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特表2024-511118群軌道位置の精度を評価するためのコンピュータ実装方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】群軌道位置の精度を評価するためのコンピュータ実装方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20240305BHJP
   G01C 21/28 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
G08G1/00 X
G01C21/28
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558476
(86)(22)【出願日】2022-03-18
(85)【翻訳文提出日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 DE2022200049
(87)【国際公開番号】W WO2022199764
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】102021203080.7
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522388073
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ テクロノジーズ ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive Technologies GmbH
【住所又は居所原語表記】Vahrenwalder Str. 9, 30165 Hannover, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク ゼンニンガー
(72)【発明者】
【氏名】ダニーロ ガスツィク
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB02
2F129BB33
2F129BB66
2F129CC15
2F129DD21
2F129EE52
2F129FF19
2F129FF32
2F129GG17
2F129HH12
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181CC12
5H181FF05
5H181FF13
5H181LL09
(57)【要約】
本発明は、規定された道路区間(10)上の群軌道(x,y)の、処理デバイス(18)によって規定される群軌道位置(x,y)の精度を評価するためのコンピュータ実装方法であって、複数の自己軌道位置(x,y)は、検出され、及び群軌道位置(x,y)は、それから生成され、標準偏差(σ)は、群軌道(x,y)のそれぞれの形成された群軌道値(x)について形成され、及びその後、生成された群軌道位置(x,y)及び個々に関連する精度係数(K)は、各群軌道位置(x,y)のための対として格納され、精度係数(K)は、標準偏差(σ)に比例する、コンピュータ実装方法に関する。本発明は、追従車両(12)を制御するためのコンピュータ実装方法、規定された道路区間(10)上の追従車両(26)の位置を特定するためのコンピュータ実装方法、追従車両(26)を制御するための制御システム及び精度を評価するための方法を使用するコンピュータプログラム製品に更に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
規定された道路区間(10)上の群軌道(x,y)の、処理デバイス(18)によって規定される群軌道位置(x,y)の精度を評価するためのコンピュータ実装方法であって、
- 前記規定された道路区間(10)上を移動する自車両(12)の複数の自己軌道位置(x,y)を捕捉するステップ、
- 複数の群軌道位置(x,y)を有する群軌道(x,y)を生成するステップであって、所定の群軌道値(yi,def)において、前記関連する群軌道値(x)は、前記複数の自己軌道値(x)から形成される、ステップ、
- 前記群軌道(x,y)のそれぞれの形成された群軌道値(x)について標準偏差(σ)を形成するステップ、
- 前記生成された群軌道位置(x,y)と、各群軌道位置(x,y)のための関連する精度係数(K)との対を格納するステップであって、前記精度係数(K)は、各群軌道位置(x,y)について形成される前記標準偏差(σ)に比例する、ステップ
を有するコンピュータ実装方法。
【請求項2】
複数の群軌道位置(x,y)を有する前記群軌道(x,y)を生成するために、前記規定された道路区間(10)上を移動する前記個々の自車両(12)のセンサ(24)は、前記複数の自己軌道位置(x,y)を捕捉し、且つ前記複数の自己軌道位置(x,y)を、前記自車両(12)の外部に配置される処理デバイス(18)に送信し、及び前記処理デバイス(18)は、前記群軌道(x,y)を生成する、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
複数の群軌道位置(x,y)を有する前記群軌道(x,y)を生成するために、前記規定された道路区間(10)上を移動する前記個々の自車両(12)のセンサ(24)は、前記複数の自己軌道位置(x,y)を捕捉し、各自車両(12)は、その捕捉された自己軌道位置(x,y)からその自己軌道(x,y)を生成し、各自車両(12)は、その生成された自己軌道(x,y)を、前記自車両(12)の外部に配置される処理デバイス(18)に送信し、及び前記処理デバイス(18)は、前記自己軌道(x,y)から前記群軌道(x,y)を生成する、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
規定された道路区間(10)上の後続車両(26)を制御するためのコンピュータ実装方法であって、
- 請求項1に記載の方法を実行することにより、群軌道位置(x,y)と、各群軌道位置(x,y)のための関連する精度係数(K)との対を含む、前記規定された道路区間(10)のマップを作成するステップ、
- 前記作成されたマップに基づいて前記道路区間(10)を走行するように後続車両(26)を制御するステップ
を有するコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記後続車両(26)は、少なくとも部分的に自律型の車両システム(32)のコントローラ(30)を使用して制御されるか、又は運転者支援システム(38)の出力ユニット(36)は、前記後続車両(26)を制御するための制御仕様を出力する、請求項4に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
規定された道路区間(10)上の後続車両(26)の位置を特定するためのコンピュータ実装方法であって、
- 請求項1に記載の方法を実行するステップ、
- 少なくとも2つの異なるソースから、前記規定された道路区間(10)上の前記後続車両(26)の潜在位置(xpot,ypot)と、前記潜在位置(xpot,ypot)に関連するソース固有の精度係数(K)とのそれぞれの対を受信するステップであって、第1の潜在位置(xpot1,ypot1)は、群軌道位置(x,y)であり、第1の精度係数(KG1)は、前記群軌道位置(x,y)について形成される前記標準偏差(σ)に比例し、前記群軌道位置(x,y)及び前記第1の精度係数(KG1)は、請求項1に記載の方法に従って生成されたものである、ステップ、
- 前記関連するソース固有の精度係数(K)に基づいて、前記受信された潜在位置(xpot,ypot)のそれぞれを重み付けするステップ、
- 前記重み付けされた潜在位置(xpot,ypot)を融合することにより、前記後続車両(26)の前記位置を特定するステップ
を有するコンピュータ実装方法。
【請求項7】
第2の潜在位置(xpot2,ypot2)と、前記第2の潜在位置(xpot2,ypot2)に関連するソース固有の精度係数(KG2)との対は、前記後続車両(26)に割り当てられるセンサ(24)を使用するか、又は前記規定された道路区間(10)の領域内のインフラストラクチャ(42)のセンサ(24)を使用して特定される、請求項6に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
規定された道路区間(10)上の後続車両(26)を制御するためのコンピュータ実装方法であって、
- 請求項3に記載の方法を実行することにより、前記規定された道路区間(10)上の前記後続車両(26)の位置を特定するステップ、
- 前記特定された位置に基づいて前記道路区間(10)を走行するように後続車両(26)を制御するステップ
を有するコンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記後続車両(26)は、少なくとも部分的に自律型の車両システム(32)のコントローラ(30)を使用して制御されるか、又は運転者支援システム(38)の出力ユニット(36)は、前記後続車両(26)を制御するための制御仕様を出力する、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
道路区間(10)を走行するように後続車両(26)を制御するための制御システム(44)であって、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法を実行するように設計される処理デバイス(18)と、請求項2~5のいずれか一項に記載のように前記後続車両(26)を制御するように設計されるコントローラ(30)とを有する制御システム(44)。
【請求項11】
道路区間(10)を走行するように後続車両(26)を制御するための制御システム(44)であって、請求項6又は7に記載の方法を実行するように設計される処理デバイス(18)と、請求項8又は9に記載のように前記後続車両(26)を制御するように設計されるコントローラ(30)とを有する制御システム(44)。
【請求項12】
請求項1~9のいずれか一項に記載の方法を実行するように設計されるコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、規定された道路区間上の群軌道の、処理デバイスによって規定される群軌道位置の精度を評価するためのコンピュータ実装方法、精度を評価するための方法が使用される、規定された道路区間上の後続車両を制御するためのコンピュータ実装方法、後続車両を制御するための制御システム及び前記方法を実行するように設計されるコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
それら自体の位置を確認することができる様々なGNSS(全地球衛星測位システム)受信機が市場で入手可能である。これら受信機の幾つかは、所望の位置に加えて、位置の精度に関する情報も提供し、この値は、多くの場合に不正確である。これらの受信機の異なる製造業者は、多くの場合、異なる方法を使用して精度を計算し、従ってこれらを比較できないという問題も存在する。
【0003】
例えば、規定された道路区間上の車両の位置を確認するためのアルゴリズムが、受信された位置に加えて、例えばデータを重み付けするために、この位置の精度に対して不正確な値も使用する場合、これは、不精密な又は更に不正確な結果につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従って、より信頼できる方法で位置に関する精度の値を提供することができる方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1の特徴の組み合わせを有するコンピュータ実装方法によって達成される。
【0006】
規定された道路区間上の後続車両を制御するためのコンピュータ実装方法、道路区間を走行するように後続車両を制御するための制御システム及び方法を実行することができるコンピュータプログラムは、他の独立請求項の主題である。
【0007】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0008】
規定された道路区間上の群軌道の、処理デバイスによって規定される群軌道位置の精度を評価するためのコンピュータ実装方法は、
- 規定された道路区間上を移動する自車両の複数の自己軌道位置を捕捉するステップ、
- 複数の群軌道位置を有する群軌道を生成するステップであって、所定の群軌道値yi,defにおいて、関連する群軌道値xは、複数の自己軌道値xから形成される、ステップ、
- 群軌道のそれぞれの形成された群軌道値xについて標準偏差σを形成するステップ、
- 生成された群軌道位置と、各群軌道位置のための関連する精度係数との対を格納するステップであって、精度係数は、各群軌道位置について形成される標準偏差σに比例する、ステップ
を有する。
【0009】
群軌道は、本質的に、複数の個々の軌道の融合から形成される運動軌道であり、個々の軌道のそれぞれは、規定された道路区間上を移動する個々の車両に割り当てられる。これらの個々の軌道は、従って、自己軌道とも称され、自車両とも称される個々の車両に関連付けられる。
【0010】
本方法によれば、群軌道は、従って、規定された道路区間上を移動する自車両の自己軌道、従ってそれらのGNSSデータから作成される。群軌道は、本質的に、複数の群軌道位置又は点(x,y)から形成される。これらの点(x,y)のそれぞれについて、このそれぞれの位置(x,y)における群軌道の作成に寄与する個々の軌道の交点は、その後、それぞれの自車両の進行方向に対して垂直に計算される。換言すれば、所定の群軌道値yi,defは、進行方向におけるこれらの点において、所定の群軌道値yi,defに関連する群軌道値xから標準偏差σを形成するために使用される。標準偏差σは、本質的に、検討中の群軌道の値xを中心とする、これらの値Xの分散の尺度である。この標準偏差σは、検討中のこの群軌道位置(x,y)において、GNSS受信機によって通常達成することが可能な精度の尺度であると考えられ得る。
【0011】
標準偏差σの形態の精度の尺度が特定された後、検討中のそれぞれの群軌道位置(x,y)は、その後、精度係数と共に格納され得る。精度係数は、この場合、標準偏差σ自体であり得るが、標準偏差σの代表的な係数を精度係数として格納することも可能である。標準偏差σが精度係数として直接格納されるのではなく、標準偏差σを表す係数として格納される場合、これは、特定された標準偏差σに比例すると考えるべきである。「比例」とは、ここでは、一定の係数を介する数学的比率を意味するだけでなく、上で説明した方法に関連して、標準偏差値σが、位置の精度を直接評価するためにグループ、例えば「高精度」、「中精度」、「低精度」グループに組み合わされることを意味し得る。
【0012】
生成された群軌道位置と、対応する精度係数との対は、共に格納され、格納されるとは、後続車両が利用できるマップに入力されることも意味すると理解するべきである。後続車両は、この場合、その自己軌道から群軌道が形成された全ての自車両を時間的に追従する車両である。
【0013】
後続車両は、従って、このようにして形成されるマップへのアクセスを有し得るが、マップは、例えば、規定された道路区間上に存在する交通標識を統合するために使用される例えば他のサービスによってもアクセスされ得る。
【0014】
説明する方法は、従って、良好な又は不十分なGNSS精度で位置又は更に地域全体を特定する可能性を提供する。これらの精度は、その後、精度又は重み付けを推定することができるように他のアルゴリズムで使用され得る。
【0015】
上で説明した方法の1つの有利な実施形態において、規定された道路区間上を移動する個々の自車両のセンサは、複数の自己軌道位置を捕捉し、且つ複数の自己軌道位置を、自車両の外部に配置される処理デバイスに送信し、それに応答して、処理デバイスは、その後、群軌道を生成する。
【0016】
この有利な実施形態において、生データは、従って、基本的に処理デバイスに送信され、これにより、複数の計算ステップを実行することにより、複数の群軌道位置を有する群軌道が生成される。
【0017】
しかし、1つの代替の実施形態において、規定された道路区間上を移動する個々の自車両のセンサが複数の自己軌道位置を捕捉し、及びその後、各自車両がその捕捉された自己軌道位置からその自己軌道を生成することも可能である。その場合にのみ、各自車両は、その生成された自己軌道を、自車両の外部に配置される処理デバイスに送信し、処理デバイスは、その後、これらの自己軌道から群軌道を生成する。この有利な代替実施形態において、群軌道を生成するための計算方法の一部は、従って、自車両自体において実行される。
【0018】
規定された道路区間上の後続車両を制御するためのコンピュータ実装方法は、
- 上記の方法で説明したように、群軌道位置と、各群軌道位置のための関連する精度係数との対を含む、規定された道路区間のマップを作成するステップ、
- 作成されたマップに基づいて道路区間を走行するように後続車両を制御するステップ
を有する。
【0019】
かかる後続車両におけるGNSS受信機は、全ての状況においてそれらの精度を正しく推定するわけではないが、これらの状況は、通常、局所的に再現可能である。上で説明した作成されたマップは、ここで、受信された群軌道位置の精度に関する情報、従ってGNSS受信機が多くの場合にそれらの精度をあまりにも良好であると推定する場所に関する情報を含む。この情報がマップから後続車両に利用可能である場合、後続車両は、この作成されたマップに基づいて、これまで通常であったよりも正確に制御される可能性がある。
【0020】
好ましくは、後続車両は、この場合、少なくとも部分的に自律型の車両システムのコントローラを使用して制御される。特に部分自律運転又は更に自律運転において、従って運転者のいない後続車両の極めて正確な制御を可能にするために、後続車両を制御するために処理される位置データの信頼性を知ることが重要である。
【0021】
しかし、代替として、後続車両が運転者によって制御されるが、運転者支援システムの出力ユニットが存在することも可能であり、その出力ユニットは、作成されたマップに基づいて後続車両を制御するための制御仕様を出力する。かかるシステムの一実装形態は、例えば、ナビゲーションシステムであり得る。
【0022】
規定された道路区間上の後続車両の位置を特定するためのコンピュータ実装方法は、
- 処理デバイスによって規定される群軌道位置の精度を評価するための上で説明した方法を実行するステップ、
- 少なくとも2つの異なるソースから、規定された道路区間上の後続車両の潜在位置と、潜在位置に関連するソース固有の精度係数とのそれぞれの対を受信するステップであって、第1の潜在位置は、群軌道位置であり、第1の精度係数は、群軌道位置について形成される標準偏差σに比例し、群軌道位置及び第1の精度係数は、請求項1に記載の方法に従って生成されたものである、ステップ、
- 関連するソース固有の精度係数に基づいて、受信された潜在位置のそれぞれを重み付けするステップ、
- 重み付けされた潜在位置を融合することにより、後続車両の位置を特定するステップ
を有する。
【0023】
規定された道路区間上の後続車両の位置を可能な限り現実的に特定するために、2つの異なるソースからのデータがそれに応じて使用される。第1のソースは、この場合、関連する精度係数と共に上で説明したような群軌道位置を格納したメモリである。第2のソースは、同様に潜在位置を特定し、プロセスにおいて関連する精度係数を出力するセンサであり得る。これらの潜在位置に対するこれらのソース固有の精度係数に基づいて、受信された潜在位置を重み付けし、これらの重み付けした潜在位置から後続車両の位置を特定することが可能である。
【0024】
後続車両における技術的利点は、従って、1つ以上のセンサの値から後続車両の位置を特定するアルゴリズムが、その後、GNSSデータの精度を推定するための更なるソースを受信することである。センサデータが融合される場合に重み付けが行われるため、それぞれのセンサの精度を知ることは、重要である。この場合、より高い精度を有するセンサは、より大きく重み付けされる。群軌道位置が高い精度を有すると評価されるべきであるという情報が後続車両に利用可能である場合、この情報は、例えば、他のセンサによって配信された潜在位置よりも高く重み付けされ得る。逆に、GNSS位置の精度が低い場合、他のセンサをより高く重み付けすることも可能である。従って、全体として、後続車両の向上した位置決めが可能である。
【0025】
説明した方法は、従って、市販のGNSS受信機の誤差を生じやすい精度推定の問題を補正することを可能にする。
【0026】
後続車両は、それに応じて、複数のセンサからの情報を処理し得る。この場合、第2の潜在位置と、第2の潜在位置に関連するソース固有の精度係数との対を、後続車両に割り当てられるセンサを使用して特定することが可能である。換言すれば、かかるセンサは、後続車両自体、例えばカメラに配置される。
【0027】
しかし、代替又は追加として、第2の潜在位置及び関連するソース固有の精度係数は、規定された道路区間の領域におけるインフラストラクチャのセンサを使用して特定されることも可能である。換言すれば、規定された道路区間、その上又はその周囲に配置され、後続車両の第2の潜在位置を捕捉することができる、後続車両の外部のセンサが存在し得る。
【0028】
規定された道路区間上の後続車両を制御するためのコンピュータ実装方法において、規定された道路区間上の後続車両の位置は、この場合、上で説明したように最初に特定され、その後、後続車両は、この特定された位置に基づいて道路区間を走行するように制御される。
【0029】
この場合、後続車両は、少なくとも部分的に自律型の車両システムのコントローラを使用して制御されることが可能である。しかし、代替として、運転者支援システムの出力ユニットが、後続車両を制御するための制御仕様を出力することも可能である。
【0030】
道路区間を走行するように後続車両を制御するための制御システムは、規定された道路区間上の群軌道の、処理デバイスによって規定される群軌道位置の精度を評価するための方法を実行するように設計される処理デバイスを有する。制御システムは、後続車両を制御するように設計されるコントローラを更に有する。
【0031】
道路区間を走行するように後続車両を制御するための更なる制御システムは、上で説明したように、規定された道路区間上の後続車両の位置を特定するための方法を実行するように設計される処理デバイスを有し、且つ後続車両を制御するためのコントローラを更に有する。
【0032】
有利なコンピュータプログラム製品は、規定された道路区間上の群軌道の、処理デバイスによって規定される群軌道位置の精度を評価するための方法及び/又は規定された道路区間上の後続車両の位置を特定するための方法を実行するように設計される。
【0033】
本発明の有利な実施形態は、添付の図面を参照して以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】自己軌道に沿って移動する複数の自車両と、自己軌道から形成される群軌道と、群軌道に沿って移動する後続車両とを含む規定された道路区間の上方からの平面概略図を示す。
図2図1からの、後続車両の第1の有利な例の詳細概略図を示す。
図3図1からの、後続車両の第2の有利な例の概略図を示す。
図4図1からの、規定された道路区間上の群軌道の、処理デバイスによって規定される群軌道位置の精度を評価するための方法のステップを示す概略フロー図を示す。
図5図1からの、規定された道路区間上の後続車両の位置を特定するための方法のステップを示す概略フロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、複数の自車両12がそれらに関連付けられる自己軌道(x,y)に沿って移動している、規定された道路区間10の上方からの平面概略図を示す。各自己軌道(x,y)は、この場合、値x及びyから二次元的に構成される無限数の自己軌道点から形成され、ここで、yは、それぞれの自車両12の進行方向を表す値である。値xは、値yに対して、それに垂直なx軸上に配置される(縁部におけるデカルト座標系を参照されたい)。
【0036】
群軌道(x,y)は、自己軌道(x,y)を融合することにより、複数のかかる自己軌道(x,y)から形成される。これは、結果として、群軌道(x,y)に対して複数の群軌道点又は群軌道位置(x,y)も生じる。群軌道(x,y)を形成するために、便宜上、自己軌道(x,y)のx値、図1の例では第1の自己軌道のxn,1、第2の自己軌道のxn,2及び第3の自己軌道のxn,3は、平均化されて、自己軌道(x,y)の進行方向yにおける所定の値位置において群軌道(x,y)のx値xを形成し、これらを図1においてy1,defと示す。複数のx値から、群軌道(x,y)の形成された群軌道値xの標準偏差σを形成することが可能であるように、異なる自己軌道(x,y)の複数のx値がそれに応じて使用される。
【0037】
図1に示す第1の例において、上で説明したように群軌道(x,y)及び関連する標準偏差σを形成するために、自車両12は、対応する送信機16を介して処理デバイス18にそれらの自己軌道位置(x,y)を送信する。この処理デバイス18は、自己軌道位置(x,y)を受信し、この情報を使用して、処理モジュール20において群軌道(x,y)及びそれぞれ関連する標準偏差σを特定する。実装に応じて、標準偏差σは、特定された群軌道位置(x,y)の精度を示す精度係数Kとして直接処理される。しかし、代替として、特定された標準偏差σを、標準偏差σに比例する代表的な精度係数Kに変換することも可能である。この場合の比例とは、変換に対する一定の係数を有する純粋な数学的比例を意味するだけでなく、標準偏差σのグループを組み合わせて評価基準を形成し、その後、これらを精度係数Kとして扱うことも可能である。例として、かかるグループは、「高精度」、「中精度」、「低精度」であり得る。
【0038】
処理デバイス18は、その後、生成した群軌道位置(x,y)と、それぞれに関連する精度係数Kとの対をストレージ装置22に格納する。この場合、これらの対をマップの形態で格納することが可能であり、このマップには、その後、生成された各群軌道位置(x,y)に対する精度係数Kもプロットされる。
【0039】
自己軌道位置(x,y)を捕捉するために、図1に示すように、自車両12は、センサ24を有する。これらのセンサ24は、例えば、カメラであり得るが、自車両12がバックエンドからGPSデータを受信することも可能であり、この場合、センサ24は、対応するGPS受信機によって形成される。
【0040】
全ての計算ステップが処理デバイス18において実行される可能性の代替として、自車両12は、それらのセンサ24に加えて、それら自体の処理モジュール20を有することも可能であり、それぞれの自己軌道(x,y)は、それぞれの自車両12の自己軌道位置(x,y)からこれらの自己処理モジュール20において形成される。こうして生成される自己軌道(x,y)は、その後、その中で群軌道(x,y)及び関連する標準偏差σを特定するために、処理デバイス18に直接送信される。
【0041】
その後、処理モジュール20内の処理デバイス18が、群軌道(x,y)及び関連する標準偏差σ又は関連する精度係数Kを確認し、それらを例えばマップの形態でストレージ装置22に格納した場合、この情報、例えば格納したマップを、規定された道路区間10上で遅れずに自車両12を追従する後続車両26に送信することが可能である。後続車両26は、形成された群軌道(x,y)及び関連する精度係数Kを、受信機28を介して受信し、その後、受信されたマップに基づいてコントローラ30によって制御される。
【0042】
コントローラ30は、この場合、自車両12が制御ユニット34を介して部分自律的に若しくは完全自律的に制御される少なくとも部分自律型車両システム32の一部であり得るか、又はコントローラ30は、例えば、ナビゲーションシステムディスプレイを介して後続車両26の運転者に制御仕様を出力する運転者支援システム38の出力ユニット36と通信する。
【0043】
図2は、後続車両26の第1の有利な例の詳細概略図において後続車両26を示す。
【0044】
図3は、図1からの後続車両26の第2の有利な例の詳細概略図を示し、コントローラ30は、規定された道路区間10上の後続車両26の位置を特定するように設計される。この目的を達成するために、コントローラ30は、既に上で説明したように、処理デバイス18から受信する群軌道(x,y)及びその関連する精度係数KG,iを使用するだけでなく、第2のソース40からのデータも使用し、このデータは、後続車両26の位置にリンクされている。コントローラ30は、それに応じて、少なくとも2つの異なるソース40から後続車両26のそれぞれの潜在位置(xpot,ypot)を受信し、それらの関連する精度係数Kに基づいてこれらの潜在位置(xpot,ypot)を重み付けし、その後、融合によって後続車両26の位置を特定する。図3に示すように、第2のソース40は、例えば、カメラ等の後続車両26のセンサ24であり得るが、例えば、処理される受信情報を、規定された道路区間10の領域に配置されるインフラストラクチャ42に割り当てられるセンサ24から発生させることも可能である。これは、同様に、例えば道路区間10の領域にセットアップ又は固定設置されるカメラであり得る。
【0045】
こうして特定される後続車両26の位置に基づいて、コントローラ30は、その後、図2を参照して説明する第1の例のように後続車両26を制御し得る。
【0046】
全体として、従って図1~3を参照して、処理デバイス18及びコントローラ30を使用して、これまでに知られているよりも信頼性の高い方法で後続車両26を制御することができる制御システム44について説明する。
【0047】
この制御に関して、図4は、処理デバイス18によって規定される群軌道位置(x,y)の精度を評価するための方法のステップを評価する概略フロー図を示す。この場合、第1のステップにおいて、複数の自己軌道(x,y)が複数の自車両12によって捕捉される。次のステップにおいて、群軌道(x,y)は、その後、これらの自己軌道(x,y)から形成される。後続のステップにおいて、標準偏差σは、群軌道(x,y)のそれぞれの形成された群軌道値xに形成される。
【0048】
更なるステップにおいて、対は、その後、格納され、この対は、生成された群軌道位置(x,y)と、関連する精度係数KG,iとから構成され、格納は、例えば、マップにおいて行われ得る。最後のステップにおいて、後続車両26は、その後、マップデータに基づいて制御される。
【0049】
規定された道路区間10上の後続車両26の位置決めに関して、図5は、規定された道路区間10上の後続車両26の位置を特定するための方法のステップを含む概略フロー図を示す。第1のステップにおいて、マップは、この場合、図4を参照して説明したように作成される。次のステップにおいて、後続車両26は、その後、少なくとも2つのソース40から、対応する精度係数Kと共に潜在位置(xpot,ypot)を受信する。更なるステップにおいて、これらの受信された潜在位置(xpot,ypot)は、その後、精度係数Kに基づいて重み付けされ、その後、後続車両26の位置を与えるために更なるステップで融合される。こうして特定される後続車両26の位置に基づいて、後続車両26は、その後、コントローラ30によって制御され得る。
【符号の説明】
【0050】
10 道路区間
12 自車両
16 送信機
18 処理デバイス
20 処理モジュール
22 ストレージ装置
24 センサ
26 後続車両
28 受信機
30 コントローラ
32 (部分的)自律型車両システム
34 制御ユニット
36 出力ユニット
38 運転者支援システム
40 ソース
42 インフラストラクチャ
44 制御システム
精度係数
σ 標準偏差
(x,y) 自己軌道
(x,y) 群軌道
(xpot,ypot) 潜在位置
進行方向
1,def 進行方向yにおける所定の値位置
n,1 自己軌道(x,y)のx値
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】