(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】細長いシール部材を有する人工心臓弁
(51)【国際特許分類】
A61F 2/24 20060101AFI20240305BHJP
【FI】
A61F2/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558594
(86)(22)【出願日】2022-03-22
(85)【翻訳文提出日】2023-11-21
(86)【国際出願番号】 US2022021337
(87)【国際公開番号】W WO2022204138
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】イザーク・ロセン
(72)【発明者】
【氏名】ビック・ホアン・ファム
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー・シー・ウルリヒ
(72)【発明者】
【氏名】タミー・グエン
(72)【発明者】
【氏名】ジアンシュエ・ハン
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097CC05
4C097CC12
4C097CC18
4C097SB02
4C097SB09
(57)【要約】
本開示は、細長いシール部材を有する人工心臓弁を対象とする。一例として、人工心臓弁は、環状フレームと、複数の弁尖を含む弁尖アセンブリと、内側スカート、外側スカート、及び/又は第三のスカートを含むスカートアセンブリと、を含む。フレームは、半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張された状態との間で、半径方向に圧縮可能かつ拡張可能であり、流入端で複数の尖部を備える。スカートアセンブリは、フレームの流入端に、フレームが半径方向に拡張された状態にある時に、フレームの流入端とスカートアセンブリとの間に余分な空間を作り出すポケットを形成する。このポケットは、フレームが、スカートアセンブリを通って突出することなく、半径方向に圧縮された状態へと半径方向に圧縮された時に、フレームの流入端での尖部がポケットの流入端に向かって移動することを可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工心臓弁であって、
流入端及び流出端を含む環状フレームであって、前記環状フレームが、半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張された状態との間で半径方向に圧縮可能かつ拡張可能であり、前記環状フレームが前記流入端で複数の尖部を含む、環状フレームと、
前記環状フレーム内に位置付けられ、前記環状フレーム内に連結された弁尖アセンブリであって、前記弁尖アセンブリが前記環状フレーム内に完全に位置付けられた複数の弁尖を備える、弁尖アセンブリと、
スカートアセンブリであって、
前記環状フレームの内側の周りに円周方向に延在し、流入縁部分及び流出縁部分を有する、内側スカートと、
前記環状フレームの外側の周りに円周方向に延在する外側スカートであって、流入縁部分及び流出縁部分を有し、前記外側スカートの前記流入縁部分が前記内側スカートの前記流入縁部分に縫い合わせられている、外側スカートと、を備えるスカートアセンブリと、を備え、
前記内側スカートの前記流入縁部分及び/又は前記外側スカートの前記流入縁部分がポケットを形成し、前記尖部が前記ポケット内に配置され、前記ポケットが流入端を有し、
前記環状フレームが前記半径方向に拡張された状態にある時、前記尖部が、前記ポケットの前記流入端から間隔を置いており、前記環状フレームが前記半径方向に拡張された状態から前記半径方向に圧縮された状態へと半径方向に圧縮される時、前記尖部が、前記ポケットの前記流入端のより近くに移動する、人工心臓弁。
【請求項2】
前記内側スカート及び外側スカートの前記流入縁部分が、前記ポケットで一緒に縫い合わされる、請求項1に記載の人工心臓弁。
【請求項3】
前記内側スカート及び外側スカートの前記流入縁部分が、前記ポケットの前記流入端で一緒に縫い合わされる、請求項2に記載の人工心臓弁。
【請求項4】
前記内側スカート及び外側スカートの前記流入縁部分が、前記フレームの前記流入端を越えて軸方向に延在する、請求項1~3のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
【請求項5】
前記内側スカート及び前記外側スカートの前記流入縁部分が、前記環状フレームの前記流入端を越えておよそ同じ量だけ軸方向に延在する、請求項4に記載の人工心臓弁。
【請求項6】
前記環状フレームが前記半径方向に拡張された状態にある時、前記尖部が、前記ポケットの前記流入端から少なくとも0.5mm間隔を置いている、請求項1~5のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
【請求項7】
前記ポケットが前記環状フレームの前記流入端の周りに円周方向に延在する、請求項1~6のいずれか一つに記載の人工心臓弁。
【請求項8】
前記内側スカートの前記流出縁部分が、前記環状フレームの前記流入端と前記流出端との間で前記環状フレームに縫い合わせられ、前記外側スカートの前記流出縁部分が、前記内側スカートの前記流出端部分よりも前記環状フレームの前記流入端に近い前記環状フレームに縫い合わせられる、請求項1~7のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
【請求項9】
前記内側スカートの前記流出縁部分が複数のスリットを備え、前記複数のスリットが、前記環状フレームの二つのストラットの接合部から軸方向に最大で0.5mm間隔を置いている、請求項1~8のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
【請求項10】
前記内側スカートが前記環状フレームの前記内側に接触し、前記外側スカートが前記環状フレームの前記外側に接触する、請求項1~9のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
【請求項11】
前記複数の弁尖が、前記環状フレームの前記流入端を越えて延在せず、前記環状フレームの前記流入端と前記流出端との間に完全に位置付けられる、請求項1~10のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
【請求項12】
前記ポケットが中空である、請求項1~11のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
【請求項13】
前記内側スカートが前記環状フレームの前記流入端で前記尖部の周りに巻き付けられ、前記環状フレームの前記外側上の前記外側スカートの上に延在し、前記ポケットを形成する、請求項1及び6~12のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
【請求項14】
前記外側スカートが前記環状フレームの前記流入端で前記尖部の周りに巻き付けられ、前記環状フレームの前記内側上の前記内側スカートの上に延在し、前記ポケットを形成する、請求項1及び6~12のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
【請求項15】
人工心臓弁であって、
流入端及び流出端を含む環状フレームであって、前記環状フレームが、半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張された状態との間で半径方向に圧縮可能かつ拡張可能であり、前記環状フレームが前記流入端で複数の尖部を含む、環状フレームと、
複数の弁尖を含む弁尖アセンブリであって、前記環状フレーム内に位置付けられ、前記環状フレームに連結された、弁尖アセンブリと、
前記環状フレームの外側の周りに円周方向に延在し、流入縁部分及び流出縁部分を有する、外側スカートと、
前記環状フレームの内側の周りに円周方向に延在する内側スカートと、を備え、前記内側スカートが、流入縁部分及び流出縁部分を有し、前記内側スカートがそれ自体の上に折り畳んで前記環状フレームの前記流入端でポケットを形成し、前記環状フレームの前記流入端での前記尖部が、前記ポケット内に配置され、前記ポケットが流入端を有し、前記環状フレームが前記半径方向に拡張された状態にある時、前記尖部が、前記ポケットの前記流入端から間隔を置いており、前記環状フレームが前記半径方向に拡張された状態から前記半径方向に圧縮された状態まで半径方向に圧縮される時、前記尖部が前記ポケットの前記流入端に近づくように移動する、人工心臓弁。
【請求項16】
前記内側スカートの前記流入縁部分が、前記外側スカートの前記流入縁部分で一緒に縫い合わされる、請求項15に記載の人工心臓弁。
【請求項17】
前記内側スカートが、前記環状フレームの前記流入端で前記複数の尖部の周りに巻き付けられ、前記環状フレームの前記外側を覆う、請求項15又は16に記載の人工心臓弁。
【請求項18】
前記外側スカートが外側の反対側にある内側を有し、前記外側スカートの前記内側が前記環状フレームの前記外側と接触し、前記内側スカートの前記流入縁部分が、前記環状フレームの前記外側の上で前記環状フレームの前記流入端の周りに延在し、前記外側スカートの前記外側と接触する、請求項15~17のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
【請求項19】
前記外側スカートが前記環状フレームの前記流入端を越えて延在しない、請求項15~18のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
【請求項20】
前記環状フレームが前記半径方向に拡張された状態にある時、前記尖部が、前記ポケットの前記流入端から少なくとも0.5mm間隔を置いている、請求項15~19のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
【請求項21】
前記複数の弁尖が、前記環状フレームの前記流入端を越えて延在せず、前記環状フレームの前記流入端と前記流出端との間に完全に位置付けられる、請求項15~20のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
【請求項22】
前記内側スカートの前記流入縁部分を前記外側スカートの前記流入縁部分に連結する縫い合わせをさらに備え、前記縫い合わせが前記内側スカートの流入端からおよそ0.5mm間隔を置いている、請求項15~21のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
【請求項23】
人工心臓弁を組み立てる方法であって、
半径方向に圧縮可能かつ拡張可能なフレームの内側上に内側スカートを取り付けるステップであって、前記フレームが、流入端と、流出端と、前記流入端での複数の尖部と、を有する、取り付けるステップと、
前記フレームの外側上に外側スカートを取り付けるステップと、
弁尖アセンブリが、前記フレームの前記流入端と前記流出端との間に前記フレーム内に完全に位置付けられるように、複数の弁尖を備える前記弁尖アセンブリを取り付けるステップと、
前記内側スカート及び/又は前記外側スカートが、前記フレームの前記流入端でポケットを形成するように、前記内側スカート及び前記外側スカートを縫い合わせるステップ、又は、第三のスカートが前記フレームの前記流入端を越えて延在し、前記ポケットを形成するように、前記内側スカート及び前記外側スカートに前記第三のスカートを縫い合わせるステップと、を含み、前記複数の尖部が前記ポケット内に配置され、前記ポケットが、前記フレームが半径方向に拡張された状態にある時に、前記フレームの前記複数の尖部から分離される流入端を有する、方法。
【請求項24】
前記内側スカート及び前記外側スカートを一緒に縫い合わせるステップが、前記内側スカート及び前記外側スカートの両方が前記ポケットを形成するように、前記内側スカート及び前記外側スカートを前記ポケットで一緒に縫い合わせるステップを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記内側スカート及び前記外側スカートを一緒に縫い合わせるステップが、前記内側スカート及び前記外側スカートを前記ポケットの前記流入端で一緒に縫い合わせるステップを含む、請求項23又は24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記内側スカートが前記ポケットを形成するように、前記フレームの前記外側の上に前記フレームの前記流入端の周りに前記内側スカートを巻き付けるステップをさらに含み、前記内側スカートと前記外側スカートとを一緒に縫い合わせるステップが、前記フレームの前記外側上で前記内側スカートを前記外側スカートに縫い合わせるステップを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記フレーム上に前記内側スカートを取り付けるステップが、前記フレームの前記流入端の周りに前記内側スカートを巻き付ける前に、前記内側スカートが前記フレームの前記流入端を越えて軸方向に少なくとも1.5mm延在するように、前記内側スカートを前記フレームに連結するステップを含む、請求項26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年3月23日に出願された米国仮特許出願第63/164,663号の利益を主張するものであり、これは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、細長いシール部材を有する折り畳み可能及び拡張可能な人工心臓弁に関する。
【背景技術】
【0003】
医師は、長年にわたり、開心手術により、欠陥のある心臓弁を修復及び/又は置換しようと試みてきた。しかしながら、開心手術のリスク及び合併症のため、送達カテーテル上の患者の脈管構造(例えば、静脈及び/又は動脈)を通して前進させるのに十分な薄い輪郭(例えば、直径8mm未満)に圧着できる折り畳み可能な人工心臓弁が開発されている。具体的には、医師は、血管の近くで小さな切開をすることができ(例えば、外科医は、大腿静脈又は動脈にアクセスするために患者の鼠径部を切開することができる)、その後、人工心臓弁が欠陥のある自己心臓弁に到達するまで、送達カテーテルを使用して、患者の脈管構造を通して圧着状態で折り畳み可能な人工心臓弁を前進させることができる。欠陥のある自己弁に到達すると、人工心臓弁は、膨張可能なバルーン、機械的アクチュエータ、形状記憶材料などを介してその機能的サイズに拡張することができる。このようにして、医師は、患者の胸腔を開く必要なく、間接的に(例えば、患者の鼠径部の小さな切開を介して)心臓にアクセスできる。このような経カテーテル的手法は、開心手術よりもはるかに侵襲性が低く、開心手術に関連するリスク及び合併症を低減及び/又は回避することができる。
【0004】
経カテーテル人工心臓弁は、典型的には、弁を通る血流を調節するために開閉する、二つ以上の人工弁尖(動物(例えば、ウシ)の心膜組織から作製されることが多い)を支持する、半径方向に圧縮可能かつ拡張可能な環状金属フレームを含む。経カテーテル人工心臓弁はまた、周囲の自己心臓組織に対して剛直なフレームを緩衝し封止する、外側の布製スカート(例えば、ポリエチレンテレフタレート(略称PET)から作製される)を含み得る。経カテーテル人工心臓弁はまた、内側の布製スカートを含んでもよく、これは、人工弁尖をフレームに取り付け、かつ/又は開口部をフレーム内に封止するのに使用することができる。
【0005】
経カテーテル人工心臓弁の一部のフレームは、半径方向に圧縮された時(送達デバイスのバルーン上に圧着された時など)に、軸方向に長くなるか、又は伸長することができる。いくつかの事例では、圧着中のフレームの伸長は、フレームの尖部を、人工弁のスカートの一つの端を通して突出又は延在させることができる。露出した尖部は、人工弁及び送達デバイスを患者の脈管構造内に導入するために使用されるイントロデューサシースの内表面に接触することがある。これにより、イントロデューサシースを通して人工弁を押し出すために必要な押す力が増加し、露出した尖部を変形させ、弁を損傷する恐れがある。
【0006】
したがって、埋め込み処置中に人工心臓弁のフレームの尖部を保護することができるシール部材(例えば、布製スカート)のためのアセンブリ、装置、及び/又は方法が望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第10195025号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2012/0123529号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2019/0365530号明細書
【発明の概要】
【0008】
本開示は、フレームの尖部を送達システムの構成要素との接触によって引き起こされる損傷から保護するように構成された人工心臓弁のシール部材(例えば、布製スカート)の例に関する。具体的には、本開示は、弁が圧着されていない(すなわち、弁が半径方向に拡張されている)時に、弁が人工心臓弁のフレームの一つの端を越えて延在し、圧着中のフレームの軸方向の伸長に対応する、人工心臓弁の細長いシール部材を対象とする。細長いシール部材は、フレームの一つの端にポケットを形成してもよく、弁が圧着された時に、フレームがシール部材を通して突出するのを防ぐ。フレームをシール部材内に完全に収容したままにすることは、その圧着状態であっても、フレーム及び/又は弁の残りの部分への損傷を防止し、かつ/又は送達アセンブリのイントロデューサシースを通して弁を押すために必要な力を低減することができる。
【0009】
一つの代表的な例では、人工心臓弁は、環状フレーム、弁尖アセンブリ、及びスカートアセンブリを含む。環状フレームは、流入端及び流出端を備え、半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張された状態との間で、半径方向に圧縮可能かつ拡張可能である。さらに、フレームは、流入端に複数の尖部を含む。弁尖アセンブリは、フレーム内に位置付けられ、フレームに連結され、フレーム内に完全に位置付けられた複数の弁尖を含む。スカートアセンブリは、内側スカート及び外側スカートを含む。内側スカートは、フレームの内側の周りに円周方向に延在し、外側スカートは、フレームの外側の周りに円周方向に延在する。内側スカート及び外側スカートは両方とも、それぞれの流入縁部分及び流出縁部分を有し、内側スカート及び外側スカートの流入縁部分は、内側スカートの流入縁部分及び/又は外側スカートの流入縁部分がフレームの流入端でポケットを形成するように縫い合わされる。フレームの流入端の尖部は、ポケット内に配置され、フレームが半径方向に拡張された状態にある時に、ポケットの流入端から間隔を置いている。尖部は、フレームが半径方向に拡張された状態から半径方向に圧縮された状態へと半径方向に圧縮される時には、ポケットの流入端のより近くに移動するが、フレームが半径方向に圧縮された状態である時には、スカートアセンブリを通して延在及び/又は突出しない。
【0010】
別の代表的な実施例では、人工心臓弁は、環状フレーム、弁尖アセンブリ、内側スカート及び外側スカートを含む。環状フレームは、流入端及び流出端を備え、半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張された状態との間で、半径方向に圧縮可能かつ拡張可能である。さらに、フレームは、流入端に複数の尖部を含む。弁尖アセンブリは、フレーム内に位置付けられ、フレームに連結された、複数の弁尖を含む。外側スカートは、フレームの外側の周りに円周方向に延在し、流入縁部分及び流出縁部分を有する。内側スカートは、フレームの内側の周りに円周方向に延在し、流入縁部分及び流出縁部分も有する。内側スカートはそれ自体を折り畳み、フレームの流入端にポケットを形成する。フレームの流入端の尖部は、ポケット内に配置される。ポケットは流入端を有し、フレームが半径方向に拡張された状態にある時、尖部はポケットの流入端から間隔を置いている。フレームが半径方向に拡張された状態から半径方向に圧縮された状態へと半径方向に圧縮される時、尖部は、ポケットの流入端のより近くに移動するが、ポケットの流入端を通して延在及び/又は突出しない。
【0011】
なおも別の代表的な実施例では、人工心臓弁は、環状フレーム、弁尖アセンブリ、内側スカート及び外側スカートを含む。環状フレームは、流入端及び流出端を備え、フレームは、半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張された状態との間で、半径方向に圧縮可能かつ拡張可能である。さらに、フレームは、流入端に複数の尖部を含む。弁尖アセンブリは、フレーム内に位置付けられ、フレームに連結された、複数の弁尖を含む。内側スカートは、フレームの内側の周りに円周方向に延在し、流入縁部分及び流出縁部分を有する。外側スカートは、フレームの外側の周りに円周方向に延在し、流入縁部分及び流出縁部分も有する。外側スカートはそれ自体を折り畳み、フレームの流入端にポケットを形成する。フレームの流入端の尖部は、ポケット内に配置される。ポケットは流入端を有し、フレームが半径方向に拡張された状態にある時、尖部はポケットの流入端から間隔を置いている。フレームが半径方向に拡張された状態から半径方向に圧縮された状態へと半径方向に圧縮される時、尖部は、ポケットの流入端のより近くに移動するが、ポケットの流入端を通して延在及び/又は突出しない。
【0012】
なおも別の代表的な例では、人工心臓弁を組み立てる方法は、流入端、流出端、及び流入端に複数の尖部を有する半径方向に圧縮可能かつ拡張可能なフレームの内側上に内側スカートを取り付けるステップと、フレームの外側上に外側スカートを取り付けるステップと、弁尖アセンブリが、フレームの流入端と流出端との間でフレーム内に完全に位置付けられるように、複数の弁尖を含む弁尖アセンブリをフレームに取り付けるステップと、内側スカート及び/又は外側スカートがフレームの流入端でポケットを形成するように、内側スカート及び外側スカートを縫い合わせるステップ、又は第三のスカートがフレームの流入端を越えて延在し、ポケットを形成するように、内側スカート及び外側スカートに第三のスカートを縫い合わせるステップと、を含み、複数の尖部は、ポケット内に配置され、ポケットは、フレームが半径方向に拡張された状態にある時に、フレームの複数の尖部から分離される流入端を有する。
【0013】
なおも別の代表的な例では、人工心臓弁は、環状フレーム、弁尖アセンブリ、及びスカートアセンブリを含む。環状フレームは、流入端及び流出端を備え、半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張された状態との間で、半径方向に圧縮可能かつ拡張可能である。環状フレームはまた、流入端に複数の尖部を含む。弁尖アセンブリは、フレーム内に位置付けられ、フレームに連結され、フレーム内に完全に位置付けられた複数の弁尖を含む。スカートアセンブリは、内側スカート及び外側スカートを含む。内側スカートは、フレームの内側の周りに円周方向に延在し、流入縁部分及び流出縁部分を有する。内側スカートとは分離された外側スカートは、フレームの外側の周りに円周方向に延在し、流入縁部分及び流出縁部分を有する。内側スカート及び外側スカートの流入縁部分は、フレームの流入端に隣接するポケットを形成するように互いに連結され、尖部はポケット内に配置され、ポケットは流入端を有する。フレームが半径方向に拡張された状態にある時、尖部は、ポケットの流入端から間隔を置いており、フレームが半径方向に拡張された状態から半径方向に圧縮された状態へと半径方向に圧縮される時、尖部は、ポケットの流入端のより近くに移動する。
【0014】
開示される技術の前述及び他の目的、特徴、並びに利点は、添付図面の参照を進める以下の詳細な説明からより明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、実施例による、人工心臓弁の側面図を示す。
【
図2】
図2は、半径方向に圧縮された状態で送達装置上に圧着された、
図1に示す人工心臓弁の上斜視図を示す。
【
図3】
図3は、半径方向に拡張された状態での、
図1~
図2に示す人工心臓弁を上から見た斜視図を示す。
【
図4】
図4は、実施例による、
図1~
図3に示す人工心臓弁のフレームの斜視図を示す。
【
図5】
図5は、折り畳まれていない扁平な構成での、
図4に示すフレームの側面図を示す。
【
図16】
図16は、実施例による、コネクタを介して互いに連結された
図1~
図3に示す人工心臓弁の弁尖アセンブリの隣接する弁尖の上面図を示す。
【
図22】
図22は、実施例による、
図3に示す半径方向に拡張された状態の、
図1~
図3に示す人工心臓弁の流入縁部分の断面図を示す。
【
図23】
図23は、実施例による、
図3に示す半径方向に拡張された状態の、
図1~
図3に示す人工心臓弁の流入縁部分の断面図を示す。
【
図24】
図24は、実施例による、
図3に示す半径方向に拡張された状態の、
図1~
図3に示す人工心臓弁の流入縁部分の断面図を示す。
【
図28】
図28は、実施例による、
図3に示す半径方向に拡張された状態の、
図1~
図3に示す人工心臓弁の流入縁部分の断面図を示す。
【
図29】
図29は、実施例による、
図3に示す半径方向に拡張された状態の、
図1~
図3に示す人工心臓弁の流入縁部分の断面図を示す。
【
図30】
図30は、実施例による、
図3に示す半径方向に拡張された状態の、
図1~
図3に示す人工心臓弁の流入縁部分の断面図を示す。
【
図31】
図31は、実施例による、
図3に示す半径方向に拡張された状態の、
図1~
図3に示す人工心臓弁の流入縁部分の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
一般的な考慮事項
本明細書の目的のために、本開示の実施例のある特定の態様、利点、及び新規の特徴が、本明細書に記載される。記載される方法、システム、及び装置は、いかようにも限定的として解釈されるべきではない。代わりに、本開示は、単独で、並びに互いとの様々な組み合わせ及び部分的な組み合わせで、開示された様々な実施例のすべての新規かつ非自明な特徴及び態様を対象とする。開示される方法、システム、及び装置は、いずれの具体的態様、特徴、又はそれらの組み合わせに限定されることもなく、開示される方法、システム、及び装置は、いずれか一つ以上の具体的利点が存在すること、又は問題が解決されることを要求することもない。
【0017】
本開示の特定の態様、実施形態、又は実施例と併せて記載される特徴、整数、特性、化合物、化学部分、又はグループは、本明細書に記載される任意の他の態様、実施形態、又は実施例と不適合ではない限り、それらに適用可能であると理解されるものである。本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に開示される特徴の全て、及び/又はそのように開示される任意の方法若しくはプロセスのステップ全ては、このような特徴及び/又はステップのうちの少なくともいくつかが相互排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせられ得る。本開示は、任意の前述の例の詳細に制限されない。本開示は、本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に開示される特徴のうちの任意の新規のもの若しくは任意の新規の組み合わせにまで、又はそのように開示される任意の方法若しくはプロセスのステップのうちの任意の新規のもの若しくは任意の新規の組み合わせにまで及ぶ。
【0018】
開示される方法のうちのいくつかの操作が、便宜的な提示のために特定の順番で記載されるが、特定の順序が以下に記載される具体的な用語によって必要とされない限り、この記載の様式が、再配列を包含することは理解されたい。例えば、連続的に記載される操作は、場合によっては、再配列される、又は同時に実行され得る。更に、簡略化のために、添付図は、開示される方法、システム、及び装置が、他のシステム、方法、及び装置と併せて使用され得る、様々な方法を示さない場合がある。
【0019】
本明細書で使用する用語「a」、「an」、及び「少なくとも一つ」は、特定の要素のうちの一つ以上を包含する。すなわち、特定の要素のうちの二つが存在する場合、これらの要素のうちの一つも存在し、したがって、「ある」要素(“an” element)が存在する。用語「複数の」及び「複数」は、特定の要素のうちの二つ以上を意味する。
【0020】
本明細書で使用する、要素のリストのうちの最後の二つの間で使用される用語「及び/又は」は、列挙された要素のうちのいずれか一つ以上を意味する。例えば、語句「A、B、及び/又はC」は、「A」、「B」、「C」、「A及びB」、「A及びC」、「B及びC」、又は「A、B、及びC」を意味する。
【0021】
本明細書で使用する用語「連結される」は、一般的に、物理的に連結又は結合されることを意味し、具体的な反対の用語がないと、連結された項目間の中間要素の存在を除外しない。
【0022】
方向及び他の相対的な参照(例えば、内側、外側、上側、下側など)は、本明細書の図面及び原理の議論を促進するために使用され得るが、限定的であることを意図していない。例えば、「内側(inside)」、「外側(outside)」、「上(top)」、「下(down)」、「内部(interior)」、及び「外部(exterior)」などの特定の用語が使用され得る。そのような用語は、適用可能である場合、特に例示される実施例に関して相対的関係を取り扱うときに、ある程度の説明の明確性を提供するために使用される。しかしながら、このような用語は、絶対的関係、位置、及び/又は配向を含意することを意図していない。例えば、物体に関して、「上側」部品は、単純に該物体を反転させることによって、「下側」部品になり得る。それでもなお、これは、依然として同一部品であり、物体は、同一のままである。本明細書で使用する「及び/又は」は、「及び」又は「又は」、並びに「及び」及び「又は」を意味する。
【0023】
本出願の文脈では、用語「下(lower)」及び「上(upper)」は、それぞれ、用語「流入(inflow)」及び「流出(outflow)」と互換的に使用される。したがって、例えば、弁の下端は、その流入端であり、弁の上端は、その流出端である。
【0024】
人工医療機器(例えば、心臓弁)、カプセル、及び送達装置を参照すると、本明細書で使用する「近位」が、ユーザー及び/又は患者の外側にある送達装置のハンドルにより近い構成要素の位置、方向、又は部分を指す一方、「遠位」は、ユーザー及び/又は送達装置のハンドルから更に離れ、埋め込み部位により近い構成要素の位置、方向、又は部分を指す。用語「縦方向」及び「軸方向」は、別途明示的に定義されない限り、近位方向及び遠位方向に延伸する軸を指す。更に、用語「半径方向」は、軸と垂直に配設され、物体の中心(人工弁の長手方向軸などの軸が中心に位置決めされる場所)から半径に沿って向く方向を指す。
【0025】
開示される技術及び実施例
折り畳み可能な経カテーテル人工心臓弁は、最小限の複雑さで患者の脈管構造を通して前進させることができるように、送達装置上でスリムな輪郭(例えば、半径方向に圧縮された状態)に圧着されてもよい。しかしながら、フレームは圧着されるにつれて長くなるため、フレームの尖部が、スカートアセンブリを通して突出し、人工弁及び送達デバイスを患者の脈管構造内に導入するために使用されるイントロデューサシースの内表面に接触する可能性がある。これにより、イントロデューサシースを通して人工弁を押し出すために必要な押す力が増加し、露出した尖部を変形させ、弁を損傷する恐れがある。
【0026】
本明細書では、人工弁が半径方向に圧縮された送達構成にある時に、フレームの少なくとも一つの端の尖部を完全に覆うように構成された封止アセンブリを有する、折り畳み可能な人工心臓弁が開示される。具体的には、本明細書で開示される人工心臓弁は、フレームの一つの端を越えて延在し、フレームのその端部で、シール部材とフレームの尖部との間に間隙又はポケット(例えば、中空空間)を形成する、一つ以上の細長いシール部材(本明細書では、「スカート」とも呼ぶ)を含む。このポケットによって提供される余分な空間により、シール部材を穿孔したり、尖部がスカートの端部を越えて延在することなく、圧着中にフレームを長くすることができる。そのため、本明細書に開示される折り畳み可能な人工心臓弁は、埋め込み処置中に、送達システムの構成要素、特にイントロデューサシースの内表面との接触からフレームの尖部を保護することができる。
【0027】
以下でより詳細に論じるように、ポケットは、フレームの内側及び外側にそれぞれ取り付けられる内側スカート及び/又は外側スカートによって形成され得る。一部の実施例(
図23)では、スカートの両方のポケットを形成し得る。例えば、こうした一部の実施例では、内側スカート及び外側スカートの両方が、フレームの流入端を越えて延在してもよく、ポケット(フレームの流入端の下)で縫い合わされてもよい。他の実施例(
図22)では、ポケットは内側スカートによって形成され得る。例えば、こうした一部の実施例では、内側スカートは、フレームの流入端の周りに巻き付けられてもよく、フレームの外側上の外側スカートの上に延在してもよく、フレームの外側上の外側スカートに縫い合わせられてもよい。なおもさらなる実施例(
図24)では、ポケットは外側スカートによって形成され得る。例えば、こうした一部の実施例では、フレームの外側上のスカートは、フレームの流入端の周りに巻き付けられてもよく、フレームの内側上の内側スカートの上に延在してもよく、フレームの内側上の内側スカートに縫い合わせられてもよい。なおもさらなる実施例(
図28及び
図30~
図31)では、ポケットは、内側スカート、外側スカート、及び/又はフレームに取り付けられる別個の第三のスカートによって少なくとも部分的に形成されてもよい。
【0028】
追加情報及び実施例を、添付図面を参照して、以下に提示する。
【0029】
図1~
図31は、本開示による、人工心臓弁の様々な実施例を示す。具体的には、
図1~
図3は、例示的な人工心臓弁を示し(
図1及び
図3は、半径方向に拡張された状態の弁を示し、
図2は、半径方向に圧縮された(すなわち、圧着された)状態の弁を示す)、
図4~
図20及び
図29は、例示的な人工心臓弁の様々な構成要素を示す。具体的には、
図29は、内側スカート及び外側スカートが、それらの流入縁部分及び流出縁部分の両方において、フレームにどのように取り付けることができるかを示す。
図22~
図24、
図28、及び
図30~
図31は、例示的な人工心臓弁のポケットの4つの異なる実施例を示す。具体的には、
図22は、内側スカートがフレームの流入端の周りに巻き付けられてポケットを形成する例を図示し、
図24は、外側スカートがフレームの流入端の周りに巻き付けられてポケットを形成する例を図示し、
図23は、内側スカート及び外側スカートの両方が、フレームの流入端を越えて延在し、フレームの流入端の下で一緒に縫い合わされてポケットを形成する例を図示し、
図28及び
図30~
図31は、別個の第三のスカートが、内側スカートの流入縁部分、外側スカートの流入縁部分、及び/又はフレームの流入端に取り付けられて、ポケットの少なくとも一部分を形成する実施例を図示する。
図25は、内側スカートがポケットを形成する実施例において、内側スカートがフレームとどのように整列されて適切なポケット長さを確保し得るか、及び
図26A~
図27Bは、内側スカートがポケットを形成する同様の例において、内側スカート及び外側スカートがどのように一緒に縫い合わせられ得るかを図示する。
【0030】
図1~
図3に示すように、人工心臓弁10(本明細書では、「経カテーテル人工心臓弁10」、「人工弁10」、「半径方向に圧縮可能かつ拡張可能な人工心臓弁10」)は、半径方向に拡張し軸方向に縮小する状態(
図1及び
図3)と半径方向に圧縮され軸方向に長くなる(すなわち、圧着された)状態(
図2)との間を移動することができる環状フレーム12、フレーム12内に位置付けられた複数の弁尖15を含む弁尖アセンブリ14、及びスカートアセンブリ16(本明細書では「シール部材アセンブリ16」と呼ばれ得る)を含む。
【0031】
スカートアセンブリ16は、内側スカート17(本明細書では「内側シール部材17」とも呼ばれ得る)と、フレーム12の反対側に取り付けられた外側スカート18(本明細書では「外側シール部材18」とも呼ばれ得る)と、を備える。上述のように、内側スカート17及び/又は外側スカート18は、
図2に示す半径方向に圧縮された状態などへとフレームが圧着される(すなわち、半径方向に圧縮され、軸方向に長くなる)時に、フレーム12の流入端22と、フレーム12の流入端22でのスカートアセンブリ16と、の間に、フレーム12の尖部を受容するように構成されたポケット20(
図3)を形成してもよい。
【0032】
フレーム12はまた、流入端22の反対側の流出端24を含む。血液は一般に、フレーム12の流入端22からフレーム12の流出端24まで、弁10を通って一つの方向にのみ(すなわち、一方向)に流れるように構成される。したがって、血液は、フレーム12の流入端22で弁10に入り、フレーム12の流入端22からフレーム12の流出端24に流れ、その後、フレーム12の流出端24でフレーム12を出るように構成されてもよい。
【0033】
図4~
図5に示すように、フレーム12は、複数のオープンセル28(本明細書では「開口部28」と呼ばれ得る)を形成及び/又は別の方法で画定する、複数のストラット26を含む。より具体的には、複数のストラット26は、列で配置される複数の角度付きストラット30を備えてもよい。角度付きストラットの各列の隣接する角度付きストラット30は、接合部32で互いに(すなわち、介在する構成要素なく)直接接続されてもよい。さらに、角度付きストラット30の隣接する列は、接合部32で互いに接続されてもよい。一部の実施例では、角度付きストラット30の二つ以上の隣接する列の接合部32は、互いに直接接続されてもよい。一部の実施例では、角度付きストラット30の二つ以上の隣接する列の接合部32は、角度付きストラット30の隣接する列を相互接続するために、一つ以上の垂直ストラット(本明細書では「軸方向に延在するストラット」とも呼ばれ得る)34などの一つ以上の中間ストラット構造を介して、互いに接続されてもよい。
【0034】
図4~
図5に示す実施例では、角度付きストラット30の列は、五列の角度付きストラット30、すなわち、角度付きストラットの第一の列36、角度付きストラットの第二の列38、角度付きストラットの第三の列40、角度付きストラットの第四の列42、及び角度付きストラットの第五の列44を含む。角度付きストラットの第一の列36(フレーム12の流入端22に最も近い位置に位置する)は、垂直ストラットの第一の列46を介して角度付きストラットの第二の列38に接続されてもよく、一方、角度付きストラットの第二の列38の接合部32と、角度付きストラットの第三の列40の接合部32と、は互いに接続されてもよい。同様に、角度付きストラットの第三の列40の接合部32と、角度付きストラットの第四の列42の接合部32と、は、互いに直接接続されてもよく、一方、角度付きストラットの第四の列42の接合部32と、角度付きストラットの第五の列44(フレーム12の流出端24に最も近い位置に位置付けられる)の接合部32と、は、垂直ストラットの第二の列48及び複数の軸方向に延在するウィンドウフレームストラット50(交連ウィンドウ52を画定する)を介して互いに接続されてもよい。
【0035】
このようにして、複数のストラット26は、四列のオープンセル28を画定及び/又は別の方法で形成し得る。角度付きストラットの第一の列36及び第二の列38は、オープンセルの第一の列54を画定及び/又は別の方法で形成してもよく、角度付きストラットの第二の列38、第三の列40、第四の列42は、オープンセルの二つの中間列56を形成及び/又は別の方法で画定してもよく、角度付きストラットの第四の列42及び第五の列44はオープンセルの第四の列58を形成及び/又は別の方法で画定してもよい。
【0036】
図4~
図5に示されるように、垂直ストラット46を角度付きストラットの第一の列36及び第二の列38の間に含めること、及びストラット48、50を角度付きストラットの第四の列42及び第五の列44の間に含めることから、オープンセルの第一の列54及びオープンセルの第四の列58は、オープンセルの二つの中間列56のセルよりも大きくてもよい。さらに、ストラット48、50は、垂直ストラット46よりも長くてもよく、それゆえ、オープンセルの第四の列58のセルはオープンセルの第一の列54のセルよりも大きくてもよい。オープンセルの第四の列58のセルの比較的大きなサイズは、フレーム12が圧着輪郭を最小化するために圧着された時に、弁尖アセンブリ14の一部分がフレーム12の中に、又はフレーム12を通して、突出又は膨らむことを可能にし得る。一般に、フレーム12が半径方向に圧縮された状態(
図2)にあり、弁尖15の一部分がフレーム12を通して外側から突出する又は膨らむことが可能とされる時、ストラット26及び接合部32の形状は、オープンセル28を十分な大きさとすることを補助する。これにより、弁10を、全ての弁尖材料が圧着されたフレーム内に拘束される場合よりも比較的より小さい直径に圧着することができる。
【0037】
さらに、オープンセルの第一の列54の比較的大きなサイズは、圧着された時(
図2)に、フレームが、フレーム12の流出端24での最大直径から流入端22での最小直径へと先細りする全体的に先細りした形状を取ることを可能にする。圧着された時、フレーム12は、外側スカート18によって覆われるフレーム12の領域に一般的に対応するフレームの流入端22に隣接するフレームの一部分に沿って延在する、直径が減少した領域を有する。一部の実施例では、直径が減少した領域は、外側スカート18が弁10の全体的な圧着輪郭を増加させないように、フレーム12(外側スカート18によって覆われていない)の上部部分の直径と比較して、低減される。弁10が展開される時、フレーム12は、半径方向に圧縮された状態(
図2)から、フレーム12が概して円筒形かつ環状に形成される半径方向に拡張された状態(
図1、
図3、
図4、
図15、
図20)へと拡張することができる。一例では、26mmの人工弁のフレーム12は、圧着された時、フレーム12の流出端24で14フレンチの第一の直径、及びフレーム12の流入端22で12フレンチの第二の直径を有する。
【0038】
図7に最もよく示されるように、ストラット46、48、及び/又は50は、接合部32の厚さS2よりも薄い厚さS1を有し得る。接合部32は、オープンセル28の完全な閉鎖を防止するのに役立ち得る。
【0039】
フレーム12は、特に、弁尖アセンブリ14を支持するフレームの流出端において、所定のバルーン圧力での人工弁の過膨張を低減、防止、又は最小化するように構成される。一態様では、フレーム12は、
図5に示すように、角度付きストラット30の間に比較的大きな角度60a、60b、60c、60d、60eを有するように構成される。角度が大きいほど、フレームを開く(拡張する)ために、より大きな力を必要とする。そのため、フレーム12の角度付きストラット30の間の角度は、所与の開口圧力(例えば、バルーンの膨張圧力)におけるフレーム12の半径方向の拡張を制限するように選択することができる。具体的な例では、これらの角度は、フレームがその機能的サイズに拡張された時、少なくとも110度以上の角度であり、さらに具体的には、これらの角度は、フレームがその機能的サイズに拡張された時、最大で約120度である。
【0040】
フレーム12はまた、流入端22及び/又は流出端24に複数の尖部62を備えてもよい。尖部62は、流入端22及び/又は流出端24で、角度付きストラット30によって形成され得る。具体的には、角度付きストラットの第一の列36及び角度付きストラットの第五の列44は、フレーム12のそれぞれ流入端22及び流出端24で、複数の尖部62を形成してもよい。尖部62は、角度付きストラット30に、及び/又は隣接する角度付きストラット30が接続する箇所に形成されてもよい。
【0041】
図面では、フレーム12は、角度付きストラット30の五列及びオープンセル28の四列を含むものとして示されているが、当然ながら、他の例では、フレーム12は角度付きストラット30の五列及び/又はオープンセル28の四列よりも多い又は少ない列を含んでもよい。
【0042】
フレーム12はまた、以下により詳細に記載するように、弁尖アセンブリ14の交連をフレーム12に取り付けるように適合される交連ウィンドウ52(図示した例では3つ)を形成及び/又はその他の方法で画定する、ウィンドウフレームストラット50を含む。ウィンドウフレームストラット50の各対は、弁尖アセンブリ14のそれぞれの交連を取り付けるように構成される。
図4~
図5から分かるように、各ウィンドウフレームストラット50は、その上端部及び下端部で、角度付きストラット30の隣接する列に固定され、弁尖アセンブリの交連を支持するための既知の片持ちストラットと比較して、人工弁の周期的負荷下での耐疲労性を強化する堅牢な構成を提供する。この構成により、フレーム壁厚さの減少が可能になり、人工弁のより小さな圧着直径が達成される。具体的な例において、内径と外径との間で測定されるフレーム12(
図4)の厚さTは約0.48mm以下である。
図6、
図7、
図8、
図9、及び
図10は、
図5でそれぞれA、B、C、D、Eの文字により特定されるフレーム12の一部分の拡大図である。
【0043】
フレーム12は、当技術分野で公知である、様々な好適な塑性的拡張可能材料(例えば、ステンレス鋼など)又は自己拡張式材料(例えば、ニチノールなどのニッケルチタン合金(NiTi))のいずれかから作製され得る。塑性的拡張可能材料で構築されたとき、フレーム12(したがって、人工心臓弁10)は、送達カテーテル上で半径方向に圧縮された状態に圧着され得、次いで、膨張式バルーン又は同等の拡張機構によって患者の内側で拡張され得る。フレーム12(したがって、人工心臓弁10)は、自己拡張可能材料から構築される場合、半径方向に圧縮された状態まで圧着され、送達カテーテルのシース又は同等の機構内への挿入によって半径方向に圧縮された状態で拘束され得る。弁10は、一旦体内に入ると、送達シースから前進させることができ、これにより、弁10は、その半径方向に拡張された状態に拡張することが可能となる。
【0044】
フレーム12を形成するために使用され得る好適な塑性的拡張可能材料としては、限定されないが、ステンレス鋼、生体適合性の高強度合金(例えば、コバルト-クロム又はニッケル-コバルト-クロム合金)、ポリマー、又はそれらの組み合わせが挙げられる。特定の実施例では、フレーム12は、UNS R30035合金(ASTM F562-02によって被覆される)と同等である、MP35N(登録商標)合金(SPS Technologies、Jenkintown, Pennsylvania)などのニッケル-コバルト-クロム-モリブデン合金で作製される。MP35N(登録商標)合金/UNS R30035合金は、重量で35%のニッケル、35%のコバルト、20%のクロム、及び10%のモリブデンを含む。フレーム12を形成するためにMP35Nを使用することで、ステンレス鋼よりも優れた構造結果が提供されることが見出された。特に、MP35N(登録商標)がフレーム材料として使用された場合、半径方向破砕力抵抗、耐疲労性、並びに耐腐食性において、同じ又はより優れた性能を達成するために必要な材料がより少ない。更に、より少ない材料が必要とされるため、フレームの圧着プロファイルが削減され得、それによって、本体内の治療場所に経皮的に送達するためのより小さいプロファイルの人工弁アセンブリを提供する。
【0045】
一部の実施例では、フレーム12は、単一の材料から形成されてもよい。そのような一部の例では、オープンセル28は、一部の実施例では、単一の材料から材料を除去することによって(例えば、機械加工、ミリング、レーザー切断などを介して)形成される。しかしながら、そのような他の実施例では、フレーム12及びオープンセル28は、成形プロセス(例えば、ダイカスト、注入成形)を介して形成されてもよい。さらなる実施例では、フレーム12は、別々に形成される二つ以上の材料から形成されてもよく、その後、任意の適切な連結手段(例えば、溶接、接着剤、ファスナー)を介して一緒に連結される。
【0046】
図1、
図3、
図15、
図20に示すように、内側スカート17は、フレームの内側63上に取り付けられ、例えば、縫合を介して、フレーム12に連結され、かつ/又は別の方法で固定されてもよい。内側スカート17は、外側65(
図12)の反対側にある内側64(
図11)を含み、内側64は、(弁10の内腔に向かって)半径方向内向きに面し、外側65は、半径方向外向きに面し、フレーム12の内側63に直接接触する。
図1、
図3、
図15、
図20に示す例では、内側スカート17は、角度付きストラットの第四の列42に縫い合わされてもよい。具体的には、内側スカート17は、流出縁部分68の反対側にある流入縁部分66を備えてもよく、内側スカート17の流出縁部分68は、縫合70を介して、角度付きストラットの第四の列42に結合されてもよい。一部のこうした実施例では、内側スカート17の流出縁部分68上に形成され得る複数の突出部96は、角度付きストラットの第四の列42の上に巻き付けられ、縫合70を介して、角度付きストラットの第四の列に固定されてもよい。以下でより詳細に論じるように、内側スカート17の流出縁部分68の角度付きストラットの第四の列42への整列及び取付けの間、ユーザーは、内側スカート17の流出縁部分68が、フレーム12の流入端22でのポケット20の十分な長さを維持するために角度付きストラットの第四の列42の接合部32を越えて閾値量X(
図25)以上延在しないように確保してもよい。
【0047】
内側スカート17の主な機能は、弁尖アセンブリ14をフレーム12に固定し、弁尖15の下縁の下にあるフレーム12のオープンセル28を通る血流を遮断することによって、人工弁10と自己弁輪との間に良好なシールを形成する一助となることである。内側スカート17は、望ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの強靭な耐裂性材料を含むが、他の様々な合成材料又は天然材料(例えば、心膜組織)を使用することができる。スカートの厚さは、望ましくは、約0.15mm(約6mil)未満、望ましくは、約0.1mm(約4mil)未満、さらに望ましくは、約0.05mm(約2mil)である。一部の実施例では、スカート17は、可変厚さを有し得、例えば、スカートは、その中心よりもその端の少なくとも一つでより厚くなり得る。一つの実装では、スカート17は、その縁で約0.07mm、その中心で約0.06mmの厚さを有するPETスカートを備え得る。スカートがより薄ければ、より優れた圧着性能が提供される一方、良好な弁周囲封止を依然提供することができる。
【0048】
弁尖アセンブリ14は、例えば、安全な縫合を可能にし、かつ弁尖アセンブリの心膜組織を裂傷から保護する、以下で論じる薄いPET補強ストリップなどの一つ以上の補強ストリップ72(まとめてスリーブを形成することができる)を介してスカートに取り付けられてもよい。弁尖アセンブリ14は、
図19に示すように、スカート17と薄いPETストリップ72との間に挟まれ得る。PETストリップ及びスカート17を弁尖アセンブリ14に固定する縫合糸74は、Ethibond Excel(登録商標)PET縫合(Johnson & Johnson、ニュージャージー州ブランズウィック)などの任意の適切な縫合糸であってもよい。以下により詳細に説明するように、縫合糸74は、弁尖アセンブリ14の底縁部の湾曲を望ましくは追跡する。
【0049】
図12を参照すると、既知の布製スカートとは対照的に、スカート17は、望ましくは、第一の繊維のセット、又は糸若しくはストランド78及び第二の繊維のセット、又は糸若しくはストランド80から織られ、それらの両方は、流出端82及びスカートの流入端84に対して垂直ではない。具体的な実施例では、繊維の第一のセット78及び繊維の第二のセット80は、流出端82及び流入端84に対して、約45度(例えば、15度~75度又は30度~60度)の角度で延在する。例えば、スカート17は、繊維を布の流出端及び流入端に対して45度の角度で織ることによって形成することができる。別の方法として、スカート17は、(繊維が材料の縁部に垂直に延在する)垂直に織られた布から斜めに切断(バイアスに沿って切断)することができ、この結果、繊維は、スカートの切断された流出端及び流入端に対して45度の角度で延在する。
図12にさらに示すように、スカート17の対向する短い縁部86、88は、流出端82及び流入端84に対して垂直ではないことが望ましい。例えば、短い縁部86、88は、流出端及び流入端に対して約45度の角度で延在し、そのため、第一のセットの繊維78と整列することが望ましい。したがって、スカート17の全体的な一般的な形状は、菱形又は平行四辺形である。
【0050】
図13及び
図14は、対向する短い縁部分90、92が一緒に縫い合わせられてスカートの環状形状を形成した後の、内側スカート17を示す。示されるように、縁部分90は、反対側の縁部分92に対して重なり合う関係で配置されてもよく、二つの縁部分は、短い縁部86、88に対して平行な、斜めに延在する縫合線94によって縫い合わされ得る。内側スカート17の流入縁部分66は、垂直ストラット48の下端部にすぐ隣接する角度付きストラットの第四の列42の形状又は外形に概ね従う起伏形状を画定する、複数の突出部96で形成され得る。このようにして、
図15で最もよく示されるように、内側スカート17の流出端82は、縫合糸70で、角度付きストラットの第四の列42にしっかりと固定され得る。また、内側スカート17には、スカート17のフレーム12への取付けを容易にするためのスリット98が形成され得る。スリット98は、内側スカート17の流出縁部分68が角度付きストラットの第四の列42の周りに部分的に巻き付けられ、取付け処置中のスカートの応力を低減することが可能になるように、寸法設定されている。例えば、図示した例では、内側スカート17は、フレーム12の内側63上に配置され、スカート17の流出縁部分68は、角度付きストラットの第四の列42の上面の周りに巻き付けられ、縫合糸70で固定される。このような方法で内側スカート17の流出縁部分68を、角度付きストラットの第四の列42の周りに巻き付けることは、スカート17のフレーム12へのより強力で耐久性のある取付けを提供する。内側スカート17は、追加的又は別の方法として、それぞれ、縫合糸70を用いて、角度付きストラットの第一の列36、第二の列38、及び/又は第三の列40に固定され得る。
【0051】
図25に示すように、スリット98は、隣接する角度付きストラットの間の接合部32と円周方向で整列されてもよい。一部の実施例では、スリット98は、ポケット20がフレーム12の流入端22で形成され、かつ/又は内側スカート17の重なりを防止することを確保するために、閾値量Xを超えて接合部32から離れて軸方向に間隔を置かなくてもよい。例えば、スリット98は、角度付きストラットの第四の列42の接合部32から、(すなわち、閾値量Xは以下であり得る)0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、及び/又は最大で1.0mm、(フレームの流出端24に向かって)接合部から離れて軸方向に間隔を置いてもよい。したがって、一部の実施例では、内側スカート17の流入端84は、フレーム12の流入端22で、尖部62を越えて(すなわち、下方で)延在してもよい。しかしながら、その他の実施例では、内側スカート17の流入端84は、フレーム12の流入端で尖部62に延在するが、尖部を越えなくてもよい。なおもさらなる実施例では、内側スカート17の流入端84は、フレーム12の流入端22で尖部62に延在せず、フレーム12の流入端での尖部62の手前で停止してもよい。
【0052】
スカート17の流入端及び流出端に対する繊維の傾斜配向に起因して、スカート17は、軸方向(すなわち、流出端82から流入端84への方向)により大きな伸長を受けることができる。したがって、フレーム12が圧着される時、内側スカート17は、フレームに沿って軸方向で伸長することができ、そのため、より均一で予測可能な圧着輪郭を提供することができる。図示した実施例の金属フレームの各セルは、圧着時に軸方向に向かって回転する少なくとも四つの角度付きストラットを含む(例えば、角度付きストラットはフレームの長さとより整列するようになる)。各セルの角度付きストラットは、スカートの繊維をストラットと同じ方向に回転させる機構として機能し、ストラットの長さに沿ってスカートを伸長することを可能にする。これにより、スカートの伸長がより大きくなり、人工弁が圧着された時の、ストラットの望ましくない変形が回避される。
【0053】
さらに、織られた繊維又は糸の間の間隔を増大させて、軸方向へのスカートの伸長を促進することができる。例えば、20デニールの糸から形成されるPET内側スカート17については、糸密度は、典型的なPETスカートよりも約15%~約30%低くなり得る。一部の実施例では、内側スカート17の糸間隔は、1cmあたり約60本(1インチあたり約155本)~1cmあたり約70本(1インチあたり約180本)、例えば、1cmあたり約63本(1インチあたり約128本)であり得、一方、典型的なPETスカートでの糸間隔は、1cmあたり約85本(1インチあたり約217本)~1cmあたり約97本(1インチあたり約247本)であり得る。短い縁部86、88は、布の束ねを低減又は最小化して、最小限の直径への均一な圧着を容易にするために、圧着中にフレームの内周に沿って布材料の均一かつ均等な分布を促進する。さらに、斜めの縫合を垂直に切断することで、切断された縁部に沿って緩いフリンジを残す場合がある。短い縁部86、88は、この発生を最小限にするのに役立つ。典型的なスカート(スカートの流出端及び流入端に対して垂直に走る繊維)の構造と比較して、内側スカート17の構造は、フレームストラットの望ましくない変形を回避し、フレームのより均一な圧着を提供する。
【0054】
代替的な実施例では、スカート17は、人工弁10を圧着する間に軸方向に伸張することができる、織られた弾性繊維から形成され得る。縦及び横の繊維は、スカート17の流出端及び流入端に対して垂直かつ平行に、又は別の方法として、上述したように、スカート17の流出端及び流入端に対して0度~90度の角度で延在し得る。
【0055】
内側スカート17は、スカートがその領域内でより柔軟であり得るように、縫合74から離れた位置でフレーム12に縫合することができる。この構成は、弁尖の下縁を内側スカート17に取り付ける、縫合74における応力集中を回避することができる。
【0056】
上述したように、図示した例における弁尖アセンブリ14は、三つの可撓性の弁尖15(ただし、より多い又は少ない数の弁尖を使用できる)を含む。弁尖に関する追加情報並びにスカート材料に関する追加情報は、例えば、2019年2月5日に発行された特許文献1に見出すことができ、参照により本明細書に組み込まれる。
【0057】
弁尖15は、それらの隣接する側において相互に固着され得、弁尖アセンブリ(
図20)の交連114を形成する。複数の可撓性コネクタ116(その一つを
図16に示す)は、弁尖の隣接する側面の対を相互接続し、弁尖をウィンドウフレームストラット50に取り付けるために使用することができる(
図5)。
図16は、可撓性コネクタ116によって相互接続された二つの弁尖15の隣接する側面を示す。三つの可撓性コネクタ116を使用して、弁尖15を互いに隣り合わせに固定することができる(
図17)。弁尖を互いに接続すること、及び弁尖とスカートとをフレームに組み立てることに関する追加情報は、例えば、特許文献2及び3に見出すことができ、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0058】
弁尖アセンブリ14の過膨張から保護するため、弁尖アセンブリ14は、
図1に最もよく示すように、角度付きストラットの第五の列44の下のフレーム12に固定されることが望ましい。具体的には、フレーム12の流入端22及び流出端24は、一般に、人工弁10を拡張するために使用されるバルーンの「ドッグボーニング(dog-boning)」効果のために、フレーム12の中央部分よりも過剰に拡張する傾向があり得る。したがって、フレーム12の流出端24が過膨張する場合、弁尖アセンブリ14は、過膨張が起こる可能性の高い箇所の下のレベルに位置付けられ、それにより、過膨張から弁尖アセンブリ14を保護する。
【0059】
フレーム12の流出端24から離れた位置に弁尖15を取り付けることの別の利点は、人工弁10が送達カテーテル上に圧着される時、弁尖15ではなくフレーム12の流出端24が、人工弁10の最も近位の構成要素であることである。このように、送達カテーテルが、人工弁10の流出端24を押し出す、又は当接する押出機構又は停止部材を含む場合、押出機構又は停止部材は、弁尖15への損傷を避けるために、弁尖15ではなく、フレーム12の流出端24に接触する。
【0060】
上述のように、内側スカート17は、弁尖アセンブリ14をフレーム12に縫合するのを補助するために使用され得る。内側スカート17は、各弁尖15の下縁の取付けをガイドするための、起伏のある一時的マーキング縫合を有し得る。内側スカート17自体は、上述のように、弁尖アセンブリ14をスカート17に固定する前に、縫合70を使用してフレーム12のストラットに縫合することができる。マーキング縫合と交差するストラットは、内側スカート17に取り付けられないことが望ましい。これにより、フレームに固定されていない領域で内側スカート17がより柔軟となることが可能となり、弁尖の下縁をスカートに固定する縫合線に沿った応力集中を最小化する。上述のように、スカートがフレームに固定される時、スカートの繊維78、80(
図12を参照)は、フレームの角度付きストラットと整列し、フレームの均一な圧着及び拡張を促進する。
【0061】
図18は、弁尖アセンブリ14の交連114を、フレーム12の交連ウィンドウフレームストラット50に固定するための一つの具体的なアプローチを示す。二つの弁尖15の二つの隣接する側面を固定する可撓性コネクタ116(
図17)は、幅方向に折り畳まれ、上部タブ部分112は、可撓性コネクタに対して下方向に折り畳まれる。各上部タブ部分112は、長さ方向に(垂直に)折り畳まれ、弁尖15の内表面に対して折り畳まれた内側部分118と、コネクタ116に対して折り畳まれた外側部分122と、を有するL字型を取る。次に、外側部分122を、縫合線124に沿って、コネクタ116に縫合することができる。次に、交連タブアセンブリは、ウィンドウフレームストラット50の対応する対の交連ウィンドウ52を通して挿入され、ウィンドウフレームストラット50の外側の折り目は、部分122に縫合され得る。
【0062】
図18はまた、折り畳まれた上部タブ部分112が、交連で二層の弁尖材料を形成し得ることを示す。上部タブ部分112の内側部分118は、各交連がウィンドウフレームストラット50のすぐ内側に四つの層の弁尖材料を含むように、交連を形成する二つの弁尖15の層に対して平坦に配置される。交連のこの四層部分は、比較的より剛直な四層部分から半径方向内向きの弁尖15の部分よりも、より屈曲又は関節接続に抵抗力があり得る。これにより、弁尖15は、ウィンドウフレームストラット50の軸方向のストラットの周り又は近位で関節接続するのではなく、体内での動作中に人工弁を通って流れる血液に応答して、折り畳まれた内側部分118の内縁120で主に関節接続される。弁尖は、ウィンドウフレームストラット50から半径方向内向きに間隔を置いた位置で関節接続するため、弁尖15は、フレーム12との接触及びフレーム12からの損傷を回避することができる。しかしながら、より高い力の下では、交連の四層部分は、ウィンドウフレームストラット50に隣接する長手方向軸の周りで離れて広がることができ、各内側部分118は、それぞれの外側部分122に対して折り畳んだ状態から開く。例えば、人工弁10が圧縮されて送達シャフト上に取り付けられ、より小さな圧着直径が可能となる時に、これが発生し得る。交連の四層部分はまた、バルーンカテーテルが人工弁の膨張中に膨張される時、長手方向軸の周りで広がることができ、これは、バルーンによって引き起こされる交連への圧力をいくらか緩和し、拡張中の交連への潜在的な損傷を低減することができる。
【0063】
三つの全ての交連タブアセンブリがそれぞれのウィンドウフレームストラット50に固定された後、交連タブアセンブリの間の弁尖15の下縁は、内側スカート17に縫合され得る。例えば、
図19に示すように、各弁尖15は、例えば、Ethibond Excel(商標)PETスレッドを使用して、縫合74を介して内側スカート17に縫合することができる。縫合糸74は、各弁尖15、内側スカート17、及び各々の補強ストリップ72を通って延在するインアンドアウト縫合糸であり得る。各弁尖15及びそれぞれの補強ストリップ72は、内側スカート17に別々に縫い合わせられ得る。このようにして、弁尖15の下縁は、内側スカート17を介してフレーム12に固定される。
図19に示すように、弁尖は、補強ストリップ72及び弁尖15の縁部の周りをループする一方で、補強ストリップ72、弁尖15、及び内側スカート17の各々を通って延在する連続纏絡縫合126で、スカートにさらに固定されてもよい。連続纏絡縫合126は、PTFE縫合材料から形成され得る。
図20は、弁尖アセンブリ14及び内側スカート17をフレーム12に、かつ弁尖アセンブリ14を内側スカート17に固定した後の、フレーム12、弁尖アセンブリ14及び内側スカート17の側面図を示す。
【0064】
一部の実施例(例えば、
図3及び
図20)では、弁尖15を含む弁尖アセンブリ14は、フレーム12内(フレーム12の流入端22と流出端24との間)に完全に位置付けられ、フレーム12の流入端22を越えて延在しない。一部のこうした実施例では、弁尖15は、フレーム12の流入端22に延在せず、代わりに、フレーム12の流入端22の手前で停止する。例えば、
図3に示すように、弁尖15は、フレーム12の流入端22で、尖部62に延在しない。したがって、弁尖アセンブリ14は、フレーム12よりも短くてもよく、フレーム12の流入端22及び流出端24を越えて弁尖15が延在しないように、フレーム12内に完全に位置付けられてもよい。
【0065】
図21は、フレーム12へのその取付け前の外側スカート18の平坦図である。外側スカート18は、レーザー切断されてもよく、又は、それを通る血流を制限及び/又は防止するように構成された、PET又は様々な他の適切な合成材料又は天然材料などの強力かつ耐久性のある材料から別の方法で形成されてもよい。外側スカート18は、実質的に直線形の下部(流入又は上流)縁部分128と、一般的に、フレーム12のストラットの列の形状に従う複数の交互の突出部132及びノッチ134、又はキャスタレーションを画定する、上部(流出又は下流)縁部分130を備え得る。流入縁部分128及び流出縁部分130は、代替的な例では他の形状を有し得る。例えば、一つの実装では、流入縁部分128は、フレーム12のストラットの列の形状に概して適合する複数の突出部によって形成されてもよく、一方で、流出縁部分130は直線形であってもよい。
【0066】
外側スカート18は、外側138(例えば
図21~
図24)の反対側にある内側136(例えば、
図22~
図24)を備えてもよく、内側136は、半径方向内向きに(弁10の内腔に向かって)構成され、一方、外側138は、半径方向外向きに(弁及び取り囲む自己組織の外部に向かって)面するように構成される。具体的には、外側スカート18は、外側スカート18の内側136がフレーム12の外側140に面し、直接接触するように、フレーム12の外側140上に取り付けられてもよい。具体的な実施例では、外側138は、人工弁10を取り囲む自己組織に対してクッションの役目を果たして封止する、軟質かつプラッシュな材料を備え得る。特定の実施例では、外側スカート18は、さまざまな布地、編地、又は鍵編み繊維のうちのいずれかから作製されてもよく、外側138の外表面は、布のプラッシュナップ又はパイルである。パイルを有する例示的な繊維には、ベロア、ベルベット、ビロード、コーデュロイ、テリークロス、フリースなどが含まれる。
【0067】
別の実施例では、外側スカート18は、フェルトなどの不織布、又は不織布の綿繊維などの繊維から作製されてもよい。外側スカート18はまた、例えば、様々な適合するポリマー発泡体材料、又は織布PETなどの織布のいずれかなどの多孔性又はスポンジ性材料から形成され得る。
【0068】
図1に示すように、外側スカート18の流出縁部分130(例えば、突出部132)は、フレーム12の角度付きストラットの第三の列40(
図5)に取り付けられる、かつ/又は別の方法で固定され得る。突出部132は、例えば、角度付きストラットの第三の列40のストラットの上に巻き付けられ、縫合146により固定され得る。したがって、こうした例において、外側スカート18の流出端142は、内側スカート17の流出端82よりも、フレーム12の流入端22により近位に位置付けられてもよい。しかしながら、
図29に示すような他の実施例では、外側スカート18の流出縁部分130及び内側スカート17の流出縁部分68は、フレーム12及びスカート17、18全体を通って延在する単一セットの縫合で、フレーム12上の同じ軸方向位置でフレーム12に固定されてもよい。例えば、
図29に示すように、縫合70は省略されてもよく、縫合146は、代わりに、フレーム12及びスカート17、18の両方全体を通って延在し、内側スカート17及び外側スカート18の流出縁部分68、130をそれぞれ、角度付きストラットの第三の列40など、フレーム12上の同じ軸方向位置で、フレーム12に固定してもよい。
【0069】
外側スカート18は、追加的又は代替的に、角度付きストラットの第一の列36及び/又は角度付きストラットの第二の列38でフレームに固定され得る。一部の実施例では、外側スカート18の流入端144は、フレーム12の流入端22で、尖部62に延在するが、尖部を越えなくてもよい。しかしながら、その他の実施例では、外側スカート18の流入端144は、フレーム12の流入端22で、尖部62を越えて延在してもよい。なおもさらなる実施例では、外側スカート18の流入端144は、フレーム12の流入端22で尖部62に延在しなくてもよく、フレーム12の流入端での尖部62の手前で停止してもよい。例えば、外側スカート18は、フレーム12の流入端22まで延在する必要はないが、代わりに、外側スカート18の流入端144は、角度付きストラットの第二の列38など、フレーム12上の別の位置に固定され得る。
【0070】
外側スカート18の高さ(流入端144から流出端142まで測定される)は、別の例では変化し得る。例えば、一部の実施例では、外側スカート18は、流入縁部分128がフレーム12の流入端22に固定され、流出縁部分130がフレーム12の流出端24に固定される状態で、フレーム12の外表面全体を覆うことができる。別の実施例では、外側スカート18は、フレーム12の流入端22から、角度付きストラットの第二の列38、又は角度付きストラットの第四の列42に、又はストラットの二つの列の間のフレーム12に沿った位置に、延在し得る。
【0071】
外側スカート18は、人工弁10がその半径方向に拡張された状態(
図1及び
図3)にある時、外側スカート18が、フレーム12の外側140に対してぴったりと(ぴったりと合う形で)嵌合するように、フレーム12に対してサイズ設定され、形状付けられることが望ましい。人工弁10が、送達のために半径方向に圧縮された状態(
図2)に圧着される時、外側スカートが取り付けられたフレームの一部分は、軸方向に長くなり得る。外側スカート18は、圧着プロセス中に、フレームの完全な半径方向の圧縮を防止したり、ストラットを変形させたりしないように、フレームの半径方向の圧縮時に軸方向に伸張する十分な弾性を有することが望ましい。
【0072】
一部の実施例では、内側スカート17及び/又は外側スカート18(例えば、内側スカート17の流入縁部分66及び/又は外側スカート18の流入縁部分128)は、角度付きストラットの第一の列36など、フレームの流入端22で、又はその近くで、フレーム12に追加的に縫合されてもよい。例えば、
図29に示すように、内側スカート17及び外側スカート18の両方の流入縁部分66、128はそれぞれ、縫合320を介して、フレーム12の流入端22で、又はその近くで(例えば、角度付きストラットの第一の列36に)フレーム12に連結されてもよい。縫合320は、
図29に示すように、フレーム12及びスカート17、18全体を通って延在して、スカート17、18のそれぞれ流入縁部分66、128をフレーム12に固定し得る。しかしながら、他の実施例では、縫合320は、内側スカート17のみなど、フレーム12及びスカート17の一方のみを通って延在し、内側スカート17の流入縁部分66のみをフレーム12に固定することができる。別の方法として、縫合320は、フレーム12及び外側スカート18のみを通って延在し、外側スカート18の流入縁部分128のみをフレーム12に固定することができる。
【0073】
一部の実施例では、
図29に示すように、外側スカート18は、圧着又は他の半径方向の圧縮中のフレーム12の軸方向の伸長を収容するように、フレーム12に対してサイズが大きくてもよい。具体的には、縫合146と縫合320との間に含まれる外側スカート18の部分は、フレーム12が半径方向に拡張された状態にある時、フレーム12の対応する領域(すなわち、縫合146と縫合320との間に含まれるフレームの部分)よりも長くてもよい。サイズがより大きい外側スカート18によって作製される弛みは、外側スカート18が、フレーム12の半径方向の圧縮中にフレーム12の余分な軸方向の伸長を収容するのを助ける。一部の実施例では、外側スカート18は、フレーム12のこの領域におけるフレーム12よりも長いため(フレームが半径方向に拡張された状態にある時)、外側スカート18は、フレーム12が半径方向に拡張された状態にある時、束ねられた部分又はプリーツ部分330を含み得る。束ねられた部分330は、フレーム12が半径方向に圧縮され、かつ外側スカート18が半径方向に拡張された状態においてフレーム12に対してより平坦な位置になることを可能にするように、広がり、平坦化される。したがって、外側スカート18の束ねられた部分330及びフレーム12の両方が、フレーム12が圧着中など、半径方向に圧縮された時に、軸方向に長くなることができる。一部の実施例では、束ねられた部分330は、複数の円周方向に延在する折り目を有するジグザグパターンでなどで、外側スカート18を折り畳むことによって形成され得る。一部の実施例では、内側スカート17は、追加的又は代替的に、フレーム12の半径方向の圧縮及び軸方向の伸長を容易にするために、類似の束ねられた部分を含み得る。さらに、束ねられた部分は、
図22~
図24に示す実施例のいずれかにおいて、外側スカート及び/又は内側スカート内に形成され得る。
【0074】
しかしながら、他の実施例では、内側スカート17及び/又は外側スカート18は、それぞれ、それらの流出縁部分68、130でフレーム12にのみ縫合されてもよく、また、それらの流入縁部分66、128でだらりと垂れ下がって、スカートアセンブリ16に対するフレーム22の流入端22での尖部62の移動(例えば、軸方向の伸長)を促進してもよい。
【0075】
内側スカート17及び外側スカート18の流入縁部分66、128はそれぞれ、フレーム12の流入端22に近位で縫合又はステッチ150を介して一緒に縫い合わされて、フレーム12の流入端22でポケット20を形成してもよい。
図22~
図24に示す実施例では、縫合150は、スカート17、18の各々を通ってのみ延在し得る。こうした一部の実施例では、縫合150に近接して位置する別の縫合(例えば、
図29に示す縫合320)は、フレーム12及びスカート17、18の一方又は両方を通って延在し、スカート17、18をフレーム12の流入端22に固定することができる。例えば、
図29に示すように、内側スカート17及び/又は外側スカート18の流入縁部分66及び/又は128はそれぞれ、縫合320を介してフレーム12に最初に縫合することができる。次に、スカート17、18の流入縁部分66、128は、縫合150(
図22~
図24)などの別個の縫合のセットを介して一緒に縫合されてもよく、又は別個のスカート(例えば、
図28に示すスカート302)は、内側スカート17及び外側スカート18の流入縁部分66、128にそれぞれ縫合されてもよい。
【0076】
別の実施例では、また
図29に示すように、内側スカート17及び/又は外側スカート18の流入縁部分66及び/又は128はそれぞれ、内側スカート17の一部分がフレーム12の流入端22を越えて延在するように、縫合320を介してフレーム12に縫合され得る。内側スカート17のこの延在した部分又はぶら下がった部分は、ポケット20を形成するのに十分な長さであってもよく、フレーム12の流入端22の周りに巻き付けられ、縫合150により外側スカート18の流入縁部分128に(縫合320で、又はその近くで)縫合されて、ポケット20を形成することができる。
【0077】
図22~
図24に示す実施例では、内側スカート17及び/又は外側スカート18は、フレーム12が半径方向に拡張された状態にある時、ポケット20が、フレーム12の流入端22(尖部62を含む)とスカートアセンブリ16との間に空間を生み出す(そして分離する)ように、フレーム12の流入端22で尖部62を越えて延在してもよい。そのため、尖部62は、ポケット20内に位置付けられ、フレーム12が半径方向に拡張された状態にある時、スカートアセンブリ16から離れて間隔を置いてもよい。ポケット20はまた、フレーム12の流入端22の全ての尖部62がポケット20内に位置付けられるように、フレーム12の流入端22の周りに円周方向に延在してもよい。
【0078】
ポケット20は、フレーム12の流入端22の周りに円周方向に延在し得る、流入端154(すなわち、フレーム12の流入端22から軸方向に最も遠い位置のポケット20のセクション/部分)を有する。したがって、ポケット20は、フレーム12が半径方向に拡張された状態にある時、フレーム12の流入端22の尖部62とスカートアセンブリ16との間の距離Yだけ、軸方向に延在する。すなわち、ポケット20は、フレーム12の流入端22の尖部62を、距離Yだけスカートアセンブリ16から分離することができる。したがって、フレーム12が半径方向に拡張された状態にある時、フレーム12の流入端22(尖部62を含む)は、ポケット20の流入端154でスカートアセンブリ16から離れて軸方向に間隔を置くことができる。具体的な実施例では、フレームが半径方向に拡張された状態にある時、ポケット20の軸方向の長さ(すなわち、フレーム12の流入端での尖部62と、ポケット20の流入端154と、の間の距離Y)は、少なくとも0.1mm、少なくとも0.2mm、少なくとも0.3mm、少なくとも0.4mm、少なくとも0.5mm、少なくとも0.6mm、少なくとも0.7mm、少なくとも0.8mm、少なくとも0.9mm、少なくとも1.0mm、少なくとも1.2mm、少なくとも1.5mm、少なくとも2.0mm、最大で5.0mm、最大で4.0mm、最大で3.0mm、最大で2.5mm、最大で2.0mm、最大で1.5mm、及び/又は最大で1.0mmであってもよい。
【0079】
フレーム12が半径方向に圧縮されるにつれて、スカートアセンブリ16全体(スカート17、18、及び/又は302全体)及びフレーム12の両方が軸方向に長くなり得るが、フレーム12はスカートアセンブリ16よりも軸方向に長くなってもよい。しかしながら、ポケット20は、フレームの追加的な伸長を相殺し、かつ、人工弁が半径方向に圧縮された状態へと半径方向に圧縮される時、尖部62がスカートアセンブリを通って突出するのを防止することができる。
【0080】
一部の実施例では、フレーム12が半径方向に圧縮された状態にある時、ポケット20の長さYはゼロとすることができ(すなわち、フレーム12が半径方向に圧縮された状態にある時、ポケット20は完全に消え得る)、その結果、フレーム12の尖部62はスカートアセンブリ16に直接接触する。しかしながら、尖部62がスカートアセンブリ16に直接接触する実施例であっても、それらは依然としてスカートアセンブリ16を通しては突出しない。一部の実施例では、スカートアセンブリ16は弾性があり得、かつ、尖部62がスカートアセンブリ16に接触して押す時に伸張し得る。この伸張能力によって、スカートアセンブリ16は、尖部62がスカートアセンブリ16に直接接触する時、フレーム12のさらに多くの軸方向の伸長を収容することができる。一部の実施例では、一つ以上の尖部62は、ポケットでスカートアセンブリ16を通ってわずかに突出し得るが、尖部62の大部分は、依然としてポケット内のスカートアセンブリによって完全に覆われている。
【0081】
他の実施例では、フレーム12が半径方向に圧縮された状態であっても、ポケット20は依然として存在することができ、フレーム12の尖部62は、ポケット20の流入端154から物理的に分離することができる(すなわち、尖部62は、半径方向に圧縮された状態であっても、スカートアセンブリ16に直接接触せず、距離Yはゼロより大きい)。存在する場合、ポケット20自体は中空であってもよく、かつ/又は空気のみを含んでもよい。
【0082】
一例(
図22及び
図26A~
図27B)では、内側スカート17は、ポケット20を形成し得る。こうした実施例では、外側スカート18は、フレーム12の流入端22を越えて延在せず(すなわち、外側スカート18は、フレーム12の流入端22に延在してもよく、又はその手前で停止してもよい)、代わりに、内側スカート17は、フレーム12の流入端22を越えて延在して、フレーム12の流入端22の尖部62の周りに巻き付き、ポケット20を形成してもよい。具体的には、内側スカート17は、フレーム12の流入端22を越えて延在し、内側スカート17の折り目及び/又は折線(すなわち、頂点)(すなわち、内側スカート17がそれ自体の上に折り返される地点)がポケット20の流入端154を形成及び/又は画定するように、ポケット20の流入端154でそれ自体の上で折り返されてもよく、かつ、外側スカート18の流入縁部分128で停止してもよい。
図22に示すような一部の実施例では、内側スカート17の流入縁部分66は、内側スカート17の流入縁部分66が外側スカート18の外側138に直接接触する、かつ/又は覆うように、外側スカート18の流入縁部分128と重なってもよい。他の実施例では、内側スカート17及び外側スカート18は、互いに重なっていなくてもよく、代わりに、内側スカート17及び外側スカート18の流入端84、144のそれぞれは、互いに直接当接し、かつ/又は互いに隣接して位置付けられてもよい。また、他の実施例では、外側スカート18は、フレームの流入端で、尖部62を越えて延在してもよいが、内側スカート17よりも短く、これはポケット20の大部分を形成する。例えば、外側スカート18は、フレームの流入端で、尖部62を越えて、尖部62とポケット20の流入端154との間の位置に延在することができる。
【0083】
このような一部の実施例では、内側スカート17の流入縁部分66は、フレーム12の外側140の上に延在しかつ/又は覆うことができる。具体的には、外側スカート18は、外側スカート18の内側136がフレーム12の外側140と直接接触するように、フレーム12の外側140上に位置付けられてもよく、内側スカート17の流入縁部分66は、外側スカート18の流入縁部分128がフレーム12と内側スカート17の流入縁部分66との間に位置付けられるように、外側スカート18の外側138の上に延在してもよく、かつ/又は直接接触してもよい。しかしながら、他の実施例では、内側スカート17の流入縁部分66は、ポケット20の流入端154から、尖部62に向かって、かつ/又は尖部62へと延在してもよいが、フレームの外側の尖部62を越えては延在しなくてもよく、そのため、フレーム12の外側140を覆わなくてもよい。こうした実施例では、内側スカート17は、なおもポケット20全体を形成してもよいが、内側スカート17の流入端84及び外側スカート18の流入端144は、内側スカート17がフレーム12の外側140の上に延在しないように、(内側スカートが外側スカートの上に重なることなく)フレーム12の流入端22で互いに当接してもよい。
【0084】
図26A~
図26Bは、内側スカート及び外側スカートをフレーム22上で一緒に組み立てて、
図22のポケット20の構成を形成する方法を示す。内側スカート17及び外側スカート18は、フレーム12の流入端で、尖部62の多少上で、スカート17、18の縁部から間隔を置いたステッチ線に沿って、複数のインアンドアウトステッチ152によって縫い合わせられ得る。
図26A~
図26Bに示すように、ポケット20を形成するために、組立担当者は、外側スカート18の外側138から内側136へと、ステッチ152の真下で(弁を逆さにした状態で)、通し針210により外側スカート18を穿刺し、その次に、内側スカート17の外側65から内側64へと、内側スカート17を穿刺してもよい。次に、組立担当者は、糸212を内側スカート17の流入端84の上に巻き付け、内側スカート17の流入端部分66を、外側スカート18の流入縁部分128の上で引っ張って折り畳み、内側スカート17の外側65を、外側スカート18の外側138に対して押してもよい。次に、組立担当者は、前回の挿入地点から円周方向に間隔を置いた位置で、再び外側スカート18を穿刺して、ウィップステッチ150を完了し、別のウィップステッチ150を開始してもよい。
【0085】
内側スカート17及び外側スカート18を一緒に縫い合わせる時に、適切なポケット長さ(例えば、距離Y)を維持することを保証するために、ユーザーは、内側スカート17の流入端84から、内側スカート17を少なくとも閾値距離Z(
図26A)分だけ縫うことができる。すなわち、通し針210によって内側スカート17を穿刺して、糸212によりステッチ150を形成する時、ユーザーは、通し針210と内側スカート17の流入端84との間の閾値距離Z(
図26A)を維持してもよい。閾値距離Zは、少なくとも0.1mm、少なくとも0.2mm、少なくとも0.3mm、少なくとも0.4mm、少なくとも0.5mm、少なくとも0.6mm、及び/又は少なくとも0.7mmであり得る。
【0086】
図27A~
図27Bは、内側スカート17及び外側スカート18が一緒に縫い合わされた後に、完全に形成され、完了したポケット20を示す(
図27Aは弁10の外側を、
図27Bは弁10の内側を示す)。
図27A~
図27Bに示すように、スカートアセンブリ16は、フレーム12の流入端22で、尖部62の下に延在して、ポケット20を形成する。
図27A~
図27Bで示す具体的な実施例では、内側スカート17はポケット20を形成する。内側スカート17は、外側スカート18の上で、尖部62の周りに巻き付き、外側スカート18の流入縁部分128で、外側スカート18に縫い合わされる。具体的には、内側スカート17は、フレーム12の流入端22で尖部62の下に延在し、ポケット20の流入端154で、それ自体の上で折り畳み、フレーム12の外側140上の外側スカート18の上で延在し、ステッチ150により外側スカート18に縫い合わせられて、ポケット20を形成する。ポケット20は、尖部62のすべてが、半径方向に拡張された状態及び半径方向に圧縮された(すなわち、圧着された)状態の両方で、スカートアセンブリ16によって完全に覆われるように、フレーム12の流入端22全体の周りに円周方向に延在してもよい。
【0087】
ポケット20は、フレーム12が圧着される時、尖部62がスカートアセンブリ16を通って突出しないように、尖部62及びスカートアセンブリ16の間に余分な空間/スペースを提供する。すなわち、ポケット20は、半径方向に圧縮される時にフレーム12が軸方向に長くなることを可能にし、尖部62が、フレーム12が半径方向に圧縮された(すなわち、圧着された)状態にある時に、スカートアセンブリ16によってなおも完全に覆われることを確保する。圧着中に尖部62がスカートアセンブリを通して突出するのを防止し、圧着状態であっても尖部がスカートアセンブリ16によって覆われることを維持することは、いくつかの利点を提供する。第一に、これは、尖部62が、イントロデューサシースと接触することを防止し、それによって、イントロデューサシースを通して人工弁10を押すのに必要な押動力を低減し、尖部への損傷から保護する。第二に、これは、人工弁が(送達装置上で圧着されている間に)患者の脈管構造を通って前進するにつれて、尖部が周辺組織に接触して外傷を引き起こすことから保護することができる。
【0088】
別の実施例(
図24)では、外側スカート18は、ポケット20を形成してもよい。こうした実施例では、内側スカート17は、フレーム12の流入端22を越えて延在せず(すなわち、内側スカート17は、フレーム12の流入端22に延在してもよく、又はその手前で停止してもよい)、代わりに、外側スカート18は、フレーム12の流入端22を越えて延在して、フレーム12の流入端22の尖部62の周りに巻き付き、ポケット20を形成してもよい。具体的には、外側スカート18は、フレーム12の流入端22を越えて延在し、外側スカート18の折り目及び/又は折線(すなわち、頂点)(すなわち、外側スカート18がそれ自体の上に折り返される地点)がポケット20の流入端154を形成及び/又は画定するように、ポケット20の流入端154でそれ自体の上で折り返されてもよく、かつ、内側スカート17の流入縁部分66で停止してもよい。
図24に示すような一部の実施例では、外側スカート18の流入縁部分128は、外側スカート18の流入縁部分128が内側スカート17の内側64に直接接触する、かつ/又は覆うように、内側スカート17の流入縁部分66と重なってもよい。他の実施例では、内側スカート17及び外側スカート18は、互いに重なっていなくてもよく、代わりに、内側スカート17及び外側スカート18の流入端84、144のそれぞれは、互いに直接当接し、かつ/又は互いに隣接して位置付けられてもよい。また、他の実施例では、内側スカート17は、フレームの流入端で、尖部62を越えて延在してもよいが、外側スカート18よりも短く、これはポケット20の大部分を形成する。例えば、内側スカート17は、フレームの流入端で、尖部62を越えて、尖部62とポケット20の流入端154との間の位置に延在することができる。
【0089】
このような一部の実施例では、外側スカート18の流入縁部分128は、フレーム12の内側63の上に延在しかつ/又は覆うことができる。具体的には、内側スカート17は、内側スカート17の外側65がフレーム12の内側63と直接接触するように、フレーム12の内側63上に位置付けられてもよく、外側スカート18の流入縁部分128は、内側スカート17の流入縁部分66がフレーム12と外側スカート18の流入縁部分128との間に位置付けられるように、内側スカート17の外側64の上に延在してもよく、かつ/又は直接接触してもよい。しかしながら、他の実施例では、外側スカート18の流入縁部分128は、ポケット20の流入端154から、尖部62に向かって、かつ/又は尖部62へと延在してもよいが、尖部62を越えては延在しなくてもよく、そのため、フレーム12の内側63を覆わなくてもよい。こうした実施例では、外側スカート18は、なおもポケット20全体を形成するが、内側スカート17及び外側スカート18は、外側スカート18がフレーム12の内側63の上に延在しないように、フレーム12の流入端22で互いに当接してもよい。
【0090】
さらに別の実施例では、内側スカート17及び外側スカート18の両方は、ポケット20を形成してもよい。こうした実施例では、内側スカート17及び外側スカート18は、フレーム12の流入端22を越えて延在してもよく、フレーム12の流入端22(例えば、フレーム12の流入端22での尖部62の下)の下の位置で一緒に縫い合わされてもよい。こうした一部の実施例(
図23)では、内側スカート17及び外側スカート18は、内側スカート17及び外側スカート18の流入端84、144がそれぞれポケット20の流入端154を形成するように、ポケット20の流入端154で縫い合わされてもよい。こうした実施例では、内側スカート17及び外側スカート18は、およそ同じ量(例えば、距離Y)でフレーム12の流入端22の下に延在してもよい。一部の実施例(
図23)では、内側スカート17及び外側スカート18の流入端84、144はそれぞれ、互いに直接当接してもよく、互いに重ならなくてもよい。しかしながら、その他の実施例では、スカート17、18は、ポケット20で互いに重なってもよい。
【0091】
図28及び
図30~
図31に示す、さらにさらなる実施例では、スカートアセンブリ16は、内側スカート17、外側スカート18、及び/又はフレーム12に連結されて、フレーム12が半径方向に拡張された状態にある時に、ポケット20の少なくとも一部分を形成することができる、第三のスカート302(本明細書では「ポケットスカート302」とも呼ばれ得る)を含み得る。例えば、
図28に示す例では、第三のスカート302の第一の端部分304は、縫合306を介してなど、内側スカート17の流入端部分66と重なり、かつそれらに連結(例えば、縫い合わせ)されてもよく、第三のスカート302の対向する第二の端部分308は、縫合310を介してなど、外側スカート18の流入縁部分128と重なり、それらに連結(例えば、縫い合わせ)されてもよい。第三のスカート302は、フレーム12及びスカート17、18の幅よりも大幅に長くてもよいため、第三のスカート302は、フレーム12が半径方向に拡張された状態にある時、フレーム12の流入端を越えて(内側スカート17及び外側スカート18から外れて)延在し、それによってポケット20を形成してもよい。
【0092】
別の例として、
図30に示すように、内側スカート17及び外側スカート18と重なり、かつそれらに連結される(例えば、縫い合わせられる)代わりに、第三のスカート302は、代わりに、それ自体及び/又はフレーム12に縫い合わせられてもよく、またフレーム12の流入端22で、又はその近くで、内側スカート17及び外側スカート18に当接することができる。具体的には、第三のスカート302の第一の端部分304は、内側スカート17の流入端84に当接してもよく、かつ/又は第三のスカート302の第二の端部分308は、外側スカート18の流入端144に当接してもよい。さらに、第三のスカート302の第一の端部分302及び第二の端部分308は、フレーム12の周りに円周方向に延在し得る縫合322を介してなど、一緒に連結(例えば、縫い合わせ)されることができる。一部のこうした実施例では、縫合322は、オープンセル54の第一の列を通ってなど、フレーム12の開口部を通って延在し得る(
図5)。他の実施例では、第三のスカート302の第一の端部分302及び第二の端部分308は、角度付きストラットの第一の列36に直接など、フレーム12に直接縫い合わされ得る(
図5)。上記の実施例のいずれかでは、第三のスカート302は、フレーム12の流入端22で、角度付きストラットの第一の列36及び/又はフレーム12の尖部62から効果的に垂れ下がることができ、またフレーム12の流入端22を越えて延在して、ポケット20を形成することができる。
【0093】
第三のスカート302がスカート17、18に連結(例えば、縫い合わせ)されて、ポケット20の少なくとも一部分を形成する実施例のいずれかでは、スカート17、18の一方又は両方が、ポケット20の少なくとも一部分を形成することもできる。すなわち、スカート17、18の一方又は両方は、
図28及び
図30に示すフレーム12の流入端22で、又はその手前で停止する必要はなく、代わりに、スカート17、18の一方又は両方は、フレーム12の流入端22を越えて延在して、ポケット20の少なくとも一部分を形成することができる。しかしながら、他の実施例では、スカート17、18の両方は、(スカート17、18がフレーム12の流入端を越えて延在しないように)フレーム12の流入端22で、又はその手前で停止することができ、第三のスカート302のみがポケット20全体を形成することもできる。
【0094】
さらに別の実施例として、スカート17、18の一方又は両方は、第三のスカート302の外側の周りに巻き付けることができる。例えば、
図31に示すように、内側スカート17は、(内側スカートが第三のスカート302の外側を覆い込み、かつ/又は別の方法で接触するように)外側スカート18の外側138の上で第三のスカート302の周り全体に巻き付くことができ、縫合150を介してなど、外側スカート18に連結(例えば、縫い合わせ)することができる。別の実施例では、外側スカート18は、代わりに、(外側スカートが第三のスカート302の外側を覆い込み、かつ/又は別の方法で接触するように)内側スカート17の内側64の上で第三のスカート302の周り全体に巻き付くことができ、縫合150を介してなど、内側スカート17に連結(例えば、縫い合わせ)することができる。さらにさらなる実施例では、スカート17、18の両方は、第三のスカート302の周りに延在してもよく、フレーム12の流入端22の下の位置など、スカート17、18が第三のスカート302と重なる位置で一緒に連結(例えば、縫い合わせ)されてもよい。
【0095】
内側スカート17及び外側スカート18は、ステッチ150を介して、流入縁部分66、128にそれぞれ互いに固定されたものとして示され、説明されているが、当然のことながら、流入縁部分66、128は、超音波溶接、接着剤、機械的留め具などの追加的な及び/又は代替的な結合手段を使用して互いに取り付けられてもよい。
【0096】
さらに、ポケット20は、フレーム12の流入端22で形成され/含まれるものとして示され、説明されているが、当然のことながら、ポケット20は、フレーム12の流出端24に追加的又は代替的に含まれ得る/形成され得る。具体的には、内側スカート17及び/又は外側スカート18は、フレーム12の流出端24に延在してもよく、フレーム12の流入端22に対して上述したものと類似した様式で、フレーム12の流出端24で、又はその近くで一緒に縫い合わされて、フレーム12の流出端24でポケット20(例えば、
図22~
図24に示すようなもの)を形成することができる。こうした一部の実施例では、ポケット20は、弁10が二つのポケット20をフレーム12の各端部に一つ含むように、フレーム12の流入端22及び流出端24の両方に形成されてもよい。他のこうした実施例では、ポケット20は、フレーム12の流入端22の代わりに、フレーム12の唯一の流出端24に形成されてもよい。
【0097】
開示される技術の追加的実施例
開示される主題の上記に記載される実施を考慮して、本出願は、以下に列挙される追加的実施例を開示する。単独で実施例の一つの特徴、又は組み合わせて、及び任意選択的に一つ以上のさらなる実施例の一つ以上の特徴と組み合わせて取り込まれる実施例の二つ以上の特徴は、本出願の開示内に同様に含まれるさらなる実施例であることに留意すべきである。
【0098】
[実施例1]
人工心臓弁であって、
流入端及び流出端を含む環状フレームであって、フレームが、半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張された状態との間で半径方向に圧縮可能かつ拡張可能であり、フレームが流入端で複数の尖部を含む、環状フレームと、
フレーム内に位置付けられ、フレーム内に連結された弁尖アセンブリであって、弁尖アセンブリがフレーム内に完全に位置付けられた複数の弁尖を備える、弁尖アセンブリと、
スカートアセンブリであって、
フレームの内側の周りに円周方向に延在し、流入縁部分及び流出縁部分を有する、内側スカートと、
フレームの外側の周りに円周方向に延在する外側スカートであって、流入縁部分及び流出縁部分を有し、外側スカートの流入縁部分が内側スカートの流入縁部分に縫い合わせられている、外側スカートと、を備える、スカートアセンブリと、を備え、
内側スカートの流入縁部分及び/又は外側スカートの流入縁部分がポケットを形成し、尖部がポケット内に配置され、ポケットが流入端を有し、
フレームが半径方向に拡張された状態にある時、尖部が、ポケットの流入端から間隔を置いており、フレームが半径方向に拡張された状態から半径方向に圧縮された状態へと半径方向に圧縮される時、尖部が、ポケットの流入端のより近くに移動する、人工心臓弁。
【0099】
[実施例2]
内側スカート及び外側スカートの流入縁部分が、ポケットで一緒に縫い合わされる、本明細書の任意の実施例、特に実施例1の人工心臓弁。
【0100】
[実施例3]
内側スカート及び外側スカートの流入縁部分が、ポケットの流入端で一緒に縫い合わされる、本明細書の任意の実施例、特に実施例2の人工心臓弁。
【0101】
[実施例4]
内側スカート及び外側スカートの流入縁部分が、フレームの流入端を越えて軸方向に延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~3のいずれか一つに記載の人工心臓弁。
【0102】
[実施例5]
内側スカート及び外側スカートの流入縁部分が、フレームの流入端を越えておよそ同じ量だけ軸方向に延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例4の人工心臓弁。
【0103】
[実施例6]
フレームが半径方向に拡張された状態にある時、尖部が、ポケットの流入端から少なくとも0.5mm間隔を置いている、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~5のいずれか一つに記載の人工心臓弁。
【0104】
[実施例7]
ポケットがフレームの流入端の周りに円周方向に延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~6のいずれか一つに記載の人工心臓弁。
【0105】
[実施例8]
内側スカートの流出縁部分が、フレームの流入端と流出端との間でフレームに縫い合わせられ、外側スカートの流出縁部分が、内側スカートの流出端部分よりもフレームの流入端の近くでフレームに縫い合わせられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~7のいずれか一つに記載の人工心臓弁。
【0106】
[実施例9]
内側スカートの流出縁部分が複数のスリットを備え、複数のスリットが、フレームの二つのストラットの接合部から軸方向に最大で0.5mm間隔を置いている、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~8のいずれか一つに記載の人工心臓弁。
【0107】
[実施例10]
内側スカートがフレームの内側に接触し、外側スカートがフレームの外側に接触する、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~9のいずれか一つに記載の人工心臓弁。
【0108】
[実施例11]
複数の弁尖が、フレームの流入端を越えて延在せず、フレームの流入端と流出端との間に完全に位置付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~10のいずれか一つに記載の人工心臓弁。
【0109】
[実施例12]
ポケットが中空である、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~11のいずれか一つに記載の人工心臓弁。
【0110】
[実施例13]
内側スカートがフレームの流入端で尖部の周りに巻き付けられ、フレームの外側上の外側スカートの上に延在し、ポケットを形成する、本明細書の任意の実施例、特に実施例1及び6~12のいずれか一つに記載の人工心臓弁。
【0111】
[実施例14]
外側スカートがフレームの流入端で尖部の周りに巻き付けられ、フレームの内側上の内側スカートの上に延在し、ポケットを形成する、本明細書の任意の実施例、特に実施例1及び6~12のいずれか一つに記載の人工心臓弁。
【0112】
[実施例15]
人工心臓弁であって、
流入端及び流出端を含む環状フレームであって、フレームが、半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張された状態との間で半径方向に圧縮可能かつ拡張可能であり、フレームが流入端で複数の尖部を含む、環状フレームと、
複数の弁尖を含む弁尖アセンブリであって、フレーム内に位置付けられ、フレームに連結された、弁尖アセンブリと、
フレームの外側の周りに円周方向に延在し、流入縁部分及び流出縁部分を有する、外側スカートと、
フレームの内側の周りに円周方向に延在する内側スカートと、を備え、内側スカートが、流入縁部分及び流出縁部分を有し、内側スカートが、それ自体の上に折り畳んでフレームの流入端でポケットを形成し、フレームの流入端での尖部がポケット内に配置され、ポケットが、流入端を有し、フレームが半径方向に拡張された状態にある時、尖部が、ポケットの流入端から間隔を置いており、フレームが半径方向に拡張された状態から半径方向に圧縮された状態まで半径方向に圧縮される時、尖部がポケットの流入端に近づくように移動する、人工心臓弁。
【0113】
[実施例16]
内側スカートの流入縁部分が、外側スカートの流入縁部分に一緒に縫い合わされる、本明細書の任意の実施例、特に実施例15の人工心臓弁。
【0114】
[実施例17]
内側スカートが、フレームの流入端で複数の尖部の周りに巻き付けられ、フレームの外側を覆う、本明細書の任意の実施例、特に実施例15又は16のいずれか一つに記載の人工心臓弁。
【0115】
[実施例18]
内側スカートの流入縁部分が、フレームの外側の周りに円周方向に延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例17に記載の人工心臓弁。
【0116】
[実施例19]
外側スカートが外側の反対側にある内側を有し、外側スカートの内側がフレームの外側と接触し、内側スカートの流入縁部分が、フレームの外側の上でフレームの流入端の周りに延在し、外側スカートの外側と接触する、本明細書の任意の実施例、特に実施例15~18のいずれか一つに記載の人工心臓弁。
【0117】
[実施例20]
外側スカートがフレームの流入端を越えて延在しない、本明細書の任意の実施例、特に実施例15~19のいずれか一つに記載の人工心臓弁。
【0118】
[実施例21]
フレームが半径方向に拡張された状態にある時、尖部が、ポケットの流入端から少なくとも0.5mm間隔を置いている、本明細書の任意の実施例、特に実施例15~20のいずれか一つに記載の人工心臓弁。
【0119】
[実施例22]
ポケットが中空である、本明細書の任意の実施例、特に実施例15~21のいずれか一つに記載の人工心臓弁。
【0120】
[実施例23]
内側スカートの流出縁部分が複数のスリットを備え、複数のスリットが、フレームの二つのストラットの接合部から軸方向に最大で0.5mm間隔を置いている、本明細書の任意の実施例、特に実施例15~22のいずれか一つに記載の人工心臓弁。
【0121】
[実施例24]
複数の弁尖が、フレームの流入端を越えて延在せず、フレームの流入端と流出端との間に完全に位置付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例15~23のいずれか一つに記載の人工心臓弁。
【0122】
[実施例25]
内側スカートの流入縁部分を外側スカートの流入縁部分に連結する縫い合わせをさらに備え、縫い合わせが内側スカートの流入端からおよそ0.5mm間隔を置いている、本明細書の任意の実施例、特に実施例15~24のいずれか一つに記載の人工心臓弁。
【0123】
[実施例26]
人工心臓弁であって、
流入端及び流出端を含む環状フレームであって、フレームが、半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張された状態との間で半径方向に圧縮可能かつ拡張可能であり、フレームが流入端で複数の尖部を含む、環状フレームと、
複数の弁尖を含む弁尖アセンブリであって、フレーム内に位置付けられ、フレームに連結された、弁尖アセンブリと、
フレームの内側の周りに円周方向に延在し、流入縁部分及び流出縁部分を有する、内側スカートと、
フレームの外側の周りに円周方向に延在する外側スカートと、を備え、外側スカートが、流入縁部分及び流出縁部分を有し、外側スカートが、それ自体の上に折り畳んでフレームの流入端でポケットを形成し、フレームの流入端での尖部がポケット内に配置され、ポケットが、流入端を有し、フレームが半径方向に拡張された状態にある時、尖部が、ポケットの流入端から間隔を置いており、フレームが半径方向に拡張された状態から半径方向に圧縮された状態まで半径方向に圧縮される時、尖部がポケットの流入端に近づくように移動する、人工心臓弁。
【0124】
[実施例27]
外側スカートの流入縁部分が、内側スカートの流入縁部分に一緒に縫い合わされる、本明細書の任意の実施例、特に実施例26の人工心臓弁。
【0125】
[実施例28]
外側スカートが、フレームの流入端で複数の尖部の周りに巻き付けられ、フレームの内側を覆う、本明細書の任意の実施例、特に実施例26又は27のいずれか一つに記載の人工心臓弁。
【0126】
[実施例29]
外側スカートの流入縁部分が、フレームの内側の周りに円周方向に延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例28に記載の人工心臓弁。
【0127】
[実施例30]
内側スカートが外側の反対側にある内側を有し、内側スカートの外側がフレームの内側と接触し、外側スカートの流入縁部分が、フレームの内側の上でフレームの流入端の周りに延在し、内側スカートの内側と接触する、本明細書の任意の実施例、特に実施例26~29のいずれか一つに記載の人工心臓弁。
【0128】
[実施例31]
内側スカートがフレームの流入端を越えて延在しない、本明細書の任意の実施例、特に実施例26~30のいずれか一つに記載の人工心臓弁。
【0129】
[実施例32]
フレームが半径方向に拡張された状態にある時、尖部がポケットの流入端から少なくとも0.5mm間隔を置いている、本明細書の任意の実施例、特に実施例26~31のいずれか一つに記載の人工心臓弁。
【0130】
[実施例33]
ポケットが中空である、本明細書の任意の実施例、特に実施例26~32のいずれか一つに記載の人工心臓弁。
【0131】
[実施例34]
複数の弁尖が、フレームの流入端を越えて延在せず、フレームの流入端と流出端との間に完全に位置付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例26~33のいずれか一つに記載の人工心臓弁。
【0132】
[実施例35]
外側スカートの流入縁部分を内側スカートの流入縁部分に連結する縫い合わせをさらに備え、縫い合わせが外側スカートの流入端からおよそ0.5mm間隔を置いている、本明細書の任意の実施例、特に実施例26~34のいずれか一つに記載の人工心臓弁。
【0133】
[実施例36]
人工心臓弁を組み立てる方法であって、
半径方向に圧縮可能かつ拡張可能なフレームの内側上に内側スカートを取り付けるステップであって、フレームが、流入端と、流出端と、流入端での複数の尖部と、を有する、取り付けるステップと、
フレームの外側上に外側スカートを取り付けるステップと、
弁尖アセンブリが、フレームの流入端と流出端との間にフレーム内に完全に位置付けられるように、複数の弁尖を備える弁尖アセンブリを取り付けるステップと、
内側スカート及び/又は外側スカートが、フレームの流入端でポケットを形成するように、内側スカート及び外側スカートを縫い合わせるステップ、又は、第三のスカートがフレームの流入端を越えて延在し、ポケットを形成するように、内側スカート及び外側スカートに第三のスカートを縫い合わせるステップと、を含み、複数の尖部が、ポケット内に配置され、ポケットが、フレームが半径方向に拡張された状態にある時にフレームの複数の尖部から分離される流入端を有する、方法。
【0134】
[実施例37]
内側スカート及び外側スカートを一緒に縫い合わせるステップが、内側スカート及び外側スカートの両方がポケットを形成するように、内側スカート及び外側スカートをポケットで一緒に縫い合わせるステップを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例36に記載の方法。
【0135】
[実施例38]
内側スカート及び外側スカートを一緒に縫い合わせるステップが、内側スカート及び外側スカートをポケットの流入端で一緒に縫い合わせるステップを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例36又は37のいずれか一つに記載の方法。
【0136】
[実施例39]
内側スカートがポケットを形成するように、フレームの外側の上にフレームの流入端の周りに内側スカートを巻き付けるステップをさらに含み、内側スカートと外側スカートとを一緒に縫い合わせるステップが、フレームの外側上で内側スカートを外側スカートに縫い合わせるステップを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例36に記載の方法。
【0137】
[実施例40]
フレーム上に内側スカートを取り付けるステップが、フレームの流入端の周りに内側スカートを巻き付ける前に、内側スカートが少なくとも1.5mmフレームの流入端を越えて軸方向に延在するように、内側スカートをフレームに連結するステップを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例39に記載の方法。
【0138】
[実施例41]
内側スカート及び外側スカートを一緒に縫い合わせるステップが、内側スカートの流入端と縫い合わせとの間でおよそ0.5mmの距離を維持するステップを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例39又は40のいずれか一つに記載の方法。
【0139】
[実施例42]
外側スカートがポケットを形成するように、フレームの内側の上にフレームの流入端の周りに外側スカートを巻き付けるステップをさらに含み、内側スカートと外側スカートとを一緒に縫い合わせるステップが、フレームの内側上で外側スカートを内側スカートに縫い合わせるステップを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例36に記載の方法。
【0140】
[実施例43]
フレーム上に外側スカートを取り付けるステップが、フレームの流入端の周りに外側スカートを巻き付ける前に、外側スカートが少なくとも1.5mmフレームの流入端を越えて軸方向に延在するように、外側スカートをフレームに連結するステップを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例42に記載の方法。
【0141】
[実施例44]
内側スカート及び外側スカートを一緒に縫い合わせるステップが、外側スカートの流入端と縫い合わせとの間でおよそ0.5mmの距離を維持するステップを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例42又は43のいずれか一つに記載の方法。
【0142】
[実施例45]
フレームの内側上に内側スカートを取り付けるステップが、フレーム上のストラットの第一の列に内側スカートを縫い合わせるステップを含み、フレームの外側上に外側スカートを取り付けるステップが、フレーム上のストラットの第一の列よりもフレームの流入端により近く位置付けられたストラットの第二の列に外側スカートを縫い合わせるステップを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例36~44のいずれか一つに記載の方法。
【0143】
[実施例46]
内側スカートをフレームの内側上に取り付けるステップが、内側スカートの流出縁部分に含まれる複数のスリットが、ストラットの第一の列において隣接するストラット間の接合部から最大で0.5mmに位置付けられるように、内側スカートをストラットの第一の列に縫い合わせる前に、内側スカートの流出縁部分をストラットの第一の列と整列させるステップをさらに含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例45に記載の方法。
【0144】
[実施例47]
第三のスカートを内側スカート及び外側スカートに縫い合わせるステップが、第三のスカートの第一の端部分を内側スカートの流入縁部分に縫い合わせ、第三のスカートの第二の端部分を外側スカートの流入縁部分に縫い合わせるステップを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例36に記載の方法。
【0145】
[実施例48]
フレームが半径方向に拡張された状態にある時、ポケットの流入端が、フレームの複数の尖部から少なくとも0.5mm間隔を置いている、本明細書の任意の実施例、特に実施例36~47のいずれか一つに記載の方法。
【0146】
[実施例49]
ポケットが中空である、本明細書の任意の実施例、特に実施例36~48のいずれか一つに記載の方法。
【0147】
[実施例50]
ポケットがフレームの流入端の周りに円周方向に延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例36~49のいずれか一つに記載の方法。
【0148】
[実施例51]
人工心臓弁であって、
流入端及び流出端を含む環状フレームであって、フレームが、半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張された状態との間で半径方向に圧縮可能かつ拡張可能であり、フレームが流入端で複数の尖部を含む、環状フレームと、
フレーム内に位置付けられ、フレーム内に連結された弁尖アセンブリであって、弁尖アセンブリがフレーム内に完全に位置付けられた複数の弁尖を備える、弁尖アセンブリと、
スカートアセンブリであって、
フレームの内側の周りに円周方向に延在し、流入縁部分及び流出縁部分を有する、内側スカートと、
フレームの外側の周りに円周方向に延在し、流入縁部分及び流出縁部分を有する、内側スカートから分離された外側スカートと、を備える、スカートアセンブリと、を備え、
内側スカート及び外側スカートの流入縁部分が、フレームの流入端に隣接するポケットを形成するように互いに連結され、尖部がポケット内に配置され、ポケットが流入端を有し、
フレームが半径方向に拡張された状態にある時、尖部が、ポケットの流入端から間隔を置いており、フレームが半径方向に拡張された状態から半径方向に圧縮された状態へと半径方向に圧縮される時、尖部が、ポケットの流入端のより近くに移動する、人工心臓弁。
【0149】
[実施例52]
内側スカート及び外側スカートの流入縁部分がフレームの流入端を越えて軸方向に延在し、フレームの流入端の上流にある位置で一緒に縫い合わされてポケットを形成する、本明細書の任意の実施例、特に実施例51に記載の人工心臓弁。
【0150】
[実施例53]
内側スカートの流入縁部分がフレームの流入端を越えて軸方向に延在し、尖部の周りに巻き付けられ、フレームの外側上で外側スカートに縫い合わされてポケットを形成する、本明細書の任意の実施例、特に実施例51に記載の人工心臓弁。
【0151】
[実施例54]
外側スカートの流入縁部分がフレームの流入端を越えて軸方向に延在し、尖部の周りに巻き付けられ、フレームの内側上で内側スカートに縫い合わされてポケットを形成する、本明細書の任意の実施例、特に実施例51に記載の人工心臓弁。
【0152】
[実施例55]
スカートアセンブリが、内側スカート及び外側スカートから分離し、フレームの流入端を越えて延在し、ポケットの少なくとも一部分を形成する、第三のスカートを備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例51に記載の人工心臓弁。
【0153】
[実施例56]
第三のスカートが、内側スカートと外側スカートとの流入縁部分に縫い合わされる、本明細書の任意の実施例、特に実施例55に記載の人工心臓弁。
【0154】
[実施例57]
内側スカート及び/又は外側スカートが、フレームの流入端を越えて延在し、また、第三のスカート及び内側スカート及び/又は外側スカートがポケットを形成するように、ポケットの少なくとも一部分を形成する、本明細書の任意の実施例、特に実施例55又は56に記載の人工心臓弁。
【0155】
[実施例58]
第三のスカートが、フレームの第一の列のオープンセルでそれ自体に縫い付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例55に記載の人工心臓弁。
【0156】
[実施例59]
第三のスカートが単独でポケットを形成する、本明細書の任意の実施例、特に実施例55又は58による、人工心臓弁。
【0157】
[実施例60]
内側スカート及び/又は外側スカートが第三のスカートの周りに延在する、本明細書の任意の実施例、特に実施例51~59のいずれか一つに記載の人工心臓弁。
【0158】
[実施例61]
内側スカートが、流入縁部分で、又はその近くで、及び流出縁部分で、又はそれらの近くで、フレームに縫合されている、本明細書の任意の実施例、特に実施例51~60のいずれか一つに記載の人工弁、請求項51~55のいずれか一つに記載の人工心臓弁。
【0159】
[実施例62]
外側スカートが、流入縁部分で、又はその近くで、及び流出縁部分で、又はそれらの近くで、フレームに縫合されている、本明細書の任意の実施例、特に実施例51~61のいずれか一つに記載の人工弁。
【0160】
[実施例63]
内側スカート及び外側スカートの両方が、第一のセットの縫合を介してフレームのストラットの第一の列に縫合され、また両方が、第二のセットの縫合を介してフレームのストラットの第二の列に縫合され、ストラットの第一の列が、ストラットの第二の列よりもフレームの流入端により近接して位置付けられる、本明細書の任意の実施例、特に実施例51~62のいずれか一つに記載の人工弁。
【0161】
[実施例64]
外側スカートが、流入縁部分と流出縁部分との間で束ねられた部分を備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例62又は63のいずれか一つに記載の人工弁。
【0162】
[実施例65]
外側スカートが束ねられた部分においてジグザグパターンで折り畳まれる、本明細書の任意の実施例、特に実施例64に記載の人工弁。
【0163】
[実施例66]
外側スカートの束ねられた部分が、フレームが半径方向に圧縮される時に、広がって軸方向に長くなる、本明細書の任意の実施例、特に実施例59又は60のいずれか一つに記載の人工弁。
【0164】
[実施例67]
実施例1~35のいずれか一つに記載の主題をさらに含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例51~66のいずれか一つに記載の人工弁。
【0165】
開示される発明の原理が適用され得る多くの可能な実施例を考慮すると、例示される実施例が、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではないことは、認識されるべきである。むしろ、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって定義される。したがって、これらの特許請求の範囲及び趣旨の範囲内にある全ての発明を、我々の発明として特許請求する。
【符号の説明】
【0166】
10 人工心臓弁、12 フレーム、14 弁尖アセンブリ、15 弁尖、16 スカートアセンブリ、17 内側スカート、18 外側スカート、20 ポケット、22 流入端、24 流出端、26 ストラット、32 接合部、62 尖部、66,128 流入縁部分、68,130 流出縁部分、98 スリット、302 第三のスカート
【国際調査報告】