(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】複数の調節特徴を有する3次元装具ならびにそれらの製造および使用のための方法
(51)【国際特許分類】
A61F 5/01 20060101AFI20240305BHJP
【FI】
A61F5/01 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558565
(86)(22)【出願日】2022-03-23
(85)【翻訳文提出日】2023-11-08
(86)【国際出願番号】 IB2022000167
(87)【国際公開番号】W WO2022200860
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517155347
【氏名又は名称】オステオイド サグリク テクノロジレリ アー.エス.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】カラサヒン, デニス
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA01
4C098BB09
4C098BB11
4C098BC08
4C098BC15
4C098BD13
(57)【要約】
共形化可能身体インターフェースは、3次元の軟組織身体表面を表すデータセットを使用して加工される。共形化可能身体インターフェースは、軸方向継手によって分離される2つ以上の縦方向区画に分裂される、身体足場を含む。随意に、身体足場はさらに、円周方向継手によって分離される2つ以上の円周方向分割区画に分裂される。軸方向継手は、弾性バンド、タブ、または類似する構造によって円周方向に制約され、円周方向継手は、弾性軸方向つなぎ綱または類似する構造によって縦方向に制約される。このように、身体インターフェースは、身体表面の膨張および屈曲に適応することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共形化可能装具であって、
縦軸を有し、身体表面にわたって除去可能に設置されるように構成される、足場であって、前記身体足場は、第1および第2の側ならびに上部および底部を有する、複数の足場セルに分裂され、円周方向に隣接する足場セル上の前記第1および第2の側は、軸方向の線に沿って分離可能であり、軸方向に隣接する足場セル上の前記上部および底部は、円周方向の線に沿って相互から分離可能である、足場と、
前記足場セルのうちの少なくともいくつかの前記第1の側に枢動可能に取り付けられる、第1の円周方向コネクタ、および、前記足場セルのうちの少なくともいくつかの前記第2の側に枢動可能に取り付けられる、第2の円周方向コネクタと
を備え、
前記第1および第2の円周方向コネクタは、それらの間の調節可能な距離において、取外可能に接続されるように構成され、
軸方向に隣接する足場セル上の前記上部および底部は、相互に調節可能に結合される、共形化可能装具。
【請求項2】
軸方向に隣接する足場セル上の前記上部および底部を調節可能に結合させる軸方向つなぎ綱をさらに備える、請求項1に記載の共形化可能装具。
【請求項3】
前記軸方向つなぎ綱は、前記第1および第2の円周方向コネクタのうちの少なくともいくつかの枢動軸を通して、軸方向に通過する、請求項2に記載の共形化可能装具。
【請求項4】
1つ以上の軸方向つなぎ綱を調節可能に緊締するための少なくとも1つの巻取スピンドルをさらに備える、請求項2または3に記載の共形化可能装具。
【請求項5】
前記巻取スピンドルは、回転歯止めと、爪機構とを備える、請求項4に記載の共形化可能装具。
【請求項6】
軸方向に隣接する足場セルの前記上部と前記底部との間に設置されるように構成される、スペーサをさらに備える、請求項2-5に記載の共形化可能装具。
【請求項7】
軸方向に隣接する足場セルは、ねじ山付き締結具によって接続される、請求項1に記載の共形化可能装具。
【請求項8】
前記ねじ山付き締結具は、前記軸方向に隣接する足場セルの再整合を可能にするために、ボールおよびソケット継手の中に組み込まれる、請求項7に記載の共形化可能装具。
【請求項9】
前記第1および第2の円周方向コネクタは、半径方向に延在する結合タブを伴う、回転スピンドルを備える、請求項1-8に記載の共形化可能装具。
【請求項10】
前記第1および第2の円周方向コネクタの前記結合タブは、それぞれ、円周方向に隣接する足場セルの前記第2および第1の円周方向コネクタの前記結合タブと取外可能に係止されるように構成される、請求項9に記載の共形化可能装具。
【請求項11】
前記半径方向に延在する結合タブのうちの少なくともいくつかは、隣接する足場セル上の結合タブ上の溝付表面と係止されるように構成される、溝付表面を有する、請求項9または10に記載の共形化可能装具。
【請求項12】
前記回転スピンドルは、前記足場セルと選択的に係止されるように構成される、上側および/または下側半径方向スプライン表面を有する、請求項9-11に記載の共形化可能装具。
【請求項13】
前記第1および第2の円周方向コネクタはさらに、前記回転スピンドルのうちの少なくともいくつかの周縁上に回転歯車を係合し、前記スピンドルを回転し、前記結合タブの角度を調節するように構成される、駆動ねじを備える、請求項1-12に記載の共形化可能装具。
【請求項14】
前記足場は、身体四肢、身体関節、または身体胴部に境界線を引くように構成される、請求項1-13に記載の共形化可能装具。
【請求項15】
前記身体足場は、装具補助器具を備える、請求項14に記載の共形化可能装具。
【請求項16】
前記身体足場は、3次元空間格子を備える、請求項1-15に記載の共形化可能装具。
【請求項17】
前記3次元格子は、モデルとして、前記身体表面の走査を使用して、3次元印刷によって生成される、請求項16に記載の共形化可能装具。
【請求項18】
共形化可能身体インターフェースを加工するための方法であって、前記方法は、
補正力または支持力を3次元軟組織身体表面に印加するように意図される、足場を表す、データセットを生成または取得することであって、
前記足場は、第1および第2の側ならびに上部および底部を有する、複数の足場セルに分裂され、円周方向に隣接する足場セル上の前記第1および第2の側は、軸方向の線に沿って分離可能であり、軸方向に隣接する足場セル上の前記上部および底部は、円周方向の線に沿って相互から分離可能である、ことと、
前記データセットに基づいて、前記3次元身体表面にわたって除去可能に設置され、前記表面に共形化するように構成される、3次元足場を加工することであって、前記データセットは、前記足場セルのうちの少なくともいくつかの前記第1の側に枢動可能に取り付けられる、第1の円周方向コネクタと、前記足場セルのうちの少なくともいくつかの前記第2の側に枢動可能に取り付けられる、第2の円周方向コネクタとを画定する、ことと
を含む、方法。
【請求項19】
前記第1および第2の円周方向コネクタをそれらの間の選択された距離において取外可能に接続することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記取外可能に接続することは、隣接する対の結合タブを回転して位置付けることを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
回転して位置付けることは、駆動ねじを用いて、回転歯車を駆動させることを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
取外可能に接続することは、円周方向に隣接する足場セル上の結合タブ上に、溝付表面を係合することをさら含む、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
軸方向に隣接する足場セル上の前記上部および底部を相互に調節可能に結合させることをさらに含む、請求項18-22に記載の方法。
【請求項24】
軸方向に隣接する足場セル上の前記上部および底部を相互に調節可能に結合させることは、前記足場の軸方向に隣接する足場セルに跨架する、軸方向つなぎ綱に張力を印加することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記軸方向つなぎ綱に張力を印加することは、前記つなぎ綱の歯止め端部を備える、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
軸方向に隣接する足場セル間にスペーサを設置し、前記足場の軸方向の長さを調節することをさらに含む、請求項23-25に記載の方法。
【請求項27】
請求項18-25に記載の方法によって生成される、共形化可能身体インターフェース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、それらの内容全体が、参照することによって本明細書に組み込まれる、2021年3月25日に出願された、米国仮第63/166,186号(弁理士整理番号第50016-705.101号)、および2021年3月30日に出願された、米国仮第63/167,758号(弁理士整理番号第50016-705.102号)の利益を主張する。
【0002】
(1.発明の分野)
本発明は、概して、医療用デバイスならびにそれらの使用および製造の方法に関する。より具体的には、本発明は、患者の状態が変化するにつれて、経時的に形状修正を可能にするための特徴を伴う個人化された装具に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
身体的リハビリテーションのための装具介入は、何世紀にもわたって公知であるが、副木、ギプス、およびその他の装具は、依然として、実装における課題を提示している。棒状のものから作製される副木および石膏から作製されるギプスを使用した一時的な固定から始まり、本分野は、患者の生体構造を走査し、その生体構造の3次元デジタル表現を発生させ、コンピュータ補助設計(CAD)ツールを使用し、個別化された装具を表すデジタルファイルを生成することによって、装具が、個々の患者の生体構造に関して加工される「3D印刷された」装具の生成、および3D印刷技法を使用した装具の加工まで進歩してきている。
【0004】
3D印刷された装具は、従来的な石膏ギプスよりも快適かつ衛生的であるが、それらは、3D印刷の複雑なワークフローおよび多くの時間が、緊急医療支援も必要とする個々の患者毎に要求されることに起因して、実践性に欠ける。特に、治療の初期段階における患者のために構成される装具は、回復の後続の段階の間、適切な補正的嵌合を提供しない場合があり、著しい修正、または、ある場合には、交換装具の加工を要求する。
【0005】
治癒の間、患者の生体構造における変化に適合する装具が、本願と共同所有される、第WO2016/170433号(特許文献1)において説明されている。
図1に示されるように、第WO2016/170433号の装具は、円周方向の線101に沿って軸方向に、かつ軸方向の線102に沿って円周方向に分裂された、身体足場100から成り、複数の構造的に別個のセル110を結果としてもたらし、それらのうちの1つが、
図1では取り出されている。
図2および3において最も分かりやすく見られるように、円周方向に隣接するセル110は、弾性制約部103によってともに保持される経路202に沿って拡張するように構成される、滑動継手201によって継合される一方、軸方向に隣接するセルは、軸方向つなぎ綱104によってともに保持される。装具は、
図1に見られるように、ヒトの生体構造の選択された部分、例えば、腕および手の一部106にわたって除去可能に設置されてもよい。セル110は、設置および除去を促進するために、一時的に分離されることができる。
【0006】
当技術分野における著しい前進ではあるが、第WO2016/170433号の装具設計は、ある限定を有する。例えば、軸方向滑動継手は、制限された運動経路のみに適応し、装具を単一の体積変化パターンに限定し、これは、ひいては、それが使用され得る場合のタイプを限定し得る。
図2-5において見られるように、そのような限定は、腕または他の生体構造の円周が、変化するにつれて、軸方向滑動継手201のオス部分とメス部分との間の接線ベクトルの変化から生じる。円周の増加は、より平坦な(より大きな半径の)接線ベクトル203を結果としてもたらす(
図3)一方、円周の減少は、軸方向滑動継手間のあまり平坦ではない(より小さな半径の)接線ベクトル204を結果としてもたらす(
図4)。他の体積変化は、滑動継手205間の応力の一様ではない分布を結果としてもたらし得る(
図5)。
【0007】
これらの理由のために、装具の初期設計および加工が完了された後、治療および治癒の間の患者の生体構造における予測可能かつ予測不可能な多種多様な変化に適応し得る、改良された代替の装具設計を提供することが、望ましいであろう。これらの目標のうちの少なくともいくつかが、本明細書に説明され、請求される発明によって満たされるであろう。
【0008】
(2.背景の目録)
関連する公開文書は、共同所有される、第US2021/0205115号(特許文献2)、第US2017/0224520号(特許文献3)、第WO2016/170433号、および第WO2016/071773号(特許文献4)(それらの完全な開示が、参照することによって本明細書に組み込まれる)を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第2016/170433号
【特許文献2】米国特許出願公開第2021/0205115号公報
【特許文献3】米国特許出願公開第2017/0224520号公報
【特許文献4】国際公開第2016/071773号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の概要)
本発明は、治療および治癒の間の患者の生体構造における予測可能かつ予測不可能な多種多様な変化に適応するための改良された能力を有する、装具を提供する。特に、負傷した患者の走査から3D印刷によって作製される「個別化された」装具にとって好適であるが、本発明の設計および方法はまた、「標準的な」サイズおよび生体構造に成型され、または別様に加工され、その後、治療の着手時に、特定の患者のためにサイズ調節され得る「既製の」装具の設計および加工における使用も見出されるであろう。全ての場合において、本発明の装具は、治療の過程の間、さらに調節される能力を有する。
【0011】
本発明の装具は、典型的には、治癒の間、腕、脚、関節、または付属器官等の患者の生体構造の円周形状における変化に適応する、枢動可能に取り付けられる円周方向滑動継手を有するであろう。治癒の過程の間の生体構造における変化に対する適応性を向上させるために導入され得る他の機械的特徴は、身体足場を再安定化させるための半径方向スプライン係止部およびウォーム駆動部を含む。本発明の装具はまた、好ましくは、装具内の円周方向分割セルと軸方向分割セルとの間の軸方向の長さの調節および3次元整合のための特徴も含むであろう。本発明の装具の中に組み込まれ得る、具体的な機械的特徴は、軸方向つなぎ綱の張力を係止、解放、および調節するためのスピンドルおよび回転歯止め機構を含む。本発明の装具の中に組み込まれ得る、付加的な特徴は、組立および嵌合セッションを容易化するために、円周方向および/または軸方向分割セルに跨架する、拡張的構造要素を含む。
【0012】
第1の側面では、本発明は、縦軸を有し、身体表面にわたって除去可能に設置されるように構成される、足場を備える、共形化可能装具を提供する。身体足場は、複数の足場セルに分裂され、各セルは、第1の側と、第2の側と、上部と、底部とを有し、1つの足場セル上の第1の側および円周方向に隣接する足場セル上の第2の側は、軸方向の線に沿って分離可能であり、軸方向に隣接する足場セル上の上部および底部は、円周方向の線に沿って相互から分離可能である。第1の円周方向コネクタが、足場セルのうちの少なくともいくつかの第1の側に枢動可能に取り付けられ、第2の円周方向コネクタが、足場セルのうちの少なくともいくつかの第2の側に枢動可能に取り付けられ、第1および第2の円周方向コネクタは、それらの間の調節可能な距離において、取外可能に接続するように構成される。このように、軸方向に隣接する足場セル上の上部および底部は、相互に調節可能に結合される。
【0013】
ある事例では、本発明の共形化可能装具はさらに、軸方向に隣接する足場セル上の上部および底部を調節可能に結合する、軸方向つなぎ綱を備えてもよい。例えば、軸方向つなぎ綱は、第1および第2の円周方向コネクタのうちの少なくともいくつかの枢動軸を通して、軸方向に通過し得る。
【0014】
ある事例では、本発明の共形化可能装具はさらに、1つ以上の軸方向つなぎ綱を調節可能に緊締するための少なくとも1つの巻取スピンドルを備えてもよい。例えば、巻取スピンドルは、回転歯止めと、爪機構とを備える。
【0015】
ある事例では、本発明の共形化可能装具はさらに、軸方向に隣接する足場セルの上部と底部との間に設置されるように構成される、スペーサを備えてもよい。
【0016】
ある事例では、本発明の共形化可能装具の軸方向に隣接する足場セルは、ねじ山付き締結具によって接続されてもよい。例えば、ねじ山付き締結具は、軸方向に隣接する足場セルの再整合を可能にするために、ボールおよびソケット継手の中に組み込まれてもよい。
【0017】
ある事例では、本発明の共形化可能装具の第1および第2の円周方向コネクタは、半径方向に延在する結合タブを伴う、回転スピンドルを備えてもよい。例えば、第1および第2の円周方向コネクタの結合タブは、それぞれ、円周方向に隣接する足場セルの第2および第1の円周方向コネクタの結合タブと取外可能に係止するように構成されてもよい。半径方向に延在する結合タブのうちの少なくともいくつかは、隣接する足場セル上の結合タブ上の溝付表面と係止されるように構成される、溝付表面を有してもよい。
【0018】
ある事例では、本発明の共形化可能装具の回転スピンドルは、足場セルと選択的に係止するように構成される、上側および/または下側半径方向スプライン表面を有してもよい。
【0019】
ある事例では、本発明の共形化可能装具の第1および第2の円周方向コネクタはさらに、回転スピンドルのうちの少なくともいくつかの周縁上に回転歯車を係合し、スピンドルを回転させ、結合タブの角度を調節するように構成される、駆動ねじを備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、先行技術適合型副木を図示し、第WO2016170433号に説明されるように、4本の円周方向の線および3本の軸方向の線に沿って分割される、12個の分離可能なセルが、3つの弾性円周方向抑止部および4つの軸方向つなぎ綱を用いてともに保持されている。
【0021】
【
図2】
図2は、
図1の副木の
図1の直線1-1線に沿って得られた横方向断面であり、円周方向に拡張された構成において、4つの滑動継手を伴って示されている。
【0022】
【
図3】
図3は、
図2の滑動継手のうちの1つの詳細図であり、閉鎖された構成において示され、1つの事前に定義された運動経路を図示する。
【0023】
【
図4】
図4は、
図3のものと同様の図であり、円周方向の拡張に起因する滑動継手の接線ベクトルにおける変化を図示する。
【0024】
【
図5】
図5は、
図3のものと同様の図であり、部分的に開放された構成において、滑動継手を示し、円周方向の拡張に起因する接線ベクトルの変化に起因する、内部不均衡を図示する。
【0025】
【
図6】
図6は、本発明の原理による、噛合コネクタ(図示せず)と組み合わせて滑動継手を形成するように意図される、枢動式円周方向コネクタの概略的例証である。
【0026】
【
図7】
図7は、円周方向に隣接する足場セル上で噛合コネクタと結合し、枢動式半径方向滑動継手を形成するように構成される、第1および第2の円周方向コネクタを有する、足場セルの斜視図である。
【0027】
【
図8】
図8は、円周方向に拡張された構成における枢動式滑動継手を伴う、半径方向拡張における、本発明の装具の概略的横断面である。
【0028】
【
図9】
図9は、余剰適合型手首副木の実施形態であり、合計12個の個々の身体足場セルを備える、4つの縦方向分割セルおよび3つの円周方向分割セルが、半径方向歯車および4つの軸方向つなぎ綱を伴う枢動式滑動継手を用いてともに保持されている。余剰適合型副木の軸方向分割セルは、3つの個々の身体足場セルが、相互に面する半径方向歯車を伴う3つのオス型枢動式円周方向コネクタおよび相互に面する半径方向歯車を伴う3つのメス型枢動式円周方向コネクタを用いてともに保持されていること、ならびに軸方向つなぎ綱が、分割セルを通して輪状にされていることを強調している。
【0029】
【
図10】
図10は、半径方向スプライン係止表面を伴う1つのオス型枢動式円周方向コネクタおよび半径方向スプライン係止表面を伴う1つのメス型枢動式円周方向コネクタを伴う、分割セルの分解図である。
【0030】
【
図11】
図11は、2つの軸方向に隣接する足場セルを図示し、セル間に、軸方向区画の長さを増加させる、2つの除去可能に設置されるスペーサを伴う。
【0031】
【
図12】
図12は、ウォーム駆動部を伴う2つの枢動式円周方向コネクタを有する、足場セルの斜視図である。
【0032】
【0033】
【
図14】
図14は、余剰適合型足首副木の実施形態であり、14個の個々の身体足場セルが、半径方向歯車を伴う枢動式滑動継手、6つのねじ山付き締結具(4つが可視である)、および身体足場を横断して跨架する4つの軸方向つなぎ綱を用いてともに保持されている。
【0034】
【0035】
【0036】
【
図17】
図17は、余剰適合型足首副木の実施形態であり、14個の個々の身体足場セルが、半径方向歯車を伴う枢動式滑動継手、6つのねじ山付き締結具(4つが可視である)、2つのボール継手を伴う4つのねじ山付き締結具(2つが可視である)、および身体足場を横断して跨架する4つの軸方向つなぎ綱を用いてともに保持されている。
【0037】
【
図18】
図18は、ねじ山付き締結具の詳細図であり、
図17の余剰適合型足首副木の2つのボール継手および隣接する足場セルを伴う。
【0038】
【
図19】
図19は、ボール継手を伴うねじ山付き締結具の分解図である。
【0039】
【0040】
【0041】
【
図22】
図22は、ボール継手を伴うねじ山付き締結具の分解図であり、ボール継手として、円錐形スクリュおよび拡張式球体を伴う。
【0042】
【
図23】
図23は、コレットを伴う2つのボール継手機構を有する、ねじ山付き締結具の分解図である。
【0043】
【
図24】
図24は、軸方向かつ円周方向分割セルを図示し、回転歯止め701が、2つの枢動式円周方向コネクタを用いて、軸方向つなぎ綱に取り付けられている。
【0044】
【
図25】
図25は、回転歯止め701を伴う
図24のアセンブリを示し、分解図において示されている。
【0045】
【
図26】
図26は、
図24および25の回転歯止め701の一部を図示し、側面分解図において示されている。
【0046】
【
図27】
図27は、余剰適合型副木の実施形態を図示し、合計16個の個々の身体足場セルを備える、4つの縦方向分割区画および4つの円周方向分割区画が、半径方向歯車を伴う枢動式滑動継手、4つの軸方向つなぎ綱、および4つの回転歯止めを用いてともに保持されている。余剰適合型副木の軸方向分割区画は、4つの個々の身体足場セルが、相互に面する半径方向歯車を伴う4つのオス型枢動式滑動継手、相互に面する半径方向歯車を伴う4つのメス型枢動式滑動継手、および分割区画を通して輪状にされる軸方向つなぎ綱を用いてともに保持されていることを強調している。
【0047】
【
図28】
図28は、
図27の身体足場の軸方向分割セルを備える、4つの軸方向身体足場セルの分解図であり、半径方向歯車を伴う4つのオス型枢動式コネクタおよび半径方向歯車を伴う4つのメス型枢動式コネクタを伴い、半径方向スプライン係止表面を伴う7つのさらに分裂された足場セルアセンブリを伴い、半径方向スプライン係止表面および埋込された回転歯止めを伴う1つのさらに分裂された足場セルアセンブリ、半径方向スプライン係止部を伴う4つのオス型711および4つのメス型712枢動式円周方向コネクタ、1つの回転歯止め機構、および回転歯止めと結合される軸方向つなぎ綱を伴う。
【0048】
【
図29】
図29は、正面から視認した半径方向スプライン表面の拡張された構成を伴う枢動式かつ挟持式円周方向滑動継手を図示し、このように挟持式機構の原理を図示するにあたり、機構を通した軸方向つなぎ綱の通過を図示する。
【0049】
【
図30】
図30は、正面から視認した半径方向スプライン表面を伴う1つの枢動式かつ挟持式円周方向オスコネクタおよび半径方向スプライン表面を伴う1つの枢動式かつ挟持式円周方向メスコネクタを図示する。
【0050】
【
図31】
図31は、斜視図において、半径方向スプライン表面を伴う1つの枢動式かつ挟持式円周方向オスコネクタおよび半径方向スプライン表面を伴う1つの枢動式かつ挟持式円周方向メスコネクタを図示する。オスコネクタを通して通過するスロットを強調している。
【0051】
【
図32】
図32は、拡張された構成において、円周方向および軸方向分割身体足場セルを横断して跨架する拡張的幾何学形状を有する、共形化可能装具を図示する。枢動式円周方向コネクタおよび軸方向つなぎ綱もまた、本発明の原理に従って組み込まれる。
【0052】
【
図33】
図33は、閉鎖された構成において、円周方向および軸方向分割身体足場セルを横断して跨架する拡張的幾何学形状を有する、共形化可能装具を図示する。枢動式円周方向コネクタおよび軸方向つなぎ綱もまた、本発明の原理に従って組み込まれる。
【発明を実施するための形態】
【0053】
(発明の詳細な説明)
本発明は、デジタル製造およびコンピュータ補助設計における公知の技法を利用し、複数の調節可能かつ自己調節式構造的構成要素を伴う医療用ギプスの形態において、患者の生体構造における予測されない変化に適応するように構成可能な外骨格装具を提供する。本発明の構造的解決策は、装具と患者との間で、制御された、かつ医学的に有益な関係を助長するために開発される。特に、装具のデジタル設計および加工にとって好適であるが、本発明の調節可能な特徴および設計はまた、「標準的な」サイズおよび生体構造に成型され、または別様に加工され、その後、治療の着手時に、特定の患者のためにサイズ調節され得る「既製の」装具の設計および加工においても有用である。
【0054】
本発明の背景技術(
図1-5)において詳細に説明される、接線ベクトルの変化に起因する限定因子は、各滑動継手の後側において整合される回転式枢動部の形態において、円周方向拡張式分割セルへの付加的な自由度104の導入を伴って克服されている。枢動部のおかげで、異なる接線ベクトルにおける変動によって引き起こされる幾何学的変化は、もはや限定因子ではない。
図6、7、および8は、枢動式滑動継手を組み込むための方法を図示する。
【0055】
図6は、(
図3、4、および5からの断面と類似する方式における)枢動式円周方向コネクタ103を伴う軸方向かつ円周方向分割足場セル102の概略的例証を図示する。枢動部105は、円周方向コネクタ103の後側において整合される。本場合における枢動部は、ヒトの生体構造101の軟組織にわたって、円周方向拡張式構造に対して付加的な自由度を提供している。
【0056】
図7は、2つの枢動式円周方向コネクタ103を伴う軸方向かつ半径方向分割足場セル102の3次元表現である。各枢動式円周方向コネクタは、オス106またはメス107構成のいずれかを伴う連結型幾何学形状を介して、近隣の枢動式円周方向コネクタと結合するように構成される。足場セルはまた、枢動部のための嵌合ソケット108を組み込むように修正される。軸方向枢動部はまた、それらの長さを横断して跨架する軸方向つなぎ綱109の通過も可能にする。
【0057】
図8は、円周方向拡張における枢動式滑動継手を伴う、半径方向拡張における、本発明の装具の概略的横断面である。4つの滑動継手110、8つの枢動部105、および8つの軸方向つなぎ綱109が、図示されている。
【0058】
付加的な自由度104は、制約されないままにされる場合、構造的剛性を非平衡にする、変化する接線ベクトルの限定を克服する。本発明は、枢動式円周方向コネクタを制約し、構造を再安定化させるための方法を提供する。本方法が、
図9-15に図示されている。
【0059】
図9-11に実証される実施形態では、枢動式円周方向コネクタは、半径方向スプライン係止表面の使用を用いて制約される。半径方向スプライン係止表面は、枢動式円周方向コネクタと半径方向歯車を備えるさらに分裂された分割足場セルとの間に決定的に位置付けられる。軸方向つなぎ綱はまた、本発明の原理に従って、分割足場セルおよび枢動式円周方向コネクタを通して通過している。
【0060】
図9は、余剰適合型装具の実施形態であり、合計12個の個々の身体足場セルを備える、4つの縦方向分割区画および3つの円周方向分割区画が、半径方向歯車を伴う枢動式滑動継手および4つの軸方向つなぎ綱を用いてともに保持されている。本実施形態における余剰適合型副木は、手首201にわたって設置される。余剰適合型副木の軸方向分割区画は、軸方向区画を備える3つの個々の身体足場セル202が、半径方向スプライン係止部203を伴う3つのオス型枢動式円周方向コネクタおよび半径方向スプライン係止部204を伴う3つのメス型枢動式円周方向コネクタを用いてともに保持されていること、ならびに軸方向つなぎ綱206が、本実施形態206を通して輪状にされていることを強調している。
【0061】
図10は、
図9において説明される、身体足場の単一の軸方向かつ半径方向分割足場セルの拡大実証である。半径方向スプライン係止表面209を伴う2つのさらに分裂された分割足場セルアセンブリが、枢動式円周方向コネクタの上部および底部において整合される。円周方向コネクタは、足場セル内に位置するソケット208によって保持される。半径方向スプライン係止表面を伴う1つのオス型枢動式円周方向コネクタ203は、オス型円周方向コネクタ210と、軸方向枢動部212と、半径方向スプライン係止部207とを備える。半径方向スプライン係止表面を伴う1つのメス型枢動式円周方向コネクタ204は、メス型円周方向コネクタ211と、軸方向枢動部212と、半径方向スプライン係止部207とを備える。
【0062】
図12-13に実証される別の実施形態では、枢動式円周方向コネクタの位置付けは、ウォーム駆動機構を枢動式円周方向コネクタに適合させることによって制御される。ウォーム駆動機構は、ウォーム車輪404に係合する螺旋状ねじ山付き(渦状カム)シャフト403から成り、したがって、渦状カムシャフトを回転して旋回させることは、オスコネクタ406またはメスコネクタ407を位置付ける。ウォーム駆動部は、ウォームシャフト403を回転させ(402)、したがって、円周方向コネクタを枢動させることによって、枢動式円周方向コネクタの位置401を判定する。足場セルの内側に位置付けられるウォーム駆動部は、本設計内の開口部406を通してアクセス可能である。ウォーム駆動部を使用することの利点は、自動阻止するための能力である。
【0063】
図12は、ウォーム駆動有効型枢動式円周方向コネクタの軸方向かつ半径方向分割足場セル405を図示する。1つのウォーム駆動有効型枢動式円周方向オスコネクタ406および1つのウォーム駆動有効型枢動式円周方向メスコネクタ407が、図において可視である。また、通常隠蔽される渦状カムシャフト403が、淡色化された例証において実証されている。軸方向つなぎ綱408が、本発明の原理に従って、足場セル405を通して通過している。
【0064】
図13は、
図12における構造の分解図であり、単一の軸方向かつ半径方向分割足場セルを図示する。本例証はさらに、ウォーム駆動有効型枢動式円周方向コネクタ409のためのソケットおよびウォームシャフト410のためのソケットを実証する。
【0065】
長さは、多くのタイプの装具に関して、円周と同等に重要なパラメータである。本発明は、円周方向分割セルと軸方向分割セルとの間の軸方向の長さの調節のための方法を提供する。
図11に図示されるその第1の側面では、本方法は、除去可能に設置されるセパレータ301を挿入し、軸方向に離間されたセル202間にスナップ嵌合し、安定した支持部を提供し、したがって、事前に判定された幾何学形状を伴う構造の軸方向の長さを拡張することを含む。
【0066】
図11は、2つの軸方向に離間された分割足場セルを実証し、それらの間に2つの除去可能に設置されるセパレータ301を伴い、セパレータを設置または除去することによって、軸方向区画の長さを調節する。
【0067】
その第2の側面では、身体足場の軸方向の長さの正確な制御が、軸方向に離間された足場セル間で、線形アクチュエータタイプの機構を使用することによって構成されることができる。
図14、15、および16に説明される実施形態では、ねじ山付き締結具が、埋込されたボルトを使用し、ねじ山付きソケットを嵌合する、下肢装具の分割セル間に設置される。長さは、埋込されたボルトの回転によって判定される。
【0068】
図14は、本発明の原理による、余剰適合型足首副木の実施形態であり、14個の個々の身体足場セルが、半径方向歯車503を伴う枢動式滑動継手、6つのねじ山付き締結具504(4つが可視である)、および身体足場を横断して跨架する4つの軸方向つなぎ綱505を用いてともに保持されている。
【0069】
図15および16は、
図14と同一の余剰適合型足首副木を実証し、患者のアキレス腱に対応する構成要素に焦点を当てている。埋込されたボルトは、さらなる詳細を提供するために、506で図示され、対応するねじ山付きソケットは、507で図示される。
【0070】
下肢装具はまた、中足骨において、特に、後部側において、屈曲幾何学形状のために課題を呈する。問題は、拡張幾何学形状の変化に起因して変動する位置の2点間の軸方向の拡張に適応することである。本問題は、2D整合問題である、接線ベクトルの限定に類似するが、この問題は、3D整合問題である。
図17は、複数の軸方向拡張機構を図示し、それらの拡張ベクトルを伴い、これは、本場合では、相互に直角である。滑動継手がまた、それら自体の運動経路を有すると見なされるとき、分割足場セル間の3次元整合が、本問題を克服するために要求される。
【0071】
本発明の
図17-21に説明される実施形態では、ねじ山付き締結具は、軸方向分割足場セル間の3D整合を可能にするために、ボールおよびソケット継手と組み合わせられる。方法はさらに、ボールおよびソケット継手に対する制約を伴って改良され、身体足場に対するさらなる適合性および安定性を可能にする。
【0072】
図18は、余剰適合型足首副木のボールおよびソケット継手を伴うねじ山付き締結具ならびに2つの軸方向に隣接する分割足場セルを強調しており、足首の後部中足骨領域に対応する。
【0073】
図19は、拡大実証において、余剰適合型足首副木のボールおよびソケット継手を伴うねじ山付き締結具ならびに2つの隣接する分裂された足場セルに対するさらなる詳細を提供している。ねじ山付きコネクタのボルト603区分は、3D整合609を可能にするために、球体604を組み込むように修正される。半径方向スプライン係止表面602を伴う、さらに分裂された分割足場セルアセンブリは、球状ソケットを組み込むように修正される。ねじ山付き締結具のねじ山付きソケット605はまた、3D整合609を可能にするために、球状外殻を組み込むように修正される。構造を安定化させるための制約は、固定ねじ607と、球体に対して垂直に整合されるねじ山とから成る係止機構の形態において存在する。圧力608が、ボールおよびソケット継手をそれらの位置において係止するために、固定ねじを通して印加される。
【0074】
図20は、閉鎖された構成において、ボールおよびソケット継手を伴うねじ山付き締結具、ならびに
図19の半径方向スプライン係止表面および球状ソケット602を伴う2つのさらに分裂された足場アセンブリを図示する。
【0075】
図21は、拡張された構成において、ボールおよびソケット継手を伴うねじ山付き締結具、ならびに
図19の半径方向スプライン係止表面および球状ソケット602を伴う2つのさらに分裂された足場アセンブリを図示する。
【0076】
図22は、ボール継手とそのソケットとの間の係止機構の形態において、付加的な方法を図示する。本方法は、ねじ山付きコネクタの若干修正された球体610区分と、リビングヒンジタイプの機構を組み込むための付加的な円錐形スクリュとから成る。球体610は、上部から薄く切り込みを入れられ、円錐形固定ねじ611が挿入される(613)とき、構造が、外方向に拡張する(612)ことを可能にする。薄く切り込みを入れられた球体610の外方向への拡張は、半径方向のスプライン係止表面を伴う、さらに分裂された足場アセンブリのソケット内に余剰摩擦を作成し、したがって、3D整合を安定化させる。軸方向つなぎ綱505が、本発明の原理に従って、半径方向スプライン係止表面および球状ソケット602を伴う、さらに分裂された足場アセンブリを通して通過している。
【0077】
図23は、球状の外殻とそれらのソケットとの間に付加的なコレット614を導入することによって、ボール継手とそのソケットとの間の係止機構の形態において、付加的な方法を図示する。本方法では、ねじ山付きコネクタおよび軸方向に隣接する分裂された足場アセンブリの3D位置は、604および605の球状外殻を把持するコレットからの把持615を用いて安定化される。半径方向スプライン係止表面および球状ソケットを伴う、さらに分裂された足場アセンブリ602は、614で実証されるように、コレットの円錐形外側表面に適応するように修正される。要するに、本方法は、軸方向つなぎ綱616からの軸方向張力を変換し、身体足場の軸方向に隣接する分割セル間の3D整合を制約する。
【0078】
説明される全ての方法を用いると、身体足場は、実生活の条件において適用することがますます複雑かつ困難な状態になっている。また、軸方向つなぎ綱からの張力に対する調節が、身体足場を安定化させる、したがって、実践的な解決策を要求するために、ますます使用される。本発明は、軸方向つなぎ綱の張力を容易に係止、解放、および調節するために、装具に埋込される回転歯止めを導入する。
【0079】
図24-28は、軸方向かつ円周方向分割足場セルの近位端に埋込される、回転歯止めおよび爪機構710を図示する。回転歯止め機構は、筐体要素と、歯車を横断して跨架するV形状溝を伴う回転歯止めと、迅速解放を伴うばね荷重式爪と、軸方向つなぎ綱およびキャップを固定するための付加的なナットおよびボルト型係止部とを含有する。
【0080】
図24は、単一の軸方向かつ円周方向分割セルを図示し、埋込された回転歯止め710、スプライン係止部711を伴う枢動式円周方向オスコネクタ、スプライン係止部712を伴う枢動式円周方向メスコネクタ、および回転歯止め713と結合される軸方向つなぎ綱を伴って修正されている。
【0081】
図25および26は、拡大実証において、
図24の回転歯止め710に対するさらなる詳細を提供している。回転歯止めは、1つの方向705における移動を可能にする、歯を伴う回転歯車を備える一方、過剰な軸方向つなぎ綱を収容するために、V形状溝706を有する。軸方向つなぎ綱は、表面上の開口部707を通して、回転歯車の中心まで、V形状溝を通して通過する。つなぎ綱は、回転歯車705のつなぎ綱ソケット708にボルト709を緊締することによって、回転歯車に固定され、ボルト709およびつなぎ綱ソケット708の両方によって圧搾される。回転歯止めはまた、同一の方向における移動を可能にするために、嵌合爪704も備える。爪704はまた、回転歯止めに対する迅速解放機能を有効にするために、ばね703を組み立てるための柱と嵌合される。
【0082】
図27は、余剰適合型装具の実施形態であり、合計16個の個々の身体足場セルを備える、4つの縦方向分割区画と、4つの円周方向分割区画が、半径方向歯車を伴う枢動式滑動継手および4つの回転歯止めと結合される4つの軸方向つなぎ綱を用いてともに保持されている。余剰適合型副木の軸方向分割区画は、3つの個々の身体足場セル714および埋込された回転歯止め710を伴う1つの修正された足場セルが、半径方向スプライン係止部を伴う4つのオス型711および4つのメス型712枢動式円周方向コネクタを用いてともに保持されていること、ならびに回転歯止め713と結合される軸方向つなぎ綱が、本実施形態を通して輪状にされていることを強調している。
【0083】
図28は、
図27の余剰適合型装具の軸方向分割区画の分解図であり、半径方向スプライン係止表面を伴う7つのさらに分裂された足場セルアセンブリ715を伴い、半径方向スプライン係止表面および埋込された回転歯止めを伴う1つのさらに分裂された足場セルアセンブリ716、1つの回転歯止め機構701を伴い、回転歯止め713と結合される軸方向つなぎ綱が、本実施形態を通して輪状にされている。6つの枢動式円周方向コネクタの調節された位置717は、ここで回転歯止めを緊締することを単に用いることで、同時に制約され、調節プロセスを有意に容易化することができる。
【0084】
回転歯止め機構710の利点を活かして、より実践的な円周方向拡張式滑動継手機構が、
図29-31に説明されている。係止機構は、円周方向拡張式コネクタ間に挟持式把持801を作成するように構成される。本方法は、両方のコネクタをともに係止するために、回転歯止めからの張力に依存する。円周方向コネクタは、相互接続する歯と、便利な幾何学的開口部とを有するように構成され、軸方向つなぎ綱の通過を可能にする。
【0085】
図29は、正面から視認した拡張および開放された構成において、半径方向スプライン表面を伴う枢動式かつ挟持式円周方向滑動継手を図示する。半径方向スプライン表面および挟持式歯を伴うオス型枢動式円周方向コネクタが、802で図示されている。半径方向スプライン表面および挟持式歯を伴うメス型枢動式円周方向コネクタが、803で図示されている。挟持効果801は、回転歯止め804と結合される軸方向つなぎ綱の張力を増加させることによって達成される。両方のコネクタの挟持式歯は、例証では淡色化されている。
【0086】
図30は、離間されている構成において、半径方向スプライン表面および挟持式歯を伴うオス802およびメス803型枢動式円周方向コネクタを図示する。オスコネクタの挟持式歯は、さらなる詳細を提供するために、805で図示され、メス挟持式歯806と合致する。
【0087】
図31は、3D実証において、
図30のオス802およびメス803型枢動式円周方向コネクタを図示する。オスコネクタの挟持式歯の長さに沿って跨架するスロットは、807で図示され、円周方向メスコネクタに対する軸方向つなぎ綱の入口点が、808で図示される。
【0088】
軸方向かつ半径方向分割身体足場の嵌合および組立プロセスをさらに容易化するために、本発明は、分割セルを横断して跨架する拡張的空間格子幾何学形状を導入する。
図32は、拡張された構成において、その長さ901を横断して跨架する空間格子を伴う軸方向かつ半径方向分割セルを図示し、
図33は、閉鎖された構成において、その長さを横断して跨架する空間格子を伴う同一のセルを示している。半径方向スプライン係止部および軸方向つなぎ綱を伴う枢動式円周方向コネクタは、本発明の原理に従って、例証内に含まれる。本方法は、外力と連動して軸方向に伸展および圧縮させることが可能である、構成された拡張的空間格子を用いて、単一の区画またはセルを組み込む。
図17は、拡張された状態において、空間格子を実証し、組立を容易化し、部品を低減させる。
図18は、圧縮された状態において、空間格子を実証する。
【0089】
前述の実施形態は、一例としてのみ提示され、本発明の範囲は、以下の請求項によって定義されるものとする。
【国際調査報告】