IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アステラス ジーン セラピーズ,インコーポレーテッドの特許一覧

特表2024-510972X連鎖性ミオチュブラーミオパチーを処置するための組成物及び方法
<>
  • 特表-X連鎖性ミオチュブラーミオパチーを処置するための組成物及び方法 図1
  • 特表-X連鎖性ミオチュブラーミオパチーを処置するための組成物及び方法 図2
  • 特表-X連鎖性ミオチュブラーミオパチーを処置するための組成物及び方法 図3
  • 特表-X連鎖性ミオチュブラーミオパチーを処置するための組成物及び方法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】X連鎖性ミオチュブラーミオパチーを処置するための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/76 20150101AFI20240305BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20240305BHJP
   A61K 35/761 20150101ALI20240305BHJP
   A61K 35/763 20150101ALI20240305BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20240305BHJP
   C12N 15/11 20060101ALI20240305BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20240305BHJP
   C12N 15/864 20060101ALI20240305BHJP
   C12N 15/86 20060101ALN20240305BHJP
【FI】
A61K35/76
A61K48/00
A61K35/761
A61K35/763
A61K31/7088
A61P21/00
A61P11/00
C12N15/11 Z ZNA
C12N15/12
C12N15/864 100Z
C12N15/86 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555441
(86)(22)【出願日】2022-03-11
(85)【翻訳文提出日】2023-10-27
(86)【国際出願番号】 US2022019876
(87)【国際公開番号】W WO2022192622
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】63/159,898
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523343514
【氏名又は名称】アステラス ジーン セラピーズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペレス,ジョバニー
(72)【発明者】
【氏名】グラハム,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】リコ,サルバドール
(72)【発明者】
【氏名】プラサド,スヤシュ
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
4C087
【Fターム(参考)】
4C084AA13
4C084NA05
4C084ZA59
4C084ZA94
4C084ZC02
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086NA05
4C086ZA59
4C086ZA94
4C086ZC02
4C087AA01
4C087AA02
4C087BC83
4C087CA12
4C087NA05
4C087ZA59
4C087ZA94
4C087ZC02
(57)【要約】
本発明は、神経筋障害を処置するための組成物及び方法を提供する。特定の実施形態では、本発明は、X連鎖性ミオチュブラーミオパチー(XLMTM)に罹患している対象における人工呼吸器からのウィーニングの準備状況及びウィーニングの継続を評価するための組成物及び方法を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工呼吸を使用中でX連鎖性ミオチュブラーミオパチー(XLMTM)に罹患しているヒト患者を人工呼吸からウィーニングさせる方法であって、前記患者が、事前に、ミオチューブラリン1(MTM1)をコードする導入遺伝子を含む治療有効量のウイルスベクターを投与されている、前記方法が、
a.前記患者が、(i)人工呼吸器で、約50cmHO以上の最大吸気圧、(ii)人工呼吸器で、約40cmHO以上の最大呼気圧、(iii)人工呼吸器で、約5cmHO以下の呼気終末陽圧、(iv)約94%以上の室内空気酸素飽和度(SpO)、(v)約35mmHg~約45mmHgの経皮的CO(TcCO)、(vi)約35mmHg~約45mmHgの呼気終末CO(petCO)、及び、約22mEq/L~約27mEq/Lの血清重炭酸塩レベル、のうちの1つ以上を示していると判定すること;ならびに
b.日中に前記患者を人工呼吸からウィーニングさせること
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記方法が、前記患者が人工呼吸器で約50cmHO以上の最大吸気圧を示していると判定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法が、前記患者が人工呼吸器で約40cmHO以上の最大呼気圧を示していると判定することを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法が、前記患者が人工呼吸器で約5cmHO以下の呼気終末陽圧を示していると判定することを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記方法が、前記患者が約94%以上のSpOを示していると判定することを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法が、前記患者が約35mmHg~約45mmHgのTcCOを示していると判定することを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記方法が、前記患者が約35mmHg~約45mmHgのpetCOを示していると判定することを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記方法が、前記患者が約22mEq/L~約27mEq/Lの血清重炭酸塩レベルを示していると判定することを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記方法が、さらに、前記患者が年齢調整基準内のバイタルサイン及び体重を示していると判定することを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記方法が、さらに、前記患者が、45超のフィラデルフィア小児病院乳児神経筋疾患検査(CHOP INTEND)の運動機能スコアまたは神経筋発達マイルストーンが達成されていることを示していると判定することを含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記方法が、さらに、
c.前記患者が、(i)夜間呼吸モニタリングで評価して、約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(ii)夜間呼吸モニタリングで評価して、約35mmHg~約45mmHgのpetCO、(iii)夜間呼吸モニタリングで評価して、約94%以上のSpO、(iv)開放気管切開で実施される睡眠ポリグラフ(PSG)で評価して、5イベント/時間未満の無呼吸低呼吸指数(AHI)、(v)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(vi)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、前記患者の覚醒ベースラインと比較して10mmHg以上増加しないTcCO、(vii)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、50mmHg未満のpetCOまたはptcCO、(viii)気管切開で実施されるPSGで評価して、前記患者の覚醒ベースラインと比較して睡眠中に10mmHg以上増加しないpetCOまたはCOの分圧(ptcCO)、(ix)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で肋間収縮がないこと、(x)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で頻呼吸がないこと、(xi)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で呼吸奇異がないこと、(xii)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で位相遅延がないこと、(xiii)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、94%未満のSpO、(xiv)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、前記患者の覚醒ベースラインと比較して3%超は異ならないSpO、(xv)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、45mmHg超のTcCO、及び、(xvi)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、前記患者の覚醒ベースラインと比較して10mmHg以上増加しないTCO、のうちの1つ以上を示していると判定すること;ならびに、
d.日中に前記患者を人工呼吸からウィーニングさせ続けること
を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記方法が、夜間呼吸モニタリングで評価して、前記患者が約35mmHg~約45mmHgのTcCOを示していると判定することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記方法が、夜間呼吸モニタリングで評価して、前記患者が約35mmHg~約45mmHgのpetCOを示していると判定することを含む、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記方法が、夜間呼吸モニタリングで評価して、前記患者が約94%以上のSpOを示していると判定することを含む、請求項11~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記方法が、開放気管切開で実施されるPSGで評価して、前記患者が5イベント/時間未満のAHIを示していると判定することを含む、請求項11~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記方法が、開放気管切開で実施されるPSGで評価して、前記患者が約35mmHg~約45mmHgのTcCOを示していると判定することを含む、請求項11~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記方法が、開放気管切開で実施されるPSGで評価して、前記患者が前記患者の覚醒ベースラインと比較して10mmHg以上増加しないTcCOを示していると判定することを含む、請求項11~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記方法が、開放気管切開で実施されるPSGで評価して、前記患者が50mmHg未満のpetCOまたはptcCOを示していると判定することを含む、請求項11~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記方法が、気管切開で実施されるPSGで評価して、前記患者が睡眠中に、前記患者の覚醒ベースラインと比較して10mmHg以上増加しないpetCOまたはptcCOを示していると判定することを含む、請求項11~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記方法が、前記患者が呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で肋間収縮を示していないと判定することを含む、請求項11~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記方法が、前記患者が呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で頻呼吸を示していないと判定することを含む、請求項11~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記方法が、前記患者が呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で呼吸奇異を示していないと判定することを含む、請求項11~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記方法が、前記患者が呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で位相遅延を示していないと判定することを含む、請求項11~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記方法が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、前記患者が94%未満のSpOを示していると判定することを含む、請求項11~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記方法が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、前記患者が、前記患者の覚醒ベースラインと比較して3%を超えて異ならないSpOを示していると判定することを含む、請求項11~24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記方法が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、前記患者が45mmHg超のTCOを示していると判定することを含む、請求項11~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記方法が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、前記患者が、前記患者の覚醒ベースラインと比較して10mmHg以上増加しないTCOを示していると判定することを含む、請求項11~26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記方法が、さらに、夜間呼吸モニタリングで評価して、前記患者が年齢調整基準内の呼吸数を示していると判定することを含む、請求項11~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記方法が、さらに、前記患者が呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で苦痛を示していないと判定することを含む、請求項11~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記方法が、さらに、開放気管切開で実施されるPSGで評価して、前記患者が年齢調整基準内の呼吸数を示していると判定することを含む、請求項11~29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
人工呼吸を使用中でXLMTMに罹患しているヒト患者を人工呼吸からウィーニングさせる方法であって、前記患者が、事前に、MTM1をコードする導入遺伝子を含む治療有効量のウイルスベクターを投与されている、前記方法が、
a.前記患者において、(i)人工呼吸器で最大吸気圧、(ii)人工呼吸器で最大呼気圧、(iii)人工呼吸器で呼気終末陽圧、(iv)SpOレベル、(v)TcCOレベル、(vi)petCOレベル、及び(vii)血清重炭酸塩レベル、のうちの1つ以上を測定すること;ならびに
b.前記患者が、(i)人工呼吸で約50cmHO以上の最大吸気圧、(ii)人工呼吸器で約40cmHO以上の最大呼気圧、(iii)人工呼吸器で約5cmHO以下の呼気終末陽圧、(iv)約94%以上のSpO、(v)約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(vi)約35mmHg~約45mmHgのpetCO、及び、(vii)約22mEq/L~約27mEq/Lの血清重炭酸塩レベル、のうちの1つ以上を示す場合、日中に前記患者を人工呼吸器からウィーニングさせること
を含む、前記方法。
【請求項32】
前記方法が、前記患者が人工呼吸器で約50cmHO以上の最大吸気圧を示していると判定することを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記方法が、前記患者が人工呼吸器で約40cmHO以上の最大呼気圧を示していると判定することを含む、請求項31または32に記載の方法。
【請求項34】
前記方法が、前記患者が人工呼吸器で約5cmHO以下の呼気終末陽圧を示していると判定することを含む、請求項31~33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記方法が、前記患者が約94%以上のSpOを示していると判定することを含む、請求項31~34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記方法が、前記患者が約35mmHg~約45mmHgのTcCOを示していると判定することを含む、請求項31~35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記方法が、前記患者が約35mmHg~約45mmHgのpetCOを示していると判定することを含む、請求項31~36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記方法が、前記患者が約22mEq/L~約27mEq/Lの血清重炭酸塩レベルを示していると判定することを含む、請求項31~37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記方法が、さらに、前記患者が年齢調整基準内のバイタルサイン及び体重を示していると判定することを含む、請求項31~38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記方法が、さらに、前記患者が、45超のCHOP INTENDの運動機能スコアまたは神経筋発達マイルストーンが達成されていると判定することを含む、請求項31~39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
X連鎖性ミオチュブラーミオパチー(XLMTM)に罹患している且つ人工呼吸を使用中のヒト患者を処置する方法であって、前記方法が、
a.ミオチューブラリン1(MTM1)をコードする導入遺伝子を含む治療有効量のウイルスベクターを前記患者に投与すること、
b.前記患者が、(i)人工呼吸器で、約50cmHO以上の最大吸気圧、(ii)人工呼吸器で、約40cmHO以上の最大呼気圧、(iii)人工呼吸器で、約5cmHO以下の呼気終末陽圧、(iv)約94%以上の室内空気酸素飽和度(SpO)、(v)約35mmHg~約45mmHgの経皮的CO(TcCO)、(vi)約35mmHg~約45mmHgの呼気終末CO(petCO)、及び、(vii)約22mEq/L~約27mEq/Lの血清重炭酸塩レベル、のうちの1つ以上を示していると判定すること;ならびに
c.日中に前記患者を人工呼吸からウィーニングさせること
を含む、前記方法。
【請求項42】
前記方法が、前記患者が人工呼吸器で約50cmHO以上の最大吸気圧を示していると判定することを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記方法が、前記患者が人工呼吸器で約40cmHO以上の最大呼気圧を示していると判定することを含む、請求項41または42に記載の方法。
【請求項44】
前記方法が、前記患者が人工呼吸器で約5cmHO以下の呼気終末陽圧を示していると判定することを含む、請求項41~43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記方法が、前記患者が約94%以上のSpOを示していると判定することを含む、請求項41~44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
前記方法が、前記患者が約35mmHg~約45mmHgのTcCOを示していると判定することを含む、請求項41~45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記方法が、前記患者が約35mmHg~約45mmHgのpetCOを示していると判定することを含む、請求項41~46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記方法が、前記患者が約22mEq/L~約27mEq/Lの血清重炭酸塩レベルを示していると判定することを含む、請求項41~47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記方法が、さらに、前記患者が年齢調整基準内のバイタルサイン及び体重を示していると判定することを含む、請求項41~48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記方法が、さらに、前記患者が、45超のフィラデルフィア小児病院乳児神経筋疾患検査(CHOP INTEND)の運動機能スコアまたは神経筋発達マイルストーンが達成されていることを示していると判定することを含む、請求項41~49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記方法が、さらに、
d.前記患者が、(i)夜間呼吸モニタリングで評価して、約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(ii)夜間呼吸モニタリングで評価して、約35mmHg~約45mmHgのpetCO、(iii)夜間呼吸モニタリングで評価して、約94%以上のSpO、(iv)開放気管切開で実施される睡眠ポリグラフ(PSG)で評価して、5イベント/時間未満の無呼吸低呼吸指数(AHI)、(v)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(vi)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、前記患者の覚醒ベースラインと比較して10mmHg以上増加しないTcCO、(vii)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、50mmHg未満のpetCOまたはCOの分圧(ptcCO)、(viii)気管切開で実施されるPSGで評価して、前記患者の覚醒ベースラインと比較して睡眠中に10mmHg以上増加しないpetCOまたはptcCO、(ix)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で肋間収縮がないこと、(x)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で頻呼吸がないこと、(xi)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で呼吸奇異がないこと、(xii)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で位相遅延がないこと、(xiii)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、94%未満のSpO、(xiv)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、前記患者の覚醒ベースラインと比較して3%超は異ならないSpO、(xv)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、45mmHg超のTcCO、及び、(xvi)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、前記患者の覚醒ベースラインと比較して10mmHg以上増加しないTcCO、のうちの1つ以上を示していると判定すること;ならびに、
e.日中に前記患者を人工呼吸からウィーニングさせ続けること
を含む、請求項41~50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
前記方法が、夜間呼吸モニタリングで評価して、前記患者が約35mmHg~約45mmHgのTcCOを示していると判定することを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記方法が、夜間呼吸モニタリングで評価して、前記患者が約35mmHg~約45mmHgのpetCOを示していると判定することを含む、請求項51または52に記載の方法。
【請求項54】
前記方法が、夜間呼吸モニタリングで評価して、前記患者が約94%以上のSpOを示していると判定することを含む、請求項51~53のいずれか1項に記載の方法。
【請求項55】
前記方法が、開放気管切開で実施されるPSGで評価して、前記患者が5イベント/時間未満のAHIを示していると判定することを含む、請求項51~54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
前記方法が、開放気管切開で実施されるPSGで評価して、前記患者が約35mmHg~約45mmHgのTcCOを示していると判定することを含む、請求項51~55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
前記方法が、開放気管切開で実施されるPSGで評価して、前記患者が前記患者の覚醒ベースラインと比較して10mmHg以上増加しないTcCOを示していると判定することを含む、請求項51~56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
前記方法が、開放気管切開で実施されるPSGで評価して、前記患者が50mmHg未満のpetCOまたはptcCOを示していると判定することを含む、請求項51~57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
前記方法が、気管切開で実施されるPSGで評価して、前記患者が睡眠中に、前記患者の覚醒ベースラインと比較して10mmHg以上増加しないpetCOまたはptcCOを示していると判定することを含む、請求項51~58のいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
前記方法が、前記患者が呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で肋間収縮を示していないと判定することを含む、請求項51~59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
前記方法が、前記患者が呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で頻呼吸を示していないと判定することを含む、請求項51~60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
前記方法が、前記患者が呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で呼吸奇異を示していないと判定することを含む、請求項51~61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
前記方法が、前記患者が呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で位相遅延を示していないと判定することを含む、請求項51~62のいずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
前記方法が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、前記患者が94%未満のSpOを示していると判定することを含む、請求項51~63のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
前記方法が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、前記患者が、前記患者の覚醒ベースラインと比較して3%を超えて異ならないSpOを示していると判定することを含む、請求項51~64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
前記方法が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、前記患者が45mmHg超のTcCOを示していると判定することを含む、請求項51~65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
前記方法が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、前記患者が、前記患者の覚醒ベースラインと比較して10mmHg以上増加しないTcCOを示していると判定することを含む、請求項51~66のいずれか1項に記載の方法。
【請求項68】
前記方法が、さらに、夜間呼吸モニタリングで評価して、前記患者が年齢調整基準内の呼吸数を示していると判定することを含む、請求項51~67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
前記方法が、さらに、前記患者が呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で苦痛を示していないと判定することを含む、請求項51~68のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
前記方法が、さらに、開放気管切開で実施されるPSGで評価して、前記患者が年齢調整基準内の呼吸数を示していると判定することを含む、請求項51~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項71】
XLMTMに罹患している且つ人工呼吸を使用中のヒト患者を処置する方法であって、前記方法が、
a.MTM1をコードする導入遺伝子を含む治療有効量のウイルスベクターを前記患者に投与すること、
b.前記患者において、(i)人工呼吸器で最大吸気圧、(ii)人工呼吸器で最大呼気圧、(iii)人工呼吸器で呼気終末陽圧、(iv)SpOレベル、(v)TcCOレベル、(vi)petCOレベル、及び(vii)血清重炭酸塩レベル、のうちの1つ以上を測定すること;ならびに
c.前記患者が、(i)人工呼吸で約50cmHO以上の最大吸気圧、(ii)人工呼吸器で約40cmHO以上の最大呼気圧、(iii)人工呼吸器で約5cmHO以下の呼気終末陽圧、(iv)約94%以上のSpO、(v)約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(vi)約35mmHg~約45mmHgのpetCO、及び、(vii)約22mEq/L~約27mEq/Lの血清重炭酸塩レベル、のうちの1つ以上を示す場合、日中に前記患者を人工呼吸器からウィーニングさせること
を含む、前記方法。
【請求項72】
前記方法が、前記患者が人工呼吸器で約50cmHO以上の最大吸気圧を示していると判定することを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記方法が、前記患者が人工呼吸器で約40cmHO以上の最大呼気圧を示していると判定することを含む、請求項71または72に記載の方法。
【請求項74】
前記方法が、前記患者が人工呼吸器で約5cmHO以下の呼気終末陽圧を示していると判定することを含む、請求項71~73のいずれか1項に記載の方法。
【請求項75】
前記方法が、前記患者が約94%以上のSpOを示していると判定することを含む、請求項71~74のいずれか1項に記載の方法。
【請求項76】
前記方法が、前記患者が約35mmHg~約45mmHgのTcCOを示していると判定することを含む、請求項71~75のいずれか1項に記載の方法。
【請求項77】
前記方法が、前記患者が約35mmHg~約45mmHgのpetCOを示していると判定することを含む、請求項71~76のいずれか1項に記載の方法。
【請求項78】
前記方法が、前記患者が約22mEq/L~約27mEq/Lの血清重炭酸塩レベルを示していると判定することを含む、請求項71~77のいずれか1項に記載の方法。
【請求項79】
前記方法が、さらに、前記患者が年齢調整基準内のバイタルサイン及び体重を示していると判定することを含む、請求項71~78のいずれか1項に記載の方法。
【請求項80】
前記方法が、さらに、前記患者が、45超のCHOP INTENDの運動機能スコアまたは神経筋発達マイルストーンが達成されていると判定することを含む、請求項71~79のいずれか1項に記載の方法。
【請求項81】
人工呼吸器からの前記ウィーニングが、圧力、容量、及び速度のうちの1つ以上を含む人工呼吸補助パラメーターの段階的な低減とそれに続く前記人工呼吸器の漸進的な停止を含み、任意に、人工呼吸器補助の複数のパラメーターが、一度に変更されない、請求項71~80のいずれか1項に記載の方法。
【請求項82】
前記ウイルスベクターを前記患者に投与すると、前記患者が、経時的に数時間の人工呼吸器補助でベースラインからの変化を示し、任意に、前記患者が、前記ウイルスベクターを前記患者に投与してから約24週間までに、経時的に数時間の人工呼吸器補助でベースラインからの変化を示す、請求項71~81のいずれか1項に記載の方法。
【請求項83】
前記ウイルスベクターを前記患者に投与すると、前記患者が、少なくとも30秒間、機能的に自立した着座を達成し、任意に、前記患者が、前記ウイルスベクターを前記患者に投与した後約24週間までに、前記機能的に自立した着座を達成する、請求項71~82のいずれか1項に記載の方法。
【請求項84】
前記ウイルスベクターを前記患者に投与すると、前記患者が、必要な人工呼吸器補助を1日当たり約16時間以下に低減することを示し、任意に、前記患者が、前記ウイルスベクターを前記患者に投与した後約24週間までに、必要な人工呼吸器補助の低減を示す、請求項71~83のいずれか1項に記載の方法。
【請求項85】
前記ウイルスベクターを前記患者に投与すると、前記患者が、CHOP INTENDでベースラインからの変化を示し、任意に、前記患者が、前記ウイルスベクターを前記患者に投与した後約24週間までに、CHOP INTENDでベースラインからの変化を示す、請求項71~84のいずれか1項に記載の方法。
【請求項86】
前記ウイルスベクターを前記患者に投与すると、前記患者が、最大吸気圧でベースラインからの変化を示し、任意に、前記患者が、前記ウイルスベクターを前記患者に投与した後約24週間までに、最大吸気圧でベースラインからの変化を示す、請求項71~85のいずれか1項に記載の方法。
【請求項87】
前記ウイルスベクターを前記患者に投与すると、前記患者が、筋生検におけるミオチューブラリン発現の定量分析でベースラインからの変化を示し、任意に、前記患者が、前記ウイルスベクターを前記患者に投与した後約24週間までに、筋生検におけるミオチューブラリン発現の定量分析でベースラインからの変化を示す、請求項71~86のいずれか1項に記載の方法。
【請求項88】
前記MTM1をコードする導入遺伝子が、筋肉特異的プロモーターに作動可能に連結されている、請求項71~87のいずれか1項に記載の方法。
【請求項89】
前記筋肉特異的プロモーターが、デスミンプロモーター、ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)プロモーター、筋肉クレアチンキナーゼプロモーター、ミオシン軽鎖プロモーター、ミオシン重鎖プロモーター、心筋トロポニンCプロモーター、トロポニンIプロモーター、myoD遺伝子ファミリープロモーター、アクチンアルファプロモーター、アクチンベータプロモーター、アクチンガンマプロモーター、または眼内ペアード様ホメオドメイン3(PITX3)のイントロン1内のプロモーターである、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記筋肉特異的プロモーターが、デスミンプロモーターである、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記ウイルスベクターが、アデノ随伴ウイルス(AAV)、アデノウイルス、レンチウイルス、レトロウイルス、ポックスウイルス、バキュロウイルス、単純ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、及び合成ウイルスからなる群から選択される、請求項1~90のいずれか1項に記載の方法。
【請求項92】
前記ウイルスベクターが、AAVである、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記AAVが、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAVrh10、またはAAVrh74血清型である、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記ウイルスベクターが、シュードタイプAAVである、請求項91に記載の方法。
【請求項95】
前記シュードタイプAAVが、AAV2/8またはAAV2/9であり、任意に、前記シュードタイプAAVが、AAV2/8である、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記ウイルスベクターが、resamirigene bilparvovecである、請求項1~95のいずれか1項に記載の方法。
【請求項97】
XLMTMに罹患している且つ人工呼吸を使用中のヒト患者を処置する方法であって、前記方法が、
a.デスミンプロモーターに作動可能に連結されているMTM1をコードする導入遺伝子を含む治療有効量のAAV2/8ウイルスベクターを前記患者に投与すること、
b.前記患者が、(i)人工呼吸器で約50cmHO以上の最大吸気圧、(ii)人工呼吸器で約40cmHO以上の最大呼気圧、(iii)人工呼吸器で約5cmHO以下の呼気終末陽圧、(iv)約94%以上のSpO、(v)約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(vi)約35mmHg~約45mmHgのpetCO、(vii)約22mEq/L~約27mEq/Lの血清重炭酸塩レベル、(viii)年齢調整基準内のバイタルサイン及び体重、ならびに、(ix)45超のCHOP INTENDでの運動機能スコア、または神経筋発達のマイルストーンが達成されていること、を示していると判定すること;
c.日中に前記患者を人工呼吸からウィーニングさせること、
d.前記患者が、(i)夜間呼吸モニタリングで評価して、約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(ii)夜間呼吸モニタリングで評価して、約35mmHg~約45mmHgのpetCO、(iii)夜間呼吸モニタリングで評価して、約94%以上のSpO、(iv)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で肋間収縮がないこと、(v)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で頻呼吸がないこと、(vi)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で呼吸奇異がないこと、(vii)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で位相遅延がないこと、(viii)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、94%未満のSpO、(ix)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、前記患者の覚醒ベースラインと比較して3%超は異ならないSpO、(x)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、45mmHg超のTCO、(xi)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、前記患者の覚醒ベースラインと比較して10mmHg以上増加しないTCO、(xii)夜間呼吸モニタリングで評価して、年齢調整基準内の呼吸数、(xiii)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で苦痛がないこと、及び、(xiv)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、年齢調整基準内の呼吸数、を示していると判定すること;ならびに、
e.日中に前記患者を人工呼吸からウィーニングさせ続けること
を含む、前記方法。
【請求項98】
XLMTMに罹患している且つ人工呼吸を使用中のヒト患者を処置する方法であって、前記方法が、
a.デスミンプロモーターに作動可能に連結されているMTM1をコードする導入遺伝子を含む治療有効量のAAV2/8ウイルスベクターを前記患者に投与すること、
b.前記患者が、(i)人工呼吸器で約50cmHO以上の最大吸気圧、(ii)人工呼吸器で約40cmHO以上の最大呼気圧、(iii)人工呼吸器で約5cmHO以下の呼気終末陽圧、(iv)約94%以上のSpO、(v)約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(vi)約35mmHg~約45mmHgのpetCO、(vii)約22mEq/L~約27mEq/Lの血清重炭酸塩レベル、(viii)年齢調整基準内のバイタルサイン及び体重、ならびに、(ix)45超のCHOP INTENDでの運動機能スコア、または神経筋発達のマイルストーンが達成されていること、を示していると判定すること、
c.日中に前記患者を人工呼吸からウィーニングさせること、
d.前記患者が、(i)夜間呼吸モニタリングで評価して、約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(ii)夜間呼吸モニタリングで評価して、約35mmHg~約45mmHgのpetCO、(iii)夜間呼吸モニタリングで評価して、約94%以上のSpO、(iv)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、5イベント/時間未満のAHI、(v)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(vi)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、前記患者の覚醒ベースラインと比較して10mmHg以上増加しないTcCO、(vii)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、50mmHg未満のpetCOまたはptcCO、(viii)気管切開で実施されるPSGで評価して、前記患者の覚醒ベースラインと比較して睡眠中に10mmHg以上増加しないpetCOまたはptcCO、(ix)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で肋間収縮がないこと、(x)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で頻呼吸がないこと、(xi)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で呼吸奇異がないこと、(xii)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で位相遅延がないこと、(xiii)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、94%未満のSpO、(xiv)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、前記患者の覚醒ベースラインと比較して3%超は異ならないSpO、(xv)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、45mmHg超のTCO、(xvi)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、前記患者の覚醒ベースラインと比較して10mmHg以上増加しないTCO;(xvii)夜間呼吸モニタリングで評価して、年齢調整基準内の呼吸数、(xviii)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で苦痛がないこと、及び、(xix)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、年齢調整基準内の呼吸数、を示していると判定すること;ならびに
e.日中に前記患者を人工呼吸からウィーニングさせ続けること
を含む、前記方法。
【請求項99】
人工呼吸を使用中でXLMTMに罹患しているヒト患者を人工呼吸からウィーニングさせる方法であって、前記患者が、事前に、デスミンプロモーターに作動可能に連結されているMTM1をコードする導入遺伝子を含む治療有効量のAAV2/8ウイルスベクターを投与されている、前記方法が、
a.前記患者が、(i)人工呼吸器で約50cmHO以上の最大吸気圧、(ii)人工呼吸器で約40cmHO以上の最大呼気圧、(iii)人工呼吸器で約5cmHO以下の呼気終末陽圧、(iv)約94%以上のSpO、(v)約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(vi)約35mmHg~約45mmHgのpetCO、(vii)約22mEq/L~約27mEq/Lの血清重炭酸塩レベル、(viii)年齢調整基準内のバイタルサイン及び体重、ならびに、(ix)45超のCHOP INTENDでの運動機能スコア、または神経筋発達のマイルストーンが達成されていること、を示していると判定すること、
b.日中に前記患者を人工呼吸からウィーニングさせること、
c.前記患者が、(i)夜間呼吸モニタリングで評価して、約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(ii)夜間呼吸モニタリングで評価して、約35mmHg~約45mmHgのpetCO、(iii)夜間呼吸モニタリングで評価して、約94%以上のSpO、(iv)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で肋間収縮がないこと、(v)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で頻呼吸がないこと、(vi)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で呼吸奇異がないこと、(vii)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で位相遅延がないこと、(viii)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、94%未満のSpO、(ix)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、前記患者の覚醒ベースラインと比較して3%超は異ならないSpO、(x)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、45mmHg超のTCO、(xi)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、前記患者の覚醒ベースラインと比較して10mmHg以上増加しないTCO、(xii)夜間呼吸モニタリングで評価して、年齢調整基準内の呼吸数、(xiii)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で苦痛がないこと、及び、(xiv)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、年齢調整基準内の呼吸数、を示していると判定すること;ならびに、
d.日中に前記患者を人工呼吸からウィーニングさせ続けること
を含む、前記方法。
【請求項100】
人工呼吸を使用中でXLMTMに罹患しているヒト患者を人工呼吸からウィーニングさせる方法であって、前記患者が、事前に、デスミンプロモーターに作動可能に連結されているMTM1をコードする導入遺伝子を含む治療有効量のAAV2/8ウイルスベクターを投与されている、前記方法が、
a.前記患者が、(i)人工呼吸器で約50cmHO以上の最大吸気圧、(ii)人工呼吸器で約40cmHO以上の最大呼気圧、(iii)人工呼吸器で約5cmHO以下の呼気終末陽圧、(iv)約94%以上のSpO、(v)約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(vi)約35mmHg~約45mmHgのpetCO、(vii)約22mEq/L~約27mEq/Lの血清重炭酸塩レベル、(viii)年齢調整基準内のバイタルサイン及び体重、ならびに、(ix)45超のCHOP INTENDでの運動機能スコア、または神経筋発達のマイルストーンが達成されていること、を示していると判定すること、
b.日中に前記患者を人工呼吸からウィーニングさせること、
c.前記患者が、(i)夜間呼吸モニタリングで評価して、約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(ii)夜間呼吸モニタリングで評価して、約35mmHg~約45mmHgのpetCO、(iii)夜間呼吸モニタリングで評価して、約94%以上のSpO、(iv)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、5イベント/時間未満のAHI、(v)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(vi)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、前記患者の覚醒ベースラインと比較して10mmHg以上増加しないTcCO、(vii)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、50mmHg未満のpetCOまたはptcCO、(viii)気管切開で実施されるPSGで評価して、前記患者の覚醒ベースラインと比較して睡眠中に10mmHg以上増加しないpetCOまたはptcCO、(ix)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で肋間収縮がないこと、(x)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で頻呼吸がないこと、(xi)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で呼吸奇異がないこと、(xii)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で位相遅延がないこと、(xiii)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、94%未満のSpO、(xiv)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、前記患者の覚醒ベースラインと比較して3%超は異ならないSpO、(xv)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、45mmHg超のTcCO、(xvi)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、前記患者の覚醒ベースラインと比較して10mmHg以上増加しないTcCO;(xvii)夜間呼吸モニタリングで評価して、年齢調整基準内の呼吸数、(xviii)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で苦痛がないこと、及び、(xix)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、年齢調整基準内の呼吸数、を示していると判定すること;ならびに
d.日中に前記患者を人工呼吸からウィーニングさせ続けること
を含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表
本出願は、ASCII形式で電子的に提出されている配列表を含有し、全体が参照により本明細書に組み込まれる。2022年3月8日に作成されたASCIIコピーは、「51037-056WO2_Sequence_Listing_3_8_22_ST25」という名称であり、サイズが30,386バイトである。
【0002】
発明の分野
本発明は、一般に、神経筋障害の処置のための方法に関する。より詳細には、本発明は、人工呼吸器からのウィーニングの開始または継続に対する患者の準備状況を評価するためのパラメーターのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
X連鎖性ミオチュブラーミオパチー(XLMTM)は、ミオチューブラリン1(MTM1)の機能喪失変異に起因する、致命的な骨格筋の単一遺伝子疾患である(Laporte et al.,1996,Nat Genet 13(2):175-82)。新生児男児約50,000人に1人が、XLMTMに罹患しており、これは、通常、顕著な筋緊張低下及び呼吸不全として現れる(Jungbluth et al.,2008,Orphanet J Rare Dis3:26)。非常にまれな症例では、女性が、重篤な形態のXLMTMを発症し得る。出生後期間を超えて生存するには、集中的な補助、例えば、患者の85~90%で、出生時の呼吸補助(すなわち、人工呼吸)、患者の48%で、継続的な24時間の人工呼吸器依存、患者の60%で、気管切開、を必要とする。先天性神経筋疾患に罹患する慢性的人工呼吸器装着患者の人工呼吸からのウィーニングに対する効果的な前例は存在しない。
【発明の概要】
【0004】
従って、人工呼吸器からのウィーニングの開始またはウィーニングの継続に対する患者の準備状況を評価するための方法が、当該技術分野で必要とされる。本発明は、この満たされていないニーズを満たす。
【0005】
本開示は、ミオチューブラリン1(MTM1)の機能喪失変異に関連する疾患及び障害の処置のために、患者の人工呼吸器からのウィーニングの開始または継続の準備状況を評価するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、障害は、X連鎖性ミオチュブラーミオパチー(XLMTM)である。
【0006】
一態様では、本開示は、人工呼吸を使用中でXLMTMに罹患しているヒト患者を人工呼吸からウィーニングさせる方法を提供し、患者は、事前に、MTM1をコードする導入遺伝子を含む治療有効量のウイルスベクターを投与されており、方法は、以下を含む:患者が、(i)人工呼吸器で約50cmHO以上の最大吸気圧、(ii)人工呼吸器で約40cmHO以上の最大呼気圧、(iii)人工呼吸器で約5cmHO以下の呼気終末陽圧、(iv)約94%以上の室内空気酸素飽和度(SpO)、(v)約35mmHg~約45mmHgの経皮的CO(TcCO)、(vi)約35mmHg~約45mmHgの呼気終末CO(petCO)、及び(vii)約22mEq/L~約27mEq/Lの血清重炭酸塩レベル、のうちの1つ以上を示していると判定すること;ならびに、日中に患者を人工呼吸からウィーニングさせること。
【0007】
上述の態様のいくつかの実施形態では、方法は、患者が人工呼吸器で約50cmHO以上の最大吸気圧を示していると判定することを含む。
【0008】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が人工呼吸器で約40cmHO以上の最大呼気圧を示していると判定することを含む。
【0009】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が人工呼吸器で約5cmHO以下の呼気終末陽圧を示していると判定することを含む。
【0010】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が約94%以上のSpOを示していると判定することを含む。
【0011】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が約35mmHg~約45mmHgのTcCOを示していると判定することを含む。
【0012】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が約35mmHg~約45mmHgのpetCOを示していると判定することを含む。
【0013】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が約22mEq/L~約27mEq/Lの血清重炭酸塩レベルを示していると判定することを含む。
【0014】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、さらに、患者が年齢調整基準内のバイタルサイン及び体重を示していると判定することを含む。
【0015】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、さらに、患者が、45超のフィラデルフィア小児病院乳児神経筋疾患検査(CHOP INTEND)の運動機能スコア、または神経筋発達マイルストーンが達成されていること、を示していると判定することを含む。
【0016】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、さらに、以下を含む:患者が、(i)夜間呼吸モニタリングで評価して、約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(ii)夜間呼吸モニタリングで評価して、約35mmHg~約45mmHgのpetCO、(iii)夜間呼吸モニタリングで評価して、約94%以上のSpO、(iv)開放気管切開で実施される睡眠ポリグラフ(PSG)で評価して、5イベント/時間未満の無呼吸低呼吸指数(AHI)、(v)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(vi)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、患者の覚醒ベースラインと比較して10mmHg以上増加しないTcCO、(vii)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、50mmHg未満のpetCOまたはCOの分圧(ptcCO)、(viii)気管切開で実施されるPSGで評価して、患者の覚醒ベースラインと比較して睡眠中に10mmHg以上増加しないpetCOまたはptcCO、(ix)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で肋間収縮がないこと、(x)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で頻呼吸がないこと、(xi)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で呼吸奇異がないこと、(xii)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で位相遅延がないこと、(xiii)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、94%未満のSpO、(xiv)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、患者の覚醒ベースラインと比較して3%超は異ならないSpO、(xv)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、45mmHg超のTcCO、及び、(xvi)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、患者の覚醒ベースラインと比較して10mmHg以上増加しないTCO、のうちの1つ以上を示していると判定すること;ならびに、日中に、患者を人工呼吸からウィーニングさせ続けること。
【0017】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、夜間呼吸モニタリングで評価して、患者が約35mmHg~約45mmHgのTcCOを示していると判定することを含む。
【0018】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、夜間呼吸モニタリングで評価して、患者が約35mmHg~約45mmHgのpetCOを示していると判定することを含む。
【0019】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、夜間呼吸モニタリングで評価して、患者が約94%以上のSpOを示していると判定することを含む。
【0020】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、開放気管切開で実施されるPSGで評価して、患者が5イベント/時間未満のAHIを示していると判定することを含む。
【0021】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、開放気管切開で実施されるPSGで評価して、患者が約35mmHg~約45mmHgのTcCOを示していると判定することを含む。
【0022】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、開放気管切開で実施されるPSGで評価して、患者の覚醒ベースラインと比較して10mmHg以上増加しないTcCOを、患者が示していると判定することを含む。
【0023】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、開放気管切開で実施されるPSGで評価して、患者が50mmHg未満のpetCOまたはptcCOを示していると判定することを含む。
【0024】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、気管切開で実施されるPSGで評価して、患者が睡眠中に患者の覚醒ベースラインと比較して10mmHg以上増加しないpetCOまたはptcCOを示していると判定することを含む。
【0025】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で肋間収縮を示していないと判定することを含む。
【0026】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で頻呼吸を示していないと判定することを含む。
【0027】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で呼吸奇異を示していないと判定することを含む。
【0028】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で位相遅延を示していないと判定することを含む。
【0029】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、患者が94%未満のSpOを示していると判定することを含む。
【0030】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、患者の覚醒ベースラインと比較して3%超は異ならないSpOを示していると判定することを含む。
【0031】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、患者が45mmHg超のTCOを示していると判定することを含む。
【0032】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、患者が、患者の覚醒ベースラインと比較して10mmHg以上増加しないTCOを示していると判定することを含む。
【0033】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、さらに、患者が夜間呼吸モニタリングで評価して、年齢調整基準内の呼吸数を示していると判定することを含む。
【0034】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、さらに、患者が呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で苦痛を示していないと判定することを含む。
【0035】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、さらに、開放気管切開で実施されるPSGで評価して、患者が年齢調整基準内の呼吸数を示していると判定することを含む。
【0036】
別の態様では、本開示は、人工呼吸を使用中でXLMTMに罹患しているヒト患者を人工呼吸からウィーニングさせる方法を提供し、患者は、事前に、MTM1をコードする導入遺伝子を含む治療有効量のウイルスベクターを投与されており、方法は、以下を含む:患者において、(i)人工呼吸器で最大吸気圧、(ii)人工呼吸器で最大呼気圧、(iii)人工呼吸器で呼気終末陽圧、(iv)SpOレベル、(v)TcCOレベル、(vi)petCOレベル、及び(vii)約22mEq/L~約27mEq/Lの血清重炭酸塩レベル、のうちの1つ以上を測定すること;ならびに、患者が、(i)人工呼吸器で約50cmHO以上の最大吸気圧、(ii)人工呼吸器で約40cmHO以上の最大呼気圧、(iii)人工呼吸器で約5cmHO以下の呼気終末陽圧、(iv)約94%以上のSpO、(v)約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(vi)約35mmHg~約45mmHgのpetCO、及び、(vii)約22mEq/L~約27mEq/Lの血清重炭酸塩レベル、のうちの1つ以上を示す場合、日中に患者を人工呼吸からウィーニングさせること。
【0037】
上述の態様のいくつかの実施形態では、方法は、患者が人工呼吸器で約50cmHO以上の最大吸気圧を示していると判定することを含む。
【0038】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が人工呼吸器で約40cmHO以上の最大呼気圧を示していると判定することを含む。
【0039】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が人工呼吸器で約5cmHO以下の呼気終末陽圧を示していると判定することを含む。
【0040】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が約94%以上のSpOを示していると判定することを含む。
【0041】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が約35mmHg~約45mmHgのTcCOを示していると判定することを含む。
【0042】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が約35mmHg~約45mmHgのpetCOを示していると判定することを含む。
【0043】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が約22mEq/L~約27mEq/Lの血清重炭酸塩レベルを示していると判定することを含む。
【0044】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、さらに、患者が年齢調整基準内のバイタルサイン及び体重を示していると判定することを含む。
【0045】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、さらに、患者が、45超のCHOP INTENDの運動機能スコア、または神経筋発達マイルストーンが達成されていること、を示していると判定することを含む。
【0046】
別の態様では、本開示は、XLMTMに罹患しており且つ人工呼吸を使用中のヒト患者を処置する方法を提供し、方法は、以下を含む:MTM1をコードする導入遺伝子を含む治療有効量のウイルスベクターを患者に投与すること;患者が、(i)人工呼吸器で約50cmHO以上の最大吸気圧、(ii)人工呼吸器で約40cmHO以上の最大呼気圧、(iii)人工呼吸器で約5cmHO以下の呼気終末陽圧、(iv)約94%以上のSpO、(v)約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(vi)約35mmHg~約45mmHgのpetCO、及び(vii)約22mEq/L~約27mEq/Lの血清重炭酸塩レベル、のうちの1つ以上を示していると判定すること;ならびに、日中に患者を人工呼吸からウィーニングさせること。
【0047】
上述の態様のいくつかの実施形態では、方法は、患者が人工呼吸器で約50cmHO以上の最大吸気圧を示していると判定することを含む。
【0048】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が人工呼吸器で約40cmHO以上の最大呼気圧を示していると判定することを含む。
【0049】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が人工呼吸器で約5cmHO以下の呼気終末陽圧を示していると判定することを含む。
【0050】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が約94%以上のSpOを示していると判定することを含む。
【0051】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が約35mmHg~約45mmHgのTcCOを示していると判定することを含む。
【0052】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が約35mmHg~約45mmHgのpetCOを示していると判定することを含む。
【0053】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が約22mEq/L~約27mEq/Lの血清重炭酸塩レベルを示していると判定することを含む。
【0054】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、さらに、患者が年齢調整基準内のバイタルサイン及び体重を示していると判定することを含む。
【0055】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、さらに、患者が、45超のCHOP INTENDの運動機能スコア、または神経筋発達マイルストーンが達成されていること、を示していると判定することを含む。
【0056】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、さらに、以下を含む:患者が、(i)夜間呼吸モニタリングで評価して、約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(ii)夜間呼吸モニタリングで評価して、約35mmHg~約45mmHgのpetCO、(iii)夜間呼吸モニタリングで評価して、約94%以上のSpO、(iv)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、5イベント/時間未満のAHI、(v)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(vi)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、患者の覚醒ベースラインと比較して10mmHg以上増加しないTcCO、(vii)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、50mmHg未満のpetCOまたはptcCO、(viii)気管切開で実施されるPSGで評価して、患者の覚醒ベースラインと比較して睡眠中に10mmHg以上増加しないpetCOまたはptcCO、(ix)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で肋間収縮がないこと、(x)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で頻呼吸がないこと、(xi)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で呼吸奇異がないこと、(xii)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で位相遅延がないこと、(xiii)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、94%未満のSpO、(xiv)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、患者の覚醒ベースラインと比較して3%超は異ならないSpO、(xv)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、45mmHg超のTcCO、及び、(xvi)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、患者の覚醒ベースラインと比較して10mmHg以上増加しないTcCO、のうちの1つ以上を示していると判定すること;ならびに、日中に、患者を人工呼吸からウィーニングさせ続けること。
【0057】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、夜間呼吸モニタリングで評価して、患者が約35mmHg~約45mmHgのTcCOを示していると判定することを含む。
【0058】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、夜間呼吸モニタリングで評価して、患者が約35mmHg~約45mmHgのpetCOを示していると判定することを含む。
【0059】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、夜間呼吸モニタリングで評価して、患者が約94%以上のSpOを示していると判定することを含む。
【0060】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、開放気管切開で実施されるPSGで評価して、患者が5イベント/時間未満のAHIを示していると判定することを含む。
【0061】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、開放気管切開で実施されるPSGで評価して、患者が約35mmHg~約45mmHgのTcCOを示していると判定することを含む。
【0062】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、開放気管切開で実施されるPSGで評価して、患者の覚醒ベースラインと比較して10mmHg以上増加しないTcCOを、患者が示していると判定することを含む。
【0063】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、開放気管切開で実施されるPSGで評価して、患者が50mmHg未満のpetCOまたはptcCOを示していると判定することを含む。
【0064】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、気管切開で実施されるPSGで評価して、患者が睡眠中に患者の覚醒ベースラインと比較して10mmHg以上増加しないpetCOまたはptcCOを示していると判定することを含む。
【0065】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で肋間収縮を示していないと判定することを含む。
【0066】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で頻呼吸を示していないと判定することを含む。
【0067】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で呼吸奇異を示していないと判定することを含む。
【0068】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で位相遅延を示していないと判定することを含む。
【0069】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、患者が94%未満のSpOを示していると判定することを含む。
【0070】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、患者の覚醒ベースラインと比較して3%超は異ならないSpOを示していると判定することを含む。
【0071】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、45mmHg超のTcCOを示していると判定することを含む。
【0072】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、患者の覚醒ベースラインと比較して10mmHg以上は増加しないTcCOを示していると判定することを含む。
【0073】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、さらに、患者が夜間呼吸モニタリングで評価して、年齢調整基準内の呼吸数を示していると判定することを含む。
【0074】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、さらに、患者が呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で苦痛を示していないと判定することを含む。
【0075】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、さらに、開放気管切開で実施されるPSGで評価して、患者が年齢調整基準内の呼吸数を示していると判定することを含む。
【0076】
別の態様では、本開示は、XLMTMに罹患しており且つ人工呼吸を使用中のヒト患者を処置する方法を提供し、方法は、以下を含む:MTM1をコードする導入遺伝子を含む治療有効量のウイルスベクターを患者に投与すること;患者において、(i)人工呼吸器で最大吸気圧、(ii)人工呼吸器で最大呼気圧、(iii)人工呼吸器で呼気終末陽圧、(iv)SpOレベル、(v)TcCOレベル、(vi)petCOレベル、及び(vii)血清重炭酸塩レベル、のうちの1つ以上を測定すること;ならびに、患者が、(i)人工呼吸器で約50cmHO以上の最大吸気圧、(ii)人工呼吸器で約40cmHO以上の最大呼気圧、(iii)人工呼吸器で約5cmHO以下の呼気終末陽圧、(iv)約94%以上のSpO、(v)約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(vi)約35mmHg~約45mmHgのpetCO、及び、(vii)約22mEq/L~約27mEq/Lの血清重炭酸塩レベル、のうちの1つ以上を示す場合、日中に患者を人工呼吸からウィーニングさせること。
【0077】
上述の態様のいくつかの実施形態では、方法は、患者が人工呼吸器で約50cmHO以上の最大吸気圧を示していると判定することを含む。
【0078】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が人工呼吸器で約40cmHO以上の最大呼気圧を示していると判定することを含む。
【0079】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が人工呼吸器で約5cmHO以下の呼気終末陽圧を示していると判定することを含む。
【0080】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が約94%以上のSpOを示していると判定することを含む。
【0081】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が約35mmHg~約45mmHgのTcCOを示していると判定することを含む。
【0082】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が約35mmHg~約45mmHgのpetCOを示していると判定することを含む。
【0083】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、患者が約22mEq/L~約27mEq/Lの血清重炭酸塩レベルを示していると判定することを含む。
【0084】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、さらに、患者が年齢調整基準内のバイタルサイン及び体重を示していると判定することを含む。
【0085】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、さらに、患者が、45超のCHOP INTENDの運動機能スコア、または神経筋発達マイルストーンが達成されていること、を示していると判定することを含む。
【0086】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、人工呼吸からのウィーニングは、圧力、容量、及び速度のうちの1つ以上を含む人工呼吸器補助パラメーターの段階的な低減とそれに続く人工呼吸器からの漸進的なスプリンティングを含み、任意に、人工呼吸器の複数のパラメーターは、一度に変更されない。
【0087】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、ウイルスベクターを患者に投与すると、患者は、経時的に数時間の換気補助でベースラインからの変化を示し、任意に、患者は、ウイルスベクターを患者に投与した後約24週間までに、経時的に数時間の換気補助でベースラインからの変化を示す。
【0088】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、ウイルスベクターを患者に投与すると、患者は、少なくとも30秒間、機能的に自立した着座を達成し、任意に、患者は、ウイルスベクターを患者に投与した後約24週間までに、機能的に自立した着座を達成する。
【0089】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、ウイルスベクターを患者に投与すると、患者は、必要な人工呼吸器補助を1日当たり約16時間以下に低減することを示し、任意に、患者は、ウイルスベクターを患者に投与した後約24週間までに、必要な人工呼吸器補助の低減を示す。
【0090】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、ウイルスベクターを患者に投与すると、患者は、CHOP INTENDでベースラインからの変化を示し、任意に、患者は、ウイルスベクターを患者に投与した後約24週間までに、CHOP INTENDでベースラインからの変化を示す。
【0091】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、ウイルスベクターを患者に投与すると、患者は、最大吸気圧でベースラインからの変化を示し、任意に、患者は、ウイルスベクターを患者に投与した後約24週間までに、最大吸気圧でベースラインからの変化を示す。
【0092】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、ウイルスベクターを患者に投与すると、患者は、筋生検におけるミオチューブラリン発現の定量分析でベースラインからの変化を示し、任意に、患者は、ウイルスベクターを患者に投与した後約24週間までに、筋生検におけるミオチューブラリン発現の定量分析でベースラインからの変化を示す。
【0093】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、MTM1をコードする導入遺伝子は、筋肉特異的プロモーターに作動可能に連結されている。
【0094】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、筋肉特異的プロモーターは、デスミンプロモーター、ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)プロモーター、筋肉クレアチンキナーゼプロモーター、ミオシン軽鎖プロモーター、ミオシン重鎖プロモーター、心筋トロポニンCプロモーター、トロポニンIプロモーター、myoD遺伝子ファミリープロモーター、アクチンアルファプロモーター、アクチンベータプロモーター、アクチンガンマプロモーター、または眼内ペアード様ホメオドメイン3(PITX3)のイントロン1内のプロモーターである。
【0095】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、筋肉特異的プロモーターは、デスミンプロモーターである。
【0096】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルス(AAV)、アデノウイルス、レンチウイルス、レトロウイルス、ポックスウイルス、バキュロウイルス、単純ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、及び合成ウイルスからなる群から選択される。
【0097】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、ウイルスベクターは、AAVである。
【0098】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、AAVは、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAVrh10、またはAAVrh74血清型である。
【0099】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、ウイルスベクターは、シュードタイプAAVである。
【0100】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、シュードタイプAAVは、AAV2/8である。
【0101】
上述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、ウイルスベクターは、resamirigene bilparvovecである。
【0102】
別の態様では、本開示は、XLMTMに罹患しており且つ人工呼吸を使用中のヒト患者を処置する方法を提供し、方法は、以下を含む:デスミンプロモーターに作動可能に連結されているMTM1をコードする導入遺伝子を含む治療有効量のAAV2/8ウイルスベクターを患者に投与すること;患者が、(i)人工呼吸器で約50cmHO以上の最大吸気圧、(ii)人工呼吸器で約40cmHO以上の最大呼気圧、(iii)人工呼吸器で約5cmHO以下の呼気終末陽圧、(iv)約94%以上のSpO、(v)約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(vi)約35mmHg~約45mmHgのpetCO、(vii)約22mEq/L~約27mEq/Lの血清重炭酸塩レベル、(viii)年齢調整基準内のバイタルサイン及び体重、ならびに、(ix)45超のCHOP INTENDでの運動機能スコア、または神経筋発達のマイルストーンが達成されていること、を示していると判定すること;日中に患者を人工呼吸からウィーニングさせること;患者が、(i)夜間呼吸モニタリングで評価して、約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(ii)夜間呼吸モニタリングで評価して、約35mmHg~約45mmHgのpetCO、(iii)夜間呼吸モニタリングで評価して、約94%以上のSpO、(iv)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で肋間収縮がないこと、(v)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で頻呼吸がないこと、(vi)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で呼吸奇異がないこと、(vii)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で位相遅延がないこと、(viii)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、94%未満のSpO、(ix)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、患者の覚醒ベースラインと比較して3%超は異ならないSpO、(x)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、45mmHg超のTCO、(xi)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、患者の覚醒ベースラインと比較して10mmHg以上増加しないTCO、(xii)夜間呼吸モニタリングで評価して、年齢調整基準内の呼吸数、(xiii)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で苦痛がないこと、及び、(xiv)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、年齢調整基準内の呼吸数、を示していると判定すること;ならびに、日中に患者を人工呼吸からウィーニングさせ続けること。
【0103】
別の態様では、本開示は、XLMTMに罹患しており且つ人工呼吸を使用中のヒト患者を処置する方法を提供し、方法は、以下を含む:デスミンプロモーターに作動可能に連結されているMTM1をコードする導入遺伝子を含む治療有効量のAAV2/8ウイルスベクターを患者に投与すること、患者が、(i)人工呼吸器で約50cmHO以上の最大吸気圧、(ii)人工呼吸器で約40cmHO以上の最大呼気圧、(iii)人工呼吸器で約5cmHO以下の呼気終末陽圧、(iv)約94%以上のSpO、(v)約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(vi)約35mmHg~約45mmHgのpetCO、(vii)約22mEq/L~約27mEq/Lの血清重炭酸塩レベル、(viii)年齢調整基準内のバイタルサイン及び体重、ならびに、(ix)45超のCHOP INTENDでの運動機能スコア、または神経筋発達のマイルストーンが達成されていること、を示していると判定すること;日中に患者を人工呼吸からウィーニングさせること;患者が、(i)夜間呼吸モニタリングで評価して、約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(ii)夜間呼吸モニタリングで評価して、約35mmHg~約45mmHgのpetCO、(iii)夜間呼吸モニタリングで評価して、約94%以上のSpO、(iv)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、5イベント/時間未満のAHI、(v)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(vi)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、患者の覚醒ベースラインと比較して10mmHg以上増加しないTcCO、(vii)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、50mmHg未満のpetCOまたはptcCO、(viii)気管切開で実施されるPSGで評価して、患者の覚醒ベースラインと比較して睡眠中に10mmHg以上増加しないpetCOまたはptcCO、(ix)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で肋間収縮がないこと、(x)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で頻呼吸がないこと、(xi)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で呼吸奇異がないこと、(xii)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で位相遅延がないこと、(xiii)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、94%未満のSpO、(xiv)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、患者の覚醒ベースラインと比較して3%超は異ならないSpO、(xv)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、45mmHg超のTCO、(xvi)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、患者の覚醒ベースラインと比較して10mmHg以上増加しないTCO;(xvii)夜間呼吸モニタリングで評価して、年齢調整基準内の呼吸数、(xviii)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で苦痛がないこと、及び、(xix)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、年齢調整基準内の呼吸数、を示していると判定すること;ならびに、日中に患者を人工呼吸からウィーニングさせ続けること。
【0104】
別の態様では、本開示は、人工呼吸を使用中でXLMTMに罹患しているヒト患者を人工呼吸からウィーニングさせる方法を提供し、患者は、事前に、デスミンプロモーターに作動可能に連結されているMTM1をコードする導入遺伝子を含む治療有効量のAAV2/8ウイルスベクターを投与されており、方法は、以下を含む:患者が、(i)人工呼吸器で約50cmHO以上の最大吸気圧、(ii)人工呼吸器で約40cmHO以上の最大呼気圧、(iii)人工呼吸器で約5cmHO以下の呼気終末陽圧、(iv)約94%以上のSpO、(v)約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(vi)約35mmHg~約45mmHgのpetCO、(vii)約22mEq/L~約27mEq/Lの血清重炭酸塩レベル、(viii)年齢調整基準内のバイタルサイン及び体重、ならびに、(ix)45超のCHOP INTENDでの運動機能スコア、または神経筋発達のマイルストーンが達成されていることを示すこと、を判定すること;日中に患者を人工呼吸からウィーニングさせること;患者が、(i)夜間呼吸モニタリングで評価して、約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(ii)夜間呼吸モニタリングで評価して、約35mmHg~約45mmHgのpetCO、(iii)夜間呼吸モニタリングで評価して、約94%以上のSpO、(iv)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で肋間収縮がないこと、(v)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で頻呼吸がないこと、(vi)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で呼吸奇異がないこと、(vii)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で位相遅延がないこと、(viii)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、94%未満のSpO、(ix)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、患者の覚醒ベースラインと比較して3%超は異ならないSpO、(x)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、45mmHg超のTCO、(xi)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、患者の覚醒ベースラインと比較して10mmHg以上増加しないTCO、(xii)夜間呼吸モニタリングで評価して、年齢調整基準内の呼吸数、(xiii)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で苦痛がないこと、及び、(xiv)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、年齢調整基準内の呼吸数、を示していると判定すること;ならびに、日中に患者を人工呼吸からウィーニングさせ続けること。
【0105】
別の態様では、本開示は、人工呼吸を使用中でXLMTMに罹患しているヒト患者を人工呼吸からウィーニングさせる方法を提供し、患者は、事前に、デスミンプロモーターに作動可能に連結されているMTM1をコードする導入遺伝子を含む治療有効量のAAV2/8ウイルスベクターを投与されており、方法は、以下を含む:患者が、(i)人工呼吸器で約50cmHO以上の最大吸気圧、(ii)人工呼吸器で約40cmHO以上の最大呼気圧、(iii)人工呼吸器で約5cmHO以下の呼気終末陽圧、(iv)約94%以上のSpO、(v)約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(vi)約35mmHg~約45mmHgのpetCO、(vii)約22mEq/L~約27mEq/Lの血清重炭酸塩レベル、(viii)年齢調整基準内のバイタルサイン及び体重、ならびに、(ix)45超のCHOP INTENDでの運動機能スコア、または神経筋発達のマイルストーンが達成されていること、を示していると判定すること;日中に患者を人工呼吸からウィーニングさせること;患者が、(i)夜間呼吸モニタリングで評価して、約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(ii)夜間呼吸モニタリングで評価して、約35mmHg~約45mmHgのpetCO、(iii)夜間呼吸モニタリングで評価して、約94%以上のSpO、(iv)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、5イベント/時間未満のAHI、(v)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、約35mmHg~約45mmHgのTcCO、(vi)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、患者の覚醒ベースラインと比較して10mmHg以上増加しないTcCO、(vii)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、50mmHg未満のpetCOまたはptcCO、(viii)気管切開で実施されるPSGで評価して、患者の覚醒ベースラインと比較して睡眠中に10mmHg以上増加しないpetCOまたはptcCO、(ix)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で肋間収縮がないこと、(x)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で頻呼吸がないこと、(xi)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で呼吸奇異がないこと、(xii)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で位相遅延がないこと、(xiii)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、94%未満のSpO、(xiv)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、患者の覚醒ベースラインと比較して3%超は異ならないSpO、(xv)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、45mmHg超のTcO、(xvi)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で評価して、患者の覚醒ベースラインと比較して10mmHg以上増加しないTcCO、(xvii)夜間呼吸モニタリングで評価して、年齢調整基準内の呼吸数、(xviii)呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で苦痛がないこと、及び、(xix)開放気管切開で実施されるPSGで評価して、年齢調整基準内の呼吸数、を示していると判定すること;ならびに、日中に患者を人工呼吸からウィーニングさせ続けること。
【図面の簡単な説明】
【0106】
図1】ヒトミオチューブラリン1(hMTM1)遺伝子の発現のための例示的なシュードタイプアデノ随伴ウイルス(AAV)2/8(AAV2/8)ウイルスベクターの概略図である。左から右へ、網掛けの矢印及び長方形は、ベータグロビンイントロンに作動可能に連結されているヒトデスミン(hDes)プロモーター(配列番号3)をコードする核酸配列、hMTM1遺伝子(配列番号4)、ベータグロビンポリアデニル化シグナル(ベータグロビン_pA)、及び隣接するAAV2逆方向末端反復配列(ITR)を表す。略称:AAV2_ITR、アデノ関連ウイルス2逆方向逆方向末端反復;ベータグロビン_pA、ヒトベータグロビンポリアデニル化シグナル;hDes、ヒトデスミンプロモーター;hMTM1、ヒトミオチューブラリン相補DNA。
図2】日中の人工呼吸器からのウィーニングを開始する前に、当該技術分野で内科医が患者を評価するために推奨されたパラメーターの図である。
図3】人工呼吸から、患者が、それぞれ、日中、昼寝中、または夜間のウィーニングを開始する準備ができているかどうか、及び、患者が、それぞれ、日中、昼寝中、または夜間のウィーニングを継続する準備ができているかどうかを判定するための段階的な基準を示すフローチャートである。太字の実線のボックスは、患者が日中の人工呼吸器からのウィーニングを開始する準備ができているかどうかを判定するために推奨される段階基準を示す。太字の破線のボックスは、患者が日中の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているかどうかを判定するために推奨される段階基準を示す。略称:CHOP INTEND、フィラデルフィア小児病院乳児神経筋疾患検査;MIP、最大吸気圧;ORL、耳鼻咽喉科;PEEP、呼気終末陽圧;PIP、ピーク吸気圧;PSG、睡眠ポリグラフ。
図4】日中の人工呼吸器からのウィーニングを開始する前に、当該技術分野で内科医が患者を評価するために推奨されたパラメーターの図である。
【発明を実施するための形態】
【0107】
定義
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、記載されている値の上下5%以内の値を指す。例えば、本明細書に記載の重量の文脈で使用される「100ポンド」は、100ポンドの上下5%以内の量を含む。さらに、数値量のリストの文脈で使用される場合、数値量のリストの前にある「約」という用語は、リストに記載されている個々の量に適用されることを理解すべきである。
【0108】
本明細書で使用される場合、「投与すること」、「投与」などの用語は、任意の効果的な経路で患者に治療薬(例えば、筋肉特異的プロモーターに作動可能に連結されているミオチューブラリン1(MTM1)遺伝子をコードする核酸配列を含むウイルスベクターを含む医薬組成物)を直接与えることを指す。例示的な投与経路が本明細書に記載されており、全身投与経路、例えば、静脈内注射、及び、例えば、とりわけ、髄腔内注射または脳室内注射による、患者の中枢神経系へ直接投与する経路を含む。
【0109】
本明細書で使用される場合、「年齢調整基準」という用語は、年齢によるデータの正規化のプロセスを指し、これは、集団の年齢プロファイルが異なる場合に対象の集団を比較できるようにするために使用される手法である。
【0110】
本明細書で使用される場合、「覚醒ベースライン」という用語は、患者の日中の覚醒時間中に取得される比較の基礎を指し、その後の試験での再評価を伴うウィーニング評価時に定義される。本明細書で使用される場合、「日中の覚醒時間」という用語は、午前7時~午後7時、例えば、午前8時、午前9時、午前10時、午前11時、午後12時、午後1時、午後2時、午後3時、午後4時、午後5時、または午後6時の時間を指す。覚醒ベースラインの期間は、絶対的な期間ではなく、患者毎に、アウトカム毎に変動するであろう。さらに、「覚醒ベースライントライアル」の期間は、トライアルによって変動し得、15分単位の漸進的な追加時間(例えば、継続時間が15分の覚醒ベースライントライアル、継続時間が30分の覚醒ベースライントライアル、持続時間が45分の覚醒ベースライントライアル)で構成され得る。いくつかの実施形態では、覚醒ベースライントライアルが取得される時間は、午前7時~午後7時、例えば、午前8時、午前9時、午前10時、午前11時、午後12時、午後1時、午後2時、午後3時、午後4時、午後5時、または午後6時である。
【0111】
本明細書で使用される場合、「無呼吸低呼吸指数」または「AHI」という用語は、睡眠時間当たりの研究中に記録された無呼吸または低呼吸の数を指す。本明細書で使用される場合、「無呼吸」という用語は、患者がベースラインから90%以上の気流減少を有することが観察される、睡眠中に10秒以上のイベントを指し、ベースラインは、固定呼吸パターンの患者のイベント前の最後の2分間の中程度の安定呼吸及び換気、または可変呼吸パターンの患者のイベント前の最後の2分間の3つの中程度の最長呼吸として定義され、気流の低減は、無呼吸イベントの90%以上で発生すると定義される。本明細書で使用される場合、「低呼吸」という用語は、患者がベースラインから50%以上の呼吸数の減少が観察される、睡眠中に10秒以上のイベントを指し、ベースラインが、固定呼吸パターンの患者のイベント前の最後の2分間の中程度の安定呼吸及び換気、または可変呼吸パターンの患者のイベント前の最後の2分間の3つの中程度の最長呼吸として定義される。
【0112】
本明細書で使用される場合、「フィラデルフィア小児病院乳児神経筋疾患検査」または「CHOP INTEND」という用語は、骨格筋疾患(例えば、X連鎖性ミオチュブラーミオパチー(XLMTM))のような虚弱乳児の評価のために開発された検証された運動アウトカム測定を指す。CHOP INTENDは、0~64点のスケールを使用し、スコアが高いほど運動機能が良好であることを示す。本明細書で使用される場合、「運動機能スコア」という用語は、CHOP INTENDの0~64点のスケール(例えば、CHOP INTENDで45超のスケール)でのスコアを指す。
【0113】
本明細書で使用される場合、「苦痛」という用語は、痛み、悲しみ、惨めさ、苦しみ、または不快感の感情的または身体的状態が存在する任意の状態の医学的に定義されたイベントを指す。
【0114】
本明細書で使用される場合、「用量」という用語は、例えば、本明細書に記載の神経筋障害(例えば、XLMTM)の1つ以上の症状を処置または改善するために、障害の処置のために特定の瞬間に対象に投与される、本明細書に記載のウイルスベクターなどの治療薬の量を指す。本明細書に記載の治療薬は、本明細書に定義されているように、処置期間にわたって単回投与または複数回投与で投与され得る。各場合では、治療薬は、治療薬の1つ以上の単位剤形を使用して投与され得、薬剤の単回投与を総称的に構成する治療薬を含有する1つ以上の別個の組成物を指す用語である。
【0115】
本明細書で使用される場合、「有効量」、「治療有効量」などの用語は、本明細書に記載のベクター構築物などの治療組成物に関して使用される場合、対哺乳動物、例えば、ヒトを含む対象に投与される時に、臨床結果などの有益なまたは望ましい結果をもたらす十分な量を指す。例えば、XLMTMなどの神経筋障害の処置に関連して、これらの用語は、目的の組成物の投与なしで得られる応答と比較して、処置応答を達成するのに十分な組成物の量を指す。本開示のベクター構築物などの組成物の「有効量」、「治療有効量」などは、対照と比較した、対象の有益なまたは望ましい結果をもたらす量も含む。
【0116】
本明細書で使用される場合、「呼気終末CO2」、「ETCO」、及び「petCO」という用語は、吸気中に患者の肺に入るCOの容量を指す(例えば、35~45mmHgのCOが、吸気中に患者の肺に入る)。
【0117】
本明細書で使用される場合、「最大呼気圧」または「MEP」という用語は、患者にマウスピースに対してできるだけ強く息を吐かせることで得られる呼吸筋の強さを含む、呼吸筋の強さを含む人工呼吸での変数を指し;最大値は、総肺活量に近い。
【0118】
本明細書で使用される場合、「肋間収縮」という用語は、肋骨間の筋肉が内側に引っ張られる時に生じる、臨床的に観察可能な医学的現象を指す。
【0119】
本明細書で使用される場合、「最大吸気圧」または「MIP」という用語は、送達される全気道圧を含む人工呼吸における変数を指し、通常、呼吸器系のコンプライアンス及び気道抵抗の両方を克服するために使用される。圧力制御モードでは、MIPは、呼気終末陽圧及び「デルタ圧」の合計を含む。本明細書で使用される場合、「デルタ圧」という用語は、MIP及び呼気終末陽圧間の差を含む人工呼吸における変数を指す。
【0120】
本明細書で使用される場合、「人工呼吸」という用語は、自発呼吸を補助するか、またはそれに取って代わる機械的手段が使用される人工換気の医学用語を指す。
【0121】
本明細書で使用される場合、「夜間にモニタリングされた」、「夜間モニタリング」、「夜間呼吸モニタリング」、「夜間に呼吸がモニタリングされた」などの用語は、夜間の患者のモニタリングを指す。本明細書で使用される場合、「夜間時間」という用語は、午後7時~午前7時の時間、例えば、午後8時、午後9時、午後10時、午後11時、午前12時、午前1時、午前2時、午前3時、午前4時、午前5時、または午前6時を指す。夜間モニタリングの期間は、絶対的な期間ではなく、患者毎に、アウトカム毎に変動するであろう。さらに、夜間モニタリングの継続時間は、トライアルによって変動し得、1秒単位の漸進的な減少または追加時間(例えば、持続時間が12時間の夜間モニタリング、持続時間が11時間の夜間モニタリング、及び持続時間が11時間と15分の夜間モニタリング)で構成され得る。
【0122】
本明細書で使用される場合、「神経筋発達のマイルストーン」という用語は、かれらが、頭部制御、着座、自発的把持、仰臥位での蹴る能力、寝返り、四つ這いまたはボトムシャフリング、起立、及び歩行を含む成長及び発達するにつれて、乳児及び幼児に見られる行動または身体的スキルを指す。マイルストーンは、各年齢範囲で異なる。例えば、腰の補助を用いる着座は、4ヶ月齢で正常であり、支えを用いる着座は、6ヶ月齢で正常であり、安定した着座は、7~8ヶ月齢で正常であり、着座及び回転は、9ヶ月齢で正常である(例えば、以下を参照:De Sanctis,et al.,Neuromuscular Disorders 26:754(2016))。
【0123】
本明細書で使用される場合、「作動可能に連結されている」という用語は、第2の分子に結合している第1の分子を指し、分子がそのように配置されているので、第1の分子が第2の分子の機能に影響を与える。2つの分子は、単一の隣接分子の一部であっても、そうでなくてもよく、隣接していても、そうでなくてもよい。例えば、プロモーターが細胞内で目的の転写可能ポリヌクレオチド分子の転写を調節する場合、プロモーターは、転写可能ポリヌクレオチド分子に作動可能に連結されている。さらに、転写調節エレメントの2つの部分は、一方の部分の転写活性化機能が他方の部分の存在に悪影響を受けないように結合されている場合、互いに作動可能に連結されている。2つの転写調節エレメントは、リンカー核酸(例えば、介在する非コード核酸)を介して互いに作動可能に連結されていても、介在するヌクレオチドが存在せずに互いに作動可能に連結されていてもよい。
【0124】
本明細書で使用される場合、「酸素飽和度」または「SpO」という用語は、患者における分子状酸素に結合しているヘモグロビンのレベルの尺度を指す。本明細書で使用される場合、「室内空気酸素飽和度」という用語は、患者の赤血球中のヘモグロビンが酸素分子と結合している程度で決定される、患者の血流中の酸素の量を指す。血流中の酸素は、肺及び吸入プロセスから得られる。
【0125】
本明細書で使用される場合、「医薬組成物」という用語は、対象に影響を与えるか、またはそれに影響を与え得る特定の疾患または状態を予防、処置、または制御するための、対象、例えば、哺乳動物、例えば、ヒトに投与されるべき治療用化合物を含有する混合物を指す。
【0126】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」という用語は、合理的な利益/リスク比に見合った、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、及び他の問題の合併症のない、対象、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト)の組織と接触させるのに適する化合物、物質、組成物、及び/または剤形を指す。
【0127】
本明細書で使用される場合、「位相遅延」という用語は、人工呼吸器が最初にトリガー(例えば、圧力トリガー)を感知する時間と、人工呼吸器がガス流を送達することにより応答する時間、を含む時間の遅延を指す。例えば、経横隔膜圧(Pdi)で引き起こされる補助換気システムでは、換気圧の呼吸は、どちらが最初に生じるかに応じて、患者が呼吸を開始する時にトリガリングが生じ得るような患者のPdi、または、事前に設定された流量閾値のいずれかに応答して調整される。続いて、人工呼吸器のアルゴリズムは、患者の実際の流量から0.25L/s弱め、遅延させる(例えば、300ミリ秒遅延させる)新しい流量シグナルを生成する。それにより、シグナルが患者の実際の流量より遅れることが可能になり、その結果、患者が呼吸を開始すると、呼気の流れが突然減少し、人工呼吸器による呼吸が開始されるであろう。
【0128】
本明細書で使用される場合、「呼気終末陽圧」または「PEEP」という用語は、呼気の終わりに気道に維持される圧力を含む人工呼吸における変数を指す(例えば、人工呼吸器で、肺にかかる圧力は、決して5cmHOを超えない)。
【0129】
本明細書で使用される場合、「プロモーター」という用語は、RNAポリメラーゼによって結合しているDNA上の認識部位を指す。ポリメラーゼは、導入遺伝子の転写を引き起こす。本明細書に記載の組成物及び方法での使用に適したプロモーターの例は、例えば、以下に記載される:Sandelin et al.,Nature Reviews Genetics 8:424(2007)(この開示は、核酸調節エレメントに関するので、参照により本明細書に組み込まれる)。さらに、「プロモーター」という用語は、生体系では天然には存在しない調節DNA配列である合成プロモーターを指すことがある。合成プロモーターは、天然には存在しないポリヌクレオチド配列と結合している天然に存在するプロモーターの一部を含有し、様々な導入遺伝子、ベクター、及び標的細胞タイプを使用して組み換えDNAを発現するように最適化することができる。
【0130】
本明細書で使用される場合、治療薬は、患者に治療薬が直接投与される場合、または、治療薬が内因的に生ずるように生体内で処理または代謝される物質が患者に投与される場合、患者に「提供された」とみなされる。例えば、本核酸の直接投与または所望の核酸分子を生成するように生体内で処理される物質(例えば、ウイルスベクターもしくは細胞)の投与により、明細書に記載の神経筋障害患者などの患者に、治療タンパク質(例えば、MTM1)をコードする核酸分子が提供され得る。
【0131】
本明細書で使用される場合、「呼吸数」、「呼吸数」、または「RR」という用語は、患者の呼吸数を指す。
【0132】
本明細書で使用される場合、「呼吸奇異」という用語は、呼吸に関与する構造への損傷に関連する患者の呼吸困難を指し、それにより、息を吸う時に外側に動く代わりに、患者の胸壁または腹壁が内側に動く。
【0133】
本明細書で使用される場合、「呼吸スプリンティング治験」または「スプリンティング」という用語は、人工呼吸からの解放に成功するか、または失敗する可能性が高い患者を評価するための自発呼吸の正式なトライアルを指す。呼吸スプリンティング治験の期間は、絶対的な期間ではなく、患者毎に、アウトカム毎に変動するであろう。さらに、「呼吸スプリンティング治験」は、時間によって変動し得、1分単位の漸進的な追加時間(例えば、持続時間が15分の呼吸スプリンティング治験、持続時間が16分の呼吸スプリンティング治験、持続時間が17分の呼吸スプリンティング治験)で構成され得る。
【0134】
本明細書で使用される場合、「血清重炭酸塩レベル」という用語は、患者の血液中のCOのレベルを指す(例えば、患者の血液中には22~27mEq/LのCOが存在する)。
【0135】
本明細書で使用される場合、「対象」及び「患者」という用語は、本明細書に記載の特定の疾患または状態(例えば、神経筋障害、例えば、XLMTM)の処置を受ける生物を指す。対象及び患者の例としては、本明細書に記載の疾患または症状の処置を受けているヒトなどの哺乳動物が挙げられる。
【0136】
本明細書で使用される場合、「頻呼吸」という用語は、異常に速い呼吸数の状態を指す。本明細書で使用される場合、「頻呼吸」は、2ヶ月齢未満の小児で60回/分超の、2~12ヶ月齢の小児で50回/分超の、約1歳~約5歳の小児で40回/分超の、及び5歳超の小児で20回/分超の呼吸数として定義される。
【0137】
本明細書で使用される場合、「気管切開開放」及び「開放気管切開」という用語は、患者の首の前面を切開すること及び気管の切開を通して直接気道を開くことからなる外科手術を指す。結果として得られるストーマは、気道として、あるいは気管チューブもしくは気管切開チューブが挿入される部位として独立して機能し得る。このチューブで、人は鼻または口を使わない呼吸が可能になる。
【0138】
本明細書で使用される場合、「経皮CO」または「TcCO」という用語は、患者の皮膚の下のCOレベルを指す。
【0139】
本明細書で使用される場合、「導入遺伝子」という用語は、遺伝子産物(例えば、本明細書に記載の遺伝子産物)をコードする組み換え核酸(例えば、DNAまたはcDNA)を指す。遺伝子産物は、RNA、ペプチド、またはタンパク質であってよい。遺伝子産物のコード領域に加えて、導入遺伝子は、発現を促進または増強するための1つ以上のエレメント、例えば、プロモーター、エンハンサー(複数可)、不安定化ドメイン(複数可)、応答エレメント(複数可)、レポーターエレメント(複数可)、絶縁エレメント(複数可)、ポリアデニル化シグナル(複数可)、及び/または他の機能的エレメントを含んでも、それらに作動可能に連結されていてもよい。本開示の実施形態は、任意の既知の好適なプロモーター、エンハンサー(複数可)、不安定化ドメイン(複数可)、応答エレメント(複数可)、レポーターエレメント(複数可)、絶縁エレメント(複数可)、ポリアデニル化シグナル(複数可)、及び/または他の機能的エレメントを利用し得る。
【0140】
本明細書で使用される場合、「処置する」または「処置」という用語は、とりわけ、XLMTMなどの神経筋障害の進行などの、望ましくない生理学的変化または障害を予防または減速(軽減)することを目的とする治療的処置を指す。有益なまたは望ましい臨床結果は、検出可能か検出不可能かに関わらず、症状の緩和、疾患の程度の軽減、疾患状態の安定化(すなわち、悪化していない)、疾患進行の遅延または減速、疾患状態の改善または緩和、及び寛解(部分的または完全に関わらず)を含むが、これらに限定されない。XLMTMなどの神経筋障害との関連で、患者の処置は、1つ以上の検出可能な変化、例えば、MTM1タンパク質またはMTM1をコードする核酸(例えば、DNAまたはRNA、例えば、mRNA)の濃度の増加、または、MTM1活性の増加(例えば、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%、またはそれ以上)、として現れ得る。MTM1タンパク質の濃度は、本明細書に記載のELISAアッセイを含む、当該技術分野で既知のタンパク質検出アッセイを使用して決定され得る。MTM1をコードする核酸の濃度は、本明細書に記載の核酸検出アッセイ(例えば、RNA Seqアッセイ)を使用して決定され得る。さらに、XLMTMなどの神経筋障害に罹患している患者の処置は、患者の筋肉機能(例えば、骨格筋機能)の改善及び筋肉調整の改善として現れ得る。
【0141】
本明細書で使用する場合、「X連鎖性ミオチュブラーミオパチー」または「XLMTM」という用語は、MTM1遺伝子の変異で引き起こされ、軽度から重度の筋力低下、筋緊張低下(筋緊張の低下)、摂食困難、及び/または重度の呼吸合併症を含む症状を特徴とする遺伝性神経筋障害を指す。ヒトMTM1は、NCBI遺伝子ID番号4534を有する。例示的な野生型ヒトMTM1核酸配列は、NCBI RefSeq Acc.NM_000252.3(配列番号1)で提供され、例示的な野生型ミオチューブラリン1アミノ酸配列は、NCBI RefSeq Acc.No.NP_000243.1(配列番号2)で提供される。
【0142】
本明細書で使用される場合、「ベクター」という用語は、例えば、複製及び/または表現を目的とした、細胞(例えば、ヒト細胞などの哺乳類細胞)に、目的の遺伝子を送達するためのビヒクルとして機能し得る核酸、例えば、DNAまたはRNA、を指す。本明細書に記載の組成物及び方法に関連して有用な例示的なベクターは、プラスミド、DNAベクター、RNAベクター、ビリオン、または他の好適なレプリコン(例えば、ウイルスベクター)である。外因性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを、原核細胞または真核細胞に送達するための様々なベクターが開発されている。そのような発現ベクターの例は、例えば、WO1994/11026に開示されており、この開示は、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の発現ベクターは、ポリヌクレオチド配列と、例えば、タンパク質の発現及び/または哺乳類細胞のゲノムへのこれらのポリヌクレオチド配列の組み込みに使用される追加の配列エレメントを含有する。本明細書に記載の導入遺伝子の発現に使用することができる特定のベクターは、遺伝子転写を指示する調節配列、例えば、プロモーター及びエンハンサー領域、を含有するプラスミドを含む。導入遺伝子の発現に有用な他のベクターは、これらの遺伝子の翻訳速度を高めるか、または遺伝子転写から生じるmRNAの安定性もしくは核外輸送を改善するポリヌクレオチド配列を含有する。これらの配列エレメントは、例えば、発現ベクター上に担持されている遺伝子の効率的な転写を指示するための、5’及び3’非翻訳領域、内部リボソーム侵入部位(IRES)、及びポリアデニル化シグナル部位を含む。本明細書に記載の発現ベクターは、そのようなベクターを含有する細胞を選択するためのマーカーをコードするポリヌクレオチドも含有してもよい。好適なマーカーの例としては、抗生物質、例えば、アンピシリン、クロラムフェニコール、カナマイシン、またはヌルセオスリシンに対する耐性をコードする遺伝子が挙げられる。
【0143】
本明細書で使用される場合、「バイタルサイン」という用語は、身体のバイタル機能の状態を示す4つの最も重要な医学的徴候の群を指す。医療専門家及び医療提供者が日常的にモニタリングする4つの主要なバイタルサインは、体温、脈拍数、呼吸数、及び血圧を含む。
【0144】
本明細書で使用される場合、「ウィーニング」という用語は、自発的且つ持続可能な呼吸を可能にするために、呼吸器系の機械的及びガス交換能力の負荷対能力比を改善する段階的なプロセスを含む、人工呼吸の中止を指す。ウィーニングは、通常、より高い設定及び継続的補助の、患者の人工呼吸器補助(すなわち、圧力、容量、及び/または速度)の段階的な低減と、それに続く人工呼吸器からの漸進的なスプリンティングを含み、それにより、人工呼吸器補助の複数のパラメーターは、同時に変更されない。本明細書で使用される場合、「日中のウィーニング」という用語は、日中の覚醒時間中のウィーニングを指す。日中のウィーニングの期間は、絶対的な期間ではなく、患者毎に、アウトカム毎に変動するであろう。さらに、「日中のウィーニング治験」は、時間によって変動し得、15分単位の漸進的な追加時間(例えば、継続時間が15分の日中のウィーニング治験、継続時間が30分の日中のウィーニング治験、継続時間が45分の日中のウィーニング治験)で構成され得る。本明細書で使用される場合、「昼寝中のウィーニング」という用語は、昼間の覚醒時間中のウィーニングを指し、その間に、患者が眠りについている。昼寝中のウィーニングの期間は、絶対的な期間ではなく、患者毎に、アウトカム毎に変動するであろう。さらに、「昼寝中のウィーニング治験」は、時間で異なってもよく、1秒単位の時間の漸進的な追加(例えば、期間が15分長い昼寝中のウィーニング治験、期間が16分長い昼寝中のウィーニング治験、期間が17分長い昼寝中のウィーニング治験)で構成され得る。本明細書で使用される場合、「夜間のウィーニング」という用語は、夜間のウィーニングを指す。夜間のウィーニングの期間は、絶対的な期間ではなく、患者毎に、アウトカム毎に変動するであろう。さらに、「夜間のウィーニング治験」は時間によって変動し得、1秒単位の漸進的な追加時間(例えば、継続時間が15分の夜間のウィーニング治験、継続時間が16分の夜間のウィーニング治験、継続時間が17分の夜間のウィーニング治験)で構成され得る。
【0145】
本開示は、神経筋障害、特に、X連鎖筋管性ミオパチー(XLMTM)を処置するために使用することができる組成物及び方法を提供する。本明細書に記載の組成物及び方法によれば、XLMTMに罹患している患者(例えば、ヒト患者)は、ミオチューブラリン1(MTM1)をコードする導入遺伝子を含有するアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターなどのウイルスベクターを投与され得る。AAVベクターは、例えば、AAV8(AAV2/8)由来のカプシドタンパク質内にパッケージ化されたAAV2逆方向末端反復を含有するAAVベクターなどのシュードタイプAAVベクターであってよい。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、筋細胞において遺伝子発現を誘導するプロモーターなどの転写調節エレメントに作動可能に連結されている。本開示の組成物及び方法と併せて使用され得る例示的なプロモーターは、デスミンプロモーターである。
【0146】
本開示は、一部、当該技術分野で内科医が、遺伝子治療で処置されたXLMTMの小児における人工呼吸器補助を正常に中止することが可能になるパラメーターのアルゴリズムの発見に基づいている。本開示の組成物及び方法を使用して、AAVベクターは、患者のMTM1発現を増強するのに十分な量で患者に投与され得、次に、患者は、人工呼吸器からのウィーニングを開始する準備状況について、本明細書に記載の評価パラメーターを使用して評価することができ、次に、患者は、人工呼吸器からウィーニングさせることができ、次に、患者は、さらに、人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備状況について、本明細書に記載の評価パラメーターを使用して評価することができる。
【0147】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の評価パラメーターを使用して、患者が、年齢調整基準内のバイタルサイン及び体重;人工呼吸器で、50cmHO以上の最大吸気圧(MIP)、40cmHO超の最大呼気圧(MEP)、及び人工呼吸器で、5cmHO以下の呼気終末陽圧(PEEP);94%超の室内空気酸素飽和度(SpO)、35~45mmHg内の経皮的CO(TcCO)、35~45mmHg内の呼気終末CO(ETCO)、及び22~27mEq/L内の血清重炭酸塩レベル;ならびに、45超のフィラデルフィア小児病院乳児神経筋疾患検査(CHOP INTEND)の運動機能スコア、または神経筋発達のマイルストーンが達成されていること、を示した場合、患者は、日中のからのウィーニングを開始する準備ができていると判定される。
【0148】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の評価パラメーターを使用して、患者が、夜間に呼吸がモニタリングされる時に、35~45mmHg以内のTcCO、35~45mmHg以内のETCO、94%超のSpO、年齢調整基準内の呼吸数(RR);睡眠ポリグラフ(PSG)が気管切開を開いた状態で実施される時に、5イベント/時間未満の無呼吸低呼吸指数(AHI)、35~45mmHg以内の、または覚醒ベースラインより10mmHg以上増加しなかったTcCO、睡眠中50mmHg未満の、または睡眠中に覚醒ベースラインから10未満増加しなかった呼気終末CO(petCO2))またはCOの分圧(ptcCO)、及び年齢調整基準内のRR;ならびに、苦痛がなく、肋間収縮がなく、頻呼吸がなく、呼吸奇異がなく、位相遅延がなく、94%未満のまたはベースラインから3%を超えて増加しなかったSpO、及び45mmHg超の、または覚醒ベースラインより10mmHg以上増加しなかったTcCOが、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で観察される場合、患者は、日中の人工呼吸器からのウィーニングの継続の準備ができていると判定される。
【0149】
続くセクションは、患者が、上記の人工呼吸器からのウィーニングを開始または継続する準備ができているという判定をもたらす治療薬及びウィーニング評価パラメーターの説明を提供する。以下のセクションは、本開示の組成物及び方法と併せて使用され得る様々な形質導入剤についても記載する。
【0150】
処置方法
X連鎖性ミオチュブラーミオパチー
X連鎖性ミオチュブラーミオパチー(XLMTM)は、MTM1遺伝子の機能喪失変異により引き起こされる、まれで生命を脅かす先天性ミオパチーであり、ほとんどの患者では、出生時の重度の筋力低下及び筋緊張低下を特徴とし、これは、重度の呼吸不全、着座、起立、または歩行の不能、及び早期死亡をもたらす。
【0151】
XLMTMに関連するミオパチーは、着座、起立、及び歩行などの運動能力の発達を害する。罹患乳児は、筋力低下による摂食困難も有してもよい。この状態に罹患する個人は、多くの場合、自力で呼吸するための筋力がなく、人工呼吸で補助しなければならない。睡眠中など定期的にのみ人工呼吸を必要とする罹患個人もいる一方、継続的に人工呼吸を必要とする者もいる。XLMTM患者は、目の動きを制御する筋力の低下(眼筋麻痺)、他の顔の筋力低下、及び反射の欠如(反射消失)も有してもよい。
【0152】
XLMTMでは、筋力低下は、多くの場合、正常な骨の発達を妨げ、もろい骨、脊椎の異常な湾曲(側弯症)、ならびに股関節及び膝の関節変形(拘縮)をもたらし得る。XLMTM患者は、頭が大きく、顔が狭く細長く、口の中の上壁(口蓋)が高くアーチ型になっていることがある。患者は、肝臓病、再発性の耳及び呼吸器感染症、または発作を有することもある。
【0153】
重度の呼吸困難の結果、XLMTM患者は、通常、幼児期までしか生存できない。しかし、この症状に罹患する患者の幾人かは、成人まで生きている。本開示の組成物及び方法は、機能的なMTM1発現を回復することで、そのような患者の寿命を延長することができるという重要な医学的利益を提供する。さらに、本開示が人工呼吸からウィーニングさせるための患者の適格性を決定するために使用することができる一連のガイドラインを提供するので、本明細書に記載の組成物及び方法は、処置後の患者の生活の質を改善するために使用することができる。
【0154】
外来核酸を標的細胞に送達するためのベクター
核酸送達のためのウイルスベクター
ウイルスゲノムは、目的の遺伝子(例えば、MTM1をコードする導入遺伝子)を標的細胞(例えば、ヒト細胞などの哺乳類細胞)のゲノムに効率的に送達するために使用することができるベクターの豊富な供給源を提供する。ウイルスゲノムは、そのようなゲノム内に含有されるポリヌクレオチドが、通常、一般化または特化された形質導入によって標的細胞のゲノムに組み込まれるので、遺伝子送達に特に有用なベクターである。これらのプロセスは自然なウイルス複製サイクルの一部として生じ、遺伝子組み込みを誘導するためのタンパク質または試薬の追加を必要としない。ウイルスベクターの例としては、AAV、レトロウイルス、アデノウイルス(例えば、Ad5、Ad26、Ad34、Ad35、及びAd48)、パルボウイルス(例えば、アデノ随伴ウイルス)、コロナウイルス、マイナス鎖RNAウイルス、例えば、オルソミクソウイルス(例えば、インフルエンザウイルス)、ラブドウイルス(例えば、狂犬病及び水疱性口内炎ウイルス)、パラミクソウイルス(例えば、麻疹及びセンダイ)、プラス鎖RNAウイルス、例えば、ピコルナウイルス及びアルファウイルス、ならびに二本鎖DNAウイルス、例えば、アデノウイルス、ヘルペスウイルス(例えば、1型及び2型単純ヘルペスウイルス、エプスタイン・バーウイルス、サイトメガロウイルス)、ならびにポックスウイルス(例えば、ワクシニア、改変ワクシニアアンカラ(MVA)、鶏痘、及びカナリア痘)が挙げられる。本発明の抗体軽鎖及び重鎖または抗体フラグメントをコードするポリヌクレオチドを送達するのに有用な他のウイルスとしては、例えば、ノーウォークウイルス、トガウイルス、フラビウイルス、レオウイルス、パポバウイルス、ヘパドナウイルス、及び肝炎ウイルスが挙げられる。レトロウイルスの例としては、トリ白血病-肉腫、哺乳動物のC型、B型ウイルス、D型ウイルス、HTLV-BLVグループ、レンチウイルス、スプマウイルスが挙げられる(Coffin,J.M.,Retroviridae:The viruses and their replication,In Fundamental Virology,Third Edition,B.N.Fields,et al.,Eds.,Lippincott-Raven Publishers,Philadelphia,1996)。他の例としては、マウス白血病ウイルス、マウス肉腫ウイルス、マウス乳癌ウイルス、ウシ白血病ウイルス、ネコ白血病ウイルス、ネコ肉腫ウイルス、トリ白血病ウイルス、ヒトT細胞白血病ウイルス、ヒヒ内因性ウイルス、テナガザル白血病ウイルス、メイソンファイザーサルウイルス、サル免疫不全ウイルス、サル肉腫ウイルス、ラウス肉腫ウイルス、及びレンチウイルスが挙げられる。ベクターの他の例は、例えば、以下に記載されている:米国特許第5,801,030(この開示は、遺伝子治療に使用されるウイルスベクターに関するので、参照により本明細書に組み込まれる)。
【0155】
核酸送達用のAAVベクター
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物及び方法の核酸は、細胞への導入を促進するために、組み換えAAV(rAAV)ベクター及び/またはビリオンに組み込まれる。本発明で有用なrAAVベクターは、(1)発現されるべき導入遺伝子(例えば、MTM1タンパク質をコードするポリヌクレオチド)、及び、(2)異種遺伝子の組み込み及び発現を促進するウイルス核酸、を含む組み換え核酸構築物である。ウイルス核酸は、DNAの複製及びビリオンへのパッケージング(例えば、機能的逆方向末端反復(ITR))にcisで必要とされるAAVの配列を含んでもよい。代表的な用途では、導入遺伝子は、MTM1をコードし、これは、XLMTMなどの神経筋障害に罹患している患者のMTM1変異を修正するのに有用である。そのようなrAAVベクターは、マーカー遺伝子またはレポーター遺伝子も含有してもよい。有用なrAAVベクターは、1つ以上のAAV野生型遺伝子の全部または一部が欠失しているが、機能的な隣接ITR配列を保持する。AAV ITRは、特定の用途に適した任意の血清型(例えば、血清型2に由来)のものであってよい。rAAVベクターを使用するための方法は、例えば、以下に記載されている:Tal et al.,J.Biomed.Sci.7:279-291(2000)、及びMonahan and Samulski,Gene Delivery 7:24-30(2000)(これらのそれぞれの開示は、遺伝子送達のためのAAVベクターに関するので、参照により本明細書に組み込まれる)。本明細書に記載の核酸及びベクターは、細胞への核酸またはベクターの導入を促進するために、rAAVビリオンに組み込むことができる。AAVのカプシドドタンパク質は、ビリオンの外側の非核酸部分を構成し、AAV cap遺伝子にコードされる。cap遺伝子は、ビリオンのアセンブリに必要な3つのウイルスコートタンパク質であるVP1、VP2、及びVP3をコードする。rAAVビリオンの構築は、例えば、以下に記載されている:米国特許第5,173,414号;同第5,139,941号;同第5,863,541号;同第5,869,305号;同第6,057,152号;及び同第6,376,237号、ならびに、Rabinowitz et al.,J.Virol.76:791-801(2002)及びBowles et al.,J.Virol.77:423-432(2003)(これらのそれぞれの開示は、遺伝子送達のためのAAVベクターに関するので、参照により本明細書に組み込まれる)。
【0156】
本明細書に記載の組成物及び方法と組み合わせて有用なrAAVビリオンは、AAV1、2、3、4、5、6、7、8、及び9を含む様々なAAV血清型に由来するものを含む。筋細胞を標的とする場合、少なくとも1つの血清型1カプシドドタンパク質を含むrAAVビリオンが、特に有用なことがある。少なくとも1つの血清型6カプシドドタンパク質を含むrAAVビリオンは、また、血清型6カプシドドタンパク質が血清型1カプシドドタンパク質と構造的に類似しており、従って、筋細胞においてもMTM1の高発現をもたらすことが予想されるので、特に有用なことがある。rAAV血清型9は、筋細胞の効率的なトランスデューサーであることも判明している。異なる血清型のAAVベクター及びAAVタンパク質の構築及び使用は、例えば、以下に記載されている:Chao et al.,Mol.Ther.2:619-623(2000);Davidson et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97:3428-3432(2000);Xiao et al.,J.Virol.72:2224-2232(1998);Halbert et al.,J.Virol.74:1524-1532(2000);Halbert et al.,J.Virol.75:6615-6624(2001);及びAuricchio et al.,Hum.Molec.Genet.10:3075-3081(2001)(これらのそれぞれの開示は、遺伝子送達のためのAAVベクターに関するので、参照により本明細書に組み込まれる)。
【0157】
シュードタイプrAAVベクターもまた、本明細書に記載の組成物及び方法と組み合わせて有用である。シュードタイプベクターは、所与の血清型(例えば、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8など)以外の血清型に由来するカプシド遺伝子でシュードタイプ化された所与の血清型(例えば、AAV9)のAAVベクターを含む。例えば、代表的なシュードタイプベクターは、AAV血清型2に由来するカプシド遺伝子でシュードタイプ化された治療用タンパク質をコードするAAV8ベクターである。シュードタイプrAAVビリオンの構築及び使用を含む手法は、当該技術分野で知られており、例えば、以下に記載される:Duan et al.,J.Virol.75:7662-7671(2001);Halbert et al.,J.Virol.74:1524-1532(2000);Zolotukhin et al.,Methods,28:158-167(2002);及びAuricchio et al.,Hum.Molec.Genet.,10:3075-3081(2001)。
【0158】
ビリオンカプシドド内に変異を有するAAVビリオンは、変異していないカプシドドビリオンよりも効果的に特定の細胞型に感染するために使用され得る。例えば、好適なAAV変異体は、特定の細胞型へのAAVの標的化を促進するためにリガンド挿入変異を有してもよい。挿入変異体、アラニンスクリーニング変異体、及びエピトープタグ変異体を含むAAVカプシドド変異体の構築及び特性評価は、以下に記載されている:Wu et al.,J.Virol.74:8635-45(2000)。本発明の方法で使用することができる他のrAAVビリオンは、ウイルスの分子育種及びエキソンシャッフリングで生成されるカプシドドハイブリッドを含む。例えば、以下を参照のこと:Soong et al.,Nat.Genet.,25:436-439(2000)及びKolman and Stemmer,Nat.Biotechnol.19:423-428(2001)。
【0159】
Resamirigene Bilparvovec
本明細書で使用される場合、AAV2ITRに隣接し、AAV8(AAV2/8)及び表1に記載の他の遺伝成分由来のカプシドタンパク質内にパッケージされている、デスミンプロモーター(配列番号3、図1)に作動可能に連結されているMTM1遺伝子(配列番号4)をコードする核酸配列を含むシュードタイプ化AAVベクターは、resamirigene bilparvovecの国際一般名(INN)で知られている化合物を指す。
【0160】
いくつかの実施形態では、処置期間中に、方法を必要とするヒト患者の障害(例えば、XLMTM)を処置するか、または障害(例えば、XLMTM)の1つ以上の症状を緩和する方法は、患者に治療有効量のresamirigene bilparvovecを投与することを含む。
【0161】
いくつかの実施形態では、ヒト患者を人工呼吸からウィーニングさせる方法は、事前に、治療有効量のresamirigene bilparvovecを投与されている患者を含む。
【0162】
【表1】
【0163】
本明細書に記載される場合、resamirigene bilparvovecは、以下に示される配列番号5の核酸配列を有するAAVベクターを指す:
TCGCGCGTTT CGGTGATGAC GGTGAAAACC TCTGACACAT GCAGCTCCCG 50
GACGTCATTG TCGATCCTGC AGGCGTACGG TAAAAAAAGG CATAGCTAAC 100
AAGGTGTGGA AAAAGAATTA GTGGTTAGAG AGTGAGCTAT TCGTTGAAAC 150
AATTGCGTTC TTGAAACAAT TCTTGCTGGT AAAATGTCAC ATTTTATGTG 200
ACTACAGGTG GAGGATTGGC ACATAACCTA ACCAGTGGGG GAAACAATTG 250
ACCTCTGGAT TTGTCCAAGT GTATAGTAGC ATTTGCCCAA TCGAATGGTC 300
CTGGTAAGGT GTTAATGTTG ACTAGAACCA AAGGTGGAAG TTGCAGGGAA 350
ACTGGTTTAG TACAAGGGTG GACACCAGGC AGTCATCCAG AGGCCCATTA 400
AAGGCCTTGG AATGTTTTTC CGAAGGAGAA TCACTCCCTC TTCTCTCGCT 450
TAAAGTTTTA GGGGATTCAT GAACAGCTGC TGTGGGATAG TTTCATGTCC 500
CTAGCAATTG TAAAGCAACT GAGGGTGGCT TAAACCAGTT TTAGCTTTAG 550
GGTTAGGGTT ACTGGACTAA AATTTGAGAA ATTCATAAAT CTTAAGGAAA 600
TCCATTGTGA GTTTTCATTA TGAGTGCATC CAATGTATAA TTTCCATGAC 650
CCTCCCATGC AAGTGAGCAT GTGAATCAGG AAACGTTACA AGAACCCAAC 700
AAACTCAACC ACTACTAGAC AGGCGATCAC TTCCAGTTAG TATGCAACTT 750
TCTGTGTAAT TTTAGTTACC ATTAAAATCT GGATGACCTT AGTGTAAGGA 800
AAAAATACCT TGAATAGTGT TAAAGATGTA CACTTGGTGT CAGGCATTGT 850
AACATTGATA AATCTGTGTA AGGTGCTTTT TGAAAACTTC AAAGCTGCAT 900
CAAGTCAAGT ACAAGAAAGG CCATGGCTGC TAAAGCTGTT GAAGATGTGG 950
GATGGAACTG GGTCACATTG GTGTTAACAG CGTTGTGCAG AGCCGGCAGG 1000
ATCTTGGTGT GAGCGAACAT TAGTCTATTT AATAAAGCTG TGTGAATGTT 1050
GTAGAGGTGA GGATGCTCAC TTGAAAACTC ACTGAAGAAC ACTTGGCCCC 1100
TTGAACTAAA GTGCTTCTAT CAAGTTCAGT GAGAAATTCC GAATTACAAG 1150
CATAGGTACT AGAAAAGTTT TGAAAAGCAG TATAGAGCAA CATAAGCACA 1200
TTCATAAAAT TAGTGATGTA GAAAGTGAAA TTTCCACGTA TGGTCACTCC 1250
CAGAGAAAAA AAATACGTTT ATTTACCTTT TTTAAAAATA GGGGATTTCA 1300
GGCCGGGTGA GGTGGCTCAC GCCTGTAATC CCAGCACTTT GGGAGGCCCA 1350
GGTGGGCGGA TCACCTGAGG TCAGGAGTTG GAGGGATGGC AAATCCCATC 1400
TCTACAAAAT ATACAAAAAA ATAGCTGGGT GTGTTGGCAG GCGCCTGTAA 1450
TCCCAGCTAC TCGGAAGGCT GAGGCAGGAG AATCCCTGGA ACCAGGGATG 1500
TGGAGGTTGC AGTGAGCCGA GATTGTGTAA CTGCATTCCA GCCTGGGCAA 1550
CAAGAGCAAG ACTCCGTATC AGGAAAAAAA AAAGGGGGGG TTGGATTTCG 1600
CTTGTTGCAT AGGTTGGTCT CAAACTCCTG GCCTCAAGTG ATTCTCCTGC 1650
CTCTGCCTCC CAAAGTGCTG AGATTACAGG TGTGAGGCAC CATGCCAGGT 1700
CTCTTACTGT TTGTAATTAA ATACATACAC ATTTTGTGTG TTTGTGTGCA 1750
CCTTTATAAA GTCAAAGGTG ATAGTAACCC ATTTAAGTTC CTACTCAATT 1800
TTACTTTCCA GGGATAACTA ACTACTTTTT CTTTTTGAGA TGGAGTCTCG 1850
CTGTGTAGCC CAGGCTGGAG TGCAGTGGCA CCATCTCGGC TCACTGCAAG 1900
CTCCTCCTCC CTGGTTCACG CTATTCTCCT GCCTCAGCCT CCCCAACAAC 1950
TAGGACTACA GGCTCACCTC GCCATACCTG GCTAATTTTT TGTATTTTTA 2000
GTAGAGACAG GGTTTCACTG TGTTAGCCAG GATGGTCTCG ATCTCCTGAC 2050
CTTGTGATCC GCCTGCCTCT GCCTCCCAAA GTGCTGGGAT TACAGGCATG 2100
AGCAACCTCA CCCAGCTGGG ATAACTACTT TTTACAGGTT GATATTCTTT 2150
TGGACTTTTC CCCTGTGTAA AAATATACTA TATTTGTTAT GTACATATTA 2200
TGTACATACA GACACAAATT GGACCATTCT CAGTATAATG ATTCTCAGGT 2250
TTTTTTTTTT TTTTTGAGGT GGGGAACTAG ATAATTATGG ACATCTTTCC 2300
ATACTAGCAT ATCAATATCT ACCTCATTCT TTTTAATATT TTTGCTAGTA 2350
TTCCATTGTA TGAATGTCCT ATGATTTACT TAACCTGTCC ATCAATATTT 2400
GTTTCCAGGT TTTTGCTATT ATAATGCTGC TGCAAAGTAC ATCCTCACAC 2450
ATCTTTATTT TGTCTATTCA TATTTCTGTA AGATAGGTTA CTAAAGTTGG 2500
AACTGCCAAA TTAACACTAT CATACTATTT TGTTTTTTAA TTTTAATTTT 2550
TTAAAAAATG TAAAATGTGC AATTTCAAGA GGAGAAACTT GAACACAAGG 2600
AGCAAAATCT ATTTTTATAA CATCCTATTA AAAGCTTGCT TTACATAAAG 2650
ATTTTGAAAG AATAGCATAA ATACAAGATT TCTATTTTAA TTGGATTCTT 2700
AGGGCTAATA AAATAATCAG CCTTAGCACT TATTTATTTA TTTTTTTTGA 2750
GAGGGAGTCT CGCTCTGTTG TCCATGCTGG AGTGCAGTGG CGTGATCTCG 2800
GCTCACTGCA AGCTCCACCT CATGAGTTCA CACCATTCTC CTGCCTCAGT 2850
CTCCCGAGTA GCTGGGACTC CAGGCGCCCT CTACAAAGCC CGTCTAATTT 2900
TTTTTGTATT TTTAGTAGAG ACAGGGTTTC ACTGTGTTAG CCAGGATGGT 2950
CTTGATCTCC TGACCTTGTG ATCTGCCCGC CTCGGCCTCC CAAAGTGCTG 3000
GGATTATAGG CTTGAGCCAC TGCTCCCGGC CAGCACTTAT TTTTATAATT 3050
CTTCATGATT ACTGTGTTAC TGTCCCATGG GCCGCCAGGG CCAGCTAGGT 3100
TGGCCACTCC CTCTCTGCGC GCTCGCTCGC TCACTGAGGC CGGGCGACCA 3150
AAGGTCGCCC GACGCCCGGG CTTTGCCCGG GCGGCCTCAG TGAGCGAGCG 3200
AGCGCGCAGA GAGGGAGTGG CCAACTCCAT CACTAGGGGT TCCTCCTAGC 3250
ACGCGCTACC CCCTGCCCCC CACAGCTCCT CTCCTGTGCC TTGTTTCCCA 3300
GCCATGCGTT CTCCTCTATA AATACCCGCT CTGGTATTTG GGGTTGGCAG 3350
CTGTTGCTGC CAGGGAGATG GTTGGGTTGA CATGCGGCTC CTGACAAAAC 3400
ACAAACCCCT GGTGTGTGTG GGCGTGGGTG GTGTGAGTAG GGGGATGAAT 3450
CAGGGAGGGG GCGGGGGACC CAGGGGGCAG GAGCCACACA AAGTCTGTGC 3500
GGGGGTGGGA GCGCACATAG CAATTGGAAA CTGAAAGCTT ATCAGACCCT 3550
TTCTGGAAAT CAGCCCACTG TTTATAAACT TGAGGCCCCA CCCTCGACAG 3600
TACCGGGGAG GAAGAGGGCC TGCACTAGTC CAGAGGGAAA CTGAGGCTCA 3650
GGGCCAGCTC GCCCATAGAC ATACATGGCA GGCAGGCTTT GGCCAGGATC 3700
CCTCCGCCTG CCAGGCGTCT CCCTGCCCTC CCTTCCTGCC TAGAGACCCC 3750
CACCCTCAAG CCTGGCTGGT CTTTGCCTGA GACCCAAACC TCTTCGACTT 3800
CAAGAGAATA TTTAGGAACA AGGTGGTTTA GGGCCTTTCC TGGGAACAGG 3850
CCTTGACCCT TTAAGAAATG ACCCAAAGTC TCTCCTTGAC CAAAAAGGGG 3900
ACCCTCAAAC TAAAGGGAAG CCTCTCTTCT GCTGTCTCCC CTGACCCCAC 3950
TCCCCCCCAC CCCAGGACGA GGAGATAACC AGGGCTGAAA GAGGCCCGCC 4000
TGGGGGCTGC AGACATGCTT GCTGCCTGCC CTGGCGAAGG ATTGGTAGGC 4050
TTGCCCGTCA CAGGACCCCC GCTGGCTGAC TCAGGGGCGC AGGCCTCTTG 4100
CGGGGGAGCT GGCCTCCCCG CCCCCACGGC CACGGGCCGC CCTTTCCTGG 4150
CAGGACAGCG GGATCTTGCA GCTGTCAGGG GAGGGGAGGC GGGGGCTGAT 4200
GTCAGGAGGG ATACAAATAG TGCCGACGGC TGGGGGCCCT GTCTCCCCTC 4250
GCCGCATCCA CTCTCCGGCC GGCCGCCTGC CCGCCGCCTC CTCCGTGCGC 4300
CCGCCAGCCT CGCCCGGACT CTAGAGGATC CAGATCTAAG CTTCTCTGGT 4350
CACCGATCCT GAGAACTTCA GGGTGAGTCT ATGGGACCCT TGATGTTTTC 4400
TTTCCCCTTC TTTTCTATGG TTAAGTTCAT GTCATAGGAA GGGGAGAAGT 4450
AACAGGGTAC ACATATTGAC CAAATCAGGG TAATTTTGCA TTTGTAATTT 4500
TAAAAAATGC TTTCTTCTTT TAATATACTT TTTTGTTTAT CTTATTTCTA 4550
ATACTTTCCC TAATCTCTTT CTTTCAGGGC AATAATGATA CAATGTATCA 4600
TGCCTCTTTG CACCATTCTA AAGAATAACA GTGATAATTT CTGGGTTAAG 4650
GCAATAGCAA TATTTCTGCA TATAAATATT TCTGCATATA AATTGTAACT 4700
GATGTAAGAG GTTTCATATT GCTAATAGCA GCTACAATCC AGCTACCATT 4750
CTGCTTTTAT TTTATGGTTG GGATAAGGCT GGATTATTCT GAGTCCAAGC 4800
TAGGCCCTTT TGCTAATCAT GTTCATACCT CTTATCTTCC TCCCACAGCT 4850
CCTGGGCAAC GTGCTGGTCT GTGTGCTGGC CCATCACTTT GGCAAAGAAT 4900
TCCGCGGGCG GCCGCAAGTT TCCAGGATGG CTTCTGCATC AACTTCTAAA 4950
TATAATTCAC ACTCCTTGGA GAATGAGTCT ATTAAGAGGA CGTCTCGAGA 5000
TGGAGTCAAT CGAGATCTCA CTGAGGCTGT TCCTCGACTT CCAGGAGAAA 5050
CACTAATCAC TGACAAAGAA GTTATTTACA TATGTCCTTT CAATGGCCCC 5100
ATTAAGGGAA GAGTTTACAT CACAAATTAT CGTCTTTATT TAAGAAGTTT 5150
GGAAACGGAT TCTTCTCTAA TACTTGATGT TCCTCTGGGT GTGATCTCGA 5200
GAATTGAAAA AATGGGAGGC GCGACAAGTA GAGGAGAAAA TTCCTATGGT 5250
CTAGATATTA CTTGTAAAGA CATGAGAAAC CTGAGGTTCG CTTTGAAACA 5300
GGAAGGCCAC AGCAGAAGAG ATATGTTTGA GATCCTCACG AGATACGCGT 5350
TTCCCCTGGC TCACAGTCTG CCATTATTTG CATTTTTAAA TGAAGAAAAG 5400
TTTAACGTGG ATGGATGGAC AGTTTACAAT CCAGTGGAAG AATACAGGAG 5450
GCAGGGCTTG CCCAATCACC ATTGGAGAAT AACTTTTATT AATAAGTGCT 5500
ATGAGCTCTG TGACACTTAC CCTGCTCTTT TGGTGGTTCC GTATCGTGCC 5550
TCAGATGATG ACCTCCGGAG AGTTGCAACT TTTAGGTCCC GAAATCGAAT 5600
TCCAGTGCTG TCATGGATTC ATCCAGAAAA TAAGACGGTC ATTGTGCGTT 5650
GCAGTCAGCC TCTTGTCGGT ATGAGTGGGA AACGAAATAA AGATGATGAG 5700
AAATATCTCG ATGTTATCAG GGAGACTAAT AAACAAATTT CTAAACTCAC 5750
CATTTATGAT GCAAGACCCA GCGTAAATGC AGTGGCCAAC AAGGCAACAG 5800
GAGGAGGATA TGAAAGTGAT GATGCATATC ATAACGCCGA ACTTTTCTTC 5850
TTAGACATTC ATAATATTCA TGTTATGCGG GAATCTTTAA AAAAAGTGAA 5900
GGACATTGTT TATCCTAATG TAGAAGAATC TCATTGGTTG TCCAGTTTGG 5950
AGTCTACTCA TTGGTTAGAA CATATCAAGC TCGTTTTGAC AGGAGCCATT 6000
CAAGTAGCAG ACAAAGTTTC TTCAGGGAAG AGTTCAGTGC TTGTGCATTG 6050
CAGTGACGGA TGGGACAGGA CTGCTCAGCT GACATCCTTG GCCATGCTGA 6100
TGTTGGATAG CTTCTATAGG AGCATTGAAG GGTTCGAAAT ACTGGTACAA 6150
AAAGAATGGA TAAGTTTTGG ACATAAATTT GCATCTCGAA TAGGTCATGG 6200
TGATAAAAAC CACACCGATG CTGACCGTTC TCCTATTTTT CTCCAGTTTA 6250
TTGATTGTGT GTGGCAAATG TCAAAACAGT TCCCTACAGC TTTTGAATTC 6300
AATGAACAAT TTTTGATTAT AATTTTGGAT CATCTGTATA GTTGCCGATT 6350
TGGTACTTTC TTATTCAACT GTGAATCTGC TCGAGAAAGA CAGAAGGTTA 6400
CAGAAAGGAC TGTTTCTTTA TGGTCACTGA TAAACAGTAA TAAAGAAAAA 6450
TTCAAAAACC CCTTCTATAC TAAAGAAATC AATCGAGTTT TATATCCAGT 6500
TGCCAGTATG CGTCACTTGG AACTCTGGGT GAATTACTAC ATTAGATGGA 6550
ACCCCAGGAT CAAGCAACAA CAGCCGAATC CAGTGGAGCA GCGTTACATG 6600
GAGCTCTTAG CCTTACGCGA CGAATACATA AAGCGGCTTG AGGAACTGCA 6650
GCTCGCCAAC TCTGCCAAGC TTTCTGATCC CCCAACTTCA CCTTCCAGTC 6700
CTTCGCAAAT GATGCCCCAT GTGCAAACTC ACTTCTGACC GGTCCGAGGG 6750
CCCAGATCTA ATTCACCCCA CCAGTGCAGG CTGCCTATCA GAAAGTGGTG 6800
GCTGGTGTGG CTAATGCCCT GGCCCACAAG TATCACTAAG CTCGCTTTCT 6850
TGCTGTCCAA TTTCTATTAA AGGTTCCTTT GTTCCCTAAG TCCAACTACT 6900
AAACTGGGGG ATATTATGAA GGGCCTTGAG CATCTGGATT CTGCCTAATA 6950
AAAAACATTT ATTTTCATTG CAATGATGTA TTTAAATTAT TTCTGAATAT 7000
TTTACTAAAA AGGGAATGTG GGAGGTCAGT GCATTTAAAA CATAAAGAAA 7050
TGAAGAGCTA GTTCAAACCT TGGGAAAATA CACTATATCT TAAACTCCAT 7100
GAAAGAAGGT GAGGCTGCAA ACAGCTAATG CACATTGGCA ACAGCCCCTG 7150
ATGCCTATGC CTTATTCATC CCTCAGAAAA GGATTCAAGT AGAGGCTTGA 7200
TTTGGAGGTT AAAGTTTTGC TATGCTGTAT TTTACATTAC TTATTGTTTT 7250
AGCTGTCCTC ATGAATGTCT TTTCACTACC CATTTGCTTA TCCTGCATCT 7300
CTCAGCCTTG ACTCCACTCA GTTCTCTTGC TTAGAGATAC CACCTTTCCC 7350
CTGAAGTGTT CCTTCCATGT TTTACGGCGA GATGGTTTCT CCTCGCCTGG 7400
CCACTCAGCC TTAGTTGTCT CTGTTGTCTT ATAGAGGTCT ACTTGAAGAA 7450
GGAAAAACAG GGGGCATGGT TTGACTGTCC TGTGAGCCCT TCTTCCCTGC 7500
CTCCCCCACT CACAGTGACC GGCCGCTCTA GGAGGAACCC CTAGTGATGG 7550
AGTTGGCCAC TCCCTCTCTG CGCGCTCGCT CGCTCACTGA GGCCGGGCGA 7600
CCAAAGGTCG CCCGACGCCC GGGCTTTGCC CGGGCGGCCT CAGTGAGCGA 7650
GCGAGCGCGC AGAGAGGGAG TGGCCAACCT AGAGGCCGCC AGGGCCATAT 7700
TTCTCAATTT TTAAATTTTT CAAAAAAATT AATCCTTAAT GTGCATATTT 7750
TTGAATTGTT AATATAACTT TTTGAGGTGA TGTCTTCATG TGTTTCAACT 7800
ACTTAAAAAC TTTTAAACAG TATATAATAA AAAATCTTCC AGGCCACTCA 7850
CACCTGTAAT CCCAGCACTT TGGGAGGCTG AGGTGGGCAG ATCACCTGAG 7900
GGCAGGAGTT CGAGACCAGC CTGGCCAATA TATATATATT CATATATTCA 7950
TATATATATA TATATTCATA TATTCATATA TATATATTCA TATATTCATA 8000
TATATATATA TATATATATA TAGCAAAACC TCATCTCTAA TAAAATACAA 8050
AAATTAGCTG AGCGTGGTGA TGGATGCCTG TAGTCCCAGC TACTCGGGAG 8100
GCTGAGGCAG GAGAATCTCT TGAACCTGGG AGGTGGAGGT TGCAGTGAGC 8150
TGAGATGGTG CCACTGCCCT CCAGCCTGAG TGACAGAGCG AGACTCGGTC 8200
TCCAAAAAAA AACAACAAAA AAATCTTCCA TCCTTGTCTC CCATCCACCC 8250
CTTCCCCCCA GCATGTACTT GCAGACTTTA TGCATATACA GTGAGTACTG 8300
TATATACACA AATAATAAAA AAATCATATA TATAATATAT GTAATTCCCC 8350
TTTACATGAA AGGTAGCACA CTGGTCTGTA CAGTCTGTCT GCACTGTGCT 8400
ATTTCACTTT ATATTTTTAT AGTTTGACAG AGTTCTAACA TTTCTTTTTT 8450
TTTTTTTTTA ACAGAGTCTT GTTCCTGATT GTTAAATTTT AAAGCATCCT 8500
AAAGTTTGGT TTCACACTTG AATGAATACC ATGTAAGGAT TCACTTACAT 8550
AGATGTGGTT GCCTGAATCT TAAGAATAAA ATAACATTGT TTGTATTTAT 8600
TTAAATTAGT GTTCCTTTTA TGGTTTGCCT GAAAGCACAA CAAAATCCTC 8650
ACCAAGATAT TACAATTATG ACTCCCATAC AGGTAAACTG TTTAGAGATT 8700
GGCAAGCACC TTTTAATGAA AGGAGTCAGC CAGCTTAGTG TGCAGTATTT 8750
ATTTCTGCCG GAAGAGGGAG CTTCAGGGAC AGACTTTGGT TTAGTCATGA 8800
AGCCTCCAGC ACTCCCAAGC GGTTGTGGTT GACCAAGCAA TTTATGCTTT 8850
TACCTTTCTA CTTCCAGAGG CTTGTTTACT TATCAGTAAG CATTAATTTA 8900
GTGTCCCCTC AGATGCCTTT TACTTTCTTC TTTTCTGCCT AGAATAAGCT 8950
GCTCTTCCAA TTTTGCAGCT ACATGTTTCC ACCCCAGTTG GAATTTCTCC 9000
ATAACATCCA TTGTAGCTAT CCTTCAATCT ACAGCCTCTA TTTCCTGTTA 9050
TAGCTGGTCA GGTCTAATCC CTCAAAATAC TCTGTCCCCT GCTTCCCTTA 9100
TCTGCTGGCC ACCTTTTTCC CCCACATACA CACTGCCATG TCCCACCCTT 9150
CACTCAAGTT GTTCCCTGCC ACCTCAACAA ATTTAAGTCC ATAAAATAGA 9200
GTAAGTGTTC CTGACTGTTA AATTTTAAAG CATCCCAAAG TCTGATTTCA 9250
CACTCGAATG AATACTATGT ACGGATTCAT TTACATAGAT GCGGTTGCAT 9300
GAGTCTTAAC AAAAAAATAA CATTATTTGT ATTTATTCAA AGTACTGTCA 9350
AGATATAATG TCAAGACCTA ATTCAAAGGT TCCACAAAGC CTTCCTTGAC 9400
TGCCCCCAAC GAAGATTATC CATTTTCCCT GAAATCCCAT TGACTTTTCT 9450
ATTTTGTAAG GAGGCTCGTG AGACTCTGTC TAAAAACAAA ACAAAACAAA 9500
AAGAAACAAT CAAACGGCTT GCTTCTGTTC TTTGATCTGC TAGTAAGCAA 9550
AAATTACACA TGGTGACAGG AGCTATGTGA GGCTGTCAGG TTGAATGGGA 9600
GGAGTTTGGG ATCCTGCTTG TGGATGGTTG GAAGAGGCTT TCGGGAAAGA 9650
CAGTATTTAT GTGAGACCTG GAAGATGGGC CTTAGCTTTG CAGAAGGTGG 9700
AGAGGCAGGA AATAGCACGG GGGCCCTGGG GCTGGAAGAC TTGGGCATAT 9750
TTGAGGAACA GAAAGGAGAC CAGCATAACT GAGGTGGGAA AAGCATGTGA 9800
AGAGATGGGG CTGGAGGAGG CCGGGAGTGG TGGCTCACGC CTGTAATCCC 9850
AGCACTTTGG GAGGCCAAGG CAGGCGGATC ATGAGCTCAG GAGATTGAGA 9900
CCATCCTGGC TAACACGGTG AAACCCCCTC TCTACTAAAA ATACAAAAAA 9950
AAAAAAAAAA AAAATTAGCT GGGCGTGGTG GCAGGAGCCT GTAGTCCCAG 10000
CTACCTGGGA GGCTGAGGCA GGAGAATGGC GTGAACCTGG AAGGCTGAGC 10050
TTGCAGTGAG CCGAGATTGC ACCACTGCAC TCCAGCCTGG GAGACAGAGA 10100
GAGACTCCCT CTCAAAAAAA CAAACAAACG AAACAAAACA AAACAAAAAT 10150
TAGCCAGGCG TGGTGGTATG CACCTGTAAT CCCAGCTACT CGGGAGGTTG 10200
AGGCAGGAGA AACGCTTGAA CTCAGGAGGC GGAGGTTGCA GTGAGCCGAG 10250
ACTGCGCCAC TGCACTCCAG CCTGGGTGAC AGAGGGAGAC TCCATCTCAA 10300
AAAAAAAAAT TTTTTTTTTT TTACAAACGG TGTCTCCCTC TGTCGCCCAG 10350
GCTGGAGTGC AGTGGTGTGA TCACAGCTCA CTCCAGCCTC AACCTCCCCA 10400
GCTGAAGCCA TCCTCTTGCC TCAGCCTCCT AAGTAGCTGG GACTACAGGC 10450
GCGCACCTCC AGGCTTGGCT CTTATTCTTT TTATTGTTTT TGAAACTATA 10500
GAACCTATTT TTAAAAAATG TTTTGGTTGT TTTTATTGCT GCTTTTCCTT 10550
TTGGGGTTAG AACACAAGTT TTGATGGGAA ACAGGTTAGA ACACATTCAT 10600
CTCTTCCCAT AGCGATGGTC ATAGAAAAAC GGGGCATATT TATAAACTCT 10650
CAGTTGATCT TAAAATGTGC AAAAGCTGCC GAACTCCTGG GAGTGAGCTC 10700
GAGCCCTGCA GGATCATTGT CACATGTGAG CAAAAGGCCA GCAAAAGGCC 10750
AGGAACCGTA AAAAGGCCGC GTTGCTGGCG TTTTTCCATA GGCTCCGCCC 10800
CCCTGACGAG CATCACAAAA ATCGACGCTC AAGTCAGAGG TGGCGAAACC 10850
CGACAGGACT ATAAAGATAC CAGGCGTTTC CCCCTGGAAG CTCCCTCGTG 10900
CGCTCTCCTG TTCCGACCCT GCCGCTTACC GGATACCTGT CCGCCTTTCT 10950
CCCTTCGGGA AGCGTGGCGC TTTCTCATAG CTCACGCTGT AGGTATCTCA 11000
GTTCGGTGTA GGTCGTTCGC TCCAAGCTGG GCTGTGTGCA CGAACCCCCC 11050
GTTCAGCCCG ACCGCTGCGC CTTATCCGGT AACTATCGTC TTGAGTCCAA 11100
CCCGGTAAGA CACGACTTAT CGCCACTGGC AGCAGCCACT GGTAACAGGA 11150
TTAGCAGAGC GAGGTATGTA GGCGGTGCTA CAGAGTTCTT GAAGTGGTGG 11200
CCTAACTACG GCTACACTAG AAGAACAGTA TTTGGTATCT GCGCTCTGCT 11250
GAAGCCAGTT ACCTTCGGAA AAAGAGTTGG TAGCTCTTGA TCCGGCAAAC 11300
AAACCACCGC TGGTAGCGGT GGTTTTTTTG TTTGCAAGCA GCAGATTACG 11350
CGCAGAAAAA AAGGATCTCA AGAAGATCCT TTGATCTTTT CTACGGGGTC 11400
TGACGCTCAG TGGAACGAAA ACTCACGTTA AGGGATTTTG GTCATGAGAT 11450
TATCAAAAAG GATCTTCACC TAGATCCTTT TAAATTAAAA ATGAAGTTTT 11500
AAATCAAGCC CAATCTGAAT AATGTTACAA CCAATTAACC AATTCTGATT 11550
AGAAAAACTC ATCGAGCATC AAATGAAACT GCAATTTATT CATATCAGGA 11600
TTATCAATAC CATATTTTTG AAAAAGCCGT TTCTGTAATG AAGGAGAAAA 11650
CTCACCGAGG CAGTTCCATA GGATGGCAAG ATCCTGGTAT CGGTCTGCGA 11700
TTCCGACTCG TCCAACATCA ATACAACCTA TTAATTTCCC CTCGTCAAAA 11750
ATAAGGTTAT CAAGTGAGAA ATCACCATGA GTGACGACTG AATCCGGTGA 11800
GAATGGCAAA AGTTTATGCA TTTCTTTCCA GACTTGTTCA ACAGGCCAGC 11850
CATTACGCTC GTCATCAAAA TCACTCGCAT CAACCAAACC GTTATTCATT 11900
CGTGATTGCG CCTGAGCGAG ACGAAATACG CGATCGCTGT TAAAAGGACA 11950
ATTACAAACA GGAATCGAAT GCAACCGGCG CAGGAACACT GCCAGCGCAT 12000
CAACAATATT TTCACCTGAA TCAGGATATT CTTCTAATAC CTGGAATGCT 12050
GTTTTTCCGG GGATCGCAGT GGTGAGTAAC CATGCATCAT CAGGAGTACG 12100
GATAAAATGC TTGATGGTCG GAAGAGGCAT AAATTCCGTC AGCCAGTTTA 12150
GTCTGACCAT CTCATCTGTA ACATCATTGG CAACGCTACC TTTGCCATGT 12200
TTCAGAAACA ACTCTGGCGC ATCGGGCTTC CCATACAAGC GATAGATTGT 12250
CGCACCTGAT TGCCCGACAT TATCGCGAGC CCATTTATAC CCATATAAAT 12300
CAGCATCCAT GTTGGAATTT AATCGCGGCC TCGACGTTTC CCGTTGAATA 12350
TGGCTCATAA CACCCCTTGT ATTACTGTTT ATGTAAGCAG ACAGTTTTAT 12400
TGTTCATGAT GATATATTTT TATCTTGTGC AATGTAACAT CAGAGATTTT 12450
GAGACACGGG CCAGAGCTGC A 12500
【0164】
外因性核酸を標的細胞に送達する方法
トランスフェクション手法
本明細書に記載のMTM1導入遺伝子などの導入遺伝子を標的細胞に導入するために使用することができる手法は、当該技術分野で既知である。例えば、エレクトロポレーションは、目的の細胞に静電位を印加することにより、哺乳動物細胞(例えば、ヒト標的細胞)を透過処理するために使用することができる。その後、このように外部電場にかけられたヒト細胞などの哺乳類細胞は、外因性核酸(例えば、ニューロン、グリア細胞、または非神経細胞、例えば、結腸及び腎臓細胞で発現可能な核酸)を取り込みやすくなる。哺乳動物細胞のエレクトロポレーションは、例えば、以下に記載されている:Chu et al.,Nucleic Acids Research 15:1311(1987)(この開示は、参照により本明細書に組み込まれる)。同様の手法であるNUCLEOFECTION(商標)は、真核細胞の核への外因性ポリヌクレオチドの取り込みを刺激するために、印加された電場を利用する。NUCLEOFECTION(商標)及びこの手法を実行するのに有用なプロトコルは、例えば、以下に詳細に記載されている:Distler et al.,Experimental Dermatology 14:315(2005)、及びUS2010/0317114(これらのそれぞれの開示は、参照により本明細書に組み込まれる)。
【0165】
標的細胞のトランスフェクションに有用な追加の手法は、スクイーズポレーション法である。この手法は、加えられたストレスに応じて形成される膜孔を通した外因性DNAの取り込みを刺激するために、細胞の急速な機械的変形を誘発する。この技術は、ベクターが、ヒト標的細胞などの細胞への核酸の送達に必要ないという点で有利である。スクイーズポレーションは、例えば、以下で詳細に記載されている:Sharei et al.,Journal of Visualized Experiments 81:e50980(2013)(この開示は、参照により本明細書に組み込まれる)。
【0166】
リポフェクションは、標的細胞のトランスフェクションに有用なもう1つの手法を表す。この方法は、リポソームへの核酸の搭載を含み、これは、多くの場合、リポソームの外側に向けて、第4級またはプロトン化アミンなどのカチオン性官能基を提示する。これは、細胞膜のアニオン性のために、リポソーム及び細胞間の静電相互作用を促進し、これにより、最終的には、例えば、リポソームを細胞膜に直接融合させることにより、または、複合体のエンドサイトーシスにより、外因性核酸の取り込みがもたらされる。リポフェクションは、例えば、以下で詳細に記載されている:US7,442,386(この開示は、参照により本明細書に組み込まれる)。細胞膜とのイオン相互作用を利用して外来核酸の取り込みを誘発する同様の手法は、細胞をカチオン性ポリマー-核酸複合体と接触させる。細胞膜との相互作用に有利な正電荷を与えるようにポリヌクレオチドと結合するカチオン性分子の例は、活性化デンドリマー(例えば、以下に記載される:Dennig,Topics in Current Chemistry 228:227(2003)(この開示は、参照により本明細書に組み込まれる))ポリエチレンイミン、及びDEAEデキストランであり、トランスフェクション剤としてのこれの使用は、例えば、以下で詳細に記載されている:Gulick et al.,Current Protocols in Molecular Biology 40:1:9.2:9.2.1(1997)(この開示は、参照により本明細書に組み込まれる)。
【0167】
標的細胞による外因性核酸の取り込みを誘導するためのもう1つの有用なツールは、光トランスフェクションとも呼ばれるレーザーフェクションである。手法は、細胞を穏やかに透過処理化し、ポリヌクレオチドが細胞膜に浸透できるようにするために、特定の波長の電磁放射線に細胞を暴露させること含む。この手法の生物活性は、エレクトロポレーションに類似しており、いくつかの場合では、エレクトロポレーションよりも優れていることが判明している。
【0168】
インペールフェクションは、遺伝物質を標的細胞に送達するために使用することができるもう1つの手法である。これは、ナノマテリアル、例えば、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、及びナノワイヤーの使用に依存する。針状のナノ構造は、基材の表面に対して垂直に合成される。細胞内送達を目的とする遺伝子を含有するDNAが、ナノ構造表面に付着している。次に、これらの針のアレイを備えたチップが、細胞または組織に押し付けられる。ナノ構造に固定された細胞は、送達された遺伝子(複数可)を発現し得る。この手法の一例は、以下に記載されている:Shalek et al.,PNAS 107:25 1870(2010)(この開示は、参照により本明細書に組み込まれる)。
【0169】
MAGNETOFECTION(商標)は、核酸を標的細胞に送達するために使用することもできる。MAGNETOFECTION(商標)の原理は、核酸をカチオン性磁性ナノ粒子と結合させることである。磁性ナノ粒子は、酸化鉄でできており、完全に生分解性であり、用途に応じて異なる特定のカチオン性の独自分子でコーティングされる。遺伝子ベクター(DNA、siRNA、ウイルスベクターなど)との結合は、塩で引き起こされるコロイド凝集及び静電相互作用で達成される。次に、磁石で生成される外部磁場の影響により、磁性粒子が標的細胞に集中する。この手法は、以下で詳細に記載されている:Scherer et al.,Gene Therapy 9:102(2002)に詳細に記載されており、この開示は、参照により本明細書に組み込まれる。磁気ビーズは、この方法論は、核酸の取り込みを誘導するために印加磁場を利用するので、穏やか且つ効率的に、標的細胞をトランスフェクトするために使用することができるもう1つのツールである。この技術は、例えば、以下に記載されている:US2010/0227406(この開示は、参照により本明細書に組み込まれる)。
【0170】
標的細胞による外因性核酸の取り込みを誘導するためのもう1つの有用なツールは、ソノポレーションである。この手法は、細胞の原形質膜の透過性が細胞を透過するように変更するための音(通常、超音波周波数)の使用を含み、ポリヌクレオチドが細胞膜に浸透することを可能にする。この手法は、例えば、以下で詳細に記載されている:Rhodes et al.,Methods in Cell Biology 82:309(2007)(その開示は、参照により本明細書に組み込まれる)。
【0171】
微小胞は、本明細書に記載の方法に従って標的細胞のゲノムを改変するために使用することができる別の潜在的なビヒクルを表す。例えば、糖タンパク質VSV-Gの、例えば、ヌクレアーゼなどのゲノム改変タンパク質との共過剰発現で誘導されている微小胞は、タンパク質(その後、目的のポリヌクレオチド、例えば、遺伝子または調節配列を共有結合的に組み込むための細胞のゲノムを準備するために、内因性ポリヌクレオチド配列の部位特異的切断を触媒する)を細胞に効率的に送達するために使用することができる。真核細胞の遺伝子改変のためそのような小胞の使用は、ゲシクルとも呼ばれ、例えば、以下で詳細に記載されている:Quinn et al.,Genetic Modification of Target Cells by Direct Delivery of Active Protein[abstract],Methylation changes in early embryonic genes in cancer[abstract],Proceedings of the 18th Annual Meeting of the American Society of Gene and Cell Therapy;2015 May 13,Abstract No.122。
【0172】
遺伝子編集手法による標的遺伝子の組み込み
上記に加えて、ヒト細胞などの標的細胞に目的の遺伝子を組み込むために使用することができる様々なツールが開発されている。標的遺伝子をコードするポリヌクレオチドを標的細胞に組み込むために使用することができるそのような方法の1つは、トランスポゾンの使用を含む。トランスポゾンは、トランスポザーゼ酵素をコードするポリヌクレオチドであり、5’及び3’切除部位に隣接した目的のポリヌクレオチド配列または遺伝子を含有する。トランスポゾンが細胞に送達されていると、トランスポザーゼ遺伝子の発現が開始し、目的の遺伝子をトランスポゾンから切断する活性酵素がもたらされる。この活性は、トランスポザーゼによるトランスポゾン切除部位の部位特異的認識により媒介される。一部の場合では、これらの切除部位は、末端反復または逆方向末端反復であってよい。トランスポゾンから切除されると、目的の遺伝子は、細胞の核ゲノム内に存在する類似の切除部位のトランスポザーゼ触媒による切断で、哺乳類細胞のゲノムに組み込むことができる。これにより、目的の遺伝子が切断された核DNAの相補的切除部位に挿入されることが可能になり、その後、目的の遺伝子を哺乳動物細胞ゲノムのDNAに結合するホスホジエステル結合の共有結合により、組み込みプロセスが完了する。特定の場合では、トランスポゾンは、標的遺伝子をコードする遺伝子がまずRNA産物に転写され、次に、哺乳類細胞ゲノムに組み込まれる前にDNAに逆転写されるようなレトロトランスポゾンであってよい。例示的なトランスポゾン系は、piggybacトランスポゾン(例えば、WO2010/085699で詳細に記載)及びSleeping Beautyトランスポゾン(例えば、US2005/0112764で詳細に記載)であり、それぞれの開示は、目的の細胞への遺伝子送達に使用されるトランスポゾンに関連するので、参照により本明細書に組み込まれる。
【0173】
標的遺伝子を標的細胞のゲノムに組み込むためのもう1つのツールは、クラスター化規則的間隔短回文反復(CRISPR)/Casシステムである。このシステムは、もともと、細菌及び古細菌のウイルス感染に対する適応防御機序として進化した。CRISPR/Casシステムは、プラスミドDNA内の回文反復配列及び関連Cas9ヌクレアーゼを含む。このDNA及びタンパク質の集合体は、最初に外来DNAをCRISPR遺伝子座に組み込むことにより、標的配列の部位特異的DNA切断を指示する。これらの外来配列及びCRISPR遺伝子座の反復スペーサーエレメントを含有するポリヌクレオチドは、ガイドRNAを生成するために、順次、宿主細胞内で転写される。その後、ガイドRNAは、標的配列にアニールし、Cas9ヌクレアーゼをこの部位に局在化させ得る。このように、cas9を標的DNA分子の極めて近くに移動させる相互作用が、RNA:DNAハイブリダイゼーションで適用されるので、高度に部位特異的なcas9媒介DNA切断が外来ポリヌクレオチドで生じさせることができる。その結果、目的の任意の標的DNA分子を切断するCRISPR/Casシステムを設計し得る。この技術は、真核生物のゲノムを編集するために利用されており(Hwang et al.,Nature Biotechnology 31:227(2013))、標的遺伝子をコードする遺伝子の組み込み前に、DNAを切断するために標的細胞ゲノムを部位特異的に編集する効率的な手段として使用することができる。遺伝子発現を調節するためのCRISPR/Casの使用は、例えば、以下に記載されている:米国特許第8,697,359号(この開示は、ゲノム編集のためのCRISPR/Casシステムの使用に関するので、参照により本明細書に組み込まれる)。目的の遺伝子を標的細胞に組み込む前にゲノムDNAを部位特異的に切断する別の方法は、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)及び転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)の使用を含む。CRISPR/Casシステムとは異なり、これらの酵素は、特定の標的配列に局在化するための誘導ポリヌクレオチドを含有しない。代わりに、標的特異性は、これらの酵素内のDNA結合ドメインで制御される。ゲノム編集用途におけるZFN及びTALENの使用は、例えば、以下に記載される:Urnov et al.,Nature Reviews Genetics 11:636(2010);及びJoung et al.,Nature Reviews Molecular Cell Biology 14:49(2013)(これらのそれぞれの開示は、ゲノム編集のための組成物及び方法に関するので、参照により本明細書に組み込まれる)。
【0174】
標的遺伝子をコードするポリヌクレオチドを標的細胞のゲノムに組み込むために使用することができる追加のゲノム編集技術は、ゲノムDNAを部位特異的に切断するように合理的に設計することができるARCUSTMメガヌクレアーゼの使用を含む。標的遺伝子をコードする遺伝子を哺乳動物細胞のゲノムに組み込むためにこれらの酵素を使用することは、そのような酵素について確立されている定義された構造-活性関係を考慮して有利である。一本鎖メガヌクレアーゼは、所望の位置でDNAを選択的に切断するヌクレアーゼを作成するために特定のアミノ酸位置を修飾することができ、標的細胞の核DNAへの標的遺伝子の部位特異的組み込みが可能になる。これらの一本鎖ヌクレアーゼは、例えば、以下に記載されている:米国特許第8,021,867号及び同第8,445,251号(これらのそれぞれの開示は、ゲノム編集のための組成物及び方法に関するので、参照により本明細書に組み込まれる)。
【0175】
医薬組成物及び投与経路
本明細書に記載の遺伝子治療薬は、MTM1をコードする導入遺伝子などの導入遺伝子を含有してもよく、神経筋障害(例えば、XLMTM)に罹患しているヒト患者などの患者に投与するためのビヒクルに組み込まれ得る。治療用導入遺伝子に作動可能に連結されている本明細書に記載の転写調節エレメント(例えば、デスミンプロモーター)を含有するウイルスベクターなどのベクターを含有する医薬組成物は、当該技術分野で既知の方法を使用して調製することができる。例えば、そのような組成物は、例えば、例えば、生理学的に許容される担体、賦形剤、または安定剤(Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.(1980)(参照により本明細書に組み込まれる))を使用して、所望の形態、例えば、凍結乾燥製剤または水溶液の形態で、調製することができる。
【0176】
治療用導入遺伝子に作動可能に連結されている転写調節エレメントを含有するウイルスベクター、例えば、AAVベクター及び本明細書に記載の他のものは、様々な投与経路で患者(例えば、ヒト患者)に投与され得る。投与経路は、例えば、疾患の発症及び重症度に応じて変化し得、例えば、皮内、経皮、非経口、静脈内、筋肉内、鼻腔内、皮下、経皮、気管内、腹腔内、動脈内、血管内、吸入、灌流、洗浄、及び経口投与を含んでもよい。血管内投与は、患者の血管系への送達を含む。いくつかの実施形態では、投与は、静脈であるとみなされる血管への(静脈内)投与であり、いくつかの投与では、投与は、動脈であるとみなされる血管への(動脈内)投与である。静脈は、内頚静脈、末梢静脈、冠状静脈、肝静脈、門脈、大伏在静脈、肺静脈、上大静脈、下大静脈、胃静脈、脾静脈、下腸間膜静脈、上腸間膜静脈、橈側皮静脈、及び/または大腿静脈を含むが、これらに限定されない。動脈は、冠状動脈、肺動脈、上腕動脈、内頚動脈、大動脈弓、大腿動脈、末梢動脈、及び/または毛様体動脈を含むが、これらに限定されない。細動脈もしくは毛細血管を通って、またはそこに送達され得ることが企図される。
【0177】
本明細書に記載の核酸及びウイルスベクターの混合物は、1つ以上の賦形剤、担体、または希釈剤と適切に混合された水中で調製され得る。分散液は、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、及びそれらの混合物中、ならびに油中でも調製され得る。通常の保管及び使用条件下では、これらの製剤は、微生物の成長を防ぐための防腐剤を含有してもよい。注射可能な使用に適した医薬形態は、滅菌注射可能溶液または分散液を即時調製するための滅菌水溶液または分散液及び滅菌粉末を含む(US5,466,468(この開示は、参照により本明細書に組み込まれる)に記載)。いずれの場合でも、製剤は、無菌であってよく、容易に注射できる程度に流体であってよい。製剤は、製造及び保管の条件下で安定なことがあり、細菌及び真菌などの微生物の汚染作用に対して保存され得る。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、それらの好適な混合物、及び/または植物油を含有する溶媒または分散媒であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用、分散の場合には必要な粒子サイズの維持、及び界面活性剤の使用で維持され得る。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどにより、もたらされ得る。多くの場合、等張剤、例えば、糖または塩化ナトリウムを含むことが好ましいであろう。注射可能な組成物の持続的吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンの組成物中で使用することにより、もたらされ得る。
【0178】
例えば、本明細書に記載の医薬組成物を含有する溶液は、必要に応じて、適切に緩衝され得、液体希釈剤は、まず十分な生理食塩水またはグルコースで等張にされる。これらの特定の水溶液は、静脈内、筋肉内、皮下、及び腹腔内投与に特に適している。これに関連して、用いることができる滅菌水性媒体は、本開示に照らして、当業者らには既知であろう。例えば、1回の投与量は、1mlの等張性NaCl溶液に溶解され、1000mlの皮下注射液に添加されても、提示部位で注射されてもよい。処置を受ける対象の状態に応じて、投与量の若干の変動が必然的に発生するであろう。いずれにせよ、投与責任者は、個々の対象に適切な用量を決定する。さらに、ヒトへの投与の場合、製剤は、FDA生物製剤局の基準で要求される無菌性、発熱性、一般的な安全性、及び純度の基準を満たしていてもよい。
【0179】
キット
本明細書に記載の組成物は、神経筋障害(例えば、XLMTM)の処置に使用されるキットで提供することができる。キットは、本明細書に記載の1つ以上のウイルスベクターを含んでもよい。キットは、当該技術分野で内科医などのキットのユーザーに、本明細書に記載の方法のいずれか1つを実施するように指示する添付文書を含み得る。キットは、組成物を投与するための注射器または他のデバイスを任意に含んでもよい。いくつかの実施形態では、キットは、1つ以上の追加の治療薬を含んでもよい。
【0180】
日中の人工呼吸器からのウィーニングを開始する前に検討すべき推奨臨床パラメーター
日中の患者の人工呼吸器からのウィーニングを検討する前に、当該技術分野で内科医は、気道開存性、酸素化及び換気能力、栄養状態、リハビリテーション療法の耐性について患者固有のベースラインを確立し、表2に記載の要因を含む、広範な患者固有の及び環境的要因を考慮に入れなければならない。
【0181】
【表2】
【0182】
日中の人工呼吸器からのウィーニングを開始するための推奨臨床パラメーター
いくつかの実施形態では、患者は、患者のバイタルサイン(例えば、体温、心拍数(例えば、脈拍)、呼吸数(RR)、及び血圧)ならびに体重が、年齢調整基準内にある場合、または、患者、呼吸機能指標(例えば、最大吸気圧(MIP)、最大呼気圧(MEP)、呼気終末陽圧(PEEP)、室内空気酸素飽和度(SpO)、経皮的CO(TcCO)、もしくは終末呼気CO(ETCO))、または間接ガス交換マーカー(例えば、血清重炭酸塩レベル)のうちの1つが、本明細書に記載の遺伝子治療製品(例えば、MTM1をコードするAAV2)による処置後の12週間の評価中に、本明細書に記載の測定範囲内にある場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを開始する準備ができているとみなされる。
【0183】
I.バイタルサイン及び体重
いくつかの実施形態では、患者は、患者のバイタルサイン(例えば、体温、心拍数(例えば、脈拍)、呼吸数(RR)、及び血圧)ならびに体重が年齢調整基準内にある場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを開始する準備ができているとみなされる。
【0184】
Ia.体温
いくつかの実施形態では、患者は、患者の体温が、本明細書に記載されているように、年齢調整基準内にある場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを開始する準備ができているとみなされる。
【0185】
いくつかの実施形態では、患者の体温は、口、直腸、腋窩(例えば、脇の下)、耳、または皮膚から測定することができる。いくつかの実施形態では、患者の口腔温度、直腸温度、及び腋窩温度は、ガラス温度計または電子温度計で測定することができる。
【0186】
いくつかの実施形態では、患者の体温は、経口的に測定され、約36.0℃~37.5℃(例えば、約36.1℃~約37.4℃、約36.2℃~約37.3℃、約36.3℃~約37.2℃、約36.4℃~約37.1℃、約36.5℃~約37.0℃、約36.6℃~約36.9℃、または約36.7℃~約36.8℃)の範囲内にある場合、正常であるとみなされる。
【0187】
いくつかの実施形態では、患者の体温は、直腸で測定され、約36.5℃~38.0℃(例えば、約36.6℃~約37.9℃、約36.7℃~約37.8℃、約36.8℃~約37.7℃、約36.9℃~約37.6℃、約37.0℃~約37.5℃、約37.1℃~約37.4℃、または約37.2℃~約37.3℃)の範囲内にある場合、正常であるとみなされる。
【0188】
いくつかの実施形態では、患者の体温は、腋窩で測定され、約35.5℃~37.0℃(例えば、約35.6℃~約36.9℃、約35.7℃~約36.8℃、約35.8℃~約36.7℃、約35.9℃~約36.6℃、約36.0℃~約36.5℃、約36.1℃~約36.4℃、または約36.2℃~約36.3℃)の範囲内にある場合、正常であるとみなされる。
【0189】
Ib.心拍数
いくつかの実施形態では、患者は、患者の心拍数が、本明細書に記載されているように、年齢調整基準内にある場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを開始する準備ができているとみなされる。
【0190】
いくつかの実施形態では、心拍数は、橈骨動脈(例えば、手首)で取得される。いくつかの実施形態では、心拍数は、上腕動脈(例えば、肘)、頸動脈(例えば、首)、膝窩動脈(例えば、膝の後方)、または足背動脈もしくは後脛骨動脈(例えば、足)で取得される。
【0191】
いくつかの実施形態では、脈拍は、人差し指及び中指で上記の位置をしっかりと軽い圧力で押し、60秒毎に感じられる拍動をカウントすることにより取得される。いくつかの実施形態では、心拍数は、人差し指及び中指で上記の位置をしっかりと軽い圧力で押し、30秒毎に感じられる拍動をカウントすることにより取得され、2をかける。
【0192】
いくつかの実施形態では、心拍数は、聴診器を使用して心拍を直接聞くことにより測定される。
【0193】
いくつかの実施形態では、患者は、新生児(例えば、0~4ヶ月齢)、乳児(例えば、0~5ヶ月齢)、幼児(例えば、6~12ヶ月齢)、1歳~3歳の小児、3~5歳の小児、6~10歳の小児、青年(例えば、11~14歳)、または成人(例えば、15歳以上(例えば、16歳以上、17歳以上、18歳以上、19歳以上、20歳以上、21歳以上、22歳以上、23歳以上、24歳以上、25歳以上、26歳以上、27歳以上、28歳以上、29歳以上、30歳以上、40歳以上、50歳以上、60歳以上、70歳以上、80歳以上、もしくは90歳以上)である。
【0194】
いくつかの実施形態では、患者は、新生児(例えば、0~4ヶ月齢)であり、患者の心拍数は、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、約100~約160拍/分(bpm)(例えば、約105~約155bpm、約110~約150bpm、約120~約150bpm、約130~約140bpm、または約135bpm)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0195】
いくつかの実施形態では、患者は、乳児(0~5ヶ月齢)であり、患者の心拍数は、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、約90~約150bpm(例えば、約95~約145bpm、約100~約140bpm、約110~約130bpm、または約120bpm)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0196】
いくつかの実施形態では、患者は、幼児(6~12ヶ月齢)であり、患者の心拍数は、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、約80~約140bpm(例えば、約85~約135bpm、約90~約130bpm、約100~約120bpm、または約110bpm)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0197】
いくつかの実施形態では、患者は、1~3歳の小児であり、患者の心拍数は、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、約80~約130bpm(例えば、約85~約125bpm、約90~約120bpm、約100~約110bpm、または約115bpm)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0198】
いくつかの実施形態では、患者は、3~5歳の小児であり、患者の心拍数は、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、約80~約120bpm(例えば、約85~約115bpm、約90~約110bpm、または約100bpm)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0199】
いくつかの実施形態では、患者は、6~10歳の小児であり、患者の心拍数は、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、約70~約110bpm(例えば、約75~約105bpm、約80~約100bpm、または約90bpm)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0200】
いくつかの実施形態では、患者は、青年(例えば、11~14歳)であり、患者の心拍数は、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、約60~約105bpm(例えば、約65~約100bpm、約70~約95bpm、約75~約90bpm、または約80~約85bpm)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0201】
いくつかの実施形態では、患者は、成人(例えば、15歳以上(例えば、16歳以上、17歳以上、18歳以上、19歳以上、20歳以上、21歳以上、22歳以上、23歳以上、24歳以上、25歳以上、26歳以上、27歳以上、28歳以上、29歳以上、30歳以上、40歳以上、50歳以上、60歳以上、70歳以上、80歳以上、または90歳以上))であり、患者の心拍数は、本明細書に記載される方法または他の方法で測定され、約60~約100bpm(例えば、約65~約95bpm、約70bpm~約90bpm、または約80bpm)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0202】
Ic.呼吸数
いくつかの実施形態では、患者は、患者のRRが、本明細書に記載されているように、年齢調整基準内にある場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを開始する準備ができているとみなされる。
【0203】
いくつかの実施形態では、患者のRRは、聴診器を使用して、または限定されないが、インピーダンス呼吸記録法及びカプノグラフィーを含む方法を使用して、測定することができる。
【0204】
いくつかの実施形態では、患者は、新生児(例えば、0~6週齢)、6週齢~6ヶ月齢の乳児、6ヶ月齢~3歳の小児、3~6歳の小児、6~10歳の小児、10~65歳の成人、65~80歳の高齢者、または80歳以上の高齢者である。
【0205】
いくつかの実施形態では、患者は、新生児(例えば、0~6週齢)であり、患者のRRは、本明細書に記載される方法または他の方法で測定され、毎分約30~約40回の呼吸(例えば、約31~約39回の呼吸、約32~約38回の呼吸、約33~約37回の呼吸、約34~約36回の呼吸、または約35回の呼吸)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0206】
いくつかの実施形態では、患者は、6週齢~6ヶ月齢の乳児であり、患者のRRは、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、毎分約25~約40回の呼吸(例えば、約26~約39回の呼吸、約27~約38回の呼吸、約28~約37回の呼吸、約29~約36回の呼吸、約30~約35回の呼吸、約31~約34回の呼吸、または約32~約33回の呼吸)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0207】
いくつかの実施形態では、患者は、6ヶ月齢~3歳の小児であり、患者のRRは、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、毎分約20~30回の呼吸(例えば、約21~約29回の呼吸、約22~約28回の呼吸、約23~約27回の呼吸、約26~約29回の呼吸、または約25回の呼吸)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0208】
いくつかの実施形態では、患者は、3~6歳の小児であり、患者のRRは、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、毎分約18~25回の呼吸(例えば、約19~約24回の呼吸、約20~約23回の呼吸、または約21~約22回の呼吸)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0209】
いくつかの実施形態では、患者は、6~10歳の小児であり、患者のRRは、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、毎分約17~23回の呼吸(例えば、約18~約22回の呼吸、約19~約21回の呼吸、または約20回の呼吸)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0210】
いくつかの実施形態では、患者は、10~65歳の成人であり、患者のRRは、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、毎分約15~18回の呼吸(例えば、約16~約17回の呼吸)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0211】
いくつかの実施形態では、患者は、65歳以上(例えば、66歳以上、67歳以上、68歳以上、69歳以上、70歳以上、75歳以上、80歳以上、90歳以上)の成人であり、患者のRRは、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、毎分約12~約28回の呼吸(例えば、約13~約27回の呼吸、約14~約26回の呼吸、約15~約25回の呼吸、約16~約24回の呼吸、約17~約23回の呼吸、約18~約22回の呼吸、約19~約21回の呼吸、または約20回)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0212】
Id.血圧
いくつかの実施形態では、患者は、患者の血圧が、本明細書に記載されているように、年齢調整基準内にある場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを開始する準備ができているとみなされる。
【0213】
いくつかの実施形態では、患者の血圧は、血圧計、オシロスコープ、または他の方法を使用して測定することができる。
【0214】
いくつかの実施形態では、患者は、新生児(例えば、0~1ヶ月齢)、乳児(例えば、1~12ヶ月齢)、幼児(例えば、1~5歳)、児童(例えば、5~13歳)、青年(例えば、13~18歳)、18~40歳の成人、40~60歳の成人、または高齢者(例えば、60歳以上(例えば、61歳以上、62歳以上、63歳以上、64歳以上、65歳以上、70歳以上、75歳以上、80歳以上、90歳以上)である。
【0215】
いくつかの実施形態では、患者は、新生児(例えば、0~1ヶ月齢)であり、患者の血圧は、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、約40~約80mmHg(例えば、約41~約79mmHg、約42~約78mmHg、約44~約77mmHg、約44~約76mmHg、約45~約75mmHg、約50~約70mmHg、約55~約65mmHg、または約60mmHg)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0216】
いくつかの実施形態では、患者は、乳児(例えば、1~12ヶ月齢)であり、患者の血圧は、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、約65~約100mmHg(例えば、約66~約99mmHg、約67~約98mmHg、約68~約97mmHg、約69~約96mmHg、約70~約95mmHg、約75~約90mmH、または約80~約85mmHg)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0217】
いくつかの実施形態では、患者は、幼児(例えば、1~5歳)であり、患者の血圧は、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、約80~約115mmHg(例えば、約81~約114mmHg、約82~約113mmHg、約83~約112mmHg、約84~約111mmHg、約85~約110mmHg、約90~約105mmH、または約95~約100mmHg)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0218】
いくつかの実施形態では、患者は、児童(例えば、5~13歳)であり、患者の血圧は、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、約80~約120mmHg(例えば、約81~約119mmHg、約82~約118mmHg、約83~約117mmHg、約84~約116mmHg、約85~約115mmHg、約90~約110mmHg、約95~約105mmHg、または約100mmHg)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0219】
いくつかの実施形態では、患者は、青年(例えば、13~18歳)であり、患者の血圧は、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、約90~約120mmHg(例えば、約91~約119mmHg、約92~約118mmHg、約93~約117mmHg、約94~約116mmHg、約95~約115mmHg、約100~約110mmH、または約105mmHg)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0220】
いくつかの実施形態では、患者は、18~40歳の成人であり、患者の血圧は、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、約95~約135mmHg(例えば、約96~約134mmHg、約97~約133mmHg、約98~約132mmHg、約99~約131mmHg、約100~約130mmHg、約105~約125mmHg、約110~約120mmHg、または約115mmHg)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0221】
いくつかの実施形態では、患者は、40~60歳の成人であり、患者の血圧は、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、約110~約145mmHg(例えば、約111~約144mmHg、約112~約143mmHg、約113~約142mmHg、約114~約141mmHg、約115~約140mmHg、約120~約135mmH、または約125~約130mmHg)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0222】
いくつかの実施形態では、患者は、高齢者(例えば、60歳以上(例えば、61歳以上、62歳以上、63歳以上、64歳以上、65歳以上、70歳以上、75歳以上、80歳以上、90歳以上))であり、患者の血圧は、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、約95~約145mmHg(例えば、約96~約144mmHg、約97~約143mmHg、約98~約142mmHg、約99~約141mmHg、約100~約140mmHg、約105~約135mmHg、約110~約130mmHg、約115~約125mmHg、または約120mmHg)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0223】
Ie.体重
いくつかの実施形態では、患者は、体重が、本明細書に記載されているように、年齢調整基準内にある場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを開始する準備ができているとみなされる。
【0224】
いくつかの実施形態では、男性患者は、男性患者の体重が表3に記載の範囲内にある場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを開始する準備ができているとみなされる。
【0225】
【表3】
【0226】
いくつかの実施形態では、女性患者は、女性患者の体重が表4に記載の範囲内にある場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを開始する準備ができているとみなされる。
【0227】
【表4】
【0228】
II.呼吸機能
いくつかの実施形態では、患者は、1つ以上の呼吸機能指標(例えば、MIP、MEP、PEEP、SpO、TcCO、またはETCO)が、本明細書に記載の測定範囲内にある場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを開始する準備ができているとみなされる。
【0229】
IIa.吸気圧
いくつかの実施形態では、患者は、患者の人工呼吸器でのMIPの目標値が50cmHO超(例えば、49cmHO超、48cmH超、47cmHO超、46cmHO超、45cmHO超、40cmHO超、35cmHO超、30cmHO超、20cmHO超、10cmHO超、または0.0cmHO超)である場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを開始する準備ができているとみなされる。
【0230】
IIb.呼気圧
いくつかの実施形態では、患者は、患者の人工呼吸器でのMEPの目標値が40cmHO超(例えば、41cmHO超、42cmH超、43cmHO超、44cmHO超、45cmHO超、50cmHO超、55cmHO超、60cmHO超、70cmHO超、または80cmHO超)である場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを開始する準備ができているとみなされる。
【0231】
IIc.呼気終末陽圧
いくつかの実施形態では、患者は、患者の人工呼吸器でのPEEPの目標値が5cmHO以下(例えば、5cmHO以下、4cmHO以下、3cmHO以下、2cmHO以下、1cmHO以下、または0cmHO以下)である場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを開始する準備ができているとみなされる。
【0232】
IId.室内空気酸素飽和度
いくつかの実施形態では、患者は、患者のSpOが94%超(例えば、95%超、96%超、97%超、98%超、または99%超)である場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを開始する準備ができているとみなされる。
【0233】
IIe.経皮的CO
いくつかの実施形態では、患者は、患者のTcCOが約35~約45mmHg(例えば、約36~約44mmHg、約37~約43mmHg、約38mmHg~約42mmHg、約39~約41mmHg、または約40mmHg)である場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを開始する準備ができているとみなされる。
【0234】
IIf.呼気終末CO
いくつかの実施形態では、患者は、患者のETCOが約35~約45mmHg(例えば、約36~約44mmHg、約37~約43mmHg、約38mmHg~約42mmHg、約39~約41mmHg、または約40mmHg)である場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを開始する準備ができているとみなされる。
【0235】
III.間接ガス交換
いくつかの実施形態では、患者は、1つ以上の間接ガス交換マーカー(例えば、血清重炭酸塩)が、本明細書に記載の測定範囲内にある場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを開始する準備ができているとみなされる。
【0236】
IIIa.血清重炭酸塩
いくつかの実施形態では、患者は、患者の血清重炭酸塩レベルが約22~約27mEq/L(例えば、約23~約26mEq/L、または約24~約25mEq/L)である場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを開始する準備ができているとみなされる。
【0237】
VI.追加の検討事項:臨床的判断
いくつかの実施形態では、患者は、運動マイルストーン(例えば、頭部制御、着座、自発的把持、仰臥位での蹴る能力、寝返り、四つ這いもしくはボトムシャフリング、起立、及び歩行)、発声、咳、分泌物、またはCHOP INTENDでの運動機能スコアの週毎の臨床的改善を含む、1つ以上の臨床パラメーターが検討される場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを開始する準備ができているとみなされる。
【0238】
日中の人工呼吸器からのウィーニングを継続するための推奨臨床パラメーター
いくつかの実施形態では、患者は、睡眠ポリグラフ(PSG)が侵襲的人工呼吸器装着患者では気管切開を開いた状態で、または非侵襲的人工呼吸器装着患者ではマスクを外した状態で実施される場合の、患者のバイタルサイン(例えば、RR)、呼吸機能指標(例えば、SpO、TcCO)、及び臨床パラメーター(例えば、肋間収縮、頻呼吸、呼吸奇異、または位相遅延)のうちの1つ以上が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録の評価中に、本明細書に記載の測定範囲内にある場合;患者のバイタルサイン(例えば、RR)または呼吸機能指標(例えば、TcCO、ETCO、もしくはSpO)のうちの1つ以上が、夜間呼吸モニタリング中に、本明細書に記載の測定範囲内にある場合;あるいは、患者のバイタルサイン(例えば、RR)、呼吸機能指標(例えば、TcCO、petCO、ptcCO、PO、もしくはSpO)、または無呼吸低呼吸指数(AHI)のうちの1つ以上が、本明細書に記載の測定範囲内にある場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0239】
I.呼吸器系スプリンティング治験(複数可)
いくつかの実施形態では、患者は、呼吸機能指標(例えば、SpO、TcCO)のうちの1つ以上が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録の評価中に、本明細書に記載の測定範囲内にある場合、または、臨床パラメーター(例えば、肋間収縮、頻呼吸、呼吸奇異、もしくは位相遅延)が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録の評価中に、観察されない場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0240】
いくつかの実施形態では、呼吸スプリンティング治験の継続時間は、約15~約30分(例えば、約16~約29分、約17~約28分、約18~約27分、約19~約26分、約20分~約25分、または約20分)の長さである。
【0241】
いくつかの実施形態では、呼吸スプリンティング治験の継続時間は、3~4日毎に、例えば、24分~25分で徐々に増加する。
【0242】
Ia.呼吸機能
いくつかの実施形態では、患者は、1つ以上の呼吸機能指標(例えば、SpOまたはTcCO)が、本明細書に記載の測定範囲内にある場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0243】
Iai.SpO
いくつかの実施形態では、患者は、患者のSpOが、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録中に、94%超(例えば、95%超、96%超、97%超、98%超、または99%超)である場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0244】
いくつかの実施形態では、患者のSpOが、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録中に、覚醒ベースラインと、3%超は異ならない(例えば、4%超は異ならないか、5%超は異ならないか、6%超は異ならないか、7%超は異ならないか、8%超は異ならないか、9%超は異ならないか、10%超は異ならないか、15%超は異ならないか、20%超は異ならないか、または30%超は異ならない)場合、患者は、日中の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0245】
Iaii.TcCO
いくつかの実施形態では、患者は、患者のTcCOが、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録中に、45mmHg未満(例えば、44mmHg未満、43mmHg未満、42mmHg未満、41mmHg未満、または40mmHg未満)である場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0246】
いくつかの実施形態では、患者は、患者のTcCOが、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録中に、覚醒ベースラインから10mmHg以上増加しなかった(例えば、11mmHg以上増加しなかったか、12mmHg以上増加しなかったか、13mmHg以上増加しなかったか、14mmHg以上増加しなかったか、15mmHg以上増加しなかったか、20mmHg以上増加しなかったか、25mmHg以上増加しなかったか、または30mmHg以上増加しなかった)場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0247】
Ib.臨床的判断
いくつかの実施形態では、患者は、苦痛が呼吸スプリンティング治験のビデオ記録中に観察されない場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0248】
いくつかの実施形態では、患者は、肋間収縮が呼吸スプリンティング治験のビデオ記録中に観察されない場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0249】
いくつかの実施形態では、患者は、頻呼吸が呼吸スプリンティング治験のビデオ記録中に観察されない場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0250】
いくつかの実施形態では、患者は、呼吸奇異が呼吸スプリンティング治験のビデオ記録中に観察されない場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0251】
いくつかの実施形態では、患者は、位相遅延が呼吸スプリンティング治験のビデオ記録中に観察されない場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0252】
II.夜間の呼吸モニタリング
いくつかの実施形態では、患者は、患者のバイタルサイン(例えば、RR)または呼吸機能指標(例えば、TcCO、ETCO、SpO)のうちの1つ以上が、夜間モニタリングの評価中に、本明細書に記載の測定範囲内にある場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0253】
IIa.バイタルサイン
いくつかの実施形態では、患者は、患者のバイタルサイン(例えば、RR)の1つ以上が、夜間モニタリングの評価中に、本明細書に記載の測定範囲内にある場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0254】
IIai.呼吸数
いくつかの実施形態では、患者のRRは、聴診器を使用して、または限定されないが、インピーダンス呼吸記録法及びカプノグラフィーを含む方法を使用して、測定することができる。
【0255】
いくつかの実施形態では、患者は、新生児(例えば、0~6週齢)、6週齢~6ヶ月齢の乳児、6ヶ月齢~3歳の小児、3~6歳の小児、6~10歳の小児、10~65歳の成人、65~80歳の高齢者、または80歳以上の高齢者である。
【0256】
いくつかの実施形態では、患者は、新生児(例えば、0~6週齢)であり、患者のRRは、本明細書に記載される方法または他の方法で測定され、毎分約30~約40回の呼吸(例えば、約31~約39回の呼吸、約32~約38回の呼吸、約33~約37回の呼吸、約34~約36回の呼吸、または約35回の呼吸)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0257】
いくつかの実施形態では、患者は、6週齢~6ヶ月齢の乳児であり、患者のRRは、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、毎分約25~約40回の呼吸(例えば、約26~約39回の呼吸、約27~約38回の呼吸、約28~約37回の呼吸、約29~約36回の呼吸、約30~約35回の呼吸、約31~約34回の呼吸、または約32~約33回の呼吸)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0258】
いくつかの実施形態では、患者は、6ヶ月齢~3歳の小児であり、患者のRRは、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、毎分約20~30回の呼吸(例えば、約21~約29回の呼吸、約22~約28回の呼吸、約23~約27回の呼吸、約26~約29回の呼吸、または約25回の呼吸)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0259】
いくつかの実施形態では、患者は、3~6歳の小児であり、患者のRRは、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、毎分約18~25回の呼吸(例えば、約19~約24回の呼吸、約20~約23回の呼吸、または約21~約22回の呼吸)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0260】
いくつかの実施形態では、患者は、6~10歳の小児であり、患者のRRは、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、毎分約17~23回の呼吸(例えば、約18~約22回の呼吸、約19~約21回の呼吸、または約20回の呼吸)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0261】
いくつかの実施形態では、患者は、10~65歳の成人であり、患者のRRは、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、毎分約15~18回の呼吸(例えば、約16~約17回の呼吸)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0262】
いくつかの実施形態では、患者は、65歳以上(例えば、66歳以上、67歳以上、68歳以上、69歳以上、70歳以上、75歳以上、80歳以上、90歳以上)の成人であり、患者のRRは、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、毎分約12~約28回の呼吸(例えば、約13~約27回の呼吸、約14~約26回の呼吸、約15~約25回の呼吸、約16~約24回の呼吸、約17~約23回の呼吸、約18~約22回の呼吸、約19~約21回の呼吸、または約20回)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0263】
IIb.呼吸機能
いくつかの実施形態では、患者は、1つ以上の呼吸機能指標(例えば、SpO、TcCO、またはETCO)が、夜間呼吸モニタリング中に、本明細書に記載の測定範囲内にある場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0264】
IIbi.経皮的CO
いくつかの実施形態では、患者は、患者のTcCOが、夜間呼吸モニタリング中に、約35~約45mmHg(例えば、約36~約44mmHg、約37~約43mmHg、約38mmHg~約42mmHg、約39~約41mmHg、または約40mmHg)である場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0265】
IIbii.呼気終末CO
いくつかの実施形態では、患者は、患者のETCOが、夜間呼吸モニタリング中に、約35~約45mmHg(例えば、約36~約44mmHg、約37~約43mmHg、約38mmHg~約42mmHg、約39~約41mmHg、または約40mmHg)である場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0266】
IIbiii.酸素飽和度
いくつかの実施形態では、患者は、患者のSpOが、夜間呼吸モニタリング中に、94%超(例えば、95%超、96%超、97%超、98%超、または99%超)である場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0267】
III.睡眠ポリグラフ
いくつかの実施形態では、睡眠ポリグラフ(PSG)の呼吸は、患者が人工呼吸器を外している間に実施される。いくつかの実施形態では、患者は、侵襲的人工呼吸器装着患者であり、PSGは、患者が人工呼吸器を外し、気管切開を開いた状態で実施される。いくつかの実施形態では、患者は、非侵襲的人工呼吸器装着患者であり、PSGは、患者が人工呼吸器を外している間に夜間に実施及び測定される。
【0268】
いくつかの実施形態では、患者は、患者のバイタルサイン(例えば、呼吸数)、呼吸機能指標(例えば、TcCO、petCO、ptcCO、PO、もしくはSpO)、またはAHIのうちの1つ以上が、PSG中に、本明細書に記載の測定範囲内にある場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0269】
いくつかの実施形態では、PSGは、夜間の呼吸モニタリング中のTcCOの測定(すなわち、デジタルモニタリングシステムを使用)で置き換えられている。いくつかの実施形態では、患者は、患者のTcCOが、夜間に約2~3晩(例えば、約2または約3晩)モニタリングされており、且つ、TcCOが、夜間呼吸モニタリング中に、約35~約45mmHg(例えば、約36~約44mmHg、約37~約43mmHg、約38~約42mmHg、約39~約41mmHg、または約40mmHg)である場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0270】
IIIa.バイタルサイン
いくつかの実施形態では、患者は、患者のバイタルサイン(例えば、RR)の1つ以上が、PSG中に、本明細書に記載の測定範囲内にある場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0271】
IIIai.呼吸数
いくつかの実施形態では、患者のRRは、聴診器を使用して、または限定されないが、インピーダンス呼吸記録法及びカプノグラフィーを含む方法を使用して、測定することができる。
【0272】
いくつかの実施形態では、患者は、新生児(例えば、0~6週齢)、6週齢~6ヶ月齢の乳児、6ヶ月齢~3歳の小児、3~6歳の小児、6~10歳の小児、10~65歳の成人、65~80歳の高齢者、または80歳以上の高齢者である。
【0273】
いくつかの実施形態では、患者は、新生児(例えば、0~6週齢)であり、患者のRRは、本明細書に記載される方法または他の方法で測定され、毎分約30~約40回の呼吸(例えば、約31~約39回の呼吸、約32~約38回の呼吸、約33~約37回の呼吸、約34~約36回の呼吸、または約35回の呼吸)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0274】
いくつかの実施形態では、患者は、6週齢~6ヶ月齢の乳児であり、患者のRRは、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、毎分約25~約40回の呼吸(例えば、約26~約39回の呼吸、約27~約38回の呼吸、約28~約37回の呼吸、約29~約36回の呼吸、約30~約35回の呼吸、約31~約34回の呼吸、または約32~約33回の呼吸)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0275】
いくつかの実施形態では、患者は、6ヶ月齢~3歳の小児であり、患者のRRは、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、毎分約20~30回の呼吸(例えば、約21~約29回の呼吸、約22~約28回の呼吸、約23~約27回の呼吸、約26~約29回の呼吸、または約25回の呼吸)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0276】
いくつかの実施形態では、患者は、3~6歳の小児であり、患者のRRは、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、毎分約18~25回の呼吸(例えば、約19~約24回の呼吸、約20~約23回の呼吸、または約21~約22回の呼吸)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0277】
いくつかの実施形態では、患者は、6~10歳の小児であり、患者のRRは、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、毎分約17~23回の呼吸(例えば、約18~約22回の呼吸、約19~約21回の呼吸、または約20回の呼吸)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0278】
いくつかの実施形態では、患者は、10~65歳の成人であり、患者のRRは、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、毎分約15~18回の呼吸(例えば、約16~約17回の呼吸)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0279】
いくつかの実施形態では、患者は、65歳以上(例えば、66歳以上、67歳以上、68歳以上、69歳以上、70歳以上、75歳以上、80歳以上、90歳以上)の成人であり、患者のRRは、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、毎分約12~約28回の呼吸(例えば、約13~約27回の呼吸、約14~約26回の呼吸、約15~約25回の呼吸、約16~約24回の呼吸、約17~約23回の呼吸、約18~約22回の呼吸、約19~約21回の呼吸、または約20回)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0280】
IIIb.無呼吸低呼吸指数
いくつかの実施形態では、患者は、PSGが侵襲的人工呼吸器装着患者では気管切開を開いた状態で、または非侵襲的人工呼吸器装着患者ではマスクを外した状態で実施される場合のAHIが、5イベント/時間未満(例えば、4イベント/時間未満、3イベント/時間未満、2イベント/時間未満、または1イベント/時間未満)である場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0281】
IIIc.呼吸機能
いくつかの実施形態では、患者は、PSGが侵襲的人工呼吸器装着患者では気管切開を開いた状態で、または非侵襲的人工呼吸器装着患者ではマスクを外した状態で実施される場合の1つ以上の呼吸機能指標(例えば、TcCO、petCO、もしくはptcCO、またはETCO)が、本明細書に記載の測定範囲内にある場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0282】
IIIci.経皮的CO
いくつかの実施形態では、患者は、PSGが侵襲的人工呼吸器装着患者では気管切開を開いた状態で、または非侵襲的人工呼吸器装着患者ではマスクを外した状態で実施される場合の患者のTcCOが、約35~約45mmHg(例えば、約36~約44mmHg、約37~約43mmHg、約38mmHg~約42mmHg、約39~約41mmHg、または約40mmHg)である場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0283】
いくつかの実施形態では、患者は、PSGが侵襲的人工呼吸器装着患者では気管切開を開いた状態で、または非侵襲的人工呼吸器装着患者ではマスクを外した状態で実施される場合の患者のTcCOが、覚醒ベースラインから10mmHg以上は増加しなかった(例えば、11mmHg以上は増加しなかったか、12mmHg以上は増加しなかったか、13mmHg以上は増加しなかったか、14mmHg以上は増加しなかったか、15mmHg以上は増加しなかったか、20mmHg以上は増加しなかったか、25mmHg以上は増加しなかったか、または30mmHg以上は増加しなかった)場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0284】
IIIcii.呼気終末COまたはCOの分圧
いくつかの実施形態では、患者は、患者のpetCOまたはptcCOが、PSG中に、本明細書に記載の測定範囲内にある場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0285】
いくつかの実施形態では、患者は、PSGが侵襲的人工呼吸器装着患者では気管切開を開いた状態で、または非侵襲的人工呼吸器装着患者ではマスクを外した状態で実施される場合の患者のpetCOまたはptcCOが、50mmHg未満(例えば、49mmHg未満、48mmHg未満、47mmHg未満、46mmHg未満、45mmHg未満、40mmHg未満、35mmHg未満、30mmHg未満、20mmHg未満、または10mmHg未満)である場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0286】
いくつかの実施形態では、患者は、PSGが侵襲的人工呼吸器装着患者では気管切開を開いた状態で、または非侵襲的人工呼吸器装着患者ではマスクを外した状態で実施される場合の患者のpetCOまたはptcCOが、覚醒ベースラインから10mmHgを超えて増加しない(例えば、11mmHgを超えて増加しなかったか、睡眠中12mmHgを超えて増加しなかったか、13mmHgを超えて増加しなかったか、14mmHgを超えて増加しなかったか、15mmHgを超えて増加しなかったか、20mmHgを超えて増加しなかったか、25mmHgを超えて増加しなかったか、または30mmHgを超えて増加しなかった)場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0287】
IIIciii.酸素飽和度
いくつかの実施形態では、患者は、PSGが侵襲的人工呼吸器装着患者では気管切開を開いた状態で、または非侵襲的人工呼吸器装着患者ではマスクを外した状態で実施される場合の患者のSpOが、94%超(例えば、95%超、96%超、97%超、98%超、または99%超)である場合、日中の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0288】
昼寝中の人工呼吸器からのウィーニング
いくつかの実施形態では、患者が日中の覚醒時間中に人工呼吸器補助を正常に中止している場合、当該技術分野で内科医は、昼寝中に患者を人工呼吸器からウィーニングさせるプロセスの開始を検討し得る。
【0289】
いくつかの実施形態では、パルスオキシメーターは、患者を酸素飽和度の低下及び心拍数の増加についてモニタリングするために、昼寝中に使用される。
【0290】
いくつかの実施形態では、当該技術分野の内科医は、患者が、昼寝中に人工呼吸器からウィーニングさせるプロセスを開始する準備ができているかどうかを判定する際に、患者の在宅のTcCOのモニタリングを考慮に入れ得る。
【0291】
いくつかの実施形態では、昼寝中のウィーニング中に患者の頻呼吸が観察される場合、患者は、昼寝中の人工呼吸器からのウィーニングを継続するために準備ができていないとみなされる。
【0292】
いくつかの実施形態では、昼寝中のウィーニング中に患者の頻呼吸が観察される場合、患者は、昼寝中の人工呼吸器からのウィーニングを継続するために準備ができていないとみなされる。
【0293】
いくつかの実施形態では、昼寝中のウィーニング中に患者のSpOが95%未満(例えば、94%未満、93%未満、92%未満、91%未満、90%未満、85%未満、80%未満、70%未満、または60%未満)である場合、患者は、昼寝中の人工呼吸器からのウィーニングを継続するために準備ができていないとみなされる。
【0294】
いくつかの実施形態では、昼寝中のウィーニング中に患者の心拍数が覚醒ベースラインから20bpmを超えて(例えば、21bpmを超えて、22bpmを超えて、23bpmを超えて、24bpmを超えて、25bpmを超えて、30bpmを超えて、または40bpmを超えて)増加する場合、患者は、昼寝中の人工呼吸器からのウィーニングを継続するために準備ができていないとみなされる。
【0295】
いくつかの実施形態では、患者のTcCOが50mmHg超の(例えば、51mmHg超、52mmHg超、53mmHg超、54mmHg超、55mmHg超、60mmHg超、65mmHg超、70mmHg超、または80mmHg超)である場合、患者は、昼寝中の人工呼吸器からのウィーニングを継続するために準備ができていないとみなされる。
【0296】
いくつかの実施形態では、昼寝中のウィーニング中に患者のTcCOが覚醒ベースラインから10mmHg以上増加する(例えば、11mmHg以上増加するか、12mmHg以上増加するか、13mmHg以上増加するか、14mmHg以上増加するか、15mmHg以上増加するか、20mmHg以上増加するか、25mmHg以上増加するか、または30mmHg以上増加した)場合、患者は、昼寝中の人工呼吸器からのウィーニングを継続するために準備ができていないとみなされる。
【0297】
夜間の人工呼吸器からのウィーニング
いくつかの実施形態では、患者が日中の覚醒時間及び昼寝時間の両方で人工呼吸器補助を正常に中止している場合、当該技術分野で内科医は、夜間に患者を人工呼吸器からウィーニングさせるプロセスの開始を検討し得る。
【0298】
いくつかの実施形態では、患者は、PSGが侵襲的人工呼吸器装着患者では気管切開を開いた状態で、または非侵襲的人工呼吸器装着患者ではマスクを外した状態で実施される場合の、患者のバイタルサイン(例えば、RR)または呼吸機能指標(例えば、TcCO、ETCO、もしくはSpO)のうちの1つ以上が、本明細書に記載の測定範囲内にある場合、あるいは、患者のバイタルサイン(例えば、RR)、呼吸機能指標(例えば、TcCO、呼気終末CO(petCO)、COの分圧(ptcCO)、PO、もしくはSpO)、またはAHIのうちの1つ以上が、本明細書に記載の測定範囲内にある場合、夜間の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0299】
日中の人工呼吸器からのウィーニングを継続するための推奨臨床パラメーター
いくつかの実施形態では、患者は、PSGが侵襲的人工呼吸器装着患者では気管切開を開いた状態で、または非侵襲的人工呼吸器装着患者ではマスクを外した状態で実施される場合の、患者のバイタルサイン(例えば、RR)または呼吸機能指標(例えば、TcCO、ETCO、もしくはSpO)のうちの1つ以上が、本明細書に記載の測定範囲内にある場合;あるいは、患者のバイタルサイン(例えば、RR)、呼吸機能指標(例えば、TcCO、petCO、ptcCO、PO、もしくはSpO)、またはAHIのうちの1つ以上が、本明細書に記載の測定範囲内にある場合、夜間の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0300】
I.夜間の呼吸モニタリング
いくつかの実施形態では、患者は、患者のバイタルサイン(例えば、RR)または呼吸機能指標(例えば、TcCO、ETCO、SpO)のうちの1つ以上が、夜間モニタリングの評価中に、本明細書に記載の測定範囲内にある場合、夜間の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0301】
Ia.バイタルサイン
いくつかの実施形態では、患者は、患者のバイタルサイン(例えば、RR)の1つ以上が、夜間モニタリングの評価中に、本明細書に記載の測定範囲内にある場合、夜間の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0302】
Iai.呼吸数
いくつかの実施形態では、患者のRRは、聴診器を使用して、または限定されないが、インピーダンス呼吸記録法及びカプノグラフィーを含む方法を使用して、測定することができる。
【0303】
いくつかの実施形態では、患者は、新生児(例えば、0~6週齢)、6週齢~6ヶ月齢の乳児、6ヶ月齢~3歳の小児、3~6歳の小児、6~10歳の小児、10~65歳の成人、65~80歳の高齢者、または80歳以上の高齢者である。
【0304】
いくつかの実施形態では、患者は、新生児(例えば、0~6週齢)であり、患者のRRは、本明細書に記載される方法または他の方法で測定され、毎分約30~約40回の呼吸(例えば、約31~約39回の呼吸、約32~約38回の呼吸、約33~約37回の呼吸、約34~約36回の呼吸、または約35回の呼吸)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0305】
いくつかの実施形態では、患者は、6週齢~6ヶ月齢の乳児であり、患者のRRは、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、毎分約25~約40回の呼吸(例えば、約26~約39回の呼吸、約27~約38回の呼吸、約28~約37回の呼吸、約29~約36回の呼吸、約30~約35回の呼吸、約31~約34回の呼吸、または約32~約33回の呼吸)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0306】
いくつかの実施形態では、患者は、6ヶ月齢~3歳の小児であり、患者のRRは、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、毎分約20~30回の呼吸(例えば、約21~約29回の呼吸、約22~約28回の呼吸、約23~約27回の呼吸、約26~約29回の呼吸、または約25回の呼吸)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0307】
いくつかの実施形態では、患者は、3~6歳の小児であり、患者のRRは、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、毎分約18~25回の呼吸(例えば、約19~約24回の呼吸、約20~約23回の呼吸、または約21~約22回の呼吸)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0308】
いくつかの実施形態では、患者は、6~10歳の小児であり、患者のRRは、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、毎分約17~23回の呼吸(例えば、約18~約22回の呼吸、約19~約21回の呼吸、または約20回の呼吸)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0309】
いくつかの実施形態では、患者は、10~65歳の成人であり、患者のRRは、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、毎分約15~18回の呼吸(例えば、約16~約17回の呼吸)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0310】
いくつかの実施形態では、患者は、65歳以上(例えば、66歳以上、67歳以上、68歳以上、69歳以上、70歳以上、75歳以上、80歳以上、90歳以上)の成人であり、患者のRRは、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、毎分約12~約28回の呼吸(例えば、約13~約27回の呼吸、約14~約26回の呼吸、約15~約25回の呼吸、約16~約24回の呼吸、約17~約23回の呼吸、約18~約22回の呼吸、約19~約21回の呼吸、または約20回)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0311】
Ib.呼吸機能
いくつかの実施形態では、患者は、1つ以上の呼吸機能指標(例えば、SpO、TcCO、またはETCO)が、夜間呼吸モニタリング中に、本明細書に記載の測定範囲内にある場合、夜間の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0312】
Ibi.経皮的CO
いくつかの実施形態では、患者は、患者のTcCOが、夜間呼吸モニタリング中に、約35~約45mmHg(例えば、約36~約44mmHg、約37~約43mmHg、約38mmHg~約42mmHg、約39~約41mmHg、または約40mmHg)である場合、夜間の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0313】
Ibii.呼気終末CO
いくつかの実施形態では、患者は、患者のETCOが、夜間呼吸モニタリング中に、約35~約45mmHg(例えば、約36~約44mmHg、約37~約43mmHg、約38mmHg~約42mmHg、約39~約41mmHg、または約40mmHg)である場合、夜間の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0314】
Ibiii.酸素飽和度
いくつかの実施形態では、患者は、患者のSpOが、夜間呼吸モニタリング中に、94%超(例えば、95%超、96%超、97%超、98%超、または99%超)である場合、夜間の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0315】
II.睡眠ポリグラフ
いくつかの実施形態では、PSGの呼吸は、患者が人工呼吸器を外している間に実施される。いくつかの実施形態では、患者は、侵襲的人工呼吸器装着患者であり、PSGは、患者が人工呼吸器を外し、気管切開を開いた状態で実施される。いくつかの実施形態では、患者は、非侵襲的人工呼吸器装着患者であり、PSGは、患者が人工呼吸器を外している間に夜間に実施及び測定される。
【0316】
いくつかの実施形態では、患者は、患者のバイタルサイン(例えば、RR)、呼吸機能指標(例えば、TcCO、petCO、ptcCO、PO、もしくはSpO)、またはAHIのうちの1つ以上が、PSG中に、本明細書に記載の測定範囲内にある場合、夜間の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0317】
いくつかの実施形態では、PSGは、夜間の呼吸モニタリング中のTcCOの測定(すなわち、デジタルモニタリングシステムを使用)で置き換えられている。いくつかの実施形態では、患者は、患者のTcCOが、夜間に約2~3晩(例えば、約2または約3晩)モニタリングされており、且つ、TcCOが、夜間呼吸モニタリング中に、約35~約45mmHg(例えば、約36~約44mmHg、約37~約43mmHg、約38~約42mmHg、約39~約41mmHg、または約40mmHg)である場合、夜間の人工呼吸器からのウィーニングの継続の準備ができているとみなされる。
【0318】
IIa.バイタルサイン
いくつかの実施形態では、患者は、患者のバイタルサイン(例えば、RR)の1つ以上が、PSG中に、本明細書に記載の測定範囲内にある場合、夜間の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0319】
IIai.呼吸数
いくつかの実施形態では、患者のRRは、聴診器を使用して、または限定されないが、インピーダンス呼吸記録法及びカプノグラフィーを含む方法を使用して、測定することができる。
【0320】
いくつかの実施形態では、患者は、新生児(例えば、0~6週齢)、6週齢~6ヶ月齢の乳児、6ヶ月齢~3歳の小児、3~6歳の小児、6~10歳の小児、10~65歳の成人、65~80歳の高齢者、または80歳以上の高齢者である。
【0321】
いくつかの実施形態では、患者は、新生児(例えば、0~6週齢)であり、患者のRRは、本明細書に記載される方法または他の方法で測定され、毎分約30~約40回の呼吸(例えば、約31~約39回の呼吸、約32~約38回の呼吸、約33~約37回の呼吸、約34~約36回の呼吸、または約35回の呼吸)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0322】
いくつかの実施形態では、患者は、6週齢~6ヶ月齢の乳児であり、患者のRRは、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、毎分約25~約40回の呼吸(例えば、約26~約39回の呼吸、約27~約38回の呼吸、約28~約37回の呼吸、約29~約36回の呼吸、約30~約35回の呼吸、約31~約34回の呼吸、または約32~約33回の呼吸)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0323】
いくつかの実施形態では、患者は、6ヶ月齢~3歳の小児であり、患者のRRは、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、毎分約20~30回の呼吸(例えば、約21~約29回の呼吸、約22~約28回の呼吸、約23~約27回の呼吸、約26~約29回の呼吸、または約25回の呼吸)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0324】
いくつかの実施形態では、患者は、3~6歳の小児であり、患者のRRは、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、毎分約18~25回の呼吸(例えば、約19~約24回の呼吸、約20~約23回の呼吸、または約21~約22回の呼吸)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0325】
いくつかの実施形態では、患者は、6~10歳の小児であり、患者のRRは、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、毎分約17~23回の呼吸(例えば、約18~約22回の呼吸、約19~約21回の呼吸、または約20回の呼吸)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0326】
いくつかの実施形態では、患者は、10~65歳の成人であり、患者のRRは、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、毎分約15~18回の呼吸(例えば、約16~約17回の呼吸)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0327】
いくつかの実施形態では、患者は、65歳以上(例えば、66歳以上、67歳以上、68歳以上、69歳以上、70歳以上、75歳以上、80歳以上、90歳以上)の成人であり、患者のRRは、本明細書に記載の方法または他の方法で測定され、毎分約12~約28回の呼吸(例えば、約13~約27回の呼吸、約14~約26回の呼吸、約15~約25回の呼吸、約16~約24回の呼吸、約17~約23回の呼吸、約18~約22回の呼吸、約19~約21回の呼吸、または約20回)の範囲内にある場合、年齢調整基準内にあるとみなされる。
【0328】
IIb.無呼吸低呼吸指数
いくつかの実施形態では、患者は、PSGが侵襲的人工呼吸器装着患者では気管切開を開いた状態で、または非侵襲的人工呼吸器装着患者ではマスクを外した状態で実施される場合のAHIが、5イベント/時間未満(例えば、4イベント/時間未満、3イベント/時間未満、2イベント/時間未満、または1イベント/時間未満)である場合、夜間の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0329】
IIc.呼吸機能
いくつかの実施形態では、患者は、PSGが侵襲的人工呼吸器装着患者では気管切開を開いた状態で、または非侵襲的人工呼吸器装着患者ではマスクを外した状態で実施される場合の1つ以上の呼吸機能指標(例えば、TcCO、petCO、もしくはptcCO、またはETCO)が、本明細書に記載の測定範囲内にある場合、夜間の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0330】
IIci.経皮的CO
いくつかの実施形態では、患者は、PSGが侵襲的人工呼吸器装着患者では気管切開を開いた状態で、または非侵襲的人工呼吸器装着患者ではマスクを外した状態で実施される場合の患者のTcCOが、約35~約45mmHg(例えば、約36~約44mmHg、約37~約43mmHg、約38mmHg~約42mmHg、約39~約41mmHg、または約40mmHg)である場合、夜間の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0331】
いくつかの実施形態では、患者は、PSGが侵襲的人工呼吸器装着患者では気管切開を開いた状態で、または非侵襲的人工呼吸器装着患者ではマスクを外した状態で実施される場合の患者のTcCOが、覚醒ベースラインから10mmHg以上は増加しなかった(例えば、11mmHg以上は増加しなかったか、12mmHg以上は増加しなかったか、13mmHg以上は増加しなかったか、14mmHg以上は増加しなかったか、15mmHg以上は増加しなかったか、20mmHg以上は増加しなかったか、25mmHg以上は増加しなかったか、または30mmHg以上は増加しなかった)場合、夜間の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0332】
IIcii.呼気終末COまたはCOの分圧
いくつかの実施形態では、患者は、患者のpetCOまたはptcCOが、PSG中に、本明細書に記載の測定範囲内にある場合、夜間の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0333】
いくつかの実施形態では、患者は、PSGが侵襲的人工呼吸器装着患者では気管切開を開いた状態で、または非侵襲的人工呼吸器装着患者ではマスクを外した状態で実施される場合の患者のpetCOまたはptcCOが、50mmHg未満(例えば、49mmHg未満、48mmHg未満、47mmHg未満、46mmHg未満、45mmHg未満、40mmHg未満、35mmHg未満、30mmHg未満、20mmHg未満、または10mmHg未満)である場合、夜間の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0334】
いくつかの実施形態では、患者は、PSGが侵襲的人工呼吸器装着患者では気管切開を開いた状態で、または非侵襲的人工呼吸器装着患者ではマスクを外した状態で実施される場合の患者のpetCOまたはptcCOが、覚醒ベースラインから10mmHgを超えて増加しない(例えば、11mmHgを超えて増加しなかったか、睡眠中12mmHgを超えて増加しなかったか、13mmHgを超えて増加しなかったか、14mmHgを超えて増加しなかったか、15mmHgを超えて増加しなかったか、20mmHgを超えて増加しなかったか、25mmHgを超えて増加しなかったか、または30mmHgを超えて増加しなかった)場合、夜間の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【0335】
IIciii.酸素飽和度
いくつかの実施形態では、患者は、PSGが侵襲的人工呼吸器装着患者では気管切開を開いた状態で、または非侵襲的人工呼吸器装着患者ではマスクを外した状態で実施される場合の患者のSpOが、94%超(例えば、95%超、96%超、97%超、98%超、または99%超)である場合、夜間の人工呼吸器からのウィーニングを継続する準備ができているとみなされる。
【実施例
【0336】
以下の実施例は、本明細書に記載の組成物及び方法がどのように使用及び評価され得るかについての説明を当業者に提供するために提示され、本発明の純粋に例示的なものであることが意図されており、発明者が自らの発明とみなしているものの範囲を制限することが意図されるものではない。
【0337】
実施例1.X連鎖性ミオチュブラーミオパチーの小児患者で人工呼吸を中止するためのアルゴリズム
概要
X連鎖性ミオチュブラーミオパチー(XLMTM)は、多くの患者では、出生時の重度の筋力低下及び筋緊張低下を特徴とする生命を脅かすまれな先天性ミオパチーであり、これは、重度の呼吸不全、着座、起立、または歩行の不能、及び早期死亡をもたらす。出生時には、XLMTM患者の85~90%が人工呼吸を必要とし、半数以上が侵襲的人工呼吸器補助を必要とする。その結果、これらの人工呼吸器に依存している小児の神経筋由来の呼吸不全及び気道消化器疾患のリスクの改善に対する先験的な期待は低かった。それにもかかわらず、最近のASPIRO治験では、XLMTMの小児に対する新規遺伝子治療の投与が予想を上回り、人工呼吸器に依存していない、支えなしの着座、起立、及び歩行を含む、呼吸機能及び神経筋機能の前例のない且つ迅速な改善がもたらされた。従って、調査プロトコルにおける強力なアウトカム評価は、観察された臨床的有効性と一致し、潜在的な罹患率を最小限に抑え、臨床医及び家族が患者の新たな能力及び必要性(例えば、筋力の向上、発声能力)について支援するために、厳密なウィーニングアルゴリズムと組み合わせた。しかし、先天性神経筋疾患に罹患している慢性的人工呼吸器装着患者を人工呼吸からウィーニングさせる前例はなかった。公表されたガイダンスがない状態で、ASPIROでXLMTM患者を処置する臨床医が、呼吸筋力の向上に応じて、小児を人工呼吸から安全にウィーニングさせるのを補助するアルゴリズムが開発された。アルゴリズムは、ウィーニングの準備状況の評価、ウィーニングへの段階的なアプローチ、及びウィーニングプロセス中及びその後の患者のモニタリングに関する推奨事項を提供する。
【0338】
緒言
X連鎖性ミオチュブラーミオパチー(XLMTM)は、MTM1遺伝子の変異から生じるまれな生命を脅かす先天性ミオパチーであり、これは、ミオチューブラリンタンパク質の欠損または機能不全をもたらす。XLMTMは、ほとんどの患者では、出生時の深刻な筋力低下及び筋緊張低下を特徴とし、これは、重度の呼吸不全;着座、起立、または歩行を含む運動マイルストーンの達成の欠如または一時的達成;及び早期死亡をもたらす。出生時には、ほとんどのXLMTM患者(85~90%)が、人工呼吸を必要とし、その約3分の2が16時間/日超の換気を必要とし、数人は、24時間の換気を必要とし、半数以上は、侵襲的呼吸補助を必要とする。XLMTM患者のほとんどは、永続的に侵襲的呼吸補助を必要とする。
【0339】
最近報告されたASPIRO治験では、resamirigene bilparvovec遺伝子治療の単回の注入により、XLMTMの小児の呼吸及び神経筋機能に前例のない改善がもたらされた。これらの全員が、処置前に、1日当たり少なくとも12時間の人工呼吸器補助を必要としていた。処置後のさらなる改善は、人工呼吸器に依存してない、自発的な分泌物の管理、支えなしの着座、起立、及び歩行を含んでいた。XLMTMと同様の先天性神経筋疾患(NMD)に罹患している慢性的人工呼吸器装着患者は、以前に、人工呼吸からウィーニングしたことがなかった。これらの患者は、通常、神経筋不全、拘束性肺疾患(例えば、誤嚥性肺炎または再発性肺炎による横隔膜の萎縮及び肺瘢痕による)、分泌物クリアランスの悪化、側弯症のため、1日24時間近く永久的な人工呼吸器補助を必要とする。それにもかかわらず、人工呼吸からウィーニングさせる準備状況ができているという証拠は、ASPIROで、遺伝子導入のほぼ直後に現れた。
【0340】
この集団における人工呼吸器からのウィーニング及び/またはそれの中止に関する既存の臨床ガイダンスは存在せず、ASPIRO治験で、XLMTM患者を処置する臨床医が小児らを人工呼吸と、遺伝子治療への応答に応じて、侵襲的補助がある者らに対する潜在的気管抜管から安全にウィーニングさせるためのガイダンスが開発された。
【0341】
呼吸器科医及び呼吸生理学者の国際グループ(RJG、ND、LE、EKF、CL、VM、GFR、CS、BKS、FS、SP、SR、GFP)は、2018年4月にボストンで会合して、換気の時間数を安全にやめる(低減する)アルゴリズムを考案した。このアルゴリズムは、XLMTM患者のプロファイルと、人工呼吸器依存性、呼吸圧、分泌管理、カプノグラフィー、及びポリソムノグラフィーの研究に関する統計データから情報を得た。最初のアルゴリズム草案は、その会議での専門家の合意に基づいており、小児呼吸器学、睡眠医学、呼吸生理学、及び神経筋障害(RA、HS、WM)の分野の追加の専門家からの情報で改良し、最近の入手可能な文献の概説で補足した。
【0342】
1)ウィーニング準備状況の評価、2)ウィーニングへの段階的アプローチ、及び、3)ウィーニングプロセス中及びその後の患者に対する多くの専門にわたるモニタリングのフレームワーク、に対する推奨事項が提供される。NMDの小児に対する臨床ケアが、世界中の提供者及び施設間で異なり、確立された呼吸器ケアガイドラインの解釈及び厳守が様々であると理解されている。ウィーニングの優先順位がなければ、無関係な状況から、おそらく不適切ではあるがやむを得ない実践及び外挿のより大きいばらつきが予想されるであろう。従って、本明細書で概説されたガイドラインは、既存のケア計画の違いを認める一方、発達上適切な経路を強調し、ウィーニングを指示し、場合により、制限するための臨床境界線を作成する。
【0343】
患者を慢性的な人工呼吸からウィーニングさせること
NMDの小児患者の人工呼吸からのウィーニングに関する臨床経験は、限られており、主に、集中治療室での抜管(すなわち、慢性的人工呼吸器装着患者ではない)に限定される。慢性侵襲的または非侵襲的呼吸補助から小児患者をウィーニングさせる経験の大部分は、先天性奇形(すなわち、気管軟化症、先天性心疾患)の小児;自己限定的な後天性神経筋疾患(例えば、ギラン・バレー症候群または脊髄損傷);及び未熟な慢性肺疾患のある小児によりもたらされる。長期にわたる呼吸不全の患者の場合、「ウィーニング」という用語は、自発的且つ持続可能な呼吸を可能にするために、呼吸器系の機械的及びガス交換能力の負荷対能力比を改善する段階的なプロセスについて記載するので適切である。
【0344】
全体として、成人よりも小児における人工呼吸器誘発性の神経筋(特に、横隔膜)の衰弱を試験している研究は少ない。人工呼吸器誘発性の神経筋(特に、横隔膜)の衰弱は、救命救急現場で人工呼吸器を装着した成人に共通であり、長期にわたるウィーニング、抜管不全、及び高い死亡率の原因となっている。小児では、横隔膜の萎縮が回復の長期化及び急性期治療環境における非侵襲的換気の使用に関連していることを、研究は示す。乳児期を通しての呼吸機構及び横隔膜の組織学の成熟変化が要因である得ると考えられている。子供が成長するにつれて、機構が変化し、同化作用の要求は、成人とは著しく異なる。小児急性期治療環境では、再挿管の危険因子は、急性神経疾患、抜管前MIPの低下、自発分泌物クリアランスの悪化、抜管後上気道閉塞、抜管前の呼気終末陽圧(PEEP)設定の上昇、抜管後の圧力速度積の上昇、及び高い抜管後の位相角を含む。
【0345】
ほとんどのNMDの静的または進行性の性質のために、NMD患者を人工呼吸からウィーニングさせることの公表された経験は限られている。経気管補助からのウィーニングは、多くの場合、検討されないか、または、多くの場合、非侵襲的補助換気への移行が必要になる。これは、保護者(または成人患者)に、様々なリスク及びモニタリング、発育能力及び非侵襲的換気に耐える意欲を示すこと、ならびに治療への適応を受け入れることを要求する。
【0346】
慢性侵襲的人工呼吸器補助からのウィーニングは、時間のかかるプロセスである。未熟な慢性肺疾患の小児では、呼吸補助から解放される年齢の中央値は、24ヶ月である。NMD患者は、特に、侵襲的換気に依存している患者は、通常、呼吸筋機能の急速な改善(または少しでも何らかの改善)を示さない。
【0347】
患者を人工呼吸からウィーニングさせる準備状況を判定すること
任意の人工呼吸器装着している患者をウィーニングすることを検討する前に、気道開通性、酸素化及び換気能力、栄養状態、リハビリテーション療法の耐容性のベースラインは、確立され得、より広範な患者及び環境要因が検討され得る(表2)。多くの専門にわたるアプローチが望ましい。ASPIRO試験のXLMTM患者の場合、処置後に出現した有害イベントのいくつかは、免疫抑制の強化を必要とし、それにより、既にリスクのある集団における呼吸器感染症のリスクが増大した。同様の検討事項が、他のNMDにおける将来の遺伝子治療にも適用されることが予想される。
【0348】
人工呼吸補助の低減の準備状況を示すパラメーター及び値が図2に示される。これらは、呼吸機能検査、ガス交換マーカー、気道開存性指標、夜間の呼吸パラメーター、睡眠ポリグラフの結果、及び臨床的判断を含む。図2は、ウィーニングプロセス中及び患者が人工呼吸を正常に中止した後の患者のモニタリングに関するガイダンスも提供する。
【0349】
患者を人工呼吸からウィーニングさせるための推奨事項
ウィーニングは、患者が人工呼吸器から受ける補助の量を減少するプロセスであり、その結果、患者が、換気の努力のより大きな割合を担う。目的は、人工呼吸を正常に中止することができる確率を評価することである。ウィーニング評価を試みる前に、複数の呼吸評価は、実施されてもよい。resamirigene bilparvovec遺伝子治療で処置された最初の患者の迅速な臨床反応に基づいて、ウィーニング評価は、12週後に試みられ得る。人工呼吸の中止は、準備状況の試験、ウィーニング、及び再評価からなる多段階プロセスである。他の形態の慢性肺疾患または急性期治療のウィーニングに対するアプローチとは異なり、このガイドラインは、中間ステップとしての非侵襲的換気への予想される移行なしに、経気管補助の段階的なウィーニング及び自発呼吸モードへの移行を補助する。推論は、多因子性である。非侵襲的換気(NIV)に必要なマスクのインターフェースは、マスクに不慣れな乳児及び幼児には耐えられないことがある。NIVは、皮膚の完全性の欠陥、誤嚥、及び他の気道消化器の検討の潜在的なリスクがあり、気管切開患者の気管皮膚瘻孔/管を永続させ、外科的介入が必要とさせ得る。最も重要なことは、NIVの必要性は、進行性呼吸不全を意味しており、これは、より多くの訓練、時間、及び他のストレス要因(例えば、呼吸器感染症)に耐える能力の評価を意味する。
【0350】
図3のアルゴリズムは、ウィーニングへの段階的アプローチを提示する。これは、ウィーニングプロセス中の各段階での呼吸機能及び準備状況の評価を含む。
【0351】
図2で概説されている準備状況基準を満たす患者は、日中のウィーニングを進め得る。これらの推奨値は、ASPIRO臨床治験との関連で提案されている。それらは、より保守的であることが意図され、臨床試験の不確実性と、遺伝子治療に応じた動的な代謝及び異化の要求に応じて呼吸補助を最適化する直感的な必要性が認識される。ウィーニングは、通常、より高い設定及び継続補助で患者の人工呼吸器補助(すなわち、圧力/容量/速度)の段階的低減とそれに続く人工呼吸器から漸進的なスプリンティングを含む。
【0352】
ウィーニングプロセスを通して、医療提供者及び保護者は、呼吸仕事量、代償性頻呼吸、代償性頻脈、及び他の苦痛の臨床的証拠に注意深いことがある。自発的な分泌物のクリアランスの評価、または、逆に、追加の咳の増強もしくは吸引の必要性は、プロセスの指針にも役立ち得る。パルスオキシメーターは、酸素飽和度及び心拍数をモニタリングするために使用され得る。酸素飽和度が95%未満に、もしくはベースラインから3~4%減少する場合、または、心拍数がベースラインから20bpmを超えて増加する場合、日中のウィーニングプロセスを中断することが検討され得る。(ベースラインは、ウィーニング評価の時間として定義され、その後の治験で再評価が行われる。)心拍数の増加は、呼吸不全もしくは二酸化炭素貯留、または酸素飽和度の低下前の低悪性度の炭酸過剰症に対する心臓の代償の指標であり得る。神経筋が低下している患者が、呼吸不全、例えば、収縮及び代償性頻呼吸の典型的な徴候を示さないことがあることに留意することが重要であり、従って、頻脈及び不安そうな表情などの他の徴候が臨床医にウィーニングプロセスの中断を促し得る。
【0353】
ウィーニング中の人工呼吸器の設定
人工呼吸器設定の低減は、人工呼吸器補助のモードにより決まるであろう。基本的なコンセプトは、設定を徐々に減少させ、適切なガス交換及びバイタルサインをモニタリングすることである。ウィーニングは、ピーク吸気圧(PIP)、1回換気量(TV)、または速度のいずれかを減少させることで達成することができる。一般に、過剰な呼吸筋過負荷によるウィーニングの失敗を避けるために、1つのパラメーターがそれと同時に切り離されてもよい。これにより、ウィーニングプロセスに対する様々なパラメーターの応答の解釈も容易になるであろう。
【0354】
ウィーニング中の人工呼吸器設定の調整は、各患者に合わせて調整され得、人工呼吸器の変更に応答した小児の全体的な健康状態が、注意深く評価され得る。まず、過去24時間の人工呼吸器補助の程度が検討され得る。患者が最近どの程度の補助を必要としていたかに応じて、人工呼吸器の使用中の時間または長期にわたる人工呼吸器の圧力が減少され得る。一般に、日中のウィーニングに取り組んでいる間、回復のための効果的な補充及びガス交換を提供して、日中の呼吸筋の作用パフォーマンスを最大化するために、夜間の人工呼吸器の設定が維持され得る。
【0355】
患者の自発呼吸に対するベースライン耐性は、診療所でスプリント持続時間を試験すること、及び、そこから人工呼吸器を外している時間を30~60分単位で漸進的に追加することで決定することができる(例えば:1時間、次に、2時間、次に、3時間など)。提供者は、これらのセッションが統合されるまで、家族が昼間のウィーニングスキームのどちらが望ましいか(より長い期間の1回のセッションまたはより短い期間の複数の「スプリント」)を判定することを補助し得る。神経筋の観点から、後者は、筋肉の訓練及び間の休憩によって暗黙の利益をもたらす。
【0356】
日中の「スプリント」の前に、PIPでは10~15cmHO、PEEPでは4~5cmHOの範囲の人工呼吸器の最小設定が慎重である。生成される1回換気量は、無気肺を回避する傾向であり得る。他の中枢神経学的問題がない場合は、自発モードが望ましい。若干の提供者は、夜間は、ハイブリッド補助(例えば、平均換気量保証圧支持)で5~10bpmの低い強制換気速度を選択し、日中に完全に解放することを好むことがあり、これは、同様に適切であるだろう。
【0357】
昼寝及び夜間のウィーニング
患者が日中の覚醒時間中に人工呼吸器補助を正常に中止している場合、睡眠中の呼吸効率を評価するために、昼寝中に人工呼吸器補助からウィーニングさせるプロセスを開始することが検討され得る。パルスオキシメーターは、酸素飽和度の低下及び心拍数の増加をモニタリングするために昼寝中にも使用され得、後者は、飽和度の低下前の心肺機能の代償または低悪性度の炭酸過剰症の代用となり得る。利用可能であれば、在宅のTcCOモニターが有益である可能性があるが、これらのモニターを使用した経験のばらつきが課題を示し得る可能性がある。頻呼吸があるか、酸素飽和度が95%未満に低下するか、心拍数がベースラインから20bpmを超えて増加するか、またはTcCOが50mmHg超もしくは覚醒ベースラインより10mmHg増加する場合、昼寝中のウィーニングプロセスの中断が検討され得る。
【0358】
患者が日中の覚醒時間及び昼寝時間の両方で人工呼吸器補助を正常に中止している場合、夜間の人工呼吸器補助を中止するプロセスが開始され得る。夜間の人工呼吸器補助を排除する前に、適切なガス交換をモニタリングし、十分な睡眠(すなわち、覚醒)を評価する睡眠ポリグラフが、睡眠呼吸障害を評価するための絶対的基準である。
【0359】
夜間のウィーニングは、一定の間隔で一晩の人工呼吸器補助の時間数を低減させるか、または夜間の補助を完全に排除することで達成することができる。1時間単位でウィーニングすると、患者及びその家族/介護者に睡眠不足の大きな負担がかかるので、ほとんどの臨床医は、夜間の補助を1つのステップで解決することを好む。「夜間の訓練」の必要性は、幼児が中止の準備ができていないことがあり、何らかのストレス要因に対して補助の再開が必要になり得ることも示唆する。人工呼吸の中止に対し推奨される夜間呼吸モニタリング及び睡眠ポリグラフパラメーターを図4に示す。睡眠ポリグラフは、侵襲的人工呼吸器装着患者では気管切開を開いた状態で、または非侵襲的人工呼吸器装着患者ではマスクを外した状態で実施され得る。睡眠ポリグラフが実行可能でない場合、最良の代用物は、この技術が入手可能な患者において、人工呼吸器を完全に中止する前に、2~3晩人工呼吸器を外した、夜間のTcCOモニタリング(すなわち、デジタルモニタリングシステムを使用)である。とにかく、酸素濃度測定、心拍数、呼吸数の推定値の夜間モニタリング、可能であれば、家庭用EtCOモニタリングは、研究後の最初の6~8週間は、夜間の人工呼吸器補助を中止した後も継続され得る。あるいは、患者は、夜間に精密モニタリン及び朝の血液ガスのために入院することもできる。軽度の飽和度低下、不十分な体重増加、または気分の変化を含む臨床経過の変化があった患者に対し追跡ポリソムノグラムが推奨される。その後、粗大運動軌跡の標準化された神経筋測定値(例えば、CHOP INTENDまたはBayley Scales of Infant and Toddler Development第3版、粗大運動能力領域)との相関関係、または主要な運動マイルストーン(例えば、30秒超の補助なしの着座、起立、補助の有り無しの歩行)の達成状況の追跡、及び一般的な臨床状態は、追跡ポリソムノグラムの必要性を通知し得る。
【0360】
ウィーニングのアウトカムの評価
どのようなウィーニング方策であっても、臨床医は、ウィーニングが成功したか、または失敗したかを判定し得る。ウィーニングの失敗を示し得る客観的基準は、頻呼吸、呼吸困難(副筋の使用、胸腹部奇形、及び発汗)、血行動態の変化(頻脈、高血圧)、オキシヘモグロビン飽和度低下、炭酸過剰症、発育不全(体重減少または成長の遅延)、及び精神状態の変化(傾眠、興奮、またはより微妙な行動の変化)を含む。加えて、親及び提供者は、日中の症候学、例えば、疲労及び頭痛または活動及び治療に対する不耐性に注意し続け、報告し得る。
【0361】
追加のケア上の検討事項
ウィーニングプロセス中、多くの専門にわたるアプローチは、臨床チーム、研究チーム、主任研究者、及び肺/呼吸器リハビリテーションチームが緊密に連携し、定期的にデータ及びケア情報を共有するように用いられ得る。患者の改善に基づいて治療の変更を決定するために、理学療法士、言語聴覚士、及び栄養士を含む、患者の他の医療提供者と連絡を取ることも重要であろう。
【0362】
分泌物の管理及び/または併発する病気もしくは感染症
分泌物クリアランスの増加は、人工呼吸器からのウィーニング及びスプリンティング期間を促進し得る。スプリンティング治験の前に、最初の気道閉塞と無気肺を最小限に抑えるために、胸部理学療法、機械的咳嗽支援、気管内吸引、及び/または手動のバッグ呼吸が望ましいことがある。しかし、スプリント中の介入の必要性の増加は、能力が不十分であることを示すものであるので、人工呼吸器補助を再開する必要があることを示唆し得る。
【0363】
病気(感染性または無関係の反応性気道疾患の再発)中は、ウィーニングを一時停止し得、能力は回復後に再評価される。小児が人工呼吸器を外しているが、まだ、気管切開を受けている場合、提供者は、補助の再開を検討し得る。つまり、酸素補給が必要な、または子供が苦しんでいる場合、人工呼吸器補助を再開することが、第1選択となり得る。ウィーニング期間中の病気の頻度または重症度の増加は、呼吸補助の必要性が高まっていることを示し得る。慢性的な誤嚥または再発性肺炎による肺損傷を受けている患者は、補助をやめる可能性が限られていることがあるという認識もある。NMDガイドラインに沿って、慢性肺実質疾患への並行アプローチを開始する必要があり得る。この場合、換気は、長期間必要ではないことがあり、むしろ酸素の補給が、唯一の要件であり得る。しかし、低酸素症が、換気・灌流の不一致を反映し得、酸素の補給が、低換気を隠し得るので、臨床医は、低酸素症の警告に留意し得る。
【0364】
体重維持
他の要因がない場合のウィーニング中に発育の失敗は、ウィーニング及び自発呼吸のカロリー需要が摂取カロリーを上回っていることを意味し得る。答えは、経験的なカロリーの増加ではないことがある。なぜならば、これは、COの負担を増加させ、その結果、より多くの呼吸の必要性を増加させ得るからである。経験豊富なチームによる綿密なモニタリングが保証されている。
【0365】
日中の活動性
疲労に細心の注意を払い、十分な休息を確保することが重要であり得る。ウィーニング中に活動性が低下した場合、人工呼吸器は、回復を助けるため、または以前の補助レベルに戻すために利用され得る。日常的な理学療法セッションに耐えることができないことで現れ得る疲労の徴候は、ウィーニングが早すぎることを示し得る。理想的には、小児は、ウィーニング中も以前の活動レベルを維持することが可能であってよい。
【0366】
固定拘束性肺疾患の存在下での介入
神経・筋原性側彎症に対処するための脊椎器具(成長ロッド、垂直方向に拡張可能な人工チタン肋骨など)が必要になると、気管切開及び人工呼吸器または非侵襲的換気により促進される術後の長期間の呼吸補助が必要になり得る。胸郭が固定され拘束されている患者では、筋力に関係なく回復できない持続性呼吸不全の程度であり得る。これは、長期的な選択肢についての議論を促し得、上で陳述されるように睡眠ポリグラフ及び他の臨床指標により情報が得られるであろう。
【0367】
結言
このウィーニングプロトコルを使用して、進行中のASPIRO治験で遺伝子治療で処置されたXLMTMの小児の最初の10人のうち7人が安全に人工呼吸器補助を中止している。これらの患者を人工呼吸からウィーニングさせた後の呼吸アウトカムの経過及び持続性が不明であることを考慮すると、綿密な追跡調査及び定期的な呼吸評価が必要となるだろう。このアルゴリズムを、resamirigene bilparvovec遺伝子治療を受けたXLMTM集団でのみ評価したことが認められている。しかし、呼吸不全の生理病理学及び回復がNMD全体で類似していることを考えると、その適用範囲は、他の先天性NMDに推定することができると考えられている。この原稿で提案されているガイドラインは、治験薬による処置を受けているNMDの小児患者にとって貴重なツールであり得る。
【0368】
実施例2.本開示による、デスミンプロモーターに作動可能に連結されているミオチューブラリン1遺伝子をコードする核酸配列を含むシュードタイプAAV2/8ベクターの投与及び人工呼吸器からのウィーニング計画によるヒト患者における障害の処置
本開示の組成物及び方法を使用して、障害(例えば、X連鎖性ミオチュブラーミオパチー(XLMTM))を有する患者に、デスミンプロモーターと作動可能に連結されているミオチューブラリン1(MTM1)遺伝子をコードする核酸配列を含むシュードタイプAAV2/8ベクターを投与され得る(図1)。
【0369】
上記の治療薬の投与後の日中の人工呼吸からのウィーニングのための患者の準備状況を評価するために、当該技術分野で内科医は、以下のパラメーターのうちの1つ以上を分析してもよい:(1)患者が、年齢調整基準内のバイタルサイン及び体重を示していると判定すること;(2)患者が、45超のフィラデルフィア小児病院乳児神経筋疾患検査(CHOP INTEND)の運動機能スコア、または神経筋発達マイルストーンが達成されていることを示していると判定すること;(3)患者が、人工呼吸器で、50cmHO以上の最大吸気圧を示していると判定すること;(4)患者が、人工呼吸器で、40cmHO超の最大呼気圧を示していると判定すること;(5)患者が、人工呼吸器で、5cmHO以下の呼気終末陽圧を示していると判定すること;(6)患者が、94%超の室内空気酸素飽和度(SpO)を示していると判定すること;(7)患者が、35~45mmHgの経皮的CO(TcCO)を示していると判定すること;(8)患者が、35~45mmHgの呼気終末CO(ETCO)を示していると判定すること;または、(9)患者が、22~27mEq/Lの血清重炭酸塩レベルを示していると判定すること(図2)。日中の人工呼吸のウィーニングの準備状況は、例えば、以下のことを判断することで評価され得る:患者が、年齢調整基準内のバイタルサイン及び体重を示すこと、患者が、45超のCHOP INTENDの運動機能スコアまたは神経筋発達マイルストーンが達成されていることを示すこと、ならびに患者が、人工呼吸器で、50cmHO以上の最大吸気圧を示すこと。
【0370】
上述のパラメーターの評価時に、日中の人工呼吸からのウィーニングを継続する患者の準備状況を評価するために、当該技術分野の内科医が、日中の人工呼吸からのウィーニング後に、患者が日中の人工呼吸からのウィーニングの準備ができていると判定した場合、当該技術分野で内科医は、以下のパラメーターのうちの1つ以上を分析してもよい:(1)夜間に呼吸がモニタリングされる場合に、患者が、年齢調整基準内の呼吸数(RR)を示していると判定すること;(2)患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、苦痛を示していないと判定すること;(3)睡眠ポリグラフが気管切開を開いた状態で実施される場合、患者が年齢調整標準内のRRを示していると判定すること;(4)夜間に呼吸がモニタリングされる場合、患者が、35~45mmHg以内のTcCOを示していると判定すること;(5)夜間に呼吸がモニタリングされる場合の、35~45mmHg以内のETCO;(6)夜間に呼吸がモニタリングされる場合の、94を超えるSpO;(7)睡眠ポリグラフが気管切開を開いた状態で実施される場合、患者が、5イベント/時間未満の無呼吸低呼吸指数(AHI)を示していると判定すること;(8)睡眠ポリグラフが気管切開を開いた状態で実施される場合、患者が、35~45mmHg内の、もしくは覚醒ベースラインを超えて10mmHg以上増加しなかったTcCOを示していると判定すること;(9)睡眠ポリグラフが気管切開を開いた状態で実施される場合、患者が、50mmHg未満の、もしくは睡眠中の覚醒ベースラインから10mmHgを超えて増加しなかったpetCOもしくはptcCOを示していると判定すること;(10)患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、肋間収縮を示していないと判定すること;(11)患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、頻呼吸を示していないと判定すること;(12)患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、呼吸奇異を示していないと判定すること;(13)患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、位相遅延を示していないと判定すること;(14)患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、94%未満の、もしくはベースラインから3%を超えて異ならないSpOを示していると判定すること;または、(15)患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、45mmHgを超える、もしくは覚醒ベースラインより10mmHg以上を超えて増加しなかったTcCOを示していると判定すること(図4)。日中の人工呼吸からのウィーニングを継続するための準備状況は、例えば、以下を判定することによって評価され得る:患者が、夜間に呼吸がモニタリングされる時に、年齢調整基準内のRRを示すこと、患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、苦痛を示さないこと、及び患者が、夜間に呼吸がモニタリングされる時に、35~45mmHg以内のTcCO値を示すこと。
【0371】
実施例3.本開示による、デスミンプロモーターに作動可能に連結されているMTM1遺伝子をコードする核酸配列を含むシュードタイプAAV2/8ベクターの投与及び人工呼吸器からのウィーニング計画によるヒト患者におけるX連鎖性ミオチュブラーミオパチーの処置
本開示の組成物及び方法を使用して、神経筋障害(例えば、XLMTM)を有する患者に、デスミンプロモーターに作動可能に連結されているMTM1遺伝子をコードする核酸配列を含むシュードタイプAAV2/8ベクターを投与され得る。
【0372】
上記の治療薬の投与後の日中の人工呼吸からのウィーニングのための患者の準備状況を評価するために、当該技術分野で内科医は、以下のパラメーターのうちの1つ以上を分析してもよい:(1)患者が、年齢調整基準内のバイタルサイン及び体重を示していると判定すること;(2)患者が、45超のCHOP INTENDの運動機能スコア、または神経筋発達マイルストーンが達成されていることを示していると判定すること;(3)患者が、人工呼吸器で、50cmHO以上の最大吸気圧を示していると判定すること;(4)患者が、人工呼吸器で、40cmHO超の最大呼気圧を示していると判定すること;(5)患者が、人工呼吸器で、5cmHO以下の呼気終末陽圧を示していると判定すること;(6)患者が、94%超のSpOを示していると判定すること;(7)患者が、35~45mmHgのTcCOを示していると判定すること;(8)患者が、35~45mmHgのETCOを示していると判定すること;または、(9)患者が、22~27mEq/Lの血清重炭酸塩レベルを示していると判定すること。日中の人工呼吸のウィーニングの準備状況は、例えば、以下のことを判断することで評価され得る:患者が、年齢調整基準内のバイタルサイン及び体重を示すこと、患者が、45超のCHOP INTENDの運動機能スコアまたは神経筋発達マイルストーンが達成されていることを示すこと、ならびに患者が、人工呼吸器で、50cmHO以上の最大吸気圧を示すこと。
【0373】
上述のパラメーターの評価時に、日中の人工呼吸からのウィーニングを継続する患者の準備状況を評価するために、当該技術分野の内科医が、日中の人工呼吸からのウィーニング後に、患者が日中の人工呼吸からのウィーニングの準備ができていると判定した場合、当該技術分野で内科医は、以下のパラメーターのうちの1つ以上を分析してもよい:(1)患者が、夜間に呼吸がモニタリングされる時に、年齢調整基準内のRRを示していると判定すること;(2)患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、苦痛を示していないと判定すること;(3)睡眠ポリグラフが気管切開を開いた状態で実施される場合、患者が年齢調整標準内のRRを示していると判定すること;(4)夜間に呼吸がモニタリングされる場合、患者が、35~45mmHg以内のTcCOを示していると判定すること;(5)夜間に呼吸がモニタリングされる場合の、35~45mmHg以内のETCO;(6)夜間に呼吸がモニタリングされる場合の、94を超えるSpO;(7)睡眠ポリグラフが気管切開を開いた状態で実施される場合、患者が、5イベント/時間未満のAHIを示していると判定すること;(8)睡眠ポリグラフが気管切開を開いた状態で実施される場合、患者が、35~45mmHg内の、もしくは覚醒ベースラインを超えて10mmHg以上増加しなかったTcCOを示していると判定すること;(9)睡眠ポリグラフが気管切開を開いた状態で実施される場合、患者が、50mmHg未満の、もしくは睡眠中の覚醒ベースラインから10mmHgを超えて増加しなかったpetCOもしくはptcCOを示していると判定すること;(10)患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、肋間収縮を示していないと判定すること;(11)患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、頻呼吸を示していないと判定すること;(12)患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、呼吸奇異を示していないと判定すること;(13)患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、位相遅延を示していないと判定すること;(14)患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、94%未満の、もしくはベースラインから3%を超えて異ならないSpOを示していると判定すること;または、(15)患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、45mmHgを超える、もしくは覚醒ベースラインより10mmHg以上を超えて増加しなかったTcCOを示していると判定すること。日中の人工呼吸からのウィーニングを継続するための準備状況は、例えば、以下を判定することによって評価され得る:患者が、夜間に呼吸がモニタリングされる時に、年齢調整基準内のRRを示すこと、患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、苦痛を示さないこと、及び患者が、夜間に呼吸がモニタリングされる時に、35~45mmHg以内のTcCO値を示すこと。
【0374】
実施例4.本開示によるresamirigene bilparvovecの投与及び人工呼吸器ウィーニング計画によるヒト患者におけるX連鎖性ミオチュブラーミオパチーの処置
本開示の組成物及び方法を使用して、神経筋障害(例えば、XLMTM)を有する患者にresamirigene bilparvovecが投与され得る。
【0375】
上記の治療薬の投与後の日中の人工呼吸からのウィーニングのための患者の準備状況を評価するために、当該技術分野で内科医は、以下のパラメーターのうちの1つ以上を分析してもよい:(1)患者が、年齢調整基準内のバイタルサイン及び体重を示していると判定すること;(2)患者が、45超のCHOP INTENDの運動機能スコア、または神経筋発達マイルストーンが達成されていることを示していると判定すること;(3)患者が、人工呼吸器で、50cmHO以上の最大吸気圧を示していると判定すること;(4)患者が、人工呼吸器で、40cmHO超の最大呼気圧を示していると判定すること;(5)患者が、人工呼吸器で、5cmHO以下の呼気終末陽圧を示していると判定すること;(6)患者が、94%超のSpOを示していると判定すること;(7)患者が、35~45mmHgのTcCOを示していると判定すること;(8)患者が、35~45mmHgのETCOを示していると判定すること;または、(9)患者が、22~27mEq/Lの血清重炭酸塩レベルを示していると判定すること。日中の人工呼吸のウィーニングの準備状況は、例えば、以下のことを判断することで評価され得る:患者が、年齢調整基準内のバイタルサイン及び体重を示すこと、患者が、45超のCHOP INTENDの運動機能スコアまたは神経筋発達マイルストーンが達成されていることを示すこと、ならびに患者が、人工呼吸器で、50cmHO以上の最大吸気圧を示すこと。
【0376】
上述のパラメーターの評価時に、日中の人工呼吸からのウィーニングを継続する患者の準備状況を評価するために、当該技術分野の内科医が、日中の人工呼吸からのウィーニング後に、患者が日中の人工呼吸からのウィーニングの準備ができていると判定した場合、当該技術分野で内科医は、以下のパラメーターのうちの1つ以上を分析してもよい:(1)患者が、夜間に呼吸がモニタリングされる時に、年齢調整基準内のRRを示していると判定すること;(2)患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、苦痛を示していないと判定すること;(3)睡眠ポリグラフが気管切開を開いた状態で実施される場合、患者が年齢調整標準内のRRを示していると判定すること;(4)夜間に呼吸がモニタリングされる場合、患者が、35~45mmHg以内のTcCOを示していると判定すること;(5)夜間に呼吸がモニタリングされる場合の、35~45mmHg以内のETCO;(6)夜間に呼吸がモニタリングされる場合の、94を超えるSpO;(7)睡眠ポリグラフが気管切開を開いた状態で実施される場合、患者が、5イベント/時間未満のAHIを示していると判定すること;(8)睡眠ポリグラフが気管切開を開いた状態で実施される場合、患者が、35~45mmHg内の、もしくは覚醒ベースラインを超えて10mmHg以上増加しなかったTcCOを示していると判定すること;(9)睡眠ポリグラフが気管切開を開いた状態で実施される場合、患者が、50mmHg未満の、もしくは睡眠中の覚醒ベースラインから10mmHgを超えて増加しなかったpetCOもしくはptcCOを示していると判定すること;(10)患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、肋間収縮を示していないと判定すること;(11)患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、頻呼吸を示していないと判定すること;(12)患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、呼吸奇異を示していないと判定すること;(13)患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、位相遅延を示していないと判定すること;(14)患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、94%未満の、もしくはベースラインから3%を超えて異ならないSpOを示していると判定すること;または、(15)患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、45mmHgを超える、もしくは覚醒ベースラインより10mmHg以上を超えて増加しなかったTcCOを示していると判定すること。日中の人工呼吸からのウィーニングを継続するための準備状況は、例えば、以下を判定することによって評価され得る:患者が、夜間に呼吸がモニタリングされる時に、年齢調整基準内のRRを示すこと、患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、苦痛を示さないこと、及び患者が、夜間に呼吸がモニタリングされる時に、35~45mmHg以内のTcCO値を示すこと。
【0377】
あるいは、上記の治療薬の投与後の日中の人工呼吸からのウィーニングのための患者の準備状況を評価するために、当該技術分野で内科医は、以下のパラメーターの全てを分析してもよい:(1)患者が、年齢調整基準内のバイタルサイン及び体重を示していると判定すること;(2)患者が、45超のフィラデルフィア小児病院乳児神経筋疾患検査(CHOP INTEND)の運動機能スコア、または神経筋発達マイルストーンが達成されていることを示していると判定すること;(3)患者が、人工呼吸器で、50cmHO以上の最大吸気圧を示していると判定すること;(4)患者が、人工呼吸器で、40cmHO超の最大呼気圧を示していると判定すること;(5)患者が、人工呼吸器で、5cmHO以下の呼気終末陽圧を示していると判定すること;(6)患者が、94%超のSpOを示していると判定すること;(7)患者が、35~45mmHgのTcCOを示していると判定すること;(8)患者が、35~45mmHgのETCOを示していると判定すること;及び、(9)患者が、22~27mEq/Lの血清重炭酸塩レベルを示していると判定すること(図3;太字の実線で囲まれたボックス)。日中の人工呼吸のウィーニングの準備状況は、例えば、以下で評価され得る:患者が、年齢調整基準内のバイタルサイン及び体重を示していると判定すること、患者が、45超のCHOP INTENDの運動機能スコアまたは神経筋発達マイルストーンが達成されていることを示していると判定すること、患者が、人工呼吸器で、50cmHO以上の最大吸気圧を示していると判定すること、患者が、人工呼吸器で、40cmHO超の最大呼気圧を示していると判定すること、患者が、人工呼吸器で、5cmHO以下の呼気終末陽圧を示していると判定すること、患者が、94%超のSpOを示していると判定すること、患者が、35~45mmHg以内のTcCOを示していると判定すること、患者が、35~45mmHg以内のETCOを示していると判定すること、ならびに、患者が、22~27mEq/L以内の血清重炭酸塩レベルを示していると判定すること。
【0378】
上述のパラメーターの評価時に、日中の人工呼吸からのウィーニングを継続する患者の準備状況を評価するために、当該技術分野の内科医が、日中の人工呼吸からのウィーニング後に、患者が日中の人工呼吸からのウィーニングの準備ができていると判定した場合、当該技術分野で内科医は、以下のパラメーターの全てを分析してもよい:(1)患者が、夜間に呼吸がモニタリングされる時に、年齢調整基準内のRRを示していると判定すること;(2)患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、苦痛を示していないと判定すること;(3)睡眠ポリグラフが気管切開を開いた状態で実施される場合、患者が年齢調整標準内のRRを示していると判定すること;(4)夜間に呼吸がモニタリングされる場合、患者が、35~45mmHg以内のTcCOを示していると判定すること;(5)夜間に呼吸がモニタリングされる場合の、35~45mmHg以内のETCO;(6)夜間に呼吸がモニタリングされる場合の、94を超えるSpO;(7)睡眠ポリグラフが気管切開を開いた状態で実施される場合、患者が、5イベント/時間未満のAHIを示していると判定すること;(8)睡眠ポリグラフが気管切開を開いた状態で実施される場合、患者が、35~45mmHg内の、もしくは覚醒ベースラインを超えて10mmHg以上増加しなかったTcCOを示していると判定すること;(9)睡眠ポリグラフが気管切開を開いた状態で実施される場合、患者が、50mmHg未満の、もしくは睡眠中の覚醒ベースラインから10mmHgを超えて増加しなかったpetCOもしくはptcCOを示していると判定すること;(10)患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、肋間収縮を示していないと判定すること;(11)患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、頻呼吸を示していないと判定すること;(12)患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、呼吸奇異を示していないと判定すること;(13)患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、位相遅延を示していないと判定すること;(14)患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、94%未満の、もしくは覚醒ベースラインから3%を超えて異ならないSpOを示していると判定すること;及び、(15)患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、45mmHgを超える、もしくは覚醒ベースラインより10mmHg以上を超えて増加しなかったTcCOを示していると判定すること(図3;太字の破線で囲まれたボックス)。日中の人工呼吸からのウィーニングを継続するための準備状況は、例えば、以下を判定することによって評価され得る:患者が、夜間に呼吸がモニタリングされる時に、年齢調整基準内のRRを示すこと、患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、苦痛を示さないこと、患者が、夜間に呼吸がモニタリングされる時に、35~45mmHg以内のTcCOを示すこと、患者が、夜間に呼吸がモニタリングされる時に、35~45mmHg以内のETCOを示すこと、患者が、夜間に呼吸がモニタリングされる時に、94超のSpOを示すこと、患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、肋間収縮を示さないこと、患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、頻呼吸を示さないこと、患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、呼吸奇異を示さないこと、患者が、呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、位相遅延を示さないこと、患者が、94%未満の、もしくは呼吸スプリントのビデオ記録で、覚醒ベースラインから10mmHg超えて増加しなかったSpOを示すこと、及び、患者が、45mmHg超の、もしくは呼吸スプリンティング治験のビデオ記録で、覚醒ベースラインから10mmHg超えて増加しなかったTcCOを示すこと。睡眠ポリグラフが気管切開を開いた状態で実施された場合、日中の人工呼吸からのウィーニングを継続するための準備状況は、例えば、さらに以下を判定することにより評価され得る:睡眠ポリグラフが気管切開を開いた状態で実施される場合、患者が年齢調整標準内のRRを示すこと、睡眠ポリグラフが気管切開を開いた状態で実施される場合、患者が5イベント/時間未満のAHIを示すこと、睡眠ポリグラフが気管切開を開いた状態で実施される場合、患者が、35~45mmHg内の、もしくは覚醒ベースラインを超えて10mmHg以上増加しなかったTcCOを示すこと、及び睡眠ポリグラフが気管切開を開いた状態で実施される場合、患者が、50mmHg未満の、もしくは睡眠中の覚醒ベースラインから10mmHgを超えて増加しなかったpetCOもしくはptcCOを示すこと。
【0379】
他の実施形態
本明細書で言及される全ての出版物、特許、及び特許出願は、あたかも各独立した出版物または特許出願が参照によって組み込まれることが具体的且つ個別に示されるのと同じ範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。
【0380】
本発明をその特定の実施形態に関連して説明してきたが、さらなる修正が可能であり、本出願は、一般に本発明の原理に従った、本発明が属する技術分野における既知または慣例の範囲内にあり、上記及び特許請求の範囲に続く本質的な特徴に適用され得る本発明からの逸脱を含む、本発明のあらゆる変形、使用、または適応を網羅することが意図されることが理解されるであろう。
【0381】
他の実施形態は、特許請求の範囲内にある。
図1
図2
図3
図4
【配列表】
2024510972000001.app
【国際調査報告】