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特表2024-511185高いねじれ周波数を有するハードディスクドライブジンバル設計
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】高いねじれ周波数を有するハードディスクドライブジンバル設計
(51)【国際特許分類】
   G11B 21/21 20060101AFI20240305BHJP
【FI】
G11B21/21 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558887
(86)(22)【出願日】2022-03-25
(85)【翻訳文提出日】2023-11-15
(86)【国際出願番号】 US2022022056
(87)【国際公開番号】W WO2022204577
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】63/166,415
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/703,827
(32)【優先日】2022-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517151084
【氏名又は名称】マグネコンプ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】MAGNECOMPCORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】イー、クエン チー
(72)【発明者】
【氏名】パンカエ、エカラッチ
(57)【要約】
トレースジンバルが本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、トレースジンバルは、トレースジンバルの遠位端にある前方アウトリガと、トレースジンバルの近位端にある後方アウトリガとを含む外側ストラットを含む。前方アウトリガは、遠位前方アウトリガおよび近位前方アウトリガを含み、後方アウトリガは、遠位後方アウトリガおよび近位後方アウトリガを含む。トレースジンバルは、トレースジンバルの幅方向に延在するとともに、近位前方アウトリガを後方アウトリガに隣接させる中間ストラットと、中間ストラットをスライダタングに接続する内側ストラットとをさらに含む。内側ストラットおよび中間ストラットは、外側ジンバルストラットをスライダタングに隣接させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレースジンバルであって、
前記トレースジンバルの遠位端にある前方アウトリガと、前記トレースジンバルの近位端にある後方アウトリガとを含む外側ストラットであって、前記前方アウトリガは遠位前方アウトリガおよび近位前方アウトリガを含み、前記後方アウトリガは遠位後方アウトリガおよび近位後方アウトリガを含む、外側ストラットと、
前記トレースジンバルの幅方向に延在するとともに、前記近位前方アウトリガを前記後方アウトリガに隣接させる中間ストラットと、
前記中間ストラットをスライダタングに接続する内側ストラットと、を備え、
前記内側ストラットおよび前記中間ストラットは、前記外側ストラットを前記スライダタングに隣接させるトレースジンバル。
【請求項2】
前記スライダタングに取り付けられた1つ以上のマイクロアクチュエータを備え、前記内側ストラットは前記スライダタングを支持する、請求項1に記載のトレースジンバル。
【請求項3】
前記近位前方アウトリガは第1断面を含み、前記遠位前方アウトリガは第2断面を含み、前記第2断面幅の幅は前記近位前方アウトリガの前記第1断面とほぼ同じ寸法である、請求項1に記載のトレースジンバル。
【請求項4】
前記前方アウトリガの前記第1断面および前記第2断面は、0.01ミリメートル~0.10ミリメートルである、請求項3に記載のトレースジンバル。
【請求項5】
前記遠位後方アウトリガは第1断面を含み、前記近位後方アウトリガは前記第1断面よりも大きい第2断面を含む、請求項1に記載のトレースジンバル。
【請求項6】
前記遠位後方アウトリガの前記第1断面は、0.01ミリメートル~0.10ミリメートルである、請求項5に記載のトレースジンバル。
【請求項7】
前記内側ストラットは遠位端および近位端を含み、前記中間ストラットの遠位端は前記内側ストラットの前記遠位端に接続し、前記内側ストラットの前記近位端は前記スライダタングに接続する、請求項1に記載のトレースジンバル。
【請求項8】
前記内側ストラットは、前記中間ストラットの前記遠位端から前記トレースジンバルの近位端に向かって延在することで前記スライダタングに接続する、請求項7に記載のトレースジンバル。
【請求項9】
前記前方アウトリガおよび前記中間ストラットは、C字形状またはU字形状に形成される、請求項1に記載のトレースジンバル。
【請求項10】
前記中間ストラットの断面は、前記前方アウトリガの前記第1断面および前記第2断面と同じである、請求項1に記載のトレースジンバル。
【請求項11】
トレースジンバルを含むサスペンションであって、
前記トレースジンバルは、
前記トレースジンバルの遠位端にある前方アウトリガと、前記トレースジンバルの近位端にある後方アウトリガとを含む外側ストラットであって、前記前方アウトリガは遠位前方アウトリガおよび近位前方アウトリガを含み、前記後方アウトリガは遠位後方アウトリガおよび近位後方アウトリガを含む、外側ストラットと、
前記トレースジンバルの幅方向に延在するとともに、前記近位前方アウトリガを前記後方アウトリガに隣接させる中間ストラットと、
前記中間ストラットをスライダタングに接続する内側ストラットと、を備え、
前記内側ストラットおよび前記中間ストラットは、前記外側ストラットを前記スライダタングに隣接させるサスペンション。
【請求項12】
前記スライダタングに取り付けられた1つ以上のマイクロアクチュエータを備え、前記内側ストラットは前記スライダタングを支持する、請求項11に記載のサスペンション。
【請求項13】
前記近位前方アウトリガは第1断面を含み、前記遠位前方アウトリガは第2断面を含み、前記第2断面幅の幅は前記近位前方アウトリガの前記第1断面と同じ寸法である、請求項11に記載のサスペンション。
【請求項14】
前記前方アウトリガの前記第1断面および前記第2断面は、0.01ミリメートル~0.10ミリメートルである、請求項13に記載のサスペンション。
【請求項15】
前記遠位後方アウトリガは第1断面を含み、前記近位後方アウトリガは前記第1断面よりも大きい第2断面を含む、請求項11に記載のサスペンション。
【請求項16】
前記遠位後方アウトリガの前記第1断面は、0.01ミリメートル~0.10ミリメートルである、請求項15に記載のサスペンション。
【請求項17】
前記内側ストラットは遠位端および近位端を含み、前記中間ストラットの遠位端は前記内側ストラットの前記遠位端に接続し、前記内側ストラットの前記近位端は前記スライダタングに接続する、請求項11に記載のサスペンション。
【請求項18】
前記内側ストラットは、前記中間ストラットの前記遠位端から前記トレースジンバルの近位端に向かって延在することで前記スライダタングに接続する、請求項17に記載のサスペンション。
【請求項19】
前記前方アウトリガおよび前記中間ストラットは、C字形状またはU字形状に形成される、請求項11に記載のサスペンション。
【請求項20】
前記中間ストラットの断面は、前記前方アウトリガの前記第1断面および前記第2断面とほぼ同じである、請求項11に記載のサスペンション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ハードディスクドライブ用のサスペンションの分野に関する。より詳細には、本開示は、サスペンション用のジンバルアセンブリの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスク記憶装置では、情報を記憶するために回転ディスクが使用される。ディスク記憶装置は通常、他の構成要素のための取付け点および向きを提供するフレームと、ディスクを回転させるためにフレームに取り付けられたスピンドルモータとを含む。ヘッドスライダは、ディスク表面にデータを書き込むとともに、ディスク表面からデータを読み取るための読取り/書込みヘッドを含む。ヘッドスライダは、適切なヘッドスライダ動作に必要な力および弾力性の両方を提供するサスペンションによって、ディスクに対して支持されかつ適切に向けられる。記憶装置内のディスクがヘッドスライダおよびヘッドサスペンションの下で回転すると、ディスクの上の空気も回転することでエアベアリングが生成される。エアベアリングは、サスペンションの空気力学的設計と共に作用するので揚力を生成する。揚力は、サスペンションのばね力に対抗されることで、ヘッドスライダを、浮上高さと呼ばれるディスク上の所望の高さおよびアラインメントに位置決めする。
【0003】
ディスクドライブ用のサスペンションは、ロードビームおよびフレクシャを含む。ロードビームは通常、サスペンションをディスクドライブのアクチュエータに取り付けるための取付領域と、剛性領域と、取付領域と剛性領域との間のばね領域とを含む。ばね領域は、上述のドライブ動作中にサスペンションに発生する空力的揚力に対抗するばね力を提供する。フレクシャは通常、ヘッドスライダが取り付けられるスライダ取付面を有するジンバル領域を含む。ジンバル領域は、エアベアリングによって生成される空気力学的な力に応じて、フレクシャの残りの部分に対して弾力的に移動可能である。ジンバル領域は、ヘッドスライダをピッチ方向およびロール方向に移動させることで、ディスク表面の変動に追従することができる。
【0004】
ディスクドライブ製造業者は、より小型かつより高い記憶容量のドライブを開発し続けている。記憶容量の増加は、ディスク上の情報トラックの密度を増加させることによって(すなわち、より狭いおよび/またはより密な間隔のトラックを使用することによって)部分的に達成される。しかし、トラック密度が増加するにつれて、モータおよびサーボ制御システムが読取り/書込みヘッドを所望のトラック上に迅速かつ正確に位置決めすることがますます困難になる。この状況を改善する試みとして、ヘッドサスペンション自体に取り付けられた圧電アクチュエータ、静電アクチュエータ、電磁アクチュエータまたは微細トラッキングモータ等の、別のまたは二次的なアクチュエータが設けられてきた。これらの種類のアクチュエータは、マイクロアクチュエーション装置としても知られており、ベースプレート、ロードビーム、またはフレクシャ上に配置され得る。
【0005】
トラッキングおよびヘッドスライダ位置決め制御を改善しようとするこれらの試みの一部では、アクチュエータがベースプレートおよびフレクシャタングの両方に同時に配置されてきた。一般的には、この種類のサスペンションは、読取り/書込みヘッドの大きな動きのためにベースプレート領域に配置されたボイスコイルおよびアクチュエータを使用する一方で、ディスクドライブのトラック上で読取り/書込みヘッドを位置決めするために所望の微細な動きのためにフレクシャタング上に配置されたアクチュエータを使用する。
【発明の概要】
【0006】
本明細書ではトレースジンバルが記載される。本開示のいくつかの実施形態によれば、トレースジンバルは、トレースジンバルの遠位端にある前方アウトリガと、トレースジンバルの近位端にある後方アウトリガとを含む外側ストラットを含む。前方アウトリガは、遠位前方アウトリガおよび近位前方アウトリガを含み、後方アウトリガは、遠位後方アウトリガおよび近位後方アウトリガを含む。トレースジンバルは、トレースジンバルの幅方向に延在するとともに、近位前方アウトリガを後方アウトリガに隣接させる中間ストラットと、中間ストラットをスライダタングに接続する内側ストラットとをさらに含む。内側ストラットおよび中間ストラットは、外側ジンバルストラットをスライダタングに隣接させる。
【0007】
本開示のいくつかの実施形態によれば、トレースジンバルは、スライダタングに取り付けられた1つ以上のマイクロアクチュエータをさらに備え、内側ストラットはスライダタングを支持する。
【0008】
本開示のいくつかの実施形態によれば、近位前方アウトリガは第1断面を含み、遠位前方アウトリガは第2断面を含み、第2断面幅の幅は近位前方アウトリガの第1断面とほぼ同じ寸法である。
【0009】
本開示のいくつかの実施形態によれば、前方アウトリガの第1断面および第2断面は、0.05mm(ミリメートル)~0.10mmである。
本開示のいくつかの実施形態によれば、遠位後方アウトリガは第1断面を含み、近位後方アウトリガは第1断面よりも大きい第2断面を含む。
【0010】
本開示のいくつかの実施形態によれば、遠位後方アウトリガの第1断面は、0.10mm~0.20mmである。
本開示のいくつかの実施形態によれば、内側ストラットは遠位端および近位端を含み、中間ストラットの遠位端は内側ストラットの遠位端に接続し、内側ストラットの近位端はスライダタングに接続する。
【0011】
本開示のいくつかの実施形態によれば、内側ストラットは、通常、中間ストラットの遠位端からトレースジンバルの近位端に向かって延在することでスライダタングに接続する。
【0012】
本開示のいくつかの実施形態によれば、前方アウトリガおよび中間ストラットは、通常、C字形状またはU字形状に形成される。
本開示のいくつかの実施形態によれば、中間ストラットの断面は、前方アウトリガの第1断面および第2断面とほぼ同じである。
【0013】
本開示のいくつかの実施形態によるトレースジンバルを備えるサスペンションも提供される。
本開示のいくつかの実施形態によれば、トレースジンバルは、スライダタングに取り付けられた1つ以上のマイクロアクチュエータをさらに備え、内側ストラットはスライダタングを支持する。
【0014】
本開示のいくつかの実施形態によれば、近位前方アウトリガは第1断面を含み、遠位前方アウトリガは第2断面を含み、第2断面幅の幅は近位前方アウトリガの第1断面とほぼ同じ寸法である。
【0015】
本開示のいくつかの実施形態によれば、前方アウトリガの第1断面および第2断面は、0.01mm~0.10mmである。
本開示のいくつかの実施形態によれば、遠位後方アウトリガは第1断面を含み、近位後方アウトリガは第1断面よりも大きい第2断面を含む。
【0016】
本開示のいくつかの実施形態によれば、遠位後方アウトリガの第1断面は、0.01mm~0.10mmである。
本開示のいくつかの実施形態によれば、内側ストラットは遠位端および近位端を含み、中間ストラットの遠位端は内側ストラットの遠位端に接続し、内側ストラットの近位端はスライダタングに接続する。
【0017】
本開示のいくつかの実施形態によれば、内側ストラットは、通常、中間ストラットの遠位端からトレースジンバルの近位端に向かって延在することでスライダタングに接続する。
【0018】
本開示のいくつかの実施形態によれば、前方アウトリガおよび中間ストラットは、通常、C字形状またはU字形状に形成される。
本開示のいくつかの実施形態によれば、中間ストラットの断面は、前方アウトリガの第1断面および第2断面とほぼ同じである。
【0019】
複数の実施例が開示されたが、本開示のさらに別の実施例が、本開示の例示的な実施例を示しつつ説明する、以下の詳細な説明から当業者にとって明らかになるであろう。したがって、図面および詳細な説明は、本質的には例示的であり、限定的ではないとみなされるべきである。
【0020】
本開示の上記および他の利点および特徴が取得され得る方法を説明するために、上記で説明した原理のより詳細な説明が、添付の図面に示された特定の例を参照することによって与えられる。これらの図面は、本開示の例示的な態様を示すに過ぎないので、その範囲を限定するものと解釈されるべきではない。原理は、以下の図面を使用して、さらに具体的かつ詳細に記載および説明される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本開示のいくつかの実施形態によるサスペンションのジンバルアセンブリを示す図。
図2】本開示のいくつかの実施形態によるジンバルのロール剛性およびねじれ周波数を示す図。
図3A】本開示のいくつかの実施形態による第1ジンバルねじれの例示的なモード形状の斜視図。
図3B】本開示のいくつかの実施形態による第2ジンバルねじれの例示的なモード形状の斜視図。
図3C】本開示のいくつかの実施形態による第3ジンバルねじれの例示的なモード形状の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
改善されたトレースジンバルが本明細書に記載される。本開示のいくつかの実施形態による改善されたトレースジンバルは、磁気または光ディスクドライブユニット用のサスペンションの一部である。ディスクドライブユニットは、ディスクドライブ上に記憶されたデータを構成する磁気的な1と0のパターンを有する、回転する磁気または光ディスクを含む。ディスクは駆動モータによって駆動される。いくつかの実施形態によるディスクドライブユニットは、ロードビームを有するサスペンションと、ベースプレートと、トレースジンバルとを含み、ヘッドスライダがトレースジンバルの遠位端に近接してトレースジンバルに取り付けられる。サスペンションまたはロードビームの近位端は、支持される端、つまりアクチュエータアームにスエージ加工またはその他の方法で取り付けられた、ベースプレートに最も近い端である。サスペンションまたはロードビームの遠位端は、近位端の反対側の端、つまり遠位端は片持ち端である。
【0023】
トレースジンバルはベースプレートに結合され、ベースプレートはボイスコイルモータに結合される。ボイスコイルモータは、磁気ディスクの正しいデータトラック上にヘッドスライダを位置決めするためにサスペンションを円弧状に動かすよう構成されている。ヘッドスライダは、回転ディスク上の適切なデータトラックに追従するようスライダをピッチおよびロール可能にするジンバル上に担持されているので、性能を低下させることなくそのような変動に対応できる。変動は通常、ディスクの振動、衝突などの慣性イベント、およびディスク表面の凹凸を含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のトレースジンバルは、DSA(2段作動)、3段、または他の種類の作動式サスペンションの一部である。サスペンションは、ベースプレートおよびロードビームを含んでよい。ロードビームはトレースジンバルを含む。トレースジンバルは、取り付けられたアクチュエータおよびジンバルアセンブリを含んでよい。アクチュエータは、読取り/書込みヘッドスライダを含むよう構成されたサスペンションのジンバルアセンブリに直接的に作用するよう動作可能である。
【0025】
いくつかの実施形態では、トレースジンバルは、アクチュエータを受承するよう構成された1つ以上のアクチュエータジョイントを含んでよい。トレースジンバルは、いくつかの実施形態によれば、トレースジンバルの両側に位置する2つのアクチュエータジョイントを含む。各アクチュエータジョイントは、アクチュエータ取付シェルフを含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、各アクチュエータは、アクチュエータジョイントにおける各々の隙間に広がっている。アクチュエータは、接着剤によってスライダタングに固定されている。接着剤は、アクチュエータの各端部に適切に塗布された導電性または非導電性エポキシを含んでよい。アクチュエータからトレースジンバルに対して、様々な技術により正負の電気接続が可能である。作動したアクチュエータは伸縮することで、サスペンションの遠位端に取り付けられた読取り/書込みヘッドを移動させるので、取付端間の隙間の長さが変化する。
【0027】
いくつかの実施形態では、サスペンションは、1段作動サスペンション、2段作動装置、3段作動装置、または他の構成として構成されてよい。いくつかの実施形態では、3段作動サスペンションは、マウントプレート領域およびトレースジンバル上に各々配置されたアクチュエータを含む。アクチュエータの任意の変更が、本明細書で開示される実施例のサスペンションに組み込まれてよい。言い換えれば、サスペンションは、本開示の範囲から逸脱することなく、示されるものよりも多いまたは少ない構成要素を含んでよい。しかしながら、示される構成要素は、開示される原理を実施するための例示的な実施例を開示するのに十分である。
【0028】
図1は、本開示のいくつかの実施形態によるトレースジンバル100を示す。トレースジンバル100は、スライダタング130に取り付けられた1つ以上のマイクロアクチュエータ450を含む。トレースジンバル100は、外側ジンバルストラットを含む。外側ジンバルストラットは、トレースジンバル100の遠位端に前方アウトリガ110を含む。いくつかの実施形態では、前方アウトリガは、近位前方アウトリガ114および遠位前方アウトリガ112を含む。いくつかの実施形態では、遠位前方アウトリガ112および近位前方アウトリガ114は、前方アウトリガ110の屈曲または非線形特徴によって画定される。いくつかの実施形態では、遠位前方アウトリガ112および近位前方アウトリガ114は、区別不能であるとともに、2つの特徴が物理的に別個ではない線形特徴において隣接してもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、近位前方アウトリガ114は第1断面を含み、遠位前方アウトリガ112は第2断面を含み、第2断面幅の幅は近位前方アウトリガの第1断面とほぼ同じ寸法である。いくつかの実施形態では、前方アウトリガの第1断面および第2断面は、0.01mm~0.10mmである。
【0030】
いくつかの実施形態では、外側ストラットはまた、トレースジンバル100の近位端に後方アウトリガ140を含む。いくつかの実施形態では、後方アウトリガ140は、近位後方アウトリガ144および遠位後方アウトリガ142を含む。いくつかの実施形態では、トレースジンバル100の長さ方向は、トレースジンバル100の近位端から遠位端に延びる方向として定義される。
【0031】
いくつかの実施形態では、遠位後方アウトリガ142および近位後方アウトリガ144は、後方アウトリガ140の屈曲または非線形特徴によって画定される。いくつかの実施形態では、後方アウトリガ140は線形特徴である。いくつかの実施形態では、遠位後方アウトリガ142および近位後方アウトリガ144は、区別不能であるとともに、2つの特徴が物理的に分離されない線形特徴において隣接してもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、遠位後方アウトリガ142は第1断面を含み、近位後方アウトリガ144は第1断面よりも大きい第2断面を含む。いくつかの実施形態では、遠位後方アウトリガの第1断面は、0.01mm~0.10mmである。いくつかの実施形態では、遠位後方アウトリガの第1断面は、前方アウトリガの第1断面および第2断面とほぼ同じである。
【0033】
いくつかの実施形態では、トレースジンバル100はまた、トレースジンバル100の幅方向(いくつかの実施形態では実質的にトレースジンバル100の長さ方向に直交する方向)に延在するとともに、前方アウトリガ110を後方アウトリガ140に接続する中間ストラット120を含む。換言すれば、前方アウトリガ110および後方アウトリガ140は、中間ストラット120の近位端で隣接する。いくつかの実施形態では、前方アウトリガ110および中間ストラット120は、通常、略C字形状またはU字形状に形成される。いくつかの実施形態では、中間ストラット120の断面は、0.01mm~0.10mmである。いくつかの実施形態では、中間ストラット120の断面は、前方アウトリガの第1断面および第2断面とほぼ同じである。
【0034】
いくつかの実施形態では、トレースジンバル100はまた、スライダタング130から延在するとともに、中間ストラット120をスライダタング130に接続する内側ストラット150を含む。内側ストラット150(および中間ストラット120)は、読取り/書込みヘッドが組み立てられるスライダタング130を支持する。いくつかの実施形態では、内側ストラット150は、遠位端152および近位端154を含む。いくつかの実施形態では、中間ストラット120の遠位端は、内側ストラット150の遠位端152に接続し、内側ストラット150の近位端154は、スライダタング130に接続する。いくつかの実施形態では、内側ストラット150は、通常、中間ストラット120の遠位端からトレースジンバル100の近位端に向かって延在することでスライダタング130に接続する。
【0035】
いくつかの実施形態では、内側ストラット150の中央部分の断面の幅は、近位前方アウトリガ114、遠位前方アウトリガ112、および中間ストラット120の断面の幅よりも大きい。いくつかの実施形態では、前方アウトリガの第1断面および第2断面は、0.01mm~0.10mmである。いくつかの実施形態では、遠位後方アウトリガの第1断面は、0.01mm~0.10mmである。いくつかの実施形態では、中間ストラット120の断面は、0.01mm~0.10mmである。いくつかの実施形態では、内側ストラットの中央部分の断面の幅は、0.10mm~0.25mmである。
【0036】
特定の理論に束縛されずに、ジンバルねじれ周波数は、ジンバル構成(例えば、アウトリガ、中間ストラット、および内側ストラット)の質量および剛性に関連してよい。より剛性のジンバル構造は、一般に、より高いジンバルねじれ周波数を提供し得るが、高い剛性は、自由にピッチおよびロールするジンバルタングの可撓性を低減させるので、望ましくない。本開示のいくつかの実施形態による、より短くより狭い前方アウトリガは、ジンバルねじれ周波数においてより多くの動きがある区間において、ジンバルねじれ周波数を増加させることを可能にする一方で、ロール剛性が維持され得る。より狭い幅は、アウトリガの質量を低下させるとともに、ジンバルねじれ周波数を増加させ得る。より狭い幅はまた、ジンバルロール剛性を適切な範囲に維持し得る。アウトリガを接続する中間ストラットは、ジンバルの剛性を増加させ、ジンバルねじれ周波数を増加させ、ジンバルロール剛性を維持し得る。
【0037】
図2に示すように、本開示のいくつかの実施形態によるジンバルは、改善されたジンバルねじれ周波数を示す。具体的には、第1ジンバルねじれは14.1kHz(キロヘルツ)であり(本ジンバル構成のジンバルねじれに対して1.5kHz増加)、第2ジンバルねじれは17.0kHzであり(本ジンバル構成の第2ジンバルねじれに対して1.5kHz増加)、第3ジンバルねじれは28.6kHzである(本ジンバル構成の第3ジンバルねじれに対して4.3kHz増加)。
【0038】
図3A乃至図3Cは、第1ジンバルねじれ、第2ジンバルねじれ、および第3ジンバルねじれの例示的なモード形状を示す。
複数の実施例が開示されたが、本開示の範囲内のさらに別の実施例が、例示的な実施例を示しつつ説明する、本明細書に記載された詳細な説明から当業者にとって明らかになるであろう。したがって、図面および詳細な説明は、本質的には例示的であり、限定的ではないとみなされるべきである。様々な実施例の特徴および変更が、本明細書で論じられるとともに、図面に示された。複数の実施例が開示されたが、本開示のさらに別の実施例が、本開示の例示的な実施例を示しつつ説明する、以下の詳細な説明から当業者にとって明らかになるであろう。したがって、図面および詳細な説明は、本質的には例示的であり、限定的ではないとみなされるべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
【国際調査報告】