(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】直流調理器
(51)【国際特許分類】
F24C 7/04 20210101AFI20240305BHJP
F24C 7/10 20210101ALI20240305BHJP
A47J 37/06 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
F24C7/04 301Z
F24C7/10
A47J37/06 321
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557681
(86)(22)【出願日】2022-03-16
(85)【翻訳文提出日】2023-11-20
(86)【国際出願番号】 US2022020535
(87)【国際公開番号】W WO2022197793
(87)【国際公開日】2022-09-22
(32)【優先日】2021-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523356293
【氏名又は名称】ケニオン・インターナショナル・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ライシュマン
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・ウィリアムズ
【テーマコード(参考)】
3L087
4B040
【Fターム(参考)】
3L087AA01
3L087AA03
3L087AA06
3L087CA20
3L087DA24
4B040AA03
4B040AA08
4B040AB04
4B040AC03
4B040AD04
4B040AE13
4B040CA16
4B040CB04
4B040CB30
4B040GA02
4B040GD11
4B040GD30
(57)【要約】
誘導または抵抗ベースのDC加熱要素を使用し、AC電力加熱要素を除外し、好ましくは、直接接続された燃焼動力加熱要素に依存しないDC電力調理器。いくつかの実施形態は、1500ワット以下のワット数、40または48ボルト以上の電圧を含み、ボート、バン、rvまたはバスのインバータが調理器に電気的に接続されないように、ボート、バン、rvまたはバスに設置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理面を加熱するように構成された調理器であって、
コントローラと、
直流(DC)電力加熱要素であって、前記コントローラ及び加熱要素が、DC電位源に接続するように構成される、DC電力加熱要素と
を備え
前記コントローラによる前記DC電力加熱要素の作動が、前記DC電力加熱要素に隣接して配置されるように構成された前記調理面を加熱するように構成され、
前記調理器が、交流(AC)電力加熱要素を除外し、燃焼加熱要素を除外する、
調理器。
【請求項2】
前記加熱要素が、誘導DC電力加熱要素であり、前記調理面を備える調理容器を支持するように構成される支持体を更に備え、前記コントローラによる前記DC電力加熱要素の作動が、前記調理面を加熱する、請求項1に記載の調理器。
【請求項3】
前記加熱要素が、抵抗DC電力加熱要素である、請求項1に記載の調理器。
【請求項4】
1500ワット以下で動作するように構成される、請求項1に記載の調理器。
【請求項5】
前記DC電力加熱要素が、20ボルト以上のDC電位源に接続される、請求項1に記載の調理器。
【請求項6】
前記DC電力加熱要素が、30ボルト以上のDC電位源に接続される、請求項1に記載の調理器。
【請求項7】
前記DC電力加熱要素が、40ボルト以上のDC電位源に接続される、請求項1に記載の調理器。
【請求項8】
前記調理器が、燃焼活性化DC電源から電力を能動的に消費することなく動作するように構成される、請求項1に記載の調理器。
【請求項9】
ビークルであって、前記ビークルの上に、または前記ビークル内に設置される前記調理器を含む、ビークル
を更に備える、請求項1に記載の調理器。
【請求項10】
前記ビークルが、電池駆動電気ビークルであり、前記調理器が、前記ビークルの電池に接続される、請求項1に記載の調理器。
【請求項11】
前記ビークルの前記電池が、前記ビークルを移動させる1以上の電気モータに更に給電し、前記ビークルが、陸上、海上または航空ビークルである、請求項10に記載の調理器。
【請求項12】
2000W以下のワット数定格を有する、請求項1に記載の調理器。
【請求項13】
前記DC電位源が、電池、ソーラーパネル、風力発電機を備えるグループから選択される、請求項1に記載の調理器。
【請求項14】
前記DC電位源が、AC電源から電力を受け取っていないとき、前記DC電位源が、前記調理器に給電するように構成される、請求項1に記載の調理器。
【請求項15】
前記コントローラの最大電力設定において、前記調理器が、40アンペア未満を消費する、請求項1に記載の調理器。
【請求項16】
前記コントローラの最大電力設定において、前記調理器が、30アンペア未満を消費する、請求項1に記載の調理器。
【請求項17】
前記調理面が、グリルまたはグリドルであり、前記コントローラの最大電力設定において、前記調理器が、40アンペア未満を消費し、グリル蓋を閉じ、前記調理器を70°Fの環境に配置した状態で、10分以内にグリル面の温度を500度に上昇させるために十分な熱を発生する、請求項1に記載の調理器。
【請求項18】
2000W以下のワット数定格を有する、請求項1に記載の調理器。
【請求項19】
1600W以下のワット数定格を有する、請求項1に記載の調理器。
【請求項20】
1400W以下のワット数定格を有する、請求項1に記載の調理器。
【請求項21】
前記コントローラ及び前記加熱要素が、前記加熱要素よりも低いDC電圧で動作する前記コントローラと異なる電圧で動作するように、前記コントローラと前記DC電位源との間に電気的に配置された電圧を降圧するデバイスを更に備える、請求項1に記載の調理器。
【請求項22】
前記加熱要素が、前記コントローラの前記電圧の少なくとも7倍の電圧で動作する、請求項21に記載の調理器。
【請求項23】
調理面を加熱するように構成された調理器であって、
コントローラと、
直流(DC)電力加熱要素であって、前記コントローラ及び加熱要素が、DC電位源に接続するように構成される、DC電力加熱要素と
を備え、
前記コントローラによって前記DC電力加熱要素の作動が、前記調理面内に熱を発生するように構成され、
前記調理器が、交流(AC)電力加熱要素を除外する、
調理器。
【請求項24】
前記DC電位源が、前記DC電位源と前記DC電力加熱要素との間に、電気的に配置されたインバータまたは他のDC-AC変換デバイスなしに接続される、請求項1に記載の調理器。
【請求項25】
前記DC電力加熱要素が、DC電力誘導加熱要素である、請求項23に記載の調理器。
【請求項26】
調理面内に熱を発生するように構成された調理器であって、
加熱要素と、
前記加熱要素に電気的に接続されるコントローラであって、前記コントローラが、電力出力を変更する変換デバイスを含み、前記コントローラが、DC電位源に直接接続して、前記加熱要素への電力出力を変更するように構成される、コントローラと
を備え、
前記コントローラによる前記加熱要素の作動が、前記調理面内に熱を発生するように構成され、
前記調理器が、燃焼加熱要素を除外する、
調理器。
【請求項27】
前記コントローラが、パルス幅変調(PWM)コントローラである、請求項25に記載の調理器。
【請求項28】
前記PWMコントローラが、DC入力を、前記加熱要素に対する正電圧と負電圧との両方の変動パルス幅の波形に変換する、請求項26に記載の調理器。
【請求項29】
調理器を有するビークルであって、
DC電位源を有するビークルと、
加熱要素を含むハウジングを備える調理器と、
前記加熱要素に電気的に接続されるコントローラであって、前記コントローラが、前記加熱要素への電力出力を制御し、前記コントローラによる前記加熱要素の作動が、熱を発生するために、前記DC電位源からの電気を消費するように構成され、前記調理器が、燃焼加熱要素を除外する、コントローラと
を備え、
前記調理器が、前記DC電位源と前記調理器との間に電気的に配置されたDC-AC変換デバイスなしに、前記DC電位源に接続される、
ビークル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下は、調理器、より詳細には、グリル、料理用レンジ、ホットプレートなどの直流(DC)調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
電気調理器には多くの形状、サイズ、及び種類があるが、調理には多くの場合大量の熱、したがってワット数が必要であるので、許容可能な加熱を得るためには多くの場合、高すぎるアンペア数を必要とし、DCは、望ましくない電源と通常見なされてきた。交流(AC)については、家庭ではACで通常電力供給され、電圧がDCとは対照的にACの方が通常高く、電流要件が極めて低いので、普及している。
【0003】
しかしながら、AC調理器は、ACが利用可能な一次電源ではない特定の状況において負担となる。例えば、船舶は、エンジンから電力を供給するためのオルタネータを有することが多く、これは、しばしばDC電力として現れる。船舶キッチンにおいて現在利用可能なAC調理器に給電するためには、DCをACに変換するインバータが必要である。
【0004】
調理器がオフであるときに充電され、次いでオンになったときにAC電源が最初の1800ワットを供給し、DC電池及び加熱要素が追加のワット数を供給して、15アンペアを超える電流を消費することなく1800ワットを超える合成電力定格を得るという点で、DC電力とAC電力との両方の併用について記載している特許文献1のようないくつかの複合AC及びDCグリルが理論付けられている。本発明の主な目的は、DCを使用して余分な加熱を得ることであり、主な(かつ唯一の)熱源ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】カナダ特許第2,292,674号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、AC加熱要素を使用せずに、DC電力加熱要素を主熱源として使用する調理器、好ましくはDCのみの電力グリルを提供することである。
【0007】
更に、本発明の目的は、インバータまたはDC-ACコンバータの必要性を回避/排除するために、船舶、RV、オフグリッド構造及び他の場所に適したDC電力調理器を提供することである。
【0008】
更に、本発明の目的は、高電圧DC電池によって給電され得るDC調理器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これら及び他の目的は、コントローラと、直流(DC)電力加熱要素と、を備える調理器を提供することによって実現され、コントローラ及び加熱要素は、DC電位源に接続するように構成される。コントローラによるDC電力加熱要素の作動は、調理面を加熱するために、DC電力加熱要素に隣接して配置されるように構成された調理面を加熱するように構成される。調理器は、交流(AC)電力加熱要素を除外し、燃焼加熱要素を除外する。
【0010】
特定の態様では、加熱要素は、誘導DC電力加熱要素であり、調理面を備える調理容器を支持するように構成された支持体を更に備え、コントローラによるDC電力加熱要素の作動は、調理面を加熱する。他の態様では、加熱要素は、抵抗DC電力加熱要素である。他の態様では、調理器は、1500ワット以下で動作するように構成される。更に他の態様では、DC電力加熱要素は、30ボルト以上、35ボルト以上、より好ましくは40ボルト以上のDC電位源に接続される。更に他の態様では、調理器は、燃焼活性化DC電源から電力を能動的に消費することなく動作するように構成される。
【0011】
更に他の態様ではビークルは、ビークルの上に、またはビークル内に設置される調理器を含む。更に他の態様では、ビークルは、電池駆動電気ビークルであり、調理器は、ビークルの電池に接続される。更に他の態様では、ビークルの電池は、ビークルを移動させる1以上の電気モータに更に電力を供給し、ビークルは陸上、海上または航空ビークルである。更に他の態様では、調理器は、2000W以下のワット数定格を有する。更に他の態様では、DC電位源は、電池、ソーラーパネル、風力発電機を備えるグループから選択される。更に他の態様では、DC電位源がAC電源から電力を受け取っていないとき、DC電位源は、調理器に給電するように構成される。
【0012】
更に他の態様では、調理器は、コントローラの最大電力設定で40アンペア未満または30アンペア未満を消費する。更に他の態様では、調理面は、グリルまたはグリドルであり、コントローラの最大電力設定では、調理器が、40アンペア未満を消費し、グリル蓋を閉じ、調理器を70°Fの環境に配置した状態で、10分以内にグリル面の温度を500度に上昇させるために十分な熱を発生する。更に他の態様では、調理器は、1600W以下、または1400W以下のワット数定格を有する。
【0013】
更に他の態様では、コントローラ及び加熱要素が、加熱要素よりも低いDC電圧で動作するコントローラと異なる電圧で動作するように、コントローラとDC電位源との間に電気的に配置された電圧を降圧するデバイスを含む。更に他の態様では、加熱要素は、コントローラの電圧の少なくとも7倍の電圧で動作する。
【0014】
他の目的は、コントローラと、直流(DC)電力加熱要素と、を有する調理器によって実現され、コントローラ及び加熱要素は、DC電位源に接続するように構成される。コントローラによるDC電力加熱要素の作動は、DC電力加熱要素に隣接して配置されるように構成された調理面を加熱する。調理器は、交流(AC)電力加熱要素を除外する。
【0015】
他の態様では、DC電位源は、DC電位源とDC電力加熱要素との間に電気的に配置されたインバータまたは他のDC-AC変換デバイスなしに、接続される。
【0016】
更に他の態様では、調理器は、加熱要素と、加熱要素に電気的に接続されたコントローラと、を設けられる。コントローラは、電力出力を変更する変換デバイスを含み、コントローラは、DC電位源に直接接続して、加熱要素への電力出力を変更するように構成される。コントローラによる加熱要素の作動は、調理面を加熱する加熱要素に隣接して配置されるように構成された調理面を加熱するように構成される。調理器は、燃焼加熱要素を除外する。
【0017】
特定の態様では、コントローラは、パルス幅変調(PWM)コントローラである。他の態様では、PWMコントローラは、DC入力を、加熱要素に対する正電圧と負電圧との両方の変動パルス幅の波形に変換する。
【0018】
他の態様では、調理器を有するビークルが提供される。ビークルは、DC電位源を有する。調理器は、加熱要素と、加熱要素に電気的に接続されるコントローラであって、コントローラが、加熱要素への電力出力を制御する、コントローラと、を有し、コントローラによる加熱要素の作動は、熱を発生するために、DC電位源からの電気を消費するように構成され、調理器は、燃焼加熱要素を除外する。調理器は、DC電位源と調理器との間に電気的に配置されたDC-AC変換デバイスなしに、DC電位源に接続される。いくつかの実施形態では、調理器は、ハウジング内に収容され、DC-AC変換デバイスは、ハウジングとDC源との間に電気的に配置されない。
【0019】
特定の態様では、DC電力加熱要素は、DC電力誘導加熱要素である。
【0020】
本発明の他の目的、ならびにその特定の機能及び利点は、以下の図面及び添付の詳細な説明を考慮することによってより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【発明を実施するための形態】
【0022】
ここで図面を参照すると、同様の参照番号は、図面全体を通して対応する構造を示す。以下の実施例は、本発明を更に例示及び説明するために提示されており、いかなる点においても限定として解釈されるべきではない。
【0023】
図1A~
図1Bは、DC電力グリルを示している。この場合の調理面18は、材料が下方のドリップパンに通過することを可能にするいくつかの穴を内部に有するグリル火格子である。ハウジング16は、多くの熱を保持するために閉じるようなカバー/蓋を含む。DC電力加熱要素2。グリル火格子18は、米国特許第10,349,776号に開示されているタイプのものであってもよく、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
図1A~
図1Dの各々から分かるように、DC加熱要素2は、調理器のための唯一の加熱要素であり、AC加熱要素は、コントローラに給電するためにDCをACに変換するインバータと同様に除外される。電池6は、AC電力に接続され得る充電器8によって充電され得ると考えられる。充電器8は、AC電力をDCに変換して、コントローラ4及びDC加熱要素2の電源として機能することも考えられる。このようにして、船舶100(
図2)がドックに入ると、船舶は、AC電力として通常供給される陸上電力に接続され得る。同じことが、RV、食品トラックなどの他の移動ユニットにおけるDC調理器の使用にも当てはまる。オフグリッドの家は、DC加熱要素2に給電するためにコントローラ4が電池6から電力を消費している間に、電池6を充電する充電器8に電気を供給するソーラーパネルを有し得ると更に考えられる。いずれの場合でも、DC調理器は、DCによって給電され、したがってインバータの必要性を除外する。
【0024】
好ましくは、DC加熱要素2は、DC電源を受け入れ、好ましい電源は、40v以上、より好ましくは48v以上、更により好ましくは50v以上、60v以上、70v以上、または更に100v以上のDC電源である。しかしながら、例えば、12v、24vまたはその他の低い電圧が有用であり得ると考えられる。特に、電池6が、これらの電圧を供給してもよい。コントローラは、米国特許第10,349,776号に開示されているような単純な手動ノブ制御、または複雑な電子ディスプレイ、または静電容量式タッチ感知制御であってもよい。コントローラは、DC電源よりも低い電圧で動作し得ると考えられる。例えば、6v、12vまたは24vが、コントローラに給電するために使用される一方で、DC加熱要素2は、高い電圧を使用してもよい。これは、必要に応じて電圧を降圧するコントローラ4内のコンバータによって実現され得る。また、コントローラ4は、DC電源と同じ電圧で動作してもよい。
【0025】
図1B及び
図1Dは、船舶の状況、rvの状況、または燃焼モータ14が利用可能な他の状況に、最も通常関連する実施形態を示している。特に、オルタネータ12は、モータの回転及びトルクをオルタネータ12に伝達する、駆動軸、ギアまたは他のデバイスによってモータ14に接続される。次いで、このオルタネータは、必要な電圧がDCで出力されることを保証する電圧レギュレータ10に接続される。このDC電圧は、電池6を充電する充電器8に供給されてもよい。レギュレータ10からのDC電圧はまた、コントローラ4を介して調理器に直接接続し得る。したがって、調理器が、AC電力を使用して電池を充電し得るが、最終的にインバータは必要ではなく、加熱要素2は、DCで給電され、AC電力が利用できないとき、DC電力は、オルタネータ12及び/または電池6から供給され得る。
【0026】
図1C~
図1Dは、DC加熱要素2が、DC誘導コイルであり、鍋/調理容器18’が、調理面を提供する実施形態を示している。ハウジング16は、鍋18’の下にガラス上部支持面を含み得る。
図1A~
図1Bは、DC加熱要素2がDC抵抗加熱要素である実施形態を示している。好ましい実施形態におけるDC加熱要素2は、1800ワット未満、より好ましくは1500ワット未満、更により好ましくは1400ワット未満の熱を提供する。器具の最大消費電流は、好ましくは、35アンペア未満、より好ましくは30アンペア未満、更により好ましくは25アンペア未満、最も好ましくは20アンペア以下である。本明細書で論じるように、48v以上の高いDC電圧で、1800ワットを超えることが通常企図される。場合によっては、電流を60アンペア未満の適度に低いレベルに保ちつつ、適切な電池電圧で2000ワットまたは2500ワット以上を使用し得る。
【0027】
図2は、グリルハウジング、誘導料理用レンジハウジング、オーブンハウジングなどであってもよいそのハウジング16内にDC加熱要素2を有するDC調理器の一例を示している。好ましくは、グリル/オーブンの実施形態は、抵抗ベースの加熱コイルを使用する。複数の電池6からなる電池バンク200は、レーダ、制御システム、照明などの船舶上の他の機器に給電し得る。更に、電池電力を使用して船舶100を推進するオール電化船舶を提供し得ると考えられる。調理器はまた、RV内、バン内、オフグリッドの家内、または電池駆動式、ハイブリッド電池/燃焼動力式、または燃焼動力式であり得る他の自己完結型/自立給電ユニット内、にあってもよい。しかしながら、調理器がDC電力であるため、インバータを用いてDCからACに変換する必要はなく、むしろ電池バンクが調理器に給電し、またはオルタネータが調理器に給電し得る。
【0028】
図1~
図2ではDC電源として電池を示しているが、他のDC電源も考えられる。
図3は、約48vであってもよいDC電源6’を有する
図1A~
図1Bの配線に関する更なる詳細を示している。これは、船舶/ビークルのオルタネータ、電池、太陽光、風力、または他のDC電源からのものであってもよい。好ましい実施形態では、DC電源は、燃焼によって直接給電されない。ソリッドステートリレー24は、コントローラ4及び回路基板26によって提供され、制御される。図示のコントローラパッド40は、CAT5(例えば、イーサネット)ケーブルを介して回路基板26に接続され、抵抗ベースの加熱要素として示している加熱要素2への電圧出力を調整する。コントローラパッド40及び回路基板26を冷却するために、DCファン20が設けられている。好ましい実施形態では、コントローラパッド40、回路基板26及びDCファン20の電圧は、すべて6v未満、好ましくは3vまたは5vである。他のコントローラの変形形態が使用されてもよく、コントローラ4は、可変抵抗器を使用してパルスの幅を制御する単純なPWM(パルス幅変調)コントローラであってもよいことも考えられる。したがって、コントローラは、例えば、DC電源からの平均電力出力を変更するいくつかの変換デバイスから選択されてもよい。その出力は、加熱要素への電力出力を制御するために調理器へのDC入力を変更し得る様々な他の変換デバイス及び制御デバイスと共に、装置加熱要素に出力される正と負との両方の電圧を有する方形波(すべて正)または交流方形波、平滑化されたDC出力(例えば、出力を平滑化するためにコンデンサ/抵抗器/誘導デバイスを使用するPWM)の形態であってもよい。
【0029】
電圧は、3vコントローラ(または5vコントローラ)が識別されるときに適用可能な電圧の業界における既知の範囲があるため、3vが必ずしも正確に3.0vで動作するとは限らないという点で、電圧がどのように識別されるかに関して業界標準を参照することが理解される。例えば、3vは、3.3vと呼ばれることもある。DC電源全般についても同様である。例えば、48v電源は、入力が正確に48.0vではないように、電池の化学的性質またはソーラーパネルアレイの構成に起因する範囲またはわずかに異なる電圧を指す場合がある。これらの電圧は例示にすぎず、制限されない。
【0030】
また、回路基板には、グリル火格子/グリドルの温度を測定するためにグリル火格子/グリドルの底部に接触する温度センサ(例えば、抵抗熱検出器、つまりRTD)が接続されている。その温度は、ユーザが温度を設定することができ、コントローラがRTDからの読み取り値に基づいて調理面をその温度に維持するように、加熱要素2への熱出力を調整するために使用され得る。制御パッド40及び回路基板26は、熱設定の選択を可能にし、加熱要素2へのDC出力を調整するために、コントローラ4として動作する。多くの場合、コントローラ4は、例えば完全な48vで約1300wが生成されるように加熱要素2への電圧出力を調整し、一方、コントローラが、-2とラベル付けされたコネクタでSSR24から出る電圧を低減すると、ワット出力は低くなる。
【0031】
したがって、特定の実施形態では、コントローラとSSDとの両方が、降圧電圧を提供して、コントローラが、低い電圧(例えば3vまたは5v)で動作することを可能にし、次いで、加熱要素が、電源の電圧まで動作することを可能にする。好ましい実施形態では、加熱要素に印加され得る入力電圧は、コントローラ電圧の少なくとも5倍、より好ましくは少なくとも6倍、少なくとも7倍、または少なくとも8倍、9倍もしくは10倍以上である。
【0032】
図4及び
図5を参照すると、完全なグリルが、
図5に詳細に示している火格子18の部分的な切り欠き図と共に示している。グリルハウジング16は、蓋50と、ベースハウジング64と、を備える。蓋は、開閉を可能にし、熱を保持するために、ヒンジ54が付いている。RTD22は、火格子18を受け入れるグリルの開口部52から、具体的には後縁部56から延在する。加熱要素2はまた、火格子18またはグリドル及び加熱要素2を収容するグリルの直線開口の一部である後縁部56に接続して示している。RTD22は、火格子温度を測定するために火格子18の下部内のチャネル内に位置する。制御パッド40は、ユーザが図示の2つの異なるゾーンの熱を調整することを可能にするために設けられる。単一のゾーン制御パッドが設けられ、グリル用の単一のゾーンが設けられてもよく、したがって、グリルを
図4に示すものよりも小さくし、本質的に、
図4に示す2つのゾーンのうちの1つのみを有することが更に考えられる。小さいサイズのDCグリルは、キャンプ、ボート遊び、ビークルへの搭載、あるいは携帯性及び/または省スペースが重要であるまたは他のシナリオで、特に有用であり得る。DCグリルは、容易に解放し、再充電し、再使用し得る電動工具電池と同様の充電式電池パックによって給電されてもよい。グリルには、市販の携帯型電池バンクに差し込み得るコネクタ、例えばシガーライター型プラグを、または電動工具電池が工具に接続される方法と同様の他のユーザが取り外し可能なコネクタを、設けてもよいと考えられる。これらの電池は、例えば、20v以上、24v以上、28v以上、36v以上、40v以上、48v以上、56v以上、60v以上、80v以上を含んでもよい。しかしながら、高電圧の電池は、降圧コンバータと組み合わせて使用されてもよい。例えば、電気自動車は、300v以上、例えば315v、375v以上の電圧を有する電池を有することが多い。調理器がこれらの電池のうちの1つによって給電される状況では、低い電圧を使用するために降圧電圧コンバータを利用することが有益であり得る。あるいは、高い電圧定格の加熱要素は、高い電圧範囲を制御するように構成されたコントローラと共に使用されてもよく、コントローラに対する加熱要素の最大入力の電圧倍数は、50、55、60、65、70以上であってもよい。制御パッド40及び回路基板26は、28v未満、12v未満、または6v未満(例えば、3vまたは5v)の低い電圧で通常動作する。配線図に示すように、電源6’の入力電圧は、基準電圧としての回路基板26の入力であってもよく、これにより、コントローラ4は、正しい降圧を実施し得るように、また、コントローラが、入力電圧がいくらであるかを知って電力出力を制御し得るように、いくらの電圧から開始しているかを決定し得る。
【0033】
いくつかの好ましい実施形態では、グリルは、燃焼動力ユニットに接続することなく動作してもよく、例えば、エンジンが動作しておらず、電池電力のみを使用する船舶/車において動作してもよいが、使用されていないときにグリルのために電池を充電し、その後、エンジンが動作していない状態でグリルが動作することを可能にし、したがって、能動燃焼動力への直接接続を形成しないオルタネータ/充電器機構を、船舶/車は含んでもよい。このようにして、グリルは、エンジンまたは発電機を動作させることなく、好ましくは電池、ソーラーパネル、風力発電機、または能動的な燃焼を必要としない他の同様のDC電源から消費することによって、例えば、オフグリッドを、燃焼発電機なしに動作し得るように、通常使用され得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、グリルは、電気自動車またはハイブリッドビークル(船舶、車、バン、RV、ゴルフカートなどを含み得る)の電池から直接電力を消費し、コントローラ4は、ビークル電池コントローラに更に接続されて、グリルでビークル電池を意図せずに枯渇することを防止でき、またはSMSもしくは他の電子メッセージングを介してユーザに警告することによって、またはビークルを移動させるために使用される電池を消費することを回避するためにグリルを自動的に閉じることによって、枯渇を防止できる。
【0035】
本明細書で説明するように、調理器は、AC電力加熱要素を除外し、更に燃焼加熱要素を除外する。例えば、これは、グリルを加熱するために木材/木炭を燃焼/燻すように設計された様々なバスケット及びホルダを排除すると共に、ガス、木材及び木炭の燃焼能力を排除する、特にガス点火器及びノズルを排除する。更に、いくつかの態様では、入力が既にDCであるため、特に電源電圧とコントローラとの間に整流器または等価物は必要ない。例えば、整流回路は、正及び負のピークを有する通常正弦波AC波を、正のピークまたは負のピークのいずれかのみを有するように変換する一連のダイオードを特徴とする。次に、コンデンサが、これらの正または負のピークを平滑化して安定した電圧(または更に安定した電圧)にするために設けられる。これは、正弦波AC波を一定(または更に一定)DC出力に変換し得る整流回路及び等価回路の1つのタイプにすぎないことが知られている。したがって、このタイプの回路は、電気DCグリルでは必要とされないが、ACグリルは、DCコントローラを用いて通常作られ、整流器または同等物を必要とする。DC機器は、熱を発生することと、その熱生成を制御することとの両方のために、同じ種類の電力(この例ではDC)を使用する利点を有する。
【0036】
いくつかの態様では、本明細書のコントローラは、グリル上のソリッドステートリレー及びDC加熱コイルを駆動するために使用されるパルス幅変調(PWM)コントローラであってもよい。PWMコントローラは、別のタイプの降圧電圧コントローラと考えられる。しかしながら、パルスの「オン」部分の間に供給される実際の電圧は、通常ラインまたは入力電池/電源電圧であってもよいが、これらのパルスの幅(時間)を変えることによって、平均電圧が低下することが理解される。場合によっては、パルスでの出力は、いくつかの既知の回路または回路構成要素によって平滑化されてもよく、例えば、コンデンサの使用は1つの選択肢である。コンデンサは、負極性及び正極性を有するAC正弦波がブリッジダイオード回路によって正(または単に負)になるように変換され、次いで谷がコンデンサによって平滑化され、安定したDC電圧を供給するという点で、AC-DC変換に使用されることが多い。PWMコントローラは、可変抵抗ノブまたはPWMコントローラのドライバ回路内の統合制御によって制御され得る。したがって、PWMコントローラは、パルス中に電圧が0(パルス間)から電池電圧までの間に入るという点で一部交流を生成し得るが、これは交流とは見なされない。代わりに、ACは、その波形サイクル中に極性を変化する電圧に関連する。しかしながら、PWMコントローラは、DC(例えば、滑らかなパルスまたは他の形態)あっても、純粋なAC(正弦波)であっても、修正されたAC(例えば、交流パルス)あっても、加熱要素が、熱を放散するように設計された抵抗器であってもよいため、DCによって給電されることが依然として好ましく、加熱要素に交流電圧を出力し得る。PWMは、加熱要素に供給される平均電圧を低下させる(それによって平均電力を低下させる)ために、電力の交流パルスを通常供給し、電力を供給しないことによって、加熱要素に分配される平均電力を低下させるように動作する。電流コントローラはまた、加熱要素に分配される電力を変化させるために、使用され得る。
【0037】
本発明を部品、機能などの特定の配置を参照して説明してきたが、これらはすべての可能な配置または機能を排除することを意図するものではなく、実際には多くの他の修正及び変形が当業者には確認可能である。
【符号の説明】
【0038】
2 DC電力加熱要素、4 コントローラ、6 電池、6’ 電源、8 充電器、10 電圧レギュレータ、12 オルタネータ、14 モータ、16 ハウジング、18 調理面、グリル火格子、18’ 鍋/調理容器、20 DCファン、24 ソリッドステートリレー、26 回路基板、40 コントローラパッド,制御パッド、50 蓋、52 開口部、54 ヒンジ、56 後縁部、64 ベースハウジング、100 船舶、200 電池バンク
【手続補正書】
【提出日】2023-11-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理面を加熱するように構成された調理器であって、
コントローラと、
直流(DC)電力加熱要素であって、前記コントローラ及び加熱要素が、DC電位源に接続するように構成される、DC電力加熱要素と
を備え
前記コントローラによる前記DC電力加熱要素の作動が、前記DC電力加熱要素に隣接して配置されるように構成された前記調理面を加熱するように構成され、
前記調理器が、交流(AC)電力加熱要素を除外し、燃焼加熱要素を除外する、
調理器。
【請求項2】
前記加熱要素が、誘導DC電力加熱要素であり、前記調理面を備える調理容器を支持するように構成される支持体を更に備え、前記コントローラによる前記DC電力加熱要素の作動が、前記調理面を加熱する、請求項1に記載の調理器。
【請求項3】
前記加熱要素が、抵抗DC電力加熱要素である、請求項1に記載の調理器。
【請求項4】
1500ワット以下で動作するように構成される、請求項1に記載の調理器。
【請求項5】
前記DC電力加熱要素が、20ボルト以上のDC電位源に接続される、請求項1に記載の調理器。
【請求項6】
前記DC電力加熱要素が、30ボルト以上のDC電位源に接続される、請求項1に記載の調理器。
【請求項7】
前記DC電力加熱要素が、40ボルト以上のDC電位源に接続される、請求項1に記載の調理器。
【請求項8】
前記調理器が、燃焼活性化DC電源から電力を能動的に消費することなく動作するように構成される、請求項1に記載の調理器。
【請求項9】
ビークルであって、前記ビークルの上に、または前記ビークル内に設置される前記調理器を含む、ビークル
を更に備える、請求項1に記載の調理器。
【請求項10】
前記ビークルが、電池駆動電気ビークルであり、前記調理器が、前記ビークルの電池に接続され
、
前記ビークルの前記電池が、前記ビークルを移動させる1以上の電気モータに更に給電し、前記ビークルが、陸上、海上または航空ビークルである、請求項1に記載の調理器。
【請求項11】
2000W以下のワット数定格を有する、請求項1に記載の調理器。
【請求項12】
前記DC電位源が、電池、ソーラーパネル、風力発電機を備えるグループから選択される、請求項1に記載の調理器。
【請求項13】
前記DC電位源が、AC電源から電力を受け取っていないとき、前記DC電位源が、前記調理器に給電するように構成される、請求項1に記載の調理器。
【請求項14】
前記コントローラの最大電力設定において、前記調理器が、40アンペア未満を消費する、請求項1に記載の調理器。
【請求項15】
前記調理面が、グリルまたはグリドルであり、前記コントローラの最大電力設定において、前記調理器が、40アンペア未満を消費し、グリル蓋を閉じ、前記調理器を70°Fの環境に配置した状態で、10分以内にグリル面の温度を500度に上昇させるために十分な熱を発生する、請求項1に記載の調理器。
【請求項16】
前記コントローラに電気的に接続されかつ前記コントローラによって制御されるソリッドステートリレーを更に備え、
前記コントローラによる前記DC電力加熱要素の作動が、前記ソリッドステートリレーのスイッチを入れることによって引き起こされ、前記調理面に熱を発生させるために、DC電位を前記DC電位源から供給する、請求項1に記載の調理器。
【請求項17】
前記コントローラ及び前記加熱要素が、前記加熱要素よりも低いDC電圧で動作する前記コントローラと異なる電圧で動作するように、前記コントローラと前記DC電位源との間に電気的に配置された電圧を降圧するデバイスを更に備える、請求項1に記載の調理器。
【請求項18】
前記加熱要素が、前記コントローラの前記電圧の少なくとも7倍の電圧で動作する、
請求項17に記載の調理器。
【請求項19】
前記DC電位源が、前記DC電位源と前記DC電力加熱要素との間に、電気的に配置されたインバータまたは他のDC-AC変換デバイスなしに接続される、請求項1に記載の調理器。
【請求項20】
前記DC電力加熱要素が、DC電力誘導加熱要素である、
請求項1に記載の調理器。
【請求項21】
前記コントローラが、パルス幅変調(PWM)コントローラである、
請求項1に記載の調理器。
【請求項22】
前記PWMコントローラが、DC入力を、前記加熱要素に対する正電圧と負電圧との両方の変動パルス幅の波形に変換する、
請求項21に記載の調理器。
【国際調査報告】