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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】箱入り箱シッパー
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/05 20060101AFI20240305BHJP
【FI】
B65D81/05 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555511
(86)(22)【出願日】2022-03-09
(85)【翻訳文提出日】2023-10-06
(86)【国際出願番号】 US2022019558
(87)【国際公開番号】W WO2022192405
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】63/159,859
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520244016
【氏名又は名称】クライオポート,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100163061
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】ボーリンガー,ブレット
(72)【発明者】
【氏名】オネル,ボビー
【テーマコード(参考)】
3E066
【Fターム(参考)】
3E066AA02
3E066BA03
3E066FA11
3E066HA01
3E066JA04
3E066JA07
3E066KA20
3E066LA15
3E066LA16
3E066NA60
(57)【要約】
出荷用容器のための方法、システム、デバイスおよび/または装置が本明細書に提供される。出荷用容器は、空洞を有する外囲いを含む。出荷用容器は、外囲いの空洞の内部に位置決めされた内囲いを含む。内囲いは、複数のパネルおよび様々な構成を有する。相変化材料挿入物が、複数のパネル内で受け取られてもよい。内囲いは、ペイロードを保持するように構成されたペイロード領域を画定する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空洞を有する外囲いと、
前記外囲いの前記空洞の内部に位置決めされ、複数のパネル、および前記複数のパネルの内部に受け取られる複数の相変化材料挿入物を有する内囲いと、を備え、
前記複数のパネルはペイロードを保持するように構成されたペイロード領域を画定する、出荷用容器。
【請求項2】
前記外囲いは、基部および蓋を含み、
前記蓋は、前記内囲いが前記外囲いの前記空洞の内部にあるときに前記内囲いにアクセスするために取外し可能である、請求項1に記載の出荷用容器。
【請求項3】
前記複数のパネルの各パネルは、チャネルを形成する角度をなす縁辺を有し、
前記チャネルは、前記複数の相変化材料挿入物のうちの1つの相変化材料挿入物を摺動可能に受け取るように構成される、請求項1に記載の出荷用容器。
【請求項4】
前記複数のパネルは、上部パネル、複数の側面パネル、および前記上部パネルと反対側にある下部パネルを含み、
前記上部パネルは、前記下部パネルと反対側にあり、
前記複数の側面パネルの縁辺は、前記上部パネルの縁辺および前記下部パネルの縁辺と接続し、
前記複数の側面パネルは、前記上部パネルと前記下部パネルとの間に位置決めされる、請求項1に記載の出荷用容器。
【請求項5】
前記複数のパネルのそれぞれは取外し可能であり、
前記複数の相変化材料挿入物のそれぞれは取外し可能である、請求項4に記載の出荷用容器。
【請求項6】
前記外囲いは、極低温度での衝撃および振動に耐えるように設計された絶縁性非金属材料から作られる、請求項1に記載の出荷用容器。
【請求項7】
前記絶縁性非金属材料はポリカーボネートまたは他のポリマーである、請求項6に記載の出荷用容器。
【請求項8】
前記複数のパネルは、前記外囲いの壁の内面に沿って、または隣接して位置決めされ、非金属材料で作られる、請求項1に記載の出荷用容器。
【請求項9】
空洞を有する外囲いと、
前記外囲いの前記空洞の内部に位置決めされ、かつ上部トレイ、下部トレイ、および前記上部トレイと前記下部トレイとの間に位置決めされた入れ子式囲いであって、ペイロードを受け取るためのペイロード領域を有する前記入れ子式囲いを有する内囲いと、を備える、出荷用容器。
【請求項10】
前記上部トレイは、前記出荷用容器が前記入れ子式囲いの内部に配置されることができる開口部を有する、請求項9に記載の出荷用容器。
【請求項11】
前記入れ子式囲いは、内方に角度をなし、かつ前記入れ子式囲いの内部の前記ペイロードに接触して安定させるように構成された1つまたは複数の板ばねを有する、請求項9に記載の出荷用容器。
【請求項12】
前記板ばね、前記上部トレイ、および前記下部トレイは非金属である、請求項11に記載の出荷用容器。
【請求項13】
前記上部トレイまたは前記下部トレイは、前記入れ子式囲いを受け取り、かつ前記入れ子式囲いを前記上部トレイまたは前記下部トレイの中心に合わせる1つまたは複数のセンタリングガイドを有する、請求項9に記載の出荷用容器。
【請求項14】
前記上部トレイまたは前記下部トレイは、前記出荷用容器の内部に嵌合するように成形され、前記外囲いの前記空洞に挿入されたときに前記外囲いの複数の壁の各壁と接続する、請求項9に記載の出荷用容器。
【請求項15】
前記上部トレイまたは前記下部トレイは、ユーザが前記上部トレイまたは前記下部トレイを把持または保持できるようにする1つまたは複数のハンドルを有する、請求項9に記載の出荷用容器。
【請求項16】
前記下部トレイは、前記外囲いの内部に固定、前記外囲いと一体成型、または一体形成され、前記外囲いから分離可能ではない、請求項9に記載の出荷用容器。
【請求項17】
前記入れ子式囲いは、前記下部トレイまたは前記上部トレイに一体形成、または固定される、請求項9に記載の出荷用容器。
【請求項18】
空洞を有する外囲いと、
前記外囲いの前記空洞の内部に位置決めされ、かつ容器を受け取るためのペイロード領域を画定する複数の凹壁を有する内囲いと、を備える、出荷用容器。
【請求項19】
前記内囲いは、前記複数の凹壁のうちの2つの隣接する壁が合う複数の頂点を有し、
前記複数の頂点のうちの各頂点は、前記外囲いの空洞の角に接触する、請求項18に記載の出荷用容器。
【請求項20】
前記内囲いは、4つの頂点および4つの凹壁を備えた星形状である、請求項19に記載の出荷用容器。
【請求項21】
前記内囲いは、非金属であり、かつ、前記容器が前記内囲いの前記ペイロード領域の内部に配置されたときに、前記複数の凹壁の各凹壁の最内方湾曲部分で前記容器に接触するように構成される、請求項18に記載の出荷用容器。
【請求項22】
前記外囲いは、極低温度に耐えるために絶縁材料の層またはポリカーボネートの層を有する、請求項18に記載の出荷用容器。
【請求項23】
空洞を有する外囲いと、
前記外囲いの前記空洞の内部に位置決めされ、かつ複数のブラケットを有する内囲いと、を備え、
前記複数のブラケットは、容器を受け取るように構成された受け取り領域を画定する、出荷用容器。
【請求項24】
前記複数のブラケットは、第1のブラケットおよび第2のブラケットを含み、
前記第1のブラケットは、第1のブレード、第2のブレード、および前記第1のブレードと前記第2のブレードとの間に位置決めされた凹壁を有する、請求項23に記載の出荷用容器。
【請求項25】
前記第1のブレードは、前記外囲いの前記空洞の第1の角の内部に位置決めされ、前記空洞の中心に向かって内方に突出し、
前記第2のブレードは、前記外囲いの前記空洞の前記第1の角と反対側にある前記空洞の第2の角の内部に位置決めされ、前記外囲いの前記空洞の中心に向かって内方に突出する、請求項24に記載の出荷用容器。
【請求項26】
前記第1のブレード、前記第2のブレード、および前記凹壁は、非金属材料から作られる、請求項24に記載の出荷用容器。
【請求項27】
前記第1のブラケットは、前記外囲いの第1の壁に隣接して位置決めされ、
前記第2のブラケットは、前記外囲いの前記第1の壁と反対側にある前記外囲いの第2の壁に隣接して位置決めされる、請求項24に記載の出荷用容器。
【請求項28】
前記外囲いは、断熱性材料またはポリカーボネート材料の1つまたは複数の層から作られる、請求項23に記載の出荷用容器。
【請求項29】
空洞を有する外囲いと、
前記外囲いの前記空洞の内部に位置決めされ、かつ上部覆いおよび基部を有する内囲いと、
前記内囲いの前記基部に、かつ前記基部に沿って直立に位置決めされた複数の柱であって、ペイロードを受け取るためのペイロード領域を画定する前記複数の柱と、を備える、出荷用容器。
【請求項30】
前記複数の柱は、第1の柱、および前記第1の柱と反対側にある第2の柱を含み、
前記第1の柱は、前記ペイロードの第1の角を受け取り、
前記第2の柱は、前記ペイロードの前記第1の角と反対側にある前記ペイロードの第2の角を受け取る、請求項29に記載の出荷用容器。
【請求項31】
前記複数の柱は、前記ペイロードが輸送中に移動しないように、前記ペイロードの壁の一部に接触し、前記ペイロードを安定させる、請求項30に記載の出荷用容器。
【請求項32】
前記複数の柱は、前記基部に、留められ、成型され、または他の方法で結合される、請求項29に記載の出荷用容器。
【請求項33】
前記複数の柱は、非金属材料から作られる、請求項29に記載の出荷用容器。
【請求項34】
出荷用容器におけるペイロードの出荷中に所定温度範囲の内に出荷用容器のペイロード領域を維持するための方法であって、前記方法は、
側壁と、外囲いにおいて空洞を画定する基部とを有する前記外囲いを設けることと、
内囲いを前記外囲いの前記空洞の内部へ挿入することであって、前記内囲いは、前記内囲いの内側にペイロード領域を画定する、ことと、
相変化材料を前記出荷用容器の内部へ挿入することと、
ペイロードを前記内囲いの前記ペイロード領域の内部へ配置することと、
前記内囲いを含む前記外囲いの前記空洞を覆うように前記外囲いの上部に蓋を取り付けることと、
前記相変化材料によって前記ペイロード領域を冷却して前記ペイロード領域を前記所定温度範囲の内に維持することとを含む、方法。
【請求項35】
前記相変化材料は、前記内囲いと前記外囲いとの間に挿入される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記所定温度範囲は、摂氏約25度から摂氏約-80度の間である、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記内囲いは、複数のパネルを備え、
前記複数のパネルは前記ペイロード領域を画定し、
前記ペイロードは、前記内囲いの前記複数のパネルによって安定させられる、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
前記複数のパネルの各パネルは、チャネルを形成する角度をなす縁辺を有し、
前記方法は、前記相変化材料を前記チャネルの内部へ摺動可能に挿入することをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記内囲いは、上部トレイ、下部トレイ、および前記上部トレイと下部トレイの間に位置決めされた入れ子式囲いを備え、
前記入れ子式囲いは前記ペイロード領域を画定し、
前記ペイロードは、前記内囲いの前記入れ子式囲いによって安定させられる、請求項34に記載の方法。
【請求項40】
前記内囲いは、複数の凹壁を備え、
前記複数の凹壁は前記ペイロード領域を画定する、請求項34に記載の方法。
【請求項41】
前記内囲いは、複数のブラケットを備え、
前記複数のブラケットは、ペイロードを受け取るように構成された前記ペイロード領域を画定する、請求項34に記載の方法。
【請求項42】
前記内囲いは、上部覆いおよび基部と、前記内囲いの前記基部に、かつ前記基部に沿って直立に位置決めされた複数の柱であって、ペイロードを受け取るための前記ペイロード領域を画定する前記複数の柱と、を有する、請求項34記載の方法。
【請求項43】
側壁および基部を有する外囲いであって、前記側壁および前記基部は、前記外囲いに空洞を画定する、前記外囲いと、
前記外囲いにおいて前記空洞を覆うように前記外囲いの前記側壁に取り付け可能な蓋と、
内囲いであって、前記空洞の内側に置かれ、かつ前記内囲いの内部にペイロードのためのペイロード領域を設けるように構成された、内囲いと、を備える、システム。
【請求項44】
前記内囲いは、複数のパネルを備え、
前記複数のパネルは、前記ペイロード領域を画定する、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記内囲いは、上部トレイ、下部トレイ、および前記上部トレイと下部トレイとの間に位置決めされた入れ子式囲いを備え、
前記入れ子式囲いは、前記ペイロード領域を画定する、請求項43に記載のシステム。
【請求項46】
前記内囲いは、複数の凹壁を含み、
前記複数の凹壁は、前記ペイロード領域を画定する、請求項43に記載のシステム。
【請求項47】
前記内囲いは、複数のブラケットを備え、
前記複数のブラケットは、前記ペイロードを受け取るように構成された前記ペイロード領域を画定する、請求項43に記載のシステム。
【請求項48】
前記内囲いは、
基部と、
前記内囲いの前記基部に、かつ前記基部に沿って直立に位置決めされた複数の柱であって、ペイロードを受け取るための前記ペイロード領域を画定する前記複数の柱と、
前記基部と反対側にある上部覆いと、を備え、
前記柱は前記上部覆いと前記基部との間に延びる、請求項43に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
[0001]本出願は、2021年3月11日に出願された米国仮特許出願第63/159,859号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
[0002]本明細書は、輸送および/または保管中に出荷用容器が移動するときにペイロードを保護するために、出荷用容器内でペイロードを固定し、かつ/または安定させるシステム、装置および/または方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]健康、医療、製薬、および/または生命科学の産業界では、温度制御され、かつ水密の環境におけるペイロードの安全な保管が産業界の重要な態様である。典型的には、ペイロードが出荷されると、シッパーはペイロードを段ボール箱などの再使用できない囲い内へ梱包し、温度を維持するように、ペイロードの周りに、発泡ポリスチレン容器および/またはドライアイスなどの出荷材料を梱包してもよい。シッパーは、ドライアイスペレットまたはブロックを発泡ポリスチレンなどの断熱材料で作られた内部梱包材内へ、および、ペイロードの周りに配置し、またはすくい上げてペイロードの温度を維持してもよい。シッパーは、内部梱包材を頑丈な段ボール箱などの外囲い内に配置し、外囲いを部分的に封止してもよい。この構成により、ペイロードが出荷材料内で浮き、出荷用容器が押し合い、配向し直すか、かつ/または他の方法で移動すると、ペイロードは、輸送中に移動し、または、ずれて、これにより輸送中にペイロードの不安定さを起こす場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004]したがって、ペイロードを保護するために出荷用容器内でペイロードを安定させる出荷用容器のためのシステム、装置および/または方法が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005]一般に、本明細書に説明される主題の一態様は、出荷用容器に具体化される。出荷用容器は、空洞を有する外囲いを含む。出荷用容器は、外囲いの空洞内に位置決めされた内囲いを含む。内囲いは、複数のパネルと、複数のパネル内で受け取られる複数の相変化材料挿入物とを有する。複数のパネルは、ペイロードを保持するように構成されたペイロード領域を画定する。
【0006】
[0006]これらおよび他の実施形態は、任意で、基部および蓋を含んでもよい。蓋は、内囲いが外囲いの空洞内にあるときに、内囲いにアクセスするために取外し可能であってもよい。複数のパネルの各パネルは、チャネルを形成する角度をなす縁辺を有してもよい。チャネルは、相変化材料挿入物を摺動可能に受け取るように構成してもよい。
【0007】
[0007]複数のパネルは、上部パネル、複数の側面パネルおよび下部パネルを含んでもよい。下部パネルは、上部パネルと反対側にあってもよい。複数の側面パネルの縁辺は、上部パネルの縁辺および下部パネルの縁辺と接続してもよい。複数の側面パネルは、上部パネルと下部パネルとの間に位置決めされてもよい。複数のパネルおよび複数の相変化材料挿入物は取外し可能であってもよい。
【0008】
[0008]外囲いは、極低温度での衝撃および振動に耐えるように設計してもよい絶縁性非金属材料から作られてもよい。絶縁性非金属材料は、ポリカーボネートまたは他のポリマーであってもよい。複数のパネルは、外囲いの壁の内面に沿って、または隣接して位置決めされてもよく、非金属材料から作られてもよい。
【0009】
[0009]別の態様では、主題は、出荷用容器に具体化される。出荷用容器は、空洞を有する外囲いを含む。出荷用容器は、外囲いの空洞内に位置決めされた内囲いを含む。内囲いは、上部トレイ、下部トレイ、および上部トレイと下部トレイの間に位置決めされた入れ子式囲いを有する。入れ子式囲いは、ペイロードを受け取るように構成されたペイロード領域を有する。
【0010】
[0010]別の態様では、主題は、出荷用容器に具体化される。出荷用容器は、空洞を有する外囲いを有する。出荷用容器は、外囲いの空洞内に位置決めされた内囲いを含む。内囲いは、容器を受け取るように構成されたペイロード領域を画定する複数の凹壁を有する。
【0011】
[0011]別の態様では、主題は、出荷用容器に具体化される。出荷用容器は、空洞を有する外囲いを含む。出荷用容器は、外囲いの空洞内に位置決めされた内囲いを含む。内囲いは複数のブラケットを含む。複数のブラケットは、ペイロードを受け取るように構成された受け取り領域を画定する。
【0012】
[0012]別の態様では、主題は、出荷用容器に具体化される。出荷用容器は、外囲いを含む。外囲いは空洞を有する。出荷用容器は、外囲いの空洞内に位置決めされた内囲いを含む。内囲いは、上部覆いおよび基部を有する。出荷用容器は複数の柱を含む。複数の柱は、内囲いの基部に、そして基部に沿って直立に位置決めされる。複数の柱は、ペイロードを受け取るためのペイロード領域を画定する。
【0013】
[0013]方法も開示される。本方法は、出荷用容器においてペイロードの出荷中に、出荷用容器のペイロード領域を所定温度範囲内に維持するためのものであってもよい。本方法は、様々な態様を含んでもよい。例えば、本方法は、側壁を有する外囲いと、外囲いにおいて空洞を画定する基部とを設けるステップを含んでもよい。内囲いは、外囲いの空洞内へ挿入してもよく、内囲いの内側にペイロード領域を画定してもよい。相変化材料は出荷用容器内へ挿入してもよい。ペイロードは、内囲いのペイロード領域内へ配置してもよく、内囲いを含む外囲いの空洞を覆うように、外囲いの上部に蓋が取り付けられてもよい。ペイロード領域は、相変化材料によって冷却され、ペイロード領域を所定温度範囲内に維持してもよい。
【0014】
[0014]様々な実施形態では、本方法は、1つまたは複数のさらなる態様を含む。例えば、相変化材料は、内囲いと外囲いとの間に挿入してもよい。所定温度範囲は、摂氏0度未満であってもよい。所定温度範囲は、摂氏約0度未満であってもよい。所定温度範囲は、摂氏25度から摂氏-80度の間であってもよい。所定温度範囲は、摂氏約25度から摂氏約-80度の間であってもよい。所定温度範囲は、摂氏-150度から摂氏-190度の間であってもよい。所定温度範囲は、摂氏約-150度から摂氏約-190度の間であってもよい。所定温度範囲は、摂氏約-150度未満であってもよい。所定温度範囲は、摂氏-150度未満であってもよい。内囲いは、複数のパネルを有してもよく、これらの複数のパネルはペイロード領域を画定する。ペイロードは、内囲いの複数のパネルによって安定させられてもよい。複数のパネルの各パネルは、チャネルを形成する角度をなす縁辺を有してもよく、本方法は、相変化材料挿入物をチャネル内へ摺動可能に挿入することを含んでもよい。
【0015】
[0015]本方法は、内囲いの様々な構成で実施してもよい。例えば、内囲いは、上部トレイ、下部トレイ、および上部トレイと下部トレイとの間に位置決めされた入れ子式囲いを有してもよく、この入れ子式囲いはペイロード領域を画定し、ここでペイロードは、内囲いの入れ子式囲いによって安定させられる。内囲いは、複数の凹壁を含んでもよく、これらの複数の凹壁はペイロード領域を画定する。内囲いは、複数のブラケットを有してもよく、これらの複数のブラケットは、ペイロードを受け取るように構成されたペイロード領域を画定する。内囲いは、上部覆いおよび基部と、内囲いの基部に、そして基部に沿って直立に位置決めされた複数の柱とを有してもよく、これらの複数の柱は、ペイロードを受け取るためのペイロード領域を画定する。
【0016】
[0016]前に示したように、本明細書に説明される主題の一態様は、出荷用容器に具体化される。出荷用容器は異なる構成を有してもよい。例えば、出荷用容器は、側壁および基部を有する外囲いを有してもよく、ここで、側壁および基部は、外囲いにおいて空洞を画定する。出荷用容器は、外囲いにおいて空洞を覆うように、外囲いの側壁に取り付け可能な蓋を有してもよい。出荷用容器は、空洞の内側に置かれた内囲いを有し、内囲い内のペイロードのためのペイロード領域を設けるように構成してもよい。
【0017】
[0017]出荷用容器の内囲いは、様々なやり方で構成してもよい。例えば、内囲いは、複数のパネルを含んでもよく、これらの複数のパネルはペイロード領域を画定する。内囲いは、上部トレイ、下部トレイおよび上部トレイと下部トレイとの間に位置決めされた入れ子式囲いを含んでもよく、入れ子式囲いはペイロード領域を画定する。内囲いは、複数の凹壁を含んでもよく、これらの複数の凹壁はペイロード領域を画定する。内囲いは、複数のブラケットを含んでもよく、これらの複数のブラケットは、ペイロードを受け取るように構成されたペイロード領域を画定する。内囲いは、基部と、内囲いの基部に、そして基部に沿って直立に位置決めされた複数の柱であって、ペイロードを受け取るためのペイロード領域を画定する複数の柱と、基部と反対側の上部覆いとを含んでもよく、ここで、柱は、上部覆いと基部との間に延びる。
【0018】
[0018]本発明の他のシステム、方法、特徴、および利点は、以下の図および詳細な説明を検討すると当業者には明らかである。図面に示される構成要素部品は、必ずしも縮尺通りではなく、本発明の重要な特徴をより良好に例示するために誇張してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A】[0019]本発明の一態様による複数のパネルおよび複数の相変化材料挿入物を有する出荷用容器の例を示す。
図1B】[0020]本発明の一態様による図1Aの出荷用容器のパネルおよび相変化材料挿入物の近接斜視図を示す。
図2】[0021]本発明の一態様による入れ子式容器を有する出荷用容器の例を示す。
図3】[0022]本発明の一態様による星形状の内囲いを有する出荷用容器の例を示す。
図4】[0023]本発明の一態様による複数のブラケットを備えた内囲いを有する出荷用容器の例を示す。
図5】[0024]本発明の一態様による柱を備えた内囲いを有する出荷用容器の例を示す。
図6】[0025]本発明の一態様による出荷用容器におけるペイロードの出荷中に、所定温度範囲内に、出荷用容器のペイロード領域を維持する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[0026]明細書に開示されるのは、ペイロード領域内の温度を維持し、かつペイロード領域内でペイロードを安定させる出荷用容器(または「シッパー」)のためのシステム、デバイスおよび/または方法である。シッパーは、内囲いのペイロード領域内に配置されるペイロードを安定させ、かつ保護するために、外囲いの空洞内に外囲いおよび内囲いを有するように設計してもよい。外囲いおよび/または内囲いは、衝撃および振動などの環境要因からペイロードにおけるペイロードを保護するポリカーボネート、ポリエチレンまたは他のポリマーなどの硬化材料などの、金属または非金属材料から作られてもよい。この材料は、極低温度に耐えるように設計してもよいので、極端に低い温度にさらされても、材料は、保管および/または輸送中に生じる衝撃および振動に対して脆くなることも影響を受けることもない。
【0021】
[0027]他の利益および利点は、相変化材料の使用を含むことができる。相変化材料を使用すると、シッパーのペイロード領域内の温度、ひいては、ペイロード領域内に位置決めされたペイロードの温度が維持される。相変化材料を使用することにより、シッパーはペイロード領域内の温度を維持および/または管理することができる。ペイロード領域内の温度は、単一の温度範囲に限定されず、例えば、ドライアイスが温度制御媒体として使用されるときのドライアイスの温度に限定されなくてもよい。代わりに、シッパーは、様々な異なる温度範囲でペイロードの温度を維持する柔軟性を有し、これは、温度制御媒体として相変化材料を使って設定してもよい。
【0022】
[0028]図1Aは、シッパー100の分解図を示す。シッパー100は、ペイロード領域内のペイロードに対して温度制御された環境を維持する。シッパー100は、外囲い102および内囲い104を含んでもよい。外囲い102は、基部114、取外し可能であってもよい蓋116および複数の側壁118を備えた長方形の立方体として成形してもよい。さらに、外囲い102は、ポリカーボネートまたは他のポリマーなどの絶縁性の金属または非金属材料から作られてもよい。外囲い102は、輸送および/または保管中に生じる極低温度での衝撃および振動に耐えるように設計してもよい。
【0023】
[0029]基部114、蓋116および/または複数の側壁118は、空洞110内に内囲い104を受け取る空洞110を形成または画定してもよい。蓋116は、内囲い104へアクセスするために取外し可能であってもよい。蓋116は、1つまたは複数のヒンジ、ラッチおよび/またはコネクタを介して複数の側壁118に結合してもよく、かつ/または、空洞110を包囲および/または囲むように複数の側壁118に載るように嵌合するための大きさおよび形状であってもよい。これにより、蓋116は取外し可能にすることができ、かつ/または開位置と閉位置との間で移動して、空洞110および空洞110内の内容物へのアクセスを行うことができる。
【0024】
[0030]内囲い104およびペイロードは、空洞110内に配置してもよい。蓋116は、空洞110内の内囲い104および/またはペイロードへのアクセスを防ぎ、封止する、または部分的に封止するように、内囲い104の上部に配置してもよい。したがって、外囲い102は、保管および輸送中の衝撃および/または振動から、内囲い104および空洞110内に配置されたペイロードを保護できる。
【0025】
[0031]シッパー100は内囲い104を含む。内囲い104は、複数のパネル106および/または複数の相変化材料(PCM:phase change material)挿入物108を含んでもよい。複数のパネル106および/またはPCM挿入物108は、空洞110内の基部114の内面、複数の側壁118および/または蓋116に沿って、かつ/または隣接して位置決めされてもよい。複数のパネル106および/またはPCM挿入物108は、ペイロード領域112内に配置されるペイロードを受け取りかつ包囲するペイロード領域112を画定する。
【0026】
[0032]複数のパネル106は、極低温度に耐えるポリカーボネートまたは他の絶縁性非金属材料などの金属または非金属材料から作られてもよい。複数のパネル106は、下部パネル、複数の側面パネル、および下部パネルと反対側にある上部パネルを含んでもよい。複数のパネル106のそれぞれは、チャネル122を形成する1つまたは複数の内方に角度をなす縁辺120を有してもよく、例えば、図1Bに示されるように、対応するPCM挿入物108を摺動可能に受け取ってもよい。複数の側面パネルのそれぞれの縁辺は、上部パネルの縁辺および下部パネルの縁辺と接続してもよく、内囲い104を形成し、かつペイロード領域112を画定するように、上部パネルと下部パネルとの間に位置決めされてもよい。
【0027】
[0033]PCM挿入物108は相変化材料を含み、この材料は有用な熱および/または冷却を提供するのに相転移で十分なエネルギーを放出および/または吸収する物質である。相変化材料は、固体と液体との間で転移し得る。異なる相変化材料が、ペイロード領域112内の温度を、異なる温度範囲および/または帯で、かつ/またはその範囲内で維持するように設計されてもよい。
【0028】
[0034]対応するPCM挿入物108は、チャネル122内へ摺動させて、PCM挿入物108を対応するパネル106と統合してもよい。例えば、PCM挿入物108の縁辺は、チャネル122内へ摺動させて、PCM挿入物108をチャネル122内に位置決めし、パネル106に固着されてもよい。PCM挿入物108が複数のパネル106内に受け取られ、複数のパネル106および/またはPCM挿入物108が外囲い102の空洞内へ挿入されて内囲い104を形成すると、ペイロード領域112は画定され、ペイロードを受け取り、かつ包囲してもよい。PCM挿入物108のそれぞれ、および複数のパネル106のそれぞれは、様々な構成要素間の互換性を可能にするために、角錐台などに、同様に成形してもよく、したがって、複数のパネル106および/またはPCM挿入物108を互いに取外し可能かつ交換可能にする。
【0029】
[0035]本発明の別の態様では、図2はシッパー200を示す。シッパー200は、ペイロード領域内のペイロードに対して温度制御された環境を維持する。シッパー200は、外囲い(図示せず)および内囲い201を含む。内囲い201は、外囲いの空洞内に位置決めされ、内部に配置されたペイロードを保管する、または囲む。
【0030】
[0036]内囲い201は、上部トレイ202、下部トレイ204および入れ子式囲いまたは容器(「入れ子式容器」)206を内部に有する。上部トレイ202は、下部トレイ204と反対側に位置決めされてもよく、入れ子式容器206は、上部トレイ202と下部トレイ204との間に位置決めされてもよい。上部トレイ202の側面および下部トレイ204の側面は、上部トレイ202および下部トレイ204が外囲いの空洞内に配置されたときに外囲いの空洞内で移動しないように、外囲いの側壁と接続して実質的に接触してもよい。これにより、内囲い201が輸送中に外囲い内で静止するように、内囲い201を外囲い内に固定させる。
【0031】
[0037]上部トレイ202および/または下部トレイ204は、1つまたは複数のハンドル208を有してもよい。1つまたは複数のハンドル208は、上部トレイ202および/または下部トレイ204の側壁内の開口部であってもよい。1つまたは複数のハンドル208により、ユーザは、上部トレイ202および/または下部トレイ204の側壁の開口部を通して両手で把持、または両手を挿入して、内囲い202を外囲いの空洞内に保持、持ち上げ、移動、または他の方法で位置決めすることができ、かつ/または内囲い202を外囲いの空洞から取り外すことができる。いくつかの実装形態では、上部トレイ202および/または下部トレイ204は、外囲いの空洞から取外し可能であってもなくてもよい。例えば、下部トレイ204は、外囲い内に固定、外囲いと一体的に成型または一体的に形成し、かつ外囲いの空洞の底部または側面から分離不可能であってもよい。
【0032】
[0038]上部トレイ202は、上部トレイ202の基部に1つまたは複数の開口部210を有してもよい。1つまたは複数の開口部210は、上部トレイ202の中心に位置決めされてもよく、入れ子式容器206と同様のサイズおよび形状であってもよい。1つまたは複数の開口部210により、上部トレイ202を取り外す必要なく、容器またはペイロードは、入れ子式容器206のペイロード領域212に挿入することができる。
【0033】
[0039]入れ子式容器206は、下部トレイ204および/または上部トレイ202と一体的に形成され、固定され、または取外し可能であってもよい。入れ子式容器206は、上部トレイ202と下部トレイ204との間の中心に位置決めされてもよい。入れ子式容器206は、入れ子式容器206と外囲いの側壁との間にドライアイスまたは他の冷却材料もしくは物質を配置することができるように、上部トレイ202および/または下部トレイ204の周囲長未満である周囲長を有してもよい。すなわち、入れ子式容器206は、外囲いの側壁と接触または接続しなくてもよい。
【0034】
[0040]入れ子式容器206は、ペイロード領域212を画定する複数の側壁216から形成してもよい。複数の側壁216は、ペイロード領域212内に配置され、または位置決めされたペイロードを囲み、かつ/または包囲してもよい。複数の側壁216は、側壁216のそれぞれから切り出され、かつ/または側壁216のそれぞれに結合または他の方法で留められ、かつペイロード領域212内に配置され、位置決めされ、または受け取ったペイロードの壁に接触するように内方に角度をなし、屈曲され、もしくは曲げられた1つまたは複数の板ばね218または側壁の部分を有してもよい。1つまたは複数の板ばね218は、入れ子式容器206の側壁216内にペイロードを固着または安定させるのに十分な剛性でありながら、内部に位置決めされたペイロードの衝撃または他の動きを吸収するように圧縮可能または可撓性であってもよい。入れ子式容器206は、極低温度に耐えるように、ポリカーボネートなどの、金属または非金属材料から作られてもよい。
【0035】
[0041]内囲い201は、1つまたは複数のセンタリングガイド214を有してもよい。1つまたは複数のセンタリングガイド214は、上部トレイ202および/または下部トレイ204の内面に位置決めされてもよい。1つまたは複数のセンタリングガイド214は、第1の壁および第2の壁から形成してもよい。2つの壁は一体的に形成されてもよく、第2の壁は第1の壁に垂直であってもよく、第2の壁および第1の壁を一緒に接合、一緒に成型、または他の方法で互いに隣接して位置決めされて角を形成する場合、直角を形成してもよい。1つまたは複数のセンタリングガイド214は、入れ子式容器206が上部トレイ202および/または下部トレイ204の間に載るときに、入れ子式容器206の側壁216の周辺部の周りに位置決めされてもよい。一方の壁は、上部トレイ202および/または下部トレイ204に成型、固定、または位置決めされてもよく、他方の壁は入れ子式容器の一部に平行に、かつ隣接して位置決めされる。入れ子式容器の部分に平行に、かつ隣接して位置決めされた壁は、入れ子式容器の壁の約15%未満に沿って、少量だけペイロードに接触するだけでよい。1つまたは複数のセンタリングガイド214は、入れ子式容器の壁の一部に沿うだけでもよく、入れ子式容器の壁のすべてに沿っていなくてもよい。1つまたは複数のセンタリングガイド214により、入れ子式容器206は、下部トレイ204の中心、および上部トレイ202の1つまたは複数の開口部210の下に位置決めできるので、ドライアイスまたは他の物質は、入れ子式容器206の周りに配置されて、ペイロードを極低温度に維持できる。
【0036】
[0042]本発明の別の態様では、図3は、星形状の内囲い304を備えたシッパー300を示す。シッパー300は、ペイロード領域内のペイロードに対して温度制御された環境を維持する。シッパー300は外囲い302および内囲い304を含む。外囲い302は、1つまたは複数の層から作られてもよい。これらの層は、絶縁性フォームの層および/または極低温度に耐えるポリカーボネートもしくは他のポリマーもしくは非金属の層を含んでもよい。外囲い302は、空洞303を画定する複数の壁を有してもよい。空洞303は、内囲い304を受け取る大きさおよび形状であってもよい。例えば、空洞303は、長方形、小区画または他の多角形状に形成される複数の壁によって画定してもよい。
【0037】
[0043]内囲い304は、外囲い302の空洞303に位置決めされてもよい。内囲い304は、複数の壁310またはブレード(以下、「壁」)と、2つの隣接する壁が接合する、または合う複数の頂点308とを有してもよい。壁310および/または頂点308は、金属または非金属材料、例えば、ポリカーボネートまたはポリマー形状などから作られてもよい。複数の壁310は、複数の頂点308のうちの2つ以上の頂点308の間にある。いくつかの実装形態では、内囲い304は、4つの頂点と、凹形状で星形を形成し、最内方湾曲部分314でペイロード306に接触する4つの壁とを含む。
【0038】
[0044]内囲い304の壁310は、内部に配置されたペイロード306を包囲する、または囲む。壁310は、ペイロード306が壁310のそれぞれの表面全体に実質的に接触しないように凹形状であってもよい。代わりに、凹形状の壁は、凹形状の壁の最内方湾曲部分314に沿ってのみペイロード306に接触してもよい。凹形状の壁の最内方湾曲部分314は、ペイロード306を内囲い304の中心に固定し、安定させ、配向させる。
【0039】
[0045]内囲い304は、複数の頂点308が、2つの隣接する壁が接合または合う外囲い302の角に位置決めされるように、外囲い302内に位置決めされ、かつ配向してもよい。これにより、内囲い304を外囲い302の空洞303内に固定して中心に合わせる。したがって、容器306が内囲い304内に位置決めされて安定し、内囲い304は空洞303内に固定されて中心に合わされるので、ペイロード306は、外囲い302の空洞303の中心に安定させられたままである。さらに、内囲い304は、その頂点が外囲い302の角にある凹形状であってもよいので、ドライアイスまたは他の冷却材料は、内囲い304と外囲い302の壁との間、および内囲い304とペイロード306との間の隙間空間316に配置してもよい。
【0040】
[0046]本発明の別の態様では、図4は、内囲い404を一緒に形成する1つまたは複数のブラケット406を備えたシッパー400を示す。シッパー400は、ペイロード領域内のペイロードに対して温度制御された環境を維持する。シッパー400は、外囲い402および内囲い404を含む。外囲い402は、1つまたは複数の層から作られてもよい。層は、絶縁性フォームの層および/または極低温度に耐えるポリカーボネートもしくは他のポリマーもしくは非金属の層を含んでもよい。外囲い402は、空洞403を画定する複数の壁412を有してもよい。空洞403は、内囲い404を受け取る大きさおよび形状であってもよい。例えば、空洞403は、長方形、小区画または他の多角形状に形成される複数の壁412によって画定してもよい。
【0041】
[0047]内囲い404は、外囲い402の空洞403に位置決めされてもよい。内囲い404は、複数のブラケット406を有してもよい。複数のブラケット406は、複数のブレード408とこれらの間の壁410とから形成してもよい。例えば、ブラケットは、外囲い402の空洞403の角から内方に角度をなす第1のブレードと、囲い402の空洞403の第2の角部から内方に角度をなす第2のブレードと、第1のブレードおよび第2のブレードに結合し、一体的に形成し、かつ/またはこれらのブレードの間に形成する壁410とから形成してもよい。内囲い404は、外囲い402の両側の壁の空洞403に互いに反対側に位置決めされた2つ以上のブラケット406を有してもよい。いくつかの実装形態では、2つ以上のブラケット406は、外囲い402の各壁に位置決めされてもよい。
【0042】
[0048]各壁410は、凹形状であってもよく、内方に湾曲した部分を有してもよい。各ブレード408は、外囲い402の壁412に隣接する壁410に結合された近位部分と、空洞403の中心へ向けられ、かつ内囲い404内で受け取られるペイロードに接触する遠位部分とを有してもよい。極低温度を維持するためのドライアイスまたは他の材料は、1つまたは複数のブレード408、1つまたは複数のブラケット406の1つまたは複数の壁410、および/または外囲い402の壁412の間の隙間空間414内に配置してもよい。
【0043】
[0049]1つまたは複数のブラケット406は、圧縮可能または可撓性であってもよく、極低温度での脆性に抵抗する、ポリカーボネートまたは他のポリマーなどの、金属または非金属材料から作られてもよい。ペイロードは、ペイロードが内囲い404内の1つまたは複数のブラケット406の間に配置されるとき、1つまたは複数のブラケット406に対して力を加えてもよい。1つまたは複数のブラケット406は、わずかに内方に曲がるか、または対向する力を加えて、内囲い404内のペイロードの位置を維持し、内囲い404のペイロード領域内でペイロードを安定させてもよい。
【0044】
[0050]本発明の別の態様では、図5は、1つまたは複数の柱512を備えたシッパー500を示す。シッパー500は、ペイロード領域内のペイロードに対して温度制御された環境を維持する。シッパー500は、外囲い502および内囲い504を含む。外囲い502および/または内囲い504は、極低温度に耐える、ポリカーボネートまたは他のポリマーなどの、金属または非金属材料から作られてもよい。外囲い502は、空洞503を画定する複数の壁を有してもよい。複数の壁は、内囲い504およびペイロードを受け取るために内部に長方形の空洞を形成するように位置決めされてもよい。
【0045】
[0051]内囲い504は、上部覆い506および基部508を有してもよい。基部508は、外囲い502の底部に、固定、一体形成、および/または他の方法で位置決めしてもよい。基部508の壁は、基部508が外囲い502の底部内で移動または位置変更しないように、外囲い502の側壁に隣接および/または接触してもよい。いくつかの実装形態では、基部508の壁と外囲い502の側壁との間に隙間があるので、ドライアイスまたは他の物質材料が間に配置されてもよい。基部508は、内部に凹部または空洞510を有してもよい。凹部または空洞510は、ペイロード領域514内で下から受け取られるペイロードを冷却するように、ドライアイスまたは他の物質材料で満たしてもよい。
【0046】
[0052]内囲い504の上部覆い506は取外し可能でもよく、外囲い502の空洞503内に摺動して基部508の上部に嵌合し、ペイロード領域514を取り囲み、包囲、および/または画定し、ペイロード領域は、内部に挿入されたときにペイロードを受け取る。内囲い504の上部覆い506は、同様に、外囲い502の空洞503と同様の大きさおよび形状である複数の壁を有してもよく、その結果、上部覆い506の複数の壁が外囲い502の壁に隣接する。
【0047】
[0053]シッパー500は、1つまたは複数の柱512を有してもよい。1つまたは複数の柱512は、第1の壁および第2の壁から形成してもよい。2つの壁は、ポリカーボネートまたは他のポリマーなどの、金属または非金属材料から作られてもよい。2つの壁は一体的に形成してもよく、第2の壁は第1の壁に垂直であってもよく、直角を形成してもよく、この場合、第2の壁および第1の壁を一緒に結合、一緒に成型、または他の方法で互いに隣接して位置決めされて角を形成する。1つまたは複数の柱512は、上部覆い506の壁に直立かつ平行に、そして基部508の空洞510の周辺部の周囲に位置決めしてもよい。1つまたは複数の柱512は、基部508に留める、成型する、または他の方法で結合してもよく、ペイロードが内囲い504内へ挿入されたときにペイロードを受け取るペイロード領域514を画定してもよい。いくつかの実装形態では、1つまたは複数の柱512は、上部覆い506の上部に位置決めされ、かつ基部508に向かって下方に延びる蓋(図示せず)に位置決めされてもよい。
【0048】
[0054]ペイロードが挿入されると、1つまたは複数の柱512は、ペイロードの1つまたは複数の角を受け取ってもよく、それにより、1つまたは複数の柱512は、ペイロードの壁の一部、例えば、ペイロードの各壁の約15%未満に接触するだけである。1つまたは複数の柱512は、ペイロードがシッパー500の輸送中に押し合うか、または他の方法で移動することがないように、ペイロード領域514内でペイロードを安定させる。ペイロード領域514内のペイロードと、内囲い504および/または外囲い502の壁との間に1つまたは複数の間隙または隙間空間が存在してもよく、ドライアイスまたは他の物質材料は、それらの間に配置して極低温度を維持することができる。さらに、ドライアイスまたは他の物質材料は、ペイロード領域514内に位置決めされたときは、空洞510内および/またはペイロードの上部に位置決めされてもよい。
【0049】
[0055]ここで図6を参照すると、方法600が示される。本方法は、出荷用容器におけるペイロードの出荷中に、出荷用容器のペイロード領域を所定温度範囲内に維持するためのものであってもよい。本方法は、外囲いを設けることを含んでもよい(ブロック602)。外囲いは、側壁と、外囲いにおいて空洞を画定する基部とを有してもよい。本方法は、内囲いを外囲いの空洞内へ挿入することを含んでもよい(ブロック604)。様々な実例では、内囲いは、内囲いの内側にペイロード領域を画定する。本方法は、相変化材料を出荷用容器内へ挿入することを含んでもよい(ブロック606)。相変化材料は、液体窒素または他の寒剤であってもよい。相変化材料は、固体二酸化炭素(例えば、ドライアイス)であってもよい。相変化材料は、凍結水(例えば、氷)、または出荷用容器のペイロード領域を所定温度範囲内に維持するのに適した任意の他の材料であってもよい。
【0050】
[0056]本方法は、ペイロードを内囲いのペイロード領域内へ配置すること(ブロック608)と、内囲いを含む外囲いの空洞を覆うように外囲いの上部に蓋を取り付けること(ブロック610)とを含んでもよい。本方法は、相変化材料によってペイロード領域を冷却してペイロード領域を所定温度範囲内に維持すること(ブロック610)を含んでもよい(ブロック610)。
【0051】
[0057]本方法に関連して、異なる実施形態の様々な態様が組み込まれてもよい。例えば、相変化材料は、内囲いと外囲いとの間に挿入してもよい。所定温度範囲は、摂氏0度未満であってもよい。所定温度範囲は、摂氏約0度未満であってもよい。所定温度範囲は、摂氏25度から摂氏-80度の間であってもよい。所定温度範囲は、摂氏約25度から摂氏約-80度の間であってもよい。所定温度範囲は、摂氏-150度から摂氏-190度の間であってもよい。所定温度範囲は、摂氏約-150度から摂氏約-190度の間であってもよい。所定温度範囲は、摂氏約-150度未満であってもよい。所定温度範囲は、摂氏-150度未満であってもよい。内囲いは、複数のパネルを有してもよく、これらの複数のパネルはペイロード領域を画定し、ここで、ペイロードは、内囲いの複数のパネルによって安定させられる。複数のパネルの各パネルは、チャネルを形成する角度をなす縁辺を有してもよい。相変化材料は、チャネル内へ摺動可能に挿入してもよい。内囲いは、上部トレイ、下部トレイおよび上部トレイと下部トレイとの間に位置決めされた入れ子式囲いを有してもよく、この入れ子式囲いはペイロード領域を画定し、ここで、ペイロードは、内囲いの入れ子式囲いによって安定させられる。内囲いは、複数の凹壁を有してもよく、これらの複数の凹壁はペイロード領域を画定する。内囲いは、複数のブラケットを有してもよく、これらの複数のブラケットは、ペイロードを受け取るように構成されたペイロード領域を画定する。内囲いは、上部覆いおよび基部と、内囲いの基部に、基部に沿って直立に位置決めされた複数の柱であって、ペイロードを受け取るようにペイロード領域を画定する複数の柱とを有してもよい。
【0052】
[0058]方法/システムの例示的な実施形態は、例示的に開示された。それに応じて、全体を通して採用される用語は、非限定的に読まれるべきである。本明細書における教示に対する軽微な修正は、当該技術分野に精通する者には生じるが、本明細書で保証される特許の範囲内に限定されることを意図するものは、本明細書により貢献される技術分野への進歩の範囲内に合理的に収まるすべてのそのような実施形態であり、その範囲は、添付の請求項およびそれらの均等物に照らす以外は、制限されないことが理解される。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】