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▶ オプシディオ, エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】幹細胞因子抗体及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/13 20060101AFI20240305BHJP
   C07K 16/18 20060101ALI20240305BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20240305BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20240305BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20240305BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20240305BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240305BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 17/04 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20240305BHJP
   C12P 21/08 20060101ALN20240305BHJP
【FI】
C12N15/13 ZNA
C07K16/18
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
A61K39/395 N
A61P29/00
A61P43/00 105
A61P17/04
A61P1/16
A61P11/00
A61P11/06
A61P17/00
A61P9/00
A61P1/04
A61P13/12
C12P21/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557017
(86)(22)【出願日】2022-03-17
(85)【翻訳文提出日】2023-11-06
(86)【国際出願番号】 US2022020732
(87)【国際公開番号】W WO2022197914
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】63/162,322
(32)【優先日】2021-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522103454
【氏名又は名称】オプシディオ, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドベリー, アンドリュー アール.エム.
(72)【発明者】
【氏名】テシェイラ, アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】レアル, カミラ
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG27
4B064CA19
4B064CC24
4B064DA01
4B065AA01X
4B065AA57X
4B065AA72X
4B065AA87X
4B065AA90Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065AC20
4B065BA02
4B065CA25
4B065CA44
4C085AA14
4C085BB11
4C085BB31
4C085DD62
4C085EE01
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本開示は、高い親和性で幹細胞因子(SCF)に結合する抗体及びその抗原結合断片に関する。抗体及びその抗原結合断片は、高い親和性でSCF248に特異的に結合する。本開示は更に、炎症性及び/または線維性疾患及び障害の治療方法を含む、抗体の使用方法に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
幹細胞因子(SCF)に特異的に結合する抗体またはその断片であって、前記抗体が、重鎖及び軽鎖を含み、前記重鎖及び軽鎖が各々、
(i)配列番号1(SXMN、配列中、Xは、Q、NまたはYであり、Xは、WまたはYである)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖CDR1、
(ii)配列番号2(QIYPXDXDXHX11NX13KFX1617、配列中、Xは、E、G、DまたはLであり、Xは、G、DまたはNであり、Xは、TまたはIであり、X11は、MまたはYであり、X13は、G、DまたはEであり、X16は、K、R、N、EまたはDであり、X17は、GまたはTである)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖CDR2、
(iii)配列番号3(XNWXGSY、配列中、Xは、SまたはAであり、Xは、VまたはDである)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖CDR3、
(iv)配列番号4(XSQSLLXDGNTYLN、配列中、Xは、KまたはHであり、Xは、SまたはAであり、Xは、EまたはDであり、Xは、S、E、Q、AまたはGである)に記載のアミノ酸配列を含む、軽鎖CDR1、
(v)配列番号5(LVXRXDX、配列中、Xは、D、NまたはSであり、Xは、LまたはRであり、Xは、I、D、SまたはLである)に記載のアミノ酸配列を含む、軽鎖CDR2、及び
(vi)配列番号6(WQGXLPQT、配列中、Xは、TまたはSであり、Xは、DまたはHである)に記載のアミノ酸配列を含む、軽鎖CDR3を含む、3つの相補性決定領域(CDR)を含む、前記抗体またはその断片。
【請求項2】
(i)配列番号7(SXWMN、配列中、Xは、QまたはNである)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖CDR1、
(ii)配列番号8(QIYPXDXDXHX11NX13KFKX17、配列中、Xは、E、GまたはDであり、Xは、GまたはDであり、Xは、TまたはIであり、X13は、GまたはDであり、X11は、MまたはYであり、X17は、GまたはTである)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖CDR2、
(iii)配列番号9(SNWXGSY、配列中、Xは、VまたはDである)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖CDR3、
(iv)配列番号10(KSSQSLLEXDGNTYLN、配列中、Xは、S、E、QまたはAである)に記載のアミノ酸配列を含む、軽鎖CDR1、
(v)配列番号11(LVXRLDX、配列中、Xは、DまたはNであり、Xは、I、D、SまたはLである)に記載のアミノ酸配列を含む、軽鎖CDR2、及び
(vi)配列番号6(WQGXLPQT、配列中、Xは、TまたはSであり、Xは、DまたはHである)に記載の、軽鎖CDR3を含む、請求項1に記載の抗体またはその断片。
【請求項3】
(i)それぞれ、配列番号22、26及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号71、90及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(ii)それぞれ、配列番号23、27及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号71、91及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(iii)それぞれ、配列番号22、26及び67に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号71、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(iv)それぞれ、配列番号22、27及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号71、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(v)それぞれ、配列番号23、28及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号72、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(vi)それぞれ、配列番号22、27及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号71、93及び112に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(vii)それぞれ、配列番号22、28及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(viii)それぞれ、配列番号22、29及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(ix)それぞれ、配列番号22、30及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号71、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(x)それぞれ、配列番号22、31及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号71、92及び112に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xi)それぞれ、配列番号22、32及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、93及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xii)それぞれ、配列番号22、33及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号74、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xiii)それぞれ、配列番号24、34及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、94及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xiv)それぞれ、配列番号23、28及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、94及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xv)それぞれ、配列番号22、31及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xvi)それぞれ、配列番号22、28及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xvii)それぞれ、配列番号22、27及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xviii)それぞれ、配列番号22、35及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号74、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xix)それぞれ、配列番号22、34及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号71、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xx)それぞれ、配列番号22、27及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号75、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xxi)それぞれ、配列番号24、34及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xxii)それぞれ、配列番号22、36及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号71、95及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xxiii)それぞれ、配列番号23、28及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xxiv)それぞれ、配列番号22、28及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、96及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xxv)それぞれ、配列番号22、34及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号71、95及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xxvi)それぞれ、配列番号22、34及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号79、90及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xxvii)それぞれ、配列番号22、34及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号75、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、または
(xxviii)それぞれ、配列番号22、27及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、98及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、を含む、請求項1に記載の抗体またはその断片。
【請求項4】
前記抗体が、
(i)配列番号114に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号291に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(ii)配列番号115に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号292に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(iii)配列番号116に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号293に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(iv)配列番号117に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号294に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(v)配列番号118に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号295に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(vi)配列番号119に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号296に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(vii)配列番号120に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号297に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(viii)配列番号121に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号298に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(ix)配列番号122に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号299に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(x)配列番号123に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号300に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xi)配列番号124に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号301に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xii)配列番号125に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号302に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xiii)配列番号126に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号303に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xiv)配列番号127に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号304に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xv)配列番号128に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号305に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xvi)配列番号129に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号306に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xvii)配列番号130に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号307に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xviii)配列番号131に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号308に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xix)配列番号132に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号309に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xx)配列番号133に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号310に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxi)配列番号134に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号311に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxii)配列番号135に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号312に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxiii)配列番号136に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号313に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxiv)配列番号137に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号314に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxv)配列番号149に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号326に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxvi)配列番号156に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号333に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxvii)配列番号158に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号335に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または
(xxviii)配列番号143に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号320に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の抗体またはその断片。
【請求項5】
前記抗体が、
(i)配列番号114に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号291に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(ii)配列番号115に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号292に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(iii)配列番号116に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号293に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(iv)配列番号117に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号294に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(v)配列番号118に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号295に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(vi)配列番号119に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号296に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(vii)配列番号120に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号297に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(viii)配列番号121に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号298に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(ix)配列番号122に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号299に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(x)配列番号123に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号300に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xi)配列番号124に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号301に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xii)配列番号125に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号302に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xiii)配列番号126に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号303に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xiv)配列番号127に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号304に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xv)配列番号128に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号305に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xvi)配列番号129に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号306に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xvii)配列番号130に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号307に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xviii)配列番号131に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号308に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xix)配列番号132に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号309に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xx)配列番号133に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号310に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxi)配列番号134に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号311に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxii)配列番号135に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号312に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxiii)配列番号136に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号313に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxiv)配列番号137に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号314に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxv)配列番号149に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号326に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxvi)配列番号156に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号333に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxvii)配列番号158に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号335に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または
(xxviii)配列番号143に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号320に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の抗体またはその断片。
【請求項6】
前記抗体が、
(i)配列番号114に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号291に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(ii)配列番号115に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号292に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(iii)配列番号116に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号293に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(iv)配列番号117に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号294に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(v)配列番号118に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号295に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(vi)配列番号119に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号296に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(vii)配列番号120に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号297に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(viii)配列番号121に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号298に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(ix)配列番号122に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号299に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(x)配列番号123に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号300に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xi)配列番号124に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号301に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xii)配列番号125に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号302に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xiii)配列番号126に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号303に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xiv)配列番号127に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号304に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xv)配列番号128に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号305に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xvi)配列番号129に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号306に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xvii)配列番号130に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号307に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xviii)配列番号131に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号308に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xix)配列番号132に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号309に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xx)配列番号133に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号310に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxi)配列番号134に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号311に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxii)配列番号135に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号312に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxiii)配列番号136に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号313に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxiv)配列番号137に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号314に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxv)配列番号149に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号326に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxvi)配列番号156に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号333に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxvii)配列番号158に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号335に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または
(xxviii)配列番号143に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号320に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の抗体またはその断片。
【請求項7】
前記抗体またはその断片が、モノクローナル抗体、Fab、F(ab’)、Fab’、scFvまたは単一ドメイン抗体(sdAb)である、請求項1~6のいずれか1項に記載の抗体またはその断片。
【請求項8】
前記抗体が、ヒトIgG1またはIgG4ドメインを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の抗体またはその断片。
【請求項9】
配列番号1441に記載の定常重ドメイン及び配列番号1442に記載の定常軽ドメインを有するIgG4ドメインを含む、請求項8に記載の抗体またはその断片。
【請求項10】
前記抗体が、アミノ酸残基241にS241P変異及びアミノ酸残基248にL248E変異を含むヒトIgG4ドメインを含み、前記残基の番号付けが、Kabat番号付けシステムの番号付けである、請求項8に記載の抗体またはその断片。
【請求項11】
配列番号1440に記載の定常重ドメイン及び配列番号1442に記載の定常軽ドメインを有するIgG4ドメインを含む、請求項10に記載の抗体またはその断片。
【請求項12】
配列番号892~914、926、933、935及び920のうちのいずれか1つの重鎖アミノ酸配列、ならびに配列番号1029~1051、1063、1070、1072及び1057のうちのいずれか1つの軽鎖アミノ酸配列を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の抗体またはその断片。
【請求項13】
配列番号618~640、652、659、661及び646のうちのいずれか1つの重鎖アミノ酸配列、ならびに配列番号755~777、789、796、798及び783のうちのいずれか1つの軽鎖アミノ酸配列を含む、請求項1~8、または10~11のいずれか1項に記載の抗体またはその断片。
【請求項14】
配列番号481~503及び515、522、524、及び509のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の抗体またはその断片。
【請求項15】
前記抗体が、SCFに対して50nM以下の結合親和性を有する、請求項1~14のいずれか1項に記載の抗体またはその断片。
【請求項16】
前記抗体が、SCFに対して10nM以下の結合親和性を有する、請求項1~14のいずれか1項に記載の抗体またはその断片。
【請求項17】
前記抗体が、SCFに対して5nM以下の結合親和性を有する、請求項1~14のいずれか1項に記載の抗体またはその断片。
【請求項18】
前記抗体またはその断片が、SCFとc-Kitとの間の相互作用を遮断する、請求項1~17のいずれか1項に記載の抗体またはその断片。
【請求項19】
前記抗体またはその断片が、SCFの内在化を引き起こす、請求項1~18のいずれか1項に記載の抗体またはその断片。
【請求項20】
前記抗体が、SCF248に特異的に結合する、請求項1~19のいずれか1項に記載の抗体またはその断片。
【請求項21】
前記抗体が、SCF220に結合しない、請求項1~20のいずれか1項に記載の抗体またはその断片。
【請求項22】
請求項1~21のいずれか1項に記載の抗体またはその断片をコードする、単離された核酸分子。
【請求項23】
請求項1~21のいずれか1項に記載の抗体またはその断片をコードする核酸セグメントを含む、発現ベクター。
【請求項24】
請求項23に記載の発現ベクターを含む、組換え宿主細胞。
【請求項25】
炎症または線維症の阻害を必要とする対象においてそれを行うための方法であって、前記方法が、請求項1~21のいずれか1項に記載の抗体またはその断片を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項26】
慢性炎症性疾患または線維性疾患の治療を必要とする対象においてそれを行うための方法であって、前記方法が、請求項1~21のいずれか1項に記載の抗体を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項27】
前記慢性炎症性疾患または線維性疾患が、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、原発性硬化性胆管炎、肺線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性呼吸促拍症候群(ARDS)、嚢胞性線維症、気管支周囲線維症、過敏性肺炎、喘息、ブレオマイシン肺、強皮症、肝硬変、心内膜心筋線維症、線維筋痛、好酸球性食道炎、炎症性腸疾患(IBD)、慢性腎疾患(CKD)、末期腎疾患(ERSD)、腎線維症、糸球体腎炎及び腎症からなる群から選択される、請求項26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年3月17日に出願された米国仮出願第63/162,322号の優先権を主張する。全ての目的のために、本出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、幹細胞因子(SCF)及びその特定の部分に結合する抗体及びその抗原結合断片、ならびにそのような抗体及び抗原結合断片を使用する方法に関する。
【0003】
電子的に提出されたテキストファイルの説明
本明細書で電子的に提出されたテキストファイルの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。配列表のコンピュータ可読形式コピー(ファイル名:OPSL_002_01WO_SeqList_ST25.txt、記録日:2022年3月9日、ファイルサイズ2.38メガバイト)。
【背景技術】
【0004】
炎症性疾患は、世界的に罹患率及び死亡率の主な原因である。いくつかのタイプの慢性炎症は、線維症を引き起こす可能性があり、これは、臓器または組織の正常な構成要素としての線維組織の形成とは対照的に、修復または反応プロセスとしての臓器または組織における過剰な線維性結合組織の形成または発達である。慢性炎症ならびに線維症は、ほぼ全ての組織及び臓器系に影響を及ぼすことができ、線維性組織再構築は、がん転移に影響を及ぼし、移植レシピエントにおける慢性移植片拒絶反応を加速させ得る。
【0005】
幹細胞因子(SCF)及びその受容体c-Kitは、慢性炎症の永続化及び線維性疾患において重要な因子である(El-Koraie,et al.,Kidney Int.60:167(2001)、Powell,et al.,Am.J.Physiol.289: G2(2005)、El Kossi,et al.,Am.J.Kidney Dis.41:785(2003)、Powell,et al.,Am.J.Physiol.277: C183(1999) Ding et al J Pathol.2013 Jun;230(2):205-14.、Berlin et al Lab Invest.2006 Jun;86(6):557-65、Rasky et al Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol.2020 Jan 1;318(1):L200-L211)。c-Kitは、多くの細胞型に存在するIII型受容体-チロシンキナーゼである(Orr-Urtreger et al.,Development 109:911(1990)。肥満細胞、好酸球、ならびに自然リンパ球細胞2及び3(ILC2及びILC3)などの免疫細胞は全て、関与する疾患及び臓器に応じて、慢性炎症プロセスを駆動し得るc-Kit+細胞である。炎症性応答の開始時に、SCFを含む様々な媒介物がc-Kit+免疫細胞を活性化し、それは次いで、線維芽細胞を活性化された筋線維芽細胞にするサイトカインを産生する。筋線維芽細胞は、細胞外マトリックスタンパク質、コラーゲン及びフィブロネクチンを分泌し、組織の線維症をもたらす。活性化された筋線維芽細胞、活性化上皮、内皮、マクロファージ、好酸球、肥満細胞、単球及び他の細胞もまた、より多くのc-Kit+免疫細胞を活性化する細胞表面上にSCFを発現し、より多くのサイトカイン放出をもたらし、炎症を永続させる。
当該技術分野において、炎症性疾患に対するより効率的でより特異的な治療の必要性が存在する。特に、ヒトにおける炎症性疾患のための改善された治療の必要性が存在する。本開示は、この及び他の必要性に対処する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】El-Koraie,et al.,Kidney Int.60:167(2001)
【非特許文献2】Powell,et al.,Am.J.Physiol.289: G2(2005)
【非特許文献3】El Kossi,et al.,Am.J.Kidney Dis.41:785(2003)
【非特許文献4】Powell,et al.,Am.J.Physiol.277: C183(1999)
【非特許文献5】Ding et al J Pathol.2013 Jun;230(2):205-14.
【非特許文献6】Berlin et al Lab Invest.2006 Jun;86(6):557-65
【非特許文献7】Rasky et al Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol.2020 Jan 1;318(1):L200-L211
【非特許文献8】Orr-Urtreger et al.,Development 109:911(1990)
【発明の概要】
【0007】
いくつかの実施形態では、本明細書では、幹細胞因子(SCF)に特異的に結合する抗体またはその断片を提供し、抗体は、重鎖及び軽鎖を含み、重鎖及び軽鎖は各々、(i)配列番号1(SXMN、配列中、Xは、Q、NまたはYであり、Xは、WまたはYである)に記載のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、(ii)配列番号2(QIYPXDXDXHX11NX13KFX1617、配列中、Xは、E、G、DまたはLであり、Xは、G、DまたはNであり、Xは、TまたはIであり、X11は、MまたはYであり、X13は、G、DまたはEであり、X16は、K、R、N、EまたはDであり、X17は、GまたはTである)に記載のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、(iii)配列番号3(XNWXGSY、配列中、Xは、SまたはAであり、Xは、VまたはDである)に記載のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、(iv)配列番号4(XSQSLLXDGNTYLN、配列中、Xは、KまたはHであり、Xは、SまたはAであり、Xは、EまたはDであり、Xは、S、E、Q、AまたはGである)に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、(v)配列番号5(LVXRXDX、配列中、Xは、D、NまたはSであり、Xは、LまたはRであり、Xは、I、D、SまたはLである)に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び(vi)配列番号6(WQGXLPQT、配列中、Xは、TまたはSであり、Xは、DまたはHである)に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む、3つの相補性決定領域(CDR)を含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、以下を含む抗体またはその断片が本明細書に提供される:(i)配列番号7(SXWMN、配列中、Xは、QまたはNである)に記載のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、(ii)配列番号8(QIYPXDXDXHX11NX13KFKX17、配列中、Xは、E、GまたはDであり、Xは、GまたはDであり、Xは、TまたはIであり、X13は、GまたはDであり、X17は、GまたはTであり、X11は、MまたはYである)に記載のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、(iii)配列番号9(SNWXGSY、配列中、Xは、VまたはDである)に記載のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、(iv)配列番号10(KSSQSLLEXDGNTYLN、配列中、Xは、S、E、QまたはAである)に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、(v)配列番号11(LVXRLDX、配列中、Xは、DまたはNであり、Xは、I、D、SまたはLである)に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び(vi)配列番号6(WQGXLPQT、配列中、Xは、TまたはSであり、Xは、DまたはHである)に記載の軽鎖CDR3。
【0009】
いくつかの実施形態では、以下を含む抗体またはその断片が本明細書に提供される:(i)それぞれ、配列番号22、26及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号71、90及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、(ii)それぞれ、配列番号23、27及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号71、91及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、(iii)それぞれ、配列番号22、26及び67に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号71、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、(iv)それぞれ、配列番号22、27及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号71、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、(v)それぞれ、配列番号23、28及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号72、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、(vi)それぞれ、配列番号22、27及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号71、93及び112に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、(vii)それぞれ、配列番号22、28及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、(viii)それぞれ、配列番号22、29及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、(ix)それぞれ、配列番号22、30及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号71、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、(x)それぞれ、配列番号22、31及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号71、92及び112に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、(xi)それぞれ、配列番号22、32及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、93及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、(xii)それぞれ、配列番号22、33及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号74、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、(xiii)それぞれ、配列番号24、34及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、94及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、(xiv)それぞれ、配列番号23、28及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、94及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、(xv)それぞれ、配列番号22、31及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、(xvi)それぞれ、配列番号22、28及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、(xvii)それぞれ、配列番号22、27及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、(xviii)それぞれ、配列番号22、35及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号74、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、(xix)それぞれ、配列番号22、34及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号71、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、(xx)それぞれ、配列番号22、27及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号75、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、(xxi)それぞれ、配列番号24、34及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、(xxii)それぞれ、配列番号22、36及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号71、95及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、(xxiii)それぞれ、配列番号23、28及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、(xxiv)それぞれ、配列番号22、28及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、96及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、(xxv)それぞれ、配列番号22、34及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号71、95及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、(xxvi)それぞれ、配列番号22、34及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号79、90及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、(xxvii)それぞれ、配列番号22、34及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号75、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、または(xxviii)それぞれ、配列番号22、27及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、98及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3。
【0010】
いくつかの実施形態では、抗体またはその断片が本明細書に提供され、抗体は、(i)配列番号114に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号291に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(ii)配列番号115に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号292に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(iii)配列番号116に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号293に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(iv)配列番号117に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号294に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(v)配列番号118に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号295に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(vi)配列番号119に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号296に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(vii)配列番号120に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号297に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(viii)配列番号121に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号298に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(ix)配列番号122に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号299に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(x)配列番号123に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号300に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xi)配列番号124に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号301に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xii)配列番号125に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号302に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xiii)配列番号126に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号303に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xiv)配列番号127に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号304に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xv)配列番号128に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号305に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xvi)配列番号129に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号306に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xvii)配列番号130に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号307に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xviii)配列番号131に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号308に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xix)配列番号132に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号309に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xx)配列番号133に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号310に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xxi)配列番号134に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号311に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xxii)配列番号135に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号312に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xxiii)配列番号136に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号313に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xxiv)配列番号137に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号314に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xxv)配列番号149に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号326に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xxvi)配列番号156に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号333に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xxvii)配列番号158に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号335に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または(xxviii)配列番号143に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号320に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、抗体またはその断片が本明細書に提供され、抗体は、(i)配列番号114に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号291に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(ii)配列番号115に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号292に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(iii)配列番号116に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号293に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(iv)配列番号117に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号294に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(v)配列番号118に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号295に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(vi)配列番号119に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号296に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(vii)配列番号120に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号297に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(viii)配列番号121に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号298に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(ix)配列番号122に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号299に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(x)配列番号123に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号300に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xi)配列番号124に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号301に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xii)配列番号125に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号302に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xiii)配列番号126に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号303に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xiv)配列番号127に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号304に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xv)配列番号128に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号305に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xvi)配列番号129に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号306に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xvii)配列番号130に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号307に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xviii)配列番号131に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号308に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xix)配列番号132に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号309に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xx)配列番号133に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号310に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xxi)配列番号134に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号311に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xxii)配列番号135に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号312に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xxiii)配列番号136に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号313に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xxiv)配列番号137に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号314に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xxv)配列番号149に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号326に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xxvi)配列番号156に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号333に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xxvii)配列番号158に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号335に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または(xxviii)配列番号143に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号320に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、抗体またはその断片が本明細書に提供され、抗体は、(i)配列番号114に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号291に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(ii)配列番号115に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号292に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(iii)配列番号116に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号293に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(iv)配列番号117に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号294に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(v)配列番号118に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号295に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(vi)配列番号119に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号296に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(vii)配列番号120に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号297に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(viii)配列番号121に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号298に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(ix)配列番号122に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号299に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(x)配列番号123に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号300に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xi)配列番号124に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号301に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xii)配列番号125に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号302に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xiii)配列番号126に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号303に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xiv)配列番号127に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号304に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xv)配列番号128に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号305に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xvi)配列番号129に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号306に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xvii)配列番号130に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号307に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xviii)配列番号131に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号308に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xix)配列番号132に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号309に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xx)配列番号133に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号310に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xxi)配列番号134に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号311に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xxii)配列番号135に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号312に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xxiii)配列番号136に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号313に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xxiv)配列番号137に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号314に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xxv)配列番号149に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号326に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xxvi)配列番号156に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号333に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、(xxvii)配列番号158に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号335に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または(xxviii)配列番号143に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号320に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、抗体またはその断片が本明細書に提供され、抗体またはその断片は、モノクローナル抗体、Fab、F(ab’)、Fab’、scFvまたは単一ドメイン抗体(sdAb)である。
【0014】
いくつかの実施形態では、抗体またはその断片が本明細書に提供され、抗体は、ヒトIgG1またはIgG4ドメインを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、配列番号1441に記載の定常重ドメイン及び配列番号1442に記載の定常軽ドメインを有するIgG4ドメインを含む、抗体またはその断片が本明細書に提供される。
【0016】
いくつかの実施形態では、アミノ酸残基241にS241P変異及びアミノ酸残基248にL248E変異を含むIgG4ドメインを含む、抗体またはその断片が本明細書に提供され、残基の番号付けは、Kabat番号付けシステムの番号付けである。
【0017】
いくつかの実施形態では、配列番号1440に記載の定常重ドメイン及び配列番号1442に記載の定常軽ドメインを有するIgG4ドメインを含む、抗体またはその断片が本明細書に提供される。
【0018】
いくつかの実施形態では、配列番号892~914、926、933、935及び920のうちのいずれか1つの重鎖アミノ酸配列、ならびに配列番号1029~1051、1063、1070、1072及び1057のうちのいずれか1つの軽鎖アミノ酸配列を含む、抗体またはその断片が本明細書に提供される。
【0019】
いくつかの実施形態では、配列番号618~640、652、659、661及び646のうちのいずれか1つの重鎖アミノ酸配列、ならびに配列番号755~777、789、796、798及び783のうちのいずれか1つの軽鎖アミノ酸配列を含む、抗体またはその断片が本明細書に提供される。
【0020】
いくつかの実施形態では、配列番号481~503及び515、522、524、及び509のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む、抗体またはその断片が本明細書に提供される。
【0021】
いくつかの実施形態では、SCFに対して50nM以下の結合親和性を有する抗体またはその断片が本明細書に提供される。
【0022】
いくつかの実施形態では、SCFに対して10nM以下の結合親和性を有する抗体またはその断片が本明細書に提供される。
【0023】
いくつかの実施形態では、SCFに対して5nM以下の結合親和性を有する抗体またはその断片が本明細書に提供される。
【0024】
いくつかの実施形態では、SCFとc-Kitとの間の相互作用を遮断する抗体またはその断片が本明細書に提供される。
【0025】
いくつかの実施形態では、SCFの内在化を引き起こす抗体またはその断片が本明細書に提供される。
【0026】
いくつかの実施形態では、SCF248に特異的に結合する抗体またはその断片が本明細書に提供される。
【0027】
いくつかの実施形態では、SCF220に結合しない抗体またはその断片が本明細書に提供される。
【0028】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体またはその断片のうちのいずれか1つをコードする、単離された核酸分子が本明細書に提供される。
【0029】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体またはその断片をコードする核酸セグメントを含む発現ベクターが本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体またはその断片をコードする核酸を含む発現ベクターが本明細書に提供される。
【0030】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体またはその断片をコードする核酸セグメントを含む発現ベクターを含む組換え宿主細胞が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体またはその断片をコードする核酸を含む発現ベクターを含む組換え宿主細胞が本明細書に提供される。
【0031】
いくつかの実施形態では、炎症または線維症の阻害を必要とする対象においてそれを行うための方法が本明細書に提供され、方法は、本明細書に提供される抗体またはその断片を対象に投与することを含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、慢性炎症性疾患または線維性疾患の治療を必要とする対象においてそれを行うための方法が本明細書に提供され、方法は、本明細書に提供される抗体またはその断片を対象に投与することを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、慢性炎症性疾患または線維性疾患の治療を必要とする対象においてそれを行うための方法が本明細書に提供され、方法は、本明細書に提供される抗体またはその断片を対象に投与することを含み、慢性炎症性疾患または線維性疾患は、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、原発性硬化性胆管炎、肺線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性呼吸促拍症候群(ARDS)、嚢胞性線維症、気管支周囲線維症、過敏性肺炎、喘息、ブレオマイシン肺、強皮症、肝硬変、心内膜心筋線維症、線維筋痛、好酸球性食道炎、炎症性腸疾患(IBD)、慢性腎疾患(CKD)、末期腎疾患(ERSD)、腎線維症、糸球体腎炎及び腎症からなる群から選択される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】表面上の一本鎖可変断片(scFv)として「VK3/VH1」と称され、増加濃度の標的ペプチドPE9413とともにインキュベートされる、親5H10ヒト化抗体を提示するモノクローナル酵母集団のフローサイトメトリープロットを示す。PE9413は、幹細胞因子248アイソフォーム(SCF248)のエクソン6にマッピングするC末端ビオチン化ペプチドである。PE9413は、配列番号479の配列を有する。X軸は酵母細胞の表面上にscFvの提示を示し、y軸はPE9413への結合を示す。
【0035】
図2】PE9413に結合した酵母細胞集団の蛍光シグナルの中央値に対するPE9413の濃度(「標的濃度」と表示される)のプロットである。酵母細胞集団は、その表面上にscFvとして親5H10ヒト化抗体を提示した。曲線を使用して、C末端ビオチン化PE9413に対する親5H10ヒト化scFvの親和性が173.8nMであることを決定した(R=0.9922)。
【0036】
図3】6つの変異走査ライブラリのPCRアセンブリを示す。各ライブラリにおいて、CDRのうちの1つは、CDRのアミノ酸位置に単一の変異を有する合成オリゴヌクレオチドに置き換えられる。
【0037】
図4-1】170nMのPE9413標的ペプチドで染色した、またはPE9413標的ペプチドの不在下(「0nMのPE9413」)で染色した、5H10 VK3/VH1変異走査CDRライブラリを提示する酵母細胞のフローサイトメトリープロットを示す。バックグラウンド(正方形)を上回る結合シグナルを有するscFvを提示する酵母細胞を、追加の選択ラウンドのために選別した。同じ標的抗原濃度で染色したVK3/VH1の結合プロファイルは、右側のパネルに報告される。
図4-2】170nMのPE9413標的ペプチドで染色した、またはPE9413標的ペプチドの不在下(「0nMのPE9413」)で染色した、5H10 VK3/VH1変異走査CDRライブラリを提示する酵母細胞のフローサイトメトリープロットを示す。バックグラウンド(正方形)を上回る結合シグナルを有するscFvを提示する酵母細胞を、追加の選択ラウンドのために選別した。同じ標的抗原濃度で染色したVK3/VH1の結合プロファイルは、右側のパネルに報告される。
図4-3】170nMのPE9413標的ペプチドで染色した、またはPE9413標的ペプチドの不在下(「0nMのPE9413」)で染色した、5H10 VK3/VH1変異走査CDRライブラリを提示する酵母細胞のフローサイトメトリープロットを示す。バックグラウンド(正方形)を上回る結合シグナルを有するscFvを提示する酵母細胞を、追加の選択ラウンドのために選別した。同じ標的抗原濃度で染色したVK3/VH1の結合プロファイルは、右側のパネルに報告される。
【0038】
図5-1】85nMのPE9413標的ペプチドで染色した5H10 VK3/VH1変異走査CDRライブラリを提示する酵母細胞のフローサイトメトリープロットを示す。ライブラリの各メンバーは、1つの変異したCDR(例えば、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2またはLCDR3)を含む。
図5-2】85nMのPE9413標的ペプチドで染色した5H10 VK3/VH1変異走査CDRライブラリを提示する酵母細胞のフローサイトメトリープロットを示す。ライブラリの各メンバーは、1つの変異したCDR(例えば、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2またはLCDR3)を含む。
図5-3】85nMのPE9413標的ペプチドで染色した5H10 VK3/VH1変異走査CDRライブラリを提示する酵母細胞のフローサイトメトリープロットを示す。ライブラリの各メンバーは、1つの変異したCDR(例えば、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2またはLCDR3)を含む。
図5-4】85nMのPE9413標的ペプチドで染色した5H10 VK3/VH1変異走査CDRライブラリを提示する酵母細胞のフローサイトメトリープロットを示す。ライブラリの各メンバーは、1つの変異したCDR(例えば、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2またはLCDR3)を含む。
【0039】
図6】2回の選別ラウンド後の各5H10 VK3/VH1変異走査CDRライブラリにおける変異のWebLogo表示を示す。各選択されたライブラリからの8つのランダムなクローンを、Sangerシークエンシングし、WebLogo分析で使用した。表示における文字の高さは、特定のCDR位置で生じるアミノ酸の頻度を表す。
【0040】
図7】個々のCDR選択ライブラリからのコンビナトリアルライブラリアセンブリのグラフ表示である。
【0041】
図8A】実施例2のコンビナトリアルライブラリを提示する酵母のフローサイトメトリープロットを示す。酵母を、10nM、25nM及び85nMの、PE9413、及びSDGKSPNSDNSPSRKSLSASR(配列番号480)に記載の配列を有する対照ペプチド(Ctrlペプチドと表示される)で染色した。
【0042】
図8B】実施例2のコンビナトリアルライブラリを提示する酵母のフローサイトメトリープロットを示す。酵母を、10nM、25nM、50nM、85nM及び170nMの、PE9413、及び配列番号480に記載の配列を有する対照ペプチド(Ctrlペプチドと表示される)で染色した。
【0043】
図9A】PE9413(1nM、5nM、10nM、25nM)への磁気活性化細胞選別(MACS)酵母細胞の結合を示す。
【0044】
図9B】酵母のコンビナトリアルライブラリの蛍光活性化細胞選別(FACS)のゲーティング戦略を示す。9413に結合した酵母細胞の上位1%(ボックスによって示される)が選択された。
【0045】
図9C】0nM、5nMまたは10nMのPE9413でのFACS選択酵母細胞のPE9413への結合を示す。
【0046】
図10A】非標識PE9413との競合後の、ビオチン化PE9413への、コンビナトリアルライブラリまたは親scFvの結合を示す。ライブラリを5nMのPE9413とともにインキュベートした。
【0047】
図10B】非標識PE9413との競合後の、ビオチン化PE9413への、コンビナトリアルライブラリまたは親scFvの結合を示す。ライブラリは、ビオチン化PE9413で飽和される。
【0048】
図10C】動態選別後に選択される酵母細胞の集団(ボックスで示される)を示す。
【0049】
図11】親和性成熟クローンのCDRのWebLogo表示を示す。表示における文字の高さは、特定のCDR位置で生じるアミノ酸の頻度を表す。
【0050】
図12】N末端ビオチン化PE9413(「N-biot」と表示される)について選択されたクローンの、C末端ビオチン化PE9413(「C-biot」と表示される)に対する親和性を示す。
【0051】
図13】酵母提示が抗体発見にどのように使用されるかを示す図である。
【0052】
図14】MACSによって選別された酵母細胞の、PE9413への結合を示す。
【0053】
図15】実施例2に記載の動態選別のステップの漫画表示である。
【0054】
図16A-1】選択された動態学的に選別された酵母細胞の、0nM、1nM、5nM、10nM、15nM、25nM及び50nMのPE9413への結合を示す。
図16A-2】選択された動態学的に選別された酵母細胞の、0nM、1nM、5nM、10nM、15nM、25nM及び50nMのPE9413への結合を示す。
【0055】
図16B-1】選択された動態学的に選別された酵母細胞の、85nM、170nM、200nM、400nM及び2000nMのPE9413への結合を示す。
図16B-2】選択された動態学的に選別された酵母細胞の、85nM、170nM、200nM、400nM及び2000nMのPE9413への結合を示す。
【0056】
図16C】PE9413に結合した動態学的に選別された酵母コンビナトリアルライブラリの蛍光シグナルの中央値に対する、PE9413の濃度(「濃度」と表示される)のプロットである。曲線を使用して、C末端ビオチン化PE9413に対するコンビナトリアルライブラリの親和性が6.4nMであることを決定した(R=0.9964)。
【0057】
図16D】親5H10 scFvを提示する酵母細胞の蛍光シグナルの中央値に対するPE9413の濃度(「濃度」と表示される)のプロットである。曲線を使用して、C末端ビオチン化PE9413に対する親5H10 scFvの親和性が232nMであることを決定した(R=0.9922)。
【0058】
図17】最終平衡選別後のコンビナトリアル酵母ライブラリのフローサイトメトリープロットを示す。X軸はscFvの提示を示し、y軸はPE9413への各クローンの結合を示す。
【0059】
図18】組織損傷/炎症性疾患プロセスの概略図を提供する。
【0060】
図19】本開示の抗SCF248抗体5H10の例示的な機構を示す。5H10抗体は、図中では「抗SCF248」と称される。
【0061】
図20】SCF、SCF220、SCF248及び単量体切断細胞外ドメインSCF165のアイソフォームを示す。SCF165は、エクソン6領域内のその切断部位でSCF248の切断時に放出される。
【0062】
図21】バリアント濃度の関数としての5H10の各バリアントの結合を示す。
【0063】
図22】陽性対照と比較して、CCL2 mRNA発現に対する5H10の各バリアントの効果を示す。
【0064】
図23】陽性対照と比較して、TGFβ mRNA発現に対する5H10の各バリアントの効果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0065】
幹細胞因子(SCF)は、急性及び慢性の炎症、線維性疾患、ならびに組織再構築疾患の主要な媒介物である。免疫細胞上でのSCFとc-Kitとの相互作用は、炎症及び線維症を開始し、永続させる。本開示は、SCFとc-Kitとの相互作用を阻害するための組成物及び方法を提供する。一態様では、本開示は、炎症性形態のSCFであるSCF248がc-Kitと相互作用するのを防止し、したがって、免疫細胞の活性化を低減及び/または防止するための組成物及び方法を提供する。態様では、本明細書で提供される組成物は、SCFに対して高い結合親和性を有するSCFに対する抗体である。したがって、本開示は、慢性炎症及び線維性及び組織再構築疾患を治療するための方法を提供し、方法は、それを必要とする対象に、SCFに対して高い親和性を有する抗体を投与することを含む。一態様では、本開示は、臓器または組織における免疫細胞の蓄積(例えば、増殖及び/または保持)を低減するための組成物及び方法を提供する。例えば、本開示は、SCF248がc-Kitと相互作用するのを防止し、したがって、臓器または組織における免疫細胞の蓄積を低減及び/または防止する組成物及び方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、肥満細胞、好酸球、2型自然リンパ球(ILC2)細胞、及び3型自然リンパ球(ILC3)細胞の臓器または組織における活性化及び/または蓄積を低減及び/または防止するための組成物及び方法を提供する。
【0066】
特に、本開示は、SCFに特異的に結合し、c-Kitとの相互作用を遮断または阻害する抗体及びその抗原結合断片を提供する。実施形態では、抗体は、SCFに対して高い親和性、例えば、約1nM~約20nM、約1nM~約10nM、約1nM~約5nM、または約1nM~約4nM、約2nM~約5nM、約2nM~約4nM、約2nM~約20nM、または約2nM~約10nMの範囲の親和性を有する。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及びその断片は、SCFに結合し、c-Kit及びc-Kit+細胞の活性を阻害する。本開示はまた、本明細書に提供される抗体を使用する診断方法を提供する。一態様では、本明細書で提供される抗体及びその断片は、炎症を駆動するSCFアイソフォームSCF248に高い親和性で特異的に結合する。したがって、本開示は、炎症及び線維症を阻害し、慢性炎症性疾患及び線維性疾患を治療するための特異的で効果的な組成物及び方法を提供する。
【0067】
定義
本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、少なくとも1つの抗原結合ドメインを有する結合タンパク質を指す。本発明の抗体及びその断片は、全抗体またはその任意の断片であり得る。したがって、本発明の抗体及び断片は、モノクローナル抗体またはその断片、及び抗体バリアントまたはその断片、ならびにイムノコンジュゲートを含む。抗原結合断片としては、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片、二重特異性Fab二量体(Fab2)、三重特異性Fab三量体(Fab3)、Fv、一本鎖Fvタンパク質(「scFv」)、bis-scFv、(scFv)2、ミニボディ、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、ジスルフィド安定化Fvタンパク質(「dsFv」)、単一ドメイン抗体(sdAb、ナノボディ)、重鎖のみの抗体(例えば、ラクダVHH、ラクダナノボディ、サメIg NAR)、及び抗原結合に関与する全長抗体の一部が挙げられる。単離された抗体またはその抗原結合断片は、その自然環境の構成要素から同定及び分離、及び/または回収されたものである。
【0068】
いくつかの実施形態では、抗体及びその抗原結合断片は、単離された抗体及びその断片である。したがって、本発明は、単離された抗体及びその抗原結合断片、ならびにそのような抗体及び断片をコードする核酸、ならびにそのような単離された抗体、断片及び核酸を含む組成物を提供する。「単離された」という用語は、その自然環境から分離されている目的の化合物(例えば、抗体または核酸)を指す。本発明は、単離された抗体もしくはその断片、またはそのような抗体もしくは断片をコードする核酸を含み、1つ以上の薬学的に許容される担体を更に含む薬学的組成物を更に提供する。薬学的に許容される担体には、例えば、賦形剤、希釈剤、カプセル化材料、充填剤、緩衝剤、または他の薬剤が含まれる。
【0069】
本明細書で使用される場合、「誘導される」という用語は、参照抗体または他の結合タンパク質に対して分子またはポリペプチドを指すために使用される場合、参照抗体または他の結合タンパク質と同じエピトープに特異的であり、それに結合することができる分子またはポリペプチドを意味する。
【0070】
本明細書で使用される場合、「特異的」という語句は、非特異的相互作用のみにより抗体が標的に結合しないことを意味し得、この特性は、アイソタイプ対照などと比較することによって決定することができる。特異的結合は、単一の標的への排他的結合を含んでもよいが、必ずしもそれを必要としない。実施形態では、本明細書で提供される抗体は、SCF248に特異的に結合し、SCF220には結合しない。実施形態では、本明細書で提供される抗体は、約20nM以下の親和性(K)でSCF248に特異的に結合し、SCF220には結合しない。
【0071】
「宿主細胞」という用語は、核酸配列で形質転換された、または形質転換されることが可能であり、それによって目的の遺伝子を発現する細胞を意味する。本用語は、目的の遺伝子が存在する限り、子孫が元の親細胞と形態または遺伝子構成が同一であるかどうかにかかわらず、親細胞の子孫を含む。
【0072】
ポリペプチド(例えば、抗原結合タンパク質または抗体)の「バリアント」は、1つ以上のアミノ酸残基が、別のポリペプチド配列と比較して、アミノ酸配列に挿入されるか、アミノ酸残基から欠失されるか、及び/またはアミノ酸配列に置換されるアミノ酸配列を含む。バリアントは、本明細書に提供される抗体もしくは断片、または列挙されたDNAもしくはアミノ酸配列を有する抗体もしくは断片に対して、列挙された同一性パーセントを有する抗体及びその断片を含む。
【0073】
「同一性」という用語は、配列を整列させて比較することによって決定される、2つ以上のポリペプチド分子または2つ以上の核酸分子の配列間の関係を指す。「同一性パーセント」、「相同性パーセント」、「配列同一性」または「配列相同性」などは、比較される分子におけるアミノ酸またはヌクレオチド間の同一の残基のパーセントを意味し、比較される分子の最小のサイズに基づいて計算される。例えば、相同性パーセント、配列同一性、配列相同性などの用語は、2つの参照配列によって共有される同一のアミノ酸配列の数を、アミノ酸位置の総数によって除し、100を掛けることを指す。これらの計算のために、アライメントのギャップ(存在する場合)は、好ましくは、特定の数学モデルまたはコンピュータプログラム(すなわち、「アルゴリズム」)によって対処される。整列された核酸またはポリペプチドの同一性を計算するために使用することができる方法としては、Computational Molecular Biology,(Lesk,A.M.,ed.),1988,New York:Oxford University Press、Biocomputing Informatics and Genome Projects,(Smith,D.W.,ed.),1993,New York:Academic Press、Computer Analysis of Sequence Data,Part I,(Griffin,A.M.,and Griffin,H. G.,eds.),1994,New Jersey:Humana Press、von Heinje,G.,1987,Sequence Analysis in Molecular Biology,New York:Academic Press、Sequence Analysis Primer,(Gribskov,M.and Devereux,J.,eds.),1991,New York:M.Stockton Press、及びCarillo et al.,1988,SIAM J.Applied Math.48:1073に記載されているものが挙げられる。同一性パーセントを計算する際、比較される配列は、典型的には、配列間で最大の一致が得られるような方法で整列される。
【0074】
「軽鎖」という用語は、結合特異性を付与するのに十分な可変領域配列を有する全長軽鎖及びその断片を含む。全長軽鎖は、可変領域ドメイン及び定常領域ドメインを含む。軽鎖の可変領域ドメインは、ポリペプチドのアミノ末端にある。軽鎖には、カッパ鎖及びラムダ鎖が含まれる。
【0075】
「重鎖」という用語は、結合特異性を付与するのに十分な可変領域配列を有する全長重鎖及びその断片を含む。全長重鎖は、可変領域ドメイン、3つの定常領域ドメイン、C1、C2及びC3を含む。可変重ドメインは、ポリペプチドのアミノ末端にあり、Cドメインは、カルボキシル末端にあり、CHは、ポリペプチドのカルボキシ末端に最も近い。重鎖は、IgG(IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4サブタイプを含む)、IgA(IgA1及びIgA2サブタイプを含む)、IgM及びIgEを含む任意のアイソタイプであり得る。「アイソタイプ」という用語は、重鎖定常領域遺伝子によってコードされる抗体クラスを指す。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される抗体は、IgG4重鎖、またはある特定のアミノ酸変異を含むIgG4重鎖を有する。例えば、いくつかの実施形態では、IgG4は、Fabアーム交換を阻害するために、228位に(EU番号付けスキーム、Kabat et al.Sequence of proteins of immunologic interest,5th ed Bethesda,MD,NIH1991)変異を含む。例えば、いくつかの実施形態では、IgG4重鎖は、IgG4 S228P重鎖である。いくつかの実施形態では、重鎖は、Fc受容体への結合を低減し、それによって抗体のエフェクター機能を低減または排除する1つ以上のアミノ酸変異を含む。例えば、重鎖は、233位、234位、235位、236位、237位、241位、265位、309位、331位及び409位(EU番号付け)のうちの1つ以上に変異を含み得る。いくつかの実施形態では、IgG4重鎖は、241位に変異を含む。いくつかの実施形態では、241位は、プロリンに変異される。
【0076】
「可変領域」または「可変ドメイン」という用語は、抗体の軽鎖及び/または重鎖の一部を指し、典型的には、およそ重鎖のアミノ末端120~130アミノ酸及び軽鎖の約100~110アミノ末端アミノ酸を含む。軽鎖可変領域は、本明細書では「VL」または「Vl」と称され得る。重鎖可変領域は、本明細書では「VH」または「Vh」と称され得る。ある特定の実施形態では、異なる抗体の可変領域は、同じ種の抗体の間でも、アミノ酸配列が大きく異なる。抗体の可変領域は、典型的には、その中の相補性決定領域(CDR)によって、その標的に対する特定の抗体の特異性を決定する。本明細書で使用される場合、「標的」という用語は、抗原結合タンパク質によって結合されることができる分子または分子の一部分を指す。ある特定の実施形態では、標的は、1つ以上のエピトープを有し得る。ある特定の実施形態では、標的は、抗原である。「抗原結合タンパク質」という語句における「抗原」の使用は、単に、抗原を含むタンパク質配列が抗体によって結合され得ることを示す。この文脈において、タンパク質が外来物であること、またはそれが免疫応答を誘導することができることを必要としない。
【0077】
「エピトープ」という用語は、抗体などの抗原結合タンパク質によって、またはT細胞受容体に結合することができる任意の決定基を含む。エピトープは、抗原を標的とする抗原結合タンパク質によって結合される抗原の領域であり、抗原がタンパク質である場合、抗原結合タンパク質に直接接触する特異的アミノ酸を含む。ほとんどの場合、エピトープはタンパク質上に存在するが、場合によっては、核酸などの他の種類の分子上に存在し得る。エピトープ決定基は、アミノ酸、糖側鎖、ホスホリルまたはスルホニル基などの分子の化学的に活性な表面分類を含み得、特異的三次元構造特徴及び/または比電荷特徴を有し得る。一般に、特定の標的抗原に特異的な抗体は、タンパク質及び/または巨大分子の複雑な混合物中の標的抗原上のエピトープを優先的に認識する。抗体エピトープは、線状または立体構造であってもよい。実施形態では、本明細書に提供されるエピトープは、線状エピトープである。
【0078】
特に明記しない限り、単数形の使用は、複数形を含む。「a」または「an」という単語は、特に明記しない限り、「少なくとも1つ」を意味する。「または」の使用は、特に明記しない限り、「及び/または」を意味する。「少なくとも1つ」という語句の意味は、「1つ以上」という語句の意味と等価である。更に、「含む(including)」という用語、ならびに「含む(includes)」及び「含む(included)」などの他の形態の使用は、限定されない。また、「要素」または「構成要素」などの用語は、特に明記しない限り、1つの単位を含む要素または構成要素と、2つ以上の単位を含む要素または構成要素との両方を包含する。本明細書で使用される場合、「約」という用語は、述べられたパラメータ値より多いまたはそれ未満の量、例えば、「約」が修正する対象のプラスもしくはマイナス5もしくは10パーセント、または当業者が文脈から認識するであろう量(例えば、値間の間隔のおよそ50%)を指す。「約」という用語はまた、参照される値を含む。
【0079】
幹細胞因子
ヒトにおいて、異なる構造及び活動を有する、少なくとも2つの形態のSCFが存在する。SCF220は、造血及び精子形成を含むいくつかの恒常性機能において機能し、骨髄、精巣、ならびに他の組織及び臓器に見られる。SCF220は、ゆっくりと切断可能であり、「膜SCF」と呼ばれることもある。対照的に、SCF248は、急速に切断可能であり、N末端c-kit結合ドメインと膜貫通ドメインとの間に位置するエクソン6に切断部位を含む。SCF248は、「可溶性SCF」と称され得る。エクソン6は、代替的スプライシングを介してSCF220から排除され、したがって、SCF220は、この切断部位を欠く。単量体、細胞外ドメイン(SCF165)は、切断生成物であり、慢性炎症性疾患の血漿中のバイオマーカーとして機能する。血漿はまた、SCF220に由来するSCF細胞外ドメインの検出可能なレベルを含有し得るが、検出可能な細胞外ドメインの大部分は、SCF165であると予想される。SCF248は、筋線維芽細胞、活性化上皮細胞及び他の細胞上に見出されるアイソフォームであり、炎症中に免疫細胞を活性化し、線維症の永続化に寄与する。より具体的には、SCF248は免疫細胞上のc-Kitに結合し、線維芽細胞を活性化して筋線維芽細胞になり、細胞外マトリックスタンパク質、コラーゲン及びフィブロネクチンを分泌するサイトカインの産生を開始する。活性化された筋線維芽細胞ならびに活性化された上皮、内皮、マクロファージ、好酸球、肥満細胞、単球及び他の細胞もまた、細胞表面上にSCFを発現し、より多くのc-Kit+免疫細胞を活性化し、更なるサイトカイン放出及び免疫活性化、ならびに線維性応答をもたらす。
【0080】
本明細書に開示される抗体及びその抗原結合断片は、SCFに特異的である。いくつかの実施形態では、抗体及びその断片は、ヒトSCFに特異的である。いくつかの実施形態では、抗体及びその断片は、SCF248に特異的である。いくつかの実施形態では、抗体は、SCF248に結合し、SCFの他のアイソフォームには結合しない。いくつかの実施形態では、抗体は、SCF248に結合し、SCF220には結合しない。いくつかの実施形態では、本開示は、SCF248に特異的である抗体またはその断片を作製するための方法を提供する。SCF248に特異的である例示的な抗体及び断片、ならびに抗体及び断片を作製し使用するための方法が、本開示で提供される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及びその断片は、SCF248に結合し、SCF248とc-Kitとの間の相互作用を遮断することによって、様々な細胞型で発現されるSCF248とcKit+免疫細胞との間の正のフィードバックループを破壊する。
【0081】
抗体及び断片
本開示は、モノクローナル抗体及びその断片を含む抗体を提供する。SCF(例えば、SCF248)に特異的である本明細書に提供される抗体断片は、本明細書において抗原結合断片と称されることがあり、これは、それらが、標的抗原(SCF、例えば、SCF248)に結合することができる親抗体の部分を含むことを意味する。「抗体断片」、「抗原結合断片」などは、本明細書において交換可能に使用される。抗体断片の例は、Fab断片、Fab’断片、F(ab)’断片、Fv断片、単離されたCDR領域、二重特異性Fab二量体(Fab2)、三重特異性Fab三量体(Fab3)、一本鎖Fvタンパク質(「scFv」)、bis-scFv、(scFv)2、ミニボディ、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、ジスルフィド安定化Fvタンパク質(「dsFv」)、単一ドメイン抗体(sdAb、ナノボディ)、重鎖のみの抗体(例えば、ラクダVHH、ラクダナノボディ、サメIg NAR)、及び抗原結合に関与する全長抗体の一部が挙げられる。
【0082】
「Fab断片」は、1つの軽鎖、ならびに1つの重鎖のC1及び可変領域を含む。Fab分子の重鎖は、別の重鎖分子とジスルフィド結合を形成することができない。「Fab’断片」は、1つの軽鎖、及びVHドメイン及びC1ドメインを含有する1つの重鎖の一部、ならびにC1ドメインとC2ドメインとの間の領域を含み、その結果、2つのFab’断片の2つの重鎖の間に鎖間ジスルフィド結合が形成されて、F(ab’)分子を形成することができる。「F(ab’)断片」は、2つの軽鎖、及びC1ドメインとC2ドメインとの間に定常領域の一部を含む2つの重鎖を含み、その結果、2つの重鎖の間に鎖間ジスルフィド結合が形成される。したがって、F(ab’)断片は、2つの重鎖間のジスルフィド結合によって一緒に保持される2つのFab’断片から構成される。「Fv断片」は、重鎖及び軽鎖の両方からの可変領域を含むが、定常領域を欠く。「scFv」は、重鎖及び軽鎖の可変領域が柔軟なリンカーによって接続されて、単一のポリペプチド鎖を形成し、これが抗原結合領域を形成するFv分子である。
【0083】
いくつかの態様では、本明細書に提供される抗体及びその断片は、それらの相補性決定領域(CDR)によって定義される。CDRは、抗体中の可変鎖の一部であり、軽鎖及び重鎖の可変領域の各々は、CDR1、CDR2及びCDR3の3つのCDRを含む。抗体のCDRは、抗原特異性を決定する。ある特定の実施形態では、CDRの明確な描写及び抗体の結合部位を含む残基の同定は、抗体の構造を解くこと及び/または抗体-リガンド複合体の構造を解くことによって達成される。ある特定の実施形態では、それは、X線結晶学などの当業者に既知の様々な技術のいずれかによって達成することができる。ある特定の実施形態では、様々な分析方法を用いて、CDR領域を同定または近似することができる。そのような方法の例としては、Kabat定義、Chothia定義、AbM定義及び接触定義が挙げられるが、これらに限定されない。
【0084】
Kabat定義は、抗体中の残基に番号を付けるための標準であり、典型的には、CDR領域を同定するために使用される。例えば、Johnson & Wu,Nucleic Acids Res.,28:214-8(2000)を参照されたい。Chothia定義は、Kabat定義と同様であるが、Chothia定義は、ある特定の構造ループ領域の位置を考慮する。例えば、Chothia et al.,J.Mol.Biol.,196:901-17(1986)、Chothia et al.,Nature,342:877-83(1989)を参照されたい。AbM定義は、抗体構造をモデル化するOxford Molecular Groupによって生成されたコンピュータプログラムの統合スイートを使用する。例えば、Martin et al.,Proc Natl Acad Sci(USA),86:9268-9272(1989);“AbMTM,A Computer Program for Modeling Variable Regions of Antibodies,”Oxford,UK;Oxford Molecular,Ltdを参照されたい。AbM定義は、知識データベースと、Samudrala et al.,“Ab Initio Protein Structure Prediction Using a Combined Hierarchical Approach,”in PROTEINS,Structure,Function and Genetics Suppl.,3:194-198(1999)によって記載されるものなどの第一原理法との組み合わせを使用して、一次配列から抗体の三次構造をモデル化する。接触定義は、利用可能な複雑な結晶構造の分析に基づく。例えば、MacCallum et al.,J.Mol.Biol.,5:732-45(1996)を参照されたい。
【0085】
抗体及びその断片はまた、組換えポリペプチド、融合タンパク質及び二重特異性抗体を含んでもよい。本明細書に開示される抗SCF抗体及びその断片は、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4アイソタイプのものであり得る。一実施形態では、本明細書に開示される抗SCF抗体及びその断片は、IgG1またはIgG4アイソタイプのものである。本発明の抗SCF抗体及びその断片は、マウス、ラット、ウサギ、霊長類、ラマ、ラクダ、ヤギ、サメ、ニワトリ及びヒトを含むがこれらに限定されない任意の種に由来し得る。SCF抗体及びその断片は、キメラ、ヒト化または完全ヒト抗体であり得る。一実施形態では、抗SCF抗体はマウス抗体である。別の実施形態では、抗SCF抗体は、キメラ抗体である。更なる実施形態では、キメラ抗体は、マウス-ヒトキメラ抗体である。別の実施形態では、抗体は、マウスに由来し、ヒト化される。
【0086】
「キメラ抗体」は、一種に由来する重鎖可変領域の少なくとも一部分及び軽鎖可変領域の少なくとも一部分、ならびに別の種に由来する定常領域の少なくとも一部分を有する抗体である。例えば、一実施形態では、キメラ抗体は、マウス可変領域及びヒト定常領域を含み得る。
【0087】
「ヒト化抗体」は、ヒト抗体に由来するフレームワーク領域及び定常領域、ならびにヒト抗体に由来しない(例えば、マウス抗体に由来する)相補性決定領域(CDR)を含む抗体である。実施形態では、本明細書に提供されるヒト化抗体は、抗体のCDRが由来するマウス抗体と同じSCF上のエピトープに結合する。実施形態では、本明細書に提供される抗体は、ヒト化抗体から生成されているが、1つ以上のCDRが親マウス抗体からのCDRともはや同一ではないように、1つ以上のCDR領域において更に修飾されている。実施形態では、CDR修飾は、SCFに対する親和性を驚くほど高める。一般に、ヒト化抗体が非ヒト親抗体から生成される場合、ヒト化抗体は、非ヒト親抗体によって示される親和性と比較して、抗体の標的抗原に対して同等または低減した親和性を有する。驚くべきことに、本明細書に提供される抗体は、親マウス抗体と比較して、またはそれらが由来するヒト化親抗体と比較して、SCFに対して顕著に増強された親和性を示す。
【0088】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及びその断片は重鎖及び軽鎖を含み、その各々が3つのCDRを含む。例示的な重鎖CDR1、CDR2及びCDR3(それぞれ、HCDR1、HCDR2及びHCDR3)、ならびに軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3(それぞれ、LCDR1、LCDR2及びLCDR3)のアミノ酸配列を以下の表1に提供する。表2は、例示的な重鎖及び軽鎖の可変領域のアミノ酸配列を提供する。表3は、例示的なscFvのアミノ酸配列を提供する。表4は、例示的な抗体のアミノ酸配列を提供する。いくつかの抗体は、アミノ酸残基241におけるS241P変異及びアミノ酸残基248におけるL248E変異を含むヒトIgG4ドメインを含み、残基の番号付けは、Kabat番号付けシステムの番号付けであり、定常重ドメインは、配列番号1440のアミノ酸配列を有し、定常軽ドメインは、配列番号1442のアミノ酸配列を有する。他の例示的な抗体は、配列番号1441の定常重ドメイン及び配列番号1442に記載の定常軽ドメインを有する。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体は、本明細書で「5H10 VK3/VH1」と称されるヒト化親抗体に由来する。このヒト化親抗体は、マウス抗体5H10に由来した。
【表1-1】

【表1-2】

【表1-3】

【表2-1】

【表2-2】

【表2-3】

【表2-4】

【表2-5】

【表2-6】

【表2-7】

【表2-8】

【表3-1】

【表3-2】

【表4-1】

【表4-2】
【0089】
本開示は、親マウス抗体5H10及び親ヒト化抗体5H10 VK3/VH1と比較して、驚くべきことに、SCFに対する親和性の改善をもたらした修飾されたCDR領域を有する抗体を提供する。親抗体のCDR領域における修飾は、驚くべきことに、SCFに対して顕著に増強された親和性をもたらすことが同定された。表5は、修飾されたCDRを表すコンセンサス配列を提供する。
【表5-1】

【表5-2】
【0090】
いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号22~24からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1(hCDR1)を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号22~25からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1(hCDR1)を含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号26~36からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2(hCDR2)を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号15、26~66からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2(hCDR2)を含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号16または67からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3(hCDR3)を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号16及び67~70からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3(hCDR3)を含む。
【0093】
いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号71~75及び79からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1(lCDR1)を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号71~89からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1(lCDR1)を含む。
【0094】
いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号90~96及び98からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2(lCDR2)を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号18及び90~110からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2(lCDR2)を含む。
【0095】
いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号111及び112からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3(lCDR3)を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号111~113からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3(lCDR3)を含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号114~137、143、149、156及び158からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号114~290からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号114~137、143、149、156及び158からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%の同一性を有する重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号114~290からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%の同一性を有する重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号114~137、143、149、156及び158からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有する重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号114~290からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有する重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号114~137、143、149、156及び158からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有する重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号114~290からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有する重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号114~137、143、149、156及び158からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有する重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号114~290からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有する重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号114~137、143、149、156及び158からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも97%の同一性を有する重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号114~290からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも97%の同一性を有する重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号114~137、143、149、156及び158からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも99%の同一性を有する重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号114~290からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも99%の同一性を有する重鎖可変領域を含む。
【0097】
いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号291~314、320、326、333及び335からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号291~467からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号291~314、320、326、333及び335からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号291~467からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号291~314、320、326、333及び335からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号291~467からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号291~314、320、326、333及び335からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号291~467からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号291~314、320、326、333及び335からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号291~467からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号291~314、320、326、333及び335からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも97%の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号291~467からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも97%の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号291~314、320、326、333及び335からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも99%の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号291~467からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも99%の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。
【0098】
いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、表3もしくは表4に提供されるもののうちのいずれか1つ、または表3もしくは表4に提供されるもののうちのいずれか1つに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有する抗体またはその断片である。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号618~754からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号755~891からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号618~655からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号755~801からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号618~640、652、659、661及び646からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖、ならびに配列番号755~777、789、796、798及び783からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号618~754のうちのいずれか1つに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%または少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号755~891のうちのいずれか1つに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%または少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0099】
いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号892~1028からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号1029~1165からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号892~938からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号1029~1075からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号892~914及び926、933、935、及び920からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖、ならびに配列番号1029~1051及び1063、1070、1072、及び1057からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号892~1028のうちのいずれか1つに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%または少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号1029~1165のうちのいずれか1つに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%または少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0100】
いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号1166~1302のうちのいずれか1つによってコードされるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号1303~1439のうちのいずれか1つによってコードされるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0101】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその断片は、本明細書で提供されるCDR及び本明細書で提供される可変領域またはそのバリアントを含む。バリアントは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のアミノ酸置換もしくは欠失、またはそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、保存的置換である。
【0102】
いくつかの実施形態では、本開示は、SCFに対して高い親和性、例えば、約1nM~約20nM、約1nM~約10nM、約1nM~約5nMもしくは約1nM~約4nM、約2nM~約5nM、約2nM~約4nM、約2nM~約20nM、または約2nM~約10nMの範囲の親和性を有する抗体またはその断片を提供する。いくつかの実施形態では、SCFに対する抗体またはその断片の親和性は、約5nM未満、約6nM未満、約7nM未満、約8nM未満、約9nM未満、約10nM未満、約15nM未満または約20nM未満である。例示的な抗体またはその断片の親和性は、実施例2の表A2及びA3に提供される。
【0103】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号470として本明細書に提供されるアミノ酸配列の領域に、約20nM以下(例えば、約20nM、約19nM、約18nM、約17nM、約16nM、約15nM、約14nM、約13nM、約12nM、約11nM、約10nM、約9nM、約8nM、約7nM、約6nM、約5nM、約4nM、約3nM、約2nMまたは約1nM)、または約15nM以下(例えば、約15nM、約14nM、約13nM、約12nM、約11nM、約10nM、約9nM、約8nM、約7nM、約6nM、約5nM、約4nM、約3nM、約2nMまたは約1nM)、または約10nM以下(例えば、約10nM、約9nM、約8nM、約7nM、約6nM、約5nM、約4nM、約3nM、約2nMまたは約1nM)、または約8nM以下(例えば、約8nM、約7nM、約6nM、約5nM、約4nM、約3nM、約2nM、または約1nM)、または約6nM以下(例えば、約6nM、約5nM、約4nM、約3nM、約2nM、または約1nM)、約5nM以下(例えば、約5nM、約4nM、約3nM、約2nMまたは約1nM)、または約4nM以下(例えば、約4nM、約3nM、約2nMまたは約1nM)の親和性(K)で特異的に結合する抗体またはその断片を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体またはその断片は、配列番号471(ASSLRNDSSSSNRK)または配列番号472(ASSLRNDSSSSNR)のアミノ酸配列を含むエピトープに、約20nM以下(例えば、約20nM、約19nM、約18nM、約17nM、約16nM、約15nM、約14nM、約13nM、約12nM、約11nM、約10nM、約9nM、約8nM、約7nM、約6nM、約5nM、約4nM、約3nM、約2nMまたは約1nM)、または約15nM以下(例えば、約15nM、約14nM、約13nM、約12nM、約11nM、約10nM、約9nM、約8nM、約7nM、約6nM、約5nM、約4nM、約3nM、約2nMまたは約1nM)、または約10nM以下(例えば、約10nM、約9nM、約8nM、約7nM、約6nM、約5nM、約4nM、約3nM、約2nMまたは約1nM)、または約8nM以下(例えば、約8nM、約7nM、約6nM、約5nM、約4nM、約3nM、約2nM、または約1nM)、または約6nM以下(例えば、約6nM、約5nM、約4nM、約3nM、約2nM、または約1nM)、約5nM以下(例えば、約5nM、約4nM、約3nM、約2nMまたは約1nM)、または約4nM以下(例えば、約4nM、約3nM、約2nMまたは約1nM)の親和性(K)で特異的に結合する。いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号471の少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9または少なくとも10個の連続したアミノ酸を含むエピトープに、約20nM以下(例えば、約20nM、約19nM、約18nM、約17nM、約16nM、約15nM、約14nM、約13nM、約12nM、約11nM、約10nM、約9nM、約8nM、約7nM、約6nM、約5nM、約4nM、約3nM、約2nMまたは約1nM)、または約15nM以下(例えば、約15nM、約14nM、約13nM、約12nM、約11nM、約10nM、約9nM、約8nM、約7nM、約6nM、約5nM、約4nM、約3nM、約2nMまたは約1nM)、または約10nM以下(例えば、約10nM、約9nM、約8nM、約7nM、約6nM、約5nM、約4nM、約3nM、約2nMまたは約1nM)、または約8nM以下(例えば、約8nM、約7nM、約6nM、約5nM、約4nM、約3nM、約2nM、または約1nM)、または約6nM以下(例えば、約6nM、約5nM、約4nM、約3nM、約2nM、または約1nM)、約5nM以下(例えば、約5nM、約4nM、約3nM、約2nMまたは約1nM)、または約4nM以下(例えば、約4nM、約3nM、約2nMまたは約1nM)の親和性(K)で特異的に結合する抗体またはその断片を提供する。
【0104】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体は、配列番号479のアミノ酸配列を含むポリペプチドに結合する。表1の5H10 VK3/VH1ヒト化抗体は、配列番号479のC末端ビオチン化ポリペプチドに、約165.6のKで結合する。表1の5H10 VK3/VH1ヒト化抗体は、配列番号479のN末端ビオチン化ポリペプチドに、約229.6のKで結合する。
【0105】
抗体の結合は、例えば、本開示の実施例3に記載されるように、ELISAを介して評価され得る。様々な抗体濃度での、配列番号479のポリペプチド(SCF248のペプチド)への、表1のヒト化5H10 VK3/VH1抗体の結合についての吸光度値は、以下である。
【表6】
【0106】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体の配列番号479のポリペプチドへの結合についての吸光度値は、100ng/mLの抗体濃度で2.12超、例えば、少なくとも約2.2、少なくとも約2.3、少なくとも約2.4、少なくとも約2.5、少なくとも約2.6、少なくとも約2.7、少なくとも約2.8、少なくとも約2.9、少なくとも約3.0、少なくとも約3.1、少なくとも約3.2、少なくとも約3.3、少なくとも約3.4、少なくとも約3.5、少なくとも約3.6、または少なくとも約3.7である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体の配列番号479のポリペプチドへの結合についての吸光度値は、5ng/mLの抗体濃度で約0.33超、例えば、少なくとも約0.4、少なくとも約0.5、少なくとも約0.6、少なくとも約0.7、少なくとも約0.8、少なくとも約0.9、少なくとも約1、少なくとも約1.1、少なくとも約1.2、少なくとも約1.3、少なくとも約1.4、少なくとも約1.5、少なくとも約1.6、少なくとも約1.7、少なくとも約1.8、少なくとも約1.9、または少なくとも約2.0である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体の配列番号479のポリペプチドへの結合についての吸光度値は、1ng/mLの抗体濃度で約0.24超、例えば、少なくとも約0.3、少なくとも約0.4、少なくとも約0.5、少なくとも約0.6、少なくとも約0.7、少なくとも約0.8、少なくとも約9、または少なくとも約1である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体の配列番号479のポリペプチドへの結合についての吸光度値は、0.5ng/mLの抗体濃度で約0.19超、例えば、少なくとも約0.2、少なくとも約0.3、または少なくとも約0.4である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体の配列番号479のポリペプチドへの結合についての吸光度値は、0.1ng/mLの抗体濃度で約0.17超、例えば、少なくとも約0.2、少なくとも約0.3、または少なくとも約0.4である。
【0107】
実施形態では、表1の5H10 VK3/VH1ヒト化抗体よりもより効果的に配列番号479のポリペプチドに結合する抗体が本明細書に提供される。実施形態では、抗体の結合についての吸光度値は、同じ濃度での5H10 VK3/VH1ヒト化抗体の結合についての吸光度値よりも、少なくとも約50%高い、少なくとも約100%高い、少なくとも約150%高い、少なくとも約200%高い、少なくとも約250%高い、少なくとも約300%高い、少なくとも約350%高い、少なくとも約400%高い、少なくとも約450%高い、少なくとも約500%高い。実施形態では、抗体の結合についての吸光度値は、1ミリリットル(mL)当たり1000ナノグラム(ng)の抗体の溶液、100ng/mL、5ng/mL、1ng/mL、0.5ng/mL、0.1ng/mL、またはそれらの間の任意の濃度で測定される。
【0108】
いくつかの実施形態では、抗体及びその断片は、Kabat番号付けスキームによって定義される、本明細書で提供される重鎖可変領域のうちのいずれか1つのアミノ酸31~35、50~66及び99~105を含む。いくつかの実施形態では、抗体及びその断片は、Kabat番号付けスキームによって定義される、本明細書で提供される軽鎖可変領域のうちのいずれか1つのアミノ酸24~39、55~61及び94~102を含む。
【0109】
例示的なヒト化抗体は、本明細書で提供される。本明細書で提供される重鎖及び軽鎖のCDRを含む追加の抗SCF抗体は、任意のヒトフレームワーク配列を使用して生成されてもよく、本発明にも包含される。一実施形態では、本発明での使用に好適なフレームワーク配列には、本明細書に提供されるフレームワーク配列と構造的に類似しているフレームワーク配列が含まれる。フレームワーク領域の更なる修飾は、本明細書に提供される抗体の特性を改善するために行われ得る。そのような更なるフレームワーク修飾は、化学修飾、免疫原性を低減するかもしくはT細胞エピトープを除去するための点変異、または元の生殖系列配列における残基への逆変異を含んでもよい。
【0110】
いくつかの実施形態では、そのようなフレームワーク修飾には、生殖系列配列への逆変異を含む、本明細書に例示される変異に対応するものが含まれる。例えば、一実施形態では、本明細書に提供されるヒト化抗体のVH及び/またはVLのヒトフレームワーク領域内の1つ以上のアミノ酸は、親マウス抗体内の対応するアミノ酸に逆変異される。本発明はまた、SCF(例えば、SCF248)に結合し、任意の好適なフレームワーク配列に関して本明細書に記載される例示的な修飾に対応するフレームワーク修飾、ならびにそうでなければ抗体の特性を改善する他のフレームワーク修飾を含むヒト化抗体を包含する。他の実施形態では、本明細書で提供される抗体は、例えば、脱アミド化または酸化を低減する、異性化を低減する、疎水性コア及び/または電荷クラスター残基を最適化する、疎水性表面残基を除去する、可変重鎖と可変軽鎖との間の界面に関与する残基を最適化する、及び/または等電点を修飾する標的化アミノ酸変化などによって、安定性を改善する、溶解性を改善する、グリコシル化を変化させる、及び/または免疫原性を低減するための1つ以上の変異を含む。
【0111】
本明細書で提供される抗SCF抗体及びその断片は、エフェクター機能を変化させるためのFc領域修飾を更に含んでもよい。Fc修飾は、アミノ酸挿入、欠失、もしくは置換であり得るか、または化学修飾であり得る。例えば、補体結合を増加もしくは減少させるように、抗体依存性細胞傷害性を増加もしくは減少させるように、または抗体の半減期を増加もしくは減少させるように、Fc領域の修飾を行ってもよい。いくつかのFc修飾は、FcγRI、FcγRII、FcγRIIIまたはFcRnなどのFcγ受容体に対する抗体の親和性を増加または減少させる。様々なFc修飾は、当該技術分野、例えば、Shields et al.,J Biol.Chem 276;6591(2001)、Tai et al.Blood 119;2074(2012)、Spiekermann et al.J Exp.Med 196;303(2002)、Moore et al.mAbs 2:2;181(2010)、Medzihradsky Methods in Molecular Biology 446;293(2008)、Mannan et al.Drug Metabolism and Disposition 35;86(2007)及びIdusogie et al.J Immunol 164;4178(2000)に記載されている。いくつかの実施形態では、Fc領域グリコシル化パターンを変化させる。他の実施形態では、Fc領域を、ペグ化によって(例えば、抗体またはその断片をポリエチレングリコール(PEG)と反応させることによって)修飾する。例示的なFc修飾には、228、233、234、235、236、241、248、265、297、309、331及び409(Kabat番号付け;Kabat et al.,Sequences of Immunological Interest,Fifth Edition,National Institute of Health,Bethesda,Md.(1991))からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸位置での修飾が含まれる。実施形態では、抗体は、エフェクター機能を低減または消失させるための修飾を有する。実施形態では、抗体は、E233P、L234V、L234A、L235V、L235A、G236(欠失)、D265A、D270A、N297A及びN297Qからなる群から選択される1つ以上のFc修飾を有するIgG1抗体である。実施形態では、抗体は、S228P、E233P、F234A、F234V、L235A、L235V、S241P、L248E、D265A、D265T、L309L及びR409Kからなる群から選択される1つ以上のFc修飾を有するIgG4抗体である。実施形態では、抗SCF抗体は、S241P変異及びL248E変異を有するIgG4抗体である。
【0112】
実施形態では、本開示は、配列番号1441に記載のヒトIgG4重鎖定常領域及び配列番号1442に記載のヒトIgG4軽鎖領域を含む、本明細書で提供される抗体を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号1441に記載の核酸配列によってコードされるヒトIgG4重鎖定常領域及び配列番号1442に記載の核酸配列をコードするヒトIgG4軽鎖領域を含む、本明細書で提供される抗体を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号1440に記載のヒトIgG4重鎖定常領域及び配列番号1442に記載のヒトIgG4軽鎖領域を含む、本明細書で提供される抗体を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号1440に記載の核酸配列によってコードされるヒトIgG4重鎖定常領域及び配列番号1442に記載の核酸配列をコードするヒトIgG4軽鎖領域を含む、本明細書で提供される抗体を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号892~938に対して少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または約99%の配列同一性である重鎖、及び配列番号1029~1075のうちのいずれか1つに対して少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または約99%の配列同一性である軽鎖を含む抗体を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号892~1028に対して少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または約99%の配列同一性である重鎖、及び配列番号1029~1165のうちのいずれか1つに対して少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または約99%の配列同一性である軽鎖を含む抗体を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号618~664に対して少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または約99%の配列同一性である重鎖、及び配列番号755~801のうちのいずれか1つに対して少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または約99%の配列同一性である軽鎖を含む抗体を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号618~754に対して少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または約99%の配列同一性である重鎖、及び配列番号755~891のうちのいずれか1つに対して少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または約99%の配列同一性である軽鎖を含む抗体を提供する。
【0113】
実施形態では、本開示は、配列番号114に対応するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号291に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号115に対応するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号292に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号116に対応するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号293に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号117に対応するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号294に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号118に対応するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号295に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号119に対応するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号296に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号120に対応するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号297に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号121に対応するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号298に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号122に対応するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号299に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号123に対応するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号300に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号124に対応するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号301に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号125に対応するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号302に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号126に対応するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号303に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号127に対応するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号304に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号128に対応するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号305に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号129に対応するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号306に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号130に対応するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号307に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号131に対応するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号308に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号132に対応するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号309に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号133に対応するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号310に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号134に対応するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号311に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号135に対応するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号312に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号136に対応するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号313に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号137に対応するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号314に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号149に対応するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号326に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号156に対応するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号333に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号158に対応するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号335に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号143に対応するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号320に対応するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。
【0114】
実施形態では、本開示は、配列番号114に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号291に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号115に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号292に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号116に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号293に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号117に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号294に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号118に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号295に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号119に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号296に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号120に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号297に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号121に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号298に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号122に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号299に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号123に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号300に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号124に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号301に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号125に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号302に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号126に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号303に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号127に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号304に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号128に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号305に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号129に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号306に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号130に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号307に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号131に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号308に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号132に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号309に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号133に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号310に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号134に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号311に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号135に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号312に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号136に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号313に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号137に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号314に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号149に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号326に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号156に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号333に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号158に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号335に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号143に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号320に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。
【0115】
実施形態では、本開示は、配列番号114に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号291に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号115に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号292に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号116に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号293に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号117に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号294に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号118に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号295に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号119に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号296に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号120に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号297に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号121に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号298に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号122に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号299に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号123に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号300に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号124に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号301に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号125に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号302に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号126に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号303に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号127に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号304に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号128に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号305に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号129に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号306に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号130に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号307に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号131に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号308に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号132に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号309に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号133に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号310に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号134に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号311に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号135に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号312に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号136に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号313に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号137に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号314に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号149に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号326に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号156に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号333に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号158に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号335に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号143に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号320に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。
【0116】
実施形態では、本開示は、配列番号114に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号291に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号115に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号292に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号116に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号293に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号117に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号294に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号118に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号295に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号119に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号296に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号120に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号297に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号121に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号298に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号122に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号299に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号123に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号300に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号124に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号301に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号125に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号302に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号126に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号303に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号127に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号304に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号128に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号305に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号129に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号306に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号130に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号307に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号131に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号308に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号132に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号309に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号133に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号310に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号134に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号311に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号135に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号312に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号136に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号313に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号137に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号314に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号149に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号326に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号156に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号333に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号158に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号335に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号143に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号320に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。
【0117】
実施形態では、本開示は、配列番号114に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号291に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号115に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号292に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号116に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号293に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号117に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号294に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号118に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号295に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号119に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号296に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号120に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号297に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号121に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号298に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号122に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号299に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号123に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号300に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号124に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号301に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号125に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号302に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号126に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号303に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号127に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号304に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号128に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号305に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号129に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号306に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号130に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号307に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号131に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号308に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号132に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号309に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号133に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号310に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号134に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号311に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号135に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号312に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号136に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号313に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号137に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号314に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号149に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号326に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号156に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号333に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号158に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号335に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号143に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号320に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。
【0118】
実施形態では、本開示は、配列番号114に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号291に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号115に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号292に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号116に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号293に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号117に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号294に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号118に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号295に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号119に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号296に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号120に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号297に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号121に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号298に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号122に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号299に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号123に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号300に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号124に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号301に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号125に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号302に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号126に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号303に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号127に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号304に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号128に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号305に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号129に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号306に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号130に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号307に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号131に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号308に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号132に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号309に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号133に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号310に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号134に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号311に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号135に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号312に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号136に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号313に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号137に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号314に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号149に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号326に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号156に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号333に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号158に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号335に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。実施形態では、本開示は、配列番号143に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号320に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその抗原結合断片を提供する。
【0119】
SCFのSCF248アイソフォームは、2つのアラニン残基(エクソン6のアミノ酸配列を提供する、配列番号473のアミノ酸16及び17)間に切断部位を含むエクソン6を含む。以前の抗SCF抗体は、エクソン6及びエクソン7の一部に及ぶペプチドでマウスを免疫化することによって生成された(例えば、米国特許第8,911,729号を参照されたく、これは、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる)。SCF220は恒常性活性に関連するため、SCF220との任意の交差反応性は、対象において様々なオフターゲット効果をもたらすため、有害である。有利には、本開示で提供される抗体は、非常に高い特異性でSCF248に結合する。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体は、SCF248に特異的であり、SCF220には結合しない。したがって、本明細書で提供される抗体は、慢性炎症応答及び線維症を誘導及び永続させるSCF248とc-Kitとの間の相互作用を特異的に阻害することが可能である。更に、本明細書で提供される抗体は、SCFの内在化を特異的に誘導することができ、それによってSCF248とc-Kitとの間の相互作用を低減する。したがって、いくつかの実施形態では、本開示は、SCF248に特異的であり、本明細書に論じられ、当該技術分野で既知の様々な炎症性疾患及び線維性疾患において安全かつ効果的である抗体を提供する。
【0120】
モノクローナル抗体の調製のために、培養中の連続細胞株により抗体分子の産生を提供する任意の技術を使用してもよい(例えば、Harlow and Lane,Antibodies: A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.を参照されたい)。これらには、Kohler及びMilsteinによって最初に開発されたハイブリドーマ技術及びトリオーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(例えば、Kozbor et al.,Immunol.Today,4:72(1983))、ならびにヒトモノクローナル抗体を産生するためのEBV-ハイブリドーマ技術(Cole et al.,in Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,Inc.,pp.77-96(1985)を参照されたい)が含まれるが、これらに限定されない。代替的に、抗体は、組換えDNA方法によって作製され得る。いくつかの実施形態では、本開示による抗体は、例えば、Clackson et al.,Nature 352:624-28(1991)及びMarks et al.,J.Mol.Biol.222(3):581-97(1991)に記載の技術を使用して、ファージ提示ライブラリからモノクローナル抗体を単離することによって作製され得る。いくつかの実施形態では、抗体は、ヒト由来ファージ提示または酵母提示ライブラリから選択されるFvクローン可変ドメイン配列(複数可)を、既知のヒト定常ドメイン配列(複数可)と組み合わせることによって構築される完全なヒト抗体である。
【0121】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態では、抗体は、ハイブリドーマから調製される。ハイブリドーマ法を使用して、マウス、ハムスターまたは他の適切な宿主動物を、免疫化ペプチドを注射することによって免疫化して、免疫化抗原に特異的に結合する抗体のリンパ球による産生を誘発する。代替的に、リンパ球は、インビトロで免疫化され得る。免疫化後、リンパ球を単離し、例えば、ポリエチレングリコールを使用して好適な骨髄腫細胞株と融合させて、次いで融合されていないリンパ球及び骨髄腫細胞から離れて選択することができるハイブリドーマ細胞を形成する。次いで、免疫沈降、イムノブロッティングによって、またはラジオイムノアッセイ(RIA)もしくは酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)などのインビトロ結合アッセイによって決定されるように、選択された抗原に対して特異的に指向されるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを、標準的な方法(Goding,Monoclonal Antibodies: Principles and Practice,Academic Press,1986)を使用してインビトロで(例えば、培養中で)、または動物において腹水腫瘍としてインビトロで増殖させることができる。次いで、モノクローナル抗体は、上記のポリクローナル抗体について記載されるように、培養培地または腹水から精製され得る。
【0122】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体は、マウスハイブリドーマ系を使用して生成される。マウスにおけるハイブリドーマ産生は、十分に確立された手順である。融合のための免疫化された脾細胞を単離するための免疫化プロトコル及び技術は、当該技術分野で既知である。融合パートナー(例えば、マウス骨髄腫細胞)及び融合手順も既知である。本明細書の技術の実施形態は、SCFタンパク質の一部または断片であるペプチドでマウスを免疫化することによって調製されるハイブリドーマから産生される抗体(例えば、モノクローナル抗体)を提供する。
【0123】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるSCF248に特異的な抗体は、エクソン6内に主にまたは排他的に存在するアミノ酸配列を有するペプチドでマウスを免疫化することによって生成される。例えば、免疫化ペプチドは、配列番号473内の5個以上のアミノ酸の任意の伸長を含む。別の例として、免疫化ペプチドは、配列番号470のアミノ酸20位から始まる5個以上のアミノ酸の任意の伸長を含む。別の例として、免疫化ペプチドは、配列番号470のアミノ酸20位から始まり、配列番号470の25~38位のうちのいずれか1つで終了する5個以上のアミノ酸の伸長を含む。したがって、いくつかの実施形態では、免疫化ペプチドは、切断部位の後にエクソン6のアミノ酸配列を含み、エクソン6内に完全に含まれるか、またはエクソン7の1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸のみを含むかのいずれかである。いくつかの実施形態では、免疫化ペプチドは、配列番号474を含むかまたはそれからなる。いくつかの実施形態では、免疫化ペプチドは、本明細書で提供されるペプチドのいずれかまたはその保存的バリアントを含む。保存的バリアントは、1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸置換もしくは欠失、またはそれらの組み合わせを含み得る。上記で提供されるように、いくつかの実施形態では、本明細書で提供される免疫化ペプチドを使用して生成される抗体は、完全にまたは主にエクソン6内にあるエピトープを有する。「内に主に」とは、ペプチドの少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%がエクソン6内にあることを意味する。いくつかの実施形態では、エピトープは、エクソン6の切断部位(すなわち、配列番号470のアミノ酸19位と20位のアラニンの間)で始まり、エクソン6の末端まで延在する。いくつかの実施形態では、エピトープは、エクソン6の切断部位で始まり、膜貫通ドメインの1番目、2番目、3番目、4番目または5番目のn末端アミノ酸まで延在する。いくつかの実施形態では、エピトープは、配列番号471を含むかまたはそれからなる。いくつかの実施形態では、本明細書で5H10と称される抗体(マウス、キメラ及びヒト化5H10抗体を含む)は、配列番号471を含むかまたはそれからなるSCFのエピトープに結合する。
【0124】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される方法を使用して、本明細書で5H10バリアントと称される抗体を生成した。抗体5H10は、有利には、高い特異性でSCF248に結合し、SCF220に結合しない。マウス親抗体5H10のアミノ酸配列及びそのヒト化バリアントが本明細書で提供される(表1及び2を参照されたい)。いくつかの実施形態では、SCFに対するヒト化5H10バリアントの親和性を改善する方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、ヒト化5H10バリアントは、実施例2に記載の方法を使用して親和性成熟を受ける。いくつかの実施形態では、SCFに対するヒト化5H10バリアントの親和性は、ファージ、酵母またはリボソーム提示技術を使用してコンビナトリアルライブラリを生成し、親和性が改善された抗体またはその断片を選択することによって改善される。いくつかの実施形態では、コンビナトリアルライブラリの各メンバーは、hCDR1、hCDR2、hCDR3、lCDR1、lCDR2またはlCDR3に1つ以上の変異を有する5H10親配列(例えば、マウス親配列またはそのヒト化バリアント)を含む。ヒト化5H10親抗体と比較して、SCFに対して顕著に高い親和性を有する例示的な抗体が、表1及び2に提供される。
【0125】
一実施形態では、本発明は、SCF及び少なくとも1つの他の抗原またはエピトープに特異的な二重特異性または多重特異性の抗体を提供する。本明細書で提供される抗SCF抗体及びその断片は、本明細書に提供される結合アッセイまたは当該技術分野で既知の任意の他の結合アッセイを使用して、SCFへの結合について試験され得る。
【0126】
特に明記しない限り、本発明の実施は、当該技術分野で周知であり、例えば、Methods in Molecular Biology,Humana Press;Molecular Cloning: A Laboratory Manual,second edition(Sambrook et al.,1989),Current Protocols in Immunology(J.E.Coliganet al.,eds.,1991)、Immunobiology(C.A.Janeway and P.Travers,1997)、Antibodies(P.Finch,1997)、Antibodies:a practical approach(D.Catty.,ed.,IRL Press,1988-1989)、Monoclonal antibodies:a practical approach(P. Shepherd and C Dean,eds.,Oxford University Press,2000)、Phage display:a laboratory manual(C.Barbas III et al,Cold Spring Harbor Laboratory Press,2001)及びUsing antibodies:a laboratory manual(E.Harlow and D.Lane(Cold Spring Harbor Laboratory Press,1999)に記載される従来の分子生物学、細胞生物学、生化学及び免疫学技術を用いる。
【0127】
治療方法
一態様では、本開示は、免疫細胞上のSCF248とc-Kitとの相互作用を介した免疫細胞の遊走、活性化及び/または増殖に関連する任意の疾患または状態を治療及び/または予防するための方法を提供する。したがって、いくつかの実施形態では、本開示は、免疫細胞の活性化を阻害または予防するための方法、ならびに臓器または組織内の免疫細胞の蓄積を低減または予防するための方法を提供し、それによって、炎症を伴う様々な疾患及び障害を治療または予防する。いくつかの実施形態では、免疫細胞は、肥満細胞、自然リンパ球細胞(ILC2またはILC3細胞などのILC)及び好酸球からなる群から選択される。
【0128】
本明細書で使用される場合、「治療」または「治療すること」という用語は、治療的処置及び予防的または防止手段の両方を指す。治療を必要とする対象としては、既に疾患もしくは状態を有する対象、ならびに疾患もしくは状態を発達させる可能性がある対象及び目的が疾患もしくは状態を防止、遅延もしくは軽減することである対象が挙げられる。本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、げっ歯類、ネコ、イヌ及び霊長類などの哺乳動物を意味する。好ましくは、本発明による対象は、ヒトである。本明細書で使用される場合、「治療有効量」という用語は、対象に治療的及び/または予防的利益を提供するために必要な化合物または組成物の量を指す。
【0129】
一態様では、本発明は、炎症性疾患、線維性疾患及び/または組織再構築疾患について対象を治療するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、炎症性疾患は、慢性炎症性疾患である。
【0130】
慢性炎症性、線維性及び組織再構築疾患には、肺、腎臓、肝臓、心臓、皮膚、結合組織及び他の組織の疾患が含まれる。例示的な炎症性、線維性または組織再構築疾患としては、肺線維症(例えば、特発性肺線維症(IPF)、強皮症肺線維症、強皮症関連間質性肺疾患(SSc-ILD)、肺感染または肺炎に関連する肺線維症、全身性エリテマトーデス及び/または関節リウマチに関連する肺線維症、サルコイドーシス)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性呼吸促拍症候群(ARDS)、嚢胞性線維症、気管支周囲線維症、ブレオマイシン肺、過敏性肺炎、喘息、線維胸、縦隔線維症、慢性副鼻腔炎、蕁麻疹(例えば、慢性自発性蕁麻疹)、アトピー性皮膚炎、皮膚筋炎、結節性表皮下線維症、強皮症、ケロイド、腎線維症、慢性腎疾患、糸球体腎炎、慢性腎同種移植片拒絶、腎症(例えば、IgA腎症、巣状分節性糸球体硬化症、急速進行性糸球体腎炎、半月体形成性糸球体腎炎、ループス腎炎、高血圧性腎症または糖尿病性腎症)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肝硬変、肝線維症、原発性硬化性胆管炎、原発性胆汁性肝硬変、線維筋痛、歯肉線維症、放射線誘発線維症、好酸球性食道炎、炎症性腸疾患(IBD)、関節線維症及び心房線維症、心内膜心筋線維症、実質線維症、線維性組織球腫またはグリア瘢痕が挙げられるが、これらに限定されない。
【0131】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される抗体及びその断片は、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹部内、嚢内、軟骨内、腔内(intracavitary)、腔内(intracelial)、小脳内、脳室内、結腸内、子宮頸部内、胃内、肝内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内、胸膜内、前立腺内、肺内、直腸内、腎内、網膜内、脊髄内、滑膜内、胸腔内、鼓室内、子宮内、膀胱内、硝子体内、ボーラス、結膜下、経口、膣、直腸、頬側、舌下、鼻腔内、腫瘍内及び経皮から選択される少なくとも1つの経路によって対象に投与され得る。
【0132】
実施形態では、本明細書で開示される抗体及びその断片は、それを必要とする対象に、1つ以上の追加の療法と組み合わせて投与され得る。1つ以上の追加の療法は、外科的処置などの処置であり得るか、または線維症及び/または炎症に関連する疾患または障害の症状を軽減または低減するように設計された薬剤などの治療剤であってもよい。
【0133】
実施形態では、本明細書で提供される方法は、炎症を低減する。実施形態では、本明細書で提供される方法は、1つ以上のサイトカインの発現を低減する。例えば、本明細書で提供される方法は、1つ以上のインターロイキン(例えば、IL-4、IL-19、IL-13、IL-25、IL-1、IL-6)、形質転換成長因子ベータ(TGFβ)、ケモカインリガンド2(CCL2)または腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)の発現を低減し得る。実施形態では、発現は、実施例4に記載のように測定される。実施形態では、発現は、対照と比較して測定される。実施形態では、対照は、抗体またはバリアントに曝露されない細胞である。表1の5H10 VK3/VH1ヒト化抗体は、CCL2及びTGFβの発現を低減する。以下の表は、表1の5H10 VK3/VH1ヒト化抗体に曝露した細胞におけるCCL2及びTGFβの発現を示す。発現は、抗体に曝露されなかった陽性対照に関連する。
【表7】
【0134】
実施形態では、陽性対照と比較して、37%未満のCCL2の発現を示す抗体またはそのバリアントが本明細書で提供される。実施形態では、陽性対照と比較して、65.5%未満のTGFβの発現を示す抗体またはそのバリアントが本明細書で提供される。実施形態では、細胞におけるCCL2またはTGFβの発現を、表1の5H10 VK3/VH1ヒト化抗体よりも、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%低減する抗体が本明細書で提供される。実施形態では、CCL2またはTGFβ発現を実施例4に記載の対照と比較して測定する。
【0135】
本発明は、以下の実施例を参照することによって更に例示される。しかしながら、これらの実施例は、上述の実施形態と同様に、例示的であり、いかなる方法でも本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことに留意されたい。
【実施例
【0136】
以下の実施例は、本開示の様々な実施形態を説明する目的で与えられており、いかなるかたちでも本開示を限定することを意味するものではない。特許請求の範囲によって定義されるような、本開示の趣旨内に包含される本実施例の変更及び他の使用が、当業者には認識されよう。
【0137】
組織損傷/疾患プロセスの概要を図18に要約する。疾患プロセスが炎症を開始する。c-Kit+免疫細胞は、線維芽細胞を、それらの表面上にSCF248を発現する活性化された筋線維芽細胞に変更するサイトカインを産生する。筋線維芽細胞及び他の細胞の表面上でのSCF248の発現は、より多くの免疫細胞を活性化し、IL-4、IL-9、IL-13、IL-25、TGFβ及び他のサイトカインのサイトカイン放出をもたらし、炎症を永続させる。筋線維芽細胞は、細胞外マトリックスタンパク質、コラーゲン及びフィブロネクチンを分泌し、肺線維症、皮膚線維症、重度の喘息及び他の疾患などの線維症及び再構築疾患を引き起こす。
【0138】
SCF248を標的とする本開示の抗体の例示的な機構を図19に要約する。
【0139】
上に提供されるように、SCFは、代替的スプライシングに起因する2つのアイソフォーム:SCF248及びSCF220を有する。SCF248及びSCF220は、エクソン6が異なる。SCF220は恒常性機能に関連し、SCF248は炎症及び線維症に関連する。SCF248は、炎症中に免疫細胞を活性化し、「可溶性SCF」と呼ばれることがある。SCF248は、筋線維芽細胞、活性化上皮、内皮、マクロファージ、好酸球、肥満細胞及び単球を含む様々な細胞型で発現される(図20)。SCF248アイソフォームは、SCF165と呼ばれる単量体切断細胞外ドメインの切断をもたらす。エクソン6のアミノ酸配列は、本明細書において、配列番号473として提供される。
【0140】
実施例1:ヒト化5H10 scFv(「VK3/VH1」)の親和性
ヒト足場上に相補性決定領域(CDR)を生着させることによって、5H10をヒト化した。得られたヒト化抗体は、「VK3/VH1」または「親抗体」と称された。
【0141】
親抗体のVH及びVLドメインをpSYD酵母提示ベクターにクローニングし、酵母細胞の表面上に一本鎖可変断片(scFv)(VH-リンカー-VL-SV5タグ)として提示した。親scFvは、N末端からC末端に、可変重ドメイン、リンカー、可変軽ドメイン及びSV5タグを含む。酵母提示ベクターは、酵母表面上のscFv分子のC末端アンカーのためのガラクトース誘導性プロモーター、分泌リーダー、マルチクローニング部位及びAga2タンパク質配列を有した[1]。酵母提示法は、Ferraraら[2]によって説明されているように実施した。簡潔に述べると、細胞を一晩、20℃で誘導培地中で誘導した。10個の誘導細胞を洗浄緩衝液(0.5%のBSAを補充したPBS)で2回洗浄し、PBSで希釈したビオチン化抗原を用いて室温でインキュベートした。scFvの結合を評価するために、SCF分子のエクソン6上のC末端ビオチン化ペプチドマッピングを使用した(本明細書では「PE9413」と称される)。PE9413は、ASSLRNDSSSSNRKAKNPPGDS(配列番号479)のアミノ酸配列を有する。誘導した酵母集団を、50nM~2μMの範囲の異なる濃度(0nM、50nM、100nM、250nM、500nM、750nM、1000nMまたは2000nM)のビオチン化PE9413で染色した。体積及びインキュベーション時間は、[3]に記載されているパラメータに従って慎重に調整された。標的ペプチドとのインキュベーション後、酵母細胞を冷洗浄緩衝液で2回洗浄し、その後、蛍光標識されたストレプトアビジン(ストレプトアビジン-AlexaFlu633)で更に30分間4℃でインキュベートして、ビオチン化PE9413の結合を検出し、標識された抗SV5(抗SV5-PE)で酵母細胞上のscFv提示レベルを検出した。冷酵母洗浄緩衝液で2回洗浄した後、細胞を冷PBSに再懸濁し、フローサイトメーターで分析した(図1)。
【0142】
結合集団の蛍光シグナルの中央値を、PE9413標的に対してプロットし、PE9413に対する親抗体の親和性を推定するために使用した(図2)。親抗体のKは、173.8nMであった(R=0.9922)。
【0143】
親抗体はまた、VL-リンカー-VH-SV5タグを含む、交互の配向でscFvとして酵母細胞上にも提示された。Aga2を介して酵母表面上でscFv分子のN末端アンカーを可能にする代替ベクターも探索した。同様の親和性測定値が得られた。
【0144】
実施例2:VK3/VH1抗体の親和性成熟
ヒト化抗SCF 5H10 VK3/VH1抗体(本明細書を通して「親」と称される)は、そのCDRの変異走査及び変異体の酵母提示スクリーニングによって親和性成熟を受けた。
【0145】
変異走査ライブラリの開発
親CDRをコードするオリゴヌクレオチド(オリゴ)及び各CDR残基に単一のアミノ酸変異を有する親CDRをコードするオリゴヌクレオチドを設計し、合成した(表A1)。
【表A1】
【0146】
単一アミノ酸変異は、システインを除く20個の天然アミノ酸のうちのいずれか(例えば、各CDR位置で19個の可能なアミノ酸変化)であり得る。オリゴを、完全なscFvの組み立てを容易にするために、親フレームワーク隣接領域と合成した。
【0147】
各CDRについてのオリゴヌクレオチドを別々にプールして、CDR配列の6つの異なるコレクション(「変異走査ライブラリ」とも称される)を形成した。各コレクションをアレイ合成によって合成し、高忠実度Q5ポリメラーゼを使用したポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって特異的プライマーを用いてプールから個別に増幅した。全長scFvの再構成のための残りの領域を、親抗体遺伝子から増幅し、PCRによってCDRとともに組み立てた。各ライブラリにおいて、親CDRのうちの1つを、図3に示されるように設計された変異オリゴに置き換え、アセンブリ生成物を、インビトロ相同組換えによってpSYD酵母提示ベクターにおいてクローニングした[4]。scFvを「VH-VL」配向で組み立てた。
【0148】
変異走査ライブラリのスクリーニング
続いて、酵母における6つの変異走査CDRライブラリを誘導し、170nMの濃度の標的PE9413で染色した。バックグラウンドを超える蛍光結合シグナルを示す酵母細胞を、蛍光活性化細胞選別(FACS)によって選別し、その後の選択ラウンドのために拡大した(図4)。
【0149】
酵母における6つの変異走査CDRライブラリも誘導し、より低い濃度の標的ペプチド(85nM)を使用して標的PE9413で染色して、選択のストリンジェンシーを増加させた。第2の選別の最終結果を図5に示し、全てのライブラリは、85nMの濃度で標的ペプチドで染色したときに親抗体よりも明らかに改善された結合シグナルを示した。
【0150】
選択されたCDRライブラリ出力の各々からの個々のクローンをSangerシークエンシングし、PE9413に特異的なバインダーにつながる変異ホットスポットを同定した。図6のWebLogo表示[5]は、変異に対するより高い耐性の部位(例えば、LCDR2)及び許容されるアミノ酸置換のより制限されたパターンを有する部位(例えば、HCDR3)を強調する。
【0151】
コンビナトリアルCDRライブラリの生成及びスクリーニング
2回の選別ラウンド後に選択されたCDRを、6つの選択された個々のライブラリからPCR増幅し、親CDRのそれぞれが選択されたCDRのコレクションに置き換えられた最終的なコンビナトリアルライブラリに組み立てた(図7)。酵母を、上述のプロトコルに従って、コンビナトリアルライブラリで形質転換した。
【0152】
コンビナトリアルライブラリにおける形質転換体の最終数は、1.33×10であった。ライブラリを誘導し、PE9413への結合について試験した。ライブラリ内のほとんどのクローンは、検出可能なバックグラウンドなしで10nMの低濃度でPE9413に結合した(図8A)。図8Bは、様々な濃度(170nM、85nM、50nM、25nM、10nM、0nM)でのPE9413へのクローンの結合を示す。
【0153】
コンビナトリアルライブラリの選別
コンビナトリアルライブラリのサイズを低減するために、ライブラリは、10nMのPE9413において磁気活性化細胞選別(MACS)[6]を受けた。簡潔に述べると、誘導した酵母細胞を、酵母洗浄緩衝液中の10nMのPE9413とともに30分間、室温で回転させてインキュベートし、次いで5分間氷上に置いた。遠心分離後、細胞を酵母洗浄緩衝液で2回洗浄し、酵母洗浄緩衝液中に再懸濁した。ストレプトアビジンでコーティングされた常磁性ビーズを溶液に加え、時折混合しながら氷上で15分間インキュベートした。2つの洗浄ステップの後、細胞/ビーズ混合物を酵母洗浄緩衝液中に再懸濁し、試料を磁気スタンド上に設定されたカラムに適用して、ストレプトアビジン常磁性ビーズによって捕捉されたPE9413に結合した酵母細胞の保持を可能にした。酵母洗浄緩衝液で洗浄した後、カラムを磁気スタンドから取り外し、酵母細胞を酵母洗浄緩衝液で溶出した。図14は、溶出した集団のフローサイトメトリープロットを示す。
【0154】
MACSで選別した集団は、蛍光活性化細胞選別(FACS)によって更に平衡選別を受けた。コンビナトリアルライブラリを提示する酵母細胞を、25nM、10nM、5nMまたは1nMのPE9413でインキュベートした(図9A)。10nMのPE9413に結合した酵母細胞の上位1%を選択した(図9B)。選別された細胞の10nMのPE9413への結合を図9Cに示す。
【0155】
FACSで選別した集団を動態学的に選別して、非経口scFvと比較して改善されたKoffを有するクローンを見出した。酵母細胞を、ビオチン化ペプチドPE9413とともにインキュベートし、次いで洗浄し、続いて、10倍過剰の非標識ペプチドとともにインキュベートして、提示されたscFvのオフレートに従ってビオチン化抗原を競合させ、ビオチン化ペプチドの再結合を防止した。親和性成熟ポリクローナル集団が依然としていくらかの結合を示す一方で、親抗体がビオチン化ペプチドからの全ての結合シグナルを失う時点を同定するために、時間経過研究を行った。競合の15分で、結合を保持するポリクローナル集団内の上位1%のクローンを選別した。選別の結果を図10A図10B及び図10Cに示す。親集団及び選別した集団の両方を、ビオチン化ペプチドPE9413と平衡状態で染色し、次いで、時間を増加させて10倍過剰の非ビオチン化標的ペプチドとともにインキュベートした。親5H10は、15分後に結合の完全な喪失を示し、一方、ライブラリは、競合の1時間まで検出可能な結合を保持し、これは、Koffが改善された抗体の選択を示す。図16A及び図16Bは、選択された動態学的に選別された酵母細胞の、0nM、1nM、5nM、10nM、15nM、25nM、50nM、85nM、170nM、200nM、400nM及び2000nMのPE9413への結合を示す図16Cは、PE9413に結合した動態学的に選別された酵母コンビナトリアルライブラリの蛍光シグナルの中央値に対する、PE9413の濃度(「濃度」と表示される)のプロットを示す。曲線を使用して、C末端ビオチン化PE9413に対するコンビナトリアルライブラリの親和性が6.4nMであることを決定した(R2=0.9964)。図16Dは、親5H10 scFvを提示する酵母細胞の蛍光シグナルの中央値に対するPE9413の濃度(「濃度」と表示される)のプロットである。曲線を使用して、C末端ビオチン化PE9413に対する親5H10 scFvの親和性が232nMであることを決定した(R2=0.9922)。
【0156】
動態学的に選別した集団は、1nMのPE9413を使用して、FACSによって最終的な平衡選別を受けて、全体的に改善したKを有するクローンを同定した。図17は、最終的な平衡選別のフローサイトメトリープロットを示す。
【0157】
親和性成熟クローンのSangerシーケンシング
動態選別からの95個のクローン及び最終的な平衡選別からの95個のクローンをシークエンシングした。合計137個の独自の配列(配列番号481~617)が同定され、そのうち47個が更なるスクリーニングのために頻度に基づいて選択された(配列番号481~527)。図11は、選択された全てのCDR配列のWebLogo表示を示す。HCDR1(Y→Q/N)、LCDR1(K→N)及びLCDR3(H→D)の特定のホットスポットで好ましい変異が観察された。
【0158】
170nMのC末端ビオチン化PE9413への、上述の選択された48個のクローンの結合を評価した。最も高い結合シグナルを有する24個のクローンを、結合親和性について更に評価した。各クローンを増加量のビオチン化PE9413とともにインキュベートし、蛍光標識された抗ストレプトアビジン抗体で染色した。クローンのPE9413への結合をフローサイトメトリーにより分析した。PE9413に結合した酵母細胞集団の蛍光シグナルの中央値に対するPE9413の濃度のプロットを使用して、C末端ビオチン化PE9413に対する各クローンの結合親和性(K)を推定した。27個の独自の抗体のKを測定し、実験データの適合の正確性を示すR値とともに表A2に報告した。
【表A2】
【0159】
N末端ビオチン化標的ペプチド(PE9411)に対する12個の最良のクローンの親和性も評価した。各クローンを増加量のN末端ビオチン化PE9413とともにインキュベートし、蛍光標識された抗ストレプトアビジン抗体で染色した。クローンのN末端ビオチン化PE9413への結合をフローサイトメトリーにより分析した。PE9413に結合した酵母細胞集団の蛍光シグナルの中央値に対するPE9413の濃度のプロットを使用して、N末端ビオチン化PE9413に対する各クローンの結合親和性(K)を推定した。試験したクローンは、表A3及び図12に報告されるように、ビオチン化修飾にかかわらず、標的配列PE9413に対する親抗体5H10よりも改善された親和性を有すると確認された。
【表A3】
【0160】
実施例3:実施例2のクローンのELISAによるエクソン6ペプチドへの結合の評価
エクソン6ペプチドへの実施例2のクローン(全ての追加の実施例において「変異体」と称される)の結合を評価するために、直接酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を行った。変異体を、全長IgG4抗体として発現させた。図21は、変異体濃度の関数としての変異体の結合を示す。
【0161】
以下の表A4は、様々な変異体濃度での吸光度を示す。吸光度が大きいことは、変異体が特定の濃度でエクソン6ペプチドにより多く結合することを意味する。
【表A4】
【0162】
方法:96ウェルプレートを、コーティング緩衝液中0.1~0.5μg/mLのエクソン6ペプチド(ASSLRNDSSSSNRKAKNPPGDS、配列番号479)でコーティングした。プレートを4℃で一晩インキュベートした。対照プレートを、変異体に結合しない代替ペプチドでコーティングした。両方のプレートを洗浄緩衝液で2回洗浄した。次いで、プレートを遮断緩衝液で37℃で1時間遮断した。次いで、プレートを洗浄緩衝液で2回洗浄した。変異体を、0.1μg/ウェルの濃度でプレートに加えた。プレートを覆い、37℃で1時間インキュベートした。次いで、プレートを洗浄緩衝液で3回洗浄した。二次抗体をプレートに加えた。プレートを覆い、37℃で1時間インキュベートした。次いで、プレートを洗浄緩衝液で3回洗浄した。100μLの検出基質をプレートの各ウェルに加えた。プレートを覆い、室温で10~20分間インキュベートした。続いて、100μLの停止溶液をプレートに加えた。各プレートを、450nmの吸光度で読み取った。
【0163】
試薬: コーティング緩衝液は、1.5MのNaCl、0.5MのHBO及び1.0NのNaOHを含んだ。洗浄緩衝液は、PBS中0.05%のTween(登録商標)-20を含んだ。遮断緩衝液は、洗浄緩衝液中2.0%の正常なヤギ血清を含んだ。希釈緩衝液は、洗浄緩衝液及び2%のFCSであった。二次抗体は、Millipore(カタログ番号:AP309P)から購入したヤギ抗ヒトIgG HRPコンジュゲートであった。二次抗体を1:1000に希釈した。検出基質は、12mLの滅菌蒸留水に溶解した4つのO-フェニレンジアミン二塩酸塩(OPD)錠剤を溶解することによって調製した。5μLの過酸化水素(30%v/v)を検出基質に加えた直後に、基質をウェルに加えた。停止溶液は、0.5MのHSOを含んだ。
【0164】
実施例4:実施例2の変異体によるc-kit活性化の阻害
目的:変異体がC-kit活性化を阻害する能力を評価した。C-kit活性化は、CCL2及びTGFβのような炎症性サイトカインの発現をもたらす。
【0165】
結果: 図22は、陽性対照と比較して、CCL2 mRNAの発現が低減したことを示す。図23は、陽性対照と比較して、TGFβ mRNAの発現が低減したことを示す。まとめると、このデータは、変異体が炎症を低減する能力を示す。
【0166】
表A5は、陽性対照のパーセンテージでのCCL2及びTGFβの発現を示す。
【表A5】
【0167】
方法:24ウェルプレートをSI/SI4 hSCF細胞(200μLの培地中ウェル当たり200,000個の細胞)でコーティングし、5%のCO2及び37℃下で24時間インキュベートした。LAD2細胞を、SCFの不在下で無血清培地に懸濁し、T75組織培養フラスコに播種し、5%のCO2及び37℃下で24時間インキュベートした。
【0168】
24時間後、LAD2細胞を遠心分離し、1ミリリットル当たり100万個の細胞の濃度でSCFの不在下で栄養素を含む無血清培地に再懸濁する。培地を、SI/SI4 hSCF細胞を含む24ウェルプレートの各ウェルから吸引した。250μLのLAD2細胞を、SI/SI4 hSCF細胞を含む各ウェルに加えた。変異体を、1μg/mL及び10μg/mLの濃度でプレートの各ウェルに加えた。変異体を、全長IgG4抗体として発現させた。陰性対照として、ヒトIgG4アイソタイプ対照をプレートに加えた。プレートを5%のCO2及び37℃下で24時間インキュベートした。
【0169】
24時間後、プレートを遠心分離し、上清を除去した。TRIZOL(登録商標)試薬(酸-グアニジナンフェノールベースの試薬)を使用して、RNAを細胞から抽出した。CCL2及びTGFβ mRNAを定量し、陽性対照と比較した。陽性対照は、変異体に曝露しなかった同じ細胞から抽出されたRNAである。
【0170】
試薬: ヒトSCF248を発現するマウスSI/SI4細胞株(本明細書では「SI/SI4 hSCF細胞」と称される)を用いた。細胞株は、American Type Culture Collection(ATCC CRL-2454)から購入した。SI/SI4 hSCF細胞を0.1%のゼラチン(ATCCカタログPCT-999-027)上で成長させた。LAD2細胞も用いた。LAD2細胞は、ヒトSCF248を発現しない。LAD2細胞はSCF応答性であり、活性化のためにc-kitに依存する。LAD2細胞を、栄養補助剤を含む無血清培地(STEMPRO(商標)-34)中100ng/mLの組換えヒトSCFの存在下で成長させる。
【0171】
実施例5:フローサイトメトリーを介したSCF248を発現する細胞への実施例2の変異体の結合
SCF248を発現する細胞に結合する変異体の能力を評価する。
【0172】
細胞株:ヒトSCF248を発現するマウスSI/SI4細胞株(本明細書では「SI/SI4 hSCF248細胞」と称される)及びヒトSCF220を発現するマウスSI/SI4を用いた。これらの細胞株は、American Type Culture Collection(ATCC CRL-2454、ATCC CRL-2453)から購入した。細胞を0.1%のゼラチン(ATCCカタログPCT-999 027)上で成長させる。細胞生存率によって決定される最適用量で、100μg/mLのハイグロマイシンB溶液(Invitrogen 10687010)を使用して、3回の継代にわたって細胞を陽性に選択する。
【0173】
フローサイトメトリー染色のための細胞の調製:トリプシン溶液(2.2mMのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)中0.25%のトリプシン)を使用して、細胞を解離する。細胞を300gで4分間遠心分離することによって2回洗浄する。フローサイトメトリー染色のために、細胞を1×10細胞/mLの濃度で再懸濁する。
【0174】
フローサイトメトリー染色:細胞を、4℃で、遮断緩衝液(2%のヤギ血清、0.1%のウシ血清アルブミン及び0.1%のTWEEN(登録商標)20(ポリオキシエチレンソルビトールエステル))を含むPBS中で遮断する。細胞を、実施例1のバリアントまたは親抗体を含む遮断緩衝液に再懸濁する。陰性対照として、細胞を、ヒトIgG4アイソタイプ対照(BIOLEGEND(登録商標)403702)を含む遮断緩衝液に懸濁する。細胞を4℃で2時間インキュベートする。細胞を2回洗浄し、二次抗体ヤギ抗ヒトIgG-PE(INVITROGEN PAI-86078)を含む遮断緩衝液に再懸濁した。二次抗体を遮断緩衝液1:500で希釈する。細胞を光から保護し、4℃で1時間インキュベートする。細胞を2回洗浄し、2%のパラホルムアルデヒド(PFA)中で、4℃で10分間固定する。
【0175】
バリアントまたは親抗体の結合を、ACEA NOVOCYTE(登録商標)フローサイトメーターを使用してフローサイトメトリーを介して評価する。NovoExpress(登録商標)ソフトウェアは、フローサイトメーターでのデータ収集及び分析を制御するために利用される。Flow Jo 9.9.6分析プログラムを利用してデータを分析する。
【0176】
実施例6:フローサイトメトリーを介した実施例2の親抗体及び変異体の内在化
アッセイを行って、実施例2の親抗体及び変異体の内在化を評価する。
【0177】
親抗体、変異抗体または対照抗体は、製造業者(ThermoFisher Scientific;カタログ番号P35372)の指示に従って、Molecular Probes pHrodo Red Microscale Labeling Kitを使用して標識される。pHrodo redは、6.5未満のpHでのみ蛍光を発するpH感受性色素であり、このアッセイのためのエンドソームの細胞内区画でのみ生じる。
【0178】
標識したら、抗体を、その表面上でSCF248のみを発現し、SCF220を発現しないATCC細胞株SL/SL4 hSCF248(CRL-2454)と室温でインキュベートする。様々な時点を、生細胞フローサイトメトリーによって分析する。
【0179】
特定の時点で反応を遅らせるために、細胞を氷の上に置き、フローサイトメトリーにより迅速に分析する。実施される時点は、5、15、30及び60分である。細胞は、5分までに内在化(蛍光)及び約15分のインキュベーションまでにプラトーを有し、表面タンパク質SCF248と相互作用すると、pHRodo redタグ付き抗体の迅速な内在化を示す。
【0180】
対照は、SCF220のみを発現するATCC細胞株SL/SL3 hSCF220(CRL-2453)、及びATCC細胞株SL/SL2対照(CRL-2452)で実行される。ATCC細胞株SL/SL2対照細胞は、いずれのSCFアイソフォームも発現しない。これらの細胞株のいずれも、内在化を示さず、親抗体に対する特異性を示す。
【0181】
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【0194】
本開示の番号付けされた実施形態
添付の特許請求の範囲にかかわらず、本開示は、以下の番号付けされた本開示の実施形態を記載する。
1. 幹細胞因子(SCF)に特異的に結合する抗体またはその断片であって、前記抗体が、重鎖及び軽鎖を含み、前記重鎖及び軽鎖が各々、
(i)配列番号1(SXMN、配列中、Xは、Q、NまたはYであり、Xは、WまたはYである)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖CDR1、
(ii)配列番号2(QIYPXDXDXHX11NX13KFX1617、配列中、Xは、E、G、DまたはLであり、Xは、G、DまたはNであり、Xは、TまたはIであり、X11は、MまたはYであり、X13は、G、DまたはEであり、X16は、K、R、N、EまたはDであり、X17は、GまたはTである)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖CDR2、
(iii)配列番号3(XNWXGSY、配列中、Xは、SまたはAであり、Xは、VまたはDである)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖CDR3、
(iv)配列番号4(XSQSLLXDGNTYLN、配列中、Xは、KまたはHであり、Xは、SまたはAであり、Xは、EまたはDであり、Xは、S、E、Q、AまたはGである)に記載のアミノ酸配列を含む、軽鎖CDR1、
(v)配列番号5(LVXRXDX、配列中、Xは、D、NまたはSであり、Xは、LまたはRであり、Xは、I、D、SまたはLである)に記載のアミノ酸配列を含む、軽鎖CDR2、及び
(vi)配列番号6(WQGXLPQT、配列中、Xは、TまたはSであり、Xは、DまたはHである)に記載のアミノ酸配列を含む、軽鎖CDR3を含む、3つの相補性決定領域(CDR)を含む、前記抗体またはその断片。
2. (i)配列番号7(SXWMN、配列中、Xは、QまたはNである)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖CDR1、
(ii)配列番号8(QIYPXDXDXHX11NX13KFKX17、配列中、Xは、E、GまたはDであり、Xは、GまたはDであり、Xは、TまたはIであり、X13は、GまたはDであり、X11は、MまたはYであり、X17は、GまたはTである)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖CDR2、
(iii)配列番号9(SNWXGSY、配列中、Xは、VまたはDである)に記載のアミノ酸配列を含む、重鎖CDR3、
(iv)配列番号10(KSSQSLLEXDGNTYLN、配列中、Xは、S、E、QまたはAである)に記載のアミノ酸配列を含む、軽鎖CDR1、
(v)配列番号11(LVXRLDX、配列中、Xは、DまたはNであり、Xは、I、D、SまたはLである)に記載のアミノ酸配列を含む、軽鎖CDR2、及び
(vi)配列番号6(WQGXLPQT、配列中、Xは、TまたはSであり、Xは、DまたはHである)に記載の、軽鎖CDR3を含む、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
3. (i)それぞれ、配列番号22、26及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号71、90及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(ii)それぞれ、配列番号23、27及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号71、91及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(iii)それぞれ、配列番号22、26及び67に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号71、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(iv)それぞれ、配列番号22、27及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号71、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(v)それぞれ、配列番号23、28及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号72、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(vi)それぞれ、配列番号22、27及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号71、93及び112に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(vii)それぞれ、配列番号22、28及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(viii)それぞれ、配列番号22、29及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(ix)それぞれ、配列番号22、30及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号71、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(x)それぞれ、配列番号22、31及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号71、92及び112に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xi)それぞれ、配列番号22、32及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、93及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xii)それぞれ、配列番号22、33及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号74、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xiii)それぞれ、配列番号24、34及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、94及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xiv)それぞれ、配列番号23、28及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、94及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xv)それぞれ、配列番号22、31及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xvi)それぞれ、配列番号22、28及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xvii)それぞれ、配列番号22、27及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xviii)それぞれ、配列番号22、35及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号74、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xix)それぞれ、配列番号22、34及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号71、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xx)それぞれ、配列番号22、27及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号75、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xxi)それぞれ、配列番号24、34及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xxii)それぞれ、配列番号22、36及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号71、95及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xxiii)それぞれ、配列番号23、28及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xxiv)それぞれ、配列番号22、28及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、96及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xxv)それぞれ、配列番号22、34及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号71、95及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xxvi)それぞれ、配列番号22、34及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号79、90及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、
(xxvii)それぞれ、配列番号22、34及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号75、92及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、または
(xxviii)それぞれ、配列番号22、27及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号73、98及び111に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3、を含む、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
4.前記抗体が、
(i)配列番号114に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号291に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(ii)配列番号115に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号292に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(iii)配列番号116に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号293に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(iv)配列番号117に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号294に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(v)配列番号118に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号295に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(vi)配列番号119に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号296に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(vii)配列番号120に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号297に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(viii)配列番号121に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号298に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(ix)配列番号122に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号299に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(x)配列番号123に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号300に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xi)配列番号124に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号301に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xii)配列番号125に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号302に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xiii)配列番号126に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号303に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xiv)配列番号127に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号304に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xv)配列番号128に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号305に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xvi)配列番号129に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号306に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xvii)配列番号130に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号307に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xviii)配列番号131に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号308に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xix)配列番号132に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号309に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xx)配列番号133に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号310に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxi)配列番号134に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号311に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxii)配列番号135に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号312に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxiii)配列番号136に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号313に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxiv)配列番号137に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号314に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxv)配列番号149に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号326に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxvi)配列番号156に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号333に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxvii)配列番号158に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号335に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または
(xxviii)配列番号143に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号320に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
5.前記抗体が、
(i)配列番号114に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号291に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(ii)配列番号115に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号292に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(iii)配列番号116に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号293に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(iv)配列番号117に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号294に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(v)配列番号118に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号295に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(vi)配列番号119に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号296に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(vii)配列番号120に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号297に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(viii)配列番号121に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号298に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(ix)配列番号122に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号299に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(x)配列番号123に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号300に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xi)配列番号124に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号301に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xii)配列番号125に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号302に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xiii)配列番号126に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号303に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xiv)配列番号127に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号304に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xv)配列番号128に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号305に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xvi)配列番号129に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号306に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xvii)配列番号130に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号307に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xviii)配列番号131に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号308に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xix)配列番号132に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号309に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xx)配列番号133に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号310に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxi)配列番号134に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号311に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxii)配列番号135に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号312に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxiii)配列番号136に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号313に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxiv)配列番号137に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号314に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxv)配列番号149に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号326に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxvi)配列番号156に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号333に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxvii)配列番号158に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号335に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または
(xxviii)配列番号143に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号320に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む、実施形態1~4のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
6.前記抗体が、
(i)配列番号114に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号291に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(ii)配列番号115に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号292に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(iii)配列番号116に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号293に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(iv)配列番号117に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号294に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(v)配列番号118に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号295に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(vi)配列番号119に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号296に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(vii)配列番号120に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号297に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(viii)配列番号121に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号298に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(ix)配列番号122に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号299に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(x)配列番号123に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号300に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xi)配列番号124に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号301に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xii)配列番号125に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号302に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xiii)配列番号126に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号303に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xiv)配列番号127に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号304に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xv)配列番号128に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号305に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xvi)配列番号129に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号306に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xvii)配列番号130に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号307に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xviii)配列番号131に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号308に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xix)配列番号132に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号309に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xx)配列番号133に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号310に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxi)配列番号134に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号311に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxii)配列番号135に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号312に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxiii)配列番号136に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号313に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxiv)配列番号137に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号314に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxv)配列番号149に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号326に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxvi)配列番号156に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号333に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
(xxvii)配列番号158に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号335に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、または
(xxviii)配列番号143に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号320に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
7.前記抗体またはその断片が、モノクローナル抗体、Fab、F(ab’)、Fab’、scFvまたは単一ドメイン抗体(sdAb)である、実施形態1~6のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
8.前記抗体が、ヒトIgG1またはIgG4ドメインを含む、実施形態1~6のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
9.配列番号1441に記載の定常重ドメイン及び配列番号1442に記載の定常軽ドメインを有するIgG4ドメインを含む、実施形態8に記載の抗体またはその断片。
10.前記抗体が、アミノ酸残基241にS241P変異及びアミノ酸残基248にL248E変異を含むヒトIgG4ドメインを含み、前記残基の番号付けが、Kabat番号付けシステムの番号付けである、実施形態8に記載の抗体またはその断片。
11.配列番号1440に記載の定常重ドメイン及び配列番号1442に記載の定常軽ドメインを有するIgG4ドメインを含む、実施形態10に記載の抗体またはその断片。
12.配列番号892~914、926、933、935及び920のうちのいずれか1つの重鎖アミノ酸配列、ならびに配列番号1029~1051、1063、1070、1072及び1057のうちのいずれか1つの軽鎖アミノ酸配列を含む、実施形態1~9のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
13.配列番号618~640、652、659、661及び646のうちのいずれか1つの重鎖アミノ酸配列、ならびに配列番号755~777、789、796、798及び783のうちのいずれか1つの軽鎖アミノ酸配列を含む、実施形態1~8、または10~11のいずれか1項に記載の抗体またはその断片。
14.配列番号481~503及び515、522、524、及び509のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む、実施形態1~6のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
15.前記抗体が、SCFに対して50nM以下の結合親和性を有する、実施形態1~14のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
16.前記抗体が、SCFに対して10nM以下の結合親和性を有する、実施形態1~14のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
17.前記抗体が、SCFに対して5nM以下の結合親和性を有する、実施形態1~14のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
18.前記抗体またはその断片が、SCFとc-Kitとの間の相互作用を遮断する、実施形態1~17のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
19.前記抗体またはその断片が、SCFの内在化を引き起こす、実施形態1~18のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
20.前記抗体が、SCF248に特異的に結合する、実施形態1~19のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
21.前記抗体が、SCF220に結合しない、実施形態1~20のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
22.実施形態1~21のいずれか1つに記載の抗体またはその断片をコードする、単離された核酸分子。
23.実施形態1~21のいずれか1つに記載の抗体またはその断片をコードする核酸セグメントを含む、発現ベクター。
24.実施形態23に記載の発現ベクターを含む、組換え宿主細胞。
25.炎症または線維症の阻害を必要とする対象においてそれを行うための方法であって、前記方法が、実施形態1~21のいずれか1つに記載の抗体またはその断片を前記対象に投与することを含む、前記方法。
26.慢性炎症性疾患または線維性疾患の治療を必要とする対象においてそれを行うための方法であって、前記方法が、実施形態1~21のいずれか1つに記載の抗体を前記対象に投与することを含む、前記方法。
27.前記慢性炎症性疾患または線維性疾患が、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、原発性硬化性胆管炎、肺線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性呼吸促拍症候群(ARDS)、嚢胞性線維症、気管支周囲線維症、過敏性肺炎、喘息、ブレオマイシン肺、強皮症、肝硬変、心内膜心筋線維症、線維筋痛、好酸球性食道炎、炎症性腸疾患(IBD)、慢性腎疾患(CKD)、末期腎疾患(ERSD)、腎線維症、糸球体腎炎及び腎症からなる群から選択される、実施形態26に記載の方法。
28.前記抗体が、特定の抗体濃度で、それぞれ配列番号14、15及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号17、18及び19に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3を有する抗体よりも結合について高い吸光度で、SCF248またはその断片に結合する、実施形態1~21のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
29.SCF248またはその断片が、配列番号479の配列を有するポリペプチドを含む、実施形態1~21のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
30.前記抗体またはその断片が、それぞれ、配列番号14、15及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号17、18及び19に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3を有する抗体またはその断片よりも、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%多く、細胞におけるCCL2発現を低減する、実施形態1~21のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
31.前記抗体またはその断片が、それぞれ、配列番号14、15及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号17、18及び19に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3を有する抗体またはその断片よりも、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%多く、細胞におけるTGFβ発現を低減する、実施形態1~21のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
32.前記抗体またはその断片が、それぞれ、配列番号14、15及び16に記載の重鎖CDR1、CDR2及びCDR3、ならびに配列番号17、18及び19に記載の軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3を有する抗体またはその断片と比較して、SCF248またはその断片に対して約11倍~約65倍改善された結合親和性を有する、実施形態1~21のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
33.SCF248またはその断片が、配列番号479の配列を有するポリペプチドを含む、実施形態32に記載の抗体またはその断片。
34.前記抗体またはその断片が、少なくとも11倍、少なくとも12倍、少なくとも13倍、少なくとも14倍、少なくとも15倍、少なくとも16倍、少なくとも17倍、少なくとも18倍、少なくとも19倍、少なくとも20倍、少なくとも21倍、少なくとも22倍、少なくとも23倍、少なくとも24倍、少なくとも25倍、少なくとも26倍、少なくとも27倍、少なくとも28倍、少なくとも29倍、少なくとも30倍、少なくとも31倍、少なくとも32倍、少なくとも33倍、少なくとも34倍、少なくとも35倍、少なくとも36倍、少なくとも37倍、少なくとも38倍、少なくとも39倍、少なくとも40倍、少なくとも41倍、少なくとも42倍、少なくとも43倍、少なくとも44倍、少なくとも45倍、少なくとも46倍、少なくとも47倍、少なくとも48倍、少なくとも49倍、少なくとも50倍、少なくとも51倍、少なくとも52倍、少なくとも53倍、少なくとも54倍、少なくとも55倍、少なくとも56倍、少なくとも57倍、少なくとも58倍、少なくとも59倍、少なくとも60倍、少なくとも61倍、少なくとも62倍、少なくとも63倍、少なくとも64倍、または少なくとも65倍改善される結合親和性を有する、実施形態32または33に記載の抗体またはその断片。
【0195】
参照による組み込み
本明細書で引用される刊行物、特許及び特許出願は、その全体が参照により具体的に組み込まれる。記載された本発明は、その特定の実施形態を参照して記載されているが、様々な変更が行われ得、等価物が本発明の真の趣旨及び範囲から逸脱することなく置き換えられ得ることが当業者によって理解されるべきである。加えて、多くの修正は、特定の状況、材料、物質の組成、プロセス、プロセスステップ(複数可)を、記載された発明の客観的な趣旨及び範囲に採用するために行われ得る。全てのそのような修正は、本明細書に添付の特許請求の範囲内であることが意図される。
図1
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図4-1】
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図5-4】
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図16B-1】
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【配列表】
2024511027000001.app
【国際調査報告】