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特表2024-511188PARP阻害剤の経口カプセルおよびその調製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】PARP阻害剤の経口カプセルおよびその調製方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/517 20060101AFI20240305BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240305BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20240305BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20240305BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20240305BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20240305BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20240305BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20240305BHJP
   A61K 47/40 20060101ALI20240305BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20240305BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20240305BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20240305BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20240305BHJP
   A61K 47/14 20170101ALI20240305BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20240305BHJP
   A61K 47/46 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 11/02 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 11/04 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 13/08 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 13/10 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20240305BHJP
   A61P 13/00 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
A61K31/517
A61K45/00
A61K9/14
A61K9/48
A61K47/38
A61K47/34
A61K47/36
A61K47/26
A61K47/40
A61K47/32
A61K47/04
A61K47/02
A61K47/12
A61K47/14
A61K47/42
A61K47/46
A61P43/00 111
A61P35/00
A61P1/16
A61P1/02
A61P1/04
A61P1/18
A61P11/00
A61P11/02
A61P11/04
A61P13/08
A61P13/10
A61P13/12
A61P15/00
A61P17/00
A61P21/00
A61P25/00
A61P35/02
A61P43/00 105
A61P13/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558906
(86)(22)【出願日】2022-03-25
(85)【翻訳文提出日】2023-10-17
(86)【国際出願番号】 CN2022083127
(87)【国際公開番号】W WO2022199697
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】202110327776.4
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519175824
【氏名又は名称】上海瑛派▲薬▼▲業▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】IMPACT THERAPEUTICS (SHANGHAI), INC
【住所又は居所原語表記】Room 603, No.3 Building 111 Xiangke Road, China (Shanghai) Pilot Free Trade Zone Shanghai 201210 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】弁理士法人エスエス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ, スイ シオン
(72)【発明者】
【氏名】マー, ニン
(72)【発明者】
【氏名】チャオ, リーピン
(72)【発明者】
【氏名】リウ, チュンホイ
(72)【発明者】
【氏名】シー, ツォンフォン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA29
4C076AA53
4C076BB01
4C076CC01
4C076CC10
4C076CC14
4C076CC15
4C076CC16
4C076CC17
4C076CC18
4C076CC27
4C076CC29
4C076DD09E
4C076DD27
4C076DD28
4C076DD29
4C076DD38
4C076DD41C
4C076DD46C
4C076DD47C
4C076DD67
4C076EE16B
4C076EE23E
4C076EE31
4C076EE32
4C076EE32B
4C076EE33
4C076EE36B
4C076EE38
4C076EE38B
4C076EE39
4C076EE42H
4C076EE58H
4C076FF06
4C076FF09
4C076GG04
4C076GG11
4C084AA19
4C084NA05
4C084ZB262
4C086AA01
4C086BC50
4C086GA07
4C086GA12
4C086GA15
4C086MA03
4C086MA06
4C086MA37
4C086MA43
4C086MA52
4C086NA10
4C086ZA01
4C086ZA02
4C086ZA34
4C086ZA59
4C086ZA66
4C086ZA67
4C086ZA75
4C086ZA81
4C086ZA89
4C086ZA94
4C086ZB21
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC41
(57)【要約】
【解決手段】本開示は、PARP阻害剤の経口カプセル製剤およびその調製方法に関する。経口カプセル製剤は、活性成分としての5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末、充填剤、崩壊剤、流動化剤、および滑沢剤を含み、ただし、固体分散粉末中の10重量%未満の活性成分は結晶形態である。本開示は、カプセル製剤の生産スケールアップの困難性をもたらす固体分散粉末の流動性、吸湿性および凝集性の欠点に対処するので、商業規模の生産を達成することができ、且つ調製されたカプセルは、適切な溶出速度、優れた貯蔵安定性を示し、その一方で、合理的な製造コストを有する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性成分としての5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末、充填剤、崩壊剤、流動化剤、および滑沢剤を含む医薬組成物であって、ただし、固体分散粉末中の10重量%未満、好ましくは5重量%未満、より好ましくは1重量%未満の5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンは結晶形態であることを特徴とする、医薬組成物。
【請求項2】
固体分散粉末は、活性成分としての5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンと、重合体としてのヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートと、任意に界面活性剤ポロキサマーとを含む;
好ましくは、固体分散粉末において、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートは固体分散粉末の総重量に基づいて、好ましくは65~77%、より好ましくは73~77%を占め、活性成分は固体分散粉末の総重量に基づいて25~33%を占め、且つ任意に、界面活性剤は固体分散粉末の総重量に基づいて2~5%を占める;
好ましくは、固体分散粉末は、1:2~1:3の重量比で、5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンと、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートとからなる;より好ましくは、固体分散粉末は、1:2または1:3の重量比で、5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンと、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートとからなる;或いは、1:2.8:0.2の重量比で、5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンと、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートと、ポロキサマーとからなる
ことを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートは、乾燥ベースで計算すると、メトキシ含有量が12.0~28.0%で、2-ヒドロキシプロポキシル含有量が4.0~23.0%で、アセチル含有量が2.0~16.0%で、サクシノイル含有量が4.0~28.0%であることを特徴とする、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
充填剤は、デンプン、スクロース、微結晶セルロース、無水水酸化リン酸カルシウム、マンニトール、ラクトース、アルファ化デンプン、グルコース、マルトース、シクロデキストリン、セルロース、ケイ化微結晶セルロース、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選ばれる;好ましくは、充填剤は微結晶セルロース及び/又はマンニトールである;より好ましくは、充填剤は微結晶セルロースとマンニトールの混合物である;好ましくは、微結晶セルロースの粒度分布(D90)は170~480μm、好ましくは170~283μmまたは275~480μmである;好ましくは、マンニトールの粒子径が75μmを超える粒子の粒度分布は70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である;
崩壊剤は、カルボキシメチルデンプンナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、クロスカルメロース、メチルセルロース、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウム、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選ばれる;好ましくは、崩壊剤は、クロスポビドン、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選ばれる;
流動化剤は、粉末セルロース、三ケイ酸マグネシウム、コロイダル二酸化ケイ素、タルク、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選ばれる;好ましくは、流動化剤はコロイダル二酸化ケイ素である;
滑沢剤は、ステアリン酸亜鉛、モノステアリン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選ばれる;好ましくは、滑沢剤はステアリン酸マグネシウムである;および
医薬組成物は任意に、結合剤及び/又は可溶化剤をさらに含む
ことを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項5】
医薬組成物の総重量に基づいて、固体分散粉末の含有量は15~30%、好ましくは15~22%、より好ましくは16~20%である;
充填剤の含有量は60~85%、好ましくは70~82%、より好ましくは75~82%である;好ましくは、充填剤は微結晶セルロースおよびマンニトールであり、ただし、医薬組成物の総重量に基づいて、微結晶セルロースの含有量は10~60%、例えば25~60%、好ましくは25~55%または10~30%、好ましくは15~28%であり、マンニトールの含有量は25~70%、例えば50~70%、好ましくは50~68%または50%~65%または25~55%、好ましくは25~45%である;
崩壊剤の含有量は0.1~10%、好ましくは0.5~3%である;
流動化剤の含有量は0.1~10%、好ましくは0.5~3%、より好ましくは1~3%である;
滑沢剤の含有量は0.1~3%、好ましくは0.3~1%、例えば0.5±0.2%または0.5±0.1%である
ことを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項6】
医薬組成物の総重量に基づいて、医薬組成物は、
16~20%の固体分散粉末、ただし、該固体分散粉末は、1:3の重量比で、5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンと、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートとからなり、且つ5重量%未満、好ましくは1重量%未満の5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンは結晶形態である;
10~28%、好ましくは15~28%の微結晶セルロース、ただし、該微結晶セルロースのD90は170~480μm、好ましくは275~480μmである;
50~70%、好ましくは50~65%のマンニトール、ただし、マンニトールの粒子径が75μmを超える粒子の粒度分布は70%以上、好ましくは90%以上である;
0.5~3%のクロスポビドン及び/又はクロスカルメロースナトリウム;
1~3%のコロイダル二酸化ケイ素;および
0.3~1%、例えば0.5±0.2%または0.5±0.1%のステアリン酸マグネシウム
を含む;或いは
医薬組成物の総重量に基づいて、医薬組成物は、
16~20%の固体分散粉末、ただし、該固体分散粉末は、1:3の重量比で、5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンと、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートとからなり、且つ5重量%未満、好ましくは1重量%未満の5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンは結晶形態である;
25~55%の微結晶セルロース、ただし、該微結晶セルロースのD90は170~480μm、好ましくは275~480μmである;
25~55%のマンニトール、ただし、マンニトールの粒子径が75μmを超える粒子の粒度分布は70%以上、好ましくは90%以上である;
0.5~3%のクロスポビドン及び/又はクロスカルメロースナトリウム;
1~3%のコロイダル二酸化ケイ素;および
0.3~1%、例えば0.5±0.2%または0.5±0.1%のステアリン酸マグネシウム
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の医薬組成物およびカプセルシェルを含むカプセル製剤である医薬製剤であって、好ましくは、カプセルシェルは植物カプセルシェルおよびゼラチンカプセルシェルからなる群から選ばれ、より好ましくは、カプセルシェルはゼラチンカプセルシェルである、医薬製剤。
【請求項8】
カプセル製剤は、1つのカプセル当たりに10mgの活性成分を含むカプセルであり、且つカプセルにおける医薬組成物は、
16~20%の固体分散粉末、ただし、該固体分散粉末は、1:3の重量比で、活性成分としての5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンと、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートとからなり、且つ5重量%未満、好ましくは1重量%未満の5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンは結晶形態である;
23~28%の微結晶セルロース、ただし、該微結晶セルロースのD90は170~480μm、好ましくは275~480μmである;
50~55%のマンニトール、ただし、マンニトールの粒子径が75μmを超える粒子の粒度分布は70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である;
0.5~3%のクロスポビドン及び/又はクロスカルメロースナトリウム;
1~3%のコロイダル二酸化ケイ素;および
0.3~1%、例えば0.5±0.1%のステアリン酸マグネシウム
を含む;或いは
カプセル製剤は、1つのカプセル当たりに20mgの活性成分を含むカプセルであり、且つカプセルにおける医薬組成物は、
16~20%の固体分散粉末、ただし、該固体分散粉末は、1:3の重量比で、活性成分としての5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンと、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートとからなり、且つ5重量%未満、好ましくは1重量%未満の5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンは結晶形態である;
12~18%の微結晶セルロース、ただし、該微結晶セルロースのD90は170~480μm、好ましくは275~480μmである;
58~63%のマンニトール、ただし、マンニトールの粒子径が75μmを超える粒子の粒度分布は70%以上、好ましくは90%以上である;
0.5~3%のクロスポビドン及び/又はクロスカルメロースナトリウム;
1~3%のコロイダル二酸化ケイ素;および
0.3~1%、例えば0.5±0.1%のステアリン酸マグネシウム
を含むことを特徴とする、請求項7に記載の医薬製剤。
【請求項9】
下記の工程を含むことを特徴とする、5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末を含む経口カプセルの調製方法。
(1)活性成分としての5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末、充填剤、崩壊剤、および流動化剤を予備混合して、予備混合物を得る;
(2)工程(1)で得られた予備混合物を篩い分けてから、再度混合して最初混合物を得る;
(3)滑沢剤を篩い分け、該滑沢剤を工程(2)で得られた最初混合物に添加してから、混合して最終混合物を得る;および
(4)工程(3)で得られた最終混合物をカプセルシェルに充填し、経口カプセルを得る。
【請求項10】
下記の1つまたは複数の特徴を有する、請求項9に記載の方法。
工程(1)における予備混合は、3~40rpmの回転速度で2~20min行われる;好ましくは、工程(1)における予備混合は、3~20rpm、好ましくは3~8rpmの回転速度で2~8min、好ましくは3~5min行われる;
工程(2)における篩い分けは、真空負圧篩を用いて行われ、篩い分けに使用されるスクリーンのサイズは20~40メッシュ、好ましくは30メッシュである;
工程(2)における最初混合物は、予備混合物を3~40rpmの回転速度で3~20min混合することで得られる;好ましくは、工程(2)における最初混合物は、予備混合物を3~20rpm、好ましくは3~8rpmの回転速度で3~15min、好ましくは6~10min混合することで得られる;
工程(3)における篩い分けに使用されるスクリーンのサイズは20~40メッシュ、好ましくは30メッシュである;および
工程(3)における混合は、3~40rpmの回転速度で2~20min行われる;好ましくは、工程(3)における混合は、3~20rpm、好ましくは3~8rpmの回転速度で2~20min、好ましくは6~10min行われる。
【請求項11】
前記方法は下記の工程を含む:
(1)活性成分としての5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末、充填剤、崩壊剤、および流動化剤を6rpmで3min予備混合して、予備混合物を得る;
(2)手動の篩い分けを行い、篩い分けされた予備混合物を回転速度6rpmで10min混合し、最初混合物を得る;ただし、篩い分けに使用されるスクリーンのサイズは30メッシュである;
(3)滑沢剤を30メッシュの篩で篩い分けし、篩い分けされた滑沢剤を工程(2)における最初混合物に添加し、6rpmの回転速度で15min混合して最終混合物を得る;および
(4)工程(3)で得られた最終混合物をカプセルシェルに充填し、経口カプセルを得る;
或いは、前記方法は下記の工程を含む:
(1)活性成分としての5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末、充填剤、崩壊剤、および流動化剤を6rpmで3min予備混合して、予備混合物を得る;
(2)真空負圧篩を用いて篩い分けを行い、篩い分けされた予備混合物を回転速度6rpmで10min混合し、最初混合物を得る;ただし、篩い分けに使用されるスクリーンのサイズは30メッシュである;
(3)滑沢剤を30メッシュの篩で篩い分けし、篩い分けされた滑沢剤を工程(2)における最初混合物に添加し、6rpmの回転速度で3min混合して最終混合物を得る;および
(4)工程(3)で得られた最終混合物をカプセルシェルに充填し、経口カプセルを得る。
ことを特徴とする、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
工程(4)における最終混合物は、請求項1~6のいずれかに記載の医薬組成物であることを特徴とする、請求項9~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
PARP媒介性疾患を治療または予防するための医薬製剤の調製における、請求項1~6のいずれかに記載の医薬組成物の使用;好ましくは、前記医薬製剤はカプセルである。
【請求項14】
前記PARP媒介性疾患は癌であり、好ましくは、前記癌は、肝臓癌、メラノーマ、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、乳癌、卵巣癌、肺癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、精巣癌、軟部組織肉腫、慢性リンパ球性白血病、原発性マクログロブリン血症、膀胱癌、慢性骨髄性白血病、原発性脳腫瘍、悪性黒色腫、小細胞肺癌、胃癌、大腸癌、悪性膵島腫瘍、悪性カルチノイド癌、絨毛癌、菌状息肉症、頭頚部癌、骨原性肉腫、膵臓癌、急性骨髄性白血病、毛状細胞白血病、横紋筋肉腫、カポジ肉腫、泌尿器系腫瘍、甲状腺癌、食道癌、悪性高カルシウム血症、子宮頸部過形成、腎細胞癌、子宮内膜癌、真性多血症、特発性血小板血症、副腎皮質癌、皮膚癌、前立腺癌からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項12または13に記載の使用。
【請求項15】
前記医薬製剤はさらに、少なくとも1つの公知の抗癌薬または抗癌薬の薬学的に許容される塩を含み、好ましくは、前記公知の抗癌薬は、以下の1つ以上の抗癌剤から選ばれることを特徴とする、請求項14に記載の使用:ブスルファン、メルファラン、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、テモゾロミド、ベンダムスチン、シスプラチン、マイトマイシンC、ブレオマイシン、カルボプラチン、カンプトテシン、イリノテカン、トポテカン、ドキソルビシン、エピルビシン、アクラシノマイシン、ミトキサントロン、メチルヒドロキシエリプチシン、エトポシド、5-アザシチジン、ゲムシタビン、5-フルオロウラシル、メトトレキサート、5-フルオロ-2’-デオキシウリジン、フルダラビン、ネララビン、シタラビン、アラノシン、プララトレキサート、ペメトレキセド、ヒドロキシ尿素、チオグアニン、コルヒチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、パクリタキセル、イキサベピロン、カバジタキセル、ドセタキセル、アレムツズマブ(キャンパス(Campath))、パニツムマブ、オファツムマブ、ベバシズマブ、ハーセプチン、リツキシマブ、イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、ニロチニブ、ダサチニブ、パゾパニブ、テムシロリムス、エベロリムス、ボリノスタット、ロミデプシン、タモキシフェン、レトロゾール、フルベストラント、ミトグアゾン、オクトレオチド、レチノイン酸、三酸化ヒ素、ゾレドロン酸、ボルテゾミブ、サリドマイドまたはレナリドミド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、PARP阻害剤の経口カプセルおよびその調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)はNAD+を利用して目的タンパク質へのポリ(ADP-リボース)の付加を触媒するものであり、DNA修復における重要な過程である。それはDNAおよび染色体の完全性と安定性の維持、および哺乳類細胞の生存の保障にとって必須な過程である。細胞内でのADP-リボースの重合反応はほとんどPARP-1によって触媒される。第II相臨床試験データにより、PARP-1阻害剤であるオラパリブ(Olaparib、AZD2281)が、BRCA変異を持つ乳癌の治療に有効であることは示された。EMEAおよびFDAにより、BRCA変異卵巣癌を治療するためのオラパリブ(Lynparza)の使用は2014年12月に許可された。PARP-1阻害剤による癌治療は主に2つのメカニズムに基づく。一つ目は、DNA修復に欠陥がある癌細胞、例えばBRCA1又はBRCA2欠損のトリプルネガティブ乳癌細胞などの癌細胞に対し、PARP阻害剤は独立で抗癌薬物として機能し、合成致死のメカニズムによりそれらの癌細胞を直接に死滅させることができる。統計によると、約10~15%の乳癌患者には遺伝的要因の家族歴があり、そのうち、BRCA1又はBRCA2遺伝子変異は遺伝性乳癌全体の15~20%を占める。二つ目は、癌細胞は増殖が早いため、癌細胞におけるDNA複製も正常細胞より遥かに盛んである。DNA損傷を引き起こす薬物は癌細胞の死亡を選択的に誘発させる。しかし、PARPのようなDNA修復酵素が存在するせいで、それらの薬物の治療効果は十分に発揮できない。PARP-1阻害剤は汎用のテモゾロミド(temozolamide)などのDNA損傷化学療法抗癌薬物と併用されると、DNA修復メカニズムを阻害することにより、相乗効果が発生し、DNA損傷抗癌薬物の抗癌効果を大いに増強することができる。また、PARP阻害剤は、卒中や神経変性疾患などの中枢神経系疾患を含む、細胞の過剰死亡による疾患の治療にも有用である(Akinori Iwashitaら, 2004, J. Pharmacol. Exp. Thera. 310:425)。
【0003】
WO2012130166では、PARP阻害剤としての1-(アリールメチル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンという化合物およびその合成方法が開示され、ただし、5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンを含む化合物およびそれらの合成方法が含まれる。
【0004】
WO2017167251では、1-(アリールメチル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの調製方法が提供され、ただし、5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの合成方法が含まれる。
【0005】
5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの化学的構造は以下に示す:
【0006】
【化1】
【0007】
WO2016155655では、5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末およびその調製方法が開示され、ただし、アモルファス5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンおよび重合体が含まれる。5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンを結晶化させることに比べて、該化合物を粒子径の小さいアモルファス固体分散粉末に調製することにより、該化合物の溶出速度と溶解度を増大させ、これでそのバイオアベイラビリティを向上させる。
粒子径の小さいアモルファス固体分散粉末は、流動性、吸湿性に劣り、且つある程度の凝集性がある。固体分散粉末をカプセルシェルに直接充填するには、特殊な充填装置が必要で、スケールアップ生産はできない。さらに、固体分散製剤は、貯蔵中で老化し、安定性が低下する傾向がある。そのため、固体分散製剤のシェルライフは一般的に従来の製剤よりも短く、薬物コストも大幅に上昇する。
【0008】
本開示に用いられる5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末は、粒子径が小さく、溶出速度が早く、溶解度と経口バイオアベイラビリティが高い。固体分散粉末は、臨床用カプセルシェルに直接充填することができるが、固体分散粉末の劣った流動性、吸湿性、ある程度の凝集性の欠点は、スケールアップ生産を不可能にし、且つそれらの欠点が対処できない。一般的に、該化合物の固体分散体の物理化学的特性の欠点を考慮すると、賦形剤と直接混合してカプセルに充填するプロセスを採用することができるが、材料の剥離、混合の均一性の悪さ、充填装置の閉塞によるカプセルへの円滑な充填の困難さなどの問題は生じやすい。造粒工程を加えることを考慮すると、理論的には上記の問題を軽減する可能性があるが、薬物の溶出および生体内吸収に悪影響を及ぼす可能性が高く、且つ製造コストも増加する。
【0009】
したがって、本分野において、上記の問題を解決し、カプセルの商業規模の生産を成功に達成できる実用的な製造方法が依然として求められており、調製されたカプセルは、適切な溶出速度、優れた貯蔵安定性、およびその一方で合理的な製造コストを特徴とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第2012/130166号
【特許文献2】国際公開第2017/167251号
【特許文献3】国際公開第2016/155655号
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Akinori Iwashitaら, 2004, J. Pharmacol. Exp. Thera. 310:425
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末の劣った粉末流動性、吸湿性およびある程度の凝集性の原因で、カプセルのスケールアップ生産が達成できないという問題に対処するために、本開示は、新規カプセル製剤および直接混合&カプセル充填の調製方法を提供する。本開示を実施することにより、商業規模の生産が実現でき、調製されたカプセルは、適切な溶出速度、優れた貯蔵安定性、および合理的な製造コストを特徴とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1の方面において、本開示は、活性成分としての5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末、充填剤、崩壊剤、流動化剤、および滑沢剤を含む医薬組成物を提供し、ただし、固体分散粉末中の10重量%未満、好ましくは5重量%未満、より好ましくは1重量%未満の5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンは結晶形態である。
【0014】
第二の方面において、本開示は、本開示のいずれか1つの実施形態にかかる医薬組成物およびカプセルシェルを含む経口カプセルである医薬製剤を提供し、好ましくは、カプセルシェルは植物カプセルシェルおよびゼラチンカプセルシェルからなる群から選ばれ、より好ましくは、カプセルシェルはゼラチンカプセルシェルである。
【0015】
第三の方面において、本開示は、5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末を含む経口カプセルの調製方法を提供し、ただし、該方法は下記の工程を含む:
(1)活性成分としての5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末、充填剤、崩壊剤、および流動化剤を予備混合して、予備混合物を得る;
(2)工程(1)で得られた予備混合物を篩い分けてから、再度混合して最初混合物を得る;
(3)滑沢剤を篩い分け、該滑沢剤を工程(2)で得られた最初混合物に添加してから、混合して最終混合物を得る;および
(4)工程(3)で得られた最終混合物をカプセルシェルに充填し、経口カプセルを得る。
【0016】
第四の方面において、本開示は、PARP媒介性疾患を治療または予防するための医薬製剤の調製における、本開示のいずれか1つの実施形態にかかる医薬組成物の使用を提供する。
【0017】
以下、本開示の様々な方面の詳細な実施形態を説明する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の範囲において、本開示の上記様々な技術的特徴および以下に具体的に説明される(実施例に記載される)技術的特徴は、好ましい技術的スキームを構成するために互いに組み合わされ得ることは、理解されるべきである。
【0019】
特に定義しない限り、本文に用いられる技術的用語および科学的用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
本文に用いられるように、用語の「含む」、「含有する」またはその文法的変形は、記載される組成物および方法が、言及される要素を含むが、他の要素を排除しないことを意味する。
【0020】
特に断りがない限り、本文で引用される範囲は全て包括的なものである;即ち、範囲には、範囲の上限値と下限値、およびその間の値が含まれる。例えば、本文に記載される温度範囲、百分率、均等範囲などは、範囲の上限値と下限値、およびその間の任意の値を含む。さらに、本文に開示される医薬組成物中の全成分の重量百分率の合計が100%に等しいことは、理解されるべきである。
【0021】
本開示の組成物は、活性成分と他の化学成分との混合物を含む。
本文に記載される「任意」とは、それによって指定される対象が選択されてもよいし、選択されなくてもよいことを表す。例えば、任意な充填剤とは、該充填剤が含まれている、若しくは含まれていないことを表す。
【0022】
本開示は医薬組成物を提供し、該医薬組成物は、活性成分としての5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末、充填剤、崩壊剤、流動化剤、および滑沢剤を含む。
【0023】
本文に用いられるように、5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT/CN2016/078262に開示される固体分散体であることが好ましい。好ましくは、固体分散粉末は、活性成分としての5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンと、重合体としてのヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートとを含む。固体分散粉末において、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートは固体分散粉末の総重量に基づいて、好ましくは65~77%、より好ましくは73~77%を占め、活性成分は固体分散粉末の総重量に基づいて25~33%を占める。好ましい実施形態において、固体分散粉末は、1:2~1:3の重量比で、活性成分としての5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンと、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートとからなる。特に好ましい実施形態において、固体分散粉末は、1:2~1:3の重量比で、活性成分としての5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンと、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートとからなり、好ましくは、固体分散粉末は、1:2または1:3の重量比で、活性成分としての5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンと、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートとからなる。
【0024】
いくつかの他の実施形態において、固体分散粉末は界面活性剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、界面活性剤はポロキサマー(Poloxamer)を含む。好ましくは、界面活性剤の含有量は、固体分散粉末の総重量に基づいて2~5%である。好ましい実施形態において、固体分散粉末は、1:2.8:0.2の重量比で、5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンと、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートと、ポロキサマーとからなる。
【0025】
好ましくは、固体分散粉末中の10重量%未満、好ましくは5重量%未満、より好ましくは1重量%未満、最も好ましくは0重量%の5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンは結晶形態である。
【0026】
本願において、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートは、中国薬局方に規定される基準に適合するヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートである。より具体的には、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートは、乾燥ベースで計算すると、メトキシ含有量が12.0~28.0%で、2-ヒドロキシプロポキシル含有量が4.0~23.0%で、アセチル含有量が2.0~16.0%で、サクシノイル含有量が4.0~28.0%である。
【0027】
好ましい実施形態において、医薬組成物における固体分散粉末の含有量は、医薬組成物の総重量に基づいて15~30%、好ましくは15~22%、より好ましくは16~20%である。
【0028】
好ましい実施形態において、医薬組成物における活性成分としての5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの含有量は、医薬組成物の総重量に基づいて3.5~5.0%、好ましくは4.0~5.0%である。
【0029】
本文に用いられるように、医薬組成物における充填剤は、デンプン、スクロース、微結晶セルロース、無水水酸化リン酸カルシウム、マンニトール、ラクトース、アルファ化デンプン、グルコース、マルトース、シクロデキストリン、セルロース、ケイ化微結晶セルロース、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選ばれもよい。充填剤の含有量は、医薬組成物の総重量に基づいて60~85%、好ましくは70~82%、より好ましくは75~82%であってもよい。
【0030】
好ましくは、充填剤は微結晶セルロースを含む。好ましくは、微結晶セルロースのD90は170~480μmである。いくつかの実施形態において、微結晶セルロースのD90は170~283μmである。さらに他の実施形態において、微結晶セルロースのD90は275~480μmである。D90は、Malvern Mastersizer 2000レーザー粒子径分析装置(中国薬局方第0982章)を用い、試験サンプルの屈折率を1.45にセットして測定された。
【0031】
好ましくは、微結晶セルロースの含有量は、医薬組成物の総重量に基づいて10~60%である。いくつかの実施形態において、微結晶セルロースの含有量は、医薬組成物の総重量に基づいて10~30%、好ましくは15~28%である。いくつかの実施形態において、微結晶セルロースの含有量は、医薬組成物の総重量に基づいて24~28%である。いくつかの他の実施形態において、微結晶セルロースの含有量は、医薬組成物の総重量に基づいて12~18%である。いくつかの他の実施形態において、微結晶セルロースの含有量は、医薬組成物の総重量に基づいて20~60%、好ましくは25~60%、より好ましくは35~60%、より好ましくは38~55%である。
【0032】
好ましくは、充填剤はさらにマンニトールを含む。好ましくは、マンニトールの粒子径が75μmを超える粒子の粒度分布は70%以上、好ましくは80%以上である。特に好ましい実施形態において、本発明者らは、使用されるマンニトールの粒子径が75μmを超える粒子の粒度分布が70%以上である場合と比較して、充填剤の粒子径がほぼ2倍となる場合、即ち使用されるマンニトールの粒子径が75μmを超える粒子の粒度分布が90%以上である場合、材料の流動性および自動カプセル化装置におけるカプセル充填適応性がさらに改善されることを見出した。一方、驚くことに、賦形剤の粒子径の増大は、混合やカプセル充填プロセスで材料の剥離や不均一な混合の発生に繋がらないことが判明された。スケールアップ試験生産の結果は、混合材料の均一性および完成したカプセル製品の含有量均一性が良好であり、固体分散粉末の物理化学的特性の欠点をよく克服することができ、所望の溶出特性が達成される一方、直接混合&カプセル充填プロセスの要件が満たされることを示した。よって、特に好ましい実施形態において、粒子径が75μmを超えるマンニトール粒子の粒度分布が90%以上である。粒度分布はレーザー粒度分布計を用いて測定され、ただし、振動サンプリング速度は15~30%で、オージェ速度は30~45%で、遮光度は4~12%である。
【0033】
好ましくは、マンニトールの含有量は医薬組成物の総重量に基づいて25~70%である。いくつかの実施形態において、マンニトールの含有量は、医薬組成物の総重量に基づいて50~70%、好ましくは50~68%、より好ましくは50~65%である。いくつかの実施形態において、マンニトールの含有量は、医薬組成物の総重量に基づいて50~55%である。いくつかの他の実施形態において、マンニトールの含有量は58~63%である。いくつかの実施形態において、マンニトールの含有量は、医薬組成物の総重量に基づいて25~55%である。いくつかの実施形態において、マンニトールの含有量は、医薬組成物の総重量に基づいて25~45%である。
【0034】
好ましい実施形態において、本開示の医薬組成物における充填剤は、微結晶セルロースおよびマンニトールであり、ただし、微結晶セルロースのD90は170~480μm、好ましくは275~480μmであり、且つマンニトールの粒子径が75μmを超える粒子の粒度分布は70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。
いくつかの実施形態において、医薬組成物の総重量に基づいて、微結晶セルロースの含有量は10~28%、好ましくは15~28%、24~28%または12~18%であり、且つマンニトールの含有量は50~70%、50~68%、50~65%、50~55%または58~63%である。いくつかの他の実施形態において、医薬組成物の総重量に基づいて、微結晶セルロースの含有量は25~55%、35~55%、好ましくは38~55%であり、且つマンニトールの含有量は25~55%、好ましくは25~43%である。好ましくは、医薬組成物の総重量に基づいて、微結晶セルロースとマンニトールの総重量は60~85%、好ましくは70~82%、より好ましくは70~80%または75~80%または76~81%を占める。
【0035】
好ましくは、本開示の医薬組成物において、充填剤がマンニトールおよび微結晶セルロースである場合、マンニトールの量は(重量で)微結晶セルロースの量の0.5~7倍、例えば0.5~1倍または2~7倍である。
【0036】
本文に用いられるように、医薬組成物における崩壊剤は、カルボキシメチルデンプンナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、クロスカルメロース、メチルセルロース、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウム、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選ばれてもよい。好ましくは、崩壊剤はクロスポビドン、クロスカルメロース、またはクロスカルメロースナトリウムである。一般的に、医薬組成物における崩壊剤の含有量は、医薬組成物の総重量に基づいて0.1~10%、好ましくは0.5~3%であってもよい。好ましい実施形態において、崩壊剤はクロスポビドン及び/又はクロスカルメロースナトリウムであり、且つクロスポビドン及び/又はクロスカルメロースナトリウムの含有量は、医薬組成物の総重量に基づいて0.5~3%である。いくつかの実施形態において、クロスポビドンの粒子径(D90)は270~385μmに制御される。
【0037】
本文に用いられるように、流動化剤は、粉末セルロース、三ケイ酸マグネシウム、コロイダル二酸化ケイ素、タルク、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選ばれてもよい。好ましくは、流動化剤はコロイダル二酸化ケイ素である。流動化剤の含有量は、医薬組成物の総重量に基づいて0.1~10%、好ましくは0.5~3%、より好ましくは1~3%であってもよい。
【0038】
本文に用いられるように、滑沢剤は、ステアリン酸亜鉛、モノステアリン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選ばれてもよい。好ましくは、滑沢剤はステアリン酸マグネシウムである。滑沢剤の含有量は、医薬組成物の総重量に基づいて0.1~3%、好ましくは0.3~1%、例えば0.5±0.1%であってもよい。
【0039】
いくつかの実施形態において、本文に記載される医薬組成物は、結合剤及び/又は可溶化剤をさらに含んでもよい。
医薬組成物に含まれる様々な賦形剤、例えば界面活性剤、充填剤、崩壊剤、流動化剤、滑沢剤、結合剤、および可溶化剤は、本分野において従来から使用されている薬学的に許容される賦形剤であり、各国の薬局方の要件を満たしていることは、理解されるべきである。
特に好ましい実施形態において、本願にかかる医薬組成物は、医薬組成物の総重量に基づいて、
16~20%の固体分散粉末、ただし、該固体分散粉末は、1:3の重量比で、活性成分としての5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンと、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートとからなり、且つ5重量%未満、好ましくは1重量%未満の5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンは結晶形態である;
10~28%の微結晶セルロース、ただし、該微結晶セルロースのD90は170~480μm、好ましくは275~480μmである;
50~70%のマンニトール、ただし、マンニトールの粒子径が75μmを超える粒子の粒度分布は70%以上、好ましくは90%以上である;
0.5~3%のクロスポビドン及び/又はクロスカルメロースナトリウム;
1~3%のコロイダル二酸化ケイ素;および
0.3~1%、例えば0.5±0.2%または0.5±0.1%のステアリン酸マグネシウム
を含む。
【0040】
いくつかの他の特に好ましい実施形態において、本願にかかる医薬組成物は、医薬組成物の総重量に基づいて、
16~20%の固体分散粉末、ただし、該固体分散粉末は、1:3の重量比で、活性成分としての5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンと、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートとからなり、且つ5重量%未満、好ましくは1重量%未満の5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンは結晶形態である;
25~55%の微結晶セルロース、ただし、該微結晶セルロースのD90は170~480μm、好ましくは275~480μmである;
25~55%のマンニトール、ただし、マンニトールの粒子径が75μmを超える粒子の粒度分布は70%以上、好ましくは90%以上である;
0.5~3%のクロスポビドン及び/又はクロスカルメロースナトリウム;
1~3%のコロイダル二酸化ケイ素;および
0.3~1%、例えば0.5±0.2%または0.5±0.1%のステアリン酸マグネシウム
を含む。
【0041】
好ましくは、1回の投与量当たりに15mg以上の5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンを含有する医薬組成物の場合、医薬組成物の総重量に基づいて、微結晶セルロースの含有量は10~28%の範囲であってもよく、マンニトールの含有量は50~68%の範囲であってもよい。それに、1回の投与量当たりに15mg未満の5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンを含有する医薬組成物の場合、医薬組成物の総重量に基づいて、微結晶セルロースの含有量は25~55%の範囲であってもよく、マンニトールの含有量は25~55%の範囲であってもよい。
【0042】
別の方面において、本開示は、本開示のいずれか1つの実施形態にかかる医薬組成物とカプセルシェルとを含む経口カプセルである医薬製剤を提供する。好ましくは、カプセルシェルは植物カプセルシェルおよびゼラチンカプセルシェルからなる群から選ばれ、より好ましくは、カプセルシェルはゼラチンカプセルシェルである。好ましい実施形態において、カプセルは、1つのカプセル当たりに10~20mgの活性成分としての5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンを含む。
【0043】
特に好ましい実施形態において、カプセルは、1つのカプセル当たりに10mgの活性成分を含むカプセルであり、且つカプセルにおける医薬組成物は、
16~20%の固体分散粉末、ただし、該固体分散粉末は、1:3の重量比で、活性成分としての5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンと、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートとからなり、且つ5重量%未満、好ましくは1重量%未満の5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンは結晶形態である;
23~28%の微結晶セルロース、ただし、該微結晶セルロースのD90は170~480μm、好ましくは275~480μmである;
50~55%のマンニトール、ただし、マンニトールの粒子径が75μmを超える粒子の粒度分布は70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である;
0.5~3%のクロスポビドン及び/又はクロスカルメロースナトリウム;
1~3%のコロイダル二酸化ケイ素;および
0.3~1%、例えば0.5±0.1%のステアリン酸マグネシウム
を含む。
【0044】
別の特に好ましい実施形態において、カプセルは、1つのカプセル当たりに20mgの活性成分を含むカプセルであり、且つカプセルにおける医薬組成物は、
16~20%の固体分散粉末、ただし、該固体分散粉末は、1:3の重量比で、活性成分としての5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンと、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートとからなり、且つ5重量%未満、好ましくは1重量%未満の5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンは結晶形態である;
10~28%の微結晶セルロース、ただし、該微結晶セルロースのD90は170~480μm、好ましくは275~480μmである;
50~70%のマンニトール、ただし、マンニトールの粒子径が75μmを超える粒子の粒度分布は70%以上、好ましくは90%以上である;
0.5~3%のクロスポビドン及び/又はクロスカルメロースナトリウム;
1~3%のコロイダル二酸化ケイ素;および
0.3~1%、例えば0.5±0.1%のステアリン酸マグネシウム
を含む。
【0045】
本開示のカプセルの中間体は、良好な流動性を有し、直接混合した後のカプセル充填に適用可能である。造粒が不要なため、全プロセスの工程が簡素化され、製剤化プロセスが製品のバイオアベイラビリティに与える影響も軽減される。上述のカプセル製剤用組成物は、満足のいく安定性、バイオアベイラビリティ要件を満たす溶出特性、および合理的な製造コストを特徴とする医薬品をもたらすことができる。
【0046】
別の方面において、本開示は、5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末を含む経口カプセルの調製方法を提供し、ただし、該方法は下記の工程を含む:
(1)活性成分としての5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末、充填剤、崩壊剤、および流動化剤を予備混合して、予備混合物を得る;
(2)工程(1)で得られた予備混合物を篩い分けてから、再度混合して最初混合物を得る;
(3)滑沢剤を篩い分け、該滑沢剤を工程(2)で得られた最初混合物に添加してから、混合して最終混合物を得る;および
(4)工程(3)で得られた最終混合物をカプセルシェルに充填し、経口カプセルを得る。
【0047】
好ましくは、工程(1)における予備混合は、3~40rpmの回転速度で2~20min行われる。いくつかの実施形態において、工程(1)における予備混合は、3~20rpm、好ましくは3~8rpmの回転速度で2~8min、好ましくは3~5min行われる。
【0048】
好ましくは、工程(2)における篩い分けは、真空負圧篩を用いて行われ、篩い分けに使用されるスクリーンのサイズは20~40メッシュ、好ましくは30メッシュである。
好ましくは、工程(2)における最初混合物は、予備混合物を3~40rpmの回転速度で3~20min混合することで得られる。いくつかの実施形態において、工程(2)における最初混合物は、予備混合物を3~20rpm、好ましくは3~8rpmの回転速度で3~15min、好ましくは6~10min混合することで得られる。
【0049】
好ましくは、工程(3)における篩い分けに使用されるスクリーンのサイズは20~40メッシュ、好ましくは30メッシュである。
好ましくは、工程(3)における混合は、3~40rpmの回転速度で2~20min行われる。いくつかの実施形態において、工程(3)における混合は、3~20rpm、好ましくは3~8rpmの回転速度で2~20min、好ましくは6~10min行われる。
【0050】
経口カプセルの調製方法において、工程(1)~(3)における混合が不十分である場合、5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末は不均一に混合粉末中に偏在することになるが、工程(1)~(3)における混合が過度である場合、5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末と賦形剤の剥離・分離が生じ、製品の品質に影響を及ぼす。
【0051】
好ましくは、本文に記載される5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末を含む経口カプセルの調製方法は、下記の工程を含む:
(1)活性成分としての5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末、充填剤、崩壊剤、および流動化剤を6rpmで3min予備混合して、予備混合物を得る;
(2)手動の篩い分けを行い、篩い分けされた予備混合物を回転速度6rpmで10min混合し、最初混合物を得る;ただし、篩い分けに使用されるスクリーンのサイズは30メッシュである;
(3)滑沢剤を30メッシュの篩で篩い分けし、篩い分けされた滑沢剤を工程(2)における最初混合物に添加し、6rpmの回転速度で15min混合して最終混合物を得る;および
(4)工程(3)で得られた最終混合物をカプセルシェルに充填し、経口カプセルを得る。
好ましくは、本文に記載される5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末を含む経口カプセルの調製方法は、下記の工程を含む:
(1)活性成分としての5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末、充填剤、崩壊剤、および流動化剤を6rpmで3min予備混合して、予備混合物を得る;
(2)真空負圧篩を用いて篩い分けを行い、篩い分けされた予備混合物を回転速度6rpmで10min混合し、最初混合物を得る;ただし、篩い分けに使用されるスクリーンのサイズは30メッシュである;
(3)滑沢剤を30メッシュの篩で篩い分けし、篩い分けされた滑沢剤を工程(2)における最初混合物に添加し、6rpmの回転速度で3min混合して最終混合物を得る;および
(4)工程(3)で得られた最終混合物をカプセルシェルに充填し、経口カプセルを得る。
上述のカプセル調製方法は、直接混合とカプセル充填の工程に関するものであるため、この方法は造粒を必要としないプロセスであり、全プロセスの工程を簡素化し、製剤化プロセスが製品のバイオアベイラビリティに与える影響を軽減することができ、且つ5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末の薬物結晶形態(アモルファス状態)は、このプロセスで変化しない。
【0052】
上述の方法によれば、5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末は賦形剤と予備混合されるため、固体分散粉末が流動性に劣り、貯蔵中で凝集しやすく、且つ単独で篩い分けしにくいという問題は効果的に解決される一方、予備混合後の篩い分けは、固体分散粉末の凝集物を粉砕し、最終的に薬物含有量の均一性を確保することができる。さらに、固体分散粉末と賦形剤を段階的に均一に混合することで、製品の含有量均一性を向上させることができる。一方、例えば過剰でない滑沢剤を有する混合条件などの合理的なプロセスパラメーターでしか、製品の溶出速度を確保することができない。
【0053】
別の方面において、本開示は、PARP媒介性疾患を治療または予防するための医薬製剤の調製における、本開示のいずれか1つの実施形態にかかる医薬組成物の治療上の使用も提供する。好ましくは、医薬製剤は経口カプセルである。また、PARP媒介性疾患を治療または予防するために用いられる、本開示のいずれか1つの実施形態にかかる医薬組成物も提供する。
【0054】
好ましくは、PARP媒介性疾患は癌である。例示的な癌は、固形腫瘍や血液腫瘍、例えば肝臓癌、メラノーマ、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、乳癌、卵巣癌、肺癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、精巣癌、軟部組織肉腫、慢性リンパ球性白血病、原発性マクログロブリン血症、膀胱癌、慢性骨髄性白血病、原発性脳腫瘍、悪性黒色腫、小細胞肺癌、胃癌、大腸癌、悪性膵島腫瘍、悪性カルチノイド癌、絨毛癌、菌状息肉症、頭頚部癌、骨原性肉腫、膵臓癌、急性骨髄性白血病、毛状細胞白血病、横紋筋肉腫、カポジ肉腫、泌尿器系腫瘍、甲状腺癌、食道癌、悪性高カルシウム血症、子宮頸部過形成、腎細胞癌、子宮内膜癌、真性多血症、特発性血小板血症、副腎皮質癌、皮膚癌、前立腺癌を含む。
【0055】
いくつかの実施形態において、医薬製剤は、薬物の組み合わせであり、本開示のいずれか1つの実施形態にかかる医薬組成物と、少なくとも1つの公知の抗癌薬または抗癌薬の薬学的に許容される塩とを含む。医薬組成物および少なくとも1つの公知の抗癌薬またはその薬学的に許容される塩は、独立した医薬製品の形態で、または両者の混合物の形態で調製することができる。好ましくは、公知の抗癌薬は、以下の1つ以上の抗癌剤から選ばれてもよい:ブスルファン、メルファラン、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、テモゾロミド、ベンダムスチン、シスプラチン、マイトマイシンC、ブレオマイシン、カルボプラチン、カンプトテシン、イリノテカン、トポテカン、ドキソルビシン、エピルビシン、アクラシノマイシン、ミトキサントロン、メチルヒドロキシエリプチシン、エトポシド、5-アザシチジン、ゲムシタビン、5-フルオロウラシル、メトトレキサート、5-フルオロ-2’-デオキシウリジン、フルダラビン、ネララビン、シタラビン、アラノシン、プララトレキサート、ペメトレキセド、ヒドロキシ尿素、チオグアニン、コルヒチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、パクリタキセル、イキサベピロン、カバジタキセル、ドセタキセル、アレムツズマブ(キャンパス(Campath))、パニツムマブ、オファツムマブ、ベバシズマブ、ハーセプチン、リツキシマブ、イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、ニロチニブ、ダサチニブ、パゾパニブ、テムシロリムス、エベロリムス、ボリノスタット、ロミデプシン、タモキシフェン、レトロゾール、フルベストラント、ミトグアゾン、オクトレオチド、レチノイン酸、三酸化ヒ素、ゾレドロン酸、ボルテゾミブ、サリドマイドまたはレナリドミド。
【0056】
いくつかの実施形態において、本開示のいずれか1つの実施形態にかかる医薬組成物または医薬製剤は、放射線療法と併用することができる。
また、本文においては、PARP媒介性疾患を治療または予防するための方法であって、本開示のいずれか1つの実施形態にかかる医薬組成物または医薬製剤の治療有効量または予防有効量を、必要とする対象に投与することを含む方法も提供される。
【0057】
本文に用いられるように、「予防」、「予防し」および「予防する」とは、患者における疾患または障害の発生または増悪の可能性を低減することを含むが、この用語は以下のことも含む:特に、哺乳動物が疾患または障害にかかりやすいが、まだその疾患または障害に罹患していると診断されていない場合に、そのような哺乳動物における疾患または障害の発生を予防すること。「治療」および他の類似の同義語は、以下の意味を含む:(i)疾患または障害を抑制すること、即ちその発症を阻止すること;(ii)疾患または障害を緩和すること、即ち疾患または障害の退行を引き起こすこと;または(iii)疾患または障害によって引き起こされる症状を緩和すること。
【0058】
本文に用いられるように、「投与」とは、生物学的作用の目的で化合物または組成物を所望の部位に送達することができる方法を指す。本開示では、本分野で公知の投与方法を適用できる。本文に用いられるように、好ましい投与経路は経口投与である。
【0059】
本文に用いられるように、治療有効量および予防有効量とは、対象に投与される場合、疾患または病状の1つ以上の症状、或いは疾患または病状の進行を予防または改善するのに有効な、本願の医薬組成物または医薬製剤の量を指す。具体的な有効量は、様々な要因、例えば治療される特定の疾患、患者の体重、年齢や性別などの身体的条件、治療機関、併用される治療(もしあれば)、および使用される具体的な製剤組成物に依存する。
【0060】
いくつかの実施形態において、治療または予防方法は、本文に記載される少なくとも1つの公知の抗癌薬またはその薬学的に許容される塩、及び/又は放射線療法を、必要とする対象に同時にまたは順次に投与することをさらに含む。
【実施例
【0061】
以下の実施例は、当業者が本開示をより包括的に理解するのに役立つが、本開示を限定することを何ら意図するものではない。賦形剤は全て市販されているものである。
実施例1:5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末の調製
固体分散体の配合は以下に示す:
【0062】
【表1】
【0063】
調製方法:
5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートをテトラヒドロフランとメタノールの混合溶液(7:3、v/v)に溶解してから、スプレードライヤーで噴霧乾燥を行い、回収した噴霧乾燥分散体を真空乾燥機で乾燥し、5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末を得た。検出によると、固体分散粉末中の1重量%未満の5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンは結晶形態であった。
【0064】
実施例2:5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末を含む経口カプセルの調製
1つのカプセル当たりに10mgの5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンを含むカプセルの配合は以下に示す:
【0065】
【表2】
【0066】
調製方法:
実施例1で調製した5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末、微結晶セルロース、マンニトール、クロスカルメロースナトリウムおよびコロイダル二酸化ケイ素をユニバーサルミキサーに添加し、40rpmの回転速度で5min混合した。次に、40メッシュのスクリーンを用いて篩い分けを行い、篩い分けられた材料を40rpmの回転速度で8min混合した。ステアリン酸マグネシウムを30メッシュの篩で篩い分け、ユニバーサルミキサーに添加してから、40rpmの回転速度で3min混合した。得られた混合粉末を空のゼラチンカプセルシェルに充填し、経口カプセルを得た。
【0067】
実施例3:イヌにおけるPK研究
実施例2で調製したカプセルおよび5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末の直接充填カプセル(固体分散粉末の配合および調製方法は実施例1に記載したとおり)は、イヌにおけるインビボダブルクロスオーバーPK実験研究に供した。第I相では、実験イヌの第1群に実施例2のカプセルを経口投与し、第2群に固体分散粉末の直接充填カプセルを投与した;7日間の休薬期間の後、第II相を実施し、第1群に固体分散粉末の直接充填カプセルを投与し、第2群に実施例2のカプセルを投与した。各群に3匹の雄ビーグルイヌがいた;全ての実験イヌは絶食させ、投与4時間後に給餌した。投与量は0.8mg/kgであった。実験結果は表1に示す。T検定によると、実施例2で調製したカプセルと固体分散粉末の直接充填カプセルのイヌにおけるCmax、TmaxおよびAUC0-lastに有意差がなく(p>0.05)、これは、実施例2のカプセル製剤組成および調製プロセスが薬物の生体内吸収に明らかな影響を及ぼさないことを示す。
【0068】
【表3】
【0069】
実施例4:5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末を含む経口カプセルの調製
1つのカプセル当たりに10mgの5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンを含むカプセルの配合は以下に示す:
【0070】
【表4】
【0071】
調製方法:
実施例1で調製した5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末、微結晶セルロース、マンニトール、クロスカルメロースナトリウムおよびコロイダル二酸化ケイ素をミキサーに添加し、15rpmの回転速度で3min混合した。 次に、30メッシュのスクリーンを用いて篩い分けを行い、篩い分けられた材料を15rpmの回転速度で10min混合した。ステアリン酸マグネシウムを30メッシュの篩で篩い分け、ミキサーに添加してから、15rpmの回転速度で3min混合した。得られた混合粉末を空のゼラチンカプセルシェルに充填し、経口カプセルを得た。
【0072】
実施例5:5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末を含む経口カプセルの調製
1つのカプセル当たりに10mgの5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンを含むカプセルの配合は以下に示す:
【0073】
【表5】
【0074】
調製方法:
実施例1で調製した5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末、微結晶セルロース、マンニトール、クロスカルメロースナトリウムおよびコロイダル二酸化ケイ素をミキサーに添加し、15rpmの回転速度で3min混合した。次に、30メッシュのスクリーンを用いて篩い分けを行い、篩い分けられた材料を15rpmの回転速度で10min混合した。ステアリン酸マグネシウムを30メッシュの篩で篩い分け、ミキサーに添加してから、15rpmの回転速度で3min混合した。得られた混合粉末を空のゼラチンカプセルシェルに充填し、経口カプセルを得た。
【0075】
実施例6:5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末を含む経口カプセルの調製
1つのカプセル当たりに10mgの5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンを含むカプセルの配合は以下に示す:
【0076】
【表6】
【0077】
調製方法:
実施例1で調製した5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末、微結晶セルロース、マンニトール、クロスカルメロースナトリウムおよびコロイダル二酸化ケイ素をミキサーに添加し、15rpmの回転速度で3min混合した。 次に、30メッシュのスクリーンを用いて篩い分けを行い、篩い分けられた材料を15rpmの回転速度で10min混合した。ステアリン酸マグネシウムを30メッシュの篩で篩い分け、ミキサーに添加してから、15rpmの回転速度で3min混合した。得られた混合粉末を空のゼラチンカプセルシェルに充填し、経口カプセルを得た。
【0078】
実施例7:5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末を含む経口カプセルの調製
1つのカプセル当たりに10mgの5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンを含むカプセルの配合は以下に示す:
【0079】
【表7】
【0080】
調製方法:
実施例1で調製した5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末、微結晶セルロース、マンニトール、クロスポビドンおよびコロイダル二酸化ケイ素をミキサーに添加し、15rpmの回転速度で3min混合した。次に、30メッシュのスクリーンを用いて篩い分けを行い、篩い分けられた材料を15rpmの回転速度で10min混合した。ステアリン酸マグネシウムを30メッシュの篩で篩い分け、ミキサーに添加してから、15rpmの回転速度で3min混合した。得られた混合粉末を空のゼラチンカプセルシェルに充填し、経口カプセルを得た。
【0081】
実施例8:混合粉末の特性の検出
実施例4~7で得られた混合粉末および5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末の微粒子特性(micromeritic properties)を検出し、安息角、含水率、嵩密度/タップ密度、カーの指数などの結果は表2に示す。
【0082】
【表8】
【0083】
表2の結果からわかるように、実施例4~7の混合粉末は固体分散粉末と比較して、嵩密度が有意に増加し、カーの指数が有意に減少し、材料の流動性が有意に改善された。
実施例4~7の製剤において、充填剤(微結晶セルロース)の粒子径(D90)は170~283μmに制御され、且つマンニトールの粒子径が75μm(200メッシュ)を超える粒子の粒度分布は70%以上に制御されたことから、材料の流動性が効果的に改善され、カプセル充填の要件を満たす。
【0084】
実施例9:溶出の検出
実施例4~7で調製したカプセルおよび5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末の直接充填カプセル(固体分散粉末の配合および調製方法は実施例1に記載したとおり)は、溶出速度の検出に供した;検出方法は下記のとおりであった:インビトロ溶出試験において、検出には自動サンプリング溶出試験機を用い、パドル法を選択し、自動サンプリング溶出試験機の水浴温度を37±0.5℃に設定し、溶出媒体としてpH6.8の2.0%SDS含有緩衝液を選択し、その体積を900mLとした。 サンプルは10min、15min、20min、30min、45min、60minに採取し、そして限界速度250rpmで30min回転させた後にも採取し、全サンプルをナイロンニードルフィルターに通し、サンプルの溶出速度の測定法によって分析した。結果は表3-1および3-2に示す。
【0085】
【表9-1】
【0086】
【表9-2】
【0087】
表3-1および表3-2の結果は、実施例4~7で調製したカプセルは、固体分散粉末の直接充填カプセルと比較して、溶出速度の有意な低下が認められず、いずれも製品の品質管理要件を満たすことを示す。
【0088】
実施例10:5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末を含む経口カプセルの調製
1つのカプセル当たりに10mgの5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンを含むカプセルの配合は以下に示す:
【0089】
【表10】
【0090】
調製方法:
実施例1で調製した5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末、微結晶セルロース、マンニトール、クロスポビドンおよびコロイダル二酸化ケイ素をホッパーミキサーに添加し、15rpmの回転速度で3min混合した。次に、30メッシュのスクリーンを用いて篩い分けを行い、篩い分けられた材料を15rpmの回転速度で10min混合した。ステアリン酸マグネシウムを30メッシュの篩で篩い分け、ミキサーに添加してから、15rpmの回転速度で3min混合した。得られた混合粉末を空のゼラチンカプセルシェルに充填し、経口カプセルを得た。
【0091】
実施例11:5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末を含む経口カプセルの調製
1つのカプセル当たりに10mgの5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンを含むカプセルの配合は以下に示す:
【0092】
【表11】
【0093】
調製方法:
実施例1で調製した5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末、微結晶セルロース、マンニトール、クロスポビドンおよびコロイダル二酸化ケイ素をミキサーに添加し、15rpmの回転速度で3min混合した。次に、30メッシュのスクリーンを用いて篩い分けを行い、篩い分けられた材料を15rpmの回転速度で10min混合した。ステアリン酸マグネシウムを30メッシュの篩で篩い分け、ミキサーに添加してから、15rpmの回転速度で3min混合した。得られた混合粉末を空のゼラチンカプセルシェルに充填し、経口カプセルを得た。
【0094】
実施例12:5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末を含む経口カプセルの調製
1つのカプセル当たりに10mgの5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンを含むカプセルの配合は以下に示す:
【0095】
【表12】
【0096】
調製方法:
実施例1で調製した5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末、微結晶セルロース、マンニトール、クロスポビドンおよびコロイダル二酸化ケイ素をミキサーに添加し、15rpmの回転速度で3min混合した。次に、30メッシュのスクリーンを用いて篩い分けを行い、篩い分けられた材料を15rpmの回転速度で10min混合した。ステアリン酸マグネシウムを30メッシュの篩で篩い分け、ミキサーに添加してから、15rpmの回転速度で3min混合した。得られた混合粉末を空のゼラチンカプセルシェルに充填し、経口カプセルを得た。
【0097】
実施例13:5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末を含む経口カプセルの調製
1つのカプセル当たりに10mgの5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンを含むカプセルの配合は以下に示す:
【0098】
【表13】
【0099】
調製方法:
5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末、微結晶セルロース、マンニトール、クロスポビドンおよびコロイダル二酸化ケイ素をミキサーに添加し、6rpmの回転速度で3min混合した。次に、30メッシュのスクリーンを用いて篩い分けを行い、篩い分けられた材料を6rpmの回転速度で10min混合した。 ステアリン酸マグネシウムを30メッシュの篩で篩い分け、ミキサーに添加してから、6rpmの回転速度で3min混合した。得られた混合粉末を空のゼラチンカプセルシェルに充填し、経口カプセルを得た。
【0100】
実施例14:5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末を含む経口カプセルの調製
1つのカプセル当たりに10mgの5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンを含むカプセルの配合は以下に示す:
【0101】
【表14】
【0102】
調製方法:
5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末、微結晶セルロース、マンニトール、クロスポビドンおよびコロイダル二酸化ケイ素をミキサーに添加し、6rpmの回転速度で3min混合した。次に、30メッシュのスクリーンを用いて篩い分けを行い、篩い分けられた材料を6rpmの回転速度で10min混合した。 ステアリン酸マグネシウムを30メッシュの篩で篩い分け、ミキサーに添加してから、6rpmの回転速度で3min混合した。得られた混合粉末を空のゼラチンカプセルシェルに充填し、経口カプセルを得た。
【0103】
実施例15:混合粉末の特性の検出
実施例10~14で得られた混合粉末および5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末の微粒子特性(micromeritic properties)を検出し、安息角、含水率、嵩密度/タップ密度、カーの指数などの結果は表4に示す。
【0104】
【表15】
【0105】
表4の結果からわかるように、実施例10~14の混合粉末は固体分散粉末と比較して、嵩密度が有意に増加し、カーの指数が有意に減少し、材料の流動性が有意に改善された。
【0106】
実施例16:カプセル充填研究
実施例10~14で調製した混合粉末を、ラボスケールの自動カプセル充填機を用いてカプセル充填に供した。目標充填重量になるように機械を試運転させた後、正式なカプセル充填を行い、カプセルの重量を検出した。検出結果は表5~8に示す。
【0107】
【表16】
【0108】
【表17】
【0109】
【表18】
【0110】
【表19】
【0111】
カプセル充填プロセスのカプセル重量プロセス内管理は、実施例10~14のそれぞれについて10分間ごとに行った。表5~8の結果は、実施例10~12の70min(実施例13~14の30min)のカプセル充填プロセスにおいて、カプセル重量が全て限界内にあり、相対標準偏差が小さいことを示す。この結果は、実施例10~14の賦形剤の種類と割合が、材料の流動性を効果的に改善し、その結果、機器カプセル化の要件を満たせることを示す。
【0112】
実施例17:溶出の検出
実施例10~14で調製したカプセルおよび5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末の直接充填カプセル(固体分散粉末の配合および調製方法は実施例1に記載したとおり)は、溶出速度の検出に供した;検出方法は下記のとおりであった:インビトロ溶出試験において、検出には自動サンプリング溶出試験機を用い、中国薬局方0931の「溶出速度」の項におけるバスケット法を選択し、自動サンプリング溶出試験機の水浴温度を37±0.5℃に設定し、溶出媒体としてpH6.8の2.0%SDS含有緩衝液を選択し、その体積を900mLとした。サンプルは10min、15min、20min、30min、45min、60minに採取し、そして限界速度250rpmで30min回転させた後にも採取し、全サンプルをナイロンニードルフィルターに通し、サンプルの溶出速度の測定法によって分析した。結果は表9に示す。
【0113】
【表20】
【0114】
表9の結果は、実施例10~14で調製されたカプセルは、固体分散粉末の直接充填カプセルと比較して、溶出速度の有意な低下を示さないことを示す。
実施例18:含有量均一性の検出
実施例10~12で調製したカプセルの含有量均一性を検出し、結果は表10に示す。
【0115】
【表21】
【0116】
表10の結果は、実施例10~12のカプセルの含有量均一性が規格に準拠していることを示す。
実施例10~14の製剤において、充填剤(微結晶セルロース)の粒子径(D90)は275~480μmに制御され、且つマンニトールの粒子径が75μm(200メッシュ)を超える粒子の粒度分布は90%以上に制御された結果、充填剤の粒子径は実施例2および4~7の充填剤の粒子径と比較してほぼ2倍になっている。材料の流動性および自動カプセル化装置でのカプセル充填適応性はさらに向上する。一方、驚くことに、賦形剤の粒子径の増大は、混合やカプセル充填プロセスので剥離や不均一な混合などの発生に繋がらないことが判明された。さらに、スケールアップ試験製造の結果は、混合材料の均一性および完成したカプセル製品の含有量均一性が優れたことを示し、これにより、該製剤が固体分散粉末の物理化学的特性の欠点をよく克服することができ、所望の溶出特性を有する一方、直接混合&カプセル充填プロセスの要件を満たせることを示唆している。
【0117】
実施例19:イヌにおけるPK研究
実施例10で調製したカプセルおよび5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末の直接充填カプセル(固体分散粉末の配合および調製方法は実施例1に記載したとおり)は、イヌにおけるインビボPK実験研究に供した。全ての実験イヌは絶食させ、投与4時間後に給餌した。投与量は0.8mpkであった。結果は表11に示す。
【0118】
【表22】
【0119】
表11のデータの分析によれば、実施例10で調製したカプセルのCmaxおよびAUC0-lastは、固体分散粉末の直接充填カプセルのCmaxおよびAUC0-lastと有意差がなかった。
【0120】
実施例20
商業的バッチ(1,000,000カプセル)に達するまで、実施例10の製剤を用いてスケールアップ生産の複数のバッチを実施し、生産されたいくつかの代表的なバッチを本文の表12にまとめた。
【0121】
【表23】
【0122】
調製方法:実施例1で調製した5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末、微結晶セルロース、マンニトール、クロスポビドンおよびコロイダル二酸化ケイ素をホッパーブレンダーに添加し、6rpmの回転速度で3min混合した。次に、30メッシュのスクリーンを用いて篩い分けを行い、篩い分けられた材料を6rpmの回転速度で10min混合した。ステアリン酸マグネシウムを30メッシュの篩で篩い分け、ホッパーミキサーに添加してから、6rpmの回転速度で3min混合した。得られた混合粉末を空のゼラチンカプセルシェルに充填し、経口カプセルを得た。
【0123】
実施例20の各バッチの混合粉末は、配合均一性および流動性が良好であるため、カプセルへのスムーズな充填が達成できる。配合均一性、嵩密度/タップ密度、カーの指数の結果は表13に示す。
【0124】
【表24】
【0125】
実施例20の経口カプセルバッチについて溶出を調査した結果は、60minでの溶出速度がいずれも75%を超えるので、それらのカプセルが品質管理の要件を満たせることを示す。
【0126】
5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末を含む経口カプセルを高密度ポリエチレン瓶に包装、密封し、25℃/60%RHおよび40℃/75%RHの条件下で安定性を調査し、検出項目は、含有量、関連物質、結晶形態などを含んだ。結果は、それらのカプセルが24ヶ月安定していることを示す。
【0127】
実施例21:5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末を含む経口カプセルの調製
1つのカプセル当たりに20mgの5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンを含むカプセルの配合は以下に示す:
【0128】
【表25】
【0129】
調製方法:
実施例1で調製した5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末、微結晶セルロース、マンニトール、クロスポビドンおよびコロイダル二酸化ケイ素をミキサーに添加し、15rpmの回転速度で3min混合した。次に、30メッシュのスクリーンを用いて篩い分けを行い、篩い分けられた材料を15rpmの回転速度で10min混合した。ステアリン酸マグネシウムを30メッシュの篩で篩い分け、ミキサーに添加してから、15rpmの回転速度で3min混合した。得られた混合粉末を空のゼラチンカプセルシェルに充填し、経口カプセルを得た。
【0130】
実施例22:5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末を含む経口カプセルの調製
1つのカプセル当たりに20mgの5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンを含むカプセルの配合は以下に示す:
【0131】
【表26】
【0132】
調製方法:
実施例1で調製した5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末、微結晶セルロース、マンニトール、クロスポビドンおよびコロイダル二酸化ケイ素をミキサーに添加し、15rpmの回転速度で3min混合した。次に、30メッシュのスクリーンを用いて篩い分けを行い、篩い分けられた材料を15rpmの回転速度で10min混合した。ステアリン酸マグネシウムを30メッシュの篩で篩い分け、ミキサーに添加してから、15rpmの回転速度で3min混合した。得られた混合粉末を空のゼラチンカプセルシェルに充填し、経口カプセルを得た。
【0133】
実施例23:5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末を含む経口カプセルの調製
1つのカプセル当たりに20mgの5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンを含むカプセルの配合は以下に示す:
【0134】
【表27】
【0135】
調製方法:
実施例1で調製した5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末、微結晶セルロース、マンニトール、クロスポビドンおよびコロイダル二酸化ケイ素をミキサーに添加し、15rpmの回転速度で3min混合した。次に、30メッシュのスクリーンを用いて篩い分けを行い、篩い分けられた材料を15rpmの回転速度で10min混合した。フマル酸ナトリウムを30メッシュの篩で篩い分け、ミキサーに添加してから、15rpmの回転速度で3min混合した。得られた混合粉末を空のゼラチンカプセルシェルに充填し、経口カプセルを得た。
【0136】
実施例24:5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末を含む経口カプセルの調製
1つのカプセル当たりに20mgの5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンを含むカプセルの配合は以下に示す:
【0137】
【表28】
【0138】
調製方法:
実施例1で調製した5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末、微結晶セルロース、マンニトール、クロスポビドンおよびコロイダル二酸化ケイ素をミキサーに添加し、15rpmの回転速度で3min混合した。次に、30メッシュのスクリーンを用いて篩い分けを行い、篩い分けられた材料を15rpmの回転速度で10min混合した。ステアリン酸マグネシウムを30メッシュの篩で篩い分け、ミキサーに添加してから、15rpmの回転速度で3min混合した。得られた混合粉末を空のゼラチンカプセルシェルに充填し、経口カプセルを得た。
【0139】
上述の方法により検出されたように、実施例21~24で調製した混合粉末は、配合均一性および流動性が良好であるため、カプセルへのスムーズな充填が達成できる。
実施例21~24で調製したカプセルについて溶出を検出した結果は、60minでの溶出速度がいずれも75%を超えるので、それらのカプセルが相応の品質管理の要件を満たせることを示す。
【0140】
比較例1:5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末を含む経口カプセルの調製
1つのカプセル当たりに10mgの5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンを含むカプセルの配合は以下に示す:
【0141】
【表29】
【0142】
バッチAの調製方法:実施例1で調製した5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末、微結晶セルロース、マンニトールおよびクロスカルメロースナトリウムを湿式造粒機に添加し、400rpmの撹拌速度と1500rpmのカッターナイフ速度で5min混合してから、適量の精製水を添加して湿式造粒した。調製した湿式顆粒を湿式造粒・乾燥に供し、乾燥後に得られた顆粒と添加したコロイダル二酸化ケイ素を15rpmの回転速度で10min混合した。60メッシュの篩で篩い分けたステアリン酸マグネシウムを添加してから、15rpmの回転速度で3min混合した。最後に、得られた混合顆粒を空のゼラチンカプセルシェルに充填し、経口カプセルを得た。
【0143】
バッチBの調製方法:実施例1で調製した5-フルオロ-1-(4-フルオロ-3-(4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオンの固体分散粉末、微結晶セルロース、マンニトールおよびクロスカルメロースナトリウムをユニバーサルミキサーに添加して混合した。得られた混合材料を乾式造粒に供し、乾式造粒後に得られた顆粒と添加したコロイダル二酸化ケイ素を最低回転速度で5min混合した。60メッシュの篩で篩い分けたステアリン酸マグネシウムを添加してから、最低回転速度で5min混合した。最後に、得られた混合顆粒を空のゼラチンカプセルシェルに充填し、経口カプセルを得た。
【0144】
バッチAでは湿式造粒プロセスが行われ、調製された混合顆粒は流動性がよく、品質が安定しており、カプセル充填プロセスにおける重量差も小さかった。しかし、サンプルのXRPD検出パターンは、湿式造粒により得られた混合顆粒のXRPDパターンが、完全にブランクの賦形剤のXRPDパターンと比較して変化したことを示し、薬物物質と賦形剤との間の相溶性試験の結果によれば、この変化は主に高温高湿条件下での固体分散体中のヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートの分解に起因するものと推定される。
【0145】
バッチBでは乾式造粒が行われた。造粒時、多くの材料がローラーに付着したが、これは主に固体分散帯の吸湿性とある程度の凝集性に起因するものであった。
本開示を詳細に説明したが、当業者にとって、本開示の範囲またはその任意の実施形態に影響を与えることなく、条件、配合および他のパラメータの広い範囲および均等範囲内で同じように行うことができることは、理解すべきである。本文で引用されたすべての特許、特許出願、および刊行物は、それらの全体が参照により本文に組み込まれる。
【国際調査報告】