(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】電気ドライブトレイン
(51)【国際特許分類】
F16H 1/28 20060101AFI20240305BHJP
F16H 48/08 20060101ALI20240305BHJP
H02K 7/116 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
F16H1/28
F16H48/08
H02K7/116
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555233
(86)(22)【出願日】2022-03-09
(85)【翻訳文提出日】2023-09-07
(86)【国際出願番号】 US2022071047
(87)【国際公開番号】W WO2022192881
(87)【国際公開日】2022-09-15
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523342492
【氏名又は名称】オムニ パワートレイン テクノロジーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル クレイグ
【テーマコード(参考)】
3J027
5H607
【Fターム(参考)】
3J027FB02
3J027GC23
3J027GC24
3J027GC26
3J027GD04
3J027HA00
3J027HB07
5H607BB01
5H607BB13
5H607CC03
5H607DD04
5H607DD08
5H607DD19
5H607EE02
5H607EE06
5H607EE33
5H607EE34
5H607FF01
5H607JJ10
(57)【要約】
ドライブトレイン軸に沿って配置された軸方向フラックス電気モータを有する電気ドライブトレインであって、軸方向フラックス電気モータは、ドライブトレイン軸に沿って延びる中空モータ出力シャフトを回転させるように配置されており、中空モータ出力シャフトは、第1の遊星歯車セットと係合する、電気ドライブトレイン。第1の遊星歯車セットは、差動装置に結合されている第2の遊星歯車セットとの間で係合及び係合解除することができ、差動装置は、第1及び第2のメインドライブシャフトを駆動し、これらの各々もまた、ドライブトレイン軸に沿って延びている。第1のメインドライブシャフトは、第1のホイールハブアセンブリを駆動し、第2のメインドライブシャフトは、第2のホイールハブアセンブリを駆動するために、遊星歯車セット、中空モータ出力シャフト、及び軸方向フラックス電気モータを同軸に通過している。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気ドライブトレインであって、
ドライブトレイン軸に沿って配置された第1の軸方向フラックス電気モータと、
前記ドライブトレイン軸に沿って延びる第1及び第2のメインドライブシャフトと、
前記電気モータによって駆動される差動装置であって、前記差動装置は、前記第1及び第2のメインドライブシャフトを駆動する、差動装置と、を備え、
前記第2のメインドライブシャフトは、前記電気モータを同軸に通過している、電気ドライブトレイン。
【請求項2】
前記ドライブトレイン軸に沿って配置されかつ前記第1の軸方向フラックス電気モータに結合された第1の中空モータ出力シャフトと、前記ドライブトレイン軸に沿って配置されかつ前記第1の中空モータ出力シャフトに結合された第1の遊星歯車セットと、を更に備え、前記第2のメインドライブシャフトが、前記遊星歯車セット及び前記第1の中空モータ出力シャフトを同軸に通過している、請求項1に記載の電気ドライブトレイン。
【請求項3】
前記電気モータと、前記差動装置と、前記遊星歯車セットとを取り囲むドライブトレインハウジングを更に備え、前記ドライブトレインハウジングは、中に前記軸方向フラックス電気モータが配置されている少なくとも第1のチャンバと、中に前記差動装置が配置されている少なくとも第2のチャンバとを画定しており、前記第2のチャンバが、前記第1のチャンバから封止及び分離されている、請求項2に記載の電気ドライブトレイン。
【請求項4】
前記ドライブトレインハウジングが、中に前記遊星歯車セットが配置されている第3のチャンバを更に備え、前記第2のチャンバが、前記第3のチャンバと流体連通しており、前記第3のチャンバが、前記第1のチャンバから分離されている、請求項3に記載の電気ドライブトレイン。
【請求項5】
前記ドライブトレイン軸に沿って配置された第2の軸方向フラックス電気モータと、前記ドライブトレイン軸に沿って配置された第2の遊星歯車セットと、前記第2の軸方向フラックス電気モータを前記第2の遊星歯車セットに結合する第2の中空モータ出力シャフトと、を更に備える、請求項1に記載の電気ドライブトレイン。
【請求項6】
前記第1の遊星歯車セットと前記第2の遊星歯車セットとの間に配置されており、前記第1の遊星歯車セットと前記第2の遊星歯車セットとを互いに選択的に係合及び係合解除させるように作動可能なクラッチアセンブリを更に備える、請求項5に記載の電気ドライブトレイン。
【請求項7】
前記差動装置が、前記ドライブトレイン軸に沿って配置されている、請求項1に記載の電気ドライブトレイン。
【請求項8】
前記第2の中空ドライブシャフトが、前記第1の中空ドライブシャフト内で同軸に延びている、請求項5に記載の電気ドライブトレイン。
【請求項9】
前記第1の遊星歯車セットが、前記第1の中空ドライブシャフトに取り付けられた第1の太陽歯車を備え、前記第2の遊星歯車セットが、前記第2の中空ドライブシャフトに取り付けられた第2の太陽歯車を備える、請求項8に記載の電気ドライブトレイン。
【請求項10】
電気ドライブトレインであって、
ドライブトレイン軸に沿って配置された第1の軸方向フラックス電気モータと、
前記ドライブトレイン軸に沿って配置された第1の遊星歯車セットと、
前記ドライブトレイン軸に沿って配置された第2の遊星歯車セットと、
前記第1の軸方向フラックス電気モータを前記遊星歯車セットのうちの1つに結合するように配置された前記ドライブトレイン軸に沿って配置された第1の中空モータ出力シャフトと、
前記ドライブトレイン軸に沿って配置されかつ前記遊星歯車セットのうちの1つに結合された差動装置と、
前記差動装置に結合されており、前記ドライブトレイン軸に沿って延びる第1のメインドライブシャフトと、
前記差動装置に結合されており、前記ドライブトレイン軸に沿って延びる第2のメインドライブシャフトであって、前記第2のメインドライブシャフトが、前記第1及び第2の遊星歯車セット並びに前記軸方向フラックス電気モータを同軸に通過している、第2のメインドライブシャフトと、を備える、電気ドライブトレイン。
【請求項11】
前記第1の遊星歯車セットと前記第2の遊星歯車セットとの間に配置されており、前記第1の遊星歯車セットと前記第2の遊星歯車セットとを互いに選択的に係合及び係合解除させるように作動可能なクラッチアセンブリを更に備える、請求項10に記載の電気ドライブトレイン。
【請求項12】
前記第1の遊星歯車セットと前記第2の遊星歯車セットとの間に配置されており、前記第1の中空出力シャフトを前記第1の遊星歯車セット及び前記第2の遊星歯車セットのうちの1つと選択的に係合及び係合解除させるように作動可能なクラッチアセンブリを更に備える、請求項10に記載の電気ドライブトレイン。
【請求項13】
前記第1の中空モータ出力シャフトが、前記第1の遊星歯車セットと係合し、前記第2の遊星歯車セットが、前記差動装置に結合されている、請求項11に記載の電気ドライブトレイン。
【請求項14】
前記ドライブトレイン軸に沿って配置された第2の軸方向フラックス電気モータと、第2の中空モータ出力シャフトと、を更に備え、前記第1の中空モータ出力シャフトが、前記第1の軸方向フラックス電気モータを1つの遊星歯車セットに結合しており、前記第2の中空モータ出力シャフトが、前記第2の軸方向フラックス電気モータを他の遊星歯車セットに結合している、請求項10に記載の電気ドライブトレイン。
【請求項15】
前記第1の軸方向フラックス電気モータが、前記第1の中空モータ出力シャフトに取り付けられた第1のロータを備え、前記第2の軸方向フラックス電気モータが、第2の軸方向フラックス電気モータ出力シャフトに取り付けられた第2のロータを備え、前記第1及び第2のロータが、同じモータハウジング内に配置されている、請求項14に記載の電気ドライブトレイン。
【請求項16】
ドライブライン軸に沿って配置されかつ前記第1のメインドライブシャフトに結合された第1のホイールハブアセンブリと、前記ドライブライン軸に沿って配置されかつ前記第2のメインドライブシャフトに結合された第2のホイールハブアセンブリと、を更に備える、請求項10に記載の電気ドライブトレイン。
【請求項17】
前記第1のメインドライブシャフトに沿って配置された第1のブレーキと、前記第2のメインドライブシャフトに沿って配置された第2のブレーキと、を更に備える、請求項10に記載の電気ドライブトレイン。
【請求項18】
電気ドライブトレインであって、
ドライブトレイン軸に沿って配置された第1の軸方向フラックス電気モータと、
前記ドライブトレイン軸に沿って配置された第1の遊星歯車セットと、
前記ドライブトレイン軸に沿って配置された第2の遊星歯車セットと、
前記第1の軸方向フラックス電気モータを前記遊星歯車セットのうちの1つに結合するように配置された前記ドライブトレイン軸に沿って配置された第1の中空モータ出力シャフトと、
前記第1の遊星歯車セットと前記第2の遊星歯車セットとの間に配置されており、前記第1の遊星歯車セットと前記第2の遊星歯車セットとを互いに選択的に係合及び係合解除させるように作動可能なクラッチアセンブリと、
前記ドライブトレイン軸に沿って配置されかつ前記遊星歯車セットのうちの1つに結合された差動装置と、
前記差動装置に結合されており、前記ドライブトレイン軸に沿って延びる第1のメインドライブシャフトと、
前記差動装置に結合されており、前記ドライブトレイン軸に沿って延びる第2のメインドライブシャフトであって、前記第2のメインドライブシャフトが、前記第1及び第2の遊星歯車セット並びに前記軸方向フラックス電気モータを同軸に通過している、第2のメインドライブシャフトと、を備える、電気ドライブトレイン。
【請求項19】
前記電気モータと、前記差動装置と、前記遊星歯車セットとを取り囲むドライブトレインハウジングであって、前記ドライブトレインハウジングは、中に前記軸方向フラックス電気モータが配置されている第1のチャンバと、中に前記差動装置が配置されている第2のチャンバと、中に前記遊星歯車セットが配置されている第3のチャンバとを画定しており、前記第2及び第3のチャンバが、前記第1のチャンバから封止及び分離されている、ドライブトレインハウジングを更に備える、請求項18に記載の電気ドライブトレイン。
【請求項20】
前記ドライブライン軸に沿って配置されかつ前記第1のメインドライブシャフトに結合された第1のホイールハブアセンブリと、前記ドライブライン軸に沿って配置されかつ前記第2のメインドライブシャフトに結合された第2のホイールハブアセンブリと、前記第1のメインドライブシャフトに沿って配置された第1のブレーキと、前記第2のメインドライブシャフトに沿って配置された第2のブレーキと、を更に備える、請求項18に記載の電気ドライブトレイン。
【請求項21】
前記ドライブトレイン軸に沿って配置された第2の軸方向フラックス電気モータを更に備える、請求項18に記載の電気ドライブトレイン。
【請求項22】
第2の中空モータ出力シャフトを更に備え、前記第1の中空モータ出力シャフトが、前記第1の軸方向フラックス電気モータを1つの遊星歯車セットに結合しており、前記第2の中空モータ出力シャフトが、前記第2の軸方向フラックス電気モータを他の遊星歯車セットに結合している、請求項21に記載の電気ドライブトレイン。
【請求項23】
前記第1の軸方向フラックス電気モータが、前記第1の中空モータ出力シャフトに取り付けられた第1のロータを備え、前記第2の軸方向フラックス電気モータが、前記第2の軸方向フラックス電気モータ出力シャフトに取り付けられた第2のロータを備え、前記第1及び第2のロータが、同じモータハウジング内に配置されている、請求項22に記載の電気ドライブトレイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年3月10日に出願された米国特許出願第63/159,319号の優先権を主張する2022年3月9日に出願された米国特許出願第17/654,161号の優先権を主張し、その全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、概して、電気自動車に関し、より具体的には、電気自動車ドライブトレインに関する。
【0003】
本発明は、添付の図面を参照して更に説明され、同一番号は、いくつかの図で同一部品を指している。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】1つ以上の実施形態による、電気ドライブトレインの断面図である。
【
図2】1つ以上の実施形態による、
図1の電気ドライブトレインの斜視図である。
【
図3】1つ以上の実施形態による、
図1の電気ドライブトレインの断面図である。
【
図4】1つ以上の代替実施形態による、別の電気ドライブトレインの断面図である。
【
図5】1つ以上の代替的な実施形態による、2つの軸方向フラックス電気モータを有する別の電気ドライブトレインの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図1及び2を参照すると、電気ドライブトレイン10が示されている。電気ドライブトレイン10は、ドライブトレイン軸16に沿ってそれぞれ配置された少なくとも1つの軸方向フラックス電気モータ12、遊星歯車セット18、差動装置24、第1のメインドライブシャフト34、及び第2のメインドライブシャフト36を含む。軸方向フラックス電気モータ12は、ドライブトレイン軸16に沿って画定された中空モータ出力シャフト14を回転させる。いくつかの実施形態では、軸方向フラックス電気モータ12の中空出力シャフト14は、以下で更に詳細に説明されるように、第2のメインドライブシャフト36が通過するスプールであるか、又はそれを含む。いくつかの実施形態では、軸方向フラックス電気モータ12は、中空出力シャフト14に取り付けられた少なくとも1つのロータを含む。例えば、軸方向フラックス電気モータ12は、中空(及び回転可能)出力シャフト14に取り付けられた少なくとも1つのロータ、中空出力シャフト14に対して固定された少なくとも1つのステータ、ロータ上に支持された複数の磁石、及びステータによって支持された巻線を含み得る。遊星歯車セット18は、ドライブトレイン軸16と同軸であり、太陽歯車20、遊星歯車セットキャリア22、1つ以上の遊星歯車23、及びリングギア25を含む。太陽歯車20は、軸方向フラックス電気モータ12の中空出力シャフト14に結合されているか、又はそれ以外の場合、軸方向フラックス電気モータ12の中空出力シャフト14上に一体的に形成されている。いくつかの実施形態では、遊星歯車セット18は、少なくとも2つの太陽歯車及び少なくとも2組の遊星歯車を有する複合遊星歯車セットである。
【0006】
差動装置24は、ドライブトレイン軸16と同軸である。差動装置24は特定の構成に限定されないが、1つ以上の実施形態では、差動装置24は、入力機構26、少なくとも1つの中間歯車28、第1のメインドライブシャフト出力歯車30、及び第2のメインドライブシャフト出力歯車32を含み得る。1つ以上の実施形態では、入力機構は、ピニオン歯車の形態で中間歯車28が取り付けられているC字形ピニオンアーム又はヨークなどのピニオンアームであってもよい。他の実施形態では、入力機構は、1つ以上の入力歯車であり得る。入力機構26は、遊星歯車セット18の遊星歯車セットキャリア22に結合されている。いくつかの実施形態では、差動装置24の入力機構26は、リングギアであり、少なくとも1つの中間歯車28は、入力機構26と噛み合う少なくとも1つのスパイダー歯車であるか、又はそれを含む。第1のメインドライブシャフト出力歯車30は、第1の出力キャリアに取り付けられ、少なくとも1つの中間歯車28と噛み合い、第2のメインドライブシャフト出力歯車32は、第2の出力キャリアに取り付けられ、少なくとも1つの中間歯車28と噛み合う。第1の出力キャリアは、第1のメインドライブシャフト34に取り付けられ、第2の出力キャリアは、第2のメインドライブシャフト36に結合されている。いくつかの実施形態では、差動装置24の入力歯車26は、それぞれ差動装置入力軸に取り付けられた第1及び第2の入力歯車を含む。そのような場合、少なくとも1つの中間歯車28は、その内周に配置された歯を有するリングギアを含み得る。第1のメインドライブシャフト出力歯車30は、第1の出力キャリアに取り付けられ、リングギアに係合し、第2のメインドライブシャフト出力歯車32は、第2の出力キャリアに取り付けられ、リングギアにも係合する。第1の出力キャリアは、第1のメインドライブシャフト34に取り付けられ、第2の出力キャリアは、第2のメインドライブシャフト36に結合されている。他の実施形態では、出力キャリアは排除され得、出力歯車30、32は、それぞれ、第1及び第2のメインドライブシャフト34、36に取り付けられ得る。
【0007】
他の実施形態では、遊星歯車セット18は、出力歯車32に結合され、出力歯車32は、中間歯車28によって出力歯車30に結合されている。
【0008】
1つ以上の実施形態では、第1のメインドライブシャフト出力歯車30及び第2のメインドライブシャフト出力歯車32は、それぞれ、少なくとも1つの中間歯車28に独立して結合されている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの中間歯車28は、1つ以上のスパイダーギアであるか、又はそれを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの中間歯車28は、1つ以上の遊星歯車であるか、又は1つ以上の遊星歯車を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの中間歯車28は、遊星歯車セットキャリア22に取り付けられた対向する遊星歯車を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの中間歯車28は、対向する第1及び第2のピニオン歯車であるか、又はそれを含み、リングギアは、その外周縁に沿って配置された歯を有し、その中心には、第2のメインドライブシャフト出力歯車32が延びる開口部がある。
【0009】
いずれにしても、上述したように、いくつかの実施形態では、差動装置24は特定の構成又は配置に限定される必要はない。
【0010】
第1のメインドライブシャフト34は、第1のメインドライブシャフト出力歯車30に結合されており、ドライブトレイン軸16に沿って延びている。第2のメインドライブシャフト36は、第2のメインドライブシャフト出力歯車32に結合されており、ドライブトレイン軸16に沿って延びており、遊星歯車セット18、中空出力シャフト14、及び軸方向フラックス電気モータ12を同軸に通過する。結果として、第2のメインドライブシャフト36は、軸方向フラックス電気モータ12の第1の側38から延びており、中空出力シャフト14は、軸方向フラックス電気モータ12の第2の側40から延びている。
【0011】
電気ドライブトレイン10は、遊星歯車セット18を係合及び係合解除するためのクラッチアセンブリ42を含んでもよい。いくつかの実施形態では、クラッチアセンブリ42は、電気クラッチアセンブリである。いくつかの実施形態では、クラッチアセンブリ42は、油圧クラッチアセンブリである。いくつかの実施形態では、クラッチアセンブリ42を利用して、遊星歯車セット18を軸方向フラックス電気モータ12と係合及び係合解除してもよく、一方、他の実施形態では、クラッチアセンブリ42を利用して、遊星歯車セット18を差動装置24と係合及び係合解除してもよい。更に他の実施形態では、クラッチアセンブリ42は、
図4及び5に示されるように、複数の遊星歯車セット18を互いに係合及び係合解除するために利用し得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、クラッチアセンブリ42は、第1の出力キャリアを第2の出力キャリアから離れるように押し付けるばねアセンブリを含んでもよい。第1の磁石は、ばねアセンブリによって押し付けられる出力キャリアのうちの1つに取り付けられており、第2の磁石は第1の磁石に隣接している。第1及び第2の磁石のうちの少なくとも1つは、電磁石である。例えば、第1の磁石は、第1の出力キャリアに固定された永久磁石であってもよく、第1の出力キャリアは、ばねアセンブリによって第2の出力キャリアから離れるように押し付けられ、第2の磁石は、通電可能な固定電磁石であってもよく、第1の磁石及び第2の磁石の極性は、第2の磁石に通電することによって、第1の磁石がばねの力に対して反発させられ、第1の出力キャリア及び第2の出力キャリアに固定的に係合させるように、調整されている。別の例では、第1の磁石は、第1の出力キャリアに固定された永久磁石であってもよく、第1の出力キャリアは、ばねアセンブリによって第2の出力キャリアから離れるように押し付けられ、第2の磁石は、ドライブトレイン軸と同軸の通電可能な固定電磁石であってもよく、第1の磁石及び第2の磁石の極性は、第2の磁石に通電することによって、第1の磁石がばねの力に対して反発させられ、第1及び第2のメインドライブシャフト出力歯車を固定的に係合させるように、調整されている。
【0013】
第1のホイールハブアセンブリ44は、第1のメインドライブシャフト34に結合されており、第2のホイールハブアセンブリ46は、第2のメインドライブシャフト36に結合されている。ドライブトレインハウジング48は、軸方向フラックス電気モータ12、遊星歯車セット18、及び差動装置24を取り囲んでいる。ドライブトレインハウジング48は、軸方向フラックス電気モータ12が配置されている第1のチャンバ(又はコンパートメント)50と、差動装置24及び/又は遊星歯車セット18が配置されている別個の第2のチャンバ52とを含んでもよい。例えば、第1のチャンバ50は、熱管理のためのポッティング化合物を含んでもよく、第2のチャンバ52は、油(又は何らかの他の潤滑液)を含んでもよい。加えて、第3のチャンバ60は、それぞれ、第1のチャンバ50と第2のチャンバ52との間のドライブトレインハウジング48に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、第3のチャンバ60は、第2のチャンバ52へ開放しているか、又は第2のチャンバ52と流体連通してもよく、遊星歯車セット18が第3のチャンバ60に配置されている。
【0014】
図3に最もよく見られるように、
図1を継続的に参照すると、1つ以上の実施形態では、放熱機構56は、動作中に熱を除去するために、軸方向フラックス電気モータ12に隣接して位置決めされ得る。放熱機構56は、特定の構造に限定されない。いくつかの実施形態では、放熱機構56は、軸方向フラックス電気モータ12の周りに配置された外部フィンであってもよい。いくつかの実施形態では、放熱機構56は、モータハウジング37から延びていてよい。示される他の実施形態では、放熱機構56は、軸方向フラックス電気モータ12とドライブトレインハウジング48との間に延びる1つ以上のヒートパイプであってよい。例えば、複数のヒートパイプは、軸方向フラックス電気モータ12から延びており、ドライブトレインハウジング48に結合されてもよい。加えて、又はその代わりに、軸方向フラックス電気モータ12は、第1のチャンバ50の内周壁51から間隔を空けられていてよく、これにより、両者の間には空隙58が形成されている。
【0015】
図1及び
図2に戻って参照すると、第1のブレーキ62は、第1のメインドライブシャフト34に隣接して位置決めされており、第2のブレーキ64は、第2のメインドライブシャフト36に隣接して位置決めされている。1つ以上の実施形態では、各ブレーキ62、64は、対応するメインドライブシャフト34、36に沿って同軸に取り付けられてよい。いくつかの実施形態では、第1のブレーキ62は、差動装置24に隣接して配置されてもよく、第2のブレーキ64は、軸方向フラックス電気モータ12に隣接して配置されてもよい。1つ以上の実施形態では、ブレーキ62、64は、電気的に作動させられてよい。ブレーキ62、64は、ドライブトレインハウジング48内に形成された追加のチャンバ又は空洞内に取り囲まれてもよく、又はそれぞれホイールサポートハウジング76、78によって取り囲まれてもよい。
【0016】
第1の外側ドライブシャフト63は、第1のホイールハブアセンブリ44を第1のメインドライブシャフト34に相互接続しており、第2の外側ドライブシャフト65は、第2のホイールハブアセンブリ4を第2のメインドライブシャフト36に相互接続している。ユニバーサルジョイント66aは、第1の外側ドライブシャフト63と第1のメインドライブシャフト34との間に配置されており、ユニバーサルジョイント66bは、第2の外側ドライブシャフト65と第2のメインドライブシャフト36との間に配置されている。ハブ歯車アセンブリ68は、各ホイールハブアセンブリ44及び46のホイールハウジング70内に取り付けられている。第1及び第2のメインドライブシャフト34及び36は、それぞれ遠位端34’及び36’を有し、ホイールハブアセンブリ44及び46は、それぞれの第1及び第2のメインドライブシャフト34及び36の遠位端34’及び36’に隣接して枢動可能に取り付けられている。結果として、第1のホイールハブアセンブリ44は、第1のメインドライブシャフト34の遠位端34’に隣接する枢動軸72を中心に枢動可能であり、当該枢動軸72は、ドライブトレイン軸16に対して垂直である。追加的に、第2のホイールハブアセンブリ46は、第2のメインドライブシャフト36の遠位端36’に隣接する枢動軸73を中心に枢動可能であり、当該枢動軸73は、ドライブトレイン軸16に対して垂直である(及び枢動軸72に対して実質的に平行である)。各ホイールハブアセンブリ44及び46はまた、回転可能なホイールハブ74を含む。
【0017】
第1のホイールサポートハウジング76は、ドライブトレインハウジング48から延びており、第1のメインドライブシャフト34の周りに配置されている。第2のホイールサポートハウジング78は、ドライブトレインハウジング48から延びており、第2のメインドライブシャフト36の周りに配置されている。ホイールサポートハウジング76及び78はそれぞれ、ドライブトレインハウジング48に取り付けられた第1の閉鎖端80aと、それぞれの第1及び第2のメインドライブシャフト34及び36がそこから延びている第2の開放端80bとを有する。例えば、各ホイールサポートハウジング76及び78の第2の開放端80bは、その対向する側において内側輪郭82を有するように成形されてもよい。いくつかの実施形態では、内側輪郭82は、放物線状である。
【0018】
第1のヨーク86aは、その第2の開放端80bに隣接する第1のホイールサポートハウジング76に枢動可能に取り付けられている。第1のホイールハブアセンブリ44は、第1のヨーク86aに取り付けられている。第1のヨーク86aは、ベース88から延びる第1のヨークアーム90aと、第1のヨークアーム90aに隣接して(しかし離間して)ベース88から延びる対向する第2のヨークアーム90bと、ベース88から、第1及び第2のヨークアーム90a、90bから離れるように延びる第3のヨークアーム92(
図2を参照)とを備えるベース88を有する。第1のヨークアーム90a及び第2のヨークアーム90bは、それぞれ、その互いに反対の側において第1のホイールサポートハウジング76に枢動可能に取り付けられた端部94を有する。第1のヨーク86aは、第1のヨークアーム90a及び第2のヨークアーム90bに隣接する取り付けプレート96を更に含む。第1のホイールハブアセンブリ44は、第1のヨーク86aの取り付けプレート96に取り付けられている。制御シャフト98(
図2を参照)は、第3のヨークアーム92に枢動可能に結合されており、ドライブトレインハウジング48に向かって延びている。いくつかの実施形態では、制御シャフト98は、ドライブトレイン軸16に対して実質的に平行である。
図2に示されるように、制御シャフト98は、制御シャフト98を作動させるように配置された制御機構100によって係合されている。いくつかの実施形態では、制御機構100は、電気式である。いくつかの実施形態では、制御機構100は、油圧式である。第2のヨーク86b(第1のヨーク86aと実質的に同一)は、第2のホイールサポートハウジング78の第2の開放端80bに隣接して第2のホイールサポートハウジング78に枢動可能に取り付けられてよい。示されるように、第2のホイールハブアセンブリ46は、第2のヨーク86bの取り付けプレート96に取り付けられている。
【0019】
図4を参照すると、
図1から
図3を継続して参照すると、1つ以上の他の実施形態では、電気ドライブトレイン10は、ドライブトレイン軸16と同軸の軸方向フラックス電気モータ12を含む。軸方向フラックス電気モータ12は、軸方向フラックス電気モータ12からドライブトレイン軸16に沿って延びる中空出力シャフト14を駆動するように配置されている。
図4の実施形態では、電気ドライブトレイン10は、第1の遊星歯車セット18a及び第2の遊星歯車セット18bを含み、それらの各々は、ドライブトレイン軸16と同軸である。第1の遊星歯車セット18aは、中空出力シャフト14に結合されることによって係合され得る。1つ以上の実施形態では、第2の遊星歯車セット18bは、第1の遊星歯車セット18a又は中空出力シャフト14のいずれかと係合及び係合解除され得る。
【0020】
差動装置24は、ドライブトレイン軸16に沿って、それと同軸に提供されてもよい。差動装置24は、特定の構成に限定されないが、1つ以上の実施形態では、差動装置24は、第1のメインドライブシャフト出力歯車30及び第2のメインドライブシャフト出力歯車32を有してもよく、第1のメインドライブシャフト出力歯車は、ドライブトレイン軸16に沿って延びる第1のメインドライブシャフト34に取り付けられている。同様に、第2のメインドライブシャフト出力歯車32は、第2のメインドライブシャフト36に取り付けられ、ドライブトレイン軸16に沿って延びていてよい。第2のメインドライブシャフト36は、第1の遊星歯車セット18a、第2の遊星歯車セット18b、中空出力シャフト14、及び軸方向フラックス電気モータ12を同軸に通過している。
【0021】
クラッチアセンブリ42は、遊星歯車セット18a、18bのうちの少なくとも1つと係合及び係合解除するように配置されてよい。したがって、いくつかの実施形態では、クラッチアセンブリ42は、2つの遊星歯車セット18a、18bと係合及び係合解除するように、第1の遊星歯車セット18aと第2の遊星歯車セット18bとの間に配置されていてよい。他の実施形態では、クラッチアセンブリ42は、遊星歯車セット18及び差動装置24と係合及び係合解除してよい。更に、他の実施形態では、クラッチアセンブリ42は、遊星歯車セット18を中空出力シャフト14、より具体的には、中空出力シャフト14に沿って取り付けられた太陽歯車20と係合及び係合解除するように配置され得る。
【0022】
図5は、2つの軸方向フラックス電気モータ12、すなわち、第1の軸方向フラックス電気モータ12a及び第2の軸方向フラックス電気モータ12bが提供された、電気ドライブトレイン10の別の実施形態を示す。2つの軸方向フラックス電気モータ12a、12bと協働するのは、2つの遊星歯車セット18、すなわち、第1の遊星歯車セット18a及び第2の遊星歯車セット18bであり、第1の軸方向フラックス電気モータ12aは、第1の中空出力シャフト14aを介して第1の遊星歯車セット18aと係合させられ、第2の軸方向フラックス電気モータ12bは、第1の中空出力シャフト14aを通って延びる第2の中空出力シャフト14bを介して第2の遊星歯車セット18bと係合させられる。
【0023】
第1の遊星歯車セット18aは、第1の中空出力シャフト14aに取り付けられた第1の太陽歯車20aを含む。第1の太陽歯車20aは、第1のキャリア22aに取り付けられた1つ以上の遊星歯車23aと係合し、これらの第1の遊星歯車23aは、第1のリングギア25aと係合する。
【0024】
同様に、第2の遊星歯車セット18bは、第2の中空出力シャフト14bに取り付けられた第2の太陽歯車20bを含む。第2の太陽歯車20bは、第2のキャリア22bに取り付けられた1つ以上の遊星歯車23bと係合し、第2の遊星歯車23bは、第2のリングギア25bと係合する。1つ以上の実施形態では、リングギア25a、25bは、単一のリングギアであり得る。
【0025】
第1の軸方向フラックス電気モータ12a及び第2の軸方向フラックス電気モータ12bは、別個のモータハウジング37を有する別個のモジュールとして示されているが、他の実施形態では、当業者は、第1の軸方向フラックス電気モータ12aが、第1の中空出力シャフト14aに取り付けられた第1のロータであってよく、第2の軸方向フラックス電気モータ12bが、第2の中空出力シャフト14bに取り付けられた第2のロータであってよく、各ロータが、対応する中空出力シャフト14を回転させるために別々に通電され得る限り、第1のロータ及び第2のロータが全て同じモータハウジング37内にあることを理解するであろう。
【0026】
いずれにしても、クラッチアセンブリ42が提供され、第1及び第2の遊星歯車セット18a、18bを係合及び係合解除するように選択的に作動させることができる。1つ以上の実施形態では、クラッチアセンブリ42は、第1及び第2の遊星歯車セット18a、18bの太陽歯車20a、20bと係合してもよい。1つ以上の他の実施形態では、クラッチアセンブリ42は、第1及び第2の遊星歯車セット18a、18bのキャリア22a、22bと係合してもよい。
【0027】
概して上述したように、
図5の電気ドライブトレイン10は、ドライブトレインハウジング48を含んでもよく、このドライブトレインハウジング48において、第1のチャンバ(又は区画)50が画定され、差動装置24及び遊星歯車セット18a、18bが配置されている第2のチャンバ52から分離されている。第2の遊星歯車セット18bは、差動装置24に結合されている。クラッチアセンブリ42が係合及び係合解除されると、第1の遊星歯車セット18aも差動装置24に結合され得ることが理解されよう。
【0028】
第1のメインドライブシャフト34及び第2のメインドライブシャフト36は、差動装置24から延びており、第2のメインドライブシャフト36は、第1の中空出力シャフト14a及び第2の中空出力シャフト14b、並びに第1及び第2の遊星歯車セット18a、18b及び第1及び第2の軸方向フラックス電気モータ12a、12bを同軸方向に通過している。
【0029】
電気ドライブトレインが開示されている。1つ以上の実施形態では、電気ドライブトレインは、電気モータと、第1及び第2のメインドライブシャフトと、電気モータによって駆動される差動装置とを含んでよく、差動装置は、第1及び第2のメインドライブシャフトを駆動し、第2のメインドライブシャフトは、電気モータを同軸に通過している。他の実施形態では、電気ドライブトレインは、中空モータ出力シャフトと、第1及び第2のメインドライブシャフトと、中空モータ出力シャフトによって駆動される差動装置とを含んでよく、差動装置は、第1及び第2のメインドライブシャフトを駆動し、第2のメインドライブシャフトは、中空モータ出力シャフトを同軸に通過している。他の実施形態では、電気ドライブトレインは、遊星歯車セットと、第1及び第2のメインドライブシャフトと、遊星歯車セットによって駆動される差動装置とを含んでよく、差動装置は、第1及び第2のメインドライブシャフトを駆動し、第2のメインドライブシャフトは、遊星歯車セットを同軸に通過している。他の実施形態では、電気ドライブトレインは、ドライブトレイン軸に沿って配置された第1の軸方向フラックス電気モータと、ドライブトレイン軸に沿って延びる第1及び第2のメインドライブシャフトと、電気モータによって駆動される差動装置とを含んでよく、差動装置は、第1及び第2のメインドライブシャフトを駆動し、第2のメインドライブシャフトは、電気モータを同軸に通過している。他の実施形態では、電気ドライブトレインは、ドライブトレイン軸に沿って配置された第1の軸方向フラックス電気モータと、ドライブトレイン軸に沿って配置された第1の遊星歯車セットと、ドライブトレイン軸に沿って配置された第2の遊星歯車セットと、第1の軸方向フラックス電気モータを遊星歯車セットのうちの1つに結合するように配置された、ドライブトレイン軸に沿って配置された第1の中空モータ出力シャフトと、ドライブトレイン軸に沿って配置され、遊星歯車セットのうちの1つに結合された差動装置と、差動装置に結合され、ドライブトレイン軸に沿って延びる第1のメインドライブシャフトと、差動装置に結合され、ドライブトレイン軸に沿って延びる第2のメインドライブシャフトとを含んでよく、第2のメインドライブシャフトが、第1の遊星歯車セット、第2の遊星歯車セット及び軸方向フラックス電気モータを同軸的に通過している。他の実施形態では、電気ドライブトレインは、ドライブトレイン軸に沿って配置された第1の軸方向フラックス電気モータと、ドライブトレイン軸に沿って配置された第1の遊星歯車セットと、ドライブトレイン軸に沿って配置された第2の遊星歯車セットと、第1の軸方向フラックス電気モータを遊星歯車セットのうちの1つに結合するように配置された、ドライブトレイン軸に沿って配置された第1の中空モータ出力シャフトと、第1及び第2の遊星歯車セットの間に配置され、第1及び第2の遊星歯車セットを互いに選択的に係合及び係合解除させるように作動可能なクラッチアセンブリと、ドライブトレイン軸に沿って配置され、遊星歯車セットのうちの1つに結合された差動装置と、差動装置に結合され、ドライブトレイン軸に沿って延びる第1のメインドライブシャフトと、差動装置に結合され、ドライブトレイン軸に沿って延びる第2のメインドライブシャフトとを含んでよく、第2のメインドライブシャフトが、第1の遊星歯車セット、第2の遊星歯車セット及び軸方向フラックス電気モータを同軸的に通過している。他の実施形態では、電気ドライブトレインは、ドライブトレイン軸に沿って画定された中空モータ出力シャフトを有する軸方向フラックス電気モータと、ドライブトレイン軸と同軸であり、軸方向フラックス電気モータの中空出力シャフトに結合された太陽歯車を有する遊星歯車セットであって、遊星歯車セットキャリアを含む、遊星歯車セットと、ドライブトレイン軸と同軸の差動装置であって、遊星歯車セットの遊星歯車セットキャリアに結合された入力歯車、少なくとも1つの中間歯車、第1のメインドライブシャフト出力歯車及び第2のメインドライブシャフト出力歯車を有し、それぞれ中間歯車に独立して結合されている、差動装置と、第1のメインドライブシャフトに結合され、ドライブトレイン軸に沿って延びる第1のメインドライブシャフトと、第2のメインドライブシャフト出力歯車に結合され、ドライブトレイン軸に沿って延びる第2のメインドライブシャフトであって、第2のメインドライブシャフトが、遊星歯車セット、中空出力シャフト、及び軸方向フラックス電気モータを同軸に通過している、第2のメインドライブシャフトと、を含んでもよい。他の実施形態では、電気ドライブトレインは、ドライブトレイン軸に沿って画定された中空出力シャフトを有する軸方向フラックス電気モータと、ドライブトレイン軸と同軸でありかつ中空出力シャフトに結合された第1の遊星歯車セットと、ドライブトレイン軸と同軸の差動装置であって、差動装置が、第1のメインドライブシャフト出力歯車及び第2の種ドライブシャフト出力歯車を有する、差動装置と、第1のメインドライブシャフト出力歯車に結合されかつドライブトレイン軸に沿って延びる第1のメインドライブシャフトと、第2のメインドライブシャフト出力歯車に結合されかつドライブトレイン軸に沿って延びる第2のメインドライブシャフトであって、第2のメインドライブシャフトが、遊星歯車セット、中空出力シャフト及び軸方向フラックス電気モータを同軸に通過している、第2のメインドライブシャフトと、を含んでよい。
【0030】
前述の電気ドライブトレインの実施形態のいずれか1つについて、以下の要素は、単独で、又は任意の他の要素と組み合わせて含まれ得る。
ドライブトレイン軸に沿って配置された第2の遊星歯車セット。
ドライブトレイン軸に沿って配置されかつ遊星歯車セットの1つに結合された差動装置。
第2のメインドライブシャフトは、第1及び第2の遊星歯車セット並びに軸方向フラックス電気モータを同軸に通過している。
第1及び第2の遊星歯車セットの間に配置されており、第1及び第2の遊星歯車セットを互いに選択的に係合及び係合解除させるように作動可能なクラッチアセンブリ。
第1の遊星歯車セットと第2の遊星歯車セットとの間に配置されており第1の中空出力シャフトを第1の遊星歯車セット及び第2の遊星歯車セットのうちの1つと選択的に係合及び係合解除させるように作動可能なクラッチアセンブリ。
第1の中空モータ出力シャフトは、第1の遊星歯車セットと係合し、第2の遊星歯車セットは、差動装置に結合されている。
ドライブトレイン軸に沿って配置された第2の軸方向フラックス電気モータと、第2の中空モータ出力シャフトであって、第1の中空モータ出力シャフトが、第1の軸方向フラックス電気モータを1つの遊星歯車セットに結合し、第2の中空モータ出力シャフトが第2の軸方向フラックス電気モータを他の遊星歯車セットに結合している、第2の中空モータ出力シャフトと、を備える。
第1の軸方向フラックス電気モータは、第1の中空モータ出力シャフトに取り付けられた第1のロータを含み、第2の軸方向フラックス電気モータは、第2の軸方向フラックス電気モータ出力シャフトに取り付けられた第2のロータを含み、第1及び第2のロータは、同じモータハウジング内に配置されている。
ドライブライン軸に沿って配置されかつ第1のメインドライブシャフトに結合された第1のホイールハブアセンブリ、及びドライブライン軸に沿って配置されかつ第2のメインドライブシャフトに結合された第2のホイールハブアセンブリ。
第1のメインドライブシャフトに沿って配置された第1のブレーキ、及び第2のメインドライブシャフトに沿って配置された第2のブレーキ。
電気モータと、差動装置と、遊星歯車セットとを取り囲むドライブトレインハウジングであって、ドライブトレインハウジングは、中に軸方向フラックス電気モータが配置されている第1のチャンバと、中に差動装置が配置されている第2のチャンバと、中に遊星歯車セットが配置されている第3のチャンバとを画定しており、第2及び第3のチャンバは、第1のチャンバから封止及び分離されている、ドライブトレインハウジング。
ドライブライン軸に沿って配置されかつ第1のメインドライブシャフトに結合された第1のホイールハブアセンブリと、ドライブライン軸に沿って配置されかつ第2のメインドライブシャフトに結合された第2のホイールハブアセンブリと、第1のメインドライブシャフトに沿って配置された第1のブレーキと、第2のメインドライブシャフトに沿って配置された第2のブレーキ。
ドライブトレイン軸に沿って配置された第2の軸方向フラックス電気モータ。
第2の中空モータ出力シャフトであって、第1の中空モータ出力シャフトが、第1の軸方向フラックス電気モータを1つの遊星歯車セットに結合し、第2の中空モータ出力シャフトが第2の軸方向フラックス電気モータを他の遊星歯車セットに結合している、第2の中空モータ出力シャフト。
第1の軸方向フラックス電気モータは、第1の中空モータ出力シャフトに取り付けられた第1のロータを含み、第2の軸方向フラックス電気モータは、第2の軸方向フラックス電気モータ出力シャフトに取り付けられた第2のロータを含み、第1及び第2のロータは、同じモータハウジング内に配置されている。
差動装置は、第1及び第2のメインドライブシャフト出力歯車を含み、第1のメインドライブシャフトは、第1のメインドライブシャフト出力歯車に結合され、第2のメインドライブシャフトは、第2のメインドライブシャフト出力歯車に結合されている。
中空モータ出力シャフトに結合された遊星歯車セットであって、第2のメインドライブシャフトも遊星歯車セットを同軸に通過している、遊星歯車セット。
遊星歯車セットは、中空モータ出力シャフトに結合された太陽歯車と、遊星歯車セットキャリアとを備える。
差動装置は、遊星歯車セットに結合された入力歯車と、少なくとも1つの中間歯車とを更に含み、第1及び第2のメインドライブシャフト出力歯車は、それぞれ、少なくとも1つの中間歯車に独立して結合されている。
第1のチャンバは、ポッティング化合物を含み、第2のチャンバは、油を含む。
差動装置の入力歯車はリングギアであり、中間歯車は、入力歯車と噛み合う少なくとも1つのスパイダー歯車であり、第1のメインドライブシャフト出力歯車は、第1の出力キャリアに取り付けられかつ中間歯車と噛み合い、第2の軸方向出力歯車は、第2の出力キャリアに取り付けられかつ中間歯車と噛み合い、第1の出力キャリアは、第1のメインドライブシャフトに取り付けられ、第2の出力キャリアは、第2のメインドライブシャフトに結合されている。
中間歯車は、キャリアに取り付けられた対向する遊星歯車である。
中間歯車は、1つ以上のスパイダー歯車である。
中間歯車は、1つ以上の遊星歯車である。
中間歯車は、第1及び第2の対向ピニオン歯車であり、リングギアは、外周縁部に沿って配置された歯を有し、リングギアの中心に開口部があり、開口部内へ第2のメインドライブシャフト出力歯車が延びている。
軸方向フラックス電気モータの中空出力軸は、第2のメインドライブシャフトが通過するスプールである。
ドライブトレイン軸に沿って同軸に配置されかつ遊星歯車セットに隣接して取り付けられたクラッチアセンブリであって、クラッチアセンブリは、一方のキャリアを他方のキャリアから離れるように押し付けるばねアセンブリと、ばねによって押し付けられるキャリアに取り付けられた第1の磁石と、第1の磁石に隣接する第2の磁石とを含み、磁石の1つは電磁石である。
第1の磁石は、第1の出力キャリアに固定された永久磁石であり、ばねアセンブリが、第2の出力キャリアから離れるように第1の出力キャリアを押し付け、第2の磁石は、ドライブトレイン軸と同軸の通電可能な固定電磁石であり、第1の磁石及び第2の磁石の極性は、第2の磁石に通電することによって、第1の磁石がばねの力に対して反発させられ、第1及び第2の出力キャリアを固定的に係合させるように、調整されている。
第1の磁石は、第1の出力キャリアに固定された永久磁石であり、ばねアセンブリが、第2の出力キャリアから離れるように第1の出力キャリアを押し付け、第2の磁石は、ドライブトレイン軸と同軸の通電可能な固定電磁石であり、第1の磁石及び第2の磁石の極性は、第2の磁石に通電することによって、第1の磁石がばねの力に対して反発させられ、第1及び第2のメインドライブシャフト出力歯車を固定的に係合させるように、調整されている。
第1のメインドライブシャフトに結合された第1のホイールハブアセンブリ及び第2のメインドライブシャフトに結合された第2のホイールハブアセンブリ。
軸方向フラックス電気モータ、遊星歯車セット及び差動装置を取り囲むドライブトレインハウジングを更に備える、いずれかの請求項に記載の電気ドライブトレイン。
ドライブトレインハウジングは、軸方向フラックス電気モータが配置されている第1の区画と、差動装置及び遊星歯車セットが配置されている別個の第2の区画とを備える。
遊星歯車セットは、少なくとも2つの太陽歯車及び少なくとも2組の遊星歯車を有する複合遊星歯車セットである。
第1の遊星歯車セットに結合された第2の遊星歯車セット。
軸方向フラックス電気モータは、中空出力シャフトに取り付けられた少なくとも1つのロータを備える。
軸方向フラックス電気モータは、中空の回転可能な出力シャフトに取り付けられた少なくとも1つのロータと、中空の回転可能な出力シャフトに対して固定された少なくとも1つのステータと、ロータ上に支持された複数の磁石と、ステータによって支持された巻線とを備える。
軸方向フラックス電気モータは、第1のチャンバの内周壁から間隔を空けられており、両者の間に空隙が形成されている。
第1のチャンバと第2のチャンバとの間のドライブトレインハウジングに形成された第3のチャンバであって、第3のチャンバは、第2のチャンバへ開放しており、遊星歯車セットは、第3のチャンバに配置されている、第3のチャンバ。
第2のチャンバに配置された潤滑液。
第1の遊星歯車セットと差動装置との間に配置されたクラッチアセンブリ。
第1の遊星歯車セットと第2の遊星歯車セットとの間に配置されたクラッチアセンブリ。
クラッチアセンブリは電気クラッチアセンブリである。
クラッチアセンブリは油圧クラッチアセンブリである。
第1のホイールハブアセンブリを第1のメインドライブシャフトに相互接続する第1の外側ドライブシャフト、及び第2のホイールハブアセンブリを第2のメインドライブシャフトに相互接続する第2の外側ドライブシャフト。
ユニバーサルジョイントは、第1の外側ドライブシャフトと第1のメインドライブシャフトとの間に配置されており、ユニバーサルジョイントは、第2の外側ドライブシャフトと第2のメインドライブシャフトとの間に配置されている。
ホイールハブアセンブリのハウジング内に取り付けられた歯車アセンブリを更に備える、ホイールハブアセンブリ。
第1及び第2のメインドライブシャフトのそれぞれは、遠位端を有し、各ホイールハブアセンブリは、それぞれの第1及び第2のメインドライブシャフトの遠位端に隣接して枢動可能に取り付けられている。
各ホイールハブアセンブリは、ドライブトレイン軸に対して垂直なメインドライブシャフトの遠位端に隣接する枢動軸を中心にして枢動する。
ドライブトレインハウジングから延びておりかつ第1のメインドライブシャフトの周りに配置された第1のホイールサポートハウジング、及びドライブトレインハウジングから延びておりかつ第2のメインドライブシャフトの周りに配置された第2のホイールサポートハウジング。
ホイールサポートハウジングの第2の端部に隣接してホイールサポートハウジング上に枢動可能に取り付けられたヨークであって、ハブアセンブリがヨーク上に取り付けられている、ヨーク。
ヨークは、ベースから延びる第1のヨークアームと、第1のヨークアームに隣接して、しかし第1のヨークアームから間隔を置いてベースから延びる対向する第2のヨークアームと、第1のヨークアーム及び第2のヨークアームから離れるようにベースから延びる第3のヨークアームとを備えるヨークベースを有し、第1のヨークアーム及び第2のヨークアームはそれぞれ、ホイールサポートハウジングの反対側においてホイールサポートハウジングに枢動可能に取り付けられた端部を有する。
ヨークは、第1及び第2のヨークアームに隣接する取り付けプレートを更に含み、ハブアセンブリは、取り付けプレートに取り付けられている。
第3のヨークアームに枢動可能に結合されかつモータハウジングに向かって延びる制御シャフト。
制御シャフトは、ドライブトレイン軸に対して実質的に平行である。
制御シャフトは、制御シャフトを作動させるように配置された制御機構によって係合される。
制御機構は電動式である。
制御機構は油圧式である。
第1のホイールサポートハウジングの第2の端部に隣接して第1のホイールサポートハウジングに枢動可能に取り付けられた第1のヨークであって、第1のハブアセンブリは、第1のヨークに取り付けられている、第1のヨーク、及び第2のホイールサポートハウジングの第2の端部に隣接して第2のホイールサポートハウジングに枢動可能に取り付けられた第2のヨークであって、第2のハブアセンブリは、第2のヨークに取り付けられている、第2のヨーク。
【0031】
様々な実施形態が詳細に示されているが、本開示は示されている実施形態に限定されない。上述の実施形態の修正及び適合は、当業者に想定され得る。そのような修正及び適応は、本開示の趣旨及び範囲内である。
【国際調査報告】