(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】染色されていない標本のテストを判定するために電子画像を処理するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20240305BHJP
G06V 10/82 20220101ALI20240305BHJP
C12M 1/34 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
G06T7/00 630
G06T7/00 350B
G06V10/82
C12M1/34 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554841
(86)(22)【出願日】2022-02-09
(85)【翻訳文提出日】2023-09-12
(86)【国際出願番号】 US2022015741
(87)【国際公開番号】W WO2022191943
(87)【国際公開日】2022-09-15
(32)【優先日】2021-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518307592
【氏名又は名称】ペイジ.エーアイ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PAIGE.AI, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ラシティ, パトリシア
(72)【発明者】
【氏名】カナン, クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ボズクルト, アリカン
(72)【発明者】
【氏名】ドグダス, ベルマ
【テーマコード(参考)】
4B029
5L096
【Fターム(参考)】
4B029AA07
4B029AA27
4B029BB11
4B029CC03
4B029FA02
4B029GA08
4B029GB02
4B029GB06
4B029GB10
5L096BA18
5L096GA10
5L096GA19
5L096HA11
5L096KA04
(57)【要約】
コンピュータにより実施される方法は、記憶装置において、染色されていないデジタル病理組織スライド画像の集合を受信することと、顕著な特徴の存在または不存在を推測するように、集合の1つ以上のスライド画像に対して訓練された機械学習モデルを実行させることと、を含み得る。訓練された機械学習モデルは、染色されていないまたは染色されたデジタル病理組織スライド画像の第2の集合と、第2の集合の1つ以上の染色されていないまたは染色されたデジタル病理組織スライド画像についての少なくとも1つのシノプティックアノテーションとを処理することによって、訓練されている場合がある。コンピュータにより実施される方法は更に、訓練された機械学習モデルの出力から少なくとも1つのマップを決定することと、訓練された機械学習モデルから記憶装置に出力を提供することと、を含み得る。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶装置において、染色されていないデジタル病理組織スライド画像の集合を受信することと、
顕著な特徴の存在または不存在を推測するように、前記集合の1つ以上のスライド画像に対して訓練された機械学習モデルを実行することであって、
前記訓練された機械学習モデルは、染色されていないまたは染色されたデジタル病理組織スライド画像の第2の集合と、前記第2の集合の1つ以上の染色されていないまたは染色されたデジタル病理組織スライド画像に対する少なくとも1つのシノプティックアノテーションとを処理することによって、訓練されている、前記実行することと、
前記訓練された機械学習モデルの出力から少なくとも1つのマップを決定することと、
前記訓練された機械学習モデルから前記記憶装置に出力を提供することと、
を含む、コンピュータにより実施される方法。
【請求項2】
染色されていないデジタル病理組織スライド画像の前記集合の前記1つ以上のスライド画像を仮想的に染色するように、人工知能(AI)システムを稼働させることと、
前記集合の前記1つ以上のスライド画像をタイルの集合に区分化することと、
組織マスクを作成するように、前記集合の前記1つ以上のスライド画像の非組織背景から、前記集合の前記1つ以上のスライド画像の少なくとも1つの組織領域を検出すること、または区画化することと、
前記非組織背景であると検出されたタイルの前記集合の1つ以上のタイルを除去することと、
を更に含む、請求項1に記載のコンピュータにより実施される方法。
【請求項3】
染色されていないデジタル病理組織スライド画像の前記集合の前記1つ以上のスライド画像上で、顕著な領域が位置する場所を示すことを更に含む、請求項1に記載のコンピュータにより実施される方法。
【請求項4】
染色されていないデジタル病理組織スライド画像の前記集合内のスライド画像が、顕著な組織を包含しないと判定することと、
テストのために、染色されていないデジタル病理組織スライド画像の別の集合を選択することと、
を更に含む、請求項1に記載のコンピュータにより実施される方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのマップを前記決定することは、
前記少なくとも1つのマップとして少なくとも1つのヒートマップを生み出すように、イントロスペクション技術を使用することを更に含む、
請求項1に記載のコンピュータにより実施される方法。
【請求項6】
前記記憶装置において、染色されていないまたは染色されたデジタル病理組織スライド画像の前記第2の集合を受信することと、
前記少なくとも1つのシノプティックアノテーションを受信することと、
スライド画像上の1つ以上の位置を入力と見なして、顕著なラベルの存在を推定するように、機械学習モデルを訓練することであって、前記訓練することは、前記訓練された機械学習モデルを形成する、前記訓練することと、
前記訓練された機械学習モデルのパラメータのセットを前記記憶装置に保存することと、
を更に含む、請求項1に記載のコンピュータにより実施される方法。
【請求項7】
染色する前記第2の集合の1つ以上の染色されていないデジタル病理組織スライド画像を仮想的に染色すること、または前記第2の集合の1つ以上の染色されたデジタル病理組織スライド画像を脱染色するために画像処理技術を使用することと、
前記第2の集合の前記1つ以上のスライド画像をタイルの集合に区分化することと、
組織マスクを作成するように、前記第2の集合の前記1つ以上のスライド画像の非組織背景から、前記第2の集合の前記1つ以上のスライド画像の少なくとも1つの組織領域を検出すること、または区画化することと、
前記非組織背景であると検出された1つ以上のタイルを除去することと、
を更に含み、
前記機械学習モデルを前記訓練することは、
前記1つ以上の除去されたタイルを除き、スライド画像上の1つ以上の位置を入力と見なすように、前記機械学習モデルを訓練することを更に含む、
請求項6に記載のコンピュータにより実施される方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つのシノプティックアノテーションは、前記第2の集合の前記1つ以上のスライド画像についての1つ以上のラベルを含む、請求項6に記載のコンピュータにより実施される方法。
【請求項9】
前記1つ以上のラベルは、画素レベル、タイルレベル、スライドレベル、または部分標本レベルにある、請求項8に記載のコンピュータにより実施される方法。
【請求項10】
前記1つ以上のラベルは、バイナリ、マルチラベルバイナリ、カテゴリ的、序数、または実数値である、請求項8に記載のコンピュータにより実施される方法。
【請求項11】
命令を記憶したメモリと、処理を実行するように前記命令を実行する少なくとも1つのプロセッサとを含む、組織分析のための訓練された機械学習モデルを使用するシステムであって、前記処理は、
記憶装置において、染色されていないデジタル病理組織スライド画像の集合を受信することと、
顕著な特徴の存在または不存在を推測するように、前記集合の前記1つ以上のスライド画像に対して訓練された機械学習モデルを実行することであって、
前記訓練された機械学習モデルは、染色されていないまたは染色されたデジタル病理組織スライド画像の第2の集合と、前記第2の集合の1つ以上の染色されていないまたは染色されたデジタル病理組織スライド画像に対する少なくとも1つのシノプティックアノテーションとを処理することによって、訓練されている、前記実行することと、
前記訓練された機械学習モデルの出力から少なくとも1つのマップを決定することと、
前記訓練された機械学習モデルから前記記憶装置に出力を提供することと、
を含む、前記システム。
【請求項12】
前記処理は、
染色されていないデジタル病理組織スライド画像の前記集合の前記1つ以上のスライド画像を仮想的に染色するように、人工知能(AI)システムを稼働させることと、
前記集合の前記1つ以上のスライド画像をタイルの集合に区分化することと、
組織マスクを作成するように、前記集合の前記1つ以上のスライド画像の非組織背景から、前記集合の前記1つ以上のスライド画像の少なくとも1つの組織領域を検出すること、または区画化することと、
前記非組織背景であると検出されたタイルの前記集合の1つ以上のタイルを除去することと、
を更に含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記処理は、
染色されていないデジタル病理組織スライド画像の前記集合の前記1つ以上のスライド画像上で、顕著な領域が位置する場所を示すことを更に含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記処理は、
染色されていないデジタル病理組織スライド画像の前記集合内のスライド画像が、顕著な組織を包含しないと判定することと、
テストのために、染色されていないデジタル病理組織スライド画像の別の集合を選択することと、
を更に含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つのマップを前記決定することは、
前記少なくとも1つのマップとして少なくとも1つのヒートマップを生み出すように、イントロスペクション技術を使用することを更に含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令は、プロセッサによって実行されるとき、前記プロセッサに、組織分析のための訓練された機械学習モデルを使用する方法を実行させ、前記方法は、
記憶装置において、染色されていないデジタル病理組織スライド画像の集合を受信することと、
顕著な特徴の存在または不存在を推測するように、1つ以上のデジタル病理組織スライド画像に対して訓練された機械学習モデルを実行することであって、
前記訓練された機械学習モデルは、染色されていないまたは染色されたデジタル病理組織スライド画像の第2の集合と、前記第2の集合の1つ以上の染色されていないまたは染色されたデジタル病理組織スライド画像に対する少なくとも1つのシノプティックアノテーションとを処理することによって、訓練されている、前記実行することと、
前記訓練された機械学習モデルの出力から少なくとも1つのマップを決定することと、
前記訓練された機械学習モデルから前記記憶装置に出力を提供することと、
を含む、前記非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記方法は、
前記記憶装置において、染色されていないまたは染色されたデジタル病理組織スライド画像の前記第2の集合を受信することと、
前記少なくとも1つのシノプティックアノテーションを受信することと、
スライド画像上の1つ以上の位置を入力と見なして、顕著なラベルの存在を推定するように、機械学習モデルを訓練することであって、前記訓練することは、前記訓練された機械学習モデルを形成する、前記訓練することと、
前記訓練された機械学習モデルのパラメータのセットを前記記憶装置に保存することと、
を更に含む、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
染色する前記第2の集合の1つ以上の染色されていないデジタル病理組織スライド画像を仮想的に染色すること、または前記第2の集合の1つ以上の染色されたデジタル病理組織スライド画像を脱染色するために画像処理技術を使用することと、
前記第2の集合の前記1つ以上のスライド画像をタイルの集合に区分化することと、
組織マスクを作成するように、前記集合の前記1つ以上のスライド画像の非組織背景から、前記第2の集合の前記1つ以上のスライド画像の少なくとも1つの組織領域を検出すること、または区画化することと、
前記非組織背景であると検出された1つ以上のタイルを除去することと、
を更に含み、
前記機械学習モデルを前記訓練することは、
前記1つ以上の除去されたタイルを除き、スライド画像上の1つ以上の位置を入力と見なすように、前記機械学習モデルを訓練することを更に含む、
請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記少なくとも1つのシノプティックアノテーションは、前記第2の集合の前記1つ以上のスライド画像についての1つ以上のラベルを含む、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記1つ以上のラベルは、画素レベル、タイルレベル、スライドレベル、または部分標本レベルにある、請求項19に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年3月9日に出願された米国仮特許出願第63/158,791号に対する優先権を主張するものであり、その開示全体がその全体を参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の様々な実施形態は、概して、画像処理方法に関する。より具体的には、本開示の特定の実施形態は、追加的テストのための染色されていない組織標本を分析するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
腫瘍のゲノム配列決定のための現在のワークフローは、多くの非効率性を有する。ワークフローは、病理学者が、配列決定のための腫瘍エリアの最良のスライド/区画を選択するために材料を再レビューすることを必要とし得、それは、努力を要し、時間がかかり得る。現在のワークフロー内の主な非効率性の1つは、テストのための適切なブロックの選択の後、作られたスライドが染色され得ないことである。したがって、技術者が、各々の染色されていないスライドからサンプルを獲得し、各々のスライドの品質を査定する場所を正確に知ることが困難であり得る。
【0004】
本明細書で提供される背景技術の説明は、開示のコンテキストを概括的に提示するためのものである。本明細書で別段の指示がない限り、この章に記載される材料は、本出願における特許請求の範囲に対して従来技術ではなく、従来技術であると認めるものでなく、またはこの章に含めることによって従来技術を示唆することを認めるものではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の或る態様によれば、追加のテストのための染色されていない組織標本を分析するシステム及び方法が開示される。
【0006】
コンピュータにより実施される方法は、記憶装置において、染色されていないデジタル病理組織スライド画像の集合を受信することと、顕著な特徴の存在または不存在を推測するように、集合の1つ以上のスライド画像に対して訓練された機械学習モデルを実行させることと、を含み得る。訓練された機械学習モデルは、染色されていないまたは染色されたデジタル病理組織スライド画像の第2の集合と、第2の集合の1つ以上の染色されていないまたは染色されたデジタル病理組織スライド画像についての少なくとも1つのシノプティックアノテーション(synoptic annotation)とを処理することによって、訓練されている場合がある。コンピュータにより実施される方法は更に、訓練された機械学習モデルの出力から少なくとも1つのマップを決定することと、訓練された機械学習モデルから記憶装置に出力を提供することと、を含み得る。
【0007】
組織分析のための訓練された機械学習モデルを使用するシステムは、命令を記憶したメモリと、処理を実行するように命令を実行する少なくとも1つのプロセッサとを含む。処理は、記憶装置において、染色されていないデジタル病理組織スライド画像の集合を受信することと、顕著な特徴の存在または不存在を推測するように、集合の1つ以上のスライド画像に対して訓練された機械学習モデルを実行させることを含み得る。訓練された機械学習モデルは、染色されていないまたは染色されたデジタル病理組織スライド画像の第2の集合と、第2の集合の1つ以上の染色されていないまたは染色されたデジタル病理組織スライド画像についての少なくとも1つのシノプティックアノテーションとを処理することによって、訓練されている場合がある。処理は、訓練された機械学習モデルの出力から少なくとも1つのマップを決定することと、訓練された機械学習モデルから記憶装置に出力を提供することと、を含み得る。
【0008】
命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令は、プロセッサによって実行されるとき、プロセッサに、組織分析のための訓練された機械学習モデルを使用する方法を実行させる。方法は、記憶装置において、染色されていないデジタル病理組織スライド画像の集合を受信することと、顕著な特徴の存在または不存在を推測するように、1つ以上のデジタル病理組織スライド画像に対して訓練された機械学習モデルを実行させることを含み得る。訓練された機械学習モデルは、染色されていないまたは染色されたデジタル病理組織スライド画像の第2の集合と、第2の集合の1つ以上の染色されていないまたは染色されたデジタル病理組織スライド画像についての少なくとも1つのシノプティックアノテーションとを処理することによって、訓練されている場合がある。方法は、訓練された機械学習モデルの出力から少なくとも1つのマップを決定することと、訓練された機械学習モデルから記憶装置に出力を提供することと、を含み得る。
【0009】
添付の図面は、この明細書の一部に組み込まれ、これを構成し、種々の例示の実施形態を図示しており、この説明と併せて、開示している実施形態の原理を説明する役目を果たしている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】本開示のある実施形態に係る、染色されていない組織スライドの分析のためのシステム及びネットワークの例示的なブロック図を示す。
【0011】
【
図1B】本開示のある実施形態に係る、
図1Aのシステムの疾患検出プラットフォームの例示的なブロック図を示す。
【0012】
【
図1C】本開示のある実施形態に係る、
図1Aのシステムのスライド分析ツールの例示的なブロック図を示す。
【0013】
【
図2】本開示のある実施形態に係る、組織分析のための機械学習モデルを訓練及び使用する例示的な方法を示すフローチャートである。
【0014】
【
図3】本開示のある実施形態に係る、例示的なコンピューティングデバイスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
これから本開示の例示的な実施形態について詳細に言及するが、それらの例は添付の図面に示されている。可能な場合は必ず、図面全体を通して、同じまたは類似の部分を示すために、同じ参照番号が使用される。
【0016】
本明細書で開示されるシステム、デバイス、及び方法は、例として、及び図面を参照して詳細に説明される。本明細書で議論される例は、例にすぎず、本明細書で説明される装置、デバイス、システム、及び方法の説明を支援するために提供される。図面において図示され、または以下で議論される特徴または構成要素のいずれもが、必須であるとして特別に指定されない限り、それらのデバイス、システム、または方法のいずれかのいずれかの特定の実施態様のために必須であるとして見なされるべきではない。
【0017】
また、説明される方法について、方法がフローチャートと併用して説明されるかどうかに関わらず、コンテキストによって他に規定されまたは必要とされない限り、方法の実行において実行されるステップの明確なまたは暗黙的な順序付けは、それらのステップが提示される順序において実行されるべきであることを暗に示すものではなく、代わりに、異なる順序においてまたは並列に実行され得る。
【0018】
本明細書で使用されるように、用語「例示的な(exemplary)」は、「理想的(ideal)」ではなく「例(example)」の意味において使用される。更に、本明細書における「a」及び「an」という用語は、量の制限を意味するのではなく、むしろ言及された項目のうちの1つ以上が存在していることを意味する。
【0019】
分子研究所は、遺伝子レベルにおいて突然変異、融合、または欠失を識別するために、染色されていないホルマリン固定パラフィン包埋組織(FFPE:formalin fixed paraffin embedded tissue)スライドからの組織サンプルを使用して、または次世代配列決定(NGS:next-generation sequencing)を使用して、腫瘍ゲノムを評価し得る。これは、腫瘍の起源を正確に示し、予後を与え、治療の決定をガイドし(例えば、目標の治療法、免疫腫瘍学治療法、もしくはバスケットトライアル)、及び/または最小限の残存病変(MRD:minimal residual disease)を評価するために行われ得る。これは、血液サンプルに対して相対的に直線的であり得ると共に、それは、FFPEサンプルに対して複合的な多段階処理である。
【0020】
例えば、FFPEについて、ワークフローは、病理学者による生検または切除スライドのいずれかからの腫瘍の一次診断により始まり得る。患者からの組織標本は、FFPEブロックに包埋され得、各々のブロックの部分は、スライドを作るためにスライスされ得、それらのスライドは、診断を与えるために使用され得、FFPEブロックの残りをゲノム配列決定のために潜在的に使用されるようにする。
【0021】
一次診断の後、治療する腫瘍学者は、汎腫瘍(pan-tumor)または特定のゲノムテストのいずれかを要求し得る。要求は、腫瘍の最も適切な区画を包含する各々のFFPEブロックからのスライドを再レビューし得る、署名した(sign-out)病理学者に配送され得る。最も適切な腫瘍区画を識別するために、腫瘍の純度が最も高く、壊死が最も低く、及び/または炎症が最も低い、既存のスライドが切断されたブロックが選ばれ得る。このステップは、スライドの手動再レビューを介して実行され得、非常に時間を要し得る。ブロックを識別した後、そのブロックからのいくつかの染色されていないスライド(例えば、11個のスライド)は、汎腫瘍NGSパネルのためのワークフローに切断され得る。ブロック内の最後のスライドは次いで、染色及び評価され得る。例えば、11個のスライドのブロックのケースでは、11番目のスライドは、ヘマトキシリン及びエオシン(H&E:hematoxylin and eosin)により染色され得、前の10個の染色されていないスライドが十分な量の腫瘍を有すること保証することを支援するために、残余腫瘍に対して評価され得る。残りの(例えば、10個の)染色されていないスライドは、基本的な患者情報(例えば、年齢、性別、トップライン診断)を包含する請求/形式に従って分子研究所に送られ得る。
【0022】
分子研究所に到着すると、第1の染色されていないスライドは、H&Eにより染色され得、腫瘍の正確な位置のための顕微鏡の下で技術者によって評価され得、次いで、腫瘍は、先端がダイヤモンド状のペンシルまたはマーカのいずれかを使用して、技術者によって注釈を付けられ得る。この位置は、残りの9個の染色されていないスライド上で大まかにマーク付けされ得、その結果、技術者は、スライドから腫瘍内で豊富なそれらのエリアを「マクロ解剖(macro dissect)」することができる。マクロ解剖は、スライドの表面から染色されていないFFPE組織を削るためにブレードを使用することと、組織を浸軟化することができ、抽出されたデオキシリボ核酸(DNA)となることができるように、それを吸引することと、を含み得る。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR:Polymerase chain reaction)テストは次いで、それらの腫瘍区画上で実行され得、結果は、ロバストなバイオインフォマティクスデータパイプラインを通じてフィードされ得る。分子病理学者は、結果を分析し得、臨床的意義及びアクションの様々な階層に突然変異を分類し得る。
【0023】
一部のインスタンスでは、不十分な量の腫瘍または大きな壊死性領域の存在があり得、それは、組織がテストのために不十分であると見なされることを結果としてもたらす場合がある。これが発生する場合、診断する病理学者は、分子テストを行う第2の試みのためにより多くの腫瘍を有する可能性が高いFFPEブロックを選択することを警告され及び依頼され得る。
【0024】
分子テストのために十分な腫瘍がある場合、研究所によって受け取られた後に、サンプル上で分子テストが実行され得る。研究所は、一次診断の病理学者に送り返される包括的報告を生成し得、この報告は、腫瘍学者による後続のレビューのために元の診断報告に添付され得る。この処理は全体的に、2週間を要し得るが、腫瘍の量が不十分な場合、もう2週間必要であり得る。よって、サンプルを評価及び処理するプロセスは、不正確である場合があり、時間を要する場合があり、一貫性がない場合があり、それは、研究所のリソースを無駄にし、遅くまたは不正確な診断を結果としてもたらす。
【0025】
本明細書で説明されるある実施形態は、追加のテストのための染色されていない組織標本の分析を提供し得る。特に、ある実施形態は、染色されていないスライドからサンプルを識別し、各々のスライド(または、スライドのうちの1つ以上)の品質を制御するために、人工知能(AI)を使用し得る。例えば、本開示のシステム及び方法は、病理学的診断、予後、及び治療決定のために必要である細胞の特徴を検出するために、AI技術を活用し得る。データ及び予測は、いずれかのユーザインタフェースを介して(例えば、デジタル病理観察システム、デジタル報告、研究所情報システムなどを通じて)、集約され得、及び即時に(または低待ち時間により)利用可能にされ得る。機械学習アルゴリズムは、急速にまたは同時に、サンプル適切性を評価し得、サンプルを診断カテゴリにカテゴリ化し得、最も可能性が高い分子変化をスクリーニングし得、それによって、腫瘍上で実行される総分子テストを制限し、十分な量の腫瘍に起因した有効な分子結果の尤度を高める。このようにして、ある実施形態は、サンプルを評価及び処理するための、効率的な、一貫した、及び正確な方法を提供し得、研究所のリソースを節約し得、診断の速度及び精度を改善し得る。
【0026】
ブロックがテストのための最適なブロックとして選ばれた後、病理学者によってまたはAIシステムによってのいずれかで、N個のスライド(例えば、N=11)は、そのブロックから作られ得る。まさにN-1個のスライドは次いで、ブロックが十分な品質のブロックであることを検証するために、典型的にはH&Eにより染色され得る。これは、最終的なスライドが十分でない場合があるので、制約を有し、それは、テストする1つ以上の染色されていないスライド上でテストを行う技術者に通知しない場合がある。本開示のある実施形態は、十分な腫瘍が1つ以上の染色されていないスライド上にあることを検証し、次いで、テストのために最適である1つ以上の染色されていないスライド上の空間的領域を示すことによって、この制約を克服し得る。染色されていないスライドを処理するために、本開示のシステム及び方法は、スライドのマルチスペクトル画像を入力として見なすAIシステムを使用して、またはスライドの染色されていない赤、緑、青(RGB)画像から学習することによって直接、例えば、H&Eにスライドを事実上染色するために使用され得る。
【0027】
図1Aは、本開示のある実施形態に係る、機械学習を使用して、染色された組織スライドの分析のためのシステム及びネットワークの例示的なブロック図を示す。特に、
図1Aは、様々な処理デバイス(例えば、スライド分析ツール101を含む疾患検出プラットフォーム100)及び記憶装置109、ネットワーク120、医師サーバ121、病院サーバ122、臨床試験サーバ123、リサーチ研究所サーバ124、ならびに研究所情報システム125を含む、サーバシステム110を示す。
【0028】
サーバシステム110は、サーバデバイスの1つ以上の相互接続されたシステム(例えば、複数の相互接続されたデータセンタもしくはクラウドネットワーク、またはデータセンタもしくはクラウドネットワーク内の複数の相互接続されたシステムなど)を含み得る。サーバシステム110は、医師サーバ121、病院サーバ122、臨床試験サーバ123、リサーチ研究所サーバ124、及び/または研究所情報システム125のうちの少なくとも1つから受信された画像及びデータを記憶するための1つ以上の記憶装置109(例えば、デジタル及び/または電子記憶装置109)を含み得る。サーバシステム110はまた、1つ以上の記憶装置109に記憶された画像及びデータを処理するための処理デバイスを含み得る。例えば、サーバシステム110は、疾患検出プラットフォーム100を実装するように構成された処理デバイスを含み得る。疾患検出プラットフォーム100は、全体スライド画像(WSI:whole slide image)内の組織を分析するために、スライド分析ツール101を使用し得る。
【0029】
サーバシステム110は更に、1つ以上の機械学習ツール(複数可)または能力を含み得る。例えば、処理デバイスは、疾患検出プラットフォーム100のための機械学習ツールを含み得る(例えば、処理デバイスは、1つ以上の訓練された機械学習モデルを実行させ得る)。特定の実施形態では、処理デバイスによって実行される操作の一部または全ては、ローカル処理デバイス(例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、携帯電話、タブレットなど)上で実行され得る。
【0030】
ネットワーク120は、インターネット、イントラネット、セルラネットワーク(例えば、Third Generation Partnership Project(3GPP(登録商標))3Gネットワーク、4Gネットワーク、5Gネットワークなど)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、及び/またはパブリックランドモバイルネットワーク(PLMN)など、1つ以上の有線及び/または無線ネットワークを含み得る。ネットワーク120は、例えば、病院、研究所、医者のオフィスなどにおいて、サーバに接続され得る。例えば、医師サーバ121、病院サーバ122、臨床試験サーバ123、リサーチ研究所サーバ124、及び/または研究所情報システム125などは各々、1つ以上のコンピュータ、サーバ、及び/またはハンドヘルドモバイルデバイスを通じて、インターネットなどのネットワーク120に接続され得る。本開示の実施例の実施形態により、ネットワーク120も、サーバシステム110に接続され得る。
【0031】
医師サーバ121、病院サーバ122、臨床試験サーバ123、リサーチ研究所サーバ124、及び/または研究所情報システム125は、1つ以上のサーバデバイスを含み得る(データセンタ内に、またはクラウドネットワーク内で分散される)。医師サーバ121、病院サーバ122、臨床試験サーバ123、リサーチ研究所サーバ124、及び/または研究所情報システム125は、1つ以上の患者の細胞学標本(複数可)の画像、病理組織標本(複数可)の画像、標本(複数可)のスライド(複数可)の画像、標本(複数可)のスライド(複数可)のデジタル化画像、またはいずれかのそれらの組み合わせを作成し得、またはそうでなければ取得し得る。医師サーバ121、病院サーバ122、臨床試験サーバ123、リサーチ研究所サーバ124、及び/または研究所情報システム125はまた、年齢、医療履歴、がん治療履歴、家族履歴、過去の生検または細胞学情報など、患者特有情報のいずれかの組み合わせを取得し得る。医師サーバ121、病院サーバ122、臨床試験サーバ123、リサーチ研究所サーバ124、及び/または研究所情報システム125は、ネットワーク120にわたって、サーバシステム110にデジタル化スライド画像及び/または患者特有情報を送信し得る。
【0032】
医師サーバ121、病院サーバ122、臨床試験サーバ123、リサーチ研究所サーバ124、及び/または研究所情報システム125は、病理学者によるレビューのためのスライドの画像を提供し得る。病院の設定では、組織タイプ情報が研究所情報システム125に記憶され得る。特定の実施形態では、類似の標的を共有するWSI内の細胞は、研究所情報システム125にアクセスする必要なしにグループ化され得る。加えて、研究所情報システム125によって記憶されたコンテンツヘのアクセスは、そのセンシティブな性質に起因して制約され得る。
【0033】
図1Bは、本開示のある実施形態に係る、機械学習を使用して、染色されていない組織スライドの分析のための、
図1Aのサーバシステム110の疾患検出プラットフォーム100の例示的なブロック図を示す。
図1Bに例示されるように、疾患検出プラットフォーム100は、スライド分析ツール101、データ摂取ツール102、スライド取り込みツール103(スライドスキャナ104、スライドマネージャ105、及び記憶装置106を含み得る)、ならびに観察アプリケーションツール108を含み得る。スライド分析ツール101は、例えば、類似の標的を共有するWSI内の細胞をグループ化する能力を有する1つ以上のコンピューティングデバイスを含み得る。例えば、スライド分析ツール101は、ネットワーク120にわたって、サーバシステム110、医師サーバ121、病院サーバ122、臨床試験サーバ123、リサーチ研究所サーバ124、及び/または研究所情報システム125にデジタル化スライド画像及び/または患者情報を送信及び/または受信し得る。
【0034】
データ摂取ツール102は、例えば、デジタル病理画像を分類及び処理するために使用される、本明細書で説明される様々なツール、モジュール、構成要素、及びデバイスにデジタル病理画像を転送することを促進する能力を有する1つ以上のコンピューティングデバイスを含み得る。スライド取り込みツール103は、例えば、病理画像をスキャンし、それらをデジタル形式に変換する能力を有する1つ以上のコンピューティングデバイスを含み得る。例えば、スライドは、スライドスキャナ104によりスキャンされ得、スライドマネージャ105は、スライドに対する画像をデジタル化病理画像に処理し得、デジタル化画像を記憶装置106(例えば、デジタルまたは電子記憶装置)に記憶し得る。観察アプリケーションツール108は、ユーザ(例えば、病理学者)に、標本プロパティ情報またはデジタル病理画像(複数可)に関する画像プロパティ情報を提供する能力を有する1つ以上のコンピューティングデバイスを含み得る。情報は、様々な出力インタフェース(例えば、スクリーン、モニタ、記憶装置、ウェブブラウザなど)を通じて提供され得る。
【0035】
サーバシステム110(
図1Bには例示されない)は、スライド分析ツール101、データ摂取ツール102、スライド取り込みツール103、スライドスキャナ104、スライドマネージャ105、及び/または観察アプリケーションツール108から受信された画像及びデータを記憶し得る(例えば、この情報を記憶装置109に記憶し得る)。サーバシステム110は、処理デバイスを使用して、画像及びデータを処理し得る。サーバシステム110は更に、画像及びデータを処理するために、1つ以上の機械学習ツール(複数可)または能力を使用し得る。
【0036】
図1Cは、本開示のある実施形態に係る、
図1Aのサーバシステム110のスライド分析ツール101の例示的なブロック図を示す。スライド分析ツール101は、訓練画像プラットフォーム131(例えば、訓練画像取り込みモジュール132、データ分析モジュール133、及び組織識別モジュール134を含み得る)、及び/またはターゲット画像プラットフォーム135(例えば、ターゲット画像取り込みモジュール136、標本検出モジュール137、及び出力インタフェース138を含み得る)を含み得る。
【0037】
訓練画像プラットフォーム131は、例えば、デジタル病理画像を効果的に分析及び分類するように機械学習モデルを訓練するために使用される訓練画像を作成または受信する能力を有する1つ以上のコンピューティングデバイスを含み得る。例えば、訓練画像は、サーバシステム110、医師サーバ121、病院サーバ122、臨床試験サーバ123、リサーチ研究所サーバ124、及び/または研究所情報システム125から受信され得る。訓練するために使用される画像は、実のソース(例えば、人間、動物など)から取得され得、または合成ソース(例えば、グラフィックレンダリングエンジン、三次元(3D)モデルなど)から来得る。デジタル病理画像の実施例は、(a)H&E、ヘマトキシリン単独、免疫組織化学(IHC)、分子病理など、様々な染色剤により染色されたデジタル化スライド、及び/または(b)マイクロコンピュータ断層撮影法(microCT)などの3D撮像デバイスからのデジタル化組織サンプル、を含み得る。
【0038】
訓練画像取り込みモジュール132は、例えば、1つ以上のヘルス変数及び/または1つ以上のデータ変数に対応する1つ以上の訓練データセットを含むデータセットを作成し、受信し、または分析する能力を有する1つ以上のコンピューティングデバイスを含み得る。例えば、訓練データセットは、サーバシステム110、医師サーバ121、病院サーバ122、臨床試験サーバ123、リサーチ研究所サーバ124、及び/または研究所情報システム125から受信され得る。このデータセットは、デジタル及び/または電子記憶装置に保持され得る。データ分析モジュール133は、例えば、個々の細胞の組がデジタル化画像の関心の細胞または背景の細胞に属するかどうかを識別する能力を有する1つ以上のコンピューティングデバイスを含み得る。組織識別モジュール134は、例えば、デジタル化画像を分析し、細胞学サンプル内の個々の細胞が更なる分析を必要とするかどうかを決定する能力を有する1つ以上のコンピューティングデバイスを含み得る。個々の細胞が更なる分析を必要とすると識別すると、組織識別モジュールは、ユーザへのアラートをトリガし得る。
【0039】
ターゲット画像プラットフォーム135は、例えば、ターゲット画像を受信し、ターゲットデータセットの特性を決定するために、機械学習モデルを受信されたターゲット画像に適用する能力を有する1つ以上のコンピューティングデバイスを含み得る。例えば、ターゲットデータは、サーバシステム110、医師サーバ121、病院サーバ122、臨床試験サーバ123、リサーチ研究所サーバ124、及び/または研究所情報システム125から受信され得る。ターゲット画像取り込みモジュール136は、例えば、ターゲットヘルス変数またはデータ変数に対応するターゲットデータセットを受信する能力を有する1つ以上のコンピューティングデバイスを含み得る。標本検出モジュール137は、例えば、ターゲットヘルス変数またはデータ変数の特性を決定するために、機械学習モデルをターゲットデータセットに適用する能力を有する1つ以上のコンピューティングデバイスを含み得る。例えば、標本検出モジュール137は、ターゲット関係性の傾向を検出し得る。標本検出モジュール137はまた、ターゲットデータセットについての品質スコアを決定するために、機械学習モデルをターゲットデータセットに適用し得る。更に、標本検出モジュール137は、ターゲット要素が決定された関係性に存在するかどうかを決定するために、機械学習モデルをターゲット画像に適用し得る。
【0040】
出力インタフェース138は、例えば、ターゲットデータ及び決定された関係性に関する情報を出力する(例えば、スクリーン、モニタ、記憶装置、ウェブブラウザなどに)能力を有する1つ以上のコンピューティングデバイスを含み得る。
【0041】
図2は、本開示のある実施形態に係る、組織分析のための機械学習モデルを訓練及び使用する例示的な方法200及び220を示すフローチャートである。方法200及び220は、染色されていないスライドを処理するために使用され得る。例えば、例示的な方法200及び220(例えば、ステップ202~212及びステップ222~236のそれぞれ)は、自動で、または疾患検出プラットフォーム100を介してユーザ(例えば、医師、病理学者など)からの要求に応答して、スライド分析ツール101によって実行され得る。
【0042】
実施形態によれば、組織分析のための機械学習モデルを訓練する例示的な方法200は、以下のステップのうちの1つ以上を含み得る。ステップ202では、方法200は、記憶装置(例えば、ハードドライブ、ネットワークドライブ、クラウド記憶装置、ランダムアクセスメモリ(RAM)など)への染色されていないまたは染色されたデジタル病理組織スライド画像の集合を受信することを含み得る。ステップ204Aでは、方法200は、スライド画像が染色されていない場合、染色剤(例えば、H&E)への染色されていないデジタル病理組織スライド画像の集合を染色するために、仮想染色を使用することを含み得る。ステップ204Bでは、方法200は、スライド画像が染色されている場合、染色されたデジタル病理組織スライド画像の集合を脱染色するために、AIまたは画像処理技術を使用することを含み得る。仮想脱染色は、前に染色されたスライドの大きなリポジトリが訓練のために使用されることを有効にし得る。
【0043】
ステップ206では、方法200は、各々のデジタル病理組織スライド画像(もしくは、1つ以上のスライド画像)またはデジタル病理組織スライド画像の集合についての1つ以上のラベルを含む少なくとも1つのシノプティックアノテーションを受信することを含み得る。それらのラベルは、画素レベル、タイルレベル、スライド及び/または部分標本レベル(part specimen-level)にあり得る。ラベルは、バイナリ(もしくは、マルチラベルバイナリ)、カテゴリ的、序数、または実数値であり得る。それらのラベルは、試験のための顕著な属性の存在または不存在、例えば、浸潤癌の存在を示し得る。そのようなステップは、参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許出願第17/313,617号に従って実行され得る。ステップ208では、方法200は、各々のスライド画像(または、1つ以上のスライド画像)を、タイルの集合に区分化することと、背景からの組織領域を検出及び/または区画化して、組織マスクを作成することと、いずれかの非組織タイルを除去することと、を含み得る。検出すること及び区画化することは、それらに限定されないが、閾値に基づく方法(例えば、色/強度に基づく、テキスチャ特徴に基づく、大津の方法など)を含む、様々な方法を使用して実行され得、それに続いて、連結成分アルゴリズムまたはセグメンテーションアルゴリズム(例えば、k平均法、グラフカット、マスク領域に基づく畳み込みニューラルネットワーク(R-CNN)など)を実行させる。
【0044】
ステップ210では、方法200は、ステップ208において除去されるものを除き、スライド上の全ての(または、1つ以上の)位置を入力として見なして、顕著なラベルの存在または不存在を推測するように、機械学習モデルを訓練することを含み得る。モデルは、サポートベクトルマシン(SVM)、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、回帰型ニューラルネットワーク(RNN)、トランスフォーマ、グラフニューラルネットワーク(GNN)、多層パーセプトロン(MLP)、関係性ネットワーク、完全畳み込みセマンティックセグメンテーションニューラルネットワーク、完全畳み込みインスタンスセグメンテーションネットワーク(例えば、マスクR-CNN)、オブジェクト検出ネットワーク(例えば、高速R-CNN)などであり得る。ステップ212では、方法200は、訓練された機械学習モデルのパラメータを記憶装置に保存することを含み得る。
【0045】
組織分析のための機械学習モデルを使用する実施例の方法220は、以下のステップのうちの1つ以上を含み得る。ステップ222では、方法は、記憶装置(例えば、ハードドライブ、ネットワークドライブ、クラウド記憶装置、ランダムアクセスメモリ(RAM)など)への染色されていないデジタル病理組織スライド画像の集合を受信することを含み得る。ステップ224では、方法220は、染色されていないスライド画像を仮想的に染色するように、AIシステムを稼働させることを含み得る。ステップ226では、方法220は、各々のデジタル病理組織スライド画像(または、1つ以上のスライド画像)をタイルの集合に区分化することを含み得る。ステップ228では、方法220は、非組織背景からの少なくとも1つの組織領域を検出及び/または区画化して、組織マスクを作成することと、非組織背景であると検出された全ての(1つ以上の)タイルを除去することと、を含み得る。これは、それらに限定されないが、閾値に基づく方法(例えば、色/強度に基づく、テキスチャ特徴に基づく、大津の方法など)を含む様々な方法を使用して実行され得、それに続いて、連結成分アルゴリズムまたはセグメンテーションアルゴリズム(例えば、k平均法、グラフカット、マスクR-CNN)など)を実行する。
【0046】
ステップ230では、方法220は、顕著な特徴の存在または不存在を推測するように、各々のデジタル病理組織スライド画像(または、1つ以上のスライド画像)に対して訓練された機械学習モデルを実行することを含み得る。特定の実施形態では、訓練された機械学習モデルは、方法200のステップ210において訓練された機械学習モデルであり得る。ステップ232では、方法220は、訓練された機械学習モデルの出力から少なくとも1つのマップを作り出し、またはそうでなければ決定することを含み得る。ある実施形態がまさに属性の存在または不存在を出力する場合、これは、ヒートマップを作り出すために、クラスアクティベーションマッピング(CAM:class activation mapping)及び勾配加重CAM(GradCAM)を使用して実行され得、ヒートマップは、顕著な組織が位置する場所を決定するために、閾値を使用して処理され得る。ある実施形態がインスタンス/セマンティックセグメンテーションを作り出す場合、それらの出力は、マップを作り出すために直接使用され得る。ある実施形態が検出領域(例えば、高速R-CNN)を作り出す場合、それらのウインドウは、位置を示すために直接使用され得る。
【0047】
ステップ234では、方法220は、視覚化のために、訓練された機械学習モデルからの出力を記憶装置に書き込みまたはそうでなければ提供することを含み得る。視覚化は、サンプルする場所を示し、適切なまたは適切でない組織がスライドのいずれか上に存在するかどうかを識別するように、技術者によって実行され得る。代わりに、視覚化は、記憶装置に出力を書き込む前に、画像処理技術を使用して実行され得る(例えば、画像処理技術は、適切なまたは適切でない組織がスライド画像上に存在するかどうかを決定するために使用され得る)。ステップ236では、方法220は、デジタル病理組織スライド画像の各々(または、1つ以上のスライド画像)上で、顕著な領域が位置する場所を示すことを含み得る。例えば、マーキング、アイコンなどは、インジケーションとしてスライド画像にデジタル的に適用され得る。この情報は、異なるユースケースにおいて異なって使用され得る。マクロ解剖のために、顕著な領域の周りの輪郭は、ユーザに、削る最適な場所を示し得る。組織マイクロアレイのために、ブロック内の複数の連続スライド及び最適な軌跡のための空間情報が計算され得、技術者に表示され得る。染色されていないスライドのいずれもが顕著な組織を有しない場合、テストのために新たなブロックが選択され得る。
【0048】
本明細書で説明されるある実施形態は、特別なコンテキストにおいて実装され得る。例えば、ある実施形態は、浸潤性乳癌についての連続再発スコアのためのワークフローにおいて実装され得る。このコンテキストでは、浸潤性乳癌が検出された後、追加の治療を控えるかどうかを決定し、内分泌(ホルモン)治療法を患者に与え、補助化学療法を患者に与え、または一部の他の治療法を患者に与えるように、腫瘍のゲノムアッセイを実行することが一般的である。それらのテストは、連続スコアリングシステムを使用して一次腫瘍を切除した後、疾患の再発及び転移のリスクを評価し得る。テストは、増殖、浸潤、転移、間質の完全性、及び/または血管新生に関連するゲノム情報を評価し得る。
【0049】
EndoPredict(EPclin)テストは、12個の遺伝子のリボ核酸(RNA)表現に基づき得、このゲノム情報を追加の臨床的特徴を組み合わせて、疾患の10年の遠隔再発(DR)率を予測し得る。この点について、EPclinテストは、1~6のスコアを割り振り得、6は、再発の高いリスクを示し、1は、再発の低いリスクを示す。別の例示的なテストは、MammaPrintであり得、MammaPrintは、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)または新鮮組織を使用する70個の遺伝子アッセイであり得る。このテストは次いで、がんの再発の低いリスクを示す0よりも大きい値と、再発の高いリスクを示す0未満の値とを有する連続スコアを予測するために、腫瘍サンプルから隔離されたRNAを使用し得る。これは、補助化学療法が必要であることを示唆し得る。
【0050】
別の例示的なテストは、Breast Cancer Index(BCI)テストであり、BCIテストは、がんの再発を予測するように、7個の遺伝子を分析し得る。このテストは、2つのスコア:0~10の連続スケールでの診断の後に、5年~10年で戻るがんの尤度を推定し得る、BCI Prognosticスコアを生み出し得、5.1~10のスコアは、再発の高いリスクを示す。BCI Predictiveスコアは、追加で5年の内分泌治療法、合計して10年の内分泌治療法を要することからの利点の尤度を推定し得る。
【0051】
Oncotype DX Recurrence Scoreは、腫瘍内の21個の遺伝子の表現に基づき得る、別のそのようなアッセイである。このスコアは、がんの再発のリスクを示すように、0~100の数を生み出し得、31よりも大きいスコアは、転移の高いリスク及び内分泌治療法による補助化学療法についての必要性を示し、26~30のスコアは内分泌治療法を用いる場合の補助化学療法の有効性が不確実であることを示し、26未満のスコアは、内分泌治療法単独で外科手術の後の治療について十分であることを示す。
【0052】
Prosigna Breast Cancer Prognostic Gene Signature Assay(すなわち、PAM50遺伝子シグネチャ)は、ホルモン受容体陽性乳癌についての遠隔再発のリスクを推定するために、FFPEサンプルからのRNAを使用し得る。この技術は、0~100の連続スコアを生み出し得、高いスコアは、治療決定をガイドするのに再発のリスクが大きいことを示す。
【0053】
ある実施形態が実装され得る別の例示的なコンテキストは、非浸潤性乳癌の再発についての連続スコアのためのワークフローを含み得る。例えば、非浸潤性乳癌の診断に続いて、患者が乳腺腫瘤摘出術または乳房切除術を受けた後に補助療法が必要になる場合がある。この治療は、再発のリスクを低減させる、内分泌治療法または放射線療法を含み得るが、それらの治療は、負の副作用を有し得る。患者がそれらの治療から得られ得る利点を決定するために、ゲノムアッセイが開発されてきた。
【0054】
非浸潤性乳癌の1つの一般的な形式は、非浸潤性乳管癌(DCIS:ductal carcinoma in situ)である。DCISのための治療オプションを決定する1つのゲノムテストは、Oncotype DX DCISを含み得、Oncotype DX DCISは、12パネルゲノムテストであり得る。このテストは、乳癌の再発のリスクを決定する0~100の連続スコアを生み出し得、より高い値は、再発を防止するために補助療法についての必要性が大きいことを示す。
【0055】
ある実施形態が実装され得る別の例示的なコンテキストは、前立腺癌治療の推奨についての連続スコアのためのワークフローを含み得る。例えば、前立腺癌を診断するために、男性は通常、前立腺生検を受け得る。生検サンプルは次いで、疾患の存在及び重大度を決定するために、病理学者によって処理され得、視覚的にレビューされ得る。しかしながら、前立腺癌治療、例えば、前立腺の除去、ホルモン治療法、及び/または放射線治療法は、男性の生活の質に悪影響を及ぼす場合があり、一部の患者は、積極的に治療を必要とし得ない。
【0056】
前立腺組織サンプルの病理学的評価を使用するだけの代替手段は、ゲノムアッセイを使用して腫瘍の悪性度を予測することである。例えば、Oncotype DX Genomic Prostate Scoreは、0~100の連続スコアに関して前立腺癌の悪性度を決定するために、17個の遺伝子を評価し得る。0により近い値を有する患者は、アクティブサーベイランスが推奨されるのに対し、より高いスコアを有する患者は、有害性発現のリスク(例えば、死亡または転移)を低減させるために、即時的な、積極的治療が推奨される場合がある。別のテストは、男性が積極的治療の代わりに前立腺癌のためのアクティブサーベイランスを選ぶことができる場合についての連続スコアを決定するために、ゲノム査定を他の測定と組み合わせるProlarisアッセイを含み得、より高いスコアは、がんの悪性度を示す。
【0057】
ある実施形態が実装され得る別の例示的なコンテキストは、悪性の尤度についての連続スコアのためのワークフローを含み得る。例えば、腫瘍は、良性または悪性である場合がある、細胞の異常な塊である。良性腫瘍は、周りの組織を転移しまたは浸潤する能力を欠くのに対し、悪性腫瘍は、転移または浸潤することができる。一部の状況では、病理学的評価は、腫瘍が悪性または良性であるかどうかを決定するのに十分でない場合がある。このシナリオでは、より良好な決定を行うために、連続スコアを使用することができる。
【0058】
例えば、Myriad myPath Melanomaテストは、おおよそ-16~10のスケールで連続スコアを生み出すために、細胞分化、細胞シグナル伝達、及び免疫応答シグナル伝達と関連付けられた23個の遺伝子を測定し得る。ゼロよりも大きいスコアは、皮膚腫瘍が悪性である可能性が高いこと、及び積極的治療が必要であることを示し得るのに対し、-2未満のスコアは、腫瘍が良性である可能性が高いことを示し得る。
【0059】
本開示のシステム及び方法は、様々な上記説明されたコンテキストにおいて、染色されていないスライドが十分な腫瘍を有することを検証し得、上記説明されたテストのための腫瘍位置をハイライトし得る。例えば、異なるテストのための異なる量の腫瘍である必要があり得、上記説明された訓練された機械学習モデルは、染色されていないスライド画像が、上記説明されたテストのうちの1つ以上のための十分な量の腫瘍を示すかどうかを決定するために、染色されていないスライド画像に存在する腫瘍の量を評価し得る(例えば、機械学習モデルは、染色されていないまたは染色されたデジタル病理組織スライド画像の他の集合内に示される腫瘍の量が十分であるテストのラベルを含むシノプティックアノテーションを使用して訓練され得る)。訓練された機械学習モデルは次いで、デジタル病理組織スライド画像の各々上で(または、1つ以上のスライド画像上で)、例えば、方法220のステップ236における方式と同様の方式において、腫瘍位置を示し得る。加えて、または代わりに、訓練された機械学習モデルは、1つ以上のデジタル病理組織スライド画像が十分な量の腫瘍を示さない意と決定することに基づいて、腫瘍の量が不十分である量を示す情報を出力し得る。加えて、または代わりに、訓練された機械学習モデルは、1つ以上のデジタル病理組織スライド画像が十分な量の腫瘍を示すと決定することに基づいて、特定のテストについての、1つ以上のテストの推奨を生成し得る。例えば、訓練された機械学習モデルは、スライド画像内に示される腫瘍の量が複数のテストのために十分である場合、特定のテストを実行するための推奨を生成し得る。
【0060】
図3は、本開示のある実施形態に係る、例示的なコンピューティングデバイス300を示す。特に、
図3は、
図2の方法を実行するためのデバイスとして構成され得るコンピューティングデバイス300の簡易機能的ブロック図である。例えば、コンピューティングデバイス300は、疾患検出プラットフォーム100(もしくは、
図1Bに示されたそのツール)、スライド分析ツール101(もしくは、
図1Cに示されたそのプラットフォームもしくはモジュール)、サーバシステム110、医師サーバ121、病院サーバ122、臨床試験サーバ123、リサーチ研究所サーバ124、研究所情報システム125、及び/または、本明細書で説明されるある実施形態に係る別のデバイスもしくはシステムとして構成され得る。様々な実施形態では、本明細書で説明されるデバイスまたはシステムのいずれかは、
図3に示されるコンピューティングデバイス300であり得、及び/またはコンピューティングデバイス300のうちの1つ以上を含み得る。
【0061】
図3に示されるように、コンピューティングデバイス300は、プロセッサ302、メモリ304、出力構成要素306、通信バス308、入力構成要素310、及び通信インタフェース312を含み得る。プロセッサ302は、セントラルプロセシングユニット(CPU)、グラフィックスプロセシングユニット(GPU)、アクセラレーテッドプロセシングユニット(APU)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、または別のタイプの処理構成要素を含み得る。いくつかの実施形態では、プロセッサ302は、機能を実行するようにプログラムされる能力を有する1つ以上のプロセッサを含む。メモリ304は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、及び/または、プロセッサ302による使用のための情報及び/または命令を記憶する別のタイプの動的もしくは静的記憶装置(例えば、フラッシュメモリ、磁気メモリ、及び/または光学メモリ)を含み得る。
【0062】
出力構成要素306は、コンピューティングデバイス300から出力情報を提供する構成要素(例えば、ディスプレイ、スピーカ、及び/または1つ以上の発光ダイオード(LED))を含み得る。通信バス308は、コンピューティングデバイス300の構成要素の中での通信を可能にする構成要素を含み得る。入力構成要素310は、コンピューティングデバイス300が、ユーザ入力を介してなど、情報を受信することを可能にする構成要素(例えば、タッチスクリーンディスプレイ、キーボード、キーパッド、マウス、ボタン、スイッチ、及び/またはマイクロフォン)を含み得る。加えて、または代わりに、入力構成要素310は、情報を検知するためのセンサ(例えば、グローバルポジショニングシステム(GPS)構成要素、加速度計、ジャイロスコープ、及び/またはアクチュエータ)を含み得る。通信インタフェース312は、コンピューティングデバイス300が、有線接続、無線接続、または有線及び無線接続の組み合わせを介してなど、他のデバイスと通信することを有効にする、送受信機のような構成要素(例えば、送受信機及び/または別個の受信機及び送信機)を含み得る。通信インタフェース312は、コンピューティングデバイス300が、別のデバイスから情報を受信すること、及び/または別のデバイスに情報を提供することを可能にし得る。例えば、通信インタフェース312は、イーサネット(登録商標)インタフェース、光学インタフェース、同軸インタフェース、赤外線インタフェース、無線周波数(RF)インタフェース、ユニバーサルシリアルバス(USB)インタフェース、無線ローカルエリアネットワークインタフェース、及び/またはセルラネットワークインタフェースなどを含み得る。
【0063】
上述したように、
図3に示されるコンピューティングデバイス300は、本明細書で説明される1つ以上の処理を実行し得る。コンピューティングデバイス300は、メモリ304及び/または別の記憶装置構成要素など、非一時的コンピュータ可読媒体によって記憶されたソフトウェア命令を実行するプロセッサ302に基づいて、それらの処理を実行し得る。例えば、記憶装置構成要素は、対応するドライブと共に、ハードディスク(例えば、磁気ディスク、光学ディスク、磁気光学ディスク、及び/またはソリッドステートディスク)、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、カートリッジ、磁気テープ、及び/または別のタイプの非一時的コンピュータ可読媒体を含み得る。コンピュータ可読媒体は、本明細書で非一時的メモリデバイスとして定義される。メモリデバイスは、単一の物理記憶装置内のメモリ空間または複数の物理記憶装置にわたって広がるメモリ空間を含む。
【0064】
ソフトウェア命令は、通信インタフェース312を介して、別のコンピュータ可読媒体から、または別のデバイスから、メモリ304及び/または記憶装置構成要素に読み込まれ得る。実行されるとき、メモリ304及び/または記憶装置構成要素に記憶されたソフトウェア命令は、プロセッサ302に、本明細書で説明される1つ以上の処理を実行させ得る。加えて、または代わりに、本明細書で説明される1つ以上の処理を実行するために、ソフトウェア命令の代わりに、またはソフトウェア命令との組み合わせで、配線接続された回路が使用され得る。よって、本明細書で説明される実施形態は、ハードウェア回路及びソフトウェアのいずれかの特定の組み合わせに限定されない。
【0065】
本開示の全体を通じて、構成要素またはモジュールへの言及は全体的に、機能または関連する機能のグループを実行するように共に論理的にグループ化することができるアイテムを指す。同様の参照符号は全体的に、同一または同様の構成要素を指すことが意図される。構成要素及びモジュールは、ソフトウェア、ハードウェア、またはソフトウェア及びハードウェアの組み合わせにおいて実装され得る。
【0066】
上記説明されたツール、モジュール、及び機能は、1つ以上のプロセッサによって実行され得る。「記憶装置」タイプの媒体は、ソフトウェアプログラミングのためにいずれかの時に非一時的記憶を提供し得る、様々な半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブなど、コンピュータもしくはプロセッサなどの有形メモリ、またはその関連するモジュールのいずれかまたは全てを含み得る。
【0067】
ソフトウェアは、インターネット、クラウドサービスプロバイダ、または他の電気通信ネットワークを通じて通信され得る。例えば、通信は、1つのコンピュータまたはプロセッサから別のものにソフトウェアをロードすることを有効にし得る。本明細書で使用されるように、非一時的、有形「記憶」媒体に制限されない限り、コンピュータまたは機械「可読媒体」などの用語は、実行のためにプロセッサに命令を提供することに関与するいずれかの媒体を指す。
【0068】
前述の全体的な説明は例示的及び説明的なものにすぎず、本開示を限定するものではない。本発明の他の実施形態は、本明細書の考慮及び本明細書で開示される本発明の実践から当業者にとって明らかであろう。本明細書及び実施例は、例示としてのみ考慮されることが意図される。
【国際調査報告】