(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】検出装置の検出面を洗浄するための装置
(51)【国際特許分類】
B60S 1/62 20060101AFI20240305BHJP
【FI】
B60S1/62 120B
B60S1/62 110B
B60S1/62 110A
B60S1/62 110C
B60S1/62 120C
B60S1/62 110Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558539
(86)(22)【出願日】2022-03-23
(85)【翻訳文提出日】2023-10-19
(86)【国際出願番号】 EP2022057680
(87)【国際公開番号】W WO2022200459
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】マキシム、ボドワン
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ、ピコ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム、テラス
(72)【発明者】
【氏名】ジョルダン、ビエーユ
【テーマコード(参考)】
3D225
【Fターム(参考)】
3D225AA11
3D225AC02
3D225AC07
3D225AD11
3D225AF07
3D225AF19
(57)【要約】
本発明は、主に、車両用の検出装置(2)の光沢面を洗浄するための装置(4)に関し、洗浄装置(4)は、洗浄液の分配ネットワーク(10)と空気流の導流回路(12)とを少なくとも部分的に画定する、互いに嵌合された少なくとも2つの部分(16、18)を備え、洗浄液の分配ネットワーク(10)は、空気流の導流回路(12)と別個である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用の検出装置(2)の光沢面を洗浄するための洗浄装置(4)であって、前記洗浄装置(4)は、互いに嵌合され、洗浄液分配ネットワーク(10)及び空気流通気回路(12)を少なくとも部分的に画定する少なくとも2つの部分(16、18)を備え、前記洗浄液分配ネットワーク(10)は前記空気流通気回路(12)と別個である、洗浄装置(4)。
【請求項2】
前記分配ネットワーク(10)が洗浄液噴霧出口(24)を備える、請求項1に記載の洗浄装置(4)。
【請求項3】
前記噴霧出口(24)の少なくとも1つの寸法が、増加寸法であり、この寸法は、前記洗浄液の流れ方向に対して垂直に測定される、請求項2に記載の洗浄装置(4)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの寸法が、前記洗浄液の流れ方向において、前記噴霧出口(24)の上流端部から前記噴霧出口(24)の下流端部まで増加する、請求項3に記載の洗浄装置(4)。
【請求項5】
前記分配ネットワーク(10)が、少なくともパイプ(20)と、チャンバ(22)と、前記チャンバ(22)によって前記パイプ(20)に液圧接続された前記洗浄液噴霧出口(24)とを備え、前記チャンバ(22)及び前記噴霧出口(24)は、前記2つの部分(16、18)によって画定され、前記パイプ(20)は、前記2つの部分(16、18)のうちの一方のみによって画定される、請求項1から4のいずれか一項に記載の洗浄装置(4)。
【請求項6】
前記2つの部分(16、18)の一方及び/又は他方が、前記チャンバ(22)内に延在し、前記噴霧出口(24)で開口する少なくとも1つの導管(74)を画定することに寄与し、前記2つの部分(16、18)の一方又は他方が、前記導管(74)の主延在方向に交差する平面に延在する噴霧壁(76)を有する、請求項5に記載の洗浄装置(4)。
【請求項7】
前記噴霧出口(24)における前記導管(74)の1つの端部の少なくとも1つの寸法が、前記噴霧出口(24)に向かって増加する増加寸法であり、この寸法は、前記導管(74)内の前記洗浄液の流れ方向Cに対して垂直に測定される、請求項6に記載の洗浄装置(4)。
【請求項8】
前記空気流通気回路(12)が空気流出口を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の洗浄装置(4)。
【請求項9】
前記通気回路(12)が、少なくともダクト(28)と、空洞(30)と、前記空洞(30)によって前記ダクト(28)に空圧接続された前記空気流出口(32)とを備え、前記空洞(30)及び前記空気流出口(32)は、前記2つの部分(16、18)によって画定され、前記ダクト(28)は、前記2つの部分(16、18)のうちの一方のみによって画定される、請求項8に記載の洗浄装置(4)。
【請求項10】
前記2つの部分(16、18)のうちの一方が、前記分配ネットワーク(10)を前記通気回路(12)から分離する少なくとも1つの分離要素(44)を備え、他方の部分(16、18)が、前記分配ネットワーク(10)を前記通気回路(12)から流体密に分離するように前記分離要素(44)と協働することができる少なくとも1つの分離部材(46)を備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の洗浄装置(4)。
【請求項11】
第1部分(16)と、第2部分(18)と、少なくとも第3部分(18)とを備え、前記第1部分(16)及び前記第2部分(18)は前記洗浄液分配ネットワーク(10)を画定するのに寄与し、前記第2部分(18)及び前記第3部分(98)は前記空気流通気回路(12)を画定するのに寄与する、請求項1から4及び8のいずれか一項に記載の洗浄装置(4)。
【請求項12】
前記分配ネットワーク(10)が、少なくともパイプ(20)と、チャンバ(22)と、前記チャンバ(22)によって前記パイプ(20)に液圧接続された洗浄液噴霧出口(24)とを備え、前記チャンバ(22)及び前記噴霧出口(24)は、前記第1部分及び前記第2部分(16、18)によって画定され、前記パイプ(20)は、前記第1部分(16)によって全体的に画定される、請求項11に記載の洗浄装置(4)。
【請求項13】
前記通気回路(12)が、少なくともダクト(28)と、空洞(30)と、前記空洞(30)によって前記ダクト(28)に空圧接続された空気流出口(32)とを備え、前記空洞(30)及び前記空気流出口(32)は、前記第2部分(18)及び前記第3部分(98)によって画定され、前記ダクト(28)は、前記第3部分(98)によって全体的に画定される、請求項11及び12のいずれか一項に記載の洗浄装置(4)。
【請求項14】
少なくとも1つの検出面(8)を備える少なくとも1つの検出装置(2)と、請求項1から13のいずれか一項に記載の、前記検出面(8)を洗浄するための洗浄装置(4)とを備える検出組立体(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の検出装置を洗浄するシステムの分野に含まれ、より詳細には、検出装置の検出面に洗浄液を噴霧する洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、最新の車種には多くの設備機器が追加されている。これらの設備機器のうちの一部は、例えば自動運転システムなどの検出装置を介して動作する。自動運転システムは、例えば、カメラ、レーダ、LIDAR(光検出及び測距)又はその他の赤外線波センサなどの複数の検出装置を備える。そのような検出装置は一般に検出面を備え、その検出面を介して、当該検出装置から放射された波が、自動運転システムが設置された車両を取り囲む外部環境に放射される。この検出面は一般に光学的に中性であり、検出装置によって放射又は受信される信号を妨害しないことに適したものでなければならない。
【0003】
これらの検出装置の良好な動作を経時的に維持するために、検出装置を洗浄するためのシステムも近年開発されている。これらのシステムは、一般に、検出装置に設置され、当該装置の検出面に洗浄液を噴霧することができる少なくとも1つの洗浄装置を備える。更に、洗浄システムはまた、空気流を検出面に向かって案内することができる回路を備えてもよい。
【0004】
空気回路によって実行される液体噴霧及び送風は、当該検出面の洗浄を最適化するように、検出装置のうちの1つの検出面の近くに配置される。しかしながら、液体噴霧機能と送風機能とは最適に統合されていない。最近のこれらのシステムは特に複雑であり、それゆえに実装が困難である。
【発明の概要】
【0005】
したがって、本発明は、モジュール内の検出装置の検出面に向かって洗浄液を噴霧することと、空気流を案内することとが可能で、これら2つの機能を最良に実行するように最適化された洗浄装置を提案することによって、そのような洗浄システムを改善しようとするものである。
【0006】
本発明の主な主題は、車両用の検出装置の光沢面を洗浄するための洗浄装置であって、この洗浄装置は、互いに嵌合され、洗浄液分配ネットワーク及び空気流通気回路を少なくとも部分的に画定する少なくとも2つの部分を備え、洗浄液分配ネットワークは、空気流通気回路と別個である。
【0007】
言い換えると、洗浄装置は、一方では洗浄液分配ネットワークを備え、他方では空気流通気回路を備え、したがって、当該洗浄装置は、洗浄液を検出装置の検出面に向かって噴霧することと、空気流をこの検出面に向かって案内することとの両方を、1つの同じ特に小型のモジュール内から全て行うことができる。
【0008】
分配ネットワーク及び通気回路の一部は、洗浄装置の2つの構成部分間の協働によって形成されることが更に理解されよう。言い換えると、洗浄装置の2つの構成部分間の協働により、一方では洗浄液を検出面に向かって搬送することができ、他方では空気流をこの検出面に向かって案内することができる。
【0009】
「別個である」とは、分配ネットワークと通気回路とが互いに連通しておらず、したがって、分配ネットワークを流れる洗浄液が通気回路を循環する空気流と接触しないことを意味する。
【0010】
更に、洗浄装置は、当該洗浄装置を形成するように互いに取り付けられた少なくとも2つの部分から構成される。2つの部分は、同じ組成、すなわち、例えばPVC(ポリ塩化ビニル)などの合成材料などの同じ材料であってもよく、例えば超音波溶接によって互いに固定される。
【0011】
光沢面とは、検出装置の信号の通過を可能にする任意の種類の光学面を意味する。したがって、光沢面は、ガラス、プラスチック材料、又は検出装置の信号の通過を可能にする、当業者に公知の任意の種類の材料で作製することができる。
【0012】
少なくとも2つの部分間の協働により、分配ネットワーク及び通気回路の少なくとも一部を形成することが可能になることが理解されよう。
【0013】
1つの任意選択の特徴によれば、洗浄液分配ネットワークは洗浄液噴霧出口を備える。
【0014】
1つの任意選択の特徴によれば、通気回路は空気流出口を備える。
【0015】
したがって、洗浄液噴霧出口と空気流出口とは別個であることが理解されよう。
【0016】
洗浄液分配ネットワークと空気流通気回路とは、それらの各出口、すなわち空気流出口及び洗浄液噴霧出口に関する限りにおいて別個であることが理解される。
【0017】
本発明の別の任意選択の特徴によれば、噴霧出口の少なくとも1つの寸法は、増加寸法であり、この寸法は、洗浄液の流れ方向に対して垂直に測定される。
【0018】
少なくとも1つの寸法は、噴霧出口の、洗浄液の流れ方向の上流端部、すなわちチャンバに隣接する端部から、噴霧出口の、洗浄液の流れ方向の下流端部、すなわちチャンバに隣接する端部の反対側の端部にかけて増加することが理解されよう。
【0019】
噴霧出口は、チャンバの延長部に配置されることが理解されよう。
【0020】
言い換えると、洗浄液噴霧出口は、流体の噴射の流れ方向の上流側の端部から、流体の噴射の流れ方向の下流側の端部にかけて広くなる。
【0021】
本発明の1つの任意選択の特徴によれば、分配ネットワークは、少なくともパイプ及びチャンバを更に備え、洗浄液噴霧出口は、チャンバによってパイプに液圧接続される。
【0022】
したがって、この構成では、洗浄液はチャンバ内を流れることにより、パイプから噴霧出口に向かって流れることができる。
【0023】
本発明の別の任意選択の特徴によれば、チャンバは2つの部分によって画定される。
【0024】
本発明の別の任意選択の特徴によれば、噴霧出口は2つの部分によって画定される。
【0025】
本発明の1つの任意選択の特徴によれば、パイプは、2つの部分のうちの一方のみによって画定される。
【0026】
本発明の一態様によれば、パイプは、2つの部分のうちの一方によって全体的に形成され、車両及び/又は車両の自動運転システムに設置された洗浄液分配システムに液圧接続されるように構成され、この分配システムは、洗浄液を洗浄装置まで搬送する。言い換えると、1つの同じ単一部分がパイプを画定する。
【0027】
本発明の1つの特徴によれば、チャンバ及び噴霧出口は、洗浄装置の2つの構成部分間の協働によって形成される分配ネットワークの要素である。言い換えると、チャンバ及び噴霧出口は、洗浄装置の2つの構成部分のみによって画定される。
【0028】
更に、洗浄液は、分配ネットワークの噴霧出口で検出面に噴霧される。
【0029】
本発明の別の任意選択の特徴によれば、2つの部分の一方及び/又は他方は、チャンバ内に延在し、噴霧出口で開口する少なくとも1つの導管を画定することに寄与する。
【0030】
別の任意選択の特徴によれば、2つの部分の一方又は他方は、導管の主延在方向に交差する平面に延在する噴霧壁を有する。
【0031】
「導管」とは、洗浄液の流れの断面が、チャンバの残りの部分よりも、この導管において小さくなることを意味する。したがって、洗浄液は、チャンバ内の流速と比較して、導管で流速がより速くなり、その結果、導管内及びチャンバ内の流量が同じになる。
【0032】
その流速の増加により、かつ導管が噴霧壁に対して傾斜していることにより、洗浄液は噴霧壁に対して噴霧され、平坦な噴射、すなわち洗浄液が検出面に向かって、平面に沿って拡がる噴射を形成する。
【0033】
本発明の別の任意選択の特徴によれば、噴霧出口における導管の1つの端部の少なくとも1つの寸法は、噴霧出口に向かって増加する増加寸法であり、この寸法は、導管内の洗浄液の流れ方向に対して垂直に測定される。
【0034】
本発明の別の任意選択の特徴によれば、通気回路は、少なくともダクトと空洞とを更に備え、空気流出口は、空洞によってダクトに空圧接続される。
【0035】
本発明の1つの任意選択の特徴によれば、空洞は2つの部分によって画定される。
【0036】
本発明の1つの任意選択の特徴によれば、空気流出口は、2つの部分によって画定される。
【0037】
本発明の1つの任意選択の特徴によれば、ダクトは、2つの部分のうちの一方のみによって画定される。
【0038】
したがって、本発明の1つの特徴によれば、空気流は空洞を通って循環することによって、ダクトから空気流出口に向かって循環することができる。この構成では、ダクトは、2つの部分のうちの一方によって全体的に形成され、車両及び/又は車両の自動運転システムに設置された空気流循環システムに空圧接続されるように構成され、この循環システムは、空気流を洗浄装置まで強制的に循環させる。言い換えると、この構成では、1つの同じ単一部品がパイプを画定する。
【0039】
本発明の1つの特徴によれば、空洞及び空気流出口は、洗浄装置の2つの構成部分間の協働によって形成される通気回路の要素である。言い換えると、この構成では、空洞及び空気流出口は、洗浄装置の2つの構成部分のみによって画定される。
【0040】
更に、空気流は、通気回路の空気流出口で検出面に向かって案内される。
【0041】
本発明の別の任意選択の特徴によれば、洗浄装置は、検出装置に取り付けるための取付要素を備える。
【0042】
本発明の1つの特徴によれば、取付要素、パイプ及びダクトは、洗浄装置の1つの同じ部分によって画定されてもよい。この構成では、洗浄装置の1つの同じ部分が、取付要素並びにパイプ及びダクトを画定することが理解されよう。
【0043】
本発明の別の任意選択の特徴によれば、パイプは、全体延在方向に延在する。
【0044】
本発明の別の任意選択の特徴によれば、ダクトは、主延在方向に延在する。
【0045】
本発明の別の任意選択の特徴によれば、全体延在方向は、主延在方向と平行である。
【0046】
本発明の別の任意選択の特徴によれば、2つの部分のうちの一方は、分配ネットワークを空気流通気回路から分離する少なくとも1つの分離要素を備える。
【0047】
本発明の1つの任意選択の特徴によれば、他方の部分は、分配ネットワークを空気流通気回路から流体密に分離するように分離要素と協働することができる少なくとも1つの分離部材を備える。
【0048】
本発明の別の任意選択の特徴によれば、分離要素はリブであり、分離部材はリブが収容される溝である。
【0049】
本発明の別の任意選択の特徴によれば、分配ネットワークは、少なくとも第1洗浄液噴霧出口と、少なくとも第2洗浄液噴霧出口とを備える。この構成では、洗浄液はパイプから2つの噴霧出口に向かって流れ、したがって2つの異なる平坦な噴射を形成することが理解されよう。
【0050】
本発明の別の任意選択の特徴によれば、分配ネットワークは、少なくとも第1洗浄液噴霧出口と、第2洗浄液噴霧出口と、少なくとも第3洗浄液噴霧出口とを備える。洗浄液はパイプから3つの噴霧出口に向かって流れ、したがって3つの異なる平坦な噴射を形成することが理解されよう。
【0051】
本発明の別の任意選択の特徴によれば、洗浄装置は、第1部分と、第2部分と、少なくとも第3部分とを備え、第1部分及び第2部分は、洗浄液分配ネットワークの画定に寄与し、第2部分及び第3部分は、空気流通気回路の画定に寄与する。言い換えると、分配ネットワークは、第1部分及び第2部分によってのみ画定され、通気回路は、第2部分及び第3部分によってのみ画定される。
【0052】
言い換えると、第2部分は、第1部分と第3部分との間に挟持される。第2部分は、第1部分と協働して分配ネットワークを少なくとも部分的に画定する第1側部と、第2部分と協働して通気回路を少なくとも部分的に画定する第2側部とを有する。
【0053】
本発明の別の任意選択の特徴によれば、分配ネットワークは、少なくともパイプと、チャンバと、チャンバによってパイプに液圧接続された洗浄液噴霧出口とを備え、チャンバ及び噴霧出口は、第1部分及び第2部分によって画定され、パイプは第1部分によって全体的に画定される。
【0054】
本発明の別の任意選択の特徴によれば、通気回路は、少なくともダクトと、空洞と、空洞によってダクトに空圧接続された空気流出口とを備え、空洞及び空気流出口は、第2部分及び第3部分によって画定され、ダクトは、第3部分によって全体的に画定される。
【0055】
本発明はまた、少なくとも1つの検出面と、前述の特徴のいずれか1つに従って検出面を洗浄するための洗浄装置とを備える検出組立体に関する。
【0056】
本発明の別の任意選択の特徴によれば、検出面は主平面に延在し、洗浄装置は、主平面に交差する平面に延在する平坦な噴射の形態で洗浄液を噴霧するように構成される。
【0057】
本発明の更なる特徴、詳細及び利点は、添付の概略図を参照して、以下の説明を読むことにより、また非限定的な示唆として与えられる複数の例示的な実施形態を検討することにより、更に明確に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【
図1】本発明による洗浄装置を具備した検出システムの斜視図である。
【0059】
【0060】
【0061】
【
図4】本発明による洗浄装置の第2の実施形態の斜視図である。
【0062】
【
図5】本発明による洗浄装置の第3の実施形態の下方から見た斜視図である。
【0063】
【0064】
【
図7】本発明による洗浄装置の第4の実施形態の斜視図である。
【0065】
【発明を実施するための形態】
【0066】
本発明の特徴、変形形態及び様々な実施形態は、相互に非適合でないか、又は相互に排他的でない限り、様々な組み合わせで互いに組み合わせることができる。特に、以下に記載された特徴の選択部分のみを含む本発明の変形形態は、この特徴の選択部分が技術的利点をもたらす及び/又は本発明を従来技術と区別するのに十分である場合には、記載された他の特徴から独立して想定することが可能である。
【0067】
以下の説明では、「長手方向」、「横方向」及び「縦方向」という用語は、本発明による洗浄装置の向きを指す。長手方向は、洗浄装置のパイプの主延在方向に対応し、この長手方向は、図に示されるL、V、Tの長手方向軸Lに平行である。横方向は、空気流出口が主に延在する方向に対応し、この横方向は、基準系L、V、Tの横軸Tに平行であり、この横軸Tは、長手方向軸Lに垂直である。最後に、縦方向は、基準系L、V、Tの縦軸Vに平行な方向に対応し、この縦軸Vは、長手方向軸L及び横軸Tに垂直である。
【0068】
更に、本明細書の残りの部分で用いられる「上流」及び「下流」という用語は、洗浄装置内の洗浄液及び/又は空気流の循環の方向を指す。
【0069】
図1は、例えば車両及び/又は車両の自動運転システムに設置するように構成された検出組立体1を示す。検出組立体1は、少なくとも検出装置2と、本発明による洗浄装置4とから構成され、後者は、検出装置2の一部の洗浄を行う。
【0070】
より詳細には、検出装置2は、一方では、例えばセンサを備える本体6と、他方では、本体6に収容されたセンサと検出装置2を取り囲む外部環境との間に配置された検出面8とを備える。検出装置2のセンサは、例えば、カメラ、レーダ又はLIDARであってもよく、この列挙は網羅的ではない。この種の検出装置2は、電磁波を、検出装置2を取り囲む外部環境へ放射及び/又は外部環境から受信することによって、この環境に存在する1つ又は複数の物体を検出する。検出面8は、センサによって放射及び/又は受信された電磁波が、偏向又は修正されることなく当該検出面8を通過することができるように設計される。
【0071】
本発明によれば、洗浄装置4は、洗浄液分配ネットワーク10と、分配ネットワーク10とは別個の空気流通気回路12とを備える。洗浄装置4は、検出装置2の検出面8に対し、洗浄液を平坦な噴射14の形態で噴霧するように構成されており、平坦な噴射14は、主に平面に拡がる洗浄液の噴射である。また、洗浄装置4は、空気流を検出面8に向かって案内するようにも構成される。したがって、洗浄装置4による洗浄液の噴霧によって、検出面8上に堆積したいかなる要素も当該面から洗い落とすことが可能となり、また空気流の案内によって、前記検出面8の乾燥が可能となる。
【0072】
ここで、洗浄装置4の第1の実施形態を、特に
図1及び
図2を参照して説明する。
【0073】
本明細書に上述した通り、洗浄装置4は、一方では洗浄液分配ネットワーク10を備え、他方では空気流通気回路12を備え、分配ネットワーク10と通気回路12とは互いに別個である。分配ネットワーク10と通気回路12とが互いに連通していないことから、分配ネットワーク10を流れる洗浄液が通気回路12を循環する空気流と接触していないことが理解されるであろう。
【0074】
本発明によれば、より詳細には
図2に見られるように、洗浄装置4は、少なくとも2つの部分16、18から構成され、2つの部分16、18の各々は、互いに嵌合され、洗浄液分配ネットワーク10及び空気流通気回路12を少なくとも部分的に画定する。言い換えると、洗浄装置4は、分配ネットワーク10及び通気回路12の少なくとも一部を、一方が他方に対して流体密であるように画定するために互いに協働する、第1部分16と第2部分18とを備える。言い換えると、分配ネットワーク10及び通気回路12の少なくとも一部を形成することを可能にするのは、これら2つの部分16、18間の協働である。
【0075】
更に、分配ネットワーク10は、少なくともパイプ20と、チャンバ22と、チャンバ22によってパイプ20に液圧接続された洗浄液噴霧出口24とを備え、チャンバ22及び噴霧出口24は、2つの部分16、18によって画定され、パイプ20は、2つの部分16、18のうちの一方のみによって画定される。ここに示される例によれば、第1部分16はパイプ20を備え、第2部分18との協働により、噴霧出口24及びチャンバ22の形成に寄与する。第1部分16は、第2部分18が協働してチャンバ22及び噴霧出口24を形成する第1壁26を備える。
【0076】
更に、通気回路12は、少なくともダクト28と、空洞30と、空洞30によってダクト28に空圧接続された空気流出口32とを備え、空洞30及び空気流出口32は、2つの部分16、18によって画定され、ダクト28は、2つの部分16、18のうちの一方のみによって画定される。ここに示される例によれば、第1部分16はダクト28を備え、第2部分18との協働により、空気流出口32及び空洞30を形成することに寄与し、第1部分16の第1壁26は、第2部分18と協働して空洞30及び空気流出口を形成する。
【0077】
ここで、パイプ20及びダクト28について更に詳細に説明した後に、チャンバ22、空洞30、噴霧出口24及び空気流出口32について説明する。
【0078】
分配ネットワーク10のパイプ20は、ここでは長手方向Lに、有利には第1部分16の第1壁26に対して垂直に延在する。代替例によれば、パイプ20は、本発明の範囲から逸脱することなく、異なる方向に延在することができる。パイプ20は、洗浄液が流通することができる円筒状の全体形状を有している。パイプ20は、自由端34を有し、自由端34の反対側の端部で、第1壁26上に開口し、第1壁26を貫通する。より具体的には、第1壁26は、第1面36と、第2面38とを備え、パイプ20は、第1面36から、第2面38とは離れる方向に延在する。しかしながら、パイプ20は、第1壁26の第2面38に開口するように、第1壁26を貫通する。
【0079】
自由端34は、例えば、パイプ20を車両及び/又は運転者支援システムの洗浄液分配システムに取り付けることができるように、取付ビード40を備える。
【0080】
ダクト28自体は、ここでは長手方向Lに、有利には第1部分16の第1壁26に対して垂直に延在する。上記から、パイプ20が全体延在方向Aに延在し、ダクト28が主延在方向Bに延在し、パイプ20の全体延在方向Aはダクト28の主延在方向Bに平行であることが理解されよう。しかしながら、ダクト28は、パイプ20と同様に、本発明から逸脱することなく、それぞれ何らかの他の方向に延在することができる。
【0081】
この構成では、パイプ20と同様に、ダクト28は、空気流が循環することができる円筒状の全体形状を有している。ダクト28は同様に、自由縁42を有し、自由縁42の反対側の端部で、第1部分16の第1壁26上に開口し、第1壁26を貫通する。より具体的には、ダクト28は、第1部分16の第1面36から、第2面38とは離れる方向に延在し、第1壁26の第2面38に開口するように第1壁26を貫通する。
【0082】
自由縁42は、同様に、例えば、ダクト28を車両及び/又は運転者支援システムの空気流循環システムに取り付けることができるように、取付ビード40を備える。
【0083】
図3においてより詳細に分かるように、洗浄装置4の2つの部分16、18のうちの一方は、分配ネットワーク10を通気回路12から分離する少なくとも1つの分離要素44を備え、他方の部分16、18は、分配ネットワーク10を通気回路12から流体密に分離するように分離要素44と協働することができる少なくとも1つの分離部材46を備える。部分16、18の一方又は他方にそれぞれ配置された分離要素44と分離部材46との協働により、分配ネットワーク10及び通気回路12を、互いに流体密に保ちながら画定することが可能になることが理解されよう。
【0084】
本発明の1つの特徴によれば、分離要素44はリブであり、分離部材46はリブを収容することができる溝である。分離要素44を形成するリブは更に、一方では溝に収容できるように寸法決めされ、他方ではそれを案内する溝に密着するように寸法決めされる。言い換えると、リブ及び溝は、一方が他方に取り付けられると互いに接触し、分配ネットワーク10と通気回路12との間の流体の交流を防止し、それによって流体は、洗浄液由来となり、同様に空気流由来となることができる。
【0085】
図3に示すように、第1部分16は分離要素44を形成する少なくとも1つのリブを有し、第2部分18は分離部材46を形成する少なくとも1つの溝を備える。より具体的には、第1部分16は、「W」字形に延びるいくつかのリブを備え、すなわち、第1部分16は、横方向Tに延びる主リブ48と、主リブ48から実質的に同じ方向に延びる3つの追加リブとを備え、この方向は、横方向T及び長手方向Lに対して実質的に垂直である。中央追加リブ50と、中央追加リブ50の側方に位置する2つの端部追加リブ52とが定義されてもよい。この構成では、第1部分16のリブは2つの空間を形成し、2つの空間の一方は、端部追加リブ52の一方、中央追加リブ50及び部分的に主リブ48によって画定され、2つの空間の他方は、端部追加リブ52の他方、中央追加リブ50及び部分的に主リブ48によって画定される。
【0086】
第2部分18自体は、同じ面上にいくつかの溝を備える被覆壁54から構成され、この被覆壁54は、第1部分16と協働することができるように、第1部分16のリブ48、50、52に対して対称的に「W」字形に延在する。したがって、第2部分18は、横方向Tに延びる主溝56と、主溝56から実質的に同じ方向に延びる3つの追加溝とを備え、この方向は、横方向T及び長手方向Lに対して実質的に垂直である。中央追加溝58と、中央追加溝58の側方に位置する2つの端部追加溝60とが定義されてもよい。2つの部分が互いに取り付けられると、第2部分18の溝56、58、60は、第1部分16のリブ48、50、52と協働して、主リブ48が主溝56に収容され、端部追加リブ52がそれぞれ端部追加溝60の1つに収容され、中央追加リブ50が中央追加溝58に収容される。
【0087】
図3に見られるように、第1部分16の第1壁26の第2面38は、リブ48、50、52によって画定された空間の一方に第1凹部62を備え、リブ48、50、52によって形成された他方の空間に第2凹部64を備える。分配ネットワーク10のパイプ20は第1凹部62上に開口し、通気回路12のダクト28は第2凹部64内に開口する。
【0088】
第2部分18が第1部分16に取り付けられると、溝56、58、60を備える第2部分18の被覆壁54の面は、第1部分16の第1壁26の第2面38と接触する。この構成では、溝56、58、60を備える被覆壁54の面と第1凹部62とが、分配ネットワーク10のチャンバ22を画定することに寄与し、通気回路12の空洞30は、それ自体が当該面及び第2凹部64によって画定される。
【0089】
第1部分16の第1壁26は、噴霧縁部66を備え、この噴霧縁部66には、噴霧出口24及び空気流出口32が位置し、この噴霧縁部66に向かって凹部62、64がパイプ20及び/又はダクト28から延びる。第2部分18の被覆壁54自体は、噴霧出口24及び空気流出口32を画定することに寄与する噴霧側部68を有する。
【0090】
第1部分16は、少なくとも第1凹部62と噴霧縁部66との間に延在する傾斜壁69を備える。この傾斜壁69は、被覆壁54の傾斜面70と協働する。後者は、噴霧出口24に配置された間隙72を備え、そこに傾斜面70が配置される。
【0091】
更に、被覆壁54は、傾斜面70に形成され、溝56、58、60を含む面と間隙72との間の主延在方向に延在する導管74を備える。導管74は、
図3に示すように、傾斜面70上に開口しているが、それによって本発明の範囲から逸脱することなく閉じることができる。
【0092】
洗浄装置4の2つの部分16、18が互いに取り付けられると、傾斜壁69及び傾斜面70は、傾斜壁69が導管74を閉じるように、互いに対向して延在する。したがって、第1部分16の第1凹部62は、第2部分18の導管74のみを介して洗浄装置4の外部と連通する。
【0093】
第2部分18の間隙72は、導管74の主延在方向に交差する平面に延在する噴霧壁76を備える。噴霧壁76は、間隙72内に開口する導管74の出口端78に配置され、洗浄液が当該噴霧壁76に噴霧されて平坦な噴射を形成するように構成される。
【0094】
本発明の1つの特徴によれば、噴霧出口24における導管74の出口端78の少なくとも1つの寸法は、噴霧出口24に向かって増加する増加寸法であり、この寸法は、導管74内の洗浄液の流れ方向Cに対して垂直に測定される。洗浄液出口端78は、噴霧出口24に向かって次第に開くことが理解されよう。言い換えると、導管74で測定される寸法は、導管74の出口端78で測定される寸法よりも小さく、これらの2つの寸法は、有利には、横方向Tに平行な方向で測定される。
【0095】
更に、
図3においてより詳細に見られるように、被覆壁54は、第2凹部64と共に、通気回路12の空洞30を画定するのに寄与する切欠部80を備える。切欠部80は、第2部分18の噴霧側部68に向かって延在し、噴霧側部68に近づくにつれて徐々に広くなる。このことから、切欠部80の横方向、すなわち空気流が循環する方向に垂直な方向に測定された寸法は、噴霧側部68に近づくにつれて徐々に増加する傾向があることが理解されよう。
【0096】
更に、空気流出口32は、噴霧出口24の近くに配置される。切欠部80の開口部は、洗浄液が噴霧された後に噴霧出口24を拭き取るように、又は乾燥さえもするように、空気流の一部が噴霧出口24に向かって循環するように設計されている。
【0097】
上記から、洗浄液は、特にパイプ20の自由端34から第1部分16の第1壁26に向かって、パイプ20内を循環することから始まることが理解されよう。次いで、洗浄液は、第1部分16の第1凹部62と第2部分18の被覆壁54とによって形成されるチャンバ22内に拡がる。チャンバ22が洗浄液で満たされると、この液体は導管74を通って噴霧壁76へ流れる。洗浄液の流速に応じて、洗浄液は、噴霧壁76に対してより高い又はより低い圧力で噴霧され、次いで、検出装置のうちの1つの検出面を洗浄することができる平坦な噴射を形成する。
【0098】
空気流自体は、ダクト28に沿って、特にダクト28の自由縁42から第1部分16の第1壁26へ循環する。次いで、空気流は、第1部分16の第2凹部64及び第2部分18の被覆壁54によって、チャンバ22を通って空気流出口32へ案内される。より具体的には、空気流は、ダクト28から空洞30、すなわち第2凹部64及び切欠部80を通って噴霧出口24へ循環する。次いでこの流れは、空気流の流速に応じて、検出要素のうちの1つの検出面へ循環することによって、当該面を乾燥させるか、又は洗浄さえも行う。
【0099】
更に、
図2においてより詳細に見られるように、洗浄装置4は、検出装置のうちの1つに取り付けるための少なくとも1つの取付要素を備え、取付要素は、洗浄装置4の、パイプ20及びダクト28を有する部分と同じ部分16、18、すなわちこの例では第1部分16が有する。ここに示される例によれば、洗浄装置4は、第1取付要素82と第2取付要素84とを備え、第1取付要素82は、例えば洗浄される検出面に対して洗浄装置4を中央に位置づけるための要素であり、第2取付要素84は、洗浄装置4を定位置に保持することを可能にする。取付要素82、84はまた、洗浄装置4を検出装置の近くに取り付けて、定位置に保持することを可能にする、ネジ又は任意の他の既知の取付手段であってもよい。したがって、洗浄装置4は、特に取付要素82、84によって定位置に保持されるが、パイプ20及びダクト28をそれぞれ車両及び又は運転者支援システムの分配システム及び循環システムに連結させることによって定位置に保持してもよい。
【0100】
ここで
図2に示すように、第1部分16は、第1壁26の第1面36から、横方向Tが内接する平面に延びる第2壁86を備え、この平面は、第1部分16の第1壁26が延在する平面に対して実質的に垂直である。取付要素82、84は、ここでは、第2壁86から、パイプ20及びダクト28とは離れる方向に延在する。更に、取付要素82、84の一方は、長手方向Lにおいて噴霧出口24と位置合わせされ、他方は、第1部分16の横方向端部に配置される。
【0101】
特に
図4に示す本発明の第2の実施形態によれば、取付要素82、84は、第1部分16の横方向端部に配置される。
【0102】
更に、本発明のこの第2の実施形態では、第1部分16は、第1壁26が内接する平面に平行な平面に延在する追加壁88を備え、追加壁88は、第2壁86に対して第1壁26の反対側にある。本発明のこの例示的な実施形態では、分配ネットワーク10及び通気回路12を少なくとも部分的に画定するのに寄与するのは追加壁88であり、追加壁88は、第1の実施形態における第1壁26と同じ機能を果たす。
【0103】
次に、本発明の第3の実施形態を、特に
図6及び
図7を参照して説明する。
【0104】
図6及び
図7に示すように、パイプ20の全体延在方向A及びダクト28の主延在方向Bはいずれも、第1部分16の第1壁26及び第2部分18の被覆壁54が内接する平面に実質的に平行である。
【0105】
本発明のこの第3の実施形態の1つの特徴によれば、分配ネットワーク10は、少なくとも第1洗浄液噴霧出口24aと、第2洗浄液噴霧出口24bと、第3洗浄液噴霧出口24cとを備える。これら3つの噴霧出口24a、24b、24cは、第1の実施形態で前述したものと同様の方法で形成される。
【0106】
パイプ20から各噴霧出口24a、24b、24cまで洗浄液を搬送するために、チャンバ22は「W」字の全体形状をとっている。この構成では、チャンバ22は、横方向Tに平行な方向に延在し、パイプ20が開口する主部90と、主部90から噴霧縁部66に向かって延在する3つの分岐部とを備え、これらは中央分岐部92及び2つの端部分岐部94である。より詳細には、分岐部92、94はそれぞれ、主部90と、噴霧出口24a、24b、24cのうちの1つとの間に延在する。
【0107】
更に、分離要素44及び分離部材46は、チャンバ22が「W」字の全体形状をとるように配置される。分離要素44及び分離部材46の各々は「U」字の全体形状をとっており、それによって、第1分離要素44aが中央部90及と2つの端部分岐部94との画定に寄与し、第2分離要素44bが2つの端部分岐部94の一方と中央分岐部92との画定に寄与し、第3分離要素44cが他方の端部分岐部94と中央分岐部92との画定に寄与する。分離部材46は、分離要素44と同様に延在する。
【0108】
更に、取付要素82、84はそれぞれ、第1部分16の第1壁26の延長部96に配置され、延長部92の各々は、第1壁26が内接する平面に実質的に平行な平面に延在する。
【0109】
次に、本発明の第4の実施形態を、特に
図7及び
図8を参照して説明する。
【0110】
洗浄装置4は、第1部分16と、第2部分18と、少なくとも第3部分とを備え、第1部分16及び第3部分98は洗浄液分配ネットワーク10を少なくとも部分的に画定するのに寄与し、第2部分18及び第3部分98は空気流通気回路12を少なくとも部分的に画定するのに寄与する。したがって、第2部分18は、一方では、特に第1部分16と協働することによって、分配ネットワーク10を少なくとも部分的に画定することに寄与し、他方では、第3部分98と協働することによって、通気回路12を少なくとも部分的に画定することに寄与することが理解されよう。
【0111】
図8でより詳細に見られるように、第1部分16は、分配ネットワーク10のパイプ20を備え、第2部分18と共に、チャンバ22及び少なくとも1つの噴霧出口24の画定に寄与する。更に、分配ネットワーク10は、2つの洗浄液噴霧出口24を備え、噴霧出口24はそれぞれ、第1壁26の横方向端部の1つに設置される。
【0112】
パイプ20から各噴霧出口24に洗浄液を搬送するために、チャンバ22は「U」字の全体形状をとっている。その目的のために、チャンバ22は、横方向Tに平行な方向に延在し、パイプ20が開口する中央部90と、中央部90から噴霧縁部66に向かって延在する2つの端部分岐部94とを備える。より詳細には、端部分岐部94の各々は、中央部90と洗浄液噴霧出口24のうちの1つとの間に延在する。
【0113】
更に、分離要素44及び分離部材46は、チャンバ22が「U」字の全体形状をとるように配置される。分離要素44及び分離部材46の各々は「U」字の全体形状をとっており、それによって、第1分離要素44aが中央部90及と2つの端部分岐部94との画定に寄与し、第2分離要素44bが2つの端部分岐部94と中央部90との画定に寄与し、第2分離要素44は第1分離要素44の側方に横方向に位置している。分離部材46は、分離要素44と同様に、第2部分18上に延在する。
【0114】
更に、第1部分16は、チャンバ22の端部分岐部94の少なくとも1つに配置された少なくとも1つのブロック100を備える。ここで
図8に示す例によれば、第1部分16は、チャンバ22の端部分岐部94の1つにそれぞれ配置された2つのブロック100を備える。2つのブロック100は類似しており、すなわち、それに反する記載がない限り、一方のブロック100の特徴の説明は他方のブロック100にも有効である。「ブロック100」という用語は、区別なく、ブロック100の一方又は他方を指してよい。
【0115】
ブロック100は、第1部分16の第1壁26に垂直な平面で見たときに三角形の断面を有し、端部分岐部94の一方における洗浄液の流れの軸線を包含する。したがって、ブロック100は、チャンバ22に面する内面102と、噴霧出口24に面する外面104と、内面102と外面104とが交わる頂点105とを備える。ブロック100は、チャンバ22から外面104に沿って頂部105まで延在する第1部106と、頂点105から噴霧壁76まで流れ方向Cに延在する第2部108とを備える導管74を備える。導管74はここでは開いており、すなわち、ブロック100の内面102及び外面104のそれぞれに形成された切れ込みの形状を全体的にとっている。しかしながら、上述したものと同様にブロック100を通って延在する閉じた導管74は、本発明の範囲から逸脱するものではない。
【0116】
導管74の第1部106及び第2部108はそれぞれ、第1部分16の第1壁26に交差する方向に延在する。更に、導管74の第2部108は、噴霧壁76が延在する平面に交差する方向に延在する。
【0117】
これを補完するために、第2部分18は、ブロック100を収容できる2つの中空体110を備え、2つの中空体110は同様である。明細書の残りの部分では、それに反する記載がない限り、一方の中空体110の特徴の説明は、他方の中空体110にも有効である。「中空体110」という用語は、区別なく、中空体110の一方又は他方を指してよい。
【0118】
中空体110は、第2部分18の被覆壁54に垂直な平面で見たときに三角形の断面を有し、端部分岐部94の一方における洗浄液の流れの軸線を包含する。したがって、中空体110は、ブロック100の外面104と接触するように意図された前面112と、ブロック100の内面102と接触するように意図された後面114と、前面112、後面114及び被覆壁54の間に互いに実質的に平行に延在する2つの三角形の側面116とを有する。
【0119】
第2部分18が第1部分16に取り付けられると、中空体110の後面114は、導管74の第1部106を閉じるようにブロック100の内面102と協働し、中空体110の前面112自体は、導管74の第2部108を閉じるようにブロック100の外面104と協働する。
【0120】
したがって、洗浄液が分配ネットワーク10内を循環するとき、洗浄液はパイプ20内を流れ、次いでチャンバ22の中央部90内を各端部分岐部94に向かって流れる。次いで、洗浄液は、導管74の第1部106、次いで導管74の第2部108を循環した後、噴霧壁76に噴霧されて平坦な噴射を形成する。
【0121】
図8においてより詳細に見られるように、第3部分98は、通気回路12のダクト28を備え、第2部分18と共に、空洞30及び少なくとも1つの空気流出口32を画定することに寄与する。更に、通気回路12は、2つの空気流出口32を備え、空気流出口32はそれぞれ、洗浄液噴霧出口24のうちの1つの近くに設置される。
【0122】
空気流を空気流出口32の一方又は他方に向かって案内するために、チャンバ22は、ダクト28が開口する合流区域118と、合流区域118から空気流出口32の一方に向かって延在する第1部分120と、合流区域118から他方の空気流出口32に向かって延在する第2部分122とを備える。チャンバ22の第1部分120及び第2部分122はそれぞれ、実質的に直線状に、すなわち主延在方向に延在する。
【0123】
洗浄液分配ネットワーク10のチャンバ22が画定される方法と同様に、空洞30は、第2部分18に配置された分離要素44と、第3部分98に設置された分離部材46とによって画定される。より具体的には、ここでは分離要素44はリブの形態をとり、分離部材46はリブを収容できる溝の形態をとる。ここで
図8に示されている例によれば、第2部分18は、第1区分126及び第2区分128を有する第1リブ124を備え、第1区分126及び第2区分128の各々は、他方の区分126、128が延びる方向と交差する方向に延在し、噴霧縁部66において空洞30を画定することに寄与する。第2部分18は、同様に2つの区分を有する第2リブ130を備え、これらの区分の各々は、第1リブ124の第1区分126及び第2区分128の一方又は他方と平行に延び、第2リブ130は、第1リブ124に対して噴霧縁部66と反対側に配置される。
【0124】
第3部分98自体は、第2部分18のリブと協働するように配置された溝を備え、溝は、第3部分98の矩形壁132上に配置され、この矩形壁132は、第2部分18の被覆壁54が内接する平面と平行な平面に延在する。第3部分98が第2部分18に取り付けられると、空洞30は、分離要素44を形成するリブ、被覆壁54、及び第3部分98の矩形壁132によって画定される。
【0125】
本発明は、本明細書に記載及び図示された手段及び構成に限定されるものではなく、いかなる同等の手段及び構成、並びにそのような手段の技術的に動作可能ないかなる組み合わせにも及ぶものである。特に、チャンバ22及び空洞30の形状及び特性は、それらが本文書に記載された機能を実行する限り、本発明を損なうことなく修正することができ、噴霧出口24の数及び/又は空気流出口32の数についても同じである。
【国際調査報告】