(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】軸長測定モニタ
(51)【国際特許分類】
A61B 3/10 20060101AFI20240305BHJP
【FI】
A61B3/10 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558180
(86)(22)【出願日】2022-01-10
(85)【翻訳文提出日】2023-10-23
(86)【国際出願番号】 US2022070125
(87)【国際公開番号】W WO2022204622
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520501023
【氏名又は名称】アキュセラ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】窪田 良
(72)【発明者】
【氏名】ブシェミ, フィリップ エム.
(72)【発明者】
【氏名】フィスター, マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ワイダー, シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】グプタ, アミタヴァ
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA03
4C316AA08
4C316AA09
4C316AA24
4C316AA25
4C316AA26
4C316AB04
4C316AB11
4C316AB16
4C316FA06
4C316FB21
4C316FY06
(57)【要約】
OCT軸長測定デバイスが、約0.05mm~約2.0mmの範囲内で網膜のエリアを測定するように構成されている。エリアは、走査された測定ビームまたは複数の実質的に固定された測定ビームを用いて測定されることができる。OCT測定デバイスは、第1の光学経路長が、角膜の第1の位置に対応し、第2の光学経路長が、網膜の第2の位置に対応し、軸長が、第1の位置と第2の位置との間の差異に基づいて決定される複数の基準光学経路長を備え得る。軸長マップが、眼の測定デバイスとの整列を決定し、測定の正確さおよび再現性を改良するために発生させられることができる。いくつかの実施形態において、OCT測定デバイスは、掃引源垂直空洞面発光レーザ(「VCSEL」)を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼の屈折異常における変化を測定する方法であって、前記方法は、
第1の時間において、網膜の第1の区域からの前記眼の第1の軸長を測定し、前記眼の第1の軸長を決定することであって、前記第1の区域は、約0.05mm~約2mmの第1の範囲内の第1の最大差し渡しを備えている、ことと、
第2の時間において、前記網膜の第2の区域からの前記眼の第2の軸長を測定し、第2の時間における前記眼の第2の長さを決定することと
を含み、
前記第2の区域は、約0.05mm~約2.0mmの範囲内の第2の最大差し渡しを備え、
前記屈折異常における変化は、前記第1の軸長と前記第2の軸長との間の差異に対応する、方法。
【請求項2】
前記第1の最大差し渡しは、約0.1mm~約1.5mmの範囲内であり、前記第2の最大差し渡しは、約0.1mm~約1.5mmの範囲内である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の区域は、OCT測定ビームの第1の複数のA走査を用いて測定され、前記第2の区域は、OCT測定ビームの第2の複数のA走査を用いて測定される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の区域および前記第2の区域の各々は、走査OCT測定ビームを用いて測定される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記走査OCT測定ビームは、前記第1の複数のA走査を測定するために第1の軌道に沿って移動し、前記第2の複数のA走査を測定するために第2の軌道に沿って移動する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の区域は、第1の複数の固定された測定ビームを用いて測定され、前記第2の区域は、第2の複数の固定された測定ビームを用いて測定される、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の複数の固定された測定ビームは、前記第1の複数のA走査を発生させるように配置され、前記第2の複数の固定された測定ビームは、前記第2の複数のA走査を発生させるように配置される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の複数のA走査は、第1の角膜区域上に分布させられた第1の複数の角膜場所を測定し、前記第2の複数のA走査は、第2の角膜区域上に分布させられた第2の複数の角膜場所を測定し、前記第1の軸長は、前記第1の複数の網膜場所と前記第1の複数の角膜場所との間の差異に対応し、前記第2の軸長は、前記第2の複数の網膜場所と前記第2の複数の角膜場所との間の差異に対応する、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
第1の複数の軸長が、決定され、第2の複数の軸長が、決定され、前記第1の複数の軸長は、前記第1の複数の角膜場所の各々と対応する第1の網膜場所との間の第1の差異に対応し、前記第2の複数の軸長は、前記第2の複数の軸上場所の各々と対応する第2の網膜場所との間の第2の差異に対応する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の区域は、前記第2の区域と実質的に重複し、随意に、実質的重複は、前記第1の区域と前記第2の区域との間の少なくとも約50%の重複を備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の最大差し渡しまたは前記第2の最大差し渡しのうちの1つ以上は、直径を備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の区域または前記第2の区域のうちの1つ以上は、環状部を備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の区域または前記第2の区域のうちの1つ以上は、エリアを備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の軸長は、第1の軸長マップを備え、前記第2の軸長は、第2の軸長マップを備え、前記屈折異常における変化は、前記第1の軸長マップと前記第2の軸長マップとの間の差異に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
眼の屈折異常における変化を測定するためのシステムであって、前記システムは、請求項1-14のいずれか1項に記載の方法を実装するための命令で構成されたプロセッサを備えている、システム。
【請求項16】
OCTビームを発生させ、前記OCTビームの波長を変動させるための掃引光源と、
前記掃引光源に結合された干渉計と
をさらに備え、
前記干渉計は、測定光学経路と基準光学経路とを備え、前記基準光学経路は、第1の基準経路と第2の基準経路とを備え、
前記第1の軸長は、第1の時間において測定された前記第1の基準経路を用いて測定された前記眼の角膜の第1の位置と前記第2の基準経路を用いて測定された前記眼の前記角膜の第1の位置との間の第1の差異に対応し、前記第2の軸長は、第2の時間において前記第1の基準経路を用いて測定された前記角膜の第2の位置と前記第2の基準経路を用いて測定された前記網膜の第2の位置との間の第2の差異に対応する、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
検出器をさらに備え、前記検出器は、第1の干渉信号および第2の干渉信号を受信するために、前記干渉計に結合され、前記第1の基準経路からの光から結果として生じる前記第1の干渉信号は、前記測定光学経路からの光に干渉し、前記第2の基準経路からの光から結果として生じる前記第2の干渉信号は、前記測定光学経路からの光に干渉する、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
眼の軸長を測定するためのシステムであって、前記システムは、
光ビームを発生させ、前記光ビームの波長を変動させるための掃引光源と、
前記掃引光源に結合された干渉計であって、前記干渉計は、測定光学経路と基準光学経路とを備え、前記基準光学経路は、第1の基準経路と第2の基準経路とを備えている、干渉計と、
検出器であって、前記検出器は、第1の干渉信号および第2の干渉信号を受信するために、前記干渉計に結合され、前記第1の基準経路からの光から結果として生じる前記第1の干渉信号は、前記測定光学経路からの光に干渉し、前記第2の基準経路からの光から結果として生じる前記第2の干渉信号は、前記測定光学経路からの光に干渉する、検出器と、
前記検出器に結合されたプロセッサと
を備え、
前記プロセッサは、前記第1の干渉信号および前記第2の干渉信号に応答して前記眼の前記軸長を決定するための命令で構成されている、システム。
【請求項19】
前記第1の基準経路は、第1の基準光ファイバを備え、前記第2の基準経路は、第2の基準光ファイバを備えている、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記第1の基準光ファイバは、第1の長さを備え、前記第2の基準光ファイバは、前記第1の長さと異なる第2の長さを備えている、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1の長さは、前記眼の角膜までの第1の距離に対応し、前記第2の長さは、前記眼の網膜までの第2の距離に対応し、前記第1の距離は、前記第2の距離より小さい、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記プロセッサは、前記掃引光源の複数の掃引のうちの各々に関して、前記第1の距離に対応する第1のピークと、前記第2の距離に対応する第2のピークとを備えているA走査を発生させるように構成されている、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記第1の干渉信号および前記第2の干渉信号は、前記複数の掃引のうちの各々に関して、前記検出器において一緒に受信され、前記複数の掃引のうちの各々に関して前記検出器においてサンプリングされた時変強度データの変換が、前記第1の距離に対応する第1のピークと、前記第2の距離に対応する第2のピークとを発生させる、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記検出器は、平衡検出器を備えている、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記掃引光源の単一の掃引が、第1のピークおよび第2のピークを発生させる、請求項22に記載のシステム。
【請求項26】
前記掃引光源は、前記検出器において第1の周波数および第2の周波数を発生させ、前記第1の周波数は、前記第1の基準経路長に対応し、前記第2の周波数は、前記第2の基準経路長に対応し、前記第1の周波数は、前記第2の周波数より小さい、請求項21に記載のシステム。
【請求項27】
前記掃引光源が前記第1の距離および前記第2の距離を測定するために波長のある範囲を通して掃引している間、前記第1の長さは、実質的に固定されたままであり、前記第2の長さは、実質的に固定されたままである、請求項21に記載のシステム。
【請求項28】
前記第1の長さは、前記第1の基準光ファイバに沿った第1の光学経路差に対応し、前記第2の長さは、前記第2の基準光ファイバに沿った第2の光学経路差に対応し、前記第1の光学経路差は、約16mm~約26mmの範囲内、随意に、約18mm~約24mmの範囲内の量だけ前記第2の光学経路差より小さい、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記第1の基準光ファイバの前記第1の距離は、約15mm~約25mmの範囲内の量だけ前記第2の基準光ファイバの前記第2の距離より小さい、請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
前記第1の干渉信号は、第1の複数の角膜場所からの第1の複数の干渉信号を備え、前記第2の干渉信号は、第2の複数の網膜場所からの第2の複数の干渉信号を備えている、請求項18に記載のシステム。
【請求項31】
前記光ビームは、前記第1の複数の角膜場所および前記第2の複数の網膜場所における複数の測定光ビームを備えている、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記複数の測定光ビームのうちの各々は、第1の角膜場所および第2の網膜場所を照明する、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記掃引光源が波長のある範囲にわたって掃引しているとき、前記第1の複数の角膜場所および前記第2の複数の角膜場所は、実質的に固定されたままである、請求項31に記載のシステム。
【請求項34】
前記複数の測定光ビームは、前記第1の複数の場所において前記角膜を測定し、前記第2の複数の場所において前記網膜を測定するように配置されている、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記掃引光源は、複数の掃引光源を備え、前記複数の測定光ビームは、前記複数の掃引光源を用いて発生させられる、請求項31に記載のシステム。
【請求項36】
前記複数の掃引光源は、複数のVCSELを備えている、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記複数のVCSELは、VCSELの2次元アレイを備えている、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記眼の網膜に沿って前記測定光学経路からの測定ビームを走査するように構成されたミラーをさらに備えている、請求項18に記載のシステム。
【請求項39】
前記ミラーは、約0.05mm~約2.0mmの範囲内、随意に、約0.1mm~約1.5mmの範囲内の最大差し渡しを備えている区域にわたって前記網膜上で前記測定ビームを走査するように構成され、随意に、前記最大差し渡しは、直径を備えている、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記プロセッサは、前記網膜に沿った複数の場所において、測定経路から複数のA走査を発生させるように構成され、前記プロセッサは、前記複数のA走査に応答して前記軸長を決定するための命令で構成されている、請求項38に記載のシステム。
【請求項41】
前記ミラーは、前記測定ビームが前記眼の網膜に沿って走査している間、前記眼の角膜に沿って前記測定ビームを走査するように構成されている、請求項38に記載のシステム。
【請求項42】
前記プロセッサは、前記角膜および前記網膜に沿った場所のための複数のA走査を発生させるように構成され、前記複数のA走査のうちの各々は、前記角膜に対応する第1のピークと、前記網膜に対応する第2のピークとを備えている、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記プロセッサは、複数の角膜A走査ピークの場所に応答する角膜の場所と、随意に、前記複数の角膜A走査ピークの前記場所に応答する前記測定ビームに対する前記眼の角度向きとを決定するための命令で構成されている、請求項42に記載のシステム。
【請求項44】
前記プロセッサは、複数の角膜A走査ピークおよび複数の網膜A走査ピークの場所に応答する前記眼の角度向きを決定するための命令で構成されている、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記プロセッサは、前記眼の角度向きに応答して、前記眼の軸長を決定するための命令で構成されている、請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
前記プロセッサは、前記複数のA走査に応答して、前記軸長を発生させるように構成されている、請求項41に記載のシステム。
【請求項47】
前記プロセッサは、実質的に環状のパターンにおいて前記角膜に沿って前記測定ビームを走査するように構成されている、請求項41に記載のシステム。
【請求項48】
前記複数のA走査のうちの各々に関して、前記測定ビームの網膜場所は、前記測定ビームの対応する角膜場所から前記眼の光軸の反対側にある、請求項41に記載のシステム。
【請求項49】
対物レンズが、前記角膜と前記網膜との間の場所において前記ミラーの画像を形成するように構成され、前記測定ビームは、前記ミラーの画像の第1の側において、第1の方向に前記角膜に向かって移動し、前記測定ビームは、前記ミラーの画像の第2の側において、第2の方向に前記網膜に向かって移動する、請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記ミラーと前記眼との間に位置している対物レンズをさらに備え、前記対物レンズは、前記網膜と前記眼の水晶体の裏面との間のウエストに測定光ビームを集束させるように構成され、前記測定光ビームは、前記測定ビームの一部を備えている、請求項38に記載のシステム。
【請求項51】
前記対物レンズは、前記眼の角膜と前記眼の網膜との間の場所において、前記眼内に前記ミラーの画像を形成するように構成され、随意に、前記ミラーの画像は、前記眼内の前記ウエストより前で形成される、請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
前記プロセッサは、複数の角膜場所と対応する複数の網膜場所との間の距離を備えている軸長マップを発生させるための命令で構成されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項53】
前記測定ビームのゼロの光学経路差は、前記眼内で前記眼の角膜と前記眼の網膜との間に位置し、前記ミラーは、前記ゼロの光学経路差で前記測定ビームの場所を走査するように構成されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項54】
前記第1の基準経路は、第1のゼロの光学経路差に対応し、前記第2の基準経路は、第2の光学経路差に対応する、請求項18に記載のシステム。
【請求項55】
前記第1の基準経路の前記第1のゼロの光学経路差に対応する第1の場所が、前記角膜の約10mm内に位置し、前記第2の基準経路の前記第2のゼロの光学経路差に対応する第2の場所が、前記眼の網膜の約10mm内に位置している、請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
前記第1の場所は、ミラーを用いて走査され、前記第2の場所は、前記ミラーを用いて走査される、請求項55に記載のシステム。
【請求項57】
前記測定光ビームを前記角膜および前記網膜上に集束させるための可変焦点レンズまたは二焦点レンズのうちの1つ以上をさらに備えている、請求項50に記載のシステム。
【請求項58】
前記掃引光源は、レーザ、半導体レーザ、レーザに結合された可動ミラー、レーザに結合された微小機械可動(MEMS)ミラー、垂直空洞レーザ、または垂直空洞面発光レーザ(VCSEL)、またはMEMSミラーを伴う同調可能VCSELのうちの1つ以上を備えている、請求項18に記載のシステム。
【請求項59】
前記掃引光源は、前記VCSELを備え、前記VCSELは、前記VCSELへの電流の過剰駆動を用いて波長のある範囲を掃引するように構成されている、請求項58に記載のシステム。
【請求項60】
前記VCSELは、約5nm~約20nm、随意に、約5nm~約10nmの波長の範囲を掃引するように構成されている、請求項58に記載のシステム。
【請求項61】
前記掃引光源は、複数のVCSELを備えている、請求項18に記載のシステム。
【請求項62】
前記眼の角膜の場所を決定するためのプルキニェ結像システムをさらに備えている、請求項18に記載のシステム。
【請求項63】
眼の軸長を測定するためのシステムであって、前記システムは、
光ビームのアレイを発生させ、前記光ビームの各々の波長を掃引するように構成されたVCSELのアレイと、
前記VCSELアレイに結合された干渉計であって、前記干渉計は、複数の干渉信号を発生させるための測定光学経路と基準光学経路とを備えている、干渉計と、
前記複数の干渉信号を受信するために前記干渉計に結合されたアレイ検出器と、
前記検出器に結合されたプロセッサと
を備え、
前記プロセッサは、前記複数の干渉信号に応答して前記眼の軸長を決定するための命令で構成されている、システム。
【請求項64】
複数の光ファイバをさらに備え、前記複数の光ファイバは、前記光ファイバの近位端上で前記VCSELのアレイに結合され、前記光ファイバの遠位端は、測定光ビームを前記眼に向かって透過するように配置されている、請求項63に記載のシステム。
【請求項65】
前記眼の内側に前記VCSELのアレイを結像し、前記複数の干渉信号を発生させるように構成されたレンズをさらに備えている、請求項63に記載のシステム。
【請求項66】
前記アレイの各VCSELは、前記各VCSEL内の利得媒体の1回以上の加熱または率変化を用いて前記波長を変動させるように構成されている、請求項63に記載のシステム。
【請求項67】
前記アレイの各VCSELは、MEMSミラーを用いることなく前記波長を変動させるように構成されている、請求項66に記載のシステム。
【請求項68】
前記アレイの各VCSELは、約5nm~約20nmの範囲内の量だけ前記波長を掃引するように構成されている、請求項63に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、2021年3月24日に出願された「AXIAL LENGTH MEASUREMENT MONITOR」と題された米国仮出願第63/200,718号の優先権を主張し、該出願の開示全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願の主題は、2019年6月20日に出願され、「MINIATURIZED MOBILE,LOW COST OPTICAL COHERENCE TOMOGRAPHY SYSTEM FOR HOME BASED OPHTHALMIC APPLICATIONS」と題され、2019年12月26日に第WO/2019/246412号として公開された第PCT/US2019/038270号(その開示全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に関する。
【背景技術】
【0003】
近年において開発された光線療法は、眼の軸長の増加を減少させ、可能性として、元に戻すために提案されている。近視等の屈折異常の進行を治療するための適切な療法を決定するために、屈折異常を測定するための改良された方法および装置を有することが、役立つであろう。
【0004】
屈折異常を測定することに対する従来のアプローチは、準理想的であり得る。毛様体筋麻痺が、屈折異常のより信頼性のある測定を提供しようとして、遠近調節応答を凍結させるために使用され得るが、多くの患者は、拡張されることを好まず、それは、毛様体筋麻痺剤を用いた日々の測定を非現実的な目標にし得る。主観的屈折も、眼の水晶体が遠近調節し得るので、準理想的であり得る視力に基づき、それは、明白な屈折の正確さおよび再現性を減少させる。自動屈折計等のデバイスからの客観的屈折測定が、被写界深度のプラス側とマイナス側との途中において、過焦点補正を自動的に見出すことができるが、これらのデバイスは、患者の遠近調節を受けやすく、準理想的結果を提供し得る。
【0005】
眼の屈折異常に対する変化を決定するために、軸長の変化を測定することが、提案されているが、軸長を測定することに対する従来のアプローチは、少なくともいくつかの点において準理想的であり得る。軸長を測定することに対するいくつかの従来のアプローチは、理想的であろうものより複雑である光干渉断層撮影システムに依拠し得る。軸長を測定することに対する従来のアプローチのうちの少なくともいくつかも、角膜と網膜上の単点との間の距離の差に依拠し得る。本開示に関連する研究は、網膜が、理想的であろうものよりあまり滑らかではなくあり得、それが、準理想的な結果をもたらし得ることを示唆している。少なくともいくつかの従来の研究は、軸長の変化と屈折異常との間の相関が、大規模な対象集団(例えば、50~100人の対象)が6~12ヶ月の期間にわたって定期的に検査されるときにのみ、合理的に良好であることを示している。その結果、従来の軸長モニタを用いる特定の小児の軸長の変化は、近視進行と準理想的に互いに関係し得、近視進行を監視し、治療を調節するためにあまり好適ではないこともある。
【0006】
本開示に関連する研究は、同じ対象について、類似の眼内バイオメトリを伴う対象の集団についても、軸長を測定することに対する従来のアプローチが窩における約50ミクロンの区域を測定し得ること、および、網膜厚がそのような小さい区域にわたって測定されるとき、実質的に(例えば、約50ミクロン以上の量)変動し得ることを示唆している。
【0007】
上記に照らして、改良された方法および装置が、眼の屈折異常および軸長の変化を決定するために必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示される方法およびシステムは、眼の軸長の改良された測定を提供する。いくつかの実施形態において、網膜のエリアが、より正確な軸長測定を提供するために測定される。網膜のエリアは、約0.05mm~約2.0mmの範囲内の最大差し渡し、例えば、直径を備え得る。エリアは、走査された測定ビームまたは複数の実質的に固定された測定ビームを用いて測定されることができる。いくつかの実施形態において、OCT測定デバイスは、複数の基準光学経路長を備え、第1の光学経路長が、角膜の第1の位置に対応し、第2の光学経路長が、網膜の第2の位置に対応し、軸長が、第1の位置と第2の位置との間の差異に基づいて決定される。いくつかの実施形態において、眼の測定デバイスとの整列を決定するために使用され得、測定の正確さおよび再現性を改良し得る軸長マップが、発生させられる。いくつかの実施形態において、OCT測定デバイスは、掃引源垂直空洞面発光レーザ(「VCSEL」)を備えている。
【0009】
(参照による組み込み)
本明細書において参照および識別される特許、出願、および刊行物は全て、参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれ、本願の他所において参照されている場合でも、参照することによって完全に組み込まれていると見なされるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の特徴、利点、および原理のより深い理解が、例証的実施形態を記載する以下の詳細な説明および付随の図面および添付の請求項を参照することによって、取得されるであろう。
【0011】
【0012】
【
図1B】
図1Bは、いくつかの実施形態によるユーザの眼を測定するための単眼光干渉断層撮影(OCT)デバイスの斜視図を示す。
【0013】
【
図2】
図2は、いくつかの実施形態による患者が複数の時点において軸長を測定し、結果を通信することを可能にするシステムの概略図を示す。
【0014】
【
図3A】
図3Aは、いくつかの実施形態によるBluetooth(登録商標)通信を利用するハンドヘルド式光干渉断層撮影デバイスを示す。
【0015】
【
図3B】
図3Bは、いくつかの実施形態による汎欧州デジタル移動電話方式(GSM(登録商標))を利用するハンドヘルド式OCTデバイスを示す。
【0016】
【
図4】
図4は、いくつかの実施形態によるユーザの眼を測定するための両眼OCTデバイスの斜視図を示す。
【0017】
【
図5】
図5は、いくつかの実施形態によるハンドヘルド式ユニット本体内の種々の構成要素を図示する両眼OCTデバイスのブロック図を示す。
【0018】
【
図6】
図6は、いくつかの実施形態による両眼のOCTとともに実装され得る光学構成の概略図を示す。
【0019】
【
図7】
図7は、いくつかの実施形態による光学レイアウト基板上に構成された光学構成のブロック図を示す。
【0020】
【
図8】
図8は、いくつかの実施形態によるモジュール式両眼OCTデバイスの斜視図を示す。
【0021】
【
図9】
図9は、いくつかの実施形態による両眼OCTデバイスの斜視/切り取り内部図を示す。
【0022】
【
図10】
図10は、いくつかの実施形態による両眼OCTデバイスの別の斜視/切り取り内部図を示す。
【0023】
【
図11】
図11は、いくつかの実施形態による眼球位置センサを備えている両眼OCTデバイスの俯瞰/切り取り内部図を示す。
【0024】
【
図12】
図12は、いくつかの実施形態による2つの基準アームを伴うOCTデバイスを示す。
【0025】
【
図13A】
図13Aは、いくつかの実施形態による1つ以上の検出器、例えば、平衡対を用いて同時に受信される2つの信号を伴うOCTデバイスに関する信号強度および周波数を示す。
【0026】
【0027】
【
図14】
図14は、いくつかの実施形態による軸長モニタの測定深度を示す。
【0028】
【
図15】
図15は、いくつかの実施形態によるユーザ整列に応答して色を変化させるように構成された固視標的を示す。
【0029】
【
図16】
図16は、いくつかの実施形態による複数の光ファイバに結合されたVCSELのアレイを示す。
【0030】
【
図17】
図17は、いくつかの実施形態による眼の中に結像されたVCSELアレイを示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下の詳細な説明は、本明細書に開示される実施形態による本開示に説明される発明の特徴および利点のより深い理解を提供する。本詳細な説明は、多くの具体的な実施形態を含むが、これらは、例としてのみ提供され、本明細書に開示される発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。例えば、眼の軸長を測定することが、参照されるが、本明細書に開示される方法および装置は、身体の他の組織および非組織物質等の多くのタイプのサンプルを測定するために使用されることができる。軸長のマップを発生させることが、参照されるが、本明細書に開示される方法および装置は、網膜、角膜、または水晶体のうちの1つ以上の画像等、眼の断面または断層撮影画像等の眼内組織の画像を発生させるために使用されることができる。
【0032】
いくつかの実施形態において、用語「軸長」は、眼の角膜頂点と網膜色素上皮(RPE)との間の距離を指す。眼の光軸に沿った軸長の測定は、屈折デバイスの近軸焦点距離および屈折力を決定するために使用されることができ、屈折デバイスは、眼を正視の状態にするために提供され得、最良に集束させられた画像を網膜色素上皮の表面に移動させる。軸長は、任意の他の好適な方向に沿って測定されることもでき、軸長は、小窩、窩、またはさらに黄斑全体を備えているRPEから角膜頂点までの複数の方向に沿った軸長の測定値の平均である平均値として表現され得る。いくつかの実施形態において、軸長は、少なくとも部分的に角膜の曲率に基づいて決定されることもでき、例えば、複数の軸長は、角膜の環状領域と黄斑の対応する環状領域とに沿って決定される。
【0033】
本開示される方法、システム、およびデバイスは、眼の軸長を測定するために非常に好適である。本開示に関連する研究は、軸長が強膜リモデリングによって引き起こされる眼長の変化を測定するために使用され得ることと、眼モデルが軸長を屈折異常に転換するために開発されていることとを示唆している。いくつかの実施形態において、眼モデルは、角膜の前曲率および後曲率、対応する角膜厚、および眼の水晶体の場所および度を含むように構成されている。いくつかの実施形態において、水晶体の度は、実質的に一定であり、前房深度の変動が、眼モデルに基づいて仮定されること、または直接測定されることができる。眼モデルは、回帰曲線に転換され、アプリケーション内にアルゴリズムとして含まれることができる。
【0034】
本開示される方法、システム、およびデバイスは、2019年6月20日に出願され、「MINIATURIZED MOBILE,LOW COST OPTICAL COHERENCE TOMOGRAPHY SYSTEM FOR HOME BASED OPHTHALMIC APPLICATIONS」と題され、第WO/2019/246412号として公開された第PCT/US2019/038270号(その開示全体が、参照することによって組み込まれ、本開示による修正のために非常に好適である)との組み合わせのために非常に好適である。そのようなシステムは、最大+/-3mm(例えば、21+/-3mm)のOPDの変化を測定するために光線経路を修正することによって軸長を測定することに従って修正されることができる。
【0035】
軸長の測定は、0.05~2.0mm、好ましくは、0.10~1.5mmの直径を有し得る網膜表面上の区域にわたって行われ得る。いくつかの光学設計では、例えば可動ミラーを利用する走査システムが、展開され、複数のA走査を実施する、得る。平均軸長が、これらの個々の測定から算出され得る。代替として、または組み合わせにおいて、複数の実質的に固定されたビームが、軸長を測定するために使用されることができる。
【0036】
いくつかの実施形態において、軸長測定デバイスは、近視進行を監視するために構成されている。本開示に関連する研究は、近視進行が、硝子体コンパートメントを実質的に深くすることによって生じるが、時として、角膜曲率の変化も、中程度に寄与し得ることを示唆している。本開示に関連する研究は、軸長が小児における近視進行と著しく互いに関係があること、および本開示される方法および装置が、小児における近視進行を監視するために非常に好適であることも示唆している。
【0037】
いくつかの実施形態において、OCTデバイスは、+/-25ミクロンの正確さと、10ミクロンの分解能と、+/-15ミクロンの再現性とを伴う軸長モニタを備えている。
【0038】
いくつかの実施形態において、OCTデバイスは、本明細書に説明されるように、軸長と屈折との間の関係に基づいて、+/-0.07Dの球面円柱形均等物の変化を測定し、0.03Dの変化を検出するように構成されている。いくつかの実施形態において、この性能は、デバイスが、その近視進行率が平均で約0.9D/年であり得るアジア系小児等の小児における屈折の変化を毎月監視することを可能にする。
【0039】
いくつかの実施形態において、OCT軸長測定デバイスは、迅速に近視阻害療法の有効性を検出することが可能であり、それによって、療法の変更は、患者の近視が強度近視(>-5D)のレベル(多くの実施形態において、近視の1.0Dを超えない、例えば、-1.0Dの屈折等の近視のはるかにより低いレベル)に接近する前に行われ得る。
【0040】
いくつかの実施形態において、OCT AL測定デバイスは、表1に示されるような、以下の特徴のうちの1つ以上を備えている。
【0041】
【0042】
いくつかの実施形態において、OCT AL測定デバイスは、軸長が角膜頂点から網膜色素上皮(RPE)層まで測定され、患者が視覚キューに基づいて固視、および自動整列または自己整列することが可能である単眼構成を備えている。
【0043】
本開示されるシステム、デバイスおよび方法は、以前のOCTアプローチを用いた組み込みのために非常に好適である。OCT干渉計は、時間ドメインOCT干渉計、掃引源OCT干渉計、スペクトルドメインOCT干渉計、または多重反射率OCT干渉計のうちの1つ以上を備え得る。限定された範囲の掃引および複数のVCSELの使用を伴う掃引源VCSELが、参照されているが、光源は、約20nm~約100nm以上の波長の範囲にわたって掃引することが可能であるMEMS同調可能VCSEL等の任意の好適な光源を備え得る。軸長マップが、参照されているが、いくつかの実施形態において、OCT測定システムおよび装置は、角膜および網膜の3D断層撮影画像を発生させるように構成されている。いくつかの実施形態において、網膜の3D断層撮影画像は、4~25ミクロン範囲内のOCT測定ビームに沿った空間分解能を伴う(例えば、2~10ミクロンの範囲内の分解能を伴う)網膜の高分解能画像を含む。
【0044】
本開示されるシステムおよび方法は、多くの方法において構成されることができる。いくつかの実施形態において、OCTシステムは、両眼デバイスを備え、両眼デバイスにおいて、一方の眼が、測定され、他方の眼が、固視刺激等の刺激を提供される。代替として、OCTシステムは、例えば、単眼デバイスを備え得、単眼デバイスにおいて、一度に一方の眼が測定され、測定された眼のみが、固視刺激を提供され、他方の眼が、遮眼子で覆われ得る。
【0045】
本明細書に開示される小型OCTシステムは、軸長の測定等の多くの以前の臨床検査との使用のために非常に好適である。ある場合、OCTシステムは、患者によって、または医療提供者によって使用される。多くの事例において、患者は、自身をシステムと整列させることができるが、別のユーザが、患者をシステムと整列させ、測定を行うこともできる。いくつかの実施形態において、OCTシステムは、以前のソフトウェアおよびシステムと統合され、追加の情報を医療提供者に提供し、軸長の変化に応答して、アラートを提供することができる。アラートは、随意に、是正措置(眼療法、視覚刺激療法、薬剤、投与量、または薬剤を服用するためのリマインダの変更等)がとられるべきであるとき、患者、介護者、および医療提供者に送信される。
【0046】
本明細書で使用されるように、用語「軸長」(「AL」)は、眼の角膜から眼の網膜までの眼の軸上距離を指す。いくつかの実施形態において、ALは、角膜の前面から網膜色素上皮(「RPE」)までの距離として測定される。
【0047】
本明細書で使用されるように、用語「角膜厚」(「CT」)は、最前角膜層、例えば、涙膜と、最後層、例えば、角膜内皮との間の角膜厚を指す。
【0048】
本明細書で使用されるように、用語「網膜厚(RT)」は、患者の網膜厚を評価するために使用される層間の網膜厚を指す。RTは、例えば、網膜の前面と外境界膜との間の網膜厚に対応し得る。
【0049】
本明細書で使用されるように、用語「網膜層厚(RLT)」は、網膜の1つ以上の光学的に検出可能な層の厚さを指す。網膜の光学的に検出可能な層は、例えば、外境界膜と網膜色素上皮との間に延びている網膜厚を備え得る。
【0050】
図1Aは、ヒトの眼の簡略図を示す。光は、角膜10を通して眼に進入する。虹彩20は、光が水晶体30に進むことを可能にする瞳孔25のサイズを変動させることによって、通過することを可能にされる光の量を制御する。前房40は、房水45を含み、房水45は、眼圧(IOP)を決定する。水晶体30は、結像のために光を集束させる。水晶体の焦点特性は、水晶体を再成形する筋肉によって制御される。集束光は、硝子体液55で充填される硝子体腔を通過する。硝子体液は、眼の全体的形状および構造を維持する。光は、次いで、感光性領域を有する網膜60上に到達する。特に、黄斑65は、視覚面の中心において光を受け取ることに関わる網膜のエリアである。黄斑内で、中心窩70は、光に対して最も敏感な網膜のエリアである。網膜上に到達する光は、視神経80に、次いで、処理のために脳に通される電気信号を発生させる。
【0051】
いくつかの障害が、眼の低下した光学性能を生じさせる。ある場合、眼の軸長は、望ましくなく長く、それは、患者の近視に関連する。ある場合、眼圧(IOP)は、高すぎるか、または低すぎるかのいずれかである。これは、例えば、前房内の房水の高すぎるまたは低すぎる産生率、または、例えば、前房からの房水の排水によって引き起こされる。他の場合、網膜は、薄すぎるか、または厚すぎる。これは、例えば、網膜内の流体の蓄積に起因して生じる。異常な網膜厚(RT)に関連する疾患は、例えば、緑内障、黄斑変性症、糖尿病性網膜症、黄斑浮腫、および糖尿病性黄斑浮腫を含む。ある場合、RTの健康な範囲は、厚さ175μm~厚さ225μmである。一般に、IOPまたはRTのいずれかまたは両方の異常は、いくつかの眼科疾患のうちの1つの可能な存在を示す。加えて、IOPまたはRTは、眼科治療または他の手技に応答して変動する。したがって、眼科疾患の診断のためにIOPおよび/またはRTを測定し、所与の患者のための治療の有効性を査定するための手段を有することが、望ましい。ある場合、1つ以上の網膜層の厚さ、例えば、複数の層の厚さを測定することが、望ましい。加えて、OCTシステムから取得されたデータを処理し、眼内の流体ポケットまたは領域を識別することを補助することが、これらが、眼の健康の変化を示し得るので、望ましい。
【0052】
本明細書に開示されるシステムおよび方法は、複数の時点においてALを測定するための光干渉断層撮影(OCT)の使用に関する。例えば、患者は、複数の時点において自身のALを測定し、経時的に近視等の眼科疾患の進行を追跡する。別の例として、患者は、複数の時点において自身のALを測定し、光刺激療法または他の治療に対する自身の応答を追跡する。ある場合、システムは、ALの1つ以上の最近の測定値が前の測定値から大きく外れると、アラートを生成する。ある場合、システムは、患者または患者の医師に変化を警告する。いくつかの事例では、この情報は、患者と医師との間の経過観察予約をスケジューリングする(例えば、眼科状態の治療を試行するために、処方された治療を中断するために、または追加の検査を行うために)ために使用される。
【0053】
図1Bは、いくつかの実施形態によるユーザの眼を測定するための単眼光干渉断層撮影(OCT)デバイス100の斜視図を示す。OCTデバイス100は、ヘッド202と、基部204と、それらの間のネック206とを含む。ヘッド202は、いくつかの実施形態において、ヘッド202の関節運動を可能にする結合具208によってネック206に接続される。ヘッドは、筐体を用いて覆われ、筐体は、光学モジュール、走査モジュール、他の関連する回路網およびモジュールを封入し、それらは、OCTデバイス100が一度に一方の眼ずつユーザの眼を測定することを可能にし得る。
【0054】
いくつかの実施形態において、ヘッド202は、レンズ210と、アイカップ212と、1つ以上のLEDライト214とをさらに含む。レンズ210は、ヘッド202内から眼の網膜上に集束するように1つ以上の光源を方向づけるように構成され得る。アイカップ212は、患者の頭部を位置付け、それによって、走査および検査のために患者の眼を位置付けるように構成され得る。アイカップ212は、回転可能であり得、それによって、突出部分216が、患者の眼に隣接して位置付けられ、患者の頭部がOCTデバイス100に対して適切に向けられると、(例えば、患者のこめかみに隣接して)頭部の側面に沿って延び得る。アイカップ212は、アイカップ212の回転向きを検出するように構成されたセンサに結合され得る。いくつかの実施形態において、OCTデバイス100は、アイカップ212の回転向きを検出し、それによって、患者が、走査および測定のためにその右眼または左眼を提供しているかどうかを決定するように構成されている。より具体的に、いくつかの実施形態において、アイカップ212の突出部分216は、患者の右のこめかみまたは左のこめかみのいずれかに隣接するように延び、それによって、測定されている患者の眼を決定し得る。いくつかの実施形態において、アイカップ212は、患者支持体を備えている。患者支持体は、代替として、またはアイカップ212との組み合わせにおいてのいずれかで、ヘッドレストまたは顎レストを備えている。
【0055】
いくつかの実施形態において、結合具208は、ヘッド202をネック206に接続し、結合具の周りでの旋回移動を可能にする。結合具208は、実施形態による固定式、関節運動式、回転式、または旋回式であり得る任意の好適な結合具であり得る。いくつかの事例では、結合具は、ねじ山付き留め具と、ねじ山付きナットとを含み、ヘッドをネックに対して所望の向きにおいて締め付ける。ねじ山付きナットは、手によって動作可能であり得、刻み付きノブ、蝶ナット、星形ナット、またはある他のタイプの手動で動作させられる締め付け機構を備え得る。結合具は、代替として、または加えて、ネックに対するヘッドの角度の調節を可能にする任意の好適な部材を備え得、カム、レバー、戻り止めを含み得、代替として、または加えて、粗面化表面、頂部および谷部、表面テクスチャ等の摩擦増加構造を含み得る。
【0056】
図2は、いくつかの実施形態による患者が複数の時点においてALを測定し、結果を通信することを可能にするシステムの概略図を示す。患者は、ハンドヘルド式OCTデバイス100を覗き込み、ALの測定値を取得する。いくつかの実施形態において、ハンドヘルド式OCTデバイスは、光学系102と、光学系を制御し、それと通信するための電子機器104と、バッテリ106と、伝送機108とを備えている。いくつかの事例では、伝送機は、有線伝送機である。ある場合、伝送機は、無線伝送機である。ある場合、ハンドヘルド式OCTデバイス100は、無線通信チャネル110によって、患者のスマートフォンまたは他のポータブル電子デバイス等のモバイル患者デバイス120に結果を通信する。ある場合、無線通信は、Bluetooth(登録商標)通信による。いくつかの実施形態において、無線通信は、Wi-Fi通信による。他の実施形態において、無線通信は、当業者に公知である任意の他の無線通信による。無線通信が、参照されているが、いくつかの実施形態において、OCTデバイスは、有線通信によって、患者モバイルデバイスに接続され、患者モバイルデバイスは、無線でクラウドベースのサーバ等の遠隔サーバに接続される。
【0057】
ある場合、結果は、ALの完全に処理された測定値である。ある場合、OCTデータの全ての処理が、ハンドヘルド式OCTデバイス上で実施される。例えば、いくつかの実施形態において、ハンドヘルド式OCTデバイスは、OCT光波形が電子表現に転換されることを可能にするハードウェアまたはソフトウェア要素を含む。ある場合、ハンドヘルド式OCTデバイスは、ハードウェアまたはソフトウェア要素をさらに含み、それらは、電子表現の処理を可能にし、例えば、ALの測定値を抽出する。
【0058】
ある場合、結果は、OCT測定値から取得される未加工光波形の電子表現である。例えば、いくつかの実施形態において、ハンドヘルド式OCTデバイスは、OCT光波形が電子表現に転換されることを可能にするハードウェアまたはソフトウェア要素を含む。ある場合、これらの電子表現は、次いで、例えば、RTの測定値を抽出するためのさらなる処理のために、モバイル患者デバイスに通される。
【0059】
ある場合、患者は、患者モバイルアプリ上でAL測定の結果および分析を受信する。いくつかの実施形態において、結果は、測定の結果が正常または健康の範囲外であることを患者に警告するアラート122を含む。ある場合、結果は、測定値124の表示も含む。例えば、ある場合、ALの測定は、ミリメートル(mm)の特定の値、例えば、23.6mmを伴う結果を生成する。いくつかの事例では、この結果は、所望の範囲外の軸長の変化に対応する。これは、システムにアラートを生成させ、患者モバイルアプリ上に測定値を表示させる。いくつかの実施形態において、アラートは、治療医師等の医療提供者に伝送される。いくつかの実施形態において、結果は、複数の時点にわたる患者のALの履歴を示すチャート126も含む。
【0060】
いくつかの事例では、患者モバイルデバイスは、通信手段130によって、測定の結果をクラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システム140に通信する。いくつかの実施形態において、通信手段は、有線通信手段である。いくつかの実施形態において、通信手段は、無線通信手段である。ある場合、無線通信は、Wi-Fi通信による。他の場合、無線通信は、セルラーネットワークによる。なおも他の場合、無線通信は、当業者に公知である任意の他の無線通信による。具体的実施形態において、無線通信手段は、クラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システムへの伝送またはそれからの受信を可能にするように構成されている。
【0061】
クラウドの中に記憶されると、具体的実施形態において、結果は、次いで、他のデバイスに伝送される。ある場合、結果は、第1の通信チャネル132によって、患者のコンピュータ、タブレット、または他の電子デバイス上の患者デバイス150に伝送される。いくつかの実施形態において、結果は、第2の通信チャネル134によって、患者の医師のコンピュータ、タブレット、または他の電子デバイス上の医師デバイス160に伝送される。ある事例では、結果は、第3の通信チャネル136によって、別のユーザのコンピュータ、タブレット、または他の電子デバイス上の分析デバイス170に伝送される。いくつかの実施形態において、結果は、第4の通信チャネル138によって、患者管理システムまたは病院管理システム180に伝送される。ある場合、デバイスの各々は、本明細書に説明されるような関連付けられる機能を実施するための適切なソフトウェア命令を有する。
【0062】
具体的実施形態において、第1の通信チャネルは、有線通信チャネルまたは無線通信チャネルである。ある場合、通信は、イーサネット(登録商標)による。他の場合、通信は、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)による。なおも他の場合、通信は、Wi-Fiによる。さらに他の場合、通信は、当業者に公知である任意の他の有線または無線通信チャネルまたは方法による。いくつかの実施形態において、第1の通信チャネルは、クラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システムへの伝送またはそれからの受信を可能にするように構成されている。ある場合、第1の通信チャネルは、クラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システムからの受信のみを可能にするように構成されている。
【0063】
ある場合、第2の通信チャネルは、有線通信チャネルまたは無線通信チャネルである。いくつかの事例では、通信は、イーサネット(登録商標)による。具体的実施形態において、通信は、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)による。他の実施形態において、通信は、Wi-Fiによる。さらに他の実施形態において、通信は、当業者に公知である任意の他の有線または無線通信チャネルまたは方法による。ある場合、第2の通信チャネルは、クラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システムへの伝送またはそれからの受信を可能にするように構成されている。いくつかの実施形態において、第2の通信チャネルは、クラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システムからの受信のみを可能にするように構成されている。
【0064】
具体的な場合において、第3の通信チャネルは、有線通信チャネルまたは無線通信チャネルである。いくつかの事例では、通信は、イーサネット(登録商標)による。他の事例では、通信は、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)による。なおも他の事例では、通信は、Wi-Fiによる。さらに他の事例では、通信は、当業者に公知である任意の他の有線または無線通信チャネルまたは方法による。いくつかの実施形態において、第3の通信チャネルは、クラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システムへの伝送またはそれからの受信を可能にするように構成されている。ある場合、第3の通信チャネルは、クラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システムからの受信のみを可能にするように構成されている。
【0065】
いくつかの実施形態において、第4の通信チャネルは、有線通信チャネルまたは無線通信チャネルである。ある場合、通信は、イーサネット(登録商標)による。他の場合、通信は、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)による。なおも他の場合、通信は、Wi-Fiによる。さらに他の場合、通信は、当業者に公知である任意の他の有線または無線通信チャネルまたは方法である。いくつかの事例では、第4の通信チャネルは、クラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システムへの伝送またはそれからの受信を可能にするように構成されている。他の場合、第4の通信チャネルは、クラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システムからの受信のみを可能にするように構成されている。
【0066】
ALの決定は、多くの場所において実施されることができる。例えば、ALの決定は、ハンドヘルド式OCTデバイス上で実施され得る。ある場合、ALの決定は、スマートフォンまたは他のポータブル電子デバイスによって等、ハンドヘルド式OCTデバイスに近い場所において実施される。いくつかの実施形態において、ALの決定は、クラウドベースの記憶および通信システム上で実施される。いくつかの事例では、ハンドヘルド式OCTデバイスは、測定データを圧縮し、圧縮された測定データをクラウドベースの記憶および通信システムに伝送するように構成されている。代替として、または組み合わせにおいて、OCTデバイスに動作可能に結合されるモバイルデバイス等、OCTシステムの他の構成要素は、例えば、測定データを圧縮し、圧縮された測定データをクラウドベースの記憶および通信システムに伝送するように構成されることができる。
【0067】
いくつかの実施形態において、患者は、患者デバイス150上でAL測定の結果および分析を受信する。いくつかの事例では、結果は、測定の結果が正常または健康の範囲外であることを患者に警告するアラート152を含む。ある場合、結果は、測定値154の表示も含む。例えば、ある場合、ALの測定は、23.6mmの結果を生成する。この結果は、近視における強まりを示す軸長における増加に対応する。正常または健康の範囲外である。ある場合、それは、システムにアラートを生成させ、患者デバイス上に23.6mmの測定値を表示させる。具体的な場合において、結果は、複数の時点にわたる患者のALの履歴を示すチャート156も含む。ある場合、患者デバイスは、患者が従うための命令158も表示する。いくつかの事例では、命令は、患者にその医師を受診するように指示する。いくつかの実施形態において、命令は、例えば、患者の氏名、直近のAL測定の日付、およびその医師への次のスケジューリングされた受診を含む。
【0068】
いくつかの実施形態において、患者の医師は、医師デバイス160上でAL測定の結果および分析を受信する。いくつかの事例では、結果は、測定の結果がベースラインからの潜在的に顕著な変化に対応することを医師に警告するアラート162を含む。ある場合、結果は、患者の測定値を医師に通知するアラート164も含む。いくつかの実施形態において、アラートは、医師が患者に電話し、予約をスケジューリングすること、または医療支援を提供することの示唆を含む。いくつかの実施形態において、結果は、医師の患者の各々に関する直近の測定値および履歴測定値を示す表示166も含む。例えば、いくつかの事例では、ALの測定は、23.6mmの結果を生成する。この結果は、近視の可能な進行を示すベースライン値からの変化に対応する。正常または健康の範囲外である。ある場合、これは、システムにアラートを生成させ、医師アプリ上に23.6mmの測定値、または、以前の測定値からの軸長における増加の量を表示させる。具体的な場合において、医師デバイスは、医師の患者の各々に関する連絡先および履歴情報168も表示する。
【0069】
いくつかの実施形態において、他のユーザは、分析デバイス170上でAL測定の結果および分析を受信する。いくつかの事例では、他のユーザは、新しい形態の治療の有効性を調査する研究者である。他の場合、他のユーザは、特定の医師または介護施設の結果を監視する監査員である。患者のプライバシを保護するために、ある場合、分析デバイスは、所与の患者の情報の一部のみを受信するように制限される。例えば、一部は、所与の患者についてのいかなる個人識別情報も含まないように制限される。ある場合、結果は、多数の異常または望ましくない測定値が特定の期間内で取得されていることを警告または示すアラート172を含む。ある場合、結果は、患者の母集団にわたる測定値の1つ以上のグラフ表現174を含む。
【0070】
ある場合、分析デバイス上の結果および分析は、医師が確認した診断等の疾患情報を含む。ある場合、結果および分析は、年齢、性別、遺伝情報、患者の環境についての情報、喫煙歴、患者が罹患した他の疾患等の匿名患者データを含む。ある場合、結果および分析は、光療法、処方された薬剤、治療履歴のリスト等の患者のための匿名治療計画を含む。ある場合、結果および分析は、AL測定の結果等の測定結果、患者屈折(眼鏡処方)、視覚機能検査、または治療過程への患者の服薬遵守度を備えている。ある場合、結果および分析は、電子診療記録からのデータを含む。ある場合、結果および分析は、患者の医療提供者によって入手される軸長OCT走査の結果等の患者の医療提供者への受診からの診断情報を含む。
【0071】
いくつかの実施形態において、患者の臨床、病院、または他の医療提供者は、患者管理システムまたは病院管理システム180上でAL測定の結果および分析を受信する。ある場合、システムは、患者の電子診療記録を含む。ある場合、結果および分析は、患者の医療提供者に、提供者が患者のための治療計画を更新することを可能にするデータを提供する。いくつかの事例では、結果および分析は、提供者が早期外来診療を患者に呼び掛けることを決定することを可能にする。いくつかの事例では、結果および分析は、提供者が外来診療を延期することを決定することを可能にする。
【0072】
いくつかの実施形態において、患者デバイス、医師デバイス、および分析デバイスのうちの1つ以上は、本明細書に説明されるように、それぞれ、患者デバイス、医師デバイス、または分析デバイスの機能を実施するための命令を含むソフトウェアアプリケーションを含む。
【0073】
図3Aは、いくつかの実施形態による近距離無線通信を利用するハンドヘルド式OCTデバイスを示す。いくつかの実施形態において、ハンドヘルド式OCTデバイス100は、光学系102と、光学系104を制御し、それと通信するための電子機器と、バッテリ106と、無線伝送機108とを備えている。ある場合、無線伝送機は、Bluetooth(登録商標)伝送機である。いくつかの事例では、1つ以上のAL測定からの結果は、患者または患者によって指定される別の人物等の認定ユーザが、スマートフォンまたは他のポータブル電子デバイス上の患者モバイルデバイスを開くまで、ハンドヘルド式OCTデバイス上に記憶される。開かれると、患者モバイルデバイスアプリケーションは、ハンドヘルド式OCTデバイスとの無線通信を確立する。ある場合、通信は、Bluetooth(登録商標)無線通信チャネル110による。いくつかの事例では、ハンドヘルド式OCTデバイスは、Bluetooth(登録商標)チャネルによって、結果を患者のスマートフォンまたは他のポータブル電子デバイス上のモバイル患者デバイス120に通信する。
【0074】
いくつかの事例では、結果は、測定の結果が所望の範囲外であることを患者に警告するアラート122を含む。具体的実施形態において、結果は、測定値124の表示も含む。例えば、ALの測定は、ある場合、23.6mmの結果を生成する。この結果は、所望の範囲外である。ある場合、これは、システムにアラートを生成させ、患者モバイルアプリ上に23.6mmの測定値を表示させる。具体的実施形態において、結果は、複数の時点にわたる患者のALの履歴を示すチャート126も含む。
【0075】
ある場合、患者モバイルデバイスアプリケーションは、無線通信手段130によって、測定の結果をクラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システム140に通信する。いくつかの事例では、無線通信は、Wi-Fi通信である。他の場合、Wi-Fi通信は、セキュアWi-Fiチャネルによる。なおも他の場合、無線通信は、セルラーネットワークによる。具体的実施形態において、セルラーネットワークは、セキュアセルラーネットワークである。他の実施形態において、伝送された情報が、暗号化される。ある場合、通信チャネルは、クラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システムへの伝送またはそれからの受信を可能にするように構成されている。ある場合、データは、スマートフォンまたは他のポータブル電子デバイスがWi-Fiまたはセルラーネットワークに接続するまで、スマートフォンまたは他のポータブル電子デバイス上に記憶される。
【0076】
ある場合、患者モバイルデバイスアプリケーションは、患者モバイルデバイスアプリケーションが最後に開かれてからあまりに多くの時間が経過したとき、患者または患者によって指定される別の人物に通知する特徴を有する。例えば、ある場合、この通知は、患者が、その医師または他の医療提供者によって設定される測定スケジュールによる要求ほど最近にALの測定値を入手していないので、生じる。他の場合、通知は、ハンドヘルド式OCTデバイスがあまりに多くの測定の結果を記憶しており、データを患者のスマートフォンに伝送する必要があるので、生じる。具体的実施形態において、患者モバイルデバイスアプリケーションは、クラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システムと通信し、患者データの完全な組を表示する。
【0077】
図3Bは、いくつかの実施形態によるスマートフォン等のユーザデバイスに依拠することなく、クラウドベースの記憶および通信システムと直接通信することが可能であるハンドヘルド式OCTデバイスを示す。いくつかの実施形態において、ハンドヘルド式OCTデバイス100は、光学系102と、光学系104を制御し、それと通信するための電子機器と、バッテリ106と、無線伝送機108とを備えている。ある場合、無線伝送機は、GSM(登録商標)伝送機である。いくつかの事例では、1つ以上のAL測定からの結果が、ハンドヘルド式OCTデバイス上に記憶される。ある場合、GSM(登録商標)伝送機は、無線通信チャネル114によってクラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システム140との無線通信を確立する。特定の場合において、無線通信は、GSM(登録商標)無線通信チャネルによる。他の実施形態において、システムは、第3世代(3G)または第4世代(4G)モバイル通信規格を利用する。そのような場合、無線通信は、3Gまたは4G通信チャネルによる。
【0078】
具体的実施形態において、患者モバイルデバイス120は、クラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システム140から無線通信手段130によって測定の結果を受信する。ある場合、無線通信は、Wi-Fi通信による。ある場合、Wi-Fi通信は、セキュアWi-Fiチャネルによる。他の場合、無線通信は、セルラーネットワークによる。ある場合、セルラーネットワークは、セキュアセルラーネットワークである。具体的事例では、伝送された情報が、暗号化される。いくつかの実施形態において、通信チャネルは、クラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システムへの伝送またはそれからの受信を可能にするように構成されている。
【0079】
クラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システムから取得されると、AL測定の結果は、いくつかの事例では、患者モバイルアプリケーション内で閲覧される。ある場合、結果は、測定の結果が正常または健康の範囲外であることを患者に警告するアラート122を含む。いくつかの事例では、結果は、測定値124の表示も含む。例えば、ある場合、ALの測定は、23.6mmの結果を生成する。この結果は、本明細書において説明されるように、所望の範囲外である。具体的実施形態において、それは、システムにアラートを生成させ、患者モバイルアプリケーション上に23.6mmの測定値を表示させる。いくつかの実施形態において、結果は、複数の時点にわたる患者のALの履歴を示すチャート126も含む。
【0080】
ある場合、患者モバイルデバイスアプリケーションは、患者モバイルデバイスアプリケーションが最後に開かれてからあまりに多くの時間が経過したとき、患者または患者によって指定される別の人物に通知する特徴を有する。例えば、ある場合、この通知は、その医師または他の医療提供者によって設定される測定スケジュールによる要求ほど最近にALの測定値を入手していないので、生じる。他の場合、通知は、ハンドヘルド式OCTデバイスがあまりに多くの測定の結果を記憶しており、データを患者のスマートフォンに伝送する必要があるので、生じる。具体的実施形態において、患者モバイルデバイスは、クラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システムと通信し、患者データの完全な組を表示する。
【0081】
ある場合、ハンドヘルド式OCTデバイスは、近距離伝送機と、GSM(登録商標)、3G、または4G伝送機との両方を備えている。いくつかの事例では、近距離伝送機は、Bluetooth(登録商標)伝送機である。ある場合、ハンドヘルド式OCTデバイスは、Bluetooth(登録商標)無線通信チャネルを通して、スマートフォンまたは他のポータブル電子デバイス上の患者モバイルデバイスアプリケーションと直接通信する。いくつかの実施形態において、ハンドヘルド式OCTは、GSM(登録商標)、3G、または4G無線通信チャネルを通して、クラウドベースまたは他のネットワークベースの記憶および通信システムとも通信する。具体的な場合において、クラウドベースのシステムは、次いで、Wi-Fi、セルラー、または他の無線通信チャネルを通して、患者モバイルデバイスアプリケーションと通信する。代替として、Bluetooth(登録商標)伝送機は、ドッキングステーションに組み込まれる。いくつかの事例では、それは、スマートフォンを所持していない患者のためのより古いデバイスの使用を可能にする。ある場合、ドッキングステーションは、ハンドヘルド式OCTデバイスのバッテリを充電するための手段も含む。
【0082】
ある場合、
図3Aおよび3Bのハンドヘルド式OCTデバイスは、眼に近接近して保持されるように構成されている。例えば、具体的実施形態において、デバイスは、眼から200mm以下の距離に検出器を伴って眼の正面で保持されるように構成されている。他の実施形態において、デバイスは、眼から150mm以下、100mm以下、または50mm以下の距離に検出器を伴って眼の正面で保持されるように構成されている。具体的事例では、ハンドヘルド式OCTデバイスは、光源、光学要素、検出器、および回路網を支持するための筐体をさらに備えている。ある場合、筐体は、ユーザの手の中で保持されるように構成されている。ある場合、ユーザは、眼の正面でデバイスを保持し、光ビームを眼の中に方向づける。いくつかの事例では、デバイスは、どの眼が測定されているかを判断するためのセンサを含む。例えば、具体的実施形態において、デバイスは、筐体の向きに応答して測定されている眼を決定するための加速度計またはジャイロスコープを含む。デバイスは、随意に、筐体に結合された遮蔽構造と、測定される眼を決定するセンサとを含む。遮蔽構造は、他方の眼が測定されている間、一方の眼を塞ぐ。ある場合、デバイスは、光ビームを網膜の一部と整列させるための視認標的を含む。例えば、具体的実施形態において、デバイスは、光ビームを眼窩と整列させるための視認標的を含む。ある場合、視認標的は、光ビームである。ある場合、視認標的は、発光ダイオードである。他の場合、視認標的は、垂直空洞面発光レーザ(VCSEL)である。なおもさらなる場合、視認標的は、当業者に公知であろう任意の好適な視認標的である。
【0083】
本明細書に説明される光学構成要素は、当業者によって理解されるであろうように、本明細書に説明されるように縮小された物理的サイズおよび質量をハンドヘルド式OCTデバイスに提供するように、小型化されることが可能である。
【0084】
いくつかの実施形態において、
図3Aおよび3Bのハンドヘルド式OCTデバイスは、ユーザによって片手で容易に操作されるために十分に小さく、十分に軽量である。例えば、いくつかの実施形態において、デバイスは、約100グラム~約500グラムの範囲内の質量を有するが、デバイスは、より重くあり得、例えば、約500グラム~約1,000グラムの範囲内の質量を備え得る。いくつかの実施形態において、デバイスは、約200グラム~約400グラムの範囲内の質量を有する。いくつかの実施形態において、デバイスは、約250グラム~約350グラムの範囲内の質量を有する。具体的実施形態において、デバイスは、約80mm~約160mmの範囲内の最大の横断寸法を有する。具体的実施形態において、デバイスは、約100mm~約140mmの範囲内の最大の横断寸法を有する。具体的実施形態において、デバイスは、約110mm~約130mmの範囲内の幅を有する。いくつかの実施形態において、最大の横断寸法は、ある長さを備えている。いくつかの実施形態において、デバイスは、その長さ未満の幅を有する。具体的実施形態において、デバイスは、約40mm~約80mmの範囲内の幅を有する。具体的実施形態において、デバイスは、約50mm~約70mmの範囲内の幅を有する。具体的実施形態において、デバイスは、約55mm~約65mmの範囲内の幅を有する。
【0085】
図4は、いくつかの実施形態によるユーザの眼を測定するための両眼OCTデバイス4900の斜視図を示す。両眼OCTデバイス4900は、OCT測定システムに光学的に結合される第1の調節可能レンズ4916-1と、ハンドヘルド式ユニット本体4903(例えば、筐体)内に構成された第1の固視標的とを備え、それらの両方は、この図では視界から非表示にされている。同様に、第2の調節可能レンズ4916-2が、OCT測定システムおよび第2の固視標的(非表示にされている)に光学的に結合され得る。第1の調節可能レンズ4916-1は、第1の自由空間光学系の一部であり得、第1の自由空間光学系は、固視標的を提供し、ユーザの眼の軸長を測定するように構成されている一方、第2の調節可能レンズ4916-2は、第2の自由空間光学系の一部であり得、第2の自由空間光学系は、両眼OCTデバイス4900内の構成要素の数を低減させるように、固視標的のみを提供するように構成されている。例えば、両方の自由空間光学系が、ユーザに固視標的を提供するが、両眼OCTデバイス4900は、ユーザが第1の眼を測定した後、上下逆に方向転換され、すなわち、逆にされ、それによって、ユーザが、他方の眼を測定し得るように、自由空間光学系のうちの一方のみが、軸長を測定するために使用される。
【0086】
両眼OCTデバイス4900は、本実施形態において、ハンドヘルド式ユニット本体4903の外部上でアクセス可能である瞳孔間距離(IPD)調節機構4905を備えている。本実施形態において、IPD調節機構4905は、2つの構成要素を備え、第1の構成要素4905-1は、アイカップ4901-1および4901-2がユーザの顔に位置するとき、ユーザがユーザの眼の正面に両眼OCTデバイス4900を設置したとき、ユーザの瞳孔のIPDに合致するように、レンズ4916-1と4916-2との間の距離を調節する。
【0087】
このIPDは、医療従事者によって設定され、ユーザが自宅でAL、角膜厚、または網膜厚のうちの1つ以上を測定するための位置に係止されることができる。代替として、IPDは、ユーザ調節可能であり得る。スイッチ4904が、ユーザの屈折、すなわち、眼鏡処方に合致するように、レンズ4916-1および4916-2を調節するために使用され得る。代替として、タブレット等のモバイルデバイスが、患者の各眼の屈折をプログラムするために使用されることができる。例えば、ユーザは、一方の眼で第1の固視標的を固視し、別の眼で第2の固視標的を固視し得、可動レンズは、ユーザの屈折に対して調節され得る。スイッチ4904は、ハンドヘルド式ユニット本体4903内のレンズ4916-1および4916-2のアセンブリを選択的に調節し、レンズ4916-1および4916-2の位置付けを変化させ得る。これらの位置は、医療従事者によってデバイスに入力され、本明細書に説明されるような向きセンサからの向きに加えて、プロセッサ内に記憶されることができる。デバイスは、逆にされることができ、プロセスは、繰り返されることができる。代替として、または加えて、各眼のための処方は、プロセッサ内に記憶されることができ、レンズは、向きセンサの向きに応答して、各眼のための適切な屈折に調節されることができる。
【0088】
構成要素4905-1および4905-5の両方は、医療提供専門家が手動で回転させる1つ以上のホイールとして実装され得る。代替として、IPD調節機構4905は、電動式であり得る。この点について、構成要素4905-1および4905-5は、方向スイッチとして構成され得、それらは、ハンドヘルド式ユニット本体4903内のモータを作動させ、ユーザがスイッチを方向づける方向に基づいて、ハンドヘルド式ユニット本体4903内の歯車を回転させる。
【0089】
スイッチ4904は、両眼OCTデバイス4900の集束を調節するために使用されることができる。例えば、レンズ4916-1および4916-2の調節によってもたらされる焦点変化が、レンズ4916-1および4916-2の調節によって屈折力の慣用単位(例えば、ジオプタ)で測定され得るからである。ジオプタスイッチ4906も、方向スイッチを備え得、それは、ハンドヘルド式ユニット本体4903内のモータを作動させ、医療従事者がスイッチを方向づける方向に基づいて、ハンドヘルド式ユニット本体4903内の歯車を回転させ、両眼OCTデバイス4900の屈折力を調節する。両眼OCTデバイス4900が、電子デバイスを備え得るので、両眼OCTデバイス4900は、両眼OCTデバイス4900の給電を制御するための電源スイッチ4906を備え得る。
【0090】
アイカップ4901-1および4901-2の各々は、測定中の眼の位置の調節を可能にするように、筐体にねじ式に搭載され、結合されることができる。本開示に関連する研究は、アイカップが医療従事者によって調節され、本明細書に説明されるようなAL測定のための眼の十分に再現可能な位置付けを可能にするように定位置に係止され得ることを示唆する。代替として、または組み合わせて、プルキニェ画像センサ等の眼球位置センサが、眼からOCT測定システムまでの距離を決定するために使用されることができる。
【0091】
両眼OCTデバイス4900は、自宅内測定のための適切な寸法および重量、およびユーザが両眼OCTシステムを旅行に持って行くための適切なそれらを備え得る。例えば、両眼OCTシステムは、好適な長さと、好適な幅と、好適な高さとを備え得る。長さは、ユーザ視認方向に対応する軸に沿って延びていることができる。長さは、約90mm~約150mmの範囲内、例えば、約130mmであることができる。幅は、長さに対して側方に延びていることができ、約90mm~約150mmの範囲内、例えば、約130mmであることができる。高さは、例えば、約20mm~約50mmの範囲内であることができる。いくつかの実施形態において、長さは、約110mm~210mmの範囲内であり、幅は、約100mm~200mmの範囲内であり、高さは、約50mm~約110mmの範囲内である。いくつかの実施形態において、デバイスを横断した最大距離は、約200mm~約350mmの範囲内、例えば、約300mmである。
【0092】
両眼OCTシステムの重量は、約1ポンド~2ポンド、例えば、0.5kg~約1kgの範囲内であることができる。
【0093】
両眼OCTデバイス4900は、落とされても、依然として正しく機能するように構成されることができる。例えば、両眼OCTデバイスは、約30cmの高さから落とされても、例えば、測定の反復性以下の測定されたALの変化を伴う正確にAL測定を実施するように、依然として機能するように構成されることができる。両眼OCTシステムは、例えば、ガラス破損からの安全上の危険をもたらすことなく、約1メートルの高さから落とされるように構成されることができる。
【0094】
図5は、いくつかの実施形態によるハンドヘルド式ユニット本体4903内の種々の構成要素を図示する両眼OCTデバイス4900のブロック図を示す。例えば、両眼OCTデバイス4900は、自由空間光学系4910-1および4910-2を備えている。自由空間光学系4910-1および4910-2の各々は、そのそれぞれの眼のための固視標的4912を備え、固視標的4912は、ユーザのALが測定されている間、ユーザが標的を固視/凝視することを可能にし、両眼固視を提供するように、他方の眼を用いた固視を可能にする。固視標的は、LED等の光源を用いて後方照明される開口(例えば、円盤形の照明標的を形成するための円形開口)を備え得るが、十字形または他の好適な固視刺激も、使用され得る。自由空間光学系4910-1および4910-2は、それぞれ、屈折誤差(RE)補正モジュール4911-1および4911-2も備え得、それらは、レンズ4916-1および4916-2を備えている。これらのレンズは、適切な眼の屈折誤差に対応する事前プログラムされた位置まで移動させられることができる。自由空間光学系モジュール4910-1および4910-2内の周辺基板4915-1および4915-2は、それぞれ、電動式ステージ4914-1および4914-2に対する電子制御を提供し、両眼OCTデバイス4900の固視標的を視認するそれぞれの眼の屈折誤差を補正する。
【0095】
本明細書に議論されるように、両眼OCTデバイス4900は、ユーザの顔の上に両眼OCTデバイス4900を快適に置くために使用され得るアイカップ4901-1および4901-2を備え得る。それらは、ユーザが両眼OCTデバイス4900の中を凝視するとき、外部光を遮断するようにも構成され得る。アイカップ4901は、アイカップ調節機構4980-1および4980-2を備え得るそれらは、医療提供専門家、随意に、ユーザが、ハンドヘルド式ユニット本体4903に対してアイカップ4901-1および4901-2を往復して移動させることを可能にし、ユーザの顔の上にアイカップを快適に位置付け、測定のために各眼を適切に位置付ける。
【0096】
いくつかの実施形態において、両眼OCTデバイス4900は、単一のVCSELまたは複数のVCSEL4952を備えているファイバ干渉計モジュール4950を備えている。1つ以上のVCSEL4952は、ファイバマッハ・ツェンダー干渉計4951に光学的に結合されたファイバ分配モジュール4953に光学的に結合されている。複数のVCSEL4952を備えている、実施形態において、VCSELSの各々は、光のスペクトル範囲を拡張するために、複数の中の他のVCSEL4952と異なる波長の範囲を備え得る。例えば、各VCSEL4952は、本明細書において説明されるように、ある持続時間にわたって波長のある範囲にわたって掃引されるレーザ光をパルス化し得る。各VCSEL4952の掃引範囲は、本明細書に説明されるような複数の中の別のVCSEL4952の隣接掃引範囲に部分的に重複し得る。したがって、複数のVCSEL4952の波長の全体的掃引範囲が、より大きい波長掃引範囲まで拡張され得る。加えて、複数のVCSEL4952からのレーザ光の発射は、連続的であり得る。例えば、複数のVCSEL4952のうちの第1のVCSELが、ある持続時間にわたって第1の波長にわたってレーザパルスを掃引し得る。次いで、複数のVCSEL4952のうちの第2のVCSELが、ある類似した持続時間にわたって第2の波長にわたってレーザパルスを掃引し、次いで、第3のVCSELが掃引する等。
【0097】
1つ以上のVCSEL4952からのレーザ光は、ファイバ分配モジュール4953に光学的に伝達され、ファイバ分配モジュール4953において、レーザ光の一部が、メイン電子基板4970内の分析のためにファイバコネクタ4960に光学的に伝達される。ファイバコネクタ4960は、ファイバ分配モジュール4953からファイバコネクタモジュール4960まで複数の光ファイバを接続し得る。レーザ光の別の部分が、光路距離補正(OPD)モジュール4940に光学的に伝達され、最終的に、ユーザの眼への送達およびマッハ・ツェンダー干渉計の測定アームの一部を用いたユーザの眼の測定のために自由空間光学系4910-1に伝達される。例えば、OPD補正モジュール4940は、電動式ステージ4942を作動させ、ユーザの眼と、マッハ・ツェンダー干渉計の結合器と、1つ以上のVCSEL4952との間の光路距離を変化させるように、メイン電子基板4970によって制御される周辺基板4943を備え得る。OPD補正モジュール4940は、ユーザの眼への送達の前にVCSEL4952からのレーザ光をコリメートするファイバコリメータ4941も備え得、ファイバコリメータは、OPD補正モジュール4940を用いて平行移動させられることができる。
【0098】
コントローラインターフェース4930が、ユーザ入力を受信し、両眼OCT測定システムを制御するために使用され得る。コントローラインターフェースは、第1のコントローラインターフェース4930-1と、第2のコントローラインターフェース4930-2とを備え得る。コントローラインターフェース4930は、本明細書に説明されるように、ユーザが一連のステップを開始し、眼を整列させ、網膜を測定することを可能にするトリガボタン機構を備え得る。代替として、または組み合わせにおいて、デバイスは、デバイスが適切な許容差内で眼に整列させられると、データが自動的に入手されるように、自動捕捉機能で構成され得る。
【0099】
ある実施形態において、両眼OCTデバイス4900は、あるパターン(例えば、停止および進行走査パターン、星形走査パターン、連続走査パターン、リサジュー走査パターン、または花走査パターン(バラ曲線))において1つ以上のVCSEL4952からのレーザ光を走査するスキャナモジュール4990を備えている。例えば、スキャナモジュール4990の周辺基板4991が、メイン電子基板4970に通信可能に結合され得、周辺基板4991は、制御信号を受信し、制御信号は、ユーザの眼に対して光干渉断層撮影(OCT)測定を実施するためのパターンでVCSEL4952からのパルスレーザ光を走査するようにスキャナモジュール4992に指示する。走査モジュール4990は、シーリング窓4992を備え得、シーリング窓4992は、ファイバコリメータ4941からレーザ光を受け取り、自由空間2次元スキャナ4993にレーザ光を光学的に伝達し、自由空間2次元スキャナ4993は、レーザ光の走査パターンを提供する。2次元スキャナは、例えば、2軸検流計または2軸静電スキャナ等の本明細書に説明されるようなスキャナを備え得る。存在するとき、シーリング窓4992は、埃および/または湿気がない状態で両眼OCTデバイス4900の内部構成要素を保つために使用され得る。レーザ光は、次いで、走査レーザ光が、自由空間RT光学系4910-1によってユーザの眼に入力され得るように、光学系4994を中継するように光学的に伝達される。この点について、走査レーザ光は、赤外光が、ホットミラー、走査ミラーに向かって後方反射され、コリメーションレンズに結合される光ファイバ先端の中に集束させられ得るように、ホットミラー4913に伝達され得る。ホットミラー4913は、概して、可視光を透過し、赤外光を反射し、ホットミラー4913は、例えば、ダイクロイックショートパスミラーを備え得る。
【0100】
スキャナおよび関連付けられる光学系は、中心窩を備えている領域等、網膜の任意の好適にサイズを決定された領域を走査するように構成されることができる。いくつかの実施形態において、スキャナおよび関連付けられた光学は、網膜が走査されている間、角膜を走査するように構成されている。いくつかの実施形態において、スキャナは、コントローラ等のプロセッサ上に記憶される命令に応答して、所定の走査パターン等の走査パターンを用いて網膜を走査するように構成されている。例えば、スキャナは、例えば、約0.05~2.0mmの範囲内の最大寸法を備えているエリアの上を網膜を走査するように構成されることができる。最大差し渡しは、直径を備え得、約0.1mm~約1.5mmの範囲内であることができる。角膜走査の寸法は、同様であることができる。網膜の走査領域は、例えば、眼の測定された位置に基づいてマップを整列させることによって、例えば、整列誤差を補償するために、例えば、OCTシステムに関連する眼の側方位置付けにおいて最大0.5mmの整列のわずかな誤差を考慮するために、ALのマップより大きいエリアを備え得る。網膜上のOCT測定ビームのサイズは、約25ミクロン~約75ミクロンの範囲内であり得る。いくつかの実施形態において、ミラーは、秒あたり約10mm~秒あたり約200mmの範囲内の網膜上の走査率に対応する連続軌道を用いて移動させられ、走査率は、秒あたり約50mm~秒あたり約200mmの範囲内であることができる。A走査中のビームの変位は、例えば、約2~10ミクロンの範囲内であり得る。複数のA走査のうちの各々のビームは、重複することができる。いくつかの実施形態において、ミラーは、走査パターンの軌道に対応する1つ以上の回転を伴って連続的に移動し、掃引源VCSELは、ビームのサイズおよび網膜上でのビームの速度に関連して好適な周波数でオンおよびオフになる。いくつかの実施形態において、複数のA走査のうちの各々は、走査パターンの少なくとも一部の中、網膜上で重複する。
【0101】
1つ以上のVCSELが複数のVCSELを備えている実施形態において、複数のVCSELは、複数のVCSELの各々からの測定ビームが、網膜上で以前の走査と重複するように、各A走査に関して連続的に走査されることができ、角膜が、同様に走査され得る。例えば、第1のA走査からの複数のVCSELの各々からの順次発生させられたビームの各々は、軌道に沿った第2のA走査からの複数のVCSELの各々からの順次発生させられたビームの各々と重複することができる。
【0102】
本明細書に説明されるように、両眼OCTデバイス4900は、構成要素4905-1および/または4905-2によるIPD調節を備え得る。これらの構成要素は、手動平行移動ステージIP調節モジュール4982に通信可能に結合され得、手動平行移動ステージIP調節モジュール4982は、自由空間光学系モジュール間の分離距離を変化させ、IPDを調節するように、自由空間光学系モジュール4910-1および4910-2の作動を実施する。
【0103】
メイン電子基板4970は、種々の構成要素を備え得る。例えば、光検出器4972は、ファイバコネクタ4960を通してVCSEL4952から方向づけられるレーザ光およびユーザの眼から反射される干渉光を受け取るために使用され得る。ファイバコネクタ4960は、複数の光ファイバ、例えば、4本の光ファイバを複数の検出器(例えば、5つの検出器)に結合するモジュール4961を備え得る。ファイバコネクタ4960は、本明細書に示され、説明されるように、ユーザの眼から後方反射される光を位相ラップすることにおいて使用され得る干渉計クロックボックス4962(例えば、エタロン)も備え得る。光検出器4972によって受け取られると、光検出器4972は、光をメイン電子基板4970および/または別の処理デバイス上で処理されるべき電子信号に変換し得る。複数の光検出器は、例えば、ファイバマッハ・ツェンダー干渉計に結合される平衡検出器(balanced detector)対の2つの検出器、クロックボックス検出器、および一対の電力測定検出器を備え得る。
【0104】
メイン電子基板4970は、通信電力モジュール4973(例えば、ユニバーサルシリアルバス、すなわち、「USB」)を備え得、通信電力モジュール4973は、両眼OCTデバイス4900を別の処理システムに通信可能に結合すること、電力を両眼OCTデバイス4900に提供すること、および/または、両眼OCTデバイス4900のバッテリを充電することを行い得る。当然ながら、両眼OCTデバイス4900は、例えば、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、イーサネット(登録商標)、FireWire(登録商標)等を含む、両眼OCTデバイス4900から別のデバイスに情報を通信するために使用され得る他のモジュールを備え得る。
【0105】
メイン電子基板4970はまた、VCSEL4952がユーザの眼に向かって発射される方法および時間を指示するVCSEL駆動電子機器4971も備え得る。メイン電子基板4970上の他の構成要素は、アナログブロック4974およびデジタルブロック4975を備え、それらは、それぞれ、アナログおよびデジタル信号を処理するために、および/または発生させるために使用され得、アナログおよびデジタル信号は、(例えば、外部処理システムから)両眼OCTデバイス4900に伝送され、両眼OCTデバイス4900内の種々の構成要素から受信され、および/または両眼OCTデバイス4900内の種々の構成要素から受信される。例えば、周辺フィードバックボタン4932は、アナログブロック4974および/またはデジタルクロック4975によって処理されるアナログ信号を発生させ得、それは、次に、周辺基板4943によって電動式ステージモジュール4942を刺激するために使用される制御信号を発生させ得る。代替として、または加えて、アナログブロック4974は、光検出器4972からのアナログ信号を処理し得、それによって、それらは、後続のデジタル信号処理(例えば、FFT、位相ラッピング分析等)のためにデジタルブロック4975によってデジタル信号に変換され得る。
【0106】
図6は、いくつかの実施形態による両眼のOCT4900を伴って実装され得る光学構成5100の概略図を示す。光学構成5100は、光学結合器5126によって結合されるファイバである1つ以上のVCSEL4952を備えている。上で議論されるように、1つ以上のVCSEL4952は、発射されるとき、波長のある範囲にわたって掃引され得る。複数のVCSEL4952を用いた実施形態に関して、波長は、VCSEL4952の全体的掃引範囲において増加するように、複数の中の別のVCSEL4952の波長掃引範囲に部分的に重複し得る。ある事例では、この全体的掃引範囲は、約850nmを中心とする。1つ以上のVCSEL4952からのレーザ光は、ファイバ結合器5126を通して光ファイバライン5127に伝搬され、光ファイバライン5127で、別の光学結合器5118が、1つ以上のVCSEL4952からの光学エネルギーの一部を2つの異なる経路に沿って分割する。
【0107】
第1の経路では、光学エネルギーの約95%が、別の光学結合器5119に光学的に伝達され、光学エネルギーの約5%が、光学結合器5120に光学的に伝達される。第2の経路では、光学エネルギーは、光学結合器5120によって、さらにもう一度分割される。この点について、光学結合器5120からの光学エネルギーの約75%が、エタロンを備えているファブリ・ペロー干渉計等の干渉計を通して位相補正検出器5101-1に伝達される。エタロンおよび検出器は、光学クロック5125の構成要素を備え得る。光学クロック5125は、例えば、単一のエタロンを備え得る。エタロンは、実質的に平行な平面を備え、レーザビームの伝搬方向に対して傾けられ得る。表面は、コーティングされた表面、またはコーティングされていない表面を備え得る。材料は、好適な厚さを伴う任意の好適な光透過性材料を備え得る。例えば、エタロンは、約0.25mm~約5mm、例えば、約0.5mm~約4mmの範囲内の厚さを備え得る。エタロン表面の反射率は、約3%~約10%の範囲内であり得る。エタロンは、レーザビーム伝搬方向に対して傾けられる、例えば、約5度~約12度の範囲内の角度で傾けられることができる。エタロンのフィネスは、例えば、約0.5~約2.0の範囲内、例えば、約0.5~1.0の範囲内であり得る。エタロンは、光学ガラス等の任意の好適な材料を備え得る。エタロンの厚さ、屈折率、反射率、および傾斜角は、クロックボックス検出器において実質的に正弦波の光学信号を提供するように構成されることができる。約0.5~2.0の範囲内のフィネスは、本明細書に説明されるような位相補償に非常に適している実質的に正弦波の検出器信号を提供することができるが、より高いフィネス値を伴う実施形態が、効果的に利用されることができる。
【0108】
いくつかの実施形態において、クロックボックスは、複数のエタロンを備え得る。このアプローチは、1つ以上のVCSELが、複数のVCSELを備え、複数のエタロンが、追加の位相およびクロック信号情報を提供する実施形態において役立ち得る。クロックボックスは、光が、第1のエタロン、次いで、第2のエタロンを通して、連続的に伝送されるように配置されるように配置された第1のエタロンおよび第2のエタロン(例えば、直列構成)を備え得、それは、クロックボックス信号の周波数混合を提供し、掃引源の位相を測定するために使用される検出器および関連付けられる回路の数を減少させ得る。代替として、複数のエタロンは、複数の検出器に結合される複数のエタロンを伴う並列構成で配置されることができる。
【0109】
位相補正検出器5101-1は、光学クロック5125からの光信号を使用し、本明細書に説明されるような1つ以上のVCSEL4952からの光の位相ラッピングによって、1つ以上のVCSEL4952の位相を合致させることによって、ユーザの眼5109-1から反射される光の位相を補正し得る。光学結合器5120からの光学エネルギーの残りの25%が、光学的安全性のために検出器5101-2に光学的に伝達され得る。例えば、検出器5101-2は、デバイスの向きに応じて、ユーザの眼5109-1または5109-2に伝達されている光学エネルギーの量を決定するために使用され得る。両眼OCTデバイス4900が、検出器5101-2がユーザの眼を損傷させ得るあまりに多くの光学エネルギーを受け取っていることを決定する場合、両眼OCTデバイス4900は、1つ以上のVCSEL4952を動作停止させる「強制停止スイッチ」として動作し得る。代替として、または、加えて、両眼OCTデバイス4900は、検出器5101-2を監視し、レーザ安全性および/または信号処理のために必要と見なされるような1つ以上のVCSEL4952からの光学エネルギーを増加または減少させ得る。OCTデバイスは、改良された眼の安全性のために冗長測定を提供するための第2の安全検出器5101-3を備え得る。
【0110】
光学結合器5119に伝達される光学エネルギー(例えば、1つ以上のVCSEL4952からの光学エネルギーの約95%)も、2つの経路に沿って分割され、残りの光学エネルギーの約99%が、ファイバに沿って光学結合要素5122に光学的に伝達され、残りの光学エネルギーの約1%は、両眼OCTデバイス4900のレーザ安全性のために検出器5101-3に光学的に伝達される。光学結合器5122に伝達される光学エネルギーの一部は、光学結合器5122によって、マッハ・ツェンダー干渉計の2つの光路ループ5110と5111との間で、例えば、1つが約50%で分割され得る。基準光路ループ5110は、干渉計の基準アームの一部を備え、ユーザの眼5109-1のAL測定、角膜厚測定、または網膜厚測定のうちの1つ以上のための基準光学信号(例えば、測定光路ループ5111を通してユーザの網膜から反射される測定信号)を提供し得る。
【0111】
いくつかの実施形態において、基準アームは、異なる距離および対応する異なる光学経路長の複数の基準アームを備えている。例えば、基準光学経路は、平行光学構成において複数の異なる光学経路長を提供するための複数の光ファイバを備え得る。平行構成が、参照されるが、当業者は、それが、ファイバの連結配置を指し、必ずしも、ファイバの長さに沿った配向を指すわけでなく、それが、例えば、ループを伴う任意の好適な非平行構成において配置され得ることを理解するであろう。いくつかの実施形態において、基準光学経路ループ5110は、眼の角膜の場所を測定するための第1の基準光学経路長を伴う第1の基準光学経路の一部を備えている。第2の基準光学経路は、異なる基準長を備えている。第2の基準光学経路ループ6110は、眼の網膜の場所を測定するための第2の基準光学経路長を伴う第2の基準光学経路の一部を備えている。いくつかの実施形態において、基準光学経路は、基準ビームを第1の基準ビームおよび第2の基準ビームに分割するために、第1の基準光学経路ループ5110および第2の光学経路ループ6110に結合された結合器6122を用いて第1の基準光学経路に分割される。第1の基準ビームおよび第2の基準ビームは、結合器5121を用いて測定ビームと組み合わせられることに先立って、第1の基準ビームおよび第2の基準ビームを組み合わせるために、結合器6121と組み合わせられ得る。基準ビームを分割するための光ファイバが、参照されるが、当業者は、これがビーム分割器を用いても行われ得ることを認識するであろう。
【0112】
光学ループ5111を通して伝達される光学エネルギーの一部は、マッハ・ツェンダー干渉計の測定アームに沿ってユーザの左眼5109-1に伝達される。例えば、ユーザの眼5109-1に伝達されている光学エネルギーは、OPD補正モジュール4940を通過し、両眼OCTデバイス4900に対して適切な干渉計に任意の光路距離補正を実施し得る。この光は、次いで、ユーザの眼5109-1が(例えば、固視経路5106-1に沿って)固視標的4912-1を固視している間にユーザの眼5109-1の網膜厚を測定するように、スキャナモジュール4990の走査ミラー5113によってユーザの眼5109-1の上を走査され得る。
【0113】
固視標的4912-1は、LED5102-1を用いて後方照明されることができ、光は、光学要素5103-1および5105-1と、ホットミラーとを備えているダイクロイックミラー5115を通して、光路5106-1に沿って伝搬され得る。ある事例では、固視の標的は、標的を固視している間、軽減をユーザの眼5109-1に提供するように、照明停止部5104も含み得る。
【0114】
眼5109-1のユーザの角膜および網膜に衝突する光は、OPD補正モジュール4940、走査ミラー5113、集束要素5114、ダイクロイックミラー5115、および光学要素4916-1によって確立される経路に沿って、光学ループ5111を通して、光学結合器5122に戻るように、後方反射され得る。この事例では、光学結合器5122は、測定アームから反射された光学エネルギーをループ5110と6110とに沿った複数の基準光学経路に分割された基準光学エネルギーと結合し得る光学結合器5121に反射された光学エネルギーを光学的に伝達し得る。光学結合器5121は、次いで、軸長測定が実施され得るように、その光学エネルギーを平衡検出器の5101-4および5101-5に光学的に伝達し得る。ある実施形態において、測定は、角膜厚測定および網膜厚測定を備えている。平衡検出器を伴う測定を実施することにおいて、光学結合器5121は、干渉信号が平衡検出器上で位相がずれて到着するように、その光学エネルギーを検出器5101-1および5101-4の各々に対する約50%に分割し得る。
【0115】
光は、複数の光学要素5112および5114を通して集束させられ、ダイクロイックミラー5115によってユーザの眼5109-1に方向づけられ、光学要素4916-1によってユーザの網膜上に集束させられ得る。走査ミラー5113からの光およびユーザの眼5109から反射される光の両方は、ダイクロイックミラー5115から反射するように示され、ダイクロイックミラー5115は、概して、赤外光を反射し、可視光を透過させるように構成されるホットミラー4913を備え得る。
【0116】
この例から分かり得るように、ユーザの右眼5109-2は、示される向きで1つ以上のVCSEL4972からいずれの光学エネルギーも受け取らない。むしろ、ユーザの右眼5109-2は、別のLED5102-2を用いて後方照明され得る標的4912-2を用いた両眼固視のために使用される。標的4912-2は、標的4912-1とサイズおよび形状が類似し、両眼固視を提供するように、類似した光学系を用いて眼に提供されることができる。この点について、ユーザの右眼5109-2も、光学要素4916-2、5105-2、5103-2、および照明停止部5104-2を通した光路5106-2に沿って、標的4912-2を固視し得、それは、光路5106-1に沿った光学系と類似した屈折力、分離距離、および寸法を備えている。
【0117】
両眼OCTシステム4900は、光学構成要素を測定されているユーザのためのカスタマイズされた構成まで移動させるように構成されることができる。レンズ4916-1は、屈折、例えば、測定されている眼の眼鏡処方に従って、光路5106-1に沿って調節されることができる。レンズ4916-1は、レンズ4916-1を調節し、固視標的4912-1に焦点を合わせるように、かつOCT干渉計の測定ビームをユーザの網膜上に集束させるように、コンピュータ、ユーザ、または他の制御下で移動させられることができる。例えば、レンズは、矢印5146で示されるように平行移動させられることができる。
ある実施形態において、レンズ4916-1は、対物レンズ(例えば、対応する眼に最も近い光学経路に沿ったレンズ)を備えている。レンズ4916-2は、レンズ4916-2を調節し、ユーザの網膜上で固視標的4912-2に焦点を合わせるように、コンピュータ、ユーザ、または他の制御下で移動させられることができる。例えば、レンズは、矢印5144で示されるように平行移動させられることができる。ある実施形態において、レンズ4916-2は、対物レンズ(例えば、対応する眼に最も近い光学経路に沿ったレンズ)を備えている。OPD補正モジュール4940は、矢印5146で示されるように、ミラー5113に向かって、およびそれから離れるように、軸方向に平行移動させられることができる。OPD補正モジュール4940は、測定されているユーザの眼のために測定アームと基準アームとの間の光路差を適切に位置付けるように、コンピュータ制御下で移動させられることができる。瞳孔間距離は、光路5106-1に向かって、およびそれから離れるように、光路5106-2を平行移動させることによって、調節されることができる。
【0118】
自由空間光学系モジュール4910-2は、LED5101-2、固視標的4912-2、レンズ5103-2、開口5104-2、レンズ5105-2、またはレンズ4916-2等の1つ以上の構成要素を光路5106-2に沿って備え得る。自由空間光学系モジュール4910-2は、矢印5142で示されるように、瞳孔間距離を調節するように、光路5106-1に沿って位置する光学構成要素に向かって、およびそれから離れるように側方に平行移動させられることができる。自由空間網膜厚光学系モジュール4910-1は、LED5102-1、固視標的5103-1、開口5104-1、ミラー5116、レンズ5105-1、ミラー5115、またはレンズ4916-1等の光路5106-1に沿って位置する1つ以上の構成要素を備え得る。OPD補正モジュール5146は、干渉計の測定アームの光ファイバと、光ファイバから光を実質的にコリメートし、網膜から光ファイバの中に光を集束させるためのレンズ5112とを備え得る。
【0119】
図7は、いくつかの実施形態による光学レイアウト基板5150上に構成された光学構成5100のブロック図を示す。例えば、両眼OCTデバイス4900は、ほぼ平面に沿って延びている複数の層で構成され得、それらの層の各々は、特定の機能を実施するように構成され得る。この事例では、光学レイアウト基板5150は、光学構成要素の振動を減少させるために使用され得る光学構成5100のための支持体を提供する。光学基板5150は、本明細書に説明されるように、光ファイバモジュールの筐体内に封入される複数の構成要素を備え得る。筐体5153内に封入され、基板上に支持される複数の構成要素は、結合器5118、結合器5119、結合器5120、結合器5121、結合器5122、光ファイバ5110を備えている基準アーム、およびそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上を備え得る。1つ以上のVCSEL4952は、筐体内に封入され得る。結合器5120から延びている複数の光ファイバは、筐体を通して適切な検出器まで延び、例えば、クロックボックス検出器5101-1および安全検出器5101-2に結合することができる。結合器5119から延びている光ファイバは、第2の安全検出器5101-3に結合され、筐体5153を通して延びていることができる。結合器5119から延びている第2の光ファイバは、光学結合器5122を用いてサンプルを測定するように、干渉計に結合されることができる。サンプル測定アームの光ファイバ部分は、結合器5122から、例えば、筐体5153を通して光路差補正モジュール4940まで延び得る。
【0120】
プリント回路基板は、電子機器面に沿って延びている支持層を提供し得、電子機器面において、いくつかの処理デバイス(例えば、駆動電子機器4971を含むメイン電子基板4970)が、ケーブル5151を通して、光学レイアウト基板5150に結合し得、ケーブル5151は、1つ以上のVCSEL4952を駆動するために、光学レイアウト基板5150で構成されたコネクタ5152に接続する。
【0121】
図8は、いくつかの実施形態による両眼OCT4900のモジュール式実施形態の斜視図を示す。例えば、両眼OCT4900のメイン電子基板4970は、プリント回路基板(PCB)5160として実装され得、PCB5160は、光学レイアウト基板5150上の光学構成要素を封入する筐体4953に搭載される。PCB5160は、電力および電子機器を提供し、光学レイアウト基板5150の光学構成5100を制御し得る。PCB5160は、周辺基板4932-1、4932-2、4943、4914-1、および4914-2も含むか、またはそれらに通信可能に結合され得る。両眼OCTデバイス4900は、光学レイアウト基板5150上に搭載され、メイン電子基板4970に通信可能に結合する自由空間光学系モジュールも備え得る。光学系基板上に搭載される自由空間光学系モジュールは、本明細書に説明されるようなモジュール4910-1、モジュール4910-2、またはOPD補正モジュール4940のうちの1つ以上を備え得る。自由空間モジュール4910-2は、光学レイアウト基板5150に関して移動し、瞳孔間距離を調節するように構成されることができる。OPD補正モジュールは、光学レイアウト基板5150に対して移動するように構成されることができる。
【0122】
干渉計モジュール4950は、本明細書に説明されるような光ファイバの結合器と、1つ以上のVCSEL4952とを備え得る。メイン電子基板4970または周辺基板のうちの1つは、VCSEL4952を駆動する電子機器を備え得る。光学レイアウト基板5150上の光ファイバに光学的に結合されている1つ以上のVCSEL4952は、レーザ光を光学レイアウト基板5150上の光ファイバに伝搬する。ユーザの眼4910-1から反射されるレーザ光は、PCB5160に伝搬されることができ、PCB5160において、光検出器4972が、反射レーザ光を検出し、アナログブロック4974による処理のために光を電子アナログ信号に変換する。
【0123】
いくつかの実施形態において、光学レイアウト基板5150は、減衰を両眼OCT4900に提供する。例えば、両眼OCT4900が落とされることになった場合、光学レイアウト基板5150で構成される減衰機構が、両眼OCT4900の衝撃への任意の振動効果を補償し、その構成要素(例えば、光学レイアウト基板5150、PCB5160、干渉計モジュール4950、およびそれぞれの構成要素)を保護し得る。搭載プレート5150は、類似減衰機構を備え得る。
【0124】
図9は、いくつかの実施形態による両眼OCT4900の斜視/切り取り内部図を示す。この図では、光学レイアウト基板5150、PCB5160、および干渉計モジュール4950は、両眼OCT4900の筐体4903内に構成される小型形態で機械的に一緒に結合されている。この図から分かり得るように、固視標的4912-1および4912-2(例えば、LED光)は、ユーザがユーザの眼に近接して両眼OCT4900を設置するとき、それぞれ、レンズ4916-1および4916-2を通してユーザに可視である。VCSELからのレーザ光は、固視標的4912-1と同じ光路の一部に沿って伝搬する。したがって、ユーザが固視標的4912-1および4912-2を凝視するとき、本明細書に説明されるような1つ以上のVCSELからのレーザ光は、ユーザの眼を通して伝搬し、ユーザの網膜厚を決定するための後続の処理のために光学レイアウト基板5150に後方反射するように動作可能である。
【0125】
図10は、いくつかの実施形態による両眼OCTデバイス4900の別の斜視/切り取り内部図を示す。この図では、光学レイアウト基板5150が、1つ以上のVCSEL4952、ファイバ結合器5126、検出器5105-1-5105-5、ファブリ・ペロー光学クロック5125、および光学結合器5118-5122の構成を示すように図示される。光学レイアウト基板5150は、スプライス5170も備え得る。
【0126】
図11は、いくつかの実施形態による眼球位置センサを備えている両眼OCTシステム4900を示す。
図11は、いくつかの実施形態による眼球位置センサ5610を備えている両眼OCT4900の俯瞰/切り取り内部図を示す。眼球位置センサ5610は、アレイセンサ、線形アレイセンサ、1次元アレイセンサ、2次元アレイセンサ、相補型金属酸化膜(CMOS)2次元アレイセンサ、象限検出器、または位置感受性検出器のうちの1つ以上を備え得る。眼球位置センサ5610は、眼の角膜からの光の反射からのプルキニェ画像等の眼の画像をセンサ上に形成するために、レンズと組み合わせられることができる。眼球位置センサは、
図41B-10を参照して説明される両眼OCTシステム等の本明細書に開示される実施形態のうちのいずれかに組み込まれることができる。
【0127】
示される図では、光学構成5100は、光ファイバ結合部(例えば、
図6のファイバループ5110および5111)および光学結合器5118-5122、および本明細書に説明されるような他のファイバ構成要素の上方の光学レイアウト基板5150上に搭載される。したがって、本明細書に説明されるような1つ以上の自由空間光学構成要素は、それらの下のファイバ構成要素に光学的に結合され得る。
【0128】
示されるように、自由空間光学系モジュール4910-1および4910-2は、概して、それぞれ、ユーザの眼5109-1および5109-2と整列させられる。自由空間光学系モジュール4910-1と4910-2との間の距離は、本明細書において説明されているように、ユーザのIPDに従って調節され得る。いくつかの実施形態において、この調節は、両眼OCT4900がユーザに保有されている間、ユーザのために維持される。例えば、ユーザは、ある期間にわたる自宅使用のために両眼OCT4900を使用する患者であり得る。ユーザに保有されている間に正しい軸長、角膜厚、網膜厚測定が実施されることを確実にするために、両眼OCT4900は、ユーザがIPDを調節することを防止し得る。同様に、両眼OCT4900は、ユーザがOPD補正モジュール4940によってOPDを調節することも防止し得る。
【0129】
この図(
図11)から分かり得るように、固視標的4912-1および4912-2(例えば、LED光標的)は、それらのそれぞれの自由空間光学系モジュール4910-1および4910-2の種々の光学要素を通過する。OPD補正モジュール4940は、本明細書に説明されるように、1つ以上のVCSEL4952からレーザ光を受け取り、走査ミラー4990に向かって光を方向づける。走査ミラー4990からの光は、レンズを通過し、ダイクロイックミラー5115によってレンズ4916-1を通してユーザの眼5109-1に反射される。
【0130】
いくつかの実施形態において、OCT測定ビームは、固視標的の複数の位置の各々における位置センサに対して実質的に固定されたままである。
【0131】
いくつかの実施形態において、軸長マップは、固視標的の複数の位置に対応する複数の領域を備えている。
【0132】
いくつかの実施形態において、軸長マップは、5~20個の領域を備え、固視標的の複数の場所は、5~20個の領域を備えている。
【0133】
いくつかの実施形態において、OCTシステムは、固視標的の複数の位置の各々に関して患者の網膜の複数の位置にOCTビームを走査するためのスキャナを備えている。例えば、スキャナは、複数の固視標的位置の各々に関して複数の網膜位置で網膜のエリアを走査するように構成されることができ、複数の固視標的位置の各々において走査された角膜および網膜のエリアは、軸長マップ、網膜画像、または角膜画像のうちの1つ以上のエリア未満である。
【0134】
いくつかの実施形態において、OCT測定ビームは、光路距離を補償するために、圧電駆動モータ上に搭載される走査ミラーに伝送される。例えば、OCT測定ビームを反射し、固視標的に伝送するように構成されたホットミラーが、XYZ平行移動ステージの位置が実質的に固定されたままである間、光路差を調節するために平行移動するように構成されることができる。いくつかの実施形態において、ミラーの平行移動は、固視標的からの光、随意に、ミラーを通して位置センサに伝送される光の経路等、伝送光の経路が実質的に改変されないままであるが、OCT測定ビームを反射し、OPDを調節する。
【0135】
いくつかの実施形態において、OCTビームは、方向およびOPDの両方が調節され得るマイクロミラー/マイクロレンズアセンブリを通して経路を決められる。いくつかの実施形態において、ビーム半径も、変動させられ得る。マイクロ光学系アセンブリは、サブミクロンの分解能を伴う圧電駆動部を含む線形駆動部の組の上に搭載され得る。そのような駆動部は、インターネットにおいて、dtimotors.com上で説明されるように、DTI motorsから商業的に利用可能である。
【0136】
そのようなシステムは、減少した駆動力に依拠し得、いくつかの実施形態によると、1Nの駆動力が、十分であり得る。
【0137】
いくつかの実施形態において、駆動力は、0.5ニュートン(N)~2.5Nの範囲内であり、分解能は、0.5ミクロンを超過しない。いくつかの実施形態において、応答時間は、0.1秒あたり1mmまたはそれより速い。このレンズアセンブリは、本明細書に説明されるように、信号対雑音比を増加させるように、マイクロコントローラまたはFPGA等のプロセッサを用いて制御されることができる。いくつかの実施形態において、レンズアセンブリは、網膜上のOCT測定ビームをディザリングするように構成されている。
【0138】
説明されるように、開示されるOCTシステムは、測定ビームに患者の角膜および網膜上で走査パターンにおいて移動させるように制御され得るスキャナを含む。走査パターンは、停止および進行走査パターン、星形走査パターン、連続走査パターン、リサジュー走査パターン、または花パターン(時として、バラ曲線と称される)を含む種々のタイプのうちの1つであり得る。花パターンまたはバラ曲線は、異なる走査パターンから取得されるであろうデータを表すデータを発生させるために処理され得る測定データを発生させるために使用され得る。さらに、花パターンまたはバラ曲線は、網膜の領域内の流体または流体のポケットを検出するための能力を改良する干渉計データを発生させるために処理され得る測定データを発生させるために使用され得る。
【0139】
図12は、いくつかの実施形態による複数の基準アーム、例えば、2つの基準アームを伴うOCTデバイス4900を示す。OCTデバイスは、1つ以上のVCSEL4952等の光源を備えている。光源は、広帯域源、スーパールミネセントダイオード(SLD)、単一のVCSEL、MEMSベースのVCSEL、複数のVCSEL、波長がVCSELの過剰駆動を用いて掃引されるMEMSミラーを伴わない複数のVCSEL、VCSELのアレイ、またはMEMS VCSELのアレイ等の任意の好適な光源を備え得る。OCTデバイスは、角膜の位置を測定するための第1の基準アームの第1の基準光学経路、および網膜の位置を測定するための第2の基準アームの第2の基準光学経路等の複数の基準光学経路を備え得る。第1の基準光学経路は、本明細書に説明されるように、第1の基準光学経路に沿った第1のループ5110と、第2の基準光学経路に沿った第2のループ6110とを備え得る。OCTシステムは、本明細書に説明されるように、光ファイバを結合するための複数の結合器を備え得る。第1および第2の基準光学経路は、本明細書に説明されるように、網膜および角膜の位置の同時の測定を可能にする。OCTシステムの測定アームに沿った測定光学経路1210は、測定光学経路ループ1211を備え得る。眼の中に延びている測定経路1210の一部が、測定ビーム1212を備え得る。
【0140】
基準経路1220および測定経路1210からの光が、多くの方法において組み合わせられることができる。いくつかの実施形態において、結合器6122が、基準光学経路を第1の基準光学経路および第2の基準光学経路に分割し、結合器6121が、2つの基準光学経路を組み合わせる。本明細書に説明されるように、結合器5121が、基準光学経路および測定光学経路を組み合わせ、複数の結合器が、結合器5121から平衡検出器5104-4および5104-5まで延びている。
【0141】
いくつかの実施形態において、OCTデバイスは、例えば、走査ミラーを移動させることなく眼を走査するように構成された単一のOCT測定ビームを用いて、眼に沿った1つの場所における軸長を測定するように構成されている。代替として、OCTシステムは、本明細書に説明されるように、測定ビームを眼に沿って走査するように構成されることができる。
【0142】
いくつかの実施形態において、OCTシステムは、実質的に固定された構成において配置された複数の光ファイバを用いて眼の軸長を測定するように構成されている。複数の光ファイバの各々は、角膜の第1の場所および網膜の第2の場所を走査するように構成されることができる。例えば、OCTデバイス4900は、複数の光源、干渉計、および検出器を備え得、それらにおいて、
図12に示される構成が複数の測定ビームの各々に関して複製される。いくつかの実施形態において、1つ以上の光源4952は、複数の光ファイバ、結合器、および検出器に結合されたVCSELのアレイを備え、それらの各々は、
図12の構成に類似する。
【0143】
図13Aは、いくつかの実施形態による1つ以上の検出器、例えば、平衡対を用いて同時に受信される2つの信号を伴うOCTデバイスに関する信号強度および周波数を示す。いくつかの実施形態において、干渉信号の周波数は、基準アームと測定アームに沿ったサンプル場所との間の光学経路差に関連する。いくつかの実施形態において、ゼロの光学経路差場所が、角膜と水晶体との間の好適な位置に設定され、角膜および水晶体のための2つの異なる周波数帯域を発生させる。角膜までの距離および網膜までの距離が異なるように、ゼロの光学経路差場所を位置付けることによって、周波数の2つの異なる分布が、例えば、単一の基準アーム光学経路を用いて取得されることができる。角膜により近接して、かつ網膜からより離れるようにゼロの光学経路差場所を位置付けることによって、周波数の2つの分布が、測定光学経路に沿った第1の場所における角膜の位置に対応する第1のより低い周波数と、測定光学経路に沿った第2の場所における網膜の場所に対応する第2のより高い周波数とを備えているであろう。いくつかの実施形態において、第1のピーク1310は、サンプル測定アームに沿った第1の光学経路差に対応する周波数の第1の分布、例えば、角膜周波数に関して生じることができ、第2のピーク1320は、サンプル測定アームに沿った第2の光学経路差に対応する周波数の第2の分布、例えば、網膜周波数に関して生じることができる。代替として、角膜のための光学経路差は、角膜周波数が網膜周波数を上回るように、網膜を上回ることができる。これらの信号は、本明細書において、例えば、
図6および12を参照して説明されるように、単一の基準アームまたは複数の基準アームを備えているOCTシステムを用いて発生させられることができる。いくつかの実施形態において、角膜および網膜のための光学経路差は、第1のピーク1310の周波数の分布と第2のピーク1320の周波数の分布との分離を提供するように十分に異なる。いくつかの実施形態において、第1の基準ファイバは、角膜のための第1の測定周波数を提供するように構成された第1の長さを備え、第2の基準光学ファイバは、網膜のための第2の測定周波数を提供するように構成された第2の長さを備え、第1の周波数は、第2の周波数から分解可能である。
【0144】
図13Bは、掃引源のチャープに起因する単一の周波数分布の信号周波数広がり1330を示す。いくつかの実施形態において、掃引源VCSELは、周波数のより狭い分布を備えている理想的な分布1340に向かって周波数1330の分布を狭くするために、非線形の電流ランプを用いて駆動される。このアプローチは、VCSELの波長を掃引するためのVCSELへの電流の過剰駆動からの熱の増加に依拠するVCSELとの使用のために非常に好適である。
【0145】
いくつかの実施形態において、基準アームは、信号を分離するために異なる極性化を有する。これは、基準信号間の干渉を減少させる利点を有する。
【0146】
いくつかの実施形態において、1つ以上のレンズ、例えば、眼に最も近接している対物レンズは、光学信号を増加させるために、網膜および角膜上に同時に光を集束させるための二焦点構成を備えている。
【0147】
図14は、いくつかの実施形態による軸長モニタの測定深度を示す。いくつかの実施形態において、軸長モニタは、網膜測定のために利用されるものを上回る、測定深度を備えている。網膜厚を測定する、いくつかの実施形態において、測定深度は、約8~10mmの範囲内である。軸長モニタは、空気中の約29mm~約34mmの範囲に対応し得る眼の軸長に対応する好適な距離を測定するように構成されることができる。光源のコヒーレンス長は、本明細書に説明されるように、光源の干渉を提供するために十分に長くあることができる。いくつかの実施形態において、ゼロの光学経路差1430の場所は、眼が、角膜および網膜を同時に測定するためにOCT測定システムと整列させられるとき、角膜と網膜との間、例えば、水晶体と網膜との間に位置する。いくつかの実施形態において、測定ビーム1212は、ゼロのOPD場所の近傍、例えば、ゼロのOPD場所の約1mm内のウエストに集束させられる。代替として、二焦点レンズが、測定ビームを網膜および角膜上に集束させるために使用されることができる。ゼロの光学経路差1430と角膜との間の第1の距離1410が、測定され、角膜と網膜との間のゼロの光学経路差(「OPD」)間の第2の距離1420が、発生させられた周波数に応答して同時に測定される。このアプローチは、例えば、測定ビームの各A走査波長掃引に関して使用されるコヒーレンス長およびサンプリング点の数を減少させることによって、測定を実施するために使用される測定深度を減少させる恩恵を有する。いくつかの実施形態において、第1の距離1410および第2の距離1420は、角膜表面および網膜表面の両方がゼロのOPD位置からの距離に対応する異なる距離における画像内に出現する非重複鏡像化干渉項に対応する。いくつかの実施形態において、非重複鏡像化干渉項は、各A走査が、非鏡像化干渉項と比較して、より少ないサンプリング点を用いて取得されることを可能にする。
【0148】
いくつかの実施形態において、基準光学経路は、角膜からの第1の周波数に対応する第1の場所に、第1の基準光学経路のための第1のゼロのOPDを設定し、網膜からの第2の周波数に対応する第2の場所に、第2の基準光学経路のための第2のゼロのOPDを設定するように調節され、第1の周波数は、別々に分解されるべき第2の周波数と異なる。組み合わせられた、同時に発生させられた信号は、本明細書に説明されるように、対応する基準光学経路差の周波数に基づいて分離されることができる。このアプローチは、OCTシステムのサンプリングおよびコヒーレンス長を減少させ、角膜および網膜の位置を同時に測定することができる。
【0149】
いくつかの実施形態において、角膜からの干渉信号の特性は、網膜からの干渉信号の特性と異なり、これらの特性の差異は、角膜に対応する周波数および網膜に対応する周波数を決定するために使用されることができる。これらの特性は、例えば、干渉信号強度または周波数の分布のピークの鋭さのうちの1つ以上を備え得る。いくつかの実施形態において、角膜の前面は、例えば、網膜の表面からの強度および周波数の分布より強力な強度および周波数の分布の鋭いピークを伴う干渉信号を提供する。
【0150】
測定ビーム1212は、角膜および網膜を測定するために任意の好適な様式において集束させられ、角膜および網膜からの測定信号を提供することができる。例えば、測定ビームは、角膜と網膜との間に集束させられることができる。代替として、または組み合わせにおいて、測定ビームは角膜と網膜との間で測定ビームの焦点を変化させる可変レンズを用いて集束させられることができる、(例えば、測定ビームを角膜上に集束させるための第1の構成と測定ビームを網膜上に集束させるための第2の構成とへのレンズの順次の活性化を用いて)。二焦点レンズまたは回折レンズ等の多焦点レンズが、角膜および網膜上にビームを同時に集束させるために使用されることができる。いくつかの実施形態において、レンズは、測定ビームを角膜および網膜上に同時に集束させ、基準アームは、本明細書に説明されるように、複数の基準経路を備えている。
【0151】
(物理的測定考慮点)
a.掃引源OCTにおける測定深度は、以下の側面に関連する。
i.光源のコヒーレント長、
ii.波長掃引範囲あたりのサンプリング点、および
b.網膜厚測定システムの場合、(ii)は、限定要因であり得る。
【0152】
(測定深度を増加させるための方法)
a.波長掃引範囲あたりのサンプリング点を増加させることは、以下による:
i.(一定の波長掃引率において)サンプリング率を増加させること、または
ii.(一定のサンプリング率において)波長掃引率を減少させること。
【0153】
いくつかの実施形態において、OCTシステムは、測定構成間で切り替わり、以下のうちの2つ以上を測定するように構成されている:角膜表面と網膜表面との間の距離を測定することによる軸長;網膜厚;または、角膜厚。いくつかの実施形態において、プロセッサは、軸長測定と、網膜厚測定と、角膜厚測定との間で切り替わるための命令を備えている。表2および3は、網膜厚測定または軸長測定のために使用され得る測定パラメータを説明し、プロセッサは、これらの測定構成間で切り替わるように構成されることができる。構成軸長と網膜厚構成との間で切り替わり得るOCTシステムが参照されるが、いくつかの実施形態において、OCT測定システムは、網膜厚測定構成に切り替わるように構成されることなく、軸長を測定するように構成される。
【0154】
表2は、網膜厚測定システム構成および軸長測定システム構成に関する測定パラメータを示す。近似パラメータが表2および3に示されるが、これらの値は、適切な測定を実施するために、示される値から50%だけ減少させられること、または100%以上の量だけ増加させられることができる。例えば、表2は、サンプリング周波数を20MHzから80MHzに、A走査あたりのサンプリング点の数を1,000から約4,000まで増加させることによって、本明細書に説明されるような軸長測定を実施することを示す。
【0155】
【0156】
表3は、減少した波長掃引率を使用することによって、網膜厚を測定し、軸長を測定するために使用され得るパラメータを示す。いくつかの実施形態において、各波長掃引は、1つのA走査測定に対応する。掃引の持続時間は、A走査あたりのサンプリング点の数を増加させるために、掃引の率の減少に従って、増加させられることができる。A走査繰り返し率が、減少させられるが、A走査サンプリング点の数は、固定されたサンプリング周波数、例えば、20MHzに関して比例して増加する。いくつかの実施形態において、測定ビームの光学経路に沿って、例えば、A走査に沿って測定された長さは、測定光学経路に沿ったA走査の測定された長さが、比例して増加するように、A走査あたりのサンプリング点の数に比例する。
【0157】
【0158】
いくつかの実施形態において、網膜位置は、OCT測定によって検出される。
【0159】
いくつかの実施形態において、角膜位置は、本明細書に説明されるように、第1のプルキニェ反射測定等、位置センサによって検出される。
【0160】
両方の測定が、ほぼ同時、例えば、100ms内のものであり、例えば、運動に関連する測定の不正確さを減少させることができる。
【0161】
図15は、いくつかの実施形態によるユーザにフィードバックを提供するためにユーザ整列に応答して色を変化させるように構成された固視標的1500を示す。固視標的1500は、粗い整列を示すためのリング1510等の外側区域と、細かい整列を示すための中心ドット1520等の内側区域とを備えている。外側区域は、眼が測定システムと粗く整列させられていないときの第1の色、例えば、赤色と、眼が測定システムと粗く整列させられているときの第2の色、例えば、緑色とを備え得る。測定システムとの眼の整列は、本明細書に説明されるように、多くの方法において、例えば、眼の位置を測定することによって測定されることができる。固視標的1500は、外側区域がリング1510を備え、内側区域が中心ドット1520を備え、各々が、いかなる粗い整列もいかなる細かい整列もないことを示すための赤色等の第1の色を備えている第1の構成1500-1を備え得る。固視標的1500は、粗い整列を示し、いかなる細かい整列もないことを示すための第2の構成1500-2を備え得る。第2の構成では、外側区域は、粗い整列を示すための緑色等の第2の色を備え得、内側区域は、細かい整列の不在を示すための赤色等の第1の色を備えている。固視標的1500の第3の構成1500-3は、粗い整列および細かい整列条件が、満たされていることを示し得る。第3の構成では、外側区域および内側区域は、各々、第2の色、例えば、緑色を備えている。ユーザは、固視標的の色に応答して、システムと自己整列することができる。いくつかの実施形態において、ユーザが第3の構成1500-3を用いて示されるようにOCT測定システムと整列させられると、OCTシステムは、本明細書に説明されるように、眼の軸長を自動的に測定するであろう。
【0162】
固視標的は、例えば、瞬きまたは他の色を提供することによって、ユーザにデバイスステータス情報を提供するために使用されることもできる。代替として、または組み合わせにおいて、OCTシステムは、デバイスステータス情報を提供するための1つ以上の外部インジケータライトを備え得る。1つ以上の外部インジケータライトによって示されるバッテリステータス情報は、バッテリステータス、整列ステータス、またはデバイスステータスのうちの1つ以上を備え得る。バッテリステータス情報は、充電済、現在充電中、または低バッテリレベルのうちの1つ以上を備え得る。1つ以上の外部ライトによって提供される整列ステータスは、固視ライトと同様、不整列、粗く整列済、または細かい整列を備え得る。1つ以上のライトによって提供されるデバイスステータスは、使用準備済、入手成功、データ処理中、またはエラーのうちの1つ以上を備え得る。
【0163】
整列を示すために固視標的が、参照されるが、視覚ディスプレイ、音声フィードバック、または音声入手のうちの1つ以上等の他のアプローチも、使用されることができる。
【0164】
図16は、複数の角膜場所および網膜場所において軸厚を測定するための複数の光ファイバ1610に結合されるVCSELアレイ1605を備えている、システム1600を示す。複数の光ファイバ1610は、本明細書に説明されるように、複数の場所において角膜および網膜を測定するためにパターンにおいて配置された遠位端を備えている第2の複数の光ファイバ1630に結合される。複数の光ファイバ1630は、測定アーム1210の一部を備えている。光ファイバ1630の遠位端は、光ファイバの端部からの光を眼内の複数の場所に集束させる1つ以上のレンズ1670の方に向けられる。いくつかの実施形態において、複数の角膜場所および網膜場所は、ビームを複数の場所に走査するための走査ミラーを用いることなく測定される。網膜からの光は、レンズ1670を通して光ファイバの端部の中に戻るように集束させられる。レンズ1670は、本明細書に説明されるように、角膜と網膜との間、網膜上、または角膜上に光を集束させるための単焦点レンズ、可変レンズ、多焦点レンズ、または二焦点レンズを備え得る。
【0165】
複数の光ファイバ1610は、複数の結合器1620を用いて複数の測定光ファイバ1630に結合される。複数の結合器1620は、VCSELアレイ1605から光を受け取り、VCSELアレイからの光を測定経路の光ファイバ1630および基準経路の光ファイバ1640に分割する。基準経路は、本明細書に説明されるように、複数の分割された基準経路を備え得る複数の基準経路光ファイバ1645を備え、分割された基準経路の各々は、角膜に対応する第1の距離と、網膜に対応する第2の距離とを備えている。複数の基準経路光ファイバは、複数の基準経路出力光ファイバ1647を備えている。
【0166】
複数の基準光ファイバおよび複数の測定光ファイバからの光は、本明細書に説明されるように、複数の結合器1650と組み合わせられ、複数の平衡検出器等の複数の検出器1660に方向づけられる。いくつかの実施形態において、複数の測定経路光ファイバは、複数の結合器1620から複数の結合器1650まで延びている光ファイバ1635を備えている。複数の結合器1650からの出力光は、複数の測定経路光ファイバ1635および複数の基準経路出力光ファイバ1647からの光の組み合わせから結果として生じる複数の干渉信号を備えている。複数の検出器1660に方向づけられる複数の結合器1650からの光は、本明細書に説明されるように、VCSEL波長の掃引に応答する干渉信号を備え、角膜および網膜の場所を決定するために処理されることができる。
【0167】
VCSELアレイは、任意の好適な方法において光ファイバおよび検出器に結合され、干渉信号を発生させることができる。いくつかの実施形態において、VCSELアレイは、本明細書に説明されるように、1つ以上の光源4952を備えている。1つ以上の光源4952は、第1のVCSEL4952-1と、第2のVCSEL4952-2と、第3のVCSEL4952-3と、最大第NのVCSEL4952-Nとを備えているVCSELのアレイを備え得る。複数の光ファイバ1610は、第1の光ファイバ1610-1、第2の光ファイバ1610-2、第3の光ファイバ1610-3、最大第Nの光ファイバ1610-N等の任意の好適な数の光ファイバを備え得る。複数の光ファイバ1610に結合される複数の結合器1620は、第1の結合器1610-1、第2の結合器1610-2、第3の結合器1610-3、最大第Nの結合器1610-N等の任意の好適な数の結合器を備え得る。
【0168】
測定光学経路1210は、任意の好適な方法において構成されることができる。いくつかの実施形態において、測定光学経路1210は、測定光ファイバを結合させる複数のコネクタ1620を伴う第1の測定光ファイバ1630と、第2の測定光ファイバ1635とを備えている。いくつかの実施形態において、第1の測定光ファイバは、第1の光ファイバ1630-1と、第2の光ファイバ1630-2と、第3の光ファイバ1630-3と、最大第Nの光ファイバ1630-Nとを備えている。第2の複数の測定光ファイバ1635は、複数の結合器1620を用いて測定光ファイバ1630の各々に結合される、光ファイバを備えている。複数の結合器1620は、第1の結合器1620-1と、第2の結合器1620-2と、第3の結合器1620-3と、最大第Nの結合器1620-Nとを備え得る。
【0169】
本明細書に説明されるような、Nまでの要素の数は、任意の好適な数を備え得、Nは、10個、20個、50個、100個、または200個以上の要素を備え得る。
【0170】
複数の基準経路光ファイバ1645および複数の結合器1650は、本開示による任意の好適な方法において構成されることができる。いくつかの実施形態において、複数の基準経路光ファイバ1645は、例えば、基準経路が、角膜に対応する第1の距離と、網膜に対応する第2の差異とを備えているとき、2N個の基準経路、例えば、第1の距離を伴うN個の基準経路と、第2の距離を伴うN個の基準経路とを備えている。代替として、複数の基準経路光ファイバ1645は、N個の光ファイバを備え得、例えば、複数の基準光ファイバ1640を備え、複数の出力光ファイバ1647は、複数の基準経路光ファイバ1640を備えている。いくつかの実施形態において、複数の結合器1650は、N個の結合器を備え、複数の結合器の各々は、複数の出力基準光ファイバ1647のうちの1つと、複数の測定光ファイバ1635のうちの1つとに結合される。
【0171】
図17は、例えば、マッハ・ツェンダー構成を用いて基準ビームと組み合わせられた後の1つ以上のレンズ1670を用いて眼の中に結像されたVCSELアレイ1605と、1つ以上のレンズを用いて検出器アレイ上に結像された眼から受け取られた光とを備えている、システム1700を示す。VCSELアレイ1605からの光が、複数のVCSELからの光を実質的にコリメートし得る1つ以上のレンズ1730のほうに方向づけられる。1つ以上のレンズ1730からの光は、ビーム分割器1760のほうに方向づけられる。ビーム分割器1760は、光の一部を基準光学経路に沿って反射し、光の第2の部分を測定光学経路に沿って透過する。ビーム分割器1760は、例えば、部分反射ミラーまたは偏光ビーム分割器等の任意の好適なビーム分割器を備え得る。ビーム分割器1760からの光の第1の部分が、基準光学経路に沿ってミラー1740のほうに方向づけられる。ミラー1740から反射された光が、ビーム分割器1740のほうに方向づけられ、ビーム分割器1760を通して、例えば、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)アレイまたは電荷結合素子(CCD)アレイ等のアレイ検出器を備え得る検出器1710に向かって透過される。いくつかの実施形態において、1つ以上のレンズ1750が、ビーム分割器1760とミラー1740との間に位置する。
【0172】
ビーム分割器1760を通して透過された光の一部が、測定光学経路に沿って、レンズ1780および眼のほうに方向づけられる。レンズ1780は、例えば、可変焦点レンズ、多焦点レンズ、または二焦点レンズのうちの1つ以上を備え得る。ミラーを通して透過された光は、眼の内側に結像され、眼およびレンズ1780の屈折力を用いて、眼内にVCSELアレイ1605の画像を形成する。
【0173】
網膜から戻された光が、レンズ1780を通して透過され、ミラー1760からレンズ1720および検出器1710に向かって反射される。ミラー1760から反射された光は、レンズ1720を通して透過され、検出器アレイ上に眼からの光の画像を形成する。いくつかの実施形態において、眼の内側に形成された検出器アレイの画像は、VCSELアレイの画像が検出器上に結像されるように、レンズ1720を用いて検出器アレイ1710上に結像される。アレイのVCSELの各々が波長を変動させると、対応する画像の強度が、変動し、検出器1710を用いて捕捉される。検出器1710は、プロセッサに結合され、各VCSELに関する強度信号が、本明細書に説明されるように、捕捉および処理される。
【0174】
本明細書に説明されるように、本明細書に説明および/または図示されるコンピューティングデバイスおよびシステムは、本明細書に説明されるモジュール内に含まれるもの等のコンピュータ読み取り可能な命令を実行することが可能である任意のタイプまたは形態のコンピューティングデバイスまたはシステムを広く表す。それらの最も基本的構成において、これらのコンピューティングデバイスは、それぞれ、少なくとも1つのメモリデバイスと、少なくとも1つの物理的プロセッサとを備え得る。
【0175】
本明細書で使用されるように、用語「メモリ」または「メモリデバイス」は、概して、データおよび/またはコンピュータ読み取り可能な命令を記憶することが可能である任意のタイプまたは形態の揮発性または不揮発性記憶デバイスまたは媒体を表す。一例では、メモリデバイスは、本明細書に説明されるモジュールのうちの1つ以上を記憶、ロード、および/または維持し得る。メモリデバイスの例は、限定ではないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、光ディスクドライブ、キャッシュ、そのうちの1つ以上の変形例または組み合わせ、または任意の他の好適な記憶メモリを含む。
【0176】
加えて、本明細書で使用されるように、用語「プロセッサ」または「物理的プロセッサ」は、概して、コンピュータ読み取り可能な命令を解釈および/または実行することが可能である任意のタイプまたは形態のハードウェアによって実装される処理ユニットを指す。一例では、物理的プロセッサは、上記に説明されるメモリデバイス内に記憶される1つ以上のモジュールにアクセスする、および/またはそれを修正し得る。物理的プロセッサの例は、限定ではないが、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、中央処理ユニット(CPU)、ソフトコアプロセッサを実装するフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、そのうちの1つ以上の一部、そのうちの1つ以上の変形例または組み合わせ、または任意の他の好適な物理的プロセッサを含む。プロセッサは、例えば、並行プロセッサ、またはサーバ等の遠隔プロセッサ、およびそれらの組み合わせを起動する、分散型プロセッサシステムを含み得る。
【0177】
別個の要素として例証されているが、本明細書に説明および/または例証される方法ステップは、単一のアプリケーションの一部を表し得る。加えて、いくつかの実施形態において、これらのステップのうちの1つ以上は、コンピューティングデバイスによって実行されると、コンピューティングデバイスに、方法ステップ等の1つ以上のタスクを実施させ得る1つ以上のソフトウェアアプリケーションまたはプログラムを表す、またはそれに対応し得る。
【0178】
加えて、本明細書に説明されるデバイスのうちの1つ以上は、データ、物理的デバイス、および/または物理的デバイスの表現を1つの形態から別のものに変換させ得る。加えて、または代替として、本明細書に列挙されるモジュールのうちの1つ以上は、コンピューティングデバイス上で実行する、コンピューティングデバイス上でデータを記憶する、および/またはコンピューティングデバイスと別様に相互作用することによって、プロセッサ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、および/または物理的コンピューティングデバイスの任意の他の部分をコンピューティングデバイスの1つの形態からコンピューティングデバイスの別の形態に変換し得る。
【0179】
本明細書において使用されるように、用語「コンピュータ読み取り可能な媒体」は、概して、コンピュータ読み取り可能な命令を記憶または搬送することが可能である任意の形態のデバイス、キャリア、または媒体を指す。コンピュータ読み取り可能な媒体の例は、限定ではないが、搬送波等の伝送タイプ媒体、磁気記憶媒体等の非一過性タイプ媒体(例えば、ハードディスクドライブ、テープドライブ、およびフロッピー(登録商標)ディスク)、光学記憶媒体(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、およびBLU-RAY(登録商標)ディスク)、電子記憶媒体(例えば、固体ドライブおよびフラッシュメディア)、および他の分配システムを含む。
【0180】
当業者は、本明細書に開示されるいかなるプロセスまたは方法も、多くの方法において修正され得ることを認識するであろう。本明細書に説明および/または例証されるプロセスパラメータおよびステップの一続きは、一例として与えられるにすぎず、所望に応じて変動させられ得る。例えば、本明細書に例証および/または説明されるステップは、特定の順序において示される、または議論され得るが、これらのステップは、必ずしも例証または議論される順序において実施される必要があるわけではない。
【0181】
本明細書に説明および/または例証される種々の例示的方法は、本明細書に説明または例証されるステップのうちの1つ以上を省略し得るか、または、開示されるものに加えて、追加のステップを含み得る。さらに、本明細書に開示されるような任意の方法のステップが、本明細書に開示されるような任意の他の方法のうちのいずれか1つ以上のステップと組み合わせられることができる。
【0182】
本明細書に説明されるように、プロセッサは、本明細書に開示される任意の方法の1つ以上のステップを実施するように構成されることができる。代替として、または組み合わせにおいて、プロセッサは、本明細書に開示されるような1つ以上の方法の1つ以上のステップを組み合わせるように構成されることができる。
【0183】
別様に注記されない限り、本明細書および請求項において使用されるように、用語「~に接続される」および「~に結合される」(およびそれらの派生語)は、直接的接続および間接的(すなわち、他の要素または構成要素を介した)接続の両方を可能にするものとして解釈されるものとする。加えて、本明細書および請求項において使用されるように、用語「a」または「an」は、「~のうちの少なくとも1つ」を意味するものとして解釈されるものとする。最後に、使用し易さのために、本明細書および請求項において使用されるように、用語「~を含む(including)」および「~を有する(having)」(およびそれらの派生語)は、同義的であり、単語「~を備えている(comprising)」と同じ意味を有するものとする。
【0184】
本明細書に開示されるようなプロセッサは、本明細書に開示されるように、任意の方法の任意の1つ以上のステップを実施するための命令で構成されることができる。
【0185】
用語「第1」、「第2」、「第3」等が、本明細書では、事象のいかなる特定の順序またはシーケンスに言及することなく、種々の層、要素、構成要素、領域、または区分を説明するために使用され得ることを理解されたい。これらの用語は、1つの層、要素、構成要素、領域、または区分を別の層、要素、構成要素、領域、または区分から区別するために使用されるにすぎない。本明細書において説明されるような第1の層、要素、構成要素、領域、または区分は、本開示の教示から逸脱することなく、第2の層、要素、構成要素、領域、または区分と称され得る。
【0186】
本明細書で使用されるように、用語「または(or)」は、物品を代替として、および組み合わせにおいて、包括的に指すために使用される。
【0187】
本開示は、以下の付番された付記を含む。
【0188】
付記1.眼の屈折異常における変化を測定する方法であって、方法は、第1の時間において、網膜の第1の区域からの眼の第1の軸長を測定し、眼の第1の軸長を決定することであって、第1の区域は、約0.05mm~約2mmの第1の範囲内の第1の最大差し渡しを備えていることと、第2の時間において、網膜の第2の区域からの眼の第2の軸長を測定し、第2の時間における眼の第2の長さを決定することとを含み、第2の区域は、約0.05mm~約2.0mmの範囲内の第2の最大差し渡しを備え、屈折異常における変化は、第1の軸長と第2の軸長との間の差異に対応する、方法。
【0189】
付記2.第1の最大差し渡しは、約0.1mm~約1.5mmの範囲内であり、第2の最大差し渡しは、約0.1mm~約1.5mmの範囲内である、付記1に記載の方法。
【0190】
付記3.第1の区域は、OCT測定ビームの第1の複数のA走査を用いて測定され、第2の区域は、OCT測定ビームの第2の複数のA走査を用いて測定される、付記1に記載の方法。
【0191】
付記4.第1の区域および第2の区域の各々は、走査OCT測定ビームを用いて測定される、付記3に記載の方法。
【0192】
付記5.走査OCT測定ビームは、第1の複数のA走査を測定するために第1の軌道に沿って移動し、第2の複数のA走査を測定するために第2の軌道に沿って移動する、付記4に記載の方法。
【0193】
付記6.第1の区域は、第1の複数の固定された測定ビームを用いて測定され、第2の区域は、第2の複数の固定された測定ビームを用いて測定される、付記3に記載の方法。
【0194】
付記7.第1の複数の固定された測定ビームは、第1の複数のA走査を発生させるように配置され、第2の複数の固定された測定ビームは、第2の複数のA走査を発生させるように配置される、付記6に記載の方法。
【0195】
付記8.第1の複数のA走査は、第1の角膜区域上に分布させられた第1の複数の角膜場所を測定し、第2の複数のA走査は、第2の角膜区域上に分布させられた第2の複数の角膜場所を測定し、第1の軸長は、第1の複数の網膜場所と第1の複数の角膜場所との間の差異に対応し、第2の軸長は、第2の複数の網膜場所と第2の複数の角膜場所との間の差異に対応する、付記3に記載の方法。
【0196】
付記9.第1の複数の軸長が、決定され、第2の複数の軸長が、決定され、第1の複数の軸長は、第1の複数の角膜場所の各々と対応する網膜場所との間の第1の差異に対応し、第2の複数の軸長は、第2の複数の軸上場所の各々と対応する網膜場所との間の第2の差異に対応する、付記8に記載の方法。
【0197】
付記10.第1の区域は、第2の区域と実質的に重複し、随意に、実質的重複は、第1の区域と第2の区域との間の少なくとも約50%の重複を備えている、付記1に記載の方法。
【0198】
付記11.第1の最大差し渡しまたは第2の最大差し渡しのうちの1つ以上は、直径を備えている、付記1に記載の方法。
【0199】
付記12.第1の区域または第2の区域のうちの1つ以上は、環状部を備えている、付記1に記載の方法。
【0200】
付記13.第1の区域または第2の区域のうちの1つ以上は、エリアを備えている、付記1に記載の方法。
【0201】
付記14.第1の軸長は、第1の軸長マップを備え、第2の軸長は、第2の軸長マップを備え、屈折異常における変化は、第1の軸長マップと第2の軸長マップとの間の差異に対応する、付記1に記載の方法。
【0202】
付記15.眼の屈折異常における変化を測定するためのシステムであって、システムは、先行付記のいずれか1項に記載の方法を実装するための命令で構成されたプロセッサを備えている、システム。
【0203】
付記16.OCTビームを発生させ、OCTビームの波長を変動させるための掃引光源と、掃引光源に結合された干渉計であって、干渉計は、測定光学経路と基準光学経路とを備え、基準光学経路は、第1の基準経路と第2の基準経路とを備えている、干渉計とをさらに備え、第1の軸長は、第1の時間において測定された第1の基準経路を用いて測定された眼の角膜の第1の位置と第2の基準経路を用いて測定された眼の角膜の第1の位置との間の第1の差異に対応し、第2の軸長は、第2の時間において第1の基準経路を用いて測定された角膜の第2の位置と第2の基準経路を用いて測定された網膜の第2の位置との間の第2の差異に対応する、付記15に記載のシステム。
【0204】
付記17.検出器をさらに備え、検出器は、第1の干渉信号および第2の干渉信号を受信するために、干渉計に結合され、第1の基準経路からの光から結果として生じる第1の干渉信号は、測定光学経路からの光に干渉し、第2の基準経路からの光から結果として生じる第2の干渉信号は、測定光学経路からの光に干渉する、付記16に記載のシステム。
【0205】
付記18.眼の軸長を測定するためのシステムであって、システムは、光ビームを発生させ、光ビームの波長を変動させるための掃引光源と、掃引光源に結合された干渉計であって、干渉計は、測定光学経路と基準光学経路とを備え、基準光学経路は、第1の基準経路と第2の基準経路とを備えている、干渉計と、検出器であって、検出器は、第1の干渉信号および第2の干渉信号を受信するために、干渉計に結合され、第1の基準経路からの光から結果として生じる第1の干渉信号は、測定光学経路からの光に干渉し、第2の基準経路からの光から結果として生じる第2の干渉信号は、測定光学経路からの光に干渉する、検出器と、検出器に結合されたプロセッサとを備え、プロセッサは、第1の干渉信号および第2の干渉信号に応答して眼の軸長を決定するための命令で構成されている、システム。
【0206】
付記19.第1の基準経路は、第1の基準光ファイバを備え、第2の基準経路は、第2の基準光ファイバを備えている、付記18に記載のシステム。
【0207】
付記20.第1の基準光ファイバは、第1の長さを備え、第2の基準光ファイバは、第1の長さと異なる第2の長さを備えている、付記19に記載のシステム。
【0208】
付記21.第1の長さは、眼の角膜までの第1の距離に対応し、第2の長さは、眼の網膜までの第2の距離に対応し、第1の距離は、第2の距離より小さい、付記20に記載のシステム。
【0209】
付記22.プロセッサは、掃引光源の複数の掃引のうちの各々に関して、第1の距離に対応する第1のピークと、第2の距離に対応する第2のピークとを備えているA走査を発生させるように構成されている、付記21に記載のシステム。
【0210】
付記23.第1の干渉信号および第2の干渉信号は、複数の掃引の各々に関して、検出器において一緒に受信され、複数の掃引の各々に関して検出器においてサンプリングされた時変強度データの変換が、第1の距離に対応する第1のピークと、第2の距離に対応する第2のピークとを発生させる、付記22に記載のシステム。
【0211】
付記24.検出器は、平衡検出器を備えている、付記23に記載のシステム。
【0212】
付記25.掃引光源の単一の掃引が、第1のピークおよび第2のピークを発生させる、付記22に記載のシステム。
【0213】
付記26.掃引光源は、検出器において第1の周波数および第2の周波数を発生させ、第1の周波数は、第1の基準経路長に対応し、第2の周波数は、第2の基準経路長に対応し、第1の周波数は、第2の周波数より小さい、付記21に記載のシステム。
【0214】
付記27.掃引光源が、第1の距離および第2の距離を測定するために波長のある範囲を通して掃引している間、第1の長さは、実質的に固定されたままであり、第2の長さは、実質的に固定されたままである、付記21に記載のシステム。
【0215】
付記28.第1の長さは、第1の基準光ファイバに沿った第1の光学経路差に対応し、第2の長さは、第2の基準光ファイバに沿った第2の光学経路差に対応し、第1の光学経路差は、約16mm~約26mmの範囲内、随意に、約18mm~約24mmの範囲内の量だけ第2の光学経路差より小さい、付記27に記載のシステム。
【0216】
付記29.第1の基準光ファイバの第1の距離は、約15mm~約25mmの範囲内の量だけ第2の基準光ファイバの第2の距離より小さい、付記27に記載のシステム。
【0217】
付記30.第1の干渉信号は、第1の複数の角膜場所からの第1の複数の干渉信号を備え、第2の干渉信号は、第2の複数の網膜場所からの第2の複数の干渉信号を備えている、付記18に記載のシステム。
【0218】
付記31.光ビームは、第1の複数の角膜場所および第2の複数の網膜場所における複数の測定光ビームを備えている、付記30に記載のシステム。
【0219】
付記32.複数の測定光ビームのうちの各々は、第1の角膜場所および第2の網膜場所を照明する、付記31に記載のシステム。
【0220】
付記33.掃引光源が波長のある範囲にわたって掃引しているとき、第1の複数の角膜場所および第2の複数の角膜場所は、実質的に固定されたままである、付記31に記載のシステム。
【0221】
付記34.複数の測定光ビームは、第1の複数の場所において角膜を測定し、第2の複数の場所において網膜を測定するように配置される、付記33に記載のシステム。
【0222】
付記35.掃引光源は、複数の掃引光源を備え、複数の測定光ビームは、複数の掃引光源を用いて発生させられる、付記31に記載のシステム。
【0223】
付記36.複数の掃引光源は、複数のVCSELを備えている、付記35に記載のシステム。
【0224】
付記37.複数のVCSELは、VCSELの2次元アレイを備えている、付記36に記載のシステム。
【0225】
付記38.眼の網膜に沿って測定光学経路からの測定ビームを走査するように構成されたミラーをさらに備えている、付記18に記載のシステム。
【0226】
付記39.ミラーは、約0.05mm~約2.0mmの範囲内、随意に、約0.1mm~約1.5mmの範囲内の最大差し渡しを備えている区域にわたって網膜上で測定ビームを走査するように構成され、随意に、最大差し渡しは、直径を備えている、付記38に記載のシステム。
【0227】
付記40.プロセッサは、網膜に沿った複数の場所において、測定経路から複数のA走査を発生させるように構成され、プロセッサは、複数のA走査に応答して軸長を決定するための命令で構成されている、付記38に記載のシステム。
【0228】
付記41.ミラーは、測定ビームが眼の網膜に沿って走査している間、眼の角膜に沿って測定ビームを走査するように構成されている、付記38に記載のシステム。
【0229】
付記42.プロセッサは、角膜および網膜に沿った場所のための複数のA走査を発生させるように構成され、複数のA走査のうちの各々は、角膜に対応する第1のピークと、網膜に対応する第2のピークとを備えている、付記41に記載のシステム。
【0230】
付記43.プロセッサは、複数の角膜A走査ピークの場所に応答する角膜の場所と、随意に、複数の角膜A走査ピークの場所に応答する測定ビームに対する眼の角度向きとを決定するための命令で構成されている、付記42に記載のシステム。
【0231】
付記44.プロセッサは、複数の角膜A走査ピークおよび複数の網膜A走査ピークの場所に応答する眼の角度向きを決定するための命令で構成されている、付記43に記載のシステム。
【0232】
付記45.プロセッサは、眼の角度向きに応答して、眼の軸長を決定するための命令で構成されている、付記44に記載のシステム。
【0233】
付記46.プロセッサは、複数のA走査に応答して、軸長を発生させるように構成されている、付記41に記載のシステム。
【0234】
付記47.プロセッサは、実質的に環状のパターンにおいて角膜に沿って測定ビームを走査するように構成されている、付記41に記載のシステム。
【0235】
付記48.複数のA走査のうちの各々に関して、測定ビームの網膜場所は、測定ビームの対応する角膜場所から眼の光軸の反対側にある、付記41に記載のシステム。
【0236】
付記49.対物レンズが、角膜と網膜との間の場所において、ミラーの画像を形成するように構成され、測定ビームは、ミラーの画像の第1の側において、第1の方向に角膜に向かって移動し、測定ビームは、ミラーの画像の第2の側において、第2の方向に網膜に向かって移動する、付記48に記載のシステム。
【0237】
付記50.ミラーと眼との間に位置している対物レンズをさらに備え、対物レンズは、網膜と眼の水晶体の裏面との間のウエストに測定光ビームを集束させるように構成され、測定光ビームは、測定ビームの一部を備えている、付記38に記載のシステム。
【0238】
付記51.対物レンズは、眼の角膜と眼の網膜との間の場所において、眼内にミラーの画像を形成するように構成され、随意に、ミラーの画像は、眼内のウエストより前で形成される、付記50に記載のシステム。
【0239】
付記52.プロセッサは、複数の角膜場所と対応する複数の網膜場所との間の距離を備えている軸長マップを発生させるための命令で構成されている、付記18に記載のシステム。
【0240】
付記53.測定ビームのゼロの光学経路差は、眼内で眼の角膜と眼の網膜との間に位置し、ミラーは、ゼロの光学経路差で測定ビームの場所を走査するように構成されている、付記18に記載のシステム。
【0241】
付記54.第1の基準経路は、第1のゼロの光学経路差に対応し、第2の基準経路は、第2の光学経路差に対応する、付記18に記載のシステム。
【0242】
付記55.第1の基準経路の第1のゼロの光学経路差に対応する第1の場所が、角膜の約10mm内に位置し、第2の基準経路の第2のゼロの光学経路差に対応する第2の場所が、眼の網膜の約10mm内に位置する、付記54に記載のシステム。
【0243】
付記56.第1の場所は、ミラーを用いて走査され、第2の場所は、ミラーを用いて走査される、付記55に記載のシステム。
【0244】
付記57.測定光ビームを角膜および網膜上に集束させるための可変焦点レンズまたは二焦点レンズのうちの1つ以上をさらに備えている、付記50に記載のシステム。
【0245】
付記58.掃引光源は、レーザ、半導体レーザ、レーザに結合された可動ミラー、レーザに結合された微小機械可動(MEMS)ミラー、垂直空洞レーザ、または垂直空洞面発光レーザ(VCSEL)、またはMEMSミラーを伴う同調可能VCSELのうちの1つ以上を備えている、付記18に記載のシステム。
【0246】
付記59.掃引光源は、VCSELを備え、VCSELは、VCSELへの電流の過剰駆動を用いて波長のある範囲を掃引するように構成されている、付記58に記載のシステム。
【0247】
付記60.VCSELは、約5nm~約20nm、随意に、約5nm~約10nmの波長の範囲を掃引するように構成されている、付記58に記載のシステム。
【0248】
付記61.掃引光源は、複数のVCSELを備えている、付記18に記載のシステム。
【0249】
付記62.眼の角膜の場所を決定するためのプルキニェ結像システムをさらに備えている、付記18に記載のシステム。
【0250】
付記63.眼の軸長を測定するためのシステムであって、システムは、光ビームのアレイを発生させ、光ビームの各々の波長を掃引するように構成されたVCSELのアレイと、VCSELアレイに結合された干渉計であって、干渉計は、複数の干渉信号を発生させるための測定光学経路と基準光学経路とを備えている、干渉計と、複数の干渉信号を受信するための干渉計に結合されたアレイ検出器と、検出器に結合されたプロセッサとを備え、プロセッサは、複数の干渉信号に応答して眼の軸長を決定するための命令で構成されている、システム。
【0251】
付記64.光ファイバの近位端上のVCSELのアレイに結合された複数の光ファイバをさらに備え、光ファイバの遠位端は、測定光ビームを眼に向かって透過するように配置される、付記63に記載のシステム。
【0252】
付記65.眼の内側にVCSELのアレイを結像し、複数の干渉信号を発生させるように構成されたレンズをさらに備えている、付記63に記載のシステム。
【0253】
付記66.アレイの各VCSELは、該各VCSEL内の利得媒体の1回以上の加熱または率変化を用いて波長を変動させるように構成されている、付記63に記載のシステム。
【0254】
付記67.アレイの該各VCSELは、MEMSミラーを用いることなく波長を変動させるように構成されている、付記66に記載のシステム。
【0255】
付記68.アレイの各VCSELは、約5nm~約20nmの範囲内の量だけ波長を掃引するように構成されている、付記63に記載のシステム。
【0256】
本開示の実施形態は、本明細書に記載されるように示され、説明されており、実施例として提供されるにすぎない。当業者は、本開示の範囲から逸脱することのない、多数の適合、変更、変形例、および代用物を認識するであろう。本明細書に開示される実施形態のいくつかの代替物および組み合わせが、本明細書に開示される本開示および発明の範囲から逸脱することなく、利用され得る。したがって、本開示される発明の範囲は、添付の請求項およびそれらの均等物の範囲のみによって定義されるものとする。
【国際調査報告】