IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エスケー イノベーション  カンパニー リミテッドの特許一覧

特表2024-510990流動層反応器及びそれを用いたリチウム前駆体の再生方法
<>
  • 特表-流動層反応器及びそれを用いたリチウム前駆体の再生方法 図1
  • 特表-流動層反応器及びそれを用いたリチウム前駆体の再生方法 図2
  • 特表-流動層反応器及びそれを用いたリチウム前駆体の再生方法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】流動層反応器及びそれを用いたリチウム前駆体の再生方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/54 20060101AFI20240305BHJP
   C22B 7/00 20060101ALI20240305BHJP
   C22B 26/12 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
H01M10/54
C22B7/00 C
C22B26/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555674
(86)(22)【出願日】2022-03-10
(85)【翻訳文提出日】2023-09-11
(86)【国際出願番号】 KR2022003358
(87)【国際公開番号】W WO2022191634
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0031909
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】308007044
【氏名又は名称】エスケー イノベーション カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SK INNOVATION CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】26, Jong-ro, Jongno-gu, Seoul 110-728 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】スン ミン ジ
(72)【発明者】
【氏名】チャ イェ リ
(72)【発明者】
【氏名】ソン スン レル
(72)【発明者】
【氏名】キム ジ ミン
(72)【発明者】
【氏名】ソ ユン ビン
(72)【発明者】
【氏名】ハ ヒョン ベ
【テーマコード(参考)】
4K001
5H031
【Fターム(参考)】
4K001AA07
4K001AA16
4K001AA19
4K001AA34
4K001BA22
4K001CA11
5H031RR02
(57)【要約】
本発明のリチウム前駆体の再生方法は、リチウム複合酸化物粒子を含み、互いに異なる粒度を有する正極活物質パウダーを準備する。前記正極活物質パウダーを上部から下部に直径が段階的または漸進的に減少する反応器本体を含む流動層反応器内で還元処理し、予備前駆体混合物を製造する。そして、前記予備前駆体混合物からリチウム前駆体を回収する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウム複合酸化物粒子を含み、互いに異なる粒度を有する複数の正極活物質パウダーを準備するステップと、
前記正極活物質パウダーを、上部から下部に直径が段階的または漸進的に減少する反応器本体を含む流動層反応器内で還元処理して予備前駆体混合物を製造するステップと、
前記予備前駆体混合物からリチウム前駆体を回収するステップとを含む、リチウム前駆体の再生方法。
【請求項2】
前記正極活物質パウダーは、粒度が互いに異なる第1活物質パウダー、第2活物質パウダー、および第3活物質パウダーを含み、
前記反応器本体は、前記第1活物質パウダーが流動化される第1領域、前記第2活物質パウダーが流動化される第2領域、および第3活物質パウダーが流動化される第3領域を含む、請求項1に記載のリチウム前駆体の再生方法。
【請求項3】
前記第1領域、前記第2領域および前記第3領域は、前記反応器本体の前記上部から順次配置される、請求項2に記載のリチウム前駆体の再生方法。
【請求項4】
前記第1領域の直径は前記第2領域の直径よりも大きく、前記第2領域の直径は前記第3領域の直径よりも大きい、請求項3に記載のリチウム前駆体の再生方法。
【請求項5】
前記第3領域の直径に対する前記第1領域の直径の比は4~16である、請求項4に記載のリチウム前駆体の再生方法。
【請求項6】
前記第3領域の直径に対する前記第2領域の直径の比は2~4である、請求項4に記載のリチウム前駆体の再生方法。
【請求項7】
前記第1活物質パウダーの粒度は前記第2活物質パウダーの粒度よりも小さく、前記第2活物質パウダーの粒度は前記第3活物質パウダーの粒度よりも小さい、請求項3に記載のリチウム前駆体の再生方法。
【請求項8】
前記第1活物質パウダーの粒度は10μm未満であり、前記第2活物質パウダーの粒度は10~100μmであり、前記第3活物質パウダーの粒度は100μm以上である、請求項7に記載のリチウム前駆体の再生方法。
【請求項9】
前記予備前駆体混合物を製造するステップは、前記流動層反応器内に還元性ガスを注入することをさらに含む、請求項2に記載のリチウム前駆体の再生方法。
【請求項10】
前記還元性ガスの前記第1領域内における最小流速は、前記第1活物質パウダーの終端速度以下である、請求項9に記載のリチウム前駆体の再生方法。
【請求項11】
前記還元性ガスの前記第2領域内における最大流速は、前記第2活物質パウダーの最小流動化速度以上であり、前記還元性ガスの前記第3領域内における最大流速は、前記第3活物質パウダーの最小流動化速度以上である、請求項9に記載のリチウム前駆体の再生方法。
【請求項12】
前記還元性ガスは、8~18cm/sの流速で前記流動層反応器の内部に注入される、請求項9に記載のリチウム前駆体の再生方法。
【請求項13】
前記第1領域と前記第2領域を連結し、前記第1領域から前記第2領域に行くほど直径が減少する第1連結部と、前記第2領域と前記第3領域を連結し、前記第2領域から前記第3領域に行くほど直径が減少する第2連結部とを含む、請求項2に記載のリチウム前駆体の再生方法。
【請求項14】
前記第1連結部および前記第2連結部は、側面に位置する気体噴射口をさらに含む、請求項13に記載のリチウム前駆体の再生方法。
【請求項15】
前記気体噴射口は、前記反応器本体の上方に向かって前記側面に傾斜するように配置される、請求項14に記載のリチウム前駆体の再生方法。
【請求項16】
前記第1連結部および前記第2連結部の側面と前記気体噴射口とが成す角度は45~90°である、請求項14に記載の正極活物質還元用の流動層反応器。
【請求項17】
上部から下部に直径が段階的または漸進的に減少する反応器本体と、
前記反応器本体内に、リチウム複合酸化物粒子を含み、粒度が互いに異なる複数の正極活物質パウダーが注入される活物質注入口と、
前記反応器本体の下部に位置し、前記活物質パウダーを流動化する還元性ガスが注入されるガス注入口とを含む、正極活物質還元用の流動層反応器。
【請求項18】
前記正極活物質パウダーは、粒度が互いに異なる第1活物質パウダー、第2活物質パウダー、および第3活物質パウダーを含み、
前記反応器本体は、前記第1活物質パウダーが流動化される第1領域、前記第2活物質パウダーが流動化される第2領域、および第3活物質パウダーが流動化される第3領域を含み、
前記第1領域と前記第2領域を連結し、前記第1領域から前記第2領域に行くほど直径が減少する第1連結部と、
前記第2領域と前記第3領域を連結し、前記第2領域から前記第3領域に行くほど直径が減少する第2連結部とを含む、請求項17に記載の正極活物質還元用の流動層反応器。
【請求項19】
前記第1連結部および前記第2連結部は、側面に位置する気体噴射口をさらに含む、請求項18に記載の正極活物質還元用の流動層反応器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動層反応器及びそれを用いたリチウム前駆体の再生方法に関し、より詳細には、流動層反応器及びそれを用いた廃リチウム含有化合物からリチウム前駆体を再生する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池は、充電と放電の繰り返しが可能な電池であり、情報通信及びディスプレイ産業の発展につれてカムコーダー、携帯電話、ノートパソコンなどの携帯用電子通信機器に広く適用されてきた。二次電池としては、例えば、リチウム二次電池、ニッケル-カドミウム電池、ニッケル-水素電池などが挙げられる。中でもリチウム二次電池は、動作電圧および単位重量当たりのエネルギー密度が高く、充電速度および軽量化に有利な点で積極的に開発及び適用されてきた。
【0003】
リチウム二次電池は、正極、負極及び分離膜(セパレーター)を含む電極組立体と、前記電極組立体を含浸させる電解質とを含むことができる。前記リチウム二次電池は、前記電極組立体および電解質を収容する、例えばパウチ状の外装材をさらに含むことができる。
【0004】
前記リチウム二次電池の正極活物質としては、リチウム金属酸化物を用いることができる。前記リチウム金属酸化物は、さらに、ニッケル、コバルト、マンガンなどの遷移金属を共に含有することができる。
【0005】
前記正極活物質としてのリチウム金属酸化物は、リチウム前駆体と、ニッケル、コバルトおよびマンガンを含有するニッケル-コバルト-マンガン(NCM)前駆体とを反応させて製造することができる。
【0006】
前記正極活物質に前述した高コストの有価金属が用いられることにより、正極材の製造に製造コストの20%以上がかかっている。また、近年、環境保護への関心が高まることによって、正極活物質のリサイクル方法の研究が進められている。前記正極活物質のリサイクルのためには、廃正極から前記リチウム前駆体を高効率、高純度で再生する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一つの課題は、リチウム含有化合物から高純度、高収率でリチウム前駆体を回収するための流動層反応器及びそれを用いたリチウム前駆体の再生方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態によるリチウム前駆体の再生方法は、リチウム複合酸化物粒子を含み、互いに異なる粒度を有する正極活物質パウダーを準備するステップを含むことができる。上部から下部に直径が段階的または漸進的に減少する反応器本体を含む流動層反応器内で前記正極活物質パウダーを還元処理し、予備前駆体混合物を製造する。そして、前記予備前駆体混合物からリチウム前駆体を回収する。
【0009】
例示的な実施形態では、前記正極活物質混合物は、粒度が互いに異なる第1活物質パウダー、第2活物質パウダー、および第3活物質パウダーを含み、前記反応器本体は、前記第1活物質パウダーが流動化される第1領域、前記第2活物質パウダーが流動化される第2領域、および第3活物質パウダーが流動化される第3領域を含むことができる。
【0010】
例示的な実施形態では、前記第1領域、前記第2領域、および前記第3領域は、前記反応器本体の前記上部から順次配置することができる。
【0011】
例示的な実施形態では、前記第1領域の直径は前記第2領域の直径よりも大きく、前記第2領域の直径は前記第3領域の直径よりも大きくてもよい。
【0012】
例示的な実施形態では、前記第3領域の直径に対する前記第1領域の直径の比は4~16であってもよい。
【0013】
例示的な実施形態では、前記第3領域の直径に対する前記第2領域の直径の比は2~4であってもよい。
【0014】
例示的な実施形態では、前記第1活物質パウダーの粒度は前記第2活物質パウダーの粒度よりも小さく、前記第2活物質パウダーの粒度は前記第3活物質パウダーの粒度よりも小さくてもよい。
【0015】
例示的な実施形態では、前記第1活物質パウダーの粒度は10μm未満であり、前記第2活物質パウダーの粒度は10~100μmであり、前記第3活物質パウダーの粒度は100μm以上であってもよい。
【0016】
例示的な実施形態では、前記予備前駆体混合物の製造は、前記流動層反応器内に還元性ガスを注入することを含むことができる。
【0017】
例示的な実施形態では、前記還元性ガスの前記第1領域内における最小流速は、前記第1活物質パウダーの終端速度以下であってもよい。
【0018】
例示的な実施形態では、前記還元性ガスの前記第2領域内における最大流速は、前記第2活物質パウダーの最小流動化速度以上であり、前記還元性ガスの前記第3領域内における最大流速は、前記第3活物質パウダーの最小流動化速度以上であってもよい。
【0019】
例示的な実施形態では、前記還元性ガスは、8~18cm/sの流速で前記流動層反応器内に注入することができる。
【0020】
例示的な実施形態では、前記第1領域と前記第2領域を連結し、前記第1領域から前記第2領域に行くほど直径が減少する第1連結部と、前記第2領域と前記第3領域を連結し、前記第2領域から前記第3領域に行くほど直径が減少する第2連結部とを含むことができる。
【0021】
例示的な実施形態では、前記第1連結部および前記第2連結部は、側面に位置する気体噴射口をさらに含むことができる。
【0022】
例示的な実施形態では、前記気体噴射口は、前記反応器本体の前記上方に向かって前記側面に傾斜するように配置できる。
【0023】
例示的な実施形態では、前記第1連結部および前記第2連結部の側面と前記気体噴射口とが成す角度は45~90°であってもよい。
【0024】
本発明の実施形態による正極活物質還元用の流動層反応器は、上部から下部に直径が段階的または漸進的に減少する反応器本体と、前記反応器本体内に、リチウム複合酸化物粒子を含み、粒度が互いに異なる複数の活物質パウダーが注入される活物質注入口と、前記反応器本体の前記下部に位置し、前記活物質パウダーを流動化する還元性ガスが注入されるガス注入口とを含むことができる。
【0025】
例示的な実施形態では、本発明の正極活物質還元用の流動層反応器は、前記第1領域と前記第2領域を連結し、前記第1領域から前記第2領域に行くほど直径が減少する第1連結部と、前記第2領域と前記第3領域を連結し、前記第2領域から前記第3領域に行くほど直径が減少する第2連結部とを含むことができる。
【0026】
例示的な実施形態では、前記第1連結部および前記第2連結部は、側面に位置する気体噴射口をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0027】
前述の例示的な実施形態によれば、本発明のリチウム前駆体の再生方法は、互いに異なる粒度を有する活物質パウダーを、上部から下部に直径が段階的または漸進的に減少する反応器本体を含む流動層反応器内で還元処理することができる。これにより、高収率、高純度のリチウム前駆体をより容易に得ることができる。
【0028】
また、反応器の直径が変化することにより、反応器内の位置による温度偏差を低減することができる。これにより、正極活物質粒子の流動化を円滑に行い、反応器全体にわたって均一な混合・還元を実現することができる。
【0029】
さらに、前記流動層反応器の側面に気体噴射口をさらに含むことができる。前記気体噴射口は、前記流動層反応器の側面に前記活物質パウダーが沈着する問題を防止することができる。これにより、リチウム前駆体の回収効率をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、例示的な実施形態によるリチウム前駆体の再生方法を説明するための概略的なフローチャートである。
図2図2は、例示的な実施形態による正極活物質還元用の流動層反応器を示す概略的な模式図である。
図3図3は、例示的な実施形態による正極活物質還元用の流動層反応器を示す概略的な模式図である。
【発明を行うための形態】
【0031】
本発明の実施形態は、上部から下部に直径が段階的または漸進的に減少する反応器本体を含む流動層反応器を用いて、正極活物質からリチウム前駆体を回収する。これにより、リチウム前駆体の回収効率をより向上させることができる。
【0032】
以下では、添付の図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明することとする。しかし、これらの実施形態は例示的なものに過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0033】
本明細書で使用される用語「前駆体」は、電極活物質に含まれる特定の金属を提供するために、前記特定の金属を含む化合物を包括的に指すものとして使用される。
【0034】
図1は、例示的な実施形態によるリチウム前駆体の再生方法を説明するための概略的なフローチャートである。
【0035】
例示的な実施形態によれば、リチウム複合酸化物粒子を含み、互いに異なる粒度を有する正極活物質パウダーを準備することができる(例えば、S10ステップ)。
【0036】
前記正極活物質パウダーは、電気素子、化学素子から取得または再生されるリチウム複合酸化物粒子を含むことができる。前記正極活物質パウダーは、リチウム酸化物、リチウム炭酸化物、リチウム水酸化物などの様々なリチウム複合酸化物粒子を含むことができる。
【0037】
前記正極活物質パウダーは、廃リチウム二次電池から取得または再生されるリチウム複合酸化物粒子を含むことができる。前記廃リチウム二次電池は、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に介在する分離膜とを含む電極組立体を含むことができる。前記の正極および負極は、それぞれ、正極集電体および負極集電体上にコーティングされた正極活物質層および負極活物質層を含むことができる。
【0038】
例えば、前記正極活物質層に含まれる正極活物質は、リチウムおよび遷移金属を含有するリチウム複合酸化物粒子を含むことができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、前記正極活物質は、下記化学式1で表されるリチウム複合酸化物粒子を含むことができる。
【0040】
[化学式1]
LiM1M2M3
【0041】
化学式1中、M1、M2及びM3は、Ni、Co、Mn、Na、Mg、Ca、Ti、V、Cr、Cu、Zn、Ge、Sr、Ag、Ba、Zr、Nb、Mo、Al、GaまたはBから選択される遷移金属であってもよい。化学式1中、0<x≦1.2、2≦y≦2.2、0<a<1、0<b<1、0<c<1、0<a+b+c≦1であってもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、前記正極活物質は、ニッケル、コバルトおよびマンガンを含むNCM系のリチウム複合酸化物粒子を含むことができる。前記NCM系のリチウム複合酸化物は、リチウム前駆体およびNCM前駆体(例えば、NCM酸化物)を、例えば共沈反応によって互いに反応させて製造することができる。
【0043】
しかし、本発明の実施形態は、前記NCM系のリチウム複合酸化物粒子を含む正極材だけでなく、リチウム含有リチウム複合酸化物正極材に共通して適用することができる。
【0044】
例えば、前記廃リチウム二次電池から前記正極を分離して回収することができる。前記正極は、前述のように正極集電体(例えば、アルミニウム(Al))および正極活物質層を含み、前記正極活物質層は、前述の正極活物質と共に、導電材およびバインダーを共に含むことができる。
【0045】
前記導電材は、例えば、黒鉛、カーボンブラック、グラフェン、カーボンナノチューブなどの炭素系物質を含むことができる。
【0046】
前記バインダーは、例えば、ビニリデンフルオリド-ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(PVDF-co-HFP)、ポリビニリデンフルオリド(polyvinylidenefluoride,PVDF)、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate)などの樹脂物質を含むことができる。
【0047】
いくつかの例示的な実施形態では、前記正極活物質パウダーは、前記廃リチウム二次電池から正極を分離し、分離された前記正極を粉砕することによって準備することができる。
【0048】
例えば、前記粉砕は、ハンマーミル(hammer mill)、シュレッダー(shredder)、カットクラッシャー(cut crusher)、インパクトクラッシャー(impact crusher)などを用いて行うことができる。この場合、前記正極活物質パウダーは、粉砕によって粉末状に準備することができ、前記正極活物質パウダーは、互いに異なる粒度を有する粒子を共に含むことができる。
【0049】
例えば、前記正極活物質パウダーは、多峰性(multimodal)の粒度分布を有することができる。例えば、多峰性(multimodal)の粒度分布とは、粒子の粒度分布図において、前記分布図内の主なピークが複数ある場合を意味し得る。この場合、前記正極活物質パウダーの粒度は、約1~100μmであってもよい。
【0050】
例えば、前記正極活物質パウダーは、粒度が互いに異なる第1活物質パウダー、第2活物質パウダー、および第3活物質パウダーを含むことができる。例えば、前記第1活物質パウダーの粒度は、前記第2活物質パウダーの粒度よりも小さく、前記第2活物質パウダーの粒度は、前記第3活物質パウダーの粒度よりも小さくてもよい。
【0051】
例えば、前記正極活物質パウダーに含まれる約10μm未満の粒度を有する粒子は第1活物質パウダー、約10~100μmの粒度を有する粒子は第2活物質パウダー、約100μm以上の粒度を有する粒子は第3活物質パウダーと定義することができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、前記粉砕前に、回収された前記正極を熱処理してもよい。これにより、前記粉砕処理時に正極集電体の脱着を促進することができ、前記のバインダーおよび導電材を少なくとも部分的に除去することができる。前記熱処理の温度は、例えば約100~500℃、好ましくは約350~450℃であってもよい。
【0053】
例えば、前記正極集電体は、分離された前記正極を有機溶媒に浸漬して除去することができる。前記正極集電体は、分離された前記正極から遠心分離によって除去することができ、前記正極集電体を除去することによって前記正極活物質混合物を選択的に抽出することができる。
【0054】
前述の工程により、アルミニウムのような正極集電体成分が実質的に完全に分離除去され、前記の炭素系導電材およびバインダーに由来する炭素系成分の含有量が除去または低減された前記正極活物質混合物を得ることができる。
【0055】
例示的な実施形態によれば、正極活物質パウダーから予備前駆体混合物を製造することができる(例えば、S20ステップ)。
【0056】
いくつかの実施形態では、前記正極活物質パウダーを水素還元処理して予備前駆体混合物を製造することができる。例えば、前記水素還元処理は、上部から下部に直径が段階的または漸進的に減少する反応器本体を含む流動層反応器内で行うことができる。例えば、前記正極活物質パウダーを前記流動層反応器内に投入し、前記流動層反応器の下部から還元性ガスを注入することができる。例えば、前記還元性ガスは、水素ガスであってもよい。前記流動層反応器の構造および前記流動層反応器内の反応については後述することとする。
【0057】
前記還元性ガスによって前記流動層反応器の下部からサイクロンが形成され、活物質パウダーと接触しながら前記予備前駆体混合物が生成され得る。
【0058】
例えば、前記還元性ガスと共にキャリアガスを前記流動層反応器の下部から混合して注入することができる。これにより、前記流動層は、気体-固体の混合を促進して反応を促進することができ、前記流動層反応器内における前記予備前駆体混合物の反応層の形成を容易にすることができる。前記キャリアガスは、例えば、窒素(N)、アルゴン(Ar)のような不活性ガスを含むことができる。
【0059】
前記予備前駆体混合物は、前記活物質パウダーに含まれるリチウム-遷移金属酸化物の水素還元反応物を含むことができる。前記リチウム-遷移金属酸化物としてNCM系リチウム酸化物が使用される場合、前記予備前駆体混合物は、予備リチウム前駆体および遷移金属含有反応物を含むことができる。
【0060】
前記予備リチウム前駆体は、リチウム水酸化物、リチウム酸化物及び/又はリチウム炭酸化物を含むことができる。例示的な実施形態によれば、水素還元反応によって前記予備リチウム前駆体が得られるので、リチウム炭酸化物の混合含有量を減少させることができる。
【0061】
前記遷移金属含有反応物は、Ni、Co、NiO、CoO、MnOなどを含むことができる。
【0062】
前記水素還元反応は、約400~700℃、好ましくは450~550℃で行うことができる。
【0063】
例示的な実施形態によれば、前記予備前駆体混合物を収集した後、水洗処理を行うことができる(例えば、S30ステップ)。
【0064】
前記水洗処理により、前記予備リチウム前駆体は、実質的にリチウム水酸化物で構成されたリチウム前駆体に変換することができる。例えば、前記予備リチウム前駆体に混入されたリチウム酸化物およびリチウム炭酸化物は、水と反応してリチウム水酸化物に変換するか、または水洗して除去することができる。これにより、所望のリチウム水酸化物の形態に変換された高純度のリチウム前駆体を生成することができる。
【0065】
前記予備リチウム前駆体は、水と反応して溶解し、実質的にリチウム水酸化物水溶液を製造することができる。
【0066】
前記予備前駆体混合物に含まれる前記遷移金属含有反応物は、前記水洗処理によって水に溶解または反応することなく沈殿し得る。これにより、ろ過処理によって前記遷移金属含有反応物を分離し、高純度のリチウム水酸化物を含むリチウム前駆体を得ることができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、前記水洗処理は、二酸化炭素(CO)が排除された条件で行うことができる。例えば、COフリー(free)雰囲気(例えば、COが除去された空気(air)雰囲気)で前記水洗処理を行うので、リチウム炭酸化物の再生成を防止することができる。
【0068】
一実施形態では、前記水洗処理時に提供される水を、CO欠乏ガスを用いてパージ(例えば、窒素パージ)することにより、COフリー雰囲気を形成することができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、沈殿分離された前記遷移金属含有反応物を酸溶液で処理し、各遷移金属の酸塩の形態の前駆体を形成することができる。一実施形態では、前記酸溶液として硫酸を使用することができる。この場合には、前記遷移金属前駆体として、NiSO、MnSOおよびCoSOをそれぞれ回収することができる。
【0070】
前述のように、水素還元して生成した予備前駆体混合物を水洗処理し、実質的にリチウム水酸化物で構成されたリチウム前駆体を得ることができる。これにより、リチウム炭酸化物のような他の形態のリチウム前駆体の副生成を防止し、より高容量、長寿命の正極活物質を得ることができる。
【0071】
前記リチウム前駆体は、リチウム水酸化物(LiOH)、リチウム酸化物(LiO)またはリチウム炭酸化物(LiCO)を含むことができる。リチウム二次電池の充放電特性、寿命特性、高温安定性などの観点から、リチウム水酸化物がリチウム前駆体として有利である。例えば、リチウム炭酸化物の場合は、分離膜上に沈積反応を起こして寿命安定性を弱めることがある。
【0072】
図2及び図3は、例示的な実施形態による正極活物質還元用の流動層反応器を示す概略的な模式図である。
【0073】
図2を参照すると、本発明の正極活物質還元用の流動層反応器100は、上部から下部に直径が段階的または漸進的に減少する反応器本体110と、反応器本体110内に、リチウム複合酸化物粒子を含み、粒度が互いに異なる複数の活物質パウダー50,60,70が注入される活物質注入口103と、反応器本体110の前記下部に位置し、活物質パウダー50,60,70を流動化する還元性ガスが注入されるガス注入口105とを含むことができる。
【0074】
いくつかの例示的な実施形態によれば、前記正極活物質パウダー50,60,70は、互いに異なる粒度を有する第1活物質パウダー50、第2活物質パウダー60、および第3活物質パウダー70を含むことができる。
【0075】
例えば、反応器本体110内では、複数の活物質パウダー50,60,70をそれぞれ流動化することができる。例えば、反応器本体110は、複数の活物質パウダー50,60,70がそれぞれ流動化される、直径が互いに異なる複数の領域を含むことができる。
【0076】
例えば、粒度の大きい第3活物質パウダー70は、反応器本体110の下部で流動化し、粒度の小さい第1活物質パウダー50は、反応器本体110の上部で流動化することができる。
【0077】
いくつかの実施形態によれば、反応器本体110は、第1活物質パウダー50が流動化される第1領域111、第2活物質パウダー60が流動化される第2領域112、および第3活物質パウダー70が流動化される第3領域113を含むことができる。
【0078】
これにより、互いに異なる粒度を有する複数の活物質パウダーを含む前記正極活物質混合物を流動化する過程で、粒度の小さい活物質パウダーが飛散して流出するか、または粒度の大きい活物質パウダーを十分に流動化することができない問題を効果的に防止することができる。
【0079】
また、反応器の直径が変化することにより、反応器内の位置による温度偏差を低減することができる。これにより、正極活物質粒子の流動化を円滑に行い、反応器全体にわたって粒子の均一な混合を実現することができる。これにより、異なる粒度分布を有する粒子混合物に対しても優れた反応効率を実現することができる。
【0080】
例えば、第1領域111の直径D1は第2領域112の直径D2よりも大きく、第2領域112の直径D2は第3領域113の直径D3よりも大きくてもよい。
【0081】
この場合、第1領域111で流動化される第1活物質パウダー50の粒度は、第2領域112で流動化される第2活物質パウダー60の粒度よりも小さく、第2領域112で流動化される第2活物質パウダー60の粒度は、第3領域113で流動化される第3活物質パウダー70の粒度よりも大きくてもよい。
【0082】
例えば、流動層反応器内に注入される前記還元性ガスの流速は、各領域の直径の二乗に反比例することができる。そのため、還元性ガスの流速は、第1領域111が第2領域112よりも遅く、第2領域112が第3領域113よりも遅くてもよい。これにより、第1領域111では、粒度の小さい第1活物質パウダー50を容易に流動化することができ、第3領域113では、粒度の大きい第3活物質パウダー70を容易に流動化することができる。
【0083】
いくつかの例示的な実施形態によれば、第3領域113の直径D3に対する第1領域111の直径の比D1は、5~10であってもよい。例えば、第3領域113の直径D3に対する第2領域112の直径の比D2は、2~4であってもよい。
【0084】
例えば、前記直径比の範囲を満たすと、第1活物質パウダー50、第2活物質パウダー60、および第3活物質パウダー70のそれぞれの流動化をより容易に行うことができる。これにより、リチウム前駆体の回収効率をより向上させることができる。
【0085】
いくつかの例示的な実施形態によれば、第1領域111、第2領域112および第3領域113は、反応器本体110の上部から順次配置することができる。この場合、反応器本体110の下部から上部の方向に還元性ガスを注入することができる。これにより、反応器本体110の上部から下部に行くほど各領域の直径を小さくすることができる。
【0086】
例えば、反応器本体110の直径が上部から下部に行くほど減少することにより、反応器本体110の下部に注入される還元性ガスの流速は、下部から上部に行くほど減少することができる。これにより、直径の大きい第1領域111では、粒度の小さい第1活物質パウダー50を流動化することができ、直径の小さい第3領域113では、粒度の大きい第3活物質パウダー70を流動化することができる。
【0087】
これにより、前記正極活物質混合物を流動化する過程で、粒度の小さい活物質パウダーが飛散するか、または粒度の大きい活物質パウダーが流動化されず、リチウム前駆体の回収効率が低下する問題を効果的に防止することができる。
【0088】
例えば、ガス注入口105は、反応器本体110の下部に位置し、還元性ガスを注入することができる。前記還元性ガスは、例えば、水素ガスを含むことができる。例えば、前記還元性ガスは反応器本体110の下部に注入され、反応器本体110の内部に含まれる前記正極活物質混合物を流動化し、還元することができる。
【0089】
例えば、後述する最小流動化速度は、正極活物質パウダー50,60,70を流動化するための還元性ガスの最小流速を意味し得る。例えば、前記最小流動化速度は、下記式1を用いて計算することができる。
【0090】
【数1】
【0091】
前記式1中、umfは最小流動化速度、εmfは活物質パウダー粒子の体積分率、dは活物質パウダー粒子の大きさ、ρは還元性ガスの気体密度、ρは活物質パウダー粒子の固体密度、μは還元性ガスの気体粘度、φは活物質パウダー粒子の球形度、gは重力加速度であってもよい。
【0092】
例えば、流動層反応器100内における前記還元性ガスの流速は、流動層反応器100に含まれる反応器本体110の直径によって変化し得る。例えば、前記還元性ガスの流速は、反応器本体110の直径が増加するにつれて減少し得る。
【0093】
いくつかの例示的な実施形態では、前記還元性ガスの第1領域111内における最小流速は、第1活物質パウダー50の終端速度以下であってもよい。例えば、終端速度とは、流体中で物体が下降または移動時に等速運動をする状態の速度を意味し得る。
【0094】
例えば、終端速度は、下記式2を用いて計算することができる。
【0095】
【数2】
【0096】
前記式2中、uは終端速度、dは活物質パウダー粒子の大きさ、φは活物質パウダー粒子の球形図であってもよい。
【0097】
前記還元性ガスの第1領域111内における最小流速が第1活物質パウダー50の終端速度以下に減少すると、粒径が相対的に小さい第1活物質パウダー50が飛散する問題を効果的に防ぐことができる。また、第1活物質パウダー50がこれ以上流動層反応器100の上部に上昇できず下降することにより、流動化される第1活物質パウダー50の含有量をさらに増加させることができる。これにより、リチウム前駆体の回収効率をより向上させることができる。
【0098】
いくつかの例示的な実施形態では、前記還元性ガスの第2領域112内における最大流速は、第2活物質パウダー60の最小流動化速度以上であってもよく、前記還元性ガスの第3領域113内における最大流速は、第3活物質パウダー70の最小流動化速度以上であってもよい。
【0099】
この場合、粒径の大きい第2活物質パウダー60および第3活物質パウダー70をより効果的に流動化することができる。これにより、前記正極活物質パウダーが流動化されず、流動層反応器100の下部が沈着する問題を効果的に防止することができる。
【0100】
いくつかの例示的な実施形態では、前記還元性ガスは、8~18cm/s以上の流速で流動層反応器100内に注入することができる。
【0101】
例えば、前記流速の範囲を満たすと、前記流動層反応器の上部に位置する直径の広い前記第1領域によって、粒度の小さい前記第1活物質パウダーが飛散することを防止できるとともに、粒度の大きい前記第3活物質パウダーを効果的に流動化することができる。これにより、リチウム前駆体の回収効率を向上させることができる。
【0102】
いくつかの例示的な実施形態によれば、本発明の正極活物質還元用の流動層反応器100は、第1領域111と第2領域112を連結し、第1領域111から第2領域112に行くほど直径が減少する第1連結部121と、第2領域112と第3領域113を連結し、第2領域112から第3領域113に行くほど直径が減少する第2連結部122とを含むことができる。
【0103】
この場合、第1連結部121および第2連結部122は、反応器本体110の直径が急激に変化することを防止することにより、反応器本体110内で前記還元性ガスの流速が急減することを防止することができる。これにより、前記還元性ガスの流速減少により、反応器本体110の側面に活物質パウダーが沈着する問題を効果的に防止することができる。
【0104】
図3を参照すると、本発明の正極活物質還元用の流動層反応器は、連結部120の側面に配置される気体噴射口130をさらに含むことができる。例えば、気体噴射口130を介して還元性ガス等を噴射することができる。この場合、気体噴射口130から噴射される気体は、連結部120の側面に活物質パウダーが沈着することを効果的に防止することができる。
【0105】
いくつかの例示的な実施形態によれば、気体噴射口130は、反応器本体110の上方に向かって前記側面に傾斜するように配置できる。この場合、反応器本体110の上方に向かって配置される気体噴射口130により、正極活物質パウダー50,60,70が連結部120の側面に沈着する問題をより効果的に防止することができる。
【0106】
いくつかの例示的な実施形態によれば、連結部120の側面と気体噴射口130とが成す角度αは45~90°であってもよい。連結部120の側面と気体噴射口130とが成す角度αが前記範囲を満たすと、前記活物質パウダーが連結部120の側面に沈着する問題をより効果的に防止することができる。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-09-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウム複合酸化物粒子を含み、互いに異なる粒度を有する複数の正極活物質パウダーを準備するステップと、
前記正極活物質パウダーを、上部から下部に直径が段階的または漸進的に減少する反応器本体を含む流動層反応器内で還元処理して予備前駆体混合物を製造するステップと、
前記予備前駆体混合物からリチウム前駆体を回収するステップとを含む、リチウム前駆体の再生方法。
【請求項2】
前記正極活物質パウダーは、粒度が互いに異なる第1活物質パウダー、第2活物質パウダー、および第3活物質パウダーを含み、
前記反応器本体は、前記第1活物質パウダーが流動化される第1領域、前記第2活物質パウダーが流動化される第2領域、および第3活物質パウダーが流動化される第3領域を含む、請求項1に記載のリチウム前駆体の再生方法。
【請求項3】
前記第1領域、前記第2領域および前記第3領域は、前記反応器本体の前記上部から順次配置される、請求項2に記載のリチウム前駆体の再生方法。
【請求項4】
前記第1領域の直径は前記第2領域の直径よりも大きく、前記第2領域の直径は前記第3領域の直径よりも大きい、請求項3に記載のリチウム前駆体の再生方法。
【請求項5】
前記第3領域の直径に対する前記第1領域の直径の比は4~16である、請求項4に記載のリチウム前駆体の再生方法。
【請求項6】
前記第3領域の直径に対する前記第2領域の直径の比は2~4である、請求項4に記載のリチウム前駆体の再生方法。
【請求項7】
前記第1活物質パウダーの粒度は前記第2活物質パウダーの粒度よりも小さく、前記第2活物質パウダーの粒度は前記第3活物質パウダーの粒度よりも小さい、請求項3に記載のリチウム前駆体の再生方法。
【請求項8】
前記第1活物質パウダーの粒度は10μm未満であり、前記第2活物質パウダーの粒度は10~100μmであり、前記第3活物質パウダーの粒度は100μm以上である、請求項7に記載のリチウム前駆体の再生方法。
【請求項9】
前記予備前駆体混合物を製造するステップは、前記流動層反応器内に還元性ガスを注入することをさらに含む、請求項2に記載のリチウム前駆体の再生方法。
【請求項10】
前記還元性ガスの前記第1領域内における最小流速は、前記第1活物質パウダーの終端速度以下である、請求項9に記載のリチウム前駆体の再生方法。
【請求項11】
前記還元性ガスの前記第2領域内における最大流速は、前記第2活物質パウダーの最小流動化速度以上であり、前記還元性ガスの前記第3領域内における最大流速は、前記第3活物質パウダーの最小流動化速度以上である、請求項9に記載のリチウム前駆体の再生方法。
【請求項12】
前記還元性ガスは、8~18cm/sの流速で前記流動層反応器の内部に注入される、請求項9に記載のリチウム前駆体の再生方法。
【請求項13】
前記第1領域と前記第2領域を連結し、前記第1領域から前記第2領域に行くほど直径が減少する第1連結部と、前記第2領域と前記第3領域を連結し、前記第2領域から前記第3領域に行くほど直径が減少する第2連結部とを含む、請求項2に記載のリチウム前駆体の再生方法。
【請求項14】
前記第1連結部および前記第2連結部は、側面に位置する気体噴射口をさらに含む、請求項13に記載のリチウム前駆体の再生方法。
【請求項15】
前記気体噴射口は、前記反応器本体の上方に向かって前記側面に傾斜するように配置される、請求項14に記載のリチウム前駆体の再生方法。
【請求項16】
前記第1連結部および前記第2連結部の側面と前記気体噴射口とが成す角度は45~90°である、請求項14に記載のリチウム前駆体の再生方法
【請求項17】
上部から下部に直径が段階的または漸進的に減少する反応器本体と、
前記反応器本体内に、リチウム複合酸化物粒子を含み、粒度が互いに異なる複数の正極活物質パウダーが注入される活物質注入口と、
前記反応器本体の下部に位置し、活物質パウダーを流動化する還元性ガスが注入されるガス注入口とを含む、正極活物質還元用の流動層反応器。
【請求項18】
前記正極活物質パウダーは、粒度が互いに異なる第1活物質パウダー、第2活物質パウダー、および第3活物質パウダーを含み、
前記反応器本体は、前記第1活物質パウダーが流動化される第1領域、前記第2活物質パウダーが流動化される第2領域、および第3活物質パウダーが流動化される第3領域を含み、
前記第1領域と前記第2領域を連結し、前記第1領域から前記第2領域に行くほど直径が減少する第1連結部と、
前記第2領域と前記第3領域を連結し、前記第2領域から前記第3領域に行くほど直径が減少する第2連結部とを含む、請求項17に記載の正極活物質還元用の流動層反応器。
【請求項19】
前記第1連結部および前記第2連結部は、側面に位置する気体噴射口をさらに含む、請求項18に記載の正極活物質還元用の流動層反応器。
【国際調査報告】