長部428Aにおける対向する歯430A間に配置され得る。歯430Aは、縫合要素412を掴むために、ノッチ415A内に配置され得る。延長部428Aは、チャネル406Aおよび406Bの壁との相互作用によって内方に回転され得る。ヒンジ426Aは、歯430Aを開くまたは広げるように付勢され得る。したがって、シャットル402Aが図23において左方向に推進されると、延長部428Aは、勢いよく開いて縫合要素412を解放することができる。しかし、縫合要素412の推進力は、組織を通ってシャットル402Bに入る縫合要素412の左方向の推進力を維持することになる。シャットル402Bは、延長部428Bが縫合要素412を受け入れるために広げられた状態で、縫合要素412を受け入れるのを待っていることができる。したがって、シャットル402Aおよび402Bの動作は、縫合要素412を往復運動させるために、制御ユニット16(図3)などによって協調され得る。例えば、1)シャットル402Aは、縫合要素を左方向に押すためにコイル408Aの動作によって左方向に推進可能であり、2)コイル408Bは、縫合要素412を受け入れるために同時に右方向に推進可能であり、3)コイル408Bは、ばね410Bの動作を介してチャネル406B内へ後退するように通電を切られることが可能であり、4)コイル408Aは、縫合要素412を受け入れるための位置に延長部を保持するために通電を維持することが可能であり、5)コイル408Bは、縫合要素412をシャットル402A内へと前方に押すために通電可能であり、ステップ1~5は、繰り返され得る。
【0117】
さらなる例では、縫合要素412は、歯430Aおよび430Bがノッチ415Aおよび415Bに入ることを可能にするために、延長部428Aおよび428Bを広げるように歯430Aと430Bとの間で駆動され得る。したがって、シャットル402Aおよび402Bは、縫合要素412を受け入れるために、チャネル406Aおよび406B内で後退位置に戻され得る。
【0118】
これまで述べてきたことを考慮すると、縫合要素412は、縫合材料420を組織に引き入れるために、組織に通され得る。縫合要素412はコイル408Aおよび408Bの磁場と磁気的に相互作用する必要がないので、縫合要素412は、生物学的環境における縫合に適した任意の望ましい材料で作られ得る。
【0119】
図24は、本開示のスコープ、再挿入シース、および縫合アタッチメントを使用して組織を縫合する方法400を示すブロック図である。方法400は、図1ならびに図2のスコープ102、再挿入シース104、組織分離デバイス106、および縫合アタッチメント108だけでなく、本明細書において説明されるデバイスのいずれかの使用を包含し得る。
【0120】
ステップ402では、患者が、医療処置の実施について評価され得る。一例では、患者の結腸が組織分離デバイス106(図1)などの組織採取デバイスで治療される必要があることが、手術前に判定され得る。治療は、病変組織または他の組織の除去を含み得る。患者の導管壁を切開、切断、または穿刺する必要なしに組織が採取され得ることが、手術前に判定され得る。したがって、処置が縫合を伴わないであろうことが、手術前に判定され得る。したがって、手術前の計画は、スコープ102(図1)などの処置を実施するために使用されるスコープに縫合デバイス108(図1)などの縫合デバイスを取り付けることを伴わない可能性がある。
【0121】
ステップ404では、スコープが、対象の組織まで解剖学的構造を通って誘導され得る。アクセスポータルまたは切り口が、患者の解剖学的構造に作られ得る。いくつかの例では、スコープ102(図1)が、患者に挿入されて結腸まで案内され得る。スコープ102の操舵および誘導特徴が、スコープ102の遠位端部を標的組織まで案内するために用いられ得る。例えば、撮像能力が、解剖学的導管の交差部を含む解剖学的構造を可視化するために使用され得る。操舵能力が、スコープ102の遠位端部を所望の導管および所望の導管内の標的組織内へ旋回させるために使用され得る。
【0122】
ステップ406では、医療処置の一部が実施され得る。例えば、ステップ402において手術前に計画された処置の一部が、実施され得る。標的組織は、組織分離デバイス106を使用して採取され得る。標的組織は、病気にかかっている可能性のある組織、または患者の病的状態を表す組織を含み得る。例えば、分離器138Aおよび138Bは、標的組織を採取、分離、および必要であれば保管するために、1回または複数回標的組織に係合するように、制御デバイス134から操作され得る。
【0123】
ステップ408では、実施されている処置が評価され得る。例えば、採取された組織の総量が、十分な量が採取されたかどうかを確かめるために、評価され得る。また、患者は、病変組織の全てが採取されたかどうかを判定するために、評価され得る。評価手順中、患者の解剖学的構造は、出血が生じているかどうかを判定するために再検査され得る。出血が生じている場合、解剖学的構造の導管壁が穿刺されていることが判定され得る。したがって、患者内の切り口が縫合デバイスなどによって閉じられるべきであると判定され得る。したがって、縫合デバイスの挿入を容易にするためにスコープ102が解剖学的構造から引き抜かれるべきであると判定され得る。
【0124】
ステップ410では、スコープ102が患者の解剖学的構造内に挿入されたままである間に、スコープ102に再挿入シースが適用され得る。本明細書において論じられるように、再挿入シース104は、フランジ128Aおよび128B(図7)の端面を周方向に引き離すことなどによりスリット126を拡大するように操作され得る。したがって、再挿入シース104は、内視鏡102のシャフト110(図2)の近位部分上で径方向に移動され得る。再挿入シース104は、フランジ128Aおよび128Bの端面が互いに近づけられることを可能にするために、弛緩され得る。さらに、再挿入シース104は、解剖学的構造に挿入されるように軸方向に拡張され得る。例えば、再挿入シース104は、端部150または152(図6)のうちの一方がスコープ102に沿って摺動されることにより標的解剖学的構造に到達することを可能にするために、図8Aの圧縮構成から図8Bの拡張構成に変えられ得る。再挿入シース104は、隣接する解剖学的構造またはスコープ102の特徴にぶつからないようにシャフト110に沿って優しく案内され得る。ジッパクロージャ機構182(図11)またはかみ合いレールクロージャ機構191(図12)などの軸方向クロージャ機構が、スリット126を閉じるために使用され得る。軸方向クロージャ機構は、再挿入シースの軸方向展開の前またはその間に用いられ得る。
【0125】
ステップ412では、スコープは再挿入シースから引き抜かれ得る。例えば、スコープ102は、再挿入シース104を通して解剖学的構造から引き抜かれ得る。再挿入シース104は、標的解剖学的構造への通路またはトンネルを径方向に開口して保持するために、解剖学的構造内に留まることができる。
【0126】
ステップ414では、引き抜かれたスコープにアタッチメントが連結され得る。使用されることがステップ408において決定されていたアタッチメントが、スコープに組み付けられ得る。例えば、縫合デバイス108が、スコープ102のシャフト110に取り付けられ得る。図14を参照すると、スコープ202のシャフト204は、端面206が縫合ボディ218に近接するように、連結器216のチャネル224に挿入され得る。
【0127】
ステップ416では、スコープは、アタッチメントデバイスと一緒に再挿入シースに挿入され得る。縫合デバイス108を含むスコープ102は、再挿入シース104の管腔124(図1)内へ摺動され得る。
【0128】
ステップ418では、スコープは、標的解剖学的構造に到達するように、再挿入シースに押し込まれ得る。スコープ102は、遠位端面および縫合デバイス108が再挿入シース104の遠位端部において標的解剖学的構造に到達するまで、挿入され得る。
【0129】
ステップ420では、ステップ414においてスコープに組み付けられたアタッチメントデバイスが、使用のために展開され得る。例えば、縫合ハウジング218が、図15Aの格納位置から図15Bの展開位置へ、ヒンジ225において回転され得る。縫合ハウジング218は、再挿入シース104を通したスコープ102のより容易な挿入を可能にするために、格納位置においてより小さな設置面積を有するように作られ得る。しかし、縫合ハウジング218は、展開位置では、使用のためにスコープ102の遠位に延長され得る。
【0130】
ステップ422では、ステップ402において計画されステップ408において評価された外科的処置の別の部分が実施され得る。例えば、縫合デバイス108が、切り口を閉じ出血を止めるために使用され得る。本明細書において説明された様々な電磁コイルのいずれかが、電磁推進力を縫合要素に直接提供するかまたは縫合要素を駆動するように構成されたハンマもしくはシャットルに提供するために、作動され得る。さらに、組織分離デバイス106が、さらなる組織を解剖学的構造から除去するために、スコープ102とともに使用され得る。組織分離デバイス106は、縫合デバイス108がシャフト110に取り付けられている間に、管腔119(図1)に挿入されてシャフト110の遠位端部の外へ延長され得る。したがって、分離器138Aおよび138Bは、使用のために縫合ハウジング218のソケット230内に配置され得る。
【0131】
その後、方法400は、必要に応じて、スコープおよびアタッチメントデバイスを除去し、スコープを異なる再アタッチメントデバイスとともに再挿入するために、ステップ412に戻ることができ、または、手術を完了するために引き続きステップ424を行うことができる。
【0132】
ステップ424では、再挿入シースは、スコープから除去され得る。例えば、再挿入シース104は、解剖学的構造から除去されるまでスコープ102のシャフト110に沿って近位に摺動され得る。再挿入シース104は、スコープ102から引き離されるようにスリット126において開かれ得る。
【0133】
ステップ426では、スコープは、解剖学的構造から除去され得る。例えば、スコープ102は、解剖学的構造から引き出され得る。あるいは、再挿入シース104およびスコープ102は、一緒に除去され得るか、または、スコープ102が最初に除去され、再挿入シース104が2番目に除去され得る。その後、患者内のアクセスポータルが適切に閉じられ得る。
【0134】
したがって、方法400は、インサイチュスコープの周りに配置され得る手術中再挿入シースを介して患者の解剖学的構造から引き抜かれかつ解剖学的構造に再挿入され得るスコープを使用して医療処置を実施する方法の例を示す。スコープは、本明細書において開示される縫合デバイスなどの補助的なデバイスを取り付けて手術中に決定された切り口の縫合などの付属的な処置を実施するために、手術中に引き抜かれ得る。したがって、縫合アタッチメントなどの補助的なデバイスを使用するかしないかを先験的に決定する必要性が、手術中の決定に延期され得るので、手術前の計画の立案を簡易化することができる。手術中の処置の変更は、再挿入シースの使用によって促進可能であり、この再挿入シースは、再挿入シースに沿って延在する軸方向に延在するスリットの使用などを通じて、患者の解剖学的構造内にすでに設置されたスコープのシャフトの周りに設置され得る。手術中の処置の変更は、縫合デバイスの使用によって促進可能であり、この縫合デバイスは、容易にかつしっかりとスコープに取り付けられ、かつ、スコープの誘導を促進する格納位置から、スコープとの縫合デバイスの使用を促進する展開位置へ変更され得る。したがって、本明細書において説明されるデバイスおよび方法は、医療処置を円滑にし、かつ、より良好な患者予後を促進することができる。
【0135】
様々な注記事項および実施例
実施例1は、ボディと、ボディに埋め込まれた第1のコイルと、第1のコイルによって生成される磁場によって作動されるように構成された縫合要素と、を備える、電磁駆動縫合デバイスである。
【0136】
実施例2では、実施例1に記載の主題は、第1の端面を有する第1のアームと、少なくとも部分的に第1の端面に対向する第2の端面を有する第2のアームと、を備えるボディを任意に含み、第1のコイルは、第1のコイルの中心軸線が第1の端面から延在するように、第1のアーム内に配置される。
【0137】
実施例3では、実施例2に記載の主題は、スコープの中心軸線に対して横向きに延在する第1のコイルの中心軸線を任意に含む。
【0138】
実施例4では、実施例2~3のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、ベースに回転可能に接続されるキャップを任意に含み、キャップは、スコープに取り付けられるように構成される。
【0139】
実施例5では、実施例2~4のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、縫合要素に連結された付勢要素を任意に含む。
【0140】
実施例6では、実施例2~5のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、その中心軸線が第2の端面から延在するように第2のアーム内に設置された第2のコイルを任意に含む。
【0141】
実施例7では、実施例6に記載の主題は、第1のコイルと第2のコイルとの間で往復運動するように構成された縫合要素を任意に含む。
【0142】
実施例8では、実施例7に記載の主題は、縫合要素を押し引きするように構成された各コイルを任意に含む。
【0143】
実施例9では、実施例6~8のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、第1のコイルと第2のコイルとの間を循環するように構成された縫合要素を任意に含む。
【0144】
実施例10では、図9に記載の主題は、第3のコイルを任意に含み、各コイルの中心は、他のコイルから120度間隔を空けられている。
【0145】
実施例11では、実施例6~10のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、第1および第2のコイルを選択的に作動させるように構成された制御装置を任意に含む。
【0146】
実施例12では、実施例6~11のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、磁場との相互作用を強化するために縫合要素に取り付けられた磁石を任意に含む。
【0147】
実施例13では、実施例6~12のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、磁場によって直接駆動されるように構成された縫合要素を任意に含む。
【0148】
実施例14では、実施例6~13のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、磁場によって間接的に駆動される縫合要素を任意に含む。
【0149】
実施例15では、実施例14に記載の主題は、縫合要素を駆動するために磁場と相互作用するように構成された第1のシャットルを任意に含む。
【0150】
実施例16では、実施例15に記載の主題は、縫合要素にぶつかるように構成されたハンマを備える第1のシャットルを任意に含む。
【0151】
実施例17では、実施例16に記載の主題は、第1のアーム内で摺動するように構成された塊状部と、縫合要素にぶつかるように構成された、塊状部から延在する先端と、を備えるハンマを任意に含む。
【0152】
実施例18では、実施例15~17のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、縫合要素に取り付けられるように構成されたキャリッジを備える第1のシャットルを任意に含む。
【0153】
実施例19では、実施例18に記載の主題は、縫合要素を受け入れるためのソケットと、ソケット内の縫合要素を固定するためのグリッパ要素とを備えるキャリッジを任意に含む。
【0154】
実施例20では、実施例1~19のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、縫合要素により組織に埋め込まれた縫合材料を動かなくさせるための手段を任意に含む。
【0155】
実施例21は、第1の端面を有する第1のアームと、第1の端面内へ延在する第1の縫合トラックと、少なくとも部分的に第1の端面に対向する第2の端面を有する第2のアームと、第2の端面内へ延在する第2の縫合トラックと、第1のアームに埋め込まれた第1のコイルと、第1の縫合トラックから第2の縫合トラックへ移動するために第1のコイルによって生成される磁場によって駆動されるように構成された縫合要素と、を具備するC形状のハウジングを備える、電磁縫合デバイスである。
【0156】
実施例22では、実施例21に記載の主題は、弓形である縫合要素と、第1の縫合トラックと、第2の縫合トラックとを任意に含む。
【0157】
実施例23では、実施例21~22のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、磁場によって生成される力に対抗するために縫合要素に取り付けられた付勢機構を任意に含む。
【0158】
実施例24では、実施例21~23のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、磁場との係合を促進するための磁石を備える縫合要素を任意に含む。
【0159】
実施例25では、実施例21~24のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、縫合要素の中心の近位に設置された縫合材料のための連結特徴を備える縫合要素を任意に含む。
【0160】
実施例26では、実施例21~25のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、縫合要素の往復運動を促進するために第2のアームに埋め込まれた第2のコイルを備えるボディを任意に含む。
【0161】
実施例27では、実施例21~26のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、C形状のハウジングの周りでの縫合要素の循環を促進するために第1または第2のアームに埋め込まれた第3のコイルを備えるボディを任意に含む。
【0162】
実施例28では、実施例21~27のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、円弧セグメントを備える第1の縫合トラックを任意に含む。
【0163】
実施例29では、実施例21~27に記載の主題は、無限大記号の形状を有する第1の縫合トラックを任意に含む。
【0164】
実施例30では、実施例21~29のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、縫合要素の一方向の摺動を促進するための逆とげを備える縫合要素を任意に含む。
【0165】
実施例31は、ハウジングと、ハウジングに埋め込まれた第1のコイルと、第1のコイルによって生成される電磁場によりハウジング内で往復運動されるように構成された第1のシャットルと、第1のシャットルによって作動されるように構成された縫合要素とを備える、電磁ハンマ縫合デバイスである。
【0166】
実施例32では、実施例31に記載の主題は、第1の端面を有する第1のアームであって、第1のコイルが第1のアーム内に設置されている、第1のアームと、第1の端面内へ延在する第1の縫合トラックと、少なくとも部分的に第1の端面に対向する第2の端面を有する第2のアームとを備えるハウジングを任意に含む。
【0167】
実施例33では、実施例32に記載の主題は、第2の端面内へ延在する第2の縫合トラックと、第2のアームに埋め込まれた第2のコイルと、第2の縫合トラック内に設置され、かつ、第2のコイルによって生成される第2の磁場によって作動されるように構成された、第2のキャリッジと、を任意に含む。
【0168】
実施例34では、実施例31~33のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、縫合要素にぶつかるように構成されたハンマを備える第1のシャットルを任意に含む。
【0169】
実施例35では、実施例34に記載の主題は、第1のアーム内で摺動するように構成された塊状部と、縫合要素にぶつかるように構成された、塊状部から延在する先端と、を備えるハンマを、任意に含む。
【0170】
実施例36では、実施例31~35のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、縫合要素に取り付けられるように構成されたキャリッジを備える第1のシャットルを任意に含む。
【0171】
実施例37では、実施例34~36のいずれか1つまたは複数に記載の主題は、縫合要素を受け入れるためのソケットと、ソケット内の縫合要素を固定するためのグリッパ要素とを備えるキャリッジを任意に含む。
【0172】
これらの限定的ではない例のそれぞれは、独立し得るか、あるいは、他の例のうちの1つもしくは複数との様々な置換または組み合わせにおいて組み合わせられ得る。
【0173】
上記の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付の図面への言及を含む。図面は、例示として、本発明が実践され得る特定の実施形態を示す。これらの実施形態はまた、本明細書において「例」と呼ばれる。そのような例は、図示または説明された要素の他に、要素を含み得る。しかし、本発明者らは、図示または説明された要素のみが提供される例も意図している。さらに、本発明者らは、本明細書において図示あるいは説明された特定の例(または、その1つもしくは複数の態様)または他の例(または、その1つもしくは複数の態様)に関して、図示または説明された要素(または、その1つもしくは複数の態様)の任意の組み合わせあるいは置換を使用することも意図している。
【0174】
本文献と参照によって組み込まれる任意の文献との間に矛盾する慣用法が存在する場合、本文献における慣用法が優先する。
【0175】
本文献において、「a」または「an」という用語は、特許文献によく見られるように、任意の他の例、あるいは「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」の使用とは無関係に、1つ、または2つ以上を含むように使用される。本文献において、「または(or)」という用語は、そうでないことが示されていない限り、「AまたはB」が「Bを除くA」、「Aを除くB」、ならびに「AおよびB」を含むように、非排他的なまたは(nonexclusive or)を意味するために使用される。本文献において、「含む(including)」および「そこにおいて(in which)」という用語は、「備える(comprising)」および「そこで(wherein)」というそれぞれの用語に相当する分かりやすい英語として使用される。また、以下の特許請求の範囲において、「含む(including)」および「備える(comprising)」という用語は、無制限であり、つまり、請求項においてそのような用語の後に挙げられるものに追加的な要素を含むシステム、デバイス、物品、組成、処方、またはプロセスも、依然としてその請求項の範囲に入るように解釈される。さらに、以下の特許請求の範囲において、「第1の」、「第2の」、および「第3の」、などの用語は、単にラベルとして使用されるものであり、それらの対象に対して数値的な条件を課すようには意図されていない。
【0176】
本明細書において説明される方法例は、少なくとも部分的に機械実施またはコンピュータ実施され得る。いくつかの例は、上記の例において説明されたような方法を実行するように電子デバイスを構成するために動作可能な命令でエンコードされたコンピュータ可読媒体または機械可読媒体を含み得る。そのような方法の実施は、マイクロコード、アセンブリ言語コード、高水準言語コード、などのようなコードを含み得る。そのようなコードは、様々な方法を行うためのコンピュータ可読命令を含み得る。コードは、コンピュータプログラム製品の一部を形成してもよい。さらに、一例では、コードは、実行中にまたは他のタイミングなどに、1つまたは複数の揮発性の、一時的でない、もしくは不揮発性の有形のコンピュータ可読媒体に、明白に記憶され得る。それらの有形のコンピュータ可読媒体の例は、ハードディスク、取外し可能な磁気ディスク、取外し可能な光学ディスク(例えば、コンパクトディスクおよびデジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリカードまたはメモリスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、などを含み得るが、これらに限定されない。
【0177】
上記の説明は、例示的であり非限定的であることが意図されている。例えば、上記の例(または、1つもしくは複数のその態様)は、互いの組み合わせで使用され得る。上記の説明を検討した当業者などにより、他の実施形態が使用され得る。要約書は、読者が技術的開示の本質を手早く確認することを可能にするために提供されるものである。要約書は、特許請求の範囲に記載の範囲または意味を解釈または制限するために使用されるのではないという了解の下で提出される。また、上記の発明を実施するための形態において、様々な特徴は、本開示を合理化するためにグループ化され得る。これは、特許請求されていない開示された特徴がいずれかの請求項にとって不可欠であることを意図するものと解釈されるべきではない。むしろ、発明の主題は、開示された特定の実施形態の全ての特徴を含むものではない可能性がある。したがって、以下の特許請求の範囲は、本明細書において例または実施形態として発明を実施するための形態に組み込まれ、各請求項は、別々の実施形態として独立し、また、そのような実施形態は、様々な組み合わせまたは置換において互いに組み合わせられ得ることが意図されている。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲に準拠して決定されるべきである。
【符号の説明】
【0178】
10 内視鏡検査システム
12 撮像および制御システム
14 内視鏡、胆道鏡
16 制御ユニット
18 出力ユニット
20 入力ユニット
22 光源ユニット
24 流体源
26 吸引ポンプ
28 挿入セクション
30 機能セクション
32 ハンドルセクション
34 ケーブルセクション
36 連結器セクション
38 制御ノブ、ノブ
40A ポート
40B ポート
41 カート
42 画像処理ユニット
44 治療生成器
46 駆動ユニット
47 ケーブル
70 カメラモジュール
72 ハウジング
74 治療ユニット、ワーキングチャネル
76 流体出口
78 照明レンズ
80 対物レンズ
82 管腔
84 光伝達器
87 撮像ユニット
88 配線
89 流体ライン
100 内視鏡システム、内視鏡検査システム
102 スコープ、内視鏡
104 再挿入シース
106 組織分離デバイス
108 縫合デバイス、縫合アタッチメント
110 長尺ボディ、シャフト
112 制御装置
114 グリップ
116 制御ノブ
118 連結器
119 管腔
120 ケーブル
122 シャフト
124 管腔
126 間隙
126 スリット
128A フランジ
128B フランジ
130 シャフト
132 組織分離器
134 制御デバイス
136 ヒンジ
138A 分離器
138B 分離器
140 連結器
142 縫合ボディ
144 制御要素
146 管腔
148 回転扉、回転可能な扉
150 近位端部
152 遠位端部
154 外側表面
156 起伏
160 再挿入シース
162 拡張可能な支持体
164A 支柱
164B 支柱
165 ヒンジ
166 ボディ
167 第1の端部
168 第2の端部
169 スリット
170 再挿入シース
172 螺旋状支持部材
176 ボディ、長尺シャフト
177 端部
178 端部
179 スリット
180 再挿入シース
182 ジッパクロージャ機構
184 シャフト
185 スリット
186A 歯
186B 歯
187A 第1の側
187B 第2の側
188 シャットル
190 再挿入シース
191 かみ合いレールクロージャ機構、再挿入シースクロージャ機構
192 シャフト
193 スリット
194A 第1の端部
194B 第2の端部
195A 第1のレール
195B 第2のレール
196A 第1の突出部
196B 第2の突出部
197A 第1のスロット
197B 第2のスロット
198 磁性部材
199 金属ストリップ
200 縫合デバイス
202 内視鏡、スコープ
204 シャフト、再挿入シース
206 端面、遠位面
208 ワーキングチャネル
210 撮像構成要素
212 照明構成要素
214 灌注チャネル
216 連結器
218 縫合ボディ、縫合ハウジング
220 ハウジング
222 制御要素
224 チャネル
225 ヒンジ
226A アーム、トラック
226B アーム、トラック
228A 縫合トラック
228B 縫合トラック
229A 端面
229B 端面
230 ソケット、空間
240 電磁縫合機構、電磁縫合デバイス
242 縫合要素
244 コイル
244A 第1のコイル
244B 第2のコイル
244C 第3のコイル
246A リード線
246B リード線
248 ボディ
250A 先端
250B 先端
252 小穴
254 縫合材料
256 巻線
258 スプール
259 クロージャデバイス
260 組織
262 切り口
264A 組織部分
264B 組織部分
266 アンカ
270 電磁縫合機構
272 縫合要素
274 ばね
278 クロージャデバイス
280 電磁縫合機構
282 縫合要素
284 円形トラック
286A 磁性要素
286B 磁性要素
286C 磁性要素
288A 逆とげ
288B 逆とげ
288C 逆とげ
290 電磁縫合機構
292 縫合要素
296 磁性要素
300 電磁縫合機構
300A 電磁縫合機構
300B 電磁縫合機構
302 ハンマ
302A ハンマ
302B ハンマ
304 縫合ボディ
306 アーム
308 ハンマ室
310 縫合要素室310
312 コイル
312A コイル
312B コイル
314 駆動塊
314A 駆動塊
314B 駆動塊
316 駆動体
316A 駆動体
316B 駆動体
318 縫合要素
320 縫合材料
322 肩
324 端面
330 縫合デバイス
332A アーム
332B アーム
334A 位置合わせされたチャネル
334B 位置合わせされたチャネル
336A 斜めチャネル
336B 斜めチャネル
342A ストッパ、ばね
342B ストッパ、ばね
400 電磁縫合機構、方法
402 ステップ
402A シャットル
402B シャットル
404 ステップ
404A 第1のアーム
404B 第2のアーム
406 ステップ
406A チャネル
406B チャネル
408 ステップ
408A コイル
408B コイル
410 ステップ
410A ばね
410B ばね
412 縫合要素、ステップ
414 ボディ、ステップ
415A ノッチ
415B ノッチ
416 ステップ
416A 先端
416B 先端
418 連結器、ステップ
420 縫合材料、ステップ
422 ステップ
422A 塊状部
422B 塊状部
424 ステップ
424A ジョー
424B ジョー
426 ステップ
426A ヒンジ
426B ヒンジ
428A 延長部
428B 延長部
430A 歯
430B 歯
A 軸線
A1 中心長手軸線、軸線
A2 軸線
A3 軸線
D1 外径
D2 内径
L 長さ、方向
R 径方向
T 厚さ
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15A
図15B
図16
図17A
図17B
図17C
図17D
図17E
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
【国際調査報告】