(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】抗がん治療において使用するためのアンチセンスオリゴヌクレオチド
(51)【国際特許分類】
C12N 15/113 20100101AFI20240305BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240305BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240305BHJP
A61K 31/7088 20060101ALI20240305BHJP
A61K 31/4188 20060101ALI20240305BHJP
A61K 31/175 20060101ALI20240305BHJP
A61K 31/166 20060101ALI20240305BHJP
A61K 31/282 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
C12N15/113 Z ZNA
C12N15/113 130Z
A61P43/00 121
A61P35/00
A61K31/7088
A61K31/4188
A61K31/175
A61K31/166
A61K31/282
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558575
(86)(22)【出願日】2022-03-18
(85)【翻訳文提出日】2023-11-17
(86)【国際出願番号】 FR2022050497
(87)【国際公開番号】W WO2022200720
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】323002277
【氏名又は名称】ユニヴェルシテ グルノーブル アルプ
(71)【出願人】
【識別番号】507042442
【氏名又は名称】インサーム (インスティテュート ナショナル デ ラ サンテ エ デ ラ ルシェルシェ メディカル)
(71)【出願人】
【識別番号】523025045
【氏名又は名称】ソントル オスピタリエ ユニヴェルシテ グルノーブル アルプ
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンベール ソンドリン
(72)【発明者】
【氏名】アガス ファビエンヌ
(72)【発明者】
【氏名】ソドゥ フレデリク
(72)【発明者】
【氏名】ラヤヌ ケセム
【テーマコード(参考)】
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB05
4C086EA16
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086ZA02
4C086ZB26
4C086ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206GA07
4C206GA16
4C206GA22
4C206HA28
4C206JB16
4C206KA01
4C206MA02
4C206MA04
4C206NA05
4C206ZA02
4C206ZB26
(57)【要約】
本発明は、神経膠腫細胞に抗がん治療に対する感受性を付与することに使用するための、神経膠腫細胞中のハンチンチンタンパク質の発現レベルを低減することが可能なアンチセンスオリゴヌクレオチドに関する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
神経膠腫細胞に抗がん治療に対する感受性を付与することに使用するための、前記神経膠腫細胞中のハンチンチンタンパク質の発現レベルを低減することが可能なアンチセンスオリゴヌクレオチドであって、前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号1、配列番号2、配列番号3および配列番号4のアンチセンスオリゴヌクレオチドならびに配列番号1、配列番号2、配列番号3および配列番号4から選択される配列との配列同一性が50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、好ましくは80%以上、好ましくは90%以上、好ましくは92%以上、より好ましくは95%以上、好ましくは96%以上、好ましくは97%以上、好ましくは98%以上、好ましくは99%以上であるアンチセンスオリゴヌクレオチドから選択される、
アンチセンスオリゴヌクレオチド。
【請求項2】
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、さらに神経膠腫細胞中の6-O-メチルグアニンDNAメチルトランスフェラーゼ(MGMT)タンパク質の発現レベルを低減することが可能である、
請求項1に記載の使用のためのアンチセンスオリゴヌクレオチド。
【請求項3】
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、12~35個の核酸塩基を備える、
請求項1および2のいずれか1項に記載の使用のためのアンチセンスオリゴヌクレオチド。
【請求項4】
前記神経膠腫細胞に付与する感受性の対象となる抗がん治療は、前記神経膠腫細胞のDNAに損傷を与える治療である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の使用のためのアンチセンスオリゴヌクレオチド。
【請求項5】
前記神経膠腫細胞に付与する感受性の対象となる抗がん治療は、DNAアルキル化剤を用いた治療である、
請求項1~4のいずれか1項に記載の使用のためのアンチセンスオリゴヌクレオチド。
【請求項6】
前記神経膠腫細胞に付与する感受性の対象となる抗がん治療は、テモゾロミド(TMZ)、ロムスチン(CCNU)、カルムスチン(BCNU)、プロカルバジンおよびカルボプラチンから選択されるアルキル化剤のうちの1つまたは複数の組み合わせを用いた治療である、
請求項1~5のいずれか1項に記載の使用のためのアンチセンスオリゴヌクレオチド。
【請求項7】
前記神経膠腫細胞に付与する感受性の対象となる抗がん治療は、テモゾロミド(TMZ)治療であり、前記神経膠腫細胞は、TMZでの致死量50(LD50)が30%以上、好ましくは40%以上低減されるような感受性が付与される、
請求項1~6のいずれか1項に記載の使用のためのアンチセンスオリゴヌクレオチド。
【請求項8】
前記神経膠腫細胞に付与する感受性の対象となる抗がん治療は、放射線を使用する治療である、
請求項1~4のいずれか1項に記載の使用のためのアンチセンスオリゴヌクレオチド。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1つに記載の使用のためのアンチセンスオリゴヌクレオチドを少なくとも1つ備えるか、または、当該アンチセンスオリゴヌクレオチドの塩、エステル、当該エステルの塩または医薬上許容されるプロドラッグと、医薬上許容される担体または希釈剤とを備える、医薬組成物。
【請求項10】
脳腫瘍の治療において使用するための、請求項1~8のいずれか1項に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド、または、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
膠芽腫、すなわち、グレード4の星細胞腫の治療において使用される、請求項1~8のいずれか1項に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド、または、請求項9に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗がん治療において使用するためのアンチセンスオリゴヌクレオチドに関する。本発明は、治療用途の分野に属し、より詳細には、アンチセンスオリゴヌクレオチドを使用して神経膠腫細胞に抗がん治療に対する感受性を付与することに関する。
【背景技術】
【0002】
膠芽腫(GBM)すなわちグレード4の星細胞腫は、まれな脳腫瘍(フランスにおいては、10万人年当たり4件)であり、その増殖は急激であり生命予後は悪く、診断後2年よりも長く生存する患者は、ほんの2%である。この腫瘍は、神経膠を起源とするので神経膠腫を呼ばれる。より最近では、制御異常脳室下帯幹細胞がGBMの原因であり得ることが示されてきた(“Human glioblastoma arises from subventricular zone cells with low-level driver mutations” Lee et al.2018)。この制御異常の起源となる環境要因や分子要因は、まだ明らかにされていない。この腫瘍は、複数の多少異なる細胞種から構成されている。これらの細胞の中には、がん治療に対する抵抗や腫瘍再発の原因となるまれながん幹細胞が含まれる。
【0003】
治療の第一段階は、外科的切除からなる。しかし、GBM細胞は、急激に増殖し脳実質を侵襲するので、腫瘍全体、特にその幹細胞、を除去することはできない。経口テモゾロミド(TMZ)併用放射線療法および化学療法を28日ごとに7日間行うサイクルを繰り返すことによって、腫瘍の再増殖を遅くすることができる。TMZは、メチル基をグアニンのN7位または06位およびアデニンのN3位に付加するDNAアルキル化剤である。メチルO6グアニンの存在率は、TMZによるアルキル化全体のほんの10%未満であるが、TMZによるアポトーシスの誘導は、主にこの修飾を介して行われる。複製中に、この修飾されたグアニンは、チミンとミスマッチを起こす。このミスマッチは、DNAミスマッチ修復系(「ミスマッチ修復」をMMRと略す)酵素によって認識される。これらの酵素は、これらのミスマッチの修復を繰り返し試みるが成功しない。その結果、DNA二重鎖は、切断され、細胞周期はG2で停止し、アポトーシスが誘導される。しかし、再発性腫瘍は、O6-メチルグアニンDNAメチルトランスフェラーゼ(MGMT)酵素を発現する。この酵素は、TMZで処置した後のグアニン上に存在するアルキル基を除去する。したがって、TMZは、有効でなくなる。TMZに代わる治療はない。
【0004】
したがって、腫瘍細胞のTMZに対する抵抗性を低減することを目的とした、分子および細胞標的の特定を可能にするような進展が得られれば、神経膠腫を罹患する患者に恩恵を与えるであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これを達成するために、本発明の目的は、神経膠腫細胞に抗がん治療に対する感受性を付与することに使用するために、神経膠腫細胞中のハンチンチンタンパク質の発現レベルを低減することが可能なアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供することによって、上記短所を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、神経膠腫細胞に抗がん治療に対する感受性を付与することに使用するための、神経膠腫細胞中のハンチンチンタンパク質および6-O-メチルグアニンDNAメチルトランスフェラーゼ(MGMT)タンパク質の発現レベルを低減することが可能なアンチセンスオリゴヌクレオチドにさらに関する。
【0007】
ハンチンチンタンパク質(HTT)は、350kDaの多面的タンパク質(pleiotropic protein)である。このタンパク質は、その変異形態が主に研究されている。すなわち、その遺伝子配列のエクソン1において36個より多くのCAGトリプレットの伸長を与える変異形態である。なぜなら、HTTタンパク質をコードするこの変異遺伝子(CAGトリプレットの異常伸長を有するハンチンチン遺伝子)は、致死の神経変性病であるハンチントン病を引き起こす。野生型HTTは、細胞の幹状態を維持可能にする。実際に、異なる起源の幹/前駆細胞中のHTTレベルが低減すると、早期に分化する傾向のこれらの細胞の貯蔵の枯渇が生じる(Godin et al.、2010、Elias et al.、2014、Lopes et al.、2016)。また、HTTは、上皮間葉転換に関与すること、HTTが存在しないと、乳がん細胞がより転移しやすくなったり、非がん性細胞が極性を失うことが示されてきた(Elias et al.、2015、Thion et al.、2015)。
【0008】
アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASOとも呼ぶ)は、短い合成DNA配列(約20塩基)であり、核酸塩基対のCrickおよびWatsonの原理にしたがって、対象となるメッセンジャRNA(mRNA)を標的にする配列である。このとき、当該mRNAは、リボヌクレアーゼH(RNAse H)によって分解されるので、タンパク質に翻訳されない。ASOは、核酸塩基のホスホチオエート結合および修飾を与え、特に、2’-O-メトオキシエチル(MOE)基を3’および5’末端のヌクレオチドに付加し、これらのヌクレオチドをヌクレアーゼに対して抵抗性にし、また水溶性にする。
【0009】
本発明者らは、非常に驚いたことに、HTTタンパク質のmRNAを標的にすることによって神経膠腫細胞中のHTTタンパク質の発現レベルを低減することが可能なASOと、神経膠腫細胞中のHTTタンパク質およびMGMTタンパク質(それらのたんぱく質を発現する細胞を特に抗がん治療に対して抵抗性にする)の発現レベルを低減することが可能なASOとを当該細胞にトランスフェクトすることによって、通常であれば当該細胞が時間経過とともに抵抗性を有するようになるような抗がん治療に対する感受性を当該細胞に付与することができることを発見した。
【0010】
神経膠腫細胞中のHTTレベルを低減するために本発明において使用されるアンチセンスオリゴヌクレオチド配列は、文献において入手可能な配列である(Kordasiewicz et al.2012,“In Vivo Evaluation of Candidate Allele-specific Mutant Huntingtin Gene Silencing Antisense Oligonucleotides” Southwell et al.2014)。ハンチントン病に関して、配列番号1のASO(本明細書においてアンチセンスオリゴヌクレオチドRG6042とも呼ぶ)を用いて臨床試験が実施されてきた。ASO RG6042を4回髄腔内注射した後、ハンチントン病患者の脳脊髄液においてHTTレベルが低減する(Tabrizi et al.、2019)。
【0011】
6-O-メチルグアニンDNAメチルトランスフェラーゼ(MGMT)タンパク質は、DNA修復酵素である。このたんぱく質の発現は、体の異なる組織において見られる(組織特異性が低い)。脳内では、このたんぱく質は、神経細胞ではなく、内皮細胞および神経膠細胞によって発現される。
【0012】
MGMTのレベルは、脳内では低く、通常、遺伝子のプロモータのメチル化または遺伝子の本体のメチル化とも相関関係がある(サイレンシング機構)。脳腫瘍において、放射線療法/化学療法のサイクルを繰り返した後、MGMTを再発現するある細胞が出現し、治療によって部分的に排除された腫瘍塊の残りの細胞に「とって代わる」。これらの抵抗性細胞は、腫瘍再発の原因となる。したがって、本発明にかかる、神経膠腫細胞中のハンチンチンタンパク質および6-O-メチルグアニンDNAメチルトランスフェラーゼ(MGMT)タンパク質の発現レベルを低減することが可能なアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用は、特に、腫瘍再発現象を回避するために有利である。
【0013】
特定の実施形態において、また、本発明は、以下の特徴に対応し、当該特徴は、それぞれに独立に実施されるか、または、技術的に有効な各組み合わせにおいて実施される。
【0014】
本発明の特定の実施形態において、上記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、12~35個の核酸塩基を備える。
【0015】
本発明の特定の実施形態において、上記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号1、配列番号2、配列番号3および配列番号4の配列のアンチセンスオリゴヌクレオチドから選択される。
【0016】
本発明の特定の実施形態において、上記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号1、配列番号2、配列番号3および配列番号4から選択される配列との配列同一性が50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、好ましくは80%以上、好ましくは90%以上、好ましくは92%以上、より好ましくは95%以上、好ましくは96%以上、好ましくは97%以上、好ましくは98%以上、好ましくは99%以上であるアンチセンスオリゴヌクレオチドから選択される。
【0017】
本発明の特定の実施形態において、神経膠腫細胞に付与する感受性の対象となる抗がん治療は、当該細胞のDNAに損傷を与える治療である。
【0018】
本発明の特定の実施形態において、神経膠腫細胞に付与する感受性の対象となる抗がん治療は、DNAアルキル化剤を用いる治療である。当該アルキル化剤は、好ましくは、テモゾロミド(TMZ)、ロムスチン(CCNU)、カルムスチン(BCNU)、プロカルバジンおよびカルボプラチンから選択される。
【0019】
神経膠腫細胞に付与する感受性の対象となる抗がん治療がテモゾロミド(TMZ)を用いた治療である本発明の特定の実施形態において、神経膠腫細胞は、好ましくは、TMZの致死量50(LD50)が30%以上、好ましくは40%以上低減されるような感受性が付与される。致死量50(LD50)は、コントロール条件(本発明の主題であるアンチセンスオリゴヌクレオチドを使用しない)に対して、細胞生存度(cell viability)が50%低減されるTMZの濃度を表す。
【0020】
本発明の特定の実施形態において、神経膠腫細胞に付与する感受性の対象となる抗がん治療は、放射線を使用する治療である。
【0021】
別の局面によると、本発明は、当該細胞に抗がん治療に対する感受性を付与することに使用するための、本発明の主題であるアンチセンスオリゴヌクレオチドを少なくとも1つ備えるか、または、その塩、エステル、当該エステルの塩、または医薬上許容されるプロドラッグと、医薬上許容される担体または希釈剤とを備える医薬組成物に関する。
【0022】
本明細書において、「アンチセンスオリゴヌクレオチドを備える医薬組成物」は、医薬上許容される希釈剤中にハンチンチンを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドを備える組成物を指す。医薬上許容される希釈剤は、当業者に周知されている。医薬上許容される希釈剤または担体は、限定されないが上記化合物の溶解度および投与経路を含む多くの要因に基づいて選択される。これらの考慮や検討は、当業者によってよく理解されている。
【0023】
「薬学的担体」または賦形剤は、医薬上許容される溶媒、懸濁剤または1以上の核酸を動物に送達するための任意の他の薬理学的に不活性な担体であり得、当該技術分野において知られているものである。賦形剤は、液体または固体のいずれでもよく、核酸および所与の医薬組成物の他の成分と組み合わされた際に所望される体積、整合性(consistency)などを得るように、所望の投与モードを考慮して、選択される。
【0024】
「医薬上許容される塩」という用語は、本発明の化合物の生理学的かつ薬学的に許容される塩、すなわち、親化合物の所望の活性を維持するが、当該親化合物に有害な毒物学的効果を与えない塩を指す。アンチセンスオリゴヌクレオチドのナトリウム塩は、有用であり、ヒトへの治療的投与用として十分に認められている。
【0025】
「プロドラッグ」という用語は、本明細書中で、不活性または低活性形態で調製された治療剤であって、体内またはその細胞内で内在性酵素または他の化学物質および/または状態の作用によって活性形態(すなわち、薬)に変換される治療剤を指す。
【0026】
別の局面によると、本発明は、脳腫瘍の治療において使用するための、上記アンチセンスオリゴヌクレオチドまたは本発明にかかるアンチセンスオリゴヌクレオチドを少なくとも1つ備える組成物に関する。
【0027】
別の局面によると、本発明は、膠芽腫、すなわち、グレード4の星細胞腫の治療において使用するための、上記アンチセンスオリゴヌクレオチドまたは本発明にかかるアンチセンスオリゴヌクレオチドを少なくとも1つ備える組成物に関する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明は、非限定の例によって与えられ、添付の図面を参照する以下の説明を読むことによってより良く理解される。
【0029】
【
図1】
図1は、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)RG6042(配列番号1)をトランスフェクトされたU251細胞系統の細胞、ASO Scr(「スクランブル(scramble)」の略)をトランスフェクトされたU251細胞系統の細胞、またはリポフェクタミン(lipofectamine)のみで処置されたU251細胞系統の細胞(コントロール(control)をCtrlと略す)から得たウエスタンブロットの結果をAに例示し、(A)に提示した実験を4回繰り返した後のウエスタンブロットにおいて得られたHTTタンパク質レベルを定量化したものをBに例示する。
【
図2】
図2は、ASO RG6042をトランスフェクトされたU87細胞系統の細胞、ASO ScrをトランスフェクトされたU87細胞系統の細胞、またはリポフェクタミンのみで処置されたU87細胞系統の細胞(Ctrl)から得たウエスタンブロットの結果をAに例示し、(A)に提示した実験を3回以上繰り返した後のウエスタンブロットにおいて得られたHTTタンパク質レベルを定量化したものをBに例示する。
【
図3】
図3は、ASO RG6042をトランスフェクトされたT98G細胞系統の細胞、ASO ScrをトランスフェクトされたT98G細胞系統の細胞、またはリポフェクタミンのみで処置されたT98G細胞系統の細胞(Ctrl)から得たウエスタンブロットの結果をAに例示し、(A)に提示した実験を5回繰り返した後のウエスタンブロットにおいて得られたHTTタンパク質レベルを定量化したものをBに例示する。
【
図4】
図4は、ASO RG6042をトランスフェクトされたT98G細胞系統の細胞、ASO ScrをトランスフェクトされたT98G細胞系統の細胞、またはリポフェクタミンのみで処置されたT98G細胞系統の細胞(Ctrl)から得たウエスタンブロットの結果をAに例示し、(A)に提示した実験を4回繰り返した後のウエスタンブロットにおいて得られたMGMTタンパク質レベルを定量化したものをBに例示する。
【
図5】
図5は、ASO RG6042、ASO PH1、ASO PH2、ASO PH3、またはASO ScrをトランスフェクトされたT98G細胞系統の細胞から得たウエスタンブロットの結果を例示する。
【
図6】
図6は、
図5に提示した実験を4回以上繰り返した後のウエスタンブロットにおいて得られた、HTTタンパク質レベルを定量化したものをAに、MGMTタンパク質レベルを定量化したものをBに例示する。
【
図7】
図7は、ASO RG6042をトランスフェクトされたT98G細胞中の、qPCRによって定量化されたHTT mRNA発現のグラフをAに例示し、qPCRによって定量化されたMGMT mRNA発現のグラフをBに例示する。
【
図8】
図8は、ASO RG6042をトランスフェクトされたU251系統の生存細胞またはリポフェクタミンのみで処置されたU251系統の生存細胞(Ctrl)の割合を、受け取ったTMZの量の関数として示す曲線をAに例示し、ASO RG6042をトランスフェクトされたU251系統の細胞またはリポフェクタミンのみで処置されたU251系統の細胞(Ctrl)についてLD50にて測定されたTMZの濃度をBに例示する。
【
図9】
図9は、ASO RG6042をトランスフェクトされたU87系統の生存細胞またはリポフェクタミンのみで処置されたU87系統の生存細胞(Ctrl)の割合を、受け取ったTMZの量の関数として示す曲線をAに例示し、ASO RG6042をトランスフェクトされたU87系統の細胞またはリポフェクタミンのみで処置されたU87系統の細胞(Ctrl)についてLD50にて測定されたTMZの濃度をBに例示する。
【
図10】
図10は、ASO RG6042をトランスフェクトされたT98G系統の生存細胞またはリポフェクタミンのみで処置されたT98G系統の生存細胞(Ctrl)の割合を、受け取ったTMZの量の関数として示す曲線をAに例示し、ASO RG6042をトランスフェクトされたT98G系統の細胞またはリポフェクタミンのみで処置されたT98G系統の細胞(Ctrl)についてLD50にて測定されたTMZの濃度をBに例示する。
【
図11】
図11は、ASO RG6042またはScrをトランスフェクトされたU251系統の生存細胞の割合を、受け取ったロムスチンの量の関数として示す曲線をAに例示し、ASO RG6042またはScrをトランスフェクトされたU251系統の細胞について4つの異なるMTTテストにおいてLD50にて測定されたロムスチンの濃度の平均をBに例示する。
【
図12】
図12は、ASO RG6042またはScrをトランスフェクトされたT98G系統の生存細胞の割合を、受け取ったロムスチンの量の関数として示す曲線をAに例示し、ASO RG6042またはScrをトランスフェクトされたT98G系統の細胞について4つの異なるMTTテストにおいてLD50にて測定されたロムスチンの濃度の平均をBに例示する。
【発明を実施するための形態】
【0030】
アンチセンスオリゴヌクレオチドをトランスフェクトされた神経膠腫細胞を得ること
【0031】
U87、T98GおよびU251神経膠腫細胞系統を10%のウシ胎児血清ならびに1%のペニシリンおよびストレプトマイシンを添加したDMEM培地(「ダルベッコ・フォークト変法イーグル最小必須培地」)中で培養する。
【0032】
培養物が60%コンフルエンス(confluence)になったら、リポフェクタミン中で48時間、100μMのアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)RG6042(配列番号1)、またはPH1(配列番号2)またはPH2(配列番号3)またはPH3(配列番号4)またはScrを培養物にトランスフェクトする。ASO Scr(「スクランブル(scramble)」の略)は、配列番号5の配列<A*CATG*>A*C*C*G*C*A*C*T*C*A*<CTAT*A>を有するコントロールの役割を有したASOである(ここで、*は、ホスホロチオエート結合であり、記号<と記号>との間の塩基は、2’-O-メトオキシエチルRNAである)。
【0033】
次いで、上記細胞は、テモゾロミド(TMZ)に対する感受性テスト、またはアルキル化剤ロムスチンに対する感受性テスト、またはハンチンチン(HTT)および6-O-メチルグアニンDNAメチルトランスフェラーゼ(MGMT)タンパク質レベル発現テストのいずかにおいて使用される。
【0034】
ハンチンチン(HTT)タンパク質発現レベルテスト
【0035】
ASO RG6042をトランスフェクトされた細胞、ASO Scrをトランスフェクトされた細胞、またはリポフェクタミンのみで処置された(コントロール用)細胞を、HTTタンパク質の発現レベルをテストするために回収(harvest)する。
【0036】
上記細胞をリン酸緩衝食塩水(PBS)で洗浄し、次いでプロテアーゼ阻害剤およびホスファターゼ阻害剤を添加したRIPA溶解バッファ中で溶解させる。バッファ中に可溶化されたタンパク質を遠心分離にかけた後、回収し、Laemmliローディングバッファ中で変性させ、ポリアクリルアミドゲル上に載せる。泳動後、タンパク質をポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜上に転写する。HTTタンパク質は、D7F7抗体(Cell signaling technology(登録商標)からの#5656)とともにインキュベートして検出(reveal)する。ビンキュリンをローディングコントロールとして使用する。
【0037】
図1は、ASO RG6042をトランスフェクトされたU251細胞系統の細胞、ASO ScrをトランスフェクトされたU251細胞系統の細胞、または単にリポフェクタミンのみで処置されたU251細胞系統の細胞(コントロール(control)をCtrlと略す)から得たウエスタンブロットの結果をAに例示し、Aに提示した実験を4回繰り返した後のウエスタンブロットにおいて得られたHTTタンパク質レベルを定量化したものをBに例示する。
【0038】
図2は、ASO RG6042をトランスフェクトされたU87細胞系統の細胞、ASO ScrをトランスフェクトされたU87細胞系統の細胞、またはリポフェクタミンのみで処置されたU87細胞系統の細胞(Ctrl)から得たウエスタンブロットの結果をAに例示し、Aに提示した実験を3回以上繰り返した後のウエスタンブロットにおいて得られたHTTタンパク質レベルを定量化したものをBに例示する。
【0039】
図3は、ASO RG6042をトランスフェクトされたT98G細胞系統の細胞、ASO ScrをトランスフェクトされたT98G細胞系統の細胞、またはリポフェクタミンのみで処置されたT98G細胞系統の細胞(Ctrl)から得たウエスタンブロットの結果をAに例示し、Aに提示した実験を5回繰り返した後のウエスタンブロットにおいて得られたHTTタンパク質レベルを定量化したものをBに例示する。
【0040】
このテストは、ASO RG6042が神経膠腫細胞中のHTTタンパク質レベルを著しく低減することを示す。
【0041】
6-O-メチルグアニンDNAメチルトランスフェラーゼ(MGMT)タンパク質の発現レベルのテスト
【0042】
ASO RG6042をトランスフェクトされた細胞、ASO Scrをトランスフェクトされた細胞、またはリポフェクタミンのみで処置された細胞(コントロール用)をMGMTタンパク質の発現レベルのテストするために回収する。
【0043】
プロトコルは、MGMTタンパク質を検出するためのインキュベーションにおいて抗MGMT抗体(Cell signaling technology(登録商標)からの#2739)を使用すること以外は、上記HTTタンパク質の発現レベルのテストのプロコルと同じである。ここでも、ビンキュリンをローディングコントロールとして使用する。
【0044】
図4は、ASO RG6042をトランスフェクトされたT98G細胞系統の細胞、ASO ScrをトランスフェクトされたT98G細胞系統の細胞、またはリポフェクタミンのみで処置されたT98G細胞系統の細胞(Ctrl)から得たウエスタンブロットの結果をAに例示し、Aに提示した実験を4回以上繰り返した後のウエスタンブロットにおいて得られたMGMTタンパク質レベルを定量化したものをBに例示する。
【0045】
このテストは、ASO RG6042がT98G細胞中のMGMTレベルを著しく低減することを示す。
【0046】
T98G細胞中のハンチンチン(HTT)タンパク質および6-O-メチルグアニンDNAメチルトランスフェラーゼ(MGMT)タンパク質の発現レベルのテスト
【0047】
ASO RG6042、またはASO PH1、またはASO PH2またはASO PH3、またはASO ScrをトランスフェクトされたT98G細胞を、HTTタンパク質およびMGMTの発現レベルをテストするために回収する。
【0048】
プロトコルは、上記HTTタンパク質の発現レベルおよびMGMTタンパク質の発現レベルのためのテストのプロトコルと同じである。ここでも、ビンキュリンをローディングコントロールとして使用する。
【0049】
図5は、ASO RG6042、ASO PH1、ASO PH2、ASO PH3、またはASO ScrをトランスフェクトされたT98G細胞系統の細胞から得たウエスタンブロットの結果を例示する。
【0050】
図6は、
図5に提示した実験を4回以上繰り返した後のウエスタンブロットにおいて得られた、HTTタンパク質レベルを定量化したものをAに、MGMTタンパク質レベルを定量化したものをBに例示する。クラスカル・ウォリス検定後にダンの多重比較検定を使用する統計処理を行った。エラーバー(error bar)、SEM、
*p<0.05、
**p<0.001。
【0051】
図7は、qPCRによって定量化されたHTTのmRNAの発現をAに、qPCRによって定量化されたMGMTのmRNAの発現をBに例示する。マン・ホイットニーのT検定を使用する統計処理を行った。エラーバー、SEM、
*p<0.05、
****p<0.0001。
【0052】
このテストは、ASO RG6042、PH1、PH2およびPH3がT98G神経膠腫細胞中のHTTおよびMGMTタンパク質レベルを著しく低減することを示す。
【0053】
テモゾロミド(TMZ)感受性テスト
【0054】
ASO RG6042をトランスフェクトされた細胞またはリポフェクタミンのみで処置された細胞(コントロールをCtrlと略す)をTMZ感受性テストのために回収する。
【0055】
TMZを33.3mMのクエン酸一水和物中に50mMの原液の形態で調製した。得られた溶液を超音波にかけ、ろ過し、そして後の使用まで-20℃で冷凍する(Nygren,H.,and Eksborg,S.(2012),“Stability of temozolomide in solutions aimed for oral treatment prepared from a commercially available powder for infusion”,Pharm Methods 3,1-3)。
【0056】
上記細胞を96ウェル培養皿に、U251およびT98G系統については1ウェルあたり200個の細胞数で、U87系統については1ウェルあたり100個の細胞数で播種する。上記細胞は、放置して24時間生育させる。
【0057】
次いで、U87およびU251系統の細胞は、10μMから110μMのレートで増加させた量のTMZを用いて48時間処置し、T98G系統の細胞は、100μMから1500μMのレートで増加させた量のTMZを用いて48時間処置する。各希釈は、3部用意してテストする。コントロール条件は、完全培養培地で処置した細胞からなる。未使用のウェルは、完全培養培地だけを含む。
【0058】
TMZを用いた48時間の処置の終了時、TMZを含有する培地を除去し、新鮮な完全培養培地に置き換え、その中で上記細胞を放置して72時間インキュベートする。
【0059】
次いで、異なるウェルにおける細胞生存を評価するためにMTTテスト(既知の生存細胞カウントテスト)を設定する。
【0060】
次いで、MTTの黄色プローブである3-(4,5-ジメチル-2-チアゾリル)-2,5-ジフェニル-2H-テトラゾリウムブロミドを各ウェルに0.5mg.ml-1の使用濃度(working concentration)で添加する。ウェルを95%の空気および5%のCO2で加湿されたインキュベータにおいて37℃で4時間インキュベートする。生存細胞中のMTTプローブの低減による不溶な紫色のホルマザンに可溶化溶液(水中に10%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)および0.01%の塩化水素(HCl))を添加し、一晩37℃で可溶化する。次いで、分光光度計を用いて各ウェルの内容物の光学密度(OD)を490nm~570nmの波長で分析する。
【0061】
致死量50(LD50)は、細胞生存度がコントロール条件に対して50%低減されるTMZの濃度を表す。
【0062】
図8は、ASO RG6042をトランスフェクトされたU251系統の生存細胞またはリポフェクタミンのみで処置されたU251系統の生存細胞(Ctrl)の割合を、受け取ったTMZの量の関数として示す曲線をAに例示し、ASO RG6042をトランスフェクトされたU251系統の細胞またはリポフェクタミンのみで処置されたU251系統の細胞(Ctrl)について、4つの異なるMTTテストにおいてLD50にて測定されたTMZの平均濃度をBに例示する。
【0063】
図9は、ASO RG6042をトランスフェクトされたU87系統の生存細胞またはリポフェクタミンのみで処置されたU87系統の生存細胞(Ctrl)の割合を、受け取ったTMZの量の関数として示す曲線をAに例示し、ASO RG6042をトランスフェクトされたU251系統の細胞またはリポフェクタミンのみで処置されたU251系統の細胞(Ctrl)について、4つの異なるMTTテストにおいてLD50にて測定されたTMZの平均濃度をBに例示する。
【0064】
図10は、ASO RG6042をトランスフェクトされたT98G系統の生存細胞またはリポフェクタミンのみで処置されたT98G系統の生存細胞(Ctrl)の割合を、受け取ったTMZの量の関数として示す曲線をAに例示し、ASO RG6042をトランスフェクトされたT98G系統の細胞またはリポフェクタミンのみで処置されたT98G系統の細胞(Ctrl)について、6つの異なるMTTテストにおいてLD50にて測定されたTMZの平均濃度をBに例示する。
【0065】
したがって、3つの細胞系統U87、U251およびT98GのTMZのLD50は、HTTレベルが低減した培養物において低減すると思われる。
【0066】
HTTレベルの低減により、TMZのLD50が以下の率で低減する。
U87の培養物において32%(LD50=81.7±6.2μM 対 RG6042で処置した後のLD50=55.0±3.0μM)、
U251の培養物において40%(LD50=61.6±3.3μM 対 RG6042で処置した後のLD50=36.7±2.6μM)、
T98Gの培養物において45%(LD50=968.1±63.0μM 対 RG6042で処置した後のLD50=531.6±51.6μM)。
【0067】
アルキル化剤ロムスチンに対する感受性テスト
【0068】
ASO RG6042またはASO Scrをトランスフェクトされた細胞をアルキル化剤ロムスチンに対する感受性テストのために回収する。
【0069】
ロムスチンは、純エタノール中に50mg/ml(214mM)の原液の形態で調製した。溶液をろ過して滅菌し(0.2μm孔フィルタ)、後の使用まで-20℃で冷凍した。
【0070】
上記U251およびT98G系統の細胞は、96ウェル培養皿に1ウェルあたり200個の細胞数で播種する。細胞を放置して24時間生育させる。
【0071】
次いで、U251系統の細胞は、5μMから500μMのレートで増加させた量のロムスチンを用いて48時間処置し、T98G系統の細胞は、100μMから1500μMのレートで増加させた量のロムスチンを用いて48時間処置する。各希釈は、3部用意してテストする。コントロール条件は、完全培養培地で処置した細胞からなる。未使用のウェルは、完全培養培地だけを含む。
【0072】
ロムスチンを用いた48時間の処置の終了時、ロムスチンを含有する培地を除去し、新鮮な完全培養培地に置き換え、その中で上記細胞を放置して72時間インキュベートする。
【0073】
次いで、異なるウェルにおける細胞生存を評価するために、上記TMZに対する感受性に関するテストと同様にMTTテストを設定する。
【0074】
致死量50(LD50)は、細胞生存度がコントロール条件に対して50%低減されるロムスチンの濃度を表す。
【0075】
図11は、ASO RG6042またはScrをトランスフェクトされたU251系統の生存細胞の割合を、受け取ったロムスチンの量の関数として示す曲線をAに例示し、ASO RG6042またはScrをトランスフェクトされたU251系統の細胞について4つの異なるMTTテストにおいてLD50にて測定されたロムスチンの濃度の平均をBに例示する。
【0076】
図12は、ASO RG6042またはScrをトランスフェクトされたT98G系統の生存細胞の割合を、受け取ったロムスチンの量の関数として示す曲線をAに例示し、ASO RG6042またはScrをトランスフェクトされたT98G系統の細胞について4つの異なるMTTテストにおいてLD50にて測定されたロムスチンの濃度の平均をBに例示する。
【0077】
したがって、U251およびT98G細胞系統のロムスチンのLD50は、HTTレベルが低減した培養物において低減すると思われる。
【0078】
HTTレベルの低減により、ロムスチンのLD50が以下の率で低減する。
U251の培養物において41%(LD50=66.79±4.9μM 対 RG6042で処置した後のLD50=39.64±2.08μM)、
T98Gの培養物において47%(LD50=279.7±7.09μM 対 RG6042で処置した後のLD50=149.9±2.85μM)。
【0079】
したがって、ASO RG6042によってHTTレベルが低減することによって、U251およびT98G細胞にアルキル化剤ロムスチンに対する感受性が付与される。
【0080】
より一般には、上記に検討した本発明の実施形態は、非限定の例として記載したものであり、したがって他の変形が可能であることに留意されたい。
【配列表】
【国際調査報告】