(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】固体剤形を含有するカプセル内の泡をなくす予備充填システム
(51)【国際特許分類】
A61J 3/07 20060101AFI20240305BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20240305BHJP
A61K 45/06 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
A61J3/07 E
A61J3/07 P
A61K9/48
A61K45/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557356
(86)(22)【出願日】2022-03-17
(85)【翻訳文提出日】2023-11-16
(86)【国際出願番号】 US2022020835
(87)【国際公開番号】W WO2022197983
(87)【国際公開日】2022-09-22
(32)【優先日】2022-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523025643
【氏名又は名称】プロキャップス エスエイ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】アルタマール カルロス サラザール
(72)【発明者】
【氏名】パドロン ブラウリオ ファビアン テラン
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア グスマン ホセ アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ロメロ グスタヴォ エンリケ アナヤ
(72)【発明者】
【氏名】イエペス イヴァン ダリオ ロメロ
【テーマコード(参考)】
4C047
4C076
4C084
【Fターム(参考)】
4C047LL13
4C047LL20
4C076AA56
4C076BB01
4C076CC05
4C076EE42
4C076GG37
4C084AA20
4C084MA02
4C084MA37
4C084MA52
4C084NA03
4C084ZB111
4C084ZB112
4C084ZB131
4C084ZB132
4C084ZC751
(57)【要約】
本発明は、ソフトゲルカプセルを別の固体剤形が包み込まれた状態でかつ気泡のない状態で製造する回転ダイモールドプロセスを提供し、このプロセスでは、少なくとも2つの材料ストリップを相互逆転フォーミングロールによって合わせてカプセルの状態に成形し、液体および気体の充填剤料を充填ウェッジ形セグメントにより導入し、この充填ウェッジ形セグメントは、2つの凹状ウェッジ表面、充填機入口、充填機出口、固形物および予備充填薬物の出力部、固形物供給チャネルおよび予備充填薬物、予備充填薬物入口および固形物入口を有する。気泡のないソフトゲルカプセル中には第2の固体剤形が含有され、第2の固体剤形は錠剤の形をしている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソフトゲルカプセルを別の固体剤形が包み込まれた状態で製造する機械のための分配器プレートおよび充填ウェッジセグメントであって、前記ソフトゲルカプセルには気泡がなく、前記ソフトゲルカプセルは、回転ダイ法によって製造され、前記充填ウェッジセグメントは、2つの凹状ウェッジ表面、充填薬物入口、充填薬物出口、固形物および予備充填薬物の出力部、固形物供給チャネルおよび予備充填薬物、予備充填薬物入口および固形物入口を有する、分配器プレートおよび充填ウェッジセグメント。
【請求項2】
カプセル、特にソフトゲルカプセルを別の固体剤形が包み込まれた状態で回転ダイ法によって製造する機械であって、請求項1記載の少なくとも1つの充填ウェッジと、少なくとも2つの材料ストリップを合わせて該材料ストリップをカプセルの状態に成形する少なくとも2つの逆回転可能なフォーミングロールとを有する、機械。
【請求項3】
ソフトゲルカプセルを別の固体剤形が包み込まれた状態で製造する回転ダイモールド法であって、前記ソフトゲルカプセル内には気泡がなく、少なくとも2つの材料ストリップを相互逆転フォーミングロールによって合わせてカプセルの状態に成形し、液体および固体の充填剤料を充填ウェッジセグメントによって導入し、前記充填ウェッジセグメントは、2つの凹状ウェッジ表面、充填薬物入口、充填薬物出口、固形物および予備充填薬物の出力部、固形物供給チャネルおよび予備充填薬物、予備充填薬物入口および固形物入口を有する、方法。
【請求項4】
前記充填ウェッジセグメントは、該充填ウェッジセグメントが、ゼラチンフィルム内に形成されたチャンバ中に前記予備充填投与分を注入すると同時に該予備充填投与分が前記チャンバ内に入っている空気を押しのけるよう同期される、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記充填ウェッジセグメントは、該充填ウェッジセグメントにより前記予備充填薬物によって押しのけられた前記空気が前記固形物を供給するための同一のチャネルを通って外部に抜け出ることができるようタイミングが取られる、請求項3記載の方法。
【請求項6】
前記空気の抜け出しは、前記ゼラチンフィルムが前記供給チャネルを閉じる直前に起こる、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記空気の抜け出しは、空気が前記カプセル内に閉じ込められるのを阻止する、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記モールドの回転により、前記固形物と前記予備充填薬物の両方は、前記セグメントの表面上に収容されたカプセルを形成する箇所まで移動する、請求項3記載の方法。
【請求項9】
前記セグメントの頂点に達すると、前記カプセル形成プロセスは、従来法で起こり、底部シールで始まる、請求項3記載の方法。
【請求項10】
前記充填薬物の注入は、前記予備充填薬物の添加時、製品の公称理論投与量の100%を完了する、請求項3記載の方法。
【請求項11】
前記カプセルの上側シールを形成し、前記固形物が内側に留まっているとき、ユニゲルが内部に気泡のない状態で得られる、請求項3記載の方法。
【請求項12】
気泡のないソフトゲルカプセルであって、前記カプセル内には第2の固体剤形が包み込まれており、前記第2の固体剤形は、錠剤の形をしており、錠剤の形の前記第2の固体剤形を組み込んだ前記ソフトゲルカプセルの製品は、
(a)オメガ油を含むソフトゲルカプセル中に包み込まれた固体剤形としてのスタチン、
(b)非ステロイド系抗炎症薬を含む1つのソフトゲルカプセル、および前記非ステロイド系抗炎症薬を含む前記ソフトゲルカプセル中に包み込まれていて、抗ヒスタミン薬を含む前記固体剤形、
(c)オメガ油を含む1つのソフトゲルカプセル、および前記オメガ油を含む前記ソフトゲルカプセル中に包み込まれていて、サリチル酸塩を含む前記固体剤形から成る群から選択される、ソフトゲルカプセル。
【請求項13】
前記オメガ油は、オメガ‐3油であり、前記スタチンは、メバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、シンバスタチン、ロスバスタチン、セリバスタチンおよびアトルバスタチンから成る群から選択される、請求項12記載のソフトゲルカプセル。
【請求項14】
前記酸性非ステロイド系抗炎症薬は、イブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フェンブフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、ミロプロフェン、チオキサプロフェン、スプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、フルプロフェン、ブクロキシ酸、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ゾメピラク、ジクロフェナク、フェンクロフェナクアルクロフェナク、イブフェナク、イソキセパク、フロフェナク、チオピナク、ジドメタシン、アセメタシン、フェンチアザク、クリダナク、オクスピナク、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルム酸およびトルフェナム酸、ジフルニサル、フルフェニサルおよびピロキシカムから成る群から選択され、前記抗ヒスタミン薬は、ジフェンヒドラミン、ロラタジン、セチリジン、フェキソフェナジン、ヒドロキシジン、シプロヘプタジン、クロルフェナミン、クレマスチンおよびデスロラタジンから成る群から選択される、請求項12記載のソフトゲルカプセル。
【請求項15】
前記サリチル酸塩は、アセチルサリチル酸である、請求項12記載のソフトゲルカプセル。
【請求項16】
前記第2の固体剤形は、徐放性錠剤である、請求項12記載のソフトゲルカプセル。
【請求項17】
前記第2の固体剤形は、即放性錠剤である、請求項12記載のソフトゲルカプセル。
【請求項18】
前記第2の固体剤形は、制御放出性錠剤である、請求項12記載のソフトゲルカプセル。
【請求項19】
前記第2の固体剤形は、徐放性錠剤である、請求項12記載のソフトゲルカプセル。
【請求項20】
前記第2の固体剤形は、即放性錠剤と徐放性錠剤の組み合わせである、請求項12記載のソフトゲルカプセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソフトゼラチンカプセル内に気泡入りの他の固体剤形またはより小さいカプセルを包み込んだソフトゼラチンカプセル製造方法および装置に関する。本発明のカプセルは、特に2種類の薬剤が互いに相容れない(配合禁忌である)場合に、薬剤および栄養補助食品のような種々の液体製品を容易に摂取可能な形で提供するための手段として今や定評がある。
【0002】
本発明はさらに、気泡のない1つ以上のより小さいカプセルを包み込んだソフトゲル(すなわちソフトゼラチンカプセル)およびかかるソフトゲルの製造方法および装置に関する。本発明はまた、多数の有効成分等を含有した軟質タイプで気泡のないゼラチンカプセルに関し、特に、多数の薬物または栄養補助食品を互いに分離された内容物として含有することのできる新規なゼラチンカプセル、ならびにその製造方法および製造装置に関する。
【0003】
本発明はまた、一般的に、測定された量の相容れない薬物を含有した気泡のないカプセルをカプセル内に形成するための方法および装置に関し、特に、気泡のないカプセルを形成するための方法および装置に関する。
【0004】
本発明の方法および装置は、互いに相容れない多数の医薬品、例えば薬物、ビタミン、補助食品を含有する気泡のない他の固体剤形を含有するソフトゲルカプセルの形成に関連して特に有用である。
【0005】
本発明はさらに、封入機に関し、特に、ソフトゼラチンカプセルを気泡がなく、他の小さいカプセルまたは他の固体剤形を包み込んだ状態で作製する軟式封入機に関する。
【0006】
本発明は、2つの有効成分が互いに相容れないが、これら有効成分を同一剤形に含ませた状態で投与し、すなわちカプセル内のカプセルまたはカプセル内の別の固体剤形を投与することが望ましい製剤または調合薬を作製するのに特に有用であり、これらカプセルには気泡がない。
【0007】
〔関連出願の引照〕
本願は、2021年3月17日に出願された米国特許仮出願第63/162,080号(発明の名称:Pre-Filling System To Eliminate Bubbles Inside Capsules Having A Solid Dosage Forms Within Said Capsules)の35U.S.C.のセクション119に基づく優先権主張出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0008】
封入の技術は、長年にわたり、特に種々の医薬品を含有する単位剤形の製造向けに知られてきた。通常、そのような医薬用カプセルはゼラチンまたはその多少の設計変更例で構成され、それらは基本的に2つの異なる形態に、すなわちいわゆるハードゼラチンカプセルおよびソフトゼラチンカプセルに作製されている。
【0009】
また、従来のソフトゼラチンカプセルは、薬剤および同様の製品、特に液体、ペースト、液体中に分散した固体、または乾燥固体の投与の好適な形態であることも知られている。ソフトゼラチンカプセルはまた、ゼラチンが内容物の周囲を完全にシールするので、空気および光から完全に保護する必要のある物質に特に有利である。重要な例としてビタミンの封入があり、その結果、ビタミンの高度の安定性が達成される。
【0010】
ハードゼラチンカプセルも当業界で公知であり、一般的に、一方を他方に嵌合して完全なカプセルを形成する2つの別個の部品、すなわち「キャップ」および「ボディ」から形成される。キャップおよびボディは、キャップまたはボディの内容積に対応する形状のマンドレルの端部をゼラチン溶液に浸漬し、次いで溶液からマンドレルを引き上げ、このようにして堆積したゼラチンの層を乾燥させることから成る同一方法によって製造され、次いでそれは手袋の指のように取り出される。そのように形成された硬シェルカプセルには漏れの問題があり、かつ空気および光からの適切な保護をもたらさない。
【0011】
今やソフトゲルとしてより一般的に知られるソフトゼラチンカプセルは、周知であり、長年にわたり広く使用されてきた。ソフトゲルは一般的に、主としてゼラチン、可塑剤、および水から作られた外側シェルと、シェル内に包含された充填剤とを含む。充填剤は、ゼラチンシェルと共存性のある多種多様な物質のいずれかから選択することができる。ソフトゲルは、多くの異なるタイプの製剤およびビタミン製品を含有する経口剤形として製薬業界で幅広く使用されている。薬剤およびビタミン用の経口剤形としての使用に加えて、ソフトゼラチンカプセルまたはソフトゲルは、直腸用または膣用の座薬としても使用可能に設計されている。他の用途として局所用および点眼用製剤等がある。化粧品業界もソフトゲルを種々のタイプの香水、油、シャンプー、スキンクリーム等のための特殊パッケージとして使用する。ソフトゲルは円形、楕円形、長方形、管状、および星形のような他の特殊なタイプの形状を含め、多種多様なサイズおよび形状で利用可能である。完成したカプセルまたはソフトゲルは、種々の色にすることができる。また、シェルに乳白剤を加えることもできる。
【0012】
ソフトゲルカプセルを作製するための方法は、ゼラチンシェルおよび充填剤が結合してソフトゲルカプセルを形成するステップを含む。それは、相対湿度が約20%のクリーンルームと呼ばれる閉鎖環境で行われる。ゼラチンシェルおよび充填剤は封入機内に同時に集められる。
【0013】
この方法は、基本的に次のように実行される。ポンプは温かいゼラチンを、機械の両側に配置された2つの冷却ドラム上に、各ドラムに着座したスプレッダボックスを介して送出する。温かい液体ゼラチンはドラム上を流動し、これにより液体ゼラチンは2つのリボン状の固体ゲルに変形する。左右のリボンは、リボンを2つのダイロールに供給するローラを通過する。これらのダイロールはソフトゲルの形状およびサイズを決定し、転回するときにリボンからソフトゲルシェルを切り取る。
【0014】
それと同時に、高感度高精度容積移送式ポンプは、回転ダイ間に着座する加熱されたウェッジ内に充填剤を送出する。このウェッジは、ダイロールがリボンを切断して2つの半体を一体に封止する直前に、リボンの間のダイキャビティ内に充填剤を注入する。形成されたばかりの温かいソフトゲルは、シュートを介して、冷却および乾燥方法が行われるタンブル乾燥機にソフトゲルを搬送するコンベヤベルト上に穏やかに滑る。
【0015】
より具体的に詳述すると、典型的な軟式封入機は、別々のドラム上で溶融ゼラチンを冷却することによって少なくとも2つの可撓性ゼラチンシートまたはリボンを形成し、次いでシートを協働するダイ上で互いに繋がるように潤滑案内しながら、同時にダイの外面のキャビティと同期して所望の量の充填剤をシート間に吐出して、ソフトカプセルを製造する。封入機は典型的には歯車機構を利用して種々のコンポーネントおよび充填機構の相対的回転を制御して、これらの種々のコンポーネントの動作を同期させる。しかし、これらの種々のコンポーネントの同期は、種々の要素によって、例えば使用する特定のダイ、キャビティの数およびダイのキャビティの大きさ、ならびにシートを形成するために使用する材料のタイプによって変動することがあり得る。種々のコンポーネントの同期を変化させるには、これらのコンポーネントの所望の比率および同期を得るように、機械的歯車を変更する必要がある。しかし、歯車の変更は、時間がかかる。加えて、機械的歯車の使用は、利用可能な機械的歯車に対する種々のコンポーネントの同期を制限する有限歯車比をもたらす。したがって、歯車を変更する必要なく、種々のコンポーネントが動作する同期および速度を変更することのできるカプセル機械を提供することは有利であろう。加えて、種々のコンポーネント間の同期を無限とすることができ、それによって種々のコンポーネント間のより精密な同期が可能になれば、有利であろう。また、機械が動作している間に、各々のソフトカプセル内に充填剤を挿入するタイミングの調整ができるように、種々のコンポーネント、例えば充填機を他のコンポーネントとは独立して調整することができることも有利であろう。また、ソフトゲルカプセルの製造における流延用ドラムを使用しないようにすることも有利であろう。
【0016】
カプセル製造機の作動中に、隣接するダイ間の接触は、カプセル製造機のオペレータによって調整可能である。典型的には、オペレータは、隣接ダイ間を通過するシートにかかる圧力または力を調整することができるように、ダイの一方を他方のダイに近づけることができる。そのような調整は典型的には、流体アクチュエータ、例えば空気圧シリンダによって行われる機械的調整である。オペレータは空気圧を調整し、それによってダイが互いにかつシートに対して加える力を変更することができる。この調整機能は、オペレータが、高品質のソフトカプセルが製造されることを確実にするべく、圧力をカスタマイズすることを可能にする。しかし、2つのダイ間の圧力または力が受入れ可能なソフトカプセルを製造するのに要求されるより高い場合、ダイは早期損傷および/または摩耗を起こし易い。したがって、ダイに過度の摩耗または早期摩耗を誘発することなく高品質カプセルが製造されるように、ダイに加えられる圧力を監視/記録することは有利であろう。
【0017】
材料充填機構は、ソフトカプセル内に封入される充填剤を供給するために使用される。充填剤が液体、例えば薬液またはペイントボールカプセル用の染料である場合、充填機構は、ダイの上方に位置するハウジング内に配設された複数の容積移送式プランジャ型ポンプを含む。プランジャ型ポンプは、プランジャ型ポンプに1行程で液体充填剤を充填させ、かつその後に他の行程で液体充填剤を排出させるように、往復動作で直線的に運動するヨーク上に配置される。対向するポンプ間の弁装置は、ポンプの排出および充填を制御するために利用される。弁装置は、ヨークの直線運動に略垂直な方向に前後に直線運動する摺動部材を含む。ダイを通過するときの液体充填剤のシートへの排出は、液体充填剤の注入のタイミングがダイのキャビティと同期することを確実にするように、ダイの動作と協調する。典型的には、この同期は、行程のタイミングをダイの回転に連係させる機械的歯車の使用を介して実行されてきた。したがって、同期を調整するために、時間のかかる機械的歯車の変更が要求される。さらにタイミングは、利用可能な歯車によって決定される有限数の歯車比に限定される。
【0018】
弁機構の摺動部材は、潤滑を必要とする。典型的には、潤滑は、それ自体の別個の駆動体を持つ潤滑ポンプによって達成される。しかし、潤滑ポンプを作動させるために別個の駆動体を使用することは、カプセル機械にさらに複雑さおよびコンポーネントを増加させる。したがって、摺動部材および/またはヨークの運動を利用して潤滑ポンプを駆動すると、有利であろう。
【0019】
ポンプは典型的には、摺動部材を潤滑するために使用される潤滑油が充填されたハウジング内に収容される。しかし、ポンプはそれらのシールの周囲で漏出し、漏出する充填剤で潤滑油を汚染することがあり得る。油の汚染は、時間がかかりかつおそらく困難である浄化を必要とし、潤滑油を設計どおりに機能させず、それによって摺動面の摩耗を増加させ、かつ摺動面の寿命を低減させることがあり得る。したがって、ポンプから漏出する充填剤を捕捉し、液体充填剤がポンプハウジング内の潤滑油を汚染するのを阻止または防止することは有利であろう。
【0020】
ポンプは典型的には、同じくポンプハウジング内に位置する駆動機構によって駆動される。駆動機構はポンプハウジング内に位置するので、ポンプから漏出する液体充填剤は潤滑油だけでなく駆動機構をも汚染することが可能である。ある充填剤から別の充填剤に切り替える際に、ポンプおよびポンプハウジング内の全てのコンポーネントは、全ての汚染物質を除去するように徹底的にクリーニングすることが要求される。駆動機構をポンプハウジング内に配置することは、充填剤を交換するときにクリーニングしなければならない追加のコンポーネントをもたらす。したがって、駆動機構をポンプハウジングから分離して、充填剤を交換するときにクリーニングを必要とするコンポーネントを低減することは、有利であろう。
【0021】
封入機によって製造されたソフトカプセルは、ソフトカプセルをさらに乾燥させてそれらを最終的な形態にするために、封入機から乾燥機に移送される。ソフトカプセルは、封入機の前面に沿って延びるコンベヤによって、封入機から乾燥機に移送される。コンベヤは、封入機の運転中に充填剤によって汚染されることがあり得る。封入機で製造される製品を切り替えることを希望する場合、コンベヤを封入機から取り外して、それに付いた汚染物質を除去すべくクリーニングしなければならない。コンベヤは、コンベヤに取り付けられたモータによって駆動される。クリーニングのためにコンベヤを取り外す必要がある場合、モータもコンベヤと共に取り外さなければならず、それはコンベヤを取り外して移送する難しさを増大させ、かつモータを封入機から切り離すのにさらに時間を要する。本発明は、典型的な封入機の上述した不利点を克服する封入機を提供する。
【0022】
本出願人は、以下に簡単に論じる次の刊行物を承知している。米国特許第1,970,396号明細書は、ソフトゼラチンカプセルを自動方法で製造するための方法および機械を特徴とする。かかる方法は、重力送りスプレッダボックスを使用して2つのゼラチンシートまたはフィルムを形成し、液体ゼラチンを2つの別個のウェブ上で冷却し、次いで2つのシートを2つの協働するダイ間で互いに繋がるように潤滑案内しながら、同時に適量の医薬または他の充填剤をダイの外面のハーフキャビティと位置合わせしたシート間に送出することを含む。
【0023】
米国特許第5,761,886号(以下、「第´886号特許」という)明細書は、独立して移動可能な回転ダイおよび単一カプセルの形成中にダイの速度を変動させる能力をもたらすカプセル形成装置を開示している。第´886号特許の装置はまた、独立して制御される流延用ドラムを利用して「セットアップ」時間を短縮し、かつ品質管理の向上をもたらす。第´886号特許は、極めて複雑精巧な封入機を開示しているが、封入リボンの形成に依然として重力送りスプレッダボックスを利用している。
【0024】
スプレッダボックスを使用してフィルムまたはリボンを流延用ドラム上で形成することを開示している、封入技術に関係する他の特許として、米国特許第2,288,327号、同第2,774,988号、同第5,246,638号、同第5,735,105号、および同第6,022,499号が挙げられる。
【0025】
加うるに、多剤混合薬は、投与分取り入れ回数を減少させ、そして活性製剤の作用機序の相乗効果により効能を向上させることによって慢性疾患(例えば、HIV、喘息、糖尿病、脂質調整、高血圧)のための疾患管理を簡素化する好ましいアプローチである((これについては、M.サディア(M. Sadia),A.イスレブ(A. Isreb),I.アバーディ(I. Abbadi),M.イスレブ(M. Isreb),D.アジズ(D. Aziz),A.セロ(A. Selo),P.チミンズ(P. Timmins),M.A.アーナン(M.A. Alhnan),「フロム『フィックスド・ドーズ・コンビネーションズ』トゥ『ダイナミック・ドーズ・コンバイナー』:3Dプリンテッド・バイ‐レイヤー・アンティハイパーテンシブ・タブレッツ(From ’fixed dose combinations’ to ‘a dynamic dose combiner’: 3D printed bi-layer antihypertensive tablets)」,ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ファーマスーティカル・サイエンシズ(Eur. J. Pharm. Sci.)2018年,第123号,p.484~494、J.M.カステラーノ(J.M. Castellano),G.サンズ(G. Sanz),J.L.ペナルボ(J.L. Penalvo),S.バンシラル(S. Bansilal),A.フェルナンデス‐オルティス(A. Fernandez-Ortiz),L.アルベルツ(L. Alvarez),L.グズマン(L. Guzman),J.C.ライナーズ(J.C. Linares),F.ガルシア(F. Garcia),F.ダニエロ(F. D’Aniello),J.A.アルナイス(J.A. Arnaiz),S.ベレーア(S. Varea),F.マルティネス(F. Martinez),A.ロレンツァッティ(A. Lorenzatti),I.イマズ(I. Imaz),L.M.サンチェス‐ゴメス(L.M. Sanchez-Gomez),M.C.ロンカグリオニ(M.C. Roncaglioni),M.バビエラ(M. Baviera),S.C.スミス(S.C. Smith),K.タウバート(K. Taubert),S.ポコック(S. Pocock),C.ブロトンズ(C. Brotons),M.E.ファルコ(M.E. Farko),V.フステル(V. Fuster),「ア・ポリピル・ストラテジー・トゥ・インプルーブ・アドヒアレンス(A polypill strategy to improve adherence)」,ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・カレッジ・オブ・カーディオロジー(J. Am. Coll. Cardiol.),2014年,第64号,p.2071-2082、およびC.ローレント(C. Laurent),C.コウアンファック(C. Kouanfack),P.S.コウラ-シロ(P.S. Koulla-Shiro),N.ンコウエ(N. Nkoue),A.ブルジョイス(A. Bourgeois),A.カーミィ(A. Calmy),B.ラクトゥオック(B. Lactuock),V.ンゼウセウ(V. Nzeusseu),R.モウグヌトウ(R. Mougnutou),G.ペイタビン(G. Peytavin),F.リエージュ(F. Liegeois),E.ネリエネット(E. Nerrienet),M.ターディ(M. Tardy),M.ピーターズ(M. Peeters),I.アンドリュー-メイヤー(I. Andrieux-Meyer),L.ゼケング(L. Zekeng),P.M.カザチュキン(P.M. Kazatchkine),E.ムポウディ-ンゴール(E. Mpoudi-Ngole),P.E.デラポーテ(P.E. Delaporte),「エフェクティブネス・アンド・セーフティ・オブ・ア・ジェネリック・フィックスド‐ドーズ・コンビネーション・オブ・ネビラピン、スタブジン、アンド・ラミブジン・イン・HIV-1-インフェクテッド・アダルツ・イン・カメルーン:オープン・ラベル・マルチセンター・トライアル( Effectiveness and safety of a generic fixed-dose combination of nevirapine, stavudine, and lamivudine in HIV-1-infected adults in Cameroon: Open-label multicentre trial)」, ランセット,2004年,第364号,p.29~34を参照されたい)。
【0026】
逆に、多剤混合薬は、製造費、包装費、および配送費を減少させることによって単剤療法よりも費用効果のよい治療オプションを提供することができ、そして特許品ライフサイクル管理のための実行可能なストラテジーとしての役目を果たすことができる(これについては、D.デサイ(D. Desai),J.ワン(J. Wang),H.ウェン(H. Wen),X.リー(X. Li),P.チミンズ(P. Timmins),「フォーミュレーション・デザイン、チャレンジズ、アンド・デベロップメント・コンシダレーションズ・フォア・フィックスド・ドーズ・コンビネーション(FDC)オブ・オーラル・ソリッド・ドーセージ・フォームズ(Formulation design, challenges, and development considerations for fixed dose combination (FDC) of oral solid dosage forms)」,ファーマシューティカル・デベロップメント・アンド・テクノロジー(Pharm. Dev. Pharm. Dev. Technol.),2013年,第18号,p.1265~1276を参照されたい)。多剤混合薬の設計および製造について幾つかのアプローチが存在するが、多層錠剤が錠剤層中に混ぜ込むことができる放出プロフィールおよび溶解モードの観点で固有の融通性に起因して単剤中の配合禁忌の医薬製剤を投与するための最もありふれた剤形設計である(これについては、P.シェンデ(P. Shende),C.シュラウネ(C. Shrawne),R.S.ガウド(R.S. Gaud),「マルチレイヤー・タブレット(Multi-layer tablet)」、P.シェンデ(P. Shende),C.シュラウネ(C. Shrawne),R.S.ガウド(R.S. Gaud),「マルチレイヤー・タブレット:カレント・シナリオ・アンド・リーセント・アドバンシズ(Multi-layer tablet: Current scenario and recent advances)」,インターナショナル・ジャーナル・オブ・ドラッグ・デリバリー・テクノロジー(Int. J. Drug Deliv.),2012年,第4号,p.418~426を参照されたい)。しかしながら、多層錠剤の製造は、工業規模での最適な製造のために検討される必要がある種々の難題をもたらす。接着健全性が不十分であるための層分離(これについては、N.コッタラ(N. Kottala),A.アベベ(A. Abebe),O.スプロッケル(O. Sprockel),I.アクセリ(I. Akseli),F.ニクファ(F. Nikfar),A.M.キュイティニョ(A.M. Cuitino),「インフルエンス・オブ・コンパクション・プロパティーズ・アンド・インターフェイシャル・トポグラフィー・オン・ザ・パフォーマンス・オブ・バイレイヤー・タブレッツ(Influence of compaction properties and interfacial topography on the performance of bilayer tablets)」,インターナショナル・ジャーナル・オブ・ファーマシューティクス(Int. J. Pharm.),2012年,第436号,p.171~178を参照されたい)は、価値連鎖の種々の段階の間に起こる場合のあるかかる問題の明らかな一例である。これは一般に、2つの層のインターフェースのところでのキャッピングまたは離層により引き起こされる(これについては、C.Y.ウー(C.Y. Wu),J.P.K.セビル(J.P.K. Seville)「ア・コンパラティブ・スタディ・オブ・コンパクション・プロパティーズ・オブ・バイナリー・アンド・バイレイヤー・タブレッツ(A comparative study of compaction properties of binary and bilayer tablets)」,パウダー・テクノロジー(Powder Technol.),2009年,第189号,p.285~294を参照されたい)。製剤設計およびプロセス制御に応じて、弱い界面が錠剤圧縮中に作られ、これにより、製造、包装、または輸送中における特定の錠剤機械的応力状態における破砕の影響の受けやすさが増大する場合がある(これについては、F.ポッドチェック(F. Podczeck),「セオレティカル・アンド・エクスペリメンタル・インベスティゲーションズ・イントゥ・ザ・デラミネーション・テンデンシーズ・オブ・バイレイヤー・タブレッツ(Theoretical and experimental investigations into the delamination tendencies of bilayer tablets)」,インターナショナル・ジャーナル・オブ・ファーマシューティクス(Int. J. Pharm.),2011年,第408号,p.102~112 および I.アクセリ(I. Akseli),A.アベベ(A. Abebe),O.スプロッケル(O. Sprockel),A.M.キュイティニョ(A.M. Cuitino),「メカにスティック・キャラクタライゼーション・オブ・バイレイヤー・タブレット・フォームレーションズ(Mechanistic Characterization of bilayer tablet formulations)」,パウダー・テクノロジー(Powder Technol.),2013年,第236号,p.30~36を参照されたい)。製品回収の結果として、医薬品会社に対して財政上の損失が生じる場合があり、しかも製品の欠陥はまた、患者の薬物アドヒアランスに対して著しい影響を及ぼす場合がある。さらに、多層錠剤製造のための現行のプロセス技術では、高品質な最終製品の実現を保証するには追加のコントロール(独立の重量および力制御、品質欠陥)が必要であり、これに対し、報告された効率が従来型の単層錠剤について99%を超える技術の現状の錠剤投与機器とは対照的に、最終歩留まりが85%に近い(これについては、M.ベヘレンス(M. Behrens),J.カルビン(J. Calvin),D.キルシュ(D. Kirsch),「マルチレイヤー・タブレッツ:ア・ピース・オブ・ケイク(Multilayer tablets:A piece of cake)」,ファーマシューティカル・テクノロジー・ヨーロップ(Pharm. Technol. Eur.),2012年,第24号、M.ブンデンタール(M. Bundenthal),「オプティマイジング・イールズ・オン・モダン・タブレット・プレッシズ(Optimizing Yields on Modern Tablet Presses)」,ファーマシューティカル・テクノロジー(Pharm. Technol.),2017年,第41号、およびS.R.バイシヤリンガム(S.R. Vaithiyalingam),V.A.サイード(V.A. Sayeed),「クリティカル・ファクターズ・イン・マニュファクチャリング・マルチレイヤー・タブレッツ-アセッシング・マテリアル・アトリビューツ、イン‐プロセス・コントロールズ、マニュファクチャリング・プロセス・アンド・プロダクト・パフォーマンス(Critical factors in manufacturing multi-layer tablets-Assessing material attributes, in-process controls, manufacturing process and product performance)」,インターナショナル・ジャーナル・オブ・ファーマシューティクス(Int. J. Pharm.),2010年,第398号,p.9~13を参照されたい)。
【0027】
多層錠剤の製造に関連した上述の問題に起因して、多数の活性製剤を他形式の経口剤形中に組み込むための幾つかの試みが技術の現状において報告されている。ソフトゼラチンカプセルにより、有効成分を含む液体調剤をゼラチンシェルに封入することで確実かつ正確な投与が可能である。この経口剤形は、その嗜好性、化学的安定性、および市場性のある外観に起因して大抵の顧客が好む有望な一選択肢である。ソフトゼラチンカプセル内の配合禁忌のAPIの液体多剤混合薬を製造する試みは、中間ゼラチン層を導入して互いに異なる活性製剤が入れられる別々のチャンバに分けることによって先行技術によって開示されている。これらは、適当な一選択肢のように見えるが、全ての活性製剤を適当な液体体積中に溶解させることができるわけではなく、API液体体積投与相互間の大きな差は、カプセルの設計に関して厄介な場合がある。
【0028】
他の提案された解決策では、錠剤および小さなソフトカプセルを大きなソフトゼラチンカプセル中に組み込む。米国特許第9844512(B2)号明細書は、かかるカプセルを製造する装置を開示している。この装置は、ゼラチンフィルムを伝統的な封入機内で変形させて、投与案内ローラから来た錠剤が落ちるキャビティを作る手段を有し、錠剤は、システムによってゼラチンフィルムの前進に起因してかかるキャビティ内に入れた状態で運ばれる。これは、有望な技術的解決策のように見えるが、錠剤がゼラチンリボンのキャビティに入って封入機ウェッジまで進むことができるようゼラチンリボンの常時変形が必要である。ゼラチンリボンの常時変形により、ソフトゼラチンカプセルの形成空間内に含まれて運ばれる少量の空気体積スペースが生じ、かくして、内部に過度に大きな気泡が生じる。錠剤を機械のウェッジの外部に供給することにより、同伴気泡が生じる。同様の問題は、米国特許第8967989(B2)号明細書、同第9433584(B2)号明細書、および同第10383826(B2)号明細書に開示されている装置において見られ、かかる装置では、異なる機構体が機械のウェッジの外部への内部錠剤またはソフトカプセルの供給を実施するために用いられる。これらの米国特許において開示された装置は、錠剤またはカプセルを、ゼラチンリボン内の真空により生じたポケット中に同期した仕方で送り込むための2つのホッパ、2つの案内、および多数の把持爪で構成された供給システムを有する。上述の場合と同様、空気が機械のウェッジの外部に同伴され、かつ同伴空気を抽出するための媒体が存在していないことにより、製造されたカプセル内の気泡が発生するという主要な問題が起こる。同様の問題は、国際公開第2012/017325(A2)号明細書に開示された装置において提供され、かかる装置では、微小粒子が液体カプセルを満たし、かかる微小粒子を機械のウェッジの外部に導入することによってかかる空気空間が生じる。ソフトカプセル中の多剤混合薬内に大きな気泡が生じるという不都合は、2つの点で理解できる。第1に、カプセルの外観が顧客に受け入れられるかどうかということであり、第2に、液相で調合された幾つかの活性製剤が酸素分解の影響を受けやすいということであり、気泡が存在すると、得られる固体剤形中に分解生成物が生じ、送達されるソフトカプセルの安全性と有効性に重大な影響を及ぼす可能性がある。酸化の影響を受けやすいオメガ‐9、オメガ‐6、およびオメガ‐3のような不飽和脂肪酸、またはビタミンA、ビタミンD、ビタミンEのような脂溶性のビタミンの場合のように、不飽和脂肪酸が酸化すると、製品の保存可能期間に影響を及ぼす場合のある過酸化脂肪酸やアルコールのような種々の酸化生成物を形成する(これについては、アーメド(Ahmed),M.J.ピッコヴァ(M.J. Pickova),T.アーメド(T. Ahmad),M.リヤーカト(M. Liaquat),A.ファリド(A. Farid),M.ジャハーンギール(M. Jahangir),「オキシデーション・オブ・リピッズ・イン・フード(Oxidation of lipids in foods)」,サーハド・ジャーナル・オブ・アグリカルチャー(Sarhad Journal of Agriculture),2016年,32(3),p.230~238を参照されたい)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0029】
【特許文献1】米国特許第1,970,396号明細書
【特許文献2】米国特許第5,761,886号明細書
【特許文献3】米国特許第2,288,327号明細書
【特許文献4】第2,774,988号明細書
【特許文献5】第5,246,638号明細書
【特許文献6】第5,735,105号明細書
【特許文献7】第6,022,499号明細書
【特許文献8】米国特許第9844512(B2)号明細書
【特許文献9】米国特許第8967989(B2)号明細書
【特許文献10】米国特許第9433584(B2)号明細書
【特許文献11】米国特許第10383826(B2)号明細書
【特許文献12】国際公開第2012/017325(A2)号明細書
【非特許文献】
【0030】
【非特許文献1】M.サディア(M. Sadia),A.イスレブ(A. Isreb),I.アバーディ(I. Abbadi ),M.イスレブ(M. Isreb),D.アジズ(D. Aziz ),A.セロ(A. Selo ),P.チミンズ(P. Timmins),M.A.アーナン(M.A. Alhnan),「フロム『フィックスド・ドーズ・コンビネーションズ』トゥ『ダイナミック・ドーズ・コンバイナー』:3Dプリンテッド・バイ‐レイヤー・アンティハイパーテンシブ・タブレッツ(From ’fixed dose combinations ’ to ‘a dynamic dose combiner ’: 3D printed bi-layer antihypertensive tablets)」,ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ファーマスーティカル・サイエンシズ(Eur. J. Pharm. Sci.)2018年,第123号,p.484~494
【非特許文献2】J.M.カステラーノ(J.M. Castellano),G.サンズ(G. Sanz),J.L.ペナルボ(J.L. Penalvo),S.バンシラル(S. Bansilal),A.フェルナンデス‐オルティス(A. Fernandez-Ortiz),L.アルベルツ(L. Alvarez),L.グズマン(L. Guzman),J.C.ライナーズ(J.C. Linares),F.ガルシア(F. Garcia),F.ダニエロ(F. D’Aniello),J.A.アルナイス(J.A. Arnaiz),S.ベレーア(S. Varea),F.マルティネス(F. Martinez),A.ロレンツァッティ(A. Lorenzatti),I.イマズ(I. Imaz),L.M.サンチェス‐ゴメス(L.M. Sanchez-Gomez),M.C.ロンカグリオニ(M.C. Roncaglioni),M.バビエラ(M. Baviera),S.C.スミス(S.C. Smith),K.タウバート(K. Taubert),S.ポコック(S. Pocock),C.ブロトンズ(C. Brotons),M.E.ファルコ(M.E. Farko),V.フステル(V. Fuster),「ア・ポリピル・ストラテジー・トゥ・インプルーブ・アドヒアレンス(A polypill strategy to improve adherence)」,ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・カレッジ・オブ・カーディオロジー(J. Am. Coll. Cardiol.),2014年,第64号,p.2071-2082
【非特許文献3】C.ローレント(C. Laurent),C.コウアンファック(C. Kouanfack),P.S.コウラ‐シロ(P.S. Koulla-Shiro),N.ンコウエ(N. Nkoue),A.ブルジョイス(A. Bourgeois),A.カーミィ(A. Calmy),B.ラクトゥオック(B. Lactuock),V.ンゼウセウ(V. Nzeusseu),R.モウグヌトウ(R. Mougnutou),G.ペイタビン(G. Peytavin),F.リエージュ(F. Liegeois),E.ネリエネット(E. Nerrienet),M.ターディ(M. Tardy),M.ピーターズ(M. Peeters),I.アンドリュー‐メイヤー(I. Andrieux-Meyer),L.ゼケング(L. Zekeng),P.M.カザチュキン(P.M. Kazatchkine),E.ムポウディ‐ンゴール(E. Mpoudi-Ngole),P.E.デラポーテ(P.E. Delaporte),「エフェクティブネス・アンド・セーフティ・オブ・ア・ジェネリック・フィックスド‐ドーズ・コンビネーション・オブ・ネビラピン、スタブジン、アンド・ラミブジン・イン・HIV‐1‐インフェクテッド・アダルツ・イン・カメルーン:オープン・ラベル・マルチセンター・トライアル( Effectiveness and safety of a generic fixed-dose combination of nevirapine, stavudine, and lamivudine in HIV-1-infected adults in Cameroon: Open-label multicentre trial)」, ランセット,2004年,第364号,p.29~34
【非特許文献4】D.デサイ(D. Desai),J.ワン(J. Wang),H.ウェン(H. Wen),X.リー(X. Li),P.チミンズ(P. Timmins),「フォーミュレーション・デザイン、チャレンジズ、アンド・デベロップメント・コンシダレーションズ・フォア・フィックスド・ドーズ・コンビネーション(FDC)オブ・オーラル・ソリッド・ドーセージ・フォームズ(Formulation design, challenges, and development considerations for fixed dose combination (FDC) of oral solid dosage forms)」,ファーマシューティカル・デベロップメント・アンド・テクノロジー(Pharm. Dev. Pharm. Dev. Technol.),2013年,第18号,p.1265~1276
【非特許文献5】P.シェンデ(P. Shende),C.シュラウネ(C. Shrawne),R.S.ガウド(R.S. Gaud),「マルチレイヤー・タブレット(Multi-layer tablet)」、P.シェンデ(P. Shende),C.シュラウネ(C. Shrawne),R.S.ガウド(R.S. Gaud),「マルチレイヤー・タブレット:カレント・シナリオ・アンド・リーセント・アドバンシズ(Multi-layer tablet: Current scenario and recent advances)」,インターナショナル・ジャーナル・オブ・ドラッグ・デリバリー・テクノロジー(Int. J. Drug Deliv. ),2012年,第4号,p.418~426
【非特許文献6】N.コッタラ(N. Kottala),A.アベベ(A. Abebe),O.スプロッケル(O. Sprockel),I.アクセリ(I. Akseli),F.ニクファ(F. Nikfar),A.M.キュイティニョ(A.M. Cuitino),「インフルエンス・オブ・コンパクション・プロパティーズ・アンド・インターフェイシャル・トポグラフィー・オン・ザ・パフォーマンス・オブ・バイレイヤー・タブレッツ(Influence of compaction properties and interfacial topography on the performance of bilayer tablets)」,インターナショナル・ジャーナル・オブ・ファーマシューティクス(Int. J. Pharm.),2012年,第436号,p.171~178
【非特許文献7】C.Y.ウー(C.Y. Wu),J.P.K.セビル(J.P.K. Seville)「ア・コンパラティブ・スタディ・オブ・コンパクション・プロパティーズ・オブ・バイナリー・アンド・バイレイヤー・タブレッツ(A comparative study of compaction properties of binary and bilayer tablets)」,パウダー・テクノロジー(Powder Technol.),2009年,第189号,p.285~294
【非特許文献8】F.ポッドチェック(F. Podczeck),「セオレティカル・アンド・エクスペリメンタル・インベスティゲーションズ・イントゥ・ザ・デラミネーション・テンデンシーズ・オブ・バイレイヤー・タブレッツ(Theoretical and experimental investigations into the delamination tendencies of bilayer tablets)」,インターナショナル・ジャーナル・オブ・ファーマシューティクス(Int. J. Pharm.),2011年,第408号,p.102~112
【非特許文献9】I.アクセリ(I. Akseli),A.アベベ(A. Abebe),O.スプロッケル(O. Sprockel),A.M.キュイティニョ(A.M. Cuitino),「メカにスティック・キャラクタライゼーション・オブ・バイレイヤー・タブレット・フォームレーションズ(Mechanistic Characterization of bilayer tablet formulations)」,パウダー・テクノロジー(Powder Technol.),2013年,第236号,p.30~36
【非特許文献10】M.ベヘレンス(M. Behrens),J.カルビン(J. Calvin ),D.キルシュ(D. Kirsch ),「マルチレイヤー・タブレッツ:ア・ピース・オブ・ケイク(Multilayer tablets:A piece of cake )」,ファーマシューティカル・テクノロジー・ヨーロップ(Pharm. Technol. Eur.),2012年,第24号
【非特許文献11】M.ブンデンタール(M. Bundenthal),「オプティマイジング・イールズ・オン・モダン・タブレット・プレッシズ(Optimizing Yields on Modern Tablet Presses)」,ファーマシューティカル・テクノロジー(Pharm. Technol. ),2017年,第41号
【非特許文献12】S.R.バイシヤリンガム(S.R. Vaithiyalingam),V.A.サイード(V.A. Sayeed),「クリティカル・ファクターズ・イン・マニュファクチャリング・マルチレイヤー・タブレッツ―アセッシング・マテリアル・アトリビューツ、イン‐プロセス・コントロールズ、マニュファクチャリング・プロセス・アンド・プロダクト・パフォーマンス(Critical factors in manufacturing multi-layer tablets-Assessing material attributes, in-process controls, manufacturing process and product performance )」,インターナショナル・ジャーナル・オブ・ファーマシューティクス(Int. J. Pharm.),2010年,第398号,p.9~13
【非特許文献13】アーメド(Ahmed),M.J.ピッコヴァ(M.J. Pickova),T.アーメド(T. Ahmad),M.リヤーカト(M. Liaquat),A.ファリド(A. Farid),M.ジャハーンギール(M. Jahangir),「オキシデーション・オブ・リピッズ・イン・フード(Oxidation of lipids in foods)」,サーハド・ジャーナル・オブ・アグリカルチャー(Sarhad Journal of Agriculture),2016年,32(3),p.230~238
【発明の概要】
【0031】
本発明は、多剤ソフトゼラチンカプセル(Unigel(登録商標)プラットフォーム)を製造するよう構成された機械のウェッジ内に配置される専用機構体を備えていて、得られた固体剤形中に気泡がないことを保証する装置を開示する。
【0032】
本発明は、ソフトゲルカプセルを別の固体剤形が包み込まれた状態で製造する機械のための分配器プレートおよび充填ウェッジセグメントであって、ソフトゲルカプセルには気泡がなく、ソフトゲルカプセルは、回転ダイプロセスによって製造され、充填ウェッジセグメントは、2つの凹状ウェッジ表面、充填薬物入口、充填薬物出口、固形物および予備充填薬物の出力部、固形物供給チャネルおよび予備充填薬物、予備充填薬物入口および固形物入口を有することを特徴とする分配器プレートおよび充填ウェッジセグメントを提供する。
【0033】
本発明はまた、ソフトゲルカプセルを別の固体剤形が包み込まれた状態で製造する回転ダイモールド法であって、ソフトゲルカプセル内には気泡がなく、少なくとも2つの材料ストリップを相互逆転フォーミングロールによって合わせてカプセルの状態に成形し、液体および固体の充填剤料を充填ウェッジセグメントによって導入し、充填ウェッジセグメントは、2つの凹状ウェッジ表面、充填薬物入口、充填薬物出口、固形物および予備充填薬物の出力部、固形物供給チャネルおよび予備充填薬物、予備充填薬物入口および固形物入口を有することを特徴とする方法を提供する。
【0034】
本発明はまた、気泡のないソフトゲルカプセルであって、カプセル内には第2の固体剤形が包み込まれており、第2の固体剤形は、錠剤の形をしており、錠剤の形の第2の固体剤形を組み込んだソフトゲルカプセルの製品は、(a)オメガ油を含むソフトゲルカプセル中に包み込まれた固体剤形としてのスタチン、(b)非ステロイド系抗炎症薬を含む1つのソフトゲルカプセル、および非ステロイド系抗炎症薬を含むソフトゲルカプセル中に包み込まれていて、抗ヒスタミン薬を含む固体剤形、および(c)オメガ油を含む1つのソフトゲルカプセル、およびオメガ油を含むソフトゲルカプセル中に包み込まれていて、サリチル酸塩を含む固体剤形から成る群から選択されることを特徴とするソフトゲルカプセルを提供する。
【0035】
本発明は、特に哺乳類への経口送達のために配合禁忌の医薬品の組合せの固有の欠点を克服する目的で、特にこれまで先行技術によっては満たされなかった長年の切実な要望に応える。組成物は、気泡がなく、しかも経口投与の便利さおよび信頼性を提供する一方で配合禁忌物質のほぼ同時の生体内送達を達成するカプセル内のカプセルまたは他の固体剤形である。組成物は、調剤時に常温保存可能である。
【0036】
本発明の上記利点および他の利点は、その一観点では、配合禁忌の有効成分の組合せである経口医薬組成物で実現される。組成物は、第2有効成分を含有する第2ソフトカプセルに閉囲された第1カプセルに1種類の医薬品を含む二重ソフトカプセルを含む。ソフトカプセルは、ゼラチン製でありかつ気泡がないことが好ましい。有効成分を許容可能等級の担体と結合させるのがよい。
【0037】
別の観点では、本発明は、配合禁忌の製剤を哺乳類に同時に生体内送達する方法である。かかる送達は、第2のより大きいソフトカプセル内にあって第1物質と配合禁忌の第2物質により包囲された第1カプセル内に第1物質が入っている二重ソフトカプセルを哺乳類に経口投与することによって達成される。
【0038】
もう1つの実施形態では、本発明は、変化しやすい組成の多数のカプセルの使用を含む配合禁忌の常温保存可能な組成物を調製する方法を提供する。かかる方法は、手動でまたは以下にさらに説明する本発明の装置によって実施される。
【0039】
本明細書で使用する用語「配合禁忌」は、所望のレベルまたは濃度で組み合わされたときに互いに有害反応を起こす物質を指すことを意図している。
【0040】
本発明はまた、ペレット、小さいカプセル剤、小さい錠剤、徐放性固体剤形、即放性固体剤形、持続放出性固体剤形、およびゼロ次放出性固体剤形から成る群から選択された他の固体剤形を包み込んだ気泡のないソフトゲルカプセルを製造するための装置であって、(a)2つのスプレッダボックスと、(b)2つの流延用ドラムと、(c)吸引用の手段を有する一対の回転ダイと、(d)液体充填システムと、(e)ゼラチンリボンを加熱しかつ充填材を供給するためのウェッジと、(f)固体剤形を有するホッパと、固体剤形を移送するためのチャネルガイドと、回転ダイで形成されたソフトゲルポケット内に固体剤形を吐出するための把持爪とを含む2つの側方定量吐出装置とを備えた装置をも提供する。
【0041】
本発明はさらに、固体剤形を気泡のないソフトゲルカプセル内に定量吐出するとともに供給するための定量吐出装置であって、固体剤形を有するホッパと、固体剤形を移送するためのチャネルガイドと、固体剤形を定量吐出するための把持爪とを含む定量吐出供給装置を提供する。
【0042】
本発明はまた、他の固体剤形を内部に組み込んだ気泡のないソフトゲルカプセルを製造するための方法であって、(a)ゲル形成組成物を成形してフィルムを作製するステップと、(b)真空手段を有する一対の回転ダイにフィルムを通してポケットを形成するステップと、(c)把持爪を使用する側方定量吐出供給システムを用いて、小さい固体剤形をポケット内に供給するステップと、(d)ウェッジセグメントを介してポケットに液状形態の医薬調剤を充填するステップと、(e)ポケットを封止することによってカプセルを形成するステップとを含む方法をも提供する。
【0043】
本発明はまた、別のカプセルを包み込んだ気泡のないソフトゲルカプセルを製造するための方法であって、(a)第1ダイロールと第2ダイロールとの間にフィルムシートを供給するステップと、ここでダイロールの各々が複数列のカプセルポケットを有し、カプセルポケットが吸引を適用するための少なくとも1つのオリフィスを有しており、(b)フィルムがカプセルポケットに位置する間に吸引を適用するステップと、(c)ホッパおよび把持爪を有する側方定量吐出装置から案内チャネルを介して、ダイロール上に載っているフィルムシート上のカプセルポケットを有する位置に、予成形された小さいカプセルを供給するステップと、(d)ウェッジセグメントを介してカプセルポケットに液体医薬調剤を充填するステップと、(e)フィルムシートをカプセルポケットの周りで切断して、適切な液体医薬配合剤と共にカプセルを有するソフトゲルカプセルを形成するステップとを含む方法をも提供する。
【0044】
本発明はさらに、気泡のない外側ソフトゲルカプセル内に包み込まれたソフトゲルカプセル、気泡のない外側ソフトゲルカプセル内に包み込まれた錠剤、気泡のない外側ソフトゲルカプセル内に包み込まれた微粒剤、ならびに気泡のない外側ソフトゲルカプセル内に包み込まれたソフトゲル、錠剤、および/または微粒剤の間の任意の組合せを提供する。
【0045】
本発明はまた、(a)1つのカプセルがオメガ油を包含し、他の固体剤形がスタチンを有するカプセル剤であり、(b)1つのカプセルが非ステロイド系抗炎症薬を含有し、他の固体剤形が抗ヒスタミン剤を含有し、および(c)1つのカプセルがオメガ油を含有し、他の固体剤形がサリチル酸塩を含有しているという特徴から成る群から選択された別の固体剤形を包み込んだ気泡のないソフトゲルカプセルを提供する。
【0046】
本発明の特定の適応、組成のバリエーション、ならびに物理的および化学的属性の他の利点およびより深い理解は、添付の図面および付属の特許請求の範囲に関連して取り上げる以下の発明の詳細な説明を検討することにより、得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】装置の全ての要素を示す本発明の完全な装置の正面図である。
【
図2】
図1の装置のスプレッダボックスおよび流延用ドラムを省いた状態の正面図である。
【
図3】カプセルに他のカプセルを充填するための機構の正面図である。
【
図4】いかにしてより小さいカプセルがより大きいカプセル内に定量吐出されるかを示す正面図である。
【
図5】案内チャネルを介してより大きいカプセル内に供給されるカプセルを有する小カプセルホッパを示す図である。
【
図6】2つのカプセルを別のカプセル内に包含する本発明の代表的最終製品を示す図である。
【
図7】本発明によって予想される製品の代表例を示す図である。
【
図8】予備充填システムのコンポーネントの略図である。
【
図9】本発明の装置の分配器プレートおよびセグメントシステムを示す図である。
【
図10】本発明のUnigel法中の空気チャンバ生成の作用効果を示す図である。
【
図12】本発明の装置の使用前後におけるソフトカプセルの多剤混合薬を有する製品相互の比較を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1に示す装置を詳細に参照すると、参照符号1は、クランプにより接続されたカバー2および薬物フィーダ3を有する薬物ホッパを示す。装置はさらに薬物分配器システム4、薬物を圧送するためのポンプ5を含み、かつさらにプランジャ6を含む。装置はまた、嵌合分配器接続部7、薬物配管/ホース8、セグメント連結接続部9、支持セグメント10、およびウェッジセグメント11をも含む。
【0049】
装置は、回転ダイで成形されるソフトゲルによって封入されるようになったより小さいカプセルまたは他の固体剤形を含む側方ホッパ12,13を有する。側方ホッパ定量吐出システムは、アクリル系または他の材料のノブファスナ14、およびより小さいカプセルまたはペレットもしくは微小錠剤等のような他のより小さい固体剤形のための案内チャネル/軌道16を有するアクリルサブストレート15を含む。本発明の側方定量吐出システムは、チャネル/軌道16を通して送られてきたより小さいカプセルを定量吐出するための把持爪17を含む。装置はさらにソフトゲルカプセルを製造する従来の態様を含み、それはゼラチンフィルム18、案内ローラ19、テンショナ20、回転モールド21、真空システム22、カプセルが成形された後のカプセル出口23、ヨーク支持アーム24、ハウジング25、スプレッダゲル定量吐出ボックスおよび流延用ドラム27を含む。
【0050】
図2は、スプレッダゲル定量吐出ボックスおよび流延用ドラムを省いた状態で
図1の装置を示す。
図2の参照符号は、
図1における参照符号と同一である。
【0051】
本発明のフィルム成形材料は、ゼラチン、デンプン、カラギナン、ゴム、または合成材料、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、他のヒドロキシアルキル化セルロース等から成る群から選択された少なくとも1つの成分を含む。フィルム成形材料は、典型的には塩基水溶液であり、これは、摂取可能であると考えられる。本明細書で使用する場合、用語「摂取可能」は、ヒトの消化管または水をシミュレートする条件下で溶解するフィルム成形材料を示すために使用される。
【0052】
図3は、カプセル内に固定される正確な投与のための容積容量を持つ把持爪17によって制御されるホッパ12,13(図示せず、
図1および
図2参照)から来る固体剤形またはカプセルの定量吐出・供給状態を示している。ソフトゲルカプセルが回転ダイ21で成形されているときに、小さい剤形または小さいカプセルは、案内チャネル16を通って供給され、ハーフポケットの内側に堆積する。回転ダイが移動するときに、把持爪17は各カプセルを各ポケット内に放出する。最終カプセルには、液剤注入配管8内の追加的薬物有効成分も充填される。充填後に、成形されたカプセル23は、コンベヤベルトに落下し、次いで乾燥のために移送される。
【0053】
図4はさらに、固体剤形またはカプセルの、他の剤形、例えば小さいカプセル、ペレット、小錠剤などを包み込んだソフトゲルカプセルを作製するための回転成形方法への供給をより詳細に示す。内部カプセルの供給は、案内チャネル16を備えた独立型ディスペンサによって行われ、その結果、カプセルが回転ダイ/モールド21のポケット内に堆積しているときに、ウェッジセグメント11は、それと同時に液体医薬品を定量吐出してカプセルを充填するように用いられる。周知の通り、ゼラチンフィルム18は、回転ダイ/モールド21内にソフトゲルポケットを成形するために使用される。
【0054】
図5は、別のソフトゲルカプセルの内部に充填される小さい固体剤形または小さいカプセルを有する側方ホッパの1つを示す。カプセル13を有するホッパ12は、ホッパから放出され、堆積し、案内チャネル16を通って案内され、次に接線方向位置にある回転モールド内のポケットに至る。
【0055】
図6は、本発明の完成状態のカプセルを示す。1つ以上の小さいカプセルを、何らかの方法で、薬物有効成分を含有する液体または溶液に浸漬された別のカプセル内に封入することができる。
【0056】
図7は、本発明の製品の幾つかのバージョンを示す図であり、参照符号54は、即放性固体剤形を示し、参照符号55は、徐放性剤形を示し、参照符号56,57は、徐放性を示す2つの互いに異なる薬剤の固体剤形を示している。
【0057】
本発明のシステムおよび装置は、Unigel(登録商標)プラットフォームの追加のコンポーネントとして使用されるよう設計されており、その目的は、成形法中にソフトカプセル内に蓄積した気泡をなくすことにある。この気泡は、この経口剤形の製造につきものである。
【0058】
本発明との関連において用語“Unigel”は、さらに開示するように、しかも本出願人の米国特許第9,433,584号明細書および同第10,383,826号明細書に例示されているカプセル内の他の固体剤形を有するソフトゲルカプセルを意味しており、これら米国特許を参照により引用し、これらの記載内容全体を本明細書の一部とする。
【0059】
カプセル内の空気押しのけを達成するため、Unigelプラットフォームのサブシステムを設計し、製造し、そして作動させたが、このサブシステムは、同一の元のUnigelシステムにおいてかつ同一の従来型封入機内で用いられていたものを改造したものであり、その構造的設計およびその作動原理に影響を及ぼさない。
【0060】
本発明は、Unigelソフトゲル内の気泡の押しのけを達成するが、その範囲は、Unigelソフトゲル内またはソフトゲル内の気体状態または液体状態の任意の物質または混合物の押しのけを含む。
【0061】
このシステムの技術的原理の構想が
図8に概略的に示されている。本発明を実施するための予備充填システムを記載した
図8を参照すると、参照符号28は、薬物活性物質を含む薬物を収容するホッパであり、参照数字29は、投与ポンプを表している。投与ポンプは、出口予備充填システム31、出口充填システム32、および薬物を予備充填薬物ディスペンサ52に提供する供給ホース30を有する。本システムは、予備充填ポンプ33、投与ホース34、および分配器プレートおよびセグメント35をさらに含む。
【0062】
薬物ホッパ28および投与ポンプ29は、ソフトゲルカプセル製造において用いられている従来型投与ポンプおよび薬物ホッパである。一般に、ピストンポンプが用いられ、カプセルの全充填量は、ピストンの直径およびストロークの関数としてかかるピストンポンプを通って計量される。しかしながら、本発明の範囲内において、カプセルを充填するために用いられる任意形式のポンプ送りシステムを利用することができる。
【0063】
供給ホース30は、封入機のモールドが有していて、投与されることが必要なカプセルサンプルの総数に必要な予備充填薬物の量のための供給ホースである。ホース30は、投与ポンプから予備充填薬物を予備充填薬物ディスペンサ52に導く。
【0064】
予備充填薬物ディスペンサ52は、単一の入口を通って、投与ポンプ29によって供給ホース30経由で送られた予備充填薬物を受け入れるチャンバから成る装置である。内部チャネルの設計により、この装置は、受け入れた薬物を均一のかつ等しい仕方で分配し、そしてこれを数個の出口を通って投与し、出口の各々は、予備充填ポンプ33への供給を行う。出口の数は、モールドおよび封入される製品で決まる。
【0065】
予備充填ポンプ33は、1組の高精度ポンプであり、これら高精度ポンプは、予備充填薬物ディスペンサ52からの薬物を受け入れる。これら高精度ポンプは、予備充填物を投与ホース34に通してセグメント35の分配器プレートシステムに向かって送る役目を担っている。一般に、少量投与分専用の回転ピストンポンプが用いられる。しかしながら、本発明の範囲内において、このシステムは、カプセルを予備充填するために用いられる任意形式のポンプ送りシステムを含む。
【0066】
投与ホース34は、予備充填ポンプシステム33によって送られた予備充填薬物を受け入れ、そしてこれを分配器プレートおよびセグメントシステム35に運ぶ。各ホースは、分配器プレートの各チャンネルへのそれぞれの供給を行う。
【0067】
分配器プレートおよびセグメントシステム35は、ゼラチンフィルムがカプセルを封止するためのガラス転移温度に達するよう熱を供給するとともに、ソフトカプセル内の液体を供給することを目的としている。気泡の押しのけのための予備充填システム31の場合、このシステムは、ソフトカプセル内の固形物を供給する一方で、気泡を押しのける予備充填投与分を供給し、他方、各カプセルが担持しなければならない残りの内容物を供給して封入されるべき製品の公称理論投与量の100%を完了させる追加の機能を実行する。このシステムは、従来型の設計に加えて、内部供給チャネルを備るよう設計されており、これら内部供給チャネルは、貫通しており、これら内部供給チャネルにより、予備充填薬物、充填薬物の投与、およびUnigelソフトゲル中への固形物の通過が可能である。
図9は、このコンポーネントを示している。
【0068】
図9に示すように、分配器プレートおよびセグメントシステムは、充填薬物入口36、充填薬物出口37、固形物および予備充填薬物の出力部38、固形物供給チャネルおよび予備充填薬物39、予備充填薬物入口40および固形物入力部41を含む。
【0069】
方法の段階
(A)予備充填システム31,52に封入機の薬物ホッパ内に入っていて、Unigelカプセルの投与に用いられるのと同一の薬物を供給する。方法のセットアップにおいて、予備充填システムを通って供給される薬物の全投与量の比率を定める。この量は、封入されるべき製品の種類、およびUnigel内に行く固形物のサイズで決まる。製品の公称理論投与量の全量と、予備充填システムにより供給されるよう定められた量を引いた差は、従来型ソフトカプセル注入法により注入されるようパラメータ化された量である。投与ポンプにより機械の従来型注入システムに供給された量に、予備充填システムに供給された量を加えた量は、製品の公称理論投与量の100%となる。システムの作動パラメータならびに機械の予備充填チャンネルおよび注入システムを通って定量吐出されるべき薬物の割合は、製品、Unigelカプセルのサイズ、および内部固形物のサイズに従って定められる。
【0070】
(B)投与ポンプ29から予備充填システム31,52に供給される全製品は、供給ホース30を通って予備充填薬物ディスペンサ52に移動する。この装置は、薬物を受け入れ、そして、内部チャネル設計によりこれをモールド内のサンプルの数全体にわたって均等に分配する。分配器の出口チャネルの各々は、予備充填ポンプ33への供給を行う。ディスペンサ52および予備充填ポンプ33の出口チャネルの数は、モールドおよび封入されるべき製品で決まる。予備充填ポンプ33は、各カプセルについて予備充填薬物投与量を正確にかつ高精度で投与し、そして、これを投与ホース34に通してセグメント中に定量吐出する。この量は、モールドの形式、封入されるべき製品の種類、およびUnigel内に含まれる固形物のサイズで決まる。
【0071】
(C)分配器プレートおよびセグメント組立体35は、その入口チャネルの各々を通って、予備充填ポンプ33によって投薬された薬物を受け入れる。内部チャネル系により、分配器プレートは、側部入口40を通って予備充填投与分を受け入れるとともに頂部入口41を通ってUnigel固形物を受け入れる。これら両方(予備充填薬物と固形物薬物)は、供給シュート39に沿ってこれを下る。固形物は、供給チャネル38を出てゼラチンフィルムに接触すると、ゼラチンフィルムの変形が生じ、それにより、空気チャンバが得られる。この作用効果が
図10に示されている。
【0072】
図10には、本発明の方法(Unigelプロセス)における空気チャンバ生成の作用効果が示されており、参照符号42は、供給チャネルを示し、参照符号43は、ゲル化フィルムを示している。参照符号44は、空気チャンバを示し、参照符号45は、フィルム変形を示している。本発明の固体形態は、参照符号46で示され、セグメント(完全には示されていない)は、参照符号53で示されている。
【0073】
(D)システムは、このシステムがゼラチンフィルム内に形成されたチャンバ中に予備充填投与分を注入すると同時にこの予備充填投与分が重力の影響に起因して、チャンバ内に入っている空気を押しのけるよう同期される。システムの同一のタイミング取りにより、予備充填薬物によって追い出された空気は、固形物を供給するための同一のチャネルを通って外部に抜け出ることができる。ベントは、モールドの回転に起因して、ゼラチンフィルムが供給チャネルを閉じる直前に起こる。これは、空気がカプセル内に取り込まれるのを阻止する。これについては、
図11を参照されたい。
【0074】
図11では、この図は、空気押しのけ効果を示しており、参照符号47は、空気出口および通気部を示し、参照符号48は、固形物入口を示している。予備充填薬物入口は、参照符号49で示され、参照符号50は、ゼラチンフィルムを示し、参照符号51は、フィルム変形を示している。セグメント(図示せず)は、参照符号53で示されている。
【0075】
(E)モールドの回転により、固形物と予備充填薬物の両方は、セグメントの表面上に当たった状態で入れられたカプセルを形成する箇所まで動く。セグメントの頂点に達すると、カプセル成形法は、従来通りに起こり、底部シールで始まる。充填薬物の注入は、予備充填薬物の添加時、製品の公称理論投与量の100%を完了する。その後、カプセルの上側シールが形成され、固形物が内側に留まっているとき、ユニゲルが内部に気泡のない状態で得られる。
【0076】
本発明の結果として得られる製品は、(a)1つのカプセルがオメガ油を包含し、他の固体剤形がスタチンを有するカプセル剤であり、(b)1つのカプセルが非ステロイド系抗炎症薬を含有し、他の固体剤形が抗ヒスタミン剤を含有し、および(c)1つのカプセルがオメガ油を含有し、他の固体剤形がサリチル酸塩を含有しているという特徴から成る群から選択された別の固体剤形を包み込んだ気泡のないソフトゲルカプセルを含む。
【0077】
典型的には、オメガ油は、オメガ‐3油であり、スタチンは、メバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、シンバスタチン、ロスバスタチン、セリバスタチン、およびアトルバスタチン、ならびにそれらの誘導体および類似体から成る群から選択される。
【0078】
非ステロイド系抗炎症薬は、イブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フェンブフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、ミロプロフェン、チオキサプロフェン、スプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、フルプロフェン、ブクロキシ酸、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ゾメピラック、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、アルクロフェナク、イブフェナク、イソキセパク、フロフェナク、チオピナク、ジドメタシン、アセメタシン、フェンチアザク、クリダナク、オキスピナク(oxpinac)、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルム酸、およびトルフェナム酸、ジフルニサル、フルフェニサル、およびピロキシカムから成る群から選択される。
【0079】
抗ヒスタミン剤は、ジフェンヒドラミン、ロラタジン、セチリジン、フェキソフェナジン、ヒドロキシジン、サイプロヘプタジン、クロルフェナミン、クレマスチン、およびデスロラタジンから成る群から選択される。
【0080】
サリチル酸塩は、典型的にはアセチルサリチル酸である。
【0081】
本発明は、信頼性が高く使い易くかつ手ごろな価格の製造に組み込まれて、結果的に得られる剤形に、物理化学的共存性および/または安定性についての不安定性に関係なく、単一または複数のAPIを送達する独自の特徴をもたらす送達システムを提供する。ソフトゼラチン送達システムには親水性または親油性の媒質を充填して、種々のIRおよび/またはMR剤形を薬液または単液相に懸濁させることができる。
【0082】
本発明の送達システムは、錠剤やハードゼラチンカプセルのIRにMRを加えた混合薬の製造に代わる有用な代替手段であり、投与精度を向上させ、溶解バリヤおよびコーティングの問題を回避できる。本発明の送達システムはまた、マルチビタミン剤、風邪治療薬、栄養補助食品、および多くの他の市販薬の共存性および安定性の問題をも解決する。また、本発明により、患者のコンプライアンスを保証するとともに相乗的臨床効果を安全かつ安定した剤形で可能にするのに極めて必要な混合薬製品の調合が可能である。
【0083】
本発明はまた、シェル、充填物および/または内容物を色分けすることによって識別しやすくすることができ、それにより偽造リスクを最小限に抑える。
【0084】
本発明はまた、信頼性が高く、使用しやすく、しかも費用が手頃な製造で組み合わされた送達システムを提供し、かかる送達システムは、結果として生じる剤形に物理‐化学的適合性および/または安定性に関する不安定性にもかかわらず、単一または多数のAPIを送達する独特の特性を与える。ソフトゼラチン送達システムに、親水性または脂溶性媒体を充填するのがよく、それにより種々のIRおよび/またはER剤形を薬剤溶液または単純な液相中で懸濁させるのがよい。
【0085】
本発明の送達システムは、錠剤やハードゼラチンカプセルのIRにERを加えた混合薬の製造に代わる有用な代替手段であり、投与精度を向上させ、溶解バリヤおよびコーティングの問題を回避できる。これはまた、マルチビタミン剤、風邪治療薬、栄養補助食品、および多数の他のOTC薬物に関する共存性および安定性に関する問題を解決する。また、本発明により、患者のコンプライアンスを保証するとともに相乗的臨床効果を安全かつ安定した剤形で可能にするのに極めて必要な混合薬製品の調合が可能である。
【0086】
本発明はまた、シェル、充填物および/または内容物を色分けすることによって識別しやすくすることができ、それにより偽造リスクを最小限に抑える。
【0087】
以下の表1に記載された薬剤を本発明の方法に従って多くの互いに異なる放出プロフィールで単独でまたは組み合わせ状態で製造することができる。
表1
【0088】
本発明の追加の実施形態では、本出願人は、本発明のソフトゲルカプセルが、数個の多剤混合薬FDC(すなわち、2つ以上のAPI)および二相放出物(即放性および徐放性の1API)を含むのがよいことを発見した。固定剤形を以下の放出プロフィールモードで作ることができる。
1.液体含有分の即放性+錠剤の徐放性
2.液体含有分の徐放性+錠剤の徐放性
3.液体含有分の徐放性+錠剤の即放性
【0089】
カプセルシェル内のポリマーは、豚もしくは牛(タイプAもしくはタイプB)のいずれかのゼラチン、または非動物性ポリマー、例えば加工デンプン、カラギナン、またはアルギネートであるのがよい。
【0090】
錠剤が本発明のカプセル製品中に組み込み可能に用いられる場合、錠剤は、カプセルの充填内容物から錠剤コアへの移動およびこれらの逆の移動を回避するようコーティングされており、その目的は、APIの物理的および化学的安定性を保証することにある。錠剤に被着されるコーティングは、各ポリマーについて2~10%の重量ゲインの範囲の2種類以上のポリマーから成る。結果として得られる錠剤の溶解像(プロフィール)は、各モノグラフに対応したUSP溶解条件に従って試験される。ソフトカプセルは、ゼラチンシェルがいったん軟らかくなると錠剤を覆うのを回避するための装置を用いて攪拌機に取り付けられる。充填内容物内か被覆錠剤内かのいずれかの即放性の溶解は、対応のUSPモノグラフの分解基準(30分または45分でQ±5%)を満たす。錠剤中の徐放性の分解像は、6時間から24時間までの範囲内にある。
【0091】
上述の実施形態1,2,3に関し、これら実施形態をこれらの内容に関して以下にさらに説明する。
1.ソフトゲルカプセルは、カプセルの液体内容物に即放性薬剤およびカプセル内に包み込まれた錠剤中に徐放性薬剤を含む。ソフトゼラチンカプセルは、液体充填内容物中に即放性と被覆錠剤中に徐放性の両方について、API・BCSクラスI,II,III,IVを含む。液体充填内容物は、油、または溶液、懸濁液、乳濁剤、または半固体かのいずれかとしてのポリエチレングリコール(PEG)を主成分とする調合剤である。錠剤は、互いに異なる粘度の(1000~100,000cP、好ましくは粘度2~150,000mPa.s(20℃の水中で2%))の親水性ポリマーを徐放性薬剤のマトリックスとして含むとともに、ポリマー分子ならびに他の賦形剤、例えば充填剤、崩壊剤、および滑沢剤を含む。錠剤は、以下の方法、すなわち、湿式造粒法、乾式造粒法、噴霧乾燥、圧縮、直接圧縮、溶融造粒またはホットメルト押出しのうちのいずれかによって得られる。錠剤は、充填内容物から錠剤コアへの移動およびこの逆の関係を回避するために被覆され、その目的は、APIの物理的および化学的安定性を保証することにある。錠剤のコーティングは、各ポリマーについて2~10%の重量ゲインの範囲の2種類以上のポリマーから成る。結果として得られる錠剤の溶解像は、各モノグラフに対応したUSP溶解条件に従って試験される。ソフトカプセルは、ゼラチンシェルがいったん軟らかくなると錠剤を覆うのを回避するための装置を用いて攪拌機に取り付けられる。錠剤中の徐放性の分解像は、6時間から24時間までの範囲内にある。
【0092】
図1は、徐放性マトリックスを得るためにポリマーの互いに異なる粘度で親水性ポリマーを用いてジクロフェナク錠剤コアの徐放性溶解プロフィールを示している。理解されるように、溶解速度は、互いに異なる粘度を有するポリマーを用いて変更できる。
図2には、即放性充填内容物および最高10時間までジクロフェナクを放出する徐放性被覆錠剤からの二相放出性を有する本発明の剤形の溶解プロフィールの一例が示されている。
【0093】
2.液体内容物の徐放性+錠剤中の徐放性
ソフトゼラチンカプセルは、液体充填内容物中に即放性と被覆錠剤中に徐放性の両方について、API・BCSクラスI,II,III,IVを含む。液体充填内容物は、油、または溶液、懸濁液、乳濁剤、または半固体かのいずれかとしてのポリエチレングリコール(PEG)を主成分とする調合剤である。マトリックスは、互いに異なる粘度および分子量の異なる連続相および増粘剤を含む。増粘剤の濃度が増大すると、ゲル化マトリックスの粘度が増大し、そしてゲル化マトリックスは、マトリックスを通してAPIの溶解速度が変化する。
図3は、溶解したAPI BCSクラスIIのパーセントに対する増粘剤の濃度の影響を示している。
【0094】
錠剤は、互いに異なる粘度の(1000~100,000cP、好ましくは粘度2~150,000mPa.s(20℃の水中で2%))の親水性ポリマーを徐放性薬剤のマトリックスとして含むとともに、ポリマー分子ならびに他の賦形剤、例えば充填剤、崩壊剤、および滑沢剤を含む。錠剤は、以下の方法、すなわち、湿式造粒法、乾式造粒法、噴霧乾燥、圧縮、直接圧縮、溶融造粒またはホットメルト押出しのうちのいずれかによって得られる。
【0095】
実施例
図12は、米国特許第8967989(B2)号、同第9433584(B2)号、および同第10383826(B2)号特許(従来装置で製造されたカプセル)に開示された装置を用いた剤形混合ソフトカプセルと、本発明の装置で製造されたソフトカプセルの比較結果を示している。液体充填調剤、ダイロール、錠剤サイズは、両方の場合において同一であり、これらカプセル相互間の主要な差は、本発明の装置を用いているかどうかである。図で理解できるように、先行技術の装置は、製造したカプセル内に泡を生じさせ、これは、酸素分解の影響を受けやすい幾つかの活性製剤にとって厄介な場合がある。
【0096】
本願で引用した全ての特許、全ての特許出願および全ての非特許文献(これら特許出願および非特許文献に記載された全ての引用例を含む)を参照により引用し、各個々の特許、特許出願、または非特許文献が個別的に記載されている可能に同一程度まで全ての目的に関してこれらの記載内容全体を本明細書の一部とする。
【0097】
本発明の多くの実施形態を上記において開示し、かかる多くの実施形態が現時点において好ましい実施形態を含むが、他の多くの実施例および変形例が本開示の範囲および以下の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内において可能である。したがって、提供された好ましい実施形態および実施例の細部は、本発明を限定するものとみなされるべきではない。
【0098】
理解されるべきこととして、本明細書で用いられる用語は、本発明を限定するものではなく単に説明的なものであり、種々の変更、多くの均等例は、特許請求の範囲に記載された本発明の精神または範囲から逸脱することなく想到できる。
【国際調査報告】