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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】シールドガイドアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/56 20060101AFI20240305BHJP
   A61F 2/40 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
A61B17/56
A61F2/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558838
(86)(22)【出願日】2022-03-16
(85)【翻訳文提出日】2023-11-27
(86)【国際出願番号】 US2022020488
(87)【国際公開番号】W WO2022203911
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】17/214,067
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514290052
【氏名又は名称】アースレックス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ARTHREX, INC.
【住所又は居所原語表記】1370 Creekside Blvd, Naples, FL 34108, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・デイヴィッド・パターソン
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン・ジョン・ガレン
(72)【発明者】
【氏名】タイラー・クレヴェット
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・ピー・シーヴェ
(72)【発明者】
【氏名】フランク・ユーイング
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・シュテファン・ヴァン・デル・メルヴェ
(72)【発明者】
【氏名】ベルント・フェルケル
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ジョン・レブンズクロフト
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン・ウィリアム・グリフィン
【テーマコード(参考)】
4C097
4C160
【Fターム(参考)】
4C097AA11
4C097BB01
4C097BB04
4C097CC14
4C160LL12
4C160LL21
(57)【要約】
本開示は、関節の機能を回復させるためのシールドガイドアセンブリおよび方法に関する。本明細書に開示されるシールドガイドアセンブリは、外科手術部位に沿った一つ以上の特徴の形成中に、隣接する骨表面領域上へのシールドを通したアクセスを妨げるように寸法設定されたシールドを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
整形外科処置のためのシールドガイドアセンブリであって、
インプラントに取り外し可能に固定されるように構成された基部と、
前記基部からアーム軸に沿って延在する細長いガイドアームと、
前記基部に対する位置を設定するために、前記アーム軸に沿って並進可能なシールドと、
を備え、
前記シールドが、シールド周囲を確立するシールド本体を含み、かつ前記シールド本体が、前記シールド周囲の投影と関連付けられた隣接する骨表面領域上への、前記シールド本体を通したアクセスを妨げるように寸法設定されている、シールドガイドアセンブリ。
【請求項2】
前記シールド本体が、前記アーム軸に沿って前記ガイドアームの一部分を摺動可能に受容するように構成された少なくとも一つのスロットを含む、請求項1に記載のシールドガイドアセンブリ。
【請求項3】
前記ガイドアームの長さが、T字形状の断面を有する、請求項2に記載のシールドガイドアセンブリ。
【請求項4】
前記少なくとも一つのスロットが、前記アーム軸に対する前記シールドのそれぞれの半径方向位置に対応する相互接続されたT字形状のスロットの列であり、前記ガイドアームの長さが、前記シールドのそれぞれの半径方向位置を設定するために、前記T字形状のスロットの各々に挿入可能である、請求項3に記載のシールドガイドアセンブリ。
【請求項5】
前記シールド本体が、前記スロットの列と前記シールド周囲との間の任意の開口を排斥する、請求項4に記載のシールドガイドアセンブリ。
【請求項6】
前記基部が、前記インプラントの端部分を少なくとも部分的に受容するように構成された凹部を含む、請求項1に記載のシールドガイドアセンブリ。
【請求項7】
前記基部が、前記インプラントのインプラント軸に対する前記シールドの円周方向位置を変化させるために、前記インプラント軸の周りを回転可能である、請求項6に記載のシールドガイドアセンブリ。
【請求項8】
前記シールドが、設置位置で前記隣接する骨表面領域に当接するように寸法設定されている、請求項1に記載のシールドガイドアセンブリ。
【請求項9】
前記隣接する骨表面領域が、上腕骨と関連付けられている、請求項1に記載のシールドガイドアセンブリ。
【請求項10】
整形外科処置のためのシールドガイドアセンブリであって、
インプラントに取り外し可能に固定されるように構成された基部と、
前記基部から延在するガイドアームと、
前記ガイドアームに対して移動可能なシールドと、
を備え、
前記シールドがシールド本体を含み、前記シールド本体が前記シールド本体の周囲の投影が前記インプラントの周囲のシルエットを描くように、前記シールドを通したアクセスを妨げるように寸法設定されている、シールドガイドアセンブリ。
【請求項11】
前記基部が、前記インプラントのインプラント軸に対する前記シールドの円周方向位置を変化させるために、前記インプラントのインプラント軸の周りを回転可能である、請求項10に記載のシールドガイドアセンブリ。
【請求項12】
前記シールドの前記周囲が、前記インプラント軸に対して前記基部の底部より下の前記インプラントの前記周囲に沿った実質的にすべての位置に対して、前記インプラントの前記周囲から1ミリメートル以下の最大距離だけ外向きにオフセットされている、請求項11に記載のシールドガイドアセンブリ。
【請求項13】
前記シールドが、前記インプラント軸に対する前記シールドの半径方向位置を変化させるために、前記ガイドアームに対して移動可能である、請求項11に記載のシールドガイドアセンブリ。
【請求項14】
前記シールド本体が、上腕骨と関連付けられた隣接する骨表面領域上への、前記シールドを通したアクセスを妨げるように寸法設定されている、請求項10に記載のシールドガイドアセンブリ。
【請求項15】
整形外科処置のためのキットであって、
少なくとも部分的に骨に受容されるように構成されたインプラント本体を含むインプラントと、
シールドガイドアセンブリであって、
前記インプラントに取り外し可能に固定されるように構成された基部と、
前記基部から延在するガイドアームと、
前記インプラントに対する位置を設定するために、前記ガイドアームの長さに沿って並進可能なシールドと、を備える、シールドガイドアセンブリと、
を含み、
前記シールドが、シールド周囲を確立するシールド本体を含み、かつ前記シールド本体が、前記シールド周囲の投影と関連付けられた前記骨の隣接する骨表面領域上への、前記シールド本体を通したアクセスを妨げるように寸法設定されている、キット。
【請求項16】
前記シールド周囲が、骨に受容されるように構成された前記インプラントの部分のインプラント幅よりも大きいシールド幅を画定する、請求項15に記載のキット。
【請求項17】
前記インプラント本体が、第一の端部分と第二の端部分との間にインプラント軸に沿って延在し、前記基部が、前記第一の端部分に固定されるように構成されており、前記シールドが、設置位置において前記インプラント本体に対する前記シールドの円周方向位置を変化させるために、前記インプラント軸の周りを回転可能である、請求項15に記載のキット。
【請求項18】
前記インプラントが、前記インプラント本体に固定されるように構成されたトラニオンと、前記インプラント本体に固定されるように構成された関節接合ヘッドと、を含み、
前記トラニオンが、上腕骨に沿って切除面と係合するように構成されていて、
前記関節接合ヘッドが、関節窩または関節窩インプラントと関連付けられた対向する関節面と整合するように寸法設定された関節接合面を含む、請求項15に記載のキット。
【請求項19】
複数のねじ山が、前記インプラント本体の円周の周りに延在し、前記複数のねじ山が、前記インプラント本体を骨に固定するように寸法設定されている、請求項18に記載のキット。
【請求項20】
整形外科用インプラントを設置する方法であって、
骨にインプラントを位置付けるステップと、
シールドガイドアセンブリを前記インプラントに固定するステップであって、前記シールドガイドアセンブリが、基部と、前記基部から延在するガイドアームと、前記ガイドアームに固定されたシールドと、を含み、前記基部を前記インプラントに据え付けることを含む、固定するステップと、
前記インプラントに対する前記シールドの位置を設定するために、前記シールドを前記ガイドアームに沿って移動させるステップであって、シールド本体が、設定された位置からの、前記シールドの周囲の投影に関連付けられた前記骨の骨表面領域上への、前記シールド本体を通したアクセスを妨げるように寸法設定されている、移動させるステップと、
前記骨の表面領域および前記シールドに隣接する前記骨に少なくとも一つの開口を形成するステップと、
を含む、方法。
【請求項21】
組織が軟組織であり、
前記少なくとも一つの開口に締結具を位置付けて、前記軟組織を前記骨に固定するステップ、をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記骨が上腕骨であり、前記締結具が縫合糸アンカーであり、前記軟組織が肩甲下筋腱を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記骨が上腕骨であり、
前記上腕骨を上腕骨頭に沿って切除して切除面を確立するステップと、次いで前記インプラントの少なくとも一部分を前記切除面に埋め込むステップと、をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記シールドを前記インプラントのインプラント軸の周りに回転させるステップであって、前記インプラントに対する前記シールドの円周方向位置を設定する、回転させるステップをさらに含み、
前記移動させるステップが、前記シールドが設定された位置で前記骨の表面領域に沿って前記骨に当接するように起こり、
前記形成するステップが、前記回転させるステップおよび前記移動させるステップの後に起こる、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記骨が上腕骨であり、
前記上腕骨を上腕骨頭に沿って切除して切除面を確立するステップと、次いで前記インプラントの少なくとも一部分を前記切除面に埋め込むステップと、をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記インプラントが、インプラント本体と、前記インプラント本体に固定されるように構成されたトラニオンと、関節接合ヘッドと、を含み、前記関節接合ヘッドが、関節窩または関節窩インプラントと関連付けられた対向する関節面と整合するように寸法設定された関節接合面を含み、
前記インプラントを位置付けるステップが、前記トラニオンを前記切除面に沿って係合するように移動させるステップを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
複数のねじ山が、前記インプラント本体の円周の周りに延在し、前記インプラントを位置付けるステップが、前記インプラント本体をインプラント軸の周りに回転させて、前記インプラント本体を前記骨に固定して取り付けるステップを含み、
前記関節接合ヘッドを前記トラニオンに固定して、前記トラニオンと前記関節接合ヘッドとの間に前記インプラント本体の端部分を閉じ込めるステップをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、2021年3月26日に出願された米国特許出願第17/214,067号に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
本開示は、整形外科処置に関し、より具体的には、関節を修復するためのシールドガイドアセンブリに関する。
【0003】
ヒト筋骨格系の多くの骨は、関節面を含む。関節面は、連携して、異なる種類および程度の関節の動きを促進する。関節面は、繰り返しの使用もしくは摩耗により、経時的に摩滅するかまたは骨損失を被り得る、または外傷性衝撃の結果、骨折し得る。これらの種類の骨欠損は、関節の不安定性および疼痛を引き起こし得る。一部の技術は、関節面を修復するために人工関節を利用する場合がある。組織は、人工関節の配置前に骨から取り外されてもよい。組織は、人工関節に隣接して位置する一つ以上の締結具を利用して骨に再び取り付けられてもよい。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、整形外科処置のためのシールドガイドアセンブリに関する。シールドガイドアセンブリは、外科手術部位の準備中に骨の局部的表面領域へのアクセスを少なくとも部分的に妨げるために使用され得る。
【0005】
本開示の例示的な態様による整形外科処置のためのシールドガイドアセンブリは、特に、インプラントに取り外し可能に固定されるように構成された基部と、基部からアーム軸に沿って延在する細長いガイドアームと、基部に対するシールドの位置を設定するためにアーム軸に沿って並進可能なシールドと、を含み得る。シールドは、シールド周囲を確立するシールド本体を含んでもよい。シールド本体は、シールド周囲の投影と関連付けられた隣接する骨表面領域上への、シールド本体を通したアクセスを妨げるように寸法設定され得る。
【0006】
本開示の例示的な態様による整形外科処置のためのシールドガイドアセンブリは、特に、インプラントに取り外し可能に固定されるように構成された 基部と、基部から延在するガイドアームと、ガイドアームに対して移動可能なシールドとを含み得る。シールドは、シールド本体の周囲の投影がインプラントの周囲のシルエットを描き得るように、シールドを通したアクセスを妨げるように寸法設定され得るシールド本体を含む。
【0007】
本開示の例示的な態様による整形外科処置のためのキットは、特に、骨およびシールドガイドアセンブリに少なくとも部分的に受容されるように構成されたインプラント本体を含むインプラントを含み得る。シールドガイドアセンブリは、インプラントに取り外し可能に固定されるように構成された基部と、基部から延在するガイドアームと、インプラントに対するシールドの位置を設定するためにガイドアームの長さに沿って並進可能なシールドと、を含み得る。シールドは、シールド周囲を確立するシールド本体を含んでもよい。シールド本体は、シールド周囲の投影と関連付けられた骨の隣接する骨表面領域上への、シールド本体を通したアクセスを妨げるように寸法設定され得る。
【0008】
本開示の例示的な態様による整形外科用インプラントを設置する方法は、特に、骨にインプラントを位置付けることと、シールドガイドアセンブリをインプラントに固定することと、を含み得る。シールドガイドアセンブリは、基部と、基部から延在するガイドアームと、ガイドアームに固定されたシールドと、を含み得る。固定工程は、基部をインプラントに据え付けることを含んでもよい。方法は、シールドをガイドアームに沿って移動させて、インプラントに対してシールドの位置を設定することを含み得る。シールド本体は、設定位置からの、シールド周囲の投影に関連付けられた骨の骨表面領域上への、シールド本体を通したアクセスを妨げるように寸法設定され得る。方法は、骨表面領域およびシールドに隣接する骨に少なくとも一つの開口を形成することを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】基部、ガイドアーム、およびシールドを含む例示的なシールドガイドアセンブリの斜視図である。
図2図1のシールドガイドアセンブリの平面図である。
図3図2の線3-3に沿って切り取られたシールドガイドアセンブリの断面図である。
図3A】例示的なシールドの輪郭を示す図である。
図4図2の線4-4に沿って切り取られたシールドガイドアセンブリの断面図である。
図5図1のシールドガイドアセンブリの底面図である。
図5A】ガイドアームに対して第一の位置にあるシールドを示す図である。
図5B】ガイドアームに対して第二の位置にあるシールドを示す図である。
図6】局部的骨表面領域およびインプラント周囲に対する、図5のシールドガイドのシールド周囲を示す図である。
図7】インプラント周囲に対する、別のシールドガイドのシールド周囲を示す図である。
図8】例示的なインプラントの斜視図および分解図である。
図9】例示的なインプラントの斜視図および分解図である。
図10】整形外科用インプラントシステムを外科手術部位に設置する例示的な方法を示す図である。
図11】切除された骨を示す図である。
図12図11の切除された骨に沿って位置付けられたインプラントを示す図である。
図13】外科手術部位に対して位置付けられた例示的なシールドガイドアセンブリを示す図である。
図14】外科手術部位に対して位置付けられた例示的なシールドガイドアセンブリを示す図である。
図15】外科手術部位に位置付けられた図12のインプラントを示す図である。
図16】外科手術部位に取り付けられた組織を示す図である。
図17】開口内に位置付けられた締結具を示す図である。
図18図16で取り付けられた組織の修復の完了図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、関節の機能を回復させるための整形外科処置で利用され得るシールドガイドアセンブリに関する。本明細書に記載のシールドガイドアセンブリは、進行した軟骨疾患を有する肩の機能を回復させるための解剖学的およびリバース型処置において、人工肩関節の配置中に利用されてもよい。人工関節の部分の視界は、骨への配置のために不明瞭な場合がある。本明細書に開示されるシールドガイドアセンブリおよび技術を利用して、人工関節を囲む骨の部分へのアクセスを妨げ、それによって、腱、靭帯、および関節包を含む軟組織、ならびに治癒の改善をもたらし得る他の組織など、関節を安定化する任意の組織の再取り付けのために利用され得る器具および他の装置からの接触の可能性を低減し得る。組織は、棘上筋腱、棘下筋腱、小円筋腱、および/または肩甲下筋腱を含む、一つ以上の回旋筋腱板腱を含み得る。例えば、外科医は、肩甲下筋腱または他の回旋筋腱板腱を骨に再び取り付ける準備をするときに、人工関節に対してシールドガイドアセンブリを位置付けて、不注意に人工関節に接触し、孔を形成する可能性を低減し得る。
【0011】
本開示の例示的な態様による整形外科処置のためのシールドガイドアセンブリは、特に、インプラントに取り外し可能に固定されるように構成された基部と、基部からアーム軸に沿って延在する細長いガイドアームと、基部に対するシールドの位置を設定するためにアーム軸に沿って並進可能なシールドと、を含み得る。シールドは、シールド周囲を確立するシールド本体を含んでもよい。シールド本体は、シールド周囲の投影と関連付けられた隣接する骨表面領域上への、シールド本体を通したアクセスを妨げるように寸法設定され得る。
【0012】
さらなる実施形態において、シールド本体は、アーム軸に沿ってガイドアームの一部分を摺動可能に受容するように構成された少なくとも一つのスロットを含んでもよい。
【0013】
さらなる実施形態において、ガイドアームの長さは、T字形状の断面を有してもよい。
【0014】
さらなる実施形態において、少なくとも一つのスロットは、アーム軸に対するシールドのそれぞれの半径方向位置に対応する相互接続されたT字形状のスロットの列であってもよく、ガイドアームの長さは、シールドのそれぞれの半径方向位置を設定するために、T字形状のスロットの各々に挿入可能であってもよい。
【0015】
さらなる実施形態において、シールド本体は、スロットの列とシールド周囲との間の任意の開口を排斥する。
【0016】
さらなる実施形態において、基部は、インプラントの端部分を少なくとも部分的に受容するように構成された凹部を含んでもよい。
【0017】
さらなる実施形態において、基部は、インプラント軸に対するシールドの円周方向位置を変化させるために、インプラントのインプラント軸の周りを回転可能であってもよい。
【0018】
さらなる実施形態において、シールドは、設置位置で隣接する骨表面領域に当接するように寸法設定されてもよい。
【0019】
さらなる実施形態において、隣接する骨表面領域は、上腕骨と関連付けられてもよい。
【0020】
本開示の例示的な態様による整形外科処置のためのシールドガイドアセンブリは、特に、インプラントに取り外し可能に固定されるように構成された 基部と、基部から延在するガイドアームと、ガイドアームに対して移動可能なシールドとを含み得る。シールドは、シールド本体の周囲の投影がインプラントの周囲のシルエットを描き得るように、シールドを通したアクセスを妨げるように寸法設定され得るシールド本体を含む。
【0021】
さらなる実施形態において、基部は、インプラントのインプラント軸に対するシールドの円周方向位置を変化させるために、インプラントのインプラント軸の周りを回転可能であってもよい。
【0022】
さらなる実施形態において、インプラント軸に対して基部の底部より下のインプラントの周囲に沿った実質的にすべての位置に対して、シールドの周囲は、インプラントの周囲から1ミリメートル以下の最大距離だけ外向きにオフセットされてもよい。
【0023】
さらなる実施形態において、シールドは、インプラント軸に対するシールドの半径方向位置を変化させるために、ガイドアームに対して移動可能であってもよい。
【0024】
さらなる実施形態において、シールド本体は、上腕骨と関連付けられた隣接する骨表面領域上へのシールドを通したアクセスを妨げるように寸法設定されてもよい。
【0025】
本開示の例示的な態様による整形外科処置のためのキットは、特に、骨およびシールドガイドアセンブリに少なくとも部分的に受容されるように構成されたインプラント本体を含むインプラントを含み得る。シールドガイドアセンブリは、インプラントに取り外し可能に固定されるように構成された基部と、基部から延在するガイドアームと、インプラントに対するシールドの位置を設定するためにガイドアームの長さに沿って並進可能なシールドと、を含み得る。シールドは、シールド周囲を確立するシールド本体を含んでもよい。シールド本体は、シールド周囲の投影と関連付けられた骨の隣接する骨表面領域上への、シールド本体を通したアクセスを妨げるように寸法設定され得る。
【0026】
さらなる実施形態において、シールド周囲は、骨に受容されるように構成されたインプラントの部分のインプラント幅よりも大きいシールド幅を画定してもよい。
【0027】
さらなる実施形態において、インプラント本体は、第一の端部分と第二の端部分との間のインプラント軸に沿って延在してもよい。基部は、第一の端部分に固定されるように構成されてもよい。シールドは、設置位置においてインプラント本体に対するシールドの円周方向位置を変化させるために、インプラント軸の周りを回転可能であってもよい。
【0028】
さらなる実施形態において、インプラントは、インプラント本体に固定されるように構成されたトラニオンと、インプラント本体に固定されるように構成された関節接合ヘッドとを含んでもよい。トラニオンは、上腕骨に沿って切除面と係合するように構成され得る。関節接合ヘッドは、関節窩または関節窩インプラントと関連付けられた対向する関節面と整合するように寸法設定された関節接合面を含んでもよい。
【0029】
さらなる実施形態において、複数のねじ山は、インプラント本体の円周の周りに延在してもよく、複数のねじ山は、インプラント本体を骨に固定するように寸法設定されてもよい。
【0030】
本開示の例示的な態様による整形外科用インプラントを設置する方法は、特に、骨にインプラントを 位置付けることと、シールドガイドアセンブリをインプラントに固定することと、を含み得る。シールドガイドアセンブリは、基部と、基部から延在するガイドアームと、ガイドアームに固定されたシールドと、を含み得る。固定工程は、基部をインプラントに据え付けることを含んでもよい。方法は、シールドをガイドアームに沿って移動させて、インプラントに対してシールドの位置を設定することを含み得る。シールド本体は、設定位置からの、シールド周囲の投影に関連付けられた骨の骨表面領域上への、シールド本体を通したアクセスを妨げるように寸法設定され得る。方法は、骨表面領域およびシールドに隣接する骨に少なくとも一つの開口を形成することを含み得る。
【0031】
さらなる実施形態において、組織は軟組織であってもよく、方法は、少なくとも一つの開口に締結具を位置付けて、軟組織を骨に固定することを含んでもよい。
【0032】
さらなる実施形態において、骨は上腕骨であってもよく、締結具は縫合糸アンカーであってもよく、軟組織は肩甲下筋腱を含んでもよい。
【0033】
さらなる実施形態において、骨は上腕骨であってもよい。方法は、上腕骨を上腕骨頭に沿って切除して切除面を確立することと、次いでインプラントの少なくとも一部分を切除面に埋め込むことと、を含み得る。
【0034】
さらなる実施形態において、方法は、インプラント軸に対するシールドの円周方向位置を設定するために、シールドを、インプラントのインプラント軸の周りに回転することを含んでもよい。移動工程は、シールドが設定位置で骨表面領域に沿って骨に当接するように起こってもよい。形成工程は、回転工程および移動工程の後に起こってもよい。
【0035】
さらなる実施形態において、骨は上腕骨であってもよい。方法は、上腕骨を上腕骨頭に沿って切除して切除面を確立することと、次いでインプラントの少なくとも一部分を切除面に埋め込むことと、を含み得る。
【0036】
さらなる実施形態において、インプラントは、インプラント本体と、インプラント本体に固定されるように構成されたトラニオンと、関節接合ヘッドとを含んでもよい。関節接合ヘッドは、関節窩または関節窩インプラントと関連付けられた対向する関節面と整合するように寸法設定された関節接合面を含んでもよい。インプラントを位置付ける工程は、トラニオンを切除面に沿って係合するように移動させることを含み得る。
【0037】
さらなる実施形態において、複数のねじ山は、インプラント本体の円周の周りに延在してもよい。インプラントを位置付ける工程は、インプラント本体をインプラント軸の周りに回転させて、インプラント本体を骨に固定して取り付けることを含み得る。方法は、関節接合ヘッドをトラニオンに固定して、トラニオンと関節接合ヘッドとの間にインプラント本体の端部分を閉じ込めることを含んでもよい。
【0038】
図1~6は、例示的なシールドガイドアセンブリ20を示す。アセンブリ20は、関節の機能を回復させるための整形外科処置などの様々な外科手術処置のために利用され得る。アセンブリ20は、解剖学的およびリバース型肩置換処置において、上腕骨に沿った関節面の修復に利用され得る。アセンブリ20は、上腕骨における人工関節の移植に続いて、肩甲下筋腱またはその他の回旋筋腱板腱の骨への再取り付けなど、外科手術部位における、腱、靭帯および関節包を含む軟組織の取り付け中に利用され得る。外科医は、外科手術部位の準備中にインプラントを囲む骨の部分への経路を妨げ、それによって、組織の取り付けに利用され得るガイドピンおよび締結具などの器具および他の装置からの接触の可能性を低減するように、アセンブリ20を置いてもよい。本明細書に開示されるアセンブリは、主に肩の再建を参照するが、開示されたアセンブリは、膝関節および股関節などの患者の他の場所に機能を復元するために利用されてもよい。
【0039】
図1を参照すると、アセンブリ20は、基部22と、細長いガイドアーム24と、ガイドアーム24によって担持され、かつガイドアーム24に固定されたシールド26とを含む。基部22は、インプラント28(例示の目的で図3に破線で示す)に取り外し可能に固定されるように構成される。アセンブリ20は、様々な形状およびサイズのインプラントとともに利用され得る。図3のインプラント28の幾何学的形状は例示的であり、限定することを意図するものではない。シールド26は、基部22およびインプラント28に対してシールド26の位置を設定するために、ガイドアーム24の長さに沿って並進可能である。
【0040】
図1を引き続き参照しながら、図2および図3を参照すると、基部22は、インプラント28と整合するために概してドーム型の幾何学的形状を有してもよい(図3)。基部22は、基部軸BAに沿って延在してもよい。アセンブリ20は、図3に示すように、基部軸BAに沿ってなど、基部22から外向きに延在するハンドル30を含んでもよい。ハンドル30は、アセンブリ20を外科手術部位に沿って所望の位置および/または配向に置くために、外科医によって操作されるように寸法設定されてもよい。ハンドル30は、概して円筒形状の幾何学的形状を有してもよい。ハンドル30は、基部22と一体的に形成されてもよく、または一つ以上の締結具で基部22に機械的に取り付けられた別個の異なった構成要素であってもよい。
【0041】
基部22は、図3に示すように、インプラント28の第一の端部分34を少なくとも部分的に受容して、基部22をインプラント28に固定するように構成された凹部32を含んでもよい。基部22は、インプラント28の第一の端部分34を見るための一つ以上の開口部31(例えば、窓)を画定してもよく、これはアセンブリ20の位置付けを支援し得る。インプラント28は、第一の端部分34と第二の端部分35との間のインプラント軸IAに沿って延在するインプラント本体33を含んでもよい。基部軸BAは、図3に示すように、設置位置においてインプラント28のインプラント軸IAと同一直線上であってもよく、またはそうでなければ実質的に平行であってもよい。他の実装形態において、基部22は、基部軸BAがインプラント軸IAに対して横方向であるように寸法設定されてもよい。本開示の目的のためには、「約」、「およそ」、および「実質的に」という用語は、別途指示されていない限り、記載された値または関係の±10%以内を意味する。凹部32は、インプラント28の第一の端部分34の周辺を補完する幾何学的形状を有するように寸法設定されてもよい。
【0042】
基部22は、設置位置において、インプラント28のインプラント軸IAおよびインプラント本体33に対するシールド26の円周方向位置を変化させるために、インプラント軸IAの周りを方向R1に回転可能であってもよい。他の実施において、凹部32は、インプラント本体33の周辺との締り嵌めを確立して、相対的回転を制限するか、またはそうでなければ対抗するように寸法設定される。
【0043】
ガイドアーム24は、基部22の周辺から片持ちされてもよい。ガイドアーム24は、基部22からアーム軸AAに沿って延在してもよい。ガイドアーム24は、図3に示すように、アーム軸AAが基部軸BAに対して実質的に垂直であるように、かつシールド26が基部軸BAに対して実質的に平行であるように寸法設定されてもよい。他の実施において、アセンブリ20は、シールド26が基部軸BAに対して実質的に非平行であり、基部22に対して角度付けられるように寸法設定されてもよい。シールド26は、基部22に対してシールド26の位置を設定するために、アーム軸AAに沿った方向D1に並進移動可能である。ガイドアーム24に沿ったシールド26の例示的な位置は、図3のシールド26-1、26-2によって図示されている(例示目的のために、26-2は破線で示されている)。基部22の周辺は、アーム軸AAに対するシールド26の、軸方向に最も内側の位置を画定し得る。シールド26をガイドアーム24に沿って方向D1に移動させることは、シールド26が設定位置で骨Bに当接するように起こり得る(例示目的のために、図2で骨Bは破線で示される)。
【0044】
ガイドアーム24は、アーム軸AAの周りのシールド26の回転を制限するように寸法設定されてもよい。他の実施において、シールド26は、アーム軸AAの周りを回転可能であってもよい。ガイドアーム24は、アーム軸AAに沿って延在する本体36と、本体36の対向する側面上の一対のレール38(図2)とを含んでもよい。レール38は、図4に示すように、ガイドアーム24の長さが、実質的にT字形状の断面幾何学的形状を有するように、本体36に沿って配設されてもよい。レール38は、基部22の周辺から延在するように寸法設定されてもよく、また一対の対向するスロット42を確立するために、ガイドアーム24の自由端で支台40から離間していてもよい(図3)。支台40は、アーム軸AAに対するシールド26の、軸方向に最も外側の位置を画定し得る。
【0045】
シールド26は、骨にインプラント28を少なくとも部分的に埋め込んだ後の、肩甲下筋腱または他の回旋筋腱板腱などの本明細書に開示される任意の組織を含む、組織の再取り付けに利用される一つ以上の開口の形成中などに、隣接する局部的骨表面領域上へのシールド本体44を通した経路またはアクセスを妨げるために、所定のインプラント幾何学的形状に関して寸法設定されたシールド本体44を含んでもよい。
【0046】
図2~3を引き続き参照しながら、図5を参照すると、シールド本体44は、第一の部分46および第二の部分48を含んでもよい。第一の部分46は、ガイドアーム24の自由端に向かって面してもよく、第二の部分48は、基部22に向かって面してもよい。第一の部分46および第二の部分48は、一体的に形成されてもよく、または互いに機械的に取り付けられるか、もしくは別の方法で互いに固定された、別個の異なった構成要素であってもよい。第一の部分46は、実質的に長方形の幾何学的形状を有してもよい。第二の部分48は、第一の部分46の外に向かって延在するように寸法設定された一対のウィング50を含んでもよい。シールド本体44の第一および第二の部分46、48は、協働して、シールド周囲52(例示目的のために破線で示される)を確立する。
【0047】
シールド本体44は、外科手術部位の幾何学的形状に関して寸法設定されてもよい。シールド本体44は、図3に示すように、第二の部分48に沿って実質的に平面の幾何学的形状を有し得る。他の実施において、シールド26は、図3Aのシールド本体144によって示されるように、骨Bの隣接表面の輪郭を実質的に補完するまたは近似するように寸法設定されてもよい。シールド本体144をかたどることで、器具および他の装置をシールド本体144と骨Bとの間に配置する可能性を低減し得る。本開示において、同様の参照番号は、適切な場合、同様の要素を示し、100またはその倍数を追加した参照番号は、対応する元の要素の同じ特徴および利点を組み込むと理解される修正要素を示す。
【0048】
シールド26は、インプラント28のインプラント軸IAに対するシールド26の半径方向位置を変化させるために、ガイドアーム24に対して移動可能であってもよい。シールド本体44は、第一および第二の部分46、48を通って延在する少なくとも一つのスロット54を含み得る。スロット54は、図3に示すように、アーム軸AAに沿ってガイドアーム24の一部分を摺動可能に受容するように構成されている。スロット54は、相互接続されたT字形状のスロット57の列などの様々な幾何学的形状を有してもよい。T字形状スロット57は、アーム軸AAおよび/または所定のインプラントサイズのセットに対するシールド26のそれぞれの半径方向位置に対応してもよい。例えば、シールド本体44は、所定のインプラントサイズのセット(例えば、小、中、大、および特大)に対応する四つのスロット57を画定してもよい。シールド本体44は、ガイドアーム24のスロット57のうちの一つと整列してもよく、次いで、シールド26は、図5A~5Bのシールド26-3、26-4によって示されるように、方向D2に移動されて、アーム軸AAに対するシールド26の半径方向位置を設定してもよい。ガイドアーム24の長さに沿ったレール38は、アーム軸AAに対するシールド26の半径方向位置を設定するために、T字形状スロット57の各々に挿入可能であってもよい。シールド26は、図5に示すように、シールド本体44が、スロット57の列とシールド周囲52との間の任意の開口を排斥するように寸法設定されてもよい。
【0049】
図3および図5を引き続き参照しながら、図6を参照すると、シールド周囲52は、インプラントまたはインプラントのセットの所定の幾何学的形状に関して寸法設定され得る。例えば、インプラント28は、インプラント周囲58を確立してもよい。インプラント周囲58は、骨に受容されるように構成されたインプラント28の部分に対応してもよく、または骨から外向きに延在するように構成された部分を含むインプラント28の全体に対応してもよい。シールド周囲52は、シールド周囲52の投影がインプラント周囲58を実質的にまたは完全に囲むように寸法設定され得る。シールド26は、シールド周囲52の投影と関連付けられた局部的骨表面領域60上への、シールド本体44を通したアクセスを妨げるように寸法設定され得る。骨表面領域60は、上腕骨頭など、インプラント28を少なくとも部分的に受容する骨Bの外面輪郭に沿って確立されてもよい。シールド26は、図2に示すように、設置位置で骨表面領域60に当接するように寸法設定されてもよい(図3Aも参照)。シールド周囲52、インプラント周囲58、骨表面領域60、および関連する特徴は、図6では例示的目的のために破線で示されている。
【0050】
シールド26の周囲52は、第一の幅W1を確立し得る。第一の幅W1は、シールド本体44の一対の側壁の間に延在し得る。インプラント28の周囲58は、第二の幅W2を確立し得る。シールド本体44は、図6に示すように、少なくとも、骨に受容されるように構成されたインプラント28の部分について、シールド幅W1がインプラント幅W2よりも大きいように寸法設定されてもよい。シールド26は、図3に示すように、シールド26の周囲52が、インプラント軸IAに対してインプラント28の周囲58の上方および/または下方に延在するように、インプラント本体33の高さ以上の高さを有するように寸法設定されてもよい。図7に示すように、シールド26’は、インプラント28’の輪郭に近似するように寸法設定されてもよい。シールド26’の周囲52’は、シールド26’の周囲52’の投影がインプラント28’の周囲58’のシルエットを描いて、隣接する局部的骨表面領域60’上へのシールド本体44’を通したアクセスを妨げるように、インプラント28’の周囲58’に実質的に従うように寸法設定されてもよい。シールド26’の第一の幅W1’は、インプラント28’の第二の幅W2’と実質的に等しくてもよい。シールド26’の周囲52’は、少なくとも、インプラント軸IA’に対して基部22’の底部37’より下の周囲58’の位置を含む、周囲58’に沿った少なくとも大部分または実質的にすべての位置について、インプラント28’の周囲58’から1ミリメートル(mm)以下の最大距離だけ外向きにオフセットされてもよい(図3の基部22の底部37も参照)。開示された技術は、骨B’における一つ以上の特徴の形成中に、インプラント28’に対してより厳密に器具を位置付けることを容易にすることができ、これは固定および患者の治癒を改善し得る。
【0051】
図8~9は、シールドガイドアセンブリ20とともに利用され得る例示的な整形外科用インプラント128を示す。インプラント128は、Eclipse System(商標)という商品名で販売され、Arthrex(登録商標), Inc.によって製造されたステムレスインプラントを表し得る。 アセンブリ20および開示されたインプラントは、整形外科処置を実施するためのキットとして外科医に提供されてもよい。キットは、様々な形状およびサイズのインプラントを含み得る。特定のインプラントが、患者の解剖学的構造に従ってキットから選択され得る。骨の内部空洞内に受容されたステム部分を有するインプラント、髄内釘、および骨プレートを含む、他のインプラントが本明細書に開示される教示とともに利用され得る。
【0052】
インプラント128は、インプラント本体133、トラニオン172、および関節接合ヘッド174を含んでもよい。インプラント本体133は、上腕骨頭部の切除面に沿ってなど、骨に少なくとも部分的に受容されるように構成されてもよい。インプラント本体133は、インプラント本体133の円周の周りに延在する一つ以上のねじ山171を含むケージねじであってもよい。ねじ山171は、インプラント本体133を骨に固定するように寸法設定されてもよい。インプラント本体133は、インプラント軸IAの周りで方向R3(図9)に回転可能で、インプラント本体133を骨に固定してもよい。インプラント本体133は、中空空洞173と、インプラント本体133の壁の一つ以上の開口部177とを画定してもよい。開口部177は、周囲の骨から空洞173の中への骨の成長を促進してもよく、これは患者の治癒を改善し得る。
【0053】
トラニオン172は、インプラント本体133に固定されるように構成されてもよい。トラニオン172は、上腕骨に沿った切除面など、骨の切除面と係合するように構成されてもよい(例えば、図12を参照)。トラニオン172は、インプラント軸IAに沿ってインプラント本体133を少なくとも部分的に受容するように構成された通路176(図9)を含んでもよい。組み立て中、インプラント本体133は、インプラント軸IAに沿って方向D3に移動し、インプラント本体133のつば179がトラニオン172の本体181に当接するまで通路176の中に移動し得る。トラニオン172は、インプラント128を固定するために骨表面と係合するように構成された一つ以上の突出部178を含んでもよい。
【0054】
関節接合ヘッド174は、インプラント本体133に固定されるように構成されてもよい。関節接合ヘッド174は、対向する関節面と整合するように寸法設定された関節接合面175を含んでもよい。対向する関節面は、解剖学的またはリバース型肩修復処置で利用される関節窩または関節窩インプラントと関連付けられてもよい。関節接合面175は、図8~9に示すように、解剖学的肩処置のための凸形状を有してもよく、またはリバース型肩処置のための凹面を有してもよい。関節接合ヘッド174は、インプラント軸IAに沿って方向D3に移動し、インプラント本体133および/またはトラニオン172の本体181に嵌入するか、または別の方法で固定されてもよい。
【0055】
図10は、整形外科用インプラントを設置する例示的方法を、フローチャート290に示す。方法290は、例えば、進行した軟骨疾患を有する肩などの関節の機能を回復させるための関節形成術を実施するために利用されてもよい。方法290は、シールドガイドアセンブリ20および本明細書に開示される整形外科用インプラントのいずれかとともに利用され得る。方法290は、腱、靭帯、および関節包などの軟組織を含む、本明細書に開示される任意の組織を取り付けるために利用され得る。組織は、棘上筋腱、棘下筋腱、小円筋腱および/または肩甲下筋腱を含む、患者の回旋筋腱板腱の一つであり得る。以下に列挙されるよりも少ないまたはそれに追加の工程が、本開示の範囲内で実施され得、列挙される工程の順序は、本開示を限定することを意図しない。
【0056】
図10を引き続き参照しながら、図11を参照すると、外科手術部位Sは、工程290Aで準備され得る。外科手術部位Sは、関節窩Gおよび上腕骨Hを含む肩関節などの関節であってもよい(例えば、図15を参照)。外科手術部位Sは、上腕骨の上腕骨頭HHなどの肩関節の関節面に関連付けられた骨Bに沿って確立され得る。外科手術部位Sの所望の形状を確立するために、一つ以上のリーミング、フライス加工およびドリル作業など、一つ以上の作業を実施して、外科手術部位Sを準備することができる。
【0057】
工程290Aは、工程290Bで骨Bの一部分を切除して、切除面RSを確立することを含み得る。工程290Bは、骨Bの軸BBに対して切除角度αで上腕骨頭HHに沿って上腕骨の一部分を切り取って、切除面RSを確立することを含み得る。例えば、骨Bは、一つ以上の切断器具およびガイドブロックを利用して切除されてもよい。
【0058】
工程290Aは、切除面RSに沿って骨Bの中に骨空洞BCを形成することを含み得る。骨空洞BCは、図11に示すように、環であってもよい。骨空洞BCは、図12に示すように、インプラント228のインプラント本体233の少なくとも一部分を受容するように寸法設定され得る。他の実施において、コアCCは、骨空洞BCが実質的に中空であるように除去されてもよい。環状コアリングテンプレートを切除面RSに押し込む、またはリーミングもしくはドリル作業など、骨空洞BCを形成するための様々な技術が利用され得る。
【0059】
図10を引き続き参照しながら図12を参照すると、インプラント228は、工程290Cで骨Bに少なくとも部分的に位置付けられ得る。インプラント228は、ステムレスインプラントであってもよい。他のインプラントが、方法290および、上腕骨管を受容した細長いステムを有するインプラントおよび本明細書に開示されるインプラントのいずれかを含む、シールドガイドアセンブリ20とともに利用され得る。工程290Cは、骨Bを切除した後に、切除面RSにインプラント本体233の少なくとも一部分を埋め込むことを含み得る。トラニオン272は、係合するように移動されてもよく、または別の方法で切除面RSに沿って位置付けられてもよい。
【0060】
インプラント本体233は、骨空洞BC中に少なくとも部分的に位置付けられてもよく、これはトラニオン272を位置付けた後に起こり得る。インプラント本体233は、インプラント本体233のつば279がトラニオン272の本体281に当接するまで、インプラント軸IAに沿って方向D3に移動し、トラニオン272の通路276の中に少なくとも部分的に移動し得る。工程290Cは、インプラント軸IAの周りで方向R3にインプラント本体233を回転させて、一つ以上のねじ山271によって、骨空洞BCに沿って骨Bにインプラント本体233を固定して取り付けるか、または別の方法で固定させることを含み得る。
【0061】
図10を引き続き参照しながら、図13~14を参照すると、工程290Dで、シールドガイドアセンブリ220は、インプラント228に取り外し可能に固定されて、外科手術部位Sに沿った局部的骨表面領域260へのアクセスを少なくとも部分的に妨げる(図14を参照)。シールドガイドアセンブリ220は、基部222、ガイドアーム224、およびシールド226を含んでもよい。工程290Dは、図14に示すように、基部222をトラニオン272またはインプラント228の別の部分に据え付けることを含み得る。他の実施において、アセンブリ220は、インプラント本体233に直接据え付けられてもよい(図12)。アセンブリ220は、ガイドアーム224が基部222の周辺から片持ちされるように、インプラント228に固定されてもよい。
【0062】
工程290Eで、シールド226の位置は、インプラント228に対して設定され得る。工程290Eは、シールド226のシールド本体244を、ガイドアーム224中の選択されたT字形状スロット257と整列させることと、次いで、シールド226を方向D2に移動させて、ガイドアーム224のアーム軸AAに対するシールド226の半径方向位置を設定することと、を含み得る。工程290Eは、ガイドアーム224の一つ以上のレール238をT字形状スロット257のうちの選択された一つに挿入して、シールド226のそれぞれの半径方向位置を設定することを含み得る。レール238およびスロット257は、シールド226が、レール238の長さに沿って実質的に一定の高さでガイドアーム224上に位置するように、アーム軸AAに対するシールド226の相対的な半径方向移動を制限するように寸法設定されてもよい。
【0063】
工程290Eは、シールド226をインプラント軸IAの周りで方向R1に回転させて、インプラント228に対するシールド226の円周方向位置を設定することを含み得る(図12)。アセンブリ220は、シールド226が基部軸BAの周りに約360度回転可能であって、インプラント228を囲む骨Bへのアクセスを妨げるように寸法設定され得る。一部の実施において、アセンブリ220は、シールド226が基部軸BAの周りに、約180度以下など、360度未満回転可能であるように寸法設定され得る。
【0064】
工程290Eは、シールド226をガイドアーム224の長さに沿って方向D1に移動させて、インプラント228に対するシールド226の位置を設定することを含み得る。シールド226をガイドアーム224に沿って方向D1に移動させることは、図14に示されるように(図2も参照)、シールド226が設定位置で骨表面領域260に沿って骨Bに当接するように起こり得る。骨表面領域260は、シールド周囲252の投影と関連付けられてもよい(例示目的のために、252、260はそれぞれ破線で図13~14に示される。図6も参照のこと)。シールド本体244は、設定位置における骨表面領域260上へのシールド本体244を通したアクセスを妨げるように寸法設定されてもよい。
【0065】
工程290Fで、アセンブリ220がインプラント220に固定されている間、インプラント228に隣接する外科手術部位Sで一つ以上の特徴が形成され得る。工程290Fは、工程290Eでシールド226の位置を設定した後に起こり得る。特徴は、縫合糸アンカーなど、それぞれの締結具を受容するように構成された凹部または開口292を含んでもよい。開口292および他の特徴は、骨Bへのドリル加工、パンチング、針の挿入などの様々な技術を利用して形成され得る。工程290Gは、図13~14に示すように、骨表面領域260およびシールド226に隣接した骨Bに一つ以上の開口292を形成することを含み得る。開口292は、図14~15に示すように、シールド周囲252および骨表面領域260の外に向かって、上腕骨頭HHに形成され得る。上腕骨頭HHに形成された四つの開口292が、例示目的で示されている。しかしながら、シールドガイドアセンブリ220がインプラント228に固定されている間、一つまたは二つの開口292のみなど、異なる数の開口292が、外科手術部位Sに沿って骨Bに形成されてもよい。工程290Fは、基部軸BAに関するシールド226の第一の円周方向位置に対応する第一の骨表面領域260-1に関連付けられた一つ以上の開口292-1を形成することと、シールド226を、第二の異なる骨表面領域260-2に関連付けられた工程290Eでの第二の異なる半径方向位置へと、方向R1に回転させることと、次いで、図14に示すように(図15も参照)第二の骨表面領域260-2に隣接する一つ以上の開口292-2を形成することと、を含み得る。アセンブリ220は、特徴292を形成した後に外科手術部位Sから取り外されてもよい。
【0066】
図10を引き続き参照しながら、図15を参照すると、関節接合ヘッド274は、工程290Hで関節接合ヘッド274を骨Bに固定するために、インプラント本体233に据え付けられてもよい。工程290Hは、インプラント本体233の端部分が、トラニオン272と関節接合ヘッド274との間に閉じ込められるように起こり得る(図8も参照)。関節接合ヘッド274は、対向する関節面ASと整合するように寸法設定された関節接合面275を含んでもよい。関節面ASは、関節窩Gまたは関節窩インプラントGIと関連付けられてもよい。関節接合面275は、図15に図示するように、概して凸状の幾何学的形状を有してもよく、または概して凹状の幾何学的形状を有してもよい。
【0067】
図10を引き続き参照しながら、図16を参照すると、工程290Iで、組織Tは、外科手術部位Sに沿って骨Bに再び取り付けられてもよく、またはそうでなければ固定されてもよい。組織Tは、例示目的のために破線で図16に示されている。工程290Iは、工程290Jで、縫合SSの一つ以上の長さを組織Tの端部分に取り付けることを含み得る。組織Tは、腱、靭帯、または関節包を含む、本明細書に開示される任意の組織を含み得る。組織Tは、患者の上腕骨Hと関連付けられた棘上筋腱、棘下筋腱、小円筋腱および/または肩甲下筋腱を含む、回旋筋腱板腱のうちの一つであってもよい。工程290Iは、アセンブリ220を外科手術部位Sから除去した後に起こり得る。工程290Aは、組織Tの一部分を上腕骨頭HHから剥がすか、またはそうでなければ移動させて、インプラント228を位置付けるためのアクセスを提供することを含み得る。工程290Iは、組織Tの一部分を関節接合ヘッド274の上方、およびインプラント228の配置前の組織Tの初期位置に実質的に近似する位置へと移動させることを含んでもよい。
【0068】
工程290Iは、骨Bに貼り付けられるか、または別の方法で固定された一つ以上の締結具294で、組織Tを固定することを含み得る。工程290Iは、工程290Kで組織Tを骨Bに固定するために、一つ以上の締結具294をそれぞれの開口292に位置付けることを含み得る。工程290Kは、締結具294をそれぞれの開口292に位置付けて、肩甲下筋腱などの組織Tを上腕骨の上腕骨頭HHに固定することを含み得る。例示的な締結具には、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、金属材料および生体複合材料、縫合材料、他の天然材料および合成材料、ならびに/または一つ以上の縫合糸などの様々な材料を含むアンカーを含み得る。
【0069】
締結具294は、例えば、縫合糸SSに固定された縫合糸アンカーであってもよい。工程290Kは、それぞれの開口292に締結具294を少なくとも部分的に挿入して、外科手術部位Sに沿ったそれぞれの位置に縫合糸SSを固定することを含み得る。締結具294は、様々な幾何学的形状および構成を有してもよい。例えば、締結具294は、図17に示すように、それぞれの開口292に沿って表面と締り嵌めを確立するために、一つ以上のねじ山またはリブを有してもよい。
【0070】
工程290Iで組織Tを固定するために、様々な技術を利用してもよい。一部の実施において、組織Tは、図16に示すように、二列(double row)技術を利用して骨Bに固定されてもよい。二列の開口292が、シールド周囲252の投影に関連付けられたそれぞれの骨表面領域260の外に向かって外科手術部位Sに沿って形成され得る(図13~15を参照)。締結具294は、それぞれの開口292に位置し、外科手術部位Sに沿って縫合糸SSおよび組織Tを骨Bに固定する。縫合糸SSは、二列の締結具294の間に概してX形状パターンで配設され得る。他の実施において、工程290Iは、一対の開口292が、それぞれの締結具294を固定するために形成される、単列技術を実施して、組織を骨Bに固定することを含んでもよい。図18は、工程290Iの結果としての組織Tの取り付けを含む、完了した修復を示し、ここで組織Tは上腕骨頭HHに再取り付けされた肩甲下筋腱である。外科手術部位Sを封入することを含む、一つ以上の仕上げ作業は、工程290Lで実施され得る。
【0071】
本開示の新規のシールドガイドアセンブリおよび方法は、埋め込まれたインプラントを囲む骨の部分へのアクセスを妨げるために利用されてもよく、これは、インプラントに近接した一つ以上の特徴の形成中にインプラント骨に接触または穿孔する可能性を低減し得る。シールドガイドアセンブリは、様々なインプラント形状の選択に汎用性を提供するため、および患者のそれぞれの骨プロファイルに適応させるために、インプラントの周りに円周方向に、かつ/または一つ以上の高さで位置付けられ得る。開口およびその他の特徴は、改善された骨足場および腱または他の組織の固定を提供するために、インプラントに近接して形成されてもよい。
【0072】
異なる非限定的な実施形態が、特定の構成要素または工程を有するものとして例示されているが、本開示の実施形態は、それらの特定の組み合わせに限定されない。非限定的な実施形態のいずれかからの構成要素または特徴のいくつかを、他の非限定的な実施形態のいずれかからの特徴または構成要素と組み合わせて使用することが可能である。
【0073】
同様の参照番号は、いくつかの図面全体にわたって、対応するまたは同様の要素を識別すると理解されたい。これらの例示的な実施形態では、特定の構成要素の配置が開示され、例示されるが、他の配置もまた、本開示の教示から利益を得ることができると更に理解されたい。
【0074】
前述の説明は、例示的であって、いかなる限定的な意味でも解釈されないものとする。当業者は、特定の修正が、本開示の範囲内であり得ると理解するだろう。
【符号の説明】
【0075】
20 シールドガイドアセンブリ
20 アセンブリ
22 基部
24 ガイドアーム
26 シールド
28 インプラント
30 ハンドル
31 開口部
32 凹部
33 インプラント本体
34 第一の端部分
35 第二の端部分
36 本体
37 底部
38 レール
40 支台
42 スロット
44 シールド本体
46 第一の部分
48 第二の部分
50 ウィング
52 シールド周囲
54 スロット
57 T字形状スロット
58 インプラント周囲
60 骨表面領域
128 整形外科用インプラント
133 インプラント本体
144 シールド本体
171 ねじ山
172 トラニオン
173 空洞
174 関節接合ヘッド
175 関節接合面
176 通路
177 開口部
178 突出部
181 本体
220 シールドガイドアセンブリ
220 アセンブリ
222 基部
224 ガイドアーム
226 シールド
228 インプラント
233 インプラント本体
238 レール
244 シールド本体
252 シールド周囲
257 T字形状スロット
260 骨表面領域
271 ねじ山
272 トラニオン
274 関節接合ヘッド
275 関節接合面
276 通路
281 本体
292 開口
294 締結具
図1
図2
図3
図3A
図4
図5
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【国際調査報告】