(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】面状ライトガイドを備える装飾部品
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20240305BHJP
【FI】
F21S2/00 430
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558674
(86)(22)【出願日】2022-01-27
(85)【翻訳文提出日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 EP2022051844
(87)【国際公開番号】W WO2022199907
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】102021001512.6
(32)【優先日】2021-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】メルセデス・ベンツ グループ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Mercedes-Benz Group AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 120,70372 Stuttgart,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100101856
【氏名又は名称】赤澤 日出夫
(72)【発明者】
【氏名】ビーデル,フーバート
(72)【発明者】
【氏名】イェーガー,エファ-ズザンヌ
(72)【発明者】
【氏名】ベッツ,ダニエル
【テーマコード(参考)】
3K244
【Fターム(参考)】
3K244AA04
3K244BA50
3K244CA03
3K244DA01
3K244EA02
3K244EA12
(57)【要約】
本発明は、少なくとも3つの層(3、4、5、7)を備える面状ライトガイド(1)に関し、フィルム(4)として形成された2つの層が、これらの間に配置されたライトガイド層(3)よりも低い屈折率を有し、フィルム(4)は光の出力結合構造(6)を有する。本発明は、層(3、4、5、7)がフィルム複合体(2)を形成し、フィルム複合体においてライトガイド層がフィルム(3)として形成されていることを特徴とする。更に、本発明は、そのような面状ライトガイド(1)と結合された入力結合ライトガイド(8)とを備える発光素子に関する。更に、面状ライトガイド(1)と結合され、発光手段(14、16)及び入力結合ライトガイド(8)を含む光源が、表面部分が能動的に照明され、かつ光非透過性表面部分が視線方向(B)から見て光源及び連結を覆い隠すように配置される装飾部品(10)が記載される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面部分(12)を能動的に照明するための面状ライトガイド(1)と、前記面状ライトガイド(1)の端面側に配置された少なくとも1つの光源とを備える装飾部品(10)であって、前記面状ライトガイド(1)が少なくとも3つの層(3、4、5、7)を有し、フィルム(4)として形成された2つの層が、前記2つの層の間に配置されたライトガイド層(3)よりも低い屈折率を有し、前記フィルム(4)のうちの1つが光の分離構造(6)を有し、前記層(3、4、5、7)がフィルム複合体(2)を形成し、前記フィルム複合体において前記ライトガイド層(3)がフィルム(3)として形成され、前記光源は、前記面状ライトガイド(1)と間接的に接続された少なくとも1つの発光手段(14、16)を含み、前記光源は、前記装飾部品(10)への視線方向(B)から見て、光非透過性表面部分(13)の背後に覆い隠されて配置され、かつ前記面状ライトガイド(1)と接続される、装飾部品において、
前記フィルム(3、4、5、7)は共押出しされ、
前記光源は、少なくとも1つの組み込まれた発光手段(14、16)を有する入力結合ライトガイド(8)によって形成されることを特徴とする装飾部品。
【請求項2】
前記フィルム複合体(2)は、1mm未満の厚さを有することを特徴とする、請求項1に記載の装飾部品(10)。
【請求項3】
前記フィルム複合体(2)の一方又は両方の表面に保護層、特に保護フィルム(7)が設けられることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装飾部品(10)。
【請求項4】
前記面状ライトガイド(1)及び前記入力結合ライトガイド(8)は、前記面状ライトガイド(1)からなる発光素子と、前記フィルム複合体(2)と結合されたより大きい厚さのライトガイド(8)ことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の装飾部品(10)。
【請求項5】
前記より大きい厚さのライトガイド(8)は、前記フィルム複合体(2)と接着される、溶接される、又は前記フィルム複合体に一体射出成形されることを特徴とする、請求項4に記載の装飾部品(10)。
【請求項6】
前記面状ライトガイド(1)は、共押出し、カレンダ加工及び/又は背面射出成形によって支持体(11)及び装飾(12)と接続され、面状ライトガイド(1)、前記支持体(11)、及び前記光透過性装飾(12)を含む前記構成体が前記光非透過性表面部分(13)及び前記光源に射出成形される、或いは前記光非透過性表面部分及び前記光源が前記構成体に射出成形されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の装飾部品(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段部に詳しく定義される種類の表面部分を能動的に照明するための面状ライトガイドを備える装飾部品に関する。
【背景技術】
【0002】
面状ライトガイドは、従来技術から原理的に知られている。特許文献1は、そのような面状ライトガイドを備える照明装置を記載する。このライトガイドは2つのフィルムから形成され、これらのフィルムは、このライトガイドの材料、例えばポリカーボネートが、ライトガイドよりも低い屈折率を有する2つのフィルム間に射出成形により埋め込まれることにより、本来のライトガイドと接続される。それにより構成体全体を、わずか数ミリメートル、典型的には3ミリメートル以上の部品厚さで比較的フラットに実現することができる。しかしこれは、有意なフレキシビリティを可能にしない。射出成形のために典型的に必要とされる寸法では、上述の3mm未満の薄い構成体も現実的ではない。
【0003】
特許文献2は、光源及び面状ライトガイド、並びに透明フィルムを備える面状照明要素をクレームし、フィルムとライトガイドが異なる屈折率を有する材料から作製され、ライトガイドは、フィルムの背面射出成形によって、すなわち上記の従来技術と類似に形成される。
【0004】
特許文献3は、光導波路を備えるフレキシブル光学素子を記載する。特許文献4は、フィルム複合体に組み入れることができるライトガイドフィルムを記載する。
【0005】
特許文献5は、更に、いくつかの異なる層で構成される面発光体を記載する。その場合、コアはそれぞれ透明な支持構造であり、この支持構造がフィルムから形成されたライトガイドと組み合わせられ、それにより本来のライトガイドのフィルムよりも低い屈折率を有する支持構造が形成される。これは、更に、透明な支持構造を通して光を分離させるために、より低い屈折率を有する別のフィルムと分離構造により覆われる。
【0006】
特許文献6は、結合要素、又は光ファイバで作られたライトガイドによる光結合を用いる類似の構成体を記載する。
【0007】
特許文献7及び特許文献8は、車両ガラス窓に配置できる2つのライトガイドフィルムを記載する。
【0008】
その場合、最後に挙げたこれらの構成体は、あまりフレキシブルでなく、特に厚さに関して比較的かさばる。
【0009】
照明付き装飾部品は、特許文献9から知られている。この場合、発光手段によって生成された光線は、ライトガイド層を有する複合フィルムに入力結合される。非常に似た装飾部品が、特許文献10からも知られている。
【0010】
他の従来技術については、特許文献11及び特許文献12も更に参照されたい。これらはディスプレイの照明若しくは背面照明の分野からのものであり、薄いライトガイド層も特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】独国特許出願公開第102019001333号明細書
【特許文献2】独国特許発明第102014006490号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2007/0133935号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第102019202804号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第102013021600号明細書
【特許文献6】国際公開第2007/077099号
【特許文献7】独国特許出願公開第102019112889号明細書
【特許文献8】独国特許出願公開第102013010163号明細書
【特許文献9】独国特許出願公開第102014112470号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2021/0055567号明細書
【特許文献11】米国特許出願公開第2006/0002675号明細書
【特許文献12】欧州特許出願公開第2157366号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明の課題は、表面部分を能動的に照明するための面状ライトガイドを備える改良された装飾部品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
その場合、表面部分を能動的に照明するための面状ライトガイドと、面状ライトガイドの端面側に配置された少なくとも1つの光源とを備える本発明による装飾部品は、光源が、面状ライトガイドと直接又は間接的に接続された少なくとも1つの発光手段を含み、発光手段は、装飾部品への視線方向で、非光透過性表面部分の背後に覆い隠されて配置され、かつ面状ライトガイドと接続されることを企図する。すなわち、このような装飾部品では、光源のアセンブリと結合部が、特に光に対して透過性でない部分の背後の領域に配置される。すなわち、装飾部品の不透明な表面部分として形成されたこの部分は、光源自体と同様に、面状ライトガイドへの光結合を覆い隠す。それによって、不均質性、並びに特に明るく光る点又は領域が一種のシェードによって覆われ、それにより本発明による装飾部品は、その能動的に照らされる表面の領域において直接、又は上流側に配置された対応する透明装飾を介して高品質な印象を与えながら大きいデザイン自由度を可能にする極めて均質かつ均一な、そして容易に作成できる配色を可能にする。
【0014】
本発明による装飾部品の面状ライトガイドは、冒頭で述べた従来技術について記載されたライトガイドと同様に3つの層を備え、フィルムとして形成された2つの層は、これらの層の間に配置されたライトガイド層よりも低い屈折率を有する。更に、フィルムのうちの1つは、冒頭で述べた従来技術と同様に、光の分離構造を有する。したがって、本発明によれば、これらの層はフィルム複合体を形成し、このフィルム複合において、ライトガイド層もフィルムとして形成されている。これまで常に固い材料、例えばポリカーボネート又はそれに類するもので作られた面状材料から、或いは一体射出成形若しくは背面射出成形によって作製されたこのような構成体は、原理的には常に、典型的には少なくとも3~5mmの比較的大きな厚さと比較的低いフレキシビリティを有する。1つのフィルム複合体を形成する3つのフィルムであって、外側に位置する2つのフィルムが真ん中に位置するライトガイドフィルムよりも低い屈折率を有する、3つのフィルムからなる本発明による構成体は、これらの欠点を全て回避する。実際に、フィルム複合体の1ミリメートルよりはるかに小さい厚さ、特に約0.5mmの厚さで簡単に実現することができる極めてコンパクトな構成体が得られる。
【0015】
面状ライトガイドのこれらのフィルムは共押出しされ、それにより簡単かつ効率的な製造が可能である。これらのフィルム自体は、例えば、2つのポリメチルメタクリレート(PMMA)フィルムからなることができ、これらのフィルムの間にポリカーボネート(PC)で作られた1つのフィルムが導光層として挿入される。構成体全体は、共押出しによって簡単かつ効率的に、非常に小さい層厚さ、かつ層厚さに比して高い機械的強度に作製することができる。
【0016】
本発明による装飾部品において、光源は、少なくとも1つの組み込まれた発光手段を有する入力結合ライトガイドによって形成される。これは、当然のことながら、特に面状ライトガイドがフィルム複合体から成る場合に有利である。その場合、特に、面状ライトガイドと入力結合ライトガイドは一緒に1つの発光素子をできる。
【0017】
本発明による装飾部品の有利な発展形態では、更に、フィルム複合体の片側又は両側に保護層が設けられることを企図することができる。この保護層自体もまたフィルム、例えばそれぞれ、別のポリカーボネートフィルムであってもよいが、これは塗料又はそれに類するものであってもよい。例えば一方の側に装飾、もう一方の側に透明な、又は特に不透明な支持体が射出成形により被着されるか、又は一体射出成形されることにより面状ライトガイド若しくは3つの層からなるそのフィルム複合体が直接加工される構成体では、当然のことながら保護層を省略することもできる。
【0018】
本発明による装飾部品の発光素子は、先に説明した平面ライトガイドと、フィルム複合体と結合されたより大きい厚さのライトガイドとを含むことができる。その場合、この厚さはフィルム複合体の導光フィルムと対比関係にある。特にフィルムから形成されていないこのライトガイドは、面状ライトガイドのフィルムとして形成された導光層に光を結合するために用いられる。
【0019】
したがって、有利な発展形態によれば、より大きい厚さのこのライトガイドが少なくとも1つの発光手段と結合されていることを企図することができる。その場合、例えばポリカーボネートで作られた帯状物において、1つ又は複数の発光手段、特にLEDを構成体に機械的に連結できるような仕方で結合を実現することができる。しかし、発光手段、及び任意には発光手段のための制御電子機器をこのより大きい厚さのこのライトガイドに直接組み込むこと、例えば射出成形により埋め込むことができる。
【0020】
その場合、入力結合ライトガイドとも呼ぶことができるこのより大きい厚さのライトガイドの役割は、特に様々な色が使用される場合に、発光手段から放出される光を相応に受け止めること、及びこの光をライトガイド層としての導光フィルムに導入される前に、その全長の範囲内で均質化することである。したがって、発光手段の光収量(Lichtausbeute)を理想的に利用することができるが、フィルムではその厚さが小さいために、これを直接的には不可能である。更に、多色光は、均質な混色になるまで、ライトガイド内に常に一定程度の光の伝播長を必要とするが、このことも、均質な光が面状ライトガイドの対応するライトガイド層に結合される前に、より大きいライトガイド内で達成することができる。その場合、より大きい厚さのライトガイドをフィルム複合体と接着する、溶接する、又はフィルム複合体に直接一体射出成形することもできる。その場合、このライトガイドは、従来のように、すなわち空隙によって取り囲まれる、例えば単一の材料、例えばポリカーボネートなどから形成することができ、それにより導光特性、すなわちライトガイドの材料と空気との間の界面での全反射が達成される。これに代えて、より大きい厚さのこのライトガイドがより低い屈折率を有する材料で作られたコーティングで取り囲まれることを企図することもできる。この材料もまた、例えばPMMA又はそれに類するもので作られたフィルムであってもよく、したがって原理的に、特許文献1の形態の冒頭で述べた従来技術からのより大きい厚さのライトガイドの構成体を設けることができる。例えば塗料又はそれに類するものによる代替のコーティングも当然考えられる。
【0021】
次に、本発明による装飾部品の別の非常に有利な実施形態は、面状ライトガイドが共押出し、カレンダ加工及び/又は背面射出成形によって支持体及び装飾と接続されることを更に企図することができる。その場合、支持体、装飾、及び面状ライトガイドで構成されるこの構成体は、非導光表面部分及び光源に一体射出成形することができ、或いは逆に、これらを構成体に一体射出成形することができる。全体として、特に面状ライトガイドが上記のフィルム複合体として形成される場合、極めてコンパクトかつ効率的な装飾部品となる。その場合、ライトガイド内で構成部品が非常に簡単かつ効率的に互いに接続され、それにより、装飾部品が、例えば車両で使用される場合などの比較的長い使用時間にわたって使用される場合であっても、振動や車両内で避けられない部品の相対する移動が発生してもきしまず、かつ個々の部品が互いに衝突し得ない安定した構成体となる。
【0022】
本発明による面状ライトガイド、本発明による発光素子、及び本発明による装飾部品は、特に以下に図面を参照しながら詳しく説明される実施例からも明らかになる他の利点及び実施形態を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】面状ライトガイドの可能な実施形態の概略図である。
【
図2】発光素子の第1の実施形態を有する本発明による可能な装飾部品の概略的断面図である。
【
図3】発光素子の別の実施形態を有する本発明による可能な装飾部品の概略的断面図である。
【
図4】発光手段をライトガイドに結合するいくつかの可能性の図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1の図示では、フィルム複合体2で作られた面状ライトガイド1の可能な構造が概略的に示される。フィルム複合体2は、少なくとも3つのフィルムからなる。中心のライトガイド層は、ライトガイドフィルム3として形成される。これは、例えばポリカーボネートフィルムとして実現される。このライトガイドフィルム3は、ライトガイドフィルム3のものより低い屈折率を有する2つのフィルム4、5によって包囲されている。2つのフィルム4、5は、例えばPMMA(ポリメチルメタクリレート)から作製することができる。これらの2つのフィルムのうちの1つ、ここでは
図1に図示されたフィルム5は、更に、6で示される分離構造をフィルム5内に有する。これらの分離構造6は、例えば研磨された表面によって、レーザー加工により設けられた構造によって、スクリーン印刷によって印刷された構造、又はそれに類するものにより実現することができる。これらは、後の構成体の3次元の幾何学的形態とは無関係に均一かつ均質な光分離を達成するために、面状ライトガイド1の後からの湾曲又はそれに類するものに適合させることができる。その場合、光が分離される方向は、
図1の図示では上であり、したがって、ここでは視線方向Bに従って上から面状のライトガイド1を見るようになっている。
【0025】
面状のライトガイド1の本来のフィルム複合体2には、ここで説明される3つのフィルム3、4、5で作られたこの構成体で全く十分である。更なる加工に応じて、この構成体は、モールド成形された装飾層、一モールド成形された支持層、又はそれに類するものを含んで実現することができる。特に、この構成体は、対応する射出成形型に入れて3次元に成形することもでき、その後、支持層を背面射出成形、及び/又は視線方向Bから見て上の表面に装飾層を設けることによって完成され、金型により予め定められた形状に硬化される。
【0026】
これとは無関係に、上述の3つの層3、4、5に加えて、例えば薄いポリカーボネートフィルムの形態の2つの保護層7をフィルム複合体3に共に組み込むことも可能である。この任意的な実施形態は
図1の図示に見て取れ、上述のように2つの保護フィルム7を省略することもできる。構成体に応じて、2つの保護フィルム7のうちの1つのみを設けることができ、例えば、支持体が反対側に一体射出成形される場合は、可視側の保護フィルムだけ設けることもできる。
【0027】
ライトガイドを射出成形だけで作製可能な構成体、例えば、2つのPMMAフィルム間にライトガイドが射出成形により埋め込まれる冒頭で述べた従来技術で言及された構成体の場合とは異なり、ここでは、フィルム複合体3全体を共押出しによって作製すること、したがってこれをはるかに薄く形成することが可能である。その場合、
図1に例示的に示されたフィルム複合体3は、実際には1mm未満の厚さを有する。一方又は両方の保護層7を省略することによって、構成体の厚さを更に低減することができ、それにより、例えば約0.5mmの層厚を有する3つのフィルム3、4、5からなる機能的な面状ライトガイドを実現可能である。その場合、ライトガイドフィルム3の包囲されたライトガイド層は、
図2の図示でほぼ縮尺通りに示されるように、隣接するPMMAフィルム4、5のそれぞれの層厚よりもいくらか厚い。
【0028】
原理的に、端面からそのようなフィルム複合体2への光結合が考えられる。しかし実際には、マイクロLEDなどの小さな発光手段もある程度の大きさと幅を有すること、及びこれらが光を特に、典型的には約120°の角度で放射することから、これは非常に困難である。したがって、フィルム複合体2の端面に直接連結する場合、光のかなりの部分が失われることになる。
【0029】
したがって、面状ライトガイド1のフィルム複合体2を、好ましくは、より大きい厚さを有する入力結合ライトガイド8と組み合わせることができる。これは、次の
図2の図示に原理的に示されている。そこに示される構成体は、面状ライトガイド1を有する装飾部品10を含む。これは、特に3つのフィルム3、4、5を有するフィルム複合体2によって構成され、
図2の図示では、面状ライトガイド1のフィルム複合体2の向きを認識できるようにするために、このフィルム複合体2のうちの、6で示される分離構造のみが再度示される。ここでは、光の方向が上向きであり、したがって視線方向Bは、装飾部品10の方に上から下へ向く。これは、プラスチック支持体11と、例えばポリカーボネート、木材、アルミニウム、又はそれに類するもので作られた装飾プレートとからなる。装飾プレートは、面状ライトガイド1によって視線方向Bとは逆向きに分離される光によって背面照明される。光に対して透過性の表面部分12には更に、ここでは13で示され、これに応じて変更されたハッチングで示される不透明な表面部分が隣接する。この部分13は光に対して非透過性であり、したがって視線方向Bから見て、視線方向Bでこの部分の背後に位置する構成部品を隠す。ここに示される実施例では、これはより大きい厚さを有する入力結合ライトガイド8であり、これは従来のライトガイドとして形成され、それ自体既知のようにこれに対応する分離構造9を有する。この分離ライトガイドは、例えば、後述する発光手段を介してライトガイド8に結合される光を面状ライトガイドに透過するために、面状ライトガイド1のフィルム複合体2に一体射出成形することによって実現できる。その場合、視線方向Bから、ライトガイド8の構成体及びフィルム複合体2とのその接続部は、光非透過性の表面の下方に位置し、それにより光の入力結合及び透過が装飾プレートの光透過性部分12を通して見えることはない。すなわち、光の入力結合箇所の典型的には不均質に照明される領域が見えることなしに、装飾部品10を、面状ライトガイド1のフィルム複合体2によってその能動的に照明される表面部分12の均質な照明で実現することができる。
【0030】
その場合、従来のライトガイド8は、個々の発光手段の光を集めるために用いられ、厚さがより大きいことによって、この発光手段の光を非常に良好に集めることができ、それにより光の大部分が従来のライトガイド8に、及びこれを介して面状ライトガイド1に到達する。更に、様々に異なる色の発光手段、又は例えばRGB-LEDなど、様々な色を生成することができる発光手段を使用することができる。従来のライトガイド8の大きさによって、十分な光の伝播経路が生じ、それにより色が十分に混ざり合い、面状ライトガイド1の領域の光色が均質になる。
【0031】
ここに示される実施例では、従来のライトガイド8は空気によって取り囲まれるため、これを例えばポリカーボネートなどの材料から形成することで十分である。その場合、これを取り囲む空気は、ポリカーボネートのものよりも低い屈折率を有する周囲環境を形成し、それに対応して導光効果が達成され、光は面状ライトガイド1のフィルム複合体2にほぼ完全に結合することができる。
【0032】
代替的実施形態が
図3の図示に見て取れる。これは、
図2に示される図示にほぼ相当する。しかしこの場合、従来のライトガイド8は、一方でフィルム複合体2の構成体に、他方で装飾部品10の構成体に射出形成されている。ここでは、構成体は、例えば光に対して非透過性の表面部分13が塗布されている。その場合、このような一体射出成形された、又は完全に射出成形により埋め込まれた、そしてここでも考えられ得る、プラスチック支持体11が従来のライトガイド8を更に取り囲む構成体におけるライトガイドの特性を保証するために、従来のライトガイド8に低屈折率の材料で作られた相応のコーティングを施す必要がある。例えばPMMAで作られたフィルムでライトガイドを取り囲むか、又は低屈折率の特性を有する相応の塗料でコーティングすることができる。
【0033】
その他の点については、
図3に示された構成体には、
図2の範囲内ですでに説明されたのと同じことが当てはまる。
【0034】
最後に、
図4の図示では、従来のライトガイド8に光を結合するための3つの異なる可能性が示される。
図4aの図示では、複数の発光手段14、ここではRGB-LEDがライトガイドの構成体に機械的に連結され、それに対応してこの構成体の表面に光が供給され、光は、描かれた、15で示される矢印に従って、特に一体射出成形されたフィルム複合体2に伝達される。
【0035】
図4bの図示に代替の構成体が示される。
図4aの図示でのように、複数の小さな発光手段14の代わりに、ここでは2つの比較的大きい発光手段16がそれぞれ従来のライトガイド8の端面に配置され、光を入力結合する。次いで、光は、従来のライトガイド8から、ここに図示されない分離構造を介して、例えば上へ、又は下へ、若しくは観察者に向かって、又は観察者から遠ざかる方向に分離することができる。
【0036】
図4cの図示には、従来のライトガイド8の別の変形形態が更に見て取れる。発光手段14は、ここでは再び
図4bに図示されるものより小さいLEDとして形成されている。これまでの図示されるものとは異なり、これらはライトガイド8の材料、すなわち例えばポリカーボネートに直接注入することにより埋め込まれる。当然のことながら、この構成体は、ここに示される構成体に加えて、又は代えて端面の領域により大きい発光手段を有することも考えられる。
図4a及び
図4bの光入力結合を互いに組み合わせることもできる。更に、光を一方では注入された発光手段14、16を介して、他方では、これに加えて、単に連結された別の発光手段14、16を介して従来のライトガイド8に相応に連結することも考えられる。
【国際調査報告】