IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アルコン インコーポレイティドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】気流システムを備えた眼科用鏡
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/009 20060101AFI20240305BHJP
   A61F 9/007 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
A61F9/009
A61F9/007 200A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555772
(86)(22)【出願日】2022-03-16
(85)【翻訳文提出日】2023-09-12
(86)【国際出願番号】 IB2022052394
(87)【国際公開番号】W WO2022200933
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】63/164,615
(32)【優先日】2021-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】マーリオ アーブラハム
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ビットネーベル
(57)【要約】
眼科用鏡は、アームと、ロック機構と、気流システムとを含む。アームは、第1のアームと第2のアームとを含む。各アームは、眼の一対のまぶたのうちの1つのまぶたに適合するように形成されたリトラクタを有する。リトラクタは、横軸に関して実質的に対称である。ロック機構は、アームに結合されている。ロック機構は、アームを移動させてリトラクタが一対のまぶたを開創することを可能にし、アームを所定の位置に固定して一対のまぶたの開創を維持する。気流システムは、少なくとも1つのアームに結合され、眼の表面から外側に位置する領域において空気を移動させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼科用鏡であって、
第1のアームと第2のアームとを含む複数のアームであって、各アームが、眼の一対のまぶたのうちの1つのまぶたに適合するように形成されたリトラクタを有し、複数の前記リトラクタが、横軸に関して実質的に対称である、複数のアームと、
前記アームに結合されて、
前記アームを移動させて前記複数のリトラクタが前記一対のまぶたを開創することを可能にし、且つ
前記アームを所定の位置に固定して前記一対のまぶたの開創を維持する、
ように構成された、ロック機構と、
前記複数のアームのうちの少なくとも1つのアームに結合された気流システムであって、前記眼の表面から外側に位置する領域において空気を移動させるように構成された、気流システムと、
を備える、眼科用鏡。
【請求項2】
前記気流システムが、前記横軸に対して直交する方向において、前記眼の前記表面を横切る層流として前記空気を移動させるように構成されている、請求項1に記載の眼科用鏡。
【請求項3】
前記気流システムが、前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させるように構成されたアスピレータを備える、請求項2に記載の眼科用鏡。
【請求項4】
前記気流システムが、前記眼の前記表面を横切って前記空気を移動させるように構成された空気ブロワを備える、請求項2に記載の眼科用鏡。
【請求項5】
前記気流システムが、
前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させるように構成されたアスピレータと、
前記眼の前記表面を横切って前記空気を移動させるように構成された空気ブロワと、
を備える、請求項2に記載の眼科用鏡。
【請求項6】
前記気流システムが、前記眼の前記表面に向かって、次いで前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させる、低圧領域を生成するように構成されている、請求項1に記載の眼科用鏡。
【請求項7】
前記気流システムが、前記複数のリトラクタのうちの1つのリトラクタに向かって前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させるように構成されたアスピレータを備える、請求項6に記載の眼科用鏡。
【請求項8】
前記気流システムが、
前記複数のリトラクタのうちの第1のリトラクタに向かって前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させるように構成された第1のアスピレータと、
前記複数のリトラクタのうちの第2のリトラクタに向かって前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させるように構成された第2のアスピレータと、
を備える、請求項6に記載の眼科用鏡。
【請求項9】
前記気流システムが、前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させる、空気の回転流を生成するように構成されている、請求項1に記載の眼科用鏡。
【請求項10】
前記気流システムが、
前記複数のリトラクタのうちの第1のリトラクタに向かって前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させるように構成されたアスピレータと、
前記複数のリトラクタのうちの第2のリトラクタから離れるように前記眼の前記表面を横切って前記空気を移動させるように構成された空気ブロワと、
を備える、請求項9に記載の眼科用鏡。
【請求項11】
前記気流システムが、
前記複数のリトラクタのうちの第1のリトラクタから離れるように前記眼の前記表面を横切って前記空気を移動させるように構成された第1の空気ブロワと、
前記複数のリトラクタのうちの第2のリトラクタから離れるように前記眼の前記表面を横切って前記空気を移動させるように構成された第2の空気ブロワと、
を備える、請求項9に記載の眼科用鏡。
【請求項12】
前記気流システムが、
前記複数のリトラクタのうちの第1のリトラクタに向かって前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させるように構成された第1のアスピレータと、
前記複数のリトラクタのうちの第2のリトラクタに向かって前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させるように構成された第2のアスピレータと、
を備える、請求項9に記載の眼科用鏡。
【請求項13】
眼から離れるように空気を移動させるための方法であって、
複数のリトラクタが一対のまぶたを開創することを可能にするように複数のアームを移動させることであって、前記複数のアームが、第1のアームと第2のアームとを含み、各アームが、前記複数のリトラクタのうちの1つのリトラクタを有し、前記リトラクタが、前記眼の前記一対のまぶたのうちの1つのまぶたに適合するように形成されており、前記リトラクタが、横軸に関して実質的に対称である、ことと、
ロック機構によって、前記アームを所定の位置に固定して前記一対のまぶたの開創を維持することと、
少なくとも1つのアームに結合された気流システムによって、前記眼の表面から外側に位置する領域において空気を移動させることと、
を含む、方法。
【請求項14】
コンピュータによって、前記空気を移動させるように前記気流システムを制御することを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記気流システムが、前記横軸に対して直交する方向において、前記眼の前記表面を横切る層流として前記空気を移動させるように構成されている、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記気流システムが、前記眼の前記表面に向かって、次いで前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させる、低圧領域を生成するように構成されている、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記気流システムが、前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させる、空気の回転流を生成するように構成されている、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
眼科用鏡であって、
第1のアームと第2のアームとを含む複数のアームであって、各アームが、眼の一対のまぶたのうちの1つのまぶたに適合するように形成されたリトラクタを有し、前記リトラクタが、横軸に関して実質的に対称である、複数のアームと、
前記アームに結合されて、
前記アームを移動させて前記リトラクタが前記一対のまぶたを開創することを可能にし、且つ
前記アームを所定の位置に固定して前記一対のまぶたの開創を維持する、
ように構成された、ロック機構と、
前記複数のアームのうちの少なくとも1つのアームに結合された気流システムであって、前記眼の表面から外側に位置する領域において空気を移動させるように構成されており、
各アスピレータが前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させるように構成された、1つ以上のアスピレータと、
各空気ブロワが前記眼の前記表面を横切って前記空気を移動させるように構成された、1つ以上の空気ブロワと、
を備える、気流システムと、
前記気流システムを制御して、
前記横軸に対して直交する方向において、前記眼の前記表面を横切る層流として前記空気を移動させ、
前記眼の前記表面に向かって、次いで前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させる、低圧領域を生成し、
前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させる、空気の回転流を生成する、
ように構成されたコンピュータと、
を備える、眼科用鏡。
【請求項19】
前記1つ以上のアスピレータが、
前記複数のリトラクタのうちの第1のリトラクタに向かって前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させるように構成された第1のアスピレータと、
前記複数のリトラクタのうちの第2のリトラクタに向かって前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させるように構成された第2のアスピレータと、
を備える、請求項18に記載の眼科用鏡。
【請求項20】
前記1つ以上の空気ブロワが、
前記複数のリトラクタのうちの第1のリトラクタから離れるように前記眼の前記表面を横切って前記空気を移動させるように構成された第1の空気ブロワと、
前記複数のリトラクタのうちの第2のリトラクタから離れるように前記眼の前記表面を横切って前記空気を移動させるように構成された第2の空気ブロワと、
を備える、請求項18に記載の眼科用鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、眼科用デバイスに関し、より具体的には、気流システムを備えた眼科用鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ切除は、レーザビームを表面に照射することによって表面から物質を除去する。眼科用手術では、エキシマレーザを使用して角膜を切除し、角膜の形を整えて、その屈折特性を変えることができる。屈折矯正手術には、様々なタイプが存在する。レーザ角膜屈折矯正手術(LASIK:Laser in-situ keratomileusis)は、角膜内にフラップを切開し、その後、レーザを用いて角膜を切除することを伴う。光屈折力角膜切除術(PRK)は、フラップを形成する代わりに角膜の表面細胞が除去され、その後、手術後に再び成長することを可能にすることを除いて、LASIKと同様である。
【0003】
レーザ切除中、切除生成物(組織粒子など)が、多くの場合、切除領域の上方に望ましくない霧を形成する。そのような切除生成物は、レーザビーム経路内に入り、そこでレーザビームの強度を不必要に減衰させる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
特定の実施形態では、眼科用鏡は、アームと、ロック機構と、気流システムとを含む。アームは、第1のアームと第2のアームとを含む。各アームは、眼の一対のまぶたのうちの1つのまぶたに適合するように形成されたリトラクタを有する。リトラクタは、横軸に関して実質的に対称である。ロック機構は、アームに結合されている。ロック機構は、アームを移動させてリトラクタが一対のまぶたを開創することを可能にし、アームを所定の位置に固定して一対のまぶたの開創を維持する。気流システムは、少なくとも1つのアームに結合され、眼の表面から外側に位置する領域において空気を移動させる。
【0005】
実施形態は、以下の特徴のいずれも含まなくてよいか、1つ、いくつか、又は全てを含んでもよい。気流システムは、横軸に対して直交する方向において、眼の表面を横切る層流として空気を移動させる。アスピレータは。眼の表面から離れるように空気を移動させることができ、及び/又は空気ブロワは、眼の表面を横切って空気を移動させることができる。気流システムは、眼の表面に向かって、次いで眼の表面から離れるように空気を移動させる、低圧領域を生成する。気流システムは、1つ以上のアスピレータを含むことができ、各アスピレータは、複数のリトラクタのうちの1つのリトラクタに向かって眼の表面から離れるように空気を移動させる。
【0006】
気流システムは、眼の表面から離れるように空気を移動させる、空気の回転流を生成する。気流システムは、複数のリトラクタのうちの第1のリトラクタに向かって眼の表面から離れるように空気を移動させるように構成されたアスピレータと、複数のリトラクタのうちの第2のリトラクタから離れるように眼の表面を横切って空気を移動させるように構成された空気ブロワと、を含み得る。気流システムは、複数のリトラクタのうちの第1のリトラクタから離れるように眼の表面を横切って空気を移動させるように構成された第1の空気ブロワと、複数のリトラクタのうちの第2のリトラクタから離れるように眼の表面を横切って空気を移動させるように構成された第2の空気ブロワと、を含み得る。気流システムは、複数のリトラクタのうちの第1のリトラクタに向かって眼の表面から離れるように空気を移動させるように構成された第1のアスピレータと、複数のリトラクタのうちの第2のリトラクタに向かって眼の表面から離れるように空気を移動させるように構成された第2のアスピレータと、を含み得る。
【0007】
特定の実施形態では、眼から離れるように空気を移動させるための方法は、リトラクタが一対のまぶたを開創することを可能にするように複数のアームを移動させることを含む。アームは、第1のアームと第2のアームとを含み、各アームは、1つのまぶたに適合するように成形されたリトラクタを有する。リトラクタは、横軸に関して実質的に対称である。方法は、ロック機構によって、アームを所定の位置に固定して一対のまぶたの開創を維持することと、少なくとも1つのアームに結合された気流システムによって、眼の表面から外側に位置する領域において空気を移動させることと、を更に含む。
【0008】
実施形態は、以下の特徴のいずれも含まなくてよいか、1つ、いくつか、又は全てを含んでもよい。方法は、コンピュータによって、空気を移動させるように気流システムを制御することを含む。気流システムは、横軸に対して直交する方向において、眼の表面を横切る層流として空気を移動させる。気流システムは、眼の表面に向かって、次いで眼の表面から離れるように空気を移動させる、低圧領域を生成する。気流システムは、眼の表面から離れるように空気を移動させる、空気の回転流を生成する。
【0009】
特定の実施形態では、眼科用鏡は、アームと、ロック機構と、気流システムと、コンピュータとを含む。アームは、第1のアームと第2のアームとを含む。各アームは、眼の一対のまぶたのうちの1つのまぶたに適合するように形成されたリトラクタを有する。リトラクタは、横軸に関して実質的に対称である。ロック機構は、アームに結合されている。ロック機構は、アームを移動させてリトラクタが一対のまぶたを開創することを可能にし、アームを所定の位置に固定して一対のまぶたの開創を維持する。気流システムは、少なくとも1つのアームに結合され、眼の表面から外側に位置する領域において空気を移動させる。気流システムは、各アスピレータが眼の表面から離れるように空気を移動させる、1つ以上のアスピレータと、各空気ブロワが眼の表面を横切って空気を移動させる、1つ以上の空気ブロワと、を含む。コンピュータは、気流システムを制御して、横軸に対して直交する方向において眼の表面を横切って層流として空気を移動させ、眼の表面に向かって、次いで眼の表面から離れるように空気を移動させる、低圧領域を生成し、眼の表面から離れるように空気を移動させる、空気の回転流を生成する、ことができる。
【0010】
実施形態は、以下の特徴のいずれも含まなくてよいか、1つ、いくつか、又は全てを含んでもよい。1つ以上のアスピレータは、複数のリトラクタのうちの第1のリトラクタに向かって眼の表面から離れるように空気を移動させるように構成された第1のアスピレータと、複数のリトラクタのうちの第2のリトラクタに向かって眼の表面から離れるように空気を移動させるように構成された第2のアスピレータと、を含む。1つ以上の空気ブロワは、複数のリトラクタのうちの第1のリトラクタから離れるように眼の表面を横切って空気を移動させるように構成された第1の空気ブロワと、複数のリトラクタのうちの第2のリトラクタから離れるように眼の表面を横切って空気を移動させるように構成された第2の空気ブロワと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】特定の実施形態による、眼科用鏡の一例を示す図である。
図2A図1の眼科用鏡と共に使用され得る、層流として空気を移動させる気流システムの一例を示す図である。
図2B図1の眼科用鏡と共に使用され得る、層流として空気を移動させる気流システムの一例を示す図である。
図2C図1の眼科用鏡と共に使用され得る、層流として空気を移動させる気流システムの一例を示す図である。
図3A図1の眼科用鏡と共に使用され得る、低圧領域を生成する気流システムの一例を示す図である。
図3B図1の眼科用鏡と共に使用され得る、低圧領域を生成する気流システムの一例を示す図である。
図4A図1の眼科用鏡と共に使用され得る、回転空気移動を生成する気流システムの一例を示す図である。
図4B図1の眼科用鏡と共に使用され得る、回転空気移動を生成する気流システムの一例を示す図である。
図4C図1の眼科用鏡と共に使用され得る、回転空気移動を生成する気流システムの一例を示す図である。
図5図1の眼科用鏡と共に使用され得る、気流方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで、説明及び図面を参照して、開示される装置、システム、及び方法の実施形態例を詳細に示す。説明及び図面は、網羅的であることも、或いは、特許請求の範囲を、図面において示され、説明において開示される特定の実施形態に限定することも意図するものではない。図面は可能な実施形態を表すが、図面は必ずしも縮尺通りではなく、実施形態をよりよく示すために特定の特徴部を簡略化、誇張、削除、又は部分的に分割している場合がある。
【0013】
レーザ切除中、切除生成物(組織粒子など)が、多くの場合、切除領域の上方に望ましくない霧を形成する。そのような切除生成物は、レーザビーム経路内に入り、そこでレーザビームの強度を不必要に減衰させる。特定の実施形態は、この課題に対処することができる。
【0014】
図1は、特定の実施形態による、眼科用鏡10の一例を示している。この例では、眼科用鏡10は、図示のように結合された、アーム20(20a、20b)と、ロック機構22と、気流システム24とを含む。各アーム20は、眼のまぶたのうちの1つのまぶたに適合するように成形されたリトラクタ25(25a、25b)を有する。ロック機構22は、アーム20を移動させてリトラクタ25がまぶたを開創することを可能にし、次いで、アーム20を所定の位置に固定して開創を維持する。気流システム24は、眼の表面から外側に位置する空気を移動させる1つ以上の気流デバイスを備える。空気の移動により、眼から離れるように切除生成物を移動させて、レーザビームの不要な減衰を低減する。特定の実施形態では、コンピュータ12は、空気を移動させるように気流システム24に命令することができる。
【0015】
実施例の部分に目を向けると、眼科用鏡10は、リトラクタ25(25a、25b)を備えたアーム20を有する。アーム20及びリトラクタ25は、まぶたを開創するのに十分な強度の材料、例えば金属又はプラスチックからなる。リトラクタ25は、まぶたに適合するようにサイズ決め及び成形され、リトラクタ25は、横軸14に関して実質的に対称であり得る。リトラクタ25は、横軸14に対して実質的に直交する方向において湾曲した又は鉤の形状を有していてもよく、ここで湾曲した又は鉤の形状が、眼から離れてまぶたを移動させるように、まぶたに係合している。リトラクタ25は、横軸14に対して実質的に平行な方向において直線の又は湾曲した形状を有していてもよい。図示の例では、リトラクタ25は、横軸14に対して実質的に直交する方向において湾曲した形状を有し、且つ横軸14に対して実質的に平行な方向において直線の形状を有する。ロック機構22は、アーム20を移動させて、アーム20を所定の位置に固定するための任意の適切な部品、例えば、ねじ又はばねを備える。
【0016】
気流システム24は、眼の表面から外側に位置する空気を移動させる1つ以上の気流デバイスを備える。気流デバイスは、任意の適切な方向において空気を移動させるデバイスである。例えば、空気ブロワ(例えば、ファン)は、一般に、それ自体から離れるように空気を移動させ、アスピレータは、一般に、それ自体に向かって空気を移動させる。特定の実施形態では、空気ブロワは、眼の表面を横切って空気を移動させ(又は吹き付け)、アスピレータは、表面から離れるように空気を移動させる(又は吸引する)。
【0017】
気流デバイスは、空気を移動させるために、任意の適切な技術を使用することができる。例えば、気流デバイスは、従来のファンを使用して空気を移動させることができる。従来のファンは、空気の流れを生成する回転ブレードを備えた装置であってもよい。別の例として、ベースとループとを備えたダイソンのブレードのないファンが使用されてもよい。ベースは、ファン内に空気を引き込むフィン(非対称又は対称)を備えたインペラ(例えば、混合流インペラ)を有してもよい。インペラが空気圧を上昇させると、空気は、ループ内に押し込まれ、ループを通過する。ループを通過する気流によって低圧領域が生成され、これにより、周囲の空気が誘導されて巻き込みを介して気流に追従する。
【0018】
別の例として、気流デバイスは、ベンチュリ効果に基づく技術を用いて空気を移動させることができる。そのようなベンチュリ気流デバイスの例には、エアエジェクタ、ベンチュリポンプ、及び真空エジェクタが含まれる。ベンチュリ気流デバイスでは、作動流体が、断面積が最初に細くその後拡大するチューブを通って流れる。流体は高速で流出し、その結果、低圧領域となって、真空を生成する。場合によっては、外側チューブは、高速の作動流体が真空によって引き込まれた別の流体と混合される混合セクション内で狭まることにより、流体が排出されるのに十分な速度を与える。他の適切な技術、例えば、ジェットエンジン技術を使用して空気を移動させる気流デバイス、又は温度差及び/若しくは湿度差を用いて空気を移動させる気流デバイスを使用することもできる。
【0019】
気流システム24は、任意の適切な気流パターンを形成するように空気を移動させることができる。気流パターンは、空気の比較的一貫した移動を表す。気流パターンの例には、眼を横切る層流(層流パターン)、眼に低圧領域を生成する眼から離れる流れ(低圧パターン)、及び眼から離れるように空気を移動させる回転流(回転パターン)が含まれる。
【0020】
特定の実施形態では、コンピュータ12は、空気を移動させるように気流システム24を制御することができる。実施形態では、コンピュータは、気流デバイス(例えば、空気ブロワ又はアスピレータ)がどのように空気を移動させて気流パターンを生成するかを制御することができる。例えば、コンピュータは、気流パターンを生成するために、いつ空気を移動させるべきか、どれだけの量の空気を移動させるべきか、及び/又はどれだけ速く空気を移動させるべきかに関する命令を、デバイスに送信することができる。
【0021】
図2A図2Cは、図1の眼科用鏡10と共に使用され得る、層流パターンの層流40として空気を移動させる気流システム24の一例を示している。層流40は、横軸14に対して実質的に直交する方向において眼28の表面26を横切って移動する。図2Aは、気流システム24の上面図であり、図2Bは、気流システム24の側面図である。
【0022】
図示の例では、気流システム24は、リトラクタ25aに結合された空気ブロワ32、及び/又はリトラクタ25bに結合されたアスピレータ30を含む。空気ブロワ32は、リトラクタ25aから離れるように眼28の表面26を横切って空気を吹き付ける。アスピレータ30は、リトラクタ25bに向かって眼28の表面26から空気を吸引する。空気ブロワ32が空気を吹き付けてアスピレータ30が空気を吸引すると、眼28の表面26を横切り、且つ横軸14に対して直交する層流40が、眼28から離れるように吸引生成物42を移動させる。他の例では、層流40は、横軸14に対して直交する以外の角度、例えば、40~50度、50~70度、及び/又は70~90度の範囲の角度などの、40~90度の範囲の角度であってもよい。
【0023】
図2Cは、スペーサ34(34a、34b)を含む、気流システム24の側面図である。スペーサ34は、空気ブロワ32及びアスピレータ30と眼28の表面26との間の距離を調整するために使用することができ、これにより、層流40と表面26との間の距離が変化する。層流40と表面26との間の距離は、眼28上での層流40の乾燥効果を低減するために増加させてもよい。
【0024】
図3A及び図3Bは、図1の眼科用鏡10と共に使用され得る、低圧パターンの低圧領域50を生成する気流システム24の一例を示している。この例では、気流システム24は、眼28の表面26に向かって、次いで眼28の中心27から離れるように、空気40及び切除生成物42を移動させる。図3Aは、気流システム24の上面図であり、図3Bは、気流システム24の側面図である。
【0025】
図示の例では、気流システム24は、リトラクタ25に結合された1つ又は2つのアスピレータ30を含む。各アスピレータ30は、その関連するリトラクタ25に向かって眼28の表面26から離れるように空気を吸引する。特定の実施形態では、1つのリトラクタ25のみが、関連するアスピレータ30を有する。他の実施形態では、両方のリトラクタ25が、関連するアスピレータ30を有する。これらの実施形態では、第1のアスピレータは、第1のリトラクタに向かって眼28の表面26から離れるように空気を吸引し、第2のアスピレータは、第2のリトラクタに向かって眼28の表面26から離れるように空気を吸引する。その結果、空気の移動により、眼28の表面26に向かって空気40を移動させる低圧領域50が生成され、その後、気流デバイスが、眼28の中心27から離れるように空気40を移動させる。
【0026】
図4A図4Cは、図1の眼科用鏡10と共に使用され得る、回転パターンの回転空気移動52を生成する気流システム24の一例を示している。回転空気移動52は、眼28の表面26から離れるように空気40及び切除生成物42を移動させる。図4Aは、気流システム24の上面図であり、図4Bは、気流システム24の側面図である。図4Cは、回転流角度60(60a~d)の例を示している。
【0027】
図4Cに目を向けると、回転流角度60は、回転空気移動52を生成することができる気流の角度である。図示の例では、2つ以上の角度60での気流が、回転空気移動52を生成することができる。一般に、回転流角度60は、横軸14に対して平行でも垂直でもない。回転流角度60の例は、横軸14に対して10~80度の範囲の値(例えば、10~35度、35~55度、及び/又は55~80度の範囲の値)を有してもよい。空気ブロワは、角度60a、60dで空気を移動させ(例えば、吹き付け)てもよく、アスピレータは、角度60b、60cで空気を移動させ(例えば、吸引し)てもよい。
【0028】
図4A及び図4Bに目を向けると、特定の実施形態では、気流システム24は、回転方向において空気40を移動させる1つ以上の気流デバイス(例えば、空気ブロワ32及び/又はアスピレータ30)を含む。眼28において空気の回転移動を生成する気流デバイスの任意の適切な組み合わせが使用されてもよい。図示の例では、気流システム24は、リトラクタ25aに結合された空気ブロワ32と、リトラクタ25bに結合されたアスピレータ30とを含む。空気ブロワ32は、回転流角度60aで、リトラクタ25aから離れるように眼28の表面26を横切って空気を吹き付ける。アスピレータ30は、回転流角度60bで、リトラクタ25bに向かって眼28の表面26から空気を吸引する。
【0029】
眼28において空気の回転移動を生成する気流デバイスの他の適切な組み合わせが使用されてもよい。例えば、気流システム24は、リトラクタ25aに結合された第1の空気ブロワ32と、リトラクタ25bに結合された第2の空気ブロワ32とを含むことができる。第1の空気ブロワ32は、回転流角度60aで、リトラクタ25aから離れるように眼28の表面26を横切って空気を移動させ、第2の空気ブロワ32は、回転流角度60dで、第2のリトラクタ25bから離れるように眼28の表面26を横切って空気を移動させる。
【0030】
別の例として、気流システム24は、リトラクタ25aに結合された第1のアスピレータ30と、リトラクタ25bに結合された第2のアスピレータ30とを含むことができる。第1のアスピレータ30は、回転流角度60cで、リトラクタ25aに向かって眼28の表面26から離れるように空気を移動させ、第2のアスピレータ30は、回転流角度60bで、リトラクタ25bに向かって眼28の表面26から離れるように空気を移動させる。
【0031】
図5は、図1の眼科用鏡と共に使用され得る、気流方法の一例を示している。特定の実施形態では、コンピュータ12は、本方法を実行することができ、本方法は、眼科処置中に切除生成物を除去するために実行されてもよい。
【0032】
本方法は、コンピュータ12が気流パターンを決定するステップ110において開始する。気流パターンは、他の適切なパターンの、例えば、層流、低圧、回転であってもよい。特定の実施形態では、コンピュータ12は、例えば、ユーザ入力又は所定の設定からパターンを決定してもよい。例えば、特定の処置のために、特定のパターンが選択されてもよい。
【0033】
コンピュータ12は、ステップ112において、気流システム24を制御して気流パターンを生成する。次のステップは、決定された気流パターンに依存する。層状パターンの場合、方法は、ステップ114に進み、層状パターンを生成する。層流パターンを生成する一例を、図2A図2Cを参照して説明する。低圧パターンの場合、方法は、ステップ116に進み、低圧パターンを作成する。低圧パターンを作成する一例を、図3A及び図3Bを参照して説明する。回転パターンの場合、方法は、ステップ114に進み、回転パターンを作成する。回転パターンを作成する一例を、図4A図4Cを参照して説明する。
【0034】
気流手順は、ステップ120において終了してもよい。例えば、眼科処置の切除プロセスが終了し、したがって切除生成物の除去の必要性がもはや存在しない場合がある。気流処置が終了していない場合、方法は、ステップ112に戻り、気流システム24の制御を継続して気流パターンを生成する。気流処置が終了すると、方法は終了する。
【0035】
本明細書に開示されるシステム及び装置の(コンピュータ12などの)コンポーネントは、インターフェース、ロジック、及び/又はメモリを含んでもよく、これらのうちの任意のものがコンピュータハードウェア及び/又はソフトウェアを含んでもよい。インターフェースは、コンポーネントへの入力を受信する、及び/又はコンポーネントからの出力を送信することができ、通常、ソフトウェア、ハードウェア、周辺機器、ユーザ、及びこれらの組み合わせなどの間で情報を交換するために使用される。ユーザインターフェース(例えば、グラフィカルユーザインターフェース(GUI))は、ユーザがコンピュータと対話するために利用され得るインターフェースの一種である。ユーザインターフェースの例には、ディスプレイ、タッチスクリーン、キーボード、マウス、ジェスチャセンサ、マイク及びスピーカが含まれる。
【0036】
ロジックは、コンポーネントの動作を実行することができる。ロジックは、データを処理する、例えば命令を実行して入力から出力を生成する、1つ以上の電子装置を含んでもよい。かかる電子装置の例には、コンピュータ、プロセッサ、マイクロプロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU))、及びコンピュータチップが含まれる。ロジックは、動作を実行するよう電子装置によって実行できる命令をエンコードするコンピュータソフトウェアを含んでもよい。コンピュータソフトウェアの例には、コンピュータプログラム、アプリケーション、及びオペレーティングシステムが含まれる。
【0037】
メモリは、情報を格納することができ、有形のコンピュータ読取可能及び/又はコンピュータ実行可能なストレージ媒体を含んでもよい。メモリの例としては、コンピュータメモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は読み出し専用メモリ(ROM))、マスストレージメディア(例えば、ハードディスク)、リムーバブルストレージメディア(例えば、コンパクトディスク(CD)又はデジタルビデオ若しくは多用途ディスク(DVD))、データベース、ネットワークストレージ(例えば、サーバ)、及び/又は他のコンピュータ読取可能媒体が挙げられる。特定の実施形態は、コンピュータソフトウェアを用いてエンコードされたメモリを対象としてもよい。
【0038】
特定の実施形態に関して本開示を説明してきたが、実施形態の修正形態(例えば、変更形態、置換形態、追加形態、省略形態及び/又は他の修正形態)が、当業者には明らかになろう。したがって、本発明の範囲から逸脱することなく、実施形態に対する修正がなされ得る。例えば、本明細書で開示されたシステム及び装置に対する修正がなされ得る。当業者に明らかであるように、システム及び装置のコンポーネントは、統合若しくは分離され得る、又はシステム及び装置の動作は、より多い、より少ない、若しくは他のコンポーネントによって実行され得る。別の例として、本明細書で開示された方法に対する修正がなされ得る。当業者に明らかであるように、方法は、より多い、より少ない、又は他のステップを含み得、ステップは、任意の適当な順序で実行され得る。
【0039】
特許庁及び読者がクレームを解釈するのを助けるために、出願人は、特定のクレームにおいて「のための手段(means for)」又は「のためのステップ(step for)」という単語が明示的に使用されていない限り、クレーム又はクレーム要素のいずれもが、米国特許法第112条(f)を想起することを意図していないことを言及しておく。クレーム内の他の任意の用語(例えば、「機構」、「モジュール」、「デバイス」、「ユニット」、「コンポーネント」、「要素」、「部材」、「装置」、「機械」、「システム」、「プロセッサ」又は「コントローラ」)の使用は、本出願人により、関連する技術分野における当業者に既知の構造を指すと理解され、米国特許法第112条(f)の適用を受けることを意図しない。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-09-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0039】
特許庁及び読者がクレームを解釈するのを助けるために、出願人は、特定のクレームにおいて「のための手段(means for)」又は「のためのステップ(step for)」という単語が明示的に使用されていない限り、クレーム又はクレーム要素のいずれもが、米国特許法第112条(f)を想起することを意図していないことを言及しておく。クレーム内の他の任意の用語(例えば、「機構」、「モジュール」、「デバイス」、「ユニット」、「コンポーネント」、「要素」、「部材」、「装置」、「機械」、「システム」、「プロセッサ」又は「コントローラ」)の使用は、本出願人により、関連する技術分野における当業者に既知の構造を指すと理解され、米国特許法第112条(f)の適用を受けることを意図しない。
また、本開示は以下の発明を含む。
第1の態様は、
眼科用鏡であって、
第1のアームと第2のアームとを含む複数のアームであって、各アームが、眼の一対のまぶたのうちの1つのまぶたに適合するように形成されたリトラクタを有し、複数の前記リトラクタが、横軸に関して実質的に対称である、複数のアームと、
前記アームに結合されて、
前記アームを移動させて前記複数のリトラクタが前記一対のまぶたを開創することを可能にし、且つ
前記アームを所定の位置に固定して前記一対のまぶたの開創を維持する、
ように構成された、ロック機構と、
前記複数のアームのうちの少なくとも1つのアームに結合された気流システムであって、前記眼の表面から外側に位置する領域において空気を移動させるように構成された、気流システムと、
を備える、眼科用鏡である。
第2の態様は、
前記気流システムが、前記横軸に対して直交する方向において、前記眼の前記表面を横切る層流として前記空気を移動させるように構成されている、第1の態様における眼科用鏡である。
第3の態様は、
前記気流システムが、前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させるように構成されたアスピレータを備える、第2の態様における眼科用鏡である。
第4の態様は、
前記気流システムが、前記眼の前記表面を横切って前記空気を移動させるように構成された空気ブロワを備える、第2の態様における眼科用鏡である。
第5の態様は、
前記気流システムが、
前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させるように構成されたアスピレータと、
前記眼の前記表面を横切って前記空気を移動させるように構成された空気ブロワと、
を備える、第2の態様における眼科用鏡である。
第6の態様は、
前記気流システムが、前記眼の前記表面に向かって、次いで前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させる、低圧領域を生成するように構成されている、第1の態様における眼科用鏡である。
第7の態様は、
前記気流システムが、前記複数のリトラクタのうちの1つのリトラクタに向かって前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させるように構成されたアスピレータを備える、第6の態様における眼科用鏡である。
第8の態様は、
前記気流システムが、
前記複数のリトラクタのうちの第1のリトラクタに向かって前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させるように構成された第1のアスピレータと、
前記複数のリトラクタのうちの第2のリトラクタに向かって前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させるように構成された第2のアスピレータと、
を備える、第6の態様における眼科用鏡である。
第9の態様は、
前記気流システムが、前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させる、空気の回転流を生成するように構成されている、第1の態様における眼科用鏡である。
第10の態様は、
前記気流システムが、
前記複数のリトラクタのうちの第1のリトラクタに向かって前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させるように構成されたアスピレータと、
前記複数のリトラクタのうちの第2のリトラクタから離れるように前記眼の前記表面を横切って前記空気を移動させるように構成された空気ブロワと、
を備える、第9の態様における眼科用鏡である。
第11の態様は、
前記気流システムが、
前記複数のリトラクタのうちの第1のリトラクタから離れるように前記眼の前記表面を横切って前記空気を移動させるように構成された第1の空気ブロワと、
前記複数のリトラクタのうちの第2のリトラクタから離れるように前記眼の前記表面を横切って前記空気を移動させるように構成された第2の空気ブロワと、
を備える、第9の態様における眼科用鏡である。
第12の態様は、
前記気流システムが、
前記複数のリトラクタのうちの第1のリトラクタに向かって前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させるように構成された第1のアスピレータと、
前記複数のリトラクタのうちの第2のリトラクタに向かって前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させるように構成された第2のアスピレータと、
を備える、第9の態様における眼科用鏡である。
第13の態様は、
眼から離れるように空気を移動させるための方法であって、
複数のリトラクタが一対のまぶたを開創することを可能にするように複数のアームを移動させることであって、前記複数のアームが、第1のアームと第2のアームとを含み、各アームが、前記複数のリトラクタのうちの1つのリトラクタを有し、前記リトラクタが、前記眼の前記一対のまぶたのうちの1つのまぶたに適合するように形成されており、前記リトラクタが、横軸に関して実質的に対称である、ことと、
ロック機構によって、前記アームを所定の位置に固定して前記一対のまぶたの開創を維持することと、
少なくとも1つのアームに結合された気流システムによって、前記眼の表面から外側に位置する領域において空気を移動させることと、
を含む、方法である。
第14の態様は、
コンピュータによって、前記空気を移動させるように前記気流システムを制御することを更に含む、第13の態様における方法である。
第15の態様は、
前記気流システムが、前記横軸に対して直交する方向において、前記眼の前記表面を横切る層流として前記空気を移動させるように構成されている、第13の態様における方法である。
第16の態様は、
前記気流システムが、前記眼の前記表面に向かって、次いで前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させる、低圧領域を生成するように構成されている、第13の態様における方法である。
第17の態様は、
前記気流システムが、前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させる、空気の回転流を生成するように構成されている、第13の態様における方法である。
第18の態様は、
眼科用鏡であって、
第1のアームと第2のアームとを含む複数のアームであって、各アームが、眼の一対のまぶたのうちの1つのまぶたに適合するように形成されたリトラクタを有し、前記リトラクタが、横軸に関して実質的に対称である、複数のアームと、
前記アームに結合されて、
前記アームを移動させて前記リトラクタが前記一対のまぶたを開創することを可能にし、且つ
前記アームを所定の位置に固定して前記一対のまぶたの開創を維持する、
ように構成された、ロック機構と、
前記複数のアームのうちの少なくとも1つのアームに結合された気流システムであって、前記眼の表面から外側に位置する領域において空気を移動させるように構成されており、
各アスピレータが前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させるように構成された、1つ以上のアスピレータと、
各空気ブロワが前記眼の前記表面を横切って前記空気を移動させるように構成された、1つ以上の空気ブロワと、
を備える、気流システムと、
前記気流システムを制御して、
前記横軸に対して直交する方向において、前記眼の前記表面を横切る層流として前記空気を移動させ、
前記眼の前記表面に向かって、次いで前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させる、低圧領域を生成し、
前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させる、空気の回転流を生成する、
ように構成されたコンピュータと、
を備える、眼科用鏡である。
第19の態様は、
前記1つ以上のアスピレータが、
前記複数のリトラクタのうちの第1のリトラクタに向かって前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させるように構成された第1のアスピレータと、
前記複数のリトラクタのうちの第2のリトラクタに向かって前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させるように構成された第2のアスピレータと、
を備える、第18の態様における眼科用鏡である。
第20の態様は、
前記1つ以上の空気ブロワが、
前記複数のリトラクタのうちの第1のリトラクタから離れるように前記眼の前記表面を横切って前記空気を移動させるように構成された第1の空気ブロワと、
前記複数のリトラクタのうちの第2のリトラクタから離れるように前記眼の前記表面を横切って前記空気を移動させるように構成された第2の空気ブロワと、
を備える、第18の態様における眼科用鏡である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼科用鏡であって、
第1のアームと第2のアームとを含む複数のアームであって、各アームが、眼の一対のまぶたのうちの1つのまぶたに適合するように形成されたリトラクタを有し、複数の前記リトラクタが、横軸に関して実質的に対称である、複数のアームと、
前記アームに結合されて、
前記アームを移動させて前記複数のリトラクタが前記一対のまぶたを開創することを可能にし、且つ
前記アームを所定の位置に固定して前記一対のまぶたの開創を維持する、
ように構成された、ロック機構と、
前記複数のアームのうちの少なくとも1つのアームに結合された気流システムであって、前記眼の表面から外側に位置する領域において空気を移動させるように構成された、気流システムと、
を備える、眼科用鏡。
【請求項2】
前記気流システムが、前記横軸に対して直交する方向において、前記眼の前記表面を横切る層流として前記空気を移動させるように構成されている、請求項1に記載の眼科用鏡。
【請求項3】
前記気流システムが、前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させるように構成されたアスピレータを備える、請求項2に記載の眼科用鏡。
【請求項4】
前記気流システムが、前記眼の前記表面を横切って前記空気を移動させるように構成された空気ブロワを備える、請求項2に記載の眼科用鏡。
【請求項5】
前記気流システムが、
前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させるように構成されたアスピレータと、
前記眼の前記表面を横切って前記空気を移動させるように構成された空気ブロワと、
を備える、請求項2に記載の眼科用鏡。
【請求項6】
前記気流システムが、前記眼の前記表面に向かって、次いで前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させる、低圧領域を生成するように構成されている、請求項1に記載の眼科用鏡。
【請求項7】
前記気流システムが、前記複数のリトラクタのうちの1つのリトラクタに向かって前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させるように構成されたアスピレータを備える、請求項6に記載の眼科用鏡。
【請求項8】
前記気流システムが、
前記複数のリトラクタのうちの第1のリトラクタに向かって前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させるように構成された第1のアスピレータと、
前記複数のリトラクタのうちの第2のリトラクタに向かって前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させるように構成された第2のアスピレータと、
を備える、請求項6に記載の眼科用鏡。
【請求項9】
前記気流システムが、前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させる、空気の回転流を生成するように構成されている、請求項1に記載の眼科用鏡。
【請求項10】
前記気流システムが、
前記複数のリトラクタのうちの第1のリトラクタに向かって前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させるように構成されたアスピレータと、
前記複数のリトラクタのうちの第2のリトラクタから離れるように前記眼の前記表面を横切って前記空気を移動させるように構成された空気ブロワと、
を備える、請求項9に記載の眼科用鏡。
【請求項11】
前記気流システムが、
前記複数のリトラクタのうちの第1のリトラクタから離れるように前記眼の前記表面を横切って前記空気を移動させるように構成された第1の空気ブロワと、
前記複数のリトラクタのうちの第2のリトラクタから離れるように前記眼の前記表面を横切って前記空気を移動させるように構成された第2の空気ブロワと、
を備える、請求項9に記載の眼科用鏡。
【請求項12】
前記気流システムが、
前記複数のリトラクタのうちの第1のリトラクタに向かって前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させるように構成された第1のアスピレータと、
前記複数のリトラクタのうちの第2のリトラクタに向かって前記眼の前記表面から離れるように前記空気を移動させるように構成された第2のアスピレータと、
を備える、請求項9に記載の眼科用鏡。
【国際調査報告】