(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】耳鳴りを治療するための統合化学物理的システム
(51)【国際特許分類】
A61N 1/40 20060101AFI20240305BHJP
A61P 27/16 20060101ALI20240305BHJP
A61B 5/12 20060101ALI20240305BHJP
A61F 11/00 20220101ALI20240305BHJP
A61K 31/506 20060101ALN20240305BHJP
A61K 31/4415 20060101ALN20240305BHJP
A61K 33/06 20060101ALN20240305BHJP
A61K 31/714 20060101ALN20240305BHJP
A61K 31/513 20060101ALN20240305BHJP
A61K 36/9068 20060101ALN20240305BHJP
A61K 36/734 20060101ALN20240305BHJP
A61K 36/53 20060101ALN20240305BHJP
【FI】
A61N1/40
A61P27/16
A61B5/12
A61F11/00 350
A61K31/506
A61K31/4415
A61K33/06
A61K31/714
A61K31/513
A61K36/9068
A61K36/734
A61K36/53
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558661
(86)(22)【出願日】2022-03-23
(85)【翻訳文提出日】2023-11-21
(86)【国際出願番号】 IB2022052653
(87)【国際公開番号】W WO2022201058
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】102021000007154
(32)【優先日】2021-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519161609
【氏名又は名称】ティンニテック リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ブランディマルテ,ブルーノ
(72)【発明者】
【氏名】ポッツァート,ジャナントニオ
【テーマコード(参考)】
4C038
4C053
4C086
4C088
【Fターム(参考)】
4C038AA04
4C038AB10
4C053BB01
4C053BB34
4C053DD01
4C053LL12
4C086AA01
4C086BC18
4C086BC42
4C086BC83
4C086CA00
4C086DA39
4C086GA07
4C086GA10
4C086HA04
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA52
4C086NA05
4C086ZA34
4C086ZC24
4C088AB38
4C088AB51
4C088AB81
4C088AC03
4C088AC04
4C088AC05
4C088BA06
4C088BA08
4C088MA52
4C088NA05
4C088ZA34
(57)【要約】
耳鳴りを治療するための統合タイプの治療法を適用するためのデバイス(200)であって、当該方法は、当該専用技術デバイスによって雑音、同じ上述の技術デバイスによって低周波数及び高周波数の電磁波、場合によっては、経口経路によって選択される機能調整物質の投与を提供する。好ましくは、当該方法は、経口経路によるカプセル剤又は液剤の投与を提供する生化学的ステップと、音響信号及び電磁波を投与するための物理的ステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耳鳴りを治療するように構成された音響デバイス(200)であって、前記音響デバイス(200)は、
-具体的には、実質的にヘッドセットの形態である、装着可能な支持体(201)と、
-治療音響信号を送出するように構成された音響信号発生手段(207、208)と、
-前記音響信号発生手段(207、208)に接続された、一対の音響エミッタ(202、203)であって、各音響エミッタは、使用時にユーザのそれぞれの耳介に位置付けられるように前記装着可能な支持体(201)上に配置されている、一対の音響エミッタ(202、203)と、
-電磁信号を発生させるための手段(206、209)であって、前記手段は、治療の電磁信号を送出するように構成され、使用時にユーザの耳介又はその近傍に位置付けられるように前記支持体(201)によって担持される第1の誘導性刺激手段(204、205)及び第2の容量性刺激手段(214、215)を含む、電磁信号を発生させるための手段(206、209)と、を備え、
前記第1の誘導性刺激手段(204、205)は、聴神経の領域内で第1の電磁信号を送出するように構成されており、前記第2の容量性刺激手段(214、215)は、蝸牛領域において、具体的にはコルチ器において第2の電磁信号を送出するように構成されている、音響デバイス(200)。
【請求項2】
前記第2の容量性刺激手段(214、215)は、好ましくは1MHz~100MHzに含まれる周波数で、無線周波数の第2の電磁信号を送出するように構成されている、請求項1に記載の音響デバイス(200)。
【請求項3】
前記無線周波数の第2の電磁信号は、主信号と、1つ以上の二次信号と、を含み、前記1つ以上の二次信号は、2MHz~100MHzの周波数を含み、前記1つ以上の二次信号は、前記主信号と同時に送出され、徐々に減少する幅を有する、請求項2に記載の音響デバイス(200)。
【請求項4】
前記第2の容量性刺激手段(214、215)は、半円形状を有する、一対の板状素子によって形成されたコンデンサを備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の音響デバイス(200)。
【請求項5】
前記容量性刺激手段(214、215)は、送出される前記第2の電磁信号の前記周波数に比例する厚さを有する絶縁材料でコーティングされている、請求項1~3のいずれか一項に記載の音響デバイス(200)。
【請求項6】
前記第1の誘導性刺激手段(204、205)は、1kHz~30kHzに含まれる周波数で前記第1の電磁信号を送出するように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の音響デバイス(200)。
【請求項7】
前記音響信号発生手段(207、208)から2つ以上の入力音響信号を受信し、前記治療音響信号を送出するように構成された混合ユニット(210)を更に備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の音響デバイス(200)。
【請求項8】
前記音響信号発生手段(207、208)は、可変周波数を有する治療音響信号を送出するように構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の音響デバイス(200)。
【請求項9】
前記音響信号発生手段(207、208)は、5Hz~20kHzに含まれる周波数を有する二次音響信号を発生させるように構成された補助音響発生器(208)を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の音響デバイス(200)。
【請求項10】
前記音響信号発生手段(207、208)及び/又は前記電磁信号を発生させるための手段(206、209)は記憶手段を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の音響デバイス(200)。
【請求項11】
前記音響信号発生手段(207、208)は、前記音響デバイスの外部の信号データベース(211)に接続されるように構成されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の音響デバイス(200)。
【請求項12】
前記音響デバイスと、データを送信及び/又は記憶し、前記音響デバイス自体を遠隔でプログラミングするように構成された制御及びプログラミングシステムとの間の接続を確立するように構成された双方向通信手段を更に備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の音響デバイス(200)。
【請求項13】
前記接続は、好ましくは無線ネットワーク接続であり、前記双方向通信手段は、前記制御及びプログラミングシステムによって実装されるように意図されたオペレータインターフェースと使用時に接続される前記音響デバイス(200)用のユーザインターフェースが設けられたオペレーティングシステムを備える、請求項12に記載の音響デバイス(200)。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の音響デバイス(200)と、経口投与用の組成物と、を含む、耳鳴り治療用のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耳鳴りを治療するためのデバイス及び経口投与用の組成物に関し、新しい統合治療法を更に提案する。本発明は更に、当該デバイス及び組成物を含む治療キットに関する。
【背景技術】
【0002】
用語耳鳴りは、音が外部から生じていない場合であっても、片耳若しくは両耳において、又は頭の中で雑音が知覚される状況を指す。耳鳴りは、「耳の音響迷路の生理学的刺激が不在の場合の音の知覚」と定義され得、蝸牛から皮質に位置する中心脳領域までの音響経路の任意の領域の異常なストレスによって引き起こされる。
【0003】
したがって、耳鳴りは、血管、耳管、筋肉又は顎関節において発生し得る、頭蓋骨を介して伝達される他の雑音とは全く異なる。これらの雑音は、自然な方法で耳を刺激し、耳鳴りを患っている対象者以外の人々によっても知覚され得る。このため、このようなタイプの「音」は他覚的耳鳴りと定義され、自覚的耳鳴りと呼ばれる本物の耳鳴りは、耳鳴りを訴える人のみが聞くことができる。
【0004】
自覚的耳鳴りは、大部分が急性の傾向を有し、多くの場合、聴覚低下(難聴)を伴う。聴力検査では、耳鳴りの周波数を測定することが可能である(耳鳴り検査)。興味深いことに、実験室の機器で測定した場合、耳鳴りの音量は、同じ患者によって知覚される耳鳴りの深刻さとは無関係である。
【0005】
耳鳴りは、患者によって異なる特徴を有する。例えば、一部の人々は、例えばコンサート後など、非常に強い雑音に曝された直後にのみ聴覚障害を知覚する。これに対して、他の対象者は、注意を払うたびに微弱の雑音を耳にすると言うが、ほとんどの対象者は、その雑音を他の環境音と区別することができない。
【0006】
耳鳴りは、耳(耳性の原因)又は生物全体(耳性以外の原因による耳鳴り)に影響を及ぼし得る疾患の症状である。
【0007】
耳鳴りをもたらし得るいくつかの原因は、その多くがほとんど解明されておらず、そのために症状の診断及び治療が困難になっており、その根底に、神経過活動が存在することが確認されているようである。
【0008】
多くの治療法の選択肢が提案されており、それらが依然として使用されている。それらのそれぞれは、単独症例において良好な結果を与え得る。
【0009】
薬物療法は、血管拡張薬、抗不安薬及び抗うつ薬(アミトリプチリン)、生薬(例えば、イチョウ抽出物)又はサプリメントの使用に基づいている。
【0010】
外科的治療はまさに破壊的手術(demolitive operation)に基づいており、患者の耳鳴り側の聴力を奪う最も深刻な場合のためのものである。
【0011】
理学療法は、リラックス効果のある音を聞くことに患者が慣れる(音響療法)及び適切な音を発することによって耳鳴りの知覚を妨げることができるマスカーと呼ばれる特定の音響人工装具を使用するという事実に基づいている。
【0012】
場合によっては、減圧室内で行われ、内耳の細胞を酸化し、再活性化する目的を有する高圧酸素療法も成功裏に用いられた。
【0013】
栄養学的観点からは、神経過活動を引き起こすことができる食物は、一般に推奨されない。良好な治療効果は以下に関連していると考えられる。
■グリシド及び炭水化物(代謝性ケトーシス)を排除することによるタンパク質をベースにした食事、
■ヒスタミンの放出を刺激することができる食物を排除する食事(例えば、鮭及びマグロ)、
■タウリン及びグリシン(これらは、ニューロンを阻害する)をベースとした食事。
■プリン類をベースとした食事(緑色野菜、ノンアルコールビール、アロプリノール)。
【0014】
最後に、国際公開第2018/087645(A1)号に記載されているタイプの統合タイプの治療も提案されており、患者の聴覚システムにおいて好適な(音響及び/又は電磁)信号を送出するように構成された装置の使用を、生物用の機能調節物質の投与と組み合わせて提供する。
【0015】
しかしながら、耳鳴りは、無視できない社会的影響を伴う、非常に一般的な疾患であるにもかかわらず、単独使用向け、統合タイプのいずれについても、具体的には、特定の患者の必要性に応じたモジュール式の、本当に効果的であり、かつ多用途の技術システム及び治療は未だに見出されていない。更に、使用されているシステム及び治療は、疾患の低減又は遅延に有益な効果を示す、有意な期間を得ることに成功していない。これは、そのような効果が、送出装置(例えば、ヘッドホン)を取り外した直後に効力を失うためである。
【発明の概要】
【0016】
したがって、本発明によって提起され、解決される技術的問題は、具体的には技術デバイスの使用に基づいて統合治療システムを提供することであり、既知の技術に関して上述の欠点及び限界を未然に防ぐことができる物質の投与と組み合わされることが好ましいが、必ずしもそうである必要はない。
【0017】
このような問題は、請求項1に記載のデバイスによって解決される。
【0018】
本発明の好ましい特徴は、従属請求項に記載されている。
【0019】
本文脈において、「音響信号」とは、任意の期間の音波又は音の単純な又は複雑な組み合わせを意味する。
【0020】
本発明は、耳鳴りを治療するための統合タイプの治療法に基づいている。
【0021】
具体的には、本発明のデバイスは、同じ疾患の低減又は遅延に有益な効果を示す有意な期間を患者側で得ることによって、耳鳴りを治療することを可能にする。
【0022】
そのような方法は、以下を投与する。
-音、
-好適に量子化された低周波電磁波、
-蝸牛、具体的にはコルチ器官の領域内で供給される、高周波電磁波、
-場合によっては、経口経路による、選択された機能調節物質。
【0023】
音、並びに高周波及び低周波の両電磁波は、単一の専用技術デバイスによって患者に投与されることが好ましい。
【0024】
特に、必須ではないが好ましくは、当該方法は、有利には様々な活性成分を相乗作用させように予め確立された投与量及び薬量学に従って、経口経路によるカプセル剤又は液剤の投与を提供する生化学的ステップを含み、後者は好ましくは天然由来である。
【0025】
上述したように、本方法は、好ましくは同一の専用技術デバイスによって、高周波数及び低周波数の音及び電磁波を投与するための分析/送出ステップを更に含む。
【0026】
好ましくは、そのようなデバイスは、ディスペンサ「ヘッドホン」と、オペレータ(耳鼻科医又は聴力検査者)又は患者が、疾患の特性及び患者自身の実際の治療必要性により良く適合するように治療をカスタマイズすることを可能にするプログラミング可能な制御ユニットと、を備える。
【0027】
その好ましい実施形態において、提案される方法は、次いで、以下の6つの別個の治療的介入を統合する。
-疾患のオトメトリック分析(otometric analysis)、
-治療プログラムの準備、
-音の投与、
-低周波数電磁波の投与、
-高周波電磁波の投与、
-経口経路による物質の潜在的な投与。
【0028】
本発明の他の利点、特徴、及び使用モードは、限定的な目的ではなく例として示される、いくつかの実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
添付の図面の図を参照する。
【
図1】本発明の好ましい実施形態による、音並びに低周波及び高周波の電磁波の投与のための、好ましくは本発明による経口投与用の組成物と共に、同じ耳鳴り治療での使用が意図される、技術デバイスの概略図を示す。
【
図1A】本発明のデバイス内に実装される、電磁刺激のための容量性手段の好ましい実施形態を示す。
【
図2】
図1に示される音響/電磁デバイスの好ましい実施形態の回路設計のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
初めに
図1を参照することによって、全体として200で示される、本発明による投与/音響及び電磁刺激のためのデバイスについて説明する。
【0031】
そのようなデバイスの好ましい実施形態、具体的にはデバイスが実装するブロック回路図の概略図が
図2に示される。
【0032】
デバイス200は、好ましくはヘッドセットの形態である、装着可能な支持体201を備える。
【0033】
デバイス200は、支持体201に接続された、一対の音響ディスペンサ、すなわちエミッタを備える。具体的には、右ディスペンサ202及び左ディスペンサ203が設けられ、それぞれが、それぞれの耳介において音響信号を投与するように適合され、この目的に合わせて好適に成形されている。ディスペンサ202及び203は、1つ以上の自由度に従って固定又は可動になり、場合によっては取り外し可能に支持体201に接続され得る。
【0034】
各ディスペンサ202、203又はその近くには、電磁刺激手段が更に設けられており、これについては以下で詳細に説明する。
【0035】
エミッタ202及び203並びに電磁刺激手段は、好ましくは、デバイス200の追加ユニットに、好ましくは、音響信号及び電気信号をそのようなエミッタ及び電磁刺激手段にそれぞれ直接提供する、信号を混合するユニット210に接続される。混合ユニット210では、それらの相対的なエネルギーの供給も可能である。
【0036】
次に、混合ユニット210は、以下に説明するデバイス200の1つ以上の追加構成要素と、好ましくは双方向に通信する。
【0037】
好ましくは、プログラミング音響信号を処理するように構成された制御ユニット(図示せず)が設けられる。そのような信号は、耳鳴り疾患の周波数及び強度を測定するための聴力検査によって測定され、制御ユニットは、第1の音響発生器207を制御するように構成されており、その結果、後者は、耳鳴り知覚を対比させるのに好適な、治療信号と呼ばれる主音響信号を送出する。
【0038】
好ましくは、発生器207に関連する治療音響信号は、混合ユニット210を通してエミッタ202及び203によって送出される。
【0039】
具体的には、制御ユニットは、聴力検査で得られたデータを記憶して処理し、それらを使用して治療音響信号の発生器207をプログラミングする。デバイス200の制御ユニット及び/又は他の構成要素は、音響信号及び電磁信号の両方の周波数及び強度を測定する、並びに/又は決定するための手段が設けられていることが好ましい。
【0040】
発生器207は、ディスペンサ202及び203を介して、好ましくは、周波数及び強度に関して、聴力検査で決定されたプログラミング音響信号又は(部分的に)異なる音響信号と同じ特徴を有する当該治療音響信号を対象者に投与する。
【0041】
好ましくは、対象者に投与され、発生器207に関連する治療音響信号は、例えば、音符、音楽、ホワイトノイズなどの雑音など二次音響信号(すなわち、サブ信号)と混合(又は変調)される。
【0042】
この目的のために、デバイス200は、混合ユニット210と通信している、音響信号の第2の発生器、すなわち参照番号208で示される補助発生器を設ける。
【0043】
当該補助発生器208は、二次音響信号、具体的には、副音から超音波までの特定の音を送出するように構成されている。
【0044】
そのような二次音響信号は、好ましくは正弦波であり、約5Hz(副音)~約20kHz(超音波閾値)に含まれる周波数を有し、この二次音響信号は、実行されるべきアプリケーションのタイプに基づいて周波数及び強度の両方についてオペレータによって好適に選択され得る。次いで、オペレータは、例えば、第2の音響信号の1つ以上の好適な周波数(及び対応する強度)を探し求め、選択し、記憶することができる。
【0045】
補助音響発生器208は、送出されるべき二次音響信号を制御し、調整するための制御パネルを備えるか、又はそれに関連付けられていることが好ましい。好ましい実施形態では、補助音響発生器208は内部記憶手段を備える。
【0046】
好ましい実施形態では、二次音響信号は、混合ユニット210を介して、発生器207によって提供される主音響信号に混合される。その後、そのように混合された信号は、エミッタ202、203を介して対象者に治療音響信号として投与される。
【0047】
有利には、ディスペンサ202及び203を介して、5Hz(副音)~20kHz(超音波閾値)に含まれる第2の音響信号が、上述の主治療音響信号とは別に、又はそれと併せて提供され得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、第2の音響信号は、第1の音響発生器207を介して得られた主音響信号を変調する機能を有し得る。
【0049】
更なる実施形態では、二次音響信号は、発生器208に予め記憶され得るか、又は発生器208を音楽信号、雑音、若しくは他の音響信号(音楽療法)のデータバンク若しくは外部発生器に接続する補助入力211を介して提供され得る。
【0050】
図1の例では、補助音響発生器208は、補助入力211と共に設けられる音響信号の増幅器として構成され得る。
【0051】
デバイス200は、好ましくは、
図2において参照符号Aで一般的に示される、例えば増幅器、アナログ-デジタル変換器、聴力検査測定器、マルチプレクサなど、異なる性質又は起源の音響信号を管理するための好適な電子構成要素を備える。
【0052】
制御ユニットは、デバイス自体の全てのユニット及び構成要素と双方向通信することが好ましい。
【0053】
予想されるように、デバイス200は、電磁刺激手段、具体的には、誘導性手段及び容量性手段を更に備える。
【0054】
誘導タイプの電磁刺激手段は、図において参照番号209で示されるそれぞれの信号発生器と、好ましくは、各ディスペンサ202、203に、又はその近くにインダクタソレノイド204、205と、を備える。
【0055】
好ましい実施形態では、各インダクタソレノイド204、205は、耳の内側領域内及び聴神経において微小電気信号の電気誘導を生じさせるのに好適な電磁場を作り出すように、具体的には0.2~0.4mmの範囲に含まれる断面を有し、例えば20~100に含まれる巻数を有するエナメル銅線の巻線からなる。
【0056】
一実施形態によると、音響発生器207、208のうちの1つ以上によって得られた音響信号は、当該制御ユニットによって、場合によっては混合ユニット210の制御ユニットによって、電磁刺激誘導性手段204及び205に送られる。制御ユニットは、受信信号を処理/変換し、電磁刺激誘導性手段204及び205に対応する制御を提供する。
【0057】
電磁刺激誘導性手段204、205は、軽度の充血を生じさせ、脳への疾患の伝染を妨げる微小電気刺激を聴神経の領域内で誘導することができる、第1の電磁信号を送出する。
【0058】
聴神経に誘導されるそのような微小電気信号は、熱エネルギーの送達によって、細胞レベルで、酸素に対する相対的要求を伴う(微小血液経路による)ATPのADPへの変換を活性化し、電気神経伝達において疾患信号に利用可能な電気空間を減少させることを可能にする。
【0059】
容量性手段は、蝸牛において、具体的にはコルチ器内で第2の電磁信号を送出するように構成されている。電磁刺激容量性手段は、当該ディスペンサ202、203のそれぞれに容量性エミッタ214、215を備える。
【0060】
好ましくは、電磁刺激容量性手段は、使用時にコルチ器に位置付けられることになるように、デバイス200の支持体201によって担持される。
【0061】
具体的には、当該電磁刺激容量性手段は、支持体201内に配置され、コルチ器及び蝸牛領域全体の器官において信号を発するように構成されており、コルチ器は、蝸牛の中心領域に位置する。
【0062】
誘導経路によって得られる前述の電磁刺激に加えて、電磁刺激容量性手段は、第2の追加の高周波電磁信号、具体的には無線周波数信号、好ましくは1MHz~100MHzに含まれる周波数の信号を送出することを可能にする。
【0063】
当該高周波電磁信号は、「基本波」と示される主信号及び「高調波」と示される、異なる周波数の二次信号の両方を含むように構成され得る。例えば、そのような高調波は、2MHz~100MHzに含まれる周波数を提供し、基本信号へと同時に、幅が徐々に減少して送出される。
【0064】
好ましい実施形態では、
図1Aの例に示されるように、当該電磁刺激容量手段214、215は、一対の導電素子C’、C’’を介して実装されるコンデンサCを備える。好ましくは、各音響エミッタ202、203において、コンデンサCが存在する。
【0065】
導電素子C’、C’’は、コンデンサの典型的な導体-絶縁体-導体構成を構成するように、導電素子の間で、かつデバイス200の外部に対して、具体的には、デバイスを装着する患者の皮膚に対して絶縁される。
【0066】
好ましくは、各導電素子は、実質的に半円形の板状素子、又は板、又は外装形状の形態で実装される。その結果、有利には、(具体的には、デバイス200のパビリオンの構造の内側での)全体寸法を縮小した実装が可能である。
【0067】
好ましい実施形態によると、当該導電素子C’、C’’は多層構造を有し、印刷回路から開始して得ることができる。
【0068】
導電素子C’、C’’は導電性材料で作製され、例えば、約5mmに等しい距離でその間を離される。
【0069】
導電素子C’、C’’は、好ましくは40mm以下の平面サイズを有する支持体、すなわち基板Sに塗布されることが好ましい。刺激容量性手段214、215は、絶縁手段、例えば印刷回路用塗料の層でコーティングされ得る。
【0070】
好ましい実施形態によると、絶縁手段は、存在する場合に当該塗料の層に塗布された、絶縁材料で作製されたシートFを備える。当該シートFは、10分の1ミリメートル程度の厚さを有することが好ましい。シートFの厚さは、電磁信号が容量性エミッタによって送出される(無線)周波数に対応するボルト単位の値に応じて選択され得る。
【0071】
好ましくは、導電素子C’、C’’は、絶縁手段、具体的には当該絶縁シートFが、装着デバイスの条件下で患者の方を向くようになるように、デバイス200に組み込まれる。
【0072】
各容量性エミッタ214、215、具体的には導電素子C’、C’’の各対は、
図1において参照番号206で示される無線周波数信号発生器に接続されている。
【0073】
無線周波数信号発生器は、当該制御ユニット、好ましくは混合ユニット210によって、信号を容量性エミッタ214、215に送信する。
【0074】
具体的には、各容量性エミッタ214、215、又はそれらを構成する導電素子の各対は、使用時に、デバイスを装着している患者のコルチ器に位置付けられることになる。
【0075】
有利には、電磁刺激容量性手段は、第2の高周波電磁信号を、好ましくは低強度、例えば5mW(ミリワット)~50mW(ミリワット)に含まれる強度で送出するように構成されている。
【0076】
容量性経路によって得られる第2の電磁信号は、蝸牛領域の中心に位置するコルチ器又は蝸牛領域の他の部分を構成する振動細胞の潜在的な過剰興奮又は潜在的な炎症を、それらの脱励起効果を生じさせ、したがって耳鳴り疾患の起源である電気信号を発生させるそれらの能力を低減させることによって低減することができる。
【0077】
予想されるように、制御ユニットは、前述の様々な発生器、ユニット、及び素子の共通構成要素、すなわち共有構成要素として設けられ得る。好ましくは、制御ユニットはマイクロプロセッサタイプである。
【0078】
更に、上述のユニット及び発生器は、構造的に異なるものとして説明されているが、同じ多機能デバイスに有利に組み込まれる。
【0079】
したがって、プログラミング音響信号は、デバイスの典型的な使用中に、耳鳴りの強度及び周波数を特定する聴力検査を通して患者で行われる試験に基づいて決定される。そのような決定が行われると、送出される治療信号が開発され、この信号は、場合によって音響発生器207、208内に記憶され、安定して使用され得る。
【0080】
有利には、治療信号は、追加の音響信号及び/又は電磁信号と組み合わせて主音響信号を提供する。
【0081】
治療信号の特徴、具体的には、変調信号の周波数及び刺激の電磁部分の変調信号の周波数は、耳鳴り雑音を低減する感覚を患者で試験することによって、第1の治療セッションにおいて確立され得る。
【0082】
図2に示されるデバイスの実施形態を参照すると、電磁刺激誘導性手段は、音響信号の送出と同時に、好ましくは1kHz~30kHzの様々な周波数の第1の電磁信号を送出することができる。
【0083】
例えば、オペレータは、制御パネルPを介して、手段207によって発生させる主音響信号の周波数及び/又は強度を選択することができる。
【0084】
主音響信号は、二次音響信号208’及び/又は208’’と、例えば、基本波+10%、基本波-10%、又はホワイトノイズに等しい音響信号と混合(又は変調)され得る。変調音響信号のタイプを選択する手段Mが設けられることが好ましい。
【0085】
このようにして得られた混合(又は変調)音響信号は、音響エミッタ202、203に送られ、及び/又は混合ユニット210によって処理され、次に、誘導性手段に関連付けられ、発生器209によって発生した電磁信号の変調信号として作用することができる。
【0086】
誘導型の電磁信号の周波数(及び/又は強度)、例えば、5kHz、10kHzに等しい試験周波数が使用され、30kHzまでの試験周波数が徐々に試され得る。
【0087】
図2には示されていないが、類似の手順を、電磁刺激容量性手段の代わりに、又はそれと併せて、具体的には、選択された信号を無線周波数発生器206の信号で変調することによって適用することもできる。
【0088】
最良の周波数を選択し、第2のセッションで確認することもできる。
【0089】
エミッタ202、203、電磁刺激誘導性手段204、205、及び/又は容量性手段214、215をそれぞれ用いて対象者に投与される音響信号及び/又は電磁信号は、診断ステップ中に見出された疾患の特徴に応じて、右又は左の耳介に関して異なる特徴を有し得るか、又は1つの耳介のみに投与され得る。
【0090】
図2において、参照符号R及びLで示されたブロックは、送出される治療(又はプログラミング)(音響/電磁)信号のタイプごとにデバイス200の右チャネル又は左チャネルを独立して又は合わせて選択する可能性を示す。
【0091】
有利には、上述した音響エミッタ202~203、刺激誘導性手段204~205、刺激容量性手段214、215、発生器及びユニット206~211を含むデバイス200全体は、完全に装着可能であり、すなわち、そのような発生器及びユニットは、支持体201上に、又は患者の身体に当てることができる、別の可搬ベース上に配置されている。
【0092】
デバイス200は、再充電可能な場合には電池によって自己給電され得、及び/又は外部エネルギー源に接続され得る。バッテリの消耗は、例えば制御パネル上で伝達され得、バッテリ充電器との接続を有効化することができる。
【0093】
その好ましい実施形態では、デバイス200は、当該デバイスと制御及びプログラミングシステムとの接続を確立するように構成された、双方向通信手段を備える。そのような双方向通信手段は、デバイス200に対するデータの送信及び/又は記憶、並びに後者の遠隔プログラミングを可能にする。
【0094】
有利には、そのような接続は、好ましくは無線ネットワーク接続であり、双方向通信手段は、制御及びプログラミングシステムによって実装されるように意図されたオペレータインターフェースと使用時に接続されるデバイス(200)用のユーザインターフェースが設けられたオペレーティングシステムを備える。
【0095】
例えば、デバイス200には、電子システムと、データの送信及び記憶、並びにUSB、イーサネット、及びWiFiなど様々な性質のポートを介した相対パラメータや遠隔からの動作及び健康命令を用いたシステム及び臨床治療のプログラム可能性を目的とする、患者用インターフェース及び医師用の直接の又はiクラウドを介したインターフェースを含むネットワーク接続のための複数の技術と、が提供される。このように遠隔接続で動作することができることにより、動作をロック及びロック解除するためのチェック及び許可、元の医療指示に忠実な治療、並びに国内及び国際保健機関のガイドラインに従って遠隔医療として認定される診断/治療保健サービスを得ることを保証する、患者に与えられた指示及び許可を読み取り、記憶することが可能になる。
【0096】
要約すると、本方法の物理的部分は、以下に示す主ステップに従ってその動作を展開する。
■聴力検査分析の方法によって、耳鳴りを生じさせる信号を決定する(周波数とは別に、疾患の強度も定義する)。これを可能にしたバージョンのデバイスで内部的に、あるいは外部測定器を用いて行う。
■疾患信号の脳への伝達を圧縮し、低減することが可能である追加の音響信号と混合した場合は、疾患に対応する音響信号を対象に投与する。
■軽い充血を生じさせ、神経伝達を占有することによって脳への疾患の伝染を妨げる誘導型の電磁刺激手段によって、低周波微小電気信号の聴神経の領域内で誘導する。
■コルチ器を構成し、脳への疾患の伝染を妨げる振動細胞の過剰興奮及び潜在的な炎症を低減する容量型の電磁刺激手段によって、高周波電磁信号をコルチ器領域内で与える。
【0097】
好ましくは、上記のステップは、経口経路によって投与され、以下に記載される活性成分の投与と同時である。
【0098】
経口投与用の組成物は、以下の活性成分、すなわち、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンB12、オロチン酸リチウム、マグネシウム、ショウガ、サンザシ、及びレモンバームのうちの1つ以上を含み得る。
【0099】
組成物中で使用される用量単位当たりの当該活性成分の濃度の例は、以下のとおりである。
■5mg~50mg、好ましくは25mgのビタミンB1、
■0.5~2mg、好ましくは1mgのビタミンB6、
■0.5mg~2mg、好ましくは1mgのビタミンB12、
■0.5mg~2mg、好ましくは1mgのオロチン酸リチウム、
■100mg~500mg、好ましくは300mgのマグネシウム、
■500mg~1000mg、好ましくは700mgのショウガ、
■400mg~1200mg、好ましくは600mgのサンザシ、
■600mg~1200mg、好ましくは900mgのレモンバーム。
【0100】
好ましい実施形態では、組成物は、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンB12、オロチン酸リチウム、マグネシウム、ショウガ、サンザシの抽出物、及びレモンバームの抽出物を活性成分として含む。
【0101】
一実施形態では、組成物中にサンザシとして、ヒトシベサンザシの葉及び花の抽出物、具体的には、1:2の比率の葉及び花の抽出物と、乾燥果実の粉末及び/又はレモンバームの乾燥葉の抽出物が使用される。
【0102】
組成物は、例えば、カプセル剤、軟カプセル剤、錠剤、丸剤、ゼリー剤、散剤又は顆粒剤、液剤、懸濁剤など製剤であり得、1種以上の賦形剤を含む。そのような賦形剤は、例えば、当該技術分野において通常既知であるものの中から選択され、a)担体、例えばクエン酸ナトリウム及びリン酸カルシウムなど、b)充填剤、例えばデンプン、ラクトース、微結晶性セルロース、スクロース、グルコース、マンニトール、及びコロイドシリカなど、c)湿潤剤、例えばグリセロールなど、d)崩壊剤、例えばアルギン酸塩、炭酸カルシウム、デンプン、デンプンの誘導体、セルロースの誘導体、ポリビニルピロリドンの誘導体、ケイ酸塩、及び炭酸ナトリウムなど、e)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、セルロースのポリマー誘導体、デンプン誘導体など、f)遅延剤、例えばパラフィン、セルロースポリマー、脂肪酸のエステルなど、g)吸収促進剤、例えば第四級アンモニウムの化合物など、h)湿潤剤及び界面活性剤、例えばセチルアルコール及びモノステアレートグリセロールなど、i)吸着剤、例えばベントナイト粘土及びカオリンなど、k)潤滑剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウムなど、j)流動促進剤、例えばタルク、コロイドシリカなどが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0103】
錠剤、カプセル剤、軟カプセル剤、ゼリー剤、丸剤及び顆粒剤などの固体剤形は、腸溶コーティング、胃溶コーティング、又は当技術分野で既知の他のタイプでコーティングされ得る。それらは、艶消し剤を含み得、活性成分のみの放出を、又は遅延放出の場合には、好ましくは腸の特定の管における放出を可能にするタイプのものであり得る。このような遅延使用を可能にし得る物質としては、ポリマー及びワックスが挙げられるが、これらに限定されない。
【0104】
組成物は、例えば、医療デバイス、栄養補助食品、栄養補給食品、食事及び栄養組成物、食品、飲料、栄養補給食品、医薬品、薬用食品、特定医療目的の食品、食品である。上述の活性成分の組み合わせは、様々な上述の実施形態による単一組成物に、又は異なる別個の成分を含むキットに、例えば、異なる成分の連続投与又は同時投与用のカプセル剤、丸剤、トローチ剤など単一組成物に製剤化されて使用され得る。
【0105】
上記組成物は、医薬品として、具体的には耳鳴りの予防及び/又は治療のための方法で使用するためのものである。好ましくは、当該組成物が少なくとも1日1回投与される治療法で使用する。
【0106】
一実施形態では、本発明は、耳鳴りに苦しむ対象者における治療法での本明細書に記載の組成物の使用を提供し、当該治療法は、当該対象者が、本明細書に記載の形態のいずれか1つによるデバイスを装着することを提供する。
***
【0107】
実際に、リラックス状態の患者は、前述の方法を受け入れやすいことが実験的に見出されており、この時点で、提案されたシステム及び方法が、薬理学的原理、好ましくは植物療法起源の同期使用に、胃腸摂取用の同期機能を有利に提供することができるが、必ずしもそうである必要はないことがより理解されるであろう。そのような原理は、それらの抗炎症及び循環、並びに弛緩作用の両方を用いて、聴覚測定分析ステップによって導かれる物理的手段の標的作用に対して、聴覚器官及びその伝達システムを準備する。治療システム全体は、別個のランダムな方法で適用され、また、はるかに限定された部分的作用を伴う、現在使用されている方法とは対照的に、明らかに相乗的である。
【0108】
具体的には、提案されたシステム及び方法は、主として疾患の耐性を増加させるための音響信号の遮蔽及び調整に向けられる、既知の解決策の問題を克服し、その後の治療セッションの実施による疾患の漸進的な低減の増加を伴う累積効果も示すことによって、数時間又は数日の期間にわたる耳鳴りの低減及び消失の特定の作用を可能にする。
【0109】
有利には、臨床診療において、本発明によって可能になる方法は、具体的には、全ての可能性を探って、患者に症状及び可能な治療について完全に説明することを支援するカウンセリング予備ステップに関連する。
【0110】
好ましくは、診断は、具体的には、聴力検査、耳鳴り検査、インピーダンス測定法、ABRなど耳の検査を目的とする機器による評価で完了する、専門家による検査によって、及び更なる耳性の原因に対する二次的な耳鳴りを診断するように適合された様々なタイプの他のチェック、例えば、血液検査、Ecg、ホルターEcg及び血圧、Eco-doppler TSA、X線、脳波図(EEG)、磁気共鳴(MR)などによって系統的に説明される。
【0111】
本発明の更なる態様に基づいて、耳鳴り疾患を患う患者の治療のための方法が提供され、この方法は、好ましくは、上記のような経口用組成物を当該患者に投与するステップ、並びに音及び電磁波を、好ましくは上記のデバイスを用いて投与する更なるステップを含むが、必ずしも含む必要はない。
【0112】
好ましい実施形態によると、治療法は、以下に例示するステップを含む。
【0113】
まず、経口経路によってカプセル剤又は液剤が摂取される。好ましくは、摂取はこのプロトコル(朝、例えば朝食前)に従う。
【0114】
摂取後、例えば少なくとも30分後、以下に示すように、第1の制御セッション及び連結式プログラミングに進む。
【0115】
音響発生器207を用いて、耳鳴り疾患の周波数及び強度が探し求められ、後者はdb単位で単独で定量化され、(紙の又は電子的な)表に記入され、例えばデバイス200の制御パネル上に表示される。この表は、耳鳴り疾患に関連する周波数/強度の対の数に応じて、F1(Hz),B1(db);F2(Hz),B2(db)など各タイプの対応を示す。
【0116】
得られたデータを用いて、音響発生器207及び場合によっては補助音響発生器208が(再)プログラミングされる。
【0117】
例えば、音響発生器207によって放出される治療音響信号は、プログラミングされ(好ましくは、「エンター」ボタンによって自動的に)、当該信号は、前述のように、場合によっては、補助発生器208によって発生させるか、又は補助入力211で提供される二次音響信号(サブ信号又は外部信号)と混合され得る。
【0118】
上述の(更には聴力検査の)測定、検証、及びプログラミングステップが実行されると、治療音響信号及び/又は治療電磁信号の送出に進む。
【0119】
ヘッドホン200の電磁刺激誘導性手段204、205を介して、例えば、音響信号207及び/又は208の発生器に関連する信号で変調される場合に、好ましくは1kHz~30kHzに含まれる次の周波数の第1の電磁信号を対象者に投与する。
【0120】
好ましくは、刺激誘導性手段は、好ましくは15~30分に含まれる適用時間にわたって電磁信号を送出する。
【0121】
同時に、電磁刺激容量性手段214、215は、好ましくはコンデンサCを介して、高周波数、具体的には無線周波数の電磁信号を送出する。容量性手段は、コルチ器及び蝸牛領域に属する周囲領域の器官において当該電磁信号を送出し、コルチ器は蝸牛領域の中心に位置付けられ、好ましくは患者がこの領域内でわずかな熱を感じるように調整される。
【0122】
上述の適用時間が経過すると、疾患状況に対する制御が実行される。
【0123】
セッション及び制御の終了時には、自動携帯装置が患者に委ねられる。この装置は、前のステップで決定されたとおりに送出するようにプログラムされ、好ましくは15~30分に含まれる治療時間にわたって朝に使用される必要がある。
【0124】
好ましくは、最初のセッションから約7日後に、プログラミングの有効性を検証するために主要パラメータについて記述するモジュールに入力し、場合によっては、患者に供給された装置の自動プログラミングを調整する。
【0125】
その後、モジュールは、週に1回入力され、場合によっては、第2のモジュールが追加の評価パラメータを用いて隔週で入力され得る。
【0126】
30日の治療後の制御セッションによって、治療自体の有効性の1回目の評価が可能になる。
【0127】
上述したように、有利には、本方法は、予備セッションの診療室で使用される、同一のプログラミング可能なデバイスによって実行され、その後は、自宅での使用が患者に委ねられる。好ましくは、本発明のデバイスは、患者自身がプログラミングを変更することはできない。
【0128】
以上、本発明を好ましい実施形態を参照して説明した。以下に報告される特許請求の範囲の保護範囲によって定義されるように、同じ発明のコアに属する他の実施形態が存在する可能性があることを意味する。
【国際調査報告】