(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】モジュラー玩具または教育的構築セットのための光マトリックスビルディングブロック
(51)【国際特許分類】
A63H 33/04 20060101AFI20240305BHJP
A63H 33/22 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
A63H33/04 B
A63H33/22 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023558813
(86)(22)【出願日】2022-03-24
(85)【翻訳文提出日】2023-11-24
(86)【国際出願番号】 EP2022057791
(87)【国際公開番号】W WO2022200510
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594012623
【氏名又は名称】レゴ エー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】ウォリントン,オリバー
(72)【発明者】
【氏名】クリストファーセン,パー
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150BA23
2C150BA42
2C150BB01
2C150DC20
2C150DG02
2C150DG13
2C150DG14
2C150DG15
2C150ED42
2C150FA02
(57)【要約】
複数の別個の発光素子を含み、発光素子の各々の色及び強度を個別に制御し、デジタル情報を受信及び復号して発光素子の各々の色及び強度を調節するように構成された、モジュール式玩具又は教育用構築セット用の光マトリックスビルディングブロック。複数の発光素子のうち発光素子の色及び強度を調節するためのデジタル情報は、1バイトの情報に符号化される。光マトリックスビルディングブロックおよびビルディングブロックデバイスを含むモジュール式玩具または教育用構築セット、並びに光マトリックスビルディングブロックとビルディングブロックデバイスとの間の通信の方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール式玩具または教育用構築セットのための光マトリックスビルディングブロックであって、該光マトリックスビルディングブロックは、複数の別個の発光素子を含み、
各前記発光素子の色及び強度を個別に制御し、デジタル情報を受信及び復号して、各前記発光素子の色及び強度を調節するように構成されており、前記複数の発光素子のうちの一つの発光素子の色及び強度を調節するデジタル情報は、1バイトの情報に符号化されている、光マトリックスビルディングブロック。
【請求項2】
前記光マトリックスビルディングブロックは、デジタル情報を復号するようにさらに構成されており、強度および色の符号化情報は、それぞれ、インデックス付き強度およびインデックス付き色として提供される、請求項1に記載の光マトリックスビルディングブロック。
【請求項3】
前記光マトリックスビルディングブロックは、デジタル情報を復号するようにさらに構成されており、前記強度符号化情報および色符号化情報は、それぞれ4ビットで符号化されている、請求項1または2に記載の光マトリックスビルディングブロック。
【請求項4】
前記複数の発光素子が2Dグリッド上に配置されている、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の光マトリックスビルディングブロック。
【請求項5】
前記光マトリックスビルディングブロックは、有線接続を介して前記デジタル情報を受信するようにさらに構成されている、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の光マトリックスビルディングブロック。
【請求項6】
前記光マトリックスビルディングブロックは、接続されたビルディングブロックデバイスが電子的に接続されたビルディングブロックに電力を供給することができるかどうか、およびそれがデジタル通信用に構成されているかどうかを判定するようにさらに構成されている、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の光マトリックスビルディングブロック。
【請求項7】
前記光マトリックスビルディングブロックは、接続されたビルディングブロックデバイスの状態に従って前記発光素子の各々の色および強度を調節するようにさらに構成されている、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の光マトリックスビルディングブロック。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか一項に記載の光マトリックスビルディングブロックと、ビルディングブロックデバイスとを備え、前記光マトリックスビルディングブロックと前記ビルディングブロックデバイスとが互いに電子的に接続されるように構成されている、モジュール式玩具または教育用構築セット。
【請求項9】
前記ビルディングブロックデバイスは、前記光マトリックスビルディングブロックを対象とするデジタル情報を符号化するように構成されたビルディングブロックハブデバイスである、請求項8に記載のモジュラー玩具または教育的構築セット。
【請求項10】
前記ビルディングブロックデバイスは、前記光マトリックスビルディングブロックを対象とするデジタル情報を無線で受信するように構成されたビルディングブロックハブデバイスである、請求項8又は9に記載のモジュラー玩具又は教育用構築セット。
【請求項11】
前記ビルディングブロックハブデバイスは、前記光マトリックスビルディングブロックを対象とする前記デジタル情報を単一のBluetooth Low Energy(BLE)メッセージとして受信するようにさらに構成されている、請求項10に記載のモジュラー玩具または教育用構築セット。
【請求項12】
前記ビルディングブロックデバイスはビルディングブロックバッテリデバイスである、請求項8に記載のモジュラー玩具又は教育用構築セット。
【請求項13】
光マトリックスビルディングブロックとビルディングブロックデバイスとの間の通信方法であって、前記光マトリックスビルディングブロックは、複数の別個の発光素子を備え、前記発光素子の各々の色および強度を個別に制御するように構成されており、該方法は、
前記ビルディングブロックデバイスによって、デジタル情報を前記光マトリックスビルディングブロックに提供することと、
前記光マトリックスビルディングブロックにより、前記デジタル情報を受信し、復号することと、
前記光マトリックスビルディングブロックによって、前記受信されたデジタル情報に従って前記発光素子の各々の色および強度を調節することと、を含み、
前記複数の発光素子のうち一つの発光素子の色及び強度を調節する前記デジタル情報は、1バイトの情報に符号化されている、通信方法。
【請求項14】
前記強度および色の符号化された情報は、それぞれインデックス付き強度およびインデックス付き色として提供されている、請求項13に記載の通信方法。
【請求項15】
前記強度符号化情報および前記色符号化情報は、それぞれ4ビットで符号化されている、請求項13または14に記載の通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、モジュール式玩具又は教育用構築セットのためのビルディングブロックに関し、特に、複数の別個の発光素子を有する光マトリックスビルディングブロック、互いに電子的に接続された光マトリックスビルディングブロック及びビルディングブロックデバイスを含むモジュール式玩具又は教育用構築セット、並びに光マトリックスビルディングブロックとビルディングブロックデバイスとの間の通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モジュール式玩具または教育用構築セットは、複数のモジュールを統合することができる方策を探索し利用することによって、幼児、青年、並びに成人が同じように遊び、体験する方法を提供する。
【0003】
このような構築セットの多くは、電子部品を含むビルディングブロックを有し、電子部品は互いに電子的に接続することができ、センサ、バッテリ、アクチュエータ、光モジュールなどのビルディングブロックを含む。電子部品を含むモジュール式構築セットの課題は、サイズおよび耐久性である。電子部品はしばしば小さい形態要素を有する必要があり、モジュールは何度も組み立て及び分解されることに耐える必要がある。
【0004】
遊びおよび学習を促進させるために、複数の態様で異なるモジュールを互いに適合させることができるようにし、必要に応じて、遊びまたは学習体験が滑らかで途切れないようにデジタル情報を迅速に交換することができるようにされるべきである。いくつかの電子モジュールの場合、それらの間の、またはアプリへの又はアプリからのデジタル通信は、いくつかの利点を伴ってワイヤレス通信プロトコルを使用して行われ得るが、それは有線接続よりも遅いという欠点を有する。例えばアプリを介して、又は例えば振動、音若しくは光などの1つ以上のビルディングブロックからの感覚出力を介して、ユーザに及びユーザから情報を通信することができる構成は、かなりの量のデジタル情報が送信されることを必要とする。
【0005】
したがって、様々な態様で互いに接続することができ、互いに迅速に情報を通信することができるモジュール式玩具または教育的構築セットのためのモジュールが必要とされる。
【発明の概要】
【0006】
いくつかの実施形態の目的は、上記または他の課題の少なくともいくつかを解決または軽減、低減、または排除することである。
【0007】
第1の態様では、モジュール式玩具又は教育用構築セット用の光マトリックスビルディングブロックが提供され、第2の態様では、第1の態様による光マトリックスビルディングブロックとビルディングブロックデバイスとを備えるモジュール式玩具又は教育用構築セットが提供され、第3の態様では、光マトリックスビルディングブロックとビルディングブロックデバイスとの間の通信方法が提供される。異なる態様においては、同じ名称を有する特徴は同様の機能を有し、したがって、任意の態様における特徴の例示および説明は、任意の別の態様におけるそれらの特徴に適用される。
【0008】
第1の態様によれば、モジュール式玩具又は教育用構築セットのための光マトリックスビルディングブロックが提供される。光マトリックスビルディングブロックは、複数の別個の発光素子を含み、
各発光素子の色及び強度を個別に制御し、
各発光素子の色及び強度を調節するためにデジタル情報を受信して復号し、
複数の発光素子のうちある発光素子の色及び強度を調節するデジタル情報は、1バイトの情報にエンコードされている。
【0009】
モジュール式構築セットのためのビルディングブロックは、ビルディングブロックが1つ以上の他のビルディングブロックと相互に連結することを可能にするように設計された1つ以上の取付部分を有する。異なるビルディングブロックの取り付け部分は、同様であってもよく、または異なっていてもよいが、ビルディングブロックが互いに接着または把持することを可能にするように設計される。光マトリックスビルディングブロックは、例えば、1つ以上の単純な非電子ビルディングブロック、1つ以上の他の光マトリックスビルディングブロック、および/または電子部品を含む他のビルディングブロックと連結するようにしてもよい。
【0010】
複数の発光素子は、例えば、矩形、正方形、円形などを画定するグリッドなどの2Dグリッド上に配置されてもよい。グリッドが長方形または正方形の形状である場合、光マトリックスは正方形のマトリックスであってもよく、すなわち、その行および列に同数の光、例えば2×2、3×3、4×4などを有してもよい。別個の発光素子はLEDであってもよく、それらは同じタイプおよび/またはモデルであってもよく、または異なっていてもよい。
【0011】
発光素子の各々の色および強度が個別に調節されるので、発光素子のいくつかまたはすべては、所与の時間にオンまたはオフになり得る。
【0012】
光マトリックスビルディングブロックは、デジタル情報を受信することができ、例えば、ユーザによって直接、またはソフトウェアプログラムによって要求されるように、各発光素子の色および強度を調節するようにデジタル情報を復号するための処理能力を有する。調節とは、色および強度が適切に設定されること、すなわち、色が変更され得ること、強度が増加もしくは減少され得ること、または光がオフにされる(強度=0)ことを意味する。
【0013】
各個々の発光素子の色および強度を調節するためのデジタル情報は、一バイトの情報に符号化され、これにより、光マトリックスビルディングブロックは、一バイトの情報、すなわち8ビットの情報に符号化された情報に応答して、複数の発光素子の全ての色および強度を迅速かつ少なくとも人間の目に対して同時に調節することができる。利用可能な色の数を増やし、強度および色を調節するための符号化情報を提供するために必要なビットを減らすために、強度および色の符号化情報は、それぞれインデックス付き強度およびインデックス付き色として提供され得る。例えば、強度符号化情報及び色符号化情報は、それぞれ4ビットで符号化されてもよい。
【0014】
光マトリックスビルディングブロックは、デジタル情報を無線でまたは有線接続を介して受信するように構成されてもよい。有線接続は、光マトリックスビルディングブロックが他のビルディングブロックと相互結合することを可能にする1つ以上の取付部分の一部として形成されてもよく、または、例えば、別の構成要素に電子的に接続するためのコネクタを端部に有する電気ケーブルであってもよい。光マトリックスビルディングブロックは、ビルディングブロックデバイス、すなわち、電子部品を備え、例えばバッテリ、センサなどの技術的機能を有するビルディングブロックと接続することができる。光マトリックスビルディングブロックがビルディングブロックデバイスに接続されると、光マトリックスビルディングブロックは、適切な方法で動作および応答し得る。このために、光マトリックスビルディングブロックは、電子的に接続されたビルディングブロックデバイスが接続されたビルディングブロックに電力を供給することができるかどうか、および接続されたビルディングブロックデバイスがデジタル通信用に構成されているかどうかを判定するようにさらに構成され得る。例えば、光マトリックスビルディングブロックは、電池の電力レベル、供給される電力の極性、センサ値、デバイスがオン/オフであるかどうか、送信、記録、更新などの接続されたビルディングブロックデバイスの状態に応じて、発光素子の各々の色及び強度を調節することができる。
【0015】
第2の態様によれば、第1の態様による光マトリックスビルディングブロックとビルディングブロックデバイスとを備えるモジュール式玩具または教育用構築セットが提供される。光マトリックスビルディングブロックおよびビルディングブロックデバイスはそれぞれ、互いに電子的に接続されるように構成される。
【0016】
ある実施形態では、ビルディングブロックデバイスは、光マトリックスビルディングブロックのためのデジタル情報を符号化するように構成されるビルディングブロックハブデバイスである。ハブデバイスは、無線または有線で複数の他のデバイスに接続し、それに接続されたデバイス間でデータを転送することができる。光マトリックスビルディングブロックがワイヤレス通信が可能でない場合、光マトリックスビルディングブロックは、ワイヤレス通信用に構成されたハブデバイスにケーブルを介して接続することができ、ハブデバイスは、光マトリックスビルディングブロックにワイヤレスで受信したデータを転送することができる。このように、ある実施形態では、ビルディングブロックデバイスは、光マトリックスビルディングブロックのためのデジタル情報を無線で受信するように構成されるハブデバイスである。有利なことに、ハブデバイスにおいて構成されるワイヤレス通信は、Bluetooth(登録商標)Low Energy(BLE)であり得、古典的なBluetooth(登録商標)と類似の通信範囲を維持しながら、古典的なBluetooth(登録商標)と比較して送信される小さなパケットのために部分的に電力消費を大幅に低減する。Bluetooth 4.0 Low Energyパケット構造では、1つのメッセージにおける最大ペイロードは20バイトである。Bluetooth(登録商標)4.2および5.0 Low Energyパケット構造では、いわゆるData Length Extension(DLE)を使用する場合、単一のメッセージにおける最大ペイロード、すなわちメッセージコンテンツに使用される最大バイト数は246バイトである。しかしながら、DLEを使用することは、より長いエアタイムにつながり、これは、送信が失敗し、パケットが再送信される必要がある機会を増加させる。Bluetoothメッセージが長いほど、送信するのに時間がかかり、したがって、高速かつ信頼できる送信のために、BLEメッセージのサイズを低減することが有利である。したがって、ある実施形態では、ビルディングブロックハブデバイスは、光マトリックスビルディングブロックを対象とするデジタル情報を単一のBluetooth Low Energy(BLE)メッセージとして受信するようにさらに構成される。これは、単一バイトの情報に符号化される発光素子の色および強度とよく相乗作用する。
【0017】
別の実施形態では、ビルディングブロックデバイスは、ビルディングブロックバッテリデバイスであり、すなわち、ビルディングブロックであり、したがって、好適な取付部分を有する他のビルディングブロックと相互に連結することを可能にする取付部分を有するバッテリデバイスである。バッテリデバイスは、エネルギーを貯蔵し、それに接続されたビルディングブロックデバイスに電力を供給することができる。いくつかのビルディングブロックバッテリデバイスは、デジタル通信のためにさらに構成され、次いで、スマートバッテリデバイスと呼ばれる。光マトリックスビルディングブロックは、それがバッテリデバイスに接続されていることを検出するようにさらに構成され得る。いくつかの実施形態では、光マトリックスビルディングブロックは、それが接続されているデバイスがデジタル通信用に構成されているかどうかを検出するようにさらに構成される。いくつかの実施形態では、光マトリックスビルディングブロックは、接続されたバッテリデバイスの極性を検出するようにさらに構成される。
【0018】
第3の態様によれば、光マトリックスビルディングブロックとビルディングブロックデバイスとの間の通信の方法が提供される。光マトリックスビルディングブロックは、複数の別個の発光素子を含み、発光素子の各々の色および強度を個別に制御するように構成される。
【0019】
本方法は、ビルディングブロックデバイスによって、デジタル情報を光マトリックスビルディングブロックに提供することと、
光マトリックスビルディングブロックにより、ビルディングブロックデバイスによって提供されるデジタル情報を受信して復号することと、
光マトリックスビルディングブロックによって、受信されたデジタル情報に従って発光素子の各々の色および強度を調節することと、を含み、
複数の発光素子のうち発光素子の色及び強度を調節するデジタル情報は、1バイトの情報に符号化される。
ある実施形態では、強度および色の符号化された情報は、それぞれインデックス付き強度およびインデックス付き色として提供される。
別の実施形態では、強度符号化情報および色符号化情報は、それぞれ4ビットで符号化される。
【0020】
さらなる特徴および利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明から明らかになるであろう。以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】一実施形態による光マトリックスビルディングブロックを示す図である。
【
図2】いくつかの実施形態による光マトリックスビルディングブロックおよびビルディングブロックデバイスの概略図を示す。
【
図3】いくつかの実施形態による光マトリックスビルディングブロックおよびビルディングブロックデバイスの概略図を示す。
【
図4】いくつかの実施形態による光マトリックスビルディングブロックおよびビルディングブロックデバイスの概略図を示す。
【
図5】いくつかの実施形態による光マトリックスビルディングブロックおよびビルディングブロックデバイスの概略図を示す。
【
図6】いくつかの実施形態による、光マトリックスビルディングブロックとビルディングブロックデバイスとの間の通信の方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示の実施形態は、添付の図面を参照して以下でより完全に説明され、例示される。しかしながら、本明細書に開示される説明は、多くの異なる形態で実現することができ、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。当業者は、添付の図面が、明確にするために概略的かつ簡略化されており、したがって、本発明の理解に不可欠である詳細を示すにすぎず、他の詳細は省略されていることを理解するであろう。同様の参照番号は、全体を通して同様の要素を指す。したがって、同様の要素は、必ずしも各図に関して詳細に説明されない。
【0023】
図1は、一実施形態による光マトリックスビルディングブロック1を示す。光マトリックスビルディングブロック1は、合計9個の発光素子3を含む別個のLEDの3×3マトリックス5を有する。光マトリックスビルディングブロックは、適切な取り付け部分を有する他のビルディングブロックと連結することを可能にする様々な取り付け部分11を有する。端部にコネクタ9を有する接続ケーブル7は、光マトリックスビルディングブロック1が別のデバイスと電子的に接続することを可能にし、電力が光マトリックスビルディングブロック1に供給されることを可能にし、また、サポートされている場合、接続されたデバイス間のデジタル通信を可能にする。
【0024】
発光素子3の各々の色及び強度は、光マトリックスビルディング要素1内のコントローラによって個別に制御することができる。発光素子3は、複数の強度で複数の色を生成することができ、色と強度の両方が発光素子3ごとに別々に制御される。各発光素子3の色および強度設定に関する命令を含むデジタル情報は、接続ケーブル7を介して、または無線接続を介して、光マトリックスビルディングブロック1に提供される。各発光素子3の色および強度に関する符号化のためのデジタル情報がBluetooth Low Energyプロトコルを使用して光マトリックスビルディングブロック1に直接、または接続ケーブル7を介して光マトリックスビルディングブロックに接続されたデバイスに送信される場合であっても、光マトリックス5を迅速に更新できるようにする。発光素子の色や強度を調節するためのデジタル情報は、1バイトで符号化される。デジタル情報を受信した後、光マトリックスビルディングブロック1は、光マトリックス5内の9つのLEDSの色及び強度設定を更新するのに必要な9バイトのデータを復号する。
【0025】
図2~
図5は、いくつかの実施形態による光マトリックスビルディングブロック1およびビルディングブロックデバイス13の概略図を示す。各図に関連して、光マトリックスビルディングブロック1がその発光素子を介して所望の視覚出力を提供するために使用され得る方法を説明する。視覚出力は、人によって知覚されるか、またはデバイス、例えば、カメラまたはセンサによって受信されてもよい。
【0026】
図2~
図5は、有線接続7を介して接続された光マトリックスビルディングブロック1およびビルディングブロックデバイス13の概略図を示す。
図1に示す実施形態のように、光マトリックスビルディングブロック1は、合計9個の発光素子3を含む別個のLED3の3×3マトリックス5を有する。ビルディングブロックデバイス13は、ビルディングブロックでもある電子デバイスであり、すなわち、それが適切な取り付け部分を有する他のビルディングブロックと結合することを可能にする取り付け部分(図示せず)を有する。
【0027】
図2及び
図3のビルディングブロックデバイス13は、ビルディングブロックハブデバイス15であり、光マトリックスビルディングブロック1と、例えば他のビルディングブロック装置、タブレット、コンピュータ、携帯電話等の他の装置と通信することができ、これらの間の通信を容易にすることができる。ビルディングブロックハブデバイス15は、概して、有線もしくは無線通信のいずれか、または両方のために構成され得る。したがって、光マトリックスビルディングブロック1を対象とするデジタル情報を受信することができる。
【0028】
図2の実施形態では、ビルディングブロックハブデバイス15は、BLEプロトコルを使用して無線接続19を介してタブレット17に接続され、BLEプロトコルを介して光マトリックスビルディングブロック1を対象とする命令を受信する。ハブデバイス15は、タブレット17から受信したデジタル情報を、接続ケーブル7を介して光マトリックスビルディングブロック1に送信し、光マトリックスビルディングブロック1は、情報を復号し、それに応じて各発光素子3の色および強度を調節する。
【0029】
タブレット17からの情報は、BLEプロトコルを使用して送信され、タブレット17は、代わりに、例えば、BLEプロトコルを使用して無線通信可能なコンピュータ又は他のビルディングブロックデバイスであってもよい。各発光素子3の情報を1バイトで符号化することにより、光マトリックス5の9個の発光素子3の全てを1つのBLEメッセージで更新することができ、迅速な更新が可能となる。
【0030】
図2のハードウェアの概略図の下の方には、全ての発光素子3が個別に制御されるのが可能であることから、全ての発光素子LED3が異なる色及び異なる強度を有する光マトリックス5が示されている。色は、例えば、淡青色、赤色、黄色、緑色、青色、紫色、茶色、ピンク色、白色などとすることができ、これらは、灰色の異なる陰影として示されている。
図2に示す構成は、光マトリックス5の高速かつ信頼性の高い高レベルの制御を可能にする。
【0031】
例として、各発光素子3の色および強度は、符号化においてそれぞれインデックス付き強度およびインデックス付き色として提供されてもよく、4ビットが色に対するインデックス(指標)を提供し、4ビットが強度に対するインデックス(指標)を提供することができる。
【0032】
【0033】
色のインデックス(指標)の値の各々は、特定の個別の色に対応する。しかしながら、強度のインデックス(指標)は、(10個の標準強度レベルを有するインデックス(指標))の如く、4ビットがレベルに対するインデックス(指標)を提供するガンマレベルテーブルとして提供され得る。
【0034】
【0035】
最終RGB値を計算するために、強度因子は、その最大(max)で除算され、各RGB値と乗算され、すなわち、上記の例では、強度は、因子/255として計算され、次いで、各RGB値と乗算される。例えば、選択された色がRGB=(0,160,30)を有し、強度インデックスが6である場合、最終RGB値は(0, 69/255*160, 69/255*30)=(0,43,8)である。
【0036】
図3の実施形態では、下の方に6つの例が示されており、すべての発光素子は同じ色であり、同じ強度を有している。可能な色は、例えば、淡青色、赤色、黄色、緑色、青色、紫色、茶色、ピンク色、白色などとすることができ、これは、
図3に灰色の異なる陰影として示されている。同じ色及び同じ強度を有する全ての発光素子3は、ハブデバイス15が、接続されたビルディングブロックデバイス、例えば、光マトリックス5によって視覚化される離散値を出力するビルディングブロックセンサ21から信号を受信する場合に有用である。そして、全ての発光素子3が同色である場合に、上述したようなカラーインデックス(指標)を用いて、離散的な単一の値を可視化する。
【0037】
接続されたデバイス、例えば、センサ21は、符号化に適合するようにフォーマットされた信号を送信することができ、各発光素子3の色及び強度を調節するための情報は、単一バイトの情報に符号化される。あるいは、接続されたデバイス21は、その離散値を、接続23を介してハブデバイス15に送信し、ハブデバイス15は、次いで、光マトリックスビルディングブロック1に対する情報を符号化する。さらなる代替として、またはさらに、光マトリックスビルディングブロック1は、ハブデバイス15を介してビルディングブロックセンサ21から直接、離散値信号を受信し、復号して、表された離散値の視覚化を生成するようにさらに構成され得る。
【0038】
図4の実施形態では、ビルディングブロックデバイス13は、デジタル通信のための能力を有さない単純なビルディングブロックバッテリデバイス23である。光マトリックスビルディングブロック1は、ケーブル7を介して、それに電力を供給することができるバッテリデバイスに接続され、さらにバッテリデバイスがデジタル通信のために構成されていないことを検出するように構成される。このタイプの単純なビルディングブロックバッテリデバイス23に接続されると、光マトリックスビルディングブロック1は、電池の極性を検出し、例えば、正極性に対しては全ての発光素子3を緑色にし、負極性に対しては赤色にすることによって、電池の極性を視覚化する。
図4の下の方には、発光素子3がすべて同じ色および同じ強度を有する光マトリックス5の3つの例が示されている。左端の光マトリックス5は、単純なバッテリデバイス23に接続される前にオフにされているが、他の2つの光マトリックス5は、異なる灰色の濃淡として示される2つの異なる色の使用によって、正または負のいずれかの極性を検出して視覚化する光マトリックス構築ブロック1を表している。
【0039】
図5は、光マトリックスビルディングブロック1がビルディングブロックデバイス13に接続され、マイナス10からプラス10の範囲の値として視覚化できる相対値をビルディングブロックデバイス13が出力する実施形態を示している。
【0040】
例えば、ビルディングブロックデバイス13は、スマートバッテリデバイス25、すなわちデジタル通信が可能なバッテリデバイスであってもよく、またはハブデバイス15であってもよい。
図4に関連して上述したように、光マトリックスビルディングブロック1は、それがバッテリデバイス25に接続されているかどうかを検出し、バッテリデバイスの極性を検出することができる。スマートバッテリデバイス25は、光マトリックスビルディングブロック1がバッテリの電力レベルを視覚化するために必要なデジタル情報を提供する。正極性の場合、色は緑色であってもよく、電力レベルを視覚化するために、緑色の強度は、例えば、最大値に到達するまで各垂直線において増加する強度によって示されるように、電力レベルの増加に伴って増加し得る。同様に、負の極性に対しては赤色を用いることができ、増加するバッテリレベルを示すように増加する強度を使用するようにして示されている。このようにして、電力レベルについての赤色または緑色の棒グラフが生成される。
図5においては、異なる色および強度は、灰色の異なる陰影として示されている。
【0041】
図6は、いくつかの実施形態による、光マトリックスビルディングブロック1とビルディングブロックデバイス13との間の通信の方法の流れ図を示す。光マトリックスビルディングブロック1は、複数の別個の発光素子3を有し、各発光素子3の色及び強度を個別に制御するように構成されている。
【0042】
ステップS10において、ビルディングブロックデバイス13は、デジタル情報を光マトリックスビルディングブロック1に提供し、複数の発光素子のうちのある発光素子3の色および強度を調節するためのデジタル情報は、一バイトの情報に符号化される。ビルディングブロックデバイス13は、例えば、
図2、
図3及び
図5に関連して説明したビルディングブロックハブデバイス15又はビルディングブロックスマートバッテリデバイス25とすることができる。ステップS20において、光マトリックスビルディングブロック1は、デジタル情報を受信して復号し、ステップS30において、光マトリックスビルディングブロック1は、受信されたデジタル情報に従って、発光素子3の各々の色および強度を調節する。
【0043】
図1~
図5の説明は、ビルディングブロックデバイス13からの出力が光マトリックスビルディングブロック1を使用してどのように視覚化され得るかの例を提供する。
参照番号リスト
【0044】
1 光マトリックスビルディングブロック
3 発光素子
5 発光素子のマトリックス
7 接続ケーブル
9 コネクタ
11 取り付け部分
13 ビルディングブロックデバイス
15 ビルディングブロックハブデバイス
17 タブレット
19 無線接続
21 離散値を出力するビルディングブロックデバイス
23 ビルディングブロックバッテリデバイス
25 ビルディングブロックスマートバッテリデバイス
【手続補正書】
【提出日】2024-01-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール式玩具または教育用構築セットのための光マトリックスビルディングブロックであって、該光マトリックスビルディングブロックは、複数の別個の発光素子を含み、 各前記発光素子の色及び強度を個別に制御し、デジタル情報を受信及び復号して、各前記発光素子の色及び強度を調節するように構成されており、前記複数の発光素子のうちの一つの発光素子の色及び強度を調節するデジタル情報は、1バイトの情報に符号化されている、光マトリックスビルディングブロック。
【請求項2】
前記光マトリックスビルディングブロックは、デジタル情報を復号するようにさらに構成されており、強度および色の符号化情報は、それぞれ、インデックス付き強度およびインデックス付き色として提供される、請求項1に記載の光マトリックスビルディングブロック。
【請求項3】
前記光マトリックスビルディングブロックは、デジタル情報を復号するようにさらに構成されており、前記強度符号化情報および色符号化情報は、それぞれ4ビットで符号化されている、請求項1または2に記載の光マトリックスビルディングブロック。
【請求項4】
前記複数の発光素子が2Dグリッド上に配置されている、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の光マトリックスビルディングブロック。
【請求項5】
前記光マトリックスビルディングブロックは、有線接続を介して前記デジタル情報を受信するようにさらに構成されている、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の光マトリックスビルディングブロック。
【請求項6】
前記光マトリックスビルディングブロックは、接続されたビルディングブロックデバイスが電子的に接続されたビルディングブロックに電力を供給することができるかどうか、およびそれがデジタル通信用に構成されているかどうかを判定するようにさらに構成されている、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の光マトリックスビルディングブロック。
【請求項7】
前記光マトリックスビルディングブロックは、接続されたビルディングブロックデバイスの状態に従って前記発光素子の各々の色および強度を調節するようにさらに構成されている、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の光マトリックスビルディングブロック。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか一項に記載の光マトリックスビルディングブロックと、ビルディングブロック
ハブデバイスとを備え、前記光マトリックスビルディングブロックと前記ビルディングブロック
ハブデバイスとが互いに電子的に接続されるように構成されて
おり、前記ビルディングブロックハブデバイスは、前記光マトリックスビルディングブロックを対象とするデジタル情報を符号化するように構成されている、モジュール式玩具または教育用構築セット。
【請求項9】
前記ビルディングブロック
ハブデバイスは、前記光マトリックスビルディングブロックを対象とするデジタル情報を無線で受信するように構成され
ている、請求項8に記載のモジュラー玩具又は教育用構築セット。
【請求項10】
前記ビルディングブロックハブデバイスは、前記光マトリックスビルディングブロックを対象とする前記デジタル情報を単一のBluetooth Low Energy(BLE)メッセージとして受信するようにさらに構成されている、請求項
9に記載のモジュラー玩具または教育用構築セット。
【請求項11】
ビルディングブロックバッテリデバイスである
ビルディングブロックデバイスを更に備える、請求項8に記載のモジュラー玩具又は教育用構築セット。
【請求項12】
光マトリックスビルディングブロックとビルディングブロックデバイスとの間の通信方法であって、前記光マトリックスビルディングブロックは、複数の別個の発光素子を備え、前記発光素子の各々の色および強度を個別に制御するように構成されており、該方法は、
前記ビルディングブロックデバイスによって、デジタル情報を前記光マトリックスビルディングブロックに提供することと、
前記光マトリックスビルディングブロックにより、前記デジタル情報を受信し、復号することと、
前記光マトリックスビルディングブロックによって、前記受信されたデジタル情報に従って前記発光素子の各々の色および強度を調節することと、を含み、
前記複数の発光素子のうち一つの発光素子の色及び強度を調節する前記デジタル情報は、1バイトの情報に符号化されている、通信方法。
【請求項13】
前記強度および色の符号化された情報は、それぞれインデックス付き強度およびインデックス付き色として提供されている、請求項1
2に記載の通信方法。
【請求項14】
前記強度符号化情報および前記色符号化情報は、それぞれ4ビットで符号化されている、請求項1
2または1
3に記載の通信方法。
【国際調査報告】