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特表2024-510939オレキシン受容体アゴニストとしてのアリールスルホンアミド
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  • 特表-オレキシン受容体アゴニストとしてのアリールスルホンアミド 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】オレキシン受容体アゴニストとしてのアリールスルホンアミド
(51)【国際特許分類】
   C07D 213/40 20060101AFI20240305BHJP
   A61K 31/444 20060101ALI20240305BHJP
   A61K 31/4409 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240305BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20240305BHJP
   C07D 295/16 20060101ALI20240305BHJP
   C07D 241/04 20060101ALI20240305BHJP
   C07D 333/38 20060101ALI20240305BHJP
   C07D 275/03 20060101ALI20240305BHJP
   C07D 417/12 20060101ALI20240305BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20240305BHJP
   C07D 213/76 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
C07D213/40
A61K31/444
A61K31/4409
A61P25/00
A61P43/00 111
C07D401/12
C07D295/16
C07D241/04
C07D333/38
C07D275/03
C07D417/12
C07D401/14
C07D213/76
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553301
(86)(22)【出願日】2022-03-01
(85)【翻訳文提出日】2023-09-14
(86)【国際出願番号】 US2022018321
(87)【国際公開番号】W WO2022187231
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】63/156,164
(32)【優先日】2021-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507021506
【氏名又は名称】リサーチ トライアングル インスティテュート
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, ヤナン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, デフイ
【テーマコード(参考)】
4C055
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4C055AA01
4C055BA01
4C055CA01
4C055CA03
4C055CA52
4C055CB02
4C055CB10
4C055CB16
4C055DA01
4C055DA06
4C055DA28
4C055DB04
4C055DB08
4C055DB09
4C055EA01
4C063AA01
4C063AA03
4C063BB08
4C063BB09
4C063CC10
4C063CC12
4C063CC67
4C063DD02
4C063DD03
4C063DD12
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC17
4C086GA08
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZC41
(57)【要約】
本開示は、本開示の実施形態として、新規アリールスルホンアミド化合物を提供する。化合物は、オレキシンの低減した活性によって引き起こされる疾患及び状態の治療に有用な、オレキシン受容体アゴニストであると考えられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、
【化30】

又はその薬学的に許容される塩であって、
式中、
Aが、C2-6アルキレン、C2-6アルケニレン、C2-6アルキニレン、フェニレン、又は任意選択的に1つ以上の不飽和度を有し、かつO、N、若しくはSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含有する二価4~7員シクロアルキル若しくはヘテロシクリル環であり、
Bが、C2-6アルキレン、C2-6アルケニレン、C2-6アルキニレン、フェニレン、又は任意選択的に1つ以上の不飽和度を有し、かつO、N、若しくはSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含有する二価4~7員シクロアルキル若しくはヘテロシクリル環であり、
Xが、O又はNHであり、
が、(CH-ヘテロアリールであり、
mが、0、1、2、3、4、5、又は6であり、
が、水素又はC1-6アルキルであり、
Xが、結合、O、C(O)、NH、NHC(O)、又はC(O)NHであり、
Yが、結合、C2-6アルキレン、C2-6アルケニレン、C2-6アルキニレン、任意選択的に1つ以上の不飽和度を有する二価4~7員シクロアルキル環、又は任意選択的に1つ以上の不飽和度を有し、かつO、N、若しくはSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含有する二価4~7員ヘテロシクリル環であり、
Zが、結合、O、C(O)、NH、NHC(O)、又はC(O)NHであり、
が、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、(CH-C3-6シクロアルキル、(CH-フェニル、(CH-ナフチル、又は(CH-(4~7員ヘテロシクリル環)(ここで、そのような環は、任意選択的に1つ以上の不飽和度を有し、かつO、N、若しくはSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含有する)であり、
各Rが、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、ハロゲン、C1-6ハロアルキル、C2-6ハロアルケニル、C2-6ハロアルキニル、NH、NHC1-6アルキル、N(C1-6アルキル)、CN、NO、OH、O(C1-6アルキル)、SH、S(C1-6アルキル)、及び=Oから選択される1つ以上の置換基で置換され得、
各nが、独立して、0、1、2、又は3である、化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
が、(CH-ピリジルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
mが、1である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
が、C1-6アルキルである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項5】
が、CHである、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
Aが、フェニレンである、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
Bが、フェニレンである、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
Bが、二価ピリジルである、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
Xが、NHである、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
Xが、Oである、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
Yが、C2-6アルキレンである、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
Yが、CHCHである、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
Yが、任意選択的に1つ以上の不飽和度を有し、かつO、N、又はSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含有する二価4~7員ヘテロシクリル環である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
前記ヘテロシクリル環が、少なくとも1つのN原子を含有する、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
Zが、NHC(O)である、請求項1~14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
Zが、C(O)である、請求項1~14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
X、Y、及びZの各々が、結合である、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
が、C1-10アルキル、(CH-C3-6シクロアルキル、又は(CH-フェニルであり、各nが、独立して、0、1、2、又は3である、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
が、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、CHCH、又はCHである、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
が、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、又はCアルキルである、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
が、(CH-C3-6シクロアルキルである、請求項18に記載の化合物。
【請求項22】
が、(CH-C5-6シクロアルキルである、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
が、(CH-Cシクロアルキル、(CH-Cシクロアルキル、又は(CH-Cシクロアルキルである、請求項22に記載の化合物
【請求項24】
が、(CH-フェニルである、請求項18に記載の化合物。
【請求項25】
nが、0である、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
が、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、ハロゲン、C1-6ハロアルキル、C2-6ハロアルケニル、C2-6ハロアルキニル、NH、NHC1-6アルキル、N(C1-6アルキル)、CN、NO、OH、O(C1-6アルキル)、SH、S(C1-6アルキル)、及び=Oから選択される1つ以上の置換基で置換されている、請求項1~25のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項27】
が、1つ以上のC1-6アルキルで置換されている、請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
例のうちの1つ以上からなる群から選択される化合物。
【請求項29】
請求項1~28のいずれか一項に記載の化合物と、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む、薬学的組成物。
【請求項30】
低減したオレキシン活性によって引き起こされる対象における疾患又は障害の治療のための方法であって、有効量の請求項1~28のいずれか一項に記載の化合物の投与を含む、方法。
【請求項31】
前記疾患又は障害が、睡眠障害、ナルコレプシー、カタプレキシー、睡眠状態の調節、無呼吸、覚醒状態の調節、睡眠-覚醒サイクリング、麻酔からの回復強化、時差ぼけ、食欲の調節、摂食の調節、摂食障害、胃腸運動性、エネルギーバランス、代謝障害、肥満、記憶、明晰さ、認知障害、アルツハイマー病、注意欠陥、認知症、軽度認知機能障害、パーキンソン病、認知機能不全、脳損傷、認知機能障害、血圧の調節、虚血性事象、酸化ストレス事象、及びがんのうちの1つ以上である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
有効量の前記化合物の投与を含む、低減したオレキシン活性によって引き起こされる対象における疾患又は障害の治療のための医薬品の調製のための、請求項1~28のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項33】
前記疾患又は障害が、睡眠障害、ナルコレプシー、カタプレキシー、不眠症、睡眠状態の調節、無呼吸、覚醒状態の調節、睡眠-覚醒サイクリング、麻酔からの回復強化、時差ぼけ、食欲の調節、摂食の調節、摂食障害、胃腸運動性、エネルギーバランス、代謝障害、肥満、記憶、明晰さ、認知障害、アルツハイマー病、注意欠陥、認知症、軽度認知機能障害、パーキンソン病、認知機能不全、脳損傷、認知機能障害、依存症、薬物依存症、血圧の調節、虚血性事象、酸化ストレス事象、及びがんのうちの1つ以上である、請求項32に記載の使用。
【請求項34】
活性治療物質としての使用のための、請求項1~28のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項35】
低減したオレキシン活性によって引き起こされる対象における疾患又は障害の治療における使用のための、請求項1~28のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項36】
前記疾患又は障害が、睡眠障害、ナルコレプシー、カタプレキシー、不眠症、睡眠状態の調節、無呼吸、覚醒状態の調節、睡眠-覚醒サイクリング、麻酔からの回復強化、時差ぼけ、食欲の調節、摂食の調節、摂食障害、胃腸運動性、エネルギーバランス、代謝障害、肥満、記憶、明晰さ、認知障害、アルツハイマー病、注意欠陥、認知症、軽度認知機能障害、パーキンソン病、認知機能不全、脳損傷、認知機能障害、依存症、薬物依存症、血圧の調節、虚血性事象、酸化ストレス事象、及びがんのうちの1つ以上である、請求項35に記載の化合物。
【請求項37】
睡眠障害、ナルコレプシー、カタプレキシー、不眠症、睡眠状態の調節、無呼吸、覚醒状態の調節、睡眠-覚醒サイクリング、麻酔からの回復強化、時差ぼけ、食欲の調節、摂食の調節、摂食障害、胃腸運動性、エネルギーバランス、代謝障害、肥満、記憶、明晰さ、認知障害、アルツハイマー病、注意欠陥、認知症、軽度認知機能障害、パーキンソン病、認知機能不全、脳損傷、認知機能障害、依存症、薬物依存症、血圧の調節、虚血性事象、酸化ストレス事象、及びがんのうちの1つ以上を治療する方法であって、請求項1~28のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項38】
睡眠障害、ナルコレプシー、カタプレキシー、不眠症、睡眠状態の調節、無呼吸、覚醒状態の調節、睡眠-覚醒サイクリング、麻酔からの回復強化、時差ぼけ、食欲の調節、摂食の調節、摂食障害、胃腸運動性、エネルギーバランス、代謝障害、肥満、記憶、明晰さ、認知障害、アルツハイマー病、注意欠陥、認知症、軽度認知機能障害、パーキンソン病、認知機能不全、脳損傷、認知機能障害、依存症、薬物依存症、血圧の調節、虚血性事象、酸化ストレス事象、及びがんのうちの1つ以上の治療のための医薬品の調製のための、請求項1~28のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項39】
睡眠障害、ナルコレプシー、カタプレキシー、不眠症、睡眠状態の調節、無呼吸、覚醒状態の調節、睡眠-覚醒サイクリング、麻酔からの回復強化、時差ぼけ、食欲の調節、摂食の調節、摂食障害、胃腸運動性、エネルギーバランス、代謝障害、肥満、記憶、明晰さ、認知障害、アルツハイマー病、注意欠陥、認知症、軽度認知機能障害、パーキンソン病、認知機能不全、脳損傷、認知機能障害、依存症、薬物依存症、血圧の調節、虚血性事象、酸化ストレス事象、及びがんのうちの1つ以上の治療における使用のための、請求項1~28のいずれか一項に記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、本開示の実施形態として、新規アリールスルホンアミド化合物を提供する。化合物は、オレキシンの低減した活性によって引き起こされる疾患及び状態の治療に有用な、オレキシン受容体アゴニストであると考えられる。
【背景技術】
【0002】
オレキシンは、視床下部において生成される神経ペプチドである。2つのタイプ、オレキシン-A及びBがあり、これらはまた、それぞれ、ヒポクレチン1及び2と称され得る。オレキシン発現ニューロンは、数が限られており、主に外側視床下部の小さな領域に位置する。しかしながら、オレキシンニューロンの神経線維は、中枢神経系(CNS)全体を通して突き出し、それらの求心性神経は、皮質、辺縁、及び脳幹回路において脳領域に送られる。オレキシン系は、睡眠/覚醒、摂食、自発運動活性、ストレスホルモン分泌、エネルギー恒常性、並びに学習及び記憶を含む、様々な重要な生物学的プロセスを調節することが示されている。
【0003】
一例として、オレキシンの1つの役割は、睡眠及び覚醒を制御することである。オレキシンを放出するニューロンは、日中最も活性である。我々を覚醒させておくために、これらの神経ペプチドは、他のニューロンを刺激して、ドーパミン、セロトニン、及びノルエピネフリンなどの、覚醒を促進する神経伝達物質を放出する。十分なオレキシンなしでは、体は、覚醒(awake)及び注意(alert)したままでいるのが難しい。1型ナルコレプシーと診断された人々は、オレキシンを生成するニューロンの数における85%~95%低減を有する。このオレキシン生成ニューロンの喪失は、過度の日中の眠気、睡眠麻痺、幻覚、及びカタプレキシーを含む、ナルコレプシーの症状につながる。オレキシンを生成するニューロンの喪失は、カタプレキシーを伴うナルコレプシー、罹患個体の日常生活に深刻な影響を与える治癒不能な慢性神経障害をもたらす。体重増加はナルコレプシーの症状ではないが、この状態を有する人々は、過体重である可能性も高い。研究は、ナルコレプシーと体重増加との関連が、身体活動を調節することにおけるオレキシンの役割に関連し得ることを示す。
【0004】
オレキシンは、ストレスに対する体の反応において重要である。環境からシグナルを取り込むと、オレキシン生成ニューロンは、心拍数及び血圧を増加させる他のニューロンを興奮させることによって圧力に応答し、体を静止状態から応答して動く準備ができた状態に移行させるのに役立つ。反応を促すより少ない化学シグナルでは、オレキシンの欠乏は、運動不足及び肥満に関連している。動物研究は、それらのオレキシン生成ニューロンを失うマウスが、身体的活動が少なく、低下したエネルギー代謝を有し、また、より少ないカロリーを消費するときでも、肥満及び糖尿病を発症する可能性が高いことを示した。
【0005】
オレキシンはまた、気分を調節することにおいて重要なニューロンを興奮させる。過剰又は過少のオレキシン活性を有することは、不安、パニック障害、依存症、及び心的外傷後ストレス障害などの、うつ病及び他の精神的健康状態に関連している。これらの神経ペプチドはまた、海馬と呼ばれる脳の一部におけるそれらの機能を通して気分に影響を与える。オレキシンは、海馬における新しいニューロンの生成を促進し、これは、学習、記憶、及び空間的能力において重要である。十分なオレキシンなしでは、人々は、学習及び記憶に問題を生じ得る。
【0006】
オレキシンの多面的な役割と一致して、オレキシン欠乏は、加齢関連障害にも関連付けられている。オレキシンニューロン及び/又はオレキシンペプチドの喪失は、アルツハイマー病及びパーキンソン病患者、並びに高齢なヒト及びマウスにおいて見出されている。いくつかの研究は、外因性オレキシン-Aが正常なオレキシン機能を成功裏に回復し、ナルコレプシー動物における学習及び記憶を改善したことを実証した。また、オレキシン/アタキシン-3(O/A3)トランスジェニックマウス、ヒトナルコレプシーに類似したマウスモデルを使用して、急性及び慢性OXA処置の両方は、記憶欠損を回復させた。例えば、Hara,J.;Beuckmann,C.T.;Nambu,T.;Willie,J.T.;Chemelli,R.M.;Sinton,C.M.;Sugiyama,F.;Yagami,K.;Goto,K.;Yanagisawa,M.;Sakurai,T.,Genetic ablation of orexin neurons in mice results in narcolepsy,hypophagia,and obesity.Neuron 2001,30(2),345-5及びMavanji,V.;Butterick,T.A.;Duffy,C.M.;Nixon,J.P.;Billington,C.J.;Kotz,C.M.,Orexin/hypocretin treatment restores hippocampal-dependent memory in orexin-deficient mice.Neurobiol.Learn.Mem.2017,146,21-30を参照されたく、各々はそのような背景に関して参照によって組み込まれる。
【0007】
全身投与に好適なオレキシンアゴニストは、全てのオレキシン置換療法の中で、オレキシン欠乏関連状態のための有望な戦略であろう。
【0008】
今日まで、オレキシン系を標的とする医薬品は、睡眠及び覚醒の調節におけるオレキシンの役割のために、当初はアンタゴニストに焦点を当てた。二重オレキシン受容体アンタゴニスト(DORA)は、体のオレキシン系を標的とする処方睡眠補助剤の一種である。これらの医薬品は、オレキシン受容体アンタゴニストとして作用することによって働き、それらが、OX1/2R二重及びサブタイプ選択的アンタゴニストを含む、体内のオレキシンの効果をブロックして、覚醒したままにするドライブを低減し、睡眠を促進することを意味する。成人における不眠症の治療のために、2種類のDORA:スボレキサント及びレンボレキサントが、現在、食品医薬品局(FDA)によって承認されている。
【0009】
対照的に、オレキシン受容体の活性化は、主にオレキシンペプチド、特にオレキシンA(33AA)を使用して達成される。限られた数の小分子オレキシンアゴニストのみがこれまでに開示されている。
【0010】
一例として、Yan7874は、US2010/0150840において報告される小分子である:
【化1】

しかしながら、Yan7874は、後に、両方のオレキシン受容体に対する弱いアゴニストであることが発見され(EC50>3.2μM)、残念ながら、オレキシン受容体に依存しない細胞毒性を示した。例えば、Turku,A.;Rinne,M.K.;Boije Af Gennas,G.;Xhaard,H.;Lindholm,D.;Kukkonen,J.P.,Orexin receptor agonist Yan 7874 is a weak agonist of orexin/hypocretin receptors and shows orexin receptor-independent cytotoxicity.PloS one 2017,12(6),e0178526を参照されたい。
【0011】
より最近では、いくつかのシリーズの小分子が報告されており、それぞれ、YNT-185及びTAK-925によって表されている。これらのアゴニストは、選択性、すなわち、OX1Rではほとんど又はまったく活性を示さないが、良好な効力でOX2Rを活性化することを示すように見える。追加のOX2Rアゴニストは、WO2020/167706に報告された。化合物、5-アルキルピロリジン類似体は、その中の化合物37によって表される。
【化2】

【化3】

【化4】

より詳細には、YNT-185は、良好なOX2R効力及び選択性を示した(EC50=28nM対OX1Rで2750nM)。腹腔内(i.p.)投与されたYNT-185(40mg/kg、塩形態)は、野生型マウスでは体温に影響を与えることなく覚醒を促進したが、オレキシンKO及びオレキシンニューロンアブレーションマウスでは、YNT-185は、カタプレキシー様エピソードを抑制した。Irukayama-Tomobe,Y.;Ogawa,Y.;Tominaga,H.;Ishikawa,Y.;Hosokawa,N.;Ambai,S.;Kawabe,Y.;Uchida,S.;Nakajima,R.;Saitoh,T.;Kanda,T.;Vogt,K.;Sakurai,T.;Nagase,H.;Yanagisawa,M.,Nonpeptide orexin type-2 receptor agonist ameliorates narcolepsy-cataplexy symptoms in mouse models.Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.2017,114(22),5731-5736を参照されたい。別の研究では、YNT-185は、モルヒネの鎮痛効果に影響を与えることなく、EEG変化並びに自発運動活性及び驚愕応答潜時を含む行動尺度によって評価されるように、ラットにおけるモルヒネ誘発鎮静効果を減衰させた。Toyama,S.;Shimoyama,N.;Tagaito,Y.;Nagase,H.;Saitoh,T.;Yanagisawa,M.;Shimoyama,M.,Nonpeptide Orexin-2 Receptor Agonist Attenuates Morphine-induced Sedative Effects in Rats.Anesthesiology 2018,128(5),992-1003を参照されたい。
しかしながら、本発明者らは、二重オレキシンアゴニズムのための薬理学的プロファイルを求める。本開示の化合物は、二重オレキシンA/B、あるいは二重OX1R/OX2Rとして特徴付けられる、アゴニストとしての治療効果のための独自の構造的属性を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0150840号明細書
【特許文献2】国際公開第2020/167706号
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Hara,J.;Beuckmann,C.T.;Nambu,T.;Willie,J.T.;Chemelli,R.M.;Sinton,C.M.;Sugiyama,F.;Yagami,K.;Goto,K.;Yanagisawa,M.;Sakurai,T.,Genetic ablation of orexin neurons in mice results in narcolepsy,hypophagia,and obesity.Neuron 2001,30(2),345-5
【非特許文献2】Mavanji,V.;Butterick,T.A.;Duffy,C.M.;Nixon,J.P.;Billington,C.J.;Kotz,C.M.,Orexin/hypocretin treatment restores hippocampal-dependent memory in orexin-deficient mice.Neurobiol.Learn.Mem.2017,146,21-30
【非特許文献3】Turku,A.;Rinne,M.K.;Boije Af Gennas,G.;Xhaard,H.;Lindholm,D.;Kukkonen,J.P.,Orexin receptor agonist Yan 7874 is a weak agonist of orexin/hypocretin receptors and shows orexin receptor-independent cytotoxicity.PloS one 2017,12(6),e0178526
【非特許文献4】Irukayama-Tomobe,Y.;Ogawa,Y.;Tominaga,H.;Ishikawa,Y.;Hosokawa,N.;Ambai,S.;Kawabe,Y.;Uchida,S.;Nakajima,R.;Saitoh,T.;Kanda,T.;Vogt,K.;Sakurai,T.;Nagase,H.;Yanagisawa,M.,Nonpeptide orexin type-2 receptor agonist ameliorates narcolepsy-cataplexy symptoms in mouse models.Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.2017,114(22),5731-5736
【非特許文献5】Toyama,S.;Shimoyama,N.;Tagaito,Y.;Nagase,H.;Saitoh,T.;Yanagisawa,M.;Shimoyama,M.,Nonpeptide Orexin-2 Receptor Agonist Attenuates Morphine-induced Sedative Effects in Rats.Anesthesiology 2018,128(5),992-1003
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本開示の一実施形態は、式(I)の化合物、
【化5】

又はその薬学的に許容される塩を含み、
式中、
Aは、C2-6アルキレン、C2-6アルケニレン、C2-6アルキニレン、フェニレン、又は任意選択的に1つ以上の不飽和度を有し、かつO、N、若しくはSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含有する二価4~7員シクロアルキル若しくはヘテロシクリル環であり、
Bは、C2-6アルキレン、C2-6アルケニレン、C2-6アルキニレン、フェニレン、又は任意選択的に1つ以上の不飽和度を有し、かつO、N、若しくはSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含有する二価4~7員シクロアルキル若しくはヘテロシクリル環であり、
Xは、O又はNHであり、
は、(CH-ヘテロアリールであり、
mは、0、1、2、3、4、5、又は6であり、
は、水素又はC1-6アルキルであり、
Xは、結合、O、C(O)、NH、NHC(O)、又はC(O)NHであり、
Yが、結合、C2-6アルキレン、C2-6アルケニレン、C2-6アルキニレン、任意選択的に1つ以上の不飽和度を有する二価4~7員シクロアルキル環、又は任意選択的に1つ以上の不飽和度を有し、かつO、N、若しくはSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含有する二価4~7員ヘテロシクリル環であり、
Zは、結合、O、C(O)、NH、NHC(O)、又はC(O)NHであり、
が、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、(CH-C3-6シクロアルキル、(CH-フェニル、(CH-ナフチル、又は(CH-(4~7員ヘテロシクリル環)(ここで、そのような環は、任意選択的に1つ以上の不飽和度を有し、かつO、N、若しくはSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含有する)であり、
各Rは、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、ハロゲン、C1-6ハロアルキル、C2-6ハロアルケニル、C2-6ハロアルキニル、NH、NHC1-6アルキル、N(C1-6アルキル)、CN、NO、OH、O(C1-6アルキル)、SH、S(C1-6アルキル)、及び=Oから選択される1つ以上の置換基で置換され得、
各nは、独立して、0、1、2、又は3である。
【0015】
一態様では、Rは、(CH-ピリジルである。一態様では、mは、1である。一態様では、Rは、C1-6アルキルである。一態様では、Rは、CHである。一態様では、Aは、フェニレンである。一態様では、Bは、フェニレンである。一態様では、Bは、二価ピリジルである。一態様では、Xは、NHである。一態様では、Xは、Oである。一態様では、Yは、C2-6アルキレンである。一態様では、Yは、CHCHである。一態様では、Yは、任意選択的に1つ以上の不飽和度を有し、かつO、N、又はSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含有する二価4~7員ヘテロシクリル環である。一態様では、ヘテロシクリル環は、少なくとも1個のN原子を含有する。一態様では、Zは、NHC(O)である。一態様では、Zは、C(O)である。一態様では、X、Y、及びZの各々は、結合である。一態様では、Rは、C1-10アルキル、(CH-C3-6シクロアルキル、又は(CH-フェニルであり、各nは、独立して、0、1、2、又は3である。一態様では、Rは、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、CHCH、又はCHである。一態様では、Rは、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、又はCアルキルである。一態様では、Rは、(CH-C3-6シクロアルキルである。一態様では、Rは、(CH-C5-6シクロアルキルである。一態様では、Rは、(CH-Cシクロアルキル、(CH-Cシクロアルキル、又は(CH-Cシクロアルキルである。一態様では、Rは、(CH-フェニルである。一態様では、nは、0である。一態様では、Rは、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、ハロゲン、C1-6ハロアルキル、C2-6ハロアルケニル、C2-6ハロアルキニル、NH、NHC1-6アルキル、N(C1-6アルキル)、CN、NO、OH、O(C1-6アルキル)、SH、S(C1-6アルキル)、及び=Oから選択される1つ以上の置換基で置換されている。一態様では、Rは、1つ以上のC1-6アルキルで置換されている。
【0016】
本開示の一実施形態は、例のうちの1つ以上からなる群から選択される化合物を含む。
【0017】
本開示の一実施形態は、本開示の化合物と、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む、薬学的組成物を含む。
【0018】
本開示の一実施形態は、有効量の本開示の化合物の投与を含む、低減したオレキシン活性によって引き起こされる対象における疾患又は障害の治療のための方法を含む。一態様では、疾患又は障害は、睡眠障害、ナルコレプシー、カタプレキシー、睡眠状態の調節、無呼吸、覚醒状態の調節、睡眠-覚醒サイクリング、麻酔からの回復強化、時差ぼけ、食欲の調節、摂食の調節、摂食障害、胃腸運動性、エネルギーバランス、代謝障害、肥満、記憶、明晰さ、認知障害、アルツハイマー病、注意欠陥、認知症、軽度認知機能障害、パーキンソン病、認知機能不全、脳損傷、認知機能障害、血圧の調節、虚血性事象、酸化ストレス事象、及びがんのうちの1つ以上である。
【0019】
本開示の一実施形態は、有効量の化合物の投与を含む、低減したオレキシン活性によって引き起こされる対象における疾患又は障害の治療のための医薬品の調製のための、本開示の化合物の使用を含む。一態様では、疾患又は障害は、睡眠障害、ナルコレプシー、カタプレキシー、不眠症、睡眠状態の調節、無呼吸、覚醒状態の調節、睡眠-覚醒サイクリング、麻酔からの回復強化、時差ぼけ、食欲の調節、摂食の調節、摂食障害、胃腸運動性、エネルギーバランス、代謝障害、肥満、記憶、明晰さ、認知障害、アルツハイマー病、注意欠陥、認知症、軽度認知機能障害、パーキンソン病、認知機能不全、脳損傷、認知機能障害、依存症、薬物依存症、血圧の調節、虚血性事象、酸化ストレス事象、及びがんのうちの1つ以上である。
【0020】
本開示の一実施形態は、活性治療物質としての使用のための本開示の化合物を含む。
【0021】
本開示の一実施形態は、低減したオレキシン活性によって引き起こされる対象における疾患又は障害の治療における使用のための本開示の化合物を含む。一実施形態では、疾患又は障害は、睡眠障害、ナルコレプシー、カタプレキシー、不眠症、睡眠状態の調節、無呼吸、覚醒状態の調節、睡眠-覚醒サイクリング、麻酔からの回復強化、時差ぼけ、食欲の調節、摂食の調節、摂食障害、胃腸運動性、エネルギーバランス、代謝障害、肥満、記憶、明晰さ、認知障害、アルツハイマー病、注意欠陥、認知症、軽度認知機能障害、パーキンソン病、認知機能不全、脳損傷、認知機能障害、依存症、薬物依存症、血圧の調節、虚血性事象、酸化ストレス事象、及びがんのうちの1つ以上である。
【0022】
本開示の一実施形態は、睡眠障害、ナルコレプシー、カタプレキシー、不眠症、睡眠状態の調節、無呼吸、覚醒状態の調節、睡眠-覚醒サイクリング、麻酔からの回復強化、時差ぼけ、食欲の調節、摂食の調節、摂食障害、胃腸運動性、エネルギーバランス、代謝障害、肥満、記憶、明晰さ、認知障害、アルツハイマー病、注意欠陥、認知症、軽度認知機能障害、パーキンソン病、認知機能不全、脳損傷、認知機能障害、依存症、薬物依存症、血圧の調節、虚血性事象、酸化ストレス事象、及びがんのうちの1つ以上を治療する方法であって、本開示の化合物を投与することを含む、方法を含む。
【0023】
本開示の一実施形態は、睡眠障害、ナルコレプシー、カタプレキシー、不眠症、睡眠状態の調節、無呼吸、覚醒状態の調節、睡眠-覚醒サイクリング、麻酔からの回復強化、時差ぼけ、食欲の調節、摂食の調節、摂食障害、胃腸運動性、エネルギーバランス、代謝障害、肥満、記憶、明晰さ、認知障害、アルツハイマー病、注意欠陥、認知症、軽度認知機能障害、パーキンソン病、認知機能不全、脳損傷、認知機能障害、依存症、薬物依存症、血圧の調節、虚血性事象、酸化ストレス事象、及びがんのうちの1つ以上の治療のための医薬品の調製のための、本開示の化合物の使用を含む。
【0024】
本開示の一実施形態は、睡眠障害、ナルコレプシー、カタプレキシー、不眠症、睡眠状態の調節、無呼吸、覚醒状態の調節、睡眠-覚醒サイクリング、麻酔からの回復強化、時差ぼけ、食欲の調節、摂食の調節、摂食障害、胃腸運動性、エネルギーバランス、代謝障害、肥満、記憶、明晰さ、認知障害、アルツハイマー病、注意欠陥、認知症、軽度認知機能障害、パーキンソン病、認知機能不全、脳損傷、認知機能障害、依存症、薬物依存症、血圧の調節、虚血性事象、酸化ストレス事象、及びがんのうちの1つ以上の治療における使用のための、本開示の化合物を含む。
【0025】
本開示の範囲は、本明細書に記載される態様、実施形態、及び選好の全ての異なる組み合わせを含む。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】RTIOXA-47(40mg/kg、i.p.)又は生理食塩水の末梢注射後の、TWAA(左パネル)及びCORT(右パネル)タスクにおける12ヶ月齢マウスにおける改善された認知を図示する(n=8/群、**p<0.01 ***p<0.005)。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示は、二重オレキシン受容体アゴニストとして有用な、新規アリールスルホンアミドを含む。
【0028】
以下の定義は、定義された用語を、限定するのではなく、明確にすることを意味する。本明細書で使用される特定の用語が具体的に定義されない場合、そのような用語は、不確定であるとみなされるべきではない。むしろ、用語は、それらの受け入れられた意味の範囲内で使用される。
【0029】
本明細書全体を通して使用されるように、炭素原子などの、原子の好ましい数は、例えば、「Cx-yアルキル」という語句によって表され、これは、指定された数の炭素原子を含有する、本明細書で定義される、アルキル基を指す。同様の用語は、他の好ましい用語及び範囲にも適用される。よって、例えば、C1-4アルキルは、1~4個の炭素原子を含有する直鎖又は分岐鎖炭化水素を表す。
【0030】
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、単独で、又は任意の他の用語と組み合わせて、直鎖又は分岐鎖炭化水素を指す。本明細書で使用される「アルキル」の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、イソペンチル、n-ペンチル、n-ヘキシルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
本明細書で使用される場合、「アルケニル」という用語は、1つ以上の炭素-炭素二重結合を含有する直鎖又は分岐鎖脂肪族炭化水素を指し、これは任意選択的に置換され得、複数の置換度が許容される。本明細書で使用される「アルケニル」の例としては、ビニル、及びアリルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
本明細書で使用される場合、「アルキレン」という用語は、任意選択的に置換された直鎖二価炭化水素ラジカルを指す。本明細書で使用される「アルキレン」の例としては、メチレン、エチレン、n-プロピレン、n-ブチレンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
本明細書で使用される場合、「アルキニル」という用語は、複数の置換度が許容される、任意選択的に置換され得る、1つ以上の炭素-炭素三重結合を含有する直鎖又は分岐鎖脂肪族炭化水素を指す。本明細書で使用される「アルキニル」の例としては、エチニルが挙げられるが、これに限定されない。
【0034】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」という用語は、複数の置換度が許容される、完全に飽和した任意選択的に置換された単環式、二環式、又は架橋炭化水素環を指す。本明細書で使用される例示的な「シクロアルキル」基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
本明細書で使用される場合、「アリール」という用語は、複数の置換度が許容される、任意選択的に置換され得る、単一ベンゼン環又は縮合ベンゼン環系を指す。使用される「アリール」基の例としては、フェニル、2-ナフチル、1-ナフチル、アントラセン、及びフェナントレンが挙げられるが、これらに限定されない。好ましいアリール環は、5~10員を有する。
【0036】
本明細書で使用される場合、「アリール」という用語内に包含される縮合ベンゼン環系は、縮合多環式炭化水素を含み、すなわち、最大数未満の非累積二重結合を有する環状炭化水素、例えば、飽和炭化水素環(シクロアルキル、例えば、シクロペンチル環)が、芳香族環(アリール、例えば、ベンゼン環)と縮合され、例えば、インダニル及びアセナフタレニルなどの基を形成し、また、非限定的な例として、ジヒドロナフタレン及びテトラヒドロナフタレンなどの基を含む。
【0037】
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクリル」という用語は、単環式5~7員部分若しくは完全飽和環、又はそのような環のうちの2つを含む縮合二環式環系を指し、これは任意選択的に置換され得、複数の置換度が許容される。好ましくは、そのような環は、5~10員を含有する。これらのヘテロシクリル環は、1つ以上の窒素、硫黄、及び/又は酸素原子を含有し、N-酸化物、硫黄酸化物、及び二酸化物は、許容されるヘテロ原子置換である。本明細書で使用される「ヘテロシクリル」基の例としては、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、エチレンイミン、ピロリジン、ピペリジン、エチレンスルフィド、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピラン、及びモルホリンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」という用語は、単環式の5~7員芳香族環、又はそのような芳香族環のうちの2つを含む縮合二環式芳香族環系を指し、これは任意選択的に置換され得、複数の置換度が許容される。好ましくは、そのような環は、5~10員を含有する。これらのヘテロアリール環は、1つ以上の窒素、硫黄、及び/又は酸素原子を含有し、N-酸化物、硫黄酸化物、及び二酸化物は、許容されるヘテロ原子置換である。本明細書で使用される「ヘテロアリール」基の例としては、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、イソキサゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピラジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリン、ベンゾフラン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチオフェン、インドール、インダゾール、ベンズイミダゾール、イミダゾピリジン、ピラゾロピリジン、及びピラゾロピリミジンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
本明細書で使用される場合、「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を指す。
【0040】
本明細書で使用される場合、「ハロアルキル」という用語は、少なくとも1つのハロゲンで置換されている、本明細書で定義される、アルキル基を指す。本明細書で使用される分岐又は直鎖「ハロアルキル」基の例としては、1つ以上のハロゲン、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードで独立して置換されたメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、及びt-ブチルが挙げられるが、これらに限定されない。「ハロアルキル」という用語は、-CFなどのペルフルオロアルキル基のような置換基を含むと解釈されるべきである。
【0041】
絶対的ではないが、典型的には、本開示の塩は、薬学的に許容される塩である。「薬学的に許容される塩」という用語内に包含される塩は、本開示の化合物の非毒性塩を指す。本開示の化合物の塩は、酸付加塩を含み得る。代表的な塩としては、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニレート、ヘキシルレゾルシネート、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエート、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、マレイン酸一カリウム、粘液酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N-メチルグルカミン、シュウ酸塩、パモ酸塩(エンボネート)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、カリウム、サリチル酸塩、ナトリウム、ステアリン酸塩、亜酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオジド、トリメチルアンモニウム、及び吉草酸塩が挙げられる。薬学的に許容されない他の塩は、本開示の化合物の調製に有用であり得、これらは、本開示の更なる態様を形成するとみなされるべきである。
【0042】
式(I)の化合物は、多型として知られる特徴である2つ以上の形態で結晶化し得、そのような多型形態(「多型」)は、式(I)の範囲内である。多型は、一般に、温度、圧力、又は両方の変化に対する応答として生じ得る。多型はまた、結晶化プロセスの変動に起因し得る。多形体は、X線回折パターン、溶解度、及び融点などの当該技術分野において既知の様々な物理的特徴によって区別することができる。
【0043】
本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、例えば、研究者又は臨床医によって、求められている組織、システム、動物、又はヒトの生物学的又は医学的な応答を誘発するであろう薬物又は薬剤の量を意味する。「治療有効量」という用語は、そのような量を受けていない対応する対象と比較して、疾患、障害、若しくは副作用の改善された治療、治癒、予防、若しくは向上、又は疾患若しくは障害の進行速度の低下をもたらす、任意の量を意味する。用語はまた、その範囲内に、正常な生理学的機能を強化するのに有効な量も含む。
【0044】
療法における使用について、治療有効量の式(I)の化合物、及びその塩又は溶媒和物は、原料化学物質として投与され得る。加えて、活性成分は、薬学的組成物として提示され得る。
【0045】
したがって、本開示は、有効量の1つ以上の式(I)の化合物、又はその塩若しくは溶媒和物、及び1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、又は賦形剤を含む薬学的組成物を更に提供する。式(I)の化合物、又はその塩若しくは溶媒和物は、本明細書に記載されるとおりである。担体、希釈剤、又は賦形剤は、製剤の他の成分と適合性があり、薬学的組成物のレシピエントに有害ではないという意味で、許容可能でなければならない。
【0046】
本開示の化合物は、周知の標準的な合成方法を含む、様々な方法によって作製され得る。例示的な一般合成方法が以下に記載され、次いで本開示の特定の化合物が作業実施例において調製される。
【0047】
以下に記載される例の全てにおいて、必要に応じて、合成化学の一般原理に従って、感受性又は反応性基の保護基が使用される。保護基は、有機合成の標準的な方法(保護基に関して参照により組み込まれる、T.W.Green and P.G.M.Wuts(1999)Protecting Groups in Organic Synthesis,3rd Edition,John Wiley & Son)に従って操作される。これらの基は、当業者に容易に明らかである方法を使用して、化合物合成の好都合な段階で除去される。プロセスの選択並びに反応条件及びそれらの実行の順序は、本開示の化合物の調製と一致しているものとする。
【0048】
本開示はまた、式(I)の化合物及び本開示の化合物の調製における合成中間体として有用な新規化合物の合成のための方法を提供する。
【0049】
化合物は、容易に入手可能な出発材料及び試薬を使用して、以下に記載される方法に従って調製され得る。これらの反応では、それ自体が当業者に既知であるが、より詳細には言及されていないバリアントが使用され得る。
【0050】
別段に記載されない限り、本明細書に示される構造は、1つ以上の同位体富化原子が存在するという点でのみ異なる化合物を含むことも意味する。重水素若しくは三重水素による水素原子の置換、又は13C若しくは14C富化炭素による炭素原子の置換を除いて、本構造を有する化合物は、本開示の範囲内である。例えば、重水素は、生物学的に活性な化合物の薬物動態及び代謝を調べるために広く使用されている。重水素は、化学的観点から水素と同様に挙動するが、重水素-炭素結合と水素-炭素結合との間には結合エネルギー及び結合長に顕著な違いがある。その結果、生物学的に活性な化合物中の重水素による水素の置換は、一般に、その生化学的効力及び選択性を保持するが、その同位体を含まない対応物と比較して、著しく異なる吸収、分布、代謝、及び/又は排泄(ADME)特性を示す化合物をもたらし得る。よって、重水素置換は、いくつかの生物学的に活性な化合物について、改善された薬物有効性、安全性、及び/又は忍容性をもたらし得る。
【0051】
本開示の別の態様によれば、式(I)の化合物又はその塩、溶媒和物、及び生理学的機能的誘導体を、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、又は賦形剤と混合することを含む、薬学的製剤の調製のための方法も提供される。
【0052】
本開示の化合物は、オレキシン受容体活性を必要とする、哺乳動物などの、対象におけるオレキシン受容体活性の二重アゴニストとして有用である。霊長類、特にヒトに加えて、様々な他の哺乳動物は、本開示の方法に従って処置することができる。本開示は、医学における使用のための本開示の化合物又はその薬学的に許容される塩を対象とする。本開示は更に、オレキシン受容体活性をアンタゴナイズするための、又はヒト及び動物における本明細書に記載される障害及び疾患を治療するための医薬品の製造のための、本開示の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用を対象とする。本方法及び使用で処置される対象は、一般に、ヒト、雄又は雌などの、哺乳動物である。「治療有効量」という用語は、研究者、獣医、医師、又は他の臨床医によって求められている組織、システム、動物、又はヒトの生物学的又は医学的な応答を誘発するであろう本化合物の量を意味する。当業者は、障害に現在罹患している患者を治療することによって、又は障害に罹患している患者を有効量の本開示の化合物で予防的に治療することによって、神経障害及び精神障害に影響を及ぼし得ることが認識される。本明細書で使用される場合、「治療」及び「治療すること」という用語は、本明細書に記載される神経及び精神障害の進行の遅延、中断、阻止、制御、又は停止があり得る全てのプロセスを指すが、必ずしも全ての障害症状の完全な除去を示すわけではなく、特にそのような疾患又は障害に罹患しやすい患者における、言及される状態の予防的療法も示す。化合物「の投与」及び又は「を投与すること」は、本開示の化合物又は本開示の化合物のプロドラッグを、それを必要とする個体に提供することを意味すると理解されるべきである。
【0053】
本明細書で使用される「組成物」という用語は、指定された量で指定された成分を含む生成物、及び指定された量での指定された成分の組み合わせから、直接的又は間接的に、得られる任意の生成物を包含することが意図される。薬学的組成物に関するそのような用語は、活性成分、及び担体を構成する不活性成分を含む生成物、並びに任意の2つ以上の成分の組み合わせ、複合体化、若しくは凝集から、又は1つ以上の成分の解離から、又は1つ以上の成分の他のタイプの反応若しくは相互作用から、直接的又は間接的に生じる任意の生成物を包含することが意図される。
【0054】
したがって、本開示の薬学的組成物は、本開示の化合物及び薬学的に許容される担体を混合することによって作製される任意の組成物を包含する。「薬学的に許容される」とは、担体、希釈剤、又は賦形剤が、製剤の他の成分と適合しなければならず、かつそのレシピエントに有害であってはならないことを意味する。
【0055】
選択される投与量は、所望の治療効果、投与経路、及び治療期間に依存する。用量は、疾患の性質及び重症度、患者の体重、患者が従う特別な食事、併用医薬品、並びに当業者が認識するであろう他の要因に応じて、患者毎に変動するであろう。
【0056】
一般に、1日の0.0001~10mg/kgの体重の投与量レベルを、患者、例えば、ヒト及び高齢のヒトに投与して、オレキシン受容体の有効なアンタゴニズムを得る。投与量範囲は、一般に、1日当たり患者当たり約0.5mg~1.0gであり、これは、単回又は複数回の用量で投与され得る。一実施形態では、投与量範囲は、1日当たり患者当たり約0.5mg~500mg、別の実施形態では、1日当たり患者当たり約0.5mg~200mg、更に別の実施形態では、1日当たり患者当たり約5mg~50mgである。
【0057】
本開示の薬学的組成物は、約0.5mg~500mgの活性成分を含むか、又は約1mg~250mgの活性成分を含むなどの固体投与製剤において提供され得る。薬学的組成物は、約1mg、5mg、10mg、25mg、30mg、50mg、80mg、100mg、200mg、又は250mgの活性成分を含む固体投与製剤において提供され得る。経口投与のために、組成物は、治療される患者への投与量の症候性調整のために、1.0~1000ミリグラムの活性成分、例えば、1、5、10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、400、500、600、750、800、900、及び1000ミリグラムの活性成分を含有する錠剤の形態で提供され得る。
【0058】
化合物は、1日当たり1回又は2回などの、1日当たり1~4回のレジメンで投与され得る。化合物は、就寝時間前に投与され得る。例えば、化合物は、就寝時間の約1時間前、就寝時間の約30分前、就寝時間の約15分前、又は就寝時間の直前に投与され得る。
【0059】
上述のように、本開示の化合物の治療有効量は、いくつかの要因に依存するであろう。例えば、レシピエントの種、年齢、及び体重、治療を必要とする正確な状態及びその重症度、製剤の性質、並びに投与経路は、全て考慮されるべき要因である。治療有効量は、最終的には、付き添い医師又は獣医の裁量であるべきである。この量は、1日当たりの単回用量で、又は合計1日用量が同じになるような、1日当たりの多数回(2、3、4、5回以上など)の部分用量で与えられ得る。有効量の塩又はその溶媒和物は、有効量の式(I)の化合物自体の割合として決定され得る。同様の投与量は、本明細書で言及される他の状態の治療に適切であるべきである。薬学的製剤は、単位用量当たり所定の量の活性成分を含有する単位用量形態で提示され得る。好ましい単位投与量製剤は、本明細書において上記に列挙されるような、1日用量若しくは部分用量、又はその適切な画分の、活性成分を含有するものである。そのような薬学的製剤は、薬学分野で周知の方法のいずれかによって調製され得る。
【0060】
薬学的製剤は、任意の適切な経路による、例えば、経口(頬側若しくは舌下を含む)、直腸、鼻、局所(頬側、舌下、若しくは経皮を含む)、膣、又は非経口(皮下、筋肉内、静脈内、若しくは皮内を含む)経路による投与に適合され得る。そのような製剤は、薬学の分野で既知の任意の方法によって、例えば、活性成分と担体又は賦形剤と会合させることによって調製され得る。例として、本開示を限定することを意味するものではなく、本開示の化合物が有用であると考えられる特定の状態及び障害に関して、特定の経路が他の経路よりも好ましいであろう。加えて、薬学的製剤は、遅延又は延長された曝露が療法を改善するであろう状況下で、式(I)の化合物への遅延又は延長された曝露を可能にするために使用され得る。
【0061】
経口投与に適合された薬学的製剤は、カプセル若しくは錠剤;粉末若しくは顆粒;各々が水性若しくは非水性液体を有する溶液若しくは懸濁液;食用フォーム若しくはホイップ;又は水中油型液体エマルジョン若しくは油中水型液体エマルジョンなど、個別の単位として提示され得る。例えば、錠剤又はカプセルの形態での投与のために、活性薬物成分は、エタノール、グリセロール、水などのような経口、非毒性、薬学的に許容される不活性担体と組み合わせることができる。一般に、粉末は、化合物を好適な微細サイズに粉砕し、例えば、デンプン又はマンニトールなどの食用炭水化物などの、適切な薬学的担体と混合することによって調製される。香味剤、防腐剤、分散剤、及び着色剤も存在し得る。
【0062】
カプセルは、粉末、液体、又は懸濁液混合物を調製し、ゼラチン又は他の適切なシェル材料でカプセル化することによって作製される。コロイド状シリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、又は固体ポリエチレングリコールなどの流動促進剤及び潤滑剤を、カプセル化の前に混合物に添加することができる。カプセルが摂取されるときの医薬品の利用性を改善するために、寒天、炭酸カルシウム、又は炭酸ナトリウムなどの崩壊剤又は可溶化剤も添加することができる。また、所望又は必要に応じて、好適な結合剤、潤滑剤、崩壊剤、及び着色剤を混合物に組み込むこともできる。好適な結合剤の例としては、デンプン、ゼラチン、グルコース又はベータ-ラクトースなどの天然糖、トウモロコシ甘味剤、アカシア、トラガント、又はアルギン酸ナトリウムなどの天然及び合成ガム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが挙げられる。これらの剤形で有用な潤滑剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。崩壊剤としては、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0063】
錠剤は、例えば、粉末混合物を調製し、顆粒化又はスラッギングし、潤滑剤及び崩壊剤を添加し、錠剤にプレスすることによって製剤化される。粉末混合物は、好適に粉砕された、化合物を、上記のような希釈剤又は基剤と混合することによって調製され得る。任意選択的な成分には、カルボキシメチルセルロース、アリギネート、ゼラチン、若しくはポリビニルピロリドンなどの結合剤、パラフィンなどの溶液遅延剤、四級塩などの吸収促進剤、及び/又はベントナイト、カオリン、若しくはリン酸二カルシウムなどの吸収剤が含まれる。粉末混合物は、シロップ、デンプンペースト、アカディア粘液、又はセルロース若しくはポリマー材料の溶液などの結合剤で湿式造粒し、スクリーンに無理やり通すことができる。造粒の代替として、粉末混合物は、錠剤機に通すことができ、結果は、顆粒に分割される不完全に形成されたスラグである。顆粒は、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク、又は鉱油の添加によって、錠剤形成ダイに付着するのを防止するために潤滑させることができる。次いで、潤滑された混合物は、錠剤に圧縮される。本開示の化合物はまた、自由流動性不活性担体と組み合わせ、造粒又はスラッギングステップを経ずに直接錠剤に圧縮することができる。シェラックの密封コート、糖又はポリマー材料のコーティング、及びワックスの研磨コーティングからなる透明又は不透明な保護コーティングを提供することができる。染料を、これらのコーティングに添加して、異なる単位投与量を区別することができる。
【0064】
所与の量が所定の量の化合物を含有するように、溶液、シロップ、及びエリキシルなどの経口流体を、投与量単位形態で調製することができる。シロップは、例えば、化合物を好適に風味付けされた水溶液に溶解することによって調製することができるが、エリキシルは、非毒性アルコール性ビヒクルの使用によって調製される。懸濁液は、一般に、化合物を非毒性ビヒクルに分散させることによって製剤化することができる。エトキシル化イソステアリルアルコール及びポリオキシエチレンソルビトールエーテルなどの可溶化剤及び乳化剤、防腐剤;ペパーミント油などの風味添加剤、又は天然甘味剤、サッカリン、若しくは他の人工甘味剤などを添加することもできる。
【0065】
必要に応じて、経口投与のための投与量単位製剤をマイクロカプセル化することができる。製剤はまた、例えば、ポリマー、ワックスなどに粒子状材料をコーティングするか、又は埋め込むことによって、放出を延長又は維持するように調製することができる。
【0066】
口における局所投与に適合された薬学的製剤としては、ロゼンジ、トローチ、及びマウスウォッシュが挙げられる。
【0067】
本開示は、オレキシン-1受容体及び/又はオレキシン-2受容体のアゴニストとしての活性を有する、本開示の一般的な範囲内の化合物を含む。他のオレキシン調節剤に関して、本化合物は、二重アゴニズム、増加した経口バイオアベイラビリティ、代謝安定性、減少した代謝酵素の阻害(減少したシトクロムP450 3A4(CYP3A4)阻害など)、減少したトランスポーターの阻害(減少したp-糖タンパク質/PGP阻害など)、及び/又は他の受容体に対する選択性に関してなどの、予想外の特性を示す。
【0068】
オレキシン受容体は、広範囲の生物学的機能に関与している。これは、ヒト又は他の種における様々な疾患プロセスにおけるこれらの受容体の潜在的な役割を示している。本開示の化合物は、以下の状態又は疾患のうちの1つ以上を含む、オレキシン受容体と関連した様々な神経及び精神障害を治療、予防、改善、制御、又はそのリスクを低減すること:睡眠障害、夜間覚醒、特に早朝覚醒を減少させること、日中覚醒を増加させること;日中の眠気を低減すること;過度の日中の眠気、ナルコレプシー、断続的な睡眠、睡眠時無呼吸、覚醒、夜間ミオクローヌス、断続的なREM睡眠、時差ぼけ、シフト労働者の睡眠障害、睡眠異常、夜驚症、うつ病に関連する不眠症、感情/気分障害、アルツハイマー病又は認知機能障害、並びに睡眠時遊行症及び遺尿症、並びに加齢に伴う睡眠障害;アルツハイマー病の夕暮れ症候群;概日リズムに関連する状態、並びにタイムゾーン間の移動及びシフト労働スケジュールのローテーションに関連する精神的及び身体的障害、副作用としてREM睡眠の低減を引き起こす薬物による状態;線維筋痛症;睡眠中の呼吸障害に関連する熟眠障害及び筋肉痛又は睡眠時無呼吸によって現れる症候群;低下した睡眠の質に起因する状態;学習を増加させること;記憶を増強させること;記憶の保持を増加させること;過剰な食物摂取に関連する摂食障害及びそれに関連する合併症、強迫性摂食障害、肥満(遺伝又は環境にかかわらず、任意の原因による)、過食及び過食症を含む肥満関連障害、高血圧、糖尿病、上昇した血漿インスリン濃度及びインスリン抵抗性、脂質異常症、高脂血症、子宮内膜がん、乳がん、前立腺がん、及び結腸がん、変形性関節症、閉塞性睡眠時無呼吸、胆石症、胆石、心疾患、異常な心拍リズム及び不整脈、心筋梗塞、うっ血性心不全、冠状動脈性心疾患、突然死、脳卒中、多嚢胞性卵巣疾患、頭蓋咽頭腫、プラダー-ウィリ症候群、フレーリッヒ症候群、GH欠損対象、正常バリアント低身長、ターナー症候群、及び総除脂肪体重のパーセンテージとして低減した代謝活性又は安静時エネルギー消費の減少を示す他の病理学的状態、例えば、急性リンパ芽球性白血病を有する小児、症候群Xとしても既知である、代謝症候群、インスリン抵抗性症候群、生殖ホルモン異常、性機能不全及び生殖機能不全、例えば、生殖機能障害、不妊、男性における性腺機能低下症、及び女性における多毛症、母体肥満に関連する胎児欠陥、胃腸運動障害、腸運動ジスキネジア、肥満関連胃食道逆流、視床下部疾患、下垂体疾患、呼吸器障害、例えば、肥満低換気症候群(ピックウィック症候群)、呼吸困難、心血管障害、炎症、例えば、脈管の全身炎症、動脈硬化症、高コレステロール血症、高尿酸血症、腰痛、胆嚢疾患、痛風、腎臓がん、増加した麻酔リスク、肥満の二次転帰のリスクを低減させること、例えば、左心室肥大のリスクを低減させること;うつ病、片頭痛、神経障害性疼痛、パーキンソン病、精神病、及び統合失調症を含む、脳において異常な振動活性が発生する、疾患又は障害、並びに特に視床を通した、活性の異常なカップリングが存在する、疾患又は障害;正常、健康、若年、成人、又は高齢集団において一時的又は慢性的に発生する、かつまた精神、神経、心血管、及び免疫障害において一時的又は慢性的に発生する、全てのタイプの注意、学習、及び記憶機能における欠陥を含む認知機能不全を含む、認知機能を強化すること;記憶を強化すること;記憶保持を増加させること;免疫応答を増加させること;免疫機能を増加させること;ホットフラッシュ;寝汗;寿命の延長すること;統合失調症;心拍リズムなどの神経系によって課せられる興奮/弛緩リズムによって制御される筋肉関連障害、及び心血管系の他の障害;血管拡張又は血管収縮及び血圧などの細胞の増殖に関連する状態;がん;心不整脈;高血圧症;うっ血性心不全;生殖器/泌尿器系の状態;性的機能及び生殖能力の障害;腎機能の適切性;麻酔剤への応答性;気分障害、例えば、うつ病又はより特にうつ病性の障害、例えば、単発性若しくは再発性の大うつ病性障害、及び気分変調性障害、又は双極性障害、例えば、I型双極性障害、II型双極性障害、並びに気分循環性障害、一般的な医学的状態に起因する気分障害、及び物質誘発性気分障害;急性ストレス障害、広場恐怖症、全般性不安障害、強迫性障害、パニック発作、パニック障害、心的外傷後ストレス障害、分離不安障害、社会恐怖症、特定の恐怖症、物質誘発性不安障害、及び一般的な医学的状態に起因する不安を含む、不安障害;心臓バイパス手術及び移植、脳卒中、虚血性脳卒中、脳虚血、脊髄外傷、頭部外傷、周生期低酸素症、心停止、低血糖性神経損傷後の脳欠陥などの急性神経及び精神障害;ハンチントン舞踏病;筋萎縮性側索硬化症;多発性硬化症;眼損傷;網膜症;認知障害;特発性及び薬物誘発性パーキンソン病;振戦、てんかん、痙攣、発作障害、欠神発作、複合性部分及び全般性発作を含む、筋痙縮に関連する筋痙縮及び障害;レノックス-ガストー症候群;認知症(アルツハイマー病、虚血、外傷、血管の問題又は脳卒中、HTV病、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルト-ヤコブ病、周生期低酸素症、他の一般的な医学的状態又は物質乱用に関連する)を含む認知障害;せん妄、健忘障害、又は加齢関連認知低下;統合失調症又は統合失調症(妄想型、無秩序型、緊張型、又は未分化型)、統合失調症型障害、統合失調感情障害、妄想性障害、短期精神病性障害、共有精神病性障害、一般的な医学的状態及び物質誘発性精神病性障害に起因する精神病性障害を含む精神病;多重人格症候群及び心因性健忘を含む解離性障害;物質関連障害、物質使用、物質乱用、物質探求、物質復帰、全てのタイプの心理的及び身体的依存症及び依存性行動、報酬関連行動(物質誘発性せん妄、持続性認知症、持続性健忘障害、精神病性障害、又は不安障害を含む);アルコール、アンフェタミン、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入剤、モルヒネ、ニコチン、オピオイド、フェンシクリジン、鎮静剤、催眠剤、又は不安緩解剤を含む物質からの耐性、依存性摂食、依存、離脱、又は再発;アキネジア及び無動-筋強剛症候群(パーキンソン病、薬物誘発性パーキンソン病、脳炎後パーキンソン病、進行性核上性麻痺、多系統萎縮症、皮質基底変性、パーキンソン病-ALS認知症複合及び基底核石灰化を含む)、慢性疲労症候群を含む、運動障害、パーキンソン病疲労、多発性硬化症疲労、睡眠障害又は概日リズム障害によって引き起こされる疲労を含む、疲労、医薬品誘発性パーキンソン病(神経弛緩剤誘発性パーキンソン病、神経弛緩剤悪性症候群、神経弛緩剤誘発性急性ジストニア、神経弛緩剤誘発性急性アカシジア、神経弛緩剤誘発性遅発性ジスキネジア、及び医薬品誘発性姿勢振戦など)、ジル・ドゥ・ラ・トゥレット症候群、てんかん、及びジスキネジア[振戦(安静時振戦、姿勢振戦、及び意図振戦など)、舞踏病(シデナム舞踏病、ハンチントン病、良性遺伝性舞踏病、神経有棘赤血球症、症候性舞踏病、薬物誘発性舞踏病、及びヘミバリズムなど)、ミオクローヌス(全般性ミオクローヌス及び局所性ミオクローヌスを含む)、チック(単純チック、複雑チック、及び症候性チックを含む)、レストレスレッグ症候群、及びジストニア(特発性ジストニア、薬物誘発性ジストニア、症候性ジストニア、及び発作性ジストニアなどの全般性ジストニア、及び眼瞼痙攣、顎口腔ジストニア、痙攣性発声障害、痙性斜頸、軸性ジストニア、ジストニア性書痙、及び片麻痺ジストニアなどの局所性ジストニアを含む);注意欠陥/多動性障害(ADHD);行為障害;片頭痛(migraine)(片頭痛(migraine headache)を含む);頭痛;痛覚過敏;疼痛;痛覚過敏、灼熱痛、及び異痛などの疼痛に対する増強又は誇張された感受性;急性疼痛;火傷痛;非定型顔面痛;神経因性痛;背中痛;複合性局所疼痛症候群I及びII;関節炎痛;スポーツ傷害痛;感染症、例えば、HIVに関連する疼痛、化学療法後の疼痛;脳卒中後の疼痛;手術後の疼痛;神経痛;嘔吐(emesis)、悪心、嘔吐(vomiting);胃ジスキネシア;胃潰瘍;カルマン症候群(嗅覚障害);過敏性腸症候群、及び狭心症などの内臓痛に関連する状態;摂食障害;尿失禁;物質耐性、物質離脱(アヘン剤、ニコチン、タバコ製品、アルコール、ベンゾジアゼピン、コカイン、鎮静剤、催眠剤などのような物質を含む);精神病;統合失調症;不安(全般性不安障害、パニック障害、及び強迫性障害を含む);気分障害(うつ病、躁病、双極性障害を含む);三叉神経痛;難聴;耳鳴り;眼損傷を含む神経損傷;網膜症;眼の黄斑変性;嘔吐(emesis);脳浮腫;急性及び慢性疼痛状態を含む、疼痛、重度疼痛、難治性疼痛、炎症性疼痛、神経障害性疼痛、外傷後疼痛、骨及び関節痛(骨関節炎)、反復運動性疼痛、歯痛、がん性疼痛、筋膜痛(筋肉損傷、線維筋痛症)、手術期痛(一般外科、婦人科)、慢性疼痛、神経障害性疼痛、外傷後疼痛、三叉神経痛、片頭痛(migraine)、及び片頭痛(migraine headache)において有用性を有する。よって、特定の実施形態では、本開示は、治療を必要とする哺乳動物患者において、睡眠の質を向上させる;睡眠維持を増強する;REM睡眠を増加させる;ステージ2睡眠を増加させる;睡眠パターンの断片化を減少させる;不眠症及び全てのタイプの睡眠障害を治療する;神経障害性疼痛及びレストレスレッグ症候群を含む神経障害などの疾患に関連する睡眠障害を治療若しくは制御する;依存性障害を治療若しくは制御する;精神活性物質の使用及び乱用を治療若しくは制御する;認知を増強する;記憶保持を増加させる;肥満を治療若しくは制御する;糖尿病及び食欲、味覚、飲食障害を治療若しくは制御する;視床下部疾患を治療若しくは制御する;うつ病を治療若しくは制御する;欠神てんかんを含む、てんかんを治療、制御、改善、若しくはそのリスクを低減する;神経障害性疼痛を含む、疼痛を治療若しくは制御する;パーキンソン病を治療若しくは制御する;精神病を治療若しくは制御する;気分変調性、気分、精神病性、及び不安障害を治療若しくは制御する;大うつ病及び大うつ病性障害を含む、うつ病を治療若しくは制御する;双極性障害を治療若しくは制御する;又は統合失調症を治療、制御、改善、若しくはそのリスクを低減するための方法であって、患者に治療有効量の本開示の化合物を投与することを含む、方法を提供する。本化合物は、本明細書に記載される疾患、障害、及び状態の予防、治療、制御、改善、又はそのリスク低減のための方法において更に有用である。本開示の組成物中の活性成分の投与量は、変動され得るが、活性成分の量は、好適な剤形が得られるようなものであることが必要である。活性成分は、そのような治療を必要とする患者(動物及びヒト)に、最適な薬学的有効性を提供するであろう投与量で投与され得る。
【0069】
本開示の化合物は、本開示の化合物又は他の薬物が有用性を有し得る疾患又は状態の治療、予防、制御、改善、又はそのリスクの低減において、1つ以上の他の薬物と組み合わせて使用され得、薬物を共に組み合わせることは、いずれかの薬物単独よりも安全であるか、又はより有効である。そのような他の薬物は、そのために一般的に使用される経路及び量で、本開示の化合物と同時に又は連続して投与され得る。本開示の化合物が1つ以上の他の薬物と同時に使用されるとき、そのような他の薬物及び本開示の化合物を含有する単位剤形の薬学的組成物が企図される。併用療法はまた、本開示の化合物及び1つ以上の他の薬物が異なる重複スケジュールで投与される療法を含み得る。1つ以上の他の活性成分と組み合わせて使用されるとき、本開示の化合物及び他の活性成分は、各々が単独で使用されるときよりも低い用量で使用され得ることも企図される。
【0070】
したがって、本開示の薬学的組成物は、本開示の化合物に加えて、1つ以上の他の活性成分を含有するものを含む。上記の組み合わせは、本開示の化合物の1つの他の活性化合物とだけでなく、2つ以上の他の活性化合物との組み合わせも含む。
【0071】
同様に、本開示の化合物は、本開示の化合物が有用である疾患又は状態の予防、治療、制御、改善、又はそのリスクの低減において使用される他の薬物と組み合わせて使用され得る。そのような他の薬物は、そのために一般的に使用される経路及び量で、本開示の化合物と同時に又は連続して投与され得る。本開示の化合物が1つ以上の他の薬物と同時に使用されるとき、本開示の化合物に加えてそのような他の薬物を含有する薬学的組成物が企図される。したがって、本開示の薬学的組成物は、本開示の化合物に加えて、1つ以上の他の活性成分も含有するものを含む。
【0072】
本開示の化合物は、例えば、鎮静剤、催眠剤、不安緩解剤、抗精神病剤、抗不安剤、抗ヒスタミン剤、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、シクロピロロン、GABAアゴニスト、5HT-2Aアンタゴニスト及び5HT-2A/2Cアンタゴニストを含む5HT-2アンタゴニスト、ヒスタミンH3アンタゴニストを含むヒスタミンアンタゴニスト、ヒスタミンH3逆アゴニスト、イミダゾピリジン、マイナートランキライザー、メラトニンアゴニスト及びアンタゴニスト、メラトニン作動剤、他のオレキシンアンタゴニスト、オレキシンアゴニスト、プロキネチシンアゴニスト及びアンタゴニスト、ピラゾロピリルニジン、Tタイプカルシウムチャネルアンタゴニスト、トリアゾロピリジンなど、例えば、アジナゾラム、アロバルビタール、アロニミド、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモキサピン、アルモダフィニル、APD-125、ベンタゼパム、ベンゾクタミン、ブロチゾラム、ブプロピオン、ブスプリオン、ブタバルビタール、ブタルビタール、カプロモレリン、カプリド、カルボクロラール、クロラールベタイン、水酸化クロラール、クロルジアゼポキシド、クロミプラミン、クロナゼパム、クロペリドン、クロラゼペート、クロレテート、クロザピン、コナゼパム、シプラゼパム、デシプラミン、デクスクラモール、ジアゼパム、ジクロラ-ルフェナゾン、ジバルプロエクス、ジフェンヒドラミン、ドキセピン、EMD-281014、エプリバンセリン、エスタゾラム、エスゾピクロン、エスクロリノール、エトミデート、フェノバム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、フルボキサミン、フルオキセチン、ホサゼパム、ガボキサドール、グルテチミド、ハラゼパム、ヒドロキシジン、イブタモレン、イミプラミン、インジプロン、リチウム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、LY-156735、マプロチリン、MDL-100907、メクロクアロン、メラトニン、メホバルビタール、メプロバメート、メタクアロン、メチプリロン、ミダフルル、ミダゾラム、モダフィニル、ネファゾドン、NGD-2-73、ニソバメート、ニトラゼパム、ノルトリプチリン、オルノルトリプチリン、オキサゼパム、パラルデヒド、パロキセチン、ペントバルビタール、ペルラピン、ペルフェナジン、フェネルジン、フェノバルビタール、プラゼパム、プロメタジン、プロポフォール、プロトリプチリン、クアゼパム、ラメルテオン、レクラゼパム、ロレタミド、セコバルビタール、セルトラリン、スプロクロン、TAK-375、テマゼパニ、チオリダジン、チアガビン、トラカゾレート、トラニルシプロマイン、トラゾドン、トリアゾラム、トレピパム、トリセタミド、トリクロフォス、トリフルオペラジン、トリメトジン、トリミプラミン、ウルダゼパム、ベンラファキシン、ザレプロン、ゾラゼパム、ゾピクロン、ゾルピデム、及びそれらの塩、並びにそれらの組み合わせなどを含む、ナルコレプシーを含む、睡眠障害を治療若しくは予防するために有用であることが当該技術分野で既知の他の化合物と組み合わせて投与され得るか、又は本開示の化合物は、光線療法若しくは電気刺激などの物理的方法の使用と併せて投与され得る。
【0073】
別の実施形態では、本化合物は、別個に、又は同じ薬学的組成物中のいずれかで投与され、(i)PPARγアンタゴニスト、例えば、グリタゾン(例えば、シグリタゾン;ダルグリタゾン;エングリタゾン;イサグリタゾン(MCC-555);ピオグリタゾン;ロシグリタゾン;トログリタゾン;チュラリック;BRL49653;CLX-0921;5-BTZD)、GW-0207、LG-100641、及びLY-300512など);(iii)ビグアニド、例えば、メトホルミン及びフェンホルニン;(b)インスリン又はインスリン模倣体、例えば、ビオタ、LP-100、ノバラピド、インスリンデテミル、インスリンリスプロ、インスリングラルギン、インスリン亜鉛懸濁液(レンテ及びウルトラレンテ);Lys-Proインスリン、GLP-1(73-7)(インスリントロピン);及びGLP-I(7-36)-NH2);(c)スルホニル尿素、例えば、アセトヘキサミド;クロルプロパミド;ジアビネーゼ;グリベンクラミド;グリピジド;グリブリド;グリメピリド;グリクラジド;グリペンチド;グリキドン;グリソラミド;トラザミド;及びトルブタミド;(d)α-グルコシダーゼ阻害剤、例えば、アカルボース、アジポシン;カミグリボース;エミグリテート;ミグリトール;ボグリボース;プラジミシン-Q;サルボスタチン;CKD-71;MDL-25,637;MDL-73,945;及びMOR14など;(e)コレステロール低下剤、例えば、(i)HMG-CoAレダクターゼ阻害剤(アトルバスタチン、イタバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、リバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、及び他のスタチン)、(ii)胆汁酸吸収剤/封鎖剤、例えば、コレスチラミン、コレスチポール、架橋デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体;Colestid(登録商標);LoCholest(登録商標)など、(ii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸、又はそれらの塩、(iii)増殖因子活性化因子受容体αアゴニスト、例えば、フェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブレート、フェノフィブレート、及びベンザフィブレート)、(iv)コレステロール吸収の阻害剤、例えば、スタノールエステル、ベータ-シトステロール、チケシドなどのステロールグリコシド;並びにエゼチミブなどのようなアゼチジノン、及びアバシミブ、及びメリナミドなどの(アシルCoAコレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT))阻害剤、(v)抗酸化剤、例えば、プロブコール、(vi)ビタミンE、並びに(vii)甲状腺ホルモン模倣体;(f)PPARaアゴニスト、例えば、ベクロフィブレート、ベンザフィブレート、シプロフィブレート、クロフィブレート、エトフィブレート、フェノフィブレート、及びゲムフィブロジル;並びに他のフィブリン酸誘導体、例えば、Atromid(登録商標)、Lopid(登録商標)、及びTricor(登録商標)など、並びにPPARαアゴニスト;(h)PPAR α/δアゴニスト、例えば、ムラグリタザール;(i)抗肥満剤、例えば、(1)成長ホルモン分泌促進剤若しくは成長ホルモン分泌促進剤受容体アゴニスト/アンタゴニスト;(2)タンパク質チロシンホスファターゼ-IB(PTP-IB)阻害剤;(3)カンナビノイド受容体リガンド;(4)抗肥満セロトニン作動剤;(5)β3-アドレナリン受容体アゴニスト;(6)膵リパーゼ阻害剤;(7)神経ペプチドYlアンタゴニスト;(8)神経ペプチドY5アンタゴニスト;(9)メラニン濃縮ホルモン(MCH)受容体アンタゴニスト;(10)メラニン濃縮ホルモン1受容体(MCHlR)アンタゴニスト;(11)メラニン濃縮ホルモン2受容体(MCH2R)アゴニスト/アンタゴニスト;(12)オレキシン受容体アンタゴニスト;(13)セロトニン再取り込み阻害剤、例えば、フルオキセチン、パロキセチン、及びセルトラリン;(14)メラノコルチンアゴニスト、例えば、Melanotan II;(15)Mc4r(メラノコルチン4受容体)アゴニスト;(16)5HT-2アゴニスト;(17)5HT2C(セロトニン受容体2C)アゴニスト;(18)ガラニンアンタゴニスト;(19)CCKアゴニスト;(20)CCK-A(コレシストキニンA)アゴニスト;(21)GLP-1アゴニスト;(22)コルチコトロピン放出ホルモンアゴニスト;(23)ヒスタミン受容体-3(H3)モジュレーター;(24)ヒスタミン受容体-3(H3)アンタゴニスト/逆アゴニスト;(25)β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ-1阻害剤(β-HSD-1);(26)PDE(ホスホジエステラーゼ)阻害剤;(27)ホスホジエステラーゼ-3B(PDE3B)阻害剤;(28)NE(ノルエピネフリン)輸送阻害剤;(29)グレリン受容体アンタゴニスト;(30)組換えヒトレプチン(PEG-OB、Hoffman La Roche)及び組換えメチオニルヒトレプチン(Amgen)を含む、レプチン;(31)レプチン誘導体;(32)BRS3(ボンベシン受容体サブタイプ3)アゴニスト;(33)CNTF(毛様体神経栄養因子);(34)CNTF誘導体、例えば、アクソカイン(Regeneron);(35)モノアミン再取り込み阻害剤;(36)UCP-I(脱共役タンパク質-1、2、又は3活性化因子);(37)甲状腺ホルモンβアゴニスト;(38)FAS(脂肪30酸合成酵素)阻害剤;(39)DGATl(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ1)阻害剤;(40)DGAT2(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2)阻害剤;(41)ACC2(アセチル-CoAカルボキシラーゼ-2)阻害剤;(42)グルココルチコイドアンタゴニスト;(43)アシル-エストロゲン;(44)ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP-IV)阻害剤;(45)ジカルボン酸輸送体阻害剤;(46)グルコース輸送体阻害剤;(47)リン酸輸送体阻害剤;(48)メトホルミン(Glucophage(登録商標));(49)トピラメート(Topimax(登録商標));(50)ペプチドYY、PYY 3-36、ペプチドYY類似体、誘導体、及び断片;(51)神経ペプチドY2(NPY2)受容体アゴニスト;(52)神経ペプチドY4(NPY4);(53)シクロオキシゲナーゼ-2;(54)神経ペプチドYl(NPYl)アンタゴニスト;(55)オピオイドアンタゴニスト;(56)1l β HSD-I(11-ベータヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型)阻害剤;(57)アミノレックス;(58)アンフェクロラール;(59)アンフェタミン;(60)ベンズフェタミン;(61)クロルフェンテルミン;(62)クロベンゾレックス;(63)クロフォレックス;(64)クロミノレックス;(65)クロルテルミン;(66)シクレキセドリン;(67)デキストロアンフェタミン;(68)ジフェメトキシジン、(69)N-エチルアンフェタミン;(70)フェンブトラゼート;(71)フェニソレックス;(72)フェンプロポレックス;(73)フルドレックス;(74)フルミノレックス;(75)フルフリルメチルアンフェタミン;(76)レバンフェタミン;(77)レボファセトペラン;(78)メフェノレックス;(79)メタンフェプラモン;(80)メタンフェタミン;(81)ノルプソイドエフェドリン;(82)ペントレックス;(83)フェンジメトラジン;(84)フェンメトラジン;(85)ピシロレックス;(86)フィトファルム;並びに(87)ゾニサミド、(88)ニューロメジン;(89)オキシントモジュリン;並びに(90)ニューロキニン-1受容体アンタゴニスト(NK-Iアンタゴニスト)を含む、インスリン感作剤を含むが、これらに限定されない、当該技術分野で既知の他の化合物と組み合わせて使用され得る。
【0074】
別の実施形態では、本化合物は、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(三級アミン三環及び二級アミン三環を含む)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、モノアミンオキシダーゼの可逆的阻害剤(RIMA)、セロトニン及びノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、α-アドレノ受容体アンタゴニスト、ニューロキニン-1受容体アンタゴニスト、非定型抗うつ剤、ベンゾジアゼピン、5-HTI Aアゴニスト又はアンタゴニスト、特に5-HTI A部分アゴニスト、並びにコルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニストを含む、抗うつ剤又は抗不安剤と組み合わせて使用され得る。具体的な薬剤としては、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドキセピン、イミプラミン、及びトリミプラミン;アモキサピン、デシプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリン、及びプロトリプチリン;シタロプラム、デュロキセチン、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、及びセルトラリン;イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルシプロミン、及びセレギリン;モクロベミド:ベンラファキシン;アプレピタント;ブプロピオン、リチウム、ネファゾドン、トラゾドン、及びビロキサジン;アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼペート、ジアゼパム、ハラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、及びプラゼパム;ブスピロン、フレシノキサン、ゲピロン、及びイプサピロン、並びにそれらの薬学的に許容される塩が挙げられる。
【0075】
別の実施形態では、本化合物は、抗アルツハイマー病剤、ベータ-セクレターゼ阻害剤、ガンマ-セクレターゼ阻害剤;成長ホルモン分泌促進剤;組換え成長ホルモン;HMG-CoAレダクターゼ阻害剤;イブプロフェンを含むNSAID;ビタミンE;抗アミロイド抗体;CB-I受容体アンタゴニスト又はCB-I受容体逆アゴニスト;ドキシサイクリン及びリファンピンなどの抗生物質;メマンチンなどのN-メチル-D-アスパラギン酸塩(NMDA)受容体アンタゴニスト;ガランタミン、リバスチグミン、ドネペジル、及びタクリンなどのコリンエステラーゼ阻害剤;イブタモレン、メシル酸イブタモレン、及びカプロモレリンなどの成長ホルモン分泌促進剤;ヒスタミンH3アンタゴニスト;AMPAアゴニスト;PDE IV阻害剤;GABAA逆アゴニスト;又はニューロンニコチンアゴニストと組み合わせて使用され得る。
【0076】
別の実施形態では、本化合物は、鎮静剤、催眠剤、不安緩解剤、抗精神病剤、抗不安剤、シクロピロロン、イミダゾピリジン、ピラゾロピリミジン、マイナートランキライザー、メラトニンアゴニスト及びアンタゴニスト、メラトニン作動剤、ベンゾジアゼピン、バルビツレ-ト、5HT-2アンタゴニストなど、例えば、アジナゾラム、アロバルビタール、アロニミド、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモキサピン、ベンタゼパム、ベンゾクタミン、ブロチゾラム、ブプロピオン、ブスプリオン、ブタバルビタール、ブタルビタール、カプリド、カルボクロラール、クロラールベタイン、水酸化クロラール、クロルジアゼポキシド、クロミプラミン、クロナゼパム、クロペリドン、クロラゼペート、クロレテート、クロザピン、シプラゼパム、デシプラミン、デクスクラモール、ジアゼパム、ジクロラールフェナゾン、ジバルプロエクス、ジフェンヒドラミン、ドキセピン、エスタゾラム、エトクロルビノール、エトミデート、フェノバム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、フルボキサミン、フルオキセチン、ホサゼパム、グルテチミド、ハラゼパム、ヒドロキシジン、イミプラミン、リチウム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、マプロチリン、メクロクアロン、メラトニン、メホバルビタール、メプロバメート、メタクアロン、ミダフルル、ミダゾラム、ネファゾドン、ニソバメート、ニトラゼパム、ノルトリプチリン、オキサゼパム、パラルデヒド、パロキセチン、ペントバルビタール、ペルラピン、ペルフェナジン、フェネルジン、フェノバルビタール、プラゼパム、プロメタジン、プロポフォール、プロトリプチリン、クアゼパム、レクラゼパム、ロレタミド、セコバルビタール、セルトラリン、スプロクロン、テマゼパム、チオリダジン、トラカゾレート、トラニルシプロマイン、トラゾドン、トリアゾラム、トレピパム、トリセタミド、トリクロフォス、トリフルオペラジン、トリメトジン、トリミプラミン、ウルダゼパム、ベンラファキシン、ザレプロン、ゾラゼパム、ゾルピデム、及びそれらの塩、並びにそれらの組み合わせなどと組み合わせて使用され得るか、又は本化合物は、光線療法若しくは電気刺激などの物理的方法の使用と併せて投与され得る。
【0077】
別の実施形態では、本化合物は、レボドパ(カルビドパ又はベンセラジドなどの選択的脳外デカルボキシラーゼ阻害剤を含む又は含まない)、ビペリデン(任意選択的にその塩酸塩又は乳酸塩として)及びトリヘキシフェニジル(ベンゼキソール)塩酸塩などの抗コリン作動剤、エンタカポンなどのCOMT阻害剤、MOA-B阻害剤、抗酸化剤、A2aアデノシン受容体アンタゴニスト、コリン作動性アゴニスト、NMDA受容体アンタゴニスト、セロトニン受容体アンタゴニスト、並びにアレンテモール、ブロモクリプチン、フェノルドパム、リスリド、ナキサゴリド、ペルゴリド、及びプラミペキソールなどのドーパミン受容体アゴニストと組み合わせて使用され得る。
【0078】
別の実施形態では、本化合物は、アセトフェナジン、アレンテモール、ベンズヘキソール、ブロモクリプチン、ビペリデン、クロルプロマジン、クロルプロチキセン、クロザピン、ジアゼパム、フェノルドパム、フルフェナジン、ハロペリドール、レボドパ、レボドパとベンセラジド、レボドパとカルビドパ、リスリド、ロキサピン、メソリダジン、モリンドロン、ナキサゴリド、オランザピン、ペルゴリド、ペルフェナジン、ピモジド、プラミペキソール、リスペリドン、スルピリド、テトラベナジン、トリヘキシフェニジル、チオリダジン、チオチキセン、又はトリフルオペラジンと組み合わせて使用され得る。
【0079】
別の実施形態では、本化合物は、フェノチアジン、チオキサンテン、複素環式ジベンザゼピン、ブチロフェノン、ジフェニルブチルピペリジン、及びインドロンクラスの神経遮断剤由来の化合物と組み合わせて使用され得る。フェノチアジンの好適な例としては、クロルプロマジン、メソリダジン、チオリダジン、アセトフェナジン、フルフェナジン、ペルフェナジン、及びトリフルオペラジンが挙げられる。チオキサンテンの好適な例としては、クロルプロチキセン及びチオチキセンが挙げられる。ジベンザゼピンの一例は、クロザピンである。ブチロフェノンの一例は、ハロペリドールである。ジフェニルブチルピペリジンの一例は、ピモジドである。インドロンの一例は、モリンドロンである。他の神経遮断剤としては、ロキサピン、スルピリド、及びリスペリドンが挙げられる。別の実施形態では、本化合物は、ニコチンアゴニスト又はニコチン受容体部分アゴニスト、例えば、バレニクリン、オピオイドアンタゴニスト(例えば、ナルトレキソン)、ドーパミン作動剤(例えば、アポモルフィン)、ADD/ADHD剤(例えば、メチルフェニデート塩酸塩(例えば、Ritalin(登録商標)及びConcerta(登録商標))、アトモキセチン(例えば、Strattera(登録商標))、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、アンフェタミン(例えば、Adderall(登録商標))、及び抗肥満剤、例えば、アポ-B/MTP阻害剤、1lベータ-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ-1(1Iベータ-HSD1型)阻害剤、ペプチドYY3-36、又はそれらの類似体、MCRアゴニスト、CCK-Aアゴニスト、モノアミン再取り込み阻害剤、交感神経興奮剤、β3アドレナリン受容体アゴニスト、ドーパミン受容体アゴニスト、メラノサイト刺激ホルモン受容体類似体、5-HT2c受容体アゴニスト、メラニン濃縮ホルモン受容体アンタゴニスト、レプチン、レプチン類似体、レプチン受容体アゴニスト、ガラニン受容体アンタゴニスト、リパーゼ阻害剤、ボンベシン受容体アゴニスト、神経ペプチド-Y受容体アンタゴニスト(例えば、NPY Y5受容体アンタゴニスト)、甲状腺ホルモン様剤、デヒドロエピアンドロステロン又はその類似体、グルココルチコイド受容体アンタゴニスト、他のオレキシン受容体アンタゴニスト、グルカゴン様ペプチド-1受容体アゴニスト、毛様神経栄養因子、ヒトアグーチ関連タンパク質アンタゴニスト、グレリン受容体アンタゴニスト、ヒスタミン3受容体アンタゴニスト又は逆アゴニスト、及びニューロメジンU受容体アゴニスト、並びにそれらの薬学的に許容される塩と組み合わせて使用され得る。
【0080】
別の実施形態では、本化合物は、アミノレックス、アンフェクロラール、アンフェタミン、ベンズフェタミン、クロルフェンテルミン、クロベンゾレックス、クロフォレックス、クロミノレックス、クロルテルミン、シクレキセドリン、デクスフェンフルラミン、デキストロアンフェタミン、ジエチルプロピオン、ジフェメトキシジン、N-エチルアンフェタミン、フェンブトラゼート、フェンフルラミン、フェニソレックス、フェンプロポレックス、フルドレックス、フルミノレックス、フルフリルメチルアンフェタミン、レバンフェタミン、レボファセトペラン、マジンドール、メフェノレックス、メタンフェプラモン、メタンフェタミン、ノルプソイドエフェドリン、ペントレックス、フェンジメトラジン、フェンメトラジン、フェンテルミン、フェニルプロパノールアミン、ピシロレックス、及びシブトラミンなどの食欲剤;選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI);クロルフェンテルミン、クロフォレックス、クロルテルミン、デクスフェンフルラミン、フェンフルラミン、ピシロレックス、及びシブトラミンを含む、ハロゲン化アンフェタミン誘導体;並びにそれらの薬学的に許容される塩と組み合わせて使用され得る。
【0081】
別の実施形態では、本化合物は、例えば、アセトアミノフェン、アスプリン、コジエン、フェンタニル、イブプロフェン、インドメタシン、ケトロラック、モルフィン、ナプロキセン、フェナセチン、ピロキシカム、ステロイド系鎮痛剤、スフェンタニル、スンリンダク、テニダプなどのような化合物を含む、オピエートアゴニスト、5-リポキシゲナーゼの阻害剤などのリポキシゲナーゼ阻害剤、シクロオキシゲナーゼ-2阻害剤などのシクロオキシゲナーゼ阻害剤、インターロイキン-1阻害剤などのインターロイキン阻害剤、NMDAアンタゴニスト、一酸化窒素の阻害剤若しくは一酸化窒素の合成の阻害剤、非ステロイド系抗炎症剤、又はサイトカイン抑制抗炎症剤と組み合わせて使用され得る。同様に、本化合物は、鎮痛剤;カフェイン、H2アンタゴニスト、シメチコン、水酸化アルミニウム又はマグネシウムなどの増強剤;フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、プソイドフェドリン、オキシメタゾリン、エフィネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリン、又はレボ-デソキシ-エフェドリンなどの充血除去剤;コデイン、ヒドロコドン、カラミフェン、カルベタペンタン、又はデキストラメトルファンなどの鎮咳剤;利尿剤;及び鎮静又は非鎮静抗ヒスタミン剤とともに投与され得る。
【0082】
本開示の化合物は、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、大槽内注射若しくは注入、皮下注射、又はインプラント)によって、吸入スプレー、鼻、膣、直腸、舌下、又は局所投与経路によって投与され得、単独で又は一緒に、各投与経路に適切な従来の非毒性の薬学的に許容される担体、アジュバント、及びビヒクルを含有する好適な投与量単位製剤で製剤化され得る。マウス、ラット、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、サルなどのような、温血動物の処置に加えて、本開示の化合物は、ヒトにおける使用に有効である。
【0083】
本開示の化合物を調製するためのいくつかの方法は、以下のスキーム及び実施例に示される。出発材料は、当該技術分野で既知の手順に従って、又は本明細書に示されるように作製される。
【0084】
本開示の化合物又はその塩若しくは溶媒和物は、単独で、又は他の治療剤と組み合わせて用いられ得る。式(I)の化合物及び他の薬学的に活性な薬剤は、一緒に又は別々に投与され得、別々に投与されるとき、投与は、同時に、又は任意の順序で、連続して行われ得る。所望の併用治療効果を達成するために、式(I)の化合物及び他の薬学的に活性な薬剤の量並びに投与の相対的なタイミングが選択されるであろう。式(I)の化合物又はその塩若しくは溶媒和物と他の治療剤とを組み合わせた投与は、以下における同時投与による組み合わせであり得る:(1)化合物の組み合わせを含む単一の薬学的組成物、又は(2)各々本開示の化合物を含む別個の薬学的組成物。あるいは、組み合わせは、一方の治療剤が第1に投与され、他方が第2に投与されるか、又はその逆である、連続的な方法で別々に投与され得る。そのような連続投与は、時間的に近いか、又は時間的に遠い場合がある。
【0085】
有機合成の当業者は、様々な使用に適した放射性同位体で標識される本開示の化合物を生成する複数の手段が存在することを理解するであろう。
【0086】
実験セクション
略語:
本明細書で使用される場合、これらのプロセス、スキーム、及び例で使用される記号及び慣例は、現代の科学文献、例えば、Journal of the American Chemical Society又はJournal of Biological Chemistryで使用されるものと一致する。具体的には、以下の略語は、例において及び明細書全体を通して使用され得る。
【表1】
【0087】
別段に示されない限り、全ての温度は、℃(摂氏度)で表される。全ての反応は、別段に記載されない限り、室温で実施した。
【0088】
全ての標的化合物の合成をスキーム1~11に示す。全ての化合物は、H NMR及びLC-MSによって特徴分析され、HPLCによって評価されるように>95%の純度であった。
【化6】
【0089】
本開示の化合物は、Nagahara及び同僚らによって記載される手順に従って合成され得る。上記に示されるように、市販の1-フルオロ-3-ニトロベンゼは、過剰なエチレンジアミンと120℃で12時間反応して、置換アニリンをもたらし、これを直ちにBocOと反応させて、化合物1-1を得た。フラッシュクロマトグラフィー後、化合物1-1を、DMF中の炭酸カリウムの存在下、BnBrで処理して、重要な中間体1-2を得た。鉄を用いた中間体1-2の還元は、化合物1-3をもたらした。トリエチルアミン及び触媒DMAPの存在下での、THF中の塩化5-ブロモ-2-メトキシベンゼンスルホニルのDCM中の化合物1-3へのゆっくりとした添加は、化合物1-4をもたらし、これは、異なるボロン酸との鈴木カップリング、続いて酸補助Boc脱保護及びアミドカップリングを受けて、中間体1-6をもたらした。中間体1-6のベンジル基のその後の脱保護は、所望の生成物をもたらした。
【化7】
【0090】
本開示の化合物は、本明細書に記載されるものと同様の手順に従って合成され得る。市販の1-フルオロ-3-ニトロベンゼを、異なる長さのアルキル鎖を有する過剰なジアミンと120℃で12時間反応させて、置換アニリンを得、これを直ちにBocOと反応させて、化合物2-1を得た。フラッシュクロマトグラフィー後、化合物2-1を、DMF中の炭酸カリウムの存在下、BnBrで処理して、重要な中間体2-2を得た。鉄を用いた中間体2-2の還元は、化合物2-3をもたらした。トリエチルアミン及び触媒DMAPの存在下での、THF中の塩化5-ブロモ-2-メトキシベンゼンスルホニルのDCM中の化合物2-3へのゆっくりとした添加は、化合物2-4をもたらし、これは、異なるボロン酸との鈴木カップリング、続いて酸補助Boc脱保護及びアミドカップリングを受けて、中間体2-6をもたらした。中間体2-6のベンジル基のその後の脱保護は、所望の生成物をもたらした。
【化8】
【0091】
本開示の化合物は、以下のように合成され得る:市販の1-フルオロ-3-ニトロベンゼを、1,4-ピペラジンを有する過剰なジアミンと120℃で12時間反応させて、置換アニリンを得、これを直ちにBocOと反応させて、化合物2-1-3を得た。フラッシュクロマトグラフィー後、化合物2-1-3をEtOH中の塩化鉄及びアンモミウムで還流処理し、化合物2-3-3を得た。トリエチルアミン及び触媒DMAPの存在下での、THF中の塩化5-ブロモ-2-メトキシベンゼンスルホニルのDCM中の化合物2-3-3へのゆっくりとした添加は、化合物2-4-3をもたらし、これは、N,N-ジメチルベンズアミド-3-ボロン酸との鈴木カップリング、続いて酸補助Boc脱保護及びアミドカップリングを受けて、中間体2-5-3をもたらした。中間体2-5-3のベンジル基のその後の脱保護は、所望の生成物をもたらした。
【0092】
これらの化合物の合成は、主に、Nagahara及び同僚らによって概説される化合物1(YNT-185)の合成のための手順に従った。そのような合成教示について、有用な、参照によって組み込まれる、Nagahara,T.;Saitoh,T.;Kutsumura,N.;Irukayama-Tomobe,Y.;Ogawa,Y.;Kuroda,D.;Gouda,H.;Kumagai,H.;Fujii,H.;Yanagisawa,M.;Nagase,H.,Design and Synthesis of Non-Peptide,Selective Orexin Receptor 2 Agonists.J.Med.Chem.2015,58(20),7931-7を参照されたい。
【化9】
【0093】
本開示の化合物は、化合物1(YNT-185)に記載されるように、修飾された手順に従って合成され得る。よって、市販の1-フルオロ-3-ニトロベンゼは、過剰なエチレンジアミンと120℃で12時間反応して、置換アニリンをもたらし、これを直ちにBocOと反応させて、化合物3-1を得た。フラッシュクロマトグラフィー後、化合物3-1をジオキサン中の4N HClで処理して、重要な中間体3-2を得た。化合物3-2と3-メチル安息香酸との間のアミドカップリング、続いて鉄を用いた還元は、化合物3-4をもたらした。DIPEAの存在下、DCM中の化合物3-4へのTHF中の塩化5-ブロモ-2-メトキシベンゼンスルホニルのゆっくりとした添加は、中程度の収率であまり妨げられていないアニリンの選択的アシル化を有する、化合物3-5をもたらした。その後の宮浦ホウ素化反応は、ボロン酸ピナコールエステル3-6をもたらし、これは異なるハロゲン化芳香族化合物と容易に反応して、最終生成物を得た。
【化10】
【0094】
本開示の化合物は、表3のものと同様の手順に従って合成され得る。フッ素化アミノピリジンを、一晩密封チューブにおいて150℃でエチレンジアミンと反応させて、中間体4-1を得、これは3-メチル安息香酸とのアミドカップリングを受けて、主要な中間体4-2をもたらした。トリエチルアミン及びDMAPの存在下での、DMF及びTHF中の塩化5-ブロモ-2-メトキシベンゼンスルホニル及び4-2の混合物間の反応は、妥当な収率で化合物4-3を達成した。その後の宮浦ホウ素化反応、続いて鈴木反応は、所望の最終生成物28、29、及び30をもたらした。宮浦ホウ素化及び鈴木反応は、異なるパラジウム触媒及び反応時間を使用して1つのポットで行うことができることに留意されたい(より詳細にはSIを参照されたい)。標的化合物の残りのその後の合成において、必要な修飾を有するこの一般的な配列が続いた。
【化11】
【0095】
本開示の化合物は、表2のものについての手順に従って合成され得る。化合物2-4は、宮浦ホウ素化、続いて対応するハロゲン化芳香族アミドとの鈴木反応を受けて、所望の化合物を得た。
【化12】
【0096】
化合物41及び42の合成は、化合物3-4と5-ブロモ-2-メトキシ安息香酸塩化物との間のアミドカップリング、続いて宮浦ホウ素化及び鈴木反応を介して達成され得る。
【化13】
【0097】
中間体6-Bを、3-ブロモ-5-フルオロピリジン及び過剰なエチレンジアミンの反応によって得て、中間体6-Aを提供し、次いで、これを3-メチル安息香酸とカップリングした。6-Cの合成について、光延反応を、5-ブロモ-3-ピリジノールとN-Boc-エタノールアミンとの間で行い、続いてその後の酸性脱保護及びアミドカップリングを行った。1,3,4-チアジアゾール6-3を、還流POCl中のヒドラジンカルボチオアミドと5-ブロモ-アニス酸との間の反応を介して得た。6-3の宮浦ホウ素化反応、続いて3-ブロモ-N-メチル-N-(4-ピリジニルメチル)-ベンズアミドとの鈴木反応は、6-5をもたらした。化合物43は、6-5と6-Bとの間のバックワルドカップリングを介して適度な収率で容易に得ることができる。同様に、6-5の6-Eとの反応は、化合物44をもたらした。
【化14】
【0098】
表7-1における化合物の合成は、以前のものとは異なる経路に従って行った。化合物47、48、49、50、53、及び54について、中間体7-Aを、飽和重炭酸ナトリウムの存在下、塩化5-ブロモ-2-メトキシベンゼンスルホニルと水酸化アンモニウムとの間の反応によって得た。ベンゼン中の化合物7-Aを様々な置換塩化メチルマロニルで還流することは、化合物7-1を得、これはその後、加水分解及びアミドカップリングを受け、中間体7-3を得た。化合物6-4のBocの酸性脱保護、続いて3-メチル安息香酸とのアミドカップリングは、化合物7-5をもたらした。最後に、7-5を、宮浦ホウ素化及び鈴木反応を介して最終生成物に変換した。
【化15】
【0099】
化合物51、52、45、及び46を、中間体7-E又は7-Fを1ポットシーケンス反応で作製した同様の手順に従って合成した:3-メチル安息香酸とN-Boc-エチレンジアミンとの間のアミドカップリング、続いて酸性処理は、中間体7-Cをもたらした。化合物7-Cと異なるN-Bocアミノ酸との間の第2のアミドカップリングは、化合物7-Dをもたらし、これは酸性脱保護を受けて、化合物7-E又は7-Fをもたらした。7-E又は7-Fと塩化5-ブロモ-2-メトキシベンゼンスルホニルとの間のスルホニルアミドの形成は、7-7をもたらし、これはその後の宮浦ホウ素化反応及び鈴木反応によって最終生成物に円滑に変換された。
【化16】
【0100】
効率を改善する努力において、修飾された合成アプローチを、表8における化合物の調製に使用し、足場をスルホニルアミド官能性で2つの部分に分割した。右側部分について、アルコールを、ジクロロメタン中のCDIを使用して3-メチル安息香酸とまずカップリングして8-Aを得、これはSAr反応を受け、8-Bをもたらした。左側部分について、7-Aは、宮浦ホウ素化反応、続いて鈴木反応を受けて、中間体8-2を得た。次いで、化合物8-2は、tBuXphosを触媒として使用したバックワルドクロスカップリングを介して8-B又は6-Cと反応して、最終生成物を提供した。
【化17】
【0101】
化合物38及び59の合成は、表3における化合物について記載される手順によって容易に達成することができる。中間体3-6を宮浦ホウ素化、続いて鈴木反応に供し、化合物38及び59をもたらした。
【化18】
【0102】
化合物60及び61は、バックワルドクロスカップリング条件下での7-Aと6-Bとの間の反応、続いて宮浦ホウ素化反応及び鈴木反応から得た。
【実施例
【0103】
合成。全ての溶媒及び化学物質は、試薬グレードであった。別段の言及がない限り、全ての試薬及び溶媒を、商業的ベンダーから購入し、受け取ったまま使用した。フラッシュカラムクロマトグラフィーを、予め充填されたカラムを使用して、Teledyne ISCO CombiFlash(登録商標) Rfシステムで実施した。使用される溶媒としては、ヘキサン、酢酸エチル(EtOAc)、ジクロロメタン、メタノール、及びクロロホルム/メタノール/水酸化アンモニウム(80:18:2)(CMA-80)が挙げられる。化合物の純度及び特徴分析を、HPLC、TLC、質量分析、及びNMR分析の組み合わせによって確立した。融点を、Mel-Temp II計器(Laboratory Devices Inc.、U.S.)によって記録した。H及び13C NMRスペクトルを、Bruker Avance DPX-300(300MHz)分光計で記録し、内部参照としてテトラメチルシラン(TMS)(0.00ppm)又は溶媒ピークを有するクロロホルム-d、DMSO-d6、又はメタノール-d4で決定した。化学シフトは、参照シグナルと比較してppmで報告され、カップリング定数(J)値は、ヘルツ(Hz)で報告される。薄層クロマトグラフィー(TLC)をEMDプレコートシリカゲル60 F254プレート上で実施し、スポットをUV光又はヨウ素染色で可視化した。低分解能質量スペクトルを、Waters Alliance HT/Micromass ZQシステム(ESI)を使用して得た。全ての試験化合物は、Agilent Zorbax SB-Phenyl、2.1mm×150mm、5μmカラムを使用して、1mL/分での5~95%溶媒Bの15分勾配溶出、続いて95%溶媒Bでの10分(溶媒A、0.1%TFAを含む水、溶媒B、0.1%TFA及び5%水を含むアセトニトリル、220及び280nmで監視された吸光度)を使用して、Agilent 1100システムでHPLCによって決定されるように、95%超の純度であった。
【0104】
化合物1-1の合成のための一般手順:
3-ニトロフルオロベンゼン(5.0mmol、35.4mmol)及びエチレンジアミン(11.8mL、177.2mmol)を密封チューブ中で混合し、反応物を一晩120℃に加熱した。冷却後、揮発物を60℃で減圧下で蒸発させた。次いで、残渣をTHF(30mL)及び水(30mL)の混合物中に再溶解させ、続いて炭酸カリウム(14.7g、106.2mmol)及びBoc無水物(19.3g、88.5mmol)を添加した。次いで、反応物を一晩撹拌し、ブライン(150mL)によって希釈した。次いで、酢酸エチル(150mL)を添加し、有機層を分離し、乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をISCOによって精製して、純粋な所望の生成物を得た。6.28gの褐色の油、収率:63%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 7.51(dd,J=1.60,8.01 Hz,1H),7.37(t,J=2.26 Hz,1H),7.22-7.31(m,1H),6.87(dd,J=2.07,8.10 Hz,1H),4.78-4.94(m,1H),4.56-4.73(m,1H),3.36-3.50(m,2H),3.21-3.34(m,2H),1.38-1.50(m,9H).
【0105】
化合物1-2の合成のための一般手順:
化合物1-1(6.28g、22.30mmol)をDMF(110mL)に溶解し、続いて炭酸カリウム(6.17g、44.65mmol)及び臭化ベンジル(3.2mL、26.79mmol)を添加した。次いで、反応物を一晩60℃に加熱した。水(500mL)及び酢酸エチル(200mL)を添加し、有機層を分離して乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をISCOによって精製して、純粋な所望の生成物を得た。5.11gの橙色のシロップ、収率:62%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 7.46-7.59(m,2H),7.34-7.40(m,1H),7.26-7.34(m,3H),7.17(d,J=7.16 Hz,2H),7.02(d,J=6.22 Hz,1H),4.58-4.76(m,3H),3.57-3.72(m,2H),3.37(q,J=6.47 Hz,2H),1.35-1.48(m,9H).
【0106】
化合物1-3の合成のための一般手順:
化合物1-2(5.11g、13.76mmol)を、エタノール及び水の混合物(55mL/22mL)に溶解し、続いて、塩化アンモニウム(7.36g、137.6mmol)及び鉄粉末(5.38g、96.3mmol)を添加した。次いで、反応物を還流で3時間加熱した。冷却後、DCM(100mL)を添加し、混合物をセライトに通して濾過した。次いで、有機層を分離し、乾燥させた。次いで、溶媒を減圧下で除去し、残渣をISCOによって精製して、純粋な所望の生成物を得た。4.61gの褐色の油、収率:98%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 7.08-7.46(m,6H),6.98(t,J=8.19 Hz,1H),6.02-6.26(m,2H),4.62-4.77(m,1H),4.40-4.60(m,2H),3.41-3.58(m,2H),3.22-3.39(m,2H),1.55-2.23(m,2H),1.32-1.53(m,9H).
【0107】
化合物1-4の合成のための一般手順:
窒素の保護下で、化合物1-3(3.52g、10.31mmol)を無水DCM(50mL)に0℃で溶解し、ピリジン(1mL、12.37mmol)を添加し、続いて塩化2-メトキシ-5-ブロモベンゼンスルホニル(3.24g、11.34mmol)を添加した。反応物を室温まで温め、一晩撹拌した。反応物を飽和NaHCO(30mL)によってクエンチし、DCM(100mL)を添加した。有機層を分離し、乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をISCOによって精製して、純粋な所望の生成物を得た。5.46gのオフホワイトの固体、収率:90%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 7.87(d,J=2.45 Hz,1H),7.55(dd,J=2.45,8.85 Hz,1H),7.18-7.35(m,4H),7.10(d,J=6.59 Hz,2H),7.00(t,J=8.38 Hz,1H),6.90(br.s.,1H),6.78(d,J=8.85 Hz,1H),6.49(d,J=8.48 Hz,1H),6.39(d,J=4.71 Hz,2H),4.59-4.73(m,1H),4.48(s,2H),3.84(s,3H),3.41-3.53(m,2H),3.19-3.34(m,2H),1.36-1.47(m,9H).
【0108】
表1における最終化合物の合成のための一般手順:
化合物1-4(1.0当量)、ボロン酸(1.2当量)、Pd(PPh(0.1当量)、及び炭酸カリウム(2.0当量)を、効率的な凝縮器を備えた丸底フラスコに入れた。次いで、システムを窒素でフラッシュし、1,4-ジオキサン/水(4/1、0.1M)の混合物を添加した。反応物を2時間還流した。冷却後、DCM(50mL)を添加し、有機層を分離し、乾燥させた。次いで、溶媒を除去し、残渣を1,4-ジオキサン(10当量)中の4N HClに溶解した。反応物を室温で2時間撹拌し、次いで溶媒を減圧下で除去した。次いで、残渣をDMF(0.1M)に溶解し、続いて2-ジメチルアミノ安息香酸(1.1当量)、HATU(1.2当量)、及びDIPEA(1.5当量)を添加した。反応物を室温で一晩撹拌し、飽和NaHCOによってクエンチした。DCM(50mL)を添加し、有機層を分離し、乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、粗生成物を得、これを次いで、MeOH(0.1M)中のPd/C(0.1当量)と水素(40psi)の雰囲気下で12時間混合した。反応混合物を濾過し、濾液の溶媒を減圧下で除去した。残渣をISCOによって精製し、純粋な所望の最終生成物を得た。
【0109】
化合物1:収率:4ステップで45%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)□ 9.89(br.s.,1H),8.00-8.17(m,2H),7.64(dd,J=1.88,8.67 Hz,1H),7.48-7.58(m,2H),7.25-7.46(m,3H),7.10-7.23(m,3H),7.01(d,J=8.67 Hz,1H),6.94(t,J=8.01 Hz,1H),6.45(br.s.,1H),6.34(dd,J=8.01,14.79 Hz,2H),4.33(br.s.,1H),3.94-4.09(m,3H),3.54-3.73(m,2H),3.28(br.s.,2H),2.86-3.20(m,6H),2.42-2.66(m,6H).
【0110】
化合物2:収率:4ステップで36%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 9.67-9.90(m,1H),8.03(d,J=2.07 Hz,2H),7.65-7.74(m,1H),7.56-7.65(m,1H),7.36-7.56(m,6H),7.31(s,2H),7.07(s,2H),6.92(br.s.,2H),6.79-6.87(m,1H),4.04(s,3H),3.79(br.s.,4H),3.44(br.s.,4H),3.14(s,6H),1.69(br.s.,4H),1.44-1.59(m,2H).
【0111】
化合物3:収率:4ステップで39%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 9.90(br.s.,1H),7.99-8.15(m,2H),7.59-7.71(m,2H),7.49-7.55(m,1H),7.35-7.47(m,3H),7.10-7.22(m,2H),6.86-7.07(m,3H),6.44(s,1H),6.34(dd,J=4.71,7.54 Hz,2H),4.23-4.39(m,1H),4.06(s,3H),3.56-3.72(m,8H),3.42(t,J=6.50 Hz,2H),3.29(t,J=5.65 Hz,2H),2.82(d,J=8.10 Hz,2H),2.56(s,6H),1.94-2.03(m,2H),1.85-1.91(m,2H).
【0112】
化合物4:収率:4ステップで32%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 9.87(br.s.,1H),7.97-8.17(m,3H),7.90(s,1H),7.63-7.75(m,2H),7.57(d,J=7.72 Hz,1H),7.33-7.49(m,2H),7.10-7.23(m,2H),7.02(d,J=4.33 Hz,1H),6.88-6.98(m,1H),6.51(br.s.,1H),6.44(s,1H),6.32(t,J=6.59 Hz,2H),4.30(br.s.,1H),4.05(s,3H),3.60(q,J=5.78 Hz,2H),3.43(q,J=6.47 Hz,2H),3.26(br.s.,2H),2.76-2.83(m,6H),1.60-1.71(m,2H),0.98(t,J=7.44 Hz,3H).
【0113】
化合物5:収率:4ステップで29%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 9.90(br.s.,1H),8.07-8.16(m,1H),7.97-8.06(m,2H),7.65(dd,J=2.26,8.67 Hz,1H),7.46-7.54(m,2H),7.41(t,J=7.54 Hz,2H),7.30(d,J=7.35 Hz,1H),7.12-7.22(m,2H),7.03(d,J=8.67 Hz,1H),6.95(t,J=8.01 Hz,1H),6.44(s,1H),6.34(d,J=5.09 Hz,2H),4.31(t,J=5.27 Hz,1H),4.07(s,3H),3.65(q,J=5.84 Hz,2H),3.55(br.s.,2H),3.17-3.36(m,4H),2.75-2.99(m,6H),1.26(br.s.,3H),1.11(br.s.,3H).
【0114】
化合物6:収率:4つのステップで41%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 9.91(br.s.,1H),8.11(dd,J=1.70,7.91 Hz,1H),8.05(d,J=2.26 Hz,1H),7.65(dd,J=2.35,8.57 Hz,1H),7.37-7.45(m,1H),7.28-7.36(m,3H),7.20(d,J=7.35 Hz,2H),7.08-7.16(m,1H),7.02(d,J=8.67 Hz,1H),6.94(t,J=8.10 Hz,1H),6.89(s,1H),6.45(t,J=2.07 Hz,1H),6.33(td,J=2.28,8.05 Hz,2H),4.17-4.54(m,1H),4.05-4.09(m,3H),3.64(q,J=5.97 Hz,2H),3.29(t,J=5.75 Hz,2H),2.87-2.99(m,1H),2.54(s,6H),1.27(d,J=6.97 Hz,6H).
【0115】
化合物7:収率:4ステップで35%。H NMR(300 MHz,CDCl)d 9.92(br.s.,1H),8.11(d,J=7.72 Hz,1H),8.05(d,J=2.26 Hz,1H),7.66(dd,J=2.26,8.48 Hz,1H),7.31-7.51(m,1H),7.06-7.24(m,3H),6.84-7.05(m,3H),6.73-6.84(m,2H),6.70(d,J=10.17 Hz,1H),6.45(s,1H),6.31(d,J=7.91 Hz,2H),3.97-4.09(m,3H),3.53-3.69(m,2H),3.29(t,J=5.75 Hz,2H),2.29-3.06(m,12H).
【0116】
化合物8:収率:4ステップで32%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 9.93(br.s.,1H),8.11(dd,J=1.70,7.91 Hz,1H),8.04(d,J=2.26 Hz,1H),7.64(dd,J=2.26,8.67 Hz,1H),7.36-7.46(m,1H),7.07-7.24(m,3H),7.00(d,J=8.67 Hz,1H),6.87-6.96(m,2H),6.69-6.77(m,2H),6.65(d,J=8.10 Hz,1H),6.45(d,J=2.07 Hz,1H),6.27-6.38(m,2H),4.05(s,3H),3.64(q,J=5.97 Hz,2H),3.38(q,J=7.16 Hz,3H),3.29(t,J=5.75 Hz,2H),2.43-2.60(m,6H),1.17(t,J=7.06 Hz,6H).
【0117】
化合物9:収率:4ステップで33%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 9.93(br.s.,1H),8.11(dd,J=1.70,7.72 Hz,1H),8.03(d,J=2.45 Hz,1H),7.63(dd,J=2.35,8.57 Hz,1H),7.40(dt,J=1.70,7.72 Hz,1H),7.10-7.24(m,3H),7.01(d,J=8.67 Hz,1H),6.93(t,J=8.01 Hz,1H),6.88(s,1H),6.65-6.73(m,2H),6.61(dd,J=2.26,8.29 Hz,1H),6.44(t,J=2.07 Hz,1H),6.27-6.36(m,2H),4.05(s,3H),3.64(q,J=5.84 Hz,1H),3.16-3.33(m,4H),2.49-2.58(m,6H),1.57-1.64(m,4H),0.93(t,J=7.44 Hz,6H).
【0118】
化合物10:収率:4ステップで39%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 9.77-10.00(m,1H),8.11(dd,J=1.60,7.82 Hz,1H),8.04(d,J=2.26 Hz,1H),7.65(dd,J=2.35,8.57 Hz,1H),7.47(s,1H),7.39(dd,J=1.70,7.54 Hz,1H),7.32-7.37(m,1H),7.28-7.31(m,1H),7.26(s,1H),7.15-7.22(m,1H),7.12(d,J=8.10 Hz,1H),7.03(d,J=8.67 Hz,1H),6.88-6.99(m,2H),6.43-6.49(m,1H),6.27-6.38(m,2H),4.06(s,3H),3.57-3.70(m,2H),3.29(t,J=5.84 Hz,2H),2.42-2.60(m,6H),1.29-1.38(m,9H).
【0119】
化合物11:収率:4ステップで31%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 9.91(br.s.,1H),8.11(dd,J=1.70,7.91 Hz,1H),8.04(d,J=2.45 Hz,1H),7.70(s,1H),7.61-7.68(m,2H),7.55-7.60(m,1H),7.52(d,J=7.54 Hz,1H),7.42(dt,J=1.79,7.68 Hz,1H),7.20(d,J=7.72 Hz,1H),7.14(d,J=8.10 Hz,1H),7.06(d,J=8.67 Hz,1H),6.89-6.99(m,2H),6.39-6.49(m,1H),6.34(d,J=8.10 Hz,2H),4.21-4.57(m,1H),4.06-4.13(m,3H),3.65(q,J=5.97 Hz,2H),3.29(t,J=5.75 Hz,2H),2.48-2.62(m,6H).
【0120】
化合物2-1の合成のための一般手順:
3-ニトロフルオロベンゼン(1当量)及びエチレンジアミン(5当量)を密封チューブ中で混合し、反応物を一晩120℃に加熱した。冷却後、揮発物を60℃で減圧下で蒸発させた。次いで、残渣をTHF(30mL)及び水(30mL)の混合物中に再溶解させ、続いて炭酸カリウム(3.0当量)及びBoc無水物(2.5当量)を添加した。次いで、反応物を一晩撹拌し、ブライン(150mL)によって希釈した。次いで、酢酸エチル(150mL)を添加し、有機層を分離し、乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をISCOによって精製して、純粋な所望の生成物を得た。
【0121】
化合物2-1-1:収率:72%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 7.50(dd,J=1.60,8.01 Hz,1H),7.39(t,J=2.26 Hz,1H),7.25-7.30(m,1H),6.88(dd,J=2.07,8.10 Hz,1H),4.56-4.69(m,1H),3.25(dq,J=3.58,6.34 Hz,4H),2.72(d,J=7.16 Hz,1H),1.79(t,J=6.50 Hz,2H),1.45(s,9H).
【0122】
化合物2-1-2:収率:30%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 7.47-7.52(m,2H),7.35(t,J=2.26 Hz,2H),7.24-7.29(m,1H),6.87(dd,J=1.88,8.10 Hz,1H),4.78-4.87(m,1H),4.46-4.59(m,1H),3.92-4.03(m,1H),3.21(s,2H),3.06-3.15(m,1H),2.74-2.92(m,1H),1.40-1.47(m,9H),1.24-1.28(m,3H).
【0123】
化合物2-2の合成のための一般手順:
化合物2-1(1当量)をDMF(0.2M)に溶解し、続いて炭酸カリウム(2当量)及び臭化ベンジル(1.2当量)を添加した。次いで、反応物を一晩60℃に加熱した。水及び酢酸エチルを添加し、有機層を分離して乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をISCOによって精製して、純粋な所望の生成物を得た。
【0124】
化合物2-2-1:収率:84%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 7.46-7.54(m,2H),7.28-7.39(m,3H),7.25-7.27(m,1H),7.18(d,J=6.78 Hz,2H),6.86-6.96(m,1H),4.60(s,2H),3.45-3.58(m,1H),3.21(d,J=6.40 Hz,1H),1.82-1.94(m,2H),1.44(s,9H).
【0125】
化合物2-2-2:収率:81%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 7.58(br.s.,1H),7.48(dd,J=1.51,7.91 Hz,1H),7.37(d,J=4.33 Hz,1H),7.25-7.32(m,4H),7.17(s,1H),6.97-7.12(m,1H),4.59-4.77(m,3H),4.27-4.50(m,1H),4.09(d,J=6.97 Hz,1H),3.21-3.82(m,2H),1.31-1.46(m,9H).
【0126】
化合物2-3の合成のための一般手順:
化合物2-2(1当量)を、エタノール及び水の混合物(5:2、0.2M)に溶解し、続いて塩化アンモニウム(10当量)及び鉄粉末(7当量)を添加した。次いで、反応物を還流で3時間加熱した。冷却後、DCM(100mL)を添加し、混合物をセライトに通して濾過した。次いで、有機層を分離し、乾燥させた。次いで、溶媒を減圧下で除去し、残渣をISCOによって精製して、純粋な所望の生成物を得た。
【0127】
化合物2-3-1:収率:92%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 7.27-7.40(m,2H),7.18-7.25(m,3H),6.97(t,J=8.01 Hz,1H),5.98-6.21(m,3H),4.49(m,3H),3.29-3.45(m,2H),3.15(d,J=6.22 Hz,2H),1.74-1.88(m,2H),1.43(s,9H).
【0128】
化合物2-3-2:収率:92%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 7.37(d,J=4.33 Hz,1H),7.26-7.32(m,2H),7.18(t,J=6.69 Hz,2H),6.96(t,J=8.10 Hz,1H),6.23(dd,J=2.45,8.29 Hz,1H),6.12-6.19(m,1H),6.06(dd,J=1.51,7.72 Hz,1H),4.49-4.73(m,2H),4.35-4.48(m,1H),3.95-4.09(m,1H),3.45-3.69(m,2H),3.08-3.22(m,1H),1.29-1.48(m,9H),1.18(d,J=6.78 Hz,3H).
【0129】
化合物2-4の合成のための一般手順:
窒素の保護下で、化合物2-3(1当量)を無水DCM(0.2当量)に0℃で溶解し、ピリジン(1.2当量)を添加し、続いて塩化2-メトキシ-5-ブロモベンゼンスルホニル(1.1当量)を添加した。反応物を室温まで温め、一晩撹拌した。反応物を飽和NaHCO(10mL)によってクエンチし、DCM(30mL)を添加した。有機層を分離し、乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をISCOによって精製して、純粋な所望の生成物を得た。
【0130】
化合物2-4-1:収率:85%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 7.88(d,J=2.64 Hz,1H),7.55(dd,J=2.64,8.85 Hz,1H),7.28(d,J=7.54 Hz,2H),7.23(s,1H),7.11(d,J=6.59 Hz,2H),6.97(d,J=8.10 Hz,1H),6.92(s,1H),6.79(d,J=8.85 Hz,1H),6.37-6.46(m,2H),6.33(d,J=8.67 Hz,1H),4.54-4.64(m,1H),4.44(s,2H),3.85(s,3H),3.30-3.42(m,2H),3.15(d,J=6.22 Hz,2H),1.70-1.83(m,2H),1.44(s,9H).
【0131】
化合物2-4-2:収率:83%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 7.86(d,J=2.64 Hz,1H),7.54(dd,J=2.45,8.85 Hz,1H),7.25-7.30(m,3H),7.07(d,J=6.59 Hz,2H),6.99(t,J=8.10 Hz,1H),6.90(br.s.,1H),6.70-6.83(m,1H),6.52(d,J=8.48 Hz,1H),6.34-6.46(m,2H),4.42-4.64(m,2H),4.33(d,J=12.06 Hz,1H),3.90-4.05(m,1H),3.79-3.88(m,3H),3.58(br.s.,1H),3.18(br.s.,1H),1.37(s,9H),1.16(d,J=6.59 Hz,2H).
【0132】
表2における最終化合物(化合物13、14、15、及び16)の合成のための一般手順:
化合物2~4(1.0当量)、ボロン酸(1.2当量)、Pd(PPh(0.1当量)、及び炭酸カリウム(2.0当量)を、効率的な凝縮器を備えた丸底フラスコに入れた。次いで、システムを窒素でフラッシュし、1,4-ジオキサン/水(4/1、0.1M)の混合物を添加した。反応物を2時間還流した。冷却後、DCM(50mL)を添加し、有機層を分離し、乾燥させた。次いで、溶媒を除去し、残渣を1,4-ジオキサン(10当量)中の4N HClに溶解した。反応物を室温で2時間撹拌し、次いで溶媒を減圧下で除去した。次いで、残渣をDMF(0.1M)に溶解し、続いて対応する安息香酸(1.1当量)、HATU(1.2当量)、及びDIPEA(1.5当量)を添加した。反応物を室温で一晩撹拌し、飽和NaHCOによってクエンチした。DCM(50mL)を添加し、有機層を分離し、乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、粗生成物を得、これを次いで、MeOH(0.1M)中のPd/C(0.1当量)と水素(40psi)の雰囲気下で12時間混合した。反応混合物を濾過し、濾液の溶媒を減圧下で除去した。残渣をISCOによって精製し、純粋な所望の最終生成物を得た。
【0133】
化合物12:H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)δ 9.89(br.s.,1H),8.00-8.17(m,2H),7.64(dd,J=1.88,8.67 Hz,1H),7.48-7.58(m,2H),7.25-7.46(m,3H),7.10-7.23(m,3H),7.01(d,J=8.67 Hz,1H),6.94(t,J=8.01 Hz,1H),6.45(br.s.,1H),6.34(dd,J=8.01,14.79 Hz,2H),4.33(br.s.,1H),3.94-4.09(m,3H),3.54-3.73(m,2H),3.28(br.s.,2H),2.86-3.20(m,6H),2.42-2.66(m,6H).
【0134】
化合物13:収率:4ステップで29%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)□ 9.71(br.s.,1H),7.97-8.15(m,2H),7.62-7.80(m,2H),7.50-7.57(m,2H),7.30-7.48(m,4H),7.14-7.22(m,2H),7.02-7.10(m,1H),6.88-6.97(m,2H),6.39-6.53(m,1H),6.20-6.37(m,2H),4.03-4.10(m,3H),3.31-3.54(m,2H),2.78-3.21(m,12H),2.38-2.64(m,2H),1.74-1.90(m,2H).
【0135】
化合物14:収率:4ステップで22%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)□ 9.70-9.79(m,1H),8.01-8.11(m,2H),7.64(dd,J=2.45,8.67 Hz,1H),7.49-7.56(m,2H),7.38-7.47(m,2H),7.30-7.37(m,1H),7.11-7.23(m,2H),6.97-7.06(m,2H),6.93(t,J=8.01 Hz,1H),6.42(t,J=1.98 Hz,1H),6.25-6.38(m,2H),4.35-4.46(m,1H),4.06(s,3H),3.13-3.20(m,2H),2.85-3.06(m,7H),2.80(s,6H),1.28(d,J=6.78 Hz,3H).
【0136】
化合物15:収率:4ステップで32%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)□ 8.08(d,J=2.45 Hz,1H),7.71-8.04(m,1H),7.67(dd,J=2.35,8.57 Hz,1H),7.57(s,1H),7.52(td,J=1.53,3.53 Hz,3H),7.29-7.45(m,3H),7.04(d,J=8.85 Hz,2H),6.85-6.98(m,2H),6.48(d,J=1.88 Hz,1H),6.25-6.35(m,2H),4.13(s,1H),4.02-4.08(m,4H),3.36(q,J=6.22 Hz,2H),2.76-3.23(m,14H),2.35(s,3H),1.69-1.74(m,3H).
【0137】
化合物16:収率:4ステップで19%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.09(d,J=2.45 Hz,1H),8.01(s,1H),7.65(dd,J=2.45,8.67 Hz,1H),7.48-7.59(m,4H),7.41(t,J=7.72 Hz,1H),7.30-7.35(m,1H),7.24(s,1H),7.11(s,1H),7.01(d,J=8.67 Hz,1H),6.90(t,J=8.01 Hz,1H),6.72(d,J=8.10 Hz,1H),6.46(t,J=1.98 Hz,1H),6.29(dt,J=1.79,7.86 Hz,2H),4.39-4.47(m,1H),4.02(s,3H),3.00(s,2H),2.80(s,6H),2.32(s,3H),1.25(d,J=6.78 Hz,3H).
【0138】
化合物2-1-3の合成のための一般手順:
3-ニトロフルオロベンゼン(5.0mmol、35.4mmol)及びピペラジン(9.16g、106.31mmol)を密封チューブ中で混合し、反応物を一晩120℃に加熱した。冷却後、揮発物を60℃で減圧下で蒸発させた。次いで、残渣をTHF(30mL)及び水(30mL)の混合物中に再溶解させ、続いて炭酸カリウム(14.7g、106.2mmol)及びBoc無水物(19.3g、88.5mmol)を添加した。次いで、反応物を一晩撹拌し、ブライン(150mL)によって希釈した。次いで、酢酸エチル(150mL)を添加し、有機層を分離し、乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をISCOによって精製して、純粋な所望の生成物を得た。5.30gの黄色の固体、収率:49%。化合物2-1-3:H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 7.64-7.76(m,2H),7.40(t,J=8.10 Hz,1H),7.16-7.24(m,1H),3.54-3.67(m,2H),3.19-3.30(m,4H),1.49(s,9H).
【0139】
化合物2-3-3の合成のための一般手順:
化合物2-1-3(5.35g、17.41mmol)を、エタノール及び水の混合物(70mL/30mL)に溶解し、続いて、塩化アンモニウム(9.31g、174.1mmol)及び鉄粉末(6.81g、121.8mmol)を添加した。次いで、反応物を還流で3時間加熱した。冷却後、DCM(100mL)を添加し、混合物をセライトに通して濾過した。次いで、有機層を分離し、乾燥させた。次いで、溶媒を減圧下で除去し、残渣をISCOによって精製して、純粋な所望の生成物を得た。4.15gの褐色の油、収率:86%。化合物2-3-3:H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 6.98-7.11(m,1H),6.32-6.39(m,1H),6.20-6.30(m,2H),3.58-3.85(m,2H),3.49-3.58(m,4H),3.07-3.14(m,4H),1.47-1.50(m,9H).
【0140】
化合物2-4-3の合成のための一般手順:
窒素の保護下で、化合物2-3-3(3.04g、10.96mmol)を無水DCM(55mL)に0℃で溶解し、ピリジン(1.06mL、13.15mmol)を添加し、続いて塩化2-メトキシ-5-ブロモベンゼンスルホニル(3.44g、12.06mmol)を添加した。反応物を室温まで温め、一晩撹拌した。反応物を飽和NaHCO(30mL)によってクエンチし、DCM(100mL)を添加した。有機層を分離し、乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をISCOによって精製して、純粋な所望の生成物を得た。4.61gの褐色の固体、収率:80%。化合物2-4-3:H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 7.94(d,J=2.45 Hz,1H),7.58(dd,J=2.54,8.76 Hz,1H),7.26(s,3H),7.07(t,J=8.10 Hz,1H),6.82-6.93(m,2H),6.69-6.76(m,1H),6.64(d,J=8.29 Hz,1H),6.41(d,J=7.91 Hz,1H),4.01(s,3H),3.48-3.62(m,4H),3.00-3.16(m,4H),1.48(s,9H).
【0141】
表2における最終化合物(化合物17及び18)の合成のための一般手順:
化合物2-4-3(1.0当量)、ボロン酸(1.2当量)、Pd(PPh(0.1当量)、及び炭酸カリウム(2.0当量)を、効率的な凝縮器を備えた丸底フラスコに入れた。次いで、システムを窒素でフラッシュし、1,4-ジオキサン/水(4/1、0.1M)の混合物を添加した。反応物を2時間還流した。冷却後、DCM(50mL)を添加し、有機層を分離し、乾燥させた。次いで、溶媒を除去し、残渣を1,4-ジオキサン(10当量)中の4N HClに溶解した。反応物を室温で2時間撹拌し、次いで溶媒を減圧下で除去した。次いで、残渣をDMF(0.1M)に溶解し、続いて対応する安息香酸(1.1当量)、HATU(1.2当量)、及びDIPEA(1.5当量)を添加した。反応物を室温で一晩撹拌し、飽和NaHCOによってクエンチした。DCM(50mL)を添加し、有機層を分離し、乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得、これはISCOによって精製され、純粋な所望の生成物が得られる。
【0142】
化合物17:収率:4ステップで36%。H NMR(300 MHz,CDCl)□ 8.04(d,J=2.07 Hz,1H),8.03(d,J1=9.0 Hz,J2=177 Hz,1H),7.72(d,J=8.67 Hz,1H),7.52(d,J=12.06 Hz,2H),7.42(t,J=7.54 Hz,1H),7.30-7.37(m,2H),7.22(d,J=7.16 Hz,1H),7.02-7.12(m,2H),6.89-6.99(m,3H),6.77(s,1H),6.62(d,J=8.10 Hz,1H),6.48(d,J=7.54 Hz,1H),4.08(s,3H),3.93(br.s.,1H),3.84(br.s.,1H),2.94-3.22(m,10H),2.73-2.86(m,8H).
【0143】
化合物18:収率:4つのステップで41%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)□ 8.04(d,J=2.26 Hz,1H),7.71(dd,J=2.35,8.57 Hz,1H),7.48-7.60(m,2H),7.42(t,J=7.54 Hz,1H),7.31-7.37(m,1H),7.21-7.30(m,4H),7.17(d,J=7.16 Hz,1H),7.08(d,J=8.85 Hz,2H),6.97-7.04(m,1H),6.78(s,1H),6.62(d,J=8.29 Hz,1H),6.49(d,J=7.72 Hz,1H),4.07(s,3H),3.83(br.s.,2H),3.54(br.s.,2H),2.90-3.25(m,10H),2.38(s,3H).
【0144】
化合物3-2の合成。
1-フルオロ-3-ニトロベンゼン(14.10g、100mmol)をエチレンジアミン(75mL)と混合し、混合物を一晩120℃に加熱した。次いで、反応物を室温まで冷却し、トルエン(100mL)を添加した。次いで、揮発物を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル(100mL)及び飽和重炭酸ナトリウム(100mL)の混合物に再溶解した。脱炭酸ジ-tert-ブチル(32.7g、150mmol)を添加し、次いで反応物を一晩撹拌した。有機層を分離し、無水MgSOによって乾燥させた。次いで、溶媒を減圧によって除去し、残渣をISCOによって精製して、3-1を得、これを最小限の酢酸エチルに溶解し、ジオキサン(50mL)中の4N HClを添加した。次いで、混合物を、気泡が放出されなくなるまで2時間撹拌した。ヘキサン(100mL)を添加して、任意の固体を沈殿させ、懸濁液を濾過した。収集された固体をジエチルエーテルですすぎ、真空中で一晩乾燥させて、純粋な所望の生成物を得た。17gの黄褐色の固体、収率:78%。H NMR(300 MHz,DMSO-d)d 8.12(br.s.,4H),7.29-7.50(m,3H),6.91-7.17(m,1H),3.38(t,J=6.40 Hz,2H),2.87-3.06(m,2H).
【0145】
化合物3-4の合成。
3-メチル安息香酸(2.73g、20mmol)及び1,1’-カルボニルジイミダゾール(3.25g、20mmol)をDCM中で混合し、15分間撹拌した。次いで、化合物3-2(2.62g、10mmol)を一度に添加し、続いてDIPEA(10.5mL、60mmol)を添加した。次いで、反応をTLCによって監視した。完了後、飽和NaHCOを添加して、反応をクエンチした。次いで、有機層を分離し、無水MgSOによって乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、次いで残渣をEtOH(80mL)及び水(30mL)の混合物に再溶解し、続いて塩化アンモニウム(10.7g、0.2mol)及び鉄粉末(7.84g、0.14mol)を添加した。次いで、反応物を2時間還流させた。室温まで冷却後、反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。酢酸エチル(200mL)及びブライン(200mL)を残渣に添加し、有機層を分離し、乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をISCOに供して、純粋な所望の化合物を得た。3.33gの褐色の油、収率:62%。H NMR(300 MHz,d6-DMSO)d 8.56(m,2H),7.54-8.22(m,3H),7.10-7.50(m,2H),7.02(br.s,2H),3.60-3.20(m,4H),2.35(s,3H).
【0146】
化合物3-5の合成。
化合物3-4(3.33g、12.4mmol)をDCM(100mL)に溶解し、トリエチルアミン(3.5mL、24.7mmol)を添加し、続いて触媒DMAP(302mg、2.47mmol)を添加した。次いで、混合物を0℃に冷却し、THF(10mL)中の塩化5-ブロモ-2-メトキシベンゼンスルホニル(3.86g、13.0mmol)を20分間かけてゆっくりと添加した。反応物を室温まで温め、一晩撹拌した。反応物を飽和NaHCO(50mL)によってクエンチし、酢酸エチル(100mL)を添加した。有機層を分離し、乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をISCOに供して、純粋な所望の化合物を得た。4.84gの薄黄色の泡、収率:76%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 7.94(d,J=2.45 Hz,1H),7.47-7.60(m,3H),7.29-7.36(m,2H),6.97(t,J=8.01 Hz,1H),6.80-6.92(m,2H),6.45(d,J=2.07 Hz,2H),6.33-6.40(m,1H),6.29(d,J=9.23 Hz,1H),4.21(br.s.,1H),4.00(s,3H),3.66(q,J=5.90 Hz,2H),3.32(t,J=5.65 Hz,2H),2.39(s,3H).
【0147】
宮浦ホウ素化反応のための一般手順:
ハロゲン化芳香族化合物(1.0当量)を1,4-ジオキサン(0.1M)に溶解し、ビス(ピナコラート)ジボロン(1.5当量)、続いてPdCl(dppf)(0.1当量)及びKOAc(2当量)を添加した。次いで、反応物を一晩90℃に加熱した。室温に冷却した後、反応混合物をセライトによって濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をISCOに供し、所望の生成物を得た。
【0148】
鈴木カップリング反応のための一般手順:
ボロン酸ピナコールエステル(1.0当量)、化合物2(1.0当量)、及びKCO(2.0当量)を、1,4-ジオキサン及び水の混合物(v/v=4:1、0.04M)に溶解した。混合物を脱気し、窒素で3回パージした。次いで、Pd(PPh(0.1当量)を添加し、反応物を90℃で1時間撹拌した。次いで、反応物を冷却し、ブラインでクエンチした。次いで、酢酸エチルを添加し、有機層を分離し、乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をISCOに供して、純粋な所望の生成物を得た。
【0149】
連続的な宮浦ホウ素化及び鈴木カップリング反応のための一般手順:
ハロゲン化芳香族化合物(1.0当量)を1,4-ジオキサン(0.1M)に溶解し、ビス(ピナコラート)ジボロン(1.5当量)、続いてPdCl(dppf)(0.1当量)及びKOAc(2当量)を添加した。次いで、反応物を6時間かけて90℃に加熱した。脱気水(1,4-ジオキサン/水:v/v=4:1)、続いてKCO(2.0当量)及びPd(PPh(0.1当量)を添加した。次いで、反応物を90℃で1時間撹拌し続けた。次いで、反応物を冷却し、ブラインでクエンチした。次いで、酢酸エチルを添加し、有機層を分離し、乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をISCOに供して、純粋な所望の生成物を得た。
【0150】
化合物3-6の合成。出発材料として化合物3-5を使用した宮浦ホウ素化反応についての一般手順に従って調製した収率:87%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.29(d,J=1.51 Hz,1H),8.15-8.27(m,1H),7.85-7.95(m,1H),7.45-7.65(m,2H),7.28-7.34(m,2H),6.89-7.00(m,3H),6.84(s,1H),6.20-6.53(m,3H),4.10-4.22(m,1H),4.03(s,3H),3.64(d,J=6.03 Hz,2H),3.33(br.s.,2H),2.34-2.41(m,3H),1.26-1.31(m,12H).
【0151】
表2における化合物12、表3における19~27、及び表5における31~40を、出発材料として化合物3-6及び対応するハロゲン化芳香族アミドを使用した鈴木カップリング反応についての一般手順に従って調製した。
【0152】
化合物12、収率:78%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.12(d,J=2.26 Hz,1H),7.69(dd,J=2.45,8.67 Hz,1H),7.57(br.s.,3H),7.46-7.54(m,2H),7.42(t,J=7.54 Hz,1H),7.30-7.35(m,1H),7.23(s,1H),7.14(br.s.,1H),7.04(d,J=8.85 Hz,1H),6.93(t,J=8.01 Hz,1H),6.85(s,1H),6.42-6.49(m,1H),6.32(d,J=8.10 Hz,1H),6.23(d,J=7.72 Hz,1H),4.37-4.50(m,1H),4.04(s,3H),3.61(q,J=5.97 Hz,2H),3.21(t,J=5.56 Hz,2H),2.99-3.16(m,6H),2.34(s,3H).
【0153】
化合物19、収率:78%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.64(d,J=4.90 Hz,1H),8.43(d,J=2.45 Hz,1H),8.25(dd,J=2.35,8.76 Hz,1H),7.67(s,1H),7.55(s,1H),7.47(d,J=6.59 Hz,1H),7.33-7.20(m,2H),7.15(dd,J=1.41,4.99 Hz,1H),7.08(d,J=8.85 Hz,1H),6.91-6.98(m,2H),6.84-6.90(m,1H),6.46-6.52(m,1H),6.31(d,J=8.10 Hz,1H),6.23(d,J=9.04 Hz,1H),4.27-4.44(m,1H),4.07(s,3H),3.61(d,J=5.46 Hz,2H),3.25(t,J=5.56 Hz,2H),3.15(s,3H),2.98(s,3H),2.35(s,3H).
【0154】
化合物20、収率:80%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.78(d,J=2.26 Hz,1H),8.60(d,J=1.88 Hz,1H),8.08(d,J=2.45 Hz,1H),7.89(t,J=2.17 Hz,1H),7.70(dd,J=2.45,8.67 Hz,1H),7.57(s,1H),7.50(d,J=6.41 Hz,1H),7.09(d,J=8.67 Hz,1H),6.95-7.03(m,1H),6.86-6.95(m,1H),6.46-6.51(m,1H),6.34(d,J=8.10 Hz,1H),6.25(d,J=7.72 Hz,1H),4.07(s,3H),3.60-3.70(m,2H),3.26(t,J=5.75 Hz,2H),3.15(s,3H),3.06(s,3H),2.35(s,3H).
【0155】
化合物21、収率:83%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.59(d,J=5.27 Hz,1H),8.19(d,J=2.26 Hz,1H),7.77(d,J=2.07 Hz,1H),7.74(d,J=2.45 Hz,1H),7.58(s,1H),7.51(d,J=6.41 Hz,1H),7.47(dd,J=1.88,5.27 Hz,1H),7.08(d,J=8.67 Hz,1H),6.92(t,J=8.01 Hz,1H),6.86(s,1H),6.48(s,1H),6.32(d,J=8.29 Hz,1H),6.20(d,J=9.23 Hz,1H),4.43-4.59(m,1H),4.07(s,3H),3.61-3.71(m,2H),3.24(t,J=5.56 Hz,2H),3.15(d,J=3.58 Hz,6H),2.34(s,3H).
【0156】
化合物22、収率:85%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.58(d,J=2.45 Hz,1H),8.15(d,J=8.67 Hz,1H),7.77(d,J=7.72 Hz,1H),7.70(s,1H),7.56(s,1H),7.48(d,J=6.41 Hz,2H),7.06(d,J=8.85 Hz,1H),6.86-6.98(m,1H),6.82(s,2H),6.46(s,1H),6.21-6.35(m,2H),4.28-4.44(m,1H),4.06(s,3H),3.57(d,J=5.65 Hz,2H),3.22(d,J=5.46 Hz,2H),3.17(s,3H),3.11(s,3H),2.37(s,3H).
【0157】
化合物23、収率:68%。H NMR(クロロホルム-d ,300MHz): d=8.01-8.04(m,1 H),7.62-7.68(m,1 H),7.55(d,J=1.5 Hz,2 H),7.47-7.52(m,1 H),7.45(s,1 H),7.30(s,2 H),7.00-7.05(m,1 H),6.91-6.99(m,1 H),6.79-6.83(m,1 H),6.58-6.66(m,1 H),6.46-6.50(m,1 H),6.31-6.37(m,1 H),6.24-6.30(m,1 H),4.21-4.34(m,1 H),4.05(s,3 H),3.25-3.33(m,2 H),3.10-3.24(m,2 H),2.38 ppm(s,3 H).
【0158】
化合物24、収率:88%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.08(d,J=2.26 Hz,1H),7.64(dd,J1=2.35 Hz,J2=8.57 Hz,1H),7.56(s,1H),7.46-7.52(m,1H),7.35(s,1H),7.33-7.34(m,1H),6.99(d,J=8.67 Hz,1H),6.92(d,J=8.29 Hz,1H),6.83-6.88(m,1H),6.81(s,1H),6.48(s,1H),6.30-6.37(m,1H),6.21-6.27(m,1H),4.34-4.47(m,1H),4.04(s,3H),3.64(d,J=5.84 Hz,2H),3.26(s,2H),3.11(br.s.,6H),2.37(s,3H).
【0159】
化合物25、収率:70%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.31(d,J=2.26 Hz,1H),7.99-8.07(m,1H),7.63-7.73(m,1H),7.57(s,1H),7.51-7.56(m,1H),7.45-7.50(m,2H),7.28-7.33(m,2H),7.06(d,J=8.67 Hz,1H),6.95(m,1H),6.84(s,1H),6.48(s,1H),6.37-6.43(m,1H),4.08(s,3H),3.57-3.67(m,5H),3.24-3.33(m,2H),3.17(s,3H),2.38(s,3H).
【0160】
化合物26、収率:63%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.03(d,J=2.26 Hz,1H),7.46-7.59(m,5H),7.28-7.34(m,2H),6.91-7.01(m,2H),6.73-6.85(m,2H),6.50-6.58(m,1H),6.44(s,1H),6.24-6.38(m,2H),4.13-4.32(m,1H),4.04(s,3H),3.65(d,J=5.84 Hz,2H),3.29(s,2H),3.14(s,3H),3.04(s,3H),2.39(s,3H).
【0161】
化合物27、収率:67%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 7.64(d,J=2.26 Hz,1H),7.58(s,1H),7.52(br.s.,1H),7.28-7.36(m,3H),6.95(t,J=8.01 Hz,1H),6.89(d,J=8.29 Hz,1H),6.83(s,1H),6.67-6.75(m,1H),6.43(s,1H),6.35(s,1H),6.28(d,J=7.54 Hz,1H),3.98(s,3H),3.64(d,J=5.65 Hz,2H),3.30(t,J=5.75 Hz,2H),2.81-2.92(m,8H),2.49-2.57(m,2H),2.39(s,3H).
【0162】
化合物31、収率:72%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.12(d,J=2.26 Hz,1H),7.69(dd,J1=2.35 Hz,J2=8.57 Hz,1H),7.58(br.s.,3H),7.53(s,2H),7.38-7.47(m,2H),7.30-7.37(m,2H),7.15(br.s.,2H),7.04(d,J=8.67 Hz,1H),6.93(t,J=8.01 Hz,2H),6.46(s,1H),6.32(d,J=7.91 Hz,1H),6.23(d,J=9.23 Hz,1H),4.04(s,3H),3.65-3.74(m,1H),3.55-3.64(m,2H),3.31-3.42(m,1H),3.17-3.26(m,2H),3.11(br.s.,1H),3.04(br.s.,2H),2.61-2.71(m,1H),2.41-2.50(m,1H),2.34(s,6H),2.08(br.s.,3H).
【0163】
化合物32、収率:75%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.14(d,J=2.45 Hz,1H),8.02(s,1H),7.78-7.84(m,1H),7.66-7.73(m,2H),7.63(s,1H),7.55(br.s.,2H),7.49(d,J=3.20 Hz,2H),7.20(br.s.,2H),7.04(d,J=8.67 Hz,1H),6.93(t,J=7.91 Hz,2H),6.55(s,1H),6.31(d,J=8.10 Hz,1H),6.23(d,J=6.22 Hz,1H),4.03(s,3H),3.65(d,J=5.65 Hz,2H),3.47-3.58(m,2H),3.26(br.s.,2H),2.57(t,J=5.75 Hz,1H),2.52(d,J=6.03 Hz,1H),2.31(s,6H),2.25(s,3H).
【0164】
化合物33、収率:78%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.36-8.40(m,1H),8.24-8.33(m,2H),8.18-8.22(m,1H),7.70-7.76(m,1H),7.59-7.62(m,1H),7.56-7.59(m,1H),7.53-7.56(m,1H),7.50-7.52(m,1H),7.47-7.50(m,1H),7.44-7.47(m,1H),7.30-7.39(m,2H),7.21(s,1H),7.18(s,1H),7.02-7.07(m,1H),6.89-6.96(m,1H),6.79-6.83(m,1H),6.49-6.58(m,2H),6.27-6.33(m,1H),6.14-6.22(m,1H),4.04(s,3H),3.90(s,3H),3.63-3.73(m,2H),3.23-3.35(m,2H),2.28(s,3H).
【0165】
化合物34、収率:3ステップで56%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.13(br.s.,1H),7.48-7.75(m,5H),7.30-7.46(m,6H),6.99-7.21(m,3H),6.93(t,J=7.91 Hz,1H),6.85(s,1H),6.45(s,1H),6.32(d,J=8.10 Hz,1H),6.23(d,J=7.72 Hz,1H),4.49-4.82(m,2H),4.04(s,3H),3.58(br.s.,2H),3.21(br.s.,2H),2.76-3.11(m,3H),2.33(br.s.,3H).
【0166】
化合物35、収率:84%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.56-8.69(m,1H),8.00-8.17(m,1H),7.67-7.77(m,2H),7.47-7.66(m,5H),7.42(br.s.,3H),7.01-7.13(m,2H),6.93(t,J=8.01 Hz,1H),6.84(br.s.,1H),6.46(s,1H),6.32(d,J=8.10 Hz,1H),6.17-6.27(m,1H),4.88(s,1H),4.62(s,1H),4.04(br.s.,3H),3.59(br.s.,2H),3.21(br.s.,2H),3.09(d,J=15.82 Hz,3H),2.34(br.s.,3H).
【0167】
化合物36、収率:62%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.52-8.60(m,1H),8.14(d,J=2.45 Hz,1H),8.04(s,1H),7.78(d,J=7.72 Hz,2H),7.61-7.72(m,3H),7.44-7.56(m,3H),7.06-7.14(m,1H),6.98-7.05(m,2H),6.88-6.98(m,1H),6.55(s,1H),6.27-6.36(m,1H),6.19-6.26(m,1H),4.72(d,J=4.90 Hz,2H),4.25-4.48(m,1H),4.00(s,3H),3.65(d,J=5.46 Hz,2H),3.29(br.s.,2H),2.30(s,3H).
【0168】
化合物37、収率:68%。H NMR(300 MHz,メタノール-d)d 8.40-8.62(m,1H),7.86-8.07(m,1H),7.31(s,12H),7.10-7.23(m,1H),6.84-6.92(m,1H),6.45-6.51(m,1H),6.35-6.42(m,1H),6.24-6.35(m,1H),3.99(s,3H),3.40-3.48(m,2H),3.21(m,2H),2.94-3.08(m,3H),2.36(s,3H).
【0169】
化合物38(RTIOX-43)、収率:80%。H NMR(300 MHz,メタノール-d)d 8.43-8.57(m,2H),7.91-8.09(m,1H),7.62-7.86(m,2H),7.49-7.60(m,3H),7.37-7.47(m,2H),7.23-7.37(m,3H),7.10-7.23(m,1H),6.83-6.94(m,1H),6.43-6.52(m,1H),6.35-6.42(m,1H),6.26-6.35(m,1H),3.92-4.02(m,3H),3.36-3.49(m,2H),3.15-3.24(m,3H),2.88-3.13(m,4H),2.36(s,3H)
【0170】
化合物39、収率:85%。H NMR(300 MHz,メタノール-d)d 8.25(dd,J1=159.0 Hz,J2=3.0 Hz,1H),7.95(d,J=33.0 Hz,1H),7.73-7.84(m,1H),7.58(dd,J1=63.0 Hz,J2=9.0 Hz,1H),7.18-7.62(m,9H),7.03(t,J=6.0 Hz,1H),6.91(t,J=6.0 Hz,1H),6.48-6.83(m,2H),6.42(t,J=9.0 Hz,1H),6.26-6.36(m,1H),4.03(d,J=12.0 Hz,3H),3.91(t,J=6.0 Hz,1H),3.71(t,J=6.0 Hz,1H),3.35-3.58(m,2H),3.08-3025(m,7H),2.37(s,3H).
【0171】
化合物40、収率:70%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.55(br.s.,1H),8.25-8.36(m,1H),7.95-8.11(m,1H),7.30-7.75(m,6H),6.68-7.22(m,8H),6.49(br.s.,1H),6.31(br.s.,2H),4.04(s,3H),3.83(br.s.,1H),3.59(br.s.,4H),3.12-3.29(m,3H),3.03(br.s.,1H),2.90(br.s.,3H),2.34(s,3H).
【0172】
化合物28、29、及び30の合成のための一般手順:
フッ素化アミノピリジン(1.0当量)をエチレンジアミン(10.0当量)と混合し、密封チューブ中で一晩150℃に加熱した。次いで、揮発性物質を減圧下で除去した。次いで、残渣をDCMに懸濁し、DIPEA(5当量)を添加した。別の丸底フラスコにおいて、DCM(1.0M)中の3-メチル安息香酸(1.0当量)を充填し、続いて1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)(1.0当量)を添加した。混合物を15分間撹拌した後、それを上記懸濁液に添加した。反応を一晩続け、溶媒を減圧下で除去して、粘着性の油を得、これをISCOに直接供して中間体4-2を得た。
【0173】
化合物28の中間体4-2-1.H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 7.62-7.71(m,2H),7.24-7.34(m,3H),6.07(dd,J=2.07,7.16 Hz,1H),6.00(d,J=2.07 Hz,1H),3.75(br.s.,4H),3.54-3.62(m,2H),3.40-3.47(m,2H),2.40(s,3H).
【0174】
化合物29の中間体4-2-2は、更なる精製なしに次のステップで使用した。
【0175】
化合物30の中間体4-2-3.H NMR(300 MHz,メタノール-d)d 7.93-8.01(m,1H),7.90(s,1H),7.55-7.66(m,3H),7.27-7.33(m,2H),3.45-3.55(m,3H),2.86(s,3H).
【0176】
中間体4-2(1.0当量)を、DMF/THFの混合物(v/v=1:2、0.5M)に溶解し、続いて、トリエチルアミン(4.0当量)及び触媒DMAP(0.4当量)を添加した。混合物を0℃に冷却し、THF(0.5M)中の塩化5-ブロモ-2-メトキシベンゼンスルホニル(1.2当量)をゆっくり添加し、次いで、反応物を室温まで温め、一晩撹拌した。飽和NaHCOを添加して反応物をクエンチし、水相をDCMで抽出した。有機層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。次いで、溶媒を減圧下で除去し、残渣をISCOに供して、中間体4-3を得た。
【0177】
化合物28の中間体4-3-1.H NMR(300 MHz,メタノール-d)d 8.02(d,J=2.45 Hz,1H),7.61-7.67(m,1H),7.59(br.s.,4H),7.34(s,2H),7.01-7.07(m,1H),6.29-6.36(m,1H),6.26(s,1H),3.86(s,3H),3.46-3.55(m,2H),3.41(s,3H),2.38(s,3H).
【0178】
化合物29の中間体4-3-2は、更なる精製なしに次のステップで使用した。
【0179】
化合物30の中間体4-3-3.H NMR(300 MHz,メタノール-d)d 8.08(d,J=2.45 Hz,1H),7.59-7.65(m,1H),7.47-7.53(m,1H),7.39-7.44(m,1H),7.30(s,3H),6.95(s,1H),6.03-6.19(m,2H),3.81(s,3H),3.52(d,J=5.84 Hz,2H),3.46(d,J=5.65 Hz,2H),2.36(s,3H).
【0180】
次いで、中間体4-3を、連続的な宮浦ホウ素化及び鈴木カップリング反応のための一般手順に供し、対応するハロゲン化芳香族アミドを使用して化合物28、29、及び30を得た。
【0181】
化合物28、収率:2ステップで64%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.19(d,J=2.26 Hz,1H),7.93(br.s.,1H),7.73(d,J=2.26 Hz,2H),7.70(d,J=2.26 Hz,1H),7.60(br.s.,2H),7.56(s,2H),7.52(br.s.,1H),7.46(t,J=7.63 Hz,1H),7.34-7.38(m,1H),7.19-7.24(m,2H),7.02(d,J=8.67 Hz,1H),6.30(d,J=6.03 Hz,1H),6.24(s,1H),3.93(s,3H),3.54(br.s.,2H),3.45(br.s.,2H),3.14(s,3H),3.02(s,3H),2.32(s,3H).
【0182】
化合物29、収率:2ステップで61%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.10(d,J=2.45 Hz,1H),7.69(d,J=2.64 Hz,3H),7.51-7.62(m,6H),7.45(d,J=2.26 Hz,2H),7.31-7.38(m,1H),7.04(d,J=8.67 Hz,2H),6.82(s,1H),4.87-5.01(m,1H),4.04(s,3H),3.65(d,J=5.09 Hz,2H),3.14(m,5H),2.96-3.09(m,5H),2.32(s,3H).
【0183】
化合物30、収率:2ステップで70%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.21(d,J=2.26 Hz,1H),7.57-7.68(m,3H),7.53(s,1H),7.44-7.51(m,2H),7.35-7.41(m,2H),7.11-7.18(m,1H),7.06(d,J=7.72 Hz,1H),6.79(d,J=7.91 Hz,2H),6.64(d,J=8.85 Hz,1H),5.98(d,J=8.29 Hz,1H),3.61(s.,3H),3.38(br.s.,2H),3.23(br.s.,2H),3.16(s,3H),3.04(s,3H),2.20(s,3H).
【0184】
化合物41及び42の合成のための一般手順:
中間体3-4(539mg、2.0mmol)をDCM(20mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.56mL、4.0mmol)を添加した。次いで、触媒DMAP(25mg、0.4mmol)を導入し、反応混合物を0℃まで冷却した。この温度で、THF(10mL)中の5-ブロモ-2-メトキシベンゼンカルボン酸塩化物(499mg、2.0mmol)をゆっくりと添加した。次いで、反応物をこの温度で1時間撹拌し、一晩室温まで加温した。飽和重炭酸ナトリウム(50mL)を添加して反応物をクエンチし、反応物を酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を分離し、乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をISCOに供して、所望の生成物6-1を得た。(579mg、60%)
【0185】
化合物6-1.H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 9.61(s,1H),8.35(d,J=2.64 Hz,1H),7.47-7.62(m,3H),7.21-7.35(m,4H),7.12(t,J=8.01 Hz,1H),6.90(d,J=8.85 Hz,1H),6.75(d,J=7.91 Hz,1H),6.65(br.s.,1H),6.43(dd,J=1.70,8.10 Hz,1H),4.15-4.27(m,1H),4.02(s,3H),3.69(q,J=5.97 Hz,2H),3.32-3.50(m,2H),2.36(s,3H).
【0186】
化合物6-2を、出発材料として化合物6-1を使用した宮浦ホウ素化反応のための一般手順に従って合成した:
DZ14171-190(化合物5-2)、収率:>99%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 9.57(s,1H),8.70(d,J=1.51 Hz,1H),7.91(dd,J=1.60,8.19 Hz,1H),7.51-7.66(m,2H),7.42(s,1H),7.22-7.35(m,3H),7.12(t,J=8.01 Hz,1H),7.01(d,J=8.29 Hz,1H),6.73(d,J=7.91 Hz,1H),6.63(br.s.,1H),6.44(d,J=7.91 Hz,1H),4.05(s,3H),3.72(q,J=5.65 Hz,2H),3.37-3.52(m,2H),2.37(s,3H),1.33(s,12H).
【0187】
化合物41及び42を、出発材料として化合物6-2を使用した鈴木カップリング反応のための一般手順に従って合成した:
化合物41、収率:78%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 9.77(s,1H),8.53(d,J=2.26 Hz,1H),7.73(dd,J=2.45,8.48 Hz,1H),7.66(s,2H),7.58(s,1H),7.54(br.s.,1H),7.47(t,J=7.91 Hz,1H),7.34-7.42(m,3H),7.29(d,J=4.71 Hz,2H),7.09-7.21(m,3H),6.79(d,J=8.48 Hz,1H),6.46(d,J=8.10 Hz,2H),4.13-4.22(m,1H),4.10(s,3H),3.68-3.78(m,2H),3.47(t,J=5.75 Hz,3H),2.93-3.19(m,7H),2.38(s,3H).
【0188】
化合物42、収率:72%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 9.75(br.s.,1H),8.62(d,J=6.03 Hz,2H),8.40-8.57(m,1H),7.69(d,J=7.72 Hz,3H),7.36-7.60(m,5H),7.28-7.34(m,3H),7.06-7.22(m,3H),6.72-6.83(m,1H),6.46(d,J=7.91 Hz,1H),4.78(br.s.,2H),4.10(s,3H),3.74(q,J=5.84 Hz,2H),3.41-3.53(m,2H),2.90-3.16(m,3H),2.37(s,3H).
【0189】
化合物43及び44の合成のための一般手順:
3-ブロモ-5-フルロピリジン(1当量)をエチレンジアミン(20当量)に溶解し、反応物を一晩密封チューブ中で150℃に加熱した。室温まで冷却した後、揮発性物質を減圧下、80℃で除去した。次いで、残渣を酢酸エチルに再溶解し、炭酸カリウムを添加した。溶液を1時間撹拌し、濾過した。溶媒を減圧下で除去して粘着性の油を得、これをDCM(0.25M)に再溶解した。
【0190】
3-メチル安息香酸(1当量)及び1,1’-カルボニルジイミダゾール(1当量)を、DCM(0.1M)中で混合し、15分間撹拌した。混合物を上記溶液に滴下し、反応物を一晩撹拌した。ブラインを添加して反応物をクエンチし、反応物を酢酸エチルによって抽出した。次いで、有機層を分離し、乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をISCOによって精製して、化合物6-Bをオフホワイト固体として得た。
【0191】
中間体6-B、収率:59%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 7.98(d,J=1.70 Hz,1H),7.94(d,J=2.26 Hz,1H),7.59(s,1H),7.53(br.s.,1H),7.33(d,J=5.09 Hz,2H),7.04(t,J=2.17 Hz,1H),6.36-6.50(m,1H),4.57-4.74(m,1H),3.75(q,J=5.97 Hz,2H),3.38(d,J=5.65 Hz,2H),2.40(s,3H).
【0192】
化合物6-Dの合成。
N-Boc-エタノールアミン(1.3当量)をTHF(0.5M)に溶解し、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(1.03当量)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌し、3-ブロモ-5-ヒドロキシピリジン(1.0当量)を添加し、続いてトリフェニルホスフィン(1.5当量)を添加した。次いで、反応物を一晩撹拌した。次いで、反応物を0℃に冷却し、濃縮HCl(V反応混合物/V濃縮HCl=2:1)を添加した。反応物を室温まで温め、バブリングが終わるまで30分間撹拌した。次いで、酸性水溶液をDCMで3回洗浄した。水溶液を、炭酸カリウム(pH>10.0)によって塩基性にし、酢酸エチルを導入した。次いで、BocO(1.2当量)を添加し、反応物を2時間撹拌した。次いで、有機層を分離し、無水硫酸マグネシウムによって乾燥させた。濾過後、溶媒を減圧下で除去し、残渣をISCOによって精製して、化合物6-Cを得た。
【0193】
化合物6-C、白色の固体、収率:82%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.30(d,J=1.88 Hz,1H),8.24(d,J=2.45 Hz,1H),7.37(t,J=2.17 Hz,1H),4.88-5.08(m,1H),4.06(t,J=5.09 Hz,2H),3.55(q,J=5.27 Hz,2H),1.46(s,9H).
【0194】
化合物6-C(1当量)を4N HClで処理して、化合物6-Dを得た。3-メチル安息香酸(1当量)及び1,1’-カルボニルジイミダゾール(1当量)を、DCM(0.1M)中で混合し、15分間撹拌した。中間体6-D(1当量)を添加し、反応物を一晩撹拌した。ブラインを添加して反応物をクエンチし、反応物を酢酸エチルによって抽出した。次いで、有機層を分離し、乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、化合物6-Eを得、これを更なる精製なしに次のステップにおいて使用した。
【0195】
市販のチオセミカルバジド(1.0当量)及び5-ブロモ-2-メトキシ安息香酸(1.0当量)を、POCl(14.0当量)中で混合し、反応物を75℃で30分間加熱した。室温まで冷却後、水(VH2O/VPOCl3=4:1)をゆっくりと添加し、反応物を4時間還流させた。室温まで冷却した後、混合物を、撹拌下での50%NaOH溶液の滴下によってpH8.0に塩基性化した。沈殿物を濾過によって収集して、純粋な化合物6-3を白色の固体として得た。
【0196】
化合物6-3、収率:76%。H NMR(300 MHz,DMSO-d)d 8.18(d,J=2.64 Hz,1H),7.55-7.63(m,1H),7.30(s,2H),7.20(s,1H),3.93(s,3H).
【0197】
化合物6-5を、出発材料として化合物6-3を使用した連続的な宮浦ホウ素化及び鈴木カップリング反応のための一般手順に従って合成した:
化合物6-5、収率:2ステップで56%。H NMR(300 MHz,DMSO)d 8.50-8.63(m,2H),8.26-8.47(m,1H),7.74-7.84(m,2H),7.47-7.64(m,2H),7.16-7.42(m,5H),4.51-4.86(m,2H),3.99(s,3H),2.92-2.99(m,3H).
【0198】
化合物43及び44の合成のための一般手順:
窒素下、化合物6-5(1.0当量)、t-BuBrettphos(0.132当量)、Pd(dba)(0.03当量)、及び炭酸カリウム(1.4当量)を、密封チューブにおいて混合した。次いで、化合物6-B又は化合物6-E(1.0当量)、続いて無水t-BuOH(0.1M)を導入した。次いで、反応混合物を脱気し、窒素で3回再充填した。次いで、反応物を密封し、一晩100℃に加熱した。室温まで冷却した後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、濾過した。次いで、濾液を水及びブラインで洗浄した。有機層を乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。次いで、残渣をISCOによって精製して、所望の生成物を得た。
【0199】
化合物43、オフホワイトの固体、収率:71%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.60(d,J=5.27 Hz,3H),8.18(s,1H),8.10(s,1H),7.93(d,J=2.26 Hz,1H),7.56-7.80(m,5H),7.35-7.55(m,3H),7.32(br.s.,2H),7.06(s,3H),4.80(br.s.,2H),4.26(t,J=5.18 Hz,2H),4.01(br.s.,3H),3.88(t,J=5.18 Hz,2H),2.94-3.18(m,3H),2.39(s,3H).
【0200】
化合物44、オフホワイトの固体、収率:68%。H NMR(300 MHz,CDCl)d 10.42(br.s.,1H),8.47-8.74(m,2H),7.75-8.43(m,1H),7.29-7.74(m,8H),6.78-7.26(m,8H),4.30-5.09(m,3H),3.62-4.03(m,3H),3.45-3.62(m,2H),3.37(br.s.,2H),2.86-3.19(m,3H),2.31(s,3H).
【0201】
化合物7-Aの合成:
塩化5-ブロモ-2-メトキシベンゼンスルホニル(2.85g、10.0mmol)をアセトニトリル(25mL)に溶解し、水酸化アンモニウム溶液(4mL)を0℃で添加した。次いで、反応物を室温まで加温し、2時間撹拌した。水(50mL)を添加し、白色の沈殿物を濾過によって収集し、一晩空気中で乾燥させた。
【0202】
化合物7-A、2.66gの白色の固体、収率:100%。H NMR(300 MHz,メタノール-d)d 7.91(d,J=2.45 Hz,1H),7.69(dd,J=2.64,8.85 Hz,4H),7.14(d,J=8.85 Hz,2H),3.87-4.03(m,6H).
【0203】
化合物7-5の合成のための一般手順:
化合物7-A(1.0当量)を無水ベンゼン(0.8M)に懸濁し、対応する置換塩化メチルマロニル(1.0当量)を添加した。次いで、混合物を一晩還流させた。次いで、溶媒を除去し、残渣(化合物6-2)を更なる精製なしに次のステップにおいて使用した。
【0204】
化合物7-1(1.0当量)をMeOH/THF/水の混合物(v/v/v=15:5:3、0.2M)に溶解し、LiOH・HO(6.0当量)を添加した。次いで、反応物を室温で2時間撹拌した。2N HCl(10当量)を添加して反応物をクエンチし、反応物を酢酸エチルによって抽出した。次いで、有機層を分離し、乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、典型的には白色の固体(化合物7-2)を得、これを更なる精製なしに次のステップにおいて使用した。
【0205】
化合物7-2(1.0当量)をDCM(0.1M)に懸濁し、1,1’-カルボニルジイミダゾール(1.0当量)を添加した。混合物が均質になるまで、反応物を室温で1時間撹拌した。次いで、N-Boc-エチレンジアミン(1.2当量)を一度に添加し、反応物を一晩撹拌した。1N HCl(10当量)を添加して反応物をクエンチし、反応物を酢酸エチルによって抽出した。次いで、有機層を分離し、乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、中間体7-3を得、これをジオキサン(20当量)中の4N HClで30分間処理した。次いで、溶媒を除去して、中間体7-4を得、これを更なる精製なしに次のステップにおいて使用した。
【0206】
3-メチル安息香酸(1当量)及び1,1’-カルボニルジイミダゾール(1当量)を、DCM(0.1M)中で混合し、15分間撹拌した。最後のステップからの中間体7-4をDCM(0.1M)に懸濁し、そこに上記の反応混合物を滴下した。次いで、反応物を室温で一晩撹拌した。1N HCl(10当量)を添加して反応物をクエンチし、反応物を酢酸エチルによって抽出した。次いで、有機層を分離し、乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、化合物7-5を得た。
【0207】
化合物47及び48の中間体7-5-1、収率:5ステップで21%。H NMR(300 MHz,メタノール-d)d 8.00(d,J=2.45 Hz,1H),7.73(dd,J=2.54,8.95 Hz,1H),7.51-7.64(m,2H),7.25-7.39(m,2H),7.12(d,J=8.85 Hz,1H),3.87-3.98(m,3H),3.45(d,J=5.84 Hz,2H),3.39(d,J=5.46 Hz,2H),3.20-3.27(m,2H),2.39(s,3H).
【0208】
化合物49及び50の中間体7-5-2:収率:5ステップで19%。H NMR(300 MHz,メタノール-d)d 7.93-8.02(m,1H),7.74(dd,J=2.54,8.95 Hz,1H),7.51-7.66(m,2H),7.34(d,J=5.65 Hz,2H),7.11(d,J=9.04 Hz,1H),3.85-3.97(m,3H),3.45-3.56(m,2H),3.43(d,J=5.65 Hz,2H),2.29-2.43(m,3H),1.38-1.54(m,4H).
【0209】
化合物53及び54の中間体7-5-3:収率:5ステップで25%。H NMR(300 MHz,メタノール-d)d 7.82(d,J=2.64 Hz,1H),7.56-7.75(m,3H),7.27-7.40(m,2H),7.16(d,J=8.85 Hz,1H),4.01(s,3H),3.51-3.60(m,2H),3.33-3.41(m,2H),2.38(s,3H),1.80(br.s.,4H),1.32(d,J=17.52 Hz,4H),1.17(br.s.,2H).
【0210】
化合物47、48、49、50、53、及び54を、出発材料として化合物7-5を使用した連続的な宮浦ホウ素化及び鈴木カップリング反応のための一般手順に従って合成した:
化合物47、収率:2ステップで70%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.19(m,1H),7.72(d,J=7.54 Hz,2H),7.50-7.67(m,6H),7.42(m,1H),7.34(m,1H),7.20(m,1H),7.01(d,J=8.67 Hz,2H),3.91(s,3H),3.51(br.s.,2H),3.41(br.s.,2H),3.23(m,2H),3.07-3.14(m,3H),2.98(m,3H),2.33(m,3H).
【0211】
化合物48、収率:2ステップで61%。H NMR(300 MHz,メタノール-d)d 8.49-8.60(m,2H),8.10-8.28(m,1H),7.84-7.96(m,1H),7.61(s,10H),7.27(s,4H),4.42-4.79(m,2H),3.99(s,3H),3.65-3.78(m,1H),3.43(s,2H),3.39(d,J=5.46 Hz,2H),3.17-3.26(m,1H),3.03(br.s.,3H),2.34(s,3H).
【0212】
化合物49、収率:2ステップで65%。H NMR(300 MHz,メタノール-d)d 8.13-8.21(m,1H),7.82-7.93(m,1H),7.69-7.76(m,2H),7.62-7.68(m,2H),7.56-7.61(m,1H),7.51-7.55(m,1H),7.36-7.44(m,1H),7.33(s,1H),7.20-7.29(m,1H),3.93(s,3H),3.40-3.55(m,4H),3.13(s,3H),3.03(s,3H),2.37(s,3H),1.43(s,4H).
【0213】
化合物50、収率:2ステップで58%。H NMR(300 MHz,メタノール-d)d 8.46-8.61(m,2H),8.10-8.25(m,1H),7.69-7.94(m,3H),7.54-7.67(m,3H),7.41-7.53(m,2H),7.27-7.40(m,3H),7.06-7.27(m,1H),4.52-4.80(m,2H),3.91(s,3H),3.42-3.56(m,4H),3.02-3.14(m,3H),2.35(s,3H),1.31(d,J=6.59 Hz,4H).
【0214】
化合物53、収率:2ステップで76%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.04(d,J=2.26 Hz,1H),7.74-7.82(m,1H),7.62-7.72(m,3H),7.53-7.60(m,2H),7.46-7.51(m,1H),7.43(s,1H),7.34(d,J=7.72 Hz,2H),7.13(d,J=8.85 Hz,1H),7.04-7.10(m,1H),5.50(s,1H),4.09(s,3H),3.63(br.s.,2H),3.40(br.s.,2H),3.14(br.s.,3H),3.02(br.s.,3H),2.34(s,3H),1.84(br.s.,4H),1.46(br.s.,4H),0.83-0.93(m,2H).
【0215】
化合物54、収率:2ステップで69%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.62(d,J=5.46 Hz,2H),7.90-8.11(m,1H),7.52-7.87(m,5H),7.30-7.52(m,3H),7.28-7.30(m,1H),7.25(br.s.,2H),7.10(d,J=16.58 Hz,3H),5.52(s,1H),4.47-4.85(m,2H),4.09(s,3H),3.64(br.s.,2H),3.43(br.s.,2H),2.98(br.s.,3H),2.34(s,3H),1.72-1.99(m,4H),1.45(br.s.,4H),1.05(br.s.,2H).
【0216】
化合物45、46、51、及び52の合成のための一般手順:
3-メチル安息香酸(1当量)をDCM(0.1M)に溶解し、1,1’-カルボニルジイミダゾール(1.0当量)を添加した。次いで、反応物を室温で15分間撹拌し、その後N-Boc-エチレンジアミン(1.2当量)を添加した。反応物を一晩撹拌した。1N HCl(10当量)を添加して反応物をクエンチし、反応物を酢酸エチルによって抽出した。次いで、有機層を分離し、乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して中間体7-Bを得、これをジオキサン(20当量)中の4N HClで処理して中間体7-Cを得た。
【0217】
異なる長さのアルキル鎖を有するN-Boc-アミノ酸(1.0当量)をDCM(0.1M)に溶解し、1,1’-カルボニルジイミダゾール(1.0当量)を添加した。次いで、反応物を室温で15分間撹拌し、その後、最後のステップからの中間体7-C、続いてDIPEA(3.0当量)を添加した。反応物を一晩撹拌した。1N HCl(10当量)を添加して反応物をクエンチし、反応物を酢酸エチルによって抽出した。次いで、有機層を分離し、乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して中間体7-Dを得、これをジオキサン中の4N HCl(20当量)で処理して中間体7-E又は7-Fを得た。
【0218】
0℃で、中間体7-E又は7-F(1当量)をDCM(0.1M)に懸濁し、トリエチルアミン(4.0当量)を添加した。次いで、触媒DMAP(0.4当量)を導入した。この温度で、THF(10mL)中の塩化5-ブロモ-2-メトキシベンゼンスルホニル(1.0当量)をゆっくりと添加した。次いで、反応物をこの温度で1時間撹拌し、一晩室温まで加温した。飽和重炭酸ナトリウム(50mL)を添加して反応物をクエンチし、反応物を酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を分離し、乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をISCOに供して、所望の生成物7-7を得た。
【0219】
化合物51及び52の中間体7-7-1:収率:5ステップで25%。H NMR(300 MHz,メタノール-d)d 7.93-8.02(m,1H),7.74(dd,J=2.54,8.95 Hz,1H),7.51-7.66(m,2H),7.34(d,J=5.65 Hz,2H),7.11(d,J=9.04 Hz,1H),3.85-3.97(m,3H),3.45-3.56(m,2H),3.43(d,J=5.65 Hz,2H),2.29-2.43(m,3H),1.38-1.54(m,4H).
【0220】
化合物45及び46の中間体7-7-2:収率:5ステップで28%。H NMR(300 MHz,メタノール-d)d 7.82(d,J=2.64 Hz,1H),7.56-7.75(m,3H),7.27-7.40(m,2H),7.16(d,J=8.85 Hz,1H),4.01(s,3H),3.51-3.60(m,2H),3.33-3.41(m,2H),2.38(s,3H),1.80(br.s.,4H),1.32(d,J=17.52 Hz,4H),1.17(br.s.,2H).
【0221】
化合物45、46、51、及び52を、出発材料として中間体7-7を使用した連続的な宮浦ホウ素化及び鈴木カップリング反応のための一般手順に従って合成した:
化合物45、収率:2ステップで60%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.10(d,J=2.26 Hz,1H),7.75(dd,J=2.35,8.57 Hz,1H),7.50-7.65(m,4H),7.40-7.50(m,1H),7.37(d,J=7.54 Hz,1H),7.29(d,J=4.33 Hz,2H),7.00-7.14(m,2H),6.61(br.s.,1H),5.91(t,J=6.40 Hz,1H),3.95-4.03(m,3H),3.57(br.s.,2H),3.46(d,J=5.09 Hz,2H),2.95-3.26(m,8H),2.32-2.47(m,5H).
【0222】
化合物46、収率:2ステップで70%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.61(br.s.,2H),8.12(br.s.,1H),7.36-7.85(m,7H),7.29(d,J=4.71 Hz,3H),6.94-7.20(m,3H),6.56(br.s.,1H),5.91(br.s.,1H),4.49-4.86(m,2H),4.00(s,3H),3.59(br.s.,2H),3.49(br.s.,2H),2.93-3.25(m,5H),2.42(t,J=5.65 Hz,2H),2.37(s,3H).
【0223】
化合物51、収率:2ステップで62%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.07(d,J=2.26 Hz,1H),7.73-7.82(m,1H),7.62(s,1H),7.50-7.59(m,3H),7.44(s,1H),7.36(s,1H),7.29(br.s.,1H),7.14-7.23(m,1H),7.10(d,J=8.67 Hz,3H),5.78(s,1H),4.02(s,3H),3.57(d,J=5.84 Hz,4H),3.45(br.s.,2H),2.95-3.18(m,6H),2.37(s,3H).
【0224】
化合物52、収率:2ステップで68%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.61(br.s.,2H),7.70-8.18(m,2H),7.52-7.68(m,4H),7.42(br.s.,3H),7.17(br.s.,4H),5.81(s,1H),4.51-4.84(m,2H),4.01(br.s.,3H),3.40-3.65(m,6H),2.91-3.20(m,3H),2.37(s,3H).
【0225】
化合物33、34、35、及び36の合成のための一般手順:
3-メチル安息香酸(1当量)及び1,1’-カルボニルジイミダゾール(1当量)を、DCM(0.1M)中で混合し、15分間撹拌した。異なるサイズを有するシクロアミンアルコール(1当量)を添加し、反応物を一晩撹拌した。1N HCl(10当量)を添加して反応物をクエンチし、反応物を酢酸エチルによって抽出した。次いで、有機層を分離し、乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、中間体8-Aを得、これを更なる精製なしに次のステップにおいて使用した。
【0226】
中間体8-A(1当量)をDMF(0.25M)に溶解し、溶液を0℃に冷却した。NaH(油中60%、1.2当量)を、内部温度が10℃を超えない速度でいくつかの部分に分けて添加した。0℃で30分間撹拌した後、DMF(0.5M)中の3-ブロモ-5-フルオロピリジン(1.0当量)を滴下し、反応物を室温まで温め、一晩撹拌した。反応物を水によってクエンチし、酢酸エチルを添加した。次いで、有機層を分離し、乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、粘着性の油を得、これをISCOによって精製して、所望の生成物を得た。
【0227】
化合物56の中間体8-B-1、収率:2ステップで53%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.35(d,J=1.88 Hz,1H),8.12(d,J=2.45 Hz,1H),7.47(s,1H),7.40(d,J=3.96 Hz,1H),7.28-7.35(m,2H),7.23(t,J=2.17 Hz,1H),4.95-5.08(m,1H),4.63(dd,J=6.50,10.08 Hz,2H),4.31(br.s.,2H),2.39(s,3H).
【0228】
化合物57の中間体8-B-2、収率:2ステップで52%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.28-8.37(m,1H),8.12-8.28(m,1H),7.27-7.42(m,4H),7.19-7.26(m,1H),4.86-5.08(m,1H),3.55-4.09(m,4H),2.33-2.43(m,3H),2.06-2.31(m,2H).
【0229】
化合物58の中間体8-B-3、収率:2ステップで60%。H NMR(300 MHz,CDCl)d 8.03-8.36(m,2H),7.20(br.s.,5H),4.32(br.s.,2H),3.59(br.s.,3H),2.32(br.s.,3H),1.98(br.s.,4H).
【0230】
化合物8-2を、出発材料として化合物7-Aを使用した連続的な宮浦ホウ素化及び鈴木カップリング反応のための一般手順に従って合成した:
化合物8-2、オフホワイトの固体、収率:2ステップで93%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.46-8.63(m,2H),7.87-8.10(m,2H),7.64-7.81(m,2H),7.42-7.61(m,2H),7.24-7.41(m,3H),7.03-7.22(m,2H),4.64-4.79(m,1H),4.45-4.63(m,1H),3.95(s,3H),2.83-3.02(m,3H).
【0231】
化合物55、56、57、及び58の合成のための一般手順:
化合物8-2(1当量)を密封チューブに入れた。tBuXphos(0.1当量)、続いて化合物6-C又は化合物8-B(1当量)を導入した。次いで、炭酸セシウム(2.4当量)を添加し、続いて1,4-ジキソアン(0.1M)を注射した。次いで、混合物を脱気し、窒素で3回再充填した。次いで、Pd(dba)(0.05当量)を添加した。次いで、チューブを密封し、一晩100℃まで加熱した。室温まで冷却した後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、濾過した。次いで、濾液を水及びブラインで洗浄した。有機層を乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。残渣をISCOによって精製し、所望の生成物を得た。化合物55、収率:62%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.62(d,J=6.03 Hz,2H),8.04(d,J=2.64 Hz,2H),7.85(d,J=2.07 Hz,1H),7.78(s,1H),7.49-7.63(m,4H),7.35-7.48(m,2H),7.29(br.s.,2H),6.99-7.22(m,3H),6.75-6.91(m,1H),4.49-4.80(m,2H),4.13(t,J=6.0 Hz,2H),4.07(br.s.,3H),3.83(dd,J=6.0 Hz,J=3.0 Hz,2H),2.91-.3.15(m,3H),2.37(s,3H).
【0232】
化合物56、収率:78%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.64(m,2H),7.66-8.15(m,4H),7.29-7.65(m,7H),7.01-7.26(m,6H),4.69-5.04(m,2H),4.53(br.s.,1H),4.01-4.18(m,3H),3.83-3.99(m,1H),3.51-3.80(m,4H),2.88-3.20(m,3H),2.28-2.40(m,3H),2.07-2.24(m,2H).
【0233】
化合物57、収率:59%。
【0234】
H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.62(d,J=5.65 Hz,2H),7.65-8.15(m,4H),7.30-7.64(m,5H),6.90-7.25(m,8H),4.50-4.85(m,2H),4.25-4.40(m,1H),4.09(br.s.,3H),3.30-3.70(m,3H),2.88-3.15(m,3H),2.05-2.45(m,7H).
【0235】
化合物58、収率:69%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.62(d,J=5.09 Hz,2H),7.94-8.09(m,1H),7.90(s,2H),7.33-7.82(m,9H),7.28-7.32(m,2H),6.68-7.20(m,3H),4.98(br.s.,1H),4.77(br.s.,1H),4.57(br.s.,3H),4.30(br.s.,1H),4.19(br.s.,1H),4.07(br.s.,3H),2.91-3.20(m,3H),2.37(s,3H).
【0236】
化合物59を、出発材料として化合物3-6を使用した連続的な宮浦ホウ素化及び鈴木カップリング反応のための一般手順に従って合成した(この手順によって化合物38も得ることができる):
化合物59(RTIOX-45)、収率:2ステップで58%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.61(d,J=6.41 Hz,1H),8.56(d,J=6.03 Hz,1H),8.33(d,J=2.26 Hz,1H),8.13-8.19(m,0H),7.64-7.87(m,3H),7.61(d,J=6.59 Hz,1H),7.56(br.s.,1H),7.50(br.s.,1H),7.31(d,J=6.03 Hz,1H),7.09(d,J=8.85 Hz,0H),6.89-7.00(m,2H),6.84(d,J=8.85 Hz,1H),6.49(d,J=13.37 Hz,1H),6.33(d,J=8.48 Hz,1H),6.24-6.30(m,1H),4.77(d,J=18.08 Hz,2H),4.05(d,J=19.78 Hz,3H),3.59(dd,J=5.75,11.77 Hz,2H),3.25(dd,J=5.56,10.46 Hz,2H),3.12(d,J=7.35 Hz,3H),2.36(d,J=2.07 Hz,3H)
【0237】
60及び61の合成のための一般手順:
化合物7-A(1当量)及び化合物6-B(1当量)を密封チューブにおいて混合した。次いで、tBuXphos(0.1当量)及び炭酸セシウム(2.4当量)を添加し、続いて1,4-ジオキサン(0.1M)を注射した。次いで、混合物を脱気し、窒素で3回再充填した。次いで、Pd(dba)(0.05当量)を添加した。次いで、チューブを密封し、一晩110℃まで加熱した。室温まで冷却した後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、濾過した。次いで、濾液を水及びブラインで洗浄した。有機層を乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。残渣をDCMに再溶解し、溶液を短いシリカゲルに通して、透明な溶液を得た。次いで、溶媒を減圧下で除去して、粗中間体9-1を得、それを更なる精製なしに次のステップにおいて使用した。
【0238】
60及び61の合成を、出発材料として化合物9-1を使用した連続的な宮浦ホウ素化及び鈴木カップリング反応のための一般手順に従って達成した:
化合物60(RTIOX-46)、収率:3ステップで48%。H NMR(300 MHz,クロロホルム-d)d 8.57(d,J=6.0 Hz,1H),8.500(dd,J1=129.0 Hz,J2=3.0 Hz,1H),8.495(dd,J1=129.0 Hz,J2=3.0 Hz,1H),8.05(ddd,J1=141.0 Hz,J2=9.0 Hz,J3=3.0 Hz,1H),7.98-7.89(m,1H),7.89-7.83(m,1H),7.63-7.53(m,5H),7.47(d,J=3.0 Hz,1H),7.40(d,J=3.0 Hz,1H),7.37-7.29(m,2H),7.17(dd,J1=69.0 Hz,J2=9.0 Hz,1H),6.89(dd,J1=12.0 Hz,J2=3.0 Hz,1H),4.00(d,J=14.13 Hz,3H),3.42(br,2H),3.21(br,2H),3.12(d,J=2.64 Hz,3H),2.37(s,3H).
【0239】
化合物61(RTIOX-47)、収率:3ステップで52%。H NMR(300 MHz,メタノール-d)d 8.50-8.58(m,2H),7.99-8.15(m,1H),7.79-7.90(m,1H),7.77(s,1H),7.65-7.70(m,1H),7.60(br.s.,5H),7.38-7.49(m,2H),7.32(s,3H),7.12-7.24(m,1H),6.83-6.94(m,1H),4.25-4.75(m,2H),4.00(s,3H),3.44-3.52(m,2H),3.18-3.29(m,2H),2.95-3.15(m,4H),2.38(s,3H).
【0240】
生物学的実施例
OX1R及びOX2Rカルシウム動員アッセイ。
ヒトOX及びOX受容体における標的化合物の活性を、ヒトOX又はヒトOX受容体のいずれかを安定的に発現するように操作されたCHO RD-HGA16細胞(Molecular Devices)を利用して判定した。細胞を、10%ウシ胎仔血清、100単位のペニシリン及びストレプトマイシン、並びに100μg/mLのnormocin(商標)で補足されたHam’s F12に維持した。アッセイを実施するために、細胞を25,000細胞/ウェルで播種し、37℃、5%COで一晩インキュベートした。翌日、細胞をアッセイバッファーで洗浄し、Calcium 5色素(Molecular Devices)で装填した。45分後、細胞を9%DMSO溶液で15分間前処理した。我々のグループは、この前処理インキュベーション期間が、蛍光におけるDMSO媒介増加を大幅に低減することを見出した。次いで、試験化合物(8点濃度応答曲線)を、FlexStation IIを使用して蛍光を測定しながら、1%DMSO溶液中に添加した。このアッセイプラットフォームでは、受容体の活性化は、内部カルシウムの増加に直接比例する、蛍光の増加によって測定される。試験化合物EC50値は、非線形回帰分析によって決定され、値は、重複して実施された少なくとも3つの独立した実験の平均±S.E.M.である。
【0241】
OX1R及びOX2Rカルシウム動員アッセイにおける効力。
合成された化合物の全てを、OX1R又はOX2Rのいずれかを過剰発現するCHO細胞を使用したカルシウム動員アッセイにおいて、それらのアゴニスト効力について特徴分析した。そのようなアッセイについて組み込まれる、German,N.A.;Decker,A.M.;Gilmour,B.P.;Thomas,B.F.;Zhang,Y.,Truncated Orexin Peptides:Structure-Activity Relationship Studies.ACS medicinal chemistry letters 2013,4(12),1224-1227が参照される。EC50は、表1~12に列挙される。
【0242】
構造-活性解明を実施して、描写される化合物の左側の末端芳香族環にパターンが利用可能であるかを判定した。ジメチルアミノアミドをいくつかの他のアルキルアミドで置き換えたが、効力の改善は観察されなかった。カルボニル官能基が除去されたとき、活性の全喪失が観察され、オレキシン受容体活性化のためのその重要性を確認した。
表1.
【化19】

【表2】
【0243】
右端部分の芳香族アミド、及びエチル基を調べた。エチル基上のメチル置換基は、両方の受容体での効力をわずかに低減した。3-炭素プロピルへのエチル基の延在は、効力の変化をほとんどもたらさなかった。3-メチルフェニルは、OX1R及びOX2Rの両方でより良好な効力を提供するように見え、したがって、後続のSAR研究で使用された。エチル基が剛直なピペラジン基に変換されたとき、全ての活性が失われた。
表2.
【化20】

【表3】
【0244】
左側の第1のフェニル環を一連の芳香族環で置き換えた。一実施形態として、2,6-置換ピリジルは、OX1R及びOX2Rの両方で効力を改善させた。2つの5員環、チアゾール及びオキサゾールを調べたところ、それらは顕著に効力が低かった。エチレン及びエチル類似体は、両方の受容体で不活性であった。
SAR表3:
【化21】

【表4】
【0245】
中央のフェニル環を調べ、ピリジル基で置き換えた。3,5-ピリジルは、OX2Rでは効力が低かったが、両方の受容体で等しい効力を示した。これは、この3,5-ピリジル上の窒素が、OX1Rに有利な相互作用を有し得ることを示す。加えて、窒素の導入は、芳香族環の電子密度を低減し、これは、酸化の影響を受けにくくし、よってより良好なPK特性をもたらし得る。
SAR表4:
【化22】

【表5】
【0246】
左側のアミド官能基におけるカルボニル基の重要性を考慮して、アミドを保持し、この位置で更なる置換を探索した。アミド上のメチル基をジメチルアミノエチル基で置き換え、これはジメチルアミノ基との塩形成のための部位を提供して、溶解度を改善する。しかしながら、効力のわずかな低減が観察された。特に、窒素上の他のメチルの除去は、OX2Rでの効力の急激な低下(31対32)及びOX1Rでの効力の完全な喪失をもたらした。ジメチルアミノ基上のメチルの代わりのピリジル又はベンジル基の導入は、OX1Rではほとんど不活性な、両方の受容体での効力における有意な低下につながった。しかしながら、2-ピリジルメチル基が導入されたとき、効力の逆転が達成され、OX1R及びOX2Rの両方で化合物1(YNT-185)と同様の効力を示した。これは、ピリジルとOX受容体との間の水素結合又は極性間相互作用であり得ることを示す。同様に、ジメチルアミノ基上の他のメチルの除去は、再度OX1R効力の完全な喪失につながった(35対36)。次に、異なるピリジルメチル基を調べた。3-ピリジルメチルは、効力のわずかな低下を示したが、面白いことに、4-ピリジルメチルを有する化合物38は、OX1R及びOX2Rの両方で、化合物1(YNT-185)よりも有意により強力な、高度かつ等しい効力を示した。より長いピリジルエチル基でのピリジルメチルの置き換えは、効力の改善を有さないことが証明された(化合物39及び40)。
SAR表5:
【化23】

【表6】
【0247】
スルホンアミド官能性は、活性のために重要であることが示され、これは、41によって確認され、これは、OX1Rで不活性であり、OX2Rでマイクロモル効力を有した。OX1R及びOX2Rを有意に増加させた、アミドにおけるピリジルメチル基は、効力を回復させなかった。次いで、我々は、アミド又はスルホンアミドの生物学的等価体とみなされ得る、1,3,4-チアジアゾールで置き換えることを検討した。しかしながら、両方の化合物(43及び44は不活性であった。これは、オレキシン受容体で活性を得るためのスルホンアミドの重要性を更に確認する。
SAR表6:
【化24】

【表7】
【0248】
次いで、スルホンアミド窒素に接続した中央のフェニル基を、アルキル又はジカルボニル基で置き換えて、この領域に可撓性を導入することができるかを調べた。しかしながら、これらの化合物は、ほとんど不活性であった。
SAR表7:
【化25】

【表8】
【0249】
エチルリンカーは、活性に重要であることが示された(表2)。好ましいピリジルメチル基が存在するので、我々は、もう一度この領域を再調査した。我々は、まず窒素を酸素原子で置き換え、これはOX1R及びOX2Rの両方で効力の約20倍低減をもたらした。可撓性に対するより多くの負荷のために脂肪族環が導入されたとき、これらの類似体は、効力の改善をもたらさなかったが、56は、OX2Rで38と同様の効力を有した。
SAR表8:
【化26】

【表9】
【0250】
最後に、オレキシン受容体、特にOX1Rで改善した効力をもたらす、予想外の重要な構造的要素を組み合わせた、いくつかの類似体を合成した(表9)。これらの重要な要素は、以下を含むが、これらに限定されない:(1)OX1活性に必須である、Arでの4-ピリジル、(2)OX1R及びOX2Rの両方での効力の改善に好ましい、Arでの2,6-ピリジル、並びに(3)電子密度を低減することによって代謝安定性を改善するのに役立ち得る、Arでの3,5-ピリジル。全ての類似体のうち、一実施形態では、化合物61(RTIOX-47)が選好的な全体特性を有することが実証された。

SAR表9:
【化27】

【表10】
【0251】
最も強力な化合物のうちの3つを、それらのADME特性について評価した。2のpHでは、全ての化合物は、塩形態であり、優れた水性溶解度を有した。化合物1(YNT-185)、RTIOXA-43、及びRTIOXA-45は、ラット肝ミクロソーム(RLM)において適度な代謝安定性を有したが、RTIOXA-47は、有意に改善された半減期(t1/2)を示した。主な構造的違いは、他の3つの化合物と比較して、RTIOXA-47においてスルホンアミドに接続したピリジル基である。フェニル基のピリジルでの置換は、この芳香族環の電子密度を低減させた。本発明者らからの1つの仮説は、これが代謝酸化の感受性を低下させることをもたらした可能性があることである。
【表11】

SAR表11:
【化28】

【表12】

SAR表12:
【化29】

【表13】
【0252】
分析
YNT-185は、報告された最初の小分子オレキシンアゴニストのうちの1つであった。YNT-185は、主に、OX1Rでの最小限のアゴニスト活性でOX2Rを活性化する。複数の部位での広範なSAR研究を通して、本開示は、RTIOX-47を含む、いくつかのOX1R/OX2R二重アゴニストを実証する。これらは、これまでに発見された最初で唯一の小分子二重オレキシンアゴニストである。両方のオレキシン受容体での優れたアゴニスト効力に加えて、RTIOXA-47はまた、YNT-185と比較されるとき、顕著に改善された代謝安定性を実証した。
【0253】
観察される具体的な薬理学的応答は、選択される特定の活性化合物、又は薬学的担体が存在するか、並びに使用される製剤のタイプ及び投与方法に従って、かつそれらに応じて変動し得、結果におけるそのような予想される変動又は差異は、本開示の実施に従って企図される。
【0254】
本開示の具体的な実施形態が本明細書に例示され、詳細に記載されているが、本開示は、それらに限定されない。上記の詳細な記載は、本開示の例示として提供され、本開示の何らかの限定を構成するものと解釈されるべきではない。修正は当業者には明らかであり、本開示の趣旨から逸脱しない全ての修正は、添付の特許請求の範囲に含まれることが意図される。
図1
【国際調査報告】