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特表2024-511048インドリン含有スピロ誘導体、その製造方法及びその医薬における用途
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  • 特表-インドリン含有スピロ誘導体、その製造方法及びその医薬における用途 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】インドリン含有スピロ誘導体、その製造方法及びその医薬における用途
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/10 20060101AFI20240305BHJP
   A61K 31/438 20060101ALI20240305BHJP
   A61K 31/661 20060101ALI20240305BHJP
   A61K 31/452 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 5/06 20060101ALI20240305BHJP
   C07F 9/59 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
C07D471/10 101
A61K31/438
A61K31/661
A61K31/452
A61P5/06
C07F9/59 CSP
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557298
(86)(22)【出願日】2022-04-24
(85)【翻訳文提出日】2023-09-15
(86)【国際出願番号】 CN2022088656
(87)【国際公開番号】W WO2022228318
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】202110450480.1
(32)【優先日】2021-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523353904
【氏名又は名称】長春金賽薬業有限責任公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】宋雲龍
(72)【発明者】
【氏名】沈光遠
(72)【発明者】
【氏名】劉鵬
(72)【発明者】
【氏名】金磊
(72)【発明者】
【氏名】王国成
(72)【発明者】
【氏名】林岱宗
(72)【発明者】
【氏名】滕国生
(72)【発明者】
【氏名】閻宏博
【テーマコード(参考)】
4C065
4C086
4H050
【Fターム(参考)】
4C065AA16
4C065BB04
4C065CC09
4C065DD02
4C065EE02
4C065HH04
4C065JJ01
4C065KK01
4C065LL09
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086CB05
4C086DA34
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZC04
4H050AA01
4H050AA02
4H050AA03
4H050AB27
(57)【要約】
本発明は、式Iで示される化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩、及びそれらを含む医薬組成物、その製造方法、及び成長ホルモン依存性疾患の診断、予防及び/又は治療のための薬物の製造におけるGHSRアゴニストとしての用途に関し、前記式Iの構造は以下の通りである。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iで示される化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩。
【化1】

(式中、
Raは、H、-R、-C(=O)R又は-C(=O)ORから選択され、
Rbは、H、-R、-C(=O)R又は-C(=O)ORから選択され、
又は、RbはN-RにおけるNと連結して環構造
【化2】

を形成し、この場合、Rは存在せず、Rbは、
【化3】

、及び1個、2個もしくはそれ以上のRcによって任意に置換された(C-C12)第2脂肪族炭化水素基から選択され、Raは前記に定義した通りであり、
ただし、RaとRbが同時にHでないことを条件とし、
前記Rは、1個、2個もしくはそれ以上のRcによって任意に置換された、(C-C20)脂肪族炭化水素基、1個、2個もしくはそれ以上のヘテロ原子を任意に含む(C-C20)脂肪族炭化水素基、C12シクロアルキル基、3~12員複素環基、C6-14アリール基、又は5~14員ヘテロアリール基から選択され、
前記Rcは、それぞれ独立して、ハロゲン、CN、OH、SH、=O(オキソ)、NH、-OP(=O)(OH)、-OP(=O)(C-C12アルコキシ基)、COOHから選択され、又は、1個、2個もしくはそれ以上のRdによって任意に置換された、(C-C12)脂肪族炭化水素基、1個、2個もしくはそれ以上のヘテロ原子を任意に含む(C-C12)脂肪族炭化水素基、C3-12シクロアルキル基、3~12員複素環基、C6-14アリール基、又は5~14員ヘテロアリール基から選択され、
前記Rdは、それぞれ独立して、ハロゲン、CN、OH、SH、=O(オキソ)、NH、-OP(=O)(OH)、-OP(=O)(C-C12アルコキシ基)、COOH、(C-C12)脂肪族炭化水素基、及び1個、2個もしくはそれ以上のヘテロ原子を任意に含む(C-C12)脂肪族炭化水素基から選択され、
前記R、R、R、Rは同一又は異なり、それぞれ独立して、H、及び1個、2個もしくはそれ以上のRcによって任意に置換された(C-C12)脂肪族炭化水素基から選択され、
前記R’、R’’は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、CN、OH、SH、NH、-OP(=O)(OH)、-OP(=O)(C-C12アルコキシ基)、COOH、及び1個、2個もしくはそれ以上のRdによって任意に置換された、(C-C12)脂肪族炭化水素基、1個、2個もしくはそれ以上のヘテロ原子を任意に含む(C-C12)脂肪族炭化水素基から選択され、
前記n、mはそれぞれ独立して、0、1、2、3、4又は5から選択される。)
【請求項2】
前記RaはHであり、
Rbは、-R、-C(=O)R又は-C(=O)ORから選択され、
前記Rは、1個、2個もしくはそれ以上のNHによって任意に置換された、(C-C)アルキルC(=O)(C-C)アルキル-、HC(=O)(C-C12)アルキル-、(C-C12)アルキルC(=O)OCH(C-C12アルキル)-、(C-C12)アルキル-、5~14員ヘテロアリール-(C-C12)アルキル-、5~14員ヘテロアリール-(C-C12)アルキル-から選択され、
又は、Rは、(C-C12)アルキル基、(C-C12)アルコキシ基、(C-C20)アルケニル基から選択され、
又は、Rは、1個、2個もしくはそれ以上の-OP(O)(OH)によって任意に置換された、(C-C12)アルキル基、(C-C12)アルコキシ基から選択され、
又は、Rは、1個、2個もしくはそれ以上の-OP(O)(C-C12アルコキシ基)によって任意に置換されたC-C12)アルキル基から選択され、
又は、Rは、1個、2個もしくはそれ以上の(C-C)アルキル基によって任意に置換された、
【化4】

、(C-C)アルキルC(=O)(C-C)アルケニル-、5~14員ヘテロアリール基から選択され、
又は、Rは、(C-C12)アルキルC(=O)OCH(C-C12アルキル)-、C12シクロアルキルC(=O)OCH(C-C12アルキル)-、(C-C12)アルキルC(=O)OCH-、C12シクロアルキルC(=O)OCH(C-C12アルキル)-から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の式Iで示される化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
前記(C-C20)脂肪族炭化水素基は、(C-C20)アルキル基、(C-C20)アルケニル基、(C-C20)アルキニル基から選択することができ、好ましくは、前記「(C-C20)脂肪族炭化水素基」は、(C-C12)アルキル基、(C-C12)アルケニル基、(C-C12)アルキニル基から選択することができ、前記(C-C12)脂肪族炭化水素基は、(C-C)アルキル基、(C-C)アルケニル基、(C-C)アルキニル基から選択することができ、
好ましくは、前記RbはN-RにおけるNと連結して環構造
【化5】

を形成し、前記環構造は、さらに好ましくは構造
【化6】

であり、この場合、Rは存在せず、R、R及びRaは請求項1又は2に定義した通りであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の式Iで示される化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
前記Rは、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ノルマルペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ノルマルヘキシル基、ビニル基、1-アリル、2-アリル、1-メチルエテニル、1-ブテニル、1-エチルビニル、1-メチル-2-アリル、2-ブテニル、3-ブテニル、2-メチル-1-アリル、2-メチル-2-アリル、1-ペンテニル、1-ヘキセニル、エチニル基、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、1-メチル-2-プロピニル、3-ブチニル、1-ペンチニル、1-ヘキシニル、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、NHCH-、
【化7】

から選択され、前記Rは任意に、1個、2個もしくはそれ以上のRcによってさらに置換されてもよいことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の式Iで示される化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
前記式Iの化合物は、さらに好ましくは、以下の式IIであることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の式Iで示される化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩。
【化8】

(式中、RcとRcは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ独立して、H又はRcから選択され、
Rc、R’、R”、R、R、R、R、n、mは請求項1に定義した通りである。)
【請求項6】
前記式Iの化合物は、さらに好ましくは以下の式IIIであることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の式Iで示される化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩。
【化9】

(式中、RcとRcは同一又は異なり、それぞれ独立して、H又はRcから選択され、Rcは請求項1に定義した通りである。)
【請求項7】
前記式Iの化合物は、さらに好ましくは以下の式IIIA、式IIIBであることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の式Iで示される化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩。
【化10】

(式中、RcとRcは同一又は異なり、それぞれ独立して、Rcから選択され、Rcは請求項1に定義した通りである。)
【請求項8】
前記Rcは、C-C12アルキル基、C-Cシクロアルキル基、及び1個、2個又は複数のNHによって任意に置換されたC-C12アルキル基から選択され、
好ましくは、Rcは、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ノルマルプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、アミノメチル基、1,5-ジアミノ-n-ペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、又はシクロヘキシル基から選択され、
前記Rcは、H又はC-C12アルキル基から選択され、
好ましくは、前記Rcは、H又はメチル基から選択されることを特徴とする、請求項5から7のいずれか1項に記載の式Iで示される化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
以下の構造で示されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の式Iで示される化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩。
【化11】
【請求項10】
適切な条件下で、イブタモレン又はその誘導体と、Ra及び/又はRb修飾基を導入した原料とを適切な試薬に反応させ、アミノ修飾生成物を得、そして任意に、適切な条件下で、保護基導入、脱保護基の工程を行うステップを含み、又は、
適切な条件下で、イブタモレン又はその誘導体をリン酸二水素カリウム、アセトンの条件下で反応させるステップを含み、又は、
適切な条件下で、イブタモレン又はその誘導体をクロロギ酸エステル又は置換チオカーボネート、塩基性の条件下で反応させ、前記塩基性条件はトリエチルアミンから選択することができ、前記反応に用いられる溶媒はジクロロメタンとすることができるステップを含み、又は、
縮合剤を用いて塩基性の条件下でアミノ酸とアミド縮合反応を行い、縮合剤は2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート及びジシクロヘキシルカルボジイミドから選択することができ、塩基性条件はトリエチルアミンから選択することができるステップを含むことを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の式Iで示される化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩の製造方法。
【請求項11】
請求項1から9のいずれか1項に記載の式Iで示される化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩を含むことを特徴とする、医薬組成物。
【請求項12】
請求項1から9のいずれか1項に記載の式Iで示される化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩、又は請求項11に記載の医薬組成物の、GHSRアゴニストの製造における用途又は成長ホルモン依存性疾患の診断、予防及び/又は治療のための薬物の製造における用途であって、好ましくは、前記疾患又は病症は成長ホルモン欠乏又は成長ホルモン依存に関連し、好ましくは、前記化合物はヒト及び動物投与後の血漿中の成長ホルモンレベルを促進することができる、前記用途。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年4月25日に中国国家知識産権局に提出された、特許出願番号202110450480.1、発明の名称「インドリン含有スピロ誘導体、その製造方法及びその医薬における用途」の先行出願の優先権を主張する。該先行出願の全ては引用により本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、薬物化合物の分野に属し、具体的にはインドリン含有スピロ誘導体、その製造方法及びその医薬における用途に関する。
【背景技術】
【0003】
Ghrelinは、28個のアミノ酸を含む内因性の成長ホルモン放出ペプチドであり、成長ホルモン分泌促進ホルモン受容体1a型(GrowthHormone Secretagogue Receptor 1a,GHSR 1a)の内因性リガンドである。Ghrelinは、インビボ及びインビトロの両方の試験においても、成長ホルモン(GrowthHormone,GH)の分泌を有意に促進できることが示されている。臨床研究においても、Ghrelinの静脈注射は成長ホルモンの放出を強く刺激することができるとともに、用量依存性を示していることが分かった。
【0004】
人体の成長ホルモンは脳下垂体前葉から分泌されるペプチドホルモンであり、191個のアミノ酸から構成され、インシュリン様成長因子1(IGF-1)又は表皮成長因子(EGF)の合成を誘導することで、周辺器官に直接又は間接的に作用し、主な生理機能は、有機体の線形成長の促進と、筋肉及び皮膚の細胞増殖の促進を含むほかに、外傷後の組織再生においても重要な役割を果たしている。
【0005】
GHの放出は、成長ホルモンの分泌障害を特徴とする生理的又は病態生理的な病症、及び成長ホルモンの同化作用によって改善される病症を治療できるとされている。GHは、筋肉量の減少、脂肪組織の蓄積、骨の脱鉱質、負傷後の組織再生能力の低下等の病症の治療に有望であることが臨床的に判明されている。
【0006】
GHは下垂体で合成・貯蔵されるが、GHの放出は視床下部ホルモンによって制御される。GHの放出過程には、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)と抑制性ホルモンである成長ホルモン抑制ホルモン(SRIF)の2つのホルモンが関与していることが現在知られている。多くの場合、GH障害は、GHの合成(脳下垂体障害)ではなく、GHの放出(視床下部障害)に関連している。したがって、GHSRアゴニストを使用して脳下垂体のGH放出を刺激することは、組換えヒト成長ホルモンに代わる新しい治療法となる可能性がある。
【0007】
GHSRには1aと1bの2つのサブタイプがあり、1aサブタイプは機能的な受容体サブタイプであり、1bサブタイプの機能はさらなる研究が必要である。中枢神経系では、GHS-R1aは、視床下部と視床下部以外の複数の領域に分布し、脳下垂体、視床下部弓状核、腹内側核等が含まれる。末梢では、GHSRは、甲状腺、膵臓、心筋等でも低発現している。したがって、Ghrelin及びその受容体GHSR1aは、体内の様々なな機能の調節に関与している可能性がある。
【0008】
研究により、いくつかのペプチド類又は擬似ペプチド類の臨床化合物はGHSRアゴニスト活性を示し、GHの放出を誘導する作用があることが分かった。現在、臨床研究に入った化合物には、examorelin、tabimorelin、pralmorelin、ibutamoren、tesamorelin、anamorelin及びmacimorelinがあり、そのうち、注射用ポリへプチドtesamorelin(HIV感染者の腹部脂肪過剰軽減用)と小分子擬似ペプチド類のmacimorelinは、FDAの販売承認を取得している。Macimorelinは、成人成長ホルモン欠乏症の診断における使用が承認されている唯一の経口投与可能な薬物であるが、macimorelinには経口バイオアベイラビリティーが低く、潜在的な心臓毒性のリスクがある等の欠陥がある。
【0009】
関連する研究では、GHSRアゴニストは、GHSR1aの活性化を介してGH分泌を誘導するほか、他のGHS受容体ファミリーの異なる受容体、又はGHSR上の異なる結合部位(例えば、GHSR1b、胃腸モチリン受容体1a、ニューロテンシン受容体及びTRH受容体等)を介して他の生理機能を発生することも判明されている。したがって、胃腸適応症の分野におけるGHSRアゴニストの応用が新たに開発されているが、現在、この適応症はまだ薬物が発売されておらず、その中で、ulimorelinとrelamorelinは既に臨床III期の研究に入っている。
【0010】
Ghrelinは、迷走神経と骨盤神経によって胃腸蠕動促進作用を発生できることが証明されているが、Ghrelinは半減期が短く、創薬可能性が阻害されるため、動物とヒトの胃腸機能障害を改善するために強化された薬物動態学を有するGHSRアゴニストを開発する必要がある。研究により、ibutamorenは臨床試験において良好な安全性を示し、一定のGHSRアゴニスト活性を持っていることが分かったが、長期投与後に臨床エンドポイントを達成していない。したがって、ibutamorenを基礎にGHSRアゴニストの開発を行い、その潜在的な欠陥を回避することができれば、良好な臨床応用の将来性がある。
【発明の概要】
【0011】
従来技術に存在する問題を解決するために、本発明は、式Iで示される化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【化1】

(式中、
Raは、H、-R、-C(=O)R又は-C(=O)ORから選択され、
Rbは、H、-R、-C(=O)R又は-C(=O)ORから選択され、
又は、RbはN-RにおけるNと連結して環構造
【化2】

を形成し、この場合、Rは存在せず、Rbは、
【化3】

、及び1個、2個もしくはそれ以上のRcによって任意に置換された(C-C12)第2脂肪族炭化水素基から選択され、Raは前記に定義した通りであり、
ただし、RaとRbが同時にHでないことを条件とし、
前記Rは、1個、2個もしくはそれ以上のRcによって任意に置換された、(C-C20)脂肪族炭化水素基、1個、2個もしくはそれ以上のヘテロ原子を任意に含む(C-C20)脂肪族炭化水素基、C12シクロアルキル基、3~12員複素環基、C6-14アリール基、又は5~14員ヘテロアリール基から選択され、
前記Rcは、それぞれ独立して、ハロゲン、CN、OH、SH、=O(オキソ)、NH、-OP(=O)(OH)、-OP(=O)(C-C12アルコキシ基)、COOH、又は、1個、2個もしくはそれ以上のRdによって任意に置換された、(C-C12)脂肪族炭化水素基、1個、2個もしくはそれ以上のヘテロ原子を任意に含む(C-C12)脂肪族炭化水素基、C3-12シクロアルキル基、3~12員複素環基、C6-14アリール基、又は5~14員ヘテロアリール基から選択され、
前記Rdは、それぞれ独立して、ハロゲン、CN、OH、SH、=O(オキソ)、NH、-OP(=O)(OH)、-OP(=O)(C-C12アルコキシ基)、COOH、(C-C12)脂肪族炭化水素基、及び1個、2個もしくはそれ以上のヘテロ原子を任意に含む(C-C12)脂肪族炭化水素基から選択され、
前記R、R、R、Rは同一又は異なり、それぞれ独立して、H、及び1個、2個もしくはそれ以上のRcによって任意に置換された(C-C12)脂肪族炭化水素基から選択され、
前記R’、R’’は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、CN、OH、SH、NH、-OP(=O)(OH)、-OP(=O)(C-C12アルコキシ基)、COOH、及び1個、2個もしくはそれ以上のRdによって任意に置換された、(C-C12)脂肪族炭化水素基、1個、2個もしくはそれ以上のヘテロ原子を任意に含む(C-C12)脂肪族炭化水素基から選択され、
前記n、mはそれぞれ独立して、0、1、2、3、4又は5から選択される。)
【0012】
本発明の実施形態によれば、前記「1個、2個もしくはそれ以上のヘテロ原子を任意に含む(C-C20)脂肪族炭化水素基」の中、前記ヘテロ原子は、硫黄、窒素、酸素、リン及びケイ素から選択することができ、任意に、ヘテロ原子は脂肪族炭化水素基中に任意にC-C結合及びC-H結合に挿入され、
前記「(C-C20)脂肪族炭化水素基」は、(C-C20)アルキル基、(C-C20)アルケニル基、(C-C20)アルキニル基から選択することができ、前記「(C-C20)脂肪族炭化水素基」は、(C-C12)アルキル基、(C-C12)アルケニル基、(C-C12)アルキニル基から選択することができ、前記「(C-C12)脂肪族炭化水素基」は、(C-C)アルキル基、(C-C)アルケニル基、(C-C)アルキニル基から選択することができ、
前記「ハロゲン」は、F、Cl、Br、Iから選択される。
【0013】
本発明の実施形態によれば、
RaはHから選択され、
Rbは、-R、-C(=O)R又は-C(=O)ORから選択され、
又は、RbはN-RにおけるNと連結して環構造
【化4】

を形成し、この場合、Rは存在せず、Rbは、
【化5】

、及び1個、2個もしくはそれ以上のRcによって任意に置換された、(C-C12)アルキレン基、(C-C12)アルケニレン基から選択され、
前記Rは、1個、2個もしくはそれ以上のRcによって任意に置換された、(C-C20)アルキル基、(C-C20)アルケニル基、1個、2個もしくはそれ以上のヘテロ原子を任意に含む(C-C20)アルキル基もしくは(C-C20)アルケニル基、C12シクロアルキル基、3~12員複素環基、C6-14アリール基、又は5~14員ヘテロアリール基から選択され、
前記Rcは、それぞれ独立して、ハロゲン、CN、OH、SH、=O(オキソ)、NH、-OP(=O)(OH)、-OP(=O)(C-C12アルコキシ基)、COOH、又は、1個、2個もしくはそれ以上のRdによって任意に置換された、(C-C12)アルキル基、(C-C12)アルケニル基、1個、2個もしくはそれ以上のヘテロ原子を任意に含む(C-C12)アルキル基もしくは(C-C12)アルケニル基、C3-12シクロアルキル基、3~12員複素環基、C6-14アリール基、又は5~14員ヘテロアリール基から選択され、
前記Rdは、それぞれ独立して、ハロゲン、CN、OH、SH、=O(オキソ)、NH、-OP(=O)(OH)、-OP(=O)(C-C12アルコキシ基)、COOH、(C-C12)アルキル基、(C-C12)アルケニル基、及び1個、2個もしくはそれ以上のヘテロ原子を任意に含む(C-C12)アルキル基もしくは(C-C12)アルケニル基から選択され、
前記R、R、R、Rは同一又は異なり、それぞれ独立して、H、及び1個、2個もしくはそれ以上のRcによって任意に置換された(C-C12)アルキル基もしくは(C-C12)アルケニル基から選択され、
前記R’、R’’は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、CN、OH、SH、NH、-OP(=O)(OH)、-OP(=O)(C-C12アルコキシ基)、COOH、及び1個、2個もしくはそれ以上のRdによって任意に置換された、(C-C12)アルキル基、(C-C12)アルケニル基、1個、2個もしくはそれ以上のヘテロ原子を任意に含む(C-C12)アルキル基もしくは(C-C12)アルケニル基から選択され、
前記n、mはそれぞれ独立して、0、1、2、3、4又は5から選択される。
【0014】
本発明の実施形態によれば、
RaはHから選択され、
Rbは、-R、-C(=O)R又は-C(=O)ORから選択され、
又は、RbはN-RにおけるNと連結して環構造
【化6】

を形成し、この場合、Rは存在せず、Rbは、
【化7】

、及び1個、2個もしくはそれ以上のRcによって任意に置換された、(C-C)アルキレン基、(C-C)アルケニレン基から選択され、
前記Rは、1個、2個もしくはそれ以上のRcによって任意に置換された、(C-C20)アルキル基、(C-C20)アルケニル基、1個、2個もしくはそれ以上の酸素原子を任意に含む(C-C12)アルキル基もしくは(C-C20)アルケニル基、Cシクロアルキル基、3~8員複素環基、C6-10アリール基、又は5~9員ヘテロアリール基から選択され、
前記Rcは、それぞれ独立して、ハロゲン、CN、OH、SH、=O(オキソ)、NH、-OP(=O)(OH)、-OP(=O)(C-Cアルコキシ基)、COOH、又は、1個、2個もしくはそれ以上のRdによって任意に置換された、(C-C)アルキル基、(C-C)アルケニル基、1個、2個もしくはそれ以上の酸素原子を任意に含む(C-C)アルキル基もしくは(C-C)アルケニル基、C3-8シクロアルキル基、3~8員複素環基、C6-10アリール基、又は5~9員ヘテロアリール基から選択され、
前記Rdは、それぞれ独立して、ハロゲン、CN、OH、SH、=O(オキソ)、NH、-OP(=O)(OH)、-OP(=O)(C-C12アルコキシ基)、COOH、(C-C)アルキル基もしくは(C-C)アルケニル基、及び1個、2個もしくはそれ以上の酸素原子を任意に含む(C-C)アルキル基もしくは(C-C)アルケニル基から選択され、
前記R、R、R、Rは同一又は異なり、それぞれ独立して、H、及び1個、2個もしくはそれ以上のRcによって任意に置換された(C-C)アルキル基もしくは(C-C)アルケニル基から選択され、
前記R’、R’’は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、CN、OH、SH、NH、-OP(=O)(OH)、-OP(=O)(C-C12アルコキシ基)、COOH、及び1個、2個もしくはそれ以上のRdによって任意に置換された、(C-C)アルキル基、(C-C)アルケニル基、1個、2個もしくはそれ以上のヘテロ原子を任意に含む(C-C)アルキル基もしくは(C-C)アルケニル基から選択され、
前記n、mはそれぞれ独立して、0、1、2、3、4又は5から選択される。
【0015】
本発明の実施形態によれば、
RaはHから選択され、
Rbは、-R、-C(=O)R又は-C(=O)ORから選択され、又は、RbはN-RにおけるNと連結して環構造
【化8】

を形成し、この場合、Rは存在せず、Rbは、
【化9】

、及び1個、2個もしくはそれ以上のRcによって任意に置換された、(C-C12)アルキレン基、(C-C12)アルケニレン基から選択され、
前記Rは、1個、2個もしくはそれ以上のRcによって任意に置換された、(C-C20)アルキル基、(C-C20)アルケニル基、(C-C)アルキルOCH(C-Cアルキル)-、(C-C12)アルキルOCH-、C12シクロアルキル基、3~12員複素環基、C6-14アリール基、又は5~14員ヘテロアリール基から選択され、
前記Rcは、それぞれ独立して、ハロゲン、CN、OH、SH、=O(オキソ)、NH、-OP(=O)(OH)、-OP(=O)(C-C12アルコキシ基)、COOH、又は、1個、2個もしくはそれ以上のRdによって任意に置換された、(C-C12)アルキル基、(C-C12)アルケニル基、(C-C)アルキルOCH(C-Cアルキル)-、(C-C12)アルキルOCH-、C3-12シクロアルキル基、3~12員複素環基、C6-14アリール基、又は5~14員ヘテロアリール基から選択され、
前記Rdは、それぞれ独立して、ハロゲン、CN、OH、SH、=O(オキソ)、NH、-OP(=O)(OH)、-OP(=O)(C-C12アルコキシ基)、COOH、(C-C12)アルキル基、(C-C12)アルケニル基、(C-C)アルキルOCH(C-Cアルキル)-、(C-C12)アルキルOCH-から選択され、
前記R、R、R、Rは同一又は異なり、それぞれ独立して、H、及び1個、2個もしくはそれ以上のRcによって任意に置換された(C-C12)アルキル基もしくは(C-C12)アルケニル基から選択され、
前記R’、R’’は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、CN、OH、SH、NH、-OP(=O)(OH)、-OP(=O)(C-C12アルコキシ基)、COOH、及び1個、2個もしくはそれ以上のRdによって任意に置換された、(C-C12)アルキル基、(C-C12)アルケニル基、(C-C)アルキルOCH(C-Cアルキル)-、(C-C12)アルキルOCH-から選択され、
前記n、mはそれぞれ独立して、0、1、2、3、4又は5から選択される。
【0016】
本発明の実施形態によれば、
RaはHから選択され、
Rbは、-R、-C(=O)R又は-C(=O)ORから選択され、又は、RbはN-RにおけるNと連結して(この場合Rは存在しない)、環構造
【化10】

を形成し、この場合、Rbは、
【化11】

、及び1個、2個もしくはそれ以上のRcによって任意に置換された、(C-C)アルキレン基、(C-C)アルケニレン基から選択され、
前記Rは、1個、2個もしくはそれ以上のRcによって任意に置換された、(C-C20)アルキル基、(C-C20)アルケニル基、(C-C)アルキルOCH(C-Cアルキル)-、(C-C12)アルキルOCH-、Cシクロアルキル基、3~8員複素環基、C6-10アリール基、又は5~9員ヘテロアリール基から選択され、
前記Rcは、それぞれ独立して、ハロゲン、CN、OH、SH、=O(オキソ)、NH、-OP(=O)(OH)、-OP(=O)(C-Cアルコキシ基)、COOH、又は、1個、2個もしくはそれ以上のRdによって任意に置換された、(C-C)アルキル基、(C-C)アルケニル基、(C-C)アルキルOCH(C-Cアルキル)-、(C-C)アルキルOCH-、C3-8シクロアルキル基、3~8員複素環基、C6-10アリール基、又は5~9員ヘテロアリール基から選択され、
前記Rdは、それぞれ独立して、ハロゲン、CN、OH、SH、=O(オキソ)、NH、-OP(=O)(OH)、-OP(=O)(C-Cアルコキシ基)、COOH、(C-C)アルキル基もしくは(C-C)アルケニル基、(C-C)アルキルOCH(C-Cアルキル)-、(C-C)アルキルOCH-から選択され、
前記R、R、R、Rは同一又は異なり、それぞれ独立して、H、及び1個、2個もしくはそれ以上のRcによって任意に置換された(C-C)アルキル基もしくは(C-C)アルケニル基から選択され、
前記R’、R’’は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、CN、OH、SH、NH、-OP(=O)(OH)、-OP(=O)(C-Cアルコキシ基)、COOH、及び1個、2個もしくはそれ以上のRdによって任意に置換された、(C-C)アルキル基、(C-C)アルケニル基、(C-C)アルキルOCH(C-Cアルキル)-、(C-C)アルキルOCH-から選択され、
前記n、mはそれぞれ独立して、0、1、2、3、4又は5から選択される。
【0017】
本発明によれば、いくつかの実施形態において、RaはHであり、
Rbは、-R、-C(=O)R又は-C(=O)ORから選択され、
前記Rは、1個、2個もしくはそれ以上のNHによって任意に置換された、(C-C)アルキルC(=O)(C-C)アルキル-、HC(=O)(C-C12)アルキル-、(C-C12)アルキルC(=O)OCH(C-C12アルキル)-、(C-C12)アルキル-、5~14員ヘテロアリール-(C-C12)アルキル-から選択され、
又は、Rは、(C-C12)アルキル基、(C-C12)アルコキシ基、(C-C20)アルケニル基から選択され、
又は、Rは、1個、2個もしくはそれ以上のOP(=O)(OH)によって任意に置換された、(C-C12)アルキル基、(C-C12)アルコキシ基から選択され、
又は、Rは、1個、2個もしくはそれ以上の-OP(O)(C-C12アルコキシ基)によって任意に置換された(C-C12)アルキル基から選択され、
又は、Rは、1個、2個もしくはそれ以上の(C-C)アルキル基によって任意に置換された、
【化12】

、(C-C)アルキルC(=O)(C-C)アルケニル-、5~14員ヘテロアリール基から選択され、
又は、Rは、(C-C12)アルキルC(=O)OCH(C-C12アルキル)-、C12シクロアルキルC(=O)OCH(C-C12アルキル)-、(C-C12)アルキルC(=O)OCH-、C12シクロアルキルC(=O)OCH(C-C12アルキル)-から選択される。
【0018】
本発明の実施形態によれば、前記C12シクロアルキル基は、好ましくはCシクロアルキル基であり、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基から選択され、
前記3~12員複素環基は、好ましくは3~8員複素環基であり、例えば、テトラヒドロフラン基、テトラヒドロチオフェン基、ピペリジニル基、ジオキソール基、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリジニル基、ピロリニル基、1,3-ジオキサゾリルから選択され、
前記C6-20アリール基は、好ましくはC6-10アリール基であり、例えば、フェニル基から選択され、
前記5~14員ヘテロアリール基は、好ましくは5~10員ヘテロアリール基であり、インドリル基、イソインドリル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジン基、トリアジル基、チオフェニル基、フリル基、ピロリル、オキサゾリル基、チアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアゾリル基、チアジアゾリル基、チア-4H-ピラゾリル基から選択することができる。
【0019】
本発明の実施形態によれば、いくつかの実施形態において、RbはN-RにおけるNと連結して環構造
【化13】

を形成し、前記環構造は、さらに好ましくは構造
【化14】

であり、この場合、Rは存在せず、R、R及びRaは前記式Iに定義した通りである。
【0020】
本発明の実施形態によれば、前記Rは、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ノルマルペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ノルマルヘキシル基、ビニル基、1-アリル、2-アリル、1-メチルエテニル、1-ブテニル、1-エチルビニル、1-メチル-2-アリル、2-ブテニル、3-ブテニル、2-メチル-1-アリル、2-メチル-2-アリル、1-ペンテニル、1-ヘキセニル、エチニル基、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、1-メチル-2-プロピニル、3-ブチニル、1-ペンチニル、1-ヘキシニル、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、NHCH-、
【化15】

から選択され、前記Rは任意に、1個、2個もしくはそれ以上のRcによってさらに置換されてもよい。
【0021】
本発明の実施形態によれば、前記式Iの化合物は、さらに好ましくは、以下の式IIである。
【化16】

RcとRcは同一又は異なり、それぞれ独立して、H又は前記式Iに定義したRcから選択され、
Rc、R’、R”、n、m、R、R、R、Rは前記式Iに定義した通りである。
【0022】
本発明の実施形態によれば、前記式Iの化合物は、さらに好ましくは以下の式IIIである。
【化17】

本発明の実施形態によれば、前記式IIIの構造において、RcとRcは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ独立して、H又は前記式Iに定義したRcから選択される。
【0023】
本発明の実施形態によれば、前記式Iの化合物は、さらに好ましくは以下の式IIIA、式IIIBである。
【化18】

本発明の実施形態によれば、前記式IIIA、式IIIBの構造において、RcとRcは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ独立して、H又は前記式Iに定義したRcから選択される。
【0024】
本発明の実施形態によれば、前記Rcは、C-C12アルキル基、C-Cシクロアルキル基、及び1個、2個又は複数のNHによって任意に置換されたC-C12アルキル基から選択され、Rcは、H又はC-C12アルキル基から選択される。
【0025】
本発明の実施形態によれば、前記Rcは、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ノルマルプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、アミノメチル基、1,5-ジアミノ-n-ペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、又はシクロヘキシル基から選択される。
【0026】
本発明の実施形態によれば、前記Rcは、H又はメチル基から選択される。
【0027】
本発明の実施形態によれば、前記式Iで示される化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩では、式Iの化合物の例示的で非限定的な具体例は以下に示す通りである。
【化19】
【0028】
本発明の実施形態によれば、前記式Iの化合物はさらに、例えば以下の構造から選択されてもよい。
【化20】
【0029】
本発明は、前記式Iで示される化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩の製造方法をさらに提供し、該製造方法は、
適切な条件下で、イブタモレン(ibutamoren)又はその誘導体と、Ra及び/又はRb修飾基を導入した原料とを適切な試薬に反応させ、アミノ修飾生成物を得、そして任意に、適切な条件下で、保護基導入、脱保護基の工程を行うステップを含み、又は、
適切な条件下で、イブタモレン又はその誘導体をリン酸二水素カリウム、アセトンの条件下で反応させるステップを含み、又は、
適切な条件下で、イブタモレン又はその誘導体をクロロギ酸エステル(又は置換チオカーボネート)、塩基性の条件下で反応させ、前記塩基性条件はトリエチルアミンから選択することができ、前記反応に用いられる溶媒はジクロロメタンとすることができるステップを含み、又は、
縮合剤を用いて塩基性の条件下でアミノ酸とアミド縮合反応を行い、縮合剤は2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート及びジシクロヘキシルカルボジイミドから選択することができ、塩基性条件はトリエチルアミンから選択することができるステップを含む。
【0030】
本発明は、本発明に記載の式Iの化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物をさらに提供する。
【0031】
いくつかの実施形態において、本発明に記載の医薬組成物は、治療有効量の本発明に記載の式Iの化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される担体をさらに含む。
【0032】
前記医薬組成物中の担体は「許容可能」であり、組成物の活性成分と適合することができる(好ましくは、活性成分を安定化させることができる)とともに、治療対象の被験者に有害ではない。活性化合物の送達のための薬物賦形剤として、1つ又は複数の溶解補助剤を使用することができる。
【0033】
本発明は、前記式Iの化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩、又は前記医薬組成物の、GHSRアゴニストの製造における用途をさらに提供する。
【0034】
本発明は、前記式Iの化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩、又は前記医薬組成物の、成長ホルモン依存性疾患の診断、予防及び/又は治療のための薬物の製造における用途をさらに提供する。
【0035】
本発明は、かかる治療を必要とする患者に、治療有効量の少なくとも1つの本発明の化合物を単独で、又は任意に、本発明の別の化合物及び/又は少なくとも1つの他のタイプの治療剤と組み合わせて投与することを含む、疾患又は病症を治療するための方法をさらに提供する。
【0036】
本発明の実施形態によれば、前記疾患又は病症は、成長ホルモン欠乏又は成長ホルモン依存に関連する。好ましくは、前記化合物は、ヒト及び動物投与後の血漿中の成長ホルモンレベルを促進することができる。この特性は、例えば、成長ホルモン欠乏患者の診断や、成長ホルモンの欠乏している子供の遅い成長と低身長、及び成長ホルモンの生理作用によって改善され得るその他の疾患の治療等、成長ホルモンの分泌欠乏を特徴とする生理的又は医学的症状の診断及び治療に使用することができる。
【0037】
いくつかの実施形態において、本発明の化合物は、成長ホルモンの産生又は分泌の刺激を必要とする病症に使用することができ、例えば、自然成長ホルモンが欠乏している人又は食品製造に使われている動物に使用することができ、動物に使用する場合、成長ホルモンの刺激により、より大きく、より高収量の動物が得られる。本発明の化合物は、成長ホルモン分泌のレベルを高めるために、ヒト及び動物の治療に使用される。
【0038】
いくつかの実施形態において、前記化合物はGHSRアゴニストとして、エネルギーバランス及び食物摂取の調節と、脂肪形成、肥満の治療及び体重減少と、悪液質の治療と、胃腸動きの改善、胃不全麻痺及び糖尿病胃不全麻痺、術後腸閉塞の治療と、高齢患者における筋肉量及び皮膚厚の増加、脂肪物質の減少及び骨密度のわずかな増加と、火傷、AIDS及び癌状態の治療と、傷及び骨の癒合とに使用することができるが、これらに限定されない。
【0039】
本発明の化合物は、他の治療剤と組み合わせて使用することができる。
【0040】
本発明は、成長ホルモン依存性疾患を予防及び/又は治療するための方法をさらに提供し、前記方法は、必要な患者に治療有効量の第1及び第2治療剤を投与することを含み、ここで第1治療剤は本発明の化合物である。いくつかの実施形態において、本発明は、治療において同時に、又は別々に又は順次使用するための、本発明に記載の化合物と別の治療剤との組合せ製剤をさらに提供する。
【0041】
用語の説明
特に断らない限り、本出願の明細書及び特許請求の範囲に記載された基と用語の定義は、それらの例としての定義、例示的な定義、好ましい定義、表に記載された定義、実施例における特定の化合物の定義等を含み、互いに任意に組み合わせて結合することができる。このような組み合わせ及び結合後の基の定義及び化合物の構造は、本出願の明細書の記載範囲に含まれるものとする。
【0042】
本出願の一般式の定義における用語「任意の」(又は「任意に」、「任意」)は、0個、1個又は複数の置換基によって置換されていることを意味し、例えば「1個、2個もしくはそれ以上のRによって置換される」こととは、Rによって置換されていなくてもよいし(置換がない)、又は1個、2個もしくはそれ以上のRによって置換されてもよいことを意味する。
【0043】
本出願明細書及び特許請求の範囲に記載された数値範囲について、該数値範囲が「整数」と定義されている場合又は当技術分野において通常「整数」と理解されている場合には、該範囲の2つの端点及び該範囲内の各整数が記載されていると理解すべきである。例えば、「0~12」が炭素数を表す場合、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12の各整数が記載されていると理解すべきである。「複数」は2つ又は2つ以上を表し、「それ以上は」3つ又は3つ以上を表す。
【0044】
用語「ハロゲン」は、F、Cl、Br及びIを指す。換言すれば、F、Cl、Br及びIは、本明細書では「ハロゲン」として記載することができる。
【0045】
用語「脂肪族炭化水素基」は、飽和又は不飽和、直鎖又は分岐の鎖状又は環状の炭化水素基を含み、前記脂肪族炭化水素基の種類は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等から選択することができ、前記脂肪族炭化水素基の炭素原子数は、1~20(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20を含む)であってもよく、好ましくは1~12であり、さらに1~10であってもよく、さらに好ましくは1~6の範囲であり、具体的には、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ノルマルペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ノルマルヘキシル基、ビニル基、1-アリル、2-アリル、1-メチルエテニル、1-ブテニル、1-エチルビニル、1-メチル-2-アリル、2-ブテニル、3-ブテニル、2-メチル-1-アリル、2-メチル-2-アリル、1-ペンテニル、1-ヘキセニル、エチニル基、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、1-メチル-2-プロピニル、3-ブチニル、1-ペンチニル、1-ヘキシニル、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基を含み得るが、これらに限定されない。その他の基に含まれる「脂肪族炭化水素基」部分は、上記で説明したのと同じである。
【0046】
用語「アルキル基」は、直鎖又は分岐の飽和一価炭化水素基を表すと理解すべきであり、好ましくは、1~20個の炭素原子を含む直鎖又は分岐の飽和一価炭化水素基である。例えば、「C1-10アルキル基」は、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の炭素原子を有する直鎖及び分岐のアルキル基を表し、「C1-8アルキル基」は、1、2、3、4、5、6、7又は8個の炭素原子を有する直鎖及び分岐のアルキル基を表し、「C1-6アルキル基」は、1、2、3、4、5又は6個の炭素原子を有する直鎖及び分岐のアルキル基を表す。前記アルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、2-メチルブチル、1-メチルブチル、1-エチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、ネオペンチル基、1,1-ジメチルプロピル、4-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2-メチルペンチル、1-メチルペンチル、2-エチルブチル、1-エチルブチル、3,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、1,1-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、又は1,2-ジメチルブチル等であり、又はそれらの異性体である。
【0047】
用語「アルケニル基」は、1つ又は複数の二重結合を含み且つ2~20個の炭素原子を有する直鎖又は分岐の一価炭化水素基を表すと理解すべきであり、好ましくは「C2-10アルケニル基」である。「C2-10アルケニル基」は、好ましくは、1つ又は複数の二重結合を含み且つ2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の炭素原子を有する直鎖又は分岐の一価炭化水素基を表すと理解すべきである。より好ましくは、1つ又は複数の二重結合を含み且つ2、3、4、5、6、7又は8個の炭素原子を有する「C2-8アルケニル基」であり、例えば、2、3、4、5又は6個の炭素原子を有するもの(即ちC2-6アルケニル基)や、2又は3個の炭素原子を有するもの(即ちC2-3アルケニル基)である。なお、前記アルケニル基が複数の二重結合を含む場合、前記二重結合は互いに分離又は共役し得ることを理解すべきである。前記アルケニル基は、例えば、ビニル基、アリル基、(E)-2-メチルエテニル、(Z)-2-メチルエテニル、(E)-ブチル-2-アルケニル、(Z)-ブチル-2-アルケニル、(E)-ブチル-1-アルケニル、(Z)-ブチル-1-アルケニル、ペンチル-4-アルケニル、(E)-ペンチル-3-アルケニル、(Z)-ペンチル-3-アルケニル、(E)-ペンチル-2-アルケニル、(Z)-ペンチル-2-アルケニル、(E)-ペンチル-1-アルケニル、(Z)-ペンチル-1-アルケニル、ヘキシル-5-アルケニル、(E)-ヘキシル-4-アルケニル、(Z)-ヘキシル-4-アルケニル、(E)-ヘキシル-3-アルケニル、(Z)-ヘキシル-3-アルケニル、(E)-ヘキシル-2-アルケニル、(Z)-ヘキシル-2-アルケニル、(E)-ヘキシル-1-アルケニル、(Z)-ヘキシル-1-アルケニル、イソプロペニル基、2-メチルプロピル-2-アルケニル、1-メチルプロピル-2-アルケニル、2-メチルプロピル-1-アルケニル、(E)-1-メチルプロピル-1-アルケニル、(Z)-1-メチルプロピル-1-アルケニル、3-メチルブチル-3-アルケニル、2-メチルブチル-3-アルケニル、1-メチルブチル-3-アルケニル、3-メチルブチル-2-アルケニル、(E)-2-メチルブチル-2-アルケニル、(Z)-2-メチルブチル-2-アルケニル、(E)-1-メチルブチル-2-アルケニル、(Z)-1-メチルブチル-2-アルケニル、(E)-3-メチルブチル-1-アルケニル、(Z)-3-メチルブチル-1-アルケニル、(E)-2-メチルブチル-1-アルケニル、(Z)-2-メチルブチル-1-アルケニル、(E)-1-メチルブチル-1-アルケニル、(Z)-1-メチルブチル-1-アルケニル、1,1-ジメチルプロピル-2-アルケニル、1-エチルプロピル-1-アルケニル、1-プロピルビニル、1-イソプロピルビニルである。
【0048】
用語「アルキニル基」は、1つ又は複数の三重結合を含み且つ2~20個の炭素原子を有する直鎖又は分岐の一価炭化水素基を表すと理解すべきであり、好ましくは「C2-10アルキニル基」である。用語「C2-10アルキニル基」は、好ましくは、1つ又は複数の三重結合を含み且つ2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の炭素原子を有する直鎖又は分岐の一価炭化水素基を表すと理解すべきであり、例えば、2、3、4、5、6、7又は8個の炭素原子を有するもの(即ち「C2-8アルキニル基」)や、2、3、4、5又は6個の炭素原子を有するもの(即ち「C2-6アルキニル基」)、2又は3個の炭素原子を有するもの(「C2-3アルキニル基」)である。前記アルキニル基は、例えば、エチニル基、プロピル-1-アルキニル、プロピル-2-アルキニル、ブチル-1-アルキニル、ブチル-2-アルキニル、ブチル-3-アルキニル、ペンチル-1-アルキニル、ペンチル-2-アルキニル、ペンチル-3-アルキニル、ペンチル-4-アルキニル、ヘキシル-1-アルキニル、ヘキシル-2-アルキニル、ヘキシル-3-アルキニル、ヘキシル-4-アルキニル、ヘキシル-5-アルキニル、1-メチルプロピル-2-アルキニル、2-メチルブチル-3-アルキニル、1-メチルブチル-3-アルキニル、1-メチルブチル-2-アルキニル、3-メチルブチル-1-アルキニル、1-エチルプロピル-2-アルキニル、3-メチルペンチル-4-アルキニル、2-メチルペンチル-4-アルキニル、1-メチルペンチル-4-アルキニル、2-メチルペンチル-3-アルキニル、1-メチルペンチル-3-アルキニル、4-メチルペンチル-2-アルキニル、1-メチルペンチル-2-アルキニル、4-メチルペンチル-1-アルキニル、3-メチルペンチル-1-アルキニル、2-エチルブチル-3-アルキニル、1-エチルブチル-3-アルキニル、1-エチルブチル-2-アルキニル、1-プロピルプロピル-2-アルキニル、1-イソプロピル基プロピル-2-アルキニル、2,2-ジメチルブチル-3-アルキニル、1,1-ジメチルブチル-3-アルキニル、1,1-ジメチルブチル-2-アルキニル、又は3,3-ジメチルブチル-1-アルキニルである。特に、前記アルキニル基は、エチニル基、プロピル-1-アルキニル、又はプロピル-2-アルキニルである。
【0049】
用語「第2脂肪族炭化水素基」は、二価の脂肪族炭化水素鎖を指し、当業者であれば、脂肪族炭化水素基が構造式に二価基を形成する置換位置にある場合、第2脂肪族炭化水素基と同等に定義されることが理解される。したがって、本出願において、第2脂肪族炭化水素基は「脂肪族炭化水素基」の説明を参照することができる。例えば、前記第2脂肪族炭化水素基の種類は、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基等から選択され得、前記第2脂肪族炭化水素基の炭素原子数は1~20であってもよく(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20を含む)、好ましくは1~12であり、さらに1~10であってもよく、さらに好ましくは1~6の範囲である。
【0050】
用語「C3-12シクロアルキル基」は、3~12個の炭素原子を有する飽和又は不飽和の一価の単環又は二環を表すと理解すべきであり、好ましくはC3-8シクロアルキル基であり、より好ましくはC3-6シクロアルキル基である。例えば、C3-8シクロアルキル基は、3、4、5、6、7又は8個の炭素原子を有する飽和又は不飽和の一価の単環又は二環を表すと理解すべきである。前記C3-12シクロアルキル基は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基又はシクロデシル基等の単環式炭化水素基であってもよいし、又はテトラリンやデカリン等の二環式炭化水素基であってもよい。
【0051】
用語「3~12員複素環基」とは、N、O及びSから独立して選択される1~5個(好ましくは1~3個)のヘテロ原子を含む飽和又は不飽和の一価の単環又は二環を意味し、ヘテロ原子を含む基は芳香族性を有さず、好ましくは3~10員複素環基、3~8員複素環基である。前記複素環基は、前記炭素原子のいずれか1つ又は窒素原子(もしあれば)を介して分子の残りの部分に連結することができる。特に、前記複素環基は、アゼチジン基、オキセタン基等の4員環、テトラヒドロフラン基、テトラヒドロチオフェン基、ジオキソール基、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリジニル基、ピロリニル基、1,3-ジオキサゾリル等の5員環、又はテトラヒドロピラニル基、ピペリジニル基、モルホリニル基、ジチアニル基、チオモルホリニル基、ピペラジニル基、トリチアニル基等の6員環、又はジアゼパン基等の7員環を含み得るが、これらに限定されない。任意に、前記複素環基はベンゾ縮合したものであってもよい。前記複素環基は二環であり得、例えば、ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル環等の5,5員環、又はヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2(1H)-イル環等の5,6員二環であり得るが、これらに限定されない。窒素原子を含む環は、部分的に不飽和であってもよく、つまり1つ又は複数の二重結合を含んでもよく、例えば、2,5-ジヒドロ-1H-ピロリル、4H-[1,3,4]チアジアジン、4,5-ジヒドロオキサゾリル又は4H-[1,4]チアジンであり得るが、これらに限定されず、又は、ベンゾ縮合したものであってもよく、例えば、ジヒドロイソキノリン、2,3-ジヒドロベンゾフリル、3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン(クロマン基)、2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキサンであり得るが、これらに限定ない。前記3~12員複素環基は、例えば以下の基から選択することもできる。
【化21】
【0052】
用語「C6-20アリール基」は、好ましくは、6~20個の炭素原子を有する一価芳香族性又は部分芳香族性の単環式、二環式又は三環式炭化水素環を表すと理解すべきであり、好ましくは「C6-14アリール基」又は「C6-10アリール基」である。用語C6-20アリール基は、好ましくは、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個の炭素原子を有する一価芳香族性又は部分芳香族性の単環式、二環式又は三環式炭化水素環を表すと理解すべきであり、特に、フェニル基等の6個の炭素原子を有する環(「Cアリール基」)、又はビフェニル基、又はインダニル基やインデニル基等の9個の炭素原子を有する環(「Cアリール基」)、又はテトラリン基や、ジヒドロナフチル基、ナフチル基等の10個の炭素原子を有する環(「C10アリール基」)、又はフルオレニル基等の13個の炭素原子を有する環(「C13アリール基」)、又はアントリル基等の14個の炭素原子を有する環(「C14アリール基」)である。
【0053】
用語「5~14員ヘテロアリール基」は、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14個の環原子、特に5又は6又は9又は10個の炭素原子を有し、且つN、O及びSから独立して選択される1~5個、好ましくは1~3個のヘテロ原子を含み、またいずれの場合においてもベンゾ縮合し得る、一価の単環、二環又は三環芳香族環系を含むと理解すべきである。特に、ヘテロアリール基は、例えば、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾキサゾリル基、ベンゾイソキサゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、インダゾリル基、インドリル基、イソインドリル基等の、チオフェニル基、フリル基、ピロリル、オキサゾリル基、チアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアゾリル基、チアジアゾリル基、チア-4H-ピラゾリル基等及びそれらのベンゾ誘導体、又は、キノリル基、キナゾリル基、イソキノリン基等の、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジン基、トリアジル基等及びそれらのベンゾ誘導体、又は、アゾシニル基、インドリジニル基、プリニル基等及びそれらのベンゾ誘導体、又は、シンノリニル基、フタルアジニル基、キナゾリル基、キノキサリニル基、ナフチリジニル基、プテリジニル基、カルバゾリル基、アクリジニル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、ファノキザジニル基等から選択される。
【0054】
用語「アルコキシ基」は、-O-(アルキル基)と-O-(非置換のシクロアルキル基)を指し、ここでアルキル基の定義は上記の通りである。アルコキシ基の非限定的な例は、メトキシ基、エトキシ基、プロピロキシ基、ブトキシ基、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基を含む。アルコキシ基は、任意に置換されていても非置換であってもよく、置換されている場合には、置換基は、好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ハロゲン、メルカプト基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルコキシ基、ヘテロシクロアルコキシ基、シクロアルキルチオ基、ヘテロシクロアルキルチオ基、カルボキシル基又はカルボン酸エステル基から独立して選択される1つ又は複数の基である。
【0055】
用語「オキソ」は、置換基中の炭素原子、窒素原子又は硫黄原子が酸化後に形成されるオキシ基によって置換される(=O)を指す。
【0056】
「DCM」は、ジクロロメタンを指す。「MeOH」は、メタノールを指す。「DMF」は、N,N-ジメチルフォルムアミドを指す。「DIPEA」は、N,N-ジイソプロピルエチルアミンを指す。「HATU」は、2-(7-オキソベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートを指す。
【0057】
特に断らない限り、複素環基又はヘテロアリール基は、それらの位置異性体等、可能な全ての異性体型を含む。したがって、いくつかの例示的且つ非限定的な例について、ピリジル基又はピリジリデン基は、ピリジン-2-イル、ピリジリデン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジリデン-3-イル、ピリジン-4-イル、及びピリジリデン-4-イルを含む。チオフェニル基又はチエニリデン基は、チオフェン-2-イル、チエニリデン-2-イル、チオフェン-3-イル、及びチエニリデン-3-イルを含む。
【0058】
本発明の化合物は、その分子構造によってキラルであり得、したがって、様々な鏡像異性体形態が存在し得る。よって、これらの化合物は、ラセミ体又は光学活性体として存在し得る。本発明の化合物又はその中間体は、当業者に公知の化学的又は物理的方法により鏡像異性体化合物として分離することができ、又はこの形態で合成に用いることができる。ラセミアミンの場合、ジアステレオ異性体は、光学活性分割剤との反応により、混合物から製造される。適切な分割剤の例は、例えば、酒石酸のR及びS体、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸、適切なN-保護アミノ酸(例えばN-ベンゾイルプロリン又はN-ベンゼンスルホニルプロリン)、又は様々な光学活性樟脳スルホン酸等の光学活性酸である。クロマトグラフ鏡像異性体分離は、光学活性分割剤(例えば、シリカゲルに固定したジニトロベンゾイルフェニルグリシン、三酢酸セルロース又はその他の炭水化物の誘導体又はキラル誘導体化メタクリル酸ポリマー)の助けを借りて有利に行うこともできる。この目的の適切な溶離剤は、例えば、ヘキサン/イソプロパノール/アセトニトリル等の水又はアルコール含有の溶剤混合物である。
【0059】
当業者であれば、窒素は、窒素酸化物への酸化のために利用可能な孤立電子対を有する必要があるため、全ての含窒素複素環がN-酸化物を形成できるわけではないことが理解される。当業者は、N-酸化物を形成できる含窒素複素環を特定できる。当業者であれば、第三アミンがN-酸化物を形成できることが理解される。複素環及び第三アミンを製造するためのN-酸化物の合成方法は当業者にはよく知られており、前記合成方法は、過酢酸及びメタクロロ過安息香酸(MCPBA)等の過酸、過酸化水素、tert-ブチルヒドロペルオキシド等のアルキルヒドロペルオキシド、ジメチルジオキシラン酸化複素環と第三アミン等の過ホウ酸ナトリウムとジオキシラン(dioxirane)を使用する。これらのN-酸化物の調製方法は文献に広範に記述及び説明されている。
【0060】
薬学的に許容される塩は、例えば、鎖又は環に窒素原子を有し且つ十分な塩基性を有する本発明の化合物の酸付加塩であってもよい。
【0061】
また、塩基性窒素含有基は、メチル、エチル、プロピル及びブチルの塩化物、臭化物及びヨウ化物等の低級アルキルハロゲン化物、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジブチル及び硫酸ジペンチル等の硫酸ジアルキル、デシル、ラウリル、ミリスチル及びステアリルの塩化物、臭化物及びヨウ化物等の長鎖ハロゲン化物、並びにベンジル及びフェネチルの臭化物等のアラルキルハロゲン化物で四級化され得る。例として、薬学的に許容される塩は、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、重硫酸塩、臭化水素酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、ギ酸塩又はメグルミン塩等を含む。
【0062】
本発明の化合物は複数の塩形成部位が存在し得るため、前記薬学的に許容される塩は、本発明の化合物の塩形成部位の1つに形成された塩を含むだけでなく、その中の2つ、3つ又は全ての塩形成部位に形成された塩をも含む。このため、前記薬学的に許容される塩の式(I)の化合物と塩形成に必要な酸の根イオン(アニオン)又は塩基のカチオンとのモル比は、大きい範囲内で変化してもよく、例えば3:1、2:1、1:1、1:2、1:3等、4:1~1:4であってもよい。
【0063】
本発明の化合物は、異なる置換基の位置及び性質によって、1つ又は複数の非対称中心を含んでもよい。非対称炭素原子は(R)又は(S)配置で存在することができ、単一の非対称中心の場合にはラセミ体混合物が生じ、複数の非対称中心を含む場合には、ジアステレオ異性体混合物が得られる。いくつかの場合では、非対称は特定の結合、例えば、特定の化合物の2つの置換芳香環を接続する中央結合の周りの回転が制約されているために存在することもある。置換基は、また、シス又はトランス異性体の形態で存在し得る。
【0064】
本発明の化合物は、それぞれの可能な全ての立体異性体をも含み、これらは単一の立体異性体又は前記立体異性体(例えばR-異性体又はS-異性体、又はE-異性体又はZ-異性体)の任意の割合の任意の混合物の形態である。任意の適切な従来技術の方法(例えばクロマトグラフィー法、特にキラルクロマトグラフィー法)によって本発明の化合物の単一の立体異性体(例えば、単一の鏡像異性体又は単一のジアステレオ異性体)の分離を実現することができる。
【0065】
用語「互変異性体」は、分子内のある原子がが2つの位置で急速に移動することによって生じる官能基異性体を指す。本発明の化合物は、互変異性現象を示すことができる。互変異性化合物は、2つ以上の相互変換可能な種で存在することができる。プロトン移動互変異性体は、2つの原子間で共有結合した水素原子の移動から生じる。互変異性体は一般に平衡状態で存在し、単一の互変異性体を分離しようとすると、通常、化合物の混合物と物理化学的性質が一致する混合物が生じる。平衡の位置は、分子内の化学的特性に依存する。例えば、アセトアルデヒド等の多くの脂肪族アルデヒド及びケトンでは、ケト型が優勢であるが、フェノール類では、エノール型が優勢である。本発明は、化合物の全ての互変異性体型を包含する。
【0066】
本発明では、かかる化合物は同位体標識された化合物をも含み、前記同位体標識された化合物は、式Iで示されたものと同じであるが、その1つ又は複数の原子が、通常天然に存在する原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子によって置き換えられている。本発明の化合物に組み込まれてよい同位体の例としては、H、C、N、O、P、S、F及びClの同位体が含まれ、例えば、それぞれH、H、13C、11C、14C、15N、18O、17O、32P、35S、18F及び36Clである。上記同位体及び/又は他の原子の他の同位体を含む本発明の化合物、そのプロドラッグ、又は前記化合物又は前記プロドラッグの薬学的に許容される塩は、本発明の範囲内である。本発明のいくつかの同位体標識された化合物、例えば、放射性同位体(例えばH及び14C)が組み込まれている化合物は、薬物及び/又は基質組織分布の測定に用いることができる。トリチウム(即ちH)及び炭素14(即ち14C)同位体は、調製のしやすさと検出可能性から特に好ましい。なお、重い同位体(例えば重水素、即ちH)による置き換えは、より高い代謝安定性によるいくつかの治療上の優位性(例えば、インビボ半減期の増加又は投与必要量の低減)を得ることができるので、いくつかの場合では好ましい。請求項で特許請求される本発明の化合物は、特に、重水素又はトリチウムによる置き換えに限定され得る。また、用語「重水素」又は「トリチウム」を個別に列挙していないが、置換基中の水素は、重水素又はトリチウムを除外するものではなく、同様に重水素又はトリチウムを含むことができる。
【0067】
用語「有効量」又は「治療有効量」は、意図された用途(上記で定義された疾患の診断、予防又は治療を含むが、これらに限定されない)を果たすのに十分な本発明に記載の化合物の量を指す。治療有効量は、意図された用途(インビトロ又はインビボ)、又は治療される被験者及び病状(例えば、被験者の体重及び年齢、病状の重症度)、及び投与方式等に応じて変動し得るが、当業者は容易に決定することができる。具体的な用量は、選択された特定の化合物、準拠される投与計画、他の化合物と併用投与されるか否か、投与のタイミング、化合物が投与される組織、及び化合物を運ぶ物理的送達系に応じて変動する。
【0068】
用語「溶媒和物」は、本発明の化合物の上記した形態が固体又は液体の状態で溶媒分子と配位することで形成される錯体である。水和物は、溶媒和物の特定の形態であり、ここで配位は水との間で行われる。本発明では、溶媒和物は、好ましくは水和物である。さらに、本発明の一般式Iの化合物の薬学的に許容される溶媒和物(水和物)は、化合物Iと化学量論的に1つ又は複数の分子の水又は他の溶媒とが形成される共晶及びクラスレート化合物である。溶媒和物に使用できる溶媒は、水、メタノール、エタノール、グリコール及び酢酸を含むが、これらに限定されない。
【0069】
用語「プロドラッグ」は「薬物前駆体」とも呼ばれ、化合物が体内で前記一般式又は特定の化合物によって示される化合物に変換されることを表す。このような変換は、血液における前駆体薬物の加水分解又は血液や組織における前駆体構造への酵素的変換によって影響を受ける。本発明のプロドラッグはエステルであり得、本発明において、プロドラッグとすることができるエステルは、フェニルエステル類、脂肪族エステル類、アシルオキシメチルエステル類、炭酸エステル、カルバメート類及びアミノ酸エステル類がある。例えば、本発明の1つの化合物がヒドロキシル基/カルボキシル基を含むと、それをアシル化して前駆体薬物形態の化合物を得ることができる。その他のプロドラッグ形態は、前駆体上のヒドロキシル基のリン酸化によって得られるようなリン酸エステル類化合物を含む。
【図面の簡単な説明】
【0070】
図1】化合物5を14日間連続胃内注入したラットの体重変化である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
[有益な効果]
本発明で提供される化合物は、良好なGHSRアゴニスト活性を有する。本発明の化合物は、良好な生物学的活性と良好な安全性を有するとともに、膜貫通活性と薬物バイオアベイラビリティーを向上した。本発明の化合物は、現在国内で用いられる組換えヒト成長ホルモンによる疾患治療に存在する注射投与のコンプライアンスが低く、臨床診断における特異性薬物が不足している等の多くの問題に対して、臨床コンプライアンスが改善され、成長遅延分野の疾患の診断、予防又は治療のための様々な場面で組換えヒト成長ホルモンの使用に取って代わることが期待される。
【0072】
[発明を実施するための形態]
以下において、本発明の技術的解決手段を具体的な実施例によってさらに詳細に説明する。以下の実施例は本発明を例示的に説明及び解釈するためのものに過ぎず、本発明の保護範囲の制限として解釈されるべきではないことを理解すべきである。本発明の上記内容を基に実現された技術は全て、本発明の意図する保護範囲内に含まれる。
【0073】
本発明の化合物の構造は、核磁気共鳴(NMR)又は/及び液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS)により決定される。NMRケミカルシフト(δ)は10-6(ppm)の単位で示される。NMRの測定はBruker AVANCE-400核磁気共鳴装置を使用し、測定溶媒が重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d )、重水素化メタノール(CDOD)及び重水素化クロロホルム(CDCl)であり、内部標準物質がテトラメチルシラン(TMS)である。
【0074】
液体クロマトグラフィー質量分析LC-MSの測定は、Agilent 1200 Infinity Series質量分析計を使用した。HPLCの測定は、Aglient1200DAD高圧液体クロマトグラフィー(Sunfire C18 150×4.6mmクロマトグラフィカラム)及びWaters 2695-2996高圧液体クロマトグラフィー(Gimini C18 150×4.6mmクロマトグラフィカラム)を使用した。
【0075】
薄層クロマトグラフィーシリカゲル平板は、煙台黄海HSGF254又は青島GF254シリカゲル平板を使用し、TLCで採用された規格は、0.15mm~0.20mmであり、薄層クロマトグラフィー分離精製製品で採用された規格は、0.4mm~0.5mmであった。カラムクロマトグラフィーは、一般に、煙台黄海シリカゲル200~300メッシュのシリカゲルを担体として使用する。
【0076】
特に断らない限り、以下の実施例で使用される原料及び試薬はいずれも市販品であるか、又は既知の方法によって調製することができる。特に説明しない限り、本発明の全ての反応はいずれも連続的な磁気撹拌で、乾燥窒素又はアルゴンの雰囲気において行われ、溶媒は乾燥溶媒であり、反応温度の単位はセルシウス度である。
【0077】
実施例1
(2S)-2-アミノ-N-(1-{[((2R)-3-(ベンジルオキシ)-1-{1-メタンスルホニル-1,2-ジヒドロスピロ[インドール-3,4-ピペリジン]-1-イル}-1-オキソプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メチルエチル)グルタルアミド
【化22】
【0078】
ステップ1
N-[(1S)-1-[[1-{[(2R)-3-(ベンジルオキシ)-1-{1-メタンスルホニル-1,2-ジヒドロスピロ[インドール-3,4-ピペリジン]-1-イル}-1-オキソプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メチルエチル)カルバモイル]-3-カルバモイルプロピル]カルバミン酸tert-ブチルの調製
イブタモレン1a(350mg、0.66mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(255mg、1.98mmol)、2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(376mg、0.99mmol)、及び(2S)-2-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}-4-カルバモイルブタン酸(195mg、0.79mmol)を混合物に添加する。反応を25℃で1時間撹拌する。反応終了後、溶媒を回転乾燥して粗生成物を得て、粗生成物を逆相カラム(アセトニトリル:水=1:1)で分離及び精製してN-[(1S)-1-[(1-{[(2R)-3-(ベンジルオキシ)-1-{1-メタンスルホニル-1,2-ジヒドロスピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1’-イル}-1-オキソプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メチルエチル)カルバモイル]-3-カルバモイルプロピル]カルバミン酸tert-ブチル1b(300mg、白色の固体)を得て、収率は54%であった。
【0079】
MS m/z(ESI):757.2[M+1]
【0080】
ステップ2
(2S)-2-アミノ-N-(1-{[((2R)-3-(ベンジルオキシ)-1-{1-メタンスルホニル-1,2-ジヒドロスピロ[インドール-3,4-ピペリジン]-1-イル}-1-オキソプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メチルエチル)グルタルアミドの調製
N-[(1S)-1-[[1-{[(2R)-3-(ベンジルオキシ)-1-{1-メタンスルホニル-1,2-ジヒドロスピロ[インドール-3,4-ピペリジン]-1-イル}-1-オキソプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メチルエチル)カルバモイル]-3-カルバモイルプロピル]カルバミン酸tert-ブチル1b(300mg、0.4mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(3mL)を加える。該反応は室温で1時間撹拌する。反応終了後、溶媒を回転乾燥して粗生成物を得、粗生成物を逆相カラム(アセトニトリル:水=2:3)で分離精製して生成物の(2S)-2-アミノ-N-(1-{[((2R)-3-(ベンジルオキシ)-1-{1-メタンスルホニル-1,2-ジヒドロスピロ[インドール-3,4-ピペリジン]-1-イル}-1-オキソプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メチルエチル)グルタルアミド1(179mg、薄黄色の固体)を得て、収率は68%であった。
【0081】
MS m/z(ESI):657.2[M+1]
HPLC:99.28%(214nm),100%(254nm)。
HnmR(400MHz,MeOD) δ 7.67(dd,J=24.4,8.0Hz,1H),7.36-7.25(m,7H),7.25-7.18(m,1H),7.06-6.96(m,1H),6.76(d,J=7.4Hz,1H),5.20-5.16(m,1H),4.56(s,1H),4.54-4.44(m,2H),4.10-4.04(m,1H),3.98-3.84(m,3H),3.76-3.65(m,2H),3.28-3.09(m,1H),2.96(d,J=7.2Hz,3H),2.90-2.80(m,1H),2.47(t,J=7.4Hz,2H),2.15-2.09(m,2H),1.99-1.85(m,1H),1.74-1.66(m,3H),1.51(t,J=6.0Hz,6H)。
【0082】
実施例2
N-(1-{[(2R)-3-(ベンジルオキシ)-1-{1-メタンスルホニル-1,2-ジヒドロスピロ[インドール-3,4-ピペリジン]-1-イル]-1-オキソプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メチルエチル)カルバミン酸エステル
【化23】
【0083】
ステップ1
N-(1-{[(2R)-3-(ベンジルオキシ)-1-{1-メタンスルホニル-1,2-ジヒドロスピロ[インドール-3,4-ピペリジン]-1-イル]-1-オキソプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メチルエチル)カルバミン酸エステルの調製
イブタモレン1a(300mg)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、飽和炭酸ナトリウム溶液(4mL)及びクロロ炭酸エチル(75mg)を加える。該反応は室温で1時間撹拌する。反応終了後、減圧・濃縮し、粗生成物を逆相カラム(アセトニトリル:水=1:5)に通してN-(1-{[(2R)-3-(ベンジルオキシ)-1-{1-メタンスルホニル-1,2-ジヒドロスピロ[インドール-3,4-ピペリジン]-1-イル]-1-オキソプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メチルエチル)カルバミン酸エステル2(210mg、白色の固体)を得て、収率は62%であった。
【0084】
MS m/z(ESI):601.4[M+1]
HPLC:100%(214nm),100%(254nm)。
HnmR(400MHz,CDCl) δ 7.41-7.31(m,4H),7.30-7.19(m,1H),7.24-7.19(m,1H),7.12-7.04(m,1H),6.98-6.94(m,1H),6.61(d,J=7.2Hz,1H),5.21-5.12(m,2H),4.68-4.44(m,3H),4.08(dd,J=14.2,7.2Hz,2H),4.02-3.98(m,1H),3.89-3.81(m,1H),3.77(d,J=10.4Hz,1H),3.73-3.68(m,1H),3.62-3.58(m,1H),3.18-3.00(m,1H),2.90(d,J=4.4Hz,2H),2.85-2.67(m,1H),1.94-1.83(m,1H),1.80-1.61(m,3H),1.52(d,J=8.4Hz,6H),1.23(t,J=7.2Hz,3H)。
【0085】
実施例3
(2S)-2,6-ジアミノ-N-(1-{[(2R)-3-(ベンジルオキシ)-1-{1-メタンスルホニル-1,2-ジヒドロスピロ[インドール-3,4-ピペリジン]-1-イル]-1-オキソプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メチルエチル)ヘキサンアミド
【化24】
【0086】
ステップ1
N-[(5S)-5-[(1-{[(2R)-3-(ベンジルオキシ)-1-{1-メタンスルホニル-1,2-ジヒドロスピロ[インドール-3,4-ピペリジン]-1-イル]-1-オキソプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メチルエチル)カルバモイル]-5-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}ペンチル]カルバミン酸tert-ブチルの調製
イブタモレン1a(200mg、0.38mmol)をN,N-ジメチルフォルムアミド(3mL)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(147mg、1.14mmol)及び2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(216mg、0.57mmol)を加え、最後に(2S)-2,6-ビス({[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ})ヘキサン酸(158mg、0.46mmol)を加える。該反応は室温で1時間撹拌する。反応終了後、減圧・濃縮し、粗生成物を逆相カラム(アセトニトリル:水=72%)に通してN-[(5S)-5-[(1-{[(2R)-3-(ベンジルオキシ)-1-{1-メタンスルホニル-1,2-ジヒドロスピロ[インドール-3,4-ピペリジン]-1-イル]-1-オキソプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メチルエチル)カルバモイル]-5-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}ペンチル]カルバミン酸tert-ブチル3a(280mg、白色の固体)を得て、収率は86%であった。
【0087】
MS m/z(ESI):857.4[M+1]
【0088】
ステップ2
(2S)-2,6-ジアミノ-N-(1-{[(2R)-3-(ベンジルオキシ)-1-{1-メタンスルホニル-1,2-ジヒドロスピロ[インドール-3,4-ピペリジン]-1-イル]-1-オキソプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メチルエチル)ヘキサンアミドの調製
N-[(5S)-5-[(1-{[(2R)-3-(ベンジルオキシ)-1-{1-メタンスルホニル-1,2-ジヒドロスピロ[インドール-3,4-ピペリジン]-1-イル]-1-オキソプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メチルエチル)カルバモイル]-5-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}ペンチル]カルバミン酸tert-ブチル3a(280mg、0.33mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(3mL)を加える。該反応は室温で1時間撹拌する。反応終了後、減圧・濃縮し、粗生成物を逆相カラム(アセトニトリル:水=40%)に通して(2S)-2,6-ジアミノ-N-(1-{[(2R)-3-(ベンジルオキシ)-1-{1-メタンスルホニル-1,2-ジヒドロスピロ[インドール-3,4-ピペリジン]-1-イル]-1-オキソプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メチルエチル)ヘキサンアミド3(210mg、白色の固体)を得て、収率は97%であった。
【0089】
MS m/z(ESI+):657.3[M+1]
HPLC:100%(214nm),100%(254nm)。
HnmR(400MHz,d-DMSO) δ 8.61-8.48(m,1H),8.12-8.09(m,2H),7.84-7.78(m,3H),7.61(d,J=8.0Hz,0.5H),7.38-7.22(m,6H),7.07-6.97(m,1H),6.88(d,J=8.0Hz,0.5H),4.99-4.96(m,1H),4.51(s,1H),4.47(d,J=9.2Hz,1H),4.43-4.39(m,1H),3.95-3.85(m,3H),3.76(s,1H),3.65(dd,J=16.4,8.2Hz,1H),3.59-3.48(m,1H),3.34(s,3H),3.21-3.11(m,1H),3.05(d,J=6.4Hz,3H),2.89-2.69(m,3H),1.80-1.52(m,8H),1.45(d,J=12.8Hz,3H),1.39-1.36(m,4H)。
【0090】
実施例4
(S)-2-アミノ-N-(1-(((R)-3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メタンスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)-3-(1H-インドール-2-イル)プロピオンアミド
【化25】
【0091】
ステップ1
9H-フルオレン-9-イル-メチルN-[(1S)-1-[(1-{[(2R)-3-(ベンジルオキシ)-1-{1-メタンスルホニル-1,2-ジヒドロスピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1’-イル]-1-オキソプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メチルエチル)カルバモイル]-2-(1H-インドール-2-イル)エチル]カルバメートの調製
化合物イブタモレン1a(200mg、0.38mmol)をDMF(3mL)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(145mg、0.12mmol)、HATU(300mg、0.78mmol)、及び((9H-フルオロ-9-イル)メトキシ)カルボニル)-L-トリプトファン(243mg、0.57mmol)を加え、反応液を25℃で2時間撹拌する。反応液に水(20mL)を加えてクエンチングし、酢酸エチルで抽出し(3x20mL)、飽和食塩水で洗浄し(3x20mL)、濃縮して得られた残留物を調製クロマトグラフィー(アセトニトリル/水)で精製した後、化合物4a(250mg、白色の固体)を得て、収率は71%であった。
【0092】
MS m/z(ESI):937.0[M+1]
【0093】
ステップ2
(S)-2-アミノ-N-(1-(((R)-3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メタンスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)-3-(1H-インドール-2-イル)プロピオンアミドの調製
化合物4a(200mg)をアセトニトリル(10mL)に溶解し、ピペリジン(178mg、2.1mmol)を加え、反応液を25℃で1時間撹拌する。反応液を濃縮して得られた残留物を調製クロマトグラフィー(アセトニトリル/水)で精製した後、化合物4(52.4mg、白色の固体)を得て、収率は33%であった。
【0094】
MS m/z(ESI):715.0[M+1]
HnmR(400MHz,DMSO) δ 10.84(s,1H),8.14(d,J=12.4Hz,1H),7.81(dd,J=17.7,8.9Hz,1H),7.57(t,J=9.3Hz,1H),7.40‐7.27(m,7H),7.22(dd,J=16.0,8.2Hz,2H),7.16(s,1H),7.05(dd,J=16.6,10.7Hz,1H),6.96(dd,J=20.2,8.8Hz,2H),5.11-4.89(m,1H),4.54‐4.46(m,2H),4.37(dd,J=14.0,7.9Hz,1H),4.04‐3.93(m,1H),3.93‐3.84(m,2H),3.69(dd,J=10.3,2.8Hz,1H),3.60‐3.47(m,1H),3.41(dd,J=15.9,6.2Hz,2H),3.22‐3.06(m,2H),3.05(d,J=4.8Hz,3H),2.83‐2.70(m,2H),1.67-1.50(m,4H),1.38(s,6H)。
【0095】
実施例5
(4R)-7,7-ジメチル-4-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1’-カルボニル)-6,9-ジオキサ-1-フェニル-2,10-ジオキサ-5,8-ジアザドデカン-11-イソプチレート
【化26】
【0096】
ステップ1
o-(1-クロロエチル)エチルチオカーボネートの調製
化合物1-クロロエチルクロロギ酸エステル5a(3g、0.02mol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、続いて臭化テトラブチルアンモニウム(TBAB)(0.34g)を加え、エタンチオール酸ナトリウム(1.76g、0.02mol)を水(10mL)に溶解した後、反応液に滴下し、反応液を25℃で16時間撹拌する。反応液を層別化し、有機層を水で洗浄し(20mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して化合物5b(2.0g、収率は56%)を得て、黄色の油状物であった。
【0097】
HnmR(400MHz,CDCl) δ 6.60(q,J=5.8Hz,1H),2.97-2.86(m,2H),1.81(d,J=5.8Hz,3H),1.34(t,J=7.4Hz,3H)。
【0098】
ステップ2
1-{[(エチルチオ)カルボニル]オキシ}エチルイソプチレートの調製
化合物5b(700mg、4.15mmol)をイソ酪酸(2.2g、25mmol)に溶解してから、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.6g、12.5mmol)を加え、反応液を55℃で48時間撹拌する。反応液に水(20mL)を加えてクエンチングし、酢酸エチルで抽出し(20mL)、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し(3x30mL)、飽和食塩水で洗浄し(2x20mL)、濃縮して残留物5c(850mg、薄黄色の油状物)を得た。
【0099】
HnmR(400MHz,CDCl):δ 6.94(q,J=5.4Hz,1H),2.92‐2.83(m,2H),2.59(dt,J=4.3,2.4Hz,1H),1.50(d,J=5.5Hz,3H),1.32(td,J=7.3,3.6Hz,3H),1.20(d,J=7.0Hz,6H)。
【0100】
ステップ3
1-((クロロカルボニル)オキシイソ酪酸エチルの調製
スルホニルクロリド(147mg、1.09mmol)を0~5℃で化合物1-{[(エチルスルフォンアミド)カルボニル]オキシ}エチル2-メチルプロピオン酸エチル5c(200mg、0.91mmol)に徐々に滴下し、反応液を25℃で45分間撹拌する。反応液を濃縮して得られた残留物5dは、そのまま次のステップに使用することができる。
【0101】
ステップ4
1-{[(1-{[(2R)-3-(ベンジルオキシ)-1-{1-メタンスルホニル-1,2-ジヒドロスピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1’-イル}-1-オキソプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メチルエチル)カルバモイル]オキシ}2-メチルプロピオン酸エチルの調製
化合物5d(60mg、0.11mmol)及びイブタモレン1aをジクロロメタン(3mL)に溶解し、続いて水酸化ナトリウム(22mg、0.22mmol)を5mLの水に溶解してから反応液に徐々に滴下し、反応液を25℃で2時間撹拌する。有機層を濃縮して得られた残留物を調製クロマトグラフィー(アセトニトリル/水)で精製した後、化合物5(58mg、白色の固体)を得て、収率は72%であった。
【0102】
MSm/z(ESI):687.0[M+1]
HnmR(400MHz,MeOD) δ 7.79‐7.59(m,1H),7.42‐7.26(m,6H),7.25‐7.16(m,1H),6.99-6.90(m,1H),6.81‐6.66(m,1H),5.18‐5.11(m,1H),4.59‐4.49(m,2H),4.18‐3.97(m,1H),3.99‐3.84(m,2H),3.81‐3.63(m,2H),3.26‐3.16(m,2H),2.96(d,J=6.4Hz,3H),2.87-2.8(m,1H),2.52-2.50(m,1H),2.06‐1.55(m,4H),1.51‐1.31(m,9H),1.11-1.02(m,6H)。
【0103】
実施例6
(4R,11R)-7,7-ジメチル-4-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1’-カルボニル)-6,9-ジオキサ-1-フェニル-2,10-ジオキサ-5,8-ジアザドデカン-11-イソプチレート
(4R,11S)-7,7-ジメチル-4-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1’-カルボニル)-6,9-ジオキサ-1-フェニル-2,10-ジオキサ-5,8-ジアザドデカン-11-イソプチレート
【化27】
【0104】
上記で調製した化合物5をキラル分割により化合物5Aと化合物5Bを得た。分離条件について、クロマトグラフィカラムはDaicel CHIRALPAK IC_3,3.0*150mm,3umであり、移動相はA/B:CO/MeOH=60/40であり、流速は1.5mL/minであり、カラム温度は37℃である。
【0105】
化合物5A:
=1.582min。
MSm/z(ESI):687.0[M+1]
HnmR(300MHz,dmso) δ 7.80‐7.49(m,2H),7.42‐7.15(m,8H),7.08‐6.85(m,2H),6.67‐6.56(m,1H),4.97(d,J=7.2Hz,1H),4.44(dd,J=30.4,12.1Hz,3H),3.90(d,J=6.8Hz,3H),3.72‐3.45(m,2H),3.15(s,1H),3.04(d,J=2.2Hz,3H),2.80(s,1H),1.66(s,4H),1.45‐1.28(m,9H),1.06(d,J=6.9Hz,6H)。
【0106】
化合物5B:
=1.815min。
MSm/z(ESI):687.0[M+1]
HnmR(300MHz,dmso) δ 7.77‐7.50(m,2H),7.42‐7.15(m,8H),7.09‐6.85(m,2H),6.67‐6.57(m,1H),4.97(d,J=7.2Hz,1H),4.44(dd,J=28.5,13.9Hz,3H),3.97(dd,J=38.3,7.0Hz,3H),3.74‐3.43(m,2H),3.15(s,1H),3.04(d,J=2.3Hz,3H),2.80(s,1H),1.66(s,3H),1.45‐1.30(m,9H),1.09‐1.02(m,6H)。
【0107】
実施例7
(R)-4-アミノ-N-(1-((3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メタンスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)ブチルアミン
【化28】
【0108】
ステップ1
(R)-(4-((1-((3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メタンスルホニル)スピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-4-オキソブチル)カルバミン酸tert-ブチルの調製
イブタモレン1a(150mg、0.28mmol)を乾燥したDMF(5mL)に溶解し、続いて4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブタン酸(69mg、0.34mmol)、HATU(320mg、0.84mmol)及びDIPEA(181mg、1.40mmol)を加える。反応液を室温で3時間撹拌する。反応液を調製クロマトグラフィー(アセトニトリル/水)で精製した後、(R)-(4-((1-((3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メタンスルホニル)スピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-4-オキソブチル)カルバミン酸tert-ブチル7a(162mg、白色の固体)を得て、収率は80%であった。
【0109】
MS m/z(ESI):714.3.[M+1]
【0110】
ステップ2
(R)-4-アミノ-N-(1-((3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メタンスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)ブチルアミンの調製
(R)-(4-((1-((3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メタンスルホニル)スピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-4-オキソブチル)カルバミン酸tert-ブチル7a(160mg、0.22mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、続いてトリフルオロ酢酸(0.5mL)を加える。反応液を室温で1時間撹拌する。反応液を濃縮した後、調製クロマトグラフィー(30%のアセトニトリル/水)で精製し、(R)-4-アミノ-N-(1-((3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メタンスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)ブチルアミン7(28.1mg、白色の固体)を得て、収率は21%であった。
【0111】
MS m/z(ESI):615.3[M+1]
HnmR(400MHz,CDCl) δ 8.01(s,2H),7.63-7.45(m,1H),7.40-7.31(m,3H),7.28(s,1H),7.23(d,J=6.1Hz,2H),7.11-6.92(m,1H),6.70(d,J=7.5Hz,1H),5.13(br s,1H),4.59-4.42(m,2H),4.04(s,1H),3.87-3.74(m,2H),3.73-3.55(m,2H),3.20-3.08(m,1H),3.06-2.82(m,4H),2.79-2.76(m,1H),2.47(s,2H),2.01-1.98(m,2H),1.92(s,1H),1.89-1.83(m,3H),1.70-1.63(m,2H),1.50(s,6H)。
HPLC:99.71%(214nm),98.47%(254nm)。
【0112】
実施例8
(R)-N-(1-((3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メタンスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)オレアミド
【化29】
【0113】
ステップ1
(R)-N-(1-((3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メタンスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)オレアミドの調製
化合物イブタモレン1a(200mg、0.38mmol)をDCM(5mL)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(147mg、1.14mmol)、HATU(288mg、0.76mmol)及びオレイン酸(161mg、0.57mmol)を加え、反応液を25℃で1時間撹拌する。反応液を濃縮して得られた残留物を高速液体調製クロマトグラフィー(アセトニトリル/水)で精製した後、化合物8(150mg、白色の固体)を得て、収率は47%であった。
【0114】
MS m/z(ESI)::793.5 [M+1]
HnmR(400MHz,CDCl3) δ 7.40‐7.30(m,4H),7.27 -2.25(m,2H),7.24‐7.17(m,1H),7.11‐6.91(m,2H),6.60(d,J=7.6Hz,1H),5.99(s,1H),5.43‐5.26(m,2H),5.21‐5.04(m,1H),4.70‐4.41(m,3H),4.19‐3.91(m,1H),3.90‐3.65(m,3H),3.59 -3.55(m,1H),3.18‐2.98(m,1H),2.90(d,J=4.6Hz,3H),2.84‐2.68(m,1H),2.24‐2.13(m,2H),2.00-1.98(m,3H),1.87-1.82(m,1H),1.74‐1.66(m,2H),1.58-1.55(m,10H),1.26 -1.20(m,20H),0.88(t,J=6.8Hz,3H)。
【0115】
実施例9
(ホスホノオキシ)メチル(R)-(1-((3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メタンスルホニル)スピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート
【化30】
【0116】
ステップ1
クロロメチル(R)-(1-((3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメートの調製
イブタモレン1a(264mg、0.50mmol)及びクロロメチルクロロホルメート(71mg、0.55mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、水(10mL)及び水酸化ナトリウム(40mg、1.0mmol)を加える。反応液を室温で2時間撹拌する。反応液を静置、層別化する。有機相を乾燥・濃縮した後、クロロメチル(R)-(1-((3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート9a(310mg、無色の油状物)を得て、収率は100%であった。
【0117】
MS m/z(ESI):621.2[M+1]
【0118】
ステップ2
((ジ-tert-ブトキシホスホリル)オキシ)メチル(R)-(1-((3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメートの調製
クロロメチル(R)-(1-((3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート9a(310mg、0.50mmol)を乾燥したテトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、ジ-tert-ブチルりん酸テトラ-N-ブチルアンモニウム(678mg、1.50mmol)及びヨウ化ナトリウム(225mg、1.50mmol)を加える。反応液を室温で24時間撹拌する。反応液を濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1/1)で精製した後、((ジ-tert-ブトキシホスホリル)オキシ)メチル(R)-(1-((3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート9b(200mg、黄色の油状物)を得て、収率は50%であった。
【0119】
MS m/z(ESI):817.2[M+23]
【0120】
ステップ3
(ホスホノオキシ)メチル(R)-(1-((3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メタンスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメートの調製
((ジ-tert-ブトキシホスホリル)オキシ)メチル(R)-(1-((3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート9b(119mg、0.15mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、続いてトリフルオロ酢酸(1mL)を加える。反応液を室温で3時間撹拌する。反応液を濃縮した後、逆相カラム(35%のアセトニトリル/水)で精製し、(ホスホノオキシ)メチル(R)-(1-((3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メタンスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート9(35.6mg、白色の固体)を得て、収率は34%であった。
【0121】
MS m/z(ESI):683.2[M+1]
HnmR(400MHz,DMSO) δ 7.83-7.62(m,2H),7.44-7.10(m,7H),6.98-6.85(m,2H),5.4-5.32(m,2H),4.97(s,1H),4.56-4.25(m,3H),3.88(s,3H),3.59-3.52(m,2H),3.23- 3.10(m,1H),3.03(s,3H),2.85-2.70(m,1H),1.62(br s,4H),1.36(br s,6H)。
【0122】
実施例10
((ジエトキシホスホリル)オキシ)メチル(R)-(1-((3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート
【化31】
【0123】
ステップ1
クロロメチル(R)-(1-((3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメートの調製
イブタモレン1a(264mg、0.50mmol)及びクロロメチルクロロホルメート(71mg、0.55mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、水(10mL)及び水酸化ナトリウム(40mg、1.0mmol)を加える。反応液を室温で2時間撹拌する。反応液を静置、層別化する。有機相を乾燥・濃縮した後、クロロメチル(R)-(1-((3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート10a(310mg、無色の油状物)を得て、収率は100%であった。
【0124】
MS m/z(ESI):621.3[M+1]
【0125】
ステップ2
((ジエトキシホスホリル)オキシ)メチル(R)-(1-((3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメートの調製
クロロメチル(R)-(1-((3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート10a(310mg、0.50mmol)を乾燥したテトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、化合物ジエチル-ブチルりん酸テトラ-N-ブチルアンモニウム(593mg、1.50mmol)及びヨウ化ナトリウム(225mg、1.50mmol)を加える。反応液を室温で24時間撹拌する。反応液を濃縮した後、調製クロマトグラフィー(55%のアセトニトリル/水)で精製し、((ジエトキシホスホリル)オキシ)メチル(R)-(1-((3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート10(86mg、白色の固体)を得て、収率は12%であった。
【0126】
MS m/z(ESI):739.2[M+1]
HnmR(400MHz,CDCl):δ 7.43-7.27(m,5.5H),7.27-7.17(m,2H),7.11-6.96(m,2H),6.63(d,J=7.4Hz,0.5H),5.82(s,1H),5.59(d,J=13.5Hz,2H),5.20-5.13(m,1H),4.69-4.42(m,3H),4.22-4.07(m,4H),3.89-3.65(m,3H),3.63-3.58(m,1H),3.17-3.01(m,1H),2.91(d,J=4.7Hz,3H),2.85-2.68(m,1H),1.84-1.67(m,4H),1.59-1.57(m,6H),1.34(t,J=7.0Hz,6H)。
31PnmR(162MHz,CDCl):δ -2.59(s,1H)。
【0127】
実施例11
(4R)-7,7-ジメチル-4-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-カルボニル)-6,9-ジオキサ-1-フェニル-2,10-ジオキサ-5,8-ジアザドデカン-11-プロピオネート
【化32】
【0128】
ステップ1
1-((エチルチオ)カルボニル)オキシプロピオン酸エチルの調製
o-(1-クロロエチル)チオ-エチルカーボネート(2g、0.0119mol)をプロピオン酸(4.4g、0.0595mol)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(4.6g、0.0357mol)を加える。得られた溶液を55℃で48h撹拌し、反応を停止し、水(30mL)及び酢酸エチル(30mL)で洗浄する。有機相を飽和NaHCO(3x30mL)溶液で洗浄し、続いて塩水(1x30mL)で洗浄する。溶媒を蒸留により除去し、必要とする製品の1-((エチルチオ)カルボニル)オキシプロピオン酸エチル(850mg、黄色の油状物)を得て、収率は83%であった。
【0129】
HnmR(400MHz,CDCl) δ 6.94(q,J=5.4Hz,1H),2.92‐2.83(m,2H),2.59(dt,J=4.3,2.4Hz,1H),1.50(d,J=5.5Hz,3H),1.32(td,J=7.3,3.6Hz,3H),1.20(d,J=7.0Hz,6H)。
【0130】
ステップ2
(クロロカルボニル)オキシプロピオン酸エチル
スルホニルクロリド(147mg、1.089mmol)を1-((エチルチオ)カルボニル)オキシプロピオン酸エチル(200mg、0.907mmol)に添加し、温度0~5℃で5分間撹拌する。全ての試薬を加えた後、室温でさらに45分間撹拌する。続いて室温でEtSClを蒸留により除去する。該製品は、さらに精製することなく次のステップに使用する。
【0131】
ステップ3
(4R)-7,7-ジメチル-4-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-カルボニル)-6,9-ジオキサ-1-フェニル-2,10-ジオキサ-5,8-ジアザドデカン-11-プロピオネートの調製
ナスフラスコにイブタモレン1a(50mg、0.09mmol)及び(クロロカルボニル)オキシプロピオン酸エチル(51mg、0.28mmol)を加え、ジクロロメタン(15mL)を加える。続いて水酸化ナトリウム(19mg、0.19mmol)を水(5mL)に加え、室温で混合して2h撹拌する。有機層を集中して濃縮した後、調製クロマトグラフィーで精製し(クロマトグラフィカラム:Kromasil-C18 100x21.2mm。移動相:アセトニトリル-水勾配:30-40)、(4R)-7,7-ジメチル-4-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-カルボニル)-6,9-ジオキサ-1-フェニル-2,10-ジオキサ-5,8-ジアザドデカン-11-プロピオネート11(23mg、黄色の固体)を得て、収率は35%であった。
【0132】
MS m/z(ESI):673.2[M+1]
HnmR(400MHz,DMSO) δ 7.65(dd,J=34.3,11.5Hz,2H),7.52(d,J=7.5Hz,1H),7.31‐7.26(m,5H),7.01(t,J=7.3Hz,1H),6.94(d,J=7.3Hz,1H),6.85(t,J=7.0Hz,1H),6.61(d,J=5.3Hz,1H),4.94(d,J=6.1Hz,1H),4.48‐4.43(m,2H),3.93‐3.60(m,6H),3.01(d,J=3.9Hz,5H),1.63(s,4H),1.34(dd,J=10.5,5.2Hz,4H),1.29(s,6H),0.98‐0.93(m,4H)。
【0133】
実施例12
(4R)-7,7-ジメチル-4-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1’-カルボニル)-6,9-ジオキサ-1-フェニル-2,10-ジオキサ-5,8-ジアザドデカン-11-イル-2-メチルブチレート
【化33】
【0134】
ステップ1
1-((エチルチオ)カルボニルオキシ)2-メチル酪酸エチルの調製
(1-クロロエトキシ)(エチルスルフォンアミド)メタノン(2.00g、11.86mmol)を2-メチルブタン酸(6.5mL、59.30mmol)に溶解し、続いてN,N-ジイソプロピルエチルアミン(4.60g、35.58mmol)を加える。反応液を55Cで48時間反応する。室温まで冷却した後、反応液に水と酢酸エチルを加えて抽出し、有機相を飽和炭酸ナトリウム溶液で洗浄してから、飽和食塩水で洗浄し、有機相を乾燥・濃縮した後、1-((エチルチオ)カルボニルオキシ)2-メチル酪酸エチル(1.4g、黄色の油状物)を得て、収率は50%であった。
【0135】
HnmR(400MHz,CDCl) δ 6.95(q,J=5.4Hz,1H),2.90-2.84(m,2H),2.41-2.35(m,1H),1.74-1.62(m,1H),1.51(d,J=5.5Hz,3H),1.48-1.41(m,1H),1.31(t,J=7.4Hz,3H),1.15(dd,J=7.0,3.5Hz,3H),0.91(td,J=7.4,1.8Hz,3H)。
【0136】
ステップ2
1-((クロロカルボニル)オキシ)2-メチル酪酸エチルの調製
スルホニルクロリド(138mg、1.02mmol)を0℃で1-((エチルチオ)カルボニルオキシ)2-メチル酪酸エチル(200mg、0.85mmol)に滴下し、反応液を室温で1時間撹拌する。反応液を減圧・濃縮した後、1-((クロロカルボニル)オキシ)2-メチル酪酸エチル(178mg、黄色の油状物)の粗生成物を得、該粗生成物はそのまま次のステップに供給される。
【0137】
ステップ3
(4R)-7,7-ジメチル-4-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1’-カルボニル)-6,9-ジオキサ-1-フェニル-2,10-ジオキサ-5,8-ジアザドデカン-11-イル-2-メチルブチレートの調製
イブタモレン1a(50mg、0.095mmol)及び1-((クロロカルボニル)オキシ)2-メチル酪酸エチル(28mg、0.28mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、水(5mL)及び水酸化ナトリウム(19mg、0.19mmol)を加える。反応液を室温で2時間撹拌する。反応液を静置、層別化する。有機相を乾燥・濃縮して得られた残留物を逆相カラム(55%のアセトニトリル/水)で精製した後、(4R)-7,7-ジメチル-4-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1’-カルボニル)-6,9-ジオキサ-1-フェニル-2,10-ジオキサ-5,8-ジアザドデカン-11-イル-2-メチルブチレート12(9.1mg、白色の固体)を得て、収率は13%であった。
【0138】
MS m/z(ESI):701.2[M+1]
【0139】
HnmR(400MHz,CDCl) δ 7.39-7.28(m,5.5H),7.23-7.17(m 1H),7.07-6.96(m,2H),6.79-6.78(m,1H),6.64-6.61(m,0.5H),5.53-5.42(m,1H),5.23-5.09(m,1H),4.69-4.39(m,3H),4.10-3.97(m,1H),3.91-3.51(m,4H),3.16-3.02(m,1H),2.90(d,J=4.4Hz,3H),2.87-2.73(m,1H),2.40-2.32(m,1H),1.96-1.77(m,2H),1.74-1.64(m,4H),1.56-1.54(m,6H),1.45(t,J=5.7Hz,3H),1.13(dd,J=6.9,1.8Hz,3H),0.90(t,J=7.4Hz,3H)。
【0140】
実施例13
(4R)-7,7-ジメチル-4-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-カルボニル)-6,9-ジオキシ-1--1-フェニル-2,10-ジオキサ-5,8-ジアザドデシルウンデシルシクロヘキサンカルボキシレート
【化34】
【0141】
ステップ1
1-(((エチルチオ)カルボニル)オキシ)エチルシクロヘキサンカルボキシレートの調製
o-(1-クロロエチル)S-エチルカーボネート(2g、0.0119mol)をシクロヘキサンカルボン酸(7.6g、0.0595mol)に溶解し、続いてN,N-ジイソプロピルエチルアミン(4.6g、0.0357mol)を加える。得られた溶液を55℃で48h撹拌し、反応を停止し、水(30mL)及び酢酸エチル(30mL)で洗浄する。有機相を飽和炭酸水素ナトリウム(3x30mL)溶液で洗浄してから、飽和食塩水(2x30mL)で洗浄する。溶媒を蒸留により除去し、必要とする製品の1-((((エチルチオ)カルボニル)オキシ)エチルシクロヘキサンカルボキシレート(2g、黄色の油状物)を得て、収率は54%であった。
【0142】
HnmR(400MHz,CDCl) δ 6.93(q,J=5.4Hz,1H),2.91-2.82(m,2H),2.36-2.29(m,1H),1.90(dd,J=14.1,3.1Hz,2H),1.77-1.72(m,2H),1.71-1.52(m,2H),1.51-1.48(m,3H),1.47-1.41(m,2H),1.33-1.30(m,3H),1.25(dd,J=9.7,2.7Hz,2H)。
【0143】
ステップ2
1-((クロロカルボニル)オキシ)エチルシクロヘキサンカルボキシレートの調製
スルホニルクロリド(125mg、0.922mmol)を1-((((エチルチオ)カルボニル)オキシ)エチルシクロヘキサンカルボキシレート(200mg、0.77mmol)に加え、混合物を温度0~5℃で5分間撹拌する。全ての試薬を加えた後、室温でさらに45分間撹拌する。続いて室温でEtSClを蒸留により除去する。該製品は、さらに精製することなく次のステップに使用する。
【0144】
ステップ3
(4R)-7,7-ジメチル-4-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-カルボニル)-6,9-ジオキシ-1--1-フェニル-2,10-ジオキサ-5,8-ジアザドデシルウンデシルシクロヘキサンカルボキシレートの調製
ナスフラスコにイブタモレン1a(50mg、0.09mmol)及び[1-(シクロヘキシルカルボニル)エチル]クロロギ酸塩(66.6mg、0.28mmol)を加え、ジクロロメタン(15mL)に溶解する。続いてNaOH(19.2mg、0.19mmol)を5mLの水に加えて反応液に滴下し、室温で混合して2h撹拌する。有機層を調製クロマトグラフィーで精製し(クロマトグラフィカラム:Kromasil-C18 100x21.2mm 5。移動相:アセトニトリル-水勾配:30-40)、(4R)-7,7-ジメチル-4-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-カルボニル)-6,9-ジオキシ-1--1-フェニル-2,10-ジオキサ-5,8-ジアザドデシルウンデシルシクロヘキサンカルボキシレート13(23mg、黄色の固体)を得て、収率は33%であった。
【0145】
MS m/z(ESI):727.2[M+1]
【0146】
HnmR(400MHz,DMSO) δ 7.74(s,1H),7.65(d,J=12.0Hz,1H),7.57(d,J=8.7Hz,1H),7.35‐7.22(m,5H),7.04(s,1H),6.98(d,J=7.0Hz,1H),6.87(s,1H),4.96(d,J=7.1Hz,1H),4.46(dd,J=22.7,19.3Hz,2H),3.90(d,J=11.8Hz,2H),3.55(d,J=24.5Hz,2H),3.04(d,J=4.2Hz,3H),2.54‐2.52(m,4H),2.31‐2.24(m,1H),1.79(t,J=41.2Hz,4H),1.61(d,J=39.3Hz,6H),1.37(dd,J=28.3,15.6Hz,9H),1.26‐1.02(m,4H)。
【0147】
実施例14
(4R)-7,7-ジメチル-4-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1’-カルボニル)-6,9-ジオキサ-1-フェニル-2,10-ジオキサ-5,8-ジアザドデカン-11-アセテート
【化35】
【0148】
ステップ1
1-((エチルチオ)カルボニル)オキシ酢酸エチルの調製
(1-クロロエトキシ)(エチルスルフォンアミド)メタノン(2.00g、11.86mmol)を酢酸(3.6mL、59.30mmol)に溶解し、続いてN,N-ジイソプロピルエチルアミン(4.6g、35.58mmol)を加える。反応液を55℃で48時間反応する。室温まで冷却した後、反応液に水と酢酸エチルを加えて抽出し、有機相を飽和炭酸ナトリウム溶液で洗浄してから、飽和食塩水で洗浄し、有機相を乾燥・濃縮した後、1-((エチルチオ)カルボニル)オキシ酢酸エチル(1.2g、黄色の油状物)を得て、収率は53%であった。
【0149】
HnmR(400MHz,CDCl) δ 6.94(q,J=5.5Hz,1H),2.95-2.81(m,2H),2.09(s,3H),1.51(d,J=5.5Hz,3H),1.32(t,J=7.4Hz,3H)。
【0150】
ステップ2
(クロロカルボニル)オキシ酢酸エチルの調製
スルホニルクロリド(253mg、1.87mmol)を0Cで1-((エチルチオ)カルボニル)オキシ酢酸エチル(300mg、1.56mmol)に滴下し、反応液を室温で1時間撹拌する。反応液を減圧・濃縮した後、(クロロカルボニル)オキシ酢酸エチル(178mg、黄色の油状物)の粗生成物を得て、収率は100%であった。該粗生成物はそのまま次のステップに供給される。
【0151】
ステップ3
(4R)-7,7-ジメチル-4-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1’-カルボニル)-6,9-ジオキサ-1-フェニル-2,10-ジオキサ-5,8-ジアザドデカン-11-アセテートの調製
イブタモレン1a(50mg、0.095mmol)及び(クロロカルボニル)オキシ酢酸エチル(47mg、0.28mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、水(5mL)及び水酸化ナトリウム(19mg、0.19mmol)を加える。反応液を室温で2時間撹拌する。反応液を静置、層別化する。有機相を乾燥・濃縮して得られた残留物を逆相カラム(55%のアセトニトリル/水)で精製した後、(4R)-7,7-ジメチル-4-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1’-カルボニル)-6,9-ジオキサ-1-フェニル-2,10-ジオキサ-5,8-ジアザドデカン-11-アセテート14(16.27mg、白色の固体)を得て、収率は26%であった。
【0152】
MS m/z(ESI):659.2[M+1]
HnmR(400MHz,CDCl) δ 7.46-7.27(m,5H),7.25-7.17(m,1H),7.14-6.90(m,2H),6.81-6.73(m,1H),6.73-6.46(m,1H),5.43(s,1H),5.21-5.13(m,1H),4.71-4.39(m,3H),4.15-3.94(m,1H),3.92-3.52(m,4H),3.17-3.02(m,1H),2.89(d,J=4.4Hz,3H),2.83-2.62(m,1H),2.06(d,J=4.3Hz,3H),1.93-1.84(m,1H),1.71-1.69(m,3H),1.54(d,J=5.9Hz,6H),1.46(t,J=5.5Hz,3H)。
【0153】
実施例15
(R)-5,5-ジメチル-8-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-カルボニル)-3,6-ジオキソ-11-フェニル-2,10-ジオキシン-4,7-ジアザドデシルイソプチレート
【化36】
【0154】
ステップ1
O-(クロロメチル)S-エチルチオカーボネートの調製
エタンチオール酸ナトリウム(3.07g、36.5mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、臭化テトラブチルアンモニウム(0.59g、1.8mmol)を加え、クロロメチルクロロホルメート(4.71g、36.5mmol)を徐々に滴下する。該反応は室温で24時間撹拌する。反応終了後、ジクロロメタン(2x30mL)で抽出し、飽和食塩水で洗浄する。有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転乾燥してO-(クロロメチル)S-エチルチオカーボネート(3g、黄色の油状液体)を得て、収率は50%であった。
【0155】
HnmR(400MHz,DMSO) δ 5.96(s,1H),2.96‐2.87(m,1H),1.31‐1.20(m,2H)。
【0156】
ステップ2
(((エチルチオ)カルボニル)オキシ)イソ酪酸メチルの調製
イソ酪酸(8.95g、97mmol)をナス形フラスコに入れ、O-(クロロメチル)S-エチルチオカーボネート(3g、19.4mmol)を加え、続いてN,N-ジイソプロピルエチルアミン(6.9g、53mmol)を加える。該反応は55℃で48時間撹拌する。反応終了後、反応液に炭酸水素ナトリウム溶液(15mL)を加え、ジクロロメタン(2x30mL)で抽出し、飽和食塩水で洗浄する。有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転乾燥して((((エチルチオ)カルボニル)オキシ)イソ酪酸メチル(1.85g、オレンジ色の油状液体)を得て、収率は44%であった。
【0157】
HnmR(400MHz,DMSO) δ 5.78(s,2H),4.03(q,J=7.2Hz,3H),2.88(q,J=7.2Hz,1H),2.66‐2.55(m,1H),1.20‐1.15(m,4H),1.10(d,J=7.2Hz,6H)。
【0158】
ステップ3
((クロロカルボニル)オキシ)イソ酪酸メチルの調製
((((エチルチオ)カルボニル)オキシ)イソ酪酸メチル(500mg、2.42mmol)をナス形フラスコに入れ、スルホニルクロリド(1mL)を加える。該反応は室温で1時間撹拌する。反応終了後、溶媒を回転乾燥して粗生成物の((クロロカルボニル)オキシ)イソ酪酸メチル(437mg、茶色の固体)を得て、収率は99%であった。粗生成物は精製することなくそのまま次の反応ステップに供給される。
【0159】
ステップ4
(R)-5,5-ジメチル-8-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-カルボニル)-3,6-ジオキソ-11-フェニル-2,10-ジオキシン-4,7-ジアザドデシルイソプチレートの調製
((クロロカルボニル)オキシ)イソ酪酸メチル(437mg、2.42mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、化合物イブタモレン1a(200mg、0.38mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、溶液を合併し、水(5mL)及び2N水酸化ナトリウム溶液(0.2mL)を加える。該反応は室温で16時間撹拌する。反応終了後、ジクロロメタン(2x30mL)で抽出し、飽和食塩水で洗浄する。有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転乾燥して粗生成物を得た。粗生成物は、カラムクロマトグラフィー(アセトニトリル:水(0.1%ぎ酸))で精製分離して(R)-5,5-ジメチル-8-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-カルボニル)-3,6-ジオキソ-11-フェニル-2,10-ジオキシン-4,7-ジアザドデシルイソプチレート15(34mg、白色の固体)を得て、収率は2%であった。
【0160】
MS m/z(ESI) 673.3[M+1]
1HnmR(400MHz,DMSO) δ 7.76(dd,J=16.7,11.1Hz,2H),7.59(d,J=8.0Hz,1H),7.34(s,8H),7.01(dt,J=19.7,7.2Hz,1H),6.89(d,J=7.4Hz,0.5H),5.60(s,2H),4.97(dd,J=13.2,6.6Hz,1H),4.51(s,1H),4.47(d,J=4.1Hz,1H),4.44‐4.33(m,1H),3.94‐3.85(m,1H),3.70‐3.62(m,1H),3.61‐3.54(m,1H),3.50(dd,J=9.4,5.4Hz,1H),3.17(dd,J=25.5,12.3Hz,1H),3.04(d,J=3.9Hz,3H),2.80(t,J=11.5Hz,1H),1.61(dd,J=34.8,11.5Hz,1H),1.34(s,2H),1.07(t,J=5.7Hz,2H)。
【0161】
実施例16
(R)-2-(2-アミノアセチルアミノ)-N-(3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メタンスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)-2-メチルプロピオンアミド
【化37】
【0162】
ステップ1
(R)-(2-((1-((3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メタンスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)カルバミン酸tert-ブチルの調製
イブタモレン1a(212mg、0.40mmol)を乾燥したDMF(5mL)に溶解し、続いてBOC-グリシン(105mg、0.60mmol)、HATU(457mg、1.20mmol)及びDIPEA(259mg、2.00mmol)を加える。反応液を室温で3時間撹拌する。反応液を調製クロマトグラフィー(55%のアセトニトリル/水)で精製した後、tert-ブチル(R)(2-((1-((3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メタンスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート16a(220mg、白色の固体)を得て、収率は80%であった。
【0163】
MS m/z(ESI):686.3[M+1]
【0164】
ステップ2
(R)-2-(2-アミノアセチルアミノ)-N-(3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メタンスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)-2-メチルプロピオンアミドの調製
(R)-(2-((1-((3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メタンスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル16a(150mg、0.22mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、続いてトリフルオロ酢酸(1mL)を加える。反応液を室温で3時間撹拌する。反応液を濃縮した後、調製クロマトグラフィー(30%のアセトニトリル/水)で精製し、(R)-2-(2-アミノアセチルアミノ)-N-(3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メタンスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)-2-メチルプロピオンアミド16(35mg、白色の固体)を得て、収率は27%であった。
【0165】
MS m/z(ESI):586.3[M+1]
HnmR(400MHz,DMSO) δ 8.37(d,J=3.6Hz,1H),7.97-7.94(m,3H),7.79(d,J=8.2Hz,0.5H),7.42-7.15(m,6H),7.12-6.95(m,1H),6.90(d,J=7.5Hz,0.5H),5.01-4.94(m,1H),4.62-4.45(m,2H),4.42-4.39(m,1H),4.06-3.81(m,3H),3.79-3.68(m,1H),3.63-3.43(m,3H),3.21-3.13(m,1H),3.05(d,J=5.9Hz,3H),2.84-2.76(m,1H),1.84-1.54(m,4H),1.49-1.23(m,6H)。
【0166】
実施例17
(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキサン-4-イル)メチル(R)-(1-((3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート
【化38】
【0167】
ステップ1
(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキサン-4-イル)メチル(4-ニトロフェニル)カーボネートの調製
4-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-1,3-ジオキサン-2-オン(1g、7.7mmol)及びピリジン(0.67g、8.47mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解する。4-ニトロ基フェニル基クロロギ酸エステル(1.55g、7.7mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、氷浴条件下で前者に滴下し、該反応は室温で16時間撹拌する。反応終了後、反応液を1%の水酸化ナトリウム水溶液、1N塩酸、水及び飽和食塩水の順で洗浄する。有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転乾燥して(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキサン-4-イル)メチル(4-ニトロフェニル)カーボネート(2.4g、黄色の固体)を得て、収率は79%であった。
【0168】
HnmR(400MHz,DMSO) δ 8.36‐8.30(m,2H),7.64‐7.54(m,2H),5.19(s,2H),2.25‐2.11(s,3H)。
【0169】
ステップ2
(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキサン-4-イル)メチル(R)-(1-((3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメートの調製
イブタモレン1a(107mg、0.2mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキサン-4-イル)メチル(4-ニトロフェニル)カーボネート(200mg、0.81mmol)及びピリジン(64mg、0.81mmol)を加える。該反応は室温で16時間撹拌する。反応終了後、ジクロロメタン(2x30mL)で抽出し、飽和食塩水で洗浄する。有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転乾燥して粗生成物を得た。粗生成物を逆相カラム(アセトニトリル/水(0.1%のぎ酸))で分離精製し、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキサン-4-イル)メチル(R)-(1-((3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート17(48mg、白色の固体)を得て、収率は8%であった。
【0170】
MS m/z(ESI) 685.3[M+1]
HnmR(400MHz,DMSO) δ 7.76(d,J=8.4Hz,0.5H),7.59(d,J=16.4Hz,2H),7.42‐7.17(m,6H),7.03(dd,J=22.9,7.1Hz,1H),6.89(d,J=7.6Hz,0.5H),4.96(m,1H),4.82(d,J=10.9Hz,1H),4.51(s,1H),4.47(d,J=7.1Hz,1H),4.41(d,J=14.4Hz,1H),3.90(d,J=10.5Hz,1H),3.63(d,J=7.2Hz,1H),3.55(m,1H),3.49(m,1H),3.14(m,1H),3.04(d,J=4.3Hz,3H),2.79(m,2H),2.10(d,J=7.7Hz,3H),2.04‐1.93(m,1H),1.64(d,J=12.9Hz,1H),1.34(s,3H),1.23(s,3H)。
【0171】
実施例18
(R)-3-((1-((3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メタンスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)カルバモイル)-1-メチルピリジン-1-第四級アンモニウム塩
【化39】
【0172】
ステップ1
(R)-3-((1-((3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メタンスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)カルバモイル)-1-メチルピリジン-1-塩化アンモニウムの調製
トリゴネリン塩酸塩(985mg、5.67mmol)をN,N-ジメチルフォルムアミド(10mL)に溶解し、イブタモレン1a(500mg、0.95mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(611mg、4.73mmol)及び1-プロピルリン酸無水物(903mg、2.84mmol)を加える。該反応は室温で48時間撹拌する。反応終了後、反応液をそのまま逆相カラム(アセトニトリル/水)で精製分離し、(R)-3-((1-((3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メタンスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)カルバモイル)-1-メチルピリジン-1-第四級アンモニウム塩18(352mg、白色の固体)を得て、収率は54%であった。
【0173】
MS m/z(ESI):648.3[M+1]
HnmR(400MHz,DMSO) δ 9.61(s,2H),9.09(s,1H),8.92(s,1H),8.39(d,J=8.1Hz,0.5H),8.15(d,J=7.9Hz,1H),7.36‐7.19(m,7H),7.15(d,J=7.3Hz,0.5H),6.98(dt,J=12.9,6.9Hz,1H),4.93(m,1H),4.48(m,1H),4.44(d,J=12.9Hz,4H),3.89(m,3H),3.72(d,J=7.7Hz,2H),3.53(dd,J=9.2,5.5Hz,1H),3.46(dd,J=9.1,5.1Hz,1H),3.17(dd,J=25.6,12.3Hz,1H),3.04(s,3H),2.76(t,J=12.2Hz,1H),1.86(m,2H),1.64(s,2H),1.49(s,6H)。
【0174】
実施例19
(R,Z)-N-(3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)-2-メチル-2-((4-オキシペンテニル-2-エン-2-イル)アミノ)プロピオンアミド
【化40】
【0175】
ステップ1
(R,Z)-N-(3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)-2-メチル-2-((4-オキシペンテニル-2-エン-2-イル)アミノ)プロピオンアミドの調製
密閉チューブ内で、イブタモレン1a(150mg、0.28mmol)をアセチルアセトン(2mL)に溶解する。密閉チューブをマイクロ波反応器に入れ、密閉チューブを150Wのマイクロ波放射下で130℃に加熱し、10分間撹拌する。反応終了後、反応液をそのまま逆相カラム(アセトニトリル/水(0.1%のNH))で精製分離し、(R,Z)-N-(3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)-2-メチル-2-((4-オキシペンテニル-2-エン-2-イル)アミノ)プロピオンアミド19(48mg、白色の固体)を得て、収率は26%であった。
【0176】
MS m/z(ESI):611.3[M+1]
HnmR(400MHz,DMSO) δ 8.15(d,J=8.2Hz,1H),8.07(d,J=8.3Hz,1H),7.43‐7.15(m,7H),7.07(s,1H),7.00(s,1H),6.66(s,2H),5.34‐5.29(m,1H),5.00(s,2H),4.51(s,1H),4.48(d,J=6.3Hz,1H),4.37(d,J=12.5Hz,2H),3.90(m,3H),3.19(m,2H),3.05(d,J=3.3Hz,3H),2.00(dd,J=14.2,6.7Hz,2H),1.90(s,2H),1.80(d,J=7.7Hz,2H),1.44(s,3H),1.23(s,6H)。
【0177】
実施例20
(4R)-7,7-ジメチル-4-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-カルボニル)-6,9-ジオキシ-1--1-フェニル-2,10-ジオキシ-5,8-ジアザドデシルウンデシルピバレート
【化41】
【0178】
ステップ1
1-(((エチルチオ)カルボニル)オキシ)オキシピバリン酸エチルの調製
O-(1-クロロエチル)S-エチルカーボン硫酸塩(2g、11.90mmol)を2,2-ジメチルプロピオン酸(7.29g、71.40mmol)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(4.61g、35.70mmol)を加える。反応液を70℃で48時間反応する。反応終了後、水(100mL)、ジクロロメタン(3x50mL)を加え、抽出して分液する。有機相を合併し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(3x50mL)で洗浄し、飽和塩化ナトリウム溶液(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。濃縮して1-(((エチルチオ)カルボニル)オキシ)オキシピバリン酸エチル(1.20g、黄色の油状物)を得て、収率は39%であった。
【0179】
HnmR(400MHz,CDCl) δ 6.94-6.90(m,1H),2.90-2.84(m,2H),1.50(d,J=5.2Hz,3H),1.31(t,J=7.2Hz,3H),1.20(s,9H)。
【0180】
ステップ2
1-((クロロカルボニル)オキシ)ピバル酸エチルの調製
スルホニルクロリド(766mg、5.67mmol)を1-(((エチルチオ)カルボニル)オキシ)オキシピバリン酸エチル(665mg、2.84mmol)に徐々に加え、反応液を0℃で5分間撹拌する。続いて反応液を室温条件で1時間撹拌する。反応液を回転乾燥して粗生成物の1-((クロロカルボニル)オキシ)ピバル酸エチルを得て、該粗生成物は精製することなくそのまま次の反応ステップに供給する。
【0181】
ステップ3
(4R)-7,7-ジメチル-4-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-カルボニル)-6,9-ジオキシ-1--1-フェニル-2,10-ジオキシ-5,8-ジアザドデシルウンデシルピバレートの調製
(R)-2-アミノ-N-(3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)-2-メチルプロピオンアミド(200mg、0.72mmol)及び1-((クロロカルボニル)オキシ)ピバル酸エチル(600mg、1.12mmol)をジクロロメタン(15mL)に溶解し、続いて水酸化ナトリウム(272mg、6.80mmol)の水(10mL)溶液を加える。反応液を25℃で1時間反応する。反応終了後、ジクロロメタン(2x30mL)で抽出する。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濃縮する。得られた残留物を調製クロマトグラフィーで精製した後、(4R)-7,7-ジメチル-4-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-カルボニル)-6,9-ジオキシ-1--1-フェニル-2,10-ジオキシ-5,8-ジアザドデシルウンデシルピバレート(79.0mg、白色の固体)を得て、収率は30%であった。
【0182】
MS m/z(ESI):400.1[M+1]
HnmR(400MHz,CDCl) δ 7.40-7.32(m,5H),7.29(s,1H),7.23-7.16(m,1H),7.10-7.02(m,1H),7.00-6.95(m,1H),6.76-6.72(m,1H),6.63-6.61(m,1H),5.46-5.38(m,1H),5.21-5.10(m,1H),4.66-4.57(m,1H),4.55-4.45(m,2H),4.11-3.97(m,1H),3.89-3.68(m,3H),3.62-3.56(m,1H),3.16-3.01(m,1H),2.91(d,J=3.6Hz,3H),2.87-2.74(m,1H),1.93-1.82(m,1H),1.75-1.65(m,3H),1.62(br,s,3H),1.45(t,J=5.6Hz,3H),1.19(s,9H)。
【0183】
実施例21
(R)-5,5-ジメチル-8-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-カルボニル)-3,6-ジオキソ-11-フェニル-2,10-ジオキシン-4,7-ジアザドデシルビバレート
【化42】
【0184】
ステップ1
(((エチルチオ)カルボニル)オキシ)ピバリン酸メチルの調製
ビバリン酸(1.65g、16.17mmol)をN,N-ジメチルフォルムアミド(5mL)に溶解し、O-(クロロメチル)S-エチルチオカーボネート(500mg、3.23mmol)を加え、続いてN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.25g、9.70mmol)を加える。該反応は55℃で48時間撹拌する。反応終了後、反応液に炭酸水素ナトリウム溶液(15mL)を加え、ジクロロメタン(2x30mL)で抽出し、飽和食塩水で洗浄する。有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転乾燥して(((エチルチオ)カルボニル)オキシ)ピバリン酸メチル(600mg、薄黄色の油状液体)を得て、収率は80%であった。
【0185】
HnmR(400MHz,CDCl) δ 5.81(s,2H),2.89(q,J=7.4Hz,2H),1.34(d,J=7.4Hz,3H),1.22(s,9H)。
【0186】
ステップ2
((クロロカルボニル)オキシ)ピバリン酸メチルの調製
(((エチルチオ)カルボニル)オキシ)ピバリン酸メチル(400mg、1.82mmol)をナス形フラスコに入れ、スルホニルクロリド(1mL)を加える。該反応は室温で1時間撹拌する。反応終了後、溶媒を回転乾燥して粗生成物の((クロロカルボニル)オキシ)ピバリン酸メチル(400mg、茶色の固体)を得、粗生成物は精製することなくそのまま次の反応ステップに供給される。
【0187】
ステップ3
(R)-5,5-ジメチル-8-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-カルボニル)-3,6-ジオキソ-11-フェニル-2,10-ジオキシン-4,7-ジアザドデシルイソプチレートの調製
((クロロカルボニル)オキシ)ピバリン酸メチル(400mg、2.06mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、化合物イブタモレン(200mg、0.38mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、溶液を合併し、水(5mL)及び2N水酸化ナトリウム溶液(0.2mL)を加える。該反応は室温で16時間撹拌する。反応終了後、ジクロロメタン(2x30mL)で抽出し、飽和食塩水で洗浄する。有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転乾燥して粗生成物を得た。粗生成物を調製クロマトグラフィー(アセトニトリル:水(0.1%TFA))で精製分離し、(R)-5,5-ジメチル-8-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-カルボニル)-3,6-ジオキソ-11-フェニル-2,10-ジオキシン-4,7-ジアザドデシルビバレート(50mg、白色の固体)を得て、収率は18%であった。
【0188】
MS m/z(ESI) 687.3[M+1]
HnmR(400MHz,DMSO) δ 7.82‐7.69(m,1H),7.57(d,J=7.9Hz,0.5H),7.38‐7.19(m,8H),7.06‐6.96(m,1H),6.88(d,J=7.5Hz,0.5H),5.59(s,2H),4.97(d,J=6.7Hz,1H),4.51(s,1H),4.47(d,J=4.3Hz,1H),4.44‐4.34(m,2H),3.70‐3.62(m,1H),3.61‐3.53(m,1H),3.50(dd,J=9.5,5.2Hz,1H),3.16(dd,J=25.0,12.2Hz,2H),3.04(d,J=4.4Hz,3H),1.66(m,4H),1.34(s,6H),1.13(d,J=4.3Hz,9H)。
【0189】
実施例22
(R)-5,5-ジメチル-8-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-カルボニル)-3,6-ジオキソ-11-フェニル-2,10-ジオキシン-4,7-ジアザドデシルアセテート
【化43】
【0190】
ステップ1
(((エチルチオ)カルボニル)オキシ)酢酸メチルの調製
酢酸(1.95g、32.5mmol)をナス形フラスコに入れ、O-(クロロメチル)S-エチルチオカーボネート(1g、6.5mmol)を加え、続いてN,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.52g、19.5mmol)を加える。該反応は55℃で48時間撹拌する。反応終了後、反応液に炭酸水素ナトリウム溶液(15mL)を加え、酢酸エチル(2x30mL)で抽出し、飽和食塩水で洗浄する。有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転乾燥して(((エチルチオ)カルボニル)オキシ)酢酸メチル(826mg、薄黄色の油状液体)を得て、収率は65%であった。
【0191】
HnmR(400MHz,CDCl) δ 5.80(s,2H),2.90(q,J=7.4Hz,2H),2.13(s,3H),1.36‐1.32(m,3H)。
【0192】
ステップ2
((クロロカルボニル)オキシ)酢酸メチルの調製
(((エチルチオ)カルボニル)オキシ)酢酸メチル(200mg、1.23mmol)をナス形フラスコに入れ、スルホニルクロリド(1mL)を加える。該反応は室温で1時間撹拌する。反応終了後、溶媒を回転乾燥して粗生成物の((クロロカルボニル)オキシ)酢酸メチル(172mg、薄黄色の油状液体)を得て、粗生成物は精製することなくそのまま次の反応ステップに供給される。
【0193】
ステップ3
(R)-5,5-ジメチル-8-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-カルボニル)-3,6-ジオキソ-11-フェニル-2,10-ジオキシン-4,7-ジアザドデシルアセテートの調製
((クロロカルボニル)オキシ)酢酸メチル(173mg、1.13mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、化合物イブタモレン(200mg、0.38mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、溶液を合併し、水(5mL)及び2N水酸化ナトリウム溶液(0.2mL)を加える。該反応は室温で16時間撹拌する。反応終了後、ジクロロメタン(2x30mL)で抽出し、飽和食塩水で洗浄する。有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転乾燥して粗生成物を得た。粗生成物を調製クロマトグラフィー(アセトニトリル:水(0.1%FA))で精製分離し、(R)-5,5-ジメチル-8-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-カルボニル)-3,6-ジオキソ-11-フェニル-2,10-ジオキシン-4,7-ジアザドデシルアセテート(45mg、白色の固体)を得て、収率は18%であった。
【0194】
MS m/z(ESI) 645.3[M+1]
HnmR(400MHz,DMSO) δ 7.81(d,J=7.9Hz,1H),7.73(d,J=13.8Hz,1H),7.62(d,J=8.2Hz,0.5H),7.34(t,J=3.5Hz,2H),7.32‐7.19(m,5H),7.07‐6.96(m,2H),6.91(d,J=7.6Hz,0.5H),5.57(s,2H),5.00‐4.94(m,1H),4.52(s,1H),4.47(d,J=4.4Hz,1H),3.93‐3.86(m,2H),3.70‐3.63(m,1H),3.58(d,J=5.6Hz,1H),3.54‐3.45(m,1H),3.17(d,J=12.1Hz,2H),3.04(d,J=3.7Hz,3H),2.79(d,J=10.7Hz,1H),2.04(d,J=5.0Hz,3H),1.74‐1.59(m,4H),1.34(s,6H)。
【0195】
実施例23
(R)-3-(3-(ベンジルオキシ)-1-(1-(メチルスルホニル)スピロ[インドリン-3,4’-ピペリジン]-1’-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)-2,2,5,5-テトラメチルイミダゾリン-4-オン
【化44】
【0196】
ステップ1
化合物イブタモレン1a(1.056g、2mmol)をアセトン(5mL)に溶解した後、リン酸二水素カリウム(54mg、0.4mmol)を加え、80℃で5h撹拌した後、TLCで反応の新しい生成物スポットの形成をモニタニングし、その後、室温まで冷却し、酢酸エチル/水で3回抽出した後、(石油エーテル:酢酸エチル=1:3)カラムクロマトグラフィーにより目的生成物23(1g)を得て、収率は87%であった。
【0197】
MS m/z(ESI):570.28[M+1]
HnmR(300MHz,DMSO-d6) δ 7.40‐7.19(m,8H),7.05(t,J=7.3Hz,1H),5.15(t,J=7.1Hz,1H),4.60-4.38(m,3H),3.93-3.62(m,5H),3.04(s,3H),2,95-2.60(m,2H),1.92-1.80(m,1H),1.75-1.60(m,3H),1.45-1.15(m,12H)。
【0198】
実施例24
3-[(2R)-3-(ベンジルオキシ)-1-{1-メタンスルホニル-1,2-ジヒドロスピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1’-イル}-1-オキソプロパン-2-イル]-5,5-ジメチルイミダゾリン-2,4-ジオン
【化45】
【0199】
ステップ1
3-[(2R)-3-(ベンジルオキシ)-1-{1-メタンスルホニル-1,2-ジヒドロスピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1’-イル}-1-オキソプロパン-2-イル]-5,5-ジメチルイミダゾリン-2,4-ジオンの調製
化合物イブタモレン1a(200mg、0.38mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、トリエチルアミン(115mg、1.12mmol)を加え、クロロ炭酸エチル(30mg、0.13mmol)を反応液に徐々に加えて25℃で2時間撹拌する。反応液を濃縮して得られた残留物を調製クロマトグラフィー(アセトニトリル/水)で精製した後、化合物24(70mg、白色の固体)を得て、収率は33%であった。
【0200】
MS m/z(ESI):555.0[M+1]
HnmR(400MHz,MeOD) δ 7.34-7.30(m,5H),7.28‐7.19(m,2H),7.18‐7.10(m,1H),7.04(t,J=7.3Hz,1H),5.21(dd,J=9.5,5.3Hz,1H),4.59-4.48(m,3H),4.25(t,J=10.1Hz,1H),4.07‐3.88(m,3H),3.81-3.79(m,1H),3.29‐3.19(m,1H),2.96(s,3H),2.87-2.82(m,1H),1.85-1.75(m,4H),1.35(d,J=10.0Hz,6H)。
【0201】
生物学的評価
試験例1 本発明の化合物によるヒト由来GHSR活性の測定
該方法は、ヒト由来GHSR/CHOの安定なトランスフェクション細胞において発現するヒト由来GHSRタンパク質活性に対する本発明の化合物のアゴニスト効果を測定するために用いられる。
【0202】
一、試験材料及び器具
1、培地
F12(Gibco,Cat#11765-047)、
FBS(Corning,Cat# 35-076-CV)、
Geneticin(Invitrogen,Cat# 10131)、
Penicillin/Streptomycin(Invitrogen,Cat# 15140)。
【0203】
2、試薬
Fluo-4 Direct(Invitrogen,Cat# F10471)、
HBSS(Gibco,Cat#14025076)、
HEPES(Gibco,Cat#15630080)、
Bonine Serum Albumin(Sgima,Cat#B2064-100G)。
【0204】
3、機器消耗品
384 well Poly-D-Lysine protein coating plate(Greiner,Cat#781946)、
FLIPR(Molecular Devices)、
Vi-cell XR Cell Viability Analyzer(Beckman Coulter)、
Incubator(Thermo)。
【0205】
二、実験手順
化合物の勾配調製
Ghrelinと本発明の化合物を5倍に希釈して10の濃度勾配に調製し、続いて1ウェルあたり900nLで化合物プレートに移す。
【0206】
緩衝液の調製
HBSS(1X):HEPES(1M)=49:1とし、0.5%のBSAを加える。
【0207】
ヒト由来GHSR/CHOを含む安定なトランスフェクション細胞を384ウェルプレートに接種し、一晩後に細胞プレートを取り出し、培地を捨て、ウェルごとに20uLの緩衝液を徐々に加え、続いてウェルごとに20uLの2X Fluo-4 DirectTM No-wash Loading Bufferを加える。細胞プレートを37℃、5%のCOインキュベータ内で50minインキュベートした後、細胞プレートを取り出して室温で10min放置する。化合物プレートの各ウェルに30uLの緩衝液を加える。別の緩衝液プレートを用意し、各ウェルに30uLの緩衝液を加える。化合物のアゴニスト効果の試験は次の通りである。FLIPR機器を使用し、ソフトウェアを実行する。10uLの緩衝液を細胞プレートに移し、蛍光シグナル値を読み取る。10uLの化合物を細胞プレートに移し、蛍光シグナル値を読み取る。FLIPRプログラムを使用して91番目の信号点から230番目の信号点までの最大値-最小値を算出する。化合物のEC50値は、異なる濃度に対応する蛍光値を用いてソフトウェアで算出することができる。
【0208】
三、実験結果
ヒト由来GHSRに対する本発明の化合物のアゴニスト活性は上記した実験により測定され、測定したEC50値を表1に示す。
【0209】
【表1】
【0210】
四、実験の結論
上記データから、本発明の化合物はヒト由来GHSRに対して良好なアゴニスト活性を有することが分かった。
【0211】
試験例2 ラットにおける本発明の化合物のインビボ薬力学試験
ヒト及びげっ歯類動物では、成長ホルモンは、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)によって刺激され、脳下垂体から循環系に分泌されたものであり、肝臓組織に作用してインスリン様成長因子-1(IGF-1)等の効果因子を発生させ、成長発育促進等の代謝調節作用を発揮している。したがって、成長ホルモン(GH)の循環レベルに対する本発明の化合物の影響を評価するために、GH/IGF-1シグナル伝達経路に対する試験化合物の促進効果として、雄ラット(雌ラットの生理周期によってもたらされる個体間差異を回避)モデルを使用する。
【0212】
幼若雄性SD(Sprague-Dawley)ラット(60~80g)を遼寧長生生物技術株式会社(中国遼寧)から購入した。全ての動物は、(22±2℃)の温度に制御された部屋で、55±15%の相対湿度、12/12時間の明/暗周期(夜8点00分に消灯)で1ケージ当たり3匹で飼育した。試験用動物は、到着後1週間環境に順応させ、ラベル付きの飼料と滅菌水を自由に摂取させ、動物ケージ内の敷料は週に2回交換した。研究の前日に水を飲ませず、14時間絶食させる。
【0213】
ibutamoren及び本発明の化合物を10%のHS15中で調製し、投与量は4mpkであり、対応する化合物のモル濃度はそれぞれibutamoren(6.4nmol/kg)、化合物5(5.8nmol/kg)、化合物14(6.1nmol/kg)であった。
【0214】
基礎サンプリング(0分)の後、本発明の化合物をラットに経口投与した。その後、投与後の複数の時点(15分、30分、60分)で血液サンプルを採取した。血液を眼窩神経叢から採取して血液サンプルを得、前記血液サンプルをヘパリンナトリウムを含むEPチューブ内に収集して直ちに遠心分離する。血漿サンプルを収集し、測定するまで上記血漿サンプルを-80℃の冷蔵庫に保存する。MERK-Rat/Mouse GrowthHormone ELISA(美国)の酵素結合免疫吸着測定キットを使用して、各実験動物の血漿中のGHレベルをそれぞれ検出する。
【0215】
実験結果
SDラットの血液循環のGHレベルに対する本発明の化合物の影響を表2に示す。
【0216】
【表2】
【0217】
実験の結論
上記した雄ラットの試験では、本発明の化合物5及び化合物14は投与15分間後に、ラットの体内循環におけるGHレベルが有意に上昇し、同じ薬効を達成する条件下でibutamorenよりも濃度が低く、そのうち、化合物14はibutamorenよりも有意に優れている。
【0218】
試験例3 Caco-2細胞輸送実験
研究用の輸送緩衝液は10.0mMのHEPSSを含むHBSSであり、pHは7.40±0.05であった。試験される化合物は2.00μMで双方向に試験され、DMSOの最終濃度は1%未満にする必要がある。細胞プレートを37±1℃のCOインキュベータで、5%湿度のCO及び飽和湿度下で2時間静置してインキュベートする。全てのサンプルを内部標準物質を含むアセトニトリルと混合した後、3200xgで10分間遠心分離する。試験化合物について、100μLの上清を100μLの超純水で希釈し、LC-MS/MS分析に使用する。出発溶液、ドナー溶液及びレシーバー溶液中の試験化合物と対照化合物(Digoxinはモデル検証化合物であり、ibutamorenは陽性対照である)の濃度を、分析物/内部標準物質のピーク面積比を使用してLC-MS/MS方法により定量化する。輸送測定の後、フルオレセインイエロー拒絶測定を適用してCaco-2細胞単層の完全性を判定する。
【0219】
【表3】
【0220】
【表4】
【0221】
実験の結論
上記データから、モデルの構築に成功し、本発明の化合物の細胞透過性は参照化合物であるibutamorenよりも有意に優れていことが分かった。
【0222】
試験例4 ラットの亜急性毒性試験
雄性SD(Sprague-Dawley)ラット(180-220g)を遼寧長生生物技術株式会社(中国遼寧)から購入した。全ての動物は、(22±2℃)の温度に制御された部屋で、55±15%の相対湿度、12/12時間の明/暗周期(夜8点00分に消灯)で1ケージ当たり3匹で飼育した。試験用動物は、到着後1週間環境に順応させ、ラベル付きの飼料と滅菌水を自由に摂取させ、動物ケージ内の敷料は週に2回交換した。
【0223】
本発明の化合物を10%のHS15中で調製する。
【0224】
ラットに本発明の化合物を複数の用量(30mpk、100mpk及び300mpk)で経口投与し、1日1回連続14日間投与し、週に2回ラットの体重を秤量した。投与が完了した後、全てのラットは14日間の回復期間観察をし、週に2回ラットの体重を秤量した。化合物5を14日間連続胃内注入により投与し、2週間回復させたところ、各グループのラットの摂食量や日常行動に顕著な異常はなく、各グループのラットの体重変化にも顕著な差異はなく(図1)、解剖では肉眼で見える異常はない。
【0225】
実験結果
各グループのラットの体重変化は図1に示す通りである。
【0226】
実験の結論
上記データから、本発明の化合物5のラットの亜急性毒性実験において、投与量の80倍の状況でも明らかな異常が観察されなかったことが分かり、化合物5の安全性が良好であることが示されている。
【0227】
試験例5 化合物5のラット体内代謝実験の比較
化合物5をプロドラッグとして設計し、ラットの体内代謝実験により活性成分ibutamorenの量を検査し、さらに、候補と陽性対照ibutamorenの優劣を評価する。
【0228】
実験操作
6匹は投与2日前に1回目の絶食を行い、少なくとも12時間絶食させた後、一律に飼料を与える。投与前日に2回目の絶食を行い、少なくとも12時間絶食させ、投与4時間後に給餌を再開する。各絶食の時間は20時間以内とする。絶食の間に飲水は自由とした。投与前の2日間、同じ担当者が最低1日1回、動物を触ったり掴んだりすることで、動物に対して適応性訓練を行う。
【0229】
初回投与前に、動物を体重に応じて2つのグループに分け、各グループに3匹とし、グループ1の動物に、化合物5の薬液(配合方法:中鎖トリグリセリド/ポリグリコール1000ビタミンEコハク酸塩/エタノール/プロパンジオール/水=6/2/1/1/90、1mg/mL)を1回の胃内注入により投与し、グループ2の動物に、ibutamoren薬液(1mg/mLの水にibutamorenのメシル酸塩を使用して配合する)を1回の胃内注入により投与する。投与体積はいずれも3mL/kgとする。投与前に動物の体重を量り、体重に基づいて投与体積を算出する。
【0230】
サンプル採取時間は、投与前(約-0.25H)及び投与後の0.083、0.25、0.5、1、1.5、2、3、5、7、10hとする。指定された各時点で、動物をイソフルランで一時麻酔し、頸静脈穿刺によって全血サンプル(1グループあたり約0.23mL)を採取し、50μLの全血サンプルを定量的に採取し、予め冷却した50μLの1mM PMSFメタノール溶液が入ったEPチューブに加え、約3秒間ボルテックスし、直ちに内部標準物質を含む沈殿剤250uLを加え、約5秒間ボルテックスし、15min遠心分離し、LC-MS/MS分析用に上清を取る。
【0231】
実験結果
【表5】
【0232】
実験の結論
上記データから、本発明の化合物5はラット胃内注入投与の薬物代謝実験において、Cmax及びAUCが陽性対照ibutamorenよりも有意に優れており、より優れた創薬可能性を有することが分かった。
【0233】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されない。本発明の精神と原則内で行われるいかなる修正、同等な取替、改良等は、全て本発明の保護範囲内に含まれるものとする。

図1
【手続補正書】
【提出日】2023-09-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iで示される化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩。
【化1】
(式中、
Raは、H、-R、-C(=O)R又は-C(=O)ORから選択され、
Rbは、H、-R、-C(=O)R又は-C(=O)ORから選択され、
又は、RbはN-RにおけるNと連結して環構造
【化2】
を形成し、この場合、Rは存在せず、Rbは、
【化3】
、及び1個、2個もしくはそれ以上のRcによって任意に置換された(C-C12)第2脂肪族炭化水素基から選択され、Raは前記に定義した通りであり、
ただし、RaとRbが同時にHでないことを条件とし、
前記Rは、1個、2個もしくはそれ以上のRcによって任意に置換された、(C-C20)脂肪族炭化水素基、1個、2個もしくはそれ以上のヘテロ原子を任意に含む(C-C20)脂肪族炭化水素基、C12シクロアルキル基、3~12員複素環基、C6-14アリール基、又は5~14員ヘテロアリール基から選択され、
前記Rcは、それぞれ独立して、ハロゲン、CN、OH、SH、=O(オキソ)、NH、-OP(=O)(OH)、-OP(=O)(C-C12アルコキシ基)、COOHから選択され、又は、1個、2個もしくはそれ以上のRdによって任意に置換された、(C-C12)脂肪族炭化水素基、1個、2個もしくはそれ以上のヘテロ原子を任意に含む(C-C12)脂肪族炭化水素基、C3-12シクロアルキル基、3~12員複素環基、C6-14アリール基、又は5~14員ヘテロアリール基から選択され、
前記Rdは、それぞれ独立して、ハロゲン、CN、OH、SH、=O(オキソ)、NH、-OP(=O)(OH)、-OP(=O)(C-C12アルコキシ基)、COOH、(C-C12)脂肪族炭化水素基、及び1個、2個もしくはそれ以上のヘテロ原子を任意に含む(C-C12)脂肪族炭化水素基から選択され、
前記R、R、R、Rは同一又は異なり、それぞれ独立して、H、及び1個、2個もしくはそれ以上のRcによって任意に置換された(C-C12)脂肪族炭化水素基から選択され、
前記R’、R’’は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、CN、OH、SH、NH、-OP(=O)(OH)、-OP(=O)(C-C12アルコキシ基)、COOH、及び1個、2個もしくはそれ以上のRdによって任意に置換された、(C-C12)脂肪族炭化水素基、1個、2個もしくはそれ以上のヘテロ原子を任意に含む(C-C12)脂肪族炭化水素基から選択され、
前記n、mはそれぞれ独立して、0、1、2、3、4又は5から選択される。)
【請求項2】
前記RaはHであり、
Rbは、-R、-C(=O)R又は-C(=O)ORから選択され、
前記Rは、1個、2個もしくはそれ以上のNHによって任意に置換された、(C-C)アルキルC(=O)(C-C)アルキル-、HC(=O)(C-C12)アルキル-、(C-C12)アルキルC(=O)OCH(C-C12アルキル)-、(C-C12)アルキル-、5~14員ヘテロアリール-(C-C12)アルキル-、5~14員ヘテロアリール-(C-C12)アルキル-から選択され、
又は、Rは、(C-C12)アルキル基、(C-C12)アルコキシ基、(C-C20)アルケニル基から選択され、
又は、Rは、1個、2個もしくはそれ以上の-OP(O)(OH)によって任意に置換された、(C-C12)アルキル基、(C-C12)アルコキシ基から選択され、
又は、Rは、1個、2個もしくはそれ以上の-OP(O)(C-C12アルコキシ基)によって任意に置換されたC-C12)アルキル基から選択され、
又は、Rは、1個、2個もしくはそれ以上の(C-C)アルキル基によって任意に置換された、
【化4】
、(C-C)アルキルC(=O)(C-C)アルケニル-、5~14員ヘテロアリール基から選択され、
又は、Rは、(C-C12)アルキルC(=O)OCH(C-C12アルキル)-、C12シクロアルキルC(=O)OCH(C-C12アルキル)-、(C-C12)アルキルC(=O)OCH-、C12シクロアルキルC(=O)OCH(C-C12アルキル)-から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の式Iで示される化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
前記(C-C20)脂肪族炭化水素基は、(C-C20)アルキル基、(C-C20)アルケニル基、(C-C20)アルキニル基から選択することができ、好ましくは、前記「(C-C20)脂肪族炭化水素基」は、(C-C12)アルキル基、(C-C12)アルケニル基、(C-C12)アルキニル基から選択することができ、前記(C-C12)脂肪族炭化水素基は、(C-C)アルキル基、(C-C)アルケニル基、(C-C)アルキニル基から選択することができ、
好ましくは、前記RbはN-RにおけるNと連結して環構造
【化5】
を形成し、前記環構造は、さらに好ましくは構造
【化6】
であり、この場合、Rは存在せず、R、R及びRaは請求項1に定義した通りであることを特徴とする、請求項1に記載の式Iで示される化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
前記Rは、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ノルマルペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ノルマルヘキシル基、ビニル基、1-アリル、2-アリル、1-メチルエテニル、1-ブテニル、1-エチルビニル、1-メチル-2-アリル、2-ブテニル、3-ブテニル、2-メチル-1-アリル、2-メチル-2-アリル、1-ペンテニル、1-ヘキセニル、エチニル基、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、1-メチル-2-プロピニル、3-ブチニル、1-ペンチニル、1-ヘキシニル、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、NHCH-、
【化7】
から選択され、前記Rは任意に、1個、2個もしくはそれ以上のRcによってさらに置換されてもよいことを特徴とする、請求項1に記載の式Iで示される化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
前記式Iの化合物は、さらに好ましくは、以下の式IIであることを特徴とする、請求項1に記載の式Iで示される化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩。
【化8】
(式中、RcとRcは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ独立して、H又はRcから選択され、
Rc、R’、R”、R、R、R、R、n、mは請求項1に定義した通りである。)
【請求項6】
前記式Iの化合物は、さらに好ましくは以下の式IIIであることを特徴とする、請求項1に記載の式Iで示される化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩。
【化9】
(式中、RcとRcは同一又は異なり、それぞれ独立して、H又はRcから選択され、Rcは請求項1に定義した通りである。)
【請求項7】
前記式Iの化合物は、さらに好ましくは以下の式IIIA、式IIIBであることを特徴とする、請求項1に記載の式Iで示される化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩。
【化10】
(式中、RcとRcは同一又は異なり、それぞれ独立して、Rcから選択され、Rcは請求項1に定義した通りである。)
【請求項8】
前記Rcは、C-C12アルキル基、C-Cシクロアルキル基、及び1個、2個又は複数のNHによって任意に置換されたC-C12アルキル基から選択され、
好ましくは、Rcは、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ノルマルプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、アミノメチル基、1,5-ジアミノ-n-ペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、又はシクロヘキシル基から選択され、
前記Rcは、H又はC-C12アルキル基から選択され、
好ましくは、前記Rcは、H又はメチル基から選択されることを特徴とする、請求項5に記載の式Iで示される化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
以下の構造で示されることを特徴とする、請求項1に記載の式Iで示される化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩。
【化11】
【請求項10】
適切な条件下で、イブタモレン又はその誘導体と、Ra及び/又はRb修飾基を導入した原料とを適切な試薬に反応させ、アミノ修飾生成物を得、そして任意に、適切な条件下で、保護基導入、脱保護基の工程を行うステップを含み、又は、
適切な条件下で、イブタモレン又はその誘導体をリン酸二水素カリウム、アセトンの条件下で反応させるステップを含み、又は、
適切な条件下で、イブタモレン又はその誘導体をクロロギ酸エステル又は置換チオカーボネート、塩基性の条件下で反応させ、前記塩基性条件はトリエチルアミンから選択することができ、前記反応に用いられる溶媒はジクロロメタンとすることができるステップを含み、又は、
縮合剤を用いて塩基性の条件下でアミノ酸とアミド縮合反応を行い、縮合剤は2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート及びジシクロヘキシルカルボジイミドから選択することができ、塩基性条件はトリエチルアミンから選択することができるステップを含むことを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の式Iで示される化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩の製造方法。
【請求項11】
請求項1から9のいずれか1項に記載の式Iで示される化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩を含むことを特徴とする、医薬組成物。
【請求項12】
請求項1から9のいずれか1項に記載の式Iで示される化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩、又は請求項1から9のいずれか1項に記載の式Iで示される化合物及びそのラセミ体、立体異性体、互変異性体、同位体マーカー、窒素酸化物、溶媒和物、多形体、代謝産物、エステル、プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物の、GHSRアゴニストの製造における用途又は成長ホルモン依存性疾患の診断、予防及び/又は治療のための薬物の製造における用途であって、好ましくは、前記疾患又は病症は成長ホルモン欠乏又は成長ホルモン依存に関連し、好ましくは、前記化合物はヒト及び動物投与後の血漿中の成長ホルモンレベルを促進することができる、前記用途。
【国際調査報告】