(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】Mini LED拡散フィルム、その製造方法及びバックライト
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20240305BHJP
F21V 5/00 20180101ALI20240305BHJP
F21V 5/04 20060101ALI20240305BHJP
F21V 5/02 20060101ALI20240305BHJP
G02B 5/02 20060101ALI20240305BHJP
G02B 3/00 20060101ALI20240305BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240305BHJP
【FI】
F21S2/00 481
F21V5/00 320
F21V5/00 530
F21V5/04 200
F21V5/04 350
F21V5/02 300
G02B5/02 C
G02B3/00 A
G02B5/02 B
F21Y115:10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557688
(86)(22)【出願日】2022-01-18
(85)【翻訳文提出日】2023-09-19
(86)【国際出願番号】 CN2022072542
(87)【国際公開番号】W WO2022193824
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】202110297612.1
(32)【優先日】2021-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523356400
【氏名又は名称】蘇州維旺科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】NICROTEK CO., LTD
【住所又は居所原語表記】No. 478 North Zhongnan Street, Industrial Park Suzhou, Jiangsu 215026, China
(71)【出願人】
【識別番号】523356411
【氏名又は名称】塩城維旺科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】YANCHENG NICROTEK CO., LTD
【住所又は居所原語表記】East of Building 1, Road 3, Economic Development Zone, Dafeng District Yancheng, Jiangsu 224199, China
(71)【出願人】
【識別番号】513210242
【氏名又は名称】蘇州大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】張 恒
(72)【発明者】
【氏名】方 宗豹
(72)【発明者】
【氏名】陳 林森
(72)【発明者】
【氏名】周 欣
(72)【発明者】
【氏名】管 昊遠
(72)【発明者】
【氏名】司 群英
【テーマコード(参考)】
2H042
3K244
【Fターム(参考)】
2H042BA02
2H042BA04
2H042BA20
3K244AA02
3K244BA08
3K244BA23
3K244BA48
3K244CA02
3K244DA01
3K244GA01
3K244GA02
3K244GA04
3K244GA05
3K244GA10
3K244GB22
3K244GB29
3K244GC03
3K244GC10
3K244GC14
3K244GC18
3K244LA03
3K244LA04
(57)【要約】
【課題】本発明の実施例において、Mini LED拡散フィルム、その製造方法及びバックライトを提供する。
【解決手段】Mini LED拡散フィルムは、基材と、前記基材の一側に形成されている複数のマイクロ構造と、前記基材の他の一側に形成されている充填構造とを含む。前記マイクロ構造は複数のマイクロレンズ構造及び/或いは複数の凸型レンズを含み、前記充填構造は複数の構造単位を含み、前記複数の構造単位は等密度線に沿って配列されている複数の充填パターンを含む。1つの前記構造単位において、前記充填パターンの分布密度は前記構造単位の中央から周囲に向かって低減し、前記充填パターンは凹型構造であり、前記充填パターン内に反射性材料が充填されている。本発明の拡散フィルムの一側にはマイクロ構造が形成され、他の一側には反射性材料が充填されている。それにより、ランプビーズ装着板が出射する光線の均等性を確保し、光線の利用率を向上させ、拡散フィルムの霧化の効果を確保するとともに拡散フィルムの透光率を増加させることができる。重畳のリソグラフィ技術を採用することにより、拡散フィルム上のマイクロ構造のデューティ比は100%まで達することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、前記基材の一側に形成されている複数のマイクロ構造と、前記基材の他の一側に形成されている充填構造とを含み、前記マイクロ構造は複数のマイクロレンズ構造及び/或いは複数の凸型レンズを含み、前記充填構造は複数の構造単位を含み、前記複数の構造単位は等密度線に沿って配列されている複数の充填パターンを含み、1つの前記構造単位において、前記充填パターンの分布密度は前記構造単位の中央から周囲に向かって低減し、前記充填パターンは凹型構造であり、前記充填パターン内に反射性材料が充填されていることを特徴とするMini LED拡散フィルム。
【請求項2】
前記マイクロレンズ構造は凹入構造及び/或いは突出構造を含み、複数の前記マイクロレンズ構造は多列に配列され、かつ隣接している2行の前記マイクロレンズ構造は交差の状態に配置されるか或いは随時に配列されるか或いは直交の状態に配置され、隣接している2つのマイクロレンズ構造の一部は重畳し、前記突出構造は突出している曲面であり、前記凹入構造は凹入している曲面であることを特徴とする請求項1に記載のMini LED拡散フィルム。
【請求項3】
前記マイクロレンズ構造のサイズは0.03mm~0.09mmであり、前記マイクロレンズ構造の深さまたは高さは0.01mm~0.05mmであることを特徴とする請求項2に記載のMini LED拡散フィルム。
【請求項4】
前記拡散フィルムの基材の厚さは0.1mm~2.0mmであり、隣接している2つのマイクロレンズ構造の重畳面積は2つのマイクロレンズ構造の全面積の5%~25%を占めることを特徴とする請求項1に記載のMini LED拡散フィルム。
【請求項5】
前記凸型レンズは、角柱形、角錐形、半円柱形及び円錐形のうちいずれか一種であるか或いは複数であるか或いは、角柱形、角錐形、半円柱形及び円錐形のうちいずれか一種または複数で構成される複合形状であり、
前記凸型レンズの高さは0.01mm~0.1mmであり、前記凸型レンズが円錐形であるとき、先端部の夾角は60~120°であることを特徴とする請求項1に記載のMini LED拡散フィルム。
【請求項6】
前記充填パターンの形状は凹入型柱体であり、前記充填パターンの底部は円弧型であり、
前記反射性材料は、反射インク、金属銀、金属アルミのうちいずれか一種であり、
前記充填パターンのサイズは0.005mm~0.1mmであり、前記充填パターンの深さは0.004mm~0.05mmであることを特徴とする請求項1に記載のMini LED拡散フィルム。
【請求項7】
請求項1に記載のMini LED拡散フィルムを製造する方法であって、前記Mini LED拡散フィルムの製造方法は、
2つの成型ローラーを提供するステップであって、1つの成型ローラーの表面には前記マイクロ構造の形状に対応する複数の第一パターンが形成され、隣接している第一パターンの一部は重畳しており、他の1つの成型ローラーの表面には前記充填パターンの形状に対応する複数の第二パターンが形成されているステップと、
前記拡散フィルムに対してスタンプまたは圧縮を実施することにより、拡散フィルムの両側表面にマイクロ構造と充填構造がそれぞれ形成されている拡散フィルムの半製品を獲得するステップと、
前記充填構造内に反射性材料を充填した後その反射性材料を固化させることにより拡散フィルムの完成品を獲得するステップとを含むことを特徴とするMini LED拡散フィルムの製造方法。
【請求項8】
前記拡散フィルムを製造する材料は拡散粒子と透明の有機ポリマー材料を含み、前記Mini LED拡散フィルムの製造方法は、
拡散粒子と透明のポリマー材料を混合して溶解することにより溶融状態の材料を獲得するステップと、
溶解された溶融材料を2つの成型ローラー4の間の成型チャンネルに送入することにより押し出し成型を実施するステップと、
冷却と固化を実施することにより両側の表面にマイクロ構造と充填構造が形成されている拡散フィルムの半製品を獲得するステップと、
前記充填構造内に反射性材料を充填した後その反射性材料を固化させることにより前記Mini LED拡散フィルムを獲得するステップとを更に含むことを特徴とする請求項7に記載のMini LED拡散フィルムの製造方法。
【請求項9】
前記拡散フィルムを形成する材料は基材層とUV固化樹脂を含み、前記Mini LED拡散フィルムの製造方法は、
前記基材層の表面に前記UV固化樹脂を均等に塗布するステップと、
パターンが形成されている成型ローラーをUV固化樹脂が塗布されている基材に当接させることにより前記基材層の表面のUV固化樹脂層を固化させ、前記基材層の表面に固体状態のUV固化樹脂層を形成することにより、両側の表面にマイクロ構造と充填構造が形成されている拡散フィルムの半製品を獲得するステップと、
前記充填構造内に反射性材料を充填し、充填された反射性材料を固化させることにより前記Mini LED拡散フィルムを獲得するするステップとを更に含むことを特徴とする請求項7に記載のMini LED拡散フィルムの製造方法。
【請求項10】
請求項1に記載の前記Mini LED拡散フィルムを含むことを特徴とするバックライト。
【請求項11】
前記バックライトは、順に取り付けられているランプビーズ装着板と、青色光フィルムと、量子ドットフィルムと、第一輝度増強フィルムと、第二輝度増強フィルムと、拡散薄膜とを含み、前記Mini LED拡散フィルムは前記ランプビーズ装着板と前記青色光フィルムとの間に取り付けられ、前記バックライトには少なくとも一層のMini LED拡散フィルムが取り付けられ、前記反射性材料が充填されているMini LED拡散フィルムの一側は前記ランプビーズ装着板に向き、前記Mini LED拡散フィルム上の構造単位と前記ランプビーズ装着板上のランプビーズは1つずつ対応するように配置されていることを特徴とする請求項10に記載のバックライト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックライトの技術分野に属し、特に、Mini LED拡散フィルム、その製造方法及びバックライトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
Mini LEDアレイはバックライトモジュールの光源であり、テレビ、コンピュータ、携帯電話、車内装置等の表示装置に幅広く使用されている。Mini LEDチップのサイズは約100um~500umであり、Mini LEDチップは直下型バックライトモジュールに多く使用される。従来のLED光源と比較してみると、Mini LEDチップは、サイズが小さく、輝度が高く、対応が速く、局部の輝度を調節できるとの利点を有している。
【0003】
Mini LED点光源が出射する光線の拡散角度が狭いことにより、出射面の中心に集まっているエネルギーは出射面の周辺に集まっているエネルギーより多い。また、Mini LEDチップの間の距離は約1mm~4mmであることにより、複数のLEDチップアレイで構成される表示パネルには周期的な明暗区域が形成され、視覚の効果は悪くなり、使用者の体験に影響を与えるおそれがある。従来の技術において、Mini LEDの出射面に拡散粒子が添加されている拡散薄膜を形成することにより、光線の拡散と光線の混合を実施し、出射する光線の均等性を確保することができる。
【0004】
現在、いろいろなホモジナイザー(Homogenizer)が販売されているが、従来のホモジナイザーは霧化の効果と透光率との間のバランスをとることができない。すなわち、ホモジナイザーの霧化の効果を確保するとともにホモジナイザーの透光率を向上させることができない。厚さが厚いホモジナイザーを製造するとき、ホモジナイザーの霧化の効果を確保するため、製造材料に拡大量の散粒子を添加する。しかしながら、添加された拡散粒子は光線を吸収することによりホモジナイザーの透光率に影響を与える。ホモジナイザーの透光率がよくないと、バックライトのパワーを増加させる必要があるので、電力の消耗が増加するとともにランプビーズの寿命が減少する。従来の技術において、ホモジナイザーの両側には角錐形、角柱形または直交円筒(Orthogonal cylinder)がそれぞれ形成されている。角錐形、角柱形または直交円筒はダイヤモンド旋盤(Diamond lathe)により加工される。従来のホモジナイザーを使用するとき、光線の均等性を確保するため少なくとも2つのホモジナイザーを合わせる必要がある。少なくとも2つのホモジナイザーの位置を正確に合わせることによりバックライトを組み立てる利便性が悪くなるおそれがある。従来の技術において、ホモジナイザーの基材上にマイクロガラス球体を塗布することにより突起と凹部を形成する場合もある。その場合、ホモジナイザーの基材上に接着剤を塗布する必要があるので、ホモジナイザーの透光率に影響を与えるおそれがある。従来の技術において、複合フィルムを採用する場合もある。複合フィルムは表面にプリズムまたはマイクロガラス球体が形成されている2つのホモジナイザーを接着させることにより獲得したものである。複合フィルムは厚さが厚いので、複合フィルムを薄肉型装置に使用することができない。
【0005】
この部分に開示されている事項は本発明の背景技術を理解するため引用するものであり、本発明は前記背景技術の事項に基づいて下記新技術事項を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、拡散フィルムの霧化の効果を確保し、かつ拡散フィルムの透光率を向上させることができるMini LED拡散フィルムを提供することにある。本発明において、マイクロ構造、例えばマイクロレンズの配列を適合に設計し、重畳のリソグラフィ技術を採用することにより、リソグラフィのレーザーヘッドの位置決めの誤差を克服し、製品の品質と良品率を向上させることができる。また、本発明は前記Mini LED拡散フィルムの製造方法と前記Mini LED拡散フィルムを使用するバックライトを更に提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施例において、拡散フィルムの厚さが薄いとき、拡散フィルムを拡散薄膜ともいう。説明を簡単にするため、下記説明において、拡散フィルムと拡散薄膜を拡散フィルムと総称する。
【0008】
前記目的を実現するため、本発明の実施例においてMini LED拡散フィルムを提供する。前記Mini LED拡散フィルムは、基材と、前記基材の一側に形成されている複数のマイクロ構造と、前記基材の他の一側に形成されている充填構造とを含み、前記マイクロ構造は複数のマイクロレンズ構造及び/或いは複数の凸型レンズを含み、前記充填構造は複数の構造単位を含み、前記複数の構造単位は等密度線に沿って配列されている複数の充填パターンを含み、1つの前記構造単位において、前記充填パターンの分布密度は前記構造単位の中央から周囲に向かって低減し、前記充填パターンは凹型構造であり、前記充填パターン内に反射性材料が充填されている。
【0009】
前記マイクロレンズ構造は凹入構造及び/或いは突出構造を含み、複数の前記マイクロレンズ構造は多列に配列され、かつ隣接している2行の前記マイクロレンズ構造は交差の状態に配置されるか或いは随時に配列されるか或いは直交の状態に配置され、隣接している2つのマイクロレンズ構造の一部は重畳し、前記突出構造は突出している曲面であり、前記凹入構造は凹入している曲面である。
【0010】
前記マイクロレンズ構造のサイズは0.03mm~0.09mmであり、深さまたは高さは0.01mm~0.05mmである。
【0011】
前記拡散フィルムの基材の厚さは0.1mm~2.0mmであり、隣接している2つのマイクロレンズ構造の重畳面積は2つのマイクロレンズ構造の全面積の5%~25%を占める。
【0012】
前記凸型レンズは、角柱形、角錐形、半円柱形及び円錐形のうちいずれか一種であるか或いは複数であるか或いは、角柱形、角錐形、半円柱形及び円錐形のうちいずれか一種または複数で構成される複合形状であり、前記凸型レンズの高さは0.01mm~0.1mmであり、前記凸型レンズが円錐形であるとき、先端部の夾角は60~120°である。
【0013】
前記充填パターンの形状は凹入型柱体であり、前記充填パターンの底部は円弧型であり、前記反射性材料は、反射インク、金属銀、金属アルミのうちいずれか一種であり、前記充填パターンのサイズは0.005mm~0.1mmであり、前記充填パターンの深さは0.004mm~0.05mmである。
【0014】
本発明の他の実施例において前記Mini LED拡散フィルムの製造方法を更に提供する。前記Mini LED拡散フィルムの製造方法は、2つの成型ローラーを提供するステップであって、1つの成型ローラーの表面には前記マイクロ構造の形状に対応する複数の第一パターンが形成され、隣接している第一パターンの一部は重畳しており、他の1つの成型ローラーの表面には前記充填パターンの形状に対応する複数の第二パターンが形成されているステップと、前記拡散フィルムに対してスタンプまたは圧縮を実施することにより、拡散フィルムの両側表面にマイクロ構造と充填構造がそれぞれ形成されている拡散フィルムの半製品を獲得するステップと、前記充填構造内に反射性材料を充填した後その反射性材料を固化させることにより拡散フィルムの完成品を獲得するステップとを含む。
【0015】
前記拡散フィルムを製造する材料は拡散粒子と透明の有機ポリマー材料を含み、拡散粒子と透明のポリマー材料を混合して溶解することにより溶融状態の材料を獲得し、溶解された溶融材料を2つの成型ローラー4の間の成型チャンネルに送入することにより押し出し成型を実施し、冷却と固化を実施することにより両側の表面にマイクロ構造と充填構造が形成されている拡散フィルムの半製品を獲得し、前記充填構造内に反射性材料を充填した後その反射性材料を固化させることにより拡散フィルムの完成品を獲得する。
【0016】
前記拡散フィルムを形成する材料は基材層とUV固化樹脂を含み、前記基材層の表面に前記UV固化樹脂を均等に塗布し、パターンが形成されている成型ローラーをUV固化樹脂が塗布されている基材に当接させることにより前記基材層の表面のUV固化樹脂層を固化させ、前記基材層の表面に固体状態のUV固化樹脂層を形成することにより、両側の表面にマイクロ構造と充填構造が形成されている拡散フィルムの半製品を獲得し、前記充填構造内に反射性材料を充填し、充填された反射性材料を固化させることにより拡散フィルムの完成品を獲得する。
【0017】
本発明の実施例においてバックライトを更に提供する。前記バックライトは前記Mini LED拡散フィルムを含む。
【0018】
前記バックライトは、順に取り付けられているランプビーズ装着板と、青色光フィルムと、量子ドットフィルムと、第一輝度増強フィルムと、第二輝度増強フィルムと、拡散薄膜とを含み、前記拡散フィルムは前記ランプビーズ装着板と前記青色光フィルムとの間に取り付けられ、前記バックライトには少なくとも一層の拡散フィルムが取り付けられ、前記反射性材料が充填されている拡散フィルムの一側は前記ランプビーズ装着板に向き、前記拡散フィルム上の構造単位と前記ランプビーズ装着板上のランプビーズは1つずつ対応するように配置されている。
【発明の効果】
【0019】
本発明の事項により下記発明の効果を奏することができる。
(1)本発明のMini LED拡散フィルムの一側にはマイクロ構造が形成され、他の一側には反射性材料が充填されている充填構造が形成されていることにより、拡散フィルムは高い霧化の効果を有し、かつ拡散フィルムがMini LEDランプビーズが出射した光線を拡散させる効果を確保することができる。
(2)本発明のMini LED拡散フィルムの一側にはマイクロ構造が形成されているので、厚さが熱い拡散フィルムを製造するとき、拡散粒子の添加量を減少させ、拡散フィルムの霧化の効果を確保するとともに拡散フィルムの透光率を向上させることができる。また、Mini LEDの入力パワーを低減することにより、Mini LEDの電気消耗と放熱を低減し、Mini LEDの寿命を延長させ、環境をある程度保護することができる。
(3)本発明のMini LED拡散フィルムのマイクロ構造の一部は重畳していることにより、拡散フィルム上のマイクロ構造のデューティ比は100%まで達し、かつリソグラフィのレーザーヘッドの位置決めの誤差を克服することができる。
(4)本発明のMini LED拡散フィルムの他の一側には反射性材料の分布密度が異なっている充填構造が形成されている。具体的に、ランプビーズに近づいている充填パターンの分布密度はランプビーズから離れている充填パターンの分布密度より大きいことにより、ランプビーズに近づいている充填パターンの反射率はランプビーズから離れている充填パターンの反射率より大きい。それにより、ランプビーズ装着板が出射する光線の均等性を確保し、光線の利用率を向上させ、視覚上の臨場感を獲得し、より高いダイナミックレンジとコントラストを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施例一に係る拡散フィルムの一部の隅部の構造を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施例一に係る拡散フィルムの一部の隅部の構造を示す他の斜視図である。
【
図3a】本発明の実施例一に係る拡散フィルム上のマイクロレンズ構造の局部の配列を示す第一図である。
【
図3b】本発明の実施例一に係る拡散フィルム上のマイクロレンズ構造の局部の配列を示す第二図である。
【
図3c】本発明の実施例一に係る拡散フィルム上のマイクロレンズ構造の局部の配列を示す第三図である。
【
図4】本発明の実施例一に係る拡散フィルムの断面の構造を示す図である。
【
図5a】本発明の実施例一に係る拡散フィルム上のマイクロレンズ構造の配列を示す第一図である。
【
図5b】本発明の実施例一に係る拡散フィルム上のマイクロレンズ構造の配列を示す第二図である。
【
図6】本発明の実施例一に係る拡散フィルムに欠陥が存在するとき拡散フィルムの断面の構造を示す図である。
【
図7】本発明の実施例一に係る拡散フィルムに欠陥が存在するとき拡散フィルムの配列を示す図である。
【
図8】本発明の実施例一に係る拡散フィルムに欠陥が存在するとき拡散フィルムの配列を示す他の図である。
【
図9】本発明の実施例一に係る拡散フィルムの充填パターンの配列を示す図である。
【
図10】本発明の実施例一に係る拡散フィルムの充填パターン内に反射性材料が充填されていることを示す図である。
【
図11】本発明の実施例一に係る拡散フィルムの充填パターン内に反射性材料が充填されている構造を示す図である。
【
図12】本発明の実施例一に係る充填パターンとランプビーズの位置関係を示す図である。
【
図13】本発明の実施例一に係る拡散フィルムを製造する装置の構造を示す図である。
【
図14】本発明の実施例一に係る拡散フィルムを製造する装置の構造を示す他の図である。
【
図15】本発明の実施例一に係るバックライトの層構造を示す図である。
【
図16】本発明の実施例一に係るバックライトにおいて拡散フィルムとランプビーズの位置関係を示す図である。
【
図17】本発明の実施例二に係るバックライトにおいて拡散フィルムとランプビーズの位置関係を示す図である。
【
図18】本発明の実施例三の拡散フィルム上の凸型レンズが三角円錐型であることを示す構造図である。
【
図22】本発明の実施例三の拡散フィルム上の凸型レンズが四角円錐型であることを示す構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の事前設定目的を達成しようとする技術的手段と発明の効果をより詳細に説明するため、以下、図面と好適な実施例により本発明の具体的な実施形態、構造、特徴及び発明の効果を詳細に説明する。
【0022】
実施例一
図1と
図2に示すとおり、本実施例に係るMini LED拡散フィルムは、基材121と、前記基材121の一側に形成されている複数のマイクロレンズ構造122と、前記基材121の他の一側に形成されている充填構造とを含む。図面に示されているマイクロレンズ構造122は円形の凹入構造1221である。前記マイクロレンズ構造122は凹入型マイクロレンズであることが好ましい。
図3aに示すとおり、複数の前記マイクロレンズ構造122は多列に配列され、かつ隣接している2行の前記マイクロレンズ構造122は交差の状態に配置されるか或いは、
図3bに示すとおり、複数の前記マイクロレンズ構造122は随時に配列されるか或いは、
図3cに示すとおり、複数の前記マイクロレンズ構造122は直交(orthogonal)の状態に配置されることができる。
図3a~
図3cと
図4に示すとおり、隣接している2つのマイクロレンズ構造122の一部は重畳している。隣接している2つのマイクロレンズ構造122の重畳面積は2つのマイクロレンズ構造122の全面積の5%~25%を占める。好ましくは、2つのマイクロレンズ構造122の全面積の10%を占める。
図3aと
図5bに示すとおり、隣接しているマイクロレンズ構造122の一部が重畳していることにより、LED拡散フィルム上のマイクロレンズ構造122のカバレッジ範囲(coverage area)を増加させ、マイクロレンズ構造122のデューティ比(duty ratio)を100%まで向上させることができる。また、それによりリソグラフィ(Lithography)のレーザーヘッド(Laser Head)の位置決めの誤差を克服することができる。現在のリソグラフィの位置決めの精度は約4um~5umに達することができる。
図6に示すとおり、リソグラフィでフォトリソグラフィー部品(Photolithographic parts)に対してフォトエッチング(Photoetching)を実施するとき、フォトリソグラフィー部品の位置決めの誤差により、フォトエッチングによって形成されたパターンの間に隙間が形成され、突出型構造1と凹入型構造2が形成されるおそれがある。
図7と
図8に示すとおり、スタンプ(Stamp)または圧縮手段により拡散フィルム上にマイクロレンズ構造122を形成するとき、拡散フィルム上にマイクロレンズ構造122が形成されない領域が形成されることにより拡散フィルムの拡散効果に影響を与えるおそれがある。
【0023】
前記拡散フィルムの拡散効果は前記マイクロレンズ構造122の曲率半径とサイズに係っている。前記マイクロレンズ構造122のサイズは0.03mm~0.09mmであり、深さは0.01mm~0.05mmであり、曲率半径は0.06mm~0.2mmであることが好ましい。注意すべきことは、前記マイクロレンズ構造122の各パラメーターの範囲は本発明に適合なものであるが、具体的な実施において、設計の需要により前記マイクロレンズ構造122の各パラメーターを適当に調節することができる。
【0024】
前記充填構造は複数の構造単位を含み、前記複数の構造単位は等密度線に沿って配列されている複数の充填パターン123を含む。1つの前記構造単位において、前記充填パターン123の分布密度は前記構造単位の中央から周囲に向かって低減する。
図9~
図12に示すとおり、拡散フィルム上の充填パターン123は不均等に配列されている。すなわち、拡散フィルム上の充填パターン123は充填パターン123の分布密度が大きい領域と分布密度が小さい領域を含む。各構造単位において、中央位置(すなわちランプビーズ111に近づいている位置)に近づいている充填パターン123の分布密度は中央位置(すなわちランプビーズ111から離れている位置)から離れている充填パターン123の分布密度より大きい。
図10に示すとおり、前記充填パターン123は凹型構造であることにより、前記充填パターン123内に反射性材料1231を充填することができる。前記充填パターン123の形状は凹入型柱体であり、前記充填パターン123の底部は円弧型である。前記充填パターン123の断面は、円形、多角形または他の形状であることができるが、円形であることが好ましい。前記凹型構造のサイズは0.005mm~0.1mmであり、前記凹型構造の深さは0.004mm~0.05mmである。充填パターン123が凹入型柱体型に形成されていることにより、反射性材料1231を塗布するとき、反射性材料1231を前記充填パターン123内に完璧に充填することができる。すなわち、反射性材料1231が前記充填パターン123内に完璧に充填されないか或いは反射性材料1231を塗布するとき反射性材料1231がこすり落とされることを有効に避けることができる。
【0025】
前記反射性材料1231は、反射インク(Reflective Ink)、金属銀、金属アルミのうちいずれか一種であることができるが、反射性材料1231はそれらにのみ限定されるものでなく、他の反射性材料または複数の反射性材料の混合を使用することができる。本実施例において反射インクを使用することが好ましい。反射性材料1231は光線を反射する役割をする。反射性材料1231に反射される光線はランプビーズ装着板11を経て拡散フィルムに再び入射することにより、光線の利用率を向上させ、光線の均等性を向上させることができる。注意すべきことは、従来の反射性材料1231は反射インクと金属銀または金属アルミの混合により形成されるものである。充填パターン123内に充填された反射性材料1231内には水等の発揮性物体が含まれていることにより、反射性材料1231を固化させるとき、反射性材料1231の中央部分は凹入状態にされてしまう。
図11に示すとおり、反射性材料1231の中央部分に1~2umの凹入部が形成されることにより反射性材料1231の中央部分には凹入面が形成される。前記凹入面はランプビーズ(Lamp bead)111が出射する光線の前進方向を変化させることにより、マイクロレンズ付き拡散フィルムがランプビーズ111が出射する光線を拡散させる拡散効果を向上させることができる。
【0026】
以上のとおり、前記充填パターン123の分布密度は変わっている。それにより、ランプビーズ111の中央に近づいている強光が、分布密度が高い充填パターン123を通過するとき、光線の透過率を低減し、光線の拡散性を向上させ、ランプビーズ111の中央から離れている弱光が、分布密度が低い充填パターン123を通過するとき、光線の透過率を向上させ、光線の拡散性を低減することができる。前記ランプビーズ111に近づいている前記拡散フィルムの反射率は前記ランプビーズ111から離れている前記拡散フィルムの反射率より大きいことにより、拡散フィルムから出射する光線の均等性を向上させ、ランプビーズ111の輝度が不均等にされる問題を避けることができる。注意すべきことは、
図12に示すとおり、拡散フィルム上の各構造単位において、充填パターン123の分布密度が大きい領域は所定のランプビーズ111に対応し、充填パターン123の分布密度が小さい領域は所定の2つのランプビーズ111の間の中央領域に対応する。拡散フィルム上の各ランプビーズ111に対応する位置には複数の充填パターン123が形成され、充填パターン123の分布密度はランプビーズ111までの距離が増加することにより減少する。
【0027】
前記拡散フィルムの基材121の厚さは0.1mm~2.0mmである。前記拡散フィルムの基材121の厚さが厚ければ厚いほど、拡散フィルムの霧化の効果がもっとよくなり、拡散フィルムの基材121の厚さが薄ければ薄いほど、拡散フィルムの透光率がもっとよくなる。本発明の拡散フィルムの基材121の両側にはマイクロレンズ構造122と充填構造が形成されていることにより、拡散フィルムの霧化の効果を確保し、かつ拡散フィルムの透光率を向上させることができる。厚さが厚い(例えば厚さが0.6mm以上である)拡散フィルムを製造するとき、拡散フィルムの霧化の効果を確保するため、拡散フィルムの材料に拡散粒子を添加する。しかしながら、添加された拡散粒子は光線を吸収することにより拡散フィルムの透光率に影響を与える。本発明の拡散フィルムにマイクロレンズ構造122が形成されていることにより、拡散フィルムに拡散粒子を添加する添加量を低減し、拡散粒子が光線を吸収する吸収量を減少させることができる。したがって、拡散フィルムの霧化の効果を確保するとともに、拡散フィルムの透光率を大幅に向上させることができる。テストによると、本発明の拡散フィルムの霧化率は95%に達し、透光率は85%に達することができる。その透光率は従来の拡散フィルムの透光率(従来の拡散フィルムの透光率は50%~60%である)を遥かに上回っている。拡散フィルムの透光率が向上することによりMini LEDの入力パワーを低減することができる。それにより、Mini LEDの電気消耗と放熱を低減し、Mini LEDの寿命を延長させ、環境をある程度保護することができる。
【0028】
本実施例において、前記Mini LED拡散フィルムの製造方法を更に提供する。前記Mini LED拡散フィルムの製造方法は下記ステップを含む。
【0029】
ステップS1において、第一フォトリソグラフィー部品の一側にマイクロレンズ構造122の形状に対応する複数の第一パターンをエッチングする。隣接している第一パターンの一部は重畳している。第二フォトリソグラフィー部品の一側に充填パターン123の形状に対応する複数の第二パターンをエッチングする。前記第一フォトリソグラフィー部品と第二フォトリソグラフィー部品は一側にフォトレジスト(Photoresist)が塗布されているガラス基板であることができる。つぎに、所定の形状を有しているマスクによりフォトレジストに対して露光を実施し、露光が実施されたフォトレジストをエッチングすることによりフォトレジスト上に複数の凹入型のパターンを形成する。前記第一フォトリソグラフィー部品と第二フォトリソグラフィー部品は鏡面型金属材料(例えば、ミラーステンレス鋼、Mirror stainless steel)で製造されることができる。前記金属材料は、ステンレス、ニッケル、銅等であることができ、光路修正装置で高出力型パルスレーザー(High-power pulse laser)のレーザーを金属基材の表面に集光させることにより、エッチングを実施し、所定のパターンを形成することができる。
【0030】
ステップS2において、UV転写技術または金属成長技術によりフォトリソグラフィー部品上のパターンをテンプレート(formwork)上に移転させ、所定のパターンを有しているテンプレートを獲得する。本実施例において、UV転写技術により第一フォトリソグラフィー部品上の凹入型の第一パターンをテンプレート上に移転させることにより、所定の突出型パターンを有している第一テンプレートを獲得する。第二フォトリソグラフィー部品上の凹入型の第二パターンを他のテンプレート上に移転させることにより、所定の突出型パターンを有している第二テンプレートを獲得する。他の実施例において、電気タイピング(electrotyping)による金属成長方法により、表面に突出型パターンを有している第一テンプレートと所定の突出型パターンを有している第二テンプレートを獲得することもできる。他の方法により所定の第一テンプレートと第二テンプレートを獲得することもできる。
【0031】
ステップS3において、前記第一テンプレートと第二テンプレートを成型ローラー4上にそれぞれ覆った後、成型ローラー4で拡散フィルムに対してスタンプまたは圧縮を実施することにより、拡散フィルムの両側表面にマイクロレンズ構造122と充填構造がそれぞれ形成されている拡散フィルムの半製品を獲得する。
【0032】
ステップS4において、前記充填構造内に反射性材料1231を充填し、充填された反射性材料1231を固化させることにより拡散フィルムの完成品を獲得する。
【0033】
ステップS3において、厚さが厚い拡散フィルムを製造するとき、押し出し手段による一体成型方法を使用することが好ましい。押し出し手段による一体成型方法は押し出し装置(Extrusion Equipment)により実施される。前記押し出し装置は圧縮に使用される2つの成型ローラー4を含む。2つの成型ローラー4が間隔を空けて平行に配置されることにより2つの成型ローラー4の間には成型チャンネルが形成される。2つの成型ローラー4の外周面には第一テンプレートと第二テンプレートが形成されている。
図13に示すとおり、第一テンプレートと第二テンプレート上のパターンが外部に突出している。前記拡散フィルムを製造する材料は拡散粒子と透明の有機ポリマー材料(Organic Polymer Materials)を含む。前記有機ポリマー材料は、PET、PC、PMMAのうちいずれか一種であるが、本発明はそれらにのみ限定されるものでない。前記拡散粒子は、PET拡散粒子、PC拡散粒子、PMMA拡散粒子等であることができる。また、拡散粒子は白色の拡散粒子または黄色の拡散粒子であることができるが、白色の拡散粒子であることが好ましい。本発明は白色の拡散粒子または黄色の拡散粒子にのみ限定されるものでなく、他の色の拡散粒子であることもできる。ステップS3は具体的に下記ステップを含む。
【0034】
ステップS311において、拡散粒子と透明のポリマー材料を用意し、拡散粒子と透明のポリマー材料を混合して溶解することにより溶融状態の材料を獲得する。
【0035】
ステップS312において、溶解された溶融材料3を前記押し出し装置の成型チャンネルに送入することにより押し出し成型(Extrusion molding)を実施する。2つの成型ローラー4の間の距離を調節することにより、所定の厚さを有しかつ厚さが均等である拡散フィルムの半製品を獲得することができる。
【0036】
ステップS313において、冷却と固化を実施することにより表面にマイクロレンズ構造122と充填構造が形成されている拡散フィルムの半製品を獲得する。ステップS313において、冷却方法として自然冷却方法(natural cooling mode)を用いるか或いは冷却ローラーを使用することができるが、本発明はそれらにのみ限定されるものでなく、他の冷却方法を用いることもできる。
【0037】
本実施例において他の製造方法を更に提供する。この実施例の製造方法により厚さが薄い拡散フィルムを製造することができる。注意すべきことは、拡散フィルムの厚さが薄いとき、拡散フィルムをマイクロレンズ拡散薄膜という。説明を簡単にするため、下記説明において、拡散フィルムと拡散薄膜を拡散フィルムと総称する。前記拡散フィルムを形成する材料は基材層5とUV固化樹脂を含む。前記基材層5は、PET、PC、PMMAのうちいずれか一種であるが、本発明はそれらにのみ限定されるものでない。
図14に示すとおり、前記ステップS32は具体的に下記ステップを含む。
【0038】
ステップS321において、基材層5を提供する。前記基材層5は、PET、PC、PMMAのうちいずれか一種であるが、本発明はそれらにのみ限定されるものでない。前記基材層5は拡散粒子が添加されている拡散材料であることもである。
【0039】
ステップS322において、基材の表面にUV固化樹脂を塗布する。例えば、
図14中の樹脂噴射ノズル6によりUV固化樹脂を前記基材層5の表面上に塗布する。つぎに、紫外線固化装置でUV固化樹脂を照射することによりUV固化樹脂を固化させ、前記基材層5の表面上に半固体状態のUV固化樹脂層を形成する。前記紫外線固化装置は例えば低電力の紫外線ランプであることができる。紫外線固化装置により液状のUV固化樹脂を半固体状態のUV固化樹脂を変換させることにより、スタンプを容易に実施することができる。
【0040】
ステップS323において、表面にパターンが形成されている成型ローラー8によりUV固化樹脂層に対してUVスタンプを実施する。成型ローラー8の製造方法は前記ステップS1~S2を参照することができる。スタンプを実施するとき、加圧ローラー7を移動させることにより、パターンが形成されている成型ローラー8の表面をUV固化樹脂に当接させる。つぎに、紫外線ランプ10の紫外線をUV固化樹脂に照射することにより、成型ローラー8を撤去する前にUV固化樹脂上のパターンを固化させ、成型ローラー8の表面のパターンを基材層5の表面に転写させる。
【0041】
ステップS324において、案内ローラ9を使用することにより基材層5を反転させ、基材層5の他の1つの表面にUV固化樹脂を均等に塗布する。他の1つの成型ローラー8をUV固化樹脂が塗布されている基材に当接させることにより基材層5の表面のUV固化樹脂層を固化させる。基材層5の他の表面に固体状態のUV固化樹脂層を形成することにより、両側の表面にマイクロレンズ構造122と充填構造が形成されている拡散フィルムの半製品を獲得する。
【0042】
ステップS325において、前記充填構造内に反射性材料1231を充填し、充填された反射性材料1231を固化させることにより拡散フィルムの完成品を獲得する。
【0043】
前記製造方法により拡散フィルムの半製品の両側の表面にはマイクロレンズ構造122と充填構造が形成されている。したがって、スタンプを実施するとき、両側のスタンプをそれぞれ実施するか或いは、両側のスタンプを同時に実施することができる。2つのスタンプの原理が似ているので、ここで再び説明しない。
【0044】
注意すべきことは、前記2つの製造方法において、成型ローラーは所定のパターンを有しているテンプレートをローラーの表面に覆うことにより獲得するものであるか或いは、ローラーの表面に所定のパターンを形成することにより獲得するものである。テンプレートまたは金型の材料は、ニッケル、鉄、銅、アルミニウム等であることができる。
【0045】
本実施例においてバックライトを更に提供する。前記バックライトは前記Mini LED拡散フィルム12を含む。
【0046】
図15に示すとおり、前記バックライトは、順に取り付けられているランプビーズ装着板11と、青色光フィルム(Blue light film)13と、量子ドットフィルム(Quantum dot film)14と、第一輝度増強フィルム(Brightness Enhancement Film)15と、第二輝度増強フィルム16と、拡散薄膜17とを含む。前記拡散フィルム12は前記ランプビーズ装着板11と前記青色光フィルム13との間に取り付けられ、本実施例のバックライトには少なくとも一層の拡散フィルム12が取り付けられている。
図16に示すとおり、前記反射性材料1231が充填されている拡散フィルム12の一側は前記ランプビーズ装着板11に向いている。拡散フィルム12上の構造単位と前記ランプビーズ装着板11上のランプビーズ111は1つずつ対応するように配置されている。他の実施例において、前記青色光フィルム13と拡散薄膜17との間または第一輝度増強フィルム15と量子ドットフィルム14との間に一層または複数層のホモジナイザー(Homogenizer)を更に取り付けることができる。
図15に示すとおり、前記ホモジナイザーは、両側にマイクロレンズ構造122がそれぞれ形成されているホモジナイザーであるか或いは、一側にマイクロレンズ構造122が形成され、他の一側に凸型レンズが形成されているホモジナイザーであることもできる。
【0047】
実施例二
図17に示すとおり、実施例二と実施例一の相違点は実施例二の拡散フィルムの一側に形成されているマイクロレンズ構造122が円形の突出構造1222であることにある。前記マイクロレンズ構造122の突出面は曲面であることが好ましい。本実施例の拡散フィルムの製造方法とバックライトの構造は実施例一と同じであるので、ここで再び説明しない。
【0048】
実施例三
実施例三と実施例一の相違点は実施例三の拡散フィルムの一側に形成されているマイクロ構造が凸型レンズ124であることにある。前記凸型レンズ124は、角柱形、角錐形、半円柱形及び円錐形のうちいずれか一種であるか或いは複数であるか或いは、角柱形、角錐形、半円柱形及び円錐形のうちいずれか一種または複数で構成される複合形状(composite shape)であることができる。前記凸型レンズ124が角錐形(例えば三角錐形等)であるか或いは半円柱形であるとき、複数の凸型レンズ124は基材121の一側に平行かつ連続に配列され、かつ凸型レンズ124の軸方向は設置面に平行に配置される。隣接している2つの凸型レンズ124の底辺は交差に配列される。前記凸型レンズ124が角錐形であるとき、例えば
図18~
図21に示す三角錐形であるとき、例えば
図22~
図25に示す四角錐形であるとき、複数の凸型レンズ124は連続に配列され、隣接している2つの凸型レンズ124の底辺は交差に配列され、交差している2つの底辺は交差線に重畳している。前記凸型レンズ124が他の角錐形であるとき、その状況は前記実施例と類似しているので、ここで再び説明しない。前記凸型レンズ124が円錐形であるとき、マイクロレンズ構造122のように各凸型レンズ124の底部の一部は重畳している。それにより、ホモジナイザー上の凸型レンズ124のカバレッジ範囲を増加させ、凸型レンズ124のデューティ比は100%まで達することができる。前記凸型レンズ124は2つの半円形円柱で構成される交差型の半円形円柱、例えば直交型円柱であることもできる。前記ホモジナイザーの一側には網状に形成されている。前記凸型レンズ124は2つの多角柱体で構成される交差型の複合形状であることもできる。前記凸型レンズ124のサイズの単位はマイクロメートルであり、前記凸型レンズ124の高さは0.01mm~0.1mmであることが好ましい。前記凸型レンズ124が円錐形であるとき、円錐形の先端部の夾角は60~120°である。本実施例において、円錐形の縦方向の断面において先端部の夾角は90°であることが好ましい。
【0049】
本実施例の拡散フィルムの製造方法とバックライトの構造は実施例一と同じであるので、ここで再び説明しない。
【0050】
注意すべきことは、本明細書中の「含む」、「具備する」等の用語は開放性用語である。すなわち、一連の要素を含む事項は、明確に記載されている要素だけでなく、記載されていない他の要素を更に含むことができる。
【0051】
この明細書において、前、後、上、下等の方向性用語は、図面中の部品が図面に位置している位置と部品が他の部品に相対している位置を定義するものであり、本発明の技術的事項を詳細に説明するために用いるものである。注意すべきことは、この明細書において方向性用語を用いることにより本発明を限定する意図はない。
【0052】
矛盾が生じない場合、本発明の実施例または実施例中の特徴を楽に組み合わせることができる。
【0053】
以上、本発明の好適な実施例を説明してきたが、前記実施例は本発明の例示にしか過ぎないものであるため、本発明は前記実施例の構成にのみ限定されるものでない。この技術分野の技術者は本発明の要旨を逸脱しない範囲において設計の変更、代替、改良等をすることができ、そのような設計の変更、代替、改良等があっても本発明に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0054】
1 突出型構造
2 凹入型構造
3 溶融材料
4 成型ローラー
5 基材層
6 樹脂噴射ノズル
7 加圧ローラー
8 成型ローラー
9 案内ローラ
10 紫外線ランプ
11 ランプビーズ装着板
111 ランプビーズ
12 拡散フィルム
121 基材
122 マイクロレンズ構造
1221 凹入構造
1222 突出構造
123 充填パターン
1231 反射性材料
124 凸型レンズ
13 青色光フィルム
14 量子ドットフィルム
15 第一輝度増強フィルム
16 第二輝度増強フィルム
17 拡散薄膜
18 ホモジナイザー
【国際調査報告】