(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】特に衣類の工業的製造のための、製造物品の組立ライン及び関連付けられた方法
(51)【国際特許分類】
A41H 42/00 20060101AFI20240305BHJP
A41H 43/02 20060101ALI20240305BHJP
A41H 43/00 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
A41H42/00
A41H43/02
A41H43/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023556736
(86)(22)【出願日】2022-03-14
(85)【翻訳文提出日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 EP2022056490
(87)【国際公開番号】W WO2022194754
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】102021000006026
(32)【優先日】2021-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514038672
【氏名又は名称】モンクレール ソチエタ ペル アツィオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト アルサント
(72)【発明者】
【氏名】デニス クディネッリ
(72)【発明者】
【氏名】アレッシア ビナトール
(57)【要約】
本発明は、組立ライン(1)に関する。組立ライン(1)は、搬送ライン(5)と、複数の加工ステーション(S1-S3、N1-N13)と、搬送ライン(5)によって搬送される複数の多階層仕分けユニット(6)と、を含む。各仕分けユニットは、加工ステーションで順次組立てられる製造物品の部品(P1-P3)を支持するように適合され、かつ、選択的に引き出すことができる複数の重ね合わされたトレイを備える。各トレイは、製造物品の加工ステーションそれぞれで組立てられる製造物品の部品を収容するように適合されている。
また、上記の組立ラインは、少なくとも1つのそれぞれの加工ステーションで引き出されるトレイの識別手段も備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造物品のための、特に衣類を製作するための組立ライン(1)であって、搬送ライン(5)と、前記搬送ライン(5)に沿った複数の加工ステーション(S1-S3、N1-N13)と、を含む、組立ラインにおいて、前記組立ラインが、前記搬送ライン(5)によって搬送される複数の多階層仕分けユニット(6)を備え、各仕分けユニット(6)は、前記加工ステーション(S1-S3、N1-N13)で順次組立てられる製造物品の部品(P1-P3)を支持するように適合され、各仕分けユニット(6)は、支持フレーム(60)を備え、前記支持フレームは複数のトレイ(T1-T14)を備え、前記トレイは、各種階層で重ね合わされており、かつ、前記フレームから選択的に引き出すことができる、仕分けユニットであり、各トレイ(T1-T14)は、前記製造物品の加工ステーション(N1-N12)それぞれで組立てられる前記製造物品の前記部品(P1-P3)を収容するように適合されていること、
及び、前記組立ライン(1)が、少なくとも1つのそれぞれの加工ステーション(S1-S3、N1-N13)で引き出される前記トレイ(T1-T14)の識別手段(54、65)を備え、前記加工ステーション(S1-S3、N1-N13)で組立てられるか又は完成される前記部品を、それを支持している特定の前記トレイ(T1-T14)から取り上げることが可能であること、を特徴とする、組立ライン。
【請求項2】
前記トレイ(T1-T14)の前記識別手段が、前記搬送ライン(5)に沿って、加工ステーションの組(S1-S3、N1-N13)に、前記仕分けユニット(6)の高さ変更手段(53、54)を備え、前記高さ変更手段が、各仕分けユニット(6)の高さを、前記組(S1-S3、N1-N13)のある加工ステーションから他の加工ステーションにかけて変更するように適合され、各加工ステーション(S1-S3、N1-N12)で引き出されなければならない前記トレイ(T1-T14)のそれぞれを、前記搬送ライン(5)に沿った各加工ステーションのための床面に対して、実質的に同じ高さに配置することが可能な、請求項1記載の組立ライン。
【請求項3】
前記仕分けユニット(6)の前記高さ変更手段が、前記搬送ライン(5)の少なくとも1つの傾斜した部分(53、54)を含む、請求項2記載の組立ライン。
【請求項4】
前記傾斜が、加工ステーションの前記組(S1-S3、N1-N13)の最初の加工ステーションから最後の加工ステーションにかけて、実質的に一定であり、好ましくは、前記傾斜は、前記床面に対する各仕分けユニット(6)の前記高さが前記組(S1-S3、N1-N13)の前記最初の加工ステーションから前記最後の加工ステーションの間で順次減少するような、傾斜である、請求項3記載の組立ライン。
【請求項5】
引き出される前記トレイ(T1-T14)の前記識別手段が、電磁リーダ(64)と、各仕分けユニット(6)上にある複数のライト(66a、66b)と、を含み、前記ライトは、各トレイ(T1-T14)が、少なくとも1つのそれぞれのライトの点灯によって視覚的に識別可能であるように配置され、前記ライト(66a、66b)は、前記リーダ(64)によって実施されるコード(63a、63b、63c)の読取りに基づいて選択的に発光させられ得るように、前記リーダ(64)に関連付けられ、好ましくは、前記コードは、組立てられる前記製造物品の前記部品のそれぞれの部品(P1-P3)上に施され、前記コードが存在する前記製造物品の前記部品を置くそれぞれの前記トレイ(T1-T14)の前記ライト(66a、66b)を、前記読取りによって点灯させることが可能な、請求項1ないし4のいずれか一項又は複数項に記載の組立ライン。
【請求項6】
前記搬送ライン(5)が、前記仕分けユニット(6)を段階的に前進させるように適合され、それらを前記加工ステーション(S1-S3、N1-N13)の各ステーションで事前決定された時間(C)だけ静止させることができ、前記組立ラインが、集積テーブル(70)のコンベア(7)をさらに含み、前記集積テーブルは、連続した加工ステーションの組(N1-N13)の側方で、かつ、連続した加工ステーションの前記組(N1-N13)の側方の前記搬送ライン(5)の部分(54)に対して実質的に平行に、段階的に移動することができ、前記コンベア(7)が、各集積テーブル(70)を前記組(N1-N13)のステーションそれぞれの脇で前記事前決定された時間だけ停止させ、かつ、前記事前決定された時間が満了した際に、前記集積テーブルを前記組の後続の加工ステーションへと移すように適合された、請求項1ないし5のいずれか一項又は複数項に記載の組立ライン。
【請求項7】
前記加工ステーション(S1-S3、N1-N13)の各々に、前記組立ライン(1)の制御手段に接続されたそれぞれの確認ボタン(41)が設けられ、前記制御手段は、前記搬送ライン(5)及び前記テーブルのコンベア(7)を、少なくとも前記加工ステーションに横方向に接した部分で静止させるように適合され、かつ、前記事前決定された時間が満了し、かつ前記ボタン(41)が押されている場合に、前記搬送ライン(5)及び前記テーブルのコンベア(7)を1ステップ分前進させ、各仕分けユニット(6)及び各テーブルを前記後続の加工ステーションの脇へとそれぞれ移すように適合された、請求項6記載の組立ライン。
【請求項8】
製造物品を組立てるための、特に衣類を製作するための方法であって、搬送ライン(5)及び前記搬送ライン(5)に沿った複数の加工ステーション(S1-S3、N1-N13)を設けるステップを含む方法において、前記方法が、
前記搬送ライン(5)上に複数の仕分けユニット(6)を設けるステップであって、各仕分けユニット(6)は、前記加工ステーション(S1-S3、N1-N13)で順次組立てられる製造物品のすべての部品を支持する、ステップと、
各仕分けユニット(6)に、支持フレーム(60)及び複数のトレイ(T1-T14)を設けるステップであって、前記トレイは、各種階層(L1-L14)で重ね合わされており、かつ、前記フレームから選択的に引き出すことができ、各トレイ(T1-T14)は、それぞれの加工ステーション(N1-N12)で組立てられる前記部品を収容する、ステップと、
前記加工ステーションの各々で、引き出される前記トレイ(T1-T14)を識別するステップと、
事前決定された時間(C)内に、識別された前記トレイ(T1-T14)を引き出し、その上にある前記部品を取り上げ、かつ、前記部品に加工を施すステップであって、前記事前決定された時間は、好ましくはすべての加工ステーション(S1-S3、N1-N13)について等しい、ステップと、を含むことを特徴とする、方法。
【請求項9】
前記識別するステップが、連続した加工ステーションの少なくとも1つの組(S1-S3、N1-N13)のあるステーションから他のステーションにかけて、前記仕分けユニット(6)の高さを変更し、前記組のそれぞれの加工ステーションで引き出される前記トレイ(T1-T14)それぞれを、前記ステーションの全てについて同一である、実質的に同じ床面からの高さに持っていくことを含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記方法が、
集積テーブル(70)のコンベア(7)を設け、かつ、前記集積テーブルを、連続した加工ステーションの少なくとも1つの組(N1-N12)の側方で、前記搬送ライン(5)に対して平行に、段階的に前進させる、ステップと、
前記少なくとも1つの組のそれぞれの加工ステーション(N1-N13)の脇で、前記事前決定された時間(C)だけ、前記コンベア(7)の各集積テーブル(70)を停止させるステップと、
前記部品を前記集積テーブル(70)上に放出するステップであって、前記部品は、横方向に隣接した前記加工ステーション内で組立てられたか又は完成された部品である、ステップと、
前記事前決定された時間(C)が満了したときに、前記集積テーブル(70)を、加工ステーション(N1-N13)の前記少なくとも1つの組の後続の前記加工ステーションへと移すステップと、をさらに含む、請求項8又は9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に衣類の工業的製造のための、製造物品の組立ライン及び対応する方法に関する。
【0002】
現在、繊維産業の分野において、高品質の衣類を、特にダウンが詰められたコート又はジャケットを工業的に生産するためには、製品を加工する各種加工島における保管を考慮に入れると、素材の裁断から衣類の完成までに2週間から3週間が必要である。
【0003】
そのような時間は、市場需要とは相容れない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目標は、上記の側面のうち1つ以上において背景技術を改善することが可能な、特に衣類の工業的製造のための、組立ライン及び方法を提供することである。
【0005】
この目標の範囲内で、本発明の目的は、主として異なる構成要素を組立てることによって得られる製造物品の、特に、例えば縫製によって相互に結合させられる各種部品から成る衣類の、生産時間を減少及び最適化させることである。
【0006】
本発明の他の目的は、生産される製造物品を含めた各種部品を搬送及び仕分けするための機構であって、その業種の生産施設においてオペレータが上記の部品を精確に識別することを可能にする、すなわち生産速度の上昇を実現する、機構を提供することである。
【0007】
さらに、本発明の目的は、すべての既存の解決方法に代わる方法で、背景技術の欠点を克服することである。
【0008】
最後に、本発明の目的は、信頼性が高く、比較的容易に設けられ、かつ、価格面での競争力も高い、組立ライン及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書でよりよく明らかになる、この目標ならびにこれらの目的及び他の目的は、製造物品のための、特に衣類を製作するための組立ラインであって、搬送ラインと、搬送ラインに沿った複数の加工ステーションと、を含む、組立ラインにおいて、該組立ラインが、搬送ラインによって搬送される複数の多階層仕分けユニットを備え、各仕分けユニットは、加工ステーションで順次組立てられる製造物品の部品を支持するように適合されており、各仕分けユニットは、支持フレームを備え、該支持フレームは複数のトレイを備え、該トレイは、各種階層で重ね合わされており、かつ、フレームから選択的に引き出すことができる、仕分けユニットであり、各トレイは、製造物品のそれぞれの加工ステーションで組立てられる製造物品の部品を収容するように適合されていること、
及び、組立ラインが、少なくとも1つのそれぞれの加工ステーションで引き出されるトレイの識別手段を備え、加工ステーションで、組立てられるか又は完成される部品を、それらを支持している特定のトレイから取り上げることが可能であること、を特徴とする、組立ラインによって達成される。該組立ラインは、場合によっては、従属請求項に記載の特徴を1つ以上備えてもよい。
【0010】
また、この目標及び本発明の目的は、製造物品を組立てるための、特に衣類を製作するための方法であって、搬送ライン及び搬送ラインに沿った複数の加工ステーションを設けるステップを含む方法において、該方法が、
搬送ライン上に複数の仕分けユニットを設けるステップであって、各仕分けユニットは、加工ステーションで順次組立てられる製造物品のすべての部品を支持する、ステップと、
各仕分けユニットに、支持フレーム及び複数のトレイを設けるステップであって、該トレイは、各種階層で重ね合わされており、かつ、フレームから選択的に引き出すことができ、各トレイは、それぞれの加工ステーションで組立てられる部品を収容する、ステップと、
加工ステーションの各1つで、引き出されるトレイを識別するステップと、
識別されたトレイを引き出し、その上に載っている部品を取り上げ、かつ、事前決定された時間内に部品に加工を施すステップであって、その事前決定された時間は、好ましくはすべての加工ステーションで等しい、ステップと、を含むことを特徴とする、方法によっても達成される。
【0011】
本発明のさらなる特徴及び有利な点は、添付の図面に記載の非限定的な例によって示される、好ましくはあるが排他的ではない本発明の実施形態から、よりよく明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明に係る組立ラインの平面図である。
【
図2】
図2は、本発明に係る仕分けユニットの図である。
【
図3】
図3は、
図1のシステムの、加工ステーションでの側面図である。
【
図5】
図5は、
図4の細部を、加工ステーションに関して反対側から見た、側面図である。
【
図6】
図6は、
図3の最初の加工ステーションの正面図である。
【
図7】
図7は、
図3の6番目の加工ステーションの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
参照図を参照した際、一般的に参照符号1で示されている、本発明に係る組立ラインは、特に、例えば袖、胴中の部分、脇の部分、襟、ジッパー、ボタン、フード、ポケット、脚の部分等の異なる部品を一緒に結合することによって実施される、衣類の製造のためであると想到される。これらの部品の一部には、例えばダウンが詰められ得る。
【0014】
組立ライン1は、部品を生産するための装置2を少なくとも1つ備える。これらの部品は、該ライン1に沿って完成される場合には、完成した製造物品を形成するに至るまで、ライン1に沿って搬送されつつ相互に組立てられる。
【0015】
好ましい実施形態においては、装置2(複数可)は、繊維製の、好ましくは多層繊維製の部品を生産するように適合されており、例えば、一定の周期を有する一連の自動ステップに従う。そのステップは、それぞれのロールから巻き外された生地を重ね合わせるステップと、自動縫製するステップであって、事前設定されたパターンのレイアウトに従って、重ね合わされた生地上に実質的に閉じた縫製ラインを形成するための、自動縫製するステップと、部品を得るために、上記の縫製ラインに沿って自動裁断するステップと、各部品を識別するために、例えば電磁読取り可能なコードを部品にラベル付けするステップと、を含む。衣類の完成品を得るために、組立ライン1に沿って完成及び相互に結合されるように設計された、これらの衣類の部品は、グースダウンを充填されるように適合された内部ポケットを画定するような縫製ラインを特徴とすることができる。
【0016】
さらに、ライン1は、搬送ライン5と、搬送ライン5に沿った複数の加工ステーションS1、S2、S3、N1、N2、…、N12と、を備える。これらの加工ステーションの数は、単なる表示であり、必要に応じてより多くてもよいし少なくてもよい。加工ステーションの数が多ければ多いほど、その組立ラインが異なる生産物及び異なる種類の製造物品に適合する可能性も大きくなり、実際に用いる加工ステーションの数を必要に応じて減らすことが可能である。
【0017】
搬送ライン5は、好ましくはモータ駆動型である、ローラコンベアであってよく、又は、場合によってはフライトを備えるコンベアベルトであってもよく、又は、ライン5の異なる部分に沿って用いられるこれらの搬送手段の組み合わせであってもよく、又は、本発明に係る少なくとも1つの積み荷を担持し、かつそれを事前設定された経路に沿って搬送するように何であれ適合された、他の類似の搬送手段であってもよい。
【0018】
搬送ライン5は、実質的に閉じた経路を画定しており、かつ、少なくとも1つの自由経路部分55、及び少なくとも1つの対応するシャトル50を備え得る。シャトル50は、好ましくは自動誘導装置を、例えばレーザ誘導装置を備えており、搬送ライン5の取り上げ点55aから同じ搬送ライン5の荷降ろし点55bまで、上記の自由経路部分55に沿って積み荷を搬送することが可能である。
【0019】
搬送ライン5は、供給(又は入力)部分51と、集積(又はバッファ)部分52と、準備部分53と、好ましくは部品の供給部分51へと繋がる、組立部分54と、を順番に備え、閉じた経路を画定する。上記の部分51、52、53、及び/又は54は、好ましくは直線状である。
【0020】
供給部分51は、部品を積載し、ライン1に沿って搬送することができるよう、生産装置2の出口の前に配置される。
【0021】
集積部分52は、直交転移器によって入力部分51に接続される場合があり、その結果としては、集積部分52が、入力部分51に平行に配置されることができる。
【0022】
本発明によれば、搬送ライン5によって搬送される積み荷は、
図2に示された例示的なユニットのような、多階層仕分けユニット6である。該ユニット6は、好ましくは相互に独立しており、それらを搬送ライン5に加入すること、又は搬送ライン5から取除くことが可能であり、かつ/又は、それらを、自由経路部分55に沿って、例えばシャトル50によって、別個に搬送することが可能である。
【0023】
各仕分けユニット6は、加工ステーションN1、N2、…、N12で順次相互に組立てられなければならない製造物品の部品(P1、P2、P3、…)を支持するように適合されている。特に、本発明の好ましい実施形態においては、組立てられる製造物品は衣類であり、かつ、加工ステーションN1-N12は、単一の仕分けユニット6によって搬送される衣類の部品P1、P2、P3、…が、手動又は機械駆動の縫製作業によって順次互いに結合され、かつ、完全に完成した製品が出ていく最後のステーション(N13)に至るまで、よりよいものにされていく、製造ステーションである。
【0024】
各仕分けユニット6は、実際上は、本発明によって改良されたトレイホルダであり、かつ、支持フレーム60及び複数のトレイ(T1、T2、…、T14)を備える。該トレイは、互いに離隔されつつ重ね合わされ、対応する階層L1、L2、…、L14上に配置される。ここで、L1は仕分けユニット6の最も低い階層であり、かつ、L14は最も高い階層である。
【0025】
複数のトレイT1-T14の各トレイ62が、(例えば、衣類である)製造物品の部品を収容するように適合されている。該部品は、組N1-N12の加工ステーションそれぞれで、相互に組立てられるか、かつ/又は、ライン1の以前のステーションで既に部分的に構成された製造物品の部分上で組立てられなければならない。
【0026】
図示されている例においては、トレイT1-T14及び階層L1-L14は、14あるが、しかしながら、本発明においては、必要に応じて、かつ、ライン1のアクティブな加工ステーションの数に従って、任意の数のトレイ及び階層を設けることが可能である。例えば、仕分けユニット6が、4から30の階層を備えている場合があり、又は、トレイによって受け持たれる加工ステーションの数が仕分けユニット6において利用可能な最大数よりも少ない場合には、仕分けユニット6が(例えば、少なくとも10階層という)階層の最大収容数を有してはいるものの、その最大収容数よりも少ない数のトレイを収容している、ということもあり得る。このようなことは、特定の製造物品を組立てる際にのみ利用され得る多数の加工ステーションが設けられているラインであるが、しかしながら、最大数よりも少ない数の加工ステーションを稼働させることによって他の製造物品にも適合可能である、ラインにおいて起こり得る。
【0027】
トレイT1、T2、…、T14は、図においてT12の例に示されているように、フレーム60から選択的に取外すことが可能である。この目的のために、トレイは、フレーム60に対して固定された平行な横方向ガイド61それぞれによって支持されている。
【0028】
トレイT1-T14の間の、鉛直方向の垂直距離は、相互に同じであってもよいし、又は、
図2に示されている例のように、ある階層から他の階層で変化してもよい。該例においては、最も高い階層L12-L14のトレイT12-T14は、それよりも低い階層L1-L11のトレイT1-T11よりも大きく、相互に隔てられている。
【0029】
あるトレイとその直上のトレイの間の垂直距離は、当該トレイが収容することを意図している部品の空間占有及び/又は視認性に依存する。場合によっては、ガイド61のうち一部にのみトレイ62を載せることによって階層間の差異化を達成し、トレイ間の相互距離を増加させることができる。
【0030】
組立ライン1は、ライン1を制御するための制御手段を備えており、該制御手段は、プログラマブルロジックコントローラ(PLCs)及び/又は数値制御(NC)機器を含む、中央制御システム又は分散制御システムの形態である。
【0031】
加工ステーションは、仕分けユニット6の各々によって搬送される部品を準備するためのステーションS1-S3と、仕分けユニット6の各々によって搬送される部品を組立てるためのステーションN1-N12と、を備え得る。
【0032】
搬送ライン5の準備部分53の側方の準備領域3に配置された準備ステーションS1-S3は、仕分けユニット6の各々によって搬送されてきた部品の少なくとも一部に単一の加工を実施するように、例えば、ユニット6によって搬送されてきた1つ以上の部品の統合作業を実施するように、適合されている。該部品は、ユニット6の少なくとも1つのトレイから手動又は自動で取り上げられ、便利には、本発明に係る識別手段(後述)による識別が可能である。そして、該部品はその後、少なくとも1つの準備ステーションS1-S3の加工の後に、ユニット6の対応するソーストレイに戻される。
【0033】
例えば、衣類を生産するための、好ましくはダウンが詰められた衣類を生産するためのライン1である、図示された例においては、各仕分けユニット6によって支持された幾つかの部品は、例えば、(ステーションS1における)ポケット及び/又はカフスを追加する作業、ならびに/又は(ステーションS2における)ボタン及び/又はパッチを付ける作業、ならびに/又は(ステーションS3における)グースダウンを充填する作業によって、準備ステーションS1-S3で補足又はよりよくされ得る。
【0034】
有利には、組立ライン1は、各加工ステーションによって実施される作業が、サイクル時間C内に完了されるように構成される。このサイクル時間Cは、事前決定されており、かつ、ライン1のすべてのステーションS1-S3及びN1-N13について同じ時間であり、かつ、好ましくは、生産装置2によって部品の完全なセットが生産されるサイクル時間Cに等しい時間である。完全なセットの各々は、搬送ライン5の供給部分51上の仕分けユニット6の各々へと完全に搬送される。該仕分けユニットは、順次組立てられ、かつ場合によっては統合されるよう設計された部品の単一の完全なセットを、搬送ライン5に沿って支持し、単一の最終的な製造物品を得る。
【0035】
準備ステーションS1-S3は、場合によっては、準備部分53から分離された中間コンベアによって相互に接続されていることもあり、これにより、ある準備ステーション(例えば、S2)で部分的に完成させられた部品を、準備部分53上の仕分けユニット6のそれぞれに戻し、そして再び後続の準備ステーション(例えば、S3)へと供給しなければならないことを回避できる。
【0036】
搬送ライン5の準備部分53は、後続の加工ステーション又は搬送ライン5の後続の部分(例えば、自由部分55)へと仕分けユニット6を搬送する前に、サイクル時間Cに従ってユニット6を段階的に搬送するように、すなわち、仕分けユニット6を、各準備ステーションS1-S3の前で、サイクル時間Cに等しい時間又はCの整数倍の時間だけ静止させることによって、ユニット6を段階的に搬送するように、上記の制御手段によって動作させられる。
【0037】
組立ステーションN1-N12は、搬送ライン5の組立部分54に沿って配置され、この組立部分は、好ましくは直線状である。該組立ステーションN1-N12は、前後で互いに等距離であり、かつ、連続して加工を行うことが可能である。
【0038】
搬送ライン5の組立部分54もまた、後続の加工ステーション又は搬送ライン5の後続の部分(例えば、入力部分51)へと仕分けユニット6を搬送する前に、サイクル時間Cに従ってユニット6を段階的に搬送するように、すなわち、仕分けユニット6を、各ステーションN1-N13の前で、サイクル時間Cに等しい時間だけ静止させることによって、ユニット6を段階的に搬送するように、ライン1の制御手段によって動作させられる。
【0039】
本発明に係る組立ライン1は、少なくとも1つのそれぞれの加工ステーションS1、S2、S3、N1、N2、…、N13で引き出されるトレイの識別手段を備え、その加工ステーションで組立てられるか又は完成/統合される部品を、それらを支持している特定のトレイから取り上げることが可能である。
【0040】
本発明の好ましい実施形態においては、これらのトレイの識別手段は、搬送ライン5に沿って、加工ステーションの組S1-S3又はN1-N13の少なくとも1つに、仕分けユニット6の(床面に対する)高さ変更手段を備えている。これらの高さ変更手段は、各仕分けユニット6の床面に対する高さを、上記の組S1-S3又はN1-N13の1つの加工ステーションから他の加工ステーションにかけて変更するように適合され、該組の所定の加工ステーションで、その加工ステーションで引き出されなければならないトレイを、同じユニット6が組S1-S3又はN1-N13の他の加工ステーションの前にあるときに該ステーションで引き出されなければならない仕分けユニット6のトレイが有する引出し高さと実質的に同じ引き出し高さで提供することが可能になる。
【0041】
このようにして、所定の加工ステーションで加工されなければならない1つ以上の部品を取り上げる必要があるオペレータは、それらの部品を支持している対応するトレイを、常に同じ人間工学的高さに見出すことができる。その人間工学的高さとは、すなわち、関連付けられたトレイから加工ステーションへと部品を取り上げるにあたって便利な高さ又は高度であり、例えば、トレイを引き出すオペレータが通常は立っている加工ステーションS1-S3については、床面から約90cmであり、かつ、トレイを引き出すオペレータが通常は座っているステーションN1-N13については、床面から約50cmから60cmである。従って、各種加工ステーションにとって対象であるトレイの引き出し高さは、ライン1の連続したステーションの所定の組について常に実質的に同じである。
【0042】
特に、仕分けユニット6の高さ変更手段は、搬送ライン5の少なくとも1つの傾斜した部分から成り、該部分においては、搬送ライン5の床面に対する高さは、組内の1つの加工ステーションから次の加工ステーションにかけて順次変化し、特に順次減少する。
【0043】
例えば、準備部分53は、最初の準備ステーションS1から最後の準備ステーションS3にかけて傾斜しており、すなわち、準備部分53における仕分けユニット6の載置高さは、ステーションS1からステーションS3にかけて順次減少している。その結果、各仕分けユニット6は、搬送ライン5の準備部分53に、該部分53を出る際の高さよりも大きな高さで入る。
【0044】
従って、搬送方向に関して最初の準備ステーションS1で加工される製造物品の部品は、仕分けユニット6のより低い階層上に位置するトレイによって支持され、一方で、搬送方向に関する最後の準備ステーションS3で加工される製造物品の部品は、同じ仕分けユニット6のより高い階層上に配置されたトレイによって支持される。
【0045】
搬送ライン5の組立部分54もまた、床面に対して傾斜しており、かつ、好ましくは、組立ステーションの組の最初のステーションN1から最後のステーションN12にかけて、一定斜角の傾斜を有する。その結果、搬送ライン5は、かつ、従ってそれによって搬送される各仕分けユニット6は、ある組立ステーションから他の組立ステーションへと移動するにつれて、床面に対する高さを減少させる(H1>H2>…)。
【0046】
有利には、各仕分けユニット6の各トレイ(T1-T12)が、少なくとも1つのそれぞれの組立ステーション(N1-N12)を受け持っている。
図3に示されているように、搬送ライン5の組立部分54の傾斜は、該部分54の長さ全体に沿って一定であってよい。従って、搬送方向に関して最初の組立ステーションN1で加工される製造物品の部品は、仕分けユニット6の階層L1のトレイT1によって支持され、一方で、搬送方向に関して最後の組立ステーションN12で加工される製造物品の部品は、階層L12上に配置されたトレイT12によって支持される(従って、図示された例においては、トレイT13及びT14は使用されていない)。
【0047】
組立ステーションN1-N12は、好ましい実施形態においては、オペレータが、着座しており、かつ、彼/彼女のステーションに関連付けられたトレイ内に収容された部品を相互に縫製することができる、裁縫ステーション40である。この際、該トレイは、オペレータが着座したままで自然に引き出すのに便利な高さによって識別される。搬送ライン5の組立部分54の一定の傾きによって、所定の組立ステーションに関連付けられたトレイの引き出し高さは、便利には、オペレータが着座位置から立ち上がることなく引き出すことを可能にするのに便利な値で、すべての組立ステーションN1-N12について床面に対して一定に保たれる(例えば、トレイの引き出し高さは、床面から50cmから60cmの間で構成された値に設定されるとよい)。
図6と
図7の比較から見ることができるように、ステーションN1で引き出されなければならないトレイT1の階層L1の高さは、搬送ライン5の部分54の傾きにより、仕分けユニット6がステーションN6に到達した際に引き出されるトレイT6の階層L6が有しなければならない高さと同じである。
【0048】
好ましくは、組立ライン1は、ライン1の制御手段を通じて、仕分けユニット6それぞれが、(
図1及び3に示されているように)各組立ステーションに対して同時に提供される、好ましくは上で定義したサイクル時間Cに等しい事前決定された時間だけ静止させられる、ように構成されている。
【0049】
製造物品の組立を最適化するためには、ライン1が集積テーブル70のコンベア7をさらに備えており、コンベア7は、加工ステーションの組N1-N13の側方で、かつ、加工ステーションの組N1-N13の側方の搬送ライン5の部分54に実質的に平行に、段階的に移動可能である、ことが好ましい。
【0050】
図1に示されているように、集積テーブル70は、少なくともコンベア7の直線部分71に沿っては、相互に等距離であり、備えられる相互距離は、組N1-N13の2つの連続する加工ステーションの間の距離と実質的に等しい。集積テーブル70は、平面状又はトレイ状の表面又はそれに類する支持台を有してよく、かつ、該集積テーブルは、少なくとも搬送ライン5の組立部分54と平行な経路の間は、コンベア7によって水平に保たれる。これによって、集積テーブル70が、仕分けユニット6から取り上げられた部品を徐々に組立てることによって得られる半製品を支持できる。
【0051】
コンベア7は、図示された例のように、閉ループのモノレールとして、又は逆さ吊り(funicular)システムの形で、提供されてもよい。集積テーブル70は、そのような任意のコンベア7に吊るされ、それ自体では公知である適当なモータ駆動装置によって、コンベア7に牽引される。
【0052】
図示されてはいない他の実施形態においては、コンベア7は、コンベアベルトであって、その上に固定された複数のテーブル(又は類似の支持台)を、加工ステーションの組N1-N13の周囲の環状経路に沿って移動させるに適当な、コンベアベルトである場合もある。
【0053】
本発明の好ましい実施形態においては、コンベア7は、直線前進部分71と、場合によっては、直線返戻部分72と、を有する。直線返戻部分72は、部分71に平行であるが、好ましくは、その領域において搬送ライン5の部分54が存在するために、床面に対してより大きな高さにある。
【0054】
コンベア7の部分71及び72は、加工ステーションの組N1-N13の反対側の側方に沿って水平に延び、図に見られるように、前後に一直線状に整列している。
【0055】
特に、直線返戻部分72は、好ましくは、搬送ライン5の組立部分54の上方に延び、集積テーブル70を、組立部分54上に存在する仕分けユニット6の上方に保持することが可能である。
【0056】
代わりに、直線前進部分71は、テーブル70を組N1-N13のすべての加工ステーションについて実質的に同じ高さに至らせるようなものであり、その結果、組N1-N13の各ステーションは、各ステップで、常にコンベア7のテーブル70に側方で接する。
【0057】
テーブル70の載置表面の高さは、オペレータであって、彼/彼女に割り当てられた組立ステーションN1-N12で組立てた部品を、テーブルの上に放出する必要がある、オペレータにとって便利なように選択される。そのオペレータは、図の1つのような製造ラインの例においては、図示されているように、着座位置にあり、従って、前進部分71に沿った集積テーブル70の高さは、例えば、床面に対して50cmから60cmの間で構成される。
【0058】
ライン1の制御手段は、コンベア7を段階的に移動させるように適合されている。ここで、集積テーブル70の前進ステップは、加工ステーションの組N1-N13のうち1つの組立ステーションとその直後の組立ステーションの間の距離に等しく、かつ、該テーブルは、割り当てられた部品を組立てるために、サイクル時間Cに等しい時間だけ、すなわち、組N1-N12の加工ステーションすべてに割り当てられた時間に等しい時間だけ、各ステップで静止させられる。
【0059】
このように、組立ライン1の制御手段は、各集積テーブル70を、事前決定された時間Cだけ、組N1-N13の、特に組立テーブルの組の、それぞれの加工ステーションの脇で停止させ、かつ、事前決定された時間Cが満了したときに、各集積テーブル70を組N1-N13の次の加工ステーションに移すように適している。
【0060】
有利には、加工ステーションN1-N13の各々に、組立ライン1の制御手段に接続されたそれぞれの確認ボタン41を設けることが、可能である。
【0061】
上記の制御手段は、搬送ライン5及びテーブルのコンベア7の両方を、サイクル時間Cだけ静止させ、かつ、その事前決定された時間が満了したとき、さらにボタン41のすべてがそれぞれのオペレータによって押されている場合にのみ、搬送ライン5及びコンベア7を一段階前進させる、ように適合されている。これにより、各仕分けユニット6及び各テーブル70を、加工ステーションの組N1-N13の後続のステーションの脇へとそれぞれ移すことが可能である。
【0062】
オペレータのうち1人が彼/彼女のステーションN1-N13のボタン41を押していなかった場合には、サイクル時間Cが満了したとき、搬送ライン5及び/又はコンベア7は、もはや該制御手段によっては前進させられず、運転を再開するためにライン管理者の介入を待たなければならない。
【0063】
本発明の他の好ましい実施形態によれば、引き出されるトレイの識別手段は、上記の搬送ライン5の傾斜した部分に加えて、又はその代わりに、電磁リーダ64(例えば、バーコードリーダ又はQRリーダのような光学リーダ)と、各仕分けユニット6上に取付けられ、各種階層L1-L14上に配置された複数のライト65と、を含み、各トレイT1-T14が、横方向に隣接しているか又はその上方にある少なくとも1つのそれぞれのライトの点灯によって、視覚的に識別されることができる、場合もある。例えば、
図2にあるように、該仕分けユニットの各トレイT1-T14の横側に、それぞれ2つのLED66a及び66bが位置する。それらLEDは、仕分けユニット6の各階層L1-L14の横に取付けられ、かつ、それぞれの点灯により、横方向に隣接しているトレイのそれぞれの区画を、例えば、それらLEDが横方向に隣接しているそれぞれのトレイ62の左半分62a及び右半分62bを、識別するように適合されている。
【0064】
仕分けユニット6は、プログラマブル制御ユニットを備えることがある。該制御ユニットは、複数のライト65の少なくとも1つのそれぞれのライト66a、66bのアクティブ状態に関連付けられた、複数の記憶されたコード(リーダ64による読取りが可能)を備える。その結果、組立てられる物品の部品P1、P2、P3、…のそれぞれに対して施された特定のコード63a、63b、63c、…の電磁読取りは、特定のライトの点灯に対応し、従って、引き出される対応するトレイの視覚的識別に対応し、コードが施された部品P1、P2、P3、…をそのトレイ上に収容することができる。
【0065】
図示された実施形態においては、電磁リーダ64は、搬送ライン5の入力部分51で、オペレータによって手動で使用され、かつ、例えば無線ネットワークを介して、又は直接有線接続によって、制御ユニットに結び付けられている。装置2によって生産された部品に対して既に施されているコード63a、63b、63cは、リーダ64によって1つずつ読取られ、そして、そのコードに関連付けられたライト66a又は66bが点灯した後に、オペレータは、点灯しているライトの横のトレイT1-T14を視覚的に識別することができる。これにより、トレイを引き出し、そして部品P1、P2又はP3を該トレイ上に載せることが可能であり、場合によっては、その部品を、そのトレイの階層に関連付けられたライト66a又は66bのそれぞれによって識別されるトレイの部分に置くことも可能である。
【0066】
場合によっては、コード読取りが、加工ステーションで、例えば準備ステーションS1-S3の少なくとも1つで、実施されてもよい。これにより、該ステーションでラベル付けされた任意の付属品を識別し、かつ、準備部分53上を搬送される仕分けユニット6の正しい階層にそれらを格納することが可能である。そのような付属品は、組立てられる製造物品が衣類である場合には、例えば、カラー、ジッパー、紐、パイピング用生地、及びウェルトであってよい。
【0067】
本発明の他の態様によれば、上記され、かつ
図2に示された多階層仕分けユニット6は、例えば、任意の工業的生産ライン上で搬送される構成要素を認識及び仕分けするためのツールとして、組立ライン1から独立して用いられてもよい。
【0068】
本発明の運転は、上で行った組立ライン1の記述から明らかである。
【0069】
製造物品を組立てるための、特に衣類を製作するための方法は、上記内容に由来する。該方法は、搬送ラインと、該搬送ラインに沿った複数の加工ステーションと、該搬送ライン上の複数の仕分けユニットと、を含む組立ラインで実施される。ここで、各仕分けユニットは、支持フレーム及び複数のトレイを備え、該トレイは、各種階層上で重ね合わされており、かつ、該フレームから選択的に引き出されることができる。そのような方法は、以下のステップを含む。
各仕分けユニットにおいて、各トレイが加工ステーションのそれぞれで組立てられる部品を格納し、かつ、仕分けユニットが加工ステーションで順次組立てられる製造物品の部品すべてを支持するように、各仕分けユニットを、組立てられる製造物品の部品で充填するステップと、
加工ステーションの各々で、引き出されるトレイが識別されるステップと、
その後で、事前決定された時間内に、そのような識別されたトレイが引き出され、その上にある部品が取り上げられ、かつ、特定の作業操作又は加工がそのような部品に施されるステップであって、該事前決定された時間は、好ましくはすべての加工ステーションについて等しい、ステップ。
【0070】
特に、装置2は、部品のセット(例えば、製造される衣類の特定の完全なレイアウト)を周期的に生産又は供給する。好ましくは、これらの部品は、リーダ64を用いて、電磁的に、例えば光学的に、読取ることが可能なそれぞれのコードを用いて、個別に、例えば自動で、ラベル付けされる。
【0071】
装置2から出力される部品のこの周期的な供給は、「C」秒ごとに、例えば3分ごとに、行われる。
【0072】
装置2と搬送ライン5の入力部分51の間にいるオペレータは、時間C以内に、部品のセット全体を読取り、かつ、まだ空である仕分けユニット6の階層L1-L14それぞれのライトの点灯を用いて、対応するトレイを引き出し、その中に部品を格納する。この部品は、それを電磁的に読取ることによって上記のライトが点灯した、部品である。電磁読取りのための作業及び関連付けられたトレイ上への配置は、仕分けユニット6がセットの部品すべてで充填されるまで、かつ、サイクル時間Cが満了するよりも前に、進められる。
【0073】
好ましくは、サイクル時間C内に、該オペレータが該ラインの制御手段に関連付けられた確認ボタンを押さなければならない。これにより、彼/彼女が部品の完全なセットの読取りを終えた、すなわち対応する仕分けユニット6を該セットで充填した、ことと、彼/彼女に、後続の部品のセットであって、識別され、そして搬送ラインの入力部分51上に位置する後続の空の仕分けユニット6のトレイ上に仕分けされる、後続の部品のセットを供給してもよいことと、を確認することができる。
【0074】
搬送ライン5は、新たに充填された仕分けユニット6を、集積部分52に向けて前進させる。入力部分51で徐々に充填された仕分けユニット6は、そこで集積された後に、次々に準備部分53に供給される。
【0075】
その後、仕分けユニット6は、搬送ライン5の準備部分53上を、準備部分の出口に近づくにつれてその高さを下げつつ、前後で段階的に前進する。その経路の間、仕分けユニット6は、そのステーションで実施される作業の実行を可能にすべく、各準備ステーションの前でサイクル時間Cに等しい時間だけ停止する。場合によっては、各準備ステーションS1-S3は、適当には、仕分けユニット6によって占有された準備部分53上の複数の連続的な位置上にあってよく、結果として、その準備ステーションに割り当てられた完了操作は、サイクル時間Cの整数倍に等しい時間内に完了され得る。
【0076】
準備部分53の出口では、仕分けユニット6は、得られる製造物品の組立てられる部品すべてを格納しており、そして、該仕分けユニットは、取り上げ点55aに到着し、そこでシャトル50のそれぞれの上に個別に積載され、シャトル50は、仕分けユニットを自由部分55を通じて荷降ろし点55bまで運び、その後に取り上げ点55aに戻り、そして後続の仕分けユニット6を受け取る。
【0077】
仕分けユニット6は、点55bに供給された後で、次々に、搬送ライン5の組立部分54上を、この組立部分に沿って配置された加工ステーションN1-N13の間の距離に等しい相互距離を保ちつつ、段階的に前進させられる。該前進ステップは、組N1-N13の2つの連続した加工ステーションの間の距離であって、ステーションN1-N13すべてに関して等しい距離に、実質的に等しい。
【0078】
ここで、この段階的な前進により、仕分けユニット6は、サイクル時間Cの間だけ各加工ステーションN1-N13の脇で静止させられ、それぞれのオペレータが以下のことを行えるようにする。すなわち、(i)ユニット6の割り当てられたトレイから、相互に組立てられる部品、及び/又は、そのオペレータに割り当てられた加工ステーションの脇にある集積テーブル70によって搬送される、半製品へと組立てられる部品、を取り上げ、(ii)そのステーションに割り当てられた(組立)作業を実施し、(iii)組立によって得られた半製品を、そのステーションの脇の集積テーブル70上に放出する、ことである。
【0079】
集積テーブル70は、このようにしてオペレータによって放出された半製品を搬送しつつ、組N1-N13の後続の加工ステーションへと移動する。もっとも、該ライン1のすべてのオペレータが、彼らに割り当てられた確認ボタンをサイクル時間C内に押し、ライン1の前進を許可しなければならない。
【0080】
(図示された例においては、完成した製造物品の放出ステーションである)最後のステーションN13の後で、又は最後のステーションN13で、完全に空になった仕分けユニット6は、自動的に持ち上げられ、そしてライン5の入力部分51に向かって押し出され、装置2のうち1つによって生産された部品のセットで再び充填される。最後のステーションN13では、テーブル70は、完全に組立てられた製造物品を、すなわち完成された製造物品を、搬送している。返戻経路72を取る前に、テーブル70は、品質管理及び/又は包装が実施できる、完成した製造物品の取り上げ領域へと前進することができる。
【0081】
実際上、本発明が意図した目標及び目的を達成することは判明している。
【0082】
従って、創出された本発明は、本発明の概念の範囲内である、多くの修正及び変形を全て許容する。さらに、全ての細部は、他の技術的に同等な要素に置き換えられ得る。
【0083】
実際上は、使用される材料は、形状及び寸法が確定されていないのと同様に、要件及び技術状況に従った任意のものであってよい。
【0084】
本出願が優先権を主張するイタリア国特許出願第102021000006026号における開示が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0085】
本出願の任意の請求項において、記載された技術的特徴の後に参照符号が付されている場合、それらの参照符号は、請求項の明瞭度を高める目的のみのために付されており、従って、そのような参照符号は、そのような参照符号を用いた例示によって特定される各要素の解釈を限定する効果を、全く有さない。
【国際調査報告】