(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】医療用インプラントの回転アライメント
(51)【国際特許分類】
A61F 2/966 20130101AFI20240305BHJP
A61F 2/24 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
A61F2/966
A61F2/24
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558886
(86)(22)【出願日】2022-04-08
(85)【翻訳文提出日】2023-09-25
(86)【国際出願番号】 US2022023991
(87)【国際公開番号】W WO2022217036
(87)【国際公開日】2022-10-13
(32)【優先日】2021-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】キーリー、リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ビショップ、デイビッド
【テーマコード(参考)】
4C097
4C267
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097BB04
4C097MM09
4C267AA05
4C267AA56
4C267BB02
4C267BB04
4C267BB10
4C267BB26
4C267CC19
(57)【要約】
置換心臓弁インプラントを送達するためのシステムは、拡張可能なフレームワークと、フレームワークに連結されたリーフレットとを含むインプラントと、ハンドルと、ハンドルから延在する長尺状カテーテルとを含む送達デバイスとを含み得る。カテーテルは、外側シースと、外側シース内に移動可能に配置された内側シャフトとを含む。インプラントは、内側シャフトに解放可能に連結される。内側シャフトは、内側シャフト内で長手方向に延在する配向管腔を含んでおり、配向管腔は、内側シャフトの中央ガイドワイヤ管腔からオフセットされている。送達デバイスは、配向管腔内に配置された配向マンドレルを含んでおり、配向マンドレルは、ハンドルから配向管腔の閉鎖遠位端に近接する遠位端まで遠位に延在している。配向マンドレルは、配向マンドレルに圧縮力または引張力を印加するように構成された、ハンドルの配向機構に動作可能に連結されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
置換心臓弁インプラントを患者の自己心臓弁に送達するためのシステムであって、
拡張可能なフレームワークと、前記拡張可能なフレームワークの交連ポストにおいて前記拡張可能なフレームワークに連結された複数のリーフレットとを含む置換心臓弁インプラントと、
近位ハンドルと、前記近位ハンドルから遠位に延在する長尺状カテーテルとを含む送達デバイスであって、前記長尺状カテーテルが、外側シースと、前記外側シースの管腔内に移動可能に配置された内側シャフトとを含む、前記送達デバイスと、を備え、
前記置換心臓弁インプラントは、送達構成において、前記内側シャフトの遠位部分に解放可能に連結されており、
前記内側シャフトは、前記内側シャフトを通って長手方向に延びる中央ガイドワイヤ管腔を含んでおり、
前記内側シャフトは、前記内側シャフト内で長手方向に延在する配向管腔を含んでおり、前記配向管腔は、前記中央ガイドワイヤ管腔から横方向にオフセットされ、かつ、閉鎖遠位端を有しており、
前記送達デバイスは、前記配向管腔内に摺動可能に配置された配向マンドレルを含み、前記配向マンドレルは、前記配向管腔内で前記近位ハンドルから前記配向管腔の前記閉鎖遠位端に近接する遠位端まで遠位に延在しており、
前記配向マンドレルは、前記近位ハンドルの配向機構に動作可能に連結されており、前記配向機構は、前記配向マンドレルを前記内側シャフトに対して軸方向に移動させるように構成されている、システム。
【請求項2】
前記長尺状カテーテルの遠位部分は、前記患者の大動脈弓に適合するように構成された予め形成された湾曲部を含んでおり、前記予め形成された湾曲部は、内側屈曲部と、前記中央ガイドワイヤ管腔に対して前記内側屈曲部とは反対側に配置された外側屈曲部とを有する、前記長尺状カテーテルのアーチを形成している、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記配向マンドレルは、第1の構成において、前記長尺状カテーテルの前記アーチの前記内側屈曲部に沿って配置されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記配向マンドレルは、第2の構成において、前記長尺状カテーテルの前記アーチの前記外側屈曲部に沿って配置されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記配向機構は、前記配向マンドレルを前記内側シャフトに対して遠位に前進させるように構成されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記配向管腔の前記閉鎖遠位端に対する前記配向マンドレルの前記遠位端の遠位前進は、前記配向マンドレル内に圧縮力を蓄積させる、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記圧縮力は、前記長尺状カテーテルを前記第1の構成から前記第2の構成にシフトさせる、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
置換心臓弁インプラントを患者の自己心臓弁に送達するためのシステムであって、
拡張可能なフレームワークと、前記拡張可能なフレームワークの交連ポストにおいて前記拡張可能なフレームワークに連結された複数のリーフレットとを含む置換心臓弁インプラントと、
近位ハンドルと、前記近位ハンドルから遠位に延在する長尺状カテーテルとを含む送達デバイスであって、前記長尺状カテーテルが、外側シースと、前記外側シースの管腔内に移動可能に配置された内側シャフトとを含む、前記送達デバイスと、を備え、
前記置換心臓弁インプラントは、送達構成において、前記内側シャフトの遠位部分に解放可能に連結されており、
前記内側シャフトは、前記内側シャフトを通って長手方向に延びる中央ガイドワイヤ管腔を含んでおり、
前記送達デバイスは、前記内側シャフトの外側表面に取り付けられた第1の配向マンドレルを含んでおり、前記第1の配向マンドレルは、前記近位ハンドルから、前記内側シャフトの遠位端に近接して前記内側シャフトに固定的に取り付けられた第1の遠位端まで遠位に延在しており、
前記第1の配向マンドレルは、前記近位ハンドルの配向機構に動作可能に連結されており、前記配向機構は、前記第1の配向マンドレルに圧縮力または引張力を印加するように構成されている、システム。
【請求項9】
前記長尺状カテーテルの遠位部分は、前記患者の大動脈弓に適合するように構成された予め形成された湾曲部を含んでおり、前記予め形成された湾曲部は、内側屈曲部と、前記中央ガイドワイヤ管腔に対して前記内側屈曲部とは反対側に配置された外側屈曲部とを有する、前記長尺状カテーテルのアーチを形成している、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の配向マンドレルは、第1の構成において、前記長尺状カテーテルの前記アーチの前記内側屈曲部に沿って配置されており、
前記第1の配向マンドレルは、第2の構成において、前記長尺状カテーテルの前記アーチの前記外側屈曲部に沿って配置されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記内側シャフトに固定的に取り付けられた前記第1の遠位端に圧縮力を印加することにより、前記内側シャフトが第1の方向に回転して、前記長尺状カテーテルが前記第1の構成から前記第2の構成に向けてシフトする、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記内側シャフトに固定的に取り付けられた前記第1の遠位端に引張力を印加することにより、前記内側シャフトが第2の方向に回転して、前記長尺状カテーテルが前記第1の構成から前記第2の構成に向けてシフトする、請求項10または11に記載のシステム。
【請求項13】
前記送達デバイスは、前記中央ガイドワイヤ管腔に対して前記第1の配向マンドレルとは反対側の前記内側シャフトの外側表面に取り付けられた第2の配向マンドレルを含んでおり、前記第2の配向マンドレルは、前記近位ハンドルから、前記内側シャフトの前記遠位端に近接して前記内側シャフトに固定的に取り付けられた第2の遠位端まで遠位に延在しており、
前記第2の配向マンドレルは、前記近位ハンドルの前記配向機構に動作可能に連結されており、前記配向機構は、前記第2の配向マンドレルに圧縮力または引張力を印加するように構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2の配向マンドレルは、前記第1の構成において、前記長尺状カテーテルの前記アーチの前記外側屈曲部に沿って配置されており、
前記第2の配向マンドレルは、前記第2の構成において、前記長尺状カテーテルの前記アーチの前記内側屈曲部に沿って配置されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記内側シャフトに固定的に取り付けられた前記第2の遠位端に圧縮力を印加することにより、前記内側シャフトが前記第1の方向とは反対の第2の方向に回転して、前記長尺状カテーテルが前記第1の構成から前記第2の構成に向けてシフトする、請求項13または14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療デバイス、ならびに医療デバイスを製造および/または使用するための方法に関する。より詳細には、本開示は、医療用インプラントを送達するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療用途、例えば血管内用途のために、多種多様な体内医療デバイスが開発されている。これらのデバイスの一部には、ガイドワイヤ、カテーテル、医療デバイス送達システム(例えば、ステント用、グラフト用、置換弁用等)といったものが含まれる。これらのデバイスは、様々な異なる製造方法の任意の1つによって製造され、様々な方法の任意の1つに従って使用され得る。既知の医療デバイス及び方法の各々は、特定の利点及び欠点を有する。代替的な医療デバイス、ならびに医療デバイスを製造および使用するための代替的な方法を提供する必要性が継続的に存在する。
【発明の概要】
【0003】
第1の例では、置換心臓弁インプラントを患者の自己心臓弁に送達するためのシステムは、拡張可能なフレームワークと、拡張可能なフレームワークの交連ポストにおいて拡張可能なフレームワークに連結された複数のリーフレット(leaflet)とを含む置換心臓弁インプラントと、近位ハンドルと、近位ハンドルから遠位に延在する長尺状カテーテルとを含む送達デバイスであって、長尺状カテーテルが、外側シースと、外側シースの管腔(lumen)内に移動可能に配置された内側シャフトとを含む、送達デバイスとを備え得る。置換心臓弁インプラントは、送達構成において、内側シャフトの遠位部分に解放可能に連結され得る。内側シャフトは、内側シャフトを通って長手方向に延びる中央ガイドワイヤ管腔を含み得る。内側シャフトは、内側シャフト内で長手方向に延在する配向管腔(orientation lumen)を含み得、配向管腔は、中央ガイドワイヤ管腔から横方向にオフセットされ、かつ閉鎖遠位端を有する。送達デバイスは、配向管腔内に摺動可能に配置された配向マンドレルを含み得、配向マンドレルは、配向管腔内で近位ハンドルから配向管腔の閉鎖遠位端に近接する遠位端まで遠位に延在している。配向マンドレルは、近位ハンドルの配向機構に動作可能に連結され得、配向機構は、配向マンドレルを内側シャフトに対して軸方向に移動させるように構成されている。
【0004】
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、長尺状カテーテルの遠位部分は、患者の大動脈弓に適合するように構成された予め形成された湾曲部を含んでおり、予め形成された湾曲部は、内側屈曲部と、中央ガイドワイヤ管腔に対して内側屈曲部とは反対側に配置された外側屈曲部とを有する、長尺状カテーテルのアーチを形成している。
【0005】
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、配向マンドレルは、第1の構成において、長尺状カテーテルのアーチの内側屈曲部に沿って配置されている。
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、配向マンドレルは、第2の構成において、長尺状カテーテルのアーチの外側屈曲部に沿って配置されている。
【0006】
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、配向機構は、配向マンドレルを内側シャフトに対して遠位に前進させるように構成されている。
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、配向管腔の閉鎖遠位端に対する配向マンドレルの遠位端の遠位前進は、配向マンドレル内に圧縮力を蓄積させる。
【0007】
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、圧縮力は、長尺状カテーテルを第1の構成から第2の構成にシフトさせる。
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、置換心臓弁インプラントを患者の自己心臓弁に送達するためのシステムは、拡張可能なフレームワークと、拡張可能なフレームワークの交連ポストにおいて拡張可能なフレームワークに連結された複数のリーフレットとを含む置換心臓弁インプラントと、近位ハンドルと、近位ハンドルから遠位に延在する長尺状カテーテルとを含む送達デバイスとを備え得、長尺状カテーテルは、外側シースと、外側シースの管腔内に移動可能に配置された内側シャフトとを含む。置換心臓弁インプラントは、送達構成において、内側シャフトの遠位部分に解放可能に連結され得る。内側シャフトは、内側シャフトを通って長手方向に延びる中央ガイドワイヤ管腔を含み得る。送達デバイスは、内側シャフトの外側表面に取り付けられた第1の配向マンドレルを含み得、第1の配向マンドレルは、近位ハンドルから、内側シャフトの遠位端に近接して内側シャフトに固定的に取り付けられた第1の遠位端まで遠位に延在している。第1の配向マンドレルは、近位ハンドルの配向機構に動作可能に連結され得、配向機構は、第1の配向マンドレルに圧縮力(compressive force)または引張力(tensile force)を印加するように構成されている。
【0008】
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、長尺状カテーテルの遠位部分は、患者の大動脈弓に適合するように構成された予め形成された湾曲部を含み得、予め形成された湾曲部は、内側屈曲部と、中央ガイドワイヤ管腔に対して内側屈曲部とは反対側に配置された外側屈曲部とを有する、長尺状カテーテルのアーチを形成している。
【0009】
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、第1の配向マンドレルは、第1の構成において、長尺状カテーテルのアーチの内側屈曲部に沿って配置され得る。第1の配向マンドレルは、第2の構成において、長尺状カテーテルのアーチの外側屈曲部に沿って配置され得る。
【0010】
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、内側シャフトに固定的に取り付けられた第1の遠位端に圧縮力を印加することにより、内側シャフトが第1の方向に回転して、長尺状カテーテルが第1の構成から第2の構成に向けてシフトする。
【0011】
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、内側シャフトに固定的に取り付けられた第1の遠位端に引張力を印加することにより、内側シャフトが第2の方向に回転して、長尺状カテーテルが第1の構成から第2の構成に向けてシフトする。
【0012】
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、送達デバイスは、中央ガイドワイヤ管腔に対して第1の配向マンドレルとは反対側の内側シャフトの外側表面に取り付けられた第2の配向マンドレルを含んでおり、第2の配向マンドレルは、近位ハンドルから、内側シャフトの遠位端に近接して内側シャフトに固定的に取り付けられた第2の遠位端まで遠位に延在している。第2の配向マンドレルは、近位ハンドルの配向機構に動作可能に連結され得、配向機構は、第2の配向マンドレルに圧縮力または引張力を印加するように構成されている。
【0013】
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、第2の配向マンドレルは、第1の構成において、長尺状カテーテルのアーチの外側屈曲部に沿って配置され得る。第2の配向マンドレルは、第2の構成において、長尺状カテーテルのアーチの内側屈曲部に沿って配置され得る。
【0014】
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、内側シャフトに固定的に取り付けられた第2の遠位端に圧縮力を印加することにより、内側シャフトが第1の方向とは反対の第2の方向に回転して、長尺状カテーテルが第1の構成から第2の構成に向けてシフトする。
【0015】
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、患者の自己心臓弁内に置換心臓弁インプラントを位置決めする方法は、
自己心臓弁に隣接する位置までシステムを経皮的に前進させるステップであって、システムは、拡張可能なフレームワークと、拡張可能なフレームワークの交連ポストにおいて拡張可能なフレームワークに連結された複数のリーフレットとを含む置換心臓弁インプラントと、近位ハンドルと、近位ハンドルから遠位に延在する長尺状カテーテルとを含む送達デバイスとを含み、長尺状カテーテルが、外側シースと、外側シースの管腔内に移動可能に配置された内側シャフトとを含んでおり、置換心臓弁インプラントは、送達構成において、内側シャフトの遠位部分に解放可能に連結されており、内側シャフトは、内側シャフト内で長手方向に延在する配向管腔を含んでおり、配向管腔は、中央ガイドワイヤ管腔から横方向にオフセットされ、かつ閉鎖遠位端を有している、システムを前進させるステップと、
自己心臓弁内に置換心臓弁インプラントを展開するステップと、
置換心臓弁インプラントを外側シースに対して回転させることによって、置換心臓弁インプラントの交連ポストを自己心臓弁の交連と位置合わせするステップと、を含む。
【0016】
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、送達デバイスは、配向管腔内に配置された配向マンドレルを含み得、配向マンドレルは、配向管腔内で近位ハンドルから配向管腔の閉鎖遠位端に近接する遠位端まで遠位に延在している。配向マンドレルは、近位ハンドルの配向機構に動作可能に連結され得、配向機構は、配向マンドレルに圧縮力または引張力を印加するように構成されている。
【0017】
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、方法は、配向機構を使用して、圧縮力または引張力を配向マンドレルに印加して、外側シースに対して置換心臓弁インプラントを回転させるステップをさらに含み得る。
【0018】
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、配向マンドレルに圧縮力または引張力を印加する前に、配向マンドレルは、患者の大動脈弓内の長尺状カテーテルの内側屈曲部に沿って配置されている。
【0019】
本明細書に開示される任意の例に加えて、または代替として、配向マンドレルに圧縮力または引張力を印加した後、配向マンドレルは、患者の大動脈弓内の長尺状カテーテルの外側屈曲部に沿って配置されている。
【0020】
いくつかの実施形態、態様、および/または例の上記の概要は、本開示の各開示された実施形態または全ての実装を説明することを意図していない。図面及び詳細な説明は、これらの実施形態の態様をより具体的に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2】例示的な置換心臓弁インプラントを概略的に示す図である。
【
図3】置換心臓弁インプラントを送達するためのシステムの態様を概略的に示す図である。
【
図4A】
図3の線4-4に沿った別の断面図である。
【
図4B】
図3の線4-4に沿った別の断面図である。
【
図5】置換心臓弁インプラントを送達するためのシステムの態様を概略的に示す図である。
【
図7】置換心臓弁インプラントを送達するためのシステムの態様を概略的に示す図である。
【
図9】置換心臓弁インプラントを送達するためのシステムの代替実施形態の態様を概略的に示す図である。
【
図10】
図9の線10-10に沿った断面図である。
【
図11】置換心臓弁インプラントを送達するためのシステムの代替実施形態の態様を概略的に示す図である。
【
図13】置換心臓弁インプラントを送達するためのシステムの代替実施形態の態様を概略的に示す図である。
【
図15】置換心臓弁インプラントを自己心臓弁に送達する方法の態様を示す図である。
【
図16】置換心臓弁インプラントを自己心臓弁に送達する方法の態様を示す図である。
【
図17】置換心臓弁インプラントを自己心臓弁に送達する方法の態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示は、添付の図面に関連して以下の詳細な説明を考慮することにより、より完全に理解され得る。
本開示の態様は、様々な修正形態および代替形態に従うが、事例が図面に示され、本明細書で説明される。しかしながら、その意図は、本開示の態様を説明される特定の実施形態に限定することではないことを理解されたい。逆に、本開示は、その主旨および範囲内にある全ての修正形態、均等物、および代替形態を包含するものとする。
【0023】
以下の説明は、図面を参照して読まれるべきであるが、図面は必ずしも縮尺通りではなく、いくつかの図を通して同様の参照番号は同様の要素を示している。詳細な説明及び図面は、本開示を例示することを目的とするものであり、限定するものではない。当業者は、説明および/または図示された様々な要素が、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な組み合わせ及び構成で配置され得ることを認識するであろう。詳細な説明及び図面は、本開示の例示的な実施形態を示す。しかしながら、明瞭さと理解を容易にするために、各図面にはすべての特徴および/または要素が示されていない場合があるが、別段の指定がない限り、そうした特徴および/または要素は存在することが理解され得る。
【0024】
以下に定義される用語については、特許請求の範囲又は本明細書の他の場所で異なる定義が与えられない限り、これらの定義が適用されるものとする。
本明細書では、明示的に示されているかどうかにかかわらず、すべての数値は「約」という用語によって修飾されているものとみなされる。数値の文脈における「約」という用語は、一般に、当業者が記載された値と同等(例えば、同じ機能又は結果を有する)と考えるであろう数値の範囲を指す。多くの場合、「約」という用語には、最も近い有効数字に四捨五入された数値が含まれ得る。「約」という用語の他の使用法(例えば、数値以外の文脈における)は、別段の指定がない限り、明細書の文脈から理解され、明細書の文脈と一致するように、通常の慣例的な定義を有するとみなされ得る。
【0025】
上限・下限による数値範囲の記載には、その上限・下限を含む、その範囲内のすべての数値が含まれる(例えば、1~5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5が含まれる)。
【0026】
様々な構成要素、特徴および/または仕様に関するいくつかの適切な寸法、範囲、および/または値が開示されているが、当業者であれば、本開示に触発されて、所望の寸法、範囲、および/または値が明示的に開示されたものから逸脱する場合があることを理解するであろう。
【0027】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形の「1つ」、及び「前記」には、内容が明確にそうでないことを指示していない限り、複数の指示対象が含まれる。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される「又は」という用語は、内容が明確にそうでないことを指示していない限り、総じて「および/または」を含む意味で使用される。理解を容易にするために、本開示の特定の特徴は、開示される実施形態内で複数であるか又は繰り返される場合でも、単数形で説明される場合があることに留意されたい。特徴の各例は、明示的に反対の記載がない限り、単数形の開示を含む場合があり、かつ/又は単数形の開示によって包含される場合がある。簡略化及び明確化の目的で、本開示のすべての要素が必ずしも各図に示され、又は以下で詳細に説明されているわけではない。しかしながら、明確に反対の記載がない限り、以下の説明は複数ある構成要素のいずれか、および/またはすべてに等しく適用され得ることが理解されるであろう。さらに、明確にするために、一部の要素又は機能のすべての例が各図に示されているわけではない場合がある。
【0028】
「近位」、「遠位」、「前進」、「後退」、それらの変形などの相対的な用語は、総じて、デバイスの使用者/施術者/操作者に対する様々な要素の位置、方向、および/または動作を考慮して判断され得る。ここで、「近位」及び「後退」は、使用者に近い、又は向かっていくことを示し又は指し、「遠位」及び「前進」は、使用者から遠い、又は離れていくことを示し又は指す。場合によっては、「近位」及び「遠位」という用語は、本開示の理解を容易にするために任意に割り当てられることがあり、そのような例は当業者には容易に明らかであろう。「上流」、「下流」、「流入」、及び「流出」などの他の相対的な用語は、身体管腔、血管、又はデバイス内などの管腔内の流体の流れの方向を指す。「軸方向」、「円周方向」、「長手方向」、「横方向」、「半径方向」など、および/またはその変形などのさらに他の相対的な用語は、総じて、開示された構造又はデバイスの中央長手方向軸に対する方向および/または配向を指す。
【0029】
「範囲」という用語は、記載又は特定された寸法の最大の測定値を意味すると理解され得る。ただし、その範囲又は寸法が「最小」という記載に後続するか又は「最小」として識別されていることで、記載又は特定された寸法の最小の測定値を意味すると理解され得る場合を除く。例えば、「外形範囲」は外形寸法を意味すると理解され得、「半径方向範囲」は半径方向寸法を意味すると理解され得、「長手方向範囲」は長手方向寸法を意味すると理解され得る、等々である。「範囲」の各例は異なる場合があり(例えば、軸方向、長手方向、横方向、半径方向、円周方向など)、個々の用法の文脈から当業者には明らかであろう。通常、「範囲」は、意図された使用法に従って測定された可能な最大の寸法とみなされ得、「最小範囲」は、意図された使用法に従って測定された可能な最小の寸法とみなされ得る。場合によっては、「範囲」は、通常、平面および/または断面内で直角に測定される場合があるが、特定の文脈から明らかなように、異なる方法で、例えば限定するものではないが、角度方向、半径方向、円周方向(例えば、円弧に沿って)などで測定される場合もある。
【0030】
「モノリシック」及び「単一部品」という用語は、総じて、単一の構造又は基本ユニット/要素で構成された、又はそれからなる要素を指すものとする。モノリシックおよび/または単一部品要素には、複数の個別の構造又は要素を組み立てたり結合したりすることで作られた構造および/または特徴は含まれないものとする。
【0031】
「経大動脈弁留置術(transaortic valve implantation)」および「経カテーテル大動脈弁留置術(transcatheter aortic valve implantation)」という用語は、交換可能に使用されてもよく、かつそれぞれ頭字語「TAVI」を使用して参照され得る。「経大動脈弁置換術(transaortic valve replacement)」および「経カテーテル大動脈弁置換術(transcatheter aortic valve replacement)」という用語は、互換的に使用され得、かつそれぞれ頭字語「TAVR」を使用して参照され得る。
【0032】
本明細書における「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」などへの言及は、説明される実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含み得ることを示すが、すべての実施形態が必ずしもその特定の特徴、構造、又は特性を含むわけではないことに留意されたい。さらに、そのような表現は必ずしも同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性がある実施形態に関連して説明されている場合、明示的に記載されているか否かに関わらず、明確に反対の記載がない限り、その特定の特徴、構造、又は特性を他の実施形態についても発効させることは、当業者の知識の範囲内である。すなわち、以下に説明する様々な個々の要素は、たとえ特定の組み合わせで明示的に示されていなくても、当業者には理解されるように、他の追加の実施形態を形成するため、又は説明した実施形態を補完および/または充実させるために、互いに組み合わせ可能又は配置可能であると考えられる。
【0033】
明確にする目的で、本明細書および/または特許請求の範囲全体にわたって、記載および/または請求される様々な特徴を命名および/または区別するために、特定の識別用の数値命名法(例えば、第1、第2、第3、第4など)が使用される場合がある。数値命名法は限定を意図するものではなく、単なる例示であることを理解されたい。いくつかの実施形態では、簡潔さと明確さのために、以前に使用された数値命名法の変更及び逸脱が行われる場合がある。つまり、「第1の」要素として識別された特徴は、後に「第2の」要素、「第3の」要素などと呼ばれたり、完全に省略されたり、および/または異なる特徴が「第1の」要素と呼ばれたりする場合がある。各例における意味および/または名称は、当業者には明らかであろう。
【0034】
循環系に影響を与える疾病および/または病状は、世界中で蔓延している。従来、循環系の治療は、多くの場合、循環系の影響を受けた部分に直接アクセスすることによって行われていた。例えば、1つまたは複数の冠状動脈における閉塞の治療は、従来、冠状動脈バイパス手術を用いて治療されていた。容易に理解され得るように、このような治療は、患者に対してかなり侵襲性であり、有意な回復時間および/または処置を必要とする。より最近では、例えば、閉塞した冠状動脈が経皮的カテーテル(例えば、血管形成術)を介してアクセスされ、かつ治療され得る、より侵襲性の低い治療が開発されている。そのような療法は、患者および臨床医の間で広く受け入れられている。
【0035】
いくつかの哺乳類(例えば、ヒトなど)の心臓は、三尖弁、肺動脈弁、大動脈弁、および僧帽弁の4つの心臓弁を含む。いくつかの比較的一般的な病状は、心臓内の弁のうちの1つまたは複数が、非効率性、非有効性、または完全に機能不全であることを含み得るか、またはそれらの結果であり得る。欠陥のある心臓弁の治療は、治療が欠陥のある弁の修復または完全な置換を必要とすることが多いという点で、他の課題を提起する。このような治療は、患者にとって非常に侵襲的であり得る。本明細書に開示されるのは、例えば、TAVIまたはTAVR処置中に、および/またはTAVIまたはTAVR処置と併用して、あるいはTAVIまたはTAVR処置に適していない患者におけるTAVIまたはTAVR処置の代わりに、循環系を診断、治療、および/または修復するために、循環系の一部内で使用され得るシステム、デバイス、および/または方法である。本明細書に開示されるシステム、デバイス、および/または方法のうちの少なくともいくつかは、経皮的に使用され得、従って、患者に対してはるかに低侵襲性であり得るが、他の外科的方法およびアプローチもまた、使用され得る。本明細書で開示されるシステム、デバイス、および/または方法はまた、以下でより詳細に説明されるように、いくつかの追加の望ましい特徴および利益を提供し得る。本開示の目的のために、以下の説明は、自己大動脈弁の治療を対象とし、簡潔にするために、そのことについて記載する。しかしながら、これは、限定することを意図するものではなく、当業者であれば、以下の説明が、本開示の構造および/または範囲に対する変更なしに、または最小限の変更で、僧帽弁または別の心臓弁にも適用され得ることを認識するであろう。同様に、本明細書に開示される医療デバイスは、それらに限定されないが、動脈、静脈、および/または他の身体管腔等の、患者の解剖学的構造の他の部分に応用または使用され得る。
【0036】
図1は、複数の弁尖14を有する自己心臓弁12(例えば、大動脈弁)を含む患者の心臓10の一部と、大動脈弓22によって心臓10の大動脈弁12に連結された大動脈20、冠状動脈24、冠状動脈24の心門23、および大動脈弓22から重要な内蔵に延びている他の大動脈26(例えば、鎖骨下動脈、頸動脈、腕頭動脈)などの特定の連結された血管系との概略部分切り欠き図を示す。複数の弁尖14は、自己心臓弁12(例えば、大動脈弁)の交連16において合流および/または接合し得る。上述したように、本開示の目的のために、以下の説明は、自己心臓弁12(例えば、大動脈弁)における使用を対象とし、簡潔にするためにそのことについて記載する。しかしながら、これは、限定することを意図するものではなく、当業者であれば、以下の説明が、本開示の構造および/または範囲に対する変更なしに、または最小限の変更で、患者内の他の心臓弁、血管、および/または治療部位にも適用され得ることを認識するであろう。
【0037】
図2は、患者の自己心臓弁12(例えば、大動脈弁)および/または患者の心臓10内に配置されるように構成された置換心臓弁インプラント30の概略例を示す。置換心臓弁インプラント30は、部分断面図で示されている。置換心臓弁インプラント30は、拡張可能なフレームワーク40と、拡張可能なフレームワーク40の交連ポスト42において拡張可能なフレームワーク40に連結された複数のリーフレット50とを含み得る。いくつかの実施形態では、置換心臓弁インプラント30および/または拡張可能なフレームワーク40は、送達構成と展開構成との間で可逆的に作動可能であり得、送達構成では、拡張可能なフレームワーク40は、軸方向に伸長および/または半径方向に折り畳まれ、展開構成では、拡張可能なフレームワーク40は、軸方向に短縮および/または半径方向に拡張される。
【0038】
拡張可能なフレームワーク40は、中央長手方向軸と、流入端から流出端まで拡張可能なフレームワーク40を貫通して延在する管腔とを形成する管状構造を形成し得る。いくつかの実施形態では、拡張可能なフレームワーク40は、複数の支柱(struts)を有する拡張可能なステントであり、かつ/またはそれを含み得る。いくつかの実施形態では、拡張可能なフレームワーク40は、1つまたは複数の織り合わされたフィラメント(例えば、単一フィラメント、2つのフィラメントなど)から形成された編組(braid)であり、かつ/またはそれを含み得る。いくつかの実施形態では、拡張可能なフレームワーク40は、複数の支柱を形成するように切断された(例えば、レーザ等を用いて)管状部材から形成され得る。拡張可能なフレームワーク40は、拡張可能なフレームワーク40内に配置された複数の隙間(例えば、開口部)を含み得る。複数の隙間(例えば、開口部)は、隣接する支柱および/またはフィラメントの間で、拡張可能なフレームワーク40の内部から拡張可能なフレームワーク40の外部に挿通し得る。いくつかの実施形態では、拡張可能なフレームワーク40は、流入端に近接する複数の非外傷性流入ループまたはクラウン、および/または流出端に近接する複数の非外傷性流出ループまたはクラウンを含み得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、拡張可能なフレームワーク40は自己拡張型のものであり得る。いくつかの実施形態では、拡張可能なフレームワーク40は、バルーンまたは他の適切な拡張方法を使用して、機械的手段を介して拡張され得る。他の構成も企図される。拡張可能なフレームワーク40のためのいくつかの適切であるが非限定的な材料(例えば、金属材料、ポリマー材料、形状記憶材料など)が、以下に記載される。
【0040】
いくつかの実施形態では、シール部材(図示せず)は、拡張可能なフレームワーク40の外部上に、その周りに、および/またはそれに隣接して円周方向に配置され得、その用語が示唆するように、展開時に、標的部位または関心領域(例えば、自己心臓弁12)内に、および/またはそれに対して、置換心臓弁インプラント30および/または拡張可能なフレームワーク40の外部をシールするのに役立ち、それによって置換心臓弁インプラント30および/または拡張可能なフレームワーク40の周囲の漏れを防止し得る。シール部材は、拡張可能なフレームワーク40を貫通して延びる管腔の外側に配置され得る。いくつかの実施形態では、シール部材は、1つまたは複数の場所において拡張可能なフレームワーク40に連結され、かつ/または固定され得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、シール部材は、ポリマー材料の1つまたは複数の層を含み得る。いくつかの適切なポリマー材料は、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテルブロックアミド、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、及びそれらのコポリマー、ブレンド、混合物、又は組み合わせを含み得るが、必ずしもこれらに限定されない。他の適切なポリマー材料も企図され、そのうちのいくつかは以下に説明される。
【0042】
いくつかの実施形態では、また、シール部材は、硬化前にポリマー材料に追加される、補強部、補強層、および/または1つまたは複数の補強部材を含み得る。補強部、補強層、および/または1つまたは複数の補強部材は、織布又は不織布を含み得、かつ様々な層内又は層間に位置決めされ得る。いくつかの実施形態では、補強部、補強層、および/または1つまたは複数の補強部材は、シール部材の半径方向に最も内側の表面または半径方向に最も外側の表面の上に位置決めされ得る。いくつかの実施形態では、シール部材の少なくとも一部は、ポリマーコーティングを有する布材料から形成され得る。少なくともいくつかの実施形態では、シール部材は、流体および/または血液に対して不透過性であり得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、シール部材は、シール部材に連結され、かつ/または拡張可能なフレームワーク40の流入端に近接して配置された補強バンドを含み得る。いくつかの実施形態では、補強バンドは、シール部材と一体的に形成され、シール部材に組み込まれ、シール部材に接着され、および/またはシール部材内に少なくとも部分的に埋め込まれ得る。いくつかの実施形態では、補強バンドは、織布または不織布材料、テキスタイル、または他の薄い可撓性材料から形成され得る。補強バンドは、置換心臓弁インプラント30のコンポーネントまたは態様に関連付けられた縫合糸、フィラメント、または他の取り付け要素の近傍において耐引き裂き性を提供し得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのシールステッチは、シール部材および/または補強バンドの流入端を拡張可能なフレームワーク40の流入端に取り付け得る。
【0044】
置換心臓弁インプラント30は、拡張可能なフレームワーク40の管腔内に配置された複数のリーフレット50(例えば、牛の心膜、ポリマーなど)を含み得る。いくつかの実施形態では、複数のリーフレット50は、2つのリーフレット、3つのリーフレット、4つのリーフレットなどを含み得る。他の構成も企図される。いくつかの実施形態では、複数のリーフレット50は、交連ポスト42において拡張可能なフレームワーク40に連結され、かつ/または取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、交連ポスト42は、拡張可能なフレームワーク40に連結され、かつ/または取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、交連ポスト42は、拡張可能なフレームワーク40と一体的に、かつ/またはモノリシックに形成され得る。置換心臓弁インプラント30は、リーフレットと同じ数の交連ポストを有し得る。例えば、複数のリーフレット50が3つのリーフレットを含む実施形態では、置換心臓弁インプラント30は、3つの交連ポスト42を含み得る。他の構成も企図される。複数のリーフレット50は、拡張可能なフレームワーク40の管腔内で開閉するように構成され得る。複数のリーフレット50の自由端は、複数のリーフレット50が閉じられたときに、流入端の下流の位置で互いに封止するように接触するように構成され得る。
【0045】
図3は、置換心臓弁インプラント30を患者の自己心臓弁12(例えば、大動脈弁)に送達するためのシステムの態様を示す。システムは、本明細書に説明されるような置換心臓弁インプラント30を含み得る。説明のため、および理解を容易にするために、置換心臓弁インプラント30には、置換心臓弁インプラント30の方向を示すために参照文字AおよびBが標識されている。システムは、近位ハンドル70と、近位ハンドル70から遠位に延在する長尺状カテーテル80とを含む送達デバイス60を含み得る。長尺状カテーテル80は、管腔を有する外側シース82と、外側シース82の管腔内に移動可能に配置され、かつ/または外側シース82の管腔を貫通して長手方向に延びる内側シャフト84とを含み得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、置換心臓弁インプラント30は、内側シャフト84の遠位部分に解放可能に連結され、かつ送達構成において置換心臓弁インプラント30の送達中に外側シース82の管腔内に配置され得る。いくつかの実施形態では、近位ハンドル70は、送達デバイス60の近位端に配置され、かつ/または取り付けられ得、かつ近位ハンドル70と関連付けられた1つまたは複数の作動手段を含み得る。いくつかの実施形態では、内側シャフト84は、内側シャフト84を通って長手方向に延びる中央ガイドワイヤ管腔86を含み得る。いくつかの実施形態では、中央ガイドワイヤ管腔86は、内側シャフト84の中央長手方向軸と同軸であり得る。中央ガイドワイヤ管腔86は、中央ガイドワイヤ管腔86内にガイドワイヤを摺動可能に受容し、かつ/または摺動可能に移動させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、内側シャフト84は、内側シャフト84内で長手方向に延在する配向管腔88(例えば、
図4)を含み得る。少なくともいくつかの実施形態では、配向管腔88は、中央ガイドワイヤ管腔86および/または内側シャフト84の中央長手方向軸から横方向および/または半径方向にオフセットされ得る。配向管腔88は、閉鎖遠位端を含み、かつ/または有し得る。配向管腔88の閉鎖遠位端は、内側シャフト84の遠位端の近位に配置され得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、近位ハンドル70は、内側シャフト84および/または置換心臓弁インプラント30に対する外側シース82の位置を操作し、かつ/または置換心臓弁インプラント30の展開を補助するように構成される作動機構(図示せず)を含み得る。いくつかの実施形態では、作動機構は、回転可能なノブ、スライダ、または他の要素を含み得る。いくつかの実施形態では、送達デバイス60は、送達デバイス60の遠位端に配置されるノーズコーン(nose cone)を含み得る。送達デバイス60および/またはノーズコーンは、ガイドワイヤ(図示せず)を摺動可能に受容し、かつ/または摺動可能に移動させるように構成され得る。少なくともいくつかの実施形態では、ノーズコーンは、非外傷性形状を有し得る。
【0048】
送達中、置換心臓弁インプラント30は、概して、送達構成において外側シース82内で内側シャフト84に連結され、かつ/または内側シャフト84の遠位に配置され得る。一旦位置決めされると、外側シース82は、置換心臓弁インプラント30を露出させるために、内側シャフト84および/または置換心臓弁インプラント30に対して後退され得る。置換心臓弁インプラント30は、置換心臓弁インプラント30を展開構成に並進させるために、近位ハンドル70および/または作動機構を使用して作動され得る。置換心臓弁インプラント30が解剖学的構造内で適切に展開されると、置換心臓弁インプラント30は、送達デバイス60および/または内側シャフト84から解放され、かつ/または取り外されて、置換心臓弁インプラント30が自己心臓弁12(例えば、大動脈弁)内の所定の位置に留置して、例えば、自己心臓弁12の適切な置換として機能するように、送達デバイス60が血管系から除去される。
【0049】
いくつかの実施形態では、送達デバイス60は、置換心臓弁インプラント30を近位ハンドル70および/または作動機構に解放可能に接続する少なくとも1つのアクチュエータ要素を含み得る。いくつかの実施形態では、作動機構は、近位ハンドル70内に配置された内部システムを含み得る。内部システムは、1つまたは複数の歯車、プーリ、ラチェット、カム、ねじ、または他の並進機構および/またはロック機構を含み得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアクチェーション要素は、交連ポスト42に解放可能に接続され得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアクチェーション要素は、拡張可能なフレームワーク40に解放可能に接続され得る。他の構成も企図される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアクチュエータ要素は、内側シャフト84から置換心臓弁インプラント30まで遠位に延在し得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアクチュエータ要素は、内側シャフト84内に摺動可能に配置され、かつ/または(例えば、1つまたは複数の図示しない管腔内において)内側シャフト84を通って摺動可能に延在し得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアクチュエータ要素は、置換心臓弁インプラント30を送達構成と展開構成との間で作動させる(即ち、軸方向または長手方向に並進させ、かつ/または拡張させる)ために使用され得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアクチュエータ要素は、複数のアクチュエータ要素、2つのアクチュエータ要素、3つのアクチュエータ要素、4つのアクチュエータ要素、または別の適切なもしくは所望の数のアクチュエータ要素を含み得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、送達デバイス60は、配向管腔88内に配置される配向マンドレル90を含み得る。いくつかの実施形態では、配向マンドレル90は、配向管腔88内に摺動可能に配置され得る。配向マンドレル90は、配向管腔88内で近位ハンドル70から、配向管腔88の閉鎖遠位端に近接して配置され、かつ/または位置決めされた遠位端まで遠位に延在し得る。配向マンドレル90は、近位ハンドル70の配向機構72に動作可能に連結され得る。いくつかの実施形態では、配向機構172は、配向マンドレル90に圧縮力または引張力を印加するように構成され得る。いくつかの実施形態では、配向機構72は、配向マンドレル90の少なくとも一部を、配向管腔88内で軸方向および/または長手方向に、および/または内側シャフト84に対して移動させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、配向機構72は、近位ハンドル70内に配置された内部システムを含み得る。内部システムは、配向マンドレル90に直線運動、圧縮力、および/または引張力を付与し得る、1つまたは複数の歯車、プーリ、ラチェット、カム、ねじ、または他の並進機構および/またはロック機構を含み得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、長尺状カテーテル80の遠位部分は、患者の大動脈弓22(例えば、
図1)に適合するように構成された予め形成された湾曲部を含み得る。いくつかの実施形態では、予め形成された湾曲部は、内側屈曲部94と、内側シャフト84および/または内側シャフト84の中央長手方向軸に対して内側屈曲部94とは反対側に配置された外側屈曲部96とを有する、長尺状カテーテル80のアーチ92を形成し得る。いくつかの実施形態では、予め形成された湾曲部および/またはアーチ92は、実質的に平面的であり、かつ/または屈曲平面(bending plane)内に形成され得る。いくつかの実施形態では、外側シース82は、予め形成された湾曲部および/またはアーチ92を含み得る。いくつかの実施形態では、内側シャフト84は、予め形成された湾曲部および/またはアーチ92を含み得る。いくつかの実施形態では、外側シース82および内側シャフト84の両方が、予め形成された湾曲部および/またはアーチ92を含み得る。いくつかの実施形態では、配向マンドレル90は、
図4に見られるように、第1の構成において長尺状カテーテル80のアーチ92の内側屈曲部94に沿って配置され得る。
図4に示されるように、いくつかの実施形態では、配向管腔88および/または配向マンドレル90は、第1の構成において屈曲平面内に配置され得る。いくつかの実施形態では、配向管腔88および/または配向マンドレル90は、
図4Aおよび
図4Bに見られるように、内側屈曲部94から半径方向および/または周方向にオフセットされ得る。
図4Aおよび
図4Bに示されるように、いくつかの実施形態では、配向管腔88および/または配向マンドレル90は、第1の構成において、屈曲平面の外側(例えば、一方の側)に配置され得る。
【0052】
少なくともいくつかの実施形態では、配向機構72は、
図5に見られるように、配向マンドレル90を配向管腔88内でおよび/または内側シャフト84に対して遠位に前進させるように、かつ/または圧縮力を配向マンドレル90に印加するように構成され得る。いくつかの実施形態では、配向マンドレル90の遠位端の遠位前進および/または配向管腔88の閉鎖遠位端に対する圧縮力の印加は、配向マンドレル90内に圧縮力を蓄積させ得る。いくつかの実施形態では、圧縮力は、長尺状カテーテル80を第1の構成から本明細書に説明される第2の構成に向けて、かつ/または第2の構成にシフトさせ得る。
【0053】
図5および
図6に見られるように、いくつかの実施形態では、配向管腔88の閉鎖遠位端に対する配向マンドレル90の遠位端の圧縮力および/または遠位前進は、内側シャフト84を中央ガイドワイヤ管腔86および/または内側シャフト84の中央長手方向軸を中心に回転させ得る。内側シャフト84の回転は、外側シース82に対する置換心臓弁インプラント30の対応する、および/または相応する回転を引き起こし、かつ/又はもたらし得る。従って、配向機構72は、置換心臓弁インプラント30の交連ポスト42を自己心臓弁12(例えば、大動脈弁)の交連16と位置合わせするために必要に応じて内側シャフト84および/または置換心臓弁インプラント30を回転させるために使用され得る。
【0054】
図6は、第1の構成において屈曲平面内に配置された配向管腔88および/または配向マンドレル90を示す。第1の構成において配向管腔88および/または配向マンドレル90が屈曲平面内に配置されているときに、配向管腔88の閉鎖遠位端に対して配向マンドレル90の遠位端の圧縮力および/または遠位前進を加えることにより、内側シャフト84および/または置換心臓弁インプラント30が第2の構成に向けて第1の方向または第1の方向とは反対の第2の方向に回転することができる。
【0055】
図6Aは、第1の構成における屈曲平面の外側(例えば、一方の側、第1の側など)に配置された配向管腔88および/または配向マンドレル90を示す。配向管腔88および/または配向マンドレル90が第1の構成において屈曲平面の外側(例えば、一方の側)に配置されているときに、配向管腔88の閉鎖遠位端に対して配向マンドレル90の遠位端の圧縮力および/または遠位前進を加えることにより、内側シャフト84および/または置換心臓弁インプラント30が第2の構成に向けて第1の方向および/または屈曲平面の第1の側に回転することができる。
【0056】
図6Bは、第1の構成における屈曲平面の外側(例えば、反対側、第2の側など)に配置された配向管腔88および/または配向マンドレル90を示す。配向管腔88および/または配向マンドレル90が第1の構成の屈曲平面の外側(例えば、一方の側)に配置されているときに、配向管腔88の閉鎖遠位端に対して配向マンドレル90の遠位端の圧縮力および/または遠位前進を加えることにより、内側シャフト84および/または置換心臓弁インプラント30が第2の構成に向けて第1の方向とは反対の第2の方向および/または屈曲平面に対して第2の側に回転することができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、
図7および
図8に見られるように、配向マンドレル90は、第2の構成において長尺状カテーテル80のアーチ92の外側屈曲部96に向けて移動され、かつ/またはそれに沿って配置され得る。本明細書で説明したように、配向管腔88は、中央ガイドワイヤ管腔86および/または内側シャフト84の中央長手方向軸から横方向および/または半径方向に例えば、あるオフセット距離だけオフセットされ得る。配向管腔88の閉鎖遠位端に対する配向マンドレル90の遠位端の圧縮力および/または遠位前進に起因して、内側シャフト84内および/または内側シャフト84によって生成されるトルク(例えば、回転)は、オフセット距離が増加するにつれて、より大きくなり得、かつ/または増加し得る。従って、オフセット距離が増加するにつれて、外側シース82に対して内側シャフト84および/または置換心臓弁インプラント30を回転させるのに必要な、配向マンドレル90に印加される軸方向力および/または軸方向並進が小さくなり、かつ/または配向マンドレル90内に蓄積される圧縮力が小さくなり得る。
図7の参照文字AおよびBを見れば分かるように、置換心臓弁インプラント30は、外側シース82に対して回転している。いくつかの図は、置換心臓弁インプラント30の180°の回転を示すが、置換心臓弁インプラント30は、所望に応じて180°未満で回転し得ることが理解されるであろう。また、回転の程度は、屈曲平面に対する配向管腔88および/または配向マンドレル90の配置および/または場所によって影響され得る。それに応じて、参照文字AおよびBの配置および/または位置も影響を受ける。
【0058】
図9および
図10は、置換心臓弁インプラント30を患者の自己心臓弁12(例えば、大動脈弁)に送達するためのシステムの代替実施形態の態様を示す。システムは、本明細書に説明されるような置換心臓弁インプラント30を含み得る。システムは、近位ハンドル170と、近位ハンドル170から遠位に延在する長尺状カテーテル180とを含む送達デバイス160を含み得る。長尺状カテーテル180は、管腔を有する外側シース182と、外側シース182の管腔内に移動可能に配置され、かつ/または外側シース182の管腔を貫通して長手方向に延びる内側シャフト184とを含み得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、置換心臓弁インプラント30は、内側シャフト184の遠位部分に解放可能に連結され、かつ送達構成において置換心臓弁インプラント30の送達中に外側シース182の管腔内に配置され得る。いくつかの実施形態では、近位ハンドル170は、送達デバイス160の近位端に配置され、かつ/または取り付けられ得、かつ近位ハンドル170と関連付けられた1つまたは複数の作動手段を含み得る。いくつかの実施形態では、内側シャフト184は、内側シャフト184を通って長手方向に延びる中央ガイドワイヤ管腔186を含み得る。いくつかの実施形態では、中央ガイドワイヤ管腔186は、内側シャフト184の中央長手方向軸と同軸であり得る。中央ガイドワイヤ管腔186は、中央ガイドワイヤ管腔186内にガイドワイヤを摺動可能に受容し、かつ/または摺動可能に移動させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、内側シャフト184は、内側シャフト184内で長手方向に延びる第1の配向管腔188と、内側シャフト184内で長手方向に延びる第2の配向管腔189とを含み得る。少なくともいくつかの実施形態では、第1の配向管腔188および第2の配向管腔189は、中央ガイドワイヤ管腔186および/または内側シャフト184の中央長手方向軸から横方向および/または半径方向にオフセットされ得る。いくつかの実施形態では、第2の配向管腔189は、中央ガイドワイヤ管腔186および/または内側シャフト184の中央長手方向軸に対して、第1の配向管腔188とは反対側に配置され、かつ/または位置決めされ得る。他の構成も企図される。第1の配向管腔188は、閉鎖遠位端を含み、かつ/または有し得る。第1の配向管腔188の閉鎖遠位端は、内側シャフト184の遠位端の近位に配置され得る。第2の配向管腔189は、閉鎖遠位端を含み、かつ/または有し得る。第2の配向管腔189の閉鎖遠位端は、内側シャフト184の遠位端の近位に配置され得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、近位ハンドル170は、内側シャフト184および/または置換心臓弁インプラント30に対する外側シース182の位置を操作し、かつ/または置換心臓弁インプラント30の展開を補助するように構成される作動機構(図示せず)を含み得る。いくつかの実施形態では、作動機構は、回転可能なノブ、スライダ、または他の要素を含み得る。いくつかの実施形態では、送達デバイス160は、送達デバイス160の遠位端に配置されるノーズコーンを含み得る。送達デバイス160および/またはノーズコーンは、ガイドワイヤ(図示せず)を摺動可能に受容し、かつ/または摺動可能に移動させるように構成され得る。少なくともいくつかの実施形態では、ノーズコーンは、非外傷性形状を有し得る。
【0061】
送達中、置換心臓弁インプラント30は、概して、送達構成において外側シース182内で内側シャフト184に連結され、かつ/または内側シャフト184の遠位に配置され得る。一旦位置決めされると、外側シース182は、置換心臓弁インプラント30を露出させるために、内側シャフト184および/または置換心臓弁インプラント30に対して後退され得る。置換心臓弁インプラント30は、置換心臓弁インプラント30を展開構成に並進させるために、近位ハンドル170および/または作動機構を使用して作動され得る。置換心臓弁インプラント30が解剖学的構造内で適切に展開されると、置換心臓弁インプラント30は、送達デバイス160および/または内側シャフト184から解放され、かつ/または取り外されて、置換心臓弁インプラント30が自己心臓弁12(例えば、大動脈弁)内の所定の位置に留置して、例えば、自己心臓弁12の適切な置換として機能するように、送達デバイス160が血管系から除去される。
【0062】
いくつかの実施形態では、送達デバイス160は、置換心臓弁インプラント30を近位ハンドル170および/または作動機構に解放可能に接続する少なくとも1つのアクチュエータ要素を含み得る。いくつかの実施形態では、作動機構は、近位ハンドル170内に配置された内部システムを含み得る。内部システムは、1つまたは複数の歯車、プーリ、ラチェット、ねじ、カム、または他の並進機構および/またはロック機構を含み得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアクチェーション要素は、交連ポスト42に解放可能に接続され得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアクチェーション要素は、拡張可能なフレームワーク40に解放可能に接続され得る。他の構成も企図される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアクチュエータ要素は、内側シャフト184から置換心臓弁インプラント30まで遠位に延在し得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアクチュエータ要素は、内側シャフト184内に摺動可能に配置され、かつ/または(例えば、1つまたは複数の図示されていない管腔内において)内側シャフト184を通って摺動可能に延在し得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアクチュエータ要素は、置換心臓弁インプラント30を送達構成と展開構成との間で作動させる(即ち、軸方向または長手方向に並進させ、かつ/または拡張させる)ために使用され得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアクチュエータ要素は、複数のアクチュエータ要素、2つのアクチュエータ要素、3つのアクチュエータ要素、4つのアクチュエータ要素、または別の適切なもしくは所望の数のアクチュエータ要素を含み得る。
【0063】
いくつかの実施形態では、送達デバイス160は、第1の配向管腔188内に摺動可能に配置される第1の配向マンドレル190を含み得る。第1の配向マンドレル190は、第1の配向管腔188内で近位ハンドル170から、第1の配向管腔188の閉鎖遠位端に近接して配置され、かつ/または位置決めされた遠位端まで遠位に延在し得る。第1の配向マンドレル190は、近位ハンドル170の配向機構172に動作可能に連結され得る。配向機構172は、第1の配向マンドレル190の少なくとも一部を、第1の配向管腔188内で軸方向および/または長手方向に、および/または内側シャフト184に対して移動させるように構成され得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、送達デバイス160は、第2の配向管腔189内に摺動可能に配置される第2の配向マンドレル191を含み得る。第2の配向マンドレル191は、第2の配向管腔189内で近位ハンドル170から、第2の配向管腔189の閉鎖遠位端に近接して配置され、かつ/または位置決めされた遠位端まで遠位に延在し得る。第2の配向マンドレル191は、近位ハンドル170の配向機構172に動作可能に連結され得る。配向機構172は、第2の配向マンドレル191の少なくとも一部を、第2の配向管腔189内で軸方向および/または長手方向に、および/または内側シャフト184に対して移動させるように構成され得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、配向機構172は、近位ハンドル170内に配置された内部システムを含み得る。内部システムは、第1の配向マンドレル190および/または第2の配向マンドレル191に直線運動、圧縮力、および/または引張力を付与し得る、1つまたは複数の歯車、プーリ、ラチェット、カム、ねじ、または他の並進機構および/またはロック機構を含み得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、長尺状カテーテル180の遠位部分は、患者の大動脈弓22(例えば、
図1)に適合するように構成された予め形成された湾曲部を含み得る。いくつかの実施形態では、予め形成された湾曲部は、内側屈曲部194と、内側シャフト184および/または内側シャフト184の中央長手方向軸に対して内側屈曲部194とは反対側に配置された外側屈曲部196とを有する、長尺状カテーテル180のアーチ192を形成し得る。いくつかの実施形態では、予め形成された湾曲部および/またはアーチ192は、実質的に平面的であり、かつ/または屈曲平面内に形成され得る。いくつかの実施形態では、外側シース182は、予め形成された湾曲部および/またはアーチ192を含み得る。いくつかの実施形態では、内側シャフト184は、予め形成された湾曲部および/またはアーチ192を含み得る。いくつかの実施形態では、外側シース182および内側シャフト184の両方が、予め形成された湾曲部および/またはアーチ192を含み得る。いくつかの実施形態では、
図10に見られるように、第1の構成において、第1の配向マンドレル190は、長尺状カテーテル180のアーチ192の内側屈曲部194に沿って配置され得、第2の配向マンドレル191は、長尺状カテーテル180のアーチ192の外側屈曲部196に沿って配置され得る。
【0067】
図10に示されるように、いくつかの実施形態では、第1の配向管腔188および/または第1の配向マンドレル190は、第1の構成において屈曲平面内に配置され得る。いくつかの実施形態では、第2の配向管腔189および/または第2の配向マンドレル191は、第1の構成において屈曲平面内に配置され得る。いくつかの実施形態では、第1の配向管腔188および/または第1の配向マンドレル190ならびに第2の配向管腔189および/または第2の配向マンドレル191は、
図4Aおよび
図4Bに示される構成と同様に、内側屈曲部194から半径方向および/または周方向にオフセットされ得る。いくつかの実施形態では、第1の配向管腔188および/または第1の配向マンドレル190ならびに第2の配向管腔189および/または第2の配向マンドレル191は、第1の構成において屈曲平面の外側(例えば、一方の側)に配置され得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、配向機構172は、第1の配向マンドレル190を第1の配向管腔188内で遠位に、および/または内側シャフト184に対して前進させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、第1の配向管腔188の閉鎖遠位端に対する第1の配向マンドレル190の遠位端の遠位前進は、第1の配向マンドレル190内に圧縮力を蓄積させ得る。いくつかの実施形態では、圧縮力は、長尺状カテーテル180を第1の構成から本明細書に説明される第2の構成に向けて、かつ/または第2の構成にシフトさせ得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、第1の配向管腔188の閉鎖遠位端に対する第1の配向マンドレル190の遠位端の圧縮力および/または遠位前進は、内側シャフト184を中央ガイドワイヤ管腔186および/または内側シャフト184の中央長手方向軸を中心に第1の方向に回転させ得る。内側シャフト184の第1の方向への回転は、外側シース182に対する置換心臓弁インプラント30の対応する、および/または相応する第1の方向への回転を引き起こし、かつ/またはもたらし得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、配向機構172は、第2の配向マンドレル191を第2の配向管腔189内で遠位に、および/または内側シャフト184に対して前進させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、第2の配向管腔189の閉鎖遠位端に対する第2の配向マンドレル191の遠位端の遠位前進は、第2の配向マンドレル191内に圧縮力を蓄積させ得る。いくつかの実施形態では、圧縮力は、長尺状カテーテル180を第1の構成から本明細書に説明される第2の構成に向けて、かつ/または第2の構成にシフトさせ得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、第2の配向管腔189の閉鎖遠位端に対する第2の配向マンドレル191の遠位端の圧縮力および/または遠位前進は、内側シャフト184を中央ガイドワイヤ管腔186および/または内側シャフト184の中央長手方向軸を中心に第1の方向とは反対の第2の方向に回転させ得る。内側シャフト184の第2の方向への回転は、外側シース182に対する置換心臓弁インプラント30の対応する、および/または相応する第2の方向への回転を引き起こし、かつ/またはもたらし得る。従って、配向機構172は、置換心臓弁インプラント30の交連ポスト42を自己心臓弁12(例えば、大動脈弁)の交連16と位置合わせするために必要に応じて内側シャフト184および/または置換心臓弁インプラント30を第1の方向および/または第2の方向に回転させるために使用され得る。いくつかの実施形態では、第2の構成において、第1の配向マンドレル190は、長尺状カテーテル180のアーチ192の外側屈曲部196に向けて移動され、かつ/または外側屈曲部196に沿って配置され得、第2の配向マンドレル191は、長尺状カテーテル180のアーチ192の内側屈曲部194に向けて移動され、かつ/または内側屈曲部194に沿って配置され得る。
【0072】
本明細書で説明するように、第1の配向管腔188および第2の配向管腔189は、中央ガイドワイヤ管腔186および/または内側シャフト184の中央長手方向軸から横方向および/または半径方向に例えば、あるオフセット距離だけオフセットされ得る。第1の配向管腔188の閉鎖遠位端に対する第1の配向マンドレル190および/または第2の配向管腔189の閉鎖遠位端に対する第2の配向マンドレル191の遠位端の圧縮力および/または遠位前進に起因して、内側シャフト184内および/または内側シャフト184によって生成されるトルク(例えば、回転)は、オフセット距離が増加するにつれて、より大きくなり得、かつ/または増加し得る。従って、オフセット距離が増加するにつれて、外側シース182に対して内側シャフト184および/または置換心臓弁インプラント30を回転させるのに必要な、第1の配向マンドレル190および/または第2の配向マンドレル191に印加される軸方向力および/または軸方向並進が小さくなり、かつ/または第1の配向マンドレル190および/または第2の配向マンドレル191内に蓄積される圧縮力が小さくなり得る。
【0073】
代替構成では、第1の配向マンドレル190および/または第2の配向マンドレル191の遠位端は、それぞれ、内側シャフト184に、かつ/または第1の配向管腔188および/または第2の配向管腔189内に固着され得る。外側シース182に対する内側シャフト184および/または置換心臓弁インプラント30の回転方向を逆転させるために、配向機構172を使用して、および/または配向機構によって、第1の配向マンドレル190および/または第2の配向マンドレル191に引張力が加えられ得る。
【0074】
いくつかの実施形態では、外側シース182に対する内側シャフト184および/または置換心臓弁インプラント30の回転に対する方向制御は、
図4~
図6に関して上述したように、第1の配向管腔188および/または第1の配向マンドレル190ならびに第2の配向管腔189および/または第2の配向マンドレル191を、第1の構成において屈曲平面の外側(例えば、一方の側)に位置付けることによって提供され得る。第1の配向マンドレル190に圧縮力および/または引張力を印加することは、屈曲平面の第1の側に沿って、かつ/または第1の側上で、外側シース182に対する内側シャフト184および/または置換心臓弁インプラント30の回転を引き起こし得る。第2の配向マンドレル191に圧縮力および/または引張力を印加することは、屈曲平面の第1の側とは反対側の屈曲平面の第2の側に沿って、かつ/または第2の側上で、外側シース182に対する内側シャフト184および/または置換心臓弁インプラント30の回転を引き起こし得る。
【0075】
図11および
図12は、置換心臓弁インプラント30を患者の自己心臓弁12(例えば、大動脈弁)に送達するためのシステムの代替実施形態の態様を示す。システムは、本明細書に説明されるような置換心臓弁インプラント30を含み得る。システムは、近位ハンドル270と、近位ハンドル270から遠位に延在する長尺状カテーテル280とを含む送達デバイス260を含み得る。長尺状カテーテル280は、管腔を有する外側シース282と、外側シース282の管腔内に移動可能に配置され、かつ/または外側シース282を貫通して長手方向に延びる内側シャフト284とを含み得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、置換心臓弁インプラント30は、内側シャフト284の遠位部分に解放可能に連結され、かつ送達構成において置換心臓弁インプラント30の送達中に外側シース282の管腔内に配置され得る。いくつかの実施形態では、近位ハンドル270は、送達デバイス260の近位端に配置され、かつ/または取り付けられ得、かつ近位ハンドル270と関連付けられた1つまたは複数の作動手段を含み得る。いくつかの実施形態では、内側シャフト284は、内側シャフト284を通って長手方向に延びる中央ガイドワイヤ管腔286を含み得る。いくつかの実施形態では、中央ガイドワイヤ管腔286は、内側シャフト284の中央長手方向軸と同軸であり得る。中央ガイドワイヤ管腔286は、中央ガイドワイヤ管腔286内にガイドワイヤを摺動可能に受容し、かつ/または摺動可能に移動させるように構成され得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、近位ハンドル270は、内側シャフト284および/または置換心臓弁インプラント30に対する外側シース282の位置を操作し、かつ/または置換心臓弁インプラント30の展開を補助するように構成される作動機構(図示せず)を含み得る。いくつかの実施形態では、作動機構は、回転可能なノブ、スライダ、または他の要素を含み得る。いくつかの実施形態では、送達デバイス260は、送達デバイス260の遠位端に配置されるノーズコーンを含み得る。送達デバイス260および/またはノーズコーンは、ガイドワイヤ(図示せず)を摺動可能に受容し、かつ/または摺動可能に移動させるように構成され得る。少なくともいくつかの実施形態では、ノーズコーンは、非外傷性形状を有し得る。
【0078】
送達中、置換心臓弁インプラント30は、概して、送達構成において外側シース282内で内側シャフト284に連結され、かつ/または内側シャフト284の遠位に配置され得る。一旦位置決めされると、外側シース282は、置換心臓弁インプラント30を露出させるために、内側シャフト284および/または置換心臓弁インプラント30に対して後退され得る。置換心臓弁インプラント30は、置換心臓弁インプラント30を展開構成に並進させるために、近位ハンドル270および/または作動機構を使用して作動され得る。置換心臓弁インプラント30が解剖学的構造内で適切に展開されると、置換心臓弁インプラント30は、送達デバイス260および/または内側シャフト284から解放され、かつ/または取り外されて、置換心臓弁インプラント30が自己心臓弁12(例えば、大動脈弁)内の所定の位置に留置して、例えば、自己心臓弁12の適切な置換として機能するように、送達デバイス260が血管系から除去される。
【0079】
いくつかの実施形態では、送達デバイス260は、置換心臓弁インプラント30を近位ハンドル270および/または作動機構に解放可能に接続する少なくとも1つのアクチュエータ要素を含み得る。いくつかの実施形態では、作動機構は、近位ハンドル270内に配置された内部システムを含み得る。内部システムは、1つまたは複数の歯車、プーリ、ラチェット、ねじ、カム、または他の並進機構および/またはロック機構を含み得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアクチェーション要素は、交連ポスト42に解放可能に接続され得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアクチェーション要素は、拡張可能なフレームワーク40に解放可能に接続され得る。他の構成も企図される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアクチュエータ要素は、内側シャフト284から置換心臓弁インプラント30まで遠位に延在し得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアクチュエータ要素は、内側シャフト284内に摺動可能に配置され、かつ/または(例えば、1つまたは複数の図示されていない管腔内において)内側シャフト284を通って摺動可能に延在し得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアクチュエータ要素は、置換心臓弁インプラント30を送達構成と展開構成との間で作動させる(即ち、軸方向または長手方向に並進させ、かつ/または拡張させる)ために使用され得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアクチュエータ要素は、複数のアクチュエータ要素、2つのアクチュエータ要素、3つのアクチュエータ要素、4つのアクチュエータ要素、または別の適切なもしくは所望の数のアクチュエータ要素を含み得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、送達デバイス260は、内側シャフト284の外側表面に取り付けられた第1の配向マンドレル290を含み得る。第1の配向マンドレル290は、近位ハンドル270から、内側シャフト284の遠位端に近接して内側シャフト284に固定的に取り付けられた第1の遠位端まで遠位に延在し得る。第1の配向マンドレル290は、近位ハンドル270の配向機構272に動作可能に連結され得る。配向機構272は、第1の配向マンドレル290の少なくとも一部を内側シャフト284に対して軸方向および/または長手方向に移動させるように構成され得る。
【0081】
いくつかの実施形態では、送達デバイス260は、中央ガイドワイヤ管腔286および/または内側シャフト284の中央長手方向軸に対して、第1の配向マンドレル290とは反対側の内側シャフト284の外側表面に取り付けられた第2の配向マンドレル291を含み得る。第2の配向マンドレル291は、近位ハンドル270から、内側シャフト284の遠位端に近接して内側シャフト284に固定的に取り付けられた第2の遠位端まで遠位に延在し得る。第2の配向マンドレル291は、近位ハンドル270の配向機構272に動作可能に連結され得る。配向機構272は、第2の配向マンドレル291の少なくとも一部を内側シャフト284に対して軸方向および/または長手方向に移動させるように構成され得る。
【0082】
いくつかの実施形態では、配向機構272は、近位ハンドル270内に配置された内部システムを含み得る。内部システムは、第1の配向マンドレル290および/または第2の配向マンドレル291に直線運動、圧縮力、および/または引張力を付与し得る、1つまたは複数の歯車、プーリ、ラチェット、カム、ねじ、または他の並進機構および/またはロック機構を含み得る。
【0083】
いくつかの実施形態では、長尺状カテーテル280の遠位部分は、患者の大動脈弓22(例えば、
図1)に適合するように構成された予め形成された湾曲部を含み得る。いくつかの実施形態では、予め形成された湾曲部は、内側屈曲部294と、内側シャフト284および/または内側シャフト284の中央長手方向軸に対して内側屈曲部294とは反対側に配置された外側屈曲部296とを有する、長尺状カテーテル280のアーチ292を形成し得る。いくつかの実施形態では、予め形成された湾曲部および/またはアーチ292は、実質的に平面的であり、かつ/または屈曲平面内に形成され得る。いくつかの実施形態では、外側シース282は、予め形成された湾曲部および/またはアーチ292を含み得る。いくつかの実施形態では、内側シャフト284は、予め形成された湾曲部および/またはアーチ292を含み得る。いくつかの実施形態では、外側シース282および内側シャフト284の両方が、予め形成された湾曲部および/またはアーチ292を含み得る。いくつかの実施形態では、
図12に見られるように、第1の構成において、第1の配向マンドレル290は、長尺状カテーテル280のアーチ292の内側屈曲部294に沿って配置され得、第2の配向マンドレル291は、長尺状カテーテル280のアーチ292の外側屈曲部296に沿って配置され得る。
【0084】
図12に示されるように、いくつかの実施形態では、第1の配向マンドレル290および第2の配向マンドレル291は、第1の構成において屈曲平面内に配置され得る。いくつかの実施形態では、第1の配向マンドレル290および第2の配向マンドレル291は、
図13および
図14に見られるように、内側屈曲部294から半径方向および/または周方向にオフセットされ得る。いくつかの実施形態では、第1の配向マンドレル190および第2の配向マンドレル191は、第1の構成において屈曲平面の外側(例えば、一方の側)に配置され得る。いくつかの実施形態では、第1の配向マンドレル290および第2の配向マンドレル291は、長尺状カテーテル280の遠位部分が事前形成された湾曲部とは無関係であり、かつ/または事前形成された湾曲部を含んでいないような好ましい屈曲平面を定義するように位置決めされ得る。好ましい屈曲平面は、長尺状カテーテル280が大動脈弓22内に位置決めされたときに、大動脈弓22に適合し、かつ/または大動脈弓22と自己整合し得る。いくつかの実施形態では、第1の配向マンドレル290および第2の配向マンドレル291は、好ましい屈曲平面に対して互いに反対側に位置決めされ得る。いくつかの実施形態では、第1の配向マンドレル290および第2の配向マンドレル291は、
図13および14に示されるように、好ましい屈曲平面に対して約90度に位置決めされ得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、配向機構272は、第1の配向マンドレル290の少なくとも一部を内側シャフト284に対して遠位に前進させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、内側シャフト284に固定的に取り付けられた第1の配向マンドレル290の第1の遠位端に対する遠位前進は、第1の配向マンドレル290内に圧縮力を蓄積させ得る。いくつかの実施形態では、圧縮力は、長尺状カテーテル280を第1の構成から本明細書に説明される第2の構成に向けて、かつ/または第2の構成にシフトさせ得る。
【0086】
いくつかの実施形態では、内側シャフト284に固定的に取り付けられた第1の配向マンドレル290の第1の遠位端に対する第1の配向マンドレル290の少なくとも一部の圧縮力および/または遠位前進は、内側シャフト284を中央ガイドワイヤ管腔286および/または内側シャフト284の中央長手方向軸を中心に第1の方向に回転させて、長尺状カテーテル280を第1の構成から第2の構成に向けて、かつ/または第2の構成にシフトさせ得る。内側シャフト284の第1の方向への回転は、外側シース282に対する置換心臓弁インプラント30の対応する、および/または相応する第1の方向への回転を引き起こし、かつ/またはもたらし得る。いくつかの実施形態において、第1の方向は、内側シャフト284に沿って遠位から近位に見たときに反時計回りである。
【0087】
いくつかの実施形態では、配向機構272は、第1の配向マンドレル290の少なくとも一部を内側シャフト284に対して近位に後退させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、内側シャフト284に固定的に取り付けられた第1の配向マンドレル290の第1の遠位端の近位後退は、第1の配向マンドレル290内に引張力を蓄積させ得る。いくつかの実施形態では、引張力は、長尺状カテーテル280を第1の構成から本明細書に説明される第2の構成に向けて、かつ/または第2の構成にシフトさせ得る。
【0088】
いくつかの実施形態では、内側シャフト284に固定的に取り付けられた第1の配向マンドレル290の第1の遠位端の引張力および/または近位後退は、内側シャフト284を中央ガイドワイヤ管腔286および/または内側シャフト284の中央長手方向軸を中心に第1の方向とは反対の第2の方向に回転させて、長尺状カテーテル280を第1の構成から第2の構成に向けて、かつ/または第2の構成にシフトさせ得る。内側シャフト284の第2の方向への回転は、外側シース282に対する置換心臓弁インプラント30の対応する、および/または相応する第2の方向への回転を引き起こし、かつ/またはもたらし得る。いくつかの実施形態では、第2の方向は、内側シャフト284に沿って遠位から近位に見たときに時計回りである。
【0089】
いくつかの実施形態では、配向機構272は、第2の配向マンドレル291の少なくとも一部を内側シャフト184に対して遠位に前進させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、内側シャフト284に固定的に取り付けられた第2の配向マンドレル291の第2の遠位端に対する遠位前進は、第2の配向マンドレル291内に圧縮力を蓄積させ得る。いくつかの実施形態では、圧縮力は、長尺状カテーテル280を第1の構成から本明細書に説明される第2の構成に向けて、かつ/または第2の構成にシフトさせ得る。
【0090】
いくつかの実施形態では、内側シャフト284に固定的に取り付けられた第2の配向マンドレル291の第2の遠位端に対する第2の配向マンドレル291の少なくとも一部の圧縮力および/または遠位前進は、内側シャフト284を中央ガイドワイヤ管腔286および/または内側シャフト284の中央長手方向軸を中心に第1の方向とは反対の第2の方向に回転させて、長尺状カテーテル280を第1の構成から第2の構成に向けて、かつ/または第2の構成にシフトさせ得る。内側シャフト284の第2の方向への回転は、外側シース282に対する置換心臓弁インプラント30の対応する、および/または相応する第2の方向への回転を引き起こし、かつ/またはもたらし得る。いくつかの実施形態では、第2の方向は、内側シャフト284に沿って遠位から近位に見たときに時計回りである。
【0091】
従って、配向機構272は、置換心臓弁インプラント30の交連ポスト42を自己心臓弁12(例えば、大動脈弁)の交連16と位置合わせするために必要に応じて内側シャフト284および/または置換心臓弁インプラント30を第1の方向および/または第2の方向に回転させるために使用され得る。いくつかの実施形態では、第2の構成において、第1の配向マンドレル290は、長尺状カテーテル280のアーチ292の外側屈曲部296に向けて移動され、かつ/または外側屈曲部296に沿って配置され得、第2の配向マンドレル291は、長尺状カテーテル280のアーチ292の内側屈曲部294に向けて移動され、かつ/または内側屈曲部294に沿って配置され得る。
【0092】
いくつかの実施形態では、外側シース282に対する内側シャフト284および/または置換心臓弁インプラント30の回転に対する方向制御は、
図4~
図6に関して上述したように、第1の配向マンドレル290および第2の配向マンドレル191を、第1の構成において屈曲平面および/または好ましい屈曲平面の外側(例えば、一方の側)に位置付けることによって提供され得る。例えば、第1の配向マンドレル290に圧縮力および/または引張力を印加することは、屈曲平面および/または好ましい屈曲平面の第1の側に沿って、かつ/または第1の側上で、外側シース282に対する内側シャフト284および/または置換心臓弁インプラント30の回転を引き起こし得る。第2の配向マンドレル291に圧縮力および/または引張力を印加することは、屈曲平面および/または好ましい屈曲平面の第1の側とは反対の屈曲平面および/または好ましい屈曲平面の第2の側に沿って、かつ/または第2の側上で、外側シース282に対する内側シャフト284および/または置換心臓弁インプラント30の回転を引き起こし得る。
【0093】
図15~
図17は、患者の自己心臓弁12(例えば、大動脈弁)内に置換心臓弁インプラント30を位置決めする方法の態様を示す。
図3~
図8のシステムに関連して説明したが、この方法は、本明細書で説明する
図9~
図14のシステムにも適用できることが理解されよう。
【0094】
本方法は、システムを自己心臓弁12(例えば、大動脈弁)に隣接する位置まで経皮的に前進させるステップを含み得る。システムは、本明細書で説明されるような構造、要素、および/または特徴を含み得、かつ/または備え得る。
図15に見られるように、長尺状カテーテル80は、大動脈20内で大動脈弓22を通って延在し、かつ/または前進し得る。置換心臓弁インプラント30は、送達構成において、外側シース82内で自己心臓弁12に隣接する位置まで前進させられ得る。
【0095】
自己心臓弁12に隣接する位置に到達した後、本方法は、自己心臓弁12内に置換心臓弁インプラント30を展開するステップを含み得る。
図15に見られ得るように、いくつかの実施形態では、初期展開時に、置換心臓弁インプラント30の交連ポスト42は、自己心臓弁12の交連16と回転方向において位置合わせ不良であり、かつ/または自己心臓弁12の交連16から回転方向においてオフセットされている。従って、本方法は、
図16に示されるように、長尺状カテーテル80の外側シース82に対して置換心臓弁インプラント30を回転させることによって、置換心臓弁インプラント30の交連ポスト42を自己心臓弁12の交連16と位置合わせするステップを含み得る。
【0096】
いくつかの実施形態では、置換心臓弁インプラント30の交連ポスト42の自己心臓弁12の交連16との回転アライメントは、複数のリーフレット50への応力を低減し、かつ/または置換心臓弁インプラント30の寿命を増加/最大化するために有用であり得る。いくつかの実施形態では、置換心臓弁インプラント30の回転は、冠状動脈24へのアクセスを維持するのに有用であり得る。
【0097】
従来のTAVIシステムでは、システムの構造、システムの種々のコンポーネントの相互作用等に起因して、置換心臓弁インプラントを自己心臓弁に対して回転させるためには、システム全体の回転が必要とされる。これは、例えば、送達デバイスの長さ、送達デバイスの柔軟性、および/または送達デバイスが患者の心臓に到達するためにナビゲートされる蛇行した解剖学的構造の結果として、正確に達成することが非常に困難であり得る。開示されたシステムおよび/または方法(複数可)は、システム全体を回転させる必要なく、自己心臓弁12に対する置換心臓弁インプラント30の回転アライメントの微調整を可能にし、従って、置換心臓弁インプラント30の回転をより正確にし、置換心臓弁インプラント30を回転させるのに必要な力を低減し、患者の安全性および/または快適性を向上させることができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、本方法は、配向機構72を使用して、配向マンドレル90を遠位方向に軸方向に前進させて、外側シース82に対して内側シャフト84および/または置換心臓弁インプラント30を回転させるステップを含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、配向マンドレル90を配向管腔88内で、かつ/または内側シャフト84に対して遠位方向に軸方向に前進させて、外側シース82に対して内側シャフト84および/または置換心臓弁インプラント30を回転させるステップを含み得る。本明細書で説明されるように、
図15および
図16の参照文字AおよびBは、置換心臓弁インプラント30が約180度回転されたことを示す。いくつかの実施形態では、置換心臓弁インプラント30は、180度未満回転され得る。例えば、いくつかの実施形態では、約60度または60度未満の回転は、置換心臓弁インプラント30の交連ポスト42を自己心臓弁12の交連16と整合させるのに十分であり得る。いくつかの実施形態では、例えば、置換心臓弁インプラント30および/または拡張可能なフレームワーク40に見られる特徴に応じて、冠状動脈24へのアクセスの維持を容易にするために、より多くのまたはより少ない回転が必要とされるか、または所望され得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、配向マンドレル90を遠位方向に軸方向に前進させる前に、配向マンドレル90は、
図15に見られるように、患者の大動脈弓22内の長尺状カテーテル80のアーチ92の内側屈曲部94に沿って配置され得る。いくつかの実施形態では、配向マンドレル90を遠位方向に軸方向に前進させた後、配向マンドレル90は、
図16に見られるように、患者の大動脈弓22内の長尺状カテーテル80のアーチ92の外側屈曲部96に沿って配置され得る。本明細書で説明するように、アーチ92および/または内側シャフト84の中央長手方向軸に対する配向マンドレル90の他の構成および/または位置決めも企図される。
【0100】
いくつかの実施形態では、本方法は、患者の自己心臓弁12内で置換心臓弁インプラント30を解放するステップをさらに含み得る。拡張可能なフレームワーク40は、
図17に見られるように、置換心臓弁インプラント30が患者の自己心臓弁12内に解放された展開構成の状態であり得る。さらに、本方法は、送達デバイス60(図示せず)の長尺状カテーテル80を近位に後退させるステップと、長尺状カテーテル80を患者から除去するステップとを含み得る。
【0101】
システムの様々な構成部品(および/または本明細書に開示される他の要素)及び本明細書に開示されるその様々な構成部品に使用できる材料には、医療デバイスおよび/またはシステムに一般的に使われる材料が含まれ得る。簡潔にするために、以下の説明ではシステムについて言及する。しかしながら、これは、本明細書に記載されるデバイス及び方法を限定することを意図するものではなく、この説明は本明細書に開示される他の要素、部材、構成部品、又はデバイス、例えば、限定するものではないが、置換心臓弁インプラント、長尺状カテーテル、外側シース、内側シャフト、ハンドル、送達デバイスなど、および/またはそれらの要素もしくは構成部品にも適用され得る。
【0102】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるシステムおよび/または他の要素は、金属、金属合金、ポリマー(そのいくつかの例は以下に開示される)、金属-ポリマー複合材料、セラミック、それらの組み合わせなど、又は他の適切な材料から作製され得る。適切な金属及び合金の例には、ステンレス鋼、例えば444V、444L、及び314LVステンレス鋼;軟鋼;ニッケルチタン合金、例えば線形弾性および/または超弾性ニチノール;他のニッケル合金、例えばニッケル-クロム-モリブデン合金(例えば、INCONEL(登録商標)625などのUNS:N06625、HASTELLOY(登録商標)C-22(商標)などのUNS:N06022、HASTELLOY(登録商標)C276(商標)などのUNS:N10276、他のHASTELLOY(登録商標)合金など)、ニッケル-銅合金(例えば、MONEL(登録商標)400、NICKELVAC(商標)400、NICORROS(登録商標)400などのUNS:N04400)、ニッケル-コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、MP35-N(商標)などのUNS:R44035)、ニッケル・モリブデン合金(例えば、HASTELLOY(登録商標)ALLOY B2(商標)などのUNS:N10665)、他のニッケル-クロム合金、他のニッケル-モリブデン合金、他のニッケル-コバルト合金、他のニッケル-鉄合金、他のニッケル-銅合金、他のニッケル-タングステン又はタングステン合金など;コバルト-クロム合金;コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、ELGILOY(登録商標)、PHYNOX(登録商標)などのUNS:R44003);白金富化(platinum enriched)ステンレス鋼;チタン;それらの組み合わせ;等;又は他の適切な材料が含まれる。
【0103】
本明細書で示唆されているように、市販のニッケル-チタン合金又はニチノール合金の中に、「線形弾性」又は「非超弾性」と呼ばれるカテゴリーがある。これらは、従来の形状記憶や超弾性の種類と化学的には似ているかもしれないが、独特の有用な機械的特性を示し得る。線形弾性および/または非超弾性ニチノールは、その応力-ひずみ曲線において、超弾性ニチノールのような実質的な「超弾性プラトー」又は「フラッグ領域(flag region)」を示さないという点で超弾性ニチノールと区別され得る。その代わりに、線形弾性および/または非超弾性ニチノールでは、回復可能なひずみが増加するにつれて、塑性変形が始まるまで、実質的に又はある程度線形の関係(完全に線形の関係である必要はない)で、又は少なくとも、超弾性ニチノールで見られる超弾性プラトーおよび/またはフラッグ領域よりは線形に近い関係で、応力が増加し続ける。したがって、本開示の目的では、線形弾性および/または非超弾性ニチノールは、「実質的に」線形弾性および/または非超弾性ニチノールとも呼ばれる。
【0104】
いくつかの例では、線形弾性および/または非超弾性ニチノールは、線形弾性および/または非超弾性ニチノールが(例えば、塑性変形する前に)実質的に弾性を維持しながら最大約2~5%のひずみを受け入れることができるのに対し、超弾性ニチノールは、塑性変形する前に最大約8%のひずみを受け入れることができるという点でも、超弾性ニチノールと区別され得る。これらの材料は両方とも、塑性変形する前に約0.2~0.44パーセントのひずみしか受け入れられないステンレス鋼などの他の線形弾性材料と区別することができる(組成によっても区別可能)。
【0105】
いくつかの例では、線形弾性および/または非超弾性ニッケル-チタン合金は、広い温度範囲にわたり、示差走査熱量測定(DSC)及び動的金属熱分析(dynamic metal thermal analysis:DMTA)によって検出可能なマルテンサイト/オーステナイト相変化を全く示さない合金である。例えば、いくつかの実施形態では、線形弾性体および/または非超弾性ニッケル-チタン合金において、約-60セルシウス度(℃)~約120℃の範囲でDSC及びDMTA分析によって検出可能なマルテンサイト/オーステナイト相変化が存在しなくてもよい。したがって、そのような材料の機械的曲げ特性は、通常、この非常に広い温度範囲にわたって温度の影響を受けないものであり得る。いくつかの実施形態では、周囲温度又は室温での線形弾性および/または非超弾性ニッケル-チタン合金の機械的曲げ特性は、例えば体温での機械的特性と実質的に同じであり、その温度では、超弾性プラトーおよび/またはフラッグ領域を示さない。言い換えれば、幅広い温度範囲にわたって、線形弾性および/または非超弾性ニッケル-チタン合金は、その線形弾性および/または非超弾性特性および/または特性を維持する。
【0106】
いくつかの実施形態では、線形弾性および/または非超弾性ニッケル-チタン合金は、約50~約60重量パーセント範囲のニッケル及び残りは本質的にチタンのものであってもよい。いくつかの実施形態では、組成は約54~約57重量パーセントのニッケルの範囲にある。適切なニッケル-チタン合金の一例は、日本の神奈川県の古河テクノマテリアル社から市販されているFHP-NT合金である。他の適切な材料としては、ULTANIUM(商標)(Neo-Metricsから入手可能)及びGUM METAL(登録商標)(トヨタから入手可能)が挙げられる。いくつかの他の実施形態では、超弾性合金、例えば超弾性ニチノールを使用することで、所望の特性を達成することができる。
【0107】
すくなくともいくつかの実施形態では、本明細書に開示されるシステムおよび/または他の要素の一部又は全部は、放射線不透過性材料でドープされ、放射線不透過性材料で作られ、又はその他の方法で放射線不透過性材料を含み得る。放射線不透過性材料は、医療処置中に蛍光透視スクリーン上又は他の画像化技術で比較的明るい画像を生成できる材料であると理解されている。この比較的明るい画像は、使用者が本明細書に開示されるシステムおよび/または他の要素の位置を決定するのに役立つ。放射線不透過性材料のいくつかの例としては、金、白金、パラジウム、タンタル、タングステン合金、放射線不透過性フィラーを充填したポリマー材料などが挙げられるが、これらに限定されない。さらに、他の放射線不透過性マーカーバンドおよび/またはコイルも、同じ結果を達成するために、本明細書に開示されるシステムおよび/または他の要素の設計に組み込むことができる。
【0108】
いくつかの実施形態では、ある程度の磁気共鳴画像法(MRI)適合性が、本明細書に開示されるシステムおよび/または他の要素に与えられる。例えば、システムおよび/またはその構成要素もしくはその一部は、画像を実質的に歪めず、また、実質的なアーチファクト(例えば、画像内のギャップ)を生じさせない材料で作製され得る。例えば、特定の強磁性材料は、MRI画像にアーチファクトを生じさせる可能性があるため、適切ではない場合がある。システム又はその一部は、MRI機器が画像化できる材料から作製されてもよい。これらの特性を示すいくつかの材料には、例えば、タングステン、コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、ELGILOY(登録商標)、PHYNOX(登録商標)などのUNS:R44003)、ニッケル-コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、MP35-N(商標)などのUNS:R44035)、ニチノールなど、その他が含まれる。
【0109】
いくつかの例では、本明細書に開示されるシステムおよび/または他の要素は、ポリマー又は他の適切な材料から作製され得るか、又はそれらを含み得る。適切なポリマーのいくつかの例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリオキシメチレン(POM、例えば、デュポン社から入手可能なDELRIN(登録商標))、ポリエーテルブロックエステル、ポリウレタン(例えば、ポリウレタン85A)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテルエステル(例えば、DSM Engineering Plasticsから入手可能なARNITEL(登録商標))、エーテル又はエステルベースのコポリマー(例えば、ブチレン/ポリ(アルキレンエーテル)フタレートおよび/または他のポリエステルエラストマー、例えばデュポン社から入手可能なHYTREL(登録商標))、ポリアミド(例えば、Bayerから入手可能なDURETHAN(登録商標)又はElf Atochemから入手可能なCRISTAMID(商標))、エラストマーポリアミド、ブロックポリアミド/エーテル、ポリエーテルブロックアミド(PEBA、例えば商品名PEBAX(登録商標)として入手可能)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、シリコーン、ポリエチレン(PE)、MARLEX(登録商標)高密度ポリエチレン、MARLEX(登録商標)低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(例えば、REXELL(商標))、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(例えば、KEVLAR(登録商標))、ポリスルホン、ナイロン、ナイロン-12(EMS American Grilonから入手可能なGRILAMID(登録商標)など)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PFA)、エチレンビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリスチレン、エポキシ、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)、ポリ(スチレン-b-イソブチレン-b-スチレン)(例えば、SIBSおよび/またはSIBS 50A)、ポリカーボネート、アイオノマー、生体適合性ポリマー、他の適切な材料、又はそれらの混合物、組み合わせ、コポリマー、ポリマー/金属複合材料などが挙げられる。いくつかの実施形態では、シースは液晶ポリマー(LCP)とブレンドすることができる。例えば、混合物は最大約6パーセントのLCPを含むことができる。
【0110】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるシステムおよび/または他の要素は、構造上又は構造内に配置された布地材料を含み得る。布地材料は、組織の内方成長を促進するように適合されたポリマー材料又は生体材料などの生体適合性材料から構成され得る。いくつかの実施形態では、布地材料は生体吸収性材料を含み得る。適切な布地材料のいくつかの例としては、限定するものではないが、ポリエチレングリコール(PEG)、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、ePTFE)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタンなどのポリオレフィン材料、および/またはそれらのブレンドもしくは組み合わせが挙げられる。
【0111】
いくつかの例では、本明細書に開示されるシステムおよび/または他の要素は、繊維材料を含み、および/または繊維材料から形成され得る。適切な繊維材料のいくつかの例としては、平らな、成形された、撚られた、テクスチャード加工された、防縮加工された、又は未収縮の合成糸が挙げられる。本開示での使用に適した合成生体適合性糸としては、限定するものではないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)ポリエステルを含むポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリビニル、ポリメチルアセテート、ポリアミド、ナフタレンジカルボキシレン誘導体、天然絹、及びポリテトラフルオロエチレンが挙げられる。さらに、合成糸のうちのすくなくとも1つは、金属糸又はガラスもしくはセラミック糸又は繊維であってもよい。有用な金属糸は、ステンレス鋼、白金、金、チタン、タンタルもしくはNi-Co-Cr系合金から製造されるか、又はそれらを含む糸を含んでもよい。糸は、炭素、ガラス又はセラミック繊維をさらに含んでもよい。望ましくは、糸は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリナフタレン、ポリテトラフルオロエチレンなどを含むがこれらに限定されない熱可塑性材料から作られる。糸は、マルチフィラメント、モノフィラメント、又は紡績タイプのものであり得る。選択される糸のタイプ及びデニールは、生体適合性及び移植可能なプロテーゼ、より具体的には望ましい特性を有する血管構造を形成する方法で選択され得る。
【0112】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるシステムおよび/または他の要素は、適切な治療薬を含み得、および/または適切な治療薬で処理され得る。適切な治療薬のいくつかの例としては、抗血栓形成剤(ヘパリン、ヘパリン誘導体、ウロキナーゼ、及びPPack(デキストロフェニルアラニンプロリンアルギニンクロロメチルケトン)など);抗増殖剤(エノキサパリン、アンジオペプチン、平滑筋細胞の増殖をブロックできるモノクローナル抗体、ヒルジン、及びアセチルサリチル酸など);抗炎症薬(デキサメタゾン、プレドニゾロン、コルチコステロン、ブデソニド、エストロゲン、スルファサラジン、及びメサラミンなど);抗腫瘍剤/抗増殖剤/抗有糸分裂剤(パクリタキセル、5-フルオロウラシル、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポチロン、エンドスタチン、アンジオスタチン及びチミジンキナーゼ阻害剤など);麻酔薬(リドカイン、ブピバカイン、及びロピバカインなど);抗凝固剤(D-Phe-Pro-Argクロロメチルケトン、RGDペプチド含有化合物、ヘパリン、抗トロンビン化合物、血小板受容体アンタゴニスト、抗トロンビン抗体、抗血小板受容体抗体、アスピリン、プロスタグランジン阻害剤、血小板阻害剤、及びダニ抗血小板ペプチドなど);血管細胞増殖促進剤(増殖因子阻害剤、増殖因子受容体アンタゴニスト、転写活性化剤、及び翻訳プロモーターなど);血管細胞増殖阻害剤(成長因子阻害剤、成長因子受容体アンタゴニスト、転写抑制因子、翻訳抑制因子、複製阻害剤、阻害性抗体、成長因子に対する抗体、成長因子と細胞毒素からなる二機能性分子、抗体と細胞毒素からなる二機能性分子など);コレステロール低下剤;血管拡張剤;及び内因性血管作動性機構を妨害する薬剤が挙げられる。
【0113】
本開示は多くの点で例示にすぎないことを理解されたい。本開示の範囲を超えることなく、細部、特に形状、サイズ、及び工程の並び順に関して変更を加えることができる。これには、適切な範囲で、ある例示的な実施形態の特徴のいずれかを他の実施形態で使用することを含み得る。当然ながら、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲が表現する文言で定義される。
【国際調査報告】