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特表2024-510950光電池パネル留め具及び光電池パネルモジュール取付デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】光電池パネル留め具及び光電池パネルモジュール取付デバイス
(51)【国際特許分類】
   H02S 20/20 20140101AFI20240305BHJP
【FI】
H02S20/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554312
(86)(22)【出願日】2022-03-08
(85)【翻訳文提出日】2023-09-27
(86)【国際出願番号】 FR2022050418
(87)【国際公開番号】W WO2022189751
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】202110251505.5
(32)【優先日】2021-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】2103004
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507283816
【氏名又は名称】ア レイモン エ シー
【氏名又は名称原語表記】A. RAYMOND ET CIE
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】イェ,リアン
(72)【発明者】
【氏名】ル ギャル,アントワーヌ
(57)【要約】
本発明は、光電池パネル留め具(60)、及びパネルモジュールを取り付けるためのデバイスに関する。ねじ山付き留め具と協働して上記パネルの組み立てフレーム(10)を支持構造体(20)に留めることができる、上記パネル留め具は:
本体(11);
上記本体に対して垂直に延在し、上記ねじ山付き留め具を受承するための通路を有し、またその上記通路の内壁に内ねじが設けられる、ねじ山付きコネクタ(62);
上記本体の端面から延在し、第1の方向に沿って、上記ねじ山付きコネクタの中心軸に関して対称に配置される、1対の挟持要素(63);及び
第2の方向に沿って上記中心軸に関して対称に配置される、1対の支持要素(64)
を備える。各上記支持要素は1つの上記挟持要素に接続され、上記挟持要素の自由端を超えて延在する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ねじ山付き留め具と協働して、光電池パネルの組み立てフレーム(10)を支持構造体(20)に留めることができる、光電池パネル留め具(60)であって、
前記光電池パネル留め具は:
‐本体(61)であって、前記本体(61)は、前記支持構造体(20)の取付面(21)に対して略平行である、本体(61);
‐ねじ山付きコネクタ(62)であって、前記ねじ山付きコネクタ(62)は、前記本体(61)に対して垂直に延在しており、前記ねじ山付き留め具を受承するための内ねじが設けられた通路(622)を有する、ねじ山付きコネクタ(62);
‐1対の挟持要素(63)であって、前記1対の挟持要素(63)は前記本体(61)の端面からそれぞれ延在し、前記組み立てフレーム(10)を挟持するために好適なものとなるように、第1の方向に沿って、前記ねじ山付きコネクタ(62)の中心軸に関して対称に配置される、1対の挟持要素(63);及び
‐1対の支持要素(64)であって、前記1対の支持要素(64)は、第2の方向に沿って、前記ねじ山付きコネクタ(62)の前記中心軸に関して対称に配置され、各前記支持要素(64)はそれぞれ1つの前記挟持要素(63)に接続され、前記挟持要素(63)の前記自由端を超えて延在して前記支持構造体(20)の前記取付面(21)に当接し、前記第2の方向は前記第1の方向に対して垂直である、1対の支持要素(64)
を備えることを特徴とする、光電池パネル留め具(60)。
【請求項2】
前記ねじ山付きコネクタ(62)と前記1対の挟持要素(63)とは、前記本体(61)の同じ側に配置され、前記1対の支持要素(64)は、前記ねじ山付きコネクタ(62)の外周と干渉しないように離間しているか;あるいは
前記ねじ山付きコネクタ(62)と前記1対の挟持要素(63)とは、それぞれ前記本体(61)の両側に配置され、前記1対の支持要素(64)の間の間隔は、前記ねじ山付き留め具の外径より小さい、請求項1に記載の光電池パネル留め具(60)。
【請求項3】
前記支持要素(64)は、略U字型となるように構成され、前記本体(61)に向かって延在する第1の支持体部分(641)と、前記支持構造体(20)の前記取付面(21)に当接するための第2の支持体部分(642)と、前記第1の支持体部分(641)と前記第2の支持体部分(642)との間の支持体連結部分とを備え、前記第2の支持体部分(642)は、円弧状のブリッジ(65)を介して前記挟持要素(63)に接続される、請求項1に記載の光電池パネル留め具(60)。
【請求項4】
前記円弧状のブリッジ(65)は、前記挟持要素(63)の前記自由端から内側に向かって折りたたまれて、前記第2の支持体部分(642)まで延在する、請求項3に記載の光電池パネル留め具(60)。
【請求項5】
前記支持要素(64)は、前記第1の支持体部分(641)から前記第2の支持体部分(642)まで延在する補強リブ(644)を備える、請求項3に記載の光電池パネル留め具(60)。
【請求項6】
前記挟持要素(63)は、前記挟持要素(63)の剛性を低減させるためのノッチ(66)を備える、請求項2に記載の光電池パネル留め具(60)。
【請求項7】
前記光電池パネル留め具(60)は、組み立て前状態と呼ばれる第1の状態と、固定状態と呼ばれる第2の状態とを有することができ、
前記第1の状態では、前記支持要素(64)と前記本体(61)とは第1のスペースによって隔てられ、
前記第2の状態では、前記支持要素(64)は挟持力の作用の下で前記本体(61)の一部に当接する、請求項1~6のいずれか1項に記載の光電池パネル留め具(60)。
【請求項8】
固定力は、前記ねじ山付き留め具を前記コネクタ(62)にねじ込むことによって印加される、請求項7に記載の光電池パネル留め具(60)。
【請求項9】
光電池パネルの設置のための組み立てフレーム(10)、支持構造体、及び請求項1~8のいずれか1項に記載の少なくとも1つの光電池パネル留め具(60)を備える、光電池パネルモジュールを取り付けるためのデバイスであって:
前記組み立てフレーム(10)は、フレーム本体(11)と、前記フレーム本体(11)の上部に設けられた光電池パネル挟持スロット(12)とを備え、前記フレーム本体(11)は、前記光電池パネル留め具(60)を受承するための開口(111)が設けられたキャビティ(112)を備え;
前記光電池パネル留め具(60)の1対の挟持要素(63)は、前記1対の挟持要素(63)が前記スロット(12)を介して前記キャビティに挿入されたときに、内側停止面(114)で停止するように構成され
組み立て前状態においては、前記挟持要素(63)と前記内側停止面(114)とは第2のスペース(d2)によって隔てられ、固定状態においては、前記挟持要素(63)は挟持力の作用の下で前記内側停止面(114)に当接する
ことを特徴とする、デバイス。
【請求項10】
前記支持構造体(20)は前記スロット(12)に対応する取付穴(22)を備え、これにより、前記ねじ山付き留め具を、前記取付穴(22)及び前記スロット(12)を通過する間に前記ねじ山付きコネクタ(62)と連結でき、従って、前記支持構造体(20)の前記ねじ山付き留め具を前記光電池パネル留め具(60)の前記ねじ山付きコネクタ(62)にねじ込むことによって、固定力が印加される、請求項9に記載の取付デバイス。
【請求項11】
前記光電池パネル留め具(60)の前記支持要素(64)の幅は、前記スロット(12)の幅以下である、請求項9に記載の取付デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、留め具に関する。より詳細には、本発明は、光電池パネルモジュールを支持構造体に固定するための光電池パネル留め具、及び上記留め具を含む光電池パネルモジュールを取り付けるためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のエネルギ源と比較して、太陽エネルギは実用的である上にコストがあまり高くない。太陽光発電パネルは、太陽エネルギを電気エネルギに直接変換して、電気機器に給電するため、又は電力網に電気エネルギを供給するために使用される。一般に、太陽光パネルを保持して留めるための組み立てフレームは、建造物の支持構造体、ガイドレール、若しくは壁板上に設置されるか、又はねじ山付き留め具及び支持体によって地面に設置される。
【0003】
図1に示されているように、太陽光発電パネルの組み立てフレーム10は主に、ボルト30及びナット40によって、光電池パネルの支持構造体20に固定される。ナット40は一般に、組み立てフレーム10のキャビティ内に配置され、ボルト30を支持構造体20に挿入し、組み立てフレーム10内に配置されたナット40に嵌合させることによって、組み立てフレーム10を支持構造体20に留める。組み立てフレーム10内にナット40を収容するためのスペースが限定されていると、これは取り付けプロセス中のナット40の正確な位置決めに不利であり、ボルト30とナット40との整列位置を迅速に見つけ出すのが困難になる。更に、ナット40は取り付けプロセス中に組み立てフレーム10内で容易に回転し、挟持力を制御できないため、取り付けプロセス全体が長く手間がかかるものとなり、組み立ての安定性を保証できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、人件費及び生産コストを効果的に削減するために、単純な構造と実用的な動作とを有する光電池パネル留め具を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的のために、本発明の一態様によると、光電池パネル留め具が提供される。これは、ねじ山付き留め具と協働して、光電池パネルの組み立てフレームを支持構造体に留めるように構成される。上記光電池パネル留め具は:
‐本体であって、上記本体は、上記支持構造体の取付平面に対して略平行である、本体;
‐ねじ山付きコネクタであって、上記ねじ山付きコネクタは、上記本体に対して垂直に延在しており、上記ねじ山付き留め具を受承するための通路を有し、また上記ねじ山付きコネクタの上記通路の内壁は、上記ねじ山付き留め具の外ねじと協働するための内ねじを備える、ねじ山付きコネクタ;
‐上記本体の端面からそれぞれ延在する1対の挟持要素であって、上記組み立てフレームを挟持するために好適なものとなるように、第1の方向に沿って、上記ねじ山付きコネクタの中心軸に関して対称に配置される、1対の挟持要素;及び
‐1対の支持要素であって、上記1対の支持要素は、第2の方向に沿って、上記ねじ山付きコネクタの上記中心軸に関して対称に配置される、1対の支持要素
を備え、
各上記支持要素はそれぞれ1つの上記挟持要素に接続され、上記挟持要素の自由端を超えて延在して上記支持構造体の上記取付平面に当接し、上記第2の方向は上記第1の方向に対して垂直である。
【0006】
有利には、上記ねじ山付き留め具に嵌合する上記ねじ山付きコネクタは、上記光電池パネル留め具上に直接配置される。迅速な固定を実施するためには、上記ねじ山付き留め具を上記ねじ山付きコネクタにねじ込むだけで十分であり、上記組み立てフレーム内で上記ねじ山付きコネクタを操作する必要がなく、これにより、設置及び取り外しが容易になるため、人件費が削減され、必要な時間も短縮される。更に、上記支持要素と上記挟持要素とは、互いに対して垂直な2つの方向において対称に配置されるため、上記光電池パネル留め具の構造がコンパクトになり、全体的な耐久性が向上する。
【0007】
本発明は更に、以下の特徴のうちの1つ以上を含むことができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、上記ねじ山付きコネクタと上記1対の挟持要素とは、上記本体の同じ側に配置され、上記1対の支持要素は、上記ねじ山付きコネクタの外周と干渉しないように離間しているか;又は上記ねじ山付きコネクタと上記1対の挟持要素とは、それぞれ上記本体の両側に配置され、上記1対の支持要素の間の間隔は、対応する上記ねじ山付き留め具の外径より小さい。
【0009】
いくつかの実施形態では、上記支持要素は、略U字型となるように構成され、上記本体に向かって延在する第1の支持体部分と、上記支持構造体の上記取付平面に当接するための第2の支持体部分と、上記第1の支持体部分と上記第2の支持体部分との間の支持体連結部分とを備え、上記第2の支持体部分は、円弧状のブリッジを介して上記挟持要素に接続される。
【0010】
いくつかの実施形態では、上記円弧状のブリッジは、上記挟持要素の上記自由端から内側に向かって折りたたまれて、上記第2の支持体部分まで延在する。
【0011】
本発明の支持要素の上述の構造により、上記支持要素と上記支持構造体の上記取付平面との間の接触面積を増大させることができ、これによって支持体の安定性が強化される。更に、上記支持要素と上記挟持要素とが上記円弧状のブリッジによって接続されることにより、所望の固定強度を得ることができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、上記支持要素は、上記第1の支持体部分から上記第2の支持体部分まで延在する補強リブを備える。
【0013】
いくつかの実施形態では、上記挟持要素は、上記挟持要素の剛性を低減させるためのノッチを備える。
【0014】
いくつかの実施形態では、上記光電池パネル留め具は、組み立て前状態と呼ばれる第1の状態と、固定状態と呼ばれる第2の状態とを有し:上記第1の状態では、上記支持要素と上記本体とは第1のスペースによって隔てられ、上記第2の状態では、上記支持要素は挟持力の作用の下で上記本体に当接する。
【0015】
上記第1のスペースは、第一に、異なる複数の状態の視覚的確認を可能にする。上記本体は、上記支持要素が上記本体に当接しているときに支持を提供でき、これは、上記光電池パネル留め具の全体的な耐久性を更に強化する。
【0016】
いくつかの実施形態では、上記ねじ山付き留め具を上記通路に沿って上記ねじ山付きコネクタにねじ込むことにより、固定力が印加される。
【0017】
本発明の別の態様によると、光電池パネルモジュールを取り付けるためのデバイスが提供される。上記取付デバイスは、光電池パネルの設置のための組み立てフレーム、支持構造体、及び本発明による少なくとも1つの光電池パネル留め具を備える。この取付デバイスでは、上記組み立てフレームは更に、フレーム本体と、上記フレーム本体の頂部に設けられた光電池パネル挟持スロットとを備える。上記フレーム本体は、上記光電池パネル留め具を受承するための開口が設けられたキャビティを備える。上記光電池パネル留め具の1対の挟持要素は、上記1対の挟持要素が上記スロットを介して上記キャビティに挿入されたときに、上記キャビティの内側停止面で停止するように構成される。上記光電池パネル留め具が組み立て前状態にあるとき、上記挟持要素と上記内側停止面との間には第2のスペースが存在する。上記光電池パネル留め具が固定状態にあるとき、上記挟持要素は挟持力の作用の下で上記内側停止面に当接する。
【0018】
いくつかの実施形態では、上記支持構造体は上記スロットに対応する取付穴を備え、これにより、上記ねじ山付き留め具を、上記取付穴及び上記スロットを通過する間に上記ねじ山付きコネクタと連結でき、従って、上記支持構造体の上記ねじ山付き留め具を上記光電池パネル留め具の上記ねじ山付きコネクタにねじ込むことによって、固定力が印加される。
【0019】
いくつかの実施形態では、上記光電池パネル留め具の上記支持要素の幅は、上記スロットの幅以下となるように構成される。
【0020】
ここで提案される光電池パネル留め具は、簡単かつコンパクトな構造を有し、必要なスペースが削減される。有利には、上記パネル留め具は、調整、並びに上記支持構造体及び上記組み立てフレームに対する取り付け/取り外しが容易であり、取り付けのコストの節約、及び作業効率の改善を可能とする。上記光電池パネルモジュールを取り付けるための上記デバイス内の上記光電池パネルの上記留め具により、多数の状況に適合した、安定的で信頼性の高い設置を容易に達成できる。
【0021】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面に関連して詳述される以下の任意の実装形態によって、よりよく理解されるだろう。添付の図面中の同一の符号は、同一の構成部品又は類似の構成部品を指す。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、従来技術から公知の、電池パネルモジュールを取り付けるためのデバイスを示す。
図2図2aは、本発明のある実施形態による、光電池パネルを取り付けるためのフレームの斜視図であり、図2bは、図2aに示されている組み立てフレームの平面図である。
図3a図3aは、本発明のある実施形態による支持構造体の斜視図であり、組み立てられた状態のねじ山付き留め具を示す。
図3b図3bは、図3aに示されている支持構造体の平面図である。
図4a図4aは、本発明のある実施形態による光電池パネル留め具の斜視図である。
図4b図4bは、光電池パネル留め具の別の斜視図である。
図4c図4cは、光電池パネル留め具の、支持要素側の平面図である。
図4d図4dは、光電池パネル留め具の、挟持要素側の平面図である。
図4e図4eは、光電池パネル留め具の上面図である。
図4f図4fは、光電池パネル留め具の底面図である。
図5a図5aは、第1の状態における、支持構造体に設置された光電池パネル留め具の斜視図である。
図5b図5bは、図5aに示されている状態における断面図である。
図5c図5cは、図5aに示されている状態における別の断面図である。
図6a図6aは、支持構造体に取り付けられた組み立てフレームの斜視図であり、光電池パネルの固定要素は、第2の状態において、その第2のキャビティ内に収容されている。
図6b図6bは、図6aに示されている状態の断面図である。
図7a図7aは、組み立てフレームと支持構造体とを留めるための第3の状態における、光電池パネル留め具及びねじ山付き留め具の斜視図である。
図7b図7bは、図7aに示されている状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
これより、実施形態を詳細に説明する。ここで説明される具体的な実施形態は、本発明の具体的な実装形態を単に例示するものであり、決して限定するものではないことを理解しなければならない。各構成部品の構造上の位置、例えば上方(above)、下方(below)、上(at the top )、下(at the bottom)は、絶対的なものではなく相対的なものである。様々な部品が図面に示されているように配置されている場合には、方向に関するこれらの表現は適切であるが、図面における各部品の位置が変化した場合、方向に関するこれらの表現もまた、それに伴って変化する。
【0024】
本発明による光電池パネル留め具は、光電池パネルの組み立てフレームと支持構造体とを留めるために使用される。以下で説明される実施形態では、1つの組み立てフレーム、及び1つの支持構造体が例として示されているが、本発明の光電池パネル留め具は、他の類似の構造を有する組み立てフレーム及び支持構造体にも適用可能であることを理解しなければならない。
【0025】
まず図2a、2bを参照すると、組み立てフレーム10を確認できる。組み立てフレーム10は例えば細長い構造を有し、フレーム本体11と、フレーム本体11の上部に設けられた光電池パネル挟持スロット12とを備える。フレーム本体11は、光電池パネル留め具を受承するための開口111が設けられたキャビティ112を備え、開口111は組み立てフレーム10の長さにわたって延在する。開口111が設けられたフレーム本体11の側部は、支持構造体と接触するように構成された外側接触面113と、キャビティ112内に位置する内側停止面114とを備え、内側停止面114は、光電池パネル留め具の対応する部分と協働するために使用される。
【0026】
図3a、3bは支持構造体20を示す。支持構造体20は例えばC字型であり、組み立てフレーム10の外側接触面113と接触できる取付面21を備える。取付面21は、ねじ山付き留め具を受承するための開口111に対応する取付穴(図5cにおいて図示)を含む。任意に、上記ねじ山付き留め具は、図面に示されているような、ナット31を伴うボルト30である。いくつかの実施形態では、ボルト30のナット31と支持構造体20との間にワッシャ50が設けられる。ボルト30のダボ部分は、取付穴22、及び組み立てフレーム10の開口111を通過することによって光電池パネル留め具に接続でき、これによって組み立てフレーム10が支持構造体20に固定される。
【0027】
本発明によると、上記ねじ山付きコネクタは光電池パネルの留め具に一体化され、ボルトとねじ山付き留め具との間の係合は、支持構造体上のボルトを作動させることによって得ることができる。これにより、組み立てフレーム上の狭い作業スペースが、支持構造体上の広いスペースに変換され、これはオペレータによる組み立て及び分解に関して実用的である。更に、既存の構造に比べて、本発明の光電池パネル留め具は全体的な耐久性が高いため、組み立て済みの光電池パネルモジュールの安定性及び信頼性が高く、様々な状況に適合できる。
【0028】
図4a~4fは、一実施形態による光電池パネル留め具60を示す。光電池パネル留め具60は主に、本体61、ねじ山付きコネクタ62、1対の挟持要素63、及び1対の支持要素64を備える。本体61は、支持構造体20の取付面21に対して略平行であり、ねじ山付きコネクタ62は本体61に対して垂直に延在し、ボルト30を受承するための通路622を含む(図4eに図示)。通路622の内壁は、ボルト30の外ねじ32と協働する内ねじ621を備える(図5bに図示)。図4cに示されているように、1対の挟持要素63はそれぞれ、本体61の端面から延在し、第1の方向D1に沿ってねじ山付きコネクタ62の中心軸XXに関して対称に配置され、組み立てフレーム10の挟持を実現する。図4dに示されているように、1対の支持要素64は、第2の方向D2に沿ってねじ山付きコネクタ62の中心軸XXに関して対称に配置される。図4eに示されているように、第2の方向D2は第1の方向D1に対して垂直である。各支持要素64はそれぞれ1つの挟持要素63に接続され、挟持リブ63の自由端を超えて延在して支持構造体20の取付面21に当接する。これにより、挟持要素及び支持要素はコンパクトに配設できるため、光電池パネル留め具が占有するスペースが削減され、これは組み立てフレームの狭いスペースにとって特に有利である。更に、挟持要素及び支持要素の対称な配置により、構造的設計がより簡潔にもなり、また同時に、力が支持及び挟持に均一に分散される。以下の説明では、より分かりやすくするために、挟持要素のうちの一方、及び支持要素のうちの一方のみを説明する。
【0029】
図示されている実施形態では、ねじ山付きコネクタ62は、一例として、円形の横断面を有するナットの形態で提示されている。ねじ山付きコネクタの外周形状は図示されているものに限定されず、その内ねじがボルトの外ねじと一致するように適合されている限り、正方形又は他の形状とすることもできることを理解しなければならない。
【0030】
図示されていないいくつかの実施形態では、ねじ山付きコネクタ62及び1対の挟持要素63は、本体61の同じ側に配設でき、即ちこれらはいずれも、図示されている配向において本体61の下側に位置し、これにより、光電池パネル留め具のかさが削減される。これにより、1対の支持要素64はねじ山付きコネクタの外周と干渉しない。図示されている実施形態では、ねじ山付きコネクタ62、及び1対の挟持要素63は、それぞれ本体61の両側に配設される。これにより、有利なことに、1対の支持要素64の間のスペースがボルト30の外径より小さくなる。このようにして、光電池パネルの留め具は、図3a、3bに示されているようにボルト30上に被せることができ、これによりボルト30の端部は、光電池パネル60の留め具を支持構造体20上に予め設置するために、支持要素64の間に挿入されて保持される。
【0031】
図4a~4f、5bに示されているように、いくつかの実施形態では、支持要素64は略U字型となるように構成される。支持要素64は、本体61に向かって延在する第1の支持体部分641と、支持構造体20の取付面21で停止するための第2の支持体部分642と、第1の支持体部分641と第2の支持体部分642との間の支持体連結部分643とを備える。第2の支持体部分642と挟持要素63とは、円弧状のブリッジ65によって接続される。このようにして、第2の支持体部分642によって、支持要素64と支持構造体20の取付面21との間に大きな接触面積を得ることができ、信頼性の高い支持の効果を得ることができる。円弧状のブリッジ65を用いて支持要素64と挟持要素63とを連結する上記様式によって、所望の固定強度を得ることもできる。これについては以下の詳細な説明によって更にはっきりと理解されるだろう。有利には、図4cに示されているように、円弧状のブリッジ65は、挟持要素63の自由端から内側に向かって折りたたまれて、第2の支持体部分642まで延在する。このようにして、支持要素64は応力下で変形したときにロック用リブ63と干渉しなくなる。更にこれにより、組み立てフレーム10の設置に影響を及ぼすことなく、支持要素64の幅を、組み立てフレーム10の開口111の幅以下となるように構成することもできる。
【0032】
支持要素64の構造的強度を向上させるために、有利には、第1の支持体部分641から第2の支持体部分642まで延在する補強リブ644を支持要素64上に設ける。任意に、補強リブ644は図示されているように、第1の支持体部分641から支持体連結部分643を通って第2の支持体部分642まで、連続的に延在できる。あるいは補強リブは、不連続に延在する複数のセクションを有する構造のように成形することもでき、即ち、独立した複数のリブが、第1の支持体部分641、支持体連結部分643、及び第2の支持体部分642に形成される。これによっても、支持要素の強度を向上させることができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、ノッチを挟持要素63に設けることによって、挟持要素の剛性を低減する。図4a、4bに示されている実施形態では、ノッチ66を、挟持要素63の自由端に、円弧状のブリッジ65と隣接させて形成できる。これにより、組み立てフレーム10及び光電池パネル留め具60の組み立て中に必要な挿入力を削減できる。あるいは、2つ以上のノッチを設けることもでき、これらのノッチは挟持要素のいずれの好適な位置に設けることができる。例えばノッチは、挟持要素の中央の位置の開口によって形成できる。
【0034】
有利には、本発明による光電池パネル留め具は、組み立て前状態と固定状態とを有することができる。図4cは、光電池パネルの留め具が固定されていない、即ち組み立て前状態にあるときを示し、支持要素64のU字型の構造が、第1の支持体部分641と本体61との間の第1のスペースd1を画定する。固定力が印加されて固定状態となると、第1の支持体部分641は固定力の作用下で本体61に当接し、第1のスペースd1は確認できなくなる。換言すれば、本体61は支持を提供でき、オペレータの観点からは、第1のスペースd1を直接視認することによって、固定が得られているかどうかを把握できるため、制御された方法で固定力を印加できる。過剰な力の印加を回避できるため、部品の損傷が回避される。いくつかの実施形態では、上述の固定力は、ボルト30を通路622dに沿ってねじ山付きコネクタ62にねじ込むことによって印加される。これについては以下で詳述する。
【0035】
これより、図5a~7bに関連する、光電池パネルモジュールを取り付けるためのデバイスに適用される光電池パネル留め具の他の実施形態について説明する。
【0036】
図示されている実施形態では、光電池パネルモジュールを取り付けるためのデバイスは、上述のように、組み立てフレーム10、支持構造体20、及び光電池パネル留め具60を備える。図3a、3bに示されているように、及び図5a~5cに示されているように、ボルト30を支持構造体20に設置すると、光電池パネルの留め具60は、支持構造体20の取付面21の頂部を介してボルト30に係合できる。ボルト30はねじ山付きコネクタ62の内ねじ621の一部と係合し、図5bは、ボルト30が1対の支持要素の支持体連結部分643によって挟持されている様子を示す。従って光電池パネル留め具60は、第1の予備的な位置決めの状態、又は応力が印加されていない組み立て前状態にある。図5bに示されているように、支持要素64の第1の支持体部分641と本体61との間には第1のスペースd1が存在する。これと並行して、第2の支持体部分642は、外力を受けることなく、支持構造体20の取付平面21に接触する。更に、オペレータは、光電池パネルの留め具を手動で回転させて、上記留め具を所望の方向に位置決めできる。この構造的設計により、光電池パネル留め具60と支持構造体20とは、いくつかの実施形態では、例えば支持構造体20上に事前に組み付けられた、事前組み立て済みの構成部品とみなすことができる。従って、複数のボルト30及び複数の光電池パネル留め具60を、様々なタイプのアセンブリに適用できる。例えば光電池パネルは一般に長方形の構造であり、太陽光パネルを留めるには、2つの支持構造体20上に少なくとも4つの光電池パネル留め具60が必要となる。上述のような事前組み立て済みの構成部品は、組み立ての最初の段階の組立時間を効率的に削減できる。
【0037】
次に図6a、6bに示されているように、下向きの開口を有する組み立てフレーム10が、図6aの矢印の方向に、光電池パネルの留め具に取り付けられる。上述のように、挟持要素63は組み立てフレーム10を挟持するよう構成される。そのため、光電池パネル留め具の1対の挟持要素63は、スロットを介してキャビティに挿入されたときに、キャビティ112内の内側停止面114で停止するように構成できる。これは:(i)組み立てフレーム10を下向きに挿入したとき、その底部が1対の挟持要素63の表面に接触してこれを押し;(ii)組み立てフレーム10が完全に通過されるまで、1対の挟持要素63が互いに向かって変形し;(iii)上記底部の外側接触面113が支持構造体の取り付け平面21に接触し;(iv)挟持要素63が所定の位置に戻って、内側停止面114で停止することを意味する。これはノッチが挟持要素63に設けられる理由でもあり、これは、剛性を低下させることによってフレームインサートの組み立てを容易にするためである。このとき、光電池パネル留め具は、組み立てフレームのキャビティ内で第2の組み立て状態にあるが、依然として応力が印加されていない組み立て前状態にあり、第1の支持体部分641と本体61との間には第1のスペースd1が存在する。更に図6a、6bは、挟持要素63と内側停止面114との間に第2のスペースd2も形成されている様子を示す。その結果、組み立てフレーム10を、図6bに示されている配向において取付面21に沿って水平に移動させ、位置を調整することによって、位置決めの精度を保証できる。
【0038】
図7a、7bに示されているように、ボルト30が所定の位置にあるとき、オペレータはボルト30を、支持構造体の下方から矢印の方向に上向きに更に回転させることができる。これにより、光電池パネルの留め具のねじ山付きコネクタ62は、挟持要素63が組み立てフレーム10の内側停止面114に当接するまで、係合の作用によって下向きに移動する。従って第2のスペースd2は視認できなくなり、所望の固定力を得るために、ボルトの回転中にトルクが印加される。円弧状のブリッジの配置は、トルクが印加されて支持要素が変形したときに、円弧状のブリッジもこれに伴って変形することにより、支持要素の変形の間隔がより広くなるようになっている。換言すれば、これは挟持力の間隔を構成する。更に、剛性の接触に比べて、円弧状のブリッジの存在により、挟持後にボルト30が破損しにくくなる。このとき、光電池パネル留め具は、組み立てフレーム10及び支持構造体20を固定する第3の状態にあり、これは、固定効果をもたらす固定状態である。図で確認できるように、第1のスペースd1は視認できなくなり、支持体部分641及び本体61は互いに当接し、これによって光電池パネルの留め具の全体的な耐久性が強化され、固定の安定性及び信頼性が高まる。更にこの固定状態では、円弧状のブリッジの存在によって、組み立てフレームが挟持の軸に沿った一定の弾性を有することができ、これは防振効果を更に有する。
【0039】
しかしながら分解時には、ボルト30を支持構造体20の下で反対方向に回転させることができ、これにより、光電池パネル留め具60のねじ山付きコネクタ62は螺合の作用によって上向きに移動し、図6aに示されている状態に戻る。
【0040】
従って、これに応じて分解作業を実施できるため、実用的かつ迅速である。従来技術から公知の光電池パネル固定方法に比べて、本発明による光電池パネル留め具は構造が簡単であり、製造が容易であることに留意されたい。固定の実施のために印加するべき力は小さく、実装が簡単である一方で、設置中に安定した接続が得られる。
【0041】
ここで、図面に示されている実施形態は、本発明による、光電池パネルを光電池パネルモジュールに留めるためのデバイスの様々な任意の構成部品の、任意のアーキテクチャ、形状、サイズ、及び配置を示すだけのものであり、これは単なる例示であって限定的な性質のものではないことを理解しなければならない。本発明の思想及び範囲から逸脱することなく、他の形状、寸法、及び配置を採用することもできる。
【0042】
以上、本発明の技術内容及び技術的特徴について説明した。しかしながら、本発明の精神に基づいて、当業者は上述の概念に様々な変更及び改良を加えることができ、それらは全て本発明の保護範囲内であることが理解される。上述の実施形態の説明は、限定的なものではなく例示的なものであり、本発明の保護範囲は特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図4f
図5a
図5b
図5c
図6a
図6b
図7a
図7b
【国際調査報告】