(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】NKG2D、CXCR2、およびDAP10/DAP12融合ポリペプチドを含む組成物ならびにその使用方法
(51)【国際特許分類】
C12N 15/12 20060101AFI20240305BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20240305BHJP
C12N 15/62 20060101ALI20240305BHJP
C12N 15/867 20060101ALI20240305BHJP
A61K 35/17 20150101ALI20240305BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
C12N15/12
C12N5/10 ZNA
C12N15/62 Z
C12N15/867 Z
A61K35/17
A61P35/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023557437
(86)(22)【出願日】2022-03-23
(85)【翻訳文提出日】2023-11-16
(86)【国際出願番号】 EP2022057653
(87)【国際公開番号】W WO2022200442
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】500545366
【氏名又は名称】キングス カレッジ ロンドン
【住所又は居所原語表記】Strand, London WC2R 2LS United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100113376
【氏名又は名称】南条 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100179394
【氏名又は名称】瀬田 あや子
(74)【代理人】
【識別番号】100185384
【氏名又は名称】伊波 興一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100137811
【氏名又は名称】原 秀貢人
(72)【発明者】
【氏名】マー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】デイビース デイビッド マーク
(72)【発明者】
【氏名】ラーコム-ヤング ダニエル
【テーマコード(参考)】
4B065
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AA92X
4B065AA92Y
4B065AA94X
4B065AA94Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA44
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB37
4C087BB65
4C087CA12
4C087NA14
4C087ZB26
(57)【要約】
NKG2DポリペプチドおよびCXCR2ポリペプチド、ならびに、任意選択で、DNAX活性化10(DAP10)ポリペプチドおよびDNAX活性化タンパク質12(DAP12)ポリペプチドを含む融合ポリペプチドを含む、免疫応答性細胞が提供される。また、そのような免疫応答性細胞を作製および使用する方法も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)NKG2Dポリペプチドと;
(b)(i)DNAX活性化10(DAP10)ポリペプチドまたはその機能的変異体および(ii)DNAX活性化タンパク質12(DAP12)ポリペプチドまたはその機能的変異体を含む融合ポリペプチドと;
(c)CXCR2ポリペプチドと
を含む免疫応答性細胞。
【請求項2】
前記NKG2Dポリペプチド、前記DAP10ポリペプチド、前記DAP12ポリペプチド、および前記CXCR2ポリペプチドのそれぞれが哺乳動物ポリペプチドである、請求項1に記載の免疫応答性細胞。
【請求項3】
前記NKG2Dポリペプチド、前記DAP10ポリペプチド、前記DAP12ポリペプチド、および前記CXCR2ポリペプチドのそれぞれがヒトポリペプチドである、請求項2に記載の免疫応答性細胞。
【請求項4】
前記NKG2Dポリペプチドのアミノ酸配列が、配列番号14の配列と少なくとも約85%の配列同一性を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項5】
前記NKG2Dポリペプチドが、前記配列番号14のアミノ酸配列を有するポリペプチドの機能的変異体である、請求項1~4のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項6】
前記機能的変異体が、配列番号14のアミノ酸のうちの少なくとも1つを付加、欠失、または置換させる1つまたは複数の点突然変異を有する、請求項5に記載の免疫応答性細胞。
【請求項7】
前記機能的変異体が、前記配列番号14のアミノ酸配列を有する前記ポリペプチドの切断バージョンである、請求項5に記載の免疫応答性細胞。
【請求項8】
前記機能的変異体がキメラNKG2Dポリペプチドである、請求項5に記載の免疫応答性細胞。
【請求項9】
前記融合ポリペプチドが、N末端からC末端に、以下の式:
A-B-C-D-E、
[式中、
Aは任意選択のN末端配列であり;
BはDAP10ポリペプチドまたはその機能的変異体であり;
Cは任意選択のリンカー配列であり;
DはDAP12ポリペプチドまたはその機能的変異体であり;
Eは任意選択のC末端配列である]
を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項10】
前記DAP10ポリペプチドが、配列番号1のDAP10ポリペプチドと少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、DAP10の機能的変異体である、請求項1~9のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項11】
前記DAP10ポリペプチドが、前記配列番号1のDAP10ポリペプチドのアミノ酸のうちの任意のものを付加、欠失、または置換させる、1つまたは複数(すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、またはそれより多く)の点突然変異を有する、配列番号1の機能的変異体である、請求項1~10のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項12】
前記DAP10ポリペプチドが、前記配列番号1のアミノ酸配列を有するポリペプチドの切断バージョンであるDAP10ポリペプチドの機能的変異体である、請求項1~11のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項13】
前記DAP10の切断バージョンが、配列番号1のアミノ酸19~93、19~69、1~71、19~71、19~48、49~69、49~93、または70~93を含む、またはそれからなる、請求項12に記載の免疫応答性細胞。
【請求項14】
前記DAP10ポリペプチドが、配列番号1~8のうちの任意の1つを含む、またはそれからなる、請求項1~8のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項15】
前記DAP12ポリペプチドが、配列番号9のDAP12ポリペプチドと少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、DAP12の機能的変異体である、請求項1~14のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項16】
前記DAP12ポリペプチドが、前記配列番号9のDAP12ポリペプチドのアミノ酸のうちの任意のものを付加、欠失、または置換させる、1つまたは複数(すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、またはそれより多く)の点突然変異を有する、配列番号9の機能的変異体である、請求項1~15のいずれかに記載の免疫応答性細胞。
【請求項17】
前記DAP12ポリペプチドが、前記配列番号9のアミノ酸配列を有するポリペプチドの切断バージョンであるDAP12ポリペプチドの機能的変異体である、請求項1~16のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項18】
前記DAP12の切断バージョンが、配列番号9のアミノ酸22~113、62~113、22~61、または41~61を含む、またはそれからなる、請求項17に記載の免疫応答性細胞。
【請求項19】
前記DAP12ポリペプチドが、配列番号9~13のうちの任意の1つを含む、またはそれからなる、請求項1~14のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項20】
前記DAP10ポリペプチドおよび前記DAP12ポリペプチドがリンカーによって結合されている、請求項1~19のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項21】
前記リンカーが、配列番号18~46のうちの任意のものに列挙されているアミノ酸配列を含む、またはそれからなる、請求項20に記載の免疫応答性細胞。
【請求項22】
前記リンカーが、配列番号33または38~44のうちの任意のものに列挙されているアミノ酸配列を含む、またはそれからなる、請求項20または請求項21に記載の免疫応答性細胞。
【請求項23】
前記融合ポリペプチドがN末端配列を含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項24】
前記融合ポリペプチドがC末端配列を含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項25】
前記N末端またはC末端配列が、Hisタグ、FLAGタグ、Argタグ、T7タグ、Strepタグ、Sタグ、AviTag(商標)、アプタマータグ、mycタグ、CD8αリーダー配列、4-1BBエンドドメイン、V5タグ、またはCD27エンドドメインのうちの1つまたは複数を含む、請求項23または請求項24に記載の免疫応答性細胞。
【請求項26】
前記N末端またはC末端配列が、CD8αリーダー配列、4-1BBエンドドメイン、またはCD27エンドドメインのうちの1つまたは複数を含む、請求項25に記載の免疫応答性細胞。
【請求項27】
前記融合ポリペプチドが、配列番号60~63のうちの任意の1つの配列を含む、またはそれからなる、請求項1~26のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項28】
前記融合ポリペプチドが:
(a)配列番号84を含まない;ならびに/または
(b)抗EpCAMペプチドを含まない;ならびに/または
(c)配列番号85を含まない;ならびに/または
(d)配列番号86を含まない;ならびに/または
(e)配列番号85および配列番号86の両方は含まない、
請求項1~8のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項29】
前記融合ポリペプチドが、そのC末端でヒトDAP12ポリペプチドのエンドドメインと融合した完全長ヒトDAP10を含む、またはそれからなり、前記エンドドメインが、ヒトDAP12のアミノ酸62~113によってコードされている、請求項1~28のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項30】
前記融合ポリペプチドが配列番号60の配列を有する、請求項1~29のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項31】
前記CXCR2ポリペプチドのアミノ酸配列が、配列番号87の配列と少なくとも約85%の配列同一性を有する、請求項1~30のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項32】
前記CXCR2ポリペプチドが配列番号87のアミノ酸配列を有する、請求項31に記載の免疫応答性細胞。
【請求項33】
前記免疫応答性細胞がT細胞またはナチュラルキラー(NK)細胞である、請求項1~32のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項34】
前記免疫応答性細胞がαβ T細胞、γδ T細胞、CD4
+ T細胞、CD8
+ T細胞、ナチュラルキラーT(NKT)細胞、またはそれらの任意の組合せである、請求項33に記載の免疫応答性細胞。
【請求項35】
前記核酸分子がNKG2Dポリペプチド、CXCR2ポリペプチド、ならびに任意選択でDNAX活性化(DAP10)ポリペプチド、DNAX活性化(DAP12)ポリペプチド、および/または融合ポリペプチドをコードしている、核酸分子。
【請求項36】
前記融合ポリペプチドが、(i)DNAX活性化10(DAP10)ポリペプチドまたはその機能的変異体および(ii)DNAX活性化タンパク質12(DAP12)ポリペプチドまたはその機能的変異体を含む、請求項35に記載の核酸分子。
【請求項37】
前記核酸分子が前記NKG2Dポリペプチド、前記融合ポリペプチド、および前記CXCR2ポリペプチドをコードしているキメラポリヌクレオチドである、請求項35または請求項36に記載の核酸分子。
【請求項38】
前記核酸分子が5’から3’に、(i)ヒトDAP12のエンドドメインとインフレームのヒトDAP10、(ii)第1のプロテアーゼ切断部位、(iii)第1のリンカー、(iv)第1のリボソームスキップペプチド、(v)ヒトNKG2D、(vi)第2のプロテアーゼ切断部位、(viii)第2のリンカー、(viii)第2のリボソームスキップペプチド、および(ix)ヒトCXCR2をコードしている、請求項37に記載の核酸分子。
【請求項39】
前記核酸分子が配列番号88のヌクレオチド配列を含む、請求項35~38のいずれか一項に記載の核酸分子。
【請求項40】
前記核酸が配列番号91のヌクレオチド配列を有する、請求項35~39のいずれか一項に記載の核酸分子。
【請求項41】
請求項35~40のいずれか一項に記載の核酸配列を含むベクター。
【請求項42】
前記ベクターがレンチウイルスベクターまたはレトロウイルスベクターである、請求項41に記載のベクター。
【請求項43】
前記ベクターがSFGレトロウイルスベクターである、請求項42に記載のベクター。
【請求項44】
(a)T細胞またはナチュラルキラー細胞を、請求項35~40のいずれか一項に記載の核酸分子または請求項41~43のいずれか一項に記載のベクターで形質導入するステップと、
(b)前記形質導入した細胞がNKG2Dポリペプチド、DAP10/DAP12融合ポリペプチド、およびCXCR2ポリペプチドを発現し、前記NKG2Dポリペプチドおよび前記DAP10/DAP12融合ポリペプチドが前記細胞膜中で会合するように、前記T細胞またはナチュラルキラー細胞を培養するステップと
を含む、請求項1~34のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞を作製する方法。
【請求項45】
対象に、治療上有効な量の請求項1~34のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞を投与するステップを含む、癌を有する対象を処置する方法。
【請求項46】
前記免疫応答性細胞を、前記対象の自家であるTまたはNK細胞から製造する、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記癌が固形腫瘍癌である、請求項45または請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記固形腫瘍癌が、肝臓癌、肺癌、乳癌、前立腺癌、リンパ系癌、結腸癌、腎臓癌、骨癌、膵癌、皮膚癌、頭頸部癌、皮膚もしくは眼内悪性黒色腫、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、肛門部癌、胃癌、精巣癌、子宮癌、甲状腺癌、食道癌、小腸癌、またはそれらの任意の組合せである、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記固形腫瘍癌が卵巣癌である、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
癌の処置または予防において使用するための、請求項1~34のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項51】
(a)ヒトNKG2D細胞外ドメインまたはその変異体およびネズミNKG2D膜貫通ドメインまたはその変異体を含む、キメラNKG2Dポリペプチドと;
(b)CXCR2ポリペプチドと
を含む免疫応答性細胞。
【請求項52】
前記ヒトNKG2D細胞外ドメインが、配列番号95、配列番号96、または配列番号97に記載の配列を有する、請求項51に記載の免疫応答性細胞。
【請求項53】
前記ネズミNKG2D膜貫通ドメインが、配列番号98、配列番号99、配列番号100、または配列番号101に記載の配列を有する、請求項51または請求項52に記載の免疫応答性細胞。
【請求項54】
前記キメラNKG2Dポリペプチドが前記ヒトNKG2D細胞外ドメインの変異体を含み、前記変異体が、配列番号95、96、または97のうちの任意のものと少なくとも80%の配列同一性を有する、請求項51に記載の免疫応答性細胞。
【請求項55】
前記キメラNKG2Dポリペプチドが前記ネズミNKG2D膜貫通ドメインの変異体を含み、前記変異体が、配列番号98、99、100、または101のうちの任意のものと少なくとも80%の配列同一性を有する、請求項51~52または請求項54のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項56】
前記細胞が少なくとも1つのDNAX活性化タンパク質12(DAP12)ポリペプチドまたはその変異体をさらに含む、請求項51~55のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項57】
前記細胞が少なくとも1つのDNAX活性化タンパク質10(DAP10)ポリペプチドまたはその変異体をさらに含む、請求項51~56のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項58】
前記細胞が配列番号102に記載の配列と少なくとも90%の配列同一性を有するポリペプチドを含む、請求項57に記載の免疫応答性細胞。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
1.背景
キメラ抗原受容体(CAR)操作T細胞を使用した免疫療法は、B細胞悪性腫瘍および多発性骨髄腫の管理を変化させる力があることが証明されている。しかし、この技術の固形腫瘍免疫療法への応用は、腫瘍選択的標的の欠如によって妨げられている。ほとんどの腫瘍抗原は細胞内にあり、したがってCAR T細胞によって容易に認識することができない。その結果、現在開発中の固形腫瘍に向けられたCARのほとんどは、腫瘍細胞中において上方制御されているが、正常組織中ではより低いレベルで見つかる標的と結合する。
【0002】
高い度合の腫瘍選択性を示す数少ない標的群のうちの1つが、NKG2Dリガンドである。人において、これらは、事実上すべての腫瘍細胞種において異常に発現される、8つのストレス誘導性タンパク質(MICA、MICB、ULBP1-6)の群を含む。さらに、NKG2Dリガンドは、内皮、制御性T細胞、および骨髄由来サプレッサー細胞などの、腫瘍関連の間質要素においても見つかる(Parihar,R.ら、2019、Cancer Immunol.Res.、7(3):363~375、SchmiedelおよびMandelboim、2018、Front.Immunol.(9)2040)。NKG2Dを遺伝的に欠くマウスは、上皮およびリンパ球性悪性腫瘍のどちらについても免疫監視の障害を実証した。NKG2Dリガンドが安全な治療標的であるという証拠は、これらが健康な組織中に見つからないという事実によって支持される。自己NKG2D標的CARを使用した臨床治験では、顕著な安全性の問題が全く明らかとならなかった(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30396908/を参照)。
【0003】
NKG2D受容体は、ナチュラルキラー(NK)および一部のT細胞集団によって天然に発現される。それぞれのNKG2Dホモ二量体は、形質膜内の相補的な荷電アミノ酸を介して2つのホモ二量体DAP10アダプター分子と会合する。この相互作用は、細胞表面発現およびNKG2Dの機能に必要である。DAP10は、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼを介した共刺激を提供するその能力においてCD28と似ているが、重要なことに、これは、制御性T細胞の望まない動員を促進するp56lck結合モチーフを欠く(Koflerら、2011、Mol.Ther.、19:760~767)。DAP10共刺激の効力は、内部移行の後にシグナル伝達し続けるその能力が根底にある。しかし、DAP10は免疫受容体チロシンに基づく活性化モチーフ(ITAM)を欠くため、NKG2Dとの結合は完全なT細胞活性化をもたらさない。
【0004】
ITAM依存性シグナル1と共に共刺激(シグナル2としても知られる)を提供するために様々な方法を使用する、様々なCARが開発されており、これは、完全なT細胞活性化を誘発するためにはどちらのシグナルタイプも必要であるためである。最初のNKG2D標的化CARはSentmanらによって開発され、NKG2DとCD3ζとの融合からなる(Zhangら、2005、Blood、106:1544~1551)。これは、名目上は第一世代CARであるが、T細胞中の内在性DAP10と会合し、これはシグナル1および2がどちらも提供されることを意味する。このCARは、Celyad OncologyによってCyad-01として現在臨床開発中である。より最近では、Changら(2013、Cancer Res.、73:1777~1786)は、同一のCARと共に外因性DAP10を同時発現するNK細胞を操作した。4-1BB(Songら、2013、Hum.Gene Ther.、24:295~305)またはCD28(Lehnerら、2012、PLoS One、7:e31210)のどちらかを取り込んで、DAP10によって提供されるものの代わりに共刺激の代替形態を提供する、2つのさらなるNKG2D CARも記載されている。これらのCARはすべて、サイトカイン産生を伴ったT細胞媒介性腫瘍細胞死滅を可能にした一方で、Changらによって記載されているCARは、一過性のin vivo抗腫瘍活性も実証した。
【0005】
CXCR2受容体のリガンドとしては、(Glu-Leu-Arg)ELRモチーフを含有するシステイン-X-システイン(CXC)ファミリーのケモカイン、すなわちCXCL1~3およびCXCL5~8が挙げられる。腫瘍内におけるこれらのケモカインの産生は、悪性細胞だけでなく、線維芽細胞およびマクロファージなどの間質要素によっても行われる(Thuwajitら、2018、Med Res Rev.、38:1235~54、Thongchotら、2021、Int J Oncol.、58:14)。さらに、腫瘍細胞は、これらの因子を産生するように間質細胞を教育することができ、それによって疾患進行および細胞毒性化学療法に対する耐性を可能にする(Le Naour、2020、J Mol Cell Biol.、12:202~15)。
【0006】
CXCファミリーの最もよく研究されているメンバーはCXCL8であり、インターロイキン(IL)-8としても知られる。循環CXCL8のレベルは、卵巣腫瘍(Zhangら、2019、Oncol Lett.、17:2365~9)、悪性中皮腫(Judgeら、2016、Ann Surg Oncol.、23:1496~500)、膵癌(Houら、2018、J Clin Med.、7:502、乳癌(Milovanovicら、2019、Cytokine、118:93~98、Autenshlyusら、2021、35:20587384211034089)、食道癌(Huangら、Cancer Biomark.、29:139~149)、および頭頸部癌(Rezaeiら、2019、39:727~739)を含めた特定の癌を有する患者において上昇している。CXCL8に加えて、CXCR2リガンドCXCL1、CXCL3、およびCXCL5の高レベル産生もいくつかの癌において記載されている。
【発明の概要】
【0007】
2.要約
第1の態様では、NKG2Dポリペプチド、CXCR2ポリペプチド、およびDNAX活性化10(DAP10)ポリペプチドまたはその機能的変異体とDNAX活性化12(DAP12)ポリペプチドまたはその機能的変異体とを含む融合ポリペプチドを含む免疫応答性細胞を、本明細書中に記載する。一部の実施形態では、NKG2D、CXCR2、DAP10、およびDAP12ポリペプチドはそれぞれ哺乳動物ポリペプチドである。一部の実施形態では、NKG2D、CXCR2、DAP10、およびDAP12ポリペプチドはそれぞれヒトポリペプチドである。一部の実施形態では、NKG2Dポリペプチドの配列は、配列番号14の配列と少なくとも約85%の配列同一性を有する。一部の実施形態では、NKG2DポリペプチドはヒトNKG2Dポリペプチドの機能的変異体であり、配列番号14のアミノ酸のうちの少なくとも1つを付加、欠失、または置換させる1つまたは複数の突然変異を有する。一部の実施形態では、NKG2Dポリペプチドの機能的変異体は、配列番号14の配列を有するポリペプチドの切断バージョンである。一部の実施形態では、機能的変異体はキメラNKG2Dポリペプチドである。一部の実施形態では、機能的変異体はヒト-ネズミキメラNKG2Dポリペプチドである。
【0008】
一部の実施形態では、DAP10ポリペプチドは、配列番号1のDAP10ポリペプチドと少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、DAP10の機能的変異体である。一部の実施形態では、DAP10ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸のうちの任意のものを付加、欠失、または置換させる1つまたは複数の点突然変異を有する、DAP10の機能的変異体である。一部の実施形態では、DAP10ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列を有するポリペプチドの切断バージョンであるDAP10の機能的変異体である。一部の実施形態では、DAP10ポリペプチドは、配列番号1~8のうちの任意の1つの配列を含む、またはそれからなる。
【0009】
一部の実施形態では、DAP12ポリペプチドは、配列番号9のDAP12ポリペプチドと少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、DAP12の機能的変異体である。一部の実施形態では、DAP12ポリペプチドは、配列番号9のアミノ酸のうちの任意のものを付加、欠失、または置換させる1つまたは複数の点突然変異を有する、DAP12の機能的変異体である。一部の実施形態では、DAP12ポリペプチドは、配列番号9のアミノ酸配列を有するポリペプチドの切断バージョンであるDAP12の機能的変異体である。一部の実施形態では、DAP12ポリペプチドは、配列番号9~13のうちの任意の1つの配列を含む、またはそれからなる。
【0010】
一部の実施形態では、DAP10ポリペプチドおよびDAP12ポリペプチドはリンカーによって結合されている。一部の実施形態では、リンカーは、配列番号18~46のうちの任意の1つのアミノ酸配列を含む、またはそれからなる。
【0011】
一部の実施形態では、融合ポリペプチドはN末端配列を含む。一部の実施形態では、融合ポリペプチドはC末端配列を含む。一部の実施形態では、N末端またはC末端配列は、Hisタグ、FLAGタグ、Argタグ、T7タグ、Strepタグ、Sタグ、AviTag(商標)、アプタマータグ、mycタグ、CD8αリーダー配列、4-1BBエンドドメイン、V5タグ、またはCD27エンドドメインのうちの1つまたは複数を含む。特定の実施形態では、融合ポリペプチドは、配列番号60~63のうちの任意の1つの配列を含む、またはそれからなる。
【0012】
一部の実施形態では、CXCR2ポリペプチドは、配列番号87と少なくとも約85%の配列同一性を有する配列を有する。特定の実施形態では、CXCR2ポリペプチドは配列番号87の配列を有する。
【0013】
一部の実施形態では、本開示の免疫応答性細胞は、T細胞またはナチュラルキラー(NK)細胞である。一部の実施形態では、免疫応答性細胞は、αβ T細胞、γδ T細胞、CD4+ T細胞、CD8+ T細胞、ナチュラルキラーT(NKT)細胞、またはその任意の組合せである。
【0014】
第2の態様では、キメラNKG2DポリペプチドおよびCXCR2ポリペプチドを含む免疫応答性細胞を本明細書中に記載する。一部の実施形態では、キメラNKG2Dポリペプチドは、ヒトNKG2D細胞外ドメインまたはその変異体およびネズミNKG2D膜貫通ドメインまたはその変異体を含む。特定の実施形態では、ヒトNKG2D細胞外ドメインは、配列番号95~97のうちの任意の1つに記載の配列を有する。一部の実施形態では、キメラNKG2Dポリペプチドは、配列番号95~97のうちの任意の1つの配列と少なくとも80%の配列同一性を有する、ヒトNKG2D細胞外ドメインの変異体を含む。一部の実施形態では、ネズミNKG2D膜貫通ドメインは配列番号98~101のうちの任意の1つに記載の配列を有する。一部の実施形態では、キメラNKG2Dポリペプチドは、配列番号98~101のうちの任意の1つの配列と少なくとも80%の配列同一性を有する、ネズミNKG2D膜貫通ドメインの変異体を含む。一部の実施形態では、免疫応答性細胞は、少なくとも1つのDAP12ポリペプチドまたはその変異体をさらに含む。一部の実施形態では、免疫応答性細胞は、少なくとも1つのDAP10ポリペプチドまたはその変異体をさらに含む。好ましい実施形態では、細胞は、配列番号102と少なくとも90%の配列同一性を有するポリペプチドを含む。
【0015】
また、NKG2Dポリペプチド、CXCR2ポリペプチド、ならびに、任意選択で、DNAX活性化(DAP10)ポリペプチド、DNAX活性化(DAP12)ポリペプチド、および/または融合ポリペプチドをコードしている核酸分子も、本明細書中に記載する。
【0016】
また、(i)本明細書中に記載のように、T細胞またはナチュラルキラー(NK)細胞を核酸分子またはベクターで形質導入するステップと、(ii)形質導入した細胞が、NKG2Dポリペプチド、CXCR2ポリペプチド、および任意選択でDAP10/DAP12融合ポリペプチドを発現するように、T細胞またはナチュラルキラー(NK)細胞を培養するステップとを含む、免疫応答性細胞を作製する方法も、本明細書中に記載する。好ましい実施形態では、NKG2Dポリペプチドは細胞膜と会合する。
【0017】
また、対象に、治療上有効な量の本明細書中に記載の免疫応答性細胞を投与することを含む、癌を有する対象を処置する方法も、本明細書中に記載する。一部の実施形態では、免疫応答性細胞は、対象の自家であるTまたはナチュラルキラー(NK)細胞から製造する。一部の実施形態では、癌は固形腫瘍癌である。一部の実施形態では、固形腫瘍癌は、肝臓癌、肺癌、乳癌、前立腺癌、リンパ系癌、結腸癌、腎臓癌、骨癌、膵癌、皮膚癌、頭頸部癌、皮膚もしくは眼内悪性黒色腫、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、肛門部癌、胃癌、精巣癌、子宮癌、甲状腺癌、食道癌、小腸癌、またはその任意の組合せである。
【0018】
3.図面の簡単な説明
本発明のこれらおよび他の特長、態様、および利点は、以下の説明および添付の図面に関連して、より良好に理解されるであろう。図は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、作製した構築体のそれぞれの構造を実証する模式図である。N1012は、外因性ヒトNKG2Dタンパク質と本発明による融合外因性DAP10/12ホモ二量体とを含む複合体を含む。N1012は配列番号64を含み、これは表2中に記載されている。1012_10_Nは、DAP10と同時発現させたNKG2DならびにDAP10細胞外および膜貫通ドメインのFLAGでタグ付けした融合物が、DAP12エンドドメインと融合したものを含む。NKG2D複合体は、細胞中に既に存在する内在性DAP10と相互作用する外因性ヒトNKG2Dタンパク質を含み、比較目的でのみ提供される。
【
図2】
図2は、N1012(
図1に模式的に示す)またはNKG2D単独のどちらかを発現するレトロウイルスプラスミドを用いた形質移入の3日後の、293T細胞における、細胞表面および細胞内(ICS)の両方におけるNKG2Dの発現を示し、非形質導入(UT)293T細胞との比較を行う図である。
【
図3A-3B】
図3A~3Bは、活性化未分画ヒトT細胞を、NKG2D単独またはN1012をコードしているレトロウイルスベクターを用いて形質導入した後の、T細胞のCD4
+部分組における細胞表面NKG2D発現の形質導入の百分率(
図3A)および蛍光強度の中央値(MFI-
図3B)を示す図である。UT T細胞における発現およびMFIも比較のために示す。
【
図4】
図4は、N1012、NKG2D、またはNKG2Dを欠く対照CARを発現するように形質導入した活性化未分画T細胞のCD4
+およびCD8
+部分組における、細胞表面NKG2Dの代表的な発現パターンを示す図である。UT T細胞内におけるNKG2D発現を比較として提供する。
【
図5】
図5は、N1012
+、NKG2D
+、またはUT T細胞と共に様々なCAR T細胞:標的の比で同時培養した後の、11個の異なる腫瘍細胞系の生存度を示す図である。腫瘍細胞生存度を72時間後にMTTアッセイを使用して評価し、T細胞同時培養の非存在下で観察されたものの百分率として表す。
【
図6A-6B】
図6A~6Bは、8個の異なる腫瘍細胞系と共に1:1のCAR T細胞:標的の比で同時培養中に、N1012、NKG2D、およびUT T細胞によって分泌されたサイトカイン(IFN-γ(
図6A)およびIL-2(
図6B)のレベルを示す図である。同時培養上清を72時間後に取り出し、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)によってサイトカインの存在について評価した。
【
図7A-7F】
図7A~7Fは、N1012
+、NKG2D
+、またはUT T細胞と共に様々なCAR T細胞:標的の比で同時培養した後の、腫瘍および/または膵臓星状PS1の生存度を示す図である。
図7Aは、N1012
+、NKG2D
+、またはUT T細胞と共に様々なCAR T細胞:標的の比で同時培養した後の、膵臓星状PS1細胞の生存度を示す。1:1のCAR T細胞:標的の比で加えた場合、N1012
+ T細胞は、1:1の比で一緒に成長させたPS1およびBxPC3細胞の両方からなる単層の強力な溶解も実証した(
図7B)。これは、NKG2D
+またはUT T細胞のどちらかの添加の際に観察された有効性の欠如と対照的である。どちらの事例でも、標的細胞生存度を48時間後にMTTアッセイによって評価し、T細胞同時培養の非存在下で観察されたものの百分率として表す。N1012
+、NKG2D
+、またはUT T細胞と共に1:1のCAR T細胞:標的の比で同時培養した後の、腫瘍細胞および間質細胞単層の生存度を、
図7C(BxPC3_LT+PS1)および
図7D(PaTU+PS1)に示す。腫瘍および間質細胞のどちらの強力な溶解もN1012
+ T細胞で観察された一方で、標的細胞生存度の最小限の低下が、NKG2DまたはUT T細胞のどちらかと共に同時培養した場合に観察された(
図7C~7D)。N1012
+、NKG2D
+、またはUT T細胞と共に1:1のCAR T細胞:標的の比で同時培養した後の、腫瘍細胞単独の生存度を
図7C(BxPC3_LT)および
図7D(PaTU_GFP)に示す。N1012
+、A2028z
+、NKG2D
+、またはUT T細胞と共に1:1のCAR T細胞:標的の比で同時培養した後の、腫瘍細胞および間質細胞単層の生存度を、
図7Eおよび
図7Fに示す(5回までの再刺激の後)。N1012
+、A2028z
+、NKG2D
+、またはUT T細胞と共に1:1のCAR T細胞:標的の比で同時培養した後の、腫瘍細胞単独の生存度も、
図7E(BxPC3_LT)に示す。A2028zは、腫瘍細胞を死滅させるがPS1間質細胞を死滅させない、avb6インテグリンに対して標的化されたCARである(Whildingら、2017、Mol Ther.、25:2427)。
図7Gおよび7Hは、上述の同時培養中にN1012
+、A2028z
+、NKG2D
+、およびUT T細胞によって分泌されたIFN-γのレベルを示す。腫瘍単独から分泌されたIFN-γのレベルを陰性対照として決定した。
図7Iおよび7Jは、N1012
+、NKG2D
+、またはUT T細胞との同時培養の後に、GFP発現PaTU腫瘍細胞をmCherry発現PS1細胞と混合した(1:1の比でそれぞれ3または8日間)腫瘍球状体の生存度を示す。n.d.-検出されず。
図7Kは、腫瘍球状体との同時培養中にN1012
+、UT T細胞、および腫瘍単独によって72時間後に分泌されたIFN-γのレベルを示す。
【
図8A-8D】
図8A~8Dは、UT T細胞またはNKG2D単独を発現するものと比較した場合に、N1012を発現するT細胞の、複数ラウンドの繰り返し刺激(「再刺激」)を受ける能力を示す図である。N1012を発現するT細胞は、複数サイクルの刺激を通じて、Ju77中皮腫Ju77細胞およびHN3_LUC頭頸部扁平細胞癌(HNSCC)細胞のどちらの溶解も媒介する(
図8A)。中皮腫(Ju77、Ren)、HNSCC(HN3_LUC)、または膵癌(BxPC3_LT)細胞と同時培養した場合の、成功した再刺激サイクルの合計数を
図8Bに示す。Ju77またはHN3_LUC腫瘍細胞による繰り返し刺激の際のT細胞の増殖を
図8Cに示す。Ju77、Ren、またはHN3_LUC腫瘍細胞を共に培養した1日目と比較した、最大のT細胞拡大の倍数を
図8Dに示す。対照的に、UT T細胞またはNKG2D単独を発現するものは、最小限の標的細胞溶解または増殖を実証した。
【
図9A-9B】
図9A~9Bは、腫瘍保有マウスにおけるin vivo評価のための、CAR T細胞のレトロウイルス形質導入による操作を示す図である。
図9Aは、N1012またはNKG2Dのどちらかを用いた形質導入の後の、CD4
+およびCD8
+ T細胞におけるNKG2Dの細胞表面発現を示す図である。比較は、Daviesら、2012、Mol.Med.、18:565~576によって記載されているように、パン-ErbB標的化CAR、T4を発現する同じドナーからのT細胞を用いて行った。TMYと呼ばれる、T4内に含有される4αβドメインを欠き、わずかに改変されたCD28ヒンジ(MYPPPY配列が10個のアミノ酸の直鎖状mycタグ配列で置き換えられている)を有する、第2のパン-ErbB標的化CARも使用した。
図9Bは、マウスへの養子移入の後の、示した腫瘍細胞系に対する残留T細胞のin vitro細胞毒性機能を示す。
【
図10A-10E】
図10A~10Eは、10×10
6個の示したCAR T細胞を用いた腹腔内処置の前および後の生物発光イメージング(BLI)によって確認した、NSGマウスにおけるffLUCでタグ付けしたBxPC3細胞のin vivoでの腹腔内(i.p.)成長を示す図である。N1012の場合、この用量(「高」と示す)を使用したか、またはより低い用量を投与した(「低」-4×10
6個の細胞)。それぞれのマウス群からのプールしたBLIの発光を
図10Aに示す。個々のマウスからの連続的な生物発光を
図10Bに示す。マウスの重量を
図10Cに示す。88日目の腹腔内ffLUC BxPC3腫瘍再負荷の後の、個々のマウスからの連続的な生物発光を
図10Dに示す。145日間の後に終了した実験の生存曲線を
図10Eに示す。
【
図11A-11B】
図11A~11Bは、生物発光イメージング(BLI)によって確認した、示したT細胞またはPBSを用いた処置の前および後の、NSGマウスにおけるffLUCでタグ付けしたBxPC3細胞のin vivoでの腹腔内成長を実証する別の実験の結果を示す図である。処置群あたりのBLI平均全光束(光子数/秒)を
図11Aに示し、個々のマウスあたりのBLI全光束(光子数/秒)を
図11Bに示す。41日目(T細胞注入の29日後)に無腫瘍であったマウスを、ffLUCでタグ付けしたBxPC3細胞を用いて腹腔内で再負荷した(点線として示す)。
【
図12A-12B】
図12A~12Bは、生物発光イメージング(BLI)によって確認した、示したT細胞またはPBSを用いた処置の前および後の、NSGマウスにおけるffLUCでタグ付けしたH226悪性中皮腫細胞のin vivoでの腹腔内成長を示す図である。処置群あたりのBLI平均全光束(光子数/秒)を
図12Aに示し、個々のマウスあたりのBLI全光束(光子数/秒)を
図12Bに示す。T細胞の持続および機能の維持を確認するために、すべての無腫瘍マウスに、追加の1×10
6個のffLUCでタグ付けしたH226細胞を、初回腫瘍接種の91日後に、腹腔内で接種した。腫瘍負荷のタイミングは、N1012グラフ中の2つ目の点線として示す。
【
図13】
図13は、CD4
+ T細胞中で発現させた場合に、NKG2D、N1012、およびCyad-01CARのレプリカの細胞表面発現の形質導入の百分率(左パネル)および蛍光強度の中央値(MFI)(右パネル)を示す図である。
【
図14A-14B】
図14A~14Bは、BxPC3-LT(
図14A)、Ren、またはJu77細胞(
図14B)と共に同時培養した場合に、N1012
+ T細胞の再刺激(
図14A)および最大の拡大の倍数(
図14B)を、NKG2D T細胞またはCyad-01のレプリカを発現するものと比較した図である。
【
図15A】
図15Aは、N1012、Cyad-01レプリカ、または非形質導入T細胞と共に、3または8日間のどちらかの間、同時培養した後の、腫瘍球状体の生存度を示す図である。腫瘍球状体は、T細胞添加の前に3日間の間、1:1の比で同時培養したGFP発現PaTU腫瘍細胞およびmCherry発現PS1細胞からなっていた。添加したT細胞の数は、2:1:1の最終的なT細胞:GFP PaTU:mCherry PS1の比を反映していた。
図15Bは、腫瘍球状体との同時培養中の、T細胞の増殖のレベルを示す。
【
図16A-16C】
図16A~16Cは、CAR構築体N1012、N1012_CXCR2、およびNKG2D(
図16A)、ならびにCYAD-01_10(
図16B)を示す模式図である。CYAD-01_10では、Cyad-01のレプリカを追加のDAP10と共に同時発現させた。
図16Cは、活性化未分画ヒトT細胞を、N1012、N1012_CXCR2、CYAD-01_10、CYAD-01レプリカ、またはNKG2Dをコードしているレトロウイルスベクターを用いて形質導入した後の、T細胞のCD4
+部分組における細胞表面NKG2D発現の形質導入の百分率(左パネル)および蛍光強度の中央値(MFI)(右パネル)を示す。非形質導入T細胞の結果を比較のために示す。
【
図17】
図17は、N1012、N1012_CXCR2、CYAD-01_10、および非形質導入T細胞と共に様々なCAR T細胞:標的の比で同時培養した後の、2つの卵巣癌細胞系、倉持_LT(左)およびOvsaho_LT(右)の生存度を示す図である。データを2人の独立したドナーについて示す。腫瘍細胞生存度は72時間後にMTTアッセイによって評価し、T細胞の非存在下で培養した生細胞の百分率として表す。
【
図18】
図18は、Cyad-01のレプリカまたはCYAD-01_10 T細胞と比較した、N1012およびN1012_CXCR2 T細胞の、繰り返しラウンドの刺激の後に持続および増殖する改善された能力を示す図である。
【
図19A-19B】
図19A~19Bは、Ren腫瘍細胞単層に対する16回の再刺激サイクル(
図19A)および23回の再刺激サイクル(
図19B)の後の、CD4
+およびCD8
+集団からのN1012およびN1012_CXCR2 T細胞におけるほぼ完全なシフトを示すフローサイトメトリープロットである。
【
図20】
図20は、Ren腫瘍細胞単層に対する28ラウンドの刺激の後の、CD45RO、CD62L、およびCD27の発現について評価したN1012 T細胞のフローサイトメトリー結果を示す図である。
【
図21】
図21は、Ren腫瘍細胞単層に対する31、32、および33ラウンドの刺激の後の、CD45ROおよびCD62Lの発現について評価したN1012 T細胞の結果を示す図である。
【
図22】
図22は、音響力勾配(acoustic force ramp)を適用した際の、Lo68_CD19細胞(左パネル)およびSKOV-3細胞(右パネル)についての示したCAR T細胞の結合力プロットを示す図である。
【
図23A-23B】
図23A~23Bは、4個の異なる腫瘍細胞系と共に同時培養した場合に、N1012、N1012_CXCR2、CYAD-01レプリカ、および非形質導入T細胞によって分泌されたサイトカインIFN-γ(
図23A)およびIL-2(
図23B)のレベルを示す図である。上清を同時培養細胞から取り出し、ELISAによってサイトカインの存在について評価した。
【
図24】
図24は、12日間にわたる刺激していないN1012およびN1012_CXCR2 T細胞の拡大がNKG2Dおよび非形質導入T細胞の拡大を上回る一方で、CYAD-01レプリカおよびCYAD-01_10 T細胞は、対照T細胞と比較して実質的により乏しい拡大を実証することを示す図である。
【
図25】
図25は、PBSまたはCAR-T細胞(N1012、N1012_CXCR2、CYAD-01レプリカ、もしくは非形質導入)で処置したマウスにおける、ホタルルシフェラーゼ(ffLuc)発現Ovsaho腫瘍異種移植片からの生物発光を示す図である。T細胞を6日後に腹腔内で、および7日後に静脈内(i.v.)で投与した(垂直方向の点線によって示す)。腫瘍の発生は全光束(光子数/秒)として測定する。
【
図26】
図26は、N1012およびN1012_CXCR2 T細胞で処置したffLuc Ovsaho異種移植片含有マウスにおける抗腫瘍活性を実証する生物発光イメージングの結果(左および中央パネル)、ならびにN1012 T細胞と比較した、N1012_CXCR2 T細胞の腫瘍部位への改善された輸送(右パネル)を示す図である。腫瘍の発生は、ホタルルシフェラーゼ発現によって全光束(光子数/秒)として測定する。T細胞輸送は、再度全光束(光子数/秒)として定量するウミシイタケルシフェラーゼの発現によってモニタリングする。
【
図27】
図27は、腫瘍接種の7日後にPBSまたはCAR-T細胞(N1012、N1012_CXCR2、CYAD-01_10、または対照NKG2D構築体)で処置したマウスにおける、ffLuc発現SKOV-3腫瘍異種移植片の発生を示す図である。腫瘍の発生は、ホタルルシフェラーゼ発現によって全光束(光子数/秒)として測定する。
【
図28】
図28は、CAR T細胞(N1012、N1012_CXCR2、またはレポーター対照「ウミシイタケルシフェラーゼ」)で処置したSKOV-3異種移植片含有マウスにおける、腫瘍成長(左パネル)およびT細胞輸送(右パネル)の評価の結果を示す図である。
【
図29】
図29は、腹腔内SKOV-3腫瘍異種移植片を有するNSGマウスへの静脈内投与の後の、示したウミシイタケルシフェラーゼ発現CAR T細胞の生物発光イメージングの結果を示す図である。様々な時点における、rLuc N1012、rLuc N1012_CXCR2、またはrLuc単独を発現するT細胞のイメージングを示す。
【
図30】
図30は、PBSまたはCAR T細胞(N1012_CXCR2、CYAD-01レプリカ、N1012、またはNKG2D)の投与の後の、マウスにおける皮下(s.c.)CFPac-1膵臓腫瘍異種移植片の発生を示す図である。
【
図31】
図31は、N1012またはNKG2D T細胞と比較した、N1012_CXCR2 T細胞の改善された浸潤を実証する、皮下CFPac-1腫瘍のCD3免疫組織化学的イメージを示す図である。
【
図32】
図32は、腫瘍接種の28日後に、PBS、高用量(10×10
6個)のCAR T細胞(N1012、N1012_CXCR2、CYAD-01レプリカ、もしくは非形質導入)、または低用量(4×10
6個)のCAR T細胞(N1012もしくはN1012_CXCR2)で処置したマウスにおける、皮下CFPac-1膵臓腫瘍異種移植片の経時的な発生を示す図である。
【
図33】
図33は、腫瘍接種の14日後にPBSまたは10×10
6個のCAR T細胞(CYAD-01レプリカ、N1012、N1012_CXCR2、もしくは非形質導入)を投与した後のマウスにおける、皮下BxPC3膵臓腫瘍異種移植片の発生を示す図である。
【
図34】
図34は、PBSまたは10×10
6個のCAR T細胞(CYAD-01レプリカ、N1012、N1012_CXCR2、もしくは非形質導入)で処置した皮下BxPC3腫瘍異種移植片含有マウスの生存曲線を示す図である。
【
図35】
図35は、腫瘍移植の111日後にPBSまたは10×10
6個のCAR T細胞(N1012_CXCR2、N1012、CYAD-01_10、もしくは非形質導入)を投与した後のマウス(PDX PD_008)における、皮下中皮腫患者由来異種移植片腫瘍の発生を示す図である。
【
図36】
図36は、中皮腫患者由来異種移植片腫瘍含有NSGマウスへの投与の後の、ffLuc/dsTomato(LT)発現CAR T細胞の生物発光イメージングの結果を示す図である。マウスは、T細胞投与後の様々な時点で、10×10
6個のCAR T細胞(N1012_LT、N1012_CXCR2_LT、またはLT)を用いて処置した。
【
図37】
図37は、腫瘍接種の7日後にPBSまたは10×10
6個のCAR-T細胞(N1012、N1012_CXCR2、CYAD-01_10、もしくは対照NKG2D)のいずれかを用いて腹腔内で処置した、腹腔内SKOV-3腫瘍を保有するNSGマウスのカプラン-マイヤー生存曲線を示す図である。
【
図38】
図38は、NSGPBSまたはCAR-T細胞(N1012、N1012_CXCR2、CYAD-01レプリカ、もしくは非形質導入)で処置したマウスにおける、腹腔内ffLuc Ovsaho腫瘍異種移植片の発生を示す図である。5×10
6個のT細胞を腫瘍接種の6日後に腹腔内で投与し、さらなる用量の5×10
6個のT細胞を翌日に静脈内で投与した。初回腫瘍接種の56日後に、マウスを、ffLuc Ovsaho細胞を用いて再負荷した。
【
図39】
図39は、PBSまたはCAR-T細胞(N1012、N1012_CXCR2、もしくは非形質導入)で処置したNSGマウスにおける、腹腔内ffLuc倉持腫瘍異種移植片の発生を示す図である。5×10
6個のT細胞を腫瘍接種の17日後に腹腔内で投与し、さらなる用量の5×10
6個のT細胞を翌日に静脈内で投与した。無腫瘍のマウスは、初回腫瘍接種の86日後にffLuc倉持細胞を用いて再負荷した。
【
図40】
図40は、
図39に記載するように、腫瘍接種の17および18日後に、PBSまたはCAR-T細胞(N1012、N1012_CXCR2、もしくは非形質導入)で処置した、腹腔内ffLuc倉持腫瘍を保有するマウスのカプラン-マイヤー生存曲線を示す図である。
【
図41】
図41は、PBSまたはCAR-T細胞(N1012、N1012_CXCR2、もしくは非形質導入)で処置したNSGマウスにおける、腹腔内ffLuc倉持腫瘍異種移植片の発生を示す図である。5×10
6個のT細胞を腫瘍接種の17日後に腹腔内で投与し、さらなる用量の5×10
6個のT細胞を翌日に静脈内で投与した。無腫瘍のマウスは、初回腫瘍接種の86日後にffLuc倉持細胞を用いて再負荷した。
【
図42】
図42は、rLucで標識したCAR T細胞(N1012_rLuc、N1012_CXCR2_rLuc)で処置した倉持腫瘍異種移植片含有NSGマウスの生物発光イメージングの結果を示す図である。T細胞浸潤は、セレンテラジン投与の後に、4日間にわたって生物発光イメージングによって評価した。
【
図43】
図43は、PBSまたはCAR-T細胞(N1012、N1012_CXCR2、Cyad-01レプリカ、もしくは非形質導入T細胞)を用いて処置した、倉持腫瘍を保有するNSGマウスのカプラン-マイヤー生存曲線を示す図である。5×10
6個のT細胞を腫瘍接種の17日後に腹腔内で投与し、さらなる用量の5×10
6個のT細胞を翌日に静脈内で投与した。
【
図44】
図44は、腫瘍移植の111日後にPBSまたは10×10
6個のCAR T細胞(N1012_CXCR2、N1012、CYAD-01_10、もしくは非形質導入T細胞)を静脈内投与した後の、皮下中皮腫患者由来異種移植片を有する個々のNSGマウスにおける、カリパス測定によって評価した腫瘍体積を示す図である。
【0020】
【
図45】
図45は、腫瘍移植の111日後に静脈内でPBSまたは10×10
6個のCAR T細胞(N1012_CXCR2、N1012、CYAD-01_10、もしくは非形質導入T細胞)を用いた処置した、皮下中皮腫患者由来異種移植片を有するNSGマウスのカプラン-マイヤー生存曲線を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
4.詳細な説明
4.1.定義
特許請求の範囲および明細書中で使用した用語は、別段に指定しない限りは以下に記載するように定義される。
【0022】
本明細書中で使用する用語「哺乳動物」とは、ヒトおよび非ヒトをどちらも含み、それだけには限定されないが、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、ネズミ、ウシ、ウマ、およびブタが挙げられる。
【0023】
用語「ネズミ」とは、ネズミ亜科(Murinae)のげっ歯動物をいう。用語「ネズミ」はラットおよびマウスを含む。
【0024】
用語「キメラNKG2Dポリペプチド」とは、2つ以上の異なる生物からのドメインから形成されるNKG2D受容体をいう。キメラNKG2Dポリペプチドは、その開示がその全体で本明細書中に参考として組み込まれているWO2021/234163号中により詳細に記載されている。
【0025】
2つ以上の核酸またはポリペプチド配列のコンテキストにおいて、用語パーセント「同一性」とは、以下に記載の配列比較アルゴリズムのうちの1つ(たとえば、BLASTPおよびBLASTNもしくは当業者が利用可能な他のアルゴリズム)を使用して測定して、または目視検査によって、最大一致について比較およびアラインメントした場合に、指定した百分率の同じヌクレオチドまたはアミノ酸残基を有する、2つ以上の配列または部分配列をいう。適用に応じて、パーセント「同一性」は、比較する配列の領域にわたって、たとえば機能的ドメインにわたって存在することができる、または、比較する2つの配列の完全長にわたって存在することができる。
【0026】
配列比較のためには、典型的には1つの配列が参照配列の役を務め、試験配列をそれに対して比較する。配列比較アルゴリズムを使用する場合、試験および参照配列をコンピュータに入力し、必要な場合は部分配列の座標を指定し、配列アルゴリズムプログラムのパラメータを指定する。その後、指定したプログラムパラメータに基づいて、配列比較アルゴリズムが参照配列に対する試験配列のパーセント配列同一性を計算する。
【0027】
本発明の目的のために、パーセント同一性および配列類似度はBLASTアルゴリズムを使用して行い、これはAltschulら、J.Mol.Biol.、215:403~410 (1990)に記載されている。BLAST分析を行うためのソフトウェアは、米国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information)(www.ncbi.nlm.nih.gov/)を通じて公的に利用可能である。
【0028】
本明細書中で使用する用語「対象」とは、任意の動物を広くいい、それだけには限定されないが、ヒトおよび非ヒト動物(たとえば、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、家禽、魚、甲殻類など)が挙げられる。
【0029】
本明細書中で使用する用語「有効量」とは、有益または所望の結果をもたらすために十分な、組成物(たとえば合成ペプチド)の量をいう。有効量は、1つまたは複数の投与、施用、または投薬量で投与することができ、特定の配合物または投与経路に限定されることを意図しない。
【0030】
用語「治療上有効な量」とは、疾患の症状を寛解させるために有効な量である。予防は治療とみなすことができるため、治療上有効な量は「予防上有効な量」であることができる。
【0031】
本明細書中で使用する用語「投与」および「投与すること」とは、薬物、プロドラッグ、もしくは他の薬剤、または治療処置(たとえばペプチド)を、対象、またはin vivo、in vitro、もしくはex vivoの細胞、組織、および臓器に与える行為をいう。人体への例示的な投与経路は、脳または脊髄のくも膜下の空間を通じて(くも膜下腔内)、目(眼)、口(経口)、皮膚(局所または経皮)、鼻(経鼻)、肺(吸入剤)、口腔粘膜(頬または舌)、耳、直腸、経膣、注射によって(たとえば、静脈内、皮下、腫瘍内、腹腔内等)などであることができる。
【0032】
本明細書中で使用する用語「処置」とは、有益または意図する臨床結果を得るための手法を意味する。有益または意図する臨床結果としては、症状の緩和、疾患の重篤度の低下、疾患もしくは状態の根底原因の阻害、疾患の非進行性状態での安定化、疾患の進行の遅延、および/または病状の改善もしくは緩和を挙げることができる。
【0033】
本明細書中で使用する用語「医薬組成物」とは、組成物を、in vitro、in vivo、またはex vivoでの治療的または診断的使用に特に適したものにする、活性成分と不活性または活性の担体との組合せをいう。
【0034】
本明細書中で使用する用語「薬学的に許容される」または「薬理学的に許容される」とは、対照に投与した場合に、有害な反応、たとえば、毒性、アレルギー性、または免疫学的の反応を実質的に生じない組成物をいう。
【0035】
本明細書中で使用する単語「含む(comprise)」および「含有する(contain)」ならびにこれらの単語の変形、たとえば「含むこと(comprising)」および「含む(comprises)」とは、「含む(including)がそれだけには限定されないこと」を意味し、他の構成要素、整数、またはステップを排除しない。さらに、内容によりそうでないことを要する場合以外は、単数形は複数形を包含する。特に、不定冠詞を使用する場合、内容によりそうでないことを要する場合以外は、本明細書は、複数のものおよび単一のものを企図するとして理解されるべきである。
【0036】
本明細書および添付の特許請求の範囲中で使用する単数形「a」、「an」、および「the」は、内容により明らかにそうでないと指示されない限りは、複数形の指示対象を含むことに注意しなければならない。
【0037】
4.2.NKG2D、CXCR2、ならびに任意選択でDAP10、DAP12、またはDAP10/DAP12融合ポリペプチドを含む、免疫応答性細胞
本開示の免疫応答性細胞は、NKG2Dポリペプチドと、CXCR2ポリペプチドと、任意選択で、DNAX活性化タンパク質10(DAP10)ポリペプチドもしくはその機能的変異体、DNAX活性化タンパク質12(DAP12)ポリペプチドもしくはその機能的変異体、ならびに/またはDAP10ポリペプチドもしくはその機能的変異体およびDAP12ポリペプチドもしくはその機能的変異体を含む融合ポリペプチドとを含む。
【0038】
4.2.1.DAP10ポリペプチドおよびその機能的変異体
DAP10ポリペプチドは、特定の生物および特定の細胞種において内在的に発現され得る。一実施形態では、DAP10ポリペプチドまたはその変異体は内在性である。あるいは、DAP10ポリペプチドまたはその変異体は外因性であり得る。
【0039】
本開示のDAP10ポリペプチドは、哺乳動物、たとえばヒトであり得る。野生型ヒトDAP10は、UniProt受託番号:Q9UBK5(配列番号1)を有するアミノ酸配列によってコードされている。これは93個のアミノ酸のポリペプチドである。最初の18個のアミノ酸はシグナル/リーダー配列、アミノ酸19~48は細胞外ドメイン、アミノ酸49~69は膜貫通ドメイン、およびアミノ酸70~93は細胞質/細胞内ドメインであるとみなされている。
【0040】
一実施形態では、本開示の融合ポリペプチドにおいて使用するDAP10ポリペプチドは、配列番号1のDAP10ポリペプチドと少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、本開示の融合ポリペプチドにおいて使用するDAP10ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列を含む。
【0041】
別の実施形態では、本開示の融合ポリペプチドにおいて使用する機能的変異体DAP10ポリペプチドは、DAP10のアミノ酸(野生型ヒトDAP10のもの(配列番号1)など)のアミノ酸のうちの任意のものを付加、欠失、または置換させる、1つまたは複数(すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、またはそれより多く)の点突然変異を含み得る。
【0042】
DAP10ポリペプチドの切断バージョンも、本開示の融合ポリペプチドにおいて使用し得る。たとえば、配列番号1のアミノ酸19~93のみを含む(すなわちアミノ酸1~18、シグナル/リーダー配列を欠く)DAP10の切断バージョンを、本開示の融合ポリペプチドにおいて使用し得る。そのような配列は本明細書中で配列番号2と呼ぶ。他の切断バージョンは、配列番号1のアミノ酸19~69を含んでよく、そのような配列はDAP10の細胞外および膜貫通ドメインのみを含み、本明細書中で配列番号3と呼ぶ。本発明において使用するDAP10のさらなる切断バージョンは、配列番号1のアミノ酸1~71(すなわち、シグナル/リーダー配列、細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞質/細胞内ドメインからの2個のアミノ酸)を含んでよく、本明細書中で配列番号4と呼ぶ。本発明において使用するDAP10のさらなる切断バージョンは、配列番号1のアミノ酸19~71(すなわち、細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞質/細胞内ドメインからの2個のアミノ酸)を含んでよく、本明細書中で配列番号5と呼ぶ。本発明において使用するDAP10のさらなる切断バージョンは、配列番号1のアミノ酸70~93(すなわち細胞内ドメイン)を含んでよく、本明細書中で配列番号6と呼ぶ。本発明において使用するDAP10のさらなる切断バージョンは、配列番号1のアミノ酸49~93(すなわち、膜貫通および細胞質/細胞内ドメイン)を含んでよく、本明細書中で配列番号7と呼ぶ。本発明において使用するDAP10のさらなる切断バージョンは、配列番号1のアミノ酸49~69(すなわち膜貫通ドメイン)を含んでよく、本明細書中で配列番号8と呼ぶ。
【0043】
DAP10ポリペプチドの他の突然変異バージョンまたは切断バージョンも、本開示における使用に適している。一部の実施形態では、本開示におけるDAP10ポリペプチドの機能的変異体として使用する突然変異バージョンまたは切断バージョンは、配列番号1に示す野生型ポリペプチドの活性を保持する。
【0044】
一実施形態では、本開示のDAP10ポリペプチドの機能的変異体は、配列番号1に示す野生型ポリペプチドの活性の少なくとも10%(たとえば、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%、またはそれより高く)を保持する。一実施形態では、活性は、DAP10のチロシンリン酸化の評価、ならびに/またはホスファチジルイノシトール3-キナーゼのp85サブユニットおよび下流の抗アポトーシスキナーゼAKTの動員および活性化によって、測定し得る。
【0045】
当業者には理解されるように、DAP10は典型的にはホモ二量体として存在する。したがって、一実施形態では、免疫応答性細胞は、本開示による2つのDAP10ポリペプチドを含むDAP10ホモ二量体を含む。一実施形態では、免疫応答性細胞はDAP10ヘテロ二量体を含み、DAP10ヘテロ二量体のそれぞれのペプチドは、本開示の異なるDAP10ポリペプチドを含む。
【0046】
4.2.2.DAP12ポリペプチドおよびその機能的変異体
DAP12ポリペプチドは、特定の生物および特定の細胞種において内在的に発現され得る。一実施形態では、DAP12ポリペプチドまたはその変異体は内在性である。あるいは、DAP12ポリペプチドまたはその変異体は外因性であり得る。
【0047】
本開示のDAP12ポリペプチドは、哺乳動物、たとえばヒトであり得る。野生型ヒトDAP12は、UniProt受託番号:O43914(配列番号9)を有するアミノ酸配列によってコードされている。最初の21個のアミノ酸はシグナル/リーダー配列、アミノ酸22~40は細胞外ドメイン、アミノ酸41~61は膜貫通ドメイン、およびアミノ酸62~113は細胞質/細胞内ドメインであるとみなされている。
【0048】
一実施形態では、本開示の融合ポリペプチドにおいて使用するDAP12ポリペプチドは、配列番号9のDAP12ポリペプチドと少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、本開示の融合ポリペプチドにおいて使用するDAP12ポリペプチドは、配列番号9のアミノ酸配列を含む。
【0049】
別の実施形態では、本開示の融合ポリペプチドにおいて使用する機能的変異体DAP12ポリペプチドは、DAP12のアミノ酸(野生型ヒトDAP12のもの(配列番号9)など)のアミノ酸のうちの任意のものを付加、欠失、または置換させる、1つまたは複数(すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、またはそれより多く)の点突然変異を含み得る。
【0050】
DAP12ポリペプチドの切断バージョンも、本開示の融合ポリペプチドにおいて使用し得る。たとえば、配列番号9のアミノ酸22~113のみを含む(すなわちアミノ酸1~21、シグナル/リーダー配列を欠く)DAP12の切断バージョンを、本開示の融合ポリペプチドにおいて使用し得る。そのような配列は本明細書中で配列番号10と呼ぶ。他の切断バージョンは、配列番号9のアミノ酸62~113を含んでよく、そのような配列はDAP12の細胞質/細胞内ドメインのみを含み、本明細書中で配列番号11と呼ぶ。他の切断バージョンは、配列番号9のアミノ酸41~61(すなわち膜貫通ドメイン)を含んでよく、本明細書中で配列番号12と呼ぶ。別の切断バージョンは、配列番号9のアミノ酸22~61(すなわち細胞外および膜貫通ドメイン)を含んでよく、本明細書中で配列番号13と呼ぶ。
【0051】
DAP12ポリペプチドの他の突然変異バージョンまたは切断バージョンも、本開示における使用に適している。一部の実施形態では、本開示におけるDAP12ポリペプチドの機能的変異体として使用する突然変異バージョンまたは切断バージョンは、配列番号9に示す野生型ポリペプチドの活性を保持する。
【0052】
一実施形態では、本開示のDAP12ポリペプチドの機能的変異体は、配列番号9に示す野生型ポリペプチドの活性の少なくとも10%(たとえば、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%、またはそれより高く)を保持する。一実施形態では、活性は、MTTや、ELISAによるサイトカイン分泌の測定などの、機能アッセイを使用して、測定し得る。
【0053】
DAP12は典型的にはホモ二量体として存在することが、当業者には理解されるであろう。したがって、一実施形態では、免疫応答性細胞は、本開示による2つのDAP12ポリペプチドを含むDAP12ホモ二量体を含む。一実施形態では、免疫応答性細胞はDAP12ヘテロ二量体を含み、DAP12ヘテロ二量体のそれぞれのペプチドは、本開示の異なるDAP12ポリペプチドを含む。
【0054】
4.2.3.DAP10/DAP12融合ポリペプチドと会合するポリペプチド
本発明の融合ポリペプチドは他のポリペプチドと会合し得る。そのような会合は、相補的な荷電アミノ酸によって提供されるものなどの、静電力が原因であり得る。
【0055】
本発明の融合ポリペプチドと会合し得るそのようなポリペプチドの一例は、NKG2Dポリペプチドである(Wuら、2000、J.Exp.Med.、192(7):1059~1067およびRosenら、2004、J.Immunol.、173(4):2470~2478)。
【0056】
一実施形態では、そのようなポリペプチドは、本開示の融合ポリペプチドをコードしている遺伝子と共に、連続的なキメラ構築体の一部として、遺伝学的にコードされていてよい。その後、融合ポリペプチドおよび他のポリペプチドは、翻訳中に(たとえばリボソームスキップペプチドを使用して)または翻訳後切断によって(たとえばフューリン切断部位を使用して)分離され得る。したがって、融合ポリペプチドおよび他のポリペプチドは、任意選択のリンカーによって結合され得る。そのようなリンカーは、切断を容易にするために切断部位を含み得る。
【0057】
4.2.3.1.NKG2Dポリペプチドおよびその機能的変異体
本開示のNKG2Dポリペプチドは、哺乳動物、たとえばヒトであり得る。野生型ヒトNKG2Dは、UniProt受託番号:P26718(配列番号14)を有するアミノ酸配列によってコードされている。ポリペプチドは、細胞質ドメイン(アミノ酸1~51)、膜貫通ドメイン(アミノ酸52~72)、および細胞外ドメイン(アミノ酸73~216)を含むとみなされている。
【0058】
一実施形態では、本開示において使用するNKG2Dポリペプチドは、配列番号14のNKG2Dポリペプチドと少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、本開示において使用するNKG2Dポリペプチドは、配列番号14のアミノ酸配列を含む。
【0059】
別の実施形態では、本開示において使用する機能的変異体NKG2Dポリペプチドは、NKG2Dのアミノ酸(野生型ヒトNKG2Dのもの(配列番号14)など)のアミノ酸のうちの任意のものを付加、欠失、または置換させる、1つまたは複数(すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、またはそれより多く)の点突然変異を含み得る。
【0060】
NKG2Dポリペプチドの切断バージョンも、本開示のポリペプチドにおいて使用し得る。たとえば、配列番号14のアミノ酸73~216(すなわち細胞外ドメイン)のみを含む、NKG2Dの切断バージョンを本開示において使用し得る。そのような配列は本明細書中で配列番号15と呼ぶ。他の切断バージョンは、配列番号14のアミノ酸82~216を含んでよく、そのような配列はNKG2Dの細胞外ドメインの一部を含み、本明細書中で配列番号16と呼ぶ。さらなる切断バージョンは、配列番号14のアミノ酸52~216(すなわち、膜貫通および細胞外ドメイン)を含み、本明細書中で配列番号17と呼ぶ。
【0061】
NKG2Dポリペプチドの他の突然変異バージョンまたは切断バージョンも、本開示における使用に適している。もちろん、本開示におけるNKG2Dポリペプチドの機能的変異体として使用する任意のそのような突然変異バージョンまたは切断バージョンは、好ましくは、配列番号14に示す野生型ポリペプチドの活性を保持するべきである。
【0062】
一実施形態では、本開示のNKG2Dポリペプチドの機能的変異体は、配列番号14に示す野生型ポリペプチドの活性の少なくとも10%(たとえば、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%、またはそれより高く)を保持する。一実施形態では、活性は、NKG2Dリガンドとの継続的な結合を確認するためのフローサイトメトリーを使用して、ならびに標的細胞溶解、サイトカイン分泌、および共刺激を確認することを目的とした様々な細胞培養アッセイ(MTTおよびELISAなど)を通じて、測定し得る。
【0063】
一部の実施形態では、NKG2Dポリペプチドはキメラポリペプチドである。特定の実施形態では、NKG2Dポリペプチドはヒト-ネズミキメラポリペプチドである。一実施形態では、キメラNKG2Dポリペプチドは、N末端からC末端に、ネズミNKG2D膜貫通ドメインまたはその変異体およびヒトNKG2D細胞外ドメインまたはその変異体を含む。キメラNKG2Dポリペプチドは、その開示がその全体で本明細書中に参考として組み込まれているWO2021/234163号中により詳細に記載されている。
【0064】
4.2.3.2.CXCR2ポリペプチドおよびその機能的変異体
本開示のCXCR2ポリペプチドは、哺乳動物、たとえばヒトであり得る。野生型ヒトCXCR2は、UniProt受託番号:P25025(配列番号87)を有するアミノ酸配列によってコードされている。
【0065】
一実施形態では、本開示のCXCR2ポリペプチドは、配列番号87のCXCR2ポリペプチドと少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、本開示のCXCR2ポリペプチドは配列番号87のアミノ酸配列を有する。
【0066】
一実施形態では、本開示のCXCR2ポリペプチドは、配列番号87のCXCR2ポリペプチドの機能的変異体である。一実施形態では、機能的変異体CXCR2ポリペプチドは、CXCR2のアミノ酸(たとえば配列番号87)に付加、欠失、または置換させる、1つまたは複数(たとえば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、またはそれより多く)の点突然変異を含む。
【0067】
一実施形態では、本開示の機能的変異体CXCR2ポリペプチドは、野生型ヒトCXCR2(配列番号87)の活性の少なくとも10%(たとえば、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%、またはそれより高く)を保持する。一実施形態では、ポリペプチドの活性は、CXCR2とリガンド(たとえばIL-8)との結合を確認するためのフローサイトメトリーを使用して測定する。一実施形態では、ポリペプチドの活性は、当技術分野で知られている細胞培養アッセイを通じて測定する。
【0068】
4.2.4.リンカー
本明細書中に記載のDAP10/DAP12融合ポリペプチドのDAP10およびDAP12部分は、連続的なポリペプチド鎖中で互いに直接結合していることができるか、または、適切なリンカーを通じて互いに間接的に結合していてよい。リンカーはペプチドリンカーであり得る。ペプチドリンカーは融合ポリペプチドにおいて一般的に使用されており、リンカーを選択または設計する方法は周知である。(たとえば、Chen Xら、2013、Adv.Drug Deliv.Rev.、65(10):135701369およびWriggers Wら、2005、Biopolymers、80:736~746を参照)。リンカーは、上述のキメラ構築体において本開示の融合ポリペプチドを別のポリペプチド(NKG2Dポリペプチドなど)と結合させるためにも使用し得る。
【0069】
ペプチドリンカーは、一般にi)柔軟なリンカー、ii)ヘリックス形成リンカー、およびiii)切断可能なリンカーとして分類され、それぞれの種類の例は当技術分野で知られている。一例では、柔軟なリンカーが本明細書中に記載の融合ポリペプチド中に含められる。柔軟なリンカーは、グリシンおよびアラニンなどの立体障害のないアミノ酸を大多数含有し得る。親水性アミノ酸Serも柔軟なリンカー中で慣習的に使用される。柔軟なリンカーの例としては、それだけには限定されないが、ポリグリシン(たとえば(Gly)4および(Gly)5)、ポリアラニン ポリ(Gly-Ala)、ならびにポリ(Gly-Ser)(たとえば(Glyn-Sern)nまたは(Sern-Glyn)n[式中、それぞれのnは独立して1以上の整数である])が挙げられる。
【0070】
ペプチドリンカーは、適切な長さのものであることができる。ペプチドリンカー配列は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75個、またはそれより多くのアミノ酸残基の長さであり得る。たとえば、ペプチドリンカーは、約5~約50個のアミノ酸の長さ、約10~約40個のアミノ酸の長さ、約15~約30個のアミノ酸の長さ、または約15~約20個のアミノ酸の長さであることができる。ペプチドリンカーの長さの変動は、活性を保持または増強させる場合があり、活性研究において優れた有効性を生じる。ペプチドリンカー配列は、天然に存在するもしくは存在しないアミノ酸、または天然に存在するおよび存在しないアミノ酸の両方の混合物から構成され得る。
【0071】
一部の態様では、アミノ酸グリシンおよびセリンがリンカー配列内のアミノ酸を構成する。特定の態様では、リンカー領域は、グリシンリピートの組(GSG3)n(配列番号18)[式中、nは1以上の正の整数(たとえば1から約20)である]を含む。より詳細には、リンカー配列はGSGGG(配列番号19)であり得る。リンカー配列はGSGG(配列番号20)であり得る。特定の他の態様では、リンカー領域の配向は、グリシンリピートの組(SerGly3)n(配列番号21)[式中、nは1以上の正の整数(たとえば1から約20)である]を含む。
【0072】
他の実施形態では、リンカーは、グリシン(G)およびセリン(S)をランダムまたは繰り返しのパターンで含有し得る。たとえば、リンカーは、(GGGGS)n(配列番号22)[式中、nは1~20の範囲の整数、たとえば1~4である]であることができる。具体的な例では、nは4であり、リンカーはGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号23)である。別の特定の例では、nは3であり、リンカーはGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号24)である。
【0073】
他の実施形態では、リンカーは、グリシン(G)、セリン(S)、およびプロリン(P)をランダムまたは繰り返しのパターンで含有し得る。たとえば、リンカーは(GPPGS)n[式中、nは1~20の範囲の整数、たとえば1~4である]であることができる。具体的な例では、nは1であり、リンカーはGPPGS(配列番号25)である。
【0074】
一般に、リンカーは、ヒトなどの患者に投与した場合に免疫原性ではない。したがって、リンカーは、低い免疫原性を有するように、または低い免疫原性を有すると考えられるように選択し得る。
【0075】
本明細書中に記載のリンカーは例示的であり、所望する場合は、リンカーはGluおよびLysなどの他のアミノ酸を含むことができる。所望する場合は、ペプチドリンカーは、複数リピートの、たとえば、(G3S)(配列番号26)、(G4S)(配列番号27)、(GYS)(配列番号28)、および/または(GlySer)(配列番号29)を含み得る。特定の態様では、ペプチドリンカーは、複数リピートの、たとえば、(SG4)(配列番号30)、(SG3)(配列番号31)、(SG2)(配列番号32)、(SG)2(配列番号33)、または(SerGly)(配列番号34)を含み得る。
【0076】
他の態様では、ペプチドリンカーは、(G3S)+(G4S)+(GlySer)(配列番号26+配列番号27+配列番号29)などの、リピートアミノ酸配列単位の組合せおよび多重を含み得る。他の態様では、SerをAlaで置き換えることができ、たとえば(G4A)(配列番号35)または(G3A)(配列番号36)である。さらに他の態様では、リンカーはモチーフ(EAAAK)n[式中、nは1以上の正の整数、たとえば1から約20である](配列番号37)を含む。特定の態様では、ペプチドリンカーは切断可能なリンカーも含み得る。
【0077】
リンカーは、フューリン切断部位(RRKR)(配列番号38)、P2Aリボソームスキップペプチド(ATNFSLLKQAGDVEENPGP)(配列番号39)、および/またはT2Aリボソームスキップペプチド(EGRGSLLTCGDVEENPGP)(配列番号40)などの、さらなるドメインおよび/または特長を含み得る。これらのドメインを含むリンカーの例としては、SGSG+1つのP2Aリボソームスキップペプチド(SGSGATNFSLLKQAGDVEENPGP)(配列番号41)、SGSG+1つのT2Aリボソームスキップペプチド(SGSGEGRGSLLTCGDVEENPGP)(配列番号42)、ならびにフューリン切断部位も含むバージョン、すなわち、フューリン切断部位+SGSG+1つのP2Aリボソームスキップペプチド(RRKRSGSGATNFSLLKQAGDVEENPGP)(配列番号43)およびフューリン切断部位+SGSG+1つのT2Aリボソームスキップペプチド(RRKRSGSGEGRGSLLTCGDVEENPGP)(配列番号44)が挙げられる。本発明において使用し得る代替リボソームスキップペプチドとしては、F2A(VKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP)(配列番号45)およびE2A(QCTNYALLKLAGDVESNPGP)(配列番号46)が挙げられる。
【0078】
4.2.5.N末端配列およびC末端配列
様々な配列を、本開示の融合ポリペプチドのNもしくはC末端、または本明細書中に開示するNKG2Dポリペプチドに付着させ得る。これらは、シグナルペプチド、精製タグ/配列、もしくは半減期延長部分などの機能的なものであり得るか、または単純にスペーサー配列を含み得る。あるいは、これらはT細胞刺激機能などの機能を含み得る。
【0079】
4.2.5.1.精製タグおよびマーカー
精製を支援するために、様々なタグまたはマーカーを本開示の融合ポリペプチドのNまたはC末端に付着させ得る。任意の親和性タグを本開示の融合ポリペプチドと組み合わせて、精製を支援し得る。そのような親和性タグの例は、Hisタグ、FLAGタグ、Argタグ、T7タグ、Strepタグ、Sタグ、アプタマータグ、V5タグ、AviTagTM、mycエピトープタグ、またはこれらのタグの任意の組合せである。一実施形態では、親和性タグは、Hisタグ(通常は5~10個のヒスチジン残基を含む)、たとえば6Hisタグ(すなわちHHHHHH)(配列番号47)である。別の実施形態では、親和性タグはFLAGタグ(すなわちDYKDDDDK)(配列番号48)である。別の実施形態では、親和性タグはAviTag(商標)(すなわちGLNDIFEAQKIEWHE)(配列番号49)である。別の実施形態では、親和性タグはV5タグ(GKPIPNPLLGLDST)(配列番号50)または(IPNPLLGLD)(配列番号51)である。別の実施形態では、親和性タグは、9e10抗体によって認識されるmycエピトープタグ(EQKLISEEDL)(配列番号52)である。本開示において使用するための様々な他のタグが当技術分野で周知である。
【0080】
N末端に1つもしくは複数のタグを含む、C末端に1つもしくは複数のタグを含む、またはN末端およびC末端のそれぞれに1つもしくは複数のタグを含むかのいずれかである、そのような親和性タグの組合せも使用し得る。そのような組合せの例としては、Hisタグ(H)をAviTag(A)と組み合わせたもの、またはHisタグ(H)をAviTag(A)およびFLAGタグ(F)の両方と組み合わせたものが挙げられる。タグはどちらの配向であってもよく、したがって、AviTag/Hisタグは配向N-AH-CまたはN-HA-Cを有してよい一方で、Avi/His/FLAGタグは配向N-AHF-C、N-FHA-Cなどを有してよい。
【0081】
一実施形態では、本開示による融合ポリペプチドは、配列「GLNDIFEAQKIEWHEGGHHHHHHDYKDDDDK」(配列番号53)を有する「AHF」タグを含む。別の実施形態では、本開示による融合ポリペプチドは、配列「DYKDDDDKHHHHHHGGGLNDIFEAQKIEWHE」(配列番号54)を有する「FHA」タグを含む。
【0082】
CD8αリーダー配列(UniProt:P01732のアミノ酸1~21、またはアミノ酸1~18を含む短縮された誘導体)は、一般的に使用されているT細胞配列であり、本明細書中で配列番号55と呼ぶ。
【0083】
4.2.5.2.共刺激配列
様々なT細胞共刺激活性化配列が、CAR-T細胞を操作するための以前の研究から知られている。これらも本開示の融合ポリペプチドに付加し得る。
【0084】
4-1BBエンドドメイン(UniProt:Q07011のアミノ酸214~255)も、NまたはC末端配列として使用し得る。4-1BBエンドドメインは本明細書中で配列番号56と呼ぶ。4-1BBエンドドメインは共刺激ドメインとして作用し得る。
【0085】
CD27エンドドメイン(UniProt:P26842のアミノ酸213~260)も、NまたはC末端配列として使用し得る。CD27エンドドメインは本明細書中で配列番号57と呼ぶ。CD27エンドドメインは共刺激ドメインとして作用し得る。
【0086】
ヒトIgG1ヒンジ(UniProt:P0DOX5のアミノ酸218~229または218~232)も、NまたはC末端配列として使用し得る。ヒトIgG1ヒンジは配列番号58または配列番号104と呼ぶ。
【0087】
切断されたCD8αヒンジ(Uniprot:P01732のアミノ酸138~182)も、NまたはC末端配列として使用し得る。切断されたCD8aヒンジは配列番号59と呼ぶ。
【0088】
4.2.6.例示的な構築体
本開示は、表1中の以下の例示的な融合ポリペプチド構築体を提供する。
【表1】
【0089】
さらに、上述のように、本開示の融合ポリペプチドは、翻訳関連または翻訳後の切断のために、NKG2Dポリペプチドとの単一のキメラ構築体として発現され得る。そのような構築体では、発現の後、翻訳されたポリペプチドは切断されて別々のポリペプチドが作製され、その後、これらが自己会合してCARを形成する。一実施形態では、本開示の融合ポリペプチドはNKG2Dポリペプチドから切断される。そのような構築体の例を表2に示す。
【表2】
【0090】
4.2.7.本開示のNKG2D、CXCR2、DAP10、DAP12、およびDAP10/DAP12融合ポリペプチドをコードしている核酸分子
本開示の別の態様は、本開示の1つまたは複数のポリペプチドをコードしている核酸分子に関する。これは、DNAまたはRNAとしてであり得る。本明細書中で具体的に限定しない限りは、この用語は、参照核酸と類似の特性を有し、天然に存在するヌクレオチドと同様の様式で代謝される、天然のヌクレオチドの既知の類似体を含有する核酸を包含する。そのような類似体の例としては、それだけには限定されないが、ホスホロチオエート、ホスホロアミデート、ホスホン酸メチル、キラル-メチルリン含有物(phosphorate)、2-O-メチルリボヌクレオチド、ペプチド核酸(PNA)が挙げられる。別段に指定しない限りは、特定の核酸配列は、保存的に改変されたその変異体(たとえば縮重コドン置換)および相補的配列、ならびに明確に示した配列も暗に包含する。具体的には、以下に詳述するように、縮重コドン置換は、1つまたは複数の選択された(またはすべての)コドンの3番目の位置を混合塩基および/またはデオキシイノシン残基で置き換えた配列を作製することによって、達成し得る(Batzerら、1991、Nucleic Acid Res.、19:5081、Ohtsukaら、1985、J.Biol.Chem.、260:2605~2608、およびRossoliniら、1994、Mol.Cell.Probes、8:91~98)。
【0091】
したがって、本開示は、配列番号60~69、87、90、および102のうちの任意の1つまたは複数のポリペプチド配列をコードしているヌクレオチド配列を含む核酸も提供する。
【0092】
本開示は、配列番号60~69、87、90、および102のうちの任意のものをコードしている核酸と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸をさらに提供する。配列同一性は、典型的には参照配列の完全長に沿って測定する。
【0093】
本開示は、配列番号70~79、88、91、および103のうちの任意の1つと少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸をさらに提供する。
【0094】
本開示は、配列番号70~79、88、91、および103のうちの任意の1つのヌクレオチド配列を含む核酸も提供する。本開示は、配列番号70~79、91、および103のうちの任意の1つのヌクレオチド配列からなる核酸も提供する。
【0095】
ポリヌクレオチド配列は、de novo固相DNA合成によって、または既存配列(たとえば以下の実施例中に記載の配列)のPCR突然変異誘発によって、生成することができる。核酸の直接化学合成は、当技術分野で知られている方法、たとえば、Narangら、1979、Meth.Enzymol.、68:90のリン酸トリエステル方法;Brownら、1979、Meth.Enzymol.、68:109のリン酸ジエステル方法;Beaucageら、1981、Tetra.Lett.、22:1859のジエチルホスホルアミダイト方法;および米国特許第4,458,066号の固体支持体方法によって達成することができる。PCRによって突然変異をポリヌクレオチド配列に導入することは、たとえば、PCR Technology: Principles and Applications for DNA Amplification、H.A.Erlich (編)、Freeman Press、NY,N.Y.、1992;PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications、Innisら(編)、Academic Press、San Diego,Calif、1990;Mattilaら、1991、Nucleic Acids Res.、19:967;およびEckertら、1991、PCR Methods and Applications、1:17中に記載されているように行うことができる。
【0096】
4.2.8.ベクター
本開示は、本開示の1つまたは複数の核酸分子を含むベクターも提供する。
【0097】
宿主細胞中での発現には、本開示の1つまたは複数のポリペプチドをコードしている核酸が適切なベクター中に存在することができ、適切な宿主内への導入の後、配列を発現させて、コードされているポリペプチドを、当技術分野で知られている標準のクローニングおよび発現技法に従って生成することができる(たとえばSambrook,J.、Fritsh,E.F.、およびManiatis,T.、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor,N.Y.、1989に記載)。開示は、本開示による核酸配列を含むそのようなベクターにも関する。
【0098】
様々な発現ベクターを用いて、本開示のポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドを発現させることができる。ウイルスに基づくベクターおよび非ウイルス発現ベクターをどちらも使用して、哺乳動物宿主細胞などの宿主細胞中でポリペプチドを産生させることができる。非ウイルスベクターおよびシステムとしては、プラスミド、エピソームベクター、典型的にはタンパク質またはRNAを発現させるための発現カセットを有するもの、およびヒト人工染色体が挙げられる(たとえばHarringtonら、1997、Nat Genet.、15:345を参照)。たとえば、哺乳動物(たとえばヒト)細胞における本開示のポリヌクレオチドおよびポリペプチドの発現に有用な非ウイルスベクターとしては、pThioHis A、B、およびC、pcDNA3.1/His、pEBVHis A、B、およびC(Invitrogen、カリフォルニア州San Diego)、MPS Vベクター、ならびに他のタンパク質を発現させるために当技術分野で知られている数々の他のベクターが挙げられる。有用なウイルスベクターとしては、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、SV40に基づくベクター、パピローマウイルス、HBPエプスタイン・バーウイルス、ワクシニアウイルスベクター、およびセムリキ森林ウイルス(SFV)に基づくベクターが挙げられる。Brentら、上記、Smith、1995、Annu.Rev.Microbiol.、49:807;およびRosenfeldら、1992、Cell、68:143を参照されたい。特に、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、またはアデノ随伴ウイルスベクターが、T細胞における発現に一般的に使用される。そのようなベクターの例としては、SFGレトロウイルス発現ベクターが挙げられる(Riviereら、1995、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)、92:6733~6737を参照)。一実施形態では、レンチウイルスベクターを使用し、これには自己不活性化レンチウイルスベクター(いわゆるSINベクター)が挙げられる。
【0099】
発現ベクターの選択は、ベクターをその中で発現させることを意図する宿主細胞に依存する。哺乳動物宿主細胞のための発現ベクターは、複製起点、プロモーター、およびエンハンサーなどの発現制御配列(たとえばQueenら、1986、Immunol.Rev.、89:49~68を参照)、ならびにリボソーム結合部位、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位、および転写ターミネーター配列などの必要なプロセッシング情報部位を含むことができる。これらの発現ベクターは通常、哺乳動物遺伝子または哺乳動物ウイルスに由来するプロモーターを含有する。適切なプロモーターは、構成的、細胞種特異的、段階特異的、および/または変調可能もしくは調節可能であり得る。有用なプロモーターとしては、それだけには限定されないが、メタロチオネインプロモーター、構成的アデノウイルス主要後期プロモーター、デキサメタゾン誘導性MMTVプロモーター、SV40プロモーター、MRP polIIIプロモーター、構成的MPS Vプロモーター、テトラサイクリン誘導性CMVプロモーター(ヒト前初期CMVプロモーターなど)、構成的CMVプロモーター、EF1アルファプロモーター、ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)プロモーター、および当技術分野で知られているプロモーター-エンハンサーの組合せが挙げられる。
【0100】
形質転換させた生物の培養物は、集団を、その発現産物が宿主細胞によってより良好に耐容されるコード配列についてバイアスをかけずに、非誘導性条件下で拡大することができる。プロモーターに加えて、他の調節要素も、本開示のポリペプチドの効率的な発現に必要であり得るまたは所望され得る。これらの要素は、典型的には。ATG開始コドンおよび隣接リボソーム結合部位または他の配列を含む。さらに、発現の効率は、使用中の細胞系に適切なエンハンサーを含めることによって増強させ得る(たとえば、Scharfら、1994、Results Probl.Cell Differ.、20:125;およびBittnerら、1987、Meth.Enzymol.、153:516を参照)。たとえば、SV40エンハンサーまたはCMVエンハンサーを使用して、哺乳動物宿主細胞中における発現を増加させ得る。
【0101】
本開示は、配列番号60~69、87、90、および102のうちの任意のものをコードしている核酸と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸を含む、クローニングまたは発現ベクターを提供する。さらに、本開示は、配列番号60~69、87、90、および102のうちの1つまたは複数をコードしている核酸を含む、クローニングまたは発現ベクターを提供する。本開示は、配列番号70~79、88、91、および103のうちの任意の1つの核酸配列を含む、クローニングまたは発現ベクターを提供する。
【0102】
4.2.9.宿主細胞
本開示のポリペプチド、本開示の核酸、本開示のベクター、またはそのいずれかもしくは両方の組合せを含む宿主細胞を提供する。そのような細胞は、一般に、本開示によるポリペプチドの発現に利用される。
【0103】
核酸またはベクターは、標準の技法によって宿主細胞内に形質移入し得る。
【0104】
用語「形質移入」の様々な形態は、外因性DNAを原核または真核宿主細胞内に導入するために一般的に使用されている多種多様な技法、たとえば、電気穿孔、リン酸カルシウム沈降、DEAE-デキストラン形質移入などを包含することを意図する。
【0105】
あるいは、核酸またはベクターは、形質導入によって宿主細胞内に送達し得る。たとえば、上記開示したウイルスベクターを核酸またはベクターの送達に使用し得る。
【0106】
本開示のポリペプチドを、原核または真核のどちらかの宿主細胞中で発現させることが可能である。代表的な宿主細胞としては、多数の大腸菌(E.coli)株、CHO、CHO-K1、およびHEK293などの哺乳動物細胞系;Sf9細胞などの昆虫細胞;ならびに出芽酵母(S.cerevisiae)およびP.パストリス(P.pastoris)などの酵母細胞が挙げられる。一実施形態では、宿主細胞は、NK細胞(初代NK細胞もしくはNK細胞系のどちらか)またはT細胞(初代T細胞もしくはT細胞系のどちらか)などの免疫応答性細胞である。他の種類の宿主細胞としては、マクロファージ、人工多能性幹細胞(iPSC)、好中球、および不変NKT(iNKT)細胞が挙げられる。T細胞はCD4+またはCD8+ T細胞であり得る。一実施形態では、宿主細胞はヒト細胞である。一実施形態では、宿主細胞はヒトT細胞である。別の実施形態では、宿主細胞は初代ヒトT細胞である。使用し得る細胞系としては、NK細胞系NK-92が挙げられる。
【0107】
本開示のポリペプチドを発現させるための哺乳動物宿主細胞としては、チャイニーズハムスター卵巣(CHO細胞)(たとえばR.J.KaufmanおよびP.A.Sharp、1982、Mol.Biol.、159:601~621に記載されたDH FR選択マーカーと共に使用する、UrlaubおよびChasin、1980、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、77:4216~4220に記載されたdhfr- CHO細胞を含む)、NSO骨髄腫細胞、COS細胞、およびSP2細胞が挙げられる。一実施形態では、宿主細胞はCHO K1PD細胞である。別の実施形態では、宿主細胞はNSO1細胞である。特に、NSO骨髄腫細胞との使用では、別の発現系は、WO87/04462号、WO89/01036号、およびEP338,841号中に示されているGS遺伝子発現系である。ポリペプチドをコードしている組換え発現ベクターを哺乳動物宿主細胞内に導入する場合、ポリペプチドは、宿主細胞中におけるポリペプチドの発現、または宿主細胞を成長させている培養培地内へのポリペプチドの分泌を可能にするために十分な期間の間、宿主細胞を培養することによって、生成し得る。ポリペプチドは、標準のタンパク質精製方法を使用して培養培地から回収することができる。
【0108】
4.3.本開示の免疫応答性細胞を生成する方法
本開示は、本開示のポリペプチドを含む免疫応答性細胞を生成する方法も提供する。そのような方法は、細胞を、本開示のポリペプチドをコードしている核酸またはベクターで形質導入するステップを含み得る。この方法は、ポリペプチドが発現され、NKG2Dポリペプチドと会合してCARを形成するように、細胞を培養するステップをさらに含み得る。
【0109】
一実施形態では、本開示は、(i)本開示の核酸分子またはベクターを免疫応答性細胞内に形質導入するステップと、(ii)形質導入した細胞がNKG2Dポリペプチド、DAP10/DAP12融合ポリペプチド、およびCXCR2ポリペプチドを発現し、NKG2DポリペプチドおよびDAP10/DAP12融合ポリペプチドが細胞膜中で会合するように、免疫応答性細胞を培養するステップとを含む、免疫応答性細胞を調製する方法を提供する。
【0110】
さらなる実施形態では、本開示は、(i)T細胞および/またはNK細胞を患者から得るステップと、(ii)本開示の核酸またはベクターをT細胞および/またはNK細胞内に形質導入するステップと、(iii)形質導入した細胞がNKG2Dポリペプチド、DAP10/DAP12融合ポリペプチド、およびCXCR2ポリペプチドを発現し、NKG2DポリペプチドおよびDAP10/DAP12融合ポリペプチドが細胞膜中で会合するように、T細胞および/またはNK細胞を培養するステップとを含む方法を提供する。
【0111】
免疫応答性細胞を培養するための様々な方法が当技術分野で周知である。たとえば、Parente-Pereira ACら、2014、J.Biol.Methods、1(2):e7、Ghassemi Sら、2018、Cancer Immunol Res、6(9):1100~1109、およびDenman CJら、2012、PLoS One、7(1): e30264を参照されたい。
【0112】
4.4.医薬組成物
本開示は、本明細書中に記載のポリペプチド、核酸、ベクター、または宿主細胞を含む医薬組成物も提供する。そのような医薬組成物は、薬学的にまたは生理的に許容される希釈剤および/または担体を含むことができる。担体は一般に、意図する投与様式に適切であるように選択し、たとえば、組成物のpH、容積モル浸透圧濃度、粘度、透明度、色、等張性、匂い、無菌性、安定性、溶解もしくは放出の速度、吸着、または浸透を改変、維持、または保存するための薬剤を挙げることができる。典型的には、これらの担体としては、塩類溶液および/または緩衝媒体を含めた、水性溶液またはアルコール/水溶液、乳濁液、または懸濁液が挙げられる。
【0113】
医薬組成物中に含めるための適切な薬剤としては、それだけには限定されないが、アミノ酸(グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、またはリシンなど)、抗微生物剤、抗酸化剤(アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム、または亜硫酸水素ナトリウムなど)、緩衝剤(ボレート、バイカーボネート、トリス-HCl、シトレート、ホスフェート、または他の有機酸など)、充填剤(マンニトールまたはグリシンなど)、キレート化剤(エチレンジアミン四酢酸(EDTA)など)、錯化剤(カフェイン、ポリビニルピロリドン、ベータ-シクロデキストリン、またはヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンなど)、充填剤、単糖、二糖、および他の炭水化物(グルコース、マンノース、またはデキストリンなど)、タンパク質(無血清(free serum)アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンなど)、着色剤、香味料および希釈剤、乳化剤、親水性ポリマー(ポリビニルピロリドンなど)、低分子量ポリペプチド、塩形成対イオン(ナトリウムなど)、保存料(塩化ベンザルコニウム、安息香酸、サリチル酸、チメロサール、フェネチルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロルヘキシジン、ソルビン酸、または過酸化水素など)、溶媒(グリセリン、プロピレングリコール、またはポリエチレングリコールなど)、糖アルコール(マンニトールまたはソルビトールなど)、懸濁剤、界面活性剤または湿潤剤(pluronic、PEG、ソルビタンエステル、ポリソルベート20もしくはポリソルベート80などのポリソルベート、Triton、トロメタミン、レシチン、コレステロール、またはチロキサパル(tyloxapal)など)、安定性増強剤(スクロースまたはソルビトールなど)、等張性増強剤(塩化ナトリウムもしくはカリウム等のハロゲン化アルカリ金属、またはマンニトールソルビトールなど)、送達ビヒクル、希釈剤、賦形剤、および/あるいは薬学的アジュバントが挙げられる。
【0114】
非経口ビヒクルとしては、塩化ナトリウム溶液、リンゲルデキストロース、デキストロース、塩化ナトリウム、および乳酸リンゲル液が挙げられる。カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、およびアルギネートなどの、適切な生理的に許容されるシックナーを含め得る。静脈内ビヒクルとしては、リンゲルデキストロースに基づいたものなどの、流体および栄養素の補充液ならびに電解質補充液が挙げられる。一部の事例では、組成物の等張性を調節するための薬剤、たとえば、糖、ポリアルコール、たとえばマンニトール、ソルビトール、または塩化ナトリウムを、医薬組成物中に含め得る。たとえば、多くの場合、組成物が実質的に等張であることが望ましい。抗微生物剤、抗酸化剤、キレート化剤、および不活性ガスなどの保存料および他の添加剤も存在し得る。正確な配合物は投与経路に依存する。薬学的配合物のための追加の関連する原理、方法、および構成要素は周知である(たとえばAllen,Loyd V.編、(2012) Remington’s Pharmaceutical Sciences、第22版を参照)。
【0115】
本開示の医薬組成物は、当技術分野で知られている様々な方法のうちの1つまたは複数を使用して、1つまたは複数の投与経路によって投与することができる。当業者には理解されるように、投与の経路および/または様式は所望の結果に応じて変動する。本開示の医薬組成物の投与経路としては、静脈内、筋肉内、皮内、腹腔内、皮下、脊髄、または他の非経口投与経路、たとえば注射または注入によるものが挙げられる。本明細書中で使用する語句「非経口投与」とは、経腸および局所投与以外の投与様式、通常は注射によるものを意味し、それだけには限定されないが、静脈内、筋肉内、動脈内、くも膜下腔内、関節内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内、硬膜外、および胸骨内の注射および注入が挙げられる。一実施形態では、医薬組成物は腫瘍内に投与する。非経口投与が企図される場合、医薬組成物は通常、無菌的な、発熱物質を含まない、非経口的に許容される組成物の形態である。非経口注射のための特に適切なビヒクルは、正しく保存された無菌的な等張溶液である。医薬組成物は、凍結乾燥ケークなどの凍結乾燥物の形態であることができる。
【0116】
あるいは、本明細書中に記載の医薬組成物は、局所、表皮、または粘膜の投与経路、たとえば、鼻腔内、経口、経膣、直腸、舌下、または局所などの、非経口でない経路によって投与することができる。
【0117】
ある特定の実施形態では、医薬組成物は皮下投与のためのものである。ポリペプチド治療剤(たとえば、抗体、融合ポリペプチドなど)の皮下投与のための適切な配合物構成要素および方法は、当技術分野で知られており、たとえば、US2011/0044977号、US8465739号、およびUS8476239号を参照されたい。典型的には、皮下投与のための医薬組成物は、適切な安定化剤(たとえば、メチオニンなどのアミノ酸、およびまたはスクロースなどの糖類)、緩衝剤、ならびに等張化剤を含有する。
【0118】
典型的には、細胞治療では、宿主細胞を含む組成物は、静脈内注入によって患者に投与する。
【0119】
本開示の薬学的に有用な組成物の投与は、好ましくは「治療上有効な量」または「予防上有効な量」(場合に応じて、予防は治療とみなすことができるが)のものであり、これは、個体において利益を示すために十分なものである。投与する実際の量、ならびに投与の速度および時間経過は、処置しているタンパク質凝集疾患の性質および重篤度に依存する。処置の処方、たとえば投薬量の決定などは、一般的従事者および他の医師の責任の範囲内にあり、典型的には、処置する障害、個々の患者の状態、送達部位、投与方法、および従事者に知られている他の要因を考慮に入れる。上記言及した技法およびプロトコルの例は、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第16版、Osol,A.(編)、1980中に見つけることができる。
【0120】
組成物は処置する状態に応じて、単独でまたは他の処置と組み合わせて、同時にまたは順次のどちらかで投与することができる。
【0121】
4.5.処置方法
一部の実施形態では、本開示のポリペプチド、核酸、ベクター、細胞、および/または医薬組成物は、疾患もしくは障害の処置、予防、および/または疾患症状の発症の遅延のために使用する。この方法は、治療上有効な量の本開示のポリペプチド、核酸、ベクター、細胞、および/または医薬組成物を投与することを含む。
【0122】
本開示は、治療においてまたは医薬品として使用するための、本開示のポリペプチド、核酸、ベクター、宿主細胞、または医薬組成物を提供する。本開示は、病理学的障害の処置または予防において使用するための、本開示のポリペプチド、核酸、ベクター、宿主細胞、または医薬組成物をさらに提供する。本開示は、癌の処置または予防において使用するための、本開示のポリペプチド、核酸、ベクター、宿主細胞、または医薬組成物を提供する。また、癌の処置または予防において使用するための、本開示の免疫応答性細胞も提供される。本開示は、病理学的障害を処置するための医薬品の製造における、本開示のポリペプチド、核酸、ベクター、宿主細胞、または医薬組成物の使用も提供する。また、病理学的障害の処置または予防における、本開示のポリペプチド、核酸、ベクター、宿主細胞、または医薬組成物の使用も提供される。本開示は、治療上有効な量の本開示のポリペプチド、核酸、ベクター、宿主細胞、または医薬組成物を患者に投与することを含む、病理学的障害を患っている患者を処置する方法をさらに提供する。
【0123】
本明細書中で使用する用語「疾患」および「病理学的障害」は癌を含み、それだけには限定されないが、固形腫瘍癌、軟組織腫瘍、転移性病変、および血液癌が挙げられる。たとえば、癌は、肝臓癌、肺癌、乳癌、前立腺癌、リンパ系癌、結腸癌、腎臓癌、骨癌、膵癌、皮膚癌、頭部もしくは頸部の癌、皮膚もしくは眼内悪性黒色腫、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、肛門部癌、胃癌、精巣癌、子宮癌、輸卵管癌腫、子宮内膜癌腫、子宮頸部癌腫、膣癌腫、外陰部癌腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、食道癌、小腸癌、内分泌系癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、軟組織肉腫、尿道癌、陰茎癌、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病を含めた慢性もしくは急性白血病、小児期固形腫瘍、リンパ球性リンパ腫、膀胱癌、腎臓もしくは輸尿管の癌、腎盂癌腫、中枢神経系(CNS)新生物、原発性CNSリンパ腫、腫瘍血管形成、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、カポジ肉腫、類表皮癌、扁平細胞癌、T細胞リンパ腫、脊髄形成異常症候群(MDS)、慢性骨髄性白血病-慢性期(CMLCP)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)、肝細胞癌(HCC)、胃腸間質腫瘍(GIST)、非小細胞肺癌(NSCLC)、扁平細胞頭頸部癌(SCCHN)、アスベストによって誘導されるものを含めた環境誘導癌、および前記癌の組合せであることができる。特に、癌は、エストロゲン受容体陽性(ER pos)乳癌および/または転移性形態の乳癌などの乳癌であることができる。
【0124】
一実施形態では、癌は固形腫瘍癌である。一実施形態では、病理学的障害の処置は、腫瘍関連間質細胞などの非腫瘍細胞の標的化を含む。そのような腫瘍関連間質細胞の種類の例としては、膵臓間質細胞が挙げられる。標的化し得る他の種類の非腫瘍細胞としては、マクロファージ、制御性T細胞、および骨髄由来サプレッサー細胞が挙げられる。
【0125】
一実施形態では、患者は化学療法剤で事前に処置されている。
【0126】
一実施形態では、宿主細胞の患者への投与は、未処置の腫瘍と比較した場合に、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはさらには100%の腫瘍の大きさの減少をもたらす。
【0127】
特許(patent)に投与する宿主細胞の量は、投与経路、処置する癌、患者の重量、および/または患者の年齢を考慮に入れるべきである。一般に、約1×106~約1×1011個の細胞を患者に投与する。一実施形態では、約1×107~約1×1010個の細胞、または約1×108~約1×109個の細胞を患者に投与する。
【0128】
4.6.キット
別の態様では、システムのための本明細書中に記載の構成要素または実施形態をキット中で提供する。たとえば、プラスミド、ならびに哺乳動物細胞、関連する緩衝剤、培地、始動剤、または細胞培養およびビリオン生成に関連する他の構成要素のうちの任意のものを、任意選択の構成要素を凍結し、キットとしてパッケージングし、単独でまたは他の薬剤のうちの任意のものの別々の容器、および任意選択の使用説明書と共に、提供することができる。一部の実施形態では、キットは、培養容器、バイアル、チューブなどを含み得る。
【0129】
4.7.実施例
以下に本発明を実施するための具体的な実施形態の例を示す。例は例示目的のみで提供し、いかなる様式でも本発明の範囲を限定することを意図しない。使用した数値(たとえば、量、温度など)に関して正確さを保証する努力がなされているが、ある程度の実験誤差および偏差がもちろん許容されるべきである。
【0130】
本発明の実施では、別段に指定しない限りは、当技術分野の技術範囲内にある、タンパク質化学、生化学、組換えDNA技法、および薬理学の慣用方法を用いる。そのような技法は文献中に完全に説明されている。
【0131】
4.7.1.方法
T細胞単離およびレトロウイルス形質導入
末梢血単核球(PBMC)を、健康なボランティアからの血液試料から、密度媒介性遠心分離を通じて単離した。T細胞を、植物性赤血球凝集素を用いて72時間活性化させ、最後の24時間の間は100IU/mLのIL-2を加えた。1×106個の活性化PBMCを、3mLのレトロウイルス上清で事前に処理した、RetroNectinでコーティングしたプレート上に蒔いた。続いて、それぞれのウェルを3mLの新鮮なウイルス上清および100IU/mLのIL-2で処理した。レトロウイルス形質導入を、安定テナガザル白血病ウイルス(GALV)偽型293TVec安定パッケージング細胞によって生成させたウイルス粒子を用いて行った。それ以降、T細胞に、RPMI1640培地+5%の正常ヒトAB血清中に100IU/mLを供給し、新鮮な培地およびIL-2(100IU/mL)を週に3回提供した。
【0132】
フローサイトメトリー
示した場合は適切なアイソタイプ対照との比較を行って、T細胞形質導入および293T細胞の形質移入をフローサイトメトリーによって比較した。NKG2Dに基づく構築体の発現を評価するために、細胞を、マウス抗ヒトCD4-FITC、マウス抗ヒトNKG2D-PE、およびマウス抗ヒトCD8-APCを用いて染色し、適切に補正した。CD8+ T細胞における高いレベルの内在性NKG2D発現が原因で、形質導入効率は、非形質導入CD4+ T細胞におけるNKG2D発現に対して比較した。panErbBに特異的なT4およびTMY CARの発現は、ビオチン標識したヤギ抗ヒトEGF、次いでPEとコンジュゲートさせたストレプトアビジンを使用して評価した。形質導入効率は、同じ試薬を使用して染色したN1012+ T細胞との比較によって計算した。使用の前に、非形質導入T細胞の必須割合をスパイクすることによって、構築体間で形質導入効率を正規化した。これにより、CAR+ T細胞の合計数および全体的なT細胞濃度についてすべての条件が同一であったことが保証された。
【0133】
細胞内染色を行うために、形質移入した293T細胞を4%のホルムアルデヒド中に10分間、室温で固定した後、透過処理溶液(PBS+0.5%のBSA+0.1%のサポニン)で2回洗浄した。続いて、細胞を、500ngのPEとコンジュゲートさせた抗ヒトNKG2D、または適切なアイソタイプ対照を用いて、100uLの透過処理溶液の存在下で染色した。フローサイトメトリーによる分析の前に、細胞を透過処理溶液で2回、さらに洗浄した。
【0134】
複数ラウンドの刺激の後のT細胞分化を評価するために、T細胞を腫瘍細胞同時培養から取り出し、FITCとコンジュゲートさせた抗ヒトCD45RO、アロフィコシアニン(APC)とコンジュゲートさせた抗ヒトCD62L、PEとコンジュゲートさせた抗ヒトCCR7、FITCとコンジュゲートさせた抗ヒトCD4、APCCy7とコンジュゲートさせた抗ヒトCD8α、およびフィコエリスリンシアニン7(PECy7)とコンジュゲートさせた抗ヒトCD27抗体を用いて染色した。2mLの氷冷PBSで洗浄した後、細胞を0.5mLの氷冷PBSに再懸濁させ、フローサイトメトリーによって評価した。染色効率は、適切なアイソタイプおよび蛍光マイナス1(FMO)対照を用いて染色したT細胞を使用して評価した。
【0135】
用量応答アッセイ
1×104個の腫瘍細胞を96ウェルプレートの1ウェル(100μL)あたり蒔き、37℃および5%のCO2で終夜インキュベートした。24時間後、T細胞を、1:1~1:64の範囲のlog2 CAR T細胞:腫瘍細胞の比で加えた。72時間後、T細胞を取り出し、100μLのMTT溶液(500μg/mL)を加えた後、プレートを37℃および5%のCO2でおよそ1時間インキュベートした。MTT溶液を除去した後、生じたホルマザン結晶をDMSO(100μL/ウェル)中に溶かし、吸光度を560nmで測定した。腫瘍細胞生存度は以下のように計算した:(T細胞を用いた単層の吸光度/T細胞を用いない単層の吸光度)*100。
【0136】
再刺激アッセイ
1×105個の腫瘍細胞を24ウェルプレートの3つ組ウェル中に蒔き、24時間、37℃および5%のCO2でインキュベートした。24時間後、1×105個のCAR+ T細胞を含有する1mLを1ウェルあたりに加えた。72時間後、T細胞を穏やかに取り出し、ウェルを1mLのPBSで洗浄した。PBSを除去した後、1mLのMTT(500μg/mLの最終濃度)をそれぞれのウェルに加え、プレートを37℃および5%のCO2でおよそ1時間インキュベートした。吸光度を適切なウェル中、560nmで測定し、「用量応答」セクションに詳述したように腫瘍細胞生存度を計算した。腫瘍細胞生存度が50%未満として測定された場合に、再刺激は成功したとみなされた。
【0137】
プレートから取り出したT細胞を400×gで5分間遠心分離し、上清を除去した。ペレットを3.2mLのR5培地に再懸濁させ、1mLを新鮮な腫瘍単層(24ウェルプレートの1ウェルあたり1×105個の腫瘍細胞)のそれぞれのウェルに3つ組で加えた。総T細胞数は、残った200μLの小アリコートのトリパンブルー排除によって評価した。
【0138】
結合力
標的細胞に対するCAR T細胞の結合力は、漸増するレベルの音響力で標的細胞と結合したT細胞の百分率を測定することによって評価した。CD19で操作したLO68またはSKOV-3腫瘍細胞を、ポリ-L-リシンでコーティングしたz-Moviマイクロ流体チップ(Lumicks、オランダAmsterdam)中に播種し、16時間培養した。翌日、流動選別したCAR-T細胞をチップに連続的に流し、標的細胞と共に5分間インキュベートした後、3分間の直線力勾配を開始した。力勾配中、z-Movi装置(Lumicks)により、プラットフォーム内に組み込んだ明視野顕微鏡を使用してイメージの時系列を捕らえた。剥離した細胞を音響節(acoustic node)に向かって浮揚させ、これにより、そのXY位置に基づいた細胞の追跡が可能となる。Z位置の変化は回折パターンの変化をもたらし、これが、基質に接着した細胞と音響節中に浮遊する細胞との区別を可能にした。この情報を使用して、細胞剥離事象を特定の破裂力と相関させた。細胞剥離は(z-Movi Tracking_v1.6.0)を使用して獲得し、実験後の画像解析は細胞追跡(Cell Tracking)オフライン分析_v2.1を使用して行った。
【0139】
ELISA
T細胞によるIFN-γおよびIL-2の分泌は、同時培養の開始の24時後に取り出した上清アリコートにおいて、それぞれDuo-setおよびReady-Steady-Go ELISAキットを使用して評価した。
【0140】
腫瘍球状体の作製
腫瘍球状体を作製するために、超低親和性96ウェルプレートの1ウェルあたり1×103個の腫瘍細胞および1×103個のPS1星細胞を加え、72時間、37℃および5%のCO2でインキュベートした。球状体の作製は、標準の光学顕微鏡の可視化によって確認した。
【0141】
In vivo研究
生物発光イメージング
1×105個のホタルルシフェラーゼ(ffLUC)でタグ付けしたBxPC3細胞を、NSGマウスの腹腔内腔内に注射した。腫瘍接種の12日後、マウス(n=5匹/群)を、腹腔内で、PBS、4×106個の(N1012+(N1012(低))、T4+、もしくはTMY+CAR T細胞)、または1×107個の(N1012(高)もしくはNKG2D)CAR+ T細胞のいずれかを用いて処置した。あるいは、NSGマウスに、1×106個のffLUCでタグ付けしたH226悪性中皮腫細胞を腹腔内で接種した。腫瘍接種の8日後、マウスをPBSまたは4×106個のN1012+ T細胞のどちらかで処置した。対照として、1つのマウス群を、4×106個の、NKG2Dを単独で発現するT細胞で処置した。
【0142】
他の研究では、NSGマウスに、1×105個のffLuc発現Ovsahoまたは5×105個のffLuc発現SKOV-3細胞を腹腔内で接種した。Ovasho細胞を接種したマウスを、PBSまたは5×106個のCAR T細胞(N1012、N1012_CXCR2、CYAD-01レプリカ、もしくは非形質導入)のいずれかを用いて、腹腔内注射(腫瘍接種の6日後)または静脈内注射(接種の7日後)を介して処置した。SKOV-3細胞を接種したマウスを、静脈内で、PBSまたは1×107個のCAR T細胞(N1012、N1012_CXCR2、もしくはCYAD-01_10)のいずれかを用いて、腫瘍接種の14日後に処置した。
【0143】
T細胞輸送を評価するために、T細胞を、CAR構築体(N1012またはN1012_CXCR2)と、レポーター構築体、すなわち、ウミシイタケルシフェラーゼ(rLuc)単独、またはrLucおよびGFPをどちらもコードしている二重レポーターのどちらかとを発現するように二重形質導入した。Ovasho細胞を接種したマウスを、5×106個のCAR T細胞(N1012_ウミシイタケルシフェラーゼまたはN1012_CXCR2_ウミシイタケルシフェラーゼ)を用いて、腫瘍接種の7日後に静脈内注射によって処置した。SKOV-3細胞を接種したマウスを、1×107個のCAR T細胞(N1012_CXCR2_rLucまたはN1012_rLuc)を用いて、腫瘍接種の14日後に静脈内注射によって処置した。倉持細胞を接種したマウスを、2×106個のCAR T細胞細胞(N1012_CXCR2_rLucまたはN1012_rLuc)を用いて、腫瘍接種の18日後に静脈内注射によって処置した。T細胞追跡をモニタリングするために、ウミシイタケルシフェラーゼの基質であるセレンテラジンをマウスに静脈内投与した。
【0144】
腫瘍成長をBLIによってモニタリングし、すべてのデータを処置あたりの全光束(光子数/秒)または平均全光束(光子数/秒)として提示する。不健康の徴候についてマウスをしっかりとモニタリングし、週に3回秤量した。
【0145】
腫瘍体積
1×105個のCFPac-1またはBxPC3細胞を50μlのMatrigel(1:1のPBS)中でNSGマウスの左脇腹内に皮下注射した。CFPac-1細胞を用いた接種の29日後またはBxPC3細胞を用いた接種の14日後、マウスを、PBSまたは1×107個のCAR T細胞(N1012_CXCR2、N1012、NKG2D、CYAD-01レプリカ、非形質導入(UT))のいずれかを用いて静脈内で処置した。
【0146】
腫瘍成長をカリパス測定によって毎週測定し、腫瘍体積(mm3)として表した。
【0147】
免疫組織化学
1×105個のCFPac-1細胞を50μlのMatrigel(1:1のPBS)中でNSGマウスの左脇腹内に皮下注射した。接種の29日後、マウスを、PBSまたは1×107個のCAR T細胞(N1012_CXCR2、N1012、NKG2D、CYAD-01レプリカ、もしくは非形質導入(UT)T細胞)のいずれかを用いて静脈内で処置した。T細胞注射の3日後、N1012、N1012_CXCR2、およびNKG2D T細胞処置群のそれぞれからの3匹のマウスを屠殺し、腫瘍を免疫組織化学(IHC)分析のために収集した。手短に述べると、組織をホルマリン中に固定し、パラフィン中に包埋し、切片化し、スライド上に載せ、標準方法を使用して抗ヒトCD3抗体(Abcam)で染色した。
【0148】
4.7.2.実施例1:293T細胞におけるNKG2DおよびDAP10/12融合タンパク質の発現
293T細胞を、DAP10/12融合タンパク質N1012またはNKG2D発現カセットのどちらかを含有するSFGレトロウイルスプラスミド主鎖を用いて形質移入した。N1012(配列番号64)は、外因性ヒトNKG2Dタンパク質と本発明による融合外因性DAP10/12ホモ二量体とを含む複合体を含む。N1012プラスミドは、配列番号64をコードしている配列番号74を含む。NKG2Dの表面発現は、72時間後にフローサイトメトリーによって評価した。NKG2D発現は、N1012プラスミドを用いて形質移入した293T細胞の表面で容易に検出された一方で、対照NKG2Dをコードしているプラスミドを用いて形質移入したものの表面では、NKG2D発現は検出されなかった(
図2、上パネル)。NKG2D表面発現がDAP10の発現に依存することを考慮すると、NKG2D表面発現の欠如は、NKG2Dプラスミド内でのDAP10の同時発現の非存在によって説明される可能性がある。NKG2Dを形質移入した293T細胞中における表面NKG2D発現の欠如が、形質移入不良が原因でないことを確認するために、NKG2Dの存在についての細胞内染色を行った。決定的に、NKG2Dの細胞内発現が、N1012またはNKG2Dプラスミドのどちらかを用いて形質移入した293T細胞中で観察された(
図2、下パネル)。このことは、両方の構築体からのNKG2Dの発現の成功を実証し、また、NKG2Dの表面発現を達成するためにはDAP10の同時発現が必要であることも裏付けている。
【0149】
4.7.3.実施例2:初代ヒトT細胞におけるN1012およびNKG2Dの発現
初代ヒトT細胞を、抗ヒトCD3および抗ヒトCD28抗体でコーティングした常磁性ビーズを用いて活性化した。活性化の48時間後、T細胞を、N1012またはNKG2Dを発現するようにレトロウイルス形質導入によって操作した。NKG2Dの表面発現をフローサイトメトリーによって評価し、CD4およびCD8発現について同時染色した。NKG2Dの発現の百分率(
図3A)および蛍光強度の中央値(MFI、
図3B)を非形質導入T細胞に対して比較した。CD8
+ T細胞におけるNKG2Dの内在性発現が原因で、データはCD4
+ T細胞に対してゲーティングされている。示したように、UT T細胞、または対照CARを発現するT細胞のどちらとも対照的に、NKG2DおよびN1012構築体はどちらも、初代ヒトT細胞の表面において高レベルで再現可能に発現されている(
図4)。
【0150】
4.7.4.実施例3:N1012 T細胞による標的細胞の破壊および認識の評価
細胞溶解能力を評価するために、N1012
+ T細胞を、5個の異なる腫瘍種(中皮腫、卵巣癌、頭頸部扁平細胞癌、膵癌、および乳癌)を表す11個の異なるヒト腫瘍細胞系と共に、または腫瘍関連間質細胞(PS1)と共に、様々なE:T比で同時培養した。72時間後、T細胞を取り出し、MTTアッセイを行って、腫瘍細胞生存度を評価した。標的細胞をUT T細胞またはNKG2Dを発現するもののどちらかと同時培養した場合は、腫瘍生存度の最小限の低下が観察された一方で、N1012
+ T細胞は、低いE:T比においてさえも、すべての標的細胞系の強力な溶解を実証した(
図5ならびに7Aおよび7B)。ELISAによる同時培養上清の分析により、N1012
+ T細胞によるインターフェロン-γ(IFN-γ)およびインターロイキン-2(IL-2)の両方の実質的な分泌が実証されたが、UT T細胞または対照NKG2D構築体を発現するもののどちらによる分泌も実証されなかった(
図6Aおよび6B)。これらのデータは、N1012
+ T細胞の、腫瘍関連間質細胞を含めた幅広い種類の腫瘍種を認識および溶解する能力を実証している。
【0151】
4.7.5.実施例5:N1012 T細胞による腫瘍球状体破壊の例示
N1012
+ T細胞の、3D系内における標的細胞溶解を媒介する能力を評価するために、これらを腫瘍球状体と共に同時培養した。球状体の作製の後、1ウェルあたり6×10
3個のCellTracker Violetで標識したT細胞を加えた。腫瘍細胞および星状細胞の生存度を、3および8日後に、蛍光顕微鏡観察を使用して、それぞれGFPおよびRFPを測定することによって評価した。GFPおよびRFPシグナルの定量は、Image Jソフトウェアを使用して行い、T細胞の非存在下で成長させた球状体からの蛍光の読取りの百分率として表した。N1012
+ T細胞では球状体の強力な溶解が観察されたが、これは、NKG2DまたはUT T細胞のどちらでも観察されなかった(
図7I~7J)。さらに、N1012
+T細胞のみがIFN-γの分泌を実証した(
図7K)。
【0152】
球状体の生存度およびT細胞の増殖を、フローサイトメトリーを使用して代替評価した。これを達成するために、T細胞添加の3または8日後のどちらかに球状体をプレートから取り出し、フローサイトメトリーチューブ内に入れ、同じCAR T細胞で処理した5個までの球状体を同じチューブに加えた。球状体の脱凝集は、Accutase溶液およびピペットチップを介した激しい再懸濁液を使用して達成した。生じた単個細胞懸濁液をRPMI1640培地+5%の正常ヒトAB血清で洗浄し、続いて計数用ビーズを含有するPBS中に再懸濁させた。チューブ1本あたり等数の計数用ビーズが得られ、生じた腫瘍細胞の数(GFPおよびRFP蛍光によって評価)ならびにT細胞の数(CellTracker Violet蛍光によって評価)を決定した。データは、T細胞の非存在下で成長させた球状体中に存在するGFPおよびRFP細胞の合計の百分率として示す(
図15)。
【0153】
4.7.6.実施例6:N1012 T細胞による連続的な標的認識の例示
N1012+ T細胞の、標的細胞の連続的な溶解(「再刺激」)を行う能力を評価するために、これらを新鮮な単層と共に、週に2回、単層破壊が観察されなくなるまで同時培養した。UTまたはNKG2D
+ T細胞は最小限の標的細胞破壊を媒介し、増殖の証拠を示さなかった一方で、N1012
+ T細胞は、複数ラウンドの再刺激を通じて強力な溶解を媒介した(
図8A~8B)。また、標的細胞破壊は、N1012
+ T細胞の実質的な増殖および最大の拡大の倍数とも関連していた(
図8C~8D)。
【0154】
CYAD-01レプリカNKG2D CARおよび対照T細胞と比較した場合、N1012
+ T細胞は、BxPC3_LT細胞に対する有意により多くのラウンドの再刺激を受けた(
図14A)。さらに、N1012
+ T細胞は、CYAD-01 T細胞または対照よりも実質的に高い増殖も実証した(
図14B)。
【0155】
4.7.7.実施例7:膵癌のin vivoモデルにおけるN1012 T細胞の有効性
N1012+ T細胞の、in vivoで腫瘍細胞を標的とする能力を決定するために、N1012、NKG2D、またはパン-ErbB標的化CARの2つの異なる反復(T4およびTMY)を発現するT細胞を作製した。初代ヒトT細胞内における様々な構築体の発現(
図9A)およびT細胞細胞の有効性を、in vitroで、3つの腫瘍細胞系に対して、72時間の1:1の比での同時培養の後に実証した(
図9B)。in vivoでの機能を評価するために、腹腔内のホタルルシフェラーゼ(ffLUC)でタグ付けしたBxPC3腫瘍異種移植片を、12日間、NSGマウスにおいて確立させた。腫瘍保有マウスを、腹腔内で、PBS、4×10
6個の(N1012(低)、T4、もしくはTMY)T細胞、または1×10
7個の(N1012(高)またはNKG2D)形質導入したT細胞のいずれかを用いて処置した。腫瘍成長を毎週、生物発光イメージングによって測定し、マウスを週に3回秤量した。データは、処置群あたりの平均全光束(光子数/秒)(
図10A)、または個々のマウスあたりの全光束(光子数/秒)(
図10B)の両方として表す。NKG2D
+、T4
+、またはTMY
+ T細胞を受けたマウスにおける腫瘍量は、PBSを受けたものと同一であり、有効性の欠如を示唆している。対照的に、腫瘍は、N1012(低)またはN1012(高)のいずれかで処置したそれぞれ2匹/5匹のマウスおよび4匹/5匹のマウスで完全に根絶されていた。これらのマウスは、T細胞投与の76日後に無腫瘍のままであった。体重変化の百分率の測定によって評価した場合に、毒性の証拠は観察されなかった(
図10C)。
【0156】
N1012
+ T細胞がNSGマウス内に移植されて免疫記憶を提供することができるかどうかを決定するために、腫瘍を完全に拒絶したマウスに、腹膜腔内で、初回腫瘍接種の88日後(T細胞注入の76日後)に、1×10
5個のffLUCでタグ付けしたBxPC3細胞の第2の接種を与えた。BLIによって腫瘍再負荷の24時間後にルミネセンスの増加が観察された一方で、続いて4匹/5匹のマウスが腫瘍の大きさの実質的な低下を示し、したがってN1012
+ T細胞の再活性化を示した(
図10D)。実験は145日間の後に終了し、生存曲線を作成し、これはN1012 T細胞の強力な抗腫瘍有効性を実証していた(
図10E)。
【0157】
in vivoの膵癌モデルに対するN1012
+ T細胞の有効性をさらに確認するために、繰り返し実験を行った。1×10
7個のCAR
+または対照非形質導入T細胞を、NSGマウス内に、1×10
5個のffLUCでタグ付けしたBxPC3細胞を用いた接種の12日後に腹腔内注射した。腫瘍成長を毎週、生物発光イメージングによってモニタリングし、データを処置群あたりの平均全光束(光子数/秒)(
図11A)および個々のマウスあたりの全光束(光子数/秒)(
図11B)の両方として表す。有意かつ持続的な腫瘍回帰が、N1012
+ T細胞で処置したマウスにおいて再度観察された。実際、腫瘍は、N1012
+ T細胞で処置した5匹/6匹のマウスにおいて完全に根絶されていた。対照的に、UT T細胞で処置したマウスにおける腫瘍成長の動力学は、PBSを受けているものと同一であった。これらのデータは、腫瘍の根絶がN1012
+に特異的であったことを裏付けている。
【0158】
記憶T細胞の潜在的な形成を調査するために、41日目(T細胞注入の29日後)に無腫瘍であったマウスを、1×10
5個のffLUCでタグ付けしたBxPC3細胞の新鮮なボーラスを用いて腹腔内で再負荷した。マウスを42日目にイメージングして腫瘍の獲得を確認した。続くイメージングにより、5匹/5匹の再負荷したマウスで腫瘍量が検出未満まで低下されることが実証され、3匹/5匹のマウスは長期的腫瘍制御を実証した(
図11B)。これらのデータは、N1012 CAR T細胞が、標的の再出現に応答して再活性化することができる、記憶集団を形成することができることを示唆している。
【0159】
4.7.8.実施例8:悪性中皮腫のin vivoモデルにおけるN1012 T細胞の有効性
別のin vivoモデルにおけるN1012の有効性を確認するために、NSGマウスに、腹腔内注射を介して、1×10
6個のffLUCでタグ付けしたH226悪性中皮腫細胞を接種した。腫瘍細胞接種の8日後、マウスをPBSまたは4×10
6個のN1012
+ T細胞のいずれかで処置した。対照として、1つのマウス群を、4×10
6個の、NKG2Dを単独で発現するT細胞で処置した。腫瘍成長を毎週、生物発光イメージングによってモニタリングし、データを処置あたりの平均全光束(光子数/秒)(
図12A)および個々のマウスあたりの全光束(光子数/秒)(
図12B)として表す。PBSを受けたマウスでは一貫した腫瘍成長が観察された一方で、N1012
+ T細胞を受けたマウスでは100%の腫瘍の根絶が観察された。
【0160】
T細胞の持続および機能の維持を確認するために、すべての無腫瘍マウスに、追加の1×106個のffLUCでタグ付けしたH226細胞を、初回腫瘍接種の91日後に、腹腔内で接種した。腫瘍の獲得がすべてのマウスにおいて24時間に生物発光イメージングによって確認された。すべての再負荷したマウスが腫瘍を拒絶し、これは、N1012+ T細胞の持続の継続およびこれらのT細胞の長期的腫瘍制御を媒介する能力を裏付けている。
【0161】
4.7.9.実施例9:N1012 T細胞とCYAD-01レプリカT細胞との比較
N1012 T細胞の再刺激および増殖の潜在性をCYAD-01レプリカT細胞と比較した。以前に記述したように、CYAD-01CARはNKG2DとCD3ζとの融合からなり、最初にSentmanらによって記載されたマウスCARのヒトバージョンを表す(Zhangら、2005、Blood、106:1544~1551)。これは、名目上は第一世代CARであるが、T細胞中の内在性DAP10と会合し、これはシグナル1および2がどちらも提供されることを意味する。CYAD-01CARはCelyad Oncologyによって現在臨床開発中であり、このCARのレプリカは、比較目的でのみこれらの実施例中に提供する。
【0162】
フローサイトメトリーによって評価した場合に、CYAD-01レプリカの表面発現が初代ヒトT細胞において確認された(
図13)。
【0163】
手短に述べると、N1012またはCYAD-01レプリカT細胞を、新鮮な単層と共に、週に2回、単層破壊が観察されなくなるまで同時培養した。これを達成するために、1×105個の腫瘍細胞を24ウェルプレートの3つ組ウェル中に蒔き、24時間、37℃および5%のCO2でインキュベートした。24時間後、1ウェルあたり1×105個のCAR+ T細胞を、1×105個のCAR+/mLの最終濃度で加えた。72時間後、T細胞を穏やかに取り出し、ウェルを1mLのPBSで洗浄した。PBSを除去した後、1mLのMTT(500μg/mLの最終濃度)をそれぞれのウェルに加え、プレートを37℃および5%のCO2でおよそ1時間インキュベートした。プレートを読み取り、上記に詳述したように腫瘍細胞生存度を計算した。腫瘍細胞生存度が50%未満として測定された場合に、再刺激は成功したとみなされた。
【0164】
標的細胞認識に応答したT細胞増殖を調査するために、プレートから取り出したT細胞を400×gで5分間遠心分離し、上清を除去した。ペレットを3.2mLのR5培地に再懸濁させ、1mLを新鮮な腫瘍単層のそれぞれのウェルに3つ組で加えた。総T細胞数は、残った200μLの小アリコートのトリパンブルー排除によって評価した。
【0165】
CYAD-01レプリカ、NKG2D CARおよび対照T細胞と比較した場合、N1012
+ T細胞は、BxPC3_LT細胞に対する有意により多くのラウンドの再刺激を受けた(
図14A)。さらに、N1012 T細胞は、CYAD-01レプリカT細胞または対照よりも実質的に高い、平均の拡大の倍数も実証した(
図14B)。
【0166】
腫瘍球状体と共に同時培養した場合、球状体生存度の有意な低下がN1012
+ T細胞で観察されたが、これは、UT対照T細胞でも、機能的CYAD-01レプリカCARを発現するものでも観察されなかった(
図15A)。N1012 T細胞は、UTまたはCYAD-01レプリカT細胞のいずれと比較しても、有意な増殖も実証した(
図15B)。
【0167】
4.7.10.実施例10:N1012 T細胞およびN1012_CXCR2 T細胞の作製
CAR構築体(たとえば、N1012、N1012_CXCR2、CYAD-01_10)を発現するT細胞は、末梢血単核球(PBMC)を単離し、T細胞を活性化させ、T細胞を、CARをコードしている核酸を含有するウイルスで形質導入することによって、作製した(
図16A~16B)。
【0168】
手短に述べると、ウイルスを作製するために、1.65×10
6個のHEK293T細胞を、10cm
2の組織培養皿中、10%のFBSおよび2mMのL-グルタミンを含有する10mLのIMDM培地(I10培地)中で播種し、24時間、37℃、5%のCO
2でインキュベートした。翌日、表3中のプロトコルに従って、形質移入混合物をそれぞれのCAR構築体について作製した。HEK293T細胞を、以下のプラスミドを用いて別々に形質移入した:N1012(DAP10/12融合タンパク質およびヒトNKG2D受容体をコード(配列番号74))、N1012_CXCR2(DAP10/12融合タンパク質、ヒトNKG2D受容体、およびCXCR2をコード(配列番号91))、CYAD-01レプリカ(CD3ζと融合したNKG2D受容体をコード(配列番号93))、ならびにCYAD-01_10(CYAD-01レプリカおよびDAP10をコード(配列番号94)。
【表3】
【0169】
15分間のインキュベーションの完了の後、ミックスBをHEK293T細胞に滴下し、穏やかに回旋させた。その後、細胞をインキュベーター内に戻した。上清を形質移入の48時間後に収集し、事前に冷却した50mLのFalconチューブ内に収集し、4℃で保存した。
【0170】
HEK293T細胞に10mLの新鮮なI10培地を供給し、インキュベーター内に戻した。さらに24時間後、HEK293T細胞から上清の2回目の収集を行い、形質移入の48時間後に収集した上清と合せた。合わせた上清を事前にラベル付けしたチューブ内に分注し、急速凍結し、-80℃で保存した。
【0171】
PBMCを、標準のFicoll Paque媒介性密度遠心分離を使用して単離した。3×106個の細胞/mLの濃度でRPMI+5%の正常ヒトAB血清および2mMのL-グルタミン(「R5」培地)中に再懸濁させた後、T細胞を、抗ヒトCD3および抗ヒトCD28抗体でコーティングした常磁性ビーズ(1:2の細胞:ビーズの比)または5ug/mLの濃度の植物性赤血球凝集素(PHA)を使用して活性化した。活性化の48時間後、1×106個のT細胞を、RetroNectinでコーティングした、非組織培養物で処理したプレート上に蒔き、一過的に形質移入したHEK293T細胞から収集した3mLのウイルス上清と混合した。T細胞に、RPMI1640培地+5%の正常ヒトAB血清中の100IU/mLのIL-2を供給し、新鮮な培地およびIL-2(100IU/mL)を週に3回提供した。
【0172】
T細胞上におけるN1012、N1012_CXCR2、CYAD-01、およびCYAD-01_10 CARの表面発現をフローサイトメトリーによって評価した。手短に述べると、T細胞を、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)とコンジュゲートさせた抗ヒトCD4、フィコエリスリン(PE)とコンジュゲートさせた抗ヒトNKG2D、Alexafluor_647(AF_647)とコンジュゲートさせた抗ヒトCXCR2、およびアロフィコシアニンシアニン7(APCCy7)とコンジュゲートさせた抗ヒトCD8α抗体を用いて、氷上で30分間染色した。バックグラウンドCXCR2発現の対照として、1本のチューブを、FITCとコンジュゲートさせたCD4、PEとコンジュゲートさせたNKG2D、APCCy7とコンジュゲートさせたCD8α、およびAF_647とコンジュゲートさせたアイソタイプ抗体を用いて染色した。2mLの氷冷PBSで洗浄した後、細胞を0.5mLの氷冷PBSに再懸濁させ、フローサイトメトリーによって評価した。CD8
+ T細胞中におけるNKG2Dの内在性発現が原因で、遺伝子移入効率はCD4
+T細胞内で計算し、非形質導入(UT)T細胞において見られるものと比較した。
図16Cに示す結果は、高レベルの遺伝子移入がすべての構築体で達成されるが(
図16C、左パネル)、N1012が、N1012_CXCR2を含めた他のCARと比較して有意により高い表面発現を有する(
図16C、右パネル)ことを実証している。
【0173】
4.7.11.実施例11:ヒト卵巣癌細胞に対するN1012_CXCR2 T細胞の有効性の評価
細胞毒性(MTT)アッセイを行って、卵巣癌細胞に対するCAR T細胞のin vitroの抗腫瘍有効性を評価した。手短に述べると、高悪性度漿液性卵巣癌(HGSOC)-倉持およびOvsaho-に代表的な2つの上皮卵巣癌細胞系を、CAR T細胞(N1012、N1012_CXCR2、CYAD-01レプリカ、またはCYAD-01_10)と共に、1:1~1:64の範囲のlog2エフェクター:標的の比で、別々に同時培養した。腫瘍細胞生存度は、T細胞添加の48時間後に、上述のようにMTTアッセイを行うことによって評価した。腫瘍細胞生存度は、T細胞の非存在下で成長させた腫瘍細胞の百分率として表した(
図17)。結果は、N1012、N1012_CXCR2、CYAD-01レプリカ、およびCYAD-01_10 T細胞が、どちらの腫瘍細胞系においても強力な細胞毒性を実証したことを示す(
図17)。対照的に、非形質導入T細胞は無視できる腫瘍細胞死しか媒介しなかった。
【0174】
4.7.12.実施例12:N1012およびN1012_CXCR2 T細胞は優れた増殖を実証する
再刺激アッセイを行って、複数ラウンドの標的細胞溶解を受けるCAR T細胞の能力を評価した。手短に述べると、CAR-T細胞を、Ren中皮腫腫瘍細胞と共に、1:1のエフェクター比で同時培養した。72時間後、T細胞を穏やかに取り出し、それぞれのウェルを1mLのPBSで穏やかに洗浄した。PBSを除去した後、1ウェルあたり0.5mLのMTT溶液を加え、プレートを37℃および5%のCO2でおよそ1時間インキュベートした。MTT溶液を除去した後、生じたホルマザン結晶をDMSO(0.5mL/ウェル)中に溶かし、吸光度を560nmで測定した。腫瘍細胞生存度は以下のように計算した:(T細胞を用いた単層の吸光度/T細胞を用いない単層の吸光度)*100。単層から取り出したT細胞を400×gで5分間遠心分離し、上清を除去した。ペレットを3.2mLのR5培地に再懸濁させ、1mLを新鮮な腫瘍単層のそれぞれのウェルに3つ組で加えた。T細胞が40%を超える標的細胞溶解を媒介することができなくなるまで、アッセイを週に2回繰り返した。標的細胞認識に応答したT細胞増殖を調査するために、T細胞数は、残った200μLの小アリコートのトリパンブルー排除によって評価した。拡大の倍数は以下のように計算した(再刺激中に達成された最高総T細胞数/播種した初期T細胞数)。
【0175】
図18に示す結果は、CYAD-01レプリカおよびCYAD-01_10 T細胞と比較した、再刺激アッセイ中のN1012およびN1012_CXCR2 T細胞の有意に改善された増殖および持続を実証している。非形質導入T細胞またはNKG2Dを発現するT細胞の拡大は観察されなかった一方で、すべてのCAR
+ T細胞が最初に播種した数から増殖した。N1012およびN1012_CXCR2 T細胞の拡大のレベルは、CYAD-01レプリカまたはCYAD-01_10 T細胞のいずれで観察されたものよりも実質的に大きかった。さらに、CYAD-01レプリカおよびCYAD-01_10 T細胞の数は、追加のラウンドの刺激の際に迅速に減少した一方で、N1012およびN1012_CXCR2 T細胞はどちらも頑強な増殖を実証した。実際、N1012およびN1012_CXCR2 T細胞は、最初に播種した細胞数と比較して、T細胞数のそれぞれ59.7倍および58.1倍の最大拡大を実証した。N1012およびN1012_CXCR2 T細胞はどちらも、増殖の突発、次いでT細胞数の収縮を実証し、その後、これに追加のラウンドの増殖が続くことが明らかであった(
図18)。この増殖および収縮のパターンは、内在性免疫応答のそれを反映している。
【0176】
4.7.13.実施例13:T細胞刺激後のT細胞分化、CD4:CD8の比、および共刺激分子の発現の評価
T細胞の小アリコートを、継続中の再刺激アッセイから、刺激16および刺激23の後に取り出し、T細胞を、FITCとコンジュゲートさせた抗ヒトCD4およびAPCCy7とコンジュゲートさせたCD8α抗体を用いて染色した。T細胞を、CD27について、PECy7とコンジュゲートさせた抗体を使用して別々に染色した。T細胞をフローサイトメトリーによって評価した。どちらの時点でも、N1012およびN1012_CXCR2 T細胞は、CD8
+部分組に向かうほぼ完全なシフトを実証し、非常にわずかなCD4
+細胞しか検出されなかった(
図19A~19B)。CD8
+へのシフトは、刺激16よりも刺激23の後により顕著であった(
図19Bを
図19Aと比較)。決定的に、N1012 T細胞は、28ラウンドの再刺激の後でさえも主要な共刺激分子であるCD27の発現を保持していた(
図20、右パネル)。結果は、N1012 T細胞が、28ラウンドの刺激の後に一部の記憶T細胞(CD45RO
+ CD62L
+)を維持することも実証している(
図20、左パネル)。
【0177】
N1012 T細胞はさらに、中央記憶T細胞(CD45RO
+ CD62L
+)およびエフェクター記憶T細胞(CD45RO
+ CD62L
-)の間を循環すると考えられた。高い再刺激ラウンド数においてさえも、終末消耗(CD45RO
- CD62L
-)の証拠は最小限しか観察されなかった(
図21)。
【0178】
4.7.14.実施例14:CAR T細胞の結合力の評価
NKG2D標的化CAR T細胞の標的細胞に対する結合力を評価するために、漸増レベルの音響力で標的細胞と結合したT細胞の百分率を測定した。手短に述べると、CD19で操作したLO68またはSKOV-3腫瘍細胞(どちらもNKG2Dリガンドを発現する)を、ポリ-L-リシンでコーティングしたz-Moviマイクロ流体チップ(Lumicks、オランダAmsterdam)中に播種し、16時間培養した。翌日、流動選別したCAR-T細胞をチップに連続的に流し、標的細胞と共に5分間インキュベートした後、3分間の直線力勾配を開始した。力勾配中、z-Movi装置(Lumicks)により、プラットフォーム内に組み込んだ明視野顕微鏡を使用してイメージの時系列を捕らえた。剥離した細胞を音響節に向かって浮揚させ、これにより、そのXY位置に基づいた細胞の追跡が可能となる。Z位置の変化は回折パターンの変化をもたらし、これが、基質に接着した細胞と音響節中に浮遊する細胞との区別を可能にした。この情報を使用して、細胞剥離事象を特定の破裂力と相関させた。細胞剥離は(z-Movi Tracking_v1.6.0)を使用して獲得し、実験後の画像解析は細胞追跡(Cell Tracking)オフライン分析_v2.1を使用して行った。
【0179】
図22に示す結果は、CAR T細胞の結合力がCARの細胞表面発現のレベルを反映すると考えられることを実証している(
図16C)。N1012 CAR T細胞は、Lo68-19およびSKOV3細胞のどちらに対しても、N1012_CXCR2、CYAD-01レプリカ、およびCYAD-01_10 CAR T細胞よりも高い結合力を示した(
図22)。すべてのNKG2D CAR T細胞が、Lo68_19細胞に対してCD19に特異的なT細胞よりも低い結合力を実証し(FMC63)、これは、FMC63と比較した、NKG2Dのそのリガンドに対するより低い親和性を反映している。
【0180】
4.7.15.実施例15:N1012およびN1012_CXCR2 T細胞からのサイトカイン分泌の評価
CAR T細胞によるインターフェロン-ガンマ(IFN-γ)およびインターロイキン-2(IL-2)の分泌を、ELISAによって、様々な腫瘍細胞系との同時培養の後に評価した。CAR T細胞を、卵巣癌(倉持、Ovsaho)および膵癌(CFPac-1)に由来する細胞と共に、24時間、別々に同時培養した。続いて、上清を取り出し、以前に記載したようにELISAによって評価した。
【0181】
結果は、試験したすべての細胞系にわたって、N1012_CXCR2 T細胞がN1012 T細胞よりも実質的に少ないIFN-γ(
図23A)およびIL-2(
図23B)を分泌することを実証している。
【0182】
4.7.16.実施例16:刺激していないN1012およびN1012_CXCR2 T細胞は、CYAD-01レプリカまたはCYAD-01_10 T細胞と比較して、ex vivoで改善された拡大を実証する
N1012、N1012_CXCR2、CYAD-01レプリカ、およびCYAD-01_10 T細胞の拡大、ひいてはスケールアップの潜在性を評価するために、実験を行った。手短に述べると、T細胞を以前に記載したように形質導入し、48~72時間毎に、100%の体積の、100IU/mLの組換えヒトIL-2を添加したR5培地を供給した。細胞の拡大は、12日間の培養期間の終わりの時点でのT細胞の合計数/形質導入したT細胞の初期数として計算した。
【0183】
結果は、N1012およびN1012_CXCR2 T細胞がどちらも、非形質導入T細胞をわずかに上回る拡大レベルを実証することを示す(
図24)。対照的に、CYAD-01レプリカおよびCYAD-01_10 T細胞は、対照T細胞と比較して実質的により乏しい拡大を実証する(
図24)。
【0184】
4.7.17.実施例17:卵巣癌のマウスモデルにおけるin vivoでのN1012_CXCR2 T細胞の抗腫瘍有効性の評価
卵巣腫瘍に対するin vivoでのCAR T細胞の有効性を評価するために、CAR T細胞を、ホタルルシフェラーゼ(ffLuc)発現Ovsaho卵巣腫瘍異種移植片、ffLuc発現SKOV-3卵巣腫瘍異種移植片、またはffLuc発現倉持腫瘍異種移植片を保有するマウス内に注射した。Ovsaho腫瘍細胞は低レベルのIL-8を発現し、SKOV-3腫瘍細胞は中等度のレベルのIL-8を発現する。続いて、腫瘍成長を生物発光イメージングによってモニタリングした。
【0185】
手短に述べると、1×105個のffLuc発現Ovsahoもしくは倉持または5×105個のffLuc発現SKOV-3細胞を、NSGマウスの腹腔内腔内に注射した。Ovasho細胞を接種したマウスを、腹腔内注射(腫瘍接種の6日後)または静脈内注射(接種の7日後)を介して投与したPBS[n=5匹]または5×106個のCAR T細胞(N1012[n=7匹]、N1012_CXCR2[n=7匹]、CYAD-01レプリカ[n=4匹]、もしくは非形質導入T細胞)のいずれかを用いて処置した。SKOV-3細胞を接種したマウスを、静脈内で、PBS[n=5匹]または1×107個のCAR T細胞(N1012[n=11匹]、N1012_CXCR2[n=11匹]、もしくはCYAD-01_10[n=8匹])のいずれかを用いて、腫瘍接種の14日後に処置した。接種後の17日目に、倉持細胞を接種したマウスを、腹腔内注射を介して、PBSあるいは2×106個のCAR T細胞(N1012もしくはN1012_CXCR2)または非形質導入T細胞を用いて処置した。18日目に、倉持細胞を接種したマウスを、静脈内注射を介して、PBSあるいは2×106個のCAR T細胞(N1012もしくはN1012_CXCR2)または非形質導入T細胞を用いて処置した。
【0186】
結果は、N1012、N1012_CXCR2、およびCYAD_01レプリカT細胞で処置したマウスにおけるOvsaho細胞腫瘍に対する初期抗腫瘍効果を示す(
図25および
図38)。Ovasho異種移植マウスを、腫瘍を用いて、初回腫瘍接種の56日後に、1×10
5個のffLuc発現Ovsaho細胞の腹腔内注射によって再負荷した。腫瘍再負荷の後、N1012またはN1012_CXCR2 T細胞で処置したマウスにおいて腫瘍成長は観察されなかった(
図38)。比較すると、CYAD-01レプリカT細胞で処置したマウスは、腫瘍再負荷の後に腫瘍成長の著しい増加を示した(
図38)。結果は、CYAD-01レプリカT細胞と比較したN1012_CXCR2およびN1012 T細胞の優れた抗卵巣腫瘍活性を実証している。
【0187】
N1012_CXCR2 T細胞で処置したSKOV-3異種移植マウスは、N1012またはCYAD-01_10 T細胞で処置したマウスと比較して、優れた抗腫瘍活性(
図27)および生存(
図37)を示した。
【0188】
N1012またはN1012_CXCR2 T細胞を用いた処置も、倉持異種移植マウスにおいて抗腫瘍活性を実証した(
図39および
図41)。腫瘍を拒絶した、N1012およびN1012_CXCR2で処置したマウスを、腫瘍を用いて、86日目に、1×10
5個のffLuc発現倉持細胞の腹腔内注射によって再負荷した。腫瘍成長は、再負荷したマウスの一部において阻害され、マウスにおいて保持された抗腫瘍活性を実証している(
図39および
図41)。
図40および43は、それぞれ
図39および
図41中に詳述した実験において処置した倉持異種移植片保有マウスのカプラン-マイヤー生存曲線である。単一実験において使用したT細胞は同じドナーからのものであった。
図41中に詳述した実験において使用したT細胞は、
図39中に詳述した実験において使用したT細胞とは異なるドナーからのものであった。
【0189】
T細胞輸送を評価するために、T細胞を、CAR構築体(N1012またはN1012_CXCR2)およびレポーター構築体(rLuc単独またはGFPと同時発現されるrLuc))を発現するように二重形質導入した。
【0190】
以前に記載したようにOvasho細胞を接種したマウスを、5×10
6個のCAR T細胞(N1012_SW[n=3匹]またはN1012_CXCR2_rLuc/GFP[n=3匹])を用いて、腫瘍接種の7日後に静脈内注射によって処置した。生物発光イメージングの結果(
図26、右パネル)は、T細胞注射の1~3日後に、N1012_CXCR2_rLuc/GFP T細胞が、N1012_SW T細胞よりも効率的に腹膜に輸送された一方で、2つの処置群において同等の抗腫瘍活性が観察されたことを示す(
図26、左および中央パネル)。Ovsaho細胞がIL-8を中等度から低いレベルで発現することを考慮すると、N1012_CXCR2_rLuc/GFP T細胞の輸送の増加は、IL-8以外のCXCR2リガンドが原因であり得る。
【0191】
以前に記載したようにSKOV-3細胞を接種したマウスを、1×10
7個のCAR T細胞(N1012_CXCR2_rLuc/GFPまたはN1012_rLuc/GFP)を用いて、腫瘍接種の14日後に静脈内注射によって処置した。
図28および
図29に示す結果は、T細胞投与の最初の4日後において、N1012_CXCR2 T細胞がN1012 T細胞よりも効率的に輸送されたことを実証している(
図28、右パネルおよび
図29)。
図28(左パネル)に示す結果は、N1012_rLuc/GFPおよびN1012_CXCR2_rLuc/GFP T細胞で処置したマウスが、T細胞投与の60日を超えた後に抗腫瘍活性を維持することをさらに実証している。
【0192】
以前に記載したように倉持細胞を接種したマウスを、腫瘍接種の18日後に、N1012またはN1012_CXCR2のどちらかおよび二重レポーターrLuc/GFPで同時形質導入した2×10
6個のCAR T細胞を用いて、処置した。
図42に示す結果は、T細胞投与の最初の4日後において、N1012_CXCR2 T細胞がN1012 T細胞よりも効率的に腹膜腔内に輸送されたことを実証している。
【0193】
4.7.18.実施例18:膵癌のマウスモデルにおけるin vivoでのN1012_CXCR2 T細胞の抗腫瘍有効性の評価
膵臓腫瘍に対するin vivoでのCAR T細胞の有効性を評価するために、CAR T細胞を、CFPac-1またはBxPC3腫瘍細胞のどちらかを保有するマウス内に注射した。
【0194】
手短に述べると、1×105個のCFPac-1またはBxPC3細胞を50μlのMatrigel(1:1のPBS)中でNSGマウスの左脇腹内に皮下注射した。CFPac-1細胞を用いた接種の29日後またはBxPC3細胞を用いた接種の14日後、マウスを、PBSまたは1×107個のCAR T細胞(N1012_CXCR2、N1012、NKG2D、CYAD-01レプリカ、もしくは非形質導入(UT)T細胞)のいずれかを用いて静脈内で処置した。T細胞注射の3日後、N1012、N1012_CXCR2、およびUT T細胞処置群のそれぞれからの3匹のマウスを屠殺し、腫瘍を免疫組織化学(IHC)分析のために収集した。腫瘍成長をカリパス測定によって毎週測定し、腫瘍体積(mm3)として表した。
【0195】
結果は、N1012_CXCR2 T細胞で処置したCFPac-1異種移植マウスにおける腫瘍が、T細胞投与の後に完全に根絶されており、腫瘍再発は観察されなかったことを示す(
図30)。対照的に、N1012およびCYAD-01レプリカT細胞で処置したCFPac-1異種移植マウスにおける腫瘍成長は、T細胞投与の後に最初に阻害され、抗腫瘍活性の喪失および腫瘍再発が続いた(
図30)。IHC分析により、N1012またはNKG2D T細胞と比較して、N1012_CXCR2 T細胞のCFPac-1腫瘍内への改善された浸潤が示された(
図31)。
【0196】
N1012_CXCR2 T細胞で処置したBxPC3異種移植マウスは、N1012またはCYAD-01レプリカT細胞で処置したマウスと比較して、改善された腫瘍阻害(
図33)および生存(
図34)を示し、これは、CXCR2の存在が、CAR T細胞のIL-8産生BxPC3腫瘍への回遊を改善させることを示唆している。
【0197】
高および低用量のCAR T細胞の処置を比較するために、さらなる研究を行った。手短に述べると、1×10
5個のCFPac-1細胞をNSGマウスの腹腔内腔内に注射した。腫瘍接種の28日後、マウスを、PBS[n=5匹]、高用量の10×10
6個のCAR T細胞(N1012[n=7匹]、N1012_CXCR2[n=7匹]、CYAD-01レプリカ[n=5匹])、または低用量の4×10
6個のCAR T細胞(N1012[n=6匹]、N1012_CXCR2[n=7匹])のいずれかで処置した。
図32に示す結果は、低用量のN1012_CXCR2 T細胞を用いた処置の有効性が、高用量のN1012 T細胞を用いた処置の後を追うことを実証している。
【0198】
4.7.19.実施例19:中皮腫患者由来異種移植片(PDX)腫瘍モデルにおけるN1012_CXCR2 T細胞の抗腫瘍有効性の評価
中皮腫患者由来異種移植片(PDX)マウス腫瘍モデルを作製して、N1012およびN1012_CXCR2 CAR T細胞の、中皮腫のin vivo処置の有効性を評価した。中皮腫PDXモデルを確立するために、初代患者中皮腫腫瘍断片(2×2mm)を、NSGマウスの左脇腹内に、15Gのトロカール移植針を使用して、皮下移植した。腫瘍を6カ月の期間にわたって成長させ、新しいコホートへと3回継代させた。4継代目に、雄NSGマウスの実験コホートにPDX材料を左脇腹内に移植した。腫瘍移植後の111日目に、マウスにPBS[n=8匹]または1×107個のCAR T細胞(非形質導入(UT)、N1012_CXCR2[n=8匹]、N1012[n=9匹]、もしくはCYAD-01_10[n=5匹])のいずれかを静脈内投与した。生物発光イメージングによってT細胞を追跡するために、マウスの部分群を、ルシフェラーゼおよびTDトマト(LT)を用いて、CARを用いたまたは用いずに形質導入したT細胞で処置した(N1012_CXCR2_LT[n=3匹]、N1012_LT、またはLT単独[n=3匹])。腫瘍成長をカリパス測定によって毎週測定し、腫瘍体積(mm3)として表した。
【0199】
図35および
図44の結果は、N1012およびN1012_CXCR2 T細胞で処置したマウスにおいて抗腫瘍活性が観察されたことを示す。対照的に、CYAD-01_10 T細胞で処置したマウスは処置に対して良好に反応しなかった。
図36はT細胞の生物発光イメージングを示し、N1012およびN1012_CXCR2 T細胞は中皮腫PDXマウス中の腫瘍部位に局在化した一方で、LTレポーターのみ(CARなし)で形質導入したT細胞は腫瘍に局在化しなかったことを実証している。実験におけるマウスのカプラン-マイヤー生存曲線を
図45に示す。
【0200】
5.均等物および参考としての組込み
本明細書中に引用するすべての参考文献は、それぞれの個々の出版物、データベースエントリー(たとえばGenbank配列もしくはGeneIDエントリー)、特許出願、または特許が、すべての目的のためにその全体で参考として組み込まれていると具体的かつ個々に示されている場合と同程度に、参考として組み込まれている。この参考としての組込みの記述は、そのそれぞれが米国特許法施行規則(37 C.F.R.)第1.57条(b)(2)項に従って明確に同定されるありとあらゆる個々の出版物、データベースエントリー(たとえばGenbank 配列もしくはGeneIDエントリー)、特許出願、または特許に、そのような引用が専用の参考としての組込みの記述に直接隣接していない場合でさえも、米国特許法施行規則第1.57条(b)(1)項に従って関連することを、出願人らによって意図する。存在する場合、本明細書内への専用の参考としての組込みの記述の包含は、いかなる様式でも、この全体的な参考としての組込みの記述を弱めない。本明細書中卯の参考文献の引用は、参考文献が関連する従来技術であるという承認として意図せず、また、これらの出版物または文書の内容または日付に関するいかなる承認をも構成しない。
【0201】
好ましい実施形態および様々な代替実施形態を参照して本発明を具体的に示し、記載したが、関連分野の技術者には、本発明の精神および範囲から逸脱せずに、形態および詳細の様々な変化をその中に行うことができることが理解されよう。
【0202】
6.配列
配列番号1(ヒトDAP10の完全配列)
MIHLGHILFL LLLPVAAAQT TPGERSSLPA FYPGTSGSCS GCGSLSLPLL AGLVAADAVA
SLLIVGAVFL CARPRRSPAQ EDGKVYINMP GRG
配列番号2(DAP10のアミノ酸19~93-リーダー配列を欠く)
QTTPGERSSL PAFYPGTSGS CSGCGSLSLP LLAGLVAADA VASLLIVGAV FLCARPRRSP
AQEDGKVYIN MPGRG
配列番号3(DAP10のアミノ酸19~69-細胞外/膜貫通ドメイン)
QTTPGERSSL PAFYPGTSGS CSGCGSLSLP LLAGLVAADA VASLLIVGAV F
配列番号4(DAP10のアミノ酸1~71)
MIHLGHILFL LLLPVAAAQT TPGERSSLPA FYPGTSGSCS GCGSLSLPLL AGLVAADAVA
SLLIVGAVFL C
配列番号5(DAP10のアミノ酸19~71)
QTTPGERSSL PAFYPGTSGS CSGCGSLSLP LLAGLVAADA VASLLIVGAV FLC
配列番号6(DAP10のアミノ酸70~93-細胞内ドメイン)
LCARPRRSPA QEDGKVYINM PGRG
配列番号7(DAP10のアミノ酸49~93-膜貫通および細胞内ドメイン)
LLAGLVAADA VASLLIVGAV FLCARPRRSP AQEDGKVYIN MPGRG
配列番号8(DAP10のアミノ酸49~69-膜貫通ドメイン)
LLAGLVAADA VASLLIVGAV F
配列番号9(ヒトDAP12の完全配列)
mgglepcsrl lllplllavs glrpvqaqaq sdcscstvsp gvlagivmgd lvltvliala
vyflgrlvpr grgaaeaatr kqritetesp yqelqgqrsd vysdlntqrp yyk
配列番号10(DAP12のアミノ酸22~113-リーダー配列を欠く)
LRPVQAQAQS DCSCSTVSPG VLAGIVMGDL VLTVLIALAV YFLGRLVPRG RGAAEAATRK
QRITETESPY QELQGQRSDV YSDLNTQRPY YK
配列番号11(DAP12のアミノ酸62~113-細胞質/細胞内ドメイン)
YFLGRLVPRG RGAAEAATRK QRITETESPY QELQGQRSDV YSDLNTQRPY YK
配列番号12(DAP12のアミノ酸41~61-膜貫通ドメイン)
gvlagivmgd lvltvliala v
配列番号13(DAP12のアミノ酸22~61-細胞外および膜貫通ドメイン)
lrpvqaqaqs dcscstvspg vlagivmgdl vltvlialav
配列番号14(ヒトNKG2Dの完全配列)
MGWIRGRRSR HSWEMSEFHN YNLDLKKSDF STRWQKQRCP VVKSKCRENA SPFFFCCFIA
VAMGIRFIIM VAIWSAVFLN SLFNQEVQIP LTESYCGPCP KNWICYKNNC YQFFDESKNW
YESQASCMSQ NASLLKVYSK EDQDLLKLVK SYHWMGLVHI PTNGSWQWED GSILSPNLLT
IIEMQKGDCA LYASSFKGYI ENCSTPNTYI CMQRTV
配列番号15(ヒトNKG2Dのアミノ酸73~216-細胞外ドメイン)
IWSAVFLNSL FNQEVQIPLT ESYCGPCPKN WICYKNNCYQ FFDESKNWYE SQASCMSQNA
SLLKVYSKED QDLLKLVKSY HWMGLVHIPT NGSWQWEDGS ILSPNLLTII EMQKGDCALY
ASSFKGYIEN CSTPNTYICM QRTV
配列番号16(ヒトNKG2Dのアミノ酸82~216-細胞外ドメイン)
LFNQEVQIPL TESYCGPCPK NWICYKNNCY QFFDESKNWY ESQASCMSQN ASLLKVYSKE
DQDLLKLVKS YHWMGLVHIP TNGSWQWEDG SILSPNLLTI IEMQKGDCAL YASSFKGYIE
NCSTPNTYIC MQRTV
配列番号17(ヒトNKG2Dのアミノ酸52~216-膜貫通および細胞外ドメイン)
PFFFCCFIAV AMGIRFIIMV AIWSAVFLNS LFNQEVQIPL TESYCGPCPK NWICYKNNCY QFFDESKNWY ESQASCMSQN ASLLKVYSKE DQDLLKLVKS YHWMGLVHIP TNGSWQWEDG SILSPNLLTI IEMQKGDCAL YASSFKGYIE NCSTPNTYIC MQRTV
配列番号18(リンカー)
GSG
配列番号19(リンカー)
GSGGG
配列番号20(リンカー)
GSGG
配列番号21(リンカー)
SGGG
配列番号22(リンカー)
GGGGS
配列番号23(リンカー)
GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS
配列番号24(リンカー)
GGGGSGGGGSGGGGS
配列番号25(リンカー)
GPPGS
配列番号26(リンカー)
GGGS
配列番号27(リンカー)
GGGGS
配列番号28(リンカー)
GYS
配列番号29(リンカー)
GS
配列番号30(リンカー)
SGGGG
配列番号31(リンカー)
SGGG
配列番号32(リンカー)
SGG
配列番号33(リンカー)
SGSG
配列番号34(リンカー)
SG
配列番号35(リンカー)
GGGGA
配列番号36(リンカー)
GGGA
配列番号37(リンカー)
EAAAK
配列番号38(フューリン切断部位)
RRKR
配列番号39(P2Aスキップペプチド)
ATNFSLLKQAGDVEENPGP
配列番号40(T2Aスキップペプチド)
EGRGSLLTCGDVEENPGP
配列番号41(SGSG+P2A)
SGSGATNFSLLKQAGDVEENPGP
配列番号42(SGSG+T2A)
SGSGEGRGSLLTCGDVEENPGP
配列番号43(フューリン+SGSG+P2A)
RRKRSGSGATNFSLLKQAGDVEENPGP
配列番号44(フューリン+SGSG+T2A)
RRKRSGSGEGRGSLLTCGDVEENPGP
配列番号45(F2Aスキップペプチド)
VKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP
配列番号46(E2Aスキップペプチド)
QCTNYALLKLAGDVESNPGP
配列番号47(Hisタグ)
HHHHHH
配列番号48(FLAGタグ)
DYKDDDDK
配列番号49(Aviタグ)
GLNDIFEAQKIEWHE
配列番号50(V5タグ)
GKPIPNPLLGLDST
配列番号51(V5タグ)
IPNPLLGLD
配列番号52(Mycタグ)
EQKLISEEDL
配列番号53(AHFタグ)
glndifeaqkiewhegghhhhhhdykddddk
配列番号54(FHAタグ)
dykddddkhhhhhhggglndifeaqkiewhe
配列番号55(CD8αリーダー配列)
MALPVTALLL PLALLLHAAR P
配列番号56(4-1BBエンドドメイン)
KRGRKKLLYI FKQPFMRPVQ TTQEEDGCSC RFPEEEEGGC EL
配列番号57(CD27エンドドメイン)
QRRKYRSNKG ESPVEPAEPC HYSCPREEEG STIPIQEDYR KPEPACSP
配列番号58(UniProt:P0DOX5のヒトIgG1ヒンジ-アミノ酸218~229)
EPKSCDKTHT CP
配列番号59(切断されたCD8αヒンジ)
TTTPAPRPPT PAPTIASQPL SLRPEACRPA AGGAVHTRGL DFACD
配列番号60
MIHLGHILFLLLLPVAAAQTTPGERSSLPAFYPGTSGSCSGCGSLSLPLLAGLVAADAVASLLIVGAVFLCARPRRSPAQEDGKVYINMPGRGYFLGRLVPRGRGAAEAATRKQRITETESPYQELQGQRSDVYSDLNTQRPYYK
配列番号61
MALPVTALLLPLALLLHAARPDYKDDDDKQTTPGERSSLPAFYPGTSGSCSGCGSLSLPLLAGLVAADAVASLLIVGAVFYFLGRLVPRGRGAAEAATRKQRITETESPYQELQGQRSDVYSDLNTQRPYYK
配列番号62
MALPVTALLLPLALLLHAARPDYKDDDDKEPKSCDKTHTCPLLAGLVAADAVASLLIVGAVFLCARPRRSPAQEDGKVYINMPGRGYFLGRLVPRGRGAAEAATRKQRITETESPYQELQGQRSDVYSDLNTQRPYYK
配列番号63
MALPVTALLLPLALLLHAARPDYKDDDDKTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDLLAGLVAADAVASLLIVGAVFLCARPRRSPAQEDGKVYINMPGRGYFLGRLVPRGRGAAEAATRKQRITETESPYQELQGQRSDVYSDLNTQRPYYK
配列番号64(構築体1/N1012)
MIHLGHILFLLLLPVAAAQTTPGERSSLPAFYPGTSGSCSGCGSLSLPLLAGLVAADAVASLLIVGAVFLCARPRRSPAQEDGKVYINMPGRGYFLGRLVPRGRGAAEAATRKQRITETESPYQELQGQRSDVYSDLNTQRPYYKRRKRSGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMGWIRGRRSRHSWEMSEFHNYNLDLKKSDFSTRWQKQRCPVVKSKCRENASPFFFCCFIAVAMGIRFIIMVAIWSAVFLNSLFNQEVQIPLTESYCGPCPKNWICYKNNCYQFFDESKNWYESQASCMSQNASLLKVYSKEDQDLLKLVKSYHWMGLVHIPTNGSWQWEDGSILSPNLLTIIEMQKGDCALYASSFKGYIENCSTPNTYICMQRTV
配列番号65(構築体3)
MALPVTALLLPLALLLHAARPDYKDDDDKQTTPGERSSLPAFYPGTSGSCSGCGSLSLPLLAGLVAADAVASLLIVGAVFYFLGRLVPRGRGAAEAATRKQRITETESPYQELQGQRSDVYSDLNTQRPYYKRRKRSGSGEGRGSLLTCGDVEENPGPMIHLGHILFLLLLPVAAAQTTPGERSSLPAFYPGTSGSCSGCGSLSLPLLAGLVAADAVASLLIVGAVFLCARPRRSPAQEDGKVYINMPGRGRRKRSGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMGWIRGRRSRHSWEMSEFHNYNLDLKKSDFSTRWQKQRCPVVKSKCRENASPFFFCCFIAVAMGIRFIIMVAIWSAVFLNSLFNQEVQIPLTESYCGPCPKNWICYKNNCYQFFDESKNWYESQASCMSQNASLLKVYSKEDQDLLKLVKSYHWMGLVHIPTNGSWQWEDGSILSPNLLTIIEMQKGDCALYASSFKGYIENCSTPNTYICMQRTV
配列番号66(構築体8)
MIHLGHILFLLLLPVAAAQTTPGERSSLPAFYPGTSGSCSGCGSLSLPLLAGLVAADAVASLLIVGAVFLCARPRRSPAQEDGKVYINMPGRGYFLGRLVPRGRGAAEAATRKQRITETESPYQELQGQRSDVYSDLNTQRPYYKRRKRSGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMGWIRGRRSRHSWEMSEFHNYNLDLKKSDFSTRWQKQRCPVVKSKCRENASPFFFCCFIAVAMGIRFIIMVAIWSAVFLNSLFNQEVQIPLTESYCGPCPKNWICYKNNCYQFFDESKNWYESQASCMSQNASLLKVYSKEDQDLLKLVKSYHWMGLVHIPTNGSWQWEDGSILSPNLLTIIEMQKGDCALYASSFKGYIENCSTPNTYICMQRTVRRKRSGSGEGRGSLLTCGDVEENPGPMIHLGHILFLLLLPVAAAQTTPGERSSLPAFYPGTSGSCSGCGSLSLPLLAGLVAADAVASLLIVGAVFLCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCEL
配列番号67(構築体9)
MIHLGHILFLLLLPVAAAQTTPGERSSLPAFYPGTSGSCSGCGSLSLPLLAGLVAADAVASLLIVGAVFLCARPRRSPAQEDGKVYINMPGRGYFLGRLVPRGRGAAEAATRKQRITETESPYQELQGQRSDVYSDLNTQRPYYKRRKRSGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMGWIRGRRSRHSWEMSEFHNYNLDLKKSDFSTRWQKQRCPVVKSKCRENASPFFFCCFIAVAMGIRFIIMVAIWSAVFLNSLFNQEVQIPLTESYCGPCPKNWICYKNNCYQFFDESKNWYESQASCMSQNASLLKVYSKEDQDLLKLVKSYHWMGLVHIPTNGSWQWEDGSILSPNLLTIIEMQKGDCALYASSFKGYIENCSTPNTYICMQRTVRRKRSGSGEGRGSLLTCGDVEENPGPMALPVTALLLPLALLLHAARPDYKDDDDKQTTPGERSSLPAFYPGTSGSCSGCGSLSLPLLAGLVAADAVASLLIVGAVFLCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCEL
配列番号68(構築体10)
MIHLGHILFLLLLPVAAAQTTPGERSSLPAFYPGTSGSCSGCGSLSLPLLAGLVAADAVASLLIVGAVFLCARPRRSPAQEDGKVYINMPGRGYFLGRLVPRGRGAAEAATRKQRITETESPYQELQGQRSDVYSDLNTQRPYYKRRKRSGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMGWIRGRRSRHSWEMSEFHNYNLDLKKSDFSTRWQKQRCPVVKSKCRENASPFFFCCFIAVAMGIRFIIMVAIWSAVFLNSLFNQEVQIPLTESYCGPCPKNWICYKNNCYQFFDESKNWYESQASCMSQNASLLKVYSKEDQDLLKLVKSYHWMGLVHIPTNGSWQWEDGSILSPNLLTIIEMQKGDCALYASSFKGYIENCSTPNTYICMQRTVRRKRSGSGEGRGSLLTCGDVEENPGPMIHLGHILFLLLLPVAAAQTTPGERSSLPAFYPGTSGSCSGCGSLSLPLLAGLVAADAVASLLIVGAVFLCQRRKYRSNKGESPVEPAEPCHYSCPREEEGSTIPIQEDYRKPEPACSP
配列番号69(構築体11)
MIHLGHILFLLLLPVAAAQTTPGERSSLPAFYPGTSGSCSGCGSLSLPLLAGLVAADAVASLLIVGAVFLCARPRRSPAQEDGKVYINMPGRGYFLGRLVPRGRGAAEAATRKQRITETESPYQELQGQRSDVYSDLNTQRPYYKRRKRSGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMGWIRGRRSRHSWEMSEFHNYNLDLKKSDFSTRWQKQRCPVVKSKCRENASPFFFCCFIAVAMGIRFIIMVAIWSAVFLNSLFNQEVQIPLTESYCGPCPKNWICYKNNCYQFFDESKNWYESQASCMSQNASLLKVYSKEDQDLLKLVKSYHWMGLVHIPTNGSWQWEDGSILSPNLLTIIEMQKGDCALYASSFKGYIENCSTPNTYICMQRTVRRKRSGSGEGRGSLLTCGDVEENPGPMALPVTALLLPLALLLHAARPDYKDDDDKQTTPGERSSLPAFYPGTSGSCSGCGSLSLPLLAGLVAADAVASLLIVGAVFLCQRRKYRSNKGESPVEPAEPCHYSCPREEEGSTIPIQEDYRKPEPACSP
配列番号70(配列番号60のポリペプチドをコード)
ATGATCCACCTGGGCCACATCCTGTTCCTGCTGCTGCTGCCCGTGGCCGCTGCCCAGACCACCCCTGGCGAGCGGAGCAGCCTGCCTGCCTTCTACCCTGGCACCAGCGGCAGCTGCAGCGGCTGCGGCAGCCTGAGCCTGCCCCTGCTGGCCGGCCTGGTGGCCGCCGACGCCGTGGCCAGCCTGCTGATCGTGGGCGCCGTGTTCCTGTGCGCCAGGCCCAGGCGGAGCCCtGCCCAGGAGGACGGCAAGGTGTACATCAACATGCCCGGCCGGGGCTACTTCCTGGGCAGGCTGGTGCCCAGGGGCAGGGGCGCTGCCGAGGCTGCCACCCGGAAGCAGCGGATCACCGAGACCGAGAGCCCCTACCAGGAGCTGCAGGGCCAGCGGAGCGACGTGTACAGCGACCTGAACACCCAGAGGCCCTACTACAAG
配列番号71(配列番号61のポリペプチドをコード)
ATGGCTCTGCCTGTGACAGCTCTGCTGCTGCCTCTGGCTCTGCTGCTGCACGCCGCTAGACCCGATTATAAGGACGACGACGACAAGCAGACCACCCCTGGCGAGCGGAGCAGCCTGCCTGCCTTCTACCCTGGCACCAGCGGCAGCTGCAGCGGCTGCGGCAGCCTGAGCCTGCCCCTGCTGGCtGGCCTGGTGGCCGCCGACGCCGTGGCCAGCCTGCTGATCGTGGGCGCCGTGTTCTACTTCCTGGGCAGGCTGGTGCCCAGGGGCAGGGGCGCTGCCGAGGCTGCCACCCGGAAGCAGCGGATCACCGAGACCGAGAGCCCCTACCAGGAGCTGCAGGGCCAGCGGAGCGACGTGTACAGCGACCTGAACACCCAGAGGCCCTACTACAAG
配列番号72(配列番号62のポリペプチドをコード)
ATGGCTCTGCCTGTGACAGCTCTGCTGCTGCCTCTGGCTCTGCTGCTGCACGCCGCTAGACCCGATTATAAGGACGACGACGACAAGGAGCCCAAGAGCTGCGACAAGACACACACATGCCCTCTTctggccggCCTGGTGGCCGCCGACGCCGTGGCCAGCCTGCTGATCGTGGGCGCCGTGTTCCTGTGCGCCAGGCCCAGGCGGAGCCCtGCCCAGGAGGACGGCAAGGTGTACATCAACATGCCCGGCCGGGGCTACTTCCTGGGCAGGCTGGTGCCCAGGGGCAGGGGCGCTGCCGAGGCTGCCACCCGGAAGCAGCGGATCACCGAGACCGAGAGCCCCTACCAGGAGCTGCAGGGCCAGCGGAGCGACGTGTACAGCGACCTGAACACCCAGAGGCCCTACTACAAG
配列番号73(配列番号63のポリペプチドをコード)
ATGGCTCTGCCTGTGACAGCTCTGCTGCTGCCTCTGGCTCTGCTGCTGCACGCCGCTAGACCCGATTATAAGGACGACGACGACAAGACCACAACACCTGCTCCTAGACCTCCCACCCCTGCTCCCACCATCGCCAGCCAGCCCCTGAGCCTGAGACCCGAGGCCTGCAGACCCGCTGCTGGCGGCGCTGTGCATACCAGAGGCCTGGATTTCGCCTGCGACCTTctggccggCCTGGTGGCCGCCGACGCCGTGGCCAGCCTGCTGATCGTGGGCGCCGTGTTCCTGTGCGCCAGGCCCAGGCGGAGCCCtGCCCAGGAGGACGGCAAGGTGTACATCAACATGCCCGGCCGGGGCTACTTCCTGGGCAGGCTGGTGCCCAGGGGCAGGGGCGCTGCCGAGGCTGCCACCCGGAAGCAGCGGATCACCGAGACCGAGAGCCCCTACCAGGAGCTGCAGGGCCAGCGGAGCGACGTGTACAGCGACCTGAACACCCAGAGGCCCTACTACAAG
配列番号74(配列番号64のポリペプチド/構築体1/N1012をコード)
ATGATCCACCTGGGCCACATCCTGTTCCTGCTGCTGCTGCCCGTGGCCGCTGCCCAGACCACCCCTGGCGAGCGGAGCAGCCTGCCTGCCTTCTACCCTGGCACCAGCGGCAGCTGCAGCGGCTGCGGCAGCCTGAGCCTGCCCCTGCTGGCCGGCCTGGTGGCCGCCGACGCCGTGGCCAGCCTGCTGATCGTGGGCGCCGTGTTCCTGTGCGCCAGGCCCAGGCGGAGCCCtGCCCAGGAGGACGGCAAGGTGTACATCAACATGCCCGGCCGGGGCTACTTCCTGGGCAGGCTGGTGCCCAGGGGCAGGGGCGCTGCCGAGGCTGCCACCCGGAAGCAGCGGATCACCGAGACCGAGAGCCCCTACCAGGAGCTGCAGGGCCAGCGGAGCGACGTGTACAGCGACCTGAACACCCAGAGGCCCTACTACAAGAGGCGGAAAAGGTCTGGGAGTGGGGCTACCAATTTCTCTCTCCTCAAGCAAGCCGGAGACGTTGAGGAAAACCCTGGaCCcATGGGCTGGATCCGGGGACGGAGGAGCCGGCACAGCTGGGAGATGAGCGAGTTCCACAACTACAACCTGGACCTGAAGAAGAGCGACTTCAGCACCCGGTGGCAGAAGCAGCGGTGCCCCGTGGTGAAGAGCAAGTGCCGGGAGAACGCCAGCCCCTTCTTCTTCTGCTGCTTCATCGCCGTGGCtATGGGCATCCGGTTCATCATCATGGTGGCCATCTGGAGCGCCGTGTTCCTGAACAGCCTGTTCAACCAGGAGGTGCAGATCCCCCTGACCGAGAGCTACTGCGGCCCCTGCCCCAAGAACTGGATCTGCTACAAGAACAACTGCTACCAGTTCTTCGACGAGAGCAAGAACTGGTACGAGAGCCAGGCCAGCTGCATGAGCCAGAACGCCAGCCTGCTGAAGGTGTACAGCAAGGAGGACCAGGACCTGCTGAAGCTGGTGAAGAGCTACCACTGGATGGGCCTGGTGCACATCCCCACCAACGGCAGCTGGCAGTGGGAGGACGGCAGCATCCTGAGCCCCAACCTGCTGACCATCATCGAGATGCAGAAGGGCGACTGCGCCCTGTACGCCAGCAGCTTCAAGGGCTACATCGAGAACTGCAGCACCCCCAACACCTACATCTGCATGCAGCGGACCGTG
配列番号75(配列番号65のポリペプチド/構築体3をコード)
ATGGCTCTGCCTGTGACAGCTCTGCTGCTGCCTCTGGCTCTGCTGCTGCACGCCGCTAGACCCGATTATAAGGACGACGACGACAAGCAGACCACCCCTGGCGAGCGGAGCAGCCTGCCTGCCTTCTACCCTGGCACCAGCGGCAGCTGCAGCGGCTGCGGCAGCCTGAGCCTGCCCCTGCTGGCtGGCCTGGTGGCCGCCGACGCCGTGGCCAGCCTGCTGATCGTGGGCGCCGTGTTCTACTTCCTGGGCAGGCTGGTGCCCAGGGGCAGGGGCGCTGCCGAGGCTGCCACCCGGAAGCAGCGGATCACCGAGACCGAGAGCCCCTACCAGGAGCTGCAGGGCCAGCGGAGCGACGTGTACAGCGACCTGAACACCCAGAGGCCCTACTACAAGCGGAGAAAGCGCtccGGCTCCGGCGAGGGCcgcGGCAGCCTGCTGACCTGCGGCGACGTGGAAGAGAACCCCGGACCCATGATCCACCTGGGCCACATCCTGTTCCTGCTGCTGCTGCCCGTGGCCGCTGCCCAAACAACACCCGGCGAGAGATCCTCCTTGCCCGCTTTCTATCCCGGAACATCCGGAAGCTGTtccggaTGTGGATCCCTTTCTTTGcctttgCTTGCTGGATTGGTCGCAGCTGACGCTGTCGCTTCCCTCCTTATTGTCGGAGCTGTCTTCCTGTGCGCCAGGCCCAGGCGGAGCCCtGCCCAGGAGGACGGCAAGGTGTACATCAACATGCCCGGCCGGGGCAGGCGGaagcgctccGGGAGTGGGGCTACCAATTTCTCTCTCCTCAAGCAAGCCGGAGACGTTGAGGAAAACCCTGGaCCcATGGGCTGGATCCGGGGACGGAGGAGCCGGCACAGCTGGGAGATGAGCGAGTTCCACAACTACAACCTGGACCTGAAGAAGAGCGACTTCAGCACCCGGTGGCAGAAGCAGCGGTGCCCCGTGGTGAAGAGCAAGTGCCGGGAGAACGCCAGCCCCTTCTTCTTCTGCTGCTTCATCGCCGTGGCtATGGGCATCCGGTTCATCATCATGGTGGCCATCTGGAGCGCCGTGTTCCTGAACAGCCTGTTCAACCAGGAGGTGCAGATCCCCCTGACCGAGAGCTACTGCGGCCCCTGCCCCAAGAACTGGATCTGCTACAAGAACAACTGCTACCAGTTCTTCGACGAGAGCAAGAACTGGTACGAGAGCCAGGCCAGCTGCATGAGCCAGAACGCCAGCCTGCTGAAGGTGTACAGCAAGGAGGACCAGGACCTGCTGAAGCTGGTGAAGAGCTACCACTGGATGGGCCTGGTGCACATCCCCACCAACGGCAGCTGGCAGTGGGAGGACGGCAGCATCCTGAGCCCCAACCTGCTGACCATCATCGAGATGCAGAAGGGCGACTGCGCCCTGTACGCCAGCAGCTTCAAGGGCTACATCGAGAACTGCAGCACCCCCAACACCTACATCTGCATGCAGCGGACCGTG
配列番号76(配列番号66のポリペプチド/構築体8をコード)
ATGATCCACCTGGGCCACATCCTGTTCCTGCTGCTGCTGCCCGTGGCCGCTGCCCAGACCACCCCTGGCGAGCGGAGCAGCCTGCCTGCCTTCTACCCTGGCACCAGCGGCAGCTGCAGCGGCTGCGGCAGCCTGAGCCTGCCCCTGCTGGCCGGCCTGGTGGCCGCCGACGCCGTGGCCAGCCTGCTGATCGTGGGCGCCGTGTTCCTGTGCGCCAGGCCCAGGCGGAGCCCtGCCCAGGAGGACGGCAAGGTGTACATCAACATGCCCGGCCGGGGCTACTTCCTGGGCAGGCTGGTGCCCAGGGGCAGGGGCGCTGCCGAGGCTGCCACCCGGAAGCAGCGGATCACCGAGACCGAGAGCCCCTACCAGGAGCTGCAGGGCCAGCGGAGCGACGTGTACAGCGACCTGAACACCCAGAGGCCCTACTACAAGAGGCGGAAAAGGTCTGGGAGTGGGGCTACCAATTTCTCTCTCCTCAAGCAAGCCGGAGACGTTGAGGAAAACCCTGGaCCcATGGGCTGGATCCGGGGACGGAGGAGCCGGCACAGCTGGGAGATGAGCGAGTTCCACAACTACAACCTGGACCTGAAGAAGAGCGACTTCAGCACCCGGTGGCAGAAGCAGCGGTGCCCCGTGGTGAAGAGCAAGTGCCGGGAGAACGCCAGCCCCTTCTTCTTCTGCTGCTTCATCGCCGTGGCtATGGGCATCCGGTTCATCATCATGGTGGCCATCTGGAGCGCCGTGTTCCTGAACAGCCTGTTCAACCAGGAGGTGCAGATCCCCCTGACCGAGAGCTACTGCGGCCCCTGCCCCAAGAACTGGATCTGCTACAAGAACAACTGCTACCAGTTCTTCGACGAGAGCAAGAACTGGTACGAGAGCCAGGCCAGCTGCATGAGCCAGAACGCCAGCCTGCTGAAGGTGTACAGCAAGGAGGACCAGGACCTGCTGAAGCTGGTGAAGAGCTACCACTGGATGGGCCTGGTGCACATCCCCACCAACGGCAGCTGGCAGTGGGAGGACGGCAGCATCCTGAGCCCCAACCTGCTGACCATCATCGAGATGCAGAAGGGCGACTGCGCCCTGTACGCCAGCAGCTTCAAGGGCTACATCGAGAACTGCAGCACCCCCAACACCTACATCTGCATGCAGCGGACCGTGAGAAGAAAGAGAAGCGGCAGCGGCGAGGGCAGAGGCAGCCTGCTGACCTGCGGCGACGTGGAGGAGAACCCCGGACccATGATTCATCTCGGACATATTCTCTTTCTCTTGCTCTTGCCTGTCGCTGCCGCTCAAACAACTCCCGGAGAAAGATCTTCTCTCCCCGCTTTTTATCCCGGAACATCTGGATCTTGTTCTGGATGTGGATCTTTGTCTCTCCCTCTCCTCGCTGGACTCGTCGCAGCTGATGCTGTCGCTTCTCTCTTGATTGTCGGAGCTGTCTTTTTGTGTAAGAGAGGCAGAAAGAAGCTGCTGTACATCTTCAAGCAGCCCTTCATGAGACCCGTGCAGACCACCCAGGAGGAGGACGGCTGCAGCTGCAGATTCCCCGAGGAGGAGGAGGGCGGCTGCGAGCTG
配列番号77(配列番号67のポリペプチド/構築体9をコード)
ATGATCCACCTGGGCCACATCCTGTTCCTGCTGCTGCTGCCCGTGGCCGCTGCCCAGACCACCCCTGGCGAGCGGAGCAGCCTGCCTGCCTTCTACCCTGGCACCAGCGGCAGCTGCAGCGGCTGCGGCAGCCTGAGCCTGCCCCTGCTGGCCGGCCTGGTGGCCGCCGACGCCGTGGCCAGCCTGCTGATCGTGGGCGCCGTGTTCCTGTGCGCCAGGCCCAGGCGGAGCCCtGCCCAGGAGGACGGCAAGGTGTACATCAACATGCCCGGCCGGGGCTACTTCCTGGGCAGGCTGGTGCCCAGGGGCAGGGGCGCTGCCGAGGCTGCCACCCGGAAGCAGCGGATCACCGAGACCGAGAGCCCCTACCAGGAGCTGCAGGGCCAGCGGAGCGACGTGTACAGCGACCTGAACACCCAGAGGCCCTACTACAAGAGGCGGAAAAGGTCTGGGAGTGGGGCTACCAATTTCTCTCTCCTCAAGCAAGCCGGAGACGTTGAGGAAAACCCTGGaCCcATGGGCTGGATCCGGGGACGGAGGAGCCGGCACAGCTGGGAGATGAGCGAGTTCCACAACTACAACCTGGACCTGAAGAAGAGCGACTTCAGCACCCGGTGGCAGAAGCAGCGGTGCCCCGTGGTGAAGAGCAAGTGCCGGGAGAACGCCAGCCCCTTCTTCTTCTGCTGCTTCATCGCCGTGGCtATGGGCATCCGGTTCATCATCATGGTGGCCATCTGGAGCGCCGTGTTCCTGAACAGCCTGTTCAACCAGGAGGTGCAGATCCCCCTGACCGAGAGCTACTGCGGCCCCTGCCCCAAGAACTGGATCTGCTACAAGAACAACTGCTACCAGTTCTTCGACGAGAGCAAGAACTGGTACGAGAGCCAGGCCAGCTGCATGAGCCAGAACGCCAGCCTGCTGAAGGTGTACAGCAAGGAGGACCAGGACCTGCTGAAGCTGGTGAAGAGCTACCACTGGATGGGCCTGGTGCACATCCCCACCAACGGCAGCTGGCAGTGGGAGGACGGCAGCATCCTGAGCCCCAACCTGCTGACCATCATCGAGATGCAGAAGGGCGACTGCGCCCTGTACGCCAGCAGCTTCAAGGGCTACATCGAGAACTGCAGCACCCCCAACACCTACATCTGCATGCAGCGGACCGTGAGAAGAAAGAGAAGCGGCAGCGGCGAGGGCAGAGGCAGCCTGCTGACCTGCGGCGACGTGGAGGAGAACCCCGGACcTatggctctgcctgtgacagctctgctgctgcctctggctctgctgctgcacgccgctagacccgattataaggacgacgacgacaagCAAACAACTCCCGGAGAAAGATCTTCTCTCCCCGCTTTTTATCCCGGAACATCTGGATCTTGTTCTGGATGTGGATCTTTGTCTCTCCCTCTCCTCGCTGGACTCGTCGCAGCTGATGCTGTCGCTTCTCTCTTGATTGTCGGAGCTGTCTTTTTGTGTAAGAGAGGCAGAAAGAAGCTGCTGTACATCTTCAAGCAGCCCTTCATGAGACCCGTGCAGACCACCCAGGAGGAGGACGGCTGCAGCTGCAGATTCCCCGAGGAGGAGGAGGGCGGCTGCGAGCTG
配列番号78(配列番号68のポリペプチド/構築体10をコード)
ATGATCCACCTGGGCCACATCCTGTTCCTGCTGCTGCTGCCCGTGGCCGCTGCCCAGACCACCCCTGGCGAGCGGAGCAGCCTGCCTGCCTTCTACCCTGGCACCAGCGGCAGCTGCAGCGGCTGCGGCAGCCTGAGCCTGCCCCTGCTGGCCGGCCTGGTGGCCGCCGACGCCGTGGCCAGCCTGCTGATCGTGGGCGCCGTGTTCCTGTGCGCCAGGCCCAGGCGGAGCCCtGCCCAGGAGGACGGCAAGGTGTACATCAACATGCCCGGCCGGGGCTACTTCCTGGGCAGGCTGGTGCCCAGGGGCAGGGGCGCTGCCGAGGCTGCCACCCGGAAGCAGCGGATCACCGAGACCGAGAGCCCCTACCAGGAGCTGCAGGGCCAGCGGAGCGACGTGTACAGCGACCTGAACACCCAGAGGCCCTACTACAAGAGGCGGAAAAGGTCTGGGAGTGGGGCTACCAATTTCTCTCTCCTCAAGCAAGCCGGAGACGTTGAGGAAAACCCTGGaCCcATGGGCTGGATCCGGGGACGGAGGAGCCGGCACAGCTGGGAGATGAGCGAGTTCCACAACTACAACCTGGACCTGAAGAAGAGCGACTTCAGCACCCGGTGGCAGAAGCAGCGGTGCCCCGTGGTGAAGAGCAAGTGCCGGGAGAACGCCAGCCCCTTCTTCTTCTGCTGCTTCATCGCCGTGGCtATGGGCATCCGGTTCATCATCATGGTGGCCATCTGGAGCGCCGTGTTCCTGAACAGCCTGTTCAACCAGGAGGTGCAGATCCCCCTGACCGAGAGCTACTGCGGCCCCTGCCCCAAGAACTGGATCTGCTACAAGAACAACTGCTACCAGTTCTTCGACGAGAGCAAGAACTGGTACGAGAGCCAGGCCAGCTGCATGAGCCAGAACGCCAGCCTGCTGAAGGTGTACAGCAAGGAGGACCAGGACCTGCTGAAGCTGGTGAAGAGCTACCACTGGATGGGCCTGGTGCACATCCCCACCAACGGCAGCTGGCAGTGGGAGGACGGCAGCATCCTGAGCCCCAACCTGCTGACCATCATCGAGATGCAGAAGGGCGACTGCGCCCTGTACGCCAGCAGCTTCAAGGGCTACATCGAGAACTGCAGCACCCCCAACACCTACATCTGCATGCAGCGGACCGTGAGAAGAAAGAGAAGCGGCAGCGGCGAGGGCAGAGGCAGCCTGCTGACCTGCGGCGACGTGGAGGAGAACCCCGGACccATGATTCATCTCGGACATATTCTCTTTCTCTTGCTCTTGCCTGTCGCTGCCGCTCAAACAACTCCCGGAGAAAGATCTTCTCTCCCCGCTTTTTATCCCGGAACATCTGGATCTTGTTCTGGATGTGGATCTTTGTCTCTCCCTCTCCTCGCTGGACTCGTCGCAGCTGATGCTGTCGCTTCTCTCTTGATTGTCGGAGCTGTCTTTTTGTGTCAGAGGCGGAAGTACCGGAGCAACAAGGGCGAGAGCCCCGTGGAGCCTGCCGAGCCCTGCCACTACAGCTGTCCCCGGGAGGAGGAGGGCAGCACCATCCCCATCCAGGAGGACTACCGGAAGCCCGAGCCTGCCTGCAGCCCC
配列番号79(配列番号69のポリペプチド/構築体11をコード)
ATGATCCACCTGGGCCACATCCTGTTCCTGCTGCTGCTGCCCGTGGCCGCTGCCCAGACCACCCCTGGCGAGCGGAGCAGCCTGCCTGCCTTCTACCCTGGCACCAGCGGCAGCTGCAGCGGCTGCGGCAGCCTGAGCCTGCCCCTGCTGGCCGGCCTGGTGGCCGCCGACGCCGTGGCCAGCCTGCTGATCGTGGGCGCCGTGTTCCTGTGCGCCAGGCCCAGGCGGAGCCCtGCCCAGGAGGACGGCAAGGTGTACATCAACATGCCCGGCCGGGGCTACTTCCTGGGCAGGCTGGTGCCCAGGGGCAGGGGCGCTGCCGAGGCTGCCACCCGGAAGCAGCGGATCACCGAGACCGAGAGCCCCTACCAGGAGCTGCAGGGCCAGCGGAGCGACGTGTACAGCGACCTGAACACCCAGAGGCCCTACTACAAGAGGCGGAAAAGGTCTGGGAGTGGGGCTACCAATTTCTCTCTCCTCAAGCAAGCCGGAGACGTTGAGGAAAACCCTGGaCCcATGGGCTGGATCCGGGGACGGAGGAGCCGGCACAGCTGGGAGATGAGCGAGTTCCACAACTACAACCTGGACCTGAAGAAGAGCGACTTCAGCACCCGGTGGCAGAAGCAGCGGTGCCCCGTGGTGAAGAGCAAGTGCCGGGAGAACGCCAGCCCCTTCTTCTTCTGCTGCTTCATCGCCGTGGCtATGGGCATCCGGTTCATCATCATGGTGGCCATCTGGAGCGCCGTGTTCCTGAACAGCCTGTTCAACCAGGAGGTGCAGATCCCCCTGACCGAGAGCTACTGCGGCCCCTGCCCCAAGAACTGGATCTGCTACAAGAACAACTGCTACCAGTTCTTCGACGAGAGCAAGAACTGGTACGAGAGCCAGGCCAGCTGCATGAGCCAGAACGCCAGCCTGCTGAAGGTGTACAGCAAGGAGGACCAGGACCTGCTGAAGCTGGTGAAGAGCTACCACTGGATGGGCCTGGTGCACATCCCCACCAACGGCAGCTGGCAGTGGGAGGACGGCAGCATCCTGAGCCCCAACCTGCTGACCATCATCGAGATGCAGAAGGGCGACTGCGCCCTGTACGCCAGCAGCTTCAAGGGCTACATCGAGAACTGCAGCACCCCCAACACCTACATCTGCATGCAGCGGACCGTGAGAAGAAAGAGAAGCGGCAGCGGCGAGGGCAGAGGCAGCCTGCTGACCTGCGGCGACGTGGAGGAGAACCCCGGACcTatggctctgcctgtgacagctctgctgctgcctctggctctgctgctgcacgccgctagacccgattataaggacgacgacgacaagCAAACAACTCCCGGAGAAAGATCTTCTCTCCCCGCTTTTTATCCCGGAACATCTGGATCTTGTTCTGGATGTGGATCTTTGTCTCTCCCTCTCCTCGCTGGACTCGTCGCAGCTGATGCTGTCGCTTCTCTCTTGATTGTCGGAGCTGTCTTTTTGTGTCAGAGGCGGAAGTACCGGAGCAACAAGGGCGAGAGCCCCGTGGAGCCTGCCGAGCCCTGCCACTACAGCTGTCCCCGGGAGGAGGAGGGCAGCACCATCCCCATCCAGGAGGACTACCGGAAGCCCGAGCCTGCCTGCAGCCCC
配列番号80(A20FMDV2ペプチド)
NAVPNLRGDLQVLAQKVART
配列番号81(CD124シグナルペプチド)
MGWLCSGLLFPVSCLVLLQVASSGN
配列番号82(CD28のアミノ酸114~220)
IEVMYPPPYLDNEKSNGTIIHVKGKHLCPSPLFPGPSKPFWVLVVVGGVLACYSLLVTVAFIIFWVRSKRSRLLHSDYMNMTPRRPGPTRKHYQPYAPPRDFAAYRS
配列番号83(CD247のアミノ酸52~164)
RVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号84(WO2019/182425号の配列番号1)
MGWSCIILFLVATATGVHSQIQLVQSGPELKKPGETVKISCKTSGYTFTDYSMHWVNQAP
GKGLKWMGWINTETGEPTYTDDFKGRFAFSLETSASTAYLQINNLKNEDTATYFCARTAV
YWGQGTTLTVSSGSTSGSGKPGSGEGSDIQMTQSPSSLSASLGERVSLTCRASQEISGSL
SWLQQKPDGTIKRLIYAASTLNSGVPKRFSGRRSGSDYSLTISSLESEDFVDYYCLQYSS
YPWSFGGGTKLEIKEPKSPDKTHTCPPCPSHTQPLGVFLFPPKPKDQLMISRTPEVTCVV
VDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKV
SNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWES
NGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVLHEALHNHYTQKSLSL
SLGKFWVLVVVGGVLACYSLLVTVAFIIFWVARPRRSPAQEDGKVYINMPGRGGRLVPRG
RGAAEAATRKQRITETESPYQELQGQRSDVYSDLNTQRPYYKRVKFSRSADAPAYQQGQN
QLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPQRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMK
GERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号85(WO2019/182425号の配列番号9)
ARPRRSPAQEDGKVYINMPGRG
配列番号86(WO2019/182425号の配列番号11)
GRLVPRGRGAAEAATRKQRITETESPYQELQGQRSDVYSDLNTQRPYYK
配列番号87(N1012_CXCR2中で発現されたヒトCXCR2ポリペプチドの配列)
MEDFNMESDSFEDFWKGEDLSNYSYSSTLPPFLLDAAPCEPESLEINKYFVVIIYALVFLLSLLGNSLVMLVILYSRVGRSVTDVYLLNLALADLLFALTLPIWAASKVNGWIFGTFLCKVVSLLKEVNFYSGILLLACISVDRYLAIVHATRTLTQKRYLVKFICLSIWGLSLLLALPVLLFRRTVYSSNVSPACYEDMGNNTANWRMLLRILPQSFGFIVPLLIMLFCYGFTLRTLFKAHMGQKHRAMRVIFAVVLIFLLCWLPYNLVLLADTLMRTQVIQETCERRNHIDRALDATEILGILHSCLNPLIYAFIGQKFRHGLLKILAIHGLISKDSLPKDSRPSFVGSSSGHTSTTL
配列番号88(配列番号87のポリペプチドをコードしている核酸配列)
atggaggatttcaatatggagagcgactccttcgaggatttttggaagggcgaggacctgtctaactacagctatagctccacactgcccccttttctgctggatgccgccccttgtgagccagagtccctggagatcaacaagtacttcgtggtcatcatctatgccctggtgtttctgctgtctctgctgggcaatagcctggtcatgctggtcatcctgtactccagggtgggccgctctgtgaccgacgtgtatctgctgaatctggccctggccgatctgctgttcgcactgacactgccaatctgggcagcaagcaaggtgaacggctggatcttcggcacctttctgtgcaaggtggtgtctctgctgaaggaggtgaacttctacagcggcatcctgctgctggcctgtatctccgtggaccggtatctggccatcgtgcacgccaccaggacactgacccagaagcggtacctggtgaagttcatctgcctgagcatctggggactgtccctgctgctggccctgcctgtgctgctgtttaggcgcacagtgtactctagcaacgtgtctccagcctgttatgaggatatgggcaacaataccgccaattggaggatgctgctgcgcatcctgccacagagcttcggctttatcgtgcccctgctgatcatgctgttctgctacggctttacactgcggaccctgttcaaggcccacatgggccagaagcaccgggccatgagagtgatcttcgccgtggtgctgatctttctgctgtgctggctgccctataacctggtgctgctggccgacacactgatgcggacccaggtcatccaggagacatgcgagcggagaaaccacatcgacagagccctggatgccaccgagatcctgggcatcctgcactcctgtctgaatcctctgatctatgccttcatcggccagaagtttaggcacggcctgctgaagatcctggccatccacggcctgatctccaaggactctctgcccaaggatagccgcccttccttcgtgggctcctctagcggccacacctctaccacactg
配列番号89(SFG N1012_CXCR2の核酸配列)
gatccggattagtccaatttgttaaagacaggatatcagtggtccaggctctagttttgactcaacaatatcaccagctgaagcctatagagtacgagccatagataaaataaaagattttatttagtctccagaaaaaggggggaatgaaagaccccacctgtaggtttggcaagctagcttaagtaacgccattttgcaaggcatggaaaaatacataactgagaatagagaagttcagatcaaggtcaggaacagatggaacagctgaatatgggccaaacaggatatctgtggtaagcagttcctgccccggctcagggccaagaacagatggaacagctgaatatgggccaaacaggatatctgtggtaagcagttcctgccccggctcagggccaagaacagatggtccccagatgcggtccagccctcagcagtttctagagaaccatcagatgtttccagggtgccccaaggacctgaaatgaccctgtgccttatttgaactaaccaatcagttcgcttctcgcttctgttcgcgcgcttctgctccccgagctcaataaaagagcccacaacccctcactcggggcgccagtcctccgattgactgagtcgcccgggtacccgtgtatccaataaaccctcttgcagttgcatccgacttgtggtctcgctgttccttgggagggtctcctctgagtgattgactacccgtcagcgggggtctttcacatgcagcatgtatcaaaattaatttggttttttttcttaagtatttacattaaatggccatagtacttaaagttacattggcttccttgaaataaacatggagtattcagaatgtgtcataaatatttctaattttaagatagtatctccattggctttctactttttcttttatttttttttgtcctctgtcttccatttgttgttgttgttgtttgtttgtttgtttgttggttggttggttaatttttttttaaagatcctacactatagttcaagctagactattagctactctgtaacccagggtgaccttgaagtcatgggtagcctgctgttttagccttcccacatctaagattacaggtatgagctatcatttttggtatattgattgattgattgattgatgtgtgtgtgtgtgattgtgtttgtgtgtgtgattgtgtatatgtgtgtatggttgtgtgtgattgtgtgtatgtatgtttgtgtgtgattgtgtgtgtgtgattgtgcatgtgtgtgtgtgtgattgtgtttatgtgtatgattgtgtgtgtgtgtgtgtgtgtgtgtgtgtgtgtgtgtgtgtgtgtgttgtgtatatatatttatggtagtgagaggcaacgctccggctcaggtgtcaggttggtttttgagacagagtctttcacttagcttggaattcactggccgtcgttttacaacgtcgtgactgggaaaaccctggcgttacccaacttaatcgccttgcagcacatccccctttcgccagctggcgtaatagcgaagaggcccgcaccgatcgcccttcccaacagttgcgcagcctgaatggcgaatggcgcctgatgcggtattttctccttacgcatctgtgcggtatttcacaccgcatatggtgcactctcagtacaatctgctctgatgccgcatagttaagccagccccgacacccgccaacacccgctgacgcgccctgacgggcttgtctgctcccggcatccgcttacagacaagctgtgaccgtctccgggagctgcatgtgtcagaggttttcaccgtcatcaccgaaacgcgcgagacgaaagggcctcgtgatacgcctatttttataggttaatgtcatgataataatggtttcttagacgtcaggtggcacttttcggggaaatgtgcgcggaacccctatttgtttatttttctaaatacattcaaatatgtatccgctcatgagacaataaccctgataaatgcttcaataatattgaaaaaggaagagtatgagtattcaacatttccgtgtcgcccttattcccttttttgcggcattttgccttcctgtttttgctcacccagaaacgctggtgaaagtaaaagatgctgaagatcagttgggtgcacgagtgggttacatcgaactggatctcaacagcggtaagatccttgagagttttcgccccgaagaacgttttccaatgatgagcacttttaaagttctgctatgtggcgcggtattatcccgtattgacgccgggcaagagcaactcggtcgccgcatacactattctcagaatgacttggttgagtactcaccagtcacagaaaagcatcttacggatggcatgacagtaagagaattatgcagtgctgccataaccatgagtgataacactgcggccaacttacttctgacaacgatcggaggaccgaaggagctaaccgcttttttgcacaacatgggggatcatgtaactcgccttgatcgttgggaaccggagctgaatgaagccataccaaacgacgagcgtgacaccacgatgcctgtagcaatggcaacaacgttgcgcaaactattaactggcgaactacttactctagcttcccggcaacaattaatagactggatggaggcggataaagttgcaggaccacttctgcgctcggcccttccggctggctggtttattgctgataaatctggagccggtgagcgtgggtctcgcggtatcattgcagcactggggccagatggtaagccctcccgtatcgtagttatctacacgacggggagtcaggcaactatggatgaacgaaatagacagatcgctgagataggtgcctcactgattaagcattggtaactgtcagaccaagtttactcatatatactttagattgatttaaaacttcatttttaatttaaaaggatctaggtgaagatcctttttgataatctcatgaccaaaatcccttaacgtgagttttcgttccactgagcgtcagaccccgtagaaaagatcaaaggatcttcttgagatcctttttttctgcgcgtaatctgctgcttgcaaacaaaaaaaccaccgctaccagcggtggtttgtttgccggatcaagagctaccaactctttttccgaaggtaactggcttcagcagagcgcagataccaaatactgttcttctagtgtagccgtagttaggccaccacttcaagaactctgtagcaccgcctacatacctcgctctgctaatcctgttaccagtggctgctgccagtggcgataagtcgtgtcttaccgggttggactcaagacgatagttaccggataaggcgcagcggtcgggctgaacggggggttcgtgcacacagcccagcttggagcgaacgacctacaccgaactgagatacctacagcgtgagctatgagaaagcgccacgcttcccgaagggagaaaggcggacaggtatccggtaagcggcagggtcggaacaggagagcgcacgagggagcttccagggggaaacgcctggtatctttatagtcctgtcgggtttcgccacctctgacttgagcgtcgatttttgtgatgctcgtcaggggggcggagcctatggaaaaacgccagcaacgcggcctttttacggttcctggccttttgctggccttttgctcacatgttctttcctgcgttatcccctgattctgtggataaccgtattaccgcctttgagtgagctgataccgctcgccgcagccgaacgaccgagcgcagcgagtcagtgagcgaggaagcggaagagcgcccaatacgcaaaccgcctctccccgcgcgttggccgattcattaatgcagctggcacgacaggtttcccgactggaaagcgggcagtgagcgcaacgcaattaatgtgagttagctcactcattaggcaccccaggctttacactttatgcttccggctcgtatgttgtgtggaattgtgagcggataacaatttcacacaggaaacagctatgaccatgattacgccaagctttgctcttaggagtttcctaatacatcccaaactcaaatatataaagcatttgacttgttctatgccctagggggcggggggaagctaagccagctttttttaacatttaaaatgttaattccattttaaatgcacagatgtttttatttcataagggtttcaatgtgcatgaatgctgcaatattcctgttaccaaagctagtataaataaaaatagataaacgtggaaattacttagagtttctgtcattaacgtttccttcctcagttgacaacataaatgcgctgctgagaagccagtttgcatctgtcaggatcaatttcccattatgccagtcatattaattactagtcaattagttgatttttatttttgacatatacatgtgaaagaccccacctgtaggtttggcaagctagcttaagtaacgccattttgcaaggcatggaaaaatacataactgagaatagaaaagttcagatcaaggtcaggaacagatggaacagctgaatatgggccaaacaggatatctgtggtaagcagttcctgccccggctcagggccaagaacagatggaacagctgaatatgggccaaacaggatatctgtggtaagcagttcctgccccggctcagggccaagaacagatggtccccagatgcggtccagccctcagcagtttctagagaaccatcagatgtttccagggtgccccaaggacctgaaatgaccctgtgccttatttgaactaaccaatcagttcgcttctcgcttctgttcgcgcgcttctgctccccgagctcaataaaagagcccacaacccctcactcggcgcgccagtcctccgattgactgagtcgcccgggtacccgtgtatccaataaaccctcttgcagttgcatccgacttgtggtctcgctgttccttgggagggtctcctctgagtgattgactacccgtcagcgggggtctttcatttgggggctcgtccgggatcgggagacccctgcccagggaccaccgacccaccaccgggaggtaagctggccagcaacttatctgtgtctgtccgattgtctagtgtctatgactgattttatgcgcctgcgtcggtactagttagctaactagctctgtatctggcggacccgtggtggaactgacgagttcggaacacccggccgcaaccctgggagacgtcccagggacttcgggggccgtttttgtggcccgacctgagtcctaaaatcccgatcgtttaggactctttggtgcaccccccttagaggagggatatgtggttctggtaggagacgagaacctaaaacagttcccgcctccgtctgaatttttgctttcggtttgggaccgaagccgcgccgcgcgtcttgtctgctgcagcatcgttctgtgttgtctctgtctgactgtgtttctgtatttgtctgaaaatatgggcccgggctagactgttaccactcccttaagtttgaccttaggtcactggaaagatgtcgagcggatcgctcacaaccagtcggtagatgtcaagaagagacgttgggttaccttctgctctgcagaatggccaacctttaacgtcggatggccgcgagacggcacctttaaccgagacctcatcacccaggttaagatcaaggtcttttcacctggcccgcatggacacccagaccaggtcccctacatcgtgacctgggaagccttggcttttgacccccctccctgggtcaagccctttgtacaccctaagcctccgcctcctcttcctccatccgccccgtctctcccccttgaacctcctcgttcgaccccgcctcgatcctccctttatccagccctcactccttctctaggcgcccccatatggccatatgagatcttatatggggcacccccgccccttgtaaacttccctgaccctgacatgacaagagttactaacagcccctctctccaagctcacttacaggctctctacttagtccagcacgaagtctggagacctctggcggcagcctaccaagaacaactggaccgaccggtggtacctcacccttaccgagtcggcgacacagtgtgggtccgccgacaccagactaagaacctagaacctcgctggaaaggaccttacacagtcctgctgaccacccccaccgccctcaaagtagacggcatcgcagcttggatacacgccgcccacgtgaaggctgccgaccccgggggtggaccatcctctagactgccatgatccacctgggccacatcctgttcctgctgctgctgcccgtggccgctgcccagaccacccctggcgagcggagcagcctgcctgccttctaccctggcaccagcggcagctgcagcggctgcggcagcctgagcctgcccctgctggccggcctggtggccgccgacgccgtggccagcctgctgatcgtgggcgccgtgttcctgtgcgccaggcccaggcggagccctgcccaggaggacggcaaggtgtacatcaacatgcccggccggggctacttcctgggcaggctggtgcccaggggcaggggcgctgccgaggctgccacccggaagcagcggatcaccgagaccgagagcccctaccaggagctgcagggccagcggagcgacgtgtacagcgacctgaacacccagaggccctactacaagaggcggaaaaggtctgggagtggggctaccaatttctctctcctcaagcaagccggagacgttgaggaaaaccctggacccatgggctggatccggggacggaggagccggcacagctgggagatgagcgagttccacaactacaacctggacctgaagaagagcgacttcagcacccggtggcagaagcagcggtgccccgtggtgaagagcaagtgccgggagaacgccagccccttcttcttctgctgcttcatcgccgtggctatgggcatccggttcatcatcatggtggccatctggagcgccgtgttcctgaacagcctgttcaaccaggaggtgcagatccccctgaccgagagctactgcggcccctgccccaagaactggatctgctacaagaacaactgctaccagttcttcgacgagagcaagaactggtacgagagccaggccagctgcatgagccagaacgccagcctgctgaaggtgtacagcaaggaggaccaggacctgctgaagctggtgaagagctaccactggatgggcctggtgcacatccccaccaacggcagctggcagtgggaggacggcagcatcctgagccccaacctgctgaccatcatcgagatgcagaagggcgactgcgccctgtacgccagcagcttcaagggctacatcgagaactgcagcacccccaacacctacatctgcatgcagcggacagtgcggagaaagagatccggatctggagagggaagaggaagcctgctgacctgcggcgacgtggaggagaacccaggacccatggaggatttcaatatggagagcgactccttcgaggatttttggaagggcgaggacctgtctaactacagctatagctccacactgcccccttttctgctggatgccgccccttgtgagccagagtccctggagatcaacaagtacttcgtggtcatcatctatgccctggtgtttctgctgtctctgctgggcaatagcctggtcatgctggtcatcctgtactccagggtgggccgctctgtgaccgacgtgtatctgctgaatctggccctggccgatctgctgttcgcactgacactgccaatctgggcagcaagcaaggtgaacggctggatcttcggcacctttctgtgcaaggtggtgtctctgctgaaggaggtgaacttctacagcggcatcctgctgctggcctgtatctccgtggaccggtatctggccatcgtgcacgccaccaggacactgacccagaagcggtacctggtgaagttcatctgcctgagcatctggggactgtccctgctgctggccctgcctgtgctgctgtttaggcgcacagtgtactctagcaacgtgtctccagcctgttatgaggatatgggcaacaataccgccaattggaggatgctgctgcgcatcctgccacagagcttcggctttatcgtgcccctgctgatcatgctgttctgctacggctttacactgcggaccctgttcaaggcccacatgggccagaagcaccgggccatgagagtgatcttcgccgtggtgctgatctttctgctgtgctggctgccctataacctggtgctgctggccgacacactgatgcggacccaggtcatccaggagacatgcgagcggagaaaccacatcgacagagccctggatgccaccgagatcctgggcatcctgcactcctgtctgaatcctctgatctatgccttcatcggccagaagtttaggcacggcctgctgaagatcctggccatccacggcctgatctccaaggactctctgcccaaggatagccgcccttccttcgtgggctcctctagcggccacacctctaccacactgtgacagccactcgag
配列番号90(配列番号89によってコードされているタンパク質((i)完全長DAP10/DAP12の細胞内ドメインの融合、(ii)フューリン切断部位(RRKR)、(iii)SGSGリンカー、(iv)P2Aスキップ配列、(v)NKG2D、(vi)フューリン切断部位(RRKR)、(vii)SGSGリンカー、(viii)T2Aスキップ配列、(ix)CXCR2を含む)
MIHLGHILFLLLLPVAAAQTTPGERSSLPAFYPGTSGSCSGCGSLSLPLLAGLVAADAVASLLIVGAVFLCARPRRSPAQEDGKVYINMPGRGYFLGRLVPRGRGAAEAATRKQRITETESPYQELQGQRSDVYSDLNTQRPYYKRRKRSGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMGWIRGRRSRHSWEMSEFHNYNLDLKKSDFSTRWQKQRCPVVKSKCRENASPFFFCCFIAVAMGIRFIIMVAIWSAVFLNSLFNQEVQIPLTESYCGPCPKNWICYKNNCYQFFDESKNWYESQASCMSQNASLLKVYSKEDQDLLKLVKSYHWMGLVHIPTNGSWQWEDGSILSPNLLTIIEMQKGDCALYASSFKGYIENCSTPNTYICMQRTVRRKRSGSGEGRGSLLTCGDVEENPGPMEDFNMESDSFEDFWKGEDLSNYSYSSTLPPFLLDAAPCEPESLEINKYFVVIIYALVFLLSLLGNSLVMLVILYSRVGRSVTDVYLLNLALADLLFALTLPIWAASKVNGWIFGTFLCKVVSLLKEVNFYSGILLLACISVDRYLAIVHATRTLTQKRYLVKFICLSIWGLSLLLALPVLLFRRTVYSSNVSPACYEDMGNNTANWRMLLRILPQSFGFIVPLLIMLFCYGFTLRTLFKAHMGQKHRAMRVIFAVVLIFLLCWLPYNLVLLADTLMRTQVIQETCERRNHIDRALDATEILGILHSCLNPLIYAFIGQKFRHGLLKILAIHGLISKDSLPKDSRPSFVGSSSGHTSTTL
配列番号91(配列番号90のポリペプチドをコード)
ATGATCCACCTGGGCCACATCCTGTTCCTGCTGCTGCTGCCCGTGGCCGCTGCCCAG
ACCACCCCTGGCGAGCGGAGCAGCCTGCCTGCCTTCTACCCTGGCACCAGCGGCAGCTGCAGCGGCTGCGGCAGCCTGAG
CCTGCCCCTGCTGGCCGGCCTGGTGGCCGCCGACGCCGTGGCCAGCCTGCTGATCGTGGGCGCCGTGTTCCTGTGCGCCA
GGCCCAGGCGGAGCCCtGCCCAGGAGGACGGCAAGGTGTACATCAACATGCCCGGCCGGGGCTACTTCCTGGGCAGGCTG
GTGCCCAGGGGCAGGGGCGCTGCCGAGGCTGCCACCCGGAAGCAGCGGATCACCGAGACCGAGAGCCCCTACCAGGAGCT
GCAGGGCCAGCGGAGCGACGTGTACAGCGACCTGAACACCCAGAGGCCCTACTACAAGAGGCGGAAAAGGTCTGGGAGTG
GGGCTACCAATTTCTCTCTCCTCAAGCAAGCCGGAGACGTTGAGGAAAACCCTGGaCCcATGGGCTGGATCCGGGGACGG
AGGAGCCGGCACAGCTGGGAGATGAGCGAGTTCCACAACTACAACCTGGACCTGAAGAAGAGCGACTTCAGCACCCGGTG
GCAGAAGCAGCGGTGCCCCGTGGTGAAGAGCAAGTGCCGGGAGAACGCCAGCCCCTTCTTCTTCTGCTGCTTCATCGCCG
TGGCtATGGGCATCCGGTTCATCATCATGGTGGCCATCTGGAGCGCCGTGTTCCTGAACAGCCTGTTCAACCAGGAGGTG
CAGATCCCCCTGACCGAGAGCTACTGCGGCCCCTGCCCCAAGAACTGGATCTGCTACAAGAACAACTGCTACCAGTTCTT
CGACGAGAGCAAGAACTGGTACGAGAGCCAGGCCAGCTGCATGAGCCAGAACGCCAGCCTGCTGAAGGTGTACAGCAAGG
AGGACCAGGACCTGCTGAAGCTGGTGAAGAGCTACCACTGGATGGGCCTGGTGCACATCCCCACCAACGGCAGCTGGCAG
TGGGAGGACGGCAGCATCCTGAGCCCCAACCTGCTGACCATCATCGAGATGCAGAAGGGCGACTGCGCCCTGTACGCCAG
CAGCTTCAAGGGCTACATCGAGAACTGCAGCACCCCCAACACCTACATCTGCATGCAGCGGACAGTGCGGAGAAAGAGAT
CCGGATCTGGAGAGGGAAGAGGAAGCCTGCTGACCTGCGGCGACGTGGAGGAGAACCCAGGACCCATGGAGGATTTCAAT
ATGGAGAGCGACTCCTTCGAGGATTTTTGGAAGGGCGAGGACCTGTCTAACTACAGCTATAGCTCCACACTGCCCCCTTT
TCTGCTGGATGCCGCCCCTTGTGAGCCAGAGTCCCTGGAGATCAACAAGTACTTCGTGGTCATCATCTATGCCCTGGTGT
TTCTGCTGTCTCTGCTGGGCAATAGCCTGGTCATGCTGGTCATCCTGTACTCCAGGGTGGGCCGCTCTGTGACCGACGTG
TATCTGCTGAATCTGGCCCTGGCCGATCTGCTGTTCGCACTGACACTGCCAATCTGGGCAGCAAGCAAGGTGAACGGCTG
GATCTTCGGCACCTTTCTGTGCAAGGTGGTGTCTCTGCTGAAGGAGGTGAACTTCTACAGCGGCATCCTGCTGCTGGCCT
GTATCTCCGTGGACCGGTATCTGGCCATCGTGCACGCCACCAGGACACTGACCCAGAAGCGGTACCTGGTGAAGTTCATC
TGCCTGAGCATCTGGGGACTGTCCCTGCTGCTGGCCCTGCCTGTGCTGCTGTTTAGGCGCACAGTGTACTCTAGCAACGT
GTCTCCAGCCTGTTATGAGGATATGGGCAACAATACCGCCAATTGGAGGATGCTGCTGCGCATCCTGCCACAGAGCTTCG
GCTTTATCGTGCCCCTGCTGATCATGCTGTTCTGCTACGGCTTTACACTGCGGACCCTGTTCAAGGCCCACATGGGCCAG
AAGCACCGGGCCATGAGAGTGATCTTCGCCGTGGTGCTGATCTTTCTGCTGTGCTGGCTGCCCTATAACCTGGTGCTGCT
GGCCGACACACTGATGCGGACCCAGGTCATCCAGGAGACATGCGAGCGGAGAAACCACATCGACAGAGCCCTGGATGCCA
CCGAGATCCTGGGCATCCTGCACTCCTGTCTGAATCCTCTGATCTATGCCTTCATCGGCCAGAAGTTTAGGCACGGCCTG
CTGAAGATCCTGGCCATCCACGGCCTGATCTCCAAGGACTCTCTGCCCAAGGATAGCCGCCCTTCCTTCGTGGGCTCCTC
TAGCGGCCACACCTCTACCACACTGTGACAGCCACTCGAG
配列番号92(Cyad-01CARのレプリカ(CD3ζの細胞内ドメインと融合したNKG2D)のアミノ酸配列
MRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPRMGWIRGRRSRHSWEMSEFHNYNLDLKKSDFSTRWQKQRCPVVKSKCRENASPFFFCCFIAVAMGIRFIIMVAIWSAVFLNSLFNQEVQIPLTESYCGPCPKNWICYKNNCYQFFDESKNWYESQASCMSQNASLLKVYSKEDQDLLKLVKSYHWMGLVHIPTNGSWQWEDGSILSPNLLTIIEMQKGDCALYASSFKGYIENCSTPNTYICMQRTV
配列番号93(配列番号92のポリペプチドをコードしている核酸配列)
ATGAGAGTGAAGTTCAGCAGGAGCGCAGACGCCCCcGCGTACCAGCAGGGCCAGAACCAGCTCTATAACGAGCTCAATCTAGGACGAAGAGAGGAGTACGATGTTTTGGACAAGAGACGTGGCCGGGACCCTGAGATGGGGGGAAAGCCGAGAAGGAAGAACCCTCAGGAAGGCCTGTACAATGAACTGCAGAAAGATAAGATGGCGGAGGCCTACAGTGAGATTGGGATGAAAGGCGAGCGCCGGAGGGGCAAGGGGCACGATGGCCTTTACCAGGGTCTCAGTACAGCCACCAAGGACACCTACGATGCATTGCACATGCAGGCCCTGCCCCCTCGCATGGGCTGGATCCGCGGCCGCAGGAGCCGGCACAGCTGGGAGATGAGCGAGTTCCACAACTACAACCTGGACCTGAAGAAGAGCGACTTCAGCACCCGGTGGCAGAAGCAGCGGTGCCCCGTGGTGAAGAGCAAGTGCCGGGAGAACGCCAGCCCCTTCTTCTTCTGCTGCTTCATCGCCGTGGCtATGGGCATCCGGTTTATAATCATGGTGGCCATCTGGAGCGCCGTGTTCCTGAACAGCCTGTTCAACCAGGAGGTGCAGATCCCCCTGACCGAGAGCTACTGCGGCCCCTGCCCCAAGAACTGGATCTGCTACAAGAACAACTGCTACCAGTTCTTCGACGAGAGCAAGAACTGGTACGAGAGCCAGGCCAGCTGCATGAGCCAGAACGCCAGCCTGCTGAAGGTGTACAGCAAGGAGGACCAGGACCTGCTGAAGCTGGTGAAGAGCTACCACTGGATGGGCCTGGTGCACATCCCCACCAACGGCAGCTGGCAGTGGGAGGACGGCAGCATCCTGAGCCCCAACCTGCTGACCATCATCGAGATGCAGAAGGGCGACTGCGCCCTGTACGCCAGCAGCTTCAAGGGCTACATCGAGAACTGCAGCACCCCCAACACCTACATCTGCATGCAGCGGACCGTGtaa
配列番号94(配列番号92および配列番号1のCYAD-01_10-ポリペプチドをコードしている核酸配列)
ATGATCCACCTGGGCCACATCCTGTTCCTGCTGCTGCTGCCCGTGGCCGCTGCCCAGACCACCCCTGGCGAGCGGAGCAGCCTGCCTGCCTTCTACCCTGGCACCAGCGGCAGCTGCAGCGGCTGCGGCAGCCTGAGCCTGCCCCTGCTGGCCGGCCTGGTGGCCGCCGACGCCGTGGCCAGCCTGCTGATCGTGGGCGCCGTGTTCCTGTGCGCCAGGCCCAGGCGGAGCCCtGCCCAGGAGGACGGCAAGGTGTACATCAACATGCCCGGCCGGGGCAGGCGGAAAAGGTCTGGGAGTGGGGCTACCAATTTCTCTCTCCTCAAGCAAGCCGGAGACGTTGAGGAAAACCCTGGaCCcATGAGAGTGAAGTTCAGCAGGAGCGCAGACGCCCCcGCGTACCAGCAGGGCCAGAACCAGCTCTATAACGAGCTCAATCTAGGACGAAGAGAGGAGTACGATGTTTTGGACAAGAGACGTGGCCGGGACCCTGAGATGGGGGGAAAGCCGAGAAGGAAGAACCCTCAGGAAGGCCTGTACAATGAACTGCAGAAAGATAAGATGGCGGAGGCCTACAGTGAGATTGGGATGAAAGGCGAGCGCCGGAGGGGCAAGGGGCACGATGGCCTTTACCAGGGTCTCAGTACAGCCACCAAGgacacctacgatgcaTTGCACATGCAGGCCCTGCCCCCTCGCATGGGCTGGATCCGCGGCCGCAGGAGCCGGCACAGCTGGGAGATGAGCGAGTTCCACAACTACAACCTGGACCTGAAGAAGAGCGACTTCAGCACCCGGTGGCAGAAGCAGCGGTGCCCCGTGGTGAAGAGCAAGTGCCGGGAGAACGCCAGCCCCTTCTTCTTCTGCTGCTTCATCGCCGTGGCtATGGGCATCCGGTTTATAATCATGGTGGCCATCTGGAGCGCCGTGTTCCTGAACAGCCTGTTCAACCAGGAGGTGCAGATCCCCCTGACCGAGAGCTACTGCGGCCCCTGCCCCAAGAACTGGATCTGCTACAAGAACAACTGCTACCAGTTCTTCGACGAGAGCAAGAACTGGTACGAGAGCCAGGCCAGCTGCATGAGCCAGAACGCCAGCCTGCTGAAGGTGTACAGCAAGGAGGACCAGGACCTGCTGAAGCTGGTGAAGAGCTACCACTGGATGGGCCTGGTGCACATCCCCACCAACGGCAGCTGGCAGTGGGAGGACGGCAGCATCCTGAGCCCCAACCTGCTGACCATCATCGAGATGCAGAAGGGCGACTGCGCCCTGTACGCCAGCAGCTTCAAGGGCTACATCGAGAACTGCAGCACCCCCAACACCTACATCTGCATGCAGCGGACCGTGtaa
配列番号95(ヒト細胞外NKG2Dドメイン)
LFNQEVQIPLTESYCGPCPKNWICYKNNCYQFFDESKNWYESQASCMSQNASLLKVYSKEDQDLLKLVKSYHWMGLVHIPTNGSWQWEDGSILSPNLLTIIEMQKGDCALYASSFKGYIENCSTPNTYICMQRTV
配列番号96(ヒト細胞外NKG2Dドメイン)
IWSAVFLNSLFNQEVQIPLTESYCGPCPKNWICYKNNCYQFFDESKNWYESQASCMSQNASLLKVYSKEDQDLLKLVKSYHWMGLVHIPTNGSWQWEDGSILSPNLLTIIEMQKGDCALYASSFKGYIENCSTPNTYICMQRTV
配列番号97(配列番号95マイナス8個の最もN末端側のアミノ酸)
PLTESYCGPCPKNWICYKNNCYQFFDESKNWYESQASCMSQNASLLKVYSKEDQDLLKLVKSYHWMGLVHIPTNGSWQWEDGSILSPNLLTIIEMQKGDCALYASSFKGYIENCSTPNTYICMQRTV
配列番号98(マウスNKG2DのTMドメイン、UniProt受託番号:054709)
VVRVLAIALAIRFTLNTLMWLAI
配列番号99(マウスNKG2DのTMドメイン)
KISPMFVVRVLAIALAIRFTLNTLMWLAIFKETFQPV
配列番号100(ラットNKG2D)
MSKCHNYDLKPAKWDTSQEHQKQRSALPTSRPGENGIIRRRSSIEELKISPLFVVRVLVA
AMTIRFTVITLTWLAVFITLLCNKEVSVSSREGYCGPCPNDWICHRNNCYQFFNENKAWN
QSQASCLSQNSSLLKIYSKEEQDFLKLVKSYHWMGLVQSPANGSWQWEDGSSLSPNELTL
VKTPSGTCAVYGSSFKAYTEDCSNPNTYICMKRAV
配列番号101(ラットNKG2DのTMドメイン、UniProt受託番号:070215のアミノ酸52~74)
LFVVRVLVAAMTIRFTVITLTWL
配列番号102(N5ポリペプチド)
MALPVTALLLPLALLLHAARPDYKDDDDKLRPVQAQAQSDCSCSTVSPGVLAGIVMGDLVLTVLIALAVYFLGRLVPRGRGAAEAATRKQRITETESPYQELQGQRSDVYSDLNTQRPYYKRRKRSGSGEGRGSLLTCGDVEENPGPMIHLGHILFLLLLPVAAAQTTPGERSSLPAFYPGTSGSCSGCGSLSLPLLAGLVAADAVASLLIVGAVFLCARPRRSPAQEDGKVYINMPGRGRRKRSGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMKISPMFVVRVLAIALAIRFTLNTLMWLAIFKETFQPVLFNQEVQIPLTESYCGPCPKNWICYKNNCYQFFDESKNWYESQASCMSQNASLLKVYSKEDQDLLKLVKSYHWMGLVHIPTNGSWQWEDGSILSPNLLTIIEMQKGDCALYASSFKGYIENCSTPNTYICMQRTV
配列番号103(配列番号102のポリペプチドをコードしている核酸)
ATGGCTCTGCCTGTGACAGCTCTGCTGCTGCCTCTGGCTCTGCTGCTGCACGCCGCTAGACCCGATTATAAGGACGACGACGACAAGCTGAGACCCGTGCAGGCCCAGGCCCAGAGCGACTGCAGCTGCAGCACCGTGAGCCCCGGCGTGCTGGCCGGCATCGTGATGGGCGACCTGGTGCTGACCGTGCTCATCGCCCTTGCCGTGTACTTCCTGGGCAGACTGGTCCCCAGGGGCAGAGGAGCTGCCGAGGCCGCTACCAGAAAGCAGAGGATCACCGAGACAGAGAGCCCCTACCAGGAGCTGCAGGGCCAGAGATCCGACGTGTACAGCGACCTCAACACCCAGAGACCCTATTACAAGAGGCGGAAGCGCTCCGGCTCCGGCGAGGGCCGCGGCAGCCTGCTGACCTGCGGCGACGTGGAAGAGAACCCCGGACCCATGATCCACCTGGGCCACATCCTGTTCCTGCTGCTGCTGCCCGTGGCCGCTGCCCAAACAACACCCGGCGAGAGATCCTCCTTGCCCGCTTTCTATCCCGGAACATCCGGAAGCTGTTCCGGATGTGGATCCCTTTCTTTGCCTTTGCTTGCTGGATTGGTCGCAGCTGACGCTGTCGCTTCCCTCCTTATTGTCGGAGCTGTCTTCCTGTGCGCCAGGCCCAGGCGGAGCCCTGCCCAGGAGGACGGCAAGGTGTACATCAACATGCCCGGCCGGGGCAGGCGGAAGCGCTCCGGGAGTGGGGCTACCAATTTCTCTCTCCTCAAGCAAGCCGGAGACGTTGAGGAAAACCCTGGACCCATGAAAATATCTCCAATGTTCGTTGTTCGAGTCCTTGCTATAGCCTTGGCAATTCGATTCACCCTTAACACATTGATGTGGCTTGCCATTTTCAAAGAGACGTTTCAGCCAGTACTGTTCAACCAGGAGGTGCAGATCCCCCTGACCGAGAGCTACTGCGGCCCCTGCCCAAAAAATTGGATCTGCTACAAGAACAACTGCTACCAGTTCTTCGACGAGAGCAAGAACTGGTACGAGAGCCAGGCCAGCTGCATGAGCCAGAACGCCAGCCTGCTGAAGGTGTACAGCAAGGAGGACCAGGACCTGCTGAAGCTGGTGAAGAGCTACCACTGGATGGGCCTGGTGCACATCCCCACCAACGGCAGCTGGCAGTGGGAGGACGGCAGCATCCTGAGCCCCAACCTGCTGACCATCATCGAGATGCAGAAGGGCGACTGCGCCCTGTACGCCAGCAGCTTCAAGGGCTACATCGAGAACTGCAGCACCCCCAACACCTACATCTGCATGCAGCGGACCGTG
配列番号104(UniProt:P0DOX5のヒトIgG1ヒンジ-アミノ酸218~232)
EPK SCDKTHTCPP CP
配列番号105(CYAD-01_10(NKG2D-CD3ζ+リボソームスキップペプチド+DAP10)のアミノ酸配列)
MIHLGHILFLLLLPVAAAQTTPGERSSLPAFYPGTSGSCSGCGSLSLPLLAGLVAADAVASLLIVGAVFLCARPRRSPAQEDGKVYINMPGRGRRKRSGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPRMGWIRGRRSRHSWEMSEFHNYNLDLKKSDFSTRWQKQRCPVVKSKCRENASPFFFCCFIAVAMGIRFIIMVAIWSAVFLNSLFNQEVQIPLTESYCGPCPKNWICYKNNCYQFFDESKNWYESQASCMSQNASLLKVYSKEDQDLLKLVKSYHWMGLVHIPTNGSWQWEDGSILSPNLLTIIEMQKGDCALYASSFKGYIENCSTPNTYICMQRTV
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】2023-11-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)NKG2Dポリペプチドと;
(b)(i)DNAX活性化10(DAP10)ポリペプチドまたはその機能的変異体および(ii)DNAX活性化タンパク質12(DAP12)ポリペプチドまたはその機能的変異体を含む融合ポリペプチドと;
(c)CXCR2ポリペプチドと
を含む免疫応答性細胞。
【請求項2】
前記NKG2Dポリペプチド、前記DAP10ポリペプチド、前記DAP12ポリペプチド、およびC前記XCR2ポリペプチドのそれぞれが哺乳動物ポリペプチドである、請求項1に記載の免疫応答性細胞。
【請求項3】
前記NKG2Dポリペプチド、前記DAP10ポリペプチド、前記DAP12ポリペプチド、および前記CXCR2ポリペプチドのそれぞれがヒトポリペプチドである、請求項2に記載の免疫応答性細胞。
【請求項4】
前記NKG2Dポリペプチドのアミノ酸配列が、配列番号14の配列と少なくとも約85%の配列同一性を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項5】
前記NKG2Dポリペプチドが、前記配列番号14のアミノ酸配列を有するポリペプチドの機能的変異体である、請求項1~4のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項6】
前記機能的変異体が、配列番号14のアミノ酸のうちの少なくとも1つを付加、欠失、または置換させる1つまたは複数の点突然変異を有する、請求項5に記載の免疫応答性細胞。
【請求項7】
前記機能的変異体が、前記配列番号14のアミノ酸配列を有する前記ポリペプチドの切断バージョンである、請求項5に記載の免疫応答性細胞。
【請求項8】
前記機能的変異体がキメラNKG2Dポリペプチドである、請求項5に記載の免疫応答性細胞。
【請求項9】
前記融合ポリペプチドが、N末端からC末端に、以下の式:
A-B-C-D-E、
[式中、
Aは任意選択のN末端配列であり;
BはDAP10ポリペプチドまたはその機能的変異体であり;
Cは任意選択のリンカー配列であり;
DはDAP12ポリペプチドまたはその機能的変異体であり;
Eは任意選択のC末端配列である]
を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項10】
配列番号1のDAP10ポリペプチドと少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、前記DAP10ポリペプチドの機能的変異体を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項11】
前記DAP10ポリペプチドの機能的変異体が、前記配列番号1のDAP10ポリペプチドのアミノ酸のうちの任意のものを付加、欠失、または置換させる、1つまたは複数(すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、またはそれより多く)の点突然変異を有する、配列番号1の機能的変異体である、請求項1~10のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項12】
前記DAP10ポリペプチドの機能的変異体が、前記配列番号1のアミノ酸配列を有するポリペプチドの切断バージョンである、請求項1~11のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項13】
前記DAP10の切断バージョンが、配列番号1のアミノ酸19~93、19~69、1~71、19~71、19~48、49~69、49~93、または70~93を含む、またはそれからなる、請求項12に記載の免疫応答性細胞。
【請求項14】
前記DAP10ポリペプチドまたは前記その機能的変異体が、配列番号1~8のうちの任意の1つを含む、またはそれからなる、請求項1~8のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項15】
配列番号9のDAP12ポリペプチドと少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、前記DAP12ポリペプチドの機能的変異体を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項16】
前記DAP12ポリペプチドの機能的変異体が、前記配列番号9のDAP12ポリペプチドのアミノ酸のうちの任意のものを付加、欠失、または置換させる、1つまたは複数(すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、またはそれより多く)の点突然変異を有する、配列番号9の機能的変異体である、請求項1~15のいずれかに記載の免疫応答性細胞。
【請求項17】
前記DAP12ポリペプチドの機能的変異体が、前記配列番号9のアミノ酸配列を有するポリペプチドの切断バージョンである、請求項1~16のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項18】
前記DAP12の切断バージョンが、配列番号9のアミノ酸22~113、62~113、22~61、または41~61を含む、またはそれからなる、請求項17に記載の免疫応答性細胞。
【請求項19】
前記DAP12ポリペプチドまたは前記その機能的変異体が、配列番号9~13のうちの任意の1つを含む、またはそれからなる、請求項1~14のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項20】
前記DAP10ポリペプチドまたは前記その機能的変異体と前記DAP12ポリペプチドまたは前記その機能的変異体とがリンカーによって結合されている、請求項1~19のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項21】
前記リンカーが、配列番号18~46のうちの任意のものに列挙されているアミノ酸配列を含む、またはそれからなる、請求項20に記載の免疫応答性細胞。
【請求項22】
前記リンカーが、配列番号33または38~44のうちの任意のものに列挙されているアミノ酸配列を含む、またはそれからなる、請求項20または請求項21に記載の免疫応答性細胞。
【請求項23】
前記融合ポリペプチドがN末端配列を含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項24】
前記融合ポリペプチドがC末端配列を含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項25】
前記N末端またはC末端配列が、Hisタグ、FLAGタグ、Argタグ、T7タグ、Strepタグ、Sタグ、AviTag(商標)、アプタマータグ、mycタグ、CD8αリーダー配列、4-1BBエンドドメイン、V5タグ、またはCD27エンドドメインのうちの1つまたは複数を含む、請求項23または請求項24に記載の免疫応答性細胞。
【請求項26】
前記N末端またはC末端配列が、CD8αリーダー配列、4-1BBエンドドメイン、またはCD27エンドドメインのうちの1つまたは複数を含む、請求項25に記載の免疫応答性細胞。
【請求項27】
前記融合ポリペプチドが、配列番号60~63のうちの任意の1つの配列を含む、またはそれからなる、請求項1~26のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項28】
前記融合ポリペプチドが:
(a)配列番号84を含まない;ならびに/または
(b)抗EpCAMペプチドを含まない;ならびに/または
(c)配列番号85を含まない;ならびに/または
(d)配列番号86を含まない;ならびに/または
(e)配列番号85および配列番号86の両方は含まない
、請求項1~8のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項29】
前記融合ポリペプチドが、そのC末端でヒトDAP12ポリペプチドのエンドドメインと融合した完全長ヒトDAP10を含む、またはそれからなり、前記エンドドメインが、ヒトDAP12のアミノ酸62~113によってコードされている、請求項1~28のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項30】
前記融合ポリペプチドが配列番号60の配列を有する、請求項1~29のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項31】
前記CXCR2ポリペプチドのアミノ酸配列が、配列番号87の配列と少なくとも約85%の配列同一性を有する、請求項1~30のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項32】
前記CXCR2ポリペプチドが配列番号87のアミノ酸配列を有する、請求項31に記載の免疫応答性細胞。
【請求項33】
前記免疫応答性細胞がT細胞またはナチュラルキラー(NK)細胞である、請求項1~32のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項34】
前記免疫応答性細胞がαβ T細胞、γδ T細胞、CD4
+ T細胞、CD8
+ T細胞、ナチュラルキラーT(NKT)細胞、またはその任意の組合せである、請求項33に記載の免疫応答性細胞。
【請求項35】
(a)NKG2Dポリペプチドと;
(b)(i)DNAX活性化10(DAP10)ポリペプチドまたはその機能的変異体および(ii)DNAX活性化タンパク質12(DAP12)ポリペプチドまたはその機能的変異体を含む融合ポリペプチドと;
(c)CXCR2ポリペプチドと
をコードしている核酸分子。
【請求項36】
前記核酸分子がキメラポリヌクレオチドである、請求項35に記載の核酸分子。
【請求項37】
前記核酸分子が5’から3’に、(i)前記ヒトDAP12のエンドドメインとインフレームのヒトDAP10、(ii)第1のプロテアーゼ切断部位、(iii)第1のリンカー、(iv)第1のリボソームスキップペプチド、(v)ヒトNKG2D、(vi)第2のプロテアーゼ切断部位、(viii)第2のリンカー、(viii)第2のリボソームスキップペプチド、および(ix)ヒトCXCR2をコードしている、請求項36に記載の核酸分子。
【請求項38】
前記核酸分子が配列番号88のヌクレオチド配列を含む、請求項35~37のいずれか一項に記載の核酸分子。
【請求項39】
前記核酸が配列番号91のヌクレオチド配列を有する、請求項35~38のいずれか一項に記載の核酸分子。
【請求項40】
請求項35~39のいずれか一項に記載の核酸配列を含むベクター。
【請求項41】
前記ベクターがレンチウイルスベクターまたはレトロウイルスベクターである、請求項40に記載のベクター。
【請求項42】
前記ベクターがSFGレトロウイルスベクターである、請求項41に記載のベクター。
【請求項43】
(a)T細胞またはナチュラルキラー細胞を、請求項35~39のいずれか一項に記載の核酸分子または請求項40~42のいずれか一項に記載のベクターで形質導入するステップと、
(b)前記形質導入した細胞がNKG2Dポリペプチド、DAP10/DAP12融合ポリペプチド、およびCXCR2ポリペプチドを発現し、前記NKG2DポリペプチドおよびDAP10/DAP12融合ポリペプチドが前記細胞膜中で会合するように、前記T細胞またはナチュラルキラー細胞を培養するステップと
を含む、請求項1~34のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞を作製する方法。
【請求項44】
対象に、治療上有効な量の請求項1~34のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞を投与するステップを含む、癌を有する対象を処置する方法。
【請求項45】
前記免疫応答性細胞を、前記対象の自家であるTまたはNK細胞から製造する、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記癌が固形腫瘍癌である、請求項44または請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記固形腫瘍癌が、肝臓癌、肺癌、乳癌、前立腺癌、リンパ系癌、結腸癌、腎臓癌、骨癌、膵癌、皮膚癌、頭頸部癌、皮膚もしくは眼内悪性黒色腫、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、肛門部癌、胃癌、精巣癌、子宮癌、甲状腺癌、食道癌、小腸癌、またはそれらの任意の組合せである、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記固形腫瘍癌が卵巣癌である、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
癌の処置または予防において使用するための、請求項1~34のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項50】
(a)ヒトNKG2D細胞外ドメインまたはその変異体およびネズミNKG2D膜貫通ドメインまたはその変異体を含む、キメラNKG2Dポリペプチドと;
(b)CXCR2ポリペプチドと;
(c)少なくとも1つのDNAX活性化タンパク質12(DAP12)ポリペプチドまたはその変異体および少なくとも1つのDNAX活性化タンパク質10(DAP10)ポリペプチドまたはその変異体と
を含む免疫応答性細胞。
【請求項51】
前記ヒトNKG2D細胞外ドメインが、配列番号95、配列番号96、または配列番号97に記載の配列を有する、請求項50に記載の免疫応答性細胞。
【請求項52】
前記ネズミNKG2D膜貫通ドメインが、配列番号98、配列番号99、配列番号100、または配列番号101に記載の配列を有する、請求項50または請求項51に記載の免疫応答性細胞。
【請求項53】
前記キメラNKG2Dポリペプチドが前記ヒトNKG2D細胞外ドメインの変異体を含み、前記変異体が、配列番号95、96、または97のうちの任意のものと少なくとも80%の配列同一性を有する、請求項50に記載の免疫応答性細胞。
【請求項54】
前記キメラNKG2Dポリペプチドが前記ネズミNKG2D膜貫通ドメインの変異体を含み、前記変異体が、配列番号98、99、100、または101のうちの任意のものと少なくとも80%の配列同一性を有する、請求項50~51または請求項53のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【請求項55】
前記細胞が配列番号102に記載の配列と少なくとも90%の配列同一性を有するポリペプチドを含む、請求項50~54のいずれか一項に記載の免疫応答性細胞。
【国際調査報告】